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特表2023-536683生体細胞採取装置およびその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-29
(54)【発明の名称】生体細胞採取装置およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
A61B10/02 130
A61B10/02 300A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577626
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 US2020037883
(87)【国際公開番号】W WO2021257058
(87)【国際公開日】2021-12-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597138069
【氏名又は名称】ケース ウエスタン リザーブ ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】チャク,アミタブ
(72)【発明者】
【氏名】マーコウィッツ,サンフォード
(72)【発明者】
【氏名】シードラック,デニス
(72)【発明者】
【氏名】ウィリス,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】アクログ,リーシャン
(72)【発明者】
【氏名】ブーティレット,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヤズベック,リチャード
(57)【要約】
患者の生体サンプルを採取する装置であって、装置は、管状部材に取り付けられ、膨張すると管状部材内から拡張し、管状部材内に収納されるように設計された膨脹可能な部分と、拡張状態と収納状態との間で膨脹可能な部分の動きを容易にするように変化する厚さを有する膨脹可能な部分上の表面と、膨脹可能な部分が前記拡張状態に入ったときに生体サンプルを採取できるよう表面に複数の突起と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の生体サンプルを採取する装置であって、前記装置は、
管状部材に取り付けられ、膨張すると前記管状部材内から拡張し、前記管状部材内に収納されるように設計された膨脹可能な部分と、
拡張状態と収納状態との間で前記膨脹可能な部分の動きを容易にするように変化する厚さを有する前記膨脹可能な部分上の表面と、
前記膨脹可能な部分が前記拡張状態に入ったときに生体サンプルを採取できるよう前記表面に複数の突起と、を備える、装置。
【請求項2】
前記変化する厚さは、前記膨脹可能な部分の近位端に対して前記膨脹可能な部分の遠位端がより薄いことによって定義される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記変化する厚さは、前記膨脹可能な部分の前記表面を周回するように位置する折り畳み可能なひだによって定義される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記膨脹可能な部分は、膨張、拡張、収縮、および収納の組み合わせを容易にするように、複数の異なるデュロメータレベルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記膨脹可能な部分は、摩擦ばめまたは機械的嵌合の少なくとも一方を用いて前記管状部材に着脱可能であり、交換可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記変化する厚さは、前記膨脹可能な部分の前記表面を周回するように配置された隆起によって定義される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記膨脹可能な部分の膨張サイズおよび形状を変化させるように、複数の前記隆起は、前記複数の突起の各行の間に配置される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
複数の前記隆起は、生体サンプルの採取に役立つ、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記膨脹可能な部分は、前記膨脹可能な部分の可変剛性を作り出すように、前記複数の突起の各行の長さに沿って延びるドラフトを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記管状部材は、近位端で前記膨脹可能な部分に結合し、遠位端でコネクタに結合したカテーテルである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記コネクタは、前記コネクタの第2ブランチに対して斜めに延びる第1ブランチを有するY-フィッティングであり、
