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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(54)【発明の名称】海底用途向けの無停電電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20230818BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20230818BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
H02J9/06 110
H02J7/34 G
H02J7/34 B
H02J7/00 301B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517954
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2021075096
(87)【国際公開番号】W WO2022058279
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】20196926.8
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミッドタン、ポール
(72)【発明者】
【氏名】プレトローブ、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ノタリ、ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】コロンビ、シルビオ
(72)【発明者】
【氏名】コルスタット、ヘルゲ
(72)【発明者】
【氏名】カタパネ、パオロ
【テーマコード(参考)】
5G015
5G503
【Fターム(参考)】
5G015JA56
5G503BA02
5G503BB02
5G503DA05
5G503FA03
(57)【要約】
本発明は、海底用途向けの無停電電源、UPS装置(10、110、210、211)であって、海底オペレーション向けに配置及び構成された容器(20、120)を備え、次の主要モジュール(30、130)、すなわち、所定のバッテリ容量の少なくとも1つのバッテリモジュール(40、42、140)と、所定のUPS容量を有する、バッテリモジュールを支配する少なくとも1つのUPSモジュール(50、52、54、150、500)と、バッテリモジュール及びUPSモジュールをインターフェース接続し、管理するように構成された少なくとも1つの制御モジュール(60、62、160)とが、前記容器の内側に配置される、UPS装置に関する。UPS装置は、その全体容量を、少なくともバッテリ及びUPSモジュールの数に基づいて変えるように配置及び構成され、少なくとも1つのバッテリモジュール及び少なくとも1つのUPSモジュールは、UPSモジュールからの熱損失がバッテリモジュールを加熱するために使用されるように、内部に配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底用途向けの無停電電源、UPS装置(10、110、210、211)であって、
海底オペレーション向けに配置及び構成された容器(20、120)を備え、
以下の主要モジュール(30、130)、すなわち
所定のバッテリ容量の少なくとも1つのバッテリモジュール(40、42、140)と、
所定のUPS容量を有する、前記バッテリモジュールを支配する少なくとも1つのUPSモジュール(50、52、54、150、500)と、
前記バッテリモジュール及び前記UPSモジュールをインターフェース接続し、管理するように構成された少なくとも1つの制御モジュール(60、62、160)とが、前記容器の内側に配置され、
前記UPS装置が、その全体容量を、少なくともバッテリ及びUPSモジュールの数に基づいて変えるように配置及び構成され、前記少なくとも1つのバッテリモジュール及び前記少なくとも1つのUPSモジュールは、前記UPSモジュールからの熱損失が前記バッテリモジュールを加熱するために使用されるように、内部に配置される、UPS装置。
【請求項2】
前記主要モジュール(30)が、別個の機能グループにセットアップされ、各別個の機能グループが、少なくとも1つの制御モジュール(60、62)と、少なくとも1つのUPSモジュール(50、52、54)と、少なくとも1つのバッテリモジュール(40、42)とを備え、前記UPS装置が、その全体容量を、機能グループの数に基づいて変えるように配置及び構成される、請求項1に記載のUPS装置(10)。
【請求項3】
