(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】宝石識別のための紫外線可視吸収分光
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20230818BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20230818BHJP
G01N 21/87 20060101ALI20230818BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
G01N21/27 Z
G01N21/64 Z
G01N21/87
G01N21/88 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505681
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 US2021042661
(87)【国際公開番号】W WO2022026274
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517340921
【氏名又は名称】ジェモロジカル インスティテュート オブ アメリカ インコーポレイテッド(ジーアイエー)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タカハシ,ヒロシ
(72)【発明者】
【氏名】ペレラ,プラディープ エヌ.
【テーマコード(参考)】
2G043
2G051
2G059
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043AA04
2G043BA14
2G043BA17
2G043CA05
2G043DA06
2G043DA08
2G043EA01
2G043EA02
2G043EA13
2G043FA06
2G043HA03
2G043HA05
2G043JA02
2G043JA04
2G043KA01
2G043KA02
2G043KA03
2G043KA05
2G043LA03
2G051AA81
2G051BA05
2G051BB17
2G051BC03
2G051CA04
2G051CB01
2G051CB02
2G051CC15
2G051CC17
2G051EA12
2G051EA14
2G051EC01
2G059AA01
2G059AA05
2G059BB08
2G059CC01
2G059CC12
2G059DD13
2G059EE01
2G059EE02
2G059EE07
2G059EE12
2G059FF05
2G059GG02
2G059GG03
2G059HH01
2G059HH02
2G059HH03
2G059JJ02
2G059JJ05
2G059JJ13
2G059JJ17
2G059KK04
2G059MM01
2G059MM14
(57)【要約】
本明細書のシステム及び方法は、反射モード及び透過モードの両方について、試料のデジタルカメラ画像データをマッピングすることを含む、ステージ上の複数の試料宝石の分光計データの捕捉及び分析に使用され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射分光計分析のためのシステムであって、
分光計、第1の光源、及び第2の光源と通信を行うプロセッサ及びメモリを有するコンピュータと、
反射サブシステムであって、
前記反射サブシステムは、プローブ端部を有する分岐反射サブシステムファイバを含み、前記プローブ端部は、前記反射サブシステムプローブ端部が反射サブシステムステージ上で昇降することを可能にするように構成された反射サブシステムフレームに取り付けられており、
前記分岐反射サブシステムファイバのうちの第1の分岐反射サブシステムファイバは、前記光源と通信を行い、前記分岐反射サブシステムファイバのうちの第2の分岐反射サブシステムファイバは、前記分光計と通信を行い、
前記第1の分岐反射サブシステムファイバ及び前記第2の分岐反射サブシステムファイバは、直径が約600μmであり、前記第1の分岐反射サブシステムファイバ及び前記第2の分岐反射サブシステムファイバの各々の中心から測定して0.7mm~1.2mm離間している、反射サブシステムと、を備える、システム。
【請求項2】
前記反射サブシステムステージは、液体窒素及び試料を保持するように構成された蒸発皿である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記反射サブシステムステージはテフロン(登録商標)製である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
基部と、マウント付き宝飾品を受け入れるように構成されたアームと、を有する宝飾品取り付け台を更に備え、前記アームは反射材料製である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記宝飾品取り付け台はテフロン(登録商標)製である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記宝飾品取り付け台はアルミニウム製である、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記反射光源は190nm~2500nmの波長を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記反射光源は、重水素及び/又はタングステンハロゲンのいずれかである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記反射光源は、約254nmの主波長を放射するように構成された短波長紫外線発光ダイオード、約365mnの主波長を放射するように構成された長波長紫外線発光ダイオード、及び200nm~400nmの波長を放射するように構成されたフィルタ付き重水素ランプのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
反射分光計分析を用いて試料を分析する方法であって、
分光計、第1の光源、及び第2の光源と通信を行うプロセッサ及びメモリを有するコンピュータによって、
光信号を、前記第1の光源から、励起ファイバを介して、サブシステムフレームに取り付けられ、試料ステージ上で昇降するように構成されたプローブ端部へと送信させるステップと、
