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特表2023-536571単一DCIベースのマルチTRPおよびパネル送信のためのマルチTBスケジューリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-28
(54)【発明の名称】単一DCIベースのマルチTRPおよびパネル送信のためのマルチTBスケジューリング
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/28 20090101AFI20230821BHJP
   H04W 72/232 20230101ALI20230821BHJP
   H04W 72/1263 20230101ALI20230821BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W72/232
H04W72/1263
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501533
(86)(22)【出願日】2021-06-05
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 SG2021050327
(87)【国際公開番号】W WO2022031221
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】10202007552X
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラン スアン ツオン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲矢
(72)【発明者】
【氏名】リ ホンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】小川 佳彦
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
(57)【要約】
本開示は、単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信および単一DCIベースの単一TRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングの実装のための通信装置および通信方法を提供する。これらの通信装置は、動作に際して、スケジューリング情報を含む単一のダウンリンク制御情報(DCI)を受信する受信機であって、スケジューリング情報は複数のトランスポートブロック(TB)の無線リソースを示す、受信機と、動作に際して、スケジューリング情報に基づいて複数のTBの無線リソースを取得する回路と、を備える、通信装置を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作に際して、スケジューリング情報を含む単一のダウンリンク制御情報(DCI)を受信する受信機であって、前記スケジューリング情報は複数のトランスポートブロック(TB)の無線リソースを示す、前記受信機と、
動作に際して、前記スケジューリング情報に基づいて前記複数のTBの前記無線リソースを取得する回路と、
を備える、通信装置。
【請求項2】
前記スケジューリング情報は2つ以上の送信設定インジケータ(TCI)状態を示し、前記示されたTCI状態のそれぞれは1つの送受信点(TRP)またはパネルのアクティブ化に対応し、前記複数のTBの前記無線リソースは前記示されたTCI状態に関連付けられる、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記スケジューリング情報は1つのTRPまたはパネルのアクティブ化に対応する1つのTCI状態を示し、前記複数のTBの前記無線リソースは前記示されたTCI状態に関連付けられる、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記複数のTBのそれぞれは前記示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに関連付けられる、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記複数のTBは複数の部分にセグメント化され、前記複数の部分のそれぞれは前記複数のTBからの1つまたは複数のコードブロック(CB)あるいは1つまたは複数のコードブロックグループ(CBG)を含み、前記スケジューリング情報は少なくとも1つの部分および前記示されたTCI状態のうちの少なくとも1つの前記無線リソースを示す、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記複数の部分のそれぞれは前記複数のTBからの1つまたは複数のTBを含む、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記スケジューリング情報は時間領域リソース割り当て(TDRA)テーブルまたは周波数領域リソース割り当て(FDRA)テーブルをさらに含み、前記複数のTBの前記無線リソースは前記TDRAテーブルまたはFDRAテーブルによって示される、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項8】
前記スケジューリング情報は、前記少なくとも1つの部分および前記示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応する開始および長さインジケータ(SLIV)を含む、
請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記TDRAテーブルまたは前記FDRAテーブルは少なくともDCI、MAC CE、またはRRCシグナリングによって設定される、
請求項7に記載の通信装置。
【請求項10】
前記回路は、前記複数の部分のそれぞれに対して応答信号を生成するようにさらに構成される、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項11】
前記受信機が部分の全てのCBを正しく受信した場合、ACK信号が生成され、前記受信機が前記部分の少なくとも1つのCBを誤って受信した場合、NACK信号が生成される、
請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記スケジューリング情報は前記応答信号のためのPUCCHまたはPUSCHリソースインジケータ(PRI)を示し、前記通信装置は、動作に際して、前記スケジューリング情報に基づいて対応するPUCCHまたはPUSCH上で前記複数のTBの前記応答信号を送信する送信機をさらに備える、
請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
前記スケジューリング情報は前記複数のTBの前記応答信号をジョイントHARQ信号として多重化することを示し、前記送信機は、前記単一のDCIで設定されるTRPに前記ジョイントHARQ信号を送信するようにさらに構成される、
請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
動作に際して、スケジューリング情報を含む単一のDCIを生成する回路であって、前記スケジューリング情報は複数のトランスポートブロック(TB)の無線リソースを示す、前記回路と、
動作に際して、前記単一のDCIを通信装置に送信する送信機と、
を備える、基地局。
【請求項15】
スケジューリング情報を含む単一のDCIを受信することであって、前記スケジューリング情報は複数のTBの無線リソースを示す、前記受信することと、
前記スケジューリング情報に基づいて前記複数のTBの前記無線リソースを取得することと、
を含む、通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、動作中に設定される単一ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)ベースのマルチ送受信点(TRP:transmission reception point)および/またはパネル送信ならびに単一DCIベースの単一TRPおよび/またはパネル送信のためのマルチトランスポートブロック(TB:transport block)スケジューリングを実装するための通信装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新無線(NR)は、第5世代(5G:fifth generation)移動通信システム向けに3GPP(3rd Generation Partnership Project)によって開発された新しい無線エアインターフェースである。5Gは、高い柔軟性、拡張性、効率性を備え、拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼・低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communications)を含む幅広いユースケースに対応することが期待されている。
【0003】
5Gの重要な目的の1つは、コネクテッドインダストリーズを可能にすることである。5Gコネクティビティは、柔軟性の向上、生産性および効率の改善、メンテナンスコストの削減、操作の安全性の向上などをもたらす、産業の変革およびデジタル化の次の波の触媒の役割を果たすことができる。このような環境にあるデバイスとしては、例えば、圧力センサ、湿度センサ、温度計、モーションセンサー、加速度計、アクチュエーターなどが挙げられる。これらのセンサやアクチュエーターを5Gネットワークに接続することが望まれている。
【0004】
さらに5Gコネクティビティは、次の波のスマートシティイノベーションの触媒としての役割も果たすことができる。例えば、スマートウォッチやスマートリングなどのウェアラブル、eヘルス関連装置、医療用監視機器、能力削減型(RedCap)デバイスなどの小型デバイスは、5Gコネクティビティの改善から恩恵を受ける。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS 38.300 v15.6.0
【非特許文献2】3GPP TS 38.211 v15.6.0
【非特許文献3】ITU-R M.2083
【非特許文献4】TR 38.913
【非特許文献5】TS 23.501 v16.1.0
【非特許文献6】TS 38.213
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、動作中に設定される単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信ならびに単一DCIベースの単一TRPおよび/またはパネル送信のためのマルチTBスケジューリングに関してこれまで議論がなされていなかった。
【0007】
したがって、上述した課題を解決することができる通信装置および通信方法が必要とされている。さらに、以下の詳細な説明および添付の請求項を、添付の図面および本開示の背景技術のセクションと併せて検討することにより、他の望ましい特徴および特性が明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの非限定的かつ例示的な実施形態は、動作中の単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信および単一DCIベースの単一TRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングの実装を容易にする。これには、単一TRP/パネル送信モードがマルチTRP/パネル送信モードに動的または準静的に(semi-statically)切り替えられ、その逆も同様である実装のケースも含まれる。切り替えの決定は、gNBによって様々な基準に基づいて行われる。たとえば、送信設定インジケータ(TCI:transmission configuration indicator)状態など、gNBからの暗黙的または明示的な表示を使用することによって、複数のTRP/パネルのうちの1つのみが動作中にアクティブ化される。
【0009】
一態様では、本明細書で開示する技術は通信装置を提供する。たとえば、この通信装置は加入者UEとすることができ、これは通常の(非RedCapもしくはリリース15/16/17の)UE、RedCap UE、または他の同様のタイプのUEであり得る。この通信装置は、動作に際して、スケジューリング情報を含む単一のダウンリンク制御情報(DCI)を受信する受信機であって、スケジューリング情報は複数のトランスポートブロック(TB)の無線リソースを示す、受信機と、動作に際して、スケジューリング情報に基づいて複数のTBの無線リソースを取得する回路と、を備える。
【0010】
他の態様では、本明細書で開示する技術は通信装置を提供する。たとえば、この通信装置は、動作に際して、スケジューリング情報を含む単一のDCIを生成する回路であって、スケジューリング情報は複数のトランスポートブロック(TB)の無線リソースを示す、回路と、動作に際して、単一のDCIを通信装置に送信する送信機と、を備える、基地局またはgNodeB(gNB)とすることができる。
【0011】
他の態様では、本明細書で開示する技術は通信方法を提供する。この通信方法は、スケジューリング情報を含む単一のDCIを受信することであって、スケジューリング情報は複数のTBの無線リソースを示す、受信することと、スケジューリング情報に基づいて複数のTBの無線リソースを取得することと、を含む。
【0012】
なお、一般的または特定の実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらの任意の選択的な組合せとして実施できることに留意されたい。
【0013】
開示されている実施形態のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面の様々な実施形態および特徴によって個別に得ることができ、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得るために、これらの特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
この技術分野における通常の技術を有する者には、一例にすぎない以下の説明を図面を参照しながら読み進めることによって、本開示の実施形態が深く理解され容易に明らかになるであろう。
図1】3GPP NRシステムのアーキテクチャの一例を示す図である。
図2】NG-RANと5GCとの間の機能分割を示す概略図である。
図3】RRC接続設定/再設定手順のためのシーケンス図である。
図4】高速大容量(eMBB:enhanced Mobile Broadband)、多数同時接続(mMTC:massive Machine Type Communications)および超高信頼低遅延(URLLC:Ultra Reliable and Low Latency Communications)の利用シナリオを示す概略図である。
図5】非ローミングシナリオのための5Gシステムアーキテクチャの一例を示すブロック図である。
図6】単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信の例示的な図解である。