少なくとも1つのバッテリモジュール(40、42)、少なくとも1つのUPSモジュール(50、52、54)、又は少なくとも1つの制御モジュール(60、62)が、少なくとも2つの機能グループ間で共有される、請求項2に記載のUPS装置(10)。
【請求項4】
前記バッテリモジュール(40、42、140)が、前記UPSモジュール(50、52、54、150)から物理的に分離され、互いに別々に数が変えられ得る、請求項1から3のいずれか一項に記載のUPS装置(10、110)。
【請求項5】
バッテリモジュール(40、42)の数が、UPSモジュール(50、52、54)の数とは異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載のUPS装置(10)。
【請求項6】
前記UPS装置の全体容量が、前記バッテリモジュール(140)又は複数のバッテリモジュール(40、42)の組み合わせられたバッテリ容量、及び前記UPSモジュール(150)又は複数のUPSモジュール(50、52、54)のUPS容量の結果となる、UPS-バッテリ容量である、請求項1から5のいずれか一項に記載のUPS装置(10、110)。
【請求項7】
前記UPS装置が、その全体容量を、少なくとも制御モジュール(60、62、160)の数に基づいてさらに変えるように配置及び構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のUPS装置(10、110)。
【請求項8】
前記容器(20、120)が、少なくとも前記主要モジュール(30、130)を収容する内側空間(24、124)を形成する外側筐体(22、122)を備え、前記外側筐体が、前記内側空間のサイズを変えるように適応可能である、請求項1から7のいずれか一項に記載のUPS装置(10、110)。
【請求項9】
前記容器(20、120)が、標準化された容器である、請求項1に記載のUPS装置(10、110)。
【請求項10】
主要電源(220)及び前記主要電源によって給電される負荷(230)と直列に接続されるように配置及び構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のUPS装置(10、110、210)。
【請求項11】
入力電力トランスフォーマ(80、180)及び/又は出力電力トランスフォーマ(90、190)をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のUPS装置(10、110)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのUPSモジュール(50、52、54、150、500)が、保護及び接続解除機能(520)を含む電力回路(510)を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のUPS装置(10、110、210、211)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のUPS装置(10、110、210、211)と、負荷(230、231)に接続可能である主要電源(220、221)を備える電源(200、201)システム。
【請求項14】
前記UPS装置(210)と前記主要電源(220)が、前記UPS装置が使用時に、電力エネルギーを前記主要電源から前記負荷(230)に少なくとも部分的に伝達するように、直列に接続される、請求項13に記載の電源システム(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、無停電電源UPSに関する。本発明は、より詳細には、海底用途向けのUPS装置及びUPS装置を備える電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
海底送電網は、海底用途、たとえば、3000mの水深において海床に沿ってガスを圧縮するために使用されるコンプレッサに電力を供給するために設置される。海底送電網は、トランスフォーマと、スイッチギヤと、可変速度ドライブ(VSD)と、無停電電源(UPS)とを含むことができる。UPSは、海底送電網が、たとえば、必要な場合にプロセスを安全に停止させるためのバックアップ電力を必要とする臨界負荷に供給するために使用されるものである場合、特に有利である。そのような臨界負荷は、たとえば、制御システム、電気アクチュエータ、又はコンプレッサ能動型磁気ベアリングであり得る。
【0003】
UPS又はUPS装置は、海床において動作する海底UPS装置であり得る。これにより、通常、UPSが海底送電網の海底主要電源からの電力によって供給可能であり、UPS用のケーブルが上側まで、又は陸のUPSまで延びる必要がないため、コストが削減される。さらに、UPSを対応する負荷に近づけて配置することにより、長いケーブル内での電圧降下による電力損失及び負荷依存電圧変動が、最小限に抑えられ得る。海底USP装置は、通常、より望ましい動作環境を提供するために圧力補償容器内に収容されたバッテリ及び制御システムを含む。海底用途向けのそのようなUPS装置の例が、国際公開第2007/055587号に記載されている。
