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特表2023-536301分析物濃度判定のためのパラメータ抽出
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-24
(54)【発明の名称】分析物濃度判定のためのパラメータ抽出
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1486 20060101AFI20230817BHJP
【FI】
A61B5/1486
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507263
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(85)【翻訳文提出日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2021071743
(87)【国際公開番号】W WO2022029164
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/061,135
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/061,152
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/061,157
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/061,167
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516106184
【氏名又は名称】アセンシア・ダイアベティス・ケア・ホールディングス・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Ascensia Diabetes Care Holdings AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ホァン-ピン
(72)【発明者】
【氏名】セルッティ,マーク・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ハリスン,バーン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C038KL09
4C038KX02
4C038KX04
4C038KY06
4C038KY08
(57)【要約】
連続グルコースモニタリング(CGM)測定中にグルコース値を判定する方法は、センサ、メモリ、及びプロセッサを含む、CGMデバイスを提供することと、センサに定電圧電位を印加することと、定電圧電位から生じる一次電流信号を測定して、測定された一次電流信号をメモリに記憶することと、センサにプロービング電位変調シーケンスを印加することと、プロービング電位変調シーケンスから生じるプロービング電位変調電流信号を測定して、測定されたプロービング電位変調電流信号をメモリに記憶することと、変換関数、及び測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定することと、一次電流信号及び複数のプロービング電位変調電流信号に基づいて、接続関数値を判定することと、初期グルコース濃度及び接続関数値に基づいて、最終グルコース濃度を判定することと、を含む。他の態様が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続グルコースモニタリング(CGM)測定中にグルコース値を判定する方法であって、
センサ、メモリ、及びプロセッサを含む、CGMデバイスを提供することと、
前記センサに定電圧電位を印加することと、
前記定電圧電位から生じる一次電流信号を測定して、前記測定された一次電流信号を前記メモリに記憶することと、
前記センサにプロービング電位変調シーケンスを印加することと、
前記プロービング電位変調シーケンスから生じるプロービング電位変調電流信号を測定して、測定されたプロービング電位変調電流信号を前記メモリに記憶することと、
変換関数、及び測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定することと、
前記一次電流信号及び複数の前記プロービング電位変調電流信号に基づいて、接続関数値を判定することと、
前記初期グルコース濃度及び前記接続関数値に基づいて、最終グルコース濃度を判定することと、を含む、方法。
【請求項2】
プロービング電位変調シーケンスを印加することが、前記定電圧電位よりも大きい第1の電圧電位、前記定電圧電位よりも小さい第2の電圧電位、前記第2の電圧電位よりも小さい第3の電圧電位、及び前記第3の電圧電位よりも大きい第4の電圧電位を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
変換関数、及び測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定することが、変換関数、及び前記第1の電圧電位中に測定された、測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
変換関数、及び測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定することが、変換関数、及び前記第4の電圧電位中に測定された、測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
プロービング電位変調シーケンスを印加することが、前記定電圧電位よりも大きい第1の電圧電位、前記定電圧電位よりも小さい第2の電圧電位、前記第2の電圧電位よりも小さい第3の電圧電位、前記第3の電圧電位よりも大きい第4の電圧電位、及び前記第4の電圧電位よりも大きい第5の電圧電位を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
変換関数、及び測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定することが、変換関数、並びに前記第4及び第5の電圧電位中に測定された、測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記一次電流信号及びプロービング電位変調電流信号が、動作電極電流信号である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
一次電流信号が、3~15分毎に測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
測定されたプロービング電位変調電流信号の前記比率が、電極サイズに依存しない、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
連続グルコースモニタリング(CGM)デバイスであって、
ウェアラブル部分であって、
間質液から電流信号を生成するように構成されたセンサと、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記プロセッサに結合された送信機回路と、を有する、ウェアラブル部分を備え、
前記メモリが、基準センサに印加された定電圧電位の印加によって生成された一次電流信号、及び一次電流信号測定間に印加されたプロービング電位変調シーケンスの印加によって生成された複数のプロービング電位変調電流信号に基づく接続関数を含み、
前記メモリが、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムコードを含み、前記コンピュータプログラムコードが、前記プロセッサによって実行されたときに、前記CGMデバイスに、
前記ウェアラブル部分の前記センサ及びメモリを使用して、一次電流信号を測定及び記憶することと、
前記一次電流信号に関連付けられた複数のプロービング電位変調電流信号を測定及び記憶することと、
変換関数、及び測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定することと、
前記一次電流信号及び複数の前記プロービング電位変調電流信号に基づいて、接続関数値を判定することと、
前記初期グルコース濃度及び前記接続関数値に基づいて、最終グルコース濃度を判定することと、を行わせる、連続グルコースモニタリング(CGM)デバイス。
【請求項11】
前記ウェアラブル部分が、前記定電圧電位よりも大きい第1の電圧電位、前記定電圧電位よりも小さい第2の電圧電位、前記第2の電圧電位よりも小さい第3の電圧電位、及び前記第3の電圧電位よりも大きい第4の電圧電位を提供することを含む、プロービング電位変調シーケンスを印加するように構成されている、請求項10に記載のCGMデバイス。
【請求項12】
前記メモリが、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムコードを含み、前記コンピュータプログラムコードが、前記プロセッサによって実行されたときに、前記CGMデバイスに、変換関数、及び前記第1の電圧電位中に測定された、測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定させる、請求項11に記載のCGMデバイス。
【請求項13】
前記メモリが、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムコードを含み、前記コンピュータプログラムコードが、前記プロセッサによって実行されたときに、前記CGMデバイスに、変換関数、及び前記第4の電圧電位中に測定された、測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定させる、請求項11に記載のCGMデバイス。
【請求項14】
前記ウェアラブル部分が、前記定電圧電位よりも大きい第1の電圧電位、前記定電圧電位よりも小さい第2の電圧電位、前記第2の電圧電位よりも小さい第3の電圧電位、前記第3の電圧電位よりも大きい第4の電圧電位、及び前記第4の電圧電位よりも大きい第5の電圧電位を提供することを含む、プロービング電位変調シーケンスを印加するように構成されている、請求項10に記載のCGMデバイス。
