(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維、その製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
D06M 13/08 20060101AFI20230818BHJP
D01F 6/60 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
D06M13/08
D01F6/60 371A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563210
(86)(22)【出願日】2022-04-02
(85)【翻訳文提出日】2022-10-18
(86)【国際出願番号】 CN2022085067
(87)【国際公開番号】W WO2023010876
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202110880290.3
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516082763
【氏名又は名称】中国科学院蘇州納米技術与納米▲ファン▼生研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】張 学同
(72)【発明者】
【氏名】包 雅倩
(72)【発明者】
【氏名】劉 増偉
【テーマコード(参考)】
4L033
4L035
【Fターム(参考)】
4L033AA08
4L033AB01
4L033AC03
4L033BA05
4L035AA04
4L035BB03
4L035BB15
4L035DD13
4L035EE20
4L035MG02
(57)【要約】
本願は原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維、その製造方法及び使用を開示する。製造方法は、アラミドナノ紡糸溶液を提供するステップと、第1有機溶媒とハロゲン化試薬を含む凝固浴を用いた紡糸技術によって疎水性変性アラミドナノゲル繊維を製造するステップであって、ハロゲン化試薬はモノブロモアルカン、モノクロロアルカン、ジブロモアルカン、ジクロロアルカン、トリクロロアルカンなどを含むステップと、次に、乾燥処理を行って、原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維を得るステップとを含む。本願で製造される原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、独特な三次元多孔質網目構造、低い熱伝導率、高空隙率、高い引張強さ及び破断伸び、所定の可紡性や構造安定性を有し、紡績分野に適用することができ、疎水性繊維を用いて編まれた織物はセルフクリーニング能力を有し、疎水性アラミドナノエアロゲル繊維フロックの製造にも有用であり、優れた疎水特性を示す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラミドナノ紡糸溶液を提供するステップと、
第1有機溶媒とハロゲン化試薬との組み合わせを含む凝固浴を用いた紡糸技術によって疎水性変性アラミドナノゲル繊維を製造するステップであって、前記ハロゲン化試薬はモノブロモアルカン、モノクロロアルカン、ジブロモアルカン、ジクロロアルカン、トリクロロアルカンのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含むステップと、
前記疎水性変性アラミドナノゲル繊維を乾燥処理して、原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維を得るステップとを含む、ことを特徴とする原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の製造方法。
【請求項2】
前記ハロゲン化試薬と第1有機溶媒との体積比が20:1~1:20であり、及び/又は、前記第1有機溶媒はDMSO、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ギ酸、酢酸のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、及び/又は、前記ハロゲン化試薬はモノブロモブタン、モノブロモエタン、モノクロロエタン、ジブロモブタン、ジクロロブタン、トリクロロメタンのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記アラミドナノ紡糸溶液は第2有機溶媒とポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子を含み、好ましくは、前記第2有機溶媒はDMF、DMSO、NMP、及びメタノールのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、好ましくは、前記ポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子はアラミド1313、アラミド1414、及びポリパラフェニレンテレフタルアミド変性高分子のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、好ましくは、前記アラミドナノ紡糸溶液中のポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子の濃度が1~30wt%であり、
好ましくは、前記アラミドナノ紡糸溶液はアルカリ性物質をさらに含み、好ましくは、前記アルカリ性物質はKOH、NaOH、カリウムtert-ブトキシドのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記紡糸技術は湿式紡糸技術及び3Dプリント技術のうちのいずれか1種又は2種の組み合わせを含み、好ましくは湿式紡糸技術である、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記湿式紡糸技術は、所定濃度のアラミドナノ紡糸溶液を提供し、凝固浴の組成を制御して、アラミドナノ紡糸溶液中のポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子を架橋させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成することを含み、
好ましくは、前記湿式紡糸技術に使用されるプロセス条件は、前記アラミドナノ紡糸溶液の濃度が1~30wt%であること、紡糸液が噴射ポンプにより凝固浴に押し出されること、前記押し出し針の直径が10μm~2mmであることを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記3Dプリント技術は、プリントインクとしてアラミドナノ紡糸溶液を用いて、第2有機溶媒とハロゲン化試薬との混合溶液を凝固浴とした環境にてプリントされた繊維を物理架橋又は化学架橋させて、疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成することを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
まず、前記疎水性変性アラミドナノゲル繊維中の難揮発性溶媒を易揮発性溶媒で置換し、次に、置換された疎水性変性アラミドナノゲル繊維を乾燥処理するステップを含み、
好ましくは、前記易揮発性溶媒は水、メタノール、エタノール、t-ブタノール、アセトン、シクロヘキサン、及びn-ヘキサンのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、及び/又は、
前記乾燥処理は、超臨界流体乾燥法、真空凍結乾燥法及び常圧乾燥法のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の前記方法で製造された原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維であって、