応答信号を、前記試料ステージ上の前記試料から、収集ファイバによって前記分光計へと受信するステップと、
前記受信した応答信号の蛍光グラフを表示させるステップと、
第2の光信号を、第2の光源から、反射サブシステム分岐ファイバを介して、反射サブシステムフレームに取り付けられ、第2の試料ステージ上で昇降するように構成された反射サブシステムプローブ端部へと送信することによって、反射ステップを完了するステップと、
反射サブシステム応答信号を、前記第2の試料ステージ上の前記試料から、前記反射サブシステム分岐ファイバによって前記分光計へと受信するステップと、
前記受信した反射サブシステム応答信号の反射率グラフを表示させるステップと、を含む、方法。
【請求項11】
第1の光信号を送信する前に、
前記コンピュータ上で動作するソフトウェア上で積分時間及び平均数を設定することと、
暗及び測定を実行することと、
前記試料を前記反射プローブの下に置き、信号を測定することと、によって較正を行うステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の光源は、265nm及び365nmの波長を放射することの可能な発光ダイオード光源、又は200nm~400nmの波長を放射するように構成されたフィルタ付き重水素ランプである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の光源は190nm~2500nmの波長を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の光は、重水素成分又はタングステンハロゲン成分のいずれかを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
反射分光計分析を用いて試料を分析する方法であって、
分光計、第1の光源、第2の光源、及び第3の光源と通信を行うプロセッサ及びメモリを有するコンピュータによって、
第1の光信号を、前記第1の光源から、励起ファイバを介して、サブシステムフレームに取り付けられ、試料ステージ上で昇降するように構成されたプローブ端部へと送信させるステップと、
第1の応答信号を、前記試料ステージ上の前記試料から、収集ファイバによって前記分光計へと受信するステップと、
前記受信した応答信号の第1の蛍光グラフを表示させるステップと、
第2の光信号を、前記第2の光源から、前記励起ファイバを介して、前記サブシステムフレームに取り付けられ、前記試料ステージ上で昇降するように構成された前記プローブ端部へと送信させるステップと、
第2の応答信号を、前記試料ステージ上の前記試料から、前記収集ファイバによって前記分光計へと受信するステップと、
前記受信した応答信号の第2の蛍光グラフを表示させるステップと、
第3の光信号を、第3の光源から、吸収サブシステム分岐ファイバを介して、吸収サブシステムフレームに取り付けられ、試料ステージ上で昇降するように構成された吸収サブシステムプローブ端部へと送信することによって、吸収ステップを完了するステップと、
吸収サブシステム応答信号を、前記試料ステージ上の前記試料から、前記吸収サブシステム分岐ファイバによって前記分光計へと受信するステップと、
前記受信した吸収サブシステム応答信号の吸収グラフを表示させるステップと、を含む、方法。
【請求項16】
第1の光信号を送信させる前に、
前記コンピュータ上で動作するソフトウェア上で積分時間及び平均数を設定することと、
暗及び測定を実行することと、
前記試料を前記反射プローブの下に置き、信号を測定することと、によって較正を行うステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の光源は、265nm及び365nmの波長を放射することの可能な発光ダイオード光源、又は200nm~400nmの波長を放射するように構成されたフィルタ付き重水素ランプである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の光源は190nm~2500nmの波長を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の光は、重水素成分又はタングステンハロゲン成分のいずれかを有する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年7月29日に出願された米国仮出願第63/058,385号に関連し、その優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願の分野は、宝石識別のための紫外線可視吸収分光分析のためのシステム及び方法を含む。
【背景技術】
【0003】
宝石の適切かつ正確な識別は、宝石を適切に分析及び評価するのに有用である。以前は、ダイヤモンド、色石、及び真珠のための、半透明の試料を測定するための市販の器具は存在せず、システムがリング、ネックレス、又は他のマウントを支持することができないため、マウント付きの石をそのような方法で測定するための専用の方法は存在しなかった。その結果、マウント付き宝飾品を分析のために分解していた。更に、旧来のハードウェアを改変して、蛍光測定、燐光測定、及び時間分解測定などであるがこれらに限定されないより多くの特徴を追加することは困難であった。
【0004】
複数の試験シナリオの多様な状況において効率的な試験を可能にする、正確かつ使用可能な自動化されたシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書のシステム及び方法は、反射分光計分析に使用することができ、システムは、分光計、第1の光源、及び第2の光源と通信を行うプロセッサ及びメモリを有するコンピュータと、反射サブシステムであって、プローブ端部を有する分岐反射サブシステムファイバであって、プローブ端部は、反射サブシステムプローブ端部が反射サブシステムステージ上で昇降することを可能にするように構成された反射サブシステムフレームに取り付けられており、いくつかの例では、分岐反射サブシステムファイバのうちの第1の分岐反射サブシステムファイバは光源と通信を行い、分岐反射サブシステムファイバのうちの第2の分岐反射サブシステムファイバは分光計と通信を行う、分岐反射サブシステムファイバを有する、反射サブシステムと、を含む。いくつかの例では、第1及び第2の分岐反射サブシステムファイバは、直径が約600ミクロンであり、第1及び第2の分岐反射サブシステムファイバの各々の中心から測定して0.7mm~1.2mm離間している。