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特表2023-536382EHTのための冗長性能力のサポートを知らせること
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】EHTのための冗長性能力のサポートを知らせること
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/24 20090101AFI20230818BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20230818BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20230818BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20230818BHJP
【FI】
H04W8/24
H04W48/16
H04W84/12
H04W28/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564730
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2022-10-25
(86)【国際出願番号】 US2021042896
(87)【国際公開番号】W WO2022020677
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】63/056,019
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/133,645
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】カンポラット,ネジャティ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ジュアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカテサン,ガネーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ゴーシュ,チッタブラータ
(72)【発明者】
【氏名】カヴァルカンティ,デイヴ エー.
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067AA33
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
超高スループット(EHT)局(STA)は、サービス品質(QoS)能力要素を含むように管理フレームを符号化し、そのサービス品質(QoS)能力要素は、QoS冗長性能力を知らせるように構成されるQoS情報フィールドを含む。EHT STAは、QoS能力要素のQoS情報フィールドの中でQoS冗長ビットを設定して、EHT STAがQoSデータフレームのための冗長性をサポートしているということを示してもよい(すなわち、知らせてもよい)。EHT STAは、管理フレームの中に拡張能力要素を含め、そして、拡張能力要素の中で新たな冗長性インジケータビットを設定して、EHT STAがIEEE 802.11管理フレームの選択されたサブセットのための冗長性をサポートするということを示してもよい(すなわち、知らせてもよい)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超高スループット(EHT)局(STA)の装置であって、当該装置は、処理回路及びメモリを含み、前記処理回路は、
伝送のために管理フレームを符号化し、前記管理フレームは、サービス品質(QoS)能力要素を含むように符号化され、前記サービス品質(QoS)能力要素は、QoS冗長性能力を知らせるように構成されるQoS情報フィールドを含み、
前記QoS能力要素の前記QoS情報フィールドの中でQoS冗長ビットを設定して、前記EHT STAがQoSデータフレームのための冗長性をサポートしているということを示し、
前記管理フレームの中に含める拡張能力要素を生成し、そして、前記拡張能力要素の中で冗長性インジケータビットを設定して、前記EHT STAが管理フレームのサブセットのための冗長性をサポートしているということを示す、ように構成される、
装置。
【請求項2】
前記EHT STAが、QoSデータフレームのための冗長性のサポートを示す場合に、前記処理回路は、MACヘッダーの中で示されているときに伝送するために、又は、トラフィックストリーム識別子(TID)に基づくトラフィックストリームのために、QoSデータフレームの複製を符号化するように前記EHT STAを構成するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記EHT STAが管理フレームのサブセットのための冗長性のサポートを示すときに、前記処理回路は、前記管理フレームのMACヘッダーの中で示されているときに伝送するために、又は、他のEHT STAとの合意に基づいて、前記サブセットの管理フレームの複製を符号化するように前記EHT STAを構成するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記処理回路は、前記EHT STAがQoSデータフレームのための冗長性をサポートしていないときに、前記QoS能力要素の前記QoS情報フィールドの中で前記QoS冗長ビットを設定しないように構成され、
前記処理回路は、前記EHT STAが管理フレームの前記サブセットのための冗長性をサポートしていないときに、前記拡張能力要素の中で前記冗長性インジケータビットを設定しないように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
EHT STAは、他のEHT STAとの間でブロック確認応答(BA)取り決めについて交渉するように構成され、前記BA取り決めは、前記QoSデータフレームが複製されるべきであるか否か及び/又は管理フレームの前記サブセットが複製されるべきであるか否かを示す、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記EHT STAがEHTアクセスポイントSTA(AP STA)として動作しているときに、前記管理フレームは、ビーコンフレームであり、管理フレームの前記サブセットは、少なくとも、ビーコンフレームを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記EHT STAが、非AP STAとして動作しているときに、前記管理フレームは、関連付け要求フレーム又は再関連付け要求フレームである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
マルチリンクデバイス(MLD)操作(MLO)の場合に、前記EHT STAがマルチリンクデバイス(MLD)と提携しているSTAとして動作しているときに、前記MLDは、複数の提携しているSTAを含み、前記処理回路は、アクセス内カテゴリ優先度要素を含むように管理フレームを符号化して、冗長伝送要件を示すように構成され、