図7】様々な実施形態による、TBが部分(portions)にセグメント化される方法の一例を示す図である。
図8】実施形態1による、ダウンリンク(DL:Downlink)物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)におけるTRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングを示す新しい時間領域リソース割り当て(TDRA:Time Domain Resource Assignment)テーブルの一例を示す図である。
図9】複数のTCI状態がgNBによって示された場合の、実施形態1による、マルチTRP/パネル動作のためのマルチTBスケジューリング用の時間領域リソース割り当て(TDRA)を示すためのユーザ機器(UE:user equipment)フローチャートである。図9はまた、1つのTCI状態がgNBによって示された場合に、単一のTRP/パネルが動作中にアクティブ化されて、マルチTBスケジューリング用のTDRAがこのとき単一TRP/パネル動作に使用されることも示している。
図10】実施形態1による、設定情報を示す拡張されたPDSCH-TimeDomainResourceAllocation情報エレメント(IE:information element)を示す図である。
図11】実施形態1による、TRP#1およびTRP#2の4つの部分の時間領域リソースセットの例示的なテーブルを示す図である。
図12】実施形態1による、TDMでの単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングの例示的な図解である。
図13】実施形態2による、繰り返し(repetition)を伴うマルチTBスケジューリングのための設定情報を示すように拡張されたPDSCH-TimeDomainResourceAllocation IEの一例を示す図である。
図14】実施形態2による、TRP#1およびTRP#2の4つの部分の時間領域リソースセットの一例を示す図である。
図15】実施形態2による、単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のための繰り返しを伴うマルチTBスケジューリングの例示的な図解である。
図16】実施形態4による、周波数分割多重化(FDM:frequency-division multiplexing)方式での単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のための繰り返しを伴うマルチTBスケジューリングの例示的な図解である。
図17】実施形態4による、複数の送信時間間隔におけるクロスキャリアスケジューリングのシナリオのためのマルチTBスケジューリングの例示的な図解である。
図18】実施形態7による、送信設定インジケータ(TCI)状態ベースの再送信のためのUEフローチャートである。図18はまた、1つのTCI状態がgNBによって示された場合に、単一のTRP/パネルが動作中にアクティブ化されることも示している。
図19】様々な実施形態による、単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングの実装のための通信方法の流れ図である。
図20】様々な実施形態による、単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングの実装のために使用することができる通信装置の概略図である。
【0015】
図中の要素は簡潔かつ明確であるように図解されており、必ずしも正しい縮尺では描かれていないことが、当業者には理解されるであろう。本発明の実施形態を深く理解できるように、例えば、図解、ブロック図、またはフローチャートの中のいくつかの要素の寸法が、他の要素に比べて誇張して描かれていることがある。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示のいくつかの実施形態について、図面を参照しながら、一例としてのみ説明する。図面内の類似する参照数字および参照文字は、類似する要素または等価の要素を指している。
【0017】
<5G NRシステムアーキテクチャおよびプロトコルスタック>
3GPPは、最大100GHzの周波数で動作する新しい無線アクセス技術(NR)の開発を含む第5世代セルラー技術(単に5Gと呼ばれる)の次のリリースに取り組んでいる。5G標準の最初のバージョンは、2017年の終わりに完了し、これにより、5G NR標準に準拠したスマートフォンの試験および商用展開に進むことができる。
【0018】
特に、全体的なシステムアーキテクチャは、gNBを備えるNG-RAN(次世代-無線アクセスネットワーク:Next Generation - Radio Access Network)を想定しており、gNBは、UEに向かうNG無線アクセスユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)プロトコルおよび制御プレーン(RRC)プロトコルを終端させる。gNBは、Xnインタフェースによって互いに相互接続されている。さらにgNBは、次世代(NG)インタフェースによってNGC(次世代コア:Next Generation Core)に接続され、より具体的には、NG-CインタフェースによってAMF(アクセスおよびモビリティ管理機能:Access and Mobility Management Function)(例:AMFを実行する特定のコアエンティティ)に接続され、NG-UインタフェースによってUPF(ユーザプレーン機能:User Plane Function)(例:UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。図1はNG-RANアーキテクチャを示している(非特許文献1の4節を参照)。
【0019】
NRにおけるユーザプレーンプロトコルスタック(例えば非特許文献1の4.4.1節を参照)は、PDCP(パケットデータコンバージェンスプロトコル:Packet Data Convergence Protocol、非特許文献1の6.4節を参照)サブレイヤ、RLC(無線リンク制御:Radio Link Control、非特許文献1の6.3節を参照)サブレイヤ、およびMAC(媒体アクセス制御:Medium Access Control、非特許文献1の6.2節を参照)サブレイヤを含み、これらのサブレイヤは、ネットワーク側ではgNBにおいて終端する。これに加えて、PDCPの上に、アクセス層(AS)の新しいサブレイヤ(SDAP:サービスデータアダプテーションプロトコル:Service Data Adaptation Protocol)が導入される(例えば非特許文献1の6.5節を参照)。NRにおいても制御プレーンプロトコルスタックが定義されている(例えば非特許文献1の4.4.2節を参照)。レイヤ2の機能の概要は、非特許文献1の6節に記載されている。PDCPサブレイヤ、RLCサブレイヤ、およびMACサブレイヤの機能は、それぞれ非特許文献1の6.4節、6.3節、および6.2節に記載されている。RRCレイヤの機能は、非特許文献1の7節に記載されている。
【0020】
媒体アクセス制御(MAC)層は、例えば、論理チャネルの多重化と、スケジューリングおよびスケジューリング関連機能(様々なヌメロロジーの処理を含む)を扱う。
【0021】
物理層(PHY)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、適切な物理的時間-周波数リソースへの信号のマッピングの責務を担う。さらに物理層(PHY)は、物理チャネルへのトランスポートチャネルのマッピングを処理する。物理層(PHY)は、トランスポートチャネルの形でMAC層にサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間周波数リソースのセットに対応し、各トランスポートチャネルが、対応する物理チャネルにマッピングされる。例えば、物理チャネルは、アップリンク用として、PRACH(物理ランダムアクセスチャネル:Physical Random Access Channel)、PUSCH(物理アップリンク共有チャネル:Physical Uplink Shared Channel)、およびPUCCH(物理アップリンク制御チャネル:Physical Uplink Control Channel)があり、ダウンリンク用として、PDSCH(物理ダウンリンク共有チャネル:Physical Downlink Shared Channel)、PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル:Physical Downlink Control Channel)、およびPBCH(物理ブロードキャストチャネル:Physical Broadcast Channel)がある。
【0022】
NRのユースケース/配置シナリオには、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼・低遅延通信(URLLC)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)が含まれ、これらのサービスは、データレート、レイテンシ、およびカバレッジに関して多様な要件を有する。例えばeMBBは、IMT-Advancedによって提供される3倍のオーダーのピークデータレート(ダウンリンクが20Gbps、アップリンクが10Gbps)およびユーザ体感データレートをサポートすることが期待される。これに対してURLLCの場合、より厳しい要件として、極めて低いレイテンシ(ユーザプレーンのレイテンシはアップリンクおよびダウンリンクそれぞれで0.5ms)および高い信頼性(1ms内で1~10-5)が課せられる。さらにmMTCでは、高い接続密度(都市環境では1km2あたり1,000,000個のデバイス)、過酷な環境における広いカバレッジ、デバイスコストを下げるための極めて長寿命のバッテリ(15年)が好ましくは要求されうる。
【0023】
したがって、あるユースケースに適したOFDMヌメロロジー(例:サブキャリア間隔、OFDMシンボル持続時間、サイクリックプレフィックス(CP)持続時間、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)が、別のユースケースではうまく機能しないことがある。例えば、低レイテンシのサービスでは、mMTCサービスよりも短いシンボル持続時間(したがってより大きいサブキャリア間隔)、および/または、スケジューリング間隔(TTIとも称される)あたりの少ないシンボル、が好ましくは要求されうる。さらには、チャネルの遅延スプレッドが大きい配置シナリオでは、遅延スプレッドが短いシナリオよりも長いサイクリックプレフィックス(CP)持続時間が好ましくは要求されうる。同程度のサイクリックプレフィックス(CP)オーバーヘッドを維持するため、遅延スプレッドに応じてサブキャリア間隔を最適化するべきである。NRでは、サブキャリア間隔の2つ以上の値がサポートされうる。したがって現在のところ、15kHz、30kHz、60kHz、...のサブキャリア間隔が検討されている。シンボル持続時間Tuとサブキャリア間隔Δfは、式Δf=1/Tuにより、直接関係している。LTEシステムの場合と同様に、1個のOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対する1つのサブキャリアから構成される最小リソース単位を表すのに、用語「リソースエレメント」を使用することができる。
【0024】
新無線システム5G NRでは、各ヌメロロジーおよびキャリアごとに、アップリンクおよびダウンリンクそれぞれにおいて、サブキャリアとOFDMシンボルのリソースグリッドが定義される。リソースグリッド内の各要素は、リソースエレメントと呼ばれ、周波数領域における周波数インデックスと時間領域におけるシンボル位置とに基づいて識別される(非特許文献2を参照)。
【0025】
<NG-RANと5GCとの間の5G NR機能の分割>
図2は、NG-RANと5GCとの間での機能の分割を示している。NG-RANの論理ノードは、gNBまたはng-eNBである。5GCの論理ノードは、AMF、UPF、およびSMFである。
【0026】
gNBおよびng-eNBは、特に次の主要機能を処理する。
【0027】
- 無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、無線アドミッション制御(Radio Admission Control)、接続モビリティ制御(Connection Mobility Control)、アップリンクおよびダウンリンクの両方向におけるUEへの動的なリソース割当て(スケジューリング)など、無線リソース管理(Radio Resource Management)の機能
- IPヘッダ圧縮、暗号化、およびデータの整合性保護
- UEによって提供される情報からAMFへのルーティングを決定できないときのUEのアタッチ時のAMFの選択
- UPFへのユーザプレーンデータのルーティング
- AMFへの制御プレーン情報のルーティング
- 接続の確立および解放
- ページングメッセージのスケジューリングおよび送信
- (AMFまたはOAMから送られる)システムブロードキャスト情報のスケジューリングおよび送信
- モビリティおよびスケジューリングのための測定および測定報告の設定
- アップリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング
- セッション管理
- ネットワークスライシングのサポート
- QoSフロー管理およびデータ無線ベアラへのマッピング
- RRC_INACTIVE状態にあるUEのサポート
- NASメッセージの配信機能
- 無線アクセスネットワークシェアリング
- 二重接続
- NRとE-UTRA間の緊密なインターワーキング
【0028】
アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)は、次の主要機能を処理する。
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)シグナリングの終端
- NASシグナリングのセキュリティ
- アクセス層(AS:Access Stratum)のセキュリティ制御
- 3GPPアクセスネットワーク間のモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング
- アイドルモードUEの到達可能性(ページング再送の制御および実行を含む)
- レジストレーションエリア(Registration Area)管理
- システム内モビリティおよびシステム間モビリティのサポート
- アクセス認証
- ローミング権のチェックを含むアクセス認証
- モビリティ管理制御(サプスクリプションおよびポリシー)
- ネットワークスライシングのサポート
- セッション管理機能(SMF:Session Management Function)の選択
【0029】
さらに、ユーザプレーン機能(UPF:User Plane Function)は、次の主要機能を処理する。
- RAT内/RAT間モビリティのためのアンカーポイント(適用可能時)
- データネットワークとの相互接続の外部PDUセッションポイント
