(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】新規イミプリドン誘導体の合成とその抗癌活性の評価
(51)【国際特許分類】
C07D 471/14 20060101AFI20230818BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230818BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230818BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230818BHJP
C07F 17/02 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
C07D471/14 102
A61P35/00
A61K31/519
A61P43/00 111
C07F17/02 CSP
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508532
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2023-04-04
(86)【国際出願番号】 HU2021050047
(87)【国際公開番号】W WO2022029459
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】HU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520404779
【氏名又は名称】エトヴェシュ ロラーンド トゥドマニュジェテム
(71)【出願人】
【識別番号】523041632
【氏名又は名称】センメルベイス エジェテム
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】アンタル チャンパイ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター バラニー
(72)【発明者】
【氏名】タマース チュッチ
(72)【発明者】
【氏名】イムレ コバーチェー
(72)【発明者】
【氏名】バーリント アダミス
(72)【発明者】
【氏名】ゾーフィア ネーメス
(72)【発明者】
【氏名】ジョーセフ ムラーニー
(72)【発明者】
【氏名】リタ オラーネー ザボー
(72)【発明者】
【氏名】シルビア ベースエ
(72)【発明者】
【氏名】ガーボル メズー
(72)【発明者】
【氏名】ラーズロー コーヒダイ
(72)【発明者】
【氏名】エスター ライコー
(72)【発明者】
【氏名】アンゲーラ タカーツェー
(72)【発明者】
【氏名】オルソルヤ ラーン
(72)【発明者】
【氏名】ダイアーナ メゾー
【テーマコード(参考)】
4C065
4C086
4H050
【Fターム(参考)】
4C065AA05
4C065BB06
4C065CC06
4C065DD04
4C065EE03
4C065HH09
4C065JJ01
4C065KK09
4C065LL01
4C065PP03
4C065PP08
4C065PP09
4C065PP10
4C065PP13
4C065PP14
4C065QQ01
4C065QQ02
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB09
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC02
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB20
4H050AB28
(57)【要約】
本発明は、式(I)の化合物、又はその医薬的に許容し得る塩及び立体異性体(鏡像異性体、ラセミ混合物、鏡像異性体の混合物、又はこれらの組み合わせを含む)に関し、これらは癌疾患の治療への使用に適用可能である。本発明はさらに、上記化合物を含む医薬組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】
[ここで、
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロフェニル-メチル(化合物I/44)、3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/58)、4-(アミノメチル)フェニル(化合物I/62)、3-アゼチジニル(化合物I/90)、4-ピペリジニル(化合物I/96)、3-アジドフェニル(化合物I/102)、4-アジドフェニル(化合物I/104)、(4-フェロセニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル(化合物I/121)、又は:
【化2】
であり;又は
Yが3-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-ヨードフェロセニル(化合物I/52)、3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/60)、4-(アミノメチル)フェニル(化合物I/63)、3-アジドフェニル(化合物I/105)、又は4-アジドフェニル(化合物I/106)であり;又は
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/61)、4-(アミノメチル)フェニル(化合物I/64)、4-アジドフェニル(化合物I/107)、3-アジドフェニル(化合物I/127)、(4-フェロセニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル(化合物I/132)であり;又は
Yが4-(トリフルオロメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/68)であり;又は
Yが3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/73)であり;又は
Yが3-フルオロフェニルメチルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/45)であり;又は
Yが3-(アミノメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは4-ヨードフェニル(化合物I/59)、フェロセニル(化合物I/67)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/69)、又はフェロセニルメチル(化合物I/70)であり;又は
Yがフェロセニルであり、ZがHである場合、Xは3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/65)であり;又は
Yがフェロセニルメチルであり、ZがHである場合、Xは3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/66)であり;又は
Yが3-(メトキシカルボニルアミノメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xはフェロセニルメチル(化合物I/71)又はフェロセニル(化合物I/72)であり;又は
Yが4-アミノフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-アゼチジニル(化合物I/91)又は4-ピペリジニル(化合物I/93)であり;又は
Yが3-アゼチジニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/92)あり;又は
Yが4-ピペリジニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/94)又は4-フルオロフェニル(化合物I/95)であり;又は
Yが3-ピロリジニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/97)又は4-フルオロフェニル(化合物I/98)であり;又は
Yが2-ピロリジニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/99)又は4-フルオロフェニル(化合物I/100)であり;又は
Yが4-アジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/101);3-フルオロフェニル(化合物I/108)、4-フルオロフェニル(化合物I/109)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/110)、3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/114)、4-ヨードフェニル(化合物I/115)、3,4,5-トリメトキシフェニル(化合物I/116)、4-アジドフェニル(化合物I/117)、3-アゼチジニル(化合物I/118)、又は4-ピペリジニル(化合物I/119)であり;又は
Yが3-アジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/103)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/111)、3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/112)、4-ヨードフェニル(化合物I/113)、又は4-クロロフェニル(化合物I/133)であり;又は
Yが(4-フェロセニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/120)あり;又は
Yが
【化3】
である場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/122)あり;又は
Yが3,5-ジアジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/138)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/139)であり;又は
Yが3-チオシアナトフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/142)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/143)であり;又は
Yが3-セレノシアナトフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/145)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/146)でありる]、
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、若しくは医薬的に許容し得る塩。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物[ここで、
Yが3-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-アジドフェニル(化合物I/106)であり;又は
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-アジドフェニル(化合物I/107)であり;又は
Yが3-アジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/111)又は4-クロロフェニル(化合物I/133)であり;又は
Yが3,5-ジアジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/138)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/139)である]、
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、若しくは医薬的に許容し得る塩。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-アジドフェニル(化合物I/107)であり;又は
Yが3-アジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/111)又は4-クロロフェニル(化合物I/133)である]、
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、若しくは医薬的に許容し得る塩。
【請求項4】
医薬として使用するための、式(I)の化合物
【化4】
[ここで、
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/5)、3-フルオロフェニル(化合物I/8)、3,4,5-トリフルオロフェニル(化合物I/9)、2,3,4-トリフルオロフェニル(化合物I/29)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/48)、又は3-アミノフェニル(化合物I/75)であり;又は
Yが3-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/31)、4-ヨードフェニル(化合物I/46)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/49)、2-メチルフェニル(化合物I/53)、又は4-アミノフェニル(化合物I/84)であり;又は
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/7)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/30)、4-ヨードフェニル(化合物I/38)、4-ブロモフェニル(化合物I/39)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/50)、4-クロロフェニル(化合物I/124)、又は3-アミノフェニル(化合物I/126)、又は2-メチルフェニル(化合物I/37)であり;又は
Yが2-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/26)又は4-ヨードフェニル(化合物I/54)であり;又は
Yが4-(トリフルオロメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/27)であり;又は
Yが4-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/28)又は4-ヨードフェニル(化合物I/55)であり;又は
Yが4-アミノフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/81)、4-フルオロフェニル(化合物I/86)、4-ヨードフェニル(化合物I/87)、又は3,4,5-トリメトキシフェニル(化合物I/89)であり;又は
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、Zがヒドロキシメチルである場合、Xは4-クロロフェニル(ラセミ体)(化合物I/128)、4-フルオロフェニル(R-鏡像異性体)(化合物I/129(R))、又は4-フルオロフェニル(S-鏡像異性体)(化合物I/129(S))であり;
Yが3,5-ジシアノフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/136)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/137)であり;又は
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-ヨードフェニル(化合物I/11)である]、
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、若しくは医薬的に許容し得る塩。
【請求項5】
癌の治療に使用するための、式(I)の化合物
【化5】
[ここで、
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/5)、3-フルオロフェニル(化合物I/8)、3,4,5-トリフルオロフェニル(化合物I/9)、2,3,4-トリフルオロフェニル(化合物I/29)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/48)、又は3-アミノフェニル(化合物I/75)であり;又は
Yが3-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/31)、4-ヨードフェニル(化合物I/46)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/49)、2-メチルフェニル(化合物I/53)、又は4-アミノフェニル(化合物I/84)であり;又は
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/7)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/30)、4-ヨードフェニル(化合物I/38)、4-ブロモフェニル(化合物I/39)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/50)、4-クロロフェニル(化合物I/124)、又は3-アミノフェニル(化合物I/126)、又は2-メチルフェニル(化合物I/37)であり;又は
Yが2-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/26)又は4-ヨードフェニル(化合物I/54)であり;又は
