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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-24
(54)【発明の名称】色の調整可能なレーザベースの光源
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20230817BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20230817BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20230817BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20230817BHJP
   F21V 13/02 20060101ALI20230817BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20230817BHJP
   H05B 45/335 20200101ALI20230817BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20230817BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230817BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230817BHJP
【FI】
H05B47/105
F21V9/32
F21V9/40
F21V9/38
F21V13/02 400
H05B45/20
H05B45/335
H05B45/325
F21Y115:30
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507829
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 EP2021070265
(87)【国際公開番号】W WO2022028881
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】20189870.7
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.iPhone
2.QRコード
3.BLUETOOTH
4.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】エルフェリッヒ ラインホルト
(72)【発明者】
【氏名】ブルルス ドミニク マリア
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン アッセルト ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴドヴィン オレクサンデル ヴァレンティノヴィッチ
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA05
3K273AA09
3K273BA07
3K273CA01
3K273CA28
3K273DA03
3K273FA04
3K273FA14
3K273FA22
3K273FA26
3K273FA32
3K273HA18
(57)【要約】
本発明は、光源110、ルミネッセンス材料210、及び制御システム300を有する光生成システム1000であって、前記光源110が、動作モードにおいて、パルス周波数fper及びデューティサイクルdを有するパルス光源光111を生成するよう構成され、前記ルミネッセンス材料210が、前記光源光111の一部をルミネッセンス材料光211に変換するように構成され、前記ルミネッセンス材料光211が、ルミネッセンス減衰時間τを有し、前記光生成システム1000が、前記動作モードにおいて、光源光111及び前記ルミネッセンス材料光211を含むシステム光1001を生成するよう構成され、前記システム1001光が、可変カラーポイントを有し、前記制御システム300が、前記動作モードにおいて、前記パルス周波数fper及び前記デューティサイクルdのうちの1つ以上を制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成され、fper≧1/(10*τ)である光生成システムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源、ルミネッセンス材料、及び制御システムを有する光生成システムであって、
前記光源が、動作モードにおいて、パルス周波数fper及びデューティサイクルdを有するパルス光源光を生成するよう構成され、
前記ルミネッセンス材料が、前記光源光の一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、前記ルミネッセンス材料光が、ルミネッセンス減衰時間τを有し、
前記光生成システムが、前記動作モードにおいて、光源光及び前記ルミネッセンス材料光を含むシステム光を生成するよう構成され、前記システム光が、可変カラーポイントを有し、
前記制御システムが、前記動作モードにおいて、前記パルス周波数fper及び前記デューティサイクルdのうちの1つ以上を制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成され、fper≧1/(10*τ)である光生成システム。
【請求項2】
per≦1/(1.4τ)である請求項1に記載の光生成システム。
【請求項3】
前記制御システムが、前記動作モードにおいて、一定のデューティサイクルdにおいて前記パルス周波数fperを制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成される請求項1乃至2のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項4】
前記制御システムが、前記動作モードにおいて、前記パルス周波数fperを、1/(8*τ)乃至1/(1.4*τ)の範囲内で制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成される請求項3に記載の光生成システム。
【請求項5】
d≦0.5である請求項3乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項6】
前記デューティサイクルdが、0.02乃至0.5の範囲から選択される請求項3乃至5のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項7】
前記制御システムが、前記動作モードにおいて、一定のパルス周波数fperにおいて前記デューティサイクルdを制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成される請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項8】
前記制御システムが、前記動作モードにおいて、一定のパルス周波数fperにおいて前記デューティサイクルdを0.05乃至0.5の間で制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成され、fper≦1/(2*τ)である請求項7に記載の光生成システム。
【請求項9】
前記光生成システムが、前記動作モードにおいて、相関色温度を有する白色システム光を生成するよう構成され、前記制御システムが、前記動作モードにおいて、前記パルス周波数fper及び前記デューティサイクルdのうちの1つ以上を制御することによって、前記相関色温度を制御するよう構成される請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項10】
前記ルミネッセンス材料が、A12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aが、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bが、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含み、前記光源が、動作モードにおいて、青色パルス光源光を生成するよう構成され、前記光源が、レーザダイオードを有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項11】
前記光生成システムが、第2光源及び第2ルミネッセンス材料を有し、
前記第2光源が、動作モードにおいて、第2パルス周波数fper2及び第2デューティサイクルd2を有する第2パルス光源光を生成するよう構成され、
前記第2ルミネッセンス材料が、前記第2光源光の一部を第2ルミネッセンス材料光に変換するように構成され、前記第2ルミネッセンス材料光が、ルミネッセンス減衰時間τL2を有し、
前記光生成システムが、前記動作モードにおいて、前記光源光、前記ルミネッセンス材料光、前記第2ルミネッセンス材料光及び前記第2光源光を含むシステム光を生成するよう構成され、前記システム光が、可変カラーポイントを有し、
前記制御システムが、前記動作モードにおいて、前記パルス周波数fper及び前記デューティサイクルdのうちの1つ以上と、前記第2パルス周波数fper2及び前記第2デューティサイクルd2のうちの1つ以上とを制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成される請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項12】
前記第2ルミネッセンス材料が、前記第2光源光の一部を赤色第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成される請求項11に記載の光生成システム。
【請求項13】
前記制御システムが、前記動作モードにおいて、ユーザインターフェースの入力信号、センサのセンサ信号、及びタイマに依存して、前記カラーポイントを制御するよう構成される請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項14】
ランプ、照明器具、及びプロジェクタデバイスのグループから選択される光生成デバイスであって、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光生成システムを有する光生成デバイス。
【請求項15】
前記光生成デバイスが、可変相関色温度を有するスポットライトであり、前記相関色温度が、少なくとも1000Kの範囲にわたって可変である請求項14に記載の光生成デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光生成システム、及びこのような光生成システムを有する光生成デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野においては、蛍光体を採用する光源の色制御が知られている。例えば、US2010/0109541は、光を発する照明デバイス、及び照明デバイスによって発せられる光の少なくとも一部を異なる波長の光に変換する蛍光体材料を含む光源と、照明デバイスに供給される電流波形の電流オフ時間に対する電流オン時間の比率を調節し、それによって、光源によって発せられる光の色に対する蛍光体によって発せられる光の寄与が修正されるコントローラとを有する照明装置について記載している。照明デバイスは、固体照明デバイスを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、白色LEDにおいては、黄色(及び時として、更に赤色)蛍光体が、LEDパッケージ内の蛍光体の下にある青色LEDダイによって励起される。このプロセス中に全ての青色光が変換されるわけではないので、青色光の一部は、変換された黄色光と混ぜ合わされ、従って、白色光源をもたらす。結果として生じる色温度は、変換された光と、変換されなかった青色光との比率に依存する。LEDにおいては、一般に、この比率は、固定されており、制御されたやり方で動的に変化させることは困難である。
