(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】ヒトアンジオポエチン-2に対する抗体及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20230818BHJP
C07K 16/26 20060101ALI20230818BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20230818BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20230818BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230818BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230818BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230818BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230818BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230818BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230818BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20230818BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20230818BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230818BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20230818BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230818BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20230818BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20230818BHJP
G01N 33/531 20060101ALI20230818BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C07K16/26
C07K16/46
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K45/00
A61P35/00
A61P29/00
A61P31/04
A61P27/02
A61P31/00
A61K39/395 N
A61K31/7088
A61K48/00
A61K35/76
A61K35/12
G01N33/531 A
G01N33/53 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507894
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(85)【翻訳文提出日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 CN2021111109
(87)【国際公開番号】W WO2022028563
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/107798
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/077108
(32)【優先日】2021-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519241381
【氏名又は名称】ナンジン、ジェンスクリプト、バイオテック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NANJING GENSCRIPT BIOTECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】28 Yongxi Road,Jiangning Science Park, Nanjing, Jiangsu 211100 China
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イー、ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヂョンダオ、リー
(72)【発明者】
【氏名】ウェンシュアン、ジャ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン、ホソン、ミン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイミン、ワン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C085
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
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4C086NA13
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4C087ZB35
4H045AA11
4H045AA30
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA28
4H045EA50
4H045EA51
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、Ang2のTie2又はインテグリンへの結合を遮断するか、又はAng2のクラスタリング及びTie2シグナル伝達の活性化を誘導する、Ang2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部分に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンジオポエチン-2に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分であって、
(a)、(1)配列番号がそれぞれ1、23、及び60のアミノ酸配列、(2)配列番号がそれぞれ2、24、及び61のアミノ酸配列、(3)配列番号がそれぞれ3、25、及び62のアミノ酸配列、(4)配列番号がそれぞれ3、26、及び62のアミノ酸配列、(5)配列番号がそれぞれ4、27、及び63のアミノ酸配列、(6)配列番号がそれぞれ5、28、及び64のアミノ酸配列、(7)配列番号がそれぞれ6、29、及び65のアミノ酸配列、(8)配列番号がそれぞれ1、25、及び62のアミノ酸配列、(9)配列番号がそれぞれ7、30、及び66のアミノ酸配列、(10)配列番号がそれぞれ8、29、及び65のアミノ酸配列、(11)配列番号がそれぞれ4、31、及び63のアミノ酸配列、(12)配列番号がそれぞれ5、32、及び67のアミノ酸配列、(13)配列番号がそれぞれ3、33、及び68のアミノ酸配列、(14)配列番号がそれぞれ9、34、及び69のアミノ酸配列、(15)配列番号がそれぞれ1、35、及び62のアミノ酸配列、(16)配列番号がそれぞれ4、27、及び70のアミノ酸配列、(17)配列番号がそれぞれ4、27、及び71のアミノ酸配列、(18)配列番号がそれぞれ10、36、及び72のアミノ酸配列、(19)配列番号がそれぞれ4、37、及び73のアミノ酸配列、(20)配列番号がそれぞれ11、38、及び74のアミノ酸配列、(21)配列番号がそれぞれ12、39、及び75のアミノ酸配列、(22)配列番号がそれぞれ13、40、及び76のアミノ酸配列、(23)配列番号がそれぞれ14、41、及び77のアミノ酸配列、(24)配列番号がそれぞれ5、42、及び64のアミノ酸配列、(25)配列番号がそれぞれ5、43、及び78のアミノ酸配列、(26)配列番号がそれぞれ15、44、及び79のアミノ酸配列、(27)配列番号がそれぞれ8、45、及び80のアミノ酸配列、(28)配列番号がそれぞれ16、46、及び81のアミノ酸配列、(29)配列番号がそれぞれ2、47、及び61のアミノ酸配列、(30)配列番号がそれぞれ17、48、及び82のアミノ酸配列、(31)配列番号がそれぞれ11、38、及び83のアミノ酸配列、(32)配列番号がそれぞれ10、49、及び84のアミノ酸配列、(33)配列番号がそれぞれ2、50、及び61のアミノ酸配列、(34)配列番号がそれぞれ10、36、及び85のアミノ酸配列、(35)配列番号がそれぞれ5、32、及び86のアミノ酸配列、(36)配列番号がそれぞれ18、51、及び87のアミノ酸配列、(37)配列番号がそれぞれ2、52、及び88のアミノ酸配列、(38)配列番号がそれぞれ19、53、及び89のアミノ酸配列、(39)配列番号がそれぞれ5、32、及び64のアミノ酸配列、(40)配列番号がそれぞれ20、54、及び90のアミノ酸配列、(41)配列番号がそれぞれ21、55、及び91のアミノ酸配列、(42)配列番号がそれぞれ21、56、及び91のアミノ酸配列、(43)配列番号がそれぞれ21、55、及び346のアミノ酸配列、(44)配列番号がそれぞれ22、57、及び347のアミノ酸配列、(45)配列番号がそれぞれ21、58、及び91のアミノ酸配列、(46)配列番号がそれぞれ21、59、及び91のアミノ酸配列、又は(47)配列番号がそれぞれ249、250、及び251のアミノ酸配列、もしくはCDRの各々に最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体を含む、VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含む重鎖可変領域及び/又は、
(b)、(1)配列番号がそれぞれ92、114及び133のアミノ酸配列、(2)配列番号がそれぞれ93、115及び134のアミノ酸配列、(3)配列番号がそれぞれ92、116及び135のアミノ酸配列、(4)配列番号がそれぞれ92、116及び136のアミノ酸配列、(5)配列番号がそれぞれ92、117及び137のアミノ酸配列、(6)配列番号がそれぞれ94、118及び138のアミノ酸配列、(7)配列番号がそれぞれ95、119及び139のアミノ酸配列、(8)配列番号がそれぞれ96、116及び136のアミノ酸配列、(9)配列番号がそれぞれ97、120及び140のアミノ酸配列、(10)配列番号がそれぞれ98、121及び141のアミノ酸配列、(11)配列番号がそれぞれ99、122及び142のアミノ酸配列、(12)配列番号がそれぞれ100、123及び143のアミノ酸配列、(13)配列番号がそれぞれ101、124及び144のアミノ酸配列、(14)配列番号がそれぞれ97、120及び145のアミノ酸配列、(15)配列番号がそれぞれ102、115及び146のアミノ酸配列、(16)配列番号がそれぞれ103、115及び147のアミノ酸配列、(17)配列番号がそれぞれ104、125及び148のアミノ酸配列、(18)配列番号がそれぞれ93、115及び149のアミノ酸配列、(19)配列番号がそれぞれ105、126及び150のアミノ酸配列、(20)配列番号がそれぞれ106、116及び142のアミノ酸配列、(21)配列番号がそれぞれ97、120及び151のアミノ酸配列、(22)配列番号がそれぞれ97、120及び152のアミノ酸配列、(23)配列番号がそれぞれ103、115及び149のアミノ酸配列、(24)配列番号がそれぞれ107、127及び153のアミノ酸配列、(25)配列番号がそれぞれ108、128及び154のアミノ酸配列、(26)配列番号がそれぞれ109、116及び136のアミノ酸配列、(27)配列番号がそれぞれ110、129及び155のアミノ酸配列、(28)配列番号がそれぞれ111、130及び156のアミノ酸配列、(29)配列番号がそれぞれ112、131及び157のアミノ酸配列、(30)配列番号がそれぞれ111、132及び158のアミノ酸配列、(31)配列番号がそれぞれ111、130及び159のアミノ酸配列、(32)配列番号がそれぞれ113、115及び134のアミノ酸配列、又は(33)配列番号がそれぞれ252、253及び254のアミノ酸配列、もしくはCDRの各々に最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体を含む、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含む軽鎖可変領域を備える、単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項2】
前記VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3は、(1)配列番号がそれぞれ1、23、60、92、114及び133のアミノ酸配列、(2)配列番号がそれぞれ2、24、61、93、115及び134のアミノ酸配列、(3)配列番号がそれぞれ3、25、62、92、114及び133のアミノ酸配列、(4)配列番号がそれぞれ3、26、62、92、114及び133のアミノ酸配列、(5)配列番号がそれぞれ4、27、63、92、116及び135のアミノ酸配列、(6)配列番号がそれぞれ5、28、64、92、114及び133のアミノ酸配列、(7)配列番号がそれぞれ6、29、65、92、116及び136のアミノ酸配列、(8)配列番号がそれぞれ1、25、62、92、114及び133のアミノ酸配列、(9)配列番号がそれぞれ7、30、66、92、117及び137のアミノ酸配列、(10)配列番号がそれぞれ8、29、65、92、116及び136のアミノ酸配列、(11)配列番号がそれぞれ4、31、63、92、116及び135のアミノ酸配列、(12)配列番号がそれぞれ5、32、67、92、114及び133のアミノ酸配列、(13)配列番号がそれぞれ3、33、68、92、114及び133のアミノ酸配列、(14)配列番号がそれぞれ9、34、69、94、118及び138のアミノ酸配列、(15)配列番号がそれぞれ1、35、62、92、114及び133のアミノ酸配列、(16)配列番号がそれぞれ4、27、70、95、119及び139のアミノ酸配列、(17)配列番号がそれぞれ4、27、71、96、116及び136のアミノ酸配列、(18)配列番号がそれぞれ10、36、72、97、120及び140のアミノ酸配列、(19)配列番号がそれぞれ4、37、73、98、121及び141のアミノ酸配列、(20)配列番号がそれぞれ11、38、74、99、122及び142のアミノ酸配列、(21)配列番号がそれぞれ12、39、75、100、123及び143のアミノ酸配列、(22)配列番号がそれぞれ13、40、76、101、124及び144のアミノ酸配列、(23)配列番号がそれぞれ14、41、77、97、120及び145のアミノ酸配列、(24)配列番号がそれぞれ5、42、64、92、114及び133のアミノ酸配列、(25)配列番号がそれぞれ5、43、78、102、115及び146のアミノ酸配列、(26)配列番号がそれぞれ15、44、79、103、115及び147のアミノ酸配列、(27)配列番号がそれぞれ8、45、80、104、125及び148のアミノ酸配列、(28)配列番号がそれぞれ16、46、81、104、125及び148のアミノ酸配列、(29)配列番号がそれぞれ2、47、61、93、115及び149のアミノ酸配列、(30)配列番号がそれぞれ17、48、82、105、126及び150のアミノ酸配列、(31)配列番号がそれぞれ11、38、83、106、116及び142のアミノ酸配列、(32)配列番号がそれぞれ10、49、84、97、120及び151のアミノ酸配列、(33)配列番号がそれぞれ2、50、61、93、115及び134のアミノ酸配列、(34)配列番号がそれぞれ10、36、85、97、120及び152のアミノ酸配列、(35)配列番号がそれぞれ5、32、86、92、114及び133のアミノ酸配列、(36)配列番号がそれぞれ18、51、87、103、115及び147のアミノ酸配列、(37)配列番号がそれぞれ2、52、88、103、115及び149のアミノ酸配列、(38)配列番号がそれぞれ19、53、89、107、127及び153のアミノ酸配列、(39)配列番号がそれぞれ5、32、64、92、114及び133のアミノ酸配列、(40)配列番号がそれぞれ20、54、90、108、128及び154のアミノ酸配列、(41)配列番号がそれぞれ2、47、61、93、115及び134のアミノ酸配列、(42)配列番号がそれぞれ4、27、71、109、116及び136のアミノ酸配列、(43)配列番号がそれぞれ21、55、91、110、129及び155のアミノ酸配列、(44)配列番号がそれぞれ21、56、91、111、130及び156のアミノ酸配列、(45)配列番号がそれぞれ21、55、346、110、129及び155のアミノ酸配列、(46)配列番号がそれぞれ22、57、347、112、131及び157のアミノ酸配列、(47)配列番号がそれぞれ21、58、91、111、132及び158のアミノ酸配列、(48)配列番号がそれぞれ21、59、91、111、130及び159のアミノ酸配列、(49)配列番号がそれぞれ2、47、61、113、115及び134のアミノ酸配列、又は(50)配列番号がそれぞれ249、250、251、252、253及び254のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項3】
前記重鎖可変領域は、配列番号160~209、255、325、260~296、及び326~335のいずれかに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項4】
前記軽鎖可変領域は、配列番号210~247、256、297~324、及び336~345のいずれかに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項5】
前記重鎖可変領域及び前記軽鎖可変領域は、それぞれ(1)配列番号160及び210、(2)配列番号161及び211、(3)配列番号162及び212、(4)配列番号163及び210、(5)配列番号164及び213、(6)配列番号165及び210、(7)配列番号166及び214、(8)配列番号167及び215、(9)配列番号168及び216、(10)配列番号169及び217、(11)配列番号170及び218、(12)配列番号171及び210、(13)配列番号172及び210、(14)配列番号173及び219、(15)配列番号174及び210、(16)配列番号175及び220、(17)配列番号176及び221、(18)配列番号177及び222、(19)配列番号178及び223、(20)配列番号179及び224、(21)配列番号180及び225、(22)配列番号181及び226、(23)配列番号182及び227、(24)配列番号183及び210、(25)配列番号184及び228、(26)配列番号185及び229、(27)配列番号186及び230、(28)配列番号187及び230、(29)配列番号188及び231、(30)配列番号189及び232、(31)配列番号190及び233、(32)配列番号191及び234、(33)配列番号192及び235、(34)配列番号193及び236、(35)配列番号194及び212、(36)配列番号195及び229、(37)配列番号196及び237、(38)配列番号197及び248、(39)配列番号198及び215、(40)配列番号199及び238、(41)配列番号200及び239、(42)配列番号201及び239、(43)配列番号202及び240、(44)配列番号203及び241、(45)配列番号204及び242、(46)配列番号205及び243、(47)配列番号206及び242、(48)配列番号207及び244、(49)配列番号208及び245、(50)配列番号209及び246、(51)配列番号188及び247、又は(52)配列番号255及び256に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項6】
前記重鎖可変領域及び前記軽鎖可変領域は、それぞれ(1)配列番号260及び297、(2)配列番号260及び298、(3)配列番号260及び299、(4)配列番号261及び297、(5)配列番号261及び298、(6)配列番号261及び299、(7)配列番号262及び297、(8)配列番号262及び298、(9)配列番号262及び299、(10)配列番号263及び300、(11)配列番号263及び301、(12)配列番号263及び302、(13)配列番号264及び300、(14)配列番号264及び301、(15)配列番号264及び302、(16)配列番号265及び300、(17)配列番号266及び303、(18)配列番号267及び303、(19)配列番号268及び303、(20)配列番号269及び303、(21)配列番号270及び304、(22)配列番号271及び305、(23)配列番号325及び324、(24)配列番号272及び306、(25)配列番号272及び307、(26)配列番号272及び308、(27)配列番号272及び309、(28)配列番号273及び306、(29)配列番号273及び307、(30)配列番号273及び308、(31)配列番号273及び309、(32)配列番号274及び310、(33)配列番号274及び311、(34)配列番号275及び310、(35)配列番号275及び311、(36)配列番号275及び312、(37)配列番号276及び310、(38)配列番号276及び311、(39)配列番号276及び312、(40)配列番号277及び313、(41)配列番号276及び314、(42)配列番号276及び315、(43)配列番号276及び316、(44)配列番号276及び317、(45)配列番号281及び310、(46)配列番号282及び310、(47)配列番号278及び310、(48)配列番号279及び310、(49)配列番号280及び310、(50)配列番号280及び311、(51)配列番号283及び319、(52)配列番号284及び319、(53)配列番号283及び318、(54)配列番号284及び318、(55)配列番号288及び310、(56)配列番号290及び310、(57)配列番号291及び310、(58)配列番号288及び311、(59)配列番号291及び311、(60)配列番号288及び312、(61)配列番号285及び320、(62)配列番号286及び320、(63)配列番号287及び320、(64)配列番号292及び323、(65)配列番号293及び321、(66)配列番号293及び322、(67)配列番号293及び323、(68)配列番号294及び321、(69)配列番号294及び322、(70)配列番号294及び323、(71)配列番号295及び321、72)配列番号296及び322、(73)配列番号326及び336、(74)配列番号326及び337、(75)配列番号327及び338、(76)配列番号328及び338、(77)配列番号329及び341、(78)配列番号330及び339、(79)配列番号330及び340、(80)配列番号327及び337、(81)配列番号331及び342、(82)配列番号335及び337、(83)配列番号332及び343、(84)配列番号333及び345、(85)配列番号334及び345、又は(86)配列番号334及び344に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項7】
重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域を含む、請求項1に記載の単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項8】
前記重鎖定常領域は、FcR結合親和性が低減されるか、又は全くないIgG、IgA、IgD、IgE及びIgM定常領域である、請求項7に記載の単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項9】
前記重鎖定常領域はIgG4定常領域である、請求項8に記載の単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項10】
前記軽鎖定常領域はκ定常領域である、請求項7に記載の単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項11】
マウス、キメラもしくはヒト化抗体又はそれらの抗原結合部分である、請求項1に記載の単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項12】
(a)ヒトAng2タンパク質又はその断片に結合する、(b)サルAng2タンパク質又はその断片に結合する、(c)マウスAng2タンパク質又はその断片に結合する、(d)Ang2のTie2への結合を遮断する、(e)Ang2のインテグリンへの結合を遮断する、及び/又は(f)Tie2シグナル伝達を活性化する、請求項1に記載の単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の抗体、又はその抗原結合部分を含む、二重特異性分子。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の抗体、又はその抗原結合部分をコードするか、あるいは請求項13に記載の二重特異性分子をコードする、核酸分子。
【請求項15】
請求項14に記載の核酸分子を含む、発現ベクター。
【請求項16】
請求項15に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項17】
請求項1から12のいずれか1項に記載の抗体、又はその抗原結合部分、請求項13に記載の二重特異性分子、請求項14に記載の核酸分子、請求項15に記載の発現ベクター、及び/又は請求項16に記載の宿主細胞を含む、組成物。
【請求項18】
抗腫瘍剤、抗炎症剤、又は抗感染剤をさらに含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
Ang2関連疾患を処置する必要のある被験体におけるAng2関連疾患を治療するための方法であって、前記被験体に治療上有効量の請求項17又は18に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項20】
前記疾患は癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記疾患は、卵巣癌、肺癌、乳腺癌、子宮頸癌、及びカポジ肉腫からなる群から選択される固形腫瘍である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記疾患は炎症性疾患である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記炎症性疾患は、敗血症、黄斑浮腫、糖尿病性網膜症又は加齢黄斑変性症である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記疾患は感染性疾患である、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
