(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-24
(54)【発明の名称】モニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
F42B 35/00 20060101AFI20230817BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20230817BHJP
【FI】
F42B35/00
G01M99/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507864
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(85)【翻訳文提出日】2023-04-04
(86)【国際出願番号】 GB2021051961
(87)【国際公開番号】W WO2022029410
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503126681
【氏名又は名称】エムビーディーエー・ユーケー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】バーネル,グレゴリー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ウィルシン,マシュー チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ベントレー,テレンス アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AD01
2G024BA12
2G024CA13
2G024DA28
2G024FA06
2G024FA14
(57)【要約】
複合武器システムの機械的疲労を監視するための方法およびシステム。まず、複合武器システムの動きを表すデータが取得される(101)。取得されたデータに基づいて、その動きに起因する複合武器システムの機械的疲労損傷の尺度が計算される(109)。その算出された尺度に基づいて、複合武器システムに生じた機械的疲労損傷の累積合計が、動きに起因する機械的疲労損傷を考慮するために更新される(113)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合武器システムの機械的疲労を監視する方法であって、
前記複合武器システムの動きを表すデータを取得するステップと、
前記取得されたデータに基づいて、前記動きに起因する前記複合武器システムの機械的疲労損傷の尺度を計算するステップと、
計算された尺度に基づいて、動きに起因する機械的疲労損傷を考慮するために、複合武器システムに生じた機械的疲労損傷の累積合計を更新するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記尺度を計算するステップは、衝撃応答スペクトルを計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記尺度を計算するステップは、疲労損傷スペクトルを計算することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記累積合計を更新するステップは、前記計算された尺度を前記累積合計に加えることを含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記累積合計を所定の閾値と比較するステップ、および、
前記比較に基づき、前記複合武器システムの予想残存寿命を決定するステップをさらに含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記累積合計が前記所定の閾値を超えることに応答して、前記複合武器システムが機械的疲労損傷に相応するレベルに達したという通知を生成するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記所定の閾値は、前記複合武器システムが保証される機械的疲労損傷の量に対応し、
前記複合武器システムの事例を老化促進プログラムに掛けることによって、前記所定の閾値を特定するステップをさらに含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記複合武器システムのさらなる動きに関し、前記取得、計算、および更新のステップを繰り返すステップをさらに含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記取得、計算、および更新のステップは、前記複合武器システムの配備の過程で複数回繰り返される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記取得、計算、及び更新のステップは、少なくとも5秒毎に繰り返される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
データを取得するステップは、前記複合武器システムの動きを測定することを含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記複合武器システムの動きを測定することは、加速度計を操作して前記複合武器システムの加速度を決定することを含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記更新は、前記累積合計と前記計算された尺度にのみ基づいて行われる、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記更新するステップに続いて、前記取得されたデータを破棄するステップをさらに含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ化されたデバイスに実行される一組の命令を含み、前記コンピュータ化されたデバイスに複合武器システムの機械的疲労を監視する方法を実行させるプログラムであって、前記方法は、
前記複合武器システムの動きを表すデータを取得するステップと、
前記取得されたデータに基づいて、前記動きに起因する前記複合武器システムの機械的疲労損傷の尺度を計算するステップと、
前記計算された尺度に基づいて、前記動きに起因する前記機械的疲労損傷を考慮するために、前記複合武器システムに生じた前記機械的疲労損傷の累積合計を更新するステップとを含む、コンピュータプログラム。
【請求項16】
複合武器システムの疲労損傷を監視するためのシステムであって、
前記複合武器システムの動きを表すデータを取得するように構成される、データ取得モジュールと、
前記取得されたデータに基づいて、前記動きに起因する前記複合武器システムの機械的疲労損傷の尺度を計算し、前記計算された尺度に基づいて、前記動きに起因する前記機械的疲労損傷を考慮するために前記複合武器システムに生じた前記機械的疲労損傷の累積合計を更新するように構成される疲労損傷モニタとを備える、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムを備える、複合武器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的疲労のモニタリングに関する。より詳細には、本発明は、複合武器システムの機械的疲労を監視するための方法およびシステムに関するものであるが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
複合武器システムは、使用時に極端な振動や機械的衝撃などによる大きな環境ストレスを受けながら使用される。このような環境ストレスにより、システムは使用中に機械的な疲労を起こす。最終的には、この機械的疲労が蓄積され、システムの故障の原因となることがある。このため複合武器システムは、予想される寿命を通じて受ける機械的疲労にシステムが耐えられることを保証するために、試験と保証が行われる。
