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特表2023-536633ヘテロアリール及びヘテロシクリル化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-28
(54)【発明の名称】ヘテロアリール及びヘテロシクリル化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 249/04 20060101AFI20230821BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20230821BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20230821BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20230821BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20230821BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20230821BHJP
   C07D 471/06 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
C07D249/04 503
C07D403/12 CSP
C07D409/12
C07D487/04 137
C07D401/12
C07D403/14
C07D471/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507667
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(85)【翻訳文提出日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 US2021044564
(87)【国際公開番号】W WO2022031862
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/060,968
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519118164
【氏名又は名称】シギロン セラピューティクス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SIGILON THERAPEUTICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハイデブレヒト, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ヘンケン, クリストファー, ピー.
(72)【発明者】
【氏名】デ パオリス, オマール
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ウェイヘン
(72)【発明者】
【氏名】ブキャナン, マシュー
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C065
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050AA08
4C050BB04
4C050CC04
4C050EE02
4C050FF01
4C050GG03
4C050HH04
4C063AA01
4C063BB07
4C063BB08
4C063CC42
4C063CC97
4C063DD04
4C063DD07
4C063DD17
4C063DD42
4C063EE05
4C065AA07
4C065AA19
4C065BB09
4C065CC09
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH09
4C065JJ04
4C065KK10
4C065LL10
4C065PP09
4C065PP17
(57)【要約】
式(I)、(II)、及び(III)の化合物並びにその薬学的に許容される塩、その関連する組成物及び調製物、並びにそれを作製及び使用する方法が、本明細書に記載される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

(式中:
環Pは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;
環Zは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
pは、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数である)
又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
環Pが、ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Pが、5員又は6員窒素ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
環Pが、トリアゾリル(例えば、1,2,3-トリアゾリル又は1,2,4-トリアゾリル)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
環Pが、
【化2】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
環Zが、4員環、5員環、又は6員環(例えば、6員環)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
環Zが、窒素含有6員環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
1aが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
1bが、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、C~C12ハロアルキレン、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールを含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
1bが、酸不安定性アミン保護基又は塩基不安定性アミン保護基を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
1bが、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2-(4-ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(Nsc)、1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルオキシカルボニル(Bsmoc)、1,1-ジオキソナフト[1,2-b]チオフェン(Nsmoc)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル(ivDde)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、2-[フェニル(メチル)スルホニオ]エチルオキシカルボニルテトラフルオロボレート(Pms)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、p-メトキシベンジル(PMB)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、アセチル(Ac)、トリフルオロアセチル、トシル(Ts)、トリチル(Trt)、2-(4-ビフェニル)-イソプロポキシカルボニル(Bpoc)、アリル(Al)、2,2,5,5-テトラメチル-1,2,5-アザジシロリジン、1,3-ジチオラン-2-イミン、ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)、スクシンイミジル、及びピロメリット酸ジイミドから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
1bが、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ベンジル(Bn)、アリル(Al)、ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)、ジチオラン-2-イミン、及びトリフルオロアセチルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
1bが、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
1a及びR1bが、一緒になって、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
1a及びR1bが、一緒になって、スクシンイミジル環を形成する、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
1aが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
1aが水素であり、R1bが、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2-(4-ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(Nsc)、1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルオキシカルボニル(Bsmoc)、1,1-ジオキソナフト[1,2-b]チオフェン(Nsmoc)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル(ivDde)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、2-[フェニル(メチル)スルホニオ]エチルオキシカルボニルテトラフルオロボレート(Pms)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、p-メトキシベンジル(PMB)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、アセチル(Ac)、トリフルオロアセチル、トシル(Ts)、トリチル(Trt)、2-(4-ビフェニル)-イソプロポキシカルボニル(Bpoc)、アリル(Al)、2,2,5,5-テトラメチル-1,2,5-アザジシロリジン、1,3-ジチオラン-2-イミン、ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)、スクシンイミジル、及びピロメリット酸ジイミドである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
1aが水素であり、R1bがtert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々が独立して、水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
m及びnの各々が、1又は2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
qが、1、2、3、4、5、又は6である、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
pが0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
式(I)の前記化合物が、式(I-a)の化合物:
【化3】

(式中:
環Zは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
pは、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数である)
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
式(I)の前記化合物が、式(I-b)の化合物:
【化4】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
式(I)の前記化合物が、式(I-c)の化合物:
【化5】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
式(I)の前記化合物が、式(I-d)の化合物:
【化6】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
1bは、アミン保護基であり;
各Rは、独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
nは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
oは、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
式(I)の前記化合物が、式(I-e)の化合物:
【化7】

(式中:
1bは、アミン保護基であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
nは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
qは、0~25の整数である)
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
前記化合物が、式(I-f)の化合物:
【化8】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
は、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
各Rは、独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1~6個のRで任意選択により置換されており;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
式(I)の前記化合物が、式(I-g)の化合物:
【化9】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又は
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
及びRの各々は、独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
前記化合物が、表1中に示される化合物又はその薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
前記化合物の開始温度が、約150℃超(例えば、約175℃、200℃、225℃、250℃、275℃、300℃、又は325℃超)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項32】
前記化合物の開始温度が、150℃~350℃(例えば、200℃~350℃又は250℃~350℃)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項33】
前記化合物の最大発熱出力が、約750J/g未満(例えば、約700J/g、650J/g、600J/g、550J/g、500J/g、又は450J/g未満)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項34】
前記化合物の最大発熱出力が、約100J/g~700J/g(例えば、200J/g~600J/g又は250J/g~550J/g)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
前記化合物の最大発熱出力が、約300kJ/mol未満、例えば、約250kJ/mol、225kJ/mol、200kJ/mol、及び700J/g未満(例えば、200J/g~600J/g又は250J/g~550J/g)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項36】
前記化合物が液体である、請求項1に記載の化合物。
【請求項37】
請求項1~36のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物。
【請求項38】
約5グラム、10グラム、25グラム、50グラム、75グラム、100グラム、250グラム、500グラム、750グラム、1キログラム、2.5キログラム、5キログラム、10キログラム、20キログラム超、又はそれ以上の、請求項1に記載の式(I)、(II)、又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は請求項37に記載のその組成物を含む容器。
【請求項39】
前記容器が、バイアルである、請求項38に記載の容器。
【請求項40】
約5グラム、10グラム、25グラム、50グラム、75グラム、100グラム、250グラム、500グラム、750グラム、1キログラム、2.5キログラム、5キログラム、10キログラム、20キログラム超、又はそれ以上の、請求項1に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は請求項37に記載のその組成物を含む調製物。
【請求項41】
前記調製物が、実質的に純粋である、請求項40に記載の調製物。
【請求項42】
前記調製物が、25%、20%、15%、12.5%、10%.9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%未満の第2の化合物(例えば、式(I)の前記化合物を作製する方法における中間体)を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項43】
式(I)の化合物:
【化10】

(式中:
環Pは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;
環Zは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
pは、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数である)
又はその薬学的に許容される塩を調製する方法であって;
前記方法が、式(V)の化合物:
【化11】

を、式(VI)の化合物:
【化12】

と反応させ、それによって、式(I)の化合物を調製することを含む、方法。
【請求項44】
式(I)の前記化合物が、式(I-c)の化合物:
【化13】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩であり;
前記方法が、式(V-a)の化合物:
【化14】

を、式(VI-a)の化合物:
【化15】

と反応させ、それによって、式(I)の化合物を調製することを含む、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
調製物の約25%、20%、15%、12.5%、10%.9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.75%、0.5%、0.25%、0.1%、又は0.05%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で第2の化合物を含む、本明細書に記載される式(I)、(II)、又は(III)の化合物の調製物。
【請求項46】
前記第2の化合物が、前記調製物の1%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、請求項45に記載の調製物。
【請求項47】
前記第2の化合物が、前記調製物の0.75%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、請求項45に記載の調製物。
【請求項48】
前記第2の化合物が、前記調製物の0.5%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、請求項45に記載の調製物。
【請求項49】
前記第2の化合物が、表2中の化合物から選択される、請求項45に記載の調製物。
【請求項50】
組成物の約25%、20%、15%、12.5%、10%.9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.75%、0.5%、0.25%、0.1%、又は0.05%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で第2の化合物を含む、本明細書に記載される式(I)、(II)、又は(III)の化合物の組成物。
【請求項51】
前記第2の化合物が、前記組成物の1%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
前記第2の化合物が、前記組成物の0.5%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、請求項50に記載の組成物。
【請求項53】
前記第2の化合物が、表2中の化合物から選択される、請求項50に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[優先権の主張]
本出願は、2020年8月4日に出願された米国仮特許出願第63/060,968号に対する優先権を主張するものであり、この仮特許出願の開示内容は、全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
[背景]
特定のヘテロアリール及びヘテロシクリル化合物は、低い開始温度を示し、例えば、実験室条件下で、安全上の危険を及ぼし得る。したがって、これらのヘテロアリール及びヘテロシクリル化合物、並びに関連する中間体を調製するための新規な方法が当該技術分野において必要とされている。
【0003】
[概要]
式(I)、(II)、及び(III)の化合物並びにその薬学的に許容される塩、その関連する組成物及び調製物、並びにそれを作製及び使用する方法が、本明細書に記載される。本開示はまた、例えば、全組成物の約5%、2.5%、又は1%未満の量で、式(IV)の化合物などの第2の薬剤を含む、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の組成物及び調製物を特徴とする。特に、式(I)、(II)、及び(III)の化合物並びに関連する組成物及び調製物は、抗線維性(afibrotic)ポリマーの合成に有用であり得、これは、特に、対象における異物反応を低減するか又は対象に移植若しくは送達される物体における被膜周囲線維化異常増殖(pericapsular fibrotic overgrowth)(PFO)を減少させ得る。化合物、調製物、及び組成物を作製及び使用する方法も、本明細書に記載される。
【0004】
抗線維性ポリマーを調製するための現行の方法は、好ましくないエネルギープロファイルを示し得る、反応性の高い中間体(例えば、アジド化合物)の使用を必要とする。例えば、内部トリアゾール部分を含む特定の抗線維性ポリマーが、低い開始温度(例えば、例えば、150℃未満の開始温度)を有する中間体を用いて現在調製される。これらの中間体は、特に、商業的な規模拡大のために必要とされる大量で、実験室における低圧条件で動作するとき、爆発の危険をもたらし得る。したがって、例えば、より高い開始温度を示す、エネルギー的に好ましい中間体を必要とする、特定の抗線維性ポリマーの調製のための改善された合成方法が、求められていた。
【0005】
一態様において、本開示は、式(I)の化合物:
【化1】

又はその薬学的に許容される塩を特徴とし、式中、環Pは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;環Zは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;R1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;R1bは、アミン保護基であり;又はR1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;R、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数である。一実施形態において、アミン保護基は、酸不安定性アミン保護基又は塩基不安定性アミン保護基を含む。一実施形態において、アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ベンジル(Bn)、アリル(Al)、ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)、ジチオラン-2-イミン、及びトリフルオロアセチルから選択される。
【0006】
別の態様において、本開示は、式(II)の化合物:
【化2】

又はその薬学的に許容される塩を特徴とし、式中、環P及びP’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;環Z及びZ’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;環Aは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;X及びX’は各々独立して、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;R、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;m、m’、n、及びn’は各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;p及びp’は各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;q及びq’は各々独立して、0~25の整数である。
【0007】
別の態様において、本開示は、式(III)の化合物:
【化3】