【0004】
従って、代替光生成システムを提供することが、本発明の或る態様であり、前記代替光生成システムは、好ましくは、更に、上記の不利な点のうちの1つ以上を少なくとも部分的に取り除く。本発明は、従来技術の不利な点のうちの少なくとも1つを解消若しくは改善すること、又は有用な代替手段を提供することを目的とし得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例えば、黄色発光蛍光体を励起するために青色レーザが使用される場合、青色レーザ光源及び黄色蛍光体によって作成される白色光の色は、LEDダイが使用される場合には、前記LEDダイのスイッチング周波数は限られているので、可能ではないかもしれない、非常に高い周波数のパルス幅変調によって変調されることができるようである。レーザダイオード電流が、ルミネッセンス減衰時間(luminescence decay time)の数倍の周期で切り替えられる場合、ルミネッセンス放射線に対する青色放射線の比率が、デューティサイクルによって変更されることができるようである。一次放射線は、デューティサイクルに比例する動作をする一方で、二次放射線は、初期減衰プロセスに保たれ、従って、かなり高い。この作用は、例えば、黄色発光の相対的に平坦なレベルにおいて青色成分を低くするために使用されることができ、これは、CCTを冷白色(cold white)から温白色(warm white)にシフトさせることを意味する。例えばCeドープYAG蛍光体の、30乃至60nsの平均ルミネッセンス減衰時間を考えると、例えば、約5ns以下などの、約2ns以下のような、数nsのスロープレート(slope rate)を備える、約1乃至50MHzのような、0.5乃至100MHzの変調スイッチング周波数が有用であり得る。
【0006】
従って、本発明は、第1態様においては、光源(特にレーザ光源)と、ルミネッセンス材料と、制御システムとを有する光生成システム(「システム」)を提供する。特に、前記光源は、動作モードにおいて、パルス周波数fper及びデューティサイクルdを有するパルス光源光を生成するよう構成される。更に、特に、前記ルミネッセンス材料は、前記光源光の(少なくとも)一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成される。前記ルミネッセンス材料光は、(本明細書においては、「減衰時間」とも示される)ルミネッセンス減衰時間τを有する。特に、実施形態においては、前記光生成システムは、前記動作モードにおいて、光源光及び前記ルミネッセンス材料光を含むシステム光を生成するよう構成される。特に、(それによって、)前記システム光は、可変カラーポイント(variable color point)を有する。特に、前記制御システムは、前記動作モードにおいて、特に前記パルス周波数fper及び前記デューティサイクルdのうちの1つ以上を制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成される。更なる特定の実施形態においては、fper≧1/(10*τ)である。特に、前記デューティサイクルは、0.95以下である。従って、本発明は、特に、実施形態においては、光源、ルミネッセンス材料、及び制御システムを有する光生成システムであって、(I)前記光源が、動作モードにおいて、パルス周波数fper及びデューティサイクルdを有するパルス光源光を生成するよう構成され、(II)前記ルミネッセンス材料が、前記光源光の一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、前記ルミネッセンス材料光が、ルミネッセンス減衰時間τを有し、(III)前記光生成システムが、前記動作モードにおいて、光源光及び前記ルミネッセンス材料光を含むシステム光を生成するよう構成され、前記システム光が、可変カラーポイントを有し、(IV)前記制御システムが、前記動作モードにおいて、前記パルス周波数fper及び前記デューティサイクルdのうちの1つ以上を制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成され、fper≧1/(10*τ)である光生成システムを提供する。本発明は、更に他の態様においては、光源、ルミネッセンス材料、及び制御システムを有する光生成システムであって、(I)前記光源が、動作モードにおいて、パルス周期Tper及びデューティサイクルdを有するパルス光源光を生成するよう構成され、(II)前記ルミネッセンス材料が、前記光源光の一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、前記ルミネッセンス材料光が、ルミネッセンス減衰時間τを有し、(III)前記光生成システムが、前記動作モードにおいて、光源光及び前記ルミネッセンス材料光を含むシステム光を生成するよう構成され、前記システム光が、可変カラーポイントを有し、(IV)前記制御システムが、前記動作モードにおいて、前記パルス周期Tper及び前記デューティサイクルdのうちの1つ以上を制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成され、Tper≦10*τであり、特定の実施形態においては、Tper≧2*τなどの、Tper≧1.4*τである光生成システムを提供する。
【0007】
このような光生成システムでは、ルミネッセンス材料光と光源光との比率を変化させることが可能であり得る。相対的に単純なやり方で、結果として生じる光のカラーポイントが制御され得る。例えば、実施形態においては、相関色温度(CCT)が、このやり方で制御され得る。更に、これは、カラーポイントが制御され得る、潜在的に非常に高い強度を持つ、非常に単純で小さなデバイスを可能にする。従って、とりわけ、本発明は、色の調整可能なレーザベースの光源、特に、色の調整可能な白色のレーザベースの光源を提供する。とりわけ、本発明では、例えば全般照明のための(単一光源の)(非常に高い)周波数変調された色の調整可能な白色のレーザベースの光源が提供される。
【0008】
上記のように、前記光生成システムは、光源、ルミネッセンス材料、及び制御システムを有する。他の要素も利用可能であり得る。以下では、前記光源、前記ルミネッセンス材料、及び前記制御システムについて述べる。
【0009】
上記のように、前記光源は、動作モードにおいて、パルス光源光を生成するよう構成される。光源という用語は、原則として、当技術分野において知られている任意の光源に関し得る。それは、従来の(タングステン)電球、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光灯、LED(発光ダイオード)であってもよい。好ましくは、前記光源は、動作中、少なくとも、380乃至450nmの範囲から選択される波長において光を発する光源である。この光は、部分的に、光変換要素(下記参照)によって使用されてもよい。特定の実施形態においては、前記光源は、(LED又はレーザダイオードなどの)固体LED光源を有する。「光源」という用語は、2乃至200個の(固体)LED光源などの複数の光源に関することもある。従って、「LED」という用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態においては、所謂チップオンボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCBのような基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。従って、複数の光半導体光源が同じ基板上に構成されてもよい。実施形態においては、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0010】
前記光源は、光脱出面(light escape surface)を有する。電球又は蛍光灯のような従来の光源に関しては、前記光脱出面は、ガラス又は石英のエンベロープの外面であり得る。LEDの場合は、前記光脱出面は、例えば前記LEDダイであり得る、又は前記LEDダイに樹脂が塗布される場合、前記樹脂の外面であり得る。原理上、前記光脱出面は、ファイバの終端である可能性もある。脱出面という用語は、特に、前記光源の、光が実際に前記光源から出る又は脱出する部分に関する。前記光源は、光ビームを供給するよう構成される。(従って)前記光源の光出射面からこの光ビームが脱出する。
【0011】
「光源」という用語は、発光ダイオード(LED)、共振空洞発光ダイオード(RCLED)、垂直キャビティレーザダイオード(VCSEL)、端面発光レーザなどのような半導体発光デバイスを指し得る。「光源」という用語は、パッシブマトリクス(PMOLED)又はアクティブマトリクス(AMOLED)などの有機発光ダイオードを指すこともある。特定の実施形態においては、前記光源は、(LED又はレーザダイオードなどの)固体光源を有する。実施形態においては、前記光源は、LED(発光ダイオード)を有する。「LED」という用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態においては、所謂チップオンボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCBのような基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。従って、複数の半導体光源が同じ基板上に構成されてもよい。実施形態においては、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0012】
「光源」という用語は、2乃至2000個の固体光源などの複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関することもある。実施形態においては、前記光源は、LEDなどの単一の固体光源の下流に、又は複数の固体光源の下流に(即ち、例えば複数のLEDによって共有される)、1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を有してもよい。実施形態においては、前記光源は、オンチップ光学系を備えるLEDを有してもよい。実施形態においては、前記光源は、(実施形態においては、オンチップビームステアリングを提供する)(光学系を備える又は備えない)ピクセル化された単一のLEDを有する。
【0013】
「レーザ光源」という用語は、特にレーザを指す。このようなレーザは、特に、UV、可視、又は赤外において1つ以上の波長を有する、特に、300乃至1500nmなどの、200乃至2000nmのスペクトル波長範囲から選択される波長を有するレーザ光源光を生成するよう構成されて得る。「レーザ」という用語は、特に、電磁放射線の誘導放出に基づく光増幅のプロセスを通して光を発するデバイスを指す。特に、実施形態においては、「レーザ」という用語は、固体レーザを指し得る。従って、実施形態においては、前記光源は、レーザ光源を有する。
【0014】
