(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-28
(54)【発明の名称】脱水素触媒およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
B01J 23/63 20060101AFI20230821BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20230821BHJP
B01J 23/656 20060101ALI20230821BHJP
B01J 23/89 20060101ALI20230821BHJP
B01J 23/96 20060101ALI20230821BHJP
C07C 11/06 20060101ALI20230821BHJP
C07C 5/333 20060101ALI20230821BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20230821BHJP
【FI】
B01J23/63 Z
B01J37/08
B01J23/656 Z
B01J23/89 Z
B01J23/96 Z
C07C11/06
C07C5/333
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578577
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 US2021040421
(87)【国際公開番号】W WO2022020089
(87)【国際公開日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596081005
【氏名又は名称】クラリアント・インターナシヨナル・リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100145333
【氏名又は名称】渡邉 弓子
(72)【発明者】
【氏名】シン・ロン
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン・ウラジーミル
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA08
4G169BA01B
4G169BA02A
4G169BA02B
4G169BA03A
4G169BA03B
4G169BB04B
4G169BB06B
4G169BC01A
4G169BC03A
4G169BC03B
4G169BC08A
4G169BC13A
4G169BC13B
4G169BC17A
4G169BC17B
4G169BC22A
4G169BC22B
4G169BC31A
4G169BC31B
4G169BC35A
4G169BC35B
4G169BC42A
4G169BC42B
4G169BC43A
4G169BC43B
4G169BC50A
4G169BC50B
4G169BC62A
4G169BC62B
4G169BC66A
4G169BC66B
4G169BC75A
4G169BC75B
4G169CB07
4G169DA06
4G169FA02
4G169FB14
4G169FB30
4G169FC08
4H006AA02
4H006AC12
4H006BA08
4H006BA09
4H006BA26
4H006BC10
4H006BC11
4H039CA29
4H039CC10
(57)【要約】
本開示は、追加の金属成分をさらに含むガリウムベース脱水素触媒、およびそのような触媒を使用して炭化水素を脱水素する方法に関する。本開示の一態様は、ガリウム種、セリウム種、白金促進剤、およびシリカ-アルミナ担体を含む、か焼された脱水素触媒を、提供する。任意で、当組成物は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属から選択される促進剤を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
か焼ベースで元素金属として計算して0.5重量%~20重量%の範囲内の量で当組成物に存在するGa;
か焼ベースで元素金属として計算して0.2重量%~20重量%の範囲内の量で当組成物に存在するCe;
か焼ベースで元素金属として計算して1ppm~500ppmの範囲内の量で当組成物に存在するPt;
任意で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および、それらの任意の混合物から選択され、か焼ベースで元素金属として計算して20重量%以下の量で当組成物に存在する促進剤M2;および、
か焼ベースで酸化物として計算して50重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在するシリカ-アルミナ担体S1、ここで、シリカは、か焼ベースでSiO
2として計算して1重量%~30重量%の範囲内の量でS1に存在する、
を含む、脱水素触媒組成物。
【請求項2】
Gaは、か焼ベースで元素金属として計算して1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8.5重量%、または1.5重量%~7重量%、または1.5重量%~5重量%、または1.5重量%~3重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、請求項1の触媒組成物。
【請求項3】
Ptは、か焼ベースで元素金属として計算して1ppm~400ppm、例えば、5ppm~400ppm、または25ppm~400ppm、または100ppm~400ppmの範囲内の量で当組成物に存在する、請求項1の触媒組成物。
【請求項4】
M2は、Kを含む、請求項1の触媒組成物。
【請求項5】
シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する、請求項1の触媒組成物。
【請求項6】
アルミナは、か焼ベースでAl
2O
3として計算して70重量%~99重量%の範囲内の量でS1に存在する、請求項1の触媒組成物。
【請求項7】
前記担体S1は、50重量%~98重量%の範囲内の量で当組成中に存在する、請求項1の触媒組成物。
【請求項8】
Gaは、1重量%~5重量%、例えば2重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ceは、1重量%~10重量%、例えば1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ptは、10ppm~500ppm、例えば、10ppm~400ppmの範囲内の量で当組成物に存在する;および、
S1は、80重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、
請求項1の触媒組成物。
【請求項9】
シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する、請求項8の触媒組成物。
【請求項10】
M2はKであり、0.2重量%~2.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、請求項8の触媒組成物。
【請求項11】
0.01重量%~10重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、およびZnのうちの1以上を含む、請求項8の触媒組成物。
【請求項12】
Gaは、2重量%~5重量%、例えば3重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ceは、1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ptは、100ppm~500ppm、例えば100ppm~400ppmの範囲内の量で当組成物に存在する;
M2は、KおよびBaの混合物であり、0.5重量%~5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する;
S1は、90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;および
シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する、
請求項1の触媒組成物。
【請求項13】
Ga,Ce,Pt,M2およびS1の合計量は、当組成物の少なくとも80重量%、例えば、少なくとも85重量%、または、少なくとも87重量%、または、少なくとも90重量%である、請求項1の触媒組成物。
【請求項14】
任意でGa、Ce、Pt、およびM2のうちの1以上を含浸させたシリカ-アルミナ担体S1を提供する工程;
当該シリカ-アルミナ担体S1を、Ga源、Ce源、Pt源、および、任意のM2源のうちの1以上を含む含浸液に含浸させる工程;および、
当該含浸シリカ-アルミナ担体S1をか焼する工程、
を含む、請求項1の脱水素触媒組成物の製造方法。
【請求項15】
炭化水素フィードを請求項1の触媒組成物と接触させることを含む、炭化水素を脱水素する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照 本出願は2020年7月20日に出願された米国仮特許出願第63/053,781号の優先権を主張し、当該米国仮特許出願は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、一般に、触媒材料およびその使用方法に関する。より具体的には、本開示は、金属成分をさらに含むガリウム系脱水素触媒、および、そのような触媒を使用した炭化水素の脱水素方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカン脱水素は、ポリマー産業で使用するためのプロペンを製造するためのプロパンの脱水素、タイヤ製造に有用なn-ブテンまたはアルキレートおよびブタジエンを製造するためのn-ブタンの脱水素、ならびに、ガソリンを補充および濃縮するためのメチルtert-ブチルエーテル、イソオクタン、およびアルキレートへの変換に適したイソブチレンを製造するためのイソブタンの脱水素など、様々な有用な炭化水素生成物を製造するための認められた方法である。低級アルカンの触媒脱水素に有効な市販の触媒には、数十年間使用されてきたCrOx/Al2O3およびPt-Sn/Al2O3触媒がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
CrOx/Al2O3脱水素触媒は、典型的には、アルミナ表面のクロムの大部分は、Cr(III)酸化状態で含む。しかしながら、典型的には、少量のCr(VI)が残っており、これは発癌性であるため、触媒の取扱いおよび操作中に健康リスクをもたらす。また、重大な環境汚染を引き起こす可能性もある。
【0004】
ガリウムベース脱水素触媒は約20年前から知られている。これらは一般に有害ではなく、使用しても重大な環境問題を起こさない。しかしながら、これらの触媒は、特に商業的に重要なプロパンの脱水素においては、活性、選択性、および/または安定性に限界がある。
【0005】
したがって、特にプロパンの脱水素において、クロムを使用せずに、優れた活性、選択性、および安定性を有する脱水素触媒が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の範囲は、当概要の記述によっていかなる程度にも影響されない。
【0007】
