(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】LAG3結合ペプチド
(51)【国際特許分類】
C07K 9/00 20060101AFI20230818BHJP
A61K 38/10 20060101ALI20230818BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230818BHJP
A61K 39/00 20060101ALI20230818BHJP
A61K 35/768 20150101ALI20230818BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230818BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20230818BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20230818BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20230818BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230818BHJP
C07K 14/74 20060101ALN20230818BHJP
C07K 14/705 20060101ALN20230818BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20230818BHJP
【FI】
C07K9/00 ZNA
A61K38/10
A61K45/00
A61K39/00 H
A61K35/768
A61P35/00
A61P43/00 105
A61P31/04
A61P31/00
A61P37/04
A61P17/00
A61P25/16
A61P25/28
A61P25/00
C07K14/74
C07K14/705
C12N15/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505927
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 US2021043373
(87)【国際公開番号】W WO2022026496
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519091317
【氏名又は名称】レイドス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グティエレス, ガブリエル エム.
(72)【発明者】
【氏名】パヌッチ, ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】コトライア, ヴィナヤカ
(72)【発明者】
【氏名】ファレス, ティモシー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, セシル ディー.
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA07
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA18
4C084BA23
4C084DC50
4C084MA02
4C084NA05
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4C084ZA011
4C084ZA151
4C084ZA891
4C084ZB022
4C084ZB091
4C084ZB092
4C084ZB212
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4C084ZB351
4C084ZC202
4C084ZC411
4C084ZC412
4C084ZC422
4C085AA03
4C087AA01
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4C087CA08
4C087NA05
4C087ZB26
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA17
4H045CA40
4H045DA50
4H045EA20
4H045EA28
4H045FA10
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、LAG3に結合し、他の分子(例えば、MHC-II、FGL1、およびα-シヌクレイン)とのその相互作用を遮断するために使用され得るペプチドを提供する。これらにペプチドは、それらの示された活性および短い半減期に伴って、抗体ベースのチェックポイントインヒビターとしばしば関連する有害事象の可能性を有意に低減しながら、細胞性免疫を活性化するために使用され得る。上記ペプチドは、独立型治療剤として使用され得るか、または他の療法との組み合わせにおいて免疫モジュレーターとして使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1、配列番号4、および配列番号9からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むペプチド。
【請求項2】
薬学的組成物であって、
(a)ペプチド6(配列番号1)、ペプチド11(配列番号2)、ペプチド16(配列番号3)、ペプチド41(配列番号4)、ペプチド62(配列番号5)、ペプチド68(配列番号6)、ペプチド69(配列番号7)、ペプチド115(配列番号8)、ペプチド141(配列番号9)、ペプチド146(配列番号10)、ペプチド154(配列番号11)、およびペプチド155(配列番号12)からなる群より選択されるペプチド;ならびに
(b)薬学的に受容可能なビヒクル、
を含む薬学的組成物。
【請求項3】
過剰増殖性障害の進行を阻害する、シヌクレイノパチーの進行を阻害する、敗血症の進行を阻害する、感染性疾患の進行を阻害する、またはワクチンに対する応答を増強する方法であって、前記方法は、有効量の、ペプチド6(配列番号1)、ペプチド11(配列番号2)、ペプチド16(配列番号3)、ペプチド41(配列番号4)、ペプチド62(配列番号5)、ペプチド68(配列番号6)、ペプチド69(配列番号7)、ペプチド115(配列番号8)、ペプチド141(配列番号9)、ペプチド146(配列番号10)、ペプチド154(配列番号11)、およびペプチド155(配列番号12)からなる群より選択されるペプチドをその必要性のある個体に投与する工程を包含する方法。
【請求項4】
前記ペプチドは、前記過剰増殖性障害の進行を阻害するために投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記過剰増殖性障害は、がんである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記がんは、黒色腫である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