【0004】
しかし、たとえば圧力補償容器のような海底環境に応じた海底UPSの適応、改変、及び広範囲の海底認定プログラムにより、設備コストは上昇する。これは、世界的に海底UPSの設置が比較的少ないことと相まって、海底UPS装置をより効率的でコスト効果の高いものにする上での必要性を提起している。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、上記の問題の少なくともいくつかを克服し、従来技術の解決策と比較して少なくともある程度改良されたUPS装置を提供することである。この目的及び以下で明らかになる他の目的は、海底用途向けのUPS装置ならびにUPS装置及び主要電源を備える電源システムによって達成される。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、海底用途向けの無停電電源、UPS装置が、提供される。UPS装置は、
-海底オペレーション向けに配置及び構成された容器を備え、
-以下の主要モジュール、すなわち
-所定のバッテリ容量の少なくとも1つのバッテリモジュールと、
-所定のUPS容量を有する、バッテリモジュールを支配する少なくとも1つのUPSモジュールと、
-バッテリモジュール及びUPSモジュールの動作を制御するように構成された少なくとも1つの制御モジュールとが、前記容器の内側に配置され、
UPS装置は、その全体容量を、少なくともバッテリ及びUPSモジュールの数に基づいて変えるように配置及び構成される。
【0007】
これにより、UPS装置の全体容量がバッテリモジュール及びUPSモジュールの数に基づいて容易に適応されるため、従来技術の解決策と比較して改良されたUPS装置が提供される。たとえば、バッテリモジュール及びUPSモジュールの組み合わせられた数は、少なくとも3つである。したがって、UPS装置の全体容量は、少なくとも1つのバッテリモジュール及び少なくとも1つもしくは少なくとも2つのUPSモジュールを有することによって、又は少なくとも2つのバッテリモジュール及び少なくとも1つのUPSモジュールを有することによって変えられ得る。バッテリ及びUPSモジュールの冗長性のために、少なくとも2つのモジュール及び少なくとも2つのUPSモジュールが、容器の内側に設けられる。
【0008】
UPS装置の全体容量の容易な適応を提供することにより、少なくともさまざまなUPS装置の製造プロセスが簡易化される。さらに、同じタイプの主要モジュールがUPS装置の異なる全体容量に対して使用されるため、認定及び試験が簡易化され得る。すなわち、同じ原理構成が(場合によっては同じ容器も)、異なる全体容量のUPS装置を製造するために使用され得る。換言すれば、UPS装置は、同じ主要モジュールを使用して、UPS装置の全体容量の所望の必要性に基づいて拡大又は縮小可能であり、この拡縮は、少なくともバッテリ及びUPSモジュールの組み合わせられた数に基づいている。
【0009】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、主要モジュールは、少なくとも2つのバッテリモジュールと、少なくとも2つのUPSモジュールとを備える。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、主要モジュールは、複数のバッテリモジュール及び/又は複数のUPSモジュールを備え、複数は、3つ以上である。
【0010】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、主要モジュールは、別個の機能グループにセットアップされ、各別個の機能グループは、少なくとも1つの制御モジュールと、少なくとも1つのUPSモジュールと、少なくとも1つのバッテリモジュールとを備え、UPS装置は、その全体容量を、機能グループの数に基づいて変えるように配置及び構成される。
【0011】
これにより、UPS装置の全体容量を変える有利な対策、又はそのための技術的手段が提供される。各別個の機能グループは、それ独自の別個の容量を有することができ、別個の容量の合計は、UPS装置の全体容量である。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、少なくとも2つの別個の機能グループの別個の容量は、互いに異なっている。
【0012】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのバッテリモジュール、少なくとも1つのUPSモジュール、又は少なくとも1つの制御モジュールは、少なくとも2の機能グループ間で共有される。
