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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(54)【発明の名称】真空プレス方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 5/02 20060101AFI20230816BHJP
   B30B 12/00 20060101ALI20230816BHJP
   B30B 15/34 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
B30B5/02 Z
B30B12/00 B
B30B15/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502733
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 KR2021009640
(87)【国際公開番号】W WO2022030842
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0097161
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523013341
【氏名又は名称】パク,ウン-キ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,ウン-キ
【テーマコード(参考)】
4E090
【Fターム(参考)】
4E090AA08
4E090AB01
4E090DB01
4E090HA10
(57)【要約】
【課題】本発明は、積層構造の複合素材の加熱加圧及び加圧冷却工程を一つの装備を用いて同一の作業空間内で順次行えるようにし、作業効率を極大化した真空プレス方法及び装置に関する。
【解決手段】本発明によると、中央の内部が空いている状態の上部フレームの間に上部ダイアフラムが設置されて構成される上部加圧部材と、中央の内部が空いている状態の下部フレームの間に下部ダイアフラムが設置されて構成される下部加圧部材と、前記上・下部加圧部材の間に設置される気密維持部材と、前記上・下部加圧部材、前記気密維持部材及び前記上・下部ダイアフラムによって内側に設けられる作業空間と、前記作業空間と連通するように設置される真空加圧作動部と、前記上部加圧部材の上部ダイアフラムに隣接するように設置される加熱部材と、前記上部加圧部材の上部ダイアフラムと加熱部材との間に形成される昇・下降加熱作動空間と、前記昇・下降加熱作動空間と連通するように設置される上部昇降作動部と、前記下部加圧部材の下部ダイアフラムに隣接するように設置される冷却部材と、前記下部加圧部材の下部ダイアフラムと冷却部材との間に形成される昇・下降冷却作動空間と、前記昇・下降冷却作動空間と連通するように設置される下部昇降作動部とを含んで構成及び作動が行われる真空プレス方法及び装置を提供することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央の内部が空いている状態の上部フレーム(10、12)の間に上部ダイアフラム(14)が設置されて構成される上部加圧部材(1)と、
中央の内部が空いている状態の下部フレーム(20、22)の間に下部ダイアフラム(24)が設置されて構成される下部加圧部材(2)と、
前記上・下部加圧部材(1、2)の上・下部フレーム(10、12)(20、22)の間に設置される気密維持部材(3)と、
前記上・下部加圧部材(1、2)の上・下部フレーム(10、12)(20、22)、前記気密維持部材(3)及び前記上・下部ダイアフラム(14)(24)によって内側に設けられる気密維持状態の作業空間(4)と、
前記作業空間(4)と連通するように設置される真空加圧作動部(5)と、
前記上部加圧部材(1)の上部ダイアフラム(14)に隣接するように設置される加熱部材(6)と、
前記上部加圧部材(1)の上部ダイアフラム(14)と前記加熱部材(6)との間に形成される昇・下降加熱作動空間(60)と、
前記昇・下降加熱作動空間(60)と連通するように設置される上部昇降作動部(7)と、
前記下部加圧部材(2)の下部ダイアフラム(24)に隣接するように設置される冷却部材(8)と、
前記下部加圧部材(2)の下部ダイアフラム(24)と前記冷却部材(8)との間に形成される昇・下降冷却作動空間(80)と、
前記昇・下降冷却作動空間(80)と連通するように設置される下部昇降作動部(9)と、を含んで構成されることを特徴とする真空プレス装置。
【請求項2】
