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特表2023-535923防水通気性物品を製造するための接着剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-22
(54)【発明の名称】防水通気性物品を製造するための接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 201/10 20060101AFI20230815BHJP
   C09J 171/00 20060101ALI20230815BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20230815BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20230815BHJP
   A61L 15/22 20060101ALI20230815BHJP
   A61L 15/24 20060101ALI20230815BHJP
   A61L 15/26 20060101ALI20230815BHJP
   A61L 15/52 20060101ALI20230815BHJP
   A61L 15/58 20060101ALI20230815BHJP
   A61F 13/02 20060101ALI20230815BHJP
   C09J 175/04 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
C09J201/10
C09J171/00
C09J11/08
C09J7/38
A61L15/22 310
A61L15/24 100
A61L15/26
A61L15/52 100
A61L15/58 310
A61F13/02 310J
A61F13/02 350
C09J175/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504466
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(85)【翻訳文提出日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 FR2021051350
(87)【国際公開番号】W WO2022018375
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】2007707
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501305888
【氏名又は名称】ボスティク エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ギャルニエ, クレール
【テーマコード(参考)】
4C081
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4C081AA03
4C081AA12
4C081BA17
4C081BB01
4C081BB02
4C081CA051
4C081CA271
4C081DA02
4C081DC04
4C081EA13
4J004AA11
4J004AB01
4J004AB05
4J004FA09
4J040EE011
4J040GA02
4J040GA31
4J040JA01
4J040JA09
4J040JA13
4J040JB02
4J040JB09
4J040KA14
4J040KA26
4J040LA06
4J040NA02
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの加水分解性アルコキシシラン基を含む少なくとも1つのシリルポリマー、少なくとも1つのポリビニルエーテル化合物、および少なくとも1つの硬化触媒を含む接着剤組成物に関し、接着剤としての該組成物の使用にも関し、ならびに少なくとも1つの支持層と該組成物の少なくとも1つの層とを含む自己接着性物品にも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの加水分解性アルコキシシラン基を含む少なくとも1つのシリルポリマーと、
少なくとも1つのポリビニルエーテル化合物と、
少なくとも1つの硬化触媒と、
を含む接着剤組成物。
【請求項2】
シリルポリマーが、
一般式[化2]
のシリルポリマー
一般式[化3]
のシリルポリマー
一般式[化4]
のシリルポリマー
一般式[化5]
のシリルポリマー
(式中、XおよびXは、互いに独立して、酸素原子または-NH-基を表し、
は、5~15個の炭素原子を含む二価炭化水素系ラジカルを表し、芳香族または脂肪族、直鎖、分岐または環状であってもよく、
は、3~6個の炭素原子を含む直鎖または分枝の二価アルキレンラジカルを表し、
は、1~6個の炭素原子を含む直鎖または分枝の二価アルキレンラジカルを表し、Rは、好ましくはメチレンまたはn-プロピレンを表し、
は、ポリエーテルブロック-Rpe-[ORpe-を表し、Rpeは、2~4個の炭素原子を含む直鎖または分枝の二価アルキレンラジカルを表し、
およびRは、同一であっても異なってもよく、それぞれ、1~4個の炭素原子を含む直鎖または分岐のアルキルラジカルを表し、
は、水素原子、フェニルラジカル、1~6個の炭素原子を含む直鎖、分枝もしくは環状のアルキルラジカル、または式[化6]
の2-スクシネートラジカルを表し、
は、1~6個の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキルラジカルであり、
nは、ポリエーテルブロック-[ORpe-の数平均分子量が、一般式[化2]、[化3]および[化4]のポリマーにおいて300g/mol~40000g/molの範囲であるような整数であり、
は、ゼロまたは整数であり、
は、一般式[化3]のポリマーの数平均分子量が500g/mol~50000g/mol、好ましくは700g/mol~20000g/molの範囲であるようなものであり、
mは、ゼロ以外の整数であり、
mは、一般式[化4]のポリマーの数平均分子量が500g/mol~50000g/mol、好ましくは700g/mol~20000g/molの範囲であるようなものであり、
pは、0、1または2に等しい整数であり、pは、好ましくは0または1であり、
alは、2つのヒドロキシル基のそれぞれを遊離原子価で置換することによってジオールから誘導される二価炭化水素系ラジカルを表すか、またはラジカルRを表し、
acは、2つのカルボキシル基COOHのそれぞれを遊離原子価で置換することによってジカルボン酸から誘導される二価炭化水素系ラジカルを表し、
[Y]は、一般式[化28]
の反復単位を表し、
tは、一般式[化7]
のポリステルジオールが、4mg KOH/gと60mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有するような数であり、
qは、ゼロ以外の整数であり、
tおよびqは、一般式[化5]のポリマーの数平均分子量が400g/molと50000g/molの間であるようなものである)
から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
硬化触媒が、アミン、有機金属化合物、酸およびそれらの誘導体、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
粘着付与樹脂、好ましくは、テルペンフェノール樹脂、炭化水素樹脂、ロジン樹脂、アクリル樹脂およびそれらの混合物から選択される粘着付与樹脂も含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
ポリビニルエーテル化合物が、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、オクチルビニルエーテルまたはそれらの組み合わせから選択されるモノマーから誘導される単位を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ポリビニルエーテル化合物が、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリ(エチルビニルエーテル)、ポリ(ブチルビニルエーテル)、ポリ(イソブチルビニルエーテル)、ポリ(イソプロピルビニルエーテル)、ポリ(プロピルビニルエーテル)、ポリ(オクチルビニルエーテル)、それらの共重合体およびそれらの混合物から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
ポリビニルエーテル化合物が、40~120、好ましくは40~70のK値を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ポリビニルエーテル化合物が、-60~0℃、好ましくは-50~-5℃のガラス転移温度を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
ポリビニルエーテル化合物が、組成物の総重量に対して、1重量%~60重量%、好ましくは5重量%~40重量%、好ましくは5重量%~25重量%の含有量を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1つのシルセスキオキサンも含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
一成分組成物である、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、
前記少なくとも1つのシリルポリマーを含むA部と、
前記少なくとも1つの硬化触媒を含むB部と
を含む二成分組成物であり、
前記少なくとも1つのポリビニルエーテル化合物が、組成物のA部および/またはB部に存在する、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
接着剤としての請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項14】
少なくとも1つの支持層と請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物の少なくとも1つの層とを含む自己接着性物品。
【請求項15】
包帯材、包帯および医療用テープから選択される、請求項14に記載の自己接着性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物、および自己接着性物品を調製するための接着剤組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ホットメルト感圧接着剤(HMPSA)は、これを塗布した支持体に室温で即時粘着性(「タック」と呼ばれることが多い)を付与する組成物である。このタックは、有利には、穏やかで短時間の圧力の影響下で、この組成物の基材への瞬間的な接着を可能にする。HMPSAは、自己接着性物品の製造に広く使用されており、最終的または一時的な接着結合の操作中であるか否かにかかわらず、例えば、情報(バーコード、名称、価格など)を提示する目的で、および/または装飾目的で、物品に取り付けられる自己接着性ラベルである。HMPSAはまた、様々な用途の自己接着性テープの製造に使用される。日常生活で広く使用される透明粘着テープの他に、例えば、段ボール包装の形成および組み立て、建設の塗装作業用の表面の保護、建物または大建造物の建設におけるパネル、レンガ、突起物などの様々な要素の固定および支持、平坦であるか、または電気ケーブル、プラスチックフィルム、窓ガラス、金属シート、銘刻、ロゴ、座席の一部、ダッシュボード、プラスチックまたは布製壁、特に輸送産業における流体の循環用の管またはパイプなどの特定のプロファイルを有する金属、プラスチックまたはガラス部品の固定および支持、建築部門で両面接着テープにより取り付けられたカーペットの接着結合が挙げられる。
【0003】
防水通気性自己接着性物品は、包帯、包帯材、電極、絆創膏などの医療用途、天候または湿気のある環境にさらされる乾燥した通気性衣類に対処するための通気性衣類などの衣類用途、および屋根ふき材または壁の被覆材、または確実に水分を環境に放出するために依然として通気性を必要とする漏れ防止窓フレームシステムなどの建築用途に使用することができる。
【0004】
特に、例えば医療用テープ、創傷ケア包帯材および消費者用包帯などの医療分野で使用される接着材料は、皮膚または創傷滲出液によって生成された水分を逃がすために高い水蒸気透過率(MVTR)を必要とする。接着剤製品の高いMVTRは、水分が包帯材の下に捕捉されるのを防止し、さもなければ皮膚の浸軟を引き起こす可能性がある。
【0005】
したがって、通気性物品は、均一な外観、耐風性、水蒸気に対する高い透過性、特定の弾性、および異なる基材に接着する能力などの特定の要件を満たさなければならない。
【0006】
自己接着性物品の調製に適した接着剤組成物は既に知られている。
【0007】
例えば、国際公開第2013/136108号A1は、特に、少なくとも1つのシリルポリマー、少なくとも1つの粘着付与樹脂および少なくとも1つの触媒を含む接着剤組成物、ならびに防水通気性物品を製造するためのその使用に関する。
【0008】
国際公開第2019/115952号A1は、特に、少なくとも1つの加水分解性アルコキシシラン基を含有する少なくとも1つのシリルポリマー、および少なくとも1つの粘着付与樹脂を含む組成物Aと、少なくとも1つの触媒および少なくとも1つの化合物Cを含む組成物Bとを含む多成分接着剤組成物に関する。化合物Cは、300g/mol~500000g/molの範囲の数平均分子量を有する化合物C1および20℃で0.08kPa以上の蒸気圧を有する化合物C2から選択される。
【0009】
国際公開第2019/186014号A1は、特に、少なくとも1つの硬化性シリルポリマーを含む接着剤組成物、ならびに三級アミンおよび有機金属化合物を含む触媒組成物に関する。
【0010】
国際公開第03/087254号A2は、特に、ポリ(スチレン-オレフィン-スチレン)ブロック共重合体型の熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、液体可塑剤、水および両親媒性共重合体を含むことを特徴とする親水性接着剤組成物に関する。
【0011】
国際公開第2020/016581号A1は、特に、ウレア基およびアミン基で官能化されたシリル基を含むポリマーと粘着付与樹脂とを含む組成物に関し、これらの組成物は、ホットメルト感圧接着剤として使用される。
【0012】
これらの様々な防水通気性自己接着性物品、およびそれらが構成される接着剤組成物は、満足できる接着特性を示す。しかしながら、これらの物品、およびそれらを含む組成物は、必ずしも医療用途に適していない。特に、これらの物品、およびそれらを含む組成物、例えば医療用テープ、包帯および包帯材は、皮膚または創傷への長期適用に必ずしも適していない。実際、これらの物品の長期適用は、皮膚または創傷の浸軟につながり、患者に不快感を生じさせ、治癒を遅らせるなどの可能性がある。