前記第2ブランチは、ストップコックを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記膨脹可能な部分は、前記膨脹可能な部分が前記拡張状態にあるときに半径方向外側に向き、前記膨脹可能な部分が収納位置にあるときに半径方向内側に向く外面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
組織採取突起の第1側壁は、前記膨脹可能な部分の外面に対して概ね垂直に延び、
前記組織採取突起の第2側壁は、前記膨脹可能な部分が収納位置と拡張位置との間の非膨張位置にあるときに、側壁が外面から半径方向外側に延びるにつれて前記第1側壁に向かってテーパーを有する、請求項6に記載の装置。
【請求項14】
前記複数の突起のうち少なくとも1つはV字型を有し、
前記第1側壁は近位方向に向かって、V字型の内壁を形成し、
前記第2側壁は遠位方向に向かって、V字型の外壁を形成する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記膨脹可能な部分は20~70ショアAのデュロメータを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記膨脹可能な部分が収納位置にあるときに前記膨脹可能な部分を収納位置に保持するように、前記膨脹可能な部分の上に延びるキャップをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記拡張状態は正圧の存在によって促進される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記収納状態は負圧の存在によって促進される、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米国国立衛生研究所のGrant Nos. P50CA150964, U01CA152756, U54CA163060による政府支援を受けて行われたものである。米国政府は、発明に対して一定の権利を有している。
【0002】
本開示は、生体サンプルを採取するのに適したシステムおよび方法に関する。特に、本開示は、サンプルを採取し、近位端部分に格納するために設計できる拡張可能な装置を含む生体サンプル採取装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、公知の組織採取装置は、長手方向に延びるひだ(folds)を有する拡張可能な装置を含む。拡張可能なデバイスは、食道などの身体ルーメン内の採取サイトで放射状に拡張する。装置を拡張した後、採取サイトから組織を採取する。組織を採取した後、拡張可能なデバイスを収縮させる。組織採取後、デバイスを収縮させると、ひだが採取した組織を挟み込む。既知の組織採取装置は、内視鏡を通じて、または標準的なカテーテル挿管技術によって、採取サイトに挿入されもよい。
【発明の概要】
【0004】
生体サンプルを集めるための改善が必要である。本開示は、他の望ましい特性を有することに加えて、様々な実施形態において、この必要性に対処するための解決策を提供する。本開示は、生体サンプルを採取する装置に関するものであり、より具体的には、被験者の食道から組織、細胞、タンパク質、RNAおよび/またはDNAなどの生体サンプルを採取する装置に関するものである。
【0005】
本開示の例示的な実施の形態によれば、被験者の生体サンプルを採取するための装置が提供される。この装置は、管状部材に取り付けられ、膨張すると管状部材内から拡張し、管状部材内に収納されるように設計された膨脹可能な部分と、拡張状態と収納状態との間で膨脹可能な部分の動きを容易にするように変化する厚さを有する膨脹可能な部分上の表面と、膨脹可能な部分が拡張状態に入ったときに生体サンプルを採取できるよう表面に複数の突起と、を含む。
【0006】
本発明の態様によれば、変化する厚さは、膨脹可能な部分の近位端に対して膨脹可能な部分の遠位端がより薄いことによって定義されている。変化する厚さは、膨脹可能な部分の表面を周回するように位置する折り畳み可能なひだによって定義できる。膨脹可能な部分は、膨張、拡張、収縮、および収納の組み合わせを容易にするように、複数の異なるデュロメータレベルを含んでもよい。膨脹可能な部分は、摩擦ばめまたは機械的嵌合の少なくとも一方を用いて管状部材に着脱可能であり、交換可能であってもよい。変化する厚さは、膨脹可能な部分の表面を周回するように配置された隆起によって定義できる。膨脹可能な部分の膨張サイズおよび形状を変化させるように、複数の隆起は、複数の突起の各行の間に配置されてもよい。複数の隆起は、生体サンプルを採取するのに役立つ場合がある。膨脹可能な部分は、膨脹可能な部分の可変剛性を作り出すように、複数の突起の各行の長さに沿って延びるドラフト(drafting)を含むことができる。管状部材は、近位端で膨脹可能な部分に結合し、遠位端でコネクタに結合したカテーテルであってもよい。
