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特表2023-536404曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品
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  • 特表-曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品 図1
  • 特表-曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品 図2A
  • 特表-曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品 図2B
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  • 特表-曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品 図5
  • 特表-曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品 図6
  • 特表-曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品 図7
  • 特表-曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品 図8
  • 特表-曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品 図9
  • 特表-曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品 図10
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  • 特表-曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品 図12
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】曲面ガラスシートを堅い枠部に接合する可撓性中間枠部を含むガラス物品
(51)【国際特許分類】
   C03B 23/023 20060101AFI20230818BHJP
   B32B 17/06 20060101ALI20230818BHJP
   B32B 1/00 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
C03B23/023
B32B17/06
B32B1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504321
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(85)【翻訳文提出日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 US2021041265
(87)【国際公開番号】W WO2022020124
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】63/055,648
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】バーデット,スティーヴン ロイ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴ,ガウラフ
(72)【発明者】
【氏名】ガルガリカール,ローハン ラム
(72)【発明者】
【氏名】ラヨーニ,カレド
(72)【発明者】
【氏名】スミス,キンバリー ウィルバート
(72)【発明者】
【氏名】ティモンズ,クリストファー リー
(72)【発明者】
【氏名】シュィ,ウェイ
【テーマコード(参考)】
4F100
4G015
【Fターム(参考)】
4F100AA17
4F100AA17A
4F100AG00
4F100AG00A
4F100AK45
4F100AK45C
4F100BA03
4F100BA07
4F100CA13
4F100CA13A
4F100CB00
4F100CB00B
4F100DB17
4F100DB17C
4F100DB19
4F100EJ28
4F100GB31
4F100JL11
4F100JL11B
4G015AA03
4G015AA08
4G015AA13
4G015AB03
(57)【要約】
ガラス物品の形成方法を開示する。その方法は、中間枠部を、ガラスシートに、平坦構成で接着する。ガラスシートは、第1の主面、および、第1の主面の反対側の第2の主面を有する。中間枠部は、ガラスシートの第2の主面に接着する。ガラスシートおよび中間枠部は、チャックの形成面上で曲げられて、ガラスシートは湾曲構成になる。形成面は、20mm以上の第1の曲率半径を有し、ガラスシートの第1の主面は、形成面と一致する。枠部は、中間枠部に取り付けられて、枠部は、ガラスシートを、湾曲構成で保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス物品の形成方法において、
中間枠部を、第1の主面および該第1の主面の反対側の第2の主面を有する平坦構成のガラスシートの該第2の主面に接着する工程と、
前記ガラスシートおよび前記中間枠部をチャックの形成面の上で曲げて、該ガラスシートを湾曲構成にする工程であって、該形成面は20mm以上の第1の曲率半径を有し、該ガラスシートの前記第1の主面が該形成面と一致するようにする工程と、
前記ガラスシートを前記湾曲構成で保持する枠部を、前記中間枠部に取り付ける工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記曲げる工程の前に、表示モジュールを前記ガラスシートの前記第2の主面に接着する工程を、
更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中間枠部は、前記ガラスシートに接着する第1の部材、および、該第1の部材から該ガラスシートから離れる方向に延伸する第2の部材を含むものであり、
前記第2の部材を前記枠部に固定する工程を、
更に含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記中間枠部は、前記第1の部材から前記ガラスシートから離れる方向に延伸する第3の部材を含むものであり、
前記第2の部材と前記第3の部材は、前記第1の部材の両端部に位置し、
前記第3の部材は、前記枠部の内側と機械的に係合するように構成されたものである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の部材、および、前記枠部の前記内側は、溝と突起の連結部を画定するものである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記取り付ける工程は、更に、前記第2の部材を、前記枠部の外側を通って挿入された固定部を用いて、該枠部に固定する工程を含むものである、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
湾曲したガラス物品において、
第1の主面、および、該第1の主面の反対側の第2の主面を有するガラスシートと、
前記ガラスシートの前記第2の主面に接着し、第1の剛性を有する中間枠部と、
前記中間枠部に機械的に取り付けられ、20mm以上の曲率半径を有する湾曲部を画定する枠部支持面を含み、第2の剛性を有する枠部と
を含み、
前記枠部は、前記ガラスシートを湾曲構成に保持するものであり、
前記第2の剛性は、前記第1の剛性より高いものである湾曲したガラス物品。
【請求項8】
前記中間枠部は、前記ガラスシートに接着した第1の部材、および、該第1の部材から該ガラスシートから離れる方向に延伸する第2の部材を含むものであり、
前記第2の部材は、前記枠部に機械的に取り付けられたものである、請求項7に記載の湾曲したガラス物品。
【請求項9】
前記第2の部材は、前記枠部の外側に、機械的に取り付けられたものである、請求項8に記載の湾曲したガラス物品。
【請求項10】
前記中間枠部は、前記第1の部材から前記ガラスシートから離れる方向に延伸する第3の部材を含むものであり、
前記第2の部材と前記第3の部材は、前記第1の部材の両端部に位置し、
前記第3の部材は、前記枠部の内側と機械的に係合するように構成されたものである、請求項9に記載の湾曲したガラス物品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、米国特許法第119条の下、2020年7月23日出願の米国仮特許出願第63/055,648号の優先権の利益を主張し、その内容は依拠され、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、湾曲したガラス物品、特に、中間枠部を有する湾曲したガラス物品、および、その形成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