- パケットのルーティングおよび転送
- パケット検査およびポリシー規則施行のユーザプレーン部分
- トラフィック使用報告
- データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートするためのアップリンク分類器
- マルチホームPDUセッションをサポートするためのブランチングポイント
- ユーザプレーンのQoS処理(例:パケットフィルタリング、ゲーティング、UL/DLレート強制)
- アップリンクトラフィックの検証(SDFからQoSフローへのマッピング)
- ダウンリンクパケットのバッファリングおよびダウンリンクデータ通知のトリガリング
【0030】
最後に、セッション管理機能(SMF)は、次の主要機能を処理する。
- セッション管理
- UE IPアドレスの割当ておよび管理
- UP機能の選択および制御
- トラフィックを正しい宛先にルーティングするためのユーザプレーン機能(UPF)におけるトラフィックステアリングの設定
- ポリシー施行およびQoSの制御部分
- ダウンリンクデータ通知
【0031】
<RRC接続の設定と再構成の手順>
図3は、UEがRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに移行するときの、NAS部分における、UE、gNB、AMFの間のインタラクションを示している(非特許文献1を参照)。RRCは、UEおよびgNBの設定に使用される上位層シグナリング(プロトコル)である。特に、この移行では、AMFがUEコンテキストデータ(例:PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線能力、UEセキュリティ能力などを含む)を作成し、それをINITIAL CONTEXT SETUP REQUESTによってgNBに送る。次にgNBが、UEとのASセキュリティをアクティブにし、これはgNBがSecurityModeCommandメッセージをUEに送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって実行される。その後gNBは、再設定を実行してシグナリング無線ベアラ2(SRB2)およびデータ無線ベアラ(DRB)を確立し、これは、gNBがRRCReconfigurationメッセージをUEに送信し、これに応答してUEからのRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによる。シグナリングのみの接続の場合、SRB2およびDRBが確立されないため、RRCReconfigurationに関連するこれらのステップはスキップされる。最後にgNBは、確立手順が完了したことを、INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSEによってAMFに通知する。
【0032】
したがって本開示では、第5世代コア(5GC:5th Generation Core)のエンティティ(例えばAMF、SMFなど)であって、動作時に、gNodeBとの次世代(NG)接続を確立する制御回路と、動作時に、gNodeBとユーザ機器(UE)との間のシグナリング無線ベアラを確立させるために、NG接続を介して初期コンテキスト設定メッセージをgNodeBに送信する送信器と、を備える、第5世代コアのエンティティ、が提供される。具体的には、gNodeBは、リソース割り当て設定情報要素を含むRRC(無線リソース制御:Radio Resource Control)シグナリングを、シグナリング無線ベアラを介してUEに送信する。UEは、リソース割り当て設定に基づいて、アップリンク送信またはダウンリンク受信を実行する。
【0033】
<2020年以降のIMTの利用シナリオ>
図4は、5G NRのユースケースのいくつかを示している。3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)の新無線(3GPP NR)では、IMT-2020による様々なサービスおよびアプリケーションをサポートするために想定される3つのユースケースが考慮されている。拡張モバイルブロードバンド(eMBB)のフェーズ1の仕様は決定された。現在および今後の作業としては、eMBBのサポートをさらに拡張することに加えて、超高信頼・低遅延通信(URLLC)および大規模マシンタイプ通信の標準化が含まれる。図4は、IMT-2000およびそれ以降に想定される使用シナリオのいくつかの例を示している(例えば非特許文献3の図2を参照)。
【0034】
URLLCのユースケースは、スループット、レイテンシ、可用性などの能力に関する厳しい要件を有し、産業製造や生産工程のワイヤレス制御、リモート医療手術、スマートグリッドにおける配電自動化、輸送の安全性など、将来の垂直アプリケーションを実現する手段の1つとして想定されている。URLLCの超高信頼性は、非特許文献4によって設定される要件を満たすための技術を特定することによってサポートされる。リリース15のNR URLLCでは、重要な要件として、UL(アップリンク)およびDL(ダウンリンク)それぞれで0.5msの目標ユーザプレーンレイテンシが含まれる。パケットの1回の送信における一般的なURLLCの要件は、1msのユーザプレーンレイテンシでパケットサイズ32バイトの場合にBLER(ブロック誤り率)1E-5である。
【0035】
物理層の観点から、信頼性を向上させる方法はいくつか考えられる。信頼性を向上させるための現在の範囲には、URLLC用の個別のCQIテーブルの定義、よりコンパクトなダウンリンク制御情報(DCI)のフォーマット、PDCCHの繰り返しなどが含まれる。しかしながら、(NR URLLCの重要な要件について)NRがさらに安定し、開発が進むにつれて、超高信頼性を実現するための範囲が広がりうる。リリース15におけるNR URLLCの具体的なユースケースとしては、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、eヘルス、eセーフティ、ミッションクリティカルなアプリケーションが挙げられる。
【0036】
さらに、NR URLLCが対象とする技術強化は、レイテンシの改善および信頼性の向上を目標としている。レイテンシを改善するための技術強化としては、設定可能なヌメロロジー、柔軟なマッピングを使用する非スロットベースの(ミニスロットベースの)スケジューリング、グラントフリー(設定済みグラント(configured grant))のアップリンク、データチャネルのスロットレベルの繰り返し、およびダウンリンクのプリエンプションが挙げられる。プリエンプションとは、リソースがすでに割り当てられている送信が中止され、すでに割り当てられているリソースが、後から要求された、より小さいレイテンシ/より高い優先度要件を有する別の送信に使用されることを意味する。したがって、すでに許可された送信が、より後の送信によってプリエンプトされる。プリエンプションは、サービスタイプに関係なく適用される。例えば、サービスタイプA(URLLC)の送信を、サービスタイプB(eMBBなど)の送信によってプリエンプトすることができる。信頼性の向上に関連する技術強化としては、1E-5の目標BLERのための専用CQI/MCSテーブルが挙げられる。
【0037】
mMTC(大規模マシンタイプ通信)のユースケースは、非常に多数の接続されたデバイスが、一般には遅延の影響が小さい比較的少量のデータを送信することを特徴とする。デバイスは、低コストでありかつ極めて長いバッテリ寿命を有することが要求される。NRの観点からは、非常に狭い帯域幅部分を利用することは、UEの観点からの省電力を達成して長いバッテリ寿命を可能にするための1つの可能な解決策である。
【0038】
上に述べたように、NRにおける信頼性の範囲が広がることが予測される。あらゆるケース、特にURLLCおよびmMTCの場合に必要な1つの重要な要件は、高信頼性または超高信頼性である。無線の観点およびネットワークの観点から、信頼性を向上させるためのいくつかのメカニズムを考えることができる。一般には、信頼性の向上に役立つ可能性のある重要な領域がいくつか存在する。これらの領域としては、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰り返し、周波数領域、時間領域、および/または空間領域に関連するダイバーシティが挙げられる。これらの領域は、特定の通信シナリオには関係なく、一般的に信頼性に適用可能である。
【0039】
NR URLLCの場合、ファクトリーオートメーション、運輸業、配電など、より厳しい要件のさらなるユースケースが特定されている。より厳しい要件とは、ユースケースに応じて、より高い信頼性(最大10-6レベル)、より高い可用性、最大256バイトのパケットサイズ、数μsオーダーの時刻同期(周波数範囲に応じて1μsないし数μs)、0.5~1msオーダーの短いレイテンシ、特に0.5msの目標ユーザプレーンレイテンシである。
【0040】
さらに、NR URLLCの場合、物理層の観点からいくつかの技術的強化が確認されている。特に、PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)に関連する強化として、コンパクトなDCI、PDCCHの繰り返し、PDCCH監視の増加などが挙げられる。また、UCI(アップリンク制御情報:Uplink Control Information)に関連する強化として、HARQ(ハイブリッド自動再送要求)の強化およびCSIフィードバックの強化が挙げられる。また、ミニスロットレベルのホッピングや再送/繰り返しの強化に関連するPUSCHの強化も認識されている。用語「ミニスロット」は、スロットよりも少ない数のシンボルを含むTTI(送信時間間隔:Transmission Time Interval)を意味する(スロットは14個のシンボルを含む)。
【0041】
<QoS制御>
5G QoS(サービス品質)モデルは、QoSフローに基づいており、保証フロービットレートを必要とするQoSフロー(GBR QoSフロー)と、保証フロービットレートを必要としないQoSフロー(非GBR QoSフロー)の両方をサポートする。したがってNASレベルでは、QoSフローはPDUセッションにおけるQoS差別化の最も細かい粒度である。QoSフローは、PDUセッション内では、NG-Uインタフェースを通じてカプセル化ヘッダ内で伝えられるQoSフローID(QFI)によって識別される。
【0042】
5GCは、各UEごとに1つまたは複数のPDUセッションを確立する。NG-RANは、各UEごとに、PDUセッションと一緒に少なくとも1つのデータ無線ベアラ(DRB)を確立し、次にそのPDUセッションのQoSフローのための追加のDRBを、例えば図3を参照しながら上述したように設定することができる(いつ設定するかはNG-RANが決定する)。NG-RANは、異なるPDUセッションに属するパケットを異なるDRBにマッピングする。UEおよび5GCにおけるNASレベルのパケットフィルタによって、ULおよびDLのパケットがQoSフローに関連付けられ、UEおよびNG-RANにおけるASレベルのマッピング規則によって、ULおよびDLのQoSフローがDRBに関連付けられる。
【0043】
図5は、5G NRの非ローミング基準アーキテクチャ(非特許文献5の4.23節を参照)を示している。アプリケーション機能(AF:Application Function)(例えば図4に例示的に記載されている5Gサービスを処理する外部アプリケーションサーバ)は、サービスを提供する目的で、3GPPコアネットワークと対話する。例えば、トラフィックのルーティングに対するアプリケーションの影響をサポートしたり、ネットワーク公開機能(NEF:Network Exposure Function)にアクセスしたり、ポリシー制御(例:QoS制御)のためのポリシーフレームワーク(ポリシー制御機能(PCF)を参照)と対話する。事業者の配備に基づいて、事業者によって信頼されるものとみなされるアプリケーション機能(AF)を、関連するネットワーク機能(Network Function)と直接対話できるようにすることができる。ネットワーク機能に直接アクセスすることが事業者によって許可されていないアプリケーション機能(AF)は、NEFを介して外部の公開フレームワークを使用して、関連するネットワーク機能と対話する。
【0044】
図5は、5Gアーキテクチャのさらなる機能ユニット、すなわち、ネットワークスライス選択機能(NSSF:Network Slice Selection Function)、ネットワークリポジトリ機能(NRF:Network Repository Function)、統一データ管理(UDM:Unified Data Management)、認証サーバ機能(AUSF:Authentication Server Function)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)、セッション管理機能(SMF:Session Management Function)、およびデータネットワーク(DN:Data Network)(例:事業者のサービス、インターネットアクセス、またはサードパーティのサービス)を示している。コアネットワーク機能およびアプリケーションサービスのすべてまたは一部を、クラウドコンピューティング環境に配置して実行してもよい。
【0045】
単一DCIベースのマルチ送受信点(マルチTRP)またはパネル送信がNRでサポートされている。gNBは複数のTRPからのDLでのトランスポートブロック(TB)をスケジューリングすることができ、ここで、異なるTRPからのTBは、図6の図解600に示すように異なるレイヤで送信される。たとえば、TBはTRP#1 602からPDCCHを介してレイヤ#1で通信装置606に送信され、同じTBはTRP#2 604からレイヤ#2で通信装置606に送信される。DCI内のTCI状態は、TBの関連付けられたTRPまたはパネルを示す。単一のDCIは単一のTBのみをスケジューリングすることができる。単一のDCIを使用した複数のTRPからのDLでの単一のTBの繰り返しもサポートされている。さらに、単一のDCIによってスケジューリングされるULでの複数のTBがNR-Uで単一TRP構成用にサポートされており、単一のDCIによってスケジューリングされるDLまたはULでの複数のTBがLTE拡張マシンタイプ通信/狭帯域モノのインターネット(eMTC/NB-IoT:enhanced machine-type communication/narrowband Internet of Things)で単一TRP用にサポートされている。
【0046】
DLまたはULでのTBスケジューリングを伴わないDCIのみのスロットはUEの電力を消費するので、この問題に対処する解決策を提供することが望ましい。たとえば、gNBは、単一のDCIによって2つ以上のTBをスケジューリング(すなわち、マルチTBスケジューリング)することによって、DCIのみのスロットを削減し、UEの電力消費も削減することができる。さらに、単一のDCIによるこのマルチTBスケジューリングをマルチTRP/パネルシナリオに適用して、マルチTRP/パネルの利得を得るべきである。「複数のTB(multiple TBs)」が「複数のTB(plurality of TBs)」と交換可能に使用され得ることは理解されよう。
【0047】
