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特表2023-535906NORメモリストリングの3次元メモリ構造を製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-22
(54)【発明の名称】NORメモリストリングの3次元メモリ構造を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20230815BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230815BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20230815BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
H01L21/28 301R
H01L29/50 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504165
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 US2021042607
(87)【国際公開番号】W WO2022020494
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】63/054,743
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518109985
【氏名又は名称】サンライズ メモリー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プラヤス、ヴィノード
(72)【発明者】
【氏名】ハラリ、エリ
【テーマコード(参考)】
4M104
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104BB14
4M104BB17
4M104BB18
4M104BB30
4M104BB32
4M104CC01
4M104CC05
4M104DD03
4M104DD16
4M104DD17
4M104DD33
4M104FF06
4M104FF17
4M104FF18
4M104FF22
4M104FF26
4M104GG09
4M104GG16
4M104HH14
5F083EP18
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP77
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083ER22
5F083GA09
5F083JA04
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR05
5F083PR22
5F083PR40
5F083ZA28
5F101BA45
5F101BB02
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD33
5F101BE07
5F101BH15
(57)【要約】
3次元NORメモリアレイを製造する方法は、各NORメモリストリングの薄膜記憶トランジスタを、シャフトまたは隣接するシャフト間のトレンチの一部に提供する。
【選択図】図 1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の平坦な表面上に、前記平坦な表面に実質的に垂直な第1の方向に沿って互いに積み重ねられた複数の活性多層を含み、隣接する前記活性多層が、誘電体材料の層によって互いに電気的に絶縁されており、かつ、各活性多層が、前記誘電体材料によって互いに分離された第1の導電型の第1及び第2の半導体層を含む半導体構造を設けるステップと、
互いに実質的に直交し、それぞれが前記第1の方向に直交する第2の方向及び第3の方向の両方に沿った規則的なパターンで配列され、前記半導体構造を通って前記第1の方向に沿って深さ方向に延び、かつ、前記第2の方向に沿って所定の大きさを有する複数のシャフトを設けるステップと、
各々が前記第1の方向に沿って深さ方向に延び、かつ、前記第3の方向に沿って長手方向に延びており、(a)前記第2の方向において複数の前記シャフトの複数のものと交差し、(b)前記シャフトの大きさよりも小さい前記第2の方向に沿った幅を有する複数のトレンチを前記半導体構造内に設けるステップと、
(i)各シャフト、または(ii)各トレンチの前記シャフトの隣接するもの同士の間の部分のいずれかに、(a)各活性多層の前記第1及び第2の半導体層に隣接かつ接触して形成された、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型の第3の半導体層、(b)前記第3の半導体層に隣接する電荷トラップ層、及び、(c)前記電荷トラップ層と接触する導体層を形成するステップと、を含む方法。
【請求項2】
