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特表2023-536572洗浄及び/又は消毒溶液のための接続されたディスペンサ
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  • 特表-洗浄及び/又は消毒溶液のための接続されたディスペンサ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-28
(54)【発明の名称】洗浄及び/又は消毒溶液のための接続されたディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20230821BHJP
   B05B 9/03 20060101ALI20230821BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20230821BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20230821BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230821BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20230821BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20230821BHJP
   H04W 4/80 20180101ALI20230821BHJP
【FI】
A61L2/18
B05B9/03
B05B12/00 Z
B05C5/00 101
B05C11/10
H04W84/10 110
H04W84/18
H04W4/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504182
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2021025280
(87)【国際公開番号】W WO2022017648
(87)【国際公開日】2022-01-27
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523021852
【氏名又は名称】ゲラース
【氏名又は名称原語表記】GELAAS
【住所又は居所原語表記】69 Avenue de Paris 78000 Versailles (FR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トプス,スアト
(72)【発明者】
【氏名】グアン,ホンギュ
(72)【発明者】
【氏名】グアノーム,ハサン
【テーマコード(参考)】
4C058
4F033
4F035
4F041
4F042
5K067
【Fターム(参考)】
4C058AA29
4C058BB07
4C058DD13
4C058JJ06
4F033RA14
4F033RD09
4F033RD10
4F033RE01
4F033RE08
4F033RE11
4F033RE17
4F033RE19
4F035AA04
4F035BA21
4F035BB35
4F035BC06
4F041AA01
4F041AB01
4F041BA05
4F041BA22
4F041BA32
4F041BA34
4F042AA01
4F042AB00
4F042BA12
4F042CA01
4F042CB02
4F042DH09
5K067AA21
5K067BB28
5K067EE25
(57)【要約】
本発明は、携帯型通信デバイスULによってリモート監視して、洗浄及び/又は消毒溶液の事前設定された用量を送達するための、無線周波数通信モジュール2Bを有する、洗浄及び/又は消毒溶液のディスペンサ1を取り扱う。本発明はまた、そのようなディスペンサ1の制御プロセス6も取り扱い、その制御プロセス6は、ディスペンサ1による、携帯型通信デバイスULの識別ステップ62と、(識別後に許可条件下における)洗浄及び/又は消毒溶液の放出ステップ63と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄及び/又は消毒溶液のためのディスペンサ(1)であって、前記ディスペンサ(1)が、
-前記洗浄及び/又は消毒溶液を収容するように設計されているタンク(3)と、
-前記洗浄及び/又は消毒溶液の送達システム(4)であって、前記送達システム(4)が、送達パイプ(42)を通って前記タンク(3)と流体連通する送達ヘッド(121)、並びに前記送達パイプ(42)を通って前記洗浄及び/又は消毒溶液の流れを調整するように設計されているポンプ、を含む、送達システムと、
-前記送達システム(4)の前記ポンプ及び前記送達ヘッド(121)を選択的に監視するように設計されているコマンドモジュール(2C)と、
-無線周波数通信モジュール(2B)であって、前記ディスペンサ(1)と携帯型通信デバイス(UL)との間の無線双方向通信のために、かつ通信機器から前記無線周波数通信モジュール(2B)への制御信号に従って、前記ディスペンサ(1)をアクティブ化及び非アクティブ化させるように設計された無線周波数通信モジュール(2B)と、
前記送達システム(4)、コマンドモジュール(2C)、及び前記無線周波数通信モジュール(2B)に接続されている、電源(21)と、を備える、ディスペンサ(1)。
【請求項2】
前記無線周波数通信モジュール(2B)が、少なくとも1つの通信アンテナ(23、25)と、少なくとも1つの通信アンテナ(23、25)に接続されている変復調ユニット(24)と、を含む、請求項1に記載のディスペンサ(1)。
【請求項3】
前記通信アンテナ(23、25)が、Bluetoothアンテナ(23)のものである、請求項2に記載のディスペンサ(1)。
【請求項4】
前記通信アンテナ(23、25)が、近距離通信アンテナ(25)である、請求項2又は3に記載のディスペンサ(1)。
【請求項5】
携帯型通信デバイス(UL)による、請求項1~4のいずれか一項に記載のディスペンサ(1)の制御プロセス(6)であって、前記制御プロセス(6)が、以下のステップ:
-前記ディスペンサ(1)の前記無線周波数通信モジュール(2B)によって受信される前記携帯型通信デバイス(UL)の識別子の送信による、前記ディスペンサ(1)による前記携帯型通信デバイス(UL)の識別ステップ(62)と、
-前記ディスペンサ(1)による前記洗浄及び/又は消毒溶液の用量の放出ステップ(63)と、を含む、制御プロセス(6)。
【請求項6】
前記識別ステップ(62)が、前記携帯型通信デバイス(UL)と、前記ディスペンサ(1)の前記無線周波数通信モジュール(2B)との間に、Bluetoothリンクを設定すること(621)を含む、請求項5に記載の制御プロセス(6)。
【請求項7】
前記識別ステップ(62)が、前記携帯型通信デバイス(UL)と、前記ディスペンサ(1)の前記無線周波数通信モジュール(2B)との間に、近距離リンクを設定すること(621)を含む、請求項5に記載の制御プロセス(6)。
【請求項8】
前記識別ステップ(63)が、前記携帯型通信デバイス(UL)による、前記無線周波数通信モジュール(2B)を通じた、前記ディスペンサ(1)への送達コマンドの送信ステップ(631)を含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の制御プロセス(6)。
【請求項9】
前記携帯型通信デバイス(UL)の前記識別ステップ(62)、及び前記送達コマンドの前記送信ステップ(631)が、同一の通信プロトコルに従って行われる、請求項8に記載の制御プロセス(6)。
【請求項10】
前記携帯型通信デバイス(UL)の前記識別ステップ(62)、及び前記送達コマンドの前記送信ステップ(631)が、異なる通信プロトコルに従って行われる、請求項8に記載の制御プロセス(6)。
【請求項11】
