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特表2023-536222地球外展開のためのフレキシブルソーラーアレイ
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  • 特表-地球外展開のためのフレキシブルソーラーアレイ 図1
  • 特表-地球外展開のためのフレキシブルソーラーアレイ 図2
  • 特表-地球外展開のためのフレキシブルソーラーアレイ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-24
(54)【発明の名称】地球外展開のためのフレキシブルソーラーアレイ
(51)【国際特許分類】
   H02S 10/40 20140101AFI20230817BHJP
   H01L 31/048 20140101ALI20230817BHJP
   B64G 1/44 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
H02S10/40
H01L31/04 560
B64G1/44 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580540
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 US2021032850
(87)【国際公開番号】W WO2022026032
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】16/943,440
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520128820
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クルーアー、マーク、エー.
(72)【発明者】
【氏名】ヤマネ、ジュド、ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251AA01
5F251AA05
5F251AA09
5F251AA10
5F251AA20
5F251BA02
5F251BA18
5F251CA13
5F251GA02
5F251GA03
5F251GA05
5F251HA15
5F251JA02
5F251JA03
5F251JA04
(57)【要約】
地球外展開のためのフレキシブルソーラーアレイおよびそのようなフレキシブルソーラーアレイを製造する方法が開示される。発電層、耐久層、および紫外線遮断層は、耐久層が発電層と紫外線遮断層との間にあるように配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電層と、
耐久層と、
紫外線遮断層と、
を備える地球外展開用のフレキシブルソーラーアレイであって、
前記耐久層が前記発電層及び前記紫外線遮断層との間に配置される、
フレキシブルソーラーアレイ。
【請求項2】
前記発電層は、ベース層と、前記ベース層上に配置された複数の太陽電池とを含む、請求項1に記載のフレキシブルソーラーアレイ。
【請求項3】
前記ベース層が、カプトン(Kapton)、金属、ガラス、およびポリマーのうちの1つを含む、請求項2に記載のフレキシブルソーラーアレイ。
【請求項4】
前記複数の太陽電池が、セレン化銅インジウムガリウム、テルル化カドミウム、ペロブスカイト、または半導体のうちの1つを含む、請求項2に記載のフレキシブルソーラーアレイ。
【請求項5】
前記耐久層および前記ベース層が、同様の膨張係数を有する、請求項2に記載のフレキシブルソーラーアレイ。
【請求項6】
前記耐久層が、透明または半透明のポリマーフィルムを含む、請求項1に記載のフレキシブルソーラーアレイ。
【請求項7】
前記耐久層は前記発電層に接着固定される、請求項6に記載のフレキシブルソーラーアレイ。
【請求項8】
前記紫外線遮断層が酸化亜鉛を含む、請求項1に記載のフレキシブルソーラーアレイ。
【請求項9】
スプールと組み合わせた、請求項1に記載のフレキシブルソーラーアレイであって、
前記フレキシブルソーラーアレイは、前記スプールのスピンドルの周りに巻かれている、フレキシブルソーラーアレイ。
【請求項10】
前記発電層がカプトン(Kapton)を含み、前記耐久層がマイラー(Mylar)を含み、前記紫外線遮断層が酸化亜鉛を含む、請求項1に記載のフレキシブルソーラーアレイ。
【請求項11】
前記紫外線遮断層が導電性である、請求項1に記載のフレキシブルソーラーアレイ。
【請求項12】
ベース層と、前記ベース層上に配置された複数の太陽電池とを備える発電層を提供することと、
