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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-28
(54)【発明の名称】背圧レギュレータ
(51)【国際特許分類】
   F16K 47/04 20060101AFI20230821BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20230821BHJP
   F16K 1/52 20060101ALI20230821BHJP
   B05C 11/10 20060101ALN20230821BHJP
【FI】
F16K47/04 Z
B05B12/00 Z
F16K1/52 A
B05C11/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507950
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 US2021042504
(87)【国際公開番号】W WO2022031438
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/062,585
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】308025451
【氏名又は名称】グラコ ミネソタ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィロビー, ジェイソン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ロマン, ティモシー, エス
(72)【発明者】
【氏名】ポロウィッツ, デビッド, シー
(72)【発明者】
【氏名】テールマン, ウィレム, エム
【テーマコード(参考)】
3H052
3H066
4F035
4F042
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA13
3H052CA01
3H052CC02
3H066AA01
3H066BA04
3H066EA11
3H066EA33
4F035AA03
4F035BA06
4F035BA11
4F035BA22
4F035BC06
4F042BA07
4F042BA12
4F042CB03
4F042CB08
4F042CB10
4F042CB12
(57)【要約】
背圧レギュレータ(「BPR」)は、液体が流れるフローチャンバの少なくとも一部分を画定する圧力ハウジングを含み、BPRは、上流の液体圧力を維持するために流量と共に変化する調整可能な規制部を有する。圧力ハウジングは、調整可能な規制部の周囲から調整可能な規制部内に半径方向の流れを提供するように、液体の流れを分配するように輪郭が形成される。圧力ハウジングは、流れを案内する傾斜して湾曲した側方流路と、液流を分配して液流間の内部衝突を防止する隆起部とを含む。フローデフレクタは、環状規制部を通る半径方向の流れが衝突するのを防止するように、チャンバ出口内に延在する。フローデフレクタは、液流を方向転換して、チャンバ出口内で円滑に合流する。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁および内壁を有する圧力ハウジングと、
前記圧力ハウジングが、少なくともその一部分を画定するフローチャンバであって、前記圧力ハウジングを通るチャンバ入口と前記圧力ハウジングを通るチャンバ出口とを含み、前記チャンバ出口の周囲の円周方向に延在するフローチャンバと、
前記フローチャンバの少なくとも一部分を画定する圧力制御部材であって、レギュレータ軸上に配置されて前記チャンバ出口内の少なくとも一部分に延在するように構成されるフローデフレクタを含む、圧力制御部材と、を備え、
前記内壁は、下端と上端との間で傾斜しており、
前記圧力制御部材は、前記チャンバ出口が閉鎖されている閉状態と、前記フローチャンバと前記チャンバ出口との間の環状規制部が開放されている作動状態との間で移動可能である、背圧レギュレータ。
【請求項2】
前記チャンバ入口と前記フローチャンバの後端との間に延在する第1側方流路と、前記チャンバ入口と前記後端との間に延在する第2側方流路と、をさらに備え、
前記第1側方流路および第2側方流路は、前記チャンバ出口の周囲で湾曲している、請求項1に記載の背圧レギュレータ。
【請求項3】
前記第1側方流路は、前記チャンバ入口と前記後端との間で前記第1側方流路の高さが減少するような傾斜基部を有する、請求項2に記載の背圧レギュレータ。
【請求項4】
前記内壁は、前記傾斜基部と棚との間で傾斜しており、前記チャンバ出口は、前記棚を通って延在する、請求項3に記載の背圧レギュレータ。
【請求項5】
前記内壁から突出し、前記第1側方流路と前記第2側方流路とに流れを分配する上流側隆起部と、
前記第1側方流路の第1下流端と前記第2側方流路の第2下流端との間の前記後端に配置された下流側隆起部と、を備える、請求項2に記載の背圧レギュレータ。
【請求項6】
フローハウジングから流体チャンバ内に突出する分流隆起部をさらに備える、請求項1から4までのいずれか1項に記載の背圧レギュレータ。
【請求項7】
前記分流隆起部は、レギュレータ軸を横切る隆起軸に沿って延在する、請求項6に記載の背圧レギュレータ。
【請求項8】
前記内壁から突出する上流側隆起部と、前記分流隆起部によって形成される前記上流側隆起部と、前記フローチャンバの後端に配置される下流側隆起部と、を備える、請求項6に記載の背圧レギュレータ。
【請求項9】
前記上流側隆起部は、傾斜した両側側面を有し、前記下流側隆起部は、傾斜した両側側面を有する、請求項8に記載の背圧レギュレータ。
【請求項10】
前記上流側隆起部は、前記チャンバ入口を通って、レギュレータ入口と前記チャンバ入口との間の流路の内部に延在する、請求項8に記載の背圧レギュレータ。
【請求項11】
前記上流側隆起部は、第1側方流路および第2側方流路に流れを案内するように輪郭が形成されており、前記第1側方流路および前記第2側方流路は、前記内壁の周囲で湾曲している、請求項8に記載の背圧レギュレータ。
【請求項12】
前記下流側隆起部は、第1側方流路および第2側方流路からの流れを前記チャンバ出口に案内するように輪郭が形成されており、前記第1側方流路および前記第2側方流路は、前記内壁の周囲で湾曲している、請求項8に記載の背圧レギュレータ。
【請求項13】
前記圧力ハウジングに取り付けられた弁座をさらに備え、前記チャンバ出口が前記弁座を通って延在し、
前記圧力制御部材および前記弁座は、それらの間に前記環状規制部を画定し、前記環状規制部は、前記フローチャンバと前記チャンバ出口との間に流路を提供する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の背圧レギュレータ。
【請求項14】
前記内壁の上端に形成されており、レギュレータ棚に配置された頂部と、
前記圧力ハウジングの内部に延在する下側部分と、
前記頂部に形成されており、前記圧力制御部材に向かって配向される上面と、
前記下側部分の内径側に形成された内面と、
前記上面と前記内面との間に延在し、前記上面と前記内面とを接続する移行面と、を備え、前記移行面は、湾曲している、請求項13に記載の背圧レギュレータ。
【請求項15】
前記上面の幅と前記弁座との半径との比は、0.65:1以上0.75:1以下である、請求項14に記載の背圧レギュレータ。
【請求項16】
前記フローデフレクタは、基部と遠端部との間に延在する輪郭が形成された側部を含む、請求項14に記載の背圧レギュレータ。
【請求項17】
輪郭が形成された前記側部は、凹状に湾曲している、請求項16に記載の背圧レギュレータ。
【請求項18】
前記環状規制部は、規制部入口から延在する上流部分と、前記上流部分と規制部出口との間に延在する下流部分とを含む、請求項17に記載の背圧レギュレータ。
【請求項19】
前記上流部分は、均一な断面積を有し、前記下流部分は、可変の断面積を有する、請求項18に記載の背圧レギュレータ。
【請求項20】
前記下流部分は、前記上流部分とレギュレータ出口との間で広がる、請求項18に記載の背圧レギュレータ。
【請求項21】
前記フローデフレクタは、基部と、遠端部と、前記基部と前記遠端部との間に延在するデフレクタ側部とを含み、前記デフレクタ側部は、前記基部と前記遠端部との間で湾曲している、請求項1から20までのいずれか1項に記載の背圧レギュレータ。
【請求項22】
作動流体チャンバの少なくとも一部分を画定する制御ハウジングをさらに備え、
前記圧力制御部材は、
前記作動流体チャンバの境界となる第1部材と、
前記フローチャンバの境界となる第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間に延在する前記レギュレータ軸と、を含み、
前記作動流体チャンバ内の第1圧力は、前記圧力制御部材を第1軸方向に閉状態に向かって付勢し、前記フローチャンバ内の第2圧力は、前記圧力制御部材を前記第1軸方向とは反対の第2軸方向に開状態に向かって付勢する、請求項1から21までのいずれか1項に記載の背圧レギュレータ。
【請求項23】
少なくとも35パーセントの噴霧液が、下流側半分から前記フローチャンバの外に流出する、請求項1から22までのいずれか1項に記載の背圧レギュレータ。
【請求項24】
前記噴霧液の少なくとも40パーセントが、前記下流側半分から前記フローチャンバの外に流出する、請求項23に記載の背圧レギュレータ。
【請求項25】
前記噴霧液の少なくとも45パーセントが、前記下流側半分から前記フローチャンバの外に流出する、請求項24に記載の背圧レギュレータ。
【請求項26】
前記フローチャンバの上流側半分から前記フローチャンバから流出する前記噴霧液の比が、前記フローチャンバの下流側半分に対して、1:1から3:2までである、請求項1から25までのいずれか1項に記載の背圧レギュレータ。
【請求項27】
供給する前記噴霧液を貯蔵するように構成された貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクと前記噴霧器との間に延在する供給流路と、
