IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アクティブ エナジー システムズの特許一覧

特表2023-536588相変化材料の凍結、移送、貯蔵、利用のための熱交換システムと該熱交換システムの熱エネルギー貯蔵システムへの適用
<>
  • 特表-相変化材料の凍結、移送、貯蔵、利用のための熱交換システムと該熱交換システムの熱エネルギー貯蔵システムへの適用 図1
  • 特表-相変化材料の凍結、移送、貯蔵、利用のための熱交換システムと該熱交換システムの熱エネルギー貯蔵システムへの適用 図2A
  • 特表-相変化材料の凍結、移送、貯蔵、利用のための熱交換システムと該熱交換システムの熱エネルギー貯蔵システムへの適用 図2B
  • 特表-相変化材料の凍結、移送、貯蔵、利用のための熱交換システムと該熱交換システムの熱エネルギー貯蔵システムへの適用 図3
  • 特表-相変化材料の凍結、移送、貯蔵、利用のための熱交換システムと該熱交換システムの熱エネルギー貯蔵システムへの適用 図4
  • 特表-相変化材料の凍結、移送、貯蔵、利用のための熱交換システムと該熱交換システムの熱エネルギー貯蔵システムへの適用 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-28
(54)【発明の名称】相変化材料の凍結、移送、貯蔵、利用のための熱交換システムと該熱交換システムの熱エネルギー貯蔵システムへの適用
(51)【国際特許分類】
   F28D 20/02 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
F28D20/02 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507238
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 US2021044574
(87)【国際公開番号】W WO2022031868
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/061,540
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520385227
【氏名又は名称】アクティブ エナジー システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イシュマエル, ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】ミルバハラー, ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】アトヤン, リヴォン
(57)【要約】
本発明は熱交換システムに関し、該熱交換システムは疎氷性の熱交換器(IHEX)タンクと、IHEXタンク内に保持された相変化材料(PCM)と、IHEXタンクに保持される非混和性液体層と、非混和性液体層内に位置する熱交換器と、熱交換器の上に位置して、非混和性液体層内に複数の液状PCM液滴を導入するように構成された分配器とを備える。熱交換システムは更に、IHEXタンクからPCMを除去するように構成された移送機構と、除去されたPCMを受け入れるように構成された外部貯蔵タンクとを含む。非混和性液体層は固体PCM及び液状PCMの密度よりも密度が低く、PCMと非混和性液体層はPCMと非混和性液体との界面で対向する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換システムであって、
疎氷性の熱交換器(IHEX)タンクと、
前記IHEXタンク内に保持された相変化材料(PCM)と、
前記IHEXタンク内に保持される非混和性液体層であって、固体PCM及び液状PCMの両方の密度よりも低い密度を有し、PCMと非混和性液体層は、PCMと非混和性液体との界面で対向している非混和性液体層と、
前記非混和性液体層内に位置する熱交換器と、
前記熱交換器の上に位置して、非混和性液体層内に複数の液状PCM液滴を導入するように構成された分配器と、
前記IHEXタンクからPCMを除去するように構成された移送機構と、
除去されたPCMを受け入れるように構成された外部貯蔵タンクとを備えた、熱交換システム。
【請求項2】
前記熱交換器は、疎氷性のポリマーコーティングでコーティングされる、請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項3】
前記疎氷性のポリマーコーティングは、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリトリフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、またはそれらの組み合わせからなるグループから選択される、請求項2に記載の熱交換システム。
