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特表2023-536100代替の翻訳開始および翻訳停止に由来する多機能免疫グロブリンフォールドポリペプチド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(54)【発明の名称】代替の翻訳開始および翻訳停止に由来する多機能免疫グロブリンフォールドポリペプチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230816BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20230816BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230816BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230816BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230816BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230816BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230816BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230816BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20230816BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20230816BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230816BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20230816BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230816BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20230816BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C07K19/00
C12P21/08
C12P21/02 Z
A61P35/00
A61P37/04
A61K47/68
A61K39/395 Y
A61K39/395 E
A61K39/395 G
A61K39/395 T
A61K39/395 U
C12N15/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505837
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 US2021043126
(87)【国際公開番号】W WO2022026358
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】63/056,785
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517342844
【氏名又は名称】アリゾナ ボード オブ リージェンツ オン ビハーフ オブ ザ ユニバーシティー オブ アリゾナ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】クーンズ,マイケル・エス
(72)【発明者】
【氏名】リー,マーク・エス
(72)【発明者】
【氏名】バッタチャリア,ディープタ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG01
4B064AG27
4B064DA01
4B064DA13
4B064DA20
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4B065CA46
4B065CA60
4C076AA95
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB01
4C085BB11
4C085BB31
4C085CC08
4C085CC31
4C085DD62
4C085EE01
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA50
4H045EA60
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書には、追加のポリペプチド配列との融合パートナーとして使用するための、ドメインの三次元βシート構造のループ領域に非天然N’末端およびC’末端を作製するように操作された代替免疫グロブリンドメインのヌクレオチド配列およびポリペプチド配列が記載されている。そのようなポリペプチドは、試薬、研究ツール、または治療薬として使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、該ポリペプチドが、
野生型のN末端およびC末端の融合、または、野生型のN末端とC末端とを連結する任意選択のリンカー、ならびに
新規のN’末端およびC’末端が得られるループ領域のうちの1つの内部での切断、
を含む1つまたは複数の免疫グロブリンドメインを含む、上記ヌクレオチド配列。
【請求項2】
免疫グロブリンドメインが、免疫グロブリン、Fab、Fv、T細胞受容体(TCR)、CD80、CTLA-4、PD1、PDL1、MHC分子、または他の免疫グロブリンドメイン含有タンパク質由来の免疫グロブリンドメインを含む、請求項1に記載のヌクレオチド配列。
【請求項3】
免疫グロブリンドメインが重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインを含む、請求項1または2に記載のヌクレオチド配列。
【請求項4】
N’末端およびC’末端の一方または両方が、1つまたは複数の追加のポリペプチドと融合されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項5】
追加のポリペプチドが、免疫グロブリンドメイン、Fab、Fv、ScFV、細胞受容体、pMHC、共刺激分子、サイトカイン、または別のポリペプチドドメインを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項6】
追加のポリペプチドが免疫グロブリンヒンジ領域を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項7】
追加のポリペプチドが、CD80、CD86、ICAM-1、PD-L1/L2、B7H1、B7H2、CD40、CD40L、CD47、CD48、CD58、4-1BBL、OX40L、TIM-1、TIM-4、CD80:PD-L1ヘテロ二量体、カルレティキュリン、もしくはCD80、CD86、ICAM-1、PD-L1/L2、B7H1、B7H2、CD40、CD40L、CD47、CD48、CD58、4-1BBL、OX40L、TIM-1、TIM-4、CD80:PD-L1ヘテロ二量体、カルレティキュリンと少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ;サイトカイン:IFNα、IFNβ、IFNγ、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、TNF、TNFα、TGFβ、GM-CSF、CSF-1、もしくはIFNα、IFNβ、IFNγ、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、TNF、TNFα、TGFβ、GM-CSF、CSF-1と少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ;MHC対立遺伝子:MHC分子は、HLA-A、HLA-B、HLA-C、β2-ミクログロブリン、HLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRB、H2-Aa、H2-B1、H2-K1、H2-EBβ、H2-EKα、H2-EKβ、もしくはHLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRB、H2-Aa、H2-B1、H2-K1、H2-EBβ、H2-EKα、H2-EKβと少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せを含む;またはTCR分子:TRAC、TRBC1、TRBC2、TRDC、TRGC1、TRGC2、TCRA、TCB1、TCB2、TCC1、TCC2、TCC3、TCC4、もしくはTRAC、TRBC1、TRBC2、TRDC、TRGC1、TRGC2、TCRA、TCB1、TCB2、TCC1、TCC2、TCC3、TCC4と少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ、のうちの1つまたは複数を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項8】
任意選択のリンカーがポリペプチドリンカーまたは化学リンカーを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項9】
任意選択のリンカーが、ポリグリシンリンカー、ポリアラニンリンカー、ポリグリシン-アラニンリンカー、ポリグリシン-セリンリンカー、またはポリグリシン-セリン-プロリンリンカーのうちの1つまたは複数から選択されるポリペプチドを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項10】
任意選択のリンカーが、配列番号36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58のうちの1つまたは複数と85%~99%の同一性を有するポリペプチドを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項11】
任意選択のリンカーが、配列番号36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58のうちの1つまたは複数から選択されるポリペプチドである、請求項1~10のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項12】
切断が起こるループ領域が、A-B、B-C、C-C’、C’-C’’、C-D、C’-D、C’’-D、D-E、E-F、F-G、または1つもしくは複数の介在性βストランンドを除去する他のループ連結を含む隣接するβストランンドを接続するループのうちの1つもしくは複数を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項13】
切断が起こるループ領域が、免疫グロブリンβシートループA-B、B-C、C-C’、C’-C’’、C-D、C’-D、C’’-D、D-E、E-F、またはF-Gのうちの1つまたは複数を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項14】
切断が起こるループ領域がC-C’またはA-Bループを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項15】
ヌクレオチド配列が配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、または33と85%~99%の同一性を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項16】
ヌクレオチドが配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、または33から選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の1つまたは複数のヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドベクター。
【請求項18】
請求項1に記載の1つもしくは複数のヌクレオチド配列または請求項17に記載のポリヌクレオチドベクターを含む、細胞。
【請求項19】
請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされている、ポリペプチド。
【請求項20】
ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、または34と85%~99%の同一性を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチド。
【請求項21】
ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、または34から選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチド。
【請求項22】
1つまたは複数のジスルフィド結合を介して共有結合されている配列番号32または34のポリペプチドの二量体を含む、二価ポリペプチド複合体。