グラフト変性アラミドナノ構造が突き合わせられた連通している三次元多孔質網目構造を有し、前記アラミドナノ構造のサイズが8nm~300nmであり、好ましくは、前記三次元多孔質網目構造は、2nm以下のミクロ細孔、2~50nmのメソ細孔及び50nm~500μmのマクロ細孔からなり、好ましくは、前記三次元多孔質網目構造は、空隙率が60%~99%、好ましくは70%~99%、比表面積が100~1000m
2/gであり、好ましくは、
前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、直径が10μm~2mm、好ましくは50μm~1mm、特に好ましくは50μm~500μm、アスペクト比が10よりも大きく、好ましくは、
前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、熱伝導率が50mW/(m・K)未満、引張強さが3~35MPa、破断伸びが10~50%である、原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維。
【請求項9】
表面と水との接触角が90°~150°であり、グラフト置換度が0.01~20%である、ことを特徴とする請求項8に記載の原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維。
【請求項10】
油水分離、セルフクリーニング防水生地、複合材料、疎水性繊維フロック、ろ過材料又は断熱・保温材料の分野における請求項8又は9に記載の原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2021年8月2日に提出された出願番号が202110880290.3、発明の名称が「原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維、その製造方法及び使用」である中国特許出願に基づくものであり、かつ、当該出願の優先権を主張している。
【0002】
(技術分野)
本願は新規な機能性繊維及びその変性製造方法に関し、特に、紡糸中に原位置疎水性変性を行ったアラミドナノエアロゲル繊維、その製造方法及び使用に関し、ナノ多孔質材料及び機能繊維の技術分野に属する。
【背景技術】
【0003】
エアロゲル材料は、科学技術の発展に伴い、すでに多くの分野で応用されており、コロイド粒子やポリマー化合物分子が相互に集積して網目構造を形成するナノ多孔質固体材料であり、その分散媒は気体である。一般的なエアロゲル材料は、見掛け密度が極めて低く、比表面積が大きく、空隙率が高く、熱伝導率が低い。最も重要なのは、エアロゲル素材がメソ細孔構造に富んでいることであり、細孔径2~50nmのメソ細孔は機能性材料の担体として好適であるが、多孔質構造の存在により、エアロゲルの機械的性能は一般的に悪く、脆性も大きく、現在最もよく見られるエアロゲルの形態は塊状であり、連続繊維状のエアロゲル(つまりエアロゲル繊維)を取得するのは技術的に難しい。
【0004】
従来から、アラミドナノエアロゲル繊維が報告されたことがあり、これは、アラミドナノ繊維の集積による三次元網目構造であり、アラミドナノ繊維はナノレベルのポリパラフェニレンジカルボキサミド(PPTA)からなる一次元有機ナノ材料であり、最も強力な高分子材料の一つである。これらは特徴的なナノ構造を持ち、大きなアスペクト比と比表面積を持つだけでなく、PPTA繊維に由来する優れた機械的特性や、化学的特性、耐熱性を維持していることから、高度な複合材料を構築する上で「積み木」のような重要な役割を果たし、潜在力が巨大である。アラミドナノエアロゲル繊維は、優れた機械的特性を有するとともに、高い比表面積と大きな空隙率を有し、現在最も実用可能なエアロゲル繊維である。しかし、アラミド構造には多くのアミド結合が存在するため、このエアロゲル繊維は親水性であり、一般的な接触角は約67°であり、乾燥無水環境下での使用を確保しなければならないが、常温常圧ではエアロゲルの多孔質構造が吸水して骨格が収縮して崩壊しやすいため、アラミドナノエアロゲル繊維を疎水性に変性する必要がある。
【0005】
現在、フロロカーボンによる繊維表面の疎水性変性を報告したことがあるが、使用中にフロロカーボンが脱落しやすいため、性能が長続きせず、しかも後処理技術に属し、これにより、製造が複雑になる。そのため、多孔質材料の物性を損なうことなく、多孔質材料の疎水性変性を原位置で行うことは課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の主要な目的は、従来技術の欠陥を解決するために、紡糸中に原位置疎水性変性を行ったアラミドナノエアロゲル繊維及びその製造方法を提供することである。
【0007】
本願の別の目的は、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の発明目的を達成するために、本願に使用される技術的解決手段は以下を含む。
【0009】
本願の実施例は、
アラミドナノ紡糸溶液を提供するステップと、
第1有機溶媒とハロゲン化試薬との組み合わせを含む凝固浴を用いた紡糸技術によって疎水性変性アラミドナノゲル繊維を製造するステップであって、前記ハロゲン化試薬はモノブロモアルカン、モノクロロアルカン、ジブロモアルカン、ジクロロアルカン、トリクロロアルカンのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含むステップと、
前記疎水性変性アラミドナノゲル繊維を乾燥処理して、原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維を得るステップとを含む、原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の製造方法を提供する。
【0010】
いくつかの実施例では、前記ハロゲン化試薬と第1有機溶媒との体積比が20:1~1:20である。
【0011】
本願の実施例はまた、グラフト変性アラミドナノ構造が突き合わせられた連通している三次元多孔質網目構造を有し、前記アラミドナノ構造のサイズが8nm~300nmである、前述方法で製造された原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維を提供する。
【0012】
さらに、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、熱伝導率が50mW/(m・K)未満である。
【0013】
さらに、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、引張強さが3~35MPa、破断伸びが10~50%である。
【0014】
さらに、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、表面と水との接触角が90°~150°であり、グラフト置換度が0.01~20%である。
【0015】
また、本願の実施例は、油水分離、セルフクリーニング防水生地、複合材料、疎水性繊維フロック、ろ過材料又は断熱・保温材料などの分野における前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の使用を提供する。
【発明の効果】
【0016】
従来技術に比べて、本願の利点は以下を含む。
【0017】
1)本願で提供される疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、独特な三次元多孔質網目構造、低い熱伝導率、高空隙率、高い引張強さ及び破断伸び、一定の可紡性や優れた骨格構造の安定性を有し、実用に対応でき、例えば紡績などの分野に適用でき、この疎水性繊維を用いて編まれた織物は、一定のセルフクリーニング能力がある。本願で提供される疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は機能材料の担体としても利用可能であり、これにより得られる多機能エアロゲル繊維の応用の将来性が期待できる。
【0018】