【0013】
したがって、良好な接着特性を損なうことなく、医療用途に適し、水蒸気透過率が改善された自己接着性物品の製造を可能にする接着剤組成物を提供することが実際に必要とされている。皮膚または創傷への長期適用に適した医療用テープ、包帯または包帯材などの自己接着性物品の製造を可能にする接着剤組成物を提供することも実際に必要とされている。医療用テープ、包帯または包帯材などの自己接着性物品の製造を可能にし、それらが適用される皮膚または創傷の浸軟を制限または防止する接着剤組成物を提供することも実際に必要とされている。創傷治癒を促進する医療用テープ、包帯または包帯材などの自己接着性物品の製造を可能にする接着剤組成物を提供することも実際に必要とされている。良好な接着特性を損なうことなく、建設市場に適しており、水蒸気透過率が改善された自己接着性物品の製造を可能にする接着剤組成物を提供することも実際に必要とされている。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、第一に、
少なくとも1つの加水分解性アルコキシシラン基を含む少なくとも1つのシリルポリマーと、
少なくとも1つのポリビニルエーテル化合物と、
少なくとも1つの硬化触媒と、
を含む接着剤組成物に関する。
【0015】
特定の実施形態では、シリルポリマーは、
一般式[化2]
のシリルポリマー
一般式[化3]
のシリルポリマー
一般式[化4]
のシリルポリマー
一般式[化5]
のシリルポリマー
から選択され、
式中、XおよびXは、互いに独立して、酸素原子または-NH-基を表し、
は、5~15個の炭素原子を含む二価炭化水素系ラジカルを表し、芳香族または脂肪族、直鎖、分岐または環状であってもよく、
は、3~6個の炭素原子を含む直鎖または分枝の二価アルキレンラジカルを表し、
は、1~6個の炭素原子を含む直鎖または分枝の二価アルキレンラジカルを表し、Rは、好ましくはメチレンまたはn-プロピレンを表し、
は、ポリエーテルブロック-Rpe-[ORpe-を表し、Rpeは、2~4個の炭素原子を含む直鎖または分枝の二価アルキレンラジカルを表し、
およびRは、同一であっても異なってもよく、それぞれ、1~4個の炭素原子を含む直鎖または分岐のアルキルラジカルを表し、
は、水素原子、フェニルラジカル、1~6個の炭素原子を含む直鎖、分枝もしくは環状のアルキルラジカル、または式[化6]
の2-スクシネートラジカルを表し、
は、1~6個の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキルラジカルであり、
nは、ポリエーテルブロック-[ORpe-の数平均分子量が、一般式[化2]、[化3]および[化4]のポリマーにおいて300g/mol~40000g/molの範囲であるような整数であり、
は、ゼロまたは整数であり、
は、一般式[化3]のポリマーの数平均分子量が500g/mol~50000g/mol、好ましくは700g/mol~20000g/molの範囲であるようなものであり、
mは、ゼロ以外の整数であり、
mは、一般式[化4]のポリマーの数平均分子量が500g/mol~50000g/mol、好ましくは700g/mol~20000g/molの範囲であるようなものであり、
pは、0、1または2に等しい整数であり、pは、好ましくは0または1であり、
alは、2つのヒドロキシル基のそれぞれを遊離原子価で置換することによってジオールから誘導される二価炭化水素系ラジカルを表すか、またはラジカルRを表し、
acは、2つのカルボキシル基COOHのそれぞれを遊離原子価で置換することによってジカルボン酸から誘導される二価炭化水素系ラジカルを表し、
[Y]は、一般式[化28]
の反復単位を表し、
tは、一般式[化7]
のポリステルジオールが、4mg KOH/gと60mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有するような数であり、
qは、ゼロ以外の整数であり、
tおよびqは、一般式[化5]のポリマーの数平均分子量が400g/molと50000g/molの間であるようなものである。
【0016】
特定の実施形態では、硬化触媒は、アミン、有機金属化合物、酸およびそれらの誘導体、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0017】
特定の実施形態では、組成物は、粘着付与樹脂、好ましくは、テルペンフェノール樹脂、炭化水素樹脂、ロジン樹脂、アクリル樹脂およびそれらの混合物から選択される粘着付与樹脂も含む。
【0018】
特定の実施形態では、ポリビニルエーテル化合物は、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、オクチルビニルエーテルまたはそれらの組み合わせから選択されるモノマーから誘導される単位を含む。
【0019】
特定の実施形態では、ポリビニルエーテル化合物は、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリ(エチルビニルエーテル)、ポリ(ブチルビニルエーテル)、ポリ(イソブチルビニルエーテル)、ポリ(イソプロピルビニルエーテル)、ポリ(プロピルビニルエーテル)、ポリ(オクチルビニルエーテル)、それらの共重合体およびそれらの混合物から選択される。
【0020】
特定の実施形態において、ポリビニルエーテル化合物は、40~120、好ましくは40~70のK値を有する。
【0021】
特定の実施形態において、ポリビニルエーテル化合物は、-60~0℃、好ましくは-50~-5℃のガラス転移温度を有する。
【0022】
特定の実施形態において、ポリビニルエーテル化合物は、組成物の総重量に対して、1重量%~60重量%、好ましくは5重量%~40重量%、好ましくは5重量%~25重量%の含有量を有する。
【0023】
特定の実施形態では、組成物はまた、少なくとも1つのシルセスキオキサンも含む。
【0024】
特定の実施形態では、組成物は一成分組成物である。
【0025】
特定の実施形態では、組成物は、
少なくとも1つのシリルポリマーを含むA部と、
少なくとも1つの硬化触媒を含むB部と、
を含む二成分組成物であり、
少なくとも1つのポリビニルエーテル化合物が、組成物のA部および/またはB部に存在する。
【0026】
本発明はまた、接着剤としての上記組成物の使用に関する。
【0027】
本発明はまた、少なくとも1つの支持層と上記組成物の少なくとも1つの層とを含む自己接着性物品に関する。
【0028】
特定の実施形態では、物品は、包帯材、包帯および医療用テープから選択される。
【0029】
本発明は、上記の必要性を満たすことを可能にする。より具体的には、本発明は、良好な接着特性を損なうことなく、良好で改善された水蒸気透過率を有する物品の製造を可能にする組成物を提供するための組成物を提供する。
【0030】
これは、本発明による組成物によって達成される。より具体的には、本発明者らは、意外にも、本発明による接着剤組成物、特に、少なくとも1つのシリルポリマー、少なくとも1つのポリビニルエーテル化合物および少なくとも1つの硬化触媒を含む組成物が、基材上の良好な接着特性を損なうことなく、改善された蒸気透過性を有する自己接着性物品を得ることを可能にすることを実証した。実際、ポリビニルエーテル化合物の存在は、組成物の他の成分、より具体的にはシリルポリマー鎖(既に良好な水蒸気透過率を有する)との良好な適合性を得ることを可能にし、接着剤組成物の水蒸気透過率の改善をもたらす。「良好な適合性」という用語は、本明細書では、組成物の貯蔵時の安定性および長期安定性を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで、以下の説明において、本発明を、より詳細に、非限定的に説明する。
【0032】
接着剤組成物
第1の態様では、本発明は、少なくとも1つの加水分解性アルコキシシラン基を含む少なくとも1つのシリルポリマーと、少なくとも1つのポリビニルエーテル化合物と、少なくとも1つの硬化触媒と、を含む接着剤組成物に関する。様々な添加剤も接着剤組成物中に存在し得る。
【0033】
シリルポリマー
シリルポリマーは、好ましくは末端基として、少なくとも1つの加水分解性アルコキシシラン基を含み、優先的には末端基として、好ましくは少なくとも2つの加水分解性アルコキシシラン基を含む。
【0034】
シリルポリマーは、特に末端基
として、一般式[化1]の少なくとも1つの基、好ましくは少なくとも2つの基を含むポリマーであってもよく、
式中、
およびRは、同一であっても異なってもよく、それぞれ、1~4個の炭素原子を含む直鎖または分岐のアルキルラジカルを表し、
pは、0、1または2に等しい整数である。
【0035】
p=2の場合、基Rは同一であっても異なってもよい。
【0036】
p=1またはp=0の場合、基Rは同一であっても異なってもよい。
【0037】
少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの加水分解性アルコキシシラン基を含むシリルポリマーは、以下の主鎖から選択される主鎖を有し得る:ポリエーテル、ポリエステル、ポリエステル-ポリエーテル-ポリエステル、ポリエーテル-ポリエステル-ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリカプロラクトン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリ(エーテルカーボネート)、ポリ(エステルカーボネート)、ポリアセタール、ポリエステルアミド、ポリチオエーテル、ポリウレタン、ポリエステル-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリエステル-ポリウレタン、ポリオレフィン-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリオレフィン-ポリウレタン、ポリウレアまたはポリ(ウレタン-ウレア)。
【0038】
好ましくは、少なくとも1つの加水分解性アルコキシシラン基を有するシリルポリマーは、シリルポリエーテル-ポリウレタン、シリルポリエーテル、シリルポリエステル、シリルポリエステル-ポリウレタン、シリルポリエーテル-ポリエステル-ポリウレタン、シリルポリウレア、シリルポリ(ウレタン-ウレア)およびそれらの混合物から選択される。
【0039】
シリルポリマーは、500~50000g/molの範囲、好ましくは700~30000g/molの範囲、有利には1000~25000g/mol、特に1000~21000g/molの範囲の数平均分子量(Mn)を有し得る。
【0040】
シリルポリマーの数平均分子量は、当業者に周知の方法、例えばポリスチレン標準物質を使用するサイズ排除クロマトグラフィーによって測定することができる。
【0041】
少なくとも1つの加水分解性アルコキシシラン基を含むシリルポリマーは、以下に定義される一般式[化2]、[化3]、[化4]または[化5]のポリマー、およびそれらの混合物から選択されてもよく、
[化2]
[化3]
[化4]
[化5]
式中、
およびXは、互いに独立して、酸素原子または-NH-基を表し、
は、5~15個の炭素原子を含む二価炭化水素系ラジカルを表し、芳香族または脂肪族、直鎖、分岐または環状であってもよく、
は、3~6個の炭素原子を含む直鎖または分枝の二価アルキレンラジカルを表し、
は、1~6個の炭素原子を含む直鎖または分枝の二価アルキレンラジカルを表し、Rは、好ましくはメチレンまたはn-プロピレンを表し、
は、ポリエーテルブロック-Rpe-[ORpe-を表し、Rpeは、2~4個の炭素原子を含む直鎖または分枝の二価アルキレンラジカルを表し、
nは、ポリエーテルブロック-[ORpe-の数平均分子量が、一般式[化2]、[化3]および[化4]のポリマーにおいて300/mol~40000g/molの範囲であるような整数であり、
およびRは上に定義される通りであり、
は、水素原子、フェニルラジカル、1~6個の炭素原子を含む直鎖、分枝もしくは環状のアルキルラジカル、または一般式[化6]
の2-スクシネートラジカルを表し、
は、1~6個の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキルラジカルであり、
は、ゼロまたは整数であり、
は、一般式[化3]のポリマーの数平均分子量が500g/mol~50000g/mol、好ましくは700g/mol~20000g/molの範囲であるようなものであり、
mは、ゼロ以外の整数であり、
mは、一般式[化4]のポリマーの数平均分子量が500g/mol~50000g/mol、好ましくは700g/mol~20000g/molの範囲であるようなものであり、
pは、上に定義される通りであり、pは、好ましくは0または1であり、
alは、2つのヒドロキシル基のそれぞれを遊離原子価で置換することによってジオールから誘導される二価炭化水素系ラジカルを表すか、またはラジカルRを表し、
acは、2つのカルボキシル基COOHのそれぞれを遊離原子価で置換することによってジカルボン酸から誘導される二価炭化水素系ラジカルを表し、
[Y]は、一般式[化28]
の反復単位を表し、
tは、一般式[化7]
のポリステルジオールが、4mg KOH/gと60mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有するような数であり、
qは、ゼロ以外の整数であり、
tおよびqは、一般式[化5]のポリマーの数平均分子量が400g/molと50000g/molの間であるようなものである。
【0042】
特定の実施形態によれば、XおよびXは両方とも酸素原子である。
【0043】
あるいは、XおよびXは両方とも-NH-基である。
【0044】
またあるいは、XおよびXのうち一方が酸素原子であり、XおよびXのうち他方が-NH-基であってもよい。
【0045】
好ましくは、一般式[化3]、[化4]および[化5]のラジカルRは、以下の二価ラジカルのうちの1つから選択され、以下の式は、2つの遊離原子価を示す:
イソホロンジイソシアネート(IPDI)[化8]
から誘導される二価ラジカル
式[化9]
または式[化10]
の4,4’-および2,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)から誘導される二価ラジカル
式[化11]
または式[化12]
の2,4-および2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)から誘導されるラジカル
式[化13]
または式[化14]
の4,4’-および2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)から誘導されるラジカル
式[化15]
のm-キシリレンジイソシアネート(m-XDI)から誘導されるラジカル
式[化16]
のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)から誘導されるラジカル
【0046】