実施形態においては、「レーザ」又は「固体レーザ」という用語は、セリウムドープリチウムストロンチウム(又はカルシウム)フッ化アルミニウム(Ce:LiSAF、Ce:LiCAF)、クロムドープクリソベリル(アレキサンドライト)レーザ、クロムZnSe(Cr:ZnSe)レーザ、二価サマリウムドープフッ化カルシウム(Sm:CaF)レーザ、Er:YAGレーザ、エルビウムドープ及びエルビウムイッテルビウムコドープガラスレーザ、F-センターレーザ、ホルミウム(Ho:YAG)レーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、ネオジウムドープイットリウムカルシウムオキソボレートNd:YCaO(BO又はNd:YCOB、ネオジウムドープオルトバナジウム酸イットリウム(Nd:YVO)レーザ、ネオジウムガラス(Nd:ガラス)レーザ、ネオジウムYLF(Nd:YLF)固体レーザ、プロメチウム147ドープリン酸ガラス(147Pm3+:ガラス)固体レーザ、ルビーレーザ(Al:Cr3+)、ツリウムYAG(Tm:YAG)レーザ、チタンサファイア(Ti:サファイア;Al:Ti3+)レーザ、三価ウランドープフッ化カルシウム(U:CaF)固体レーザ、イッテルビウムドープガラスレーザ(ロッド、プレート/チップ及びファイバ)、イッテルビウムYAG(Yb:YAG)レーザ、Yb(ガラス又はセラミックス)レーザなどのうちの1つ以上を指し得る。
【0015】
実施形態においては、「レーザ」又は「固体レーザ」という用語は、GaN、InGaN、AlGaInP、AlGaAs、InGaAsP、鉛塩、垂直共振器面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser)(VCSEL)、量子カスケードレーザ、ハイブリッドシリコンレーザなどの半導体レーザダイオードのうちの1つ以上を指し得る。
【0016】
レーザは、より短い(レーザ)波長に達するために、アップコンバータ(upconverter)と組み合わされてもよい。例えば、何らかの(三価)希土類イオンで、アップコンバージョン(upconversion)が達成され得る、又は非線形結晶で、アップコンバージョンが達成され得る。他の例においては、レーザは、より長い(レーザ)波長に達するために、色素レーザなどダウンコンバータ(downconverter)と組み合わされることができる。
【0017】
以下から導き出され得るように、「レーザ光源」という用語は、複数の(異なる又は同一の)レーザ光源を指すこともある。特定の実施形態においては、「レーザ光源」という用語は、複数のN個の(同一の)レーザ光源を指し得る。実施形態においては、N=2以上である。特定の実施形態においては、Nは、特に少なくとも8などの、少なくとも5であり得る。このやり方においては、より高い輝度が得られ得る。実施形態においては、レーザ光源は、レーザバンク(laser bank)内に配設されてもよい(上記も参照)。前記レーザバンクは、実施形態においては、ヒートシンク、及び/又は光学系、例えば、レーザ光をコリメートするためのレンズを含んでもよい。
【0018】
前記レーザ光源は、レーザ光源光(又は「レーザ光」)を生成するよう構成される。前記光源光は、本質的に、前記レーザ光源光から成っていてもよい。前記光源光は、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源のレーザ光源光を有することもある。例えば、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源の前記レーザ光源光を有する単一の光ビームを供給するために、前記2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源の前記レーザ光源光が、光ガイドに結合されてもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源光は、特に、コリメート光源光である。更に他の実施形態においては、前記光源光は、特に、(コリメート)レーザ光源光である。「異なる光源」又は「複数の異なる光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、少なくとも2つの異なるビン(bin)から選択される複数の固体光源を指し得る。同様に、「同一の光源」又は「複数の同じ光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、同じビンから選択される複数の固体光源を指し得る。
【0019】
前記光源は、特に、光軸(O)、(ビーム形状、)及びスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するよう構成される。前記光源光は、実施形態においては、レーザについて知られているような帯域幅を有する、1つ以上の帯域を有し得る。特定の実施形態においては、前記帯域は、10nm以下などの、室温(RT)において20nm未満の範囲内の半値全幅(full width half maximum)(FWHM)を有するものなどの、相対的にシャープな(sharp)線であってもよい。従って、前記光源光は、1つ以上の(狭)帯域を含み得るスペクトルパワー分布(波長の関数としての、エネルギ尺度における強度)を有する。
【0020】
(光源光の)ビームは、(レーザ)光源光の、集束又はコリメートビームであってもよい。「集束」という用語は、特に、小さいスポットに収束していることを指し得る。この小さいスポットは、個別の変換器領域(discrete converter region)にあってもよく、又は前記個別の変換器領域の(わずかに)上流若しくは前記個別の変換器領域の(わずかに)下流にあってもよい。特に、集束及び/又はコリメーションは、(側面における)前記個別の変換器領域における前記ビームの(前記光軸に対して垂直な)断面形状が、(前記光源光が前記個別の変換器領域を照射する場所での)前記個別の変換器領域の(前記光軸に対して垂直な)断面形状よりも、本質的に大きくはないようなものであり得る。集束は、(集束)レンズのような1つ以上の光学系で実行され得る。特に、前記レーザ光源光を集束させるために、2つのレンズが適用されてもよい。コリメーションは、レンズ及び/又は放物面鏡などの、コリメーション要素のような1つ以上の(他の)光学系で実行され得る。実施形態においては、(レーザ)光源光のビームは、実施形態において、≦2°(FWHM)、より特に≦1°(FWHM)、最も特に≦0.5°(FWHM)のような、相対的に高度なコリメートをされてもよい。従って、≦2°(FWHM)は、(高度に)コリメートされた光源光とみなされ得る。(高度な)コリメーションを提供するために、光学系が使用されてもよい(上記も参照)。
【0021】
特定の実施形態においては、前記光生成システムは、各サブセットは、本質的に同じスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するよう構成される1つ以上の光源を含むが、異なるサブセットの光源は、異なるスペクトル分布を有する光源光を生成するよう構成される、光源の2つ以上のサブセットなどの、複数の異なる光源を有してもよい。このような実施形態においては、前記制御システムは、前記複数の光源を制御するよう構成され得る。特定の実施形態においては、前記制御システムは、光源のサブセットを個別に制御し得る。
【0022】
特に、前記光源は、固体光源を有する。更に他の特定の実施形態においては、前記光源は、レーザを有する。更に他の特定の実施形態においては、前記光源は、レーザダイオードを有する。
【0023】
特に、前記光源は、パルス周波数fper及びデューティサイクルdを有するパルス光源光を生成するよう構成される。更に、前記光源は、特に、前記動作モードにおいて、パルス周期Tperを有するパルス光源光を生成するよう構成される。当技術分野においては、パルス固体レーザなどのパルス光源が知られている。例えば、当技術分野においては、ナノ秒又はピコ秒のレーザダイオードが知られている。それについては、例えば、US20170085057A1又はUS7723642B2を参照されたい。特に、前記パルス周波数fper及びデューティサイクルdは制御可能である。fper、デューティサイクルd及びパルス周期Tperに関する態様について、以下で更に説明する。
【0024】
前記光生成システムは、ルミネッセンス材料を更に有する。特に、前記ルミネッセンス材料は、前記光源光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成される。従って、前記光源光の一部は、変換されなくてもよく、前記ルミネッセンス材料において透過及び/又は反射及び/又は散乱されてもよく、少なくとも部分的に再利用されてもよい。前記ルミネッセンス材料は、反射モード又は透過モードで構成され得る。
【0025】
前記ルミネッセンス材料は、前記光源の下流に構成される。「上流」及び「下流」という用語は、光生成手段(ここでは、特に、前記光源)からの光の伝搬に対するアイテム又は特徴の配置に関し、前記光生成手段からの光ビーム内の第1位置に対して、前記光生成手段により近い前記光ビーム内の第2位置は「上流」であり、前記光生成手段からより遠く離れた前記光ビーム内の第3位置は「下流」である。更に、前記ルミネッセンス材料及び前記光源は、従って、放射結合され得る。「放射結合される」又は「光学的に結合される」という用語は、特に、(i)光源などの光生成要素と、(ii)別のアイテム又は材料とが、前記光生成要素によって発せられる放射線の少なくとも一部が前記アイテム又は材料によって受け取られるように、互いに関連付けられることを意味し得る。換言すれば、前記アイテム又は材料は、前記光生成要素と受光関係にあるよう構成される。前記光生成要素の前記放射線の少なくとも一部は、前記アイテム又は材料によって受け取られる。これは、実施形態においては、前記光生成要素(の発光面)と物理的に接触している前記アイテム又は材料のような、直接的なものであってもよい。これは、実施形態においては、空気、気体、又は液体若しくは固体導光材料のような媒体を介するものであってもよい。実施形態においては、レンズ、反射器、光学フィルタのような1つ以上の光学系も、光生成要素とアイテム又は材料との間の光路内に構成されてもよい。
【0026】
「ルミネッセンス材料」という用語は、特に、第1放射線、特にUV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、第2放射線に変換することができる材料を指す。一般に、前記第1放射線と前記第2放射線とは、異なるスペクトルパワー分布を有する。従って、「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「ルミネッセンス変換器」又は「変換器」という用語が適用されることもある。一般に、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも大きい波長の所にスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂ダウンコンバージョンの場合である。しかしながら、特定の実施形態においては、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも小さい波長の所に強度を持つスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂アップコンバージョンの場合である。実施形態においては、前記「ルミネッセンス材料」は、特に、放射線を、例えば可視光及び/又は赤外光に変換することができる材料を指す場合がある。例えば、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、UV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、可視光に変換することができる場合がある。前記ルミネッセンス材料は、特定の実施形態においては、放射線を赤外放射線(IR)に変換する場合もある。従って、前記ルミネッセンス材料は、放射線で励起されると、放射線を放出する。一般に、前記ルミネッセンス材料は、ダウンコンバータであり、即ち、より小さい波長の放射線が、より大きい波長(λex<λem)を持つ放射線に変換されるが、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、アップコンバータ・ルミネッセンス材料を有する場合があり、即ち、より大きい波長の放射線が、より小さい波長(λex>λem)を持つ放射線に変換される。