【0003】
一般的に、複合武器システムは、システムの老化促進をシミュレートする試験プログラムに基づいて保証される。老化促進プログラムは、通常、システムの要求寿命及びシステムの予想使用プロファイルに基づき決定される。使用プロファイルは、システムが受けると予想される環境を定義し、例えば、振動レベル、温度変化、典型的な機械的衝撃、および/または湿度レベルを定義することができる。この老化促進試験の結果、システムは、定義された使用時間数(例えば、空中発射システムの場合、空輸時間数)に対して保証されることになる。この保証は、複合武器システムの特定の例の事例が、その耐用寿命の間、意図された環境に耐えることができるという確実性の程度を提供する。運用システムが保証された使用時間数に達すると、保証された寿命が尽きたとして、運用から外される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このプロセスは、複合武器システムの個々の事例が受ける異なる環境を考慮するための手段を提供しない。システムの配備環境によっては、所定の使用時間数が、異なる環境で配備されたシステムの他の事例と比較して、より大きなまたはより小さな量の機械的疲労に対応する場合がある。例えば、即応飛行隊に配備された航空発射武器システムの第1の事例は、訓練飛行のために配備された航空発射武器システムの第2の事例よりもはるかに高い疲労率を経験することになる。その結果、それぞれのシステムが保証された使用時間に達したとき、訓練飛行に配備されたシステムの機械的疲労は、即応部隊に配備されたシステムのそれよりも大幅に少なくなる可能性がある。訓練用に配備されたシステムは比較的「楽」な生活を送り、即応部隊に配備されたシステムは比較的「辛い」生活を送ったと言えよう。従来技術のプロセスは、辛い生活を送ったシステムと楽な生活を送ったシステムを区別していない。多くの場合、システムがさらされる環境条件は、システムが保証された老化促進プログラムよりもかなり穏やかな状況に配備される。そのため、比較的寿命の短いシステムは、そのシステムが実際に受けた疲労損傷を考慮すると、必要以上に早く使用から外される可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の問題を軽減しようとするものである。代替的または追加的に、本発明は、複合武器システムに対する機械的疲労を監視するための改良されたシステムおよび方法を提供しようとするものである。本発明はまた、複合武器システムの在庫管理のための改良された手段を可能にし得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の局面として、複合武器システムの機械的疲労を監視する方法を提供するものであって、複合武器システムの動きを表すデータを取得するステップと、取得されたデータに基づいて、動きに起因する複合武器システムの機械的疲労損傷の尺度を計算するステップと、計算された尺度に基づいて、動きに起因する機械的疲労損傷を考慮するために、複合武器システムに生じた機械的疲労損傷の累積合計を更新するステップとを含む。
【0007】
本発明の方法は、複合武器システムの機械的劣化を定量化し監視する手段を提供する。ある期間にわたる複合武器システムの動きを表すデータを記録することにより、それらの動きの結果としての複合武器システムの疲労損傷の尺度を決定することが可能である。
【0008】
従来、複合武器システムの耐用寿命は、単純な稼働年数や、所定の使用環境に配備された総時間(例えば、空輸時間数)で定義されることが多かった。しかし、このような定義は、個々の複合武器システムが曝される環境の違いを考慮することができない。本発明の方法では、個々の複合武器システムの動きが処理され、それらの動きに起因する複合武器システムの疲労損傷の尺度が決定される。これにより、本発明の方法は、複合武器システムの耐用寿命を定義し、耐用寿命を通じて進行するその複合武器システムの配備事例を監視するための代替手段を提供する。
【0009】
複合武器システムの保証中(通常、ある種の老化促進プログラムを含むプロセス)に本発明の方法を使用することにより、複合武器システムの耐用寿命を、所定のサービス環境における理論上の知覚時間だけでなく、実際に測定した環境に基づく機械疲労損傷全体の尺度という観点から定義することが可能になる。
【0010】
複合武器システムの耐用寿命にわたって同じ尺度を計算し更新することにより、耐用寿命を通じて複合武器システムの進行を監視することが可能である。有利なことに、その尺度は、個々の複合武器システムの耐用寿命の苛酷さを反映することになる。したがって、先行技術の方法と比較して、本発明の方法を使用することにより、複合武器システムの操作者は、その複合武器システムによる機械疲労損傷の発生をより直接的に監視することができる。例えば、比較的穏やかな環境で運用される複合武器システムは、より遅い速度で機械的疲労損傷を蓄積し、本発明の累積はそれを反映することになる。その結果、その複合武器システムは、対応する遅い速度でその保証された耐用寿命を進行し、機械疲労の保証限界に達するまでサービスから除去される必要はない。対照的に、先行技術の方法およびシステムは、その複合武器システムが配備された良性の環境を補償することができず、その結果、そのシステムをサービスから早期に除去することになりそうである。
【0011】
本発明の第2の局面によれば、コンピュータ化されたデバイスに実行される一組の命令を含むプログラムであって、前記コンピュータ化されたデバイスに複合武器システムの機械的疲労を監視する方法を実行させるコンピュータプログラムが提供され、前記方法は、前記複合武器システムの動きを表すデータを取得するステップと、
前記取得されたデータに基づいて、前記動きに起因する前記複合武器システムの機械的疲労損傷の尺度を計算するステップと、
前記計算された尺度に基づいて、前記動きに起因する前記機械的疲労損傷を考慮するために、前記複合武器システムに生じた前記機械的疲労損傷の累積合計を更新するステップとを含む。
【0012】
本発明の第3の局面によれば、複合武器システムの疲労損傷を監視するためのシステムが提供され、前記システムは、
前記複合武器システムの動きを表すデータを取得するように構成される、データ取得モジュールと、
前記取得されたデータに基づいて、前記動きに起因する前記複合武器システムの機械的疲労損傷の尺度を計算し、前記計算された尺度に基づいて、前記動きに起因する前記機械的疲労損傷を考慮するために前記複合武器システムに生じた前記機械的疲労損傷の累積合計を更新するように構成される疲労損傷モニタと、
を備える。
【0013】
本発明の第4の局面によれば、第3の局面によるシステムを備える複合武器システムが提供される。
【0014】
本発明の一局面に関連して説明された特徴が、本発明の他の局面に組み込まれ得ることは、もちろん理解されるであろう。例えば、本発明の方法は、本発明の装置を参照して説明された特徴のいずれかを取り込むことができ、逆もまた然りである。
【0015】
本発明の実施形態は、次に、添付の概略図面を参照して、例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態による複合武器システムの機能ブロック図である。
【
図2】本発明の第2実施形態による軍需品管理システムの機能ブロック図である。
【
図3】本発明の第4実施形態による方法のステップを示すフローチャートである。
【
図4】SRS計算のデジタル実装の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1の側面は、複合武器システムの機械的疲労を監視する方法を提供する。本方法は、複合武器システムの動きを表すデータを取得することを含む。本方法は、取得されたデータに基づいて、動きに起因する複合武器システムの機械的疲労損傷の尺度を計算することをさらに含む。本方法は、計算された測定値に基づいて、動きに起因する機械的疲労損傷を考慮するために、複合武器システムに生じる機械的疲労損傷の累積合計を更新することをさらに含む。