被験体における過剰なAng2が関与する疾患の診断方法であって、請求項1から12のいずれか1項に記載の抗体、又はその抗原結合部分を、被験体から採取した試料に接触させることと、対照試料における結合レベルと比較して結合レベルを決定することとを含む、方法。
【請求項26】
前記試料は血清又は病変組織である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
血管系又は血管炎症を処置する必要のある被験体における血管系を安定化させるか、又は血管炎症を軽減する方法であって、前記被験体に治療上有効量の請求項17又は18に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本明細書で引用又は参照された全ての文献(本明細書で引用された全ての文献文書、特許、公開特許出願を含むが、これらに限定されない)(「本明細書引用文献」)、及び本明細書引用文献において引用又は参照された全ての文献は、本明細書において言及されるか又は参照により本明細書に組み込まれる任意の文献に記載されている任意の製品についての任意の製造者の指示書、説明書、製品仕様書、及び製品シートと共に、参照により本明細書に組み入れられ、且つ本発明の実施に用いることができる。より具体的には、全ての参照文献は、それぞれ個々の文献が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されるのと同程度に参照により組み込まれる。本開示で言及された任意のGenbank配列は、本開示の有効な最先の出願日のGenbank配列となるように、参照により組み込まれる。
【0002】
本出願における任意の文書の引用又は特定は、かかる文書が本発明の先行技術として利用可能であることを承認するものではない。
【技術分野】
【0003】
本開示は、アンジオポエチン-2(Ang2)又はその断片に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部分、及びAng2関連癌、炎症性疾患及び感染性疾患を診断又は治療するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
血管新生は、一生を通じて起こり、胎生発育や組織修復などに必要な現象である。血管新生は、細胞外マトリックス由来の血管新生遮断剤及び/又は血管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、インスリン様増殖因子(IGF)及びアンジオポエチンなどの増殖因子によって駆動される複雑なプロセスである。例えば、癌、敗血症、及び血管新生加齢黄斑変性症において観察されるように、血管新生促進シグナル伝達と抗血管新生シグナル伝達とのバランスが崩れると、過透過性血管で特徴付けられる異常な血管網が生じており、内皮細胞、免疫細胞及び/又は病変細胞の移動、薬物送達効率の低下などを引き起こすおそれがある(Akwii RGら、(2019)Cells 8(5):471)。病的な毛細血管漏出の背後にある基礎的な分子機構は、集中的に研究されている。
【0005】
VEGFは、抗血管新生療法において最も広く利用されている標的である。抗VEGF療法は、「血管正常化」を可能にし、血管系をより「正常な」表現型に導き、透過性亢進を低下させることが報告されている(Goel Sら、(2011)Physiological Reviews 91(3):1071-1121)。しかしながら、すべての患者はそのような治療に反応を示すわけではない。例えば、網膜血管疾患の治療において、抗VEGF薬は、かなりの患者に有効であるが、他の多くの患者において法的盲への進行を防ぐことはできない。
【0006】
最近、Tie2経路に対する注目が高まっている。Tie2は内皮細胞特異的な受容体チロシンキナーゼ(RTK)であり、その活性化が血管の安定性において中心役割を果たす。研究により、Tie2は、アンジオポエチン-1(ANGPT-1、Ang1)及びアンジオポエチン-2(ANGPT-2、Ang2)という2つの分泌タンパク質によって調節されることが明らかになった。Ang1はTie2アゴニストとして機能し、Tie2をリン酸化し、PI3Kのp85サブユニットの活性化とAktのSer473のリン酸化につながる。Ang1とTie2の相互作用により、血管内皮細胞の安定化や血管透過性の減衰など、様々な保護的な下流経路が誘導される。Ang2は、Tie2結合を介してAng1と競合することにより、内因性Tie2アンタゴニストとして最初に報告されていた。最近のデータにより、Ang2は環境依存性Tie2アゴニスト活性を有し、Tie2のリン酸化を誘導し、PI3Kのp85サブユニットの活性化とAktのSer473のリン酸化につながることが示される。また、Ang2は、Tie2に依存しないようにインテグリンに結合し、内皮を不安定にし、内皮細胞の移動を誘導する(Felcht Mら、(2012) Journal of Clinical Investigation 122(6):1991-2005; Hakanpaa Lら、(2015) Nature Communications 6:5962)。Ang2とVEGFの共存下で、血管透過性に相加効果をもたらすことができる。
【0007】
Ang2レベルは、通常の生理学的条件で低いが、炎症又は癌が生じた際に亢進する。例えば、自己免疫疾患、肺炎、マイコプラズマ肺炎感染、敗血症、特定の癌、心血管疾患、及び糖尿病性網膜症を有する被験体の血清又は病変組織において高レベルのAng2が見出された(前掲文献Akwii RGら、(2019))。Ang2は、内皮細胞及び周皮細胞に作用し、その結果、例えば、周皮細胞が基底膜から剥離され、免疫細胞及び/又は癌細胞移動につながる(Geranmayeh MHら、(2019)Cell Communication and Signaling 17:26)。
【0008】
Ang2遮断は、前臨床研究において、マイコプラズマ肺炎感染、敗血症、肺がん、子宮頸がん、糖尿病性網膜症などのいくつかの病態を緩和するのに有効であることが見出され(Tabruyn SPら、(2010)The American Journal of Pathology 177(6):3233-3243; Leligdowicz Aら、(2018) Front Immunol. 9:838; Oliner Jら、(2004) Cancer Cell 6(5):507-516; Papadopoulos KPら、(2015) Clinical Cancer Research 22(6):1348-1355; Yang Pら,(2017) Tumour Biol. 39(7):1010428317711658; Yun JHら、(2016) Cell Death Dis. 7(2):e2101)、現在臨床試験において測定されている。Ang1とAng2の両方のTie2への結合を遮断する融合タンパク質であるTrebananibは、第3相試験において、再発卵巣がんを有する特定の患者の無増悪生存期間を延長した(Monk BJら、(2014)Lancet Oncol. 15(8):799-808)。しかしながら、選択的Ang2遮断剤であるMEDI3617は、卵巣がんや神経膠腫を有する患者において限られた有効性しか示さなかった。従って、より優れた治療特性を有する抗Ang2抗体などのAng2遮断剤が必要とされている。
【0009】
さらに、敗血症のようないくつかの病態では、Ang2の発現は増加するが、Ang1及びTie2の発現は減少する。Tie2シグナル伝達の活性化が血管の正常化を担うため、Ang2のTie2への結合を遮断するだけでなく、Tie2アゴニスト活性を有するAng2標的治療薬が好適であると考えられる。Tie2活性化作用を有さない抗Ang2抗体と比較して、Ang2に結合し、Tie2シグナル伝達を活性化する抗Ang2抗体であるABTAAは、動物実験において優れた抗腫瘍効果を示した(Park JS. et al,(2016) Cancer Cell. 30(6):953-967)。また、この抗体は、血管新生加齢黄斑変性マウスモデルでも測定され、脈絡膜の血管新生と血管漏出を抑制し、脈絡毛細管板を再生させた(Kim J et al.,(2019) Science Advances 5(2):eaau6732)。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、Ang2又はその断片に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分を提供し、当該単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分は、(i)Ang2のTie2又はインテグリンへの結合を遮断するか、又は(ii)Tie2シグナル伝達を直接活性化することにより、不要な血管新生を遮断すること及び/又は血管の安定性をある程度回復させることができる。
【0011】
理論によって拘束されることを望まないが、本開示の抗Ang2抗体又はその抗原結合部分は、(i)Ang1がTie2に結合してTie2をリン酸化するように、Ang2のTie2への結合を遮断するか、又は(ii)Ang2に結合してAng2のクラスタリング及びそれに続くTie2の活性化を誘導することによって、Tie2シグナル伝達を活性化することができる。理論によって拘束されることを望まないが、Tie2活性化に加えて、本開示の抗Ang2抗体又はその抗原結合部分は、Ang2のインテグリンへの結合を遮断することによって内皮を安定化させることができる。
【0012】
当該抗体又はその抗原結合部分は、in vitroでのAng2タンパク質の検出、及びAng2関連疾患の診断又は治療に使用することができる。
【0013】
従って、一態様では、本開示は、Ang2又はその断片に結合する、単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分であって、(a)、(1)配列番号がそれぞれ1、23、及び60のアミノ酸配列、(2)配列番号がそれぞれ2、24、及び61のアミノ酸配列、(3)配列番号がそれぞれ3、25、及び62のアミノ酸配列、(4)配列番号がそれぞれ3、26、及び62のアミノ酸配列、(5)配列番号がそれぞれ4、27、及び63のアミノ酸配列、(6)配列番号がそれぞれ5、28、及び64のアミノ酸配列、(7)配列番号がそれぞれ6、29、及び65のアミノ酸配列、(8)配列番号がそれぞれ1、25、及び62のアミノ酸配列、(9)配列番号がそれぞれ7、30、及び66のアミノ酸配列、(10)配列番号がそれぞれ8、29、及び65のアミノ酸配列、(11)配列番号がそれぞれ4、31、及び63のアミノ酸配列、(12)配列番号がそれぞれ5、32、及び67のアミノ酸配列、(13)配列番号がそれぞれ3、33、及び68のアミノ酸配列、(14)配列番号がそれぞれ9、34、及び69のアミノ酸配列、(15)配列番号がそれぞれ1、35、及び62のアミノ酸配列、(16)配列番号がそれぞれ4、27、及び70のアミノ酸配列、(17)配列番号がそれぞれ4、27、及び71のアミノ酸配列、(18)配列番号がそれぞれ10、36、及び72のアミノ酸配列、(19)配列番号がそれぞれ4、37、及び73のアミノ酸配列、(20)配列番号がそれぞれ11、38、及び74のアミノ酸配列、(21)配列番号がそれぞれ12、39、及び75のアミノ酸配列、(22)配列番号がそれぞれ13、40、及び76のアミノ酸配列、(23)配列番号がそれぞれ14、41、及び77のアミノ酸配列、(24)配列番号がそれぞれ5、42、及び64のアミノ酸配列、(25)配列番号がそれぞれ5、43、及び78のアミノ酸配列、(26)配列番号がそれぞれ15、44、及び79のアミノ酸配列、(27)配列番号がそれぞれ8、45、及び80のアミノ酸配列、(28)配列番号がそれぞれ16、46、及び81のアミノ酸配列、(29)配列番号がそれぞれ2、47、及び61のアミノ酸配列、(30)配列番号がそれぞれ17、48、及び82のアミノ酸配列、(31)配列番号がそれぞれ11、38、及び83のアミノ酸配列、(32)配列番号がそれぞれ10、49、及び84のアミノ酸配列、(33)配列番号がそれぞれ2、50、及び61のアミノ酸配列、(34)配列番号がそれぞれ10、36、及び85のアミノ酸配列、(35)配列番号がそれぞれ5、32、及び86のアミノ酸配列、(36)配列番号がそれぞれ18、51、及び87のアミノ酸配列、(37)配列番号がそれぞれ2、52、及び88のアミノ酸配列、(38)配列番号がそれぞれ19、53、及び89のアミノ酸配列、(39)配列番号がそれぞれ5、32、及び64のアミノ酸配列、(40)配列番号がそれぞれ20、54、及び90のアミノ酸配列、(41)配列番号がそれぞれ21、55、及び91のアミノ酸配列、(42)配列番号がそれぞれ21、56、及び91のアミノ酸配列、(43)配列番号がそれぞれ21、55、及び346のアミノ酸配列、(44)配列番号がそれぞれ22、57、及び347のアミノ酸配列、(45)配列番号がそれぞれ21、58、及び91のアミノ酸配列、(46)配列番号がそれぞれ21、59、及び91のアミノ酸配列、又は(47)配列番号がそれぞれ249、250、及び251のアミノ酸配列を含むVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含む重鎖可変領域、及び/又は、(b)、(1)配列番号がそれぞれ92、114及び133のアミノ酸配列、(2)配列番号がそれぞれ93、115及び134のアミノ酸配列、(3)配列番号がそれぞれ92、116及び135のアミノ酸配列、(4)配列番号がそれぞれ92、116及び136のアミノ酸配列、(5)配列番号がそれぞれ92、117及び137のアミノ酸配列、(6)配列番号がそれぞれ94、118及び138のアミノ酸配列、(7)配列番号がそれぞれ95、119及び139のアミノ酸配列、(8)配列番号がそれぞれ96、116及び136のアミノ酸配列、(9)配列番号がそれぞれ97、120及び140のアミノ酸配列、(10)配列番号がそれぞれ98、121及び141のアミノ酸配列、(11)配列番号がそれぞれ99、122及び142のアミノ酸配列、(12)配列番号がそれぞれ100、123及び143のアミノ酸配列、(13)配列番号がそれぞれ101、124及び144のアミノ酸配列、(14)配列番号がそれぞれ97、120及び145のアミノ酸配列、(15)配列番号がそれぞれ102、115及び146のアミノ酸配列、(16)配列番号がそれぞれ103、115及び147のアミノ酸配列、(17)配列番号がそれぞれ104、125及び148のアミノ酸配列、(18)配列番号がそれぞれ93、115及び149のアミノ酸配列、(19)配列番号がそれぞれ105、126及び150のアミノ酸配列、(20)配列番号がそれぞれ106、116及び142のアミノ酸配列、(21)配列番号がそれぞれ97、120及び151のアミノ酸配列、(22)配列番号がそれぞれ97、120及び152のアミノ酸配列、(23)配列番号がそれぞれ103、115及び149のアミノ酸配列、(24)配列番号がそれぞれ107、127及び153のアミノ酸配列、(25)配列番号がそれぞれ108、128及び154のアミノ酸配列、(26)配列番号がそれぞれ109、116及び136のアミノ酸配列、(27)配列番号がそれぞれ110、129及び155のアミノ酸配列、(28)配列番号がそれぞれ111、130及び156のアミノ酸配列、(29)配列番号がそれぞれ112、131及び157のアミノ酸配列、(30)配列番号がそれぞれ111、132及び158のアミノ酸配列、(31)配列番号がそれぞれ111、130及び159のアミノ酸配列、(32)配列番号がそれぞれ113、115及び134のアミノ酸配列、又は(33)配列番号がそれぞれ252、253及び254のアミノ酸配列を含むVL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含む軽鎖可変領域を有する、単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分に関する。また、本開示は、CDRの各々に最大で約3つのアミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、又は3つのアミノ酸置換)を含む、これらの抗体又は抗原結合部分の変異体をさらに提供する。
【0014】
本開示に係る単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分は、(1)配列番号がそれぞれ1、23、60、92、114及び133のアミノ酸配列、(2)配列番号がそれぞれ2、24、61、93、115及び134のアミノ酸配列、(3)配列番号がそれぞれ3、25、62、92、114及び133のアミノ酸配列、(4)配列番号がそれぞれ3、26、62、92、114及び133のアミノ酸配列、(5)配列番号がそれぞれ4、27、63、92、116及び135のアミノ酸配列、(6)配列番号がそれぞれ5、28、64、92、114及び133のアミノ酸配列、(7)配列番号がそれぞれ6、29、65、92、116及び136のアミノ酸配列、(8)配列番号がそれぞれ1、25、62、92、114及び133のアミノ酸配列、(9)配列番号がそれぞれ7、30、66、92、117及び137のアミノ酸配列、(10)配列番号がそれぞれ8、29、65、92、116及び136のアミノ酸配列、(11)配列番号がそれぞれ4、31、63、92、116及び135のアミノ酸配列、(12)配列番号がそれぞれ5、32、67、92、114及び133のアミノ酸配列、(13)配列番号がそれぞれ3、33、68、92、114及び133のアミノ酸配列、(14)配列番号がそれぞれ9、34、69、94、118及び138のアミノ酸配列、(15)配列番号がそれぞれ1、35、62、92、114及び133のアミノ酸配列、(16)配列番号がそれぞれ4、27、70、95、119及び139のアミノ酸配列、(17)配列番号がそれぞれ4、27、71、96、116及び136のアミノ酸配列、(18)配列番号がそれぞれ10、36、72、97、120及び140のアミノ酸配列、(19)配列番号がそれぞれ4、37、73、98、121及び141のアミノ酸配列、(20)配列番号がそれぞれ11、38、74、99、122及び142のアミノ酸配列、(21)配列番号がそれぞれ12、39、75、100、123及び143のアミノ酸配列、(22)配列番号がそれぞれ13、40、76、101、124及び144のアミノ酸配列、(23)配列番号がそれぞれ14、41、77、97、120及び145のアミノ酸配列、(24)配列番号がそれぞれ5、42、64、92、114及び133のアミノ酸配列、(25)配列番号がそれぞれ5、43、78、102、115及び146のアミノ酸配列、(26)配列番号がそれぞれ15、44、79、103、115及び147のアミノ酸配列、(27)配列番号がそれぞれ8、45、80、104、125及び148のアミノ酸配列、(28)配列番号がそれぞれ16、46、81、104、125及び148のアミノ酸配列、(29)配列番号がそれぞれ2、47、61、93、115及び149のアミノ酸配列、(30)配列番号がそれぞれ17、48、82、105、126及び150のアミノ酸配列、(31)配列番号がそれぞれ11、38、83、106、116及び142のアミノ酸配列、(32)配列番号がそれぞれ10、49、84、97、120及び151のアミノ酸配列、(33)配列番号がそれぞれ2、50、61、93、115及び134のアミノ酸配列、(34)配列番号がそれぞれ10、36、85、97、120及び152のアミノ酸配列、(35)配列番号がそれぞれ5、32、86、92、114及び133のアミノ酸配列、(36)配列番号がそれぞれ18、51、87、103、115及び147のアミノ酸配列、(37)配列番号がそれぞれ2、52、88、103、115及び149のアミノ酸配列、(38)配列番号がそれぞれ19、53、89、107、127及び153のアミノ酸配列、(39)配列番号がそれぞれ5、32、64、92、114及び133のアミノ酸配列、(40)配列番号がそれぞれ20、54、90、108、128及び154のアミノ酸配列、(41)配列番号がそれぞれ2、47、61、93、115及び134のアミノ酸配列、(42)配列番号がそれぞれ4、27、71、109、116及び136のアミノ酸配列、(43)配列番号がそれぞれ21、55、91、110、129及び155のアミノ酸配列、(44)配列番号がそれぞれ21、56、91、111、130及び156のアミノ酸配列、(45)配列番号がそれぞれ21、55、346、110、129及び155のアミノ酸配列、(46)配列番号がそれぞれ22、57、347、112、131及び157のアミノ酸配列、(47)配列番号がそれぞれ21、58、91、111、132及び158のアミノ酸配列、(48)配列番号がそれぞれ21、59、91、111、130及び159のアミノ酸配列、(49)配列番号がそれぞれ2、47、61、113、115及び134のアミノ酸配列、又は(50)配列番号がそれぞれ249、250、251、252、253及び254のアミノ酸配列を含み得るVH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3を含んでもよい。また、本開示は、CDRの各々に最大で約3つのアミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、又は3つのアミノ酸置換)を含む、これらの抗体又は抗原結合部分の変異体をさらに提供する。
【0015】
本開示に係る単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号160~209、255、325、260~296、及び326~335のいずれかに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでもよい。本開示に係る単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号210~247、256、297~324、及び336~345のいずれかに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでもよい。本開示に係る単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分は、(a)配列番号160~209、255、325、260~296、及び326~335のいずれかに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る重鎖可変領域、及び/又は、(b)配列番号210~247、256、297~324、及び336~345のいずれかに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0016】
本開示に係る単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分は、それぞれ(1)配列番号160及び210、(2)配列番号161及び211、(3)配列番号162及び212、(4)配列番号163及び210、(5)配列番号164及び213、(6)配列番号165及び210、(7)配列番号166及び214、(8)配列番号167及び215、(9)配列番号168及び216、(10)配列番号169及び217、(11)配列番号170及び218、(12)配列番号171及び210、(13)配列番号172及び210、(14)配列番号173及び219、(15)配列番号174及び210、(16)配列番号175及び220、(17)配列番号176及び221、(18)配列番号177及び222、(19)配列番号178及び223、(20)配列番号179及び224、(21)配列番号180及び225、(22)配列番号181及び226、(23)配列番号182及び227、(24)配列番号183及び210、(25)配列番号184及び228、(26)配列番号185及び229、(27)配列番号186及び230、(28)配列番号187及び230、(29)配列番号188及び231、(30)配列番号189及び232、(31)配列番号190及び233、(32)配列番号191及び234、(33)配列番号192及び235、(34)配列番号193及び236、(35)配列番号194及び212、(36)配列番号195及び229、(37)配列番号196及び237、(38)配列番号197及び248、(39)配列番号198及び215、(40)配列番号199及び238、(41)配列番号200及び239、(42)配列番号201及び239、(43)配列番号202及び240、(44)配列番号203及び241、(45)配列番号204及び242、(46)配列番号205及び243、(47)配列番号206及び242、(48)配列番号207及び244、(49)配列番号208及び245、(50)配列番号209及び246、(51)配列番号188及び247、又は(52)配列番号255及び256に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0017】
本開示に係る単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分は、それぞれ(1)配列番号260及び297、(2)配列番号260及び298、(3)配列番号260及び299、(4)配列番号261及び297、(5)配列番号261及び298、(6)配列番号261及び299、(7)配列番号262及び297、(8)配列番号262及び298、(9)配列番号262及び299、(10)配列番号263及び300、(11)配列番号263及び301、(12)配列番号263及び302、(13)配列番号264及び300、(14)配列番号264及び301、(15)配列番号264及び302、(16)配列番号265及び300、(17)配列番号266及び303、(18)配列番号267及び303、(19)配列番号268及び303、(20)配列番号269及び303、(21)配列番号270及び304、(22)配列番号271及び305、(23)配列番号325及び324、(24)配列番号272及び306、(25)配列番号272及び307、(26)配列番号272及び308、(27)配列番号272及び309、(28)配列番号273及び306、(29)配列番号273及び307、(30)配列番号273及び308、(31)配列番号273及び309、(32)配列番号274及び310、(33)配列番号274及び311、(34)配列番号275及び310、(35)配列番号275及び311、(36)配列番号275及び312、(37)配列番号276及び310、(38)配列番号276及び311、(39)配列番号276及び312、(40)配列番号277及び313、(41)配列番号276及び314、(42)配列番号276及び315、(43)配列番号276及び316、(44)配列番号276及び317、(45)配列番号281及び310、(46)配列番号282及び310、(47)配列番号278及び310、(48)配列番号279及び310、(49)配列番号280及び310、(50)配列番号280及び311、(51)配列番号283及び319、(52)配列番号284及び319、(53)配列番号283及び318、(54)配列番号284及び318、(55)配列番号288及び310、(56)配列番号290及び310、(57)配列番号291及び310、(58)配列番号288及び311、(59)配列番号291及び311、(60)配列番号288及び312、(61)配列番号285及び320、(62)配列番号286及び320、(63)配列番号287及び320、(64)配列番号292及び323、(65)配列番号293及び321、(66)配列番号293及び322、(67)配列番号293及び323、(68)配列番号294及び321、(69)配列番号294及び322、(70)配列番号294及び323、(71)配列番号295及び321、(72)配列番号296及び322、(73)配列番号326及び336、(74)配列番号326及び337、(75)配列番号327及び338、(76)配列番号328及び338、(77)配列番号329及び341、(78)配列番号330及び339、(79)配列番号330及び340、(80)配列番号327及び337、(81)配列番号331及び342、(82)配列番号335及び337、(83)配列番号332及び343、(84)配列番号333及び345、(85)配列番号334及び345、又は(86)配列番号334及び344に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0018】