前記加熱部材(6)と前記冷却部材(8)の位置を互いに変えて構成されることを特徴とする、請求項1に記載の真空プレス装置。
【請求項3】
前記下部加圧部材(2)及び前記冷却部材(8)と隣接した位置に他の作業空間(4-1)を構成した後、
前記冷却部材(8)と隣接するように別途の上部加圧部材(1-1)を設け、別途の加熱部材(6-1)を備えた他の下部加圧部材(2-1)を設けることによって前記他の作業空間(4-1)を前記上・下部加圧部材(1-1)(2-1)の間にさらに構成してなることを特徴とする、請求項1に記載の真空プレス装置。
【請求項4】
前記上部加圧部材(1)及び前記加熱部材(6)と隣接した位置に更に他の作業空間(4-2)を構成した後、
前記加熱部材(6)と隣接するように別途の下部加圧部材(2-1)を設け、別途の冷却部材(8-1)を備えた他の上部加圧部材(1-1)を設けることによって前記更に他の作業空間(4-2)を前記上・下部加圧部材(1-1)(2-1)の間にさらに構成してなることを特徴とする、請求項1に記載の真空プレス装置。
【請求項5】
それぞれダイアフラムが設置された上・下部加圧部材によって構成された内部の密閉された作業空間に加工処理のための被加工物を配置するローディング工程と、
上部加圧部材と隣接するように設けられた加熱部材と密着させた加熱状態で作業空間の内部の空気を外部に排出し、上・下部加圧部材のダイアフラムによる被加工物の加熱及び真空加圧工程を行う加熱加圧工程と、
前記加熱加圧工程が行われた後、真空加圧工程が行われる被加工物を下部加圧部材と隣接するように設けられた冷却部材と密着させた冷却状態で冷却及び真空加圧工程を行う冷却加圧工程と、
前記冷却加圧工程後、作業空間の内部に外部空気を流入させながら常圧状態に変化させ、上・下部加圧部材を互いに分離した後、内部の処理された被加工物を外部に引き出すアンローディング工程と、を行うことを特徴とする真空プレス方法。
【請求項6】
前記被加工物の加熱加圧工程で被加工物を加熱部材と密着させた後、前記加熱部材が元の位置に固定された状態で被加工物を上・下部加圧部材のダイアフラムと共に変位させながら工程を行うことを特徴とする、請求項5に記載の真空プレス方法。
【請求項7】
前記被加工物の冷却加圧工程で被加工物を冷却部材と密着させた後、冷却部材が元の位置に固定された状態で被加工物を上・下部加圧部材のダイアフラムと共に変位させながら工程を行うことを特徴とする、請求項5に記載の真空プレス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板ディスプレイ、太陽電池、半導体、燃料電池などの積層構造の複合素材の加熱加圧及び加圧冷却工程を一つの装備を用いて同一の作業空間内で順次行えるようにし、作業効率を極大化した真空プレス方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、真空加熱加圧プレス技術は、平板ディスプレイ、太陽電池、半導体、燃料電池などの積層構造の複合素材の加熱加圧工程で活用されている。
【0003】
このとき、従来の方式として、一つのチャンバーの内部で工程が順次行われる場合、そのうちの加熱及び真空加圧工程は、電気ヒーターと急送ファンによる強制対流加熱方式を採択しており、このような加熱状態で被加工物に対する真空加圧工程を行った後、次の冷却及び真空加圧工程も強制対流による冷却方式で行うようになるが、このような従来の方式では、加熱及び真空加圧工程と冷却及び真空加圧工程を含む全体的な工程においてそれぞれ所望の作業仕様に合う条件に至るまで過度に多くの時間がかかるので、生産性が低いという問題が指摘されている。
【0004】
もちろん、近年、このような短所を補完することを目的として、自動化された生産ラインの形態で被加工物に対する加熱及び真空加圧工程と冷却及び真空加圧工程とを分離した後、段階別に異なるステージで作業工程を行う真空プレス方式が採択及び活用されている。例えば、加熱及び冷却のための工程では、一つの装置の内部に加熱器具と冷却器具を同時に設置した後、そのうちの一部を選択的に作動させながら工程を行う方式を採択しており、そのうちの加熱及び真空加圧工程では、一つの装置の内部に設置された加熱器具と冷却器具は作動させず、加熱器具のみを作動させた状態で工程を行う一方で、冷却及び真空加圧工程では、一つの装置の内部に加熱器具及び冷却器具のうちの加熱器具は作動させず、冷却器具のみを作動させた状態で熱伝導方式による工程を行っている。
【0005】