Yが4-(トリフルオロメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/27)であり;又は
Yが4-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/28)又は4-ヨードフェニル(化合物I/55)であり;又は
Yが4-アミノフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/81)、4-フルオロフェニル(化合物I/86)、4-ヨードフェニル(化合物I/87)、又は3,4,5-トリメトキシフェニル(化合物I/89)であり;又は
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、Zがヒドロキシメチルである場合、Xは4-クロロフェニル(ラセミ体)(化合物I/128)、4-フルオロフェニル(R-鏡像異性体)(化合物I/129(R))、又は4-フルオロフェニル(S-鏡像異性体)(化合物I/129(S))であり;
Yが3,5-ジシアノフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/136)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/137)であり;又は
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-ヨードフェニル(化合物I/11)である]、
又は、立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、又はその医薬的に許容し得る塩。
【請求項6】
癌が、前立腺癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、神経膠腫、頭頸部癌、結腸癌、皮膚癌からなる群から選択される、請求項5に記載の使用のための化合物。
【請求項7】
請求項4~6に記載の使用のための化合物[ここで、
Yが3-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/53)であり;又は
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/7)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/30)、4-ブロモフェニル(化合物I/39)、4-クロロフェニル(化合物I/124)、又は2-メチルフェニル(化合物I/37)であり;又は
Yが3,5-ジシアノフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/136)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/137)であり;又は
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-ヨードフェニル(化合物I/11)である]、
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物 若しくは医薬的に許容し得る塩。
【請求項8】
請求項4~6に記載の使用のための化合物[ここで、
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/7)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/30)、又は4-クロロフェニル(化合物I/124)である]、
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、若しくは医薬的に許容し得る塩。
【請求項9】
薬剤として使用するための、請求項1~3に記載の化合物。
【請求項10】
癌の治療に使用するための、請求項1~3に記載の化合物。
【請求項11】
癌が、前立腺癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、神経膠腫、頭頸部癌、結腸癌、皮膚癌からなる群から選択される、請求項10に記載の使用のための化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、式(I)
【化1】
の化合物、又はその医薬的に許容し得る塩及び立体異性体(単一の鏡像異性体、ラセミ体混合物、鏡像異性体の混合物、又はこれらの組み合わせを含む)に関し、これらは、癌疾患の治療における使用に適用可能である。本発明はさらに、上記化合物を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
クラス初の低分子抗癌化合物であるイミプリドンは、置換基を有する2つの骨格窒素原子で塩基性が強化された角張った3環式複素環フレームワークを含む[式(I)で表される一般的構造を参照]。この適切に配置された理想的な数の塩基性中心と、均等に分散された潜在的な結合部位として突き出た調整可能な芳香環を含むラクタム部分とを含み、これらの明確に定義された作用機序に不可欠なイミプリドンに、多標的特徴と理想的な薬物特性を与える。癌細胞における重要なシグナル伝達経路を制御する特異的なGタンパク質共役受容体(GPCR)は、DRD2ドーパミン受容体と呼ばれるGPCRに直接拮抗する臨床開発に関係する最初のイミプリドンであるONC201(参照化合物1)の重要な標的である[1]。
【化2】
【0003】
この分子は、アポトーシス促進性タンパク質である腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)及びその受容体の効率的な活性化因子としても出現し、幅広い治療指数を示す[2~4]。Klineらは、ONC201が多くの悪性細胞株(例えば、HCT-116、HEPG-2、MCF-7、及びMDA-MB-468)で、AKT及び細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)経路の2重阻害を引き起こすことを明らかにし、ONC201は、サブG1画分とカスパーゼ活性化によって測定されるアポトーシスに加えてまた、処理後24時間という早い時期に試験された細胞株で細胞周期停止を誘導することを証明した[2]。
【0004】
前述の引用文献[1~4]は、ONC201のみに関連し、他のイミプリドン誘導体を開示していない。
【0005】
著者らはまた、ブロモデオキシウリジン(BrdU)標識実験により、細胞の増殖がONC201によって阻害され、このイミプリドンによる治療への反応として、48時間以内に早期の細胞周期停止により、アポトーシスを起こさなかったもの(例えば、A-549やSNV-449)も含めて、生存細胞数が大幅に減少することも確認した[2]。前臨床研究は、多種多様な癌細胞株(例えば、PANC-1、HCT116、MDA-MB-23、U87、HFF、MRC5、及びWI-38)に対して顕著な活性を有する非常に有望なアポトーシス抗癌剤としてのその効力を証明した[5~8]。さらに、第II相臨床試験では、この化合物が広範囲の進行性悪性腫瘍の患者の治療に有益であることが証明されている[9]。
【0006】
上記の参考文献[5~9]に関して、これらはONC201のみに関連し、他のイミプリドン誘導体を開示していないと述べることもできる。ONC201の他に、WagnerらはONC201の異性体を開示しており、この異性体は直鎖[4,3-d]構造を有しているため本発明の対象外であるとしている[5]。Zhe-Zhu JinらはAZD-8055と組み合わせたONC201の使用を開示しているが、これはピリド[2,3-d]ピリミジン誘導体であるため、本発明の対象外である[7]。
【0007】
類似体の徹底的な検索[10]により、ONC212(参照化合物2)と名付けられたトリフルオロメチル化誘導体が、GPCRターゲティング及び腫瘍細胞死への選択的関与が強化された、より強力なイミプリドンとして特定された。
【化3】
【0008】
この化合物は、多くの異なる悪性細胞株、固形腫瘍、及び血液悪性腫瘍に対して、ナノモル濃度で著しく増強された活性をもたらした[10]。引用文献[10]は、N-7位に置換ベンジル基を有する、そのようなONC201誘導体を開示していない。
【0009】
ONC201が、ONC201抵抗性腫瘍を含むいくつかのインビボモデル、例えばPANC-1及びcAPAN-2ヒト膵臓癌異種移植モデルで、膵臓癌、黒色腫、及び肝細胞癌に対する前臨床効果の改善を示したことも重要である[11]。前記参考文献[11]は、ONC201とその誘導体ONC212のみに関連し、他のイミプリドンを開示していない。Gravesらは、ONC201といくつかの関連類似体がClpPの非常に強力な活性化因子であることを示した[12]。この引用文献[12]は、N-7位に二置換又は三置換ベンジル基を有するONC201誘導体を開示していない。
【0010】
TRAILと癌に関与する酸化還元シグナル伝達経路との間の相互作用について説得力のある前臨床的証拠が開示されているため[17]、本発明の発明者らは以前の研究[21]で、反応性酸素種(ROS)を生成することができるフェロセン含有置換基を有する抗増殖性イミプリドンを同定しようと試みた。一酸化窒素、スーパーオキシドアニオン、その他の形態のフリーラジカルなどの反応性酸素種(ROS)[18、19]は、プログラムされた細胞死(アポトーシス)につながる生物学的調節プロセスに関与することが示されている[20]。参考文献[21]に基づいて、フェロセン含有1級アミンとベンジルアミンの選択から始めて、フェロセン含有誘導体と純粋な有機類似体の小さなライブラリ(ROS生成の可能性のない参照モデルとして機能するONC201及びONC212を含む)が合成され試験された[21]。インビトロ抗増殖試験の結果は、有機金属イミプリドン、特に2つのフェロセン単位を有する化合物(例えば7de)が、ヒト悪性細胞株HT-29、HEPG2、PANC1、COLO205、A2058、及びEBC1に対して、ONC201に匹敵する顕著な細胞傷害性を示すが、これらの効果は、ONC212によって発揮される効果よりもかなり小さいことを示す。一方、有機イミプリドン7ah及び7aiの効果は、ONC212の効果に匹敵することが証明された[21]。
【0011】
米国特許第10,239,877号は、ONC201として知られるリード化合物及びそのいくつかの別の置換類似体を含む、新しいクラスの4,7-ベンジル置換イミプリドン誘導体を開示している。開示された化合物は、癌治療に使用できる強力なTRAIL誘導物質である。
【0012】
米国特許第9,376,437号は、以下の式(参照式1)の新しい置換イミプリドン誘導体を開示している:
【化4】
[ここで、R
1及びR
2は独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、カルボキシル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アラルコキシ、アラルキルチオ、アルカノイル、メルカプト、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリール、アシル、及び複素環基であり、及びここで、R
1がCH
2-Phを表す場合、R
2はCH
2-(2-CH
3-Ph)を表さない]。
【0013】
好適な化合物において、
R1はCH2-Phであり、及びR2はCH2-(2-Cl-Ph)であり、
R1はCH2-Phであり、及びR2はCH2-(2-チエニル)であり、
R1はCH2-Phであり、及びR2はCH2CH2-Phであり、
R1はCH2-Phであり、及びR2はCH2CH2-(4-N-ベンジル-ピペラジン)であり、
R1はCH2-Phであり、及びR2はCH2-(2,4-ジ-F-Ph)であり、
R1はHであり、及びR2はCH2-(2-CH3-Ph)であり、
R1はCH3であり、及びR2はCH2-(2-CH3-Ph)であり、
R1はCH2CH2-Phであり、及びR2はCH2-(2-CH3-Ph)である。
【0014】
米国特許第9,845,324号は、上記参照式1の他の新規置換イミプリドン誘導体を開示しており、ここで、R
1は、H、アルキル、アルキルフェニル、アルキルフェニルケトン、ベンジルピペラジン、アルキルチエニル、アルキルピリジニル、アルキルイソキサゾリジニル、アルキルモルホリニル、アルキルチアゾリル、及びアルキルピラジニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルキルフェニル、アルキルフェニルケトン、ベンジルピペラジン、アルキルチエニル、アルキルピリジニル、アルキルイソキサゾリジニル、アルキルモルホリニル、アルキルチアゾリル、及びアルキルピラジニルは、アルキル、アルコキシル、ヒドロキシル、ペルハロゲン化アルキル、又はハロゲンで任意選択的に置換され、及びここで、R
2は、置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキルアルキル、好ましくはモルホリノアルキル若しくはピペラジニルアルキル基であるか、又はここで、R
2は、置換ヘテロアリールアルキル、好ましくはピリジルアルキル若しくはイソキサゾリジニルアルキル基である。さらに上記引用文書は、引用文献で定義されている参照式2及び参照式3の化合物を開示している:
【化5】
【0015】
米国特許出願第2016/0264574号は、上記参照式1の新規置換イミプリドン誘導体を開示しており、ここでR1及びR2は、独立して水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、カルボキシル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アラルコキシ、アラルキルチオ、アルカノイル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリール、アシル、及び複素環基であり、及びここで、R1がCH2-Phを表す場合、R2はCH2-(2-CH3-Ph)を表さない。
【0016】
好適な化合物において、
R1はCH2-Phであり、及びR2はCH2-(2-Cl-Ph)であり、
R1はCH2-Phであり、及びR2はCH2-(2-チエニル)であり、
R1はCH2-Phであり、及びR2はCH2CH2-Phであり、
R1はCH2-Phであり、及びR2はCH2CH2-(4-N-ベンジル-ピペラジン)であり、
R1はCH2-Phであり、及びR2はCH2-(2,4-ジ-F-Ph)であり、
R1はHであり、及びR2はCH2-(2-CH3-Ph)であり、
R1はCH3であり、及びR2はCH2-(2-CH3-Ph)であり、
R1はCH2CH2-Phであり、及びR2はCH2-(2-CH3-Ph)であり、
R1はCH2CH2NHCOOC(CH3)3であり、及びR2はCH2-(2-CH3-Ph)であり、
R1はCH2CH2CH2NH2であり、及びR2はCH2-(2-CH3-Ph)である。
【0017】
米国特許第10,266,533号は、上記式(参照式1、参照式2、及び参照式3)の置換イミプリドン誘導体[ここで、参照式1において、R
1及びR
2は、H、アルキル、アルキルフェニル、アルキルフェニルケトン、ベンジルピペラジン、アルキルチエニル、アルキルピリジニル、アルキルイソキサゾリジニル、アルキルモルホリニル、アルキルチアゾリル、及びアルキルピラジニルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルキルフェニル、アルキルフェニルケトン、ベンジルピペラジン、アルキルチエニル、アルキルピリジニル、アルキルイソキサゾリジニル、アルキルモルホリニル、アルキルチアゾリル、及びアルキルピラジニルは、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ペルハロゲン化アルキル、又はハロゲンで任意選択的に置換され、及びここで、R
2は置換又は非置換ヘテロアリールアルキルであり;又は参照式2において、R
1は水素であり;及び、R
a1、R
a2、R
a3、R
a4、及びR
a5はそれぞれ独立して、水素、X、-CH
3、-NO
2、-OCH
3、-CN、-CXH
2、-CX
2H、C
2~C
4アルキル、-CX
3、-CH
2(CX
3)、-CH(CX
3)
2、-C(CX
3)
3、-C
pX
2p+1、-OCX
3、-OC
pH
2p+1、-OC
pX
2p+1、OR
m、SR
m、NR
mR
n、NR
mC(O)R
n、SOR
m、SO
2R
m、C(O)R
m、及びC(O)
mからなる群から選択され;ここで、R
m及びR
nは、水素又はC
1~C
4アルキルから独立して選択され;及び、Xはハロゲンを表す];又は、参照式4の誘導 体を開示している
【化6】
[ここで、R
a1、R
a4、及びR
a5はそれぞれ水素であり;及びR
a2及びR
a1はそれぞれ塩素であり、又は
R
a1、R
a3、及びR
a5はそれぞれ水素であり;及びここで、R
a2及びR
a4はフッ素であり、又は
R
a2、R
a4、及びR
a5はそれぞれ水素であり;及びここで、R
a1及びR
a3は塩素であり、又は
R
a2、R
a4、及びR
a5はそれぞれ水素であり;及びここで、R
a1はメチルであり、R
a3はフッ素であり、又は
R
a2、R
a4、及びR
a5はそれぞれ水素であり;及びここで、R
a1はフッ素であり、R
a3はCF
3である]。
【0018】
米国特許第2019/0194201号は、米国特許第10,266,533号の分割出願であり、その親出願と本質的に同じ置換イミプリドン誘導体を開示している。
【0019】
米国特許第2018/0141946号は、参照式5のイミダゾールピリミジンケトンを開示している
【化7】
[ここで、n=0又は1であり;Rは、H、モノハロ又はマルチハロ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、ハロ置換C
1~C
6アルキル、窒素又は酸素などのヘテロ置換基、及び0個、1個、又は2個のヘテロ原子置換を有する6員複素環からなる群から選択され;Arは、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、及びハロ置換C
