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特表2023-536115乳癌の診断と治療のための薬剤の調製におけるミトキサントロン製剤の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(54)【発明の名称】乳癌の診断と治療のための薬剤の調製におけるミトキサントロン製剤の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/136 20060101AFI20230816BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 9/51 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230816BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
A61K31/136
A61P35/00
A61K9/08
A61K9/06
A61K9/10
A61K9/127
A61K9/14
A61K9/51
A61K47/02
A61K47/26
A61P35/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505908
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2021082262
(87)【国際公開番号】W WO2022021906
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】202010742444.8
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522461099
【氏名又は名称】深▲せん▼華潤九創医薬有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】522461103
【氏名又は名称】深▲せん▼華潤九新薬業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲ジュン▼
(72)【発明者】
【氏名】李 迅
(72)【発明者】
【氏名】楊 戦鏖
(72)【発明者】
【氏名】塗 菲娜
(72)【発明者】
【氏名】陳 寧
(72)【発明者】
【氏名】潘 革
(72)【発明者】
【氏名】黄 権華
(72)【発明者】
【氏名】張 維威
(72)【発明者】
【氏名】頼 宝林
(72)【発明者】
【氏名】胡 宜静
(72)【発明者】
【氏名】黎 洋
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA11
4C076AA16
4C076AA19
4C076AA31
4C076AA65
4C076BB11
4C076BB15
4C076BB16
4C076DD22
4C076DD23
4C076DD24
4C076DD26
4C076DD41
4C076DD42
4C076DD51
4C076DD67
4C076FF51
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA31
4C206KA05
4C206KA14
4C206KA15
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA05
4C206MA37
4C206MA42
4C206MA44
4C206MA47
4C206MA61
4C206MA86
4C206NA06
4C206NA20
4C206ZB26
(57)【要約】
乳癌の診断と治療のための薬剤の調製におけるミトキサントロン製剤の使用。乳癌の診断および治療のためのリンパトレーサーの調製におけるミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩の使用を提供する。局所注射後に局所または全身毒性副作用がなく、良好な忍容性、有効性および安全性を有し、乳癌の完全撲滅において乳癌患者への新しい治療アイデアを与える。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳房切除関連疾患のリンパトレーサーの調製におけるミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩の使用。
【請求項2】
乳房切除関連疾患におけるリンパトレースの方法であって、
ミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩を患者に投与することを含み、
前記ミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩は、リンパトレーサーとして作用する、方法。
【請求項3】
前記乳房切除関連疾患は、乳房腫瘍、乳房嚢胞、乳房線維腫、または乳房結核から選択される、請求項1に記載の使用、または、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記乳房腫瘍は、乳房の良性腫瘍および乳房の悪性腫瘍を含み、
好ましくは、前記乳房の悪性腫瘍は乳癌であり、
好ましくは、前記リンパトレーサーは、乳癌のリンパトレースに使用される、請求項1に記載の使用、または、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記リンパトレーサーは、ミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩と、薬学的に利用できる賦形剤とを含み、
好ましくは、前記薬学的に利用できる賦形剤は、緩衝剤、担体、安定剤または防腐剤を含むが、これらに限定されず、
好ましくは、前記リンパトレーサーは、注射剤であり、
好ましくは、前記注射剤は、溶液剤、凍結乾燥粉末、乳剤、リポソーム、ナノ粒子、ナノ結晶、微結晶、微小球、またはゲル剤の形態であり、
好ましくは、前記溶液剤は、塩化ナトリウム注射液またはブドウ糖注射液である、請求項1に記載の使用、または、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記注射剤の投与は、皮下注射、筋肉内注射、またはプラズモ下注射から選択され、好ましくは皮下注射またはプラズモ下注射から選択され、
好ましくは、前記注射は局所注射であり、
好ましくは、前記注射部位は乳房および/または乳房周囲組織器官にあり、
好ましくは、前記注射は多点注射であり、
好ましくは、注射の濃度は2~10mg/mlであり、
好ましくは、注射の注入量は0.1-3.0mlであり、より好ましくは、濃度5mg/mlの注射剤の注入量は少なくとも0.1mlであり、好ましくは、総投与量は3.0mlを超えない、請求項1に記載の使用、または、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記利用できる塩は、ミトキサントロンと無機酸または有機酸とによって形成される利用可能な塩であり、
