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特表2023-536459可搬式環境制御容器のための方法、システム、及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】可搬式環境制御容器のための方法、システム、及び装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 47/14 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
A47J47/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505906
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 US2021044618
(87)【国際公開番号】W WO2022031897
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/062,525
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/393,445
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523029412
【氏名又は名称】パヴェル アンド スプラウヴ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】PAVEL & SPRAUVE LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】エスコバル, スティーブン, エス.
(72)【発明者】
【氏名】スプラウヴ, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】パヴェル, マイケル
【テーマコード(参考)】
4B066
【Fターム(参考)】
4B066BC01
4B066DD08
4B066DD32
4B066DD90
(57)【要約】
食品を中央位置から遠隔位置に配送するための可搬式容器が開示される。より具体的には、本開示は、送達プロセス中に食品のための環境を維持するように動作可能な食品を配送するための可搬式容器に関する。
【選択図】 図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬式容器であって、
容器を受け入れるための開位置、及び閉位置から移動するように動作可能な開閉部を有するエンクロージャと、
前記可搬式容器の表面に組み込まれた環境制御モジュールインターフェース面と、
前記環境制御モジュールインターフェース面と係合するように動作可能な環境制御モジュールと、
1つ又は複数の環境コントローラと、
1つ又は複数の環境センサと、
電源と、を備え、
前記環境制御モジュールが、1つ又は複数の検知された環境条件を伝達し、1つ又は複数の環境コントローラを調整するように動作可能である、可搬式容器。
【請求項2】
前記エンクロージャが、立方体、直方体、角錐、円錐、三角柱、及び円筒から選択される三次元形状を有する、請求項1に記載の可搬式容器。
【請求項3】
前記1つ又は複数の環境センサが、温度センサ、水分センサ、湿度センサ、大気圧センサ、酸素センサ、空気質センサ、煙センサから選択される、請求項1に記載の可搬式容器。
【請求項4】
任意の前記環境センサのうちの2つ以上を設けることができる、請求項3に記載の可搬式容器。
【請求項5】
前記1つ又は複数の環境センサが、前記環境コントローラ内に位置付けられる、請求項3に記載の可搬式容器。
【請求項6】
前記1つ又は複数の環境センサが、前記環境コントローラから離れた位置で前記可搬式容器内に位置付けられる、請求項3に記載の可搬式容器。
【請求項7】
GPSセンサをさらに備える、請求項1に記載の可搬式容器。
【請求項8】
1つ又は複数のセンサから情報を送信し、前記送信されたセンサ情報に応答して環境制御命令を受信するための通信装置をさらに備える、請求項1に記載の可搬式容器。
【請求項9】
GPSセンサ及びG力センサのうちの1つ又は複数をさらに備える、請求項1に記載の可搬式容器。
【請求項10】
食品容器を受け入れるための開位置、及び閉位置から移動するように動作可能な開閉部を有するエンクロージャと、可搬式容器の表面に組み込まれた環境制御モジュールインターフェース面と、前記環境制御モジュールインターフェース面と係合するように動作可能な環境制御モジュールと、1つ又は複数の環境コントローラと、1つ又は複数の環境センサと、電源とを有する前記可搬式容器を提供するステップであって、前記環境制御モジュールが、1つ又は複数の検知された環境条件を伝達し、1つ又は複数の環境コントローラを調整するように動作可能である、前記可搬式容器を提供するステップと、
前記可搬式容器を開けるステップと、
輸送のために前記可搬式容器内に前記食品容器を配置するステップと、
前記可搬式容器を閉じるステップと、
前記食品容器内の食品の識別に基づいて前記容器内の環境を維持するように前記環境制御モジュールを構成するステップと、
前記可搬式容器を輸送するステップと、
を含む、輸送方法。
【請求項11】
前記可搬式容器のGPS位置を決定するステップをさらに含む、請求項10に記載の輸送方法。
【請求項12】
前記可搬式容器のG力を決定するステップをさらに含む、請求項10に記載の輸送方法。
【請求項13】
前記可搬式容器が輸送中に1つ又は複数の環境条件を維持したかどうかを判定するステップと、前記可搬式容器が前記1つ又は複数の環境条件を維持した場合、前記食品容器を配送するステップと、をさらに含む、請求項10に記載の輸送方法。
【請求項14】
前記可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定するステップと、前記可搬式容器が任意のG力を受けなかった場合、前記食品容器を配送するステップと、をさらに含む、請求項10に記載の輸送方法。
【請求項15】
前記可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定するステップと、前記可搬式容器が任意のG力を受けた場合、前記G力が許容G力の所定の範囲内にあるかどうかを判定するステップと、前記G力が許容G力の前記所定の範囲内にある場合、前記食品容器を配送するステップと、をさらに含む、請求項10に記載の輸送方法。
【請求項16】
メモリと、
1つ又は複数のプロセッサと、
前記メモリ内に格納され、
装置上のサービスプロバイダに関連付けられたモバイルアプリケーションを介して、前記装置の現在の地理的位置を受信することと、