いくつかの例では、反射サブシステムステージは、液体窒素及び試料を保持するように構成された蒸発皿である。いくつかの例では、反射サブシステムステージはテフロン(登録商標)製である。いくつかの例では、システムは、基部と、マウント付き宝飾品を受け入れるように構成されたアームと、を有する取り付け台を含み、アームは反射材料製である。いくつかの例では、分岐ファイバのうちの第1の分岐ファイバ及び第2の分岐ファイバはそれぞれ、600ミクロン以上のコア直径を有する。いくつかの例では、宝飾品取り付け台はアルミニウム製又はテフロン(登録商標)製である。いくつかの例では、反射光源は190nm~2500nmの波長を有する。いくつかの例では、反射光源は、重水素及び/又はタングステンハロゲンのいずれかである。いくつかの例では、反射光源は、約254nmの主波長を放射するように構成された短波長紫外線発光ダイオードであるか、又は約365nmの主波長を放射するように構成された長波長紫外線発光ダイオードであるか、又は250nm~370nmの波長を放射するように構成されたフィルタ付き重水素ランプである。蛍光分析のための200nm~400nmの波長を有する。
【0006】
本明細書のシステム及び方法は、例えば、分光計、第1の光源、及び第2の光源と通信を行うプロセッサ及びメモリを有するコンピュータによる反射分光計分析を使用して試料を分析し、光信号を、光源から励起ファイバを介して、サブシステムフレームに取り付けられ、試料ステージ上で昇降するように構成されたプローブ端部へと送信させ、光信号をオフにし、応答信号を、試料ステージ上の試料から、収集ファイバによって分光計へと受信し、受信した応答信号の蛍光グラフを表示させるするために使用されてもよい。いくつかの例では、第1の光信号を送信する前に、コンピュータ上で動作するソフトウェアで積分時間及び平均数を設定し、暗及び測定を実行し、試料を反射プローブの下に置き、信号を測定することによって較正を行う。いくつかの例では、光源は、265nm及び365nmの波長を放射することの可能な発光ダイオード光源である。いくつかの例では、励起ファイバ及び収集ファイバはそれぞれ、600ミクロン以上のコア直径を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本出願に記載の実施形態のより良い理解のために、以下の図面と併せて、以下の詳細な説明を参照すべきであり、図面全体を通して同様の参照番号は対応する部分を指す。
【0008】
【
図1】本明細書に記載の特定の態様による例示的な分光システムの図である。
【0009】
【
図2】本明細書に記載の特定の態様による例示的な分光システムの別の図である。
【0010】
【
図3】本明細書に記載の特定の態様による例示的なファイバ配置の図である。
【0011】
【
図4】本明細書に記載の特定の態様による例示的な分光ホルダの図である。
【0012】
【
図5】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【0013】
【
図6】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【0014】
【
図7】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【0015】
【
図8】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【0016】
【
図9】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【0017】
【
図10】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【0018】
【
図11】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【0019】
【
図12】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【0020】
【
図13】本明細書に記載の特定の態様による例示的な分光システムの別の図である。
【0021】
【
図14】本明細書に記載の特定の態様による例示的なネットワーク化されたシステムの図である。
【0022】
【
図15】本明細書に記載の特定の態様による例示的なコンピュータシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の詳細な説明に、本明細書に提示される主題の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を記載する。しかし、これらの具体的な詳細なしで主題を実施できることは、当業者には明らかであろう。更に、本明細書に記載の特定の実施形態は、例として提供されており、特定の実施形態の範囲を限定するために使用されるべきではない。他の例では、本明細書の実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、周知のデータ構造、タイミングプロトコル、ソフトウェア動作、手順、及び構成要素は詳細に説明されていない。
【0024】
概要
【0025】
本明細書のシステム及び方法は、半透明の宝石及び真珠の反射モード吸収を測定するため、並びにマウント付き宝石及びダイヤモンドの吸収スペクトルを測定するために使用され得る。
【0026】
本明細書に記載のシステムは、研究、識別、分類及び/又は等級付けの目的で、ダイヤモンド産業、宝石産業及び真珠産業に特化した能力を有する専用の紫外線(Ultraviolet、UV)/可視光(Visible light、Vis)分光計を含む。そのようなシステムは、以下に説明するように、UV/Vis吸収分光法をこれらの産業でも使用できるようにする複数の能力を、単独のユニットで提供することができる。
【0027】
本明細書に記載のUV/Vis分光計は、半透明の試料(不透明な色石及び真珠)の測定を可能にし、マウント付き試料の測定を、独自に設計された試料取り付け台を用いて可能にする反射収集ジオメトリの使用を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態は、液体窒素温度でダイヤモンドを測定する能力、ファイバ結合反射モードでダイヤモンド及び色石の蛍光及び燐光を測定する能力、並びに熱摂動及び光摂動による吸収の時間変化を測定する能力を有することを含む。
【0028】
