(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】がん細胞の交流電場への感受性を増大させるための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20230818BHJP
A61K 41/00 20200101ALI20230818BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20230818BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20230818BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20230818BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20230818BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230818BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20230818BHJP
A61N 1/40 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
A61K45/00
A61K41/00
A61K45/06
A61P35/00
A61P43/00 125
A61P43/00 105
A61P43/00 111
A61P25/00
A61P15/00
A61P11/00
A61P35/04
A61K31/496
A61K31/4439
A61K31/5377
A61K31/506
A61N1/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507467
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 IB2021057107
(87)【国際公開番号】W WO2022029628
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519275847
【氏名又は名称】ノボキュア ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】タリ・ボロシン-セラ
(72)【発明者】
【氏名】リラチ・アヴィグドル
(72)【発明者】
【氏名】アナト・クライン-ゴールドバーグ
【テーマコード(参考)】
4C053
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C053LL07
4C084AA11
4C084AA17
4C084AA20
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA011
4C084ZA591
4C084ZA811
4C084ZB211
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC201
4C084ZC711
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC82
4C086CB05
4C086CB27
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA59
4C086ZA81
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZC20
4C086ZC75
(57)【要約】
AKT阻害剤、哺乳類ラパマイシン標的(mTOR)阻害剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤及び/又はグリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK3β)阻害剤を投与することにより、がん細胞の交流電場への感受性を増大させるための方法が本明細書において開示される。治療有効性を増大させる方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤若しくはGSK3β阻害剤及び/又はサイクリンD1を増大させる組成物若しくは化合物のいずれかと組み合わせて、交流電場をある期間使用してがん細胞の生存能を低減させる方法であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、方法が開示される。がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と;がん細胞をPI3K阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、
a.がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、
交流電場の周波数及び電場強度がある、
工程と、
b.がん細胞をmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、src阻害剤又はFAK阻害剤へ曝露する工程と
を含む方法。
【請求項2】
交流電場の周波数が、100~500kHzである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
交流電場の周波数が、180~220kHzである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
がん細胞が、神経膠芽腫細胞、卵巣細胞又は肺転移性癌細胞である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
がん細胞が、対象において存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
がん細胞が、交流電場及びmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、src阻害剤又はFAK阻害剤へ同時に曝露される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
mTOR阻害剤が、mTORC2阻害剤である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
mTOR阻害剤が、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パクサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD又はTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
AKT阻害剤が、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66)、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA又はスクテラリンである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
PI3K阻害剤が、BKM120、XL147、PX-866、GCD-0941、GDC-0032、BAY 80-6946、ZSTK474、AMG 511、BYL719、MLN1117、CAL-101、GSK2636771、CH5132799、AMG319、ADZ6482、TG100-115、AZD8835、WX-037、AZD8186、KA2237、CAL-120、ME401、INCB050465、INK-1117、TGR-1202、RP6530、IPI-145、3-ヒドロキシアントラニル酸、ヒスピデュリン、ペクトリナリン及びシノブファギンである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
PI3K阻害剤が、AKTリン酸化の減少をもたらす二重mTOR阻害剤兼PI3K阻害剤である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
Src阻害剤が、ダサチニブ(BMS-354825)、ポナチニブ(AP24534)、サラカチニブ(AZD0530)、ボスチニブ(SKI-606)、デヒドロアビエチン酸(DAA、DHAA)、PP2、ギンコール酸C17:1(GAC 17:1)、DGY-06-116、ドラマピモド(BIRB 796)、アパチニブ、ペリチニブ(EKB-569)、レスベラトロール、KX2-391(チルバニブリン)、NVP-BHG712、ENMD-2076、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PP1、MNS(3,4メチレンジオキシ-β-ニトロスチレン)、ドラマピモド(BIRB 796)、WH-4-023、RK24466、KX1-004、7-ヒドロキシクロモン、AD-80、レポトレクチニブ(TPX-0005)、ケルセチン(NSC 9221、ソホレチン、C.I. 75720)、SU 6656、Src阻害剤1(CAS 179248-59-0)、CCT196969、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、eCF506、1-ナフチルPP1(1-NA-PP 1)、AMG-47a、ON123300、UM-164、MLR-1023、PD173955、AZD0424、PD180970又はHG-7-85-01である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
がん細胞においてサイクリンD1タンパク質レベルを増大させる工程を更に含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
がん細胞が、交流電場へ曝露され、サイクリンD1タンパク質レベルが、同時に回復される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
がん細胞が、交流電場及びmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤又はFak阻害剤へ同時に曝露され、サイクリンD1タンパク質発現が、同時に回復される、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
がんを有する対象を治療する方法であって、
a.交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、
標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、
工程と、
b.治療有効量のmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤又はFak阻害剤を対象へ投与する工程と
を含む方法。
【請求項17】
対象においてがん細胞の生存能を低減させる方法であって、
c.交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、
標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、
工程と、
d.治療有効量のmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤又はFak阻害剤を対象へ投与する工程と
を含む方法。
【請求項18】
mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤又はFak阻害剤が、交流電場を適用する前に投与される、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤又はFak阻害剤が、交流電場を適用した後に投与される、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項20】
mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤又はGSK3β阻害剤が、交流電場を適用するのと同時に投与される、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項21】
交流電場が、1つ又は複数のがん細胞においてサイクリンD1タンパク質レベルを減少させる、請求項16から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
がんが、神経膠芽腫、卵巣癌又は肺転移性癌である、請求項16から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
mTOR阻害剤が、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、ZYDELIG-イデラリシブ、Aliqopa-コパンリシブ、Copiktra-デュベリシブ、Piqray-アルペリシブ(BYL719)、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ(BEZ235)、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014)、XL765、アピトリシブ(GDC0980)、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パクサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170及びSB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD又はTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項16から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
AKT阻害剤が、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA又はスクテラリンである、請求項16から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
PI3K阻害剤が、BKM120、XL147、PX-866、GCD-0941、GDC-0032、BAY 80-6946、ZSTK474、AMG 511、BYL719、MLN1117、CAL-101、GSK2636771、CH5132799、AMG319、ADZ6482、TG100-115、AZD8835、WX-037、AZD8186、KA2237、CAL-120、ME401、INCB050465、INK-1117、TGR-1202、RP6530、IPI-145、3-ヒドロキシアントラニル酸、ヒスピデュリン、ペクトリナリン及びシノブファギンである、請求項16から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
Src阻害剤が、ダサチニブ(BMS-354825)、ポナチニブ(AP24534)、サラカチニブ(AZD0530)、ボスチニブ(SKI-606)、デヒドロアビエチン酸(DAA、DHAA)、PP2、ギンコール酸C17:1(GAC 17:1)、DGY-06-116、ドラマピモド(BIRB 796)、アパチニブ、ペリチニブ(EKB-569)、レスベラトロール、KX2-391(チルバニブリン)、NVP-BHG712、ENMD-2076、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PP1、MNS(3,4メチレンジオキシ-β-ニトロスチレン)、ドラマピモド(BIRB 796)、WH-4-023、RK24466、KX1-004、7-ヒドロキシクロモン、AD-80、レポトレクチニブ(TPX-0005)、ケルセチン(NSC 9221、ソホレチン、C.I. 75720)、SU 6656、Src阻害剤1(CAS 179248-59-0)、CCT196969、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、eCF506、1-ナフチルPP1(1-NA-PP 1)、AMG-47a、ON123300、UM-164、MLR-1023、PD173955、AZD0424、PD180970又はHG-7-85-01である、請求項16から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
周波数が、100~500kHzである、請求項16から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
周波数が、180~220kHzである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
対象においてサイクリンD1タンパク質レベルを増大させる工程を更に含む、請求項16から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
がん細胞の生存能を低減させる方法であって、