前記装置上の前記サービスプロバイダに関連付けられた前記モバイルアプリケーションを介して、1つ又は複数の環境条件を受信することと、
前記可搬式容器が輸送中に環境条件範囲内の1つ又は複数の環境条件を維持したかどうかを判定し、前記可搬式容器が前記1つ又は複数の環境条件を維持した場合、前記可搬式容器内に位置する食品容器を配送することと、
前記モバイルアプリケーションを介して、前記環境条件が維持されていた場合に前記食品容器を配送するための命令を表示することと、を含む動作を実行するため前記1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な1つ又は複数のコンピュータ実行可能命令と、
を含む、システム。
【請求項17】
前記可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定することと、前記可搬式容器が任意のG力を受けなかった場合、前記食品容器を配送することと、をさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定することと、前記可搬式容器が任意のG力を受けた場合、前記G力が許容G力の所定の範囲内にあるかどうかを判定することと、前記G力が許容G力の前記所定の範囲内にある場合、前記食品容器を配送することと、をさらに含む、請求項16に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】
【相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2020年8月7日に出願された「Methods,Systems and Devices for Portable Environment Controlled Container」と題する米国仮特許出願第63/062,525号の利益を主張し、本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景】
【0002】
[0002]分野.本開示は、食品を中央位置から遠隔位置に配送するための可搬式容器に関する。より具体的には、本開示は、送達プロセス中に食品のための環境を維持するように動作可能な食品を配送するための可搬式容器に関する。
【0003】
[0003]背景.米国では、レストランの食品の配送に年間500億ドル近く(USD)が使われている。この数字は、2023年までに米国では年間900億ドルを超え、世界では年間1600億ドルを超えると予測されている。2019年の世界的パンデミックCOVID-19を受けて、食品配送空間のさらに急速な成長が見込まれる。
【0004】
[0004]食品配送の割合が増加するにつれて、消費者による品質及び味への期待も増加する。配送先で配送される食品の品質を改善して、作成場所での食品の品質と一致するか、又は実質的に一致するように努力がなされている。現在の解決策は、配送される食品の熱を維持することに焦点を合わせている。しかしながら、熱だけで、配送プロセス中の食品の品質の低下を克服することはない。
【0005】
[0005]必要とされているのは、配送される食品がレストラン内体験の品質及び体験を維持することを可能にする、食品配送に適した可搬式環境制御容器のための方法、システム及び装置である。
【概要】
【0006】
[0006]配送される食品がレストラン内体験の品質及び体験を維持することを可能にする、食品配送に適した可搬式環境制御容器のための方法、システム及び装置が開示される。システム及び装置は、食品の温度及び湿度の維持を容易にするために複数の環境要因を制御するように構成可能である。環境条件を監視し、容器を開封することを要求しない、条件の変化を報告するための方法、システム及び装置も必要とされている。輸送される食品の種類に基づいて環境条件をカスタマイズするためのツールも必要とされている。
【0007】
[0007]可搬式容器が開示される。適切な可搬式容器は、容器を受け入れるための開位置、及び閉位置から移動するように動作可能な開閉部を有するエンクロージャと、可搬式容器の表面に組み込まれた環境制御モジュールインターフェース面と、環境制御モジュールインターフェース面と係合するように動作可能な環境制御モジュールと、1つ又は複数の環境コントローラと、1つ又は複数の環境センサと、電源とを備え、環境制御モジュールは、1つ又は複数の検知された環境条件を伝達し、1つ又は複数の環境コントローラを調整するように動作可能である。容器及び/又はエンクロージャは、立方体、直方体、角錐、円錐、三角柱、及び円筒から選択される三次元形状を有する。1つ又は複数の環境センサは、温度センサ、水分センサ、湿度センサ、大気圧センサ、酸素センサ、空気質センサ、煙センサから選択される。さらに、環境センサのうちのいずれか2つ以上を設けることができる。いくつかの構成では、1つ又は複数の環境センサは、環境コントローラ内に位置付けられる。さらに、1つ又は複数の環境センサは、環境コントローラから離れた位置で可搬式容器内に位置付けられる。いくつかの実施形態では、GPSセンサも設けることができる。1つ又は複数のセンサから情報を送信し、送信されたセンサ情報に応答して環境制御命令を受信するための通信装置を設けることもできる。GPSセンサ及びG力センサのうちの1つ又は複数を設けることもできる。
【0008】
[0008]別の実施形態は、食品容器を受け入れるための開位置、及び閉位置から移動するように動作可能な開閉部を有するエンクロージャと、可搬式容器の表面に組み込まれた環境制御モジュールインターフェース面と、環境制御モジュールインターフェース面と係合するように動作可能な環境制御モジュールと、1つ又は複数の環境コントローラと、1つ又は複数の環境センサと、電源とを有する可搬式容器を提供するステップであって、環境制御モジュールは、1つ又は複数の検知された環境条件を伝達し、1つ又は複数の環境コントローラを調整するように動作可能である、可搬式容器を提供するステップと、可搬式容器を開けるステップと、輸送のために可搬式容器内に食品容器を配置するステップと、可搬式容器を閉じるステップと、食品容器内の食品の識別に基づいて容器内の環境を維持するように環境制御モジュールを構成するステップと、可搬式容器を輸送するステップと、を含む輸送方法を対象とする。本方法はまた、可搬式容器のGPS位置を決定するステップと、可搬式容器のG力を決定するステップと、可搬式容器が輸送中に1つ又は複数の環境条件を維持したかどうかを判定するステップと、可搬式容器が1つ又は複数の環境条件を維持した場合、食品容器を配送するステップと、可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定するステップと、可搬式容器が任意のG力を受けなかった場合、食品容器を配送するステップと、可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定するステップと、可搬式容器が任意のG力を受けた場合、G力が許容G力の所定の範囲内にあるかどうかを判定するステップと、G力が許容G力の所定の範囲内にある場合、食品容器を配送するステップと、のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0009】