前記複数の太陽電池が前記ベース層と耐久層との間に配置されるように、前記発電層の上に耐久層を配置することと、
前記耐久層が前記発電層と紫外線遮断層との間にあるように、前記耐久層の上に紫外線遮断層を配置することと、
を含む、地球外展開のためのフレキシブルソーラーアレイを製造する方法。
【請求項13】
前記ベース層が、カプトン(Kapton)、金属、ガラス、およびポリマーのうちの1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記発電層を設ける工程は前記ベース層上に、セレン化銅インジウムガリウム、テルル化カドミウム、ペロブスカイト、または半導体のうちの1つを配置することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記耐久層を配置する工程は、前記ベース層と同様の膨張係数を有する前記耐久層を配置する工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記耐久層を配置する工程が、透明または半透明のポリマーフィルムを配置する工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記耐久層を配置する工程が、前記耐久層を前記発電層に接着固定する工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記紫外線遮断層を配置する工程が、酸化亜鉛を配置する工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記フレキシブルソーラーアレイをスプールのスピンドルの周りに回転させる工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記発電層がカプトン(Kapton)を含み、前記耐久層がマイラー(Mylar)を含み、前記紫外線遮断層が酸化亜鉛を含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題はフレキシブルソーラーアレイに関し、より詳細には、地球外展開のためのフレキシブルソーラーアレイおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル(可撓性の)ソーラーアレイ(太陽電池アレイ)は、携帯用および/またはレクリエーション用の地上用途のために開発されてきた。そのようなフレキシブルソーラーアレイは、典型的にはフレキシブル基板と、基板上に配置された太陽電池と、太陽電池によって生成された電力を、給電されるデバイスまたは電池などの蓄電デバイスに伝達するための導電性接続部とを有する。
【0003】
しかしながら、地上用途のために設計された可撓性ソーラーアレイは、そのようなソーラーアレイの構成要素が地球外環境に存在する過酷な条件に耐えるのに十分な耐久性がないことがあるので、地上外用途には適していないことがある。例えば、地球外環境に配置されたソーラーアレイは、非常に低い温度、高レベルの紫外線への曝露、太陽アレイが地球の大気を取り囲むバンアレン帯(Van Allen belt)を通して輸送されるときに起こり得る電荷の蓄積、および太陽から放出される亜原子粒子(sub-atomic particle)による衝撃などの影響に耐えるか、またはその影響を受けないものでなければならない。
【0004】
さらに、輸送船(transport vehicle)では利用可能な空間が限られているので、ソーラーアレイは地球外環境への輸送中に、コンパクトなパッケージに巻かれ及び/又は折り畳まれなければならない場合がある。地上での使用のために設計されたソーラーアレイはその構成要素に損傷(例えば、短絡、亀裂など)を与えることなく、そのようなローリングおよび/または折り畳みに耐えるのに十分な耐久性がないことがある。
【発明の概要】
【0005】
一態様によれば、地球外展開のためのフレキシブルソーラーアレイは、発電層と、耐久層と、紫外線遮断層とを含む。耐久層は、発電層と紫外線遮断層との間に配置される。
【0006】
別の態様によれば、地球外展開のためのフレキシブルソーラーアレイを製造する方法はベース層と、ベース層上に配置された複数の太陽電池とを含む発電層を提供するステップと、複数の太陽電池がベース層と耐久層との間に配置されるように、発電層の上に耐久層を配置するステップとを含む。この方法は耐久層が発電層と紫外線遮断層との間にあるように、耐久層の上に紫外線遮断層を配置する追加のステップを含む。
【0007】
他の態様および利点は以下の詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになり、本明細書全体を通して、同様の番号は同様の構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、フレキシブルソーラーアレイの平面図である。
