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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(54)【発明の名称】光照射装置及び照射方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/20 20060101AFI20230816BHJP
   A61N 5/067 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
A61B18/20
A61N5/067
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505854
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 KR2020015339
(87)【国際公開番号】W WO2022050488
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0111908
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り [公開事由]大韓臨床美容医学会2020春季学術大会 (Korean Association of Clinical Aesthetic Medicine 2020 Spring Annual Conference)での公開 集会名:大韓臨床美容医学会2020春季学術大会 公開日:2020年6月21日
(71)【出願人】
【識別番号】518438715
【氏名又は名称】ウィズメディ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WIZMEDI CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】#216, G12, 280 Daehak-ro, Gyeongsan-si, Gyeongsangbuk-do, Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ヨン フン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ユン ス
(72)【発明者】
【氏名】ファン、チェ ワン
【テーマコード(参考)】
4C026
4C082
【Fターム(参考)】
4C026AA01
4C026AA06
4C026BB02
4C026HH03
4C082RA01
4C082RC04
4C082RE23
(57)【要約】
照射装置が提供される。前記照射装置は、皮膚に孔を形成する打抜光を生成する生成部と、前記打抜光を前記皮膚に照射する照射部とを備え、前記照射部は、前記皮膚上に設定されたターゲット点を対象として前記打抜光を複数回照射することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚に孔を形成する打抜光を生成する生成部と、
前記打抜光を前記皮膚に照射する照射部と、
を備え、
前記照射部は、前記皮膚上に設定されたターゲット点を対象として前記打抜光を複数回照射する照射装置。
【請求項2】
前記照射部は、前記皮膚上の特定ターゲット点を対象として前記打抜光を間歇的に照射する第1のモードで動作し、
前記照射部は、前記第1のモードを介して前記特定ターゲット点が前記打抜光により設定回数の分だけ打撃されるまで前記特定ターゲット点の変更なしに前記第1のモードを維持させる請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
前記皮膚の境界から下部真皮層まで延びる孔を形成するために、第2のサイズのエネルギーで第2の設定時間の間、前記皮膚上の特定ターゲット点を連続して照射する第2のレーザを仮定するとき、
前記生成部は、医学的に患者の安全を保障する範囲内で前記第2のサイズ以上である第1のサイズのエネルギーを有する第1のレーザを生成し、
前記照射部は、前記特定ターゲット点に対して前記第1のレーザが照射される複数の第1の区間といかなるレーザも照射されない複数の第2の区間とが交互に配置されるように第1の設定時間を分割し、
前記照射部は、前記第1の設定時間の間、ただ前記特定ターゲット点だけを照準し、
前記照射部は、前記第1の設定時間の前記第1の区間毎に前記特定ターゲット点を対象として前記第1のレーザを照射し、
前記照射部は、前記第1の設定時間の前記第2の区間毎に前記特定ターゲット点に対して前記第1のレーザを照射せず、
前記第1の設定時間は、前記第2の設定時間の0.5倍~10倍の時間であり、
前記第2の区間は、前記第1の区間の5倍~15倍の時間に設定され、
前記照射部から照射された前記第1のレーザは、前記下部真皮層と上部真皮層との境界線に到達する前まで孔を形成する請求項1に記載の照射装置。
【請求項4】
前記生成部は、CO2レーザを生成し、
前記照射部は、第1の調節モードまたは第2の調節モードによって前記CO2レーザを照射し、
前記第1の調節モードと前記第2の調節モードとは、共に第1の周期の間、前記CO2レーザを照射し、第2の周期の間、前記CO2レーザの照射を中止する動作モードであり、
1つの前記第1の周期と1つの前記第2の周期とを合わせた単位周期が定義されるとき、
前記第1の調節モードで特定ターゲット点を対象として前記単位周期が連続的に繰り返される第1の回数と、前記第2の調節モードで前記特定ターゲット点を対象として前記単位周期が連続的に繰り返される第2の回数とが互いに異なるように設定される請求項1に記載の照射装置。
【請求項5】
前記照射部は、前記打抜光が照射される複数の第1の区間と前記打抜光が照射されない第2の区間とが交互に配置されるように第1の設定時間を分割し、
前記照射部は、前記第1の設定時間の前記第1の区間毎に前記皮膚上の第1のターゲット点を対象として前記打抜光を照射し、
前記照射部は、前記第1のターゲット点に対して前記打抜光を照射しない前記第1の設定時間の前記第2の区間毎に前記皮膚上の第2のターゲット点を対象として前記打抜光を照射する請求項1に記載の照射装置。