【0007】
本発明の態様によれば、コネクタは、コネクタの第2ブランチに対して斜めに延びる第1ブランチを有するY-フィッティングであってもよく、第2ブランチは、ストップコックを含む。膨脹可能な部分は、膨脹可能な部分が拡張状態にあるときに外面が半径方向外側に向き、収納位置にあるときに外面が半径方向内側に向くような外面を有してもよい。組織採取突起の第1側壁は、膨脹可能な部分の外面に対して概ね垂直に延びてもよく、組織採取突起の第2側壁は、前記膨脹可能な部分が収納位置と拡張位置との間の非膨張位置にあるときに、側壁が外面から半径方向外側に延びるにつれて第1側壁に向かってテーパーを有する。複数の突起のうち少なくとも1つはV字型を有し、第1側壁は近位方向に向かって、V字型の内壁を形成し、第2側壁は遠位方向に向かって、V字型の外壁を形成してもよい。膨脹可能な部分は20~70ショアAのデュロメータを有する。この装置は、膨脹可能な部分が収納位置にあるときに膨脹可能な部分を収納位置に保持するように、膨脹可能な部分の上に延びるキャップをさらに含んでもよい。拡張状態は正圧の存在によって促進されることがある。収納状態は負圧の存在によって促進されることがある。
【0008】
本開示のこれらおよび他の特徴は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示によって構成された生体サンプル採取装置の模式図である。
図2】折りたたまれた位置において示す図1の採取装置の模式図である。
図3図2の採取装置の断面図である。
図4図1の採取装置の突起または剛毛の拡大平面図である。
図5図4における線5-5に沿った突起の断面図である。
図6】採取装置の部分の拡大の後の突起の拡大平面図である。
図7図6における線7-7に沿った採取装置の部分の拡大の後の突起の模式図である。
図8】採取装置のスタイレット(stylet)およびコネクタを示す採取装置の模式図である。
図9図8のコネクタの拡大模式図である。
図10】本開示の他の実施の形態によって構成された採取装置の模式図である。
図11】本開示の第3実施の形態によって構成された採取装置の模式図である。
図12】本開示の第4実施の形態によって構成された採取装置の模式図である。
図13】本開示の第5実施の形態によって構成された採取装置の模式図である。
図14】本開示の例示的な実施の形態によって構成された採取装置の模式図である。
図15】本開示の例示的な実施の形態によって構成された採取装置の模式図である。
図16】本開示の例示的な実施の形態によって構成された採取装置の模式図である。
図17】本開示の例示的な実施の形態によって構成された採取装置の模式図である。
図18】本開示の例示的な実施の形態によって構成された採取装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ある実施の形態では、本開示の装置は、被験者の生体サンプルを採取するために使用されてもよい。装置には、管状支持部材に付属している膨張可能な遠位端部分を含めることができる。膨張可能な遠位端部分は、管状支持部材と結合している、または管状支持部材の一部である近位端部分の中から拡張するように設計されてもよい。膨張可能な遠位端部分は近位端部分から外側で膨らみ、近位端部分の外側で拡張し、収縮と近位端部分の内側に格納されてもよい。ある実施の形態では、膨張可能な遠位端部分上の表面は、拡張状態と収納状態との間の膨張可能な遠位端部分の動きを容易にするように厚さのレベルを変化させて設けてもよい。膨張可能な遠位端部分の変化する厚さは、近位端部分に対する膨張可能な遠位端部分の膨張、拡張、収縮、収納の任意の組み合わせを支援するために設けられてもよい。変化する厚さは、膨張可能な遠位端部分の膨張状態、拡張状態、収縮状態、収納状態のいずれかの任意の組み合わせのときの形状および柔軟性/剛性にも影響を与えてもよい。ある実施の形態では、膨張可能な遠位端部分の表面は、膨張可能な遠位端部分が拡張状態にあるときに生体サンプルを採取できるように、表面に配置された複数の突起または剛毛を含んでもよい。また、表面に配置された突起や剛毛は、膨張可能な遠位端部分の変化する厚さによって形成された形成物(例えば、尾根や谷など)を伴ってもよい。
【0011】