a.がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、
b.がん細胞においてサイクリンD1タンパク質発現をアップレギュレートさせ、
これによって、がん細胞の生存能を低減させる工程と
を含む方法。
【請求項31】
サイクリンD1タンパク質発現が、サイクリンD1分解を阻害することによって回復される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
交流電場の周波数が、100~500kHzである、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
交流電場の周波数が、180~220kHzである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
がん細胞が、神経膠芽腫細胞、卵巣細胞又は肺転移性癌細胞である、請求項30から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
がん細胞を、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤又はFak阻害剤へ曝露する工程を更に含む、請求項30から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
がん細胞が、対象において存在する、請求項30から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
がん細胞が、交流電場へ曝露され、サイクリンD1タンパク質発現が、同時に回復される、請求項30から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
がん細胞が、交流電場及びmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤又はFak阻害剤へ同時に曝露される、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
がん細胞が、交流電場及びmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤又はFak阻害剤へ同時に曝露され、サイクリンD1タンパク質発現が、同時に回復される、請求項35から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
mTOR阻害剤が、mTORC2阻害剤である、請求項35から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
mTOR阻害剤が、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170及びSB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD及びTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項35から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
AKT阻害剤が、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA又はスクテラリンである、請求項35から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
PI3K阻害剤が、BKM120、XL147、PX-866、GCD-0941、GDC-0032、BAY 80-6946、ZSTK474、AMG 511、BYL719、MLN1117、CAL-101、GSK2636771、CH5132799、AMG319、ADZ6482、TG100-115、AZD8835、WX-037、AZD8186、KA2237、CAL-120、ME401、INCB050465、INK-1117、TGR-1202、RP6530、IPI-145、3-ヒドロキシアントラニル酸、ヒスピデュリン、ペクトリナリン及びシノブファギンである、請求項35から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
Src阻害剤が、ダサチニブ(BMS-354825)、ポナチニブ(AP24534)、サラカチニブ(AZD0530)、ボスチニブ(SKI-606)、デヒドロアビエチン酸(DAA、DHAA)、PP2、ギンコール酸C17:1(GAC 17:1)、DGY-06-116、ドラマピモド(BIRB 796)、アパチニブ、ペリチニブ(EKB-569)、レスベラトロール、KX2-391(チルバニブリン)、NVP-BHG712、ENMD-2076、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PP1、MNS(3,4メチレンジオキシ-β-ニトロスチレン)、ドラマピモド(BIRB 796)、WH-4-023、RK24466、KX1-004、7-ヒドロキシクロモン、AD-80、レポトレクチニブ(TPX-0005)、ケルセチン(NSC 9221、ソホレチン、C.I. 75720)、SU 6656、Src阻害剤1(CAS 179248-59-0)、CCT196969、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、eCF506、1-ナフチルPP1(1-NA-PP 1)、AMG-47a、ON123300、UM-164、MLR-1023、PD173955、AZD0424、PD180970又はHG-7-85-01である、請求項35から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、
a.がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、
b.がん細胞をmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤又はFAK阻害剤へ曝露する工程と
を含む方法。
【請求項46】
PI3キナーゼ阻害剤が、二重PI3K兼mTOR阻害剤である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
PI3キナーゼ阻害剤が、BGT226である、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
PI3キナーゼ阻害剤が、DS-7423、PF-04691502、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、BEZ235、GDC-0084、GDC-0980、LY3023414、PQR309、XL765、SF-1126、PF-05212384、PKI-587、GDC-0941、TG100-115、CH5132799、PX-866、XL147、ZSTK474、BKM-120、BAY80-6946、AZD8835、WX-037、AZD8186、KA2237、CAL-120、ME401、AMG319、GSK2636771、INCB050465、INK-1117、TGR-1202、RP6530、GDC-0032、BYL719、IPI-145、CAL-101、AMG511、ADZ6482、MLN1117、3-ヒドロキシアントラニル酸、ヒスピデュリン、ペクトリナリン又はシノブファギンである、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項49】
交流電場及びPI3キナーゼ阻害剤が、同時に投与される、請求項45から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
交流電場及びPI3キナーゼ阻害剤の同時投与後、がん細胞が交流電場へ曝露されたままで、PI3キナーゼ阻害剤が除去される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
PI3キナーゼ阻害剤が除去された後でも、がん細胞のアポトーシスの増大が残存する、請求項45から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
mTOR阻害剤が、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パクサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD及びTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項45から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
AKT阻害剤が、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66)、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA又はスクテラリンである、請求項45から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
Src阻害剤が、ダサチニブ(BMS-354825)、ポナチニブ(AP24534)、サラカチニブ(AZD0530)、ボスチニブ(SKI-606)、デヒドロアビエチン酸(DAA、DHAA)、PP2、ギンコール酸C17:1(GAC 17:1)、DGY-06-116、ドラマピモド(BIRB 796)、アパチニブ、ペリチニブ(EKB-569)、レスベラトロール、KX2-391(チルバニブリン)、NVP-BHG712、ENMD-2076、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PP1、MNS(3,4メチレンジオキシ-β-ニトロスチレン)、ドラマピモド(BIRB 796)、WH-4-023、RK24466、KX1-004、7-ヒドロキシクロモン、AD-80、レポトレクチニブ(TPX-0005)、ケルセチン(NSC 9221、ソホレチン、C.I. 75720)、SU 6656、Src阻害剤1(CAS 179248-59-0)、CCT196969、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、eCF506、1-ナフチルPP1(1-NA-PP 1)、AMG-47a、ON123300、UM-164、MLR-1023、PD173955、AZD0424、PD180970又はHG-7-85-01である、請求項45から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
化学療法剤を対象に投与する工程を更に含む、請求項1、16又は17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
細胞を化学療法剤へ曝露する工程を更に含む、請求項30又は45に記載の方法。
【請求項57】
Fak阻害剤が、デフェクタニブ(VS-6063)、ソラネソール(ノナイソプレノール)、PF-00562271ベシル酸塩(PF-562271)、PF-562271(PF-00562271)、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PF-573228 TAE226(NVP-TAE226)、PF-562271 HCl、BI-4464、Y15、GSK2256098、PND-1186(VS-4718)、PF-431396、FAK阻害剤14(cas 4506-66-5)又はレバスチニブである、請求項1から56のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
腫瘍治療電場(Tumor Treating Field)又はTTフィールドは、がん細胞増殖を阻害する中間周波数範囲(例えば、100~500kHz)内の低強度(例えば、1~3V/cm)の交流電場である。この非侵襲的治療は、固形腫瘍を標的化し、全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第7,565,205号において説明されている。TTフィールドは、神経膠芽腫(GBM)の治療についてFDAにより承認されており、例えば、Optune(商標)システムによりデリバリーされ得る。Optune(商標)は、電場ジェネレーターと、患者の剃毛した頭部上に設置される2対のトランスデューサーアレイ(すなわち、電極アレイ)とを含む。1対の電極は、腫瘍の左右に位置付けられ、他方の対の電極は、腫瘍の前後に位置付けられる。前臨床環境において、TTフィールドは、例えば、Inovitro(商標)TTフィールド研究用システム(Inovitro(商標)TTFields lab bench system)を使用してin vitroにおいて適用することができる。
【背景技術】
【0002】
TTフィールド治療は、再発性神経膠芽腫について承認された単独療法、及び新規に診断された神経膠芽腫及び切除不能な悪性胸膜中皮腫患者について承認された化学療法との組合せ療法である。これらの電場は、患者の頭皮に直接載せられたトランスデューサーアレイ(すなわち、電極のアレイ)によって非侵襲的に誘導される。TTフィールドは、身体の他の部分の腫瘍を治療するためにも有益であるようである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
交流電場(例えば、TTフィールド)と、がん細胞の交流電場への感受性を増大させることを補助するためのmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種とを使用する組合せ療法が、本明細書において開示される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
AKT阻害剤、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)阻害剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、Srcチロシンキナーゼ(Src)阻害剤、接着斑キナーゼ(Fak)阻害剤及び/又はグリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK3β)阻害剤を投与することにより、がん細胞の交流電場への感受性を増大させるための方法が、本明細書において開示される。
【0006】
がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、交流電場の周波数及び電場強度がある、工程と、がん細胞をmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤及び/又はGSK3β阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0007】
治療有効性を増大させる方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。
【0008】
がんを有する対象を治療する方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。
【0009】
mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤若しくはGSK3β阻害剤及び/又はサイクリンD1を増大させる組成物若しくは化合物のいずれかと組み合わせて、交流電場をある期間使用してがん細胞の生存能を低減させる方法であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、方法が開示される。
【0010】
がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と;がん細胞をPI3K阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0011】
開示される方法及び組成物の更なる利点は、一部には以下の説明において示され、一部には説明から理解されるか、又は開示される方法及び組成物の実施によって習得され得る。開示される方法及び組成物の利点は、附属の特許請求の範囲において特に示される要素及び組合せによって実現及び達成される。上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、単に例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲の本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【0012】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する附属の図面は、開示される方法及び組成物のいくつかの実施形態を例示し、説明と共に、開示される方法及び組成物の原理を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2A】TTフィールドの適用がサイクリンD1タンパク質レベルにおける減少をもたらすことを示す。
【