【0018】
複合武器システムは、誘導武器(例えばミサイル)およびその武器のための関連する発射装置を指すことが、当業者には理解されよう。また、複合武器システムは、空輸式、船舶発射式、陸上車両発射式、または人間携帯式の複合武器システムから構成され得ることも理解されよう。
【0019】
また、本発明の方法は、複合武器システムの全体(例えば、発射装置と付属ミサイルの両方)または複合武器システムの一部(例えば、ミサイルまたはそのサブシステムのみ)の機械的疲労を監視するために使用されてもよいことが理解されるであろう。したがって、本方法は、ミサイル、発射装置、ミサイルサブシステム、発射装置サブシステム、及びミサイルコンテナのいずれかに対する機械的疲労を監視するために使用されてもよい。
【0020】
当業者であれば、機械的疲労とは、材料に負荷がかかることによって材料が弱くなり、材料内に局所的な構造的損傷が生じることを指すと理解されよう。材料に負荷がかかるたびに、材料に既に与えられたものに加えて、さらなる機械的疲労損傷が引き起こされ、機械的疲労損傷は時間とともに蓄積されると言うことができるようになる。複合武器システムのこのような負荷は、通常、複合武器システムの動きの結果である。
【0021】
この動きは、複合武器システムへの機械的衝撃を含んでよい。当業者には、機械的衝撃は、比較的短い時間にわたって加えられる比較的大きな力(例えば、複合武器システムへの衝撃から生じる)を指すことが意図されていることが理解されよう。この動きは、複合武器システムの振動を含んでよい。そのような振動は、例えば、複合武器システムの空輸から生じてもよい。異なる振動及び機械的衝撃(および、より一般的な動き)は、異なる周波数成分を含むことができ、また、それらの周波数成分は大きさが異なってもよいことが理解されるであろう。したがって動きは、1つ以上の振動及び/又は1つ以上の機械的衝撃の組合せから構成されてもよい。
【0022】
当業者には、複合武器システムの一部(ただし、必ずしも複合武器システムの全体ではない)の動きが、その複合武器システムの動きを構成することが理解されよう。したがって本方法は、複合武器システムの全体又はその一部の動きを表すデータを取得することを含んでよい。同様に、本方法は、取得されたデータに基づいて、動きに起因する複合武器システムの全体(またはその一部)に対する機械的疲労損傷の尺度を計算することを含んでもよい。同様に、本方法は、算出された尺度に基づいて、動きに起因する機械的疲労損傷を考慮するために、複合武器システム(又はその一部)の全体に生じる機械的疲労損傷の累積合計を更新することを含んでもよい。
【0023】
データを取得することは、複合武器システムの動きを測定することを含んでよい。複合武器システムの動きを測定することは、加速度計(例えば、慣性測定ユニットの一部を形成する)を動作させて複合武器システムの加速度を決定することを含むことができる。したがって、データは、複合武器システムの加速度の一連の時間サンプルを構成することができる。一連の時間サンプルは、1kHz以上、好ましくは2.5kHz以上、より好ましくは5kHz以上のサンプリングレートに対応するものであることが考えられる。単一の加速度計は、単一の自由度に関してのみ加速度を測定することが理解されよう。動きを測定することは、複数の加速度計(例えば、3つの加速度計)を操作することを含んでいてよい。このような場合、データは複数の時間サンプルのシリーズ(例えば、複数の加速度センサのそれぞれについて1つのシリーズ)から構成されることがある。動きを測定することが3つ以上の加速度計を操作することを含む場合、それらの加速度計がそれぞれ直交する加速度を測定するように配置され、3つの加速度計が一緒になって3次元空間における複合武器システムの並進運動を完全に表すデータを記録するようにすることが考えられる。
【0024】
データを取得するステップは、コミュニケーションリンクを介してデータを受信することを含んでよい。そのようなコミュニケーションリンクは、有線または無線であってもよく、直接のコミュニケーションリンクであっても、ネットワーク(例えばインターネット)を介して提供されるものであってもよい。例えば、本方法は、複合武器システムから離れたサーバで実行されてもよい。このような場合、データを取得することは、インターネットを介してデータを受信することを含んでよい。別の例では、本方法は、ミサイル用の格納コンテナの一部を形成するプロセッサによって実行されてもよい。このような場合、データを取得することは、直接コミュニケーションリンクを介してミサイルからデータを受信することを含んでよい。
【0025】
複合武器システムの動きは、複合武器システムの機械的負荷をもたらす。したがって、取得されたデータは、動きの結果としての複合武器システムの機械的負荷を特徴付けると考えることができる。取得されたデータから、動きによって複合武器システムが受けた機械的疲労損傷の尺度を計算することが可能である。
【0026】
尺度を計算することは、衝撃応答スペクトル(SRS)を計算することを含んでよい。衝撃応答スペクトルは、最大値SRS、負SRS、正SRS、一次SRS、及び残留SRSのうちの1つ以上(例えば、それら全て)から構成されてもよい。したがって、尺度を計算することは、最大値SRSを計算することを含んでよい。最大値SRSを計算することが応答の最大絶対値を取ることを含むことを、当業者は理解するであろう。上記のSRSの種類及びそれらが計算される方法は、当業者によく知られており、ISO標準18431-4に記載されている。上記のSRSの種類は、それぞれ複合武器システムの異なるタイプの機械的負荷を特徴付けるものであることがある。したがって、尺度を計算することは、複数の衝撃応答スペクトルを計算することを含んでもよい。複数の衝撃応答スペクトルは、上記の種類のうちの1つ以上を含んでよい。また、複数の衝撃応答スペクトルが、それぞれ、上記の種類のうちの異なるものであってもよい。
【0027】
SRSを計算することは、複数のデジタルフィルタを作動させることを含んでよい。複数のデジタルフィルタは、少なくとも20個のフィルタ、好ましくは少なくとも25個のフィルタ、より好ましくは少なくとも30個のフィルタ、さらに好ましくは少なくとも35個のフィルタを備えていてもよい。複数のデジタルフィルタのそれぞれが、質量ダンパーばね発振器をシミュレートするように構成されることであってもよい。SRSを計算することは、質量ダンパーばね発振器の基部へ加速度を与えることをシミュレートし、その応答を記録することを含んでよい。与えられる加速度は、取得されたデータ(およびその結果得られる複合武器システムの動き)に基づいて決定されてもよい。SRSを計算することは、与えられる加速度に対する複数の模擬質量ダンパーばね発振器のそれぞれの最大応答を記録することを含んでよい。したがって、複数のデジタルフィルタの各々は、それぞれの模擬質量ダンパーばね発振器の入力加速度に対する最大応答を計算するように構成されてもよい。
【0028】
尺度を計算することは、疲労損傷スペクトル(FDS)を計算することを含んでもよい。FDSを計算することは、取得されたデータから、複合武器システムの動きに起因する複合武器システム上の応力スペクトルを計算することを含んでよい。FDSを計算することは、計算された応力スペクトルの個々の周波数成分に対して、例えばレインフローカウンティングアルゴリズム(rainflow-counting algorithm)を動作させることを更に含んでよい。FDSを計算することは、計算されたSRS内で応答の変化率がゼロに等しい点(すなわち、変曲点)を特定することを含んでよい。FDSの算出は、連続する2つのそのような点の間の変位を算出することを含んでよい。FDSの算出は、連続する屈曲点の各対について、その対における2つの屈曲点の間のそれぞれの変位を算出することを含んでよい。このような場合、FDSを計算することは、計算された変位のそれぞれを合計することを含んでよい。FDSを計算することは、(例えば、計算された変位の合計に基づいて)Wohler計算を実行することを含んでよい。
