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特表2023-536290タイヤマーキング装置、方法、コンピュータプログラム製品及びタイヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-24
(54)【発明の名称】タイヤマーキング装置、方法、コンピュータプログラム製品及びタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20230817BHJP
   B29C 33/02 20060101ALI20230817BHJP
   B60C 13/00 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
B60C19/00 K
B29C33/02
B60C13/00 A
B60C19/00 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506536
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2021070256
(87)【国際公開番号】W WO2022028878
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】202020104479.6
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521336222
【氏名又は名称】4ジェット テクノロジーズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラウス、アルミン
【テーマコード(参考)】
3D131
4F202
【Fターム(参考)】
3D131GA01
3D131LA24
3D131LA28
3D131LA40
4F202AA45
4F202AB03
4F202AH20
4F202CA21
4F202CB01
4F202CY24
(57)【要約】
タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つをタイヤについて指定可能である指定装置と、指定されたコンテンツを有するタイヤタイプマーキングをタイヤに刻印する刻印装置と、を備えるタイヤマーキング装置が開示される。対応するタイヤ、及び2つの対応するタイヤがさらに開示される。少なくとも2つのタイプのタイヤを製造する方法、タイヤマーキング装置の動作方法、及び対応するコンピュータプログラム製品がさらに開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤマーキング装置であって、
タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つをタイヤについて指定可能である、指定装置と、
指定されたコンテンツを有する前記タイヤタイプマーキングを前記タイヤに刻印する刻印装置と、を備えるタイヤマーキング装置。
【請求項2】
前記指定装置が操作要素を有し、コンテンツを指定するために、前記操作要素によって前記少なくとも2つの代替コンテンツから前記コンテンツを選択可能である、
請求項1に記載のタイヤマーキング装置。
【請求項3】
前記タイヤタイプマーキングが、以下のもの
-速度インデックス、
-負荷インデックス、
-認可マーク、
-親ブランド、
-製品名、
-製品バリアント名、
-共同ブランド、
のうちの1つである、請求項1又は2に記載のタイヤマーキング装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つの前記タイヤタイプマーキングは、少なくとも一方向に10cmより大きい寸法を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のタイヤマーキング装置。
【請求項5】
タイヤであって、
加硫後にタイヤに刻設されたタイヤタイプマーキングを有し、
前記タイヤタイプマーキングが、前記タイヤの構造の少なくとも1つの側面によって、特にタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズに関して、定義された性能と異なる前記タイヤの性能を指定する、タイヤ。
【請求項6】
前記タイヤタイプマーキングが、以下のもの
-速度インデックス、
-負荷インデックス、
-認可マーク、
-親ブランド、
-製品名、
-製品バリアント名、
-共同ブランド、
のうちの1つである、請求項5に記載のタイヤ。
【請求項7】
2つのタイヤであって
少なくとも1つの側面に関して、特にタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズのうちの少なくとも1つに関して、同一の構造を有し、
加硫後に両方のタイヤに刻設されたタイヤタイプマーキングのコンテンツの点で区別される、2つのタイヤ。
【請求項8】
前記タイヤタイプマーキングが、以下のもの
-速度インデックス、
-負荷インデックス、
-認可マーク、
-親ブランド、
-製品名、
-製品バリアント名、
-共同ブランド、
のうちの1つである、請求項7に記載の2つのタイヤ。
【請求項9】
少なくとも2つのタイプのタイヤ、特に空気入りタイヤを製造する方法であって、
前記方法は、少なくとも1つの側面に関して、特にタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズのうちの少なくとも1つに関して、同一の構造を有する少なくとも2つの加硫済みタイヤを提供することであって、特に前記少なくとも2つの加硫済みタイヤを提供することが、前記少なくとも2つのタイヤを加硫することを含む、提供することと、
前記少なくとも2つのタイヤのうちの第1のタイヤにタイヤタイプマーキングを作成することであって、前記第1のタイヤにおける前記タイヤタイプマーキングが第1のコンテンツを有する、作成することと、
前記少なくとも2つのタイヤのうちの第2のタイヤに前記タイヤタイプマーキングを作成することであって、前記第2のタイヤにおける前記タイヤタイプマーキングが第2のコンテンツを有する、作成することと、を包含し、
前記第1のコンテンツが前記第2のコンテンツと異なる、方法。
【請求項10】
前記タイヤタイプマーキングは、以下のマーキング
-速度インデックス、
-負荷インデックス、
-認可マーク、
-親ブランド、
-製品名、
-製品バリアント名、
-共同ブランド、
のうちの1つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のコンテンツ及び/又は前記第2のコンテンツの前記タイヤタイプマーキングが、少なくとも一方向に10cmより大きい寸法を有する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記加硫の後、及び前記タイヤタイプマーキングの作成前に、前記第2のタイヤを保管すること
をさらに包含する、請求項9から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
所望のタイヤタイプの必要量を確定することであって、
前記所望のタイヤタイプが前記タイヤタイプマーキングのコンテンツによって特徴付けられる、確定することと、
前記所望のタイヤタイプに対応するコンテンツで前記第2のタイヤに前記タイヤタイプマーキングを作成することによって、前記所望のタイヤタイプのタイヤを生産することと、
をさらに包含する、請求項9から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、続いて、
前記タイヤタイプマーキングが作成された前記第2のタイヤを保管すること、あるいは
前記タイヤタイプマーキングが作成された前記第2のタイヤを保管せずに出荷すること、をさらに包含する、
請求項9から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記加硫の後、前記第2のタイヤの保管から前記第2のタイヤに前記タイヤタイプマーキングを作成するまでの間の期間が時間的に平均して第1の期間であり、
前記タイヤタイプマーキングが作成された前記第2のタイヤの保管が時間的に平均して第2の期間行われ、
前記第2の期間が前記第1の期間より短く、特に、前記第2の期間が前記第1の期間の50%未満、25%未満、又は10%未満である、請求項9から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも2つのタイプの各タイヤタイプのタイヤの予想される最大必要数量を確定することをさらに包含し、