【請求項4】
前記PCMは水である、請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項5】
前記PCMが、氷核形成剤または凝固点調整剤のうちの1つ以上を含む、請求項4に記載の熱交換システム。
【請求項6】
前記分配器は、非混和性液体中に1uLから500uLの範囲の体積を有するPCM液滴を作製する、請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項7】
前記分配器は、開口の配列を含み、夫々の開口は、1/64インチから1/8インチの直径を有し、1/4インチから1インチだけ離れている、請求項6に記載の熱交換システム。
【請求項8】
前記熱交換器がプレートベースの熱交換器である、請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項9】
前記熱交換器は1つ以上のプレートを有し、該プレートは、水平面に対して25度から85度のプレート角度を有する、請求項8に記載の熱交換システム。
【請求項10】
前記移送機構が、
液体を供給して、固体PCMと液状PCMの混合物を掻き混ぜるための1つ以上の流れ入口と、
前記IHEXタンクからPCMを除去するための出口パイプと、
PCMと非混和性液体の界面レベルにおけるPCM液滴の層とを含む、請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項11】
前記移送機構は、PCMを円形のパターンで掻き混ぜるように構成されている、請求項10に記載の熱交換システム。
【請求項12】
請求項1に記載の熱交換システムを備えるエネルギー貯蔵システムであって、更に、
充填及び放出の間、熱交換システムと1つ以上のプロセスユニットとの間の熱に関する通信を提供する、熱交換器の入口及び熱交換器の出口を備えた、エネルギー貯蔵システム。
【請求項13】
更に、前記熱交換器タンクの外側に配置された1つ以上の貯蔵容器を含む、請求項12に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項14】
更に、前記熱交換器タンクと前記1つ以上の貯蔵容器または外部装置との間でPCM、非混和性流体、またはその両方を移送するための1つ以上のポンプを備える、請求項13に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項15】
油回収機構をさらに含み、該油回収機構は、
貯蔵容器内にてPCMと非混和性液体との界面における1つ以上のスキマーと、
1つ以上のスキマー、1つ以上のポンプ、及び1つ以上の貯蔵容器の間の1つ以上の流体が流れ可能な接続部を含む、請求項14に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項16】
熱伝達流体と相変化材料(PCM)との間で熱を交換するための熱交換方法であって、
タンク内の非混和性液体の層を保持する工程と、
タンクの頂部近傍にてタンク内に複数の液状PCM液滴を供給する工程と、
熱交換器上の複数の液状PCM液滴に接触し、液状PCM液滴を冷却し、過冷却した液体、部分的に冷凍液体、または固体PCMを製造する工程と、
タンクから固体PCMを移送する工程を含む、熱交換方法。
【請求項17】
更に、前記熱交換器の表面における疎氷性ポリマーコーティングと前記非混和性液体によって、前記熱交換器の表面における前記固体PCMの蓄積を禁止する工程を含む、請求項16に記載の熱交換方法。
【請求項18】
更にPCMと非混和性液体との間の界面に液滴層を維持することによって、部分的に凍結されたPCMを移送し、液状PCMの流入流れによってPCM層を掻き混ぜて、液状PCMをタンクから除去する工程を含む、請求項16に記載の熱交換方法。
【請求項19】
請求項1の熱交換システムを用いたエネルギー貯蔵方法であって、
液状PCMの冷凍により熱交換システムを充填する工程と、
冷凍したPCMを溶融して熱交換システムの外に放出する工程と、
更に、充填中に冷凍したPCMが熱交換器に蓄積することを禁止する工程を含むエネルギー貯蔵方法。
【請求項20】
更に、
1つ以上の二次貯蔵タンクまたは外部PCM熱交換器から熱交換器タンクへの液状PCMを送り込む工程と、
液状PCMと熱交換器とを接触させる工程と、
冷熱移送流体を用いて熱交換器に接触した液状PCMを冷却、過冷却、部分的冷凍または完全に冷凍して、冷凍したPCM、部分的に冷凍したPCM、又は液状PCMを製造する工程と、
液状PCMと非混和性液体層の間の界面にて、冷凍した又は部分的に冷凍したPCMを熱交換器下方で回収する工程と、
冷凍した又は部分的に冷凍したPCMを流体内にて浮遊することを維持する工程と、
液状PCMを1つ以上の二次貯蔵タンクに移送する工程を含む、請求項19に記載のエネルギー貯蔵方法。