一態様では、本開示は、か焼ベースで元素金属として計算して、0.5重量%~20重量%(例えば、1~20重量%、または2~20重量%)の範囲内の量で当組成物に存在するGa;か焼ベースで元素金属として計算して0.2重量%~20重量%の範囲内の量で当組成物に存在するCe;か焼ベースで元素金属として計算して1ppm~500ppmの範囲内の量で当組成物に存在するPt;任意で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および、それらの任意の混合物から選択され、か焼ベースで元素金属として計算して20重量%以下の量で当組成物に存在する促進剤M2;および、か焼ベースで酸化物として計算して50重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在するシリカ-アルミナ担体S1、ここで、シリカは、か焼ベースでSiO2として計算して1重量%~30重量%の範囲内の量でS1に存在する、
を含む脱水素触媒組成物を提供する。ある望ましい実施形態では、Gaは、2~10重量%の量で存在し、Ptは5ppm~400ppmの量で存在する。
【0008】
本開示の別の態様は、炭化水素フィードを本明細書に記載の触媒組成物と接触させることを含む、炭化水素を脱水素する方法である。
【0009】
本開示の他の態様は、本明細書の開示を考慮すれば、当業者には明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
様々な態様において、本開示は、ガリウム、セリウム、白金促進剤、およびシリカ-アルミナ担体を含む脱水素触媒組成物に関する。当組成物は、任意で、アルカリ金属およびアルカリ土類金属から選択される促進剤を含むことができる。本開示は、有利にはクロム含有材料を含まなくてもよい、そのような触媒が従来の市販の触媒に匹敵するか、または、それよりも優れた性能を示すことができることを示す。本発明は、さらに、このような触媒が、他のガリウムベース脱水素触媒よりもさらに良好なC3-C5炭化水素の脱水素の活性および/または選択性、ならびに長期安定性を示すことができることを示す。
【0011】
したがって、本開示の一態様は、脱水素触媒組成物である。当触媒組成物は、か焼ベースで元素金属として計算して、0.5重量%~20重量%の範囲内の量で当組成物に存在するGaを含む。当触媒組成物は、か焼ベースで元素金属として計算して、0.2重量%~20重量%の範囲内の量で当組成物に存在するCeを含む。理論に拘束されることを意図するものではないが、本発明者らはGaが脱水素反応における主要な触媒種であると考える。当触媒組成物は、か焼ベースで元素金属として計算して、1ppm~500ppmの範囲内の量で当組成物に存在するPtをさらに含む。
【0012】
理論に拘束されることを意図するものではないが、本発明者らはPtは、触媒種の促進剤として、特にGaの促進剤として作用し、また、Ceは、触媒を安定化させて脱水素反応における高転化率での長期使用を可能にするのを助けると考える。当触媒組成物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および、それらの任意の混合物から選択され、か焼ベースで元素金属として計算して20重量%以下の量で組成物に存在する促進剤M2を、任意で、含む。当触媒組成物は、か焼ベースで酸化物として計算して50重量%~99重量%の範囲内の量で組成物に存在する、シリカ-アルミナ担体S1を含む。また、シリカは、か焼ベースでSiO2として計算して1重量%~30重量%の範囲内の量でS1に存在する。
【0013】
本明細書で使用される用語「アルミナ」及び「シリカ」は、それぞれ、酸化アルミニウム及び酸化ケイ素を含む。本明細書で使用される用語「酸化物」(例えば、「混合酸化物」、「酸化アルミニウム」、「酸化ケイ素」など含む)は、全ての形態及び結晶相の酸化物を含む。例えば、「酸化アルミニウム」は、Al2O3、Al2Ox等(xは、1~3)を含む。特に明記しない限り、酸化物の実際の化学量論にかかわらず、酸化物は、重量パーセント測定の目的のために最も安定な酸化物として計算される。例えば、当業者は、アルミニウムの非化学量論的酸化物、またはさらに別の形態のアルミニウムは、重量パーセント測定の目的のためにAl2O3として計算され得ることを理解する。さらに、特に指定がない限り、組成物は、か焼ベースで記載される。
【0014】
理論に拘束されることを意図するものではないが、本発明者らは、Gaは、本明細書に記載の触媒組成物によって媒介される脱水素反応において、主要な触媒種として作用すると考える。本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、0.5重量%~17.5重量%、または0.5重量%~15重量%、または0.5重量%~12.5重量%、または0.5重量%~10重量%、0.5重量%~8.5重量%、または0.5重量%~7重量%、または0.5重量%~5重量%の範囲内の量で当触媒組成物に存在する。
【0015】
本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8.5重量%、または0.5重量%~7重量%、または0.5重量%~5重量%、または0.5重量%~3重量%の範囲内の量で当触媒組成物に存在する。本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8.5重量%、または0.5重量%~7重量%、または0.5重量%~5重量%、または0.5重量%~3重量%の範囲内の量で当触媒組成物に存在する。本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8.5重量%、または1重量%~7重量%、または1重量%~5重量%、または1重量%~3重量%の範囲内の量で当触媒組成物に存在する。
【0016】
本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8.5重量%、または1.5重量%~7重量%、または1.5重量%~5重量%、または1.5重量%~3重量%の範囲内の量で当触媒組成物に存在する。本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、2重量%~10重量%、例えば、2重量%~8.5重量%、または2重量%~7重量%、または2重量%~5重量%、または2重量%~5重量%の範囲内の量で当触媒組成物に存在する。本明細書に記載されるある実施形態では、Gaは、3重量%~10重量%、例えば、3重量%~8.5重量%、または3重量%~7重量%、または3重量%~5重量%、または3重量%~5重量%の範囲内の量で当触媒組成物に存在する。
【0017】
理論に拘束されることを意図するものではないが、本発明者らは、Ceは、本明細書に記載の触媒組成物を安定化させると考える。本発明者らは、Ceを欠く組成物は、脱水素反応の条件下で、経時的に安定性が低下する傾向があることに注目した。本明細書に記載されるある実施形態では、Ceは、0.2重量%~15重量%、例えば、0.2重量%~10重量%、または0.2重量%~7重量%、または0.2重量%~5重量%、または0.2~3重量%の範囲内の量で当触媒組成物に存在する。
【0018】
本明細書に記載されているある実施形態では、Ceは、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、または0.5重量%~10重量%、または0.5重量%~7重量%、または0.5重量%~5重量%、または0.5重量%~3重量%の範囲内の量で当触媒組成物に存在する。本明細書に記載されているある実施形態では、Ceは1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、または1重量%~10重量%、または1重量%~7重量%、または1重量%~5重量%、または1重量%~3重量%の範囲内の量で当触媒組成物に存在する。
【0019】
理論に拘束されることを意図するものではないが、本発明者らは、Ptは、Gaおよび/または混合Ga-Ce酸化物の促進剤として作用すると考える。本発明者らは、驚くべきことに、本明細書に記載の触媒組成物に存在する白金促進ガリウム化合物は、主要活性種として白金を含む触媒よりも著しく長い間、脱水素条件下で活性を維持することができることを見出した。
【0020】
本明細書に記載されているある実施形態では、Ptは、5ppm~500ppm、例えば、25ppm~500ppm、または100ppm~500ppmの範囲内の量で当触媒組成物に存在する。本明細書に記載されるある実施形態では、Ptは、1ppm~450ppm、例えば、5ppm~450ppm、または25ppm~450ppm、または100ppm~450ppmの範囲内の量で当触媒組成物に存在する。
【0021】
本明細書に記載されているある実施形態では、Ptは、1ppm~400ppm、例えば、5ppm~400ppm、または25ppm~400ppm、または100ppm~400ppmの範囲内の量で当触媒組成物に存在する。本明細書に記載されているある実施形態では、Ptは、1ppm~350ppm、例えば、5ppm~350ppm、または25ppm~350ppm、または100ppm~350ppmの範囲内の量で当触媒組成物に存在する。本明細書に記載されているある実施形態では、Ptは、1ppm~300ppm、例えば、5ppm~300ppm、または25ppm~300ppm、または100ppm~300ppmの範囲内の量で当触媒組成物に存在する。
【0022】
本明細書に記載されているある実施形態では、当触媒組成物は、任意で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および、それらの任意の混合物から選択され、か焼ベースで元素金属として計算して20重量%以下の量で当組成物に存在する促進剤M2を含む。
【0023】
ある実施形態では、M2は、か焼ベースで元素金属として計算して、17.5重量%以下、または15重量%以下、または10重量%以下、または7.5重量%以下、または5重量%以下、または2.5重量%以下、または2重量%以下、または1.5重量%以下、または1重量%以下の量で当組成物に存在する。例えば、ある実施形態では、M2は、か焼ベースで元素金属として計算して、0.1重量%~20重量%、または0.1重量%~17.5重量%、または0.1重量%~15重量%、または0.1重量%~12.5重量%、または0.2重量%~10重量%、または0.2重量%~7.5重量%、または0.2重量%~5重量%、または0.2重量%~2.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する。
【0024】
本明細書に記載されるある望ましい実施形態では、M2は、1以上のアルカリ金属を含み、当アルカリ金属は、か焼ベースで元素金属として計算して、0.2重量%~2.5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する。
【0025】
ある実施形態では、M2は、Kを含む(例えば、M2はKである)。本明細書に記載されているある実施形態では、M2は、1以上のアルカリ金属を含み(例えば、M2はKを含む)、当アルカリ金属は、か焼ベースで元素金属として計算して、0.2重量%~2.25重量%、または0.2重量%~2重量%、または0.2重量%~1.75重量%、または0.2重量%~1.5重量%、または0.2重量%~1.25重量%、または0.2重量%~1重量%、または0.2重量%~0.75重量%、または0.2重量%~0.5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する。
【0026】
本明細書に記載されているある望ましい実施形態では、M2は、1以上のアルカリ土類金属を含み、当アルカリ土類金属は、か焼ベースで元素金属として計算して、0.2重量%~10重量%の範囲内の合算量で、当組成物に存在する。ある実施形態において、M2は、Baを含む(例えば、Baである)。