【0027】
実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、リン光を指すことがある。実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、蛍光を指すこともある。「ルミネッセンス」という用語の代わりに、「発光」という用語が適用されることもある。従って、「第1放射線」及び「第2放射線」という用語は、それぞれ、励起放射線及び発光(放射線)を指すことがある。同様に、「ルミネッセンス材料」という用語は、実施形態においては、リン光及び/又は蛍光を指すことがある。「ルミネッセンス材料」という用語は、複数の異なるルミネッセンス材料を指すこともある。可能なルミネッセンス材料の例を以下に示す。
【0028】
実施形態においては、ルミネッセンス材料は、それぞれ、特に三価セリウム又は二価ユーロピウムをドープした、ガーネット及び窒化物から選択される。「窒化物」という用語は、酸窒化物又はニトリドシリケートなどを指すこともある。
【0029】
特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、A12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aは、実施形態においては、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上、特に、Y、Gd、Tb及びLuのうちの(少なくとも)1つ以上を含み、Bは、実施形態においては、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。特に、Aは、特にY及びLuのうちの1つ以上のような、Y、Gd及びLuのうちの1つ以上を含み得る。特に、Bは、Al及びGaのうちの1つ以上、より特に、本質的にAlだけのような、少なくともAlを含み得る。それゆえ、特に適切なルミネッセンス材料は、セリウムを含むガーネット材料である。ガーネットの実施形態は、特に、A12ガーネットを含み、Aは、少なくともイットリウム又はルテチウムを含み、Bは、少なくともアルミニウムを含む。このようなガーネットは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、又はセリウムとプラセオジムとの組み合わせをドープしている可能性があるが、特にCeをドープしている可能性がある。特に、Bは、アルミニウム(Al)を含むが、Bは、ガリウム(Ga)及び/又はスカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)も、部分的に、特に最大でAlの約20%、より特に最大でAlの約10%含んでもよい(即ち、Bイオンは、本質的に、90モル%以上のAlと、10モル%以下のGa、Sc及びInのうちの1つ以上とから成る)。Bは、特に、最大で約10%のガリウムを含んでもよい。別の変形例においては、B及びOは、少なくとも部分的にSi及びNに置き換えられてもよい。元素Aは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、及びルテチウム(Lu)から成るグループから選択され得る。更に、Gd及び/又はTbは、特に、Aの約20%の量までしか存在しない。特定の実施形態においては、ガーネットルミネッセンス材料は、(Y1-xLu12:Ceを含み、xは、0以上且つ1以下である。「:Ce」という用語は、前記ルミネッセンス材料中の金属イオンの一部(即ち、ガーネットにおいては、「A」イオンの一部)が、Ceに置き換えられることを示している。例えば、(Y1-xLuAl12:Ceの場合には、Y及び/又はLuの一部が、Ceに置き換えられる。このことは、当業者には知られている。Ceは、Aを、一般に10%以下置き換え、一般に、Ce濃度は、(Aに対して)0.1乃至4%、特に0.1乃至2%の範囲内である。1%のCe及び10%のYと仮定すると、完全に正しい式は、(Y0.1Lu0.89Ce0.01Al12となり得る。ガーネットにおけるCeは、当業者には知られているように、実質的に三価状態にある、又は三価状態にしかない。
【0030】
実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(従って)A12を含み、特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nによって置き換えられ得る。
【0031】
特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2であり、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga、In及びScから成るグループから選択される1つ以上の元素を含む。実施形態においては、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。本発明においては、特に、x1>0.2などの、少なくとも0.8のような、x1>0である。Yを備えるガーネットは、適切なスペクトルパワー分布を提供し得る。
【0032】
特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここでは、B-OにおけるBは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を指し(且つOは、酸素を指し)、特定の実施形態においては、B-Oは、Al-Oを指す場合がある。上記のように、特定の実施形態においては、x3は、0.001乃至0.04の範囲から選択され得る。特に、このようなルミネッセンス材料は、適切なスペクトル分布を有し(但し、下記参照)、相対的に高い効率を有し、相対的に高い熱安定性を有し、(第1光源光及び第2光源光(並びに光学フィルタ)と組み合わせて)高いCRIを可能にし得る。従って、特定の実施形態においては、Aは、Lu及びGdから成るグループから選択され得る。その代わりに、又は加えて、Bは、Gaを含み得る。従って、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3(Lu,Gd)x2Cex3(Aly1-y2Gay212を含み、Lu及び/又はGdが利用可能であってもよい。更により特に、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択され、0<x2+x3≦0.1であり、0≦y2≦0.1である。更に、特定の実施形態においては、B-Oの最大1%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここで、百分率は、(当技術分野において知られているように)モルを指し、例えば、EP3149108も参照されたい。更に他の特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x3Cex3Al12を含み、x1+x3=1であり、0<x3≦0.2であり、0.001乃至0.1などである。
【0033】
特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、セリウムを含むガーネットのタイプから選択されるルミネッセンス材料しか含まないことがある。もっと他の特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212などの、単一のタイプのルミネッセンス材料を含む。従って、特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を有し、前記ルミネッセンス材料の少なくとも85重量%、更により特に少なくとも約90重量%、例えば更にもっとより特に少なくとも約95重量%が、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212を含む。ここで、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1種以上の元素を含み、B'は、Ga In及びScから成る群から選択される1つ以上の元素を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2である。特に、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。実施形態においては、x2=0であることに留意されたい。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、y2=0である。
【0034】
特定の実施形態においては、Aは、特に、少なくともYを含んでもよく、Bは、特に、少なくともAlを含んでもよい。
【0035】
実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、その代わりに、又は加えて、MSi:Eu2+及び/又はMAlSiN:Eu2+及び/又はCaAlSi:Eu2+などのうちの1つ以上を含んでもよく、Mは、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上、特に実施形態においては、少なくともSrを含む。従って、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Eu及び(Ba,Sr,Ca)Si:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiNとなり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。更に、材料(Ba,Sr,Ca)Si:Euは、MSi:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Euは、MAlSiN:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0036】
実施形態においては、赤色ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Eu及び(Ba,Sr,Ca)Si:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiNとなり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。
【0037】
材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0038】
更に、材料(Ba,Sr,Ca)Si:Euは、MSi:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0039】
同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Euは、MAlSiN:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0040】
上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0041】
青色ルミネッセンス材料は、YSO(YSiO:Ce3+)、若しくは同様の化合物、又はBAM(BaMgAl1017:Eu2+)、若しくは同様の化合物を含んでもよい。
【0042】
「ルミネッセンス材料」という用語は、本明細書においては、特に、無機ルミネッセンス材料に関し、これは、時として、蛍光体と示されることもある。これらの用語は、当業者には知られている。
【0043】