[0009]本開示のさらに別の態様は、メモリと、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のコンピュータ実行可能命令であって、メモリ内に格納され、装置上のサービスプロバイダに関連付けられたモバイルアプリケーションを介して、装置の現在の地理的位置を受信することと、装置上のサービスプロバイダに関連付けられたモバイルアプリケーションを介して、1つ又は複数の環境条件を受信することと、可搬式容器が輸送中に環境条件範囲内の1つ又は複数の環境条件を維持したかどうかを判定し、可搬式容器が1つ又は複数の環境条件を維持した場合、可搬式容器内に位置する食品容器を配送することと、モバイルアプリケーションを介して、環境条件が維持されている場合に食品容器を配送するための命令を表示することとを含む動作を実行するため、1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な、1つ又は複数のコンピュータ実行可能命令を含むシステムを対象とする。さらに、システムは、可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定し、可搬式容器が任意のG力を受けていない場合、食品容器を配送すること、及び/又は可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定し、可搬式容器が任意のG力を受けた場合、G力が所定の許容G力の範囲内にあるかどうかを判定し、G力が所定の許容G力の範囲内にある場合、食品容器を配送するように動作可能であり得る。
【参照による組み込み】
【0010】
[0010]本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
[0011]Forresterらによる米国特許第6,281,477号明細書は、2001年8月28日に公開された。
【0012】
[0012]Gordonによる米国特許第6,297,481号明細書、2001年10月2日に公開された。
【0013】
[0013]Bosticらによる米国特許第6,353,208号明細書は、2002年3月5日に公開された。
【0014】
[0014]Wongらによる米国特許第8,168,923号明細書は、2012年5月1日に公開された。
【0015】
[0015]Pavelらによる米国特許第9,492,035号明細書は、2016年11月15日に公開された。
【0016】
[0016]Alkarmiらによる米国特許第10,049,236号明細書は、2018年8月14日に公開された。
【0017】
[0017]Gentryによる米国特許第10,207,804号明細書は、2019年2月19日に公開された。
【0018】
[0018]Alkarmiらによる米国特許第10,321,263号明細書は、2019年6月11日に公開された。
【0019】
[0019]Pavelらによる米国特許出願公開第2015/0374177号明細書は、2015年12月31日に公開された。
【0020】
[0020]Veltropらによる米国特許出願公開第2017/0265687号明細書は、2017年9月21日に公開された。
【0021】
[0021]Alexanderらによる米国特許出願公開第2019/0112119号明細書は、2019年4月18日に公開された。
【0022】
[0022]Vainらによる米国特許出願公開第2019/0337706号明細書は、2019年11月7日に公開された、
【0023】
[0023]CN203723974は、2014年7月23日に公開された。
【0024】
[0024]MartiniによるEP1580145は、2005年9月28日に公開された。
【0025】
[0025]Itoらによる特開2009285130は、2009年12月10日に公開された。
【0026】
[0026]KR20110011575は、2011年2月8日に公開された。
【0027】
[0027]Ghirardiによる国際公開第1995/020535号は、1995年8月3日に公開された。
【0028】
[0028]Valanceによる国際公開第2020/037370号は、2020年2月27日に公開された。
【0029】
[0029]Pointerらによる国際公開第2020/046385号は、2020年3月5日に公開された。
【0030】
[0030]Labuzaら、Moisture Migration and Control in Multi-Domain Foods、Trends in Food Science&Tech、9(2):47~55(1998)。
【0031】
[0031]本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、及び添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1A】モバイル環境制御装置を示す図である。
図1B】モバイル環境制御装置を示す図である。
図1C】モバイル環境制御装置を示す図である。
図1D】モバイル環境制御装置を示す図である。
図1E】モバイル環境制御装置を示す図である。
図1F】モバイル環境制御装置を示す図である。
図2A】モバイル環境制御装置を示す図である。
図2B】モバイル環境制御装置を示す図である。
図2C】モバイル環境制御装置を示す図である。
図2D】モバイル環境制御装置を示す図である。
図2E】モバイル環境制御装置を示す図である。
図2F】モバイル環境制御装置を示す図である。
図3】モバイル環境制御装置システムを示す図である。
【詳細な説明】
【0033】
[0035]I.装置
【0034】
[0036]図1A図1Fは、本開示による、モバイル環境制御装置100を示す。環境制御装置100は、食品などの環境的に脆弱な内容物を有する容器を内部に収容するように動作可能である。当業者には理解されるように、湿度は、例えばオーブンが制御できないパラメータである。湿度は水分子を含み、水分子は空気よりもはるかに速く熱を伝導する。したがって、湿った空気は、より効率的に食品に熱を伝達する。調理プロセス中、湿度は、食品中の水が蒸発するのを防止しながら、食品調理をより迅速に行うことができる。温度に対するさらなる影響は、空気圧である。気温は、空気密度の違いにより、異なる高度の気圧に影響を与える。したがって、全体的な最適な環境は、様々な異なる環境条件によって影響を受ける可能性がある。
