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特表2023-536565外科用器具を用いる軌道を視覚化するシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-28
(54)【発明の名称】外科用器具を用いる軌道を視覚化するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20230821BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20230821BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20230821BHJP
   A61B 17/80 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B17/16
A61B17/56
A61B17/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578866
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(85)【翻訳文提出日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 US2021044429
(87)【国際公開番号】W WO2022031770
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/060,726
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ERLANG
(71)【出願人】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ,ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】ガウタム,サンジーブ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL09
4C160LL29
4C160LL32
(57)【要約】
患者の骨を手術する外科用システムを開示する。外科用システムは、1つ以上の放射線不透過性マーカを含む基準装置と、第1の座標系に対する基準装置の向きデータに関する第1の信号を生成するように構成されている第1のセンサと、エンドエフェクタに連結する外科用器具と、第2の座標系に対するエンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの向きデータに関する第2の信号を生成するように構成されている第2のセンサと、ナビゲーションシステムとを含む。ナビゲーションシステムは、エンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの向きを決定し、決定された向き及びユーザ入力に基づいて、エンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの仮想表現を画像上に重ね合わせるように構成されている。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含む基準装置であって、外科用インプラントに対して固定された姿勢を有するように構成されている基準装置と、
前記基準装置上に配置されたときに前記基準装置に対して固定された姿勢を有するように構成され、第1の座標系に対する前記基準装置の向きデータに関する第1の信号を生成するように構成されている第1のセンサと、
エンドエフェクタに連結する外科用器具と、
前記外科用器具に対して固定された姿勢を有するように構成され、第2の座標系に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きデータに関する第2の信号を生成するように構成されている第2のセンサと、
(i)前記第1の信号と(ii)前記第2の信号と(iii)前記基準装置及び患者の骨の画像とを受信し、前記基準装置及び前記患者の前記骨の前記画像を表示し、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの所望の位置に関連するユーザ入力を受信し、(i)前記外科用器具及び前記エンドエフェクタのうちの少なくとも1つの軸が前記少なくとも1つの基準軸と整列されたときに前記第1の座標系を前記第2の座標系に位置合わせし、(ii)画像座標系における前記骨に対する前記少なくとも1つの基準軸の向きを位置合わせし、及び(iii)前記ユーザ入力に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの位置を位置合わせし、前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きを決定し、前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの前記位置合わせされた位置及び前記決定された向きに基づいて、前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの仮想表現を前記画像上に重ね合わせるように構成されているナビゲーションシステムと
を備えてなる、患者の骨に対して手術を行うための外科用システム。
【請求項2】
前記第2のセンサは、前記外科用器具上に配置されるように構成されている、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項3】
前記画像は、前記1つ以上の放射線不透過性マーカの影を含み、
前記ナビゲーションシステムは、前記1つ以上の放射線不透過性マーカの前記影の姿勢に基づいて、前記画像座標系における前記骨に対する前記第1のセンサの向きを位置合わせするように構成されている、請求項1又は2に記載の外科用システム。
【請求項4】
前記外科用インプラントを更に備え、前記外科用インプラントは、1つ以上の開口部を含む骨プレートである、請求項1~3のいずれか一項に記載の外科用システム。
【請求項5】
固定部材を更に備え、
前記基準装置は、連結部を含み、
前記固定部材の第1の部分は、前記外科用インプラントを前記骨に固定するように構成され、前記固定部材の別の部分は、前記基準装置の前記連結部に連結されるように構成されている、請求項4に記載の外科用システム。
【請求項6】
前記画像は、前記1つ以上の開口部の1つ以上の影を含み、
前記ユーザ入力は、xy平面内の前記所望の位置に対応する前記1つ以上の開口部の前記影の第1の選択と、z軸を含む平面内の前記所望の位置に対応する第2の選択とを含む請求項4又は5に記載の外科用システム。
【請求項7】
第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタを更に備え、
前記エンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタとして更に定義され、
前記第1のエンドエフェクタに連結されたとき、前記外科用器具は、第1の機能を実行するように構成されており、
前記外科用器具は、第2の機能を実行するために前記第2のエンドエフェクタに連結されるように構成されており、
前記第1の機能と前記第2の機能とは、異なる機能である、請求項1~6のいずれか一項に記載の外科用システム。
【請求項8】
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサはジャイロスコープである、請求項1~7のいずれか一項に記載の外科用システム。
【請求項9】
前記エンドエフェクタを更に備え、前記基準装置は、前記少なくとも1つの基準軸を規定する表面を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の外科用システム。
【請求項10】
前記エンドエフェクタは、前記表面に挿入されるように構成される、請求項9に記載の外科用システム。
【請求項11】
前記エンドエフェクタは、固定された向きで前記外科用器具に連結される、請求項9又は10に記載の外科用システム。
【請求項12】
前記表面はカニューレである、請求項9に記載の外科用システム。
【請求項13】
前記1つ以上の放射線不透過性マーカは、前記少なくとも1つの基準軸上に配置されている、請求項9~12のいずれか一項に記載の外科用システム。
【請求項14】
前記エンドエフェクタはドリルビットであり、
前記外科用器具は、穿孔プロセス中の前記ドリルビットの変位に関連する第3の信号を提供するように構成される深度センサを含み、
前記ナビゲーションシステムは、前記第3の信号を受信するように構成され、前記仮想表現は、前記第3の信号に更に基づくものである、請求項9~13のいずれか一項に記載の外科用システム。
【請求項15】
前記外科用器具に取り付けられるように構成される深度測定アタッチメントを更に備え、前記深度測定アタッチメントは、穿孔プロセス中の前記エンドエフェクタの変位に関連する第3の信号を提供するように構成される深度センサを含み、前記基準装置は、前記少なくとも1つの基準軸を規定し、前記深度測定アタッチメントに挿入されるように構成されるポストを含み、前記第2のセンサは、前記深度測定アタッチメント内に配置されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の外科用システム。
【請求項16】
撮像システムに取り付けられるように構成される装置を更に備え、
前記ナビゲーションシステムは、前記装置及び前記少なくとも1つの基準軸の前記1つ以上の放射線不透過性マーカのうちの少なくとも1つに基づいて、前記画像の倍率を決定するように構成されており、
前記ナビゲーションシステムは、前記第3の信号を受信するように構成され、前記仮想表現は、前記倍率に更に基づくものである、請求項15に記載の外科用システム。
【請求項17】
前記装置は、FluoroDiscであり、透明レンズと、前記透明レンズ上に配置される複数の基準マーカと、前記FluoroDiscを前記撮像システムに取り付けるように構成される取り付け部材とを含む、請求項16に記載の外科用システム。
【請求項18】
外科用システムを用いて患者の骨を手術する方法であって、前記外科用システムは、ナビゲーションシステムと、外科用器具と、少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含む基準装置と、第1の座標系を有し、前記基準装置に対して固定された姿勢を有する第1のセンサとを含み、前記基準装置は、外科用インプラントに対して固定された姿勢を有するように構成されており、前記外科用器具は、第2の座標系を有し、前記外科用器具に対して固定された姿勢を有する第2のセンサを含み、前記外科用器具は、エンドエフェクタに連結されるように構成されていて、
(i)前記第1のセンサからの前記基準装置の向きデータに関する第1の信号と、(ii)前記第2のセンサからの前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きデータに関する第2の信号と、(iii)前記基準装置及び前記患者の前記骨の画像とを受信するステップと、
前記基準装置及び前記患者の前記骨の前記画像を表示するステップと、
前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの所望の位置に関連するユーザ入力をディスプレイ上で受信するステップと、
(i)前記外科用器具及び前記エンドエフェクタのうちの少なくとも1つの軸が前記少なくとも1つの基準軸と整列されたときに前記第1の座標系を前記第2の座標系に位置合わせし、(ii)前記ユーザ入力に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの位置を位置合わせするステップと、
前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きを決定するステップと、
前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの前記位置合わせされた位置及び決定された前記向きに基づいて、前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの仮想表現を前記画像の上に重ね合わせるステップと
を含んでなる方法。
【請求項19】
前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つを前記基準装置の表面と整列させるステップと、
前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの前記少なくとも1つが前記基準装置の前記表面と整列されたときに、前記第1の座標系を前記第2の座標系に位置合わせするステップと
を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記画像は、前記1つ以上の放射線不透過性マーカの影を含み、
前記1つ以上の放射線不透過性マーカの前記影の位置に基づいて、画像座標系における前記骨に対する前記第1のセンサの向きを位置合わせするステップを更に含む、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記基準装置を前記外科用インプラントに連結することを更に含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記外科用システムは、1つ以上の開口部を有する前記外科用インプラントを更に含み、
前記画像は、前記1つ以上の開口部の影を含み、
前記ユーザ入力は、xy平面内の前記所望の位置に対応する前記1つ以上の開口部の前記影の第1の選択と、z軸を含む平面内の前記所望の位置に対応する第2の選択とを含む、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記外科用システムは第2のエンドエフェクタを含み、前記第2のエンドエフェクタが第1のエンドエフェクタを更に定義しており、