【請求項21】
放出は、
貯蔵タンクから外部熱交換器を通って冷凍したPCMを送り込む工程と、
部分的に冷凍したPCMを融解し、冷凍したPCMの温度を上昇させる工程と、
冷却される流体の流体温度を下げる工程とを含む、請求項19に記載のエネルギー貯蔵方法。
【請求項22】
放出は、外部のPCM熱交換器を使用し、該外部のPCM熱交換器の動作は、
IHEXタンクから外部の熱交換器を通って冷凍PCMを送り込み、
部分的に冷凍したPCMを融解し、冷凍したPCMの温度を上昇させ、
熱交換器の反対側の流体温度を低下させることを含む、請求項19に記載のエネルギー貯蔵方法。
【請求項23】
放出は、冷凍したPCMを貯蔵タンクから直接、冷却したい熱負荷に関連する配管インフラに送り込み、
部分的に冷凍したPCMを融解し、冷凍したPCMの温度を上昇させ、
前記熱負荷を冷却することを含む、請求項19に記載のエネルギー貯蔵方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された1つ以上の実施形態は、相変化材料と冷却流体との間で効率的に熱を交換するシステム及び方法、ならびにエネルギー貯蔵システムのためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気グリッドの1日の需要は一定ではなく、ある時間帯にピーク需要が発生する。ピーク需要に対処する要求は、特大の電気グリッドの構成とコスト上昇をもたらす。普遍的な低コストの大規模解決策は利用できないので、様々なエネルギ-貯蔵技術が存在し、可能な限りピーク時の需要を低減している。熱エネルギー貯蔵システムは商業的に利用可能であるが、種々の技術的課題のために苦しんでいる。
特に氷エネルギー貯蔵は、高いエネルギー貯蔵密度と、低コストで無毒、不燃性、豊富な相変化材料(PCM)により魅力的だが、現在の構成では、正規化した熱伝達率が低く、高価な大型熱交換器が必要という問題を抱えている。
CALMAC(商標)やEvapco(商標)などの企業では、氷ベースのエネルギ貯蔵技術を商品化している。多くのシステムは、アイスオンコイル技術を用いて作動し、そこでは、伝熱流体は、滞留水中に沈められた管の大きなバンクを通過する。この構成は単純ではあるが、コイル上に絶縁氷層が形成されるため効果的ではない。この耐熱表面は、熱交換器の表面積を大きくする必要があり、高価な管の資本コストを増加させる。
【0003】
産業界で氷を作る技術は静的凍結(static freezing)だけでなく、他にも多くの方法がある。1つの方法は、外面に水を連続的に流して、冷却面上に氷を凍結させることである。一旦、十分な量の材料が凍ったところで、表面を加熱し、表面から氷を除去する。氷を除去するために再加熱することで、エネルギーを無駄に消費し、効率が悪くなる。
もう1つの方法は、管状表面の内側で氷を凍結する方法であり、その後、機械的スクレーパを用いて表面から連続的に削り落とすことである。氷を削るエネルギーは大きく、また、機械的に氷を除去するため、システムの摩耗や損傷を引き起こす。
第3の方法は、開放型の剛体容器に水を入れ、上部から冷却する方法である。水が上から下に向かって凍るときに発生する圧縮力により、氷は表面から外れる。その後、容器は反転されて、氷が脱落すると、また同じ作業を繰り返す。課題としては、熱伝導の限界、自己復元性の一貫性の無さが挙げられる。さらに別の構成では、氷は、塩化物塩またはエチレングリコールのような凍結阻害剤の存在下で部分的に凍結される。これにより、高いエネルギー移動で持ち運びが容易な氷のスラッシュができる。しかし、部分凍結やドーパントのためにエネルギー密度が低く、より高価なPCMを持つことから、商業的な問題が発生する。
【0004】
従って、エネルギー貯蔵問題に対する低コストで高い熱伝導の解決策に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示される1つ以上の実施形態によれば、熱交換システムが開示され、該熱交換システムは、疎氷性熱交換器(IHEX)タンクと、IHEXタンクに保持された相変化材料(PCM)と、IHEXタンクに保持された非混和性液体層と、非混和性液体層内に位置する熱交換器と、熱交換器の上に位置し、複数の液状PCM液滴を非混和性液体層中に導入するように構成された分配器とを含む。
このシステムはさらに、IHEXタンクからPCMを除去するように構成された移送機構と、除去されたPCMを受け入れるように構成された外部貯蔵タンクとを含む。非混和性液体層は固体PCM及び液状PCMの密度よりも密度が低く、PCMと非混和性液体層はPCMと非混和性液体の界面で対向する。
【0006】
開示された1つ以上の実施形態によれば、熱伝導性流体と相変化材料(PCM)との間で熱交換するための熱交換方法が開示される。方法は、タンク内に非混和性液体層を保持する工程と、複数の液状PCM液滴をタンクの頂部近傍にてタンク内に供給する工程と、複数の液状PCM液滴を熱交換器上で接触させる工程と、液状PCM液滴を冷却する工程と、過冷却液体、部分的に凍結した液体、または固体PCMを生成する工程と、タンクから固体PCMを移送する工程を含む。