前記携帯型通信デバイス(UL)の前記識別ステップ(62)が、Bluetoothリンクであり、前記送達コマンドの前記送信ステップ(631)が、近距離リンクである、請求項10に記載の制御プロセス(6)。
【請求項12】
前記制御プロセス(6)が、前記携帯型通信デバイス(UL)に対する前記ディスペンサ(1)の位置特定ステップ(61A、61B)を含む、請求項5~11のいずれか一項に記載の制御プロセス(6)。
【請求項13】
前記位置特定ステップ(61A、61B)が、
-前記携帯型通信デバイス(UL)による地球測位信号の受信ステップ(611)と、
-前記携帯型通信デバイス(UL)の地理座標の識別ステップ(612)と、
-前記携帯型通信デバイス(UL)の前記地理座標から事前設定された周囲内に位置する、(アクティブ化可能なディスペンサと呼ばれる)少なくとも1つのディスペンサ(1)の表示ステップ(613)と、を含む、請求項12に記載の制御プロセス(6)。
【請求項14】
前記位置特定ステップ(61A、61B)が、前記ディスペンサ(1)によるディスペンサ識別子の、前記無線周波数通信モジュール(2B)を通じた発信ステップ(614)を含む、請求項12に記載の制御プロセス(6)。
【請求項15】
前記ディスペンサ識別子の前記発信ステップ(614)が、前記ディスペンサ(1)によって事前設定されている周波数で行われる、請求項14に記載の制御プロセス(6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術的文脈は、洗浄及び/又は消毒溶液の用量を送達して、集団におけるウイルス又は細菌の繁殖を軽減することを可能にする公衆衛生装置である。
より具体的には、本発明は、洗浄及び/又は消毒溶液の接続されたディスペンサ、並びにそのようなディスペンサの制御プロセスに関する。
【0002】
以前の技術水準
大規模な公衆衛生危機とそれに関連する感染爆発リスクが発生した後、ハンド消毒ジェルのディスペンサが、公共の場に現れて、人々が公共の場を往来するときに手を洗うことが可能になった。これらのディスペンサは、概して、タンクと、手動式コマンド、足部式コマンドを備えるか、又は場合によっては更に、近接センサなどの人感センサ、例えば、赤外線センサによる分配システムと、を含むトーテムの形として具体化される。ハンド消毒ジェル分配ノズルの下に手を移動させると、ユーザは、分配システムを監視して、事前設定された用量のハンド消毒ジェルを放出することができる。
【0003】
このようなディスペンサには、いくつかの欠点がある。
【0004】
第1の欠点は、周知のディスペンサの視認性の欠如であり、それらのディスペンサが完全に視認できる場所に配置されていない場合、ユーザは、それらを十分に見つけられない可能性がある。これに対して、それらのディスペンサをはっきりと視認できる場所に設置すると、ディスペンサが配置されているスペースを往来する人々の動きを制限することによって、公共スペースの構成に影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
第2の欠点は、周知のディスペンサの人間工学的なものである。手動式又は足部式の起動ハンドルを備えるモデルは、ハンドルを押し付けて、ある用量のハンド消毒ジェルを放出させる必要がある。このディスペンサの物理的な操作は、意図された目的に反して、周知のディスペンサを順次利用するユーザ間でウイルス及び細菌を広めることを助長する。
【0006】
更に、周知のディスペンサは、それほど洗練された分配システムを有していない。したがって、ユーザは、ある用量を超えて得るために、ハンドルを数回起動しなければならない場合があり、
これは、ハンド消毒ジェルの無駄遣いにつながる。
【0007】
最後に、第3の既知の欠点は、周知のディスペンサの場合、効率的で収益性の高い保守及び補充サービスを成り立たせることが難しいことである。実際、周知のディスペンサの機能性に対する指標がないため、それらの周知のディスペンサは、材料が壊れた後、補充又は修理のない状態で数日間放置されたままの可能性がある。このことは、あまりにも長く、かつあまりにも頻発するサービスの混乱をもたらし、そのような幅広い観衆への配分サービスの持続可能性に悪い影響を及ぼす。結果として、このようなディスペンサは、ユーザ経験、補充、及び保守に関する問題を一気に最適化しながら、ハンド消毒ジェルを広範囲に配分することができる経済的なモデルとは適合しない。
【0008】
本発明の目的は、新しい接続されたディスペンサについて明らかにして、上記の問題に少なくとも部分的にうまく対処し、更に新しい利点を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、そのようなディスペンサをより容易に見出して、使用することである。
【0010】
本発明の別の目的は、そのようなディスペンサの、連続する2人のユーザの間で汚染物質が伝搬するのを妨げながら、洗浄及び/又は消毒溶液の分配をより容易にすることである。
【0011】
本発明の別の目的は、そのようなディスペンサの保守又は補充をより容易にすることである。
【0012】
本発明の開示
本発明の第1の態様によれば、上記の目的のうちの少なくとも1つは、洗浄及び/又は消毒溶液のディスペンサを用いて獲得され、このディスペンサは、(i)洗浄及び/又は消毒溶液を収容するように設計されているタンクと、(ii)洗浄及び/又は消毒溶液の送達システムであって、その送達システムは、送達パイプを通ってタンクと流体連通する送達ヘッド、並びに送達パイプを通って洗浄及び/又は消毒溶液の流れを調整するように設計されているポンプ、を含む、送達システムと、(iii)送達システムのポンプ及び分配ヘッドを選択的に監視するように設計されているコマンドモジュールと、(iv)無線周波数通信モジュールであって、ディスペンサと携帯型通信デバイスとの間の無線双方向通信のために、かつ通信機器から無線周波数通信モジュールへのコマンド信号に従って、ディスペンサをアクティブ化及び非アクティブ化させるように設計された無線周波数通信モジュールと、(v)送達システム、コマンドモジュール、及び無線周波数通信モジュールに接続されている、電源と、を含む。
【0013】
本発明の第1の態様によるディスペンサは、任意の形状をとることができる。特に、それは、恒久的又は移動可能な方法で、それを垂直の取り付け台に固定するための固定部材を含むことができる。あるいは、ディスペンサは、トーテムの形態をとり、地上に設置してそこに立たせたままにするためのベースプレートを含むことができる。
【0014】
ディスペンサは、優先的な用途に応じた任意の形状を有する外殻であるハウジングによって視覚的に示され、とりわけ、無線周波数通信モジュール及び/又はコマンドモジュール及び/又は送達システム及び/又はタンク及び/又は電源を含む、内側に構成要素の全て又は一部を有する。
【0015】
好ましくは、本発明の第1の態様によるディスペンサによって放出される洗浄及び/又は消毒溶液は、ハンド消毒溶液、又は石鹸を含む溶液であるが、これらに限定されない。更に、洗浄及び/又は消毒溶液は、例えば、液体、ジェル、泡、又は噴霧として、事前設定された量の用量だけ放出される。
【0016】
タンクは、密閉容器の形状を有しており、事前設定された量の洗浄及び/又は消毒溶液を収容するように設計される。タンクの容量は、0.5リットル~10リットルであることが好ましい。有利なことに、タンクの補充又は交換の前に、ディスペンサによって送達される洗浄及び/又は消毒溶液の散らかし及び用量回数の両方を最適化するために、タンクの容量は、1リットル~5リットルである。タンクは、任意の材料、とりわけ、プラスチック又は金属で作製することができる。好ましい実施形態によれば、タンクは、ディスペンサ及びそのハウジングの内側にある容器である。別の実施形態によれば、タンクは、ディスペンサのハウジングの一部として、全体的又は部分的に作製される。
【0017】