【0027】
本明細書に記載されているある実施形態では、M2は、1以上のアルカリ土類金属を含み(例えば、Baを含む)、当アルカリ土類金属は、か焼ベースで元素金属として計算して、0.2重量%~9重量%、または0.2重量%~8重量%、または0.2重量%~7重量%、または0.2重量%~6重量%、または0.2重量%~5重量%、または0.2重量%~4重量%、または0.2重量%~3重量%、または0.2重量%~2重量%、または0.25重量%~10重量%、または0.5重量%~10重量%、または0.75重量%~10重量%、または1重量%~10重量%、または0.5重量%~5重量%、または0.5重量%~2.5重量%、または0.5重量%~2重量%、または0.5重量%~1.5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する。
【0028】
例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、M2は、1以上のアルカリ金属を含み(例えば、Kを含む)、当アルカリ金属は、0.2重量%~2.5重量%(例えば、0.2重量%~1重量%)の範囲内の合算量で当組成物に存在し、1以上のアルカリ土類金属を含み(例えば、Baを含む)、当アルカリ土類金属は0.2重量%~10重量%(例えば、0.2重量%~5重量%)の範囲内の合算量で当組成物に存在する。ある実施形態では、M2は、KおよびBaの混合物を含み(例えば、KおよびBaの混合物である)、0.5重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する。
【0029】
上記のように、当触媒組成物は、シリカ-アルミナ担体S1を含み、シリカは、か焼ベースでSiO2として計算して(すなわち、担体の重量の割合として)、1重量%~30重量%当担体S1に存在する。当業者は本明細書で使用する場合、「シリカ-アルミナ」担体(例えば、S1)は、シリカとアルミナの混合物を含むことを理解する。さらに当業者は、シリカとアルミナの「混合物」は、均質および不均質混合物を含むことを理解する。例えば、シリカ-アルミナ担体S1は、ケイ素原子およびアルミニウム原子の両方(例えば、-Si-O-Al-)、ならびに/またはシリカおよびアルミナのうちの1以上の個別の領域を含む共有結合ネットワークを含み得る。
【0030】
本明細書に記載されているある実施形態では、S1に存在するシリカの量は、か焼ベースでSiO2として計算して、1重量%~27.5重量%、または1重量%~25重量%、または1重量%~22.5重量%、または1重量%~20重量%、または1重量%~17.5重量%、または1重量%~15重量%、または1重量%~12.5重量%、または1重量%~10重量%、または2.5重量%~30重量%、または5重量%~30重量%、または7.5重量%~30重量%、または10重量%~30重量%、または15重量%~30重量%、または20重量%~30重量%、または2.5重量%~25重量%、または2.5重量%~20重量%、または2.5重量%~15重量%である。
【0031】
本明細書に記載されているある実施形態では、S1に存在するアルミナの量は、か焼ベースでAl2O3として計算して、70重量%~99重量%である。本明細書に記載されているある実施形態では、S1に存在するアルミナの量は、か焼ベースでAl2O3として計算して、72.5重量%~99重量%、または75重量%~99重量%、または、77.5重量%~99重量%、または80重量%~99重量%、または82.5重量%~99重量%、または85重量%~99重量%、または87.5重量%~99重量%、または90重量%~99重量%、または70重量%、~97.5重量%、または70重量%~95重量%、または70重量%~92.5重量%、または70重量%~90重量%、または70重量%~85重量%、または70重量%~80重量%、または75重量%~97.5重量%、または80重量%~97.5重量%、または85重量%~97.5重量%の範囲内である。例えば、本明細書に記載されるある望ましい実施形態では、か焼ベースでの酸化物として計算して、S1に存在するシリカの量は、2重量%~20重量%の範囲内であり、S1に存在するアルミナの量は、80重量%~98重量%の範囲内である。
【0032】
本明細書に記載されているある実施形態では、S1のアルミナおよびシリカの総量は、S1の少なくとも80重量%である。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、S1のアルミナおよびシリカの総量は、か焼ベースで酸化物として計算して、S1の少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも92.5重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97.5重量%、少なくとも98重量%、または少なくとも99重量%である。
【0033】
本明細書に記載されているある実施形態では、S1は、か焼ベースで酸化物として計算して、50重量%~98重量%、例えば、50重量%~97.5重量%、または50重量%~95重量%、または50重量%~92.5重量%、または50重量%~90重量%、または50重量%~85重量%、または50重量%~80重量%、または50重量%~75重量%、または60重量%~99重量%、または70重量%~99重量%、または80重量%~99重量%、または90重量%~99重量%、または95重量%~99重量%、または75重量%~98重量%、または80重量%~97.5重量%、または85重量%~95重量%の範囲内の量で当組成物に存在する。
【0034】
本発明者らは、驚くべきことに、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、YおよびZnのうちの1以上が、本明細書に記載の触媒組成物の安定性、活性、および/または選択性を改善できることを見出した。したがって、本明細書に記載されているある実施形態では、当触媒組成物は、さらに、か焼ベースで元素金属として計算して、0.01重量%~10重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、YおよびZnのうちの1以上を含む。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、当触媒組成物は、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、およびZnのうちの1以上をさらに含む。
【0035】
本明細書に記載されているある実施形態では、当触媒組成物は、か焼ベースで元素金属として計算して、0.01重量%~9重量%、または0.01重量%~8重量%、または0.01重量%~7重量%、または0.01重量%~6重量%、または0.01重量%~5重量%、または0.01重量%~4重量%、または0.01重量%~3重量%、または0.01重量%~2重量%、または0.05重量%~10重量%、または0.1重量%~10重量%、または0.25重量%、または0.5重量%~10重量%、または0.75重量%~10重量%、または1重量%~10重量%、または1.5重量%~10重量%、または2重量%~10重量%、または3重量%~10重量%、または4重量%~10重量%、または5重量%~10重量%、または0.05重量%~7.5重量%、または0.05重量%~5重量%、または0.05重量%~2.5重量%の範囲内の量の、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、YおよびZnのうちの1以上を含む(例えば、La、Mn、Ti、Fe、Cu、SnおよびZnのうちの1以上を含む)。
【0036】
例えば、本明細書に記載されるある望ましい実施形態では、当触媒組成物は、か焼ベースで元素金属として計算して、0.1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在するLaをさらに含む。別の例では、本明細書に記載されるある望ましい実施形態では、当触媒組成物は、0.05重量%~2重量%の範囲内の量で当組成物に存在するTiをさらに含む。別の例では、本明細書に記載されるある望ましい実施形態では、当触媒組成物は、0.025重量%~1.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在するFeをさらに含む。別の例では、本明細書に記載されるある望ましい実施形態では、当触媒組成物は、0.01重量%~1重量%の範囲内の量で当組成物に存在するSnをさらに含む。別の例では、本明細書に記載されるある望ましい実施形態では、当触媒組成物は、1重量%~6重量%の範囲内の量で当組成物に存在するZnをさらに含む。
【0037】
本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、1重量%~5重量%、例えば、2重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在し、Ceは1重量%~10重量%、例えば、1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在し、Ptは10ppm~500ppm、例えば、10ppm~400ppmの範囲内の量で当組成物に存在し、S1は80重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する。ある実施形態では、シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する。
【0038】
ある実施形態では、M2は、Kを含み(例えば、M2はKであって)、0.2重量%~2.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する。他のある実施形態では、M2はKおよびBaの混合物を含み(例えば、M2はKおよびBaの混合物であって)、0.5重量%~5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する。ある実施形態では、当組成物は、0.01重量%~10重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、およびZnのうちの1以上をさらに含む。
【0039】
例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、M2はKを含み(例えば、M2はKであって)、0.2重量%~2.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、そして当該組成物は、La(例えば、0.5重量%~2重量%の範囲内の量で存在する)、またはMn(例えば、0.5重量%~2重量%の範囲内の量で存在する)、またはTi(例えば、0.05重量%~1重量%の範囲内の量で存在する)を、さらに含む。
【0040】
他の実施形態では、M2はKおよびBaの混合物を含み(例えば、M2はKおよびBaの混合物であって)、0.5重量%~5重量%の範囲内の合算量で組成物に存在する、そして当組成物は、Fe(例えば、0.05重量%~1重量%の範囲内の量で存在する)、またはCu(例えば、0.05重量%~1重量%の範囲内の量で存在する)、またはSn(例えば、0.01重量%~0.5重量%の範囲内の量で存在する)、またはLa(例えば、0.5重量%~2重量%の範囲内の量で存在する)、またはZn(例えば、1重量%~3重量%の範囲内の量で存在する)を、さらに含む。
【0041】