本開示に係る単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分は、それぞれ(1)配列番号261及び298、(2)配列番号267及び303、(3)配列番号276及び314、(4)配列番号279及び310、(5)配列番号291及び310、(6)配列番号285及び320、(7)配列番号287及び320、(8)配列番号294及び323、(9)配列番号295及び321、(10)配列番号335及び337、又は(11)配列番号333及び345に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0019】
本開示に係る単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分は、重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域を含んでもよく、重鎖可変領域のC末端は重鎖定常領域のN末端に連結され、軽鎖可変領域のC末端は軽鎖定常領域のN末端に連結される。重鎖定常領域は、FcR/補体系結合親和性/能力が弱いか又は全くないものであってもよく、例えば、IgG4定常領域、FcR及び補体系からのタンパク質に対する結合親和性/能力を低下させるように遺伝子操作されたIgG1又はIgG2定常領域、又はその断片、例えば、CH2及びCH3ドメインを有する断片である。一実施形態では、重鎖定常領域は、配列番号257のアミノ酸配列を有するヒトIgG4定常領域、又はその断片である。軽鎖定常領域は、κ定常領域、例えば、配列番号258のアミノ酸配列を有するヒトκ定常領域、又はその断片であってもよい。
【0020】
本開示に係る単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分は、マウス、キメラ又はヒト化抗体であってもよい。
【0021】
本開示に係る単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分は、(i)ABTAAなどの従来技術における抗Ang2抗体と同等以上の結合親和性/活性でヒト又はサルAng2などに結合する;(ii)ABTAAなどの従来技術における抗Ang2抗体と同等以上の活性でAng2のTie2への結合を遮断する;(iii)ABTAAなどの従来技術における抗Ang2抗体と同等以上の活性でTie2シグナル伝達を活性化する、及び/又は(iv)Ang2のインテグリンへの結合を遮断する。
【0022】
別の態様では、本開示は、本開示の抗体又はその抗原結合部分を含み得る二重特異性分子をさらに提供し、当該二重特異性分子は、VEGFに結合するものなど、抗体、又はその抗原結合部分とは異なる結合特異性を有する第2の機能部分(例えば、第2の抗体又はその抗原結合部分)に連結される。
【0023】
本開示の抗体、又はその抗原結合部分をコードする核酸分子、そのような核酸分子を含み得る発現ベクター、及びその発現ベクターを含み得る宿主細胞も本開示に包含される。本発明は、宿主細胞を用いて本開示の抗体又はその抗原結合部分を調製する方法をさらに提供し、当該方法は、(i)宿主細胞において抗体又はその抗原結合部分を発現させる工程と、(ii)宿主細胞又はその細胞培養物から抗体又はその抗原結合部分を単離する工程とを含んでもよい。
【0024】
本開示は、本開示の抗体又はその抗原結合部分、もしくは本開示の二重特異性分子、及び薬学的に許容される担体を含み得る組成物をさらに提供する。いくつかの実施形態では、当該組成物は、Ang2タンパク質上の異なるエピトープに結合する、本開示の2つ以上の抗体又はその抗原結合部分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、当該組成物は、本開示の2つ以上の抗体又はその抗原結合部分を発現するベクターを含んでもよい。いくつかの実施形態では、当該組成物は、本開示の2つ以上の抗体又はその抗原結合部分を有する二重特異性分子を含んでもよい。
【0025】
別の態様では、本開示は、血管系又は血管炎症を処置する必要のある被験体における血管系を安定化させるか又は血管炎症を軽減する方法であって、被験体に治療上有効量の本開示の組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0026】
さらなる態様では、本開示は、Ang2関連疾患を処置する必要のある被験体におけるAng2関連疾患を治療するための方法であって、被験体に治療上有効量の本開示の組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0027】
特定の実施形態では、疾患は癌である。特定の実施形態では、癌は固形腫瘍であり、固形腫瘍の例としては、原発性であるか転移性であるかに関わらず、卵巣癌、肺癌(例えば、ルイス肺癌、小細胞肺癌、及び非小細胞肺癌)、乳腺癌、子宮頸癌、及びカポジ肉腫を含むが、これらに限定されない。被験体に、抗VEGF抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体、又は抗LAG-3抗体などの抗腫瘍剤をさらに投与してもよい。特定の実施形態では、被験体はヒトである。
【0028】
特定の実施形態では、疾患は、敗血症、黄斑浮腫、糖尿病性網膜症及び加齢黄斑変性症(例えば、血管新生加齢黄斑変性症)などの炎症性疾患である。被験体に抗VEGF抗体などの抗炎症剤をさらに投与してもよい。特定の実施形態では、被験体はヒトである。
【0029】
特定の実施形態では、疾患は、細菌、ウイルス又はマイコプラズマの感染によって引き起こされる肺炎などの感染性疾患である。被験体に、抗細菌剤、抗ウイルス剤、及び抗マイクロプラズマ剤などの抗感染性薬剤をさらに投与してもよい。特定の実施形態では、被験体はヒトである。
【0030】
本開示は、過剰なAng2が関与する疾患を処置する必要のある被験体における過剰なAng2が関与する疾患の診断方法であって、本開示の抗体又はその抗原結合部分を、被験体から採取した試料に接触させることと、対照試料における結合レベルと比較して結合レベルを決定することとを含む、方法をさらに提供する。特定の実施形態では、試料は、血清又は病変組織である。特定の実施形態では、被験体はヒトである。
【0031】
本開示の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び実施例によって明らかになり、これらの内容に限定されるものではない。本願で言及される参考文献、Genbank登録エントリー、特許及び公開特許出願の全ての内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0032】
従って、本発明の目的は、本発明の範囲内に、既に記載されたあらゆる製品、製品の製造プロセス、又は製品の使用方法を含めないことであり、本出願人らは、あらゆる既知の製品、プロセス、又は方法の権利を留保するが、その放棄をここに明示する。本発明は、USPTO(米国特許法第112条の1段落目)又はEPO(EPCの第83項)の記述及び実施可能要件を満たさない、あらゆる製品、プロセス、又はこのような製品の製造、又はこのような製品を使用する方法が本発明の範囲内に含まれないものとし、本出願人らは、既に記載されたあらゆる製品、製品の製造プロセス、又は製品の使用方法の権利を留保するが、その放棄をここに明示することにさらに留意されたい。本発明の実施には、第53条(c)EPC及び規則28(b)及び(c)EPCに準拠することが有利であり得る。本出願の系、他の系、又は第三者の先行出願における出願人の付与特許の被験体である実施形態を明示的に否認するすべての権利は、明示的に留保される。本明細書におけるいかなる事項も、見込み(promise)であると解釈されてはならない。
【0033】
本開示、特に特許請求の範囲及び/又は段落では、「含む(comprises)」、「含んだ(composed)」、及び「含んでいる(comprising)」などの用語は、米国特許法による意味を有することができることに留意されたい。例えば、これらの用語は、「含む(includes)」、「含んだ(included)」、及び「含んでいる(including)」などを意味してもよく、「本質的に~からなっている(consisting essentially of)」及び「本質的に~からなる(consists essentially of)」などの用語は、米国特許法による意味を有し、例えば、明確に述べられていない要素は許容されるが、従来技術に見られる要素又は本発明の基本的又は新規な特徴に影響を与える要素は排除されることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
以下の詳細な説明は、本発明を記載される具体的な実施形態のみに限定することは意図せず、例として提供されるものであり、添付の図面によって最もよく理解され得る。
【0035】
【
図1】
図1は、間接ELISAにおける、ヒト(A、C)及びマウスAng2タンパク質(B)に対する本開示のマウス抗体の結合活性を示す。
【0036】
【
図2】
図2は、FACSアッセイにおける、膜結合型ヒト(A)、cyno(B)及びマウス(C)Ang2タンパク質を発現する細胞に対する本開示のマウス抗体の結合活性を示す。
【0037】
【
図3】
図3は、in vitro ホスホ-Aktバイオアッセイにおける、Tie2シグナル伝達の活性化に対する本開示のマウス抗体の効果を示す。
【0038】
【
図4】
図4は、細胞ベース遮断アッセイにおける、Ang2-Tie2相互作用を遮断するマウス抗体の能力を示す。
【0039】
【
図5】
図5は、in vitro ホスホ-Aktバイオアッセイにおける、Tie2シグナル伝達の活性化に対する本開示のキメラ抗体の効果を示す。
【0040】
【
図6】
図6は、in vitro ホスホ-Aktバイオアッセイにおける、Tie2シグナル伝達の活性化に対する本開示のヒト化抗体の効果を示す。
【0041】
【
図7】
図7は、in vitro ホスホ-Aktバイオアッセイにおける、Tie2シグナル伝達の活性化に対する本開示のヒト化抗体の効果を示す。
【0042】
【
図8】
図8は、in vitro ホスホ-Aktバイオアッセイにおける、Tie2シグナル伝達の活性化に対する本開示のヒト化抗体の効果を示す。
【0043】
【
図9】
図9は、in vitro ホスホ-Aktバイオアッセイにおける、Tie2シグナル伝達の活性化に対する本開示のヒト化抗体の効果を示す。
【0044】
【
図10】
図10は、細胞ベース遮断アッセイにおける、Ang2-Tie2相互作用を遮断するヒト化抗体の能力を示す。
【0045】
【
図11】
図11は、ELISAによるヒトAng2タンパク質に対する本開示のヒト化抗体の結合親和性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本開示をより容易に理解できるために、特定の用語は、詳細な説明において記載されている。
【0047】
本明細書で使用される用語「a」及び「an」は、冠詞の文法上の目的語の1つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指す。例として、「抗体」は、1つの抗体又は2つ以上の抗体を指す。
【0048】
用語「Ang2」は、アンギオポエチン/Tieシグナル伝達経路に属する成長因子であるアンギオポエチン-2を指し、このアンギオポエチン/Tieシグナル伝達経路は血管新生に関与する主要経路の1つである。この用語「Ang2」は、変異体、アイソフォーム、ホモログ、オルソログ及びパラログを含んでもよい。例えば、場合によっては、ヒトAng2タンパク質に特異的な抗体は、サルなどのヒト以外の種由来のAng2タンパク質と交差反応することがある。他の実施形態では、ヒトAng2タンパク質に特異的な抗体は、ヒトAng2タンパク質に完全に特異的であり、他の種又は他のタイプのものに対して交差反応性を示さなくてもよいし、他のすべての種ではなく特定の他の種由来のAng2と交差反応してもよい。
【0049】
用語「ヒトAng2」は、Genbank登録番号AAB63190.1を有するヒトAng2のアミノ酸配列のようなヒト由来のアミノ酸配列を有するAng2タンパク質を指し、(Maisonpierre PCら、(1997) Science 277(5322):55-60)。用語「サルAng2」又は「カニクイザルAng2」は、NCBI参照番号XP_001097757.2を有するアミノ酸配列のようなマカカ・ムラッタ由来のアミノ酸配列を有するAng2タンパク質を指す。用語「マウスAng2」は、Genbank登録番号AAB63189.1を有するマウスAng2のアミノ酸配列のようなマウス由来のアミノ酸配列を有するAng2タンパク質を指す(前掲文献Maisonpierre PCら、(1997))。
【0050】
アンジオポエチン-1受容体又はCD202Bとしても知られる用語「Tie2」は、Ig及びEGF相同ドメインを有するチロシンキナーゼである。Tie2は、ヒトにおけるTEK遺伝子によってコードされる。用語「Ang2」は、変異体、アイソフォーム、ホモログ、オルソログ及びパラログを含んでもよい。用語「ヒトTie2」は、NCBI参照配列NP_001277006.1を有するヒトTie2のアミノ酸のようなヒト由来のアミノ酸配列を有するTie2タンパク質を指す(Drost CC et al.,(2019) Thromb. Haemost. 119(11):1827-1838)。
【0051】
本明細書で用いられる用語「抗体」は、通常、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原結合部分によって、Ang2のような標的を認識し且つその標的に特異的に結合する免疫グロブリン分子をいう。本明細書において用いられる場合、この用語は、抗体が所望の生物学的活性を示す限り、インタクトなポリクローナル抗体、インタクトなモノクローナル抗体、単鎖Fv(scFv)抗体、重鎖抗体(HCAbs)、軽鎖抗体(LCAbs)、多重特異性抗体、二重特異性抗体、単一特異性抗体、一価抗体、抗体の抗原結合部位を含む融合タンパク質、ならびに抗原結合部位を含むその他の任意の修飾された免疫グロブリン分子(例えば、二重可変領域免疫グロブリン分子)を包含する。抗体は、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、及びヒト抗体も含むが、これらに限定されない。抗体は、それぞれα、δ、ε、γ及びμと称されるそれらの重鎖定常領域の同一性に基づき、5つの主要なクラスの免疫グロブリン:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM、又はそのサブクラス(アイソタイプ)(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)のいずれかであってもよい。異なるクラスの免疫グロブリンは、異なる周知のサブユニット構造及び三次元構造を有する。裸であるか又は毒素、放射性同位体などのような他の分子に結合されてもよい。本明細書で使用される用語「抗体」は、特に別段の指示がない限り、インタクトな抗体の「抗原結合部分」を含む。IgGは、ジスルフィド結合によって互いに接続された2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含み得る糖タンパク質である。重鎖は重鎖可変領域(本明細書ではVHと略記する)及び重鎖定常領域を含んでもよい。重鎖定常領域はCH1、CH2及びCH3の3つのドメインを含んでもよい。各軽鎖は軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略記する)及び軽鎖定常領域から構成されてもよい。軽鎖定常領域は1つのドメインCLによって構成されてもよい。VH及びVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域にさらに細分することができ、その間にはフレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保守的な領域が散在する。VH及びVLのそれぞれは3つのCDR及び4つのFRからなり、アミノ基末端からカルボキシル基末端まではFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順に並んでいる。重鎖及び軽鎖の可変領域は抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域が宿主組織又は因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介することができ、前記宿主組織又は因子は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1のコンポーネント(C1q)を含む。
【0052】
抗体に関連して用いられる用語「抗原結合部分」又は「抗原結合断片」は、抗原(例えば、Ang2)に特異的に結合する能力を保持する、抗体の1つ以上の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体の断片によって実施できることは示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される結合断片の例として、(i)VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片、(ii)ヒンジ領域にてジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片、(iii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体シングルアームのVL及びVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al.,(1989)Nature 341:544-546)、(vi)単離された相補性決定領域(CDR)、及び(viii)重鎖可変領域が1つの可変領域及び2つの定常領域を含むナノボディを含むが、これらに限定されない。さらに、Fv断片の2つのドメインVL及びVHは異なる遺伝子によってコードされるものの、これらは、これらのドメインを、VL及びVH領域の対が一価の分子を形成する、単一のタンパク質鎖(一本鎖Fv(scFvとして知られている))として作製することができる合成リンカーによる組み換え法を使用して、結合することができる。例えば、Bird et al.,(1988)Science 242:423-426及びHuston et al.,(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883を参照)。このような一本鎖抗体も、抗体の「抗原結合部分」という用語に含まれることが意図される。これらの抗体断片は、当業者に知られている従来の技術によって得られ、インタクトな抗体と同様に断片の有用性についてスクリーニングされる。用語「単鎖可変領域フラグメント」又は「scFv」は、10~25個のアミノ酸を有する短鎖リンカーペプチドに連結された、免疫グロブリンの重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の融合タンパク質を指す。リンカーは通常、柔軟性を確保するようにグリシンに豊み、また溶解性を確保するようにセリン又はスレオニンに豊む。scFvは元の免疫グロブリンの特異性を保持している。scFvは、異なる長さのリンカーによって連結することができ、1つ又は複数の抗原に対して特異性を示すジ‐scFv、ダイアボディ、トリ‐scFv、トリアボディ、又はテトラボディを形成することができる。
【0053】
抗体の「Fc領域」という用語は、Fc受容体及び補体系のいくつかのタンパク質と相互作用して免疫系を活性化する抗体の尾部領域である。IgG、IgA及びIgDのFc領域は、抗体の重鎖の第2及び第3の定常領域(CH2及びCH3)に由来する2つの同一の断片から構成されており、IgM及びIgEのFc領域は、3つの重鎖定常領域(CH領域2~4)を含む。Fc領域は、補体成分C1qに結合して古典的補体カスケードを活性化してもよく、食細胞(すなわち、マクロファージ、顆粒球、及び樹状細胞)上のFc受容体に結合して、抗体が結合した細胞の貪食作用を誘導してもよく、免疫エフェクター細胞(主にナチュラルキラー細胞)のFc受容体に結合して、免疫エフェクター細胞から細胞障害性顆粒の放出を誘導して抗体被覆細胞を死滅させてもよく、樹状細胞などの抗原提示細胞のFc受容体に結合して、体液性及び細胞性抗ウイルス免疫応答を誘導してもよい。本開示では、Fc領域は、FcR及び補体系タンパク質に対する結合親和性/活性を低下させるように遺伝子の組み換えが行われた。
【0054】
本明細書で使用される用語「結合親和性」は、一般に、本開示の抗体又はその抗原結合部分とAng2などの標的分子との間の非共有結合性相互作用の合計強度を指す。抗体又はその抗原結合部分と標的分子との結合は可逆的であり、結合親和性は通常、平衡解離定数(KD)として報告される。KDは、解離速度(koff又はk
d
)と会合速度(kon又はka)の比率である。結合ペアのKDが低いほど、親和性は高くなる。当技術分野では、結合親和性を測定する様々な方法が知られており、それらのいずれも本発明の目的のために使用することができる。具体的な例示的な実施形態は、以下を含む。一実施形態において、KD又はKD値は、例えば、結合アッセイなどの当技術分野において周知のアッセイによって測定することができる。KDは、放射性標識抗原結合アッセイ(RIA)(Chenら,(1999)J.Mol Biol 293:865~881)で測定することができる。また、KD又はKD値は、例えば、BIAcoreTM‐2000又はBIAcoreTM‐3000(BIAcore,Inc.,ニュージャージー州ピスカタウェイ)を使用して、表面プラズモン共鳴アッセイによって測定することができる。また、KD又はKD値は、例えば、OctetQK384システム(ForteBio,カリフォルニア州メンロパーク)を使用して、生体層干渉法によって測定することができる。複数のエピトープを含有する標的分子が、標的分子に結合する複数の結合部位を含有する抗体又は抗原結合部分と接触するとき、1つの部位で結合分子と標的分子とが相互作用すると、第2の部位での相互作用の確率が増加する。多価抗体と抗原との間のそのような多数の相互作用の強度は、アビディティと呼ばれる。例えば、高いアビディティは、時に、IgGよりも低い親和性を有しうる五量体のIgM抗体において見出されるように低い親和性を補うことができるが、IgMのアビディティがその多価性に起因して高い場合、IgMは抗原に効果的に結合することができる。
【0055】
本明細書で使用される用語「特異的に結合する」は、抗体又はその抗原結合部分が、関係及び無関係のタンパク質などの代替物質とよりも頻繁に、迅速に、持続的に、高い親和性で、又は上記のいくつかの組み合わせで、抗原又はエピトープと相互作用することを意味する。標的分子(例えばAng2)に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部位は、例えば、イムノアッセイ、ELISA、SPR(例えば、ビアコア)、又は当業者に知られている他の技術によって同定することができる。通常、特異反応はバックグラウンドシグナル又はノイズの少なくとも2倍であり、バックグラウンドの10倍を超えてもよい。例えば、抗体の特異性に関する考察に関しては、Paul編、1989年、Fundamental Immunology Second Edition、Raven Press、ニューヨーク、ページ332~336を参照とする。標的分子に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部位は、異なる分子に対する親和性よりも高い親和性で標的分子に結合することができる。いくつかの実施形態において、標的分子に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部位は、異なる分子に対する親和性よりも、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、又は少なくとも100倍大きい親和性で標的分子に結合することができる。いくつかの実施形態において、特定の標的分子に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部位は、本明細書に記載されるアッセイ又は当技術分野において周知のアッセイを使用して結合を検出できないほどの低い親和性で異なる分子に結合することができる。いくつかの実施形態において、「特異的に結合する」とは、例えば、抗体又はその抗原結合部位が約05.0E~08以下のKDで標的分子に結合することを意味する。異なる種における相同タンパク質間の配列同一性のため、標的分子を特異的に認識する抗体又はその抗原結合部分は、他の種における標的と交差反応する可能性がある。第1の標的に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部分は、第2の標的に特異的に結合してもしなくてもよいことが理解されたい。このように、「特異的結合」とは、排他的な結合、すなわち単一の標的との結合を(含むことができるが)必ずしも必要としない。従って、いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、複数の標的に特異的に結合する。例えば、場合によっては、抗体又はその抗原結合部分は、各々が同一のエピトープに特異的に結合する2つの同一の抗原結合部分を含んでもよい。
【0056】
本明細書で使用される「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有するその他の抗体を実質的に含まない抗体を指す(例えば、PD-1タンパク質に特異的に結合する単離された抗体はAng2以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、Ang2に特異的に結合する、単離された抗体は他の生物種由来のAng2タンパク質などの他の抗原に対して交差反応性を示す場合がある。さらに、単離された抗体は他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まなくてもよい。
【0057】