乗物の車内は曲面を含み、そのような曲面に、表示部を組み込みうる。そのような曲面を形成するのに用いる材料は、典型的には、ポリマーに限られるが、ガラスのような耐久性および光学性能を示さない。したがって、特に表示部のカバーとして用いる場合、湾曲したガラスシートが望ましい。そのような湾曲したガラスシートの既存の形成方法である熱成形などは、高いコスト、光学的歪み、および、表面の傷などを含む欠点を有する。更に、製造要求を満たすために、処理ライン毎に多くの形成装置が必要であり、多数の形成装置が必要なことから、形成装置は比較的安く製造使用できることが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明者は、湾曲したガラスシートを、費用効果の高い方法で、ガラスの熱成形処理に典型的につきものである問題を生じることなく組み込むことができる車内システムの必要性を認識した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様によれば、本開示の実施形態は、ガラス物品の形成方法に関する。その方法において、中間枠部を、平坦構成のガラスシートに接着する。ガラスシートは、第1の主面および第1の主面の反対側の第2の主面を有する。中間枠部を、ガラスシートの第2の主面に接着する。ガラスシートおよび中間枠部をチャックの形成面の上で曲げて、ガラスシートを湾曲構成にする。形成面は20mm以上の第1の曲率半径を有し、ガラスシートの第1の主面が形成面と一致するようにする。枠部を中間枠部に取り付けて、枠部がガラスシートを湾曲構成で保持する。
【0006】
他の態様によれば、本開示の実施形態は、湾曲したガラス物品に関する。湾曲したガラス物品は、第1の主面、および、第1の主面の反対側の第2の主面を有するガラスシートを含む。ガラス物品は、ガラスシートの第2の主面に接着した中間枠部も含む。中間枠部は、第1の剛性を有する。ガラス物品は、更に、中間枠部に機械的に取り付けられた枠部を含む。枠部は、第2の剛性を有する。枠部は、20mm以上の曲率半径を有する湾曲部を画定する枠部支持面を含む。枠部は、ガラスシートを湾曲構成に保持し、第2の剛性は、第1の剛性より高い。
【0007】
他の態様によれば、本開示の実施形態は、湾曲したガラス物品の中間枠部に関する。湾曲したガラス物品は、ガラスシートおよび枠部を含む。中間枠部は、ガラスシートに接着するように構成された第1の部材と、第1の部材から延伸する第2の部材を含む。第2の部材は、枠部へ機械的に取り付けるために構成されたものである。
【0008】
更なる特徴および利点を、次の詳細な記載に示し、それは、部分的には、当業者には、その記載から明らかであるか、または、次の詳細な記載、請求項、および、添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することによって分かるだろう。
【0009】
ここまでの概略的記載および次の詳細な記載の両方が例示にすぎず、請求項の本質および特徴を理解するための概観または枠組みを提供することを意図すると理解すべきである。添付の図面は、更なる理解のために含められたものであり、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は、1つ以上の実施形態を示し、明細書の記載と共に、様々な実施形態の原理および動作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的な実施形態による車内システムを有する車内の斜視図である。
図2A】例示的な実施形態によるV字状に湾曲したガラス物品を示している。
図2B】例示的な実施形態によるC字状に湾曲したガラス物品を示している。
図3】例示的な実施形態によるガラス物品および処理チャックを示す分解斜視図である。
図4】例示的な実施形態による中間枠部を組み込んだ湾曲したガラス物品の形成方法の工程を示す。
図5】例示的な実施形態による枠部を湾曲したガラス物品に固定するための中間枠部の実施形態を示す。
図6】例示的な実施形態による枠部を湾曲したガラス物品に固定するための中間枠部の実施形態を示す。
図7】例示的な実施形態による枠部を湾曲したガラス物品に固定するための中間枠部の実施形態を示す。
図8】例示的な実施形態による枠部を湾曲したガラス物品に固定するための中間枠部の実施形態を示す。
図9】例示的な実施形態による熱応力を低下させるための中間枠部の部分間の間隙を示す。
図10】例示的な実施形態による熱応力を低下させるための中間枠部の部分間の間隙を示す。
図11】例示的な実施形態による中間枠部の部分間の間隙について様々な位置を示す。
図12】例示的な実施形態によるガラスシートの幾何寸法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、添付の図面に例を示した様々な実施形態を詳細に記載する。概して、本開示は、ガラスシートを堅い構造的枠部に機械的に接続するための可撓性の中間枠部を含む湾曲したガラス物品に関する。本明細書に記載するように、中間枠部は、ガラスシートが平坦構成である間に、大量のガラスシートに接着させうる可撓性の枠部である。次に、各ガラスシートおよび可撓性の中間枠部は、処理チャック上で共に冷間曲げ処理されて、堅い枠部を中間枠部に比較的速く取り付けて、処理チャック上に位置する間、ガラスシートを冷間曲げ構成で保持しうる。
【0012】
ある従来のガラス物品においては、ガラスシートが処理チャック上で冷間曲げ処理される間に、堅い枠部はガラスシートに直に接着する。しかしながら、この場合には、堅い枠部をガラスシートに接合する接着剤が硬化する間、堅い枠部とガラスシートが処理チャック上に長い時間(例えば、2時間まで)留まる必要がある。処理チャックの数は限られているので、これにより、処理ボトルネックを生じる。つまり、ガラスシートを曲げる形成チェックを使用可能かによって、処理しうるガラス物品の数が制限される。更に、形成チャックは、単一のガラス物品設計に特定のものでありうるので、処理ボトルネックは、製造されるガラス物品の設計数に応じて拡大する。つまり、所定の製造空間について、各種類の形成チャックのうち、ある数の形成チャックのみを冷間形成にあてて、費用効果の高い製造処理を維持するようにしうる。
【0013】
中間枠部を平坦構成のガラスシートに接着するには、湾曲した処理チャックなどの専門器具を必要としないので、接着剤が硬化する間に、処理ボトルネックを生じることがない。更に、堅い枠部は、中間枠部に機械的に取り付けられて、ガラスシートを湾曲構成で保持するので、処理チャック上で費やされる時間を、以前に堅い枠部をガラスに接合する接着剤を硬化させるために処理チャック上で費やされた時間と比べて大きく削減する。したがって、処理チャック毎の処理量を増加させるか、および/または、所定の処理量に必要な処理チャックの総数を削減しうる。更に、中間枠部は、堅い枠部とガラスシートで熱による拡大/収縮率が異なることで生じる熱応力を減らすように構成されうる。これらの、および他の態様および利点を、以下の記載および図面に示した実施形態に関して説明する。これらの実施形態は、例示のために提供されるものであって、限定するものではない。
【0014】
本明細書に記載のガラス物品、および、ガラス物品の形成処理に関するコンテキストを提供するために、湾曲したガラス物品の例示的な実施形態を、車内システムの特定の利用例について記載する。
【0015】
図1は、3つの異なる実施形態の車内システム20、30、40を含む乗物の例示的な車内10を示している。車内システム20は、表示部26を含む曲面24を有するセンターコンソール基部22として示された基部を含む。車内システム30は、表示部36を含む曲面34を有するダッシュボード基部32として示された基部を含む。ダッシュボード基部32は、典型的には、計器パネル38を含み、それも、表示部を含みうる。車内システム40は、曲面44および表示部46を有するハンドル基部42として示された基部を含む。1つ以上の実施形態において、車内システムは、アームレスト、窓柱、背もたれ、床板、ヘッドレスト、ドアパネル、または、車内の任意の部分であり、曲面を含む基部を含む。
【0016】
本明細書に記載の湾曲したガラス物品の実施形態は、例えば、各車内システム20、30、40で用いられうる。いくつかのそのような実施形態において、本明細書に記載のガラス物品は、ダッシュボード、センターコンソール、ハンドル、ドアパネルなどの非表示面も覆いうるカバーガラスシートを含みうる。そのような実施形態において、ガラス材料は、質量、美的外観などに基づいて選択され、更に、模様(例えば、ブラシ加工された金属調の外観、木目調の外観、皮革調の外観、色付けされた外観など)を含む被膜(例えば、インクまたは顔料コーティング)を備えて、ガラス構成要素が、隣接した非ガラス構成要素と視覚的に合うようにしうる。特定の実施形態において、そのようなインクまたは顔料コーティングは、表示部26、36、38、46が作動しない時に、デッドフロントまたはカラーマッチング機能を提供する透明レベルを有しうる。更に、図1の車内は、自動車(例えば、車、トラック、バスなど)の形状である乗物を示しているが、本明細書に開示のガラス物品は、電車、船舶(ボート、船、潜水艦など)、航空機(ドローン、飛行機、ジェット機、ヘリコプターなど)などの他の乗物に組み込みうる。
【0017】
実施形態において、曲面24、34、44は、図2A、2Bに各々示したV字状またはC字状などの様々な湾曲した形状の任意のものでありうる。まず、図2Aを参照すると、V字状のガラス物品50の実施形態の側面図を示している。ガラス物品50は、第1の主面54、および、第1の主面54の反対側の第2の主面56、並びに、第1の主面54を第2の主面56につなぐ副面58を有するガラスシート52を含む。第1の主面54および第2の主面56は、ガラスシート52の厚さTを画定する。実施形態において、ガラスシート52の厚さTは、0.3mmから2mm、特に、0.5mmから1.1mmである。乗物において、第1の主面54は、乗物に乗った人の方に向く。
【0018】
実施形態において、第1の主面54、および/または、第2の主面56は、1つ以上の表面処理部を含む。第1の主面54と第2の主面56の一方または両方に加えうる表面処理部の例は、防眩膜、反射防止膜、タッチ機能を提供する膜、装飾(例えば、インクまたは顔料)膜、および、掃除を容易にする膜を含む。
【0019】
図2Aから分かるように、ガラスシート52は、第1の平坦な部分62aと第2の平坦な部分62bの間に配置された湾曲領域60を有する。実施形態において、湾曲領域60は、50mmから、略平坦または平面(例えば、R=10m)より小さい曲率半径Rを有する。更に、図2Aに示すように、湾曲領域60は、第1の主面54について、凹状の湾曲部を画定するが、その代わりに、他の実施形態において、湾曲領域60は、第1の主面54について、凸状の湾曲部である。