又はその薬学的に許容される塩を特徴とし、式中、環A及びA’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;Lは、-O-、-C(O)-、-N(R)-、-S(O)-、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、C~C12ハロアルキレン、又は不在であり、ここで、各アルキレン、アルケニレン、ヘテロアルキレン、及びハロアルキレンは、1~6個のRで任意選択により置換されており;環P及びP’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;環Z及びZ’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;環Aは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;X及びX’は各々独立して、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;R、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;m、m’、n、及びn’は各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;p及びp’は各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;q及びq’は各々独立して、0~25の整数であり;xは、0、1、又は2である。
【0008】
一実施形態において、式(I)、(II)、(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の開始温度が、約150℃超、例えば、約175℃、200℃、225℃、250℃、275℃、300℃、又は325℃超である。一実施形態において、式(I)の化合物の開始温度は、約250℃超である。一実施形態において、式(II)の化合物の開始温度は、約250℃超である。一実施形態において、式(III)の化合物の開始温度は、約250℃超である。一実施形態において、式(I)、(II)、(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の最大発熱出力は、約750J/g未満、例えば、約700J/g、650J/g、600J/g、550J/g、500J/g、又は450J/g未満である。一実施形態において、最大発熱出力は、約300J/g未満である。一実施形態において、式(I)、(II)、(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、液体である。
【0009】
別の態様において、本開示は、約5グラム超の式(I)、(II)、(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩(例えば、10グラム、50グラム、100グラム、500グラム、1キログラム、5キログラム、10キログラム、20キログラム超、又はそれ以上)を含む容器を特徴とする。一実施形態において、容器は、バイアルである。一実施形態において、容器は、ガラス、金属、及びプラスチックの1つ以上を含む。一実施形態において、容器は、蓋を含む。一実施形態において、容器は、シール(例えば、気密シール)を含む。
【0010】
別の態様において、本開示は、約5グラム超の式(I)、(II)、(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩(例えば、10グラム、50グラム、100グラム、500グラム、1キログラム、5キログラム、10キログラム、20キログラム超、又はそれ以上)を含む調製物を特徴とする。
【0011】
別の態様において、本開示は、式(I)、(II)、(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を調製する方法を特徴とする。一実施形態において、本方法は、アルキン化合物(例えば、本明細書に記載される式(V)の化合物)を、アジド化合物(例えば、本明細書に記載される式(VI)の化合物)と反応させ、それによって、式(I)、(II)、又は(III)の化合物を調製することを含む。一実施形態において、反応は、触媒(例えば、銅触媒)の存在下で起こる。
【0012】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が本明細書において記載されている。本発明の他の特徴、対象及び利点は、発明を実施するための形態、図面、実施例及び特許請求の範囲から明らかであろう。
【0013】
[詳細な説明]
本開示は、化合物、例えば、式(I)、(II)、及び(III)の化合物、並びに関連する組成物、調製物、及びその使用方法を提供する。本明細書に記載される化合物は、特定の抗線維性化合物の調製における有用な中間体を表す。
【0014】
[定義]
本発明が、より容易に理解され得るように、いくつかの専門用語及び科学用語が、以下に具体的に定義される。本明細書において他の箇所に特に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての他の専門用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0015】
添付の特許請求の範囲を含め、本明細書において用いられるところ、「a」、「an」、及び「the」などの単数形の用語は、文脈上特に明記されない限り、それらの対応する複数の指示対象を含む。
【0016】
「約」は、数値により規定されたパラメータ(例えば、開始温度などの、本明細書に記載される化合物の物理的性質)を修飾するために本明細書において用いられる場合、パラメータが、そのパラメータについて記載される数値を15%上回る又は下回る程度に変動し得ることを意味する。例えば、約150℃の開始温度を有するものと定義される化合物は、127.5℃~172.5℃の開始温度を有し得る。いくつかの実施形態において、「約」という用語は、パラメータが、そのパラメータについて記載される数値を10%又は5%上回る又は下回る程度に変動し得ることを意味する。
【0017】
本明細書において用いられるところ、「取得する(Acquire)」又は「取得している(acquiring)」は、値又は物理的エンティティを「直接的に取得する」又は「間接的に取得する」ことによる、値(例えば数値若しくはイメージ)、又は、物理的エンティティ(例えばサンプル)の入手を達成することを指す。「直接的に取得する」とは、プロセスを実施(例えば分析方法又はプロトコルの実施)して、値又は物理的エンティティを得ることを意味する。「間接的に取得する」とは、他の団体又は提供者(例えば、物理的エンティティ又は値を直接的に取得した第三者の実験室)から値又は物理的エンティティを受け取ることを指す。値又は物理的エンティティを直接的に取得するステップは、物理的な物質における物理的な変更、又は、機器若しくはデバイスの使用を含むプロセスの実施を含む。値を直接的に取得するステップの例としては、ヒト患者からのサンプルの入手が挙げられる。値を直接的に取得するステップは、機器又はデバイスを使用するプロセスの実施、例えば、示差走査熱量計における化合物の分析を含む。
【0018】
本明細書において用いられるところ、「抗線維性」は、異物反応(FBR)を軽減する化合物又は材料を指す。例えば、抗線維性化合物を含むデバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル)(例えば、表1又は2に列挙される化合物で共有結合的に修飾されたポリマーを含むヒドロゲルカプセル)のその組織への移植によって誘導される生体組織中のFBRの量は、抗線維性なしの参照デバイス、すなわち、抗線維性化合物を含まないが、実質的に同じ組成(例えば、同じ細胞型)及び構造(例えば、区画のサイズ、形状、数)を有するデバイスの移植によって誘導されるFBRより少ない。実施形態において、FBRの程度は、例えば、国際公開第2017/075630号パンフレットに記載される当該技術分野において公知のアッセイを用いて、又はVegas,A.,et al.,Nature Biotechnolに記載されるアッセイ/方法(例えば、移植されたカプセルの皮下カテプシン測定、組織切片のマッソンのトリクローム(MT)、ヘマトキシリン又はエオジン染色、コラーゲン密度の定量化、マクロファージ(CD68又はF4/80)細胞染色及び共焦点顕微鏡検査、筋線維芽細胞(α平滑筋アクチン(alpha-muscle actin)、SMA)又は一般的な細胞付着、公知の炎症因子及び免疫細胞マーカーの79RNA配列の定量化、又は好適な被験体、例えば、免疫応答性マウスの腹腔内で14日後に回収されたデバイス(例えば、カプセル)におけるマクロファージ及び好中球についてのFACS分析)のうちの1つ以上を用いて、例えば、タンパク質吸着、マクロファージ、多核異物巨細胞、線維芽細胞、及び血管新生を含み得る移植されたデバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル)を含む組織における免疫応答によって評価される。実施形態において、FBRは、免疫応答の1つ以上のバイオマーカー、例えば、カテプシン、TNF-α、IL-13、IL-6、G-CSF、GM-CSF、IL-4、CCL2、又はCCL4の移植を含む組織におけるレベルを測定することによって評価される。いくつかの実施形態において、本発明のデバイス(例えば、その外面に配置された抗線維性化合物を含むヒドロゲルカプセル)によって誘導されるFBRは、FBRなしの参照デバイス、例えば、FBRを軽減する手段を含まないことを除き、試験デバイス又は権利請求されるデバイスと実質的に同一であるデバイス(例えば、抗線維性化合物を含まないが、その他の点では、権利請求されるカプセルと実質的に同一であるヒドロゲルカプセル)によって誘導されるFBRより少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は約100%少ない。いくつかの実施形態において、FBR(例えば、バイオマーカーのレベル)は、約30分、約1時間、約6時間、約12時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約1週間、約2週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、又はそれ以上の後に測定される。
【0019】
本明細書において用いられるところ、「最大発熱出力」は、化合物についての全ての発熱事象の和(例えば、各発熱事象について発生される全てのエネルギーの和)を指す。一実施形態において、最大発熱出力は、化合物の主要な分解事象に関連する総発熱出力、並びに全ての以前及びその後の発熱事象を含む。最大発熱出力は、化合物の量当たりのエネルギー(例えば、化合物のグラム当たりのジュール又は化合物のモル当たりのジュール)によって測定され得る。
【0020】
本明細書において用いられるところ、「開始温度」は、化合物が相転移を起こす温度(例えば、融点)を指す。一実施形態において、開始温度は、化合物が化学分解を起こし、及び/又はエネルギーを放出する温度を指す。一実施形態において、開始温度は、化合物が熱爆発の危険又は暴走反応の危険を及ぼす温度を指す。開始温度は、示差走査熱量測定(DSC)又は示差熱分析(DTA)によって測定されることが多い。熱量測定法を用いて、開始温度は、該当するピークの前縁接線と、外挿されるベースラインとの交点に関連し得る。開始温度は、熱量測定容器を収容する材料、例えば、金の内張り又はステンレス鋼によって影響され得る。開始温度はまた、当該技術分野において公知の他の方法を用いて決定され得る。
【0021】
[選択される化学的定義]
特定の官能基及び化学用語の定義を以下により詳細に記載する。化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.の内表紙のPeriodoic Table of the Elements,CAS versionに従って識別し、特定の官能基は、ここに記載されているとおり通常どおり定義している。また、有機化学の一般原則、並びに特定の官能基部分及び反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito、1999;Smith&March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York、2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York、1989;及びCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
【0022】
本明細書で用いている略語は、化学及び生物学の技術分野におけるその従来の意味を有する。本明細書に記載の化学構造及び式は、化学技術分野において既知である化学原子価に係る標準的な規則に従って構成されている。
【0023】
値の範囲が列挙されている場合、範囲中の各値及び部分範囲が包含されることが意図されている。例えば「C~Cアルキル」は、C、C、C、C、C、C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~C、及びC~Cアルキルを包含することが意図されている。
【0024】
本明細書において用いられるところ、「アルキル」は、1~24個の炭素原子(「C~C24アルキル」)を有する直鎖又は分岐飽和炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~12個の炭素原子(「C~C12アルキル」)、1~8個の炭素原子(「C~Cアルキル」)、1~6個の炭素原子(「C~Cアルキル」)、1~5個の炭素原子(「C~Cアルキル」)、1~4個の炭素原子(「C~Cアルキル」)、1~3個の炭素原子(「C~Cアルキル」)、1~2個の炭素原子(「C~Cアルキル」)、又は1個の炭素原子を有する(「Cアルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C~Cアルキル」)。C~Cアルキル基の例としては、メチル(C)、エチル(C)、n-プロピル(C)、イソプロピル(C)、n-ブチル(C)、tert-ブチル(C)、sec-ブチル(C)、イソ-ブチル(C)、n-ペンチル(C)、3-ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C)、3-メチル-2-ブタニル(C)、第三級アミル(C)、及びn-ヘキシル(C)が挙げられる。アルキル基の追加の例としては、n-ヘプチル(C)、n-オクチル(C)などが挙げられる。アルキル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アルキル」)又は1個以上の置換基(例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、又は1個の置換基)で置換されている(「置換アルキル」)。
【0025】
本明細書において用いられるところ、「アルケニル」は、2~24個の炭素原子、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有し、及び三重結合を有さない直鎖又は分岐炭化水素基のラジカル(「C~C24アルケニル」)を指す。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~10個の炭素原子(「C~C10アルケニル」)、2~8個の炭素原子(「C~Cアルケニル」)、2~6個の炭素原子(「C~Cアルケニル」)、2~5個の炭素原子(「C~Cアルケニル」)、2~4個の炭素原子(「C~Cアルケニル」)、2~3個の炭素原子(「C~Cアルケニル」)、又は2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。1つ以上の炭素-炭素二重結合は、中間(2-ブテニルにおけるものなど)又は末端(1-ブテニルにおけるものなど)であることが可能である。C~Cアルケニル基の例としては、エテニル(C)、1-プロペニル(C)、2-プロペニル(C)、1-ブテニル(C)、2-ブテニル(C)、ブタジエニル(C)などが挙げられる。C~Cアルケニル基の例としては、前述のC2~4アルケニル基並びにペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)などが挙げられる。アルケニル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アルケニル」)又は1個以上の置換基(例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、又は1個の置換基)で置換されている(「置換アルケニル」)。
【0026】
本明細書において用いられるところ、「アルキニル」という用語は、2~24個の炭素原子、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分岐炭化水素基のラジカル(「C~C24アルケニル」)を指す。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2~10個の炭素原子(「C~C10アルキニル」)、2~8個の炭素原子(「C~Cアルキニル」)、2~6個の炭素原子(「C~Cアルキニル」)、2~5個の炭素原子(「C~Cアルキニル」)、2~4個の炭素原子(「C~Cアルキニル」)、2~3個の炭素原子(「C~Cアルキニル」)、又は2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1つ以上の炭素-炭素三重結合は、中間(2-ブチニルにおけるものなど)又は末端(1-ブチニルにおけるものなど)であることが可能である。C~Cアルキニル基の例としては、エチニル(C)、1-プロピニル(C)、2-プロピニル(C)、1-ブチニル(C)、2-ブチニル(C)などが挙げられる。アルキニル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アルキニル」)又は1個以上の置換基(例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、又は1個の置換基)で置換されている(「置換アルキニル」)。
【0027】
本明細書において用いられるところ、「ヘテロアルキル」という用語は、非環式の安定な直鎖若しくは分岐鎖、又はこれらの組み合わせであって、少なくとも1個の炭素原子と、O、N、P、Si、及びSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子とを含むものを指し、ここで、窒素、リン、ケイ素、又は硫黄原子は任意選択により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択により四級化されていてもよい。ヘテロ原子O、N、P、S、及びSiは、ヘテロアルキル基の任意の位置に配置されていてもよい。例示的なヘテロアルキル基としては、これらに限定されないが:-CH-CH-O-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-CH-N(CH)-CH、-CH-S-CH-CH、-CH-CH、-S(O)-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH=CH-O-CH、-Si(CH、-CH-CH=N-OCH、-CH=CH-N(CH)-CH、-O-CH、及び-O-CH-CHが挙げられる。2個又は3個以下のヘテロ原子が連続していてもよい(例えば-CH-NH-OCH及び-CH-O-Si(CHなど)。「ヘテロアルキル」が引用され、続いて、特定のヘテロアルキル基が引用されている場合(-CHO、-NRなど)、用語ヘテロアルキル及び-CHO又は-NRは、重複していないか、又は相互に排他的ではないことが理解されるであろう。むしろ、特定のヘテロアルキル基が追加的な明確さのために引用されている。それ故、「ヘテロアルキル」という用語は、-CHO、-NRなどの特定のヘテロアルキル基を排除していると本明細書において解釈されるべきではない。
【0028】
「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、又は「ヘテロアルキレン」という用語は、単独で、又は他の置換基の一部として、別段の定めがある場合を除き、それぞれ、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルから誘導される二価ラジカルを意味する。アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、又はヘテロアルキレン基は、例えば、C~Cアルキレン、C~Cアルケニレン、C~Cアルキニレン、又はC~Cヘテロアルキレンと記載され得る。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子は、鎖終端の一方又は両方を占有することも可能である(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらに、アルキレン及びヘテロアルキレン連結基について、連結基の式が書かれている方向によって連結基の向きは示唆されていない。例えば、式-C(O)R’-は、-C(O)R’-及び-R’C(O)-の両方を表し得る。
【0029】
本明細書において用いられるところ、「アリール」は、6~14個の環炭素原子及びゼロ個のヘテロ原子を芳香族環系中に有する(「C~C14アリール」)、単環式又は多環式(例えば、二環式又は三環式)4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイにおいて共有される6、10、又は14個のπ電子を有する)のラジカルを指す。いくつかの実施形態において、アリール基は6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」;例えば、フェニル)。いくつかの実施形態において、アリール基は10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1-ナフチル及び2-ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態において、アリール基は14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アントラシル)。アリール基は、例えば、C~C10員アリールと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中の非水素環原子を指す。アリール基としては、フェニル、ナフチル、インデニル、及びテトラヒドロナフチルが挙げられる。アリール基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アリール」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。
【0030】
本明細書において用いられるところ、「ヘテロアリール」は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5~10員単環式又は二環式4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイにおいて共有される6又は10個のπ電子を有する)のラジカルを指し、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。1個以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、結合点は、原子価的に許容されるとおり、炭素又は窒素原子であることが可能である。ヘテロアリール二環系は、1個以上のヘテロ原子を一方又は両方の環中に含んでいることが可能である。「ヘテロアリール」はまた、上記に定義されているヘテロアリール環が、1個以上のアリール基と縮合しており、結合点がアリール又はヘテロアリール環のいずれかにある環系を含み、このような実例において、環員の数は、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員の数を示す。一方の環がヘテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)において、結合点は、いずれかの環にあることが可能であり、すなわち、結合点は、ヘテロ原子を有する環(例えば、2-インドリル)又はヘテロ原子を含有しない環(例えば、5-インドリル)のいずれかにあることが可能である。ヘテロアリール基は、例えば6~10員ヘテロアリールと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中の非水素環原子を指す。
【0031】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5~10員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5~8員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5~8員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5~6員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5~6員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換ヘテロアリール」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。
【0032】
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピロリル、フラニル及びチオフェニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、及びイソチアゾリルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリル、及びチアジアゾリルが挙げられる。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、テトラゾリルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリジニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニルが挙げられる。3又は4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、それぞれトリアジニル及びテトラジニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロアリール基としては、限定されないが、アゼピニル、オキセピニル、及びチエピニルが挙げられる。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、及びプリニルが挙げられる。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルが挙げられる。他の例示的なヘテロアリール基としては、ヘム及びヘム誘導体が挙げられる。
【0033】
本明細書において用いられるところ、「アリーレン」及び「ヘテロアリーレン」という用語は、単独で、又は他の置換基の一部として、それぞれ、アリール及びヘテロアリールから誘導される二価ラジカルを意味する。
【0034】
本明細書において用いられるところ、「シクロアルキル」は、3~10個の環炭素原子(「C~C10シクロアルキル」)及びゼロ個のヘテロ原子を非芳香族環系中に有する非芳香族環状炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3~8個の環炭素原子(「C~Cシクロアルキル」)、3~6個の環炭素原子(「C~Cシクロアルキル」)、又は5~10個の環炭素原子を有する(「C~C10シクロアルキル」)。シクロアルキル基は、例えば、C~C員シクロアルキルと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中の非水素環原子を指す。例示的なC~Cシクロアルキル基としては、限定されないが、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などが挙げられる。例示的なC~Cシクロアルキル基としては、限定されないが、前述のC~Cシクロアルキル基並びにシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、クバニル(C)、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル(C)、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル(C)などが挙げられる。例示的なC~C10シクロアルキル基としては、限定されないが、前述のC~Cシクロアルキル基並びにシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが挙げられる。前述の例に例示されているとおり、一定の実施形態において、シクロアルキル基は、単環式(「単環式シクロアルキル」)であるか、又は二環系などの縮合、架橋若しくはスピロ環系を含有し(「二環式シクロアルキル」)、また、飽和であることが可能であり、又は部分不飽和であることが可能である。「シクロアルキル」はまた、上記に定義されているシクロアルキル環が、1個以上のアリール基と縮合しており、結合点がシクロアルキル環にある環系を含み、このような実例において、炭素の数は引き続きシクロアルキル環系中の炭素の数を示す。シクロアルキル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換シクロアルキル」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。
【0035】
本明細書において用いられるところ、「ヘテロシクリル」は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する3~10員非芳香族環系のラジカルを指し、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から独立して選択される(「3~10員ヘテロシクリル」)。1個以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、結合点は、原子価的に許容されるとおり、炭素又は窒素原子であることが可能である。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)又は二環系などの縮合、架橋若しくはスピロ環系(「二環式ヘテロシクリル」)であることが可能であり、また、飽和であることが可能であり、又は部分不飽和であることが可能である。ヘテロシクリル二環系は、1個以上のヘテロ原子を一方又は両方の環中に含んでいることが可能である。「ヘテロシクリル」はまた、上記に定義されているヘテロシクリル環が、1個以上のシクロアルキル基と縮合しており、結合点がシクロアルキル又はヘテロシクリル環のいずれかにある環系、又は上記に定義されているヘテロシクリル環が、1個以上のアリール又はヘテロアリール基と縮合しており、結合点がヘテロシクリル環にある環系を含み、このような実例において、環員の数は引き続きヘテロシクリル環系中の環員の数を示す。ヘテロシクリル基は、例えば、3~7員ヘテロシクリルと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中における、非水素環原子、すなわち、炭素、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素を指す。ヘテロシクリルの各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換ヘテロシクリル」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。一定の実施形態において、ヘテロシクリル基は非置換3~10員ヘテロシクリルである。一定の実施形態において、ヘテロシクリル基は置換3~10員ヘテロシクリルである。
【0036】
いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から独立して選択される(「5~10員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5~8員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5~6員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
【0037】
1個のヘテロ原子を含有する例示的な3員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アジルジニル(azirdinyl)、オキシラニル、チオレニル(thiorenyl)が挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な4員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニル及びチエタニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル及びピロリル-2,5-ジオンが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、及びオキサゾリジン-2-オンが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、及びチアジアゾリニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、及びチアニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアジナニル又はチオモルホリニル-1,1-ジオキシドが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼパニル、オキセパニル及びチエパニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な8員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゾカニル、オキセカニル及びチオカニルが挙げられる。Cアリール環に縮合した例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書において、5,6-二環式複素環とも称される)としては、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられる。アリール環に縮合した例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書において、6,6-二環式複素環とも称される)としては、限定されないが、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられる。
【0038】
本明細書において用いられるところ、「アミノ」は、ラジカル-NRを指し、ここで、R及びRは各々独立して、水素、C~C12アルキル、C~C10シクロアルキル、C~C10ヘテロシクリル、C~C10アリール、及びC~C10ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、アミノはNHを指す。
【0039】
本明細書において用いられるところ、「シアノ」はラジカル-CNを指す。
【0040】
本明細書において用いられるところ、「ハロ」又は「ハロゲン」は、独立して、又は他の置換基の一部として、別段の定めがある場合を除き、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、又はヨウ素(I)原子を意味する。
【0041】
本明細書において用いられるところ、「ヒドロキシ」はラジカル-OHを指す。
【0042】
本明細書において定義されるところ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール基は、任意選択により置換されている(例えば、「置換」若しくは「非置換」アルキル、「置換」若しくは「非置換」アルケニル、「置換」若しくは「非置換」アルキニル、「置換」若しくは「非置換」ヘテロアルキル、「置換」若しくは「非置換」シクロアルキル、「置換」若しくは「非置換」ヘテロシクリル、「置換」若しくは「非置換」アリール又は「置換」若しくは「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、「置換されている」という用語は、用語「任意選択により」が先行しているか否かに関わらず、ある基(例えば炭素又は窒素原子)に存在する少なくとも1個の水素が許容される置換基で置き換えられることを意味し、この置換基は、例えば、置換により安定な化合物(例えば、再配列、環化、脱離、又は他の反応などによって自発的な変換を起こさない化合物)をもたらすものである。別段の定めがある場合を除き、「置換されている」基は、その基の1つ以上の置換可能な位置に置換基を有し、また、いずれかの所与の構造における2つ以上の位置が置換されている場合、この置換基は各位置において同一であるか又は異なる。「置換されている」という用語は、安定な化合物が形成される本明細書に記載の置換基のいずれかなどの、有機化合物のすべての許容可能な置換基による置換を含むことが想定される。本発明は、安定な化合物を得るためのあらゆるこのような組み合わせを想定する。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たすと共に、安定な部分の形成をもたらす、水素置換基及び/又は本明細書に記載のいずれかの好適な置換基を有し得る。
【0043】
2個以上の置換基は、任意選択により結合されて、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル基を形成し得る。このようないわゆる環形成置換基は、典型的には、必須ではないが、環基礎構造に結合して見出される。一実施形態において、環形成置換基は基礎構造の隣接する構成員に結合している。例えば、環基礎構造の隣接する構成員に結合する2個の環形成置換基が、縮合環構造を形成する。他の実施形態において、環形成置換基は、基礎構造の単一の構成員に結合している。例えば、環基礎構造の単一の構成員に結合する2個の環形成置換基が、スピロ環式構造を形成する。さらに他の実施形態において、環形成置換基は、基礎構造の隣接していない構成員に結合している。
【0044】
本明細書に記載の式(I)、(II)、又は(III)の化合物は1つ以上の不斉中心を含んでいることが可能であり、それ故、例えば、鏡像異性体及び/又はジアステレオマーといった種々の異性形態で存在することが可能である。例えば、本明細書に記載の化合物は個々の鏡像異性体、ジアステレオマー若しくは幾何異性体の形態であることが可能であり、又はラセミ混合物及び1種以上の立体異性体が富化された混合物を含む立体異性体の混合物の形態であることが可能である。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)、並びにキラル塩の形成及び結晶化を含む当業者に公知の方法によって混合物から単離可能であり;又は好ましい異性体は、不斉合成により調製可能である。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981);Wilen et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill,NY,1962);及びWilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照のこと。本発明はさらに、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、及び代わりに、種々の異性体の混合物として、本明細書に記載の化合物を含む。
【0045】
本明細書において用いられるところ、純粋な鏡像異性化合物は、化合物の他の鏡像異性体又は立体異性体を実質的に含まない(すなわち鏡像体過剰量である)。換言すると、「S」形態の化合物は「R」形態の化合物を実質的に含まず、それ故、「R」形態が鏡像体過剰量である。「鏡像異性体的に純粋な」又は「純粋な鏡像異性体」という用語は、化合物が、約75重量%超、約80重量%超、約85重量%超、約90重量%超、約91重量%超、約92重量%超、約93重量%超、約94重量%超、約95重量%超、約96重量%超、約97重量%超、約98重量%超、約99重量%超、約99.5重量%超、又は約99.9重量%超の鏡像異性体を含むことを示す。一定の実施形態において、重量は、化合物のすべての鏡像異性体又は立体異性体の総重量に基づく。
【0046】
本明細書に記載の式(I)、(II)、又は(III)の化合物はまた、1つ以上の同位体置換を含んでいてもよい。例えば、Hは、H、H(D又は重水素)、及びH(T又は三重水素)を含むいずれかの同位体形態であり得;Cは、12C、13C、及び14Cを含むいずれかの同位体形態であり得;Oは、16O及び18Oなどを含むいずれかの同位体形態であり得る。
【0047】
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、本明細書に記載の化合物に見出される特定の置換基に応じて、比較的無毒の酸又は塩基を伴って調製される有効な化合物の塩を含むことを意味する。本開示において使用される化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、このような中性型の化合物を、十分な量の所望の塩基と、そのまま、又は好適な不活性溶剤中において接触させることにより得ることが可能である。薬学的に許容可能な塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、若しくはマグネシウム塩、又は同様の塩が挙げられる。本開示において使用される化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸付加塩は、このような中性型の化合物を、十分な量の所望の酸と、そのまま、又は好適な不活性溶剤中において接触させることにより得ることが可能である。薬学的に許容可能な酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、又は亜リン酸などのような無機酸から誘導されるものが挙げられ、並びに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような有機酸から誘導される塩が挙げられる。また、アルギニン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸などのような有機酸の塩が含まれる(例えば、Berge et al.,J.Pharm.Sci. 66:1-19(1977)を参照のこと)。一定の特定の本開示において使用される化合物は、塩基又は酸付加塩への化合物の転換を可能とする塩基性及び酸性官能基の両方を含有する。これらの塩は、当業者に公知の方法によって調製され得る。当業者に公知である他の薬学的に許容可能なキャリアが本開示において使用するのに好適である。
【0048】
塩形態に加えて、本開示は、プロドラッグ形態の式(I)、(II)、又は(III)の化合物を提供し得る。プロドラッグは、生理学的状態で化学変化を容易に生起して本発明において使用される化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、エキソビボ環境における化学的又は生化学的方法によって式(I)、(II)、又は(III)の有用な化合物に転換されることが可能である。
【0049】
一定の式(I)、(II)、又は(III)の化合物は、非溶媒和形態、並びに水和物形態を含む溶媒和形態で存在することが可能である。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に包含される。一定の式(I)、(II)、又は(III)の化合物は、多数の結晶性又はアモルファス形態で存在し得る。一般に、すべての物理的形態が本開示によって想定される使用について同等であり、本開示の範囲内であることが意図されている。
【0050】
「溶媒和物」という用語は、通常は加溶剤分解反応による、溶剤に付随する化合物の形態を指す。この物理的な付随は水素結合を含み得る。従来の溶剤としては、水、メタノール、エタノール、酢酸、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテルなどが挙げられる。本明細書に記載の化合物は、例えば結晶形態で調製され得、溶媒和され得る。好適な溶媒和物としては、薬学的に許容可能な溶媒和物が挙げられ、さらに、化学量論的溶媒和物及び非化学量論的溶媒和物の両方が挙げられる。
【0051】
「水和物」という用語は、水に付随している化合物を指す。典型的には、化合物の水和物に含有される水分子の数は、水和物中の化合物分子の数に対する確定された割合である。従って、化合物の水和物は、例えば一般式R・x HO(式中、Rは化合物であり、xは0超の数字である)によって表され得る。
【0052】
「互変異性体」という用語は、本明細書において用いられるところ、化合物構造の相互変換可能な形態であって、水素原子及び電子の変位が様々である化合物を指す。それ故、2つの構造が、π電子及び原子(通常はH)の移動を介して平衡状態にあり得る。例えば、酸又は塩基のいずれかを伴う処理によって急速に相互変換されるため、エノール及びケトンは互変異性体である。互変異性体は、対象となる化合物の最適な化学反応性及び生物作用の獲得と関連性があり得る。
【0053】
[式(I)、(II)、及び(III)の化合物]
本発明は、式(I)の化合物:
【化4】