【請求項6】
前記照射部は、前記ターゲット点を指示する照射光を前記皮膚に照射し、
前記照射光を基準に、前記皮膚には、設定領域内で格子構造で配列された複数の前記ターゲット点が設定され、
前記照射部は、前記設定領域内の特定ターゲット点を対象として前記打抜光を間歇的に照射する第1のモードで動作し、
前記照射部は、前記特定ターゲット点に対する前記第1のモードが完了すれば、前記打抜光の照準線を前記設定領域内の他のターゲット点に変更する第2のモードで動作し、
前記照射部は、前記第2のモードが完了すれば、前記他のターゲット点を対象として前記第1のモードを行う請求項1に記載の照射装置。
【請求項7】
前記照射部は、前記設定領域内に存在する複数の前記ターゲット点を対象として前記第1のモードと前記第2のモードとを交互に行い、
前記照射部は、前記設定領域内の全てのターゲット点に対する第1のモードが完了すれば、前記設定領域を対象として最初から複数の前記ターゲット点を対象として前記第1のモードと前記第2のモードとを交互に行う請求項6に記載の照射装置。
【請求項8】
前記第2のモードによって前記特定ターゲット点以外の他のターゲット点に対して前記第1のモードを行う前記照射部は、設定周期毎に前記特定ターゲット点に対して前記第1のモードを再実行する請求項6に記載の照射装置。
【請求項9】
前記照射部は、前記皮膚上の設定領域内に形成された複数のターゲット点を対象として前記打抜光を照射し、
前記照射部は、個別ターゲット点を対象として前記打抜光を第1の設定時間の間照射した後に他のターゲット点を照射し、
前記照射部は、前記個別ターゲット点を対象として前記第1の打抜光を照射するとき、前記打抜光を間歇的に照射し、
前記打抜光の間歇的な照射を介して前記皮膚の表面から深さ300μmの上部真皮層まで延びる孔が形成される範囲内で前記打抜光のエネルギーのサイズ、前記打抜光の照射周期、前記打抜光の照射回数、前記第1の設定時間のうち、少なくとも1つが決定される請求項1に記載の照射装置。
【請求項10】
前記照射部は、前記皮膚上の設定領域内に複数の前記ターゲット点を設定し、
前記照射部は、第1の方向性に沿って複数の前記ターゲット点を選択しながら前記打抜光を照射し、
前記照射部は、入力部を介して前記第1の方向性に対する修正が要請されれば、前記第1の方向性と反対性向を有する第2の方向性に沿って複数の前記ターゲット点を選択しながら前記打抜光を照射し、
前記第1の方向性及び前記第2の方向性は、特定ターゲット点を基準に距離の差、前記設定領域の中心を基準とする角度の差のうち、少なくとも1つによって互いに反対される性向を有する請求項1に記載の照射装置。
【請求項11】
前記照射部は、入力部を介して前記第1の方向性に対する再修正が要請されれば、前記第1の方向性と前記第2の方向性との平均に該当する第3の方向性に沿って複数のターゲット点を選択しながら前記打抜光を照射する請求項10に記載の照射装置。
【請求項12】
前記生成部が実装される筒状の本体が設けられ、
前記照射部は、前記本体に回転可能に連結されたアーム(arm)の端部に設けられ、
ユーザの操作により前記生成部または前記照射部の駆動信号を生成するトリガー部、前記トリガー部が操作されれば、前記照射部が固定された位置を照準するように前記アームの動きを制限するロッキング部が作られ、
前記ロッキング部は、前記トリガー部の操作が解除されれば、前記アームの動き制限を解除する請求項1に記載の照射装置。
【請求項13】
照射装置により行われる照射方法において、
皮膚に照射光を照準する照準ステップと、
照射光を基準に、形成された設定領域内に存在する複数のターゲット点のうち、第1のターゲット点に向かって前記皮膚に孔を開ける打抜光を照射する1次照射ステップと、
前記第1のターゲット点に対する前記打抜光の照射が完了すれば、前記設定領域内に存在する第2のターゲット点に向かって前記打抜光を照射する2次照射ステップと、
を含み、
前記2次照射ステップは、前記1次照射ステップが全て完了した後に行われ、
前記1次照射ステップは、第1の設定時間の間、前記第1のターゲット点を対象として前記打抜光を間歇的に照射する照射方法。
【請求項14】
前記打抜光の種類、前記第1の設定時間、前記第1の設定時間の間、前記第1のターゲット点に照射される前記打抜光の回数、前記打抜光の直径、前記打抜光のエネルギーサイズ、前記設定領域内の複数のターゲット点間の距離、前記第1の設定時間の間、複数回で分けられて前記第1のターゲット点を照射する前記打抜光のそれぞれの維持時間のうち、少なくとも1つは、前記孔の深さが皮膚表面から下部真皮層に到達する前まで形成される範囲内で決定される請求項13に記載の照射方法。
【請求項15】
照射装置により行われる照射方法において、
皮膚に照射される照射光を基準に、形成された設定領域内に存在する複数のターゲット点に打抜光を照射するとき、
第1の時間の間、打抜光を照射した後、第2の時間の間、前記打抜光の照射を停止する第1の周期動作を前記皮膚上の特定ターゲット点を対象として設定回数繰り返し、
前記特定ターゲット点を対象として前記設定回数の分だけ前記第1の周期動作が繰り返された後、自動に前記設定領域内に存在する他のターゲット点を選択し、
選択された前記他のターゲット点を対象として前記第1の周期動作を設定回数繰り返し、
前記設定領域内に存在する複数の前記ターゲット点の全てを対象として1回以上前記第1の周期動作が行われるまで前記設定領域を固定させる照射方法。
【請求項16】
照射装置により行われる照射方法において、
下部真皮層を狙う第2のレーザよりさらに短い周期及びさらに強いエネルギーを有するように第1のレーザの周期及びエネルギーを決定するステップと、
前記第1のレーザを複数回照射して上部真皮層を狙うステップと、
を含む照射方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザなどの光を用いて皮膚に孔を形成する光照射装置及び照射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚疾患治療または皮膚美容のための薬物を皮膚中に効果的に吸収させるために皮膚に孔を形成する必要がある。