少なくとも1つの側面に関して同一の構造を有する少なくとも2つのタイヤを加硫することは、前記少なくとも2つのタイプの予想される最大必要数量の合計の一部に相当する数のそのようなタイヤを加硫することを含み、特に、前記一部が5%~95%である、請求項9から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
倉庫内のタイヤタイプマーキングのないタイヤの数が、タイヤタイプマーキングのないタイヤの予め定められた安全在庫より少ない場合、少なくとも1つの側面に関して同一の構造を有する少なくとも2つのタイヤの加硫が行われ、
前記タイヤタイプマーキングのないタイヤの安全在庫は、少なくとも2つのタイプのタイヤを保管する場合に、前記少なくとも2つのタイプのタイヤの各々について準備される個々の安全在庫の合計より少ない、
請求項9から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
タイヤマーキング装置の動作方法であって、前記動作方法は、
タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つをタイヤについて指定する信号を受信することと、
前記信号に応じて、少なくとも2つの異なる刻印データのセットから1つの刻印データのセットを選択することであって、前記刻印データの各セットが、前記少なくとも2つの代替コンテンツのうちの割り当てられたコンテンツを指定する、選択することと、を包含する動作方法。
【請求項19】
プログラム要素を有するコンピュータプログラムであって、前記プログラム要素がプロセッサ装置で実行される場合に、請求項18に記載の動作方法を実行する、コンピュータプログラム。
【請求項20】
プログラム要素を有するコンピュータプログラムであって、前記プログラム要素がプロセッサ装置で実行される場合に、請求項9から17のいずれか1項に記載の方法を実行する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイヤ製造の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤを生産し、倉庫に保管し、必要な場合に倉庫から所望のタイヤタイプのタイヤを使用することは実地から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
タイヤ、特に空気入りタイヤの在庫管理のための一般的な戦略には、タイヤの販売予測が通常、非常に不正確であるという欠点がある。いかなる場合にも納入能力を保証するために、タイヤタイプごとに多くの在庫が準備される。
【0004】
上記の状況に鑑みて、上述の問題のうちの1つ又は複数が実質的に回避され、その一方でタイヤの効率的な在庫管理を可能にする技術が要求される。
【0005】
この要求は、独立請求項によって考慮される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される主題の第1の態様によれば、タイヤマーキング装置が提供される。
【0007】
第1の態様の実施形態によれば、タイヤタイプマーキング装置が提供され、タイヤマーキング装置は、タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つをタイヤについて指定可能である指定装置と、指定されたコンテンツでタイヤにタイヤタイプマーキングを刻印する刻印装置とを備える。
【0008】
本明細書に開示される主題の第2の態様によれば、タイヤが提供される。
【0009】
第2の態様の実施形態によれば、タイヤが提供され、タイヤは、加硫後にタイヤに刻設されたタイヤタイプマーキングを有し、タイヤタイプマーキングが、タイヤの構造の少なくとも1つの側面によって、特にタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズに関して、定義された性能と異なるタイヤの性能を指定する。
【0010】
本明細書に開示される主題の第3の態様によれば、2つのタイヤが提供される。
【0011】
第3の態様の実施形態によれば、少なくとも1つの側面に関して、特にタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズのうちの少なくとも1つに関して、同一の構造を有し、加硫後に両方のタイヤに刻設されたタイヤタイプマーキングのコンテンツの点で区別される2つのタイヤが提供される。
【0012】
本明細書に開示される主題の第4の態様によれば、少なくとも2つのタイプのタイヤを製造する方法が提供される。
【0013】
第4の態様の実施形態によれば、少なくとも2つのタイプのタイヤ、特にタイヤを製造する方法が提供され、この方法は、少なくとも1つの側面に関して、特にタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズのうちの少なくとも1つに関して、同一の構造を有する少なくとも2つの加硫済みタイヤを提供することと、少なくとも2つのタイヤのうちの第1のタイヤにタイヤタイプマーキングを作成することであって、第1のタイヤにおけるタイヤタイプマーキングが第1のコンテンツを有する、作成することと、少なくとも2つのタイヤのうちの第2のタイヤにタイヤタイプマーキングを作成することであって、第2のタイヤにおけるタイヤタイプマーキングが第2のコンテンツを有する、作成することと、を包含し、第1のコンテンツが第2のコンテンツと異なる。
【0014】
本明細書に開示される主題の第5の態様によれば、タイヤマーキング装置の動作方法が提供される。
【0015】
第5の態様の実施形態によれば、タイヤマーキング装置の動作方法が提供され、この方法は、タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つをタイヤについて指定する信号を受信することと、信号に応じて、少なくとも2つの異なる刻印データのセットから1つの刻印データのセットを選択することであって、刻印データの各セットが、少なくとも2つの代替コンテンツのうちの割り当てられたコンテンツを指定する、選択することと、を包含する。
【0016】
本明細書に開示される主題の第6の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0017】
第6の態様の実施形態によれば、コンピュータプログラム製品が提供され、このコンピュータプログラム製品は、プロセッサ装置で実行され場合に、第5の態様又はその少なくとも1つの実施形態による動作方法の実行をもたらすプログラム要素を有する。
【0018】
本明細書に開示される主題の第7の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0019】
第7の態様の実施形態によれば、コンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、プロセッサ装置で実行される場合に、第4の態様又はその少なくとも1つの実施形態による方法の実行をもたらすプログラム要素を有する。
[例示的な実施形態の説明]
【0020】
一実施形態によれば、第1の態様によるタイヤマーキング装置は、加硫済みタイヤごとに、タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つを指定できる指定装置を有する。別の実施形態によれば、タイヤマーキング装置は、指定されたコンテンツでタイヤにタイヤタイプマーキングを刻印する刻印装置を有する。
【0021】
一実施形態によれば、「タイヤタイプマーキング」という用語は、様々なコンテンツで満たすことができる、若しくは満たされていてもよいプレースホルダという意味において総称的な用語である。例えば、タイヤタイプマーキングは、「H」、「V」などのコンテンツを有することができる速度インデックスである。
【0022】
本明細書に開示される主題の態様及び実施形態は、加硫済みタイヤについて、タイヤタイプマーキングのための2つ以上の代替コンテンツが指定可能である場合に、タイヤの在庫管理を簡素化できるという考えに基づいている。言い換えると、それによって、既にある、既に加硫されたタイヤから、少なくともタイヤタイプマーキングによれば、2つ以上の異なるタイヤタイプを生産することができる。このようにすることで、少なくとも2つのタイヤタイプの各々について個別の在庫を準備する必要がなく、加硫済みタイヤ(タイヤタイプマーキングなし)を準備すること、及び必要な場合に対応するタイヤタイプマーキングをタイヤに刻印することで十分である。