第2の療法を投与する工程をさらに包含する、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の療法は、
(i)がんワクチン;
(ii)キメラ抗原レセプター(CAR) T細胞療法;
(iii)PD-1、PD-L1、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG3)、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)、T細胞活性化のVドメイン免疫グロブリン抑制因子(VISTA)、T細胞免疫グロブリンドメインおよびムチンドメイン3(TIM-3)、キラー免疫グロブリン様レセプター(KIR)、インドールアミン(2,3)-ジオキシゲナーゼ(IDO)、BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)、A2Aアデノシンレセプター(A2AR)からなる群より選択される分子の活性を低減または遮断する工程を含む療法;
(iv)サイトカイン;
(v)CD40、OX40、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子関連タンパク質(GITR)、および誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)からなる群より選択される分子のアゴニスト;
(vi)腫瘍溶解性ウイルス;ならびに
(vii)4-1BBアゴニスト、4-1BBアンタゴニスト、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)のインヒビター、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)のインヒビター、およびVEGFRのインヒビターからなる群より選択される治療剤、
からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ペプチドは、ペプチド11(配列番号2)、ペプチド16(配列番号3)、ペプチド62(配列番号5)、ペプチド68(配列番号6)、ペプチド115(配列番号8)、ペプチド141(配列番号9)、ペプチド146(配列番号10)、およびペプチド155(配列番号12)からなる群より選択される、請求項3~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ペプチドは、シヌクレイノパチーの進行を阻害するために投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記シヌクレイノパチーは、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、純粋自律神経不全症(PAF)、および多系統萎縮症(MSA)からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ペプチドは、ペプチド6(配列番号1)、ペプチド41(配列番号4)、ペプチド68(配列番号6)、ペプチド115(配列番号8)、ペプチド146(配列番号10)、ペプチド154(配列番号11)、およびペプチド155(配列番号12)からなる群より選択される、請求項10または請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ペプチドは、敗血症の進行を阻害するために投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記ペプチドは、感染性疾患の進行を阻害するために投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記ペプチドは、ワクチンに対する応答を増強するために投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項16】
前記ペプチドは、ペプチド68(配列番号6)、ペプチド115(配列番号8)、ペプチド146(配列番号10)、ペプチド155(配列番号12)からなる群より選択される、請求項3~15のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年7月20日に作製され、ファイル名「00047900277sequencelisting」という、本出願の配列表である3.72kbのテキストファイルの内容を参考として援用する。
【0002】
本開示の中で引用される各科学文献、特許、および公開特許出願は、その全体において本明細書に参考として援用される。
【0003】
技術分野
本開示は一般に、免疫調節ペプチドに関する。
【背景技術】
【0004】
背景
Lymphocyte activation gene 3(LAG3(LAG-3、LAG 3、Lag3、CD223、FDCタンパク質としても公知))は、レセプターの免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである。
【0005】
LAG3は、これがMHCクラスII(MHC-II)に結合し、免疫チェックポイントレセプターとして働く場所である免疫細胞(活性化T細胞、Huardら, 1994;ナチュラルキラー細胞、Triebelら, 1990;B細胞、Kisielowら, 2005; 形質細胞様樹状細胞、Workmanら, 2009))上で発現される。LAG3はまた、フィブリノゲン様タンパク質(FGL1)に結合し、この結合を混乱させることは、抗腫瘍免疫を強化し得る(Wangら, 2019)。免疫チェックポイント経路の有用なモジュレーターが継続して必要である。
LAG3は、これがシヌクレイノパチーに特徴的なα-シヌクレイン凝集物のレセプターとして働く場所であるニューロン上でも発現される(Maoら, 2016)。シヌクレイノパチーはまた、ニューロン、神経線維、またはグリア細胞におけるα-シヌクレインタンパク質の凝集物の異常な蓄積によって特徴づけられる障害である。シヌクレイノパチーとしては、パーキンソン病(PD)の特発性および遺伝性の形態;びまん性レビー小体病(DLB)(レビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies)またはレビー小体型認知症(Lewy body dementia)としても公知);偶発性のレビー小体病(incidental Lewy body disease);アルツハイマー病のレビー小体バリアント(LBV);アルツハイマー病とパーキンソン病の併発(CAPD);純粋自律神経不全症(PAF);多系統萎縮症(MSA)(例えば、オリーブ橋小脳萎縮症、線条体黒質変性症、およびシャイ・ドレーガー症候群)、パントテン酸キナーゼ関連神経変性症;ダウン症候群;ゴーシェ病関連シヌクレイノパチー;ならびに脳の鉄沈着を伴う神経変性が挙げられる。シヌクレイノパチーの症状を処置または管理するための治療剤が継続して必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Huard et al., "Cellular expression and tissue distribution of the human LAG-3-encoded protein, an MHC class II ligand," Immunogenetics 39 (3): 213-7, 1994