実施形態1によれば、DCIは2つ以上のTCI状態を示し、示されたTCI状態のそれぞれは1つのTRPまたはパネルのアクティブ化に対応し、時間領域リソース割り当て(TDRA)テーブルのエントリを示すことにより、複数のTBのDL無線リソースをスケジューリングする。エントリにおいて、複数のTBのそれぞれは、開始および長さインジケータ値(SLIV:start and length indicator value)、および示されたTCI状態のうちの1つとの関連付けによって定義される。あるいは、開始および長さインジケータ値(SLIV)の代わりに、開始シンボルおよび割り当て長を使用することができ、またはスロットオフセットを使用することができる。さらに、示されたTCI状態の代わりに、TRPまたはパネルを使用することができる。TCI状態およびTRPが記載した実施形態および例において交換可能に使用できることは理解されると思われ、本明細書では例として、TCI状態#1はTRP#1に対応し、TCI状態#2はTRP#2に対応し、以下同様である。
【0048】
また、DCIは単一のTRPまたはパネルのアクティブ化に対応するコードポイントのTCI状態を示す。このようにして、単一TRP/パネル送信モードはマルチTRP/パネル送信モードに動的に切り替えられ、その逆も同様である。切り替えの決定はgNBによって行われ、DCIに示されたいくつかのTCI状態に基づいてUEにシグナリングされる。たとえば、DCIにTCI状態が示されている場合、TRP#1またはTRP#2のいずれかが動作中にアクティブ化される。
【0049】
実施形態1によれば、DCIは1つのTRPまたはパネルのアクティブ化に対応する1つのTCI状態を示すことによって、示されたTCI状態に関連付けられた複数のTBの無線リソースをスケジューリングする。
【0050】
実施形態1の変形例1.0では、複数のTBのそれぞれと、示されたTCI状態のうちの1つとの関連付けが、明示的または暗黙的な方法で示される。明示的な方法では、この関連付けは、少なくともDCI、MAC制御エレメント(CE:control element)、またはRRCメッセージを使用して示される。暗黙的な方法では、この関連付けは事前設定されたルールによって示される。たとえば、インデックスが偶数のTBはインデックスが偶数のTCI状態に関連付けられ、インデックスが奇数のTBはインデックスが奇数のTCI状態に関連付けられる。他の例では、この関連付けは、複数のTBのそれぞれの示されたTCI状態と、少なくともSLIV、開始シンボル、割り当て長、またはスロットオフセットを含む、スケジューリングされたDLまたはUL無線リソースパラメータとの間のリンクに基づいて定義される。
【0051】
実施形態1の変形例1.1では、複数(L個)のTBは複数(K個)の部分にセグメント化され、各部分のサイズは設定可能にすることができる。実施形態1での「複数のTBのそれぞれ」の代わりに、変形例1.1では複数の部分のそれぞれが使用される。このセグメント化の一例を図7の図解700に示す。L個のTB(TB#1 702、TB#2 704~TB#L 706)はK個の部分(部分#1 722~部分#K 724)にセグメント化される。TBは複数のコードブロックグループ(CBG:code-block-group)、すなわち、CBG#1 708、CBG#2 710、CBG#M 712、CBG#M+1 714、CBG#2M 716、CBG#(L+1)M+1 718~CBG#LM 720を含む。各部分は、異なる数のCBGで構成することができるので、サイズが互いに異なることができる。たとえば、部分#1 722はCBG#1 708およびCBG#2 710で構成され、すなわち、2つのCBGのサイズである。一方、部分#K 724は、必ずしも部分#1 722と同じ数のCBGを含まなくてもよい。さらに、各部分は、1つのTBまたは相異なるTBからの1つまたは複数のCBGを含むことができる。部分の各サイズは、TBのサイズより小さくするか、等しくするか、または大きくすることができる。各部分のCBGの数は、部分間で同じであるかまたは異なることができる。「複数の部分(plurality of portions)」が「複数の部分(multiple portions)」と交換可能に使用され得ることは理解されよう。
【0052】
変形例1.1aでは、複数の部分のそれぞれが、TRP/パネルごとに1つまたは複数のTB、すなわち、TBグループを含む。他の変形例1.1bでは、各部分のサイズは、それに関連付けられたTCI状態(TRP)とUEとの間の通信リンクの品質に基づいて設定される。たとえば、より多くのCBGが、良好なチャネル状態のTCI状態に関連付けられた1つの部分および/またはより多くの数の部分を含むように設定することができ、またはその逆も可能である。これにより、有利なことにチャネル状態への適応が可能になり、スペクトルおよびエネルギー効率の観点でシステム性能が改善される。
【0053】
変形例1.2では、複数の部分のそれぞれが複数のTBからの1つまたは複数のTBを含み、複数のTBのうちの異なるTRPに関連する2つ以上のTBが異なる部分に関連付けられ得る。さらに、複数のTBのうちの同一のTRPに関連する2つ以上のTBが1つの部分に関連付けられ得る。
【0054】
実施形態1の変形例1.3では、マルチTBスケジューリングをサポートするようにPDSCH-TimeDomainResourceAllocation情報エレメント(IE)を拡張するための新しいエントリを追加することにより、新しいTDRAテーブルが作成される。単一のDCIの1ビットフィールド(すなわち、TDRAフィールド)を使用して、各部分の設定情報が示される。変形例1.4では、各部分について、TDRAエントリは追加的に、部分インデックス(部分#k)、スケジューリングDCIスロットオフセットの後の対応する部分送信のスロットオフセット(K0k)、この部分と異なる空間情報との関連付け、冗長バージョン(RV:redundancy version)、およびマッピングタイプのうちの1つまたは組み合わせを含む。さらに、対応する部分送信のスロットオフセットも、対応する部分送信と他の部分送信のうちの1つとの間のギャップまたは間隔に基づいて決定される。このようにして、複数の部分を連続するまたは不連続なスロットで送信することができると共に、時間領域で連続的に送信することが可能または不可能である。
【0055】
新しいTDRAテーブル800の一例を図8に示す。たとえば、DCIインデックス0を参照すると、PDSCHマッピングタイプは「B」と示されている。2つのTRP/TCI状態、すなわち、TRP#1(TCI状態#1)およびTRP#2(TCI状態#2)が存在する。TRP#1(TCI状態#1)は時間領域エントリ{K0k,部分#k,S,L}および{K0j,部分#j,S,L}によって示される2つの送信を有し、TRP#2(TCI状態#2)もまた、時間領域エントリ{K0e,部分#e,S,L}および{K0f,部分#f,S,L}によって示される2つの送信を有する。さらに、K0jはK0k+wとして決定することもでき、ここでwは部分#jの送信と部分#kの送信との間のギャップまたは間隔である。変形例1.3のように、各時間領域エントリは、部分インデックス(部分#k)、スケジューリングDCIスロットオフセットの後の対応する部分送信のスロットオフセット(K0k)、この部分と異なる空間情報との関連付け、冗長バージョン(RV)、およびマッピングタイプのうちの1つまたは組み合わせを含む。
【0056】
変形例1.5では、複数の部分は、単一のDCIによってそれらのスロットオフセットに基づいて同じスロットおよび/または異なるスロット(すなわち、クロススロットスケジューリング)で送信または受信される。変形例1.6では、複数の部分は、スロットオフセットが0である場合に、単一のDCIと同じスロットで送信または受信される(すなわち、同一スロットスケジューリング)。
【0057】
変形例1.7では、TCI状態ごとに、複数の関連付けられた部分のうちの1つのみが空間情報を導出するための参照信号(RS:reference signal)によって設定され、残りの部分はこのRSによって疑似コロケート(QCL-ed:Quasi Co Located)として設定される(すなわち、これらの残りの部分は専用のRSによって設定されない)。変形例1.7を実装する利点は、エアインターフェース上のシステムオーバーヘッドが削減されることである。
【0058】
変形例1.8では、TCI状態ごとに、デフォルトの空間情報が1つまたは複数の関連付けられた部分に対して暗黙的または明示的に設定される。変形例1.8を実装する利点は、示された空間情報が利用可能でない場合に、UEがデフォルトの空間情報をチャネル推定またはプリコーディングに使用できることである。
【0059】
部分のサイズがTBより小さいか、またはTBがいくつかの部分を含むと仮定され得る。複数の部分のそれぞれが空間情報に関連付けられているか、またはこれらの部分のそれぞれが異なるTRPから送信されるように割り当てられている場合、TBは複数の空間情報を有し、すなわち、このTBの複数のCBG/部分は異なる空間情報を有する。異なるTRPからUEへの空間情報(QCLタイプA、B、C、またはDを含む)は互いに異なる。
【0060】
したがって、実施形態1の下では、UEは以下のように動作し得る。TDRAテーブルによって、複数の部分のそれぞれについてのDL/UL無線リソースを示すスケジューリング情報がUEにシグナリングされる。複数の部分のそれぞれについて、UEはスケジューリングDCI内の1ビットのTDRAフィールドを使用して、明示的または暗黙的に以下を決定する。
- 各部分の時間領域リソースセット:各時間領域リソースセット{K0k,部分#k,S,L}は各部分に1対1でマッピングされ、DCIからのオフセットを有するスロット内の開始シンボルおよび長さの値が導出される。
- 各部分と示されたTCI状態のうちの1つとの関連付け:どの列で割り当てが行われるかに関する各部分の時間領域リソースセットの位置、すなわち、1対1のマッピング、「TCI状態#1」または「TCI状態#2」に基づく。たとえば、図8のテーブル800でDCIインデックスが0である場合、{K0k,部分#k,S,L}がTRP#1(TCI状態#1)に関連付けられるように割り当てられる。
- 示されたTCI状態からスケジューリングされる送信の数:これは示されたTCI状態に関連付けられた所与のグループ内の時間領域リソースセットの数によって暗黙的に導出される。たとえば、図8のテーブル800でDCIインデックスが0である場合、TCI状態#1は2つのセット{K0k,部分#k,S,L}および{K0j,部分#j,S,L}のグループを有するので、2つの送信を有する。
これは一例にすぎず、TRPの数/順序、時間領域リソースセット、UEの能力および/またはgNBの実装に応じたグループの観点で他の多く可能性があり得ることは理解されよう。
【0061】
導出された情報および示されたTCI状態に基づいて、UEは対応するPDSCH受信またはPUSCH送信の無線リソースにマッピングされた複数のTBから異なるデータをそれぞれ復号または送信する。図9は、実施形態1による時分割多重化(TDM:time division multiplexing)のためのユーザ機器(UE)フローチャート900を示している。ステップ902において、UEはマルチTBスケジューリングのための新しいTDRAテーブルを示す設定情報を受信する。ステップ904において、UEはスケジューリングDCIを受信し、TCIコードポイントのTCI状態をチェックする。ステップ906において、TCI状態が1つのみであるか否かが判定される。そうであると判定された場合、処理はステップ914に進み、ここでUEは新しいエントリを有するTDRAテーブルを使用する。ステップ916において、UEはTRP/パネルからの各部分送信の時間領域リソースを取得する。ステップ918において、UEは割り当てられた関連付けられたリソースに基づいてTRP/パネルからマルチTBスケジューリングのデータ送信を受信し、処理は終了する。ステップ906において2つ以上のTCI状態が存在すると判定された場合、処理はステップ908に進み、ここでUEは新しいエントリを有するTDRAテーブルを使用する。ステップ910において、UEはTRP/パネルごとの各部分送信の時間領域リソースを取得する。ステップ912において、UEは割り当てられた関連付けられたリソースに基づいてマルチTRP/パネルからマルチTBスケジューリングのデータ送信を受信し、処理は終了する。
【0062】
変形例1.3の一例では、PDSCH-TimeDomainResourceAllocationは、実施形態1の設定情報を示すように拡張される。実施形態1による設定情報を示すように拡張されたPDSCH-TimeDomainResourceAllocation情報エレメント(IE)1000を示す図10を参照すると、マルチTBスケジューリングのサポートを示す新しいエントリMulti-MBscheduling1002が提案されており、ここで、SLIVを使用してSおよびLが導出され、maxNrofTCI-Statesは設定されたTCI状態の最大数であり、TCI-StateIdはTCIコードポイントの対応する示されたTRP/パネルに関連付けられたTCI状態のインデックスである。各部分送信のTime-DomainResourceSetのインデックスを示すために単一のDCIの1ビットフィールドが使用される。
【0063】
図11は、実施形態1の変形例1.1の一例による、TRP#1およびTRP#2の4つの部分の時間領域リソースセットの例示的なテーブル1100を示している。図12は、同じ例による、TDMでの単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングの例示的な図解1200を示している。それぞれ4つのCBGを有する2つのTBは、4つの部分にセグメント化される。各部分は2つのCBGを含む。TRP#1およびTRP#2の4つの部分のこれらの時間領域リソースセットをテーブル1100および図解1200に示す。テーブル1100を参照すると、DCIインデックス0について、TRP#1(TCI状態#1)は2つの部分(部分#1{1,1,0,5}および部分#4{2,4,7,5})を有し、TRP#2(TCI状態#2)は2つの部分(部分#2{1,2,6,5}および部分#3{2,3,0,5})を有する。テーブル1100のDCIインデックス0がUEに示された場合、UEはテーブルから時間領域リソースセットおよびTRPとの関連付けを導出する。
【0064】
それぞれの部分の割り当ての時間領域リソースは次のように定義される。部分#1{1,1,0,5}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの1スロット後であり、部分インデックスは1であり、開始シンボルは0であり、スロット1において長さは5である。部分#2{1,2,6,5}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの1スロット後であり、開始シンボルは6であり、スロット1において長さは5である。部分#3{1,1,0,5}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの2スロット後であり、開始シンボルは0であり、スロット2において長さは5である。部分#4{2,4,7,5}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの2スロット後であり、開始シンボルは7であり、スロット2において長さは5である。各部分と示されたTRP/パネルのうちの1つとの関連付けに関して、部分#1および#4はTRP#1から送信され、部分#2および#3はTRP#2から送信される。さらに、TRP#1およびTRP#2からの実際の送信の数は2つである。そのため、図12を参照すると、部分#1の送信は1202に示され、部分#2の送信は1204に示され、部分#3の送信は1206に示され、部分#4の送信は1208に示されている。