【請求項23】
配列番号34を含む、単鎖可変断片(scFv)ポリペプチド。
【請求項24】
請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、または請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを製造する方法であって、核酸で細胞を形質転換またはトランスフェクトするステップと;細胞を増殖させるステップと;任意選択で、追加量のヌクレオチド配列を単離するステップと;ポリペプチドの発現を誘導するステップと;ポリペプチドを単離するステップと、を含む、上記方法。
【請求項25】
請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、または請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを製造する手段であって、核酸で細胞を形質転換またはトランスフェクトするステップと;細胞を増殖させるステップと;任意選択で、追加量のヌクレオチド配列を単離するステップと;ポリペプチドの発現を誘導するステップと;ポリペプチドを単離するステップと、を含む、上記手段。
【請求項26】
請求項21に記載の方法または請求項22に記載の手段によって生成される、請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、または請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチド。
【請求項27】
請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドの有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、処置方法。
【請求項28】
疾患または障害を処置するための、請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドの有効量の使用であって、該ポリペプチドの有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、上記使用。
【請求項29】
請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを含む、研究ツール。
【請求項30】
請求項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを含む、免疫化学試薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月27日に出願された、米国仮出願第63/056,785号に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表についての言及
本出願は、37C.F.R.§1.821(c)に従い、コンピュータ可読形式の配列表とともに提出されている。EFSによって提出されたテキストファイル「212443-9007-WO01_sequence_listing_20-JUL-2021_ST25.txt」は、2021年7月20日に作成され、58配列を含み、85.7キロバイトのファイルサイズを有しており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
技術分野
本明細書には、追加のポリペプチド配列との融合パートナーとして使用するための、ドメインの三次元βシート構造のループ領域に非天然N’末端およびC’末端を作製するように操作された代替免疫グロブリンドメインのヌクレオチド配列およびポリペプチド配列が記載されている。そのようなポリペプチドは、試薬、研究ツール、または治療薬として使用することができる。
【背景技術】
【0004】
免疫グロブリン(Ig)ドメインは、免疫グロブリン(抗体)、MHC、および細胞受容体、例えば、とりわけ、T細胞受容体(TCR)、CD2、CD4、CD8、受容体、CD80、CTLA-4、PD1、およびPDL1を含む、様々な異なるタンパク質の合成に欠かせない構成要素である。例えば、WilliamsおよびBarclay、Ann.Rev.Immunol.6:381~405頁(1988);Borkら、J.Mol.Biol.242:309~320頁(1994);HarpazおよびChothia、J.Mol.Biol.238:528~539頁(1994);Clarkeら、Structure7:1145~1153頁(1999);Halabyら、Prot.Eng.12(7):563~571(1999);ならびにAbhinandanおよびMartin、J.Mol.Biol.369:852~862頁(2007)を参照されたい。これらの各々は、そのような教示に関して参照により本明細書に組み込まれる。免疫グロブリン(抗体)は、Igドメインで構築されたタンパク質の代表例である。抗体は、ジスルフィド結合によって連結された2つの重鎖分子および2つの軽鎖分子を含むヘテロ二量体である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、高度に保存された定常領域と結合特異性を付与する可変領域から構成されている。重鎖および軽鎖はそれぞれ、βサンドイッチ構造モチーフを形成するβシートからなる三次サブドメインを有する一連の連結されたIgドメインから構成されている。βシートを形成する個々のβストランドは、ループ領域により接続されている。
【0005】
Igドメイン含有タンパク質は、試薬、研究ツール、または治療薬として有用であることが判明しているが、翻訳がN末端からC末端へと行われることから使用され得る方法には制限がある。必要とされているのは、免疫グロブリンドメインのループ領域内にリンカーまたは他のタンパク質ドメインを挿入し、複数の機能、例えば、試薬、研究ツール、または治療法を持つ新規タンパク質を作製することができる新規の免疫グロブリンドメインを構築するための方法である。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に記載の一実施形態は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ポリペプチドが、野生型のN末端およびC末端の融合または野生型のN末端とC末端とを連結する任意選択のリンカーと、新規のN’末端およびC’末端が得られるループ領域のうちの1つの内部での切断とを含む1つまたは複数の免疫グロブリンドメインを含む、ヌクレオチド配列である。一態様では、免疫グロブリンドメインは、免疫グロブリン、Fab、Fv、T細胞受容体(TCR)、CD80、CTLA-4、PD1、PDL1、MHC分子、または他の免疫グロブリンドメイン含有タンパク質由来の免疫グロブリンドメインを含む。別の態様では、免疫グロブリンドメインは、重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインを含む。別の態様では、N’末端およびC’末端の一方または両方が、1つまたは複数の追加のポリペプチドと融合されている。別の態様では、追加のポリペプチドは、免疫グロブリンドメイン、Fab、Fv、ScFV、細胞受容体、pMHC、共刺激分子、サイトカイン、または別のポリペプチドドメインを含む。別の態様では、追加のポリペプチドは、免疫グロブリンヒンジ領域を含む。別の態様では、追加のポリペプチドドメインは、CD80、CD86、ICAM-1、PD-L1/L2、B7H1、B7H2、CD40、CD40L、CD47、CD48、CD58、4-1BBL、OX40L、TIM-1、TIM-4、CD80:PD-L1ヘテロ二量体、カルレティキュリン、もしくはCD80、CD86、ICAM-1、PD-L1/L2、B7H1、B7H2、CD40、CD40L、CD47、CD48、CD58、4-1BBL、OX40L、TIM-1、TIM-4、CD80:PD-L1ヘテロ二量体、カルレティキュリンと少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ;サイトカイン:IFNα、IFNβ、IFNγ、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、TNF、TNFα、TGFβ、GM-CSF、CSF-1、もしくはIFNα、IFNβ、IFNγ、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、TNF、TNFα、TGFβ、GM-CSF、CSF-1と少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ;MHC対立遺伝子:MHC分子は、HLA-A、HLA-B、HLA-C、β2-ミクログロブリン、HLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRB、H2-Aa、H2-B1、H2-K1、H2-EBβ、H2-EKα、H2-EKβ、もしくはHLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRB、H2-Aa、H2-B1、H2-K1、H2-EBβ、H2-EKα、H2-EKβと少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せを含む;またはTCR分子:TRAC、TRBC1、TRBC2、TRDC、TRGC1、TRGC2、TCRA、TCB1、TCB2、TCC1、TCC2、TCC3、TCC4、もしくはTRAC、TRBC1、TRBC2、TRDC、TRGC1、TRGC2、TCRA、TCB1、TCB2、TCC1、TCC2、TCC3、TCC4と少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ、のうちの1つまたは複数を含む。別の態様では、任意選択のリンカーは、ポリペプチドリンカーまたは化学リンカーを含む。別の態様では、任意選択のリンカーは、ポリグリシンリンカー、ポリアラニンリンカー、ポリグリシン-アラニンリンカー、ポリグリシン-セリンリンカー、またはポリグリシン-セリン-プロリンリンカーのうちの1つまたは複数から選択されるポリペプチドを含む。別の態様では、任意選択のリンカーは、配列番号36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58のうちの1つまたは複数と85%~99%の同一性を有するポリペプチドを含む。別の態様では、任意選択のリンカーは、配列番号36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58のうちの1つまたは複数から選択されるポリペプチドである。別の態様では、切断が起こるループ領域は、A-B、B-C、C-C’、C’-C’’、C-D、C’-D、C’’-D、D-E、E-F、F-G、または1つもしくは複数の介在性βストランドを除去する他のループ連結を含む隣接するβストランンドを接続するループのうちの1つもしくは複数を含む。別の態様では、切断が起こるループ領域は、C’-C’’またはA-Bのループを含む。別の態様では、ヌクレオチド配列は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、または33と85%~99%の同一性を有する。別の態様では、ヌクレオチド配列は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、または33から選択される。
【0007】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載の1つまたは複数のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドベクターである。
【0008】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載の1つもしくは複数のヌクレオチド配列または本明細書に記載のポリヌクレオチドベクターを含む細胞である。
【0009】
別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドである。一態様では、ポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、または34と85%~99%の同一性を有する。別の態様では、ポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、または34から選択される。
【0010】
本明細書に記載の別の実施形態は、1つまたは複数のジスルフィド結合を介して共有結合されている配列番号32または34のポリペプチドの二量体を含む二価ポリペプチド複合体である。
【0011】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号34を含む単鎖可変断片(scFv)ポリペプチドである。
【0012】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列のうちの1つもしくは複数、または本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを製造する方法であって、本明細書に記載のヌクレオチド配列を含む核酸で細胞を形質転換またはトランスフェクトするステップと;細胞を増殖させるステップと;任意選択で、追加量の本明細書に記載のヌクレオチド配列を単離するステップと;本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドの発現を誘導するステップと;本明細書に記載のヌクレオチドによってコードされているポリペプチドを単離するステップと、を含む方法である。