第1の機能を実行するために、前記第1のエンドエフェクタを前記外科用器具に連結するステップと、
第2の機能を実行するために、前記第2のエンドエフェクタを前記外科用器具に連結するステップと
を更に含む、請求項18~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記外科用システムは、前記外科用器具に取り付けられるように構成される深度測定アタッチメントを更に含み、該深度測定アタッチメントは、穿孔プロセス中の前記エンドエフェクタの変位に関連する第3の信号を提供するように構成される深度センサを含み、前記基準装置は、前記少なくとも1つの基準軸を規定するポストを含み、前記ポストを前記深度測定アタッチメントに挿入することによって、前記深度測定アタッチメントを前記ポストに連結するステップを更に含むものである、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含む基準装置であって、患者に配置されるように構成されている基準装置と、
エンドエフェクタに連結する、センサを含む外科用器具であって、前記センサは、第1の座標系に対する前記外科用器具の向きデータに関する第1の信号を生成するように構成されるものである、外科用器具と、
前記基準装置及び前記患者の骨の画像を受信し、前記基準装置及び前記患者の前記骨の前記画像を表示し、(i)画像座標系における前記骨に対する前記少なくとも1つの基準軸の向きを位置合わせし、及び(ii)前記第1の座標系を前記画像座標系に位置合わせし、前記第1の信号に基づいて、前記骨に対する前記外科用器具の向きを決定し、前記外科用器具の前記決定された向き及び位置に基づいて、前記骨に対して前記外科用器具の仮想表現を重ね合わせるように構成されている手術ナビゲーションシステムと
を備えてなる、患者の骨に対して手術を行うための外科用システム。
【請求項26】
前記外科用器具の前記位置は、前記手術ナビゲーションシステムへのユーザ入力に基づいて決定される、請求項25に記載の外科用システム。
【請求項27】
前記第1の座標系は、前記外科用器具及び前記エンドエフェクタのうちの少なくとも1つの軸が前記少なくとも1つの基準軸と整列されると、前記画像座標系に位置合わせされる、請求項25又は26に記載の外科用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年8月4日付で出願された米国仮特許出願第63/060,726号の利益及び優先権を主張し、この内容全体を引用することによって本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0002】
従来の医療的処置及び外科的処置には、外科医が手術部位に接近して操作することを可能にする外科用ツール及び器具の使用を日常的に伴う。非限定的な例として、手持ち式ドリル等の回転器具は、外傷、スポーツ負傷、変性疾患、関節再建等の様々な筋骨格状態(musculoskeletal conditions)に対処するために、整形外科処置に関連して一般に利用される。
【0003】
手持ち式ドリル又は同様の外科用器具が採用される処置においては、アクチュエータ(例えば、電気モータ)によって選択的に生成される回転トルクを使用して、ドリルビット等の着脱可能なエンドエフェクタ又は他の外科用アタッチメントを異なる速度で回転させる。外科用ハンドピースアセンブリは、エンドエフェクタが適用される骨に穿孔する。
【0004】
整形外科処置の1つのタイプは、観血的整復内固定(ORIF:open reduction internal fixation)処置である。ORIF処置の間、外科医は、折れた骨を再整列させ、1つ以上の外科用インプラントを用いて骨を適所に固定する。1つ以上の外科用インプラントは、骨プレート及びねじを含むことができる。ねじは、骨プレートを骨に対して適切な位置に保持する。一定期間が経過した後、骨が治癒したと決定されたときに、骨プレート及びねじを除去することができる。
【発明の概要】
【0005】
患者の骨を手術する外科用システムを開示する。外科用システムは、少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含んだ、基準装置を有する。基準装置は、外科用インプラントに対して固定された姿勢を有するように構成されている。外科用システムは、基準装置上に配置されたときに基準装置に対して固定された姿勢を有するように構成され、第1の座標系に対する基準装置の向きデータに関する第1の信号を生成するように構成されている第1のセンサも含む。この外科用システムは、エンドエフェクタに連結する外科用器具も含む。外科用システムは、外科用器具に対して固定された姿勢を有するように構成されていて、第2の座標系に対するエンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの向きデータに関する第2の信号を生成するように構成されている第2のセンサも有する。この外科用システムは、(i)第1の信号、(ii)第2の信号、並びに(iii)基準装置及び患者の骨の画像を受信し、基準装置及び患者の骨の画像を表示するように構成されているナビゲーションシステムも含む。このナビゲーションシステムは、骨に対するエンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの所望の位置に関連する少なくとも1つのユーザ入力を受信するように更に構成されている。ナビゲーションシステムは、(i)外科用器具及びエンドエフェクタのうちの少なくとも1つの軸が少なくとも1つの基準軸と整列されたときに第1の座標系を第2の座標系に位置合わせし、(ii)画像座標系における骨に対する少なくとも1つの基準軸の向きを位置合わせし、(iii)ユーザ入力に基づいて、骨に対するエンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの位置を位置合わせするように更に構成されている。ナビゲーションシステムは、第1の信号及び第2の信号に基づいて、骨に対するエンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの向きを決定するように更に構成されている。ナビゲーションシステムは、エンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの位置合わせされた位置及び決定された向きに基づいて、エンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの仮想表現を画像上に重ね合わせるように更に構成されている。
【0006】
外科用システムを用いて患者の骨を手術する方法を開示する。外科用システムは、ナビゲーションシステムと、外科用器具と、少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含む、基準装置と、第1の座標系を有し、基準装置に対して固定された姿勢を有する第1のセンサとを含み、この基準装置は、外科用インプラントに対して固定された姿勢を有するように構成されている。外科用器具は、第2の座標系を有し、外科用器具に対して固定された姿勢を有する第2のセンサを含む。外科用器具は、エンドエフェクタに連結されるように構成されている。本方法は、(i)第1のセンサからの基準装置の向きデータに関する第1の信号、(ii)第2のセンサからのエンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの向きデータに関する第2の信号、並びに(iii)基準装置及び患者の骨の画像を受信することを含む。本方法は、基準装置及び患者の骨の画像を表示することを更に含む。本方法は、骨に対するエンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの所望の位置に関連するユーザ入力をディスプレイ上で受信することを更に含む。本方法は、(i)外科用器具及びエンドエフェクタのうちの少なくとも1つの軸が少なくとも1つの基準軸と整列されたときに第1の座標系を第2の座標系に位置合わせし、(ii)ユーザ入力に基づいて、骨に対するエンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの位置を位置合わせすることを含む。本方法は、第1の信号及び第2の信号に基づいて、骨に対するエンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの向きを決定することを更に含む。本方法は、エンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの位置合わせされた位置及び決定された向きに基づいて、エンドエフェクタ及び外科用器具のうちの少なくとも1つの仮想表現を画像上に重ね合わせることを更に含む。
【0007】
患者の骨を手術する外科用システムであって、この外科用システムは、少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含み、そして、基準装置を含む。基準装置は、患者上に配置されるように構成される。外科用システムは、エンドエフェクタに連結するセンサを含む外科用器具であって、センサは、第1の座標系に対する外科用器具の向きデータに関する第1の信号を生成するように構成されている、外科用器具を更に含む。外科用システムは、基準装置及び患者の骨の画像を受信するように構成されている手術ナビゲーションシステムを更に含む。手術ナビゲーションシステムは、基準装置及び患者の骨の画像を表示するように更に構成される。手術ナビゲーションシステムは、(i)画像座標系における骨に対する少なくとも1つの基準軸の向きを位置合わせし、(ii)第1の座標系を画像座標系に位置合わせするように更に構成されている。手術ナビゲーションシステムは、第1の信号に基づいて、骨に対する外科用器具の向きを決定するように更に構成されている。手術ナビゲーションシステムは、外科用器具の決定された向き及び位置に基づいて、骨に対して外科用器具の仮想表現を重ね合わせるように更に構成されている。
【0008】
本開示の適用可能性の更なる領域は、詳細な説明、特許請求の範囲、及び図面から明らかになるであろう。詳細な説明及び特定の例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0009】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の教示に係る外科用システムを含む手術室の例示的なレイアウトの斜視図である。
図2】本開示の教示に係る外科用システムの機能ブロック図である。
図3】本開示の教示に係るFluoroDisc(商標)を含む撮像システムの検出器の斜視図である。
図4】本開示の教示に係る、医用画像上に付与された複数の基準マーカの仮想表現である。
図5】本開示の教示に係る、骨に穿孔するための深度測定アタッチメントを伴う外科用器具を含む、外科用ハンドピースアセンブリの斜視図である。
図6図5の外科用ハンドピースアセンブリの断面及び部分斜視図である。
図7】本開示の教示に係る外科用ハンドピースアセンブリの概略図である。
図8】本開示の教示に係る深度測定アタッチメントの部分分解図である。
図9】本開示の教示に係る、外科用器具から分離された深度測定アタッチメントを伴う、外科用ハンドピースアセンブリの斜視図である。
図10】本開示の教示に係る、外科用器具から分離された深度測定アタッチメントを伴う、外科用ハンドピースアセンブリの斜視図である。
図11】本開示の教示に係る、外科用器具及び様々なアタッチメントを含む、例示的な外科用ハンドピースアセンブリの概略図である。
図12】本開示の教示に係る、基準装置に連結された基準センサを有する基準装置の斜視図の一例である。
図13A】本開示の教示に係る、基準装置の第1の実施形態及び基準装置の第2の実施形態の斜視図である。
図13B】本開示の教示に係る、基準装置の第1の実施形態及び基準装置の第2の実施形態の斜視図である。
図13C】本開示の教示に係る、基準装置の第1の実施形態及び基準装置の第2の実施形態の斜視図である。
図14】本開示の教示に係る例示的な骨プレートの概略図である。
図15】本開示の教示に係る、基準向きにおける外科用ハンドピースアセンブリの立面図である。
図16】本開示の教示に係る、穿孔向きにおける外科用ハンドピースアセンブリの立面図である。
図17】本開示の教示に係る、骨、基準装置、骨プレート、及び外科用ハンドピースアセンブリの仮想表現を描写するナビゲーションディスプレイを示す図である。
図18】本開示の教示に係る、骨、基準装置、骨プレート、及び外科用ハンドピースアセンブリの仮想表現を描写するナビゲーションディスプレイを示す図である。
図19】本開示の教示に係る、骨、基準装置、骨プレート、及び外科用ハンドピースアセンブリの仮想表現を描写するナビゲーションディスプレイを示す図である。
図20】本開示の教示に係る、骨、基準装置、骨プレート、及び外科用ハンドピースアセンブリの仮想表現を描写するナビゲーションディスプレイを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面において、参照符号は、類似又は同一あるいはそれらの両方の要素を識別するために再使用され得る。
【0012】
図1及び図2を参照すると、本開示の教示に係る外科用システム10を使用して、患者20に医療処置を行うための手術室又は外科用スイートの例示的な構成が示されている。外科用システム10は、折れた骨81を再整列させ、1つ以上の外科用インプラントによって骨81を適所に固定するために、ORIF処置等の様々な整形外科処置を行うために使用することができる。1つ以上の外科用インプラントは、骨プレート80と、骨81が治癒するまで骨81に挿入されるねじとを含むことができる。外科用システム10は、ナビゲーションコンピュータ70を収容するカートアセンブリ72を含む手術ナビゲーションシステム50を含む。ナビゲーションコンピュータ70は、ナビゲーションコントローラとも称することができる。
