(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】ヘッドマウントディスプレイ用のヘッドクレードルならびに関連するシステムおよびデバイス
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506056
(86)(22)【出願日】2021-08-02
(85)【翻訳文提出日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 US2021044233
(87)【国際公開番号】W WO2022031627
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブス, ジョエル バーナード
(72)【発明者】
【氏名】ロイ, エンリック ヴァイアル
(57)【要約】
開示されたヘッドクレードルは、ユーザの頭部の後頭部に適合するように構成された可撓性部分と、ベース部分とを含んでよく、ベース部分が、ヘッドマウントディスプレイを支持するためのヘッドストラップにヘッドクレードルを固定するように構成された少なくとも1つの取付要素と、可撓性部分の第1の側に固定された第1の付勢要素と、可撓性部分の第2の反対の側に固定された第2の付勢要素とを備え、第1および第2の付勢要素が、ユーザの頭部に対して実質的に垂直な力がベース部分に加えられたときに、可撓性部分がユーザの頭部の後頭部に適合することを可能にするように構成される。様々な他のデバイス、方法、およびシステムも開示される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの頭部の後頭部に適合するように構成された可撓性部分と、
ベース部分と、を備えるヘッドクレードルであって、前記ベース部分が
ヘッドマウントディスプレイを支持するためのヘッドストラップに前記ヘッドクレードルを固定するように構成された少なくとも1つの取付要素と、
前記可撓性部分の第1の側に固定された第1の付勢要素と、
前記可撓性部分の第2の反対の側に固定された第2の付勢要素と
を備え、前記第1および第2の付勢要素が、前記ユーザの頭部に対して実質的に垂直な力が前記ベース部分に加えられたときに、前記可撓性部分が前記ユーザの頭部の前記後頭部に適合することを可能にするように構成される、ヘッドクレードル。
【請求項2】
前記可撓性部分の前記第1の側が、前記ヘッドクレードルが着用されたときに前記ユーザの頭部の第1の側面に近接して配置されるように位置付けられ、
前記可撓性部分の前記第2の反対の側が、前記ヘッドクレードルが着用されたときに前記第1の側面の反対側にある前記ユーザの頭部の第2の側面に近接して配置されるように位置付けられる、請求項1に記載のヘッドクレードル。
【請求項3】
前記第1の付勢要素が第1の板ばねを含み、
前記第2の付勢要素が第2の板ばねを含み、
好ましくは、前記第1の板ばねおよび前記第2の板ばねの各々が、約0.75インチと約1.5インチの間の幅を有する、請求項1または2に記載のヘッドクレードル。
【請求項4】
前記第1の板ばねが、前記ベース部分の少なくとも1つのスロットによって画定され、
前記第2の板ばねが、前記ベース部分の少なくとも1つの他のスロットによって画定され、
好ましくは、前記少なくとも1つのスロットおよび前記少なくとも1つの他のスロットの各々が、約1.0インチと約2.5インチの間の長さを有する、請求項3に記載のヘッドクレードル。
【請求項5】
前記ヘッドクレードルが可撓性熱可塑性ポリウレタン材料を含み、
好ましくは、前記ヘッドクレードルが、ループ形状を有する材料を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のヘッドクレードル。
【請求項6】
前記ベース部分が、前記ヘッドクレードルの前記可撓性部分の材料よりも高い剛性を有する材料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のヘッドクレードル。
【請求項7】
前記可撓性部分が、前記第1および第2の付勢要素のみによって前記ベース部分に固定される、請求項1~6のいずれか一項に記載のヘッドクレードル。
【請求項8】
前記可撓性部分が、
前記可撓性部分の前記第1の側に配置された第1のインサート成形金属材料と、
前記可撓性部分の前記第2の反対の側に配置された第2のインサート成形金属材料と
をさらに備え、
前記第1のインサート成形金属材料が、前記可撓性部分の前記第1の側を前記第1の付勢要素に結合するように構成され、
前記第2のインサート成形金属材料が、前記可撓性部分の前記第2の反対の側を前記第2の付勢要素に結合するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のヘッドクレードル。
【請求項9】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)用の調整可能バンドであって、
前記HMDがユーザによって着用されるときに前記ユーザの頭部の後頭部に適合するように構成された可撓性部分と、
ベース部分であって、
前記可撓性部分の第1の側に固定された第1の付勢要素と、
前記可撓性部分の第2の反対の側に固定された第2の付勢要素と、を備えるベース部分と、
前記ベース部分に固定され、張力調整ノブを含む張力付与装置と、
前記HMDの第1の側から前記張力付与装置の第1の側まで延在するように構成された第1のストラップと、
前記HMDの第2の反対の側から前記張力付与装置の第2の反対の側まで延在するように構成された第2のストラップと、を備え、
前記張力付与装置が、前記張力調整ノブの回転によって前記第1のストラップまたは前記第2のストラップの少なくとも一方の張力を調整するように構成され、
前記第1および第2の付勢要素が、前記張力が加えられたときに前記可撓性部分が前記ユーザの頭部の前記後頭部に適合することを可能にするように構成される、調整可能バンド。
【請求項10】
前記張力付与装置が、前記可撓性部分よりも高い剛性を有するハウジングをさらに備え、
好ましくは、前記張力付与装置の前記ハウジング内に配置されたバッテリをさらに備え、前記バッテリが、前記HMDに電力を供給するように構成される、請求項9に記載の調整可能バンド。
【請求項11】
前記可撓性部分が熱可塑性ポリマー材料を含み、
好ましくは、前記可撓性部分が、前記可撓性部分と前記張力付与装置との間に空隙を形成する位置で前記第1の付勢要素および前記第2の付勢要素によって支持される、請求項9または10に記載の調整可能バンド。
【請求項12】
前記HMDが右側アームおよび左側アームを備え、
前記第1のストラップが第1の締結具を備え、
前記第2のストラップが第2の締結具を備え、
前記第1の締結具が前記第1のストラップを前記HMDの前記右側アームに着脱可能に固定するように構成され、
前記第2の締結具が前記第2のストラップを前記HMDの前記左側アームに着脱可能に固定するように構成される、
請求項9~11のいずれか一項に記載の調整可能バンド。
【請求項13】
前記可撓性部分の上部から前記HMDの上部まで延在する上部ストラップをさらに備える、請求項9~12のいずれか一項に記載の調整可能バンド。
【請求項14】
前記HMDが、前記HMDのフェイシャルインターフェース、前記上部ストラップ、および前記可撓性部分のみを前記ユーザの頭部に当接させることによって、前記ユーザの頭部に支持されるように構成される、請求項13に記載の調整可能バンド。
【請求項15】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)用の着脱式バンドシステムであって、
前記HMDがユーザによって着用されるときに前記ユーザの頭部の後頭部に適合するように構成された可撓性部分と、
ベース部分であって、
前記可撓性部分の第1の側に固定された第1の付勢要素と、
前記可撓性部分の第2の反対の側に固定された第2の付勢要素と、を備えるベース部分と、
前記ベース部分に固定された張力付与装置と、
前記HMDの右側アームに第1のストラップを着脱可能に固定するように構成された第1の締結具と、
前記HMDの左側アームに第2のストラップを着脱可能に固定するように構成された第2の締結具と、を備え、
前記張力付与装置が、前記第1のストラップまたは前記第2のストラップの少なくとも一方の張力を調整するように構成され、
前記第1および第2の付勢要素が、前記張力が加えられたときに前記可撓性部分が前記ユーザの頭部の前記後頭部に適合することを可能にするように構成される、着脱式バンドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月4日に出願された「HEAD CRADLE FOR HEAD-MOUNTED DISPLAY AND RELATED SYSTEMS AND DEVICES」と題する米国仮特許出願第63/060,716号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、ヘッドマウントディスプレイシステムおよびデバイスに関し、そのようなデバイス用のヘッドクレードルを提供する際に、排他的ではないが特に有用性を見出す。
【背景技術】
【0003】
頭部装着型デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD))用の従来の調整可能バンドは、HMDをユーザの頭部に固定するときにユーザの(例えば、着用者の)頭部に適合するように調整可能バンドの後部に発泡体クッションを含み得る。しかしながら、発泡体クッションは、ユーザに望ましくない影響を及ぼす可能性がある。例えば、発泡体クッションは、ユーザの頭部に対して不均一に圧縮される場合があり、または発泡体クッションは、ユーザの頭部を支持するのに必要な形状を保持しない場合がある。従来の調整可能バンドの発泡体クッションは、ユーザに不快感(例えば、発汗)を与える可能性があるプラスチックまたはビニールのカバーで覆われている場合がある。さらに、従来の調整可能バンドは、調整可能バンドのストラップを締めたときにユーザに張力を快適に(例えば、均等に)分散させない場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第1の態様によれば、ヘッドクレードルが提供され、ヘッドクレードルは、ユーザの頭部の後頭部に適合するように構成された可撓性部分と、ベース部分であって、ベース部分が、ヘッドマウントディスプレイを支持するためのヘッドストラップにヘッドクレードルを固定するように構成された少なくとも1つの取付要素と、可撓性部分の第1の側に固定された第1の付勢要素と、可撓性部分の第2の反対の側に固定された第2の付勢要素とを備え、第1および第2の付勢要素は、ユーザの頭部に実質的に垂直な力がベース部分に加えられたときに、可撓性部分がユーザの頭部の後頭部に適合することを可能にするように構成される、ベース部分とを備える。
【0005】
可撓性部分の第1の側は、ヘッドクレードルが着用されたときにユーザの頭部の第1の側面に近接して配置されるように配置されてもよい。可撓性部分の第2の反対の側は、ヘッドクレードルが着用されたときにユーザの頭部の第1の側面の反対側にある第2の側面に近接して配置されるように配置されてもよい。
【0006】
第1の付勢要素は、第1の板ばねを備えてもよい。第2の付勢要素は、第2の板ばねを備えてもよい。
【0007】
第1の板ばねおよび第2の板ばねの各々は、約0.75インチ~約1.5インチの幅を有してもよい。0.75インチは19mmに相当し得、1.5インチは38mmに相当し得る。
【0008】
第1の板ばねは、ベース部分の少なくとも1つのスロットによって画定されてもよい。第2の板ばねは、ベース部分の少なくとも1つの他のスロットによって画定されてもよい。
【0009】
少なくとも1つのスロットおよび少なくとも1つの他のスロットの各々は、約1.0インチ~約2.5インチの長さを有してもよい。1.0インチは25mmに相当し得、2.5インチは64mmに相当し得る。
【0010】
ヘッドクレードルは、可撓性熱可塑性ポリウレタン材料を含み得る。
【0011】
ヘッドクレードルは、ループ形状を有する材料を含み得る。
【0012】
ベース部分は、ヘッドクレードルの可撓性部分の材料よりも高い剛性を有する材料を含んでもよい。
【0013】
可撓性部分は、第1および第2の付勢要素のみによってベース部分に固定されてもよい。
【0014】
可撓性部分は、可撓性部分の第1の側に配置された第1のインサート成形金属材料と、可撓性部分の第2の反対の側に配置された第2のインサート成形金属材料とをさらに備えてもよい。第1のインサート成形金属材料は、可撓性部分の第1の側を第1の付勢要素に結合するように構成されてもよい。第2のインサート成形金属材料は、可撓性部分の第2の反対の側を第2の付勢要素に結合するように構成されてもよい。
【0015】
本開示の第2の態様によれば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)用の調整可能バンドが提供され、調整可能バンドは、HMDがユーザによって着用されるときにユーザの頭部の後頭部に適合するように構成された可撓性部分と、可撓性部分の第1の側に固定された第1の付勢要素および可撓性部分の第2の反対の側に固定された第2の付勢要素を備えるベース部分と、ベース部分に固定され、張力調整ノブを備える張力付与装置と、HMDの第1の側から張力付与装置の第1の側まで延在するように構成された第1のストラップと、HMDの第2の反対の側から張力付与装置の第2の反対の側まで延在するように構成された第2のストラップとを備え、張力付与装置は、張力調整ノブの回転によって第1のストラップまたは第2のストラップの少なくとも一方の張力を調整するように構成され、第1および第2の付勢要素は、張力が加えられたときに可撓性部分がユーザの頭部の後頭部に適合することを可能にするように構成される。