図2図2は、図1のフレキシブルソーラーアレイの線2-2に概ね沿った断面図である。
図3図3は、スプール上に配置された図1のフレキシブルソーラーアレイの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、地球外用途での使用に適したフレキシブルソーラーアレイが開示される。フレキシブルソーラーアレイはフレキシブル基板上に光起電力材料から形成された太陽電池を含むフレキシブル発電層と、フレキシブル耐久性ポリエステルフィルム層、例えば、マイラー(Mylar)の層が発電層の上に配置され、酸化亜鉛(ZnO)の純粋なまたはドープされた透明層が耐久性ポリエステルフィルムの層の上に堆積される。以下にさらに記載されるように、耐久性ポリエステルフィルムの層およびZnOの層は、地球上でのフレキシブルソーラーアレイの調製およびテスト中に太陽電池を保護するために組み合わされ、展開のためにフレキシブルソーラーアレイを宇宙空間に輸送し、展開後に地球外環境の危険をもたらす。
【0010】
図1および図2を参照すると、フレキシブルソーラーアレイ100は、発電層102と、発電層102の上に配置された耐久層104と、耐久層104の上に配置された紫外線遮断層106とを備える。
【0011】
さらに、発電層102は、その上に配置された複数の太陽電池110を有するベース層(基部層)108を備える。図1はベース層108上に配置された9つの太陽電池(solar cell)110を有するフレキシブルソーラーアレイ100を示すが、フレキシブルアレイ100がより少ないまたはより多い太陽電池110を備え得ることは当業者には明らかであろう。各太陽電池110は、太陽電池110によって生成された電気を、フレキシブルソーラーアレイ100によって給電される負荷(図示せず)に伝導するための光起電材料および関連する導体(明確にするために図示せず)を備える。セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、テルル化カドミウム、ペロブスカイト、および結晶形態またはアモルファス形態のいずれかのシリコンなどの半導体を含む、様々な光起電力材料が、太陽電池110での使用のために選択され得る。
【0012】
ベース層108は、金属、ガラス、またはポリマーを含む太陽電池110を含むように選択された光起電力材料に従って選択されてもよい。例えば、太陽電池110を含む光起電材料がCIGSである場合、ステンレス鋼などの金属がベース層108に好ましい場合がある。あるいは、光起電力材料がテルル化カドミウムである場合、ベース層108のためにガラスが選択されてもよい。好ましい実施形態では発電層102がアモルファスシリコンから作製された太陽電池110を含むが、それは当業者が理解するように、アモルファスシリコンは地球の周りの通常の動作温度を考慮してバンアレン帯に存在するものなどの荷電粒子による損傷を受けず、紫外線遮断層106のZnOコーティング下の残留紫外線に曝露されたときに劣化しないからである。このような好ましい実施形態では、アモルファスシリコンがデラウェア州ウィルミントンのデュポン・ド・ヌムール社によって製造されたカプトン(Kapton)膜であるベース層108上に堆積される。カプトンは紫外線に対して十分に不透過性であり、その上に配置された太陽電池110を保護するのに耐久性があるので、カプトンは、ベース層108にとって好ましい材料である。さらに、カプトンは、高レベルの紫外線、非常に低い温度、および/または非常に高い温度を有する環境に配置された場合でさえ、その特性(耐久性および紫外線に対する耐性など)を保持する。いくつかの実施形態では、カプトンフィルムが約7ミクロン~約76ミクロンの厚さを有する。カプトンの代わりに、耐久性があり、高レベルの紫外線に対して不透過性である他の材料、および/または当業者に明らかな温度の大きな変動が使用されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、アモルファスシリコンがスパッタリングによって、カプトン膜またはベース層108を含む別の材料上に堆積される。太陽電池110を形成するためにベース層108上に光起電材料を適用する他の方法が使用され得ることは、当業者には明らかであるはずである。
【0014】
