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特表2023-535936作動部材に作用する第1の付勢手段を有するプレスブレーキ用クランプシステム及びクランプシステムを備えるプレスブレーキ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-22
(54)【発明の名称】作動部材に作用する第1の付勢手段を有するプレスブレーキ用クランプシステム及びクランプシステムを備えるプレスブレーキ
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/02 20060101AFI20230815BHJP
   B21D 37/04 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
B21D5/02 F
B21D37/04 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504780
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 NL2021050448
(87)【国際公開番号】W WO2022019753
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】2026128
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500530960
【氏名又は名称】ウィラ・ビー・ブイ
【氏名又は名称原語表記】Wila B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン, トーマス ヤン ヘルバート
(72)【発明者】
【氏名】ルーホフ, デニス ヘルマヌス ヨハネス
【テーマコード(参考)】
4E050
4E063
【Fターム(参考)】
4E050CD01
4E050CD04
4E063AA01
4E063BA07
4E063DA18
(57)【要約】
本発明は、プレスブレーキのためのクランプシステムに関し、このクランプシステムは、
曲げ工具の一部を受容するための受容空間を含む細長い梁と、クランプ要素であって、このクランプ要素は、第1の位置(この受容空間にクランプするために曲げ工具に係合することができる位置)と、曲げ工具を解放するための第2の位置との間で移動可能である、クランプ要素と、クランプ要素を変位させるための作動部材であって、クランプ要素を第1の位置に向かって付勢する作動位置と、クランプ要素を第2の位置に移動させることができる非作動位置との間で移動可能である、作動部材と、を備える。クランプシステムは、作動部材をその非作動位置に向かって付勢するために作動部材に作用する第1の付勢部材によって特徴付けられる。本発明はまた、そのようなクランプシステムを備えるプレスブレーキに関する。
【選択図】 図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレスブレーキのためのクランプシステムにおいて、
曲げ工具の一部を受容するための受容空間を含む細長い梁と、
クランプ要素であって、第1の位置(前記受容空間にクランプするために前記曲げ工具に係合することができる位置)と、前記曲げ工具を解放するための第2の位置との間で移動可能である、クランプ要素と、
前記クランプ要素を変位させるための作動部材であって、前記クランプ要素を第1の位置に向かって付勢する作動位置と、前記クランプ要素を第2の位置に移動させることができる非作動位置との間で移動可能である、作動部材と、
を備え、
前記作動部材を前記非作動位置に向かって付勢するために前記作動部材に作用する第1の付勢部材を備えることを特徴とする、クランプシステム。
【請求項2】
前記クランプシステムは押圧方向を有し、前記第1の付勢部材は、前記押圧方向と略平行に配置されている、請求項1に記載のクランプシステム。
【請求項3】
前記作動部材は、その作動位置と非作動位置との間で前記押圧方向と実質的に平行な方向に移動可能である、請求項1~2のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項4】
前記第1の付勢部材は、前記作動部材内の第1の空洞内に少なくとも部分的に延びるか、または前記作動部材の周囲に少なくとも部分的に延びる、請求項1~3のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項5】
前記第1の付勢部材は、前記クランプ要素に近接する前記作動部材の側に配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項6】
前記作動部材がその作動位置を越えて移動することを制限するための第1のストップを更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項7】
前記クランプ要素は、前記押圧方向および前記細長い梁の前記第1の位置と前記第2の位置との間の長手方向に実質的に垂直な方向に移動可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項8】
前記クランプ要素に作用し、前記クランプ要素を前記第2の位置に向かって付勢する第2の付勢部材を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項9】