前記冗長伝送要件の指標に基づいて、前記処理回路は、1つよりも多くのリンクによって他のMLDとの間で冗長パケット伝送を前記MLDに開始させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記冗長伝送要件は、特定のアクセスカテゴリ又はトラフィックストリームのための冗長伝送要件である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記アクセス内カテゴリ優先度要素を含むように符号化される前記管理フレームは、付加トラフィックストリーム(ADDTS)要求フレーム、サービス品質(QoS)マップ構成フレーム、及びストリーム分類サービス(SCS)要求フレームのうちの1つ又は複数を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記冗長伝送要件は、確立されているブロック確認応答(BA)取り決めの要件であり、前記確立されているブロック確認応答(BA)取り決めは、利用可能なリンクに存在する2つのMLDの間で、A-MPDUの中で集約されているTIDのQoSデータフレームを交換することを可能とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記処理回路は、前記冗長伝送要件を示すための前記アクセス内カテゴリ優先度要素を符号化して、前記アクセス内カテゴリ優先度要素の中のアクセス内優先度フィールドの中に冗長性指標(RI)サブフィールドを含めるように構成され、
設定されるときに、前記RIは、トラフィックストリーム(TS)が複製され、そして、1つよりも多くのリンクによって伝送されるべきであるということを示す、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記MLDは、STA MLD又はAP MLDのうちのいずれかであり、
前記MLDは、1つのMACデータサービスを含む論理リンク制御(LLC)への単一のメディアアクセス制御(MAC)サービスアクセスポイント(SAP)を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
超高スループット(EHT)局(STA)の処理回路によって実行するための命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記処理回路によって実行されるときに、前記処理回路が、
伝送のために管理フレームを符号化し、前記管理フレームは、サービス品質(QoS)能力要素を含むように符号化され、前記サービス品質(QoS)能力要素は、QoS冗長性能力を知らせるように構成されるQoS情報フィールドを含み、
前記QoS能力要素の前記QoS情報フィールドの中でQoS冗長ビットを設定して、前記EHT STAがQoSデータフレームのための冗長性をサポートしているということを示し、
前記管理フレームの中に含める拡張能力要素を生成し、そして、前記拡張能力要素の中で冗長性インジケータビットを設定して、前記EHT STAが管理フレームのサブセットのための冗長性をサポートしているということを示す、ようにさせる、
コンピュータプログラム。
【請求項15】
前記EHT STAが、QoSデータフレームのための冗長性のサポートを示す場合に、前記処理回路は、MACヘッダーの中で示されているときに伝送するために、又は、トラフィックストリーム識別子(TID)に基づくトラフィックストリームのために、QoSデータフレームの複製を符号化するように前記EHT STAを構成するように構成される、請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記EHT STAが管理フレームのサブセットのための冗長性のサポートを示すときに、前記処理回路は、前記管理フレームのMACヘッダーの中で示されているときに伝送するために、又は、他のEHT STAとの合意に基づいて、前記サブセットの管理フレームの複製を符号化するように前記EHT STAを構成するように構成される、請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記処理回路は、前記EHT STAがQoSデータフレームのための冗長性をサポートしていないときに、前記QoS能力要素の前記QoS情報フィールドの中で前記QoS冗長ビットを設定しないように構成され、
前記処理回路は、前記EHT STAが管理フレームの前記サブセットのための冗長性をサポートしていないときに、前記拡張能力要素の中で前記冗長性インジケータビットを設定しないように構成される、請求項16に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
EHT STAは、他のEHT STAとの間でブロック確認応答(BA)取り決めについて交渉するように構成され、前記BA取り決めは、前記QoSデータフレームが複製されるべきであるか否か及び/又は管理フレームの前記サブセットが複製されるべきであるか否かを示す、請求項17に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
超高スループット(EHT)局(STA)の装置であって、当該装置は、処理回路及びメモリを含み、マルチリンクデバイス(MLD)操作(MLO)の場合に、前記EHT STAがマルチリンクデバイス(MLD)と提携しているSTAとして動作しているときに、前記MLDは、複数の提携しているSTAを含み、前記処理回路は、アクセス内カテゴリ優先度要素を含むように管理フレームを符号化して、冗長伝送要件を示すように構成され、
前記冗長伝送要件の指標に基づいて、前記処理回路は、1つよりも多くのリンクによって他のMLDとの間で冗長パケット伝送を前記MLDに開始させるように構成される、
装置。
【請求項20】
前記冗長伝送要件は、特定のアクセスカテゴリ又はトラフィックストリームのための冗長伝送要件である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
請求項14乃至18のうちのいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを格納している非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2020年7月24日付で出願された米国仮特許出願第63/056,019号[参照番号: AD1284-Z]及び2021年1月4日付で出願された米国仮特許出願第63/133,645号[参照番号: AD4389-Z]に基づく優先権を主張し、それらの内容のすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
複数の実施形態は、無線通信に関している。複数の実施形態のうちのいくつかは、IEEE P802.11be及び超高スループット(extremely-high throughput (EHT)) ネットワークに関する。複数の実施形態のうちのいくつかは、冗長性能力(signaling redundancy capability)を知らせることに適用される。複数の実施形態のうちのいくつかは、マルチリンクデバイス (multi-link device (MLD))の操作に関する。
【背景技術】
【0003】
無線ネットワークを通じたデータの通信に関する問題のうちの1つの問題は、冗長性(redundancy)である。冗長性は、時間的制約のあるネットワーク(Time Sensitive Networking)の欠くことのできない部分となっており、また、冗長性は、時間的制約のあるトラフィック(time-sensitive traffic)のための高い信頼性及び有界の待ち時間要件(bounded latency requirements)を満足することに寄与する。ある無線ネットワークにおいて、ピアがサポートを認識し又は冗長性を確保するのに(in order for the peers to recognize support or otherwise for redundancy)、知らせるためのメカニズムを必要とする。現時点では、無線ネットワークでの冗長性のためのサポートを示すための標準的なメカニズムは存在しない。このようにして、冗長性のためのサポートを示す一般的な必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】複数の実施形態のうちのいくつかにしたがったQoS能力要素(QoS Capabilities Element)を図示している。