図2B】TTフィールドの適用がサイクリンD1タンパク質レベルにおける減少をもたらすことを示す。
【
図2C】TTフィールドの適用がサイクリンD1タンパク質レベルにおける減少をもたらすことを示す。
【
図3A】TTフィールドの適用がSer807/811におけるRbのリン酸化を低減させることを示す。
【
図3B】TTフィールドの適用がSer807/811におけるRbのリン酸化を低減させることを示す。
【
図4A】TTフィールドの適用がSer473におけるAktのリン酸化を増大させることを示す。
【
図4B】TTフィールドの適用がSer473におけるAktのリン酸化を増大させることを示す。
【
図5A】TTフィールドとmTOR阻害剤との組合せが相乗効果をもたらすことを示す。
【
図5B】TTフィールドとmTOR阻害剤との組合せが相乗効果をもたらすことを示す。
【
図6A】TTフィールドによる生存促進性シグナル伝達によって引き起こされる細胞抵抗性が二重PI3K/mTOR阻害剤であるBGT226によって阻害されることを示す。
【
図6B】TTフィールドによる生存促進性シグナル伝達によって引き起こされる細胞抵抗性が二重PI3K/mTOR阻害剤であるBGT226によって阻害されることを示す。
【
図6C-1】
図6C。TTフィールドによる生存促進性シグナル伝達によって引き起こされる細胞抵抗性が二重PI3K/mTOR阻害剤であるBGT226によって阻害されることを示す。
【
図6C-2】
図6C代替図。TTフィールドによる生存促進性シグナル伝達によって引き起こされる細胞抵抗性が二重PI3K/mTOR阻害剤であるBGT226によって阻害されることを示す。
【
図6D】TTフィールドによる生存促進性シグナル伝達によって引き起こされる細胞抵抗性が二重PI3K/mTOR阻害剤であるBGT226によって阻害されることを示す。
【
図6E】TTフィールドによる生存促進性シグナル伝達によって引き起こされる細胞抵抗性が二重PI3K/mTOR阻害剤であるBGT226によって阻害されることを示す。
【
図7】Aktリン酸化及び次にmTORC2複合体活性化に対する全PI3K阻害剤の影響を示す模式図を示す。
【
図9A】細胞傷害性に対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図9B】細胞傷害性に対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図9C】細胞傷害性に対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図9D】細胞傷害性に対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図10A】アポトーシスに対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図10B】アポトーシスに対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図10C】アポトーシスに対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図10D】アポトーシスに対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図11A】細胞増殖性に対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図11B】細胞増殖性に対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図11C】細胞増殖性に対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図11D】細胞増殖性に対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。
【
図12】A2780におけるTTフィールドの分子シグナル伝達を示す。短時間のTTフィールド適用後のタンパク質溶解物のウェスタンブロット分析は、Src/FAK経路の活性化における増大を示した。
【
図13】TTフィールドとSrc阻害剤との組合せを示す。
【
図14】TTフィールドとSrc阻害剤であるダサチニブとの組合せは、TTフィールド又は阻害剤単独と比較して増大した処理有効性を示したことを示す。
【
図15】細胞増殖性に対するTTフィールドとSrc阻害剤との組合せを示す。
【
図16】TTフィールドとSrc阻害剤であるダサチニブとの組合せを示す。
【
図17】細胞増殖性に対するTTフィールドとSrc阻害剤との組合せを示す。
【
図18-1】
図18。BGT226とTTフィールドとの組合せ療法は、パクリタキセルとTTフィールドとの組合せ療法よりも有効であることを示す。
【
図18-2】
図18代替
図BGT226とTTフィールドとの組合せ療法は、パクリタキセルとTTフィールドとの組合せ療法よりも有効であることを示す。
【
図19】GSK3β阻害剤とTTフィールドとの組合せ療法は、TTフィールド単独よりも有効というわけではないことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
開示される方法及び組成物は、以下の特定の実施形態の詳細な説明及びその中に含まれる実施例、並びに図面及びそれらの上記及び下記の説明を参照することにより、より容易に理解され得る。
【0015】
開示される方法及び組成物は、別に特定されない限り、特定の合成法、特定の分析技法又は特定の試薬に限定されず、そのため、変動し得ることを理解すべきである。また、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためであり、限定であるとは意図されないことを理解すべきである。
【0016】
開示される方法及び組成物に使用することができるか、これらと共に使用することができるか、これらの調製において使用することができるか、又はこれらの生成物である材料、組成物及び成分が開示される。これら及び他の材料は本明細書において開示されており、これらの材料の組合せ、サブセット、相互作用、群等が開示されている場合、これらの化合物の各様々な個々の及び集合的な組合せ及び並べ替えの特定の言及が明白に開示されていない場合でも、各々は本明細書において特に企図及び説明されていることが理解される。したがって、分子A、B及びCのクラス、並びに分子D、E及びFのクラスが開示されており、且つ組合せ分子の一例であるA-Dが開示されている場合、各々が個々に列挙されていない場合でも、各々は個々に且つ集合的に企図される。したがって、この実施例において、組合せA-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E及びC-Fの各々は、特に企図され、A、B及びC;D、E及びF;並びに例の組合せA-Dの開示から開示されていると考えるべきである。同様に、また、これらの任意のサブセット又は組合せは、特に企図及び開示される。したがって、例えば、A-E、B-F及びC-Eのサブ群は、特に企図され、A、B及びC;D、E及びF;並びに例の組合せA-Dの開示から開示されていると考えるべきである。この概念は、非限定的に、開示される組成物を製造及び使用する方法における工程を含む、本出願のすべての態様に適用される。したがって、実施され得る様々な追加の工程が存在する場合、これらの追加の工程の各々は、開示される方法の任意の特定の実施形態又は実施形態の組合せにより実施され得ること、及び各そのような組合せは、特に企図され、開示されていると考えるべきであることが理解される。
【0017】
A.定義
説明されている特定の方法、プロトコール及び試薬は変動し得るので、開示される方法及び組成物は、これらに限定されないことが理解される。また、本明細書において使用される用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためであり、本発明の範囲を限定するとは意図されず、本発明の範囲は附属の特許請求の範囲によってのみ限定されることを理解すべきである。
【0018】
本明細書において及び附属の特許請求の範囲において使用される場合、文脈が明らかに別のように示さない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示物を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、「1種のmTOR阻害剤(a mTOR inhibitor又はan mTOR inhibitor)」についての言及は、複数のそのようなmTOR阻害剤を含み、「そのがん細胞(the cancer cell)」についての言及は、1つ又は複数のがん細胞及び当業者に公知のそれらの同等物についての言及である等と言える。
【0019】
本明細書において使用される場合、「交流電場(alternating electric field又はalternating electric fields)」とは、対象へデリバリーされる非常に低強度の指向性の中間周波数交流電場、対象から得られる試料、又は対象又は患者内の特定の位置(例えば、標的部位)を指す。一部の態様において、交流電場は、単一の方向であってもよく、多方向性であってもよい。一部の態様において、交流電場は、治療される核心部内に垂直磁場を生成する2対のトランスデューサーアレイを通してデリバリーされ得る。例えば、Optune(商標)システム(交流電場デリバリーシステム)について、1対の電極は、核心部の左右(LR)に位置し、他方の対の電極は、核心部の前後(AP)に位置する。これらの2方向(すなわち、LR及びAP)間の磁場を周期循環させることにより、最大範囲の細胞方向が標的化されることを確実にする。一部の態様において、交流電場は、交流電場腫瘍治療システム(TTF)と称され得る。
【0020】
in-vivo及びin-vitro研究から、電場の強度が増大するにつれて、交流電場療法の有効性が増大することが示されている。それゆえ、Optuneシステムでは、所望される腫瘍領域における強度を増大させるために、患者の腫瘍領域に対するアレイの設置の最適化が行われ得る。アレイ設置の最適化は、患者の腫瘍の幾何学的形状である、腫瘍寸法を説明する「経験則(rule of thumb)」測定(例えば、標的部位の所望の領域(例えば、がん細胞)に可能な限り近く腫瘍上にアレイを置くこと)によって行われ得る。入力として使用される測定値は、画像化データに由来し得る。画像化データは、例えば、単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)画像データ、x線コンピュータ断層撮影(x線CT)データ、磁気共鳴画像化(MRI)データ、陽電子放出型断層撮影(PET)データ、光学機器(例えば、写真用カメラ、電荷結合素子(CCD)カメラ、赤外線カメラ等)によって捉えられ得るデータ等の任意の種類の視覚的データを含むと意図される。ある特定の実行において、画像データは、3Dスキャナーから得られた又は3Dスキャナーによって生成された3Dデータ(例えば、点群データ)を含み得る。最適化は、アレイの位置の関数として電場がどのように頭部内で分布するかを理解することに依存し、一部の態様において、様々な患者の頭部内での電気特性分布における変動を考慮してもよい。
【0021】
「対象」という用語は、投与の標的、例えば、動物を指す。したがって、開示される方法の対象は、脊椎動物、例えば、哺乳動物であり得る。例えば、対象は、ヒトであり得る。この用語は、特定の年齢又は性別を示さない。対象は、「個体」又は「患者」と互換的に使用され得る。例えば、投与の対象は、交流電場のレシピエントを意味し得る。
【0022】
「治療する」により、がん(神経膠芽腫、卵巣癌又は肺転移性癌)の影響の悪化を予防若しくは遅延させるために、又はがんの影響を部分的又は完全に逆行させるために、治療法、例えば、交流電場を、がんを有するか又はがんの発症しやすさが増大している対象、例えば、ヒト又は他の哺乳動物(例えば、動物モデル)に投与又は適用することを意味する。
【0023】
「予防する」により、がんの発症しやすさが増大している対象が、がんを発症する機会を最小限にすることを意味する。
【0024】
本明細書において使用される場合、「投与すること」及び「投与」という用語は、治療薬、例えば、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤を対象へ提供する任意の方法を指す。そのような方法は、当業者に周知であり、非限定的に、経口投与、経皮投与、吸入による投与、鼻投与、局所投与、膣内投与、眼の投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与、舌下投与、口腔投与、並びに静脈内投与、動脈内投与、筋内投与及び皮下投与等の注射剤を含む非経口投与を含むが、これらに限定されない。投与は、連続性であっても、間欠性であってもよい。様々な態様において、調製物は、治療的に投与され得る;つまり、現存の疾患又は状態を治療するために投与され得る。更なる様々な態様において、調製物は、予防的に投与され得る;つまり、疾患又は状態の予防のために投与され得る。一態様において、当業者は、対象を治療するための投与の有効な用量、有効なスケジュール又は有効な経路を決定し得る。一部の態様において、投与することは、曝露することを含む。したがって、一部の態様において、がん細胞を交流電場へ曝露することは、交流電場をがん細胞へ投与する(適用する)ことを意味する。
【0025】
「場合による」又は「場合により」とは、次に記載される事象、状況又は材料が起こってもよく起こらなくてもよいか、又は存在してもよく存在しなくてもよいこと、及びその記述が、事象、状況又は材料が起こるか又は存在する場合、及びそれが起こらないか又は存在しない場合を含むことを意味する。
【0026】
範囲は、本明細書において「約」ある特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までと表され得る。そのような範囲が表される場合、文脈が具体的に別のように示さない限り、ある特定の値から及び/又は他の特定の値までの範囲も特に企図され、開示されていると考えられる。同様に、値が「約」という先行詞の使用により近似値として表される場合、特定の値は、文脈が具体的に別のように示さない限り、開示されていると考えるべきである別の特に企図される実施形態を形成することが理解される。範囲の各々の終点は、文脈が具体的に別のように示さない限り、他の終点との関係において有意であること、及び他の終点とは独立的に有意であることの両方が、更に理解される。最後に、明白に開示される範囲内に含有される個々の値及び値のサブ範囲のすべても、文脈が具体的に別のように示さない限り、特に企図され、開示されていると考えるべきであることを理解すべきである。上記のことは、特定の場合においてこれらの実施形態の一部又はすべてが明白に開示されているかどうかにかかわらず、適用される。
【0027】
別に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、開示される方法及び組成物が属する分野の当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において説明される方法及び材料と同様又は同等の任意の方法及び材料は、本方法及び組成物の実施又は試験において使用することができるが、特に有用な方法、デバイス及び材料は説明される通りである。本明細書において引用される出版物及びそれらが引用される材料は、特に、これにより参照により本明細書に組み込まれる。本明細書中のいかなる記載も、本発明が先行発明のためにそのような開示に先行する権利を与えられないことを認めるものとは解釈すべきでない。いかなる参考文献も先行技術を構成するとは承認されない。参考文献の説明は、それらの著者らが主張することを説明するものであり、出願人は引用される文献の正確さ及び関連性の正当性を問う権利を保有している。いくつかの出版物が本明細書において参照されているが、そのような参照は、これらの文献のいずれかが当該技術分野の共通一般知識の部分を形成するという承認を構成しないことが明らかに理解される。
【0028】
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して、「~を含む(comprise)」という語及びこの語の変形、例えば「~を含むこと(comprising)」及び「~を含む(comprises)」は、「~を含むが、これらに限定されない(including but not limited to)」を意味し、例えば、他の添加物、成分、整数又は工程を除外することを意図しない。特に、1つ又は複数の工程又は操作を含むと言及される方法において、各工程は(その工程が「~からなる(consisting of)」等の限定的な用語を含まない限り)列挙されるものを含むことが特に企図され、各工程は、例えば、工程において列挙されていない他の添加物、成分、整数又は工程を除外することを意図しないことを意味する。
【0029】
B.感受性を増大させる方法
一部の態様において、活性サイクリンD1経路は、細胞生存の低減又は欠如をもたらす。
