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特表2023-536473ミニレッドドットサイト用取り付けシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】ミニレッドドットサイト用取り付けシステム
(51)【国際特許分類】
   F41G 1/387 20060101AFI20230818BHJP
   F41G 1/34 20060101ALI20230818BHJP
   F41G 11/00 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
F41G1/387
F41G1/34
F41G11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505945
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 US2021043473
(87)【国際公開番号】W WO2022026558
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】63/057,377
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520168099
【氏名又は名称】シェルタード ウィングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ローゼン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】トイ セス
(57)【要約】
観察光学機器を銃器に固定する取り付けシステムがダブテール状の輪郭を形成する第1の端部、第2の端部、および異形周囲を備えた長円状ダブテール形連結コンポーネントを利用する。観察光学機器は、第1の端が長円状ダブテール形連結コンポーネントを受け入れるよう開きかつ第2の端が閉じられているほぞ穴形スロットを備えた底面を有し、観察光学機器は、観察光学機器の一側部に設けられた締結領域をさらに有し、締結領域は、第1の固定構造を有する。締結要素が第2の固定構造を有し、第1の固定構造と第2の固定構造は、互いに対応しており、締結領域への締結要素の固定を容易にしている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察光学機器を銃器に固定する取り付けシステムであって、前記取り付けシステムは、
ダブテール輪郭を作る第1の端部、第2の端部、および異形周囲を備えた長円状ダブテール形連結コンポーネントを含み、
第1の端が前記長円状ダブテール形連結コンポーネントを受け入れるよう開きかつ第2の端が閉じられているほぞ穴形スロットを備えた底面を有する観察光学機器を含み、前記観察光学機器は、前記観察光学機器の一側部に設けられた締結領域をさらに有し、前記締結領域は、第1の固定用構造を有し、
第2の固定用構造を備えた締結要素を含み、前記第1の固定用構造と前記第2の固定用構造は、互いに対応していて前記締結領域への前記締結要素の固定を容易にしている、取り付けシステム。
【請求項2】
前記締結領域は、深さを備えた異形溝であり、前記締結要素は、前記異形溝の前記深さにほぼ等しい厚さを有する、請求項1記載の取り付けシステム。
【請求項3】
前記長円状ダブテール形連結コンポーネントの前記第1の端は、丸められている、請求項1記載の取り付けシステム。
【請求項4】
前記第1および前記第2の固定用構造は各々、少なくとも1つのねじ穴を有し、前記締結領域および前記締結要素のそれぞれの前記少なくとも1つのねじ穴は、同軸である、請求項1記載の取り付けシステム。
【請求項5】
前記観察光学機器は、ミニレッドドットサイトである、請求項1記載の取り付けシステム。
【請求項6】
前記ミニレッドドットサイトは、閉鎖型ミニレッドドットサイトである、請求項5記載の取り付けシステム。
【請求項7】
銃器であって、
1対のねじ山付き開口部を備えた少なくとも1つのアクセサリ取り付け構造体を有し、
ダブテール輪郭を作る第1の端部、第2の端部、および異形周囲を備えるとともに少なくとも2つのねじ穴を備えたダブテール形連結コンポーネントを有し、前記ダブテール形連結コンポーネントは、前記少なくとも2つのねじ穴が前記ねじ山付き開口部と同軸状態になって少なくとも2本のねじを用いて前記銃器に固定されるよう前記銃器上に位置決めされ、
第1の端が前記長円状ダブテール形連結コンポーネントを受け入れるよう開きかつ第2の端が閉じられているほぞ穴形スロットを備えた底面を有する観察光学機器を含み、前記観察光学機器は、前記観察光学機器の一側部に設けられた締結領域をさらに有し、前記締結領域は、固定用構造を有し、前記観察光学機器は、前記ダブテール形連結コンポーネントと摺動関係をなして係合し、