図2A】複数の実施形態のうちのいくつかにしたがったSTAのためのQoS情報フィールドを図示している。
図2B】複数の実施形態のうちのいくつかにしたがったAPのためのQoS情報フィールドを図示している。
図3】複数の実施形態のうちのいくつかにしたがった拡張能力要素(Extended Capabilities Element)を図示している。
図4】複数の実施形態のうちのいくつかにしたがったサービス要素(service primitive)のセマンティクス(semantics)を図示している。
図5】複数の実施形態のうちのいくつかにしたがったアクセス内優先度フィールド(Intra-Access Priority field)を図示している。
図6】複数の実施形態のうちのいくつかにしたがった無線通信デバイスの機能的なブロック図を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明及び図面は、複数の特定の実施形態を十分に図示して、当業者がそれらの複数の特定の実施形態を実用化することを可能とする。他の実施形態は、構造的な変更、論理的な変更、電気的な変更、プロセスの変更、及びその他の変更を包含してもよい。複数の実施形態のうちのいくつかの複数の部分及び特徴は、他の実施形態の部分及び特徴の中に含まれてもよく、又は、他の実施形態の部分及び特徴の代わりに使用されてもよい。請求項に記載されている実施形態は、それらの請求項の利用可能な且つ等価な物のすべてを包含する。
【0006】
複数の実施形態のうちのいくつかは、超高スループット(extremely high-throughput (EHT))局(STA)に関している。これらの実施形態において、EHT STAは、伝送のための管理フレームを符号化する(encode)ように構成されてもよい。その管理フレームは、サービス品質(quality-of-service (QoS))能力要素(capability element)を含むように符号化されてもよく、そのサービス品質(QoS)能力要素は、QoS情報フィールドを含み、そのQoS情報フィールドは、QoS冗長性能力(QoS redundancy capability)を知らせる(signal)ように構成される。これらの実施形態において、EHT STAは、EHT STAがQoSデータフレームのための冗長性をサポートしているということを示す(すなわち、知らせる)ようにQoS能力要素のQoS情報フィールドの中のQoS冗長ビットを設定してもよい。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、EHT STAは、管理フレームの中に拡張能力要素(Extended Capabilities element)を含め、そして、EHT STAがIEEE802.11管理フレームの選択されているサブセットのための冗長性をサポートするということを示す(すなわち、知らせる)ように、拡張能力要素の中に新たな冗長性インジケータビット(redundancy indicator bit)を設定してもよい。これらの実施形態において、この知らせることは、複数のピア局が、EHT STAがQoSトラフィックのための冗長性をサポートするとともに、複数の特定の管理フレームのための冗長性をサポートする時点を認識することを可能としてもよい。この知らせることは、時間的制約のあるトラフィック(time-sensitive traffic)に、高い信頼性及び有界の待ち時間要件(bounded latency requirements)を提供するのに役立つことが可能であるが、それらの複数の実施形態の範囲は、この点には限定されない。これらの実施形態は、以下の記載においてより詳細に説明される。
【0007】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、EHT STAがQoSデータフレームの冗長性のためのサポートを示す場合には、EHT STAは、QoSデータフレームのMACヘッダーの中で示されているときに伝送するために、又は、トラフィックストリーム識別子(traffic stream identifier (TID)) に基づくトラフィックストリームのために、QoSデータフレームの複製(duplicates)を符号化して(encode)もよい。これらの実施形態において、EHT STAは、QoSデータフレームのMACヘッダーの中で示されているときに、又は、TIDに基づくトラフィックストリームのために、他のEHT STAから受信するQoSデータフレームの複製を復号化して(decode)もよい。
【0008】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、EHT STAが管理フレームのサブセットの冗長性のためのサポートを示しているときに、EHT STAは、管理フレームのMACヘッダーの中で示されているときに伝送するために、又は、(例えば、EHTアクセスポイント(AP)STA(EHT access point (AP) STA)等の)他のEHT STAとの合意に基づいて、サブセットの管理フレームの複製を符号化して(encode)もよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、EHT STAは、管理フレームのMACヘッダーの中で示されているときに、又は、他のEHT STAとの合意に基づいて、他のEHT STAから受信するサブセットの管理フレームの複製を復号化して(decode)もよい。
【0009】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、EHT STAは、そのEHT STAがQoSデータフレームのための冗長性をサポートしていないときに、QoS能力要素のQoS情報フィールドの中でQoS冗長ビットを設定しないように構成されてもよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、EHT STAは、そのEHT STAが管理フレームのサブセットのための冗長性をサポートしていないときに、拡張能力要素の中で冗長性インジケータビットの設定しなくてもよい。
【0010】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、EHT STAは、他のEHT STAとの間でブロック確認応答(BA)取り決め(block-acknowledge (BA) agreement)について交渉するように構成される。そのBA取り決めは、QoSデータフレームが複製されるべきであるか否か及び/又は管理フレームのサブセットが複製されるべきであるか否かを示してもよい。
【0011】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、EHT STAがEHTアクセスポイントSTA(EHT access point STA (AP STA))として動作しているときに、管理フレームは、ビーコンフレームであってもよく、管理フレームのサブセットは、少なくとも、ビーコンフレームを含むが、また、他の管理フレームを含めてもよいので、それらの複数の実施形態の範囲はこの点では限定されない。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、EHT STAが非AP STAとして動作しているときに、管理フレームは、関連付け要求フレーム(association request frame)又は再関連付け要求フレーム(reassociation request frame)であってもよい。
