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特表2023-536071電気機械式作動制御システム及びそのシステムを制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(54)【発明の名称】電気機械式作動制御システム及びそのシステムを制御する方法
(51)【国際特許分類】
   F02D 11/10 20060101AFI20230816BHJP
【FI】
F02D11/10 B
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023503511
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 IN2021050705
(87)【国際公開番号】W WO2022018759
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】202041031856
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521196110
【氏名又は名称】ティーヴィーエス モーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TVS MOTOR COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バラス,モハン
(72)【発明者】
【氏名】サイ プラヴィーン,ヴェラガプディ
(72)【発明者】
【氏名】ケーピー,チャンドラシェカラ
【テーマコード(参考)】
3G065
【Fターム(参考)】
3G065BA01
3G065CA23
3G065DA05
3G065KA36
(57)【要約】
本発明は、電気機械式作動制御システム、及び車両の速度を制御するために、その電気機械式作動制御システムを制御する方法に関する。車両(100)のための電気機械式作動制御システム(200)は、前記車両(100)の速度制御を可能にするように構成されたコントローラモジュール(202)を含み、前記コントローラモジュール(202)は、1つまたは複数の車両構成要素コントローラ(202b)を含む。送信器(203)は、前記コントローラモジュールによって生成されるような入力信号を送信するように構成される。受信器(205)は、前記送信器(203)からの送信された入力信号を受信するように構成される。アクチュエータドライバ(207)は、前記受信器(205)から入力を受信するように構成され、前記アクチュエータドライバ(207)は、前記車両(100)に搭載される。1つまたは複数の車両構成要素は(209)は、前記アクチュエータ(208)に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(100)のための電気機械式作動制御システム(200)であって、
所望の車両構成要素データを実際の車両構成要素データと比較するように構成された比較器(210)と、
1つ又は複数の車両構成要素(209)の制御を可能にするように構成されたコントローラモジュール(202)であって、1つ又は複数の車両構成要素コントローラ(202x、202y)を含む、コントローラモジュール(202)と、
前記コントローラモジュールによって生成されるような入力信号を送信するように構成された送信器(203)と、
前記コントローラモジュール(202)からの送信された入力信号を受信するように構成された受信器(205)と、
前記受信器(205)から入力を受信するように構成されたアクチュエータドライバ(207)であって、前記車両(100)に搭載される、アクチュエータドライバ(207)と、
前記アクチュエータドライバ(207)に結合されるアクチュエータ(208)であって、前記アクチュエータドライバ(207)によって引き起こされる有効状態及び無効状態のうちのいずれか1つにおいて動作可能であるように構成される、アクチュエータ(208)と、
前記アクチュエータ(208)に接続される、1つ又は複数の車両構成要素(209)と
を備える、車両(100)のための電気機械式作動制御システム(200)。
【請求項2】
前記送信器(203)は、前記コントローラモジュール(202)に一体化される、請求項1に記載の車両(100)のための電気機械式作動制御システム(200)。
【請求項3】
前記アクチュエータドライバ(207)は、直流サーボモータである、請求項1に記載の車両(100)のための電気機械式作動制御システム(200)。
【請求項4】
前記アクチュエータ(208)は、前記1つ又は複数の車両ブレーキ(209b)と前記アクチュエータドライバ(207)との間に接続された機械式ケーブルを含む、請求項1、4又は5に記載の車両(100)のための電気機械式作動制御システム(200)。