【請求項15】
前記メモリが、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムコードを含み、前記コンピュータプログラムコードが、前記プロセッサによって実行されたときに、前記CGMデバイスに、変換関数、並びに前記第4及び第5の電圧電位中に測定された、測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定させる、請求項14に記載のCGMデバイス。
【請求項16】
前記一次電流信号及びプロービング電位変調電流信号が、動作電極電流信号である、請求項10に記載のCGMデバイス。
【請求項17】
前記メモリが、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムコードを含み、前記コンピュータプログラムコードが、前記プロセッサによって実行されたときに、前記CGMデバイスに、3分及び15分毎に一次電流信号を測定させる、請求項10に記載のCGMデバイス。
【請求項18】
測定されたプローブ電位変調電流信号の前記比率が、電極サイズに依存しない、請求項10に記載のCGMデバイス。
【請求項19】
前記ウェアラブル部分が、
前記センサに結合され、かつ前記センサによって生成された電流信号を測定するように構成されている、電流検知回路と、
前記電流検知回路に結合され、かつ前記測定された電流信号からデジタル化電流信号を生成するように構成されている、サンプリング回路と、を含む、請求項10に記載のCGMデバイス。
【請求項20】
ポータブルユーザデバイスを更に備え、前記ポータブルユーザデバイスが、受信機回路及びディスプレイを含み、前記ウェアラブル部分の前記送信機回路が、前記ポータブルユーザデバイスの前記受信機回路にグルコース値を伝達して、前記CGMデバイスの前記ユーザに提示するように構成されている、請求項10に記載のCGMデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月4日に出願された「CONTINUOUS ANALYTE MONITORING SENSOR CALIBRATION AND MEASUREMENTS BY A CONNECTION FUNCTION」と題する米国仮特許出願第63/061,135号、2020年8月4日に出願された「NON-STEADY-STATE DETERMINATION OF ANALYTE CONCENTRATION FOR CONTINUOUS GLUCOSE MONITORING BY POTENTIAL MODULATION」と題する米国仮特許出願第63/061,152号、2020年8月4日に出願された「EXTRACTING PARAMETERS FOR ANALYTE CONCENTRATION DETERMINATION」と題する米国仮特許出願第63/061,157号、及び2020年8月4日に出願された「BIOSENSOR WITH MEMBRANE STRUCTURE FOR STEADY-STATE AND NON-STEADY-STATE CONDITIONS FOR DETERMINING ANALYTE CONCENTRATIONS」と題する米国仮特許出願第63/061,167号、の利益を主張し、それらのそれぞれの開示は、全ての目的のために、その全体がこれによって参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、概して、体液中の分析物の連続的なセンサモニタリングに関し、より具体的には、連続的なグルコースモニタリング(CGM)に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、CGMなどの、インビボ又はインビトロのサンプルにおける連続分析物検知は、医療デバイスの分野、より具体的には糖尿病療養において、日常的な検知動作になっている。例えば、指に針を刺して、血液サンプルを取得するなどの個別検知を用いて、全血サンプル内の分析物を測定するバイオセンサの場合、サンプルの温度、及び血液サンプルのヘマトクリットが、誤差の主な原因であり得る。しかしながら、連続インビボ検知動作で使用されるセンサなどの、比較的一定の温度を有する非全血環境において配備されるセンサの場合、他のセンサ誤差の原因が存在する場合がある。
【0004】
したがって、CGMセンサを用いてグルコース値を判定するための改善された装置及び方法が所望される。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態では、連続グルコースモニタリング(CGM)測定中にグルコース値を判定する方法は、センサ、メモリ、及びプロセッサを含む、CGMデバイスを提供することと、センサに定電圧電位を印加することと、定電圧電位から生じる一次電流信号を測定して、測定された一次電流信号をメモリに記憶することと、センサにプロービング電位変調シーケンスを印加することと、プロービング電位変調シーケンスから生じるプロービング電位変調電流信号を測定して、測定されたプロービング電位変調電流信号をメモリに記憶することと、変換関数、及び測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定することと、一次電流信号及び複数のプロービング電位変調電流信号に基づいて、接続関数値を判定することと、初期グルコース濃度及び接続関数値に基づいて、最終グルコース濃度を判定することと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、連続グルコースモニタリング(CGM)デバイスは、間質液から電流信号を生成するように構成されたセンサと、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、プロセッサに結合された送信機回路と、を有する、ウェアラブル部分を含む。メモリは、基準センサに印加された定電圧電位の印加によって生成された一次電流信号、及び一次電流信号測定間に印加されたプロービング電位変調シーケンスの印加によって生成された複数のプロービング電位変調電流信号に基づく接続関数を含む。メモリはまた、メモリに記憶されたコンピュータプログラムコードを含み、コンピュータプログラムコードは、プロセッサによって実行されたときに、CGMデバイスに、ウェアラブル部分のセンサ及びメモリを使用して、一次電流信号を測定及び記憶することと、一次電流信号に関連付けられた複数のプロービング電位変調電流信号を測定及び記憶することと、変換関数、及び測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定することと、一次電流信号及び複数のプロービング電位変調電流信号に基づいて、接続関数値を判定することと、初期グルコース濃度及びその接続関数値に基づいて、最終グルコース濃度を判定することと、を行わせる。
【0007】
本開示の更に他の態様、特徴、及び利点は、本発明を実施するために企図される最良のモードを含む、いくつかの例示的な実施形態及び実装態様の以下の詳細な説明及び例解から容易に明らかとなり得る。本開示は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の異なる実施形態を可能にし得、そのいくつかの詳細は、様々な点で修正され得る。例えば、以下の説明は、連続的グルコースモニタリングに関連するが、以下に説明されるデバイス、システム、及び方法は、他の連続的分析物モニタリングシステムにおける、例えば、コレステロール、乳酸、尿酸、アルコール、これに類するものなどの他の分析物のモニタリングに容易に適合され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下に説明される図面は、例解目的のためのものであり、必ずしも縮尺通りに描かれない。したがって、図面及び説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではない。図面は、本発明の範囲をいかなる方法でも限定することを意図しない。
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、連続グルコースモニタリング(CGM)センサの印加電圧E対時間のグラフを示す。
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、図1AのCGMセンサについての、プロービング電位変調(PPM)シーケンスの電流プロファイルのグラフを示す。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、順番の一次電流i10と、データの比率パラメータR4によるグルコース応答信号の比較のグラフを例解する。
図3A】本開示の1つ以上の実施形態による、電極及びその近傍境界環境で付随する定常状態条件のグラフを例解する。
図3B】本開示の1つ以上の実施形態による、データが収集されたセンサに印加されたPPMシーケンスの例のグラフを例解する。
図3C】本開示の1つ以上の実施形態による、E2及びE3電位ステップ中に電極及びその近傍境界環境で付随する非定常状態条件のグラフを例解する。
図3D】本開示の1つ以上の実施形態により実施されたPPMシーケンスのI-V曲線、及び個々の電位ステップのグラフを示す。
図3E】本開示の1つ以上の実施形態による、図3Bに示されているPPMシーケンスからの典型的な出力電流、及び各電位ステップにおける電流のラベル付けのグラフを例解する。
図4A】本開示の1つ以上の実施形態による、センサタイプ1及びタイプ2からのグルコースに対するi10応答の比較のグラフを例解する。
図4B】本開示の1つ以上の実施形態による、センサタイプ1及びタイプ2からのグルコースに対するR1応答の比較のグラフを例解する。
図4C】本開示の1つ以上の実施形態による、センサタイプ1及びタイプ2からのグルコースに対するR4応答の比較のグラフを例解する。
図4D】本開示の1つ以上の実施形態による、センサタイプ1及びタイプ2からのグルコースに対するy45応答の比較のグラフを例解する。
図5A】本開示の1つ以上の実施形態による、単一センサからのi10及びR4比率の初期応答の比較のグラフを例解する。
図5B】本開示の1つ以上の実施形態による、7つのセンサからのi10及びR4の平均化された初期正規化応答の比較のグラフを例解する。