好ましくは、一般式[化3]、[化4]および[化5]のラジカルRは、イソホロンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートから誘導される二価のラジカルである。
【0047】
一般式[化3]のポリマーは、例えば、欧州特許第2336208 A1号および国際公開第2009/106699 A2号に記載されている方法に従って得ることができる。
【0048】
一般式[化3]に対応するポリマーの中でも、例えば、
-Geniosil(登録商標)STP-E10(Wackerから入手可能):数平均分子量が約8889g/molであり、R3がメチレン基を表す、ジメトキシ型の2つの基[化1]を含むポリエーテル(mは0に等しく、pは1に等しく、RおよびRはメチル基を表す)、
-Geniosil(登録商標)STP-E30(Wackerから入手可能):数平均分子量が約14493g/molであり、Rがメチレン基を表す、ジメトキシ型の一般式[化1]の2つの基を含むポリエーテル(mは0に等しく、pは1に等しく、RおよびRはメチル基を表す)、
-Spur+(登録商標)1050MM(Momentiveから入手可能):数平均分子量が約16393g/molであり、Rがn-プロピレン基を表す、トリメトキシ型の一般式[化1]の2つの基を含むポリエーテル-ポリウレタン(mは0以外であり、pは0に等しく、Rはメチル基を表す)、
-Spur+(登録商標)Y-19116(Momentiveから入手可能):数平均分子量が15000~17000g/mol g/molの範囲であり、Rがn-プロピレン基を表す、トリメトキシ型の一般式[化1]の2つの基を含むポリエーテル-ポリウレタン(mは0以外であり、Rはメチル基を表す)、
-Desmoseal(登録商標)S XP 2636(Bayerから入手可能):数平均分子量が約15038g/molであり、Rがn-プロピレン基を表す、トリメトキシ型の一般式[化1]の2つの基を含むポリエーテル(mは0に等しく、pは0に等しく、Rはメチル基を表す)
が挙げられる。
【0049】
一般式[化2]のポリマーは、例えば、欧州特許第1829928 A1号に記載されている方法によるポリエーテルジアリルエーテルのヒドロシリル化によって得ることができる。
【0050】
一般式[化2]に対応するポリマーの中でも、
-約22000g/molの数平均分子量および23℃で12.5Pa.sの粘度を有するジメトキシ型の一般式[化1]の2つの基(pは1に等しく、Rはメチル基を表す)を含むポリエーテルに対応するMS Polymer(商標)S303H(Kanekaから入手可能)、および
-約27000g/molの数平均分子量および23℃で34Pa.sの粘度を有するジメトキシ型の一般式[化1]の2つの基(pは1に等しく、RおよびRはそれぞれメチル基を表す)を含むポリエーテルに対応するMS Polymer(商標)S227(Kanekaから入手可能)
を挙げることができる。
【0051】
一般式[化4]のポリマーは、以下の方法に従って得ることができる(一般式[化4]のポリマーがシリルポリウレタンである場合):
-一般式[化17]
HO-R-OH
を有するポリエーテルポリオールと
化学量論的に過剰の式NCO-R-NCOのジイソシアネートとを反応させて、少なくとも2個の-NCO末端基を有するポリウレタン-ポリエーテルブロックを形成し(該ブロックは、好ましくは1.5重量%~1.9重量%の-NCO基を含む)、次いで
-前工程で得られたブロックと、化学量論量またはわずかに過剰の一般式[化18]
を有するα-、β-またはγ-アミノシランとを反応させる。
【0052】
そのような方法は、例えば、国際公開第2013/136108 A1号に記載されている。
【0053】
一般式[化4]に対応するポリマーの中でも、例えば、
-約25000g/molの数平均分子量および23℃で50Pa.sの粘度を有するトリメトキシ型の式[化1]の2つの基(pは0に等しく、Rはメチル基を表す)を含むポリエーテル-ポリウレタンに対応するSpur+1015 LM(Momentiveから入手可能)
が挙げられる。
【0054】
一般式[化4]のポリマーは、以下の方法に従って得ることができる(一般式[化4]のポリマーがシリルポリウレアである場合):
-一般式[化19]
N-R-NH
のジアミンと
化学量論的に過剰の式NCO-R-NCOのジイソシアネートとを反応させて、少なくとも2個の-NCO末端基を有するポリウレア-ポリエーテルブロックを形成し(該ブロックは、好ましくは1.5重量%~1.9重量%の-NCO基を含む)、次いで
-前工程で得られたブロックと、化学量論量またはわずかに不足の一般式[化18]
を有するα-、β-またはγ-アミノシランとを反応させる。
【0055】
そのような方法は、例えば、国際公開第2020/016581 A1号に記載されている。
【0056】
一般式[化5]のポリマーは、欧州特許出願第2865694 A1号に記載されているものであり得る。それらは、該特許出願に記載された方法に従って調製することができる。
【0057】
一般式[化5]のポリマーは、特定の一般式[化5]の第1のポリマーであってもよく、式中、
alは、2つのヒドロキシル基の各々を遊離原子価で置換することによって二量体化された脂肪アルコールから誘導される二価炭化水素系ラジカルを表し、アルコールは、200mg KOH/gと220mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有し、
acは、2つのカルボキシル基-COOHの各々を遊離原子価で置換することによって二量体化された脂肪酸から誘導される二価炭化水素系ラジカルを表し、酸は、190mg KOH/gと200mg KOH/gの間の酸価Iを有し、
tは、優先的には、一般式[化7]
のポリエステルジオールが、
45mg KOH/gと55mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有するような数である。
【0058】
この特定の一般式[化5]の第1のポリマーは、欧州特許出願第265728 A1号(特に5頁~9頁)に記載の方法に従って得ることができる。
【0059】
好ましくは、この特定の一般式[化5]の第1のポリマーは、900~15000g/molの範囲の数平均分子量を有する。
【0060】
一般式[化5]のポリマーは、特定の一般式[化5]の第2のポリマーであってもよく、式中、
alは、2つのヒドロキシル基の各々を遊離原子価で置換することによって飽和ジオールから誘導される二価炭化水素系ラジカルを表し、ジオールは、220mg KOH/g超のヒドロキシル価IOHを有し、
acは、2つのカルボキシル基-COOHの各々を遊離原子価で置換することによって飽和ジカルボン酸から誘導される二価炭化水素系ラジカルを表し、酸は、200mg KOH/g超の酸価Iを有し、
tは、優先的には、一般式[化7]
のポリエステルジオールが、
4mg KOH/gと24mg KOH/gの間、特に9mg KOH/gと24mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有する。
【0061】
特定の一般式[化5]の第2のポリマーは、いくつかの連続工程を含む方法によって得ることができる。
【0062】
特定の一般式[化5]の第2のポリマーを得るための方法の第1の工程は、4mg KOH/gと24mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有する一般式[化7]のポリエステルを調製することからなる。
【0063】
一般式[化7]のポリエステルは、
酸価Iが200mg KOH/g超の少なくとも1種の飽和ジカルボン酸と、
ヒドロキシル価IOHが220mg KOH/g超の少なくとも1種の飽和ジオールと
の重縮合反応によって調製することができる。
【0064】
本文において、
ジカルボン酸の酸価Iは、酸1グラム当たりのカルボキシル官能基数であり、該数は、滴定法によって決定される、酸1gの酸性度を中和するのに必要なKOHのミリグラムでの当量の形態で表され、該数は、以下の関係[数1]
によって酸の数平均分子量Mに関連し、
ジオールのヒドロキシル価IOHは、ジオール1グラム当たりのヒドロキシル官能基の数であり、該数は、規格ISO 14900:2001に従って滴定法によって決定される、ヒドロキシル官能基のアッセイに使用されるKOHのミリグラムでの当量の形態で表され、該数は、関係[数2]
によって該ジオールの数平均分子量M’に関連する。
【0065】
好ましくは、飽和ジカルボン酸は、300mg KOH/g以上、好ましくは400mg KOH/g以上、優先的には500mg KOH/g以上、特に700mg KOH/g以上、有利には800mg KOH/g以上の酸価Iを有する。好ましくは、飽和ジカルボン酸は、555mg KOH/gまたは768mg KOH/gに等しい酸価Iを有する。
【0066】
ジカルボン酸は、直鎖状または分枝状、好ましくは直鎖状、脂肪族または脂環式であってもよい。
【0067】
本発明によるジカルボン酸は、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、1,3-または1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、3-メチル-1,5-ペンタンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0068】
好ましくは、ジカルボン酸はアジピン酸またはセバシン酸である。
【0069】
好ましくは、飽和ジオールは、500mg KOH/g以上、好ましくは700mg KOH/g以上、さらにより優先的には900mg KOH/g以上のヒドロキシル価IOHを有する。
【0070】
使用されるジオールは、芳香族または脂肪族(好ましくは脂肪族)、直鎖または分岐、好ましくは分岐であってもよい。
【0071】
本発明によるジオールは、エチレングリコール(CAS:107-21-1)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-エチル-2-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-3-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-3-エチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-4-メチル-3-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2,3-ジエチル-4-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-エチル-2,2,4-トリメチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-4-エチル-3-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-3-エチル-2-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2,3-ジプロピル-4-エチル-2-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2,3-ジエチル-4-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2,4-ジエチル-3-プロピル-1,5-ペンタンジオール、3-ブチル-2-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール(CAS:42856-62-2)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(MPD、CAS:4457-71-0)、2,2-ジメチル-1,3-ペンタンジオール(CAS:2157-31-5)、2,2-ジメチル-1,5-ペンタンジオール(CAS:3121-82-2)、3,3-ジメチル-1,5-ペンタンジオール(CAS:53120-74-4)、2,3-ジメチル-1,5-ペンタンジオール(CAS:81554-20-3)、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール-NPG、CAS:126-30-7)、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール(CAS:115-76-4)、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール(CAS:78-26-2)、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール(CAS:115-84-4)、2-メチル-1,3-プロパンジオール(CAS:2163-42-0)、2-ベンジルオキシ-1,3-プロパンジオール(CAS:14690-00-7)、2,2-ジベンジル-1,3-プロパンジオール(CAS:31952-16-6)、2,2-ジブチル-1,3-プロパンジオール(CAS:24765-57-9)、2,2-ジイソブチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール(CAS:15208-19-2)、2,5-ジメチル-1,6-ヘキサンジオール(CAS:49623-11-2)、5-メチル-2-(1-メチルエチル)-1、3-ヘキサンジオール(CAS:80220-07-1)、1,4-ジメチル-1,4-ブタンジオール、1,5-ヘキサンジオール(CAS:928-40-5)、3-メチル-1,6-ヘキサンジオール(CAS:4089-71-8)、3-(tert-ブチル)-1,6-ヘキサンジオール(CAS:82111-97-5)、1,3-ヘプタンジオール(CAS:23433-04-7)、1,2-オクタンジオール(CAS:1117-86-8)、1,3-オクタンジオール(CAS:23433-05-8)、2,2,7,7-テトラメチル-1,8-オクタンジオール(CAS:27143-31-3)、2-メチル-1,8-オクタンジオール(CAS:109359-36-6)、2,6-ジメチル-1,8-オクタンジオール(CAS:75656-41-6)、1,7-オクタンジオール(CAS:3207-95-2)、4,4,5,5-テトラメチル-3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジオール(CAS:76779-60-7)、2,2,8,8-テトラメチル-1,9-ノナンジオール(CAS:85018-58-2)、1,2-ノナンジオール(CAS:42789-13-9)、2,8-ジメチル-1,9-ノナンジオール(CAS:40326-00-9)、1,5-ノナンジオール(CAS:13686-96-9)、2,9-ジメチル-2,9-ジプロピル-1,10-デカンジオール(CAS:85018-64-0)、2,9-ジブチル-2,9-ジメチル-1,10-デカンジオール(CAS:85018-65-