【0003】
皮膚に孔を形成するために、針、レーザなどが使用され得る。
【0004】
針を用いた皮膚打抜の場合、施術者の高い熟練度が求められ、激しい痛みを誘発するという問題がある。
【0005】
レーザは、一般光線に比べて分散されずに真っすぐ進み、単一波長で短時間内に強い出力を出すことができる特性を有している。このようなレーザは、高い出力が可能な非イオン化光線であり、単色性に優れ、分散されない特性を有している。これにより、レーザ光線が皮膚組織などに吸収されれば、発熱作用と光化学的な変化とが発生されて、当該皮膚の変形現象が現れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、皮膚表面からほぼ300μmの深さまでの上部真皮層を狙う光照射装置及び光照射方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照射装置は、皮膚に孔を形成する打抜光を生成する生成部と、前記打抜光を前記皮膚に照射する照射部とを備え、前記照射部は、前記皮膚上に設定されたターゲット点を対象として前記打抜光を複数回照射することができる。
【0008】
本発明の照射方法は、皮膚に照射光を照準する照準ステップと、照射光を基準に、形成された設定領域内に存在する複数のターゲット点のうち、第1のターゲット点に向かって前記皮膚に孔を開ける打抜光を照射する1次照射ステップと、前記第1のターゲット点に対する前記打抜光の照射が完了すれば、前記設定領域内に存在する第2のターゲット点に向かって前記打抜光を照射する2次照射ステップとを含むことができる。
【0009】
前記2次照射ステップは、前記1次照射ステップが全て完了した後に行われることができる。
【0010】
前記1次照射ステップは、第1の設定時間の間、前記第1のターゲット点を対象として前記打抜光を間歇的に照射することができる。
【0011】
本発明の照射方法は、皮膚に照射される照射光を基準に、形成された設定領域内に存在する複数のターゲット点に打抜光を照射するとき、第1の時間の間、打抜光を照射した後、第2の時間の間、前記打抜光の照射を停止する第1の周期動作を前記皮膚上の特定ターゲット点を対象として設定回数繰り返すことができる。
【0012】
本発明の照射方法は、前記特定ターゲット点を対象として前記設定回数の分だけ前記第1の周期動作が繰り返された後、自動に前記設定領域内に存在する他のターゲット点を選択できる。
【0013】
本発明の照射方法は、選択された前記他のターゲット点を対象として前記第1の周期動作を設定回数繰り返すことができる。
【0014】
本発明の照射方法は、前記設定領域内に存在する複数の前記ターゲット点の全てを対象として1回以上前記第1の周期動作が行われるまで前記設定領域を固定できる。
【0015】
本発明の照射方法は、下部真皮層を狙う第2のレーザよりさらに短い周期及びさらに強いエネルギーを有するように第1のレーザの周期及びエネルギーを決定するステップと、前記第1のレーザを複数回照射して上部真皮層を狙うステップとを含むことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の照射装置及び照射方法によれば、既存のレーザ技術では実現が難しかった上部真皮層に対する狙いが可能である。
【0017】
本発明は、特に、CO2レーザを用いて皮膚表面からほぼ300μmの深さまで形成された上部真皮層に発熱作用と光化学的な変化とを誘発できる。当該変化を介して皮膚から上部真皮層内部まで延びる孔が形成され得る。当該孔を介して医療用薬品または美容薬品が上部真皮層内部まで浸透され、上部真皮層に直接吸収されるか、各種効果を誘発できる。
【0018】
また、本発明の照射装置及び照射方法によれば、皮膚を毀損させることができるエネルギーを有するレーザを短く切って何回か皮膚に照射するので、各種副作用が緩和され得る。
【0019】
本発明によれば、周辺組織の熱損傷を最大限抑制し、目標組織にのみ集中的に伝達されたエネルギーを介して上部真皮層が変形されるか、上部真皮層に孔が形成されるので、火傷、痛みなどの副作用がほとんどない。また、下部真皮層を狙う既存方式に比べて、不要な皮膚刺激が最小化されるので、回復期間が大幅短縮され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の照射装置を示した斜視図である。
図2】本発明の照射装置を示したブロック図である。
図3】皮膚の断面を示した概略図である。
図4】比較実施例のレーザを示した概略図である。
図5】本発明の打抜光を示した概略図である。
図6】第1の設定領域を示した概略図である。
図7】第2の設定領域を示した概略図である。
図8】第3の設定領域を示した概略図である。
図9】設定領域内に形成された複数のターゲット点を示した概略図である。
図10】照射部の動作を示した概略図である。
図11】本発明の照射方法を示したフローチャートである。
図12】本発明の実施形態に係るコンピューティング装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
下記では、添付した図面を参考として本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかしながら、本発明は、種々の相違した形態で実現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分を省略し、明細書全体にわたって類似した部分に対しては類似した図面符号を付した。
【0022】
本明細書において、同じ構成要素について重複した説明を省略する。
【0023】
また、本明細書において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか、「接続されて」いると言及されたときには、その他の構成要素に直接連結されているか、または接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されるべきであろう。それに対し、本明細書において、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか、「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されるべきであろう。