2)本願で提供される疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の製造プロセスは、簡単であり、紡糸又はプリントにおいて原位置で変性処理をワンステップで実施することができ、後処理ステップが必要ではなく、反応の条件が温和である。また、本願で提供される疎水性変性方法は、疎水性アラミドナノエアロゲル繊維及びエアロゲル繊維フロックの量産に有用であり、該フロックは、ワイン、コーヒー、ミルク、ジュース、お茶、コーラなどの一般的な液体に対して撥液特性を示し、良好な疎水特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本願の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下の説明における図面は本願に記載のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
【0020】
【
図1】本願の実施例1で得られた原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の走査型電子顕微鏡像。
【
図2】本願の実施例1で得られた原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の接触角の写真。
【
図3】本願の実施例2で得られた原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の接触角の写真。
【
図4】本願の実施例3で得られた原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の接触角の写真。
【
図5】本願の実施例5で得られた原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維フロックの一般的な液体に対する撥液特性についての画像。
【発明を実施するための形態】
【0021】
従来技術の欠陥に対して、本発明者らは長期間に亘る研究及び大量の実践を行った結果、本願の技術的解決手段を提案している。本発明者らは、実験において、意外なことに、テレフタル酸アミド(PPTA)を有機アルカリ性溶媒に溶解して分散すると、その分子鎖上に多くのN-反応部位が発生し、これらの活性部位がグラフト変性反応を可能とすることを見出した。一方、ハロゲン化炭化水素試薬はアルカリ性条件下でN-と求核置換反応を起こしやすく、グラフト変性が可能になり、他方、十分なアルカンがグラフトされると、それ自体の疎水特性により、アラミドナノ繊維全体が巨視的に一定の疎水特性を有するようになり、これにより、化学反応によってアラミド繊維の原位置疎水性変性が図られる。
【0022】
以下、この技術的解決手段、その実施及び原理などについてさらに説明する。
【0023】
本願の実施例の一態様で提供される、紡糸中に原位置疎水性変性を行ったアラミドナノエアロゲル繊維の製造方法は、
アラミドナノ紡糸溶液を提供するステップと、
第1有機溶媒とハロゲン化試薬との組み合わせを含む凝固浴を用いた紡糸技術によって疎水性変性アラミドナノゲル繊維を製造するステップであって、前記ハロゲン化試薬はモノブロモアルカン、モノクロロアルカン、ジブロモアルカン、ジクロロアルカン、トリクロロアルカンのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含むステップと、
前記疎水性変性アラミドナノゲル繊維を乾燥処理して、原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維を得るステップとを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記製造方法は、具体的には、
アラミドナノ紡糸溶液を提供するステップ(1)と、
紡糸凝固浴の化学成分及び割合を決定して調整するステップ(2)と、
特定の凝固浴にて、所定の紡糸プロセスによって、アラミドナノ紡糸溶液を用いて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を製造するステップ(3)と、
前記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して特殊な乾燥処理を行い、疎水性化変性アラミドナノエアロゲル繊維を得るステップ(4)とを含む。
【0025】
ここで、より代表的な実施形態では、前記製造方法は、以下のステップを含む。
(1)適切なポリパラフェニレンテレフタルアミド(商品名:アラミドナノ)材料を用いて溶解し、各濃度の紡糸液を調製し、好ましくは、ポリパラフェニレンテレフタルアミド材料を特定の溶媒に溶解する。
(2)適切な凝固浴の組成を決定し、割合を適切に調整する。
(3)紡糸技術によって前記紡糸液を特定の凝固浴にてゾル-ゲル変換を行い、疎水性変性処理をしたアラミドナノゲル繊維を得る。
(4)所定の配比の溶媒を用いて前記アラミドナノゲル繊維に対して置換を複数回行い、アルコールゲル繊維又はハイドロゲル繊維を得て、次に、特殊な乾燥技術で上記アラミドナノゲル繊維を乾燥させ、疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維を得る。
【0026】
さらに、前記紡糸プロセスに使用される凝固浴の組成には、第1有機溶媒とハロゲン化試薬とが所定の割合で混合されている。
【0027】
いくつかの実施例では、前記ハロゲン化試薬と第1有機溶媒との体積比が20:1~1:20である。
【0028】
さらに、前記ハロゲン化試薬はブロモブタン、ジブロモブタンなどを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0029】
具体的には、前記ハロゲン化試薬は、モノブロモブタン、モノブロモエタン、モノクロロエタン、ジブロモブタン、ジクロロブタン、トリクロロメタンなどのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0030】
いくつかの実施例では、前記第1有機溶媒はDMSO、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ギ酸、酢酸などのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0031】
いくつかの実施例では、前記アラミドナノ紡糸溶液の組成は第2有機溶媒とポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子であり、前記有機溶媒の組成には、DMF、DMSO、NMP、及びメタノールなどのうちの1種又は2種以上の組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
さらに、前記ポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子は、アラミド1313、アラミド1414(アラミドナノ)及びポリパラフェニレンテレフタルアミド変性高分子などのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。
【0033】
さらに、前記アラミドナノ紡糸溶液中のポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子の濃度が1~30wt%である。
【0034】
さらに、前記アラミドナノ紡糸溶はアルカリ性物質をさらに含む。前記アルカリ性物質はKOH、NaOH、KTB(カリウムtert-ブトキシド)などのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む。テレフタル酸アミド(PPTA)が有機アルカリ性溶媒に溶解して分散すると、その分子鎖上に多くのN-反応部位が発生し、これらの活性部位がグラフト変性反応を可能とする。また、ハロゲン化炭化水素試薬はアルカリ性条件下でN-と求核置換反応を起こしやすく、グラフト変性が可能になる。
【0035】
好適な一形態としては、前記疎水性変性アラミドナノゲル繊維の製造方法は湿式紡糸技術及び3Dプリント技術などのうちのいずれか1種又は2種組み合わせを含むが、これらに限定されるものではなく、特に好ましくは湿式紡糸法である。
【0036】