【0020】
図2Aのガラス物品50において、中間枠部63は、ガラスシート52の第2の主面56に接着する。上記のように、中間枠部63は、堅い構造的枠部64に取り付けるように構成される。このように、中間枠部63は、ガラスシート52と堅い枠部64の間のインターフェースと考えられうる。中間枠部63は、接着層66を介して、ガラスシート52に取り付けられ、枠部64は、中間枠部63に、以下に記載するような機械的な接続部を用いて取り付けられる。実施形態において、中間枠部63をガラスシート52に接合する接着層66は、強化エポキシ、可撓性エポキシ、アクリル、シリコーン、ウレタン、ポリウレタン、および、シラン変性ポリマーなどの構造的接着剤である。実施形態において、接着層66は、枠部64とガラスシート52の間に2mm以下の厚さを有する。
【0021】
部分的には、枠部64は、ガラス物品50を車内基部(図1に示したセンターコンソール基部22、ダッシュボード基部32、および/または、ハンドル基部42など)に載置するのを容易にする。更に、枠部64は、湾曲した枠部支持面65を有し、枠部支持面65は、(少なくとも、湾曲領域60で)その湾曲した形状でガラスシート52を保持するする。実施形態において、ガラスシート52は、湾曲領域60が不変ではないように形成される。つまり、ガラスシート52が、堅い枠部64に接続された中間枠部63に接着しなければ、ガラスシート52は、平面であって、湾曲しない(つまり、平坦)構成へと戻りうる。したがって、ガラスシート52に応力が加わって、湾曲部を生成し、ガラス物品50の耐用期間中、応力が加わったままである。
【0022】
図2Bは、ガラス物品50の他の実施形態、特に、C字状のガラス物品50を示している。図2AのV字状のガラス物品50と比べて、図2BのC字状のガラス物品50は、より大きい湾曲領域60、および、より短い平坦部分62a、62bを有する。V字状およびC字状の形状は、本開示により生成しうる湾曲したガラス物品50の2つの例にすぎない。他の実施形態において、ガラス物品50は、例えば、反対向きの湾曲部を有してS字状を生成する湾曲領域60、湾曲領域60の後に平坦部分62aを有してJ字状を生成する湾曲領域60、および、湾曲領域60が平坦部分62aによって分けられてU字状を生成する湾曲領域60を含みうる。
【0023】
実施形態において、本開示によるガラス物品50は、冷間形成技術により形成される。
概して、冷間形成処理は、図3の分解図に示すように、ガラスシート52をチャック68上に配置させながら、ガラスシート52に曲げ力を加える工程を含む。図から分かるように、チャック68は湾曲した形成面70を有し、ガラスシート52は、湾曲した形成面70と一致するように曲げられる。有利なことに、ガラスシート52に湾曲部を生成する前に、平坦なガラスシート52に表面処理を加える方が容易であり、更に、(高温形成技術につきものである高温が、表面の加工部を破壊する傾向があり、湾曲した物品に、より複雑な処理で表面加工を加える必要があるのと比べて)加工したガラスシート52を、表面の加工を破壊することなく曲げることが可能である。実施形態において、冷間形成処理を、ガラスシート52のガラス転移温度未満の温度で行う。特に、冷間形成処理を、室温(例えば、約20℃)または、僅かに高温、例えば、200℃以下、150℃以下、100℃以下、または、50℃以下で行いうる。
【0024】
図4は、湾曲したガラス物品50の形成方法100の処理フローを示している。方法の第1の工程101において、第2の主面56に載置された表示モジュール72を有するガラスシート52を用意する。実施形態において、表示モジュール72は、例えば、発光ダイオード(LED)表示部、有機LED(OLED)表示部、マイクロLED表示、液晶表示部(LCD)、または、プラズマ表示部でありうる。実施形態において、表示モジュール72は、光学的に透明な接着剤(不図示)を用いて、ガラスシート52の第2の主面56に載置される。接着層66を、表示モジュール72の周りのガラスシート52の第2の主面56に加えて、中間枠部63を、接着層66を用いて、ガラスシート52に接着する。
【0025】
第2の工程102において、接着層66は、ガラスシート52上で硬化されて、中間枠部63をガラスシート52に接合する。有利なことに、ガラスシート52をチャック68上で曲げる前で、ガラスシート52が平坦構成の間に、表示部72および中間枠部63をガラスシート52に接合しうる。上記のように、方法100では、ここまで、(チャック68など)専門の処理器具を必要とせず、硬化中、ガラスシート52と中間枠部63を並べて密着させうる。更に、接着層66を平坦構成で硬化させる間、最小の絞める力を必要とするか、絞める力を必要とせず、更に、平坦な構成要素には、硬化を加速させる技術を(熱または電磁波の印加さえも)、より容易に適用しうる。
【0026】
第3の工程103において、表示部72を有するガラスシート52、および、そこに接合された中間枠部63を、チャック68の形成面70上で冷間曲げ処理する。実施形態において、冷間曲げは、押圧機を用いて、圧力をガラスシート52に加え、ガラスシート52を形成面70の湾曲部と一致させる工程を含む。実施形態において、ガラスシート52は、チャック68を通って引き出された真空圧を用いて、冷間曲げ位置に保持される。ガラスシート52が曲げられる時は、中間枠部63も曲げられる。更に、表示部72が湾曲領域60に亘って設けられた場合、次に、表示部72も、ガラスシート52と共に曲げられる。
【0027】
第4の工程104において、ガラスシート52がチャック68上で冷間曲げ構成の間に、枠部64は中間枠部63に取り付けられる。上記のように、更に、次にも記載するように、中間枠部63は、枠部64に機械的に接続される。このように、枠部64と、既にガラスシート52に接着した中間枠部63との間の機械的な接続により、ガラスシート52は、冷間曲げ構成で保持される。従来は、冷間曲げされたガラス物品は、ガラスシートに直に接合され枠部を有して、枠部は、ガラスシートを冷間曲げ構成で保持するものだった。このようにガラス物品を構成した場合、枠部をガラスシートに接合する接着剤が、ガラス物品をチャックから取り外す前に硬化する必要があった。接着剤が完全に硬化するには、2時間までもの時間が掛かりうるので、それが、形成チャックをガラス物品の冷間曲げ処理に使えないという処理ボトルネックを生じうるものだった。したがって、中間枠部63を平坦構成のガラスシート52に接合し、次に、中間枠部63とガラスシート52の組合せをチャック68上で曲げることで、ガラス物品50がチャック68上に位置する間に接着層66が硬化する必要がなくなる。その代わりに、工程105に示すように、枠部64を中間枠部63に固定したら、ガラス物品50をチャック68から取り外して、チャック68を、他の冷間曲げ操作が行えるように開放しうる。
【0028】
実施形態において、中間枠部63も枠部64に接着させうるもので、そのような実施形態において、中間枠部63と枠部64を機械的に接続して、中間枠部63と枠部64の間の接着剤を、処理チャック68から離れて硬化させうる。
【0029】
図5は、枠部64に取り付けるための中間枠部63の構成の第1の実施形態を示している。図5に示すように、ガラスシート52は、冷間曲げ処理されて、中間枠部63は、接着層66を介して、ガラスシート52の第2の主面56に接着する。中間枠部63は、L字状で、ガラスシート52の第2の主面56に略平行な第1の部材74、および、第1の部材74に略垂直に配列された第2の部材76を含む。第1の部材74は、ガラスシート52に接着する。第2の部材76は、中間枠部63を枠部64に固定する固定部80(例えば、ピン、ネジ、ボルトなど)を挿入しうる開口部78を含みうる。実施形態において、固定部80の頭部は、より大きい直径を与えられて、局所応力の集中を下げるようにする。そのような実施形態において、固定部80の頭部は、少なくとも2mmの直径を有し、更に、特定の実施形態において、直径は、固定部80に加わる局所的な力、および、用いられる固定部80の数に応じたものである。図5に示すように、固定部80は、中間枠部63を、枠部64の外側に固定する。実施形態において、第1の部材74は、枠部64の全周に延伸する。実施形態において、第2の部材76は、枠部64の全周に延伸し、更に、中間枠部63を枠部64に接合する固定部80を挿入しうる複数の開口部78を含む。そのような実施形態において、第2の部材76は、装飾的特徴物を提供して、枠部64を隠すようにしうる。他の実施形態において、第2の部材76は、中間枠部63を枠部64に接合する固定部80を挿入する開口部78の位置だけで、第1の部材74から延伸する。
【0030】
図6は、枠部64に取り付けるための中間枠部63の構成の他の実施形態を示している。上記実施形態と同様に、中間枠部63は、L字状で、第1の部材74、および、第1の部材74に略垂直に配列された第2の部材76を含む。第1の部材74は、接着層66を介して、ガラスシート52の第2の主面56に接着したままだが、図6の実施形態では、第2の部材76は、枠部64の内側に配列される。第2の部材76は、開口部78を含むが、固定部80は、枠部64の外側を通って挿入され、第2の部材76を枠部64の内側に固定する。有利なことに、このように中間枠部63を枠部64に取り付けることで、冷間曲げ構成のガラスシート52の残存応力に起因する中間枠部63の(特に、第1の部材74と第2の部材76の間の角度が開く)変形を防ぎうるもので、残存応力は、ガラスシート52を、ガラスシート52を冷間曲げ構成で保持する枠部64から、引き離す傾向がある。中間枠部63を枠部64の内側に配列することによって、中間枠部63は、ガラスシート52を枠部64から引き離す応力が最も高い場所に位置する。
【0031】