【0012】
これらの実施形態において、QoS能力要素のQoS情報フィールドの中のQoS冗長ビットは、EHT STAが冗長性をサポートしているか否かを示すのに使用されてもよい。EHT STAが、実際に、(フレームごとの基準で(per frame based))データフレームを複製する必要があるか否かは、(TIDごとの基準で(per TID based))MACヘッダートラフィックストリームの中の1ビットによって示されてもよく、EHT STAが実際にデータフレームを複製する必要があるか否かは、APとSTAとの間であらかじめ交渉されていてもよい。EHT STAが実際に管理フレームを複製する必要があるか否かは、あらかじめ定義されてもよく、あらかじめ交渉されてもよく、又はMACヘッダーの中の1ビットによって示されてもよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、冗長伝送要件は、MACヘッダーの中の1ビットによって示されてもよく、又は、802.1CB等の冗長EtherTypeプロトコルと一体化されている間に冗長ヘッダーによって示されてもよいが、それらの複数の実施形態の範囲はこの点では限定されない。
【0013】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、EHT STAがマルチリンクデバイス(multi-link device (MLD))と提携しているSTAとして動作しているときのマルチリンクデバイス(MLD)操作(multi-link device (MLD) operation (MLO))の場合には、EHT STAは、アクセス内カテゴリ優先度要素(Intra-Access Category Priority element)を含むように管理フレームを符号化して(encode)、冗長伝送要件を示すように構成されてもよい。これらの実施形態において、MLDは、複数の提携しているSTAを含んでもよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、冗長伝送要件の指標に基づいて、EHT STAは、他のMLDとの間で複数のリンクによって冗長パケット伝送をそのMLDに開始させるように構成されてもよい。これらの実施形態は、IEEE 802.11ネットワークが信頼性が高く且つ低遅延のサービスを提供することを可能とし、802.11beによる超高信頼性低遅延通信(ultra-reliable low latency communications (URLLC))及びTSNサービスを可能とするであろう。
【0014】
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、冗長伝送要件は、ある特定のアクセスカテゴリ又はトラフィックストリームのための伝送要件である。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、アクセス内カテゴリ優先度要素(Intra-Access Category Priority element)を含めるように符号化されている管理フレームは、付加トラフィックストリーム(add traffic stream (ADDTS))要求フレーム、サービス品質(QoS)マップ構成フレーム(quality-of-service (QoS) Map Configure frame)、及びストリーム分類サービス(SCS)要求フレームのうちの1つ又は複数を含む。
【0015】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、冗長伝送要件は、確立されているブロック確認応答(BA)取り決めの要件であり、その確立されているブロック確認応答(BA)取り決めは、ある利用可能なリンクに存在する2つのMLDの間で、A-MPDUの中で集約されているTIDのQoSデータフレームを交換することを可能とする。
【0016】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、EHT STAは、冗長伝送要件を示すためのアクセス内カテゴリ優先度要素(Intra-Access Category Priority element)を符号化して(encode)、そのアクセス内カテゴリ優先度要素の中のアクセス内優先度フィールド(Intra-Access Priority field)の中に冗長性指標(redundancy indication (RI))サブフィールドを含めるように構成されてもよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、設定されるときに、そのRIは、ある特定のトラフィックストリーム(traffic stream (TS))が複製され(duplicated)、そして、1つよりも多くのリンクによって伝送されるべきであるということを示す。
【0017】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、MLDは、STA MLD又はAP MLDのうちのいずれかである。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、MLDは、論理リンク制御(logical link control (LLC))への単一のメディアアクセス制御(medium access control (MAC))サービスアクセスポイント(service access point (SAP))を有してもよく、その論理リンク制御(LLC)は、ある1つのMACデータサービスを含む。
【0018】
複数の実施形態のうちのいくつかは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(non-transitory computer-readable storage medium)に関し、その非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、超高スループット(EHT)局(STA)の処理回路によって実行するための命令を格納する。
【0019】
複数の実施形態のうちのいくつかは、超高スループット(EHT)局(STA)に関し、その超高スループット(EHT)局(STA)は、そのEHT STAがマルチリンクデバイス(multi-link device (MLD))と提携しているSTAとして動作しているときに、マルチリンクデバイス(MLD)操作(multi-link device (MLD) operation (MLO))のために構成される。これらの実施形態において、MLDは、複数の提携しているSTAを含んでもよい。これらの実施形態において、EHT STAは、アクセス内カテゴリ優先度要素(Intra-Access Category Priority element)を含めるように管理フレーム(management frame)を符号化して(encode)、冗長伝送要件(redundant transmission requirement)を示すように構成されてもよい。冗長伝送要件の指標に基づいて、EHT STAは、1つよりも多くのリンクによって他のMLDとの間でMLDに冗長パケット伝送を開始させるように構成されてもよい。これらの実施形態は、以下の記載の中でより詳細に説明される。
【0020】
