(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】マルチバイアスモード電流コンベア、マルチバイアスモード電流コンベアを構成するステップ、マルチバイアスモード電流コンベアを含むタッチ検知システム、並びに関連するシステム、方法、及びデバイス
(51)【国際特許分類】
H03F 3/343 20060101AFI20230818BHJP
H03F 1/22 20060101ALI20230818BHJP
H03F 1/32 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
H03F3/343 210
H03F1/22
H03F1/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505928
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 US2021070301
(87)【国際公開番号】W WO2022026964
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397050741
【氏名又は名称】マイクロチップ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROCHIP TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ、レイ
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA13
5J500AA42
5J500AA43
5J500AC21
5J500AC65
5J500AC78
5J500AC81
5J500AF10
5J500AF18
5J500AH10
5J500AH39
5J500AK09
5J500AK12
5J500AK34
5J500AM17
5J500AT01
5J500AT07
(57)【要約】
1つ以上の実施形態は、マルチバイアスモード電流コンベアに関する。そのような電流コンベアは、入力端子、基準端子、出力端子、第1及び第2のカスコード電流ミラー、並びにバイアス回路を含み得る。第1のカスコード電流ミラー及び第2のカスコード電流ミラーは、入力電流のミラーである出力電流を提供するように構成された電流コンベアとして配置され得る。バイアス回路は、第1の電圧レベル又は第2の電圧レベルを選択的に示す、バイアス電圧を提供するように構成され得る。バイアス電圧は、入力電流の状態に少なくとも部分的に応答して提供され得る。バイアス回路は、第1のカスコード電流ミラー又は第2のカスコード電流ミラーのうちの少なくとも1つにバイアス電圧を印加するように配置され得る。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
電流コンベアとして配置された、第1のカスコード電流ミラー及び第2のカスコード電流ミラーと、
前記第1のカスコード電流ミラー又は前記第2のカスコード電流ミラーのうちの少なくとも1つに、第1の電圧レベル又は第2の電圧レベルを選択的に示すバイアス電圧を提供するように配置されたバイアス回路と、を備える、装置。
【請求項2】
前記バイアス回路は、
前記電流コンベアの入力電流の第1の状態に少なくとも部分的に応答して、前記第1の電圧レベルを示す前記バイアス電圧を提供し、かつ
前記電流コンベアの前記入力電流の第2の状態に少なくとも部分的に応答して、前記第2の電圧レベルを示す前記バイアス電圧を提供するように配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記入力電流の前記第1の状態は、前記入力電流とスレッショルドとの間の第1の関係に対応し、前記入力電流の前記第2の状態は、前記入力電流と前記スレッショルドとの間の第2の関係に対応する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のカスコード電流ミラー及び前記第2のカスコード電流ミラーの各々は、それぞれの電流ミラー及びそれぞれのカスコード段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記バイアス回路は、前記第1のカスコード電流ミラー又は前記第2のカスコード電流ミラーの前記それぞれのカスコード段に前記バイアス電圧を提供するように配置されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のカスコード電流ミラーは、
第1の電流ミラーの第1及び第2のゲート結合トランジスタと、
第1のカスコード段の第3及び第4のゲート結合トランジスタと、を備え、
前記バイアス回路は、前記第1のカスコード段の前記第3及び第4のゲート結合トランジスタのそれぞれのゲートを第1の電圧源及び第2の電圧源に交互に結合又は分離するように配置されたスイッチを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の電流ミラーの前記第1及び第2のゲート結合トランジスタのそれぞれのゲートは、前記電流コンベアの入力端子と同じ前記電流コンベアの側に配置された前記第1のカスコード段の前記第3及び第4のゲート結合トランジスタのうちの1つのドレインに結合されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のカスコード電流ミラーは、
第2の電流ミラーの第1及び第2のゲート結合トランジスタと、
第2のカスコード段の第3及び第4のゲート結合トランジスタと、を備え、
前記バイアス回路は、前記第2のカスコード段の前記第3及び第4のゲート結合トランジスタのそれぞれのゲートを第3の電圧源及び第4の電圧源に交互に結合又は分離するように配置されたスイッチを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の電流ミラーの前記第1及び第2のゲート結合トランジスタのそれぞれのゲートは、前記電流コンベアの入力端子と同じ電流コンベアの側に配置された前記第2のカスコード段の前記第3及び第4のゲート結合トランジスタのうちの1つのドレインに結合されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
電圧フォロワを備え、前記電圧フォロワは、前記電圧フォロワの基準端子における電圧を前記電流コンベアの入力端子に印加するように配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のカスコード電流ミラー及び第2のカスコード電流ミラーのうちの一方は、Pチャネルトランジスタカスコード電流ミラーとして構成されており、前記第1のカスコード電流ミラー及び前記第2のカスコード電流ミラーのうちの別の一方は、Nチャネルトランジスタカスコード電流ミラーとして構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記Pチャネルトランジスタカスコード電流ミラー及び前記Nチャネルトランジスタカスコード電流ミラーは、それぞれ、相補的かつ転流する様態で前記電流コンベアの出力端子にミラー電流を交互に提供するように配置されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
方法であって、
電流コンベアの入力電流の状態を観測するステップと、
前記電流コンベアに、前記入力電流の前記状態に少なくとも部分的に応答して、第1の電圧レベル又は第2の電圧レベルを選択的に示すバイアス電圧を提供するステップと、を含む、方法。
【請求項14】
前記電流コンベアの前記入力電流の前記状態を観測する前記ステップは、
前記入力電流とスレッショルドとの間の関係を観測するステップと、
前記入力電流と前記スレッショルドとの間の前記関係に応答して、前記電流コンベアの前記入力電流の前記状態を観測するステップと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記入力電流と前記スレッショルドとの間の前記関係に応答して、前記電流コンベアの前記入力電流の前記状態を観測する前記ステップは、
前記入力電流とスレッショルドとの間の第1の関係に応答して、線形領域で動作する前記電流コンベアの1つ以上のトランジスタに関連付けられた前記入力電流の第1の状態を観測するステップ、又は
前記入力電流と前記スレッショルドとの間の第2の関係に応答して、飽和領域で動作する前記電流コンベアの1つ以上のトランジスタに関連付けられた前記入力電流の第2の状態を観測するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
システムであって、
複数の選択可能なバイアスモードに従って動作するように構成された電流コンベアと、
前記電流コンベアの性能の評価に少なくとも部分的に応答して、前記電流コンベアを構成するように構成されたバイアスモード構成論理と、を備える、システム。
【請求項17】
前記バイアスモード構成論理は、
前記複数の選択可能なバイアスモードに従って前記電流コンベアを動作させることを含む較正プロセス中に、前記電流コンベアの前記性能の第1の評価を実行し、
前記第1の評価に少なくとも部分的に応答して、前記複数の選択可能なバイアスモードのうちの1つのバイアスモードを選択し、かつ
前記バイアスモードに少なくとも部分的に応答して、前記電流コンベアの構成を実行するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記バイアスモード構成論理は、
選択されたバイアスモードをイネーブルにした状態で、前記電流コンベアの前記性能の第2の評価を実行し、かつ
前記第2の評価に少なくとも部分的に応答して、前記電流コンベア又は前記選択されたバイアスモードの追加の較正及び構成を実行するように構成されており、
前記電流コンベアの前記構成は、前記電流コンベアの前記追加の較正及び構成に少なくとも部分的に応答する、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
方法であって、
複数のバイアスモードに従ってマルチバイアスモード電流コンベアを動作させることを含む較正プロセスを実行するステップと、