前記第2の付勢部材は、前記細長い梁の前記押圧方向および長手方向に対して略垂直に配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項10】
前記第2の付勢部材は、前記細長い梁内の第2の空洞内に少なくとも部分的に延びる、請求項7~9のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項11】
前記クランプ要素は、前記第2の付勢部材と係合するための突起を備える、請求項8~10のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項12】
前記クランプ要素がその第2の位置を超えて移動することを制限する第2のストップを更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項13】
前記第2のストップは、前記突起を前記第2の位置で係合する、請求項12に記載のクランプシステム。
【請求項14】
前記クランプ要素は、前記第1の付勢部材の少なくとも一部を受容するための凹部を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項15】
前記第1の付勢部材または前記第2の付勢部材は、圧縮バネを備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項16】
前記クランプ要素および前記作動部材のうちの少なくとも一方は、前記クランプ要素および前記作動部材のうちの他方と係合するための係合面を備え、前記係合面の少なくとも一部は、前記各要素の移動方向に対して傾斜している、請求項1~15のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項17】
前記作動部材は、液圧式または空気圧式作動システムのピストンを備える、請求項1~16のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項18】
前記作動部材は、細長い梁内の第3の空洞内に少なくとも部分的に延びる、請求項1~17のいずれか一項に記載のクランプシステム。
【請求項19】
前記第3の空洞は、前記細長い梁内に一体的に形成される、請求項18に記載のクランプシステム。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載のクランプシステムを備えるプレスブレーキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレスブレーキ用クランプシステムに関し、このクランプシステムは、曲げ工具の一部を受容するための受容空間を含む細長い梁と、クランプ要素と、クランプ要素を変位させるための作動部材とを備え、このクランプ要素は、第1の位置(この受容空間にクランプするために曲げ工具に係合することができる位置)と、曲げ工具を解放するための第2の位置との間で移動可能であり、作動部材は、クランプ要素を第1の位置に向かって付勢する作動位置と、クランプ要素を第2の位置に移動させることができる非作動位置との間で移動可能である。
【0002】
プレスブレーキは、金属シートのようなシート材料を曲げたり折ったりするために使用される機械である。この目的のために、プレスブレーキは、互いに対して移動可能な底部梁と頂部梁とを含む。頂部梁と底部梁の両方が工具を保持し、その間にワークピースが曲げのために提供される。一般に、プレスブレーキの曲げ工具は交換可能であり、異なるタイプの曲げまたは折り目を作ることができ、また工具を点検することができる。従って、プレスブレーキは、工具を解放可能にクランプすることができるクランプシステムを備えている。クランプシステムは、プレスブレーキの頂部梁、底部梁、またはその両方に設けることができる。
【0003】
プレスブレーキには、二つのタイプがある。第1のタイプは、頂部梁または底部梁のいずれかの一体部分であるクランプシステムを有する。頂部梁または底部梁の他方に対して、さらなるクランプシステムを設けてもよいし、設けなくてもよい。一体化されたクランプシステムは、その頂部または底部梁から取り外すことができず、したがってそれ自体は別のクランプシステムと交換することができないが、クランプシステムが保持することができる工具は交換可能である。第2のタイプは、頂部梁または底部梁のいずれかに接続されて固定きる交換可能なクランプシステムを有する。頂部梁または底部梁の他方に対して、さらなるクランプシステムを設けてもよいし、設けなくてもよい。交換可能なクランプシステムは、工具を交換することを可能にするが、例えば、保守のため、または他のクランプシステムと交換するために、頂部または底部梁から取り外すこともできる。これは、異なるクランプシステムを必要とする可能性がある異なる工具タイプに適した1つのプレスブレーキを作るために、および/または、クランプシステムを点検するために使用される技術である。
【0004】
工具であるかのように他のクランプシステムによってクランプすることができる更なるクランプシステムが存在する。そのようなクランプシステムは、例えば、第1のタイプの工具用システムによってクランプすることができるが、第2のタイプの工具自体をクランプすることができるので、そのようなクランプシステムは、そうでなければ互換性がないであろうクランプシステムと工具との間のアダプタとして作用する。
【0005】
本発明は、底部梁または頂部梁のプレスブレーキと一体化されたクランプシステム、交換可能なクランプシステム、およびアダプタとして作用するクランプシステムに関する。
【0006】