【0013】
これにより、主要モジュールの効率的な使用が提供される。たとえば、制御モジュールは、少なくとも2つの機能グループによって共有され、したがって、少なくとも2つの異なるバッテリ-UPSモジュールグループの動作を制御することができる。
【0014】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、バッテリモジュールは、UPSモジュールから物理的に分離され、互いに別々に数が変えられ得る。
【0015】
2つ以上のバッテリモジュール及び/又はUPSモジュールの場合、バッテリモジュールの各1つは、通常、UPSモジュールから物理的に分離される。したがって、バッテリモジュール及びUPSモジュールは、別々に制御され、容器の内側に別々に配置され得る。
【0016】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、バッテリモジュール及びUPSモジュールは、たとえば鋼キャニスタ又は鋼チューブなどのそれぞれのキャニスタ内に備えられる。各キャニスタは、通常、海底環境に耐えるように配置及び構成され、たとえばN2などのガスで充填され得る。あるいは、容器は、たとえば油などの誘電液体で充填された(容器の外側の圧力に対応するための)圧力補償容器であり、バッテリモジュール及びUPSモジュールは、容器の内側の圧力を受けることになる。
【0017】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、バッテリモジュールの数は、UPSモジュールの数とは異なる。
【0018】
これにより、バッテリモジュール又はUPSモジュールの単一のモジュールは、別のUPSモジュール又はバッテリモジュールそれぞれを支持することができ、したがってバッテリ及びUPSモジュールを効率的に使用する。そのような実施形態の場合、バッテリ及びUPSモジュールの組み合わせられた数は、少なくとも3つである。
【0019】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、UPS装置の全体容量は、バッテリモジュール又は複数のバッテリモジュールの組み合わせられたバッテリ容量、及びUPSモジュール又は複数のUPSモジュールのUPS容量の結果となる、UPS-バッテリ容量である。
【0020】
したがって、各バッテリモジュールは、バッテリ容量を有し、各UPSモジュールは、(たとえば、取り扱うことができるバッテリモジュールの数又はバッテリ容量に関連する)UPS容量を有し、これら2つのタイプのモジュールの組み合わせられた容量の結果、UPS装置のUPS-バッテリ容量となる。
【0021】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、UPS装置は、その全体容量を、少なくとも制御モジュールの数に基づいてさらに変えるように配置及び構成される。
【0022】
したがって、各制御モジュールは、(たとえば、取り扱うことができるバッテリモジュール及びUPSモジュールの数に関連する)制御容量を有し、この制御容量は、UPS装置の全体容量内に含まれる。
【0023】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのバッテリモジュール及び少なくとも1つのUPSモジュールは、UPSモジュールからの熱損失がバッテリモジュールを加熱するために使用されるように、内部に配置される。
【0024】
これにより、エネルギーの効率的な使用が提供され、及び/又はバッテリモジュールのより望ましい周囲温度が提供される。したがって、バッテリモジュールの外部加熱装置は、低減されるか、又は省略されてもよい。たとえば、少なくとも1つのバッテリモジュールは、少なくとも1つのUPSモジュールからの熱損失からの熱が対流式に及び/又は伝導式に少なくとも1つのバッテリモジュールに伝達されるように、少なくとも1つのUPSモジュールに隣接して内部に配置される。あるいは、UPS装置は、少なくとも1つのUPSモジュールからの熱損失からの熱を少なくとも1つのバッテリモジュールに伝達するように構成された別々の伝熱装置を備える。少なくとも3つのバッテリ及びUPSモジュールを有する実施形態の場合、モジュールは、UPSモジュールからバッテリモジュールへの伝熱を最適化するように配置される。たとえば、バッテリモジュールは、UPSモジュールを少なくとも部分的に封入するように配置され得る。
【0025】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、バッテリモジュールの各1つは、リチウムイオンバッテリを備える。そのようなバッテリは、好ましくは、海底温度(0~4℃)において動作するときに加熱され、UPSモジュールからの熱損失を利用するための装置は、特に有利である。