本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、2重量%~5重量%、(例えば、3重量%~5重量%)の範囲内の量で当組成物に存在する、Ceは1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、Ptは100ppm~500ppm(例えば、100ppm~400ppm)の範囲内の量で当組成物に存在する、M2はKとBaとの混合物であり、0.5重量%~5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、S1は90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、シリカは2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する。ある実施形態では、当組成物は、0.1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在するLaをさらに含む。
【0042】
本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、2重量%~5重量%、例えば、3重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、Ceは1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、Ptは100ppm~500ppm、例えば、100ppm~400ppmの範囲内の量で組成物に存在する、M2はKとBaとの混合物であり、1重量%~5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、S1は90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、シリカは2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する。
【0043】
本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、2重量%~5重量%、例えば、3重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、Ceは1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、Ptは100ppm~500ppm、例えば、100ppm~400ppmの範囲内の量で組成物に存在する、M2はKであり、0.2重量%~2.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、S1は、90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する。ある実施形態では、当組成物は、0.1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在するLaをさらに含む。
【0044】
本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、2重量%~5重量%(例えば、3重量%~5重量%)の範囲内の量で当組成物に存在する、Ceは1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、Ptは100ppm~500ppm(例えば、100ppm~400ppm)の範囲内の量で当組成物に存在する、M2はKであり、0.2重量%~2.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、S1は、90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する。ある実施形態では、当組成物は、0.05重量%~2重量%の範囲内の量で当組成物に存在するTiをさらに含む。
【0045】
本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、2重量%~5重量%(例えば、3重量%~5重量%)の範囲内の量で当組成物に存在する、Ceは1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、Ptは100ppm~500ppm(例えば、100ppm~400ppm)の範囲内の量で当組成物に存在する、M2はKおよびBaの混合物であり、1重量%~5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、S1は、90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する。ある実施形態では、当組成物は、0.025重量%~1.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在するFeをさらに含む。
【0046】
本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、2重量%~5重量%(例えば、3重量%~5重量%)の範囲内の量で当組成物に存在する、Ceは1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、Ptは100ppm~500ppm(例えば、100ppm~400ppm)の範囲内の量で当組成物に存在する、M2はKおよびBaの混合物であり、1重量%~5重量%の範囲内の合算量で組成物に存在する、S1は90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する。ある実施形態では、当組成物は、0.01重量%~1重量%の範囲内の量で組成物に存在するSnをさらに含む。
【0047】
本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、2重量%~5重量%(例えば、3重量%~5重量%)の範囲内の量で当組成物に存在する、Ceは1.5重量%~5.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、Ptは100ppm~500ppm(例えば、100ppm~400ppm)の範囲内の量で当組成物に存在する、M2はKであり、0.2重量%~2.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、S1は90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する。ある実施形態では、当組成物は、0.1重量%~5重量%の範囲内の量で組成物に存在するLaをさらに含む。
【0048】
本明細書に記載されているある実施形態では、Gaは、2重量%~5重量%(例えば、3重量%~5重量%)の範囲内の量で当組成物に存在する、Ceは1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、Ptは100ppm~500ppm(例えば、100ppm~400ppm)の範囲内の量で当組成物に存在する、M2はKおよびBaの混合物であり、1重量%~5重量%の範囲内の合算量で組成物に存在する、S1は90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する。ある実施形態では、当組成物は、1重量%~6重量%の範囲内の量で当組成物中に存在するZnをさらに含む。
【0049】
当業者は、当触媒組成物が、本明細書に記載されているいくつかの実施形態において、Crを実質的に含まなくてもよいことを認識するであろう。クロムを含まない組成物は環境の観点から特に望ましい。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、当触媒組成物は、か焼ベースで酸化物として計算して、1重量%未満、または0.9重量%未満、または0.8重量%未満、または0.7重量%未満、または0.6重量%未満、または0.5重量%未満、または0.4重量%未満、または0.3重量%未満、または0.2重量%未満、または0.1重量%未満、または0.05重量%未満、または0.01重量%未満のCrしか含まない。
【0050】
本発明者らは、本明細書に記載のGa、Ce、Pt、S1および任意でM2成分を使用して、例えばいくつかの実施形態においては、他の促進剤または触媒種(例えば、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、およびZn以外)を使用せずに、適切な脱水素触媒を作製できることを見出した。したがって、本明細書に記載されているある実施形態では、Ga,Ce,Pt,M2およびS1の合計量は、当組成物の少なくとも80重量%、例えば、少なくとも85重量%、または、少なくとも87重量%、または、少なくとも90重量%である(すなわち、か焼ベースで元素金属として計算されるGa、Ce、Pt、およびM2、ならびに、か焼ベースで酸化物として計算されるS1)。
【0051】
本明細書に記載されるある望ましい実施形態では、当組成物に存在するGa、Ce、Pt、M2、S1、並びにLa、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、およびZnのうちのいずれかの合計量は、当組成物の少なくとも85重量%、例えば、少なくとも87重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも92.5重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも97.5重量%、または少なくとも98重量%である(すなわち、か焼ベースで元素金属として計算されるGa、Ce、Pt、M2、並びにLa、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、およびZnのいずれか、そして、か焼ベースで酸化物として計算されるS1)。
【0052】
本明細書に記載されるある望ましい実施形態では、担体S1は、共有結合ネットワーク構造を含み、その構造全体にわたって、Ga、Ce、促進剤(例えば、PtおよびM2)、および追加の元素(例えば、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、および/またはZn)のうちの1以上は、分散している。他の実施形態ではGa、Ce、促進剤および追加の元素は実質的に担体S1の表面上に配置される。
【0053】
本開示の別の態様は、本明細書に記載の脱水素触媒組成物の製造方法である。従来の方法は、本開示の脱水素化触媒を製造する際に使用するために適用できる。例えば、様々な加水分解重縮合、沈殿および含浸プロセスを単独でまたは組み合わせて使用して、当組成物を提供することができる。シリカ-アルミナ担体材料は、例えば加水分解重縮合プロセスによって(例えば、1以上の水酸化物またはオキシ化合物から)、適切に作ることができる。
【0054】
特定のGa、Ce、PtおよびM2種は、加水分解重縮合によってシリカ-アルミナ担体と共に配合することができる。Ga、Ce、PtおよびM2種は、含浸によって担体に代替的にまたは追加的に提供することができる。同様に、特定のLa、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、およびZn種を、加水分解重縮合によってシリカ-アルミナ担体と一緒に配合することができ、あるいは、代替的にまたは追加的に含浸によって担体に提供することができる。
【0055】
例えば、ある実施形態では、本明細書に記載される脱水素触媒の製造方法は、シリカ-アルミナ担体S1(例えば、1以上のケイ素およびアルミニウムオキシ化合物の加水分解重縮合反応生成物)を提供する工程、および、最終触媒中に所望の量のGa、Ce、PtおよびM2を与えるために、当シリカ-アルミナ担体S1に、1以上の含浸工程を介して、Ga、Ce、PtおよびM2を含浸させる工程を含む。