【0013】
第1のナビゲーションディスプレイ74-1及び第2のナビゲーションディスプレイ74-2は、ナビゲーションコンピュータ70と動作可能に通信する。第1のナビゲーションディスプレイ74-1及び第2のナビゲーションディスプレイ74-2は、まとめてナビゲーションディスプレイ74と称することができる。ナビゲーションコンピュータ70は、ナビゲーションコンピュータ70に情報を入力するために、又は別様にナビゲーションコンピュータ70の或る特定の態様を選択又は制御するために使用される1つ以上の入力装置77に接続することができる。1つ以上の入力装置77は、キーボード、マウス、マイクロホン(音声起動)、ジェスチャ制御装置を含むことができる、又は、例えば、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ/メニュー等を含む、ナビゲーションディスプレイ74と統合することができる。この段落で論じたナビゲーションコンピュータ70の機能は、タブレットコンピュータ又は別の好適なモバイル装置上に実装することもできる。
【0014】
外科用システム10は、CアームX線撮像装置等の撮像システム54、又はCT若しくはMRI撮像装置等の別の適切な撮像システムも含むことができる。撮像システム54は、検出器56、線源58、撮像コンピュータ60、撮像ディスプレイ62、及び1つ以上のユーザ入力装置68を備えることができる。検出器56及び線源58は、1つ以上の医用画像を生成するように構成される。検出器56及び線源58は、Cアーム64の対向する端部に配置することができる。線源58は、回転陽極X線源、静止又は固定陽極X線源、標準X線源、固体X線放出源、蛍光透視X線源、静止又は固定陽極X線源等、X線を放出又は生成する診断医用撮像で使用される任意の線源又はそれらの組み合わせを含むことができる。検出器56は、イメージインテンシファイア又は診断医用撮像で使用される任意の他のエネルギー受容体を含むことができる。
【0015】
検出器56及び線源58を含むCアーム64は、患者20の周りを回転して手術部位30の画像を生成するように構成することができる。撮像コンピュータ60は、ユーザが撮像コンピュータ60に入力を提供することを可能にする、キーボード、マウス、及び他の好適な装置を含む、1つ以上のユーザ入力装置68と接続することができる。撮像コンピュータ60及び/又はナビゲーションコンピュータ70(撮像コンピュータ60又はナビゲーションコンピュータ70あるいはそれらの両方)は、当業者に知られているように、撮像システム54によって撮影された画像を取り込み、手術部位30の1つ以上の2D画像及び/又は1つ以上の3Dモデル(2D画像又は3Dモデルあるいはそれらの両方)を生成することができるソフトウェアを含むことができる。撮像ディスプレイ62は、結果として生じる2D画像及び/又は3Dモデルを表示するように構成することができる。
【0016】
CアームX線撮像装置等の撮像システム54からの画像は、多くの場合、歪み得る(すなわち、歪曲し得る)ことから、画像内の全てのオブジェクトは、同一にスケーリングされない場合がある。これは、X線ビームが完全に線形ではないからである。多くの場合、線源58に近いオブジェクトほど大きく見える(また、より多くのピクセルを含む)。線源58から遠いオブジェクトほど小さく見える(また、より少ないピクセルを含む)ことがある。正確な測定を行うために、画像は歪みを除去する必要がある。
【0017】
図3及び図4を参照すると、外科用システム10は、歪み除去機能を提供するためにFluoroDisc57を含むこともできる。FluoroDisc57については、Gamma3(商標)システム用のFluoroMap(商標)適応測位技術ユーザーマニュアルにおいて論じられており、その内容は、全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする(https://www.strykermeded.com/media/2325/gamma3-adapt-fluoromap.pdf)。FluoroDisc57は、2016年11月18日に出願された「Method And Apparatus For Treating A Joint, Including The Treatment Of Cam-Type Femoroacetabular Impingement In A Hip Joint and Pincer-Type Femoroacetabular Impingement In A Hip Joint」と題された米国特許出願公開第2018/0140309号においても論じられており、その内容は、全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。本明細書に記載される機能に加えて、撮像コンピュータ60及び/又はナビゲーションコンピュータ70は、前述の参考文献に記載の1つ以上のシステム、方法、及び/又はアルゴリズムを実装することができる。
【0018】
FluoroDisc57は、透明レンズ59と、透明レンズ59上に配置された複数の基準マーカ61と、FluoroDisc57を撮像システム54の検出器56に取り付けるように構成される取り付け部材63とを含むことができる。FluoroDisc57は、任意の好適な寸法(より具体的には、透明レンズ59)、例えば、9インチ(22.86センチメートル)の直径、12インチ(30.48センチメートル)の直径等を有することができる。取り付け部材63は、ベルト、1つ以上のフック、及び1つ以上のループの組み合わせを含むことができる。複数の基準マーカ61は、既知の寸法を有する。FluoroDisc57は、複数の基準61のパターンを画像上に投影することによって歪み除去機能を提供するように構成することができる。図4には、骨81上に投影された複数の基準61の仮想表現65が示されている。撮像システム54がFluoroDisc57を含む例が提供されるが、撮像システム54がフラットパネル検出器を含む場合等のいくつかの実施態様においては、撮像システム54は、歪み除去された画像を自動的に提供することができ、したがって、FluoroDisc57を省略することができる。画像に投影されたパターンに基づいて、撮像コンピュータ60及び/又はナビゲーションコンピュータ70は、歪み除去された画像に基づいて適切なピクセルサイズを較正することができる。
【0019】
いくつかの実施態様においては、撮像コンピュータ60及び/又はナビゲーションコンピュータ70は、様々な他の計算のために、複数の基準マーカ61の既知の寸法を使用してもよい。例えば、患者20と線源58との間の距離は画像間で変化する場合があり、したがって、倍率又は拡大係数は画像ごとに異なる場合がある。したがって、撮像コンピュータ60及び/又はナビゲーションコンピュータ70は、基準装置上の複数の基準マーカ61及び/又は放射線不透過性マーカの既知の寸法を使用して、画像のそれぞれについての倍率又は拡大係数を決定することができる。撮像コンピュータ60及び/又はナビゲーションコンピュータ70は、複数の基準61の既知の寸法を使用して、複数の基準マーカ61に対するCアーム64の向きを決定してもよい。
【0020】
撮像コンピュータ60は、ナビゲーションコンピュータ70と通信することができる。撮像コンピュータ60は、有線接続及び/又は無線接続(有線又は無線の接続あるいは両方の接続)を介して、手術ナビゲーションシステム50と通信するように構成することができる。例えば、撮像システム54は、手術部位30の結果として生じる2D画像及び/又は3Dモデル等の画像をナビゲーションコンピュータ70に提供するように構成することができる。そして、ナビゲーションコンピュータ70は、結果として生じる2D画像及び/又は3Dモデルをナビゲーションディスプレイ74に提供するように構成することができ、そこで、外科医79又は他の医療専門家は、画像とインタラクト(interact)し、骨81の周囲の対応する領域及び/又はゾーンを識別及び/又は画定することができる。
【0021】
例えば、外科医79は、1つ以上の入力装置77を介して、表示する骨81の複数のビューを選択してもよく、外科用ハンドピースアセンブリ76のエンドエフェクタのための所望の軌道を規定してもよく、及び/又はナビゲーションディスプレイ74のための適切なユーザインターフェースを選択してもよい。線源58及び検出器56は、撮像コンピュータ60に接続されるように示されているが、いくつかの構成においては、検出器56及び線源58を含むX線撮像装置は、ナビゲーションコンピュータ70に直接接続することができ、撮像コンピュータ60、撮像ディスプレイ62、及びユーザ入力装置68の必要性が排除される。ナビゲーションコンピュータ70は、撮像コンピュータ60と全て同じ機能を実行するように構成することができる。
【0022】
外科用システム10は、外科用ハンドピースアセンブリ76を含むことができる。外科医79は、外科用ハンドピースアセンブリ76を使用して、患者20の骨81に穿孔すること、及び/又は骨プレート80の1つ以上の開口部82を通して骨81のボアホールにねじを挿入することを含めて、患者20に対して手術を行うことができる。従来の手術ナビゲーションシステムは、一般に、患者20の骨81に対する外科用ハンドピースアセンブリ76のエンドエフェクタの位置を追跡するために、光学追跡システム若しくは電磁追跡システム、又はそれらの組み合わせを使用する。そのようなシステムは、それら自体の欠点をそれぞれ有し、両方のシステムは、セットアップするのに時間がかかり、費用がかかるものとなり得る。光学追跡システムの特定の欠点は、光学トラッカと位置追跡ユニット(すなわち、カメラ)との間に見通し線を必要とすることであり、これは、手術室内で維持することが困難であり得る。電磁追跡システムの特定の欠点は、光学追跡システムよりも精度が低く、周囲の金属物体からの歪曲の影響を受けやすいことである。両方のシステムは、外科医79が手動の位置合わせプロセスを行うことも必要とし、これは時間がかかり得る。
【0023】
ORIF及び他の外傷処置の間、外科医79は、上記の欠点に起因して、従来のナビゲーション誘導追跡システムを使用することができない。代わりに、外科医79は、自身の処置技能及び解剖学的知識に頼り、外科用ハンドピースアセンブリ76のエンドエフェクタの軌道を整列させて1つ以上のねじ(又は他の外科用インプラント)のためのパイロット穴を形成し得る。同様に、ネジの配置の間、外科医79は、フリーハンドでネジを挿入する。そして、外科医79は、典型的に、蛍光透視法を使用してねじの配置を確認する。外科医79がねじの配置に満足しない場合、外科医79はねじを再配置し得る。これは、外科医79が骨81に追加の穴を穿孔しなければならないので、骨81に余分な損傷をもたらす。ねじの不適切な配置は、ねじが損傷を受ける可能性があるとともに再穿孔及び再確認に時間がかかることから、余分な費用がかかり、時間を浪費する。
【0024】
本開示の教示によれば、外科用システム10は、光学追跡システム及び/又は電磁追跡システム等の従来の追跡システムで一般的であるように外科用ハンドピースアセンブリ76の位置(すなわち、3自由度の並進位置)を具体的に追跡することなく、外科用ハンドピースアセンブリ76(より具体的には、エンドエフェクタ)のリアルタイムの向き(すなわち、3自由度の回転位置)を追跡するように構成される軌道追跡システムを含むことができる。外科用システム10は、任意選択的に、外科用ハンドピースアセンブリ76のエンドエフェクタの変位に関する並進位置のための非従来的な第4の自由度を追跡するように構成されてもよい。
【0025】
図5図10を更に参照すると、1つの例示的な外科用ハンドピースアセンブリ76が示されている。外科用ハンドピースアセンブリ76は、ボアホール深度を決定するための深度ゲージ等の第2の装置の必要性を排除する。外科用ハンドピースアセンブリ76は、外科用器具104と、深度測定アタッチメント116Aと、ドリルビット等のエンドエフェクタ108とを備える。外科用ハンドピースアセンブリ76は、2016年9月1日に出願された「Powered Surgical Drill With Integral Depth Gauge That Includes A Probe That Slides Over A Drill Bit」と題された国際公開第2017/040783号、及び2017年8月17日に出願された「Surgical Handpiece For Measuring Depth Of Bore Holes And Related Accessories」と題された国際公開第2019/035096号において論じられており、これらは、引用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとする。
【0026】
外科用器具104は、ハウジング112と、モータ114と、外科用ハンドピースコントローラ162と、1つ以上のユーザ入力装置164と、バッテリと、以下でより詳細に説明されるような他の構成要素とを含むことができる。ユーザ入力装置164は、トリガ型構成を有することができる。ユーザ入力装置164は、ユーザ(例えば、外科医79)による作動に応答し、磁石及びホール効果センサによって生成される電気信号等を介して、外科用ハンドピースコントローラ162と通信する。したがって、外科医79が外科用ハンドピースアセンブリ76を動作させるためにユーザ入力装置164を作動させると、外科用ハンドピースコントローラ162は、バッテリからの電力をモータ114に向け、モータ114は、次に、以下でより詳細に説明されるように、エンドエフェクタ108又は他の外科用エンドエフェクタを回転させるために採用される回転トルクを生成する。
【0027】
図6及び図7は、ハウジング112内で近位/遠位軸AXに沿って位置決めされたモータ114を示すが、他のモータ位置が企図される。モータ114は、電気式、空気圧式、又は油圧式であり得る。モータ114は、外科用ハンドピースコントローラから受信したコマンド、信号等に応答して回転トルクを選択的に生成するように構成される。モータ114は、一対の軸受117によって軸AXの周りに回転するように支持されたロータカニューレ115を備える。歯車セットに隣接して配置された駆動歯車は、ロータカニューレ115に連結され、ロータカニューレ115と同時に回転し、回転トルクを歯車セットに伝達するために採用される。