本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体、すなわち、前記集団を構成する個々の抗体が、少量で存在し得る潜在的な天然の突然変異及び/又は微量に存在することができる翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除いて同一であるような抗体を指す。モノクローナル抗体は、単一の抗原部位に対して配向し、非常に特異的である。通常、異なる決定基(エピトープ)に対して配向する異なる抗体を含む、従来の(ポリクローナル)抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して配向する。モノクローナル抗体は、その特異性に加えて、ハイブリドーマ培養物によって合成され、他の免疫グロブリンによって汚染されていないという点で有利である。修飾語「モノクローナル」は、抗体の特徴を、抗体の実質的に同種の集団から得られたものとして示し、任意の特定の方法による抗体の生産を必要とするものと解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って用いられるモノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ方法(例えば、Kohlerら,Nature,256:495(1975);Harlowら,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,第2版.1988);Hammerlingら:Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563-681(Elsevier,N.Y.,1981)を参照)、組換えDNA方法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clacksonら,Nature,352:624-628(1991);Marksら,J.Mol.Biol.222:581-597(1992);Sidhuら,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Leeら,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004);及びLeeら,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)を参照)、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座又はヒト免疫グロブリン配列をコードする遺伝子の一部又はすべてを有する動物においてヒト抗体及びヒト様抗体を産生するための技術(例えば、WO98/24893;WO96/34096;WO96/33735;WO91/10741;Jakobovitsら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2551(1993);Jakobovitsら,Nature 362:255-258(1993);Bruggemannら,Year in Immunol.7:33(1993);米国特許第5,545,807号、同第5,545,806号、同第5,569,825号、同第5,625,126号、同第5,633,425号、同第5,661,016号;Marksら,Bio.Technology 10:779-783(1992);Lonbergら,Nature 368:856-859(1994);Morrison,Nature 368:812-813(1994);Fishwildら,Nature Biotechnol.14:845-851(1996);Neuberger,Nature Biotechnol.14:826(1996)ならびにLonberg及びHuszar,Intern.Rev.Immunol.13:65-93(1995)を参照)を含む多様な技術により作製されてもよい。
【0058】
本明細書で使用される用語「マウス抗体」は、フレームワーク領域及びCDR領域がいずれもマウス生殖系列の免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を含む。さらに、抗体が定常領域を含む場合に、定常領域もマウス生殖系列の免疫グロブリン配列に由来する。本開示のマウス抗体はマウス生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、in vitroでのランダムもしくは部位特異的突然変異誘発又はin vivo体細胞突然変異によって導入された突然変異)を含んでもよい。しかしながら、本明細書で使用される用語「マウス抗体」は、別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列がマウスフレームワーク配列にグラフトされている抗体を含むことは意図されない。
【0059】
用語「キメラ抗体」は、非ヒト供給源からの遺伝物質及びヒト由来の遺伝物質を組み合わせて作られた抗体を指す。より一般的には、キメラ抗体は特定の生物種からの遺伝物質と別の生物種からの遺伝物質を有する抗体である。
【0060】
本明細書で使用される用語「ヒト化抗体」は、非ヒト種由来の抗体を指し、そのタンパク質配列はヒトにおいて自然に産生した抗体変異体との類似度を増すために修飾されている。
【0061】
用語「IC50」は、50%遮断濃度とも呼ばれ、抗体又はその抗原結合部分が存在しない場合と比べて、特定の生物学的又は生化学的機能又はプロセス、例えば、Ang2とTie2との相互作用を50%遮断する、抗体又はその抗原結合部分の濃度を指す。
【0062】
用語[EC50」は、50%効果濃度とも呼ばれ、例えばELISA結合試験において50%応答を与える抗体又はその抗原結合部分の濃度を指す。
【0063】
用語「被験体」は、任意のヒト又は非ヒト動物を含む。用語「非ヒト動物」には全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物及び非哺乳動物(例えば、非ヒト霊長類動物、ヤギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ニワトリ、両生動物及び爬虫動物)が含まれ、非ヒト霊長類動物、ヤギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ等の哺乳動物であることが好ましい。
【0064】
用語「治療上有効量」は、疾患もしくは病態(例えば、がん又は敗血症など)に関連する症状を予防又は軽減し、及び/又は疾患もしくは病態の重症度を軽減するのに十分な本開示の抗体又はその抗原結合部分の量を指す。治療上有効量は治療される病態に関連し、実際の有効量は、当業者が容易に認識できるものであると理解される。
【0065】
本明細書において、疾患又は病態、もしくは疾患又は病態を有する被験体に関連して使用される用語「治療する」又は「治療」は、治療される疾患又は障害に関連する、症状、症状の重症度、及び/又は症状の頻度を抑制、排除、軽減、及び/又は改善する行為を指す。
【0066】
本明細書で使用される用語「投与する(administer)」、「投与している(administering)」、又は「投与(administration)」は、本明細書に記載される方法又は当技術分野において周知の方法によって、治療用又は医薬組成物を被験体の体に送達する、又は送達させる行為を指す。治療用又は医薬組成物の投与は、患者の体内に送達される治療用又は医薬組成物を規定することを含む。例示的な投与形態としては、錠剤、カプセル、シロップ、懸濁液などの経口剤形、静脈内(IV)、筋肉内(IM)、又は腹腔内(IP)などの注射可能な剤形、クリーム、ゼリー、粉末、又はパッチなどの経皮剤形、頬側剤形、吸入粉末、スプレー、懸濁液、及び直腸坐剤が挙げられる。
【0067】
2つ以上の核酸又はポリペプチドという文脈において、「同一性」の割合という用語は、保守的アミノ酸置換を配列同一性の一部として全く考慮することなく、最大一致を得るように比較されアライメントされた場合に(必要であれば、ギャップを導入して)、同じヌクレオチド又はアミノ酸残基の割合が特定の値である2つ以上の配列又はサブセンスを指す。同一性の割合は、配列比較ソフトウェアもしくはアルゴリズムを用いて、又は目視検査によって測定することができる。アミノ酸又はヌクレオチド配列のアライメントを得るために使用できる様々なアルゴリズム及びソフトウェアが当技術分野において公知である。これらには、BLAST、ALIGN、Megalign、BestFit、GCG Wisconsin Package、及びそのバリエーションが含まれるが、これらに限定されない。
【0068】
本明細書で使用される用語「保守的配列修飾」は、当該アミノ酸配列を含む抗体の結合特性に有意に影響せず又は改変させないアミノ酸修飾を意味する。このような保守的修飾にはアミノ酸の置換、付加及び欠失が含まれる。「保守的なアミノ酸置換」とは、アミノ酸残基を、同様の化学的特性を有する側鎖を有する別のアミノ酸残基で置換したものである。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において一般に定義されており、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。例えば、フェニルアラニンをチロシンに置換することは、保守的置換である。一般に、本開示のポリペプチド、可溶性タンパク質、及び/又は抗体の配列における保守的置換は、アミノ酸配列を含むポリペプチド、可溶性タンパク質、又は抗体の標的結合部分への結合を損なわない。結合を排除しないアミノ酸の保守的置換を同定する方法は、当技術分野で周知である。
【0069】
本明細書で使用される用語「変異体」は、参照抗体又はその抗原結合部分と比較して、1つ以上(例えば、約1~約25、約1~約20、約1~約15、約1~約10、又は約1~約5)のアミノ酸置換、欠失、及び/又は付加を含むが、参照抗体又はその抗原結合部分としての抗原結合親和性/能力を維持する異なる抗体又はその抗原結合部分を指す。
【0070】
用語「ベクター」は、例えば、核酸配列を宿主細胞に導入するために、核酸配列を担持又は包含するために使用される物質を指す。使用のために適用可能なベクターとしては、例えば、発現ベクター、プラスミド、ファージベクター、ウイルスベクター、エピソーム、及び人工染色体が挙げられ、これらは、宿主細胞の染色体への安定な組込みのために作動可能な選択配列又はマーカーを含むことができる。さらに、ベクターは、1以上の選択可能マーカー遺伝子及び適切な発現制御配列を含むことができる。含み得る選択可能マーカー遺伝子は、例えば、抗生物質もしくは毒素に対する抵抗性を提供し、独立栄養欠損を相補し、又は培養培地中にない重要な栄養を供給する。発現制御配列は、当技術分野で周知である構成的及び誘導性プロモーター、転写エンハンサー、転写ターミネーターなどを含むことができる。2以上の核酸分子(例えば、抗体の重鎖と軽鎖の両方又は抗体のVHとVLの両方)が共発現されることになる場合、両方の核酸分子を、例えば、単一の発現ベクター又は別々の発現ベクターに挿入することができる。単一ベクター発現のために、コード核酸を、1つの共通の発現制御配列に機能的に連結するか、又は異なる発現制御配列、例えば、1つの誘導性プロモーター及び1つの構成的プロモーターに連結することができる。核酸分子の宿主細胞への導入は、当技術分野で周知の方法を用いて確認することができる。核酸分子は、所望の産物(例えば、本明細書に記載される抗体)を産生するのに十分な量で発現されることが当業者によって理解され、また、発現レベルを当技術分野で周知の方法を用いて最適化して、十分な発現を得ることができることがさらに理解される。
【0071】
本明細書で使用される用語「黄斑変性症」は、血管新生が異常に増加し、それによって黄斑に損傷が起こり視力が損なわれる状態を指す。黄斑変性は主に50歳を超える年齢で起こり、非滲出型(ドライ型)又は滲出型(ウェット型)に分けられる。特に滲出型のAMDの場合、失明に至りうる。AMDの原因は未だ解明されていないが、年齢、及び喫煙、高血圧、肥満、遺伝的素因、過度のUV暴露、低い血清抗酸化物質濃度等を包含する環境的要因がリスク因子であることが分かっている。
【0072】
本明細書で使用される用語「黄斑浮腫」は、網膜の黄斑の腫脹を指し、これは網膜血管からの液体漏出によって起こる。弱い血管壁からの漏出血液が、色覚に係る神経の終末であり網膜錐体が豊富な網膜黄斑の限局域に入る。そして、中心窩右又は中心窩中央への像が不鮮明となる。視力が何箇月かにわたって徐々に低下する。本明細書において、用語「糖尿病網膜症」とは、糖尿病により引き起こされる末梢循環障害による網膜微小循環の障害によって視力が低下する、眼の合併症をいう。初期には視力障害は軽度であるが、最終的に失明に至りうる。糖尿病網膜症は1型糖尿病又は2型糖尿病のいずれの患者にも起こりうる。
【0073】
以下、本開示の様々な態様をさらに詳細に説明する。
【0074】
従来技術におけるABTAAなどの抗Ang2抗体と比較して、本開示の抗体又はその抗原結合部分は、同等以上の結合親和性/活性でAng2タンパク質又はその断片に特異的に結合する。従来技術におけるABTAAなどの抗Ang2抗体と比較して、本開示の抗体又はその抗原結合部分は、同等以上の活性で、Ang2のTie2への結合を遮断し、Tie2シグナル伝達を活性化し、及び/又はAng2のインテグリンへの結合を遮断することができる。
【0075】
本開示の抗体は、モノクローナルマウス抗体、キメラ抗体、又はヒト化抗体である。
【0076】
本開示の抗体又はその抗原結合部分の重鎖/軽鎖CDR及び可変領域のアミノ酸配列ID番号を以下の表1に示す。重鎖可変領域CDR及び軽鎖可変領域CDRは、IMGT番号付けシステムによって定義されている。しかしながら、当技術分野で周知のように、CDR領域は、重鎖/軽鎖可変領域配列に基づいて、Chothia、Kabat、AbM、又はContact番号付けシステム/方法などの他のシステムによって決定することもできる。
【表1】
【0077】
本開示の抗体は、例えば、配列番号257に記載のアミノ酸配列を有するヒトIgG4重鎖定常領域などの重鎖定常領域、及び/又は例えば、配列番号258に記載のアミノ酸配列を有するヒトκ定常領域などの軽鎖定常領域を含んでもよい。また、本開示の抗体又はその抗原結合部分は、他の適切な完全又は部分的な重鎖定常領域及び/又は完全又は部分的な軽鎖定常領域を含んでもよい。
【0078】
本開示の抗体は、全長抗体、重鎖抗体(HCAb)、Fab、F(ab’)2、Fv、scFv、又は(scFv)2であってもよい。本開示の抗体は、IgA、IgD、IgE、IgG、又はIgM抗体であってもよい。IgG抗体は、FcR及び/又は補体系タンパク質結合親和性が低減されるか又は全くない、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4抗体であってもよい。
【0079】
Ang2タンパク質に結合する他の抗体のVH及びVL配列(又はCDR配列)は、本開示の抗体のVH及びVL配列(又はCDR配列)に「混合且つ適合」されてもよい。好ましくは、VH及びVL鎖(又はこのような鎖におけるCDR)が混合且つ適合される場合には、特定のVH/VL対由来のVH配列が構造的に類似しているVH配列に置き換えられる。同様に、特定のVH/VL対由来のVL配列を構造的に類似しているVL配列に置き換えることが好ましい。
【0080】
当技術分野で知られる標準的な技術、例えば、部位特異的突然変異誘発及びPCR媒介性突然変異誘発によって本開示の抗体又はその抗原結合部分に修飾を導入することができる。本開示の抗体又はその抗原結合部分のCDR領域内の1つ以上のアミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーの他のアミノ酸残基に置換されてもよく、本明細書に記載されている機能アッセイを用いて、改変された抗体の保持された機能(すなわち、上記の機能)に関して試験することができる。
【0081】
本開示の抗体は、修飾された抗体を操作するように、出発物質として本開示の抗体又はその抗原結合部分の1つ以上のVH/VL配列を有する抗体を使用して製造することができる。抗体を、1つ又は両方の可変領域(すなわち、VH及び/又はVL)内、例えば、1つ以上のCDR領域内及び/又は1つ以上のフレームワーク領域内)の1つ以上の残基を修飾することによって操作することができる。さらに、又は、あるいは、抗体を、例えば、抗体のエフェクター機能を改変させるために、定常領域内の残基を修飾することによって操作することができる。
【0082】
特定の実施形態では、CDRグラフト法は抗体の可変領域を操作するために用いることができる。抗体は、主として6つの重鎖及び軽鎖相補性決定領域(CDR)に存在するアミノ酸残基を介して標的抗原と相互作用する。このため、CDR内のアミノ酸配列はCDR外の配列よりも個々の抗体間で差異が大きい。CDR配列がほとんどの抗体抗原相互作用に関与するため、異なる特性を有する異なる抗体のフレームワーク配列にグラフトされた特定の天然抗体からのCDR配列を含む発現ベクターを構築することによって、特定の天然抗体の特性を模倣する組換え抗体を発現させることが可能である(例えば、Riechmann et al.,(1998)Nature 332:323-327、Jones et al.,(1986)Nature 321:522-525、Queen et al.,(1989)Proc.Natl.Acad.並びにU.S.A.86:10029-10033、米国登録特許第5,225,539号、同5,530,101号、同5,585,089号、同5,693,762号及び同6,180,370号を参照)。
【0083】
従って、本開示の別の実施形態は、本開示の前記配列を含むCDR1、CDR2及びCDR3配列を備える重鎖可変領域、及び/又は、本開示の前記配列を含むCDR1、CDR2及びCDR3を含む配列を備える軽鎖可変領域を含み得る、単離されたモノクローナル抗体、又はその抗原結合部分に関する。これらの抗体は本開示のモノクローナル抗体のVH及びVLのCDR配列を含むが、異なるフレームワーク配列を含んでもよい。
【0084】
フレームワーク修飾は、T細胞エピトープを除去して、抗体の潜在的免疫原性を低下させるために使用することができる。当該方法は「脱免疫化」とも呼ばれ、その詳細な説明は、米国出願公開特許第20030153043号に記載されている。
【0085】
可変領域修飾のもう1つのタイプは、VH及び/又はVLのCDR1、CDR2及び/又はCDR3領域内のアミノ酸残基を突然変異させることによって、目的抗体の1つ以上の結合特性(例えば、親和性)を改善することである。部位特異的突然変異誘発又はPCR媒介性突然変異誘発を行って突然変異を導入することができ、しかも当技術分野で知られるように、in vitro又はin vivoアッセイによって抗体結合又は他の目的機能特性に対する影響を評価することができる。(当技術分野で知られるように)保守的修飾を導入することが好ましい。突然変異はアミノ酸の置換、付加又は欠失であってもよく、置換が好ましい。さらに、一般に、CDR領域では1個、2個、3個、4個又は5個以下の残基が変更される。
【0086】
また、フレームワーク又はCDR領域内で行われる修飾の代わりに、Fc領域内の修飾を含むように、一般に抗体の1種以上の機能特性、例えば血清半減期、補体結合、Fc受容体結合、及び/又は抗原依存性細胞傷害を改変させるように、本開示の抗体を操作してもよい。また、本開示の抗体を化学的に修飾し(例えば、1つ以上の化学部分を当該抗体に結合させ)、又はグリコシル化を変えるように修飾を行って、当該抗体の1つ以上の機能特性を再び変更させてもよい。
【0087】
一実施形態では、CH1のヒンジ領域を修飾して、ヒンジ領域におけるシステイン残基の数量を変更させる(例えば、増加又は減少させる)。当該方法の説明は米国登録特許第5,677,425号に記載されている。CH1のヒンジ領域のシステイン残基の数量を変更して、例えば、軽鎖及び重鎖の組み立てを促進させ、あるいは抗体の安定性を向上もしくは低下させる。
【0088】
別の実施形態では、抗体の生物学的半減期を短縮させるために、抗体のFcヒンジ領域が突然変異される。より具体的には、1種以上のアミノ酸突然変異をFc-ヒンジ断片のCH2-CH3ドメインのインタフェース領域に導入して、天然Fc-ヒンジドメインSpA結合に対して、抗体は障害された黄色ブドウ球菌プロテインA(SpA)結合を有する。当該方法の詳細な説明は米国登録特許第6,165,745号に記載されている。
【0089】
さらなる実施形態では、抗体のグリコシル化は修飾される。例えば、グリコシル化抗体を作製することができる(すなわち、当該抗体はグリコシル化を欠いている)。グリコシル化を変更させて、例えば、抗原に対する抗体の親和性を向上させることができる。このような炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内の1つ以上のグリコシル化部位を変更させることによって達成することができる。例えば、1つ以上のアミノ酸の置換を行い、その結果、1つ以上の可変領域フレームワークグリコシル化部位が除去されて、当該部位のグリコシル化が除去される。このような脱グリコシル化により、抗原に対する抗体の親和性を向上させることができる。例えば、米国登録特許第5,714,350号及び同6,350,861号を参照する。
【0090】
さらに、又は、あるいは、グリコシル化のタイプが変化した抗体、例えばフコシル残基の量が低減された低フコシル化抗体又はバイセクティングGlcNac構造を追加した抗体を製造することができる。このような炭水化物修飾は、例えば、改変されたグリコシル化機構を有する宿主細胞において抗体を発現することにより実現できる。改変されたグリコシル化機構を有する細胞は当技術分野で記述されており、しかも宿主細胞として用いることができ、本開示の組換え抗体を発現させて、改変されたグリコシル化を有する抗体を製造することができる。例えば、細胞株Ms704、Ms705及びMs709はフコシル基転移酵素遺伝子、FUT8(α(l,6)-フコシル基転移酵素)を欠いているため、Ms704、Ms705及びMs709細胞株で発現された抗体は、その炭水化物においてフコースを欠いている。Ms704、Ms705及びMs709 FUT8-/-細胞株は、2つの置換ベクターを使用して、CHO/DG44細胞におけるFUT8遺伝子の標的破壊により作成される(米国出願公開特許第20040110704号及びamane-Ohnuki et al.,(2004)Biotechnol Bioeng 87:614-22を参照)。別の例として、欧州特許出願第EP1,176,195号では、機能的に破壊されたFUT8遺伝子を有する細胞株が記述されており、当該遺伝子がフコシル基転移酵素をコードして、このような細胞株で発現された抗体はα-1,6結合に関連する酵素を減少又は除去することによって低フコシル化が表現される。欧州特許出願第EP1,176,195号では、低酵素活性により、フコースを抗体Fc領域に結合されたN-アセチルグルコサミンに追加する又は酵素活性を持たない細胞株、例えばラット骨髄腫細胞株YB2/0(ATCC CRL 1662)が記述される。PCT国際出願第WO03/035835号では、Asn(297)が連結された炭水化物に対するフコースの結合能力を低下させ、当該宿主細胞で発現された抗体の低フコシル化につながる変異体CHO細胞株Lec13細胞が記述される(Shields et al.,(2002)J.Biol.Chem.277:26733-26740も参照)。PCT国際出願第WO06/089231号に記載されるように、ニワトリの卵において修飾されたグリコシル化プロファイルを有する抗体を産生することができる。あるいは、植物細胞(例えば、ウキクサ)において修飾されたグリコシル化プロファイルを有する抗体を産生することができる。Alston&Bird LLP弁護士整理番号040989/314911に対応する2006年8月11日に提出された米国特許出願では、植物系における抗体産生方法が開示される。PCT国際出願第WO99/54342号では、細胞株を操作して、糖タンパク質によって修飾されたグリコシル転移酵素(例えばβ(1,4)-N-アセチルグルコサミニル転移酵素III(GnTIII))を発現することによって、操作細胞株で発現された抗体が追加のバイセクティングGlcNac構造を示し、抗体のADCC活性増加につながる(Umana et al.,(1999)Nat.Biotech.17:176-180も参照)。あるいは、フコシダーゼを用いて、抗体のフコース残基を切断して除去してもよい。例えば、フコシダーゼα-L-フコシダーゼで抗体からフコシル残基を削除する(Tarentino et al.,(1975)Biochem.14:5516-23)。
【0091】
本開示の内容から想定された本開示の抗体の別の修飾はペグ化である。抗体は、例えば、抗体の生体(例えば、血清)半減期を延長するためにペグ化することができる。抗体をペグ化するには、一般に1つ以上のPEG基が抗体又は抗体断片に結合されている状態において、抗体又はその断片をポリエチレングリコール(PEG)(例えば、PEGの反応性エステル又はアルデヒド誘導体)と反応させてもよい。好ましくは、ペグ化は反応性PEG分子(又は類似する反応性水溶性ポリマー)とのアシル化反応又はアルキル化反応により行うことができる。本明細書で使用される用語「ポリエチレングリコール」は、モノ(C1-C10)アルコキシ-もしくはアリールオキシ-ポリエチレングリコールもしくはポリエチレングリコール-マレイミドなどの他のタンパク質を誘導体化するために使用されているPEGの全ての形態を包含することを意図する。特定の実施形態では、ペグ化される抗体は非グリコシル化抗体である。タンパク質をペグ化する方法は当技術分野で既知であり、且つ本開示の抗体に適用することができる。例えば、欧州特許出願第EP0,154,316号及び同EP0,401,384号を参照する。
【0092】
本開示の抗体は、その異なるクラスを検出及び/又は区別するために、種々の物理的特性により特徴付けることができる。
【0093】
例えば、抗体は、軽鎖又は重鎖可変領域のいずれかにおいて1つ以上のグリコシル化部位を含んでもよい。このようなグリコシル化部位は、抗体の免疫原性の増加又は改変された抗原結合による抗体のpKの改変につながる可能性がある(Marshall et al(1972)Annu Rev Biochem 41:673-702、Gala and Morrison(2004)J Immunol 172:5489-94、Wallick et al(1988)J Exp Med 168:1099-109、Spiro(2002)Glycobiology 12:43R-56R、Parekh et al(1985)Nature 316:452-7及びMimura et al.,(2000)Mol Immunol 37:697-706)。なお、グリコシル化はN-X-S/T配列を含むモチーフにおいて発生することが知られている。場合によっては、可変領域グリコシル化を含まない抗体を有することが好ましい。これは、可変領域においてグリコシル化モチーフを含まない抗体を選択するか、又はグリコシル化領域内の残基を突然変異させることによって実現できる。
【0094】
好ましい実施形態では、抗体はアスパラギン異性部位を含まない。アスパラギンの脱アミド化は、N-G又はD-G配列に生じて、イソアスパラギン酸の残基を生成する場合があり、当該残基はポリペプチド鎖にねじれ(キンク)を導入してその安定性を低下させる(イソアスパラギン酸作用)。
【0095】
各抗体は、一般に6~9.5のpH範囲にある独特な等電点(pI)を有する。IgG1抗体のpIは一般に7~9.5のpH範囲にあり、IgG4抗体のpIは一般に6~8のpH範囲にある。pI値が正常な範囲から外れた抗体がin vivo条件でアンフォールディング及び不安定性をいくらか示す場合があるという推測がある。従って、正常な範囲にあるpI値を有する抗体を含むことが好ましい。これは、pIが正常な範囲にある抗体を選択することによって、又は表面の荷電残基を突然変異させることによって、実現することができる。