本開示の複数の例示的な実施形態は、無線ネットワークにおける冗長性能力(Redundancy Capabilities)のためのサポートを知らせるためのフレームワークに適するシステム、方法、及びデバイスに関する。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、冗長性能力システムは、メカニズムが、サービス品質(quality of service (QoS))能力要素(QoS Capabilities element)の中でサービス品質(QoS)トラフィックのための冗長性のサポートを知らせること、及び、拡張能力要素(extended capabilities element)の中でIEEE 802.11管理フレーム(IEEE 802.11 Management frames)の選択されたサブセットのための冗長性のサポートを知らせること、を容易にすることが可能である。提案されているメカニズムにより、2つのピアデバイス(peer devices)は、冗長性のためのサポートを発見することが可能であり、結果として、複数の冗長経路が、IEEE 802.11媒体によるペイロードの伝送のための高い信頼性及び有界の待ち時間(bounded latency)を提供するのを可能とする。
【0021】
1つ又は複数の実施形態において、冗長性能力システムは、QoS能力を有するAP(AP that is QoS Capable)がQoS能力要素(QoS Capability element)を伝送するときに、ビーコンフレームの中にQoS能力要素を含めることを容易にするとともに、QoS能力を有するSTAがQoS能力要素を伝送するときに、関連付け要求フレーム又は再関連付け要求フレーム([Re]Association Request frames)の中にQoS能力要素を含めることを容易にすることが可能である。
【0022】
図1は、複数の実施形態のうちのいくつかにしたがったQoS能力要素(QoS Capabilities Element)を図示している。1つ又は複数の実施形態において、QoS冗長性能力(QoS redundancy capability)を知らせるのに必要となる追加的なビットを収容するために、QoS情報フィールド(QoS Info field)を2オクテット(2 octets)の長さに拡張する必要がある。1つ又は複数の実施形態において、送信機がSTAであるときに、冗長性能力システムは、QoS情報フィールドの定義を容易にすることが可能である。図2Aは、複数の実施形態のうちのいくつかにしたがったSTAのためのQoS情報フィールドを図示している。1つ又は複数の実施形態において、送信機がAPであるときに、冗長性能力システムは、QoS情報フィールドの定義を容易にすることが可能である。図2Bは、複数の実施形態のうちのいくつかにしたがったAPのためのQoS情報フィールドを図示している。1つ又は複数の実施形態において、冗長性能力システムは、QoS冗長ビットを1に設定して、その実装がQoSデータフレームのための冗長性をサポートしているということを示すことを容易にすることが可能であるとともに、QoS冗長ビットを0に設定して、その実装がQoSデータフレームのための冗長性をサポートしていないということを示すことを容易にすることが可能である。
【0023】
1つ又は複数の実施形態において、冗長性能力システムは、拡張能力要素(Extended Capabilities element)の中で新たなビットを定義して、IEEE 802.11管理フレーム(IEEE 802.11 Management frames)の選択されたサブセットに対する冗長性のためのサポートを示すことを容易にすることが可能である。このビットを1に設定する場合に、そのビットは、基礎となる実装が、IEEE 802.11管理フレームの選択されたサブセットのための冗長性をサポートしているということを示し、このビットを0に設定する場合に、そのビットは、基礎となる実装が、IEEE 802.11管理フレームの選択されたサブセットのための冗長性をサポートしていないということを示す。図3は、複数の実施形態のうちのいくつかにしたがった拡張能力要素(Extended Capabilities Element)を図示している。
【0024】
次世代Wi-Fi技術の主要な課題のうちの1つは、時間的制約のあるネットワーク(Time-Sensitive Networking (TSN))及びリアルタイムアプリケーション(Real-Time applications (RTA))をサポートすることであり、そのようなサポートは、待ち時間及びジッタが低く且つ有界である高い信頼性を必要とする。TSN及びRTAアプリケーションのためのより良好なサポートの定義は、802.11beタスクグループによって開発されている次世代のWi-Fiの範囲のうちの一部分である。
【0025】
マルチリンク操作(multi-link operation (MLO))は、802.11beにおける定義にしたがっているが、(上位層の)アプリケーションが、1つよりの多くのリンクによって冗長データフレームを配信するサービスを要求し/交渉して、このマルチリンク能力を使用することによって高い信頼性及び低い待ち時間限度(latency bound)を達成するメカニズムは存在しない。802.11beにおいては、確立されているブロック確認応答(BA)取り決め(block ACK (BA) agreement)により、いずれかの利用可能なリンクにおける2つのMLDの間で、A-MPDUの中で集約されているTIDのQoSデータフレームを交換することを可能とするという合意形成が達成されている。この合意形成は、いずれかの利用可能なリンクにおいてデータフレームを伝送することが可能であるということを意味するが、802.11beの中では、冗長性能力を実装するための具体的な規則/要件は、何も規定されていない。マルチリンク操作を使用して802.11beにおける冗長性をサポートするために、さらに、
(1) 冗長伝送要件を示すインターフェイス及びメカニズム、
(2) 802.11beマルチリンクデバイス(multi-link device (MLD))が、1つよりも多くの利用可能なリンクによる伝送及びフレームの複製を含む冗長性要件の指標を伴うフレーム又はトラフィックストリームを処理するための規則、
という能力を定義する必要がある。
【0026】
本明細書において開示されている複数の実施形態は、アクセス内カテゴリ優先度要素を使用することによって冗長性要件を示す1つ又は複数のアプローチを提供する。複数の実施形態のうちのいくつかは、ADDTS要求(ADDTS Request)、QoSマップ構成(QoS Map Configure)、又はSCSストリーム分類サービス(SCS)要求フレーム(Stream Classification Service (SCS) Request frame)の中で随意的に存在するアクセス内カテゴリ優先度要素の再利用を提案している。この要素は、STAがAPにACの中でのストリームの相対的な優先度を伝達するのに使用される。
【0027】
冗長性要件を示すための3つの異なるアプローチが存在し、それら3つの異なるアプローチは、以下の(1)乃至(3)を含む。
【0028】
(1) 待ち時間が低いか又はその他のQoSを知らせるためのメカニズムの一部として冗長性要件を含めて、冗長性要件を必要とするデータフローを識別してもよい。その冗長性要件は、また、高い信頼性を必要とするトラフィックフローと関連する(既存の又は新たなTID値である)特定のTIDによって識別されてもよい。
【0029】
(2) IEEE 802.1層プロトコルに対する強化。
【0030】