【0013】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列のうちの1つもしくは複数、または本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを製造する手段であって、本明細書に記載のヌクレオチド配列を含む核酸で細胞を形質転換またはトランスフェクトするステップと;細胞を増殖させるステップと;任意選択で、追加量の本明細書に記載のヌクレオチド配列を単離するステップと;本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドの発現を誘導するステップと;本明細書に記載のヌクレオチドによってコードされているポリペプチドを単離するステップと、を含む手段である。
【0014】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載の方法または手段によって生成されるヌクレオチド配列またはそのヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドである。
【0015】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列のうちの1つまたは複数によってコードされているポリペプチドの有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む処置方法である。
【0016】
本明細書に記載の別の実施形態は、ヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドの有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、疾患または障害を処置するための、本明細書に記載のヌクレオチド配列のうちの1つまたは複数によってコードされているポリペプチドの有効量の使用である。
【0017】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを含む研究ツールである。
【0018】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを含む免疫化学試薬である。
【0019】
本特許または出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含有する。カラー図面(複数可)を含むこの特許または特許出願の刊行物のコピーは、請求と必要な手数料の支払いによって官庁から提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、免疫グロブリン(Ig)の例示的なFab断片の三次元構造を示す。軽鎖(マゼンタ)および重鎖(シアン)の定常領域および可変領域は、それぞれの領域が対の免疫グロブリンドメインで構成されており、1つのIgドメインが各鎖から付与されていることを際立たせるように表示されている。
図2A図2Aは、個々の定常および可変領域Igドメインの三次配置を際立たせるように分けたFab断片の軽鎖および重鎖を示す。Igドメインのトップβシートおよびボトムβシートを示す。
図2B図2Bは、Fab断片の重鎖および軽鎖のβシートの三次配置を示す。個々のβストランドおよびストランド間ループを示す。
図3A図3Aは、免疫グロブリンβシートの配置の模式図を示す。N末端はβストランドAにあり、C末端はβストランドGにある。
図3B図3Bは、βストランドAとβストランドGの間にリンカーが配置されており、βストランドCとC’の間のループ領域が切断されている、AltIgのβシートの配置の模式図を示す。N’末端はこの場合βストランドC’にあり、C’末端はβストランドCにある。
図4A図4Aは、野生型免疫グロブリン(Ig)ドメインの三次元構造とAltIgドメインのモデルの比較を示す。
図4B図4Bは、AltIgドメインの三次元モデル構造の代替図を示す。
図5A図5Aは、AltIg Fvの四分系三次元モデル構造(quarternary three-dimensional model structure)と野生型可変断片(Fv)の比較を示す。各Fvドメインは、重鎖ドメインと軽鎖ドメインの両方から構成される。
図5B図5Bは、新しいN’末端およびC’末端を持つAltIg Fvの拡大図を示す。
図6図6は、軽鎖または重鎖のN’末端にそれぞれmycおよびHAタグを有し、またC’末端に6×Hisタグを有する図5Bに示したAltIg構築物に関するフロー式フルオロフォア結合免疫吸着アッセイ(FFLISA)の結果を示す。培養培地(陰性対照)またはAltIgを発現するM12細胞の上清を、抗Hisタグ抗体でコートしたポリスチレンビーズとともにインキュベートし、HAまたはMycタグに対する蛍光色素コンジュゲート抗体で染色し、フローサイトメトリーにより蛍光強度を分析した。これらの結果は、AltIgが可溶性分子として細胞から分泌されることを示唆している。構築物は結果の下に示す。
図7A図7Aは、生体模倣刺激物質(Biomimetic Stimulators)(BMiMS)の生成におけるAltIg分子の使用の例を示す。BMiMSは、T細胞の活性化に不可欠な分子(例えば、pMHCII、CD80、CD86およびICAM-1)に直接融合された細胞表面抗原(例えば、B細胞リンパ腫上のCD19などの腫瘍抗原)に結合する抗体由来のAltIg Fv領域から構成されている。この図は、活性化分子に直接融合させるためのAltIg操作の使用が、T細胞による認識のために、どのように標的細胞膜に対して適切な空間的配向で刺激分子を位置決めするかを示す(例えば、pMHCIIのN末端領域は腫瘍細胞表面から離れ、T細胞の方に向けられている)。このような配向性は、天然Fv領域への刺激分子のN末端からC末端融合では達成できなかった。
図7B図7Bは、AltIgベースのBMiMSに関するフロー式フルオロフォア結合免疫吸着アッセイ(FFLISA)の結果を示す。BMiMSを発現するM12細胞の培養培地または上清を、抗Hisタグ抗体(AltIgのC末端でHisタグを捕捉)でコートしたポリスチレンビーズとともにインキュベートし、指定した免疫分子に対するフルオロフォアコンジュゲート抗体で染色し、フローサイトメトリーにより蛍光強度を分析した。これらの結果は、BMiMSが可溶性分子として細胞から分泌されることを示唆している。
図8図8は、BMiMSで染色したRamos細胞のフローサイトメトリー解析の結果を示す。Ramos細胞を培養培地(陰性対照)またはBMiMSを発現するM12細胞の上清とともにインキュベートし、次いで、表示した免疫分子に対するフルオロフォアコンジュゲート抗体で染色し、フローサイトメトリーにより分析した。これらの結果は、BMiMS AtlIgがin vitroでB細胞リンパ腫(Ramos細胞)に結合することを示している。
図9A図9Aは、ナイーブCD4+T細胞をBMiMSで刺激するための実験計画のイラスト図を示す。
図9B図9Bは、rhuCD19およびBMiMSでコートされたプレートで18時間培養した後のナイーブ5c.c7+CD4+T細胞のIL-2 ELISAの結果を示す。バーは、3連のウェルの平均±SEMを表す。
図10A図10Aは、免疫グロブリンβシートの配置の模式図を示す。N末端はβストランドA上にあり、C末端はβ-ストランドG上にある。
図10B図10Bは、AltIgβ-シートの配置の概略図を示しており、リンカーはβストランドAとβストランドGの間に配置されており、βストランドAとBの間のループ領域は切断されている。N’末端はこの場合βストランドBにあり、C’末端はβストランドAにある。
図11図11は、軽鎖または重鎖のN’末端にそれぞれmycおよびHAタグを、ならびにC’末端に6×Hisタグを有する図10Bに示したAltIg構築物に関するフロー式フルオロフォア結合免疫吸着アッセイ(FFLISA)の結果を示す。
図12図12は、可変(Fv)領域のAltIgベースの単鎖(sc)断片、すなわち、AltIg-scFvのモデルを示す。
図13図13は、AltIg LC N末端に融合されたIgG2aヒンジ領域を有するAltIg-scFvのモデルを示す。
図14図14は、二価AltIg-scFvを作製するためにAltIg LC N末端に融合されたIgG2aヒンジ領域を有するAltIg-scFvのモデルを示す。
図15図15は、IgG2aヒンジ領域およびCD80を有する二価抗hCD19 AltIg-scFvから構成されたBMiMSのイラスト図を示す。この図は、二価BMiMSが分子を、認識するための標的細胞膜に対してどのように適切な空間配向に配置するかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
別途定義のない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。例えば、本明細書に記載の細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、ならびにタンパク質および核酸化学およびハイブリダイゼーションに関連して使用される任意の命名法、およびそれらの技術は、当技術分野においては周知であり、一般的に使用されている。矛盾がある場合、定義を含む本開示が優先される。例示的な方法および材料を以下に記載するが、本明細書に記載のものと同様のまたは同等の方法および材料を、本明細書に記載の実施形態および態様の実施または試験において使用することができる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」、「ヌクレオチド」、「ポリペプチド」、「ポリヌクレオチド」、および「ベクター」という用語は、当業者の生化学者によって理解されるようなそれらの一般の意味を有する。標準的な一文字ヌクレオチド(A、C、G、またはT)、および標準的な一文字アミノ酸(A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはR)が本明細書では使用される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「含む(include)」、「含む(including)」、「含有する(contain)」、「含有する(containing)」、「有する(having)」などの用語は、「含む(comprising)」を意味する。本開示はまた、明示的に述べられているかどうかにかかわらず、本明細書に提示されている実施形態または要素「を含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」、および「から本質的になる(consisting essentially of)」他の実施形態を企図する。
【0024】
本明細書で使用される場合、本開示の文脈において(特に特許請求の範囲の文脈において)使用される「a」、「an」、「the」という用語、および同様の用語は、本明細書において別途指示されるか文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を網羅すると解釈されるものとする。さらに、「a」、「an」、または「the」は、特に指定のない限り、「1つまたは複数」を意味する。
【0025】
本明細書で使用される場合、「または」という用語は、接続的または離接的であり得る。
【0026】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、かなりの程度または重要な程度までを意味するが、完全にではないことを意味する。
【0027】
本明細書で使用される場合、目的の1つまたは複数の値に適用される「約」または「およそ」という用語は、明記した基準値に似た値、または当業者によって決定される特定の値の許容誤差範囲内にある値を指し、これは、測定システムの制限など、どのように値が測定または決定されるかに部分的に依存する。一態様では、「約」という用語は、「約」という用語によって変更される値の最大±10%の変動内にある、整数および分数成分の両方を含む任意の値を指す。あるいは、「約」は、当技術分野の慣例により、3またはそれ以上の標準偏差内であることを意味し得る。あるいは、生物学的システムまたはプロセスなどに関して、「約」という用語は、値の1桁以内を意味し、一部の実施形態では5倍以内を意味し、一部の実施形態では2倍以内であることを意味し得る。本明細書で使用される場合、記号「~」は「約」または「およそ」を意味する。
【0028】
本明細書で開示されるすべての範囲は、離散値としての両方の端点、ならびに範囲内で指定されたすべての整数および分数を含む。例えば、0.1~2.0の範囲には、0.1、0.2、0.3、0.4...2.0が含まれる。端点が「約」という用語で修飾されている場合、指定された範囲は、端点を含めた範囲内のまたは3以上の標準偏差内の任意の値の最大±10%の変動まで拡大される。
【0029】
