(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-29
(54)【発明の名称】歯齲蝕診断機
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20230822BHJP
A61C 19/06 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
A61B5/00 A
A61C19/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532588
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 KR2021018154
(87)【国際公開番号】W WO2023282409
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0088513
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518148043
【氏名又は名称】セウム メディテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サン・ウォン・ユン
【テーマコード(参考)】
4C052
4C117
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C117XB01
4C117XB02
4C117XD08
4C117XE33
4C117XJ17
(57)【要約】
本発明は光学式歯齲蝕診断機に関し、より詳しくは所定の長さを有するボディー部(100)と、前記ボディー部(100)の前方に位置し、可視光線を照射する発光部材(200)と、前記発光部材(200)と電気的に連結され、前記ボディー部(100)を貫通した後、前記ボディー部(100)の後方に露出される電源供給部(300)と、を含み、前記発光部材(200)の前方には前記発光部材(200)と着脱可能に結合されるフィルター部(400)が設けられている光学式歯齲蝕診断機に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さを有するボディー部(100)と、
前記ボディー部(100)の前方に位置し、可視光線を照射する発光部材(200)と、
前記発光部材(200)と電気的に連結され、前記ボディー部(100)を貫通した後、前記ボディー部(100)の後方に露出される電源供給部(300)と、を含み、
前記発光部材(200)の前方には前記発光部材(200)と着脱可能に結合されるフィルター部(400)が設けられている、光学式歯齲蝕診断機。
【請求項2】
前記フィルター部(400)は、所定の長さを有する円筒状を有し、外側面には第2凹凸部(411)が設けられたフィルターフレーム(410)と、前記フィルターフレーム(410)に装着され、405nm~410nm波長の光源のみを選択的に透過させる光学フィルター(420)と、を含む、請求項1に記載の光学式歯齲蝕診断機。
【請求項3】
前記発光部材(200)は、前記ボディー部(100)に対して所定の角度に回動可能に連結された、請求項2に記載の光学式歯齲蝕診断機。
【請求項4】
前記ボディー部(100)は長さの調節が可能である、請求項1に記載の光学式歯齲蝕診断機。
【請求項5】
前記ボディー部(100)は、一端部に第1密閉面(113)が設けられ、内部が空いている円筒状の第1胴体(110)と、前記第1胴体(110)より相対的に小さい内径を有し、両端部が開放し、内部が空いている円筒状の第2胴体(120)と、外側面は前記第1胴体(110)の他端の内面と密着すると共に内側面は前記第2胴体(120)の外面に位置する円筒状の連結部材(130)と、前記第1胴体(110)の一側端の内部空間に位置し、前記発光部材(200)の回動を制御する制御部材(140)と、を含む、請求項3に記載の光学式歯齲蝕診断機。
【請求項6】
前記第1胴体(110)は、長手方向に沿って周面に形成されたスリット(111)と、前記スリット(111)の付近の表示部(112)と、前記第1密閉面(113)に形成された第1貫通口(114)と、前記第1密閉面(113)に形成された第2貫通口(115)と、前記第1密閉面(113)の外側に形成された第1締結突起(116)と、を含み、
前記第2胴体(120)は、一側端の外側面の第1フランジ(121)と、他側端の外側面の第1凹凸部(122)と、を含み、