高可用性のシームレスな冗長性(High-availability Seamless Redundancy (HSR))、並列冗長性プロトコル(Parallel Redundancy Protocol (PRP))、及び802.1CBは、時間的制約のあるネットワーク(time sensitive network)が有界の待ち時間によって信頼性を改善するために定義される冗長性プロトコルである。802.1層に対してこれらの冗長性プロトコルのいずれかを適用すると、その後、802.11層に転送されるパケットは、イーサタイプ(Ether Type)として冗長性タグ(redundancy tag)を付加されるであろう。したがって、802.1層の冗長性プロトコルをサポートするデバイスの場合には、この冗長性プロトコルは、冗長性タグを付加して、冗長性要件を示すのに適用されてもよい。結果として、802.11be MLDは、冗長性タグに基づいて、1つよりも多くの利用可能なリンクによる伝送及びフレームの複製を行ってもよい。
【0031】
注記: パケット配信レート、待ち時間限度(latency bound)等のその他のQoS要件に関連するパラメータは、冗長性タグ情報フィールド(Redundancy tag information field)の中の予約ビットを使用して定義することが可能であってもよい。
【0032】
(3) MA-UNITDATAの中に冗長性要件を追加する。02.11 MACデータサービス要素(802.11 MAC data service primitives)の要求。図4は、複数の実施形態のうちのいくつかにしたがったサービス要素(service primitive)のセマンティクス(semantics)を図示している。
【0033】
本開示の複数の例示的な実施形態は、マルチリンクを使用して、802.11beにおける冗長性が、待ち時間が小さく且つ信頼性の高いサービスをサポートするのを可能とするためのシステム、方法、及びデバイスに関する。ある1つの実施形態において、冗長性システムは、アクセス内カテゴリ優先度要素を再利用して、マルチリンクデバイス(multi-link device (MLD))が1つよりも多くの利用可能なリンクによって冗長パケットの伝送を開始するための冗長性要件を示すためのアプローチを容易にすることが可能である。このアプローチは、802.11ネットワークが、待ち時間が小さく且つ信頼性の高いサービスを提供することを可能としてもよい。この新たな能力は、802.11beにおける主たる新たな機能のうちの1つであると期待され、802.11beにおいて時間的制約のあるネットワーク(TSN)サービス(time-sensitive networking (TSN) services)及び超高信頼性低待ち時間通信(ultra-reliable low latency communications (URLLC))を可能とするであろう。
【0034】
高可用性のシームレスな冗長性(High-availability Seamless Redundancy (HSR))、並列冗長性プロトコル(Parallel Redundancy Protocol (PRP))、及び802.1CBは、時間的制約のあるネットワーク(time sensitive network)が有界の待ち時間によって信頼性を改善するために定義される冗長性プロトコルである。802.1層に対してこれらの冗長性プロトコルのいずれかを適用すると、その後、802.11層に転送されるパケットは、(図4を参照して)イーサタイプ(Ether Type)として冗長性タグ(redundancy tag)を付加されるであろう。したがって、冗長性プロトコルをサポートするデバイスの場合には、この冗長性プロトコルは、冗長性タグを付加して、冗長性要件を示すのに適用されてもよい。結果として、802.11be MLDは、冗長性タグに基づいて、1つよりも多くの利用可能なリンクによる伝送及びフレームの複製を行ってもよい。
【0035】
図5は、複数の実施形態のうちのいくつかにしたがったアクセス内優先度フィールド(Intra-Access Priority field)を図示している。本明細書において開示されている複数の実施形態のうちのいくつかは、アクセス内カテゴリ優先度要素(Intra-Access Category Priority element)の中のアクセス内優先度フィールドの中にあるB5乃至B7の間の予約ビットのうちの1つを使用して冗長性要件を定義する。図5に示されているように、ある1つの実例として、"冗長性指標(Redundancy indication)"(RI)サブフィールドとしてビット5(B5)を定義してもよい。そのビットが1に等しいときは、そのビットは、このTSを複製し、そして、1つよりも多くの利用可能なリンクによって伝送する必要があるということを示す。
【0036】
1つ又は複数の実施形態において、冗長性は、"ユーザ優先度"のベースライン定義の代わりに、アクセス内優先度フィールドの中にあるB0乃至B2ビットを再利用して、"TID"値を定義してもよい。
【0037】
(TID8乃至TID15の)新たな8つのTIDを定義することが提案されている。それらの新たな8つのTIDは、(TID0乃至TID7の)下位の8つのTIDによって識別される従来のVI、VO、BE、及びBKトラフィックから、(具体的には、低待ち時間、ジッタ、フレームレート等の)QoS管理を必要とするEHTトラフィックを判別するのに使用される。
【0038】
本質的には、B0乃至B2のサブフィールドの中のTID値は、このアクセス内カテゴリ優先度要素が関連するストリームのMSDU又はA-MSDUのTIDを示す。
【0039】
1つ又は複数の実施形態において、冗長性は、アクセス内優先度フィールド(Intra-Access Priority field)の中のTIDサブフィールドによって識別されるトラフィックのためのプライマリEDCAキューをAC_VOに設定することを容易にすることが可能である。代替キューサブフィールド(Alternate Queue subfield)の中の値が0に設定されているときに、B0乃至B2のサブフィールドの中のTIDに対応するトラフィックは、AC_VOキューの中に入れられる。代替キューサブフィールドが1に設定されているときに、代替EDCAキューは、そのACのために使用される。このような使用は、プライマリキューが空ではないときに、キューイングの最適化に役立つ場合がある。
【0040】
1つ又は複数の実施形態において、冗長性は、B5(冗長性)値が1に設定されている場合に、破棄適格性サブフィールド(Drop Eligibility subfield)が0に設定されるということを容易にすることが可能である。言い換えると、冗長性を必要とするトラフィックの場合には、そのパケットは、リソースの制限を理由として破棄されることはないものとする。
【0041】
1つ又は複数の実施形態において、冗長性は、"アクセスポリシー(Access Policy)"として、B6ビット位置にあるサブフィールドを定義することを容易にすることが可能である。このビットが1に設定されているときは、ビットB0乃至B2の中で示されているTID値を有するトラフィックに対応するチャネルアクセスは、(非AP MLDの場合には)トリガベースとなるものとし、又は、(AP MLDの場合には)DL MU PPDUを使用するものとする。このビットが0に設定されているときは、QoS要件に基づいて、EDCAベースのアクセス又はトリガベースのアクセスの間で嗜好を選択する。
【0042】
SCS(又は、MSCS)記述子要素(Descriptor element)がアクセス内カテゴリ優先度要素から構成されるときに、TCLAS要素のフレーム分類器フィールド(Frame Classifier field)の中の分類器パラメータ(ユーザ優先度)は無視される。加えて、TSPC要素のTS情報フィールド(TS Info field)の中のUPサブフィールドは予約されている。