較正プロセスに関連付けられた前記マルチバイアスモード電流コンベアの性能を評価するステップと、
前記マルチバイアスモード電流コンベアの前記性能を評価する前記ステップに少なくとも部分的に応答して、前記マルチバイアスモード電流コンベアを構成するステップと、を含む、方法。
【請求項20】
前記マルチバイアスモード電流コンベアの前記性能を評価する前記ステップに少なくとも部分的に応答して、前記マルチバイアスモード電流コンベアを構成する前記ステップは、
指定されたスレッショルド内の動作に関連付けられたバイアスモードに従って動作するように前記マルチバイアスモード電流コンベアを構成するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記マルチバイアスモード電流コンベアの前記複数のバイアスモードのうちの第1のバイアスモードをイネーブルにするステップと、
前記第1のバイアスモードを使用して前記マルチバイアスモード電流コンベアの第1の動作中に、前記マルチバイアスモード電流コンベアの第1の入力電流及び第1の出力電流を観測するステップと、
前記マルチバイアスモード電流コンベアの前記第1の動作に関連付けられた第1の性能指標を観測するステップと、
前記マルチバイアスモード電流コンベアの前記複数のバイアスモードのうちの第2のバイアスモードをイネーブルにするステップと、
前記第2のバイアスモードを使用して前記マルチバイアスモード電流コンベアの第2の動作中に、前記マルチバイアスモード電流コンベアの第2の入力電流及び第2の出力電流を観測するステップと、
前記マルチバイアスモード電流コンベアの前記第2の動作に関連付けられた第2の性能指標を観測するステップと、を含み、
前記マルチバイアスモード電流コンベアの前記性能を評価する前記ステップは、前記第1及び前記第2の性能指標に少なくとも部分的に応答する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
タッチシステムであって、
タッチ処理ユニットと、
前記タッチ処理ユニットの入力の信号経路に沿って配置された電流コンベアと、
前記タッチ処理ユニットによって実行されるテストスキャンのために、前記電流コンベアの複数のバイアスモードのうちの1つを選択するように構成された選択論理と、を備える、タッチシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、米国特許法119(e)条の下で、2020年7月31日に出願された米国特許仮出願第62/706,106号の利益を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(分野)
本明細書で考察する実施形態は、概して、電流コンベアなどの電流モード回路に関する。いくつかの実施形態は、いわゆる「第二世代」電流コンベア(「第二世代電流制御コンベア」と呼ばれることもある)に関する。いくつかの実施形態は、本明細書で考察する電流モード回路及び電流コンベアの実施形態を含むか、又はそれらと協働するタッチ検知システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電流コンベアは、電子デバイスであり、より具体的には、所定の電流利得、例えば、ユニティゲインであるが、これに限定されない、を有する電子増幅器である。電流コンベアは、かかる回路の応答が主に電流(例えば、振幅、ピーク振幅などの電流信号の特性)によって決定される一種の電流モード回路であり、かかる回路の入力及び出力は、電流を含む。
【0004】
電流モード回路及びより一般的に電流で動作する回路は、電圧モード回路及び電圧で動作する回路よりも利点を提供する。非限定的な例として、電圧モード回路と比較して、電流コンベアの性能は、より高い帯域幅及びより高いスルーレートを示し、これは容量性負荷を駆動するときに望ましい。更に、電流信号の複製、スケーリング、及び加算など、特定の動作は、電圧の代わりに電流を使用してより効率的に実行される(例えば、限定はしないが、より少ない電子構成要素を必要とする)。電流コンベアは、小型で電力効率のよい電子デバイスが必要とされる高周波用途に適していることが多い。
【0005】
電子回路設計において、システムの他の電子構成要素と共に配置されるとき、電流コンベアは、有線、無線、及び光通信並びにそれらの用途など、低電力消費で高周波が望ましい場合を含む様々な用途においてアナログ信号処理機能を提供し得る。
【0006】
電流コンベアの1つの用途は、タッチセンサにおける又はその近くの導電性物体の近接(すなわち、「タッチ」)を検出するように構成された容量性タッチ検知システムである。タッチセンサにおける静電容量及び/又は静電容量の変化を示す電流信号は、タッチコントローラに提供され、物体の近接(すなわち、「タッチ」)を検出するために使用される。電流コンベアは、このような電流信号の信号経路に沿って使用されることがある。
任意の特定の要素又は作用についての考察を容易に識別するために、参照番号の最上位桁は、その要素が最初に紹介された図番号を指す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の発明者にとって既知である最新技術による、電流コンベアを示す概略図である。
【
図2】1つ以上の実施形態による、主題の態様の様々な信号を示す信号図である。
【
図3A】1つ以上の実施形態による、電流コンベアを示す概略図である。
【
図3B】1つ以上の実施形態による、バイアス回路を示すブロック図である。
【
図4】1つ以上の実施形態による、マルチバイアスモード電流コンベアを動作させるためのプロセスを示すフロー図である。
【
図5】1つ以上の実施形態による、複数の選択可能なバイアスモードを有する電流コンベアのバイアスモードを構成するためのシステムを示すブロック図である。
【
図6】1つ以上の実施形態による、マルチバイアスモード電流コンベアを構成するためのプロセスを示すフロー図である。
【
図7】1つ以上の実施形態による、マルチバイアスモード電流コンベアの性能を評価し、マルチバイアスモード電流コンベアを構成するためのプロセスを示すフロー図である。
【
図8】1つ以上の実施形態による、例示的なタッチシステム用途を示すブロック図である。
【
図9】いくつかの実施形態において、本明細書に開示される様々な機能、動作、行為、プロセス、及び/又は方法を実装するために使用され得る回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなし、本開示を実施し得る実施形態の具体例を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施することを可能にするように十分に詳細に説明される。しかしながら、本明細書で可能になった他の実施形態が用いられ得、本開示の範囲から逸脱することなく、構造、材料、及びプロセスを変えられ得る。
【0009】
本明細書に提示する図は、任意の特定の方法、システム、デバイス、又は構造の実際の図であることを意図するものではなく、本開示の実施形態を説明するために用いられる理想化した表現にすぎない。場合によっては、様々な図面における類似の構造又は構成要素は、読者の便宜のために同一又は類似の付番を保持し得る。しかしながら、付番における類似性は、構造又は構成要素が必ずしもサイズ、組成、構成、又は任意の他の特性において同一であることを意味するものではない。
【0010】
以下の説明は、当業者が開示される実施形態を実施することを可能にするのを補助するための実施例を含み得る。「例示的な」、「例として」、「例えば」という用語の使用は、関連する説明が、説明的なものであることを意味し、本開示の範囲は、実施例及び法的等価物を包含することを意図するものであり、そのような用語の使用は、実施形態又は本開示の範囲を特定の構成要素、ステップ、特徴、機能などに限定することを意図するものではない。
【0011】
本明細書で概して説明され、図面に例示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置及び設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、様々な実施形態の以下の説明は、本開示の範囲を限定することを目的とするものではなく、単に様々な実施形態を表すものである。実施形態の様々な態様が図面に提示され得るが、図面は、具体的に指示されていない限り、必ずしも尺度どおりに描画されているわけではない。
【0012】
更に、図示及び説明する具体的な実装形態は、単なる例であり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実施する唯一の方式と解釈されるべきでない。要素、回路、及び機能は、不要に詳述して本開示を不明瞭にしないように、ブロック図の形態で示され得る。逆に、図示し、説明する具体的な実装形態は、単に例示的なものであり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実装する唯一の方法と解釈されるべきではない。更に、様々なブロック間での論理のブロック定義及びパーティショニングは、例示的な具体的な実装形態である。当業者には、本開示が多数の他のパーティショニングソリューションによって実施され得ることが容易に明らかになるであろう。大部分については、タイミングの考慮などに関する詳細は省略されており、そのような詳細は、本開示の完全な理解を得るために必要ではなく、当業者の能力の範囲内である。
【0013】
当業者であれば、情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表され得ることを理解するであろう。いくつかの図面は、表示及び説明を明確にするために、単一の信号として信号を例示してもよい。当業者は、信号が信号のバスを表し得、このバスは様々なビット幅を有してもよく、本開示は、単一のデータ信号を含む任意の数のデータ信号で実施され得ることを理解するであろう。
【0014】