他の態様及び利点は、以下の記載及び添付の特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本明細書に開示された実施形態による熱エネルギー貯蔵システムの図である。
図2A】本明細書に開示された実施形態に係る、疎氷性熱交換器(IHEX)プレートの正面図である。
図2B】本明細書に開示される実施形態に係るIHEXプレートの背面図である。
図3】本明細書に開示された実施形態に係るPCMを凍結するための熱交換方法の説明図である。
図4】本明細書に開示された実施形態に従った、水と氷を移送する方法の説明図である。
図5】本明細書に開示された実施形態に係る外部への放出方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に開示された1つ以上の実施形態によれば、高い熱伝達効率及びエネルギー密度を達成しながら低コストである熱交換システム及び方法が示される。業界で一般的な熱交換器に滞留したPCMを凍結させるのではなく、非混和性の潤滑剤中の液状PCMが熱交換器表面を流れ、熱交換器表面に接触することで凍結される。PCMが凍結すると、重力及びバルク流体の力により熱交換器の表面から凍結したPCMが除去される。これは、熱交換器を「疎氷性」にする表面改質により、熱交換器表面への固体PCMの付着が著しく低下するためである。疎氷性熱交換器(IHEX)は、材料が相変化を起こすにつれて熱交換器表面上への固体の蓄積を緩和し、従来のアイスオンコイルを用いた熱交換器に比べ、効率を落とさずに最大10倍まで熱交換器の表面積を小さくすることが可能である。
【0009】
平滑なポリマー表面は、一般的にテフロン(登録商標)として知られているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような1つ以上のフッ素化材料であってもよい。また、他の改良例は吸氷性を高めるためのシリコーン系コーティング及びエポキシ、またはSLIPS(スリッペリー液流入多泡基質)として知られる微細構造表面改質などを含む。
【0010】
IHEXで作った凍結PCMを保存しておき、必要に応じて熱エネルギーを取り出して冷却することができる。IHEXでPCMを凍結すべく、より安価なオフピーク電力を使用することにより、電気冷却コストの減少を可能にすることができる。光熱費の削減と資本コストの低さが相まって、IHEXシステムは商業的に有効である。
【0011】
ここに開示される1つ以上の実施例では、システムは4つの主要な構成要素、即ち、IHEX、IHEXタンク内の水及び氷管理装置、氷貯蔵及び利用手段、及び制御システムを含むことができる。冷却器は電気を使用して、熱伝達流体を水の凍結温度未満に冷却する。
この熱伝達流体はIHEXに送り込まれて、PCMとも呼ばれる水を凍らせる。特に明記されていない限り、水は液体の水、氷は固体の水を指す。これは、氷及び水を生成することができ、この氷及び水は、外部の貯蔵タンク内に送られ、冷気は必要に応じて冷却を提供するために排出されることができる。制御システムは、ユーザの要求及び環境条件に応じて、本発明の動作条件を調整する役割を担う。
【0012】
IHEXタンクは、IHEX、水層、複数の水分配システム、非混和性の流体層、及び水移送システムを含む断熱タンクであってもよい。いくつかの実施形態では、非混和性の流体は、固体及び液状の水よりも密度が低く、水層の上に位置する。IHEXは、非混和性の流体層内に浸され、一連の疎氷性プレートを通って、冷却器からの冷凍流体を分配する。水流の分配システムは、非混和性流体中に存在して、IHEXプレート上に制御された方法で液滴を導入する。液滴の大きさと数は、構成の選択と操作条件で制御することができる。
【0013】
外部貯蔵タンクは、水、氷、非混和性の二次流体、空気、またはそれらの組み合わせ、及び流れ分配システム、及び/又は熱交換器を備えた断熱タンクであり、既存のシステムと統合する。スラリーがタンクに入ると、水が底に留まる間、氷はタンクの上部に浮き上がる。移送された二次非混和性の流体をIHEXタンクに戻すためにタンク内にスキマーがある。必要になるまで氷はタンクに残り、タンクで外部の熱交換器が使用されて、外部システムから熱を取り除き、氷/水の温度を上昇させる。
【0014】
次に図1を参照すると、熱エネルギー貯蔵システムの一実施形態が図示されている。IHEXタンク105は、熱損失を最小限に抑えるために断熱される。タンクは、より高い貯蔵タンクへの接続を可能にするために加圧可能であってもよい。IHEX101は、二次非混和性液体102内にある。熱移送流体は、冷却器、凝縮ユニット、またはヒートポンプ(図示されない)のような装置からIHEXにポンプで送られることができが、装置はこれらに限定されない。この流体は、その後、IHEX101を通って循環し、その後、該流体を送達した装置に逆流することができる。この作動流体がプレートを冷却するメカニズムは、図2に表され、より詳細に後述する。