【0028】
図示されている例において、深度測定アタッチメント116Aは、ハウジング112に取り外し可能に連結される。しかしながら、深度測定アタッチメントは、ハウジング112と一体的に形成されてもよい。深度測定アタッチメント116Aは、モジュールハウジング120等の別個のハウジングを備えることができる。深度測定アタッチメント116Aは、外科医79のための手術部位の視界の妨害を最小限にするように構築されてもよい。深度測定アタッチメント116Aは、変位センサ124及び深度測定延長部128を更に備えることができる。変位センサ124は、深度測定延長部128に動作可能に接続される。図示されているように、深度測定延長部128はカニューレである。
【0029】
深度測定延長部128は、ガイドブッシング132内に配置され、測定軸MXに沿った並進移動のために支持される。深度測定アタッチメント116Aが外科用ハンドピースアセンブリ76に取り付けられると、測定軸MXは、軸AXと同軸になるように配置される。細長い凹状スロット143が、任意選択的に深度測定延長部128内に横方向に形成され、長手方向に延在する。深度測定延長部128は、深度測定延長部128の少なくとも部分的な長さに沿って直線的に配置された複数のラック歯140を更に備え、これらのラック歯は、ガイドブッシング132の遠位端に隣接して配置された歯車146と噛み合い係合して配置される。図6に示すように、ガイドブッシング132の窓は、歯車146の回転と深度測定延長部128の移動とが正比例するように、ラック歯140と歯車146との間の噛み合い係合を容易にするために歯車146に隣接して配置される。変位センサ124は、深度測定延長部128の軸方向移動から生じる歯車146の回転に応答し、測定軸MXに沿った深度測定延長部128の位置の変化を表す電気信号を生成するために、電位差計、回転エンコーダ等によって実現されてもよい。
【0030】
例として、いくつかの構成において、変位センサ124は、外科用ハンドピースコントローラ162又は深度測定アタッチメントコントローラ144と通信するように配置されてもよく、これは、組織への特定の穿孔深度においてエンドエフェクタ108の回転を遅くするため等、深度測定延長部128の移動に基づいてモータ114がどのように駆動されるかを中断又は調整するように構成されてもよい。
【0031】
図8を参照すると、深度測定延長部128及び変位センサ124の適切な機能があることを保証するために、深度測定延長部128は、延長位置に向かって付勢されてもよい。この付勢によって、深度測定延長部128の遠位端は、穿孔される骨81の近位表面、又は穿孔される骨81に当接する骨プレート80との接触を常に維持する。この付勢は、深度測定延長部128をモジュールハウジング120から遠位に延ばす方向に歯車146を回転させるように回転可能な歯車146を付勢するばね160を使用することによって達成される。しかしながら、外科用器具104に対して深度測定延長部128を付勢する他の方法が企図される。
【0032】
図9及び図10を参照すると、深度測定アタッチメント116Aは、外科用器具104の器具コネクタ152と動作可能に接続するように構成される、ハウジングコネクタ150を含むことができる。1つの例において、外科用器具104は、器具コネクタ152とハウジングコネクタ150との間の接続を介してのみ、深度測定アタッチメント116Aに電力接続を提供することができる。別の例において、深度測定アタッチメント116A及び外科用器具104は、器具コネクタ152及びハウジングコネクタ150を介してデータを交換することもできる。深度測定アタッチメントコントローラ144及び外科用ハンドピースコントローラ162は、有線接続を介して(すなわち、ハウジングコネクタ150及び器具コネクタ152を通して)、又は無線接続を介して、ナビゲーションコンピュータ70又は他の装置と通信することができる。例えば、外科用ハンドピースコントローラ162は、タブレット又は外部サーバ等の遠隔装置にデータを送信することができる。
【0033】
深度測定アタッチメント116Aは、ディスプレイスクリーン等や1つ以上の発光ダイオード(LED)等のディスプレイ156も含み、深度測定アタッチメント116Aの移動に関する情報を外科医79に提供してもよい。例えば、リアルタイムの穿孔深度、記録された履歴最大穿孔深度、ねじ長さ、貫通指示、所望の軌道に対する現在の軌道に関連する視覚情報(例えば、グラフィック表現)を表示して、外科医79が所望の軌道等を位置合わせするように案内する。この同じ情報は、リアルタイム穿孔深度、記録された履歴最大穿孔深度、貫通指示等の音声指示を提供するように、スピーカを用いてユーザに通信されてもよい。
【0034】
深度測定アタッチメントコントローラ144は、変位信号に基づいて貫通イベントを決定するように構成することもできる。深度測定アタッチメントコントローラ144及び外科用ハンドピースコントローラ162は、それぞれ、深度測定アタッチメント116A及び外科用器具104内に配置される別個のコントローラとして示され、深度測定アタッチメントコントローラ144及び外科用ハンドピースコントローラ162は、遠隔装置内に収納されてもよい。深度測定アタッチメントコントローラ144及び外科用ハンドピースコントローラ162は、単一のコントローラへと統合することもできる。
【0035】
再び図7及び図8を参照すると、外科用ハンドピースアセンブリ76は、ハンドピース向きセンサ172を更に含むことができる。1つの例示的な構成において、ハンドピース向きセンサ172は、深度測定アタッチメント116Aの一部として含まれてもよい。深度測定アタッチメントコントローラ144は、ハンドピース向きセンサ172に動作可能に接続されてもよい。
【0036】
ハンドピース向きセンサ172は、ナビゲーションコンピュータ70が外科用ハンドピースアセンブリ76の向き、より具体的には、深度測定アタッチメント116A及び軸AXの向きを導出するために使用することができる、ハンドピース向き信号を生成する。ハンドピース向き信号は、ハンドピース座標系に対するハンドピース向きセンサ172の角速度を示すことができる。
【0037】
例示的な構成において、ハンドピース向きセンサ172は、深度測定アタッチメント116A又は外科用器具104のx軸、深度測定アタッチメント116A又は外科用器具104のy軸、及び深度測定アタッチメント116A又は外科用器具104のz軸等の3つの直交軸の角速度を感知するように配列される、3つの単軸ジャイロスコープを含む。ハンドピース向きセンサ172のx軸、y軸、及びz軸は、ハンドピース座標系と称することができ、x軸の角速度、y軸の角速度、及びz軸の角速度は、本開示を通して、まとめてハンドピース向き信号と称することができる。例えば、第1のジャイロスコープは、ハンドピース向きセンサ172のx軸(すなわち、ロール軸)の角速度を感知するように構成されてもよく、第2のジャイロスコープは、ハンドピース向きセンサ172のy軸(すなわち、ピッチ軸)の角速度を感知するように構成されてもよく、第3のジャイロスコープは、ハンドピース向きセンサ172のz軸(すなわち、ヨー軸)の角速度を感知するように構成されてもよい。
【0038】
ハンドピース向きセンサ172のセンサは、ジャイロスコープとして企図されるが、センサは、加速度計及び/又は磁力計を含み、6自由度で感知することが可能な慣性測定ユニットであってもよい。ハンドピース向きセンサ172は、3つのジャイロスコープを含むものとして説明されているが、任意の数のジャイロスコープが含まれてもよい。別の例示的な構成において、第1のジャイロスコープ、第2のジャイロスコープ、及び第3のジャイロスコープは、3軸ジャイロスコープと置き換えることができる。ハンドピース向きセンサ172は、ハンドピース向き信号をナビゲーションコンピュータ70に直接的に伝送するように構成される、及び/又は深度測定アタッチメントコントローラ144若しくは外科用ハンドピースコントローラ162を通して等、ナビゲーションコンピュータ70に間接的に伝送するように構成される、コントローラを含むこともできる。
【0039】
ハンドピース向きセンサ172は、外科用ハンドピースアセンブリ76に対して固定された姿勢(すなわち、位置及び向き)を有するように構成される。いくつかの例において、ハンドピース向きセンサ172は、図8に示すように深度測定アタッチメント116A内に、又は外科用ハンドピースアセンブリ76のハウジング112内に配置される。ハンドピース向きセンサ172は、図11に関して説明されるアタッチメントのうちの1つ等の別のアタッチメント内に配置されてもよい。
【0040】
他の例において、ハンドピース向きセンサ172は、深度測定アタッチメント116A又は外科用器具104等の外科用ハンドピースアセンブリ76の任意の部分に解放可能に取り付けられるように構成される。したがって、深度測定アタッチメント116Aは、ハンドピース向きセンサ172と連結するための任意の好適な連結具を含むことができる。連結具は、クランプ、クリップ、又は別の好適な連結具とすることができる。例えば、ハンドピース向きセンサ172は、深度測定アタッチメント116Aの外面又は外科用器具104のハウジング112に連結することができる。
【0041】
深度測定アタッチメントコントローラ144は、ハンドピース向きセンサ172と通信し、ユーザ入力に基づいてハンドピース向きセンサ172の動作を制御することができる。例えば、ユーザ入力は、第1のボタン148a及び第2のボタン148b等の深度測定アタッチメント116Aの1つ以上の入力装置148を介して受信することができる。第1のボタン148aは、ハンドピース向きセンサ172を電源オン/オフすることができ、第2のボタン148bは、ハンドピース向きセンサ172をゼロに合わせることができる。ハンドピース向きセンサ172は、外科用器具104から電力を受け取ることができ、深度測定アタッチメント116A内に配置されたときに別個の電源を必要とし得ない。図2には示されていないが、ハンドピース向きセンサ172は、第1のボタン148a又は第2のボタン148bへのユーザ入力に基づいてハンドピース向きセンサ172の動作を制御する専用コントローラを有することができる。他の実施態様において、深度測定アタッチメントコントローラ144等の別のコントローラが、ハンドピース向きセンサ172の動作を制御することができる。
【0042】
ハンドピース向きセンサ172が深度測定アタッチメント116Aの内側に配置されない構成においては、ハンドピース向きセンサ172は、ハウジングと、1つ以上の入力装置と、バッテリ等の電源とを含むこともできる。1つ以上の入力装置は、深度測定アタッチメント116Aの第1のボタン148a及び第2のボタン148bと同様に機能するように構成される、第1のボタン及び第2のボタンを含むことができる。
【0043】
図11を参照すると、いくつかの場合において、深度測定アタッチメント116Aは、使用されなくてもよい。この場合、外科用器具104は、ドリルチャック116B、穴若しくは開口の内面にねじ山を形成するためのタップ116C、又は骨81のボアホール若しくは開口内にねじを駆動若しくは挿入するためのドライバ116Dに連結されてもよい。ハンドピース向きセンサ172は、ドリルチャック116B、タップ116C、又はドライバ116Dのハウジング内に配置されてもよい。ドリルチャック116B、タップ116C、及びドライバ116Dは、ハンドピース向きセンサ172の動作を制御するための第1のボタン148a及び第2のボタン148bを含むことができる。代替的に、ハンドピース向きセンサ172は、ドリルチャック116B、タップ116C、又はドライバ116Dの外面に連結されてもよい。したがって、ドリルチャック116B、タップ116C、及びドライバ116Dは、ハンドピース向きセンサ172をドリルチャック116B、タップ116C、又はドライバ116Dの外面に取り付けるための任意の適切な連結具を含むことができる。
【0044】
図12及び図13A図13Cを参照すると、追跡システムは、少なくとも1つの基準軸を規定する、基準装置182を含むことができる。基準装置182は、骨81に固定されるように構成され、及び/又はいくつかの構成において、骨プレート80は、骨81と基準装置182との間に介在することができる。基準装置182は、第1の延長部186a、第2の延長部186b、及び第3の延長部186c等の1つ以上の延長部186を含むことができる。基準装置182は、3つの延長部186を有して示されているが、基準装置182は、任意の数の延長部186又は表面を含むことができる。第1の延長部186a、第2の延長部186b及び第3の延長部186cは、互いに異なる寸法、例えば、互いに異なる高さ、長さ及び幅を有することができる。基準装置182は、本開示全体を通して説明される図示の実施形態に限定されず、少なくとも1つの基準軸を規定し得る任意の設計又は構成を含んでもよい。
【0045】
基準装置182は、撮像されるときの基準装置182の姿勢を決定するために好適な様式で配列される、1つ以上の基準マーカ188を含むことができる。基準マーカ188は、例えば、放射線不透過性マーカとすることができる。例えば、1つの例示的な構成において、第1の延長部186a、第2の延長部186b、及び第3の延長部186cの各々は、撮像システム54によって撮像可能な基準マーカ188を含むことができる。第1の延長部186aは、第1の組の基準マーカ188aを有することができ、第2の延長部186bは、第2の組の基準マーカ188bを有することができ、第3の延長部186cは、第3の組の基準マーカ188cを有することができる。第1の組の基準マーカ188a、第2の組の基準マーカ188b、及び第3の組の基準マーカ188cは、特有の基準マーカ188をそれぞれ有することができる。例えば、第1の延長部188aの基準マーカ188aのサイズ、形状、数、及び/又は間隔は、第2の延長部186bの基準マーカ188b及び第3の延長部186cの基準マーカ188cとは異なってもよい。1つ以上の基準マーカ188は、ナビゲーションコンピュータ70又は撮像コンピュータ60が、画像ベースの座標系における骨81に対する基準装置182の姿勢(すなわち、位置及び向き)を計算することを可能にする。画像ベースの座標系は、医用画像の患者表面及び/又は骨プレート80の形状及び/又は姿勢を定義することができる。1つ以上の基準マーカ188は、ナビゲーションコンピュータ70が画像間の回転角度を計算することを可能にすることもできる。