【0016】
張力付与装置は、可撓性部分よりも高い剛性を有するハウジングをさらに備えてもよい。
【0017】
調整可能バンドは、張力付与装置のハウジング内に配置されたバッテリをさらに備えてもよい。バッテリは、HMDに電力を供給するように構成されてもよい。
【0018】
可撓性部分は、熱可塑性ポリマー材料を含んでもよい。
【0019】
可撓性部分は、可撓性部分と張力付与装置との間に空隙を形成する位置で第1の付勢要素および第2の付勢要素によって支持されてもよい。
【0020】
HMDは、右側アームおよび左側アームを備え得る。第1のストラップは、第1の締結具を備えてもよい。第2のストラップは、第2の締結具を備えてもよい。第1の締結具は、第1のストラップをHMDの右側アームに着脱可能に固定するように構成されてもよい。第2の締結具は、第2のストラップをHMDの左側アームに着脱可能に固定するように構成されてもよい。
【0021】
調整可能バンドは、可撓性部分の上部からHMDの上部まで延在する上部ストラップをさらに備えてもよい。
【0022】
HMDは、HMDのフェイシャルインターフェース、上部ストラップ、および可撓性部分のみをユーザの頭部に当接させることによって、ユーザの頭部に支持されるように構成されてもよい。
【0023】
本開示の第3の態様によれば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)用の着脱式バンドシステムが提供され、着脱式バンドシステムは、HMDがユーザによって着用されるときにユーザの頭部の後頭部に適合するように構成される可撓性部分と、可撓性部分の第1の側に固定された第1の付勢要素および可撓性部分の第2の反対の側に固定された第2の付勢要素を備えるベース部分と、ベース部分に固定された張力付与装置と、HMDの右側アームに第1のストラップを着脱可能に固定するように構成された第1の締結具と、HMDの左側アームに第2のストラップを着脱可能に固定するように構成された第2の締結具とを備え、張力付与装置は、第1のストラップまたは第2のストラップの少なくとも一方の張力を調整するように構成され、第1および第2の付勢要素は、張力が加えられたときに可撓性部分がユーザの頭部の後頭部に適合することを可能にするように構成される。
【0024】
添付の図面は、いくつかの例を示し、本明細書の一部である。以下の説明と共に、これらの図面は、本開示の様々な原理を実証し説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】ヘッドマウントディスプレイ用の調整可能バンドの斜視図である。
【
図2】ヘッドマウントディスプレイ用の調整可能バンドの平面図である。
【
図3】ヘッドマウントディスプレイ用の調整可能バンドの背面図である。
【
図4】調整可能バンド用のヘッドクレードルの斜視図である。
【
図5A】ヘッドクレードルの例示的なベース部分の部分図である。
【
図5B】ヘッドクレードルの例示的な伸縮式ベース部分の部分図である。
【
図6】ヘッドマウントディスプレイに取り付けられた調整可能バンドの側面図である。
【
図7A】ヘッドクレードルの可撓性部分をヘッドクレードルのベース部分に取り付けるために使用され得る様々なヒンジ機構を示す図である。
【
図7B】ヘッドクレードルの可撓性部分をヘッドクレードルのベース部分に取り付けるために使用され得る様々なヒンジ機構を示す図である。
【
図7C】ヘッドクレードルの可撓性部分をヘッドクレードルのベース部分に取り付けるために使用され得る様々なヒンジ機構を示す図である。
【
図7D】ヘッドクレードルの可撓性部分をヘッドクレードルのベース部分に取り付けるために使用され得る様々なヒンジ機構を示す図である。
【
図8】本開示の他の態様に関連して使用され得る例示的な拡張現実メガネの図である。
【
図9】本開示の他の態様に関連して使用され得る例示的な仮想現実ヘッドセットの図である。
【
図10】本開示の他の態様に関連して使用され得る例示的な触覚デバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面を通して、同一の参照符号および説明は、類似しているが必ずしも同一ではない要素を示す。本明細書に記載の例は、様々な修正および代替形態の影響を受けやすいが、特定の例が図面に例として示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本明細書に記載される例は、開示される特定の形態に限定されることを意図しない。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲内に入るすべての修正形態、均等物、および代替形態を包含する。
【0027】
本開示のいくつかの例は、ストラップが締め付けられたときに調整可能バンドがユーザの頭部の形状に適合することを可能にするなど、従来の調整可能バンドシステムを超える利点を提供し得る。本開示の例は、調整可能バンドシステム用のヘッドクレードルに関する。本開示の例は、調整可能バンドシステム上の調整ノブの位置をユーザが調整して、HMDを着用するときにユーザに適切な張力を設定することを可能にすることができる。張力下では、調整可能バンド上のヘッドクレードルは、ユーザの頭部の後部(例えば、後頭部)に適合することができる。本開示の例は、ユーザの頭部に接触する可撓性部分の表面にわたって張力を分散させるヘッドクレードルの可撓性部分に基づいて、ヘッドクレードルがユーザの頭部に適合することを可能にする。ヘッドクレードルのベース部分の付勢要素(例えば、板ばね)は、加えられた張力下で撓み、可撓性部分を支持することができる。ヘッドクレードルは、調整可能バンドシステムに取り付けられたHMDを着用するときに、ユーザに快適なフィット感を提供することができる。ヘッドクレードルによって提供される快適なフィット感は、ユーザが不快感なしに長期間にわたってHMDおよび調整可能バンドを装着することを可能にすることができる。
【0028】
以下、
図1~
図11を参照して、関連するデバイスおよびシステムを含むHMD用のヘッドクレードルの詳細な説明を提供する。ヘッドクレードルを含む調整可能バンドの説明は、
図1~
図3を参照して提示される。ヘッドクレードルを調整可能バンドに固定するための取付要素の説明は、
図4を参照して提示される。
図5Aは、ヘッドクレードル用の付勢要素の詳細を示す。
図5Bは、ヘッドクレードル用の伸縮式付勢要素の詳細を示す。
図6は、着脱可能で調整可能なバンドおよびヘッドクレードルを有するHMDを示す。
図7~
図11は、HMD用のヘッドクレードルと共に使用され得る様々な種類の例示的な人工現実デバイスを示す。
【0029】
図1は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)用の調整可能バンド100の斜視図である。調整可能バンド100は、ユーザが調整可能バンド100を着用したときにユーザの頭部に適合するヘッドクレードル109を含むことができる。ヘッドクレードル109は、ユーザの頭部と調整可能バンド100との間に快適で安全なインターフェースを提供することができる。ヘッドクレードル109は、HMDに取り付けられた調整可能バンド100を長期間にわたって装着することに関連し得るユーザの快適さを高めることができる。ヘッドクレードル109は、ユーザの頭部の後部(例えば、後頭部)に接触するように配置および成形することができる可撓性部分108を含むことができる。可撓性部分108は、可撓性部分108がユーザの頭部の後頭部に適合することを可能にする弾性率を有する材料を含むことができる。可撓性部分108に含まれる材料の例には、熱可塑性ポリウレタン(TPU)材料、二液発泡フォーム、シリコーン、ポリマー、天然ゴム、樹脂、PVC、シルフレックス、ラテックス、ウレタン、エラストマー、および結晶シリコーンが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの例では、可撓性部分108は、射出成形TPU材料を含むことができる。可撓性部分108の材料は、抗菌特性および/または低アレルギー性特性を示し得る。
【0030】
ヘッドクレードル109は、ヘッドクレードル109を張力付与装置112に固定するベース部分118を含むことができる。
図4を参照して以下で詳細に説明するように、ベース部分118は、張力付与装置112に固定されるベース部分118内の取付要素(例えば、突起、タブなど)によって、張力付与装置112に固定されてもよい。いくつかの例では、可撓性部分108は、剛性インサート107のみを使用してベース部分118に固定されてもよい。剛性インサート107は、可撓性部分108に埋め込まれた剛性材料(例えば、アルミニウム、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、金属、鋼など)を含むことができる。剛性インサート107は、可撓性部分108の製造プロセス中に可撓性部分108に埋め込まれてもよい。例えば、TPU材料を金型に注入する前に、剛性インサート107を金型に挿入することができる。TPUが硬化した後、剛性インサート107を可撓性部分108の両側にしっかりと埋め込むことができる。剛性インサート107は、ねじ穴およびリブ付き部分を含むことができる。可撓性部分108をベース部分118に固定するために、締結具(例えば、ねじ)をベース部分118の穴を通してねじ穴に挿入することができる。追加的または代替的に、剛性インサート107のリブ付き部分は、剛性インサート107のリブ付き部分とベース部分118との間に接着剤(例えば、糊)を塗布することによってベース部分118に固定されてもよい。剛性インサート107のリブ付き部分にリブが存在すると、平面構成と比較して剛性インサート107の表面積が増加し、剛性インサート107と可撓性部分108の材料との間の接着性を向上させることができる。
【0031】
調整可能バンド100は、HMDに取り付ける/HMDから取り外すように構成され得る。調整可能バンド100は、HMD(例えば、
図6のHMD640、
図8の前部剛体802、または
図10のHMD1002)に取り付け、固定、接続、または他の方法で結合され得る右側アーム106を含むことができる。いくつかの例では、スナップピースアセンブリ104は右側アーム106に接続され、調整可能バンド100の端部をHMDに接続するように構成されてもよい。同様に、調整可能バンド100は、HMD(例えば、
図6のHMD640、
図8の前部剛体802、または
図10のHMD1002)に取り付け、固定、接続、または他の方法で結合され得る左側アーム114を含むことができる。いくつかの例では、スナップピースアセンブリ116は左側アーム114に接続され、調整可能バンド100の端部をHMDに接続するように構成されてもよい。
【0032】
いくつかの例では、可撓性部分108は、力がベース部分118に加えられたときにユーザの頭部の後部に適合することができる。例えば、ユーザの頭部に対して実質的に垂直であり、ユーザの頭部の後方に向かう方向の力が、張力付与装置112によって加えられてもよい。ユーザは、HMDに取り付けられた調整可能バンド100を着用することができる。ユーザは、調整ノブ110の位置を調整(例えば、回転、摺動など)することによって、調整可能バンド100の張力を調整することができる。調整可能バンド100の張力の増加は、可撓性部分108と可撓性部分108に接触するユーザの頭部の後部との間の力を増加させることができる。可撓性部分108は、ユーザの頭部の後部の形状に適合し、ユーザの頭部の後部に接触する可撓性部分108の内面にわたって実質的に均一に力を分散させることができる。可撓性部分108の表面にわたる力の均一な分散は、ユーザにとって調整可能バンド100の快適な適合をもたらすことができる。
【0033】
図2は、HMD用の調整可能バンド200の平面図である。調整可能バンド200は、HMDに取り付けられた調整可能バンド200をユーザが着用したときにユーザの頭部に適合するヘッドクレードル209を含むことができる。ヘッドクレードル209は、ユーザの頭部と調整可能バンド200との間に快適で安全なインターフェースを提供することができる。ヘッドクレードル209は、調整可能バンド200がユーザによって装着されたときにユーザの頭部の後部(例えば、後頭部)に接触する可撓性部分208を含むことができる。可撓性部分208は、可撓性部分208がユーザの頭部の後頭部に適合することを可能にする弾性率を有する材料を含むことができる。可撓性部分208に使用される材料は、0.01GPa未満、約0.01~0.1GPa、約0.1~1GPa、または約1~5GPaの範囲の弾性率を有することができる。いくつかの例では、可撓性部分208は、熱可塑性エラストマー(例えばTPU)材料を含んでもよい。可撓性部分208は、限定はしないが、射出成形、3D印刷、鋳造、真空成形、または熱成形を含む様々な方法のいずれを使用して製造されてもよい。いくつかの例では、可撓性部分208は、可撓性部分208の表面に施された仕上げ(例えば、エラストマー塗料、塗料など)を有してもよい。
【0034】
ヘッドクレードル209は、ヘッドクレードル209を張力付与装置212に固定するベース部分218を含むことができる。