【0024】
また、本明細書において使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されるものであって、本発明を限定しようとする意図で使用されるものではない。
【0025】
また、本明細書において、単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含むことができる。
【0026】
また、本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきであろう。
【0027】
また、本明細書において、「及び/又は」という用語は、複数の記載された項目等の組み合わせまたは複数の記載された項目等のうちのいずれかの項目を含む。本明細書において、「A又はB」は、「A」、「B」、又は「AとBの両方」を含むことができる。
【0028】
また、本明細書において、本発明の要旨を濁す恐れがある公知機能及び構成についての詳細な説明は省略されるであろう。
【0029】
図1は、本発明の照射装置を示した斜視図である。図2は、本発明の照射装置を示したブロック図である。
【0030】
本発明の照射装置は、筒状の本体101、本体101に実装された生成部130、本体101に設けられたインターフェース部109、トリガー部110、本体101に回転可能に連結されたアーム103(arm)、アーム103(arm)の端部に設けられた照射部105を備えることができる。
【0031】
本体101は、柱、箱等、様々な立体形状で形成され、外部に露出されたケースの内部には、生成部130などが実装され得る空いた空間が形成され得る。
【0032】
生成部130は、皮膚90に孔を形成する打抜光を生成できる。一例として、打抜光は、二酸化炭素(CO2)レーザなどを含むことができる。
【0033】
二酸化炭素(CO2)レーザは、気体状態二酸化炭素の振動準位間で密度反転を得て、9.2μmと10.8μm付近の赤外線領域で発振する代表的な気体レーザである。1964年、米国のベル研究所所属のチャンドラクーマルパテル(Chandra Kumar Patel)によって発明されたが、効率が良く、数kWの出力を容易に得ることができるということが長所である。現在までもCO2レーザは、産業界と医療界で9.4μmと10.6μm領域を提供する高出力レーザとして広く使用されている。
【0034】
インターフェース部109は、本体101に設けられ、ユーザが視覚的に眺めたり、手で操作できるように外部に露出されることができる。一例として、インターフェース部109は、各種情報が表示されるとともに、ユーザにより各種入力信号を生成できるタッチスクリーンを含むことができる。他の例として、インターフェース部109は、各種情報が表示されるディスプレイと各種入力信号を生成するボタンなどの入力手段を含むことができる。
【0035】
トリガー部110は、ユーザの操作により生成部130または照射部105の駆動信号を生成できる。駆動信号は、皮膚に向かって打抜光を照射するように生成部130または照射部105を制御できる。トリガー部110は、インターフェース部109と一体で形成されるか、別に形成されることができる。一例として、トリガー部110は、ユーザが足で操作するペダル(pedal)を含むことができる。
【0036】
アーム103(arm)は、棒状で形成されることができる。複数のアーム103(arm)が設けられた場合、関節により複数のアーム103は、互いに対して動くように連結されることができる。
【0037】
アーム103(arm)には、生成部130で生成された打抜光をアーム103の端部まで案内する導波管などが形成され得る。
【0038】
照射部105は、打抜光を皮膚に照射することができる。照射部105の照準線が目標とする皮膚に向かうようにアーム103の姿勢が調節され得る。
【0039】
発熱作用と光化学的な変化を介して特定ターゲット点部分の皮膚を変形、例えば、孔を形成するために連続的な打抜光を長時間の間照射する比較実施例が仮定され得る。
【0040】
既存の皮膚美容または医学的な皮膚治療は、皮膚の下部真皮層をターゲットとしている。したがって、皮膚外部に存在する各種薬物を下部真皮層まで案内するために皮膚に孔を開ける針、注射、レーザなどの打抜手段は、下部真皮層まで孔を形成するのに焦点が合わせられて開発されてきた。
【0041】
一例として、前述した比較実施例は、皮膚を強くかつ深く刺激するために下部真皮層を狙った。しかし、近年、種々の論文及び臨床実験で上部真皮層を狙うことが特定皮膚治療、皮膚美容に効果的であるということが明かされた。
【0042】
皮膚真皮層は、2層で構成されているが、下部真皮層(Reticular layer)の繊維芽細胞は、皮膚を保護するために瘢痕を作るコラーゲンを生成し、上部真皮層(Papillary layer)の繊維芽細胞は、瘢痕を作らないながら、皮膚を回復させる細胞であって、皮膚美容のためには、上部真皮層を狙うことが効果的でありうる。
【0043】
しかし、比較実施例のように連続して照射されるレーザのエネルギーサイズを減らすことだけで上部真皮層を狙うことが難しい状況である。なぜなら、比較実施例においてレーザのエネルギーサイズを減らすことになると、初めから皮膚に孔自体が形成されないという問題がある。それに対し、皮膚に孔が形成される程度にレーザのエネルギーサイズを増加させることになると、既存にターゲットとしていた下部真皮層まで延びる孔が形成されるという問題がある。
【0044】
したがって、下部真皮層を侵さないながら、上部真皮層までのみ延びる孔を形成する新しい方案が求められる状況である。参考として、本明細書に記述された「上部真皮層」は、乳頭真皮層(Papillary dermis)を意味し、「下部真皮層」は、網状真皮層(Reticular dermis)を意味することができる。
【0045】