【0043】
アクセス内カテゴリ優先度要素(Intra-Access Category Priority element)がMSCS記述子要素(MSCS Descriptor element)と集約されている場合に、"TID優先度ビットマップ(TID Priority Bitmap)"サブフィールドとして、MSCS記述子要素の中の"ユーザ優先度ビットマップ(User Priority Bitmap)"サブフィールドを再利用することが提案されている。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、最下位ビットが、15のTID値に対応し、最上位ビットが、8のTID値に対応する、といったように、ビットマップの中の各々のビットは、TIDに対応している。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、ビットマップの中のあるビット位置にある1の値は、MSCSによって分類されているストリームにTIDを割り当てるときに、その対応するTIDを使用するということを示し、あるビット位置にある0の値は、このような目的のために、対応するTIDを使用しないということを示す。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、ビットマップの中で1の値を有するTID値は、アクセス内カテゴリ優先度要素の中に示されているTID値に対応する。
【0044】
デバイス中心のQoS管理の場合には、(MSCS又はSCS記述子要素を搬送する)MSCS(又は、SCS)要求及び非AP MLDとAP MLDとの間の応答フレーム交換に続いて、AP MLDが自身のDL PPDUの中に対応するTIDをミラーリングするために、STA(又は、非AP MLD)は、自身のUL PPDUの中で(ビットマップの中で1に設定されているビットである)優先されるTID値を示してもよい。AP及び非AP MLDは、QoS交渉の一部として、トラフィックストリームと冗長性要件を関連させる。冗長性要件を有するトラフィックストリームの場合には、非AP MLDは、また、MSCS要求フレームの中に、トラフィックストリームの対応する優先されるTIDに等しいB0乃至B2、0に等しいB4、及び1に等しいB5を有するアクセス内カテゴリ優先度要素を追加するであろう。そのクセス内カテゴリ優先度要素は、また、QoSマップ構成(QoS Map Configure)の中で又はADDTS要求フレームの中で提示されてもよいということに留意すべきである。結果として、そのAP MLDは、対応するTIDについて、DL PPDUの中での冗長データ伝送をトリガするであろう。
【0045】
ネットワーク中心のQoS管理の場合には、APが、(要求フレームの中で)MSCS記述子要素を送信するか又は応答フレームの中に含まれる記述子要素を送信する場合に、非AP MLDが、自身のUL PPDUの中に対応するTIDをミラーリングするために、APは、自身のDL PPDUの中で(ビットマップの中で1に設定されているビットである)優先されるTID値を示してもよい。冗長性要件を有するトラフィックストリームの場合には、AP MLDは、また、MSCS要求フレームの中に、トラフィックストリームの対応する優先されるTIDに等しいB0乃至B2、0に等しいB4、及び1に等しいB5を有するアクセス内カテゴリ優先度要素を追加するであろう。そのアクセス内カテゴリ優先度要素は、また、QoSマップ構成(QoS Map Configure)の中で又はADDTS要求フレームの中で提示されてもよい。結果として、非AP MLDは、対応するTIDについて、UL PPDUの中での冗長データ伝送をトリガするであろう。
【0046】
MAC SAPがMSDUを受信するときに、このMSDUのための対応するTIDを有する関連するアクセス内カテゴリ優先度要素が、B5=1となるように設定されている場合に、MAC SAPは、確認応答を受信する前に、1つよりも多くの利用可能なリンクによるこのMSDUの伝送をスケジューリングする。リンク数は、実装上の決定事項である。
【0047】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、物理層プロトコルデータユニットは、物理層適合手順(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)(physical layer conformance procedure (PLCP) protocol data unit (PPDU))であってもよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、AP及びSTAは、IEEE 802.11規格のうちのいずれか1つにしたがって通信してもよい。IEEE 802.11-2016は、参照により本明細書に組み込まれる。IEEE P802.11-REVmd/D2.4(2019年8月)及びIEEEドラフト仕様IEEE P802.11ax/D5.0(2019年10月)は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
(図3の)拡張能力要素(Extended Capabilities element)は、能力情報フィールド(Capability Information field)の中で指定されている複数の能力を高めるSTAのそれらの複数の能力に関する情報を搬送する。拡張能力フィールド(Extended Capabilities field)は、その要素を伝送するSTAが宣伝する拡張されている能力を示すビットフィールドである。
【0049】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、局(STA)は、論理エンティティを指してもよく、その論理エンティティは、無線媒体(WM)へのメディアアクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)インターフェイスの単独でアドレス指定可能なインスタンスである。通信リンク(又は、単に、"リンク")は、IEEE 802.11メディアアクセス制御(MAC) エンティティの文脈においては、無線媒体(WM)を横断することからなるちょうど1つの物理経路を指してもよく、その物理経路は、2つのSTAの間でMACサービスデータユニット(MSDU)を転送するのに使用可能である。
【0050】
マルチリンク通信の場合には、また、マルチリンク論理エンティティ(multi-link logical entity (MLLE))と称されるマルチリンクデバイス(multi-link device (MLD))は、1つよりも多くの提携しているSTAを有するとともに、論理リンク制御(logical link control (LLC))への(例えば、通信層スタックの)メディアアクセス制御(MAC)層のサービスアクセスポイント(service access point (SAP))を有するデバイスを指してもよく、その論理リンク制御(LLC)は、MACデータサービスを含んでもよい。AP MLD(A MLD)は、APデバイスを指してもよく、そのMLDと提携している各々のSTAは、非AP STAである。MLDは、(例えば、AP STA又は非AP STA等の)複数のSTAを有する論理的/仮想的なエンティティと考えられてもよく、各々のSTAは、他のMLDの対応するSTAとの間での個別の通信リンクを同時に使用してもよい。このように、MLDは、ある1つの通信リンクを削除して、他の通信リンクを確立することを可能とする必要なく、複数の通信リンクによって同時に通信してもよい。