【0065】
実施形態2によれば、実施形態1における「複数のTB」の代わりに、複数の繰り返されるTBを使用することができる。複数のTBのそれぞれは、示されたTCI状態のうちの1つに関連付けられる。あるいは、複数のTBの繰り返しのそれぞれは、示されたTCI状態のうちの1つに関連付けられる。有利なことに、この構成は、非RedCap UEのカバレッジ拡張およびRedCap UEのカバレッジ回復をサポートする。さらに、複数のTBのそれぞれの繰り返しの柔軟な設定が可能であり、すなわち、各TBは異なる数の繰り返しを有するように設定することができる。
【0066】
実施形態2の変形例2.1では、各部分の繰り返しは、Rなどの上位レイヤパラメータによって特徴付けることができ、Rはシンボル値として設定することができ、たとえば、R=0または不在にして、k番目の部分の最初の送信を示すことができる。k番目の部分の繰り返しの順番は、事前定義されたルールとして昇順ルールに設定される。たとえば、{K0k,部分#k,S,L,R=a}は部分#kのa番目の繰り返しを意味し、ここで、スロットオフセットの値は、部分#kの最初の送信のものとは異なることができる。他の例では、部分#1{1,1,0,5,0}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIから1スロットである。部分#1の2つ目の繰り返し{2,1,0,5,2}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIから2スロットである。
【0067】
実施形態2の変形例2.2では、各部分の繰り返しと示されたTCI状態(もしくはTRP/パネル)のうちの1つとの関連付けおよび/または空間情報は、この部分の最初の送信のものと同じであるかまたは異なることができる。変形例2.3では、各部分の繰り返しに対して異なるRVを適用することができる。変形例2.4では、マルチTBスケジューリングの最初の送信は、プライマリTRPと呼ばれるスケジューリングDCIを有する示されたTRP向けに設計されるが、マルチTBスケジューリングの繰り返しは残りのTRPでのみ使用される。変形例2.4を実装する利点は、マルチパス送信からのダイバーシティ利得を提供することである。変形例2.5では、DCIによってスケジューリングされる繰り返しを伴う動的なマルチTBスケジューリングを可能にするために、全ての部分およびそれらの繰り返しの内容にインターリーブパターンを適用することができる。このインターリーブパターンは、事前設定されたルールに基づくことができ、UEに示すことができる。たとえば、インターリーブパターンは、事前設定されたルールによって暗黙的に示されるか、または少なくともDCI、MAC CE、またはRRCシグナリングによって明示的に示される。有利なことに、これによりデータ推定に対するフェージング効果が最小限に抑えられる。
【0068】
変形例2.1および2.2の一例では、PDSCH-TimeDomainResourceAllocation IEは、繰り返し情報を追加することによって、繰り返しを伴うマルチTBスケジューリングの設定情報を示すように拡張される。図13に示すPDSCH-TimeDomainResourceAllocation IE1300を参照すると、繰り返し情報の新しいエントリが部分1302および1304に示されている。
【0069】
TRP#1およびTRP#2の4つの部分の時間領域リソースセットの一例を、図14のテーブル1400および図15の図解1500に示す。テーブル1400のDCIインデックス0がUEに示され、UEはそれに応じて時間領域リソースセットおよびTRPとの関連付けを導出することができる。テーブル1400を参照すると、それぞれの部分の割り当ての時間領域リソースが次のように定義されている。部分#1{0,1,2,2,0,0}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの0スロット後であり、部分インデックスは1であり、開始シンボルは2であり、スロット0において長さは2である。部分#1の最初の繰り返し{1,1,12,2,1}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの1スロット後であり、部分インデックスは1であり、開始シンボルは12であり、スロット1において長さは2である。部分#2{0,2,4,2,0}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの0スロット後であり、部分インデックスは2であり、開始シンボルは4であり、スロット0において長さは4である。部分#2の最初の繰り返し{0,2,11,2,1}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの0スロット後であり、部分インデックスは2であり、開始シンボルは11であり、スロット0において長さは2である。部分#3{0,3,7,3,0}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの0スロット後であり、部分インデックスは3であり、開始シンボルは7であり、スロット0において長さは3である。部分#3の最初の繰り返し{1,3,0,3,1}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの1スロット後であり、部分インデックスは2であり、開始シンボルは0であり、スロット1において長さは3である。部分#4{1,4,4,3,0}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの1スロット後であり、部分インデックスは4であり、開始シンボルは4であり、スロット1において長さは3である。部分#4の最初の繰り返し{1,4,8,3,1}について、スロットオフセットはスケジューリングDCIの1スロット後であり、部分インデックスは4であり、開始シンボルは8であり、スロット1において長さは3である。テーブル1400に示すように、各部分と示されたTRP/パネルのうちの1つとの関連付けに関して、部分#1、部分#3の最初の繰り返し、部分#4、および部分#4の最初の繰り返しはTRP#1から送信され、部分#2、部分#3、部分#2の最初の繰り返し、および部分#1の最初の繰り返しはTRP#2から送信される。さらに、TRP#1およびTRP#2からの実際の送信の数は4つであり、それらの送信の長さは異なる。
【0070】
そのため、図15を参照すると、部分#1の送信は1502に示され、部分#1の最初の繰り返しの送信は1504に示され、部分#2の送信は1506に示され、部分#2の最初の繰り返しの送信は1508に示され、部分#3の送信は1510に示され、部分#3の最初の繰り返しの送信は1512に示され、部分#4の送信は1514に示され、部分#4の最初の繰り返しの送信は1516に示されている。
【0071】
実施形態3によれば、実施形態1または2における「DCIがDL無線リソースをスケジューリングする」の代わりに、スケジューリングは、DL用のセミパーシステントスケジューリング(SPS:Semi-Persistent Scheduling)またはUL用の設定グラント(CG:configured grant)によって行うことができる。有利なことに、SPSおよびCGを使用すると、定期的なトラフィックに関してDCIなしの送信が行われる。
【0072】
実施形態4によれば、複数のTBを示すために実施形態1または2における時間領域リソース割り当て(TDRA)テーブルを使用する代わりに、周波数領域リソース割り当て(FDRA:frequency-domain resource assignment)テーブルを使用することができる。たとえば、DCIはFDRAテーブルのエントリを示す。エントリにおいて、複数のTBは、PRBの開始および数(SNIV)、ならびに示されたTCI状態のうちの1つとの関連付けによって定義される。FDRAテーブルは、上位レイヤパラメータによって設定されるか、または指定され得る。FDRAテーブルのエントリは、周波数領域リソース割り当てに対する置換または追加として示すことができる。一部の変形例では、SNIVの代わりにビットマップを使用することができる。たとえば、ビットマップは、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応するPRBまたはリソースブロックグループ(RBG:resource block group)を示し得る。示されたTCI状態の代わりに、TRPまたはパネルを使用することができる。実施形態4を実装する利点は、他のPDSCH送信に対して重複しないFDRAを有する複数のPDSCH送信で複数のTBをスケジューリングすることによってデータレートが増加することである。
【0073】
実施形態4の変形例4.1では、少なくとも異なる変調次数、符号化率、または冗長バージョンを複数のTBからの各部分に適用して、対応するPDSCH送信を生成することができる。変形例4.2では、実施形態4における「現在のFDRAまたはFDRAテーブルの準静的な設定ベース」の実装の代わりに、周波数領域リソース割り当ては、以下の1つまたは組み合わせによって設定することができる。
- FDRAまたはFDRAテーブルの動的な設定ベース
- FDRAに加えて、FDRAテーブルが追加の割り当てとして追加される
- 複数のTCI状態のそれぞれについての複数の動的なFDRA表示のそれぞれ
【0074】
図16は、実施形態4による、FDM方式における単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のための繰り返しを伴うマルチTBスケジューリングの例示的な図解1600を示している。たとえば、物理リソースグループ(PRG:physical resource group)#1およびPRG#2がそれぞれTCI状態#1およびTCI状態#2に割り当てられると仮定する。複数のTBは、サイズの異なる4つの部分にセグメント化される。このため、図16は、対応するPDSCH送信機会のための、対応するTCI状態に関連付けられた4つの部分およびそれらの繰り返しに対する時間および周波数領域リソースセットの一例を示している。部分#1 1602、部分#4 1614、部分#3の最初の繰り返し1612、および部分#4の最初の繰り返し1616は、TCI状態#1に関連付けられ、部分#2 1606、部分#3 1610、部分#1の最初の繰り返し1604、および部分#2の最初の繰り返し1608は、TCI状態#2に関連付けられる。
【0075】
実施形態4はまた、図17の図解1700に示すように、複数の送信時間間隔(スロットまたはミニスロット)におけるクロスキャリアスケジューリング(キャリアアグリゲーション)のシナリオにも適用可能であり得る。プライマリセル(PCell:primary cell)からのDCIは、PCellおよびそのセカンダリセル(SCell:secondary cell)に対して複数のTBをスケジューリングするために使用される。複数のTBのそれぞれは、サービングセル(PCell/PSCell/SCell)のうちの1つに割り当てられる。複数の部分のそれぞれのFDRA情報は、サービングセルに割り当てられたPRBに基づく。たとえば、DCI1702を有するPCell1704と、2つのSCell(SCell#1 1706およびSCell#2 1708)とがある。複数のTBが6つのTB(または6つの部分)にセグメント化される。スロット0では、PCell1704のDCI1702を使用して、PCell1704の部分#1 1710、SCell#1 1706の部分#2 1712、およびSCell#2 1708の部分#3 1714をスケジューリングする。スロット1では、PCell1704の部分#4 1716、SCell#1 1706の部分#5 1718、およびSCell#2 1708の部分#6 1720が、スロット0からDCI1702によってスケジューリングされる。
【0076】
実施形態5では、コードブロックグループ(CBG)ベースのフィードバックが実施形態1~4で使用される。PUCCHまたはPUSCHでの各CBGベースのフィードバックは、示されたTCI状態のうちの1つに関連付けられたTBのCBGに対応する。UEがCBGの全てのCBを正しく受信した場合、UEはCBGのHARQ-ACK情報ビットについて応答確認(ACK:acknowledgement)を生成し、UEがCBGの少なくとも1つのCBを誤って受信した場合、CBGのHARQ-ACK情報ビットについて否定応答(NACK:negative acknowledgement)を生成する。実施形態5では、HARQ-ACKビットの数は、複数のTBからのCBGの総数と等しい。複数のTBがバンドルされる場合、HARQ-ACKビットの数は1である。HARQ多重化は、CBGにまたがって適用することができる。PUCCH/PUSCHリソースインジケータ(PRI:PUCCH/PUSCH resource indicator)は、スケジューリングDCIによって提供される。さらに、HARQフィードバック(または応答信号)を有する対応するPUCCH/PUSCH送信は、様々な方法で処理することができる。1つの選択肢では、複数のTBのHARQフィードバックは、TRP#1(TCI状態#1)などのスケジューリングされたDCIを有するTRPに単一のPUCCHでのみ送られるジョイントHARQフィードバックとして多重化される。他の選択肢では、それぞれのHARQフィードバックがそれぞれのTRPに送られる。他の選択肢では、ジョイントHARQフィードバックが全てのTRP(全てのTCI状態)に送られる。実施形態5を実装する利点は、リリース15/16に関連する再送信手順を再利用できることである。さらに、ジョイントHARQフィードバックを全てのTRP(全てのTCI状態)に送ることにより、HARQフィードバックのロバスト性を向上させることができる。また、HARQフィードバックを有するPUCCH/PUSCH送信が時間領域で1つまたは複数の他のPUCCH/PUSCH送信と衝突する場合、アップリンク制御情報(UCI:uplink control information)多重化を使用して、対応するPUCCH/PUSCH送信でHARQフィードバックを搬送することができる。同様のアプローチは、以下の実施形態6および7にも適用される。
【0077】
実施形態6では、TBベースのフィードバックが実施形態1~4で使用される。PUCCH/PUSCHでの各TBベースのフィードバックは、示されたTCI状態のうちの1つに関連付けられたTBに対応し、複数のTBは同じHARQプロセスを有することができる。たとえば、UEがTBの全てのCBを正しく受信した場合、UEはTBのHARQ-ACK情報ビットについてACKを生成し、UEがTBの少なくとも1つのCBを誤って受信した場合、TBのHARQ-ACK情報ビットについてNACKを生成する。HARQ-ACKビットの数はTBの数と等しい。HARQ多重化は、TBにまたがって適用することができる。PUCCH/PUSCHリソースインジケータは、スケジューリングDCIによって提供される。HARQフィードバックを有する対応するPUCCH/PUSCH送信は、同じく様々な方法で処理することができる。有利なことに、実施形態6を実装することにより、HARQフィードバックオーバーヘッドを削減することができる。