実施形態において、第1の部材74は、枠部64の全周に延伸する。実施形態において、第2の部材76は、枠部64の全周に延伸して(例えば、装飾的特徴物を提供し)、中間枠部63を枠部64に接合する固定部80を挿入しうる複数の開口部78を含む。他の実施形態において、第2の部材76は、中間枠部63を枠部64に接合する固定部80を挿入する開口部78の位置だけで、第1の部材74から延伸する。
【0032】
図7は、枠部64に取り付けるための中間枠部63の構成の更に他の実施形態を示している。本実施形態において、中間枠部63は、第1の部材74、および、1つの端部で第1の部材74から略垂直に延伸する第2の部材76を含む。第1の部材74の他方の端部には、第3の部材82がある。第3の部材82は、第1の部材74から略垂直に、第2の部材76と同じ方向に延伸する。第3の部材82は、枠部64の内側と機械的に係合する。示した実施形態において、第3の部材82は、枠部64の内側と機械的に係合している。例えば、第3の部材82は、枠部64の内面から延伸する突起部86と係合するスロット84を含むか、または、その反対に構成されうる。図7の実施形態において、第2の部材76は、中間枠部63を枠部64に接合する固定部80を挿入する開口部78を含む。このようにして、中間枠部63は、枠部64の内側と外側の両方に接合されて、ガラスの残存応力による変形を防ぎ、更に、中間枠部63を容易に枠部64に取り付けられるようにする。
【0033】
実施形態において、第1の部材74は、枠部64の全周に延伸する。実施形態において、第2の部材76は、枠部64の全周に延伸して(例えば、装飾的特徴物を提供し)、中間枠部63を枠部64に接合する固定部80を挿入しうる複数の開口部78を含む。他の実施形態において、第2の部材76は、中間枠部63を枠部64に接合する固定部80を挿入する開口部78の位置だけで、第1の部材74から延伸する。実施形態において、第3の部材82は、枠部64の全周に延伸する。他の実施形態において、第3の部材82は、例えば、第2の部材76と同じ位置で、または、第2の部材76の位置と第2の部材76の位置の間でなど、定期的な間隔を開けた位置だけで、第1の部材74から延伸する。
【0034】
図8は、枠部64に取り付けるための中間枠部63の構成の更なる実施形態を示している。本実施形態において、中間枠部63は、ガラスシート52の第2の主面56に接着した第1の部材74を含む。一実施形態において、中間枠部63は、第1の部材74から枠部64を通って略垂直に延伸する第2の部材76を含む。そのような実施形態において、第2の部材76は、(第2の部材76の端部を融解させて、枠部64が中間枠部63から引き離されるのを防ぐ頭部を生成するなどによって)枠部64に熱的に接合されうる。他の実施形態において、第2の部材76の代わりに、固定部80を枠部64を通って挿入して、中間枠部63を枠部64に接合する。更に他の実施形態において、中間枠部63を、枠部64に、第2の部材76と固定部80を組み合わせて用いて取り付けうる。図から分かるように、第2の部材76または固定部80は、枠部64の外側より内側に近くで、枠部64を通って挿入され、ガラスシート52の残存応力によりガラス物品50が変形する可能性があるという問題に取り組んでいる。実施形態において、第2の部材76、および/または、固定部80は、規則的または不規則なパターンで間隔を開けて、第1の部材74から延伸する。
【0035】
上記のように、中間枠部63は、ガラスシート52が平坦構成の時に、ガラスシート52に接合されて、次に、冷間曲げ操作中に、ガラスシート52と共に曲げられるように設計される。したがって、実施形態において、中間枠部63は、(材料の選択、および/または、設計形状を通して)堅い枠部64の曲げ剛性またはスティフネスより低い曲げ剛性またはスティフネスを有する。特に、中間枠部63は、典型的な冷間形成力で曲げることが可能でなければならないが、堅い枠部64は、そのような力に耐えて、ガラスシート52を冷間形成された形状に維持するように特に設計される。
【0036】
したがって、例えば、中間枠部63は、ポリマー、または、複合材料で作られうる。例示的な実施形態において、中間枠部63は、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PUR)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、または、ガラスファイバ配合PCなどのファイバ強化プラスチックの少なくとも1つから作られうる。
【0037】
実施形態において、枠部64は、アルミニウム合金、マグネシウム合金、または、鋼鉄合金などの金属から作られ、ガラスシート52は、ソーダライムガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウアルミノケイ酸ガラス、含アルカリアルミノケイ酸ガラス、含アルカリホウケイ酸ガラス、および、含アルカリホウアルミノケイ酸ガラスなどのガラス材料から作られる。
【0038】
ガラス物品50の構成要素同士が異なる材料から作られることを考慮すると、構成要素は、温度サイクルの間に異なる熱膨張率を経験する。異なる熱膨張率は、熱応力を生成し、そのような熱応力を設計段階で考慮しないと、ガラス物品、特に、接着層での破損につながり、それにより、ガラスシートが中間枠部から層間剥離しうる。
【0039】
一実施形態において、ガラス物品50の設計は、図9、10に示すように、複数の切れ目を中間枠部63に組み込むことによって、熱膨張率の違いに取り組む。図9の上面図から分かるように、中間枠部63は、第1の部分90と第2の部分92の間に間隙88を含む。間隙88は、中間枠部63が熱サイクル下で膨張収縮して、枠部64とガラスシート52の間での熱膨張収縮の差に対処するのを可能にする。図9に示すように、第1の部分90と第2の部分92は、膜94によって接続されて、中間枠部63の取扱いを容易にし、つまり、中間枠部63とガラス物品50を組み立てる間に、部分90と部分92が、ばらばらにならないようにしうる。図9から分かるように、接続膜94は、第1の部分90と第2の部分92を、間隙88を通って連結するが、間隙88が、熱サイクルの間に、拡大および縮小するのを可能にする。
【0040】
その点について、図10の斜視図で、接続膜94は、部分90、92の枠部64に隣接した表面と同じ高さでありうるが、膜94は、部分90、92のガラスシート52に隣接した表面と同じ高さまで下方に延伸しないものでありうる。図10に示したように、接続膜92の底部で距離が確保されたことで、接続膜94が、確実に、接着層66によって、その場所で接合されないようにして、間隙88が、熱サイクル中に拡大および縮小するのを可能にする。実施形態において、部分90と部分92の間の間隙88は、5mm以下、特に2mm以下、最も特定すると、約1mmである。実施形態において、中間枠部63は、射出成形処理で形成しうるものであり、部分90と部分92の間の膜94を、その射出成形処理で用いた型設計から形成しうる。
【0041】
図11は、325mmである半分の長さを有する中間枠部63の様々な実施形態を示しており、1つの例は、間隙がなく、3つの例は、中間枠部63に沿った様々な場所に位置する少なくとも1つの間隙88を有する。表1に、中間枠部63とガラスシート52の間の接着層66における正規化された主(つまり、局所引張)応力および剪断応力を、各構成について示している。
【0042】
図11に示した第1の実施形態201において、中間枠部63は、いずれの間隙も有さない。表1に示すように、主応力および剪断応力は、各々1.0の正規化された応力で示すように、本実施形態において、最も大きい。図11に示した第2の実施形態202において、中間枠部63は、中間枠部63の中間点に位置する単一の間隙88を含む。表1に示すように、正規化された主応力は、0.91で、正規化された剪断応力は、0.94であることから分かるように、主応力および剪断応力の両方が減少する。図11に示した第3の実施形態203において、中間枠部63は、中間枠部63の端部から25mmの場所に位置して、第1の部分90および第2の部分92を生成する単一の間隙88を含む。表1に示すように、第1の部分90における正規化された主応力と剪断応力は、各々、0.14と0.13である。第2の部分92における、正規化された主応力と剪断応力は、各々、0.94と0.94である。
【0043】
図11に示した第4の実施形態204において、中間枠部63は、2つの間隙88を含む。第1の間隙88は、中間枠部63の端部から25mmの場所に位置して、それにより、第1の部分90および第2の部分92を生成する。第2の間隙88は、第1の間隙88から25mmの場所に位置して、第3の部分96を生成する。表1に示すように、第1の部分90における正規化された主応力と剪断応力は、各々、0.11と0.13であり、第2の部分92における正規化された主応力と剪断応力は、各々、0.52と0.49である。第3の部分96において、正規化された主応力と剪断応力は、各々、0.89と0.87である。
【0044】
【表1】
【0045】
実施形態201~204は、中間枠部63およびガラスシート52の半分だけを検討しているが、主応力および剪断応力は、両側で対称であると予想される。したがって、半分だけを検討することで、中間枠部63の全体についての十分な情報を提供する。表1から分かるように、1つの間隙88を中間枠部63の設計に含めることでさえ、中間枠部63とガラスシート52の間の接着層66が経験する最大主応力および剪断応力が減らされる。特に、中間枠部63を多数の小さい部分に分割することで、主応力および剪断応力が、最も大きく減少しうる。
【0046】
本明細書に記載の中間枠部63は、湾曲したガラス物品50を用意する時に、多数の処理の利点を提供する。従来は、枠部をガラスシートに接合する接着剤を硬化させるのに必要になった処置ボトルネックを軽減するのに加え、表示モジュールをガラスシートに積層する時に、中間枠部63は、表示モジュールへの接続部を容易に管理することも可能にする。更に、枠部64を中間枠部63から容易に取り外して、表示モジュール72の再処理のためにアクセスするようにしうる。