【非特許文献2】Triebel et al., “LAG3, a novel lymphocyte activation gene closely related to CD4,” J. Exp. Med. 171, 1393-405, 1990
【非特許文献3】Kisielow et al., "Expression of lymphocyte activation gene 3 (LAG-3) on B cells is induced by T cells". European Journal of Immunology 35 (7): 2081-8, 2005
【非特許文献4】Workman et al., "LAG-3 regulates plasmacytoid dendritic cell homeostasis," Journal of Immunology 182 (4): 1885-91, 2009
【非特許文献5】Wang et al., “Fibrinogen-like Protein 1 is a Major Immune Inhibitory Ligand of LAG-3,” Cell 176, 334-47, 2019
【非特許文献6】Mao et al., “Pathological α-synuclein transmission initiated by binding lymphocyte-activation gene 3,” Science 353, aah3374, 2016
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
本開示は、LAG3に結合し、MHC-II、FGL1、およびα-シヌクレインのような他の分子とのその相互作用を遮断するために使用され得るペプチドを提供する。これらのペプチドのアミノ酸配列は、以下の表1に示される。
【表1】
【0009】
これらのペプチドは、それらの示された活性および短い半減期とともに、抗体ベースのチェックポイントインヒビターとしばしば関連する有害事象の可能性を有意に低減しながら、細胞性免疫を活性化するために使用され得る。上記ペプチドは、独立型治療剤として使用され得るか、または他の療法との組み合わせにおいて免疫モジュレーターとして使用され得る。それらは、腫瘍微小環境を効果的に標的とするために、例えば、CAR Tおよび腫瘍溶解性ウイルスプラットフォーム内で遺伝的にコードされ得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、本開示のペプチドは、その安定性または他の薬物動態特性を増強するための化学的方法または組換え法を使用して改変される。例えば、US 2017/0020956を参照のこと。改変としては、1個もしくはこれより多くのL-アミノ酸をその対応するD型で置き換える、C末端および/もしくはN末端残基上でのアセチル化、C末端および/もしくはN末端残基上でのアミド化、環化、エステル化、グリコシル化、アシル化、ミリスチン酸もしくはパルミチン酸の結合、N末端グリシンの付加、長鎖脂肪酸としての親油性部分の付加、ならびにPEG化が挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
ペプチドは、当該分野で公知の任意の方法(合成法、組換え法、または両方を含む)によって作製され得る。合成法としては、固相法および液相法が挙げられ、保護基の使用を含んでいてもよい。例えば、Bodanszkyら(1976)、McOmie(1973)、Merrifield(1963)、Neurathら(1976)、Stuart & Young(1984)を参照のこと。
【0012】
ペプチドの組換え産生は、任意の適切な発現系において上記ペプチドをコードする任意のヌクレオチド配列を使用して実施され得る。本開示のペプチドのうちの1またはこれより多くのものをコードする核酸分子は、そのコード配列に作動可能に連結された制御エレメントを含む発現カセットへと組み込まれ得る。制御エレメントとしては、イニシエーター、プロモーター(誘導性、抑制性、および構成性のプロモーターを含む)、エンハンサー、およびポリアデニル化シグナルが挙げられるが、これらに限定されない。シグナル配列が含められ得る。上記発現カセットは、上記ペプチドを生成するための適切な宿主細胞へと導入され得るベクターの中に提供され得る。発現カセットおよび発現ベクターを構築する方法は、周知である。発現ベクターとしては、配列番号1~7のいずれかを含むか、配列番号1~7のいずれかから本質的になるか、または配列番号1~7のいずれかからなる1またはこれより多くのペプチドをコードする1またはこれより多くの発現カセットを含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、1またはこれより多くのペプチドは、融合タンパク質の構成要素として発現される。上記融合タンパク質の他の構成要素は、例えば、サイトカインまたは操作されたT細胞レセプター(TCR)であり得る。融合タンパク質は、その構成要素の間に1またはこれより多くのリンカーを含み得る。いくつかの実施形態において、ペプチドと上記融合タンパク質の別の構成要素との間のリンカーは、上記融合タンパク質の発現後に上記ペプチドを放出するために、タンパク質分解性切断部位を含み得る。例えば、US 2016/0138066; US 2018/0135060; US 2014/0343251; US 2012/0142891; Rodriguezら, 2014を参照のこと。
【0014】
いくつかの実施形態において、融合タンパク質の構成要素は、上記ペプチドの血漿半減期を増強し得る部分(例えば、アルブミンまたはトランスサイレチン)である。他の実施形態において、ペプチドまたはペプチドの改変バージョンは、上記部分に結合体化される。このような結合体を調製する方法は、当該分野で周知である(例えば、Penchalaら, 2015; Kontermann, 2016; Zorziら, 2017)。
【0015】