又はその薬学的に許容される塩を特徴とし、式中、環Pは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;環Zは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;R1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;R1bは、アミン保護基であり;又はR1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;R、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数である。
【0054】
いくつかの実施形態において、環Pは、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、環Pは、単環式環又は二環式環である。一実施形態において、環Pは、単環式環である。一実施形態において、環Pは、5員ヘテロアリール又は6員ヘテロアリールである。一実施形態において、環Pは、5員ヘテロアリールである。一実施形態において、環Pは、6員ヘテロアリールである。
【0055】
いくつかの実施形態において、環Pは、1、2、3、4、又は5個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環Pは、1、2、又は3個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環Pは、1個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環Pは、2個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環Pは、3個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ホウ素原子、又はケイ素原子である。
【0056】
いくつかの実施形態において、Pは、単環式、窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは5員窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、ピロリル、オキサゾリル、又はチアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、又はピロリルである。いくつかの実施形態において、Pはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは、トリアゾリル(例えば、1,2,3-トリアゾリル又は1,2,4-トリアゾリル)である。いくつかの実施形態において、Pは、1,2,3-トリアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは、
【化5】

又は
【化6】

である。一実施形態において、Rは、水素、C~C12アルキル、又はハロゲンである。
【0057】
いくつかの実施形態において、環Zは、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、又は8員環である。一実施形態において、環Zは、3員環である。一実施形態において、環Zは、4員環である。一実施形態において、環Zは、5員環である。一実施形態において、環Zは、6員環である。一実施形態において、環Zは、7員環である。一実施形態において、環Zは、8員環である。
【0058】
いくつかの実施形態において、環Zは、少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、少なくとも2個のヘテロ原子、3個のヘテロ原子、4個のヘテロ原子)を含む。ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ホウ素原子、又はケイ素原子であり得、例えば、本明細書に記載されるように、置換基でさらに置換され得る。
【0059】
一実施形態において、環Zは、単環式環又は二環式環である。一実施形態において、環Zは、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロシクリルである。一実施形態において、環Zは、1~6個のRで任意選択により置換されている3員、4員、5員、6員、7員、又は8員ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Zは、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含む。一実施形態において、環Zは、酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、環Zは、6員酸素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Zは、テトラヒドロピラニルである。一実施形態において、環Zは、以下のとおりである:
【化7】

一実施形態において、環Zは、4員酸素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Zは、
【化8】

である。
【0060】
一実施形態において、環Zは、硫黄含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Zは、窒素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、Zは、6員窒素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Zは、窒素原子及び硫黄原子を含有する6員ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Zは、チオモルホリニル-1,1-ジオキシジルである。一実施形態において、環Zは、
【化9】