好適な一形態としては、前記湿式紡糸技術は、アラミドナノ紡糸溶液を所定濃度の高分子溶液にすること、噴射ポンプにより凝固浴に紡糸液を押し出すこと、紡糸に使用される凝固浴の組成及び割合を調整して、アラミドナノ紡糸溶液中のポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子を物理架橋及び/又は化学架橋させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成することを含む。
【0037】
さらに、前記湿式紡糸技術に使用されるプロセスの条件は、濃度1~30wt%のアラミドナノ紡糸溶液を提供すること、押し出し針の直径が10μm~2mmの噴射ポンプにより凝固浴に紡糸液を押し出すことを含む。
【0038】
さらに、前記3Dプリント技術は、プリントインクとして所定濃度のアラミドナノ紡糸溶液を用いて、第2有機溶媒とハロゲン化試薬との混合溶液を凝固浴とした環境にてプリントされた繊維を物理架橋又は化学架橋させて、疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成することを含む。
【0039】
好適な一形態としては、前記製造方法は、まず、前記疎水性変性アラミドナノゲル繊維中の難揮発性溶媒を易揮発性溶媒で複数回置換し、次に、置換された疎水性変性アラミドナノゲル繊維を乾燥処理するステップを含む。
【0040】
さらに、前記易揮発性溶媒は、水、メタノール、エタノール、t-ブタノール、アセトン、シクロヘキサン、及びn-ヘキサンなどのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む、これらに限定されるものではない。
【0041】
好適な一形態としては、前記乾燥処理は、超臨界流体乾燥法、真空凍結乾燥法及び常圧乾燥法のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む、好ましくは超臨界流体乾燥法である、これらに限定されるものではない。
【0042】
さらに、前記超臨界流体乾燥法は、特定流体の超臨界環境にて疎水性変性アラミドナノゲル繊維内部の液体成分を超臨界流体で置換し、疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維を得ることを含み、使用される超臨界流体は、超臨界CO2、超臨界メタノール、超臨界エタノール、及び超臨界アセトンのうちのいずれか1種を含むが、これらに限定されるものではない。
【0043】
さらに、前記真空凍結乾燥技術は昇華乾燥とも呼ばれ、疎水性変性アラミドナノゲル繊維を氷点以下に凍結した後、高真空で溶媒を昇華して除去し、疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維材料を得ることを含む。
【0044】
また、さらに、前記凍結方法は、凍結装置にて予め凍結することと、乾燥室で直接真空吸引を高速で行って凍結することとを含む。真空凍結乾燥では、コールドトラップ温度が-80~-45℃、真空度が0.1kPa未満であり、真空凍結乾燥法は特に好ましい。
さらに、前記常圧乾燥技術は、疎水性変性アラミドナノゲル繊維材料を常圧又は低真空に置いて、温度を上げて溶媒を揮発させ、疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維材料を得ることを含む。
【0045】
前記のとおり、本願で提供される疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の製造プロセスは簡単であり、紡糸又はプリント中に原位置で変性処理を実施することができ、後処理ステップが必要ではなく、反応の条件が温和であり、量産に適用でき、この変性方法による疎水性エアロゲル繊維フロックの量産が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0046】
本願の実施例の別の態様は、グラフト変性アラミドナノ構造が突き合わせられた連通している三次元多孔質網目構造を有し、前記アラミドナノ構造のサイズが8nm~300nmである、前述方法で製造された原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維を提供する。
【0047】
さらに、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の材質は、アラミドナノ(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)繊維、具体的には、アラミド1313、アラミド1414、及びポリパラフェニレンテレフタルアミド変性高分子のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む。
【0048】
さらに、前記三次元多孔質網目構造は2nm以下のミクロ細孔、2~50nmのメソ細孔及び50nm~500μmのマクロ細孔からなる。
【0049】
さらに、前記三次元多孔質網目構造は、空隙率が60%~99%、好ましくは70%~99%であり、比表面積が100~1000m2/gである。
【0050】
さらに、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、直径が10μm~2mm、好ましくは50μm~1mm、特に好ましくは50μm~500μmであり、アスペクト比が10よりも大きい。
【0051】
さらに、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、熱伝導率(熱伝導率が50mW/(m・K)未満)が低く、優れた機械的特性や一定の可紡性を有する。
【0052】
さらに、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、引張強さが3~35MPaであり、破断伸びが10~50%である。
【0053】
さらに、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、表面と水との接触角が90°~150°の間で調整可能であり、この疎水性繊維を用いて編まれた織物は、一定のセルフクリーニング能力を有し、グラフト置換度が0.01~20%である。
【0054】
また、さらに、本願で提供される疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維では、異なる凝固浴組成にてゾル-ゲル変換を行い、次に乾燥させて得たエアロゲル繊維は、様々な疎水性角度を有し、ブロモブタンを例にすると、疎水性角度は90°~150°の間で調整可能である。
【0055】
さらに、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は機能材料の担体として利用可能であり、これにより、得られる多機能エアロゲル繊維の応用の将来性が期待できる。
【0056】
さらに、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、油水分離、セルフクリーニング防水生地、複合材料、疎水性繊維フロック、ろ過材料、断熱・保温材料などの分野に適用できる。
【0057】
さらに、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、疎水性エアロゲル繊維及びそのフロックの量産に有用であり、該フロックは、ワイン、コーヒー、ミルク、ジュース、お茶、コーラなどの一般的な液体に対して撥液特性を示し、良好な疎水特性を示す。
【0058】
好適な一形態としては、前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の使用は、具体的には、以下を含む。
1)前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、アラミドナノ材料を骨格とするので、優れた機械的強度及び極めて良好な柔軟性を示し、一定の可紡性を有し、また、この繊維を用いて製造される疎水性織物は、実用的な場面に対応するだけでなく、セルフクリーニング能力も備え、このため、紡績分野に広く利用される。