その代わりに、又は加えて、他のルミネッセンス材料が適用されることもある。例えば、量子ドット及び/又は有機色素が、適用されてもよく、随意に、例えばPMMA又はポリシロキサンなどのようなポリマのような、透過性マトリックスに埋め込まれてもよい。
【0044】
量子ドットは、一般にわずか数ナノメートルの幅又は直径を有する半導体材料の小さい結晶である。量子ドットは、入射光によって励起されるときに、前記結晶のサイズ及び材料によって決定されている色の光を発する。従って、ドットのサイズを適合させることによって、特定の色の光が生成されることができる。可視域で発光する、最も知られている量子ドットは、硫化カドミウム(CdS)及び硫化亜鉛(ZnS)などのシェルを備えるセレン化カドミウム(CdSe)をベースにしている。リン化インジウム(InP)、並びに硫化銅インジウム(CuInS2)及び/又は硫化銀インジウム(AgInS2)などの、カドミウムを含まない量子ドットも、使用されることができる。量子ドットは非常に狭い発光帯域を示し、従って、量子ドットは飽和色を示す。更には、発光色は、量子ドットのサイズを適合させることによって、容易に調整されることができる。本発明においては、当技術分野において知られている任意のタイプの量子ドットが使用され得る。しかしながら、環境に関する安全性及び懸念の理由で、カドミウムを含まない量子ドット、又は少なくともカドミウム含有量が非常に少ない量子ドットを使用することが好ましい場合がある。
【0045】
量子ドットの代わりに、又は量子ドットに加えて、他の量子閉じ込め構造が使用されることもある。「量子閉じ込め構造」は、本願との関連においては、例えば、量子井戸、量子ドット、量子ロッド、トライポッド、テトラポッド、又はナノワイヤなどとして理解されたい。
【0046】
有機蛍光体も使用されることができる。適切な有機蛍光体材料の例は、ペリレン誘導体をベースとした有機ルミネッセンス材料、例えば、BASFによってLumogen(登録商標)という名称で販売されている化合物である。適切な化合物の例は、Lumogen(登録商標)Red F305、Lumogen(登録商標)Orange F240、Lumogen(登録商標)Yellow F083、及びLumogen(登録商標)F170を含むが、これらに限定されない。
【0047】
異なるルミネッセンス材料は、異なるスペクトルパワー分布のそれぞれのルミネッセンス材料光を有し得る。その代わりに、又は加えて、このような異なるルミネッセンス材料は、特に、異なるカラーポイント(又は主波長)を有し得る。
【0048】
上記のように、他のルミネッセンス材料も可能であり得る。従って、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、二価ユーロピウム含有窒化物、二価ユーロピウム含有酸窒化物、二価ユーロピウム含有ケイ酸塩、セリウムを含むガーネット、及び量子構造のグループから選択される。量子構造は、例えば、量子ドット又は量子ロッド(又は他の量子型粒子)(上記参照)を含み得る。量子構造は、量子井戸も含み得る。量子構造は、フォトニック結晶も含み得る。
【0049】
特に、前記ルミネッセンス材料は、無機ルミネッセンス材料を含む。前記ルミネッセンス材料光は、(ルミネッセンス)減衰時間τを有する。材料が複数の減衰時間を有する場合、「減衰時間」という用語は、特に、単一の(優勢な(dominant)又は平均又は典型的な)減衰(寿命)時間を有する一次減衰速度則(first order decay kinetics)を指すことがある。本明細書において、前記減衰時間は、実施形態においては、特に、残光効果(afterglow effect)を指さないことがある(実施形態においては、特に、希土類イオンの純粋なf-f又はf-d遷移を指すことがある)。前記減衰時間については、標準的な定義S=S0*exp(-t/τ)、即ち、強度がt=0における初期強度の1/eまで低下した時間が適用される。
【0050】
更に、前記ルミネッセンス材料は、特に、約5乃至100ナノ秒のオーダーの減衰時間を有し得る、上記の三価セリウムを含むガーネットなどの、又はマイクロ秒のオーダーの減衰時間を有し得る、上記の二価ユーロピウムをベースとした窒化物若しくは酸窒化物などの、Ce3+及び/又はEu2+ベースのものであってもよい。前記減衰時間は、ホスト材料(即ち、Ce3+又はEu2+がドープされる(「ドーパント」又は「活性剤」として利用可能である)材料)に依存し得る。
【0051】
上記のように、前記光生成システムは、前記動作モードにおいて、光源光及び前記ルミネッセンス材料光を含むシステム光を生成するよう構成される。従って、システムから離れるようにして発するシステム光は、前記光源光と前記ルミネッセンス材料光とを含み得る。例えば、前記システムは、(光透過性材料からの)端部窓(end window)であって、前記システム光が、前記端部窓を介して前記システムから脱出することができる端部窓を有してもよい。前記システムは、当業者には明らかであるだろうように、光学系を更に有してもよい。
【0052】
前記システム光は、実施形態においては、可視光を含んでもよい。その代わりに、又は加えて、前記システム光は、UV放射線又はIR放射線を含んでもよい。「可視」、「可視光」又は「可視発光」という用語、及び同様の用語は、約380乃至780nmの範囲内に1つ以上の波長を有する光を指す。本明細書においては、UVは、特に、200乃至380nmの範囲から選択される波長を指すことがある。本明細書においては、「光」という用語が可視光のみを指すことが文脈から明らかな場合を除き、「光」及び「放射線」という用語は交換可能に使用される。従って、「光」及び「放射線」という用語は、UV放射線、可視光、及びIR放射線を指すことがある。特に照明アプリケーションのための、特定の実施形態においては、「光」及び「放射線」という用語は、(少なくとも)可視光を指す。「紫色光」又は「紫色発光」という用語は、特に、約380乃至440nmの範囲内に波長を有する光に関する。「青色光」又は「青色発光」という用語は、特に、(幾らか紫色及びシアンの色相を含む)約440乃至495nmの範囲内に波長を有する光に関する。「緑色光」又は「緑色発光」という用語は、特に、約495乃至570nmの範囲内に波長を有する光に関する。「黄色光」又は「黄色発光」という用語は、特に、約570乃至590nmの範囲内に波長を有する光に関する。「オレンジ色光」又は「オレンジ色発光」という用語は、特に、約590乃至620nmの範囲内に波長を有する光に関する。「赤色光」又は「赤色発光」という用語は、特に、約620乃至780nmの範囲内に波長を有する光に関する。「ピンク色光」又は「ピンク色発光」という用語は、青色成分と赤色成分とを有する光を指す。「シアン」という用語は、約490乃至520nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指すことがある。「琥珀色」という用語は、約590乃至600nmなどの、約585乃至605nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指すことがある。本明細書においては、UV(紫外線)は、特に、200乃至380nmの範囲から選択される波長を指すことがあるが、特定の実施形態においては、他の波長もあり得ることがある。本明細書においては、IR(赤外線)は、特に、780乃至2000nmなどの、780乃至3000nmの範囲から選択される波長、例えば、1500nmまでの波長を有する放射線を指すことがあるが、特定の実施形態においては、他の波長もあり得ることがある。従って、IRという用語は、本明細書においては、近赤外線(NIR(又はIR-A))及び短波長赤外線(SWIR(又はIR-B))のうちの1つ以上、特に、NIRを指すことがある。
【0053】
特に、前記システム光は、可視光を有する、又は本質的に可視光から成る。
【0054】
実施形態においては、前記システム光は、可変カラーポイントを有する。これは、特に、パルス周波数、パルス時間、及びデューティサイクルのうちの1つ以上を変化させることによるものであり得る。従って、様々な色(のシステム光)が生成され得る。特定の実施形態においては、第1タイプの光及び第2タイプの光の色又はカラーポイントは、前記第1タイプの光及び前記第2タイプの光のそれぞれのカラーポイントが、u'に関して少なくとも0.01、及び/又はv'に関して少なくとも0.01、更により特に、u'に関して少なくとも0.02、及び/又はv'に関して少なくとも0.02異なる場合に、異なり得る。更により特定の実施形態においては、前記第1タイプの光及び前記第2タイプの光のそれぞれのカラーポイントは、u'に関して少なくとも0.03、及び/又はv'に関して少なくとも0.03異なり得る。ここで、u'及びv'は、CIE 1976 UCS(均等色度)図における光の色座標である。
【0055】
上記のように、前記制御システムは、前記動作モードにおいて、前記パルス周波数fper及び前記デューティサイクルdのうちの1つ以上を制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成され得る。その代わりに、又は加えて、前記制御システムは、前記動作モードにおいて、前記パルス周波数周期Tper及び前記デューティサイクルdのうちの1つ以上を制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成され得る。特定の実施形態においては、fper≧1/(10*τ)である。その代わりに、又は加えて、特定の実施形態においては、Tper≦10*τである。fperに対するより小さな値及び/又はTperに対するより大きな値は、更なる減少又は増加が、それぞれ、本質的に前記カラーポイントに影響を及ぼさない可能性があるという意味において、前記カラーポイントに特定の影響を及ぼさない可能性がある。
【0056】
「制御する」という用語及び同様の用語は、特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理する(supervise)ことを指す。従って、本明細書においては、「制御する」という用語及び同様の用語は、例えば、測定する、表示する、作動する、開く、シフトする、温度を変更するなどのような、挙動を前記要素に課すこと(要素の挙動を決定すること又は要素の動作を管理すること)などを指すことがある。「制御する」という用語及び同様の用語は、その上、モニタすることを更に含むことがある。従って、「制御する」という用語及び同様の用語は、要素に挙動を課すことを含むことがあり、要素に挙動を課し、前記要素をモニタすることを含むこともある。前記要素の制御は、「コントローラ」と示されることもある制御システムで行われ得る。従って、前記制御システム及び前記要素は、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。前記要素が、前記制御システムを有してもよい。実施形態においては、前記制御システム及び前記要素は、物理的に結合されていなくてもよい。制御は、有線及び/又は無線制御を介して行われることができる。「制御システム」という用語は、特に機能的に結合されている、複数の異なる制御システムを指すこともあり、例えば、前記複数の異なる制御システムのうちの1つの制御システムは、マスタ制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムは、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインターフェースを有してもよく、又はユーザインターフェースに機能的に結合されてもよい。
【0057】
前記制御システムはまた、遠隔制御装置からの命令を受信し、実行するよう構成されてもよい。実施形態においては、前記制御システムは、スマートフォン又はiPhone、タブレットなどのようなポータブルデバイスなどのデバイスにおけるアプリを介して制御されてもよい。従って、前記デバイスは、必ずしも前記照明システムに結合されないが、前記照明システムに(一時的に)機能的に結合されてもよい。