【0023】
一実施形態によれば、タイヤタイプマーキングのないタイヤは市場に出されない。例えば、一実施形態によれば、タイヤの上市は、タイヤタイプマーキングがある場合にのみ認められている。したがって、一実施形態によれば、タイヤタイプマーキングは、タイヤの上市のために必要なマーキングである。
【0024】
一実施形態によれば、タイヤタイプマーキングのないタイヤはタイヤ中間製品と呼ばれ、タイヤタイプマーキングのあるタイヤはタイヤ最終製品と呼ばれる。
【0025】
一実施形態によれば、本明細書で言及されるどのタイヤも空気入りタイヤである。
【0026】
一実施形態によれば、タイヤマーキング装置は、加硫済みタイヤを収容するためのタイヤ収容部を有する。
【0027】
一実施形態によれば、指定装置は、タイヤタイプマーキングの少なくとも2つの代替コンテンツの各々について、タイヤタイプマーキングを割り当てられたコンテンツでタイヤに刻印することを可能にする刻印データのセットが記憶される記憶装置を有する。したがって、一実施形態によれば、刻印装置は、刻印データのセットに基づいて、刻印データのセットに割り当てられたコンテンツでタイヤにタイヤタイプマーキングを刻印するように形成されている。
【0028】
一実施形態によれば、タイヤマーキング装置の動作方法は、タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つをタイヤについて指定する信号を受信することと、信号に応じて、少なくとも2つの異なる刻印データのセットから1つの刻印データのセットを選択することであって、刻印データの各セットが、少なくとも2つの代替コンテンツのうちの割り当てられたコンテンツを指定する、選択することと、を包含する。信号は、例えば、ユーザが適切なユーザインタフェースを介して指定したユーザ信号であり得る。
【0029】
本明細書に開示される主題の実施形態は、タイヤタイプマーキングが常にタイヤに刻印されるが、異なったコンテンツ(厳密には、少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つ)でという点で、タイヤの「洗練された状態(veredelten Zustand)」を示す任意的なマーキングとは明確に区別される。言い換えると、少なくとも2つの代替コンテンツは、それぞれ「空」ではない(そうでなければ刻印も行われない)。
【0030】
したがって、一実施形態によれば、本開示の意味におけるタイヤタイプマーキングは、週コード又はシリアル番号とは異なり、そのようなマーキングを含まない。
【0031】
一実施形態によれば、本開示の意味におけるタイヤタイプマーキングは、人により読み取り可能なマーキングである。言い換えると、一実施形態によれば、タイヤタイプマーキングは、例えばバーコード(例えば1Dバーコード及び/又は2Dマトリックスバーコード)などの機械により読み取り可能なマーキングではない。
【0032】
一実施形態によれば、指定装置は操作要素を有し、コンテンツを指定するために、操作要素により少なくとも2つの代替コンテンツからこのコンテンツを選択することができる。例えば、ユーザインタフェースは操作要素を有することができる。
【0033】
一実施形態によれば、タイヤタイプマーキングは、以下のもの、
-速度インデックス、
-負荷インデックス、
-認可マーク、
-親ブランド、
-製品名、
-製品バリアント名、
-共同ブランド
のうちの1つである。
【0034】
一実施形態によれば、2つ以上のタイヤタイプマーキング、特に上記のタイヤタイプマーキングのリストからの2つ以上のタイヤタイプマーキングがタイヤに設けられる。例えば、タイヤマーキング装置を、刻印装置によりタイヤタイプマーキングのうちの2つ以上をタイヤに刻印するように形成することができる。
【0035】
別の実施形態によれば、タイヤタイプマーキングは、上記のタイヤタイプマーキングのリストのサブセットからのタイヤタイプマーキングである。
【0036】
一実施形態によれば、少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つ(例えば、少なくとも2つの代替コンテンツのうちの少なくとも1つ)のタイヤタイプマーキングは、(少なくとも)一方向に5cmより大きい(例えば10cmより大きい、又は15cmより大きい)寸法を有する。例えば、第1のコンテンツ及び/又は第2のコンテンツのタイヤタイプマーキングは、少なくとも一方向に10cmより大きい寸法を有する。
【0037】
一実施形態によれば、加硫後にタイヤに刻設されたタイヤタイプマーキングを有するタイヤが提供される。別の実施形態によれば、タイヤタイプマーキングは、タイヤの構造の少なくとも1つの側面によって、特にタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズのうちの少なくとも1つに関して、定義される性能とは異なるタイヤの性能を指定する。したがって、一実施形態によれば、タイヤの当該側面(例えばタイヤプロファイル、カーカス、及び/又はタイヤのサイズ)は、その性能を本明細書に開示される主題の実施形態の意味において定義する。例えば、一実施形態によれば、タイヤの性能をタイヤのサイズによって、又は別の実施形態によれば、タイヤのタイヤプロファイルによって定義することができる。
【0038】
別の実施形態によれば、タイヤタイプマーキングは、タイヤの構造の少なくとも1つの側面によって、特にタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズに関して、定義される性能より低いタイヤの性能を指定する。
【0039】
タイヤに刻印されたタイヤタイプマーキングが、タイヤの実際の性能、特にタイヤのタイヤプロファイル、カーカス、及び/又はサイズによって定義されるタイヤの実際の性能よりも高いタイヤの性能を示すことは許されないことは当然のことである。これは、特に技術的な性能に当てはまる。逆に、技術的な観点から、タイヤについて、タイヤの実際の性能よりも低い性能(又は同等の性能)を示すタイヤタイプマーキングを示すことへの懸念はない。例えば、タイヤごとに、タイヤの実際の速度耐性よりも低い速度耐性を指す速度インデックスを示すことに問題はない。
【0040】
一実施形態によれば、タイヤの構造の少なくとも1つの側面によって定義される性能は、技術的性能(例えば、速度インデックスによって指定される速度)であり得る。別の実施形態によれば、タイヤの構造の少なくとも1つの側面によって定義される性能は、例えば特定のブランドが与えられるか、又は特定の地域に割り当てられる適正の能力といった非技術的な性能であってもよい。
【0041】
一実施形態によれば、2つのタイヤが提供され、2つのタイヤは、(タイヤの構造の)少なくとも1つの側面に関して(例えば、タイヤのタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズに関して)同一の構造を有する、かつ加硫後に両方のタイヤに刻設されたタイヤタイプマーキングのコンテンツの点で区別される。言い換えると、2つのタイヤは、本明細書に開示される主題の、例えば、第1の態様によるタイヤマーキング装置を用いた少なくとも2つのタイヤのタイヤ刻印の実施形態の結果である。一実施形態によれば、2つのタイヤは同一の構造、すなわち、それらの構造のすべての側面において同一の構造である。
【0042】
一実施形態によれば、少なくとも2つのタイプのタイヤを製造する方法は、少なくとも1つの側面に関して、例えばタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズのうちの少なくとも1つに関して、同一の構造を有する少なくとも2つの加硫済みタイヤを提供することを包含し、方法は、少なくとも2つのタイヤのうちの第1のタイヤにタイヤタイプマーキングを作成することであって、第1のタイヤにおけるタイヤタイプマーキングが第1のコンテンツを有する、作成することと、少なくとも2つのタイヤのうちの第2のタイヤにタイヤタイプマーキングを作成することであって、第2のタイヤにおけるタイヤタイプマーキングが第1のコンテンツと異なる第2のコンテンツを有する、作成することと、をさらに包含する。
【0043】
一実施形態によれば、少なくとも2つの加硫済みタイヤを提供することは、少なくとも2つのタイヤを加硫することを包含する。言い換えると、一実施形態によれば、少なくとも2つのタイヤを加硫することは、少なくとも2つのタイプのタイヤを製造する方法の一部である。
【0044】