図1から図18は、全体を通して同様の部品が同様の参照数字で指定されており、本開示による例示的な実施の形態または生体サンプルの採取のために改善された操作の実施の形態を示す。本開示は、例示的な実施の形態または図に示された実施の形態を参照して説明されるが、多くの代替形態が本開示を具現化できることが理解されるべきである。当業者であれば、さらに、本開示の精神および範囲に依然として沿った方法で、要素または材料のサイズ、形状、またはタイプなど、開示された実施の形態のパラメータを変更する異なる方法を理解できる。
【0012】
本開示によって構築された生体サンプルを採取するための採取装置10を図1図9に示す。採取装置10は、身体ルーメン、例えば被験者の食道などから組織、細胞、タンパク質、RNAおよび/またはDNAを採取するために使用されてもよい。本明細書で説明するように、被験者という用語の使用は、ヒトの患者、動物の被験者、またはサンプリングを必要とする部位を有する可能性のある他の任意の組み合わせの対象を指すことができる。食道から採取した組織、細胞、タンパク質、RNAおよび/またはDNAは、米国特許出願第14/109,041号、米国特許出願第13/670,155号、米国特許出願第13/263,020号、米国特許第8,642,271号、米国特許第8,481,707号、米国特許第8,415,100号、米国特許第8,221,977号、米国特許第7,964,353号、米国特許第7,485,420号、および米国特許第10,660,621号が、参照によりその全体を本明細書に組み入れる。
【0013】
採取装置10は、概ね中空の長手方向に延びる採取部分12を含む。採取部分12は、第1または近位軸端部分14が第2または遠位軸端部分16に接続されたものである。遠位端部分16は、近位軸端部分14と接続される第1軸端部分22を有する。第1端部分22は、接着剤または結合を用いるなどして、任意の所望の方法で近位端部分14に接続されてもよい。第1軸端部分22は、近位軸端部分14上の肩部24に係合する。したがって、採取部分12は外面が平滑である。遠位軸端部分16は、近位端部分14と所望の方法で接続してもよい。近位軸端部分14と遠位軸端部分16は、シリコーンやポリウレタンなどの柔軟なポリマーで作られていてもよい。遠位軸端部分16は近位軸端部分14より低デュロメータを有する。遠位軸端部分16は、5~90ショアAのデュロメータを有していてもよい。遠位軸端部分16のデュロメータは、好ましくは20~70ショアA、より具体的には、約30ショアAである。
【0014】
遠位軸端部分16は伸縮してもよい。第1または近位軸端部分14は比較的硬い。したがって、近位端部分14は固定半径範囲を有する。第1軸端部分14と第2軸端部分16は、任意の所望の方法で連結される別個のピースとして形成されてもよく、または一体的に形成されてもよい。なお、近位端部分14は円筒形状を有するものとして図示したが、近位端部分は任意の所望の形状を有していてもよい。
【0015】
近位軸端部分14は、カテーテルなどの支持部材20に接続されている。なお、支持部材20は、採取部分12の内部と流体連通している管状部材であってもよい。近位軸端部分14は、支持部材20から遠位軸端部分16に空気などの流体を導通させるものである。支持部材20は、支持部材に真空をかけた際に倒れにくく、採取装置10を採取サイトから引き抜かれる際に伸びにくい。
【0016】
採取部分12の第2または遠位端部分16は、拡張または膨張位置(図1)と、崩壊または収縮位置(図2図3)とを有している。図1に示す拡張位置は、遠位端部分16にとって、多数の拡張位置のうちの1つであってもよい。遠位端部分16が図1に示すよりも拡張して、遠位端部分がより球状の形状を獲得し、熱気球に似た外観になることが考えられる。遠位端部分16は、拡張位置または膨張位置に、図1に示す凸形状を有する。遠位端部分16は、拡張位置のときに近位端部分14よりも半径方向外側に大きく延びていてもよい。
【0017】
遠位端部分16は、第1または近位軸端部分14内に伸びて、折りたたまれた位置または収縮位置にあるときに、図2および図3に示す凹形状を有する。遠位端部分16は、折りたたまれた位置の時に引っ込めることができる。遠位端部分16は、折りたたまれた位置または収縮位置にあるときに近位端部分14の内部に軸方向に延びる。したがって、遠位端部分16は、収縮位置と膨張位置との間を移動する際に、近位端部分14に対して軸方向または縦方向に移動する。遠位端部分16のデュロメータが比較的低いため、近位端部分14の内部に軸方向に延び、折りたたまれた位置に入ったときに凹形状を有することが可能になる。遠位端部分16は、任意の所望の方法で、折りたたまれた位置または収縮位置に偏ることができる。
【0018】
近位端部分14は、支持体20を介して近位端部分に真空を印加しても近位端部分が潰れないように、比較的高いデュロメータを有している。遠位端部分16が収縮位置と膨張位置との間を移動しても近位端部分14の形状は変化しない。近位端部分14は、遠位端部分16が収縮位置と膨張位置との間を移動しても径方向に移動しない。