2)該原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、三次元網目構造により極めて高い空隙率及び高い空気含有量を有し、該方法により製造された繊維フロックは、熱伝導率が低く、保温・断熱材料として有用である。
3)前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、オープン孔構造であるので、油水分離、セルフクリーニング防水生地、複合材料、疎水性繊維フロック、ろ過材料、断熱・保温材料などの1つ又は複数の分野に適用できるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
上記技術的解決手段によれば、本願で提供される原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は開放した三次元網目構造を有し、骨格構造が安定的であり、油水分離、セルフクリーニング防水生地、複合材料、疎水性繊維フロック、ろ過材料、断熱・保温材料などの分野では、応用の将来性が期待できる。
【0060】
以下、複数の好適な実施例及び図面を参照しながら本願の技術的解決手段をさらに詳細に説明するが、明らかに、説明される実施例は本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本願の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得る全ての他の実施例は本願の保護範囲に属する。以下の実施例では、具体的な条件が明示されていない実験方法であれば、通常、一般的な条件又はメーカより推薦された条件に従う。
【0061】
実施例1
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKOHを加えて、DMSOに溶解し、1%の紡糸溶液を調製した。
(2)噴射ポンプによりモノブロモブタン:エタノール(体積比)=1:3の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は250μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をエタノールとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維を超臨界CO
2乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。
図1は、本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のSEM写真を示し、
図2は本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維の接触角を示す。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維の他のパラメータを表1に示す。
【0062】
実施例2
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKOHを加えて、DMSOに溶解し、2%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによりジブロモブタン:エタノール(体積比)=2:1の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は250μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をエタノールとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維を超臨界CO
2乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。
図3は本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維の接触角を示す。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維の他のパラメータを表1に示す。
【0063】
実施例3
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKOHを加えて、DMSOに溶解し、2%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによりジブロモブタン:エタノール(体積比)=3:1の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は250μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をアセトンとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維を超臨界CO
2乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。
図4は本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維の接触角を示す。
本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【0064】
実施例4
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKOHを加えて、NMPに溶解し、3%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによりモノブロモブタン:エタノール(体積比)=2:1の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は250μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒を脱イオン水として、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のハイドロゲル繊維を-12℃で8時間凍結した後、真空凍結乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【0065】
実施例5
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKTBを加えて、DMFに溶解し、1%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによってジクロロブタン:エタノール(体積比)=2:1の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維フロックを形成し、押し出し針の直径は250μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維フロックに対して、置換溶媒をエタノールとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維フロックを超臨界CO
2乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。
図5は本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維フロックの一般的な液体に対する撥液特性の写真を示す。
【0066】
実施例6
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKOHを加えて、DMSOに溶解し、2%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによりモノブロモブタン:エタノール(体積比)=1:1の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は250μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をt-ブタノールとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のハイドロゲル繊維を-12℃で8時間凍結した後、真空凍結乾燥機に入れて、コールドトラップ温度を-50℃として、繊維の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【0067】