本明細書に開示する実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、集積回路(Integrated Circuit、IC)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、又は本明細書で説明される機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせを用いて実装されるか、又は実行され得、その全ては、用語「プロセッサ」の使用によって包含される。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替的に、プロセッサは、任意の従来式プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであり得る。プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成の組み合わせとして実装されてもよい。プロセッサを含む汎用コンピュータは、専用コンピュータとみなされ、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関連するコンピューティング命令(例えば、限定するものではないが、ソフトウェアコード)を実行するように構成される。
【0015】
実施形態は、フローチャート、フロー図、構造図、又はブロック図として示すプロセスに関して説明され得る。フローチャートは、順次プロセスとして動作行為を説明し得るが、これらの行為の多くは、別の順序で、並行して、又は実質的に同時に実行され得る。加えて、行為の順序は再配置され得る。プロセスは、メソッド、スレッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラム、他の構造、又はこれらの組み合わせに対応し得る。更に、本明細書に開示する方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読メディアの1つ以上の命令又はコードとして記憶されてもよく、又は送信されてもよい。コンピュータ可読メディアは、コンピュータ記憶メディア及び、コンピュータプログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意のメディアを含む通信メディアの両方を含む。
【0016】
「第1」、「第2」などの表記を使用して、本明細書の要素に対する任意の言及は、そのような制限が明示的に記載されていない限り、それらの要素の数量又は順序を限定しない。むしろ、これらの表記は、本明細書において、2つ以上の要素又は要素の例を区別する便利な方法として使用され得る。したがって、第1の要素及び第2の要素への言及は、2つの要素のみが用いられ得ること、又は何らかの様式で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。加えて、特に明記しない限り、一組の要素は、1つ以上の要素を含み得る。
【0017】
本明細書で使用される場合、所与のパラメータ、特性、又は条件に言及する際の「実質的に(substantially)」という用語は、所与のパラメータ、特性、又は条件が、許容可能な製造許容差の範囲内などの、小さいばらつきを満たすことを当業者が理解するであろう程度を意味し、かつ含む。一例として、実質的に満たされる特定のパラメータ、特性、又は条件に応じて、パラメータ、特性、又は条件は、少なくとも90%満たされ得るか、少なくとも95%満たされ得るか、更には少なくとも99%満たされ得る。
【0018】
本明細書で使用される場合、「上方に(over)」、「下方に(under)」、「上(on)」、「下部(underlying)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」などの任意の相対的な用語は、開示及び添付図面を理解する際の明瞭さ及び便宜のために使用され、文脈がそうでないことを明確に示す場合を除き、任意の特定の優先度、配向、若しくは順序に含まれないか、又は依存しない。
【0019】
この説明では、「結合された」という用語及びその派生語は、2つの要素が互いに協動するか、又は相互作用することを示すために使用され得る。ある要素が別の要素に「結合される」として説明されるとき、要素は、直接物理的若しくは電気的接触状態にあり得るか、又は存在する介在要素若しくは層であり得る。対照的に、ある要素が別の要素に「直接結合されている」と説明されるとき、介入する要素又は層は存在しない。「接続された」という用語は、本明細書において、「結合された」という用語と互換的に使用され得、別途明示的に示されない限り、又は文脈が当業者に他の方法を示すことがない限り、同じ意味を有する。
【0020】
図1は、本開示の発明者にとって既知である最新技術による、電流コンベア100を示す回路図である。電流コンベア100は、一般に、入力端子102で受信した入力電流のミラーである出力電流を出力端子106で提供するように構成され、入力端子102での低い(理論的には0の)入力インピーダンスと出力端子106での高い(理論的には無限大の)出力インピーダンスとを有する。電流コンベア100は、「第二世代電流コンベア」及び「第二世代電流制御電流コンベア」と呼ばれることがあるものの例である。出力電流Ioutが入力電流Iinをミラーリングする程度は、電流コンベア100の利得に依存する。非限定的な例として、ユニティゲインの場合、出力電流Ioutは、実質的に入力電流Iinの複製である。他の利得(倍数又は分数)を有する電流コンベアが具体的に企図されており、本開示の範囲を超えない。
【0021】
図1に示すように、電流コンベア100は、電圧フォロワ114、第1のカスコード電流ミラー120、及び第2のカスコード電流ミラー126を含む。
【0022】
電圧フォロワ114は、一般に、入力電圧の電圧レベルに実質的に等しい電圧レベルを有する出力電圧を提供するように構成される(すなわち、ユニティ電圧ゲインを実行する)。より具体的には、電流コンベア100の電圧フォロワ114は、基準ノード112及び入力ノード104におけるそれぞれの電圧が実質的に同じになるように、基準ノード112の基準電圧Vrefを入力ノード104に印加するように配置される。
図1によって示される特定の非限定的な例では、電圧フォロワ114は、第1のDCバイアス電流源116及び第2のDCバイアス電流源118の直流電流(direct current、DC)に応答して電圧フォロワ114の機能を実行する(すなわち、Vrefを入力ノード104に印加する)ためのトランスリニアループを形成するように配置されたいくつかの要素(ここでは、nMOSトランジスタ及びpMOSトランジスタの対)を含む。第1のDCバイアス電流源116及び第2のDCバイアス電流源118からのDC電流は、実質的に等しく、少なくとも部分的に、トランスリニアループのためのDC電流を決定し、より一般的には、高インピーダンス基準端子、ここでは基準端子110を容易にする。
【0023】
基準電圧Vrefは、非限定的な例として、オフ回路電圧源(図示せず)によって、基準ノード112に結合された基準端子110を介して電圧フォロワ114に供給される。
【0024】
第1のカスコード電流ミラー120及び第2のカスコード電流ミラー126などのカスコード電流ミラーは、一般に、入力ノード104における電流(この入力電流は双方向パルス電流である)を出力ノード108において交互にミラーリングするように(例えば、出力端子106における電流と入力ノード104における電流(「制御」電流)との間の比が、限定はしないが、指定されたスレッショルド内にあるように、出力端子106において電流(「制御された電流」)を供給するように)構成される。入力ノード104は、第1のカスコード電流ミラー120及び第2のカスコード電流ミラー126を介して出力ノード108に結合される。第1のカスコード電流ミラー120及び第2のカスコード電流ミラー126は、それぞれ、p側折り返しカスコード電流ミラー(ここでは、P1、P2、P3、及びP4とラベル付けされたトランジスタを含む)及びn側折り返しカスコード電流ミラー(ここでは、N1、N2、N3、及びN4とラベル付けされたトランジスタを含む)である。
【0025】
第1のカスコード電流ミラー120は、第1の電流ミラー122(ゲート結合トランジスタP1及びP2)に結合された第1のカスコード段124(ゲート結合トランジスタP3及びP4)を含む。第1のカスコード電流ミラー120の左部分及び右部分は、本明細書では、第1のカスコード電流ミラー120の左部分(トランジスタP1及びP3を含む)及び第1のカスコード電流ミラー120の右部分(トランジスタP2及びP4を含む)と呼ばれる。第1のカスコード段124は、Vdsp1及Vdsp2が等しくなるように配置され、言い換えれば、VDDからノード132及びノード134までの電圧降下が等しい。ゲート結合トランジスタP3及びP4のそれぞれのゲートは、固定バイアス電圧Vbiaspのソースに結合される(ソースは図示せず)。ゲート結合トランジスタP1及びP2のそれぞれのゲートは、トランジスタP2がトランジスタP1を通って流れる電流をミラーリングすることができるように(すなわち、Idsp2がIdsp1をミラーリングするように)、トランジスタP3のドレインに結合される。
【0026】
ノード132における電圧VBは、VB=Vbiasp+Vsgp3+Ipeak*Ronp3として表される。抵抗Ronp3は、トランジスタP3のオン抵抗であり、抵抗Ronp3の値は、トランジスタP3が飽和領域又は線形領域で動作するかどうかに少なくとも部分的に依存し、すなわち、抵抗Ronp3の値は、トランジスタP3が飽和領域(p及びnチャネル型金属酸化膜電界効果トランジスタ(Metal Oxide Felid Effect Transistor、MOSFET)デバイスの「活性領域」と呼ばれることもある)で動作するか線形領域で動作するかによって異なる。このようにして、抵抗Ronp3は、電流コンベア100に、より具体的には第1のカスコード電流ミラー120に動的効果をもたらす。上記の電圧VBの式によって表されるように、ノード132における電圧VBは、電流Ipeakの増加と共に増加し、トランジスタP1のソース-ドレイン間の電圧Vsdp1は、ノード132における電圧VBと共に減少する(Vsdp1=VDD-VB)。更に、入力端子102における電流Ipeakに応答して、ノード136における電圧が実現される。VDDからノード136までの電圧降下の量は、Ipeak*(Ronp3+Ronp1)として表され得、ここで、Ronp3+Ronp1は、ノード136(P3ドレイン)からVDDまでの抵抗を表す。ノード136で実現される電圧レベルは、トランジスタP1のソース-ゲート電圧VsgP1を増加させる。ノード132及びノード136において、並びにトランジスタP1のソース-ドレイン及びソース-ゲートにわたって十分に大きな電圧が実現されると、トランジスタP1は、線形領域において動作し得る。線形領域で動作するトランジスタP1は、トランジスタP1からトランジスタP2への不正確な電流ミラーリングをもたらし得る。