前記連結部材(130)は、他側端の外側面の第2フランジ(131)を含み、
前記制御部材(140)は内部が空いている円筒状を有し、周面の所定の位置の切開部(141)と、前記切開部(141)の付近の突部(142)と、一端部から所定の長さに突出した第2締結突起(144)と、を含み、
前記発光部材(200)は、ランプフレーム(210)と、前記ランプフレーム(210)に装着されるランプ(220)と、を含み、前記ランプフレーム(210)は円筒状を有し、前記第1胴体(110)の前記第1密閉面(113)の前方に位置し、前記第1密閉面(113)と向き合う一側端面には中心点を通る所定の幅を有する切開溝(211)と、一側は前記切開溝(211)に連結され、他側は前記第2締結突起(144)に連結されるヒンジ軸(212)と、前記第1胴体(110)の第1締結突起(116)と前記ランプフレーム(210)とを連結するための第2締結具(214)と、を含む、請求項5に記載の光学式歯齲蝕診断機。
【請求項7】
前記ランプフレーム(210)の外側面の所定の位置には、前記フィルターフレーム(410)を固定するための結合溝(215)が設けられている、請求項6に記載の光学式歯齲蝕診断機。
【請求項8】
前記電源供給部(300)は、所定の長さを有するケーブル(310)と、前記ケーブル(310)の一端部の連結端子(320)と、を含み、前記連結端子(320)は携帯用または非携帯用電子機器と連結可能なタイプである、請求項1に記載の光学式歯齲蝕診断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年07月06日付の韓国特許出願第2021-0088513号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は歯齲蝕診断機に関し、より詳しくは光を照射して歯齲蝕の有無を容易に確認し、さらに使用及び保管が非常に便利な光学式歯齲蝕診断機に関する。
【背景技術】
【0003】
歯齲蝕症(虫歯)及び歯茎疾患(歯肉炎、歯周炎)は世界的に一番有り勝ちな晩成(慢性)疾患であるが、大部分の人々は晩成疾患と認識していない。
【0004】
歯齲蝕症及び歯茎疾患は互いに異なる過程を経て疾患が進むが、原因は歯面細菌膜(プラーグ、歯垢)であって同一である。遺伝的特性または自身が持っている疾病のためもっと悪化することがあるが、臨床学的に根本的な原因は歯面細菌膜から始まるものと知られている。
【0005】
特に、歯茎疾患は有病率の高い社会的疾患であり、歯牙の早期喪失だけではなく心血管疾患にまでも影響を及ぼすものと知られている。歯面細菌膜はこのような歯周組織疾患が発生する主原因の一つであるので、歯面細菌膜の管理が正常にできない場合、歯面細菌膜が持続的に蓄積し、歯周組織に晩成的な刺激が原因になって炎症を引き起こす。
【0006】
したがって、悪い口腔健康は児童の口が発達する方式に否定的な影響を及ぼすことがあり、毎年幾多の児童が約5千万時間に達する授業時間に欠席する原因になることもある。その他にも、児童の自信感、社会的技術はもちろんのこと、成長後に成功することができる潜在力にも影響を及ぼすなど、口腔健康は児童の全般的な健康及びウェルビーイングに必須である。
【0007】
歯齲蝕の有無を診断するための先行技術として、特許文献1には、使用者が握られるように長手方向に長く形成されたペン状のボディー部と、前記ボディー部の先端に設けられ、予め設定された波長の光源を前記長手方向に照射する発光部と、を含み、前記発光部はLEDであり、前記発光部から照射される光源の波長は、口腔内歯垢、歯石及び飲食物残渣の中で少なくとも一つが存在する環境条件で病巣に存在するバクテリアの代謝産物が歯牙を透過した光源の波長に吸光特性を示すようにし、前記歯牙の琺瑯質に生じた齲蝕、前記歯牙のセメント質に生じた齲蝕、及び前記歯牙の琺瑯質及び象牙質に生じた齲蝕の全部を反応色に変色させ、齲蝕の位置、齲蝕の範囲及び齲蝕の深さを確認するために、402.2nm以上404.0nm以下の波長に設定された歯疾患診断用ペンライトが開示されている。
【0008】