プレスブレーキ及びそのクランプシステムは、例えば、工具をクランプするためのクランプ装置を記載した出願人の先の出願WO 2010/056110 A1から知られている。クランプ装置は、作動部材と係合部材とを含む。作動部材は、例えば液圧式又は空気圧式で駆動される。
【0007】
WO 2010/056110 A1に開示されたクランプ装置は十分に機能し、今日でもなお機能するが、クランプ装置を更に改良する必要性が存在する。工具交換に要する時間を短縮することにより、プレスブレーキをより効率的に使用することができるので、この必要性は、特に工具交換に要する時間に関連して存在する。
【発明の概要】
【0008】
従って、本発明は、より効率的に作動可能なクランプシステムを提供することを目的とする。
【0009】
本発明によれば、この目的は、前文によるプレスブレーキのクランプシステムによって達成され、第1の付勢部材が作動部材に作用して作動部材をその非作動位置に向かって付勢することを特徴とする。
【0010】
出願人は、工具を解放するために、クランプ要素をその第2の位置に向かって変位させることによって、工具を交換するのに必要な時間の比較的大きな部分が占められることを発見した。クランプ要素をその第2の位置に向かって移動させるためには、例えば、作動部材が空気圧または液圧で駆動されている場合には、作動部材に対する空気圧または液圧を停止させる必要があり、空気圧または液圧流体を逆流させて、作動部材をその非作動位置に戻すことができるようにする必要がある。ただし、空気圧式または液圧式の流体が工具を解除するのに十分に後退するには、10秒以上かかることがある。空気または液圧流体の後退を容易にするために、作動部材に作用する第1の付勢部材が設けられる。付勢部材は、作動部材をその非作動位置に付勢し、それによって、空気圧または液圧が十分に解放されると、空気圧または液圧流体を強制的に排出する。その結果、作動部材をその非作動位置に戻し、したがって工具の解放を可能にするのに必要な時間を、例えば、約1-2秒の期間に短縮することができる。
【0011】
もちろん、第1の付勢部材は、空気圧または液圧駆動手段以外の駆動手段が使用される場合に同様の機能を果たすために使用されてもよい。
【0012】
例えば、クランプ要素ではなく、作動部材に作用する第1の付勢部材は、第1の付勢部材に対して比較的大きな空間を提供することができることに留意されたい。特に、作動部材に作用する第1の付勢部材は、比較的長く且つ/又は比較的広くてもよい。従って、第1の付勢部材は比較的大きくてもよく、例えば圧縮バネの場合には比較的高いバネ定数を可能にするので、圧縮バネは比較的大きな付勢力を提供することができ、これは作動部材を移動させるのに必要な時間を短縮するのに役立つ。バネの長さはまた、または代替的に、バネによって付勢されながら、作動部材の比較的広い範囲の運動を可能にすることができる。
【0013】
作動部材の比較的広い可動範囲は、クランプ要素の比較的大きな行程が必要とされる場合に特に重要である。受容空間の内側にハンガーまたはフックとして作用する突起を含むクランプシステムが存在し、その上に工具を支持および/または吊り下げることができる。工具は、工具を挿入または取り外すために突起の周りでそれを操作するのに十分な空間を受容空間の内側に必要とするので、受容空間は、工具に比べて比較的広い。このようなクランプシステムは、クランプ要素が少なくとも部分的に比較的広い受容空間を横断しなければならないので、クランプ要素の比較的大きな行程を必要とする。
【0014】
第1の付勢部材によって与えられる力は、作動部材をその作動位置に移動させるために克服される必要があることに留意されたい。従って、工具をクランプするのに必要な全体の力は、第1の付勢部材によって増大される。これは、作動部材を駆動するために、液圧または空気圧駆動手段のような適切に強力な駆動手段を選択することによって達成することができる。
【0015】
作動部材に作用する第1の付勢部材は、ここでは、第1の付勢部材が最初に作動部材に作用するものとして理解することができる。もちろん、作動部材は、その場合、例えばクランプ要素又は例えば駆動手段に作用することができる。クランプ要素が作動部材に作用する一方で、例えばクランプ要素に最初に作用する付勢手段は、本明細書では作動部材に作用するとは理解されないことを理解されたい。従って、第1の付勢部材は、作動部材に直接作用してもよい。
【0016】
第1の付勢手段は、作動部材と同じ方向に同じ速度で移動する任意の要素、例えば、作動部材に接続されて固定される任意の要素に作用することができる。
【0017】
クランプシステムの一実施形態において、クランプシステムは押圧方向を有し、第1の付勢部材は押圧方向と実質的に平行に配置される。第1の付勢部材は、それ自体が垂直に配置されてもよい。
【0018】
付勢部材を押圧方向と実質的に平行にすることにより、プレスブレーキの構造を比較的コンパクトにすることができる。特に、第1の付勢部材は、少なくとも部分的に受容空間に沿って配置することができる。追加的または代替的に、この実施形態は、比較的小さい、特に比較的狭い細長い梁において、比較的長い第1の付勢部材を使用することを可能にする。
【0019】
コンパクトな構造を提供することは、ワークピースがプレスブレーキに衝突する危険性を低減するのに役立つ。例えば、ワークピースが複数回、例えば異なる位置で曲げられる場合、ワークピースは、細長い梁に向かって折り返されてもよい。細長い梁は、その場合、細長い梁が曲げている間にワークピースを遮断する前に、ワークピースの大きさおよび/またはワークピース内に作ることができる曲げの量を制限することができる。したがって、プレスブレーキをコンパクトに構成することは、できるだけ多くの工作物のための空間を可能にするために重要であり、その結果、プレスブレーキを使用して、多くの折り目を有する複雑な形状および/または比較的大きな工作物を曲げることができる。