図6A】本開示の1つ以上の実施形態による、PPM法及び非PPM(NPPM)法を使用した、4つのレベルのアセトアミノフェンを用いた線形性試験における、一次データポイントの時間的な電流プロファイルのグラフを例解する。
図6B】本開示の1つ以上の実施形態による、NPPM法を使用した、4つのレベルのアセトアミノフェンを用いた線形性試験における、グルコースに対する電流i10応答のグラフを例解する。
図6C】本開示の1つ以上の実施形態による、同じ試験における、グルコースに対するPPM電流応答のグラフを例解する。
図6D】本開示の1つ以上の実施形態による、同じ試験における、グルコースに対するR4応答のグラフを例解する。
図6E】本開示の1つ以上の実施形態による、同じ試験における、グルコースに対するR1応答のグラフを例解する。
図7A-7D】本開示の1つ以上の実施形態による、線形性試験における7つのセンサのグループからのCGMセンサ応答及びそれらの基準相関性のグラフを例解し、特に、図7Aは、G基準対R1比率のグラフを例解し、図7Bは、G基準対R4比率のグラフを例解し、図7Cは、G基準対y45比率のグラフを例解し、図7Dは、i10対G基準のグラフを例解する。
図8】本開示の1つ以上の実施形態による、インビトロデータセットを用いたi10、R4、y45、及びR1からのG及びG複合を要約する表を例解する。
図9A】本開示の1つ以上の実施形態による、例示的なCGMデバイスのハイレベルブロック図を示す。
図9B】本開示の1つ以上の実施形態による、別の例示的なCGMデバイスのハイレベルブロック図を示す。
図10】本開示の1つ以上の実施形態による、例示的なグルコースセンサの側面概略図である。
図11】本明細書に提供された実施形態による、連続グルコースモニタリング測定中にグルコース値を判定する例示的な方法を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載の実施形態は、分析物センサに印加される、その他の場合の定電圧の上部にプロービング電位変調(PPM)を印加するためのシステム及び方法を含む。「電圧」、「電位」、及び「電圧電位」という用語は、本明細書において区別なく使用される。「電流」、「信号」、及び「電流信号」はまた、「連続分析物モニタリング」及び「連続分析物検知」と同様に、本明細書においても区別なく使用される。本明細書で使用される場合、PPMとは、センサへのプロービング電位ステップ、パルス、又は他の電位変調の印加など、連続分析物検知中にセンサに印加される、その他の場合の定電圧電位に周期的に行われる意図的な変化を指す。連続的な分析物検知中でのPPMの使用は、PP又はPPM法と称され得るが、PPMなしで連続的な分析物検知を行うことは、NP又はNPPM法と称され得る。
【0010】
一次データポイント又は一次電流とは、連続分析物検知中にセンサに印加される定電圧電位における分析物に応答して生成される電流信号の測定値を指す。例えば、図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、連続グルコースモニタリング(CGM)センサの印加電圧E対時間のグラフを例示している。一次データポイントの測定を行うことができ、かつ後続のPPMを印加することができる、例示的な時間が示されている。図1Aに示されているように、この例では、分析物センサの動作電極に印加された定電圧電位Eは、約0.55ボルトであり得る。他の電圧電位を使用することができる。図1Aは、一定の印加電圧で取得された一次データポイントの典型的なサイクルの例を示している。一次データポイントは、連続グルコースモニタリング中に、一定の印加電圧、及び3~15分などの規則的な間隔で測定又はサンプリングされたデータポイントであり、ユーザのグルコース値を計算するために使用される。一次データポイントは、例えば、連続分析物モニタリング中に、分析物センサについて測定される動作電極電流であってもよい。図1Aは、一次データポイントを示すのではなく、各一次データポイントが測定される時間及び電圧を示している。例えば、図1Aの丸102は、第1の一次データポイント(例えば、第1の動作電極電流)が、Eの電圧でバイアスされたセンサについて測定される時間/電圧(3分/0.55ボルト)を表す。同様に、図1Aの丸104は、第2の一次データポイント(例えば、第2の動作電極電流)が、Eの電圧でバイアスされたセンサについて測定される時間/電圧(6分/0.55ボルト)を表す。
【0011】
PPM電流とは、連続分析物検知中にセンサに印加されるPPMに応答して生成される電流信号の測定値を指す。PPMは、電圧電位の6つのステップを含む例示的なPPMサイクルを示す図3B、及び図3BのPPMサイクルに対する例示的な電流応答を示す図3Eに関連して、以下により詳細に説明される。PPM電流と称される、PPMサイクル中に生成される電流は、図3Eに説明されるようにサンプリング及びラベル付けされ得る(例えば、i11は、第1の電圧ステップ中にサンプリングされた第1の電流であり、i12は、第1の電圧ステップ中にサンプリングされた第2の電流であり、i13は、第1の電圧ステップ中にサンプリングされた第3の電流であり、i21は、第2の電圧ステップ中にサンプリングされた第1の電流であるなど)。他の数及び/又はタイプの電圧電位ステップが使用され得る。
【0012】
基準センサとは、例えば、血中グルコースメーター(BGM)の読み取り値によって表される基準グルコース濃度に応答して、一次データポイント及びPPM電流(例えば、連続分析物モニタリング(CAM)デバイスにその後記憶され、連続分析物検知中に使用されて、分析物濃度を判定する接続関数を含む予測計算式を判定するために測定される一次電流及びPPM電流)を生成するために使用されるセンサを指す。
【0013】
連続インビボ検知動作で配備されるセンサなど、比較的一定の温度を有する非全血環境で使用されるセンサの場合、センサ誤差は、センサの短期及び長期の感度、並びにその後の較正方法に関連し得る。このような連続検知動作に関連付けられたいくつかの問題/課題があり、それらは、(1)長い試運転(ウォームアップ)時間、(2)工場又は現場での較正、及び(3)連続検知動作中の感度の変化、である。これらの課題/問題は、見たところ、初期の減衰(試運転/ウォームアップ時間)で表されるようなセンサ感度、センサの生産中の環境に対するセンサの感受性に起因する感度の変化、並びにセンサがその後配備される環境/条件に関係するように思われる。
【0014】
本開示の1つ以上の実施形態によれば、装置及び方法は、サンプル分析物についての連続センサ動作の初期開始状態を探って、その後、センサの連続検知動作中の任意の時点でセンサ状態を探るのに動作可能である。
【0015】
分析物センサから連続的に分析物濃度を正確に判定するために用いられ得る予測計算式(例えば、変換関数及び/又は接続関数)のパラメータを策定するための方法が提供される。更に、分析物濃度を判定するための方法及び装置が、PPM自己充足信号(例えば、PPMの印加から生じる動作電極電流)を使用して提供される。そのような方法及び装置は、(1)異なるバックグラウンド干渉信号の影響を克服すること、(2)異なるセンサ感度の影響を均一化又は除去すること、(3)(長期の)連続モニタリングプロセスの開始時のウォームアップ時間を短縮すること、及び/又は(4)連続モニタリングプロセスにわたってセンサ感度の変化を修正すること、を行いながら、分析物濃度の判定を可能にし得る。これら及び他の実施形態は、図1A図10を参照して、以下に説明される。
【0016】
普通、一定の印加電圧で動作する連続グルコースモニタリング(CGM)バイオセンサの場合、媒介物質からの電流は、標的分析物グルコースの酵素酸化の結果として連続的に測定される。実際には、電流は、典型的には、3~15分毎に、又は連続的と称されるにもかかわらず、別の規則的な時間間隔で測定又は検知される。CGMセンサが最初にユーザに挿入/移植されるときに、初期の試運転時間があり、この時間は、30分~数時間続くことがある。CGMセンサが試運転されると、その感度は、様々な理由から依然として変化することがある。したがって、その初期の間、及び試運転時間の後に、センサの動作状態を検知して、その感度の任意の変化を特定する必要がある。
【0017】
CGMセンサ動作は、CGMセンサがユーザの皮下に挿入/移植された後に、印加電圧Eで開始する。この印加電圧Eは、通常、媒介物質の酸化還元平坦域上のポイントにある。グルコース酸化酵素の酵素を有する酸素の天然媒介物質の場合、過酸化水素H(酵素反応の酸化生成物)の酸化平坦域は、約100~150mMの塩化物濃度の媒体中のAg/AgCl基準電極に対して、約0.5~0.8ボルトの範囲である。グルコースセンサの動作電位は、0.55~0.7ボルトに設定され得、それは、平坦領域内にある。
【0018】
本明細書に記載の実施形態は、PPMを、(例えば、グルコースなどの生体サンプル分析物をモニタリングするための)連続検知動作において、皮下バイオセンサの動作電極に印加される、それ以外の場合の定電圧電位に対する周期的な摂動として使用する。連続グルコースモニタリングなどの連続検知動作の間に、センサ動作電極電流は、通常、グルコース値判定のために、3~15分毎に(又は何らかの他の頻度で)サンプリングされる。これらの電流測定は、連続検知動作中の分析物判定のために使用される一次電流及び/又は一次データポイントを表す。いくつかの実施形態では、プロービング電位変調(PPM)の周期サイクルは、各一次電流測定の後に用いられ得、その結果、自給充足電流のグループは、センサ/電極のステータス及び/又は条件に関する情報を各一次データポイントに付随させる。
【0019】
PPMは、連続分析物モニタリング中に正常に使用される定電圧とは異なる電位にある1つ以上のステップを含むことができる。例えば、PPMは、定電圧電位超若しくは未満の第1の電位ステップ、定電圧電位超若しくは未満の第1の電位ステップであってその後に定電圧電位に復帰する、第1の電位ステップ、定電圧電位超及び/若しくは未満の一連の電位ステップ、電圧ステップ、電圧パルス、同じ若しくは異なる持続時間のパルス、方形波、正弦波、三角波、又は任意の他の電位変調を含み得る。PPMシーケンスの例が、図3Bに示されている。
【0020】