【0026】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、容器は、少なくとも主要モジュールを収容する内側空間を形成する外側筐体を備え、外側筐体は、内側空間のサイズを変えるように適応可能である。
【0027】
これにより、主要モジュールの少なくともいくつかの数を変えることによって、UPS装置を拡大又は縮小する可能性を提供するための容易であるが効果的な手段が、提供される。容器は、たとえば、所定のサイズのセクションによって構築されてもよく、セクションの数は、内側空間のサイズを決定する。したがって、より大きい内側空間が必要とされる場合、より多くのセクションが容器内に含まれ、より小さい内側空間が必要とされる場合、より少ないセクションが容器内に含まれる。たとえば、内側空間のサイズは、容器の長手方向に沿って変えられる。換言すれば、容器の高さは、内側空間のサイズが変えられているとき、一定に保たれ得る。
【0028】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、容器は、標準容器である。
【0029】
したがって、容器は、所定のサイズで作製され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、容器は、さまざまなサイズの海底用途(たとえば3000mまでの水深)向けに認定されており、又は適応可能な外側筐体を備える容器は、海底用途向けに認定されている。
【0030】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、主要モジュールは、認定された及び/又は標準のモジュールである。したがって、主要モジュールの各々は、海底用途(たとえば3000mの水深まで)向けに認定されていてもよく、及び/又は所定のサイズで作製されてもよい。
【0031】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、UPS装置は、主要電源及び主要電源によって給電される負荷と直列に接続されるように配置及び構成されている。
【0032】
これにより、UPS装置は、主要電源におけるいかなる電力損失もすばやく直接的に補償することができる。さらに、主要電源及び負荷に直列に接続されたUPS装置を有することによって(すなわち主要電源と負荷との間に配置されることによって)、電気エネルギーの少なくとも一部が、UPS装置を介して伝達され、バッテリモジュール内のバッテリ又は複数のバッテリは、充電され得る。
【0033】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、UPS装置は、主要電源によって給電される負荷に関連して主要電源に並列に接続されるように配置及び構成されている。
【0034】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、UPS装置は、入力及び/又は出力電力トランスフォーマをさらに備える。
【0035】
入力及び出力電力トランスフォーマの構成は、好ましくは、UPS装置の意図する使用に基づいて適応される。たとえば、入力電力トランスフォーマは、たとえば主要電源などの電源から電力を受け取るように配置及び構成され、出力電力トランスフォーマは、電力を負荷に伝送するように配置及び構成される。
【0036】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのUPSモジュールは、保護及び接続解除機能を含む電力回路を備える。
【0037】
これにより、UPSモジュールは、内部故障の場合に接続解除され得る。各UPSモジュールは、負荷に電力を供給するために必要とされるすべての必要な電力、インターフェース、及び必要とされる制御機能をさらに備えることができる。
【0038】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのバッテリモジュールは、保護及び接続解除機能を含む電力回路を備える。
【0039】
これにより、バッテリモジュールは、内部故障の場合に接続解除され得る。各バッテリモジュールは、バッテリセルと、単独バッテリモジュール又はバッテリエネルギー貯蔵に必要とされるBMSとをさらに備えることができる。
【0040】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの制御モジュールは、UPSモジュール及びバッテリモジュールをインターフェース接続し、管理するために必要とされるすべての必要な電力、制御、保護、及び接続解除機能を備える。
【0041】
本発明の第2の態様によれば、負荷に接続可能である、本発明の第1の態様によるUPS装置及び主要電源を備える電源システムが、提供される。