実施例7
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKOHを加えて、DMSOに溶解し、8%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによりモノブロモエタン:メタノール(体積比)=2:1の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は300μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をエタノールとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維を超臨界CO2乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【0068】
実施例8
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKOHを加えて、NMPに溶解し、10%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによってジクロロブタン:エタノール(体積比)=1:1の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は500μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をエタノールとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維を超臨界エタノール乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【0069】
実施例9
(1)ポリアラミド1313繊維を準備し、等量のNaOHを加えて、DMSOに溶解し、5%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによってジクロロブタン:エタノール(体積比)=20:1の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は10μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をエタノールとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維を超臨界CO2乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【0070】
実施例10
(1)アラミド1414繊維を準備し、等量のNaOHを加えて、DMSOに溶解し、2%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによりモノブロモブタン:ジブロモブタン:エタノール(体積比)=2:2:1の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は2mmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をシクロヘキサンとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維を超臨界CO2乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【0071】
実施例11
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKOHを加えて、DMSOに溶解し、8%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによりモノクロロエタン:メタノール(体積比)=2:2の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は250μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をt-ブタノール水溶液として、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のゲル繊維を真空凍結乾燥機に入れて、コールドトラップ温度を-45℃として、繊維の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【0072】
実施例12
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKTBを加えて、DMSOに溶解し、30%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによってジクロロブタン:プロパノール(体積比)=2:1の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は2mmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をt-ブタノールとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のゲル繊維を真空凍結乾燥機に入れて、コールドトラップ温度を-80℃として、繊維の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【0073】
実施例13
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKOHを加えて、DMFに溶解し、2%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによりジブロモブタン:ブタノール(体積比)=1:20の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は250μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をメタノールとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維を超臨界CO2乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【0074】
実施例14
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKTBを加えて、DMSO及びメタノールに溶解し、15%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによりジブロモブタン:ギ酸(体積比)=1:1の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は100μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をアセトンとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維を超臨界CO2乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【0075】
実施例15
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKTBを加えて、DMF及びメタノールに溶解し、10%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによってトリクロロメタン:酢酸(体積比)=1:3の凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は500μmであった。
(3)上記疎水性変性アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をn-ヘキサンとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維を60℃のオーブンに入れて、繊維の溶媒成分がなくなるまで常圧乾燥させた。
