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特表2023-536312物品の製造プロセスにおける制御方法、およびそのような方法に従って動作する物品の製造装置
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  • 特表-物品の製造プロセスにおける制御方法、およびそのような方法に従って動作する物品の製造装置 図1
  • 特表-物品の製造プロセスにおける制御方法、およびそのような方法に従って動作する物品の製造装置 図2
  • 特表-物品の製造プロセスにおける制御方法、およびそのような方法に従って動作する物品の製造装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-24
(54)【発明の名称】物品の製造プロセスにおける制御方法、およびそのような方法に従って動作する物品の製造装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20230817BHJP
   B65B 57/02 20060101ALI20230817BHJP
   B65B 57/10 20060101ALI20230817BHJP
   B65B 57/04 20060101ALI20230817BHJP
   B65B 57/12 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
B65B57/00 A
B65B57/02 B
B65B57/10 C
B65B57/04
B65B57/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507321
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-04-03
(86)【国際出願番号】 IB2021056725
(87)【国際公開番号】W WO2022029552
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】102020000019759
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592033493
【氏名又は名称】ジ・ディ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビオンディ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】カヴァッツァ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ザネッティ,ウンベルト
(72)【発明者】
【氏名】カンパニョーリ,エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】ジガンテ,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ノフェリーニ,ジャコモ
(72)【発明者】
【氏名】ダケッシアン,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】パリシーニ,ジャンルカ
(72)【発明者】
【氏名】フィオレンティーニ,マルコ
(57)【要約】
物品(2)の製造プロセスを制御するための方法であって、
複数の物品(2)を第1の処理作業に供するために設けられた第1の操作ユニット(30)に複数の物品(2)を供給するステップと、
第1の操作ユニット(30)から送出される物品(2)の少なくとも1つの特性を制御するステップと、
物品(2)のうち、特性が所定の品質パラメータに従っている第1の物品群と、特性が所定の品質パラメータに従っていない第2の物品群とを特定するステップと、
第1の操作ユニット(30)から送出された物品(2)を、物品に少なくとも1つの第2の処理作業を施すように設けられた少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)へ移送するステップと、
少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)が第1の物品群に対して少なくとも1つの第2の処理作業を実施することを可能にするステップと、
少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)から送出された物品(2)を受け取って第2の物品群を廃棄するステップと、
を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品(2)の製造プロセスを制御するための方法であって、
複数の前記物品(2)を第1の処理作業に供するために設けられた第1の操作ユニット(30)に前記複数の物品(2)を供給するステップと、
前記第1の操作ユニット(30)から送出される前記物品(2)の少なくとも1つの特性を制御するステップと、
前記物品(2)のうち、前記特性が所定の品質パラメータに従っている第1の物品群と、前記特性が所定の品質パラメータに従っていない第2の物品群とを特定するステップと、
前記第1の操作ユニット(30)から送出された前記物品(2)を、前記物品に少なくとも1つの第2の処理作業を施すように設けられた少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)へ移送するステップと、
前記少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)が前記第1の物品群に対して前記少なくとも1つの第2の処理作業を実施することを可能にするステップと、
前記少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)が前記第2の物品群に対して前記少なくとも1つの第2の処理作業を実施することを少なくとも部分的に防止するステップと、
前記少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)から送出された前記物品(2)を受け取るステップと、
前記第2の物品群を廃棄するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記特性が制御された前記物品(2)は、連続する操作ユニット(50)において複数の処理作業を受け、前記連続する操作ユニット(50)の各々は、前記第1の物品群に対してそれぞれの処理作業を実施することができ、前記第2の物品群に対してそれぞれの処理作業を実施することが少なくとも部分的に防止される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の物品群は、前記製造プロセスの終了時に廃棄される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