【0078】
実施形態6の変形例6.1では、各TBが異なるHARQプロセスで設定される場合、各部分(または各TCI状態)のHARQ関連情報が独立して提供される。そのような情報には、新しいデータインジケータ(NDI:new data indicator)、HARQプロセスの数、冗長バージョン、HARQフィードバック用のPUCCH/PUSCHリソース割り当て、および他の同様の情報が含まれ得る。
【0079】
実施形態7では、TCI状態ベースのフィードバックが実施形態1~4に使用される。PUCCH/PUSCHでの各TCI状態ベースのフィードバックは、示されたTCI状態のうちの1つに関連付けられた複数のTBに対応する。複数のTCI状態は同じHARQプロセスを有する。たとえば、UEがTCI状態に関連付けられた複数のTBの全てのCBを正しく受信した場合、UEはこのTCI状態のHARQ-ACK情報ビットについてACKを生成し、UEがTCI状態に関連付けられた複数のTBの少なくとも1つのCBを誤って受信した場合、このTCI状態のHARQ-ACK情報ビットについてNACKを生成する。HARQ-ACKビットの数はTCI状態の数と等しい。HARQ多重化は、TCI状態にまたがって適用することもできる。PUCCH/PUSCHリソースインジケータは、スケジューリングDCIによって提供される。さらに、HARQフィードバックを有する対応するPUCCH/PUSCH送信は、様々な方法で処理することができる。有利なことに、CBGベースまたはTBベースの再送信と比較して、TCIベースのフィードバックは、より少ないHARQフィードバックオーバーヘッドを生成し、TCI状態(TRP)のうちの1つがブロックされたときに部分の再送信を要求する確率へのブロックの影響を最小限に抑えることができる。
【0080】
図18は、実施形態7によるTCI状態ベースの再送信のためのUEフローチャート1800を示している。ステップ1802において、UEはマルチTBスケジューリングおよび再送信方式のための新しいエントリを有するTDRAテーブルを示す設定情報を受信する。ステップ1804において、UEはスケジューリングDCIを受信し、TCIコードポイントのTCI状態をチェックする。ステップ1806において、TCI状態が1つのみであるか否かが判定される。そうであると判定された場合、処理はステップ1808に進み、ここでUEは示されたTCI状態からの全てのCBGを把握する。ステップ1810において、UEはこのTCI状態に対してのみHARQ-ACKフィードバック動作を定義する。ステップ1812において、UEはスケジューリングされたDCIからのPRIに基づいてHARQフィードバックを送る。その後、処理は終了する。一方、ステップ1806において、2つ以上のTCI状態が存在すると判定された場合、処理はステップ1814に進み、ここで、UEは、複数のCBG(または部分)のそれぞれと、示されたTCI状態のうちの1つとの関連付けを取得し、TCI状態ごとの複数のCBGのセットの数を定義する。ステップ1816において、UEはTCI状態ごとまたは全てのTCI状態ごとにHARQ-ACKフィードバック動作(すなわち、バンドリング/多重化/HARQ-ACKビット数)を定義する。ステップ1818において、UEはスケジューリングされたDCIからのPRIに基づいてHARQフィードバックを送る。その後、処理は終了する。
【0081】
実施形態5、6、および7では、HARQ-ACK情報/フィードバックビットは、gNBによって準静的または動的に設定されるHARQ-ACKコードブックに含まれる。準静的なHARQ-ACKコードブックの生成の場合、リリース15/16では、手順は次のように簡潔に要約される。
・ステップ1:PDSCH受信の候補スロットがULスロットnおよびK1セットによって決定され、PDSCH受信機会候補がTDD設定およびTDRAテーブルの全ての行rに基づいて枝刈りされる(pruned)。
・ステップ2:ステップ1において決定されたPDSCH受信機会候補ごとに、HARQ-ACKビットが生成される。
【0082】
K1セットは、UEがPDCCHを監視するように設定されるDCIフォーマットに応じて、非特許文献6で規定されている。dl-DataToUL-ACK-r16がシグナリングされる場合、UEはdl-DataToUL-ACK(サフィックスなし)を無視するものとする。DCIによってスケジューリングされる複数のPDSCH用に準静的なHARQ-ACKコードブックを強化するために、HARQ-ACK送信を有するULスロットに対応するPDSCH受信機会候補のセットは、DLスロットのセットと、DLスロットのセットに属する各DLスロットに対応するSLIVのセットとに基づいて次のように決定される。
・DLスロットのセットは、ULスロットをHARQ-ACKフィードバックタイミングとして示すDCIでTDRAテーブルの任意の行インデックスrによってスケジューリングすることができる全ての一意のDLスロットを含む。
・(DLスロットのセットに属する)DLスロットに対応するSLIVのセットは、ULスロットをHARQ-ACKフィードバックのタイミングとして示すDCIでTDRAテーブルの任意の行インデックスrによってDLスロット内でスケジューリングすることができる全てのSLIVを少なくとも含む。
【0083】
それに基づいて、UEは、k<C(K)の間のループを使用することにより疑似コード構造に従ってPDSCH受信候補またはセミパーシステントスケジューリング(SPS)PDSCH放出のための機会のセットを決定する。
【0084】
また、動的なHARQ-ACKコードブックの生成の場合、カウンタダウンリンク割り当てインデックス(C-DAI:counter downlink assignment index)またはトータルダウンリンク割り当てインデックス(T-DAI:total downlink assignment index)をDCIごと、もしくはPDSCHごと、または複数のPDSCHのサブセットごとにカウントすることができる。C-DAI/T-DAIがDCIごとにカウントされる場合、DCIによってスケジューリングされるPDSCHの数に制限がある。DCIによってスケジューリングされるPDSCHの数に柔軟性を持たせるために、DCIによる単一PDSCHスケジューリングおよびマルチPDSCHスケジューリングに2つの別々のコードブックをそれぞれ使用することができる。この設計により、DCIによる単一PDSCHスケジューリングおよびマルチPDSCHスケジューリングの混合動作が可能になるが、マルチPDSCHスケジューリングにおけるPDSCHの数が共通である必要があるといった制限がまだある。また、チャネル状態および/またはチャネル占有時間(COT:channel occupancy time)の利用可能な長さに応じてPDSCHの数が変化し得るので、DCI内のマルチPDSCHスケジューリングでのPDSCHの数は柔軟である必要がある。動的なHARQ-ACKコードブックの生成では、DAIフィールドのサイズを増やす必要がある。リリース15/16NRでは、DAIフィールドが2ビットの場合、最大で3つの連続するDCIの検出漏れが生じても、HARQコードブックを依然として正しく生成することができる。マルチPDSCHスケジューリングが設定される場合に同じロバスト性を維持するために、DAIフィールドサイズを決定するための可能な方法を以下に示す[R1-2105396]。
・C-DAIのみが設定される場合、DAIフィールドサイズは2+logMaxであり、
・T-DAIおよびC-DAIの両方が設定される場合、DAIフィールドサイズは2×(2+logMax)であり、
・T-DAIおよびC-DAIの両方が設定され、スケジューリングされていないPDSCHのグループが設定される場合、DAIフィールドサイズは3×(2+logMax)である。
【0085】
MaxはTS38.212で規定されたPDSCHおよびスケジューリングされていないPDSCHのグループの最大数であり、ここで、gNBは、DCIの「要求されたPDSCHのグループ(複数可)の数」のフィールドによって(RRCによりNFI-TotalDAI-Included-r16=enableを設定して)「スケジューリングされていないPDSCHのグループ」のHARQ-ACKを送るようにトリガすることができることに留意されたい。「要求されたPDSCHのグループ(複数可)の数」=0の場合、「スケジューリングされたPDSCHのグループ」のHARQ-ACKのみが送られる。「要求されたPDSCHのグループ(複数可)の数」=1の場合、「スケジューリングされたPDSCHのグループ」と「スケジューリングされていないPDSCHのグループ」との両方のHARQ-ACKが連結されて送られる。さらに、他の方法は、単一のDCIによってスケジューリングされる複数のPDSCHの時間領域割り当てリソースを示すTDRAテーブルの行インデックスに関連付けられたSLIVの数に基づいてC-DAI/T-DAIのDAIフィールドサイズが決定されるという方法である。
【0086】
RAN1#96bisによる合意によれば、少なくとも単一のDCIによってスケジューリングすることができるマルチTRPベースのURLLCのためのいくつかの方式があり、これらは次のように明確化されている。
方式2(FDM):重複しない周波数リソース割り当てを有する、単一スロット内のn個(n≦N)のTCI状態。
- それぞれの重複しない周波数リソース割り当ては1つのTCI状態に関連付けられる。
- 同じ単一/複数の復調参照信号(DMRS:demodulation reference signal)ポート(複数可)が、全ての重複しない周波数リソース割り当てに関連付けられる。
方式2a:
- 1つのRVを有する単一のコードワードが、リソース割り当て全体にわたって使用される。UEの観点からは、共通のRBマッピング(リリース15のようなコードワードからレイヤへのマッピング)がリソース割り当て全体にわたって適用される。
方式2b:
- 1つのRVを有する単一のコードワードが重複しない周波数リソース割り当てごとに使用される。それぞれの重複しない周波数リソース割り当てに対応するRVは、同じであるかまたは異なることができる。
- 異なる重複しない周波数リソース割り当てへの異なるMCS/変調次数の適用を実装することができる。
- 割り当ての粒度、時間領域割り当てに関するFDM2a/2bの周波数リソース割り当てメカニズムの詳細を実装することができる。
方式3(TDM):重複しない時間リソース割り当てを有する、単一スロット内のn個(n≦Nt1)のTCI状態。
- TBの各送信機会は、ミニスロットの時間粒度の1つのTCIおよび1つのRVを有する。
- スロット内の全ての送信機会(複数可)は、同じ単一または複数のDMRSポート(複数可)を有する共通のMCSを使用する。
- RV/TCI状態は、送信機会の間で同じであるかまたは異なることができる。
- 今後の課題(FFS:For further study):同じTCIインデックスを有するミニスロットにわたるチャネル推定補間。
方式4(TDM):K個(n≦K)の異なるスロットを有するn個(n≦Nt2)のTCI状態
- TBの各送信機会は、1つのTCIおよび1つのRVを有する。
- Kスロットにわたる全ての送信機会(複数可)は、同じ単一または複数のDMRSポート(複数可)を有する共通のMCSを使用する。
- RV/TCI状態は、送信機会間で同じであるかまたは異なることができる。
- FFS:同じTCIインデックスを有するスロットにわたるチャネル推定補間。
【0087】
M-TRP/パネルベースのURLLC方式は、改善された信頼性、効率、および仕様への影響に関して比較されるべきである。さらに、TRPあたりのレイヤ数のサポートについて議論され得る。
【0088】
技術仕様(TS:technical specification)38.214ver. 16.1.0によれば、「FDMSchemeA」、「FDMSchemeB」、「TDMSchemeA」のうちの1つに設定されたRepSchemeEnablerなどの上位レイヤパラメータによってUEを設定することができ、ここでUEにはコードポイントに2つのTCI状態が示される。2つのTCI状態がDCIに示され、UEが「FDMSchemeA」に設定されている場合、UEは、Clause5.1.2.3に記載のように、各TCI状態が重複しない周波数領域リソース割り当てに関連付けられた、TBの単一のPDSCH送信機会を受信するものとする。2つのTCI状態がDCIに示され、UEが「FDMSchemeB」に設定されている場合、UEは、Clause5.1.2.3に記載のように、他方のPDSCH送信機会に対して重複しない周波数領域リソース割り当てを有するPDSCH送信機会に各TCI状態が関連付けられた、同じTBの2つのPDSCH送信機会を受信するものとする。2つのTCI状態がDCIに示され、UEが「TDMSchemeA」に設定されている場合、UEは、Clause5.1.2.1に記載のように、他方のPDSCH送信機会に対して重複しない時間領域リソース割り当てを有するPDSCH送信機会に各TCI状態が関連付けられた、同じTBの2つのPDSCH送信機会を受信するものとし、両方のPDSCH送信機会は所与のスロット内で受信されるものとする。
【0089】
FDMSchemeAおよびFDMSchemeBの下での周波数領域リソース割り当てについて、P’BWP.iがワイドバンドとして決定された場合、最初の
【数1】
個のPRBは最初のTCI状態に割り当てられ、残りの
【数2】
個のPRBは第2のTCI状態に割り当てられ、ここでnPRBはUEに割り当てられたPRBの総数である。P’BWP.iが{2,4}の値の1つとして決定された場合、割り当てられた周波数領域リソース内の偶数のPRGは第1のTCI状態に割り当てられ、割り当てられた周波数領域リソース内の奇数のPRGは第2のTCI状態に割り当てられる。
【0090】
実施形態1~4は、DL PDSCHにおけるマルチTBスケジューリングに焦点を当てている。対応するk番目の部分のスロットオフセットをK0kからK2kに置き換えることによって、UL PUSCHにおけるマルチTBスケジューリングに同様のアプローチを直接適用することができる。1つのTRPのみ(TCI状態#1またはTCI状態#2)がアクティブ化されている場合、UEはこのアクティブ化されたTRPにデータ送信を送る。複数のTRPがアクティブ化されている場合、ULデータ送信は最良の状態のTRPに基づいて行われる。ネットワークの可用性およびUEの能力に応じて、非RedCap(通常/レガシー)UEおよびRedcap UEの両方のネットワークにおいて複数の実施形態を一緒に適用することができる。本明細書に記載の実施形態および例において、TRPをパネルに置き換えることができるということは理解されよう。
【0091】
実施形態1~7において、提案した解決策および例では2つのTRPのシナリオについて論じているが、これらの実施形態が3つ以上のTRPのシナリオに直接適用可能であることは理解されよう。そのような場合、3つ以上のTCI状態が使用される。これにより、有利なことに、動作に際してより多くのTRPからの利得が実現される。