【0020】
プレスブレーキが押圧方向を規定し、第1付勢部材が押圧方向と略平行に配置されていることを特徴とする請求項1の前文に記載のプレスブレーキにおいても、上記効果を奏することができる。従って、第1の付勢部材が押圧方向と略平行に配置されている場合には、必ずしも第1の付勢部材が作動部材に作用する必要はない。
【0021】
押圧方向とは、クランプシステムによってクランプされた工具が、ワークピースを曲げるために他の工具に対して移動する方向である。押圧方向は、受容空間の深さ方向に対応してもよい。押圧方向は、垂直であってもよい。
【0022】
クランプシステムの別の実施形態において、作動部材は、その作動位置と非作動位置との間で、押圧方向に実質的に平行な方向に移動可能である。
【0023】
作動部材が押圧方向に対して実質的に平行に移動可能である場合、作動部材を駆動するための駆動手段は、例えば作動部材の側部ではなく頂部又は底部に向かって設置されてもよい。したがって、このようなクランプシステムは、比較的コンパクトに構成することができる。細長い梁が頂部梁である場合、駆動手段は作動部材の頂部に向かって設置されてもよく、一方、細長い梁が底部梁である場合、駆動手段は作動部材の底部に向かって設置されてもよいことに留意されたい。
【0024】
クランプシステムの更に別の実施形態において、第1の付勢部材は、作動部材内の第1の空洞内に少なくとも部分的に延びるか、または作動部材の周囲に少なくとも部分的に延びる。
【0025】
従って、第1の付勢部材は、部分的に作動部材の内部または周囲に配列される。従って、第1の付勢部材は、第1の付勢部材を越えて延びる比較的大きな収容空間を必要とすることなく、比較的長くすることができる。比較的長い第1の付勢部材は、特に、比較的長い移動経路にわたって付勢力を提供するのに有用である。
【0026】
少なくとも部分的に作動部材の周囲に延びる第1の付勢部材は、第1の付勢部材の長さの少なくとも一部分にわたって作動部材を囲むものとして解釈されるべきであることに留意されたい。従って、第1の付勢部材は、作動部材の一部を少なくとも部分的に取り囲む。第1の付勢部材は、単に作動部材の近傍に配置されているだけであって、作動部材の周囲に延びる第1の付勢部材を構成するものとは解されない。
【0027】
本出願全体を通して、第1、第2、第3などの数字を示す語は、何かの一方と他方を区別するためにのみ使用される。従って、第1の空洞と呼ばれる作動部材内の空洞は、作動部材内により多くの空洞が存在することを意味しない。さらに、第2の空洞は、必ずしも作動部材の空洞である必要はない。
【0028】
クランプシステムの更に別の実施形態において、第1の付勢部材は、クランプ要素に近接する作動部材の側に配置される。
【0029】
第1の付勢部材をクランプ要素に近接して置くことにより、第1の付勢部材が付勢部材をその非作動位置に押し戻すことが可能になる。さらに、これは、駆動手段が作動部材に係合するために、作動部材の遠位端を自由のままにする。
【0030】
クランプシステムの更に別の実施形態において、クランプシステムは、作動部材がその作動位置を超えて移動することを制限するための第1の停止部を備える。
【0031】
作動部材の移動を制限することによって、例えば第1の付勢部材を過度に圧縮することによる第1の付勢部材への損傷を防止することができる。従って、第1の停止部は、第1の付勢部材が支持される係合面とは別個のものであってもよい。
【0032】
クランプシステムの更に別の実施形態において、クランプ要素は、その第1の位置と第2の位置との間で、押圧方向および細長い梁の長手方向に実質的に垂直な方向に移動可能である。クランプ要素は、水平方向に移動可能であってもよい。
【0033】
これにより、クランプ要素を受容空間から後退させて工具を細長い梁の側に向かって解放することができる。
【0034】
クランプシステムの更に別の実施形態において、クランプシステムは、第2の位置に向かってクランプ要素を付勢するために、クランプ要素に作用する第2の付勢部材を備える。
【0035】
クランプ要素を第2の位置に付勢することにより、作動部材がその非作動位置に移動されたときにクランプ要素が第2の位置に移動することが保証され、これは工具の解放を補助する。さらに、第2の付勢部材は、第1の付勢部材が作動部材を押し戻すのを補助してもよく、これは、クランプ要素を介して付勢部材をその非作動位置に向けて導く力を提供することによって行われる。従って、第2の付勢部材は、第1の付勢部材に関して説明した利点を達成するのに役立つ。
【0036】
第1および第2の付勢手段を一緒に使用する場合、特に限られた空間において、比較的大きな全体の付勢力が生成されてもよい。従って、本実施形態のクランプシステムは、比較的コンパクトに構成することができる。
【0037】
第1および/または第2の付勢部材は、作動部材またはクランプ部材のそれぞれの移動に応じて変形し、作動部材またはクランプ部材をそれぞれ付勢するために反対方向に弾性力を提供する弾性変形可能な部材を含むことができることに留意されたい。ガス式バネのような他の適当な付勢手段を代わりに使用してもよい。
【0038】
クランプシステムの更に別の実施形態において、第2の付勢部材は、押圧方向および細長い梁の長手方向に実質的に垂直に配置される。第2の付勢部材は、水平に配置されてもよい。
【0039】