前記噴霧器と前記貯蔵タンクとの間に延在する帰還流路と、
前記供給流路上に配置されたポンプと、前記帰還流路上に配置された請求項1から26までのいずれか1項に記載の背圧レギュレータと、を備える、噴霧システム。
【請求項28】
上流側圧力を調節する方法であって、
液体の入口流を第1分流と第2分流とに分割するステップと、
上流端と下流端との間で傾斜し、チャンバ出口の周囲で湾曲する第1側方流路を通して前記第1分流を流すステップと、
前記上流端と前記下流端との間で傾斜し、前記チャンバ出口の周囲で湾曲する第2側方流路を通して前記第2分流を流すステップと、
前記第1分流および前記第2分流を前記下流端で前記チャンバ出口に向かって方向転換するステップと、
前記液体を、環状規制部を通して前記チャンバ出口へ流すステップと、
前記液体の体積流量に基づいて、前記環状規制部の寸法を変化させるステップと、を含む、方法。
【請求項29】
前記液体を、前記環状規制部を通して前記チャンバ出口に流すステップは、
前記チャンバ出口を通る軸上に配置された凹状に湾曲した導流部が、前記環状規制部に流入する半径方向の流れを前記環状規制部から出る軸方向の流れに方向転換するステップを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記液体を、前記環状規制部を通して前記チャンバ出口に流すステップが、前記液体の少なくとも35パーセントをフローチャンバの下流側半分から前記環状規制部に流すステップを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記液体を、前記環状規制部を通して前記チャンバ出口に流すステップが、前記液体の少なくとも40パーセントを前記フローチャンバの前記下流側半分から前記環状規制部に流すステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記液体を、前記環状規制部を通して前記チャンバ出口に流すステップが、前記液体の少なくとも45パーセントを前記フローチャンバの前記下流側半分から前記環状規制部に流すステップを含む、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年8月7日に出願された「BACKPRESSURE REGULATOR」と題する米国仮出願第63/062,585号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、圧力調整に関する。より詳細には、本開示は、噴霧システムにおける背圧レギュレータに関する。
【背景技術】
【0003】
コーティング、塗料、仕上げ剤などの塗布を行うなどの噴霧システムは、異なる色および/または他の流体特性を有する複数の流体を噴霧するように構成可能である。複数の流体の各々は、その流体が噴霧されていないときは閉ループ内で循環される。流体の一部は、その流体が噴霧されているときでも循環し続ける。塗布器と貯蔵タンクとの間の帰還流路に背圧レギュレータを配置することで、塗布器の圧力を維持する。この圧力が噴霧を生じさせ、噴霧および仕上げの品質に影響する。噴霧中に循環する流体の体積は変化するので、圧力は、さまざまな体積流量にわたって制御される。
【0004】
背圧レギュレータは、流路で規制を行うものである。その規制は、流体内に乱流および衝突を引き起こす可能性がある。例えば、塗料は、金属片を含み得、塗料キッチンと噴霧ブースとの間で循環可能である。循環経路内の乱流がある領域では、金属片同士の衝突を引き起こし、金属片を損傷させ、塗料の色に悪影響を及ぼし、望ましくない劣化を生じさせる可能性がある。従来技術の背圧レギュレータは、流体源に最も近い位置から(例えば、主にアパーチャの前半部を通って)流体がアパーチャに流入するので、塗料をせん断する著しい圧力および流れの変化が発生し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、背圧レギュレータは、外壁および内壁を有する圧力ハウジングを含み、圧力ハウジングが、少なくともその一部分を画定するフローチャンバであって、圧力ハウジングを通るチャンバ入口と、圧力ハウジングを通るチャンバ出口とを含むフローチャンバと、フローチャンバの少なくとも一部分を画定する圧力制御部材と、を含み、圧力制御部材はレギュレータ軸上に配置され、チャンバ出口内の少なくとも一部分に延在するように構成されるフローデフレクタを含む。内壁は、下端と上端との間で傾斜している。圧力制御部材は、チャンバ出口が閉鎖されている閉状態と、フローチャンバとチャンバ出口との間の環状規制部が開放されている作動状態との間で移動可能である。
【0006】
本開示の追加の態様または代替の態様によれば、上流側圧力を調整する方法は、液体の入口流を第1分流および第2分流に分配するステップと、上流端と下流端との間に傾斜し、チャンバ出口の周囲で湾曲する第1側方流路を通って第1分流を流すステップと、上流端と下流端との間に傾斜し、チャンバ出口の周囲で湾曲する第2側方流路を通って第2分流を流すステップと、第1分流および第2分流を下流端でチャンバ出口に向かって方向転換するステップと、環状規制部を通して液体をチャンバ出口に流すステップと、液体の体積流量に基づいて環状規制部の寸法を変化させるステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、噴霧システムの概略ブロック図である。
図2A図2Aは、従来技術の背圧レギュレータを通る液流を示す側面図である。
図2B図2Bは、図2Aに示される従来技術の背圧レギュレータであり、その背圧レギュレータを通る液流を示す上面図である。
図3A図3Aは、背圧レギュレータの立面図である。
図3B図3Bは、図3Aの線分B-Bに沿った断面図である。
図3C図3Cは、図3Bの線分C-Cに沿った断面図である。
図3D図3Dは、図3Bの線分D-Dに沿った断面図である。
図4図4は、図3Cの細部4の拡大図である。
図5A図5Aは、図3Aの線分5A-5Aに沿った断面図である。
図5B図5Bは、図3Bの線分5B-5Bに沿った断面図である。
図6A図6Aは、背圧レギュレータを通る液流を示す断面図である。
図6B図6Bは、背圧レギュレータを通る液流を示す背圧レギュレータの側面図である。
図6C図6Cは、背圧レギュレータを通る液流を示す背圧レギュレータの上面図である。
図7図7は、背圧レギュレータの断面図である。
図8図8は、背圧レギュレータの入口圧力および流量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、噴霧システムにおける背圧レギュレータに関する。噴霧システムは、自動車用などの塗料噴霧システムであり得、あるいは他の選択肢でもあり得る。噴霧システムは、各々が背圧レギュレータを含む1つ以上の噴霧アセンブリを含む。噴霧アセンブリは、貯蔵タンクと塗布器との間で、金属片を含む塗料などの液体の循環が可能である。液体が循環して、背圧レギュレータは流路内の圧力を維持する。背圧レギュレータは、液体内の内部衝突を防止して望ましくない変色を防止し、液体の有効期限を延ばす。背圧レギュレータは、圧力スパイクを抑制して、さまざまな流量にわたって比較的一定の上流側圧力を維持することで一定の噴霧圧力を維持して一貫した噴霧および仕上げを提供する。
【0009】
図1は、噴霧システム10の概略ブロック図である。噴霧システム10は、噴霧アセンブリ12、供給ブース14、噴霧ブース16、および噴霧器18を含む。各噴霧アセンブリ12は、貯蔵部20、ポンプ22、噴霧弁24、背圧レギュレータ(「BPR」)26、および圧力ループ28を含む。各圧力ループ28は、その噴霧アセンブリ12のための供給流路30および帰還流路32により形成される。
【0010】
噴霧システム10は、液体を噴霧し、これらの噴霧された液体をターゲット基板に吹き付けるように構成されたシステムである。例えば、噴霧システム10は、塗料、仕上げ剤、および他のコーティングの噴霧を生成および塗布するように構成可能である。本明細書では、噴霧システム10が塗料を噴霧するシステムであり得るように、塗料を塗布するためのシステムとして例示されるが、システム10は、さまざまな用途にわたって利用され得ることが理解される。噴霧器18は、複数の噴霧アセンブリ12から流体を受け取り、噴霧アセンブリ12をノズル34に選択的に接続して、その噴霧アセンブリ12から塗料の塗布が可能である。例えば、各噴霧アセンブリ12は、他の噴霧アセンブリ12とは異なる色の塗料を提供するように構成可能である。噴霧アセンブリ12のいくつかは、異なる塗料の塗布の間に溶剤または他の流体をフラッシュ噴霧装置18に供給可能である。噴霧システム10は、3つの噴霧アセンブリ12を含むものとして示されているが、噴霧システム10は、所望の数の噴霧アセンブリ12を含み得ることが理解される。
【0011】
噴霧アセンブリ12は、供給ブース14から供給流路30を介して噴霧ブース16に液体を供給し、帰還流路32を通して帰還流を受け取る。圧力ループ28は、ポンプ22からBPR26まで延在する。貯蔵部20は、供給する液体を貯蔵する。貯蔵部20は、供給ブース14内に配置され、これは、いくつかの例では、塗料キッチンと呼ばれることがある。供給ブース14は、塗料の供給品を保管するための専用施設の領域とすることができる。供給ブース14は、噴霧ブース16から離れていてもよい。
【0012】
供給流路30は、貯蔵部20と噴霧器18との間に延在する。ポンプ22は、供給流路30を通って下流に流体をポンプ輸送するように配置される。ポンプ22は、供給流路30上の貯蔵部20の下流に配置可能である。ポンプ22は、供給流路30を通して液体を駆動し、圧力ループ28内に噴霧圧力を発生させるのに適した任意の所望の構成とし得る。例えば、ポンプ22は、他の選択肢の中でも特に、空気式、油圧式、または電気式のポンプであり得る。ポンプ22は、他の選択肢の中でも、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、または蠕動ポンプであり得る。塗料は、供給流路30を通って下流の噴霧弁24へ送り出される。
【0013】