【0047】
図12を参照して、ガラスシート52の更なる構造を詳細に示し、記載する。上記のように、ガラスシート52は、第1の主面54と第2の主面56の間の距離として画定され、略一定の厚さTを有する。様々な実施形態において、Tを、ガラスシートの平均厚さ、または、最大厚さと称しうる。更に、ガラスシート52は、厚さTと直交する第1の主面54または第2の主面56の一方の第1の最大寸法として画定される幅W、および、厚さおよび幅の両方と直交する第1の主面54または第2の主面56の一方の第2の最大寸法として画定される長さLを有する。他の実施形態において、WおよびLは、各々、ガラスシート52の平均幅と平均長さでありうる。
【0048】
様々な実施形態において、平均または最大厚さTは、0.3mmから2mmの範囲である。様々な実施形態において、幅Wは、5cmから250cmの範囲であり、長さLは、約5cmから約1500cmの範囲である。上記のように、ガラスシート52の(例えば、図2A、2BでRとして示した)曲率半径は、約30mmから約1000mmである。
【0049】
実施形態において、ガラスシート52を強化しうる。1つ以上の実施形態において、ガラスシート52を、表面から圧縮深さ(DOC)まで延伸する圧縮応力を含むように強化しうる。圧縮応力領域は、引張応力を示す中心部分によって相殺される。DOCにおいて、応力は、正の(圧縮)応力から、負の(引張)応力に変わる。
【0050】
様々な実施形態において、物品の部分同士の間の熱膨張率のミスマッチを利用して、圧縮応力領域と引張応力を示す中心領域を生成することによって、ガラスシート52を機械的に強化しうる。いくつかの実施形態において、ガラスをガラス転移温度より高い温度まで加熱して、次に急冷することによって、ガラスシートを、熱的に強化しうる。
【0051】
様々な実施形態において、ガラスシート52を、イオン強化によって、化学強化しうる。イオン交換処理において、ガラスシートの表面、または、その近くのイオンが、同じ原子価または酸化状態を有する、より大きいイオンと置き換えられるか、交換される。ガラスシートがアルカリアルミノケイ酸ガラスを含む実施形態において、物品の表面層のイオン、および、より大きいイオンは、Li、Na、K、Rb、および、Csなどの一価のアルカリ金属カチオンである。その代わりに、表面層の一価のカチオンは、アルカリ金属カチオン以外である、Agなどの一価のカチオンと置き換えられうる。そのような実施形態において、ガラスシートの中に導入された一価のイオン(または、カチオン)は、応力を生成する。
【0052】
イオン交換処理は、典型的には、ガラスシートを、ガラスシートの中の小さいイオンと交換される大きいイオンを含む溶融塩浴(または、2つ以上の溶融塩浴)に浸漬させることによって行われる。塩水溶液浴も用いうることに留意すべきである。更に、浴(または、複数の浴)の組成物は、1つより多くの種類の大きいイオン(例えば、Na、および、K)、または、単一の大きいイオンを含みうる。限定するものではないが、浴の組成および温度、浸漬時間、ガラスシートを塩浴(または、複数の浴)に浸漬させる回数、多数の塩浴の使用、並びに、アニーリング、洗浄などの追加の工程を含むイオン交換処理のパラメータは、概して、(物品の構造、および、任意の結晶相があるかを含む)ガラスシートの組成、並びに、強化により生じるのが望ましいガラスシートのDOCおよびCSによって決定されることが、当業者には分かるだろう。例示的な溶融浴の組成物は、硝酸塩、硫酸、および、大きいアルカリ金属イオンの塩化物を含みうる。典型的な硝酸塩は、KNO、NaNO、LiNO、NaSO、および、それらの組合せを含む。溶融塩浴の温度は、典型的には、約380℃から約450℃の範囲であり、浸漬時間は、ガラスシートの厚さ、浴の温度、および、ガラス(または、一価のイオン)の拡散率に応じて、約15分から約100時間である。しかしながら、上記温度および浸漬時間とは異なるものも用いうる。
【0053】
1つ以上の実施形態において、ガラスシート52を、約370℃から約480℃の温度を有する100%NaNOの溶融塩浴、100%KNOの溶融塩浴、または、NaNOとKNOの組合せを溶融塩浴に浸漬させうる。いくつかの実施形態において、ガラスシートを、約5%から約90%のKNO、および、約10%から約95%のNaNOを含む溶融混合塩浴に浸漬させうる。1つ以上の実施形態において、ガラスシートを、第1の浴に浸漬させた後に、第2の浴に浸漬させうる。第1の浴と第2の浴は、互いに異なる組成、および/または、温度を有しうる。第1および第2の浴への浸漬時間は、異なりうる。例えば、第1の浴への浸漬は、第2の浴への浸漬より長くしうる。
【0054】
1つ以上の実施形態において、ガラスシートを、約420℃未満(例えば、約400℃、または、約380℃)の温度を有するNaNOおよびKNO(例えば、49%/51%、50%/50%、51%/49%)を含む溶融混合塩浴に、約5時間未満、または、約4時間以下浸漬させうる。
【0055】
イオン交換条件を調整して、「スパイク」を提供するか、または、応力プロファイルの傾斜を、結果的に得られるガラスシートの表面または表面近くで増加させうる。スパイクは、大きい表面CS値を生じうる。このスパイクは、単一の浴、または、多数の浴によって、単一の組成または混合組成を有する浴(または、複数の浴)を用いて、本明細書に記載のガラスシートで用いられるガラス組成物の特有の物性により実現しうる。
【0056】
1つより多くの一価のイオンがガラスシートの中に導入される1つ以上の実施形態において、異なる一価のイオンは、ガラスシートの中の異なる高さに導入される(そして、ガラスシートの中の異なる深さで異なる大きさの応力を生成する)。その結果、応力生成イオンの相対深さが決定されて、応力プロファイルの異なる特徴を生じる。
【0057】
CSは、株式会社折原製作所製造のFSM-6000などの市販の計器を用いた表面応力メータ(FSM)など、従来から知られた手段を用いて測定される。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関係する応力光学係数(SOC)の正確な測定に依存する。次に、SOCを、ファイバ曲げ法、4点曲げ法、バルクシリンダ法など、従来から知られた方法で測定し、最初の2つの方法は、どちらも、ASTM規格C770-98(2013)に「Standard Test Method for Measurement of Glass Stress-Optical Coefficient」という名称で記載されており、その内容は、参照により、全体として本明細書に組み込まれる。本明細書で用いるように、CSは、圧縮応力層内で測定された最高圧縮応力値である「最大圧縮応力」でありうる。いくつかの実施形態において、最大圧縮応力は、ガラスシートの表面に位置する。他の実施形態において、最大圧縮応力は、表面より下の深さで生じて、「埋まったピーク」が現れる圧縮プロファイルを生じる。
【0058】
DOCを、強化方法および条件に応じて、FSM、または、(Glasstress Ltd.、Tallinn、Estoniaから入手可能なSCALP-04散乱光偏光器などの)散乱光偏光器(SCALP)によって測定しうる。ガラスシートをイオン交換によって化学強化する場合、どのイオンをガラスシートの中にイオン交換で導入するかに応じて、FSMまたはSCALPを用いうる。カリウムイオンをガラスシートの中に導入することによって、ガラスシートに応力を生成する場合、FSMを用いて、DOCを測定する。ナトリウムイオンをガラスシートの中に導入することによって、ガラスシートに応力を生成する場合、SCALPを用いて、DOCを測定する。カリウムイオンとナトリウムイオンの両方をガラスシートの中に導入することによって、ガラスシートに応力を生成する場合、SCALPを用いて、DOCを測定し、なぜなら、ナトリウムイオンの交換深さはDOCを示し、カリウムイオンの交換深さは、圧縮応力の大きさ変化(但し、圧縮応力から引張応力への変化ではない)を示すと考えられるからであり、そのようなガラスシートの中のカリウムイオンの交換深さは、FSMによって測定する。中心張力またはCTは、最大引張応力であり、SCALPによって測定される。
【0059】
1つ以上の実施形態において、ガラスシートは強化されて、(本明細書に記載のように)ガラスシートの厚さTの部分として示されるDOCを示しうる。例えば、1つ以上の実施形態において、DOCは、約0.05Tから約0.25Tの範囲でありうる。いくつかの例において、DOCは、約20μmから約300μmの範囲でありうる。1つ以上の実施形態において、強化されたガラスシート52は、(ガラスシートの表面、または、ガラスシートの中のある深さで見つけうる)約200MPa以上、約500MPa以上、または、約1050MPa以上のCSを有しうる。1つ以上の実施形態において、強化されたガラスシートは、約20Mpaから約100MPaの範囲の最大引張応力または中心張力(CT)を有しうる。
【0060】
ガラスシート52として用いるのに適したガラス組成物は、ソーダライムガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウアルミノケイ酸ガラス、含アルカリアルミノケイ酸ガラス、含アルカリホウケイ酸ガラス、および、含アルカリホウアルミノケイ酸ガラスを含む。
【0061】
別段の記載がない限りは、本明細書に開示のガラス組成物は、酸化物を基準に分析したモルパーセント(モル%)で記載している。
【0062】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、SiOを、約66モル%から約80モル%の範囲の量で含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、Alを、約3モル%から約15モル%の量で含む。1つ以上の実施形態において、ガラス物品を、アルミノケイ酸ガラス物品として、または、アルミノケイ酸ガラス組成物を含むものとして記載している。そのような実施形態において、ガラス組成物、または、それから形成された物品は、SiOおよびAlを含み、ソーダライムケイ酸ガラスではない。