本明細書のシステム及び方法は、ダイヤモンド、色石、及び真珠などの複数の宝石の分析を含むことができる。システムは、10秒未満の測定時間で250nm~1000nmの吸収スペクトルを使用することができる。本明細書のシステムを使用すると、石試料を分析するためのサイズ制限がなく、裸石とマウント付きの石との両方を容易かつ迅速に分析することができる。
【0029】
ダイヤモンド/色石/真珠測定用の反射プローブ
【0030】
反射プローブは、小さな色石(メレー)、より大きな/より暗い色の石(マウント付き、又はマウントなし)、半透明の石、ダイヤモンド(小型及び大型、マウント付き又はマウントなし)、並びに/あるいは真珠を測定するためのより単純でより簡単な方法を提供することができる。
【0031】
真珠の吸収スペクトルは、例えば、体色、色調、及び/又は光沢などの等級付け/分類/品質測定に使用することができる。しかしながら、標準的な透過モードUV/Vis分光計は、不透明性/半透明性のために真珠の吸収スペクトルを収集することができない場合がある。本明細書のシステム及び方法は、反射モード吸収分光法を使用して吸収スペクトルを確実に収集し、UV/Visスペクトルの収集に関連する問題を回避するように実施することができる。そのような例では、入射光の大部分が真珠や半透明の石の表面で鏡面反射され、したがって検出器で信号を圧倒し、吸収スペクトルを小さくする可能性がある。そのような例では、これらの試料の吸収スペクトルは、
図1に示すように、一方は光を試料に伝送し、他方は光を分光計/検出器に戻し、双方のファイバコア中心間の離間距離が0.7~1.2mmである、コアサイズが600μmの2本のファイバ線路を有する分岐ファイバを使用し、ファイバを試料の表面上に配置することによって収集することができる。この方法は、試料の表面にファイバを配置することにより、表面からの鏡面反射の物理的遮断を可能にし、表面を透過して拡散反射によって表面に散乱した光の収集を可能にすることができる。この構成は、拡散反射と鏡面反射との比を増加させて、重要な吸収特徴を観察できるようにしてもよい。
【0032】
そのような例では、ファイバの配置及びファイバサイズは、システムの機能性に影響を及ぼし得る。いくつかの例では、収集ファイバを励起ファイバから離間させて物理的に設置することにより、正反射から吸収スペクトルへの寄与を最小化することができ、したがって吸収コントラストを改善することができる。
【0033】
このような配置は、より強い表面反射を有するヒスイ及び真珠などの石に有用であり得る。そのような場合、収集ファイバは、ファイバが石の表面に非常に近い(又は石の表面に接触している)ので、石の内部から反射して戻る光を収集しながら、鏡面反射を物理的に遮断することができる。このことが、信号対雑音比に影響を及ぼしてもよい。
【0034】
図1は、メレー又は裸石110上の反射モードの分光計プローブ102の一例を示す。いくつかの例では、液体窒素を保持するために平らな蒸発皿120を使用してもよい。そのような例では、裸石110を皿120内に下ろし、液体窒素をキューレットの直下まで充填することができる。いくつかの例では、蒸発皿120の代わりに、又はそれに加えて、テフロン(登録商標)又は同様のステージを使用して試料宝石を保持してもよい。プローブ102は、上下132に移動可能なフレーム130に取り付けられてもよい。プローブ130は、光源134及び分光計136と通信を行って、本明細書に記載の吸収のグラフを取得してもよい。そのような例では、プローブは、光を下方124へと送出して試料石110を透過させ、光はテフロン(登録商標)表面120から上方125へと反射し、試料石110を透過して戻ってもよい。
【0035】
いくつかの例では、石を励起するために使用される光源134は、190~2500nmの波長範囲を有することができる。そのような光は、約1,000時間の光源寿命と、重水素の場合は26W、タングステンハロゲンの場合は20Wの公称バルブ出力とを有することができる。いくつかの例では、これはOcean Insight:DH-2000-BALであってもよい。別の例示的な光源134は、360~2400nmの波長範囲を有するものを含むことができるが、これに限定されない。そのような例は、例えばタングステンハロゲンの場合、10,000時間の光源寿命及び4.75Wの公称バルブ出力を有することができる。そのような例は、Ocean Insight:HL-2000-FHSA-LLであってもよい。
【0036】
本明細書に記載のシステムでは、分光計136を使用して、試料110からの励起光/反射光を分析する。いくつかの例では、分光計136は、200~1100nmの波長範囲を有し、光学分解能2.6nm(25μmのスリット、格子300本/mm)を有してもよい。いくつかの例では、これはOcean Insight QEPro(高ダイナミックレンジ)であってもよい。例示的な光源及び分光計は、光波の伝送(詳細は本明細書に記載する)のためのファイバ線路140に結合されてもよい。
【0037】
図2は、
図1の反射器設定ハードウェアの別の角度及び異なる特徴を示す。
図2は、垂直軌道システム250に取り付けられたブラケット226に取り付けられた224プローブ端部202を示す。垂直軌道システム250は、作動させるための関連するノブ230を有するウォームギア、はめ歯歯車、ねじ歯車などを有する任意の数の軌道とすることができる。そのような軌道は、手動で駆動されても電気モータ駆動されてもよく、モータ駆動の場合、遠隔操作のためのコンピュータシステムと通信を行う。例示的な光源及び分光計(
図2には図示せず)は、光波の伝送(詳細は本明細書に記載する)のためのファイバ線路240に結合されてもよい。いくつかの例では、これは、UV可視分岐ファイバコア241、243を有し、分岐の線路の各一方が分光計及び光源に延びるUV可視分岐ファイバであってもよい。いくつかの例では、コアは600mmである。他の例示的なファイバ線路が使用されてもよく、これは単なる例である。
【0038】
図3は、本明細書に記載のシステムで使用することができる例示的なファイバ線路又はファイバ束(
図1の140)の断面図である。310は、分光計(
図1の136)と通信を行う収集用の1本のファイバ線路312と、光源(
図1の134)と通信を行う励起用の1本のファイバ線路314とを有する例示的な配置を示す。そのような例では、ファイバ線路を分岐配置又は並列配置としてもよく、ファイバ線路が単一ユニット又は束になるように組み合わせるか、あるいは材料で覆ってもよい。この例では、各ファイバ線路312、314は、コア直径600ミクロンのファイバである。いくつかの例では、各ファイバ線路312、314は、600ミクロンを超えるコア直径を有する。そのような例では、各ファイバ線路312、314の中心間の距離316は約700ミクロンである。いくつかの例では、各ファイバ線路312、314の中心間の距離316は、650ミクロン~750ミクロンである。