1)、2,9-ジメチル-2,9-ジプロピル-1,10-デカンジオール(CAS:85018-64-0)、2,9-ジエチル-2,9-ジメチル-1,10-デカンジオール(CAS:85018-63-9)、2,2,9,9-テトラメチル-1,10-デカンジオール(CAS:35449-36-6)、2-ノニル-1,10-デカンジオール(CAS:48074-20-0)、1,9-デカンジオール(CAS:128705-94-2)、2,2,6,6,10,10,-ヘキサメチル-4,8-ジオキサ-1,11-ウンデカンジオール(CAS:112548-49-9)、1-フェニル-1,11-ウンデカンジオール(CAS:109217-58-5)、2-オクチル-1,11-ウンデカンジオール(CAS:48074-21-1)、2,10-ジエチル-2,10-ジメチル-1,11-ウンデカンジオール(CAS:85018-66-2)、2,2,10,10-テトラメチル-1,11-ウンデカンジオール(CAS:35449-37-7)、1-フェニル-1,11-ウンデカンジオール(CAS:109217-58-5)、1,2-ウンデカンジオール(CAS:13006-29-6)、1,2-ドデカンジオール(CAS:1119-87-5)、2,11-ドデカンジオール(CAS:33666-71-6)、2,11-ジエチル-2,11-ジメチル-1,12-ドデカンジオール(CAS:85018-68-4)、2,11-ジメチル-2,11-ジプロピル-1,12-ドデカンジオール(CAS:85018-69-5)、2,11-ジブチル-2,11-ジメチル-1,12-ドデカンジオール(CAS:85018-70-8)、2,2,11,11-テトラメチル-1,12-ドデカンジオール(CAS:5658-47-9)、1,11-ドデカンジオール(CAS:80158-99-2)、11-メチル-1,7-ドデカンジオール(CAS:62870-49-9)、1,4-ドデカンジオール(CAS:38146-95-1)、1,3-ドデカンジオール(CAS:39516-24-0)、1,10-ドデカンジオール(CAS:39516-27-3)、2,11-ジメチル-2、11-ドデカンジオール(CAS:22092-59-7)、1,5-ドデカンジオール(CAS:20999-41-1)、6,7-ドデカンジオール(CAS:91635-53-9)、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0072】
好ましくは、ジオールは、エチレングリコール(CAS:107-21-1)、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(MPD、CAS:4457-71-0)、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール-NPG、CAS:126-30-7)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0073】
好ましくは、一般式[化7]のポリエステルは、アジピン酸と、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、および1,6-ヘキサンジオールの混合物との重縮合反応、またはアジピン酸と3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの重縮合反応によって得られる。
【0074】
好ましくは、一般式[化7]のポリエステルジオールは、4mg KOH/gと24mg KOH/gの間、優先的には7mg KOH/gと24mg KOH/gの間、好ましくは7mg KOH/gと20mg KOH/gの間、特に9mg KOH/gと19mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有する。好ましくは、ヒドロキシル価IOHは、9mg KOH/gと24mg KOH/gの間である。
【0075】
一般式[化7]のポリエステルジオールは、0℃未満、好ましくは-20℃以下、好ましくは-40℃以下、優先的には-50℃以下、特に-60℃以下、例えば-64℃以下のガラス転移温度Tを有し得る。
【0076】
一般式[化7]のポリエステルジオールは、5500g/mol以上、好ましくは6000g/mol以上、特に厳密には6000g/mol超、優先的には8000g/mol以上、特に9000g/mol以上、例えば10000g/mol以上、有利には12000g/mol以上、特に18000g/mol以上の数平均分子量を有し得る。
【0077】
一般式[化7]のポリエステルジオールの数平均分子量は、そのIOHおよびその官能価から決定することができる。
【0078】
一般式[化7]の非晶性ポリエステルジオールの中でも、例えば、Evonik社が販売するDynacoll(登録商標)7250(23℃での粘度が180Pa.sであり、数平均分子量Mnが5500g/molに等しく、Tが-50℃に等しいポリエステルポリオール)、Kuraray社が販売するKuraray(登録商標)P-6010(23℃での粘度が68Pa.sであり、数平均分子量が6000g/molに等しく、Tが-64℃に等しいポリエステルポリオール)、またはKuraray社が販売するKuraray(登録商標)P-10010(23℃での粘度が687Pa.sであり、数平均分子量が10000g/molに等しいポリエステルポリオール)が挙げられる。
【0079】
特定の一般式[化5]の第2のポリマーを得るための方法の第2の工程は、一般式[化5]のポリマーを調製することからなる。
【0080】
第1の変形例によれば、上記の一般式[化7]のポリエステルは、0.90と1.05の間、好ましくは約1に等しいNCO/OH官能基数のモル当量比に相当する量で、一般式[化20]
のイソシアナトシランと反応してもよい。
【0081】
この工程は、アルコキシシラン基の加水分解を避けるために、特に無水条件下で行われる。この反応工程を実施するための典型的な温度範囲は、30℃~120℃、より具体的には60℃~105℃である。
【0082】
上記の一般式[化20]のイソシアナトシランは広く市販されている。特に、Silquest(登録商標)A-Link 35、すなわち、Momentiveから入手可能な(3-イソシアナトプロピル)トリメトキシシラン)、Silquest(登録商標)A-Link 25、すなわち、Momentiveから入手可能な(3-イソシアナトプロピル)トリエトキシシラン、Gelestから入手可能な(3-イソシアナトプロピル)メチルジメトキシシラン、Geniosil(登録商標)XL 42、すなわちWackerから入手可能な(3-イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン、およびGeniosil(登録商標)XL 43、すなわちWackerから入手可能な(3-イソシアナトメチル)トリメトキシシランが挙げられる。
【0083】
第2の変形例によれば、シリルポリマーは、
0.3と0.7の間、好ましくは約0.5に等しいNCO/OH官能基数のモル当量比に相当する量での一般式[化7]のポリエステルポリオールと式NCO-R-NCOのジイソシアネートとの反応によるポリエステル-ポリウレタンブロックの形成、
0.90と1.05の間、好ましくは約1に等しいNCO/OH官能基数のモル当量比に相当する量での前工程で得られたブロックと式[化20]のイソシアナトシランとの反応
による2段階で得ることができる。
【0084】
イソシアナトシランは、上述のものであってもよい。
【0085】
好ましくは、本発明によるシリルポリマーは、一般式[化3]のポリマーであり、式中、
は0に等しい整数であり、
p=1であり、
およびRは、それぞれ、メチルラジカルを表し、
は、二価のメチレンラジカルを表し、
ポリマーの数平均モル質量は、5000~30000g/mol、優先的には10000~20000g/mol、特に14000~15000g/molの範囲である。
【0086】
好ましくは、本発明によるシリルポリマーは、一般式[化3]のポリマーであり、式中、
は0以外の整数であり、
p=0であり、
は、二価のプロピレンラジカルを表し、
はメチルラジカルを表し、
ポリマーの数平均分子量は、5000~30000g/mol、優先的には10000~30000g/mol、特に15000~25000g/molの範囲である。
【0087】
好ましくは、本発明によるシリルポリマーは、一般式[化5]のポリマーであり、式中、
qはゼロ以外の整数であり、
p=0であり、
は、二価のプロピレンラジカルを表し、
はメチルラジカルを表し、
ポリマーの数平均分子量は、5000~30000g/mol、優先的には10000~30000g/mol、特に15000~25000g/molの範囲である。
【0088】
接着剤組成物は、上述のように単一のポリマーを含んでもよい。
【0089】
あるいは、接着剤組成物は、2つ以上のシリルポリマー、例えば2つ、または3つ、または4つ、または5つ、または5つを超えるシリルポリマーを含んでもよい。
【0090】
本発明による接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に対して20重量%~90重量%、好ましくは30重量%~70重量%のシリルポリマーを含み得る。
【0091】
ポリビニルエーテル化合物
本発明に係るポリビニルエーテル化合物は、ホモポリマーであってもよく、共重合体であってもよい。本発明の文脈において、「共重合体」という用語は、少なくとも2つの異なるモノマーを含むポリマーを意味する。したがって、本発明の文脈において、共重合体という用語は三元共重合体も含む。ポリビニルエーテル化合物が共重合体である場合、ブロック共重合体であることが好ましい。「ブロック共重合体」という用語は、共有結合を介して互いに連結された少なくとも2つのホモポリマーサブユニットを含む共重合体を意味する。
【0092】
ポリビニルエーテル化合物は、一般式[化21]
のモノマーに由来する単位を含み得る。
【0093】
基Rは、1~24個の炭素原子、好ましくは1~10個の炭素原子、好ましくは1~8個の炭素原子、より好ましくは1~4個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖または分岐の基を表す。
【0094】
基Rは、以下の基:アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ならびに酸素、硫黄および窒素から選択されるヘテロ原子を含む環を含む複素環基から選択されてもよく、好ましくは、基Rはアルキル基である。
【0095】
さらにより好ましくは、基Rは、以下の基:置換または非置換のメチル、エチル、ブチル、イソブチル、プロピル、イソプロピル、オクチルまたはアリルから選択される。好ましくは、基Rは、メチル基またはエチル基である。
【0096】
基Rは、任意で、重合に干渉しない1個以上の原子または基で置換されてもよい。そのような基の例は、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、アルコキシ基またはアシルオキシ基であり得る。
【0097】
基RおよびRは、互いに独立して、水素原子または1~10個の炭素原子を含む基を表す。
【0098】
基RおよびRは、互いに独立して、以下の基:アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ならびに酸素、硫黄および窒素から選択されるヘテロ原子を含む環を含む複素環基から選択されてもよい。あるいは、基RおよびRは、3~10個の炭素原子を含む二価の基を表し得る。例えば、二価の基は、5~6個の炭素原子を含む芳香族環を含み得る。
【0099】
好ましくは、RおよびRのうちの少なくとも1つ、好ましくはRおよびRの両方が水素原子である。
【0100】
上記のように、ポリビニルエーテル化合物はホモポリマーであってもよい。このホモポリマーは、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリ(エチルビニルエーテル)、ポリ(ブチルビニルエーテル)、ポリ(イソブチルビニルエーテル)、ポリ(イソプロピルビニルエーテル)、ポリ(プロピルビニルエーテル)、ポリ(オクチルビニルエーテル)から選択される。
【0101】
あるいは、ポリビニルエーテル化合物は、一般式[化21]の少なくとも2つの異なるモノマーを含む共重合体であってもよい。この場合、ポリビニルエーテル化合物は、一般式[化21]の2つの異なるモノマーまたは一般式[化21]の3つの異なるモノマーを含む共重合体であってもよい。これらのモノマーの少なくとも1つは、メチルビニルエーテルまたはエチルビニルエーテルから選択されることが好ましく、これらのモノマーの少なくとも1つは、メチルビニルエーテルであることが好ましい。
【0102】
本発明によるポリビニルエーテル化合物は、30~120、好ましくは40~70のK値を有し得る。「K値」という用語は、平均重合度の尺度を意味する。K値は、規格ISO 1628-1に従って測定することができる。
【0103】
本発明によるポリビニルエーテル化合物はまた、-60~0℃、好ましくは-50~-5℃のガラス転移温度を有し得る。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により測定した。ガラス転移温度は、規格NF EN ISO 11357-2に従って測定することができる。
【0104】
市販のポリビニルエーテル化合物としては、BASF社から入手可能なLutonal(登録商標)M 40、Lutonal(登録商標)A 25、Lutonal(登録商標)A 50、Lutonal(登録商標)A 100、Lutonal(登録商標)I 30、Lutonal(登録商標)I 60、Lutonal(登録商標)I 60 DおよびLutonal(登録商標)I 65 D、ならびにGAF社から入手可能なGantrez(登録商標)Mを挙げることができる。
【0105】
本発明による接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に対して、1重量%~60重量%、好ましくは5重量%~40重量%、より好ましくは5重量%~25重量%のポリビニルエーテル化合物を含み得る。
【0106】
硬化触媒
接着剤組成物の触媒は、アミン、有機金属化合物、酸およびそれらの誘導体、ならびにそれらの混合物からなる群から選択され得る。これは、同じファミリーの触媒の混合物(例えば、いくつかのアミンの混合物)、または異なるファミリーの触媒の混合物(例えば、アミンと有機金属化合物の混合物)であり得る。
【0107】
本発明の文脈において、「有機金属化合物」という用語は、有機ラジカルおよび少なくとも1つの金属を含む化合物を意味する。
【0108】
本発明の文脈において、「有機ラジカル」という用語は、少なくとも1個の炭素原子を含むラジカルを意味する。
【0109】
有機金属化合物は、有機金属化合物(少なくとも1つの金属-炭素共有結合を含む化合物)、金属アルコキシド、金属カルボキシレートおよび1つ以上の有機配位子を有する金属配位錯体を含み得る。