1~C
4アルキル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する一置換又は二置換アリール基からなる群から選択され;及びここで、n=1でRがHである場合、Arはフェニル、2-クロロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、又はo-メチル-フェニルでもない]。Rの好ましい意味は、F、Cl、Br、メチル、イソブチル、メトキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、又はピペラジニル基である。引用文献は、58個の特定の化合物の調製及び有効性データを開示している。
【0020】
国際特許出願番号WO2018/031987は、式(参照式6)のさらなる置換4,7-ジベンジル-及び4-ベンジル-7-(チオフェニル-メチル)-イミプリドン
【化8】
を開示しており、ここで、Vは置換ベンジル、(チオフェン-2-イル)-メチル、又は(チオフェン-3-イル)-メチル基を意味し、他の置換基は引用文献で定義されている通りである。この出願は、27個の特定の化合物の調製及び有効性データを含む。
【0021】
米国特許出願第2018/016277号は、ONC201及び類似体などの新規の重水素化イミダゾ[1,2a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン化合物に関する。この文献はまた、引用文書の化合物を含む組成物を開示し、並びに腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)スーパーファミリーメンバー10をコードする遺伝子の誘導因子を投与することによって有益に治療される疾患及び状態の治療における、そのような組成物の単独の又は他の治療薬と組み合わせた使用を開示する。さらに、引用された特許文書は、癌治療におけるイミプリドン誘導体の使用を開示する。従って、泌尿生殖器癌の治療における化合物ONC201の使用は、米国特許第10,456,402号に開示されている。
【0022】
米国特許第9,688,679号は、白血病の治療におけるONC201の使用を開示している。
【0023】
国際特許出願番号WO2017/132661は、クラスAのGタンパク質共役受容体(GPCR)又はクラスAのGPCRシグナル伝達経路の活性の選択的調節を必要とする被験体における疾患、障害、又は状態を治療又は予防するための、特に中枢神経系腫瘍、脳腫瘍、末梢神経系腫瘍、褐色細胞腫、傍神経節腫、神経内分泌腫瘍、膵臓癌、前立腺癌、子宮内膜癌、血液悪性腫瘍、及びリンパ系腫瘍からなる群から選択される癌を治療するための、上記参照式1の化合物の使用を開示している。好適な化合物は、ONC201、206、212、2013、及び236である。
【0024】
米国特許第10,172,862号及び第10,369,154号は、正中神経膠腫の治療のための化合物ONC201の使用を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
最先端のものと比較して増強された抗癌活性を有し、これらの化合物を医学での使用に適したものにする新規化合物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明による発見
イミプリドンの残りのメンバーの構造的特徴の綿密な研究により、我々は、本発明に関連する、7位に結合した3,5-二置換ベンジル基を含む新規イミプリドン誘導体が増強された抗癌活性を有することを発見した。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】PC3ヒト前立腺癌細胞株で実施されたインビトロ試験の結果に基づいて作成されたIC
50曲線。
【
図2】LNCapヒト前立腺癌細胞株で実施されたインビトロ試験の結果に基づいて作成されたIC
50曲線。
【
図3】BxPC3膵臓癌細胞株で実施されたインビトロ試験の結果に基づいて作成されたIC
50曲線。
【
図4】MiaPaCa2膵臓癌細胞株で実施されたインビトロ試験の結果に基づいて作成されたIC
50曲線。
【
図5】Panc1膵臓癌細胞株で実施されたインビトロ試験の結果に基づいて作成されたIC
50曲線。
【
図6】A549肺癌細胞株で実施されたインビトロ試験の結果に基づいて作成されたIC
50曲線。
【
図7】HCC827肺癌細胞株で実施されたインビトロ試験の結果に基づいて作成されたIC
50曲線。
【
図8】H1993肺癌細胞株で実施されたインビトロ試験の結果に基づいて作成されたIC
50曲線。
【
図9】H520肺癌細胞株で実施されたインビトロ試験の結果に基づいて作成されたIC
50曲線。
【
図10】MDA-MB-453乳癌細胞株で実施されたインビトロ試験の結果に基づいて作成されたIC
50曲線。
【
図11】MDA-MB-231乳癌細胞株で実施されたインビトロ試験の結果に基づいて作成されたIC
50曲線。
【
図12】DU145、LNCaP、及びPC-3細胞株について化合物I/1(ONC212)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図13】DU145、LNCaP、及びPC-3細胞株について化合物I/7(ABB-011)によって得られた用量応答曲線。
【
図14】DU145、LNCaP、及びPC-3細胞株について化合物I/3(CZT-021)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図15】DU145、LNCaP、及びPC-3細胞株について化合物I/124(TBP-333)によって得られた用量応答曲線。
【
図16】DU145、LNCaP、及びPC-3細胞株について化合物I/6(TBP-218)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図17】DU145、LNCaP、及びPC-3細胞株について化合物I/111(TBP-272)によって得られた用量応答曲線。
【
図18】DU145、LNCaP、及びPC-3細胞株について化合物I/149(TBP-353)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図19】DU145、LNCaP、及びPC-3細胞株について化合物I/133(TBP-400)によって得られた用量応答曲線。
【
図20】DU145、LNCaP、及びPC-3細胞株について化合物I/30(TBP-301)によって得られた用量応答曲線。
【
図21】DU145、LNCaP、及びPC-3細胞株について化合物I/107(CZT-136)によって得られた用量応答曲線。
【
図22】Panc-1、Capan-1、及びMIAPaCa-2細胞株について化合物I/1(ONC212)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図23】Panc-1、Capan-1、及びMIAPaCa-2細胞株について化合物I/7(ABB-011)によって得られた用量応答曲線。
【
図24】Panc-1、Capan-1、及びMIAPaCa-2細胞株について化合物I/3(CZT-021)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図25】Panc-1、Capan-1、及びMIAPaCa-2細胞株について化合物I/124(TBP-333)によって得られた用量応答曲線。
【
図26】Panc-1、Capan-1、及びMIAPaCa-2細胞株について化合物I/6(TBP-218)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図27】Panc-1、Capan-1、及びMIAPaCa-2細胞株について化合物I/111(TBP-272)によって得られた用量応答曲線。
【
図28】Panc-1、Capan-1、及びMIAPaCa-2細胞株について化合物I/149(TBP-353)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図29】Panc-1、Capan-1、及びMIAPaCa-2細胞株について化合物I/133(TBP-400)によって得られた用量応答曲線。
【
図30】Panc-1、Capan-1、及びMIAPaCa-2細胞株について化合物I/30(TBP-301)によって得られた用量応答曲線。
【
図31】Panc-1、Capan-1、及びMIAPaCa-2細胞株について化合物I/107(CZT-136)によって得られた用量応答曲線。
【
図32】デトロイト562、SCC-25、及びFadu細胞株について化合物I/1(ONC212)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図33】デトロイト562、SCC-25、及びFadu細胞株について化合物I/7(ABB-011)によって得られた用量応答曲線。
【
図34】デトロイト562、SCC-25、及びFadu細胞株について化合物I/3(CZT-021)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図35】デトロイト562、SCC-25、及びFadu細胞株について化合物I/124(TBP-333)によって得られた用量応答曲線。
【
図36】デトロイト562、SCC-25、及びFadu細胞株について化合物I/6(TBP-218)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図37】デトロイト562、SCC-25、及びFadu細胞株について化合物I/111(TBP-272)によって得られた用量応答曲線。
【
図38】デトロイト562、SCC-25、及びFadu細胞株について化合物I/149(TBP-353)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図39】デトロイト562、SCC-25、及びFadu細胞株について化合物I/133(TBP-400)によって得られた用量応答曲線。
【
図40】デトロイト562、SCC-25及びFadu細胞株で化合物I/30(TBP-301)によって得られた用量応答曲線。
【
図41】デトロイト562、SCC-25、及びFadu細胞株について化合物I/107(CZT-136)によって得られた用量応答曲線。
【
図42】EBC-1、MDA-MB-231、及びMDA-MB-453細胞株について化合物I/1(ONC212)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図43】EBC-1、MDA-MB-231、及びMDA-MB-453細胞株について化合物I/7(ABB-011)によって得られた用量応答曲線。
【
図44】EBC-1、MDA-MB-231、及びMDA-MB-453細胞株について化合物I/3(CZT-021)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図45】EBC-1、MDA-MB-231、及びMDA-MB-453細胞株について化合物I/124(TBP-333)によって得られた用量応答曲線。
【
図46】EBC-1、MDA-MB-231、及びMDA-MB-453細胞株について化合物I/6(TBP-218)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図47】EBC-1、MDA-MB-231、及びMDA-MB-453細胞株について化合物I/111(TBP-272)によって得られた用量応答曲線。
【
図48】EBC-1、MDA-MB-231、及びMDA-MB-453細胞株について化合物I/149(TBP-353)(参照)によって得られた用量応答曲線。
【
図49】EBC-1、MDA-MB-231、及びMDA-MB-453細胞株について化合物I/133(TBP-400)によって得られた用量応答曲線。
【
図50】EBC-1、MDA-MB-231、及びMDA-MB-453細胞株について化合物I/30(TBP-301)によって得られた用量応答曲線。
【
図51】EBC-1、MDA-MB-231、及びMDA-MB-453細胞株について化合物I/107(CZT-136)によって得られた用量応答曲線。
【
図52】Panc-1細胞株に対する化合物I/1(ONC212)(参照)の細胞傷害性効果。
【
図53】Panc-1細胞株に対する化合物I/3(CZT-021)(参照)の細胞傷害性効果。
【
図54】Panc-1細胞株に対する化合物I/6(TBP-218)(参照)の細胞傷害性効果。
【
図55】Panc-1細胞株に対する化合物I/149(TBP-353)(参照)の細胞傷害性効果。
【
図56】Panc-1細胞株に対する化合物I/30(TBP-301)の細胞傷害性効果。
【
図57】Panc-1細胞株に対する化合物I/7(ABB-011)の細胞傷害性効果。
【
図58】Panc-1細胞株に対する化合物I/124(TBP-333)の細胞傷害性効果。
【
図59】Panc-1細胞株に対する化合物I/111(TBP-272)の細胞傷害性効果。
【
図60】Panc-1細胞株に対する化合物I/133(TBP-400)の細胞傷害性効果。
【
図61】Panc-1細胞株に対する化合物I/107(CZT-136)の細胞傷害性効果。
【
図62】実施例23に開示された実験における動物の体重の変化。
【
図63】実施例23に開示された実験における腫瘍体積の変化[
*p<0.05(スチューデントのt検定)]。
【
図64】実施例23に開示した実験における終了後の腫瘍サイズ(重量)[
*:p<0.05(スチューデントのt検定)]。
【
図65】実施例23に開示された実験の終了後の腫瘍。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(発明の簡単な説明)
1.式(I)の化合物
【化9】
[ここで、
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロフェニル-メチル(化合物I/44)、3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/58)、4-(アミノメチル)フェニル(化合物I/62)、3-アゼチジニル(化合物I/90)、4-ピペリジニル(化合物I/96)、3-アジドフェニル(化合物I/102)、4-アジドフェニル(化合物I/104)、(4-フェロセニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル(化合物I/121)、又は:
【化10】
であり;又は
【0029】
Yが3-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-ヨードフェロセニル(化合物I/52)、3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/60)、4-(アミノメチル)フェニル(化合物I/63)、3-アジドフェニル(化合物I/105)、又は4-アジドフェニル(化合物I/106)であり;又は
【0030】
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/61)、4-(アミノメチル)フェニル(化合物I/64)、4-アジドフェニル(化合物I/107))、3-アジドフェニル(化合物I/127)、(4-フェロセニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル(化合物I/132)であり;又は
【0031】
Yが4-(トリフルオロメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/68)であり;又は
【0032】
Yが3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/73)であり;又は
Yが3-フルオロフェニルメチルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/45)であり;又は
Yが3-(アミノメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは4-ヨードフェニル(化合物I/59)、フェロセニル(化合物I/67)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/69)、又はフェロセニルメチル(化合物I/70)であり;又は
【0033】
Yがフェロセニルであり、ZがHである場合、Xは3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/65)であり;又は
Yがフェロセニルメチルであり、ZがHである場合、Xは3-(アミノメチル)フェニル(化合物I/66)であり;又は
【0034】
Yが3-(メトキシカルボニルアミノメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xはフェロセニルメチル(化合物I/71)又はフェロセニル(化合物I/72)であり;又は
Yが4-アミノフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-アゼチジニル(化合物I/91)又は4-ピペリジニル(化合物I/93)であり;又は
【0035】
Yが3-アゼチジニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/92)あり;又は
Yが4-ピペリジニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/94)又は4-フルオロフェニル(化合物I/95)であり;又は
Yが3-ピロリジニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/97)又は4-フルオロフェニル(化合物I/98)であり;又は