「タイヤにおけるマーキング」という用語は、タイヤの素材にマーキングが形成されていることを意味する。一実施形態によれば、マーキングは、タイヤのサイドウォール、例えば、タイヤが車両に組み付けられた状態で、車両から離れる方向に向いたサイドウォールの表面に形成される。
【0045】
本明細書に開示される方法又はタイヤマーキング装置の実施形態により、2つより多いタイプのタイヤを製造することもでき、その場合、タイヤタイプマーキングの2つよりも多い異なるコンテンツが使用されるのは当然のことである。
【0046】
一実施形態によれば、この方法は、加硫後、及びタイヤタイプマーキングの作成前に第2のタイヤを保管することをさらに包含する。言い換えると、一実施形態によれば、タイヤタイプマーキングを作成する前に、加硫済みタイヤ(例えば、一般性を制限することなく、第2のタイヤ)が保管される。
【0047】
一実施形態によれば、方法は、所望のタイヤタイプの必要量を確定することであって、所望のタイヤタイプがタイヤタイプマーキングのコンテンツによって特徴付けられる、確定することと、所望のタイヤタイプに対応するコンテンツで第2のタイヤにタイヤタイプマーキングを作成することによって、所望のタイヤタイプのタイヤを生産することと、をさらに包含する。所望のタイヤタイプを確定することは、例えば、タイヤの購買需要、車両生産ラインへの供給需要、手許在庫の上乗せ(又は補充)需要に基づいて所望のタイヤタイプを確定することであり得る。
【0048】
しかしながら、一般に、一実施形態によれば、所望のタイヤタイプの必要量を確定することは、当該タイヤタイプについて(なんらかの種類の)需要があることを確認することのみを必要とする。言い換えると、本明細書に開示される主題の実施形態に関連する必要量は、必ずしも特定のロジスティクスコンセプト及び/又は在庫管理コンセプトとつながりがあるわけではない。それでも、一実施形態によれば、特定のタイヤタイプの必要量は、総必要量(必要になると見込まれるタイヤタイプのタイヤの総数)であり得る。別の実施形態によれば、特定のタイヤタイプの必要量は、過剰必要量、すなわち、既にあるタイヤタイプのタイヤに追加した、タイヤタイプのタイヤの必要量である。既にあるタイヤタイプのタイヤは、例えば、本明細書に記載の方法に従ってタイヤタイプマーキングが既に設けられたか、又はタイヤタイプマーキングが既知の方法で加硫成形されているタイヤである。
【0049】
一実施形態によれば、この方法は、タイヤタイプマーキングが作成された第2のタイヤを保管することをさらに包含する。例えば、2段階の保管プロセスで、まず加硫済みタイヤをタイヤタイプマーキングなしで倉庫に保管することができ、手許在庫を増やすか、又は補充する需要がある場合に、タイヤタイプマーキングが刻印され、手許在庫に保管することができる。2段階の保管プロセスでは、例えば、タイヤタイプマーキングのない加硫済みタイヤの平均保管期間を50日に、そしてタイヤタイプマーキングのあるタイヤの(例えば手許倉庫における)平均保管期間を一週間とすることができる。この場合、「倉庫」及び「手許倉庫」という用語は、一実施形態によれば、限定するものとして理解されるべきではなく、例えば、本明細書で使用される「第1の倉庫」及び「第2の倉庫」という用語に置き換えることができることは当然のことである。
【0050】
別の実施形態によれば、方法は、タイヤタイプマーキングが作成された第2のタイヤを保管することなく出荷することを包含する。言い換えると、一実施形態によれば、第2のタイヤを、タイヤタイプマーキングが刻印された後、さらに保管することなく出荷(又は販売)することが企図される。
【0051】
一実施形態によれば、加硫後の第2のタイヤの保管から第2のタイヤにおけるタイヤタイプマーキングの作成までの間の期間は第1の期間であり、タイヤタイプマーキングが作成された第2のタイヤの保管は、時間的に平均して第2の期間行われ、第2の期間は第1の期間よりも短い。例えば、一実施形態によれば、第2の期間は第1の期間の50%未満である。別の実施形態によれば、第2の期間は、第1の期間の25%未満又は10%未満である。例えば、第2のタイヤは、第2のタイヤにタイヤタイプマーキングが作成されるまで第1の倉庫に保管され、タイヤタイプのマーキングが作成された後、第2の倉庫(例えば手許倉庫)に保管されてもよい。一実施形態によれば、第1の倉庫と第2の倉庫は同一である(すなわち、同じ倉庫)。言い換えると、倉庫は、タイヤタイプマーキングのないタイヤとタイヤタイプマーキングのあるタイヤの両方を有することができる。別の実施形態によれば、第1の倉庫は第2の倉庫とは異なる(例えば、空間的に異なる、異なる会社によって運営されるなど)。一般に、本明細書に開示される主題の実施形態、及び特に保管戦略を最適化するための実施形態は、様々なロジスティクスコンセプト及び倉庫の様々な空間配分で実行することができる。
【0052】
別の実施形態によれば、方法は、少なくとも2つのタイプの各タイヤタイプのタイヤの予想される最大必要量を確定することをさらに包含し、少なくとも1つの側面に関して同一の構造を有する少なくとも2つのタイヤを加硫することは、少なくとも2つのタイプの予想される最大必要量の合計の一部に相当する数のそのようなタイヤを加硫することを含む。別の実施形態によれば、この一部は5%~95%、例えば10%~85%である。この一部若しくはこの数は、タイヤタイプマーキングのないタイヤの予想される最大必要量に相当する。したがって、このタイプの必要量に従ってタイヤのタイプを決定することにより、実際に加硫されるタイヤの数を、(少なくとも2つのタイプの)予想される最大必要数量の合計よりも少なくすることができる。例えば、第1のタイプについて、予想される第1の最大必要数量が100,000タイヤであり、第2のタイプについて、予想される第2の最大必要数量が150,000タイヤである場合、2つのタイプのタイヤの予想される最大必要数量の合計は250,000タイヤである。しかし、最大必要数量は、両方のタイプの納入能力を確保するべき安全マージンを常に含む。本明細書に開示される主題の複数の実施形態によれば、実際の必要量に応じてタイヤタイプを(後から)決定することによって、予想される最大必要量の合計(例えば250,000タイヤ)を下回る、例えば上述の例では200,000タイヤ(80%の部分に相当する)数のタイヤを加硫することが可能である。
【0053】
タイヤ業界では、販売予測(すなわち、予想される必要数量)の標準偏差は、典型的には、販売予測自体と同様の高さである。言い換えると、特定のタイヤタイプの販売予測数が100,000タイヤになる場合、標準偏差も、典型的には同様に100,000タイヤの範囲であると想定される。この場合、販売予測と標準偏差の合計である予想される最大必要数量は、特定のタイヤタイプについては、100,000+100,000=200,000タイヤになる。
【0054】
タイヤタイプが後の時点に初めて(例えば実際の必要量に応じて)対応するタイヤタイプマーキングを刻印することによって決定されることから、(一実施形態によれば少なくとも1つの側面に関して同一の構造を有する)タイヤの2つのタイプについての2つの別々の販売予測P、Pの代わりに、タイヤの2つのタイプについて総販売予測Pges=P+Pを立てることができる場合、総販売予測の標準偏差σgesは、個々のタイヤタイプの販売予測σ、σの標準偏差の二乗の合計の平方根に相当する:
【数1】
あるいは一般に、n個のタイヤタイプについて、Nが2以上の自然数(n≧2)であるとき:
【数2】
【0055】
一般に、総販売予測Pgesは、個々の販売予測P、...、Pの合計として求められる:
【数3】
【0056】
それにより、n個のタイヤタイプの予想される最大必要数量Vgesが、総販売予測と総販売予測の標準偏差の合計として求められる:
【数4】
【0057】
一実施形態によれば、少なくとも1つの側面に関して同一の構造を有する少なくとも2つのタイヤの加硫は、倉庫内のタイヤタイプマーキングのないタイヤの数が、タイヤタイプマーキングのないタイヤの予め定められた安全在庫よりも少ない場合に実行される。言い換えると、タイヤタイプマーキングのないタイヤを取り出すことによって、倉庫内の数が安全在庫を下回った場合に、タイヤタイプマーキングのないタイヤが追加生産される。別の実施形態によれば、少なくとも2つのタイプのタイヤを保管する場合に、少なくとも2つのタイプのタイヤの各々について準備されなければならないタイヤタイプマーキングのないタイヤの安全在庫は、個々の安全在庫の合計よりも小さい。言い換えれば、タイヤタイプマーキングのないタイヤの安全在庫は、少なくとも2つのタイプのタイヤを保管する場合に、少なくとも2つのタイプのタイヤの各々について準備されなければならない個々の安全在庫の合計の一部にすぎない。別の実施形態によれば、この一部も、5%~95%、例えば10%~85%である。一実施形態によれば、安全在庫に関する一部及び/又は予想される最大必要数量に関する一部は、一実施形態によれば、