1つまたは複数の前記操作ユニットの下流で前記物品(2)に対する複数の制御作業(35,45,55)が提供され、前記第2の物品群は、少なくとも1つの前記制御作業(35,45,55)において不適合と識別されたすべての物品によって形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の処理作業は、複数の移動部材(32)を介して前記第1の操作ユニット(30)によって実施され、前記移動部材の各々は、異なる前記物品(2)に対して動作するように意図されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の処理作業は、前記物品(2)が移動している間、連続的に実施される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第2の処理作業は、複数の移動部材(41)を介して前記少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)によって実施され、前記移動部材の各々は、異なる前記物品(2)に対して動作するように意図されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第2の処理作業は、前記物品(2)が移動している間、連続的に実施される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
連続する前記物品が前記製造プロセスに入る際に、前記操作ユニットによって周期的に連続して取り込まれるすべての異なる動作構成のセットとして、プロセスインデックスが定義され、前記物品(2)の各々は、前記プロセスインデックスのステップ番号と一意に関連付けられる、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記プロセスインデックスのステップ番号は、前記物品(2)にそれぞれ印刷される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プロセスインデックスのステップ番号は、前記プロセスの終了時に印刷される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記装置の操作ユニットの移動部材が無効化された場合、この無効化された移動部材を含む前記プロセスインデックスのステップ番号を有する前記物品に関する他の前記操作ユニットのすべての前記処理作業が無効化される、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記特性は、光学式の検出システムを介して制御される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記検出システムは、前記物品に向けられた4つのカメラを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記特性は、前記物品(2)が移動している間、制御される、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
物品(2)の製造装置(1)であって、
前記物品(2)に対して第1の処理作業を施すように設けられた第1の操作ユニット(30)と、
前記物品(2)に対して少なくとも1つの第2の処理作業を施すように設けられた少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)と、
前記第1の操作ユニット(30)と前記少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)との間の前記物品(2)の少なくとも1つの特性を検出するように設けられた検出システム(35)と、
前記検出システム(35)に接続された、前記装置(1)の制御ユニット(100)であって、
・(i)前記特性の所定の品質パラメータに対する前記物品(2)の適合性を制御し、
・(ii)前記物品(2)のうち、前記特性が前記所定の品質パラメータに従っている第1の物品群と、前記特性が前記所定の品質パラメータに従っていない第2の物品群と、を特定し、
・(iii)前記少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)を制御して、前記第1の物品群に対して前記少なくとも1つの第2の処理作業を実施させ、前記第2の物品群に対して少なくとも1つの第2の処理作業を実施することを少なくとも部分的に防止する、
制御ユニット(100)と、
前記少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)の下流に配置された、前記第2の物品群を廃棄するように設けられた廃棄ステーション(64)と、
を備える、装置。
【請求項17】
前記第1の操作ユニット(30)は、複数の第1の移動部材(32)が取り付けられた第1の輸送部材(31)を備え、前記物品(2)は、前記第1の輸送部材(31)によって移動されながら、前記第1の移動部材(32)によって前記第1の処理作業を施される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第2の操作ユニット(40)は、複数の第2の移動部材(41)がそれぞれ取り付けられた少なくとも1つの第2の輸送部材(42)を備え、前記物品(2)は、前記少なくとも1つの第2の輸送部材(42)によって移動されながら、記第2の移動部材(41)によって前記少なくとも1つの第2の処理作業を施される、請求項16または17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造プロセスにおける物品の品質を制御するための方法に関する。また、本発明は、その方法に従って動作するように意図された製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、例えばコーヒーなどの浸出式飲料用カプセルなど、食品および非食品を調製および包装する分野で好ましく適用されるが、これに限定されるものではない。この分野への参照は、以下の本明細書では一般性を損なうことなくなされ得る。
【0003】
特に、当該技術分野において、複数の容器にコーヒー粉が個々に充填され、特殊な膜を用いて容器を閉鎖し、特殊な箱に箱詰めし、最終的な梱包ステップにそれらを送る製造装置および梱包装置が知られている。
【0004】
このタイプの製造装置は、複数の操作ユニットを順番に配置して生産ラインを形成し、各操作ユニットが最終製品を得るまで容器に対して特定の処理作業を行うものである。
【0005】
これらのプロセスは互いに大きく異なることがあり、また、最終製品を得るために容器と協働するように意図されている他の構成要素、例えば、容器の底部に挿入することができる保護ディスク、容器の内側に結合されたフィルタ、注入された粉末製品であって浸出式飲料の粉末を含むように意図されたもの、閉鎖膜、および場合によってはラベルも含むことがある。
【0006】
一般的には、各操作ユニットは、処理された物品が要求される品質基準に適合しないことにつながる可能性のある故障を受ける場合がある。このことは、適合しない物品を特定し、その結果、それらを廃棄するために、処理された物品の管理を計画する必要性を示唆している。
【0007】
プロセス中またはプロセス終了時に物品に対して実施できる管理は、管理対象の特性によって様々であり、特に光学的、重量的、寸法的、および分光光度的な管理を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書および添付の特許請求の範囲においては、いくつかの用語および表現は、別途明示されている場合を除き、以下に記載の定義で表現される意味を有するとみなす。
【0009】
「物品」という用語は、製造プロセスにおいて処理される、または複数の操作ユニットを含む製造プロセスで得られることが適当なあらゆる物体を意味する。
【0010】
したがって、物品は、最終製品、すなわち半製品であり得る。
【0011】