【0015】
液滴分配システム103は、液滴が生成され、非混和性液体102に配送される手段を提供する。この分配器は、任意の数のピペット、グロメット、ノズル、または、一定の液滴の流れを可能にする他の開口部から構成されてもよい。液滴分配器の構成は開口の配列であり、開口は1/8インチと1/64インチの間の直径を有し、1/4インチと1インチの間の間隔だけ離間している。
幾つかの実施形態では、開口の配列は、直径が1/64インチまたは1/32インチから1/16インチまたは1/8インチであり、任意の下限は、任意の上限と対である。液滴分配器の構成は、分配器内または分配器上での氷の蓄積を防止するものである。液滴は、非混和性の層に存在する若干の小さめの水の塊として定義される。液滴のサイズと数は、流量分配器の形状と構成、水の流量率、水と二次非混和性流体との間の表面エネルギー、二次非混和性流体の粘性によって制御される。液滴のサイズは、1μL、5μL、10μL、20μL、または25μLから100μL、150μL、200μL、250μL、300μL、400μL、または500μLまでの1から500μLの間に制御することができ、ここでは、任意の下限値が任意の上限値とペアにすることができる。液滴が非混和性流体の一部を通って落下した後、液滴は熱交換器プレートに熱的に接触し、PCM液滴は熱交換器表面から1ミリメートル以内にある。
【0016】
液滴分配システム103は、適切な液滴のサイズを確保するように構成される。小さすぎる液滴は非混和性流体内に浮遊し、熱交換器プレートとの熱接触に入らず、熱伝達を著しく減少させる可能性がある。更に、小さな液滴は非混和性流体の対流パターンに追随し、氷生成タンクの疎氷性の部分に進入するか、接触して、そこで凍結して蓄積する可能性がある。
一方、あまりにも大きな液滴は、その体積に対してあまりにも小さな熱接触表面積を有し、非混和性の層を通過したり、疎氷性表面上を急速に移動しすぎることがある。同様に、大きな液滴は、平行なIHEXプレート間を橋渡し及び凍結することによって他の液滴の流れを物理的に遮断し、熱交換器内にブロックを生成し得る。液滴とIHEXの相互作用のメカニズムは、以下に記載される図3に示される。
【0017】
液滴がIHEXプレート上で過冷却、部分的に凍結、または完全に凍結された後、液滴は非混和層102の底部に下降する。水層に流入する前に、液滴は非混和層と水の界面に可変時間だけ蓄積され、氷の凝集を防ぎ、非混和性液体の移動を最小にすることができる。液滴層の大きさは、水の流量、液滴の大きさ、水と二次的非混和性流体との間の表面エネルギー、水層内の氷の存在、及びタンク内の流量状況に依存する。液滴を分解したり、さもなければ操作するために、物理的な装置がインターフェースの近くに存在し得る。
界面の高さは、貯蔵タンク内の液体水または非混和性流体の量を増加または減少させることによって制御され、PCMと非混和性液体の界面の動力学の微調整を可能にする。液滴中の氷は、IHEXタンク105の下部の水中に浮遊し、氷スラリーを形成する。このスラリーは、氷移送システム104で制御される。
図4は、氷移送システムの可能な構成を示している。氷移送システムは、IHEXタンク105から外部貯蔵タンク106への氷の連続的な除去を可能にし得る。氷の移送は、ポンプ108によって動力が供給され、このポンプは液滴分配システム103及び移送システムの両方に水を供給することもできる。ポンプは、一般的な液体ポンプ、スラリーポンプ、または他のポンプであってもよい。当業者であれば、PCMと非混和性液体の界面に関しては、非混和性液体層にある程度のPCMが存在し、PCM層にある程度の非混和性液体が存在することを認識するであろう。
【0018】
ポンプの給水は、外部貯蔵タンク106によってもたらされる。このタンクは、環境への熱損失を最小限にするために断熱される。タンク内には、水、氷、非混和性の二次流体、空気、またはこれらの混合物が存在する場合がある。外部貯蔵タンク106は、IHEXタンク105に対して、より大きいまたは小さいなど、どのような大きさであってもよい。外部貯蔵タンク106は、IHEXタンク105より高いか、または低いかもしれず、IHEXタンク105より幅が広いか、または狭いかもしれず、IHEXタンク105と同じ高さの上、下、または上に物理的に位置するかもしれない。従って、IHEXタンク105に対する貯蔵タンク106のサイズ及び配置は、設置場所における任意の自然表面特徴又はバルク気候を利用するように選択され得る。
【0019】