【請求項5】
前記アクチュエータ(208)は、スロットル制御バルブ(209a)と前記アクチュエータドライバ(207)との間に接続された機械式ケーブルを含む、請求項1、4又は5に記載の車両(100)のための電気機械式作動制御システム(200)。
【請求項6】
前記コントローラモジュール(202)は、補助電源1(204)によって電力供給され、前記受信器(205)は、補助電源2(206)によって電力供給される、請求項1に記載の車両(100)のための電気機械式作動制御システム(200)。
【請求項7】
前記コントローラモジュール(202)は、スロットルバルブコントローラ(202x)を含み、前記1つ又は複数の車両構成要素は、前記アクチュエータ(208)に接続されたスロットル制御バルブ(209a)を含む、請求項1に記載の車両(100)のための電気機械式作動制御システム(200)。
【請求項8】
前記コントローラモジュール(202)は、車両ブレーキコントローラ(202y)を含み、前記1つ又は複数の車両構成要素は、前記アクチュエータ(208)に接続された、1つまたは複数の車両ブレーキを含む、請求項1に記載の車両(100)のための電気機械式作動制御システム(200)。
【請求項9】
車両のための電気機械式作動制御システム(200)を制御する方法であって、
前記制御システム(200)を初期化するステップ(301)と、
前記車両(100)からの実際の車両構成要素データを所望の車両構成要素データと比較し、所望の車両構成要素データに対する車両構成要素データにおける差異を決定するステップ(302)と、
車両構成要素データおよび所望の車両構成要素データにおいて差異がない場合、前記車両(100)は所望の車両構成要素データにあると識別し(304)、アクチュエータドライバ(207)へ入力が送られないステップと、
所望の車両構成要素データおよび実際の車両構成要素データにおいて差異がある場合、前記車両(100)は差異車両構成要素データにあると識別するステップ(305)と、
コントローラモジュール(202)から入力を受信することによって、前記アクチュエータドライバ(207)を有効にするステップ(306)と、
前記アクチュエータドライバ(207)から受信される入力に従って、アクチュエータ(208)を有効にするステップ(307)と、
前記アクチュエータ(307)によって、1つまたは複数の車両構成要素(209)を制御するステップ(308)と、
所望の車両速度を実現するステップ(309)と
を含む、方法。
【請求項10】
速度データにおける前記差異が0より大きい(405)場合、アクチュエータドライバ(207)に対してブレーキ制御入力を提供するステップ(406)と、
前記アクチュエータドライバ(207)によって、アクチュエータ(208)のブレーキ制御作動を有効にするステップ(407)と、
前記アクチュエータ(208)を有効にすることによって、車両(100)の1つまたは複数のブレーキを制御するステップ(408)と、
速度データにおける前記差異が0より大きくない(409)場合、アクチュエータドライバ(207)に対してスロットル制御入力を提供するステップ(409)と、
前記アクチュエータドライバ(207)によって、前記アクチュエータ(208)のスロットル制御作動を有効にするステップ(410)と、
所望の車両速度を実現するために、前記アクチュエータ(208)を有効にすることによって、スロットルバルブの開度を制御するステップ(411)と
を含む、請求項10に記載の車両のための電気機械式作動制御システム(200)を制御する方法。
【請求項11】
車両のための電気機械式作動制御システム(200)に対するフェールセーフ方法であって、
フェールセーフ方法を初期化するステップ(501)と、
スロットル位置センサからのスロットル位置入力を監視するステップ(502)と、
アクチュエータ(208)の故障が決定されない場合、コントローラモジュール(202)へ送られるべき入力はないと識別するステップ(507)と、
前記アクチュエータ(208)の故障が決定された場合、前記コントローラモジュール(202)へ送られるべきセンサ入力を識別するステップ(504)と、
1つまたは複数の車両構成要素コントローラ(202b)へ起動信号を無線で送信するステップ(505)と、
車両速度制御を有効にするステップ(506)と
を含む、車両のための電気機械式作動制御システム(200)に対するフェールセーフ方法。
【請求項12】
実際の速度データを所望の速度データと比較し、前記実際の速度データおよび前記所望の速度データにおける差異を決定するステップ(510)と、
前記実際の速度データおよび前記所望の速度データにおける前記差異が0である場合、アクチュエータ(208)を有効にするための入力は必要とされないと識別するステップ(512)と、
前記実際の速度データおよび前記所望の速度データにおける前記差異が0未満である場合、アクチュエータドライバ(207)に対してスロットルバルブ制御入力を提供するステップ(515)と、