物品は、互いに同一であってもよいし、形態、組成、または色などの一部の特徴について互いに異なっていてもよい。
【0012】
物品は、例えば個別の容器または包装紙に梱包済みの食品および菓子製品であり得、これらの容器は、コーヒーカプセルまたはその他の浸出式飲料、飲料のボトルおよびカートン、ヨーグルトの容器、(個包装された、またはされていない)個別のチョコレート、飴、小箱、および固体、液体、または半個体の食品を含む小袋であり得る。また、物品は、セラミック産業の製品、吸収性衛生用品、タバコ産業の製品、化粧産業の製品、製薬産業の製品、およびパーソナルケアとホームケア産業の製品であってもよい。
【0013】
プロセスまたはそのステップ、特に操作ユニットによって実施される処理は、処理が実施される物品が、そのプロセス中またはそのステップ中に、ゼロでない速度を有する輸送部によって移動されるときに、「連続的に」実施される。
【0014】
物品は、その形状、方向、色、全体的な構成(例えば、他の構成要素や他の製品との結合や組み合わせ)、あるいは他の物品に対する配置など、物品の特性が変化するときに「処理」を受ける。
【0015】
物品に対して一連の処理作業を行うために設けられた複数の操作ユニットを備える製造装置において、「プロセスインデックス」とは、連続する物品が製造プロセスに入る際に操作ユニットによって周期的に連続して取り上げられるすべての異なる動作構成のセットを意味する。
【0016】
プロセスインデックスは、当該分野では「仮想論理軸」または単に「仮想軸」とも呼ばれ、物品に対する処理作業が、互いに同期し、物品に周期的に働きかける複数の移動部材を備える操作ユニットによって実施される場合、例えば、移動部材がカルーセル型の輸送デバイスに搭載される場合に特に有用である。この場合、実際には、移動部材は、操作ユニットに供給された物品に対して周期的に連続して動作するので、移動部材の数に等しい数のステップの後、操作ユニットは常に同じ動作構成を有する。
【0017】
このため、操作ユニットの「構成」は、単一の物品に対して処理作業を行うために割り当てられた移動部材の相対位置によって定義されることに留意されたい。
【0018】
例えば、カルーセル型デバイスに段階的に取り付けられた8つの充填移動部材を備える容器充填ユニットでは、充填移動部材が物品をピックアップして充填するたびに、プロセスステップを定義することができる。なお、8回のプロセスを経て、充填装置は常に同じ動作形態となることに留意されたい。
【0019】
処理作業において移動部材の数が異なる操作ユニットが存在する場合、上述したプロセスインデックスを定義する可能な構成は、様々な操作ユニットにおける移動部材の数の最小公倍数となる。
【0020】
言い換えれば、プロセスインデックスは、新しい物品が製造プロセスに導入されたときに、各操作ユニットの構成のスナップショットを撮る。この異なる操作ユニットの構成のセットは、プロセスインデックスステップを定義する。複数の物品が、別々の移動部材によって引き継がれることを条件に、同時にプロセスまたは操作ユニットに導入される可能性があることに留意されたい。
【0021】
また、本明細書における「移動部材」は、単一の物品に対して処理作業を行うことができるデバイスの数を意味することに留意されたい。移動部材は、操作ユニットにおいて、互いに直列に配置され得、または、それらは、連続するグループ、例えば、対で配置され得る。
【0022】
物品の「特性」は、その特性が最終製品の特定の要求を満たすとき、所定の品質パラメータに「適合」している。
【0023】
この意味で、制御される特性は、一般的な意味で理解され、特に、定量的に測定可能な特性(重量または寸法など)および定性的な用語で評価可能な特性(物品または構成要素の完全性または存在または再び形状など)の両方であることができる。
【0024】
本出願人は、物品の製造プロセスにおいて、実施される処理作業の制御は、物品の要求品質パラメータへの適合を保証する以外に、例えば、操作ユニットの起こり得る故障を迅速に特定し、それらの迅速かつ時間厳守の修正介入を可能にすることによって、製造プロセスのより効率的な管理を可能にすると予めに観察した。
【0025】
さらに、本出願人は、一般的に、物品は製造プロセスの下流で管理され、品質パラメータを満たさない場合、最終梱包に送られる前に廃棄されることを確認した。
【0026】
しかしながら、本出願人は、物品の不適合につながる処理が製造プロセスで想定される最後の処理でない場合、不適合物品は、その不適合につながる処理に続くすべての処理にも供されることを確認した。
【0027】
このような事象は、製造装置内で材料が飛散する可能性や、最悪の場合、後続の操作ユニットが破損して生産が停止する可能性さえあるなど、その後の処理にさらなる不都合をもたらす可能性があることを、本出願人は確認した。
【0028】
また、本出願人は、不適合物品を1つまたは複数の後続プロセスにかけることは、いかなる場合でも、エネルギーと、場合によっては材料の浪費を伴い、その結果、生産コストと環境の両方に悪影響を及ぼすことを確認した。
【0029】
そこで、本出願人は、最も重要な処理作業のすぐ下流で制御作業を行い、そのような処理後に不適合であることが判明した物品を直ちに廃棄する可能性について検討した。
【0030】
しかしながら、本出願人は、制御ステーションの増設と不適合物品の拒絶を必要とするこの可能な解決策は、製造装置の全体的なサイズと製造コストの著しい増加を含む多くの欠点を伴うことを確認した。
【0031】
また、本出願人は、サイクル時間の短縮の直接的な結果として、製造装置が連続的かつ高速で動作する場合に、これらの問題がさらに増幅されることを確認した。
【0032】
しかしながら、本出願人は、製造プロセスで適合物品と不適合物品を識別し、それらをすべて一緒に装置に沿わせながら、下流の操作ユニットを選択的に無効にして、不適合物品に不必要な処理を行うことを少なくとも部分的に回避することによって、上述した欠点を克服できることを認識している。
【0033】
最後に、本出願人は、第1の操作ユニットの下流の物品の品質を制御するステップと、不適合物品を識別するステップと、不適合物品を適合物品と共に製造プロセスで継続させるステップとが提供される物品の製造プロセスの制御方法が、下流の操作ユニットを部分的に無効にする予防策を有し、その後者が、想定された処理を適合物品に定期的に実施し、不適合な物品にそのような処理を実施することをできる限り避けるようにすることで、一方では、いずれにしても廃棄されることが決まっている物品に不必要な処理を回避し、結果としてエネルギーと材料の節約につながり、同時に製造プロセスにおける物品の通常の流れへの混乱を回避することができることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0034】
したがって、その第1の態様において、本発明は、物品を作製するためのプロセスを制御するための方法に関する。
【0035】
好ましくは、該方法は、物品を第1の処理作業に供するために設けられた第1の操作ユニットに複数の物品を供給するステップを含む。
【0036】
好ましくは、該方法は、第1の操作ユニットから送出される物品の少なくとも1つの特性を制御するステップを含む。
【0037】
好ましくは、該方法は、上記物品のうち、特性が所定の品質パラメータに従っている第1の物品群を特定するステップを含む。
【0038】
好ましくは、該方法は、上記物品のうち、特性が所定の品質パラメータに従っていない第2の物品群を特定するステップを含む。