第2の付勢部材をこの方向に配置することは、コンパクトな構成を可能にするのに役立つ。
【0040】
クランプシステムの更に別の実施形態において、第2の付勢部材は、細長い梁内の第2の空洞内に少なくとも部分的に延びる。
【0041】
この実施形態において、第2の付勢部材は比較的長くてもよいが、細長い梁を比較的コンパクトに構成することが可能である。従って、第2の付勢部材は、比較的広い可動範囲を有することができる。さらに、第2の付勢部材が圧縮バネを備えている場合には、第2の空洞内に少なくとも部分的にバネを配置することにより、適切なバネ定数を有する適切なバネを選択することができる。
【0042】
細長い梁内の空洞は、第1の空洞と呼ばれる第1の付勢手段内の空洞と区別するためにのみ、第2の空洞と呼ばれることに留意されたい。細長い梁内に追加の空洞がある必要はなく、第1および第2の空洞は、両方が空洞であること以外に共通のものを有する必要はない。
【0043】
クランプシステムの更に別の実施形態において、クランプ要素は、第2の付勢部材と係合するための突起を備える。
【0044】
第2の付勢部材と係合するための突起を設けることにより、第2の付勢部材をクランプ要素に隣接して置くことが可能となり、これにより、クランプシステムを特にコンパクトに構成することが可能となる。
【0045】
第2の付勢部材は、クランプ要素と実質的に平行に延びることができる。
【0046】
クランプシステムの更に別の実施形態において、クランプシステムは、第2の位置を超えるクランプ要素の移動を制限するための第2の停止部を更に備える。
【0047】
第2の位置を超えるクランプ要素の移動を制限することは、例えば、第2の付勢手段の過剰牽引または過剰圧縮を防止することによって、第2の付勢手段に対する損傷を防止するのに役立つ。追加的または代替的に、第2の停止部は、クランプ要素が第2の位置を超えて移動するときに生じる可能性のある誤作動(jams)を防止することによって、クランプシステムの信頼性を高めるのに役立つことができる。
【0048】
クランプシステムの更に別の実施形態において、第2の停止部が第2の位置で突起と係合する。
【0049】
第2の停止部を係合させるために突起を使用することにより、第2の停止部をクランプ要素に対して横方向に位置決めすることが可能となり、例えば、作動部材をクランプ要素の長手方向延長部に対応する空間内に位置決めすることができる。
【0050】
クランプシステムの更に別の実施形態において、クランプ要素は、第1の付勢部材の少なくとも一部を受容するための凹部を備える。
【0051】
凹部は、第1の付勢部材が少なくとも部分的に受容可能な切欠部を形成する。その結果、第1の付勢部材とクランプ要素とを相対的に接近させて置くことができる。特に、クランプ要素の第2の位置において、工具に係合するためのクランプ要素の表面は、第1の付勢部材に比較的接近していてもよい。そのため、クランプ部材と第1の付勢部材とが一緒に占める空間が少なくなり、細長い梁の構造を比較的コンパクトにすることができる。
【0052】
第1の付勢部材が凹部内に受容されるとき、クランプ要素は、第1の付勢部材の周りに少なくとも部分的に延びることができ、すなわち、クランプ要素は、第1の付勢部材を部分的に取り囲むことができる。第1の付勢部材の周囲に少なくとも部分的に延びるクランプ要素は、作動部材が、凹部を画定し且つクランプ要素の第2の位置において第1の付勢部材に対して又はそれを越えて突出するクランプ要素の一部(例えば突起)に係合することを可能にすることができる。突起は、作動部材が係合し得る比較的大きな領域を提供するのに役立ち、一方、凹部は、突起および第1の付勢要素のコンパクトな設計を可能にする。
【0053】
凹部はさらに、第1の付勢部材のガイドとして作用することができる。
【0054】
クランプシステムのさらに別の実施形態において、第1または第2の付勢部材は圧縮バネを備える。したがって、凹部は、付勢部材の円筒形状に対応してもよい。
【0055】
出願人は、圧縮バネを使用することにより、クランプシステムの信頼性のある性能が可能になることを見出した。さらに、圧縮バネは十分な付勢力を提供することができ、外部からの作動を必要としない。
【0056】
圧縮バネが使用される場合、第1の空洞および第2の空洞は、より大きな圧縮バネを使用することができるという追加の利点を提供し、それによって、圧縮バネのより広い選択を可能にすることに留意されたい。圧縮バネを使用する場合、第1および第2の停止部は、圧縮バネの損傷または磨耗を防止するのに役立つことができる。
【0057】
クランプシステムの更に別の実施形態において、クランプ要素および作動部材の少なくとも一方は、クランプ要素および作動部材の他方と係合するための係合面を備え、係合面の少なくとも一部は、それぞれの要素の移動方向に対して傾斜している。
【0058】
このような傾斜した係合面は、クランプ要素と作動部材との間の伝達を提供するので、クランプ要素と作動部材とが互いに対してある角度をなして置くことができるので、これにより、クランプシステムの比較的コンパクトな構造が可能になる。
【0059】
係合面が傾斜する角度は、作動部材の移動とクランプ要素との間の適切な伝達比を選択するように選択することができる。この角度は、係合面の異なる位置で異なる伝達比を提供するように、係合面上で滑らかにまたは急激に変化させてもよい。特に、係合面は、湾曲していてもよいし、異なる傾斜角を有する2つの区域からなっていてもよい。
【0060】
クランプシステムの更に別の実施形態において、作動部材は、液圧または空気圧作動システムのピストンを含む。
【0061】