下部真皮層を侵さないながら、上部真皮層までのみ延びる孔を形成するために、本発明の照射部105は、皮膚上に設定されたターゲット点を対象として打抜光を複数回照射することができる。
【0046】
図3は、皮膚の断面を示した概略図である。
【0047】
表皮(上皮、Epidermis)下に真皮層(Dermis)が存在し、真皮層(Dermis)は、表皮の真下に位置した上部真皮層(Papillary layer)、上部真皮層の真下に位置した下部真皮層(Reticular layer)に区分されることができる。
【0048】
本発明の照射装置は、表皮の外面から深さ300μm以内まで延びる微細孔を作ることを目標とすることができる。本発明の照射部105は、比較実施例に比べてピークパワー(peak power)を高め、パルス持続時間(Pulse duration)を減らして深さ300μmの微細孔を形成できる。微細孔の形成を介して各種薬品(有効物質)を上部真皮層まで容易に伝播させることができ、微細孔の形成過程で誘発される熱損傷、副作用、痛みを最小化することができる。
【0049】
照射部105は、CO2レーザを用いて微細孔を作り、機械的に刺激して繊維芽細胞を活性化させ、コラーゲンとエラスチン生産を促進し、皮膚に熱エネルギーを伝達して皮膚再生を誘導することができる。また、照射部105により形成された300μm深さの孔は、上部真皮層の繊維芽細胞まで有効物質を伝達する通路として使用されることができる。
【0050】
本発明の照射部105は、皮膚上の特定ターゲット点を対象として打抜光を間歇的に照射する第1のモードで動作することができる。
【0051】
照射部105は、第1のモードを介して特定ターゲット点が打抜光により設定回数の分だけ打撃されるまで特定ターゲット点の変更なしに第1のモードを維持できる。
【0052】
図4は、比較実施例のレーザを示した概略図である。図5は、本発明の打抜光を示した概略図である。
【0053】
皮膚の境界から下部真皮層まで延びる孔を形成するために、第2のサイズのエネルギーで第2の設定時間e2の間、皮膚上の特定ターゲット点を連続して照射する第2のレーザ14が仮定され得る。このとき、第2のレーザ14は、比較実施例に該当することができる。
【0054】
第2のレーザ14は、第2の設定時間e2の間、途切れることなく連続して照射されるCO2レーザを含むことができる。第2のレーザ14によれば、1~2mm深さの下部真皮層まで延びる孔が形成され得る。
【0055】
第2のレーザ14により毀損されたり、火傷を負う皮膚面積は、図4のd1のように極めて広く形成されることができる。したがって、比較実施例によれば、損傷された皮膚面積が広いので、孔を形成する過程で痛みが深刻に誘発され、回復期間が長いという短所がある。
【0056】
生成部130は、医学的に患者の安全を保障する範囲内で第2のサイズ以上である第1のサイズのエネルギーを有する第1のレーザ104を生成できる。患者の安全を保障する範囲は、医学的に火傷などの防止のために設定された制限値を上限と規定することができる。
【0057】
照射部105は、特定ターゲット点に対して第1のレーザ104が照射される複数の第1の区間f1といかなるレーザも照射されない複数の第2の区間f2とが交互に配置されるように第1の設定時間e1を分割することができる。
【0058】
照射部105は、第1の設定時間e1の間、複数のターゲット点のうち、ただ1つの特定ターゲット点だけを照準できる。
【0059】
照射部105は、第1の設定時間e1の第1の区間f1毎に特定ターゲット点を対象として第1のレーザ104を照射することができる。このとき、第1のレーザ104の連続持続時間(維持時間)は、第1の区間f1の持続時間と同一であることができる。第1の区間f1直後に登場する第2の区間f2のために第1のレーザ104の連続照射は終了し、次の第1の区間f1に照射が再開され得る。
【0060】
照射部105は、第1の設定時間e1の第2の区間f2毎に特定ターゲット点に対して第1のレーザ104を照射しないことができる。本発明によれば、特定ターゲット点を対象として打抜光を開けったり、開けなかったりする過程が設定回数の分だけ繰り返されることができる。
【0061】
第1の設定時間e1は、第2の設定時間e2の0.5倍~10倍の時間であることができる。
【0062】
第1の設定時間e1の第2の区間f2は、第1の区間f1の5倍~15倍の時間として設定されることができる。このとき、第1の区間f1は、15μs以下の範囲内で決定されることができる。例えば、第1の区間f1は、1ns~15000ns範囲内で決定されることができる。
【0063】
照射部105から照射された第1のレーザ104は、下部真皮層と上部真皮層との境界線に到達する前まで孔を形成することができる。
【0064】
打抜光の種類、第1の設定時間e1、第1の設定時間e1の間、第1のターゲット点に照射される打抜光の回数、打抜光の直径、打抜光のエネルギーサイズ、設定領域内の複数のターゲット点間の距離、第1の設定時間e1の間、複数回に分けられて第1のターゲット点を照射する打抜光のそれぞれの維持時間のうち、少なくとも1つは、孔の深さが皮膚表面から下部真皮層に到達する前まで形成される範囲内で決定されることができる。
【0065】
一例として、生成部130は、10.6μm波長のCO2レーザを生成できる。
【0066】
照射部105は、第1の調節モードまたは第2の調節モードによってCO2レーザを照射することができる。
【0067】
第1の調節モードと第2の調節モードとは、共に時間の流れ上、第1の区間f1の間、CO2レーザを照射し、第2の区間f2の間、CO2レーザの照射を中止する動作モードであることができる。ただし、第1の調節モードと第2の調節モードとは、特定ターゲット点を対象とする第1の区間f1の回数で差を有することができる。
【0068】
一例として、1つの前記第1の区間f1と1つの前記第2の区間f2とを合わせた単位周期が定義されるとき、第1の回数と第2の回数とが互いに異なるように設定されることができる。
【0069】