【0051】
マルチリンク操作(Multi-link operation (MLO))は、重要な802.11beの特徴であり、その802.11beの特徴は、デバイスが、複数の異なるチャネル/帯域における複数のリンクを使用して他のデバイスとの間で通信することを可能とする。複数のリンクをサポートするデバイスは、MLDである。
【0052】
ある1つの実施形態において、図6は、通信局(STA)の機能的なブロック図を図示し、その通信局(STA)は、複数の実施形態のうちのいくつかにしたがって、AP STA、非AP STA、又は他のユーザデバイスとして使用するのに適していてもよい。その通信局600は、また、ハンドヘルドデバイス、モバイルデバイス、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ネットブック、無線端末、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータデバイス、フェムトセル、高データレート(HDR)加入者局、アクセスポイント、アクセス端末、又は他のパーソナル通信システム(PCS)デバイスとして使用するのに適していてもよい。
【0053】
通信局600は、1つ又は複数のアンテナ601を使用して他の通信局との間で信号を伝送し及び受信するための通信回路602及びトランシーバ610を含んでもよい。通信回路602は、回路を含んでもよく、その回路は、無線媒体へのアクセスを制御するための物理層(PHY)通信及び/又はメディアアクセス制御(MAC)通信、及び/又は、信号を伝送し及び受信するためのいずれかの他の通信層を動作させることが可能である。通信局600は、また、本明細書において説明されている操作を実行するように配列される処理回路606及びメモリ608を含んでもよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、通信回路602及び処理回路606は、上記の図、図表、及びフローにの中で詳細に説明されている操作を実行するように構成されてもよい。
【0054】
複数の実施形態のうちのいくつかにしたがって、通信回路602は、無線媒体を求めて競合し、そして、その無線媒体によって通信するためのフレーム又はパケットを構成するように配列されてもよい。通信回路602は、信号を伝送し及び受信するように配列されてもよい。通信回路602は、また、変調/復調、アップコンバージョン/ダウンコンバージョン、フィルタリング、増幅等のための回路を含んでもよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、通信局600の処理回路606は、1つ又は複数のプロセッサを含んでもよい。他の実施形態において、信号を送信し及び受信するように配列される通信回路602に2つ又はそれ以上のアンテナ601を結合してもよい。メモリ608は、情報を格納してもよく、その情報は、複数のメッセージフレームを構成し及び伝送するための操作及び本明細書において説明されているさまざまな操作を実行するための操作を実行するように処理回路606を構成するための情報である。メモリ608は、非一時的なメモリを含む任意のタイプのメモリを含んでもよく、その任意のタイプのメモリは、(例えば、コンピュータ等の)機械が読み取ることが可能である形態によって情報を格納するためのメモリである。例えば、メモリ608は、コンピュータが読み取り可能な記憶デバイス、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、及び、その他の記憶デバイス及び媒体を含んでもよい。
【0055】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、通信局600は、例えば、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、無線通信能力を有するラップトップ又は携帯可能なコンピュータ、ウェブタブレット、無線電話、スマートフォン、無線ヘッドセット、ページャ、インスタントメッセージデバイス、ディジタルカメラ、アクセスポイント、テレビ、(例えば、心拍計、血圧計等の)医療デバイス、ウェアラブルコンピュータデバイス、又は無線によって情報を受信し及び/又は伝送することが可能である他のデバイス等の携帯可能な無線通信デバイスの一部であってもよい。
【0056】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、通信局600は、1つ又は複数のアンテナ601を含んでもよい。アンテナ601は、例えば、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ、又はRF信号の伝送に適している他のタイプのアンテナを含む1つ又は複数の指向性アンテナ又は無指向性アンテナを含んでもよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、2つ又はそれ以上のアンテナの代わりに、複数の開口部を有する単一のアンテナを使用してもよい。これらの実施形態において、各々の開口部は、個別のアンテナであると考えられてもよい。複数の多入力多出力(MIMO)の実施形態のうちのいくつかにおいて、複数のアンテナの各々と送信局のアンテナとの間に生じる場合がある複数の異なるチャネル特性及び空間ダイバーシティのために、アンテナを効果的に分離することが可能である。
【0057】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、通信局600は、キーボード、ディスプレイ、不揮発性メモリポート、複数のアンテナ、グラフィックスプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、スピーカー、及びその他のモバイルデバイス要素のうちの1つ又は複数を含んでもよい。ディスプレイは、タッチスクリーンを含むLCD画面であってもよい。
【0058】
通信局600は、複数の個別の機能要素を有するように図示されているが、それらの複数の機能要素のうちの2つ又はそれ以上を組み合わせてもよく、また、ディジタル信号プロセッサ(DSP)を含む処理要素等のソフトウェアにより構成されている要素及び/又は他のハードウェア要素の組み合わせによって、それらの複数の機能要素のうちの2つ又はそれ以上を実装してもよい。例えば、複数の要素のうちのいくつかは、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、DSP、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、無線周波数集積回路(RFIC)、及び、少なくとも、本明細書において説明されている機能を実行するためのさまざまなハードウェア及び論理回路の組み合わせを含んでもよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、通信局600の機能要素は、1つ又は複数の処理要素において動作する1つ又は複数のプロセスを指してもよい。
【0059】
要約は、37C.F.R.節1.72(b)にしたがうように提供され、その37C.F.R.節1.72(b)は、その要約が、技術的開示の性質及び要旨を読者が確認することを可能とすることを要求する。要約は、その要約が、請求項に記載されている発明の範囲又は意義を限定し又は解釈するのに使用されないことを理解の下で提出される。以下の特許請求の範囲は、本明細書によって詳細な説明の中に組み込まれ、各々の請求項は、個別の実施形態として独立している。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】