【0027】
トランジスタP3及びP1のサイズは、CMOSトランジスタの特性を変えるために増大され得るが、サイズの増大は、コストなどの望ましくないトレードオフをもたらす。本開示の発明者は、上記の望ましくない動的効果の一部又は全てを伴わずに、入力電流の振幅の範囲(例えば、Ipeakから-Ipeakまで)を処理することができる汎用電流コンベアの必要性を認識している。
【0028】
第1のカスコード電流ミラー120、第1の電流ミラー122、第1のカスコード段124、ノード132、ノード134、ノード136、及びトランジスタP1、P2、P3及びP4に関する考察はまた、第2のカスコード電流ミラー126、第2のカスコード段128、第2の電流ミラー130、ノード138、ノード142、ノード140、並びにトランジスタN1、N2、N3及びN4にも適用され、第2のカスコード電流ミラー126のnMOS構成に基づいて当業者に知られている適切な調整を伴う。
【0029】
図2は、入力端子102から入力ノード104に流れる入力電流(Iin)と、ノード132における対応する電圧(電圧V
B)及びノード136における対応する電圧とを、上で考察した従来の電流コンベアに関する問題を例示する特定の非限定的な例として示す図である。示された入力電流I
inは、この例では、第1の持続時間の間0mAであり、電流パルス202が第2の持続時間中に形成され、次いで、任意選択的に、別の電流パルスが形成されるまで、第3の持続時間の間0mAである、双方向パルス電流(方向を逆にする電流、「転流」とも呼ばれる)の一部である。負及び正は、I
inが流れる方向を指し、この具体例では、0から-Max mAは、入力ノード104から入力端子102への流れを示し、0からMax mAは、入力端子102から入力ノード104への流れを示す。電流パルス202の間、I
inは、0から-Max mAへ、次いで-Max mAから0へ変化し、ここで、電流レベル「Max」は、スレッショルド208より大きい任意の電流レベルである。Vmin1 V(例えば、2Vであるが、これに限定されない)からVmax1 Vへの電圧パルス204は、入力端子102において形成される電流パルス202に応答してノード132において形成され、Vmin2 V(例えば、2.8Vであるが、これに限定されない)からVmax2 Vへの電圧パルス206は、入力端子102における電流パルス202に応答してノード136において形成される。Vsd
p1、Vsg
p1、Vbias
p、及びV
Bの間の上で考察した関係に基づいて、トランジスタP1は、スレッショルド208、スレッショルド210、及びスレッショルド212に達すると線形領域で動作し、上で考察した望ましくない動的効果のいくつかを引き起こす。
【0030】
図3Aは、1つ以上の実施形態による、マルチバイアスモード電流コンベア300を示す回路図である。
図1によって示される要素の本明細書における説明は、
図3Aによって示される同様の参照ラベルを有する要素に適用されるものと理解されるべきであり、単に不必要な重複を避けるために再び説明されない。特に、固定電圧レベルを示すバイアス電圧は、
図1によって示されるカスコード段のゲート結合トランジスタP3、P4及びN1、N2にそれぞれ印加されるが、マルチバイアスモード電流コンベア300の開示される実施形態のバイアス電圧によって示される電圧レベルは、構成可能であり、必ずしも固定されない。
【0031】
1つ以上の実施形態では、第1又は第2の電圧レベルを選択的に示すバイアス電圧が、ゲート結合トランジスタP3及びP4のそれぞれのゲートに自動的に印加され得る(自動選択)。開示されるバイアス電圧を印加することは、入力端子102における電流のレベルに応答するノード132における電圧のレベルが、そうでなければトランジスタP1を線形領域において動作させ得る期間の間、トランジスタP1の動作を飽和領域において維持し得る。そのようなバイアス電圧は、マルチバイアスモード電流コンベアのイネーブルにされたバイアスモードに応答して印加され得る。
【0032】
概して、各バイアスモードは、バイアス電圧によって示される電圧レベルと、それぞれの電圧レベルをトリガする入力電流の様々な状態とを指定する。いくつかの実施形態では、電圧レベルは、スイッチS1及びS2を、内部若しくは外部電圧源に、及び/又は電圧レベルを調整するための調整回路に結合し、それによって、Vbiasp、Vbiasn、VDD、及び接地のうちの所望の1つを供給することによって、電流コンベアにおいて内部的に事前構成され得る。そのような実施形態では、バイアスモードは、入力電流の観測された状態に基づいてスイッチS1及びS2の状態(オン/オフ)を指定し得、電流コンベアの内部論理は、構成されたバイアスモードに従ってスイッチS1、S2をオン又はオフにするための駆動信号を提供し得る。本明細書では、バイアス電圧のための複数の電圧源が示され、考察されているが、本開示の範囲を超えることなく、限定はしないが、スイッチング電源、スイッチングレギュレータ、又は低ドロップアウト線形レギュレータなど、任意の適切な技法又はアーキテクチャを使用して、バイアス電圧を供給又は生成し得る。
【0033】
図3Aによって示される特定の非限定的な実施形態では、第1のカスコード電流ミラー120の場合、第1又は第2の電圧レベル(ここでは、Vbias
p又は接地に等しい)を選択的に示すバイアス電圧が、バイアス回路302によってゲート結合トランジスタP3及びP4のそれぞれのゲートに印加され得る。同様に、第2のカスコード電流ミラー126の場合、第3又は第4の電圧レベル(ここでは、Vbias
n又はVDDに等しい)を選択的に示すバイアス電圧が、バイアス回路304によってゲート結合トランジスタN1及びN2のそれぞれのゲートに印加され得る。
図3Aによる特定の実施形態には別個の回路が示されているが、他の実施形態では、バイアス回路302及びバイアス回路304は、開示された電圧レベル(例えば、限定はしないが、Vbias
p、Vbias
n、VDD及び/又は接地)を提供するように構成された同じ回路であってもよいことが具体的に企図されている。
【0034】
バイアス回路302及びバイアス回路304は各々、第1及び第2の電圧源328並びに第3及び第4の電圧源330にそれぞれ結合するための選択回路を含み得る。そのような選択回路は、
図3Aによって、Vbias
p/Vbias
nのための電圧源(ソースは図示せず)に結合するためのスイッチS1、及び接地/VDDに結合するためのスイッチS2として示されている。開示されるバイアス電圧は、
図3Aに関して考察されたものに対して追加の電圧レベルを選択的に示し得、バイアス回路302及び304は、選択された電圧レベルをゲート結合トランジスタP3及びP4並びにゲート結合トランジスタN1及びN2のそれぞれのゲートに提供する(例えば、限定はしないが、印加する)ように配置され得る。2つより多くの利用可能なバイアス電圧/電圧レベル及びそれを提供するための選択回路は、本開示の範囲を超えず、具体的に企図されている。
【0035】
企図される動作では、入力電流の振幅(すなわち、Ipeak)が、スレッショルド電流振幅より小さい、又は小さいと予想される場合には(すなわち、入力電流の第1の状態に応答して)、Vbiasp/Vbiasnを選択することが適切であり得、入力電流の振幅が、スレッショルド電流振幅以上である、又は以上であると予想される場合には(すなわち、入力電流の第2の状態に応答して)、接地/VDDを選択することが適切であり得る。上で考察したVB及びVbiaspの式を使用して、大きな入力電流(すなわち、スレッショルド電流振幅より大きい電流振幅)の場合、接地がトランジスタP3のゲートに選択され(S2がオンであり、S1がオフである)、P3は線形領域で動作し、ノード132における電圧VB=ノード136における電圧である。トランジスタP3が線形領域にあるときのIpeak*RonP3に対するRonP3の影響が除去され、そのため動的要因が除去される。トランジスタP1は、飽和領域で動作する。
【0036】
入力電流が小さい(すなわち、電流振幅がスレッショルド電流振幅より小さい)場合、VB=Vbiasp+Vsgp3+Ipeak*Ronp3であり、トランジスタP1は飽和領域で動作する。
【0037】
特に、
図3Aは、
図1の電流コンベア100として構成され、バイアス回路302/304を含むマルチバイアスモード電流コンベア300を示す。バイアス回路302/304は各々、それぞれのトランジスタスイッチ、スイッチS1及びスイッチS2を含む。スイッチで受信されるイネーブル信号がデアサートからアサートに変化するとき(
図3のラベル「S1」及び「S2」は、個々のスイッチ及びそれらのそれぞれのイネーブル信号を指すと理解され得る)、スイッチは「オン」になり、ゲート結合トランジスタP3及びP4又はN1及びN2のそれぞれのゲートにVbias
p/Vbias
n又は接地/VDDを印加する。イネーブル信号がアサートからデアサートに変化するとき、スイッチは「オフ」になり、ゲート結合トランジスタP3及びP4又はN1及びN2のそれぞれのゲートにVbias
p/Vbias
n又は接地/VDDを印加しない。
図3の特定の非限定的な実施形態は、バイアス回路302/304のそれぞれのアクティブ「高」スイッチのための個々のイネーブル信号を示しているが、これは、本開示を任意の特定の数のイネーブル信号又はスイッチ構成に限定することを意図していない。非限定的な例として、S1及びS2のうちの一方がアクティブ「高」スイッチとして構成され、他方がアクティブ「低」スイッチとして構成され、一対のスイッチは、一方のスイッチがオンであるときに他方のスイッチが通常オフであるように、同じイネーブル信号に応答して少なくとも部分的にイネーブル/ディスエーブルにするように配置される実施形態を含めて、任意の好適な配置が使用されてもよい。
【0038】