第1の回数は、第1の調節モードで特定ターゲット点を対象として単位周期が連続的に繰り返される回数であることができる。第2の回数は、第2の調節モードで特定ターゲット点を対象として単位周期が連続的に繰り返される回数であることができる。別の調節モードがさらに求められる場合、第1の回数及び第2の回数と区別される第3の回数の第3の調節モードなどが追加され得る。
【0070】
照射部105は、第1の調節モード、第2の調節モード、第3の調節モードの中から選択されたいずれか1つの調節モードによってCO2レーザを照射することができる。第1の調節モード、第2の調節モード、第3の調節モードの選択は、インターフェース部109により行われることができる。
【0071】
第1の調節モード、第2の調節モード、第3の調節モードを介して上部真皮層の範囲内で孔末端の位置が調節され得る。第1の調節モードを介して形成された孔の深さが最も浅く、第3の調節モードを介して形成された孔の深さが最も深いことができる。
【0072】
第1の区間f1と第2の区間f2とが入れ替わる本発明によれば、打抜光が図5のように短く複数回で特定ターゲット点を照射することができる。これにより、図5のように、打抜光により毀損されるか、火傷を負った部位の面積d2が大幅減少され得る。
【0073】
一方、特定ターゲット点の観点で第1の設定時間e1を見ると、第1の区間f1の間、照射部105で打抜光が照射され、第2の区間f2の間、照射部105で打抜光が照射されない。言い換えれば、特定ターゲット点の立場で第2の区間f2は、照射部105が遊んでいる遊休区間に該当することができる。
【0074】
皮膚施術の高速化、打抜光照射の高速化のために、特定ターゲット点を対象とする第2の区間f2の間、遊休状態の照射部105を用いて他のターゲット点に打抜光を照射する方案が設けられることができる。本実施形態によれば、他のターゲット点の観点で第1の設定時間e1の第2の区間f2毎に打抜光が照射され、第1の区間f1毎に打抜光が照射されない状況になることができる。
【0075】
一例として、照射部105は、打抜光が照射される複数の第1の区間f1と打抜光が照射されない第2の区間とが交互に配置されるように第1の設定時間e1を分割できる。照射部105は、第1の設定時間e1の第1の区間f1毎に皮膚上の第1のターゲット点を対象として打抜光を照射することができる。照射部105は、第1のターゲット点に対して打抜光を照射しない第1の設定時間e1の第2の区間f2毎に皮膚上の第2のターゲット点を対象として打抜光を照射することができる。
【0076】
本実施形態によれば、第1の設定時間e1の間、少なくとも2個のターゲット点に対する打抜光の照射が完了しうる。
【0077】
一方、照射装置を使用するユーザが皮膚の施術部位に向かって照射部105を照準するようにガイドするために照射光が用いられ得る。
【0078】
一例として、照射部105は、ターゲット点を指示する照射光を皮膚に照射することができる。照射光は、皮膚を刺激せずに、視覚的に特定地点を照準する用途として使用されることができる。
【0079】
ユーザは、照射光を用いて現在ターゲッティングされる皮膚部位を直観的に確認することができる。
【0080】
照射光を基準に、皮膚には、設定領域内で格子構造で配列された複数のターゲット点が設定され得る。複数のターゲット点は、照射光により視覚的に皮膚上に表示されることができる。
【0081】
照射部105は、設定領域内の特定ターゲット点を対象として打抜光を間歇的に照射する第1のモードで動作することができる。
【0082】
照射部105は、特定ターゲット点に対する第1のモードが完了すれば、打抜光の照準線を設定領域内の他のターゲット点に変更する第2のモードで動作することができる。
【0083】
照射部105は、第2のモードが完了すれば、他のターゲット点を対象として第1のモードを行うことができる。
【0084】
設定領域は、様々な形状の閉曲線状で形成されることができる。図6図8には、互いに異なる形状の設定領域a2、a3、a4が示されている。
【0085】
図6は、第1の設定領域を示した概略図である。図7は、第2の設定領域を示した概略図である。図8は、第3の設定領域を示した概略図である。
【0086】
第1の設定領域a2は、図6のように四角形で形成されることができる。
【0087】
第2の設定領域a3は、図7のように三角形で形成されることができる。
【0088】
第3の設定領域a4は、図8のように円形で形成されることができる。
【0089】
各設定領域a2、a3、a4の面積は、ターゲット点a1の直径より数十倍大きいことができる。設定領域内には、複数のターゲット点a1が配列され得る。
【0090】
照射部105は、設定領域内に存在する複数のターゲット点を対象として第1のモードと第2のモードとを交互に行うことができる。
【0091】
設定深さの孔を形成するために、照射部105は、設定領域内の全てのターゲット点に対する第1のモードが完了すれば、設定領域を対象として最初から複数のターゲット点を対象として第1のモードと第2のモードとを交互に行うことができる。
【0092】
照射部105は、皮膚毀損を最小化するために、設定領域内に存在する複数のターゲット点を対象として第1のモードと第2のモードとを交互に行うことができる。
【0093】
このとき、照射部105は、設定領域内の全てのターゲット点に対する第1のモードが完了すれば、設定領域を対象として最初から複数のターゲット点を対象として第1のモードと第2のモードとを交互に行うことができる。
【0094】
他の例として、第2のモードによって特定ターゲット点以外の他のターゲット点に対して第1のモードを行う照射部105は、図10のように、設定周期T毎に特定ターゲット点に対して第1のモードを再実行することができる。本実施形態によれば、設定領域内の全てのターゲット点に対する第1のモードが完了する前でも特定ターゲット点に対して第1のモードが再実行され得る。この場合、特定ターゲット点に対する第1のモードの再実行回数が設定値を満たすと、当該特定ターゲット点は、第1のモードの再実行対象から除かれることができる。
【0095】
照射部105は、皮膚上の設定領域内に形成された複数のターゲット点を対象として打抜光を照射することができる。
【0096】