説明されるように、連続分析物検知で使用される従来のバイオセンサは、定電位を、そのセンサの動作電極(WE)に印加することによって動作する。この条件下では、WEからの電流は、定期的に(例えば、3~15分毎に、又は何らかの他の時間間隔で)記録される。このようにして、バイオセンサは、印加電位の変化ではなく、分析物濃度の変化のみに帰すことができる電流を生成する。すなわち、異なる電位の印加に関連付けられた非定常状態電流は、存在しない。このアプローチは、連続検知動作を簡略化するが、センサへの定電位の印加から生じるデータストリーム内の電流信号は、センサステータス/条件に関する最小限の情報を提供する。すなわち、センサへの定電位の印加から生じるセンサ電流信号は、ロット間の感度の変動、初期信号の減衰に起因する長いウォームアップ時間、長期のモニタリングプロセスにわたるセンサ感度の変化、様々なバックグラウンド干渉信号からの影響、これに類するものなど、センサによる長期の連続モニタリングに関連付けられる課題に関連する情報をほとんど提供しない。
【0021】
皮下に移植された連続グルコースモニタリング(CGM)センサは、基準グルコース値に対して適時較正を要求する。従来、この較正プロセスは、指穿刺グルコース測定値又は毛細血管グルコース値からの血中グルコースメーター(BGM)の読み取り値を取得すること、及びそのBGM値をCGMデバイスに入力して、次の動作期間の間にCGMセンサの較正ポイントを設定することを内包する。通常、この較正プロセスは、CGMセンサの感度が日々変化する可能性があるため、毎日のように、又は日毎に少なくとも1回の指穿刺グルコース測定を行う。これは、不便ではあるが、CGMセンサシステムの精度を確保するための必要なステップである。
【0022】
本明細書に記載の実施形態は、分析物センサに印加される、それ以外の場合での定電圧の上部にPPMを印加するためのシステム及び方法を含む。分析物センサから連続的に分析物濃度を正確に判定するために用いられ得る、変換関数及び/又は接続関数などの予測計算式のパラメータを策定するための方法が提供される。
【0023】
抽出されたパラメータ:本開示の1つ以上の実施形態によれば、装置及び方法は、非定常状態(NSS)条件及び定常状態(SS)退化の下での電流から、以下に説明される、比率R1、R4、及びy45などの抽出されたパラメータを使用して分析物濃度を判定するように動作可能である。分析物濃度を判定するために抽出されたパラメータを使用することは、分析物濃度を判定するための異なるかつ独自の方法を表す。パラメータを示す分析物は、定常状態と非定常状態との間の繰り返し交番の連続的なセンサ動作中に、非定常状態及び定常状態の退化の電流から抽出される。パラメータを示す分析対象物として比率パラメータを使用することは、センサの電極サイズに依存せず、ウォームアップ時間を短くし、バックグラウンド信号を相対的に含まないという利点を有する。加えて、比率パラメータはまた、インビトロからインビボ分析物までの広範囲の接続を提供して、接続関数の使用を通じて広範囲のセンサ応答からの出力分析物濃度の狭い変動幅を提供することもできる。
【0024】
上で説明されるPPM法は、一定の印加電圧に電位変調を提供する。定常状態条件から得られた一次データポイントは、分析物濃度の指標として使用され、一方、関連するPPM電流及びPPMパラメータは、センサ及び電極状態に関する情報を提供するために使用される。PPMシーケンス及び出力電流プロファイルの例は、高に戻る前に、高から低への電位ステップを有し、したがって、定常状態条件及び非定常状態条件の交番を有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、抽出されたパラメータ、又はより具体的には比率パラメータは、誤差補償のための回帰における入力パラメータとして使用される。以下に説明される、R1(=i13/i11)、R4(=i43/i41)、及びy45(=i43/i51)などの、非定常状態及び定常状態の退化の電流からのいくつかの抽出されたパラメータは、分析対象物濃度と強く相関する。PPM電流の比率などのパラメータが抽出されるため、これらのパラメータは、単位なしである。図2は、一連の線形性試験における一次電流i10と比較した、1つの比率パラメータR4の線図を示している。グルコース濃度レベルに対応する異なる応答があることが分かる。これらの比率パラメータの特性をより良好に理解するために、センサ膜及び電極境界条件について、以下に説明する。
【0026】
定常状態条件:連続分析物モニタリングに使用される従来のバイオセンサは、定常状態条件下で動作し、その定常状態条件は、連続モニタリングセンサが、動作電極(WE)への一定の印加された電位を有する状態で、整定時間後に安定化するときに確立される。この条件下では、電流は、外膜によって作成された、定常状態の拡散条件にある入射分析物分子の一定の流れから引き出される。この条件は、図3Aに示されている。この条件下では、酵素層、及び理論的には外膜によって画定されるような境界構造は、境界環境を作り出して、直線C媒介物質によって概ね画定される、測定可能種又は低減した媒介物質の一定の流束を引き出す。分析物濃度C外部に変化がない場合、電流は、電極表面における測定可能種の濃度勾配C媒介物質に比例し、この電流は、境界条件によって画定されるような分析物濃度勾配に更に依存する。
【0027】
境界環境:図3Aの境界条件は、理論上、以下のように解釈され得る。分析物濃度C外部は、膜の外面で膜濃度Cと平衡にある何らかの値にある。膜内の濃度Cが低いことは、膜が、バイオセンサが定常状態条件で動作するように、分析物分子の流入を低減するように設計されていることを示している。C外部とCとの間の関係は、平衡定数K外部=C/C外部<1によって概ね支配されている。更に、D外部よりも低い拡散係数Dによって支配されている。合わせて、分析物に対する膜の透過率P=D*Cは、分析物のスループットを規定する。分析物分子が酵素で覆われた電極に向かって移動すると、それらの分子は、酵素によって速やかにゼロに減衰する。一方、この酵素は、分析物分子を、電極で酸化可能な測定可能種、例えば、グルコース酸化酵素に関して媒介物質としての酸素を有するHに変換する。この測定可能種は、生成されると、電極に向かって、並びに膜に向かって拡散することになる。測定可能種を完全に酸化する一定の印加電圧の下では、測定可能種の一定の流束が、電極に向かって引き出されることになる。間もなく、電流が電極表面における測定可能種の濃度勾配(dC媒介物質/dx)に比例する定常状態が確立される。拡散制限条件(測定可能種の酸化/消費速度が最大であり、測定可能種の拡散のみによって制限されることを意味する)の下では、C媒介物質濃度勾配は、ゼロであるものとして電極表面で画定される直線、並びに、複数のプロセス(例えば、酵素に入る分析物流速、酵素による分析物の消費及び変換、並びに測定可能種の拡散)によって到達される平衡条件により画定される膜界面でのポイント、であると予測される。膜への濃度C媒介物質は、拡散によって緩やかに規定される。この定常状態条件は、外側の分析物濃度が変化するにつれて、動的に変化する。
【0028】
プロービング電位変調(PPM)サイクルによって支配される動作条件では、図3B(この図は、6つのステップを有するPPMシーケンス又はサイクルを例示しているが、より少ない、より多い、又は異なる電位変調ステップが使用され得る)に示されるように、境界環境が各非定常状態電位変調サイクルの後に定常状態条件を再開するため、一次データポイントは、実際に、定常状態条件下でサンプリング及び記録される。
【0029】
電位変調及び非定常状態条件:印加電位が、0.55V~0.6Vの電位ステップ(図3Bのステップ1、及び図3DのE~E)であるが、依然として媒介物質の酸化平坦域内(V軸上の拡散制限領域)にあるなど、定電圧から離れて変調される場合、小さい減衰で生成される何らかの有限な電流が存在することになる。これは、依然として、exp(E印加-E0’)によって支配される非対称平坦域に起因する誘導電流プロセスであり、ここで、E印加は、印加電圧であり、E0’は、その電気化学的特性を表す酸化還元種の形式上の電位である。わずかな減衰を伴うこの有限な電流は、平坦域退化電流と称されることがあり、平坦域上でわずかに異なる酸化状態を意味する。媒介物質の電流対電圧の関係は、図3Dに概ね説明されている。そのような出力電流の例は、図3Eに示されており、PPM電流は、i11、i12、及びi13とラベル付けされているのに対し、i10は、定常状態条件下での一次電流である。例えば、i11は、第1の電位ステップ中にサンプリングされた第1の電流である。
【0030】
印加電位がより低い電圧に逆転される場合、又は具体的には、図3DのE~Eに、更にEに逆転された場合(図3Bのステップ2及び3)、以下の2つのことが起こり得る。(1)測定可能種は、より低い電位のために、電極表面でもはや完全には酸化されず、(2)負の電流の生成を伴う、測定可能種、又は媒介物質の酸化形態の部分的な還元が存在する。これら2つの事象の組み合わせ効果は、電極表面及びその近傍において過剰な測定可能種を蓄積する。したがって、濃度プロファイルは、電極表面においてゼロに達する直線状態から乱される。この状態は、非定常状態と称され、図3Cに示されており、この場合、C媒介物質は、電極表面ではゼロではない。そのような効果の出力電流は、負として示され、図3Bのステップ2及び3について、図3Eにおいては、i21、i22、i23、及びi31、i32、i33としてラベル付けされている。負の電流は、高から低への、電位ステップでの部分的な減少を示唆している。定常状態条件の乱れは、膜(C及びC外部)の内側及び外側の境界環境が変化しないままである間、電位変調プロセスが短い場合に、電極表面の近くのみで起こる。
【0031】
NSS及びSS条件の交番:図3B及び図3Dに示されているように、電位がステップ4でEからEに再び逆転すると、蓄積された測定可能種の一部が消費され、そこでの酸化の速度は、より高い電位Eによって設定されるよりも高い。Eが酸化還元種の平坦領域にない場合であっても、このステップは、測定可能種の突然の消費をもたらし、非定常状態濃度からの電流出力のジャンプを生じさせ、したがって、濃度の強い指示を提供する。図3BのE~Eのステップ5は、過剰種の非定常状態酸化を更に完了して、センサを再び平坦領域上の動作電位に位置付ける。図3Bのステップ6は、負の平坦域退化ステップを取って、次の電位変調サイクルの前に定常状態条件を再開することにつながる元の電位に戻る。そのような条件は、理論的には、図3Aの条件と同じである。したがって、PPMサイクルが繰り返されると、定常状態及び非定常状態の条件は、交番し、分析物濃度判定のための信号を提供する。