【0046】
基準装置182には、少なくとも1つの基準軸を規定する表面194が形成されてもよい。いくつかの例において、図12及び図13Aに示されるように、表面194は、第2の延在部186bから突出している切り欠き又はペグ等の突出部であってもよい。この構成において、深度測定アタッチメント116Aは、突出部に連結されてもよい。深度測定アタッチメント116Aが突出部に連結されると、深度測定アタッチメント116A及び突出部は同心であり、これにより深度測定アタッチメント116Aの測定軸MXが突出部の軸と整列され、これにより2つの軸を位置合わせすることが可能になり、これについては以下でより詳細に説明する。他の例においては、図13Bに示されるように、表面194は、軸AXを管又は円筒形ポケットの軸に位置合わせするために、エンドエフェクタ108が挿入される管又は円筒形ポケットである。1つ以上の延在部186は、連結部190に接続することができる。連結部190は、キルシュナー鋼線(Kワイヤ)、ピン、又は別の好適な固定部材等の固定部材192を介して、骨プレート80又は患者20の骨81への解放可能な取り付けを容易にするように構成することができる。
【0047】
図14を参照すると、例示的な骨プレート80が示されている。骨プレート80は、金属又は別の好適な材料で作ることができ、骨81等の折れた骨を固定するように構成される。図示されているように、骨プレート80は、複数の大きい開口部82と、一対の小さい開口部83とを含むことができる。外科医79は、ねじを骨81に挿入する前に骨プレート80が移動しないように、まず、骨プレート80を固定部材192によって骨81に固定することができる。
【0048】
図12及び図13A図13Cを再び参照すると、固定部材192は、一対の小さい開口部83のいずれかの開口部を通して骨81内に駆動することができる。Kワイヤの別の部分(すなわち、骨81の中に駆動されない側)は、基準装置182のための固定具としての役割を果たし得る。固定部材192が一対の小さい開口部83のうちの1つを通して供給され、骨81の中に駆動されると、基準装置182は、固定部材192に連結することができる。連結部190は、指支持カラー208と、ねじ部210と、コレット212と、係止ノブ214とを含むことができる。指支持カラー208は、基準装置182の底部に取り付けられてもよく、又は底部と一体的に形成されてもよい。ねじ部210は、雄ねじを含むことができ、指支持カラー208に取り付けられてもよく、又は指支持カラー208と一体的に形成されてもよい。
【0049】
コレット212は、ねじ部210に取り付けられてもよく、又はねじ部210と一体的に形成されてもよい。コレット212は、基準装置182を固定部材192に固定するために、固定部材192の周りにカラー(collar)を形成するように構成される。カラーが固定部材192の周囲にカラーを形成すると、基準装置182の回転及び軸方向運動が防止される。連結部が基準装置182を固定部材192に固定するためのコレット212を含む例が提供されるが、任意の好適な部材、要素、装置が、基準装置182が固定部材192から独立して移動することができないように、基準装置182を固定部材192に固定するために使用されてもよい。
【0050】
係止ノブ214は、ねじ部210に連結されるように構成されてもよい。例えば、係止ノブ214は、ねじ部210及びコレット212を受け入れるように構成される通路を画定するように成形されてもよい。係止ノブ214は、内面に雌ねじを含むことができる。ねじ部210及び係止ノブ214は、嵌合対を形成してもよい。いくつかの実施態様においては、ねじ部210の寸法(例えば、高さ)とコレット212の寸法(例えば、高さ)とを合わせたものは、係止ノブ214の寸法(例えば、高さ)とほぼ同じであってもよい。係止ノブ214は、基準装置182と固定部材192との間の接続が確実なままであり、処置全体を通して意図せずに分断されないように、コレット212を被覆する役割を果たしてもよい。
【0051】
他の構成においては、骨プレート80が外科的処置で使用される場合であっても、基準装置182は、骨プレート80が介在することなく、依然として骨81に直接接続することができる。そのような構成において、固定部材192は、骨プレート80の近くの骨81内に挿入され得るが、一対の開口部82、83のいずれも貫通しない。
【0052】
骨プレート80が骨81に一時的に固定されると、外科医79又は他の医療専門家は、撮像システム54を用いて患者20を撮像することができる。そして、撮像システム54は、画像及び任意の3Dモデルを生成し、画像及び/又は3Dモデルをナビゲーションコンピュータ70に伝送する。
【0053】
基準センサ184は、基準装置182に取り外し可能に取り付けられるように構成されている。基準センサ184が基準装置182に取り外し可能に取り付けられる例が提供されるが、いくつかの例においては、基準センサ184は、基準センサ184が基準装置182と一体的に形成される場合等、基準装置182に取り外し可能に取り付けられなくてもよい。基準センサ184は、ナビゲーションコンピュータ70が基準装置182の向きを導出するために使用することができる基準装置向き信号を生成する。基準装置向き信号は、時間に対する基準装置182の角速度を示すことができる。時間に対する角速度の積分は、基準センサ184が最後にゼロに合わされた時間からの基準装置182(及び基準装置座標系)の角運動(すなわち、向き)の尺度である。例えば、基準センサ184は、基準装置182及び深度測定延長部128が整列されたときにゼロに合わされてもよい。基準センサ184は、ハウジング191に一体的に形成された又は取り付けられた取り付け部材183を有するハウジング191を含むことができる。取り付け部材183は、クランプ、クリップ、又は基準センサ184を基準装置182に取り付けるための別の好適な装置の形態であってもよい。基準装置182に解放可能に取り付けられると、基準センサ184の姿勢(すなわち、位置及び向き)は、基準装置182に対して固定される。
【0054】
基準センサ184は、基準コントローラ187、向きセンサ189、1つ以上の入力装置185、及びバッテリ等の電源を含むことができる。例示的な構成において、向きセンサ189は、3つの単軸ジャイロスコープを含む。第1のジャイロスコープは、x軸基準センサ184の角速度を感知するように構成することができ、第2のジャイロスコープは、基準センサ184のy軸の角速度を感知するように構成することができ、第3のジャイロスコープは、基準センサ184のz軸の角速度を感知するように構成することができる。基準センサ184のx軸、y軸、及びz軸は、基準装置座標系と称することができ、x軸の角速度、y軸の角速度、及びz軸の角速度は、本開示全体を通して、まとめて基準装置向き信号と称することができる。センサはジャイロスコープとして企図されるが、センサは、加速度計及び/又は磁力計を含み、6自由度で感知することが可能な慣性測定ユニットであってもよい。向きセンサ189は3つのジャイロスコープを含むものとして説明されるが、任意の数のジャイロスコープが含まれてもよい。別の例示的な構成において、第1のジャイロスコープ、第2のジャイロスコープ、及び第3のジャイロスコープは、3軸ジャイロスコープと置き換えることができる。
【0055】
基準コントローラ187は、1つ以上の入力装置185に基づいて基準センサ184の動作を制御し、ナビゲーションコンピュータ70への基準装置向き信号の送信を制御することができる。基準コントローラ187は、有線接続又は無線接続を介して、深度測定アタッチメントコントローラ144又は外科用ハンドピースコントローラ162と通信することもできる。基準センサ184の1つ以上の入力装置185は、センサの動作を制御するように構成することができる。例えば、基準センサ184の1つ以上の入力装置185の第1のボタン185aは、基準センサ184を電源オン/オフし、感知を開始/停止するために使用されてもよく、1つ以上の入力装置185の第2のボタン185bは、基準センサ184をゼロに合わせるために使用されてもよい。いくつかの例において、基準センサ184は、出力を含むことができる。出力は、LED、ディスプレイ、又は任意の他の出力装置を含んでもよい。出力は、基準センサ184及び/又はシステム10の1つ以上の他の構成要素の状態を示すように構成されてもよい。
【0056】
図15を参照すると、ナビゲーションコンピュータ70は、外科用ハンドピースアセンブリ76と基準装置182との間の基準向き204が確立されると、ハンドピース座標系を基準装置座標系に位置合わせしてもよい。外科用ハンドピースアセンブリ76は、(図16に示されるように)基準向き204と穿孔向き206との間で外科医79によって移動可能であり得る。
【0057】
それぞれの座標系を位置合わせするために、外科用ハンドピースアセンブリ76は、基準装置182の表面194に連結することができる。図示の例において、深度測定延長部128は、基準装置182の表面194(すなわち、ペグ又はカニューレ)に連結されるように位置決めすることができる。外科医79は、アタッチメント上の第2のボタン148bを押して、ハンドピース座標系を基準装置座標系に対してゼロに合わせることができる。
【0058】
代替的な構成において、ナビゲーションコンピュータ70は、基準装置182又は外科用ハンドピースアセンブリ76の1つ以上のセンサに基づいて、基準装置182に対する外科用ハンドピースアセンブリ76の近接度を検出することができる。基準装置182に対する外科用ハンドピースアセンブリ76の検出された近接度に基づいて、ナビゲーションコンピュータ70は、基準装置座標系をハンドピース座標系に自動的に位置合わせすることができる。例えば、基準装置182は、磁石を含んでもよく、外科用ハンドピースアセンブリ76は、ホール効果センサを含んでもよく、又は代替として、基準装置182は、ホール効果センサを含んでもよく、外科用ハンドピースアセンブリ76は、磁石を含んでもよい。別の例において、ハンドピースコントローラ162は、磁場を検出し、それ自体を基準装置座標系に位置合わせし、そして、信号をナビゲーションコンピュータ70に送信し、位置合わせ後、向き情報の積分を開始してもよい。
【0059】
ハンドピース向きセンサ172及び基準センサ184は、ジャイロスコープを含み、ジャイロスコープは、ジャイロスコープを経時的にドリフトさせるバイアス不安定性を受ける。したがって、外科医79は、ジャイロスコープのドリフトによって引き起こされる追跡の不正確さを最小限に抑えるために、外科的処置中に定期的に、ハンドピース向きセンサ172を基準装置182と位置合わせすることができる。これは、エンドエフェクタ108を基準装置182の表面194に再連結し、第2のボタン148bを押すことによってハンドピース向きセンサ172をゼロに合わせることによって行うことができる。
【0060】
基準向き204において、外科用ハンドピースアセンブリ76の軸AXは、基準装置182によって規定される基準軸RXと整列される。多くの構成において、基準軸RXは、骨81及び骨プレート80の一方又は双方に対して垂直であるが、基準軸RXは、骨81又は骨プレート80に対して垂直である必要はない。図16を参照すると、外科用ハンドピースアセンブリ76は、穿孔向き206で示されており、外科用ハンドピースアセンブリ76の軸AXは、基準軸RXに対して斜角である。この斜角は、ねじが後に挿入され得る穿孔角度である。
【0061】
ナビゲーションコンピュータ70は、ナビゲーションコンピュータ70がハンドピース座標系を基準装置座標系に位置合わせした後に、ハンドピース向き信号の積分を開始することができる。代替として、積分機能は、深度測定アタッチメントコントローラ144、ハンドピース向きセンサ172のコントローラ、外科用ハンドピースコントローラ162、又は任意の他の好適なコントローラ等の別のコントローラによって処理されてもよい。例えば、ナビゲーションコンピュータは、深度測定延長部128と基準装置182とが整列され、外科医が第2のボタン148bを押したときに、ハンドピース向き信号の積分を開始することができる。位置合わせの間、ハンドピース座標系と基準装置座標系との間の座標変換行列が決定される。例えば、ナビゲーションコンピュータ70は、ハンドピース向きセンサ172をゼロに合わせることに関連する第2のボタン148bを外科医79が押すと、ハンドピース座標系を基準装置座標系に位置合わせするように促されてもよい。他の例において、ナビゲーションコンピュータ70は、外科医79に位置合わせプロセスを開始するように促すことができる。ナビゲーションコンピュータ70は、或る持続時間にわたってハンドピース向き信号を積分することによって、外科用ハンドピースアセンブリ76の向きを決定するように構成されてもよい。ハンドピース向き信号を積分することによって、ナビゲーションコンピュータ70は、図15に示されるような基準向き204から図16に示されるような穿孔向き206への外科用ハンドピースアセンブリ76の向きの変化を決定してもよく、したがって、ナビゲーションコンピュータ70は、外科用ハンドピースアセンブリ76の向きを決定してもよい。
【0062】
前述のように、基準センサ184は、固定された態様で基準装置182に固定され、基準装置182は、骨81に対して固定された姿勢を有するため、基準センサ184は、患者トラッカとしての役割を果たす。画像が撮影されるたびに、基準センサ184の角度向きの現在の値が記録され、撮影されている特定の画像に関連付けられ得る。ナビゲーションコンピュータ70は、或る持続時間にわたって基準装置向き信号の角速度値を積分することによって、骨81の向きを決定するように構成されてもよい。角速度値を積分することによって、ナビゲーションコンピュータ70は、外科的処置中の骨81の向きの変化を決定することができる。