耐久層104は発電層102の構成要素(例えば、太陽電池110)への損傷を防止し、宇宙空間に輸送され得る、発電層102上の保護コーティングを提供する。例えば、フレキシブルソーラーアレイ100を宇宙空間に輸送するために、フレキシブルソーラーアレイ100はそれによって占有される体積を最小限にするために、コンパクトに巻かれるかまたは折り畳まれてもよい。耐久層104によって提供される保護がない場合、そのような折り畳みまたは転動の間、第1の太陽電池110の第1の外面112は、第2の太陽電池110の第2の外面112と接触し得る。そのような接触は、第1および第2の太陽電池110の一方または両方に電気的短絡、摩耗、または他の損傷を引き起こす可能性がある。
【0015】
加えて、耐久層104は試験機器、フレキシブルソーラーアレイ100を保持する固定具、フレキシブルソーラーアレイ100を固定具に固定するために使用されるツールなどの製造、試験、および/または輸送中に、そのような構成要素が他の物体と接触し、かつ/または他の物体に衝突した場合に発生し得る、発電層102の構成要素への損傷を防止する。耐久層104は可撓性、耐久性、透明又は半透明のポリマーフィルム、例えば、不フランス国ColombeのArkema SA社製のカイナー(Kynar)や、バイジニア州DuPont Teijin Films of Hopewell社製のマイラー(Mylar)、等を含む。
【0016】
耐久層104は、太陽電池110に電流を発生させる光の波長に対して十分に透明であるべきである。いくつかの実施形態では、耐久層104が露出される光の少なくとも80%が透過し、太陽電池110に衝突するように、耐久層104は十分に透明である。他の実施形態では、いくつかの軌道に存在する動作温度および高い放射線量を考慮すると、より少ない透過が許容され得る。例えば、耐久層104はフレキシブルソーラーアレイ100が最初に配備されるときに高度に透明であり得るが、フレキシブルソーラーアレイ100が高レベルの放射線および/または準最適温度に曝露される軌道内に配備される場合、時間とともに半透明になり得る(すなわち、あまり透明でない)。
【0017】
好ましい実施形態では、耐久層104のために選択された材料とベース層108のために選択された材料とは、フレキシブルソーラーアレイ100が加熱または冷却されたときにフレキシブルソーラーアレイ100の望ましくないカールを防止するために、同様の膨張係数を有する。好ましい実施形態では、ベース層108はカプトンを含み、耐久層104はマイラーを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、耐久層104のために選択されたマイラーと、ベース層108のために選択されたカプトンは、室温で約17ppm/100万℃の膨張係数を有する。いくつかの実施形態では、これらの材料はソーラーアレイ100で使用する前に予め収縮させることができる。好ましい実施形態では、耐久層104およびベース層が温度変化による約10度を超える面外指向のフレキシブルソーラーアレイ100のカールを回避するために膨張係数を有するように選択される。
【0019】
一実施形態では、耐久層104が例えば、ポリエチレン接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤、フルオロポリマー系接着剤などを含む接着剤層105を使用して発電層102に固定される。いくつかの実施形態では耐久層104が接着剤を使用せずに耐久層104を発電層102に固定することを可能にする材料を含んでもよく、そのような実施形態では接着剤層105は使用されない。例えば、カイナーなどの材料を耐久層104に使用することができ、これは、例えば、積層プロセスを使用して、そのような材料を溶融させ、発電層102上に押し付けることによって、発電層102に適用することができる。当業者に明らかな耐久層104を発電層102に固定する他の方法を使用することができる。
【0020】
当業者には明らかなように、耐久層104のために選択されたポリマー材料は、大量の紫外線への曝露によって損傷され得る。紫外線遮断層106は、耐久層104の上に配置され、そのような露出および結果として生じる損傷を防止する。好ましい実施形態では、紫外線遮断層106が耐久層104を含むポリマーフィルムに塗布されたZnOを含む。いくつかの実施形態では、紫外線遮断層106がスパッタリングによって耐久層104に層ZnOを適用することによって形成される。当業者には明らかなように、耐久層104にZnOを塗布して紫外線遮断層106を形成するために、別の技術を利用してもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、紫外線遮断層106が例えば、紫外線遮断層106を含むZnOを導電性にするか、またはアルミニウムなどの別の材料でドーピングするのに十分な厚さのZnOの層を適用することによって、導電性にされる。導電性の紫外線遮断層106を有することにより、フレキシブルソーラーアレイ100が、地球を取り囲むバンアレン帯を構成する荷電粒子を通って輸送されるときに構築され得る電荷を消散させる。いくつかの実施形態では、紫外線遮断層106が約30ナノメートル~約110ナノメートルの厚さを有する非ドープZnOの導電層を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、ベース層108の外面114が導電性酸化物、薄い金属、耐腐食性鋼(CRES)などの導電性材料116の層で被覆される。導電性材料116のそのような層および紫外線遮断層106は電気接地(例えば、ソーラーアレイが配置されるフレームなど)に導電的に結合されて、ソーラーアレイ100における静電荷の蓄積を最小限に抑え、および/またはそのような静電荷の散逸を容易にすることができる。