タンクは、密閉して閉鎖されて、洗浄及び/又は消毒溶液の蒸発を防止し、引火のリスクを軽減することが好ましい。有利なことに、ディスペンサには、タンクへのアクセスデバイスが含まれ、そのタンクの補充及び/又はそのタンクの交換を可能にする。第1の実施形態によれば、そのようなアクセスデバイスは、取り外し可能な跳ね上げドアの形状をとることができ、その跳ね上げドアは、タンクを含むディスペンサの部分に収納可能であるか、又は回転可能に取り付けられ、かつそれへのアクセスを与え、その結果、タンクをディスペンサのハウジングから取り外すか、又はそこに導入することができる。第2の実施形態によれば、そのようなアクセスデバイスは、再位置決め可能なプラグの形状を採用することができ(好ましくは密閉して)、これにより、タンクを洗浄及び/又は消毒溶液で補充することが可能になる。
【0018】
送達システムにより、洗浄及び/又は消毒溶液の流れを監視しながら、タンクから送達ヘッドに洗浄及び/又は消毒溶液を循環させることが可能になる。ディスペンサ内の洗浄及び/又は消毒溶液の漏れを減らすために、この送達システムは、特にタンク及び送達ヘッドにおいて、密閉して結合されることが好ましい。
【0019】
送達システムを通る洗浄及び/又は消毒溶液の流量の調整は、ディスペンサのコマンドモジュールによって駆動されるポンプによって行われる。このポンプは、少なくとも、ゼロと、ゼロを上回る公称値との間に、洗浄及び/又は消毒溶液の流量を調整するように設計される。更に、ポンプは、コマンドモジュールによって駆動され、その結果、ポンプは、事前設定された持続時間の間に洗浄及び/又は消毒溶液の流量をその公称値に調整し、その流量は、送達ヘッドによる、洗浄及び/又は消毒溶液の事前設定された公称量の送達に合致する。
【0020】
送達ヘッドは、洗浄及び/又は消毒溶液を放出して、ディスペンサのユーザに当該溶液を取り出させ、例えば、ユーザの手の上にそれをかけるように設計された少なくとも1つの送達ノズルを含む。意図された用途及び効果によれば、送達ヘッドの少なくとも1つの送達ノズルは、洗浄及び/又は消毒溶液を、液滴の形態で、又はジェットとして、噴霧するように設計される。
【0021】
コマンドモジュールは、ディスペンサの送達システム、無線周波数通信モジュール、及び電源の互いの間、かつそれらとともに接続された1つ又はいくつかのPCBの形態を有する。非限定的な例として、コマンドモジュールのPCBは、無線周波数通信モジュール及び送達システムとやり取りするデータを処理するための集積回路を含むことができる。代替的に又は補足的に、コマンドモジュールのPCBは、無線周波数通信モジュール、送達システム、及び電源を監視するための集積回路を含むことができる。この集積回路は、1つ若しくはいくつかのコントローラ、及び/又は1つ若しくはいくつかのマイクロプロセッサ、及び/又は1つ若しくはいくつかのマイクロコントローラ、及び/又は1つ若しくはいくつかのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は1つ若しくはいくつかの特定用途向け集積回路(ASIC)の形態をとることができる。
【0022】
補足的に、コマンドモジュールは、デジタルデータを格納するように設計されたメモリを含み得、かつ/又はそれに接続され得、かつ/又はそれにアクセスするように設計し得る。それらのメモリにアクセスするために、コマンドモジュールが、とりわけ、メモリへの書き込み及び/又はメモリからの読み取りを行うように設計されていることを理解するであろう。コマンドモジュールのPCBは、RAM及び/又はROM及び/又はキャッシュ及び/又はバッファ及び/又は光メモリ及び/又は消去可能プログラマブル読み取り専用メモリなどの任意の種類のメモリを含むことができる。
【0023】
無線周波数通信モジュールは、それぞれインバウンド及びアウトバウンドの変調された無線通信信号を発信及び受信するように設計される。
【0024】
電源は、例えば、ディスペンサ内のバッテリーなどの電源であることが好ましい。非限定的な例として、バッテリーは、リチウムバッテリーとすることができる。あるいは、電源は、ディスペンサと、近くの配電網との間の電気接続部材とすることができる。この有利な構成により、本発明の第1の態様によるディスペンサを近くの配電網に電気的に接続することが可能になる。有利なことに、ディスペンサの電気接続部材は、類似の雄型コネクタと結合するように設計された雌型コネクタである。
【0025】
したがって、本発明の第1の態様によるディスペンサにより、洗浄及び/又は消毒溶液を当該ディスペンサのユーザに放出することがより容易かつより健康的になる。実際、そのようなディスペンサは、使用することができ、これは、引き金となり、安全に、かつディスペンサのいずれの部分とも物理的に接触しないことを意味する。
【0026】
更に、本発明の第1の態様によるディスペンサは、当該溶液の用量がディスペンサのユーザによるいかなる行動とも無関係に放出されるため、より多くの洗浄及び/又は消毒溶液を節約する。逆に、ディスペンサによって提供される洗浄及び/又は消毒溶液の用量は、事前設定され、制御された方法で自動的に放出され、かつコマンドモジュールの制御下でディスペンサの送達システムによって調整される。
【0027】
したがって、そのようなディスペンサは、その保守が周知のディスペンサを用いたときよりも合理的であり、かつ保守頻度が少ない可能性があるため、より信頼性が高く、より堅牢であり、かつ公共スペースにおける大規模な設置にはるかに適応する。更に、洗浄及び/又は消毒溶液の補充回路は、実装がより容易であり、かつ費用もそれほどかからない。
【0028】
本発明の第1の態様によるディスペンサは、有利なことに、以下の改善点のうちの少なくとも1つを含み、これらの改善点の技術的特性は、単独で又は組み合わせて採用することができる。
-第1の実施形態によれば、無線周波数通信モジュールは、本発明の第1の態様によるディスペンサのコマンドモジュールに電気的かつ動作可能に接続された少なくとも1つの通信アンテナを含む。この場合、コマンドモジュールは、インバウンド及びアウトバウンド通信信号をそれぞれ変調及び復調するように設計される。
-第2の代替的又は補足的な実施形態によれば、無線周波数通信モジュールは、少なくとも1つの通信アンテナ、及びその少なくとも1つの通信アンテナに電気的かつ動作可能に接続された変復調ユニットを含む。この変復調ユニットは、インバウンド通信信号及びアウトバウンド通信信号をそれぞれ変調及び復調するように設計される。変復調ユニットは、有利なことに、1つ若しくはいくつかのコントローラ、及び/又は1つ若しくはいくつかのマイクロプロセッサ、及び/又は1つ若しくはいくつかのマイクロコントローラ、及び/又は1つ若しくはいくつかのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は1つ若しくはいくつかの特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。変復調ユニットは、アンテナに電気的かつ動作可能に接続されたメモリを含むことが好ましい。メモリは、例えば、RAM及び/又はROM及び/又はキャッシュ及び/又はバッファ及び/又は光メモリ及び/又は消去可能プログラマブル読み取り専用メモリの任意の種類のものであり得る。
-いずれの実施形態でも、通信アンテナは、Bluetoothアンテナである。したがって、通信アンテナは、標準規格IEEE802.15.1に定義されているように、2.4~2.485GHzの非常に高い周波数無線信号を発信及び/又は受信するように設計される。
場合によっては、通信アンテナは、低エネルギーBluetoothアンテナ(BLE)である。
-無線周波数通信モジュールは、コマンドモジュールに接続された近距離無線通信端末(NFC)を含む。この場合、その通信端末は、典型的には、13.56MHzの狭域高周波無線通信を作り出すことを可能にするNFCアンテナである。NFC技術は、特にISO/CEI14443標準規格に記載されている。
-その通信アンテナは、近距離アンテナである。