各活性多層の前記第1及び前記第2の半導体層、前記第3の半導体層、前記電荷トラップ層、並びに導体が、それぞれ、共通ビット線、共通ソース線、チャネル領域、電荷蓄積層、及びNORメモリストリング内の薄膜記憶トランジスタのゲート電極を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3の半導体層を各前記シャフト内に形成するとき、隣接する前記シャフト間の各前記トレンチの前記一部を絶縁材料によって充填する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の半導体層を、隣接する前記シャフト間の各前記トレンチの前記一部内に形成するときに、各前記シャフトを絶縁材料によって充填する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記活性多層のそれぞれが、前記第1及び前記第2の半導体層の少なくとも1つに隣接かつ接触する前記導体層をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記導体層は、各前記活性多層における犠牲層を、前記シャフトを介して(または隣接する前記シャフト間の各前記トレンチの前記一部を通じて)除去し、原子層堆積法(ALD)導電材料を堆積して置き換えることによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記導電材料がタングステンを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記誘電体材料がシリコンオキシカーバイド(SiOC)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記電荷トラップ層は、トンネル層、電荷蓄積層、及びブロッキング層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記トンネル層が、任意の酸化ケイ素(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、任意の酸化アルミニウム(AlO)、任意の酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、任意の酸化ハフニウムシリコン(HfSi)及び任意の酸化ハフニウムジルコニウム(HfZrO)の1つ以上を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記電荷蓄積層が、窒化シリコン(SiN)、酸化ハフニウム(HfC2)、及び酸窒化ハフニウムシリコン(HfSiON)のうちの1つ以上を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ブロッキング層が、任意の酸化ケイ素(SiO)及び酸化アルミニウム(AlO)の1つ以上を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記導体が金属ライナー及び耐熱金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記金属ライナーは、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)及び窒化タンタル(TaN)のうちの1つ以上を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記耐熱金属が、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)及びモリブデン(Mo)の1以上を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記半導体構造内に前記トレンチを設ける前に、前記シャフトを誘電体ライナーでライニングするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記誘電体ライナーが酸化物ライナーを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記シャフトに犠牲材料を充填するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記犠牲材料が炭素またはタングステン(W)を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記犠牲材料を取り囲む窒化チタンの接着層をさらに提供する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第3の半導体層が前記シャフト内に形成されるとき、前記第3の半導体層を形成するステップは、
前記シャフトから犠牲材料を除去するステップと、
キャビティを作成するべく、各前記活性多層内の第1及び第2の半導体層、並びに、誘電体層に溝を形成するステップと、
前記第3の半導体層を堆積するステップと、を含む請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記電荷トラップ層が、前記シャフトの側壁にコンフォーマルに堆積される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記電荷トラップ層を形成した後、各前記シャフトを充填するように導電材料を堆積することにより、前記導体層を形成する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