【0056】
各含浸工程において、Ga源、Ce源、Pt源、M2源、ならびに、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、およびZnの源のうちの1以上を含有する含浸溶液(例えば、含浸水溶液)を、当担体と接触させる。当含浸された担体から当溶液を除去した後、乾燥および/またはか焼することができる。
【0057】
ある実施形態では、シリカ-アルミナ担体S1を提供する工程は、例えば加水分解重縮合反応において、1以上のS1源を、1以上のオキシ化合物、例えば酸化物(例えばアルミナ、シリカ)、アルコキシド(例えばテトラエチルオルトシリケート、アルミニウムイソプロポキシド)、オキシ硝酸塩、硝酸塩、アセチルアセトネート、または水酸化物(例えば水酸化アルミニウム)であるS1源と、反応させる工程を含む。様々な成分(例えば、Ga、Ce、Pt、M2、S1、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、およびZn)の量および同一性は、本開示の触媒組成物に関して他に記載されている通りであり得る(すなわち、最終触媒組成物に関して測定される)。
【0058】
別の例では、ある実施形態では、当方法は、Ga源、Ce源、Pt源、M2源、およびLa、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、Znの源のうちの1以上の存在下で、S1源(例えば、本明細書に記載されているように)を反応させる工程、当反応生成物をか焼して、Ga、Ce、Pt、M2、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、およびZnのうちの1以上が配合されたシリカ-アルミナ担体S1を提供する工程、を含む。
【0059】
次いで、Ga源、Ce源、Pt源、M2源、ならびにLa、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、および/またはZnの源のうちの1以上を、1以上の含浸工程を介して、上記か焼した反応生成物に配合し、最終触媒中のGa、Ce、Pt、M2、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、およびZnを所望の量とすることができる(すなわち、それぞれが、担体と一緒に配合されること、含浸を介して添加されること、またはそれらの組み合わせに由来する)。様々な成分(例えば、Ga、Ce、Pt、M2、S1、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、およびZn)の量および同定は、本開示の触媒組成物に関して上述した通りであり得る。
【0060】
本明細書に記載されているある実施形態では、当方法は、シリカ-アルミナ担体S1を、ガリウム塩を含む含浸溶液に含浸させて、Gaが配合された担体S1を形成する工程を含む。本明細書に記載される他の実施形態では、当方法は、S1源を、Ga源の存在下で反応させる工程、当該反応は、例えば、水酸化アルミニウム、シリカ、およびガリウム(例えば、硝酸塩、イソプロポキシド、またはアセチルアセトネートの形態のガリウム)の水性混合物を酸性化することによる、および、当該反応生成物をか焼して、Ga配合されたシリカ-アルミナ担体S1を提供する工程を含む。
【0061】
本明細書に記載されているある実施形態では、当方法は、シリカ-アルミナ担体S1を、セリウム塩を含む含浸溶液に含浸させて、Ce配合された担体S1を提供する工程を含む。他の実施形態では、当方法は、S1源をCe源の存在下で反応させる工程を含む、当該反応は、例えば、水酸化アルミニウム、シリカ、ガリウム(例えば、硝酸塩、イソプロポキシド、またはアセチルアセトネートの形態のガリウム)、および、セリウム(例えば、イソプロポキシド、アセチルアセトネートまたは硝酸塩の形態のセリウム)の水溶液を酸性化することによる、および、当該反応生成物をか焼して、Ceが配合されたシリカ-アルミナ担体S1を提供する工程を含む。
【0062】
本明細書に記載されているある実施形態では、当方法は、S1源を、Ga源およびCe源の存在下で反応させる、当該反応は、例えば、水酸化アルミニウム、シリカおよびセリウム(例えば、イソプロポキシド、アセチルアセトネートまたは硝酸塩の形態のセリウム)の水溶液を酸性化することによる、および、当該反応生成物をか焼して、ガリウムおよびセリウムが配合されたシリカ-アルミナ担体S1を提供する工程を含む。
【0063】
ある実施形態では、本明細書に記載の脱水素触媒の製造方法は、Gaが配合されたシリカ-アルミナ担体S1を提供する工程を含む。Gaの配合は、最初の含浸工程を通して、または、Ga源をS1源と一緒に反応させることを通して、行うことができる。Gaが配合されたシリカ-アルミナ担体S1は、Ce、Pt、M2、および/またはLa、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、またはZnを含浸させることができる(例えば、Ce源、Pt源、M2源、および/またはLa、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、またはZnの源を含む含浸溶液を使用して含浸させる)。次いで、含浸された材料をか焼することができる。
【0064】
ある実施形態では、本明細書に記載の脱水素触媒の製造方法は、GaおよびCeを配合したシリカ-アルミナ担体S1を提供する工程を含む。GaおよびCeの配合は、最初の含浸工程を通して、または、Ga源およびCe源をS1源と一緒に反応させることを通して、行うことができる。GaおよびCeを配合したシリカ-アルミナ担体S1は、Pt、M2、および/または、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、または、Znのうちの1以上に含浸させることができる(例えば、Pt源、M2源、および/または、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、またはZnの源を含む含浸溶液を使用して含浸させる)。次いで、含浸された材料をか焼することができる。
【0065】
本明細書に記載されているある実施形態では、Ga源は、ガリウム塩、例えば、硝酸ガリウム、ガリウムイソプロポキシド、または、ガリウムアセチルアセトネートである。
【0066】
本明細書に記載されているある実施形態では、Ce源は、セリウム塩、例えば、硝酸セリウム、セリウムイソプロポキシドまたはセリウムアセチルアセトネートである。
【0067】
本明細書に記載されているある実施形態では、Pt源は塩である。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、Pt源は、プラチナ塩、例えばPt(NH3)4(NO3)2またはH2PtCl4である。
【0068】
本明細書に記載されているある実施形態では、M2源は塩である。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、M2源は、第1族元素の塩、例えばKNO3である。別の実施形態では、本明細書に記載されているある実施形態では、M2源は、第2族元素の塩、例えば、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、またはBa(NO3)2である。
【0069】
本明細書に記載されているある実施形態では、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、およびZnのうちの1以上の源は塩である。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、当該源は、La(NO3)2・6H2O、Mn(NO3)2・4H2O、Fe(NO3)3・9H2O、FeSO4・7H2O、Cu(NO3)3・5H2O、SnCl4・4H2O、Zn(NO3)2、または有機チタン酸塩である。
【0070】
特定の塩種が上記に記載されているが、当業者は他の塩および他の金属を含むものを、本明細書に記載される当方法において使用され得ることを理解しうる。
【0071】
上述のように、当方法は、当該含浸されたシリカ-アルミナ担体S1をか焼する工程を含む。本明細書に記載されているある実施形態では、当該含浸されたシリカ-アルミナ担体S1は、300℃~1200℃の範囲内の温度でか焼される。例えば、ある実施形態では、当該含浸された担体S1は、350℃~1200℃、400℃~1200℃、または450℃~1200℃、または500℃~1200℃、または550℃~1200℃、または300℃~1150℃、または300℃~1100℃、または300℃~1050℃、または300℃~1000℃、または300℃~950℃、または350℃~1150℃、または400℃~1000℃、または450℃~900℃の範囲内の温度でか焼される。
【0072】
本明細書に記載されているある実施形態では、当含浸されたシリカ-アルミナ担体S1は、5分~12時間の範囲内の期間にわたってか焼される。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、当含浸された担体S1は、10分~12時間、または15分~12時間、または20分~12時間、または30分~12時間、または45分~12時間、または1時間~12時間、または1.5時間~12時間、または2時間~12時間、または5分~11時間、または5分~10時間、または5分~9時間、または5分~8時間、または5分~7.5時間、または5分~7時間、または5分~6.5時間、または5分~6時間、または5分~5.5時間、または5分~5時間、または30分~11時間、または1時間~10時間、または1.5時間~9時間、または2時間~8時間、または2時間~6時間、または2時間~4時間の範囲内の期間にわたってか焼される。
【0073】
本明細書に記載されているある実施形態では、当含浸されたシリカ-アルミナ担体S1は、か焼前に乾燥される。本明細書に記載されているある実施形態では、当含浸された担体S1は、50℃~250℃の範囲内の温度で乾燥される。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、当含浸された担体S1は、50℃~220℃、または50℃~200℃、または50℃~180℃、または100℃~240℃、または120℃~240℃、または140℃~240℃、または100℃~220℃、または120℃~200℃、または140℃~180℃の範囲内の温度で乾燥される。
【0074】
本明細書に記載されているある実施形態では、当含浸されたシリカ-アルミナ担体S1は、30分~36時間の範囲内の期間で乾燥される。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、当含浸された担体S1は、30分~30時間、または30分~24時間、または30分~22時間、または30分~20時間、または1時間~36時間、または2時間~36時間、または3時間~36時間、または4時間~36時間、または1時間~30時間、または1時間~24時間、または2時間~22時間、または2時間~20時間の範囲内の期間で乾燥される。
【0075】
本開示の別の態様は、本明細書に記載の方法によって製造される触媒組成物である。
【0076】
有利には、本発明者らは、本明細書に記載の触媒組成物の使用が従来の市販の触媒材料と同等またはそれよりも優れた効率で、炭化水素脱水素反応をすすめることができることを見出した。本発明者らはさらに、そのような触媒が、他のガリウムベース脱水素触媒よりも優れた、C3-C5炭化水素脱水素の活性および/または選択性、ならびに長期安定性を示すことができることを見出した。