【0096】
別の態様では、本開示の抗体の重鎖及び/又は軽鎖可変領域もしくはCDRをコードする核酸分子を提供する。核酸は完全な細胞に、細胞溶解物に存在してもよいし、部分的に精製されたかもしくは実質的に純粋な状態で存在してもよい。本開示の核酸は、例えば、DNA又はRNAであってもよく、且つ、イントロン配列を含んでも含まなくてもよい。
【0097】
本開示の核酸は、標準的な分子生物学技術を用いて得ることができる。ハイブリドーマによって発現された抗体の場合は、標準的なPCR増幅又はcDNAクローニング技術により、ハイブリドーマから製造された抗体の軽鎖及び重鎖をコードするcDNAを得ることができる。(例えば、ファージディスプレイ技術を用いて)免疫グロブリン遺伝子ライブラリーから得られた抗体の場合は、このような抗体をコードする核酸を遺伝子ライブラリーから回収することができる。
【0098】
本開示の核酸分子は、好ましくは、抗体のVH及びVL配列又はCDRをコードする核酸分子を含む。VH及びVL断片をコードするDNA断片が得られると、標準的な組換えDNA技術により、このようなDNA断片をさらに操作することができ、例えば、可変領域遺伝子を全長抗体鎖遺伝子、Fab断片遺伝子又はscFv遺伝子に変換する。これらの操作では、VL又はVHをコードするDNA断片と、別のタンパク質(例えば、抗体定常領域又はフレキシブルリンカー)をコードするもう1つのDNA断片が作動可能に連結される。この文脈において使用されるとき、用語「作動可能に連結される」は、2つのDN断片によってコードされるアミノ酸配列がフレーム内に残るように、2つのDNA断片が連結されることを意味することを意図する。
【0099】
VH領域をコードする単離されたDNAは、VHをコードするDNAと重鎖定常領域(CH1、CH2及びCH3)をコードするもう1つのDNA分子に作動可能に連結することによって、全長重鎖遺伝子に変換することができる。マウス/ヒト重鎖定常領域遺伝子の配列は当技術分野で既知であり、しかも標準的なPCR増幅により、これらの領域を包含するDNA断片を得ることができる。重鎖定常領域はIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgM又はIgD定常領域であってもよく、IgG1、IgG4定常領域であることが最も好ましい。Fab断片重鎖遺伝子である場合、VHをコードするDNAは、重鎖CH1定常領域のみをコードするもう1つのDNA分子に作動可能に連結されてもよい。
【0100】
VL領域をコードする単離されたDNAは、VLをコードするDNAと軽鎖定常領域CLをコードするもう1つのDNA分子に作動可能に連結することによって、全長軽鎖遺伝子(及びFab軽鎖遺伝子)に変換することができる。ヒト軽鎖定常領域遺伝子の配列は当技術分野では既知であり、しかも標準的なPCR増幅により、これらの領域を包含するDNA断片を得ることができる。好ましい実施形態では、軽鎖定常領域はκ又はλ定常領域であってもよい。
【0101】
scFv遺伝子を作成するために、VH-及びVL-をコードするDNA断片とコードフレキシブルリンカーをコードするもう1つの断片を作動可能に連結させて、VH及びVL配列を連続的な一本鎖タンパク質として発現することができ、VL及びVH領域は、フレキシブルリンカーによって連結される(例えば、Bird et al.,(1988)Science 242:423-426、Huston et al.,(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883及びMcCafferty et al.,,(1990)Nature 348:552-554を参照)。
【0102】
本開示のモノクローナル抗体は、所望の種の可変領域又はCDRを発現するファージディスプレイライブラリーから単離されてもよい。ファージライブラリーのスクリーニングは、当技術分野で知られている様々な技術によって行うことができる。例えば、Ang2タンパク質でコーティングされた比色プレートを用いて、数回の選択を通じて、より高い厳密性で、溶液パンニングにより、scFv形態のヒトB細胞抗体ライブラリー又はヒトナイーブファブFabライブラリーをスクリーニングして、Ang2タンパク質に結合する抗体を得ることができる。最初に、単離体をscFv又はFabとして発現させ、ELISAによって受容体結合領域に結合するようにスクリーニングしてもよく、そして、選択した単離体をIgGとしてクローニングし発現させ、ELISA及び/又はSPRによるAng2タンパク質への結合及び中和アッセイにおける機能活性のために再分析し、CHO哺乳動物細胞株にトランスフェクトして完全IgG抗体を発現させてもよい。
【0103】
本開示のモノクローナル抗体は、当業者に知られているハイブリドーマ法を用いて調製することもできる。例えば、ハイブリドーマ法を用いて、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター又はその他の適切な宿主動物を上記のように免疫化させる。いくつかの実施形態では、リンパ球をin vitroで免疫する。いくつかの実施形態では、その免疫抗原は、ヒトタンパク質又はその断片である。いくつかの実施形態では、その免疫抗原は、Ang2ロテイン又はその断片である。免疫後、リンパ球を単離し、例えばポリエチレングリコールを用いて、好適なミエローマ細胞株と融合させる。当技術分野において知られているような特殊な培地を用いて、そのハイブリドーマ細胞を選択し、未融合のリンパ球及びミエローマ細胞は、その選択プロセスで除外されてもよい。所定の抗原に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、様々な方法によって特定でき、その方法としては、免疫沈降、イムノブロッティング、ならびにin vitro結合アッセイ(例えば、フローサイトメトリー、FACS、ELISA、SPR(例えば、Biacore)及びラジオイムノアッセイ)が挙げられるが、これらに限らない。所望の特異性、親和性及び/又は活性を有する抗体を産生するハイブリドーマ細胞を特定したら、そのクローンを限界希釈又はその他の技法によってサブクローニングしてもよい。そのハイブリドーマは、標準的な方法を用いたin vitro培養で、又はin vivoで、動物における腹水腫瘍として増殖できる。モノクローナル抗体は、当技術分野における標準的な方法に従って、培養培地又は腹水から精製でき、その方法としては、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動及び透析が挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
さらに、例えば、当技術分野で知られている組換えDNA技術及び遺伝子トランスフェクション方法を組み合わせて(例えば、Morrison,S.(1985)Science 229:1202)、宿主細胞トランスフェクトーマにおいて本開示の抗体を産生してもよい。一実施形態では、標準的な分子生物学技術によって得られた、部分的な又は全長軽鎖及び重鎖をコードするDNAを1種以上の発現ベクターに挿入して、転写及び翻訳調節配列に遺伝子を作動可能に連結することができる。本明細書では、用語「作動可能に連結する」は、抗体遺伝子をベクターに連結して、ベクター内の転写及び翻訳制御配列に抗体遺伝子の転写及び翻訳を調節するという所望の機能を発揮させることを意味する。
【0105】
用語「調節配列」は、抗体遺伝子の転写又は翻訳を制御するプロモーター、エンハンサー及び他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。このような調節配列は、例えば、Goeddel(Gene Expression Technology.Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990))に記載されている。哺乳動物宿主細胞での発現に好適な調節配列は、哺乳動物細胞における高レベルのタンパク質発現をガイドするウイルス要素、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP))及びパピローマに由来するプロモーター及び/又はエンハンサーを含む。あるいは、非ウイルス調節配列、例えば、ユビキチンプロモーター又はβ-グロビンプロモーターを用いてもよい。さらに、調節エレメントは、異なる供給源からの配列、例えば、SV40初期プロモーター及びヒト1型T細胞白血病ウイルスの長い末端反復配列からの配列を含む異なる源からの配列、例えば、SRαプロモーター系を含む(Takebe et al.,(1988)Mol.Cell.Biol.8:466-472)。発現ベクター及び発現制御配列は、使用される発現宿主細胞と適合するように選択される。
【0106】
抗体軽鎖遺伝子及び抗体重鎖遺伝子は、同一又は別々の発現ベクターに挿入することができる。好ましい実施形態では、可変領域は、VHセグメントがベクトル内のCHセグメントに作動可能に連結し、VLセグメントがベクトル内のCLセグメントに作動可能に連結するように、所望のアイソタイプの重鎖定常領域及び軽鎖定常領域をコードする発現ベクターに可変領域を挿入することによって、任意の抗体アイソタイプの全長抗体遺伝子を作成するために用いられる。さらに、又は、あるいは、組換え発現ベクターは、宿主細胞から抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードしてもよい。抗体鎖遺伝子は、シグナルペプチドがインフレームにおいて抗体鎖遺伝子のアミノ末端に連結するように、ベクターにクローニングすることができる。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチド又は異種シグナルペプチド(すなわち、非免疫グロブリン質由来のシグナルペプチド)であってもよい。
【0107】
抗体鎖遺伝子及び調節配列に加えて、本開示の組換え発現ベクターは、他の配列、例えば、宿主細胞においてベクターの複製を調節する配列(例えば、複製開始点)及び選択マーカー遺伝子を有してもよい。選択マーカー遺伝子は、ベクターが挿入されている宿主細胞の選択を容易にする(例えば、米国登録特許第4,399,216号、同4,634,665号及び同5,179,017号を参照)。例えば、一般には、選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞において、薬剤(例えば、G418、ハイグロマイシン又はメトトレキサート)に対する耐性を付与する。好ましい選択マーカー遺伝子は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子(メトトレキサート選択/増幅を有するdhfr宿主細胞に用いる)及びneo遺伝子(G418選択用)を含む。
【0108】
軽鎖及び重鎖を発現させるために、標準的な技術により、重鎖及び軽鎖をコードする発現ベクターを宿主細胞にトランスフェクトする。用語「トランスフェクション」は、外来性DNAを原核生物又は真核生物宿主細胞に導入するために一般的に使用されている様々な広範な技術、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム共沈殿、DEAE-デキストラントランスフェクションなどを含むことを意図する。原核生物又は真核生物宿主細胞のいずれにおいても本発明の抗体を発現させることは理論上可能であるが、真核細胞、特に哺乳動物細胞が、原核細胞よりも適当に折りたたまれた免疫学的に活性な抗体をアッセンブル及び分泌しやすいため、真核細胞、より好ましくは哺乳動物宿主細胞における抗体の発現が非常に好ましい。
【0109】
本開示の組換え抗体を発現させるのに好ましい哺乳動物宿主細胞は、チャイニーズハムスター(CHO細胞)(R.J.Kaufman and P.A.Sharp(1982)J.Mol.Biol.159:601-621に記載されるようなDHFR選択可能なマーカーとともに使用するUrlaub and Chasin,(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216-4220に記載されるdhfr-CHO細胞を含む)、NSO骨髄腫細胞、COS細胞、SP2細胞を含む。特に、NSO骨髄腫細胞の使用に関しては、さらなる好ましい発現系はPCT国際出願第WO87/04462号、同WO89/01036号及び欧州特許出願第EP338,841号に記載されているGS遺伝子発現系である。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターを哺乳動物宿主細胞に導入するとき、宿主細胞中で抗体の発現、又は、より好ましくは、宿主細胞を増殖させる培養培地中への抗体の分泌を可能にする十分な時間で宿主細胞を培養することにより抗体を製造する。抗体は標準タンパク質精製法を使用して培養培地から回収することができる。
【0110】
別の態様では、本開示は、少なくとも1つの他の機能性分子、例えば、他のペプチド又はタンパク質(例えば、受容体に対する他の抗体又はリガンド)に連結された本開示の1種以上の抗体を含む二重特異性分子を特徴とし、少なくとも2つの異なる結合部位又は標的分子に結合する二重特異性分子を生成する。例えば、本開示の二重特異性抗体は、Ang2タンパク質中の2つのエピトープに結合するように設計されてもよいし、Ang2タンパク質中の1つのエピトープ及びVEGFなどの別のタンパク質に結合するように設計されてもよい。本明細書で使用される「二重特異性分子」は3つ以上の特異性を有する分子を含む。
【0111】
二重特異性分子は様々なフォーマット及びサイズを有してもよい。粒径スペクトルの一方において、二重特異性分子は、同一の特異性の2つの結合アームを有する代わりに、それぞれ異なる特異性を有する2つの結合アームを有することを除いては伝統的な抗体形式を維持している。他方において、ペプチド鎖によって連結された2つの一本鎖抗体断片(scFv)からなる二重特異性分子であり、すなわち、いわゆるBs(scFv)2構築体である。中間サイズの二重特異性分子はペプチジルリンカーによって連結された2つの異なるF(ab)断片を含む。前記及び他のフォーマットの二重特異性分子は、遺伝子工学、体細胞雑種形成又は化学的方法により製造することができる。例えば、Kufer et alによる前掲文献、Cao and Suresh,Bioconjugate Chemistry,9(6),635-644(1998)、van Spriel et al,,Immunology Today,21(8),391-397(2000)、及びそこに引用された参考文献を参照する。
【0112】
本開示の組成物、例えば、医薬組成物は任意の数量の賦形剤を含んでもよい。使用可能な賦形剤は担体、界面活性剤、増粘剤もしくは乳化剤、固体結合剤、分散剤もしくは懸濁助剤、可溶化剤、着色剤、香味剤、コーティング、崩壊剤、潤滑剤、甘味料、防腐剤、等張剤、及びそれらの組み合わせを含む。Gennaro,ed.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.(Lippincott Williams&Wilkins 2003)では、適切な賦形剤の選択及び使用が説明され、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0113】
好ましくは、医薬組成物は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄もしくは表皮投与(例えば、注射又は注入による)に適している。本明細書で使用される用語「非経口投与」は、一般には経腸又は局所投与ではなく、注射投与を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外及び胸骨内の注射及び注入を含むが、これらに限定されない。あるいは、本開示の抗体は非経口経路、例えば、局所、表皮、又は粘膜投与経路、例えば、鼻腔内、経口、膣、直腸、舌下もしくは局所によって投与されてもよい。
【0114】
医薬組成物は、滅菌水溶液又は分散液の形態であってもよい。それらは、また、マイクロエマルジョン、リポソーム又はその他の高濃度の薬物に適した調整構造物において製剤化されてもよい。
【0115】
担体材料と組み合わせて、単一剤形を製造する有効成分の量は、治療対象及び特定の投与方式に依存して変化し、一般に治療効果を生じる組成物の量である。一般に、100%に対して、当該量は薬学的に許容される担体との組み合わせで、有効成分が約0.01%から約99%、好ましく約0.1%から約70%、より好ましくは約1%から約30%の範囲である。
【0116】
組成物の投与に関して、用量は、宿主体重に対して約0.0001から100mg/kgであってもよく、さらに通常、0.01から5mg/kgであってもよい。例えば、用量は0.3mg/kg体重、1mg/kg体重、3mg/kg体重、5mg/kg体重もしくは10mg/kg体重であり、又は活性成分の1~10mg/kgの範囲である。特定の実施形態では、抗体用量は、0.3~30mg/kgであってもよく、例えば、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、10mg/kg、及び30mg/kgであってもよい。例示的な治療計画では、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、1月に1回、3か月に1回又は3~6か月に1回投与する必要がある。本開示の抗Ang2抗体の好ましい投与計画は、1mg/kg体重又は3mg/kg体重で静脈内投与することを含み、(i)4週間ごとに6回投与、次に3月ごと;(ii)3週間に1回;(iii)3mg/kg体重で1回、次に3週間ごとに1mg/kg体重のうちのいずれかの投与計画で抗体を投与する。いくつかの方法では、用量は、約1~1000μg/mlの血漿抗体濃度となるように調整され、いくつかの方法では、約25~300μg/mlである。
【0117】
投与計画を調整して、最適な所望の応答(例えば、治療応答)を提供する。例えば、単回投与であってもよいし、数回に分割して経時的に投与してもよいし、又は治療状況の緊急性に応じて比例的に用量を減少又は増加させてもよい。投与の容易性及び投与量の均一性のため、用量単位形態で非経口組成物を製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される用量単位形態とは、治療対象に対する単位用量として適した物理的に分離した単位を意味し、各単位は、必要な医薬担体と一緒に所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の有効成分を含む。あるいは、頻繁な投与があまり必要でない場合、抗体は徐放性製剤として投与されてもよい。
【0118】
特定の実施形態では、in vivoで適切な分布を確保するために、本開示の組成物を製剤化することができる。例えば、本開示の治療用抗体は血液脳関門を通過することを確実にするために、リポソームとしてもよいし、また、特定の細胞又は器官への選択的輸送を増強させるために、標的部分をさらに含んでもよい。例えば、米国登録特許第4,522,811号、同5,374,548号、同5,416,016号及び同5,399,331号、V.V.Ranade(1989)J.Clin.Pharmacol.29:685、Umezawa et al.,(1988)Biochem.Biophys.Res.Commun.153:1038、Bloeman et al.,(1995)FEBS Lett.357:140、M.Owais et al.,(1995)Antimicrob.Agents Chemother.39:180、Briscoe et al.,(1995)Am.J.Physiol.1233:134、Schreier et al.,(1994)J Biol.Chem.269:9090、Keinanen and Laukkanen(1994)FEBS Lett.346:123及びKillion and Fidler(1994)Immunomethods 4:273を参照する。
【0119】
本開示の組成物は、例えば、in vitroでのAng2タンパク質の検出やAng2関連疾患の治療など、多数のin vitro及びin vivoでの有用性を有する。本開示の組成物は、例えば、in vivoでヒト被験体に投与され、Tie2又はインテグリンへのAng2の結合を遮断し、及び/又はTie2シグナル伝達を活性化し、血管を正常化し、及び/又は不要な血管新生を遮断することができる。
【0120】
特定の実施形態では、本開示の組成物は、血管系を安定化させるか、又は血管炎症を軽減するために使用することができる。特定の実施形態では、本開示の組成物は、原発性であるか転移性であるかに関わらず、卵巣癌、肺癌(例えば、ルイス肺癌、小細胞肺癌、及び非小細胞肺癌)、乳腺癌、子宮頸癌、及びカポジ肉腫などの癌、敗血症、黄斑浮腫、糖尿病性網膜症及び加齢黄斑変性症(例えば、血管新生加齢黄斑変性症)などの炎症性疾患、及び細菌、ウイルス又はマイコプラズマの感染によって引き起こされる肺炎などの感染性疾患を治療又は軽減するために使用することができる。
【0121】
本開示の1つ以上の抗体、1つ以上の二重特異性分子、又は1つ以上の発現ベクターを含む本開示の組成物は、例えば、抗腫瘍剤、及び抗炎症剤、又は抗感染剤などのAng2関連疾患の治療のための他の薬剤と併用療法で投与することができる。
【0122】
本明細書で記述される治療用抗体の組み合わせは、単一の組成物として、薬学的に許容される担体に同時に投与されてもよいし、別個の組成物として、各薬剤が薬学的に許容される担体において同時に投与されてもよい。別の実施形態では、治療薬の組み合わせが連続して投与されてもよい。
【0123】
また、併用療法の複数の用量が連続して投与される場合に、投与の各時点で連続投与の順番は逆にしてもよいし、又は順番のままであってもよく、連続投与は同時投与と組み合わされてもよいし、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0124】
本発明及びその利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換及び改変を行うことができると理解される。
【0125】
本発明を、以下の実施例にさらに示すが、それらは単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
実施例
実施例1:抗Ang2モノクローナル抗体(mAbs)の生成
免疫
【0126】
現在の動物福祉規則に従って、Balb/c及びA/Jマウス、並びにWistaラットに、ヒトAng2タンパク質(R&Dシステム、カタログ番号#623-AN/CF)を免疫させた。免疫に関して、抗原をPBS溶液に投与するか、又はCFA(完全フロイントアジュバント;一次免疫用)又はIFA(不完全フロイントアジュバント;増強免疫用)とともに乳剤として製剤化した。各動物に3~5回投与した。投与してから7日後、20μLの血液サンプルを上記動物から採取し、融合基準が満たされるまで、固定化Ang2タンパク質を対照として、ELISAベースのアッセイにおける抗血清力価をモニターした。
抗Ang2 mAbを分泌するハイブリドーマの選択
【0127】
最後の免疫から3日後、選択されたマウスから脾臓細胞を摘出し、無菌環境で標準的なハイブリドーマ生成プロトコルに従ってsp2/0細胞と融合させた。融合した細胞を、10%のFBSを添加したDMEM培地を含む1X HAT(ヒポキサンチン-アミノプテリン-チミジン)で7日間培養した。ELISA法により、上清中の内容物のAng2タンパク質への結合能力について分析した。ELISAカウンタースクリーニングにおいて、Ang1タンパク質でAng2標的に対する特異性を確認した。限定希釈法により陽性の親クローンをサブクローニングし、10%のFBSを添加した1X HT(ヒポキサンチン-チミジン)を含有するDMEM培地で培養した。新たな陽性モノクローンのスクリーニングを開始する前に、細胞を1週間培養した。
【0128】
さらに、競争ELISAにおいて、Ang2-Tie2結合に対する陽性クローンの遮断活性について試験した。簡単に言えば、0.5μg/mlのヒトTie2-Fcタンパク質(Genscript)100μlを、4℃にて一晩ELISAプレート上にプレコートした。翌日、ウェルを、抗Ang2抗体を発現するハイブリドーマの上清及び100ng/mlのビオチン標識Ang2とともに、室温で2時間インキュベートした。PBSTで5回洗浄後、ストレプトアビジン-HRP(Genscript社製)を各ウェルに添加し、室温で1時間反応させた。PBSTで5回洗浄後、TMBを添加して発色反応を行った。抗体を添加しなかったAng2-Tie2結合のELISA結合OD450をベースラインとした。ベースラインと比較して、1つの抗体の添加によりOD450値が増加した場合、この抗体はAng2-Tie2結合を潜在的に促進する可能性がある。逆に、ベースラインと比較して、1つの抗体の添加によりOD450値が低下した場合、この抗体はAng2-Tie2結合を潜在的に遮断する可能性がある。
【0129】
Ang2-Tie2結合を遮断するヒトIgG1/κ定常領域(配列番号:259)を有する、米国特許US9902767B2に従って合成された抗Ang2抗体であるABA(4H10)、及び、Ang2に結合し、Ang2及びTie2クラスタリングを促進するヒトIgG4/κ定常領域を有する、同米国特許に従って合成された抗Ang2抗体であるABTAA(10D6)を対照とした。
【0130】
上記アッセイから収集したデータに基づいて、41E4F2、41F7H8、41h8a8、42a2a6、42c3a4、43b2a12、43c4a11、43d3a9、43f1c10、43f1c10-2、43g5g3、45c5a1、45c9f9、45c9f9-2、46f3h4、46h3h3、49c3b8、49e4c2、49e4f1、46f3b8、49e4c2、49e4f1、49e9g10、49g4d6、4d11h2、4d8f2、50b9c10、50b9c10-2、50c9c2、50f11d12、50h8g3、54e4a12、5a7b9、5f7d7、5f7d7-2、76b2e6、7f10b2、31e2d4、41a6a6。39C1C4、49B8G4、27H11B5、15H10D12、25C5D6F3、17F3E8、82B10C1、53E8B2、60C4B9、73H11G10、15B4C6、50H8E5C5、85E10B9、55D3F10、98C7H11及び33A3E2を含む、ユニークなmAbを発現する52個のハイブリドーマを選択した。
【0131】
抗体アイソタイプを試験し(Clonotyping System-HRP、SouthernBiotech)、抗体をプロテインA磁気ビーズで精製し、0.5Mクエン酸ナトリウム溶液(pH3.5)で溶出させ、0.5Mトリス-HCl(pH9.0)で中和した。保存緩衝液をPBSに変更し、Nanodrops(ナノドロップス)で濃度を測定した。
実施例2:in vitroでの抗Ang2マウス抗体の特性評価
間接ELISA
【0132】