【0110】
言及され得る有機配位子の例としては、アセチルアセトネートおよびオキシムが挙げられる。
【0111】
有機金属化合物の金属原子は、当業者に知られる任意の金属原子であってもよく、特にスズ、アルミニウム、亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、ビスマス、チタンまたはジルコニウムから選択されてもよい。有機金属化合物はさらに、いくつかの金属原子を含んでもよい。
【0112】
有機金属化合物(少なくとも1つの金属-炭素共有結合を含む化合物)は、有機金属化合物のカルボキシレートであってもよい。
【0113】
有機金属化合物は、ジブチルスズジラウレート(DBTL)、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジエチルヘキサノエート、ジオクチルスズジネオデカノエート(例えば、TIB Chemicals社からTIB KAT(登録商標)223の名称で入手可能である。)、ジブチルスズジオレエート、ジブチルスズベンジルマレエート、ジフェニルスズジアセテート、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0114】
金属アルコキシドは、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0115】
金属カルボキシレートは、2-エチルカプロン酸亜鉛、二酢酸亜鉛、ジネオデカン酸亜鉛、ジウンデセン酸亜鉛、ジメタクリレート亜鉛、コバルトアセチルアセトネート、二酢酸コバルト、鉄アセチルアセトネート、二酢酸鉄、ニッケルアセチルアセトネート、二酢酸ニッケル、酢酸ビスマス、トリオクタン酸ビスマス、ジネオデカン酸ビスマス、ジネオデカン酸亜鉛ビスマス、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0116】
1つ以上の有機配位子との金属配位錯体は、亜鉛アセチルアセトネート、チタンアセチルアセトネート(例えば、Dorf Ketal社からTyzor(登録商標)AA75の名称で市販されている)、チタンテトラアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムキレート、例えば、ビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート(例えば、King Industries社からK-KAT(登録商標)5218の名称で市販されている)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジイソプロポキシビス(エチルアセトナト)チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0117】
アミンは、一級アミン、二級アミンまたは三級アミンであり得る。
【0118】
アミンは、アミノシラン、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(ガンマ-トリメトキシシリルプロピル)アミン、N-エチル-ガンマ-アミノイソブチルトリメトキシシラン、またはN-フェニル-ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシランであり得る。
【0119】
好ましくは、触媒はアミノシランではない。
【0120】
好ましくは、アミンは、トリエチルアミン、トリブチルアミン、テトラメチルグアニジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、N,N-ビス(N,N-ジメチル-2-アミノエチル)メチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルフェニルアミン、N-エチルモルホリン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0121】
酸触媒は、有機酸触媒、無機酸触媒、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0122】
無機酸触媒の中でも、例えば、リン酸またはオルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、または硫酸が挙げられる。
【0123】
好ましくは、有機酸触媒は、6以下、好ましくは4以下、有利には2以下、有利には0以下のpKaを有する。
【0124】
有機酸触媒は、スルホン酸、カルボン酸、有機リン酸、有機ホスホン酸、ホスホン酸、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0125】
スルホン酸は、脂肪族または芳香族であってもよく、置換されていてもよく(例えば、ハロゲン(フッ素など)、ヒドロキシル、アルキル、アミンおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの置換基で置換される)、モノまたはジスルホンであってもよい。
【0126】
スルホン酸は、N-アルキルアミノアルキルスルホン酸およびN,N-ジアルキルアミノアルキルスルホン酸(双性イオン)、例えば2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸、4-[N-モルホリノ]ブタンスルホン酸、1,4-ピペラジンジエタンスルホン酸、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸、N-モルホリノメタンスルホン酸、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-メタンスルホン酸、ピペラジン-N,N’-ビス(メタンスルホン酸)、シクロヘキシルアミノメタンスルホン酸、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノメタンスルホン酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンジスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、およびそれらの混合物から選択されてもよい。
【0127】
特に、スルホン酸は、パラ-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンジスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、およびそれらの混合物から選択される。
【0128】
カルボン酸触媒の中でも、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、シュウ酸、酢酸、乳酸、安息香酸、クエン酸、グリコール酸、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0129】
本発明の文脈において、他に言及されない限り、「有機リン酸」という用語は、少なくとも1つの-OHラジカルを含むリン酸エステルを意味する。例えば、リン酸メチルは、2つの-OHラジカルを含み、一般式[化22]
を有する有機リン酸である。
【0130】
特に、有機リン酸は、一般式[化23]
を有し、
式中、
10は、有機ラジカル、特に直鎖または分枝のC1~C22アルキル、シクロアルキル、アリールおよびそれらの混合物(アルキル、シクロアルキルおよびアリール基は、置換されていてもよい)から選択されるラジカルであり、
gおよびhは整数であり、g+h=3およびh=1または2である。
【0131】
有機リン酸は、例えば、C1~C22モノ-またはジアルキルホスフェート酸およびそれらの混合物、例えばブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、2-エチルヘキシルホスフェート、およびそれらの混合物、モノ-またはジアリールホスフェートおよびそれらの混合物、例えば、モノフェニルホスフェート、ジフェニルホスフェートおよびそれらの混合物、アルキルフェニルホスフェート、およびそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0132】
本発明の文脈において、他に明記しない限り、「有機ホスホン酸」という用語は、一般式[化24]
を有するリン系化合物を意味し、
式中、R11およびR12は、好ましくは互いに独立して、直鎖または分岐C1~C22アルキル、シクロアルキル、アリール、およびそれらの混合物(アルキル、シクロアルキルおよびアリール基は置換されていてもよい)から選択される有機ラジカルである。
【0133】
有機ホスホン酸の中でも、例えば、C1~C22モノアルキルホスホン酸が挙げられる。
【0134】
本発明の文脈において、他に明記しない限り、「ホスホン酸」という用語は、一般式[化25]
を有するリン系化合物を意味し、
式中、R13は有機ラジカルであり、好ましくは直鎖または分岐のC1~C22アルキル、シクロアルキル、アリール、およびそれらの混合物(アルキル、シクロアルキルおよびアリール基は置換されていてもよい)から選択される。
【0135】
ホスホン酸の中でも、例えば、N-アルキルアミノアルキルホスホン酸(双性イオン)、N,N-ジアルキルアミノアルキルホスホン酸(双性イオン)、C1~C20アルキルホスホン酸、例えばメチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、t-ブチルホスホン酸、イソブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、2-エチルヘキシルホスホン酸および直鎖または分枝の高級同族体、ベンジルホスホン酸、フェニルホスホン酸、トリルホスホン酸またはキシリルホスホン酸が挙げられる。
【0136】
有機酸触媒の例としては、King Industriesが販売するNacure(登録商標)155(ジノニルナフタレンジスルホン酸、イソブタノールに55%の活物質を含む)、King Industriesが販売するNacure(登録商標)1051(ジノニルナフタレンスルホン酸、2-ブトキシエタノールに50%の活物質を含む)、King Industriesが販売するNacure(登録商標)5076(ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロパノールに70%の活物質を含む)、King Industriesが販売するK-Cure(登録商標)1040(パラ-トルエンスルホン酸、イソプロパノールに40%の活物質を含む)、King Industriesが販売するNacure(登録商標)4000(モノ-およびジアルキルリン酸の混合物、100%活物質)が挙げられる。
【0137】
本発明による酸誘導体は、酸無水物、酸エステルまたは酸アンモニウム塩であってもよく、酸は上記の通りである。
【0138】
酸誘導体は、特に、熱活性化(例えば、70℃~170℃の範囲の温度、好ましくは90℃~120℃の範囲の温度で)によって、または加水分解によって、または光活性化によって、好ましくは熱活性化によって、有利に酸を放出することを可能にする「マスク」酸または「潜在」酸である。
【0139】
マスク酸は、有利には、触媒活性を有する種である酸を放出することを可能にする。例えば、アミノメチルプロパノールとパラ-トルエンスルホン酸との間に形成されるアンモニウム塩は、熱活性化によってパラ-トルエンスルホン酸を放出するマスク酸(酸誘導体)である。
【0140】
酸誘導体は、対応する酸から出発して、例えば典型的な酸/塩基反応を使用することによって、当業者に知られる任意の手段によって調製することができる。例えば、エステルを製造する方法は、典型的には、酸化合物と、ヒドロキシル基を含む化合物、例えばアルコール、またはオキシラン型の化合物との縮合を含む。アンモニウム塩は、アンモニアを用いて、または一級、二級もしくは三級アミンを用いて、上記のいずれかの酸から調製されてもよい。アミンは、任意で、ヒドロキシル基(アルカノールアミン)、C1~C4アルキル基などの少なくとも1つの官能基を含み得る。アンモニウム塩(双性イオン)はまた、例えば、N-アルキルアミノアルキルホスホン酸、N,N-ジアルキルアミノアルキルホスホン酸、N-アルキルアミノアルキルスルホン酸またはN,N-ジアルキルアミノアルキルスルホン酸を含有する溶液のpHを改変することによって調製され得る。
【0141】
好ましくは、触媒は、スルホン酸のアンモニウム塩(スルホン酸は上記の通りである)、ホスホン酸のアンモニウム塩(ホスホン酸は上記の通りである)、有機ホスホン酸のアンモニウム塩(有機ホスホン酸は上記の通りである)、または有機リン酸のアンモニウム塩(有機リン酸は上記の通りである)である。
【0142】
アンモニウム塩を調製するためのアミンとしては、例えば、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリエチルアミン、アニリン、ピリジン、ジメチルアミノエタノール、アルキルピリジン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、オキサゾリジン、二環式オキサゾリジン、アミジン、ジアザビシクロオクタン、グアニジン、N-アルキルモルホリン、アミノピリジン、アミノアルキルピリジン、アミノピロリジン、インダゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、プリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルホリンおよびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、アミンは三級アミンである。
【0143】
酸誘導体の例としては、King Industriesによって販売されるNacure(登録商標)3327またはNacure(登録商標)3525(アミンでマスクしたジノニルナフタレンジスルホン酸、イソプロパノールおよびイソブタノールに25%の活物質を含む)、King Industriesによって販売されるNacure(登録商標)1557またはNacure(登録商標)1953(アミンでマスクされたジノニルナフタレンスルホン酸、ブタノールおよび2-ブトキシエタノールの混合物に25%の活物質を含む)、King Industriesによって販売されるNacure(登録商標)5225またはNacure(登録商標)5528またはNacure(登録商標)5925(アミンでマスクしたドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロパノールに25%の活物質を含む)、King Industriesによって販売されるNacure(登録商標)2107またはNacure(登録商標)2500(アミンでマスクしたパラ-トルエンスルホン酸、イソプロパノールに25%または26%の活物質を含む)、King Industriesによって販売されるNacure(登録商標)2501またはNacure(登録商標)2530(アミンでマスクしたパラ-トルエンスルホン酸、イソプロパノールおよびメタノールの混合物に25%の活物質を含む)、King Industriesによって販売されるNacure(登録商標)4167(有機アミンでマスクされたジアルキルホスフェート、イソプロパノールおよびイソブタノールの混合物に25%の活物質を含む)、King Industriesによって販売されるNacure(登録商標)4575(アミンでブロックされたリン酸、メタノールおよびタノールの混合物に25%の活物質を含む)が挙げられる。