隣接する前記シャフト間の各前記トレンチの前記一部を用いて前記第3の半導体層を形成するステップは、
隣接する前記シャフト間の各前記トレンチの前記一部の露出部分を介して、各前記活性多層の前記第1及び前記第2の半導体層、並びに、誘電体層に溝を形成することにより空洞を形成するステップと、
前記第3の半導体層を堆積させるステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記電荷トラップ層は、隣接する前記シャフト間の各前記トレンチの前記一部の側壁にコンフォーマルに堆積される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記導体層は、前記電荷トラップ層を形成した後、隣接する前記シャフト間の各前記トレンチの前記一部を充填するように導電材料を堆積することによって形成される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記シャフトを絶縁材料で充填するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1及び第2の半導体構造、並びに、前記半導体基板の前記平坦な表面の間にエッチング停止層を設けるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記エッチング停止層が、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、酸化アルミニウム(AlO)、または窒化アルミニウム(AlN)の1つ以上を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記エッチング停止層及び前記半導体基板の前記平坦な表面の間にパッド酸化物層をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリ集積回路の製造プロセスに関する。特に、本発明は、半導体基板の表面上に形成された3次元メモリ構造内に薄膜記憶トランジスタを製造するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の相互参照)
高密度メモリアレイ、例えば、NORメモリストリングの3次元アレイ(「3D NORメモリアレイ」)は、例えば、「Capacitive-Coupled Non-Volatile Thin-film Transistor Strings in Three-Dimensional Arrays」と題された米国特許出願公開第2017/0092371A1号(「構造に関する文献I」)、及び、「3-Dimensional NOR Memory Array Architecture and Methods for Fabrication There of」と題された米国特許出願公開第2018/0366489A1(「構造に関する文献II」)、に開示されている。構造に関する文献I及びII(これらを合わせて、以下、「構造に関する文献」と称する)の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらの3次元NORメモリアレイは、高密度かつ大容量のメモリ回路を提供するだけでなく、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)のように、回路密度がはるかに低く、電力損失が大幅に大きい従来のメモリ回路に匹敵する非常に望ましい速度のメモリ回路を設けるために動作することができる。
【0003】
構造に関する文献の実施形態によっては、3次元NORメモリアレイは、NORメモリストリングの多数のスタックを含み、各スタックは、互いにひとつずつ積み重ねられた多数のNORメモリストリングを有する。該開示においては、NORメモリストリングは、共通のドレイン領域(「共通ビット線」)及び共通のソース領域(「共通ソース線」)を共有する多数の記憶セルを含み、記憶セルは、NORメモリストリングの長手方向に沿って片面または両面に設けられる。各記憶セルは、メモリストリングと実質的に直交する導体(「ワード線」または「ローカルワード線」)によって制御される。各ワード線は、その長手方向に沿って異なるNORメモリストリング内の多数の記憶セルによって共有されることがある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一実施形態によれば、3次元NORメモリアレイを製造する方法は、シャフトまたは隣接するシャフト間のトレンチの一部にNORメモリストリングの各薄膜記憶トランジスタを提供する。
【0005】