氷スラリーは、外部貯蔵タンク106の底部にある移送システムから流入し、ここで、氷は、液体水が底部に留まる間、貯蔵タンクの上部に向かって浮遊する傾向がある。タンク上部の氷は、浮力のためにそれ自体コンパクトになり、システムのエネルギー貯蔵密度を増加させることがある。第2のポンプ110を使用して、水又は氷スラリーを外部熱交換器109に供給することができる。このような熱交換器方法の表現は、以下に説明する図5に示される。
【0020】
非混和性流体戻り部111を使用して、非混和性流体をIHEXタンクに戻すことができる。非混和性流体戻り部111の構成要素には、ポンプ、水と非混和性液体の界面に位置するスキマー、及び氷の移動を回避する方法が含まれるが、これらに限定されるものではない。戻り部111内の非混和性流体は、貯蔵タンク106の上部にあってもよく、IHEXタンク105から発生する。PCMがIHEXタンク105から貯蔵タンク106に移送されると、いくらかの非混和性流体がPCMと移動する。液体/固体PCMと非混和液体との密度差により、タンクの上部に非混和性液体が溜まることがある。次に、非混和性流体をIHEXタンク105に送り戻すことができる。
【0021】
また、外部貯蔵タンク106は、1つ以上の実施形態において、浮遊屋根107を備えることができる。このような屋根により、タンクを過度に加圧することなく、外部貯蔵タンク106を完全に満たすことができる。また、そのような浮遊屋根107は、タンク内に送り込まれる流体が多すぎる場合に外部貯蔵タンク106からの水/氷/PCMの受動的なパージを可能にする。PCMは水/氷であるため、このような計画外の材料の局地的環境への放出に対する環境上の懸念や影響はないかもしれない。他の実施形態では、屋根は一般的な密閉タンク屋根であってもよい。
図2A及び図2Bは、本明細書に開示された1つ以上の実施形態に係るIHEXプレートの夫々の前部及び後部を図示する。IHEXプレート構造は、ピロープレート、プレートコイル、又はろう付けチューブ対プレートを含むことができるが、これらに限定されない。前部プレート面201は、水と管202内の熱伝達流体との間の熱伝達を助けるために、熱伝導性材料で構成することができる。前部プレート面201は、滑らかな疎氷性コーティングでコーティングされてもよい。このような疎氷性コーティングとしては、ポリイソブチレン(PIB、ブチルゴム)、パラフィン、ポリt-ブチルメタクリレート(PtBMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ポリブタジエン、ナイロン10、10、ポリトリフルオロエチレン、ポリn-ブチルメタクリレート(PnBMA)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、またはポリスチレン(PS)が挙げられるが、これらに限定されない。または、疎氷性コーティングとしては、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルロアルコキシアルカン(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリトリフルオロエチレン、またはこれらの組み合わせを含むフルオロポリマーコーティングが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
前部プレート面201はまた、疎氷層の接着を増加させ、氷の核形成を促進し、及び/又は熱伝達を増加させるような方法で改良され得る。管202は、プレート後部204に溶接、プレス、ろう付け、または接着されてもよい。接触及び熱伝達を増加させるために、プレートまたはチューブ表面に修飾があってもよい。プレート後部204上の管の形状及び長さは、所望の熱伝達形状によって変動し得る。管の内部203は、低温冷却器、凝縮ユニット、またはヒートポンプ作動流体で満たされてもよい。管のサイズ及び作動流体の流量は、所望の熱伝達及び流動特性に依存してもよい。プレート後部204は、プレートと接触する管202の接着、熱伝達、または表面積を増大させるように修正されてもよい。また、プレート後部204は、表面201と同様の疎氷性の改質を有していてもよい。プレートの後部をコーティングすると、氷がIHEXタンクを移動する際に、IHEXプレートの下側に氷が蓄積するのを防ぐことができる。
図3を参照すると、本明細書に開示された1つ以上の実施形態による凍結プロセスが図示される。液状の水の液滴301は、IHEXプレートの1つの冷却された面305と熱的に相互作用し始めた直後に、液滴が完全に液体であることが示されている。液滴301は、疎水性コーティング306、及び周囲の非混和性流体307の両方に起因して、高い接触角度を示し得る。