【0144】
好ましくは、触媒は、有機金属化合物(特にアルミニウム系配位錯体)、オルトリン酸、有機リン酸(好ましくは、C1~C22モノ-またはジアルキルリン酸およびそれらの混合物)、アンモニウム塩(特にスルホン酸または有機リン酸の)、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、触媒は、オルトリン酸、有機リン酸(好ましくはC1-C22モノ-またはジアルキルリン酸およびそれらの混合物)、アンモニウム塩(特にスルホン酸または有機リン酸の)からなる群から選択される。
【0145】
本発明による接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に対して、0.1重量%~4重量%、好ましくは0.2重量%~2重量%、より好ましくは0.3重量%~2重量%の硬化触媒を含み得る。
【0146】
本発明に係る組成物が一成分組成物である場合、無機酸およびその塩以外、またカルボン酸以外の上記触媒のうちの1種を用いることが好ましい。
【0147】
本発明による組成物が二成分組成物(以下に詳述する)である場合、硬化触媒は、反応性希釈剤または非反応性希釈剤で混合されてもよい。「非反応性希釈剤」という用語は、触媒の存在下で反応しない希釈剤を意味する。したがって、「反応性希釈剤」という用語は、触媒の存在下で反応する希釈剤を意味する。希釈剤は、難反応性モノシラン(Geniosil XM25、MS RD359)、水捕捉剤(XL33)およびシルセスキオキサン樹脂から選択されてもよい。
非反応性:ポリオール、粘着付与樹脂、レオロジー改質剤(他の添加剤で言及)など。
【0148】
この希釈剤は、300~50000g/mol、好ましくは1000~20000g/molの範囲の数平均分子量(Mn)を有し得る。これにより、硬化した接着剤へのこの希釈剤の移動が防止される。
【0149】
この希釈剤はまた、23℃で10~100000mPa.s、さらにより優先的には23℃で500~15000mPa.sの範囲の粘度を有し得る。
【0150】
この粘度は、ブルックフィールド粘度計(円錐平板、CAP2000+)で測定される。
【0151】
他の添加剤
本発明による組成物は、例えば、粘着付与樹脂、シルセスキオキサン、可塑剤、溶媒、顔料、染料、接着促進剤、吸湿剤、UV安定剤、抗酸化剤、光輝性フレーク、蛍光材料、レオロジー添加剤、充填剤、難燃剤、ワックス、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの他の添加剤を含んでもよい。
【0152】
粘着付与樹脂
本発明による接着剤組成物はまた、少なくとも1つの粘着付与樹脂を含んでもよい。
【0153】
本発明の文脈で使用される樹脂は、シリルポリマーと適合する任意の樹脂であってもよい。
【0154】
「適合性粘着付与樹脂」という用語は、50/50重量比でシリルポリマーと混合した場合に、実質的に均一な混合物を与える(視覚的に相分離が観察されない)粘着付与樹脂を意味する。本発明の文脈において、粘着付与樹脂はポリビニルエーテル化合物とは異なる。
【0155】
粘着付与樹脂は、有利には、
-テルペン-フェノール樹脂、
-炭化水素樹脂、
-ロジン樹脂、および
-アクリル樹脂
から選択される。
【0156】
テルペン-フェノール樹脂は、85~150℃の軟化点を有し得る。炭化水素樹脂は、15~140℃の軟化点を有し得る。ロジン樹脂は、15~115℃の軟化点を有し得る。軟化点は、規格ASTM E28に従って測定することができる。
【0157】
テルペン-フェノール樹脂は、フリーデルークラフツ触媒の存在下でテルペン炭化水素およびフェノール類を重合することによって得ることができる。
【0158】
炭化水素樹脂は、任意でフェノール類の存在下で、α-メチルスチレンの重合を含む方法によって得られる樹脂、任意で無水マレイン酸でグラフトされた、石油留分に由来する約5、9または10個の炭素原子を含む不飽和脂肪族炭化水素の混合物の水素化、好ましくは部分水素化、重合または共重合(芳香族炭化水素との)によって得られる樹脂、テルペン樹脂、一般に、(1または複数の)フリーデル-クラフツ触媒の存在下で、テルペン炭化水素、例えばモノテルペン(またはピネン)の重合から生じる、天然テルペン、例えばスチレン/テルペン、α-メチルスチレン/テルペンおよびビニルトルエン/テルペンに基づく共重合体、ならびにそれらの混合物から選択されてもよい。
【0159】
ロジン樹脂は、天然起源のロジン、またはモノアルコールもしくはポリオール(例えば、グリセロールもしくはペンタエリスリトール)で水素化、二量化、重合もしくはエステル化された変性ロジン(例えば、松脂から抽出されたロジン、木の根から抽出されたウッドロジン)およびその誘導体から選択され得る。
【0160】
アクリル樹脂は、ポリマー鎖において、有意な量の(メタ)アクリルモノマーおよび/または(メタ)アクリレートモノマー、好ましくは少なくとも5重量/重量%(w/w)、より好ましくは少なくとも10%(w/w)、さらにより好ましくは少なくとも20%(w/w)、さらにより好ましくは少なくとも30%(w/w)で構成されたポリマーまたはオリゴマーとして定義される。
【0161】
(メタ)アクリル系モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-ヘプチルアクリレート、n-ヘプチルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アルキルクロトネート、ビニルアセテート、ジ-n-ブチルマレエート、ジオクチルマレエート、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルアクリレート、ジアセトネアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、2-メトキシアクリレート、2-メトキシメタクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、2-フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、カプロラクトンメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート(400)、ポリプロピレングリコールメタクリレート(400)、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、N-ビニルピロリドンまたはN-ビニルラクタムから選択され得る。
【0162】
好ましくは、(メタ)アクリル系モノマーは、20個以下の炭素原子を含み、より優先的には、(メタ)アクリル系モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートおよびヒドロキシエチルアクリレートから選択される。
【0163】
アクリル樹脂は、少なくとも1つの(メタ)アクリル官能基または鎖部分および少なくとも1つの炭化水素系鎖部分を含有するポリマーから選択されてもよく、ポリマーは、共重合体、グラフト共重合体または反応共重合体またはブロック共重合体の形態であり得る。
【0164】
アクリル樹脂は、100℃における粘度が100Pa.s未満であり、150℃における粘度が100Pa.s以下であることが好ましい。
【0165】
アクリル樹脂は、少なくとも1つの炭化水素系モノマーおよび少なくとも1つのアクリレートモノマーの反復単位を含んでもよい。
【0166】
炭化水素系モノマーは、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン、ジビニルベンゼン、ジシクロペンタジエンおよびメチルジシクロペンタジエン、ならびに石油化学産業のC5-ピペリレンおよびC5-イソプレンおよびC9-芳香族流に含まれる重合性モノマーからなる群から選択される。これらの炭化水素系モノマーは、通常、ルイス酸触媒を用いたカチオン重合により、様々な比率で一緒に重合される。
【0167】
アクリレートモノマーは、メチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、n-ヘプチルアクリレート、ヘプチルメタクリレート、2-メチルヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アルキルクロトネート、ビニルアセテート、ジ-n-ブチルマレエート、ジオクチルマレエート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシプロピルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルアクリレート、ジアセトネアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、2-メトキシアクリレート、2-メトキシメタクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、2-フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、カプロラクトンメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール(400)アクリレート、ポリプロピレングリコール(400)メタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ナトリウム1-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルスルホネート、アクリロニトリルおよびそれらの混合物から選択される。
【0168】
好ましくは、炭化水素系モノマーは、芳香族モノマーまたは石油化学源からのC9芳香族流からの重合性モノマー、ジシクロペンタジエンまたは石油化学源からのC5-ピペリレンまたはC5-イソプレン流からの重合性モノマーの群から選択される。
【0169】
好ましくは、アクリレートモノマーは、アクリル酸、2-エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、メタクリル酸、ブチルアクリレートから選択される。
【0170】
これらのアクリル樹脂の軟化点は、室温~180℃であることが好ましく、150℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましく、70~120℃であることがさらにより好ましい。軟化点は、規格ASTM E28に従って測定することができる。
【0171】
このような樹脂は市販されており、例えば、以下の製品が挙げられる。
【0172】
フリーデル-クラフツ触媒の存在下でテルペン炭化水素およびフェノール類の重合によって得られた樹脂の場合。DRT社から入手可能であり、数平均分子量Mが約870DaであるDertophene(登録商標)1510、DRT社から入手可能であり、数平均分子量Mが約630DaであるDertophene(登録商標)H150、DRT社から入手可能であり、数平均分子量Mが約500DaであるDertophene(登録商標)T、Arizona Chemical社から入手可能であり、数平均分子量が約1200DaであるSylvarez(登録商標)TP 95。
【0173】
任意でフェノール類の存在下でα-メチルスチレンの重合を含む方法によって得られた樹脂の場合。Cray Valley社から入手可能であり、フェノール類を作用させずにα-メチルスチレンの重合によって得られ、数平均分子量が900DaであるCleartack(登録商標)W100、Arizona Chemical社から入手可能であり、数平均分子量が約1740Daであり、その製造方法がフェノール類の添加を含むSylvarez(登録商標)510。
【0174】
天然起源のロジンまたは変性ロジンの場合。Arizona Chemical社から入手可能なロジンとペンタエリスリトールのエステルであり、その数平均分子量が約1700DaであるSylvalite(登録商標)RE 100。
【0175】
好ましい実施形態によれば、粘着付与樹脂は、フリーデルークラフツ触媒の存在下で、テルペン炭化水素およびフェノール類の重合によって得られる樹脂から選択される。
【0176】
粘着付与樹脂は、好ましくは、100~6000g/mol、好ましくは300~4000g/mol、優先的には500~2000g/molの範囲の数平均分子量を有する。
【0177】
粘着付与樹脂の数平均分子量は、当業者に周知の方法、例えばポリスチレン型標準物質を使用するサイズ排除クロマトグラフィーによって測定することができる。
【0178】
粘着付与樹脂は、10~300mg KOH/g、好ましくは100~200mg KOH/g、優先的には140~160mg KOH/gの範囲のヒドロキシル価IOHを有し得る。特に、粘着付与樹脂は、145mg KOH/gのヒドロキシル価を有する。
【0179】
粘着付与樹脂のヒドロキシル価は、粘着付与樹脂1グラム当たりのヒドロキシル官能基数を表し、ヒドロキシル官能価のアッセイのために、粘着付与樹脂1グラム当たりの水酸化カリウムの当量ミリグラム数(mg KOH/g)の形態で表される。
【0180】
ロジンエステル粘着付与樹脂の酸価は、0~10mg KOH/g、優先的には0~5mg KOH/gの範囲であり得る。粘着付与樹脂の酸価は、粘着付与樹脂1グラム当たりの酸官能基数を表し、酸官能価のアッセイのために、粘着付与樹脂1グラム当たりの水酸化カリウムの当量ミリグラム数(mg KOH/g)の形態で表される。
【0181】
本発明による接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に対して、0.1重量%~80重量%、好ましくは20重量%~70重量%、より好ましくは30重量%~60重量%の粘着付与樹脂を含み得る。
【0182】
本発明による組成物が少なくとも1つの粘着付与樹脂を含む場合、ポリビニルエーテル化合物対粘着付与樹脂の質量比は、3%~100%であり得る。
【0183】
特定の実施形態によれば、接着剤組成物は、単一の粘着付与樹脂を含む。
【0184】
代替の実施形態によれば、接着剤組成物は、異なる粘着付与樹脂、例えば、2つまたは3つまたは4つまたは5つの異なる粘着付与樹脂を含む。
【0185】
シルセスキオキサン
シルセスキオキサンは、典型的には、Si-O-Si結合を有する多面体構造またはポリマー構造をとることができる有機ケイ素化合物である。それらは、典型的には、一般式[化26]
[R’SiO3/2
を有し、