-送達システムは、タンク内の洗浄及び/又は消毒溶液の量を測定するように設計されたセンサを含む。したがって、そのセンサにより、洗浄及び/又は消毒溶液の残量がディスペンサの保守又は補充運用の計画を必要とする閾値を下回るかどうかを決定することが可能になる。
-コマンドモジュールは、メモリを含み、センサは、コマンドモジュールに接続されて、測定された量の値をメモリに格納する。
-本発明の第1の態様によるディスペンサは、コマンドモジュールに電気的に接続された近接センサを含み、その近接センサは、ディスペンサのユーザが当該ディスペンサの近くに手を移動させたときに、送達システムをアクティブ化するように設計される。非限定的な例として、近接センサは、赤外線センサ、超音波センサ、静電容量型センサとすることができる。この有利な設計は、ディスペンサのユーザがそのディスペンサの近傍に(特に送達ヘッドの近傍に)居ることを検出することができ、要求された用量の洗浄及び/又は消毒溶液を送達することが可能である。
-本発明の第1の態様によるディスペンサは、ディスペンサがどのように機能するかを説明するための、かつ/若しくは衛生意識向上プログラムのための、並びに/又は広告を運ぶための、少なくとも画像通信デバイスを含む。非限定的かつ補足的な例として、画像通信デバイスは、ディスペンサ、及び/又はユーザとの対話型通信のための統合された画面上に張り付け若しくはエッチングされた少なくとも1つの絵文字を含む。この実施形態では、画面は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード画面(LED)又は有機発光ダイオード画面(OLED)であることが好ましい。
【0029】
本発明の第2の態様によれば、本発明の1の態様による、又は携帯型通信デバイスによるディスペンサの改善点のうちのいずれか1つによるディスペンサを制御するためのプロセスが提供され、その制御プロセスは、(i)携帯型通信デバイスの識別子の送信、及びディスペンサの無線周波数通信モジュールによる受信、によるディスペンサによる、携帯型通信デバイスの識別ステップ、並びに(ii)ディスペンサによる洗浄及び/又は消毒溶液の用量の放出ステップ、を含む。
【0030】
したがって、ディスペンサの制御プロセスにより、携帯型通信デバイスによって、ディスペンサによる洗浄及び/又は消毒溶液の用量の放出を命令することが可能になる。この携帯型配分デバイスは、(ディスペンサのロック解除に加えて)共同衛生方針に対する公共事業のサービス及び情報へのアクセスを与えるカスタムモバイルアプリケーションを装備することが好ましい。より具体的には、そのような携帯型通信デバイスは、本発明の第1の態様によるディスペンサの近くに位置したときに、その識別子をディスペンサに無線で送信することができる。
【0031】
<<近傍>>によって、携帯型通信デバイスを持ち運ぶユーザは誰でも、当該ユーザが直ちに又は数秒でディスペンサを使用することが可能である、ディスペンサからのそのような距離に位置していることが理解される。言い替えると、<<近傍>>によって、一方では、ディスペンサの通信能力、他方では、携帯型通信デバイスの通信能力に関連して理解される。通信デバイスは、両者間の距離が1cm未満~50mであるときに、ディスペンサの近傍に位置されていると予想される。
【0032】
本発明の観点から、かつ非限定的な例として、識別子は、携帯型通信デバイス、又は携帯型通信デバイスのためのサービスの認可を含む変数を識別するインデクサであり得る。第1の例では、ディスペンサによって受信される識別子を構成するインデクサは、例えば、MACアドレス、又はひと続きの図及び/若しくは文字及び/若しくは特殊文字で作成されたアプリケーションの識別子など、携帯型通信デバイスを指す英数字コードの形式をとることができる。この場合、それは、一意の識別子である。場合によっては、識別子は、いく人かのユーザによって共有される汎用識別子とすることができ、その識別子は、携帯型通信デバイスのユーザが本発明の第1の態様によるディスペンサの使用に関するサービス登録者であることを保証する。第2の例では、識別子は、サービスの許可が与えられているか否かを指定するブール値の形式をとることができる。
【0033】
ディスペンサが携帯型通信デバイスに関連付けられた識別子を受信すると、その識別子は、(比較ステップにおいて)基準値と比較されて、送達ステップが完了したか否かを判定する。携帯型通信デバイスからの識別子が、有効であり、かつ洗浄及び/又は消毒溶液の用量の放出を許可するものとして承認された場合、ディスペンサは、当該用量を構成する、当該溶液の事前設定された量を放出する。それに対して、識別子が無効であると確認された場合、送達ステップは、完了しない。
非限定的な例としては、ディスペンサを使用するのに十分なクレジットを有していないディスペンサのユーザは、無効の識別子をディスペンサに送信することになる。
【0034】
以前に指定されたように、送達ステップにより、携帯型通信デバイスを介して、洗浄及び/又は消毒溶液の事前設定された用量を、それを要求したユーザに放出することが可能になる。したがって、分配ステップは、事前設定された持続時間の間、送達システムのポンプをアクティブ化させて、送達システムを介して、事前設定された量の洗浄及び/又は消毒溶液をディスペンサの送達ヘッドに循環させるステップを含む。事前設定された持続時間が完了すると、そのポンプは、非アクティブ化されて、送達ヘッドからの洗浄及び/又は消毒溶液の流れを中断させる。
【0035】
当然のことながら、本発明の観点から、携帯型通信デバイスは、他の接続物体、とりわけ、本発明の第1の態様によるディスペンサと相互作用する無線通信手段を含む任意の接続物体である。非限定的な例として、そのような携帯型通信デバイスは、携帯電話、接続された腕時計、又は携帯電話、タブレット、ラップトップ等々に接続された任意のアクセサリーとすることができる。
【0036】
したがって、本発明の第2の態様による制御プロセスにより、洗浄及び/又は消毒溶液のディスペンサを、遠隔で、かつそれとの任意の物理的な相互作用なしで、監視することが可能になる。したがって、洗浄及び/又は消毒溶液の用量を、ディスペンサのいずれのインターフェースに接触することなく、要求することが可能である。したがって、制御プロセスにより、そのようなディスペンサが設置される公共及び私的な場所でのウイルス及び汚染物質の伝搬を軽減することが可能になる。
【0037】
本発明の第2の態様による制御プロセスは、有利なことに、以下の改善点のうちの少なくとも1つを含み、これらの改善点の技術的特性は、単独で又は組み合わせて採用することができる。
-第1の実施形態によれば、識別ステップは、携帯型通信デバイスと、ディスペンサの無線周波数通信モジュールとの間にBluetoothリンクを設定することを含む。Bluetoothリンクの下では、標準規格IEEE802.15.1で定義されているように、2.4~2.485GHzの非常に高い周波数の無線信号を設定することが理解される。場合によっては、その接続は、低エネルギーBluetoothアンテナ(BLE)である。この第1の実施形態は、有利なことに、典型的には、100m未満の広い範囲の双方向通信を設定する。第2の実施形態によれば、識別ステップは、携帯型通信デバイスと、ディスペンサの無線周波数通信モジュールとの間に近距離リンクを設定することを含む。近距離リンクの下では、NFC技術(近距離通信)についての標準規格ISO/CEI14443に記載されているように、狭域高周波無線通信(典型的には、13.56MHz)を設定することが理解される。この第2の実施形態は、ディスペンサと携帯型通信デバイスとの間により確実なリンクを作り出す。
-送達ステップは、携帯型通信デバイスによる送達コマンドを、ディスペンサの無線周波数通信モジュールを通じてそのディスペンサに送信するステップを含む。場合によっては、識別ステップにおいて送信される識別子は、洗浄及び/又は消毒溶液のための送達コマンドを同時に含む。この場合、送達コマンドの送信は、識別ステップと同時に完了する。あるいは、送達コマンドの送信は、識別ステップに引き続いて完了する。この場合、識別ステップにおいて送信された識別子により、ディスペンサが、少なくとも携帯型通信デバイスに関連付けられた識別子の有効性を点検することが可能になる。その後、識別子がディスペンサによって有効であると見なされた場合、携帯型通信デバイスからの送達コマンドは、配分ステップを開始する。