第2の固定用構造を備えた締結要素を含み、前記第1の固定用構造と前記第2の固定用構造は、互いに対応していて前記締結領域への前記締結要素の固定を容易にしている、銃器。
【請求項8】
前記ダブテール形連結コンポーネントの前記少なくとも2つのねじ穴は、皿座ぐりされている、請求項7記載の銃器。
【請求項9】
前記締結領域は、深さを備えた異形溝であり、前記締結要素は、前記異形溝の前記深さにほぼ等しい厚さを有する、請求項7記載の銃器。
【請求項10】
前記長円状ダブテール形連結コンポーネントの前記第1の端は、丸められている、請求項7記載の銃器。
【請求項11】
前記第1および前記第2の固定用構造は各々、少なくとも1つのねじ穴を含み、前記締結領域および前記締結要素のそれぞれの前記少なくとも1つのねじ穴は、同軸である、請求項7記載の銃器。
【請求項12】
前記第1および前記第2の固定用構造に係合する少なくとも1本のねじをさらに有する、請求項11記載の銃器。
【請求項13】
前記銃器は、拳銃およびピストルの中から選択される、請求項7記載の銃器。
【請求項14】
前記観察光学機器は、ミニレッドドットサイトである、請求項7記載の銃器。
【請求項15】
前記ミニレッドドットサイトは、閉鎖型ミニレッドドットサイトである、請求項14記載の銃器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2020年7月28日に出願された米国特許仮出願第63/057,377号の非仮出願であって該米国特許仮出願の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0002】
本開示(本発明)は、観察光学機器用の取り付けシステムに関する。一実施形態では、本発明は、ミニレッドドットサイトを銃器に取り付ける取り付けシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ミニレッドドットサイト(mini red dot sight:MRDS)は、一般的に小型銃器、例えば拳銃やピストルに用いられる非拡大型レフレクタ式照準器である。MRDSは、光をユーザの方へ投射して標的フィールドおよび照明されたレッドドットレチクルを見るようにする反射光学系を用いる。MRDSは、光学素子の全てがハウジングによって完全に収納される閉鎖型か光学素子の少なくとも一部分がハウジングによって収納されない開放型かのいずれかの場合がある。
【0004】
開放型MRDSは、比較的小型であって、一般的に言って、銃器に取り付けるのが比較的容易であり、と言うのは、ねじまたは他の取り付けハードウェアが基部の露出上面から突き出て、銃器の上面に設けられた固定用構造に直接結合可能だからである。しかしながら、光学素子は剥き出しなので、開放型MRDSは、MRDSの性能に悪影響を及ぼす場合のある汚れ/デブリを集めてしまう。
【0005】
閉鎖型MRDSは、すっぽりと覆うハウジングを有し、したがって、光学素子が保護されて風雨にさらされないようになる。しかしながら、すっぽりと包囲された結果として、基部の上面は、露出されず、したがって、閉鎖型MRDSは、銃器には容易には連結されない。閉鎖型MRDSは、一般的に言って、これらの側部が銃器に固定され、そのためには、銃器とMRDSの両方に適合可能な固定用構造を設けることが必要である。
【0006】
現行の収納型MRDSは各々、MRDSブランドならびにMRDSが固定される銃器のブランドおよびモデルに基づく独自であって知的所有権下にある取り付けソリューションを用いている。例えば、大抵の収納型MRDSでは、MRDSの各種取り付け構造体と適合性があるようにするために知的所有権下にある取り付けプレートが必要である。換言すると、銃器の互いに異なるブランドおよびモデルの各々について、異なる知的所有権下にある取り付けプレートが必要である。さらに、この取り付けプレートは、一般に、閉鎖型MRDSを銃器に固定する場合にのみ有用であって、開放型MRDSを用いる場合にはこの取り付けプレートを取り外さなければならない。
【0007】
別法として、MRDSの中には、このMRDSを開放型MRDSとして用いて銃器に連結することができるようにする脱着可能なケーシングを有するものがある。次に、ユーザがこのMRDSを閉鎖型MRDSとして用いることを望んだ場合には、ケーシングを再び取り付けることができる。理解されるように、MRDSが最終的には閉鎖型MRDSとして用いられる場合であっても、ケーシングが脱着可能であれば光学素子が依然として周囲環境にさらされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の理由で、開放型および閉鎖型MRDSに有用でありかつ/あるいは銃器の任意のブランドおよびモデルと適合性のある取り付けシステムを提供することは、顕著な利点である。