マルチバイアスモード電流コンベアのいくつかの実施形態では、電圧フォロワ114は、入力端子102及び入力ノード104のうちの1つ以上を含み、マルチバイアスモード電流コンベアのいくつかの実施形態では、電圧フォロワ114は、入力端子102及び入力ノード104のうちの1つ以上を含まない。
【0039】
上で考察したように、電流コンベア300のような開示された電流コンベアは、限定することなく、特定の利得に限定されない。非限定的な例として、開示される電流コンベアは、ユニティ(すなわち、利得=1)、倍数(すなわち、利得>1)、又は分数(すなわち、利得<1)のために構成され得る。
【0040】
図3Bは、1つ以上の実施形態による、バイアス回路302の具体例のブロック図である。上で示したように、同様の回路がバイアス回路304のために提供されてもよく、又はバイアス回路302がバイアス回路302及びバイアス回路304の両方の機能を提供してもよい。バイアス回路302は、測定回路306、制御論理308、及びスイッチング回路310を含む。バイアス回路302は、利用可能な電圧レベルを調整するように構成された調整回路(ここでは、第1の調整回路324及び第2の調整回路326)を任意選択的に含み得る(例えば、限定はしないが、プロセス700に関して考察するように)。測定回路306は、入力ノード104で検知された電流316に応答して電流測定値318を生成するように構成される。いくつかの実施形態において、電流測定値318は、非限定的な例として、検知された電流316のレベルに対応する信号レベルを示すデジタル値又は信号であり得る。他の実施形態では、電流測定値318は、検知された電流316の量が指定されたスレッショルドを超える(すなわち、入力電流が第1の状態を有する)ことを示すアサートされた信号、又は検知された電流316の量が指定されたスレッショルドより小さい(すなわち、入力電流が第2の状態を有する)ことを示すデアサートされた信号であってもよく、指定されたスレッショルド信号は図示されない。
【0041】
制御論理308は、電流測定値318及び制御信号、バイアスモード322に応答して、制御論理308を構成する制御信号、スイッチ制御320を生成するように構成され得る。非限定的な例として、バイアスモード322は、制御レジスタ(図示せず)によって提供され得る。別の非限定的な例として、バイアスモード322は、所望のバイアスモードに関連付けられた複数の制御論理のうちの1つをイネーブルにするイネーブル信号であってもよい。スイッチング回路310は、制御信号、スイッチ制御320に応答して、利用可能なバイアス電圧レベル314(任意選択的に、第1の調整回路324又は第2の調整回路326によって調整される)のうちの1つを選択し、選択された電圧レベルを示すバイアス電圧312を提供するように構成され得る。一実施形態では、スイッチング回路310は、バイアス電圧312として所望のバイアス電圧レベルの個数を選択的に提供するために、必要に応じて1~N個のスイッチを備えてもよい。
【0042】
図4は、1つ以上の実施形態による、マルチバイアスモード電流コンベアを動作させるためのプロセス400を示すフロー図である。
【0043】
動作402において、プロセス400は、マルチバイアスモード電流コンベアのバイアスモードを任意選択的に構成する。プロセス400が開始するときにバイアスモードがすでに構成されている可能性があるという点で、構成はオプションである。
【0044】
動作404において、プロセス400は、マルチバイアスモード電流コンベアの入力電流とスレッショルドとの間の関係を観測する。
【0045】
動作406において、プロセス400は、(例えば、ノード136又は140における)マルチバイアス電流コンベアへの入力電流の状態を観測する。第1の観測された状態は、入力電流とスレッショルドとの間の第1の関係(例えば、限定はしないが、スレッショルドより大きい)に対応する。第2の観測された状態は、入力電流とスレッショルドとの間の第2の関係(例えば、限定はしないが、スレッショルドより小さい)に対応する。
【0046】
動作408において、プロセス400は、マルチバイアスモード電流コンベアにバイアス電圧を提供する。バイアス電圧は、第1又は第2の電圧レベルを選択的に示し得る。バイアス電圧は、カスコード電流ミラーのカスコード段のゲート結合トランジスタのそれぞれのゲートに提供され得る。電圧レベルは、入力電流の観測された第1の状態に少なくとも部分的に応答する第1の電圧レベル、及び入力電流の観測された第2の状態に少なくとも部分的に応答する第2の電圧レベルであり得る。
図3Bに関連して示されるように、プロセス400は、バイアス電圧のための第1又は第2の電圧レベルに関連して例示されているが、これは、決して限定することを意味せず、本開示の範囲を超えることなく、入力電流の適切なそれぞれの状態で、バイアス電圧のためのN個の電圧レベルが提供され得る。
【0047】
図5は、1つ以上の実施形態による、複数の選択可能なバイアスモードを有する電流コンベア(例えば、
図5によって示されるマルチバイアスモード選択可能な電流コンベア502)のバイアスモードを構成するためのシステム500を示すブロック図である。システム500において、マルチバイアスモード選択可能な電流コンベア502は、バイアスモード構成論理504によって提供される制御信号、構成信号506に少なくとも部分的に応答して、1つ以上の内部バイアスモードを構成する(例えば、限定はしないが、プログラムする、較正する、調整する、又はイネーブルにする)。
【0048】
システム500によって実行される企図された構成動作中に、バイアスモード構成論理504は、マルチバイアスモード選択可能な電流コンベア502の入力電流512及び出力電流514を観測する。バイアスモード構成論理504は、観測された入力電流508と観測された出力電流510とを比較して、マルチバイアスモード選択可能な電流コンベア502が指定されたスレッショルド内で動作しているか否かを決定する。バイアスモード構成論理504が、マルチバイアスモード選択可能な電流コンベア502が指定されたスレッショルド内で動作しなかったと決定した場合、バイアスモード構成論理504は、例えば、以前のバイアスモードとは異なる利用可能なバイアスモード、バイアスモードに関連付けられた電圧レベルの調整、バイアスモードの選択に関連付けられた電流スレッショルドの調整、又はスイッチS1若しくはS2のターンオン若しくはターンオフの指示を示すように、構成信号506を構成するが、これらに限定されない。
【0049】
非限定的な例として、バイアスモード構成論理504は、マルチバイアスモード電流コンベアの要素であってもよいし、マルチバイアスモード電流コンベアを含む電子システムの要素であってもよいし、マルチバイアスモード電流コンベアを含むチップの基礎となる論理回路の要素であってもよいし、マルチバイアスモード電流コンベアを較正するために全体的又は部分的に使用される試験又は構成ツールの要素であってもよい。
【0050】
上記で考察したように、入力電流が大きいとき、すなわち、電流振幅スレッショルドより大きいとき、ゲート結合トランジスタP1及びP2のいずれかが線形領域で動作する場合、トランジスタP2においてミラーリングされ、より一般的には入力端子102から出力端子106にミラーリングされる電流は、限定はしないが、例えば、温度及びプロセス変動によって大きく影響され得る。そのような影響は、不正確な電流コピー及び電荷損失をもたらす可能性があり、多くの場合そうなる。更に、電流振幅が小さく(すなわち、Ipeakが電流振幅スレッショルドより小さい)、ゲート結合トランジスタP1及びp2が飽和領域にあるが、実質的に等しいVdsを有しないとき、VdsP1とVdsp2との差に起因して、入力端子102から出力端子106への不正確な電流ミラーリングがあり得る。そのような不正確な電流ミラーリングは、電荷損失をもたらし得る。
【0051】
1つ以上の実施形態では、非限定的に、電荷損失などの不正確な電流ミラーリングの指標を使用して、マルチバイアスモード電流コンベアの動作を評価し得る(例えば、限定はしないが、指定されたスレッショルド内で)。例えば、電荷損失は、出力電流514が入力電流512より大きいことに応答して、少なくとも部分的に検出され得、不正確な電流ミラーリングは、検出された電荷損失に少なくとも部分的に応答して検出され得る。
【0052】
図6は、1つ以上の実施形態による、マルチバイアスモード電流コンベア及びそのバイアスモードを構成するためのプロセス600を示すフロー図である。
【0053】
動作602において、プロセス600は、複数のバイアスモードに従ってマルチバイアスモード電流コンベア(限定はしないが、マルチバイアスモード電流コンベア300など)を動作させることを含む較正プロセスを実行する。非限定的な例として、較正プロセスは、マルチバイアスモード電流コンベアが、利用可能なバイアスモードのうちの1つ以上を使用して、様々な実際の又は人工的に誘発された刺激(例えば、限定はしないが、干渉、雑音、及び温度)の影響下で動作する期間であり得る。マルチバイアスモード電流コンベア及びその個々のトランジスタが、監視及び測定され得、性能指標が得られ得る。
【0054】
動作604において、プロセス600は、較正プロセスに関連付けられたマルチバイアスモード電流コンベアの性能の第1の評価を実行する(すなわち、第1に評価する)。非限定的な例として、プロセス600は、性能指標に少なくとも部分的に応答して、動作602で使用される各バイアスモードが、指定されたスレッショルド内でマルチバイアスモード電流コンベアの動作に関連付けられる程度を観測し得る。
【0055】
動作606において、プロセス600は、第1の評価に少なくとも部分的に応答して、複数のバイアスモードのうちの1つのバイアスモードを選択する。プロセス600によって選択されるバイアスモードは、指定されたスレッショルド内でマルチバイアスモード電流コンベアの動作に最も密接に関連付けられることが観測されるバイアスモードであり得る。
【0056】
動作608において、プロセス600は、イネーブルにされた動作606において選択されたバイアスモードに従って動作するようにマルチバイアスモード電流コンベアを構成する。
【0057】
動作610において、プロセス600は、マルチバイアスモード電流コンベアの性能の第2の評価を実行し(すなわち、第2に評価し)、この場合、イネーブルにされた動作606において選択されたバイアスモードが用いられる。