本明細書で使用される場合、「有効成分」または「医薬品有効成分」という用語は、薬理学的効果、多くの場合、有益な効果を提供する医薬製剤、有効成分、化合物、もしくは物質、組成物、またはそれらの混合物を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「対照」または「基準」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。「基準」または「対照」レベルは、測定結果を評価するためのベースラインまたはベンチマークとして用いられる、所定の値または範囲であり得る。「対照」はまた、対照実験または対照細胞も指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、「用量」という用語は、少なくとも1回または複数回の投与で治療効果を開始または生じるのに十分な量を含有する、細胞を含む有効成分の製剤または組成物の任意の形態を意味する。「製剤」および「組成物」は、本明細書では交換可能に使用される。
【0032】
本明細書で使用される場合、「予防」という用語は、統計的に有意な程度に、または当業者によって検出可能な程度に、障害の進行を防止または低減することを指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「有効量」または「治療有効量」という用語は、実質的に非毒性であるが、体験しているかまたは対象が罹患しやすい疾患もしくは状態の1つもしくは複数の症状を予防、処置、もしくはある程度改善する、対象に投与される十分な量の薬剤、組成物、または細胞(複数可)である。その結果により、疾患の徴候、症状、もしくは原因の低減もしくは緩和、または生物学的システムの任意の他の望ましい変化がもたらされ得る。有効量は、限定するものではないが、対象の年齢、サイズ、疾患の種類もしくは程度、疾患のステージ、投与経路、使用される補助療法の種類もしくは程度、進行中の疾患プロセス、および所望する処置の種類を含む、各対象に固有の要因に基づき得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は動物を指す。典型的には、対象は哺乳動物である。対象はまた、霊長類(例えば、ヒト、男性または女性;小児、青年、または成人)、非ヒト霊長類、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、魚、鳥などを指す。一実施形態では、対象は霊長類である。一実施形態では、対象はヒトである。
【0035】
本明細書で使用される場合、対象は、そのような対象がそのような処置から生物学的に、医学的に、または生活の質的に恩恵を受ける場合、「処置が必要」とされる。処置が必要とされる対象は、特に防止的処置または予防的処置の場合、必ずしも症状を示すとは限らない。
【0036】
本明細書で使用される場合、「処置」、「治療」および/または「治療レジメン」とは、患者によって現れるかまたは患者が罹患し得る疾患、障害、または生理学的状態に応答して行われる臨床上の介入を指す。処置の目的には、症状の緩和もしくは予防、疾患、障害もしくは状態の進行もしくは悪化の抑制もしくは停止、および/または疾患、障害もしくは状態の寛解が含まれる。
【0037】
本明細書で使用される場合、「阻害する(inhibit)」、「阻害(inhibition)」、または「阻害する(inhibiting)」という用語は、所与の生物学的プロセス、状態、症状、障害、もしくは疾患の低減もしくは抑制、または生物学的活性もしくはプロセスのベースライン活性の有意な減少を指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置する」とは、障害もしくは疾患を含む生物学的プロセスの進行を予防、防止、抑制、抑圧、逆転、緩和、改善、もしくは阻害すること、または疾患を完全に除去することを指す。処置は、急性または慢性の方法で実施され得る。「処置」という用語はまた、疾患に罹患する前に、疾患またはそのような疾患に関連する症状の重症度を軽減することも指す。疾患、障害、またはそれらの症状を「抑圧する」または「改善する」ことには、本明細書に記載の細胞、組成物または化合物を、そのような疾患、障害またはその症状の臨床的出現後に、対象に投与することが含まれる。疾患、障害またはそれらの症状の「予防」または「防止する」ことには、本明細書に記載の細胞、組成物または化合物を、疾患、障害またはそれらの症状の発症前に、対象に投与することが含まれる。疾患または障害を「抑制する」ことには、本明細書に記載の細胞、組成物または化合物を、疾患またはそれらの障害が誘発された後、その臨床的外観または症状が現れる前に、対象に投与することが含まれる。
【0039】
本明細書には、代替免疫グロブリンドメイン(「AltIg」)を含むポリペプチドをコードするヌクレオチドおよびポリペプチドが記載されている。免疫グロブリン(Ig)フォールドをとるタンパク質の最初の(N末端)および最後の(C末端)アミノ酸の位置を変え、リンカーおよび他のペプチドを挿入することにより、代替免疫グロブリン(「AltIg」)を構築することができる。AltIgの例の一実施形態は、単一ポリペプチドとしての別のタンパク質をAltlgに融合させて、従来の方法では(すなわち、第2のタンパク質のN末端を天然IgのC末端に融合させることでは)天然Igが第2のタンパク質に融合された場合に達成することができなかった、AltIgの機能末端と第2のタンパク質の間の異なる空間的関係を達成することである。AltIgを設計することにより、AltIgのアミノ末端(N-)領域を第2のタンパク質のN末端領域の遠位に位置させ、一方、両タンパク質のカルボキシ末端(C-)領域は近位に位置させることができる。このような構築はタンパク質の翻訳がポリペプチドのN末端からC末端へと自然に起こり、一方の側が特定の機能(例えば、標的Aと結合する抗体可変領域(Fv))を有し、他の部分が異なる機能(例えば、標的Bと結合するFvまたは他のタンパク質)を有する新規の二機能性ポリペプチドの設計および合成において、この自然の法則が操作上の問題をもたらすという理由から重要である。これが問題となり得る理由は、第1のタンパク質のC末端が第2のタンパク質のN末端に連結された1つの長いポリペプチドとして一緒に融合された2つのタンパク質の機能性末端の配向性に関するものである。リンカーを任意選択でC末端とN末端の間に加えて、間隔を調整したり可撓性を持たせたりすることができる。詳しくは、第1のタンパク質と第2のタンパク質の両方の機能性部位がそれらのN末端にある場合、そのような設計では、第2のタンパク質の機能性部位が第1のタンパク質に対して最適ではない直列方向に配置される。しかし、多くの可能性のある実験ツールまたは治療薬においては、2つのタンパク質の2つの機能性N末端を遠位末端に有することがより望ましい場合もある。問題は、従来の手段によるそのようなポリペプチドの構築が連続したポリペプチドでは不可能であり、タンパク質を連結する他の手段(例えば、化学リンカー、または操作された非共有結合タンパク質相互作用部位)が必要となることである。この問題は、互いに融合した2つのタンパク質が複数のサブユニットを構成する場合に、さらに困難となる。例えば、一端の腫瘍細胞上のエピトープに結合する抗体Fvと、もう一端のT細胞によって検出され得るpMHC分子とからなる二機能性タンパク質を操作するためには、2つの課題がある。1番目は、Fv上の抗原結合部位と、pMHC上のT細胞認識部位の両方が両タンパク質のN末端にあることである。したがって、pMHCが自然なポリペプチド配向性でFvに連結されたならば、Fvが腫瘍細胞に結合される場合、pMHCもまたT細胞による認識のための外向きではなく、腫瘍細胞の方を向いている。第2の問題は、FvおよびpMHCの両方がヘテロダイマーであり、1つのポリペプチドとして融合することがより困難であることである。
【0040】
本明細書に記載の構築物は、Igドメインの翻訳が開始され停止される場所を変え、以前の(天然の)N末端およびC末端の融合または得られるポリペプチド鎖の連続性を確保するための以前のN末端とC末端とを接続する可撓性リンカーを有する。図3A図3Bを参照されたい。このような改変を行うことにより、所望する目的のタンパク質のC末端がAltIgドメインの新規N’末端を持つ連続ポリペプチドとして翻訳され、通常は各タンパク質成分(例えば、AltIgおよび従来のFvまたはpMHC)のN末端領域であるものが互いに遠位にあるポリペプチドが作成され得る。あるいは、所望するタンパク質のN末端がAltIgのC’末端から連続ポリペプチドとして翻訳され、各タンパク質成分の異なる配向性が達成され得る。
【0041】
免疫グロブリンドメインを含有する任意のタンパク質を、AltIgを構築するための最初のポリペプチドドメインとして使用することができる。Igドメイン含有タンパク質には、限定するものではないが、免疫グロブリンスーパーファミリー(EMBL-EBIファミリーPF00047、clan CL0011;NCBI保存タンパク質ドメインファミリーcd00096、これらはそのような教示に関して本明細書に参照により組み込まれる))にあるものが挙げられ、抗体または免疫グロブリン(IgA、IgD、IgE、IgG、IgM);T細胞受容体(TRAC、TRBC1、TRBC2、TRDC、TRGC1、TRGC2、TCRA、TCB1、TCB2、TCC1、TCC2、TCC3、TCC4);抗原提示分子(クラスI MHC、クラスII MHC、β-2ミクログロブリン、HLA-A、HLA-B、HLA-C、β-2ミクログロブリン、HLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRB、H2-Aa、H2-B1、H2-K1、H2-EBβ、H2-EKα、H2-EKβ);共受容体(CD4、CD8、CD19);抗原受容体アクセサリー分子(CD3-γ、-δ、および-ε鎖、CD79aおよびCD79b);共刺激分子または阻害分子(CD28、CD80、CD86、PD-1、PD-L1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR);白血球免疫グロブリン様受容体(LILR);IgSF CAM(NCAM、ICAM-1、CD2サブセット);サイトカイン受容体(インターロイキン-1受容体、コロニー刺激因子1受容体);増殖因子受容体(血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、マスト/幹細胞増殖因子受容体前駆体(SCFR、c-kit、CD117抗原));受容体チロシンキナーゼ/ホスファターゼ(チロシン-プロテインキナーゼ受容体Tie-1前駆体、I1a型およびIIb型受容体タンパク質チロシンホスファターゼ(RPTP)、限定するものではないが、PTPRM、PTPRK、PTPRU、PTPRD、PTPRFを含む);Ig結合受容体(多量体免疫グロブリン受容体(PIGR)、一部のFc受容体);細胞骨格タンパク質(ミオチリン、ミオパラジン、パラジン、タイチン、オブスキュリン、MYOM1、MYOM2);CD147;CD90;CD7;ブチロフィリン(Btn)、および他のタンパク質が含まれる。例えば、ChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.196(4):901~917頁(1987);WilliamsおよびBarclay、Annu.Rev.Immunol.6:381~405頁(1988);Borkら、J.Mol.Biol.242(4):309~320頁(1994);HarpazおよびChothia、J.Mol.Biol.238:528~539頁(1994);BrummendorfおよびRathjen、Protein Profile 2(9):963~1108頁(1995);HalabyおよびMornon、J.Mol.Evol.46(4):389~400頁(1998);ChothiaおよびKister、J.Mol.Biol.278(2):457~479頁(1998);Litmanら、Annu.Rev.Immunol.17:109~147頁(1999);Clarkeら、Structure 7:1145~1153頁(1999);Halabyら、Protein Eng.12(7):563~571頁(1999);Zuccottiら、Acta Crystallogr.D Biol.Crystallogr.59(Pt 7):1270~1272頁(2003);ならびに、AbhinandanおよびMartin、J.Mol.Biol.369:852~862頁(2007)を参照されたい。これらの各々は、そのような教示について参照により本明細書に組み込まれる。上述の免疫グロブリンドメインのいずれかを有する生物の種には、限定するものではないが、ヒト、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、他の非ヒト霊長類、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ウマ、ラクダ、ブタ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、および他の哺乳動物が含まれる。
【0042】