【0032】
抽出された比率パラメータ:例として、パラメータR1(=i13/i11)、R4(=i43/i41)、及びy45(=i43/i51)の更なる考慮は、以下の洞察を提供する。パラメータR1は、電位ステップ1(図3B)のPPM電流から抽出され、それは、電流が準平坦領域からのものであるため、平坦域退化と称される。パラメータR4は、非定常状態条件下にある、電位ステップ4(図3B)におけるPPM電流から抽出される。図3A~3Cに説明されているプロセスによれば、この電位ステップは、電極が測定可能種の部分酸化条件であるE電位(図3D)にある短時間の間に蓄積された過剰の測定可能種の清浄かつ鋭敏な酸化を提供する。したがって、このパラメータは、NSS及び比率パラメータの両方である。パラメータR1(=i13/i11)及びR4(=i43/i41)は、それぞれ、同じ電位ステップ(R1についてはステップ1、R4についてはステップ4)の電流から抽出される。最後に、パラメータy45(=i43/i51)は、Yijフォーマット(以下で説明される最終のステップ電流/最初のステップ電流)に従って定義され、また、非定常状態電流からも抽出される。このパラメータは、2つの電位ステップにわたる電流からの電流比率を表す。
【0033】
センサの依存しない電極サイズ:R1、R4、及びy45を使用して分析物濃度を示す場合、それらは、電極サイズに依存しないという利点を提供する。図4Aは、2つのセンサタイプからの定常状態i10電流と、センサ1の電極面積がセンサ2の電極面積の2倍である状態との比較を示す。センサ1の応答電流は、50mg/dL、100mg/dL、200mg/dL、300mg/dL、及び450mg/dLのグルコース溶液の線形性試験におけるセンサ2の感度の2倍の感度を有する。これは、予想されることである。これに対して、R1、R4、y45などの電流比率が指示パラメータとして使用される場合、異なる比率パラメータによる応答は、電極サイズには実質上依存しない。小さい違いは、センサのメーカー/ロットの違いのみに起因することがある。これらの比較プロットは、それぞれ、R1、R4、及びy45について、図4B、4C、及び4Dに示されている。これらの比率パラメータと分析物濃度との相関性は、二次多項式などの非線形関係でより良好に表される。
【0034】
短い初期ウォームアップ時間:分析物濃度を示すために比率パラメータを使用する別の利点は、連続モニタリング動作中にセンサの初期減衰がほとんどないという挙動である。図5Aは、長期試験の非常に最初の線形性試験において、一次データポイントの電流i10を、同じセンサからのR4比率と直接比較している。明確なR4値のグルコースレベルへの対応だけでなく、R4の初期の小さい減衰は、更に大きい驚きである。この利点は、一次データポイントi10などの定常状態電流からの正規化された初期応答と、非定常状態電流から抽出された比率パラメータR4とを比較することによって、より良好に理解される。図5Bは、7つのセンサからの初期応答についての正規化されたi10及びR4値の平均を比較している。初期の溶液(50mg/dL及び100mg/dL)に浸漬した後の最初の読み取り値から35%の低下で、i10電流が落ち着くのに約60分かかるが、平均的なR4比率は、その最初の読み取り値からわずか5%だけ低下することが分かる。これは、センサのウォームアップ時間が、補正方法/アルゴリズムに依存する必要がなく(以下に説明するように)、10~15分程度でR4を使用することで、非常に速くなり得ることを意味する。
【0035】
バックグラウンド信号の無依存性:分析物濃度判定のために比率パラメータを使用する別の利点は、それらが、異なる酸化性種由来のバックグラウンド効果を比較的含まないことである。連続モニタリングの定常状態動作条件の1つの欠点は、膜を通過して電極表面で酸化され得ることが可能な他の化学種が、各電流サンプリング時間における全体的な電流にも影響を及ぼすことである。これらの酸化性種は、標的分析物ではなく、したがって、全体的な信号に影響を及ぼす干渉種である。したがって、連続分析物検知の1つの主な懸念は、センサの出力電流におけるバックグラウンド効果である。これは、1つのCGMセンサがPPM法で動作し、別のCGMセンサが定印加電圧(NPPM又はnp)で動作する場合の図6Aに見られる。それらのCGMセンサは、バックグラウンド信号を表す4つの異なるレベルのアセトアミノフェンを有するグルコース溶液、すなわち、0.2mg/dL、0.6mg/dL、1.2mg/dL、及び1.8mg/dLで、試験された。0.2mg/dLのアセトアミノフェン濃度は、干渉バックグラウンド信号の正常レベルと同等であると考えられ、0.6mg/dLは、高レベルであると考えられる。1.2及び1.8mg/dLのアセトアミノフェン濃度は、極めて高いレベルであると考えられる。5つのレベルのグルコース濃度、50、100、200、300、及び450mg/dLでの1回の線形性試験は、バックグラウンドアセトアミノフェンの各レベルについて行われた。
【0036】
NPPM法(PPMサイクルを使用しない)及びPPM法(PPMサイクルを使用した)からの一次データポイントの応答は、それぞれ、図6B及び図6Cに示されている。応答勾配の違いは、NPPMモードとPPMモードで動作する2つの異なるセンサに起因する。アセトアミノフェンの異なるバックグラウンドレベルの効果は、NPPM及びPPM法の切片によって示されるものと実質上同じであり、この場合、その切片は、アセトアミノフェンの干渉レベルが0.2mg/dLから0.6、1.2、及び1.8mg/dLに増加するときに、約75%、150%、及び250%増加する。定常状態条件下での、NPPMセンサ動作からの一次データポイントは、添加されたアセトアミノフェンのレベルに対する切片の依存性を示すが、この結果は、PPM法からの一次データポイントもまた、定常状態条件からのものであり、NPPM法と同じであることを示している。
【0037】
これに対して、R4などの比率パラメータを使用して、グルコース濃度を示す場合、応答は、図6D及び図6Eに示されるように、バックグラウンドアセトアミノフェンの異なるレベルには相対的に依存していない。それらの応答がバックグラウンド信号に相対的に依存していないため、分析物濃度を示す信号としての比率パラメータにより、より多くの回帰リソース(パラメータ項)が、分析物濃度判定の精度を更に高めるために振り向けられることが可能になる。
【0038】
応答曲線及び広範囲接続:図7A図7Cは、同一のデータセットが7個のセンサのグループからなる、定常状態条件下の一次データポイントからの生のi10信号とともに、将来の比率パラメータに対するG基準の3つのプロットをそれぞれ示している。それらのG基準は、重量グルコース濃度であり、これは、YSIグルコースアナライザ(YSI Incorporated(Yellow Springs、Ohio)から市販されている)を使用して、額面値の±2%以内であることを判定した。各比率プロットにおける二次多項式は、各グルコース濃度における比率の平均値の回帰から、これら3つの比率パラメータの各々についての基準相関性として機能する。これらの3つのプロットの独立変数及び従属変数は、グルコース濃度を得るために二次方程式を解こうとする代わりに、比率パラメータを多項式に直接入力してグルコース濃度を得ることができるように逆転される。比率応答は、低~高の範囲で約3倍であり、i10電流の線形応答プロットについて、図7Dに示されるものと同じである。
【0039】
パラメータを示す分析物としての比率パラメータはまた、i10電流と同じ方法で、広範囲の応答において、インビトロからインビボグルコースへの幅広い範囲の接続を提供することもできる。すなわち、単一の変換関数を使用して、比率R4値をG値に変換することができ、続いて、以下に更に説明されるように、接続関数を介して誤差ΔG/Gを低減する。分析物濃度を判定するためのR4比率(又は他のPPM比率パラメータ)を利用する他の方法がまた使用され得る。各パラメータについての接続関数による補償の結果が、図8に示す表800に要約されている。それらの結果は、比率パラメータが接続関数によってグルコース値の狭い変動幅に対して広い散在センサ応答を収束させることが可能であることを示している。
【0040】
変換関数及び接続関数の使用
インビトロ感度とインビボ感度との間に一対一の相関性があるという不確定性を仮定すると、統一された「変換関数」をセンサ応答の広範囲のデータに印加して、続いて、「接続関数」によりグルコース誤差を狭い変動幅に低減することによる、インビトログルコースからインビボグルコースへの接続を行う方法が、本明細書に開示されている。この統一された変換関数は、生又は「初期」のグルコース値G=f(信号)を計算し、ここで、「信号」は、測定された電流信号(又は1つ以上の測定された信号から導出されたパラメータ)であり、「f」は、線形又は非線形の関数であり得る。変換関数fが非線形である場合、感度又は応答勾配は、(以下に説明されるように)適用されない。
【0041】
その最も単純な形態では、統一された変換関数は、測定された電流信号と、インビトロ試験データから取得された基準グルコースレベルとの間の線形関係であり得る。例えば、統一された変換関数は、グルコース信号(例えば、Iw-Ib、Rl、R4、y45、又は別のPPM電流信号)、勾配と、基準グルコースG基準との間に、下記のような線形関係があり得、
信号=勾配*G基準
その結果、下記であり、
基準=信号/勾配
ここで、勾配は、複合勾配(勾配複合)を表し、また統一された複合勾配とも称される。次いで、上記の関係を使用して、CGM中に、初期又は生のグルコースGを、下記のように、計算することができる。
=信号/勾配複合
【0042】
上で説明されるように、Rl、R4、及びy45などのPPM電流信号パラメータは、干渉効果に対する感度がより低く、より低いウォームアップ感度を提示することができる。このため、本明細書に提供されたいくつかの実施形態では、統一された複合勾配は、Rl、R4、及びy45などのPPM電流信号パラメータ、又は別の好適なPPM電流信号から判定され得る。いくつかの実施形態では、線形変換関数を使用するのではなく、(例えば、センサの様々な応答をより良好にフィッティングさせるために)多項式などの非線形変換関数が用いられ得る。例えば、図7A図7B、及び図7Cは、グルコースG基準に対するR1、R4、及びy45の多項式フィッティングを示している。これらの多項式フィッティングは、R1、R4、又はy45からの初期又は生のグルコース値を判定するための接続関数として機能し得る。