スロットルバルブ開度を制御するステップ(516)と、
前記実際の速度データおよび前記所望の速度データにおける前記差異が0未満でない場合、前記アクチュエータ(208)へ送られるべき入力はないと識別するステップ(514)と
を含む、請求項12に記載の車両のための電気機械式作動制御システム(200)に対するフェールセーフ方法。
【請求項13】
実際の速度データを所望の速度データと比較し、前記実際の速度データおよび前記所望の速度データにおける差異を決定するステップ(602)と、
前記実際の速度データ及び前記所望の速度データにおける前記差異が0である場合、アクチュエータ(208)を有効にするために必要とされる入力はないと識別するステップ(604)と、
前記実際の速度データ及び前記所望の速度データにおける前記差異が0より大きい場合、アクチュエータドライバ(207)に対してブレーキ制御入力を提供するステップ(606)と、
車両のブレーキを制御するステップ(607)と、
前記実際の速度データ及び前記所望の速度データにおける前記差異が0より大きくない場合、前記アクチュエータ(208)へ送られるべき入力はないと識別するステップ(608)と
を含む、請求項12に記載の車両のための電気機械式作動制御システム(200)に対するフェールセーフ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。より詳細には、電気機械式作動制御システム、及び車両の速度を制御するために、その電気機械式作動制御システムを制御する方法に関するが、これらに限られない。
【背景技術】
【0002】
一般に、二輪型車両又は三輪型車両のような車両は、駆動のための内燃(IC:internal combustion)ユニットを備えており、いくつかのモータ車両は、電気車両を駆動するための電気モータを備えている。これらの車両は、用途、エンジンレイアウト等に応じて、二輪又は三輪を構成し得る。これらの車両のうちのいくつかは、スイング式エンジンを備えており、トグルリンクのような接続リンクが、ICエンジンユニットを支持するために提供される。エンジンに対する入力は、車両におけるスロットル要件に従って提供される。車両の速度制御は、主要な要件のうちの1つである。スロットル位置センサ(TPS:throttle position sensor)は、スロットル開度の位置を感知するために使用される。TPSは、用途に応じて、ワイヤを通じてキャブレタにまたは燃料噴射器に接続される。電気車両の場合には、TPSが、ワイヤを通じて電気モータに接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
車両の速度制御は、一般に、スロットル位置スイッチ、電子制御ユニット、及び燃料噴射器を使用することによって提供される。スロットルの位置に基づいて、電子制御ユニットは、オートバイの速度を制御する。これらの既存のシステムは、高価であり、コスト効率が良くない。
【0004】
運転者がスロットルを操作している既存のシステムにおいては、スロットル位置を車両構成要素、例えば、スロットルバルブ、燃料噴射器又はモータに伝達して、必要とされるトルクを生み出すために、ケーブルが必要とされる。一般に、機械式ケーブル又は機械式ワイヤは、スロットル位置を伝達するために使用される。機械式ワイヤ又はケーブルは、断線および破損する傾向があるので、信頼性が高くない。さらに、機械式ワイヤを通じて伝達される信号は、損失し、バックラッシュする傾向があり、そのため、正確かつ即時の結果を実現することができないことがある。機械式ケーブルを使用するシステムは、遅延応答を生み出す傾向がある。遅延応答は、今日のペースが速い世界では好適ではない。機械式ケーブルは、車両を通じて慎重に引き回されなければならず、さもなければ、不格好な外観につながり、車両の美観を損ねることになる。さらに、機械式ワイヤは、車両のスムーズなステアリングを可能にしないことによって、ステアリングシステムに干渉する傾向がある。
【0005】
したがって、知られている技術の上記に説明した限界及び他の問題全てを克服するために、車両の速度を望み通りに正確かつ精密に制御するための、単純かつ迅速なレスポンスシステムに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電気機械式作動制御システム、及び、そのシステムを制御する方法を提供する。車両のための電気機械式作動制御システムは、コントローラモジュール、コントローラノブ、送信器、受信器、作動ドライバ、アクチュエータ、1つ又は複数の車両構成要素、及び1つまたは複数の補助電源を含む。
【0007】