多数のタンパク質、サブドメイン、またはペプチドを新しいN’末端またはC’末端でAltIgに融合させることができる。本明細書で論じた前述の免疫グロブリンドメインタンパク質のいずれかを融合させて、それぞれが特定の特異性を持つ1つまたは複数の免疫グロブリンドメインを有するAltIgを作製することができる。さらに、AltIgは、免疫グロブリンドメイン、Fab、Fv、ScFV、細胞受容体、pMHC、共刺激分子、サイトカイン、または他のポリペプチドドメインと融合させることができる。例示的なタンパク質には、CD80、CD86、ICAM-1、PD-L1/L2、B7H1、B7H2、CD40、CD40L、CD47、CD48、CD58、4-1BBL、OX40L、TIM-1、TIM-4、CD80:PD-L1ヘテロ二量体、カルレティキュリン;サイトカイン:IFNα、IFNβ、IFNγ、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、TNF、TNFα、TGFβ、GM-CSF、CSF-1;MHC対立遺伝子:MHC分子は、HLA-A、HLA-B、HLA-C、β2-ミクログロブリン、HLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRB、H2-Aa、H2-B1、H2-K1、H2-EBβ、H2-EKα、H2-EKβ、もしくはHLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRB、H2-Aa、H2-B1、H2-K1、H2-EBβ、H2-EKα、H2-EKβと少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、またはそれらの組合せを含む、が含まれる。
【0043】
AltIg技術の1つの用途は、腫瘍抗原に結合し、公知の抗原性のpMHC(例えば、抗CMV T細胞などにより認識される)、共刺激分子(例えば、CD80)、接着分子(例えば、ICAM-1)、およびサイトカイン(例えば、IL-12)のいずれかと融合されるAltIgを生成することである。Fvは軽鎖(LC)Igフォールドおよび重鎖(HC)Igフォールドから構成されるヘテロ二量体であるので、AltIgは、所定のFvに関するLCとHCの両方から作製され得る。それぞれを別のヘテロ二量体のサブユニット(例えば、天然FvサブユニットまたはpMHCIIのαおよびβサブユニット)と融合させ、一端にAltIgG Fvを有し、もう片方の一端にpMHC、共刺激分子、または接着分子、またはサイトカインを有する試薬を生成することができる。本明細書で使用される場合、そのような構築物は、「生体模倣刺激物質」(「BMiMS」)と呼ばれる。腫瘍細胞を、T細胞活性化に重要な4つの成分-抗原(pMHC)、共刺激、接着分子、シグナル伝達(サイトカイン経由)-を含むBMiMSと接触させ、一般的なウイルス、例えば、hCMV、インフルエンザ、ワクシニアなどによる感染に起因してほとんどの個体に存在するT細胞集団により腫瘍細胞がターゲティングされやすくすることができる。他にも多数の用途が想定される。
【0044】
本明細書に記載の別の実施形態は、AltIgを用いて作製された医薬化合物である。一実施形態では、医薬化合物はBMiMSを含む。別の実施形態では、試薬は、抗腫瘍性AltIg Fvを「eat me」シグナルとしてのカルレティキュリンに融合させることによって、腫瘍細胞が自然免疫細胞による食作用を受けやすくするために必要とされる重要シグナルで腫瘍細胞を標的とするように構築することができる。他の実施形態には、特定の細胞型または組織に薬物を送達するための抗薬物Fvが含まれる
本明細書に記載の一実施形態は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ポリペプチドが、野生型N末端およびC末端の融合またはそれらを連結する任意選択のリンカーと、新規N’末端およびC’末端が得られるループ領域のうちの1つの内部での切断とを含む1つまたは複数の免疫グロブリンドメインを含む、ヌクレオチド配列である。一態様では、免疫グロブリンドメインは、免疫グロブリン、Fab、Fv、T細胞受容体(TCR)、CD80、CTLA-4、PD1、PDL1、MHC分子、または他の免疫グロブリンドメイン含有タンパク質由来の免疫グロブリンドメインを含む。別の態様では、免疫グロブリンドメインは、重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインを含む。別の態様では、N’末端およびC’末端の一方または両方が、1つまたは複数の追加のポリペプチドと融合されている。別の態様では、追加のポリペプチドは、免疫グロブリンドメイン、Fab、Fv、ScFV、細胞受容体、pMHC、サイトカイン、共刺激分子、または他のポリペプチドドメインを含む。別の態様では、追加のポリペプチドドメインは、CD80、CD86、ICAM-1、PD-L1/L2、B7H1、B7H2、CD40、CD40L、CD47、CD48、CD58、4-1BBL、OX40L、TIM-1、TIM-4、CD80:PD-L1ヘテロ二量体、カルレティキュリン、もしくはCD80、CD86、ICAM-1、PD-L1/L2、B7H1、B7H2、CD40、CD40L、CD47、CD48、CD58、4-1BBL、OX40L、TIM-1、TIM-4、CD80:PD-L1ヘテロ二量体、カルレティキュリンと少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ;サイトカイン:IFNα、IFNβ、IFNγ、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、TNF、TNFα、TGFβ、GM-CSF、CSF-1、もしくはIFNα、IFNβ、IFNγ、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、TNF、TNFα、TGFβ、GM-CSF、CSF-1と少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ;MHC対立遺伝子:MHC分子は、HLA-A、HLA-B、HLA-C、β2-ミクログロブリン、HLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRB、H2-Aa、H2-B1、H2-K1、H2-EBβ、H2-EKα、H2-EKβ、もしくはHLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRB、H2-Aa、H2-B1、H2-K1、H2-EBβ、H2-EKα、H2-EKβと少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せを含む;またはTCR分子:TRAC、TRBC1、TRBC2、TRDC、TRGC1、TRGC2、TCRA、TCB1、TCB2、TCC1、TCC2、TCC3、TCC4、もしくはTRAC、TRBC1、TRBC2、TRDC、TRGC1、TRGC2、TCRA、TCB1、TCB2、TCC1、TCC2、TCC3、TCC4と少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ、のうちの1つまたは複数を含む。別の態様において、リンカーは、ポリペプチドリンカーまたは化学リンカーを含む。別の態様では、使用される場合、リンカーは、ポリグリシンリンカー、ポリアラニンリンカー、ポリグリシン-アラニンリンカー、ポリグリシン-セリンリンカー、またはポリグリシン-セリン-プロリンリンカーのうちの1つまたは複数から選択されるポリペプチドを含む。別の態様では、リンカーは、配列番号36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58のうちの1つまたは複数に85%~99%の同一性を有するポリペプチドを含む。別の態様では、リンカーは、配列番号36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58のうちの1つまたは複数から選択されるポリペプチドである。別の態様では、切断が起こるループ領域は、免疫グロブリンβシートループA-B、B-C、C-C’、C’-C’’、C-D、C’-D、C’’-D、D-E、E-F、もしくはF-G、または1つもしくは複数の介在性βストランドを除去する他のループ連結のうちの1つまたは複数を含む。別の態様では、切断が起こるループ領域は、免疫グロブリンβシートループA-B、B-C、C-C’、C’-C’’、C-D、C’-D、C’’-D、D-E、E-F、またはF-Gのうちの1つまたは複数以上を含む。別の態様では、ループ領域はC’-C’’ループを含む。別の態様では、ヌクレオチド配列は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、または33と85%~99%の同一性を有する。別の態様では、ヌクレオチド配列は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、または33から選択される。
【0045】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載の1つまたは複数のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドベクターである。
【0046】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載の1つもしくは複数のヌクレオチド配列または本明細書に記載のポリヌクレオチドベクターを含む細胞である。
【0047】
別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドである。一態様では、ポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32または34と85%~99%の同一性を有する。別の態様では、ポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、または34から選択される。
【0048】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列のうちの1つもしくは複数、または本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを製造する方法であって、本明細書に記載の核酸配列を含む核酸で細胞を形質転換またはトランスフェクトするステップと;細胞を増殖させるステップと;任意選択で、追加量の本明細書に記載のヌクレオチド配列を単離するステップと;本明細書に記載の核酸配列によってコードされているポリペプチドの発現を誘導するステップと;本明細書に記載の核酸配列によってコードされているポリペプチドを単離するステップと、を含む方法である。
【0049】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列のうちの1つもしくは複数、または本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを製造する手段であって、本明細書に記載の核酸配列を含む核酸で細胞を形質転換またはトランスフェクトするステップと;細胞を増殖させるステップと;任意選択で、追加量の本明細書に記載のヌクレオチド配列を単離するステップと;本明細書に記載の核酸配列によってコードされているポリペプチドの発現を誘導するステップと;本明細書に記載の核酸配列によってコードされているポリペプチドを単離するステップと、を含む手段である。
【0050】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載の方法または手段によって生成されるヌクレオチド配列またはそのヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドである。
【0051】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列のうちの1つまたは複数によってコードされているポリペプチドの有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む処置方法である。
【0052】
本明細書に記載の別の実施形態は、ヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドの有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、疾患または障害を処置するための、本明細書に記載のヌクレオチド配列のうちの1つまたは複数によってコードされているポリペプチドの有効量の使用である。
【0053】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを含む研究ツールである。
【0054】
本明細書に記載の別の実施形態は、本明細書に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを含む免疫化学試薬である。
【0055】
本明細書に記載のポリヌクレオチドには、1つまたは複数のヌクレオチドが関与し得る置換、欠失、および/または付加を有するバリアントが含まれる。バリアントは、コード領域、非コード領域、またはその両方において改変され得る。コード領域における改変は、保存的アミノ酸または非保存的アミノ酸の置換、欠失、または付加を生じさせることができる。これらのうちで特に好ましいのは、結合の特性および活性を変えない、サイレントな置換、付加、および欠失である。
【0056】