【0035】
[0037]図1Aは、取り外し可能な環境コントローラ120を有する例示的なモバイル環境制御装置100の端部からの斜視図を示す。容器は、環境制御が望まれる物品を配置することができる内部空間を画定する三次元形状を有する。図1に示すように、環境制御装置100は、上面、底面、右側面、左側面、背面、及び前面を有する。環境制御装置100は、絶縁性材料から作られる。さらに、環境制御装置100は、複数の可撓性又は半可撓性側面と、環境コントローラ120と係合するためのインターフェース面とを有することができる。側面の一方は、環境制御装置100の内部へのアクセスを可能にする開口側とすることができる。
【0036】
[0038]環境制御装置100は、エンクロージャ内からエンクロージャ外へ水分を逃がすことができる材料で作られてもよい。さらに、装置は、実質的に可撓性の材料から作られた1つ又は複数のパネルで構成され得る。他の構成では、装置は、複数の装置を積み重ねることを可能にするために、剛性又は部分的に剛性の形状(例えば、骨格)を有する1つ又は複数のパネルから作ることができる。
【0037】
[0039]容器は、例えばハンドル130を有する上面に沿った第1の寸法の正方形又は長方形の形状と、例えば側面150に沿った第2の寸法の正方形又は長方形の形状とを有することができる。環境制御装置100の最適な向き、例えば二つのストラップ132、134を容易にするために、環境制御装置100の持ち運びを容易にするように動作可能なハンドル130を設けることができる。図示のように、各ストラップは、接続点133、133’などの2つの接続点を有する。接続点133、133’は、環境制御装置100の側面の各端部又はその近くに位置する。当業者には理解されるように、ストラップ132、134は、本開示の範囲から逸脱することなく、図示のように側面150上に、又は開口面140及び対向する取り外し可能な後面120に沿って接続されることができる。図示のように、後面120は、環境コントローラ200と係合する。さらに、二つのストラップ132、134を一緒に固定するホルダ136を設けることができる。ホルダ136は、別個のホルダ要素とすることができ、又はストラップを一緒に固定するのを容易にするためにストラップの一方に組み込むことができる。
【0038】
[0040]装置の一方の側面又は位置は、例えば環境コントローラが位置付けられている場所など、別の側面よりも重くなる可能性があるため、ハンドルをオフセットして、不均一な重量にもかかわらず装置の高さを維持することができる。
【0039】
[0041]環境コントローラ120は、本開示の範囲から逸脱することなく、制御装置100の任意の表面に位置付けられ得る。
【0040】
[0042]内部空間又はチャンバは、ピザボックスなどの複数の容器を受け入れ、食品容器を取り出すようにサイズ設定され得る。当業者には理解されるように、図に提供される例示的な形状は、例えばピザボックスに適したものである。しかしながら、本開示の範囲から逸脱することなく、他の形状を採用することができる。例えば、3次元形状は、立方体、直方体、角錐、円錐、三角柱、及び円柱から選択することができる。さらに、いくつかの構成では、開口部の位置は、上面(図ではハンドルが位置する)に沿って位置付けられてもよく、取り外し可能なコントローラは、本開示の範囲から逸脱することなく別の位置に位置付けられてもよい。表面のうちの1つ又は複数は、ソフト面であってもよい。少なくとも一方の表面又はその一部分は、取り外し可能な環境コントローラ200と係合するように構成される。
【0041】
[0043]図1Bは、モバイル環境制御装置100を底面斜視図で示している。図1Cは、モバイル環境制御装置100を側面図で示している。図1Dは、例えば、食品が上面入口ではなく側面入口から装置に挿入されるときの、受け入れ面からのモバイル環境制御装置100を示す。図1Eは、携帯を容易にするために2つのハンドル130が一緒に固定された状態のモバイル環境制御装置100を上面図で示す。本開示の範囲から逸脱することなく、例えば、バックパック型の実装のため側面に沿って、ハンドル用に他の位置が採用されてもよい。図1Fは、モバイル環境制御装置100の上面斜視図である。
【0042】
[0044]図2A図2Fは、モバイル環境制御装置100を示す。図2Aは、モバイル環境制御装置100の取り外し可能な環境コントローラ200の端面図である。図示のように、取り外し可能な環境コントローラ200は、モバイル環境制御装置100の側面全体を包含する。しかしながら、当業者には理解されるように、取り外し可能な環境コントローラ200の寸法は、取り外し可能な環境コントローラ200が係合するモバイル環境制御装置100の表面の全体寸法よりも小さくてもよい。図2Bは、受け入れ端部が開いた状態のモバイル環境制御装置100の斜視図である。受け入れ端部は、例えばVelcro(登録商標)などの適切な固定装置を使用して、側面が折り畳まれ、上面にしっかりと係合することを可能にする折り畳み可能なフラップを有するように構成することができる。例えば、ストラップ、スナップ、及びジッパークロージャを含む他の固定機構を、本開示の範囲から逸脱することなく使用することができる。食品が上面を介して受け入れられる別の構成では、上面は、閉じを達成するために開口部が折り畳まれた状態で、弁当の袋のように閉じるように構成され得る。環境コントローラ内の2つのファンは、装置の内部全体に空気を循環させるように動作可能である。
【0043】
[0045]図2Cは、モバイル環境制御装置100から環境コントローラを取り外した状態のモバイル環境制御装置100の斜視図である。係合面122は、モバイル環境制御装置100に設けられるか、又は組み込まれる。係合面122は、環境コントローラ120の機能構成要素がモバイル環境制御装置100の内部と係合することを可能にする。係合面122には、熱及び/又は水分が環境コントローラ200からモバイル環境制御装置100の内部に進むことを可能にする穴を設けることができる。係合面122はまた、環境センサ162、1つ又は複数のヒータ入口164、164’、及び1つ又は複数の空気出口168、168’を含むことができる。環境コントローラ120は、環境コントローラ120内に位置付けられたファンに対応し、係合面122上のヒータ入口164、164’の位置と位置合わせする1つ又は複数のファン入口166、166’を含むことができる。