好ましくは、前記無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などであり、
好ましくは、前記有機酸は、脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族、複素環族、カルボン酸およびスルホン酸系有機酸から選択され、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、エタン酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、o-アミノ安息香酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、ジヒドロキシナフタル酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸(メタンスルホン酸エステル)、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびサリチル酸から選択され、
好ましくは、前記利用可能な塩は、ミトキサントロン塩酸塩、シュウ酸ミトキサントロン、硫酸ミトキサントロン、リン酸ミトキサントロン、酢酸ミトキサントロン、クエン酸ミトキサントロンから選択され、より好ましくは、前記利用可能な塩はミトキサントロン塩酸塩である、請求項1に記載の使用、または、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記リンパトレーサーは、pH調整剤を含み、
好ましくは、前記pH調整剤は、塩酸、リン酸、硫酸、シュウ酸、酢酸およびクエン酸から選ばれる1種または2種以上である、請求項1に記載の使用、または、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記リンパトレーサーは、抗酸化剤を含み、
好ましくは、前記抗酸化剤は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムおよびエデト酸二ナトリウムから1つ以上選択され、好ましくは、メタ重亜硫酸ナトリウムまたはエデト酸二ナトリウムであり、
好ましくは、前記リンパトレーサーは、ミトキサントロンまたはその塩、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを含み、より好ましくは、前記リンパトレーサーは、硫酸ナトリウムをさらに含み、
好ましくは、前記リンパトレーサーは、ミトキサントロンまたはその塩、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウムを含み、
好ましくは、前記注射剤は、2.8~4.3の間のpHの範囲を有し、
好ましくは、前記ミトキサントロンまたはその塩におけるミトキサントロンの含量量は、重量体積で1~15mg/mlであり、好ましくは2~10mg/mlであり、より好ましくは、2mg/ml、5mg/mlまたは10mg/mlであり、
好ましくは、前記塩化ナトリウムの含量は、重量体積で3-18mg/mlであり、好ましくは4-16mg/mlであり、より好ましくは、4mg/ml、8mg/mlまたは16mg/mlであり、
好ましくは、前記酢酸の含量は、重量体積で0.15-1mg/mlであり、好ましくは0.23-0.92mg/mlであり、より好ましくは、0.23mg/ml、0.46mg/mlまたは0.92mg/mlであり、
好ましくは、前記酢酸ナトリウムの含量は、重量体積で0.03-0.15mg/mlであり、好ましくは0.05-0.1mg/mlであり、より好ましくは0.05mg/mlまたは0.1mg/mlであり、
好ましくは、前記抗酸化剤の含量は、重量体積で0.05-0.3mg/mlであり、好ましくは0.8-0.12mg/mlであり、より好ましくは、0.1mg/ml、0.2mg/mlまたは0.3mg/mlであり、
好ましくは、前記硫酸ナトリウムの含量は、重量体積で0.05-0.6mg/mlであり、好ましくは0.15-0.45mg/mlであり、より好ましくは、0.15mg/ml、0.3mg/mlまたは0.45mg/mlである、請求項1に記載の使用、または、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記注射剤は、
処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム及びエデト酸二ナトリウムを秤量し、または、処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを秤量し、または、処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを秤量し、溶剤と混合、溶解して添加物混合液を得、好ましくは、前記溶剤は注射用水であり、好ましくは、添加物が撹拌により溶解する、工程(1)と、
工程(1)で得られた添加物混合液を処方量のミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩と混合する、工程(2)とを含む方法で調製され、
工程(2)において、好ましくは、撹拌して溶解させ、好ましくは、10~30分間撹拌して溶解させ、
好ましくは、前記方法は、濾過する工程(3)をさらに含み、好ましくは、0.45μm及び/または0.22μmのフィルター膜で濾過し、
好ましくは、前記方法は、窒素を充填する工程(4)をさらに含み、好ましくは、窒素を充填した後に、121℃で15分間滅菌を行い、
好ましくは、前記注射剤は、2.8~4.3の間のpHの範囲を有し、
好ましくは、前記注射剤を2ml:10mgの規格に調整する、請求項1に記載の使用、または、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医薬製剤の分野であり、特に、乳房切除術におけるリンパトレースのためのミトキサントロンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
転移は悪性腫瘍の基本的な生物学的特性であり、術後の腫瘍の再発や患者の死亡を引き起こす主要な要因である。悪性腫瘍の患者さんがいったん転移を起こすと、治癒率や生存率が著しく低下すると言われており、リンパ管転移は悪性腫瘍の患者さんの予後を左右する重要な要因の一つとなっている。
【0003】
乳がん患者の外科治療において、腋窩リンパ節転移を高度に検出できる方法として、術中のリンパ管画像やセンチネルリンパ節生検(sentinel lymph node biopsy,SLNB)技術が注目されている。
【0004】
センチネルリンパ節(sentinel lymph node,SLN)は、腫瘍部分からリンパ液の排出を受け、最初に転移する特定のリンパ節で、元のリンパ液を受け、ドレナージ量が最も多く、転移した腫瘍細胞を含む可能性が最も高いとされている。SLNは、リンパ転移による癌細胞の最初の障壁である。SLNに転移がなければ、その部位の他のリンパ節に転移がある可能性は低いと考えられる。
【0005】
現在、センチネルリンパ節の生検には、色素法、核種法、両者を併用した3つの方法がある。
【0006】