観察された接触角度は、同じ表面の液滴を空気に触れさせた状態で観察された接触角度よりも大きい場合がある。ある場合には、空気中で粗い表面に対して、水が85度よりも大きな接触角を示すとき(または滑らかな表面に対して95度を示すとき)、その表面は、空気を非混和性の流体に置き換えたときに、氷の非粘着性を示す。液滴が(重力及び浮力の力のために)プレートを下って動き続けると、固体氷が形成され始めて固体氷の核形成、または凍結温度に達するまで、液滴の温度は低下し得る。核形成に際して、小量の凍結氷が、液滴と疎水性コーティングとの間の界面に、またはそれに近接して形成される。この固体氷は、液滴の底部にある薄い層、液滴の中に伸びる樹枝状結晶、または液滴中に形成される凍結された材料の任意の他の形態の形態をとることができる。凍結工程のこの段階は、部分的に凍結された液滴と共に、302として説明される。
【0023】
凍結工程の最終段階は、303として説明され、ここでは、液滴の凍結部分は、液滴がプレートの下方を移動し続けるに従って成長してきた。氷の接着力よりも重力と浮揚力が大きいために、核形成後も液滴は移動し続けることができる。接着力は、疎水性コーティングにより、部分的にさらに低下する可能性がある。また、使用される疎水性コーティングは非常に滑らかで、氷との界面を滑らかにする可能性がある。2つの滑らかな面を有することは、液滴によって経る全体的な摩擦の量を減少させ、よって、凍結した液滴は、少なくとも部分的には相が変化したにもかかわらず、移動を続けることができる。プレートの水平からの角度は、25度から85度に設定される。そのような角度は、25度、35度、45度、または55度から65度、75度、または85度であって、任意の下限は、任意の上限と対である。角度が大きすぎると、液滴がプレート表面上を速く移動しすぎて、熱接触が不十分になることがある。あまりにも小さな角度では、液滴は、疎氷性材料のわずかな欠陥を超えて、プレートに付着することを超えるのに十分な勢いを持たないことがある。
【0024】
ここで図4を参照すると、本明細書に開示された1つ以上の実施形態による氷移送システム104が図示される。システムの基部、すなわち流れ誘導器401は、水と非混和性流体との界面405の下方にあり、開放された上部は界面405の上に延びている。部分的に円形の形状は、接線方向の流れノズル402と組み合わされて、IHEXタンク105の底部で、又はその近くで、渦状の流れを作り出すことができる。この流れパターンは、タンク底部の水と氷を一緒にスラリー状に保つことができる。渦状の流れは、また、水と非混和性流体との界面405において、またはその近傍において、氷がより大きなブロックを形成し、出口流を遮断する可能性を妨げ得る。流れ誘導器401は、内部または外側表面上の氷の凝集を防ぐために、疎氷性材料で作られたり、疎氷性材料でコーティングされ得る。流れ誘導器の形状は氷スラリーの流動特性を変更するために、完全に円形であるか、または事実上より正方形であるように変更することができる。同様に、流れパターンを修正するために、流れ誘導器401(図示せず)の内部容積の中に、疎氷性のバッフルまたは誘導器が存在する場合がある。流量特性をさらに変化させるために、1つ以上のノズル402がある場合もある。
【0025】
移送システムの出口403は、IHEXタンク105の底部からスラリー氷を連続的に除去することができる。1つまたは複数の出口があってもよく、それらは、流れ誘導器401の底部または側面にあってもよい。移送システム104は、氷の小さな集りの通過を確保するのに十分な大きさであり、一方、氷の集りを回避すべく十分な大きな流量を維持するのに十分に小さい。移送システム104の配管は、弁又は接続点404を介して隔壁を通ってIHEXタンク105から出る。水と非混和性流体との界面405は、スラリー製造の動力学、非混和性流体の移送、または液滴界面層の位置を調整するために、上下させることができる。
【0026】
図5を参照すると、1つ以上の実施形態に係る氷融解方法が図示される。外部貯蔵タンク106内に貯蔵された氷501は、スラリーまたは固体の何れかの形態である。また、外部貯蔵タンク106内には、空気、非混和性流体、及び液体水、またはそれらの組合せが存在し得る。ポンプ110は、水または氷スラリーを送って第2の外部熱交換器109を冷却することができる。加熱された戻し流体は、1つまたは複数のシャワーヘッド、ノズル、噴霧器又は他の作動流体分散機構であってもよい流れ分配器502を通って外部貯蔵タンク106に再び流入することができる。この流れは、熱ショートカットの可能性を最小限に抑えながら、氷の融解を最大限にしようとする。
【0027】