図1において示されるように、サイクリンD1は複合体を形成して、サイクリンD1-CDK4になる場合があり、これは、E2F1-Rb複合体からの網膜芽細胞腫抑制因子タンパク質(Rb)の放出及びリン酸化を誘発する。リン酸化されたRbはmTORC2を阻害し、それゆえ、AKTはリン酸化されず、これは細胞生存を妨げる。この経路に基づくと、サイクリンD1の減少により、Rb放出及びリン酸化がほとんど~全くなくなる場合があり、これは活性mTORC2をもたらす。活性mTORC2はAKTのリン酸化を引き起こし、細胞生存をもたらす。したがって、一部の態様において、交流電場はサイクリンD1の減少を引き起こす場合があり、これは、交流電場によって意図されるのとは反対の効果である、細胞生存を増大し得る。
【0030】
一部の態様において、がん細胞は、がん細胞の分裂を中断させることによって細胞を死滅させることを補助するために交流電場により治療され得る。しかしながら、一部の態様において、交流電場は、サイクリンD1の減少を引き起こす場合があり、これは、交流電場によって意図されるのとは反対の効果である、細胞生存を増大し得る。したがって、サイクリンD1経路を変更することによって、がん細胞の交流電場への感受性を増大させるための方法が、本明細書において開示される。また、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤及び/又はGSK3β阻害剤を投与することによって、がん細胞の交流電場への感受性を増大させるための方法が、本明細書において開示される。
【0031】
がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、交流電場の周波数及び電場強度がある、工程と、がん細胞をmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤及び/又はGSK3β阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。一部の態様において、mTOR阻害剤は、mTORC2阻害剤である。一部の態様において、mTOR阻害剤は、トルキニブ(torkinib)、エベロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ(dactolisib)、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ(sapanisertib)、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ(gedatolisib))、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ(voxtalisib))、ビミラリシブ(Bimiralisib)(PQR309)、パクサリシブ(Paxalisib)(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン(Torin)1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(Vistusertib)(AZD2014)、WYE-125132、パロミド(Palomid)529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ(Samotolisib))、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(Zotarolimus)(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシン(Cyclovirbuxine)D、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD又はTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択され得るが、これらに限定されない。
【0032】
一部の態様において、AKT阻害剤は、AKTを阻害するか、AKTのリン酸化を阻害するか、リン酸化されたAKTを阻害するか、又はサイクリンD1の分解を阻害する任意の組成物又は化合物であり得る。一部の態様において、AKT阻害剤は、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(Afuresertib)(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(uprosertib)(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(Edelfosine)(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(erucylphosphocholine)(ErPC)、エルホシン(erufosine)(ErPC3、エルシルホスホホモコリン(erucylphosphohomocholine))、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(Triciribine)(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド(3 oxo tirucallic acid)、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド(3α- and 3β acetoxy tirucallic acid)、アセトキシチルカリック(acetoxy tirucallic)、ラクトキノマイシン(Lactoquinomycin)、フレノリシン(Frenolicin)B、カラフンギン、メデルマイシン(medermycin)、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(Rigosertib)(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(Miransertib)(ARQ 092)、ボルセルチブ(Borussertib)、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチン(Urolithin)B、ABTL-0821、ロウレイリン(Loureirin)A、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン(Resibufogenin)、テラメプロコル(Terameprocol)、オロキシン(Oroxin)B、LM22B-10、アマロゲンチン(Amarogentin)、オリドニン(Oridonin)、プラエルプトリン(Praeruptorin)A又はスクテラリン(Scutellarin)であり得るが、これらに限定されない。
【0033】
一部の態様において、PI3Kは、AKTのリン酸化及び細胞生存をもたらす。したがって、また、がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、交流電場の周波数及び電場強度がある、工程と、がん細胞をPI3K阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。交流電場はサイクリンD1を減少する場合があり、これはリン酸化AKTの増大及び細胞生存の増大をもたらすので、AKTリン酸化を防止し、細胞生存の低減をもたらすPI3K阻害剤の添加は、交流電場との有効な組合せ治療であり得る。一部の態様において、PI3K阻害剤は、PI3K兼mTOR二重阻害剤であり得る。一部の態様において、PI3K阻害剤は、GDC-0941、TG100-115、CH5132799、PX-866、XL147、ZSTK474、BKM-120、BAY80-6946、AZD8835、WX-037、AZD8186、KA2237、CAL-120、ME401、AMG319、GSK2636771、INCB050465、INK-1117、TGR-1202、RP6530、GDC-0032、BYL719、IPI-145、CAL-101、AMG511、ADZ6482、MLN1117、3-ヒドロキシアントラニル酸、ヒスピデュリン(Hispidulin)、ペクトリナリン又はシノブファギンであり得るが、これらに限定されない。
【0034】
一部の態様において、GSK3βは、AKTのリン酸化及び細胞生存をもたらす。したがって、また、がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、交流電場の周波数及び電場強度がある、工程と、がん細胞をGSK3β阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。一部の態様において、GSK3β阻害剤は、リチウム、亜鉛、タングステン酸塩、ナプロキセン、クロモリン、ファモチジン、オランザピン、ピリミジン誘導体、CT98014、CT98023、CT99021、TWS119、インジルビン、6-BIO、ヒメニアルジシン、ジブロモカンタレリン(Dibromocanthareline)、メリジアニン(Meridianin)、アリールインドールマレイミド、SB-216763、SB-41528、チアゾール、AR-A014418、AZD-1080、パウロン類(Paullones)、ケンパウロン(Kenpaullone)、アルステルパウロン(Alsterpaullone)、キャズパウロン(Cazpaullone)、アロシン(Alosine)、マンザミン類(Manzamins)、マンザミン(Manzamin)A、フラノセスキテルペン、パリヌリン(Palinurine)、トリカンチン(Tricantine)、L803-mts、チアゾリジンジオン、TDZD-8、NP00111、NP031115、NP031112(チデグルシブ)、ハロメチルケトン(HMK-32)、L803-mts、CHIR99021、CT99021、TWS119、アロイシン(Aloisine)、9-ING-41、1-アザケンパウロン(Azakenpaullone)、IM-12、CHIR-98014又はLY2090314であり得るが、これらに限定されない。
【0035】
一部の態様において、Src阻害剤は、交流電場と組み合わせて使用することができる。src阻害剤の例には、ダサチニブ(BMS-354825)、ポナチニブ(AP24534)、サラカチニブ(Saracatinib)(AZD0530)、ボスチニブ(SKI-606)、デヒドロアビエチン酸(DAA、DHAA)、PP2、ギンコール酸C17:1(GAC 17:1)、DGY-06-116、ドラマピモド(Doramapimod)(BIRB 796)、アパチニブ、ペリチニブ(Pelitinib)(EKB-569)、レスベラトロール、KX2-391(チルバニブリン(Tirbanibulin))、NVP-BHG712、ENMD-2076、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PP1、MNS(3,4メチレンジオキシ-β-ニトロスチレン)、ドラマピモド(BIRB 796)、WH-4-023、RK24466、KX1-004、7-ヒドロキシクロモン、AD-80、レポトレクチニブ(Repotrectinib)(TPX-0005)、ケルセチン(NSC 9221、ソホレチン(Sophoretin)、C.I. 75720)、SU 6656、Src阻害剤1(CAS 179248-59-0)、CCT196969、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、eCF506、1-ナフチルPP1(1-NA-PP 1)、AMG-47a、ON123300、UM-164、MLR-1023、PD173955、AZD0424、PD180970又はHG-7-85-01が含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
一部の態様において、Fak阻害剤は、交流電場と組み合わせて使用することができる。Fak阻害剤の例には、デフェクタニブ(Defectanib)(VS-6063)、ソラネソール(ノナイソプレノール)、PF-00562271ベシル酸塩(PF-562271)、PF-562271(PF-00562271)、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PF-573228 TAE226(NVP-TAE226)、PF-562271 HCl、BI-4464、Y15、GSK2256098、PND-1186(VS-4718)、PF-431396、FAK阻害剤14(cas 4506-66-5)又はレバスチニブ(Rebastinib)が含まれるが、これらに限定されない。
【0037】
一部の態様において、がん細胞は、神経膠芽腫細胞、卵巣細胞又は肺転移性癌細胞である。一部の態様において、がん細胞は、任意のがんに由来し得る。
【0038】
一部の態様において、がん細胞は、対象内に存在する。したがって、一部の態様において、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程は、交流電場を対象の、がん細胞を含む領域へ適用することを含む。例えば、がん細胞が神経膠芽腫細胞である場合、交流電場は、対象の頭部へ適用され得る。
【0039】
一部の態様において、がん細胞は、交流電場及びmTOR阻害剤又はAKT阻害剤へ同時に曝露される。一部の態様において、がん細胞は、交流電場及びPI3K阻害剤へ同時に曝露される。一部の態様において、がん細胞は、交流電場及びPI3K阻害剤へ同時に曝露される。
【0040】
一部の態様において、開示される方法は、がん細胞においてサイクリンD1タンパク質発現を増大させる工程を更に含み得る。一部の態様において、サイクリンD1タンパク質発現を増大させる工程とは、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることを意味し得る。サイクリンD1タンパク質発現は、組換えサイクリンD1を細胞へ投与すること、又はサイクリンD1 mRNAをアップレギュレートする転写アクチベーターを投与することによって増大させることができる。一部の態様において、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることは、交流電場への曝露前のサイクリンD1レベルを測定し、その後交流電場への曝露後のレベルをモニタリングし、レベルが交流電場への曝露前のレベルまで回復する又は部分的に回復するまで、細胞へ組換えサイクリンD1を投与すること又はサイクリンD1 mRNAをアップレギュレートする転写アクチベーターを投与することによって達成することができる。一部の態様において、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることは、その年齢範囲の対象における正常サイクリンD1レベルの標準範囲に基づき得る。本明細書において使用される場合、「部分的に回復させる」又は「部分的に回復させること」という句は、サイクリンD1レベルを、交流電場への曝露前のそれらの開始レベル未満のレベルまで回復させることを指す。一部の態様において、部分的に回復したレベルとは、交流電場への曝露前のサイクリンD1レベルの開始レベルの95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%又はそれ以下であり得る。
【0041】
一部の態様において、がん細胞は、サイクリンD1タンパク質発現が回復される直前に、それと同時に又はその直後に交流電場へ曝露される。一部の態様において、がん細胞は、サイクリンD1タンパク質発現が回復される直前に、それと同時に又はその直後に交流電場及びmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤へ曝露される。
【0042】
がん細胞の交流電場への感受性を増大させる上記方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、交流電場の周波数及び電場強度がある、工程と、がん細胞をmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、src阻害剤、Fak阻害剤及び/又はGSK3β阻害剤へ曝露する工程とを含み、細胞を化学療法剤へ曝露する工程を更に含む方法のいずれかが開示される。一部の態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗悪性腫瘍性抗生物質薬、有糸分裂阻害薬であり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、方法は、細胞を放射線療法へ曝露する工程を更に含み得る。一部の態様において、方法は、細胞を免疫腫瘍療法薬へ曝露する工程を更に含み得る。一部の態様において、免疫腫瘍療法薬とは、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ及びデュルバルマブであり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、薬剤及び治療法のこれらのカテゴリーは重複しており、例えば、ペムブロリズマブは、免疫腫瘍療法薬であり、抗悪性腫瘍薬とも考えられる。
【0043】