従って、第1の付勢部材は、前記ピストンに直接作用することができ、これにより、第1の付勢部材からそれぞれの液圧流体または空気圧流体への非常に直接的な力の伝達が可能となる。
【0062】
クランプシステムの更に別の実施形態において、作動部材は、細長い梁内の第3の空洞内に少なくとも部分的に延びる。
【0063】
作動部材のために細長い梁内に空洞を設けることによって、クランプシステムをコンパクトに構成することができる。
【0064】
細長い梁内の前記空洞は、第1の空洞及び第2の空洞と区別するためにのみ第3の空洞と呼ばれる。従って、「第3の」という語を使用することによって、細長い梁内に2つ以上の空洞が存在することは、含意も除外もされない。第1の空洞および/または第2の空洞および/または第3の空洞は、それらのそれぞれの部品における空洞であること以外に、共通のものを有する必要はない。
【0065】
クランプシステムの更に別の実施形態において、第3の空洞は、細長い梁内に一体的に形成される。
【0066】
細長い梁内に空洞を一体的に形成することは、細長い梁に対して固定されかつ密封されなければならない空洞のための別個の部品の必要性を防止する。そのような密封は漏れ又は破損の危険性を示す可能性があるので、一体的に形成された第3の空洞は漏れ又は破損の可能性を低減する。さらに、別個の部品は、プレスブレーキの部品を相互に位置決めする際、特に空洞をクランプ要素に対して位置決めする際に、付加的な誤差の原因となる。
【0067】
追加的または代替的に、細長い梁内に空洞を一体的に形成することにより、クランプシステムの生産をより費用効率的にすることができる。
【0068】
本発明はまた、上述のような少なくとも1つのクランプシステムを備えるプレスブレーキに関する。クランプシステムは、上述の特徴のいずれかを単独でまたは任意の適切な組み合わせで有することができる。
【0069】
クランプシステムは、プレスブレーキの頂部梁内、プレスブレーキの底部梁内、またはその両方に配置することができる。クランプシステムは、当技術分野ではクランプ梁と呼ばれることが多い別個の交換可能なクランプシステムであってもよいし、プレスブレーキの一体部分であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
以下、添付の図面を参照して本発明を更に説明する。
図1A図1Aは、交換可能なクランプシステムを備えたプレスブレーキの横断面側面図を概略的に示す。
図1B図1Bは、交換可能なクランプシステムを備えたプレスブレーキの正面図を概略的に示す。
図2A図2Aは、一体型クランプシステムを備えたプレスブレーキの横断面側面図を概略的に示す。
図2B図2Bは、一体型クランプシステムを備えたプレスブレーキの正面図を概略的に示す。
図3A図3Aは、クランプシステムおよび工具を概略的に斜視断面図で示す。
図3B図3Bは、クランプシステムおよび工具を概略的に横断面図で示す。
図3C図3Cは、クランプシステムおよび工具を概略的に横断面図で示す。
図4A図4Aは、図3A図3Cのクランプシステムの細長い梁の斜視図を概略的に示す。
図4B図4Bは、図3A図3Cのクランプシステムの細長い梁の縦断面図を概略的に示す。
図5図5は、図3A図5のクランプシステムの変形例を概略的に示す。
図6図6は、図3A図5のクランプシステムの変形例を概略的に示す。
図7A図7Aは、別のクランプシステムおよび工具を斜視図で概略的に示す。
図7B図7Bは、別のクランプシステムおよび工具を側面図で概略的に示す。
図7C図7Cは、別のクランプシステムおよび工具を側面図で概略的に示す。
図8図8は、図7A図7Cのクランプシステムの変形例を概略的に示す。
図9図9は、さらに別のクランプシステムの横断面図を概略的に示す。
図10A図10Aは、図9のクランプシステムの細長い梁の斜視図を概略的に示す。
図10B図10Bは、図9のクランプシステムの細長い梁の縦断面を概略的に示す。
図11A図11Aは、細長い梁内の空洞を相互接続する方法における概略的なステップを示す。
図11B図11Bは、細長い梁内の空洞を相互接続する方法における概略的なステップを示す。
図11C図11Cは、細長い梁内の空洞を相互接続する方法における概略的なステップを示す。
図11D図11Dは、細長い梁内の空洞を相互接続する方法における概略的なステップを示す。
図12図12は、図5のクランプシステムの変形例を概略的に示す。
【詳細な説明】
【0071】
図3B図3C図5図6図7B図7C図8図9および図12は、図1Aおよび図2Aと同じ側からの図を示す。
【0072】
図において、同様の要素には同様の参照番号が付されている。異なる実施形態の対応する要素には、百(100)の倍数だけ増加された参照番号で参照される。
【0073】
図1Aおよび図1Bは、接地面G上に設置されたプレスブレーキ1を示す。プレスブレーキ1は、頂部梁2と底部梁3を含む。頂部梁2には頂部クランプシステム4が設けられている。クランプシステムは、頂部工具5を取り外し可能に保持する。底部梁3は、底部工具7を取り外せるように保持する底部クランプシステム6を備えている。頂部梁2および底部梁3は、液圧システム8によって互いに近づく方向および離れる方向に移動可能である。したがって、頂部工具5および底部工具7もまた、互いに近づく方向および離れる方向に移動可能である。シートメタルを曲げるには、シートを工具5と7の間に挿入し、次にこれらを互いに向かって移動させる。次に、頂部工具5は、シートメタルを曲げて変形させるために、シートメタルを底部工具7内に押し込む。曲げた後、工具5,7は、液圧システム8を介して頂部梁2を移動させることによって互いから離れるように移動される。クランプシステム4,6は、適切なロックシステムを介してそれぞれ頂部梁2および底部梁3に取り外せるように取り付けられている。従って、クランプシステム4,6を他の工具に適したクランプシステムと交換したり、クランプシステム4,6を取り出して点検することができる。