【0063】
図17を参照すると、ナビゲーションコンピュータ70は、ナビゲーションディスプレイ74上に画像及び3Dモデルを表示する。例えば、脛骨(tibia)の冠状図(coronal view)、脛骨の矢状図(sagittal view)、脛骨の横断図(traverse view)のうちの1つ以上が表示されてもよい。システムは、外科用ハンドピースアセンブリ76の位置を追跡するために従来の追跡手段に依存しないことから、外科用ハンドピースアセンブリ76の実際の位置は、外科医79によって入力されなければならない。したがって、ナビゲーションコンピュータ70は、ナビゲーションディスプレイ74を介して、外科用ハンドピースアセンブリ76、より具体的には、骨プレート80及び/又は骨81に対するエンドエフェクタ108の先端の実際の位置を示すように外科医79に促すように構成されてもよい。例えば、外科用システム10が骨プレート80を含む場合、ナビゲーションコンピュータ70は、エンドエフェクタ108の先端の所望の位置に対応する第1の選択及び第2の選択を行うように外科医79に促すことができる。第1の選択は、xy平面内のエンドエフェクタ108の所望の位置に対応する仮想骨プレートの開口部の影の選択を含み得る。第2の選択は、z軸を含む平面内の所望の位置の選択を含むことができる。例えば、xy平面内のエンドエフェクタの所望の位置を受信するために、ナビゲーションコンピュータ70は、タッチ操作を介して、又は入力装置77を介して、手術ナビゲーションディスプレイ74上に示される画像上で所望の開口部を選択するように外科医79に促してもよい。
【0064】
別の例において、ナビゲーションコンピュータ70は、3Dモデルに対するエンドエフェクタ108の先端の所望の位置に関する単一のユーザ入力を外科医79に促してもよい。システムが骨プレート80を含まない場合、ナビゲーションコンピュータ70は、外科用ハンドピースアセンブリ76の現在の位置に対応する画像の解剖学的特徴を指示又は選択するようにユーザに促してもよい。ナビゲーションコンピュータ70は、ハンドピース向きセンサ172がゼロに合わされるときはいつでも、外科用ハンドピースアセンブリ76の位置を確認するように外科医79に促してもよい。
【0065】
図18を参照すると、ナビゲーションコンピュータ70は、外科医79によって入力された位置及び外科用ハンドピースアセンブリ76の決定された向きに基づく仮想表現を画像上に重ね合わせることができる。仮想表現は、深度測定アタッチメント116A及び/又はエンドエフェクタ108のモデル等の外科用ハンドピースアセンブリ76のモデルを含むことができる。仮想表現は、骨81内に突出する仮想軌道を含むこともできる。そして、外科医79は、外科医79が仮想軌道に満足するまで、外科用ハンドピースアセンブリ76を角度付けしてもよい。例えば、エンドエフェクタ108のモデルは、外科用システム10が骨プレート80を含む場合、選択された開口部に重ね合わされてもよい。外科用システム10が骨プレート80を含まない場合等の別の例において、深度測定アタッチメント116A又はエンドエフェクタ108の先端のモデルを、画像内の選択された解剖学的特徴に重ね合わせることができる。
【0066】
ナビゲーションコンピュータ70は、外科医79が画像内に描かれた仮想軌道に満足したときに、外科医79が軌道を所望の軌道としてフリーズ又は記憶することを可能にするように構成することができる。所望の軌道が記憶されるとき、ナビゲーションディスプレイ74は、現在の軌道が記憶された所望の軌道と一致するときに外科医79に視覚的合図を提供するためのグラフィック表現を含んでもよい。例えば、移動指示は、外科用ハンドピースアセンブリ76の向きと共に移動するナビゲーションディスプレイ74上に表示されてもよい。移動指示は、標的(例えば、十字線又は円の表現)に対してナビゲーションディスプレイ74上に示されてもよい。標的は、所望の軌道を表す。移動円が標的に重なると、現在の軌道は所望の軌道に一致する。加えて、視覚情報(例えば、グラフィカル表現)は、外科医が、ナビゲーションディスプレイ74を見る必要なく、現在の軌道を記憶された所望の軌道に整列させることが可能であるように、外科用ハンドピースアセンブリ76のディスプレイ156上に表示されてもよい。
【0067】
手術ナビゲーションシステム50は、所望の軌道が達成されたときに、可聴の、視覚的な、又は触覚的な警告を生成するように構成することができる。本開示は、画像及び仮想表現がナビゲーションディスプレイ74上に表示されることを企図するが、ナビゲーションコンピュータ70は、仮想表現を、外科用ハンドピースアセンブリ76に取り付けられたディスプレイ、タブレット、ラップトップコンピュータ、又は任意の他のモバイル装置を含む、他の演算装置及び/又はディスプレイに伝送してもよい。
【0068】
図20を参照すると、上述のように、変位センサ124は、外科用ハンドピースコントローラ162への変位信号を生成するように構成されてもよく、変位信号は、ナビゲーションコンピュータ70に伝送される。変位信号は、穿孔プロセス中又は穿孔プロセスに至るまでの深度測定延長部128に対するエンドエフェクタ108の変位に応答する。いくつかの例において、ナビゲーションコンピュータ70は、エンドエフェクタ108が骨81を通して穿孔されるときに、穿孔手技のライブ深度描写を描写するように構成されてもよい。前述のように、倍率/拡大係数は画像ごとに変化し得るため、ナビゲーションコンピュータ70は、ライブ深度描写を描写するために倍率/拡大係数を使用してもよい。例えば、ナビゲーションコンピュータ70は、画像の各々に対してミリメートルへの変換に適切なピクセルを決定するときに、倍率/拡大係数を使用することができる。
【0069】
第2のアタッチメント116Bが外科用器具104に取り付けられている(すなわち、深度測定アタッチメント116Aがない)場合等の他の例において、ナビゲーションコンピュータ70は、穿孔が開始されると、外科用ハンドピースアセンブリ76の姿勢(すなわち、位置及び向き)の仮想表現及び関連する仮想軌道の表示を停止するように構成されてもよい。
【0070】
前述の説明は、本質的に例示的なものにすぎず、本開示、その用途、又は使用を限定することを決して意図するものではない。本開示の広範な教示は、種々の形態で実施することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。なぜなら、図面、明細書、及び添付の特許請求の範囲を検討すれば、他の修正形態が明らかになるからである。方法内の1つ以上のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(又は同時に)実行され得ることを理解されたい。さらに、各例は、或る特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示の任意の例に関して説明されるそれらの特徴のうちの任意の1つ以上は、その組み合わせが明示的に説明されていない場合であっても、他の例のいずれかの特徴において実装され、及び/又は他の例のいずれかの特徴と組み合わされ得る。換言すれば、説明される例は、相互排他的ではなく、1つ以上の例の互いとの置換は、本開示の範囲内に留まる。
【0071】
要素間(例えば、コントローラ、回路要素、半導体層等の間)の空間的関係及び機能的関係は、「接続される(connected)」、「係合される(engaged)」、「連結される(coupled)」、「隣接する(adjacent)」、「隣に(next to)」、「上部に(on top of)」、「上方に(above)」、「下方に(below)」、及び「配置される(disposed)」を含む種々の用語を使用して説明される。「直接的(direct)」であると明示的に説明されない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上記の開示において説明される場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るが、第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的に又は機能的に)存在する間接的な関係であってもよい。
【0072】
本明細書で使用される場合、A、B、及びCのうちの少なくとも1つという語句は、非排他的論理ORを使用して、論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、及びCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。サブセットという用語は、必ずしも適切なサブセットを必要としない。換言すれば、第1のセットの第1のサブセットは、第1のセットと同じ対象を指す(等しい)場合がある。
【0073】
図では、矢印の方向は、矢じりによって示されるように、概して、図解で注目される情報(データ又は命令等)の流れを示している。例えば、要素Aと要素Bとが種々の情報を交換するが、要素Aから要素Bに伝達される情報が図に関連している場合、矢印は要素Aから要素Bを指すことがある。この一方向矢印は、他の情報が要素Bから要素Aに送信されないことを意味するものではない。さらに、要素Aから要素Bに送信される情報に関して、要素Bは、要素Aに情報の要求又は受信確認を送信することができる。
【0074】
以下の定義を含む本出願では、「コントローラ」という用語は、「回路」という用語で置き換えることができる。「コントローラ」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、又は混合アナログ/デジタルディスクリート回路、デジタル、アナログ、又は混合アナログ/デジタル集積回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、又はグループ)、プロセッサ回路によって実行されるコードを記憶するメモリ回路(共有、専用、又はグループ)、説明された機能を提供する他の好適なハードウェア構成要素、又はシステムオンチップ等における上記のいくつか又は全ての組み合わせを指すか、その一部であるか、又はそれを含み得る。
【0075】
コントローラは、1つ以上のインタフェース回路を含み得る。いくつかの例では、インタフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)に接続する有線又は無線インタフェースを実装してもよい。LANの例は、電気電子技術者協会(IEEE)規格802.11-2016(WIFI無線ネットワーキング規格としても既知である)及びIEEE規格802.3-2015(ETHERNET有線ネットワーキング規格としても既知である)である。WPANの例は、Bluetooth Special Interest GroupのBLUETOOTH無線ネットワーキング規格及びIEEE規格802.15.4である。
【0076】
コントローラは、インタフェース回路を使用して他のコントローラと通信することができる。コントローラは、他のコントローラと論理的に直接通信するものとして本開示で描写され得るが、種々の構成において、コントローラは、実際には、通信システムを介して通信してもよい。通信システムは、ハブ、スイッチ、ルータ、及びゲートウェイ等の物理及び/又は仮想ネットワーキング機器を含む。いくつかの構成において、通信システムは、インターネット等のワイドエリアネットワーク(WAN)に接続するか、又はそれを横断する。例えば、通信システムは、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)及び仮想プライベートネットワーク(VPN)を含む技術を使用して、インターネット又はポイントツーポイント専用回線を介して互いに接続された複数のLANを含み得る。
【0077】
種々の構成において、コントローラの機能は、通信システムを介して接続された複数のコントローラに分散されてもよい。例えば、複数のコントローラが、負荷分散システムによって分散された同じ機能を実装してもよい。更なる例では、コントローラの機能は、サーバ(リモート又はクラウドとしても既知である)コントローラとクライアント(又はユーザ)コントローラとの間で分割することができる。
【0078】
コントローラのいくつか又は全てのハードウェア機能は、IEEE規格1364-2005(概して「Verilog」と称される)及びIEEE規格10182-2008(概して「VHDL」と称される)等のハードウェア記述のための言語を使用して定義することができる。ハードウェア記述言語は、ハードウェア回路を製造及び/又はプログラムするために使用され得る。いくつかの構成において、コントローラのいくつか又は全ての特徴は、以下で説明するコードとハードウェア記述との両方を包含するIEEE1666-2005(概して「SystemC」と称される)等の言語によって定義され得る。
【0079】
上記で使用されるコードという用語は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はマイクロコードを含むことができ、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造、及び/又はオブジェクトを指すことがある。共有プロセッサ回路という用語は、複数のコントローラからのいくつか又は全てのコードを実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つ以上のコントローラからのいくつか又は全てのコードを実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路への言及は、個別のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド、又は上記の組み合わせを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のコントローラからのいくつか又は全てのコードを記憶する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリと組み合わせて、1つ以上のコントローラからのいくつか又は全てのコードを記憶するメモリ回路を包含する。