【0044】
[0046]図2Dは、受け入れ面が開かれた状態のモバイル環境制御装置100の斜視図を示す。受け入れ面は、環境制御装置100が平坦な面上に配置されたときに、又は上述のように別の面に配置されたときに、環境制御装置100の側面に沿っていてもよい。
【0045】
[0047]内部空間又はチャンバの内部に受け入れられた内容物は、1つ又は複数のスペーサ210すなわちライザ上に配置される。例えば、0.5インチのスペーサを装置の内部の四隅の底部に取り付けることができる。スペーサは、装置の内部に配置された内容物の底部と、例えば下部放射ヒータとの間に小さな距離を形成するように動作可能である。スペーサ210によって形成された空間は、容器の周りの空気循環を提供し、これは、装置内の全環境を調整するのに役立つとともに、装置内に収容された食品の底部がヒータに直接触れた場合に、底面上で加熱又は過熱されるのを防止する。
【0046】
[0048]図2Eは、食品受け入れ面が開かれ、コントローラ120が取り外された状態のモバイル環境制御装置100の斜視図を示す。図2Eは、食品受け入れ面が開かれた状態のモバイル環境制御装置100の内部図を示す。コントローラの境界面122の内面が示されている。係合面122は、剛性又は半剛性の境界面(例えば、環境制御装置100の他の面よりも剛性が高い面)とすることができる。吸気ファン及び/又は排気ファンの上に位置付けられた水平又は垂直フラップ220又はルーバを設けることができる。フラップは、ファンがオンになっていないときに熱が装置から逃げるのを防止するように動作可能である。ファンがオンになると、フラップはファンの力でわずかに開き、空気を通過させる。ファンがオフになると、フラップは閉じて開口部を密封する。フラップは、シリコーンを含む任意の適切な材料から作ることができる。
【0047】
[0049]図2Fは、装置100の内部に位置付けられたセンサ240の位置を示す。
【0048】
[0050]一実施形態では、第1のヒータは、上部壁/頂部壁に形成されたスリーブ内のスリーブ内の上部壁/頂部壁上の装置の内部に位置する。第2のヒータは、第2のスリーブ内の装置の底壁/下壁に位置付けられる。ヒータは、輸送中に装置を加熱するとともに装置の内部温度を予め設定された範囲内に維持するように動作可能である。
【0049】
[0051]開示された環境制御装置100及びシステムは、加熱方法、空気移動制御方法、水分制御方法、大気圧、及びソフトウェア制御特徴から選択された複数の特徴を有する。温度、空気移動、圧力、及び水分の目標パラメータは、容器の内容物に基づいて設定又は調整することができる。パラメータの調整は、リアルタイム又はほぼリアルタイムで行うことができる。
【0050】
[0052]種々の加熱方法を採用することができる。1つの構成では、強制空気が供給される。強制空気は、例えば、容器の外側から、1つ又は複数の加熱要素又はコイルにわたって、容器の内部に空気を吹き込むことによって達成され得る。別の構成では、加熱要素又はライナを使用することができる。熱コイルを含む加熱パッドなどの加熱要素が、容器内に挿入及び/又は組み込まれる。作動されると、パッドは容器の内部を加熱することができる。さらに別の実施形態は、誘導の使用を含む。誘導は、例えばワイヤのコイルから金属材料、例えば強磁性材料に誘導によって電気エネルギーを伝達する。高周波交流電流がコイルに通され、次いで強磁性材料が加熱される。適切な誘導方法は、容器の内部に1つ又は複数の金属プレートを提供する。別の実施形態では、容器のライニングを通して熱コイルを設けることができる。熱コイルは、例えば、バッグなどの容器の1つ又は複数の側面に取り付けることができる。
【0051】
[0053]強制空気ヒータ及び吸気ファンシステムを設けることができる。強制空気及び吸気ファンシステムは、装置の後部にスナップ留めされるハードケースエンクロージャの一部として装置の背部に位置することができる。強制空気ヒータは、装置内に空気を引き込むファンに取り付けられた放射ヒータとすることができる。空気はヒータ上を通過し、それによって加熱された空気を装置内に送達し、それによって装置の内部を加熱する。このヒータは、装置を加熱するとともに、輸送中に放射ヒータに補助的な支持を提供するように動作可能である。装置の内部温度が設定された底部温度閾値を下回る場合、吸気ファン及びヒータを作動させて、内部温度を放射ヒータのみによって達成可能であるよりも迅速に予め設定された範囲内に戻すのを支援することができる。
【0052】
[0054]環境制御装置100の内部内の空気移動の制御は、様々な方法で達成することができる。温度又は湿度センサなどの1つ又は複数のセンサと通信する1つ又は複数の排気ファンを設けることができる。排気ファンはまた、センサ及び小型の内部ファンにリンクされ、空気移動を制御するように構成され得る。この構成は連続的に動作することができるが、湿度センサを使用すると、湿度に応じて断続的に動作する構成になり得る。連続的な空気移動を使用して、水分が食品の乾燥部分又はクリスピー部分に沈降するのを防ぐことができる。ヒータよりもファンを制御するのに必要な電力が低いため、省電力になる可能性がある。ポンプベースのシステムも採用され得る。ポンプベースのシステムは、空気をバーストで容器内部から移動させるように構成することができる。水分含有量が上限に達すると、例えば、ポンプは、排気口から空気を引き込み、噴出させ、容器の内部から空気を除去することができる。
【0053】
[0055]排気ファンは、吸気ファン/ヒータからハードケースエンクロージャの側で装置の背部に位置することができる。排気ファンは、輸送中に装置内の空気の水分含有量を調整するように動作可能である。装置内の湿度レベルが予め設定された制限を超えて上昇する場合、排気ファンがオンになり、装置の内部から湿った空気を排出する。湿度レベルが設定範囲内に戻ると、排気ファンはオフになる。
【0054】
[0056]水分制御機能は、様々な技術を使用して達成することができる。ファンは、センサによって検出される容器内の水分含有量に基づいてオン又はオフにする1つ又は複数のセンサにリンクすることができる。次いで、ファンは、検出された水分含有量及び目標水分含有量に基づいて、すなわち、検出された水分含有量が目標水分含有量よりも高いか低いかに基づいて、容器から空気を押し出すか、又は容器に空気を引き込むことができる。
【0055】