【0039】
好ましくは、該方法は、第1の操作ユニットから送出された物品を、物品に少なくとも1つの第2の処理作業を施すように設けられた少なくとも1つの第2の操作ユニットへ移送するステップを含む。
【0040】
好ましくは、該方法は、少なくとも1つの第2の処理ユニットが第1の物品群に対して少なくとも1つの第2の処理作業を実施することを可能にするステップを含む。
【0041】
好ましくは、該方法は、少なくとも1つの第2の操作ユニットが第2の物品群に対して少なくとも1つの第2の処理作業を実施することを少なくとも部分的に防止するステップを含む。
【0042】
好ましくは、該方法は、少なくとも1つの第2の操作ユニットから送出された物品を受け取るステップを含む。
【0043】
好ましくは、該方法は、第2の物品群を廃棄するステップを含む。
【0044】
その第2の態様において、本発明は、物品を作製するための装置に関する。
【0045】
好ましくは、該装置は、物品に対して初期処理を施すように設計された第1の操作ユニットを備える。
【0046】
好ましくは、該装置は、物品に対して少なくとも1つの第2の処理作業を施すように設けられた少なくとも第2の操作ユニットを備える。
【0047】
好ましくは、該装置は、第1の操作ユニットと少なくとも1つの第2の操作ユニットとの間の物品の少なくとも1つの特性を検出するように設けられた検出システムを備える。
【0048】
好ましくは、該装置は、検出システムに接続された、装置の制御ユニットを備える。
【0049】
好ましくは、制御ユニットは、上記特性の所定の品質パラメータに対する物品の適合性を制御するように配置される。
【0050】
好ましくは、制御ユニットは、上記物品のうち、上記特性が所定の品質パラメータに従っている第1の物品群を特定するように配置される。
【0051】
好ましくは、制御ユニットは、上記物品のうち、上記特性が所定の品質パラメータに従っていない第2の物品群を特定するように配置される。
【0052】
好ましくは、制御ユニットは、少なくとも1つの第2の操作ユニットを制御して、第1の物品群に対して少なくとも1つの第2の処理作業を実施させるように配置される。
【0053】
好ましくは、制御ユニットは、少なくとも1つの第2の操作ユニットを制御して、第2の物品群に対して少なくとも1つの第2の処理作業を実施することを少なくとも部分的に防止するように設けられる。
【0054】
好ましくは、該装置は、少なくとも1つの第2の操作ユニットの下流に配置された、第2の物品群を廃棄するように設けられた廃棄ステーションを備える。
【0055】
これらの特徴により、互いに直列に配置された複数の操作ユニットを含む物品製造プロセスを効率的に制御することができ、各操作ユニットの下流において高価で扱いにくい廃棄ステーションを設けることを回避することができると同時に、既に廃棄予定になっている物品に資源(エネルギーまたは材料)を消費することを回避することができる。
【0056】
また、本発明の制御方法により、様々な操作ユニットにおけるワークの流れが乱されないので、これは、特に連続したプロセスおよび生産能力の高いプロセスに適しており、費用対効果がより高い、より効率的な製造装置を実現することができる。
【0057】
その第3の態様において、本発明は、物品の光学的検査のための方法に関する。
【0058】
好ましくは、該方法は、物品の制御対象表面を特定するステップを含む。
【0059】
好ましくは、該方法は、制御対象表面の画像を捕捉するために、物品に向けられた複数のカメラを配置するステップを含む。
【0060】
好ましくは、カメラは、カメラがそれぞれ捕捉した各画像において、制御対象表面の焦点がより合っている中央領域と、制御対象表面の焦点がよりぼやけている周辺領域とが画定されるように配置される。
【0061】
好ましくは、中央領域は、カメラの光軸に近接した領域に対応する。
【0062】
好ましくは、周辺領域は、カメラの光軸から離れた領域、より好ましくは、中央領域に対して相補的な領域に対応する。
【0063】
好ましくは、カメラは、表面監視対象の表面の各部分が、その中央領域において少なくとも1つのカメラによって検出されるように、またはそれぞれの周辺領域において少なくとも2つのカメラによって検出されるように配置される。
【0064】
好ましくは、該方法は、カメラを用いて、制御対象表面のそれぞれの画像を捕捉するステップを含む。
【0065】
好ましくは、該方法は、画像を分析して、制御対象表面に関連するあらゆる不適合を特定するステップを含む。
【0066】
該方法により、カメラで捕捉された画像を解析することで、複雑な形状の物品、例えば一般的に不規則な形状を持つ円筒形、頂部が切断された円錐形または頂部が切断されたピラミッドの容器の内面に効果的に制御することが有利にできるようになる。
【0067】
特に、該方法により、カメラの画像の中央領域にある(ひいては完全に完全に焦点が合っている)または異なる角度で配置されたカメラが捕捉した少なくとも2つの画像に存在する、多数の突出部および窪みの存在によって特徴付けられる表面を効果的かつ正確に制御することできるようになる。
【0068】
異なるカメラが捕捉した画像の中央領域と周辺領域の識別は、カメラの光学特性や制御対象表面に対する位置関係など複数の要因に依存しており、画像の解析に求められる精度の程度に応じて、ケースバイケースで評価する必要がある。
【0069】
上述した態様のうちの少なくとも1つにおいて、本発明は、以下の好ましい特徴のうちの少なくとも1つをさらに備えてもよい。
【0070】
好ましくは、特性が制御された物品は、連続する操作ユニットにおいて複数の処理作業を受け、連続する操作ユニットの各々は、第1の物品群に対してそれぞれの処理作業を実施することができ、第2の物品群に対してそれぞれの処理作業を実施することが少なくとも部分的に防止される。
【0071】
このようにして、不適合物品を特定した品質管理より下流側の装置全体にエネルギーおよび材料資源を節約させることができる。
【0072】
好ましくは、第2の物品群は、製造プロセスの終了時に廃棄される。
【0073】
一部の実施形態において、1つまたは複数の操作ユニットの下流側で、物品に対する複数の制御作業が想定され、第2の物品群は、少なくとも1つの制御作業において不適合と識別されたすべての物品によって形成される。
【0074】
このようにして、同じ発明概念を処理作業の各制御に適用することで、その効果を倍増させることができる。
【0075】
好ましくは、操作ユニットは、互いに同期している。
【0076】
このようにして、操作ユニットの構成と製造装置の他の操作ユニットの構成との間に対応関係を確立することができ、操作ユニットの構成が所定のプロセスステップの時間的順序を定義することができるようになる。
【0077】
好ましくは、第1の処理は、複数の移動部材を介して第1の操作ユニットによって実施される。より好ましくは、各移動部材は、異なる物品に対して動作するように意図されている。
【0078】
このようにして、異なる移動部材を有する複数の物品を、互いに時間的に並行またはずらして動作させる処理を行うことで、第1プロセスの生産能力を向上させることができる。
【0079】
一部の実施形態において、第1の処理は、物品が移動している間、連続的に実施される。
【0080】
これにより、高速での製造が可能な物品への第1の処理を促進することができる。
【0081】
一部の実施形態において、少なくとも1つの第2の処理は、複数の移動部材を介して少なくとも1つの第1の操作ユニットによって実施され、より好ましくは、各移動部材は、異なる物品に対して動作するように意図されている。