【0029】
本方法は、複数の尺度(例えば、1つ以上のSRS及びFDSを含む)を計算することを含んでよい。
【0030】
複合武器システムに生じた機械的疲労損傷の合計を追跡するために、本方法は、複合武器システムの動きを反映するために、計算された尺度に基づいて、複合武器システムに生じた機械的疲労損傷の累積合計を更新することを含む。
【0031】
計算された尺度がスペクトルを含むことがあるように、累積合計もスペクトルまたは一連のデータ点を含むことがあることが理解されよう。同様に、本方法が複数の尺度を計算することを含む場合、本方法は、複数の累積合計(例えば、複数の計算された尺度に対応する)を更新することを含むこともできる。
【0032】
累積合計を更新することは、計算された尺度を累積合計に加えることを含んでよい(例えば、計算された尺度がFDSを含む場合)。累積合計を更新することは、計算された尺度と累積合計の最大値を取ることを含んでよい。計算された尺度および累積合計がそれぞれスペクトル(例えば、SRS)を含む場合、累積合計の更新は、スペクトルのデータ点のそれぞれについて(例えば、各周波数成分について)、その特定のデータ点の最大値を取ることを含んでいてよい。したがって、SRSの場合、累積合計を更新することは、累積合計および計算された尺度の包絡線を計算することを含んでいてもよい。
【0033】
本方法は、例えば、複合武器システムの動きを表す第1のデータセットの取得に応答して、累積合計を初期化することをさらに含んでもよい。累積合計を初期化することは、累積合計を第1の計算された尺度に等しくなるように設定することを含んでもよい。
【0034】
本方法は、複合武器システムのさらなる動きに関して、取得、計算、および更新の各ステップを繰り返すことをさらに含んでもよい。取得ステップ、計算ステップ、及び更新ステップは、複合武器システムの配備中に複数回繰り返されてよい。取得は、少なくとも250サンプル毎に、好ましくは少なくとも50サンプル毎に、より好ましくは少なくとも10サンプル毎に、繰り返されるものであってもよい。計算は、少なくとも250サンプル毎、好ましくは少なくとも50サンプル毎、より好ましくは少なくとも10サンプル毎に繰り返されることであってもよい。更新は、少なくとも250サンプル毎、好ましくは少なくとも50サンプル毎、より好ましくは少なくとも10サンプル毎に繰り返されるものであってもよい。取得ステップ、計算ステップ、および更新ステップのうちの1つまたは複数が、一連の時間サンプル内の各サンプルに対して繰り返されるものであってもよい。計算するステップ及び更新するステップは、定期的に(例えば、一定の間隔で)繰り返されるものであってもよい。このような間隔は、時間間隔の観点から定義されてもよいし、サンプル数の観点から定義されてもよいことが理解されよう。取得は、少なくとも5秒ごとに、好ましくは少なくとも500ミリ秒ごとに、より好ましくは少なくとも100ミリ秒ごとに、繰り返されることであってもよい。また計算は、少なくとも5秒毎、好ましくは少なくとも500ミリ秒毎、より好ましくは少なくとも100ミリ秒毎に繰り返されることであってもよい。また更新は、少なくとも5秒毎、好ましくは少なくとも500ミリ秒毎、より好ましくは少なくとも100ミリ秒毎に繰り返されるものであってもよい。このように、取得ステップ、計算ステップ、および更新ステップは、連続的に繰り返されることであってもよい。取得ステップ、計算ステップ、及び更新ステップを定期的に繰り返すことによって、複合武器システムに生じた機械的疲労の累積合計を逐次的に維持することができる。
【0035】
複合武器システムは、一度に何時間も配備される可能性があることが理解されるであろう。複合武器システムが動いている時間は、概念的に複数の時間帯に分割することができる。これらの時間帯は、本発明の方法に従って個別に処理されてもよい。したがって、本方法は、複合武器システムのさらなる動きを定義するさらなるデータを取得するステップをさらに含んでよい。動きおよびさらなる動きはそれぞれ、複数の時間帯のうちの別個のものに対応することであってもよい。例えば、動きとさらなる動きについて、さらなる動きが動きの直後に続くように、連続する時間帯に関連するものであってもよい。本方法は、取得されたさらなるデータに基づいて、さらなる動きに起因する複合武器システムの機械的疲労損傷のさらなる尺度を計算することをさらに含んでいてもよい。本方法は、算出されたさらなる尺度に基づいて、さらなる動きに起因する機械的疲労損傷を考慮するために累積合計を更新することを含んでいてもよい。このように、累積合計は、動きとさらなる動きの両方に起因する疲労損傷を反映するように更新される。当業者は、複合武器システムの配備中にわたってこのプロセスを繰り返すことによって、累積合計が、複合武器システムによって現在生じている疲労損傷の量を表す状態に維持されることを理解するであろう。
【0036】
本方法は、更新に続いて、取得されたデータを破棄することをさらに含んでいてもよい。累積合計の更新毎に、累積合計のその更新に関連するデータが破棄されるものであってもよい。累積合計がひとたび更新されると、動きに起因する機械的疲労損傷が累積合計に反映されることが理解されよう。取得されたデータを破棄することにより、複合武器システムに生じる機械的疲労損傷を監視するために記憶されなければならないデータ量が減少する。このステップを頻繁に繰り返すことにより、複合武器システムの動きを定義する大量のデータを保存する必要性を低減することができる。
【0037】
本方法は、累積合計を所定の閾値と比較することを含んでいてもよい。所定の閾値は、疲労損傷の関連するベンチマーク(例えば、複合武器システムの保証耐用寿命に関連する)を表すことであってもよい。本方法はまた、比較に基づいて、複合武器システムの予想残存寿命を決定することを含んでもよい。本方法は、累積合計が所定の閾値を超えることに応答して、相応レベルの機械的疲労損傷が複合武器システムに生じたという通知を生成することをさらに含んでもよい。所定の閾値は、複合武器システムが保証される機械的疲労損傷の量に対応するものであってもよい。したがって通知は、複合武器がその認証された寿命の終わりに達したことを示してもよい。代替的に、又は追加的に、本方法は、複合武器システムがその寿命の終わりに近づいている(例えば、その保証された機械的疲労損傷の80%に達した)ことを示す通知を生成することを更に含んでよい。通知を生成することは、(例えば、LEDを点灯させることによって、又は、定期的に音を発することによって)可視又は可聴警報を生成することを含んでよい。代替的に又は追加的に、通知を生成することは、軍需品管理システムに信号を送信することを含んでよい。
【0038】
本方法は、複合武器システムの操作者による監視のために、累積合計をデータベースにアップロードすることを含んでいてもよい。累積合計をアップロードするこのようなステップは、必ずしも累積合計が更新されるたびに実行される必要はないことが理解されよう。アップロードは、定期的に(例えば、毎日)実行されることであってもよい。アップロードは、複合武器システムの配備の終了に応答して(例えば、複合武器システムがその格納コンテナに戻されることに応答して)実行されることであってもよい。データベースは、複合武器システムから遠隔であってもよい(例えば、遠隔サーバ上にある)。したがって、アップロードは、データベースを提供するコンピューティングシステムに累積合計を送信することを含んでいてもよい。このような送信は、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して実行されてもよい。そのような場合、送信は暗号化されるものであってもよい。
【0039】