【0058】
従って、実施形態においては、前記制御システムは(また)、遠隔デバイスにおけるアプリによって制御されるよう構成されてもよい。このような実施形態においては、前記照明システムの前記制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又はスレーブモードで制御してもよい。例えば、前記照明システムは、コード、特にそれぞれの照明システムのための固有のコードで識別可能であってもよい。前記照明システムの前記制御システムは、(固有の)コードの光学センサ(例えばQRコードリーダ)を備えるユーザインターフェースによって入力される知識に基づいて前記照明システムにアクセスする外部の制御システムによって制御されるよう構成されてもよい。前記照明システムはまた、Bluetooth、WIFI、LiFi、ZigBee、BLE若しくはWiMAX、又は別の無線技術などに基づいて、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を有してもよい。
【0059】
前記システム、又は装置、又はデバイスは、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」で動作を実行し得る。同様に、方法においては、動作、又は段階、又はステップが、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」又は「動作可能モード」で実行され得る。「モード」という用語は、「制御モード」と示されることもある。これは、前記システム、又は装置、又はデバイスが、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するよう適合されることもあることを除外しない。同様に、これは、前記モードを実行する前に及び/又は前記モードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行され得ることを除外しない場合がある。
【0060】
しかしながら、実施形態においては、少なくとも前記制御モードを提供するよう適合される制御システムが利用可能である場合がある。他のモードが利用可能である場合には、このようなモードの選択は、特には、ユーザインターフェースを介して実行されてもよいが、センサ信号又は(時間)スキームに依存してモードを実行するような他の選択肢も可能であってもよい。前記動作モードは、実施形態においては、単一の動作モード(即ち、更なる調整可能性のない、「オン」)でしか動作することができないシステム、又は装置、又はデバイスを指すこともある。
【0061】
従って、実施形態においては、前記制御システムは、ユーザインターフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して制御してもよい。「タイマ」という用語は、クロック及び/又は所定の時間スキームを指すことがある。前記センサ信号は、センサのセンサ信号である。「センサ」という用語は、複数の(異なる)センサを指すこともある。前記センサは、実施形態においては、(例えば、部屋などの空間内の光を検知するための)周囲光センサ、屋外光センサ、温度センサ、近接センサ、動作センサなどのグループから選択される1つ以上のセンサを含んでもよい。
【0062】
特に、実施形態においては、fper≦1/(τ)である。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、Tper≧*τである。fper≦1/(2*τ)という周波数で非常に良好な結果が得られる可能性があるのに対して、fper≧1/(τ)という周波数においては、例えば既にfper≧1/(2*τ)という周波数において、前記システムの複雑さが増大する可能性があるようである。同様に、Tper≧2*τというパルス時間で非常に良好な結果が得られる可能性があるのに対して、Tper≦τというパルス時間においては、更により特には、既にTper≦2*τというパルス時間において、前記システムの複雑さが増大する可能性があるようである。
【0063】
例を挙げると、前記減衰時間が50nsである場合には、1/(τ)=20MHzであり、1/(2*τ)=10MHzであり、1/(10*τ)=2MHzである。
【0064】
実施形態においては、前記デューティサイクルdは、d<1、特に、d≦0.8のような、d≦0.95に従う。更により特定の実施形態においては、実施形態においてはd≦0.6のような、d≦0.75、更により特にはd≦0.5である。
【0065】
より特定の実施形態においては、前記制御システムは、前記動作モードにおいて、前記パルス周波数fperを、特に1/(8*τ)乃至1/(2*τ)の範囲内などの、1/(8*τ)乃至1/(1.4*τ)の範囲内で制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成される。従って、実施形態においては、fper≦1/(1.4*τ)である。
【0066】
上記のように、実施形態においては、前記パルス周波数又はパルス周期を変化させることによって、前記カラーポイントを変化させ得る。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、前記デューティサイクルを変化させることによって、前記カラーポイントを変化させ得る。
【0067】
特定の実施形態においては、前記制御システムは、前記動作モードにおいて、一定のデューティサイクルdにおいて前記パルス周波数fperを制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成され得る。特に、d≦0.5である。より大きなデューティサイクルは、前記カラーポイントに、より少ない影響を及ぼし得る。特に、実施形態においては、前記デューティサイクルdは、0.1乃至0.25のような、0.05乃至0.4の範囲から選択されるような、0.02乃至0.5などの、0.01乃至0.5の範囲から選択される。特に、前記デューティサイクルは、少なくとも0.01である。前記デューティサイクルは制御され得る(従って、時間と共に変化し得る)ことに留意されたい。
【0068】
特定の実施形態においては、前記制御システムは、前記動作モードにおいて、一定のパルス周波数fperにおいて前記デューティサイクルdを制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成され得る。特に、実施形態においては、前記制御システムは、前記動作モードにおいて、一定のパルス周波数において前記デューティサイクルdを0.02乃至0.5の間で制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成されてもよく、fper≦1/(2*τ)である。
【0069】
立ち上がり時間及び立ち下がり時間は、特に、≦0.5*τのように、本質的に前記減衰時間よりも小さい場合があるが、一般に特に、≦0.1*τなどの、≦0.2*τである。
【0070】
例えば、前記光源光が青色光であり、前記ルミネッセンス材料光が黄色光である場合には、前記システム光は、実施形態においては、白色光であり得る。しかしながら、より他の実施形態も可能であり得る。前記動作モードにおいて、前記システム光が白色光である場合、実施形態においては、CCTを調整することが可能であり得る。従って、特定の実施形態においては、前記光生成システムは、前記動作モードにおいて、相関色温度を有する白色システム光を生成するよう構成されることができ、前記制御システムは、前記動作モードにおいて、前記パルス周波数fper及び前記デューティサイクルdのうちの1つ以上を制御することによって、前記相関色温度を制御するよう構成され得る。
【0071】
本明細書における「白色光」という用語は、当業者には知られている。前記白色光は、特に、約2000Kと20000Kとの間、特に2700K乃至20000K、全般照明の場合は特に約2700K乃至6500Kの範囲内のような、約1800Kと20000Kとの間の相関色温度(CCT)を有する光に関する。実施形態においては、バックライト用途の場合は、前記相関色温度(CCT)は、特に、約7000乃至20000Kの範囲内であり得る。更に他に、実施形態においては、前記相関色温度(CCT)は、特にBBL(黒体軌跡)から約15SDCM(カラーマッチングの標準偏差)内、特にBBLから約10SDCM内、更により特にBBLから約5SDCM内である。
【0072】
上記のように、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、A12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。更に他に、特に実施形態においては、前記光源は、動作モードにおいて、青色パルス光源光を生成するよう構成され得る。更に、上記のように、特定の実施形態においては、前記光源は、レーザダイオードを有する。
【0073】
前記システム光に更に色を付けることが望ましい場合がある。実施形態においては、これは、前記システム光に(直接)混ぜられる、レーザダイオード光などの固体光源光である場合がある。前記システム光に対する相対的な寄与は、(前記制御システムによって)パルス幅変調を介して制御され得る。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、これは、(第2ルミネッセンス材料の)ルミネッセンス材料光である場合もある。このような実施形態においては、別の光源(第2光源)で前記第2ルミネッセンス材料を励起することが望ましい場合があるが、必ずしもそうとは限らない。例えば、前記ルミネッセンス材料光は、一般に前記減衰時間が異なるので、有用である場合がある。このような第2ルミネッセンス材料が第2光源を介して励起される場合、前記システム光に対する相対的な寄与は、(前記制御システムによって)パルス幅変調を介して制御され得る。特定の実施形態においては、これは、前記第1光源(光)及び第1ルミネッセンス材料(光)に関して本明細書において記載されているのと同じ原理によって、実行され得る。
【0074】
従って、特定の実施形態においては、本発明は、第2光源及び第2ルミネッセンス材料も含む、本明細書において定義されているような光生成システムであって、(I)前記第2光源が、動作モードにおいて、第2パルス周波数fper及び第2デューティサイクルd2を有する第2パルス光源光を生成するよう構成され、(II)前記第2ルミネッセンス材料が、前記第2光源光の一部を第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、前記第2ルミネッセンス材料光が、減衰時間τL2を有し、(III)前記光生成システムが、前記動作モードにおいて、前記光源光、前記ルミネッセンス材料光及び前記第2ルミネッセンス材料光を含み、随意に前記第2光源光を含むシステム光を生成するよう構成され、前記システム光が、可変カラーポイントを有し、(IV)前記制御システムが、前記動作モードにおいて、前記パルス周波数fper及び前記デューティサイクルdのうちの1つ以上を制御し、随意に、前記第2パルス周波数fper2及び前記第2デューティサイクルd2のうちの1つ以上を制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成される光生成システムも提供する。特定の実施形態においては、fper2≧1/(10*τL2)且つ/又はfper2≦1/(1.4*τL2)であり、特にfper2≧1/(8*τL2)且つ/又はfper2≦1/(2*τL2)である。しかしながら、前記パルス周波数又はパルス時間及びデューティサイクルなどとの関連で、他の実施形態も可能であり得る。例えば、実施形態においては、前記第2光源は、必ずしもパルス光源ではない。