Yが2-ピロリジニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/99)又は4-フルオロフェニル(化合物I/100)であり;又は
【0036】
Yが4-アジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/101);3-フルオロフェニル(化合物I/108)、4-フルオロフェニル(化合物I/109)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/110)、3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/114)、4-ヨードフェニル(化合物I/115)、3,4,5-トリメトキシフェニル(化合物I/116)、4-アジドフェニル(化合物I/117)、3-アゼチジニル(化合物I/118)、又は4-ピペリジニル(化合物I/119)であり;又は
【0037】
Yが3-アジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/103)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/111)、3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/112)、4-ヨードフェニル(化合物I/113)、又は4-クロロフェニル(化合物I/133)であり;又は
Yが(4-フェロセニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/120)あり;又は
【0038】
Yが
【化11】
である場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/122)あり;又は
【0039】
Yが3,5-ジアジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/138)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/139)であり;又は
Yが3-チオシアナトフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/142)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/143)であり;又は
Yが3-セレノシアナトフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/145)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/146)である]、
【0040】
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、若しくは医薬的に許容し得る塩。
【0041】
2.ポイント1に記載の化合物[ここで、
Yが3-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-アジドフェニル(化合物I/106)であり;又は
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-アジドフェニル(化合物I/107)であり;又は
Yが3-アジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/111)又は4-クロロフェニル(化合物I/133)であり;又は
Yが3,5-ジアジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/138)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/139)である]、
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、若しくは医薬的に許容し得る塩。
【0042】
3.ポイント1に記載の化合物[ここで、
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-アジドフェニル(化合物I/107)であり;又は
Yが3-アジドフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/111)又は4-クロロフェニル(化合物I/133)である]、
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、若しくは医薬的に許容し得る塩。
【0043】
4.医薬として使用するための、式(I)の化合物
【化12】
[ここで、
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/5)、3-フルオロフェニル(化合物I/8)、3,4,5-トリフルオロフェニル(化合物I/9)、2,3,4-トリフルオロフェニル(化合物I/29)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/48)、又は3-アミノフェニル(化合物I/75)であり;又は
【0044】
Yが3-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/31)、4-ヨードフェニル(化合物I/46)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/49)、2-メチルフェニル(化合物I/53)、又は4-アミノフェニル(化合物I/84)であり;又は
【0045】
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/7)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/30)、4-ヨードフェニル(化合物I/38)、4-ブロモフェニル(化合物I/39)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/50)、4-クロロフェニル(化合物I/124)、又は3-アミノフェニル(化合物I/126)、又は2-メチルフェニル(化合物I/37)であり;又は
【0046】
Yが2-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/26)又は4-ヨードフェニル(化合物I/54)であり;又は
【0047】
Yが4-(トリフルオロメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/27)であり;又は
Yが4-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/28)又は4-ヨードフェニル(化合物I/55)であり;又は
【0048】
Yが4-アミノフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/81)、4-フルオロフェニル(化合物I/86)、4-ヨードフェニル(化合物I/87)、又は3,4,5-トリメトキシフェニル(化合物I/89)であり;又は
【0049】
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、Zがヒドロキシメチルである場合、Xは4-クロロフェニル(ラセミ体)(化合物I/128)、4-フルオロフェニル(R-鏡像異性体)(化合物I/129(R))、又は4-フルオロフェニル(S-鏡像異性体)(化合物I/129(S))であり;
【0050】
Yが3,5-ジシアノフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/136)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/137)であり;又は
【0051】
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-ヨードフェニル(化合物I/11)である]、
【0052】
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、若しくは医薬的に許容し得る塩。
【0053】
5.癌の治療に使用するための、式(I)の化合物
【化13】
[ここで、
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/5)、3-フルオロフェニル(化合物I/8)、3,4,5-トリフルオロフェニル(化合物I/9)、2,3,4-トリフルオロフェニル(化合物I/29)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/48)、又は3-アミノフェニル(化合物I/75)であり;又は
【0054】
Yが3-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/31)、4-ヨードフェニル(化合物I/46)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/49)、2-メチルフェニル(化合物I/53)、又は4-アミノフェニル(化合物I/84)であり;又は
【0055】
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/7)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/30)、4-ヨードフェニル(化合物I/38)、4-ブロモフェニル(化合物I/39)、2-フルオロ-4-ニトロフェニル(化合物I/50)、4-クロロフェニル(化合物I/124)、又は3-アミノフェニル(化合物I/126)、又は2-メチルフェニル(化合物I/37)であり;又は
【0056】
Yが2-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/26)又は4-ヨードフェニル(化合物I/54)であり;又は
【0057】
Yが4-(トリフルオロメチル)フェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/27)であり;又は
【0058】
Yが4-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/28)又は4-ヨードフェニル(化合物I/55)であり;又は
【0059】
Yが4-アミノフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/81)、4-フルオロフェニル(化合物I/86)、4-ヨードフェニル(化合物I/87)、又は3,4,5-トリメトキシフェニル(化合物I/89)であり;又は
【0060】
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、Zがヒドロキシメチルである場合、Xは4-クロロフェニル(ラセミ体)(化合物I/128)、4-フルオロフェニル(R-鏡像異性体)(化合物I/129(R))、又は4-フルオロフェニル(S-鏡像異性体)(化合物I/129(S))であり;
【0061】
Yが3,5-ジシアノフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/136)又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/137)であり;又は
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-ヨードフェニル(化合物I/11)である]、
【0062】
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、若しくは医薬的に許容し得る塩。
【0063】
6.癌が、前立腺癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、神経膠腫、頭頸部癌、結腸癌、皮膚癌からなる群から選択される、ポイント5に記載の使用のための化合物。
【0064】
7.ポイント4~6に記載の使用のための化合物[ここで、
Yが3-フルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-メチルフェニル(化合物I/53)であり;又は
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/7)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/30)、4-ブロモフェニル(化合物I/39)、4-クロロフェニル(化合物I/124)、又は2-メチルフェニル(化合物I/37)であり;又は
Yが3,5-ジシアノフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-クロロフェニル(化合物I/136)、又は4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/137)であり;又は
Yがフェニルであり、ZがHである場合、Xは2-ヨードフェニル(化合物I/11)である]、
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物 若しくは医薬的に許容し得る塩。
【0065】
8.ポイント4~6に記載の使用のための化合物[ここで、
Yが3,5-ジフルオロフェニルであり、ZがHである場合、Xは4-フルオロフェニル(化合物I/7)、4-(トリフルオロメチル)フェニル(化合物I/30)、又は4-クロロフェニル(化合物I/124)である]、
又はこれらの立体異性体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、若しくは医薬的に許容し得る塩。
【0066】
9.医薬として使用するためのポイント1~3に記載の化合物。
【0067】
10.癌の治療に使用するためのポイント1~3に記載の化合物。
【0068】
11.癌が、前立腺癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、神経膠腫、頭頸部癌、結腸癌、皮膚癌からなる群から選択される、ポイント10に記載の使用のための化合物。
【0069】
発明の詳細な説明
本発明は、上記項目1に記載の式(I)の化合物(ここで、前記式中の識別子は項目1に定義されている通りである)、及びその医薬的に許容し得る塩、その立体異性体(単一の鏡像異性体、ラセミ混合物、鏡像異性体の混合物、又はこれらの組み合わせを含む)に関する。
【0070】
本発明の化合物の群は、上記の式(I)の化合物(ここで、前記式中の識別子は項目2に定義されている通りである)、及びその医薬的に許容し得る塩、立体異性体(単一の鏡像異性体、ラセミ混合物、鏡像異性体の混合物、又はこれらの組み合わせを含む)である。
【0071】
本発明の化合物の別の群は、項目3で上述した式(I)の化合物(ここで、前記式中の識別子は項目3に定義されている通りである)、及びその医薬的に許容し得る塩、立体異性体(単一の鏡像異性体、ラセミ混合物、鏡像異性体の混合物、又はこれらの組み合わせを含む)である。
【0072】
本発明の化合物のさらなる群は、上記項目4で上述した式(I)の化合物(ここで、前記式中の識別子は項目4に定義されている通りである)、及びその医薬的に許容し得る塩、立体異性体(単一の鏡像異性体、ラセミ混合物、鏡像異性体の混合物、又はこれらの組み合わせを含む)である。
【0073】
本発明の化合物のさらなる群は、上記項目5で上述した式(I)の化合物、及びその医薬的に許容し得る塩、立体異性体(鏡像異性体、ラセミ混合物、鏡像異性体の混合物、又はこれらの組み合わせを含む)である。上述したように本発明の化合物は、ラセミ混合物及び鏡像異性体の形態の光学異性体として、純粋であるか又は主に存在する。純粋な形態で又は他の鏡像異性体と比較して主に混合物であるラセミ混合物と鏡像異性体の両方が、本発明の主題に属することが理解される。
【0074】
本発明はまた、前立腺癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、神経膠腫、頭頸部癌、結腸癌、皮膚癌からなる群から選択される癌疾患の治療に使用するための本発明の化合物に関する。
【0075】
先行技術に記載されたイミプリドンの残りのメンバーの構造的特徴の綿密な研究により、ONC234(参照化合物1)を除いて、N-4及びN-7に結合した置換基の制限された多用途性以外に、既知のイミプリドンは、7位に結合した二置換又は三置換ベンジル基を含まず、アクセス可能な化学空間が未開拓であることを示していると確証することができる。この認識により、化学療法用途においてより顕著な可能性のある新規リード化合物の特定につながり、これは、抗癌活性の増強に加えて、例えば、最先端のコレクションのものよりも優れた治療ウィンドウ及びバイオアベイラビリティの点で、追加の有益な特性を有する、
【0076】
従って、反応スキーム1に示した我々の収束的合成経路に従って、複素環骨格の両末端にさまざまな一置換、二置換、及び三置換ベンジル基とアミンベースの分子断片を有する新規イミプリドンの多様性志向の合成を実行した(表1を参照)。
【0077】
ぶら下がっている骨格置換基上の官能基の範囲を拡張するために、Boc保護芳香族アミン残基を含む市販の構造ブロックから調製された化合物を、同時の酸触媒によるN-脱保護とジアゾ化、それに続くジアゾニウム→アジド交換(反応スキーム2を参照)を含むワンポット操作により、アジド誘導体に変換した(表1を参照)。銅(I)触媒作用により、2つのアジドをエチニルフェロセン及びエルロチニブと結合させ、トリアゾール結合ハイブリッドを得た(表1を参照)。
【0078】