R1の場合:G=4351.9*(Rl)-4134.4*(R1)+1031.9
R4の場合:G=5068*(R4)-2213.3*(R4)+290.05
y45の場合:G=6266.8*(y45)-1325.2*(y45)+117.49
【0043】
他の関係を使用してもよい。一次データ(i10)のIw-Ibの同等の形態を使用することができることに留意されたい。しかしながら、R1、R4、及びy45は、他の干渉種からの干渉効果に対して相対的に無関係であるため、バックグラウンド減算は、使用されない。いくつかの実施形態では、複数の変換関数が使用され得る。
【0044】
接続関数が個々の誤差(%バイアス=100%*ΔG/G=100%*(G-G基準)/G基準)に適用されてグルコースの狭い変動幅を取得する場合、単一変換が、インビトロのインビボへの接続を、較正のない単純な問題にする。この接続関数は、ΔG/G値に基づいて、PPMパラメータから導出される。初期又は生のグルコースGから誤差変動幅をそのように狭くする方法によって、その接続関数は、インビトロからインビボへの接続を行う、較正なしの接続関数と称され、センサの全ての応答を誤差の狭い変動幅に収容することを意味する。
【0045】
接続関数は、その接続関数が予測インビボグルコース値を、較正なしの誤差の狭い変動幅に提供する場合、インビトログルコースからインビボグルコースへの広範囲な接続であると言われている。この文脈では、インビトロ感度及びインビボ感度について、一対一に対応する関係を確立することを追求してはいない。逆に、接続関数は、センサがグルコースに応答する限り、感度範囲内のセンサからのグルコース値を提供することになる。その応答は、線形又は非線形であり得る。
【0046】
PPM電流からのCGMセンサに関する豊富な情報を利用すると、この関数は、PPM電流及び関連するパラメータから導出される。周期的なサイクルにおける各応答データポイントが複合変換関数によってグルコース値Gに変換されると、誤差、又はその誤差に関連付けられた%バイアスΔG/G=(G-G基準)/G基準が存在する。G接続=G基準を設定することによって、G接続=G/(1+ΔG/G)=G/(1+接続関数)となり、ここで、接続関数=ΔG/G=f(PPMパラメータ)である。接続関数を導出するための1つの方法は、相対誤差ΔG/Gを、多変量回帰、及びPPMパラメータからの入力パラメータの目標として設定することによるものである。
【0047】
要約すると、いくつかの実施形態では、R1、R4、又はy45のPPMパラメータを変換関数の一部として使用して、生の電流信号情報を生又は初期のグルコース値Gに変換することができる。Gが分かると、次いで接続関数を使用して、補償された又は最終のグルコース信号又は濃度であるG複合を計算することができる。例えば、接続関数は、SS信号(i10)及びNSS信号(PPM信号)を入力パラメータとして、並びに相対誤差ΔG/Gを多変量回帰の目標として使用して、インビトロデータから導出することができる。例示的な接続関数CFは、以下に提供される。他の数及び/又は用語の種類が使用され得ることが理解されるであろう。
CF=30.02672+3.593884*ni23-11.74152*R3-0.915224*z54+0.026557*GR41-0.061011*GR43+0.17876*Gy43+0.355556*R62R54-1.910667*R54R42-0.367626*R54R43-0.010501*GR43R31-4.92585*z61z63-48.9909*z63z32-22.97277*z64z42-2.566353*z64z43+69.93413*z65z52-75.5636*z65z32-16.28583*z52z32…+0.017588*Gy51y42+0.020281*Gy51y32-1.92665*R62z51-0.348193*R62z53-0.901927*R62z31+75.69296*R64z52-222.675*R65z52-29.05662*R65z53-142.145*R65z32+15.47396*R51z53+74.8836*R51z32+23.1061*R42z32+0.0018396*GR52z41+0.100615*GR31z32-8.89841*R61y52+1.873765*R61y42+2.459974*R61y43…+4.911592*z4ly31-1.04261*z31y32-0.014889*Gz61y42+0.007133*Gz63y65+0.019989*Gz64y51+0.004536*Gz64y43-0.01605*Gz65y54+0.00011*Gz52y32+0.004775*Gz53y54-0.531827*d32-0.026387*Gdl1-0.010296*Gd21+0.003426*Gd32-6.350168*d21d31+8.39652*d22d31-0.0329025*Gd11d31-0.039527*av1-2.342127*av1il0+0.550159*av3i10-4.87669*av14-0.139865*av16+14.59835*av25-9.31e-5*Gav3-0.000143*Gav4+0.001157*Gav16-0.022394*Gav25-0.000888*Gav26-0.928135*R30+2.307865*R50-4.501269*z60-7.491846*w65w51-3.56458*w65w53+7.147535*w43w32…。
【0048】
接続関数CFの入力パラメータは、例えば、以下のような型とすることができる。
【0049】
プロービング電流:プロービング電位変調電流i11、i12、i13、…、i61、i62、i63であり、ここで、イクシ(ixy)フォーマットの第1の桁(x)は、電位ステップを示すのに対し、第2の桁(y)は、どの電流測定が電位ステップの印加後に行われたかを示す(例えば、第1、第2、又は第3の測定)。
【0050】
Rパラメータ:これらの比率は、終了PPM電流が1つの電位ステップ内の第1のPPM電流で除算されることによって計算される。例えば、R1=i13/i11、R2=i23/i21、R3=i33/i31、R4=i43/i41、R5=i53/i51、及びR6=i63/i61である。
【0051】
X型パラメータ:この型のパラメータの一般的なフォーマットは、後の電位ステップの終了PPM電流が前の電位ステップの終了PPM電流で除算されることによって与えられる。例えば、パラメータx61は、i3/i3によって判定され、この場合、i63は、ステップ毎の3つの記録された電流において、ステップ6の終了PPM電流であるのに対し、i13は、ステップ1の終了PPM電流である。更に、x61=i63/i13、x62=i63/i23、x63=i63/i33、x64=i63/i43、x65=i63/i53、x51=i53/i13、x52=i53/i23、x53=i53/i33、x54=i53/i43、x41=i43/i13、x42=i43/i23、x43=i43/i33、x31=i33/i13、x32=i33/i23、及びx21=i23/i13である。
【0052】
Y型パラメータ:この型のパラメータの一般的なフォーマットは、後の電位ステップの終了PPM電流が前の電位ステップの最初のPPM電流で除算されることによって与えられる。例えば、パラメータy61は、i3/i1によって判定され、この場合、i63は、ステップ毎の3つの記録された電流において、ステップ6の終了PPM電流であるのに対し、i11は、ステップ1の最初のPPM電流である。更に、y61=i63/i11、y62=i63/i21、y63=i63/i31、y64=i63/i41、y65=i63/i51、y51=i53/i11、y52=i53/i21、y53=i53/i31、y54=i53/i41、y41=i43/i11、y42=i43/i21、y43=i43/i31、y31=i33/i11、y32=i33/i21、及びy21=i23/i11である。
【0053】
Z型パラメータ:この型のパラメータの一般的なフォーマットは、後の電位ステップの最初のPPM電流が前の電位ステップの終了PPM電流で除算されることによって与えられる。例えば、パラメータz61は、i1/i3によって判定され、i61は、ステップ毎の3つの記録された電流において、ステップ6の最初のPPM電流であり、i13は、ステップ1の終了PPM電流である。更に、z61=i61/i13、z62=i61/i23、z63=i61/i33、z64=i61/i43、z65=i61/i53、z51=i51/i13、z52=i51/i23、z53=i51/i33、z54=i51/i43、z41=i41/i13、z42=i41/i23、z43=i41/i33、z31=i31/i13、z32=i31/i23、及びz21=i21/i13である。
【0054】
追加の項には、正規化された電流:ni11=i11/i10、ni12=i12/i10、…、相対差:d11=(i11-i12)/i10、d12=(i12-i13)/i10、…、各PPM電位ステップの平均電流av1=(i11+i12+i13)/3、av2=(i21+i22+i23)/3、…、及び平均電流比率av12=av1/av2、av23=av2/av3、…が含まれる。他の諸々の項としては、GR1=G*R1、Gz61=G*z61、Gy52=G*y52、…、R63R51=R63/R51、R64R43=R64/R43、…、z64z42=z64/z42、z65z43=z65/z43、…、d11d31=d11/d31、d12d32=d12/d32、…、Gz61y52=G*z61/y52、…などが挙げられる。
【0055】
同等又は同様の情報を運ぶPPM電流差若しくは相対差、又は中間PPM電流の比率などの他の型のパラメータも使用され得る。
【0056】
したがって、抽出されたパラメータR1、R4、及びy45を使用して、生のグルコース分析物濃度を示すことができ、接続関数を生のグルコース分析物濃度とともに使用して、インビトロからインビボグルコースに接続することができる。Gへの変換関数、及びG複合への接続関数による補償結果が、図8にまとめられている。それらの結果は、R1、R4、及びy45が信号示す分析物として使用することができ、接続関数によってグルコース値の狭い変動幅に広い散在応答を収束させることが可能であることを示している。