かくして、これらの課題を解決することができる取り付けシステムが切望されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態では、本発明は、観察光学機器を銃器に固定する取り付けシステムを提供する。本発明の実施形態によれば、この取り付けシステムは、ダブテール輪郭を作る第1の端部、第2の端部、および異形周囲を備えた長円状ダブテール形連結コンポーネントと、第1の端が長円状ダブテール形連結コンポーネントを受け入れるよう開きかつ第2の端が閉じられているほぞ穴形スロットを備えた底面を有する観察光学機器とを含み、観察光学機器は、観察光学機器の一側部に設けられた締結領域をさらに有し、締結領域は、第1の固定用構造を有し、本取り付けシステムは、第2の固定用構造を備えた締結要素をさらに含み、第1の固定用構造と第2の固定用構造は、互いに対応していて締結領域への締結要素の固定を容易にしている。
【0010】
別の実施形態では、締結領域は、深さを備えた異形溝であり、締結要素は、異形溝の深さにほぼ等しい厚さを有する。もう1つの実施形態では、長円状ダブテール形連結コンポーネントの第1の端は、丸められている。さらにもう1つの実施形態では、第1および第2の固定用構造は各々、少なくとも1つのねじ穴を有し、締結領域および締結要素のそれぞれの少なくとも1つのねじ穴は、同軸である。請求項1記載の取り付けシステムの別の実施形態では、観察光学機器は、MRDSである。MRDSは、閉鎖型MRDSである。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、銃器を提供する。本発明の実施形態によれば、銃器は、1対のねじ山付き開口部を備えた少なくとも1つのアクセサリ取り付け構造体と、ダブテール輪郭を作る第1の端部、第2の端部、および異形周囲を備えるとともに少なくとも2つのねじ穴を備えたダブテール形連結コンポーネントとを有し、ダブテール形連結コンポーネントは、少なくとも2つのねじ穴がねじ山付き開口部と同軸状態になって少なくとも2本のねじを用いて銃器に固定されるよう銃器上に位置決めされ、銃器は、第1の端が長円状ダブテール形連結コンポーネントを受け入れるよう開きかつ第2の端が閉じられているほぞ穴形スロットを備えた底面を有する観察光学機器を有し、観察光学機器は、観察光学機器の一側部に設けられた締結領域をさらに有し、締結領域は、第1の固定用構造を有し、観察光学機器は、ダブテール形連結コンポーネントと摺動関係をなして係合し、銃器はさらに、第2の固定用構造を備えた締結要素を含み、第1の固定用構造と第2の固定用構造は、互いに対応していて締結領域への締結要素の固定を容易にしている。
【0012】
別の実施形態では、ダブテール形連結コンポーネントの少なくとも2つのねじ穴は、皿座ぐりされている。さらに別の実施形態では、締結領域は、深さを備えた異形溝であり、締結要素は、異形溝の深さにほぼ等しい厚さを有する。別の実施形態では、長円状ダブテール形連結コンポーネントの第1の端は、丸められている。さらにもう1つの実施形態では、第1および第2の固定用構造は各々、少なくとも1つのねじ穴を含み、締結領域および締結要素のそれぞれの少なくとも1つのねじ穴は、同軸である。もう1つの実施形態では、少なくとも1本のねじが第1および第2の固定用構造に係合する。もう1つの実施形態では、銃器は、拳銃およびピストルの中から選択される。別の実施形態では、観察光学機器は、MRDSであり、さらにまた、閉鎖型MRDSである。
【0013】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を開示するが、これらは、説明上の目的のためであるに過ぎない。本発明は、その用途が図示のコンポーネントの構成または配置の細部には限定されない。本発明は、他の実施形態で実現できまたは他の種々の仕方で実施できまたは実現される。同一の参照符号は、同一のコンポーネントを示すために用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】銃器の例示のアクセサリ取り付け構造体を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る例示のダブテール形連結コンポーネントを示す図である。
図3】本発明の実施形態に従って、図2のダブテール形連結コンポーネントを用いて銃器に固定された閉鎖型MRDSを示す図である。
図4】本発明の実施形態に従って、側部カバープレートが定位置にある図3の固定状態の閉鎖型MRDSを示す図である。
図5A】完全に固定された状態のMRDSの左側面図である。