【数5】
一部
によって推定することができる。
【0058】
一実施形態によれば、プログラム要素を含むコンピュータプログラム製品が提供され、このプログラム要素は、プロセッサ装置で実行される場合に、本明細書に開示されるタイヤマーキング装置の動作方法の実行をもたらす。
【0059】
別の実施形態によれば、プログラム要素を有するコンピュータプログラム製品が提供され、このプログラム要素は、プロセッサ装置で実行される場合に、本明細書に開示される少なくとも2つのタイプのタイヤを製造する方法の実行をもたらす。
【0060】
第1の態様の実施形態によれば、タイヤマーキング装置は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ又は複数の機能を提供するように、ならびに/あるいは本明細書に開示される実施形態、特に第1の態様、第2の態様、第3の態様、第4の態様、第5の態様、第6の態様及び/又は第7の態様の実施形態のうちの1つ又は複数のために必要である機能を提供するように設定されている。
【0061】
第2の態様の実施形態によれば、タイヤは、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ又は複数の機能を提供するように、ならびに/あるいは本明細書に開示される実施形態、特に第1の態様、第2の態様、第3の態様、第4の態様、第5の態様、第6の態様及び/又は第7の態様の実施形態のうちの1つ又は複数のために必要である機能を提供するように設定されている。
【0062】
第3の態様の実施形態によれば、2つのタイヤは、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ又は複数の機能を提供するように、ならびに/あるいは本明細書に開示される実施形態、特に第1の態様、第2の態様、第3の態様、第4の態様、第5の態様、第6の態様及び/又は第7の態様の実施形態のうちの1つ又は複数のために必要である機能を提供するように設定されている。
【0063】
第4の態様の実施形態によれば、少なくとも2つのタイプのタイヤを製造する方法は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ又は複数の機能を提供するように、ならびに/あるいは本明細書に開示される実施形態、特に第1の態様、第2の態様、第3の態様、第4の態様、第5の態様、第6の態様及び/又は第7の態様の実施形態のうちの1つ又は複数のために必要である機能を提供するように設定されている。
【0064】
第5の態様の実施形態によれば、タイヤマーキング装置の動作方法は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ又は複数の機能を提供するように、ならびに/あるいは本明細書に開示される実施形態、特に第1の態様、第2の態様、第3の態様、第4の態様、第5の態様、第6の態様及び/又は第7の態様の実施形態のうちの1つ又は複数のために必要である機能を提供するように設定されている。
【0065】
第6の態様の実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ又は複数の機能を提供するように、ならびに/あるいは本明細書に開示される実施形態、特に第1の態様、第2の態様、第3の態様、第4の態様、第5の態様、第6の態様及び/又は第7の態様の実施形態のうちの1つ又は複数のために必要である機能を提供するように設定されている。
【0066】
第7の態様の実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ又は複数の機能を提供するように、ならびに/あるいは本明細書に開示される実施形態、特に第1の態様、第2の態様、第3の態様、第4の態様、第5の態様、第6の態様及び/又は第7の態様の実施形態のうちの1つ又は複数のために必要である機能を提供するように設定されている。
【0067】
本明細書に開示される主題の例示的な実施形態は、特に、以下に記載される実施形態、及び実施形態の組み合わせを含む:
【0068】
1.タイヤマーキング装置であって、
1つのタイヤに対して、タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つを指定可能である指定装置と、指定されたコンテンツを有するタイヤタイプマーキングをタイヤに刻印する刻印装置と、を有するタイヤマーキング装置。
【0069】
2.指定装置が操作要素を有し、コンテンツを指定するために、操作要素によって少なくとも2つの代替コンテンツからこのコンテンツを選択可能である、実施形態1に記載のタイヤマーキング装置。
【0070】
3.タイヤタイプマーキングが、以下のもの
-速度インデックス、
-負荷インデックス、
-認可マーク、
-親ブランド、
-製品名、
-製品バリアント名、
-共同ブランド、
のうちの1つである、実施形態1又は実施形態2に記載のタイヤマーキング装置。
【0071】
4.少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つのタイヤタイプマーキングは、少なくとも一方向に10cmより大きい寸法を有する、実施形態1~実施形態3のいずれか1つに記載のタイヤマーキング装置。
【0072】
5.タイヤであって、
加硫後にタイヤに刻設されたタイヤタイプマーキングを有し、
タイヤタイプマーキングが、タイヤの構造の少なくとも1つの側面によって、特にタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズに関して、定義された性能と異なるタイヤの性能を指定する、タイヤ。
【0073】
6.タイヤタイプマーキングが、以下のもの
-速度インデックス
-負荷インデックス、
-認可マーク、
-親ブランド、
-製品名、
-製品バリアント名、
-共同ブランド、
のうちの1つである、実施形態5に記載のタイヤ。
【0074】
7.2つのタイヤであって、
少なくとも1つの側面に関して、特にタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズのうちの少なくとも1つに関して、同一の構造を有し、
加硫後に両方のタイヤに刻設されたタイヤタイプマーキングのコンテンツの点で区別される、2つのタイヤ。
【0075】
8.タイヤタイプマーキングが、以下のもの
-速度インデックス、
-負荷インデックス、
-認可マーク、
-親ブランド、
-製品名、
-製品バリアント名、
-共同ブランド、
のうちの1つである、実施形態7に記載の2つのタイヤ。
【0076】
9.少なくとも2つのタイプのタイヤ、特に空気入りタイヤを製造する方法であって、方法は、
少なくとも1つの側面に関して、特にタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズのうちの少なくとも1つに関して、同一の構造を有する少なくとも2つの加硫済みタイヤを提供することであって、特に少なくとも2つの加硫済みタイヤを提供することが、少なくとも2つのタイヤを加硫することを含む、提供することと、
少なくとも2つのタイヤのうちの第1のタイヤにタイヤタイプマーキングを作成することであって、第1のタイヤにおけるタイヤタイプマーキングが第1のコンテンツを有する、作成することと、
少なくとも2つのタイヤのうちの第2のタイヤにタイヤタイプマーキングを作成することであって、第2のタイヤにおけるタイヤタイプマーキングが第2のコンテンツを有する、生成することと、を包含し、
第1のコンテンツが第2のコンテンツと異なる、方法。
【0077】
10.タイヤタイプマーキングは、以下のマーキング
-速度インデックス、
-負荷インデックス、
-認可マーク、
-親ブランド、
-製品名、
-製品バリアント名、
-共同ブランド、のうちの1つである、実施形態9に記載の方法。
【0078】
11.第1のコンテンツ及び/又は第2のコンテンツのタイヤタイプマーキングが、少なくとも一方向に10cmより大きい寸法を有する、実施形態9又は実施形態10に記載の方法。
【0079】
12.加硫後、及びタイヤタイプマーキングの作成前に、第2のタイヤを保管することをさらに包含する、実施形態9~実施形態11のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