更なる態様において、抗悪性腫瘍性抗生物質薬は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチン及びバルルビシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0044】
更なる態様において、代謝拮抗薬は、ジェムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキセート、フロクスウリジン、メトトレキセート及びチオグアニン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0045】
更なる態様において、アルキル化剤は、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、デカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチン及びストレプトゾシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0046】
更なる態様において、有糸分裂阻害薬は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン(rubitecan)、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトポシド、ビンクリスチン、イクサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチン及びテニポシド又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0047】
C.治療方法
治療有効性を増大させる方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。
【0048】
がんを有する対象を治療する方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。
【0049】
一部の態様において、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用する前に投与される。一部の態様において、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用した後に投与される。一部の態様において、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用するのと同時に投与される。
【0050】
一部の態様において、がんは、神経膠芽腫、卵巣癌又は肺転移性癌である。一部の態様において、がんは、任意のがんであり得る。
【0051】
一部の態様において、mTOR阻害剤は、mTORC2阻害剤である。一部の態様において、mTOR阻害剤は、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス、(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パクサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク(Rapalink)-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD又はTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択され得るが、これらに限定されない。
【0052】
一部の態様において、AKT阻害剤は、AKTを阻害するか、AKTのリン酸化を阻害するか、リン酸化されたAKTを阻害するか、又はサイクリンD1の分解を阻害する任意の組成物又は化合物であり得る。一部の態様において、AKT阻害剤は、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363(カピバセルチブ)、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA、スクテラリン、GNE-317、GNE-403又はNSC781406であり得るが、これらに限定されない。
【0053】
一部の態様において、PI3K阻害剤は、PI3K兼mTOR二重阻害剤であり得る。一部の態様において、PI3K阻害剤は、DS-7423、PF-04691502、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、BEZ235、GDC-0084、GDC-0980、LY3023414、PQR309、XL765、SF-1126、PF-05212384又はPKI-587であり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、PI3K阻害剤は、GDC-0941、TG100-115、CH5132799、PX-866、XL147、ZSTK474、BKM-120、BAY80-6946、AZD8835、WX-037、AZD8186、KA2237、CAL-120、ME401、AMG319、GSK2636771、INCB050465、INK-1117、TGR-1202、RP6530、GDC-0032、BYL719、IPI-145、CAL-101、AMG511、ADZ6482、MLN1117、3-ヒドロキシアントラニル酸、ヒスピデュリン、ペクトリナリン又はシノブファギンであり得るが、これらに限定されない。
【0054】
一部の態様において、GSK3β阻害剤は、リチウム、亜鉛、タングステン酸塩、ナプロキセン、クロモリン、ファモチジン、オランザピン、ピリミジン誘導体、CT98014、CT98023、CT99021、TWS119、インジルビン、6-BIO、ヒメニアルジシン、ジブロモカンタレリン、メリジアニン、アリールインドールマレイミド、SB-216763、SB-41528、チアゾール、AR-A014418、AZD-1080、パウロン類、ケンパウロン、アルステルパウロン、キャズパウロン、アロシン、マンザミン類、マンザミンA、フラノセスキテルペン、パリヌリン、トリカンチン、L803-mts、チアゾリジンジオン、TDZD-8、NP00111、NP031115、NP031112(チデグルシブ)、ハロメチルケトン(HMK-32)、L803-mts、CHIR99021、CT99021、TWS119、アロイシン、9-ING-41、1-アザケンパウロン、IM-12、CHIR-98014又はLY2090314であり得るが、これらに限定されない。
【0055】
一部の態様において、Src阻害剤は、ダサチニブ(BMS-354825)、ポナチニブ(AP24534)、サラカチニブ(AZD0530)、ボスチニブ(SKI-606)、デヒドロアビエチン酸(DAA、DHAA)、PP2、ギンコール酸C17:1(GAC 17:1)、DGY-06-116、ドラマピモド(BIRB 796)、アパチニブ、ペリチニブ(EKB-569)、レスベラトロール、KX2-391(チルバニブリン)、NVP-BHG712、ENMD-2076、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PP1、MNS(3,4メチレンジオキシ-β-ニトロスチレン)、ドラマピモド(BIRB 796)、WH-4-023、RK24466、KX1-004、7-ヒドロキシクロモン、AD-80、レポトレクチニブ(TPX-0005)、ケルセチン(NSC 9221、ソホレチン、C.I. 75720)、SU 6656、Src阻害剤1(CAS 179248-59-0)、CCT196969、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、eCF506、1-ナフチルPP1(1-NA-PP 1)、AMG-47a、ON123300、UM-164、MLR-1023、PD173955、AZD0424、PD180970又はHG-7-85-01であり得るが、これらに限定されない。
【0056】
一部の態様において、FAK阻害剤は、デフェクタニブ(VS-6063)、ソラネソール(ノナイソプレノール)、PF-00562271ベシル酸塩(PF-562271)、PF-562271(PF-00562271)、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PF-573228 TAE226(NVP-TAE226)、PF-562271 HCl、BI-4464、Y15、GSK2256098、PND-1186(VS-4718)、PF-431396、FAK阻害剤14(cas 4506-66-5)又はレバスチニブであり得るが、これらに限定されない。
【0057】
一部の態様において、交流電場は、1つ又は複数のがん細胞においてサイクリンD1タンパク質レベルを減少させる。
【0058】
一部の態様において、開示される方法は、対象において、特に対象のがん細胞においてサイクリンD1タンパク質発現を増大させる工程を更に含み得る。一部の態様において、サイクリンD1タンパク質発現を増大させる工程とは、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることを意味し得る。サイクリンD1タンパク質発現は、組換えサイクリンD1を細胞へ投与すること、又はサイクリンD1 mRNAをアップレギュレートする転写アクチベーターを投与することによって増大させることができる。一部の態様において、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることは、交流電場への曝露前のサイクリンD1レベルを測定し、その後交流電場への曝露後のレベルをモニタリングし、レベルが交流電場への曝露前のレベルまで回復する又は部分的に回復するまで、細胞へ組換えサイクリンD1を投与すること又はサイクリンD1 mRNAをアップレギュレートする転写アクチベーターを投与することによって達成することができる。一部の態様において、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることは、その年齢範囲の対象における正常サイクリンD1レベルの標準範囲に基づき得る。本明細書において使用される場合、「部分的に回復させる」又は「部分的に回復させること」という句は、サイクリンD1レベルを、交流電場への曝露前のそれらの開始レベル未満のレベルまで回復させることを指す。一部の態様において、部分的に回復したレベルとは、交流電場への曝露前のサイクリンD1レベルの開始レベルの95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%又はそれ以下であり得る。
【0059】
一部の態様において、治療有効性を増大させる方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、放射線療法と組み合わせて、治療有効量のmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程であって、その結果が、放射線療法によるDNA損傷への細胞のかかりやすさの増大である、工程とを含む方法が開示される。
【0060】
一部の態様において、EFF1-Rb複合体からのE2F1の放出のためのBRCA発現を減少させるために、交流電場と組み合わせて、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種を投与する工程を含む方法が開示される。
【0061】
治療有効性を増大させる上記方法、又はがんを有する対象を治療する方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含み、化学療法剤を対象へ投与する工程を更に含む方法のうちのいずれかが開示される。一部の態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗悪性腫瘍性抗生物質薬及び有糸分裂阻害薬であり得るが、これらに限定されない。
【0062】
更なる態様において、抗悪性腫瘍性抗生物質薬は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチン及びバルルビシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0063】
更なる態様において、代謝拮抗薬は、ジェムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキセート、フロクスウリジン、メトトレキセート及びチオグアニン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0064】
更なる態様において、アルキル化剤は、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、デカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチン及びストレプトゾシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0065】
更なる態様において、有糸分裂阻害薬は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトポシド、ビンクリスチン、イクサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチン及びテニポシド又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0066】
D.がん細胞の生存能を低減させる方法
mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤若しくはGSK3β阻害剤及び/又はサイクリンD1を増大させる組成物若しくは化合物のいずれかと組み合わせて、交流電場をある期間使用してがん細胞の生存能を低減させる方法であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、方法が開示される。
【0067】
また、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤若しくはGSK3β阻害剤及び/又はサイクリンD1を増大させる組成物若しくは化合物のいずれかと組み合わせて、交流電場をある期間使用してがん細胞の生存能を低減させる方法であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、化学療法剤を対象へ投与する工程を更に含む方法が開示される。一部の態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗悪性腫瘍性抗生物質薬及び有糸分裂阻害薬であり得るが、これらに限定されない。
【0068】
更なる態様において、抗悪性腫瘍性抗生物質薬は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチン及びバルルビシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0069】
更なる態様において、代謝拮抗薬は、ジェムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキセート、フロクスウリジン、メトトレキセート及びチオグアニン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0070】
更なる態様において、アルキル化剤は、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、デカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチン及びストレプトゾシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0071】
更なる態様において、有糸分裂阻害薬は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトポシド、ビンクリスチン、イクサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチン及びテニポシド又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0072】
1.交流電場+阻害剤
がん細胞の生存能を低減させる方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。
【0073】
一部の態様において、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用する前に投与される。一部の態様において、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用した後に投与される。一部の態様において、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用するのと同時に投与される。
【0074】
一部の態様において、がんは、神経膠芽腫、卵巣癌又は肺転移性癌である。一部の態様において、がんは、任意のがんであり得る。