コントローラモジュールは、前記車両の速度制御を可能にするように構成される。コントローラモジュールは、1つ又は複数の車両構成要素コントローラを含む。コントローラノブは、コントローラと共に存在する。制御ノブは、ON状態およびオフ状態において動作可能であり得るスイッチとすることができる。送信器は、コントローラモジュールによって生成されるような入力信号を受信器へ送信するように構成される。受信器は、送信器からの送信された入力信号を受信するように構成される。受信器は、受信された入力をアクチュエータドライバへ渡す。アクチュエータドライバは、車両に搭載される。アクチュエータは、アクチュエータドライバに接続される。アクチュエータは、前記アクチュエータドライバによって引き起こされる有効状態および無効状態のうちのいずれか1つになるように構成される。有効状態において、アクチュエータドライバは、1つまたは複数の車両構成要素の動作を制御している。それに対して、無効状態においてアクチュエータドライバは、1つまたは複数の車両構成要素の動作を制御しない。1つまたは複数の車両構成要素は、前記アクチュエータに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態による、例示的な二輪車両の側面図である。
図2】本発明の一態様による電気機械式作動システムの概略図である。
図3】本発明の第1の実施形態による電気機械式スロットルバルブアクチュエータ制御システムの概略図である。
図4】本発明の第2の実施形態による電気機械式ブレーキ制御アクチュエータ制御システムを例示する図である。
図5】本発明の一態様による、電気機械式アクチュエータシステムを制御する方法のフロー図である。
図6】1つ又は複数の車両構成要素を通じて電気機械式システムの作動を制御する方法のフロー図である。
図7】電気機械式制御システムの作動に対するフェールセーフ制御方法のフロー図である。
図8】本発明の第1の実施形態による、電気機械式制御システムの作動に対するフェールセーフ制御方法のフロー図である。
図9】本発明の第2の実施形態による、電気機械式制御システムの作動に対するフェールセーフ制御方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明は、添付の図と共に、スクータ型サドル車両の一実施形態を参照して説明される。同一の番号は、同様の特徴および構成要素を参照するために、図面全体にわたって使用される。
【0010】
本発明によれば、1つ又は複数の車両構成要素は、遠隔で制御されることが可能である。すなわち、1つ又は複数の車両構成要素と車両内のノブ/スイッチとの間の機械的な接続が除去される。代わりに、アクチュエータドライバと1つ又は複数の車両構成要素との間に、単一の機械制御部のみが存在する。アクチュエータドライバは、遠隔で制御され、即時の入力は、1つ又は複数の車両構成要素へ提供される。1つ又は複数の車両構成要素は、必要とされる入力に従って作用し、迅速な応答を提供する。
【0011】
一実施形態において、アクチュエータドライバは、直流サーボモータである。アクチュエータドライバは、送信器を通じて遠隔で操作されている。アクチュエータドライバは、空気燃料入力を提供するためのキャブレタを使用して、エンジンアセンブリにおいてキャブレタを動作させる。アクチュエータドライバは、燃料噴射器を使用して、エンジンアセンブリにおける燃料噴射器の開閉を操作する。電気車両の場合において、スロットル位置センサは、スロットル開度の量を感知するように構成され、この入力は、コントローラモジュールへ提供される。コントローラモジュールは、車両を駆動するために電気モータによって生成されるべきトルクの量を決定するように構成される。これらの入力は、コントローラから電気モータへ入力として提供されることになる。一実施形態において、スロットル開度要件に関する入力は、アクチュエータドライバへ遠隔で提供されることが可能である。さらに、これらの入力は、アクチュエータドライバから電気モータへ伝達される。1つ又は複数の車両構成要素に一体化されることが可能な、サーボモータ及び機械式ケーブルを使用することによって、車両の速度が制御されることが可能である。
【0012】
別の実施形態において、自律車両の場合、スロットルは、要件に基づいて遠隔で操作されることが可能である。上述したようなシステムは、自律車両だけでなく、従来の車両の速度を制御するのに有効である。
【0013】
さらに、補助電源1は、コントローラモジュールに電力を提供するために使用される。補助電源2は、受信器に電力を提供するために使用される。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、システムは、フェールセーフ電気機械式作動制御システムとして、従来の機械的配線システムと並行して使用されることが可能である。機械式ワイヤが断線した場合には、運転者は、電気機械式アクチュエータ制御システムの助けを借りて、車両の速度を制御することが可能になる。
【0015】