しかし、このような方式では、一つの装置の内部に加熱器具と冷却器具を同時に設置した後、そのうちの一部を選択的に作動させながら工程を行う方式を採択するので、加熱及び真空加圧工程と冷却及び真空加圧工程を順次行う際にその温度差が大きく、被加工物に工程において要求される処理仕様に合う温度処理条件を充足させるためには、相対的に多くの電力及び時間がかかるので生産性が低下し、結局、非経済的である。しかし、これを改善できる既存の方式がないので、やむを得ず上記の方式をそのまま行うしかない現実である。
【0006】
そのため、このような多くの従来方式の場合は、それぞれの処理工程において多くの時間がかかり、装備の稼動時に多くの電力が要されるので非経済的な状況である。
【0007】
これらの加熱及び真空加圧工程と冷却及び真空加圧工程は、それぞれ独立した空間に分けた後、これらの独立した空間でそれぞれ順次行えるように構成することもできるが、この場合は、全体の工程ラインが長くなりながら設備ラインが肥大し、これによる施設費用や維持管理費用が多くかかるので、生産効率に比べて経済的な負担が大きくなるしかないという問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題を解消するために研究・開発がなされたものであって、次のような目的を有する。
【0009】
本発明の目的は、一つの装備の内部で被加工物に対する加熱及び真空加圧工程と冷却及び真空加圧工程を分離された独立的な工程として順次行うことができ、加熱及び冷却過程でも熱伝導方式によって迅速に適正な温度に至るようにした状態で真空加圧が行われるようにし、設備が占める空間を大きく縮小させながらも、施設費用や維持管理費用を節減することはもちろん、生産性も向上できるようにした真空プレス装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記のような目的を達成するために、中央の内部が空いている状態の上部フレームの間に上部ダイアフラムが設置されて構成される上部加圧部材と、中央の内部が空いている状態の下部フレームの間に下部ダイアフラムが設置されて構成される下部加圧部材と、前記上・下部加圧部材の上・下部フレームの間に設置される気密維持部材と、前記上・下部加圧部材の上・下部フレーム、前記気密維持部材及び前記上・下部ダイアフラムによって内側に設けられる気密維持状態の作業空間と、前記作業空間と連通するように設置される真空加圧作動部と、前記上部加圧部材の上部ダイアフラムに隣接するように設置される加熱部材と、前記上部加圧部材の上部ダイアフラムと前記加熱部材との間に形成される昇・下降加熱作動空間と、前記昇・下降加熱作動空間と連通するように設置される上部昇降作動部と、前記下部加圧部材の下部ダイアフラムに隣接するように設置される冷却部材と、前記下部加圧部材の下部ダイアフラムと前記冷却部材との間に形成される昇・下降冷却作動空間と、前記昇・下降冷却作動空間と連通するように設置される下部昇降作動部とを含んで構成される真空プレス装置を提供する。
【0011】
また、前記加熱部材と冷却部材の位置を互いに変えて構成される真空プレス装置を提供する。
【0012】
また、前記下部加圧部材及び前記冷却部材と隣接した位置に他の作業空間を構成した後、前記冷却部材と隣接するように別途の上部加圧部材を設け、別途の加熱部材を備えた他の下部加圧部材を設けることによって前記他の作業空間を前記上・下部加圧部材の間にさらに構成してなる真空プレス装置を提供する。
【0013】
また、前記上部加圧部材及び前記加熱部材と隣接した位置に更に他の作業空間を構成した後、前記加熱部材と隣接するように別途の下部加圧部材を設け、別途の冷却部材を備えた他の上部加圧部材を設けることによって前記更に他の作業空間を前記上・下部加圧部材の間にさらに構成してなる真空プレス装置を提供する。
【0014】
また、それぞれダイアフラムが設置された上・下部加圧部材によって構成された内部の密閉された作業空間に被加工物を配置した後、上部加圧部材と隣接するように設けられた加熱部材と密着させた加熱状態で作業空間内部の空気を外部に排出し、上・下部加圧部材のダイアフラムによる被加工物の加熱及び真空加圧工程を行い、この過程が終了すると、真空加圧工程が行われる被加工物を下部加圧部材と隣接するように設けられた冷却部材と密着させた冷却状態で冷却及び真空加圧工程を行うように処理した後、作業空間の内部に外部空気を流入させながら常圧状態に変化させ、上・下部加圧部材を互いに分離した後、内部の処理された被加工物を外部に引き出しながら工程を行う真空プレス方法を提供する。
【0015】
また、前記被加工物の加熱加圧工程で被加工物を加熱部材と密着させた後、加熱部材が元の位置に固定された状態で被加工物を上・下部加圧部材のダイアフラムと共に変位させながら工程を行う真空プレス方法を提供する。
【0016】