である。一実施形態において、環Zは、
【化10】

である。
【0061】
一実施形態において、Xは、不在、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、又はC~C12ヘテロアルキレンである。一実施形態において、XはOである。一実施形態において、Xは不在である。
【0062】
一実施形態において、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はORである。一実施形態において、R2a及びR2bの各々は独立して、水素である。一実施形態において、R2c及びR2dの各々は独立して、水素である。一実施形態において、R2a及びR2bの各々は独立して、水素である。
【0063】
一実施形態において、R1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基である。一実施形態において、R1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はアミン保護基である。一実施形態において、R1aは、水素又はアミン保護基である。一実施形態において、R1aは、水素である。一実施形態において、R1aは、アミン保護基である。一実施形態において、R1aは、酸不安定性アミン保護基、塩基不安定性保護基、紫外光不安定性保護基、又は水素化によって除去されるアミン保護基である。
【0064】
一実施形態において、R1bは、酸不安定性アミン保護基、塩基不安定性保護基、紫外光不安定性保護基、又は水素化によって除去されるアミン保護基である。一実施形態において、R1bは、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2-(4-ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(Nsc)、1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルオキシカルボニル(Bsmoc)、1,1-ジオキソナフト[1,2-b]チオフェン(Nsmoc)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル(ivDde)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、2-[フェニル(メチル)スルホニオ]エチルオキシカルボニルテトラフルオロボレート(Pms)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、p-メトキシベンジル(PMB)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、アセチル(Ac)、トシル(Ts)、トリチル(Trt)、2-(4-ビフェニル)-イソプロポキシカルボニル(Bpoc)、2,2,5,5-テトラメチル-1,2,5-アザジシロリジン、1,3-ジチオラン-2-イミン、ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)、及びピロメリット酸ジイミドから選択されるアミン保護基である。一実施形態において、R1bは、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)である。一実施形態において、R1bは、ベンジル(Bn)である。一実施形態において、R1bは、ベンゾイル(Bz)である。一実施形態において、R1bは、アリルオキシカルボニル(Alloc)である。一実施形態において、R1bは、2-(4-ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(Nsc)である。一実施形態において、R1bは、1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルオキシカルボニル(Bsmoc)である。一実施形態において、R1bは、1,1-ジオキソナフト[1,2-b]チオフェン(Nsmoc)である。一実施形態において、R1bは、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル(ivDde)である。一実施形態において、R1bは、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)である。一実施形態において、R1bは、2-[フェニル(メチル)スルホニオ]-エチルオキシカルボニルテトラフルオロボレート(Pms)である。一実施形態において、R1bは、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である。一実施形態において、R1bは、p-メトキシベンジル(PMB)である。一実施形態において、R1bは、カルボベンジルオキシ(Cbz)である。一実施形態において、R1bは、アセチル(Ac)である。一実施形態において、R1bは、トシル(Ts)である。一実施形態において、R1bは、トリチル(Trt)である。一実施形態において、R1bは、2-(4-ビフェニル)-イソプロポキシカルボニル(Bpoc)である。一実施形態において、R1bは、2,2,5,5-テトラメチル-1,2,5-アザジシロリジンである。一実施形態において、R1bは、1,3-ジチオラン-2-イミン、ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)である。一実施形態において、R1bは、ピロメリット酸ジイミドである。
【0065】
一実施形態において、R1aが水素であり、R1bは、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2-(4-ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(Nsc)、1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルオキシカルボニル(Bsmoc)、1,1-ジオキソナフト[1,2-b]チオフェン(Nsmoc)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル(ivDde)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、2-[フェニル(メチル)スルホニオ]エチルオキシカルボニルテトラフルオロボレート(Pms)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、p-メトキシベンジル(PMB)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、アセチル(Ac)、トシル(Ts)、トリチル(Trt)、2-(4-ビフェニル)イソプロポキシカルボニル(Bpoc)、2,2,5,5-テトラメチル-1,2,5-アザジシロリジン、1,3-ジチオラン-2-イミン、ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)、及びピロメリット酸ジイミドから選択されるアミン保護基である。一実施形態において、R1aが水素であり、R1bは、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である。
【0066】
一実施形態において、mは、0、1、2、3、又は4である。一実施形態において、mは0である。一実施形態において、mは1である。一実施形態において、mは2である。一実施形態において、mは3である。一実施形態において、mは4である。
【0067】
一実施形態において、nは、0、1、2、3、又は4である。一実施形態において、nは0である。一実施形態において、nは1である。一実施形態において、nは2である。一実施形態において、nは3である。一実施形態において、nは4である。
【0068】
一実施形態において、m及びnの各々は独立して、0又は1である。一実施形態において、m及びnの各々は独立して、1である。一実施形態において、m及びnの一方は、独立して、0であり、m及びnの他方は、独立して、1である。
【0069】
一実施形態において、qは、1、2、3、4、5、又は6である。一実施形態において、qは、2、3、又は4である。一実施形態において、qは2である。一実施形態において、qは3である。一実施形態において、qは4である。
【0070】
一実施形態において、pは、0、1、又は2である。一実施形態において、pは0である。一実施形態において、pは1である。一実施形態において、pは2である。
【0071】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-a)の化合物:
【化11】

又はその薬学的に許容される塩であり、式中、環Zは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;R1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;R1bは、アミン保護基であり;又はR1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;R、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;Rは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数である。
【0072】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-b)の化合物:
【化12】

又はその薬学的に許容される塩であり、式中、Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル又はハロゲンであり;又はR’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;R1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;R1bは、アミン保護基であり;又はR1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;R、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;Rは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;xは、0、1、又は2である。
【0073】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-d)の化合物:
【化13】

又はその薬学的に許容される塩であり、式中、Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル又はハロゲンであり;又はR’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;R1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;R1bは、アミン保護基であり;又はR1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;R、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;Rは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;xは、0、1、又は2である。
【0074】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-e)の化合物:
【化14】

又はその薬学的に許容される塩であり、式中、Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル又はハロゲンであり;又はR’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;R1bは、アミン保護基であり;Rは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)Rであり;各Rは、独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;nは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;oは、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;xは、0、1、又は2である。
【0075】
一実施形態において、化合物は、式(I-f)の化合物:
【化15】

又はその薬学的に許容される塩であり、式中、Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はハロゲンであり;又はR’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;R、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;Rは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;Rは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1~6個のRで任意選択により置換されており;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;xは、0、1、又は2である。
【0076】
一実施形態において、化合物は、式(I-g)の化合物:
【化16】

又はその薬学的に許容される塩であり、式中、Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はハロゲンであり;又はR’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又はR2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;Rの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;Rは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;xは、0、1、又は2である。
【0077】
一実施形態において、化合物は、式(I-h)の化合物:
【化17】

又はその薬学的に許容される塩であり、式中、R1bは、アミン保護基であり;nは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;qは、0~25の整数である。
【0078】
別の態様において、本開示は、式(II)の化合物:
【化18】

又はその薬学的に許容される塩を特徴とし、式中、環P及びP’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;環Z及びZ’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;環Aは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;X及びX’は各々独立して、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;R、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;m、m’、n、及びn’は各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;p及びp’は各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;q及びq’は各々独立して、0~25の整数である。
【0079】
いくつかの実施形態において、環P及びP’は、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は、単環式環又は二環式環である。一実施形態において、環P及びP’は、単環式環である。一実施形態において、環P及びP’は、5員ヘテロアリール又は6員ヘテロアリールである。一実施形態において、環P及びP’は、5員ヘテロアリールである。一実施形態において、環P及びP’は、6員ヘテロアリールである。
【0080】
いくつかの実施形態において、環P及びP’は、1、2、3、4、又は5個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環P及びP’は、1、2、又は3個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環P及びP’は、1個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環P及びP’は、2個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環P及びP’は、3個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ホウ素原子、又はケイ素原子である。
【0081】
いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、単環式、窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、5員窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、ピロリル、オキサゾリル、又はチアゾリルである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、又はピロリルである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、イミダゾリルである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、トリアゾリル(例えば、1,2,3-トリアゾリル又は1,2,4-トリアゾリル)である。いくつかの実施形態において、環Pは、1,2,3-トリアゾリルである。いくつかの実施形態において、環P’は、1,2,3-トリアゾリルである。いくつかの実施形態において、環Pは、
【化19】

である。いくつかの実施形態において、環P’は、
【化20】

である。一実施形態において、各Rは、水素、C~C12アルキル、又はハロゲンである。
【0082】
いくつかの実施形態において、環Aは、単環式、二環式、又は三環式環である。一実施形態において、環Aは、三環式環である。一実施形態において、環Aは、ヘテロシクリル又はヘテロアリールである。一実施形態において、環Aは、三環式ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Aは、スクシンイミジル環又はその構成要素を含む。一実施形態において、環Aは、四環式環である。一実施形態において、環Aは、五環式環である。一実施形態において、環Aは、六環式環である。一実施形態において、環Aは、七環式環である。一実施形態において、環Aは、八環式環である。一実施形態において、環Aは、
【化21】

である。
【0083】
いくつかの実施形態において、環Z及びZ’は各々、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、又は8員環である。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、3員環である。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、4員環である。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、5員環である。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、6員環である。一実施形態において、環Zは、7員環である。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、8員環である。
【0084】
いくつかの実施形態において、環Z及びZ’は各々、少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、少なくとも2個のヘテロ原子、3個のヘテロ原子、4個のヘテロ原子)を含む。ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ホウ素原子、又はケイ素原子であり得、例えば、本明細書に記載されるように、置換基でさらに置換され得る。
【0085】
一実施形態において、環Z及びZ’は各々、単環式環又は二環式環である。一実施形態において、環Zは、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z’は、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、1~6個のRで任意選択により置換されている3員、4員、5員、6員、7員、又は8員ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含む。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、環Zは、6員酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、環Z’は、6員酸素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’は、テトラヒドロピラニルである。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、
【化22】

から選択される。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、4員酸素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Zは、
【化23】

である。
【0086】
一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、硫黄含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、窒素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、6員窒素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、窒素原子及び硫黄原子を含有する6員ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、チオモルホリニル-1,1-ジオキシジルである。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、
【化24】

である。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、
【化25】

である。
【0087】
いくつかの実施形態において、X及びX’の各々は、不在、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、又はC~C12ヘテロアルキレンである。一実施形態において、XはOである。一実施形態において、Xは不在である。一実施形態において、X’はOである。一実施形態において、X’は不在である。一実施形態において、X及びX’の各々は独立して、不在である。一実施形態において、X及びX’の各々は独立して、Oである。
【0088】
いくつかの実施形態において、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はORである。一実施形態において、R2a及びR2bの各々は独立して、水素である。一実施形態において、R2c及びR2dの各々は独立して、水素である。一実施形態において、R2a及びR2bの各々は独立して、水素である。
【0089】
いくつかの実施形態において、m及びm’の各々は、1又は2である。一実施形態において、mは、1又は2である。一実施形態において、m’は、1又は2である。一実施形態において、mは1である。一実施形態において、m’は1である。
【0090】
いくつかの実施形態において、n及びn’の各々は、1又は2である。一実施形態において、nは、1又は2である。一実施形態において、n’は、1又は2である。一実施形態において、nは1である。一実施形態において、n’は1である。
【0091】
いくつかの実施形態において、q及びq’の各々は、1、2、3、4、5、又は6である。一実施形態において、q及びq’の各々は、2、3、又は4である。一実施形態において、qは、2、3、又は4である。一実施形態において、q’は、2、3、又は4である。
【0092】
いくつかの実施形態において、p及びp’の各々は、0である。一実施形態において、pは0である。一実施形態において、p’は0である。
【0093】
別の態様において、本開示は、式(III)の化合物:
【化26】

又はその薬学的に許容される塩を特徴とし、式中、環A及びA’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;Lは、-O-、-C(O)-、-N(R)-、-S(O)-、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、C~C12ハロアルキレン、又は不在であり、ここで、各アルキレン、アルケニレン、ヘテロアルキレン、及びハロアルキレンは、1~6個のRで任意選択により置換されており;環P及びP’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;環Z及びZ’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;X及びX’は各々独立して、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;R、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;R、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;m、m’、n、及びn’は各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;p及びp’は各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;q及びq’は各々独立して、0~25の整数であり;xは、0、1、又は2である。
【0094】
いくつかの実施形態において、環A及びA’は各々独立して、単環式、二環式、又は三環式環である。いくつかの実施形態において、環A及びA’は、1~6個のRで任意選択により置換されている。いくつかの実施形態において、環A及びA’は各々、ヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル)である。いくつかの実施形態において、環A及びA’は各々、フタルイミジルである。
【0095】
いくつかの実施形態において、Lは、不在、-O-、-C(O)-、-S(O)-、又は1つ以上のRで任意選択により置換されているC~C12アルキレンである。いくつかの実施形態において、Lは不在である。いくつかの実施形態において、Lは-O-である。いくつかの実施形態において、Lは、-C(O)-である。いくつかの実施形態において、Lは、-S(O)-(例えば、-SO-)である。いくつかの実施形態において、Lは、C~C12アルキレン(例えば、C(CHCF)である。
【0096】
いくつかの実施形態において、環P及びP’は、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は、単環式環又は二環式環である。一実施形態において、環P及びP’は、単環式環である。一実施形態において、環P及びP’は、5員ヘテロアリール又は6員ヘテロアリールである。一実施形態において、環P及びP’は、5員ヘテロアリールである。一実施形態において、環P及びP’は、6員ヘテロアリールである。
【0097】
いくつかの実施形態において、環P及びP’は、1、2、3、4、又は5個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環P及びP’は、1、2、又は3個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環P及びP’は、1個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環P及びP’は、2個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、環P及びP’は、3個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ホウ素原子、又はケイ素原子である。
【0098】
いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、単環式、窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、5員窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、ピロリル、オキサゾリル、又はチアゾリルである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、又はピロリルである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、イミダゾリルである。いくつかの実施形態において、環P及びP’は各々、トリアゾリル(例えば、1,2,3-トリアゾリル又は1,2,4-トリアゾリル)である。いくつかの実施形態において、環Pは、1,2,3-トリアゾリルである。いくつかの実施形態において、環P’は、1,2,3-トリアゾリルである。いくつかの実施形態において、環Pは、
【化27】

である。いくつかの実施形態において、環P’は、
【化28】

である。一実施形態において、各Rは、水素、C~C12アルキル、又はハロゲンである。
【0099】
いくつかの実施形態において、環Z及びZ’は各々、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、又は8員環である。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、3員環である。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、4員環である。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、5員環である。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、6員環である。一実施形態において、環Zは、7員環である。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、8員環である。
【0100】
いくつかの実施形態において、環Z及びZ’は各々、少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、少なくとも2個のヘテロ原子、3個のヘテロ原子、4個のヘテロ原子)を含む。ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ホウ素原子、又はケイ素原子であり得、例えば、本明細書に記載されるように、置換基でさらに置換され得る。
【0101】
一実施形態において、環Z及びZ’は各々、単環式環又は二環式環である。一実施形態において、環Zは、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z’は、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、1~6個のRで任意選択により置換されている3員、4員、5員、6員、7員、又は8員ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含む。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、環Zは、6員酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、環Z’は、6員酸素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’は、テトラヒドロピラニルである。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、
【化29】

から選択される。一実施形態において、環Z及びZ’は各々、4員酸素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Zは、
【化30】

である。
【0102】
一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、硫黄含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、窒素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、6員窒素含有ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、窒素原子及び硫黄原子を含有する6員ヘテロシクリルである。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、チオモルホリニル-1,1-ジオキシジルである。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、
【化31】