【0038】
第1の実施形態によれば、携帯型通信デバイスの識別ステップ、及び送達コマンドの送信ステップは、同一の通信プロトコルに従って行われる。この設計により、有利なことに、本発明の第1の態様によるディスペンサの開発がより容易になり、それらのコストが削減される。この第1の実施形態では、ディスペンサと携帯型通信デバイスとの間の接続は、識別ステップ、及び送達コマンドの送信のためのBluetoothリンクであることが好ましい。この場合、本発明の第2の態様による制御プロセスは、有利なことに、送達ステップの前に、ディスペンサと携帯型通信デバイスとの間のペアリングステップを含む。このペアリングステップにより、携帯型通信デバイスが本発明の第1の態様によるディスペンサの使用を予約することが可能になる。このペアリングの後、携帯型通信デバイスとディスペンサとの間の接続は、双方向になる。第1の携帯型通信デバイスがディスペンサとペアリングされるとき、第2の携帯型通信デバイスが同じディスペンサと同時にペアリングされることは不可能である。
-第1の実施形態に代わる第2の実施形態によれば、携帯型通信デバイスの識別ステップ、及び送達コマンドの送信ステップは、異なる通信プロトコルに従って行われる。この設計により、同じディスペンサの様々なユーザのより良好な管理が可能になる。第2の態様による本発明の特に有利な実施形態によれば、携帯型通信デバイスの識別は、Bluetoothリンクであり、送達コマンドの送信ステップは、近距離リンクである。Bluetoothリンクは、ディスペンサと携帯型通信デバイスとの間に第1の遠隔リンクを作り出して、当該ディスペンサ上での当該デバイスの識別を可能にする。それに対して、近距離リンクは、携帯型通信デバイスの識別によって、ディスペンサをより確実にアクティブ化する。
-分配ステップは、事前設定された持続時間の間、送達システムのポンプをアクティブ化させて、事前設定された量の洗浄及び/又は消毒溶液を送達するステップを含む。特に、送達ステップ中に分配され、洗浄及び/又は消毒溶液の用量に対応する、洗浄及び/又は消毒溶液の量は、0.5mL~2mLである。洗浄及び/又は消毒溶液の用量の量は、1mLに等しいか、又は実質的にそれと同等であることが好ましい。
-本発明の第2の態様の制御プロセスは、携帯型通信デバイスに対するディスペンサの位置特定ステップを含む。この位置特定ステップにより、ディスペンサのアクセスがより容易になる。
-第1の実施形態によれば、第1の実施形態によれば、位置特定ステップは、(i)携帯型通信デバイスによる地球測位信号の受信ステップと、(ii)携帯型通信デバイスの地理座標の識別ステップと、(iii)携帯型通信デバイスの地理座標から事前設定された周囲内に位置する、(アクティブ化可能なディスペンサと呼ばれる)少なくとも1つのディスペンサの表示ステップと、を含む。
-この第1の実施形態の場合、位置特定ステップにおいて、アクティブ化可能なディスペンサのうちの1つの地理座標は、無線通信ネットワークを介して、中央サーバから携帯型通信デバイスに送信される。第1の実施形態のこの変形例では、ディスペンサの地理座標は、前もって入力され、中央サーバに集中的に格納される。したがって、所与のネットワークのディスペンサのうちの全てのディスペンサの場所がわかり、携帯型通信デバイスからアクセス可能である。あるいは、この第1の実施形態の場合、位置特定ステップにおいて、各ディスペンサは、その無線周波数通信モジュールを通じて、その地理座標を携帯型通信デバイスに送信する。第1の実施形態のこの第2の変形例では、各ディスペンサにより、その地理座標を送信して、そのブロードキャスト範囲内に位置する通信デバイスを位置特定することがより容易になる。したがって、ディスペンサは、この周囲に位置する任意の携帯型通信デバイスが受信することができるディスペンサの地理座標のキャリア信号を発信し、ディスペンサは、ディスペンサに対する携帯型通信デバイスの位置を計算することができるであろう。
-位置特定ステップは、ディスペンサの無線周波数通信モジュールを通じた、ディスペンサによるディスペンサ識別子の発信ステップを含む。このステップにより、ディスペンサをより良好に識別することが可能になる。この設計は、例えば、鉄道又は地下鉄の駅などのいくつかの公共の場所など、ディスペンサの高密度ネットワークの文脈では、特に有利である。
-特に洗練された変形例によれば、ディスペンサが送信する識別子はまた、ディスペンサの地球位置情報、例えば、その地理座標も含む。この場合、位置特定ステップは、ディスペンサの識別子の送信に含まれる。
-有利なことに、ディスペンサは、事前設定された頻度で、ディスペンサ識別子の発信ステップを完了する。この設計により、ディスペンサの消費電力が削減される。非限定的な例として、識別子の発信周波数は、0.1Hz~10Hzである。識別子の発信周波数は、1Hzに等しいか、又は実質的にそれと同等であることが好ましい。
-本発明の第2の態様による制御プロセスは、ディスペンサの無線周波数通信モジュールを通じて、携帯型通信デバイスに送達される洗浄及び/又は消毒溶液の用量の確認ステータスを送信するステップを含む。このステップは、サービスがディスペンサによって完了したかどうかを点検することを可能にし、このことは、洗浄及び/又は消毒溶液の用量がディスペンサのユーザに送達されたことを意味する。
-携帯型通信デバイスが確認のステータスを受信した後、制御プロセスは、とりわけディスペンサの使用回数を含む、当該携帯型通信デバイスの識別子に関連付けられたユーザデータを更新するステップを含む。
【0039】
可能な組み合わせに従って、本明細書で指定された異なる取捨選択可能特性を統合する本発明の様々な実施形態が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明の他の特性及び利点については、一方では、以下の説明に依拠して、他方では、以下の添付の概略図を参照しながら、ガイド及び非限定的なものとして作成されたいくつかの実施形態に依拠して、明らかになるであろう。
【0041】
図1】本発明の第1の態様によるディスペンサの実施形態を示す。
図2】[図1]のディスペンサの断面図を示す。
図3】本発明の第1の態様によるディスペンサの電子設計の概略図を示す。
図4】本発明の第2の態様による制御プロセスの概要図を示す。
【0042】
当然のことながら、本発明の特性、変形、及び様々な実施形態は、それらが相互に矛盾又は排他的でない限り、様々な組み合わせの下で関連付けることができる。この特性の選択が技術的利点を与えるか、又は本発明を過去の最先端技術と区別するのに十分である限り、他の記述された特性とは別として、以下に説明されるような特性の選択のみを含む、本発明の様々な変形を考えることができる。
【0043】
特に、記載された全ての変形及び実施形態は、それが技術的に可能である場合、関連付けることができる。
【0044】
図の上では、いくつかの図に対して共通する要素は、同じ参照を保持している。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1図2、及び図3は、制御された方法で事前設定された量の洗浄及び消毒溶液を分配する、本発明の第1の態様によるディスペンサ1について説明している。特に有利な方法では、ディスペンサ1は、図1及び図2上では見えない携帯型通信デバイスによって遠隔で制御される。図1及び図2は、本発明によるディスペンサ1の実施形態の3次元図を示し、[図3]は、当該ディスペンサ1の電子システム2の概略図を示している。
【0046】
このディスペンサ1は、それを垂直の取り付け台に固定するための固定部材を含むことができるか、又は、ディスペンサ1は、ディスペンサ1が地上に設置してそのままそこに立たせたままにするためのベースプレート14を含む、図1及び図2に例示された実施態様に見られるようなトーテムの形態をとることができる。