【0080】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。コンピュータ可読媒体という用語は、本明細書で使用される場合、(搬送波上等の)媒体を通って伝搬する一時的な電気信号又は電磁信号を包含しない。したがって、コンピュータ可読媒体という用語は、有形かつ非一時的とみなされ得る。非一時的コンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ回路、又はマスク読み出し専用メモリ回路等)、揮発性メモリ回路(スタティックランダムアクセスメモリ回路又はダイナミックランダムアクセスメモリ回路等)、磁気記憶媒体(アナログ若しくはデジタル磁気テープ又はハードディスクドライブ等)、及び光記憶媒体(CD、DVD、又はBlu-rayディスク等)である。
【0081】
本出願で説明される装置及び方法は、コンピュータプログラムで具現化される1つ以上の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって、部分的に又は完全に実装され得る。上述した機能ブロック及びフローチャート要素は、ソフトウェア仕様として機能し、熟練技術者又はプログラマのルーチン作業によってコンピュータプログラムに変換することができる。
【0082】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、記憶されたデータを含むか、又はそれに依存し得る。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと対話する基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスと対話するデバイスドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーション等を包含することができる。
【0083】
コンピュータプログラムとして、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張可能マークアップ言語)、又はJSON(JavaScript Object Notation)等の解析される記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイル及び実行のためのソースコード等が挙げられ得る。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、JavaScript(商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語5th revision)、Ada、ASP(Active Server Pages)、PHP(Hypertext Preprocessor)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(商標)、Visual Basic(商標)、Lua、MATLAB、SENSORLINK、及びPython(商標)を含む言語からの構文を使用して記述することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2023-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含む基準装置であって、外科用インプラントに対して固定された姿勢を有するように構成されている基準装置と、
前記基準装置上に配置されたときに前記基準装置に対して固定された姿勢を有するように構成され、第1の座標系に対する前記基準装置の向きデータに関する第1の信号を生成するように構成されている第1のセンサと、
エンドエフェクタに連結する外科用器具と、
前記外科用器具に対して固定された姿勢を有するように構成され、第2の座標系に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きデータに関する第2の信号を生成するように構成されている第2のセンサと、
(i)前記第1の信号と(ii)前記第2の信号と(iii)前記基準装置及び患者の骨の画像とを受信し、前記基準装置及び前記患者の前記骨の前記画像を表示し、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの所望の位置に関連する信号を受信し、(i)記第1の座標系を前記第2の座標系に位置合わせし、(ii)画像座標系における前記骨に対する前記少なくとも1つの基準軸の向きを位置合わせし、及び(iii)前記信号に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの位置を位置合わせし、前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きを決定し、前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの前記位置合わせされた位置及び前記決定された向きに基づいて、前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの仮想表現を前記画像上に重ね合わせるように構成されているナビゲーションシステムと
を備えてなる、患者の骨に対して手術を行うための外科用システム。
【請求項2】
前記第2のセンサは、前記外科用器具上に配置されるように構成されている、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項3】
前記画像は、前記1つ以上の放射線不透過性マーカの影を含み、
前記ナビゲーションシステムは、前記1つ以上の放射線不透過性マーカの前記影の姿勢に基づいて、前記画像座標系における前記骨に対する前記第1のセンサの向きを位置合わせするように構成されている、請求項1又は2に記載の外科用システム。
【請求項4】
前記外科用インプラントを更に備え、前記外科用インプラントは、1つ以上の開口部を含む骨プレートである、請求項1記載の外科用システム。
【請求項5】
固定部材を更に備え、
前記基準装置は、連結部を含み、
前記固定部材の第1の部分は、前記外科用インプラントを前記骨に固定するように構成され、前記固定部材の別の部分は、前記基準装置の前記連結部に連結されるように構成されている、請求項4に記載の外科用システム。
【請求項6】
前記画像は、前記1つ以上の開口部の1つ以上の影を含み、
前記入力信号はユーザ入力であり、前記ユーザ入力は、xy平面内の前記所望の位置に対応する前記1つ以上の開口部の前記影の第1の選択と、z軸を含む平面内の前記所望の位置に対応する第2の選択とを含む請求項4又は5に記載の外科用システム。
【請求項7】
第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタを更に備え、
前記エンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタとして更に定義され、
前記第1のエンドエフェクタに連結されたとき、前記外科用器具は、第1の機能を実行するように構成されており、
前記外科用器具は、第2の機能を実行するために前記第2のエンドエフェクタに連結されるように構成されており、
前記第1の機能と前記第2の機能とは、異なる機能である、請求項1記載の外科用システム。
【請求項8】
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは慣性測定ユニットである、請求項1記載の外科用システム。
【請求項9】
前記エンドエフェクタを更に備え、前記基準装置は、前記少なくとも1つの基準軸を規定する表面を含み、前記表面は、前記エンドエフェクタを受けるように構成される、請求項1記載の外科用システム。
【請求項10】
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサはジャイロスコープである、請求項に記載の外科用システム。
【請求項11】
前記外科用システムは、基準装置座標系を前記第2の座標系に自動的に位置合わせするように構成される、請求項9又は10に記載の外科用システム。
【請求項12】
前記外科用システムは、前記基準装置に対する外科用ハンドピースアセンブリの近接度を検知し、前記検知された近接度に基づいて基準装置座標系を前記第2の座標系に自動的に位置合わせするように構成される、請求項9に記載の外科用システム。
【請求項13】
前記1つ以上の放射線不透過性マーカは、前記少なくとも1つの基準軸上に配置されている、請求項9記載の外科用システム。
【請求項14】
前記エンドエフェクタはドリルビットであり、
前記外科用器具に取り付けられるように構成される深度測定アタッチメントを更に備え、前記深度測定アタッチメントは、穿孔プロセス中の前記エンドエフェクタの変位に関連する第3の信号を提供するように構成される深度センサを含み、
前記ナビゲーションシステムは、前記第3の信号を受信するように構成され、前記仮想表現は、前記第3の信号に更に基づくものである、請求項に記載の外科用システム。
【請求項15】
前記外科用器具に取り付けられるように構成される深度測定アタッチメントを更に備え、前記深度測定アタッチメントは、穿孔プロセス中の前記エンドエフェクタの変位に関連する第3の信号を提供するように構成される深度センサを含み、前記基準装置は、前記少なくとも1つの基準軸を規定し、前記深度測定アタッチメントに挿入されるように構成されるポストを含み、前記第2のセンサは、前記深度測定アタッチメント内に配置されている、請求項1記載の外科用システム。
【請求項16】
撮像システムに取り付けられるように構成される装置を更に備え、
前記ナビゲーションシステムは、前記装置及び前記少なくとも1つの基準軸の前記1つ以上の放射線不透過性マーカのうちの少なくとも1つに基づいて、前記画像の倍率を決定するように構成されており、
前記ナビゲーションシステムは、前記第3の信号を受信するように構成され、前記仮想表現は、前記倍率に更に基づくものである、請求項14に記載の外科用システム。
【請求項17】
外科用システムを用いて患者の骨を手術する方法であって、前記外科用システムは、ナビゲーションシステムと、外科用器具と、少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含む基準装置と、第1の座標系を有し、前記基準装置に対して固定された姿勢を有する第1のセンサとを含み、前記基準装置は、外科用インプラントに対して固定された姿勢を有するように構成されており、前記外科用器具は、第2の座標系を有し、前記外科用器具に対して固定された姿勢を有する第2のセンサを含み、前記外科用器具は、エンドエフェクタに連結されるように構成されていて、
(i)前記第1のセンサからの前記基準装置の向きデータに関する第1の信号と、(ii)前記第2のセンサからの前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きデータに関する第2の信号と、(iii)前記基準装置及び前記患者の前記骨の画像とを受信するステップと、
前記基準装置及び前記患者の前記骨の前記画像を表示するステップと、
前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの所望の位置に関連する信号信するステップと、
(i)記第1の座標系を前記第2の座標系に位置合わせし、(ii)前記信号に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの位置を位置合わせするステップと、
前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きを決定するステップと、
前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの前記位置合わせされた位置及び決定された前記向きに基づいて、前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの仮想表現を前記画像の上に重ね合わせるステップと
を含んでなる方法。
【請求項18】
少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含む基準装置であって、患者に配置されるように構成されている基準装置と、
エンドエフェクタに連結する、センサを含む外科用器具であって、前記センサは、第1の座標系に対する前記外科用器具の向きデータに関する第1の信号を生成するように構成されるものである、外科用器具と、
手術ナビゲーションシステムであって、
前記基準装置及び前記患者の骨の画像を受信し、
前記基準装置及び前記患者の前記骨の前記画像を表示し、
(i)画像座標系における前記骨に対する前記少なくとも1つの基準軸の向きを位置合わせし、及び(ii)前記第1の座標系を前記画像座標系に位置合わせし、
前記第1の信号に基づいて、前記骨に対する前記外科用器具の向きを決定し、
前記外科用器具の前記決定された向き及び位置に基づいて、前記骨に対して前記外科用器具の仮想表現を重ね合わせるように構成される、手術ナビゲーションシステムと、
を備えてなる、患者の骨に対して手術を行うための外科用システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