照射部105は、個別ターゲット点を対象として打抜光を第1の設定時間e1の間照射した後に、他のターゲット点を照射することができる。
【0097】
照射部105は、個別ターゲット点を対象として第1の打抜光を照射するとき、打抜光を間歇的に照射することができる。
【0098】
打抜光の間歇的な照射を介して皮膚の表面から深さ300μmの上部真皮層まで延びる孔が形成される範囲内で打抜光のエネルギーのサイズ、打抜光の照射周期、打抜光の照射回数、第1の設定時間e1のうち、少なくとも1つが決定され得る。
【0099】
設定領域で打抜光を照射するパターンは、第1のパターン、第2のパターン、第3のパターン、第4のパターンを含むことができる。
【0100】
第1のパターンは、左側から右側に、上から下方向に照射される方式を含むことができる。
【0101】
第2のパターンは、左側から右側に一列照射する横モード、上から下方向に一列照射する縦モードが交互に行われる方式を含むことができる。
【0102】
第3のパターンは、ランダムに打抜光が照射される方式を含むことができる。
【0103】
第4のパターンは、設定ターゲット点を中心に周辺にまき散らされるようにターゲット点が選択されるスキャッタ(scatter)方式を含むことができる。
【0104】
一方、設定領域内に形成された複数のターゲット点の照射順序を利用して患者の痛みを緩和させる方案が考慮され得る。
【0105】
一例として、照射部105は、皮膚上の設定領域内に複数のターゲット点を設定できる。
【0106】
照射部105は、第1の方向性に沿って複数のターゲット点を選択しながら打抜光を照射することができる。第1の方向性は、第1のパターン、第2のパターン、第3のパターン、第4のパターンのうち、いずれか1つによってターゲット点が選択される順序を意味することができる。
【0107】
図9は、設定領域内に形成された複数のターゲット点を示した概略図である。
【0108】
照射部105は、入力部を介して第1の方向性に対する修正が要請されれば、第1の方向性と反対性向を有する第2の方向性に沿って複数のターゲット点を選択しながら打抜光を照射することができる。
【0109】
第1の方向性及び第2の方向性は、特定ターゲット点を基準に、距離の差、設定領域の中心を基準とする角度の差のうち、少なくとも1つによって互いに反対される性向を有することができる。
【0110】
例えば、第1のパターンの場合、左上端ターゲット点に対する第1のモードが完了した後、上端行で一番左側から2番目のターゲット点に対して第1のモードが行われ得る。
【0111】
仮に、第1のパターンの実行途中、患者が痛みを訴えると、患者を治療していたユーザは、インターフェース部109を介してパターン変更メニューを選択できる。パターン変更メニューが選択されれば、照射部105は、現在の第1の方向性と異なる第2の方向を有するようにターゲット点選択順序を変更できる。
【0112】
第1の方向性と第2の方向性とは、距離または角度の観点で反対性向を有することができる。
【0113】
一例として、第1の方向性が左から右に1桁ずつターゲット点を選択するものである場合、第2の方向性は、設定領域内で現在ターゲット点から最も遠いターゲット点を選択できる。本実施形態の第2の方向性が適用されれば、左上端のターゲット点に対する第1のモードの実行後、右下端のターゲット点に対して第1のモードが行われ得る。
【0114】
一例として、第1の方向性が左から右に1桁ずつターゲット点を選択するものである場合、前記第2の方向性は、左から右に1桁移動したターゲット点の点対称位置に配置されたターゲット点を選択するものでありうる。このとき、点対称の基準は、設定領域の中心であることができる。この場合、第2の方向性が適用されれば、左上端のターゲット点に対する第1のモードの実行後、下端の行のうち、一番右側から左側に2番目のターゲット点に対して第1のモードが行われ得る。
【0115】
照射部105は、入力部を介して第1の方向性に対する再修正が要請されれば、第1の方向性と第2の方向性との平均に該当する第3の方向性に沿って複数のターゲット点を選択しながら打抜光を照射することができる。
【0116】
例えば、ユーザの要請に応じて第1の方向性に対する修正が要請されれば、第2の方向性の介入を介して設定領域の中心を基準に本来選択されるべきであるターゲット点に対して180度回転した位置に存在するターゲット点が次の第1のモードの実行対象として選択されることができる。このとき、ユーザの要請により第1の方向性に対する再修正が要請されれば、本来選択されるべきであるターゲット点に対して90度回転した位置に存在するターゲット点が次の第1のモードの実行対象として選択されることができる。
【0117】
図10は、照射部105の動作を示した概略図である。
【0118】
ユーザの操作により生成部130または照射部105の駆動信号を生成するトリガー部110、トリガー部110が操作されれば、照射部105が固定された位置を照準するようにアーム103及び照射部105の動きを制限するロッキング部が設けられ得る。
【0119】
ロッキング部は、トリガー部110の操作が解除されれば、アーム103の動き制限を解除することができる。
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
図11は、本発明の照射方法を示したフローチャートである。図11の照射方法は、図2に示された照射装置により行われることができる。
【0124】
図11に示された照射方法は、照準ステップ(S510)、1次照射ステップ(S520)、2次照射ステップ(S530)を含むことができる。
【0125】
照準ステップ(S510)は、皮膚に照射光を照準できる。照射部105により行われる動作で、ユーザは、照射光を用いて打抜光が照射される皮膚位置を特定できる。
【0126】
1次照射ステップ(S520)は、照射光を基準に、形成された設定領域内に存在する複数のターゲット点のうち、第1のターゲット点に向かって皮膚に孔を開ける打抜光を照射することができる。照射部105により行われる動作であることができる。
【0127】