【0047】
図1及び図2の実施形態では、ディスペンサ1は、ディスペンサ1の構成要素の全て又は部分を内部に有する外殻であるハウジング10によって輪郭が描かれている。特に、このハウジング10は、ディスペンサ1の少なくとも以下の構成要素を含む。
-洗浄及び/又は消毒溶液を収容するように設計されているタンク3。
-洗浄及び/又は消毒溶液の送達システム4。
-ディスペンサ1の機能を監視するように設計されている電子システム2であって、この電子システム2は、送達システム4を監視するように設計されているコマンドモジュール2Cと、ディスペンサ1と携帯型通信デバイスとの間の無線双方向通信のために設計されている無線周波数通信モジュール2Bと、ディスペンサ1の電力モジュール2Aと、を含む、電子システム2。
【0048】
図1及び図2の実施形態では、ディスペンサ1のハウジング10は、長手方向の垂直形状を有し、上部11、下部13、及び中間部12を含む。ディスペンサ1のハウジング10の下部13は、長方形又は円筒形の形状を有する。ハウジング10の中間部12は、下部13と直線上に配置されている。ハウジング10の中間部12は、長方形又は円筒形の形状を有する。
【0049】
ディスペンサ10の地上での足場を狭くするために、ハウジング10の第1の横寸法L1は、400mm~600mmである。このハウジング10の第1の横寸法L1は、550mmであることが好ましい。第1の横寸法L1は、カーター10の2つの側面101の間で測定される。ハウジング10の第2の側面寸法L2は、300mm~500mmである。ハウジング10の第2の横寸法L2は、400mmであることが好ましい。ディスペンサ1の高さL3は、有利なことに、1200mm~1800mmであり、ディスペンサの正面に立っているユーザにとって、そのユーザをより楽にする。ディスペンサ1の全高は、1600mmであることが好ましい。
【0050】
ディスペンサ1のハウジング10は、公共の景観に統合することを両立させ、かつ酷使及び/又は天候に負けない、任意の材料で作製することができる。非限定的な例として、ハウジング10は、全体的又は部分的にプラスチック又は金属材料で作製することができる。
【0051】
図2]に示されている実施形態では、ディスペンサのハウジング10の下部13は、特定のハウジング131内にタンク3及び電子システム2を含む。取り外し可能又は回転可能に取り付けられた跳ね上げドア132は、とりわけタンク3の保守及び/又は補充のために、ハウジング10の下部13のレセプタクル131へのアクセスを提供する。この跳ね上げドアは、錠締めなどのロック部材133によって閉鎖される。
【0052】
ディスペンサ1のハウジング10の中間部12は、ディスペンサ1のユーザがそのユーザの手を入れて、洗浄及び/又は消毒溶液の用量を受け取ることができる凹部122を含む。この凹部は、有利なことに、地上の上方及び/又はベースプレート14の上方1000mm~1300mmの高さに配置されている。
【0053】
上部11には、ハウジング10は、傾斜部を含み、ハウジング10の正面110は、ハウジング10の第2の横寸法L2がディスペンサ1の上部垂直端に近づくと、減少するように傾斜している。最後に、ディスペンサ1の上部11は、それがどのように機能するかを説明するための、かつ/若しくは衛生意識向上プログラムのための、並びに/又は広告を運ぶための、画像通信デバイス111を含む。図1及び図2の実施形態では、画像通信デバイスは、ユーザとの対話型通信のための統合化された画面の形状を有する。この画面は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード画面(LED)又は有機発光ダイオード画面(OLED)であることが好ましい。
【0054】
ディスペンサ1の送達システム4により、事前設定された用量の洗浄及び/又は消毒溶液をディスペンサ1のユーザに送達することが可能になる。送達システム4は、少なくとも1つの送達パイプ42を介してタンク3と流体連通する送達ヘッド121、及び送達パイプを介して洗浄及び/又は消毒溶液の流れを調整するように設計されたポンプを含む。
【0055】
送達パイプ42は、タンク3と送達ヘッド121との間の流体連通を確立して、洗浄及び/又は消毒溶液を送達ヘッド121に送出する。有利なことに、送達システム42の送達パイプ42は、タンク3に、かつ送達ヘッド121に密閉して結合されている。
【0056】
タンク3は、事前設定された量の洗浄及び/又は消毒溶液を収容するように設計された閉鎖容器の形状を有する。タンクの容積は、0.5リットル~10リットルであることが好ましい。タンクは、ディスペンサ1の下部13内に配置されて、ディスペンサが立ち易くし、設計をより容易にすることが好ましい。タンク3は、プラスチック又は金属で作製されている。更に、タンク3は、密閉されて閉鎖され、洗浄及び/又は消毒溶液の蒸発を防止し、引火のリスクを軽減している。
【0057】
送達システム4により、洗浄及び/又は消毒溶液の流れを監視しながら、洗浄及び/又は消毒溶液をタンク3から送達ヘッド121に循環させることが可能になる。送達システム4を通る洗浄及び/又は消毒溶液の流量の調整は、ディスペンサ1のコマンドモジュール2Cによって駆動されるポンプによって行われる。
送達システム4のポンプは、電子システム2のコマンドモジュール2Cによって駆動され、その結果、コマンドモジュールは、送達ヘッド121による、洗浄及び/又は消毒溶液の事前設定された公称量の送達に合致する事前設定された持続時間の間に、洗浄及び/又は消毒溶液の流量をゼロでない公称値に調整する。公称量に到達すると、コマンドモジュール2Cは、ポンプを駆動して、送達ヘッド121を通る洗浄及び/又は消毒溶液の流れを中断させる。
【0058】
送達システム4の送達ヘッド121は、ハウジング10の中間部12の凹部122に配置されている。より正確には、図1及び図2の実施形態において、送達ヘッドは、凹部121の上壁に配置され、その結果、洗浄及び/又は消毒溶液は、重力によって、凹部中に単に落下することができる。とりわけ、この有利な設計により、ディスペンサ1のユーザが使用しないであろう任意の余分な洗浄及び/又は消毒溶液を収集容器5に回収することが可能になる。そうするために、凹部122は、送達ヘッド121への凹部下壁面に、排水グリッド、及び収集容器に流体結合する収集パイプを含む。
【0059】
送達ヘッド121は、洗浄及び/又は消毒溶液を放出し、ディスペンサ1のユーザが当該溶液を取り出して、例えば、ユーザの手の上にその溶液を塗布するように設計された少なくとも1つの送達ノズル1211を含む。意図された使用及び/又は効果によれば、送達ヘッド121のその少なくとも1つの送達ノズル1211は、洗浄及び/又は消毒溶液を、液滴の形態で又はジェットとして、噴霧するように設計されている。
【0060】
場合によっては、送達システム4はまた、タンク3内の洗浄及び/又は消毒溶液の量を測定するように設計されたセンサも含む。したがって、このセンサにより、洗浄及び/又は消毒溶液の残量が、ディスペンサ1の保守又は補充運用の計画を必要とする閾値を下回るかどうかを判定することが可能になる。
【0061】
送達システム4はまた、コマンドモジュール2Cに電気的に接続されている近接センサ1212も含むことができ、この近接センサ1212は、ディスペンサ1のユーザが当該ディスペンサ1の近くに、特にディスペンサの送達ヘッド121の近くにユーザの手を移動させたときに、送達システム4をアクティブ化するように設計されている。非限定的な例として、近接センサは、赤外線センサ、超音波センサ、静電容量型センサとすることができる。
【0062】
限定的ではないが、本発明の第1の態様によるディスペンサ1によって放出された洗浄及び/又は消毒溶液は、ハンド消毒溶液、又は石鹸を含有する溶液であることが好ましい。更に、送達ヘッド121は、洗浄及び/又は消毒溶液を、事前設定された量のうちの用量だけ、例えば、液体、ジェル、泡、又は噴霧として放出する。