間接ELISAにおいて、Ang2に対する抗体の結合活性について試験した。簡単に言えば、0.5μg/mlのヒト又はマウスAng2タンパク質(R&D Systems;ヒトAng2の場合は623-AN-01M/CF、マウスAng2の場合は7186-AN-025/CF)100μlを4℃にて一晩ELISAプレート上にプレコートした。翌日、プレートを初期濃度1μg/mlで3倍段階希釈した一次抗体100μlとともにインキュベートした。HRPにコンジュゲートしたヤギ抗マウスIgG(H+L)をプレートに添加して、TMBを添加して発色反応させた。450nmでの光学濃度の読み取り値により、抗体-抗原結合曲線を作成した。GraphPad Prism v6.02ソフトウェアを使用して4つのパラメータによって生データをプロットし、最良適合値プログラムを用いてEC50を解析した。
【0133】
図1に示すように、抗体4D8F2、5A7B9、42A2A6、42C3A4、46F3H4、46H3H3及び49E4C2は、ヒトAng2タンパク質(A)に結合し、ほとんどがABTAAより低いEC
50を有するが、マウスAng2(B)に対しては検出できない結合活性を示し、本開示の他のいくつかの抗Ang2抗体は、ヒトAng2(C)に対する結合活性を示した。
細胞ベース結合アッセイ
【0134】
さらに、FACSによってCHO-K1-Ang2細胞に対する7つの抗体の結合活性について試験した。簡単に言えば、膜結合型ヒト、cyno又はマウスAng2タンパク質(Genscriptによるカスタムサービス)を発現するCHO-K1細胞を採取し、100μlの段階希釈した抗Ang2 mAbsとともにインキュベートした。続いて、蛍光標識(iFluor 647)したヤギ抗マウスIgG(H+L)二次抗体とともにインキュベートした。その後、フローサイトメトリーによってサンプルを解析した。結合曲線を
図2に示す。GraphPad Prism v6.02ソフトウェアを使用して生データをプロットし、EC
50を解析した。
【0135】
図2に示すように、7つの抗体はすべてヒト(A)及びcyno(B)Ang2タンパク質に結合したが、いくつかはABTAAよりも高いEmax(最大結合)及び/又は低いEC
50を有した。興味深いことに、2つの抗体49E4C2及び42C3A4は、FACSにおいてマウスAng2タンパク質(C)に結合した。
細胞ベースホスホ-AKTアッセイ
【0136】
細胞ベースホスホ-Aktバイオアッセイにおいて、Tie2シグナル伝達の活性化に対する本開示の抗体の効果について試験した。
【0137】
HUVEC細胞(ATCC)を、37℃で、5%CO2にてECM完全培地(Sciencell)を含む10cmディッシュで培養した。HUVEC細胞の集密度が80%~90%に達した時点で、2mLのAccutase溶液(Gibco)を用いて細胞を消化して、濃度が1×106細胞/mLとなるようにECM完全培養液に細胞を再懸濁させた。この細胞懸濁液50μLを96ウェルの平底プレートの各ウェルに加え、37℃にて、5%CO2インキュベーターで一晩培養した。ウェル内のすべての細胞培養液を廃棄した後、新鮮な無血清培地50μLを加え、37℃にて5%CO2インキュベーターで16時間インキュベートした。
【0138】
HUVEC細胞を含有するプレートに、段階希釈された本開示の抗Ang2抗体(初期濃度200μg/mLで5倍希釈)25μL及び4μg/mLのAng2タンパク質(R&D Systems;623-AN-01M/CF))25μLを加えた。このプレートを5%CO2インキュベーターで37℃にて10分間インキュベートした。
【0139】
PHOSPH-AKT(SER473)キット(Cisbio)を使用して、セリン473上のAKTリン酸化を検出した。具体的には、各ウェルに50μLの補充溶解緩衝液を加え、室温で振盪しながら35分間インキュベートした。その後、各ウェルから細胞溶解液16μLを検出プレートに移した。調製した抗体溶液(Ciobio)を各ウェルに4μLずつ加えて封入した後、プレートを室温で4時間インキュベートした。PheraStar(HTRFRプレート読取装置)で665nm及び620nmでの蛍光発光を読み取ることによって、Tie2/AKTのリン酸化レベルを測定した。
【0140】
ホスホ-Aktバイオアッセイの結果を
図3に示す。ABTAAと比較して、4D8F2、5A7B9、5F7D7及び46F3H4(A)、50H8G3(B)、17F3E8、7F10B2及び31E2D4(C)、50H8E5C5、25C5D6F3及び15H10D12(D)、82B10C1(E)を含む、本開示のいくつかの抗体は、はるかに低いEC
50及びより高いスパンを有するより良好なTie2アゴニストとして機能した。残りの抗体は、より低いEC
50又はより高いスパン、あるいは同等のアゴニスト活性を示した。
Tie2-Ang2遮断アッセイ
【0141】
操作されたTie2エフェクター細胞を用いて、本開示の抗体のAng2-Tie2結合に対する遮断活性について試験し、この操作されたTie2エフェクター細胞は、NFkB応答要素(NFkB-RE)によって駆動されるルシフェラーゼレポーターを有するヒトTie2を発現するHT-1080細胞である。この細胞をヒトAng2タンパク質と共培養するとき、Tie2とAng2の相互作用により、NFkB-REが媒介する発光を活性化させた。Ang2-Tie2結合を遮断する抗Ang2抗体を加えた後、これらの細胞は、NFkB-REが媒介する発光によって反射されたときに抑制性シグナルをリリースした。
【0142】
Tie2エフェクター細胞を6cmディッシュに播種し、2mLのAccutase溶液(Gibco)を加え、37℃で3分間インキュベートした。ディッシュにTie2エフェクター細胞培養液(EMEM/10%FBS)3mLを添加し、800rpmで4分間遠心分離を行った。濃度が5×105細胞/mLとなるように、培養液に細胞ペレットを穏やかに再懸濁した。そして、この懸濁液を無菌試薬リザーバーに移し、20μLのアリコートを384ウェルプレートに移し、37℃で5%CO2インキュベーターで20時間インキュベートした。
【0143】
細胞を含有するプレートに、段階希釈した本開示の抗Ang2抗体10μL(初期濃度200μg/mLで3倍希釈)及び8μg/mLのAng2タンパク質(R&D Systems;623-AN-01M/CF)10μLを加え、このプレートを37℃にて5%CO2インキュベーターで6時間インキュベートした。その後、40μLのBio-Glo試薬(Promega)を各ウェルに加えた。プレートを室温で5~15分間インキュベートした。ルミネセンスプレート読取装置を用いて発光シグナルを測定し、GraphPad Prismソフトウェアによってデータを解析した。抗体ABAを陽性対照とした。
【0144】
図4に示すように、抗体45C5A1(A)、53E8B2、60C4B9、73H11G10、85E10B9(B)、55D3F10及び98C7H11(C)は、Ang2のTie2への結合を遮断することができる。
実施例3:キメラ抗体の作製と特性評価
キメラ抗体の生産
【0145】
本開示のmAbの重鎖及び軽鎖可変領域の配列を決定し、GenScriptオンラインツールを使用してヒトコドンバイアス発現のために可変領域コーディング配列を最適化した。DNA断片を合成し、ヒトIgG4重鎖ドメイン(CH1-ヒンジ-CH2-CH3、配列番号:257)及びカッパ軽鎖一定領域(配列番号:258)にそれぞれ融合させ、キメラ形態の一過性発現を達成した。重鎖及び軽鎖発現構築物を、シグナルペプチドを有する個々のpTT5ベースのプラスミドにクローニングした。
【0146】
PEImax 40,000(polysciences)を使用して、抗体重鎖/軽鎖対プラスミドをトランスフェクトされたCHO-3E7細胞においてキメラ抗体を発現させた。24時間後、Tryptone N-1サプリメントで発現/分泌を促進した。37℃で、5%CO2にて6日間振とう培養した後、上清を回収し、上記のようにProtein-Aビーズで抗体を精製した。キメラ抗体産物を解析のためにPBSに保存した。
細胞ベースホスホ-Aktアッセイ
【0147】
実施例2のプロトコルに従って、キメラ抗体にホスホ-Aktバイオアッセイを実施した。
【0148】
図5に示すように、キメラ抗体43F1C10-2及び50B9C10は、ABTAAよりもはるかに低いEC
50及び高いスパン値を示したのに対して、49E9G10は、ABTAAよりもわずかに低いEC
50及びスパン値を示した。
Tie2-Ang2遮断アッセイ
【0149】
実施例2に記載されるように、Tie2-Ang2遮断バイオアッセイを実施した。
実施例4:抗体のヒト化と特性評価
抗体のヒト化と製造
【0150】
可変領域配列に基づいて、CDR、HVループ及びFRを解析し、ホモロジーモデリングを行って、マウス抗体のモデル化された構造を得た。フレームワーク残基の溶媒露出面積を計算し、埋没されたフレームワーク残基(すなわち、溶媒露出面積が15%未満)を同定した。マウス対応体と同一のトップ配列を共有するVHとVLの3つの(3)ヒトアクセプターを選択した。マウス抗体のCDRをヒトアクセプターフレームワークにグラフトした。開発性評価によって、グラフトされた配列の翻訳後修飾や化学的劣化(脱アミド化、異性化酸化、グリコシル化など)を決定した。グラフトされた抗体の結合活性及び製造性に影響を与える可能性のあるN-グリコシル化部位、異常なプロリン残基、脱アミド化部位、異性化部位、酸化部位及び不対システイン残基などのPTMホットスポットを同定した。
【0151】
ヒト化軽鎖及び重鎖をコードするDNA配列を合成し、PEImax 40,000(polysciences)を使用して、抗体重鎖/軽対プラスミドをトランスフェクトされたCHO-3E7細胞において抗体を発現させた。24時間後、Tryptone N-1サプリメントで発現/分泌を促進した。37℃で、5%CO2にて6日間振とう培養後、上清を回収し、上記のようにProtein-Aビーズでヒト化抗体を精製した。ヒト化抗体を解析のためにPBSに保存した。
【0152】
抗体のヒト化重鎖と軽鎖を組み合わせて、抗体を作製した。ヒト化17F3E8と5F7D7軽鎖は同じCDRを有するため、同じタンパク質配列を共有する。同様に、31E2D4と5A7B9は同じ軽鎖を共有しており、これはヒト化73H11G10と53E8B2軽鎖の場合にも同様である。重鎖と軽鎖の各組み合わせについての詳細な情報を表2及び表3に示す。
【表2】
【表3】
【0153】
上記のように、ホスホ-Aktバイオアッセイにおいてヒト化抗体を試験した。
【0154】
図6に示すように、46H3H3ヒト化(
図6A)については、すべてのヒト化46H3H3リードはABTAAよりも低いEC
50を示し、42C3A4ヒト化(
図6B)については、すべてのヒト化42C3A4リードはABTAAよりも高いスパン値を示し、4D8F2ヒト化(
図6C)については、4D8F2-VH1-VL1、4D8F2-VH1.1-VL1及び4D8F2-VH1.2-VL1のヒト化4D8F2リードはABTAAよりも低いEC
50と高いスパン値を示した。
【0155】
図7に示すように、42A2A6ヒト化(
図7A)については、すべてのヒト化42A2A6リードはABTAAよりも高いスパン値を示し、5A7B9ヒト化(
図7B)については、すべてのヒト化5A7B9リードはABTAAよりもはるかに低いEC
50及び高いスパン値を示した。特に、5A7B9-VH3-VL1のヒト化5A7B9リードは、ABTAAよりも10倍低いEC
50を示した。
【0156】
また、ヒト化ABTAA(US9994632B2からのhABTAA)を参照抗体として比較した。
図8に示すように、5A7B9のヒト化(
図8A及び8B)について、すべてのヒト化5A7B9リードはhABTAAよりも低いEC
50を示した。特に、5A7B9-VH3-VL1.1及び5A7B9-VH3-VL2.1のヒト化5A7B9リードはhABTAAよりも3倍低いEC
50を示した。17F3E8のヒト化(
図8A)については、すべてのヒト化17F3E8リードはhABTAAよりも低いEC
50を示した。31E2D4のヒト化(
図8B)については、31E2D4-VH3-VL1、31E2D4-VH4-VL1、31E2D4-VH4-VL2及び31E2D4-VH1-VL3のヒト化31E2D4リードはhABTAAよりも低いEC
50を示した。5F7D7のヒト化(
図8C)については、すべてのヒト化5F7D7リードはhABTAAよりも低いEC
50を示した。7F10B2のヒト化(
図9)については、すべてのヒト化7F10B2リードはhABTAAよりも低いEC
50を示した。
Tie2-Ang2遮断アッセイ
【0157】
実施例2に記載されるように、Tie2-Ang2遮断バイオアッセイでヒト化抗体を試験した。
【0158】
図10Aに示すように、53E8B2ヒト化について、すべてのヒト化53E8B2リードは、ABAの参照抗体と同等の遮断活性を示した。
【0159】
図10Bに示すように、85E10B9のヒト化について、すべてのヒト化85E10B9リードはABAと同様の遮断活性を示した。53E8B2のヒト化については、53E8B2-VH2-VL6のヒト化リードは同様の遮断活性を示した。60C4B9のヒト化については、60C4B9-VH1-VL6のヒト化リードは、ABAと同様の遮断活性を示した。73H11G10のヒト化については、73H11G10-VH1-VL6のヒト化リードは、より低いEC50値によって明らかにされたABAの参照抗体よりも優れた遮断活性を示した。98C7H11のヒト化については、98C7H11-VH3-VL2のヒト化リードはABAと同様の遮断活性を示した。55D3F10のヒト化については、55D3F10-VH1-VL6の1つのヒト化リードはABAよりも優れた遮断活性を示し、55D3F10-VH2-VL2のもう1つのリードは同等の遮断活性を示した。
【0160】
図10Cに示すように、55D3F10のヒト化については、5D3F10-VH2-VL6の1つのヒト化リードは、ABAよりも優れた遮断活性を示した。
間接ELISAによる結合親和性解析
【0161】
間接ELISAにおいて、ヒトAng2に対するヒト化抗体の結合活性について試験した。簡単に言えば、0.5μg/mlのヒトAng2タンパク質(R&D Systems;623-AN-01M/CF)100μlを4℃にて一晩ELISAプレートにプレコートした。翌日、プレートを初期濃度1μg/mlで100μlの3倍段階希釈した一次抗体とともにインキュベートした。HRPにコンジュゲートしたヤギ抗ヒトIgG抗体(Jackson, cat# 109-605-098)をプレートに添加して、TMBを添加して発色反応させた。450nmでの光学濃度の読み取り値により、抗体-抗原結合曲線を作成した。抗体ABA及びIgG1をそれぞれ陽性及び陰性対照とした。GraphPad Prism v6.02ソフトウェアを使用して4つのパラメータによって生データをプロットし、最良適合値プログラムを用いてEC50を解析した。
【0162】
図11A及び
図11Bに示すように、85E10B9-VH3-VL1、60C4B9-VH1-VL6、73H11G10-VH1-VL6及び55D3F10-VH2-VL6のヒト化抗体はABAよりも高い結合親和性を示し、98C7H11-VH3-VL2、53E8B2-VH1-VL3、53E8B2-VH1-VL6、53E8B2-VH2-VL2、53E8B2-VH2-VL6、55D3F10-VH1-VL6及び55D3F10-VH2-VL2のヒト化抗体はABAと同等の結合親和性を示した。
配列
【0163】
本開示の配列を表1及び以下にまとめた。
1>43F1C10-2
VH-CDR1:NYYMH(配列番号:1)
VH-CDR2:YIHPNNGDTSYNQKFKG(配列番号:23)
VH-CDR3:VSYSHYVAGAMDY(配列番号:60)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:FASNRYT(配列番号:114)
VL-CDR3:QQDYSSPYT(配列番号:133)
VH:EVQLHQSGPELVKPGASVKMSCKASGYTFTNYYMHWVKQSHGKSIEWIGYIHPNNGDTSYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCAVVSYSHYVAGAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:160)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYFASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:210)
2>49E9G10
VH-CDR1:DYGMV(配列番号:2)
VH-CDR2:YIGSGRNTIYYVDTVKG(配列番号:24)
VH-CDR3:EDNGYSYAMDY(配列番号:61)
VL-CDR1:LASQTIGTWLA(配列番号:93)
VL-CDR2:AATSLAD(配列番号:115)
VL-CDR3:QQLYSIPLT(配列番号:134)
VH:EVKLVESGGGLVQPGGSRKLSCAASGFTFSDYGMVWVRQAPGKGLEWVAYIGSGRNTIYYVDTVKGRFTISRDNPKNTLFLQMSSLRSEDTAMYYCAREDNGYSYAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:161)
VL:DIQMTQSPASQSASLGESVTITCLASQTIGTWLAWYQQKPGKSPQLLIYAATSLADGVPSRFSGSGSGTKFSFKISSLQAEDFGSYYCQQLYSIPLTFGVGTKLELK(配列番号:211)
3>50B9C10
VH-CDR1:NYYIH(配列番号:3)
VH-CDR2:YIYPNNGDTSYNQKFKG(配列番号:25)
VH-CDR3:VSYSNYVAGAMDY(配列番号:62)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:FASNRYT(配列番号:114)
VL-CDR3:QQDYSSPYT(配列番号:133)
VH:EVQLHQSGPELVKPGASVKMSCKASGYTFTNYYIHWVKQSHGKSIEWIGYIYPNNGDTSYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCAVVSYSNYVAGAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:162)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLMYFASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:212)
4>46F3H4
VH-CDR1:NYYIH(配列番号:3)
VH-CDR2:YIYPNNGDTTYNQKFKG(配列番号:26)
VH-CDR3:VSYSNYVAGAMDY(配列番号:62)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:FASNRYT(配列番号:114)
VL-CDR3:QQDYSSPYT(配列番号:133)
VH:EVQLHQSGPELVKPGASVKMSCKASGYTFTNYYIHWVKQSHGKSIEWIGYIYPNNGDTTYNQKFKGKATLTVDKSSSIAYMELRSLTSEDSAVYYCAVVSYSNYVAGAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:163)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYFASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:210)
5>4D8F2
VH-CDR1:SDYAWN(配列番号:4)
VH-CDR2:YISYSGSTSYNPSLKS(配列番号:27)
VH-CDR3:GVRGDMDY(配列番号:63)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:YASNRYT(配列番号:116)
VL-CDR3:QQDYSSPFT(配列番号:135)
VH:DVQLQESGPGLVKPSQSLSLTCTVTGYSITSDYAWNWIRQFPGNKLEWMGYISYSGSTSYNPSLKSRISITRDTSKNQFFLQLNSVTTEDTATYYCARGVRGDMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:164)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYYASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPFTFGSGTKLEIK(配列番号:213)
6>50H8G3
VH-CDR1:DFYME(配列番号:5)
VH-CDR2:ASRNKAKDYTTEYSASVKG(配列番号:28)
VH-CDR3:GSYSNYTWFAY(配列番号:64)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:FASNRYT(配列番号:114)
VL-CDR3:QQDYSSPYT(配列番号:133)
VH:EVNLVESGGGLVQPGGSLRLSCATSGFTFSDFYMEWVRQPPGKRLEWIAASRNKAKDYTTEYSASVKGRFIVSRDTSQSILYLQMNALRAEDTAIYYCARGSYSNYTWFAYWGQGTLVTVSA(配列番号:165)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYFASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:210)
7>5A7B9
VH-CDR1:NYGVN(配列番号:6)
VH-CDR2:WINSYSGVPTYADDFKG(配列番号:29)
VH-CDR3:GENNYYGGSYD(配列番号:65)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:YASNRYT(配列番号:116)
VL-CDR3:QQDYSSPLT(配列番号:136)
VH:QIQLVQSGPELKKPGETVKISCKASGYTFTNYGVNWVKQAPGKGLKWMGWINSYSGVPTYADDFKGRFAFSLETSASTAYLQINNLKNEDTATYFCARGENNYYGGSYDWGQGTTLTVSS(配列番号:166)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYYASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPLTFGAGTKLELK(配列番号:214)
8>5F7D7
VH-CDR1:NYYMH(配列番号:1)
VH-CDR2:YIYPNNGDTSYNQKFKG(配列番号:25)
VH-CDR3:VSYSNYVAGAMDY(配列番号:62)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:FASNRYT(配列番号:114)
VL-CDR3:QQDYSSPYT(配列番号:133)
VH:EVQLHQSGPELVKPGASVKMSCKASGYTFTNYYMHWVKQSHGKSIEWIGYIYPNNGDTSYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCAVVSYSNYVAGAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:167)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTVTCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYFASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:215)
9>7F10B2
VH-CDR1:DYNMD(配列番号:7)
VH-CDR2:TINPKNGETSDNQKFKA(配列番号:30)
VH-CDR3:NVDYSNYLFFPMDY(配列番号:66)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:YASNRFT(配列番号:117)
VL-CDR3:QQDYSSRT(配列番号:137)
VH:EVQLQQSGPELVKPGSSVKISCKTSGYTFTDYNMDWVKQSHGKSLEWIGTINPKNGETSDNQKFKAKATLTVDKSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCAKNVDYSNYLFFPMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:168)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYYASNRFTGVPDRFTGSGYGTDFTFTITTVQAEDLAVYFCQQDYSSRTFGGGTKLEIK(配列番号:216)
10>31E2D4
VH-CDR1:NYGMN(配列番号:8)
VH-CDR2:WINSYSGVPTYADDFKG(配列番号:29)
VH-CDR3:GENNYYGGSYD(配列番号:65)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:YASNRYT(配列番号:116)
VL-CDR3:QQDYSSPLT(配列番号:136)
VH:QIQLVQSGPELKKPGETVKISCKASGYTLTNYGMNWVKQAPGKGLKWMGWINSYSGVPTYADDFKGRFAFSLETSASTAYLQINNLKNEDTATYFCARGENNYYGGSYDWGQGTTLTVSS(配列番号:169)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYYASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPLTFGAGTKLELR(配列番号:217)
11>15H10D12
VH-CDR1:SDYAWN(配列番号:4)
VH-CDR2:YINYSGSTDYNPSLKS(配列番号:31)
VH-CDR3:GVRGDMDY(配列番号:63)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:YASNRYT(配列番号:116)
VL-CDR3:QQDYSSPFT(配列番号:135)
VH:DVQLQESGPGLVKPSQSLSLTCTVTGYSITSDYAWNWIRQFPGNRLEWMGYINYSGSTDYNPSLKSRISITRDTSKNQFFLQLNSVTTEDTATYYCARGVRGDMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:170)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYYASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQADDLAVYFCQQDYSSPFTFGSGTKLEIK(配列番号:218)
12>25C5D6F3
VH-CDR1:DFYME(配列番号:5)
VH-CDR2:ASRNKANDYTTEYSASVKG(配列番号:32)
VH-CDR3:GSYTNYTWFAY(配列番号:67)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:FASNRYT(配列番号:114)