【0077】
本明細書に記載の当組成物は、炭化水素脱水素反応において特に有用である。したがって、本開示の別の態様は、炭化水素脱水素を引き起こすのに十分な条件下で、炭化水素フィードを本明細書に記載の触媒組成物と接触させる工程を含む、アルカンを脱水素化する方法である。例えば、記載された方法は、軽質パラフィンの脱水素化に使用することができる。
【0078】
本明細書に記載されている脱水素方法のいくつかの実施形態において、炭化水素フィードは、1以上のC3~C5アルカンを含む。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、炭化水素フィードは、プロパンを含む。
【0079】
本明細書に記載の脱水素方法は、様々な転化率で実施することができる。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、当方法は、少なくとも25重量%、例えば、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、またはさらに少なくとも45重量%の転化率で操作される。ある実施形態では、当方法は、25~70重量%、例えば、25~60重量%、または25~50重量%、または30~70重量%、または30~60重量%、または30~50重量%、または40~70重量%、または40~65重量%、または40~50重量%、または45~70重量%、または45~65重量%、または45~55重量%の範囲の転化率で操作される。
【0080】
本明細書に記載の脱水素方法は、様々な選択率で実施することができる。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、当方法は、少なくとも80重量%、例えば、少なくとも85重量%、またはさらには少なくとも90重量%の選択率(すなわち、モノ脱水素生成物、例えば、プロパンからプロピレン)で操作される。ある実施形態において、当プロセスは、80~95重量%、例えば、80~90重量%、または85~95重量%、または85~90重量%、または90~95重量%の範囲の選択率で操作される。
【0081】
ある実施形態では、プロセスの生成率(すなわち、転化率および選択率の生成物)は、25~55重量%、例えば、25~50重量%、または25~45重量%、または30~55重量%、または30~45重量%、または30~40重量%、または35~55重量%、または35~50重量%、または35~45重量%、または40~55重量%、または40~50重量%の範囲である。
【0082】
フィードおよび本明細書に記載の触媒組成物との接触は、当業者によく知られている様々な方法で行うことができる。従来の装置およびプロセスは、有益な性能を提供するために、本開示の触媒組成物と併せて使用することができる。したがって、触媒は、反応容器内の1の床に含まれてもよく、または反応器内の複数の床に分割されてもよい。当反応システムは、1以上の反応容器を直列に含むことができる。当反応ゾーンへのフィードは、典型的なプラグフロー応器中で触媒床を垂直に上向きに、または下向きに、またはラジアルフロー反応器中で触媒床を横切って水平に流れることができる。
【0083】
当フィードおよび当触媒組成物の接触は、従来の方法を用いて行うことができる。例えば、当フィードは、当触媒組成物を含む反応ゾーンに一定の速度で、または代替的に可変速度で導入され得る。
【0084】
本明細書に記載されているある実施形態では、当フィードは、0.5h-1~4h-1の範囲内の液体空間速度(LHSV)で、提供された触媒組成物と接触される。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、当フィードは、本明細書に記載されるように、0.75h-1~4h-1,または1h-1~4h-1,または1.25h-1~4h-1,または1.5h-1~4h-1、または0.5h-1~3.75h-1,または0.5h-1~3.5h-1,または0.5h-1~3.25h-1,または0.5h-1~3h-1,または0.5h-1~2.75h-1,または0.5h-1~2.5h-1,または0.75h-1~3.5h-1,または1h-1~3h-1,または1.25h-1~2.75h-1,または1.5h-1~2.5h-1の範囲内の液体空間速度で、提供された触媒組成物と接触される。
【0085】
本明細書に記載されているある実施形態では、当方法は、400℃~850℃の範囲内の温度で実施される。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、当方法は、400℃~800℃、または400℃~750℃、または400℃~700℃、または400℃~650℃、または450℃~850℃、または500℃~850℃、または550℃~850℃、または600℃~850℃、または450℃~800℃、または500℃~750℃の範囲内の温度で実施される。
【0086】
本明細書に記載されているある実施形態では、当方法は、0.1バール~1バールの範囲内の圧力で実施される。例えば、本明細書に記載されているある実施形態では、当方法は、0.1バール~0.9バール、または0.1バール~0.8バール、または0.1バール~0.7バール、または0.1バール~0.6バール、または0.1バール~0.5バール、または0.2バール~1バール、または0.3バール~1バール、または0.4バール~1バール、または0.5バール~1バール、または約0.2バール~0.9バール、または0.3バール~0.8バール、または0.4バール~0.7バールの範囲内の圧力で実施される。
【実施例】
【0087】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態およびその様々な使用の例示である。それらは、説明の目的のためだけに記載されており、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0088】
触媒の製造
Al2O3担体を、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2、およびKNO3の水溶液で、溶液滴下含浸法によって含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで大気中、1382°Fで1時間か焼させ、3.0重量%のGa、0.025重量%のPt、および0.35重量%のKを含む比較触媒C1を得た。
【0089】
10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2、およびKNO3の水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、次いで大気中338°Fで1時間乾燥し、次いで大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、および0.25重量%のKを含む比較触媒C2を得た。
【0090】
10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2、KNO3およびCe(NO3)3・6H2Oの水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、および1.0重量%のCeを含む触媒A1を得た。
【0091】
10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2,KNO3,Ce(NO3)3・6H2OおよびBa(NO3)2の水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、1重量%のCeおよび1重量%のBaを含む触媒A2を得た。
【0092】
10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2、KNO3、Ce(NO3)3・6H2 O、およびLa(NO3)2・6H2Oの水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、1重量%のCeおよび1.2重量%のLaを含む触媒A3を得た。
【0093】
10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2,KNO3,Ce(NO3)3・6H2OおよびMn(NO3)2・4H2Oの水溶液で含浸させた。当含浸担された体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、1重量%のCeおよび1重量%のMnを含む触媒A4を得た。
【0094】
10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2、KNO3, Ce(NO3)3・6H2O、および有機チタン酸塩(TyzorTM)の水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、1重量%のCe、および0.3重量%のTiを含む触媒A5を得た。
【0095】
10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2、KNO3、Ce(NO3)3・6H2O、Ba(NO3)2およびFe(NO3)3・9H2Oの水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、1重量%のCe、1重量%のBa、および0.1重量%のFeを含む触媒A6を得た。
【0096】
10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2,KNO3,Ce(NO3)3・6H2O、Ba(NO3)2およびCu(NO3)3・5H2Oの水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、1重量%のCe、1重量%のBa、および0.1重量%のCuを含む触媒A7を得た。
【0097】
10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2,KNO3、Ce(NO3)3・6H2O、Ba(NO3)2およびSnCl4・4H2Oの水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、1重量%のCe、1重量%のBa、および0.05重量%のSnを含む触媒A8を得た。
【0098】
10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2、KNO3、Ce(NO3)3・6H2O、Ba(NO3)2およびLa(NO3)3・6H2Oの水溶液で含浸させた。当含浸された担体を大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで大気中338°Fで1時間および1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、1重量%のCe、1重量%のBa、および1.2重量%のLaを含む触媒A9を得た。
【0099】
10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2、KNO3、Ce(NO3)3・6H2OおよびLa(NO3)3・6H2Oの水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、1.5重量%のCe、および1.2重量%のLaを含む触媒A10を得た。
【0100】