[0057]ここで、図3に見ると、モバイル環境制御装置システムが示されている。システムは、ライナ又はパッド302を含むことができる温度制御された容器300を有する。ライナ又はパッド302は取り外し可能であり得る。温度制御された容器300は、携帯電話などのモバイル装置にインストールされたソフトウェアアプリケーションなどのアプリ320と通信することができる。温度制御された容器300及びアプリ320のいずれか又は両方は、コントローラ330と通信することができる。コントローラ330は、図1図2に示すように取り外し可能であってもよい。温度は、輸送される内容物に基づいて選択される目標温度又は温度範囲とすることができる。例えば、ピザが輸送されている場合、175~200°Fの間で環境の温度を維持することが望ましい。場合によっては、温度が例えば、175~200°Fの間で1時間維持されるように、環境制御に時間成分を含めることが望ましい場合がある。配送される内容物を挿入する前に容器を予熱することも望ましい場合がある。そのような場合、アプリ又は環境コントローラのいずれかは、初期水分含有量及び食品の品質の重要な構成要素である水分移動を含む、目標環境パラメータを反映する準備状態を示すように構成され得る。
【0056】
[0058]環境コントローラ330は、ファン332、ヒータ334、GPSモニタ336、プリント回路基板(「PCB」)338、1つ又は複数のセンサ340、WiFiトランシーバ342、電源344、及び/又はメモリ346のうちの1つ又は複数を含むように構成することができる。PCBは、センサ、ファン、ヒータ、及び/又は通信ハードウェアの動作を制御するように動作可能である。別の構成では、短距離無線技術を使用してデータを交換することができる。適切な短距離無線技術は、Bluetooth(登録商標)である。Bluetooth送信機は、1つ又は複数のセンサ読み取り値に応答して、環境制御装置とモバイル装置との間の短距離近接においてモバイル装置を介して環境制御装置との間で命令を伝達するように設けることができる。Bluetooth送信機は、温度、湿度、GPS位置、時間、G力衝撃、バッテリ状態などを含むがこれらに限定されないデータを送信することもできる。Bluetooth送信機は、例えば、モバイル装置上のアプリを介して中央位置に接続することができる。
【0057】
[0059]GPSトラッカ又はトランスポンダを設けることができる。GPSトラッカ又はトランスポンダは、装置及び/又は環境コントローラ内に封入することができ、Bluetooth又はセルラ送信機を介して装置の位置データを送信するように動作可能である。GPS情報は、装置のネットワーク内の各装置の位置のリアルタイム追跡を可能にする。
【0058】
[0060]セルラ送信機も設けることができる。セルラ送信機は、Bluetooth送信機と同じ目的で動作可能であり、Bluetooth装置が利用できないときに機能することができる。
【0059】
[0061]センサは、温度センサ、水分センサ、湿度センサ、酸素センサ、大気質センサ、煙センサなどを含むことができる。さらに、いくつかの構成では、センサ環境コントローラ330は、センサと通信することができ、センサは環境コントローラの一部ではない。
【0060】
[0062]センサ配置は、実装形態に応じて変化し得る。適切な配置は、装置の背部にハードケースエンクロージャの一部としてセンサを設けることを含む。センサは、一定の読み取り値、又は指定された時間間隔での読み取り値を取得するように構成可能であり、読み取り値をPCBに送信し、PCBは、湿度及び温度設定によって指示されるようにヒータ及びファンを係合及び係合解除する。
【0061】
[0063]例えば、水分コントローラ及びタイマを含む他の構成要素を、本開示の範囲から逸脱することなく設けてもよい。電源344及びメモリ346などの構成要素は、環境コントローラ330から取り外し可能であり得る。電源344は、例えば、太陽電池、バッテリ、充電式バッテリ、USBコネクタ、AC電源コードコネクタ、シガーソケットなどを含む、任意の適切な電源、又は電源の組み合わせとすることができる。センサは、例えば、重量、水分、湿度、温度、大気圧、G力、位置、回転、低バッテリなどを含むことができる。
【0062】
[0064]II.方法
【0063】
[0065]加熱された空気を環境制御装置100の内容物の上に強制的に流すために、1つ又は複数のファンを1つ又は複数の加熱要素に取り付けることができる。PCB338は、例えば、水分センサ及び/又は熱センサからのフィードバックに基づいて、1つ又は複数の加熱要素334及び1つ又は複数のファン332を制御するように構成可能である。センサ340は、環境コントローラ120の一部であってもよく、又は容器内の最も遠い位置が所望の熱及び/又は湿度を有することを確実にするために、例えば、1つ又は複数のファン及び1つ又は複数のヒータから離れた位置で容器の別の表面に組み込まれてもよい。サーマルパッド又はラインが使用される場合、サーマルパッド又はライナは、バッグの内部に熱を供給することができる。サーマルパッド又はラインによって送達される熱は、依然として環境コントローラ120によって制御可能であり得る。
【0064】
[0066]アプリ320を使用して、環境制御装置100内の状態を監視し、及び/又は容器を開くことなく容器内の環境を制御することができる。アプリは、誤動作又は環境変化を警告するために使用することもできる。したがって、アプリ320は、例えば、温度及び水分設定を制御及び/又は監視し、電力レベル及び/又はバッテリ使用量などを監視するために使用することができる。さらに、G力を監視することが望ましい場合がある。G力を監視することは、例えば、損傷した品目を購入者に配送することを防止するために使用することができる。アプリは、携帯電話及びタブレットを含む任意の適切な電子デバイス上で使用することができる。
【0065】
[0067]いくつかの構成では、容器内の条件を制御するアプリ320は、携帯電話などの二次装置の一部であってもよく、又は容器の外側でユーザがアクセスできる統合インターフェースの一部であってもよい。
【0066】
[0068]さらに、ユーザが容器のオン/オフ状態及び/又は電源状態(例えば、バッテリレベル、電源プラグイン、充電状態など)を判定することを可能にする1つ又は複数のディスプレイを設けることができる。アプリ又はソフトウェア製品はまた、モバイル接続を介して、1つ又は複数のモバイル装置を監視するように構成されたクラウドコントローラに、その位置及び内部設定、並びに外部条件を送信することができる。
【0067】
[0069]III.システム
【0068】