本方法は、複合武器システムの事例を老化促進プログラムに掛けることによって、所定の閾値を特定することを含んでいてもよい。老化促進プログラムを受ける複合武器システムの事例(その事例は、以後、「保証システム」と呼ばれる)は、本発明の方法を実行するようにも構成されることがある。保証システム上で本発明の方法を実行することにより、機械的疲労損傷の観点から複合武器システムの保証された耐用寿命をより正確に決定することが可能である。
【0040】
本発明の第2の局面は、コンピュータプログラムを提供する。コンピュータ装置に実行されるコンピュータプログラムは、コンピュータ装置に複合武器システムの機械的疲労を監視する方法を実行させる、一組の命令を含む。本方法は、複合武器システムの動きを表すデータを取得することを含む。本方法はまた、取得されたデータに基づいて、動きに起因する複合武器システムの機械的疲労損傷の尺度を計算することを含む。
本方法は、計算された尺度に基づいて、動きに起因する機械的疲労損傷を考慮するために、複合武器システムによって生じた機械的疲労損傷の累積合計を更新することをさらに含む。
【0041】
したがって一組の命令は、コンピュータ装置によって実行されるとき、コンピュータ装置に、第1の局面による複合武器システムの機械的疲労を監視する方法を実行させる、というものであってよい。
【0042】
コンピュータ装置は、コンピュータ、サーバ、処理ノード、フィールド プログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、またはプロセッサのうちの1つまたは複数を含んでよい。コンピュータ装置が単一の機械または場所に具現化されないように、コンピュータ装置が物理的に分散されてもよいことが理解されよう。そのような場合、コンピュータ装置のばらばらの部分。
【0043】
本発明の第3の側面は、複合武器システムに対する疲労損傷を監視するためのシステムを提供する。このシステムは、データ取得モジュールと、疲労損傷モニタとを備える。データ取得モジュールは、複合武器システムの動きを表すデータを取得するように構成される。疲労損傷モニタは、取得されたデータに基づいて、動きに起因する複合武器システムの機械的疲労損傷の尺度を計算するよう、および、計算された尺度に基づいて、動きに起因する機械的疲労損傷を考慮に入れて複合武器システムに生じた機械的疲労損傷の累積合計を更新するよう構成される。
【0044】
尺度を計算することが複数のデジタルフィルタを動作させることを含む場合、疲労損傷モニタは、デジタルフィルタのうちの2つ以上(例えば、デジタルフィルタのすべて)を並行して処理するように構成されることがある。システムがFPGAを含むものであってもよい。データ取得モジュールおよび疲労損傷モニタの一方または両方が、FPGAによって少なくとも部分的に実装されることであってもよい。FPGAを用いてシステムを実装することにより、並列性を高めることができ、取得したデータの処理におけるバックログを招かないように、尺度を計算し、累積合計を十分に速く更新することが可能になり得る。代替的または追加的に、システムはプロセッサを含むことができる。データ取得モジュールおよび疲労損傷モニタのうちの1つまたは両方が、プロセッサによって少なくとも部分的に実装されることが考えられる。
【0045】
本発明の第4の局面は、第3の局面によるシステムを含む複合武器システムを提供する。
【0046】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合武器システム100の機能ブロック図である。
【0047】
複合武器システム100は、データ取得モジュール101を備える。データ取得モジュール101は、複合武器システム100の動きを表すデータを取得するように構成される。この例示的な実施形態では、データ取得システム101は、慣性測定ユニット(IMU)103を含んで構成される。IMU103は、複数の加速度計(この特定の例では、3つの加速度計)を備え、したがって、複合武器システム100の動きを測定するように構成される。この例示的な実施形態では、加速度計は、加速度計の他の2つによって測定される方向と直交する方向の加速度をそれぞれが測定するように配置される。したがって、IMU103は、複合武器システムの並進的加速度を3つの運動平面すべてで測定するように構成される。したがって、IMU103は、複合武器システム100の動きを表す動きデータ105を生成するように構成されている。この例では、動きデータ105は、加速度の3系統の時間サンプル(3つの加速度計のそれぞれが1系統)を含む。
【0048】
本発明の他の実施形態では、IMU103は、データ取得モジュール101とは別個であってもよく、この場合、データ取得モジュール101は、IMU103からデータ105を受信するように構成されてよい。
【0049】
複合武器システム100は、疲労損傷モニタ107をさらに備える。疲労損傷モニタ107は、IMU103から疲労損傷計算機109に動きのデータ105を受信するように構成される。疲労損傷計算機109は、動きのデータ105に基づいて、動きに起因する複合武器システム100の機械的疲労損傷の1つまたは複数の尺度111を計算するように構成されている。
【0050】
この例示的な実施形態では、疲労損傷モニタ107は、SRSおよびFDSを計算するように構成される。SRSを計算することは、1自由度の質量ダンパー-ばね発振器システムの伝達関数の出力を評価することを含む。このようなシステムの伝達関数は、以下の通りである。
ここで、
a1 = 発振器のベースに加わる加速度
a2 = 応答時の加速度
m = 質量
c = ダンピング定数
k = バネ定数
s = ラプラス変数(複素周波数) ラジアン/秒
【0051】
1自由度システムは、以下に示すように、その非減衰固有周波数と共振ゲインによって特徴付けられる。
ここで、
fn = 自然周波数 Hz
Q = 共振ゲイン (Qファクター)
【0052】
したがって、伝達関数は次のように書き換えることができる。
ここで、
ω
n=2πf
n=固有振動数 ラジアン/秒
【0053】
測定された加速度(すなわち、データ105によって表される加速度)を、それぞれが異なる固有周波数を持つ1自由度の質量ダンパー-ばね発振器のシミュレーションセットのベースに適用することによって、SRSは算出される。固有振動数の関数としての発振器の最大応答は、SRSを構成する。
【0054】
この例では、27個の発振器がSRSの計算で使用される。しかし、本発明の他の実施形態では、他の数の発振器も使用することができることが理解されるであろう。
【0055】
図4は、SRS計算のデジタル実装の機能ブロック図である。機能ブロック図が上記の伝達関数を実装していることは、当業者には理解されることであろう。
【0056】
図示された実装では、設計で使用される離散時間積分器ブロックは、前進オイラーバリアント(Forward-Euler variant)である。離散時間積分器ブロックの差分方程式は、以下の通りである。
y(n)=y(n-1)+ Δt.x(n-1)
ここで、
Δt=サンプリング期間
【0057】
差分方程式の両辺をz変換すると、離散時間積分器の伝達関数は次のようになる。
Y(z)=Y(z) z-1+Δt.X(z)z-1
Y(z)(1-z-1 )=Δt .X(z)z-1
ID(z)=Y(z)/X(z)=Δt.z-1/(1-z-1 )=Δt/(z-1)
【0058】
SRS計算のための離散時間積分器を実装するのに上記の伝達関数を使用すること、これにより、SRS計算の改良された離散時間実装を提供することができる。
【0059】
FDSの計算は、デジタルフィルタのそれぞれの応答についてレインフローサイクルカウンティングを実行することを含む。この場合、FDSの計算は、各フィルタの変位応答内で変化率がゼロに等しい点(すなわち、応答の屈曲点)を特定し、それらの点間の変位を合計することを含む。FDSを計算することは、さらに、合計された変位に基づいてWohler計算(別称、「S-N」計算)を実行することを含む。このように、FDSは、加速度データの全時間履歴を保持する必要なく、リアルタイムで計算および更新可能である。