コンピュータプログラムとして、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張可能マークアップ言語)、又はJSON(JavaScript Object Notation)等の解析される記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイル及び実行のためのソースコード等が挙げられ得る。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、JavaScript(商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語5th revision)、Ada、ASP(Active Server Pages)、PHP(Hypertext Preprocessor)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(商標)、Visual Basic(商標)、Lua、MATLAB、SENSORLINK、及びPython(商標)を含む言語からの構文を使用して記述することができる。
なお、本願の出願当初の開示事項を維持するために、本願の出願当初の請求項1~27の記載内容を以下に追加する。
(請求項1)
少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含む基準装置であって、外科用インプラントに対して固定された姿勢を有するように構成されている基準装置と、
前記基準装置上に配置されたときに前記基準装置に対して固定された姿勢を有するように構成され、第1の座標系に対する前記基準装置の向きデータに関する第1の信号を生成するように構成されている第1のセンサと、
エンドエフェクタに連結する外科用器具と、
前記外科用器具に対して固定された姿勢を有するように構成され、第2の座標系に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きデータに関する第2の信号を生成するように構成されている第2のセンサと、
(i)前記第1の信号と(ii)前記第2の信号と(iii)前記基準装置及び患者の骨の画像とを受信し、前記基準装置及び前記患者の前記骨の前記画像を表示し、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの所望の位置に関連するユーザ入力を受信し、(i)前記外科用器具及び前記エンドエフェクタのうちの少なくとも1つの軸が前記少なくとも1つの基準軸と整列されたときに前記第1の座標系を前記第2の座標系に位置合わせし、(ii)画像座標系における前記骨に対する前記少なくとも1つの基準軸の向きを位置合わせし、及び(iii)前記ユーザ入力に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの位置を位置合わせし、前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きを決定し、前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの前記位置合わせされた位置及び前記決定された向きに基づいて、前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの仮想表現を前記画像上に重ね合わせるように構成されているナビゲーションシステムと
を備えてなる、患者の骨に対して手術を行うための外科用システム。
(請求項2)
前記第2のセンサは、前記外科用器具上に配置されるように構成されている、請求項1に記載の外科用システム。
(請求項3)
前記画像は、前記1つ以上の放射線不透過性マーカの影を含み、
前記ナビゲーションシステムは、前記1つ以上の放射線不透過性マーカの前記影の姿勢に基づいて、前記画像座標系における前記骨に対する前記第1のセンサの向きを位置合わせするように構成されている、請求項1又は2に記載の外科用システム。
(請求項4)
前記外科用インプラントを更に備え、前記外科用インプラントは、1つ以上の開口部を含む骨プレートである、請求項1~3のいずれか一項に記載の外科用システム。
(請求項5)
固定部材を更に備え、
前記基準装置は、連結部を含み、
前記固定部材の第1の部分は、前記外科用インプラントを前記骨に固定するように構成され、前記固定部材の別の部分は、前記基準装置の前記連結部に連結されるように構成されている、請求項4に記載の外科用システム。
(請求項6)
前記画像は、前記1つ以上の開口部の1つ以上の影を含み、
前記ユーザ入力は、xy平面内の前記所望の位置に対応する前記1つ以上の開口部の前記影の第1の選択と、z軸を含む平面内の前記所望の位置に対応する第2の選択とを含む請求項4又は5に記載の外科用システム。
(請求項7)
第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタを更に備え、
前記エンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタとして更に定義され、
前記第1のエンドエフェクタに連結されたとき、前記外科用器具は、第1の機能を実行するように構成されており、
前記外科用器具は、第2の機能を実行するために前記第2のエンドエフェクタに連結されるように構成されており、
前記第1の機能と前記第2の機能とは、異なる機能である、請求項1~6のいずれか一項に記載の外科用システム。
(請求項8)
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサはジャイロスコープである、請求項1~7のいずれか一項に記載の外科用システム。
(請求項9)
前記エンドエフェクタを更に備え、前記基準装置は、前記少なくとも1つの基準軸を規定する表面を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の外科用システム。
(請求項10)
前記エンドエフェクタは、前記表面に挿入されるように構成される、請求項9に記載の外科用システム。
(請求項11)
前記エンドエフェクタは、固定された向きで前記外科用器具に連結される、請求項9又は10に記載の外科用システム。
(請求項12)
前記表面はカニューレである、請求項9に記載の外科用システム。
(請求項13)
前記1つ以上の放射線不透過性マーカは、前記少なくとも1つの基準軸上に配置されている、請求項9~12のいずれか一項に記載の外科用システム。
(請求項14)
前記エンドエフェクタはドリルビットであり、
前記外科用器具は、穿孔プロセス中の前記ドリルビットの変位に関連する第3の信号を提供するように構成される深度センサを含み、
前記ナビゲーションシステムは、前記第3の信号を受信するように構成され、前記仮想表現は、前記第3の信号に更に基づくものである、請求項9~13のいずれか一項に記載の外科用システム。
(請求項15)
前記外科用器具に取り付けられるように構成される深度測定アタッチメントを更に備え、前記深度測定アタッチメントは、穿孔プロセス中の前記エンドエフェクタの変位に関連する第3の信号を提供するように構成される深度センサを含み、前記基準装置は、前記少なくとも1つの基準軸を規定し、前記深度測定アタッチメントに挿入されるように構成されるポストを含み、前記第2のセンサは、前記深度測定アタッチメント内に配置されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の外科用システム。
(請求項16)
撮像システムに取り付けられるように構成される装置を更に備え、
前記ナビゲーションシステムは、前記装置及び前記少なくとも1つの基準軸の前記1つ以上の放射線不透過性マーカのうちの少なくとも1つに基づいて、前記画像の倍率を決定するように構成されており、
前記ナビゲーションシステムは、前記第3の信号を受信するように構成され、前記仮想表現は、前記倍率に更に基づくものである、請求項15に記載の外科用システム。
(請求項17)
前記装置は、FluoroDiscであり、透明レンズと、前記透明レンズ上に配置される複数の基準マーカと、前記FluoroDiscを前記撮像システムに取り付けるように構成される取り付け部材とを含む、請求項16に記載の外科用システム。
(請求項18)
外科用システムを用いて患者の骨を手術する方法であって、前記外科用システムは、ナビゲーションシステムと、外科用器具と、少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含む基準装置と、第1の座標系を有し、前記基準装置に対して固定された姿勢を有する第1のセンサとを含み、前記基準装置は、外科用インプラントに対して固定された姿勢を有するように構成されており、前記外科用器具は、第2の座標系を有し、前記外科用器具に対して固定された姿勢を有する第2のセンサを含み、前記外科用器具は、エンドエフェクタに連結されるように構成されていて、
(i)前記第1のセンサからの前記基準装置の向きデータに関する第1の信号と、(ii)前記第2のセンサからの前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きデータに関する第2の信号と、(iii)前記基準装置及び前記患者の前記骨の画像とを受信するステップと、
前記基準装置及び前記患者の前記骨の前記画像を表示するステップと、
前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの所望の位置に関連するユーザ入力をディスプレイ上で受信するステップと、
(i)前記外科用器具及び前記エンドエフェクタのうちの少なくとも1つの軸が前記少なくとも1つの基準軸と整列されたときに前記第1の座標系を前記第2の座標系に位置合わせし、(ii)前記ユーザ入力に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの位置を位置合わせするステップと、
前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記骨に対する前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの向きを決定するステップと、
前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの前記位置合わせされた位置及び決定された前記向きに基づいて、前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つの仮想表現を前記画像の上に重ね合わせるステップと
を含んでなる方法。
(請求項19)
前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの少なくとも1つを前記基準装置の表面と整列させるステップと、
前記エンドエフェクタ及び前記外科用器具のうちの前記少なくとも1つが前記基準装置の前記表面と整列されたときに、前記第1の座標系を前記第2の座標系に位置合わせするステップと
を更に含む、請求項18に記載の方法。
(請求項20)
前記画像は、前記1つ以上の放射線不透過性マーカの影を含み、
前記1つ以上の放射線不透過性マーカの前記影の位置に基づいて、画像座標系における前記骨に対する前記第1のセンサの向きを位置合わせするステップを更に含む、請求項18又は19に記載の方法。
(請求項21)
前記基準装置を前記外科用インプラントに連結することを更に含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
(請求項22)
前記外科用システムは、1つ以上の開口部を有する前記外科用インプラントを更に含み、
前記画像は、前記1つ以上の開口部の影を含み、
前記ユーザ入力は、xy平面内の前記所望の位置に対応する前記1つ以上の開口部の前記影の第1の選択と、z軸を含む平面内の前記所望の位置に対応する第2の選択とを含む、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
(請求項23)
前記外科用システムは第2のエンドエフェクタを含み、前記第2のエンドエフェクタが第1のエンドエフェクタを更に定義しており、
第1の機能を実行するために、前記第1のエンドエフェクタを前記外科用器具に連結するステップと、
第2の機能を実行するために、前記第2のエンドエフェクタを前記外科用器具に連結するステップと
を更に含む、請求項18~22のいずれか一項に記載の方法。
(請求項24)
前記外科用システムは、前記外科用器具に取り付けられるように構成される深度測定アタッチメントを更に含み、該深度測定アタッチメントは、穿孔プロセス中の前記エンドエフェクタの変位に関連する第3の信号を提供するように構成される深度センサを含み、前記基準装置は、前記少なくとも1つの基準軸を規定するポストを含み、前記ポストを前記深度測定アタッチメントに挿入することによって、前記深度測定アタッチメントを前記ポストに連結するステップを更に含む、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
(請求項25)
少なくとも1つの基準軸を規定し、1つ以上の放射線不透過性マーカを含む基準装置であって、患者に配置されるように構成されている基準装置と、
エンドエフェクタに連結する、センサを含む外科用器具であって、前記センサは、第1の座標系に対する前記外科用器具の向きデータに関する第1の信号を生成するように構成されるものである、外科用器具と、
前記基準装置及び前記患者の骨の画像を受信し、前記基準装置及び前記患者の前記骨の前記画像を表示し、(i)画像座標系における前記骨に対する前記少なくとも1つの基準軸の向きを位置合わせし、及び(ii)前記第1の座標系を前記画像座標系に位置合わせし、前記第1の信号に基づいて、前記骨に対する前記外科用器具の向きを決定し、前記外科用器具の前記決定された向き及び位置に基づいて、前記骨に対して前記外科用器具の仮想表現を重ね合わせるように構成されている手術ナビゲーションシステムと
を備えてなる、患者の骨に対して手術を行うための外科用システム。
(請求項26)
前記外科用器具の前記位置は、前記手術ナビゲーションシステムへのユーザ入力に基づいて決定される、請求項25に記載の外科用システム。
(請求項27)
前記第1の座標系は、前記外科用器具及び前記エンドエフェクタのうちの少なくとも1つの軸が前記少なくとも1つの基準軸と整列されると、前記画像座標系に位置合わせされる、請求項25又は26に記載の外科用システム。
【国際調査報告】