【0042】
本発明の第2の態様の効果及び特徴は、少なくともUPS装置を参照しながら本発明の第1の態様に関連して上記で説明されたものにほとんど類似している。本発明の第1の態様に関連して言及された実施形態は、以下でそのいくつかが例証される本発明の第2の態様にほとんど適合可能である。
【0043】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、UPS装置及び主要電源は、UPS装置が使用時に、電力エネルギーを主要電源から負荷に少なくとも部分的に伝達するように、直列に接続される。
【0044】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、UPS装置は、バッテリモジュールを充電するために、伝送された電気エネルギーの少なくとも一部を使用するように配置及び構成される。
【0045】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、UPS装置及び主要電源は、負荷に関連して並列に接続される。
【0046】
本出願において言及されるいずれの標準又は認定も、本出願の優先日に有効である指示に基づくものである。本発明のさらなる利点及び特徴は、以下の説明及び付属の図において開示され、論じられる。
【0047】
次に、本発明の概念のこれら及び他の態様が、本発明の概念の例示的な実施形態を示す付属の図を参照しながら、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明の少なくとも1つの実施形態によるUPS装置の概略図。
図2】本発明の少なくとも1つの実施形態によるUPS装置の斜視図。
図3A】本発明の少なくとも1つの実施形態による電源システムの概略図。
図3B】本発明の少なくとも1つの実施形態による別の電源システムの概略図。
図4】本発明の例示的な実施形態に対するUPSモジュールの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下の説明では、本発明の完璧な理解を提供するために、限定ではなく説明する目的で、特定の構成要素、インターフェース、技術などの特有の詳細が記載される。しかし、本発明がこれらの特有の詳細から逸脱する他の実施形態において実施されてもよいことが、当業者に明らかであろう。他の場合、よく知られているデバイス、回路、及び方法の詳細な説明は、本発明の説明を不必要な詳細で曖昧にしないために省略される。
【0050】
図1は、海底用途向けの無停電電源装置10を概略的に示す。無停電電源という用語は、ここからUPSに省略される。UPS装置10は、ここでは筐体箱20として概略的に示される容器20と、容器20内に収容又は封入された3つの異なるタイプの主要モジュール30とを備える。3つのタイプの主要モジュール30は、バッテリモジュールである第1のタイプ、UPSモジュールである第2のタイプ、及び制御モジュールである第3のタイプである。図1の特定の例では、UPS装置10は、(一般にバッテリモジュール40、42と称される)第1のバッテリモジュール40及び第2のバッテリモジュール42と、(一般にUPSモジュール50、52、54と称される)第1のUPSモジュール50、第2のUPSモジュール52、及び第3のUPSモジュール54と、(一般に制御モジュール60、62と称される)第1の制御モジュール60及び第2の制御モジュール62とを備える。バッテリモジュール40、42の各1つは、所定のバッテリ容量を有し、UPSモジュール50、52、54の各1つは、バッテリモジュール40、42の支配に関連する所定のUPS容量を有する。この目的のために、各UPSモジュールには、通常、たとえば保護及び接続/接続解除可能性のための構成要素を含む関連する電力回路が装備される。さらに、UPS装置10は、(図3A及び3Bにさらに示されるように)、主要電源からの電気エネルギーを適切に変換し、負荷に伝達するための入力電力トランスフォーマ80及び出力電力トランスフォーマ90それぞれを備える。
【0051】
これもまた図1に示されるように、バッテリモジュール40、42は、好ましくはバッテリ及びUPSモジュール40、42、50、52、54の各々が、たとえば鋼キャニスタ又は鋼チューブなどのキャニスタ内に含まれていることによって、UPSモジュール50、52、54から物理的に分離される。さらに、図1では、バッテリモジュール40、42の数は、UPSモジュール50、52、54の数とは異なる。図1の実施形態では、バッテリモジュール40、42は、ブリッジ70に電気的に接続され、このブリッジには、UPSモジュール50、52、54の各1つも接続される。バッテリモジュール40、42及びUPSモジュール50、52、54は、UPSモジュール50、52、54からの熱損失がバッテリモジュール40、42を加熱するために使用されるように、容器20内に互いに隣接して配置される。これにより、バッテリモジュール40、42の周囲温度は、バッテリモジュール40、42の動作に関してより好適な状態に持っていかれ得る。バッテリモジュール40、42及びUPSモジュール50、52、54が、UPSモジュール50、52、54からバッテリモジュール40、42に熱を輸送するために容器20内で互いに隣接して配置される必要はなく、別々の伝熱装置がこの目的のために設けられてもよいことに留意されたい。