前記先行技術によれば、携帯が可能であり、齲蝕有無を判断することができるが、402.2nm以上404.0nm以下に相当する波長のみを照射することができるLEDを必要とするので、製造コストが上昇するしかなく、さらに長いペンタイプであるので、保管が不便である。その他にも、齲蝕は歯の前面部だけでなく後面部にも生ずるが、後面部の齲蝕有無を確認することが非常に不便であるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上述した問題点を解決するために案出されたものであり、製造コストが安いながらも使用及び保管が容易な光学式歯齲蝕診断機を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、歯牙の前面部だけでなく後面部などのように光がよく照射されない奥まる部分までも光をうまく照らすことができる光学式歯齲蝕診断機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記問題点を解決するための本発明の光学式歯齲蝕診断機は、所定の長さを有するボディー部(100)と、前記ボディー部(100)の前方に位置し、可視光線を照射する発光部材(200)と、前記発光部材(200)と電気的に連結され、前記ボディー部(100)を貫通した後、ボディー部(100)の後方に露出される電源供給部(300)と、を含み、前記発光部材(200)の前方には発光部材(200)と着脱可能に結合されるフィルター部(400)が設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の光学式歯齲蝕診断機において、前記フィルター部(400)は、所定の長さを有する円筒状を有し、外側面には第2凹凸部(411)が設けられたフィルターフレーム(410)と、前記フィルターフレーム(410)に装着され、405nm~410nm波長の光源のみを選択的に透過させる光学フィルター(420)と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の光学式歯齲蝕診断機において、前記発光部材(200)は、前記ボディー部(100)に対して所定の角度に回動可能に連結されたことを特徴とする。
【0015】
本発明の光学式歯齲蝕診断機において、前記ボディー部(100)は長さの調節が可能であることを特徴とする。
【0016】
本発明の光学式歯齲蝕診断機において、前記ボディー部(100)は、一端部に第1密閉面(113)が設けられ、内部が空いている円筒状の第1胴体(110)と、前記第1胴体(110)より相対的に小さい内径を有し、両端部が開放し、内部が空いている円筒状の第2胴体(120)と、外側面は前記第1胴体(110)の他端の内面と密着すると共に内側面は前記第2胴体(120)の外面に位置する円筒状の連結部材(130)と、前記第1胴体(110)の一側端の内部空間に位置し、前記発光部材(200)の回動を制御する制御部材(140)と、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の光学式歯齲蝕診断機において、前記第1胴体(110)は、長手方向に沿って周面に形成されたスリット(111)と、前記スリット(111)の付近の表示部(112)と、前記第1密閉面(113)に形成された第1貫通口(114)と、前記第1密閉面(113)に形成された第2貫通口(115)と、前記第1密閉面(113)の外側に形成された第1締結突起(116)と、を含み、前記第2胴体(120)は、一側端の外側面の第1フランジ(121)と、他側端の外側面の第1凹凸部(122)と、を含み、前記連結部材(130)は、他側端の外側面の第2フランジ(131)を含み、前記制御部材(140)は内部が空いている円筒状を有し、周面の所定の位置の切開部(141)と、前記切開部(141)の付近の突部(142)と、一端部から所定の長さに突出した第2締結突起(144)と、を含み、前記発光部材(200)は、ランプフレーム(210)と、前記ランプフレーム(210)に装着されるランプ(220)と、を含み、前記ランプフレーム(210)は円筒状を有し、前記第1胴体(110)の第1密閉面(113)の前方に位置し、前記第1密閉面(113)と向き合う一側端面には中心点を通る所定の幅を有する切開溝(211)と、一側は前記切開溝(211)に連結され、他側は前記第2締結突起(144)に連結されるヒンジ軸(212)と、前記第1胴体(110)の第1締結突起(116)とランプフレーム(210)とを連結するための第2締結具(214)と、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の光学式歯齲蝕診断機において、前記ランプフレーム(210)の外側面の所定の位置には、前記フィルターフレーム(410)を固定するための結合溝(215)が設けられていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の光学式歯齲蝕診断機において、前記電源供給部(300)は、所定の長さを有するケーブル(310)と、前記ケーブル(310)の一端部の連結端子(320)と、を含み、前記連結端子(320)は携帯用または非携帯用電子機器と連結可能なタイプであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の光学式歯齲蝕診断機によれば、特定領域帯の波長のみを選択的に透過させるフィルターを発光部材の前方に着脱可能に備えているので、ランプの購入費用を節減することができるという利点がある。