【0076】
本実施例で得られた疎水性変性後のアラミドナノエアロゲル繊維のパラメータを表1に示す。
【表1】
【0077】
比較例1
(1)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を準備し、等量のKOHを加えて、DMSOに溶解し、1%の紡糸液を調製した。
(2)噴射ポンプによってエタノール凝固浴に紡糸液を押し出し、反応させてアラミドナノゲル繊維を形成し、押し出し針の直径は250μmであった。
(3)上記アラミドナノゲル繊維に対して、置換溶媒をエタノールとして、溶媒置換を複数回行った。
(4)置換後のアルコールゲル繊維を超臨界CO2乾燥機に入れて、繊維中の溶媒成分がなくなるまで乾燥させた。
乾燥させた繊維は、細孔容積0.28cm3/g、引張強さ6MPa、破断伸び23%、水と接触角67°である。
【0078】
前述の実施例と比較すると、疎水性変性を行っていない本比較例は、親水性の特徴を有し、接触角が67°であり、一方、変性を行った実施例1で得られた繊維は、接触角が明らかに上昇し、表1より125°であることが分かり、このため、優れた疎水化効果がある。
【0079】
実施例1~15から明らかなように、本願の上記技術的解決手段で得られた原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、連続している安定的な三次元多孔質網目構造を有し、空隙率が高く、引張強さ及び破断伸びに優れ、骨格構造の安定性が高く、しかも、製造プロセスが簡単であり、紡糸中に原位置で変性処理を実施することができ、後処理ステップが必要ではなく、反応の条件が温和であり、量産に有用であり、さらに、該疎水性エアロゲル繊維は機能材料の担体として利用可能であり、これにより、多機能エアロゲル繊維が得られ、応用の将来性が期待できる。
【0080】
さらに、本発明者らはまた実施例1~実施例15の方式を参照して、明細書に記載の他の原料や条件を利用して実験を行って、独特な連続している三次元多孔質網目構造を有し、骨格構造の安定性に優れた疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維を得る。
【0081】
なお、以上は本願の実施形態の一部に過ぎず、当業者であれば、本願の構想を逸脱することなく、他の変形や改良を行うことができ、これらは全て本願の保護範囲に属する。
【0082】
(付記)
(付記1)
アラミドナノ紡糸溶液を提供するステップと、
第1有機溶媒とハロゲン化試薬との組み合わせを含む凝固浴を用いた紡糸技術によって疎水性変性アラミドナノゲル繊維を製造するステップであって、前記ハロゲン化試薬はモノブロモアルカン、モノクロロアルカン、ジブロモアルカン、ジクロロアルカン、トリクロロアルカンのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含むステップと、
前記疎水性変性アラミドナノゲル繊維を乾燥処理して、原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維を得るステップとを含む、ことを特徴とする原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の製造方法。
【0083】
(付記2)
前記ハロゲン化試薬と第1有機溶媒との体積比が20:1~1:20であり、及び/又は、前記第1有機溶媒はDMSO、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ギ酸、酢酸のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、及び/又は、前記ハロゲン化試薬はモノブロモブタン、モノブロモエタン、モノクロロエタン、ジブロモブタン、ジクロロブタン、トリクロロメタンのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする付記1に記載の製造方法。
【0084】
(付記3)
前記アラミドナノ紡糸溶液は第2有機溶媒とポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子を含み、好ましくは、前記第2有機溶媒はDMF、DMSO、NMP、及びメタノールのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、好ましくは、前記ポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子はアラミド1313、アラミド1414、及びポリパラフェニレンテレフタルアミド変性高分子のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、好ましくは、前記アラミドナノ紡糸溶液中のポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子の濃度が1~30wt%であり、
好ましくは、前記アラミドナノ紡糸溶液はアルカリ性物質をさらに含み、好ましくは、前記アルカリ性物質はKOH、NaOH、カリウムtert-ブトキシドのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする付記1に記載の製造方法。
【0085】
(付記4)
前記紡糸技術は湿式紡糸技術及び3Dプリント技術のうちのいずれか1種又は2種の組み合わせを含み、好ましくは湿式紡糸技術である、ことを特徴とする付記1に記載の製造方法。
【0086】
(付記5)
前記湿式紡糸技術は、所定濃度のアラミドナノ紡糸溶液を提供し、凝固浴の組成を制御して、アラミドナノ紡糸溶液中のポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子を架橋させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成することを含み、
好ましくは、前記湿式紡糸技術に使用されるプロセス条件は、前記アラミドナノ紡糸溶液の濃度が1~30wt%であること、紡糸液が噴射ポンプにより凝固浴に押し出されること、前記押し出し針の直径が10μm~2mmであることを含む、ことを特徴とする付記4に記載の製造方法。
【0087】
(付記6)
前記3Dプリント技術は、プリントインクとしてアラミドナノ紡糸溶液を用いて、第2有機溶媒とハロゲン化試薬との混合溶液を凝固浴とした環境にてプリントされた繊維を物理架橋又は化学架橋させて、疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成することを含む、ことを特徴とする付記4に記載の製造方法。
【0088】
(付記7)
まず、前記疎水性変性アラミドナノゲル繊維中の難揮発性溶媒を易揮発性溶媒で置換し、次に、置換された疎水性変性アラミドナノゲル繊維を乾燥処理するステップを含み、
好ましくは、前記易揮発性溶媒は水、メタノール、エタノール、t-ブタノール、アセトン、シクロヘキサン、及びn-ヘキサンのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、及び/又は、
前記乾燥処理は、超臨界流体乾燥法、真空凍結乾燥法及び常圧乾燥法のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする付記1に記載の製造方法。
【0089】
(付記8)
付記1~7のいずれか1つに記載の前記方法で製造された原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維であって、
グラフト変性アラミドナノ構造が突き合わせられた連通している三次元多孔質網目構造を有し、前記アラミドナノ構造のサイズが8nm~300nmであり、好ましくは、前記三次元多孔質網目構造は、2nm以下のミクロ細孔、2~50nmのメソ細孔及び50nm~500μmのマクロ細孔からなり、好ましくは、前記三次元多孔質網目構造は、空隙率が60%~99%、好ましくは70%~99%、比表面積が100~1000m2/gであり、好ましくは、