図4を参照して以下で詳細に説明するように、ベース部分218は、取付要素(例えば、突起、タブなど)によって、張力付与装置212に固定されてもよい。いくつかの例では、可撓性部分208は、剛性インサート107のみを使用してベース部分218に固定されてもよい。剛性インサート207は、可撓性部分208に埋め込まれた剛性材料(例えば、アルミニウム、ABS、金属、鋼など)を含むことができる。剛性インサート207は、ベース部分218の付勢要素220,221に固定されてもよい。剛性インサート207は、ねじ穴およびリブ付き部分を含むことができる。可撓性部分208をベース部分218の付勢要素220,221に固定するために、締結具(例えば、ねじ)を付勢要素220,221の孔を通してねじ穴に挿入することができる。追加的または代替的に、剛性インサート207のリブ付き部分は、剛性インサート107のリブ付き部分と付勢要素220,221との間に接着剤(例えば、糊)を塗布することによって、ベース部分218の付勢要素220,221に固定されてもよい。
【0035】
図1を参照して説明したように、調整可能バンド200は、HMDに取り付ける/HMDから取り外すように構成され得る。調整可能バンド200は、スナップピースアセンブリ204およびスナップピースアセンブリ216を介してHMD(例えば、
図6のHMD640、
図8の前部剛体802、
図10のHMD1002)に取り付け、固定、接続、または他の方法で結合され得る右側アーム206および左側アーム214を含むことができる。
【0036】
ベース部分218は、左側(
図2の視点から見た場合)付勢要素220および右側(
図2の視点から見た場合)付勢要素221を含むことができる。左側付勢要素220および右側付勢要素221は、張力付与装置212によって張力が加えられていないとき(例えば、可撓性部分208に力が加えられていないとき)、可撓性部分208を静止(例えば、ニュートラル)位置に付勢することができる。HMDに取り付けられた調整可能バンド200をユーザが着用し、右側アーム206および/または左側アーム214に張力が加えられると(例えば、調整ノブ210の位置を調整(例えば、回転、摺動など)することによって加えられる張力)、可撓性部分208に対するユーザの後頭部の力により、左側付勢要素220および/または右側付勢要素221は撓むおよび/または移動することができる。左側付勢要素220は、
図2の矢印213によって示される方向に実質的に平行な方向に撓むことができる。右側付勢要素221は、矢印215によって示される方向に実質的に平行な方向に撓むことができる。
【0037】
いくつかの例では、空隙219は、可撓性部分208と張力付与装置212との間に形成されてもよい。左側付勢要素220および右側付勢要素221は、空隙219によって提供される空間内で撓むことができる。いくつかの例では、左側付勢要素220および右側付勢要素221は、板ばね、1/4楕円ばね、単純な梁ばね、片持ちばね、プレートスプリング、ねじりばね、圧縮ばね、渦巻きばね、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、左側付勢要素220および右側付勢要素221は、板ばね(例えば、片持ちばね)を含んでもよく、板ばねは、一端がベース部分218に固定され、可撓性部分208に取り付けられた反対側の端部に移動可能である。
図5Aを参照して詳細に説明するように、左側付勢要素220および右側付勢要素221は、力が可撓性部分208に加えられたときに左側付勢要素220および右側付勢要素221が撓む(例えば、曲がる)ことを可能にする寸法および材料を含むことができる。左側付勢要素220および右側付勢要素221の撓みは、可撓性部分208の表面にわたって実質的に均一な力の分布を生成することができる。ユーザの頭部の後部に対する可撓性部分208の表面にわたる力の実質的に均一な分布は、ユーザにとって調整可能バンド200の快適なフィット感を作り出すことができる。
【0038】
図3は、HMD用の調整可能バンド300の背面図である。調整可能バンド300は、HMDに取り付けられた調整可能バンド300をユーザが着用したときにユーザの頭部に適合するヘッドクレードル309を含むことができる。ヘッドクレードル309は、ユーザの頭部と調整可能バンド300との間に快適で安全なインターフェースを提供することができる。ヘッドクレードル309は、ユーザの頭部の後部(例えば、後頭部)に接触する可撓性部分308を含むことができる。可撓性部分308は、可撓性部分308がユーザの頭部の後頭部に適合することを可能にする弾性率を有する材料を含むことができる。いくつかの例では、可撓性部分308は、TPU材料を含むことができる。
図3に示すように、可撓性部分308は、ユーザの頭部の後頭部を実質的に取り囲むループ形状を含むことができる。ループ形状は、ユーザの頭部の後頭部に接触して快適なフィット感を提供する表面積を提供するように構成され得る。
【0039】
ヘッドクレードル309は、ヘッドクレードル309を張力付与装置312に固定するベース部分318を含むことができる。ベース部分318は、板ばねの形態の左側付勢要素315および右側付勢要素316を含むことができる。張力付与装置312は、調整ノブ310を含むことができる。調整ノブ310の回転により、張力付与装置312内の長さ調整機構(例えば、
図3に示されていないラックアンドピニオン機構)が左ストラップ314および/または右ストラップ306の長さを増加および/または減少させることができる。調整ノブ310に接続されたピニオンギアは、ピニオンギアの回転が第1のラックおよび第2のラックの横運動を引き起こすように、第1のラックおよび第2のラックのギア歯に係合する(例えば、噛み合う)ように構成および配置されてもよい。例えば、調整ノブ310が係合方向に回転すると、左ストラップ314および/または右ストラップ306の長さを減少させることによって左ストラップ314および/または右ストラップ306の張力を増加させる方向に第1のラックおよび第2のラックが移動するように、ピニオンギアは反時計回り方向(
図3の視点から見た場合)に回転することができる。同様に、調整ノブ310が係合解除方向に回転すると、ピニオンギアは、ピニオンギアの回転が第1のラックおよび第2のラックの横運動を引き起こすように時計回り方向(
図3の視点から見た場合)に回転することができる。いくつかの例では、調整ノブ310が係合方向に回転すると、左ストラップ314および/または右ストラップ306の長さを減少させることによって左ストラップ314および/または右ストラップ306の張力を増加させる方向に第1のラックおよび第2のラックが移動するように、ピニオンギアは時計回り方向(
図3の視点から見た場合)に回転することができる。同様に、調整ノブ310が係合解除方向に回転すると、ピニオンギアは、ピニオンギアの回転が第1のラックおよび第2のラックの横運動を引き起こすように反時計回り方向(
図3の視点から見た場合)に回転することができる。第1のラックおよび第2のラックのこの係合解除動作は、左ストラップ314および/または右ストラップ306の長さを増加させることによって調整可能バンド300の張力の減少を引き起こし得る。
【0040】
いくつかの例では、調整可能バンド300は、上側ストラップ320を含むことができる。上側ストラップ320の一部が
図3に示されている。
図6を参照して詳細に説明するように、上側ストラップ320は、可撓性部分308の上側領域に固定され、HMDの上側部分まで延在してもよい。追加的または代替的に、上側ストラップ320は、張力付与装置312の上側領域に固定され、HMDの上側まで延在してもよい。上側ストラップ320は、ユーザの頭部の中央部分にわたって延在し、ユーザによって装着されたときに調整可能バンド300およびHMDをさらに支持することができる。いくつかの例では、HMDは、上側ストラップ320がHMDおよび調整可能バンド300を支持する必要がないような軽量設計のものであってもよい。この場合、HMDは、調整可能バンド300およびHMDのフェイシャルインターフェース(例えば、
図6のフェイシャル・インターフェース・クッション642)によって支持されてもよい。
【0041】
図4は、ベース部分418と可撓性部分408とを備えるヘッドクレードル409の斜視図である。
図1~
図3を参照して上述したように、ヘッドクレードル409は、ヘッドクレードル409を張力付与装置に固定するベース部分418と、ユーザの頭部の後頭部に適合する可撓性部分408とを含むことができる。ヘッドクレードル409は、取付要素424によってストラップ張力付与装置に固定されてもよい。ヘッドクレードル409は、任意の数の取付要素424を含むことができる。取付要素424は、任意の種類の剛性材料を含むことができる。取付要素424は、ベース部分418と同じ種類の材料を含むことができる。例えば、取付要素424および/またはベース部分418は、ABS、抗菌性アクリロニトリルスチレンアクリルエステル、カーボンニュートラルバイオプラスチック、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、プレキシグラス、スチレンエチレンブタジエンスチレン、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な材料で作られてもよい。
【0042】
ヘッドクレードル409は、締まり嵌めを使用して取付要素424によって張力付与装置に固定されてもよい。締まり嵌めは、ヘッドクレードル409と張力付与装置との間の締結方法であってもよく、これは、ヘッドクレードル409が張力付与装置の溝、チャネル、ソケット、凹部、スロットおよび/または他の収容機構に挿入された後に摩擦によって達成される。取付要素424は、取付要素424を受け入れる張力付与装置の係合インターフェースよりも可撓性、柔軟性、変形可能、および/または弾性があり、取付要素424を張力付与装置の係合インターフェースに挿入することを可能にする。いくつかの例では、張力付与装置の係合インターフェースは、取付要素424が張力付与装置に挿入され、張力付与装置内に物理的に固定されたままであることを可能にする剛性要素を含むことができる。締まり嵌めの締め具合は、干渉量または許容量によって制御することができる。許容量は、嵌合の強度を決定することができる。許容量は、張力付与装置の係合インターフェースが取付要素424よりも大きい寸法であってもよい。許容量の寸法は、約1マイクロメートルより大きくてもよく、約10マイクロメートルより大きくてもよく、約100マイクロメートルより大きくてもよく、または約1ミリメートルより大きくてもよい。いくつかの例では、取付要素424は、限定はしないが、スナップリベット、ロックタブ、プッシュリベット、ロックピン、矢状締結具、かかり締結具、リブ付き締結具、ばねスナップ、Tスロット、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0043】
いくつかの例では、可撓性部分408は、剛性インサート407を使用してベース部分418に固定されてもよい。剛性インサート407は、可撓性部分408に埋め込まれた剛性材料(例えば、アルミニウム、ABS、金属、鋼など)を含むことができる。剛性インサート407は、可撓性部分408の製造プロセス中に可撓性部分408に埋め込まれてもよい。例えば、TPU材料を金型に注入する前に、剛性インサート407を金型に挿入することができる。TPUが硬化した後、
図4に示すように剛性インサート407を可撓性部分408の両側にしっかりと埋め込むことができる。剛性インサート407は、任意の種類の締結具を使用してベース部分418に固定することができる。例えば、剛性インサート407は、ねじ穴およびリブ付き部分を含むことができる。ベース部分418は、付勢要素428の両側のスロット426によって画定された付勢要素428(例えば、板ばね)を含むことができる。締結具(例えば、ねじ)を、付勢要素428の穴を通して剛性インサート407のねじ穴に挿入して、可撓性部分408をベース部分418に固定することができる。追加的または代替的に、剛性インサート407のリブ付き部分は、剛性インサート407のリブ付き部分と付勢要素428との間に接着剤(例えば、糊)を塗布することによってベース部分418に固定されてもよい。
【0044】
ベース部分418は、少なくとも1つの物理的特性の第1の程度を有し得る。少なくとも1つの物理的特性は、剛性、弾性、可撓性、または変形性のうちの少なくとも1つを含み得る。可撓性部分408は、ベース部分418の第1の程度とは異なる、剛性、弾性、可撓性または変形性の少なくとも1つの物理的特性の第2の程度を有してもよい。例えば、ベース部分418は、付勢要素428が、加えられた力の下で撓み、力が取り除かれたときに静止状態(例えば、加えられた力の前の初期位置)に戻ることを可能にする剛性の程度を有することができる。可撓性部分408は、可撓性部分408がユーザの頭部の後頭部の形状に快適に適合することを可能にする剛性の程度を有することができる。付勢要素428の剛性の程度は、可撓性部分408の剛性の程度よりも大きくてもよい。
【0045】
図5Aは、ヘッドクレードルの例示的なベース部分518の部分図である。
図5Aは、ベース部分518の一方の側方に配置され得る一方の付勢要素528を示す。付勢要素528は、付勢要素528の両側に配置されたスロット526によって画定されてもよい。追加の例では、スロット526は省略されてもよく、付勢要素528はベース部分518の突出端部であってもよい。付勢要素528は、可撓性部分の剛性インサート(例えば、剛性インサート107,207、または407)のねじ穴に孔530を通って延びる締結具(例えば、ねじ)によって、ヘッドクレードルの可撓性部分(例えば、可撓性部分108,208,308、または408)に固定されてもよい。