本発明の研究の過程で、特徴的な構造活性相関(SAR)を開示する生物学的試験の結果は、強化された細胞傷害性効果を示した新規イミプリドンのさらなるメンバーの設計及び合成における構造改良のために継続的に考慮された。先行技術から知られているイミプリドンのバイオアッセイから得られた限定されたデータセットしかアクセスできないため(WO2018031987A1)、ONC212に加えて、3つの追加の既知のハロゲン化類似体[表1のI/2(ONC217)、I/3(2185824-99-9P)、及びI/4(2185824-98-8P)]も、生物学的試験の参照として使用するために調製された。
【0079】
段階的な改良の結果、我々は、3つの新規ハロゲン化イミプリドン[I/7(ABB-011)、I/30(TBP-301)、及びI/39(TBP-302)]を、代表的な細胞株に対して約3~8nMの範囲のIC50値によって特徴付けられる非常に強い細胞傷害性を示す最も強力な薬剤候補として特定した。これは、先行技術の各参照化合物に対する優位性を明確に示している(表2及び3)。我々はまた、ヒドロキシメチル置換イミプリドンI/129(R)のR-鏡像異性体[TBP-339(R)]が、S-鏡像異性体I/129(S)[(TBP-339(S)]よりも、PANC1細胞株に対してはるかに強力な抗増殖効果を示す(IC50=15nM対265nM:表2)ことを開示した。
【0080】
ONC212、2185824-99-9P、及びI/30(TBP-301)によって生じる細胞傷害性の漸進的な増加で観察される傾向から、N-7-ベンジル基の「メタ」位置へのフッ素置換基の段階的導入に関連する明確な構造活性相関を確立することができる。まったく同じ傾向が、シリーズI/5(TBP-134)、I/6(TBP-218)、I/7(ABB-011)、I/41(TBP-285)、2185824-98-8P I/39(TBP-302)(最も活性が高い誘導体である3,5-ジフルオロベンジル置換誘導体)の抗増殖効果でも認められる。
【0081】
本発明の化合物の調製
一般式(I)の新規イミプリドン(4位及び7位ににぶら下がっている側鎖中にN
3、CN、SCN、及びSeCN置換基を含む化合物を除く)(反応スキーム1)の収束的合成は、直接的なカップリング反応と、2-(メチルチオ)-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール(1)、アクリル酸メチル、一級アミンタイプ3及び5などの容易に入手可能な前駆体を使用する環化反応に基づいている。
【化14】
【0082】
材料と方法
すべての精密化学物質は、市販の供給元(Merck、Fluorochem、Molar Chemicals、VWR)から入手し、さらに精製することなく使用した。ジオキサンはベンゾフェノンナトリウムから蒸留した。Merck Kieselgel(230~400メッシュ、60Å)をフラッシュカラムクロマトグラフィーに使用した。Buchi M-560を用いて融点(未補正)を決定した。すべての化合物の1H NMRと13C NMRスペクトルは、500(1H)及び125(13C)MHzでBrukerDRX-500分光計を使用して、5mmチューブ内のCDCl3溶液中、室温で、溶媒の重水素シグナルをロックとして、TMSを内部標準として、記録した。1H及び13CNMRシグナルの正確な割り当てを支持するHSQC、HMBC、COSY、及びNOESYスペクトルを、標準的なBrukerパルスプログラムを使用して得た。
【0083】
反応スキーム1に示される、最終的に式(I)の化合物に至る合成工程の一般的手順
1.2-(メチルチオ)-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-1-カルボン酸メチル(2)
【化15】
市販のヨウ化2-メチルチオ-4,5-ジヒドロイミダゾリウム(12.21g、50mmol)及びトリエチルアミン(TEA、16mL、11.62g、115mmol)をDCM(50mL)に溶解した。クロロギ酸メチル(5mL、6.12g、65ミリモル)を、予め0℃に冷却した溶液に滴加した。反応混合物を25℃まで温め、一晩撹拌した。EtOAc(200mL)を添加し、15分間撹拌した後、沈殿したアンモニウム塩を濾別し、EtOAc(50mL)で洗浄した。合わせた溶液を蒸発乾固した。固体残留物を水で粉砕し、濾別し、真空下で乾燥して、5を白色固体として得た。収量:5.55g(64%)。
【0084】
2.N-置換-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-アミン(4)
【化16】
MeOH:AcOH(4mL:1mL)の混合物に溶解した一級アミンタイプ3(2mmol)の溶液に、2-(メチルチオ)-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-1-カルボン酸メチル2(0.47g,2.4mmol)を加え、得られた溶液を20時間撹拌し還流した。冷却後、反応物を真空下で濃縮し、油状残留物をDCM(30mL)に溶解した。溶液を3M NaOH(10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、蒸発乾固させた。無色の油状物をエーテルから結晶化し、さらに精製することなく、イミプリドン骨格への環化に使用した。
【0085】
3.イミプリドン形成環化
MeOH(4mL)に溶解した一級アミン5(1mmol)に、アクリル酸メチル(0.23mL、2.5mmol)を加え、混合物を室温で24時間撹拌し、真空下で濃縮し、得られた粗ジプロピオン酸タイプ6を無水THF(4mL)に溶解した。アルゴン雰囲気下で、NaH(0.12g、5ミリモル)を、予め0℃に冷却した激しく撹拌した溶液に少量ずつ加えた。得られた懸濁液を還流温度でさらに2時間撹拌し、真空下で濃縮乾固した。N-置換オキソピペリジン-3-カルボン酸メチルの粗ナトリウム塩(7)を含む得られた固体残留物を無水MeOH(5mL)に溶解した。この溶液に、上記のように別々の工程で調製したN-置換-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-アミン(4)(1ミリモル)を加えた。塩基性溶液をアルゴン雰囲気下で還流しながら12時間撹拌し、次に氷水で冷却した。冷却した反応混合物を1時間撹拌し、沈殿した固体を濾過して回収し、冷メタノールで洗浄し、乾燥して、式(I)の純粋なイミプリドン生成物を生成した。
【0086】
4.アミン含有イミプリドンの合成
ぶら下がっている一級アミン又は環状二級アミン部分を有する標的化合物の合成のために、X又はY基のいずれかにおけるモノ-Boc保護された対応するジアミン(3又は5)を、上記の一般的手順のカップリング成分として使用した。単離したBoc保護イミプリドン(2mmol)を濃塩酸(5mL)に溶解し、得られた溶液を5分間加熱還流し、室温まで冷却した。次に濃水酸化カリウム水溶液によって、この溶液のpHを約13~14に設定した。沈殿したアミン生成物を濾過して回収し、冷水で十分に洗浄し、デシケーター内で水素化カリウムペレット上で乾燥した。
【0087】
5.アジドベンジルイミプリドンの合成
対応するアミノベンジルイミプリドン(1mmol)を濃塩酸(5mL)に溶解した。0℃に冷却したこの溶液に、NaNO2の水溶液(2.5mLの水に溶解した137.8mg、2mmol)を滴加した。ジアゾ化反応はTLCでモニターした。完了後、NaN3(324mg、5mmol)を反応混合物に0℃で添加し、次にこれを室温で1時間撹拌した。固体Na2CO3を注意深く添加することにより、溶液のpHを10~11に調整した。得られた混合物をCH2Cl2(2×40mL)で抽出し、有機相をNa2SO4で乾燥し、次に蒸発乾固させた。油状残留物をn-ヘキサンで結晶化して、生成物を無色固体として得た。
【0088】
6.アジドベンジルイミプリドンからのアリールトリアゾリルベンジルイミプリドンの合成
対応するアジドベンジルイミプリドン(1mmol)、末端アルキン成分(1mmol)、及びCuI(29.3mg、0.15mmol)をDMSO(5mL)に溶解した。密閉容器中で、反応混合物を室温で24時間撹拌し、水(50mL)に注いだ。沈殿した固体を濾取して回収し、水(100mL)で洗浄し、アンモニア水溶液(20mL)に懸濁した。懸濁液を20分間撹拌し、濾過した。残留物を水(50mL)で洗浄し、乾燥し、CH2Cl2とMeOHの9:1混合物(10mL)に溶解した。溶液をシリカに通し、蒸発させた。固体残留物をエーテルで結晶化した。
【0089】
以下では、本発明を例示的な実施態様によって説明するが、これらは本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0090】
実施例1:
7-(3,5-ジフルオロベンジル)-4-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(TBP-301)(化合物I/30)
【化17】
収量: 387 mg (81%). 融点: 168.0
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.53 及び 7.50 (AA'BB'スピンシステムのA及びB部分, J
AB=8.9 Hz, 2x2H, H-3",5" 及び H-2",6", resp.); 6.84 (br dt, J~7 Hz 及び ~2 Hz, 2H, H-2',6'); 6.67 (tt, J=9.0 Hz 及び 2.3 Hz, 1H, H-4'); 5.06 (s, 2H, H-11); 3.88 (s, 4H, H-1 及び H-2); 3.60 (s, 2H, H-10); 3.24 (br s, 2H, H-6); 2.64 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-8); 2.46 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-9).
13C-NMR (CDCl
3): 163.1 (dd, J=250.2 Hz 及び 15.6 Hz, C-3',5'); 161.3 (C-5); 152.9 (C-3a); 145.8 (C-9a); 142.2 (t, J=8.4 Hz, C-1'); 140.8 (C-1"); 129.6 (qa, J=32.5 Hz, C-4"); 128.8 (C-2",6"); 125.3 (qa, J=3.8 Hz, C-3",5"); 124.4 (qa, J=272.5 Hz,
CF
3); 111.3 (dd, J=19.3 Hz 及び 4.9 Hz, C-2',6'); 102.8 (t, J=25.8 Hz, C-4'); 101.6 (C-5a); 61.4 (C-10); 50.6 (C-2); 49.3 (C-6); 48.4 (C-8); 46.9 (C-1); 45.0 (C-11); 26.8 (C-9)。
【0091】
実施例2:
4-(4-ブロモベンジル)-7-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(TBP-302)(化合物I/39)
【化18】
収量: 271 mg (56%). 融点: 173.5
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.36 (d, J=8.3 Hz, 2H, H-3",5"); 7.32 (d, J=8.3 Hz, 2H, H-2",6"); 6.84 (br dt, J~7 Hz 及び ~2 Hz, 2H, H-2',6'); 6.66 (tt, J=9.0 Hz 及び 2.3 Hz, 1H, H-4'); 4.95 (s, 2H, H-11); 3.87 (s, 4H, H-1 及び H-2); 3.60 (s, 2H, H-10); 3.23 (br s, 2H, H-6); 2.62 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-8); 2.44 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-9).
13C-NMR (CDCl
3): 163.1 (dd, J=250.2 Hz 及び 15.6 Hz, C-3',5'); 161.3 (C-5); 152.9 (C-3a); 145.8 (C-9a); 142.2 (t, J=8.4 Hz, C-1'); 135.9 (C-1"); 131.4 (C-3",5"); 130.6 (C-2",6"); 121.4 (C-4"); 111.3 (dd, J=19.3 Hz 及び 4.9 Hz, C-2',6'); 102.8 (t, J=25.7 Hz, C-4'); 101.6 (C-5a); 61.4 (C-10); 50.6 (C-2); 49.4 (C-6); 48.4 (C-8); 46.9 (C-1); 44.8 (C-11); 26.8 (C-9)。
【0092】
実施例3:
4-(4-フルオロベンジル)-7-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(ABB-011)(化合物I/7)
【化19】
収量: 290 mg (68%). 融点: 190.5
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.44 (dd, J=8.7 Hz 及び 5.7 Hz, 2H, H-2",6"); 6.92 (t, J=8.7 Hz, 2H, H-3",5"); 6.84 (br dt, J~7 Hz 及び ~2 Hz, 2H, H-2',6'); 6.66 (tt, J=8.9 Hz 及び 2.3 Hz, 1H, H-4'); 4.97 (s, 2H, H-11); 3.92-3.83 (m, 4H, H-1 及び H-2); 3.59 (s, 2H, H-10); 3.23 (br s, 2H, H-6); 2.62 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-8); 2.44 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-9).
13C-NMR (CDCl
3): 162.2 (d, J=162.2 Hz, C-4"); 163.1 (dd, J=250.0 Hz 及び 15.2 Hz, C-3',5'); 161.4 (C-5); 152.9 (C-3a); 145.5 (C-9a); 142.2 (t, J=8.4 Hz, C-1'); 132.7 (C-1"); 130.7 (d, J=7.9 Hz, C-2",6"); 115.0 (d, J=21.3 Hz, C-3",5"); 111.4 (dd, J=19.3 Hz 及び 4.9 Hz, C-2',6'); 102.7 (t, J=25.7 Hz, C-4'); 101.6 (C-5a); 61.4 (C-10); 50.6 (C-2); 49.4 (C-6); 48.4 (C-8); 46.9 (C-1); 44.7 (C-11); 26.7 (C-9)。
【0093】
実施例4:
4-(4-クロロベンジル)-7-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(TBP-333)(化合物I/124)
【化20】
収量: 332 mg (75%). 融点: 162.4
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.38 (d, J=8.3 Hz, 2H, H-2",6"); 7.20 (d, J=8.3 Hz, 2H, H-3",5"); 6.84 (br dt, J~7 Hz 及び ~2 Hz, 2H, H-2',6'); 6.66 (tt, J=9.0 Hz 及び 2.3 Hz, 1H, H-4'); 4.97 (s, 2H, H-11); 3.90-3.83 (m, 4H, H-1 及び H-2); 3.59 (s, 2H, H-10); 3.22 (br s, 2H, H-6); 2.62 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-8); 2.44 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-9).
13C-NMR (CDCl
3): 163.1 (dd, J=248.2 Hz 及び 14.6 Hz, C-3',5'); 161.3 (C-5); 152.9 (C-3a); 145.6 (C-9a); 142.2 (t, J=8.4 Hz, C-1'); 135.4 (C-1"); 133.2 (C-4"); 130.6 (C-2",6"); 128.4 (C-3",5"); 111.7 (dd, J=19.3 Hz 及び 4.9 Hz, C-2',6'); 102.7 (t, J=25.7 Hz, C-4'); 101.6 (C-5a); 61.4 (C-10); 50.6 (C-2); 49.4 (C-6); 48.4 (C-8); 46.9 (C-1); 44.7 (C-11); 26.7 (C-9)。
【0094】
実施例5:
4-(3-クロロベンジル)-7-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(TBP-344)(化合物I/125)
【化21】
収量: 302 mg (68%). 融点: 204.8
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.40 (br s, 1H, H-2"); 7.30 (m, 1H, H-5"); 7.18-7.15 (m, 2H, H-4",6"); 6.84 (br dt, J~7 Hz 及び ~2 Hz, 2H, H-2',6'); 6.66 (tt, J=8.9 Hz 及び 2.2 Hz, 1H, H-4'); 4.98 (s, 2H, H-11); 3.87 (br ~s, 4H, H-1 及び H-2); 3.59 (s, 2H, H-10); 3.24 (br s, 2H, H-6); 2.63 (t, 2H, J=5.6 Hz, H-8); 2.45 (t, 2H, J=5.6 Hz, H-9).