国内外で報告されている主な色素系リンパ節トレーサーは、メチレンブルー、ナノカーボン、イソ硫黄ブルー、パテントブルーなどであるが、現在、中国の臨床現場でより頻繁に使用されているリンパ節トレーサーはメチレンブルーとナノカーボンであり、中国では価格が高く購入が困難なイソ硫黄ブルーとパテントブルーはあまり使用されていないのが現状である。
【0007】
しかし、上記の色素系リンパ節トレーサーのうち、イソ硫黄ブルーとパテントブルーは、タンパク質結合力が弱く、注入後組織の分散性が低く、染色が早いのであるが、染色の維持時間が短く、しばしば繰り返し注入する必要があり、高価で、中国に製造元がない。メチレンブルーは長時間染色が可能であるが、タンパク質との結合力が強く、周囲の組織を青く染めてしまうことがある。色素法は重要な方法であり、リンパトレーサーとして理想的な色素を選択することは、SLNBの成功率をさらに向上させるための重要な保証となる。しかし、現在、中国で使用できるリンパ系トレーサーは非常に限られており、ナノカーボン(商品名カナリン)のみが、主に胃がんの局所排出リンパ節のトレースに使用されている。他の染料は対応する適応症が承認されておらず、使用方法も明確ではない。
【0008】
ナノカーボンは体内に蓄積され、体内で代謝されないため、血液やリンパ液循環に入ると毛細血管を閉塞するリスクがあり、硬くてもろい性質を持つがん組織に対しては、腫瘍内に直接注入すると腫瘍組織が壊死・剥離し、出血する可能性があるためである。
【0009】
核種法は、局在が正確で術中の操作も簡単だが、特殊な検出装置が必要で高価になること、放射性核種を使用するため核汚染のリスクがあることなどが課題であった。
【0010】
したがって、乳癌の術中センチネルリンパ節トレーサーにおいて、腫瘍の転移の有無を予測するための安全で有効なリンパ系トレーサーを追求することは、乳癌患者の生存の質を高め、患者寿命を遅らせるための重要な手段であるといえる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本開示は、ミトキサントロン自身が有するリンパ系の傾向性の特徴を利用して、腫瘍近傍のリンパ節を自己の色(濃い青色に見える)で染色し、これをリンパトレーサーとして開発し、乳癌手術時に腫瘍近傍のリンパ節を染色し、ことにより、臨床におけるリンパ節の局在と郭清を補助するものである。
【0012】
したがって、本開示は、乳房切除関連疾患におけるリンパトレーサーの調製における、ミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩の使用を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示において、本明細書で使用される科学技術用語は、特に断らない限り、当業者によって一般的に理解される意味を有する。さらに、本書で使用されるタンパク質および核酸化学、分子生物学、細胞および組織培養、微生物学、免疫学に関する用語およびラボの操作手順は、それぞれの分野で広く使用されている用語および日常的な手順である。また、本開示の理解を深めるために、関連する用語の定義と説明を以下に記載する。
【0014】
また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、限定することを意図していないことを理解されたい。
【0015】
本明細書で使用される場合、「患者」、「個体」および「被験者」という用語は互換的に使用され、治療したい任意の個体動物、より好ましくは哺乳類(例えば、猫、犬、馬、ウサギ、動物園動物、牛、豚、羊、非人間霊長類などの非人間動物を含む)を指す。特定の実施形態において、本明細書の患者は、ヒトである。乳房腫瘍に罹患している、罹患の疑いがある、または罹患の危険性がある患者さんである。本明細書で使用する場合、「疾患」は、慢性および急性の疾患または疾患を含むがこれらに限定されない、治療から利益を得る任意の状態であり、哺乳類が罹患しやすい議論される疾患の病理学状態をも含む。
【0016】
本明細書において、「医薬製剤」とは、そこに含まれる活性成分の生物学的活性を有効に発揮させることができ、製剤が被験者にとって許容できない毒性を有する他の成分を含まない形態の、そのような製剤を意味する。
【0017】
本明細書で使用する場合、「pH調整剤」は、再構成キットのpHがヒトまたは哺乳類の投与に許容される範囲内(pH約4.0~10.5)となるように使用できる化合物または複数の化合物の混合物を意味する。好適なpH調整剤としては、トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)、リン酸塩またはTRIS(すなわちトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)などの薬学的に利用できる緩衝剤を含み得る。薬学的に利用できる有機酸(例えばギ酸、酢酸)またはそれらの混合物、または無機酸(例えば、塩酸、リン酸)またはそれらの混合物などの薬学的に利用できる酸、および、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムまたはその混合物などの薬学的に利用できる塩基が挙げられる。使用するコンジュゲートが酸塩の形態である場合、pH調整剤を別のバイアルまたは容器に入れ、キット使用者が多段階操作の一部としてpHを調整できるようにすることも任意に可能である。
【0018】
本明細書で使用する「薬学的に利用可能な賦形剤」は、活性成分以外の医薬製剤の成分で、被験者に対して毒性がないものである。薬学的に利用可能な賦形剤には、緩衝剤、担体、安定剤または防腐剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本明細書で使用する「薬学的に利用可能な塩」は、生物学的またはその他の点で望ましくない塩を示す。薬学的に利用できる塩には、酸付加塩と塩基付加塩がある。「薬学的に利用できる」という表現は、当該物質または組成物が、製剤を形成する他の成分および/またはそれで治療される哺乳類と化学的および/または毒物学的に適合しなければならないことを示す。
【0020】
本明細書で使用する場合、「薬学的に利用可能な酸付加塩」は、無機酸および有機酸で形成される薬学的に利用可能な塩を意味し、前記無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などである。前記有機酸は、脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族、複素環族、カルボン酸およびスルホン酸系有機酸から選択される。前記スルホン酸有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、エタン酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、o-アミノ安息香酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、ジヒドロキシナフタル酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸(メタンスルホン酸エステル)、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびサリチル酸を含む。