いくつかの実施形態において、融合タンパク質の構成要素は、パートナー分子(例えば、ペプチドもしくは改変されたペプチドの半減期をインビボで増大させる、および/または標的組織もしくは細胞への特異的送達を提供することが意図された抗体のようなペプチドまたはタンパク質)である。あるいは、ペプチドまたはその改変バージョンは、上記パートナー分子に結合体化され得る。結合体化は、直接的であってもよいし、リンカーを介したものであってもよい。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、ペプチドまたはその改変バージョンは、1個またはこれより多くのアミノ酸を、パートナー分子(例えば、リジン)を結合するために使用されるアミノ酸で置換するために、または例えば、1個、2個、3個もしくは4個のグリシンスペーサー分子での上記ペプチドのN末端伸長によって、変化させられ得る。
【0016】
本開示はまた、本開示のペプチドのうちの1またはこれより多くのものを発現するCAR-T細胞を提供する。CAR-T細胞を調製する方法は、例えば、米国特許第9,328,156号;米国特許第9,845,362号;および米国特許第9,101,584号において開示される。
【0017】
本開示はまた、本開示のペプチドのうちの1またはこれより多くのものをコードする核酸分子を含む腫瘍溶解性ウイルスを提供する。US 2017/0157188; Lawlerら, 2017; US 2015/0250837を参照のこと。腫瘍溶解性ウイルスとしては、レオウイルス、セネカバレーウイルス、水疱性口内炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、単純ヘルペスウイルス、モルビリウイルス、レトロウイルス、インフルエンザウイルス、シンドビスウイルス、ポックスウイルス、およびアデノウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
腫瘍溶解性レオウイルスの例としては、REOLYSIN(登録商標)(pelareorep)およびUS 2017/0049829において開示されるレオウイルスが挙げられる。
【0019】
腫瘍溶解性セネカバレーウイルスの例としては、NTX-101(Rudinら, 2011)が挙げられる。
【0020】
腫瘍溶解性水疱性口内炎ウイルスの例としては、Stojdlら, 2000;およびStojdlら, 2003に開示される。
【0021】
腫瘍溶解性ニューカッスル病ウイルスの例としては、73-T PV701およびHDV-HUJ株が挙げられる(Phuangsabら, 2001; Lorenceら, 2007;およびFreemanら, 2006もまた参照のこと))。
【0022】
腫瘍溶解性ヘルペスウイルスの例としては、NV1020(Geevargheseら, 2010)およびT-VEC(Andtbackaら, 2013)を参照のこと。
【0023】
腫瘍溶解性モルビリウイルスの例としては、腫瘍溶解性麻疹ウイルス(例えば、MV-Edm(McDonaldら, 2006)およびHMWMAA(Kaufmannら, 2013))が挙げられる。
【0024】
腫瘍溶解性レトロウイルスの例は、Luら, 2012に開示される。
【0025】
腫瘍溶解性インフルエンザウイルスの例は、例えば、US 2018/0057594に開示される。
【0026】
腫瘍溶解性シンドビスウイルスの例は、例えば、Lundstrom, 2017に開示される。
【0027】
腫瘍溶解性ポックスウイルスの例は、例えば、Chan & McFadden, 2014に開示される。
【0028】
腫瘍溶解性アデノウイルスの例としては、ONYX-015(Khuriら, 2000)およびH101またはOncorine(Liang, 2018)が挙げられる。
【0029】
治療的使用
本明細書で開示されるペプチドおよびその改変バージョンは、過剰増殖性障害(例えば、がん)を処置することを含め、多くの治療適用を有する。「処置する(treat)」とは、本明細書で使用される場合、ペプチドまたはその改変バージョンが投与される状態の1またはこれより多くの症状の進行を低減または阻害することを含む。上記ペプチドおよびその改変バージョンはまた、シヌクレイノパチー、感染性疾患、および敗血症の1もしくはこれより多くの症状を低減するために、シヌクレイノパチー、感染性疾患、および敗血症を処置するために、ならびにワクチン接種に対する応答を増強するために、有用であり得る。
【0030】
「投与する(administer)」とは、本明細書で使用される場合、本開示のペプチドまたはその改変バージョン自体の投与、ならびに以下で記載される種々のビヒクルによる投与を含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、本開示のペプチドおよび/またはその改変バージョンのうちの1またはこれより多くのものは、直接投与される。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、ペプチドキャリアシステムが使用される。多くのペプチドキャリアシステムが、当該分野で公知である(微粒子、ポリマーナノ粒子、リポソーム、固体脂質ナノ粒子、親水性粘膜接着性ポリマー、チオール化ポリマー、ポリマーマトリクス、ナノエマルジョン、およびヒドロゲルが挙げられる)。Patelら(2014),Brunoら(2013)、Feridooniら(2016)を参照のこと。任意の適切な系が使用され得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、 1またはこれより多くの本開示のペプチドを発現および分泌する操作されたT細胞が、T細胞レセプターと抗原との結合部位においてLAG3阻害を送達するために使用され得る。T細胞ベースの療法は、例えば本開示のペプチドのうちの1またはこれより多くのものを発現するCAR-T細胞であり得る。誘導性または構成性いずれかの発現が使用され得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、腫瘍溶解性ウイルスは、本開示のペプチドのうちの1またはこれより多くのものを送達するために使用され得る。誘導性または構成性いずれかの発現が使用され得る。
【0034】
他の実施形態において、本開示のペプチドの1またはこれより多くのものが、上記ペプチドをコードする1またはこれより多くの核酸(例えば、DNA、cDNA、PNA、RNAまたはこれらの組み合わせ)を使用して送達される;例えば、US 2017/0165335を参照のこと。1またはこれより多くのペプチドをコードする核酸は、当該分野で公知の種々の送達システムを使用して送達され得る。核酸送達システムとしては、遺伝子銃;カチオン性脂質およびカチオン性ポリマー;リポソーム、微粒子、またはマイクロカプセル中での被包;エレクトロポレーション;ウイルスベースの、および細菌ベースの送達システムが挙げられるが、これらに限定されない。ウイルスベースのシステムとしては、改変されたウイルス(例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、または1もしくはこれより多くのウイルスのエレメントを含むハイブリッドウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。US 2002/0111323は、ペプチドを投与するために、「裸のDNA(naked DNA)」、すなわち、「トランスフェクション促進タンパク質、ウイルス粒子、リポソーム製剤、荷電した脂質およびリン酸カルシウム沈殿剤」を含まない「非感染性、非免疫原性で、組み込まれないDNA配列」の使用を記載する。細菌ベースの送達システムは、例えば、Van Desselら(2015)およびYangら(2007)に開示される。