13.所望のタイヤタイプの必要量を確定することであって、所望のタイヤタイプがタイヤタイプマーキングのコンテンツによって特徴付けられる、確定することと、
第2のタイヤに所望のタイヤタイプに対応するコンテンツを有する第2のタイヤにタイヤタイプマーキングを作成することによって、所望のタイヤタイプのタイヤを製造することと、さらに包含する、実施形態12に記載の方法。
【0081】
14.方法は、続いて、
タイヤタイプマーキングが作成された第2のタイヤを保管すること、あるいは
タイヤタイプマーキングが作成された第2のタイヤを保管せずに出荷すること、をさらに包含する、実施形態13に記載の方法。
【0082】
15.加硫後、第2のタイヤの保管から第2のタイヤにタイヤタイプマーキングを作成するまでの間の期間が時間的に平均して第1の期間であり、
タイヤタイプマーキングが作成された第2のタイヤの保管が時間的に平均して、第2の期間行われ、
第2の期間が第1の期間より短く、特に、第2の期間が第1の期間の50%、25%、又は10%未満である、実施形態14に記載の方法。
【0083】
16.少なくとも2つのタイプの各タイヤタイプのタイヤの予想される最大必要数量を確定することをさらに包含し、
少なくとも1つの側面に関して同一の構造を有する少なくとも2つのタイヤを加硫することは、少なくとも2つのタイプの予想される最大必要数量の合計の一部に相当する数のそのようなタイヤを加硫することを含み、特に、一部が5%~95%である、実施形態9~実施形態15のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
17.倉庫内のタイヤタイプマーキングのないタイヤの数が、タイヤタイプマーキングのないタイヤの予め定められた安全在庫より少ない場合、少なくとも1つの側面に関して同一の構造を有する少なくとも2つのタイヤの加硫が行われ、
タイヤタイプマーキングのないタイヤの安全在庫は、少なくとも2つのタイプのタイヤを保管する場合に、少なくとも2つのタイプのタイヤの各々について準備される個々の安全在庫の合計より少ない、実施形態9~実施形態16のいずれか1つに記載の方法。
【0085】
18.タイヤマーキング装置の動作方法であって、方法は、タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つをタイヤについて指定する信号を受信することと、信号に応じて、少なくとも2つの異なる刻印データのセットから1つの刻印データのセットを選択することであって、刻印データの各セットが、少なくとも2つの代替コンテンツのうちの割り当てられたコンテンツを指定する、選択することと、を包含する動作方法。
【0086】
19.プログラム要素を有するコンピュータプログラム製品であって、プログラム要素がプロセッサ装置で実行される場合に、実施形態18に記載の動作方法の実行をもたらす、コンピュータプログラム製品。
【0087】
20.プログラム要素を有するコンピュータプログラム製品であって、プログラム要素がプロセッサ装置で実行される場合に、実施形態9~実施形態17のいずれか1つに記載の方法の実行をもたらす、コンピュータプログラム製品。
【0088】
本明細書で使用されるように、コンピュータプログラム製品への言及は、プログラム要素を有するコンピュータプログラム及び/又はプログラム要素を有するコンピュータにより読み取り可能な媒体への言及と同等とみなされる。一実施形態によれば、プログラム要素は、本明細書に記載の方法若しくはその少なくとも1つの実施形態の実行をもたらす、及び/又は調整するために(例えば、コンピュータシステムなどの1つ又は複数のマイクロプロセッサを有する)プロセッサ装置を制御するための命令を含む。
【0089】
プログラム要素は、JAVA(登録商標)、C#などのあらゆる適切なプログラミング言語を使用してコンピュータにより読み取り可能な命令コードとして実装することができ、かつコンピュータにより読み取り可能な媒体(リムーバブルディスク、揮発性又は不揮発性メモリ、組み込みメモリ/プロセッサなど)に記憶することができる。一実施形態によれば、命令コードは、意図された機能を実行するためにコンピュータ又はプログラム可能ななんらかの別のプロセッサ装置をプログラムするように実行可能である。コンピュータプログラムは、ネットワーク、例えばワールドワイドウェブ上で利用可能であり得、そこからこれを例えばダウンロードすることができる。
【0090】
本明細書に開示される主題は、コンピュータプログラム製品(プログラム要素)ないしはソフトウェアによって実現することができる。しかしながら、本明細書に開示される主題は、1つ又は複数の特定の電子回路ないしはハードウェアによって実現することもできる。さらに、本明細書に開示される主題は、ハイブリッド形態、すなわち、ソフトウェアモジュールとハードウェアモジュールの組み合わせによっても実現することができる。
【0091】
特段に明記しない限り、数値は±5%のウィンドウを含むと理解されるべきであり、すなわち、例えば10cmという表示は、一実施形態によれば、(10cm±5%)=[9.5cm;10.5cm]のインターバルの範囲内の長さを含み、50%というパーセントの表示は、一実施形態によれば、50%±5%=[47.5%;52.5%]のインターバルの範囲内のパーセント表示を含む。別の実施形態によれば、数値は±10%のウィンドウを含むと理解されるべきである。
【0092】
さらに、例えば「前」と「後」、「上」と「下」、「左」と「右」などの空間に関する用語は、図に示されるように、ある要素と別の1つ要素、又は別の複数の要素との関係を説明するために使用されることに言及しておく。したがって、空間に関する用語を、図に示される向きとは異なる向きに対して適用することができる。しかしながら、それぞれ示された装置、構成要素等々は、これらの使用時に、図面に示される向きとは異なり得る向きをとることができるため、そのような空間に関する用語はすべて、説明を簡単にするために図面に示された向きを指し、かつ必ずしも限定するものでないことは当然のことである。
【0093】
本明細書に開示される主題の例示的な実施形態について以下に説明され、例として、タイヤマーキング装置、タイヤ、2つのタイヤ、少なくとも2つのタイプのタイヤを製造する方法、タイヤマーキング装置の動作方法、及びコンピュータに関して述べられる。当然、異なる態様、実施形態、及び例の特徴のあらゆる組み合わせが可能であることを強調しておかなければならない。特に、いくつかの実施形態が方法に関して説明されるのに対して、他の実施形態は装置に関して説明される。しかし、当業者は、上記及び以下の説明、特許請求の範囲、及び図面から、別段の記載がない限り、様々な態様、実施形態、及び例の特徴を組み合わせることができ、そのような特徴の組み合わせが、本出願によって開示されるとみなされるべきであることを読み取るであろう。例えば、方法に関する特徴を装置に関する特徴と組み合わせることさえもでき、その逆も可能である。
【0094】
本発明の他の利点及び特徴は、現在好ましい実施形態の以下の例示的な説明から明らかになるが、本発明はそれに限定されない。このドキュメントの図面の個々の図は、模式的にすぎず、縮尺どおりとみなされるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1】本明細書に開示される主題の実施形態によるタイヤマーキング装置を示す。
図2】本明細書に開示される主題の実施形態による別の指定装置を示す。
図3】本明細書に開示される主題の実施形態による2つのタイヤを示す。
図4】本明細書に開示される主題の実施形態による、少なくとも2つのタイプのタイヤを製造する方法を示す。
図5】本明細書に開示される主題の実施形態によるタイヤの可能な取り扱いの時間順序を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0096】
異なる図において、類似又は同一の要素又は構成要素には、同じ参照番号、又は最初の数字又は接尾文字のみが異なる参照番号が付されていることを付言しておく。別の図の対応する特徴若しくは構成要素と同じか、又は少なくとも機能的に同等である特徴若しくは構成要素は、以下の文面において初出時にのみ詳しく説明され、特徴及び構成要素(若しくは対応する参照番号)の後の出現時に繰り返さない。
【0097】
図1は、本明細書に開示される主題の実施形態によるタイヤマーキング装置100を示す。
【0098】
一実施形態によれば、タイヤマーキング装置100は、タイヤ104を収容するためのタイヤ収容部102を有する。一実施形態によれば、タイヤ収容部102は、例えば、図1に示されるように、コンベアベルトによって形成される。
【0099】