【0039】
図3は、分光計(
図1の136)と通信を行う収集用の1本のファイバ線路322と、光源(
図1の134)と通信を行う励起用の6本のファイバ線路324とを有するファイバ線路320の第2の例示的な断面図を示す。この例では、励起ファイバ線路324は、中央収集ファイバ322の周りに放射状に配置されている。この例では、各ファイバ線路322、324は、直径400ミクロンのファイバである。
【0040】
そのような例では、中央ファイバ線路322の中心と放射状に配置された励起ファイバ線路324のうちの1つとの間の距離326は、約500ミクロンである。いくつかの例では、中央ファイバ線路322の中心と放射状に配置された励起ファイバ線路324のうちの1つとの間の距離326は、約450ミクロン~550ミクロンである。
【0041】
図1及び
図2の反射プローブなどの反射プローブは、
図4に示すように、マウント付き宝飾品と共に使用することもできる。リング、ペンダント、ネックレスなどにマウントされたマウント付き宝飾品は、しばしば、多数の宝飾品片420がベゼルにマウントされているために、吸収された光を反射構造で収集するように反射材料を配置することが困難であり、かつ/又は、透過吸収構造に使用される金属リングのために光の直線経路がない状況を限定しないが含む様々な理由で測定及び分析を困難にする金属部分又はマウント部分を含む。
【0042】
これらの障害は、一例では、
図4に示す宝飾品取り付け台を利用することによって解決することができる。
図4では、宝飾品取り付け台402は、基部404及びアーム406を含むことができる。アーム406は、石412の底部が開放された状態でベゼルにマウントされているリング410がアーム406の上部408に載置されることを可能にするためのエルボ屈曲部を有するように成形されてもよい。図示の例では、取り付け台アーム406の上部408は、研磨されたアルミニウム、テフロン(登録商標)、又は反射基板408として機能する他の反射材料などの研磨又はコーティングされた表面を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの例では、他の金属が使用されるか、又はアーム406上にコーティングされて、分析のための反射背景を提供する。そのような試料取り付け台402は汎用であってもよく、異なる形状のマウント付き宝飾品を収容するサイズの異なる形状のアーム406を用いて、他の種類の宝飾品用に容易に設計変更することができる。
【0043】
使用の際には、そのような取り付け台402は、アーム406の上部408を、
図1の表面120のような反射面として使用することによって、リング410にマウントされたままの宝石412を反射プローブ490が分析することを可能にすることができる。
【0044】
図5は、ルビー502、512及びブルーサファイア504、514のマウント付き宝飾品を
図4に示す取り付け台上で測定した、様々な波長にわたる吸光度スペクトルグラフの2つの例を示す。
【0045】
図6は、合成サファイアメレー602、天然サファイアメレー604、天然サファイア原石606、天然エメラルドオーバル610、天然エメラルドペアシェイプ612、合成ルビー620、ダイヤモンドブラウン630及びブルースピネル640などの色石の様々な試料の波長に対する吸光度の例示的なグラフを示す。全てのグラフは、1秒の積分時間を示す。
【0046】
図7は、円盤状ヒスイ702及び球状ヒスイ704などの異なる形状のヒスイ色石の様々な試料についてのnm単位の波長に対する吸光度の例示的なグラフを示す。
【0047】
図8は、カラーグレードGのケープイエローダイヤモンドの波長に対する吸光度の例示的なグラフ802を示す。
【0048】
図9は、タヒチアンパールの波長(nm)に対する反射率の例示的なグラフ902を示し、このプロットのy軸904は反射率である。
【0049】
時間分解吸収スペクトル測定例
【0050】
いくつかの貴石は、吸収特性の時間依存性応答を示すことがあり、これを捕捉し、グラフ化し、分析することができる。ソフトウェアを含む本明細書のシステム及び方法は、UV/Vis分光計のプローブと組み合わせて使用されて、光ストレス又は熱ストレス後の試料の吸収スペクトルの時系列を収集することができる。例えば、
図10は、「カメレオン」ダイヤモンドの時間依存的な吸収のグラフ1002を、吸光度1006及びnm単位の波長1008のプロットで示す。このようなダイヤモンドは、加熱されるか又は暗所で長時間保持されると色が変化する場合がある。これらの効果を研究することにより、そのようなカメレオンダイヤモンドの基本的な熱変色性動態の調査が可能になり得る。
図11は、
図10のグラフのより詳細なグラフを示し、波長に対する積分吸光度及び秒単位の時間及び300~700nmでのピークの光動態1102などのカメレオンダイヤモンドの時間分解吸収分光測定を示す。他のグラフは、475nmでのピークの光動態1104及び427nmでのピークの光動態1106のグラフの詳細を示す。
【0051】
較正ステップ及び測定ステップ
【0052】
いくつかの例では、本明細書に記載のシステム及び方法を使用して測定を行う前に、機械に対する較正ステップを使用して、適切な読み取り値を得るために機械をリセットすることができる。例えば、システムは、ソフトウェア内で積分時間及び平均数が変更されるたびに再較正されてもよい。
図12は、システムの較正に使用され得るいくつかの例示的なステップであって、積分時間及び平均数を設定することと、シャッターを閉じた状態(分光計の暗雑音スペクトルのチャート例1210)及びシャッターを開いた状態(基準からの明背景スペクトルのチャート例1220)で暗測定及び背景測定を行うことと、試料をプローブの下に置いて信号1230を測定することであって、吸収=Log10((背景-暗)/(信号-暗));反射率=(信号-暗)/(背景-暗)であることと、を含んでもよいステップを示す図である。
【0053】
蛍光及び燐光の測定例
【0054】
本明細書のシステム及び方法は、ファイバ結合反射モードでダイヤモンド、色石及び/又は真珠の蛍光及び/又は燐光を測定する能力を含むことができる。そのような特徴は、上述のハロゲンランプに加えて、又はハロゲンランプの代わりに、(例えば