【0021】
用語「薬学的に利用できる塩基付加塩」は、有機塩基または無機塩基で形成される薬学的に利用できる塩を示す。許容される無機塩基の例は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガンおよびアルミニウムの塩を含む。薬学的に利用できる有機非毒性塩基に由来する塩は、第1級アミン、第2級アミンおよび第3級アミン、置換アミン(天然に存在する置換アミンを含む)、環状アミンの塩およびアルカリイオン交換樹脂の塩を含む。前記アルカリイオン交換樹脂の塩は、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジエチルアミノエタノール、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒダントイン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジンおよびポリアミン樹脂の塩などであり得る。
【0022】
本明細書において、「治療」とは、治療を受けた個体の自然経過を変えようとする臨床介入を意味し、予防のため、または臨床病態の経過中に使用することができる。望ましい治療効果としては、疾患の発症または再発の予防、症状の緩和、疾患の直接的または間接的な病理学的結果の軽減、転移の予防、疾患進行速度の低下、疾患状態の寛解または軽減、寛解または予後の改善などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本明細書で使用される「投与」は、ある投与量の化合物(例えば、ミトキサントロン塩酸塩注射液)または医薬組成物(例えば、阻害剤またはアンタゴニストを含む医薬組成物)の投与量を被験者(例えば、患者)に投与する方法を指す。投与は、非経口投与、肺内投与、鼻腔内投与、局所治療に必要な場合は病変部内投与など、任意の適切な手段で行うことができる。非経口輸液としては、例えば、筋肉内投与、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、皮下投与などが挙げられる。投与は、一過性の投与か長期的な投与かにもよるが、任意の適切な経路、例えば、静脈内または皮下などの注射によって行うことができる。本明細書では、異なる時点における単回または複数回の投与、プッシュ投与および脈動注入を含むが、これらに限定されない様々な投与レジメンが検討される。
【0024】
本明細書において、完全解析セット(FAS,Full Analysis Set):インテンショナル・セラピーITT(ITT,IntentionToTreat)の原則に従った被験者集合で、試験に参加し、治療を受け、ベースラインの有効性評価を受けた全ての被験者からなるデータセットを指す。
【0025】
本明細書で使用するプロトコル準拠セット(PPS、Per Protocol Set):試験を終了し、治療集団のうちプロトコルに著しく違反したサブグループ(試験対象者が選ばれた基準または除外基準に違反したことを意味)を除外した後、選ばれた基準を満たし、除外基準を満たさず、治療プロトコルを完了した全症例の集合を意味する。
【0026】
本開示は、乳房切除関連疾のリンパトレースの調製におけるミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩の使用を提供するものである。
【0027】
本開示はまた、ミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩を患者に投与することを含む、乳房切除関連疾患におけるリンパトレースの方法を提供し、当該方法は、患者にリンパトレーサーとして機能する、前記ミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩を投与することを含む。
【0028】
いくつかの具体的な実施形態において、前記乳房切除関連疾患は、乳房腫瘍、乳房嚢胞、乳房線維腫、または乳房結核から選択される。
【0029】
いくつかの具体的な実施形態において、前記乳房腫瘍は、乳房の良性腫瘍および乳房の悪性腫瘍を含む。
【0030】
いくつかの好ましい実施形態において、前記乳房の悪性腫瘍は乳癌である。
【0031】
いくつかの具体的な実施形態において、前記リンパトレーサーは、乳癌のリンパトレースに使用される。
【0032】
いくつかの具体的な実施形態において、前記リンパトレーサーは、ミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩と、薬学的に利用できる賦形剤とを含む。
【0033】
いくつかの具体的な実施形態において、薬学的に利用できる賦形剤は、緩衝剤、担体、安定剤または防腐剤を含むが、これらに限定されない。
【0034】
いくつかの好ましい実施形態において、前記リンパトレーサーは、注射剤である。
【0035】
いくつかの具体的な実施形態において、前記注射剤は、溶液剤、凍結乾燥粉末、乳剤、リポソーム、ナノ粒子、ナノ結晶、微結晶、微小球、またはゲル剤の形態である。
【0036】
いくつかの好ましい実施形態において、前記溶液剤は、塩化ナトリウム注射液またはブドウ糖注射液である。
【0037】
いくつかの具体的な実施形態において、前記注射剤の投与は、皮下注射、筋肉内注射またはプラズモ下注射から選択され、好ましくは皮下注射またはプラズモ下注射から選択され、好ましくは、前記注射は局所注射であり、好ましくは、前記注射部位は乳房および/または乳房周囲組織器官にあり、好ましくは、前記注射は多点注射であり、好ましくは、注射の濃度は2~10mg/mlであり、好ましくは、注射の注入量は0.1-3.0mlであり、より好ましくは、濃度5mg/mlの注射剤の注入量は少なくとも0.1mlであり、好ましくは、総投与量は3.0mlを超えない。
【0038】
いくつかの具体的な実施形態において、前記利用可能な塩は、ミトキサントロンと無機酸及び有機酸とによって形成される利用可能な塩である。
【0039】
いくつかの好ましい実施形態において、前記無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などである。
【0040】
いくつかの好ましい実施形態において、前記有機酸は、脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族、複素環族、カルボン酸およびスルホン酸系有機酸から選択され、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、エタン酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、o-アミノ安息香酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、ジヒドロキシナフタル酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸(メタンスルホン酸エステル)、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸よびサリチル酸から選択される。