【0092】
実施形態1~4で単一のDCIを使用する代わりに、複数のDCIベースのマルチTRP/パネル送信の場合、複数のDCIのそれぞれは、複数のTRPまたはパネルのそれぞれについて複数のTBのDL無線リソースをスケジューリングすることができる。複数のTBに対するジョイントHARQフィードバックまたは個別のHARQフィードバックのいずれかを使用することができる。
【0093】
実施形態1~4では、提案した解決策および例は、1つまたは複数のレイヤの送信に適用可能であり、たとえば、52.6GHzを超える非地上ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)などの比較的長いラウンドトリップタイム(RTT:round trip time)のシナリオにも適用可能であり、有益である。さらに、実施形態1~4において、各部分の無線リソースは、TCIシグナリングの1つのインデックスによって示されるように準静的に設定されるTCI状態の数に基づいて準静的に示すことができる。
【0094】
図19は、様々な実施形態による通信方法を示す流れ図1900を示している。ステップ1902において、単一のDCIが受信され、単一のDCIはスケジューリング情報を含み、スケジューリング情報は複数のTBの無線リソースを示す。ステップ1904において、スケジューリング情報に基づいて複数のTBの無線リソースが取得される。
【0095】
図20は、様々な実施形態による、単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングの実装を容易にするために実装することができる通信装置2000の概略的な部分的に区分された図を示している。通信装置2000は、様々な実施形態によれば、基地局、gNB、または通常の(非RedCapもしくはリリース15/16/17の)UE、RedCap UE、あるいは他の同様のタイプのUEとして実装され得る。
【0096】
通信装置2000の様々な機能および動作は、階層モデルに従ってレイヤに配置される。このモデルでは、3GPP仕様に従って、下位レイヤが上位レイヤに報告し、上位レイヤから指示を受ける。簡単にするために、階層モデルの詳細については本開示では論じない。
【0097】
図20に示すように、通信装置2000は、回路2014、少なくとも1つの無線送信機2002、少なくとも1つの無線受信機2004、および複数のアンテナ2012を含み得る(簡単にするために、図20では説明の目的で1つのアンテナのみを示している)。回路2014は、MIMO無線ネットワークにおける1つまたは複数の他の通信装置との通信の制御を含む、実行するように設計されたタスクのソフトウェアおよびハードウェア支援実行で使用するための少なくとも1つのコントローラ2006を含み得る。少なくとも1つのコントローラ2006は、少なくとも1つの無線送信機2002を介して1つまたは複数の他の通信装置に送られる設定情報、HARQフィードバック、ACK、NACK、IEおよび/またはRRC-Reconfigメッセージを生成するための少なくとも1つの送信信号生成器2008と、少なくとも1つの無線受信機2004を介して1つまたは複数の他の通信装置から受信される上記設定情報、HARQフィードバック、ACK、NACK、IEおよび/またはRRC-Reconfigメッセージを処理するための少なくとも1つの受信信号処理器2010とを制御し得る。少なくとも1つの送信信号生成器2008および少なくとも1つの受信信号処理器2010は、図20に示すように、上述の機能のために少なくとも1つのコントローラ2006と通信する通信装置2000のスタンドアロンモジュールであり得る。あるいは、少なくとも1つの送信信号生成器2008および少なくとも1つの受信信号処理器2010は、少なくとも1つのコントローラ2006に含まれ得る。これらの機能モジュールの配置が柔軟であり、実際のニーズおよび/または要求に応じて変わり得ることは当業者には理解可能である。データ処理、記憶、および他の関連する制御装置を適切な回路基板上および/またはチップセット内に設けることができる。様々な実施形態では、動作に際して、少なくとも1つの無線送信機2002、少なくとも1つの無線受信機2004、および少なくとも1つのアンテナ2012は、少なくとも1つのコントローラ2006によって制御され得る。
【0098】
図20に示す実施形態において、少なくとも1つの無線受信機2004は、少なくとも1つの受信信号処理器2010と共に、通信装置2000の受信機を形成する。通信装置2000の受信機は、動作に際して、単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングの実装を容易にするために必要な機能を提供する。
【0099】
通信装置2000は、動作に際して、単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングの実装を容易にするために必要な機能を提供する。たとえば、通信装置2000は通信装置であり得、受信機2004は、動作に際して、スケジューリング情報を含む単一のDCIを受信し得、スケジューリング情報は複数のTBの無線リソースを示す。回路2014は、動作に際して、スケジューリング情報に基づいて複数のTBの無線リソースを取得し得る。
【0100】
スケジューリング情報は2つ以上の送信設定インジケータ(TCI)状態を示し得、示されたTCI状態のそれぞれは1つの送受信点(TRP)またはパネルのアクティブ化に対応し、複数のTBの無線リソースは示されたTCI状態に関連付けられる。スケジューリング情報は1つのTRPまたはパネルのアクティブ化に対応する1つのTCI状態を示し得、複数のTBの無線リソースは示されたTCI状態に関連付けられる。第1のTRPに関連する複数のTBのうちの第1のTBは、示されたTCI状態のうちの第1のTCI状態に関連付けられ得、第2のTRPに関連する複数のTBのうちの第2のTBは、示されたTCI状態のうちの第2のTCI状態に関連付けられ得る。複数のTBのそれぞれは示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに関連付けられ得る。
【0101】
複数のTBは複数の部分にセグメント化され得、複数の部分のそれぞれは複数のTBからの1つまたは複数のコードブロック(CB)あるいは1つまたは複数のコードブロックグループ(CBG)を含み、スケジューリング情報は少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つの無線リソースを示す。示されたTCI状態のうちの1つは少なくとも1つの部分に関連付けられ得る。複数の部分のそれぞれはTRPまたはパネルのうちの少なくとも1つに関連付けられ得、受信機2004は、無線リソースを使用してダウンリンク送信でTRPまたはパネルから複数の部分のうちの少なくとも1つを受信するようにさらに構成され得る。複数の部分のそれぞれはTRPまたはパネルのうちの少なくとも1つに関連付けられ得、通信装置2000は、動作に際して、無線リソースを使用してアップリンク送信で1つまたは複数のTRPまたはパネルに複数の部分のうちの少なくとも1つを送信する送信機2002をさらに備え得る。複数の部分の各サイズは、他のDCI、MAC CE、またはRRCシグナリングなどの制御情報によって設定され得る。複数の部分のそれぞれのサイズは通信リンクの品質によって決定され得る。
【0102】
スケジューリング情報は、複数の部分のそれぞれについて、あるいは1つまたは複数のTCI状態のそれぞれについて、異なる空間情報を示し得る。スケジューリング情報は、空間情報を導出するための参照信号(RS)によって少なくとも1つのTCI状態を設定することを、設定されるTCI状態に関連付けられた複数の部分のうちの少なくとも1つに対して行い得る。スケジューリング情報は、デフォルトの空間情報によって少なくとも1つのTCI状態を暗黙的または明示的に設定することを、設定されるTCI状態に関連付けられた複数の部分のうちの少なくとも1つに対して行い得る。複数の部分のうちのそれぞれは複数のTBからの1つまたは複数のTBを含み得る。複数のTBのうちの異なるTRPに関連する2つ以上のTBは異なる部分に関連付けられ得る。複数のTBのうちの同じTRPに関連する2つ以上のTBは1つの部分に関連付けられ得る。スケジューリング情報は、ダウンリンク(DL)送信用のセミパーシステントスケジューリング(SPS)またはアップリンク(UL)送信用の設定グラント(CG)によって示され得る。
【0103】
スケジューリング情報は時間領域リソース割り当て(TDRA)テーブルまたは周波数領域リソース割り当て(FDRA)テーブルをさらに含み得、複数のTBの無線リソースはTDRAテーブルまたはFDRAテーブルによって示される。スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応する開始および長さインジケータ(SLIV)を含み得る。スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応する開始シンボルおよび割り当て長を含み得る。スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応するスロットオフセットを含み得る。スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応する開始物理リソースブロック(PRB:physical resource block)およびPRBの数を含み得る。スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応するFDRAを含み得る。スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応するPRBまたはリソースブロックグループ(RBG)を示すビットマップを含み得る。スケジューリング情報は、部分インデックス、冗長バージョン(RV)、マッピングタイプ、変調次数、符号化率、およびインターリーブパターンのうちの1つまたは組み合わせを含み得る。TDRAテーブルまたはFDRAテーブルは少なくともDCI、MAC CE、またはRRCシグナリングによって設定され得る。TDRAテーブルまたはFDRAテーブルは仕様で規定され得る。
【0104】
スケジューリング情報は、最初の送信のための複数のTBからの少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つの無線リソースを示し得、繰り返し送信のための少なくとも1つの部分の少なくとも1つの繰り返しおよび示されたTCI状態のうちの少なくとも1つの無線リソースをさらに示し得る。最初の送信のための部分と示されたTCI状態のうちの1つとの関連付けは、繰り返し送信のためのものと同じであるかまたは異なり得る。スケジューリング情報は、最初の送信のための少なくとも1つの部分およびサービングセル(PCell、PSCell、またはSCell)のうちの少なくとも1つの無線リソースをさらに示し得、繰り返し送信のための少なくとも1つの部分の少なくとも1つの繰り返しおよびサービングセル(PCell、PSCell、またはSCell)のうちの少なくとも1つの無線リソースをさらに示し得る。最初の送信のための複数のTBからの1つの部分の空間情報は、再送信のためのものと同じであるかまたは異なり得る。単一のDCIは、複数のTRPまたはパネルのうちの1つから送信されるようにスケジューリングされ得る。スケジューリング情報は、プライマリTRPと呼ばれる単一のDCIで設定される単一のTRPについて、複数のTBからの複数の部分の最初の送信をさらに示し得、複数のTBからの部分の繰り返し送信は、プライマリTRP以外の残りのTRPについて設定され得る。インターリーブパターンは、全ての部分およびそれらの繰り返しの内容に適用され得、インターリーブパターンは、事前設定されたルールによって暗黙的に、または少なくともDCI、MAC CE、またはRRCシグナリングによって明示的に示される。
【0105】
回路2014は、CBGのそれぞれに対して応答信号を生成するようにさらに構成され得る。受信機2004がCBGの全てのCBを正しく受信した場合、応答確認(ACK)信号が生成され得、受信機2004がCBGの少なくとも1つのCBを誤って受信した場合、否定応答(NACK)信号が生成され得る。回路2014は、複数の部分のそれぞれに対して応答信号を生成するようにさらに構成され得る。受信機2004が部分の全てのCBを正しく受信した場合、ACK信号が生成され得、受信機2004が部分の少なくとも1つのCBを誤って受信した場合、NACK信号が生成され得る。回路は、示されたTCI状態のそれぞれについて応答信号を生成するようにさらに構成され得る。受信機2004がTCI状態に関連する全てのCBを正しく受信した場合、ACK信号が生成され得、受信機2004がTCI状態に関連する少なくとも1つのCBを誤って受信した場合、NACK信号が生成され得る。スケジューリング情報は、応答信号のためのPUCCHまたはPUSCHリソースインジケータ(PRI)を示し得、通信装置2000は、動作に際して、スケジューリング情報に基づいて、対応するPUCCHまたはPUSCH上で複数のTBの応答信号を送信する送信機2002をさらに備え得る。スケジューリング情報は複数のTBの応答信号をジョイントHARQ信号として多重化することを示し得、送信機2002は、単一のDCIで設定されるTRPにジョイントHARQ信号を送信するようにさらに構成され得る。送信機は、複数のTBの独立した応答信号をそれらに対応するTRPにそれぞれ送信するようにさらに構成され得る。送信機2002は、複数のTBのジョイントHARQ信号を全てのTRPに送信するようにさらに構成され得る。スケジューリング情報は、部分ごとまたはTCI状態ごとの独立したHARQ関連情報をさらに示し得る。
【0106】
通信装置2000は、動作に際して、単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングの実装を容易にするために必要な機能を提供する。たとえば、通信装置2000は基地局またはgNBであり得、回路2014は、動作に際して、スケジューリング情報を含む単一のDCIを生成し得、スケジューリング情報は複数のTBの無線リソースを示し、送信機2002は、動作に際して、単一のDCIを通信装置に送信し得る。
【0107】
上述したように、本開示の実施形態は、単一DCIベースのマルチTRP/パネル送信のためのマルチTBスケジューリングの実装を可能にする高度な通信方法および通信装置を提供する。
【0108】