【0075】
一部の態様において、mTOR阻害剤は、mTORC2阻害剤である。一部の態様において、mTOR阻害剤は、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス、(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パクサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD又はTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択され得るが、これらに限定されない。
【0076】
一部の態様において、AKT阻害剤は、AKTを阻害するか、AKTのリン酸化を阻害するか、リン酸化されたAKTを阻害するか、又はサイクリンD1の分解を阻害する任意の組成物又は化合物であり得る。一部の態様において、AKT阻害剤は、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA又はスクテラリンであり得るが、これらに限定されない。
【0077】
一部の態様において、PI3K阻害剤は、PI3K兼mTOR二重阻害剤であり得る。一部の態様において、PI3K阻害剤は、DS-7423、PF-04691502、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、BEZ235、GDC-0084、GDC-0980、LY3023414、PQR309、XL765、SF-1126、PF-05212384又はPKI-587であり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、PI3K阻害剤は、GDC-0941、TG100-115、CH5132799、PX-866、XL147、ZSTK474、BKM-120、BAY80-6946、AZD8835、WX-037、AZD8186、KA2237、CAL-120、ME401、AMG319、GSK2636771、INCB050465、INK-1117、TGR-1202、RP6530、GDC-0032、BYL719、IPI-145、CAL-101、AMG511、ADZ6482、MLN1117、3-ヒドロキシアントラニル酸、ヒスピデュリン、ペクトリナリン又はシノブファギンであり得るが、これらに限定されない。
【0078】
一部の態様において、src阻害剤は、ダサチニブ(BMS-354825)、ポナチニブ(AP24534)、サラカチニブ(AZD0530)、ボスチニブ(SKI-606)、デヒドロアビエチン酸(DAA、DHAA)、PP2、ギンコール酸C17:1(GAC 17:1)、DGY-06-116、ドラマピモド(BIRB 796)、アパチニブ、ペリチニブ(EKB-569)、レスベラトロール、KX2-391(チルバニブリン)、NVP-BHG712、ENMD-2076、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PP1、MNS(3,4メチレンジオキシ-β-ニトロスチレン)、ドラマピモド(BIRB 796)、WH-4-023、RK24466、KX1-004、7-ヒドロキシクロモン、AD-80、レポトレクチニブ(TPX-0005)、ケルセチン(NSC 9221、ソホレチン、C.I. 75720)、SU 6656、Src阻害剤1(CAS 179248-59-0)、CCT196969、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、eCF506、1-ナフチルPP1(1-NA-PP 1)、AMG-47a、ON123300、UM-164、MLR-1023、PD173955、AZD0424、PD180970又はHG-7-85-01であり得るが、これらに限定されない。
【0079】
一部の態様において、Fak阻害剤は、デフェクタニブ(VS-6063)、ソラネソール(ノナイソプレノール)、PF-00562271ベシル酸塩(PF-562271)、PF-562271(PF-00562271)、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PF-573228 TAE226(NVP-TAE226)、PF-562271 HCl、BI-4464、Y15、GSK2256098、PND-1186(VS-4718)、PF-431396、FAK阻害剤14(cas 4506-66-5)又はレバスチニブであり得るが、これらに限定されない。
【0080】
一部の態様において、GSK3β阻害剤は、リチウム、亜鉛、タングステン酸塩、ナプロキセン、クロモリン、ファモチジン、オランザピン、ピリミジン誘導体、CT98014、CT98023、CT99021、TWS119、インジルビン、6-BIO、ヒメニアルジシン、ジブロモカンタレリン、メリジアニン、アリールインドールマレイミド、SB-216763、SB-41528、チアゾール、AR-A014418、AZD-1080、パウロン類、ケンパウロン、アルステルパウロン、キャズパウロン、アロシン、マンザミン類、マンザミンA、フラノセスキテルペン、パリヌリン、トリカンチン、L803-mts、チアゾリジンジオン、TDZD-8、NP00111、NP031115、NP031112(チデグルシブ)、ハロメチルケトン(HMK-32)、L803-mts、CHIR99021、CT99021、TWS119、アロイシン、9-ING-41、1-アザケンパウロン、IM-12、CHIR-98014又はLY2090314であり得るが、これらに限定されない。
【0081】
一部の態様において、交流電場は、1つ又は複数のがん細胞においてサイクリンD1タンパク質レベルを減少させる。
【0082】
一部の態様において、開示される方法は、対象において、特に対象のがん細胞においてサイクリンD1タンパク質発現を増大させる工程を更に含み得る。一部の態様において、サイクリンD1タンパク質発現を増大させる工程とは、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることを意味し得る。サイクリンD1タンパク質発現は、組換えサイクリンD1を細胞へ投与すること、又はサイクリンD1 mRNAをアップレギュレートする転写アクチベーターを投与することによって増大させることができる。一部の態様において、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることは、交流電場への曝露前のサイクリンD1レベルを測定し、その後交流電場への曝露後のレベルをモニタリングし、レベルが交流電場への曝露前のレベルまで回復する又は部分的に回復するまで、細胞へ組換えサイクリンD1を投与すること又はサイクリンD1 mRNAをアップレギュレートする転写アクチベーターを投与することによって達成することができる。一部の態様において、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることは、その年齢範囲の対象における正常サイクリンD1レベルの標準範囲に基づき得る。本明細書において使用される場合、「部分的に回復させる」又は「部分的に回復させること」という句は、サイクリンD1レベルを、交流電場への曝露前のそれらの開始レベル未満のレベルまで回復させることを指す。一部の態様において、部分的に回復したレベルとは、交流電場への曝露前のサイクリンD1レベルの開始レベルの95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%又はそれ以下であり得る。
【0083】
2.交流電場+サイクリンD1の増大
一部の態様において、がん細胞の生存能を低減させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と;がん細胞においてサイクリンD1タンパク質発現をアップレギュレート又は増大させ、これによって、がん細胞の生存能を低減させる工程とを含む方法が開示される。
【0084】
一部の態様において、がん細胞の生存能を低減させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と;がん細胞においてサイクリンD1タンパク質発現をアップレギュレート又は増大させ、これによって、がん細胞の生存能を低減させる工程とを含む方法は、がん細胞を、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種へ曝露する工程を更に含んでもよい。
【0085】
一部の態様において、がん細胞は、対象内に存在する。したがって、一部の態様において、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程は、交流電場を対象の、がん細胞を含む領域へ適用することを含む。例えば、がん細胞が神経膠芽腫細胞である場合、交流電場は、対象の頭部へ適用され得る。
【0086】
一部の態様において、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用する前に投与される。一部の態様において、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用した後に投与される。一部の態様において、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用するのと同時に投与される。
【0087】
一部の態様において、がんは、神経膠芽腫、卵巣癌又は肺転移性癌である。一部の態様において、がんは、任意のがんであり得る。
【0088】
一部の態様において、mTOR阻害剤は、mTORC2阻害剤である。一部の態様において、mTOR阻害剤は、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス、(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パクサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD又はTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択され得るが、これらに限定されない。
【0089】
一部の態様において、AKT阻害剤は、AKTを阻害するか、AKTのリン酸化を阻害するか、リン酸化されたAKTを阻害するか、又はサイクリンD1の分解を阻害する任意の組成物又は化合物であり得る。一部の態様において、AKT阻害剤は、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA又はスクテラリンであり得るが、これらに限定されない。
【0090】
一部の態様において、PI3K阻害剤は、PI3K兼mTOR二重阻害剤であり得る。一部の態様において、PI3K阻害剤は、DS-7423、PF-04691502、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、BEZ235、GDC-0084、GDC-0980、LY3023414、PQR309、XL765、SF-1126、PF-05212384又はPKI-587であり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、PI3K阻害剤は、GDC-0941、TG100-115、CH5132799、PX-866、XL147、ZSTK474、BKM-120、BAY80-6946、AZD8835、WX-037、AZD8186、KA2237、CAL-120、ME401、AMG319、GSK2636771、INCB050465、INK-1117、TGR-1202、RP6530、GDC-0032、BYL719、IPI-145、CAL-101、AMG511、ADZ6482、MLN1117、3-ヒドロキシアントラニル酸、ヒスピデュリン、ペクトリナリン又はシノブファギンであり得るが、これらに限定されない。
【0091】
一部の態様において、GSK3β阻害剤は、リチウム、亜鉛、タングステン酸塩、ナプロキセン、クロモリン、ファモチジン、オランザピン、ピリミジン誘導体、CT98014、CT98023、CT99021、TWS119、インジルビン、6-BIO、ヒメニアルジシン、ジブロモカンタレリン、メリジアニン、アリールインドールマレイミド、SB-216763、SB-41528、チアゾール、AR-A014418、AZD-1080、パウロン類、ケンパウロン、アルステルパウロン、キャズパウロン、アロシン、マンザミン類、マンザミンA、フラノセスキテルペン、パリヌリン、トリカンチン、L803-mts、チアゾリジンジオン、TDZD-8、NP00111、NP031115、NP031112(チデグルシブ)、ハロメチルケトン(HMK-32)、L803-mts、CHIR99021、CT99021、TWS119、アロイシン、9-ING-41、1-アザケンパウロン、IM-12、CHIR-98014又はLY2090314であり得るが、これらに限定されない。
【0092】
一部の態様において、src阻害剤は、ダサチニブ(BMS-354825)、ポナチニブ(AP24534)、サラカチニブ(AZD0530)、ボスチニブ(SKI-606)、デヒドロアビエチン酸(DAA、DHAA)、PP2、ギンコール酸C17:1(GAC 17:1)、DGY-06-116、ドラマピモド(BIRB 796)、アパチニブ、ペリチニブ(EKB-569)、レスベラトロール、KX2-391(チルバニブリン)、NVP-BHG712、ENMD-2076、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PP1、MNS(3,4メチレンジオキシ-β-ニトロスチレン)、ドラマピモド(BIRB 796)、WH-4-023、RK24466、KX1-004、7-ヒドロキシクロモン、AD-80、レポトレクチニブ(TPX-0005)、ケルセチン(NSC 9221、ソホレチン、C.I. 75720)、SU 6656、Src阻害剤1(CAS 179248-59-0)、CCT196969、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、eCF506、1-ナフチルPP1(1-NA-PP 1)、AMG-47a、ON123300、UM-164、MLR-1023、PD173955、AZD0424、PD180970又はHG-7-85-01であり得るが、これらに限定されない。
【0093】
一部の態様において、FAK阻害剤は、デフェクタニブ(VS-6063)、ソラネソール(ノナイソプレノール)、PF-00562271ベシル酸塩(PF-562271)、PF-562271(PF-00562271)、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PF-573228 TAE226(NVP-TAE226)、PF-562271 HCl、BI-4464、Y15、GSK2256098、PND-1186(VS-4718)、PF-431396、FAK阻害剤14(cas 4506-66-5)又はレバスチニブであり得るが、これらに限定されない。
【0094】
一部の態様において、交流電場は、1つ又は複数のがん細胞においてサイクリンD1タンパク質レベルを減少させる。
【0095】
一部の態様において、開示される方法は、対象において、特に対象のがん細胞においてサイクリンD1タンパク質発現を増大させる工程を更に含み得る。一部の態様において、サイクリンD1タンパク質発現を増大させる工程とは、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることを意味し得る。サイクリンD1タンパク質発現は、組換えサイクリンD1を細胞へ投与すること、又はサイクリンD1 mRNAをアップレギュレートする転写アクチベーターを投与することによって増大させることができる。一部の態様において、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることは、交流電場への曝露前のサイクリンD1レベルを測定し、その後交流電場への曝露後のレベルをモニタリングし、レベルが交流電場への曝露前のレベルまで回復する又は部分的に回復するまで、細胞へ組換えサイクリンD1を投与すること又はサイクリンD1 mRNAをアップレギュレートする転写アクチベーターを投与することによって達成することができる。一部の態様において、サイクリンD1を、交流電場への曝露前のレベルまで回復させる又は部分的に回復させることは、その年齢範囲の対象における正常サイクリンD1レベルの標準範囲に基づき得る。本明細書において使用される場合、「部分的に回復させる」又は「部分的に回復させること」という句は、サイクリンD1レベルを、交流電場への曝露前のそれらの開始レベル未満のレベルまで回復させることを指す。一部の態様において、部分的に回復したレベルとは、交流電場への曝露前のサイクリンD1レベルの開始レベルの95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%又はそれ以下であり得る。
【0096】
E.アポトーシスを増大させる方法
がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と;がん細胞をmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤及び/又はGSK3β阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0097】
一部の態様において、PI3K阻害剤は、二重PI3K兼mTOR阻害剤である。例えば、一部の態様において、PI3K及びmTOR阻害剤は、BGT226である。一部の態様において、PI3K及びmTOR阻害剤は、DS-7423、PF-04691502、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、BEZ235、GDC-0084、GDC-0980、LY3023414、PQR309、XL765、SF-1126、PF-05212384又はPKI-587であり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、PI3K阻害剤は、GDC-0941、TG100-115、CH5132799、PX-866、XL147、ZSTK474、BKM-120、BAY80-6946、AZD8835、WX-037、AZD8186、KA2237、CAL-120、ME401、AMG319、GSK2636771、INCB050465、INK-1117、TGR-1202、RP6530、GDC-0032、BYL719、IPI-145、CAL-101、AMG511、ADZ6482、MLN1117、3-ヒドロキシアントラニル酸、ヒスピデュリン、ペクトリナリン又はシノブファギンであり得るが、これらに限定されない。
【0098】
一部の態様において、mTOR阻害剤は、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パクサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD又はTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択され得るが、これらに限定されない。
【0099】
一部の態様において、AKT阻害剤は、AKTを阻害するか、AKTのリン酸化を阻害するか、リン酸化されたAKTを阻害するか、又はサイクリンD1の分解を阻害する任意の組成物又は化合物であり得る。一部の態様において、AKT阻害剤は、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA又はスクテラリンであり得るが、これらに限定されない。
【0100】
一部の態様において、GSK3β阻害剤は、リチウム、亜鉛、タングステン酸塩、ナプロキセン、クロモリン、ファモチジン、オランザピン、ピリミジン誘導体、CT98014、CT98023、CT99021、TWS119、インジルビン、6-BIO、ヒメニアルジシン、ジブロモカンタレリン、メリジアニン、アリールインドールマレイミド、SB-216763、SB-41528、チアゾール、AR-A014418、AZD-1080、パウロン類、ケンパウロン、アルステルパウロン、キャズパウロン、アロシン、マンザミン類、マンザミンA、フラノセスキテルペン、パリヌリン、トリカンチン、L803-mts、チアゾリジンジオン、TDZD-8、NP00111、NP031115、NP031112(チデグルシブ)、ハロメチルケトン(HMK-32)、L803-mts、CHIR99021、CT99021、TWS119、アロイシン、9-ING-41、1-アザケンパウロン、IM-12、CHIR-98014又はLY2090314であり得るが、これらに限定されない。
【0101】
一部の態様において、Src阻害剤は、ダサチニブ(BMS-354825)、ポナチニブ(AP24534)、サラカチニブ(AZD0530)、ボスチニブ(SKI-606)、デヒドロアビエチン酸(DAA、DHAA)、PP2、ギンコール酸C17:1(GAC 17:1)、DGY-06-116、ドラマピモド(BIRB 796)、アパチニブ、ペリチニブ(EKB-569)、レスベラトロール、KX2-391(チルバニブリン)、NVP-BHG712、ENMD-2076、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PP1、MNS(3,4メチレンジオキシ-β-ニトロスチレン)、ドラマピモド(BIRB 796)、WH-4-023、RK24466、KX1-004、7-ヒドロキシクロモン、AD-80、レポトレクチニブ(TPX-0005)、ケルセチン(NSC 9221、ソホレチン、C.I. 75720)、SU 6656、Src阻害剤1(CAS 179248-59-0)、CCT196969、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、eCF506、1-ナフチルPP1(1-NA-PP 1)、AMG-47a、ON123300、UM-164、MLR-1023、PD173955、AZD0424、PD180970又はHG-7-85-01であり得るが、これらに限定されない。
【0102】
一部の態様において、FAK阻害剤は、デフェクタニブ(VS-6063)、ソラネソール(ノナイソプレノール)、PF-00562271ベシル酸塩(PF-562271)、PF-562271(PF-00562271)、PRT062607(P505-15、BIIB057、PRT-2607)、PF-573228 TAE226(NVP-TAE226)、PF-562271 HCl、BI-4464、Y15、GSK2256098、PND-1186(VS-4718)、PF-431396、FAK阻害剤14(cas 4506-66-5)又はレバスチニブであり得るが、これらに限定されない。
【0103】
一部の態様において、交流電場並びにmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤及び/又はGSK3β阻害剤は、同時に投与される。一部の態様において、交流電場及び阻害剤の同時投与後、がん細胞は交流電場へ曝露されたままで、阻害剤は除去される。一部の態様において、阻害剤が除去された後でも、がん細胞のアポトーシスの増大が残存する。
【0104】
がん細胞のアポトーシスを増大させる上記方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と;がん細胞をmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤及び/又はGSK3β阻害剤へ曝露する工程とを含み、細胞を化学療法剤へ曝露する工程を更に含む方法のいずれかが開示される。一部の態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗悪性腫瘍性抗生物質薬及び有糸分裂阻害薬であり得るが、これらに限定されない。
【0105】
更なる態様において、抗悪性腫瘍性抗生物質薬は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチン及びバルルビシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0106】
更なる態様において、代謝拮抗薬は、ジェムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキセート、フロクスウリジン、メトトレキセート及びチオグアニン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0107】
更なる態様において、アルキル化剤は、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、デカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチン及びストレプトゾシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0108】
更なる態様において、有糸分裂阻害薬は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトポシド、ビンクリスチン、イクサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチン及びテニポシド又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0109】
F.交流電場
本明細書で開示される方法は、交流電場を含む。一部の態様において、本明細書で開示される方法において使用される交流電場は、交流電場腫瘍治療システム(TTF)である。一部の態様において、交流電場は、交流電場が適用される細胞の種類又は状態に依存して変動し得る。一部の態様において、交流電場は、対象の身体に設置された1つ又は複数の電極を通して適用することができる。一部の態様において、2対又はそれ以上の対の電極が存在し得る。例えば、アレイは、患者の前/後及び側方に設置してもよく、本明細書で開示されるシステム及び方法により使用することができる。2対の電極が使用される一部の態様において、交流電場は、電極対間で交替し得る。例えば、第1の対の電極を対象の前後に設置してもよく、第2の対の電極を対象のいずれかの側方に設置してもよく、その後、交流電場を適用してもよく、前後の電極間と、その後、側方~側方の電極とで交替してもよい。
【0110】
一部の態様において、交流電場の周波数は、100~500kHzである。また、交流電場の周波数は、50~500kHz、100~500kHz、25kHz~1MHz、50~190kHz、25~190kHz、180~220kHz又は210~400kHzであり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、交流電場の周波数は、50kHz、100kHz、200kHz、300kHz、400kHz、500kHz又はその間の任意の周波数の電場であり得る。一部の態様において、交流電場の周波数は、約200kHz~約400kHz、約250kHz~約350kHzであり、およそ300kHzであってもよい。
【0111】
一部の態様において、交流電場の電場強度は、1~4V/cm RMSであり得る。一部の態様において、異なる電場強度を使用してもよい(例えば、0.1~10V/cm)。一部の態様において、電場強度は、1.75V/cm RMSであり得る。一部の実施形態において、電場強度は、少なくとも1V/cmである。他の実施形態において、電場強度の組合せは、例えば、2つ又はそれ以上の周波数を同時に組み合わせて、且つ/又は2つ又はそれ以上の周波数を異なる時間に適用して、適用される。
【0112】
一部の態様において、交流電場は、0.5時間~72時間に及ぶ様々な異なる間隔の間、適用してもよい。一部の態様において、異なる持続期間を使用してもよい(例えば、0.5時間~14日間)。一部の態様において、交流電場の適用は、周期的に繰り返してもよい。例えば、交流電場は、毎日、2時間の持続期間の間適用してもよい。
【0113】
一部の態様において、曝露は、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも48時間若しくは少なくとも72時間又はそれ以上の間継続し得る。
【0114】
G.キット
上記に説明される材料及び他の材料は、開示される方法を実施するか又はその性能を補助するのに有用なキットとして任意の好適な組合せにおいて共に包装してもよい。所与のキットのキット成分が、開示される方法における共同での使用のために設計及び適合される場合、有用である。例えば、がんを治療するためのキットが開示される。一部の態様において、キットは、交流電場を適用するための機器を含み得る。
【0115】
また、交流電場及び開示されるmTOR阻害剤、AKT阻害剤、PI3K阻害剤、Src阻害剤、Fak阻害剤又はGSK3β阻害剤のうちの1種又は複数種を投与するためのシステム又は機器を含むキットが開示される。
【実施例】
【0116】
A.材料及び方法
1.細胞株及び培養物
すべての細胞株は、ATCC:U-87(ヒト神経膠腫細胞株)及びH1299(ヒト転移性肺癌)、A2780(卵巣細胞株)から得た。細胞を、5~10%のウシ胎児血清及び抗生物質を補充した、ダルベッコ変法イーグル培地(Biological Industries社)又はRPMI培地(GIBCO社)において培養した。
【0117】
5,000~50,000個の単細胞を、500μLの培地に懸濁し、22mmの直径のカバーガラスの真ん中に播種した。
【0118】
24時間又はそれより長いTTフィールド適用の誘導のために、カバーガラスをinovitro(商標)システムのセラミック皿に入れ、従来型組織培養インキュベーター(37℃、95%空気、5%CO2)において一晩インキュベートした。細胞がカバーガラスに接着したら、追加の1.5mLの培地を各ウェルに添加し、培地の蒸発を避けるためにパラフィルム(P7793、Sigma Aldrich社)で覆った。一晩のインキュベーション後、皿をinovitro(商標)ベースプレート(Novocure Inc.社、ハイファ、イスラエル)上に載せた。1~6V/cmの間に設定された腫瘍治療電場を、inovitro(商標)パワージェネレーターを通して適用し、その間、周波数は50~500kHzに及んだ。インキュベーション温度は18℃であり、TTフィールドの適用に際してのセラミック皿の標的温度は37℃であった。対応する対照実験は、セラミック皿内の同等のカバーガラスを従来型組織培養インキュベーター(37℃、5%CO2)に入れ、細胞をTTフィールドへ曝露したカバーガラスと並行して増殖させることによって行われた。
【0119】
2.阻害剤:
阻害剤単独処理及び組合せ処理について、播種の12~24時間後、BGT226、アルペリシブ(Alpelisib)、ピクチリシブ(Pictilisib)、BKM120及びダサチニブを、A2780細胞においてそれぞれ、8nM、1nM、1nM、500nM及び75nMの最終濃度になるように細胞に添加した。対照及びTTフィールド試料に、同体積のDMSOを添加した。処理の72時間後、培地を、阻害剤を含有しない培地に置き換え、細胞を更なる96時間増殖させた。168時間(7日)において、GentleMACS細胞カウント、アポトーシスアッセイによって細胞傷害性アッセイを行い、コロニーアッセイ(細胞カウント及び細胞死の定量において特定される)のために細胞を播種した。
【0120】
3.細胞溶解物及び免疫ブロッティング
TTフィールド適用後、細胞を洗浄するために冷PBSプレートに移した。
【0121】
プロテアーゼカクテル(Complete Mini、Roche社)を補充したRIPA溶解緩衝液(R0278、Sigma-Aldrich社)、及びホスファターゼ阻害剤(Halt 78420番、Thermo Scientific社)をプレートに添加し、細胞をおよそ100μlの補充したRIPA緩衝液と共にかきとり、8個のinovitro(商標)皿に入れた。
【0122】
抽出物を4℃において30分間の持続期間の間振盪した。試料を遠心分離した(20分間、14,000rpm、4℃)。上清を移し、BCAタンパク質アッセイキットによってタンパク質濃度を決定した。
【0123】
タンパク質濃度を決定した後(BCAタンパク質アッセイキット、ab102536 Abcam社)、タンパク質30μgを還元条件(Bolt試料還元剤、2060435番及び試料緩衝液2045289番、Novex社)下において再溶解し、試料を100℃において5分間沸騰させた。試料を、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Bolt 8%ビス-トリスベースゲルNW00080BOX、Thermo-Fischer社)にかけた。
【0124】
電気泳動後、タンパク質を、0.2μmポリビニリデンジフルオリド膜(Immuno-Blot PVDF 162-0177番、Bio-Rad社)に移し、適切な一次抗体:GAPDH(SC-32233、Santa Cruz社)、ビンキュリン(ab140007、Abcam社)、サイクリンD1(2922、Cell Signaling社)、Rb(9309、Cell Signaling社)、pRb S807/811(8516、Cell Signaling社)、pAkt S473(4051、Cell signaling社)、Akt(2920、Cell signaling社)、FAK(3283S、Cell signaling社)、ホスホ-FAK(Tyr397)(3283S、Cell signaling社)、Src(2109S、cell signaling社)及びホスホ-Src(Tyr416)(2101S、Cell signaling社)等、続いて、ホースラディッシュペルオキシダーゼをコンジュゲートした二次抗体(ヤギ抗ウサギ7074、Cell Signaling社及びヤギ抗マウス7076、Cell Signaling社)及び化学発光基質(WBLUF0100、Signa-Aldrich社)によりプローブした。バンドの定量は、Image Jソフトウェアによって行った。
【0125】
4.細胞カウント:
細胞をinovitro(商標)皿からTrypsin A 0.5mlによりおよそ5分間剥がし、その後、0.5mlの培養培地を補充した。細胞200μlを96ウェルのU型プレートにとり、MACSQuant 10フローサイトメーターにおいてカウントした。FlowJo_V10ソフトウェアにより解析を行い、GraphPad Prism 8ソフトウェアにより統計を行った。
【0126】
5.細胞死の定量:
FITCをコンジュゲートしたアネキシンV(MEBCYTO(C)4700アポトーシスキット;MBL(C))及び7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD;BioLegend(C))による、製造業者の使用説明書に従う細胞の二重染色によって、細胞死を評価した。
【0127】
コロニーアッセイ:細胞カウント後、各処理の300個の細胞を、6ウェル皿の培地2ml中に2組ずつ播種した。コロニーが目視できるようになると、それらをPBSにより洗浄した。細胞を-20℃のメタノール中において固定し、0.5%のクリスタルバイオレットにより染色した。コロニーをカメラにおいて画像化し、Image J(FIJI)を使用してカウントした。
【0128】
6.細胞画像
Eclipase TS100ニコン光学顕微鏡において10X/0.25 Ph1 ADLレンズにより細胞画像を撮り、Digital sight DS-U3ニコンカメラより捕らえた。
【0129】
各キットについて、A2780又はU87細胞株のいずれかの細胞20,000個を、inovitro皿に播種し、TTフィールドにより処理した。Luminexプロトコールにおいて説明される通りに、示される時間後、溶解物を調製した。各ウェルについて、溶解物500マイクログラムをロードした。
【0130】
7.免疫組織化学分析:
N1-S1肝細胞癌の細胞を同所性に注射し、TTフィールド150kHz、又は模擬実験として熱のいずれかにより6日間処置したSprague Dawleyラットから試料を採取した。腫瘍は、Patho-Logica社により、パラフィン包埋され、ホスホ-AKT Ser473について免疫組織化学的に染色された(特異的抗体Sigma社、カタログ番号05-1003を用いて)。Technion(イスラエル)のRapport医学部の生物医学コアファシリティにおいて、スライドを自動スライドスキャナー3DHistech Panoramic 259 Flash IIIにてスキャンした。Fiji、Image Gにより解析を行った。
【0131】
B.結果
図1の図は、サイクリンD1経路を表す。DNA損傷応答を経験中の細胞はCDK4-サイクリンD1を活性化して、モノリン酸化網膜芽細胞腫抑制因子タンパク質(Rb)を生成する。細胞周期から抜けている細胞は、非リン酸化Rbを使用する。細胞をS期へ進行させるためには、CDK4-サイクリンD1及びCDK2-サイクリンE複合体が、Rbをリン酸化しなければならない。Rbは、E2F遺伝子発現を抑制することによって、E2F誘導アポトーシスを阻害することが示されている。Rbカルボキシ末端がCDK4-サイクリンD1によってリン酸化された場合、E2F1は複合体から放出され、アポトーシス促進性遺伝子をアップレギュレートする。
【0132】
TTフィールドは、サイクリンD1の分解又はサイクリンD1の転写の阻害のいずれかによってサイクリンD1のレベルを低減した。その結果、mTORC2活性化の増大があり、Akt生存シグナル伝達の増大をもたらし、これは治療有効性を低減する。図において見られるように、mTOR阻害剤又はAkt阻害剤によって、I及びIIの位置においてこの経路を阻害することは、TTフィールドと組み合わせた治療のより高い有効性をもたらし得る。
【0133】
図2A~
図2Cは、TTフィールド適用がサイクリンD1タンパク質レベルの減少をもたらすことを示す。
図2A~
図2Cにおいて特定されるように、サイクリンD1タンパク質のレベルを、H1299ヒト非小細胞肺癌細胞株(
図2A)、U87ヒト神経膠芽腫細胞株(
図2B)又はLN229ヒト神経膠芽腫細胞株(
図2C)から産生した溶解物のウェスタンブロットによって、非処理細胞(左)とTTフィールド適用を48又は72時間受けた細胞とを比較して調べた。ウェスタンブロットの結果を、ハウスキーピング遺伝子発現(
図2A~
図2Cにおいて示されるビンキュリン又はGAPDH)と比較して示し、画像の下に示すグラフにおいて定量する。
【0134】
図3A~
図3Bは、TTフィールド適用がRbのSer807/811におけるリン酸化を低減させることを示す。
図3A及び
図3Bにおいて特定されるように、pRb Ser807/811タンパク質のレベルを、H1299ヒト非小細胞肺癌細胞株(
図3A)、LN229ヒト神経膠芽腫細胞株(
図3B)から産生した溶解物のウェスタンブロットによって、非処理細胞(左)とTTフィールド適用を48又は72時間受けた細胞とを比較して調べた。ウェスタンブロットの結果を、ハウスキーピング遺伝子発現(
図3A及び
図3Bにおいて示されるビンキュリン又はGAPDH)と比較して示し、画像の下に示すグラフにおいて定量する。
【0135】
図4A~
図4Bは、TTフィールド適用がAktのSer473におけるリン酸化を増大させることを示す。
図4及び
図4Bにおいて特定されるように、pAkt ser473タンパク質及びトータルAktタンパク質のレベルを、H1299ヒト非小細胞肺癌細胞株(
図4A)、U87ヒト神経膠芽腫細胞株(
図4B)から産生した溶解物のウェスタンブロットによって、非処理細胞とTTフィールド適用を48又は72時間受けた細胞とを比較して調べた。ウェスタンブロットの結果を、ハウスキーピング遺伝子発現(
図4及び
図4Bにおいて示されるビンキュリン又はGAPDH)と比較して示し、
図4及び
図4Bに示すグラフにおいて定量する。しかしながら、AktのSer473におけるリン酸化の減少は、TTフィールドとBGT226との組合せ処理後に観察された。阻害剤単独処理及び組合せ処理について、播種の12~24時間後に、BGT226を、A2780細胞中に5nMの最終濃度になるように細胞へ添加し、対照及びTTフィールド試料に同体積のDMSOを添加した。処理の72時間後、培地を、阻害剤を含有しない培地に置き換え、細胞を更なる96時間増殖させた。方法の節において説明するように、168時間(7日)において、細胞溶解物を産生し、SDS-PAGEにかけた。
【0136】
図5A~
図5Bは、TTフィールドとmTOR阻害剤との組合せが相乗効果をもたらすことを示す。ウェスタンブロット分析は、TTフィールド後のAktリン酸化の増大、及びこれがPI3K/mTOR阻害剤であるBGT226によって阻害されたことを示した(
図5A)。ウェスタンブロットの結果を、ハウスキーピング遺伝子発現(
図5A及び
図5Bにおいて示されるビンキュリン又はGAPDH)と比較して示し、画像の下に示すグラフにおいて定量する(
図5B)。
【0137】
図6A~
図6Eは、TTフィールドによる生存促進性シグナル伝達によって引き起こされた細胞抵抗性は、二重PI3K/mTOR阻害剤であるBGT226によって阻害されることを示す。(
図6A)は、処理の概略図である。(
図6B)は、TTフィールド処理を受けた細胞は、処理のより長い持続期間において抵抗性を呈することを示す。72時間(黒色)及び168時間(灰色)の処理後に細胞をカウントし、72時間と比較して168時間後により多くの細胞が存在することを示し、このことは、生存促進性機構を示す。(
図6C)は、TTフィールドとBGT226との組合せが、細胞生存において相乗効果をもたらしたことを示す。(
図6D)は、単独処理の又はBGT226と組み合わせた72時間(上部パネル)又は144時間(下部パネル)TTフィールド後の細胞の画像を示す。144時間のTTフィールド単独処理後の細胞とは反対に、組合せ処理を受容した細胞は回復しない(示される領域における細胞のコンフルエンシーによって見られる)。(
図6E)において、アポトーシスアッセイの結果は、TTフィールドの組合せ処理が、細胞の残りにおいてアポトーシスを誘導することを示す。組合せ処理により処理した細胞と比較して、阻害剤単独により処理した細胞は、より多くの生細胞(濃い灰色のアネキシンV-/7AAD-細胞)を示した。グラフの、示されるカラムについて、一元配置分散分析統計検定によって統計解析を行った。*p値<0.05、**p値<0.01、***p値<0.001。
【0138】
図7は、Aktリン酸化に対する、及び続いてmTORC2複合体活性化に対する全PI3K阻害剤の影響を示す概略図を示す。
【0139】
図8A及び
図8Bは、in vitro抵抗性細胞株モデル;確立を示す。(
図8A)は、TTフィールドが、U-87-MG細胞(200kHz)、H1299細胞(150kHz)又はA2780細胞(200kHz)へ短期間(72時間;赤色矢印により表される)及び長期間(168時間/312時間;緑色矢印によって表される)デリバリーされたことを示す。(
図8B)は、細胞を、細胞傷害性効果について調べたことを示す。TTフィールドの短期適用と比較して、長期適用後のすべての細胞株において細胞傷害性の減少が観察された。平均値+SEM;対応t検定。
【0140】
図9~
図11は、TTフィールドと、阻害濃度25(IC25)におけるPI3K/mTOR二重阻害剤(BGT226)並びに全PI3K阻害剤及びアイソフォーム特異的PI3K阻害剤(アルペリシブ、ピクチリシブ及びBKM120)を含む様々な薬理学的阻害剤との72時間の組合せ処理の結果を示す。72時間において、培地を置き換え、TTフィールドを更なる96時間単独でデリバリーした。
【0141】
図9は、様々な処理後の、対照と比較した細胞カウントのパーセンテージによる細胞傷害性を示す。
図10は、アポトーシスアッセイの結果を示す。組合せ処理において、カウントした細胞のうち、細胞のより大きなパーセンテージがアポトーシスの段階にあり、処理の有効性を示す。
図11は、処理後の細胞の細胞増殖性を示し、組合せ処理後の生存細胞は、より細胞増殖性が低いことを示す。要約すると、図で示される4種の阻害剤の各々は、TTフィールド単独に付加効果を提供した。
【0142】
図9A~
図9Dは、細胞傷害性に対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。A2780細胞株における、BGT226(
図9A)、アルペリシブ(
図9B)、ピクチリシブ(
図9C)及びBKM120(
図9D)を示す。A2780細胞を、阻害濃度25(IC25)の特定の阻害剤と組み合わせたTTフィールド(200kHz)により72時間処理した。72時間において、培地を置き換え、TTフィールドを更なる96時間単独でデリバリーした。(平均値+SEM;*P値<0.05、**P値<0.01、***P値<0.005、一元配置分散分析、続いてテューキーの事後検定)。
【0143】
図10は、アポトーシスに対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。A2780細胞株における、BGT226(
図10A)、アルペリシブ(
図10B)、ピクチリシブ(
図10C)及びBKM120(
図10D)を示す。A2780細胞を、阻害濃度25(IC25)の特定の阻害剤と組み合わせたTTフィールド(200kHz)により72時間処理した。72時間において、培地を置き換え、TTフィールドを更なる96時間単独でデリバリーした。(平均値+SEM;*P値<0.05、**P値<0.01、***P値<0.005、一元配置分散分析、続いてテューキーの事後検定)。
【0144】
図11は、細胞増殖性に対するPI3K阻害剤の組合せ効果の要約を示す。A2780細胞株における、BGT226(
図11A)、アルペリシブ(
図11B)、ピクチリシブ(
図11C)及びBKM120(
図11D)を示す。A2780細胞を、阻害濃度25(IC25)の特定の阻害剤と組み合わせたTTフィールド(200kHz)により72時間処理した。72時間において、培地を置き換え、TTフィールドを更なる96時間単独でデリバリーした。上部パネル:コロニーアッセイの代表的画像。下部パネル:コロニーアッセイの定量のグラフ表示。(平均値+SEM;*P値<0.05、**P値<0.01、***P値<0.005、一元配置分散分析、続いてテューキーの事後検定)。
【0145】
図12は、A2780におけるTTフィールドの分子シグナル伝達を示す。短期間のTTフィールド適用後のタンパク質溶解物のウェスタンブロット分析は、Src/FAK経路の活性化の増大を示した。上部パネルは、ハウスキーピングタンパク質であるGAPDH発現に対して、FAK(左)又はSrc(右)の全タンパク質と比較したホスホ-FAK(Tyr397)(左)又はホスホ-Src(Tyr416)(右)のいずれかのタンパク質発現を示す、下部パネルにおいて示されるウェスタンブロットバンドの定量のグラフ表示を示す。
【0146】
図13は、TTフィールドとSrc阻害剤であるダサチニブとの組合せが、すべての組合せ群においてTTフィールド単独又は阻害剤単独と比較して、処理有効性の増大を示したことを示す。A2780及びH1299細胞を、阻害濃度25(IC25)のSrc阻害剤であるダサチニブと組み合わせたTTフィールド(A2780について200kHz及びH1299について150kHz)により72時間(赤線により表される)処理した。72時間において、培地を置き換え、TTフィールドを更なる96時間単独でデリバリーした(黒色点線により表される)。
【0147】
図14は、TTフィールドとSrc阻害剤であるダサチニブとの組合せが、TTフィールド単独又は阻害剤単独と比較して処理有効性の増大を示したことを示す。左は、A2780細胞に対する処理の細胞傷害性効果を示し、右は、組合せ処理と比較したTTフィールド又はダサチニブ0.075μMによる単独処理後のアポトーシス効果を示す。(平均値+SEM;一元配置分散分析、続いてテューキーの事後検定)。*P値<0.05、**P値<0.01、***P値<0.005。
【0148】
図15は、細胞増殖性に対するTTフィールドとSrc阻害剤との組合せを示す。TTフィールドとダサチニブとの組合せ処理後のA2780細胞株に対する細胞増殖性効果の結果を示す。左は、代表的な画像を示し、右は、結果の定量を示す。(平均値+SEM;一元配置分散分析、続いてテューキーの事後検定)。*P値<0.05又は***P値<0.005。
【0149】
図16は、TTフィールドとSrc阻害剤であるダサチニブとの組合せが、TTフィールド単独又は阻害剤単独と比較して処理有効性の増大を示したことを示す。左は、H1299細胞に対する処理の細胞傷害性効果を示し、右は、組合せ処理と比較したTTフィールド又はダサチニブ0.03μMによる単独処理後のアポトーシス効果を示す。(平均値+SEM;一元配置分散分析、続いてテューキーの事後検定)。*P値<0.05又は***P値<0.005。
【0150】
図17は、細胞増殖性に対するTTフィールドとSrc阻害剤との組合せを示す。TTフィールドとダサチニブとの組合せ処理後のH1299細胞株に対する細胞増殖性効果の結果を示す。左は、代表的な画像を示し、右は、結果の定量を示す。(平均値+SEM;一元配置分散分析、続いてテューキーの事後検定)。*P値<0.05又は***P値<0.005。
【0151】
図18は、BGT226とTTフィールドとの組合せによる処理を比較すると、パクリタキセル及びTTフィールドよりも有効であることを示す。両方の処理(BGT226 8nM又はパクリタキセル2nM)において、細胞をinovitro皿に播種し、播種の12~24時間後、BGT226 8nM又はパクリタキセル2nMのいずれかを阻害濃度25(IC25)において添加し、72時間置いた。72時間において、培地を置き換え、TTフィールドを更なる96時間単独でデリバリーした。細胞傷害性の結果が、パクリタキセルとの組合せは、BGT226との組合せよりも有効性が低いことを示す一方で、細胞増殖性においてパクリタキセルと比較してBGT226との組合せ療法において劇的な効果がある。
【0152】
図19は、GSK3β阻害剤である9-ING-41との組合せ療法は、細胞傷害性又はアポトーシスにおけるTTフィールド処理の有効性を増大させなかったことを示す。
【0153】
C. GSK実験
TTフィールドとGSK3ベータ阻害剤との組合せを使用することができる。例えば、GSK3ベータ阻害剤である9-ING-41についての処理計画を以下に示す。
【0154】
処理群は、1)対照群;2)TTフィールド単独処理;3)9-ING-41単独処理0.1~5μM(行われる滴定に基づく);及び4)TTフィールドと9-ING-41との組合せ療法であり得る。
【0155】
U87ヒト神経膠芽腫細胞株及びA2780ヒト卵巣癌細胞株において処理の持続期間を調べてもよく(mTOR阻害剤であるBGT226により行われた以前の研究に基づいて)、処理の持続期間は、24時間~72時間の間であり得る。
【0156】
処理の有効性及び細胞抵抗性を、細胞カウント、アポトーシスアッセイ及びコロニーアッセイによって24~168時間調べてもよい(予備実験及び阻害剤9-ING-41の滴定に基づいて後の時点において決定される)。
【0157】
当業者は、単なるルーチン実験を使用して、本明細書で説明される方法及び組成物の特定の実施形態の多くの均等物を認識するか又は確認可能である。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
【国際調査報告】