【0035】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、上記ペプチドをコードするRNA分子を介して投与される。いくつかの実施形態において、上記RNA分子は、ナノ粒子中に被包される。いくつかの実施形態において、上記ナノ粒子は、カチオン性ポリマー(例えば、ポリ-L-リジン、ポリアミドアミン、ポリエチレンイミン、キトサン、ポリ(β-アミノエステル)を含む。いくつかの実施形態において、上記ナノ粒子は、カチオン性脂質またはイオン化可能な脂質を含む。いくつかの実施形態において、上記RNA分子は、生体活性リガンド(例えば、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、コレステロール、ビタミンE、抗体、細胞透過ペプチド)に結合体化される。例えば、Akincら(2008)、Akincら(2009)、Andersonら(2003)、Behr(1997)、Boussifら(1995)、Chenら(2012)、Dahlmanら(2014)、Desigauxら(2007)、Dongら(2014)、Dostaら(2015)、Fentonら(2016)、Guoら(2012)、Howardら(2006)、Kaczmarekら(2016)、Kanastyら(2013)、Kauffmanら(2015)、Kozielskiら(2013)、Leusら(2014)、Lorenzら(2004)、Loveら(2010)、Lynn & Langer(2000)、Moschosら(2007)、Nairら(2014)、Nishinaら(2008)、Packら(2005)、Rehmanら(2013)、Schroederら(2010)、Tsutsumiら.(2007)、Tzengら(2012)、Wonら(2009)、Xiaら(2009)、Yuら(2016)を参照のこと。
【0036】
いくつかの実施形態において、RNA分子は、免疫系による分解または認識のその機会を低減するために改変され得る。リボース糖、リン酸結合、および/または個々の塩基が、改変され得る。例えば、Behlke(2008)、Bramsen(2009)、Chiu(2003)、Judge & MacLachlan(2008)、Kauffman(2016)、Li(2016)、Morrissey(2005)、Prakash(2005)、Pratt & MacRae(2009)、Sahin(2014)、Soutschek(2004)、Wittrup & Lieberman(2015)を参照のこと。いくつかの実施形態において、上記改変は、リボ-ジフルオロトルイルヌクレオチド、4’-チオ改変RNA、ボラノホスフェート結合、ホスホロチオエート結合、2’-O-メチル(2’-OMe)糖置換、2’-フルオロ(2’-F)、2’-O-メトキシエチル(2’-MOE)糖置換、ロック核酸(LNA)、およびL-RNAのうちの1またはこれより多くのものである。
【0037】
いくつかの実施形態において、投与は、1またはこれより多くの他の療法とともに実施される。「とともに(in conjunction with)」とは、上記1またはこれより多くの他の治療の投与と一緒の、その前の、またはその後の投与を含む。
【0038】
薬学的組成物、投与経路、およびデバイス
1もしくはこれより多くのペプチド、改変されたペプチド、核酸分子、CAR-T細胞、および/または腫瘍溶解性ウイルスは、上記で考察されるように、代表的には、薬学的に受容可能なビヒクルを含む薬学的組成物において投与される。「薬学的に受容可能なビヒクル(pharmaceutically acceptable vehicle)」とは、上記ペプチドまたはその改変バージョンの生物学的活性に影響を及ぼさず、患者に投与される場合に、有害反応を引き起こさない1またはこれより多くの物質を含み得る。薬学的組成物は、液体であってもよいし、凍結乾燥されていてもよい。凍結乾燥された組成物は、適切な液体、代表的には、上記組成物の再構成において使用するための注射用水(WFI)とともにキット中に提供され得る。薬学的組成物の他の適切な形態は、懸濁物、エマルジョン、および錠剤を含む。
【0039】
薬学的組成物は、任意の適切な投与経路によって投与され得る(静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、硬膜外、腫瘍内、皮内(例えば、US 2017/0281672)、粘膜(例えば、鼻内もしくは口内)、肺、および局所(例えば、US 2017/0274010)経路が挙げられるが、これらに限定されない)。例えば、US 2017/0101474を参照のこと。
【0040】
投与は、全身性または局所であり得る。局所注入および注射に加えて、移植物が局所投与を達成するために使用され得る。適切な材料の例としては、シリコン膜(sialastic membrane)、ポリマー、線維性マトリクス、およびコラーゲンマトリクスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
局所投与は、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、経皮パッチ(例えば、マイクロニードルパッチ)、または当該分野で周知の他の適切な形態によるものであり得る。
【0042】
投与はまた、放出の制御による、例えば、マイクロニードルパッチ、ポンプ、および/または適切なポリマー材料を使用するものであり得る。適切な材料の例としては、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン-co-ビニルアセテート)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ無水物、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、およびポリオルトエステルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
上記のペプチド、改変されたペプチド、核酸分子、CAR-T細胞、および/または腫瘍溶解性ウイルスのうちのいずれかを含むデバイスとしては、シリンジ、ポンプ、経皮パッチ、スプレーデバイス、膣リング、およびペッサリーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
過剰増殖性障害(がんを含む)の処置