【0058】
動作612において、プロセス600は、マルチバイアスモード電流コンベア及び/又は選択されたバイアスモードの追加の較正又は構成を実行する。1つ以上の実施形態において、Vbiasp及びVbiasnの電圧レベルは調整可能であり得、プロセス600は、より正確な電流ミラーリングを容易にするために、Vbiasp及びVbiasnの電圧レベルを調整し得る(例えば、限定はしないが、適切なミラー電流比が得られるまで、Vbiasp及びVbiasnの電圧レベルを調整する)。Vbiasp及びVbiasnの電圧レベルを調整することによって、プロセス600は、非限定的な例として、プロセス変動又はノイズの影響に対処するために、マルチバイアスモード電流コンベアの動作を改善し得る。
【0059】
当業者は、本開示の範囲を超えることなく、動作602、604、606、608、610又は612(並びに他の動作)のうちの1つ以上を含む中間プロセスが実行され得ることを理解するであろう。当業者であれば、いくつかの実施形態において、プロセス600は、マルチバイアスモード電流コンベア及び/又はバイアスモードの較正及び構成と、構成/較正されたマルチバイアスモード電流コンベア及び/又はバイアスモードを用いたマルチバイアスモード電流コンベアの性能の評価との複数回の反復を実行し得ることを理解するであろう。
【0060】
図7は、1つ以上の実施形態による、マルチバイアスモード電流コンベアの性能を評価し、マルチバイアスモード電流コンベア(限定はしないが、マルチバイアスモード電流コンベア300など)のバイアスモードを構成するためのプロセス700を示すフローチャートである。
【0061】
動作702において、プロセス700は、電流コンベアの利用可能なバイアスモードのうちの第1のバイアスモードをイネーブルにする。利用可能なバイアスモードのいずれかが、第1のバイアスモードのために選択され得る。
【0062】
動作704において、プロセス700は、第1のバイアスモードを使用して電流コンベアの第1の動作中に電流コンベアの第1の入力電流及び第1の出力電流を観測する。
【0063】
動作706において、プロセス700は、電流コンベアの第1の動作に関連付けられた第1の性能指標を観測する。性能指標の非限定的な例には、限定はしないが、観測された入力及び出力電流に応答して計算されたチャージレスなど、不正確な電流ミラーリングを示す計算(例えば、限定はしないが、Iin及びIoutが所望の利得とは異なる利得を示す)が含まれる。
【0064】
動作708において、プロセス700は、電流コンベアの利用可能なバイアスモードのうちの第2のバイアスモードをイネーブルにする。
【0065】
動作710において、プロセス700は、第2のバイアスモードを使用して電流コンベアの第2の動作中に電流コンベアの第2の入力電流及び第2の出力電流を観測する。
【0066】
動作712において、プロセス700は、電流コンベアの第2の動作に関連付けられた第2の性能指標を観測する。
【0067】
動作714において、プロセス700は、観測された第1及び第2の性能指標に応答して、第1の動作又は第2の動作が指定されたスレッショルド内にあることを観測する。非限定的な例として、スレッショルドは、スレッショルド電流振幅*Ronp3として表される電圧、及びスレッショルド電流振幅*(Ronp3+Ronp1)として表される電圧が両方とも、飽和領域に留まるP1に関連付けられた特定の電圧レベルより小さくなるように指定される。非限定的な例として、スレッショルドは、カスコード電流ミラーのカスコード段のCMOSトランジスタが飽和領域で動作するように指定され得、それに対応し得る。
【0068】
動作716において、プロセス700は、第1のバイアスモード又は第2のバイアスモードのうちの1つ、より具体的には、動作714に応答して指定されたスレッショルド内の動作に関連付けられたバイアスモードのうちの1つ内で動作するように電流コンベアを構成する。開示されたマルチバイアスモード電流コンベアは、本開示の範囲を超えることなく、2つより多い利用可能なバイアスモードを有し得る。
【0069】
図8は、本開示の1つ以上の実施形態による、タッチシステム800の機能ブロック図である。
【0070】
マルチバイアスモード電流コンベア802の3つの端子(例えば、入力端子102、基準端子110、及び出力端子106)に対応する信号、すなわち、測定電流810、基準電圧812、及び搬送された測定電流818の信号が示されている。
【0071】
マルチバイアスモード電流コンベア802、積分器804、及びアナログ/デジタル変換器806は、コンピューティングシステム808のタッチ処理ユニット816(例えば、限定はしないが、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)又はプロセッサ)への入力の信号チェーンの少なくとも一部を形成する。非限定的な例として、測定電流810は、マルチバイアスモード電流コンベア802の入力に結合された静電容量式タッチセンサノード(図示せず)から受信され得る。
【0072】
特に、マルチバイアスモード電流コンベア802は、単一のマルチバイアス電流コンベアであってもよく、又は直列の2つ以上の電流コンベアの段であってもよく、直列の電流コンベアの一部又は全部がマルチバイアスモード電流コンベアである。
【0073】
タッチシステム800の起動中に、1つ以上のテストスキャン(例えば、タッチシステム800に結合されたタッチセンサの測定)を実行することを含む自己較正スキャンが、タッチ処理ユニット816によって実行され得る。これらのテストスキャンのうち、第1のテストスキャンは、第1のバイアスモードを使用するように構成され得、第2のテストスキャンは、第2のバイアスモードを使用するように構成され得る。別の言い方をすれば、テストスキャンを実行している間に、第1のバイアスモードが、第1のテストスキャン中にマルチバイアスモード電流コンベア802で選択論理814によってイネーブルにされ得、第2のテストスキャンを実行している間に、第2のバイアスモードが、マルチバイアスモード電流コンベア802で選択論理814によってイネーブルにされ得る。
【0074】
選択論理814は、アナログ/デジタル変換器806から受信したデジタル測定信号820を処理し、異なるバイアスモードを使用してテストスキャンを実行した結果を比較し、最良の性能指標を有するテストスキャンを識別し、タッチシステム800の通常動作のために(すなわち、タッチ検知中の使用のために)対応するバイアスモードをイネーブルにするように構成され得る。
【0075】
追加の較正を実行することは、本開示の範囲を超えるものではない。非限定的な例として、入力測定電流条件が変化する場合があり(例えば、タッチセンサは、限定はしないが、手袋をした指又は湿潤環境で使用される場合がある)、そのため、自己較正スキャンを周期的に走らせて、デジタル測定信号820に対してバイアスモードを自動選択することができる。
【0076】
様々な実施形態において、タッチシステム800、コンピューティングシステム808、及びタッチ処理ユニット816のいずれも、マイクロコントローラシステムとして実装され得る。様々な実施形態において、コンピューティングシステム808又はタッチ処理ユニット816は、タッチ検知システムのタッチコントローラによって実装され得る。
【0077】
図9は、回路900のブロック図であり、いくつかの実施形態において、本明細書に開示される様々な機能、動作、行為、プロセス、及び/又は方法を実装するために使用され得る。回路900は、限定はしないが、データ記憶デバイス(本明細書では「記憶装置904」と称されることがある)などの1つ以上の装置に動作可能に結合された1つ以上のプロセッサ902(本明細書では「プロセッサ902」と称されることもある)を含む。記憶装置904は、そこに記憶された(例えば、コンピュータ可読メモリに記憶された)機械実行可能コード906を含み、プロセッサ902は、論理回路908を含む。機械実行可能コード906は、論理回路908によって実施(例えば、実行)され得る機能要素を記述する情報を含む。論理回路908は、機械実行可能コード906によって記述される機能要素を実装する(例えば、実行する)ように適合されている。回路900は、機械実行可能コード906によって記述された機能要素を実行するとき、本明細書に開示する機能要素を実行するように構成された専用ハードウェアとしてみなされるべきである。いくつかの実施形態では、プロセッサ902は、機械実行可能コード906によって記述される機能要素を、順次に、同時に(例えば、1つ以上の異なるハードウェアプラットフォームで)、又は1つ以上の並列処理ストリームにおいて、実行するように構成され得る。
【0078】
プロセッサ902の論理回路908によって実装されるとき、機械実行可能コード906は、本明細書に開示される実施形態の動作を実行するようにプロセッサ902を適合させるように構成されている。例えば、機械実行可能コード906は、プロセス400、プロセス600、及びプロセス700の少なくとも一部又は全体を実行するようにプロセッサ902を適合させるように構成され得る。別の例として、機械実行可能コード906は、バイアス回路302/304、電流ミラー122/130、カスコード段124/128、及び電圧フォロワ114のうちの1つ以上を含むマルチバイアスモード電流コンベア300に関して考察した動作の少なくとも一部又は全体を実行するようにプロセッサ902を適合させるように構成され得る。別の例として、機械実行可能コード906は、測定回路306、制御論理308、スイッチング回路310、第1の調整回路324、及び第2の調整回路326に関して考察した動作の少なくとも一部又は全体を実行するようにプロセッサ902を適合させるように構成され得る。更に別の例として、機械実行可能コード906は、マルチバイアスモード選択可能な電流コンベア502及びバイアスモード構成論理504に関して考察した動作の少なくとも一部又は全体を実行するようにプロセッサ902を適合させるように構成され得る。更に別の例として、機械実行可能コード906は、マルチバイアスモード電流コンベア802、積分器804、アナログ/デジタル変換器806、並びに選択論理814及びタッチ処理ユニット816を含むコンピューティングシステム808に関して考察した動作の少なくとも一部又は全体を実行するようにプロセッサ902を適合させるように構成され得る。