また、前記被加工物の冷却加圧工程で被加工物を冷却部材と密着させた後、冷却部材が元の位置に固定された状態で被加工物を上・下部加圧部材のダイアフラムと共に変位させながら工程を行う真空プレス方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、一つの装備を用いて同一の空間の内部で被加工物に対する加熱及び真空加圧工程と冷却及び真空加圧工程を順次行うことができ、加熱及び冷却過程でも、熱伝導方式によって迅速に適正な温度に至るようにした状態で真空加圧を行うようにし、設備が占める空間を大きく縮小させながらも、施設費用や維持管理費用を節減することはもちろん、生産性も大きく向上できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の好ましい一例を示す概略的な縦断面図である。
図2】本発明の好ましい他の一例を示す概略的な縦断面図である。
図3】本発明の更に他の一例を示す概略的な縦断面図である。
図4】本発明の更に他の一例を示す概略的な縦断面図である。
図5図1に例示した装置の一例を中心に、本発明に係る真空プレス方法を説明するための作動を示す縦断面図である。
図6図1に例示した装置の一例を中心に、本発明に係る真空プレス方法を説明するための作動を示す縦断面図である。
図7図1に例示した装置の一例を中心に、本発明に係る真空プレス方法を説明するための作動を示す縦断面図である。
図8図1に例示した装置の一例を中心に、本発明に係る真空プレス方法を説明するための作動を示す縦断面図である。
図9図1に例示した装置の一例を中心に、本発明に係る真空プレス方法を説明するための作動を示す縦断面図である。
図10図1に例示した装置の一例を中心に、本発明に係る真空プレス方法を説明するための作動を示す縦断面図である。
図11図1に例示した装置の一例を中心に、本発明に係る真空プレス方法を説明するための作動を示す縦断面図である。
図12図1に例示した装置の一例を中心に、本発明に係る真空プレス方法を説明するための作動を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して、本発明に対して好ましい例を中心に詳細且つ具体的に説明する。
【0020】
本発明に係る真空プレス装置の好ましい例によると、図1に例示したように、中央の内部が空いている状態の上部フレーム10、12の間に上部ダイアフラム14が設置されて構成される上部加圧部材1と、中央の内部が空いている状態の下部フレーム20、22の間に下部ダイアフラム24が設置されて構成される下部加圧部材2と、前記上・下部加圧部材1、2の上部フレーム10、12と下部フレーム20、22との間に設置される気密維持部材3と、前記上・下部加圧部材1、2の上部フレーム10、12及び下部フレーム20、22、前記気密維持部材3及び前記上・下部ダイアフラム14、24によって内側に設けられる気密維持状態の作業空間4と、前記作業空間4と連通するように設置される真空加圧作動部5と、前記上部加圧部材1の上部ダイアフラム14に隣接するように設置される加熱部材6と、前記上部加圧部材1の上部ダイアフラム14と前記加熱部材6との間に形成される昇・下降加熱作動空間60と、前記昇・下降加熱作動空間60と連通するように設置される上部昇降作動部7と、前記下部加圧部材2の下部ダイアフラム24に隣接するように設置される冷却部材8と、前記下部加圧部材2の下部ダイアフラム24と前記冷却部材8との間に形成される昇・下降冷却作動空間80と、前記昇・下降冷却作動空間80と連通するように設置される下部昇降作動部9とを含んで構成される。
【0021】
このとき、上・下部加圧部材1、2の上部フレーム10、12及び下部フレーム20、22は、剛体に近い素材であって、高強度のアルミニウム合金や耐食性に優れたステンレス鋼材を用いて製作されるが、作業空間4の内部で真空圧による作業が行われる場合、変形が発生しないように構成される。
【0022】
また、前記上・下部ダイアフラム14、24の場合は、シリコーンゴムなどの弾性を有する伸縮性に優れた弾性シート体を使用するようになる。
【0023】
次に、前記作業空間4と連通するように設置される真空加圧作動部5の場合は、外部に設置された真空ポンプを含む真空配管ラインの形態からなる。
【0024】
次に、前記上部加圧部材1の上部ダイアフラム14に隣接するように設置される加熱部材6は、例えば、内部に電気ヒーターが埋め込まれた加熱板の形態からなり、前記下部加圧部材2の下部ダイアフラム24に隣接するように設置される冷却部材8は、例えば、内部に冷媒が通過する冷却板やペルチェ素子を活用した冷却板の形態からなる。
【0025】