本明細書に記載のさらなる実施形態には、(a)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、または33のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列、またはその縮重バリアント、相同バリアント、もしくはコドン最適化バリアント;(b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、または34のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列、またはその縮重バリアント、相同バリアント、もしくはコドン最適化バリアント;(c)上記(a)または(b)のヌクレオチド配列のいずれかの相補体にハイブリダイズすることができ、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、または34のアミノ酸配列の機能性ポリペプチドを発現することができるヌクレオチド配列、と約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である、より好ましくは少なくとも約90~99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む核酸分子が含まれる。
【0057】
AltIgをコードする基準ヌクレオチド配列と少なくとも、例えば90~99%「同一」であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドとは、ポリヌクレオチド配列がAltIgをコードする基準ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチドあたり最大約10点~1点の変異、付加または欠失を含み得ることを除いて、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が基準配列と同一であることを意図する。
【0058】
言い換えると、基準ヌクレオチド配列と少なくとも約90~99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るためには、基準配列中の最大10%のヌクレオチドが欠失され得るか、別のヌクレオチドにより付加され得るか、置換され得るか、または基準配列中の全ヌクレオチドの最大10%の数のヌクレオチドが基準配列に挿入され得る。基準配列のこれらの変異は、基準ヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端位置で起こり得るか、あるいは基準配列内または基準配列内の1つもしくは複数の連続した基内のヌクレオチド間に個別に散在される、これらの末端位置の間の任意の場所で起こり得る。同様のことが、基準ポリペプチド配列と少なくとも約90~99%同一であるポリペプチド配列にも適用され得る。
【0059】
上記の場合、2つ以上のポリヌクレオチド配列は、それらの同一性パーセントを決定することにより比較することができる。同様に2つ以上のアミノ酸配列も、それらの同一性パーセントを決定することにより比較することができる。2つの配列の同一性パーセントは、核酸配列であろうとペプチド配列であろうと、一般に、2つのアラインされた配列間の正確なマッチの数を短い方の配列の長さで割って100を掛けたものとして説明される。核酸配列に関する近似アラインメントは、SmithおよびWaterman、Advances in Applied Mathematics 2:482~489頁(1981)の局所相同性アルゴリズムによって提供される。このアルゴリズムは、Dayhoff、Atlas of Protein Sequences and Structure、M.O.Dayhoff編、増補版5 3:353~358頁、National Biomedical Research Foundation、Washington,D.C.、USAによって開発され、Gribskov、Nucl.Acids Res.14(6):6745~6763頁(1986)によって正規化された、スコアリングマトリックスを使用し、ペプチド配列を用いて使用するために拡張することができる。核酸配列およびペプチド配列に関するこのアルゴリズムの実行は、Genetics Computer Group(マディソン、ウィスコンシン州)によって、BESTFITユーティリティ・アプリケーションで提供されている。
【0060】
例えば、遺伝子コードの縮重により、当業者には、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、または33で示した核酸配列と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列を有する多数の核酸分子、またはその縮重バリアント、相同バリアント、またはコドン最適化バリアントがAltIgをコードすることが理解されよう。
【0061】
本明細書に記載のポリヌクレオチドには、本明細書に記載のポリペプチドの変異、変種、置換、付加、欠失、および特定の例をコードするものが含まれる。例えば、表現型的にサイレントなアミノ酸置換を作製する方法に関するガイダンスは、Bowie,J.U.ら、”Deciphering the Message in Protein Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions,”Science 247:1306~1310頁(1990)において提供されており、著者らは、タンパク質がアミノ酸置換に対して驚くほど許容度があることを示唆している。
【0062】
したがって、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、または22のポリペプチドの断片、誘導体、または類似体は、(i)1つまたは複数のアミノ酸残基(例えば、1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50残基、またはそれ以上)が保存アミノ酸残基または非保存アミノ酸残基(好ましくは、保存アミノ酸残基)で置換されている。このような置換アミノ酸残基は、遺伝コードによってコードされているもの、あるいは(ii)アミノ酸残基の1つまたは複数が置換基(例えば、1、2、3、4、5、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50残基またはそれ以上)を含むもの、あるいは(iii)成熟ポリペプチドが別のポリペプチドまたは化合物、例えば、ポリペプチドの半減期を増加させるための化合物(例えば、ポリエチレングリコール)と融合されているもの、あるいは(iv)追加のアミノ酸が成熟ポリペプチド、例えば、IgG Fc融合領域ペプチドまたはリーダー配列もしくは分泌配列または成熟ポリペプチドもしくはプロタンパク質配列の精製に用いられる配列に融合されているもの、であってもよいし、そうでなくてもよい。そのような断片、誘導体、および類似体は、本明細書の教示から当業者の範囲内にあるものとみなされる。
【0063】
さらに、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、または22のポリペプチドの断片、誘導体、または類似体は、1つまたは複数の保存アミノ酸残基または非保存アミノ酸残基(好ましくは、保存アミノ酸残基)で置換され得る。一部の事例では、これらのポリペプチド、その断片、誘導体、または類似体は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、または22に示したポリペプチド配列と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるポリペプチド配列を有し、機能性タンパク質または非機能性タンパク質または酵素を含む。同様に、ポリペプチドへの付加または欠失は、ポリペプチドのN末端もしくはC末端で、または非保存領域内で行われ得る(発光的に保存されていないので、重要ではないと想定される)。
【0064】
本明細書に記載されているように、多くの場合、アミノ酸の置換、変異、付加、または欠失は、好ましくは、タンパク質の折り畳みもしくは活性に有意に影響しない保存的アミノ酸置換、またはN末端もしくはC末端への付加もしくは欠失などのマイナーな性質のものである。もちろん、当業者が行うであろうアミノ酸の置換、付加、または欠失の数は、本明細書に記載されているものを含めた多くの要因に依存する。一般的に、任意の所与のポリペプチドの置換、付加または欠失の数は、約100、90、80、70、60、50、40、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、5、6、4、3、2または1を超えない。
【0065】
本明細書に記載の組成物、製剤、方法、プロセス、および用途に対する適切な改変および適応が、それらのいずれかの実施形態または態様の範囲から逸脱することなく行われ得ることは、当業者には明らかであろう。提供される組成物および方法は例示的なものであり、特定の実施形態のいずれかの範囲を限定することを意図してはいない。本明細書に開示されているすべての様々な実施形態、態様、および選択肢は、任意の変形または繰返しで組み合わせることができる。本明細書に記載の組成物、製剤、方法、およびプロセスの範囲には、本明細書に記載の実施形態、態様、選択肢、例、および優先性のすべての実際的または潜在的な組合せが含まれる。本明細書に記載の組成物、製剤、または方法は、本明細書に開示の任意の構成要素またはステップを省略することができ、本明細書に開示の任意の構成要素またはステップを置き換えることができ、または本明細書の他の箇所に開示された任意の構成要素またはステップを含んでいてもよい。本明細書に開示の組成物または製剤のいずれかの任意の成分の質量の、製剤中のいずれかの他の成分の質量に対する比、または製剤中の他の成分の総質量に対する比は、あたかも明示的に開示されているかのように本明細書により開示される。参照により組み込まれる特許または刊行物のいずれかにおけるいずれかの用語の意味が本開示で使用されている用語の意味と矛盾する場合、本開示の用語または語句の意味が優先される。さらに、本明細書は単に例示的な実施形態を開示および説明している。本明細書で引用されているすべての特許および刊行物は、それらの特定の教示に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
本明細書に記載の本発明の様々な実施形態および態様は、以下の項目によって要約される:
条項1.ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ポリペプチドが、野生型のN末端およびC末端の融合または野生型のN末端とC末端とを連結する任意選択のリンカーと、新規のN’末端およびC’末端が得られるループ領域のうちの1つの内部での切断とを含む1つまたは複数の免疫グロブリンドメインを含む、ヌクレオチド配列。
【0067】
条項2.免疫グロブリンドメインが、免疫グロブリン、Fab、Fv、T細胞受容体(TCR)、CD80、CTLA-4、PD1、PDL1、MHC分子、または他の免疫グロブリンドメイン含有タンパク質由来の免疫グロブリンドメインを含む、条項1に記載のヌクレオチド配列。
【0068】
条項3.免疫グロブリンドメインが重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインを含む、条項1または2に記載のヌクレオチド配列。
【0069】
条項4.N’末端およびC’末端の一方または両方が、1つまたは複数の追加のポリペプチドと融合されている、条項1~3のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0070】
条項5.追加のポリペプチドが、免疫グロブリンドメイン、Fab、Fv、ScFV、細胞受容体、pMHC、共刺激分子、サイトカイン、または別のポリペプチドドメインを含む、条項1~4のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0071】
条項6.追加のポリペプチドが免疫グロブリンヒンジ領域を含む、条項1~4のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0072】