その実施形態によれば、該方法は以下を含んでいてもよい。(i)半導体基板の平坦な表面上に、平坦な表面に実質的に垂直な第1の方向に沿って互いに積み重ねられた複数の活性多層を含み、隣接する活性多層が、誘電体材料の層によって互いに電気的に絶縁されており、かつ、各活性多層が、誘電体材料によって互いに分離された第1の導電型の第1及び第2の半導体層を含む半導体構造を設けるステップと、(ii)互いに実質的に直交し、それぞれが第1の方向に直交する第2の方向及び第3の方向の両方に沿った規則的なパターンで配列され、半導体構造を通って第1の方向に沿って深さ方向に延び、かつ、第2の方向に沿って所定の大きさを有する複数のシャフトを設けるステップと、(iii)各々が第1の方向に沿って深さ方向に延び、かつ、第3の方向に沿って長手方向に延びており、(a)第2の方向においてシャフトの複数のものと交差し、(b)シャフトの大きさよりも小さい第2の方向に沿った幅を有する複数のトレンチを半導体構造内に設けるステップと、(iv)(a)各シャフト、または(b)各トレンチのシャフトの隣接するもの同士の間の部分のいずれかに、(1)各活性多層の第1及び第2の半導体層に隣接かつ接触して形成された、第1の導電型とは異なる第2の導電型の第3の半導体層、(2)第3半導体層に隣接する電荷トラップ層、及び、(3)(電荷トラップ層と接触する)導体層を形成するステップと、とを含む方法。導体層は、例えば、金属ライナー(例えば、窒化チタン)及びフィラー導電材料(タングステン(W))を含んでいてもよい。
【0006】
当該実施形態では、各活性多層の第1及び第2の半導体層、第3の半導体層、電荷トラップ層、並びに導体は、それぞれ、共通ビット線、共通ソース線、チャネル領域、電荷蓄積層、及びNORメモリストリング内の薄膜記憶トランジスタのゲート電極を提供する。
【0007】
第3の半導体層を各シャフト内に形成するとき、隣接するシャフト間の各トレンチの一部を絶縁材料によって充填する。同様に、第3の半導体層を、隣接するシャフト間の各トレンチの前記一部内に形成するときに、各シャフトを絶縁材料によって充填する。
【0008】
一実施形態では、活性多層のそれぞれが、第1及び第2の半導体層の少なくとも1つに隣接かつ接触する導体層をさらに含んでいてもよい。各活性多層内の導体層は、各活性多層内の犠牲層を置き換えることによって形成されてもよい。導電層は、原子層堆積法(ALD)導電材料、例えば、タングステンを用いて形成されてもよい。
【0009】
一実施形態では、電荷トラップ層は、トンネル層(例えば、酸化ケイ素)、電荷蓄積層、及びブロッキング層(例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、またはそれらの両方)を含む。
【0010】
一実施形態では、半導体構造にトレンチを設ける前に、シャフトを誘電体ライナ(例えば酸化物ライナ)でライニングし、犠牲材料(例えば、炭素またはタングステン)で充填する。
【0011】
本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することにより、よりよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による、3次元NORメモリアレイを含むメモリ構造におけるモジュールユニット(「タイル」)100の模式的な上面図である。
図2A-1】本発明の一実施形態による、多数の材料層(後述)の堆積後のメモリ構造200のZ-X平面における断面を示す図である。
図2A-2】本発明の一実施形態による、図1の階段部分102aまたは102bを作製するための連続した溝の形成(recessing)及びエッチングステップを示す図である。
図2B-1】メモリ構造200のアレイ部分101の上面図である。
図2B-2】本発明の一実施形態における、エッチングステップによりエッチング停止層202までシャフト218を作成した後の、図2B-1の線A-A'に沿ったメモリ構造200のX-Z平面における断面を示す図である。
図2C-1】本発明の一実施形態による、ハードマスク225がパターン化された後に得られるメモリ構造200の上面図を示す。
図2C-2】本発明の一実施形態による、ハードマスク225がパターン化された後に得られるメモリ構造200の(図2C-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図を示す。
図2D-1】本発明の一実施形態による、ハードマスク225が除去された後に得られるメモリ構造200の上面図である。
図2D-2】本発明の一実施形態による、ハードマスク225が除去された後に得られるメモリ構造200の(図2D-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図である。
図2E-1】本発明の一実施形態による、ピラー231が除去された後に得られるメモリ構造200の上面図である。
図2E-2】本発明の一実施形態による、ピラー231が除去された後に得られるメモリ構造200の(図2E-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図である。
図2F-1】本発明の一実施形態による、シャフト218の側壁に沿って露出した各活性多層からSiN層204a及び204eを除去した後に得られるメモリ構造200の上面図である。