また、前記昇・下降加熱作動空間60と連通するように設置される上部昇降作動部7や、前記昇・下降冷却作動空間80と連通するように設置される下部昇降作動部9は、真空ポンプを含む真空配管ラインと、コンプレッサーを含む圧縮配管ラインとを選択的に連結及び制御できるように構成される。
【実施例
【0026】
また、図2に例示したように、上述した例において、加熱部材6と冷却部材8の位置を互いに変えて構成することもできるが、より詳細に説明すると、中央の内部が空いている状態の上部フレーム10、12の間に上部ダイアフラム14が設置されて構成される上部加圧部材1と、中央の内部が空いている状態の下部フレーム20、22の間に下部ダイアフラム24が設置されて構成される下部加圧部材2と、前記上・下部加圧部材1、2の上部フレーム10、12と下部フレーム20、22との間に設置される気密維持部材3と、前記上・下部加圧部材1、2の上部フレーム10、12及び下部フレーム20、22、前記気密維持部材3及び前記上・下部ダイアフラム14、24によって内側に設けられる気密維持状態の作業空間4と、前記作業空間4と連通するように設置される真空加圧作動部5と、上・下部昇降作動部7、9とを構成することは、図1に例示した上述した例と同一の構造をなしており、但し、前記上部加圧部材1の上部ダイアフラム14に隣接するように設置される冷却部材8、前記上部加圧部材1の上部ダイアフラム14と前記冷却部材8との間に形成される昇・下降冷却作動空間80、前記下部加圧部材2の下部ダイアフラム24に隣接するように設置される加熱部材6、及び前記下部加圧部材2の下部ダイアフラム24と前記加熱部材6との間に形成される昇・下降加熱作動空間60の位置を互いに変えて構成される点のみが異なる形態で構成することができる。
【0027】
また、図3に例示したように、図1に例示した下部加圧部材2及び冷却部材8と隣接した位置に他の作業空間4-1を構成した後、前記冷却部材8と隣接するように別途の上部加圧部材1-1を設け、別途の加熱部材6-1を備えた他の下部加圧部材2-1を設けることによって前記他の作業空間4-1を前記上・下部加圧部材1-1、2-1の間にさらに構成し、上・下部に位置したそれぞれの作業空間4、4-1で同時に作業が行われるように構成することができる。
【0028】
また、図4に示したように、図1に例示した上部加圧部材1及び加熱部材6と隣接した位置に更に他の作業空間4-2を構成した後、前記加熱部材6と隣接するように別途の下部加圧部材2-1を設け、別途の冷却部材8-1を備えた他の上部加圧部材1-1を設けることによって前記更に他の作業空間4-2を前記上・下部加圧部材1-1、2-1の間にさらに構成し、上・下部に位置したそれぞれの作業空間4、4-2で同時に作業が行われるように構成することもできる。
【0029】
このように構成される本発明に係る真空プレス装置の場合、次のような本発明に係る真空プレス方法によって作動が行われる。
【0030】
本発明の場合、図1~4に多様な形態のプレス装置を例示したが、実際に作動が行われる過程は同一又は極めて類似するので、図1に示した例を中心に詳細に説明する。
【0031】
すなわち、要約すると、共通的に、それぞれダイアフラム14、24が設置された上・下部加圧部材1、2によって構成された内部の密閉された作業空間4に加工処理のための被加工物100を配置するローディング工程と、上部加圧部材1と隣接するように設けられた加熱部材6と密着させた加熱状態で作業空間4の内部の空気を外部に排出し、上・下部加圧部材1、2のダイアフラム14、24による被加工物100の加熱及び真空加圧工程を行う加熱加圧工程と、前記加熱加圧工程が行われた後、真空加圧工程が行われる被加工物100を下部加圧部材2と隣接するように設けられた冷却部材8と密着させた冷却状態で冷却及び真空加圧工程を行う冷却加圧工程と、前記冷却加圧工程後、作業空間4の内部に外部空気を流入させながら常圧状態に変化させ、上・下部加圧部材1、2を互いに分離した後、内部の処理された被加工物100を外部に引き出すアンローディング工程とを行う真空プレス方法が実行される。
【0032】
次に、上述した要約された内容を工程別に区分し、これらをより詳細に説明する。
【0033】
ローディング工程
本工程は、それぞれダイアフラム14、24が設置された上・下部加圧部材1、2によって構成された内部の密閉された作業空間4に加工処理のための被加工物100を配置する工程であって、図5に例示したように、上部加圧部材1を上昇させながら作業空間4を開放し、図6に例示したように、作業空間4の内部に被加工物100を位置させた後、図7に例示したように、再び上部加圧部材1を元の位置に下降させ、上・下部加圧部材1、2を互いに密着させた状態で気密維持部材3によって作業空間4の内部が気密状態に維持されるように準備作業を行う。