【0041】
いくつかの好ましい実施形態において、前記利用可能な塩は、ミトキサントロン塩酸塩、シュウ酸ミトキサントロン、硫酸ミトキサントロン、リン酸ミトキサントロン、酢酸ミトキサントロン、クエン酸ミトキサントロンから選択され、より好ましくは、前記利用可能な塩はミトキサントロン塩酸塩である。
【0042】
いくつかの具体的な実施形態において、前記リンパトレーサーは、pH調整剤を含む。
【0043】
いくつかの好ましい実施形態において、前記pH調整剤は、塩酸、リン酸、硫酸、シュウ酸、酢酸およびクエン酸から選ばれる1種または2種以上である。
【0044】
いくつかの具体的な実施形態において、前記リンパトレーサーは、抗酸化剤を含む。
【0045】
いくつかの好ましい実施形態において、前記抗酸化剤は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムおよびエデト酸二ナトリウムから1つ以上選択され、好ましくは、メタ重亜硫酸ナトリウムまたはエデト酸二ナトリウムである。
【0046】
いくつかの好ましい実施形態において、前記リンパトレーサーは、ミトキサントロンまたはその塩、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを含み、より好ましくは、前記リンパトレーサーは、硫酸ナトリウムをさらに含む。
【0047】
いくつかの好ましい実施形態において、前記リンパトレーサーは、ミトキサントロンまたはその塩、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウムを含む。
【0048】
いくつかの好ましい実施形態において、前記注射剤は、2.8~4.3の間のpHの範囲を有する。
【0049】
いくつかの好ましい実施形態において、前記ミトキサントロンまたはその塩におけるミトキサントロンの含量量は、重量体積で1~15mg/mlであり、好ましくは2~10mg/mlであり、より好ましくは、2mg/ml、5mg/mlまたは10mg/mlである。
【0050】
いくつかの好ましい実施形態において、前記塩化ナトリウムの含量は、重量体積で3-18mg/mlであり、好ましくは4-16mg/mlであり、より好ましくは、4mg/ml、8mg/mlまたは16mg/mlである。
【0051】
いくつかの好ましい実施形態において、前記酢酸の含量は、重量体積で0.15-1mg/mlであり、好ましくは0.23-0.92mg/mlであり、より好ましくは、0.23mg/ml、0.46mg/mlまたは0.92mg/mlである。
【0052】
いくつかの好ましい実施形態において、前記酢酸ナトリウムの含量は、重量体積で0.03-0.15mg/mlであり、好ましくは0.05-0.1mg/mlであり、より好ましくは0.05mg/mlまたは0.1mg/mlである。
【0053】
いくつかの好ましい実施形態において、前記抗酸化剤の含量は、重量体積で0.05-0.3mg/mlであり、好ましくは0.8-0.12mg/mlであり、より好ましくは、0.1mg/ml、0.2mg/mlまたは0.3mg/mlである。
【0054】
いくつかの好ましい実施形態において、前記硫酸ナトリウムの含量は、重量体積で0.05-0.6mg/mlであり、好ましくは0.15-0.45mg/mlであり、より好ましくは、0.15mg/ml、0.3mg/mlまたは0.45mg/mlである。
【0055】
いくつかの好ましい実施形態において、前記注射剤は、以下のようにして調製される。
【0056】
(1)処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム及びエデト酸二ナトリウムを秤量し、または、処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを秤量し、または、処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを秤量し、溶剤と混合、溶解して添加物混合液を得る。好ましくは、前記溶剤は注射用水であり、好ましくは、添加物が撹拌により溶解する。
【0057】
(2)工程(1)で得られた添加物混合液を処方量のミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩と混合する。好ましくは、撹拌して溶解させる。好ましくは、10~30分間撹拌して溶解させる。
【0058】
いくつかの具体的な実施形態において、前記注射剤は、以下のようにして調製される。
【0059】
(1)処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよびエデト酸二ナトリウムを秤量し、または処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを秤量し、または処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを秤量し、処方量の注射用水に添加し、撹拌溶解して添加物混合物を得る。
【0060】
(2)工程(1)で得られた添加物混合物に処方量のミトキサントロンまたはその塩を加え、撹拌して溶解し、ミトキサントロン塩酸塩注射液を得る。好ましくは、10~30分撹拌して溶解させる。
【0061】
いくつかの具体的な実施形態において、前記方法は、さらに以下の工程を含む。
【0062】
(3)濾過する。好ましくは、0.45μm及び/または0.22μmのフィルター膜で精密濾過する。
【0063】
いくつかの具体的な実施形態において、前記方法は、さらに以下の工程を含む。
【0064】
(4)窒素を充填する。2mlずつ、ロールキャップし、121℃、15分間滅菌し、pHは2.8~4.3の間である。
【0065】
いくつかの好ましい実施形態において、前記注射剤を2ml:10mgの規格に調整する。
【発明の効果】
【0066】
ミトキサントロン塩酸塩は、もともと抗悪性腫瘍剤で、現在、悪性リンパ腫、乳癌、急性白血病の治療に臨床的に使用されている。自身が有するリンパ系の傾向性の特徴を利用して、腫瘍および付近のリンパ節を自己の色(濃い青色に見える)で染色し、これをリンパトレーサーとして開発し、腫瘍手術時に局所的に注入し、腫瘍近傍のリンパ節を染色し、臨床におけるリンパ節の局在確認と郭清に役立つ。ミトキサントロン塩酸塩の前臨床薬力学的な詳細な研究により、皮下注射またはプラズモ下注射するとリンパ節への親和性が高く、リンパ節を青く染色できることが判明し、リンパ節トレーサーとして使用でき、乳癌患者さんの乳癌完全撲滅という新しい治療アイデアを提供することができるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0067】
明確かつ簡潔な説明の目的のために、特徴は、本明細書において、同じまたは別々のいくつかの実施形態の一部として説明されるが、本開示の範囲は、説明された特徴のすべてまたはいくつかの組み合わせを有するいくつかの実施形態を含み得ることが理解されるであろう。