【0021】
また、本発明の光学式歯齲蝕診断機によれば、手で把持するボディー部の長さ調節が可能であるので、使用が便利であるだけでなく保管が容易であるという利点がある。
【0022】
さらに、本発明の光学式歯齲蝕診断機によれば、発光部材が所定の角度に折曲可能な構造を有するので、歯後面の齲蝕有無の確認も容易であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の光学式歯齲蝕診断機の正面図であり、(a)はボディー部の長さが増えた状態、(b)はボディー部の長さが減った状態を示す。
【
図2】本発明の光学式歯齲蝕診断機の正面図であり、(a)は発光部材が直角に折り曲げられた状態、(b)は発光部材が45度に折り曲げられた状態を示す。
【
図3】本発明の光学式歯齲蝕診断機の分解斜視図である。
【
図4】本発明の光学式歯齲蝕診断機を構成するボディー部の分解斜視図である。
【
図5】本発明の光学式歯齲蝕診断機を構成する発光部材を後面から見た斜視図である。
【
図6】本発明の光学式歯齲蝕診断機を構成するフィルター部の着脱構造を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本出願で、「含む」、「有する」または「備える」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、構成要素、部分品またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0025】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」されているか「接続」されていると言及したとき、その他の構成要素に直接的に連結されているかまたは接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならないであろう。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」されているか「直接接続」されていると言及したときには、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されなければならないであろう。構成要素との関係を説明する他の表現、すなわち「~の間に」及び「すぐ~の間に」または「~に隣り合う」及び「~に直接隣り合う」なども同様に解釈されなければならない。
【0026】
また、他に定義しない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで使うすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならなく、本出願で明白に定義しない限り、理想的にまたは過度に形式的な意味と解釈されない。
【0027】
以下、本発明による光学式歯齲蝕診断機について添付図面を参照して説明する。
【0028】
図1は本発明の光学式歯齲蝕診断機の正面図であり、(a)はボディー部の長さが増えた状態、(b)はボディー部の長さが減った状態を示し、
図2は本発明の光学式歯齲蝕診断機の正面図であり、(a)は発光部材が直角に折り曲げられた状態、(b)は発光部材が45度に折り曲げられた状態を示す。
【0029】
図1及び
図2に示すように、本発明による光学式歯齲蝕診断機は、所定の長さを有するボディー部100、所定の領域帯の波長の光を照射する発光部材200、発光部材200に電源を供給するための電源供給部300、及び特定領域帯の波長の光のみを選択的に通過させるフィルター部400を含んでなる。
【0030】
また、本発明の光学式歯齲蝕診断機は、使用時または保管時に便利であるようにボディー部100の長さが調節され、特に歯牙の内側、すなわち内側面に齲蝕が発生したかを容易に確認することができるように、ボディー部100を基準に発光部材200は所定の角度に回動することができるように構成されている。
【0031】
図3は本発明の光学式歯齲蝕診断機の分解斜視図であり、