図1に示す)UV/Vis分光計システム全体に組み込まれてもよい。
【0055】
そのような構成により、システムを使用して、UV/Vis分光計を使用した特定のUV波長励起での蛍光及び/又は燐光応答について、ダイヤモンド、色石及び/又は真珠をプローブすることが可能になり得る。そのような構成はまた、UV光で励起した後に吸収応答の変化を調べるためにシステムを使用することを可能にし得る。そのような一例では、特定のUV光に曝露した後のいわゆるフォトクロミックダイヤモンドの吸収応答を測定するためにシステムを使用することができる。システムはソフトウェアを利用することができ、そのため、コンピュータは、UV光源に信号を送信してオンにし、UV LED光源がオフにされた後に時間分解吸収スペクトルを収集することができる。
【0056】
いくつかの例では、短波長紫外SWUV及び/又は長波長紫外LWUVを使用するなどの蛍光測定、例えば265nm及び365nm(LED)励起による蛍光の測定の統合を利用することが有益であり得る。
【0057】
図13は、ファイバ線路1302に結合されたそのような構成で使用され得るフィルタリングされた高出力ファイバ結合LED1310の一例を示す。いくつかの例では、ファイバ線路1302は複数のファイバを含み、LEDシステム1310とプローブ端部1304とを接続することができる。いくつかの非限定的な例では、LEDは、265nmで220μW及び365nmで2.2mWを生成することができるMIGHTEX社製の製品であってもよい。
【0058】
いくつかの例では、波長に対するカウントのグラフをシステムから計算して、ルビー1320又は本明細書に記載の分析用の任意の他の宝石の蛍光を含む蛍光を記録することができる。
ネットワークシステムの例
【0059】
いくつかの例では、
図14に示すように、プロセッサとメモリとを有するコンピュータ1402が、ソフトウェアを実行するように構成される。コンピュータ1402は、インターネット又はローカルエリアネットワークなどのネットワーク1410と通信を行ってもよい。そのようなコンピュータは、タブレット、スマートフォン、デスクトップ、ラップトップ、又は他のコンピュータ1406などであるがこれらに限定されない任意の種類のコンピュータを含むことができ、複数のコンピュータは、互いに通信を行うか、又は本明細書に記載のソフトウェアを実行することができる。そのようなコンピュータのより詳細な及び/又は更なる例を、
図15に示す。他のハードウェア構成要素は、限定はしないが、反射測定システムなどの
図1に記載の構成要素を含むUV-Vis装置自体1404を含むことができる。
【0060】
図14に戻ると、いずれのコンピュータ1402、1406からキャプチャされたデータも、ローカルコンピュータの代わりに、又はローカルコンピュータに加えて、バックエンドシステム1420上で分析することができる。そのような例では、データは、保存、分析、計算、比較、又は他の操作のために、バックエンドコンピュータ1420及び関連するデータストレージに伝送されてもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、データの伝送は、関連するルータ及びハブを用いたセルラ1440又はWi-Fi1442伝送による無線伝送であってもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、伝送は有線接続1444を介してもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、伝送は、インターネット1410などのネットワークを介してバックエンドサーバコンピュータ1420及び関連するデータストレージへの伝送であってもよい。バックエンドサーバコンピュータ1420及び/又はローカルコンピュータシステム1402、1404並びにそれらのそれぞれの関連するデータストレージでは、分光計データ、試料識別、試料位置、時間、日付、及び/又は任意の他の関連するテストデータを格納、分析し、以前に格納された分光計データ、識別、及び/又は任意の他の種類のデータ分析と比較することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、データの記憶、分析、及び/又は処理は、ローカルコンピュータ1402、1404とバックエンドコンピューティングシステム1420との間で共有されてもよい。そのような例では、ネットワーク化されたコンピュータリソースが、そうでなければローカルコンピュータで利用可能であり得るよりも多くのデータ処理能力が利用されることを可能にし得る。このようにして、データの処理及び/又は格納を、利用可能な計算リソースにオフロードすることができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、ネットワーク化されたコンピュータリソース1420は、クラウド又は分散インフラストラクチャ内の仮想マシンであってもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、ネットワーク化されたコンピュータリソース1420は、クラウドインフラストラクチャによって多くの複数の物理的又は仮想的なコンピュータリソースにわたって分散されてもよい。単一のコンピュータサーバ1420の例は、限定することを意図するものではなく、本明細書に記載のシステム及び方法によって利用され得る計算リソースの一例にすぎない。いくつかの例では、追加的又は代替的に、人工知能及び/又は機械学習を使用して、試料からの分光計データを分析することができる。そのようなシステムは、試料の分析のより一層良好な結果をもたらす助けとなるように、データセットを使用してアルゴリズムを訓練することができる。
【0061】
コンピュータシステム1402、1406がUV-Visシステム1404と通信を行うので、コンピュータ1406、1402上で動作するソフトウェアは、システムの電源投入、UV-Vis装置1404のシャッターの開閉、連続的なスペクトル収集、明暗両方の較正、スペクトル収集、収集停止及び保存を含むがこれらに限定されない任意の数の事柄に使用することができる。
【0062】
例示的なコンピュータデバイス
【0063】