13C-NMR (CDCl
3): 163.1 (dd, J=248.6 Hz 及び 14.0 Hz, C-3',5'); 161.3 (C-5); 152.9 (C-3a); 145.7 (C-9a); 142.3 (t, J=8.4 Hz, C-1'); 138.8 (C-1"); 134.1 (C-3"); 128.4 (2つの合体ライン, C-2" 及び C-4"); 127.6 (C-6"); 126.8 (C-5"); 111.3 (dd, J=19.6 Hz 及び 5.1 Hz, C-2',6'); 102.7 (t, J=25.3 Hz, C-4'); 101.6 (C-5a); 61.3 (C-10); 50.6 (C-2); 49.4 (C-6); 48.4 (C-8); 46.9 (C-1); 44.9 (C-11); 26.8 (C-9)。
【0095】
実施例6:
rac-4-(4-クロロベンジル)-7-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(TBP-342)(化合物I/128(ラセミ体))
【化22】
収量: 38 mg (8%). 融点: 86
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.28 (d, J=8.3 Hz, 2H, H-2",6"); 7.23 (d, J=8.3 Hz, 2H, H-3",5"); 6.84 (br dt, J~7 Hz 及び ~2 Hz, 2H, H-2',6'); 6.67 (tt, J=9.0 Hz 及び 2.3 Hz, 1H, H-4'); 6.08 (dd, J=5.1 Hz 及び 1.6 Hz, 1H, H-11); 4.31 (dd, J=12.8 Hz 及び 5.1 Hz, 1H, H-12
A); 4.06 (dd, J=12.8 Hz 及び 1.6 Hz, 1H, H-12
B); 3.93-3.85 (m, 3H, H-1 及び H-2
A); 3.78 (m, 1H, H-2
B); 3.60 (s, 2H, H-10); 3.24 及び 3.21 (AA'BB'スピンシステムのA及びB部分, J
AB=14.9 Hz, 2x1H, H-6
A 及び H-6
B); 2.66 (m, 2H, H-8); 2.50 (m, 2H, H-9).
13C-NMR (CDCl
3): 163.1 (dd, J=248.2 Hz 及び 13.9 Hz, C-3',5'); 161.6 (C-5); 153.5 (C-3a); 146.0 (C-9a); 142.2 (t, J=8.4 Hz, C-1'); 135.2 (C-1"); 133.1 (C-4"); 139.0 (C-2",6"); 128.4 (C-3",5"); 111.4 (dd, J=19.3 Hz 及び 4.9 Hz, C-2',6'); 102.8 (t, J=25.7 Hz, C-4'); 102.4 (C-5a); 62.9 (C-12); 61.3 (C-10); 57.6 (C-11); 49.5 (C-2); 49.4 (C-6); 48.4 (C-8); 46.5 (C-1); 26.8 (C-9)。
【0096】
実施例7:
R-4-(4-フルオロベンジル)-7-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(TBP-339)(化合物I/129(R-鏡像異性体))
【化23】
収量: 51 mg (11%). 融点: 76
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.36 (dd, J=8.8 Hz 及び 5.8 Hz, 2H, H-2",6"); 6.96 (t, J=8.3 Hz, 2H, H-3",5"); 6.85 (br dt, J~7 Hz 及び ~2 Hz, 2H, H-2',6'); 6.67 (tt, J=9.0 Hz 及び 2.3 Hz, 1H, H-4'); 6.09 (dd, J=5.3 Hz 及び 1.6 Hz, 1H, H-11); 4.32 (dd, J=12.8 Hz 及び 5.3 Hz, 1H, H-12
A); 4.07 (dd, J=12.8 Hz 及び 1.6 Hz, 1H, H-12
B); 3.94-3.85 (m, 3H, H-1 及び H-2
A); 3.81 (m, 1H, H-2
B); 3.61 (s, 2H, H-10); 3.25 及び 3.21 (ABスピンシステムのA及びB部分, J
AB=14.9 Hz, 2x1H, H-6
A 及び H-6
B); 2.66 (m, 2H, H-8); 2.50 (m, 2H, H-9).
13C-NMR (CDCl
3): 163.1 (dd, J=248.2 Hz 及び 13.9 Hz, C-3',5'); 162.0 (d, J=245.8 Hz, C-4"); 161.6 (C-5); 153.5 (C-3a); 145.8 (C-9a); 142.1 (t, J=8.4 Hz, C-1'); 132.5 (br s, C-1"); 129.4 (d, J=7.8 Hz, C-2",6"); 115.1 (d, J=21.4 Hz, C-3",5"); 111.3 (dd, J=19.6 Hz 及び 5.2 Hz, C-2',6'); 102.8 (t, J=25.6 Hz, C-4'); 102.5 (C-5a); 63.1 (C-12); 61.3 (C-10); 57.6 (C-11); 49.5 (2つの合体ライン, C-2 及び C-6); 48.3 (C-8); 46.5 (C-1); 26.8 (C-9)。
【0097】
実施例8:
4-(3-(アミノメチル)ベンジル)-7-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(TBP-324)(化合物I/61)
【化24】
収量: 376 mg (86%). 融点: 129.5
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.33 (br s, 1H, H-2"); 7.30 (br d, J=7.6 Hz, 1H, H-6"); 7.22 (t, J=7.6 Hz 1H, H-5"); 7.15 (br d, J=7.6 Hz, 1H, H-4"); 6.84 (br dt, J~7 Hz 及び ~2 Hz, 2H, H-2',6'); 6.66 (tt, J=8.9 Hz 及び 2.3 Hz, 1H, H-4'); 5.00 (s, 2H, H-11); 3.92-3.83 (m, 4H, H-1 及び H-2); 3.79 (s, 2H, H-12); 3.59 (s, 2H, H-10); 3.24 (br s, 2H, H-6); 2.63 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-8); 2.45 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-9); 1.77 (br s, 2H, N
H
2).
13C-NMR (CDCl
3): 163.1 (dd, J=248.4 Hz 及び 14.1 Hz, C-3',5'); 161.5 (C-5); 153.2 (C-3a); 145.6 (C-9a); 143.2 (C-3"); 142.3 (t, J=8.4 Hz, C-1'); 137.2 (C-1"); 128.6 (C-5"); 127.3 (C-4"); 127.1 (C-2"); 126.2 (C-4"); 111.4 (dd, J=20.0 Hz 及び 5.0 Hz, C-2',6'); 102.7 (t, J=25.7 Hz, C-4'); 101.7 (C-5a); 61.4 (C-10); 50.7 (C-2); 49.4 (C-6); 48.4 (C-8); 46.9 (C-1); 46.4 (C-12); 45.4 (C-11); 26.7 (C-9)。
【0098】
実施例9:
4-(3-アミノベンジル)-7-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(TBP-346)(化合物I/126)
【化25】
収量: 347 mg (82%). 融点: 114.5
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.03 (t, J=7.9 Hz, 1H, H-5"); 6.85 (br dt, J~7 Hz 及び ~2 Hz, 2H, H-2',6'); 6.82 (br d, J=7.9 Hz, 1H, H-6"); 6.75 (br s, 1H, H-2"); 6.66 (tt, J=8.9 Hz 及び 2.3 Hz, 1H, H-4'); 6.52 (dd, J=7.6 Hz 及び 2.2 Hz, 1H, H-4"); 4.93 (s, 2H, H-11); 3.92-3.79 (m, 4H, H-1 及び H-2); 3.59 (s, 2H, H-10); 3.24 (br s, 2H, H-6); 2.62 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-8); 2.44 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-9);
13C-NMR (CDCl
3): 163.1 (dd, J=248.4 Hz 及び 14.1 Hz, C-3',5'); 161.5 (C-5); 153.0 (C-3a); 146.4 (C-3"); 145.3 (C-9a); 142.3 (t, J=8.4 Hz, C-1'); 138.0 (C-1"); 129.2 (C-5"); 119.0 (C-6"); 115.2 (C-2"); 114.3 (C-4"); 111.4 (dd, J=20.1 Hz 及び 5.4 Hz, C-2',6'); 102.7 (t, J=25.7 Hz, C-4'); 101.7 (C-5a); 61.4 (C-10); 50.6 (C-2); 49.4 (C-6); 48.4 (C-8); 46.8 (C-1); 45.3 (C-11); 26.7 (C-9)。
【0099】
実施例10:
4-(4-アジドベンジル)-7-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(CZT-136)
【化26】
収量: 270 mg (60%). 融点: 155.5
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.44 (d, J=8.3 Hz, 2H, H-2",6"); 6.90 (d, J=8.3 Hz, 2H, H-3",5"); 6.84 (br ~dt, J~7 Hz 及び ~2 Hz, 2H, H-2',6'); 6.66 (tt, J=9.0 Hz 及び 2.3 Hz, 1H, H-4'); 4.97 (s, 2H, H-11); 3.91-3.84 (m, 4H, H-1 及び H-2); 3.59 (s, 2H, H-10); 3.23 (br s, 2H, H-6); 2.63 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-8); 2.44 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-9).
13C-NMR (CDCl
3): 163.1 (dd, J=250.2 Hz 及び 15.6 Hz, C-3',5'); 161.4 (C-5); 152.9 (C-3a); 145.5 (C-9a); 142.2 (t, J=8.4 Hz, C-1'); 139.1 (C-4"); 133.8 (C-1"); 130.4 (C-2",6"); 118.9 (C-3",5"); 111.3 (dd, J=19.3 Hz 及び 4.9 Hz, C-2',6'); 102.7 (t, J=25.7 Hz, C-4'); 101.7 (C-5a); 61.4 (C-10); 50.6 (C-2); 49.4 (C-6); 48.4 (C-8); 46.9 (C-1); 44.8 (C-11); 26.8 (C-9)。
【0100】
実施例11:
7-(3-アジドベンジル)-4-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(TBP-272)
【化27】
収量: 313 mg (65%). 融点: 128.8
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.52 及び 7.50 (AA'BB'スピンシステムのA及びB部分, J
AB=8.9 Hz, 2x2H, H-3",5" 及び H-2",6", resp.); 7.26 (t, J=7.7 Hz, 1H, H-5'); 7.06 (d, J=7.7 Hz, 1H, H-6'); 6.99 (t, J=1.5 Hz, 1H, H-2'); 6.90 (dd, J=7.7 Hz 及び 1.5 Hz, 1H, H-4'); 5.06 (s, 2H, H-11); 3.87 (s, 4H, H-1 及び H-2); 3.61 (s, 2H,H-10); 3.24 (br s, 2H, H-6); 2.64 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-8); 2.45 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-9).
13C-NMR (CDCl
3): 161.7 (C-5); 153.0 (C-3a); 145.9 (C-9a); 140.8 (C-1"); 140.2 (C-3'); 140.0 (C-1'); 129.8 (C-5'); 129.6 (qa, J=32.5 Hz, C-4"); 128.9 (C-2",6"); 125.5 (C-6'); 125.3 (qa, J=3.5 Hz, C-3",5"); 124.4 (qa, J=272.5 Hz,
CF
3); 119,4 (C-2'); 118.1 (C4'); 101.7 (C-5a); 61.9 (C-10); 50.6 (C-2); 49.4 (C-6); 48.4 (C-8); 46.9 (C-1); 45.0 (C-11); 26.8 (C-9)。
【0101】
実施例12:
4-(3-アジドベンジル)-7-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(TBP-347)(化合物I/127)
【化28】
収量: 355 mg (79%). 融点: 158
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.23 (t, J=7.9 Hz, 1H, H-5"); 7.18 (br ~d, J~8 Hz 1H, H-6"); 7.10 (br s, 1H, H-2"); 6.87 (br ~d, J~8 Hz 1H, H-4"); 6.84 (br dt, J~7 Hz 及び ~2 Hz, 2H, H-2',6');6.66 (tt, J=8.9 Hz 及び 2.3 Hz, 1H, H-4'); 5.00 (s, 2H, H-11); 3.90-3.81 (m, 4H, H-1 及び H-2); 3.60 (s, 2H, H-10); 3.24 (br s, 2H, H-6); 2.63 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-8); 2.45 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-9);
13C-NMR (CDCl
3): 163.1 (dd, J=248.4 Hz 及び 13.7 Hz, C-3',5'); 161.3 (C-5); 153.0 (C-3a); 145.6 (C-9a); 142.3 (t, J=9.0 Hz, C-1'); 140.0 (C-3"); 138.9 (C-1"); 129.7 (C-5"); 125.1 (C-6"); 121.2 (C-2"); 118.0 (C-4"); 111.4 (dd, J=20.1 Hz 及び 5.4 Hz, C-2',6'); 102.7 (t, J=25.7 Hz, C-4'); 101.7 (C-5a); 61.3 (C-10); 50.6 (C-2); 49.4 (C-6); 48.4 (C-8); 46.9 (C-1); 45.0 (C-11); 26.8 (C-9)。
【0102】
実施例13:
7-ベンジル-4-(4-(4-フェロセニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(ABB-030)
【化29】
収量: 443 mg (71%). 融点: 165.4
oC.