【0079】
特定の非限定的な例として、コンピュータ可読命令は、本明細書で考察されるように、マルチバイアスモード電流コンベアの性能を評価し、評価に応じてバイアスモードを選択し、マルチバイアスモード電流コンベアの性能の追加の評価並びにマルチバイアスモード電流コンベアの追加の構成及び較正を実行するようにプロセッサ902に命令するように構成され得る。
【0080】
プロセッサ902は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、マイクロコントローラ、プログラマブル論理コントローラ(programmable logic controller、PLC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、他のプログラマブルデバイス、又は本明細書において開示する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを含み得る。プロセッサを含む汎用コンピュータは専用コンピュータとみなされ、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関連するコンピューティング命令(例えば、ソフトウェアコード)を実行するように構成されている。汎用プロセッサ(本明細書では、ホストプロセッサ又は単にホストとも称されることもある)は、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサ902は、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンを含んでもよいことに留意されたい。プロセッサ902はまた、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成など、コンピューティングデバイスの組み合わせとして実装され得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、記憶装置904は、揮発性データ記憶装置(例えば、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM))、不揮発性データ記憶装置(例えば、限定はしないが、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM))を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ902及び記憶装置904は、単一のデバイス(例えば、限定はしないが、半導体デバイス製品、システムオンチップ(system on chip、SOC))に実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ902及び記憶装置904は、別個のデバイスに実装され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、機械実行可能コード906は、コンピュータ可読命令(例えば、ソフトウェアコード、ファームウェアコード)を含み得る。非限定的な実施例として、コンピュータ可読命令は、記憶装置904によって記憶され、プロセッサ902によって直接アクセスされ、少なくとも論理回路908を使用してプロセッサ902によって実行され得る。また、非限定的な実施例として、コンピュータ可読命令は、記憶装置904に記憶され、実行のためにメモリデバイス(図示せず)に送信され、少なくとも論理回路908を使用してプロセッサ902によって実行され得る。したがって、いくつかの実施形態では、論理回路908は、電気的に構成可能な論理回路908を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、機械実行可能コード906は、論理回路908内に実装されるハードウェア(例えば、回路)を記述して、機能要素を実行し得る。このハードウェアは、ローレベルトランジスタレイアウトから高レベル記述言語までの様々な抽象化レベルのいずれかで記述され得る。高レベルの抽象化では、限定はしないが、米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)標準ハードウェア記述言語(hardware description language、HDL)などのハードウェア記述言語(HDL)が使用されてもよい。非限定的な実施例として、Verilog(商標)、SystemVerilog(商標)又は超大規模集積(very large scale integration、VLSI)ハードウェア記述言語(VHDL(商標))が使用されてもよい。
【0084】
HDL記述は、所望に応じて、多数の他の抽象化レベルのうちのいずれかにおける記述に変換され得る。非限定的な実施例として、高レベル記述を、レジスタ転送言語(register-transfer language、RTL)、ゲートレベル(gate-level、GL)記述、レイアウトレベル記述、又はマスクレベル記述などの論理レベル記述に変換することができる。非限定的な実施例として、論理回路908のハードウェア論理回路(例えば、限定はしないが、ゲート、フリップフロップ、レジスタ)によって実行されるマイクロ動作は、RTLで記述され、次いで合成ツールによってGL記述に変換され得、GL記述は、設置及びルーティングツールによって、レイアウトレベル記述に変換され得、このレイアウトレベル記述は、プログラマブル論理デバイス、個別ゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又はそれらの組み合わせの集積回路の物理的レイアウトに対応する。したがって、いくつかの実施形態では、機械実行可能コード906は、HDL、RTL、GL記述、マスクレベル記述、他のハードウェア記述、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0085】
機械実行可能コード906が(任意の抽象化レベルにおける)ハードウェア記述を含む実施形態では、システム(図示しないが、記憶装置904を含む)は、機械実行可能コード906によって記述されるハードウェア記述を実施するように構成され得る。非限定的な実施例として、プロセッサ902は、プログラマブル論理デバイス(例えば、FPGA又はPLC)を含み得、論理回路908は、ハードウェア記述に対応する回路を論理回路908に実装するように電気的に制御され得る。また、非限定的な実施例として、論理回路908は、機械実行可能コード906のハードウェア記述に従って製造システム(図示しないが、記憶装置904を含む)によって製造されたハードワイヤード論理を含み得る。
【0086】
機械実行可能コード906がコンピュータ可読命令又はハードウェア記述を含むかどうかにかかわらず、論理回路908は、機械実行可能コード906の機能要素を実装するときに、機械実行可能コード906によって記述された機能要素を実行するように適合される。ハードウェア記述は機能要素を直接記述しなくともよいが、ハードウェア記述は、ハードウェア記述によって記述されたハードウェア要素が実行することができる機能要素を間接的に記述することに留意されたい。
【0087】
本開示で使用するとき、複数の要素を指す、「組み合わせ」という用語は、全ての要素の組み合わせ、又はいくつかの要素の様々な異なる部分的組み合わせのうちのいずれかを含み得る。例えば、「A、B、C、D、又はそれらの組み合わせ」という句は、A、B、C、又はD;A、B、C、及びDの各々の組み合わせ;並びにA、B、C、又はDの任意の部分的組み合わせ、例えば、A、B、及びC;A、B、及びD;A、C、及びD;B、C、及びD;A及びB;A及びC;A及びD;B及びC;B及びD;又はC及びDのうちのいずれか1つを指し得る。
【0088】
本開示で使用される用語、及び特に添付の特許請求の範囲(例えば、限定するものではないが、添付の特許請求の範囲の本文)において使用される用語は、概して、「オープン」用語として意図される(例えば、「含んでいる(including)」という用語は、「含んでいるが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有している(having)」という用語は、「少なくとも有している」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、限定するものではないが、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきである)。本明細書で使用される場合、「各々」という用語は、一部又は全体を意味する。本明細書で使用される場合、「各々及び全て」という用語は、全体を意味する。
【0089】
加えて、特定の数の導入された特許請求項列挙が意図される場合、そのような意図は特許請求項に明示的に列挙されることになり、そのような列挙がない場合には、そのような意図は存在しない。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の請求項は、請求項の列挙を導入するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、たとえ同じ特許請求の範囲が「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」という導入句、及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、「a」又は「an」という不定冠詞による特許請求の範囲の記載の導入が、かかる導入された特許請求の範囲の記載を含む任意の特定の特許請求の範囲を、たった1つのかかる記載を含む実施形態に限定するものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、限定するものではないが、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)。特許請求項列挙を導入するために使用される明確な冠詞の使用についても同じことが当てはまる。
【0090】