図5B】完全に固定された状態のMRDSの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その用途が以下の説明に記載されまたは図面に示されたコンポーネントの構成および配置の細部には限定されない。本発明の技術は、他の実施形態で具体化できまたは種々の仕方で実施できまたは実行できる。また、理解されるべきこととして、本明細書で用いられている表現および用語は、説明の目的のためであり、本発明を限定するものと見なされるべきではない。
【0016】
今、添付の図面を参照して本明細書において開示する装置及び方法についてより完全に以下において説明する。しかしながら、本明細書において開示する装置及び方法は、多くの異なる形態で具体化できるので、本明細書に記載した実施形態に限定するものと解されてはならない。これとは異なり、これら実施形態は、本開示が徹底的でありかつ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるよう提供されている。
【0017】
当業者であれば理解されるように、1組の特徴及び/又は機能をスタンドアロン型観察光学機器、例えば兵器用サイト(照準器)、フロント取り付け型又はリア取り付け型クリップオン式兵器用サイト、及び現場で配備される光学兵器用サイトの他の構成との技術背景の中で容易に適合させることができる。さらに、当業者であれば理解されるように、特徴および機能の種々の組み合わせを、任意の変形例の既存の固定または可変観察光学機器をレトロフィットするためのアドオンモジュールに組み込むことができる。
【0018】
本開示での数値範囲は、近似であり、したがって、別途示さない限り範囲外の値を含むことができる。数値範囲は、いずれかの下限値といずれかの上限値の間に少なくとも2単位の分離幅が存在するという前提で下限値から上限値までのこれらの値を含む全ての値を1単位の増分で含む。一例として、組成上の特性、物理的特性または他の特性、例えば、分子量、メルトインデックス、温度などが100~1,000である場合、例えば100、101、102などのような全ての個々の値および例えば100~144、155~170、197~200などのような部分的な範囲を明示的に列挙するよう意図されている。1よりも小さい数または1よりも大きくて1未満の数を含む少数(例えば、1.1、1.5など)である値を含む範囲に関し、1単位は、適宜0.0001、0.001、0.01、または0.1であると考えられる。10よりも小さい1桁の数を含む範囲(例えば、1~5)では、1単位は、一般的に0.1であると考えられる。これらは、具体的に意図するものの例に過ぎず、列挙する最低値と最高値の間の数値の全ての可能な組合せを本発明の開示において明示的に記載していると考えられたい。本発明の開示の範囲内において、とりわけ各種方法において列挙される混合物中の成分の相対量、ならびに種々の温度および他のパラメータ範囲に関する数値範囲が提供される。
【0019】
本明細書では、図に示す1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を説明するのに記述のしやすさの目的で「下」、「下方」、「下側」、「上方」、および「上側」などのような空間相対性を表す用語を使用する場合がある。これらの空間相対性を表す用語は、使用時のデバイスの様々な向きまたは図に描く向き以外の向きを包含するように意図したものであることは認められるであろう。例えば、図のデバイスが反転された場合に、他の要素または特徴の「下方」または「下」にあると説明する要素は、これらの他の要素または特徴の「上方」に向けられることになる。したがって、「下方」という例示的な用語は、上方と下方の両方の向きを包含することができる。デバイスは、他に向けることができ(90°回転または他の向き)、本明細書に使用する空間対性記述子は、相応に解釈することができる。
【0020】
本明細書で用いられる「および/または」という表現は、関連の列挙した用語のうちの1つ以上の任意および全ての組み合わせを含む。例えば、「Aおよび/またはB」のような表現について使用する「および/または」という用語は、AとBの両方、AまたはB、A(のみ)、およびB(のみ)を含むように意図している。同様に、「A、B、および/またはC」のような表現に対して使用する「および/または」という用語は、AおよびBおよびC、AまたはBまたはC、AまたはC、AまたはB、BまたはC、AおよびC、AおよびB、BおよびC、A(のみ)、B(のみ)、ならびにC(のみ)を含むように意図している。
【0021】
要素または層が別の要素または層の「上」にあり、これに「接続され」、または「結合され」ると記載されている場合、当該要素または層は、他方の要素または層の上に直にあり、直接的に接続される、または直接的に結合される場合があることは理解されよう。変形例として、介在する要素または層が存在する場合がある。これとは対照的に、要素が別の要素または層の「上に直接」あり、これに「直接的に接続され」、または「直接的に結合され」ると記載されている場合、介在する要素または層は存在しない。