【0068】
実施例1 ミトキサントロン塩酸塩注射液の製剤1の調製
【0069】
【表1】
【0070】
処方量の、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウムおよびエデト酸二ナトリウムを秤量し、処方量の注射用水を加え、撹拌して溶解させ、溶解後処方量のミトキサントロン塩酸塩を加えて30分間撹拌して溶解し、0.45μmと0.22μmのフィルター膜により精密濾過し、窒素を充填し、ロールキャップし、121°Cで15分間滅菌すればよい。pHは3.5として測定した。
【0071】
実施例2 ミトキサントロン塩酸塩注射液の製剤2の調製
【0072】
【表2】
【0073】
処方量の、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを秤量し、処方量の注射用水を加え、撹拌して溶解させ、溶解後処方量のミトキサントロン塩酸塩を加えて30分間撹拌して溶解し、0.45μmと0.22μmのフィルター膜により精密濾過し、窒素を充填し、ロールキャップし、121°Cで15分間滅菌すればよい。pHは3.4として測定した。
【0074】
実施例3 ミトキサントロン塩酸塩注射液の製剤3の調製
【0075】
【表3】
【0076】
処方量の、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウムおよびエデト酸二ナトリウムを秤量し、処方量の注射用水を加え、撹拌して溶解させ、溶解後処方量のミトキサントロン塩酸塩を加えて30分間撹拌して溶解し、0.45μmと0.22μmのフィルター膜により精密濾過し、窒素を充填し、ロールキャップし、121°Cで15分間滅菌すればよい。pHは3.6として測定した。
【0077】
実施例4 ミトキサントロン塩酸塩注射液の製剤4の調製
【0078】
【表4】
【0079】
処方量の、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを秤量し、処方量の注射用水を加え、撹拌して溶解させ、溶解後処方量のミトキサントロン塩酸塩を加えて30分間撹拌して溶解し、0.45μmと0.22μmのフィルター膜により精密濾過し、窒素を充填し、ロールキャップし、121°Cで15分間滅菌すればよい。pHは3.7として測定した。
【0080】
実施例5 ミトキサントロン塩酸塩注射液の製剤5の調製
【0081】
【表5】
【0082】
処方量の、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを秤量し、処方量の注射用水を加え、撹拌して溶解させ、溶解後処方量のミトキサントロン塩酸塩を加えて30分間撹拌して溶解し、0.45μmと0.22μmのフィルター膜により精密濾過し、窒素を充填し、ロールキャップし、121°Cで15分間滅菌すればよい。pHは3.6として測定した。
【0083】
実施例6 ミトキサントロン塩酸塩注射液の製剤6の調製
【0084】
【表6】
【0085】
処方量の、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウムおよびエデト酸二ナトリウムを秤量し、処方量の注射用水を加え、撹拌して溶解させ、溶解後処方量のミトキサントロン塩酸塩を加えて30分間撹拌して溶解し、0.45μmと0.22μmのフィルター膜により精密濾過し、窒素を充填し、ロールキャップし、121°Cで15分間滅菌すればよい。pHは3.7として測定した。
【0086】
実施例7 ミトキサントロン塩酸塩注射液の製剤7の調製
【0087】
【表7】
【0088】
秤量処方量の、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウム,処方量の注射用水を加え、撹拌して溶解させ、溶解後処方量のミトキサントロン塩酸塩を加えて30分間撹拌して溶解し、0.45μmと0.22μmのフィルター膜により精密濾過し、窒素を充填し、ロールキャップし、121°Cで15分間滅菌すればよい。pHは3.9として測定した。
【0089】
実施例8 ミトキサントロン塩酸塩注射液の製剤8の調製
【0090】
【表8】
【0091】
処方量の、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを秤量し、処方量の注射用水を加え、撹拌して溶解させ、溶解後処方量のミトキサントロン塩酸塩を加えて30分間撹拌して溶解し、0.45μmと0.22μmのフィルター膜により精密濾過し、窒素を充填し、ロールキャップし、121°Cで15分間滅菌すればよい。pHは3.5として測定した。
【0092】
実施例9 ミトキサントロン塩酸塩注射液の薬動学(pharmaeokineties,PK)及び薬効動学(pharmacodynanfics,PD)の研究
【0093】
ミトキサントロン塩酸塩注射液のリンパ行程における臓器ターゲットは、乳房のドレナージ領域のリンパ節である。ミトキサントロン塩酸塩は塩酸との錯形成状態で均一な酸性溶液を形成する。組織間質に注射液投与された後、微小環境のpHが変化しミトキサントロン塩酸塩は徐々にナノクリスタルを沈澱させる。結晶によって、毛細血管から血液循環に入るのを防ぐ。毛細リンパ管の透過性が高いため、内皮細胞の隙間や内皮細胞の飲水・貪食により毛細リンパ管に入り、リンパ排出により所属リンパ節に到達・濃縮し、リンパ節に一定期間留まり、リンパ節の染色トレーサー効果を発揮する。
【0094】
乳癌患者の癌病巣からドレナージされるリンパ節に対するリンパトレースためのミトキサントロン塩酸塩注射液の安全性と有効性、乳癌被験者に対するリンパトレースためのミトキサントロン塩酸塩注射液の忍容性試験及び体内の薬物動態試験、並びに安全用量範囲を検討するために、本実施例では単施設、無作為、オープン、ブランク対照試験デザインを用い、乳房を十分に露出した後、乳房の複数箇所に濃度が5mg/mlであるリンパトレースためのミトキサントロン塩酸塩注射液(Mitoxantrone Hydrochloride)を注入し、乳房の大きさに応じて総注入量が0.1-3.0mlであり、群ごとに被験者の人体の忍容性試験および薬動学を実施し、同時に、試験薬の有効性を同時に観察した。
【0095】
薬動学の結果:ミトキサントロン塩酸塩注射液は、腫瘍の周囲注入後速やかに吸収され、基本的に注入後15~30分でピークに達し、血中では速やかに消失し、投与60分、最大120分後には血漿中にほぼ完全に消失した。また、投与後の血中濃度には全体的に用量依存的な傾向が認められ、低用量群の異なる被験者ではすべての時点の血中濃度が定量下限値以下であり、中中用量群および高用量群の患者では定量下限値を超えたのは4時点のみで、最高濃度の検出値はわずか79.4ng/mlにとどまった。これは、文献で開示された、点滴投与量(10~12mg/m/d)、ピーク濃度510±206ng/mlである、ミトキサントロン化学療法を受けた急性白血病の患者との報告と比較して、ピーク濃度は約6.5倍小さい。文献で開示された高用量のミトキサントロンを利用する卵巣癌化学療法では、ミトキサントロンの静脈内プッシュ投与における最大忍容総量は75mg/mであり、この用量におけるAUCは560-1700ng*時間/mlであり、本試験における最大AUC(3143ng*分/ml)の10.7-32.5倍であった。