VL-CDR3:QQDYSSPYT(配列番号:133)
VH:EVNLVESGGGLVQPGGSLRLSCATSGFTFSDFYMEWVRQPPGKRLEWIAASRNKANDYTTEYSASVKGRFIVSRDTSQSILYLQMNALRAEDTAIYYCTRGSYTNYTWFAYWGQGTLVTVSA(配列番号:171)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYFASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:210)
13>17F3E8
VH-CDR1:NYYIH(配列番号:3)
VH-CDR2:YIHPNNGDTSYNQKFKD(配列番号:33)
VH-CDR3:VSYSHYVAGALDN(配列番号:68)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:FASNRYT(配列番号:114)
VL-CDR3:QQDYSSPYT(配列番号:133)
VH:EVQLHQSGPELVKPGASVKMSCKASGYTFTNYYIHWVKQSHGKTIEWIGYIHPNNGDTSYNQKFKDKATLTVDKSSSTAYMDLRSLTSEDSAVYYCSVVSYSHYVAGALDNWGQGTSVTVSS(配列番号:172)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYFASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:210)
14>82B10C1
VH-CDR1:DYIIH(配列番号:9)
VH-CDR2:YINPFSGGTNYNEKFKS(配列番号:34)
VH-CDR3:WGPYYYSTYMRAYLMDA(配列番号:69)
VL-CDR1:RTSQNVDNYGITYMY(配列番号:94)
VL-CDR2:EGSNLAS(配列番号:118)
VL-CDR3:QQSKDYPWT(配列番号:138)
VH:QVKLLQSGAALVKPGDSVKMSCKASGYTFTDYIIHWVKQSHGKSLEWIGYINPFSGGTNYNEKFKSKATLTVDKSSSTAYMEFSRLTSDDSAIYYCARWGPYYYSTYMRAYLMDAWGQGASVTVSS(配列番号:173)
VL:DIVLTQSPALAVSLEQRVTISCRTSQNVDNYGITYMYWYQQKSRQQPKLLIYEGSNLASGIPARFSGSGSGTDFTLTIDPVEADDIATYYCQQSKDYPWTFGGGTKLELK(配列番号:219)
15>50H8E5C5
VH-CDR1:NYYMH(配列番号:1)
VH-CDR2:YIYPNNGDTNYNQKFKG(配列番号:35)
VH-CDR3:VSYSNYVAGAMDY(配列番号:62)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:FASNRYT(配列番号:114)
VL-CDR3:QQDYSSPYT(配列番号:133)
VH:EVQLHQSGPELVKPGASVKMSCKASGYTFTNYYMHWVKQSHGKSIEWIGYIYPNNGDTNYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMELRSLTSEDSAVYSCAVVSYSNYVAGAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:174)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYFASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:210)
16>41E4F2
VH-CDR1:SDYAWN(配列番号:4)
VH-CDR2:YISYSGSTSYNPSLKS(配列番号:27)
VH-CDR3:VIYYSDYGAMDY(配列番号:70)
VL-CDR1:RASENIYSYLA(配列番号:95)
VL-CDR2:NAKTLAE(配列番号:119)
VL-CDR3:QHHYGTPWT(配列番号:139)
VH:DVQLQESGPGLVKPSQSLSLTCTVTGYSITSDYAWNWIRQFPGNKLEWMGYISYSGSTSYNPSLKSRISITRDTSKNQFFLQLNSVTTEDTATYYCASVIYYSDYGAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:175)
VL:DIQMTQSPASLSASVGETVTITCRASENIYSYLAWYQQKQGKSPQLLVYNAKTLAEGVPSRFSGSGSGTQFSLKINSLQPEDFGSYYCQHHYGTPWTFGGGTKLEIK(配列番号:220)
17>41F7H8
VH-CDR1:SDYAWN(配列番号:4)
VH-CDR2:YISYSGSTSYNPSLKS(配列番号:27)
VH-CDR3:CVYGNYVGAMDY(配列番号:71)
VL-CDR1:KAGQSVSNDVA(配列番号:96)
VL-CDR2:YASNRYT(配列番号:116)
VL-CDR3:QQDYSSPLT(配列番号:136)
VH:DVQFQESGPGLVKPSQSLSLTCTVTGYSITSDYAWNWIRQFPGNKLEWMGYISYSGSTSYNPSLKSRISITRDTSKNQFFLQLNSVTTEDTATYYCARCVYGNYVGAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:176)
VL:SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKAGQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYYASNRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSPLTFGAGTKLELK(配列番号:221)
18>41H8A8
VH-CDR1:SNWMH(配列番号:10)
VH-CDR2:AIYPGNSDTSYNQKFKD(配列番号:36)
VH-CDR3:EGITLVVATYWCFDV(配列番号:72)
VL-CDR1:KASQNVGTNVA(配列番号:97)
VL-CDR2:SASYRYS(配列番号:120)
VL-CDR3:QQYNNYPYT(配列番号:140)
VH:EVQLQQSGTELARPGASVKMSCKASGYTFTSNWMHWVKQRPGQGLEWIGAIYPGNSDTSYNQKFKDKAKLTAVTSASTAYMELSSLTNEDSAVYYCTREGITLVVATYWCFDVWGTGTTVTVSS(配列番号:177)
VL:DIVTTQSQKFMSTSVGDRVSVTCKASQNVGTNVAWYQQKPGQSPKALIYSASYRYSGVPDRFTGSGSGTDFTLTISNVQSEDLAEYFCQQYNNYPYTFGGGTKLEIK(配列番号:222)
19>42A2A6
VH-CDR1:SDYAWN(配列番号:4)
VH-CDR2:FINYSGTTSYNPSLKS(配列番号:37)
VH-CDR3:WGYSDFLYYFDY(配列番号:73)
VL-CDR1:RASSSVSYIH(配列番号:98)
VL-CDR2:ATSNLAS(配列番号:121)
VL-CDR3:QQWSNNPWT(配列番号:141)
VH:DVQLQESGPGLVKPSQSLSLTCTVTGYSITSDYAWNWIRQFPGNKLEWMGFINYSGTTSYNPSLKSRISLTRDTSKNQFFLQLNSVTTEDTATYYCARWGYSDFLYYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号:178)
VL:QIVLSQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVSYIHWYQQKPGYSPKPWIYATSNLASGVPARFSGGGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSNNPWTFGGGTKLEIK(配列番号:223)
20>42C3A4
VH-CDR1:NYWMD(配列番号:11)
VH-CDR2:EIRLKSNNYATHYAESVKG(配列番号:38)
VH-CDR3:GAPLFGGYYKGVYFDY(配列番号:74)
VL-CDR1:QASQSVSNEVA(配列番号:99)
VL-CDR2:YASSRYT(配列番号:122)
VL-CDR3:QQDYNSPYT(配列番号:142)
VH:EVKLEESGGGLVQPGGSMKLSCVASGITFSNYWMDWVRQSPEKGLEWVAEIRLKSNNYATHYAESVKGRFTISRDDSKNSVYLQMNNLRAEDTGIYYCTRGAPLFGGYYKGVYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号:179)
VL:SFVMTQTPKSLLASAGDRVTITCQASQSVSNEVAWYQQKPGQSPKLLIYYASSRYTGVPDRFAGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYNSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:224)
21>43B2A12
VH-CDR1:GYWMH(配列番号:12)
VH-CDR2:EIDPSDSFTYNNQKFKG(配列番号:39)
VH-CDR3:SGLLRWFAYW(配列番号:75)
VL-CDR1:RASSSVNYMY(配列番号:100)
VL-CDR2:YTSHLAP(配列番号:123)
VL-CDR3:QQFTSSPYT(配列番号:143)
VH:QVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYNFTGYWMHWVKQRPGQGLEWIGEIDPSDSFTYNNQKFKGKATLTVDKSSNTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARSGLLRWFAYWGQGTLVTVSA(配列番号:180)
VL:ENVLTQSPAIMSASLGEKVTMSCRASSSVNYMYWYQQKSYASPKLWIYYTSHLAPGVPGRFSGSGSGNSYFLTISSMEGEDAATYYCQQFTSSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:225)
22>43C4A11
VH-CDR1:SYWMH(配列番号:13)
VH-CDR2:EIDPSDSYSYYNQKFKG(配列番号:40)
VH-CDR3:RWGYRYYAMDY(配列番号:76)
VL-CDR1:KASQNVGTAVA(配列番号:101)
VL-CDR2:SASNRYT(配列番号:124)
VL-CDR3:QQYSSYPYT(配列番号:144)
VH:QVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTSYWMHWVKQRPGQGLEWIGEIDPSDSYSYYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARRWGYRYYAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号:181)
VL:DIVMTQSQKFMSTSVGDRVSITCKASQNVGTAVAWYQQKPGQSPKSLIYSASNRYTGVPDRLTGSGSGTDFTLTISNMQSEDLADYFCQQYSSYPYTFGGGTKLEIK(配列番号:226)
23>43D3A9
VH-CDR1:SNWIH(配列番号:14)
VH-CDR2:AIYPGNNDTSYNQKFKD(配列番号:41)
VH-CDR3:EGVTMVVATYWCFDV(配列番号:77)
VL-CDR1:KASQNVGTNVA(配列番号:97)
VL-CDR2:SASYRYS(配列番号:120)
VL-CDR3:QQYNNFPYT(配列番号:145)
VH:EVQLQQSGAELARPGASVKMSCKASGYTFTSNWIHWVKQRPGQGLEWIGAIYPGNNDTSYNQKFKDKAKLTAVTSANTAYMELSSLTNEDSAVYYCTREGVTMVVATYWCFDVWGTGTTVTVSS(配列番号:182)
VL:DIVMTQSQKFMSTSVGDRVSVTCKASQNVGTNVAWYQQKPGQSPKALIYSASYRYSGVPDRFTGSGSGTDFTLTISNVQSEDLAEYFCQQYNNFPYTFGGGTKLEIK(配列番号:227)
24>43F1C10
VH-CDR1:DFYME(配列番号:5)
VH-CDR2:ASRDKANDYTTEYSASVKG(配列番号:42)
VH-CDR3:GSYSNYTWFAY(配列番号:64)
VL-CDR1:KASQSVSNDVA(配列番号:92)
VL-CDR2:FASNRYT(配列番号:114)
VL-CDR3:QQDYSSPYT(配列番号:133)
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VH-CDR3:HGRVFGFGYFDY(配列番号:91)
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VL-CDR2:GATSLAD(配列番号:130)
VL-CDR3:LQDSDPPYT(配列番号:156)
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47>73H11G10
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VL:NIQMTQSPASLSASLEEVVTITCQASQDIGDWLAWFQQKPGKSPQLLIYGADTLADGVPSRFSGSRSGTQFSLKISRLQVEDPGIYYCLQDSSAPYTFGAGTKLELK(配列番号:245)
50>98C7H11
VH-CDR1:DYAMA(配列番号:21)
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VH-CDR3:HGRVFGFGYFDY(配列番号:91)
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VL-CDR2:GATSLAD(配列番号:130)
VL-CDR3:LQDYDPPYT(配列番号:159)
VH:EVQLVESGGGLVQPGRSLKFSCAASGFTFSDYAMAWVRQAPKKGLEWVATIIHDGSTTYYRDSVKGRFTISRDNAKTTLYLQMDILRSEDTATYYCVRHGRVFGFGYFDYWGQGVMVTVSS(配列番号:209)
VL:DIQMTQSPASLSASLEEIVTITCQASQDIGDWLAWFHQKPGKSPHLLIYGATSLADGVPSRFSGSGSGTQFSLKISGLQVEDPGIYYCLQDYDPPYTFGAGTELELK(配列番号:246)
51>33A3E2
VH-CDR1:DYGMV(配列番号:2)
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VL-CDR3:QQLYSIPLT(配列番号:134)
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VL:
DIQMTQSPASQSASLGESVTITCLTSQTIGTWLAWYQQKPGKSPQLLIYAATSLADGVPSRFSGSGSGTKFSFKISSLQAEDFVSYYCQQLYSIPLTFGAGTKLELK(配列番号:247)
52>85E10B9
VH-CDR1:NHYLH(配列番号:249)
VH-CDR2:WIGWIGPTNGDTSYAQKFKD(配列番号:250)
VH-CDR3:EGYFTNYFDY(配列番号:251)
VL-CDR1:KASQNVIKYLA(配列番号:252)
VL-CDR2:NASSLQT(配列番号:253)
VL-CDR3:LQYNSWWT(配列番号:254)
VH:
QVQLQQSGAELVKPAASVTLSCKASGYTFTNHYLHWVKQSPSQGLEWIGWIGPTNGDTSYAQKFKDKATMTVDKSASTTYLQLSSLTSEDSAVYYCAREGYFTNYFDYWGQGVMVTVSS(配列番号:255)
VL:
DIHMTQSPSFLSASVGDRVTLSCKASQNVIKYLAWYQQKLGEAPKLLIYNASSLQTGIPSRFSGSGSGADFTLTISSLQPEDVATYFCLQYNSWWTFGGGTKLELK(配列番号:256)
ヒトIgG4重鎖定常領域:
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号:257)
ヒトκ軽鎖定常領域:
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号:258)
ヒトIgG1重鎖定常領域:
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号:259)
以下のタンパク質配列はヒト化mAb配列である:
>46H3H3-VH1
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDYGMVWVRQAPGKGLEWVSYIGSGRSTIYYADTVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREDNGYSYAMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:260)
>46H3H3-VH2
QVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSDYGMVWIRQAPGKGLEWVSYIGSGRSTIYYADTVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREDNGYSYAMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:261)
>46H3H3-VH3
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSDYGMVWVRQAPGKGLEWVSYIGSGRSTIYYADTVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREDNGYSYAMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:262)
>42C3A4-VH1
EVQLVESGGGLVQPGGSLKVSCAASGITFSNYWMDWVRQASGKGLEWVGEIRLKSNNYATHYAESVKGRFTISRDDSKNTAYLQMNSLKTEDTAVYYCTRGAPLFGGYYKGVYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:263)
>42C3A4-VH2
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGITFSNYWMDWVRQAPGKGLEWVAEIRLKSNNYATHYAESVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARGAPLFGGYYKGVYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:264)
>42C3A4-VH3
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGITFSNYWMDWVRQAPGKGLEWVGEIRLKSNNYATHYAESVKGRFTISRDDSKNTLYLQMNSLKTEDTAVYYCTTGAPLFGGYYKGVYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:265)
>4D8F2-VH1
QVQLQESGPGLVKPSGTLSLTCAVSGYSITSDYAWNWVRQPPGKGLEWIGYISYSGSTSYNPSLKSRVTISVDKSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARGVRGDMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:266)
>4D8F2-VH1.1
QVQLQESGPGLVKPSGTLSLTCAVSGYSITSDYAWNWVRQPPGKGLEWIGYISYSGSTSYNPSLKSRVTISVDKSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARGVRADMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:267)
>4D8F2-VH1.2
QVQLQESGPGLVKPSGTLSLTCAVSGYSITSDYAWNWVRQPPGKGLEWIGYISYSGSTSYNPSLKSRVTISVDKSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARGVRSDMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:268)
>4D8F2-VH1.3
QVQLQESGPGLVKPSGTLSLTCAVSGYSITSDYAWNWVRQPPGKGLEWIGYISYSGSTSYNPSLKSRVTISVDKSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARGVRGEMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:269)
>4D8F2-VH2
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGYSITSDYAWNWIRQPPGKGLEWIGYISYSGSTSYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARGVRGDMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:270)
>4D8F2-VH3
QVQLQQWGAGLLKPSETLSLTCAVYGYSITSDYAWNWIRQPPGKGLEWIGYISYSGSTSYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARGVRGDMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:271)
>42A2A6-VH1
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGYSITSDYAWNWIRQPPGKGLEWIGFINYSGTTSYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARWGYSDFLYYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:272)
>42A2A6-VH2
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGYSITSDYAWNWIRQPPGKGLEWIGFINYSGTTSYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARWGYSDFLYYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:273)
>5A7B9-VH1
EVQLVESGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGVNWVRQAPGQGLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTTVTVSS(配列番号:274)
>5A7B9-VH2
QVQVVQSGAEVKQPGASVKVSCKASGYTFTNYGVNWVRQAPGQGLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRVTMTRDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTLVTVSS(配列番号:275)
>5A7B9-VH3
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGVNWVRQAPGQRLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRVTITRDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTLVTVSS(配列番号:276)
>5A7B9-VH4
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGVNWVRQATGQGLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRVTMTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTTVTVSS(配列番号:277)
>5A7B9-VH3.1
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGVNWVRQAPGQRLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRVTITRDTSASTAYLELSSLRSEDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTLVTVSS(配列番号:278)
>5A7B9-VH3.2
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGVNWVRQAPGQRLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRFTITRDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTLVTVSS(配列番号:279)
>5A7B9-VH3.3
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGVNWVRQAPGQRLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRFTITRDTSASTAYLELSSLRSEDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTLVTVSS(配列番号:280)
>5A7B9-VH3.6