である。一実施形態において、環Z及びZ’の各々は、
【化32】

である。
【0103】
いくつかの実施形態において、X及びX’の各々は、不在、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、又はC~C12ヘテロアルキレンである。一実施形態において、XはOである。一実施形態において、Xは不在である。一実施形態において、X’はOである。一実施形態において、X’は不在である。一実施形態において、X及びX’の各々は独立して、不在である。一実施形態において、X及びX’の各々は独立して、Oである。
【0104】
いくつかの実施形態において、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はORである。一実施形態において、R2a及びR2bの各々は独立して、水素である。一実施形態において、R2c及びR2dの各々は独立して、水素である。一実施形態において、R2a及びR2bの各々は独立して、水素である。
【0105】
いくつかの実施形態において、m及びm’の各々は、1又は2である。一実施形態において、mは、1又は2である。一実施形態において、m’は、1又は2である。一実施形態において、mは1である。一実施形態において、m’は1である。
【0106】
いくつかの実施形態において、n及びn’の各々は、1又は2である。一実施形態において、nは、1又は2である。一実施形態において、n’は、1又は2である。一実施形態において、nは1である。一実施形態において、n’は1である。
【0107】
いくつかの実施形態において、q及びq’の各々は、1、2、3、4、5、又は6である。一実施形態において、q及びq’の各々は、2、3、又は4である。一実施形態において、qは、2、3、又は4である。一実施形態において、q’は、2、3、又は4である。
【0108】
いくつかの実施形態において、p及びp’の各々は、0である。一実施形態において、pは0である。一実施形態において、p’は0である。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】
【表4】
【0113】
【表5】
【0114】
【表6】
【0115】
【表7】
【0116】
アジド化合物などの特定の窒素含有化合物は、反応性であり、取り扱いの際に、爆発の危険及び/若しくは感電の危険を及ぼし得る。特に、これらの化合物は、光、熱、摩擦、又は圧力を含む外部エネルギー源による激しい分解を起こしやすいことがあり、リスクを最小限に抑えるために、取り扱いの際に特別な注意を必要とし得る。さらに、これらの窒素含有化合物は、毒性を有し得る。したがって、関連する取り扱い上のリスクを低下させるために、これらの化合物の使用を回避する新規な方法及び中間体が、開発された。一実施形態において、式(I)(例えば、式(I-a)、(I-b)、(I-c)、(I-d)、(I-e)、(I-f)、(I-g)、及び(I-h)の化合物)並びに式(II)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、それらのアジド同等物を上回る改善された特性を有する。例えば、式(I)(例えば、式(I-a)、(I-b)、(I-c)、(I-d)、(I-e)、(I-f)、(I-g)、及び(I-h)の化合物)並びに式(II)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、それらのアジド同等物より高い開始温度又はより低い最大発熱出力を有し得る。
【0117】
いくつかの実施形態において、式(I)、(I-a)、(I-b)、(I-c)、(I-d)、(I-e)、(I-f)、(I-g)、(I-h)、及び(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約150℃超の開始温度を有する。一実施形態において、開始温度は、約160℃超、例えば、約175℃、200℃、225℃、250℃、275℃、300℃、又は325℃超である。いくつかの実施形態において、化合物の開始温度は、約150℃~350℃、例えば、約200℃~350℃又は約250℃~350℃である。一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の開始温度は、200℃超である。一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の開始温度は、250℃超である。一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の開始温度は、275℃超である。一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の開始温度は、300℃超である。
【0118】
いくつかの実施形態において、式(I)、(I-a)、(I-b)、(I-c)、(I-d)、(I-e)、(I-f)、(I-g)、(I-h)、(II)、(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約750J/g未満、例えば、約700J/g、650J/g、600J/g、550J/g、500J/g、又は450J/g未満の最大発熱出力を有する。一実施形態において、化合物の最大発熱出力は、約100J/g~700J/g、例えば、200J/g~600J/g又は250J/g~550J/gである。
【0119】
いくつかの実施形態において、式(I)、(I-a)、(I-b)、(I-c)、(I-d)、(I-e)、(I-f)、(I-g)、(I-h)、(II)、(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約150℃超の開始温度を有する。一実施形態において、開始温度は、約160℃超、例えば、約175℃、200℃、225℃、250℃、275℃、300℃、又は325℃超である。いくつかの実施形態において、化合物の開始温度は、約150℃~350℃、例えば、約200℃~350℃又は約250℃~350℃である。一実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の開始温度は、200℃超である。一実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の開始温度は、250℃超である。一実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の開始温度は、275℃超である。一実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の開始温度は、300℃超である。
【0120】
いくつかの実施形態において、式(I)、(I-a)、(I-b)、(I-c)、(I-d)、(I-e)、(I-f)、(I-g)、(I-h)、(II)、(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約750J/g未満、例えば、約700J/g、650J/g、600J/g、550J/g、500J/g、又は450J/g未満の最大発熱出力を有する。一実施形態において、化合物の最大発熱出力は、約100J/g~700J/g、例えば、200J/g~600J/g又は250J/g~550J/gである。
【0121】
化合物(例えば、本明細書に記載される化合物)の「窒素比」は、以下に記載される式を用いて決定され得る:
【数1】

式中、「炭素」、「酸素」、「硫黄」、「窒素」、及び「ハロゲン」の値は、化合物中のこれらのタイプの原子のそれぞれの数を指す。一般に、窒素比は、特定の化合物(例えば、アジド化合物)の揮発性のための参照ガイドを提供し得、ここで、4.0未満の窒素比は、潜在的な爆発の危険を示し得る;例えば、Brase&Banert,Organic Azides:Synthesis and Applications(Wiley:Chichester,2010)及びKolb et al.(2001)Angew Chem Int Ed 40:2004-2021を参照されたい。一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の窒素比は、約2.0、例えば、2.25、2.5、2.75、3.0、3.25、3.5、3.75、4.0、4.25、4.5、4.75、5,0、5.25、5.5、5.75、又は6超である。一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の窒素比は、4.0超である。一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の窒素比は、4.5超である。一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の窒素比は、5.0超である。一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の窒素比は、5.5超である。一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の窒素比は、5.0超であり、式(I)又は(II)の化合物の開始温度は、約150℃超、例えば、約160℃、175℃、200℃、225℃、250℃、275℃、300℃、又は325℃超である。一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物の窒素比は、5.0超であり、式(I)又は(II)の化合物の最大発熱出力は、約750J/g未満、例えば、約700J/g、650J/g、600J/g、550J/g、500J/g、又は450J/g未満である。
【0122】
一実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の窒素比は、4.0超である。一実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の窒素比は、4.5超である。一実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の窒素比は、5.0超である。一実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の窒素比は、5.5超である。一実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の窒素比は、5.0超であり、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の開始温度は、約150℃超、例えば、約160℃、175℃、200℃、225℃、250℃、275℃、300℃、又は325℃超である。一実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の窒素比は、5.0超であり、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の最大発熱出力は、約750J/g未満、例えば、約700J/g、650J/g、600J/g、550J/g、500J/g、又は450J/g未満である。
【0123】
別の態様において、本開示は、約5グラム超の式(I)、(II)、又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば、10グラム、50グラム、100グラム、500グラム、1キログラム、5キログラム、10キログラム、20キログラム超、又はそれ以上)を含む容器を特徴とする。容器は、約10グラム~100キログラムの式(I)、(II)、又は(III)の化合物、例えば、10グラム~10キログラム、10グラム~1キログラム、10グラム~500グラム、10グラム~250グラム、10グラム~100グラム又は10グラム~50グラムの式(I)、(II)、又は(III)の化合物を含み得る。或いは、容器は、約100グラム~100キログラムの式(I)、(II)、又は(III)の化合物、例えば、100グラム~50キログラム、100グラム~25キログラム、100グラム~10キログラム、100グラム~5キログラム、100グラム~1キログラム、100グラム~500グラム、又は100グラム~150グラムの式(I)、(II)、又は(III)の化合物を含み得る。一実施形態において、容器は、バイアル、アンプル、瓶、管、シリンジ、及び/又はディスペンサーパッケージ、又は他の好適な容器を含む。一実施形態において、容器は、バイアルである。一実施形態において、容器は、不活性材料、例えば、ガラス又は金属を含む。一実施形態において、容器は、ガラス、金属、及びプラスチックの1つ以上を含む。一実施形態において、容器は、ガラスを含む。一実施形態において、容器は、プラスチックを含む。一実施形態において、容器は、ポリエチレン、例えば、低密度ポリエチレンから形成され得るビニール袋(例えば、ポリ袋)を含む。実施形態において、化合物を含有するビニール袋は、ドラム、例えば、繊維板、プラスチック又は金属ドラム中に配置される。一実施形態において、容器は、金属を含まない。一実施形態において、容器は、蓋を含む。一実施形態において、容器は、シール(例えば、気密シール)を含む。
【0124】
別の態様において、本開示は、約5グラム超の式(I)、(II)、又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば、10グラム、50グラム、100グラム、500グラム、1キログラム、5キログラム、10キログラム、20キログラム超、又はそれ以上)を含む調製物を特徴とする。式(I)、(II)、又は(III)の化合物の調製物は、式(I)、(II)、又は(III)のそれぞれの化合物を作製する方法において見られる添加剤、反応剤、又は不純物を含み得る。一実施形態において、調製物は、実質的に純粋である。一実施形態において、調製物は、約25%、20%、15%、12.5%、10%.9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%未満の第2の化合物(例えば、式(I)、(II)、又は(III)の化合物を作製する方法における中間体)を含む。一実施形態において、第2の化合物は、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の合成において調製される、中間体、副生成物、又は不純物である。
【0125】
別の態様において、本開示は、約25%、20%、15%、12.5%、10%.9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.75%、0.5%、0.25%、0.1%、又は0.05%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の第2の化合物を含む、式(I)、(II)、又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の組成物を特徴とする。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の10%~1%(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の5%~1%(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の5%~0.5%(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の2.5%~0.05%(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の5%~0.1%(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の2.5%~0.1%(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。一実施形態において、第2の化合物は、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の合成において調製される、中間体、副生成物、又は不純物である。
【0126】
いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の10%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の5%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の4%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の3%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の2%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の1%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の0.9%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の0.8%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の0.7%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の0.6%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の0.5%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の0.4%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の0.3%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の0.2未満%(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の0.1%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、組成物の0.05%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。
【0127】
別の態様において、本開示は、組成物の約0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%.3%、4%、又は5%超(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で第2の化合物を含む、式(I)、(II)、又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の組成物を特徴とする。一実施形態において、第2の化合物は、組成物の約0.05%超(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。一実施形態において、第2の化合物は、組成物の約0.1%超(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。一実施形態において、第2の化合物は、組成物の約0.2%超(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。一実施形態において、第2の化合物は、組成物の約0.25%超(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。一実施形態において、第2の化合物は、組成物の約0.3%超(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。一実施形態において、第2の化合物は、組成物の約0.4%超(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。一実施形態において、第2の化合物は、組成物の約0.5%超(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。一実施形態において、第2の化合物は、組成物の約0.75%超(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する。
【0128】
別の態様において、本開示は、90:10、例えば、95:5、97:2.5、98:2、99:1、99.5:0.5、99.9:0.1超(w/w、w/v、v/v、又はモル比)の第2の化合物に対する式(I)、(II)、又は(III)の化合物の比率で第2の化合物(例えば、式(IV)の化合物)を含む、式(I)、(II)、又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の組成物を特徴とする。
【0129】
一実施形態において、第2の化合物は、以下の表2中の化合物から選択される。
【0130】
【表8】
【0131】
【表9】
【0132】
【表10】
【0133】
いくつかの実施形態において、第2の化合物(例えば、式(IV)の化合物)は、化合物200である。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の組成物は、全組成物の約0.05%超(例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1%超)の量の化合物200を含む。
【0134】
いくつかの実施形態において、第2の化合物(例えば、式(IV)の化合物)は、化合物201である。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の組成物は、全組成物の約0.05%超(例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1%超)の量の化合物201を含む。
【0135】
いくつかの実施形態において、第2の化合物(例えば、式(IV)の化合物)は、化合物202である。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の組成物は、全組成物の約0.05%超(例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1%超)の量の化合物202を含む。
【0136】
いくつかの実施形態において、第2の化合物(例えば、式(IV)の化合物)は、化合物203である。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の組成物は、全組成物の約0.05%超(例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1%超)の量の化合物200を含む。
【0137】
いくつかの実施形態において、第2の化合物(例えば、式(IV)の化合物)は、化合物204である。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の組成物は、全組成物の約0.05%超(例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1%超)の量の化合物204を含む。
【0138】
いくつかの実施形態において、第2の化合物(例えば、式(IV)の化合物)は、化合物205である。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の組成物は、全組成物の約0.05%超(例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1%超)の量の化合物205を含む。
【0139】
いくつかの実施形態において、第2の化合物(例えば、式(IV)の化合物)は、化合物206である。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の組成物は、全組成物の約0.05%超(例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1%超)の量の化合物206を含む。
【0140】
いくつかの実施形態において、第2の化合物(例えば、式(IV)の化合物)は、化合物207である。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の組成物は、全組成物の約0.05%超(例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1%超)の量の化合物207を含む。
【0141】
列挙される実施形態
1.式(I)の化合物:
【化33】

(式中:
環Pは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;
環Zは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
pは、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数である)
又はその薬学的に許容される塩。
【0142】
2.環Pが、ヘテロアリールである、実施形態1に記載の化合物。
【0143】
3.環Pが、窒素含有ヘテロアリールである、実施形態1~2のいずれか1つに記載の化合物。
【0144】
4.環Pが、5員又は6員窒素ヘテロアリールである、実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物。
【0145】
5.環Pが、トリアゾリル(例えば、1,2,3-トリアゾリル又は1,2,4-トリアゾリル)である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の化合物。
【0146】
6.環Pが、
【化34】

から選択される、実施形態5に記載の化合物。
【0147】
7.環Zが、4員環、5員環、又は6員環(例えば、6員環)である、実施形態1~6のいずれか1つに記載の化合物。
【0148】
8.環Zが、ヘテロシクリル又はヘテロアリールである(例えば、環Zが、少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、又は硫黄)を含む)、実施形態1~7のいずれか1つに記載の化合物。
【0149】
9.環Zが、窒素含有6員環である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の化合物。
【0150】
10.環Zが、酸素含有6員環である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の化合物。
【0151】
11.R1aが水素である、実施形態1~10のいずれか1つに記載の化合物。
【0152】
12.R1bが、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、C~C12ハロアルキレン、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールを含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載の化合物。
【0153】
13.R1bが、酸不安定性アミン保護基又は塩基不安定性アミン保護基を含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載の化合物。
【0154】
14.R1bが、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2-(4-ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(Nsc)、1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルオキシカルボニル(Bsmoc)、1,1-ジオキソナフト[1,2-b]チオフェン(Nsmoc)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル(ivDde)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、2-[フェニル(メチル)スルホニオ]エチルオキシカルボニルテトラフルオロボレート(Pms)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、p-メトキシベンジル(PMB)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、アセチル(Ac)、トリフルオロアセチル、トシル(Ts)、トリチル(Trt)、2-(4-ビフェニル)-イソプロポキシカルボニル(Bpoc)、アリル(Al)、2,2,5,5-テトラメチル-1,2,5-アザジシロリジン、1,3-ジチオラン-2-イミン、ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)、スクシンイミジル、及びピロメリット酸ジイミドから選択される、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物。
【0155】
15.R1bが、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ベンジル(Bn)、アリル(Al)、ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)、ジチオラン-2-イミン、及びトリフルオロアセチルから選択される、実施形態1~14のいずれか1つに記載の化合物。
【0156】
16.R1bがtert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である、実施形態1~15のいずれか1つに記載の化合物。
【0157】
17.R1bがアリル(Al)である、実施形態1~15のいずれか1つに記載の化合物。
【0158】
18.R1bがトリフルオロアセチルである、実施形態1~15のいずれか1つに記載の化合物。
【0159】
19.R1a及びR1bが、一緒になって、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成する、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物。
【0160】
20.R1a及びR1bが、一緒になって、スクシンイミジル環を形成する、実施形態19に記載の化合物。
【0161】
21.R1aが水素である、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物。
【0162】
22.R1aが水素であり、R1bが、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2-(4-ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(Nsc)、1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルオキシカルボニル(Bsmoc)、1,1-ジオキソナフト[1,2-b]チオフェン(Nsmoc)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル(ivDde)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、2-[フェニル(メチル)スルホニオ]エチルオキシカルボニルテトラフルオロボレート(Pms)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、p-メトキシベンジル(PMB)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、アセチル(Ac)、トリフルオロアセチル、トシル(Ts)、トリチル(Trt)、2-(4-ビフェニル)-イソプロポキシカルボニル(Bpoc)、アリル(Al)、2,2,5,5-テトラメチル-1,2,5-アザジシロリジン、1,3-ジチオラン-2-イミン、ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)、スクシンイミジル、及びピロメリット酸ジイミドである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物。
【0163】
23.R1aが水素であり、R1bが、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物。
【0164】
24.R1aが水素であり、R1bがアリル(Al)である、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物。
【0165】
25.R1aが水素であり、R1bがトリフルオロアセチルである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物。
【0166】
26.R2a及びR2bの各々が独立して、水素である、実施形態1~25のいずれか1つに記載の化合物。
【0167】
27.R2c及びR2dの各々が独立して、水素である、実施形態1~26のいずれか1つに記載の化合物。
【0168】
28.R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々が独立して、水素である、実施形態1~27のいずれか1つに記載の化合物。
【0169】
29.m及びnの各々が、1又は2である、実施形態1~28のいずれか1つに記載の化合物。
【0170】
30.qが、1、2、3、4、5、又は6である、実施形態1~29のいずれか1つに記載の化合物。
【0171】
31.pが0である、実施形態1~30のいずれか1つに記載の化合物。
【0172】
32.式(I)の化合物が、式(I-a)の化合物:
【化35】