【0096】
実施例10 乳癌手術患者におけるミトキサントロン塩酸塩注射液のリンパトレースの使用
【0097】
1.臨床試験デザイン
本試験は、単施設の陽性自己対照試験としてデザインされ、ヒトでの忍容性試験、薬動学試験および被験薬の有効性を観察するために、用量増分の原則によって、群ごとに術中注射投与を行った。本試験では、12~24名の乳癌患者が選定される予定する。ミトキサントロン塩酸塩注射液を5mg/mlの濃度で、低用量から高用量まで0.5ml、1.0ml、2.0ml、3.0mlの4つの投与群に分けて投与し、各群3~6例で実施した。各被験者の片方の乳房に、核医学科で手術の12-24時間前に2mCiの核酸標識硫黄コロイドを腫瘍周囲腺に注射して、画像データを取得し、センチネルリンパ節の位置と数を決定した。各被験者のもう一方の乳房にミトキサントロン塩酸塩注射液を注射し、各被験者は1つの投与群のみ被験薬を投与された。被験薬の安全性を観察し、被験薬の有効性とともに、最適な投与量と投与方法を検討した。
【0098】
被験薬:術中にリンパトレースためのミトキサントロン塩酸塩注射液を、対照薬と同じ部位に皮膚試験針を用いて腫瘍周囲腺に総量0.5~3.0ml注入した。対照薬:本試験に参加した全ての被験者に核酸標識硫黄コロイド2mCiを手術12~24時間前に核医学科で腫瘍周囲腺に注入した。
【0099】
18歳から70歳、女性、乳癌の被験者9~18名を予定していた。実際に試験を完了した被験者は10名であった。
【0100】
有効性評価
主要評価項目
センチネルリンパ節トレースにおける試験薬と対照薬の成功率の比較
【0101】
センチネルリンパ節トレース成功率=(センチネルリンパ節トレースに成功した総症例数/試験参加者総数)×100%
【0102】
試験薬のセンチネルリンパ節のトレースが成功するとは、治験薬によってトレースされたSLNが腋窩のカラーリンパ節とカラーリンパ管が指し示すリンパ節であることを意味する。
【0103】
対照薬センチネルリンパ節のトレースが成功した場合、対照(核種)トレーサーによって識別されたSLNは、ガンマ(Gamma)プローブカウントが最も高く、バックグラウンドの10倍以上のカウントを持つリンパ節であることを意味する。
【0104】
副次的評価項目
被験薬と対照薬でトレースされたSLNの数、両方のトレーサーで一緒にトレースされたSLNの数、どちらの薬剤でもトレースされなかったが臨床的に疑われるSLNの数などを記録する。
【0105】
検査薬と対照薬で検出されたセンチネルリンパ節の病理学的状態の記録
【0106】
試験薬と対照薬による局所傷害状態の記録
【0107】
安全性・忍容性評価
試験薬を使用するすべての被験者を安全性、忍容性、エンドポイント指標評価の対象とする。本臨床試験の安全性評価は、処置終了後21日±3日まで実施する予定である。群に入る前2週間以内の院内検査および術後ラボ検査の結果の比較をスクリーニングし、「NCIの CTCAE 4.0.3 評価基準」に従って有害事象を評価する。有害事象の程度を被験薬との関連で判定し、最大忍容量および安全用量を決定した。
【0108】
2.臨床試験の有効性判定
リンパトレースためのミトキサントロン塩酸塩注射液は、センチネルリンパ節のトレース成功率が高く、対照薬の核酸標識硫黄コロイドと有意差がないことが示された。リンパ節のトレース成功率は、対照薬および0.5ml投与試験薬群、2.0ml投与試験薬群ともに100%であった。一方、対照薬および1.0ml投与試験薬群のセンチネルリンパ節のトレース成功率は75%であった。入群された被験者を分析したところ、この投与群には転移性癌の被験者が1名いたが、おそらく大きな病変がリンパ管を塞ぎ、試験薬、対照薬ともにリンパ節がトレースされず、この被験者のトレース失敗が原因の1つであったと思われる。各投与群の試験薬と対照薬でトレースSLNの数について、2つのトレーサーを併用してトレースしたSLNの数に有意差はなく、各投与群の試験薬と対照薬でトレースできなかったが、臨床的に疑われるSLNの数に有意差はなく、核種法と比較すると、試験薬は核種法よりも優れたリンパ節のトレースを示したことが示唆された。試験薬と対照薬の検出されたセンチネルリンパ節の病理結果では、試験薬と対照薬のセンチネルリンパ節にがんの転移は認められなかった。
【0109】
実施例11 左乳癌患者におけるミトキサントロン塩酸塩注射液のリンパ節トレースへの使用例
【0110】
術前診断:右乳癌(cT1N0M0)
【0111】
術後診断:右乳房の腺癌(sT1N0M0)
【0112】
手術名:右乳房全摘出術+センチネルリンパ節マーク+胸水ドレナージ*2
【0113】
術中所見:右腋窩の探査により、A、B、C、Dリンパ節に青色染色と核種形成があり、E、Fリンパ節には青色染色と核種形成がない6個のリンパ節の腫大が認められた。
【0114】
手順:右上肢に外箱を装着し仰臥位とし、全身麻酔が効いた後、腫瘍の周囲4箇所に2ml:10mgの濃度の薬剤を1.5ml注入し、シートは日常的に消毒をした。この患者さんの術前の穿刺病理検査では、右乳癌とはっきり診断された。右胸壁に約10.0cmの横切開を加え、鎖骨下より上、肋骨弓より下、腋窩線より外、正中線より内とし、フラップを遊離した。右乳房全体とその周囲の脂肪組織、大胸筋膜を切除した。右腋窩を調べると6個のリンパ節腫大を認め、A、B、C、Dリンパ節は青色染色で核種があり、E、Fリンパ節は青色染色がなく核種もない状態であった。凍結病理検査に出し、凍結切片リンパ節には癌の転移は見られなかったことが、30分後に病理レポート(右乳房センチネルリンパ節A、B、C、D、E、F)結果が出た。創部を洗浄し、出血がないと確認した。器具やガーゼを数えて出血がないと確認した。器具やガーゼを数えて間違いないと確認し、腋窩と胸壁のドレーンをそれぞれ1本ずつを留置し、切開部を閉じる。手術はスムーズな処置と満足のいく麻酔で終了し、術後は病棟に移った。
【0115】
病理所見:(右乳房センチネルリンパ節A、B、C、D、E、F)凍結切片リンパ節に癌転移は認められなかった。
【0116】
回収したリンパ節の総数は6個で、4個が染色された。
【0117】
[付記]
[付記1]
乳房切除関連疾患のリンパトレーサーの調製におけるミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩の使用。
【0118】
[付記2]
乳房切除関連疾患におけるリンパトレースの方法であって、
ミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩を患者に投与することを含み、
前記ミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩は、リンパトレーサーとして作用する、方法。
【0119】
[付記3]
前記乳房切除関連疾患は、乳房腫瘍、乳房嚢胞、乳房線維腫、または乳房結核から選択される、付記1に記載の使用、または、付記2に記載の方法。
【0120】
[付記4]
前記乳房腫瘍は、乳房の良性腫瘍および乳房の悪性腫瘍を含み、
好ましくは、前記乳房の悪性腫瘍は乳癌であり、