一実施形態において、上記の前記システムを実現するために、スロットル位置スイッチは、スロットルバルブに一体化され、スロットルバルブは、コントローラを通じてサーボモータと電子的に通信する。
【0016】
特定のシナリオにおいて、スロットルケーブルが故障した場合には常に、提案されるフェイルセーフシステムが作動し始める。物理的なケーブルの故障の場合には、コントローラモジュールは、機械式ケーブルの故障に関して指示され、コントローラモジュールは、TPSからの入力を受信するように構成される。これらの入力は、サーボモータへ遠隔で伝達される。サーボモータは、スロットルバルブの動作を可能にする。
【0017】
同システムは、ブレーキワイヤの故障の場合に適用可能である。同フェールセーフ機構は、サーボモータ、コントローラモジュールに一体化された送信器、および車両内に搭載された受信器を通じて、車両のブレーキを遠隔で作動させるために使用されることが可能である。
【0018】
上記に提供される概要は、本発明の基本的な特徴を解説しており、本発明の範囲を限定しない。本発明の性質及びさらなる特徴的な特徴は、添付の図面を参照して行われる下記の説明から、より明確にされることになる。本発明は、添付の図を参照して、さらに説明される。説明および図は、本発明の原理を例示しているにすぎないことに留意されたい。本明細書において明示的に説明または図示されていないが、本発明の原理を包含する様々な構成が考え出され得る。さらに、本発明の原理、態様、および例、ならびにその特定の例に言及する、本明細書におけるあらゆる言説は、その均等物を包含することが意図されている。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による、例示的な二輪車両(100)の側面図を描く。車両(100)は、ヘッドチューブ(106)、ヘッドチューブ106から後方に下方へ延在するメインフレーム(107)を含むフレームアセンブリ(105)(点線で概略的に図示される)を有する。メインフレーム(107)は、1つ又は複数のメインチューブ、およびメインチューブの後部から斜め後方に延在する後方チューブ(108)のペアを備え得る。本実施形態において、車両(100)は、車両(100)のフレームアセンブリ(105)によって画定されるステップスルー部分(109)を含む。しかしながら、本発明の態様は、車両(100)の描かれたレイアウトに限定されない。
【0020】
さらに、ハンドルバーアセンブリ(110)は、1つ又は複数のフロントサスペンション(120)を通じて、前輪(115)に接続される。ステアリングシャフト(図示せず)は、ハンドルバーアセンブリ(110)をフロントサスペンション(120)に接続し、ステアリングシャフトは、ヘッドチューブ(106)周りに回転可能にジャーナル連結される。内燃(IC)エンジン(201)は、フレームアセンブリ(105)に搭載される。エンジン(201)は、ICエンジンに隣接してハブ搭載又は搭載されるトラクションモータも含み得る。描かれる実施形態において、エンジン(201)は、少なくともリアフレーム(108)の一部の下に配置されている。しかしながら、代替的実施形態において、パワーユニットは、メインチューブ(107)の正面および下方に向かって固定して配置されてもよい。エンジン(201)は、伝達システム(図示せず)を通じて、後輪(130)に機能的に接続される。車両は、1つ又は複数の後輪を含み得る。また、車両(100)は、ICエンジン(201)からの排気ガスの散逸に役立つ排気システムを含む。排気システム(200)は、車両(100)に搭載されたマフラ(135)を含む。描かれる実施形態において、マフラ(135)は、車両(100)の一方の側面に向かって配置されている。
【0021】
さらに、後輪(130)は、1つ又は複数のリアサスペンション(図示せず)を通じて、フレーム部材(105)に接続される。描かれる実施形態において、エンジン(201)は、トグルリンク(150)等を通じて、フレーム部材(105)に揺動可能に搭載される。座席アセンブリ(140)は、フレームアセンブリ(105)によって支持され、ステップスルー部分(109)に対して後方に配置される。
【0022】
さらに、車両(100)は、少なくとも前輪(115)の一部を覆うフロントフェンダ(155)を含む。本実施形態において、フロアボード(145)は、ステップスルー部分(109)に配置され、メインフレーム(107)およびフロアフレームのペア(図示せず)によって支持される。ユーザは、座った姿勢でフロアボード(145)上に両足を置くことによって、車両(100)を操作することができる。一実施形態において、燃料タンク(図示せず)は、座席アセンブリ(140)の下方、かつユーティリティボックスの後方に配置される。リアフェンダ(160)は、少なくとも後輪(135)の一部を覆う。車両(100)は、ヘッドライト(165)、テールライト(図示せず)、バッテリ(図示せず)、トランジスタ制御される点火(TCI)ユニット(図示せず)、オルタネータ(図示せず)、スタータモータ(図示せず)を含む、複数の電気/電子部品から構成される。さらに、車両(100)は、同期制動システム、アンチロック制動システムを含み得る。