図4は本発明の光学式歯齲蝕診断機を構成するボディー部の分解斜視図である。
【0032】
図1~
図4を一緒に参照しながら説明すると、所定の長さを有するボディー部100は長手方向に長さ調節が可能であり、第1胴体110、第2胴体120、連結部材130、及び制御部材140を含んでなる。
【0033】
具体的には、内部が空いており、外形が略円筒状を有する第1胴体110の周面には後述する制御部材140の突部142の移動を案内するように長手方向に所定の長さ及び幅を有する一字形スリット111が形成されている。また、スリット111の両端部と、これらの両端部の間と、には相対的に切開面が広くなった一つ以上の保持溝111’が設けられている。これは所定の位置で突部142の移動を限定するためのものである。
【0034】
さらに、スリット111の付近、より詳細には各保持溝111’の付近には、突部142の位置によって発光部材200がどのくらい折り曲げられているかを肉眼で容易に実別することができるように数字または特殊文字などの表示部112が位置している。
【0035】
例えば、スリット111の右側端部に0、中間部に1、そして左側端部に2の数字を表示する表示部112が刻み込まれており、発光部材200が45度及び90度に折り曲げられる場合、発光部材200が全く折り曲げられなかった状態であれば、スリット111の右側端に位置する保持溝111’に突部142が位置する(
図1(a)参照)。一方、発光部材200が直角に折り曲げられた状態であれば、スリット111の左側端に位置する保持溝111’に突部142が位置し(
図2(a)参照)、45度に折り曲げられるときには、スリット111の中間部に位置する保持溝111’に突部142が位置するようになる。
【0036】
もちろん、スリット111に設けられた保持溝111’の個数及び表示部112の数字などは発光部材200の折曲角度によっていくらでも調節及び変更が可能である。
【0037】
図面で見るとき、左側に相当する第1胴体110の一端部は第1密閉面113で塞がっている一方で、他端部は完全に開放している状態である。
【0038】
そして、第1密閉面113には、第1貫通口114、第2貫通口115、及び第1締結突起116が設けられている。ここで、第1貫通口114は後述するヒンジ軸212のスライド移動のためのものであり、第2貫通口115はケーブル310が通過するためのものであり、そして第1締結突起116は第1胴体110とランプフレーム210とを互いに連結するためのものである。
【0039】
次に、第2胴体120について説明する。
【0040】
第1胴体110と同様に、第2胴体120も内部が空いている略円筒状を有するが、第1胴体110内に収納できるように、第1胴体110よりは相対的に小さな内径を有し、両端部は共に開放している状態である。
【0041】
そして、第2胴体120の一側端(図面で見ると左側)の外側面には第1フランジ121が設けられ、このような第1フランジ121は、連結部材130と互いに組み立てられた場合、完全に分離されることを防止するためのものである。また、第2胴体120の他側端の外側面には円周方向に一つ以上の円形帯状の第1凹凸部122が設けられることが好ましい。これは、第1胴体110の内部に収納された状態で第2胴体120を手で引くときに滑ることを防止する。
【0042】
次に、前述した第1胴体110と第2胴体120とを互いに連結するための連結部材130は内部が空いている略円筒状を有する。
【0043】
連結部材130の外側面は第1胴体110の他側端の内面と密着して固定されている一方で、内側面は第2胴体120の外面に位置し、他側端の外側面には、第1胴体110内に入ることを防止するように第2フランジ131が形成されている。
【0044】
前述した第1胴体110、第2胴体120及び連結部材130の組立方法を簡単に説明すると、第2胴体120の第1凹凸部122が形成された部分を連結部材130の左側から貫通させた後、第1胴体110に連結部材130を固定する(
図4参照)。
【0045】
したがって、第2胴体120は連結部材130及び第1胴体110の内部に移動自在である一方で、第1フランジ121によって連結部材130から完全に離脱することは防止される。
【0046】
第1胴体110の一側端の内部空間に位置して発光部材200の回動を制御する制御部材140について説明する。
【0047】
制御部材140は内部が空いている円筒状を有し、切開部141、突部142、第2密閉面143、及び第2締結突起144を含んでなる。
【0048】