図2F-2】本発明の一実施形態による、シャフト218の側壁に沿って露出した各活性多層からSiN層204a及び204eを除去した後に得られるメモリ構造200の(図2F-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図である。
図2G-1】本発明の一実施形態による、各アクティブ多層のSiN層204a及び204eを導体層204f及び204gで置き換えた後に得られるメモリ構造200の上面図である。
図2G-2】それぞれ、本発明の一実施形態による、各アクティブ多層のSiN層204a及び204eを導体層204f及び204gで置き換えた後に得られるメモリ構造200の(図2G-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図である。
図2H-1】本発明の一実施形態による、チャネルポリシリコン層250に溝を形成した後に得られたメモリ構造200の上面図である。
図2H-2】それぞれ、チャネルポリシリコン層250に溝を形成した後に得られたメモリ構造200の(図2G-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図である。
図2I】本発明の一実施形態による、導電材料252の堆積後に得られるメモリ構造200のXZ平面における断面図である。
図3A-1】本発明の他の実施形態による、導体層204f及び204gに溝を形成した後に得られるメモリ構造200の上面図を示す。
図3A-2】本発明の他の実施形態による、導体層204f及び204gに溝を形成した後に得られるメモリ構造200の(図3A-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図を示す。
図3B-1】本発明の他の実施形態による、チャネルポリシリコン層250が堆積された後に得られるメモリ構造200の上面図である。
図3B-2】本発明の他の実施形態による、チャネルポリシリコン層250が堆積された後に得られるメモリ構造200の(図3B-1の線A-A'に沿ったX-Z平面上)断面図である。
図3C-1】本発明の他の実施形態による、導電材料252が堆積され平坦化された後に得られるメモリ構造200の上面図である。
図3C-2】本発明の他の実施形態による、導電材料252が堆積され平坦化された後に得られるメモリ構造200の(図3C-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図である。
図3D-1】本発明の他の実施形態による、絶縁材料255が堆積され平坦化された後に得られるメモリ構造200の上面図である。
図3D-2】本発明の他の実施形態による、絶縁材料255が堆積され平坦化された後に得られるメモリ構造200の(図3D-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による、3次元NORメモリアレイを含むメモリ構造内のモジュールユニット(「タイル」)100の模式的な上面図である。タイル100は通常、シリコンウエハの単結晶エピタキシャル層などの半導体基板の平面上に形成される。本明細書では、3次元構造の視覚化を容易にするために、X-Y平面上に平面を仮定し、X-Y平面に直交するZ方向に平面の法線を仮定した直交座標系を使用した。
【0014】
いくつかの例では、半導体基板は、3次元NORメモリアレイの下に、その中またはその上に形成された3次元NORメモリアレイのためのサポート回路を含んでもよい。このようなサポート回路には、アナログ回路及びデジタル回路の両方を含んでいてもよい。このようなサポート回路の例としては、シフトレジスタ、ラッチ、センスアンプ、リファレンスセル、電源ライン、バイアス及び基準電圧発生器、インバータ、NAND、NOR、Exclusive-Or及び他の論理ゲート、入力/出力ドライバー、アドレスデコーダ(例えば、ビット線及びワード線デコーダ)、並びに、他のメモリ素子、例えば、エラー検出及び訂正回路を含むデータエンコーディング及びデコーディング回路、シーケンサ及びステートマシンを含む。本明細書は、そのようなサポート回路がある場合には、すでに従来の方法で形成されている半導体基板の説明から始まる。本明細書及び当業者の技術は、本発明の様々な実施形態における半導体基板のサポート回路の形成において実施されるプロセスもしくは工程によって課される、または利用可能になる制約もしくは関連する設計オプションを周知するものである。
【0015】
図1に示すように、タイル100は、「階段部分」102a及び102bの間に設けられた「アレイ」部分101を含む。タイル100のNORメモリストリングの薄膜記憶トランジスタは、アレイ部分101に形成され、階段部分102a及び102bは、導体ビアを介して、NORメモリストリングの共通ビット線、及び任意で共通ソース線にも接続できるようにする。(構造に関する文献には、共通ソース線が、プログラミング、読み出し、及び消去の動作中に仮想電圧基準源として機能するように予め充電され、それにより、そのような動作中にサポート回路と連続的に電気的に接続することを不要にする方式が開示されている。)図1において、アレイ部分101、並びに、階段部分102a及び102bは縮尺通りに記載していない。例えば、アレイ部分101は、階段部分102a及び102bのいずれよりもはるかに大きな面積を有していてもよい。