噴霧弁24は、供給流路30および帰還流路32が形成する圧力ループから液体が出る位置を提供する。噴霧弁24は、噴霧アセンブリ12からノズル34への流れを制御するように構成される。噴霧弁24が開状態では、液体のバイパス部では、噴霧弁24から帰還流路32を通って下流に流れ、液体の噴霧部分は、噴霧弁24を通って下流のノズル34に流れる。噴霧弁24が閉状態では、バイパス部は、ポンプ22により下流に圧送される液体が100%を占める。バイパス部を形成する体積流量のパーセントは、噴霧弁24が開状態に起動するときに低下し、噴霧弁24の開度に応じて変化し得る。噴霧部を形成する体積流量の増加は、バイパス部を形成する体積流量の減少と相関する。噴霧弁24およびバイパス部の圧力は同じであり得る。噴霧部およびバイパス部は、同じ圧力および異なる流量を有し得る。
【0014】
帰還流路32は、噴霧弁24から貯蔵部20まで延在する。BPR26は、噴霧弁24と貯蔵部20との間の帰還流路32上に配置される。BPR26は、BPR26の上流の圧力ループ28内の実際の液体圧力を所望の液体圧力に維持するように構成される。ポンプ22は、圧力ループ28内の圧力を上昇させ、BPR26は、BPR26とポンプ22との間の圧力を維持する。BPR26は、ポンプ22の下流に配置される。BPR26は、噴霧弁24の下流に配置される。
【0015】
圧力ループ28内の液体圧力は、噴霧弁24およびノズル34を通して噴霧液を駆動する。この圧力は、噴霧弁24が開状態にあるときにノズル34から液体が噴霧される。圧力ループ28内の圧力は、ノズル34が吐出する液体の噴霧の品質およびパターンに影響を及ぼす。圧力ループ28内の定常圧力を維持することで、高品質で、均一で、一貫した噴霧を提供する。流体圧力は、BPR26によって設定および維持される。BPR26は、BPR26の上流の圧力ループ28内の実際の液体圧力を維持するように調整する可変開口部を含む。例えば、圧縮空気または作動油などの作動流体をBPR26に供給することでBPR26を通る可変開口部を制御して実際の液体圧力を維持し得る。それにより、BPR26は、他の選択肢の中でも、空気圧または油圧で制御可能である。BPR26から下流に流れる液体は、貯蔵部20に戻る。
【0016】
動作中、各噴霧アセンブリ12は、圧力下で噴霧器18に液体を供給する。各噴霧アセンブリ12について、ポンプ22は、貯蔵部20から液体を引き込み、供給流路30を通して液体を下流に圧送する。作動流体の圧力は、圧力ループ28内の実際の液体圧力を所望の噴霧圧力に維持するようにBPR26で設定される。噴霧弁24は、最初は閉状態にあり、液体は帰還流路32に流れる。液体の全体積流は、バイパス部を形成する。液体は、帰還流路32を通って下流に流れ、BPR26に流れる。噴霧液が加える力は、作動流体が加える力とバランスをとり、BPR26を介して可変規制部の寸法を制御することで、実際の液圧を所望の液圧に維持する。液体の一部は、BPR26から下流に流れ、貯蔵部20に戻る。
【0017】
噴霧弁24が開状態に移行すると噴霧を開始する。液体の噴霧部分は、噴霧弁24を通って下流に流れ、ノズル34を通って噴霧として吐出される。バイパス部の体積流量は、噴霧弁24の開状態になるとともに低下する。噴霧弁24は、閉状態に移行して噴霧を停止する。閉状態に移行する噴霧弁24は、バイパス部の体積流量を増加させる。BPR26を通る開口部は、体積流量の変化に伴って変化して所望の噴霧圧力で実際の噴霧圧力を維持する。開口の寸法は、体積流量が増加するにつれて増加し得、体積流量が減少するにつれて減少し得る。
【0018】
図2Aは、従来技術のBPR1026を通る液流を示す側面図である。図2Bは、従来技術のBPR1026のフローチャンバ1046を通る液流を示す上面図である。BPR1026は、フローチャンバ1046と、レギュレータ入口1060と、レギュレータ出口1062と、チャンバ入口1070と、チャンバ出口1072とを含む。液流FLは、BPR1026を通る噴霧液の流れを示す。
【0019】
噴霧液は、レギュレータ入口1060でBPR1026に流入する。噴霧液は、フローチャンバ1046に向かって流れ、垂直壁により実質的に水平な液流から実質的に垂直な液流を形成するように方向転換される。噴霧液は、チャンバ入口1070を通ってフローチャンバ1046に流入する。図2Bに最もよく見られるように、液流は、チャンバ出口1072の周囲に囲み得る。液流の一部は、フローチャンバ1046の裏側に衝突する。この内部衝突は、噴霧液中の金属片同士のような内部衝突による噴霧液の劣化を引き起こす可能性がある。
【0020】
フローチャンバ1046は、フローチャンバ1046の全体にわたって実質的に均一な高さを有する。チャンバ入口1070は、フローチャンバ1046の前端に配置され、噴霧液をフローチャンバ1046に提供する。噴霧液は、チャンバ出口1072を通ってフローチャンバ1046から流出する。フローチャンバ1046は、上流側半分UHと下流側半分DHとに分割して示されている。下流側半分DHは、第1セクタS1、第2セクタS2、第3セクタS3、および第4セクタS4に分割される。BPR1026の輪郭により、液流の70%以上がBPR1026の上流側半分のUHからフローチャンバ1046から流出する。液流の約30%未満が、下流側半分DHを通ってフローチャンバ1046から流出する。いくつかの例では、最大約10%の液流のみがチャンバ出口1072の周囲を流れ、第2セクタS2および第3セクタS3を通って流出し、その結果、液流の約5%が第2セクタS2および第3セクタS3のそれぞれを通って流出する。液流の約15%までが、第1セクタS1および第2セクタS2が形成する象限を通ってフローチャンバ1046から流出する。液流の約15%までが、第3セクタS3および第4セクタS4が形成する象限を通ってフローチャンバ1046から流出する。BPR1026の輪郭はまた、噴霧液がフローチャンバ1046から流出するときに大きな加速を生じさせる。
【0021】
図3Aは、BPR26の側面図である。図3Bは、図3Aの線分B-Bの断面図である。図3Cは、図3Bの線分C-Cの断面図である。図3Dは、図3Bの線分D-Dに沿った断面図である。図3A図3Dをまとめて説明する。BPR26は、本体36および圧力制御機構38を含む。本体36は、圧力ハウジング40および制御ハウジング42を含む。BPR26は、作動流体チャンバ44およびフローチャンバ46をさらに含む。圧力ハウジング40は、内壁48と、外壁50と、基部壁52a、52bと、レギュレータ棚54と、上流側隆起部56と、下流側隆起部58と、レギュレータ入口60と、レギュレータ出口62と、入口孔64とを含む。フローチャンバ46は、前端66、後端68、チャンバ入口70、チャンバ出口72、および側方流路74a、74bを含む。圧力制御機構38は、第1部材76と、第2部材78と、レギュレータシャフト80と、弁座82とを含む。第1部材76は、第1プレート84と、第1膜86と、第1締結具88とを含む。第2部材78は、フローデフレクタ90と、下側プレート92と、上側プレート94と、シャフト96と、ナット98と、第2膜100とを含む。
【0022】
BPR26は、BPR26の上流の圧力を調整して維持するように構成される。本体36は、圧力制御機構38を支持する。圧力制御機構38は、作動流体および噴霧液と接しており、フローチャンバ46内およびフローチャンバ46の上流の実際の液体圧力を所望の噴霧圧力に維持するように構成される。圧力制御機構38は、レギュレータ軸A-Aに沿ってシフトするように構成されており、これにより、第2部材78と弁座82との間で環状規制部102の寸法を変化させる。制御ハウジング42は、圧力ハウジング40に接続される。例えば、制御ハウジング42は、他の選択肢の中でもとりわけ、ねじ山または締結具(例えば、ボルト)で圧力ハウジング40に接続可能である。
【0023】
第1部材76は、制御ハウジング42内に配置され、制御ハウジング42内で作動流体チャンバ44の少なくとも一部分を画定する。第1部材76は、図示の例では、第1膜86および第1プレート84を含むダイヤフラムである。第1膜86の外周縁は、制御ハウジング42の上側部分と下側部分との間に捕捉される。上側部分および下側部分は、締結具(例えば、ボルト)などの任意の所望の方法で接続可能である。第1部材76は、ダイヤフラムとして示されているが、第1部材76は、作動流体チャンバ44を封止し、第2部材78と相互作用して、第2部材78をフローチャンバ46内に下方に付勢するのに適した任意の形態であり得ることが理解される。作動流体チャンバ44は、他の選択肢の中でも特に、作動流体供給源または空気圧縮機などの作動流体源(図示せず)に接続される。
【0024】
レギュレータシャフト80は、第1部材76と第2部材78との間に延在し、それらの間で力を伝達する。図示の例では、レギュレータシャフト80は、閉じた上端および開いた下端を有する円筒形である。レギュレータシャフト80は、第1部材76と第2部材78との間に延在し、第1部材76と第2部材78との間で力を伝達する。レギュレータシャフト80の本体は、制御ハウジング42と圧力ハウジング40との間の界面を通って延在する。レギュレータシャフト80は、第1部材76および第2部材78と共に、制御ハウジング42および圧力ハウジング40に対して移動するように構成される。図示の例では、第1部材76は、レギュレータシャフト80の閉じた上端と連動し、第2部材78は、レギュレータシャフト80の開いた下端と連動する。第1部材76は、第2部材78をフローチャンバ46内に付勢するために、レギュレータシャフト80に下向きの力を加えることができる。第2部材78は、第1部材76を作動流体チャンバ44内に付勢するために、レギュレータシャフト80に上向きの力を加えることができる。動作中、力は、環状規制部102の寸法を制御するために、レギュレータシャフト80を横切って平衡する。
【0025】