【0046】
付勢要素528は、可撓性部分(例えば、可撓性部分108,208,308、または408)を含む調整可能バンドを着用するときにユーザにとって快適なフィット感を作り出すレベルの可撓性を提供する材料および/または寸法を含むことができる。例えば、付勢要素528は、幅538を含むことができる。幅538は、約0.75インチ~約1.5インチであってもよい。付勢要素528は、長さ536を含むことができる。長さ536は、約1.0インチ~約2.5インチであってもよい。付勢要素528は、固定端527に固定された片持ち梁(例えば、板ばね)として機能することができる。付勢要素528が加えられた力(例えば、サイドストラップの張力付与)によって撓むと、固定端527の周りにモーメントが発生し、付勢要素528に湾曲が生じる可能性がある。付勢要素528は、加えられた力および長さ536に関連する(例えば、比例する)量だけ湾曲(例えば、偏向)してもよい。ユーザが調整可能バンドを着用し、可撓性部分に張力を加えると、付勢要素528は、可撓性部分がユーザの頭部の後頭領域に適合して快適なフィット感を作り出すように湾曲(例えば、偏向)することができる。
【0047】
図5Bは、ヘッドクレードルの例示的な伸縮式ベース部分518の部分図である。
図5Bは、ベース部分518の一方の側方に配置され得る一方の付勢要素529を示す。付勢要素529は、付勢要素529および伸縮要素540(1)...540(n)の両側に配置されたスロット526によって画定されてもよい。付勢要素529は、可撓性部分の剛性インサート(例えば、剛性インサート107,207、または407)のねじ穴に孔530を通って延びる締結具(例えば、ねじ)によって、ヘッドクレードルの可撓性部分(例えば、可撓性部分108,208,308、または408)に固定されてもよい。
【0048】
付勢要素529は、可撓性部分(例えば、可撓性部分108,208,308、または408)を含む調整可能バンドを着用するときにユーザにとって快適なフィット感を作り出すレベルの可撓性を提供する材料および/または寸法を含むことができる。例えば、付勢要素529は、幅538を含むことができる。幅538は、約0.75インチ~約1.5インチであってもよい。付勢要素529は、長さ536を含むことができる。長さ536は、付勢要素529が完全に伸長したときに約1.0インチ~約2.5インチであってもよい。付勢要素529は、伸縮要素540(1)...540(n)を含むことができる。伸縮要素540(1)...540(n)の各々は、長さ536が完全に伸長した位置から完全に収縮した位置まで変化することを可能にするために、隣接する伸縮要素内に収縮することができる。例えば、伸縮要素540(1)は、隣接する伸縮要素540(2)内に収縮することができ、伸縮要素540(2)は、隣接する伸縮要素540(n)内に収縮することができる。付勢要素529は、付勢要素529を完全に伸長した位置まで延ばすばね(例えば、圧縮ばね、プレートスプリング、ねじりばねなど)を含むことができる。付勢要素529は、加えられた力(例えば、サイドストラップの張力付与)によって伸縮要素540(1)...540(n)を圧縮することができる(例えば、長さ536の短縮)。付勢要素529は、加えられた力が取り除かれたときに伸長してもよい(例えば、長さ536の延長)。付勢要素529内のばねの復元力は、伸縮要素540(1)...540(n)を完全に伸長した位置に戻すことができる。ユーザが調整可能バンドを着用し、可撓性部分に張力を加えると、付勢要素529の伸縮要素540(1)...540(n)は、可撓性部分がユーザの頭部の後頭部に適合して快適なフィット感を作り出すように圧縮することができる。いくつかの例では、ベース部分518は、付勢要素528の撓み運動および付勢要素529の伸縮運動の両方を含むことができる。
【0049】
図6は、HMD640に取り付けられた調整可能バンド600の斜視側面図である。HMD640は、フェイシャル・インターフェース・クッション642および上側ストラップ620を含むことができる。調整可能バンド600は、HMD640に取り付ける/HMD640から取り外すように構成され得る。調整可能バンド600は、HMD640に取り付け、固定、接続、または他の方法で結合され得る右ストラップ606を含み得る。いくつかの例では、スナップピースアセンブリ604は、調整可能バンド600の端部をHMD640に接続する右ストラップ606に接続されてもよい。同様に、調整可能バンド600は、HMD640に取り付け、固定、接続、または他の方法で結合され得る左ストラップ614を含み得る。いくつかの例では、スナップピースアセンブリ616は、調整可能バンド600の端部をHMD640に接続する左ストラップ614に接続されてもよい。
【0050】
上述したように、締結具は、調整可能バンド600のHMD640への着脱可能な接続を提供することができる。例えば、
図1、
図6、および
図8を参照すると、スナップピースアセンブリ616およびスナップピースアセンブリ604は、調整可能バンド600のHMD640への着脱可能な接続を提供することができる。調整可能バンド600のHMD640への着脱可能な接続を提供する能力は、HMD640上の異なる調整可能バンドの交換および/または取り替えを可能にすることができる。
【0051】
HMD640は、HMD640がユーザの視野を覆い、フェイシャル・インターフェース・クッション642がユーザの顔の領域(例えば、額)に快適に当接するように、HMD640をユーザの頭部に配置することによってユーザによって装着されてもよい。このようにしてユーザによって装着されると、右ストラップ606および左ストラップ614がHMD640から後方に延在した状態で、調整可能バンド600は、ヘッドクレードル609の可撓性部分608がユーザの頭部の後頭部に快適に当接するように、ユーザの頭部に配置され得る。上側ストラップ620によって追加の支持が提供されてもよい。
【0052】
いくつかの例では、可撓性部分608は、力がベース部分618に加えられたときにユーザの頭部の後頭部に適合することができる。例えば、ユーザの頭部の表面に対して実質的に垂直であり、ユーザの頭部の後方に向かう方向の力が、張力付与装置612によって加えられてもよい。ユーザは、スナップピースアセンブリ616およびスナップピースアセンブリ604によってHMD640に取り付けられた調整可能バンド600を着用することができる。ユーザは、調整ノブ610の位置を調整(例えば、回転、摺動など)することによって、調整可能バンド600の張力を調整することができる。調整可能ストラップ600の張力の増加は、可撓性部分608と可撓性部分608に接触するユーザの頭部の後部との間に力を生じさせることができる。可撓性部分608は、ユーザの頭部の後部の形状に適合し、ユーザの頭部の後部に接触する可撓性部分608の表面にわたって実質的に均一に力を分散させることができる。調整可能ストラップ600に張力がかけられると、可撓性部分608は付勢要素628に力を加えることができる。付勢要素628が加えられた力(例えば、右ストラップ606および左ストラップ614の張力付与)によって撓むと、付勢要素628の固定端(例えば、ベース部分618に固定される)の周りにモーメントが生成され、付勢要素628に湾曲が生じる。付勢要素628は、加えられた力に関連する量だけ湾曲(例えば、偏向)することができる。ユーザが調整可能バンド600を着用し、可撓性部分に張力を加えると、付勢要素628は、可撓性部分608がユーザの頭部の後頭領域に適合して快適なフィット感を作り出すように湾曲(例えば、偏向)することができる。
【0053】
いくつかの例では、張力付与装置612のハウジングは、バッテリ644(例えば、充電式バッテリ)を支持することができる。バッテリ644は、HMD640に電力(例えば、補助電力)を供給してもよい。例えば、バッテリ644からの電力は、バッテリケーブル643を介してHMD640に供給されてもよい。バッテリ644は、張力付与装置612に追加の重量を加え得る。可撓性部分608およびベース部分618を含むヘッドクレードル609は、ユーザの頭部の後頭部に適合して快適なフィット感を作り出すことによって追加の重量の影響を軽減することができる。
【0054】
図6に示すように、上側ストラップ620は、ヘッドクレードル609の可撓性部分608に結合されてもよい。追加の例では、上側ストラップ620は、代わりに張力付与装置612のハウジングに結合されてもよい。さらに、いくつかの例では、上側ストラップ620は、取り外し可能および/または省略されてもよい。
【0055】
図7A~
図7Dは、ヘッドクレードルの可撓性部分702をヘッドクレードルのベース部分704に取り付けるために使用され得る様々なヒンジ機構700A~700Dを示す。いくつかの例では、ヒンジ機構700A~700Dは、付勢要素220,221,315,316,428,528,529,628のいずれかと組み合わせて使用することができる。追加の例では、付勢要素220,221,315,316,428,528,529,628を含まずにヘッドクレードルの可撓性部分702とベース部分704との間にいくらかの可撓性を提供するために、付勢要素220,221,315,316,428,528,529,628の代わりにヒンジ機構700A~700Dを使用することができる。
【0056】
図7Aに示すように、第1のヒンジ部材706Aは、ヒンジ700Aの可撓性部分702に結合されてもよく、第1のヒンジ部材706Aと相補的な第2のヒンジ部材708Aは、ベース部分704に結合されてもよい。第1のヒンジ部材706Aおよび第2のヒンジ部材708Aは、組み立てられたときに、可撓性部分702およびベース部分704の少なくともいくらかの相互回転を可能にするように構成されてもよい。
【0057】
ヒンジ700Aは、任意の適切な構成を有することができる。一例として、ヒンジ700Aは、ウォッチバンドヒンジまたはドアヒンジと同様に、第1のヒンジ部材706Aを第2のヒンジ部材708Aに回転可能に固定するピン710を含むことができる。追加の例では、ヒンジ700Aは、Cスナップヒンジ、ボールジョイント、リビングヒンジ、エラストマーヒンジ、ばね要素、または任意の他の適切なヒンジ700Aであり得るか、それらを含み得る。ヒンジ700Aとして使用され得るヒンジ構成のいくつかの非限定的な例が、
図7B~
図7Dを参照して示され説明される。
【0058】
ヒンジ700Aは、様々なヘッド形状およびサイズに対応するように、1つまたは複数の回転方向に回転するように構成されてもよい。例えば、ヒンジ700Aは、可撓性部分702とベース部分704との間の略水平方向の回転を可能にするように構成されてもよい(例えば、
図7Aの視点から見ると、対応するヘッドストラップを水平方向に向けてユーザがヘッドクレードルを装着したときに、略垂直軸の周りの回転であり得る)。垂直方向の回転(例えば、水平軸を中心とした垂直回転)は、ヒンジ700Aによって抑制されてもよい。この場合、ヒンジ700Aは、関連するヘッドクレードルの初期上下方向を維持しながら、ユーザの頭部の周りの横方向の回転を可能にして、様々な頭部の形状およびサイズに対応するように構成され得る。追加の例では、ヒンジ700Aは、水平方向および垂直方向の両方など、2つ以上の回転方向の回転を可能にするように構成されてもよい。
【0059】
さらに、ヒンジ700Aは、所定の角度(例えば、20°、10°、5°など)までの回転を可能にする一方で、所定の角度を超えるさらなる回転を阻止するように構成されてもよい。所定の角度を超える回転を阻止することは、可撓性部分702が様々な頭部形状およびサイズに快適に適合するために必要とされ得るものを超えて回転することを許容しないことによって、ヒンジ700Aを有するヘッドクレードルの使い勝手および構造的完全性を改善することができる。
【0060】
図7Bは、ヒンジ700Aとして使用され得るCスナップヒンジ700Bの上面図を示す。Cスナップヒンジ700Bは、ほぼ円筒形の端部712を含むことができる第1のヒンジ部材706Bと、細長いC字形のレセプタクル714を含むことができる第2のヒンジ部材708Bとを含むことができる。C字形ヒンジ700Bは、第1のヒンジ部材706Bと第2のヒンジ部材708Bとの間の回転を1つの回転方向に拘束することができる。
【0061】
細長いC字形レセプタクル714は、第1のヒンジ部材706Bのほぼ円筒形の端部712を受け入れるような形状およびサイズにすることができる。いくつかの例では、細長いC字形レセプタクル714は、ほぼ円筒形の端部712が細長いC字形レセプタクル714にスナップ嵌めすることを可能にするのに十分な可撓性を示す材料で形成されてもよい。いくつかの例では、Cスナップヒンジ700Bは、清掃または交換などのために、細長いC字形レセプタクル714からほぼ円筒形の端部712のスナップ止めを外すことによって、ヘッドクレードルの取り外しを容易にすることができる。
【0062】
任意選択的に、Cスナップヒンジ700B(または本明細書に記載の他のヒンジ700A、700C、700Dのいずれか)は、Cスナップヒンジ700Bを所定の角度状態に付勢するための付勢部材716を含むことができる。付勢部材716は、
図7Bに示すような1つまたは複数の板ばね716A、716B、圧縮ばね、ねじりばね、エラストマーバンドなどを含むことができる。
【0063】