【0016】
図2A-1は、本発明の一実施形態による、多数の材料層(後述)の堆積後のメモリ構造200のZ-X平面における断面を示す図である。まず始めに、半導体基板の平面上にパッド酸化物201(例えば、シリコン酸化物)を設ける。次いで、エッチング停止層202(例えば、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、酸化アルミニウム(AlO)または窒化アルミニウム(AlN))を設ける。次いで、シリコンオキシカーバイド(SiOC)層203を設け、その後に堆積する層からエッチング停止層202を絶縁する。その後、(図2A-1に示すように、全部で8つの)活性多層204を連続的に堆積する。活性多層204はそれぞれ、堆積順に、(i)窒化シリコン(SiN)層204a、(ii)Nドープアモルファスシリコン(またはポリシリコン)層204b、(iii)犠牲酸化物層204c、(iv)、Nドープアモルファスシリコン(またはポリシリコン)層204d、及び、(v)SiN層204eを含む。隣接する活性多層の間に、図2A-1にSiOC層203として示すSiOC層を堆積する。次いで、絶縁SiOC層205を、活性多層204の上に堆積する。その結果として、図2のメモリ構造200が得られる。
【0017】
図2A-2は、本発明の一実施形態による、図1の階段部分102aまたは102bを作成するための連続的な溝の形成及びエッチングステップを示す。図2A-2(1)に示すように、メモリ構造200の表面をパターニングしてマスク層210を形成することにより、メモリ構造211の第1の部分を露出させる。次いで、絶縁SiOC層205の露出部分を除去することにより、その下の活性多層204の一部を露出させる。次いで、活性多層204の露出部分を除去することにより、その真下のSiOC層203の一部を露出させる。これにより得られた構造を図2A-2(2)に示す。次いで、マスク層210に溝を形成することにより、絶縁SiOC層205の新たな部分を露出させる。次いで、露出したSiOC層205及び203の除去、活性多層204の除去、並びに、マスク層210の溝の形成をさらに7回繰り返し、それによって階段構造102aまたは102bを形成する。その後、活性層240を除去した部分を充填するように酸化物を堆積させる。マスク層210を除去し、メモリ構造200の上面を平坦化するために化学機械研磨(CMP)ステップを実施する。
【0018】
本明細書では、アレイ部分101の処理について詳細に説明する前に、階段構造102a及び102bの形成を説明している。しかしながら、階段構造102a及び102bの形成前にアレイ部分101の処理をしてもよい。
【0019】
その後、ハードマスク層215(例えば、カーボンハードマスク)をメモリ構造200上に堆積し、フォトリソグラフィによってパターニングする。図2B-1は、メモリ構造200のアレイ部分101の上面図であり、メモリ構造200の対応する部分を露出させる多数の開口部217を備えるようにパターン化されたハードマスク層215を示している。図2B-1では、開口部217を円形で示しているが、任意の適切な形状(例えば楕円形)を採用してもよい。エッチング停止層202に到達するまで、一連のエッチング工程により、絶縁層205及び203、並びに活性多層204の露出部分を除去し、それによってシャフト218を形成する。図2B-2は、本発明の一実施形態による、エッチングステップ後の、図2B-1の線A-A'に沿ったメモリ構造200のX-Z平面の断面を示す図である。(本明細書では、オブジェクトの「列」はY方向に沿って整列されたオブジェクトを示し、オブジェクトの「行」はX方向に沿って整列されたオブジェクトを示す。)図2B-1において、開口部217の隣接する列は、隣接する列の最も近い開口部が、そのような開口部がX方向に整列される場合よりも大きな間隔を有するように、互いに対してずれて配置されている。一実施形態では、開口部217の隣接する列は、X方向に沿って160nm離れており、それぞれの開口部217は、100nmの直径を有してもよい。シャフト218は、エッチングステップが20未満であるアスペクト比を有するように、最大で2ミクロンの深さであってもよい。
【0020】
酸化物ライナー220を用いてシャフト218をライニングし、かつ、犠牲材料221(例えば、窒化チタン(TiN)の接着層を有する炭素またはタングステン(W))を用いて充填してもよい。次いで、メモリ構造200の表面を、CMPを用いて平坦化してもよいし、炭素を犠牲材料として用いる場合にはエッチバックしてもよい。シャフト218を犠牲材料221で充填した後に、ハードマスク225を堆積させてパターン化し、充填したシャフト218の列に重なる(すなわち、Y方向に沿った)メモリ構造200の一部(例えば、一実施形態では、各60nm幅)を露出させる矩形の開口240を形成する。ハードマスク225をパターン化した後に、得られるメモリ構造200の上面図及び(図2C-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図を、本発明の一実施形態に従って、それぞれ図2C-1及び図2C-2に示す。
【0021】