前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、直径が10μm~2mm、好ましくは50μm~1mm、特に好ましくは50μm~500μm、アスペクト比が10よりも大きく、好ましくは、
前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、熱伝導率が50mW/(m・K)未満、引張強さが3~35MPa、破断伸びが10~50%である、原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維。
【0090】
(付記9)
表面と水との接触角が90°~150°であり、グラフト置換度が0.01~20%である、ことを特徴とする付記8に記載の原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維。
【0091】
(付記10)
油水分離、セルフクリーニング防水生地、複合材料、疎水性繊維フロック、ろ過材料又は断熱・保温材料の分野における付記8又は9に記載の原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の使用。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラミドナノ紡糸溶液を提供するステップと、
第1有機溶媒とハロゲン化試薬との組み合わせを含む凝固浴を用いた紡糸技術によって疎水性変性アラミドナノゲル繊維を製造するステップであって、前記ハロゲン化試薬はモノブロモアルカン、モノクロロアルカン、ジブロモアルカン、ジクロロアルカン、トリクロロアルカンのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含むステップと、
前記疎水性変性アラミドナノゲル繊維を乾燥処理して、原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維を得るステップとを含む、ことを特徴とする原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の製造方法。
【請求項2】
前記ハロゲン化試薬と第1有機溶媒との体積比が20:1~1:20であり、及び/又は、前記第1有機溶媒はDMSO、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ギ酸、酢酸のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、及び/又は、前記ハロゲン化試薬はモノブロモブタン、モノブロモエタン、モノクロロエタン、ジブロモブタン、ジクロロブタン、トリクロロメタンのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記アラミドナノ紡糸溶液は第2有機溶媒とポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子を含み、好ましくは、前記第2有機溶媒はDMF、DMSO、NMP、及びメタノールのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、好ましくは、前記ポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子はアラミド1313、アラミド1414、及びポリパラフェニレンテレフタルアミド変性高分子のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、好ましくは、前記アラミドナノ紡糸溶液中のポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子の濃度が1~30wt%であり、
好ましくは、前記アラミドナノ紡糸溶液はアルカリ性物質をさらに含み、好ましくは、前記アルカリ性物質はKOH、NaOH、カリウムtert-ブトキシドのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記紡糸技術は湿式紡糸技術及び3Dプリント技術のうちのいずれか1種又は2種の組み合わせを含み、好ましくは湿式紡糸技術である、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記湿式紡糸技術は、所定濃度のアラミドナノ紡糸溶液を提供し、凝固浴の組成を制御して、アラミドナノ紡糸溶液中のポリパラフェニレンテレフタルアミド高分子を架橋させて疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成することを含み、
好ましくは、前記湿式紡糸技術に使用されるプロセス条件は、前記アラミドナノ紡糸溶液の濃度が1~30wt%であること、紡糸液が噴射ポンプにより凝固浴に押し出されること、前記押し出し針の直径が10μm~2mmであることを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記3Dプリント技術は、プリントインクとしてアラミドナノ紡糸溶液を用いて、第2有機溶媒とハロゲン化試薬との混合溶液を凝固浴とした環境にてプリントされた繊維を物理架橋又は化学架橋させて、疎水性変性アラミドナノゲル繊維を形成することを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
まず、前記疎水性変性アラミドナノゲル繊維中の難揮発性溶媒を易揮発性溶媒で置換し、次に、置換された疎水性変性アラミドナノゲル繊維を乾燥処理するステップを含み、
好ましくは、前記易揮発性溶媒は水、メタノール、エタノール、t-ブタノール、アセトン、シクロヘキサン、及びn-ヘキサンのうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含み、及び/又は、
前記乾燥処理は、超臨界流体乾燥法、真空凍結乾燥法及び常圧乾燥法のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の前記方法で製造された原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維であって、
グラフト変性アラミドナノ構造が突き合わせられた連通している三次元多孔質網目構造を有し、前記アラミドナノ構造のサイズが8nm~300nmであり、好ましくは、前記三次元多孔質網目構造は、2nm以下のミクロ細孔、2~50nmのメソ細孔及び50nm~500μmのマクロ細孔からなり、好ましくは、前記三次元多孔質網目構造は、空隙率が60%~99%、好ましくは70%~99%、比表面積が100~1000m
2/gであり、好ましくは、
前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、直径が10μm~2mm、好ましくは50μm~1mm、特に好ましくは50μm~500μm、アスペクト比が10よりも大きく、好ましくは、
前記原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維は、熱伝導率が50mW/(m・K)未満、引張強さが3~35MPa、破断伸びが10~50%である、原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維。
【請求項9】
表面と水との接触角が90°~150°であり、グラフト置換度が0.01~20%である、ことを特徴とする請求項8に記載の原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維。
【請求項10】
油水分離、セルフクリーニング防水生地、複合材料、疎水性繊維フロック、ろ過材料又は断熱・保温材料の分野における請求項
8に記載の原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の使用。
【請求項11】
油水分離、セルフクリーニング防水生地、複合材料、疎水性繊維フロック、ろ過材料又は断熱・保温材料の分野における請求項9に記載の原位置疎水性変性アラミドナノエアロゲル繊維の使用。
【国際調査報告】