図7Cは、ヒンジ700Aとして使用され得るボールジョイントヒンジ700Cの側面斜視図を示す。ボールジョイントヒンジ700Cは、ほぼ球形の端部718を含むことができる第1のヒンジ部材706Cと、ボールレセプタクル720を含むことができる第2のヒンジ部材708Cとを含むことができる。ボールジョイントヒンジ700Cは、第1のヒンジ部材706Cと第2のヒンジ部材708Cとの間の水平方向および垂直方向などの2つ以上の方向の回転を可能にすることができる。
【0064】
ボールレセプタクル720は、ほぼ球形の端部718を受け入れて保持するような形状およびサイズにすることができる。ボールレセプタクル720の開口部722は、第1のヒンジ部材706Cが第2のヒンジ部材708Cに対して回転することを可能にするようなサイズにすることができる。いくつかの例では、開口部722は、すべての回転方向で等しい回転を可能にするために円形であってもよい。追加の例では、開口部722は、1つまたは複数の方向の回転を制限するように成形されてもよい。例えば、開口部722は、より水平な回転(例えば、最大10°)およびより少ない垂直回転(例えば、最大5°)を可能にするために、垂直方向よりも水平方向において大きくてもよい(例えば、開口部722は楕円形状を有してもよい)。
【0065】
図7Dは、ヒンジ700Aとして使用され得るリビングヒンジ700Dの上面図を示す。リビングヒンジ700Dは、可撓性部分702Dをヘッドクレードルのベース部分704Dに回転可能に結合するコンプライアント結合器724を含むことができる。リビングヒンジ700Dは、可撓性部分702Dとベース部分704Dとの間の水平方向および/または垂直方向などの1つまたは複数の方向への回転を可能にすることができる。
【0066】
コンプライアント結合器724は、可撓性部分702Dとベース部分704Dとの間の回転を可能にするように屈曲するように構成された可撓性ポリマー要素(例えば、エラストマー要素)、金属要素、または複合要素を含むことができる。いくつかの例では、コンプライアント結合器724は、付勢および/または減衰効果を示し得る。
【0067】
図7Dに示すように、いくつかの例では、リビングヒンジ700D(または他のヒンジ700A~700Cのいずれか)は、回転を所定の角度に制限するためのストッパ726を含むことができる。ストッパ726は、所定の角度を超える回転を阻止するための剛性ブロック、エラストマー材料、または任意の他の適切な材料もしくは機構であってもよく、またはそれらを含んでもよい。
【0068】
上記で詳細に説明したように、本開示は、HMD用のヘッドクレードルに関するシステム、デバイス、および方法を詳述する。本開示の例は、ユーザが調整可能バンドシステム上の調整ノブを回転させて、HMDを着用するときにユーザに適切な張力を設定し、ユーザの頭部の後部(例えば、後頭部)に適合する可撓性ヘッドクレードルを提供することを可能にすることができる。本開示の例は、ユーザの頭部に接触する可撓性部分の表面にわたって張力を分散させるヘッドクレードルの可撓性部分と、加えられた張力下で撓むヘッドクレードルのベース部分の付勢要素(例えば、板ばね)とに基づいて、ヘッドクレードルがユーザの頭部に適合することを可能にする。ヘッドクレードルは、調整可能バンドシステムに取り付けられたHMDを着用するときに、ユーザに快適なフィット感を提供することができる。
【0069】
本開示の実施形態および例は、様々な種類の人工現実システムを含むか、またはそれと共に実装され得る。人工現実は、ユーザに提示される前に何らかの方法で調整された現実の形態であり、例えば、仮想現実、拡張現実、複合現実、ハイブリッド現実、またはそれらの何らかの組み合わせおよび/または派生物を含むことができる。人工現実コンテンツは、完全なコンピュータ生成コンテンツまたはキャプチャされた(例えば、現実世界)コンテンツと組み合わされたコンピュータ生成コンテンツを含むことができる。人工現実コンテンツは、ビデオ、オーディオ、触覚フィードバック、またはそれらの何らかの組み合わせを含むことができ、それらのいずれも、単一のチャネルまたは複数のチャネル(視聴者に対して三次元(3D)効果を生成するステレオビデオなど)で提示することができる。さらに、いくつかの実施形態および例では、人工現実はまた、例えば、人工現実でコンテンツを作成するために使用される、および/または人工現実で(例えば、人工現実でアクティビティを実行するために)使用されるアプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、またはそれらの何らかの組み合わせに関連付けられてもよい。
【0070】
人工現実システムは、様々な異なるフォームファクタおよび構成で実装され得る。いくつかの人工現実システムは、ニアアイディスプレイ(NED)なしで動作するように設計され得る。他の人工現実システムは、実世界への可視性も提供するNED(例えば、
図8の拡張現実システム800など)、または人工現実にユーザを視覚的に没入させるNED(例えば、
図9の仮想現実システム900など)を含むことができる。一部の人工現実デバイスは自己完結型システムであり得るが、他の人工現実デバイスは、ユーザに人工現実体験を提供するために外部デバイスと通信および/または調整することができる。そのような外部デバイスの例には、ハンドヘルドコントローラ、モバイルデバイス、デスクトップコンピュータ、ユーザによって装着されるデバイス、1人または複数の他のユーザによって装着されるデバイス、および/または任意の他の適切な外部システムが含まれる。
【0071】
図8を参照すると、拡張現実システム800は、ユーザの目の前に左表示装置815(A)および右表示装置815(B)を保持するように構成されたフレーム810を有するアイウェア装置802を含むことができる。表示装置815(A)および815(B)は、画像または一連の画像をユーザに提示するために一緒にまたは独立して動作することができる。拡張現実システム800は2つのディスプレイを含むが、本開示の実施形態および例は、単一のNEDまたは3つ以上のNEDを有する拡張現実システムで実施することができる。
【0072】
いくつかの例では、拡張現実システム800は、センサ840などの1つまたは複数のセンサを含むことができる。センサ840は、拡張現実システム800の動きに応答して測定信号を生成することができ、フレーム810の実質的に任意の部分に配置することができる。センサ840は、位置センサ、慣性測定ユニット(IMU)、深度カメラアセンブリ、構造化光エミッタおよび/もしくは検出器、またはそれらの任意の組み合わせなどの様々な異なる検知機構の1つまたは複数を表すことができる。いくつかの例では、拡張現実システム800は、センサ840を含んでも含まなくてもよく、または複数のセンサを含んでもよい。センサ840がIMUを含む例では、IMUは、センサ840からの測定信号に基づいて較正データを生成することができる。センサ840の例は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、動きを検出する他の適切な種類のセンサ、IMUのエラー訂正に使用されるセンサ、またはそれらの何らかの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0073】
いくつかの例では、拡張現実システム800はまた、集合的に音響トランスデューサ820と呼ばれる複数の音響トランスデューサ820(A)~820(J)を有するマイクロフォンアレイを含んでもよい。音響トランスデューサ820は、音波によって誘発される空気圧変動を検出するトランスデューサを表すことができる。各音響トランスデューサ820は、音を検出し、検出された音を電子フォーマット(例えば、アナログまたはデジタル形式)に変換するように構成されてもよい。FIG.81220のマイクロフォンアレイは、例えば10個の音響トランスデューサ、すなわち、ユーザの対応する耳の内側に配置されるように設計され得る820(A)および820(B)、フレーム810上の様々な位置に配置され得る音響トランスデューサ820(C)、820(D)、820(E)、820(F)、820(G)、および820(H)、ならびに/または対応するネックバンド805上に配置され得る音響トランスデューサ820(I)および820(J)を含み得る。
【0074】
いくつかの例では、音響トランスデューサ820(A)~(F)のうちの1つまたは複数を出力トランスデューサ(例えば、スピーカ)として使用することができる。例えば、音響トランスデューサ820(A)および/または820(B)は、イヤホンまたは任意の他の適切な種類のヘッドホンまたはスピーカであってもよい。
【0075】
マイクロフォンアレイの音響トランスデューサ820の構成は異なっていてもよい。拡張現実システム800は、10個の音響トランスデューサ820を有するものとして
図8に示されているが、音響トランスデューサ820の数は10個より多くても少なくてもよい。いくつかの例では、より多数の音響トランスデューサ820を使用することにより、収集されるオーディオ情報の量および/またはオーディオ情報の感度および精度を高めることができる。対照的に、より少ない数の音響トランスデューサ820を使用することにより、収集されたオーディオ情報を処理するために関連するコントローラ850によって必要とされる計算能力を低減することができる。加えて、マイクロフォンアレイの各音響トランスデューサ820の位置は変化してもよい。例えば、音響トランスデューサ820の位置は、ユーザ上の定義された位置、フレーム810上の定義された座標、各音響トランスデューサ820に関連する向き、またはそれらの何らかの組み合わせを含むことができる。
【0076】
音響トランスデューサ820(A)および820(B)は、耳介の後ろ、耳珠の後ろ、および/または耳介もしくは窩の中など、ユーザの耳の異なる部分に配置されてもよい。または、外耳道内の音響トランスデューサ820に加えて、耳の上または耳を囲む追加の音響トランスデューサ820があってもよい。音響トランスデューサ820をユーザの外耳道の隣に配置することにより、マイクロフォンアレイは、音が外耳道にどのように到来するかに関する情報を収集することができる。少なくとも2つの音響トランスデューサ820をユーザの頭部の両側に(例えば、バイノーラルマイクロフォンとして)配置することにより、拡張現実デバイス800は、バイノーラル聴覚をシミュレートし、ユーザの頭部の周りの3Dステレオ音場をキャプチャすることができる。いくつかの例では、音響トランスデューサ820(A)および820(B)は、有線接続830を介して拡張現実システム800に接続されてもよく、他の例では、音響トランスデューサ820(A)および820(B)は、無線接続(例えば、Bluetooth接続)を介して拡張現実システム800に接続されてもよい。さらに他の例では、音響トランスデューサ820(A)および820(B)は、拡張現実システム800と共にまったく使用されなくてもよい。
【0077】
フレーム810上の音響トランスデューサ820は、テンプルの長さに沿って、ブリッジを横切って、表示装置815(A)および815(B)の上または下、またはそれらの何らかの組み合わせを含む、様々な異なる方法で配置することができる。音響トランスデューサ820はまた、拡張現実システム800を装着しているユーザを取り囲む広範囲の方向の音をマイクロフォンアレイが検出できるように配向されてもよい。いくつかの例では、拡張現実システム800の製造中に最適化プロセスを実行して、マイクロフォンアレイ内の各音響トランスデューサ820の相対的な位置決めを決定してもよい。
【0078】
いくつかの例では、拡張現実システム800は、ネックバンド805などの外部装置(例えば、ペアリングされたデバイス)を含むか、またはそれに接続されてもよい。ネックバンド805は、一般に、任意の種類または形態のペアリングされたデバイスを表す。したがって、ネックバンド805に関する以下の説明は、充電ケース、スマートウォッチ、スマートフォン、リストバンド、他のウェアラブルデバイス、ハンドヘルドコントローラ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、他の外部コンピュータデバイスなどの様々な他のペアリングされたデバイスにも適用され得る。
【0079】
図示のように、ネックバンド805は、1つまたは複数のコネクタを介してアイウェア装置802に結合されてもよい。コネクタは、有線または無線であってもよく、電気および/または非電気(例えば、構造的)構成要素を含んでもよい。場合によっては、アイウェア装置802およびネックバンド805は、それらの間の有線または無線の接続なしに独立して動作してもよい。
図8は、アイウェア装置802およびネックバンド805上の例示的な位置におけるアイウェア装置802およびネックバンド805の構成要素を示しているが、構成要素は、アイウェア装置802および/またはネックバンド805上の他の場所に配置されてもよく、および/または異なるように分布してもよい。いくつかの例では、アイウェア装置802およびネックバンド805の構成要素は、アイウェア装置802、ネックバンド805、またはそれらの何らかの組み合わせとペアリングされた1つまたは複数の追加の周辺装置に配置されてもよい。
【0080】