別の実施形態によれば、タイヤマーキング装置100は、タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つをタイヤについて指定可能である指定装置106を有する。さらに、一実施形態によれば、タイヤマーキング装置100は、タイヤタイプマーキングを指定されたコンテンツでタイヤ104に刻印する刻印装置108を有する。
【0100】
一実施形態によれば、タイヤマーキング装置100には、タイヤマーキング装置の要素、例えばタイヤ収容部102、刻印装置108及び/又は指定装置106を制御するための制御装置116が割り当てられる。一実施形態によれば、制御装置116は、例えば図1に示すように、指定装置106の一部であってもよい。別の実施形態によれば、制御装置は、上位制御装置であってもよい。一実施形態によれば、制御装置116は、プロセッサ装置118と、少なくとも2つの異なる刻印データセットが記憶される記憶装置120とを有し、刻印データの各セットは、少なくとも2つの代替コンテンツのうちの割り当てられたコンテンツを指定する。一実施形態によれば、プロセッサ装置は、本明細書に開示される実施形態のうちの少なくとも1つによる方法を実行するように設定される。
【0101】
一実施形態によれば、指定装置106は操作要素110を有し、これを用いて、少なくとも2つの代替コンテンツから1つのコンテンツを指定するために、操作要素110によって少なくとも2つの代替コンテンツからこのコンテンツを選択可能である。例えば、一実施形態によれば、操作要素110は、少なくとも2つの代替コンテンツ、例えば第1のコンテンツ112及び第2のコンテンツ114を表示するように設定される。少なくとも2つの代替コンテンツは、例えばアナログ又はデジタルで表示することができる。例えば、これらのコンテンツはタッチ感知スクリーンに表示され、オペレータが指で触れることによって選択可能であることを企図することができる。
【0102】
一実施形態によれば、制御装置116は、タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つをタイヤ104のために指定する信号117を受信する。一実施形態によれば、信号117は、例えば図1に示されるように、操作要素110によって提供される。別の実施形態によれば、信号117は別の仕方で、例えば、図2を参照して以下に説明される決定ユニット122によって提供されてもよい。
【0103】
制御装置116は、信号117に応じて、少なくとも2つの刻印データのセットから1つの刻印データのセットを選択し、選択された刻印データのセットに従って刻印装置108を制御する。このようにして、刻印装置108は、選択された刻印データのセットに従って、刻印データによって定義されるコンテンツをタイヤタイプマーキングとしてタイヤ104に作成する。一実施形態によれば、刻印装置108は、レーザビーム109によって刻印する。言い換えると、一実施形態によれば、刻印装置108はレーザ刻印装置である。
【0104】
図2は、本明細書に開示される主題の実施形態による別の指定装置206を示す。一実施形態によれば、別の指定装置206は、図1の指定装置106に代わることができる。
【0105】
別の実施形態によれば、少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つを決定ユニットによって自動的に選択することができる。一実施形態によれば、指定装置206は決定ユニット122を有する。図2では決定ユニット122は、別個の要素として示されているが、一実施形態によれば、決定ユニット122をソフトウェアで実装できることは当然のことである。例えば、決定ユニット122は、記憶装置120に記憶される、かつ指定装置206のプロセッサ装置118で実行される適切なプログラム要素モジュールによって実装されてもよい。
【0106】
一実施形態によれば、指定装置206が決定ユニット122を有する場合、例えば図2に示されるように、操作要素110を任意的に省略することができる。
【0107】
一実施形態によれば、決定ユニット122は、定められた(例えばプログラムされた)決定基準をもとにして、少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つを自動的に選択するように設定される。別の実施形態によれば、決定ユニットは、機械学習能力があり、機械学習することによって訓練された決定基準をもとにして少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つを自動的に選択するように設定される。
【0108】
一実施形態によれば、指定装置106、206はローカルに、すなわち刻印装置108の空間的に近いところに配置されている。別の実施形態によれば、指定装置106、206を刻印装置108から離れたところに配置することができる。別の実施形態によれば、指定装置106、206は、適切な接続によって、例えばインターネット、ローカルネットワーク(Lokal Area Network、LAN)又は長距離ネットワーク(Wide Area Network、WAN)を介して刻印機108と接続される。
【0109】
図3は、タイヤ、すなわち第1のタイヤタイプのマーキング126及び第2のタイヤタイプのマーキング128を有する第1のタイヤ124を示し、第1のタイヤタイプのマーキング126及び第2のタイヤタイプのマーキング128は、本明細書に開示される主題の意味におけるタイヤタイプマーキングである。
【0110】
図3は、別のタイヤ、すなわち同様に第1のタイヤタイプのマーキング126及び第2のタイヤタイプのマーキング128を有する第2のタイヤ130を示す。一実施形態によれば、タイヤ、すなわち、ここでは第1のタイヤ124及び第2のタイヤ130は空気入りタイヤである。
【0111】
一実施形態によれば、第1のタイヤタイプマーキング126は速度インデックスである。別の実施形態によれば、第2のタイヤタイプマーキング128は、特定の地域におけるタイヤの認可を示す、及び/又はこのために必要な認可マーキングである。
【0112】
一実施形態によれば、第1のタイヤ124及び第2のタイヤ130は、少なくとも同じタイヤプロファイルと同じサイズを有する。この意味で、一実施形態によれば、第1のタイヤ124及び第2のタイヤ130は、タイヤのプロファイル及びサイズに関して同じ構造を有する。これに代えて、又はこれに加えて、一実施形態によれば、第1のタイヤ124及び第2のタイヤ130は同じカーカスを有する。
【0113】
別の実施形態によれば、第1のタイヤ124及び第2のタイヤ130は、同一のタイヤ金型で加硫されたものである。本明細書に開示される主題の実施形態によれば、第1のタイヤ124は、第1のタイヤタイプマーキング126に速度インデックスHを有するのに対して、第2のタイヤ130は、第1のタイヤタイプマーキング126に速度インデックスVを有する。別の実施形態によれば、第1タイヤ124は、第2のタイヤタイプマーキング128に認可マーキングEを有するのに対して、第2のタイヤ130は、第2のタイヤタイプマーキング128に認可マーキングCCCを有する。したがって、図3は、本明細書に開示される主題の実施形態による2つのタイヤを示す。
【0114】
一実施形態によれば、第2のタイヤ130の第2のタイヤタイプマーキング128は、周方向に10cmより大きい寸法132を有する。
【0115】
上述のように、第2のタイヤ130は速度インデックスVを有し、すなわちこのタイヤは、240km/hまでの速度用に指定されている。一実施形態によれば、第1のタイヤ124と第2のタイヤ130の構造は、この速度インデックスVに対応する。それでも、本明細書に開示される主題の実施形態によれば、第1のタイヤ124には、タイヤを210km/hまでの速度用に指定する第1のタイヤタイプマーキングHが刻印されている。したがって、本明細書に開示される主題の実施形態と一致して、第1のタイヤタイプマーキング(速度インデックス)は、第1のタイヤの構造によってタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズのうちの少なくとも1つに関して定義される性能(V)とは異なる(特に性能(V)より低い)第1のタイヤ124の性能(H)用に指定される。
【0116】
図4は、本明細書に開示される主題の実施形態による、少なくとも2つのタイプのタイヤを製造する方法を示す。
【0117】
一実施形態によれば、第1のプロセス140において、少なくともタイヤプロファイル、カーカス、及びサイズのうちの少なくとも1つに関して同一の構造を有する2つのタイヤである第1のタイヤ124及び第2のタイヤ126が加硫される。一実施形態によれば、第1のタイヤ124と第2のタイヤ130は、同じ製造現場、例えば同じタイヤ工場で製造される。