【0052】
図1に示されるように、第1及び第2の制御モジュール60、62は、たとえばバッテリモジュール40、42及びUPSモジュール50、52、54をインターフェース接続し、管理する動作を制御するために、UPSモジュール50、52、54及びバッテリモジュール40、42に通信可能に接続される。より詳細には、UPS装置10は、主要モジュール30の別個の機能グループで構築され、各機能グループは、少なくとも1つの制御モジュール60、62と、少なくとも1つのUPSモジュール50、52、54と、少なくとも1つのバッテリモジュール40、42とを備える。主要モジュール30の特定のモジュールが、2つ以上の別個の機能グループ内に備えられてもよい(すなわち別個の機能グループ間で共有されてもよい)ことに留意されたい。別個の機能グループの数は、UPS装置10の所望の全体容量に基づいて適応されてもよく、したがって、UPS装置10内の主要モジュール30の総数は、変えられてもよい。異なって言えば、UPS装置10は、その全体容量を、少なくともバッテリモジュール40、42及びUPSモジュール50、52、54の数に基づいて変えるように構成される。より詳細には、UPS装置10は、バッテリモジュール40、42及びUPSモジュール50、52、54の組み合わせられた容量、すなわち、バッテリモジュール40、42の組み合わせられたバッテリ容量及びUPSモジュール50、52、54の組み合わせられたUPS容量の組み合わせの結果となる、UPS-バッテリ容量である全体容量を有する。追加的に、UPS装置10は、その全体容量を、少なくとも制御モジュール60、62の数に基づいて変えるようにさらに配置及び構成され得る。
【0053】
たとえば、第1の別個の機能グループは、第1のバッテリモジュール40、第1及び第2のUPSモジュール50、52、及び第1の制御モジュール60で構成することができ、第2の別個の機能グループは、第2のバッテリモジュール42、第3のUPSモジュール54及び第2の制御モジュール62で構成することができる。したがって、UPS装置10は、第2の別個の機能グループを除去することによって縮小されてもよく、その結果、第1の別個の機能グループのみに基づく完全に機能が縮小されたUPS装置となる。これに対応して、UPS装置10は、たとえば、第4のUPSモジュール及び第3のバッテリモジュールを備える第3の別個の機能グループを含むことによって(第3の別個の機能グループ内では第1又は第2の制御モジュール60、62を制御モジュールとして依然として利用しながら)、拡大されてもよい。
【0054】
図1に概略的に1つのみ示される容器20は、少なくとも主要モジュール30が収容される内側空間24を形成する外側筐体22を備える。入力及び出力電力トランスフォーマ80、90も同様に、それぞれの外側コネクタのみが外側筐体22の外側に延びる状態で、内側空間24内に収容されてもよく、又は代替的に、入力及び出力電力トランスフォーマ80、90は、内側コネクタが外側筐体22を通って内側空間24の内側を延びる状態で、内側空間24の外側に配置される。主要モジュール30の数、又はこれまで説明されたように少なくともバッテリモジュール及びUPSモジュールの数を変えるために、外側筐体22は、内側空間24のサイズを変えるように適応可能である。たとえば、外側筐体22は、より多くの主要モジュール30(又は別個の機能グループ)がUPS装置に加えられるにつれてより長くされ得る。
【0055】
図2は、少なくとも1つのバッテリモジュール140と、少なくとも1つのUPSモジュール150と、少なくとも1つの制御モジュール160とを含む主要モジュール130を備える例示的なUPS装置110の斜視図である。基本的に、図1の主要モジュール30に関する同じ構成が、図2の主要モジュール130に使用され得る。したがって、図1の主要モジュール30及びそのいずれの接続の構成も、図2の主要モジュール130に置き換えることができる(これらの主要機能はここでは再度反復されない)。図2では、少なくとも主要モジュール130が収容される内側空間124を形成する外側筐体122は、図1より良好に示される。さらに、それぞれの外側コネクタ182、192を有する入力及び出力電力トランスフォーマ180、190は、外側筐体122の外側に配置される。図1に関しては、主要モジュール130の数、又はこれまでに説明されたように少なくともバッテリモジュール140及びUPSモジュール150の数を変えるために、外側筐体122は、内側空間124のサイズを変えるように適応可能である。たとえば、外側筐体122は、より多くの主要モジュール130がUPS装置110に追加されるにつれて、セクション123を追加することによってより長くされ得る。