いくつかの実施形態において、上記のペプチド、改変されたペプチド、核酸分子、CAR-T細胞、および/または腫瘍溶解性ウイルスのうちの1またはこれより多くのものが、過剰増殖性障害(がんを含む)の進行を阻害するために患者に投与される。このような阻害は、例えば、腫瘍性細胞または前腫瘍性細胞(pre-neoplastic cell)の増殖を低減する;腫瘍性または前腫瘍性細胞を破壊させる;ならびに転移を阻害するまたは腫瘍のサイズを縮小することを含み得る。
【0045】
がんの例としては、黒色腫(皮膚または眼内の悪性黒色腫を含む)、腎癌、前立腺がん、乳がん、結腸がん、肺がん、骨がん、膵臓がん、皮膚癌、頭頚部がん、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、精巣がん、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頚癌、膣癌、外陰部の癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道がん、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺がん、上皮小体がん、副腎のがん、軟組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、慢性または急性の白血病(急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、リンパ球性リンパ腫が挙げられる)、膀胱がん、腎臓または尿管のがん、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄腫瘍(spinal axis tumor)、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、扁平上皮癌(epidermoid cancer)、扁平上皮癌(squamous cell cancer)、およびT細胞リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
併用がん治療
いくつかの実施形態において、上記のペプチド、改変されたペプチド、核酸分子、CAR-T細胞、および/または腫瘍溶解性ウイルスのうちの1またはこれより多くのものが、1またはこれより多くの他の癌治療または免疫療法(例えば、以下で記載されるもの)とともに投与され得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、上記第2の療法は、PD-1の活性を低減または遮断する第2の薬剤(例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、デュルバルマブ)またはCTLA-4の活性を低減または遮断する第2の薬剤(例えば、イピリムマブ、トレメリムマブ)を含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、上記第2の療法は、PD-L1の活性を低減または遮断する薬剤(例えば、アテゾリズマブ)を含む。
【0049】
いくつかの実施形態において、上記第2の療法は、LAG3または他の阻害性チェックポイント分子および/または免疫系を抑制する分子の活性を低減または遮断する薬剤を含む。これらの分子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
1. T細胞活性化のVドメイン免疫グロブリン抑制因子(V-domain Immunoglobulin Suppressor of T cell Activation)(VISTA(c10orf54、PD-1H、DD1α、Gi24、Dies1、およびSISP1としても公知)); US 2017/0334990、US 2017/0112929、Gaoら, 2017、 Wangら, 2011; Liuら, 2015を参照のこと);
2. T細胞免疫グロブリンドメインおよびムチンドメイン3(T-cell Immunoglobulin domain and Mucin domain 3)(TIM-3; US 2017/0198041、US 2017/0029485、US 2014/0348842、Sakuishiら, 2010を参照のこと);
3. キラー免疫グロブリン様レセプター(killer immunoglobulin-like receptors)(KIRs; US 2015/0290316を参照のこと);
4. インドールアミン(2,3)-ジオキシゲナーゼ(IDO;Mellemgaardら, 2017を参照のこと)を阻害する薬剤;
5. BおよびTリンパ球アテニュエーター(B and T Lymphocyte Attenuator)(BTLA;US 2016/09222114を参照のこと);ならびに
6. A2Aアデノシンレセプター(A2A adenosine receptor)(A2AR;Beavisら, 2015; US 2013/0267515; US 2017/0166878; Leoneら, 2015; Mediavilla- Varelaら, 2017; Youngら, 2016を参照のこと)。
【0050】
LAG3の活性を低減または遮断する薬剤としては、BMS-986016、IMP321、およびGSK2831781(Heら, 2016)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
VISTAの活性を低減または遮断する薬剤としては、低分子(例えば、CA-170)および抗体(例えば、Le Mercierら, 2014)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
TIM-3の活性を低減または遮断する薬剤としては、抗体(例えば、MBG453およびTSR-022;Dempkeら, 2017を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
KIRsの活性を低減または遮断する薬剤としては、モノクローナル抗体(例えば、IPH2101およびリリルマブ(BMS-986015(以前のIPH2102);Benson & Caligiuri, 2014を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
IDOの活性を低減または遮断する薬剤としては、エパカドスタットおよびUS 2017/0037125に開示される薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
BTLAの活性を低減または遮断する薬剤としては、ペプチド(例えば、Spodziejaら, 2017)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
A2ARの活性を低減または遮断する薬剤としては、低分子(例えば、CPI-444およびビパデナント)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