【0022】
本明細書で用いられる「銃器(firearm)」は、多くの場合に爆発力の作用によって推進される1つまたは2つ以上の飛翔体又は弾丸を発射する銃身付き兵器である携帯銃である。本明細書で用いられる「銃器」という用語は、拳銃、長銃、ライフル、散弾銃、カービン銃、自動兵器、半自動兵器、機関銃、軽機関銃、自動ライフル、および突撃ライフルを含む。
【0023】
図1は、例示の銃器10、例えば拳銃またはピストルの一部分を示しており、この一部分は、アクセサリ取り付け構造体15を含む。図示の特定の実施形態では、アクセサリ取り付け構造体15は、複数の突起16および少なくとも2つのねじ山付き開口部17を有する。図示の特定の実施形態では、突起16は、アクセサリを銃器10上に位置合わせするのを助け、ねじ山付き開口部17は、例えば、標準開放型MRDSを固定する際にねじと噛み合う。理解されるように、これは、銃器上に使用できるアクセサリ取り付け構造体の一例に過ぎない。銃器の他のブランドおよびモデルは、互いに異なる形式の固定用構造および/または固定用構造の互いに異なる構成を有する場合がある。しかしながら、アクセサリ取り付け構造体の1つの共通性は、ねじ山付き開口部17が設けられていることである。
【0024】
図2は、本発明の実施形態に係る例示のダブテール形連結コンポーネント100を示している。ダブテール形連結コンポーネント100は、滑らかな上面20、第1の端部22、および第2の端部23を有する全体として長方形(oblong)のものである。ダブテール形連結コンポーネント100の周囲25は、上面20が銃器10に接触する表面よりも幅が広く、かくしていわゆる「ダブテール状」輪郭を生じさせるよう角度をなして輪郭付けられている。
【0025】
図示の特定の実施形態では、第1の端部22は、丸形端部であり、第2の端部23は、扁平化端部である。図3に示すように、第1の端部22が丸形であることにより、ダブテール形連結コンポーネント100に滑らせたときに閉鎖型MRDS200の位置合わせが容易になる。しかしながら、他の実施形態では、端部22,23は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよく、しかも丸形であってもよく、扁平化されていてもよく、尖っていてもよく、またはMRDS200がダブテール形連結コンポーネント100上に滑ることができるようにする任意のかかる幾何学的形状のものであってよい。
【0026】
上面20は、銃器10のねじ山付き開口部17と整列しかつこれと同軸関係をなす2つのねじ穴27を有する。図示の実施形態では、ねじ穴27は、皿座ぐりされている。これにより、銃器10の既存の構造を用いてダブテール形連結コンポーネント100を、銃器10に固定することができ、ねじは、ダブテール形連結コンポーネント100上へのMRDS200の摺動に悪影響を及ぼさないよう、上面20と面一をなしまたはこれよりも低い。
【0027】
図3は、ダブテール形連結コンポーネント100を用いて銃器に固定された閉鎖型MRDS200を示している。閉鎖型MRDS200の底面30は、MRDS200がダブテール形連結コンポーネント100に摺動関係をなして結合することができ、しかも銃器10のアクセサリ取り付け構造体15に適合可能である多数のチャネルを有する。具体的に言えば、底面30は、ダブテール形連結コンポーネント100の輪郭に一致した輪郭を有するほぞ穴スロット37を有する。追加のチャネル36により、MRDS200を、突起16を避けて摺動させることができる。
【0028】
ほぞ穴スロット37およびチャネル36は、MRDSが矢印201の方向に動くことができるよう第1の端が開口し、かつ丸形端部22および/、または突起16のうちの一方がスロット37またはチャネル36の閉鎖端といったん合致すると、矢印201の方向におけるそれ以上の運動を止めるよう第2の端が閉じられている。
【0029】
理解されるように、チャネル36およびスロット37の特定の配置は、この特定の銃器10のアクセサリ取り付け構造体15の形態に特有である。チャネル36の設計および形態は、特に、MRDSが固定される銃器10に応じて様々であってよい。
【0030】
MRDSの遠くの(図示の向きで見て)側部またはチャネル36およびスロット37が開口している側部は、締結領域32である。図示の実施形態では、締結領域は、凹み部分または溝32であり、かかる凹み部分または溝は、チャネル36およびスロット37の各々が溝32に対して開口するようMRDSの側部の長さに沿って延びている。図示の実施形態では、締結領域32は、固定用構造33をさらに有する。一実施形態では、固定用構造は、少なくとも1つのねじ穴であり、または、図3に示す特定の実施形態では、2つのねじ穴である。別の実施形態では、他の固定用構造を設けることができ、かかる固定用構造としては、異形凹部、突起、スナップ嵌め構造、ボタン、タブ、およびこれら構造および他の構造の組み合わせが挙げられる。