図1に示す熱エネルギー貯蔵システムの最適な動作を確実にするために、種々のセンサ及び制御装置が使用され得る。センサは、以下のようなものを含むことができるが、これらに限定されるものではない(図には示されていない)。IHEX101は、システムの冷却速度を測定するために温度センサと冷却液流量センサを備えている。タンク105及び106は、異なる流体層の温度を測定するための温度計を有する。同様に、流量計は、氷の製造及び貯蔵速度を測定するために、液滴分配器103及び氷移送システム104に設置されてもよい。外部貯蔵タンク106は、貯蔵された氷の量を決定するために超音波レベルセンサを有することができる。外部熱交換器109は、利用される冷却負荷を決定するために温度及び流量計を有することができる。種々のセンサは、システムの安全な動作を確実にするために、動作状態を監視することができる。他の種々のセンサは、現在の電力需要及びコスト、温度、及び湿度のような環境条件を測定することができる。システム全体に設置されたコントローラは、入力の変化に応じて操作条件を調整することを可能にする。コントローラは、可変周波ドライブ、バルブ、またはシステム内の流量を調整する他の流量コントローラを含むことができるが、これらに限定されない。同様に、IHEXタンクと外部熱交換器との間にも接続があり、外部貯蔵タンク106をバイパスして、システム条件に対する制御された応答を可能にし、効率を最大にし、貯蔵の使用を低くする。このようなバイパスは、IHEXが液状PCMを冷やすだけで、いかなる相変化の移行をもたらさないような方法で、IHEX 101を動作させることになる。その一方、外部貯蔵タンクに貯蔵されている冷たい、または固体のPCMから追加の冷却が提供される場合もあれば、提供されない場合もある。このようなバイパスは、貯蔵タンク106の貯蔵容量を超え、IHEXと外部熱交換器とが「オンデマンド」で動作している事象中にも使用することができる。換言すれば、IHEXで発生する充電と外部熱交換器で発生する排出とが同じ割合で、またはそれに近い割合で起こるようにシステムを動作させることができる。
【0028】
このような動作モードで動作している間、貯蔵タンク106は、追加の補完的な冷却を提供することもあれば提供しないこともある。1つまたは複数の実施形態では、IHEXタンク105は、外部冷却器、熱交換器、または他の外部装置に氷スラリーを提供することができ、これは、高い冷却密度の媒体であるという利点を有することができ、例えば、高出力コンピュータにおけるような高密度冷却の用途において利益を有する。他の実施形態では、IHEXタンク105は、冷却された液状PCMを外部冷却器、熱交換器、または他の外部装置に提供することができる。これは、例えば、空調のような冷房密度が低い出願の空調に対してはるかに効率的であるという利点を有する。
【0029】
制御コンピュータは、システムを自律的かつ安全に制御するために存在する。コンピュータは、電気コストを最小限に抑えるようにシステムを動作させることができる。これは、顧客の負荷を平準化するか、またはピーク需要を最小化することによって達成される。また、コンピュータは、ピーク需要時間及び電力コストに関係なく、設定された時間の間、最大化されたシステム排出率を保証するように動作することができる。同様に、コンピュータは、一定の予備の氷貯蔵を維持するように動作して、非常時の操作に対する弾力性を提供する。制御コンピュータ内のアルゴリズムにより、システムは環境変化及び/又は消費者の要求に対応することができる。
【0030】
別段の定義がない限り、使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、これらのシステム、装置、方法、プロセス、及び組成物が属する技術分野における熟練者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0031】
「a」、「an」及び「a」の単数形は、文脈が明確に別途規定する場合を除き、複数の参照を含む。
【0032】
ここで使用されるように、また、添付の請求項において、「構成される」、「保有する」、「含む」という語は、そのすべての文法上のバリエーションが、追加の要素またはステップを排除しない、開放的で非限定的な意味を有することを意図している。
【0033】
「任意」とは、その後に記載される事象または状況が発生する可能性があること、または発生しない可能性があることを意味する。この記述には、事象や状況が発生した場合と発生しなかった場合が含まれている。
【0034】
「凡そ」または「約」という言葉が使用される場合、この言葉は、最大±10%、最大5%、最大2%、最大1%、最大0.5%、最大0.1%、または最大0.01%の値の分散が存在し得ることを意味する場合がある。
【0035】
範囲は、ある特定の値について、他の特定の値について、包括的に表現することができる。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は、ある特定の値から他の特定の値まで、及びその範囲内のすべての特定の値及びその組み合わせであることが理解される。
【0036】
本開示は、限られた数の実施形態を含むが、本開示の範囲から逸脱しない他の実施形態を考案できることは、本開示の恩恵に浴する当業者には理解される。従って、本範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
【国際調査報告】