第2部材78は、圧力ハウジング40内に配置され、フローチャンバ46の少なくとも一部分を画定する。第2部材78は、フローチャンバ46の上端の境界を画定する。第2部材78は、図示の例ではダイヤフラムとして形成されている。第2膜100は、上側プレート94と下側プレート92との間に捕捉される。第2膜100の外周縁は、圧力ハウジング40の上側部分と下側部分との間に捕捉される。上側部分および下側部分は、締結具(例えば、ボルト)などの任意の所望の方法で接続可能である。圧力ハウジング40の上側部分は、制御ハウジング42の下側部分に接続される。上側プレート94は、レギュレータシャフト80と連動する。下側プレート92は、フローチャンバ46内に露出して、弁座82に対向して配置される。シャフト96は、下側プレート92、第2膜100、および上側プレート94の各々を通って延在する。ナット98は、シャフト96上に配置されて第2部材78を一緒に固定する。封止材は、第2部材78を通る望ましくない液体の移動を防止するために、上側プレート94とシャフト96との間の界面に配置される。
【0026】
フローデフレクタ90は、第2部材78から離れてチャンバ出口72に向かって軸方向に延在する。フローデフレクタ90は、基部から先端まで延在する傾斜縁部を含む。図示の例では、傾斜した縁部は凹状である。フローデフレクタ90は、チャンバ出口72と同軸上に配置される。フローデフレクタ90は、弁座82と同軸上に配置される。図示の例では、フローデフレクタ90は、レギュレータ軸A-Aと同軸上に配置される。フローデフレクタ90は、フローデフレクタ90の一部が弁座82内で弁座82の上縁の下方にあるように弁座82内に延在する。弁座82の上縁部の下方に延在するフローデフレクタ90は、弁座82を横切る途切れのない半径方向の流れを阻止する分断器を形成する。代わりに、弁座82の一方の側の環状規制部102に流入する液体は、弁座82の中心に到達する前にフローデフレクタ90を通過する。これにより、フローデフレクタ90は、以下でより詳細に説明するように、環状規制部102を通る対向する液流の間の望ましくない衝突を防止する。図示の例では、フローデフレクタ90は、シャフト96と一体に形成されている。しかしながら、フローデフレクタ90は、任意の所望の方法で形成可能であることが理解される。いくつかの例では、フローデフレクタ90は、他の選択肢の中でも特に、別々に形成され、シャフト96に接続され得る。例えば、フローデフレクタ90は、他の選択肢の中でも、連結ねじ切りによってシャフト96に接続することができる。図示の例では、フローデフレクタ90の基部は、ナット98、シャフト96、およびフローデフレクタ90が下側プレート92、第2膜100、および上側プレート94を一緒にクランプするように、下側プレート92と接するフランジを形成する。
【0027】
フローチャンバ46は、圧力ハウジング40内に形成され、第2部材78が、少なくともその一部分の境界を画定する。レギュレータ入口60は、圧力ハウジング40によって形成され、フローチャンバ46の上流に配置される。入口孔64は、レギュレータ入口60とチャンバ入口70との間に延在する。レギュレータ出口62は、圧力ハウジング40によって形成され、フローチャンバ46の下流に配置される。液体は、チャンバ入口70からフローチャンバ46に入り、チャンバ出口72からフローチャンバ46から流出する。チャンバ入口70は、フローチャンバ46の前端66に配置される。前端66は、フローチャンバ46の上流端に配置される。後端68は、フローチャンバ46の下流端に配置される。側方流路74a、74bは、前端66と後端68との間に延在する。以下でより詳細に説明するように、各側方流路74a、74bは、チャンバ出口72および貯蔵部軸A-Aの周囲で湾曲する。
【0028】
側方流路74a、74bは実質的に同様である。側方流路74a、74bは、前端66と後端68との間に延在する。いくつかの例では、側方流路74a、74bは、上流側隆起部56および下流側隆起部58の対向する側部に配置されて互いの鏡像となり得る。
【0029】
各側方流路74a、74bに対して、内壁48は、フローチャンバ46の半径方向で内側に配置される。内壁48は、基部壁52a、52bとレギュレータ棚54との間で傾斜している。内壁48は、貯蔵部軸A-Aと内壁48との間の距離が、内壁48とレギュレータ棚54との間の界面における貯蔵部軸A-Aと内壁48との間の距離よりも、内壁48と基部壁52a、52bとの間の界面においてより大きくなるように傾斜している。側方流路74a、74bは、内壁48の垂直高さが前端66と後端68との間で減少するように傾斜している。
【0030】
基部壁52a、52bは、前端66と後端68との間に延在する。基部壁52a、52bは、前端66と後端68との間で傾斜している。基部壁52a、52bと第2部材78との間のフローチャンバ46の垂直高さは、チャンバ入口70と後端68との間の下流方向に減少する。各基部壁52a、52bの内側半径方向側部は、内壁48と接し、外側半径方向側部は、外壁50と接する。
【0031】
外壁50は、フローチャンバ46の半径方向で外側に配置される。外壁50は、ほぼ垂直に延在可能である。外壁50は、チャンバ入口70と後端68との間で貯蔵部軸A-Aを中心に湾曲する。
【0032】
上流側隆起部56は、フローチャンバ46の上流端に配置され、内壁48上に形成される。上流側隆起部56は、内壁48から離れて、BPR26を通る流路内に延在する突起である。上流側隆起部56は、チャンバ入口70の上流からフローチャンバ46内に延在可能である。下流側隆起部58は、フローチャンバ46の後端68に配置される。下流側隆起部58は、基部壁52a、52bに対して垂直に延在する突起である。上流側隆起部56は、フローチャンバ46に流れる液体に外向きの速度成分を与えて、液体を側方流路74a、74bに案内する。下流側隆起部58は、各側方流路74a、74bの下流端における液流を方向転換して、液体(例えば、金属片)内の微粒子間の望ましくない衝突を防止し、液流を環状規制部102に向ける。
【0033】
レギュレータ棚54は、第2部材78に対向して配置される。レギュレータ棚54は、チャンバ出口72の周囲に台地上に形成可能である。レギュレータ棚54は、環状の表面とし得る。レギュレータ棚54は、弁座82と接合する封止材を受け入れるように構成された環状溝を含み得る。
【0034】
弁座82は、圧力ハウジング40に接続され、第2部材78に対向して配置される。チャンバ出口72は、弁座82を通って延在する。弁座82は、他の選択肢の中でも、界面をねじ切りするなどの任意の所望の方法で圧力ハウジング40に接続可能である。弁座82は、閉状態において、第2部材78とBPR26との間を連結するように構成される。第2部材78は、弁座82から離間して配置されて、環状の規制部102を画定することで、液流がBPR26を通ることを可能にする。
【0035】
BPR26は、閉状態、起動状態、全開状態の間で制御される。閉状態では、第2部材78は、弁座82に接触して環状規制部102を閉じることで液体がフローチャンバ46から流出するのを防止する。全開状態では、第2部材78は、弁座82から全開の環状規制部102まで最大距離だけ離間している。例えば、BPR26をフラッシングしている間は、フローチャンバ46内の圧力がBPR26を全開状態に移行するように、作動流体を作動流体チャンバ44に提供する必要がない。作動状態では、作動流体圧力および実際の液体圧力は、圧力制御機構38により均衡させることで、環状規制部102は、全閉と全開との間で開く。環状規制部102が開く程度は、BPR26を通る流量に応じて変化する。
【0036】
作動中、作動流体は作動流体チャンバ44に供給される。作動流体は、第1部材76に第1の力を印加して第1部材76を圧力ハウジング40に向かって下方に付勢する。フローチャンバ46内の液体圧力は、第2部材78を制御ハウジング42に向かって上方に付勢する第2部材78に第2の力を加える。作動流体および噴霧液は、それぞれ、第1部材76および第2部材78に、レギュレータシャフト80に反対向きの力を作用させる。反対向きの力は、環状規制部102を所望の寸法に維持するように均衡することで、実際の液体圧力を所望の液体圧力に一致させる。作動流体圧力は、フローチャンバ46内およびBPR26の上流の実際の液体圧力を所望の液体圧力に維持するように設定される。環状規制部102の寸法を、BPR26を通る流量の変化に応じて変更することで、実際の液体圧力を所望の液体圧力に維持する。
【0037】
噴霧液は、レギュレータ入口60を通ってBPR26に流入する。塗料は、入口孔64を通って下流に流れて上流側隆起部56に到達する。上流側隆起部56は、入口流れを側方流路74a、74bに案内する。液体は、チャンバ入口70を通ってフローチャンバ46に流入し、側方流路74a、74bの各々を通って流れる。液流は、チャンバ出口72および弁座82の周囲を囲む。内壁48は、塗料がチャンバ出口72の周囲を円周方向に流れるときに液体がチャンバ出口72に向かって案内されるように、弁座82およびチャンバ出口72に向かって傾斜している。外壁50および基部壁52a、52bは湾曲しており、チャンバ出口72の周囲の液流の均等化を容易にする。滑らかな輪郭の内壁48、基部壁52a、52b、および外壁50は、フローチャンバ46内での層流の発生を容易にする。液体の一部は側方流路74a、74bを通って後端68に流れて、下流側隆起部58に到達する。下流側隆起部58は、2つの流れがフローチャンバ46の後端68で衝突するのを防止する。これにより、下流側隆起部58は、側方流路74a、74bの下流端における液流同士の望ましくない衝突を防止する。
【0038】
液流は、弁座82の周囲を円周方向で覆い、環状の規制部102に達して、そこを通過して流れる。液体は、弁座82の周囲で円周方向から環状規制部102に流入する。環状規制部102に流入する液流は、環状規制部102の周囲の円周方向に均等に分配される。このように、液体は、液体が環状規制部102を通ってチャンバ出口72に流れるときに均等に分配される。側方流路74a、74bは、前端66と後端68との間の高さを減少させて、液体が環状規制部102の周囲からフローチャンバ46から流出するとき、環状規制部102と均等な半径方向の流れを維持する。圧力ハウジング40は、環状規制部102を通って半径方向で均等に流れることを容易にする輪郭を有する。
【0039】