一連の連続するエッチングは、ハードマスク225の矩形部分(開口)240の下に連続して露出するSiOC層205、活性多層204、及びエッチング停止層202の一部を除去し、メモリ構造200が、トレンチ245によって隔てられた多数のスタックとなる。エッチングは充填されたシャフト218の酸化物ライナー220及び犠牲材料221に選択的に行われるように設計されているため、充填されたシャフト218はその円筒面を酸化物ライナー220で囲まれた犠牲材料221のピラー231となる。様々な材料のストリンガーを除去するために、追加のウェットエッチングを行ってもよい。次いで、(例えば、CMPによって、または必要に応じて灰化することにより)ハードマスク225を除去してもよい。ハードマスク225を除去した後に、その結果として得られたメモリ構造200の上面図と(図2D-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図を、本発明の一実施形態に従って、それぞれ図2D-1及び図2D-2に示す。
【0022】
次いで、トレンチ245は、例えば原子層堆積(ALD)またはスピンオン技術を用いて、シリコン酸化物によって充填してもよい。次いで、メモリ構造200の上面上の過剰な酸化物は、例えばCMPを用いて除去してもよい。その後、ピラー231を、例えば適切なウェットエッチングを用いて除去する。ピラー231を除去した後に、その結果として得られたメモリ構造200の上面図及び(図2E-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図を、本発明の一実施形態に従って、それぞれ図2E-1及び図2E-2に示す。
【0023】
ピラー231を除去すると、トレンチ245のシリコン酸化物フィラー内のシャフト218が復元され、活性多層204が露出する。シャフト218を介して、活性多層204のそれぞれのSiN層204a及び204eを、例えば、窒化ケイ素ウェットエッチングを用いて除去してもよい。活性多層204の各々からSiN層204a及び204eを除去した後に、得られるメモリ構造200のX-Z平面における上面図及び(図2F-1の線A-A'に沿った)断面図を、本発明の一実施形態に従って、それぞれ図2F-1及び図2F-2に示す。
【0024】
ALDステップでは、活性多層204のそれぞれにおけるSiN層204a及び204eの除去により生じたキャビティに導電材料を堆積させる。導電材料は、例えば、金属ライナー(例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)または窒化タンタル(TaN))、次いで、耐熱金属(例えば、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)またはモリブデン(Mo))などを含んでもよい。その後、異方性分離エッチングにより、シャフト218から導電材料を除去する。各活性多層のSiN層204a、204eをそれぞれ置換する導体層204f及び204gは、例えば10nm程度の溝を有していてもよい。活性多層204の各々からSiN層204a及び204eを導体層204f及び204gで置換した後に得られるメモリ構造200の上面図及び(図2G-1の線A-A'に沿った)X-Z平面における断面図を、本発明の一実施形態に従ってそれぞれ図2G-1及び図2G-2に示す。導体層204f及び204gは、Nアモルファスシリコン層204b及び204dに隣接かつ接触して形成される任意の導体層である。各活性多層204のNアモルファスシリコン層204b及び204dは、形成されるNORメモリストリングの共通ビット線及び共通ソース線となる。導体層204f及び204gは、共通ビット線及び共通ソース線における抵抗率を低減させる。
【0025】
次いで、各活性多層204の犠牲酸化物層204c、Nアモルファスシリコン層204b、及びNアモルファスシリコン層204dに溝を形成することにより、薄膜ストレージトランジスタのチャネル材料を堆積させるための空洞を形成してもよい。次いで、薄膜ストレージトランジスタのチャネル領域を形成するためのポリシリコン層250を堆積し、分離のためにエッチバックし、ストリンガーを除去するために溝を形成する。チャネルポリシリコン層250に溝を形成した後に得られたメモリ構造200の上面図及び(図2H-1の線A-A'に沿ったX-Z平面における)断面図を、本発明の一実施形態に従って、それぞれ図2H-1及び図2H-2に示す。
【0026】
次いで、電荷トラップ層251を、シャフト218の側壁にコンフォーマルに堆積させる。電荷トラップ層251は、トンネル誘電体層(例えば、酸化ケイ素)、記憶層(例えば、窒化シリコン)、及びブロッキング誘電体層(例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、またはその両方)を含む多層であってもよい。次いで、シャフト218を、導電材料252(例えば、タングステン、TiN接着層を有する)によって充填することにより、ゲート電極の長手方向に沿って各活性多層240のストレージセル用のゲート電極(「ワードライン」)を形成することができる。導電材料252が堆積された後に得られるメモリ構造200のX-Z平面における断面図を、本発明の一実施形態に従って、図2Iに示す。