本開示は、ソフトウェアによって、ハードウェアによって、またはハードウェアと協働するソフトウェアによって、実施することができる。上述した各実施形態の説明において使用される各機能ブロックは、その一部または全体を、集積回路などのLSIによって実施することができ、各実施形態において説明した各プロセスは、その一部または全体を、同じLSIまたはLSIの組合せによって制御することができる。LSIは、チップとして個別に形成する、または、機能ブロックの一部またはすべてが含まれるように1個のチップを形成することができる。LSIは、自身に結合されたデータ入出力部を含むことができる。LSIは、集積度の違いに応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、またはウルトラLSIとも称される。しかしながら、集積回路を実施する技術は、LSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ、または専用プロセッサを使用することによって実施することができる。さらには、LSIの製造後にプログラムすることのできるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)や、LSI内部に配置されている回路セルの接続および設定を再設定できるリコンフィギャラブル・プロセッサを使用することもできる。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実施することができる。半導体技術または別の派生技術が進歩する結果として、LSIが将来の集積回路技術に置き換わる場合、その将来の集積回路技術を使用して機能ブロックを集積化することができる。バイオテクノロジを適用することもできる。
【0109】
本開示は、通信の機能を有する任意の種類の装置、デバイス、またはシステム(通信装置と呼ばれる)によって実施することができる。
【0110】
通信装置は、送受信機および処理/制御回路を備えていることができる。送受信機は、受信機および送信機を備えている、および/または、受信機および送信機として機能することができる。送信機および受信機としての送受信機は、増幅器、RF変調器/復調器などを含むRF(無線周波数)モジュールと、1つまたは複数のアンテナを含むことができる。
【0111】
このような通信装置の非限定的ないくつかの例としては、電話(例:携帯電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例:ラップトップ、デスクトップ、ノートブック)、カメラ(例:デジタルスチル/ビデオカメラ)、デジタルプレイヤー(デジタルオーディオ/ビデオプレイヤー)、ウェアラブルデバイス(例:ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、電子書籍リーダー、遠隔医療/テレメディシン(リモート医療・医薬)装置、通信機能を提供する車両(例:自動車、飛行機、船舶)、およびこれらのさまざまな組合せ、が挙げられる。
【0112】
通信装置は、携帯型または可搬型に限定されず、非携帯型または据付け型である任意の種類の装置、デバイス、またはシステム、例えば、スマートホームデバイス(例:電化製品、照明、スマートメーター、制御盤)、自動販売機、および「モノのインターネット(IoT:Internet of Things)」のネットワーク内の任意の他の「モノ」なども含むことができる。
【0113】
通信は、例えばセルラーシステム、無線LANシステム、衛星システム、その他、およびこれらのさまざまな組合せを通じてデータを交換するステップ、を含むことができる。
【0114】
通信装置は、本開示の中で説明した通信の機能を実行する通信デバイスに結合されたコントローラやセンサなどのデバイスを備えることができる。例えば、通信装置は、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスによって使用される制御信号またはデータ信号を生成するコントローラまたはセンサ、を備えていることができる。
【0115】
通信装置は、インフラストラクチャ設備、例えば、上の非限定的な例における装置等の装置と通信する、またはそのような装置を制御する基地局、アクセスポイント、および任意の他の装置、デバイス、またはシステムなどを、さらに含むことができる。
【0116】
特定の実施形態に示した本開示には、広範に説明した本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、多数の変更および/または修正を行い得ることが、当業者には理解されるであろう。したがって本明細書における実施形態は、あらゆる点において説明を目的としており、本発明を制限するものではないとみなされたい。
1.動作に際して、スケジューリング情報を含む単一のダウンリンク制御情報(DCI)を受信する受信機であって、スケジューリング情報は複数のトランスポートブロック(TB)の無線リソースを示す、受信機と、動作に際して、スケジューリング情報に基づいて複数のTBの無線リソースを取得する回路と、を備える、通信装置。
2.スケジューリング情報は2つ以上の送信設定インジケータ(TCI)状態を示し、示されたTCI状態のそれぞれは1つの送受信点(TRP)またはパネルのアクティブ化に対応し、複数のTBの無線リソースは示されたTCI状態に関連付けられる、請求項1に記載の通信装置。
3.スケジューリング情報は1つのTRPまたはパネルのアクティブ化に対応する1つのTCI状態を示し、複数のTBの無線リソースは示されたTCI状態に関連付けられる、請求項1に記載の通信装置。
4.第1のTRPに関連する複数のTBのうちの第1のTBは、示されたTCI状態のうちの第1のTCI状態に関連付けられ、第2のTRPに関連する複数のTBのうちの第2のTBは、示されたTCI状態のうちの第2のTCI状態に関連付けられる、請求項2に記載の通信装置。
5.複数のTBのそれぞれは示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに関連付けられる、請求項2に記載の通信装置。
6.複数のTBは複数の部分にセグメント化され、複数の部分のそれぞれは複数のTBからの1つまたは複数のコードブロック(CB)あるいは1つまたは複数のコードブロックグループ(CBG)を含み、スケジューリング情報は少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つの無線リソースを示す、請求項2または5に記載の通信装置。
7.示されたTCI状態のうちの1つは少なくとも1つの部分に関連付けられる、請求項6に記載の通信装置。
8.複数の部分のそれぞれはTRPまたはパネルのうちの少なくとも1つに関連付けられ、受信機は、無線リソースを使用してダウンリンク送信でTRPまたはパネルから複数の部分のうちの少なくとも1つを受信するようにさらに構成される、請求項6に記載の通信装置。
9.複数の部分のそれぞれはTRPまたはパネルのうちの少なくとも1つに関連付けられ、通信装置は、動作に際して、無線リソースを使用してアップリンク送信で1つまたは複数のTRPまたはパネルに複数の部分のうちの少なくとも1つを送信する送信機をさらに備える、請求項6に記載の通信装置。
10.複数の部分の各サイズは、他のDCI、MAC CE、またはRRCシグナリングなどの制御情報によって設定される、請求項6に記載の通信装置。
11.複数の部分のそれぞれのサイズは通信リンクの品質によって決定される、請求項6に記載の通信装置。
12.スケジューリング情報は、複数の部分のそれぞれについて、あるいは1つまたは複数のTCI状態のそれぞれについて、異なる空間情報を示す、請求項6に記載の通信装置。
13.スケジューリング情報は、空間情報を導出するための参照信号(RS)によって少なくとも1つのTCI状態を設定することを、設定されるTCI状態に関連付けられた複数の部分のうちの少なくとも1つに対して行う、請求項6に記載の通信装置。
14.スケジューリング情報は、デフォルトの空間情報によって少なくとも1つのTCI状態を暗黙的または明示的に設定することを、設定されるTCI状態に関連付けられた複数の部分のうちの少なくとも1つに対して行う、請求項6に記載の通信装置。
15.複数の部分のそれぞれは複数のTBからの1つまたは複数のTBを含む、請求項6に記載の通信装置。
16.複数のTBのうちの異なるTRPに関連する2つ以上のTBは異なる部分に関連付けられる、請求項6に記載の通信装置。
17.複数のTBのうちの同じTRPに関連する2つ以上のTBは1つの部分に関連付けられる、請求項6または16に記載の通信装置。
18.スケジューリング情報は、ダウンリンク(DL)送信用のセミパーシステントスケジューリング(SPS)またはアップリンク(UL)送信用の設定グラント(CG)によって示される、請求項1~6のいずれか一項に記載の通信装置。
19.スケジューリング情報は時間領域リソース割り当て(TDRA)テーブルまたは周波数領域リソース割り当て(FDRA)テーブルをさらに含み、複数のTBの無線リソースはTDRAテーブルまたはFDRAテーブルによって示される、請求項6に記載の通信装置。
20.スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応する開始および長さインジケータ(SLIV)を含む、請求項19に記載の通信装置。
21.スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応する開始シンボルおよび割り当て長を含む、請求項19に記載の通信装置。
22.スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応するスロットオフセットを含む、請求項19に記載の通信装置。
23.スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応する開始物理リソースブロック(PRB)およびPRBの数を含む、請求項19に記載の通信装置。
24.スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応するFDRAを含む、請求項19に記載の通信装置。
25.スケジューリング情報は、少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つに対応するPRBまたはリソースブロックグループ(RBG)を示すビットマップを含む、請求項19に記載の通信装置。
26.スケジューリング情報は、部分インデックス、冗長バージョン(RV)、マッピングタイプ、変調次数、符号化率、およびインターリーブパターンのうちの1つまたは組み合わせを含む、請求項19または22に記載の通信装置。
27.TDRAテーブルまたはFDRAテーブルは少なくともDCI、MAC CE、またはRRCシグナリングによって設定される、請求項19に記載の通信装置。
28.TDRAテーブルまたはFDRAテーブルは仕様で規定される、請求項19に記載の通信装置。
29.スケジューリング情報は、最初の送信のための複数のTBからの少なくとも1つの部分および示されたTCI状態のうちの少なくとも1つの無線リソースを示し、繰り返し送信のための少なくとも1つの部分の少なくとも1つの繰り返しおよび示されたTCI状態のうちの少なくとも1つの無線リソースをさらに示す、請求項6~27のいずれか一項に記載の通信装置。
30.最初の送信のための部分と示されたTCI状態のうちの1つとの関連付けは、繰り返し送信のためのものと同じであるかまたは異なる、請求項29に記載の通信装置。
31.スケジューリング情報は、最初の送信のための少なくとも1つの部分およびサービングセル(PCell、PSCell、またはSCell)のうちの少なくとも1つの無線リソースをさらに示し、繰り返し送信のための少なくとも1つの部分の少なくとも1つの繰り返しおよびサービングセル(PCell、PSCell、またはSCell)のうちの少なくとも1つの無線リソースをさらに示す、請求項6~27のいずれか一項に記載の通信装置。
32.最初の送信のための複数のTBからの1つの部分の空間情報は、再送信のためのものと同じであるかまたは異なる、請求項29に記載の通信装置。
33.単一のDCIは、複数のTRPまたはパネルのうちの1つから送信されるようにスケジューリングされる、請求項1に記載の通信装置。
34.スケジューリング情報は、プライマリTRPと呼ばれる単一のDCIで設定される単一のTRPについて、複数のTBからの複数の部分の最初の送信をさらに示し、複数のTBからの部分の繰り返し送信は、プライマリTRP以外の残りのTRPについて設定される、請求項29または33に記載の通信装置。
35.インターリーブパターンは、全ての部分およびそれらの繰り返しの内容に適用され、インターリーブパターンは、事前設定されたルールによって暗黙的に、または少なくともDCI、MAC CE、またはRRCシグナリングによって明示的に示される、請求項29に記載の通信装置。
36.回路は、CBGのそれぞれに対して応答信号を生成するようにさらに構成される、請求項6~8のいずれか一項に記載の通信装置。
37.受信機がCBGの全てのCBを正しく受信した場合、応答確認(ACK)信号が生成され、受信機がCBGの少なくとも1つのCBを誤って受信した場合、否定応答(NACK)信号が生成される、請求項36に記載の通信装置。
38.回路は、複数の部分のそれぞれに対して応答信号を生成するようにさらに構成される、請求項6~8のいずれか一項に記載の通信装置。
39.受信機が部分の全てのCBを正しく受信した場合、ACK信号が生成され、受信機が部分の少なくとも1つのCBを誤って受信した場合、NACK信号が生成される、請求項38に記載の通信装置。
40.回路は、示されたTCI状態のそれぞれについて応答信号を生成するようにさらに構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の通信装置。
41.受信機がTCI状態に関連する全てのCBを正しく受信した場合、ACK信号が生成され、受信機がTCI状態に関連する少なくとも1つのCBを誤って受信した場合、NACK信号が生成される、請求項40に記載の通信装置。
42.スケジューリング情報は応答信号のためのPUCCHまたはPUSCHリソースインジケータ(PRI)を示し、通信装置は、動作に際して、スケジューリング情報に基づいて対応するPUCCHまたはPUSCH上で複数のTBの応答信号を送信する送信機をさらに備える、請求項36~41のいずれか一項に記載の通信装置。
43.スケジューリング情報は複数のTBの応答信号をジョイントHARQ信号として多重化することを示し、送信機は、単一のDCIで設定されるTRPにジョイントHARQ信号を送信するようにさらに構成される、請求項42に記載の通信装置。
44.送信機は、複数のTBの独立した応答信号をそれらに対応するTRPにそれぞれ送信するようにさらに構成される、請求項42に記載の通信装置。
45.送信機は、複数のTBのジョイントHARQ信号を全てのTRPに送信するようにさらに構成される、請求項43に記載の通信装置。
46.スケジューリング情報は、部分ごとまたはTCI状態ごとの独立したHARQ関連情報をさらに示す、請求項39~42のいずれか一項に記載の通信装置。
47.動作に際して、スケジューリング情報を含む単一のDCIを生成する回路であって、スケジューリング情報は複数のトランスポートブロック(TB)の無線リソースを示す、回路と、動作に際して、単一のDCIを通信装置に送信する送信機と、を備える、基地局。
48.スケジューリング情報を含む単一のDCIを受信することであって、スケジューリング情報は複数のTBの無線リソースを示す、受信することと、スケジューリング情報に基づいて複数のTBの無線リソースを取得することと、を含む、通信方法。
49.スケジューリング情報を含む単一のDCIを生成することであって、スケジューリング情報は複数のトランスポートブロック(TB)の無線リソースを示す、生成することと、単一のDCIを通信装置に送信することと、を含む、通信方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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【国際調査報告】