[0070]システムをインターフェース接続、監視、及び/又は制御するソフトウェアアプリは、様々な機能を達成するように構成することができる。例えば、ソフトウェアアプリは、配送時間及び距離を追跡及び記録し、配送プロセス全体の様々な時点(例えば、開始時、配送時、及び/又は配送プロセス中の時間)で内部温度を追跡及びロックすることができる。オペレータ/所有者が容器の位置、設定、及び/又は状態を見ることを可能にするダッシュボードを設けることができる。設定は、アプリを介してリモートで変更することもできる。変更又は監視することができる設定は、例えば、オン/オフ、温度、水分含有量、加速度計の読み取り値、及び電池寿命を含むことができる。さらに、アプリは、一定期間活動がなかった場合に「スリープ」(又は休止)するように、又は動きが検知された場合に「起動」するように構成することができる。
【0069】
[0071]開示された主題の態様によるシステム及び方法に関与する際に、ユーザは1つ又は複数の使用セッションに関与することができる。使用セッションは、ユーザのためのトレーニングセッションを含むことができる。
【0070】
[0072]開示された方法のいずれも、1つ又は複数のコンピュータ可読記憶媒体(例えば、1つ又は複数の光媒体ディスク、揮発性メモリ構成要素(DRAM又はSRAMなど)、又は不揮発性メモリ構成要素(フラッシュメモリ又はハードドライブなど)などの非一時的コンピュータ可読媒体)に格納され、コンピュータ(例えば、コンピューティングハードウェアを含むコンピューティング機能が可能な任意の装置)上で実行されるコンピュータ実行可能命令として実装又は部分的に実装することができる。当業者には理解されるように、コンピュータ可読記憶媒体は、変調データ信号などの通信接続を含まない。開示された技術を実装するための任意のコンピュータ実行可能命令、並びに開示された実施形態の実装中に作成及び使用される任意のデータは、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体(例えば、伝搬信号を除外する非一時的コンピュータ可読媒体)に格納することができる。さらに、コンピュータ実行可能命令は、例えば、ウェブブラウザ又は他のソフトウェアアプリケーション(リモートコンピューティングアプリケーションなど)を介してアクセス又はダウンロードされる専用ソフトウェアアプリケーション又はソフトウェアアプリケーションの一部とすることができる。そのようなソフトウェアは、例えば、単一のローカルコンピュータ(例えば、任意の適切な市販のコンピュータ)上で、又は1つ若しくは複数のネットワークコンピュータを使用するネットワーク環境(例えば、インターネット、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、クライアントサーバネットワーク(クラウドコンピューティングネットワークなど)、又は他のそのようなネットワークを介して)上で実行することができる。
【0071】
[0073]ソフトウェアベースの実装形態の選択された態様のみが説明される。当技術分野で周知の他の詳細は省略する。例えば、開示された技術は、いかなる特定のコンピュータ言語又はプログラムにも限定されないことを理解されたい。同様に、開示された技術は、いかなる特定のコンピュータ又はハードウェアの種類にも限定されない。適切なコンピュータ及びハードウェアの特定の詳細は周知であり、本開示で詳細に説明する必要はない。
【0072】
[0074]本明細書に記載された任意の機能は、ソフトウェアの代わりに、少なくとも部分的に、1つ又は複数のハードウェア論理コンポーネントによって実行され得ることも十分に理解されるべきである。例えば、限定ではないが、使用することができる例示的な種類のハードウェア論理コンポーネントは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)などを含む。
【0073】
[0075]さらに、任意のソフトウェアベースの実施形態(例えば、開示された方法のいずれかをコンピュータに実行させるためのコンピュータ実行可能命令を含む)は、適切な通信手段を介してアップロード、ダウンロード、又はリモートアクセスすることができる。そのような適切な通信手段には、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、ソフトウェアアプリケーション、ケーブル(光ファイバケーブルを含む)、磁気通信、電磁通信(RF、マイクロ波、及び赤外線通信を含む)、電子通信、又は他のそのような通信手段が含まれる。
【0074】
[0076]開示された方法、装置、及びシステムは、決して限定するものとして解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、並びに互いに様々な組み合わせ及び部分的組み合わせで、様々な開示された実施形態のすべての新規かつ非自明な特徴及び態様を対象とする。開示された方法、装置、及びシステムは、任意の特定の態様又は特徴又はそれらの組み合わせに限定されず、開示された実施形態は、任意の1つ又は複数の特定の利点が存在すること、又は問題が解決されることを必要としない。
【0075】
[0077]命令は、コンピューティングデバイス内の、或いは、コンピューティングデバイスと通信する、又はその他の方法でコンピューティングデバイスにアクセス可能な適切な「機械可読媒体」上に格納され得る。本出願で使用されるように、機械可読媒体は有形の記憶装置であり、命令は非一時的な方法で格納される。同時に、動作中、命令は、例えば、通信リンクを介してリモート記憶装置からコンピューティングデバイスに移行中など、時として一時的であってもよい。しかしながら、機械可読媒体が有形かつ非一時的である場合、命令は、少なくともある程度の期間、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気又は光ディスク記憶装置などのメモリ記憶装置、例えば、プロセッサ集積回路上に存在するローカルキャッシュメモリ、例えば、コンピューティングデバイスのプロセッサ用のエンクロージャ内に収容された、ローカルメインメモリ、ローカル電子ドライブ又はローカルディスクハードドライブ、ローカルサーバ又はネットワークを介したアクセスのリモートサーバに接続されたリモート記憶場所などを形成することができるそれらのアレイ及び/又は組み合わせに格納される。そのように格納されると、ソフトウェアは、有形であり、命令を非一時的形式で格納する「機械可読媒体」を構成する。したがって、少なくとも、関連するコンピューティングデバイス上で実行するための命令を格納する機械可読媒体は、コンピューティングデバイスのプロセッサによる命令の実行時、及びコンピューティングデバイスによる後続のアクセスのために命令が格納されているときに、「有形」かつ「非一時的」である。
【0076】
[0078]当業者には理解されるように、開示されたシステム及び方法は、アラートが生成されたときに様々なメッセージを送信するように構成可能である。メッセージは、例えば、SMS及び電子メールを含む。
【0077】