最初に、10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、Ce(NO3)3・6H2Oの水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、2重量%のCeを含むCe含有担体を得た。次いで、当Ce含有担体を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2、KNO3、Ce(NO3)3・6H2O、およびLa(NO3)3・6H2Oの水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、3重量%のCe、および1重量%のBaを含む触媒A11を得た。
【0101】
最初に、10%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 10)を、溶液滴下含浸法によって、亜鉛(NO3)2の水溶液で含浸させた。当含浸担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、2重量%のZnを含むZn含有担体を得た。次いで、当Zn含有担体を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2、KNO3、Ce(NO3)3・6H2O、およびLa(NO3)3・6H2Oの水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、1重量%のCe、1重量%のBa、および2重量%のZnを含む触媒A12を得た。
【0102】
5%SiO2を含むAl2O3-SiO2担体(Sasol Siralox 5)を、溶液滴下含浸法によって、Ga(NO3)3、Pt(NH3)4(NO3)2、KNO3、Ce(NO3)3・6H2OおよびBa(NO3)2の水溶液で含浸させた。当含浸された担体を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥させ、次いで、大気中338°Fで1時間乾燥させ、次いで、大気中、1382°Fで1時間か焼して、4.5重量%のGa、0.02重量%のPt、0.25重量%のK、1重量%のCeおよび1重量%のBaを含む触媒A13を得た。
【0103】
比較触媒C4(Ptを含まない)、C5およびC6(ジルコニア担持)を同様に製造した。比較用のアルミナ担持クロム触媒C3を、従来の方法に従って製造した。
表1:触媒組成物
【表1】
表2:触媒組成物(続き)
【表2】
【実施例2】
【0104】
プロパン脱水素
実施例1に従って調製した触媒組成物を、固定床反応器中に備えて試験した。100モル%のプロパンを含むフィードを、サイクルモードにて、0.5atmの全圧で、2.0h
-1液、2.0h
-1の液体空間速度(LHSV)、540~600℃の範囲内の温度、0.5atmの全圧で、触媒床上に通し、10分間のプロパン脱水素化の後に大気中で触媒再生を行った。結果を以下の表3に示す。
表3:プロパン脱水素
【表3】
【0105】
結果は、試験した触媒の性能が許容可能であり、クロムの非存在下でも、また比較のガリウム含有触媒と比べても、良好な生成率、選択率および転化率を得られることを示している。例えば、結果は、特に触媒A9が安定であり、触媒A13が高度に選択的であることを示す。
【0106】
本開示のさらなる態様は、技術的または論理的に矛盾しない任意の数および任意の方法で組み合わせることができる、以下に列挙される実施形態によって提供される。
実施形態1.
か焼ベースで元素金属として計算して0.5重量%~20重量%の範囲内の量で組成物に存在するGa;
か焼ベースで元素金属として計算して0.2重量%~20重量%の範囲内の量で組成物に存在するCe;
か焼ベースで元素金属として計算して1ppm~500ppmの範囲内の量で組成物に存在するPt;
任意で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および、それらの任意の混合物から選択され、か焼ベースで元素金属として計算して20重量%以下の量で組成物に存在する促進剤M2;および、
か焼ベースで酸化物として計算して50重量%~99重量%の範囲内の量で組成物に存在するシリカ-アルミナ担体S1、ここで、シリカは、か焼ベースでSiO2として計算して1重量%~30重量%の範囲内の量でS1に存在する、
を含む、脱水素触媒組成物。
【0107】
実施形態2.
Gaは、か焼ベースで元素金属として計算して0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~12.5重量%、または0.5重量%~10重量%、または0.5重量%~8.5重量%、または0.5重量%~7重量%、または0.5重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態1の触媒組成物。
【0108】
実施形態3.
Gaは、か焼ベースで元素金属として計算して0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8.5重量%、または0.5重量%~7重量%、または0.5重量%~5重量%、または0.5重量%~3重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態1の触媒組成物。
【0109】
実施形態4.
Gaは、か焼ベースで元素金属として計算して1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8.5重量%、または1重量%~7重量%、または1重量%~5重量%、または1重量%~3重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態1の触媒組成物。
【0110】
実施形態5.
Gaは、か焼ベースで元素金属として計算して1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8.5重量%、または1.5重量%~7重量%、または1.5重量%~5重量%、または1.5重量%~3重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態1の触媒組成物。
【0111】
実施形態6.
Gaは、か焼ベースで元素金属として計算して2重量%~10重量%、例えば、2重量%~8.5重量%、または2重量%~7重量%、または2重量%~5重量%、または2重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態1の触媒組成物。
【0112】
実施形態7.
Gaは、か焼ベースで元素金属として計算して3重量%~10重量%、例えば、3重量%~8.5重量%、または3重量%~7重量%、または3重量%~5重量%、または3重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態1の触媒組成物。
【0113】
実施形態8.
Ceは、か焼ベースで元素金属として計算して、0.2重量%~15重量%、例えば、0.2重量%~10重量%、または0.2重量%~7重量%、または0.2重量%~5重量%、または0.2~3重量%の量で当組成物に存在する、実施形態1~7のいずれかの触媒組成物。
【0114】
実施形態9.
Ceは、か焼ベースで元素金属として計算して、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、または0.5重量%~10重量%、または0.5重量%~7重量%、または0.5重量%~5重量%、または0.5重量%~3重量%の量で当組成物に存在する、実施形態1~7のいずれかの触媒組成物。
【0115】
実施形態10.
Ceは、か焼ベースで元素金属として計算して、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、または1重量%~10重量%、または1重量%~7重量%、または1重量%~5重量%、または1重量%~3重量%の量で当組成物に存在する、実施形態1~7のいずれかの触媒組成物。
【0116】
実施形態11.
Ptは、か焼ベースで元素金属として計算して、5ppm~500ppm、例えば、25ppm~500ppm、または100ppm~500ppmの範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態1~10のいずれかの触媒組成物。
【0117】
実施形態12.
Ptは、か焼ベースで元素金属として計算して、1ppm~450ppm、例えば、5ppm~450ppm、または25ppm~450ppm、または100ppm~450ppmの範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態1~10のいずれかの触媒組成物。
【0118】
実施形態13.
Ptは、か焼ベースで元素金属として計算して、1ppm~400ppm、例えば、5ppm~400ppm、または25ppm~400ppm、または100ppm~400ppmの範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態1~10のいずれかの触媒組成物。
【0119】
実施形態14.
Ptは、か焼ベースで元素金属として計算して、1ppm~350ppm、例えば、5ppm~350ppm、または25ppm~350ppm、または100ppm~350ppmの範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態1~10のいずれかの触媒組成物。
【0120】
実施形態15.
Ptは、か焼ベースで元素金属として計算して、1ppm~300ppm、例えば、5ppm~300ppm、または25ppm~300ppm、または100ppm~300ppmの範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態1~10のいずれかの触媒組成物。
【0121】
実施形態16.
M2は、1以上のアルカリ金属を含み、0.2重量%~2.5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、実施形態1~15のいずれかの触媒組成物。
【0122】
実施形態17.
M2は、Kを含む、実施形態1~16のいずれかの触媒組成物。
【0123】
実施形態18.
M2は、1以上のアルカリ土類金属を含み、0.2重量%~10重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、実施形態1~17のいずれかの触媒組成物。
【0124】
実施形態19.
M2がBaを含む、実施形態1~18のいずれかの触媒組成物。
【0125】
実施形態20.
シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する、実施形態1~19のいずれかの触媒組成物。
【0126】
実施形態21.
アルミナは、か焼ベースでAl2O3として計算して70重量%~99重量%の範囲内の量でS1に存在する、実施形態1~20のいずれかの触媒組成物。
【0127】
実施形態22.
前記担体S1は、50重量%~98重量%の範囲内の量で当組成中に存在する、実施形態1~21のいずれかの触媒組成物。
【0128】
実施形態23.
0.01重量%~10重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、およびZnのうち1以上をさらに含む、実施形態1~22のいずれかの触媒組成物。
【0129】
実施形態24.
Gaは、2~10重量%の量で存在し、Ptは、10ppm~400ppmの量で存在する、実施形態1、8-10および16-21のいずれかの触媒組成物。
【0130】
実施形態25.