具体的には、切開部141は、突部142を手で押圧するときに一定値以上の弾力を付与するためのものであり、制御部材140が第1胴体110に収納されるとき、スリット111に沿って移動することができるように制御部材140の周面上部に位置する。例えば図面では上から見るとき、3個の切開線が互いに直角を成す形状を有するが、同じ目的及び作用効果を達成することができれば変更可能である。
【0049】
突部142は発光部材200の回動角度を選択するための手段であり、3個の切開線が互いに直角を成す切開部141の中央に位置し、第1胴体110のスリット111に沿って移動する。例えば、発光部材200を90度に折り曲げようとするときは、突部142を押してから前方に押し、反対に発光部材200を直線形に復帰させようとするときには押してから後方に引く。
【0050】
もちろん、発光部材200が所望の位置に到逹した場合、突部142を押していた力を除去すれば、突部142は保持溝111’に着座した状態であるので、発光部材200の位置が固定されるというのは言うまでもない。
【0051】
図面で見るとき左側に相当する制御部材140の一端部は第2密閉面143で塞がっている。そして、第2密閉面143には後述するヒンジ軸212と連結される第2締結突起144が設けられており、中央にはケーブル310の通過することができるようにホールが形成されている。
【0052】
次に、歯齲蝕を識別するために光を照射する発光部材200について説明する。
【0053】
所定の領域帯の波長の光を照射することにより、元気な歯牙と虫歯とを確認することができる。すなわち、歯面細菌膜の微生物の代謝産物であるポルフィリン(Porphyrin)は約400nmのソレー帯(Soret band)と言う波長帯領域で赤色の蛍光を放出するので、歯齲蝕の有無と位置を肉眼で確認することが可能である。
【0054】
前記のような機能を遂行するための発光部材200は、ボディー部100、より具体的にはランプフレーム210、及びランプフレーム210に装着されるランプ220を含んでなる。
【0055】
まず、ランプフレーム210は円筒状を有し、第1胴体110の第1密閉面113の前方に位置する。後面、すなわち第1密閉面113と向き合う一側端面にはランプフレーム210の幅方向である円の中心点を通過する、所定の幅及び深さを有する切開溝211が形成されている。
【0056】
そして、第1胴体110とランプフレーム210とが互いに連結されるように、第1胴体110の第1締結突起116を固定するための第2締結具214が切開溝211を通過する。ここで、第2締結具214は、第1締結突起116が切開溝211に着座した後、ランプフレーム210の側面から貫通するボルト及びナットであることができるが、これに限定されない。
【0057】
また、前述したように、第1胴体110を基準にランプフレーム210が所定の角度に回動することができるように、一側は切開溝211に連結され、他側は第2締結突起144に連結されるヒンジ軸212が設けられている。図面符号213はヒンジ軸212の他側と第2締結突起144とを互いに固定するための第1締結具であり、ボルト及びナットからなることができるが、同じ目的及び機能を果たすことができれば特に限定されない。
【0058】
一方、ランプフレーム210の外側面の所定の位置には後述するフィルターフレーム410を着脱するための結合溝215が設けられていることが良い。
【0059】
ここで、ランプフレーム210に装着されるランプ220は、所定の波長帯、好ましくは可視光線、より好ましくは405nm~450nm、最も好ましくは405nm~410nmの波長の光を照射することができるLED(Light Emitting Diode)ランプであることが好ましい。
【0060】
次に、ランプ220に電源を供給するための電源供給部300について説明する。本発明の電源供給部300は、所定の長さを有するケーブル310、及び連結端子320を含んでなる。
【0061】
ケーブル310の一側は前述したランプ220と直接的にまたは間接的に連結され、第1胴体110の第2貫通口115及び制御部材140を通過した後、第2胴体部の後方に露出され、他側は連結端子320と連結されている。
【0062】
そして、連結端子320は、電子機器、例えば携帯電話、ノートブック型PC、パッドなどの携帯用端末機を含めたデスクトップ型PCなどの各種の電子機器から電源を受けることができ、携帯電話、ノートブック型PC、パッドなどの携帯用端末機から電源を受けることが良く、大人の大部分を含めて多くの学生が持っている携帯電話から電源を受けることが一番良い。