【0023】
車両(100)は、ヘッドチューブ(106)の前部に配置された正面パネル170と、ヘッドチューブ(106)の後部に配置されたレッグシールド(171)とを含む、複数のパネルを含む。リアパネルアセンブリ(172)は、座席アセンブリ(140)の下方に配置され、かつ、フロアボード(145)の後部から車両(100)の後部に向かって後方へ延在する右側パネルおよび左側パネルを含む。リアパネルアセンブリ(172)は、座席アセンブリ(140)の下方に配置されたユーティリティボックスを囲む。また、リアパネルアセンブリ(172)は、エンジン(201)を部分的に囲む。また、排気システムのマフラ(135)は、ICエンジンの排気側に結合され、実装において、マフラ(135)は、車両(100)の一方の側面に向かって配置される。
【0024】
図2は、本発明の一態様による電気機械式作動システムの概略図を例示する。車両(100)のための電気機械式作動制御システム(200)は、前記車両(100)の速度制御を可能にするように構成されたコントローラモジュール(202)を含み、前記コントローラモジュール(202)は、1つ又は複数の車両構成要素コントローラ(202b)を含む。一実施形態において、車両構成要素コントローラ(202b)は、スロットルバルブコントローラ(202x)と、車両ブレーキコントローラ(202y)とを含む。比較器(210)は、前記コントローラモジュール(202)に通信可能に接続されており、比較器(210)は、所望の車両構成要素データを実際の車両構成要素データと比較し、これら2つの間の差異を決定するように構成される。送信器(203)は、前記コントローラモジュール(202)によって生成されるような入力信号を送信するように構成される。受信器(205)は、前記送信器(203)からの送信された入力信号を受信するように構成される。アクチュエータドライバ(207)は、前記受信器(205)からの入力を受信するように構成され、前記アクチュエータドライバ(207)は、前記車両(100)に搭載される。アクチュエータドライバ(207)は、アクチュエータドライバコントローラ(202a)によって制御される。アクチュエータドライバコントローラ(202a)は、コントローラモジュール(202)の一体化された部分である。アクチュエータ(208)は、前記アクチュエータドライバ(207)に結合され、前記アクチュエータ(208)は、前記アクチュエータドライバ(207)によって引き起こされる有効状態および無効状態のうちのいずれか1つとなるように構成される。1つ又は複数の車両構成要素(209)は、前記アクチュエータ(208)及び補助電源1(204)に接続されて、前記コントローラモジュール(202)に電力供給し、補助電源2(206)に接続されて、前記受信器(205)に電力供給する。
【0025】
一実施形態において、コントローラノブは、コントローラモジュール(202)を操作するために使用される。コントローラノブは、0入力および1入力を提供することによって、ON条件およびOFF条件下で動作可能に構成されたスイッチである。
【0026】
一実施形態において、送信器(203)は、前記コントローラモジュール(202)に一体化される。
【0027】
一実施形態において、1つまたは複数の車両構成要素は(209)は、1つ又は複数のブレーキ(209b)と、スロットル制御バルブ(209a)とを含む。
【0028】
一実施形態において、アクチュエータドライバ(207)は、直流サーボモータである。
【0029】
一実施形態において、アクチュエータ(208)は、スロットル制御バルブ(209a)と前記アクチュエータドライバ(207)との間に接続された機械式ケーブルを含む。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、所望の車両構成要素データは、1つ又は複数のセンサからの出力として得られる。例えば、1つまたは複数の近接センサである。
【0031】