【0057】
いくつかの実施形態では、PPMサイクル又はシーケンスは、一次データサイクルのせいぜい半分の時間(例えば、3~5分)をかけて、定常状態条件のための、動作電極への定電圧印加が、次の一次データポイントが記録される前に、再開するのに十分な時間が可能になるように設計される。いくつかの実施形態では、PPMサイクルは、約1~90秒程度、又は規則的な180秒の一次データサイクルの50%以下であり得る。
【0058】
1つ以上の実施形態では、PPMサイクルは、約10~40秒であり得、かつ/又は媒介物質の酸化還元平坦域の周りに、2つ以上の変調電位ステップを含み得る。いくつかの実施形態では、PPMシーケンスは、規則的な一次データポイントサイクルの10~20%程度であり得る。例えば、規則的な一次データポイントサイクルが180秒(3分)である場合、36秒のPPMサイクルは、一次データポイントサイクルの20%である。一次データサイクルの残り時間は、定常状態条件が定印加電圧で再開することを可能にする。PPMサイクルの電位ステップについて、連続時間は、一時的なものであり、その結果、これらの電位ステップによって作られる測定可能種の境界条件は、非定常状態である。したがって、各電位ステップは、いくつかの実施形態では、1~15秒程度であり、他の実施形態では、約3~10秒であり、更に他の実施形態では、約4~6秒であり得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、プロービング電位変調(PPM)は、非拡散律速酸化還元条件の電位領域、又は媒介物質の動力学領域にステップ化し得る(出力電流が印加電圧に依存し、より高い印加電圧が電極からより高い出力電流を生成することを意味する)。例えば、図3DのE2及びE3(図3Bのステップ2及び3)は、電極から非定常状態の出力電流を生成する、媒介物質の動力学領域における2つの電位ステップである。電位ステップが逆転すると、同じ大きさの印加電圧E2及びE1は、再開されて、電極から非定常状態の出力電流をプロービングする。
【0060】
非定常状態条件に付随する異なる実施形態が用いられ得る。例えば、非定常状態条件はまた、目標電位E2に直接進み、開始電位E1に復帰する、1つのステップによってプロービングされてもよく、これは、異なる非定常状態条件を有する動力学領域での異なる電位E3に直接進み、次いで、開始電位E1に直接復帰する、第2のプロービング電位ステップに続く。その意図は、印加電位を変調して、電極表面における測定可能種のための定常状態及び非定常状態条件の交番を作り出し、それによって、非定常状態からの信号が、分析物濃度を判定するために使用され得ることである。
【0061】
例示的なCGMシステム
図9Aは、本明細書に提供された実施形態による、例示的なCGMデバイス900のハイレベルブロック図を例解している。図9Aには示されていないが、様々な電子部品及び/又は回路が、バッテリーなどに限定されない電源に結合するように構成されていることを理解されたい。CGMデバイス900は、CGMセンサ904に結合するよう構成され得る、バイアス回路902を含む。バイアス回路902は、連続DCバイアスなどのバイアス電圧を、CGMセンサ904を通して分析物含有流体に印加するように構成され得る。この例示の実施形態では、分析物含有流体は、ヒト間質液であり得、バイアス電圧は、CGMセンサ904の1つ以上の電極905(例えば、動作電極、バックグラウンド電極など)に印加され得る。
【0062】
バイアス回路902はまた、図1C又は別のPPMシーケンスに示されているように、PPMシーケンスをCGMセンサ904に印加するように構成することもできる。例えば、PPMシーケンスは、初期及び/又は中間期に印加され得るか、又は各一次データポイントについて印加され得る。PPMシーケンスは、例えば、一次データポイントの測定の前、後、又は前後に印加され得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、CGMセンサ904は、2つの電極を含み得、バイアス電圧及びプロービング電位変調(PPM)は、一対の電極間に印加され得る。このような場合、電流は、CGMセンサ904を通して測定され得る。他の実施形態では、CGMセンサ904は、動作電極、カウンター電極、及び基準電極などの3つの電極を含み得る。このような場合、バイアス電圧及びプロービング電位変調は、動作電極と基準電極との間に印加され得、電流は、例えば、動作電極を通して測定され得る。CGMセンサ904は、還元酸化反応においてグルコース含有溶液と反応する化学物質を含み、電荷担体の濃度及びCGMセンサ904の時間依存性インピーダンスに影響を与える。例示の化学物質としては、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、又はこれに類するものが含まれる。いくつかの実施形態では、フェリシアニド又はフェロセンなどの媒介物質が用いられ得る。
【0064】
バイアス回路902によって生成及び/又は印加される連続バイアス電圧は、例えば、基準電極に対して約0.1~1ボルトの範囲であり得る。他のバイアス電圧が使用され得る。例示的なPPM値は、以前に説明されている。
【0065】
PPM電流、並びにPPM及び一定のバイアス電圧に応答する、分析物含有流体中のCGMセンサ904を通る非PPM(NPPM)電流は、CGMセンサ904から電流測定(I測定)回路906(電流検知回路とも称される)に運ばれ得る。電流測定回路906は、(例えば、好適な電流電圧変換器(CVC)を使用して)CGMセンサ904から伝達される電流の大きさを示す大きさを有する電流測定信号を検知及び/又は記録するように構成され得る。いくつかの実施形態では、電流測定回路906は、既知の名目値及び既知の名目精度(例えば、いくつかの実施形態では、0.1%~5%、又は更に0.1%未満)を有する抵抗器を含み得、これを通して、CGMセンサ904から伝達される電流が通過する。電流測定回路906の抵抗器の両端に発生する電圧は、電流の大きさを表し、電流測定信号と称される場合がある。
【0066】
いくつかの実施形態では、サンプル回路908は、電流測定回路906に結合され得、電流測定信号をサンプリングするように構成され得る。次いで、サンプル回路908は、電流測定信号(例えば、デジタル化されたグルコース信号)を表すデジタル化された時間ドメインサンプルデータを生成することができる。例えば、サンプル回路908は、アナログ信号である電流測定信号を受信し、所望のビット数を出力として有するデジタル信号に変換するように構成されている、任意の好適なA/D変換器回路であり得る。サンプル回路908によって出力されるビット数は、いくつかの実施形態では、16ビットであり得るが、他の実施形態では、より多い又はより少ないビットが使用され得る。いくつかの実施形態では、サンプル回路908は、毎秒約10サンプル~毎秒1000サンプルの範囲内のサンプリング速度で、電流測定信号をサンプリングし得る。より速い又はより遅いサンプリング速度が使用され得る。例えば、約10kHz~100kHzなどのサンプリング速度を使用して、ダウンサンプリングし、信号対雑音比を更に低減し得る。任意の好適なサンプリング回路が用いられ得る。
【0067】
更に図9Aを参照すると、プロセッサ910は、サンプル回路908に結合され得、メモリ912に結合され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ910及びサンプル回路908は、有線経路を介して(例えば、シリアル接続又は並列接続を介して)互いに直接的に通信するように構成されている。他の実施形態では、プロセッサ910とサンプル回路908との結合は、メモリ912によるものであり得る。この配置では、サンプル回路908は、メモリ912にデジタルデータを書き込み、プロセッサ910は、メモリ912からデジタルデータを読み取る。
【0068】
メモリ912は、一次データポイント(NPPM電流)及びPPM電流(電流測定回路906及び/又はサンプル回路908からの)に基づいて、グルコース値を判定する際に使用するための、1つ以上の予測計算式914をそのメモリに記憶した可能性がある。いくつかの実施形態では、以下に説明されるように、これらの予測計算式は、1つ以上の変換関数及び/又は接続関数を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、2つ以上の予測計算式が、それぞれ、CGM収集データの異なるセグメント(時間期間)とともに使用するために、メモリ912に記憶され得る。いくつかの実施形態では、メモリ912は、基準センサに印加された定電圧電位の印加によって生成された一次電流信号に基づく予測計算式、及び一次電流信号測定間に印加されたPPMシーケンスの印加によって生成された複数のPPM電流信号を含み得る。
【0069】
メモリ912はまた、複数の命令をその中に記憶し得る。様々な実施形態では、プロセッサ910は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、組み込みマイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラとして動作するよう構成されているフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はこれに類するものなどの計算リソースであり得るが、それに限定されない。
【0070】
いくつかの実施形態では、メモリ912に記憶された複数の命令は、プロセッサ910によって実行されたときに、プロセッサ910に、(a)CGMデバイス900に、(バイアス回路902、CGMセンサ904、電流測定回路906、及び/又はサンプル回路908を介して)間質液からの電流信号(例えば、一次電流信号及びPPM電流信号)を測定させること、(b)メモリ912に電流信号を記憶すること、(c)PPMシーケンス内の異なるパルス、電圧ステップ、又は他の電圧変化からの電流の比率(及び/若しくは他の関係)などの予測計算式パラメータを計算すること、(d)計算された予測計算式パラメータを採用して、予測計算式を使用して、グルコース値(例えば、濃度)を計算すること、並びに/又は(e)グルコース値をユーザに伝達すること、を行わせる命令を含み得る。