Gaは1重量%~5重量%、例えば、2重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ceは、1重量%~10重量%、例えば1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ptは、10ppm~500ppm、例えば、10ppm~400ppmの範囲内の量で当組成物に存在する;および、
S1は、80重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、
実施形態1および16~21のいずれかの触媒組成物。
【0131】
実施形態26.
シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する、実施形態25の触媒組成物。
【0132】
実施形態27.
M2はKであり、0.2重量%~2.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する、実施形態25または実施形態26の触媒組成物。
【0133】
実施形態28.
M2は、KおよびBaの混合物であり、0.5重量%~5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、実施形態25または実施形態26の触媒組成物。
【0134】
実施形態29.
0.01重量%~10重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、およびZnのうちの1以上を含む、実施形態25~28のいずれかの触媒組成物。
【0135】
実施形態30.
Gaは、2重量%~5重量%、例えば3重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ceは1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ptは、100ppm~500ppm、例えば100ppm~400ppmの範囲内の量で当組成物に存在する;
M2は、KおよびBaの混合物であり、0.5重量%~5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する、;
S1は、90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;および
シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する、
実施形態1または実施形態23の触媒組成物。
【0136】
実施形態31.
0.1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在するLaをさらに含む、実施形態30の触媒組成物。
【0137】
実施形態32.
Gaは、2重量%~5重量%、例えば3重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ceは1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ptは、100ppm~500ppm、例えば100ppm~400ppmの範囲内の量で当組成物に存在する;
M2は、KおよびBaの混合物であり、1重量%~5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する;
S1は、90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;および
シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する、
実施形態1または実施形態23の触媒組成物。
【0138】
実施形態33.
0.025重量%~1.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在するFeをさらに含む、実施形態32の触媒組成物。
【0139】
実施形態34.
0.01重量%~1重量%の範囲内の量で当組成物に存在するSnをさらに含む、実施形態32の触媒組成物。
【0140】
実施形態35.
1重量%~6重量%の範囲内の量で当組成物に存在するZnをさらに含む、実施形態32の触媒組成物。
【0141】
実施形態36.
Gaは、2重量%~5重量%、例えば3重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ceは、1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ptは、100ppm~500ppm、例えば100ppm~400ppmの範囲内の量で当組成物に存在する;
M2は、Kであり、0.2重量%~2.5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する;
S1は、90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;および
シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する、
実施形態1または実施形態23の触媒組成物。
【0142】
実施形態37.
0.1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在するLaをさらに含む、実施形態36の触媒組成物。
【0143】
実施形態38.
0.05重量%~2重量%の範囲内の量で当組成物に存在するTiをさらに含む、実施形態36の触媒組成物。
【0144】
実施形態39.
Gaは、2重量%~5重量%、例えば3重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ceは、1.5重量%~5.5重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;
Ptは、100ppm~500ppm、例えば100ppm~400ppmの範囲内の量で当組成物に存在する;
M2は、Kであり、0.2重量%~2.5重量%の範囲内の合算量で当組成物に存在する;
S1は、90重量%~99重量%の範囲内の量で当組成物に存在する;および
シリカは、2重量%~20重量%の範囲内の量でS1に存在する、
実施形態1または実施形態23の触媒組成物。
【0145】
実施形態40.
0.1重量%~5重量%の範囲内の量で当組成物に存在するLaをさらに含む、実施形態39の触媒組成物。
【0146】
実施形態41.
Ga,Ce,Pt,M2およびS1の合計量は、当組成物の少なくとも80重量%、例えば、少なくとも85重量%、または、少なくとも87重量%、または、少なくとも90重量%である、実施形態1~40のいずれかの触媒組成物。
【0147】
実施形態42.
当組成物に存在するGa、Ce、Pt、M2、S1、および、La、Mn、Ti、Fe、Cu、Sn、W、Y、Znのいずれかの合計量は、当組成物の少なくとも85重量%、例えば、少なくとも87重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも92.5重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも97.5重量%、または少なくとも98重量%である、実施形態1~40のいずれかの触媒組成物。
【0148】
実施形態43.
任意でGa、Ce、Pt、およびM2のうちの1以上を含浸させたシリカ-アルミナ担体S1を提供する工程;
当該シリカ-アルミナ担体S1を、Ga源、Ce源、Pt源、および、任意のM2源のうちの1以上を含む含浸液に含浸させる工程;および、
当該含浸シリカ-アルミナ担体S1をか焼する工程、
を含む、実施形態1~42のいずれかの脱水素触媒組成物の製造方法。
【0149】
実施形態44.
シリカ-アルミナ担体S1を提供する工程は、S1源を反応させることを含む、実施形態43の方法。
【0150】
実施形態45.
当該反応は、加水分解重縮合反応であり、S1源は、1以上の金属オキシ化合物を含む、実施形態44の方法。
【0151】
実施形態46.
Ga、Ce、Pt、およびM2のうちの1以上を含浸させたシリカ-アルミナ担体S1を提供する工程は、Ga源、Ce源、Pt源、およびM2源のうちの1以上の存在下でS1源を反応させること、ならびに、当該反応生成物を、(例えば、2~4時間の期間、500~1,200℃の範囲内の温度で)か焼すること、を含む、実施形態44または45の方法。
【0152】
実施形態47.
Ga源およびCe源の一方または両方を含浸させたシリカ-アルミナ担体S1を提供する工程は、Ga源およびCe源の一方または両方の存在下でS1源を反応させること、および、当該反応生成物を、(例えば、2~4時間の期間、500~1,200℃の範囲内の温度で)か焼すること、を含む、実施形態44または45の方法。
【0153】
実施形態48.
当該か焼温度は、500~1,200℃の範囲内である、実施形態43~47のいずれかの方法。
【0154】
実施形態49.
当該か焼は、2~4時間の期間行われる、実施形態43~48のいずれかの方法。
【0155】
実施形態50.
含浸シリカ-アルミナ担体S1をか焼する前に、当該含浸シリカ-アルミナ担体を(例えば、30分~4時間の期間、50~250℃の範囲内の温度で)乾燥すること、をさらに含む、実施形態43~49のいずれかの方法。
【0156】
実施形態51.
炭化水素フィードを、実施形態1~42のいずれかの触媒組成物と接触させることを含む、炭化水素を脱水素する方法。
【0157】
実施形態52.
少なくとも25重量%、例えば少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、またはさらに少なくとも45重量%の転化率で操作される、実施形態51の方法。
【0158】
実施形態53.
25~70重量%、例えば、25~60重量%、または25~50重量%、または30~70重量%、または30~60重量%、または30~50重量%、または40~70重量%、または40~65重量%、または40~50重量%、または45~70重量%、または45~65重量%、または45~55重量%の範囲の転化率で操作される、実施形態51の方法。
【0159】
実施形態54.
少なくとも80重量%、例えば、少なくとも85重量%、又は更には少なくとも90重量%の選択率で操作される、実施形態51~53のいずれかの方法。
【0160】
実施形態55.
80~95重量%、例えば、80~90重量%、または85~95重量%、または85~90重量%、または90~95重量%の範囲の選択率で操作される、実施形態51~53のいずれかの方法。
【0161】
実施形態56.
25~55重量%、例えば、25~50重量%、または25~45重量%、または30~55重量%、または30~45重量%、または30~40重量%、または35~55重量%、または35~50重量%、または35~45重量%、または40~55重量%、または40~50重量%の範囲の生成率で操作される、実施形態51~55のいずれかの方法。
【0162】
実施形態57.
400℃~850℃の範囲内の温度で実施される、実施形態51~56のいずれかの方法。
【0163】
実施形態58.
0.1バール~1バールの範囲内の圧力で実施される、実施形態51~57のいずれかの方法。
【0164】
前述の詳細な説明および添付の図面は説明および例示のために提供されており、別記特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に例示される現在好ましい実施形態における多くの変形例は当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にとどまる。
【0165】
別記特許請求の範囲における要素および特徴は、さらに本開示の範囲内で、異なる方法で組み合わされて新しい請求項を生じうることを理解されたい。したがって、別記従属請求項は、一の独立請求項または従属請求項のみに従属するが、これらの従属請求項は、代替的に、独立請求項または従属請求項のいずれかの代替物に依存するようにすることができ、そのような新しい組合せは本明細書の一部を形成するものとして理解されるべきであることを理解されたい。
【国際調査報告】