図3は、本発明の第1の実施形態による電気機械式スロットルバルブアクチュエータ制御システムの概略図を例示する。車両(100)の速度を制御するための電気機械式作動制御システム(200)は、前記車両(100)のスロットル制御バルブ(209a)を制御するように構成されたコントローラモジュール(202)を含み、前記コントローラモジュール(202)は、スロットルバルブコントローラ(202x)を含む。比較器(210)は、前記スロットルバルブコントローラ(202x)に通信可能に接続される。送信器(203)は、前記コントローラモジュールによって生成されるような入力信号を送信するように構成される。受信器(205)は、コントローラモジュール(202)からの送信された入力信号を受信するように構成される。アクチュエータドライバ(207)は、前記受信器(205)から入力を受信するように構成され、前記アクチュエータドライバ(207)は、前記車両(100)に搭載される。アクチュエータ(208)は、前記アクチュエータドライバ(207)に通信可能に接続され、前記アクチュエータ(208)は、前記アクチュエータドライバ(207)によって引き起こされる有効状態および無効状態のうちのいずれか1つになるように構成される。スロットル制御バルブ(209a)は、前記アクチュエータ(208)に接続される。補助電源1(204)は、前記コントローラモジュール(202)に電力供給するためのものであり、補助電源2(206)は、前記受信器(205)に電力供給するためのものである。
【0032】
図4は、本発明の第2の実施形態による電気機械式ブレーキ制御アクチュエータ制御システムを例示する。車両(100)の速度を制御するための電気機械式作動制御システム(200)は、前記車両(100)の1つ又は複数のブレーキ(209b)を制御するように構成されたコントローラモジュール(202)を含み、前記コントローラモジュール(202)は、ブレーキコントローラ(202y)を含む。比較器(210)は、前記ブレーキコントローラ(202y)に通信可能に接続される。送信器(203)は、前記コントローラモジュールによって生成されるような入力信号を送信するように構成される。受信器(205)は、前記送信器(203)からの送信された入力信号を受信するように構成される。アクチュエータドライバ(207)は、前記受信器(205)から入力を受信するように構成され、前記アクチュエータドライバ(207)は、前記車両(100)に搭載される。アクチュエータ(208)は、前記アクチュエータドライバ(207)に通信可能に接続され、前記アクチュエータ(208)は、前記アクチュエータドライバ(207)によって引き起こされる有効状態及び無効状態のうちのいずれか1つになるように構成される。1つ又は複数のブレーキ(209b)は、前記アクチュエータ(208)に接続される。補助電源1(204)は、前記コントローラモジュール(202)に電力供給するためのものであり、補助電源2(206)は、前記受信器(205)に電力供給するためのものである。
【0033】
図5は、本発明の一態様による、電気機械式アクチュエータシステムを制御する方法についてのフロー図を例示する。本方法は、ステップ(301)に示されるように、制御システム(200)を初期化するステップを含む。ステップ(302)に示されるように、車両(100)からの実際の車両構成要素データを所望の車両構成要素データと比較し、実際の車両構成要素データと所望の車両構成要素データとの間の差異「e」を決定する。ステップ(303)に示されるように、車両(100)が所望の車両構成要素データにあるのかどうかを識別し、実際の車両構成要素データおよび所望の車両構成要素データにおいて差異がない場合、この場合は「e」=0であり、ステップ(304)において、アクチュエータドライバ(207)へ入力は送られない。ステップ(305)において、車両(100)が差異車両構成要素データにあるかどうか、すなわち、「e」>0または「e」<0であるかを識別し、これは、所望の車両構成要素データおよび実際の車両構成要素データにおいて差異があることを示唆する。ステップ(306)に示されるように、コントローラモジュール(202)から入力を受信することによって、アクチュエータドライバ(207)を有効にする。ステップ(307)に示されるように、アクチュエータドライバ(207)から受信された入力に従って、アクチュエータ(208)を有効にする。ステップ(308)に示されるように、前記アクチュエータ(307)によって、1つまたは複数の車両構成要素(209)を制御し、ステップ(309)に示されるように、所望の車両構成要素データを実現する。
【0034】
図6は、1つ又は複数の車両構成要素を通じて、電気機械式システムの作動を制御する方法についてのフロー図を例示する。本方法は、ステップ(401)に示されるように、制御システム(200)を初期化するステップと、ステップ(402)に示されるように、車両(100)からの実際の速度データを所望の速度データと比較し、実際の車両速度データと所望の車両速度データとの間の速度データにおける差異「e」を決定するステップと、ステップ(403)において、アクチュエータドライバ(207)に対して入力が与えられる必要がないかどうかを識別するステップと、速度データにおける前記差異「e」=0である場合、ステップ(404)に示されるように、アクチュエータドライバに入力を与えないステップと、ステップ(406)に示されるように、アクチュエータドライバ(207)にブレーキ制御入力を提供するステップとを含む。