【0082】
好ましくは、少なくとも1つの第2の処理は、物品が移動している間、連続的に実施される。
【0083】
好ましくは、物品の製造プロセス全体が連続的に実施される。
【0084】
一部の実施形態において、プロセスインデックスは、連続する物品が製造プロセスに入る際に、操作ユニットによって周期的に連続して取り込まれるすべての異なる動作構成のセットとして定義される。
【0085】
このようなプロセスインデックスを定義することで、有利には、異なる操作ユニットが見出される可能性のある動作構成の時間的な連続性を識別することができる。
【0086】
好ましくは、物品の各々は、プロセスインデックスのステップ番号と一意に関連付けられる。
【0087】
このようにして、物品ごとに、その物品に対してそれぞれの処理を実施する(または実施した)操作ユニットの構成を一意に特定することができる。
【0088】
実際、物品が製造プロセスに入るとき、物品は、製造装置の様々な操作ユニットを所与の動作構成で見つけ(すなわち、プロセスインデックスの所定のステップに入り)、操作ユニットが互いに同期していて操作ユニットの連続する動作構成がプロセスインデックスのステップの規則的な連続性によってすべてマーキングされているので、物品が任意の後続処理を受けるときに物品が見つける装置の動作構成は、実際、一意に決定されたまま維持される。
【0089】
換言すると、一度プロセスに入ると、その後の物品のルートはあらかじめ決まっており、変更することができない。
【0090】
製造プロセスで移動する物品と、これらの物品にそれぞれの処理作業を行う異なる操作ユニットの動作構成との間のこの一意の関連性は、操作ユニットの非常に正確な制御を可能にする。
【0091】
一部の実施形態において、第2の物品群に属するという物品の識別は、制御ユニットに定義されたスクロールレジスタに不適合を記録することによって行われる。
【0092】
このスクロールレジスタには、各物品に対して実施された様々なプロセスに関する事象および情報が、プロセスの開始から終了まですべて記録され、特に、品質パラメータ制御中の物品の不適合評価を有利に記録することができる。
【0093】
この記録により、例えば制御ユニットは、廃棄ステーションで廃棄される物品を正確に特定することができる。
【0094】
また、不適合と識別された物品を処理するために必要な移動部材を選択的および一時的に(少なくとも部分的に)無効化することができる。
【0095】
不適合と識別された物品の処理における操作ユニットの無効化は、実施される処理および必要であれば既に実施された処理に応じて、完全または部分的に行われてもよい。
【0096】
特に、無効化は、完全に行われる。すなわち、不適合物品は、処理を行わないことによって得られる節約よりも、処理の継続においてより大きな不都合をもたらさないすべての場合において、その操作ユニットにおいて想定される処理を受けることなく少なくとも1つの操作ユニット不適合物品を通過することになる。後者の場合、不適合物品は、わずかな節約を達成しながらも、そのような不都合を引き起こさないために、最小限の処理(操作ユニットの部分的な無効化)を受けることが想定される。
【0097】
完全な無効化の一例として、空のカプセルをプロセス開始時に不良品として検出し、コーヒー粉を充填して膜で閉鎖するなどの下流プロセスをすべて無効化することが挙げられる。
【0098】
部分的な無効化の一例として、コーヒー粉の充填のステップ後にカプセルを不良品として検出することが挙げられる。この場合、コーヒー粉がカプセルから抜け出て環境中に飛散するのを防ぐために、カプセルを蓋で閉鎖することが望ましい。しかしながら、カプセルを閉鎖する作業は、部分的、例えば短時間である場合がある。これは、通常の品質基準に従って完成したカプセルの気密性を保証するには不十分であるが、少なくとも不適合物品が廃棄されるステーションまで粉末の環境への飛散を回避するのに十分である。
【0099】
本発明のこの特徴のさらに重要な利点として、操作ユニット内の特定の移動部材の故障を検出することができることが挙げられる。
【0100】
実際、不適合物品のプロセスインデックスのそれぞれのステップを分析することにより、異なる操作ユニットのどの移動部材が作業したかを正確に特定することができる。そのため、誤動作している移動部材を識別することができる。これは、誤動作の特定のための時間および起こりうるダウン時間を短縮し、必要な修正手順を、余裕をもって提供することができるという利点を有する。
【0101】
好ましくは、プロセスインデックスのステップ番号は、各物品に印刷される。
【0102】
このようにして、1つまたは複数の物品の不適合性が製造プロセスの下流、特に最終製品においてのみ検出された場合、その物品を作業した移動部材まで遡って、誤動作を識別することができる。
【0103】
好ましくは、プロセスインデックスのステップ番号は、プロセスの終了時に印刷される。
【0104】
一部の実施形態において、装置の操作ユニットの移動部材が無効化された場合、この無効化された移動部材を含むプロセスインデックスのステップ番号を有する物品を含む他の操作ユニットのすべての処理が無効化される。
【0105】
このようにして、操作ユニットの他の移動部材の正常な動作を必ずしも中断することなく、例えばメンテナンスのために操作ユニットの特定の移動部材を除外することができるようになる。
【0106】
実際、この場合、除外された移動部材が使用されるプロセスインデックスの所定のステップにおいてのみ、物品がプロセスへ入ることを無効化することができる。
【0107】
一部の実施形態において、特性は、光学検出システムによって制御される。
【0108】
代替的あるいは追加的に、検出システムは、異なるタイプ、例えば重量測定型であってもよく、より一般的には、放射線または電磁場の使用に基づくものであってもよい。
【0109】
一実施形態において、第1の操作ユニットは、1つの物品に対する構成要素の組立てプロセスを含み、制御は、光学検出システムを介した組立てプロセスの制御を含む。
【0110】
好ましくは、光学検出システムを介した制御は、上述した第3の態様の方法に従って実施される。
【0111】
一実施形態において、物品は、フィルタが組み付けられたカプセルである。
【0112】
好ましくは、制御対象表面は、カプセルに組み付けられたフィルタの表面である。
【0113】
好ましくは、制御対象表面は、底部および側壁を有する、頂部が切断された円錐形である。
【0114】
好ましくは、フィルタは、底部とは反対側の上縁においてカプセルに結合される。
【0115】
好ましくは、側壁は、プリーツ加工されている。
【0116】
好ましくは、カメラは、側壁および底部の画像を取得することができるように、カプセルの口部の上に配置される。
【0117】
好ましくは、カメラは、100~200mmの範囲の高さでカプセルの上方に配置される。
【0118】
好ましくは、カメラは、互いに同一平面上にあり、より好ましくは、口部と平行な平面上に配置される。
【0119】
一実施形態において、この中央領域は、光軸を中心とした90°の視野角に対応する。
【0120】
好ましくは、側壁の表面の少なくとも90%、より好ましくは側壁の表面全体は、カメラのうちの1つの中央領域の一部である。
【0121】
このようにして、最も重要な制御対象表面フィルタの側壁を、最適な焦点条件で解析することができる。
【0122】