【0118】
一実施形態によれば、第1のタイヤ124は、図4に142で示されるように、タイヤ刻印に送られ、タイヤタイプマーキング、例えば第1のタイヤタイプマーキング126は、図3を参照して説明したように、第1のタイヤ124に刻印される。タイヤ刻印142は、例えば、本明細書に開示される主題の実施形態によるタイヤマーキング装置を用いて行うことができる。
【0119】
別の実施形態によれば、第2のタイヤ130は、加硫140の後、及び第1のタイヤタイプマーキング124の作成前に、第1の倉庫144に例えば第1の期間保管される。別の実施形態によれば、所望のコンテンツの第1のタイヤタイプマーキングを有するタイヤが必要とされる場合、第1のタイヤタイプマーキングのための所望の内容と一致する構造を有する第1の倉庫144からのタイヤ、例えば第2のタイヤ130が、第1のタイヤタイプマーキング126の所望の内容が第2のタイヤ130に刻印されるタイヤ刻印142を受ける。142で刻印されたタイヤは、例えば、第2の倉庫146(例えば手許倉庫)に保管されるか、又は図4に148で示される販売に直接引き渡される。一実施形態によれば、タイヤ加硫140は、1つ又は複数の加硫場所を含むことができる。さらに、タイヤ刻印142も、1つ又は複数の刻印場所を含むことができる。さらに、第1の倉庫144は、1つ又は複数の保管場所を含むことができる。別の実施形態によれば、第2の倉庫146は、1つ又は複数の保管場所を含むことができる。
【0120】
図5は、本明細書に開示される主題の実施形態によるタイヤの可能な取り扱いの時系列を模式的に示す。
【0121】
図5において、tは時間を示す。期間(時点tx間の距離,x=0.1,...)は縮尺どおりではない。一実施形態によれば、タイヤは、t=t0で開始して期間150にわたって加硫され、加硫は時点t1で完了する。続いて、一実施形態によれば、タイヤは、例えば第1の倉庫144に保管される。一実施形態によれば、第1の保管庫144での保管は、時点t2でタイヤが倉庫から取り出される前に、平均して第1の期間152(Δt152=t2-t1)行われる。別の実施形態によれば、続いて、タイヤは、時点t3から第2の倉庫146に保管される前に、タイヤ刻印142を受ける。タイヤは、時点t4で、156で示される販売のために第2の倉庫から取り出される前に、平均して第2の期間154(Δt154=t4-t3)第2の倉庫146にとどまる。別の実施形態によれば、(第2の倉庫146に保管することなく)図5に破線256で示されるタイヤ刻印142の後にタイヤの販売を行うこともできる。一実施形態によれば、(第1の倉庫144に保管することなく)図5に242で示される加硫直後にタイヤ刻印を行うこともできる。
【0122】
図5を参照して、記載された時点と期間との間に、例えばタイヤの加硫の現場から第1の倉庫へといった、例えばタイヤの輸送のために必要とされる可能性のある期間など、さらなる期間があり得るということを付言しておく。説明及び図示を簡略化するために、そのようなさらなる期間は図5に示されていない。
【0123】
一実施形態によれば、タイヤタイプマーキングを有するタイヤが保管される第2の倉庫は、本明細書に開示される主題の実施形態に従ってタイヤタイプマーキングが刻印されたタイヤのみで満たされるのではない。むしろ、この倉庫を追加的に、(従来のように)加硫中にタイヤタイプマーキングが刻設されたタイヤで満たすことも可能である。このことは、タイヤの刻印の数を低減する。
【0124】
したがって、本明細書に開示される主題の実施形態は、例えばコストを節約するために、タイヤの在庫を低いレベルで扱うことができる、世界的な効率的タイヤプラットフォーム戦略の確立を可能にする。
【0125】
一実施形態によれば、少なくとも2つのタイプのタイヤを製造する方法は、プロセッサ装置、例えば図1を参照して説明されたプロセッサ装置又は上位制御装置のプロセッサ装置で実施される。
【0126】
本明細書で説明される装置、ユニットなどは、いくつかの実施形態で説明される、決まったエンティティに限定されないことを付言しておかなければならない。むしろ、本明細書に開示される主題を多数の方式で、異なった詳細性(Granularitaet)で実装できる一方で、これらは依然として開示される特定の機能を提供する。
【0127】
本明細書に開示される主題の実施形態によれば、いずれの適切なエンティティ(例えば、コンポーネント、ユニット、及び装置)も、少なくとも部分的に、本明細書に記載される相応のエンティティの機能を提供することをプロセッサ装置に可能にする相応のコンピュータプログラムの形態で提供されてもよい。他の実施形態によれば、本明細書に記載されるいずれの適切なエンティティもハードウェアで提供することができる。他のハイブリッドな実施形態によれば、いくつかのエンティティをソフトウェアで提供することができる一方で、他のエンティティはハードウェアで提供される。
【0128】
本明細書に開示されるいずれのエンティティ(例えば、コンポーネント、ユニット、及び装置)も、いくつかの実施形態で説明される、決まったエンティティに限定されないことに言及しておく。むしろ、本明細書で説明される主題は、様々な方式で、異なった詳細性で装置レベル、又はソフトウェアモジュールレベルで提供することができる一方で、これらは依然として記載される機能を提供する。さらに、実施形態によれば、別個のエンティティ(例えば、ソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュール、又はハイブリッドモジュール)が、本明細書に開示される機能の各々のために提供されてもよいことを付言しておかなければならない。他の実施形態によれば、エンティティ(例えば、ソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュール、又はハイブリッドモジュール)を、本明細書に記載される2つ以上の機能を提供するように構成することができる。さらに別の実施形態によれば、2つ以上のエンティティ(例えば、コンポーネント、ユニット、及びデバイス)を、本明細書に記載の機能を共同で提供するように構成することができる。
【0129】
一実施形態によれば、制御装置は、相応のソフトウェアモジュールに相当する少なくとも1つのコンピュータプログラム/プログラム要素を実行するための少なくとも1つのプロセッサを有するプロセッサ装置を備える。
【0130】
ここに記載された実施形態は、本発明の可能な変形実施形態の限られた選択を示すにすぎないことを指摘しておく。したがって、様々な実施形態の特徴を適切に互いに組み合わせることが可能であり、それによりここでの明示的な変形実施形態により、多数の異なった実施形態が当業者に開示されているとみなされるべきである。さらに、単数を表す用語は複数形を排除するものではないことに言及しておかなければならない。「含む」又は「有する」などの用語は、他の特徴又は方法段階を排除するものではない。したがって、一実施形態によれば、「有する」又は「含む」という用語は、「とりわけ有する」を表す。別の実施形態によれば、「有する」又は「含む」は、「からなる」を表す。一実施形態によれば、「ように設定された」という用語は、とりわけ「ように構成された」という意味を含む。
【0131】
請求項における参照符号は、請求項の保護範囲を限定するものと解釈されるべきではないことも付言しておく。さらに、説明中の参照符号及び説明の図面の参照は、説明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことに言及しておく。むしろ、図面は本明細書に開示された主題の複数の実施形態の特定の組み合わせの例示的実施を示すにすぎず、実施形態の他のあらゆる組み合わせも可能であり、本出願により開示されるものとみなすことができる。
【0132】
要約すれば、以下のことを確認しておく必要がある。
タイヤタイプマーキングのための少なくとも2つの代替コンテンツのうちの1つをタイヤについて指定可能である指定装置と、指定されたコンテンツを有するタイヤタイプマーキングをタイヤに刻印する刻印装置と、を備えるタイヤマーキング装置が開示される。対応するタイヤ、及び2つの対応するタイヤがさらに開示される。少なくとも2つのタイプのタイヤを製造する方法、タイヤマーキング装置の動作方法、及び対応するコンピュータプログラム製品がさらに開示される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】