さらに、ステップ405において、速度データにおける差異「e」>0であるかを決定し、ステップ(406)において、アクチュエータドライバに対するブレーキ制御入力を有効にし、それによって、ステップ(407)に示されるように、前記アクチュエータドライバ(207)によってブレーキアクチュエータ(208)を作動させ、(408)に示されるように、前記アクチュエータ(208)を有効にすることによって、車両(100)のブレーキを制御する。さらに、ステップ405において、「e」<0である場合、ステップ(409)に示されるように、アクチュエータドライバ(207)に対してスロットル制御入力を提供し、それによって、ステップ(410)において、前記アクチュエータドライバ(207)によって、前記アクチュエータ(208)のスロットル制御作動を有効にし、ステップ(411)において、前記アクチュエータ(208)を有効にすることによって、スロットルバルブの開度を制御する。
【0035】
図7は、電気機械式制御システムの作動に対するフェールセーフ制御方法のフロー図を例示する。本方法は、(501)に示されるように、フェールセーフ方法を初期化するステップと、ステップ(502)に示されるように、スロットル位置センサからのスロットル位置入力を監視するステップと、ステップ(503)において、アクチュエータ(208)の故障が決定されない場合、ステップ(507)において、コントローラモジュール(202)へ送られるべき入力はないと識別するステップとを含む。さらに、ステップ(503)において、アクチュエータの故障が決定された場合、ステップ(504)に示されるように、ステップ(504)においてセンサ入力を識別し、前記コントローラモジュール(202)へセンサ入力を送り、さらに、ステップ(505)において、1つまたは複数の車両構成要素コントローラ(202b)へ起動信号を無線で送信し、ステップ(506)において、車両速度制御を有効にする。
【0036】
図8は、本発明の第1の実施形態による、電気機械式制御システムの作動に対するフェールセーフ制御方法のフロー図を例示する。本方法は、ステップ(509)に示されるように、フェールセーフ方法を初期化するステップと、ステップ(510)に示されるように、実際の速度データを所望の速度データと比較し、前記実際の速度データおよび前記所望の速度データにおける差異「e」を決定するステップと、さらに、ステップ(511)において「e」=0であるかどうかを識別するステップと、そうである場合、前記実際の速度データおよび前記所望の速度データにおける前記差異が0である場合、ステップ(512)において、アクチュエータ(208)を有効にするための入力は必要とされないと決定するステップとを含む。しかしながら、ステップ511において、「e」が0に等しくない場合、ステップ(513)において、「e」<0であるかを決定し、はいの場合、ステップ(515)において、アクチュエータドライバ(207)に対してスロットルバルブ制御入力を提供し、ステップ(516)において、車両の速度を制御するためにスロットルバルブ開度を制御し、ステップ(517)において、車両の速度は、ステップ(510)へフィードバックされる。ステップ(513)において、「e」>0である場合、ステップ(514)において、アクチュエータ(208)へ送られるべき入力はないと識別する。
【0037】
図9は、本発明の第2の実施形態による、電気機械式制御システムの作動に対するフェールセーフ制御方法のフロー図を例示する。本方法は、ステップ(601)に示されるように、フェールセーフ方法を初期化するステップと、ステップ(602)に示されるように、実際の速度データを所望の速度データと比較し、前記実際の速度データおよび前記所望の速度データにおける差異「e」を決定するステップと、ステップ(603)において、「e」=0であるかどうかを識別するステップと、そうである場合、ステップ(604)において、アクチュエータ(208)を有効にするために提供されるべき入力はないと決定するステップとを含む。さらに、ステップ(603)において「e」=0が真ではない場合、ステップ(605)において、「e」>0であるかを決定し、はいの場合、ステップ(606)において、車両(100)の1つまたは複数のブレーキを制御するためにアクチュエータドライバ(207)に対してブレーキ制御入力を提供して、ステップ(607)に示されるように車両速度を制御し、ステップ(609)に示されるように、車両速度は、ステップ(602)へ供給される。さらに、ステップ(605)において「e」<0である場合、ステップ(608)に示されるように、アクチュエータ(208)に対して提供されるべき入力はないと識別する。
【0038】
実施形態の態様は、必ずしも本明細書において説明される特徴に限定されるとは限らないことを理解されたい。本発明の多くの変形例及びバリエーションが、上記の開示に照らして可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】