いくつかの実施形態において、上記第2の療法は、サイトカイン(例えば、インターロイキン7)を含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、上記第2の療法は、刺激性チェックポイント分子のアゴニストを含む。これらの分子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
1. CD40;
2. OX40;
3. グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子関連タンパク質(glucocorticoid-induced tumor necrosis factor-related protein)(GITR);および
4. 誘導性T細胞共刺激因子(Inducible T-cell COStimulator)(ICOS)。
【0059】
CD40のアゴニストとしては、CD40アゴニストモノクローナル抗体(例えば、cp-870,893、ChiLob7/4、ダセツズマブ、およびルカツムマブ)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Vonderheideら, 2007; Khubchandaniら, 2009; Johnsonら, 2010; Bensingerら, 2012; Vonderheide and Glennie, 2013; Johnsonら, 2015を参照のこと。
【0060】
OX40のアゴニストとしては、OX40アゴニスト抗体(例えば、MOXR0916、MED16469、MED10562、PF-045618600、GSK3174998、およびINCCAGN01949)、およびOX40L-Fc融合タンパク質(例えば、MEDI6383)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Huseniら, 2014; Linchら, 2015; Messenheimerら, 2017を参照のこと。Shrimaliら, 2017もまた参照のこと。
【0061】
GITRのアゴニストとしては、MEDI1873が挙げられるが、これに限定されない。例えば、Schaerら, 2012; Tigueら, 2017を参照のこと。
【0062】
ICOSのアゴニストとしては、ICOSアゴニスト抗体JTX-2011およびGSK3359609が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Harveyら, 2015; Michaelsonら, 2016を参照のこと。
【0063】
他の実施形態において、上記第2の療法は、4-1BBアゴニスト(Shindoら, 2015)(例えば、ウレルマブ);4-1BBアンタゴニスト(US 2017/0174773を参照のこと);未分化リンパ腫キナーゼ(ALK; Wangら, 2014; US 2017/0274074)のインヒビター(例えば、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、PF-06463922、NVP-TAE684、AP26113、TSR-011、X-396、CEP-37440、RXDX-101);ヒストンデアセチラーゼ(HDAC;US 2017/0327582を参照のこと)のインヒビター;VEGFRインヒビター(例えば、アキシチニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、チボザニブ、ベバシズマブ);および/または抗CD27抗体(例えば、バルリルマブ)を含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、上記第2の療法は、がんワクチン(例えば、Duraiswamyら, 2013)を含む。「がんワクチン(cancer vaccine)」とは、上記がんワクチンが投与される個体において特定の抗原に対して免疫応答を誘発することが意図される免疫原性組成物である。がんワクチンは、代表的には、腫瘍抗原に対して免疫応答を誘導または刺激し得るその腫瘍抗原を含む。「腫瘍抗原(tumor antigen)」とは、標的腫瘍上の表面に存在する抗原である。腫瘍抗原は、非腫瘍細胞によって発現されない分子であってもよいし、例えば、非腫瘍細胞によって発現される分子の変化させたバージョン(例えば、誤って折りたたまれている、短縮されている、または別の方法で変異されているタンパク質)であってもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、上記第2の療法は、キメラ抗原レセプター(CAR)T細胞治療を含む。例えば、Johnら, 2013; Chongら, 2016を参照のこと。
【0066】
いくつかの実施形態において、上記のペプチド、改変されたペプチド、核酸分子、CAR-T細胞、および/または腫瘍溶解性ウイルスのうちの1またはこれより多くのものが、CAR-T細胞がん治療の有効性を増大させるために、CAR-T細胞がん治療とともに投与される。
【0067】
いくつかの実施形態において、上記のペプチド、改変されたペプチド、核酸分子、CAR-T細胞、および/または腫瘍溶解性ウイルスのうちの1またはこれより多くのものが、例えば、US 2017/0143780に開示されるとおりの腫瘍溶解性ウイルスとともに投与される。腫瘍溶解性ウイルスの非限定的な例は、上で記載される。
【0068】
シヌクレイノパチーの処置
いくつかの実施形態において、上記のペプチド、改変されたペプチド、核酸分子、CAR-T細胞、および/または腫瘍溶解性ウイルスのうちの1またはこれより多くのものが、単独で、または他の治療介入(例えば、L-DOPA、ドパミンアゴニスト(例えば、ロピニロール、プラミペキソール)、ドパミン再取り込みインヒビター(例えば、アマンタジン)、およびコリンエステラーゼインヒビター(例えば、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン))との組み合わせとのいずれかで、シヌクレイノパチーの症状を低減するために有用であり得る。シヌクレイノパチーの例としては、パーキンソン病(PD)の特発性および遺伝性の形態;びまん性レビー小体病(DLB)(レビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies)またはレビー小体型認知症(Lewy body dementia)としても公知);偶発性のレビー小体病;アルツハイマー病のレビー小体バリアント(LBV);アルツハイマー病とパーキンソン病の併発(CAPD);純粋自律神経不全症(PAF);多系統萎縮症(MSA)(例えば、オリーブ橋小脳萎縮症、線条体黒質変性症、およびシャイ・ドレーガー症候群);パントテン酸キナーゼ関連神経変性症;ダウン症候群;ゴーシェ病関連シヌクレイノパチー;ならびに脳の鉄沈着を伴う神経変性が挙げられる。