加えて、導入された特許請求の範囲に記載の特定の数が明示的に記載されている場合であっても、当業者は、かかる記載が少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを、認識するであろう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載」の明白な記載は、限定するものではないが、少なくとも2つの記載又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、及びCなどのうちの1つ以上」に類似した慣例が使用される場合、一般に、そのような構造は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、又はA、B、及びCを一緒に含むことを意図する。
【0091】
更に、2つ以上の代替用語を提示する任意の離接語又は語句は、明細書、特許請求の範囲、又は図面にかかわらず、用語のうちの1つ、用語のいずれか又は両方の用語を含む可能性を企図するものと理解されるべきである。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるべきである。
【0092】
本開示の更なる非限定的な実施形態は、以下のとおりである。
実施形態1:電流コンベアとして配置された第1のカスコード電流ミラー及び第2のカスコード電流ミラーと、第1のカスコード電流ミラー又は第2のカスコード電流ミラーのうちの少なくとも1つに、第1の電圧レベル又は第2の電圧レベルを選択的に示すバイアス電圧を提供するように配置されたバイアス回路と、を備える、装置。
【0093】
実施形態2:バイアス回路は、電流コンベアの入力電流の第1の状態に少なくとも部分的に応答して、第1の電圧レベルを示すバイアス電圧を提供し、かつ電流コンベアの入力電流の第2の状態に少なくとも部分的に応答して、第2の電圧レベルを示すバイアス電圧を提供するように配置されている、実施形態1に記載の装置。
【0094】
実施形態3:入力電流の第1の状態は、入力電流とスレッショルドとの間の第1の関係に対応し、入力電流の第2の状態は、入力電流とスレッショルドとの間の第2の関係に対応する、実施形態1及び2のいずれかに記載の装置。
【0095】
実施形態4:第1のカスコード電流ミラー及び第2のカスコード電流ミラーの各々は、それぞれの電流ミラー及びそれぞれのカスコード段、を備える、実施形態1~3のいずれかに記載の装置。
【0096】
実施形態5:バイアス回路は、第1のカスコード電流ミラー又は第2のカスコード電流ミラーのそれぞれのカスコード段にバイアス電圧を提供するように配置されている、実施形態1~4のいずれかに記載の装置。
【0097】
実施形態6:第1のカスコード電流ミラーは、第1の電流ミラーの第1及び第2のゲート結合トランジスタと、第1のカスコード段の第3及び第4のゲート結合トランジスタと、を備え、バイアス回路は、第1のカスコード段の第3及び第4のゲート結合トランジスタのそれぞれのゲートを第1の電圧源及び第2の電圧源に交互に結合又は分離するように配置されたスイッチを備える、実施形態1~5のいずれかに記載の装置。
【0098】
実施形態7:第1の電流ミラーの第1及び第2のゲート結合トランジスタのそれぞれのゲートは、電流コンベアの入力端子と同じ電流コンベアの側に配置された第1のカスコード段の第3及び第4のゲート結合トランジスタのうちの1つのドレインに結合されている、実施形態1から6のいずれかに記載の装置。
【0099】
実施形態8:第2のカスコード電流ミラーは、第2の電流ミラーの第1及び第2のゲート結合トランジスタと、第2のカスコード段の第3及び第4のゲート結合トランジスタと、を備え、バイアス回路は、第2のカスコード段の第3及び第4のゲート結合トランジスタのそれぞれのゲートを第3の電圧源及び第4の電圧源に交互に結合又は分離するように配置されたスイッチを備える、実施形態1~7のいずれかに記載の装置。
【0100】
実施形態9:第2の電流ミラーの第1及び第2のゲート結合トランジスタのそれぞれのゲートは、電流コンベアの入力端子と同じ電流コンベアの側に配置された第2のカスコード段の第3及び第4のゲート結合トランジスタのうちの1つのドレインに結合されている、実施形態1~8のいずれかに記載の装置。
【0101】
実施形態10:電圧フォロワを備え、電圧フォロワは、電圧フォロワの基準端子における電圧を電流コンベアの入力端子に印加するように配置されている、実施形態1~9のいずれかに記載の装置。
【0102】
実施形態11:第1のカスコード電流ミラー及び第2のカスコード電流ミラーのうちの一方は、Pチャネルトランジスタカスコード電流ミラーとして構成されており、第1のカスコード電流ミラー及び第2のカスコード電流ミラーのうちの別の一方は、Nチャネルトランジスタカスコード電流ミラーとして構成されている、実施形態1~10のいずれかに記載の装置。
【0103】
実施形態12:Pチャネルトランジスタカスコード電流ミラー及びNチャネルトランジスタカスコード電流ミラーは、それぞれ、相補的かつ転流する様態で電流コンベアの出力端子にミラー電流を交互に提供するように配置されている、実施形態1~11のいずれかに記載の装置。
【0104】
実施形態13:電流コンベアの入力電流の状態を観測するステップと、電流コンベアに、入力電流の状態に少なくとも部分的に応答して、第1の電圧レベル又は第2の電圧レベルを選択的に示すバイアス電圧を提供するステップと、を含む、方法。
【0105】
実施形態14:電流コンベアの入力電流の状態を観測するステップは、入力電流とスレッショルドとの間の関係を観測するステップと、入力電流とスレッショルドとの間の関係に応答して、電流コンベアの入力電流の状態を観測するステップと、を含む、実施形態13に記載の方法。
【0106】
実施形態15:入力電流とスレッショルドとの間の関係に応答して、電流コンベアの入力電流の状態を観測するステップは、入力電流とスレッショルドとの間の第1の関係に応答して、線形領域で動作する電流コンベアの1つ以上のトランジスタに関連付けられた入力電流の第1の状態を観測するステップ、又は入力電流とスレッショルドとの間の第2の関係に応答して、飽和領域で動作する電流コンベアの1つ以上のトランジスタに関連付けられた入力電流の第2の状態を観測するステップを含む、実施形態13及び14のいずれかに記載の方法。
【0107】
実施形態16:複数の選択可能なバイアスモードに従って動作するように構成された電流コンベアと、電流コンベアの性能の評価に少なくとも部分的に応答して、電流コンベアを構成するように構成されたバイアスモード構成論理と、を備える、システム。
【0108】
実施形態17:バイアスモード構成論理は、複数の選択可能なバイアスモードに従って電流コンベアを動作させることを含む較正プロセス中に、電流コンベアの性能の第1の評価を実行し、第1の評価に少なくとも部分的に応答して、複数の選択可能なバイアスモードのうちの1つのバイアスモードを選択し、かつバイアスモードに少なくとも部分的に応答して、電流コンベアの構成を実行するように構成されている、実施形態16に記載のシステム。
【0109】
実施形態18:バイアスモード構成論理は、選択されたバイアスモードをイネーブルにした状態で、電流コンベアの性能の第2の評価を実行し、第2の評価に少なくとも部分的に応答して、電流コンベア又は選択されたバイアスモードの追加の較正及び構成を実行するように構成され、電流コンベアの構成は、電流コンベアの追加の較正及び構成に少なくとも部分的に応答する、実施形態16及び17のいずれかに記載のシステム。
【0110】
実施形態19:複数のバイアスモードに従ってマルチバイアスモード電流コンベアを動作させることを含む較正プロセスを実行するステップと、較正プロセスに関連付けられたマルチバイアスモード電流コンベアの性能を評価するステップと、マルチバイアスモード電流コンベアの性能を評価するステップに少なくとも部分的に応答して、マルチバイアスモード電流コンベアを構成するステップと、を含む、方法。
【0111】
実施形態20:マルチバイアスモード電流コンベアの性能を評価するステップに少なくとも部分的に応答して、マルチバイアスモード電流コンベアを構成するステップは、指定されたスレッショルド内の動作に関連付けられたバイアスモードに従って動作するようにマルチバイアスモード電流コンベアを構成するステップを含む、実施形態18及び19に記載の方法。
【0112】
実施形態21:マルチバイアスモード電流コンベアの複数のバイアスモードのうちの第1のバイアスモードをイネーブルにするステップと、第1のバイアスモードを使用してマルチバイアスモード電流コンベアの第1の動作中に、マルチバイアスモード電流コンベアの第1の入力電流及び第1の出力電流を観測するステップと、マルチバイアスモード電流コンベアの第1の動作に関連付けられた第1の性能指標を観測するステップと、マルチバイアスモード電流コンベアの複数のバイアスモードのうちの第2のバイアスモードをイネーブルにするステップと、第2のバイアスモードを使用してマルチバイアスモード電流コンベアの第2の動作中に、マルチバイアスモード電流コンベアの第2の入力電流及び第2の出力電流を観測するステップと、マルチバイアスモード電流コンベアの第2の動作に関連付けられた第2の性能指標を観測するステップと、を含み、マルチバイアスモード電流コンベアの性能を評価するステップは、第1及び第2の性能指標に少なくとも部分的に応答する、実施形態19及び20のいずれかに記載の方法。
【0113】
実施形態22:タッチシステムであって、タッチ処理ユニットと、タッチ処理ユニットの入力の信号経路に沿って配置された電流コンベアと、タッチ処理ユニットによって実行されるテストスキャンのために、電流コンベアの複数のバイアスモードのうちの1つを選択するように構成された選択論理と、を備える、タッチシステム。
【0114】
本開示は、特定の例示される実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、本発明がそのように限定されないことを認識し、理解するであろう。むしろ、以下にそれらの法的等価物と共に特許請求されるような本発明の範囲から逸脱することなく、例示され、説明される実施形態に対して数多くの追加、削除、及び修正を行うことができる。加えて、一実施形態の特徴は、本発明者によって想到されるように、別の開示した実施形態の特徴と組み合わせることができるが、それでも、本開示の範囲内に包含される。
【国際調査報告】