【0074】
図2Aおよび図2Bは、同様のプレスブレーキ101を示しており、ここでは、図1Aおよび図1Bのプレスブレーキ1と異なる点についてのみ説明する。図2Aおよび図2Bのプレスブレーキのクランプシステム104、106は、それぞれ頂部梁102および底部梁103と一体化されている。したがって、クランプシステム104、106は交換可能ではない。クランプシステム104、106によって保持される工具105、107は交換可能である。
【0075】
図3A図3Cは、例えば、図1A図2Bに示すプレスブレーキに使用できるクランプシステム204を示す。クランプシステム204は、主要本体として細長い梁209を有する。細長い梁209内の受容空間210は、工具205の一部を収容する。クランプシステムは、作動部材211およびクランプ要素212を更に備える。作動部材211は、上方に非作動位置まで、下方に作動位置まで移動可能である。クランプ要素212は、工具205に係合するために受容空間210内に延びる第1の位置と、工具を解放するために受容空間210から後退する第2の位置との間で移動可能である。クランプ要素212は、係合先端213を有し、この係合先端213は、工具205を受容空間210内に確実にクランプするために工具205内の係合凹部214と協働する。作動位置において、作動部材211は、クランプ要素212と係合し、それを受容空間210に向かって付勢する。図3Bは、工具205がクランプ要素212によって受容空間210内にクランプされるように、作動位置にある作動部材211を示す。作動部材211は、クランプ要素212に係合するために、傾斜係合面215を有し、この傾斜係合面215は、同様に協働するクランプ要素212の傾斜係合面216に係合する。従って、作動部材211がその作動位置、即ち図において下方に移動するとき、作動部材211の係合面215は、クランプ要素212の係合面216と係合し、その傾斜により、クランプ要素212をその第1の位置(即ち図において左方に)押圧する。図3Cは、クランプ要素212が受容空間210から第2の位置に後退し、それによって工具205を解放した状態で、作動部材211が非作動位置にあることを示す。
【0076】
作動部材211は、圧力室217内に移動可能に配置されている。圧力室217は、細長い梁209内に直接形成され、これもまた、受容空間210を有する。従って、圧力室217は、細長い梁209内に一体的に形成される。作動部材211には、作動部材211を圧力室217の壁すなわち細長い梁209の内側に密封するシール手段218が設けられている。このように、作動部材211は、圧力室217内で移動可能なピストンとして機能し、したがって、ピストンはシリンダとして機能する。従って、作動部材211は、圧力室217内に流体を導入することによって、その作動位置に向かって押されることができる。このクランプシステム204の圧力室217は、作動部材211を移動させるために、液圧液体を圧力流体として受容するように構成されている。
【0077】
クランプシステム204は、第1の圧縮バネ219の形態の第1の付勢部材を備えている。第1の圧縮バネは、作動部材211に作用する。第1の圧縮バネ219は、クランプ機構204によって規定される押圧方向Pと受容空間210の深さ方向とに対応して垂直に配置されている。第1の圧縮バネ219は、作動部材211を上方に、即ち、その非作動位置に向かって付勢する。従って、圧力室217内の作動液の圧力が停止されると、第1の圧縮バネ219が作動部材211を圧力室217内にさらに押し上げて、作動液を圧力室217から強制的に流出させる。第1の圧縮バネ219は、カバー221によって提供される支持体220上に支持する。カバー221は、クランプ要素212、作動部材211および圧力室217を覆う。カバー221はまた、作動部材211が作動位置を越えて移動するのを制限するために、作動部材211が当たる第1の停止部222を形成する。作動部材211は、第1の停止部222と係合するための移動リミッタ223を有する。第1の圧縮バネ219は、作動部材211内の第1の空洞224内に部分的に延びる。第2の付勢部材は、第2の圧縮バネ225の形態で提供される。第2の圧縮バネ225は、水平方向、即ち、押圧方向Pおよび細長い梁204の長手方向に対して垂直に配置されている。第2の圧縮バネ225は、クランプ要素212の突起226を介してクランプ要素104に作用し、第1の圧縮バネ225は、細長い梁内の第2の空洞227内に部分的に延びる。カバー221はまた、クランプ要素212の第2の位置を超える移動を制限するために、クランプ要素212の突起226と係合する第2の停止部228を提供する。
【0078】
図4Aおよび図4Bは、より詳細に上述されたクランプシステム204の細長い梁209を示す。各例において、図4Aおよび図4Bの繰り返す要素には参照番号が与えられていない。図から分かるように、複数の圧力室217が、長手方向Lに細長い梁209内に整列されている。圧力室217は、隣接する圧力室217の側壁230間に延びるチャネル229からなる相互接続部を介して互いに接続、即ち、相互接続される。圧力室217は、一端部に開口231を有し、他端部232で閉じている。チャネル229は、前記他端部232に近接して設けられている。一方の圧力室217は、チャネル233を介して細長い梁209の外部に接続されている。図4Aおよび図4Bから明らかなように、圧力室217は、細長い梁209内に一体的に配置され、受容空間210を構成する同じ材料片内に配置される。圧力室217は、細長い梁209の外側に到達しないチャネル229を介して相互接続されるので、内部的に相互接続される。