1H-NMR (CDCl
3): 7.81 (s, 1H, H-12); 7.65 (d, J=7.9 Hz, 2H, H-3",5"); 7.59 (d, J=7.9 Hz, 2H, H-2",6"); 7.31-7.26 (m. 4H, H-2',3',5',6'); 7.22 (m, 1H, H-4'); 5.11 (s, 2H, H-11); 4.74 (t, J=1.8 Hz, 2H, H-15,18); 4.29 (t, J=1.8 Hz, 2H, H-16,17); 4.07 (s, η
5-C
5
H
5); 3.87 (br s, 4H, H-1 及び H-2); 3.63 (s, 2H,H-10); 3.27 (br s, 2H, H-6); 2.63 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-8); 2.44 (t, 2H, J=5.7 Hz, H-9).
13C-NMR (CDCl
3): 161.3 (C-5); 153.0 (C-3a); 147.5 (C-4'); 145.9 (C-9a); 130.1 (C-2",6"); 128.4 (C-2',6'); 127.4 (C-4'); 126.1 (C-3',5'); 120.1 (C-3",5"); 116.6 (C-12); 102.2 (C-5a); 75.0 (C-14); 69.6 (η
5-
C
5H
5); 68.8 (C-16,17); 66.8 (C-15,18); 62.3 (C-10); 50.6 (C-2); 49.5 (C-6); 48.3 (C-8); 46.8 (C-1); 44.9 (C-11); 26.8 (C-9)。
【0103】
実施例14:
4-アリールメチル置換7-(3,5-ジアジドベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-イミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(化合物I/138及びI/139)の合成
アジ化ナトリウム(0.260g、4mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(0.119g、0.60mmol)、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.080g、0.9mmol)、NaOH(0.012g、0.30mmol)、対応する7-(3,5-ジブロモベンジル)イミプリドンI/134又はI/135(1mmol)、及びCuI(0.057g、0.30mmol)を、脱気(アルゴンで30分間)したEtOH/H2O溶媒混合物(7:3)20mLに溶解し、還流温度で3時間加熱した。反応混合物を減圧下で元の容量の約3分の1に濃縮し、CH2Cl2(3×4mL)で抽出する。合わせた有機相を水(3×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾紙で濾過し、濃縮する。溶離液としてCH2Cl2/MeOH(99:1)を使用してカラムクロマトグラフィーにより最終精製を行う。
【0104】
実施例15:
4-アリールメチル置換7-(3,5-ジシアノベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-イミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(化合物I/136及びI/137)の合成
DMF(2mL)中の対応する7-(3,5-ジブロモベンジル)イミプリドンI/134又はI/135(1mmol)の撹拌溶液に、シアン化亜鉛(0.181g、1.2mmol)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンリガンド(DPPF、0.065g、0.117mmol)、及び最後にPd2dba3(45.8mg、0.05mmol)を連続して加える。フラスコを窒素でフラッシュし、油浴中110~120℃で20時間撹拌する。室温まで冷却した後、反応混合物を真空下で蒸発させる。得られた粗生成物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル:ヘキサン(1:4))に付し、ジシアノベンジル置換イミプリドンを純粋な生成物として得る。
【0105】
実施例16:
4-アリールメチル置換7-(3-チオシアナトベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-イミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(化合物I/142及びI/143)の合成
アルゴン雰囲気下で、対応する7-(3-ヨードベンジル)イミプリドン(I/140又はI/141)(1.0mmol)、CuSCN(0.12g、1.0mmol)、KSCN(0.095g、1.0mmol)、及びDMF(3mL)の混合物を油浴中で撹拌しながら加熱し、140℃で12時間維持する。冷却後、混合物をトルエン(5mL)及び水(5mL)で希釈し、次にセライト床を通して濾過する。水相をトルエン(2×5mL)で抽出し、合わせた有機相を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮する。残留物をシリカゲル(溶離液としてヘキサン)上でクロマトグラフィーにかけてチオシアネート生成物を得て、これをヘキサンからの再結晶によりさらに精製する。
【0106】
実施例17:
4-アリールメチル置換7-(3-セレノシアナトベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-イミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(化合物I/145及びI/146)の合成
ジオキサン(4mL)中の対応する7-(3-ヨードベンジル)イミプリドン(I/79及びI/144)の溶液に、6N HCl(10mL)を加える。得られた懸濁液を0℃に冷却し、次に水(2mL)中のNaNO2(0.415g、6ミリモル)をゆっくり添加する。30分間攪拌した後、飽和NaOAc溶液(約30mL)を少しずつ加えて、反応混合物のpHを5~6に調整する。得られた懸濁液を水(25mL)中のKSeCN(0.793g、5.5mmol)の溶液に0℃で注ぐ。30分間攪拌した後、反応混合物を室温まで温め、エーテルで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。残留物を、シリカ上のカラムクロマトグラフィーにより溶離液として酢酸エチル-ヘキサン(1:5)を使用して精製する。
【0107】
実施例18:
本例では、本発明による式(I)の化合物を列挙し、先行技術から知られている関連する参考文献と共に、我々の系統的な実験作業中に試験した代表的な化合物について、それらのインビトロ抗増殖アッセイの結果を示す。
【0108】
長期処理実験用の細胞培養物
認証された細胞培養物の欧州コレクション(European Collection of Authenticated Cell Cultures)(ECACC, Salisbury, UK) から得られるPANC-1(胆管起源のヒト膵臓癌)、COLO205(ヒト結腸直腸腺癌)、A2058(ヒト転移性メラノーマ)、及び日本研究資源バンク(Japanese Research Resources Bank)(東京、日本)から購入したEBC-1(ヒト肺扁平上皮癌)を使用して、イミプリドン誘導体の腫瘍増殖阻害効果を測定した。PANC-1細胞は、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、Lonza, Basel, Switzerland)で維持された。COLO-205細胞株の培養には、4500mg/Lのd-グルコースを配合したDMEM培地を使用した。EBC-1細胞は、1%非必須アミノ酸(NEAA、Gibco(登録商標)/Invitrogen Corporation, New York, NY, USA)、1mMピルビン酸ナトリウム(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)を含むDMEM培地で培養し、一方A2058細胞株はRPMI1640(Lonza, Basel, Switzerland)で増殖させた。すべての細胞株について、前述の基本培地に10%ウシ胎児血清(FBS, Gibco(登録商標)/Invitrogen Corporation, New York, NY, USA)、L-グルタミン(2mmol/L)(Lonza, Basel, Switzerland)、及び 100μg/mLペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco(登録商標)/Invitrogen Corporation, New York, NY, USA)を補足した。すべての細胞株は、標準条件(37℃、加湿5%CO2雰囲気)でプラスチック培養皿(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA or Eppendorf AG, Hamburg, Germany)で培養された。
【0109】
生存率アッセイ(長期処理実験)
インピーダンスベースのアッセイ
PANC-1細胞の細胞傷害性実験は、インピーダンスベースの xCELLigence SPシステム(ACEA Biosciences, San Diego, CA, USA)を使用して実施された。インピーダンス測定の基礎に関するより詳細な説明は、我々の過去の論文[22]に記載されている。電極表面に接着した細胞の数に比例するインピーダンスの変化をモニターすることは、細胞傷害性研究のための高感度な方法を提供する[23]。インピーダンスの変化は、xCELLigenceシステムに組み込まれたソフトウェア(RTCA2.0、ACEABiosciences, SanDiego, CA, USA)によって計算される細胞指数(Cell Index:CI)の形式で表される。IC50(細胞生存率を50%低下させる濃度)値を決定するために、試験されるイミプリドンをDMSOに溶解し、補足DMEM培地でさらに希釈して、2.5×10-4~5×10-7Mの濃度範囲を調製した。私たちのインピーダンス実験の工程は、[24]で示されたものと同じ方法で進行した。簡単に言えば、バックグラウンド測定中に一定のCI値を得た後、PANC-1細胞(1.5x104細胞/ウェル)をいわゆるEプレートに添加し、その接着/拡散を24時間モニターして、細胞培養物をプラトー相に落ち着かせた。最後の工程で、この平衡状態の細胞を試験化合物(最終濃度:2.5×10-5~5×10-8M)で処理し、CIの変化を10kHzで少なくとも72時間モニターした。対照ウェルの場合、適切な体積比のDMSOを加えた。各測定で3つの平行測定を行った。処理の72時間後に得られた各濃度のCI値は、DMSO対照のCI値に正規化された。シグモイド用量応答曲線をOriginPro8(OriginLabCorporation, Northampton, MA, USA)の非線形回帰関数にフィッティングすることによって、これらの正規化されたCI値についてIC50値を計算した。
【0110】
比色アッセイ
COLO-205及びA2058細胞株に対するイミプリドンの抗増殖/細胞傷害性効果は、アラマーブルーアッセイ(alamarBlue-assay)によって測定された。COLO-205細胞は弱い/無視できる程度の接着を示し、A2058細胞株はインピーダンス分析中に安定したプラトー相を確立できないため、この比色アッセイはこれらの細胞株の分析に、xCELLigenceシステムよりも適した方法であることが証明された。細胞の接種とアラマーブルーアッセイの手順は、我々の過去の論文[24]で報告された説明と同様であった。主な工程は次のとおりである:(i)細胞を96ウェルプレート(Sarstedt AG, Nuumbrecht, Germany)に104細胞/ウェル濃度で接種、(ii)試験物質を2.5×10-5~5×10-8Mの最終濃度で72時間処理、(iii)PBS(リン酸緩衝化生理食塩水、pH=7.2)に溶解したアラマーブルー試薬(0.15mg/mL、Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)の添加、及び(iv)アラマーブルー試薬で6~8時間インキュベーション後の試料の蛍光強度の読み取り。LS-50B発光分光計(Perkin Elmer Ltd., Buckinghamshire United Kingdom)を以下の設定で蛍光測定に適用した:励起波長=560nm、発光波長=590nm。各測定は3重測定で行われた。適切な体積比のDMSOを含むウェルを対照として使用した。各試料の蛍光強度は、DMSO対照の蛍光の比率として表された。正規化された蛍光強度にシグモイド用量応答曲線を当てはめるためにOriginPro8(OriginLab Corporation, Northampton, MA, USA)の非線形回帰関数を使用して、IC50値を計算した。
【0111】
結果のデータの統計的評価は、RTCA2.0(ACEA Biosciences, San Diego, CA, USA)、MSエクセル、OriginPro8(OriginLab Corporation, Northampton, MA, USA)ソフトウェアを使用して実行された。各実験から得られたデータは、数学的な平均を表す。IC50パラメータの標準偏差もシグモイド曲線フィッティングを用いて得られた。
【0112】
MTTアッセイを使用する短期細胞傷害性試験