条項7.追加のポリペプチドが、CD80、CD86、ICAM-1、PD-L1/L2、B7H1、B7H2、CD40、CD40L、CD47、CD48、CD58、4-1BBL、OX40L、TIM-1、TIM-4、CD80:PD-L1ヘテロ二量体、カルレティキュリン、もしくはCD80、CD86、ICAM-1、PD-L1/L2、B7H1、B7H2、CD40、CD40L、CD47、CD48、CD58、4-1BBL、OX40L、TIM-1、TIM-4、CD80:PD-L1ヘテロ二量体、カルレティキュリンと少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ;サイトカイン:IFNα、IFNβ、IFNγ、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、TNF、TNFα、TGFβ、GM-CSF、CSF-1、もしくはIFNα、IFNβ、IFNγ、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、TNF、TNFα、TGFβ、GM-CSF、CSF-1と少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ;MHC対立遺伝子:MHC分子は、HLA-A、HLA-B、HLA-C、β2-ミクログロブリン、HLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRB、H2-Aa、H2-B1、H2-K1、H2-EBβ、H2-EKα、H2-EKβ、もしくはHLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRB、H2-Aa、H2-B1、H2-K1、H2-EBβ、H2-EKα、H2-EKβと少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せを含む;またはTCR分子:TRAC、TRBC1、TRBC2、TRDC、TRGC1、TRGC2、TCRA、TCB1、TCB2、TCC1、TCC2、TCC3、TCC4、もしくはTRAC、TRBC1、TRBC2、TRDC、TRGC1、TRGC2、TCRA、TCB1、TCB2、TCC1、TCC2、TCC3、TCC4と少なくとも90%同一であるペプチド、それらの断片、もしくはそれらの組合せ、のうちの1つまたは複数を含む、条項1~4のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0073】
条項8.リンカーがポリペプチドリンカーまたは化学リンカーを含む、条項1~7のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0074】
条項9.リンカーが、ポリグリシンリンカー、ポリアラニンリンカー、ポリグリシン-アラニンリンカー、ポリグリシン-セリンリンカー、またはポリグリシン-セリン-プロリンリンカーのうちの1つまたは複数から選択されるポリペプチドを含む、条項1~8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0075】
条項10.リンカーが、配列番号36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58のうちの1つまたは複数と85%~99%の同一性を有するポリペプチドを含む、条項1~9のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0076】
条項11.リンカーが、配列番号36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58のうちの1つまたは複数から選択されるポリペプチドである、条項1~10のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0077】
条項12.ループ領域が、A-B、B-C、C-C’、C’-C’’、C-D、C’-D、C’’-D、D-E、E-F、F-G、または1つもしくは複数の介在性βストランンドを除去する他のループ連結を含む隣接するβストランンドを接続するループのうちの1つもしくは複数を含む、条項1~11のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0078】
条項13.ループ領域が、免疫グロブリンβシートループA-B、B-C、C-C’、C’-C’’、C-D、C’-D、C’’-D、D-E、E-F、またはF-Gのうちの1つまたは複数を含む、条項1~12のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0079】
条項14.ループ領域がC-C’またはA-Bループを含む、条項1~13のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0080】
条項15.ヌクレオチド配列が配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、または33と85%~99%の同一性を有する、条項1~14のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0081】
条項16.ヌクレオチド配列が配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、または33から選択される、条項1~15のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
【0082】
条項17.条項1~16のいずれか一項に記載の1つまたは複数のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドベクター。
【0083】
条項18.条項1に記載の1つもしくは複数のヌクレオチド配列または条項17に記載のポリヌクレオチドベクターを含む細胞。
【0084】
条項19.条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチド。
【0085】
条項20.ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、または34と85%~99%の同一性を有する、条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチド。
【0086】
条項21.ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、または34から選択される、条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチド。
【0087】
条項22.1つまたは複数のジスルフィド結合を介して共有結合されている配列番号32または34のポリペプチドの二量体を含む二価ポリペプチド複合体。
【0088】
条項23.配列番号34を含む単鎖可変断片(scFv)ポリペプチド。
【0089】
条項24.条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、または条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを製造する方法であって、核酸で細胞を形質転換またはトランスフェクトするステップと;細胞を増殖させるステップと;任意選択で、追加量のヌクレオチド配列を単離するステップと;ポリペプチドの発現を誘導するステップと;ポリペプチドを単離するステップと、を含む方法。
【0090】
条項25.条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、または条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを製造する手段であって、核酸で細胞を形質転換またはトランスフェクトするステップと;細胞を増殖させるステップと;任意選択で、追加量のヌクレオチド配列を単離するステップと;ポリペプチドの発現を誘導するステップと;ポリペプチドを単離するステップと、を含む手段。
【0091】
条項26.条項21に記載の方法または条項22に記載の手段によって生成される、条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、または条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチド。
【0092】
条項27.条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドの有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む処置方法。
【0093】
条項28.条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドの有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む疾患または障害を処置するための、前記ポリペプチドの有効量の使用。
【0094】
条項29.条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを含む研究ツール。
【0095】
条項30.条項1~16のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされているポリペプチドを含む免疫化学試薬。
【実施例
【0096】
実施例1
AltIgおよびBMiMS構築物
AltIgおよびBMiMS構築物は、標準的な分子生物学技術を使用して生成した。抗ヒトCD19モノクローナル抗体B43の軽鎖(LC)および重鎖(HC)Fv断片のAltIgバージョンをコードする遺伝子(cDNA)をIDTから購入し、pUC18(Fermentas社)にクローニングし、配列決定し(Eton Biosciences社)、MSCVベースのレトロウイルス発現ベクターにサブクローニングした。BMiMSについては、AltIgとインフレームでクローニングし、所望のBMiMSをコードするのに適切なリンカーをコードするプライマーを用いて、AltIgに対する融合パートナー(例えば、mMHCII、mCD80、mCD86、およびmICAM-1)をコードする遺伝子をPCRにより増幅した。PCR産物(cDNA)をpUC18(Fermentas社)にクローニングし、配列決定し(Eton Biosciences社)、次いで、MSCVベースのレトロウイルス発現ベクターに所望のAltIg遺伝子とサブクローニングした。
【0097】
構築物ならびにそれらのヌクレオチド(cDNA)配列およびアミノ酸配列を示す。小文字は、ポリペプチド配列中の挿入されたヌクレオチドまたはリンカー領域を示す。
【0098】
mAbB43Fv・HC・Altlg 配列番号1;597NT
【0099】
【化1】
【0100】
配列番号2;197AA
【0101】
【化2】
【0102】
mAbB43Fv・LC・AltIg 配列番号3;570NT
【0103】
【化3】
【0104】
配列番号4;188AA
【0105】
【化4】
【0106】
sCD80-hCD19LCFv融合 配列番号5;1203NT
【0107】
【化5】
【0108】
配列番号6;392AA
【0109】
【化6】
【0110】
sCD80-hCD19HCFv融合 配列番号7;1233NT
【0111】
【化7】
【0112】
配列番号8;402AA
【0113】
【化8】
【0114】
sCD86-hCD19HCFv融合 配列番号9;1227NT
【0115】
【化9】
【0116】
配列番号10;400AA
【0117】
【化10】
【0118】
sICAM1-hCD19HCFv融合 配列番号11;1953NT
【0119】
【化11】
【0120】
配列番号12;642AA
【0121】
【化12】
【0122】
slEα(MHCIIα)酸ジッパー-hCD19LCFv融合 配列番号13;1254NT
【0123】
【化13】
【0124】
配列番号14;409AA
【0125】
【化14】
【0126】
slEβ(MHCIIβ)塩基ジッパー-hCD19HCFv融合 配列番号15;1453NT
【0127】
【化15】
【0128】
配列番号16;467AA
【0129】
【化16】
【0130】
mAbB43FV-ABループオープンhCD19HC AltIg 配列番号17;618NT
【0131】
【化17】
【0132】
配列番号18;197AA
【0133】
【化18】
【0134】
mAbB43FV-ABループオープンhCD19LC AltIg 配列番号19;594NT
【0135】
【化19】
【0136】
配列番号20;190AA
【0137】
【化20】
【0138】
sCD80-ABループオープンhCD19 AltIg 配列番号21;1233NT
【0139】
【化21】
【0140】
配列番号22;403AA
【0141】
【化22】
【0142】
sCD80-ABループオープンhCD19LC AltIg 配列番号23;1206NT
【0143】
【化23】
【0144】
配列番号24;394AA
【0145】
【化24】
【0146】
sCD86-ABループオープンhCD19HC AltIg 配列番号25;1227NT
【0147】
【化25】
【0148】
配列番号26;401AA
【0149】
【化26】
【0150】
sCD86-ABループオープンhCD19LC Altlg 配列番号27;1200NT
【0151】
【化27】
【0152】
配列番号28;392AA
【0153】
【化28】
【0154】
ポリペプチドリンカー配列
ポリペプチドリンカーを使用して、免疫グロブリンドメインのN末端とC末端を連結させ、新しいN’末端とC’末端に結合された融合タンパク質を連結させることができる。N末端とC末端を連結するリンカーは、約15~約30個のアミノ酸残基を含み得る。典型的には、リンカーは、約20~30個のアミノ酸残基(例えば、18~32個)であり、ポリグリシン、ポリアラニン、またはポリグリシン-セリンリンカー(例えば、配列番号35~47)を含む。3~6個のアミノ酸残基の内部リンカーを、融合ドメイン(例えば、配列番号48~52)の間で使用することができる。例示的なリンカーヌクレオチドおよびポリペプチド配列を以下に示す:
配列番号35;60 NT
【0155】
【化29】
【0156】
配列番号36;20 AA
【0157】