【0031】
締結領域32は、締結要素40を固定するよう特別に設計されている。図4に示すように、締結要素40は、締結領域32と嵌合した状態でこれに固定されるような形状および幾何学的配置関係を有する。すなわち、図示の特定の実施形態では、締結要素40は、締結領域32と同一の全体的な形状を有するが、締結要素40が定位置への固定時にMRDS200の外側と面一をなして位置することができるようにするために寸法が締結領域32の寸法よりも少しだけ小さいプレートである。締結要素40は、MRDS200の固定用構造33に対応した固定用構造43を有する。したがって、図示の特定の実施形態では、固定用構造43は、締結領域32のねじ穴33と整列しかつこれらねじ穴と同軸関係をなす少なくとも1つのねじ穴であり、あるいは、図4に示すように、締結領域32のねじ穴33と整列しかつこれらねじ穴と同軸関係をなす2つのねじ穴を有する。しかしながら、別の実施形態では、他の固定用構造を設けることができ、ただし、かかる固定用構造が締結領域32の固定用構造33、例えば異形凹部、突起、スナップ嵌め構造、ボタン、タブ、ならびにこれら構造および他の構造の組み合わせと対応していることを条件とする。
【0032】
MRDS200を定位置に固定するため、固定用構造33,43を互いに整列させ、そして締結要素を締結領域32に固定する。図4図5Bに示す実施形態では、例えば、ねじを穴33/43に締め付け、それにより側部カバープレート40をMRDS200にクランプする。MRDS200は、かくして、図5Aおよび図5Bに十分に示すように、銃器10から滑り落ちないようになる。
【0033】
取り付けシステムをMRDSと関連して説明したが、本明細書において説明した取り付けシステムを用いて多様な他の観察光学機器を銃器、特に、小型銃器、例えばピストルまたは拳銃に固定することができる。本明細書で用いられる「観察光学機器」という用語は、標的を選択、識別、またはモニタするために射手または観的手によって使用される装置を指す。「観察光学機器」は、標的の目視観察、または例えば赤外線(IR)撮像、紫外(UV)撮像、レーダー撮像、熱撮像、マイクロ波撮像、または磁気撮像、X線、ガンマ線、同位元素放射線、および粒子放射線を含む放射線、暗視、超音波、音パルス、ソナー、地震振動、磁気共鳴を含む振動の感知器、重力感知器、電波を含むブロードキャスト周波数、テレビジョン感知器およびセルラー感知器、または標的の他の像に頼る場合がある。観察光学機器によって射手に提示される標的の像は、未修正とするかまたは例えば拡大、増幅、減算、重複、フィルタリング、安定化、テンプレート整合、または他の手段によって改善されたものとすることができる。観察光学機器によって選択、識別、またはモニタされる標的は、射手の視線の範囲にありまたは射手の視界に対して接線方向である場合があり、または射手の視線は、観察光学機器が標的の合焦またはピント合わせ標的像を提示している間に遮蔽される場合がある。観察光学機器によって捕捉される標的の像は、例えば、アナログまたはデジタルであり、また、例えばビデオ、物理的なケーブルまたはワイヤ、IR、電波、セルラー接続、レーザパルス、光、802.11b、または他の無線送信により、例えば、html、SML、SOAP、X.25、SNAのようなプロトコル、Bluetooth (登録商標)、シリアル、USB、または他の適切な像分散法を用いて1人以上の射手および観的手のネットワーク内で共有、格納、保存、または送信することができる。一実施形態では、観察光学機器は、MRDS、特に、閉鎖型MRDSである。
【0034】
取り付けシステムの種々の実施形態を詳細に説明したが、これら実施形態に対する改造例および変形例が可能であることは、明らかなはずであり、これら改造例および変形例の全ては、本発明の真の精神および範囲に属する。次に、上述の説明に関し、理解されるべきこととして、寸法、材料、形状、形態、機能、ならびに動作の仕方、組立の仕方、および使用の仕方における変形例を含む本発明の諸部分に関する最適な寸法上の関係は、当業者には容易に明らかでありかつ明白であると考えられ、図面に記載されるとともに本明細書において説明した実施形態に対するすべての均等な関係は、本発明に含まれるものである。したがって、上記内容は、本発明の原理の例示としてのみみなされる。さらに、多くの改造および変更が当業者には容易に想到されるので、本発明を図示するとともに説明した構成および作用そのものに限定することは望まれず、したがって、すべての適当な改造例および均等例は、本発明の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
【国際調査報告】