【0063】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、Bを、約0.01モル%から約5モル%の範囲の量で含む。但し、1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、Bを実質的に含まない。本明細書で用いるように、組成物中の要素について、「実質的に含まない」という用語は、その要素が、積極的にも意図的にも、最初の調合中に組成物に加われたのではないが、約0.001モル%未満の量の不純物として存在しうるという意味である。
【0064】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、任意で、Pを約0.01モル%から2モル%の量で含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、Pを、実質的に含まない。
【0065】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、ROを、約8モル%から約20モル%の範囲の合計量(LiO、NaO、KO、RbO、および、CsOなどのアルカリ金属酸化物の合計量)で含みうる。1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、RbO、または、CsO、または、RbOとCsOの両方を実質的に含まないものでありうる。1つ以上の実施形態において、ROは、LiO、NaO、および、KOの合計量のみを含みうる。1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、LiO、NaO、および、KOから選択された少なくとも1つのアルカリ金属酸化物を含み、アルカリ金属酸化物は、約8モル%以上の量で存在しうる。
【0066】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、NaOを、約8モル%から約20モル%の範囲の量で含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、KOを、約0モル%から約4モル%の範囲の量で含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、KOを、実質的に含まないものでありうる。1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、LiOを、実質的に含まない。1つ以上の実施形態において、組成物中のNaOの量は、LiOの量より多いものでありうる。いくつかの例において、NaOの量は、LiOとKOの量の組合せより多いものでありうる。1つ以上の代わりの実施形態において、組成物中のLiOの量は、NaOの量、または、NaOとKOの量の組合せより多いものでありうる。
【0067】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、ROを、約0モル%から約2モル%の範囲の合計量(CaO、MgO、BaO、ZnO、および、SrOなどのアルカリ土類金属酸化物の合計量)で含みうる。1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、CaOを、約1モル%未満の量で含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、CaOを、実質的に含まない。いくつかの実施形態において、ガラス組成物は、MgOを、約0モル%から約7モル%の量で含む。
【0068】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、ZrOを、約0.2モル%以下の量で含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、SnOを、約0.2モル%以下の量で含む。
【0069】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、ガラス物品に色または色合いを与える酸化物を含みうる。いくつかの実施形態において、ガラス組成物は、ガラス物品が紫外線に曝された時にガラス物品の変色を防ぐ酸化物を含む。そのような酸化物の例は、限定するものではないが、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ce、W、および、Moの酸化物を含む。
【0070】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成物は、Feとして表されるFeを含み、Feは、1モル%以下の量で存在する。ガラス組成物がTiOを含む場合、TiOは、約5モル%以下の量で存在しうる。
【0071】
例示的なガラス組成物は、SiOを、約65モル%から約75モル%の範囲の量で、Alを、約8モル%から約14モル%の範囲の量で、NaOを、約12モル%から約17モル%の範囲の量で、KOを、約0モル%から約0.2モル%の範囲の量で、MgOを、約1.5モル%から約6モル%の範囲の量で含む。任意で、SnOを、本明細書で別に開示した量で含みうる。ここまでのガラス組成物についての段落では、範囲を概数で表しているが、他の実施形態において、ガラスシート52を、任意の上記正確な数値範囲に当てはまる任意のガラス組成物から製作しうると理解すべきである。
【0072】
本開示の態様(1)は、ガラス物品の形成方法において、中間枠部を、第1の主面および第1の主面の反対側の第2の主面を有する平坦構成のガラスシートの第2の主面に接着する工程と、ガラスシートおよび中間枠部をチャックの形成面の上で曲げて、ガラスシートを湾曲構成にする工程であって、形成面は20mm以上の第1の曲率半径を有し、ガラスシートの第1の主面が形成面と一致するようにする工程と、ガラスシートを湾曲構成で保持する枠部を、中間枠部に取り付ける工程とを含む方法に関する。
【0073】
本開示の態様(2)は、態様(1)の方法に関し、曲げる工程の前に、表示モジュールをガラスシートの第2の主面に接着する工程を、更に含む。
【0074】
本開示の態様(3)は、態様(1)、または、態様(2)の方法に関し、曲げる工程の前に、中間枠部をガラスシートに接着する接着剤を硬化させる工程を、更に含む。
【0075】
本開示の態様(4)は、態様(1)から(3)のいずれか1つの方法に関し、中間枠部は、ガラスシートに接着する第1の部材、および、第1の部材からガラスシートから離れる方向に延伸する第2の部材を含むものであり、第2の部材を枠部に固定する工程を、更に含む。
【0076】
本開示の態様(5)は、態様(4)の方法に関し、第2の部材は、枠部の外側に固定されるものである。
【0077】
本開示の態様(6)は、態様(5)の方法に関し、中間枠部は、第1の部材からガラスシートから離れる方向に延伸する第3の部材を含むものであり、第2の部材と第3の部材は、第1の部材の両端部に位置し、第3の部材は、枠部の内側と機械的に係合するように構成されたものである。
【0078】
本開示の態様(7)は、態様(6)の方法に関し、第3の部材、および、枠部の内側は、溝と突起の連結部を画定するものである。
【0079】
本開示の態様(8)は、態様(4)の方法に関し、第2の部材は、枠部の内側に固定されるものである。
【0080】
本開示の態様(9)は、態様(4)から(8)のいずれか1つの方法に関し、取り付ける工程は、更に、第2の部材を、枠部の外側を通って挿入された固定部を用いて、枠部に固定する工程を含むものである。
【0081】
本開示の態様(10)は、態様(4)の方法に関し、第2の部材は、枠部の内面と外面の間で枠部を通って延伸するものである。
【0082】
本開示の態様(11)は、態様(10)の方法に関し、第2の部材は、外面より内面に近く配置されたものである。
【0083】
本開示の態様(12)は、態様(10)、または、態様(11)の方法に関し、第2の部材は、固定部である。
【0084】
本開示の態様(13)は、態様(10)、または、態様(11)の方法に関し、第2の部材は、第1の部材との一体構造物の一部であり、枠部に熱的に接合されたものである。
【0085】
本開示の態様(14)は、態様(1)から(13)のいずれか1つの方法に関し、中間枠部は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルスチレンアクリレート、または、ファイバ強化プラスチックの少なくとも1つを含むものである。
【0086】
本開示の態様(15)は、態様(1)から(14)のいずれか1つの方法に関し、中間枠部は、中間枠部を少なくとも2つの部分に分割する少なくとも1つの間隙を含むものである。
【0087】
本開示の態様(16)は、態様(15)の方法に関し、各少なくとも1つの間隙は、部分同士を5mm以下の隙間で分割するものである。
【0088】
本開示の態様(17)は、態様(15)、または、態様(16)の方法に関し、接続膜が、各部分の間の間隙に亘って備えられたものである。
【0089】
本開示の態様(18)は、態様(1)から(17)のいずれか1つの方法に関し、中間枠部は、第1の剛性を有し、枠部は、第1の剛性より高い第2の剛性を有するものである。
【0090】
本開示の態様(19)は、湾曲したガラス物品において、第1の主面、および、第1の主面の反対側の第2の主面を有するガラスシートと、ガラスシートの第2の主面に接着し、第1の剛性を有する中間枠部と、中間枠部に機械的に取り付けられ、20mm以上の曲率半径を有する湾曲部を画定する枠部支持面を含み、第2の剛性を有する枠部と
を含み、枠部は、ガラスシートを湾曲構成に保持するものであり、第2の剛性は、第1の剛性より高いものである湾曲したガラス物品に関する。
【0091】