【0060】
この場合、バネ定数の値は任意に選択される。その結果、計算されたSRSおよびFDSは、複合武器システムに生じた機械的疲労損傷の絶対的な実測値を示すものでは無い。しかしながら、定数の値が変化しない限り、計算されたSRSおよびFDSは、他の時間または複合武器システム100の他の事例(例えば、複合武器システムの保証に使用される複合武器システム100の事例を含む)に生じたものと比較して、複合武器システム100に生じた機械疲労損傷に関する情報を提供する。したがって、この場合、SRSおよびFDSは、複合武器システム100の疲労損傷の比較尺度を提供する。本発明の他の実施形態は、絶対的な観点で機械的疲労損傷を定量化することを試みるために、材料固有の定数を利用し得ることが理解されよう。
【0061】
SRSを計算するプロセスは当技術分野でよく知られており、ISO標準18431-4に詳細に記載されている。同様に、FDSを計算するためのプロセスは当技術分野でよく知られており、標準STANAG AECTP-240 リーフレット2410/1 Annex Eに詳細に記載されている。
【0062】
図1に戻ると、複合武器システム100は、累積合計計算機113をさらに含む。累積合計計算機113は、疲労損傷計算機109から受信した尺度111を処理して、複合武器システム100に生じた機械疲労損傷の稼働合計を維持するように構成される。この例では、累積合計計算機113は、2つの累積合計(1つはSRSに対応し、1つはFDSに対応する)を維持するように構成される。本発明の他の実施形態では、累積合計計算機113は、他の数の累積合計を維持するように構成され得る(例えば、疲労損傷計算機109が他の数の尺度111を計算するように構成される場合)ことが理解されるであろう。
【0063】
累積合計計算機113は、疲労損傷計算機109から計算された尺度111を受信するように構成される。累積合計計算機113は、第1のセットの尺度111の受信に応答して、累積合計を対応する受信した尺度111と等しくなるように設定することによって、疲労損傷の累積合計を初期化するようにさらに構成される。したがって、SRSの累積合計は、受信したSRSに設定され、FDSの累積合計は、受信したFDSに設定される。疲労損傷計算機109は、さらに続く計算された尺度の受信に応答して、累積合計(複数形、以下同じ)115を更新するように構成される。更新は、累積合計がそれらの計算された尺度111に関連する動きに起因する機械的疲労損傷を反映するように更新されるように、受信した計算された尺度111に基づいて実行される。SRSおよびFDSがそれぞれスペクトルを含むように、対応する累積合計もそれぞれスペクトルを含むようになることが理解されよう。したがって、累積合計は、累積SRSおよび累積FDSを含む。
【0064】
累積SRSを更新することは、現在の累積SRSと受信したSRSからスペクトルの各データ点の最大値を取ることを含む。したがって、累積SRSを更新することは、現在の累積SRSおよび受信したSRSの包絡線を計算することを含む。累積FDSを更新することは、現在の累積FDSを、疲労損傷計算機109から受信したFDSに加えることを含む。このように、疲労損傷モニタ107は、累積合計115と計算された尺度111とに基づいて(例えば、それのみに基づいて)、累積合計115を更新するように構成される。
【0065】
疲労損傷モニタ107は、更新の完了に応答して、累積合計115の更新に関連する取得データを破棄するようにさらに構成される。
【0066】
疲労損傷モニタ107は、複合武器システム100の配備を通して、さらなるデータのセットを処理する(したがって、複合武器システム100のさらなる動きを処理するとも言える)ように構成される。したがって、疲労損傷モニタ107は、複合武器システムのさらなる動きに関して、取得、計算、更新、および破棄を繰り返すように構成されている。
【0067】
複合武器システム100は、通知モジュール117をさらに備える。通知モジュール117は、累積合計115を受信し、それらの各々を対応する所定の閾値と比較するように構成される。所定の閾値はそれぞれ、複合武器システムが保証される機械的疲労損傷の量に対応する。この実施例の場合、所定の閾値の各々は、スペクトルを構成する。具体的には、SRS尺度の所定の閾値はSRSを具備し、FDS尺度の所定の閾値はFDSを具備する。
【0068】
この場合、複合武器システム100(保証システム)の事例を老化促進プログラムに掛けることによって、所定の閾値は特定された。所定の閾値を計算するために、保証システムは、システムがその意図されたサービス寿命の間にさらされると予想される最大の衝撃及び振動環境に供される。保証システムは、老化プログラムを通じて、上述のような本発明の方法を実行することにより、老化促進プログラム(複合武器システム100の全使用寿命を表すように設計されている)中に複合武器システムが受けた疲労損傷に対応する累積合計の値を計算する。これらの計算された値は、所定の閾値として機能するように、複合武器システム100の運用事例にコピーされる。
【0069】
通知モジュール117は、比較に基づいて、複合武器システム100の予想残存寿命を決定するようにさらに構成される。この決定は、スペクトルのデータポイントの各々について、所定の閾値のパーセントとしての累積合計を計算することによって実行される。これらのパーセンテージの最大値は、複合武器システム100の保証された寿命のうち消費されたと推定されるパーセンテージとして採用される。本発明の他の実施形態では、複合武器システム100の予想残存寿命を決定するために1つまたは複数の他の方法を利用することができる(例えば、最大値ではなく、パーセンテージの平均値を使用する)ことが理解されるであろう。
【0070】
通知モジュール117は、累積合計が所定の閾値を超えることに応答して、複合武器システムが機械的疲労損傷に相応するレベル(例えば、複合武器システム100が保証されている機械的疲労損傷の最大レベル)を獲得したという通知を生成するようにさらに構成される。この場合、通知モジュール117は、オペレータの軍需管理システムに信号を送信することによって、通知を生成するように構成される。本発明の他の実施形態では、通知を生成するために他の手段(例えば、可聴アラートを鳴らす、またはLEDを点灯させる)を採用できることが理解されるであろう。通知モジュール117はまた、この場合、複合武器システム100のオペレータが軍需品在庫管理を行うのを支援する目的で、累積合計115を軍需品管理システムに定期的に送信するように構成される。
【0071】
複合武器システム100は、プロセッサ119と、関連するメモリ121とをさらに含む。プロセッサ119は、この例では、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)で構成される。本発明の実施形態において、プロセッサは、データ取得モジュール101、疲労損傷モニタ109、および通知モジュール117の機能の一部または全部を実装するように構成されてもよい。メモリ121は、プロセッサ119がそれらの機能を実装可能にするためにプロセッサ119によって実行可能な、命令の組を格納するように構成されてもよい。
【0072】