(式中:
環Zは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
pは、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数である)
又はその薬学的に許容される塩である、実施形態1~31のいずれか1つに記載の化合物。
【0173】
33.式(I)の化合物が、式(I-b)の化合物:
【化36】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩である、実施形態1~32のいずれか1つに記載の化合物。
【0174】
34.式(I)の化合物が、式(I-c)の化合物:
【化37】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の化合物。
【0175】
35.式(I)の化合物が、式(I-d)の化合物:
【化38】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
1bは、アミン保護基であり;
各Rは、独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
nは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
oは、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩である、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物。
【0176】
36.式(I)の化合物が、式(I-e)の化合物:
【化39】

(式中:
1bは、アミン保護基であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
nは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
qは、0~25の整数である)
又はその薬学的に許容される塩である、実施形態1~35のいずれか1つに記載の化合物。
【0177】
37.化合物が、式(I-f)の化合物:
【化40】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
は、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
各Rは、独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1~6個のRで任意選択により置換されており;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩である、実施形態1~36のいずれか1つに記載の化合物。
【0178】
38.式(I)の化合物が、式(I-g)の化合物:
【化41】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又は
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
及びRの各々は、独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩である、実施形態1~37のいずれか1つに記載の化合物。
【0179】
39.式(II)の化合物:
【化42】

(式中:
環P及びP’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;
環Z及びZ’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
環Aは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
X及びX’は各々独立して、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;
各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m、m’、n、及びn’は各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
p及びp’は各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
q及びq’は各々独立して、0~25の整数である)
又はその薬学的に許容される塩。
【0180】
40.環P及びP’の各々が独立して、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロアリールである、実施形態39に記載の化合物。
【0181】
41.環P及びP’の各々が独立して、5員ヘテロアリール環である、実施形態39~40のいずれか1つに記載の化合物。
【0182】
42.環Pが、1,2,3-トリアゾリル(例えば、
【化43】

)である、実施形態39~41のいずれか1つに記載の化合物。
【0183】
43.環P’が、1,2,3-トリアゾリル(例えば、
【化44】

)である、実施形態39~42のいずれか1つに記載の化合物。
【0184】
44.環Aが、三環式ヘテロシクリルである、実施形態39~43のいずれか1つに記載の化合物。
【0185】
45.環Aが、
【化45】

である、実施形態39~44のいずれか1つに記載の化合物。
【0186】
46.環Z及びZ’の各々が独立して、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロシクリルである、実施形態39~45のいずれか1つに記載の化合物。
【0187】
47.環Zが、チオモルホリニル-1,1-ジオキシジル(例えば、
【化46】

)である、実施形態39~46のいずれか1つに記載の化合物。
【0188】
48.環Z’が、チオモルホリニル-1,1-ジオキシジル(例えば、
【化47】

)である、実施形態39~47のいずれか1つに記載の化合物。
【0189】
49.X及びX’が、不在又はOである、実施形態39~48のいずれか1つに記載の化合物。
【0190】
50.X及びX’の各々が、不在である、実施形態39~49のいずれか1つに記載の化合物。
【0191】
51.R2a及びR2bの各々が独立して、水素である、実施形態39~50のいずれか1つに記載の化合物。
【0192】
52.R2c及びR2dの各々が独立して、水素である、実施形態39~51のいずれか1つに記載の化合物。
【0193】
53.R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々が独立して、水素である、実施形態39~52のいずれか1つに記載の化合物。
【0194】
54.m及びm’の各々が、1又は2である、実施形態39~53のいずれか1つに記載の化合物。
【0195】
55.n及びn’の各々が、1又は2である、実施形態39~54のいずれか1つに記載の化合物。
【0196】
56.q及びq’の各々が、1、2、3、4、5、又は6である、実施形態39~55のいずれか1つに記載の化合物。
【0197】
57.p及びp’の各々が、0である、実施形態39~56のいずれか1つに記載の化合物。
【0198】
58.式(III)の化合物:
【化48】

(式中:
環A及びA’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;
Lは、-O-、-C(O)-、-N(R)-、-S(O)-、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、C~C12ハロアルキレン、又は不在であり、ここで、各アルキレン、アルケニレン、ヘテロアルキレン、及びハロアルキレンは、1~6個のRで任意選択により置換されており;
環P及びP’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;
環Z及びZ’は各々独立して、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
X及びX’は各々独立して、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R、又はN(R)(R)であり;
各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m、m’、n、及びn’は各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
p及びp’は各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
q及びq’は各々独立して、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩。
【0199】
59.環A及びAの各々が独立して、1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである、実施形態58に記載の化合物。
【0200】
60.環A及びA’の各々が独立して、1~6個のRで任意選択により置換されているフタルイミジルである、実施形態58~59のいずれか1つに記載の化合物。
【0201】
61.環P及びP’の各々が独立して、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロアリールである、実施形態58~60のいずれか1つに記載の化合物。
【0202】
62.環P及びP’の各々が独立して、5員ヘテロアリール環である、実施形態58~61のいずれか1つに記載の化合物。
【0203】
63.環Pが、1,2,3-トリアゾリル(例えば、
【化49】

)である、実施形態58~62のいずれか1つに記載の化合物。
【0204】
64.環P’が、1,2,3-トリアゾリル(例えば、
【化50】

)である、実施形態58~63のいずれか1つに記載の化合物。
【0205】
65.Lが、不在、-O-、-C(O)-、-N(R)-、-S(O)-、又はC~C12アルキレンであり、ここで、アルキレンが、1~6個のRで任意選択により置換されている、実施形態58~64のいずれか1つに記載の化合物。
【0206】
66.Lが不在である、実施形態58~65のいずれか1つに記載の化合物。
【0207】
67.環Z及びZ’の各々が独立して、1~6個のRで任意選択により置換されているヘテロシクリルである、実施形態58~66のいずれか1つに記載の化合物。
【0208】
68.環Zが、チオモルホリニル-1,1-ジオキシジル(例えば、
【化51】

)である、実施形態58~67のいずれか1つに記載の化合物。
【0209】
69.環Z’が、チオモルホリニル-1,1-ジオキシジル(例えば、
【化52】

)である、実施形態58~68のいずれか1つに記載の化合物。
【0210】
70.X及びX’が、不在又はOである、実施形態58~69のいずれか1つに記載の化合物。
【0211】
71.X及びX’の各々が、不在である、実施形態58~70のいずれか1つに記載の化合物。
【0212】
72.R2a及びR2bの各々が独立して、水素である、実施形態58~71のいずれか1つに記載の化合物。
【0213】
73.R2c及びR2dの各々が独立して、水素である、実施形態58~72のいずれか1つに記載の化合物。
【0214】
74.R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々が独立して、水素である、実施形態58~73のいずれか1つに記載の化合物。
【0215】
75.m及びm’の各々が、1又は2である、実施形態58~74のいずれか1つに記載の化合物。
【0216】
76.n及びn’の各々が、1又は2である、実施形態58~75のいずれか1つに記載の化合物。
【0217】
77.q及びq’の各々が、1、2、3、4、5、又は6である、実施形態58~76のいずれか1つに記載の化合物。
【0218】
78.p及びp’の各々が、0である、実施形態58~77のいずれか1つに記載の化合物。
【0219】
79.化合物が、表1中に示される化合物又はその薬学的に許容される塩から選択される、実施形態1~78のいずれか1つに記載の化合物。
【0220】
80.化合物の開始温度が、約150℃超(例えば、約175℃、200℃、225℃、250℃、275℃、300℃、又は325℃超)である、実施形態1~79のいずれか1つに記載の化合物。
【0221】
81.化合物の開始温度が、150℃~350℃(例えば、200℃~350℃又は250℃~350℃)である、実施形態1~80のいずれか1つに記載の化合物。
【0222】
82.化合物の最大発熱出力が、約750J/g未満(例えば、約700J/g、650J/g、600J/g、550J/g、500J/g、又は450J/g未満)である、実施形態1~81のいずれか1つに記載の化合物。
【0223】
83.化合物の最大発熱出力が、約100J/g~700J/g(例えば、200J/g~600J/g又は250J/g~550J/g)である、実施形態1~82のいずれか1つに記載の化合物。
【0224】
84.化合物の最大発熱出力が、約300kJ/mol未満、例えば、約250kJ/mol、225kJ/mol、200kJ/mol、及び700J/g未満(例えば、200J/g~600J/g又は250J/g~550J/g)である、実施形態1~83のいずれか1つに記載の化合物。
【0225】
85.化合物が液体である、実施形態1~84のいずれか1つに記載の化合物。
【0226】
86.実施形態1~85のいずれか1つに記載の化合物を含む組成物。
【0227】
87.約5グラム、10グラム、25グラム、50グラム、75グラム、100グラム、250グラム、500グラム、750グラム、1キログラム、2.5キログラム、5キログラム、10キログラム、20キログラム超、又はそれ以上の、実施形態1~85のいずれか1つに記載の式(I)、(II)、又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は実施形態86に記載のその組成物を含む容器。
【0228】
88.容器がバイアルである、実施形態87に記載の容器。
【0229】
89.容器が、ガラス、鋼、又はプラスチックを含む、実施形態87~88のいずれか1つに記載の容器。
【0230】
90.容器が気密である、実施形態87~89のいずれか1つに記載の容器。
【0231】
91.約5グラム、10グラム、25グラム、50グラム、75グラム、100グラム、250グラム、500グラム、750グラム、1キログラム、2.5キログラム、5キログラム、10キログラム、20キログラム超、又はそれ以上の、実施形態1~85のいずれか1つに記載の式(I)、(II)、又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は実施形態86に記載のその組成物を含む調製物。
【0232】
92.調製物が、実質的に純粋である、請求項91に記載の調製物。
【0233】
93.調製物が、25%、20%、15%、12.5%、10%.9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%未満の第2の化合物(例えば、式(I)、(II)、又は(III)の化合物を作製する方法における中間体)を含む、実施形態91~92のいずれか1つに記載の調製物。
【0234】
94.第2の化合物が、表2中に示される化合物から選択される化合物である、実施形態91~93のいずれか1つに記載の調製物。
【0235】
95.表2中に示される化合物(例えば、化合物200、201、202、203、204、205、205、206、207、又はその薬学的に許容される塩)から選択される化合物。
【0236】
96.式(I)の化合物:
【化53】

(式中:
環Pは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;
環Zは、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Xは、O、S、N(R)、C~C12アルキレン、C~C12アルケニレン、C~C12ヘテロアルキレン、又は不在であり;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、ハロゲン、又はORであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
各Rは、独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
pは、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数である)
又はその薬学的に許容される塩を調製する方法であって;
方法が、式(V)の化合物:
【化54】

を、式(VI)の化合物:
【化55】

と反応させ、それによって、式(I)の化合物を調製することを含む、方法。
【0237】
97.式(V)の化合物と、式(VI)の化合物との反応が、触媒(例えば、銅触媒)の存在下で起こる、実施形態96に記載の方法。
【0238】
98.触媒が、CuSO水和物を含む、実施形態96~97のいずれか1つに記載の方法。
【0239】
99.式(I)の化合物の開始温度が、約150℃超(例えば、約175℃、200℃、225℃、250℃、275℃、300℃、又は325℃超)である、実施形態96~98のいずれか1つに記載の方法。
【0240】
100.式(I)の化合物の開始温度が、約150℃~350℃(例えば、200℃~350℃又は250℃~350℃)である、実施形態96~99のいずれか1つに記載の方法。
【0241】
101.反応が、約25℃超(例えば、約30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃超、又はそれ以上)の温度で行われる、実施形態96~100のいずれか1つに記載の方法。
【0242】
102.式(I)の化合物の最大発熱出力が、約750J/g未満(例えば、約700J/g、650J/g、600J/g、550J/g、500J/g、又は450J/g未満)である、実施形態96~101のいずれか1つに記載の方法。
【0243】
103.式(I)の化合物の最大発熱出力が、約100J/g~700J/g(例えば、200J/g~600J/g又は250J/g~550J/g)である、実施形態96~101のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
104.少なくとも1g(例えば、2g、5g、10g、25g、50g、75g、100g、250g、500g、750g、1kg、2kg、又はそれ以上)の式(V)を、1以上(例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.25、2.5、3、3.5、4、5、7.5、又はそれ以上)当量の式(VI)と反応させることをさらに含む、実施形態96~103のいずれか1つに記載の方法。
【0245】
105.式(I)の化合物が、式(I-c)の化合物:
【化56】

(式中:
Mは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)であり;
R’及びR”の各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル又はハロゲンであり;又は
R’及びR”の各々は、一緒になって、オキソを形成し;
1aは、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、又はアミン保護基であり;
1bは、アミン保護基であり;又は
1a及びR1bは、一緒になって、各々が1~6個のRで任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環を形成し得;
2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12ヘテロアルキル、又はハロゲンであり;又は
2a及びR2b又はR2c及びR2dは、一緒になって、オキソを形成し;
、R、及びRの各々は独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
は、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、オキソ、OR、C(O)OR、C(O)R、C(O)N(R)、N(R)C(O)R;又はN(R)(R)であり;
、R、R、及びRの各々は独立して、水素、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、C~C12ヘテロアルキル、C~C12ハロアルキル、ハロゲン、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
m及びnは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
xは、0、1、又は2である)
又はその薬学的に許容される塩であり;
方法が、式(V-a)の化合物:
【化57】