本開示の態様(20)は、態様(19)の湾曲したガラス物品に関し、ガラスシートの第2の表面に接着した表示モジュールを更に含む。
【0092】
本開示の態様(21)は、態様(19)、または、態様(20)の湾曲したガラス物品に関し、中間枠部は、ガラスシートに接着した第1の部材、および、第1の部材からガラスシートから離れる方向に延伸する第2の部材を含むものであり、第2の部材は、枠部に機械的に取り付けられたものである。
【0093】
本開示の態様(22)は、態様(21)の湾曲したガラス物品に関し、第2の部材は、枠部の外側に、機械的に取り付けられたものである。
【0094】
本開示の態様(23)は、態様(22)の湾曲したガラス物品に関し、中間枠部は、第1の部材からガラスシートから離れる方向に延伸する第3の部材を含むものであり、第2の部材と第3の部材は、第1の部材の両端部に位置し、第3の部材は、枠部の内側と機械的に係合するように構成されたものである。
【0095】
本開示の態様(24)は、態様(23)の湾曲したガラス物品に関し、第3の部材、および、枠部の内側は、溝と突起の連結部を画定するものである。
【0096】
本開示の態様(25)は、態様(21)の湾曲したガラス物品に関し、第2の部材は、枠部の内側に機械的に取り付けられたものである。
【0097】
本開示の態様(26)は、態様(21)から(25)のいずれか1つの湾曲したガラス物品に関し、第2の部材は、枠部の外側を通って挿入された固定部を用いて、枠部に機械的に取り付けられたものである。
【0098】
本開示の態様(27)は、態様(21)の湾曲したガラス物品に関し、第2の部材は、枠部の内面と外面の間で枠部を通って延伸するものである。
【0099】
本開示の態様(28)は、態様(27)の湾曲したガラス物品に関し、第2の部材は、外面より内面に近く配置されたものである。
【0100】
本開示の態様(29)は、態様(27)、または、態様(28)の湾曲したガラス物品に関し、第2の部材は、固定部である。
【0101】
本開示の態様(30)は、態様(27)、または、態様(28)の湾曲したガラス物品に関し、第2の部材は、第1の部材との一体構造物の一部であり、枠部に熱的に接合されたものである。
【0102】
本開示の態様(31)は、態様(19)から(30)のいずれか1つの湾曲したガラス物品に関し、中間枠部は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルスチレンアクリレート、または、ファイバ強化プラスチックの少なくとも1つを含むものである。
【0103】
本開示の態様(32)は、態様(19)から(31)のいずれか1つの湾曲したガラス物品に関し、中間枠部は、中間枠部を少なくとも2つの部分に分割する少なくとも1つの間隙を含むものである。
【0104】
本開示の態様(33)は、態様(32)の湾曲したガラス物品に関し、各少なくとも1つの間隙は、部分同士を5mm以下の隙間で分割するものである。
【0105】
本開示の態様(34)は、態様(32)、または、態様(33)の湾曲したガラス物品に関し、接続膜が、各部分の間の間隙に亘って備えられたものである。
【0106】
本開示の態様(35)は、態様(19)から(34)のいずれか1つの湾曲したガラス物品に関し、ガラスシートは、第1の主面と第2の主面の間に0.3mmから2.0mmの最大厚さを有するものである。
【0107】
本開示の態様(36)は、態様(19)から(35)のいずれか1つに記載の湾曲したガラス物品を含む車内システムに関する。
【0108】
本開示の態様(37)は、態様(36)の車内システムを含む乗物に関する。
【0109】
本開示の態様(38)は、態様(37)の乗物に関し、乗物は、自動車、船舶または航空機を含むものである。
【0110】
本開示の態様(39)は、湾曲したガラス物品の中間枠部に関し、湾曲したガラス物品は、ガラスシートおよび枠部を含むものであって、中間枠部は、ガラスシートに接着するように構成された第1の部材と、第1の部材から延伸して、枠部へ機械的に取り付けるために構成された第2の部材とを含む。
【0111】
本開示の態様(40)は、態様(39)の中間枠部に関し、第2の部材は、枠部の外側へ機械的に取り付けるために構成されたものである。
【0112】
本開示の態様(41)は、態様(40)の中間枠部に関し、中間枠部は、第1の部材から、第2の部材と同じ方向に延伸する第3の部材を含み、第2の部材と第3の部材は、第1の部材の両端部に位置し、第3の部材は、枠部の内側に機械的に係合するために構成されたものである。
【0113】
本開示の態様(42)は、態様(41)の中間枠部に関し、第3の部材は、枠部の内側と、溝と突起の連結部を形成するように構成されたものである。
【0114】
本開示の態様(43)は、態様(39)の中間枠部に関し、第2の部材は、枠部の内側に機械的に取り付けるために構成されたものである。
【0115】
本開示の態様(44)は、態様(39)から(43)のいずれか1つの中間枠部に関し、第2の部材は、枠部の外側を通って挿入された固定部を用いて、枠部に機械的に取り付けられるように構成されたものである。
【0116】
本開示の態様(45)は、態様(39)の中間枠部に関し、第2の部材は、枠部の内面と外面の間で枠部を通って延伸するものである。
【0117】
本開示の態様(46)は、態様(45)の中間枠部に関し、第2の部材は、外面より内面に近く構成された位置で、第1の部材から延伸するものである。
【0118】
本開示の態様(47)は、態様(45)、または、態様(46)の中間枠部に関し、第2の部材は、固定部である。
【0119】
本開示の態様(48)は、態様(45)、または、態様(46)の中間枠部に関し、第2の部材は、第1の部材との一体構造物の一部であり、枠部に熱的に接合されるように構成されたものである。
【0120】
本開示の態様(49)は、態様(39)から(48)のいずれか1つの中間枠部に関し、中間枠部は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルスチレンアクリレート、または、ファイバ強化プラスチックの少なくとも1つを含むものである。
【0121】
本開示の態様(50)は、態様(39)から(49)のいずれか1つの中間枠部に関し、中間枠部を少なくとも2つの部分に分割する少なくとも1つの間隙を、
含むものである。
【0122】
本開示の態様(51)は、態様(50)の中間枠部に関し、各少なくとも1つの間隙は、部分同士を5mm以下の隙間で分割するものである。
【0123】
本開示の態様(52)は、態様(50)、または、態様(51)の中間枠部に関し、接続膜が、各部分の間の間隙に亘って備えられたものである。
【0124】
本開示の態様(53)は、ガラスシートと、枠部と、態様(39)から(52)のいずれか1つの中間枠部とを含み、中間枠部は、ガラスシートに接着し、枠部に機械的に取り付けられたものであるガラス物品に関する。
【0125】
別段の記載がない限りは、本明細書に示した、いずれの方法も、工程が特定の順序で行われることを要すると解釈されることを意図しない。したがって、方法の請求項が、工程の行われる順序を実際に記載しないか、または、そうではなく、請求項または明細書の記載で、工程は特定の順序に限定されると記載しない場合には、いかなる点でも、特定の順序が推測されることを意図しない。更に、本明細書において用いるように、原文の英語で単数を表す不定冠詞は、1つではなく、1つ以上の構成要素または要素を含むことを意図し、1つのみに解釈されることを意図しない。
【0126】
当業者であれば、本開示の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更および変形が可能なことが明らかだろう。当業者は、本開示の精神および実質を組み込んで、開示した実施形態に、変更、組合せ、部分組合せ、および、変形を行いうるので、本開示は、添付の請求項、および、その等価物の範囲内の全てを含むものであると解釈されるべきである。
【0127】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0128】
実施形態1
ガラス物品の形成方法において、
中間枠部を、第1の主面および該第1の主面の反対側の第2の主面を有する平坦構成のガラスシートの該第2の主面に接着する工程と、
前記ガラスシートおよび前記中間枠部をチャックの形成面の上で曲げて、該ガラスシートを湾曲構成にする工程であって、該形成面は20mm以上の第1の曲率半径を有し、該ガラスシートの前記第1の主面が該形成面と一致するようにする工程と、
前記ガラスシートを前記湾曲構成で保持する枠部を、前記中間枠部に取り付ける工程と
を含む方法。
【0129】
実施形態2
前記曲げる工程の前に、表示モジュールを前記ガラスシートの前記第2の主面に接着する工程を、
更に含む、実施形態1に記載の方法。
【0130】
実施形態3
前記曲げる工程の前に、前記中間枠部を前記ガラスシートに接着する接着剤を硬化させる工程を、
更に含む、実施形態1または2に記載の方法。
【0131】
実施形態4
前記中間枠部は、前記ガラスシートに接着する第1の部材、および、該第1の部材から該ガラスシートから離れる方向に延伸する第2の部材を含むものであり、
前記第2の部材を前記枠部に固定する工程を、
更に含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
実施形態5
前記第2の部材は、前記枠部の外側に固定されるものである、実施形態4に記載の方法。
【0133】
実施形態6
前記中間枠部は、前記第1の部材から前記ガラスシートから離れる方向に延伸する第3の部材を含むものであり、
前記第2の部材と前記第3の部材は、前記第1の部材の両端部に位置し、
前記第3の部材は、前記枠部の内側と機械的に係合するように構成されたものである、実施形態5に記載の方法。
【0134】
実施形態7
前記第3の部材、および、前記枠部の前記内側は、溝と突起の連結部を画定するものである、実施形態6に記載の方法。