【0075】
特に、前記第1光源光と前記第2光源光とは、異なるカラーポイントを有する。更に、特に、前記第1ルミネッセンス材料光と前記第2ルミネッセンス材料とは、異なるカラーポイントを有する。例えば、前記第2ルミネッセンス材料光は、オレンジ色又は赤色の光であってもよい。従って、特定の実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料が、前記第2光源光の一部を赤色第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成される。また、このやり方においては、色の調整可能なシステムが提供され得る。
【0076】
前記第2光源は、実施形態においては、変換材料なしで、そのまま使用される場合もある。従って、更に他の実施形態においては、本発明は、第2光源を含む、本明細書において定義されているような光生成システムであって、前記第2光源が、動作モードにおいて、第2パルス光源光を生成するよう構成され、前記光生成システムが、前記動作モードにおいて、前記光源光、前記ルミネッセンス材料光及び前記第2光源光を含むシステム光を生成するよう構成され、前記システム光が、可変カラーポイントを有し、前記制御システムが、前記動作モードにおいて、(前記第1光源を制御することに加えて、(上記も参照))前記第2光源を制御することによって、前記カラーポイントを制御するよう構成される光生成システムも提供する。前記第2光源は、レーザ光源を有してもよい。光源の非限定的な数の実施形態が、上に記載されている。特に、前記第1光源光と前記第2光源光とは、異なるカラーポイントを有する。前記第2光源は、CWであってもよく、又はパルス化されたものであってもよい。特定の実施形態においては、前記光生成システムは、前記動作モードにおいて、前記光源光、前記ルミネッセンス材料光及び前記第2光源光を含む白色システム光を生成するよう構成される。前記第2光源光は、例えば、赤色光であってもよいが、他の実施形態も可能であり得る。また、このやり方においては、色の調整可能なシステムが提供され得る。
【0077】
更に他の態様においては、本発明は、本明細書において定義されているような光生成システムを含む、ランプ、照明器具及びプロジェクタデバイスのグループから選択される光生成デバイスを提供する。更に他に、実施形態においては、前記光生成デバイスは、可変相関色温度を有するスポットライトであってもよく、前記相関色温度は、少なくとも1500Kなどの、少なくとも1000Kの範囲にわたって可変である。少なくとも1000Kの範囲は、例えば、2000乃至3500Kの範囲、又は3500乃至6000Kの範囲などのような、2000乃至6500Kの範囲内などの、1800乃至6500Kの範囲内で選択され得る。前記照明器具は、ハウジング、光学要素、ルーバーなどを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記光生成システムを囲むハウジングを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記ハウジングに設けられる光窓(light window)、又はハウジング開口部を有してもよく、前記システム光は、前記光窓又は前記ハウジング開口部を通して、前記ハウジングから脱出し得る。前記制御システムは、部分的に又は完全に、前記ランプ又は前記照明器具の外部などの、前記ランプ、前記照明器具又は前記プロジェクタデバイスの外部にある場合もあることに留意されたい。
【0078】
前記照明デバイスは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己照明ディスプレイシステム(self-lit display system)、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータサインシステム、装飾照明システム、携帯用システム、自動車アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸照明、デジタル投影、又はLCDバックライトの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。前記照明デバイス(又は前記照明器具)は、例えば光通信システム又は消毒システムの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
ここで、ほんの一例として、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略的な図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1】混ぜ合わされる一次放射線(光源)及び二次発光(ルミネッセンス材料光)スペクトルを概略的に図示する。
図2】電流波形の例と、立ち上がり時間T及びデューティサイクルd=Ton/Tperの定義とを示す。TFは、(TRとほぼ同じであり得る)立ち下がり時間である。
図3】デューティサイクル(d)の関数として、全放射線に対する二次放射線(ルミネッセンス)の割合を示し、直流においては(即ち、変調なしでは)二次放射線が50%である計算例を示す。パラメータは、ルミネッセンス減衰時間(Tper)に対するレーザダイオード電流のスイッチング周期の比率である。y軸は、相対二次放射線(又は全放射線に対する相対二次発光)を指すRSRを示す。
図4図3と同様のプロットであって、この場合も先と同様に、様々なスイッチング周期時間について、デューティサイクルの関数として、全放射線に関して二次放射線を示すプロットである。しかしながら、ここでは、DC動作時の始点(即ち、CW)は、10000KのCCTをもたらす0.61に設定されている。曲線族(family of curves)のパラメータは、この場合も先と同様に、(減衰時間τと関連付けられている)スイッチング周期時間である。
図5】変更されているデューティサイクル(d)での、全放射線に対する二次放射線(ルミネッセンス)の割合を、周波数の関数として示す。
図6a】パルス周期及びパルス周波数との関連で、幾つかの態様を概略的に図示する。
図6b】パルス周期及びパルス周波数との関連で、幾つかの態様を概略的に図示する。
図7a】幾つかの実施形態を概略的に図示する。
図7b】幾つかの実施形態を概略的に図示する。
図8】幾つか応用例を概略的に図示する。 概略的な図面は、必ずしも縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0080】
本発明は、実施形態においては、とりわけ、相対的に単純な構成、即ち、1つのレーザ光源及び1つの蛍光体で作成される、調節可能なCCTを持つ光源を提案する。CCTは、実施形態においては、採用されている作用が、温度(即ち、蛍光体のルミネッセンスの立ち上がり時間と減衰時間との間の差)にわたって安定しており、入力制御パラメータとして物理定数を使用することから、開ループ方式で調節され得る。また、レーザダイオードの電流変調/タイミングは、十分に正確にされることができる。このやり方においては、システムによって発せられる光のCCTを制御するために、フィードフォワードシステムが採用されることができる。実施形態においては、想定されるランプは、例えばルミネッセンス材料に依存して、1乃至50MHzなどの、0.5乃至100MHzの範囲内の周波数で変調され得る、単一のレーザダイオード光源のみを使用し得る。この変調レーザ光は、実施形態においては、10乃至100nsの一般的な減衰時間を持つCeドープYAG蛍光体を励起するために使用され得る。適切な変調周波数、デューティサイクル、及び特定の減衰時間を持つ蛍光体を選ぶことによって、開ループCCT制御が達成され得る。白色光を構成するためには、一次放射線の直接青色スペクトルと一緒に、(黄色の)二次変換放射線を生成するために、1つの蛍光体材料が使用される。二次(黄色)放射線に対する一次(青色)放射線の比率は、デューティサイクルを減らすことによって変更されることができる。この動作モードは、例えばハロゲンスポットの調光動作を模倣するために、例えば、CCT及び明るさを下げるために同時に使用されることができる。第2動作モードにおいては、(0.5未満のような)所与のデューティサイクルにおいて周波数が変更されることができ、周波数の増加時に一次放射線の比率の減少をもたらす。第3動作モードにおいては、例えば、CCTを暖色から寒色にシフトさせながら全光束を一定に保ち、更にパルス振幅を変わらぬままにするために、デューティサイクル及び周波数変調の両方が、混ぜ合わされ得る。
【0081】
図1は、2種類の可視放射線を概略的に図示しており、即ち、第1に、青色レーザ発光のうちの、蛍光体に吸収されない部分を概略的に図示しており、第2に、そのルミネッセンス発光を概略的に示している。
【0082】
ルミネッセンス寿命(τ)に近いスイッチング周期と、τよりはるかに小さい遷移時間(Tr)とを持つ、図2において示されているようなレーザ駆動電流(y軸:電流のI)パターンと仮定すると、全放射線(total radiation)に対する二次(変換、ルミネッセンス)放射線の相対含量は、図3においてプロットされているように変更されることができる(下の表も参照)。曲線族は、デューティサイクルは変えられる一方で、周波数は固定されるものを指す。周波数fs=1/Tperは、ルミネッセンス寿命(τ)と関連付けられている。周波数が高ければ高いほど、影響は顕著になる。例えば、τ=60nsにおいては、下の曲線は、fs=1/5τ=3.3MHzを指す。参照符号Tperは、パルス周期又はパルス時間を示している。
【0083】
図4は、図3と同様のプロットであって、この場合も先と同様に、(0.2*τと5*τとの間の)様々なスイッチング周期時間について、デューティサイクルの関数として、全放射線に関して二次放射線を示すプロットを示している。しかしながら、ここでは、DC動作時の始点(即ち、CW)は、10000KのCCTをもたらす0.61に設定されている。曲線族のパラメータは、この場合も先と同様に、(減衰時間τと関連付けられている)周期時間である。
【0084】
赤色シフトは、周波数を変化させながらデューティサイクルを一定に保つことによっても同様に達成されることができる。図5は、ダイオードが十分に高い周波数で動作されることができさえすれば、より低いデューティサイクルは、より強いCCTの変化を与えることができることを示している。この例においては、デューティサイクルは、0.75と0.25との間で変えられている。
【0085】
図6aは、パルス周期Tperの関連範囲を概略的に示しており、図6bは、パルス周波数fperの関連範囲を概略的に示している。
【0086】
一度には変調周波数又はデューティサイクルのいずれかを変化させることは、総放射線の変化をもたらす。駆動周波数とデューティサイクルとが同時に変更される場合には、ほぼ一定の出力光束を生成しながら、色のシフトが達成されることができる。例は、単一の変換蛍光体の場合について説明しているが、単一のレーザ又は複数のレーザによって励起される複数の蛍光体の組み合わせにも適用されることができる。
【0087】
システムにおいては、2つ以上のレーザタイプ(例えば、黄色蛍光体を励起するための青色レーザ、及び赤色蛍光体の励起のための緑色レーザ)も使用されることができる。この場合には、より広い色空間の調整能力が得られ得る。図7aを参照すると、本発明は、とりわけ、光源110、ルミネッセンス材料210、及び制御システム300を有する光生成システム1000を提供する。光源110は、動作モードにおいて、パルス周波数fper及びデューティサイクルdを有するパルス光源光111を生成するよう構成され得る。更に、ルミネッセンス材料210は、光源光111の一部をルミネッセンス材料光211に変換するよう構成され、ルミネッセンス材料光211は、減衰時間τを有する。特に、光生成システム1000は、動作モードにおいて、光源光111及びルミネッセンス材料光211を含むシステム光1001を生成するよう構成され、システム光1001は、可変カラーポイントを有する。更に、制御システム300は、動作モードにおいて、パルス周波数fper及びデューティサイクルdのうちの1つ以上を制御することによって、カラーポイントを制御するよう構成され、fper≧1/(10*τ)である。特に、実施形態においては、fper≦1/(τ)である。