を、式(VI-a)の化合物:
【化58】

と反応させ、それによって、式(I)の化合物を調製することを含む、実施形態96~104のいずれか1つに記載の方法。
【0246】
106.調製物の約25%、20%、15%、12.5%、10%.9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.75%、0.5%、0.25%、0.1%、又は0.05%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で第2の化合物を含む、本明細書に記載される式(I)、(II)、又は(III)の化合物の調製物。
【0247】
107.第2の化合物が、調製物の10%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、実施形態106に記載の調製物。
【0248】
108.第2の化合物が、調製物の5%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、実施形態106に記載の調製物。
【0249】
109.第2の化合物が、調製物の2.5%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、実施形態106に記載の調製物。
【0250】
110.第2の化合物が、調製物の1%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、実施形態106に記載の調製物。
【0251】
111.第2の化合物が、調製物の0.75%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、実施形態106に記載の調製物。
【0252】
112.第2の化合物が、調製物の0.5%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、実施形態106に記載の調製物。
【0253】
113.第2の化合物が、表2中の化合物から選択される、実施形態106~112のいずれか1つに記載の調製物。
【0254】
114.組成物の約25%、20%、15%、12.5%、10%.9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.75%、0.5%、0.25%、0.1%、又は0.05%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で第2の化合物を含む、本明細書に記載される式(I)、(II)、又は(III)の化合物の組成物。
【0255】
115.第2の化合物が、組成物の10%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、実施形態114に記載の組成物。
【0256】
116.第2の化合物が、組成物の5%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、実施形態114に記載の組成物。
【0257】
117.第2の化合物が、組成物の2.5%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、実施形態114に記載の組成物。
【0258】
118.第2の化合物が、組成物の1%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、実施形態114に記載の組成物。
【0259】
119.第2の化合物が、組成物の0.5%未満(w/w、w/v、v/v、又は乾燥重量%)の量で存在する、実施形態114に記載の組成物。
【0260】
120.第2の化合物が、表2中の化合物から選択される、実施形態114~119のいずれか1つに記載の組成物。
【0261】
[実施例]
本明細書に記載の本発明がより完全に理解され得るよう、以下の実施例が記載されている。本出願に記載されている手法は、本明細書において提供されている化合物、組成物及び方法を例示するために提供されており、如何様にもその範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0262】
本明細書において提供されている化合物、組成物及びその方法は、容易に入手可能である出発材料から、当業者に周知であろう以下に記載の特定の合成プロトコルに対する修正をしながら調製可能である。典型的又は好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応体のモル比、溶剤、圧力等)が提示されている場合、別段の定めがある場合を除き、他のプロセス条件もまた用いることが可能であることが認識されるであろう。最適な反応条件は用いられる特定の反応体又は溶剤によって様々であり得るが、このような条件は、ルーチン的な最適化手法で当業者によって判定可能である。
【0263】
[実施例1:式(I)及び(II)の化合物の例示的な中間体の合成]
[一般的方法:]
[方法A]
マグネチックスターラー及びセプタム付きスクリューキャップを備えたバイアルに、塩基(1.2当量)、保護される第一級アミン(1.0当量)、及びジクロロメタン(5体積)を添加した。混合物を<5℃に冷却し、次に、アミン保護基試薬(1.1当量)を添加した。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌した。保護されたアミン混合物をろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0~10のメタノール)によって精製した。生成物含有画分を組み合わせて、濃縮して、所望の生成物を得た。
【0264】
[方法B]
マグネチックスターラーを備えたバイアルに、保護される第一級アミン(1.0当量)及び水中1Nの水酸化ナトリウム(5体積)を添加した。得られた溶液を、0℃に冷却し、二硫化炭素(1.01当量)を滴下して添加した。得られた溶液を室温に温め、5分間撹拌した。5分後、溶液を0℃に冷却し、及び1,2-ジブロモエタン(1.01当量)を滴下して添加した。得られた二層を撹拌し、混合物を室温に温め、16時間撹拌した。反応混合物をろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0~10%のメタノール)によって精製した。生成物含有画分を組み合わせて、濃縮して、所望の生成物を得た。
【0265】
[方法C]
無水物(1.0当量)及び保護される第一級アミン(1.05当量)を、ディーン・スターク装置の使用によって生成された水を除去しながら、18時間にわたって無水トルエン(30体積)中で還流させた。得られた混合物を室温に冷却し、次に、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0~10%のメタノール)によって精製した。生成物含有画分を組み合わせて、濃縮して、所望の生成物を得た。
【0266】
[方法D]
保護される第一級アミン(1.17当量)を、メタノール(16体積)及び水(1体積)を溶解させ、次に、L-アスコルビン酸ナトリウム(0.10当量)、ヨウ化第一銅(0.10当量)、trans-N’,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.13当量)、及びチオモルホリン-1,1-ジオキシド(1.0当量)を添加した。反応混合物を55℃に加熱し、16時間撹拌した。得られた反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0~20%のメタノール)によって精製した。生成物含有画分を組み合わせて、濃縮して、所望の生成物を得た。
【0267】
[化合物101:2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)-N-ベンジルエタン-1-アミンのためのアジド中間体]
【化59】

方法A;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.62-7.57(m,2H)、7.40-7.30(m,3H)、4.20(s,2H)、3.93-3.83(m,2H)、3.64(s,4H)、3.59(dtd,J=6.9、4.2、3.4、1.7Hz、6H)、3.33(dd,J=10.0、4.9Hz、2H)、3.14-3.02(m,2H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 130.4、130.3、129.3、129.0、70.3、70.2、70.2、69.8、65.8、51.0、50.6、45.6;[M+H]+ 計算値309.1921、実測値309.1321。
【0268】
[化合物103:N-アリル-N-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)プロパ-2-エン-1-アミンのためのアジド中間体]
【化60】

方法A(2.2当量の塩基及び2.1当量の保護基試薬であることを除く);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 5.82(ddt,J=16.8、10.2、6.5Hz、2H)、5.18-5.06(m,4H)、3.67-3.50(m,14H)、3.39-3.32(m,2H)、3.11(d,J=6.5Hz、4H)、2.64(t,J=6.2Hz、2H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 135.6、117.4、70.6、70.6、70.6、69.9、69.6、57.4、52.4、50.6;[M+H]+ 計算値299.2078、実測値299.2078。
【0269】
[化合物102:N-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミドのためのアジド中間体]
【化61】

方法A;1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.18(s,1H)、3.62(d,J=10.6Hz、12H)、3.52(q,J=5.1Hz、2H)、3.36(t,J=4.9Hz、2H);13C NMR(101MHz、CDCl3)δ 157.2(q,J=36.9Hz)、115.8(q,J=287.5Hz)、70.5、70.5、70.4、70.2、69.9、68.5、50.6、39.6;19F NMR(377MHz、CDCl3)δ -75.9;[M+H]+ 計算値315.1275、実測値315.1274。
【0270】
[化合物107:(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメートのためのアジド中間体]
【化62】

方法A;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.76(d,J=7.5Hz、2H)、7.60(d,J=7.4Hz、2H)、7.39(t,J=7.5Hz、2H)、7.31(t,J=7.4Hz、2H)、5.40(s,1H)、4.41(d,J=7.0Hz、2H)、4.22(t,J=6.9Hz、1H)、3.68-3.59(m,11H)、3.59-3.53(m,2H)、3.39(q,J=5.3Hz、2H)、3.34(t,J=5.0Hz、2H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 156.4、143.9、141.2、127.6、127.0、126.9、125.0、119.9、70.6、70.5、70.5、70.2、69.9、66.4、50.5、47.2、40.8;[M+H]+ 計算値441.2132、実測値441.2131。
【0271】
[化合物109:2,5-ビス(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)テトラヒドロシクロブタ[1,2-c:3,4-c’]ジピロール-1,3,4,6(2H,5H)-テトラオンのためのアジド中間体]
【化63】

方法C(第一級アミンの量が2倍であることを除く);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 3.79(t,J=5.4Hz、4H)、3.69(t,J=5.4Hz、4H)、3.67-3.51(m,20H)、3.40(s,4H)、3.36(t,J=5.0Hz、4H);13C NMR(101MHz、CDCl3)δ 175.0、70.6、70.5、70.4、69.9、69.8、66.4、50.6、41.4、38.4;[M+H]+ 計算値597.2627、実測値597.2627。
【0272】
[化合物104:1-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)-エチル)ピロリジン-2,5-ジオンのためのアジド中間体]
【化64】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 3.65(t,J=5.8Hz、2H)、3.62-3.56(m,8H)、3.54(s,4H)、3.32(t,J=5.0Hz、2H)、2.64(s,4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 177.0、70.4、70.4、69.8、69.7、66.8、50.5、37.7、27.9;[M+H]+ 計算値301.1506、実測値301.1509。
【0273】
[化合物105:N-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-1,3-ジチオラン-2-イミンのためのアジド中間体]
【化65】

方法B;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 3.72(t,J=6.1Hz、1H)、3.68-3.60(m,6H)、3.55(dd,J=7.0、5.3Hz、1H)、3.45(t,J=6.1Hz、1H)、3.41-3.35(m,2H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 169.2、70.7、70.6、70.5、70.4、69.9、58.6、50.6、37.7、34.7;[M+H]+ 計算値321.105、実測値321.1048。
【0274】
[化合物106:N-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミドのためのアジド中間体]
【化66】

方法A;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.33(d,J=8.8Hz、2H)、8.05(d,J=8.8Hz、2H)、5.71(t,J=5.8Hz、1H)、3.68-3.65(m,4H)、3.63(dd,J=5.7、2.3Hz、2H)、3.59-3.56(m,2H)、3.52(dd,J=5.6、2.8Hz、2H)、3.50(t,J=5.0Hz、2H)、3.37(t,J=5.0Hz、2H)、3.17(q,J=5.4Hz、2H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 149.9、146.1、128.2、124.2、70.5、70.4、70.4、70.1、69.9、68.9、50.5、43.0;[M+H]+ 計算値404.1234、実測値404.1234。
【0275】
[化合物112:2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)-N,N-ジベンジルエタン-1-アミンのためのアジド中間体]
【化67】

方法A;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.39-7.37(m,4H)、7.32-7.29(m,4H)、7.24-7.21(m,2H)、3.69-3.54(m,18H)、3.34(t,J=5.0Hz、2H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 139.5、128.5、128.0、126.0、70.3、70.2、69.8、58.6、52.5、51.0;[M+H]+ 計算値399.2396、実測値399.2391。
【0276】
[化合物111:2-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-4,5,6,7-テトラクロロイソインドリン-1,3-ジオンのためのアジド中間体]
【化68】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 3.90(t,J=7.0Hz、2H)、3.73(t,J=7.0Hz、2H)、3.66-3.60(m,10H)、3.36(t,J=6.5Hz、2H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 163.4、140.0、129.5、127.6、70.6、70.0、69.9、67.4、50.6、38.0;[M+H]+ 計算値484.9948、実測値484.9948。
【0277】
[化合物113:2-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-4,5,6,7-テトラブロモイソインドリン-1,3-ジオンのためのアジド中間体]
【化69】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 3.91(t,J=7.0Hz、2H)、3.74(t,J=7.0Hz、2H)、3.68-3.60(m,10H)、3.36(t,J=6.5Hz、2H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 163.6、137.4、130.6、121.2、70.6、70.6、70.0、69.9、67.3、50.6、38.2;[M+H]+ 計算値660.7927、実測値660.7911。
【0278】
[化合物115:2,7-ビス(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリン-1,3,6,8(2H,7H)-テトラオンのためのアジド中間体]
【化70】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.69(s,4H)、4.42(t,J=6.0Hz、4H)、3.82(t,J=6.0Hz、4H)、3.68-3.56(m,20H)、3.33-3.31(m,4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 162.8、130.9、126.6、126.5、70.7、70.6、70.1、70.0、67.8、50.6、39.6;[M+H]+ 計算値669.2627、実測値669.2627。
【0279】
[化合物116:2,9-ビス(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-5,6,12,13-テトラクロロアントラ[2,1,9-def:6,5,10-d’e’f’]ジイソキノリン-1,3,8,10(2H,9H)-テトラオンのためのアジド中間体]
【化71】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.66(s,4H)、4.51-4.40(m,4H)、4.42(h、J=7.0Hz、4H)、3.82(t,J=6.0Hz、4H)、3.71-3.57(m,20H)、3.34(t,J=6.5Hz、4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 162.2、135.3、132.9、131.4、128.6、123.3、123.1、70.6、70.6、70.6、70.1、69.9、67.8、50.6、39.5;[M+H]+ 計算値929.1381、実測値929.1381。
【0280】
[化合物110:2-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-6-ブロモ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-1,3(2H)-ジオンのためのアジド中間体]
【化72】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.63(d,J=9.0Hz、1H)、8.55(d,J=10.5Hz、1H)、8.39(d,J=9.5Hz、1H)、8.02(d,J=10.0Hz、1H)、7.85-7.81(m,1H)、4.42(t,J=7.5Hz、2H)、3.82(t,J=7.5Hz、2H)、3.70-3.54(m,10H)、3.34(t,J=6.5Hz、2H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 163.6、133.2、132.0、131.2、131.0、130.6、130.3、129.0、128.0、123.0、122.2、70.6、70.6、70.1、69.9、67.8、50.6、39.2;[M+H]+ 計算値477.0768、実測値477.0762。
【0281】
[化合物114:2,2’-ビス(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-[5,5’-ビイソインドリン]-1,1’,3,3’-テトラオンのためのアジド中間体]
【化73】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.08(s,2H)、7.95(s,4H)、3.92(t,J=7.5Hz、4H)、3.75(t,J=7.0Hz、4H)、3.65-3.59(m,20H)、3.35(t,J=6.5Hz、4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 145.2、135.3、132.9、131.4、124.3、120.1、70.5、70.5、70.0、69.9、67.5、50.6、39.5;[M+H]+ 計算値695.2784、実測値695.2783。
【0282】
[化合物117:5,5’-オキシビス(2-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ-エチル)イソインドリン-1,3-ジオン)のためのアジド中間体]
【化74】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.86(d,J=10.0Hz、2H)、7.41(d,J=10.0Hz、2H)、7.36-7.33(m,2H)、3.88(t,J=7.5Hz、4H)、3.72(t,J=7.0Hz、4H)、3.65-3.60(m,20H)、3.36(t,J=6.5Hz、4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 167.2、167.0、160.8、134.9、131.4、127.6、125.5、124.1、113.6、70.6、70.5、70.0、69.9、67.8、50.6、37.4;[M+H]+ 計算値711.2733、実測値711.2730。
【0283】
[化合物119:5,5’-(パーフルオロプロパン-2,2-ジイル)ビス(2-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)-エトキシ)エチル)-イソインドリン-1,3-ジオン)のためのアジド中間体]
【化75】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.90(d,J=10.0Hz、2H)、7.81(s,2H)、7.74(d,J=10.0Hz、2H)、3.91(t,J=7.0Hz、4H)、3.74(t,J=7.0Hz、4H)、3.65-3.60(m,20H)、3.36(t,J=6.0Hz、4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 167.0、166.8、138.6、135.5、132.9、132.6、124.7、123.5、70.6、70.6、70.0、69.9、67.7、50.6、37.6;[M+H]+ 計算値845.2688、実測値845.2691。
【0284】
[化合物120:5,5’-スルホニルビス(2-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)イソインドリン-1,3-ジオン)のためのアジド中間体]
【化76】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.37(d,J=1.0Hz、2H)、8.34(m,2H)、8.00(d,J=8.0Hz、2H)、3.89(t,J=6.0Hz、4H)、3.71(t,J=5.5Hz、4H)、3.62-3.54(m,20H)、3.34(t,J=5.0Hz、4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 166.1、165.9、146.0、136.2、133.6、133.3、124.5、122.8、70.5、70.0、70.0、67.5、50.6、37.8;[M+H]+ 計算値759.2403、実測値759.2407。
【0285】
[化合物121:5,5’-カルボニルビス(2-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)イソインドリン-1,3-ジオン)のためのアジド中間体]
【化77】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.14(m,4H)、8.00(d,J=8.0Hz、2H)、3.93(t,J=5.5Hz、4H)、3.75(t,J=6.0Hz、4H)、3.65-3.59(m,20H)、3.35(t,J=5.5Hz、4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 193.0、167.0、167.0、145.5、135.4、135.4、132.6、124.2、123.7、70.6、70.1、70.0、67.8、50.6、37.7;[M+H]+ 計算値723.2733、実測値723.2732。
【0286】
[化合物122:2,6-ビス(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)ピロロ[3,4-f]イソインドール-1,3,5,7(2H,6H)-テトラオンのためのアジド中間体]
【化78】