【0019】
遠位端部分16は遠位部分が拡張位置にあるときに組織を採取するための外面32がある。外面32は、遠位端部分16が拡張位置にあるときは半径方向外側に向き、遠位端部分が折りたたまれた位置または収納位置にあるときは放射状に内側に向いてもよい。遠位端部分16の外面32は、組織の採取に対して任意の所望の構造を有してもよいと考えられる。遠位端部分16の外面32は、組織の採取用の複数の突起または剛毛40を有していてもよい。遠位端部分16は、任意の所望の数の突起または剛毛40を有してもよい。
【0020】
突起または毛40は、V字型(図4)を有していてもよい。各突起40は、交差点48から延びる第1側面42および第2側面44を有する。第1側面42および第2側面44は、遠位端部分16が拡張位置(図1)にあるとき、交差点48から概ね近位方向に延びる。第1側面42および第2側面44は、遠位端部分16が折りたたまれた位置または収納位置にあるときに、概ね遠位方向に延びる(図2および図3)。第1側面42および第2側面44は、回収された生体サンプルを受け取るためのカップ50を規定する。カップ50は、遠位部分16が拡張位置にあるときは近位方向を向き、遠位部分が折りたたまれた位置にあるときは遠位方向を向く。
【0021】
第1側面42および第2側面44は、互いに対して約90°の角度で延びてもよい。第1側面42および第2側面44は、互いに対して任意の所望の角度で延びてもよいと考えられる。回収する生体サンプルの種類によって、望ましい角度が決定されてもよい。あるいは、突起部40は、カップ状であってもよく、または半円状の形状を有していてもよい。
【0022】
突起または剛毛40のそれぞれは、遠位部分16が拡張位置にあるときに外面32から半径方向外側に延びる側壁54および側壁56(図5)を有している。側壁56は、遠位部分が拡張位置にあるときに近位方向に向き、カップ50の内側面を形成している。側壁54は、遠位部分が拡張位置にあるときに遠位方向に向かい、カップ50の外壁を形成している。側壁54、56は、外面32から突起40の径方向の外面58まで延びている。側壁56は、遠位端部分16が拡張位置と折りたたまれた位置との間の非膨張位置にあるとき、外面32および突起40の外面58に対して概ね垂直に延びる。側壁54は、側壁54が、遠位端部分16が非膨張位置にあるときに外面32から突起部40の径方向外面58に向かって延びると、側壁56に向かってテーパー状に形成されている。
【0023】
側壁56は、遠位端部分16が拡張位置にあるとき、フラップ、フードまたはリップ59(図6図7)を形成できる。リップ59は、採取サイトのサンプル採取に協力している。リップ59は、突起部40の外面58から近位端部分14に向かって延びている。突起40は、遠位端部分16の膨張時に、図4に示す形状から図6に示す形状に伸長する。また、突起40は、遠位端部分16の膨張時に、図5に示す形状から図7に示す形状に高さを減少させる。突起部40の伸長と高さの減少により、突起部40の採取側に採取リップ59が形成される。側壁54,56のテーパーの違いにより、壁部が側壁56側に転がるように偏った傾きが生じる。突起40は、非膨張状態において側壁56で偏って凹んでおり、膨張時にはさらにこれが強調される。突起40の伸長が起こると、突起は薄くなり、縦列に留まるための安定性が低下し、これにより上端が突起の近位側または採取側の上にリップ59を形成する側壁56に向かって転がり落ちる。なお、側壁54,56は、いずれも任意の角度でテーパーを有してもよい。また、側壁54、56は、互いに向かってテーパー状になっていなくてもよいと考えられる。
【0024】
遠位端部分16は、遠位端部分16の遠位部分から延びる複数の突起または剛毛60(図1)を含んでもよい。突起60は、突起40と同じ一般的なV字型を有し、突起40よりも小さい。突起部60は、突起部40の第1側面42および第2側面44よりも小さい長さを有する第1側面62および第2側面64を有する。
【0025】
突起または剛毛40、60は、周方向に延びる列に配置されている(図1)。各行では、6つの突起40または突起60を有することが想定される。各列は、任意の所望の数の突起40または突起60を有してもよいと考えられる。各突起40,60は、隣接する列の突起と周方向にオフセットされている。リブ66は、各行において隣接する突起40,60の間で周方向に延びている。リブ66は、交差点48に対向する側壁54,56の端部間に延びている。
【0026】