【0027】
図2A~2Iに示すプロセスにおいて、各薄膜ストレージトランジスタは、湾曲したチャネル領域、電荷蓄積層251、及び導電材料252から形成されたゲート電極を収容するシャフト218のうちの1つの中に形成される。このような実施形態では、トレンチ245の直線的な部分が薄膜記憶トランジスタ間の絶縁を提供する。あるいは、薄膜ストレージトランジスタをトレンチ245の直線的な部分の中に形成し、シャフト218に絶縁材料を充填して、薄膜ストレージトランジスタ間の絶縁を実現してもよい。次に、このような他の案のプロセスを説明する。
【0028】
本発明の他の実施形態によれば、図2E-1及び図2E-2に示すように、ハードマスク225の除去に続いて、導体層204f及び204gによるSiN層204a及び204eのそれぞれの置き換えは、酸化物ライナー220及び犠牲材料221が除去されていないため、SiN層204a及び204の除去がシャフト218を通じてではなく、トレンチ245の直線的な部分から始まることを除いて、図2E~2Gを参照して上述したような方法で実質的に実施される。各活性多層のSiN層204a、204eをそれぞれ置換する導体層204f、204gは、例えば10nm程度の溝を有してもよい。導体層204f及び204gに溝を形成した後に得られたメモリ構造200のX-Z平面における上面図及び(図3A-1の線A-A'に沿った)断面図を、本発明の他の実施形態に従って、それぞれ図3A-1及び図3A-2に示す。
【0029】
その後、各活性多層204の犠牲酸化物層204c、Nアモルファスシリコン層204b、及びNアモルファスシリコン層204dに溝を形成することにより、薄膜ストレージトランジスタのチャネル材料を堆積させるためのキャビティを形成してもよい。次いで、薄膜ストレージトランジスタのチャネル領域を形成するためのポリシリコン層250を堆積し、間隔を設定するためにエッチバックし、ストリンガーを除去するために溝を形成する。チャネルポリシリコン層250に溝を形成した後に得られたメモリ構造200のX-Z平面における上面図及び(図3B-1の線A-A'に沿った)断面図を、本発明の他の実施形態に従って、それぞれ図3B-1及び3B-2に示す。
【0030】
次いで、電荷トラップ層251を、トレンチ245の側壁にコンフォーマルに堆積する。電荷トラップ層251は、以下を含む多層であってもよい。(i)トンネル層(例えば、任意の酸化ケイ素(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、任意の酸化アルミニウム(AlO)、任意の酸化ハフニウム(HfO)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、任意のハフニウムシリコン酸化物(HfSi)、ハフニウムジルコニウム酸化物(HfZrO)、またはそれらの任意の組み合わせ)、(ii)電荷蓄積層(例えば、窒化シリコン(SiN)、酸化ハフニウム(HfCk)、または酸窒化ハフニウム酸窒化シリコン(HfSiON))、及び、(iii)ブロッキング層(例えば、任意の酸化ケイ素(SiO)、任意の酸化アルミニウム(AlO)、またはその両方)。
【0031】
次いで、トレンチ245を、(例えば、タングステン、TiN接着層を有する)導電材料252によって充填してもよく、これは、ゲート電極の長手方向に沿って各活性多層240の貯蔵セルのためのゲート電極(「ワード線」)を形成する。メモリ構造200の表面上の過剰な導電材料は、CMPによって除去してもよい。導電材料252が堆積され平坦化された後に得られるメモリ構造200のX-Z平面の上面図及び(図3C-1の線A-A'に沿った)断面図を、本発明の一実施形態に従って、それぞれ図3C-1及び図3C-2に示す。
【0032】
その後、シャフト218内のピラー231を、例えば適切なウェットエッチングを用いて除去する。ピラー231を除去することにより、トレンチ245の導電材料252内にシャフト218を復元する。次いで、シャフト218を、適切な絶縁材料255(例えば、酸化ケイ素)によって充填してもよい。次いで、メモリ構造200上の余分な絶縁材料をCMPによって除去してもよい。絶縁材料255の堆積後に得られるメモリ構造200のX-Z平面の上面図及び(図3D-1の線A-A'に沿った)断面図を、本発明の一実施形態に従って、それぞれ図3D-1及び図3D-2に示す。
【0033】
上記の詳細な説明は、本発明の特定の実施形態を説明するために提供されたものであり、限定することを意図するものではない。本発明の範囲内で多数の変形及び修正が可能である。本発明は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2A-1】
図2A-2】
図2B-1】
図2B-2】
図2C-1】
図2C-2】
図2D-1】
図2D-2】
図2E-1】
図2E-2】
図2F-1】
図2F-2】
図2G-1】
図2G-2】
図2H-1】
図2H-2】
図2I
図3A-1】
図3A-2】
図3B-1】
図3B-2】
図3C-1】
図3C-2】
図3D-1】
図3D-2】
【国際調査報告】