方法C;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.23(s,2H)、3.93(t,J=7.0Hz、4H)、3.75(t,J=7.0Hz、4H)、3.65-3.59(m,20H)、3.34(t,J=6.5Hz、4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 166.0、137.2、118.0、70.6、69.9、69.9、67.5、67.8、50.6、37.8;[M+H]+ 計算値619.2471 実測値619.2472
【0287】
[4-((1-(1-フェニル-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)チオモルホリン1,1-ジオキシド]
【化79】

方法D;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.66(s,1H)、7.34-7.26(m,4H)、7.23(ddd、J=8.6、5.3、2.3Hz、1H)、4.49(t,J=4.9Hz、2H)、3.83(t,J=5.0Hz、2H)、3.79(d,J=4.8Hz、2H)、3.62-3.56(m,10H)、3.05-2.99(m,8H)、2.81(t,J=5.2Hz、2H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 143.1、139.8、128.4、128.2、127.0、123.9、70.4、70.4、70.4、70.2、69.3、53.7、52.0、51.3、50.4、50.2、48.5;[M+H]+ 計算値482.2432、実測値482.2435。
【0288】
[4-((1-(12-アリル-3,6,9-トリオキサ-12-アザペンタデカ-14-エン-1-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)チオモルホリン1,1-ジオキシド]
【化80】

方法D;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.67(s,1H)、5.82(ddt,J=16.8、10.1、6.5Hz、2H)、5.14(dt,J=17.1、1.8Hz、2H)、5.10(ddt,J=10.1、2.1、1.1Hz、2H)、4.52(t,J=5.0Hz、2H)、3.85(t,J=5.0Hz、2H)、3.80(s,2H)、3.61-3.57(m,8H)、3.54(t,J=6.2Hz、2H)、3.11(dt,J=6.5、1.2Hz、4H)、3.06-3.01(m,8H)、2.64(t,J=6.2Hz、2H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 143.1、135.5、123.9、117.5、70.5、70.4、70.4、70.3、69.7、69.3、57.5、52.4、52.0、51.3、50.4、50.2;[M+H]+ 計算値472.2588、実測値472.2586。
【0289】
[N-(2-(2-(2-(2-(4-((1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド]
【化81】

方法A;1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.63(s,1H)、7.39(s,1H)、4.50(t,J=5.1Hz、2H)、3.85(t,J=5.1Hz、2H)、3.80(s,2H)、3.63-3.53(m,10H)、3.50(q,J=5.4Hz、2H)、3.08(s,8H);13C NMR(101MHz、CDCl3)δ 157.5(q,J=37.4Hz)、143.8、124.1、117.4(td,J=289Hz)、70.4、70.4、70.2、69.4、68.7、52.0、51.2、50.4、50.3、39.7;19F NMR(377MHz、CDCl3)δ -75.7;[M+H]+ 計算値488.1785、実測値488.1780。
【0290】
[tert-ブチル(2-(2-(2-(2-(4-((1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート]
【化82】

方法A;1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.69(s,1H)、5.05(br s,1H)、4.55(t,J=5.1Hz、2H)、3.85(t,J=5.1Hz、2H)、3.88(t,J=5.1Hz、2H)、3.82(s,2H)、3.60(m,8H)、3.53(t,J=5.1Hz、2H)、3.30(br s,2H)、3.06(m,8H)、1.68(s,1H)、1.43(s,9H);13C NMR(101MHz、CDCl3)δ 155.9、143.2、124.0、79.2、77.3、70.5(2C)、70.4、70.2、70.2、69.4、53.5、52.0、51.4、50.4、50.3、40.3、28.4;[M+H]+ 計算値492.2486、実測値492.2481。
【0291】
[(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-(2-(2-(2-(4-((1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート]
【化83】

方法A(塩基なし及び全体を通して室温であることを除く);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.75(d,J=7.5Hz、3H)、7.59(d,J=7.0Hz、4H)、7.39(t,J=7.4Hz、3H)、7.30(t,J=7.4Hz、3H)、5.47(t,J=5.8Hz、1H)、4.47(t,J=5.1Hz、2H)、4.41(d,J=6.8Hz、2H)、4.20(t,J=6.8Hz、1H)、3.81(t,J=5.0Hz、2H)、3.76(s,2H)、3.60-3.53(m,10H)、3.37(q,J=5.4Hz、2H)、3.03-2.98(m,8H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 156.44、143.87、143.08、141.24、127.64、126.98、124.95、123.87、119.92、70.39、70.36、70.32、70.16、69.97、69.29、66.37、51.91、51.24、50.33、50.17、47.21、40.85;[M+H]+ 計算値614.2643、実測値614.2644。
【0292】
[2,5-ビス(2-(2-(2-(2-(4-((1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)テトラヒドロシクロブタ[1,2-c:3,4-c’]ジピロール-1,3,4,6(2H,5H)-テトラオン]
【化84】

方法D;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.71(s,2H)、4.56(t,J=5.0Hz、4H)、3.87(t,J=5.1Hz、4H)、3.84(s,4H)、3.81(t,J=5.5Hz、4H)、3.70(t,J=5.5Hz、4H)、3.57(dddd,J=13.9、8.9、7.2、3.6Hz、16H)、3.45(s,4H)、3.11-3.02(m,16H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 175.21、143.20、124.06、70.49、70.42、70.32、69.87、69.38、66.57、52.04、51.38、50.42、50.25、41.43、38.55;[M+H]+ 計算値943.3648、実測値943.3655。
【0293】
[1-(2-(2-(2-(2-(4-((1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)ピロリジン-2,5-ジオン]
【化85】

方法D;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.66(s,1H)、4.50(t,J=5.0Hz、2H)、3.83(t,J=5.0Hz、2H)、3.78(s,2H)、3.66(t,J=5.7Hz、2H)、3.59(t,J=5.7Hz、2H)、3.57-3.50(m,8H)、3.05-3.01(m,4H)、3.01-2.97(m,4H)、2.66(s,4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 177.1、143.1、123.9、70.4、70.3、69.7、69.2、67.0、51.9、51.2、50.3、50.1、37.7、28.0;[M+H]+ 計算値474.2017、実測値474.2010。
【0294】
[4-((1-(2-(2-(2-(2-((1,3-ジチオラン-2-イリデン)アミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)チオモルホリン1,1-ジオキシド]
【化86】

方法B;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.71(s,1H)、4.52(t,J=5.0Hz、2H)、3.85(t,J=5.0Hz、2H)、3.80(s,2H)、3.72(t,J=5.9Hz、2H)、3.65-3.59(m,8H)、3.54(t,J=7.1、5.2Hz、2H)、3.42(t,J=6.0Hz、2H)、3.38(t,J=7.1、5.2Hz、2H)、3.07-3.03(m,4H)、3.03-2.99(m,4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 169.3、143.1、124.0、70.8、70.4、69.3、58.6、52.0、51.3、50.3、50.2、37.8、34.7;[M+H]+ 計算値494.1560、実測値494.1557。
【0295】
[N-(2-(2-(2-(2-(4-((1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミド]
【化87】

方法A;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.28(d,J=8.5Hz、2H)、8.02(d,J=8.4Hz、2H)、7.67(s,1H)、6.39(t,J=5.9Hz、1H)、4.51(t,J=5.0Hz、2H)、3.85(t,J=5.1Hz、2H)、3.77(s,2H)、3.60-3.42(m,11H)、3.12(q,J=5.3Hz、2H)、3.05-3.00(m,4H)、3.00-2.93(m,4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 149.6、146.0、142.9、128.1、123.9、123.7、70.1、70.0、69.9、69.7、69.0、68.9、51.6、51.0、50.1、49.9、42.7;[M+H]+ 計算値577.1745、実測値577.1743。
【0296】
[2,7-ビス(2-(2-(2-(2-(4-((1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリン-1,3,6,8(2H,7H)-テトラオン]
【化88】

方法D;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.69(s,4H)、7.68(s,2H)、4.51(t,J=4.5Hz、4H)、4.43(t,J=6.0Hz、4H)、3.84-3.81(m,12H)、3.69-3.67(m,4H)、3.59-3.54(m,12H)、3.06-3.02(m,16H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 162.8、143.1、131.0、126.7、126.5、124.0、70.5、70.4、70.0、69.3、67.7、52.0、51.3、50.4、50.2、39.5;[M+H]+ 計算値1015.3648、実測値1015.3633。
【0297】
[5,6,12,13-テトラクロロ-2,9-ビス(2-(2-(2-(2-(4-((1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)アントラ[2,1,9-def:6,5,10-d’e’f’]ジイソキノリン-1,3,8,10(2H,9H)-テトラオン]
【化89】

方法D;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.69(s,4H)、7.68(s,2H)、4.51(t,J=5.0Hz、4H)、3.69-3.67(m,4H)、3.85-3.81(m,12H)、3.70-3.67(m,4H)、3.60-3.55(m,12H)、3.06-3.01(m,16H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ 162.2、143.1、135.3、132.9、131.4、128.6、123.9、123.3、123.0、70.5、70.4、70.1、69.3、67.7、53.4、52.0、51.3、50.4、50.2、39.6;[M+H]+ 計算値1275.2402、実測値1275.2389。
【0298】
[実施例2:例示的な式(I)、(II)、及び(III)の化合物の中間体の合成]
[工程1:]
【化90】

1.60kgのA1を、50Lのジャケット付き反応器中で、10体積のアセトンに溶解させた。KCO(2当量)を添加し、混合物を、0~5℃に冷却した後、臭化プロパルギル(1.1当量)を滴下して添加した。混合物を、25℃まで徐々に温め、16時間撹拌した。HPLCによって示される際に反応が完了した後、混合物を、Magnesolに通してろ過し、その後、EtOAcですすいだ。ケーキを、EtOAcで溶媒交換し(3×5体積)、次に、混合物を、HPLC(99.6%)によって精製して、A2を得た。
【0299】
[工程2:]
【化91】

A3(1.49kg)を、ジクロロメタン(3体積)及び脱イオン水(11体積)を含む50Lのジャケット付き反応器に入れ、混合して、濁った溶液を得た。混合物を5℃に冷却した後、NaCO(2当量)及びBocO(1当量)を添加し、それを、30分間の期間にわたって添加した。得られた混合物を、一晩、室温に温めて、HPLCによって観察される際に反応を完了させた。混合物の2つの層を分離し、水性層を、ジクロロメタン(2×3体積)で逆抽出した。組み合わされた有機層を、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、次に、HPLC精製(87%)前にTHF中で溶媒交換して、A4を得た。
【0300】
[工程3:]
【化92】

A4(100g)を、2Lのジャケット付きフラスコに添加した後、THF(4体積)を添加して、スラリーを得た。0.5体積の脱イオン水中のCuSO・5HO(0.01当量)、続いて、脱イオン水中のL-アスコルビン酸ナトリウム(0.5体積)を添加した。混合物を55℃に加熱し、次に、THF中のA2の溶液を、1.5時間の期間にわたってゆっくりと添加し、1時間にわたってその温度で撹拌した。HPLC分析によって示される際、変換が、この段階で完了していると見なされた。次に、混合物を室温に冷却した後、ジクロロメタン(10体積)及び10体積の1:1の飽和NHCl:28~30%のNHOHを添加した。層が撹拌後に分離され、有機層を、2×10体積の1:1の飽和NH4Cl:28~30%のNHOHで洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、ろ過し、ジクロロメタンで洗浄し、次に、濃縮乾固させて、油を得た。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、精製して、A5の油(98.1%)を得た。
【0301】
[工程4]
【化93】

A5(210g)を、5体積の水と組み合わせて、次に、≦70℃で、減圧下で濃縮して、目標の4体積の溶液を得た。6MのHCl水溶液(10当量)を添加し、温度を≦30℃に維持した。得られた混合物を、1時間にわたって20±5℃で撹拌し、次に、HPLC分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮して、溶液(97.1%の純度)を得た。
【0302】
[工程5]
【化94】

2体積の6MのNaOH水溶液を、≦30℃でA6の水溶液に添加した。混合物のpHを、さらなる体積の6MのNaOH水溶液を用いてpH=11に調整し、混合物を濃縮した。5体積のMeCNを添加し、混合物をろ過し、ろ過ケーキを、0.5体積のMeCNで洗浄した。溶媒交換を3回繰り返して、最終生成物A7(96.4%の純度)を得た。
【0303】
[実施例3:式(I)の例示的な化合物の合成]
式(I)の例示的な化合物を、以下のスキーム1に概説されるように合成した。
【化95】

スキーム1
示されるように、2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エタン-1-アミンを、ジクロロメタン及び水の混合物中で、BocO及びNaCOと共にインキュベートする。Boc保護されたアミンの精製の後、アジドを、CuSO及びアスコルビン酸ナトリウムの存在下で、例示的なアルキンと結合して、式(I)の化合物を得る。次に、アミン保護基は、脱保護されて、遊離アミンが得られる。
【0304】
[実施例4:式(I)の例示的な化合物の合成]
式(I)の例示的な化合物を、以下のスキーム2に概説されるように合成した。
【化96】
【0305】
[実施例5:式(I)の例示的な化合物の合成]
式(I)の例示的な化合物を、以下のスキーム3に概説されるように合成した。
【化97】
【0306】
[実施例6:式(I)の例示的な化合物の合成]
式(I)の例示的な化合物を、以下のスキーム4に概説されるように合成した。
【化98】
【0307】
[実施例7:式(I)の例示的な化合物の合成]
式(I)の例示的な化合物を、以下のスキーム5に概説されるように合成した。
【化99】
【0308】
[実施例8:例示的な式(I)、(II)、及び(III)の化合物についての開始温度の決定]
式(I)及び(II)の例示的な化合物を、示差走査熱量測定(DSC)を用いて分析して、関連する開始温度(℃)を決定した。DSC試験を、Netzsch(商標)Group(ゼルプ(Selb)、ドイツ(Germany))製のDSC 214 Polyma-Differential Scanning Calorimeterを用いて完了させた。DSC試験は、一つには、試料が着実に加熱されるにつれ、試料の温度応答を測定する。試験が開始する前、機器の校正の確認を、製造業者のプロトコルに基づいて行う。試験を、ASTM Standard E537-02,Standard Test Method for The Thermal Stability of Chemicals by Differential Scanning Calorimetrに従って行った。DSC試験のための試料調製を、以下のように行った:
1.試験試料を、超高純度窒素雰囲気下で、グローブバッグ中で高圧ステンレス鋼試験るつぼ中に移した。
2.試料を、10℃/分の上昇加熱速度で、閉鎖された試験セル中で、20℃~490℃の温度範囲で試験した。
3.試験を、窒素の一定流量下で行った。
【0309】
試料の試験が終了した後、試料るつぼを、シールした状態で秤量し、試料の最終重量を得た。次に、ステンレス鋼るつぼの蓋の金シールを、ケミカルフード下で穿刺して、潜在的な非凝縮性ガスを放出させた後、試料るつぼを、再度秤量する。シールされたるつぼと穿孔されたるつぼとの間の差の計算値は、試料によって発生される非凝縮性ガスの量である。これらのDSC分析から導き出される開始温度及び最大発熱出力の要約が、表3中に記載される。
【0310】
【表11】
【国際調査報告】