【0063】
図3]を参照すると、本発明の第1の態様によるディスペンサ1の電子システム2が、より詳細に説明されている。この電子システムは、電力モジュール2A、無線周波数通信モジュール2B、及びコマンドモジュール2Cを含む。
【0064】
電力モジュール2Aは、電源21を通じて無線周波数通信モジュール2B及びコマンドモジュール2Cの機能に必要な電気エネルギーを生成するように設計されている。第1の実施形態によれば、電力モジュール2Aは、ディスペンサ1が自律的に機能することを可能にする電源を含む。この電源は、充電式又は非充電式バッテリーの形状をとる。あるいは、電力モジュールは、ディスペンサ1と、近くの配電網との間の電気接続部材の形状をとる。この実施形態では、ディスペンサは、どんな電源も含まず、電気接続部材により、ディスペンサ1を近くの配電網と容易に接続することが可能になる。非限定的な例として、ディスペンサ1の電気接続部材は、電源コンセントである。
【0065】
したがって、電力モジュール2Aは、電源21及び調整デバイス22でできている。
したがって、電源21は、電子システム2の他のモジュール2B、2Cを駆動する電力信号を発生させることができ、調整デバイスにより、電力信号の電気的特性を各モジュール2B、2Cの要件に合わせて調節することが可能になる。非限定的な例として、調整デバイスにより、電力信号の電圧及び/又は電流及び/又は周波数及び/又は位相を選択的に生成することが可能になる。調整デバイス21は、無線周波数通信モジュール2Bのための第1の電力信号、及びコマンドモジュール2Cのための第2の電力信号を別個に生成するように設計されている。
【0066】
コマンドモジュール2Cは、とりわけ、送達システム4、及び/又は近接センサ1212、及び/又は画像通信デバイス111である画面などの、ディスペンサ1の様々な部材を監視するように設計されている。特に、コマンドモジュール2Cは、以下を含む。
-近接センサに焦点を合わせて、ディスペンサ1の凹部122中に手を入れたユーザを検出するように設計されている、近接センサ1212の監視デバイス27、及び
-送達システム4のポンプ及び送達ヘッド121を監視するように設計されたコントローラ26であって、そのコントローラは、近接センサ1212が、ディスペンサ1の凹部122中に手を入れたユーザを検出したときに、ポンプ及び/又は送達ヘッド121に電力を供給するように設計されている、コントローラ。
【0067】
無線周波数通信モジュール2Bは、インバウンドRFin変調された無線通信信号、及びアウトバウンドRFout変調された無線通信信号をそれぞれ発信及び受信するように設計されている。アウトバウンド変調通信信号RFoutは、無線周波数通信モジュール2Bによって生成され、インバウンド変調通信信号RFinは、ディスペンサ1の近くに位置し、かつ当該無線周波数通信モジュール2Bによって検出された携帯型通信デバイスULによって生成される。
【0068】
そうするために、無線周波数通信モジュール2Bは、以下を含む。
-複数の通信プロトコルに基づいて、とりわけ、アウトバウンド変調通信信号RFoutを変調し、かつインバウンド変調通信信号RFinを復調するように設計されている処理ユニット24、及び/又は
-変調無線周波数信号を発信及び/又は受信するように設計されている通信アンテナ23、25。
【0069】
本発明の第1の態様によるディスペンサ1は、様々なプロトコルに従って通信するように設計されている。それは、Bluetooth通信のみのために、若しくは近距離通信のみのために、又はBluetooth若しくは近距離通信のために選択的に、設計されていることが好ましい。ディスペンサ1(その無線周波数通信モジュール2Bを介する)と、携帯型通信デバイスULとの間のいくつかの通信モードについては、[図4]を参照して以下に説明されるであろう。
【0070】
図3]のような電子システム2では、無線周波数通信モジュール2Bは、Bluetoothアンテナ23及びNFCアンテナ25を含み、処理ユニット24により、意図された用途に応じて、通信プロトコルのうちのいずれか1つに基づいて選択的に通信することが可能になる。このように、処理ユニット24は、上で特定されたように、Bluetoothアンテナ23に電気的かつ機能的に接続されている変復調ユニット、及びNFCアンテナ25に電気的かつ機能的に接続されている通信端末の両方を構成する。
【0071】
携帯型通信デバイスULとディスペンサ1との間の相互作用をより容易にするために、Bluetoothアンテナ23及び/又はNCFアンテナ25は、画像通信デバイス111と、ハウジング10の前面上のカートリッジ112の近く又は内側の凹部122との間の中間位置において、ディスペンサ1の上部11に配置されていることが好ましい。
【0072】
無線周波数通信モジュール2Bの処理ユニット24には、有利なことに、1つ若しくはいくつかのコントローラ、及び/又は1つ若しくはいくつかのマイクロプロセッサ、及び/又は1つ若しくはいくつかのマイクロコントローラ、及び/又は1つ若しくはいくつかのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は1つ若しくはいくつかの特定用途向け集積回路(ASIC)が含まれる。処理ユニット24はまた、アンテナに電気的かつ動作可能に接続されているメモリも含む。
【0073】
本発明によるディスペンサ1の電子システム2は、互いの間に接続され、かつディスペンサ1の送達システム4に接続された1つ又はいくつかのPCB(例えば、モジュール2A、2B、2C毎に1つ)の形態をとる。非限定的な例として、電子システム2の各モジュール2A、2B、2CのPCBは、無線周波数通信モジュール2Bを有するコマンドモジュール2Cと、送達システム4との間で交換されるデータの処理のための、並びに/又は送達システム4及び電力モジュール2Aの、無線周波数通信モジュール2Bの監視のための集積回路を含むことができる。この集積回路は、1つ若しくはいくつかのコントローラ、及び/又は1つ若しくはいくつかのマイクロプロセッサ、及び/又は1つ若しくはいくつかのマイクロコントローラ、及び/又は1つ若しくはいくつかのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は1つ若しくはいくつかの特定用途向け集積回路(ASIC)の形態をとることができる。
【0074】
補足的に、電子システム2を形成する各モジュール2A、2B、2Cは、デジタルデータを格納するように設計されたメモリ、例えば、RAM及び/又はROM及び/又はキャッシュ及び/又はバッファ及び/又は光メモリ及び/又は消去可能プログラマブル読み取り専用メモリを含み得、かつ/又はそれらに接続され得、かつ/又はそれらにアクセスするように設計され得る。
【0075】
図4]は、本発明の第2の態様による制御プロセス6の概要図を示している。制御プロセス6により、携帯型通信デバイスULが洗浄及び/又は消毒溶液の用量を得ることによって、その実施形態のうちのいずれか1つにおいて上述したようなディスペンサ1を監視することが可能になる。そうするために、制御プロセス6は、以下を含む。
-ディスペンサ1による携帯型通信デバイスULの識別ステップ62、及び
-ディスペンサ1による、洗浄及び/又は消毒溶液の用量の放出ステップ63。
【0076】
識別ステップ62により、ディスペンサ1が、すぐ近くに位置する携帯型通信デバイスULから送信された識別子を(そのディスペンサの無線周波数通信モジュール2Bを通じて)受信することが可能になる。
【0077】
近傍という概念は、ディスペンサ1が使用している通信プロトコルに左右される。原則として、携帯型通信デバイスULは、ディスペンサ1がその通信プロトコルのうちの1つを介してそのデバイスと通信することができる場合、そのディスペンサの近くにあるものと見なされ、その通信は、好ましくは、Bluetooth又はNFCリンクを介することを意味する。例示を目的として、ディスペンサ1と携帯型通信デバイスULとの間のBluetoothリンクの場合、そのようなリンクは、当該携帯型通信デバイスULがディスペンサ1から約50m以内に位置する場合に確立することができる。ディスペンサ1と携帯型通信デバイスULとの間のNFCリンクの場合、そのようなリンクは、当該携帯型通信デバイスULがディスペンサ1から約10cm以内に位置する場合に確立することができる。