フローデフレクタ90は、フローデフレクタ90の遠端部が、環状規制部102の一部分を画定する弁座82の上面の下方に配置されるように、弁座82を通って開口部内に延在する。フローデフレクタ90は、環状規制部102を通る液体の半径方向の流れを、チャンバ出口72を通る実質的に軸方向の流れに向きを変える。フローデフレクタ90は、乱流を抑制し、半径方向の流れ同士の内部衝突を防止する。フローデフレクタ90と弁座82との間の環状規制部102は、徐々に拡大しており、液体内で乱流および衝突を引き起こし得る急激な減速を防止することで、環状規制部102を通る流速を維持する。
【0040】
塗料は、フローチャンバ46の環状規制部102およびチャンバ出口72から流出して、レギュレータ出口62を通ってBPR26から流出する。塗料は、BPR26から下流に流れ、システムを循環し続けることが可能である。塗料が第2部材78に加える力は、BPR26を通る流量の変化に応じて変化する。作動流体および噴霧液が加える力は、環状規制部102を通る流路面積が実際の液体圧力の変動に応じて変更されるように、圧力制御機構38を通じて均等化される。変更は、さまざまな体積流量にわたって、実際の液体圧力を所望の液体圧力に維持する。
【0041】
BPR26は、著しい利点を提供する。圧力ハウジング40の形状および輪郭により、フローチャンバ46内の滑らかな液体の流れが提供される。その幾何学的形状および輪郭により、チャンバ出口72の周囲の円周方向に流れが均等に分配され、噴霧液のせん断が低減される。均等に分配された流れにより、実際の液体圧力がより大きく制御され、流量の変化に対するより迅速な反応が提供される。これにより、BPR26は、実際の液体圧力を、さまざまな流量にわたって所望の液体圧力に維持する。圧力ハウジング40の滑らかに変化する輪郭はまた、フローチャンバ46のフラッシングを容易にし、噴霧液のせん断を防止する。輪郭は、BPR26の構成部品および動作に有害であり得る粒子および固体が蓄積し得るフローチャンバ46内のデッドスペースを排除する。BPR26は、潜在的に有害な固体の蓄積を防止して、より迅速に洗い流すことができ、塗料色の変化またはBPR26の変更中にBPR26から塗料を洗い流すのに必要な溶媒の量を低減する。BPR26はまた、塗料内の望ましくない衝突を防止する。そのような衝突は、金属片(例えば、曲げ、破損、変形など)を損傷することなどによって、塗料を損傷する可能性があり、その損傷は、塗料を変色させる可能性がある。下流側隆起部58は、塗料が側方流路74a、74bの各々から流出するときに後端68での衝突を防止し、フローデフレクタ90は、塗料がチャンバ出口72に流入するときに衝突を防止する。衝突の防止が劣化を抑制することで、塗料の所望の特性を維持する。それにより、塗料は、望ましくない劣化を生じることなく、より長い期間の循環が可能となる。塗料の循環期間を延長は、システムのコストおよびダウンタイムを減少させる。
【0042】
図4は、図3Cの細部4の拡大図である。圧力ハウジング40、第2部材78、弁座82、および環状規制部102が示されており、圧力ハウジング40のレギュレータ棚54およびチャンバ出口72、ならびに第2部材78のフローデフレクタ90および下側プレート92が示されている。フローデフレクタ90は、基端部104と、デフレクタ側部106と、遠端部108とを含む。弁座82は、上側部分110と、下側部分112と、外縁114と、上面116と、移行面118と、内面120とを含む。環状規制部102は、規制部入口128と、規制部出口130と、上流部分132と、下流部分134とを含む。
【0043】
弁座82は、圧力ハウジング40に取り付けられる。上側部分110は、下側部分112に対して半径方向で外向きに延在する。下側部分112は、レギュレータ軸A-Aに対してほぼ軸方向に延在する。弁座82の下側部分112は、圧力ハウジング40に形成された出口孔126内に延在する。下側部分112は、圧力ハウジング40と接合して、弁座82を圧力ハウジング40に固定する。例えば、下側部分112および出口孔126は、下側部分112を圧力ハウジング40に固定するために、界面のねじ山を含むことができる。しかしながら、弁座82は、圧入接続、接着剤などによって、任意の所望の方法で圧力ハウジング40に接続可能であることが理解される。チャンバ出口72は、弁座82により少なくともその一部分を画定される。封止溝122は、圧力ハウジング40のレギュレータ棚54内に延在する。封止材124は、封止溝122内に配置される。封止材124は、フローチャンバ46内の噴霧液が、弁座82と圧力ハウジング40との間のフローチャンバ46から出口孔126への漏洩を防止する。フローチャンバ46内の液体は、環状規制部102経由の経路のみ流出可能である。封止溝122は、圧力ハウジング40に形成されるように示されているが、いくつかの例では、封止溝122は、弁座82に形成されることが理解される。
【0044】
外縁114は、弁座82の半径方向の最外側部分を形成する。外縁114は、上側部分110の周囲に配置される。図示の例では、外縁114は、ほぼ垂直に延在する。図5Aに最もよく見られるように、外縁114は、弁座82の周囲の円周方向の輪郭を含み得る。いくつかの例では、外縁114は、弁座82の周囲の円周方向において滑らかな表面とし得る。いくつかの例では、外縁114の少なくとも一部分は、レギュレータ棚54の縁部から離間可能であり、レギュレータ棚54は、内壁48と接する。
【0045】
上面116は、環状規制部102の少なくともその一部分を画定する。上面116は、上面116と下側プレート92との間の間隙が環状規制部102の少なくとも一部を形成するように、下側プレート92から横切って配置される。上面116は、幅TWを有する。いくつかの例では、幅TWは、約12.07ミリメートル(mm)(約0.475インチ)から約18.29mm(約0.72インチ)までであり得る。弁座82は、半径SRを有する。弁座半径SRは、約18.29(mm)(約0.73インチ)から約25.4mm(約1インチ)までとし得る。いくつかの例では、半径SRに対する幅TWの比は、約0.5:1から約1.25:1までであり得る。より具体的には、半径SRに対する幅TWの比は、約0.65:1から0.75:1までであり得る。弁座82の幅対半径比は、環状規制部102を通る液流の半径方向での速度の定常化を促進する。弁座82の幅対半径の比は、乱流を生成し、噴霧液の劣化を引き起こし得る速度の急激な変化を防止する。
【0046】
内面120は、下側部分112に形成され、実質的に垂直に延在する。移行面118は、上面116と内面120との間に延在して、それらを接続する。移行面118は、上面116と内面120との間の滑らかな遷移を提供する曲面である。移行面118は、凸状に湾曲して滑らかな遷移を提供する。移行面118は、デフレクタ側106に対向して配置される。移行面118の一部は、BPR26が動作状態にあるときと、BPR26が閉状態にあるときとのいずれでも、デフレクタ側部106の一部分から離間することができる。
【0047】
第2部材78は、弁座82に対して移動することで、環状規制部102の寸法を変化させるように構成される。下側プレート92は、上面116に対向して配置される。下側プレート92は、環状規制部102の少なくともその一部分を画定する。フローデフレクタ90は、第2部材78から弁座82内に突出する。フローデフレクタ90は、下側プレート92からチャンバ出口72内に突出する。フローデフレクタ90は、上面116により画定された開口部を通って弁座82内に延在する。フローデフレクタ90は、レギュレータ軸A-A上に配置される。フローデフレクタ90は、弁座82と同軸に配置される。いくつかの例では、フローデフレクタ90は円錐形であり得る。いくつかの例では、フローデフレクタ90は、ベル形状であり得る。
【0048】
フローデフレクタ90の基端部104は、下側プレート92に配置される。基端部104は、第2部材78の構成要素を互いにクランプするために下側プレート92と接合するように構成されたフランジを形成することができる。デフレクタ側部106は、基端部104と遠端部108との間に延在する。デフレクタ側部106は、基端部104と遠端部108との間に延在する傾斜面である。図示の例では、デフレクタ側部106は、フローデフレクタ90の周囲に環状に延在する凹状に湾曲した表面である。遠端部108は、図示の例では丸みを帯びた先端である。しかしながら、遠端部108の他の構成も可能であることが理解される。遠端部108は、動作中、弁座82内に配置される。遠端部108は、遠端部108が上面116の下方に軸方向に配置されるように、弁座82を通って開口内に延在する。いくつかの状態では、遠端部108は、移行面118を越えて軸方向に延在可能である。したがって、フローデフレクタ90の少なくとも一部分は、作動状態においてBPR26を有するリストリクタ軸A-Aに沿って内面120の少なくとも一部分と軸方向に重なり得る。フローデフレクタ90は、作動状態のBPR26と移行面118の全範囲と軸方向に重なり合うことができる。フローデフレクタ90は、移行面118と部分的に軸方向に重なり、作動状態ではBPR26と内面120と軸方向で重ならない。
【0049】
環状規制部102は、第2部材78と弁座82との間に形成される。環状規制部102は、フローチャンバ46を出た噴霧液がBPR26の下流に流れる流路を形成する。環状規制部102は、規制部入口128と規制部出口130との間に延在する。環状規制部102は、上流部分132および下流部分134を有する。弁座82と第2部材78との間の間隙の高さは、上流部分132内で同一である。弁座82と第2部材78との間の間隙は、上流部分132の幅に沿って、上流部分132の上流端と上流部分132の下流端との間で一定である。上流部分132は均一部分とも称し得る。弁座82と第2部材78との間の間隙は、下流部分134内で変化して、下流部分134の上流端と下流部分134の下流端との間で拡大する。下流部分134は可変部分と称し得る。いくつかの例では、移行面118は第1曲率半径を有し、デフレクタ側部106は第1曲率半径とは異なる第2曲率半径を有する。第2曲率半径は第1曲率半径よりも大きい。いくつかの例では、移行面118の曲率半径は、移行面118の上流端と移行面118の下流端との間で変化し得る。いくつかの例では、デフレクタ側部106の曲率半径は、基端部104と遠端部108との間で変化可能である。いくつかの例では、デフレクタ側部106の曲率半径は、基端部104と遠端部108との間で増加可能である。デフレクタ側部106と移行面118とが相補的に湾曲することで、環状規制部102に流入する半径方向の流れから環状規制部102から流出する軸方向の流れへ液体が容易に回転する。第2部材78の平坦部分と、デフレクタ側部106によって形成される湾曲部分との間の界面は、平坦な上面116と移行面118との間の界面よりも、半径方向でレギュレータ軸A-Aに近接することが可能である。