【0079】
図5は、その細長い梁309が2つの別個の構成要素309-1および309-2から構成されるという点で、上述のクランプシステム204とは異なるだけのクランプシステム304を示す。細長い梁の主要本体309-1は、補助本体309-2とは別個に製造され、後から取り付けられてもよい。圧力室317は、補助本体309-2内に形成される。
【0080】
図6は、圧力室417が、細長い梁409を一体的に形成した空洞435内に配置されたシリンダ434内に形成されるという点で、図3A図4Bに関連して説明したクランプシステム204とのみ異なるクランプシステム404を示す。もちろん、図5に関して説明したように、補助本体内に空洞435を設けることが可能であり、それによって図5および6の異なる特徴を組み合わせることが可能である。
【0081】
図7A図7Cは、後述する特徴において図3A図4Bに関連して説明されるクランプシステム204とは異なるだけのクランプシステム504を示す。第1に、細長い梁509-1、509-2は、2つの別個の構成要素509-1および509-2からなる。細長い梁の主要本体509-1は、補助本体509-2とは別個に製造され、後から取り付けられてもよい。圧力室217は、変形可能な壁を有する空気ホース536によって形成される。ホース536は、細長い梁509-1、509-2の長手方向Lに、空洞535を介して延びる。ホース536は、流体が圧力室517内で加圧されると膨張し、圧力が解放されると収縮する。ホース536が膨張すると(図7B参照)、それは作動部材511をその作動位置に押す。第1の圧縮バネ519は、作動部材511を上方に押すことによって、圧力が低下したときに流体を圧力室517から押し出すのを助ける(図7C参照)。また、第2の圧縮バネ525と係合するように、クランプ要素512の突起526がクランプ要素512の上側に設定されている。これにより、第2の停止部528と係合するためのクランプ要素512の端面537が解放される。さらに、クランプ要素512には、クランプ要素512が第2の位置にあるとき、即ち、図の右方に移動したときに、第1の圧縮バネ519を収容するための凹部538が設けられている。図3A図4Bの実施形態の場合のように、作動部材の第1の停止部または移動リミッタは提供されない。最後に、受容空間510内側にフックを形成する突起599が設けられている。突起599は、工具505を吊り下げるために使用される。挿入または取外しのために、工具505は、突起599の周りを移動される必要がある。したがって、受容空間510は、幅dがより小さい工具505と比較して、比較的大きい幅Dを有する。従って、クランプ要素512は、工具505をクランプするための比較的大きな行程を有する。
【0082】
図8は、細長い梁709が1つの材料片から作成されるという点で、図7A図7Cのクランプシステム504とは異なるクランプシステム604を示す。従って、空洞635は、細長い梁609の一片内に一体的に形成される。
【0083】
図9は、底部クランプシステム706を示すが、この底部クランプシステム706は、クランプ要素712の突起725の異なる位置から離れて、図2A図3Bに関連して説明されたクランプシステム204の特徴を有する。突起726は、端面737を自由に残して第2の停止部728と協働する。
【0084】
明らかに、底部クランプシステム706は、空洞内の別個の細長い梁及び/又は別個のシリンダ及び/又は圧力室としてのホースのような上述の特徴のいずれかを適用することによって変更することができる。
【0085】
図10Aおよび図10Bは、細長い梁709をより詳細に示す。その特徴は、図3Aおよび図3Bに関連して説明したものと同様である。
【0086】
図11A図11Dは、細長い梁809内の空洞817が内部的に相互接続可能な方法を示す。第1に、細長い梁809が設けられ(図11A参照)、空洞817がその中にある。空洞はまだ相互接続されていない。次に(図11B参照)、ミリング工具が1つの空洞817の開口831を通して挿入される。ミリング工具は、細いステム850と、より大きなヘッド851とを有する。ミリング工具が挿入方向Iに挿入される(図11C参照)。ミリング工具が別の空洞817に向かって機械加工方向Mに移動され、それによって細長い梁809の材料が侵食され、2つの空洞間にチャネル829が作り出される。図11Dに示すように、空洞817は、その後、相互接続される。
【0087】
図12は、図5に関連して説明したクランプシステム304とは異なる別のクランプシステム904を示しており、これは、第1の圧縮バネ919が、作動部材911内の空洞内ではなく作動部材104の周囲に設けられている点で異なる。図12には、第1の停止部が示されていない。本出願に示される他のクランプシステムの第1の圧縮バネもまた、それらのそれぞれの作動部材の周囲に設けることができる。
【0088】
本発明は、多数の特定の実施例および実施形態を参照して上記に説明したが、本発明はこれらに限定されない。その代わりに、本発明は、特許請求の範囲によって定義される主題事項も包含するが、これは以下に続く。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
【国際調査報告】