【0071】
メモリ912は、限定されるものではないが、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリのうちの1つ以上などの、任意の好適なタイプのメモリであり得る。揮発性メモリは、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、又はダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を含み得るが、それに限定されない。不揮発性メモリは、限定されるものではないが、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(例えば、NOR構成若しくはNAND構成のいずれかで、及び/又は積み重ね若しくは平面配置のいずれかで、及び/又はシングルレベルセル(SLC)、マルチレベルセル(MLC)、若しくはSLC/MLCの組み合わせの配置のいずれかでのタイプのEEPROM)、抵抗メモリ、フィラメント状メモリ、金属酸化物メモリ、相変化メモリ(例えば、カルコゲニドメモリ)、又は磁気メモリを含み得る。メモリ912は、例えば、単一のチップとして、又は複数のチップとしてパッケージ化され得る。いくつかの実施形態では、メモリ912は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)などの集積回路に、1つ以上の他の回路とともに埋め込まれ得る。
【0072】
上述のように、メモリ912は、プロセッサ910によって実行されたときに、プロセッサ910に、記憶された複数の命令のうちの1つ以上によって指定される様々な操作を実施させる、そのメモリに記憶された複数の命令を有し得る。メモリ912は、複数の命令のうちの1つ以上の命令の実行に応答して、プロセッサ910による読み取り又は書き込み処理に使用され得る、1つ以上の「スクラッチパッド」記憶領域のために予約された部分を更に有し得る。
【0073】
図9Aの実施形態では、バイアス回路902、CGMセンサ904、電流測定回路906、サンプル回路908、プロセッサ910、及び、予測計算式914を含むメモリ912は、CGMデバイス900のウェアラブルセンサ部分916内に配設され得る。いくつかの実施形態では、ウェアラブルセンサ部分916は、グルコース濃度情報などの情報を表示するための(例えば、外部機器を使用せずに)ディスプレイ917を含み得る。ディスプレイ917は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどであるが、これに限定されない、任意の好適なタイプの人感性ディスプレイであり得る。
【0074】
更に図9Aを参照すると、CGMデバイス900は、ポータブルユーザデバイス部分918を更に含み得る。プロセッサ920及びディスプレイ922は、ポータブルユーザデバイス部分918内に配設され得る。ディスプレイ922は、プロセッサ920に結合され得る。プロセッサ920は、ディスプレイ922によって示されるテキスト又は画像を制御し得る。ウェアラブルセンサ部分916及びポータブルユーザデバイス部分918は、通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、ウェアラブルセンサ部分916とポータブルユーザデバイス部分918との通信結合は、例えば、ウェアラブルセンサ部分916の送信/受信回路TxRx924a、及びポータブルユーザデバイス918の送信/受信回路TxRx924bなどの送信機回路並びに/又は受信機回路を介した無線通信によるものであり得る。このような無線通信は、Bluetooth(登録商標)通信プロトコルなどの標準ベースの通信プロトコルを含むが、これに限定されない、任意の好適な手段によるものであり得る。様々な実施形態では、ウェアラブルセンサ部分916とポータブルユーザデバイス部分918との間の無線通信は、代替的に、近距離通信(NFC)、無線周波数(RF)通信、赤外線(IR)通信、又は光通信によるものであり得る。いくつかの実施形態では、ウェアラブルセンサ部分916、及びポータブルユーザデバイス部分918は、1つ以上のワイヤによって接続され得る。
【0075】
ディスプレイ922は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどであるが、これに限定されない、任意の好適なタイプの人感性ディスプレイであり得る。
【0076】
ここで、図9Bを参照すると、図9Aに例解されている実施形態と同様であるが、構成要素の異なる分割を有する、例示的なCGMデバイス950が示されている。CGMデバイス950では、ウェアラブルセンサ部分916は、CGMセンサ904に結合されたバイアス回路902、及びCGMセンサ904に結合された電流測定回路906を含む。CGMデバイス950のポータブルユーザデバイス部分918は、プロセッサ920に結合されたサンプル回路908、及びプロセッサ920に結合されたディスプレイ922を含む。プロセッサ920は、メモリ912に更に結合され、そのメモリは、そのメモリに記憶される予測計算式914を有し得る。いくつかの実施形態では、CGMデバイス950内のプロセッサ920はまた、例えば、図9AのCGMデバイス900のプロセッサ910によって実行される先で説明された関数を実行することもできる。CGMデバイス950のウェアラブルセンサ部分916は、サンプル回路908、プロセッサ910、メモリ912などがその中に含まれていないため、図9AのCGMデバイス900よりも小さく、かつより軽く、したがって、より低侵襲である可能性がある。他の構成要素の構成が用いられ得る。例えば、図9BのCGMデバイス950に対する変形例として、サンプル回路908は、(ポータブルユーザデバイス918が、ウェアラブルセンサ部分916からデジタル化グルコース信号を受信するように)ウェアラブルセンサ部分916上に依然として残すことができる。
【0077】
図10は、本明細書に提供された実施形態による、例示的なグルコースセンサ904の側面概略図である。いくつかの実施形態では、グルコースセンサ904は、動作電極1002、基準電極1004、カウンター電極1006、及びバックグラウンド電極1008を含み得る。動作電極は、還元酸化反応(電荷担体の濃度、及びCGMセンサ904の時間依存性インピーダンスに影響を与える)において、グルコース含有溶液と反応する化学物質でコーティングされた導電層を含み得る。いくつかの実施形態では、動作電極は、白金又は表面粗化白金から形成され得る。他の動作電極材料が使用され得る。動作電極1002の例示の化学触媒(例えば、酵素)としては、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、又はこれに類するものが含まれる。酵素成分は、例えば、グルタルアルデヒドなどの架橋剤によって電極表面上に固定され得る。外膜層を酵素層上に適用して、電極及び酵素層を含む全体的な内部成分を保護し得る。いくつかの実施形態では、フェリシアニド又はフェロセンなどの媒介物質が用いられ得る。他の化学触媒及び/又は媒介物質が用いられ得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、基準電極1004は、Ag/AgClから形成され得る。カウンター電極1006及び/又はバックグラウンド電極1008は、白金、金、パラジウム、又はこれに類するものなどの好適な導電体によって形成され得る。他の材料は、基準電極、カウンター電極、及び/又はバックグラウンド電極に使用され得る。いくつかの実施形態では、バックグラウンド電極1008は、動作電極1002と同一であってもよいが、化学触媒及び/又は媒介物質を含むことができない。カウンター電極1006は、分離層1010(例えば、ポリイミド又は別の好適な材料)によって他の電極から分離され得る。
【0079】
図11は、本明細書に提供された実施形態による、連続グルコースモニタリング測定中にグルコース値を判定する例示的な方法1100を例解する。方法1100は、ブロック1102において、センサ、メモリ、及びプロセッサを含む、CGMデバイス(例えば、図9A及び図9BのCGMデバイス900又は950)を提供することを含む。方法1100はまた、ブロック1104において、定電圧電位をセンサに印加することも含む(例えば、図1AのE)。ブロック1106において、方法1100は、定電圧電位から生じる一次電流信号を測定して、その測定された一次電流信号をメモリに記憶することを含む。ブロック1108において、方法1100は、プロービング電位変調シーケンスをセンサに印加することを含む(例えば、図3BのPPMシーケンス)。ブロック1110において、方法1100は、プロービング電位変調シーケンスから生じるプロービング電位変調電流信号を測定して、その測定されたプロービング電位変調電流信号をメモリに記憶することを含む。方法1100は、ブロック1112において、変換関数、及び測定されたプロービング電位変調電流信号の比率に基づいて、初期グルコース濃度を判定すること、ブロック1114において、一次電流信号及び複数のプロービング電位変調電流信号に基づいて、接続関数値を判定すること、及びブロック1116において、初期グルコース濃度及び接続関数値に基づいて、最終グルコース濃度を判定すること、を更に含む。最終グルコース濃度は、(例えば、図9A又は図9Bのディスプレイ917又は922を介して)ユーザに伝達され得る。
【0080】
いくつかの実施形態又はその部分は、非一時的命令を内部に記憶された機械可読媒体を含み得るコンピュータプログラム製品又はソフトウェアとして提供され得、それらを使用して、1つ以上の実施形態によるコンピュータシステム、コントローラ、又は他の電子デバイスをプログラムすることができる。
【0081】
本開示は、様々な修正及び代替的な形態の影響を受けやすいが、特定の方法及び装置の実施形態は、例として図面に示されており、本明細書で詳細に記載されている。しかしながら、本明細書に開示される特定の方法及び装置は、開示又は特許請求の範囲を限定することを意図しないことを理解されたい。
図1A-1B】
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図10
図11
【国際調査報告】