【0135】
実施形態8
前記第2の部材は、前記枠部の内側に固定されるものである、実施形態4に記載の方法。
【0136】
実施形態9
前記取り付ける工程は、更に、前記第2の部材を、前記枠部の外側を通って挿入された固定部を用いて、該枠部に固定する工程を含むものである、実施形態4から8のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
実施形態10
前記第2の部材は、前記枠部の内面と外面の間で該枠部を通って延伸するものである、実施形態4に記載の方法。
【0138】
実施形態11
前記第2の部材は、前記外面より前記内面に近く配置されたものである、実施形態10に記載の方法。
【0139】
実施形態12
前記第2の部材は、固定部である、実施形態10または11に記載の方法。
【0140】
実施形態13
前記第2の部材は、前記第1の部材との一体構造物の一部であり、前記枠部に熱的に接合されたものである、実施形態10または11に記載の方法。
【0141】
実施形態14
前記中間枠部は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルスチレンアクリレート、または、ファイバ強化プラスチックの少なくとも1つを含むものである、実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
実施形態15
前記中間枠部は、該中間枠部を少なくとも2つの部分に分割する少なくとも1つの間隙を含むものである、実施形態1から14のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
実施形態16
各前記少なくとも1つの間隙は、前記部分同士を5mm以下の隙間で分割するものである、実施形態15に記載の方法。
【0144】
実施形態17
接続膜が、各部分の間の前記間隙に亘って備えられたものである、実施形態15または16に記載の方法。
【0145】
実施形態18
前記中間枠部は、第1の剛性を有し、前記枠部は、該第1の剛性より高い第2の剛性を有するものである、実施形態1から17のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
実施形態19
湾曲したガラス物品において、
第1の主面、および、該第1の主面の反対側の第2の主面を有するガラスシートと、
前記ガラスシートの前記第2の主面に接着し、第1の剛性を有する中間枠部と、
前記中間枠部に機械的に取り付けられ、20mm以上の曲率半径を有する湾曲部を画定する枠部支持面を含み、第2の剛性を有する枠部と
を含み、
前記枠部は、前記ガラスシートを湾曲構成に保持するものであり、
前記第2の剛性は、前記第1の剛性より高いものである湾曲したガラス物品。
【0147】
実施形態20
前記ガラスシートの前記第2の表面に接着した表示モジュールを
更に含む、実施形態19に記載の湾曲したガラス物品。
【0148】
実施形態21
前記中間枠部は、前記ガラスシートに接着した第1の部材、および、該第1の部材から該ガラスシートから離れる方向に延伸する第2の部材を含むものであり、
前記第2の部材は、前記枠部に機械的に取り付けられたものである、実施形態19または20に記載の湾曲したガラス物品。
【0149】
実施形態22
前記第2の部材は、前記枠部の外側に、機械的に取り付けられたものである、実施形態21に記載の湾曲したガラス物品。
【0150】
実施形態23
前記中間枠部は、前記第1の部材から前記ガラスシートから離れる方向に延伸する第3の部材を含むものであり、
前記第2の部材と前記第3の部材は、前記第1の部材の両端部に位置し、
前記第3の部材は、前記枠部の内側と機械的に係合するように構成されたものである、実施形態22に記載の湾曲したガラス物品。
【0151】
実施形態24
前記第3の部材、および、前記枠部の前記内側は、溝と突起の連結部を画定するものである、実施形態23に記載の湾曲したガラス物品。
【0152】
実施形態25
前記第2の部材は、前記枠部の前記内側に機械的に取り付けられたものである、実施形態21に記載の湾曲したガラス物品。
【0153】
実施形態26
前記第2の部材は、前記枠部の外側を通って挿入された固定部を用いて、該枠部に機械的に取り付けられたものである、実施形態21から25のいずれか1つに記載の湾曲したガラス物品。
【0154】
実施形態27
前記第2の部材は、前記枠部の内面と外面の間で該枠部を通って延伸するものである、実施形態21に記載の湾曲したガラス物品。
【0155】
実施形態28
前記第2の部材は、前記外面より前記内面に近く配置されたものである、実施形態27に記載の湾曲したガラス物品。
【0156】
実施形態29
第2の部材は、固定部である、実施形態27または28に記載の湾曲したガラス物品。
【0157】
実施形態30
前記第2の部材は、前記第1の部材との一体構造物の一部であり、前記枠部に熱的に接合されたものである、実施形態27または28に記載の湾曲したガラス物品。
【0158】
実施形態31
前記中間枠部は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルスチレンアクリレート、または、ファイバ強化プラスチックの少なくとも1つを含むものである、実施形態19から30のいずれか1つに記載の湾曲したガラス物品。
【0159】
実施形態32
前記中間枠部は、該中間枠部を少なくとも2つの部分に分割する少なくとも1つの間隙を含むものである、実施形態19から31のいずれか1つに記載の湾曲したガラス物品。
【0160】
実施形態33
各前記少なくとも1つの間隙は、前記部分同士を5mm以下の隙間で分割するものである、実施形態32に記載の湾曲したガラス物品。
【0161】
実施形態34
接続膜が、各部分の間の前記間隙に亘って備えられたものである、実施形態32または33に記載の湾曲したガラス物品。
【0162】
実施形態35
前記ガラスシートは、前記第1の主面と前記第2の主面の間に0.3mmから2.0mmの最大厚さを有するものである、実施形態19から34のいずれか1つに記載の湾曲したガラス物品。
【0163】
実施形態36
車内システムにおいて、
実施形態19から35のいずれか1つに記載の湾曲したガラス物品を
含む車内システム。
【0164】
実施形態37
乗物において、
実施形態36に記載の車内システムを
含む乗物。
【0165】
実施形態38
前記乗物は、自動車、船舶または航空機を含むものである、実施形態37に記載の乗物。
【0166】
実施形態39
湾曲したガラス物品の中間枠部において、
前記湾曲したガラス物品は、ガラスシートおよび枠部を含むものであって、
前記中間枠部は、
前記ガラスシートに接着するように構成された第1の部材と、
前記第1の部材から延伸して、前記枠部へ機械的に取り付けるために構成された第2の部材と
を含む中間枠部。
【0167】
実施形態40
前記第2の部材は、前記枠部の外側へ機械的に取り付けるために構成されたものである、実施形態39に記載の中間枠部。
【0168】
実施形態41
前記中間枠部は、前記第1の部材から、前記第2の部材と同じ方向に延伸する第3の部材を
含み、
前記第2の部材と前記第3の部材は、前記第1の部材の両端部に位置し、
前記第3の部材は、前記枠部の内側に機械的に係合するために構成されたものである、実施形態40に記載の中間枠部。
【0169】
実施形態42
前記第3の部材は、前記枠部の前記内側と、溝と突起の連結部を形成するように構成されたものである、実施形態41に記載の中間枠部。
【0170】
実施形態43
前記第2の部材は、前記枠部の前記内側に機械的に取り付けるために構成されたものである、実施形態39に記載の中間枠部。
【0171】
実施形態44
前記第2の部材は、前記枠部の外側を通って挿入された固定部を用いて、該枠部に機械的に取り付けられるように構成されたものである、実施形態39から43のいずれか1つに記載の中間枠部。
【0172】
実施形態45
前記第2の部材は、前記枠部の内面と外面の間で該枠部を通って延伸するものである、実施形態39に記載の中間枠部。
【0173】
実施形態46
前記第2の部材は、前記外面より前記内面に近く構成された位置で、前記第1の部材から延伸するものである、実施形態45に記載の中間枠部。
【0174】
実施形態47
前記第2の部材は、固定部である、実施形態45または46に記載の中間枠部。
【0175】
実施形態48
前記第2の部材は、前記第1の部材との一体構造物の一部であり、前記枠部に熱的に接合されるように構成されたものである、実施形態45または46に記載の中間枠部。
【0176】
実施形態49
前記中間枠部は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルスチレンアクリレート、または、ファイバ強化プラスチックの少なくとも1つを含むものである、実施形態39から48のいずれか1つに記載の中間枠部。
【0177】
実施形態50
前記中間枠部を少なくとも2つの部分に分割する少なくとも1つの間隙を、
含むものである、実施形態39から49のいずれか1つに記載の中間枠部。
【0178】
実施形態51
各前記少なくとも1つの間隙は、前記部分同士を5mm以下の隙間で分割するものである、実施形態50に記載の中間枠部。
【0179】
実施形態52
接続膜が、各部分の間の前記間隙に亘って備えられたものである、実施形態50または51に記載の中間枠部。
【0180】
実施形態53
ガラス物品において、
ガラスシートと、
枠部と、
実施形態39から52のいずれか1つに記載の中間枠部と
を含み、
前記中間枠部は、前記ガラスシートに接着し、前記枠部に機械的に取り付けられたものであるガラス物品。
【符号の説明】
【0181】
46 枠部
52 ガラスシート
63 中間枠部
72 表示部
74 第1の部材
76 第2の部材
82 第3の部材
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】