【0056】
UPS装置110の容器120は、所定のサイズの標準容器であってもよい。図2の容器120は、圧力補償容器120であり、ここでは、圧力手段は、圧力補償器105によって提供される。これにより、容器120の内外の圧力は、均衡化され得る。容器は、たとえば油などの、誘電流体(たとえば非圧縮性又はほぼ非圧縮性の、電気絶縁型の非腐食性の媒体)で充填され得る。さらに、3つのタイプの主要モジュール130の各タイプは、所定のサイズ及び容量の標準モジュールであってもよい。したがって、主要モジュール130の各々は、UPS装置110の所望の全体容量に基づいて別々に認定され、追加され得る。
【0057】
図3Aは、負荷230に接続された、UPS装置210、たとえば図1のUPS装置10又は図2のUPS装置110及び主要電源220を備える電源システム200の概略図である。したがって、図3Aでは、UPS装置210及び主要電源220は、UPS装置210が動作中、主要電源220と負荷230との間に配置され、電力を主要電源220から負荷230に少なくとも部分的に伝達するように、負荷230に直列に接続される。これにより、伝達された電力の少なくとも一部は、UPS装置210のバッテリモジュールを充電するために使用され得る。したがって、図1のUPS装置10、又は図2のUPS装置110は、主要電源220と並行して負荷230に供給するように配置及び構成され得る。これは、たとえば、UPSモジュール50、52、54、150、及び/又は図1及び2の入力及び出力電力トランスフォーマ80、90、180、190の構成によって具現化される。
【0058】
図3Bは、負荷231、たとえば図3Aと同じ負荷に接続されたUPS装置211及び主要電源221を備える代替の電源システム201の概略図である。図3Bでは、UPS装置211は、負荷231に関連して主要電源221と並列構成に配置される。すなわち、UPS装置211は、たとえば、バッテリのメンテナンス充電のために、及び内部制御機能のための制御電力の供給のために、主要電源221からの電力で供給されるように依然として配置されるが、負荷231への電力は、UPS装置を迂回している。主要電源221の故障の場合、UPS装置211は、自動的に、(図3Aのように)負荷231に電力を供給するように変更される。図1のUPS装置10又は図2のUPS装置110は、たとえば、UPSモジュール50、52、54、150及び/又は図1及び2の入力及び出力電力トランスフォーマ80、90、180、190の構成を配置することによって、図3Bの電源システム210内でも使用され得る。
【0059】
図4は、たとえば図1のUPSモジュール50、52、54の1つ又は複数として、又は図2のUPSモジュール150(1つ又はいくつか)として使用され得る例示的なUPSモジュール500の概略図である。UPSモジュール500は、UPSモジュール500の適切な接続及び対応する機能を可能にするための電力回路510と、保護及び接続解除回路520と、負荷の並列供給530のための回路と、バッテリモジュール及び制御モジュールとの接続のための接続及び制御インターフェース540とを備える。さらに、電力回路510は、入力コンバータ511と、出力コンバータ512と、バッテリインターフェース513とを備える。さらに、保護及び接続解除回路520は、入力保護及び接続解除機能521と、出力保護及び接続解除機能522と、バッテリモジュール保護及び接続解除機能523とを備える。
【0060】
したがって、本発明は、最も実用的で好ましい実施形態であると現在考えられているものに関連して説明されてきたが、本発明は、開示される実施形態に限定されず、その反対に、さまざまな改変及び等価の配置を対象とすることを意図していることを理解されたい。追加的に、開示される実施形態の変形形態が、図、本開示、及び付属の特許請求の範囲を検討することから、特許請求される本発明の概念を実施する際に当業者によって理解され、実行され得る。特許請求の範囲では、単語「備えている」は、他の要素又はステップを排除せず、不定冠詞「1つ(a)」又は「1つ(an)」は、複数を排除しない。特定の対策が相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実だけで、これらの対策の組み合わせが有利に利用できないと示すものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
【国際調査報告】