好ましくは、カメラの光軸は側壁に向けられ、より好ましくは、口部と底部との間の中央の高さに向けられる。
【0123】
好ましくは、カメラの光軸は、フィルタの底部に対して45°~70°、より好ましくは、55°~60°の範囲の角度で傾斜している。
【0124】
一実施形態において、底部の中央部は、カメラの少なくとも2つの周辺領域の一部である。
【0125】
このようにして、異なる角度から撮影した画像の冗長性を利用して、フィルタ底部の中央部分を分析することで、焦点が完全に合っていないという事実を補うことができる。
【0126】
一実施形態において、カメラは4つあり、好ましくは正方形の頂点に配置される。
【0127】
一実施形態において、光学検出システムは、カメラが画像を取得する間、制御対象表面に光を当てるように設けられた照明デバイスを備える。
【0128】
好ましくは、照明デバイスは、すべてのカメラに対して固有のものである。
【0129】
好ましくは、照明デバイスは、カメラと制御対象表面との間において、カメラの視野の外に介在する。
【0130】
好ましくは、照明デバイスは、環状形状を有する。
【0131】
好ましくは、特性は、物品が移動している間に制御される。
【0132】
一部の実施形態において、物品は、毎分500個超、より好ましくは毎分1000個超、さらにより好ましくは毎分1200超の速度で供給される。
【0133】
一部の実施形態において、物品は、例えばコーヒーなどの浸出式飲料のためのカプセルである。
【0134】
一部の実施形態において、製造装置の第1の操作ユニットおよび少なくとも1つの第2の操作ユニットは、空のカプセルを供給するユニットと、空のカプセルに浸出式飲料の粉末を充填するユニットと、カプセルを閉鎖するユニットと、を備える。
【0135】
より好ましくは、製造装置の第1の操作ユニットおよび少なくとも1つの第2の操作ユニットは、供給ユニットと充填ユニットとの間に、空のカプセルへのフィルタ結合ユニットをさらに備え、さらにより好ましくは、結合ユニットの前に、空のカプセルに結合されるフィルタ成形ユニットを備える。
【0136】
好ましくは、第1の操作ユニットは、複数の第1の移動部材が取り付けられた第1の輸送部材を備え、物品は、第1の輸送部材によって移動されながら、第1の移動部材によって第1の処理作業を施される。
【0137】
このようにして、物品の第1処理を連続的に実施することができる。
【0138】
好ましくは、少なくとも1つの第2の操作ユニットは、複数の第2の移動部材がそれぞれ取り付けられた少なくとも1つの第2の輸送部材を備え、物品は、少なくとも1つの第2の輸送部材によって移動されながら、第2の移動部材によって少なくとも1つの第2の処理作を施される。
【0139】
このようにして、物品の第2の処理を連続的に実施することができ、場合によっては第1の処理の下流のすべての処理を連続的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
本発明の特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的に例示された実施形態に関する以下の詳細な説明からより明確になるであろう。
図1】本発明の方法に従って動作する物品製造装置を上方から模式的に示す平面図である。
図2図1の製造装置の第1の部分を拡大して上方から模式的に示す斜視図である。
図3図1の製造装置の第2の部分を模式的に示す側方立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0141】
添付の図面を参照すると、参照符号1は、本発明の制御方法に従って動作するようになされた物品2のための装置を示している。
【0142】
本明細書に記載の実施例において、製造装置1は、浸出式飲料、特にコーヒー用のカプセルの調合物のために提供される。
【0143】
そのため、本実施例において、物品2は、以下において同じ参照符号で示されるカプセルによって形成される。これは、製造プロセスの展開において、装置1の終了時に、梱包、箱詰め、および最終発送の準備ができたカプセルになるまで徐々に処理される。
【0144】
一般には、装置1は、空のカプセル2が供給される入口ユニット10と、特別に形成されたフィルタが各空のカプセル2に挿入されるフィルタ成形ユニット20と、フィルタがそれぞれのカプセル2に結合される結合ユニット30と、フィルタが設けられた空のカプセル2がコーヒー粉で充填される充填ユニット40と、コーヒーで充填されたカプセル2が膜によって再び閉鎖される閉鎖ユニット50と、カプセルが適切に選択されて梱包装置(図示せず)へ送られる出口ユニット60と、を備える。
【0145】
また、本明細書に記載の実施形態において、入口ユニット10とフィルタ成形ユニット20との間に、空のカプセル2の底部にそれぞれの保護ディスクを配置するために設けられた補助ユニット11が設けられる。
【0146】
カプセル2は、頂部が切断された円錐形の剛性のあるケーシングから形成されており、底部を有する。底部からフレア状の側壁が底部とは反対側の口部に向けて延在する。底部は、口部よりも小さな断面を有し、全体として、カプセルは、20mm~60mmの直径、および15mm~60mmの高さを有する。
【0147】
上述したユニット10,11,20,30,40,50,60の各々は、製造装置1のそれぞれの操作ユニットを表し、それらの各々は、カプセル2またはその構成要素に対して1つまたは複数の特定の処理作業を実施するように配置される。
【0148】
装置1は連続的に動作するので、異なる操作ユニット内のカプセル2は、コンベヤまたはカルーセル型であってもよい輸送部材によって輸送されながらそれぞれの処理を受け、その後、移送デバイスを介して続する操作ユニット間で移送される。
【0149】
有利には、各物品2は常に個別に保持、移動および処理されるため、任意の時点で、製造装置1内の物品2の位置は、操作ユニットまたは移送デバイスの位置によって常に一意に決定される。
【0150】
換言すると、これは、例えば、製造装置1において、任意の数の物品に対して処理作業が行われる操作ユニットが存在せず、特定の操作ユニットから別の操作ユニットへの物品のランダムなグループ化または移送が存在しないことを意味する。
【0151】
そのため、すべての操作ユニットは、物品の正しい処理を可能にするために、互いに同期している。
【0152】
入口ユニット10は、選出デバイス12を備える。これは、単一カプセルを1対の入れ子式カプセルスタックからの抽出と、コンベヤベルト13上へのそれらの配置を提供する。ここで、プロセスによって想定される場合、その経路の途中に、補助ユニット11でそれらの底部に配置された保護ディスクを有する。
【0153】
場合によっては保護ディスクが設けられた空のカプセル2は、フィルタ成形ユニット20へ連続した列で移送される。ここで、回転カルーセル22上に取り付けられた特別な移動部材21により、フィルタが形成されて空のカプセル2内にそれぞれ配置される。
【0154】
フィルタ成形ユニット20によって形成されるフィルタは、その高さを除いて、それが挿入されるカプセル2と同様の形状を有する。特に、フィルタは、頂部が切断された円錐形であり、実質的に水平および滑らかな底部を有し、そこからフレア状の側壁が底部の反対側の口部に向けて延在する。側壁は、全体的にプリーツ加工されており、口部から底部まで長手方向に規則的なひだが延在する。
【0155】