【0050】
フローチャンバ46内の噴霧液は、第2部材78に力を印加して、第2部材78を弁座82から離れるように付勢し、環状規制部102を通る流路を開く。噴霧液は、規制部入口128で環状規制部102に流入し、上流部分132を通って流れる。上流部分132は、環状規制部102を通る流路の最も狭い部分を形成し、平坦な上面116と移行面118との間の境界面である。上流部分132は、BPR26を通る流路において最も狭く制限されている。規制部の寸法を変えることで、環状規制部102を横断する圧力降下および流量を制御して、フローチャンバ46内およびBPR26の上流の実際の液体圧力を制御する。上流部分132の寸法は、BPR26を通る流量とともに変化して、環状規制部102を通る圧力降下は、さまざまな流量にわたって安定を維持する。上流部分132は、上面116と同じ幅TWを有し得る。上流部分132は、上流部分132を通る半径方向の流れが均等になるような寸法にすることで望ましくない劣化を防止する。上流部分132は、実際の液体圧力が安定を維持するように、流量の変化に対して迅速に反応するように寸法決定される。
【0051】
噴霧液は、上流部分132から環状規制部102の下流部分134に流入する。下流部分134は、下流部分134が上流部分132と接触する上流端で第1断面積を有し、規制部出口130で第2断面積を有する。第2断面積は第1断面積よりも大きい。下流部分134の断面積は、第1断面積と第2断面積との間で滑らかに拡大する。デフレクタ側106の凹状湾曲および移行面118の凸状湾曲により、第1断面積から第2断面積へ滑らに移行し得る。下流部分134の拡張部は、断面積の急激な拡大に起因して起こり得る急激な速度変化を防止する。環状規制部102を通る断面積の漸進的な開口による速度変化の制御は、層流の発生を促進するとともに乱流を抑制して、液体の劣化を生じさせ得る液体内の望ましくない衝突を防止する。
【0052】
噴霧液は、塗料が環状規制部102を通って流れるときに、フローデフレクタ90を通過する。フローデフレクタ90は、半径方向の流れが、レギュレータ軸A-Aに達する前にフローデフレクタ90を通過するように、レギュレータ軸A-A上に配置される。フローデフレクタ90は、噴霧液が環状規制部102を通って流れるときに、噴霧液を半径方向から軸方向に回転させる。フローデフレクタ90は、環状規制部102に流入する半径方向の流れを、環状規制部102から流出する軸方向の流れに向きを変える。デフレクタ側106の凹状湾曲は、噴霧液が環状規制部102を通って流れるときに噴霧液を回転させる。フローデフレクタ90は、流れがレギュレータ軸A-Aに到達する前に、半径方向の流れを回転させる。これにより、フローデフレクタ90は、様々な半径方向の流れが合流して衝突することを防止する。代わりに、流れは、実質的に軸方向の流れが規制部出口130から環状規制部102を出てから、環状規制部102の下流で結合するように、徐々に回転される。実質的に軸方向の流れを組み合わせることは、層流の発生を促進し、対向する半径方向の流れが収束するときに起こり得る乱流および内部衝突を回避する。
【0053】
第2部材78および弁座82は、著しい利点を提供する。環状規制部102は、上流部分132を含み、その断面積は、フローチャンバ46内の圧力を制御し、維持する。上流部分132の幅により、フローチャンバ46内の圧力の正確な制御が容易になる。上流部分132の高さが変化すると、フローチャンバ46内の実際の液体圧力が漸進的に変化する。したがって、第2部材78は、突然の圧力変動を生じさせることなく、弁座82に対する位置の変動が可能である。これにより、環状規制部102は、流量の変動に対して、より優れたより応答性の良い制御を提供する。環状規制部102は、流量が高流量と低流量との間で変化するときでも、実際の液体圧力を定常圧力に維持する。環状規制部102は、上流部分132と環状規制部102の出口との間で徐々に拡大する下流部分134を含む。環状規制部102の漸進的な拡大は、環状規制部102を通って流れる液体の速度変化を調整し、乱流および内部衝突を生じ得る急激な減速を防止する。フローデフレクタ90は、環状規制部102を通る半径方向の流れが衝突することを防止して、代わりに、流れを、環状規制部102から流出するほぼ軸方向の流れに徐々に回転させる。内部衝突を防止することにより分解を防止して噴霧液の望ましい品質を維持する。例えば、内部衝突は、塗料中の金属片を損傷する可能性があり、その損傷片は、塗料の色を変化させる可能性がある。
【0054】
図5Aは、図3Aの線分5A-5Aに沿ったBPR26の断面図である。図5Bは、図3Bの線分5B-5Bに沿ったBPR26の断面図である。図5Aおよび図5Bをまとめて説明する。BPR26は、本体36および圧力制御機構38を含む。本体36は、圧力ハウジング40および制御ハウジング42を含む。BPR26は、作動流体チャンバ44およびフローチャンバ46をさらに含む。圧力ハウジング40は、内壁48と、外壁50と、基部壁52a、52bと、レギュレータ棚54と、上流側隆起部56と、下流側隆起部58と、レギュレータ入口60と、レギュレータ出口62と、側部隆起部63a、63bとを含む。フローチャンバ46は、前端66、後端68、チャンバ入口70、チャンバ出口72、および側方流路74a、74bを含む。圧力制御機構38は、第1部材76と、第2部材78と、レギュレータシャフト80と、弁座82とを含む。第1部材76の第1プレート84および第1膜86が示されている。第2部材78は、フローデフレクタ90と、下側プレート92と、上側プレート94と、シャフト96と、ナット98と、第2膜100とを含む。
【0055】
圧力ハウジング40は、噴霧液の均一な流れを弁座82の周囲の円周方向に分配するように輪郭が形成されている。圧力ハウジング40は、環状規制部102(図4に最もよく示されている)への、およびそれを通る一貫した半径方向の流速を提供する。上流側隆起部56は、フローチャンバ46の前端66に配置される。上流側隆起部56は、内壁48上に配置され、そこから延在する。上流側隆起部56は、傾斜壁を含むことが可能であり、上流側隆起部56は、上流側隆起部56の頂部における第2の幅よりも大きい上流側隆起部56の基部における第1幅を有し得る。上流側隆起部56は、噴霧液に外向きの流れ成分を与える傾斜した側部を有することで、噴霧液を側方流路74a、74bに案内する。いくつかの例では、上流側隆起部56の基部の幅は、上流側隆起部56の長さに沿って変化可能である。例えば、上流側隆起部56の基部は、下流端において、その下流端から上流側の上流側隆起部56の部分よりも狭くすることが可能である。
【0056】
図示の例では、上流側隆起部56の上流端は、レギュレータ入口60とチャンバ入口70との間の流路に配置され、上流側隆起部56の下流端は、内壁48とレギュレータ棚54との間の界面に近接してフローチャンバ46内に配置される。いくつかの例では、上流側隆起部56の下流端は、内壁48に沿って内壁48とレギュレータ棚54との間の界面から離間している。したがって、上流側隆起部56の下流端は、内壁48で終端し、内壁48とレギュレータ棚54との間の界面から離間可能である。
【0057】
側方流路74a、74bは、チャンバ出口72の周囲に円弧状に延在する。側方流路74a、74bは、前端66と後端68との間でチャンバ出口72の周囲を囲む。側方流路74aは、内壁48、基部壁52a、および外壁50によって少なくともその一部分を画定される。側方流路74bは、内壁48、基部壁52b、および外壁50によって少なくともその一部分を画定される。内壁48は、フローチャンバ46の基部とレギュレータ棚54との間で狭くなる傾斜壁である。内壁48は、塗料をチャンバ出口72に向けて案内するように傾斜している。外壁50は、フローチャンバ46の周囲に円周方向に延在して、各側方流路74a、74bの少なくとも一部分を画定する。外壁50は、湾曲壁である。基部壁52a、52bは、内壁48の周囲で湾曲している。基部壁52a、52bは、それぞれ、側方流路74a、74bのそれぞれの基部端部を画定する。側方流路74a、74b内の液体の容積は、側方流路74a、74bの上流端と下流端との間で、液体が環状規制部102を通って出ることで減少する。基部壁52a、52bは、前端66と後端68との間で傾斜しており、各側方流路74a、74bの高さは前端66と後端68との間で減少する。各側方流路74a、74bの高さが減少すると、各側方流路74a、74bの上流端から下流端への液流の面積が減少する。液流の面積が減少することで、液体がチャンバ出口72の周囲でフローチャンバ46から円周方向に流出るときの圧力および速度を維持する。
【0058】
下流側隆起部58は、フローチャンバ46の後端68に配置される。側方流路74aと側方流路74bの下流端との間には、下流側隆起部58が設けられている。下流側隆起部58は、基部壁52a、52bの間に配置された突起である。下流側隆起部58は、レギュレータ棚54と外壁50との間に延在する。下流側隆起部58は、レギュレータ棚54と、フローチャンバ46の後端68に配置された外壁50の一部との間に延在する。下流側隆起部58は、傾斜した側部を有しており、下流側隆起部58の頂部における第2の幅よりも大きい下流側隆起部58の基部における第1幅を有する。傾斜した側部は、各側方流路74a、74bの下流端で噴霧液を回転させる。下流側隆起部58は、塗料の損傷および塗料の劣化を生じさせる可能性がある側方流路74aから流出する噴霧液と側方流路74bから流出する噴霧液との衝突を防止する。下流側隆起部58には、噴霧液流を回転させることで噴霧液流を環状規制部102に向けるように輪郭が形成される。下流側隆起部58は、環状規制部102の周囲の円周方向から環状規制部102内への実質的に均一に流れることを促進する。
【0059】