【0023】
図3を参照すると、いくつかの実施形態では宇宙船での輸送のために、フレキシブルソーラーアレイ100はドラム152のスピンドル150の周りに巻かれる。場合によっては、フレキシブルソーラーアレイ100がスピンドル150の周りに巻かれる前に折り畳まれてもよい。フレキシブルソーラーアレイ100が地球外環境に輸送された後、フレキシブルソーラーアレイ100は巻きを解き(unrolling)、また、必要であれば、その一部を支持構造(図示せず)に展開し、フレキシブルソーラーアレイ100の太陽電池110が太陽に面して電力を生成するようにフレキシブルソーラーアレイ100を配置することによって展開され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるフレキシブルソーラーアレイ100が約5メートル~40メートルの幅および約5メートル~40メートルの長さを有する。フレキシブルソーラーアレイ100は、これらの寸法よりも小さくても大きくてもよいことは明らかである。一実施形態では、フレキシブルソーラーアレイ100が15メートル×15メートルであり、折り畳まれ、荷物のために巻かれたとき、約33リットルの体積を占める。
【0025】
図1に示されるフレキシブルソーラーアレイ100は概して長方形であるが、フレキシブルソーラーアレイ100は楕円形、円形、三角形、多角形などを含む任意の形状を有し得ることが、当業者には明らかであろう。さらに、ソーラーアレイ100は、発電層102、耐久層104、および紫外線遮断層106をそれぞれ含む、より小さい太陽電池パネル(図示せず)を接合することによって製造されてもよい。そのようなソーラーパネルは、接着剤を用いて、縫製によって、または当業者に明らかな任意の他の接合方法によって、互いに接合され得る。さらに、フレキシブルソーラーアレイ100はフレキシブルソーラーアレイ100の性能および/または耐久性を改善するために、追加の層(図示せず)を備えてもよいことが明らかである。
【0026】
一実施形態では、フレキシブルソーラーアレイ100が厚さ約25.4ミクロンのマイラーの耐久層104と、厚さ約38.1ミクロンのベース層108とを備える。このような耐久層104は、厚さ約12.5ミクロンのポリエチレン接着剤の接着剤層105によって発電層102に固定される。このようなフレキシブルソーラーアレイ100では、CRESを含み、約30ナノメートルの厚さである導電層116がベース層108の外面114上に配置され、約30ナノメートルの厚さであるZnOの層がマイラーの耐久層104の上に配置される。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本明細書に開示されるフレキシブルソーラーアレイ100は、費用効果が高く、フレキシブルで、コンパクトなフレキシブルソーラーアレイ100を提供する。フレキシブルソーラーアレイ100の耐久層104は発電層102を物理的損傷から保護し、紫外線遮断層106は、耐久層104を紫外線による劣化から保護する。フレキシブルソーラーアレイ100は地球から宇宙空間へ損傷なく輸送するのに適したコンパクトなパッケージを形成するために、折り畳まれ、円筒に巻かれ、またはスプール上に巻かれ得る。
【0028】
本明細書に開示されるフレキシブルソーラーアレイ100を構成する異なる層104、105、106、108、110、114、および116に使用される材料は、地上用途で既に使用されている市販の材料である。したがって、そのような材料を使用し、地球外用途に適したフレキシブルソーラーアレイ100のコストは、特に地球外用途のために設計された独特の材料または外来材料を使用する代替のフレキシブルソーラーアレイのコストよりも実質的に低いコストを有し得る。
【0029】
前述の説明を考慮すると、本開示に対する多数の修正が当業者には明らかであろう。図示された実施形態は、例示的なものにすぎず、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
図1
図2
図3
【国際調査報告】