2次照射ステップ(S530)は、第1のターゲット点に対する打抜光の照射が完了すれば、設定領域内に存在する第2のターゲット点に向かって打抜光を照射することができる。照射部105により行われることができる。
【0128】
2次照射ステップは、1次照射ステップが全て完了した後に行われることができる。
【0129】
1次照射ステップは、第1の設定時間e1の間、第1のターゲット点を対象として打抜光を間歇的に照射することができる。
【0130】
打抜光の種類、第1の設定時間e1、第1の設定時間e1の間、第1のターゲット点に照射される打抜光の回数、打抜光の直径、打抜光のエネルギーサイズ、設定領域内の複数のターゲット点間の距離、第1の設定時間e1の間、複数回に分けられて第1のターゲット点を照射する打抜光のそれぞれの維持時間のうち、少なくとも1つは、孔の深さが皮膚表面から下部真皮層に到達する前まで形成される範囲内で決定されることができる。
【0131】
以上で説明した照射装置及び照射方法によれば、皮膚に照射される照射光を基準に、形成された設定領域内に存在する複数のターゲット点に打抜光を照射するとき、照射部105は、第1の周期動作を皮膚上の特定ターゲット点を対象として設定回数繰り返すことができる。
【0132】
このとき、第1の周期動作は、図10に示されたt1時点に開始されることができる。第1の周期動作は、第1の時間の間、打抜光を照射した後、第2の時間の間、打抜光の照射を停止することを表すことができる。他の観点から見ると、第1の周期動作は、前述した単位周期の間の照射部105動作を意味することができる。
【0133】
一例として、図10においてt1時点から第1の周期動作が6回繰り返されている。当該第1の周期動作の繰り返し回数は、3~12回であることがよい。
【0134】
特定ターゲット点を対象として設定回数の分だけ第1の周期動作が繰り返された後、照射部105は、自動に設定領域内に存在する他のターゲット点を選択できる。
【0135】
照射部105は、選択された他のターゲット点を対象として第1の周期動作を設定回数繰り返すことができる。
【0136】
ロッキング部は、設定領域内に存在する複数のターゲット点の全てを対象として1回以上、第1の周期動作が行われるまで設定領域を固定できる。
【0137】
図12は、本発明の実施形態に係る、コンピューティング装置を示す図である。図12のコンピューティング装置TN100は、本明細書で記述された装置(例、照射装置等)であることができる。
【0138】
図12の実施形態において、コンピューティング装置TN100は、少なくとも1つのプロセッサTN110、送受信装置TN120、及びメモリTN130を備えることができる。また、コンピューティング装置TN100は、格納装置TN140、入力インターフェース装置TN150、出力インターフェース装置TN160などをさらに備えることができる。コンピューティング装置TN100に含まれた構成要素等は、バス(bus)TN170により連結されて、互いに通信を行うことができる。
【0139】
プロセッサTN110は、メモリTN130及び格納装置TN140のうち、少なくとも1つに格納されたプログラム命令(program command)を実行できる。プロセッサTN110は、中央処理装置(CPU:central processing unit)、グラフィック処理装置(GPU:graphics processing unit)、または本発明の実施形態に係る方法等が行われる専用のプロセッサを意味することができる。プロセッサTN110は、本発明の実施形態と関連して記述された手順、機能、及び方法などを実現するように構成されることができる。プロセッサTN110は、コンピューティング装置TN100の各構成要素を制御できる。
【0140】
メモリTN130及び格納装置TN140の各々は、プロセッサTN110の動作と関連した様々な情報を格納することができる。メモリTN130及び格納装置TN140の各々は、揮発性格納媒体及び不揮発性格納媒体のうち、少なくとも1つで構成されることができる。例えば、メモリTN130は、読み取り専用メモリ(ROM:read only memory)及びランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)のうち、少なくとも1つで構成されることができる。
【0141】
送受信装置TN120は、有線信号または無線信号を送信または受信することができる。送受信装置TN120は、ネットワークに連結されて、通信を行うことができる。
【0142】
一方、本発明の実施形態は、今まで説明した装置及び/又は方法を介してのみ実現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を介して実現されることもでき、このような実現は、上述した実施形態の記載から本発明の属する技術分野における通常の技術者であれば、容易に実現できるものである。
【0143】
本発明は、下部真皮層を狙う第2のレーザよりさらに短い周期及びさらに強いエネルギーを有するように第1のレーザの周期及びエネルギーを決定し、第1のレーザを複数回照射して上部真皮層を狙うことができる。本発明によれば、皮膚治療、皮膚美容目的の施術過程で皮膚の損傷を最小化でき、施術回復過程を大幅短縮させることができる。
【0144】
下部真皮層を狙う連続的なレーザ照射施術(比較実施例)と上部真皮層を狙う間歇的なレーザ照射施術(本発明)との各々を実験した後、経過を見た。
【0145】
実験結果、比較実施例の皮膚損傷範囲が本発明の皮膚損傷範囲より一層大きく、孔の深さも一層深いことと表れた。
【0146】
また、本発明の照射装置及び照射方法を利用した施術の場合、施術1日後から顕著に瘢痕が無くなることと表れた。これに対し、比較実施例の場合、7日が経過した時点でも瘢痕が明確に残っていた。
【0147】
以上により、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、次の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した通常の技術者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】