上流側隆起部56は、上流側隆起部56の上流端と下流端との間で軸方向に延在可能である。側部隆起部63a、63bは、上流側隆起部56の両側に配置される。側部隆起部63a、63bは、液流を側方流路74a、74bにそれぞれ方向付けるのを助ける。いくつかの例では、側部隆起部63a、63bは、上流側隆起部56上に形成されて、そこから延在可能である。側部隆起部63a、63bは、上流側隆起部56よりも短い軸方向長さを有し得る。上流側隆起部56は、側部隆起部63a、63bよりもレギュレータ入口60とチャンバ入口70との間の流路内にさらに突出可能である。
【0060】
図示の例では、上流側隆起部56は、第1隆起軸R1-R1上に配置される。第1隆起軸R1-R1は、レギュレータ軸A-Aと交差可能である。第1隆起軸R1-R1は、レギュレータ軸A-Aに対して横向きである。第1隆起軸R1-R1は、レギュレータ軸A-Aに対して直交しなくてもよい。第1隆起軸R1-R1は、フローチャンバ46の外側の位置でレギュレータ軸A-Aと交差可能である。下流側隆起部58は、下流側隆起部58の内端と外端との間で軸方向に延在可能である。図示の例では、下流側隆起部58は、第2隆起軸R2-R2上に配置される。第2隆起軸R2-R2は、レギュレータ軸A-Aと交差可能である。第2隆起軸R2-R2は、レギュレータ軸A-Aに対して横向きである。いくつかの例では、第2隆起軸R2-R2は、レギュレータ軸A-Aに直交可能である。いくつかの例では、第2隆起軸R2-R2は、レギュレータ軸A-Aに対して直交しなくてもよい。第2隆起軸R2-R2は、フローチャンバ46の外側の位置でレギュレータ軸A-Aと交差可能である。図示の例では、第2隆起軸R2-R2は、弁座82内の位置でレギュレータ軸A-Aと交差しており、その位置は、環状規制部102内またはその下方であり得る。第1隆起軸R1-R1は、第2隆起軸R2-R2に対して横向きに配置可能である。第1隆起軸R1-R1は、第2隆起軸R2-R2に対して直交しなくてもよい。
【0061】
動作中、噴霧液は、レギュレータ入口60を通って圧力ハウジング40に流入する。塗料は、入口孔64を通って流れ、上流側隆起部56に到達する。上流側隆起部56は、塗料を側方流路74a、74bに流れる側方流に分配する。塗料の流れは、チャンバ入口70の上流の位置で入口孔64内の上流側隆起部56に到達する。上流側隆起部56は、流れに外向きの速度成分を与えることで、噴霧液を側方流路74a、74bに案内する。第1分流は、側方流路74aに流入して、そこを通って流れ、第2分流は、側方流路74bに流入して、そこを通って流れる。分流は、側方流路74a、74bを通って後端68および下流側隆起部58に流れる。下流側隆起部58は、後端68における衝突を防止するために分流を方向転換し、流れを環状規制部102に向かって案内する。噴霧液は、内壁48を上って、前端66で、側方流路74a、74bに沿って、後端68で環状規制部まで流れる。圧力ハウジング40の輪郭は、環状規制部102の周囲から環状規制部102を通る一貫した半径方向の流れを提供する。
【0062】
BPR26は、著しい利点を提供する。上流側隆起部56は、側方流路74a、74bに沿って噴霧液を案内する外向き速度成分を噴霧液に付与する。上流側隆起部56は、外向きの速度成分を付与するように傾斜している。そのような傾斜移行部は、塗料を劣化させて固体の蓄積につながり得る塗料と圧力ハウジング40との衝突を防止する。噴霧液は、側方流路74a、74bを通って流れ、環状規制部102およびチャンバ出口72の周囲を囲む。側方流路74a、74bは、基部壁52a、52bと第2部材78との間の高さが、前端66と後端68との間で減少するように傾斜していることで、側方流路74a、74b全体にわたって流速および圧力を維持している。内壁48は、環状規制部102の周囲から環状規制部102に向かって噴霧液を案内するように、環状規制部102に向かって傾斜している。側方流路74a、74bが傾斜した構成により、塗料が側方流路74a、74bを通って流れるときに流速および圧力を維持する。圧力ハウジング40の輪郭は、環状規制部102の円周の周囲を一貫した半径方向の流速で、噴霧液を環状規制部102に向かわせる。下流側隆起部58は、各側方流路74a、74bの下流端で塗料を方向転換して、流れを環状規制部102に向かって案内し、環状規制部102の周囲で一貫した半径方向の流速をさらに提供する。下流側隆起部58はまた、側方流路74a、74bの下流端における流れ同士の衝突を防止することで、劣化を防止する。
【0063】
半径方向の流速が一貫していることで、噴霧液中の渦および他の乱流を抑制し、劣化を生じさせ得る内部衝突を回避する。劣化を防止することで、より高い使用者信頼性および循環液体のより長い有効寿命を提供し、コストおよびダウンタイムを低減する。さらに、流れが一貫していることで、実際の液体圧力を、さまざまな流量にわたって所望の液体圧力に維持する助けになる。さまざまな流量にわたって実際の液体圧力を所望の液体圧力に維持することで、噴霧の一貫性および噴霧品質が改善される。圧力ハウジング40は、フローチャンバ46の全体にわたって滑らかな流れを提供して固体の蓄積につながり得るデッドスペースを防止する輪郭を有する。流れが一貫していることはまた、フローチャンバ46の効率的なフラッシングを容易にしており、フラッシングに必要な時間を短縮し、フラッシングプロセスを単純化し、フラッシングに必要な材料の量を低減する。
【0064】
図6Aは、フローチャンバ46を通る噴霧液の液流FLを示すBPR26の断面図である。図6Bは、フローチャンバ46を通る噴霧液の液流FLを示すフローチャンバ46の側面図である。図6Cは、フローチャンバ46を通る噴霧液の液流FLを示すフローチャンバ46の上面図である。図6Aから図6Cまでについて、まとめて説明する。噴霧液は、チャンバ入口70でフローチャンバ46に流入する。上流側隆起部56は、噴霧液の流れを分配して噴霧液に外向きの速度成分を付与することで、噴霧液を側方流路74a、74bに流入させる。噴霧液は、環状規制部102およびチャンバ出口72に向かって内壁48を流れる。噴霧液は、環状規制部102(図4に最もよく示されている)に流入し、環状規制部102を通って半径方向に流れる。圧力ハウジング40は、環状規制部102の周囲の円周方向で、環状規制部102へ噴霧液が均一に流れることを容易にする。噴霧液が側方流路74a、74bを通って下流に流れるとき、側方流路74a、74b内の噴霧液の容積は、塗料が側方流路74a、74bから流出して環状規制部102を通ってフローチャンバ46から流出するにつれて減少する。フローチャンバ46から流出する塗料に対応して、傾斜した側方流路74a、74bが、側方流路74a、74bの上流側端部と下流側端部との間の流れ面積を減少させることによって、一貫した流れおよび圧力を維持する。下流側隆起部58は、各側方流路74a、74bの下流端における流れを環状規制部102に向けて方向転換し、環状規制部102の周囲から半径方向で、環状規制部102へ一貫して流れることをさらに容易にする。
【0065】
フローチャンバ46は、象限に分割されると考え得る。第1象限Q1および第2象限Q2は、フローチャンバ46の上流側半分を画定する。第3象限Q3および第4象限Q4は、フローチャンバ46の下流側半分を画定する。したがって、第1象限Q1および第2象限Q2は、チャンバ入口70からチャンバ出口72の中間点までの間に配置され、第3象限Q3および第4象限Q4は、フローチャンバ46の軸A-Aを通る水平線から後端68までの間に配置される。第3象限Q3は、上流セクタUS1と下流セクタDS1とに分割される。第4象限Q4も同様に、上流セクタUS2と下流セクタDS2とに分割される。
【0066】
動作中、BPR26は、環状規制部102の周囲から半径方向で、環状規制部102への一貫した流れを容易にする。いくつかの例では、フローチャンバ46から出た流れの約35%超が、第3象限Q3および第4象限Q4が形成する下流側半分から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46から出た流れの約40%超が、第3象限Q3および第4象限Q4が形成する下流側半分を通って環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46から出た流れの約45%超が、下流側半分を通って環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46から出た流れの約35~50%が、下流側半分を通って環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46から出た流れの約40~50%が、下流側半分を通って環状規制部102に流入する。いくつかの例では、上流側半分および下流側半分においてフローチャンバ46から流出する噴霧液の比は、上流側半分と下流側半分とで約1:1であり得る。いくつかの例では、フローチャンバ46から流出する噴霧液の比は、上流側半分と下流側半分とで約11:9であり得る。いくつかの例では、フローチャンバ46から流出する噴霧液の比は、上流側半分と下流側半分とで約3:2であり得る。いくつかの例では、フローチャンバ46から流出する噴霧液の比は、上流側半分と下流側半分とで約7:3の比よりも均等であり得る。いくつかの例では、フローチャンバ46から流出する噴霧液の比は、上流側半分と下流側半分とで約2:1の比よりも均等であり得る。
【0067】
流れは、フローチャンバ46の2つの側部を通って均等な割合でフローチャンバ46から流出可能である。例えば、第1象限Q1および第3象限Q3を通って出る流れの割合は、第2象限Q2および第4象限Q4を通って出る流れの割合と等しくし得る。
【0068】
いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの少なくとも約15%が、第3象限Q3から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの少なくとも約20%が、第3象限Q3から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの少なくとも約22.5%が、第3象限Q3から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約15~25%が、第3象限Q3から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約20~25%が、第3象限Q3から環状規制部102に流入する。