-識別ステップ62の間、制御プロセス6は、ディスペンサ1と携帯型通信デバイスULとの間の接続ステップ621を含む。第1の実施形態によれば、接続ステップ621の間、ディスペンサ1は、(特に、Bluetoothリンクの場合)携帯型通信デバイスULとのリンクを設定する。接続ステップ621の第2の実施形態によれば、携帯型通信デバイスULは、(特に、NFCリンクの場合)ディスペンサ1とのリンクを設定する。
【0078】
したがって、周知のディスペンサとは対照的に、本発明によるディスペンサ1は、識別子が当該ディスペンサ1によって認識された場合にのみ機能する。よって、これらのディスペンサは、誰にも使用されることはできないが、いくつかの条件を満たす場合、ディスペンサをロック解除するアプリケーションによってロックされる。
【0079】
識別ステップ621は、ディスペンサ1と携帯型通信デバイスULとの間の双方向リンクを設定することが好ましい。次いで、携帯型通信デバイスULは、ディスペンサ1が洗浄及び/又は消毒溶液の放出を開始することを認識する少なくとも1つのパラメータをディスペンサ1に送信する。例示を目的として、それらのパラメータは、携帯型通信デバイスULの一意の識別子、ブール値、アクティブ化コマンド等とすることができる。
【0080】
放出ステップ63は、ディスペンサ1の送達システム4のアクティブ化ステップ632を含み、予想された用量の洗浄及び/又は消毒溶液を送達する。場合によっては、この放出ステップ63は、携帯型通信デバイスULによる、ディスペンサ1への分配コマンドの、無線周波数通信モジュール2Bを通じた、先の送信ステップ631を含む。この場合、識別ステップ62において送信された識別子により、ディスペンサが携帯型通信デバイスULに関連付けられた識別子の少なくとも有効性を点検することが可能になる。その後、識別子がディスペンサ1によって有効なものと見なされた場合、携帯型通信デバイスULからの送達コマンドは、配分ステップ1、より具体的には、ディスペンサ1の送達システム4のアクティブ化ステップ632を開始する。
【0081】
有利なことに、ディスペンサ1による携帯型通信デバイスULの識別ステップ62は、Bluetoothリンクによって行われ、これに対して、分配コマンドの送信ステップ631は、携帯型通信デバイスULとディスペンサ1との間のNFCリンクによって行われる。
【0082】
あるいは、ディスペンサ1による携帯型通信デバイスULの識別ステップ、及び分配コマンドの送信ステップ631は、Bluetoothリンクによって行われる。
【0083】
あるいはまた、ディスペンサ1による携帯型通信デバイスULの識別ステップ、及び分配コマンドの送信ステップ631は、NFCリンクによって行われる。
【0084】
図4]に見られるように、本発明の第2の態様による制御プロセス6は、携帯型通信デバイスULに対するディスペンサ1の先の位置特定ステップ61A、61Bを含むことができる。この位置特定ステップにより、特に都市環境内において、ディスペンサ1へのアクセスが、ユーザにとってより容易になる。
【0085】
第1の実施形態によれば、位置特定ステップ61Aは、以下を含む。
-携帯型通信デバイスULによる地球測位信号の受信ステップ611。
-携帯型通信デバイスULの地理座標についての識別ステップ612、及び
-携帯型通信デバイスULの地理座標から事前設定された周囲内に位置する少なくとも1つのディスペンサ1(アクティブ化可能なディスペンサと呼ばれる)の表示ステップ613。
【0086】
この第1の実施形態では、全てのディスペンサ1の地理座標は、事前設定され、次いで、アクティブ化可能なディスペンサ1に対する地理座標は、中央サーバから無線通信ネットワークを介して携帯型通信デバイスULに送信される。ディスペンサ1の地理座標は、先に入力され、そして中央サーバに集中的に格納される。この実施形態により、携帯型通信デバイスULの位置、又はディスペンサ1の位置に関係なく、任意のディスペンサ1の位置を知ることが可能になる。
【0087】
あるいは、この第1の実施形態について、位置特定ステップ61において、各ディスペンサ1は、その無線周波数通信モジュール2Bを通じて、その地理座標を携帯型通信デバイスULに送信する。したがって、ディスペンサ1は、(例えば、そのBluetoothアンテナ23を介して)ULに位置する任意の近くの携帯型通信デバイスによって受信することができる、そのディスペンサの地理座標のキャリア信号を発信し、その携帯型通信デバイスは、ディスペンサ1に対する携帯型通信デバイスの位置を計算することができるであろう。
【0088】
第2の実施形態によれば、位置特定ステップ61Bは、無線周波数通信モジュール2Bを通じた、ディスペンサ1によるディスペンサ識別子の発信ステップ614を含む。この実施形態では、各ディスペンサがその位置情報を含むデータを送信するため、ディスペンサ1の全ての地理座標を保持する中央サーバは必要ない。
【0089】
有利なことに、ディスペンサ1は、事前設定された頻度で、ディスペンサ識別子の発信ステップ614を完了する。
発信ステップ614は、「ブロードキャスト」通信モードに従って非特異的な方式で行われる。
したがって、ディスペンサ1のその範囲内の全ての携帯型通信デバイスは、送信されたディスペンサ識別子を受信及び検出することができる。非限定的な例として、発信ステップ614は、1Hzに等しいか又は実質的に同等である周波数で定期的に行われる。
【0090】
原則として、位置特定ステップ61は、ディスペンサ1の無線周波数通信モジュール2Bを介したBluetooth型通信を通じて行われる。
【0091】
最後に、制御プロセス6はまた、ディスペンサ1の無線周波数通信モジュール2Bを通じて、携帯型通信デバイスULに送達された洗浄及び/又は消毒溶液の用量についての検証ステップの送信ステップ64も含むことができる。このステップにより、サービスがディスペンサ1によって完了したかどうかを点検することが可能になり、このことは、洗浄及び/又は消毒溶液の用量がディスペンサ1のユーザに送達されたことを意味する。その後、送信ステップ64は、有利なことに、とりわけ、ディスペンサの使用回数を含む、当該携帯型通信デバイスULの識別子に関連付けられたユーザデータの更新ステップ641を含む。このステップにより、ディスペンサ1を監視する携帯型通信デバイスUL上のアプリケーションを、当該携帯型通信デバイスULを持ち運ぶ人々による当該ディスペンサ1の使用と同期させることが可能になる。当然のことながら、更新ステップ641は、携帯型通信デバイスが携帯型通信デバイスULから検証のステータスを受信した後である。
【0092】
要約すると、本発明は、携帯型通信デバイスULによる遠隔監視のための無線周波数通信モジュール2Bを有する洗浄及び/又は消毒溶液のディスペンサ1を取り扱って、洗浄及び/又は消毒溶液の事前設定された用量を送達する。本発明はまた、そのようなディスペンサ1の制御プロセス6も取り扱い、その制御プロセス6は、ディスペンサ1による、携帯型通信デバイスULの識別ステップ62と、(識別後に許可条件下での)洗浄及び/又は消毒溶液の放出ステップ63と、を含む。
【0093】
当然のことながら、本発明は、上記の例に限定されるものではなく、また、本発明の枠内で、これらの例に多くの改善点を付け加えることができる。特に、本発明の他の特性、形状、変形、及び実施形態は、様々な組み合わせの下で互いに関連付けることができる。
ただし、それらが互いに矛盾又は排他的でない限りである。特に、上記の全ての変形及び実施形態は、関連付けられることができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】