好ましくは、前記リンパトレーサーは、乳癌のリンパトレースに使用される、付記1に記載の使用、または、付記2に記載の方法。
【0121】
[付記5]
前記リンパトレーサーは、ミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩と、薬学的に利用できる賦形剤とを含み、
好ましくは、前記薬学的に利用できる賦形剤は、緩衝剤、担体、安定剤または防腐剤を含むが、これらに限定されず、
好ましくは、前記リンパトレーサーは、注射剤であり、
好ましくは、前記注射剤は、溶液剤、凍結乾燥粉末、乳剤、リポソーム、ナノ粒子、ナノ結晶、微結晶、微小球、またはゲル剤の形態であり、
好ましくは、前記溶液剤は、塩化ナトリウム注射液またはブドウ糖注射液である、付記1に記載の使用、または、付記2に記載の方法。
【0122】
[付記6]
前記注射剤の投与は、皮下注射、筋肉内注射、またはプラズモ下注射から選択され、好ましくは皮下注射またはプラズモ下注射から選択され、
好ましくは、前記注射は局所注射であり、
好ましくは、前記注射部位は乳房および/または乳房周囲組織器官にあり、
好ましくは、前記注射は多点注射であり、
好ましくは、注射の濃度は2~10mg/mlであり、
好ましくは、注射の注入量は0.1-3.0mlであり、より好ましくは、濃度5mg/mlの注射剤の注入量は少なくとも0.1mlであり、好ましくは、総投与量は3.0mlを超えない、付記1に記載の使用、または、付記2に記載の方法。
【0123】
[付記7]
前記利用できる塩は、ミトキサントロンと無機酸または有機酸とによって形成される利用可能な塩であり、
好ましくは、前記無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などであり、
好ましくは、前記有機酸は、脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族、複素環族、カルボン酸およびスルホン酸系有機酸から選択され、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、エタン酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、o-アミノ安息香酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、ジヒドロキシナフタル酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸(メタンスルホン酸エステル)、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびサリチル酸から選択され、
好ましくは、前記利用可能な塩は、ミトキサントロン塩酸塩、シュウ酸ミトキサントロン、硫酸ミトキサントロン、リン酸ミトキサントロン、酢酸ミトキサントロン、クエン酸ミトキサントロンから選択され、より好ましくは、前記利用可能な塩はミトキサントロン塩酸塩である、付記1に記載の使用、または、付記2に記載の方法。
【0124】
[付記8]
前記リンパトレーサーは、pH調整剤を含み、
好ましくは、前記pH調整剤は、塩酸、リン酸、硫酸、シュウ酸、酢酸およびクエン酸から選ばれる1種または2種以上である、付記1に記載の使用、または、付記2に記載の方法。
【0125】
[付記9]
前記リンパトレーサーは、抗酸化剤を含み、
好ましくは、前記抗酸化剤は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムおよびエデト酸二ナトリウムから1つ以上選択され、好ましくは、メタ重亜硫酸ナトリウムまたはエデト酸二ナトリウムであり、
好ましくは、前記リンパトレーサーは、ミトキサントロンまたはその塩、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを含み、より好ましくは、前記リンパトレーサーは、硫酸ナトリウムをさらに含み、
好ましくは、前記リンパトレーサーは、ミトキサントロンまたはその塩、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウムを含み、
好ましくは、前記注射剤は、2.8~4.3の間のpHの範囲を有し、
好ましくは、前記ミトキサントロンまたはその塩におけるミトキサントロンの含量量は、重量体積で1~15mg/mlであり、好ましくは2~10mg/mlであり、より好ましくは、2mg/ml、5mg/mlまたは10mg/mlであり、
好ましくは、前記塩化ナトリウムの含量は、重量体積で3-18mg/mlであり、好ましくは4-16mg/mlであり、より好ましくは、4mg/ml、8mg/mlまたは16mg/mlであり、
好ましくは、前記酢酸の含量は、重量体積で0.15-1mg/mlであり、好ましくは0.23-0.92mg/mlであり、より好ましくは、0.23mg/ml、0.46mg/mlまたは0.92mg/mlであり、
好ましくは、前記酢酸ナトリウムの含量は、重量体積で0.03-0.15mg/mlであり、好ましくは0.05-0.1mg/mlであり、より好ましくは0.05mg/mlまたは0.1mg/mlであり、
好ましくは、前記抗酸化剤の含量は、重量体積で0.05-0.3mg/mlであり、好ましくは0.8-0.12mg/mlであり、より好ましくは、0.1mg/ml、0.2mg/mlまたは0.3mg/mlであり、
好ましくは、前記硫酸ナトリウムの含量は、重量体積で0.05-0.6mg/mlであり、好ましくは0.15-0.45mg/mlであり、より好ましくは、0.15mg/ml、0.3mg/mlまたは0.45mg/mlである、付記1に記載の使用、または、付記2に記載の方法。
【0126】
[付記10]
前記注射剤は、
処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム及びエデト酸二ナトリウムを秤量し、または、処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを秤量し、または、処方量の、酢酸、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを秤量し、溶剤と混合、溶解して添加物混合液を得、好ましくは、前記溶剤は注射用水であり、好ましくは、添加物が撹拌により溶解する、工程(1)と、
工程(1)で得られた添加物混合液を処方量のミトキサントロンおよび/またはその薬学的に利用できる塩と混合する、工程(2)とを含む方法で調製され、
工程(2)において、好ましくは、撹拌して溶解させ、好ましくは、10~30分間撹拌して溶解させ、
好ましくは、前記方法は、濾過する工程(3)をさらに含み、好ましくは、0.45μm及び/または0.22μmのフィルター膜で濾過し、
好ましくは、前記方法は、窒素を充填する工程(4)をさらに含み、好ましくは、窒素を充填した後に、121℃で15分間滅菌を行い、
好ましくは、前記注射剤は、2.8~4.3の間のpHの範囲を有し、
好ましくは、前記注射剤を2ml:10mgの規格に調整する、付記1に記載の使用、または、付記2に記載の方法。
【国際調査報告】