【0069】
いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約10%超が、上流セグメントUS1から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約10~15%が、上流セグメントUS1から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約12.5%が、上流セグメントUS1から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約15%までが、上流セグメントUS1から環状規制部102に流入する。
【0070】
いくつかの例では、フローチャンバ46を出た液流の約5%以上が、下流セグメントDS1から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約7.5%超が、下流セグメントDS1から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約7.5~12.5%が、下流セグメントDS1から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約10%が、下流セグメントDS1から環状規制部102に流入する。
【0071】
いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの少なくとも約15%が、第4象限Q4から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの少なくとも約20%が、第4象限Q4から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの少なくとも約22.5%が、第4象限Q4から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約15~25%が、環状規制部102の第4象限Q4に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約20~25%が、第4象限Q4から環状規制部102に流入する。
【0072】
いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約10%超が、上流セグメントUS2から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約10~15%が、上流セグメントUS2から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約12.5%が、上流セグメントUS2から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約15%までが、上流セグメントUS2から環状規制部102に流入する。
【0073】
いくつかの例では、フローチャンバ46を出た液流の約5%超が、下流セグメントDS2から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約7.5%超が、下流セグメントDS2から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約7.5~12.5%が、下流セグメントDS2から環状規制部102に流入する。いくつかの例では、フローチャンバ46を出た流れの約10%が、下流セグメントDS2から環状規制部102に流入する。
【0074】
環状規制部102への一貫して均等な半径方向の流れは、噴霧液中の渦および他の乱流を抑制する。それにより、劣化を生じさせ得る内部衝突を回避する。フローチャンバ46は、固体の蓄積につながり得るデッドスポットの形成を防止する輪郭を有する。圧力ハウジング40は、フローチャンバ46のフラッシングおよびフローチャンバ46を通る一貫した流れを容易にする輪郭を有する。環状規制部102内へ円周方向で一貫して流れることはまた、噴霧液が一貫した流速となるとを促進し、乱流および劣化を引き起こす可能性がある望ましくない速度変化を防止する。噴霧液が、環状規制部102の周囲の円周方向で環状規制部102に流入することは、BPR26を通る流れの変化に対する迅速な反応を容易にする。したがって、BPR26は、BPR26を通る体積流量の変化に非常に敏感であり、フローチャンバ46内に一貫した実際の液体圧力を提供する。流れの変動に対する迅速な反応は、望ましくない圧力スパイクおよび変動を防止する。それにより、BPR26は、BPR26を通る流量が変化しても、動作全体を通して定常的な実液圧を維持する。このことは、環状規制部102を通る一貫した流速を維持し、劣化を生じさせ得る望ましくない乱流および内部衝突を防止する。一貫した実際の液体圧力を維持することは、BPR26の上流の噴霧器において均一な噴霧品質および噴霧パターンを提供する。均一な噴霧パターンおよび噴霧圧力が均一であることは、複数の用途において一貫性を提供し、使用者および消費者の両方にとって望ましい高品質で均一な仕上げを提供する。
【0075】
図7は、BPR26´の断面図である。BPR26´は圧力制御機構38を閉状態に向けて機械的に付勢し、BPR26は圧力制御機構38´を閉状態に向けて流体的に付勢する。この点を除いて、BPR26´はBPR26(図1図3A図6C)と実質的に同様である。
【0076】
圧力制御機構38´は、圧力制御機構38´が制御ピン136、制御プレート138、および制御ばね140を含む。それ以外は、圧力制御機構38と実質的に同様である。制御ピン136は、制御ハウジング42に対して移動可能であり、制御ハウジング42内の制御プレート140の位置を調整する。制御プレート140の位置を変更することで、制御ばね142の圧縮長を変更して、BPR26´の上流の背圧を制御する。例えば、制御ピン136は、界面のねじ切りによって制御ハウジング42に取り付け可能であり、さまざまな圧力制御位置の間で回転可能である。
【0077】
制御ばね142は、上側プレート94まで延在して接している。シャフト96およびナット98は、第2部材78上に制御バネ142を配置するように、バネ142の内部に延在して制御バネを制御することができる。制御バネ142は、制御バネ142の直径が上面116と重なるような寸法にし得る。このような重なりを有するように制御ばね142を寸法設定することにより、上流部分132を形成する間隙を均衡して変動させることが容易になる。均一な変動は、環状規制部102を通る定常流を環状規制部102の周囲の円周方向から維持し、乱流の形成を防止し、さまざまな流量にわたって定常な背圧を提供する。
【0078】
図8は、BPR26およびBPR26´などの背圧レギュレータの入口圧力と流量の関係を示すグラフである。縦軸は、ポンド/平方インチ(psi)単位の入口圧力である。横軸は、毎分ガロン(gpm)単位の流量である。線L1は、BPR26に対するフローチャンバ46内の実際の液体圧力の圧力曲線を示す。図示の例では、所望の液体圧力は、150psi(約1.03メガパスカル(MPa))に設定される。
【0079】
実際の液体圧力は、BPR26を通るさまざまな流量にわたって測定された。上述のように、環状規制部102を通る開口は、流量の変化に伴って変化し、所望の液体圧力に対するフローチャンバ46内の定常的な実際の液体圧力を維持する。BPR26、BPR26´は、実際の液体圧力を所望の液体圧力の10パーセント以内に維持する。いくつかの例では、BPR26、BPR26´は、液体圧力を所望の液体圧力の約5パーセント以内に維持する。約0.2gpm(約0.76リットル/分(lpm))の入口圧力は、約142.3psi(約0.98MPa)である。約10gpm(約37.85lpm)での入口圧力は、約154.2psi(約1.06MPa)である。示されるように、実際の液体圧力は、流量が増加するにつれて増加する。実際の液体圧力の変化率は、流量に応じて変化し得る。実際の液体圧力の変化率は、流量が増加するにつれて減少する。いくつかの例では、実際の液体圧力の変化は、流量の1gpmの変化ごとに約1.5psi未満である。いくつかの例では、実際の液体圧力は、流量変動の少なくとも一部分について、流量1gpmの変化ごとに約1psi未満で変動する。図示の例では、実際の液体圧力は、1gpmの流量と10gpmの流量との間の1gpmの変化ごとに約0.85psi変化する。実際の液圧は、5gpmと10gpmの流量の間で1gpmの変化ごとに約0.74psi変化する。実際の液圧は、7.5gpmと10gpmの流量の間で1gpmの変化ごとに約0.68psi変化する。図示の例は、約150psi(約1.03MPa)の所望の液体圧力であるが、BPR26、BPR26´は、さまざまな所望の液体圧力にわたって同様の利点を提供することができることが理解される。BPR26、BPR26´は、BPR26、BPR26´の上流の噴霧器が均一な噴霧パターンを生成し、一貫した用途および仕上げ品質を提供することを保証するための、さまざまな流量にわたって所望の液体圧力に近接した実際の液体圧力を維持する。
【0080】
例示的な実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更を行うことができ、その要素の代わりに均等物を用いることができることが、当業者によって理解されるであろう。加えて、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に対して適合させるために多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲内に流入するすべての実施形態を含むことが意図される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
【国際調査報告】