カプセル2と相対するフィルタは、交換ホイール23によって結合ユニット30に移送され、そこで、位置決めおよび溶接移動部材32を具備する別の回転カルーセル31上で、フィルタがカプセル2内に正しく配置および溶接される。具体的には、フィルタは、その側壁の上部クラウン部において、それぞれの口部の近傍でカプセルの対応する側壁に溶接される。
【0156】
フィルタが設けられたカプセル2は、挟み込みタイプの特別な把持要素34によって交換ホイール33から取り除かれ、充填ユニット40に移送され、回転カルーセル42上で連続的に輸送される供給デバイスを具備する移動部材41によってコーヒー粉末が充填される。
【0157】
さらに一連の交換ホイールの後、カプセル2は閉鎖ユニット50に運ばれ、回転カルーセル52に均一に配置された特別な溶接移動部材51で蓋によって閉鎖される。
【0158】
閉鎖ユニット50の下流では、充填およびしっかりと閉鎖されたカプセル2は、出口ユニット60へ移送される。ここで、梱包装置に移送される前に、カプセル2にマーキング、サンプリング、および仕分けが行われます。
【0159】
また、製造装置1に沿って、直前の1つ以上の操作ユニットで行われた処理の品質を確認するのに有用な、カプセル2またはその構成要素に関する情報を取得するために設けられた複数の検出システムが提供される。
【0160】
特に、各検出システムは、所定の品質パラメータへの適合性を確認するために、物品または構成要素の1つまたは複数の特性を制御するために設けられる。
【0161】
言うまでもなく、制御対象特性は、上流の操作ユニットで行われる特定のプロセスに依存し、プロセス、物品、および満たすべき品質パラメータに応じて様々であり得る。
【0162】
例えば、製造装置1には、結合ユニット30と充填ユニット40との間に設けられた第1の検出システム35と、充填ユニット40の下流に設けられた第2の検出システム45と、閉鎖ユニット50に配置された第3の検出システム55と、が設けられる。
【0163】
特に、第1の検出システム35は、フィルタの完全性とカプセル2内の正しい結合の両方を検証するために必要な情報を取得するために設けられ、第2の検出システム45は、カプセルへのコーヒー粉の正しい充填を検証するために必要な情報を取得するために設けられ、第3の検出システム55は、それぞれのカプセルに溶接する前に溶接移動部材51上での蓋の正しい位置決めを検証するために必要な情報を取得するために設けられる。
【0164】
これらの検出システムは、制御対象特性に応じて選択されるので異なる動作原理に基づいていてもよい。例えば、第1の検出システム35および第3の検出システム55は光学式であり、特殊なカメラによって捕捉された画像の解析に基づいており、第2の検出システム45は、重量式またはマイクロ波式とすることができる。
【0165】
また、製造装置1は、制御装置100を備えており、この制御装置100は、製造プロセス全体だけでなく、単一の操作ユニットの各々および関連する検出システムを制御するために設けられる。
【0166】
まず、連続する物品が製造プロセスに入るときに操作ユニットによって想定されるすべての異なる動作構成の周期的な連続性によって、制御ユニット100においてプロセスインデックスが定義される。新しい物品がプロセスに入るときに異なる操作ユニットによって想定される各構成は、プロセスインデックスにおけるステップを形成する。
【0167】
すべての操作ユニットは互いに同期して動作し、物品の中間的な蓄積がないため、特定の操作ユニットに入る物品は、同じ操作ユニットから出る1つの物品と次の操作ユニットに入る1つの物品に対応している。
【0168】
さらに、各操作ユニットは、計画された動作を周期的に実施する1つまたは複数の移動部材を備えるため(回転カルーセル上で動作するため)、各操作ユニットは、決められた回数(カルーセルの1回転に相当)の動作後に同じ構成(すなわち、移動部材の同じ配置)となる。
【0169】
そのため、単一の操作ユニットの移動部材番号間の最小公倍数で表されるプロセスサイクル番号を常に特定することが可能であり、その後、すべての操作ユニットが同じ構成を再び示す(それぞれが1つまたは複数の完全なサイクルを実行した)。
【0170】
換言すると、製造装置1のすべての操作ユニットの構成は、プロセスサイクル番号に等しいプロセスインデックスステップ番号ごとに同じになる。
【0171】
さらに、各プロセスインデックスステップは、プロセスインデックスステップよりも小さな時間間隔で行われる処理または事象をより正確に制御するために必要ないくつかのサブステップにさらに細分化することができる。例えば、各プロセスインデックスステップは、360のサブステップにさらに細分化することができる。
【0172】
後続のサブステップ、ひいてはプロセスインデックスの各ステップは、エンコーダによってマーキングされる。
【0173】
また、操作ユニット100には、各物品が装置1に入って装置1から出るまでの各物品に関する重要な事象および情報が記録されるスクロールレジスタが定義される。
【0174】
これらの仮定から出発して、製造装置1に入る新しいカプセル2の各々が例えば選出ユニット12から取り除かれたときに、制御ユニット100は、プロセスインデックスのステップ番号を割り当てる。これは、製造装置1内のその経路、特に、各操作ユニットのどの移動部材によってそれが処理されるかを一意に定義する。
【0175】
なお、選出ユニット12が複数のカプセルを同時に取り除く場合には、取り除かれた物品の位置に応じて、数値的な連続性のある順序が成立する。
【0176】
以下では、本発明を詳細に説明するために、このように製造装置1の汎用的な第1の操作ユニットを表す結合ユニット30と、このように製造装置1の汎用的な第2の操作ユニットを表す充填ユニット40との間に介在する第1の検出システム35を具体的に参照する。したがって、回転カルーセル31は、このように汎用的な第1の輸送部材を表し、位置決めおよび溶接移動部材32は、汎用的な複数の第1の移動部材を表し、回転カルーセル42は、汎用的な第2の輸送部材を表し、移動部材41は、汎用的な複数の第2の移動部材を表す。
【0177】
なお、第1の検出システム35とそれぞれの結合ユニット30および充填ユニット40に関して述べたことは、上述した他の検出システムにおいても同様に再現可能であることに留意されたい。
【0178】
図2においてより良く示すように、検出システム35は、結合ユニット30と充填ユニット40との間に介在する交換ホイール33に配置され、2つの操作ユニット間で移送されるカプセル2の1つまたは複数の画像を取得することができる4つのカメラ36を備える。
【0179】
検出システム35のカメラ36は、正方形の頂点に対して同一平面であるように配置され、特に、水平で、カメラが向けられる大きな中央穴を有する支持プレート37に取り付けられる。
【0180】
カメラ36は、カプセル2の口部から約150mmの高さに配置され、その光軸が水平面に対して約55°~60°傾斜するように下方に傾けられている。
【0181】
また、プレート37の穴には、環状の照明デバイス38が下向きに配置され、カメラ36と同期してカプセル2およびその内部のフィルタを上方から拡散光が当てられる。
【0182】
カメラ36は、交換ホイール33の経路上で、カプセル2が連続して通過する地点に固定的に向けられる。
【0183】
特に、カメラ36は、フィルタの底部およびプリーツ状の側壁の画像を捕捉するように向けられ、フィルタとカプセルの間の溶接領域に特に注意を払い、これらは共に光学制御システムによって制御される面を形成する。
【0184】
有利には、カメラ36の光軸は、口部と底部との間の中央の高さで、フィルタの側壁に向けられる。