【0034】
加熱加圧工程
本工程は、上述したローディング工程で被加工物100の処理のための準備作業が行われた後、被加工物100が上部加圧部材1と隣接するように設けられた加熱部材6と密着させ、加熱が行われる状態で被加工物100の加圧工程を行う加熱加圧工程であって、図8に例示したように、真空加圧作動部5によって作業空間4の内部の空気を外部に排出し、上・下部加圧部材1、2のダイアフラム14、24による被加工物100の真空加圧作動が行われる状態で被加工物100を加熱部材6と密着させ、被加工物100と加熱部材6との間に熱伝導による熱伝逹が行われる。
【0035】
このとき、前記被加工物100の加熱加圧が行われる工程で被加工物100を加熱部材6と密着させた後、加熱部材6が元の位置に固定された状態で被加工物100を上・下部加圧部材1、2のダイアフラム14、24と共に変位させながら工程を行う。すなわち、上部昇降作動部7によって上部ダイアフラム14と加熱部材6との間の昇・下降加熱作動空間60の内部にあった空気を外部に排出しながら真空負圧状態に維持する一方で、下部昇降作動部9によって下部ダイアフラム24と冷却部材8との間の昇・下降冷却作動空間80に外部から圧縮空気を流入させながら内部圧力を上昇させると、上・下部ダイアフラム14、24の間に位置していた被加工物100が変位しながら加熱部材6と密着するようになる。
【0036】
冷却加圧工程
本工程は、上述した加熱加圧工程が行われた後、真空加圧工程が行われる被加工物100を下部加圧部材2と隣接するように設けられた冷却部材8と密着させ、冷却が行われる状態で被加工物100の加圧工程が行われる冷却加圧工程であって、図9に例示したように、真空加圧作動部5によって作業空間4の内部の空気を外部に排出し、上・下部加圧部材1、2のダイアフラム14、24による被加工物100の真空加圧作動が行われる状態で被加工物100を冷却部材8と密着させ、被加工物100と冷却部材8との間に熱伝導による熱伝逹が行われる。
【0037】
このとき、前記被加工物100の冷却加圧工程で被加工物100を冷却部材8と密着させた後、冷却部材8が元の位置に固定された状態で被加工物100を上・下部加圧部材1、2のダイアフラム14、24と共に変位させながら工程を行う。すなわち、下部昇降作動部9によって下部ダイアフラム24と冷却部材8との間の昇・下降冷却作動空間80の内部にあった空気を外部に排出しながら真空負圧状態に維持する一方で、上部昇降作動部7によって上部ダイアフラム14と加熱部材6との間の昇・下降加熱作動空間60に外部から圧縮空気を流入させながら内部圧力を上昇させると、上・下部ダイアフラム14、24の間に位置していた被加工物100が変位しながら冷却部材8と密着するようになる。
【0038】
アンローディング工程
本工程は、前記冷却加圧工程後、上部昇降作動部7、真空加圧作動部5及び下部昇降作動部9を作動させ、上部ダイアフラム14と加熱部材6との間の空間、作業空間4、及び下部ダイアフラム24と冷却部材8との間の空間を常圧状態に変化させ、上・下部加圧部材1、2を互いに分離させた後、内部の処理された被加工物100を外部に引き出すアンローディング工程である。
【0039】
このとき、図10に例示したように、上部昇降作動部7を作動させ、上部ダイアフラム14と加熱部材6との間の空間の加圧空気を外部に排出しながら加圧状態を解除し、真空作動部5を作動させながら外部空気の流入によって作業空間4の真空負圧による加圧状態を解除し、下部昇降作動部9を作動させながら下部ダイアフラム24と冷却部材8との間の空間への外部空気の流入で真空負圧による加圧状態を解除することによって初期の常圧状態に維持し、図11に例示したように、上・下部加圧部材1、2を互いに分離させた後、図12に例示したように、内部の処理された被加工物100を外部に引き出すようになる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
したがって、本発明によると、ローディング工程、加熱加圧工程、冷却加圧工程及びアンローディング工程を順次行えるようにし、一つの装備の内部で被加工物に対する加熱及び真空加圧が行われる加熱加圧工程と、冷却及び真空加圧工程が順次行われる冷却加圧工程とを行うことができ、加熱及び冷却が行われる過程でも、熱伝導方式によって迅速に適正な温度に至るようにした状態で真空加圧を行うようにし、その結果、設備が占める空間を大きく縮小させながらも、施設費用や維持管理費用を節減することはもちろん、生産性も大きく向上できるようになる。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】