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGVNWVRQAPGQRLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRFTFTRDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTLVTVSS(配列番号:281)
>5A7B9-VH3.7
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGVNWVRQAPGQRLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRFTFTLDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTLVTVSS(配列番号:282)
>17F3E8-VH1.4
EVQLVESGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYYIHWVRQAPGQGLEWIGYIHPNNGDTSYNQKFKDRATLTVDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCAVVSYSHYVAGALDNWGQGTLVTVSS(配列番号:283)
>17F3E8-VH1.5
EVQLVESGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYYIHWVRQAPGQGIEWIGYIHPNNGDTSYNQKFKDRATLTVDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCAVVSYSHYVAGALDNWGQGTLVTVSS(配列番号:284)
>5F7D7-VH3
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYYMHWVRQAPGQRLEWIGYIYPNNGDTSYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCAVVSYSNYVAGAMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:285)
>5F7D7-VH5
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYYMHWVRQAHGQSLEWIGYIYPNNGDTSYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCAVVSYSNYVAGAMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:286)
>5F7D7-VH6
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYYMHWVRQAHGKSLEWIGYIYPNNGDTSYNQKFKGRATITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCAVVSYSNYVAGAMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:287)
>31E2D4-VH1
EVQLVESGSELKKPGASVKVSCKASGYTLTNYGMNWVRQAPGQGLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTTVTVSS(配列番号:288)
>31E2D4-VH2
QVQVVQSGAEVKQPGASVKVSCKASGYTLTNYGMNWVRQAPGQGLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRVTMTRDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTLVTVSS(配列番号:289)
>31E2D4-VH3
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTLTNYGMNWVRQAPGQRLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRVTITRDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTLVTVSS(配列番号:290)
>31E2D4-VH4
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTLTNYGMNWVRQATGQGLEWMGWINSYSGVPTYADDFKGRVTMTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGENNYYGGSYDWGQGTTVTVSS(配列番号:291)
>7F10B2-VH1
EVQLVESGAEVRKPGASVKVSCKASGYTFTDYNMDWVRQAPGQGLEWMGTINPKNGETSDNQKFKARVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARNVDYSNYLFFPMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:292)
>7F10B2-VH2
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYNMDWVRQAPGQRLEWMGTINPKNGETSDNQKFKARVTITRDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARNVDYSNYLFFPMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:293)
>7F10B2-VH3
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYNMDWVRQAPGQGLEWMGTINPKNGETSDNQKFKARVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARNVDYSNYLFFPMDYWGQGTLVTVSS(配列番号:294)
>7F10B2-VH5
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYNMDWVRQAPGQGLEWMGTINPKNGETSDNQKFKARVTVTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARNVDYSNYLFFPMDYWGQGTTVTVSS(配列番号:295)
>7F10B2-VH6
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTDYNMDWVRQAPGQGLEWMGTINPKNGETSDNQKFKARVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARNVDYSNYLFFPMDYWGQGTTVTVSS(配列番号:296)
>46H3H3-VL1
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCLASQTIGTWLAWYQQKPGKAPKLLIYAATSLADGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQLYSTPLTFGGGTKLEIK(配列番号:297)
>46H3H3-VL2
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCLASQTIGTWLAWYQQKPGKAPKLLIYAATSLADGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQLYSTPLTFGGGTKVEIK(配列番号:298)
>46H3H3-VL3
DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCLASQTIGTWLAWYQQKPGKAPKLLIYAATSLADGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQQLYSTPLTFGGGTKVEIK(配列番号:299)
>42C3A4-VL1
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQSVSNEVAWYQQKPGKAPKLLIYYASSRYTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQDYNSPYTFGQGTKLEIK(配列番号:300)
>42C3A4-VL2
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQSVSNEVAWYQQKPGKAPKLLIYYASSRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQDYNSPYTFGQGTKLEIK(配列番号:301)
>42C3A4-VL3
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQSVSNEVAWYQQKPGKVPKLLIYYASSRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCQQDYNSPYTFGQGTKLEIK(配列番号:302)
>4D8F2-VL1
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYYASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQDYSSPFTFGQGTKLEIK(配列番号:303)
>4D8F2-VL2
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYYASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDFATYYCQQDYSSPFTFGQGTKVEIK(配列番号:304)
>4D8F2-VL3
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCKASQSVSNDVAWYQQKPGQAPRLLIYYASNRYTGIPARFSGSGSGTEFTLTINSLQSEDFAVYYCQQDYSSPFTFGQGTKLEIK(配列番号:305)
>42A2A6-VL1
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASSSVSYIHWYQQKPGQAPRLLIYATSNLASGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQWSNNPWTFGQGTKVEIK(配列番号:306)
>42A2A6-VL2
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASSSVSYIHWYQQKPGQAPRLLIYATSNLASGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQWSNNPWTFGGGTKVEIK(配列番号:307)
>42A2A6-VL3
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASSSVSYIHWYQQKPGKAPKLLIYATSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQWSNNPWTFGGGTKLEIK(配列番号:308)
42A2A6-VL4
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASSSVSYIHWYQQKPGQAPRLLIYATSNLASGIPARFSGSGSGTEFTLTINSLQSEDFAVYYCQQWSNNPWTFGQGTKLEIK(配列番号:309)
>5A7B9-VL1
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYYASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQDYSSPLTFGGGTKLEIK(配列番号:310)
>5A7B9-VL2
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYYASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDFATYYCQQDYSSPLTFGQGTKVEIK(配列番号:311)
>5A7B9-VL3
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCKASQSVSNDVAWYQQKPGQAPRLLIYYASNRYTGIPARFSGSGSGTEFTLTINSLQSEDFAVYYCQQDYSSPLTFGQGTKLEIK(配列番号:312)
>5A7B9-VL4
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCKASQSVSNDVAWYQQKPGQAPRLLIYYASNRYTGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQDYSSPLTFGGGTKVEIK(配列番号:313)
>5A7B9-VL1.1
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYYASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYFCQQDYSSPLTFGGGTKLEIK(配列番号:314)
>5A7B9-VL1.2
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYYASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDFATYFCQQDYSSPLTFGGGTKLEIK(配列番号:315)
>5A7B9-VL1.3
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYYASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDFATYYCQQDYSSPLTFGGGTKLEIK(配列番号:316)
>5A7B9-VL2.1
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYYASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDFATYFCQQDYSSPLTFGQGTKVEIK(配列番号:317)
>5F7D7-VL2.1
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYFASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDFATYFCQQDYSSPYTFGQGTKVEIK(配列番号:318)
>5F7D7-VL2
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYFASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDFATYYCQQDYSSPYTFGQGTKVEIK(配列番号:319)
>5F7D7-VL5
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYFASNRYTGVPSRFSGSGYGTDFTFTISSLQPEDIATYFCQQDYSSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:320)
>7F10B2-VL1
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYYASNRFTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQDYSSRTFGGGTKVEIK(配列番号:321)
>7F10B2-VL2
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCKASQSVSNDVAWYQQKPGQAPRLLIYYASNRFTGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLQSEDFAVYYCQQDYSSRTFGQGTKVEIK(配列番号:322)
>7F10B2-VL3
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYYASNRFTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQDYSSRTFGGGTKVEIK(配列番号:323)
>49E4C2-VL1
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNEVAWYQQKPGKAPKLLIYYASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQDYNSPYTFGGGTKLEIK(配列番号:324)
>49E4C2-VH1
EVQLVESGGGLVQPGGSLKVSCAASGITFSNYWMDWVRQASGKGLEWVGEIRLKSNNYATHYAESVKGRFTISRDDSKNTAYLQMNSLKTEDTAVYYCTRGAPLFDGYYKGVYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:325)
>53E8B2-VH1
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSDYAMAWVRQAPGKGLEWVATIIYDGSSTYYRDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARHGRVFGFGYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:326)
>53E8B2-VH2
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDYAMAWVRQAPGKGLEWVSTIIYDGSSTYYRDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKHGRVFGFGYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:327)
>53E8B2-VH3
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDYAMAWVRQAPGKGLEWVATIIYDGSSTYYRDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARHGRVFGFGYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:328)
>53E8B2-VL3
DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCQASQDIGDWVAWYQQKPGKAPKVLIYGADRLADGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCLQDYSPPFTFGPGTKLEIK(配列番号:336)
>53E8B2-VL6
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQDIGDWVAWYQQKPGKAPKRLIYGADRLADGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCLQDYSPPFTFGQGTKVEIK(配列番号:337)
>53E8B2-VL2
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCQASQDIGDWVAWYQQKPGRAPKLLIYGADRLADGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCLQDYSPPFTFGQGTKLEIK(配列番号:338)
>85E10B9-VH1
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNHYLHWVRQAPGQGLEWMGWIGPTNGDTSYAQKFKDRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCAREGYFTNYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:329)
>85E10B9-VH3
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNHYLHWVRQAPGQRLEWMGWIGPTNGDTSYAQKFKDRVTITRDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGYFTNYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:330)
>85E10B9-VL1
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVIKYLAWYQQKPGKVPKLLIYNASSLQTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCLQYNSWWTFGGGTKVEIK(配列番号:339)
>85E10B9-VL2
DIQLTQSPSFLSASVGDRVTITCKASQNVIKYLAWYQQKPGKAPKLLIYNASSLQTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCLQYNSWWTFGGGTKVEIK(配列番号:340)
>85E10B9-VL6
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVIKYLAWYQQKPGKAPKRLIYNASSLQTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCLQYNSWWTFGQGTKVEIK(配列番号:341)
>60C4B9-VH1
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSDYAMAWVRQAPGKGLEWVATIIHNGGTTFYRDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARHGRVFGFGYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:331)
>60C4B9-VL6
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQDIGDWLAWYQQKPGKAPKRLIYGATSLADGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCLQDSDPPYTFGQGTKVEIK(配列番号:342)
>98C7H11-VH3
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDYAMAWVRQAPGKGLEWVATIIHDGSTTYYRDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARHGRVFGFGYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:332)
>98C7H11-VL2
DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCQASQDIGDWLAWYQQKPGKAPKLLIYGATSLADGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCLQDYDPPYTFGQGTKLEIK(配列番号:343)
>55D3F10-VH1
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSDYAMAWVRQAPGKGLEWVASIIYDGSSTDYRDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARHGRVFGFGYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:333)
>55D3F10-VH2
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDYAMAWVRQAPGKGLEWVSSIIYDGSSTDYRDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKHGRVFGFGYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:334)
>55D3F10-VL2
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQDIGDWLAWYQQKPGKAPKLLIYGADTLADGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCLQDSSAPYTFGQGTKVEIK(配列番号:344)
>55D3F10-VL6
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQDIGDWLAWYQQKPGKAPKRLIYGADTLADGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCLQDSSAPYTFGQGTKVEIK(配列番号:345)
>73H11G10-VH1
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSDYAMAWVRQAPGKGLEWVATIIYDGSSTYYRDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARHGRIFGFGYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:335)
>73H11G10-VL6
73H11G10-VL6及び53E8B2-VL6は同じ配列を共有する
* * *
以上、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明したが、上述の項により定義された本発明は、その多くの明らかな変形物が、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、可能性として考えられるように、上述の記載で説明される特定の細部に限定されるものではないと理解される。
【配列表】
【国際調査報告】