短期間の細胞傷害性試験のために、A-431(ヒト扁平上皮癌)細胞及びU-87(ヒト原発性神経膠芽腫)細胞を、10%FCS(ウシ胎児血清、Sigma Ltd.)、2mMのL-グルタミン、及び160mg/mLのゲンタマイシンを補足したRPMI-1640培地で培養した。細胞培養物は、37℃で5%CO2の加湿雰囲気で維持された。細胞をコンフルエントになるまで増殖させ、ウェルあたり5.0×103の初期細胞数で96ウェルプレートに分配した。37℃で24時間インキュベーション後、細胞を、1.0v/v%のDMSOを含有する最終容量200μLの化合物で処理した。細胞を、10-4~102μMの濃度範囲の化合物と共に1時間インキュベートした。対照細胞は、無血清培地(RPMI-1640)のみ、又はDMSO(c=1.0v/v%)を有する無血清培地で37℃で1時間処理した。インキュベーション後、細胞を無血清(RPMI-1640)培地で2回洗浄した。インビトロ細胞増殖抑制効果を測定するために、細胞を10%血清含有培地でさらに72時間培養した。MTT溶液(45mL、2mg/mL、最終濃度:0.37mg/mL)を各ウェルに加えた。呼吸鎖[26,27]及びその他の電子伝達系[28]はMTTを低下させ、それによって細胞内で非水溶性の紫色のホルマザン結晶を形成する[29]。これらの結晶の量は、分光光学的に測定ですることができ、ウェル内のミトコンドリアの数、従って生細胞の数の推定値として役立つ[30]。4時間のインキュベーション後、細胞を5分間遠心分離し(900g)、上清を除去した。得られたホルマザン結晶をDMSO(100mL)に溶解し、試料の光学密度(OD)をELISAリーダー(iEMS Reader, Labsystems, Finland)を使用してそれぞれλ=540及び620nmで測定した。OD620値をOD540値から差し引いた。細胞増殖抑制の割合は、以下の式を使用して計算された:細胞増殖抑制効果(%)=[1-(OD処理/OD)対照]×100。OD処理値及びOD対照値は、それぞれ処理された細胞及び対照細胞の光学密度に対応する。いずれの場合も、2つの独立した実験が4つの並行測定で実行された。用量応答曲線から50%阻害濃度(IC50)値を決定した。曲線は、Microcal TM Origin1(バージョン7.5)ソフトウェアを使用して定義された:細胞増殖抑制を濃度の関数としてプロットし、シグモイド曲線にフィッティングし、この曲線に基づいて50%阻害濃度(half maximal inhibitory concentration:IC50)値を決定した。IC50は、インビトロで50%阻害するのに必要な化合物の濃度を表す。
【0113】
CellTiter-Glo発光細胞生存率アッセイを使用するEBC-1及びH2228肺癌細胞株の高処理能力スクリーニング
EBC-1(JRCBから入手、https://cellbank.nibiohn.go.jp/english/)及びH2228(ATCCから入手、https://www.lgcstandards-atcc.org/から入手)細胞株を、JRCB及びATCCから提供された説明書に従って、5%CO
2加湿インキュベーター中37℃の温度に維持された。細胞生存率に対する化合物の影響は、CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイ(Promega, Madison, WI, USA)によって測定された。細胞を平底の白色96ウェルプレート(BRANDplates、カタログ番号:781965)に1000個/ウェルで播種した。24時間後、細胞を100nM濃度の化合物で72時間処理した。処理後、培地を除去し、CellTiter-Glo(登録商標)試薬を加えた。未処理の細胞を対照として使用した。発光シグナルは、マイクロプレートリーダー(BioTek Synergy 2 Multi-Mode Reader, BioTek, Winooski, VT, USA)を使用して記録された。細胞生存率データ(未処理対照細胞の%)は、マイクロソフトエクセルを用いて評価された。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【0114】
a 肺癌細胞株EBC-1及びH2228に関する高処理能力スクリーニング(HTS)の結果が示されている。その後の実験で、HTSで強力であることが証明された化合物についてIC50値を決定した(表3)。
【0115】
実施例19:
いくつかの代表的なイミプリドンと参照としてのONC212は、以下のヒト悪性細胞株でさらに試験された:PC3とLNCap(前立腺癌);BxPC3、MiaPaCa2、及びPanc1(膵臓癌);A549、HCC827、H1993、及びH520(肺癌);MDA-MB-453及びMDA-MB-231(乳癌)(表2及び
図1~11を参照)。
【0116】
細胞株は、ATCC(https://www.lgcstandards-atcc.org/)によって提供された説明書に従って、5%CO2加湿インキュベーターで37℃の温度に維持された。細胞生存率に対する化合物の効果は、CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイ(Promega, Madison, WI, USA)によって測定された。細胞は1000細胞/ウェルで平底白色96ウェルプレート(BRANDプレート、カタログ番号:781965)に播種された。24時間後、細胞を3倍連続希釈された化合物濃度(300nM、100nM、33.3nM、11.1nM、3.7nM、1.2nM)で72時間処理された。処理後、培地を除去し、CellTiter-Glo(登録商標)試薬を加えた。発光シグナルは、マイクロプレートリーダー(BioTek Synergy 2 Multi-Mode Reader, BioTek, Winooski, VT, USA)を使用して記録された。
【0117】
細胞生存率データ(未処理の対照細胞の%)は、マイクロソフトエクセルで評価された。用量応答曲線(非線形回帰モデル、対数(阻害剤)対応答、可変勾配を使用)を作成し、Graph Pad Prism 5.02ソフトウェア(GraphPad Software, San Diego, CA, USA)を使用してIC50値を決定した。
【0118】
これらの試験で、我々の化合物は、ONC212よりはるかに優れた低ナノモル範囲のIC
50値を特徴とする非常に効率的な抗増殖剤であることが証明された。特にTBP-301とTBP-302は、極めて強力な抗癌剤と見なすことができる。一方、強力なアジド誘導体であるCZT-136及びTBP-272は、細胞標的を特定する独自の可能性を提供し、医薬品の承認に不可欠な特定の作用機序を明らかにする。
【表2】
【0119】
実施例20:
本発明の化合物の有効性を証明するための追加データ。
【表3】
【0120】
実施例21:細胞生存率アッセイのプロトコール
癌細胞の生存率に対する選択された化合物の効果をCellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイ(Promega, Madison, WI, USA)を用いて、製造元の説明書に従って測定した。細胞を平底白色の96ウェルプレート(BRANDplates(登録商標)、カタログ番号:781965)に播種した。接種された細胞の密度は、以下のようにサイズと増殖速度に基づいて最適化された:Panc-1:750細胞/ウェル;DU145、PC-3、Capan-1、MIAPaCa-2、SCC-25、FaDu、及びEBC-1:1000細胞/ウェル;LNCaP、デトロイト562、MDA-MB-231、及びMDA-MB-453:1500細胞/ウェル。48時間のインキュベーション後、細胞を3倍連続希釈した化合物濃度(300nM~1.2nMの範囲)で72時間処理した。未処理細胞(対応する細胞培養培地で72時間処理の間インキュベートしたもの)を対照として使用した。処理後、マイクロプレートリーダー(BioTek Synergy 2 Multi-Mode Reader, BioTek, Winooski, VT, USA)を使用して発光シグナルを記録した。用量応答曲線は、GraphPad Prism8.4.2ソフトウェアによって、非線形回帰モデル(可変勾配、4つのパラメーター)を使用して作成された(
図12~51を参照)。
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【0121】
実施例22:
本例は、Panc-1ヒト細胞株に対する本発明によるいくつかの化合物の細胞傷害性効果を証明する。IC
50値は、xCELLigence SP機器で測定した(
図52~61を参照)。以下の表は、24時間、48時間、72時間、及び96時間の処理後に得られたIC
50値を示す。
【表16】
【0122】
実施例23:
本例は、SCIDマウス(immunsuprimizedマウス)の皮下増殖しているMDA-MB-231腫瘍異種移植片に対する化合物I/1(ONC212)、I/7(ABB-011)、I/124(TBP-333)、及びI/107(CZT-136)の抗腫瘍効果を示す。
【0123】
MDA-MB-231ヒト三重陰性乳癌異種移植片は、免疫不全(SCID)マウスの背中に腫瘍細胞を皮下接種することによって形成された。試験された材料は、2~3日ごとに3週間、動物の腹腔内に注射された。
【0124】
実験結果は、試験したすべての化合物が腫瘍体積を減少させるが、この効果はI/124(TBP-333)の場合にのみ有意であることを示した。
【0125】
実験計画:
試験された化合物:
参照としてI/1(ONC212):
0.022mg/動物/処置;用量:0.88mg/kg
0.036mg/動物/処置;用量:1.466mg/kg
I/7(ABB-011):
0.0213mg/動物/処置;用量:0.85mg/kg
0.0355mg/動物/処置;用量:1.416mg/kg
I/124(TBP-333):
0.022mg/動物/処置;用量:0.89mg/kg
0.036mg/動物/処置;用量:1.466mg/kg
I/107(CZT-136):
0.022mg/動物/処置、用量:0.89mg/kg
0.036mg/動物/処置;用量:1.466mg/kg
及び、対照として1%DMSOを含む生理食塩水。
【0126】
40匹のSCIDマウスが実験に含まれた。実験中、各動物群は別々のケージで維持された。各ケージには、動物の生年月日、腫瘍細胞注射の日付、動物の数と性別が記載された識別カードがあった。各物質の注射は識別カードに書かれた。物質ごとに8匹の動物が使用され、耳を傷つけることによって識別された。
【0127】
これらの試験で使用された動物は、ヘルシンキ宣言に基づく「動物の管理と使用に関する指導原則(Guiding Principles for the Care and Use of Animals)」に従って管理され、試験は地元の倫理委員会によって承認された。
【0128】
動物は、IVC(個別換気ケージ)システムで滅菌ケージ内に収容され、12時間の明期と12時間の暗期の制御サイクルで、明期は07:00時から19:00時の間であった。温度と湿度は実験全体を通して毎日記録された。滅菌された齧歯動物特別品質管理食(VRF1、Special Diets Services Ltd, Witham, UK)及び酸性化(pH=3)した滅菌蒸留水は、試験期間を通じて自由に利用できた。
【0129】
各バッチの食事には、栄養成分を詳述した分析証明書が添付されていた。マウスの健康状態は、動物施設のスタッフによって評価された。
【0130】
MDA-MB-231ヒト三重陰性乳癌細胞は、10%ウシ胎児血清(Sigma)と1%ペニシリン-ストレプトマイシン(Sigma)を補足したRPMI1640培地(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)中で、37℃で5%CO2の加湿雰囲気中で培養した。単層培養からの細胞を0.02%EDTA(Sigma)で剥がし、無血清培地で2回洗浄し、1細胞懸濁液をSCIDマウスの背部に1.3x106細胞/動物の数で皮下接種した。腫瘍体積が検出可能なサイズに達したとき(約100~200mm3、腫瘍細胞接種の12日後)、試験生成物を腹腔内に接種した。
【0131】
試験化合物はすべて、粉末として提供された。粉末はDMSOに溶解した。最終処理濃度として、化合物を生理食塩水で1:100希釈した(1%DMSO)。
【0132】
試験化合物はすべて、1%DMSOを含む0.3ml容量の生理食塩水溶液を週3回、腹腔内注射により投与することを計画した。しかしながら、実験中、このスケジュールは変更された:07.19から、毎日0.5ml容量の腹腔内注射が実行された(表17)。
【表17】
【0133】
実験中、動物の体重と腫瘍の大きさを記録した。試験した化合物は体重減少を引き起こさなかった(
図62)。
【0134】
腫瘍体積は、実験中、週に3回測定された。試験した化合物のすべてが腫瘍増殖を低下させたが、その効果はTBP-333の場合にのみ有意であった(
図63)。
【0135】
化合物の抗腫瘍効果は、実験終了後に各群の腫瘍重量を測定することでも評価された(
図64及び65)。腫瘍重量に基づいて、TBP-333が最高の有意な阻害を示すことがわかったが、試験した化合物はすべて、対照と比較して腫瘍重量を減少させた.
【0136】
実験結果は、試験された薬物が抗腫瘍効果を有することを示し、これは、実験終了時の体積と腫瘍塊の両方で示されたが、この効果はTBP-333の場合にのみ有意であった。材料の溶解性を向上させたり、又は何らかの方法で送達量を増やすことができれば、さらに大きな効果が得られると考えられる。
【0137】
上記の結果に基づいて、次の点に注意する必要がある。
イミプリドン骨格の4位と7位に結合したベンジル基の置換パターンの影響に関して、我々は、4位に同一の置換基(N-4原子上のベンジル基)を有する[7-(3",5"-ジフルオロベンジル)]-置換化合物が、これらの[7-(3"-フルオロベンジル)]-置換対応物(TBP-301対CZT-021、ABB-011対TBP-218、及びTBP-333対TBP-353)よりも有意に強い抗増殖活性を示すことを明確に確立した。これは、IC50値(表16)と、異なる方法によってヒト悪性細胞株に対して実施されたインビトロアッセイによって得られた実施例21で証明された細胞生存率データとに明確に反映されている。我々の元のアジドベンジル誘導体を含むすべての[7-(3"-フルオロベンジル)]-イミプリドンでさえ、本発明の各比較インビトロ試験において、ONC-212よりもはるかに高活性であることを強調しなければならない。元のモノアジド誘導体もまた、試験した細胞株に対して極めて優れた活性プロファイルを示した。PANC-1細胞株で測定されたIC50値によって示される(表16)ように、[7-(3"-アジドベンジル)]イミプリドンTBP-272及びTBP-400が、それぞれ対応する[7-(3"-フルオロベンジル)]イミプリドンCZT-021及びTBP-353より高い細胞傷害性を示すことは、効率プロフィールにおける顕著な優位性と新規性である。この傾向は、一連の細胞株に対するCellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイによって実施されたアッセイでも明らかになった(実施例21を参照)。
【0138】
最後に、測定されたすべてのIC50及び細胞生存率データを考慮に入れると、我々が初めて調製し試験したインビトロレベルのイミプリドン4-(4-クロロベンジル)-7-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,4,6,7、8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリド[3,4-e]ピリミジン-5(1H)-オン(TBP-333)は、これまで物理的に同定された低分子抗癌剤イミプリドンファミリーのメンバーの最も強力な代表であると言うことができる。
【0139】
産業上の利用可能性
本発明の化合物は抗癌活性を有するため、これらの化合物は医薬での使用に適している。
【0140】
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【国際調査報告】