式中、R’は、本質的に同一であっても異なってもよく、有機ラジカルを表し、tは、6~12の範囲であり得る整数であり、tは、好ましくは6、8、10または12に等しい。
【0186】
一実施形態により、シルセスキオキサンは、多面体構造(または「多面体オリゴマーシルセスキオキサン」のPOSS)を有する。
【0187】
好ましくは、シルセスキオキサンは、一般式[化27]
に対応し、
式中、R’~R’の各々は、
ラジカルR’~R’のうちの少なくとも1つのラジカルが、C1~C4アルコキシラジカルであること、および
ラジカルR’~R’のうちの少なくとも1つのラジカルが、フェニルラジカルであること
という条件で、
互いに独立して、
水素原子、
直鎖または分岐のC1-C4アルコキシラジカル、1~30個の炭素原子を含む直鎖または分岐のアルキルラジカル、2~30個の炭素原子を含むアルケニルラジカル、6~30個の炭素原子を含む芳香族ラジカル、3~30個の炭素原子を含むアリルラジカル、3~30個の炭素原子を含む環状脂肪族ラジカルおよび1~30個の炭素原子を含むアシルラジカルからなる群から選択されるラジカル、ならびに
基-OSiR’R’10(式中、R’およびR’10は、それぞれ互いに独立して、水素原子または直鎖もしくは分岐のC1-C4アルキル、直鎖もしくは分岐のC1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニル、フェニル、C3-C6アリルラジカル、環状C3-C8脂肪族ラジカルおよびC1-C4アシルラジカルからなる群から選択されるラジカルを表す)
から選択される群を表す。
【0188】
シルセスキオキサンは、特に特許出願WO2008/107331 A1に記載されている既知の化合物である。Dow Corning(登録商標)3074およびDow Corning(登録商標)3037(CAS番号=68957-04-0)の名称で販売されているDow製の製品など、いくつかの製品も市販されている。
【0189】
本発明による接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に対して、0~40重量%、好ましくは0~20重量%、より好ましくは0~10重量%のシルセスキオキサンを含み得る。
【0190】
充填剤
充填剤は、有機充填剤、無機充填剤およびそれらの混合物から選択され得る。
【0191】
有機充填剤として、任意の有機充填剤、特に接着剤の分野で典型的に使用されるポリマー充填剤を使用することができる。例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィン、ゴム、エチレンビニルアセテート(EVA)、Kevlar(登録商標)などのアラミド繊維、膨張性または非膨張性の熱可塑性ポリマー中空ミクロスフェア(例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル製の中空ミクロスフェア)、エチレンビニルアセテート(EVA)などのHMPSAの調製に使用されるものから選択される熱可塑性ポリマー、またはスチレンブロック共重合体(例えば無水マレイン酸でグラフト化された、SIS、SBS、SIBS、SEBS、SEPSおよびそれらの誘導体など)を使用することができる。
【0192】
充填剤は、増量剤(膨潤剤としても知られる)であってもよい。
【0193】
充填剤は、中空ビーズ、すなわち気体を含有するビーズ、または中空ビーズを形成するために膨張させることができるビーズ、すなわち空隙または気体を含有するビーズの形態であり得る。
【0194】
好ましくは、充填剤は無機充填剤である。
【0195】
一実施形態により、充填剤は、砂、沈降シリカおよび/またはヒュームドシリカ、ゼオライト、ガラスビーズ、ガラス、石英、重晶石、アルミナ、マイカ、タルク、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム)から選択される。
【0196】
充填剤は、接着剤組成物の総重量に対して、好ましくは0重量%~15重量%、好ましくは0重量%~10重量%、優先的には0重量%~5重量%である。
【0197】
一実施形態によれば、本発明による組成物は、いかなる充填剤も含まない。
【0198】
可塑剤
本発明による組成物は、少なくとも1つの可塑剤を含んでもよい。組成物の可塑剤の総含有量は、組成物の総重量に対して、0重量%~30重量%、好ましくは1重量%~30重量%、またはさらに例えば1重量%~15重量%の範囲であり得る。
【0199】
使用され得る可塑剤の例として、接着剤の分野で通常使用される任意の可塑剤、例えばフタレート、ベンゾエート、トリメチロールプロパンエステル、トリメチロールエタンエステル、トリメチロールメタンエステル、グリセロールエステル、ペンタエリスリトールエステル、ナフテン系鉱油、アジペート、シクロヘキシルジカルボキシレート、流動パラフィン、天然油(エポキシ化されてもよい)、ポリプロピレン、ポリブチレン、水素化ポリイソプレン、およびそれらの混合物が使用され得る。
【0200】
フタレートの中でも、例えば、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジイソドデシル、フタル酸ジベンジルまたはフタル酸ブチルベンジルが挙げられる。
【0201】
ベンゾエートの中でも、例えば、ネオペンチルグリコールジベンゾエート(例えば、LanxessからUniplex(登録商標)512の名称で入手可能である)、ジプロピレングリコールジベンゾエート(例えば、EastmanからBenzoflex(登録商標)9-88SGの名称で入手可能である)、ジエチレングリコールジベンゾエートとジプロピレングリコールジベンゾエートの混合物(例えば、Kalama ChemicalからK-Flex(登録商標)850 Sの名称で入手可能である)、またはジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエートおよびトリエチレングリコールジベンゾエートの混合物(例えば、EastmanからBenzoflex(登録商標)2088の名称で入手可能である)が挙げられる。
【0202】
ペンタエリスリトールエステルの中でも、例えば、ペンタエリスリチルテトラバレレート(例えば、Perstorp社からPevalen(商標)の名称で入手可能である)が挙げられる。
【0203】
シクロヘキサンジカルボキシレートの中でも、例えば、ジイソノニル1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート(例えば、BASFからHexamoll Dinch(登録商標)の名称で入手可能である)が挙げられる。
【0204】
顔料
顔料が本発明による組成物中に存在する場合、その含有量は、組成物の総重量に対して、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。存在する場合、顔料は、例えば、本発明による組成物の総重量に対して、0.1重量%~3重量%または0.4重量%~2重量%を表し得る。
【0205】
顔料は、有機顔料または無機顔料であってもよい。
【0206】
例えば、顔料は、TiO、特にKronos社によって販売されるKronos(登録商標)2059である。
【0207】
吸湿剤
吸湿剤が存在する場合、吸湿剤は、例えば、500g/mol未満の分子量を有する非ポリマー加水分解性アルコキシシラン誘導体から選択されてもよく、好ましくはトリメトキシシランおよびトリエトキシシラン誘導体から選択されてもよい。そのような薬剤は、典型的には、組成物が使用される前の貯蔵および輸送中の組成物の貯蔵寿命を延ばすことができる。例えば、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(例えば、Momentive社から商品名Silquest(登録商標)A-174で入手可能である)、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン(例えば、WackerからGeniosil(登録商標)XL33の名称で入手可能である)、ビニルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシランまたはフェニルトリメトキシシランが挙げられる。
【0208】
吸湿剤の含有量は、本発明の組成物の総重量に対して、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。存在する場合、吸湿剤は、例えば、組成物の総重量に対して、0.1重量%~3重量%または1重量%~2重量%を表し得る。
【0209】
本発明による組成物は、0.1重量%~3重量%、好ましくは1重量%~3重量%の量の少なくとも1つのUV安定剤または抗酸化剤を含み得る。これらの化合物は、典型的には、熱または光の作用によって形成されやすい酸素との反応に起因する分解から組成物を保護するために導入される。これらの化合物は、フリーラジカルを捕捉する一次抗酸化剤を含み得る。一次抗酸化剤は、単独で、または他の二次抗酸化剤もしくはUV安定剤と組み合わせて使用することができる。
【0210】
例えば、BASFによって販売されるIrganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)B561、Irganox(登録商標)245およびIrganox(登録商標)168が挙げられる。
【0211】
一成分または二成分の組成物
一実施形態によれば、本発明による接着剤組成物は、一成分組成物である。換言すれば、それはすべての化合物が同じ区画に包装されている組成物である。この場合、組成物は使用する準備ができていることが好ましく、すなわち、使用者(個人または専門家)は、事前の混合を行う必要なく、被覆される基材および/または可撓性被覆に接着剤組成物を直接塗布することができる。
【0212】
別の実施形態によれば、本発明による接着剤組成物は、二成分組成物である。言い換えれば、成分が2つの別々の区画に包装されている組成物である。
【0213】
この場合、二成分組成物は、A部およびB部を含んでもよく、2つの部は、例えば、接着剤組成物の使用および基材層への適用の前に混合される。上記の成分は、二成分組成物のA部および/またはB部に分配されてもよい。
【0214】
好ましい実施形態によれば、二成分組成物のA部は、例えば、(上記のような)シリルポリマーを含み得る。組成物のB部は、この場合、(上記のような)硬化触媒を含み得る。ポリビニルエーテル化合物および任意の添加剤も、組成物のA部および/またはB部に存在してもよい。追加の成分(他の添加剤)は、二成分組成物のA部および/またはB部に存在し得る。
【0215】
組成物の使用
本発明による組成物は、自己接着性物品を製造するために使用される。「自己接着性物品」という用語は、追加の糊または接着剤を使用せずに、手または機器のアイテムによる圧力の作用のみによって表面に接着結合することができる任意の物品を意味する。
【0216】
自己接着性物品は、自己接着性層でコーティングされた支持層を含むことができ、自己接着性層は、硬化形態の本発明による接着剤組成物である。
【0217】
好ましくは、自己接着性物品は、感圧性自己接着性物品である。
【0218】
これらの物品は、特に、結合される表面に適用されて、形態、ロゴ、画像または情報を一緒にし、維持し、固定し、または単に固定化し、露出させることを目的としている。これらの物品は、医療分野、衣類、包装、自動車(例えば、ロゴ、レタリング、内部防音、内装トリム、車室内の接着)または建設(例えば、遮音および断熱のために、窓の組み立て)などの多くの分野で、特に医療分野および建設分野で使用することができる。それらは、最終用途の機能として、例えば、工業用のテープ、DIY作業用もしくは作業現場での固定用のテープ、片面もしくは両面テープなどのテープの形態で、またはラベル、包帯、包帯材、パッチもしくはグラフィックフィルムの形態で形成され得る。
【0219】
一実施形態によれば、自己接着性物品は、自己接着性多層システム、特に、片面または両面であり得る自己接着性ラベルまたはテープである。
【0220】
支持層に使用され得る材料は、例えば、任意の種類の剛性支持体または可撓性支持体であり得る。例えば、発泡体、フェルト、不織布支持体、プラスチック、膜、紙、または1つ以上の層を有するポリマー材料のフィルムなどの種類の支持体が挙げられる。
【0221】
支持層は、例えば、ポリオレフィン、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンおよび線状超低密度ポリエチレンを含むポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブチレン、ポリスチレン、天然ゴムまたは合成ゴム、可塑化されてもよく、または可塑化されなくてもよいポリ塩化ビニルなどのビニル共重合体、およびポリ(ビニルアセテート)、エチレン/メタクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、およびエチレン/プロピレン共重合体などのオレフィン系共重合体、アクリルポリマーおよびアクリル共重合体、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、およびそれらの混合物から選択される材料で作られる。好ましくは、支持層は、アクリルポリマー、ポリエチレン(PE)、延伸、無延伸または二軸延伸であってもよいポリプロピレン(PP)、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、または紙に基づくものである。
【0222】
特定の実施形態によれば、本発明による接着剤組成物から得られる自己接着性物品は、接着剤層でコーティングされた永久支持層を含む。好ましくは、接着剤層はまた、好ましくはシリコーン処理された非粘着性の保護紙またはプラスチックフィルムでコーティングされる。
【0223】
非粘着性保護フィルムの代替として、接着剤層でコーティングされていない永久支持層の後面は、非粘着性表面、例えばシリコーン処理保護層を有してもよい。
【0224】
一実施形態によれば、永久支持層は、その両面に、同一であっても異なってもよい接着剤組成物でコーティングされ、2つの接着剤組成物のうちの少なくとも1つは本発明によるものである。
【0225】
好ましくは、支持層は、10μm~50mmの範囲、より好ましくは10μm~20mmの範囲、好ましくは20μm~10mmの範囲、より好ましくは20μm~1mmの範囲の厚さを有する。
【0226】
特定の場合には、支持層上に表面処理を行って、その上にコーティングする工程中に接着剤層の付着を増加させる必要がある。
【0227】
したがって、本発明による自己接着性物品は、2つの基材を接合することができる。自己接着性物品が適用されることが意図される基材(「結合される基材」と呼ばれる)は、可撓性または剛性であり得る。特に、リールの形態で巻かれて包装されるように、上記の支持層と同じ可撓性を有してもよい。あるいは、接合される基材は剛性であってもよい。この場合、基材は、例えば前述のようにリールの形態で巻き上げられて包装されることができない。接合される基材は、例えば、コンクリート、紙、ポリオレフィン型の基材などから選択され得る。