ネックバンド805などの外部装置を拡張現実アイウェア装置とペアリングすることにより、アイウェア装置は、拡張機能のための十分なバッテリおよび計算能力を依然として提供しながら、眼鏡のフォームファクタを達成することができる。拡張現実システム800のバッテリ電力、計算リソース、および/または追加の機能の一部またはすべては、ペアリングされたデバイスによって提供されるか、またはペアリングされたデバイスとアイウェア装置との間で共有されてもよく、したがって、依然として所望の機能を保持しながら、アイウェア装置の重量、ヒートプロファイル、およびフォームファクタを全体的に低減する。例えば、ネックバンド805は、そうでなければアイウェア装置に含まれるであろう構成要素がネックバンド805に含まれることを可能にすることができるが、これは、ユーザが頭で許容するよりも重い重量負荷を肩で許容し得るためである。ネックバンド805はまた、周囲環境に熱を拡散および分散させるためのより大きな表面積を有することができる。したがって、ネックバンド805は、独立型アイウェア装置で可能であったよりも大きなバッテリおよび計算能力を可能にすることができる。ネックバンド805が有する重量は、アイウェア装置802が有する重量よりもユーザにとって侵襲性が低い可能性があるため、ユーザは、重いスタンドアロンのアイウェア装置を装着することを許容するよりも、より軽いアイウェア装置を装着し、ペアリングされた装置をより長い時間にわたって持つかまたは装着することを許容する可能性があり、それにより、ユーザが日常活動に人工現実環境をより完全に組み込むことを可能にする。
【0081】
ネックバンド805は、アイウェア装置802および/または他の装置と通信可能に結合されてもよい。これらの他の装置は、拡張現実システム800に特定の機能(例えば、追跡、位置特定、深度マッピング、処理、記憶など)を提供することができる。
図8の例では、ネックバンド805は、マイクロフォンアレイの一部である(または潜在的に独自のマイクロフォンサブアレイを形成する)2つの音響トランスデューサ(例えば、820(I)および820(J))を含んでもよい。ネックバンド805はまた、コントローラ825および電源835を含むことができる。
【0082】
ネックバンド805の音響トランスデューサ820(I)および820(J)は、音を検出し、検出された音を電子フォーマット(アナログまたはデジタル)に変換するように構成されてもよい。
図8の例では、音響トランスデューサ820(I)および820(J)は、ネックバンド805上に配置されてもよく、それにより、ネックバンド音響トランスデューサ820(I)および820(J)と、アイウェア装置802上に配置された他の音響トランスデューサ820との間の距離が増加する。場合によっては、マイクロフォンアレイの音響トランスデューサ820間の距離を大きくすることにより、マイクロフォンアレイを介して行われるビームフォーミングの精度を向上させることができる。例えば、音響トランスデューサ820(C)および820(D)によって音が検出され、音響トランスデューサ820(C)と820(D)との間の距離が、例えば音響トランスデューサ820(D)と820(E)との間の距離よりも大きい場合、検出された音の音源位置は、音が音響トランスデューサ820(D)および820(E)によって検出された場合よりも正確であり得る。
【0083】
ネックバンド805のコントローラ825は、ネックバンド805および/または拡張現実システム800上のセンサによって生成された情報を処理することができる。例えば、コントローラ825は、マイクロフォンアレイによって検出された音を記述するマイクロフォンアレイからの情報を処理してもよい。検出された音ごとに、コントローラ825は、到来方向(DOA)推定を実行して、検出された音がマイクロフォンアレイに到来した方向を推定してもよい。マイクロフォンアレイが音を検出すると、コントローラ825は、オーディオデータセットに情報を入力してもよい。拡張現実システム800が慣性測定ユニットを含む例では、コントローラ825は、アイウェア装置802上に配置されたIMUからすべての慣性および空間計算を計算することができる。コネクタは、拡張現実システム800とネックバンド805との間、および拡張現実システム800とコントローラ825との間で情報を伝達することができる。情報は、光学データ、電気データ、無線データ、または任意の他の送信可能なデータ形式の形態であってもよい。拡張現実システム800によって生成された情報の処理をネックバンド805に移動させることにより、アイウェア装置802の重量および熱を低減し、ユーザにとってより快適にすることができる。
【0084】
ネックバンド805内の電源835は、アイウェア装置802および/またはネックバンド805に電力を供給することができる。電源835は、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、一次リチウム電池、アルカリ電池、または任意の他の形態の電力貯蔵部を含むことができるが、これらに限定されない。場合によっては、電源835は有線電源であってもよい。アイウェア装置802の代わりにネックバンド805に電源835を含めることは、電源835によって発生する重量および熱をより良好に分散させるのに役立ち得る。
【0085】
上述したように、いくつかの人工現実システムは、人工現実を実際の現実と混ぜる代わりに、現実世界のユーザの知覚の1つまたは複数を仮想体験に実質的に置き換えることができる。この種類のシステムの一例は、ユーザの視野をほとんどまたは完全にカバーする、
図9の仮想現実システム900などの頭部装着型ディスプレイシステムである。仮想現実システム900は、ユーザの頭部の周りに適合するように成形された前部剛体902およびバンド904(例えば、上述の調整可能バンド100,200,300,600)を含むことができる。仮想現実システム900はまた、出力オーディオトランスデューサ906(A)および906(B)を含むことができる。さらに、
図9には示されていないが、前部剛体902は、1つまたは複数の電子ディスプレイ、1つまたは複数の慣性測定ユニット(IMU)、1つまたは複数の追跡エミッタまたは検出器、および/または人工現実感体験を作り出すための任意の他の適切なデバイスまたはシステムを含む、1つまたは複数の電子素子を含むことができる。
【0086】
人工現実システムは、様々な種類の視覚フィードバック機構を含むことができる。例えば、拡張現実システム800および/または仮想現実システム900の表示装置は、1つまたは複数の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、デジタル光プロジェクト(DLP)マイクロディスプレイ、液晶オンシリコン(LCoS)マイクロディスプレイ、および/または任意の他の適切な種類の表示画面を含むことができる。これらの人工現実システムは、両眼用の単一の表示画面を含むことができ、または片目用の表示画面を提供することができ、焦点可変調整またはユーザの屈折誤差を補正するための追加の柔軟性を可能にすることができる。これらの人工現実システムのいくつかはまた、ユーザが表示画面を見ることができる1つまたは複数のレンズ(例えば、従来の凹レンズまたは凸レンズ、フレネルレンズ、調整可能な液体レンズなど)を有する光学サブシステムを含むことができる。これらの光学サブシステムは、光をコリメート(例えば、物体をその物理的距離よりも大きな距離に出現させる)、拡大(例えば、オブジェクトをその実際のサイズよりも大きく見せる)、および/またはリレー(例えば、視聴者の目に)することを含む様々な目的を果たすことができる。これらの光学サブシステムは、非瞳形成アーキテクチャ(光を直接コリメートするがいわゆる糸巻き型歪みをもたらす単一レンズ構成など)および/または瞳形成アーキテクチャ(糸巻き型歪みを無効にするいわゆる樽型歪みを生成するマルチレンズ構成など)で使用することができる。
【0087】
表示画面を使用することに加えて、またはその代わりに、本明細書に記載のいくつかの人工現実システムは、1つまたは複数の投影システムを含むことができる。例えば、拡張現実システム800および/または仮想現実システム900の表示装置は、周囲光を通過させる透明コンバイナーレンズなど、表示装置に(例えば導波路を用いて)光を投射するマイクロLEDプロジェクタを含むことができる。表示装置は、投射された光をユーザの瞳孔に向けて屈折させることができ、ユーザが人工現実コンテンツと現実世界の両方を同時に見ることを可能にすることができる。表示装置は、導波路部品(例えば、ホログラフィック、平面、回折、偏光、および/または反射導波路素子)、光操作面および要素(回折要素、反射要素、屈折要素、格子など)、結合要素などを含む様々な異なる光学部品のいずれかを使用してこれを達成することができる。人工現実システムはまた、仮想網膜ディスプレイに使用される網膜プロジェクタなどの任意の他の適切な種類または形態の画像投影システムで構成されてもよい。
【0088】
本明細書に記載の人工現実システムはまた、様々な種類のコンピュータビジョンコンポーネントおよびサブシステムを含むことができる。例えば、拡張現実システム800および/または仮想現実システム900は、1つまたは複数の光学センサ、例えば、二次元(2D)または3Dカメラ、構造化光トランスミッタおよび検出器、飛行時間型深度センサ、シングルビームまたはスイーピングレーザ距離計、3D LiDARセンサ、および/または任意の他の適切な種類または形態の光学センサなどを含むことができる。人工現実システムは、これらのセンサのうちの1つまたは複数からのデータを処理して、ユーザの位置を識別し、現実世界をマッピングし、現実世界の周囲に関するコンテキストをユーザに提供し、および/または様々な他の機能を実行することができる。
【0089】
本明細書に記載の人工現実システムはまた、1つまたは複数の入力および/または出力オーディオトランスデューサを含むことができる。出力オーディオトランスデューサは、ボイスコイルスピーカ、リボンスピーカ、静電スピーカ、圧電スピーカ、骨伝導トランスデューサ、軟骨伝導トランスデューサ、耳珠振動トランスデューサ、および/または任意の他の適切な種類または形態のオーディオトランスデューサを含むことができる。同様に、入力オーディオトランスデューサは、コンデンサマイクロフォン、ダイナミックマイクロフォン、リボンマイクロフォン、および/または任意の他の種類または形態の入力トランスデューサを含むことができる。いくつかの例では、単一のトランスデューサをオーディオ入力とオーディオ出力の両方に使用することができる。
【0090】
いくつかの例では、本明細書に記載の人工現実システムはまた、帽子、手袋、ボディスーツ、ハンドヘルドコントローラ、環境装置(例えば、椅子、フロアマットなど)、および/または任意の他の種類のデバイスまたはシステムに組み込まれ得る触覚(tactile)(すなわち、触覚(haptic))フィードバックシステムを含み得る。触覚フィードバックシステムは、振動、力、牽引、テクスチャ、および/または温度を含む様々な種類の皮膚フィードバックを提供することができる。触覚フィードバックシステムはまた、動きおよびコンプライアンスなどの様々な種類の運動感覚フィードバックを提供し得る。触覚フィードバックは、モータ、圧電アクチュエータ、流体システム、および/または様々な他の種類のフィードバック機構を使用して実施することができる。触覚フィードバックシステムは、他の人工現実デバイスから独立して、他の人工現実デバイス内で、および/または他の人工現実デバイスと組み合わせて実装され得る。
【0091】
触覚感覚、可聴コンテンツ、および/または視覚コンテンツを提供することにより、人工現実システムは、仮想体験全体を作成するか、または様々なコンテキストおよび環境におけるユーザの現実世界体験を向上させることができる。例えば、人工現実システムは、特定の環境内のユーザの知覚、記憶、または認知を支援または拡張することができる。いくつかのシステムは、現実世界における他の人々とのユーザの対話を強化することができ、または仮想世界における他の人々とのより没入的な対話を可能にすることができる。人工現実システムはまた、教育目的(例えば、学校、病院、政府機関、軍事機関、企業などでの教育または訓練のため)、娯楽目的(例えば、ビデオゲームのプレイ、音楽の聴取、ビデオコンテンツの視聴などのため)、および/またはアクセシビリティ目的(例えば、補聴器、視覚補助具などとして)に使用されてもよい。本明細書で開示される実施形態および例は、これらのコンテキストおよび環境のうちの1つまたは複数において、および/または他のコンテキストおよび環境において、ユーザの人工現実体験を可能にするか強化することができる。
【0092】
一部の拡張現実システムは、「位置特定とマッピングの同時実行」(SLAM)と呼ばれる技術を使用してユーザおよび/またはデバイスの環境をマッピングすることができる。SLAMのマッピングおよび位置特定技術は、マッピングされた環境内のユーザの位置を同時に追跡しながら、環境のマップを作成または更新することができる様々なハードウェアおよびソフトウェアツールを含み得る。SLAMは、多くの異なる種類のセンサを使用して地図を作成し、マップ内のユーザの位置を決定することができる。
【0093】
SLAM技術は、例えば、ユーザの位置を決定するために光センサを実装することができる。WiFi、Bluetooth、全地球測位システム(GPS)、セルラーまたは他の通信デバイスを含む無線機を使用して、無線送受信機または送受信機グループ(例えば、WiFiルータまたはGPS衛星のグループ)に対するユーザの位置を決定することもできる。マイクロフォンアレイまたは2Dもしくは3Dソナーセンサなどの音響センサを使用して、環境内のユーザの位置を決定することもできる。拡張現実および仮想現実デバイスは、ユーザの現在の環境のマップを作成および継続的に更新するなどのSLAM動作を実行するために、これらの種類のセンサのいずれかまたはすべてを組み込むことができる。本明細書に記載の例の少なくともいくつかでは、これらのセンサによって生成されたSLAMデータは、「環境データ」と呼ばれ、ユーザの現在の環境を示すことができる。このデータは、ローカルまたはリモートデータストア(例えば、クラウドデータストア)に格納することができ、オンデマンドでユーザのAR/VRデバイスに提供することができる。