操作において、データ取得モジュール101は、IMU103を操作して、一定期間にわたって発生する複合武器システムの動きを表すデータ105を取得する。データ105は、一定期間をカバーする加速度の3つの時系列を含み、疲労損傷計算機109に引き渡される。疲労損傷計算機109は、データ105から、動きに関連する複合武器システム100に生じた機械的疲労損傷の尺度111を計算する。SRSとFDSを含む尺度111は、累積合計計算機113に引き渡される。累積合計計算機は、複合武器システム100にこれまでに生じた機械的疲労損傷の累積合計115を維持する。したがって、尺度111を受信する直前には、累積合計115は、期間の開始までに複合武器システム100に生じた機械疲労損傷の合計を表す。尺度111の受信に応答して、累積合計計算機は、尺度111に基づいて累積合計115を更新する。したがって、更新された累積合計115は、期間中に複合武器システムに生じた機械的疲労損傷を含み、したがって、期間の終わりまで複合武器システム100に生じた機械的疲労損傷の合計を表す。複合武器システムが期間の終了時にまだ配備されていることを条件として、このプロセスは、次に、先行する期間の終了直後に始まるさらなる期間にわたって生じるさらなる動きに関して繰り返される。このプロセスは、複合武器システムが配備されている間、継続的に繰り返され、複合武器システム100に生じた総機械疲労損傷を反映した状態で累積合計115を維持する。各更新の後、累積合計115は、通知モジュール117によって、対応する所定の閾値と比較される。所定の閾値は、複合武器システムの最大保証寿命を表し、所定の閾値の値は、促進老化プログラムを通じて決定されたものである。累積総計の1つ以上がその関連する所定の閾値に達するか又はそれを超えると、通知モジュール117は、複合武器システム100の操作者の軍需管理システムに、複合武器システム100の保証寿命の終わりに達したことを示す信号123の形態の通知を生成する。
【0073】
図2は、本発明の第2の実施形態による軍需品管理システム200の機能ブロック図である。
図1において使用されたのと同じ参照数字が、
図2において同様の要素を参照するために使用されている。
【0074】
軍需品管理システム200は、この場合、監視されるべき複合武器システムから離れたコンピュータ資源上で動作する。軍需品管理システム200は、多数の複合武器システムに生じる機械的疲労損傷を監視するように構成される。したがって、軍需品管理システム200は、複数の異なる複合武器システムに関して、以下に説明する機能を実行するように構成される。それら複数の複合武器システムは、必ずしも全てが同じタイプである必要はない。
【0075】
軍需管理システム200は、データ取得モジュール201を備える。データ取得モジュール201は、複合武器システムの加速度データを測定するためにIMUを動作させるのではなく、データ取得モジュール201は、複合武器システムから信号202を受信するためにトランシーバ203を動作させるように構成されることを除いて、第1の実施形態について説明したように実質的に機能する。信号202は、1つ以上の無線又は有線通信リンクを介して送信されてもよく、例えばインターネットを含む1つ以上のネットワークを通過してもよい。信号202は、複合武器システムの動きを表すデータ205を含む。複合武器システムは弾薬管理システム200と常時通信しているわけではないので、複数の複合武器システムのうちの1つ以上が、複合武器システムの配備全体をカバーする加速度データを記録するように構成されていることが考えられる。したがって、信号202は、複合武器システムの配備全体をカバーするデータ205を含んでいてもよい。
【0076】
軍需管理システム200の残りの部分は、第1の実施形態の複合武器システム100の対応する部分について上述したのと同様に機能するが、通知モジュール217についても同様である。通知モジュール217は、本実施形態では、他の軍需管理システムに信号を送信するように構成されていないが、代わりに、軍需管理システム200に関連するユーザインタフェース223上に通知を生成するように構成されている。
【0077】
軍需品管理システム200、または軍需品管理システム200を提供するコンピュータ資源は、他の機能(例えば、軍需品在庫管理)を実行するように構成されることもあることが理解されよう。
【0078】
本発明の第3の実施形態として、ミサイル格納コンテナが設けられる。ミサイル格納コンテナは、通知モジュールを除いて、代わりに第1の実施形態に関して説明したように実質的に機能するコンピュータ資源を備える。
【0079】
図3は、本発明の第4の実施形態による複合武器システムの機械的疲労を監視する方法300のステップを例示するフローチャートである。
【0080】
アイテム301によって表される方法300の第1のステップは、複合武器システムの動きを表すデータを取得することを含む。データを取得することは、複合武器システムの動きを測定することを含んでいる場合がある。そのような場合、複合武器システムの動きを測定することは、複合武器システムの加速度を決定するために加速度計を操作することを含んでいる場合がある。
【0081】
方法300の第2のステップは、アイテム303によって表され、取得されたデータに基づいて、動きに起因する複合武器システムの機械的疲労損傷の尺度を計算することを含む。尺度を計算することは、衝撃応答スペクトルを計算することを含むことができる。代替的または追加的に、尺度を計算することは疲労損傷スペクトルを計算することを含むことができる。
【0082】
アイテム305によって表される方法300の第3のステップは、計算された尺度に基づいて、動きに起因する機械的疲労損傷を考慮するために、複合武器システムに生じた機械的疲労損傷の累積合計を更新することを含む。累積合計を更新することは、計算された尺度を累積合計に追加することを含んでよい。累積総計を更新することは、累積総計と計算された尺度の最大値を取ることを含んでよい。更新は、累積合計および計算された尺度のみに基づいてもよい。
【0083】
アイテム307によって表される方法300の任意の第4ステップは、更新に続いて、取得されたデータを破棄することを含む。
【0084】
アイテム309によって表される方法300の任意の第5のステップは、累積合計を所定の閾値と比較し、比較に基づいて、複合武器システムの予想残存寿命を決定することを含む。
【0085】
アイテム311によって表される方法300の任意の第6ステップは、累積合計が所定の閾値を超えることに応答して、複合武器システムが機械的疲労損傷に相応するレベルを獲得したことの通知を生成することを含む。所定の閾値は、複合武器システムが保証される機械的疲労損傷の量に対応するものであってもよい。方法300は、複合武器システムの事例(instance)を老化促進プログラムに掛けることによって所定の閾値を特定するステップ(例えば、方法の第1のステップ301の前に発生する)をさらに含むことができる。
【0086】
本方法が、複合武器システムのさらなる動きに関し、取得(ステップ301)、計算(ステップ303)、及び更新(ステップ305)ステップを繰り返すことを含んでいてもよい。取得するステップ、計算するステップ、および更新するステップは、複合武器システムの配備コースで複数回繰り返されてもよい。そのような場合、任意の廃棄ステップ(ステップ307)も繰り返されてもよい。取得、計算、および更新ステップが、少なくとも5秒ごとに、好ましくは少なくとも500ミリ秒ごとに、さらに好ましくは少なくとも100ミリ秒ごとに、繰り返されてもよい。
【0087】
本発明は、特定の実施形態を参照して説明および図示されているが、当業者であれば、本発明は、本明細書で特に図示されていない多くの異なる変形に適していることが理解されるであろう。例としてのみ、ある種の可能な変化例をこれから説明する。
【0088】
説明した実施形態から、複合武器システムの動きの測定および疲労損傷の尺度の計算は、必ずしも同じサブシステムによって、または同じ場所で、実行される必要はないことが理解されよう。特に、複合武器システムの動きの測定は、複合武器システム上で実行されなければならない一方で、結果のデータは、処理のためにリモートコンピュータ資源に送信されることがある。そのコンピュータ資源は、その後、本発明の方法における後続のステップを実行することができる。
【0089】
第1の実施形態は、全体として複合武器システムに関連して記載してきたが、記載された機能性の全てが、その複合武器システムの単一のサブシステムに実装され得ることが理解されるであろう。したがって、本発明は、複合武器システムの機械的疲労を監視するためのミサイルサブシステムも提供する。
【0090】