【0069】
敗血症の処置
LAG3発現は、敗血症においてアップレギュレートされる(Patilら, 2017)。よって、上記のペプチド、改変されたペプチド、または核酸のうちの1またはこれより多くのものが、単独で、または他の治療介入(例えば、抗体、静脈内輸液(intravenous fluid)、および昇圧剤)との組み合わせとのいずれかで、敗血症を処置するために有用であり得る。
【0070】
感染性疾患の処置
いくつかの実施形態において、上記のペプチド、改変されたペプチド、または核酸のうちの1またはこれより多くのものが、単独で、または他の治療介入との組み合わせとのいずれかで、感染性疾患(例えば、ウイルス、真菌、細菌、および原生動物、ならびに蠕虫によって引き起こされる慢性感染が挙げられる)を処置するために投与され得る。
【0071】
ウイルス因子の例としては、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、単純ヘルペスウイルス(HSV(HSV1およびHSV2を含む))、ヒトパピローマウイルス(HPV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VSV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ならびにA型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、およびC型肝炎ウイルスが挙げられる。
【0072】
真菌因子の例としては、Aspergillus、Candida、Coccidioides、Cryptococcus、およびHistoplasma capsulatumが挙げられる。
【0073】
細菌因子の例としては、Streptococcal細菌(例えば、pyogenes、agalactiae、pneumoniae)、Chlamydia pneumoniae、Listeria monocytogenes、およびMycobacterium tuberculosisが挙げられる。
【0074】
原生動物の例としては、Sarcodina(例えば、Entamoeba)、Mastigophora(例えば、Giardia)、Ciliophora(例えば、Balantidium)、およびSporozoa(例えば、Plasmodium falciparum、Cryptosporidium)が挙げられる。
【0075】
蠕虫の例としては、Platyhelminths(例えば、吸虫、条虫)、Acanthocephalins、およびNematodesが挙げられる。
【0076】
ワクチンアジュバントとしての使用
いくつかの実施形態において、上記のペプチド、改変されたペプチド、または核酸のうちの1またはこれより多くのものが、ワクチン接種に対する応答を増強するために(例えば、エフェクターT細胞を増大させるおよび/T細胞疲弊を低減することによって)、ワクチンとともにワクチンアジュバンとして投与され得る。上記ワクチンは、例えば、RNAワクチン(例えば、US 2016/0130345、US 2017/0182150)、DNAワクチン、組換えベクター、タンパク質ワクチン、またはペプチドワクチンであり得る。このようなワクチンは、当該分野で周知であるように、例えば、ウイルス様粒子を使用して送達され得る。
【実施例】
【0077】
実施例1. LAG3-MHC-II相互作用のペプチドによる混乱
均一時間分解蛍光(Homogeneous Time-resolved Fluorescence)(HTRF) LAG3/MHC-II結合アッセイ(Cisbio US Inc.)を使用して、ペプチド11、ペプチド16、ペプチド62、ペプチド68、ペプチド115、ペプチド141、ペプチド146、およびペプチド155の存在下でMHC-IIとLAG3との間の相互作用を測定した。このアッセイにおいて、Tag1-LAG3間およびTag2-MHC-II間の相互作用を、抗Tag1-テルビウム(HTRFドナー)および抗Tag2-XL665(HTRFアクセプター)を使用することによって検出する。上記ドナー抗体およびアクセプター抗体が、LAG3およびMHC-II結合に起因して近接した状態にもたらされる場合、上記ドナー抗体の励起は、上記アクセプター抗体に向かう蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を誘発し、これは、次に、665nmにおいて特異的に発光する。この特異的シグナルは、LAG3/MHC-II相互作用の程度に正比例する。従って、LAG3とMHC-IIとの間の相互作用を遮断する薬剤は、HTRF比の低減を引き起こす。
【0078】
Tag1-LAG3タンパク質(10nM)、Tag2-MHCIIタンパク質(20nM)、およびペプチド(100μMで始まって3倍希釈)を合わせ、15分間インキュベートした。抗Tag1-Tb抗体および抗Tag2-XL665抗体を添加し、1時間インキュベートし、次いで、620nM クリプテートおよび665nmアクセプター発光の同時測定を読み取った。ペプチドLG11(SAPWEPLHWPEDWWQGTGEW;配列番号13)を、陽性ペプチドコントロールとして供した。ペプチド93(RVPAPVKEQVQKQYPNAGAI;配列番号15)を、陰性または低活性化ペプチドコントロールとして供した。抗ヒトLAG3抗体(Novoprotein #GMP-A092, Lot 0331158)を、抗体陽性コントロールとして供した。その結果を
図1に示し、決定されたIC50値を以下の表2に示す。
【表2】
【0079】
実施例2. LAG3-FGL1相互作用のペプチドによる混乱
この実施例は、ペプチドが、ヒトLAG3とFGL1との間の相互作用を阻害する能力を試験した。上記ペプチドを、製造業者の説明書に従って行ったヒトLAG3/FGL1 TR-FRET結合アッセイ(BPS Bioscience)を使用して試験した。
【0080】
ペプチド6、ペプチド41、ペプチド68、ペプチド69、ペプチド115、ペプチド146、ペプチド154、およびペプチド155を、100μM、33μM、および11μMにおいて試験した。ペプチドLG56(HIQNWSYWLNQDMMNQQVWKS;配列番号14)を、ペプチド陽性コントロールとして供した。ペプチド93(配列番号15)を、陰性コントロールまたは低活性化ペプチドコントロールとして供した。中和抗ヒトLAG3抗体(BPS Bioscience Cat. #71219)を、抗体陽性コントロールとして供した。
【0081】
反応混合物を、発色させる前に1時間室温においてインキュベートした。発色後、プレートを、Tecan M1000 TR-FRET機器において読み取った。その結果を
図1に示し、その決定したIC
50値を、以下の表3に示す。
【表3】
【0082】
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【配列表】
【国際調査報告】