【0094】
ユーザが所与の環境で拡張現実ヘッドセットまたは仮想現実ヘッドセットを装着しているとき、ユーザは、他のユーザまたはオーディオソースとして機能する他の電子デバイスと対話している場合がある。場合によっては、オーディオソースがユーザに対してどこに配置されているかを決定し、オーディオソースがオーディオソースの位置から来ているかのようにオーディオソースをユーザに提示することが望ましい場合がある。オーディオソースがユーザに対してどこに配置されているかを決定するプロセスを「位置特定」と呼ぶことができ、オーディオソース信号の再生を特定の方向から来ているかのようにレンダリングするプロセスを「空間化」と呼ぶことができる。
【0095】
オーディオソースの位置特定は、様々な異なる方法で実行することができる。場合によっては、拡張現実または仮想現実ヘッドセットは、音源の位置を決定するためにDOA分析を開始することができる。DOA分析は、音が発生した方向を決定するために、人工現実デバイスでの各音の強度、スペクトル、および/または到着時間を分析することを含み得る。DOA分析は、人工現実デバイスが位置する周囲の音響環境を分析するための任意の適切なアルゴリズムを含むことができる。
【0096】
例えば、DOA分析は、マイクロフォンから入力信号を受信し、デジタル信号処理アルゴリズムを入力信号に適用して到来方向を推定するように設計されてもよい。これらのアルゴリズムは、例えば、遅延および和アルゴリズムを含むことができ、入力信号がサンプリングされ、サンプリングされた信号の結果として得られた重み付けされたバージョンおよび遅延されたバージョンが、到来方向を決定するために一緒に平均化される。適応フィルタを作成するために、最小二乗平均(LMS)アルゴリズムを実装することもできる。この適応フィルタを使用して、例えば信号強度の差、または到着時間の差を識別することができる。次に、これらの差を使用して、到来方向を推定することができる。別の例では、DOAは、入力信号を周波数領域に変換し、処理する時間-周波数(TF)領域内の特定のビンを選択することによって決定されてもよい。各選択されたTFビンは、そのビンが直接経路オーディオ信号を有するオーディオスペクトルの一部を含むかどうかを決定するために処理され得る。次に、直接経路信号の一部を有するそれらのビンを分析して、マイクロフォンアレイが直接経路オーディオ信号を受信した角度を識別することができる。次に、決定された角度を使用して、受信した入力信号の到来方向を識別することができる。上記に列挙されていない他のアルゴリズムもまた、DOAを決定するために単独で、または上記のアルゴリズムと組み合わせて使用され得る。
【0097】
いくつかの例では、異なるユーザは、音のソースがわずかに異なる場所から来ると知覚することができる。これは、外耳道の長さおよび鼓膜の位置決めを含むユーザの解剖学的構造によって決定され得る固有の頭部伝達関数(HRTF)を各ユーザが有する結果であり得る。人工現実デバイスは、独自のHRTFに基づいてユーザに提示される音響信号をユーザがカスタマイズするために従うことができる位置合わせおよび配向ガイドを提供することができる。いくつかの例では、人工現実デバイスは、ユーザの環境内の音を聞くために1つまたは複数のマイクロフォンを実装することができる。拡張現実または仮想現実ヘッドセットは、音の到来方向を推定するために様々な異なるアレイ伝達関数(例えば、上記で特定されたDOAアルゴリズムのいずれか)を使用することができる。到来方向が決定されると、人工現実デバイスは、ユーザの固有のHRTFに従ってユーザに音を再生することができる。したがって、アレイ伝達関数(ATF)を使用して生成されたDOA推定を使用して、音が再生される方向を決定することができる。再生音は、特定のユーザがHRTFに従って音を聞く方法に基づいてさらに洗練されてもよい。
【0098】
DOA推定を実行することに加えて、またはその代わりとして、人工現実デバイスは、他の種類のセンサから受信した情報に基づいて位置特定を実行することができる。これらのセンサは、カメラ、IRセンサ、熱センサ、モーションセンサ、GPS受信機、または場合によっては、ユーザの眼球運動を検出するセンサを含むことができる。例えば、上述したように、人工現実デバイスは、ユーザがどこを見ているかを決定する視線追跡装置または視線検出器を含むことができる。多くの場合、ユーザの目は、短時間であれば、音源を見ることになる。ユーザの目によって提供されるそのような手がかりは、音源の位置を決定するのをさらに助けることができる。カメラ、熱センサ、およびIRセンサなどの他のセンサも、ユーザの位置、電子デバイスの位置、または別の音源の位置を示すことができる。上記の方法のいずれかまたはすべては、音源の位置を決定するために個別にまたは組み合わせて使用されてもよく、音源の位置を経時的に更新するためにさらに使用されてもよい。
【0099】
いくつかの例は、決定されたDOAを実装して、ユーザのためによりカスタマイズされた出力オーディオ信号を生成することができる。例えば、「音響伝達関数」は、所与の場所から音がどのように受信されるかを特徴付けまたは定義することができる。より具体的には、音響伝達関数は、音源位置における音のパラメータと、音響信号が検出されるパラメータ(例えば、マイクロフォンアレイによって検出されるか、またはユーザの耳によって検出される)との間の関係を定義することができる。人工現実デバイスは、デバイスの範囲内の音を検出する1つまたは複数の音響センサを含むことができる。人工現実デバイスのコントローラは、(例えば、上記で特定された方法のいずれかを使用して)検出された音のDOAを推定することができ、検出された音のパラメータに基づいて、デバイスの位置に固有の音響伝達関数を生成することができる。したがって、このカスタマイズされた音響伝達関数を使用して、音が特定の場所から来ていると知覚される空間出力オーディオ信号を生成することができる。
【0100】
実際、1つまたは複数の音源の位置が知られると、人工現実デバイスは、その音源の方向から来ているかのように音声信号を再レンダリング(すなわち、空間化)することができる。人工現実デバイスは、音響信号の強度、スペクトル、または到着時間を変更するフィルタまたは他のデジタル信号処理を適用することができる。デジタル信号処理は、音声信号が決定された位置に由来すると知覚されるように適用されてもよい。人工現実デバイスは、特定の周波数を増幅または抑制するか、または信号が各耳に到着する時間を変更することができる。場合によっては、人工現実デバイスは、デバイスの位置および音響信号の検出された到来方向に固有の音響伝達関数を作成することができる。いくつかの例では、人工現実デバイスは、ステレオデバイスまたはマルチスピーカデバイス(例えば、サラウンドサウンドデバイス)でソース信号を再レンダリングすることができる。そのような場合、別個の異なるオーディオ信号を各スピーカに送信することができる。これらのオーディオ信号の各々は、ユーザのHRTFに従って、かつユーザの位置および音源の位置の測定値に従って、あたかもそれらが音源の決定された位置から来ているかのように音を出すように変更することができる。したがって、このようにして、人工現実デバイス(またはデバイスに関連付けられたスピーカ)は、特定の場所から発生しているかのようにオーディオ信号を再レンダリングすることができる。
【0101】
上述したように、人工現実システム800および900は、より説得力のある人工現実体験を提供するために、様々な他の種類のデバイスと共に使用され得る。これらのデバイスは、触覚フィードバックを提供する、および/または環境とのユーザの対話に関する触覚情報を収集するトランスデューサとの触覚インターフェースであり得る。本明細書で開示される人工現実システムは、触覚フィードバック(例えば、ユーザが皮膚の神経を介して検出するフィードバック(皮膚フィードバックとも呼ばれる))および/または運動感覚フィードバック(例えば、ユーザが筋肉、関節、および/または腱に位置する受容体を介して検出するフィードバック)を含む、様々な種類の触覚情報を検出または伝達する様々な種類の触覚インターフェースを含むことができる。
【0102】
触覚フィードバックは、ユーザの環境内に配置されたインターフェース(例えば、椅子、テーブル、床など)および/またはユーザによって着用または携帯され得る物品上のインターフェース(例えば、手袋、リストバンド)によって提供され得る。一例として、
図10は、着用可能な手袋(触覚デバイス1010)およびリストバンド(触覚デバイス1020)の形態の振動触覚システム1000を示す。触覚デバイス1010および触覚デバイス1020は、ユーザの手および手首に対してそれぞれ位置決めするように成形され構成された可撓性の着用可能なテキスタイル材料1030を含むウェアラブルデバイスの例として示されている。本開示はまた、指、腕、頭、胴体、足、または脚などの他の人体部分に対して位置決めするように成形および構成され得る振動触覚システムを含む。限定ではなく例として、本開示の様々な実施形態および例による振動触覚システムはまた、他の可能性の中でも、手袋、ヘッドバンド、アームバンド、スリーブ、ヘッドカバー、靴下、シャツ、またはパンツの形態であってもよい。いくつかの例では、「テキスタイル」という用語は、織布、不織布、皮革、布、可撓性ポリマー材料、複合材料などを含む任意の可撓性の着用可能な材料を含み得る。
【0103】
1つまたは複数の振動触覚デバイス1040は、振動触覚システム1000のテキスタイル材料1030に形成された1つまたは複数の対応するポケット内に少なくとも部分的に配置されてもよい。振動触覚デバイス1040は、振動触覚システム1000のユーザに振動感覚(例えば、触覚フィードバック)を提供する場所に配置され得る。例えば、振動触覚デバイス1040は、
図10に示すように、ユーザの指、親指、または手首に対して配置されてもよい。振動触覚デバイス1040は、いくつかの例では、ユーザの対応する身体部分に適合するかまたはそれと共に屈曲するように十分に可撓性であり得る。
【0104】
振動触覚デバイス1040の作動のために振動触覚デバイスに電圧を印加するための電源1050(例えば、バッテリ)は、導電性配線1052などを介して振動触覚デバイス1040に電気的に結合されてもよい。いくつかの例では、振動触覚デバイス1040の各々は、個々の作動のために電源1050に独立して電気的に結合されてもよい。いくつかの例では、プロセッサ1060は、電源1050に動作可能に結合され、振動触覚デバイス1040の作動を制御するように構成(例えばプログラム)され得る。
【0105】
振動触覚システム1000は、様々な方法で実装することができる。いくつかの例では、振動触覚システム1000は、他のデバイスおよびシステムから独立して動作するための一体型サブシステムおよび構成要素を備えたスタンドアロンシステムであってもよい。別の例として、振動触覚システム1000は、別のデバイスまたはシステム1070と相互作用するように構成されてもよい。例えば、振動触覚システム1000は、いくつかの例では、他のデバイスまたはシステム1070に信号を受信および/または送信するための通信インターフェース1080を含むことができる。他のデバイスまたはシステム1070は、モバイル装置、ゲーム機、人工現実(例えば、仮想現実、拡張現実、複合現実)装置、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、ネットワーク装置(例えば、モデム、ルータなど)、ハンドヘルドコントローラなどであってもよい。通信インターフェース1080は、無線(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、セルラー、無線など)リンクまたは有線リンクを介して振動触覚システム1000と他のデバイスまたはシステム1070との間の通信を可能にすることができる。存在する場合、通信インターフェース1080は、振動触覚デバイス1040のうちの1つまたは複数を作動または停止させるための信号をプロセッサ1060に提供するなどのために、プロセッサ1060と通信することができる。
【0106】
振動触覚システム1000は、任意選択的に、タッチ感知パッド1090、圧力センサ、モーションセンサ、位置センサ、照明要素、および/またはユーザインターフェース要素(例えば、オン/オフボタン、振動制御要素)などの他のサブシステムおよび構成要素を含んでもよい。使用中、振動触覚デバイス1040は、ユーザのユーザインターフェース要素との相互作用、モーションセンサまたは位置センサからの信号、タッチ感知パッド1090からの信号、圧力センサからの信号、他のデバイスまたはシステム1070からの信号などに応答して、様々な異なる理由で作動するように構成され得る。
【0107】
電源1050、プロセッサ1060、および通信インターフェース1080は、触覚デバイス1020に配置されるものとして
図10に示されているが、本開示はそのように限定されない。例えば、電源1050、プロセッサ1060、または通信インターフェース1080のうちの1つまたは複数は、触覚デバイス1010内または別の着用可能なテキスタイル内に配置されてもよい。