図15は、本明細書に記載のシステム及び方法で使用することができる例示的なコンピューティングデバイス1500を示す。例示的なコンピュータ1500では、CPU又はプロセッサ1510は、バス又は他の通信1512によってユーザインターフェース1514と通信を行う。ユーザインターフェースは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、又は他のユーザ入力デバイスなどの例示的な入力デバイスを含む。ユーザインターフェース1514はまた、スクリーンなどのディスプレイデバイス1518を含む。
図15に示すコンピューティングデバイス1500はまた、CPU1520及び他の構成要素と通信を行うネットワークインターフェース1520を含む。ネットワークインターフェース1520は、コンピューティングデバイス1500が他のコンピュータ、データベース、ネットワーク、ユーザデバイス、又は任意の他のコンピューティング可能なデバイスと通信を行うことを可能にし得る。いくつかの例では、追加的又は代替的に、通信の方法は、WIFI、セルラ、Bluetooth Low Energy、有線通信、又は任意の他の種類の通信を介してもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、例示的なコンピューティングデバイス1500は、プロセッサ1510とも通信を行う周辺機器1524を含む。いくつかの例では、追加的又は代替的に、周辺機器は、プローブを上下に移動させるために使用される電気サーボ及び/又はステッパモータなどのステージモータ1526を含む。いくつかの例では、周辺機器1524は、光源1528及び/又は分光計1529を含むことができる。いくつかの例示的なコンピューティングデバイス1500では、メモリ1522はプロセッサ1510と通信を行う。いくつかの例では、追加的又は代替的に、このメモリ1522は、オペレーティングシステム1532、ネットワーク通信モジュール1534、他の命令1536、アプリケーション1538、分光計及び/又は光源1540を制御するためのアプリケーション、データを処理するためのアプリケーション1542、データ記憶装置1558、データテーブル1560などのデータ、トランザクションログ1562、試料データ1564、試料位置データ1570、又は任意の他の種類のデータなどのソフトウェアを実行するための命令を含むことができる。
【0064】
結論
【0065】
本明細書に開示されるように、本発明の実施形態と一致する特徴は、コンピュータハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを介して実装され得る。例えば、本明細書で開示されるシステム及び方法は、例えば、データベース、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェア、コンピュータネットワーク、サーバも含むコンピュータなどのデータプロセッサを含む様々な形態で、又はそれらの組み合わせで実施され得る。更に、開示された実装のいくつかは、本明細書の技術革新と一致する特定のハードウェア構成要素、システム、及び方法を記載しているが、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせで実装することができる。更に、本明細書の革新の上記の特徴並びに他の態様及び原理は、様々な環境で実施することができる。そのような環境及び関連アプリケーションは、実施形態による様々なルーチン、プロセス及び/又は動作を実行するために特別に構築されてもよく、あるいはそれらは、必要な機能を提供するためにコードによって選択的に起動又は再構成されたコンピュータ又はコンピューティングプラットフォームを含んでもよい。本明細書で開示されるプロセスは、いかなる特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境、又は他の装置にも本質的に関連せず、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの適切な組み合わせによって実施され得る。例えば、様々な機械を、実施形態の教示に従って書かれたプログラムと共に使用することができ、あるいは必要な方法及び技術を実行するための専用の装置又はシステムを構築することがより便利であり得る。
【0066】
ロジックなどの本明細書に記載の方法及びシステムの態様は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)などのプログラマブルロジックデバイス(「PLD」)、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)デバイス、電気プログラマブルロジック及びメモリデバイス、並びに標準セルベースのデバイス、並びに特定用途向け集積回路を含む、様々な回路のいずれかにプログラムされた機能として実装されてもよい。態様を実装するためのいくつかの他の可能性としては、メモリデバイス、メモリ付きマイクロコントローラ(EEPROMなど)、組み込みマイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどが挙げられる。更に、態様は、ソフトウェアベースの回路エミュレーション、個別論理(シーケンシャル及び組み合わせ)、カスタムデバイス、ファジー(ニューラル)論理、量子デバイス、及び上記のデバイスタイプのいずれかのハイブリッドを有するマイクロプロセッサにおいて具現化されてもよい。基礎となるデバイス技術は、例えば、相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)技術、エミッタ結合型論理(「ECL」)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、ケイ素共役ポリマー及び金属共役ポリマー-金属構造)、混合アナログ及びデジタルなど、様々なコンポーネントタイプで提供され得る。
【0067】
本明細書で開示される様々な論理及び/又は機能は、それらの挙動、レジスタ転送、論理コンポーネント、及び/又は他の特性に関して、ハードウェア、ファームウェアの任意の数の組み合わせを使用して、並びに/あるいは様々な機械可読媒体又はコンピュータ可読媒体で具現化されるデータ及び/又は命令として可能にされ得ることにも留意されたい。そのようなフォーマットされたデータ及び/又は命令を具現化することができるコンピュータ可読媒体は、これらに限定されるものではないが、様々な形態の不揮発性記憶媒体(例えば、光学、磁気又は半導体記憶媒体)、並びに無線、光、若しくは有線の信号媒体又はそれらの任意の組み合わせを介してそのようなフォーマットされたデータ及び/又は命令を転送するために使用することができる搬送波を含む。搬送波によるそのようなフォーマットされたデータ及び/又は命令の転送の例には、1つ以上のデータ転送プロトコル(例えば、H3P、FTP、SMTPなど)を介したインターネット及び/又は他のコンピュータネットワークを介した転送(アップロード、ダウンロード、電子メールなど)が含まれるが、これらに限定されない。