【0063】
ここで、携帯用端末機の種類や仕様によって連結端子320のタイプが異なることができるというのは言うまでもない。
【0064】
例えば図面には示してはいないが、電子機器と連結端子320とが連結されていても、ランプ220への電源供給を制御することができるスイッチをさらに備えることができるというのは言うまでもない。
【0065】
最後に、発光部材200の前方に位置し、発光部材200と着脱可能に結合されるフィルター部400について説明する。
【0066】
フィルター部400は特定領域帯の波長の光源のみを選択的に透過させるためのものであり、所定の長さを有する円筒状の外側面には、手で把持するときに滑ることを防止するための第2凹凸部411を備えたフィルターフレーム410が設けられ、そして405nm~410nm波長の光源のみを選択的に透過させる光学フィルター420がフィルターフレーム410に装着されている。
【0067】
前述したランプ220から照射する光の波長帯が多少広く分布する場合、すなわち400nm~700nmの可視光線または400nm~450nmの短波長であるときには、青色や緑色などによって、歯齲蝕の場合に発現する赤色の存在有無を正確に確認しにくい。もちろん、405nm~410nm波長帯の光のみを照射するランプを使えば赤色を確認しやすいが、特定波長領域帯の光のみを照射するランプを別に製造するか購入しなければならなく、このようなランプは高価であるしかない。
【0068】
しかし、赤色の蛍光が明確に発現する特定波長帯である405nm~410nm波長の光源のみを選択的に透過させる光学フィルター420を備えたフィルター部400をランプフレーム210に装着させるときには、照射する波長帯がちょっと広くても歯齲蝕の有無を正確に確認することができるので、製造コストを節減することができる。
【0069】
もちろん、ランプフレーム210からフィルター部400を分離した後、フィルター部400を目の前に持って来ることによって特定波長帯の波長のみが通過した光が視覚細胞に伝達されても同じ効果を期待することができる。
【0070】
一方、光学フィルターにおいて、特定波長帯の波長を選択的に透過または遮断させる光学フィルターは公知の技術に相当するので、具体的な説明は省略する。
【0071】
以下では、本発明による光学式歯齲蝕診断機を用いて歯齲蝕を判断する方法について簡単に説明する。
【0072】
まず、手で握りやすいように第1胴体110と第2胴体120とを長く伸長させた後、ランプフレーム210にフィルター部400が装着された状態で連結端子320を携帯電話と連結する。
【0073】
発光部材200が歯牙に向かうように調節して光を照射する。この際、赤色蛍光を発現する部分があるかを肉眼で確認する。
【0074】
一方、歯牙の内側部分を確認するときには、制御部材の突部を前方に押して発光部材の角度を調節した後、前述したものと同じ順に歯齲蝕の有無や位置を確認することができる。
【0075】
ランプフレーム210からフィルター部400を分離させた場合であれば、目の前にフィルター部400を近付けた後、フィルター部400によって赤色蛍光が発現したかを確認する。
【0076】
以上で本発明の内容の特定部分を詳細に記述したが、当該分野で通常の知識を有する者にこのような具体的技術はただ好適な実施様態であるだけで、これによって本発明の範囲が限定されるものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるというのは当業者に明らかなものであり、このような変形及び修正も添付の特許請求の範囲に属するものであるというのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
100 ボディー部
110 第1胴体
111 スリット
111’ 保持溝
112 表示部
113 第1密閉面
114 第1貫通口
115 第2貫通口
116 第1締結突起
120 第2胴体
121 第1フランジ
122 第1凹凸部
130 連結部材
131 第2フランジ
140 制御部材
141 切開部
142 突部
143 第2密閉面
144 第2締結突起
200 発光部材
210 ランプフレーム
211 切開溝
212 ヒンジ軸
213 第1締結具
214 第2締結具
215 結合溝
220 ランプ
300 電源供給部
310 ケーブル
320 連結端子
400 フィルター部
410 フィルターフレーム
411 第2凹凸部
420 光学フィルター
【国際調査報告】