【0108】
図10に示し、それに関連して説明したものなどのハプティックウェアラブルは、様々な種類の人工現実システムおよび環境で実装され得る。
図11は、1つのヘッドマウント仮想現実ディスプレイと2つの触覚デバイス(すなわち、手袋)とを含む例示的な人工現実環境1100を示し、他の例では、これらの構成要素および他の構成要素の任意の数および/または組み合わせが人工現実システムに含まれてもよい。いくつかの例では、各々が関連する触覚デバイスを有する複数のヘッドマウントディスプレイが存在してもよく、各ヘッドマウントディスプレイおよび各触覚デバイスは、同じコンソール、ポータブルコンピューティングデバイス、または他のコンピューティングシステムと通信する。
【0109】
ヘッドマウントディスプレイ1102は、一般に、
図9の仮想現実システム900などの任意の種類または形態の仮想現実システムを表す。ヘッドマウントディスプレイ1102は、ユーザの頭部の周りに適合するように成形された調整可能ストラップシステム1005(例えば、上述の調整可能バンド100,200,300、または600)を含むことができる。触覚デバイス1104は、一般に、ユーザが仮想オブジェクトと物理的に係合しているという知覚をユーザに与えるために触覚フィードバックをユーザに提供する、人工現実システムのユーザによって装着される任意の種類または形態のウェアラブルデバイスを表す。いくつかの例では、触覚デバイス1104は、振動、動き、および/または力をユーザに加えることによって触覚フィードバックを提供することができる。例えば、触覚デバイス1104は、ユーザの動きを制限または増強することができる。具体的な例を挙げると、触覚デバイス1104は、ユーザが自分の手が仮想壁と物理的に接触したという知覚を得るように、ユーザの手が前方に移動するのを制限することができる。この特定の例では、触覚デバイス内の1つまたは複数のアクチュエータは、触覚デバイスの膨張可能なブラダに流体を送り込むことによって物理的な動きの制限を達成することができる。いくつかの例では、ユーザは、触覚デバイス1104を使用してコンソールにアクション要求を送信することもできる。アクション要求の例には、限定するものではないが、アプリケーションを開始する、および/またはアプリケーションを終了する要求、および/またはアプリケーション内の特定のアクションを実行する要求が含まれる。
【0110】
図11に示すように、触覚インターフェースを仮想現実システムで使用することができるが、
図12に示すように、触覚インターフェースを拡張現実システムで使用することもできる。
図12は、拡張現実システム1200と対話するユーザ1210の斜視図である。この例では、ユーザ1210は、1つまたは複数のディスプレイ1222を有することができ、かつ触覚デバイス1230と対になる、一対の拡張現実メガネ1220を装着することができる。この例では、触覚デバイス1230は、複数のバンド要素1232と、バンド要素1232を互いに接続する張力付与機構1234とを含むリストバンドであってもよい。
【0111】
バンド要素1232の1つまたは複数は、触覚フィードバックを提供するのに適した任意の種類または形態のアクチュエータを含むことができる。例えば、バンド要素1232の1つまたは複数は、振動、力、牽引、テクスチャ、および/または温度を含む様々な種類の皮膚フィードバックの1つまたは複数を提供するように構成されてもよい。そのようなフィードバックを提供するために、バンド要素1232は、様々な種類のアクチュエータの1つまたは複数を含むことができる。一例では、バンド要素1232の各々は、一斉にまたは独立して振動して様々な種類の触覚感覚のうちの1つまたは複数をユーザに提供するように構成された振動体(例えば、振動触覚アクチュエータ)を含むことができる。あるいは、単一のバンド要素またはバンド要素のサブセットのみが振動体を含んでもよい。
【0112】
触覚デバイス1010、1020、1104、および1230は、任意の適切な数および/または種類の触覚トランスデューサ、センサ、および/またはフィードバック機構を含むことができる。例えば、触覚デバイス1010、1020、1104、および1230は、1つまたは複数の機械トランスデューサ、圧電トランスデューサ、および/または流体トランスデューサを含むことができる。触覚デバイス1010、1020、1104、および1230はまた、ユーザの人工現実感体験を向上させるために一緒にまたは独立して機能するトランスデューサの異なる種類および形態の様々な組み合わせを含むことができる。一例では、触覚デバイス1230のバンド要素1232の各々は、一斉にまたは独立して振動して様々な種類の触覚感覚のうちの1つまたは複数をユーザに提供するように構成された振動体(例えば、振動触覚アクチュエータ)を含むことができる。
【0113】
非限定的な例として、以下の開示が本開示に含まれる。
【0114】
実施例1:
ユーザの頭部の後頭部に適合するように構成された可撓性部分と、ベース部分であって、ベース部分が、ヘッドマウントディスプレイを支持するためのヘッドストラップにヘッドクレードルを固定するように構成された少なくとも1つの取付要素と、可撓性部分の第1の側に固定された第1の付勢要素と、可撓性部分の第2の反対の側に固定された第2の付勢要素とを備え、第1および第2の付勢要素が、ユーザの頭部に実質的に垂直な力がベース部分に加えられたときに、可撓性部分がユーザの頭部の後頭部に適合することを可能にするように構成される、ベース部分とを含むヘッドクレードル。
【0115】
実施例2:
可撓性部分の第1の側が、ヘッドクレードルが着用されたときにユーザの頭部の第1の側面に近接して配置されるように配置され、可撓性部分の第2の反対の側が、ヘッドクレードルが着用されたときにユーザの頭部の第1の側面の反対側にある第2の側面に近接して配置されるように配置される、実施例1のヘッドクレードル。
【0116】
実施例3:
第1の付勢要素が第1の板ばねを備え、第2の付勢要素が第2の板ばねを備える、実施例1または実施例2のヘッドクレードル。
【0117】
実施例4:
第1の板ばねおよび第2の板ばねの各々が、約0.75インチ~約1.5インチの幅を有する、実施例1~3のいずれかのヘッドクレードル。
【0118】
実施例5:
第1の板ばねがベース部分の少なくとも1つのスロットによって画定され、第2の板ばねがベース部分の少なくとも1つの他のスロットによって画定される、実施例1~4のいずれかのヘッドクレードル。
【0119】
実施例6:
少なくとも1つのスロットおよび少なくとも1つの他のスロットの各々が、約1.0インチ~約2.5インチの長さを有する、実施例1~5のいずれかのヘッドクレードル。
【0120】
実施例7:
ヘッドクレードルが可撓性熱可塑性ポリウレタン材料を含む、実施例1~6のいずれかのヘッドクレードル。
【0121】
実施例8:
ヘッドクレードルがループ形状を有する材料を含む、実施例1~7のいずれかのヘッドクレードル。
【0122】
実施例9:
ベース部分が、ヘッドクレードルの可撓性部分の材料よりも高い剛性を有する材料を含む、実施例1~8のいずれかのヘッドクレードル。
【0123】
実施例10:
可撓性部分が、第1および第2の付勢要素のみによってベース部分に固定される、実施例1~9のいずれかのヘッドクレードル。
【0124】
実施例11:
可撓性部分が、可撓性部分の第1の側に配置された第1のインサート成形金属材料と、可撓性部分の第2の反対の側に配置された第2のインサート成形金属材料とをさらに備え、第1のインサート成形金属材料が、可撓性部分の第1の側を第1の付勢要素に結合するように構成され、第2のインサート成形金属材料が、可撓性部分の第2の反対の側を第2の付勢要素に結合するように構成される、実施例1~10のいずれかのヘッドクレードル。
【0125】
実施例12:
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)用の調整可能バンドであって、調整可能バンドが、HMDがユーザによって着用されるときにユーザの頭部の後頭部に適合するように構成された可撓性部分と、可撓性部分の第1の側に固定された第1の付勢要素および可撓性部分の第2の反対の側に固定された第2の付勢要素を備えるベース部分と、ベース部分に固定され、張力調整ノブを備える張力付与装置と、HMDの第1の側から張力付与装置の第1の側まで延在するように構成された第1のストラップと、HMDの第2の反対の側から張力付与装置の第2の反対の側まで延在するように構成された第2のストラップとを含み、張力付与装置が、張力調整ノブの回転によって第1のストラップまたは第2のストラップの少なくとも一方の張力を調整するように構成され、第1および第2の付勢要素が、張力が加えられたときに可撓性部分がユーザの頭部の後頭部に適合することを可能にするように構成される、調整可能バンド。
【0126】
実施例13:
張力付与装置が、可撓性部分よりも高い剛性を有するハウジングをさらに備える、実施例12に記載の調整可能バンド。
【0127】
実施例14:
張力付与装置のハウジング内に配置されたバッテリをさらに含み、バッテリがHMDに電力を供給するように構成される、実施例12または実施例13の調整可能バンド。
【0128】
実施例15:
可撓性部分が熱可塑性ポリマー材料を含む、実施例12~14のいずれかの調整可能バンド。
【0129】
実施例16:
可撓性部分が、可撓性部分と張力付与装置との間に空隙を形成する位置で第1の付勢要素および第2の付勢要素によって支持される、実施例12~15のいずれかの調整可能バンド。
【0130】
実施例17:
HMDが右側アームおよび左側アームを備え、第1のストラップが第1の締結具を備え、第2のストラップが第2の締結具を備え、第1の締結具が第1のストラップをHMDの右側アームに着脱可能に固定するように構成され、第2の締結具が第2のストラップをHMDの左側アームに着脱可能に固定するように構成される、実施例12~16のいずれかの調整可能バンド。
【0131】
実施例18:
可撓性部分の上部からHMDの上部まで延在する上部ストラップをさらに備える、実施例12~17のいずれかの調整可能バンド。
【0132】
実施例19:
HMDが、HMDのフェイシャルインターフェース、上部ストラップ、および可撓性部分のみをユーザの頭部に当接させることによって、ユーザの頭部に支持されるように構成される、実施例12~18のいずれかの調整可能バンド。
【0133】
実施例20:
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)用の着脱式バンドシステムであって、着脱式バンドシステムが、HMDがユーザによって着用されるときにユーザの頭部の後頭部に適合するように構成される可撓性部分と、可撓性部分の第1の側に固定された第1の付勢要素および可撓性部分の第2の反対の側に固定された第2の付勢要素を備えるベース部分と、ベース部分に固定された張力付与装置と、HMDの右側アームに第1のストラップを着脱可能に固定するように構成された第1の締結具と、HMDの左側アームに第2のストラップを着脱可能に固定するように構成された第2の締結具とを含み、張力付与装置が、第1のストラップまたは第2のストラップの少なくとも一方の張力を調整するように構成され、第1および第2の付勢要素が、張力が加えられたときに可撓性部分がユーザの頭部の後頭部に適合することを可能にするように構成される、着脱式バンドシステム。
【0134】
本明細書に記載および/または図示されるステップのプロセスパラメータおよび順序は、例としてのみ与えられ、所望に応じて変更することができる。例えば、本明細書に図示および/または記載されるステップは特定の順序で図示または説明され得るが、これらのステップは必ずしも図示または説明された順序で実行される必要はない。本明細書に記載および/または図示された様々な例示的な方法はまた、本明細書に記載または図示されたステップの1つまたは複数を省略してもよく、または開示されたステップに加えて追加のステップを含んでもよい。
【0135】
前述の説明は、当業者が本明細書に開示された実施例および実施形態の様々な態様を最良に利用することを可能にするために提供された。この例示的な説明は、網羅的であること、または開示された任意の正確な形態に限定されることを意図するものではない。本開示の範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形が可能である。今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲を決定する際には、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物を参照すべきである。
【0136】
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される「に接続される」および「に結合される」という用語(およびそれらの派生語)は、直接的および間接的(すなわち、他の要素または構成要素を介する)接続の両方を可能にすると解釈されるべきである。さらに、本明細書および特許請求の範囲で使用される「a」または「an」という用語は、「少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきである。最後に、使用を容易にするために、本明細書および特許請求の範囲で使用される「含む(including)」および「有する(having)」という用語(およびそれらの派生語)は、「備える(comprising)」という単語と交換可能であり、同じ意味を有する。
【国際調査報告】