【0228】
特定の実施形態によれば、自己接着性物品はまた、保護非粘着層(「剥離ライナー」)を含む。
【0229】
特定の実施形態によれば、非粘着層は、接着剤組成物を硬化させた後に接着剤層に適用される。
【0230】
支持層は、その2つの面のうちの一方の面、接着剤層でコーティングされていない後面に、例えばシリコーンフィルムなどの保護非粘着層で覆われてもよい。このようにして、シリコーン処理面への接着剤層の接着がないため、自己接着性物品をそれ自体の上に巻き上げ、次いで問題なく巻き戻すことができる。
【0231】
本発明による自己接着性物品は、以下の工程を含む方法によって得ることができる。
-2成分組成物である場合、本発明による接着剤組成物のA部およびB部を混合する工程、
-接着剤組成物を40℃~130℃の範囲の温度に加熱する工程、
-ベアリング面を接着剤組成物でコーティングする工程、
-特に、水分子が気体1m当たり10gと200gの間で存在する気体環境において、50℃~200℃の範囲の温度に加熱することによって、コーティングされた接着剤組成物を硬化させる工程、
-支持層上または非粘着性保護フィルム上に硬化した接着剤層を対向結合(counter-bonding)または転写する工程であって、支持層または非粘着性フィルムが、場合によってはベアリング面の裏面である工程。
【0232】
本発明の目的のために、「ベアリング面」という用語は、非粘着層でコーティングされたベルトコンベヤー、または非粘着保護フィルム(「剥離ライナー」)、または支持層を意味すると理解されるべきである。したがって、支持面は、非粘着性保護フィルムとして、または支持層として、自己接着性物品の一体部分となるようにされる。
【0233】
ベアリング面が支持層でない場合、上記方法の最後の工程は、硬化した接着剤層を支持層上に転写することを含む。
【0234】
ベアリング面が支持層である場合、上記方法の最後の工程は、接着剤層を非粘着性保護フィルム上に対向結合(counter-bonding)することを含む。
【0235】
本発明の好ましい変形例によれば、上記方法の最後の工程は、硬化した接着剤層を、支持層を構成する材料の劣化温度または軟化点より低い温度まで冷却した後に、硬化した接着剤層を可撓性支持層(プラスチックフィルムであってもよい)上に転写することにある。
【0236】
一実施形態によれば、本発明による自己接着性物品は、支持層の表面の前処理の工程を含まず、前述の方法によって得ることができる。これらの前処理は、表面の表面エネルギーおよび/または粗さを増加させ、したがって表面への接着剤層の接着性を改善するために、表面を化学的および/または物理的に改質することを対象とする。既知の表面処理の例として、プラズマ、コロナ処理、摩耗、または薬剤でコーティングされた基材に高い表面エネルギーを与えることができる化学的付着剤(プライマーとしても知られる)の表面への適用を挙げることができる。
【0237】
本発明による自己接着性物品を製造するための方法はまた、本発明による接着剤組成物の第2の層を支持層上にコーティングする工程、続いて、コーティングされた接着剤組成物を20~200℃の範囲の温度に加熱することによって硬化させる工程を含んでもよい。本実施形態によれば、両面自己接着性物品が得られる。
【0238】
コーティング工程は、既知のコーティング装置、例えばリップノズルまたはカーテン型のノズルによって、またはローラによって実施されてもよい。これらの工程は、3~5000g/の範囲の接着剤組成物の単位面積当たりの重量を使用することができる。自己接着性ラベルの製造に必要な接着剤組成物の単位面積当たりの重量は、10~100g/m、好ましくは20~50g/mの範囲であり得る。自己接着性テープの製造に必要な単位面積当たりの重量は、面当たり3~5000g/m、好ましくは15~250g/mに及ぶはるかに広い範囲内で変化し得る。
【0239】
特定の実施形態によれば、コーティングされた接着剤組成物はまた、硬化工程中に、その湿度レベルを特徴とする湿潤雰囲気中での処理に供される。好ましくは、湿潤雰囲気は、分子の2%~100%が水分子であり、好ましくは分子の3%~50%、より好ましくは3%~10%が水分子である雰囲気である。
【0240】
含水量は、単位体積当たりの水のパーセンテージとして表され、単位体積中の分子の総数で割った水分子の数に対応する。このスケールの線形性により、含水量は、例えばP.I.D(比例積分微分)型のモニターを使用することによって容易に測定および監視される。重量パーセントは、分子の総数に対する水分子の数のパーセントに0.622の係数を掛けることによって算出することができる。様々な環境における含水量に関する一般的な情報は、W.Wagner et al.in International Steam Tables-Properties of Water and Steam based on the Industrial Formulation IAPWS-IF97に記載されている。
【0241】
熱硬化工程は、特に、接着剤組成物の加水分解性アルコキシシラン末端基を有するポリマー鎖間で、および大気水分の作用下で、三次元ポリマーネットワークの形成をもたらすシロキサン型の結合を生成する効果を有する。このようにして硬化された接着剤組成物は、特に、それでコーティングされた支持層に望ましい接着力およびタックを与える感圧接着剤である。
【0242】
好ましくは、コーティングは、支持層上または非粘着性保護層上に均一に実施されるが、コーティングはまた、最終的な自己接着性物品の所望の形状に適合されてもよい。
【0243】
一実施形態によれば、接着剤組成物によるコーティングは、支持層の2つの面の少なくとも一部にわたって行われる。支持層の2つの面をコーティングする場合、接着剤組成物は2つの面で同一でも異なってもよく、単位面積当たりの重量は2つの面で同一でも異なってもよい。
【0244】
本発明の特定の実施形態によれば、自己接着性物品は、支持層の1つの面の少なくとも一部または2つの面の少なくとも一部に接着剤層を含み、接着剤層は、任意で非粘着性保護層でコーティングされる。一実施形態によれば、自己接着性物品は、2つの接着剤層の各々の上に2つの非粘着性保護層を含む。この場合、2つの保護層は、同一または異なる材料で作ることができ、および/または同一または異なる厚さを有することができる。
【0245】
本発明による自己接着性物品は、防水通気性物品である。「防水通気性」という用語は、水蒸気を透過し、液体の水を透過しないことを意味する。
【0246】
好ましくは、本発明による組成物から得られた物品は、37℃、相対湿度50%、膜厚30μmで、24時間当たり少なくとも350g/mの水蒸気透過率(MVTR、「水蒸気透過率」について)を有する。より好ましくは、フィルムの水蒸気透過率MVTRは、37℃、相対湿度50%、フィルム厚さ30μmで、少なくとも500g/m/24h、好ましくは少なくとも600g/m/24h、より好ましくは少なくとも700g/m/24h、より好ましくは800g/m/24hである。特に、MVTR膜透過率は、37℃、相対湿度50%、フィルム厚さ30μmで、350~400g/m/24h、または400~500g/m/24h、または500~600g/m/24h、または600~700g/m/24h、または700~800g/m/24h、または800~900g/m/24h、または900~1000g/m/24h、または1000~1200g/m/24h、または1200~1500g/m/24h、または1500~2000g/m/24h、または2000~2500g/m/24h、または2500~3000g/m/24h、または3000~3500g/m/24h、または3500~4000g/m/24h、または4000~4500g/m/24h、または4500~5000g/m/24hの範囲であり得る。フィルムの水蒸気透過率(MVTR)は、37℃、相対湿度50%、フィルム厚さ30μmで、規格ASTM E96 Bに従って測定することができる。本発明による自己接着性物品は、以下の工程を含む接着方法に使用することができる。
-当該層が存在する場合、非粘着性保護層を除去する工程、
-自己接着性物品を製品の一方の表面に適用する工程、
-物品に圧力を加える工程。
【0247】
第2工程では、物品の自己接着部(自己接着性層により形成される)が製品の表面に対向するように、自己接着性物品を適用する。
【0248】
自己接着性物品が両面物品である特定の実施形態によれば、結合方法はまた、製品の第2の表面が、製品の第1の表面に結合された物品に適用されるか、または製品の第1の表面に結合された物品が、製品の第2の表面に適用される工程を含む。
【実施例
【0249】
以下の実施例は、本発明を限定することなく説明する。
【0250】
「PSA」接着性能
接着剤組成物をポリエチレンテレフタレート(PET)基材層に塗布して、厚さ50μmの層を形成した。
【0251】
接着剤組成物でコーティングされた基材層を70℃で7日間保存して、組成物の完全な硬化を確実にした。
【0252】
組成物の接着性能を、規格Finat 1に従って180°剥離試験によって測定した。したがって、この規格に従って、接着性試験片の2/3(15cm×2.5cm)を試験プレート(研磨されたステンレス鋼、HDPEなど)上に置く。濡れ性を促進するために、2kgのローラを試験片上に2回通過させる。牽引前に10分の待機時間が観察される。試験片を牽引に対して平行に配置し、180℃の角度で曲げ戻す。試験板に結合していない試験片の部分は、顎部の把持を提供し、したがって300mm/分の標準速度での牽引を可能にする。装置は、前述の条件下で試験片を剥離するのに必要な力を測定する。
【0253】
この試験の原理は、接着剤組成物層を基材層から分離(または剥離)するのに必要な力を決定することである。
【0254】
組成物のタックは、規格Finat 9に従って測定した。したがって、この規格に従って、15cm×2.5cmの接着性試験片をループに折り畳まれ、ループの外面上に接着剤がある。300mm/分の速度で、ループを合わせ、次いでプレート(ガラス)上に静かに置く。1インチの正方形がプレート上に配置されると、ループがプレートから除去され、接着剤を除去するのに必要な力が測定される。
【0255】
水蒸気透過率(MVTR)
この試験は、接着剤組成物層を通過することができる水蒸気の量を測定する。
【0256】
この試験は、規格NF EN 13726-2を37℃で適用することによって行った。
【0257】
接着剤組成物を、5861g/m/24hのMVTRを有する不織布(NW)材料の基材層に、または7826g/m/24hのMVTRを有するポリウレタン(PU)の基材層に適用して、裏打ちなしで厚さ0.03mmの層を形成した(ラミネート中にPUフィルムを補強するための支持体、厚さ0.104mm、裏打ちあり)。
【0258】
接着剤組成物でコーティングされた基材層を70℃で7日間保存して、組成物の完全な硬化を確実にした。
【0259】
実施例1:
以下の成分を使用して、組成物A(本発明による)および組成物B(参照)を調製した:
-Cray Valley社から入手可能であり、フェノール類を作用させずにα-メチルスチレンを重合することによって得られる粘着付与樹脂であり、900Daの数平均分子量を有するCleartack(登録商標)W100、
-Arizona Chemical社から入手可能であり、数平均分子量が約1700Daのロジン型樹脂であるSylvalite(登録商標)RE 100、
-BASFから入手可能であり、ポリビニルエーテルであるLutonal(登録商標)M40、
-BASFから入手可能であり、ヒンダードフェノール系の抗酸化剤であるIrganox(登録商標)1010、
-Momentive社から入手可能であり、トリメトキシシラン末端基を有するシリルポリプロピレングリコールポリウレタンプレポリマーであり、24000g/molの平均分子量Mnを有するSPUR Y-19204、
-King Industries社から入手可能であり、アルミニウムキレート型の触媒であるK-KAT(登録商標)5218。
[表1]
【0260】
組成物Bは、ポリビニルエーテル化合物を含まない。
【0261】
接着性能および蒸気透過性を上記のように測定した。結果を以下の表に示す。
[表2]
【0262】
凡例:
-SS=研磨ステンレス鋼
-AF=接着破壊(残留物が残っておらず、接着の喪失が試験結果を説明し、生成物は良好な凝集力を有する)
-HDPE=高密度ポリエチレン
【0263】
本発明による組成物Aは、良好な接着特性を損なうことなく、改善された蒸気透過性を有する物品を得ることを可能にすることが分かる。
【0264】
実施例2
以下の成分を使用して、組成物C(本発明による)および組成物D(参照)を調製した:
-Eastman社から入手可能であり、炭化水素系樹脂であるPicco(登録商標)AR100、
-BASFから入手可能であり、ポリビニルエーテルであるLutonal(登録商標)M40、
-Wacker社から入手可能であり、平均分子量が24000g/molのジメトキシ(メチル)シリルメチルカルバメート末端ポリエーテルであるGeniosil(登録商標)STPE-30、
-King Industries社から入手可能であり、アルミニウムキレート型の触媒であるK-KAT(登録商標)5218。
[表3]
【0265】
組成物Dは、ポリビニルエーテル化合物を含まない。
【0266】
接着性能および蒸気透過性を上記のように測定した。結果を以下の表[表4]に示す:
[表4]
【0267】
本発明による組成物Cは、良好な接着特性を損なうことなく、改善された蒸気透過性を有する物品を得ることを可能にすることが分かる。
【0268】
実施例3:
以下の成分を使用して、組成物E(本発明による)および組成物F(比較例)を調製した:
-Cray Valley社から入手可能であり、フェノール類を作用させずにα-メチルスチレンを重合することによって得られる粘着付与樹脂であり、900Daの数平均分子量を有するCleartack(登録商標)W100、
-Arizona Chemical社から入手可能であり、数平均分子量が約1700Daのロジン型樹脂であるSylvalite(登録商標)RE 100、
-BASFから入手可能であり、ポリビニルエーテルであるLutonal(登録商標)M40、
-BASFから入手可能であり、ヒンダードフェノール系の抗酸化剤であるIrganox(登録商標)1010、
-Momentive社から入手可能であり、トリメトキシシラン末端基を有するシリルポリプロピレングリコールポリウレタンプレポリマーであり、24000g/molの平均分子量Mnを有するSpur Y-19204、
-チタンテトラブトキシド触媒であるTnBT。
[表5]
【0269】
組成物Fは、ポリビニルエーテル化合物を含まない。
【0270】
接着性能および蒸気透過性を上記のように測定した。結果を以下の表に示す。
[表6]
【0271】
本発明による組成物Eは、良好な接着特性を損なうことなく、改善された蒸気透過性を有する物品を得ることを可能にすることが分かる。
【国際調査報告】