【0185】
カメラ36は、適切な焦点距離、例えば16mmの焦点距離を有しており、これにより、カプセル2およびこれに結合されたフィルタを上方から約70mm×50mmのフレームで囲むことができる。
【0186】
このフレーム内には、実質的に光軸に近い領域に相当する、焦点が最適と考えられる中央領域と、画像がわずかにぼやけている周辺領域とが定義される。
【0187】
カメラ36の特性およびそれらの特定の配置により、各カメラ36の中央領域は、それぞれの光軸を中心として、約90°の角度にわたって展開されるフィルタの側壁セクターをカバーする。
【0188】
このようにして、プリーツがあるために正確な解析が困難なフィルタの側壁全体が、カメラ36の中央領域の一部となる。また、側壁の大部分は、カメラ36の周辺領域に含まれる。
【0189】
その一方で、フィルタの底部については、カメラ36の画像の中央領域の一部であってもよく、例えばその最も中心的な部分が、複数のカメラ36、好ましくは4つのカメラ36のすべての周辺領域の一部であってもよい。
【0190】
カメラ36によって捕捉された画像は、フィルタの完全性、その正しい形状、カプセル内の正しい位置、およびフィルタとカプセルとの間の正しい結合を検証するために、特別なアルゴリズムを介して、制御ユニット100によって直ちに解析される。
【0191】
この解析は、リアルタイム(数十ミリ秒)で行われ、これらの特性が要求される品質パラメータに適合しているかどうかを特定することができる。
【0192】
この解析に基づいて、これらの品質パラメータを満たす第1のカプセル群と、これらの品質パラメータを満たさない第2のカプセル群が識別される。
【0193】
特に、第2のカプセル群のすべてのカプセル2は、その特定のプロセスインデックスステップ番号でスライドレジスタにこの不適合を記録することにより、一意に識別される。
【0194】
第1のカプセル群と第2のカプセル群の両方のカプセル2は、交換ホイール33によって後続の操作ユニット、すなわち充填ユニット40に運ばれ、そこで各カプセルは、それぞれの移動部材41によってピックアップされる。
【0195】
しかしながら、第2のカプセル群に属するカプセル2、すなわち不適合と識別されたカプセルを引き継ぐ移動部材41は、実質的に無効化されているので、それらは、コーヒー粉が充填されることなく、充填ユニット40に沿って移動される。
【0196】
同様に、第1の検出装置35で適合と識別されたカプセル2、および不適合と識別されたカプセル2は、すべて閉鎖ユニット50に供給される。
【0197】
しかしながら、不適合と特定されたカプセル2は、それぞれの溶接移動部材51に受け入れられて回転カルーセル52で移動しても、対応する蓋で閉鎖されることはなく、蓋と対応する溶接作業の両方を省くことができる。
【0198】
次に、閉鎖ユニット50の下流では、カプセル2が出口ユニット60に移送される。
【0199】
ここで、図3でより良く示すように、カプセル2は、コンベヤ61によってマーキングステーション62に輸送され、そこで、バッチ番号や有効期限などの製品に関する特定のデータ、特に、各単一カプセルに関連するプロセスインデックスのステップ番号などの製造プロセスに関する他のデータが、レーザによって印刷される。
【0200】
このようにして、カプセルが既に製造装置1を離れた後、例えば梱包、箱詰めステップの間、あるいは後に市場に出されるときでも、個々のカプセル2に対して個々の処理を行った移動部材を正確に特定することが可能となる。
【0201】
出口ユニット60は、一部のカプセル2が可能な統計的品質サンプリングのためにピックアップされるサンプリングステーション63と、第1のカプセル群のカプセル2(すなわち、各検出システムから得られる分析の結果として適合することが判明したカプセル)が、第2のカプセル群のカプセル2(すなわち、少なくとも一つの検出システムから得られる分析の結果として不適合が判明したカプセル)と分けられる廃棄ステーション64と、をさらに備える。
【0202】
特に、廃棄ステーション64は、交換ホイール65を備える。これは、第1のカプセル群のカプセル2を選択的にピックアップして梱包装置用の輸送デバイス66に運び、代わりにコンベヤ61の端部に設けられた廃棄物収集容器(図示せず)に落ちることを意図した第2のカプセル群のカプセル2をコンベヤに残す。
【0203】
廃棄ステーション64の交換ホイール65の最終的な選択に至るまで、様々な操作ユニットの移動部材を有効化および無効化するすべての動作は、スクロールレジスタへのあらゆる不適合の記録、並びにプロセスインデックスの提供および製造装置1に入り処理される各カプセルに対する各ステップの固有の関連付けによって、制御ユニット100によって容易に管理される。
【0204】
また、制御部100は、第2の検出システム45および第3の検出システム55がカプセル2に対して行う品質管理も実質的に同様に管理する。
【0205】
特に、第2の検出システム45は、充填ユニット40の下流において、各カプセル2に供給されるコーヒー粉の量が必要な重量値に従っていることを検証する。
【0206】
この制御の結果、不適合値のカプセル2が見つかった場合、このカプセルも第2のカプセル群に属するものとして識別され、その不適合値がスライドレジスタに記録される。
【0207】
ただし、この場合、第2の検出システム45による解析の結果、不適合と判定されたカプセル2を担当する溶接移動部材51は、一部のみ無効化されることが想定される。
【0208】
特に、このようなカプセルは、完全に封止されていなくても、部分的にしか封止されていなくても、蓋によって閉鎖されることが想定される。
【0209】
これにより、カプセル内のコーヒー粉が環境中に飛散することを防ぎ、少なくとも製造プロセスで廃棄されるカプセルが廃棄されるまでは、カプセルの封止状態を維持することができる。
【0210】
同様に、カプセルと蓋を溶接する前の正しい位置関係を光学的解析によって検証する第3の検出システム55による解析の結果、不適合であると判断されたカプセル2も処理する。
【0211】
また、この場合、実際、不適合と識別された蓋とカプセル2の封止作業を実施するように意図された封止移動部材51が部分的にのみ無効化され、既にコーヒー粉が充填されたカプセルを、部分的にのみ封止された蓋、または最小レベルの封止で閉鎖することができることが想定される。
【0212】
サンプリングステーション62でピックアップされたカプセル2の統計的サンプリングが、追加の不適合カプセルを示す場合、これらの追加のカプセルを処理したすべての移動部材は、それらに印刷されたプロセスインデックスステップ番号によって容易に識別される。
【0213】
統計的サンプリングの結果、またはプロセス中に実施された制御の結果、不適合と識別されたカプセルのすべてのステップ番号が有利に記録され、統計的に検証され、操作ユニットの特定の移動部材に起因する異常が識別され、目標とする介入が可能となる。
【0214】
したがって、本発明の特徴により、生産能力に制限を設けることなく、製造装置のコストと空間的要件を増加させることなく、生産中の物品の最高水準の品質管理を保証する、物品の製造プロセスを効率的に管理することが可能になる。
【0215】
言うまでもなく、当業者であれば、特定の偶発的な適用要件を満たすために、添付の特許請求の範囲で定義される保護範囲内で、上述した本発明にさらなる修正および変形を加えることができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】