[0079]本教示はまた、以下の番号付けされた条項のうちの1つ又は複数にも及ぶことができる。
【0078】
[0080]項目1.容器を受け入れるための開位置、及び閉位置から移動するように動作可能な開閉部を有するエンクロージャと、可搬式容器の表面に組み込まれた環境制御モジュールインターフェース面と、環境制御モジュールインターフェース面と係合するように動作可能な環境制御モジュールと、1つ又は複数の環境コントローラと、1つ又は複数の環境センサと、電源とを備え、環境制御モジュールは、1つ又は複数の検知された環境条件を伝達し、1つ又は複数の環境コントローラを調整するように動作可能である、可搬式容器。
【0079】
[0081]項目2.エンクロージャは、立方体、直方体、角錐、円錐、三角柱、及び円筒から選択される三次元形状を有する、項目1に記載の可搬式容器に関する。
【0080】
[0082]項目3.1つ又は複数の環境センサは、温度センサ、水分センサ、湿度センサ、大気圧センサ、酸素センサ、空気質センサ、煙センサから選択される、項目1に記載の可搬式容器に関する。
【0081】
[0083]項目4.任意の環境センサのうちの2つ以上を設けることができる、項目3に記載の可搬式容器に関する。
【0082】
[0084]項目5.1つ又は複数の環境センサが、環境コントローラ内に位置付けられる、項目3に記載の可搬式容器に関する。
【0083】
[0085]項目6.1つ又は複数の環境センサが、環境コントローラから離れた位置で可搬式容器内に位置付けられる、項目3に記載の可搬式容器に関する。
【0084】
[0086]項目7.GPSセンサをさらに備える、項目1に記載の可搬式容器に関する。
【0085】
[0087]項目8.1つ又は複数のセンサから情報を送信し、送信されたセンサ情報に応答して環境制御命令を受信するための通信装置をさらに備える、項目1に記載の可搬式容器に関する。
【0086】
[0088]項目9.GPSセンサ及びG力センサのうちの1つ又は複数をさらに備える、項目1に記載の可搬式容器に関する。
【0087】
[0089]項目10.食品容器を受け入れるための開位置、及び閉位置から移動するように動作可能な開閉部を有するエンクロージャと、可搬式容器の表面に組み込まれた環境制御モジュールインターフェース面と、環境制御モジュールインターフェース面と係合するように動作可能な環境制御モジュールと、1つ又は複数の環境コントローラと、1つ又は複数の環境センサと、電源とを有する可搬式容器を提供するステップであって、環境制御モジュールは、1つ又は複数の検知された環境条件を伝達し、1つ又は複数の環境コントローラを調整するように動作可能である、可搬式容器を提供するステップと、可搬式容器を開けるステップと、輸送のために可搬式容器内に食品容器を配置するステップと、可搬式容器を閉じるステップと、食品容器内の食品の識別に基づいて容器内の環境を維持するように環境制御モジュールを構成するステップと、可搬式容器を輸送するステップと、を含む輸送方法。
【0088】
[0090]項目11.可搬式容器のGPS位置を決定するステップをさらに含む、項目10に記載の輸送方法に関する。
【0089】
[0091]項目12.可搬式容器のG力を決定するステップをさらに含む、項目10に記載の輸送方法に関する。
【0090】
[0092]項目13.可搬式容器が輸送中に1つ又は複数の環境条件を維持したかどうかを判定するステップと、可搬式容器が1つ又は複数の環境条件を維持した場合、食品容器を配送するステップとをさらに含む、項目10に記載の輸送方法に関する。
【0091】
[0093]項目14.可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定するステップと、可搬式容器が任意のG力を受けていない場合、食品容器を配送するステップとをさらに含む、項目10に記載の輸送方法に関する。
【0092】
[0094]項目15.可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定するステップと、可搬式容器が任意のG力を受けた場合、G力が許容G力の所定の範囲内にあるかどうかを判定するステップと、G力が許容G力の所定の範囲内にある場合、食品容器を配送するステップとをさらに含む、項目10に記載の輸送方法に関する。
【0093】
[0095]項目16.メモリと、1つ又は複数のプロセッサと、メモリ内に格納され、装置上のサービスプロバイダに関連付けられたモバイルアプリケーションを介して、装置の現在の地理的位置を受信することと、装置上のサービスプロバイダに関連付けられたモバイルアプリケーションを介して、1つ又は複数の環境条件を受信することと、可搬式容器が輸送中に環境条件範囲内の1つ又は複数の環境条件を維持したかどうかを判定し、可搬式容器が1つ又は複数の環境条件を維持した場合、可搬式容器内に位置する食品容器を配送することと、モバイルアプリケーションを介して、環境条件が維持されていた場合に食品容器を配送するための命令を表示することと、を含む動作を実行するため1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な1つ又は複数のコンピュータ実行可能命令を含む、システム。
【0094】
[0096]項目17.可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定することと、可搬式容器が任意のG力を受けなかった場合、食品容器を配送することとをさらに含む、項目16に記載のシステムに関する。
【0095】
[0097]項目18.可搬式容器が輸送中に任意のG力を受けたかどうかを判定することと、可搬式容器が任意のG力を受けた場合、G力が許容G力の所定の範囲内にあるかどうかを判定することと、G力が許容G力の所定の範囲内にある場合、食品容器を配送することとをさらに含む、項目16に記載のシステムに関する。
【0096】
[0098]本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し説明してきたが、そのような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、当業者には多数の変形、変更、及び置換が思い浮かぶであろう。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替形態が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物がそれによって包含されることが意図される。

図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
【国際調査報告】