【0068】
文脈が明らかにそうでないことを要求しない限り、明細書及び特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的に包括的な意味で解釈されるべきである。すなわち、「限定されないが、」という意味である。単数又は複数を使用する単語はまた、それぞれ複数又は単数を含む。更に、「本明細書において(herein)」、「以下(hereunder)」、「上記(above)」、「以下(below)」という単語、及び同様の意味の単語は、本出願全体を指し、本出願の特定の部分を指すものではない。単語「又は」が2つ以上の項目のリストを参照して使用される場合、その単語は、その単語の以下の解釈、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目の全て、及びリスト内の項目の任意の組み合わせの全てを網羅する。
【0069】
本明細書では、説明の特定の現在好ましい実施態様を具体的に説明したが、本明細書に示され説明された様々な実施態様の変形及び修正が、実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることは、説明が関係する当業者には明らかであろう。したがって、実施形態は、適用される法規によって要求される範囲にのみ限定されることが意図されている。
【0070】
本実施形態は、これらの方法を実施するための方法及び装置の形態で実施することができる。本実施形態はまた、フロッピーディスケット、CD-ROM、ハードドライブ、又は任意の他の機械可読記憶媒体などの有形媒体で具現化されたプログラムコードの形態で具現化することもでき、プログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされて実行されると、機械は実施形態を実施するための装置になる。本実施形態はまた、例えば、記憶媒体に記憶されるか、機械にロードされるか、及び/若しくは機械によって実行されるか、又は電気配線若しくはケーブル配線などの何らかの伝送媒体を介して、光ファイバを介して、若しくは電磁放射線を介して伝送されるかにかかわらず、プログラムコードの形態であってもよく、プログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされて実行されると、機械は実施形態を実施するための装置になる。プロセッサ上に実装されると、プログラム・コード・セグメントはプロセッサと結合して、特定の論理回路と同様に動作する固有のデバイスを提供する。
【0071】
ソフトウェアは、有形の記憶媒体、搬送波媒体、又は物理的な伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることができる機械可読媒体に記憶される。不揮発性記憶媒体は、例えば、任意のコンピュータなどの記憶装置のいずれかなどの光ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、同軸ケーブルと、コンピュータシステム内にバスを備えるワイヤを含む、銅線及び光ファイバとを含む。搬送波伝送媒体は、電気信号若しくは電磁信号、又は無線周波(RF)データ通信及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音響波若しくは光波の形態をとることができる。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、ディスク(例えば、硬質、軟質、可撓性)若しくは任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD若しくはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、任意の他の物理的記憶媒体、RAM、PROM及びEPROM、FLASH(登録商標)-EPROM、任意の他のメモリチップ、データ若しくは命令を搬送する搬送波、そのような搬送波を搬送するケーブル若しくはリンク、又はコンピュータがプログラミングコード及び/若しくはデータを読み取ることができる任意の他の媒体を含む。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサに搬送することに関与することができる。
【0072】
上記の説明は、説明を目的として、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であること、又は実施形態を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、実施形態の原理及びその実際の用途を最もよく説明し、それによって、他の当業者が、企図される特定の用途に適した様々な変更を伴う様々な実施形態を最もよく利用することを可能にするために選択及び説明されたものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
【
図5】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
【
図6】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
【
図7】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
【
図12】本明細書に記載の特定の態様に従って計算された例示的なチャートの図である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
【
図13】本明細書に記載の特定の態様による例示的な分光システムの別の図である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正22】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正23】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正24】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】