【0088】
制御システム300は、動作モードにおいて、一定のデューティサイクルdにおいてパルス周波数fperを制御することによって、カラーポイントを制御するよう構成されてもよい。特に、制御システム300は、動作モードにおいて、パルス周波数fperを1/(8*τ)乃至1/(2*τ)の範囲内で制御することによって、カラーポイントを制御するよう構成され得る。例えば、実施形態においては、d≦0.5である。更に、実施形態においては、デューティサイクルdは、0.05乃至0.5の範囲から選択される。実施形態においては、制御システム300は、動作モードにおいて、一定のパルス周波数fperにおいてデューティサイクルdを制御することによって、カラーポイントを制御するよう構成されてもよい。特に、制御システム300は、動作モードにおいて、一定のパルス周波数においてデューティサイクルdを0.05乃至0.5の間で制御することによって、カラーポイントを制御するよう構成されてもよく、fper≦1/(2*τ)である。
【0089】
上記のように、光生成システム1000は、動作モードにおいて、相関色温度を有する白色システム光1001を生成するよう構成され、制御システム300は、動作モードにおいて、パルス周波数fper及びデューティサイクルdのうちの1つ以上を制御することによって、相関色温度を制御するよう構成され得る。
【0090】
ルミネッセンス材料210は、A12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含んでもよく、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含み、光源110は、動作モードにおいて、青色パルス光源光111を生成するよう構成され、光源110は、レーザダイオードを有する。
【0091】
参照符号430は、ビーム成形要素、コリメータ、レンズ、反射器などのような、随意の光学的構成要素を指す。
【0092】
図7bにおいて概略的に図示されているように、光生成システム1000は、第2光源120と、第2ルミネッセンス材料220とを更に有してもよい。第2光源120は、動作モードにおいて、第2パルス周波数fper2及び第2デューティサイクルd2を有する第2パルス光源光を生成するよう構成され得る。第2ルミネッセンス材料220は、第2光源光121の一部を第2ルミネッセンス材料光221に変換するように構成されてもよく、第2ルミネッセンス材料光が、ルミネッセンス減衰時間τL2を有する。特に、光生成システム1000は、動作モードにおいて、光源光111、ルミネッセンス材料光211及び第2ルミネッセンス材料光221を含み、随意に、第2光源光121を含むシステム光1001を生成するよう構成されてもよく、システム光1001は、可変カラーポイントを有する。更に、実施形態においては、制御システム300は、特に、動作モードにおいて、パルス周波数fper及びデューティサイクルdのうちの1つ以上を制御し、随意に、第2パルス周波数fper2及び第2デューティサイクルd2のうちの1つ以上を制御することによって、カラーポイントを制御するよう構成されてもよい。例えば、fper2≧1/(10*τL2)である。実施形態においては、第2ルミネッセンス材料220は、第2光源光121の一部を赤色第2ルミネッセンス材料光221に変換するよう構成される。参照符号430は、ビーム成形要素、コリメータ、レンズ、(ダイクロイックビームコンバイナのような)ビームコンバイナなどのような、随意の光学的構成要素を指す。ここでは、図7bにおいては、光学系430としてダイクロイックビームコンバイナ及びレンズが使用されているが、他の光学系も適用され得る。ダイクロイックビームコンバイナは、第1ルミネッセンス材料光と第2ルミネッセンス材料光221を組み合わせるために使用される。
【0093】
しかしながら、特にレーザ光源を含む、第2光源120しか用いないような、他の実施形態も可能であり得る。このような光源は、実施形態においては、特にルミネッセンス材料210が第2光源光121に対して透過性である場合、第1光源110と平行に構成されてもよい。例えば、第1光源110が、青色第1光源光を生成するよう構成され、第2光源120が、赤色第2光源光121を生成するよう構成され、ルミネッセンス材料210が、第1光源光111の少なくとも一部を黄色ルミネッセンス材料光211に変換するよう構成される場合に、そうであり得る。
【0094】
上記のように、制御システム300は、動作モードにおいて、ユーザインターフェースの入力信号、センサのセンサ信号、及びタイマに依存して、カラーポイントを制御するよう構成される(図8も参照)。
【0095】
図8は、ランプ1、照明器具2、及びプロジェクタデバイス3のグループから選択されるような、光生成デバイス1200の実施形態を概略的に図示している。光生成デバイス1200は、本明細書において定義されているような光生成システム1000を含み得る。例えば、光生成デバイス1200は、可変相関色温度を有するスポットライトであってもよく、相関色温度は、少なくとも1000Kの範囲にわたって可変である。参照符号1005は、センサを示している。
【0096】
図3乃至5から分かるように、結果として生じるスペクトル組成の色温度は、広い範囲で変えられることができる。統合スペクトル(integral spectrum)における変換放射線の相対的な割合の最低値は、DC動作モードにおけるスペクトル組成によって決定され、最高値は、デューティサイクル及び変調周波数に依存するが、0.9という値に近づき得る。460nmにおいて発光するレーザダイオードと、GdドープYAG蛍光体変換材料とを備えるシステムを例にとると、到達可能な色の調整可能範囲が計算されることができる。結果は、下の表に示されている。結果として生じるカラーポイントは、駆動パラメータに依存して、10000Kから4300K以下の範囲において調整されることができる。カラーポイントは、5500K以下のCCTにおいては、BBL線に沿っておらず、黒体曲線から著しく逸脱しているが、これは、単一蛍光体システムであるためである。より広い範囲で調整可能な白色光源を有するためには、2蛍光体システムが望ましい。
【表1】
「複数」という用語は、2つ以上を指す。
【0097】
本明細書における「実質的に」又は「本質的に」という用語、及び同様の用語は、当業者には理解されるだろう。「実質的に」又は「本質的に」という用語は、「全体的に」、「完全に」、「全て」などを備える実施形態も含み得る。従って、実施形態においては、「実質的に」又は「本質的に」という形容詞が取り除かれることもある。適用可能な場合には、「実質的に」という用語又は「本質的に」という用語は、100%を含む、95%以上、特に99%以上、更により特に99.5%以上などの、90%以上に関することもある。
【0098】
「有する」という用語は、「有する」という用語が「から成る」を意味する実施形態も含む。
【0099】
「及び/又は」という用語は、特に、「及び/又は」の前及び後で言及されている項目のうちの1つ以上に関する。例えば、「項目1及び/又は項目2」という語句、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関し得る。「有する」という用語は、或る実施形態においては、「から成る」を指す場合があるが、別の実施形態においては、「少なくとも規定されている種を含み、随意に、1つ以上の他の種を含む」を指す場合もある。
【0100】
更に、明細書及び特許請求の範囲における、第1、第2、第3などの用語は、同様の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、逐次的又は時間的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書において記載されている本発明の実施形態は、本明細書において記載又は図示されている順序以外の順序で動作が可能であることは理解されるべきである。
【0101】
本明細書においては、とりわけ、動作中の、デバイス、装置、又はシステムが記載されているかもしれない。当業者には明らかであるだろうように、本発明は、動作の方法、又は動作中の、デバイス、装置、若しくはシステムに限定されるものではない。
【0102】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、多くの他の実施形態を設計することができるだろうことに留意されたい。
【0103】
特許請求の範囲において、括弧内に配置される如何なる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0104】
「有する」という動詞及びその語形変化の使用は、請求項において示されている要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。文脈から明らかに別の意味が必要とされない限り、明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「有する」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的な、包括的な意味で、即ち、「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【0105】
要素の単数形表記は、このような要素の複数の存在を除外するものではない。
【0106】
本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアによって実施されてもよく、又は適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。幾つかの手段を列挙している、デバイスの請求項、又は装置の請求項、又はシステムの請求項においては、これらの手段のうちの幾つかは、ハードウェアの全く同一のアイテムによって実施されてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。
【0107】
本発明は、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得る、又は本明細書において記載されている方法若しくはプロセスを実行し得る制御システムも提供する。更に他に、本発明は、デバイス、装置、又はシステムに機能的に結合される又は含まれるコンピュータにおいて実行するときに、このようなデバイス、装置、又はシステムの1つ以上の制御可能な要素を制御するコンピュータプログラム製品も提供する。
【0108】
本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有するデバイス、装置、又はシステムに当てはまる。本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有する方法又はプロセスに関する。
【0109】
この特許において説明されている様々な態様は、更なる利点を提供するために組み合わされることができる。更に、当業者は、実施形態は組み合わされることができること、及び3つ以上の実施形態も組み合わされることができることを理解するだろう。更に、特徴のうちの幾つかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
【国際調査報告】