説明された実施形態は、単一のSRSおよび単一のFDSを計算するが、疲労損傷の他の尺度(およびそれらの組み合わせ)も使用され得ることが理解されるであろう。例えば、説明された実施形態は、SRSのみを計算することもできるし、FDSのみを計算することもできる。同様に、説明された実施形態は、単にSRSを計算するものとして説明されているが、本発明の実施形態は、異なるタイプの複数のSRSを計算してもよいことが理解されよう。そのようなSRSは、最大値SRS、負のSRS、正のSRS、一次SRS、および残留SRSのうちの1つ以上(例えば、すべて)を含んでいてよい。
【0091】
上述した複合武器システム100、軍需品管理システム200、及びミサイル格納コンテナは、それぞれ1つ又は複数のプロセッサ及び/又はメモリを含んでいてもよいことが理解されよう。したがって、複合武器システム100は、プロセッサ119および関連するメモリ121を含んでいてもよい。プロセッサ119および関連するメモリ121は、複合武器システム100の上述の機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。同様に、軍需品管理システム200は、プロセッサ219および関連するメモリ221を含んでいてもよい。プロセッサ219および関連するメモリ221は、軍需管理システム200の上述の機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。本明細書で説明される例のいずれかに関連して説明されるような各デバイス、モジュール、コンポーネント、機械、または機能(例えば、データ取得モジュール101、疲労損傷モニタ107、または通知モジュール117)は、同様にプロセッサを含んでもよく、あるいはプロセッサを含む装置を含んでもよい。本明細書で説明する実施形態の1つまたは複数の局面は、装置によって実行される処理を含む。いくつかの例で、装置は、これらのプロセスを実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサを含む。これに関して、幾つかの実施形態は、(非一過性の)メモリに記憶されてプロセッサによって実行可能なコンピュータソフトウェアによって、あるいはハードウェアによって、あるいは実体的に記憶されたソフトウェアとハードウェアの組み合わせ(および実体的に記憶されたファームウェア)によって、少なくとも一部を実施され得る。また幾つかの実施形態は、コンピュータプログラム、特に、上述の実施形態を実践するために適合された、キャリア上またはキャリア内のコンピュータプログラムを含む。プログラムは、非一過性のソースコード、オブジェクトコード、または実施形態によるプロセスの実施に使用するのに適した他の任意の非一過性の形態のものであってよい。キャリアは、RAM、ROM、または光メモリ装置など、プログラムを運ぶことができる任意の実体または装置であってもよい。
【0092】
複合武器システム100、軍需管理システム200、およびミサイル格納コンテナの1つまたは複数のプロセッサは、中央処理装置(CPU)を含んでいてもよい。1つまたは複数のプロセッサは、グラフィック処理ユニット(GPU)を含んでいてもよい。1つまたは複数のプロセッサは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、または複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)のうちの1つ以上を含んでいてもよい。1つまたは複数のプロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでいてもよい。提供された例に加え、他の多くのタイプのデバイスが、1つまたは複数のプロセッサを提供するために使用されてもよいことが、当業者によって理解されるであろう。1つまたは複数のプロセッサは、複数の同位置のプロセッサまたは複数の異位置のプロセッサを含んでいてもよい。1つまたは複数のプロセッサによって実行される操作は、ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアのうちの1つまたは複数によって実行され得る。
【0093】
1つまたは複数のプロセッサは、データ記憶装置を含んでいてもよい。データ記憶装置は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの一方または両方を含んでもよい。またデータ記憶装置は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、磁気ディスクまたは光ディスクおよびディスクドライブ、またはソリッドステートドライブ(SSD)のうちの1つまたは複数を含んでもよい。提示された例に加え、多くの他のタイプのメモリも使用され得ることが、当業者によって理解されるであろう。1つまたは複数のプロセッサは、それぞれ、説明したものよりも多い、少ない、および/または異なるコンポーネントを含んでいてよいことが、当業者によって理解されるであろう。
【0094】
本明細書に記載された技術は、ソフトウェアまたはハードウェアで実装されてもよく、またはソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせを使用して実装されてもよい。それらは、本明細書に記載された技術のいずれかまたはすべてを実施および/またはサポートするように装置を構成することを含むことができる。図面を参照して本明細書に記載さ れる実施例の少なくともいくつかの局面は、処理システムまたはプロセッサで実行されるコンピュータプロセスを含んでいるが、本明細書に記載される実施例は、実施例を実践するために適合されたコンピュータプログラム、例えばキャリア上のまたはキャリア内のコンピュータプログラムにも及ぶ。キャリアは、プログラムを運ぶことができる任意の実体または装置であってよい。キャリアは、コンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。実体的コンピュータ可読記憶媒体の例としては、光学媒体(例えば、CD-ROM、DVD-ROM又はブルーレイ)、フラッシュメモリカード、フロッピー又はハードディスク、又はファームウェア又はマイクロコードなどのコンピュータ可読命令を少なくとも一つのROM又はRAM又はプログラマブルROM(PROM)チップに格納できる任意の他の媒体があるが、これに限定はされない。
【0095】
本開示はまた、システムの機械的疲労を監視する方法を提供し、該方法は、以下を含む。
システムの動きを表すデータを取得する。
前記取得されたデータに基づいて、前記動きに起因する前記システムの機械的疲労損傷の尺度を計算する。
計算された尺度に基づいて、動きに起因する機械的疲労損傷を考慮するために、システムに生じた機械的疲労損傷の累積合計を更新する。
【0096】
システムは、航空機(例えば、ドローンまたは有人航空機)、地上車両(例えば、車輪付きまたは追跡車両)、船舶、潜水艦、列車、または非複合武器システム(例えば、無誘導ロケットまたは爆弾)を含んでもよい。
【0097】
複合武器システムに関連して上述した特徴のいずれかまたはすべてが、開示されたシステムにも適用可能であることが、当業者には理解されよう。
【0098】
上述の説明において、既知の、明白な、または予見可能な等価物を有する整数または要素が言及されている場合、そのような等価物は、あたかも個別に記載されているように本明細書に組み込まれる。本発明の真の範囲を決定するために、特許請求の範囲を参照する必要があり、このような等価物を包含するように解釈されるはずである。また、好ましい、有利である、便利であるなどと記載されている本発明の整数または特徴は、任意であり、独立請求項の範囲を限定するものではないことが、読者によって理解されるであろう。さらに、そのような任意の整数または特徴は、本発明のいくつかの実施形態において可能な利益をもたらす一方で、他の実施形態では望ましくなく、したがって、存在しない可能性があることが理解される。
【国際調査報告】