【化30】
【0158】
配列番号37;57 NT
【0159】
【化31】
【0160】
配列番号38;19 AA
【0161】
【化32】
【0162】
配列番号39;75 NT
【0163】
【化33】
【0164】
配列番号40;25 AA
【0165】
【化34】
【0166】
配列番号41;72 NT
【0167】
【化35】
【0168】
配列番号42;24 AA
【0169】
【化36】
【0170】
配列番号43;90 NT
【0171】
【化37】
【0172】
配列番号44;30 AA
【0173】
【化38】
【0174】
配列番号45;87 NT
【0175】
【化39】
【0176】
配列番号46;29 AA
【0177】
【化40】
【0178】
配列番号47;18 NT
【0179】
【化41】
【0180】
配列番号48;6 AA
【0181】
【化42】
【0182】
配列番号49;15 NT
【0183】
【化43】
【0184】
配列番号50;5 AA
【0185】
【化44】
【0186】
配列番号51;9 NT
【0187】
【化45】
【0188】
配列番号52;3 AA
【0189】
【化46】
【0190】
配列番号53;12 NT
【0191】
【化47】
【0192】
配列番号54;4 AA
【0193】
【化48】
【0194】
配列番号55;18 NT
【0195】
【化49】
【0196】
配列番号56;6 AA
【0197】
【化50】
【0198】
配列番号57;24 NT
【0199】
【化51】
【0200】
配列番号58;8 AA
【0201】
【化52】
【0202】
mMHCII・抗hCD19 BMiMS
マウスMHCII I-Ekで提示されるガのシトクロムCペプチド88-93(MCC)(MCC:I-E)を利用した。抗hCD19 AltIg LCに融合されたMHCIIa(I-Ea)をコードする遺伝子を、「pZ4」ゼオシン耐性MSCVベクター(MCS-IRES-Zeo耐性[1])にサブクローニングした。抗hCD19 AltIg HCに融合されたMHCIIb(MCC:I-Eb)をコードする遺伝子を、「pP2」ピューロマイシン耐性MSCVベクター(MCS-IRES-Puro[1])にサブクローニングした。
【0203】
mCD80・抗hCD19 BMiMS(CD80はホモ二量体であることに注意されたい)
抗hCD19 AltIg HCに融合されたmCD80をコードする遺伝子を、「pP2」ピューロマイシン耐性MSCVベクター(MCS-IRES-Puro耐性[1])にサブクローニングした。抗hCD19 AltIg LCに融合されたmCD80をコードする遺伝子を、「pZ4」ゼオシン耐性MSCVベクター(MCS-IRES-Zeo[1])にサブクローニングした。
【0204】
mCD86・抗hCD19 BMiMS(CD86は単量体であることに注意されたい)
抗hCD19 AltIg LCをコードする遺伝子を、「pZ4」ゼオシン耐性MSCVベクター(MCS-IRES-Zeo耐性[1])にサブクローニングした。抗hCD19 AltIg HCに融合されたmCD86をコードする遺伝子を、「pP2」ピューロマイシン耐性MSCVベクター(MCS-IRES-Puro(1))にサブクローニングした。
【0205】
mICAM-1・抗hCD19 BMiMS(ICAM-1は単量体であることに注意されたい)。
【0206】
抗hCD19 AltIg LCをコードする遺伝子を、「pZ4」ゼオシン耐性MSCVベクター(MCS-IRES-Zeo耐性[1])にサブクローニングした。抗hCD19 AltIg HCに融合されたmICAM-1をコードする遺伝子を、「pP2」ピューロマイシン耐性MSCVベクター(MCS-IRES-Puro(1))にサブクローニングした。
【0207】
実施例2
レトロウイルス形質導入
M12 B細胞リンパ腫細胞株を以前に開示されているように生成した[2]。簡単に説明すると、それぞれの構築物について、1.3×10個のPhoenix Eパッケージング細胞を完全DMEM(10%FCS)に播種し、6cmプレート(Falcon社)中で一晩37℃にて培養した。培地を交換し、Turbofect(Fermentas社)を製造業者の指示に従って使用し、細胞に1.5μgの所望のレトロウイルス構築物をトランスフェクトした。培地を24時間後に交換し、細胞を32℃にシフトした。次いで、ウイルス上清を48時間および72時間で回収した。次いで、細胞株を作製するために使用したすべての構築物(例えば、AltIg LC+AltIg HC)の上清をプールし、Amicon Ultra15 100kDa(Millipore社)を使用して250μLに濃縮した。次いで、1×10個の親M12細胞を、4μg/mLのポリブレン+ウイルス上清を入れた12ウェルプレートの1つのウェル内の2mL完全RPMI(5%FCS)に播種し、2時間32℃で、Legend XTR遠心分離機(ThermoFisher社)中2700rpmにて回転した。培地をスピン感染直後に交換し、細胞を37℃で一晩培養した後、10μg/mLのピューロマイシン(LifeTech社)および100μg/mLのゼオシン(LifeTech社)で選択し、必要な場合には分割して薄く保ち、重い選択下においた。維持のために選択の5~7日後に薬物濃度を5μg/mLピューロマイシンおよび50μg/mLゼオシンまで下げた。
【0208】
実施例3
オープン型C-C’ループを持つAltIgのフロー式フルオロフォア結合免疫吸着アッセイ(FFLISA)
M12細胞を完全RPMI(5%FCS)中で集密度(1~2×10細胞/mL)まで培養し、分析のため上清を回収した。6.0μmのストレプトアビジンでコートしたポリスチレンマイクロスフェア(Polysciences社)をビオチン化抗His Tag抗体(クローンHIS.H8、Invitrogen社)でさらにコートし、洗浄し、培地(陰性対照)または0.250mLの濃縮された(Amicon Ultra15 10kDa(Millipore社)中で50mLから0.250mLまで濃縮)M12細胞培養上清と4℃で1時間インキュベートした。洗浄後、ビーズをAlexa Flour 594コンジュゲート抗マウスMycタグ(クローン9E10、BioLegend社)、Alexa Flour488コンジュゲート抗マウスHAタグ(クローン16B12、BioLegend社)、Alexa Flour647コンジュゲート抗マウス抗-I-Ek(クローン14-4-4s、BioLegend社)、PEコンジュゲート抗mCD80(クローン16-10A1、BioLegend社)、抗mCD86(クローンGL-1、BioLegend社)、または抗mlCAM-1(クローンYN1/1.7.4、eBioscience社)でプローブ化し、フローサイトメトリー[3]により分析した。結果を図6および図7Bに示す。
【0209】
実施例4
BMiMSによるRamos細胞染色
M12細胞を完全RPMI(5%FCS)中で集密度(1~2×10細胞/mL)まで培養し、分析するために上述のように上清を回収した。Ramos細胞を回収し、洗浄し、1×10個を培地(陰性対照)または0.250mLの濃縮された(Amicon Ultra15 10kDa(Millipore社)で50mLから0.250mLまで濃縮)M12細胞培養上清と4℃で1時間インキュベートした。洗浄後、細胞をPEコンジュゲート抗マウスI-A/I-E(クローンM5/14.15.2、eBiosciences社)、PEコンジュゲート抗mCD80(クローン16-10A1、BioLegend社)、抗mCD86(クローンGL-1、BioLegend社)または抗mICAM-1(クローンYN1/1.7.4、eBioscience社)で染色し、フローサイトメトリー[3]により分析した。結果を図8に示す。
【0210】
実施例5
BMiMSによるナイーブCD4+ T細胞の刺激
BMiMSがhuCD19に結合し、CD4+ T細胞を刺激することができるかどうかについて判定するために実験を計画した。図9Aを参照されたい。pMHCIIベースのBMiMSは、5c.c7 TCRによって認識されるI-E(MCC:I-E)に可撓性リンカーでつながれたガのシトクロムc88-93ペプチド(MCC)を用いて作製した。パイロット実験については、96ウェルプレートのウェルを4μg/mlの組換えhuCD19(BioLegend社)でコートした。ウェルを洗浄し、次いで、pMHCII-BMiMS、CD80-BMiMS、またはその両方を発現する細胞からの濃縮した上清とインキュベートした。次いで、5c.c7 TCRトランスジェニックマウス(RagKO社)由来のナイーブ5c.c7+ CD4+ T細胞をウェルで18時間インキュベートした後、ELISAによってIL-2を測定するため上清を回収した。IL-2は、huCD19のみ、またはhuCD19+CD80 BMiMSを入れたウェル内で培養した細胞により産生されることはなかった。IL-2は、huCD19+pMHCII-BMiMSを入れたウェル内で培養されたT細胞により産生され、より高レベルのIL-2が、huCD19+pMHCII-BMiMS+CD80-BMiMSでコートされたウェル内で培養されたT細胞により産生された。これらのデータは、CD19に結合されたBMiMSがCD4+ T細胞を刺激することができるという証拠を提供するものである。図9Bを参照されたい。
【0211】
実施例6
オープン型A-Bループを持つAltIgのFFLISA
M12細胞を完全RPMI(5%FCS)中で集密度(1~2×10細胞/mL)まで培養し、分析のために上清を回収した。6.0μmのストレプトアビジンでコートしたポリスチレンマイクロスフェア(Polysciences社)をビオチン化抗Hisタグ抗体(クローンHIS.H8、Invitrogen社)でさらにコートし、洗浄し、培地(陰性対照)または0.250mLの濃縮された(Amicon Ultra15 10kDa(Millipore社)で50mLから0.250mLまで濃縮)M12細胞培養上清と4℃で1時間インキュベートした。洗浄後、ビーズをAlexa Flour594コンジュゲート抗マウスMycタグ(クローン9E10、BioLegend社)、Alexa Flour488コンジュゲート抗マウスHAタグ(クローン16B12、BioLegend社)、PEコンジュゲート抗mCD80(クローン16-10A1、BioLegend社)、またはPEコンジュゲート抗mCD86(クローンGL-1、BioLegend社)でプローブ化し、フローサイトメトリー[3]により分析した。結果を図11に示す。
【0212】
実施例7
AltIg-scFvおよび二価AltIg-scFv
AltIg-scFvおよび二価AltIg-scFvsの構築物を、標準的な分子生物学技術を使用して生成する。図13図14は、AltIgをどのように使用してscFvまたは二価AltIg-ScFvを構築することができるかを示す。例えば、抗体(例えば、マウスIgG2aまたはヒトIgG2a)のヒンジ領域は、任意選択のリンカーでAltIg-scFvに融合させることができる。ヒンジ領域のシステインはジスルフィド結合を形成することが可能であり、新規の二価分子を生成することができる。これを目的の他の分子(例えば、pMHCII、CD80、CD86、ICAM-1)に融合することにより、二価のBMiMSを作製することができる。
【0213】
例示的な構築物およびそれらのヌクレオチド(cDNA)配列およびアミノ酸配列を示す。小文字は、ポリペプチド配列中の挿入されたヌクレオチドまたはリンカー領域を示す。
【0214】
抗hCD19 AltIg-scFv.Igヒンジ 配列番号29;963NT
【0215】
【化53】
【0216】
配列番号30、313AA
【0217】
【化54】
【0218】
sCD80-Igヒンジ.hCD19 AltIg LCHC 配列番号31;1713NT
【0219】
【化55】
【0220】
配列番号32、563AA
【0221】
【化56】
【0222】
抗hCD19 AltIg-scFv 配列番号33;888NT
【0223】
【化57】
【0224】
配列番号34;288AA
【0225】
【化58】
【0226】
参考文献
1. Kuhns and Davis, “Disruption of extracellular interactions impairs T cell receptor-CD3 complex stability and signaling,” Immunity 26: 357-369 (2007).
2. Lee et al., “A Mechanical Switch Couples T Cell Receptor Triggering to the Cytoplasmic Juxtamembrane Regions of CD3zetazeta,” Immunity 43:L 227-239 (2015).
3. Glassman et al., “The CD4 and CD3deltaepsilon Cytosolic Juxtamembrane Regions Are Proximal within a Compact TCR-CD3-pMHC-CD4 Macrocomplex,” J. Immunol. 196: 4713-4722 (2016).
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
【配列表】
2023536100000001.app
【国際調査報告】