カテーテル20は、臨床医または外科医が嚥下を容易にするために採取部分12を被験者の喉の奥に入れることができるように、カテーテル20に剛性を与えるスタイレット100(図8)を有してもよい。スタイレット100は、採取部分12の第1または近位軸端部分14に隣接するところから、カテーテル20を通ってコネクタ102まで延びてもよい。コネクタ102は、カテーテル20と接続され、採取部分12の遠位端部分16を拡張するための流体のカテーテル内への導入を許容するものである。スタイレット100は、好ましくは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)ポリマーで作られている。しかしながら、スタイレットは、ステンレス鋼製ガイドワイヤ、ポリマー製モノフィラメント押出成形品および/またはステンレス鋼製モノフィラメント芯線であってもよい。スタイレット100は、採取部分12から間隔をあけて、丸みを帯びた柔軟な遠位端104(図3参照)を有してもよい。柔軟な遠位端104は、柔軟性を高めるために、目盛りのついたグランドチップ(ground tip)であってもよい。遠位端104は、スタイレット100の最も柔軟な部分であってもよい。
【0027】
コネクタ102には、カテーテル20の近位端106(図8図9)が接続されている。コネクタ102は、スタイレット100の近位端106に第1ブランチ110が接続されたY-フィッティングであってもよい。スタイレット100の近位端106は、第1ブランチ110を通って、第1ブランチを密封して閉じるキャップ112の中に延びる。近位端106は、キャップ112と第1ブランチ110とにエポキシで接続され、キャップ112の近位端と同じ高さに切り落とされたものである。エポキシは、キャップ112を第1ブランチ110に接続してもよい。なお、スタイレット100は、インサート成形などにより、キャップ112に固定的に接続されてもよいと考えられる。その後、スタイレット100をY-フィッティング102およびカテーテル20に挿入してもよく、キャップによってY-フィッティングに接続される。その後、スタイレット100は、望まれる場合は、カテーテル20およびY-フィッティング102から取り外されてもよい。カテーテル20は、カテーテルからのスタイレット100の取り外しを可能にするように、潤滑されてもよい。また、近位端106は、第1ブランチ110に接続されたTuohy-Borstアダプタを通って延びてもよく、ユーザがTuohy-Borstアダプタを緩めてスタイレット100を取り外し、カテーテル20の剛性を低下させることができると考えられる。また、スタイレットは、カテーテル20の外側に沿って延びてもよいことが考えられる。
【0028】
Y-フィッティング102は、第1ブランチ110に対して角度を有して延びる第2ブランチ120を有する。なお、第2ブランチ120は、第2ブランチを開閉するためのストップコック122を有してもよい。また、Y-フィッティング102およびカテーテル20に空気などの流体を導入して採取部分12の遠位端部分16を拡張し、真空を適用して流体を除去して試料採取後の遠位端部分16を折りたたむための第2ブランチ120に注射器が接続されていてもよい。なお、ストップコック122は、試料を取得する際に、カテーテル20および採取部分12内の流体を保持するために使用されてもよい。ストップコック122および注射器は、遠位端部分16を折りたたまれた位置と拡張位置との間で移動させるための流体の注入を制御するのに役立つ。
【0029】
ディスク126は、カテーテル20の近位端またはコネクタ102の遠位端に接続されてもよい。ディスク126は、カテーテル20から半径方向に離れて延び、コネクタ102が被験者の口および/または喉に挿入されることを防止する。
【0030】
採取部分12は、遠位端部分16が折りたたまれた位置または収縮位置で、食道などの身体ルーメン内の採取サイトに移動する。採取部分12は、被験者に飲み込まれてもよい。スタイレット100を操作して、被験者の喉の奥に採取部分12を入れ、採取部分の嚥下を補助してもよい。また、採取部分12をカテーテルに装着したまま、被験者に挿管することも想定される。また、支持体20を介して採取部分12に真空をかけることにより、遠位端部分16を折りたたまれた位置または収縮位置に保持できる。支持部材20またはカテーテルは、被験者の解剖学的構造内の採取サイトを決定するように深度マーキングを有してもよい。また、採取部分12は、下部食道括約筋(LES)を越えて、近位方向をLESに向かって引き込まれるように移動してもよい。外科医または臨床医は、採取部分12がLESに係合したときに、カテーテル20の張力が増加したことを感知できる。また、LESを感知すると、採取部分12の遠位端部分16を拡張するようにしてもよい。遠位端部分16は、採取部分12が採取サイトにいるまたはその付近にいるとき、折りたたまれた位置から拡張位置に移動する。Y-フィッティング102に接続された注射器を作動させて、遠位端部分16に空気などの加圧流体を与え、遠位端部分を折りたたまれた位置から拡張位置へ軸方向に移動させるようにしてもよい。
【0031】
採取部分12は、遠位端部分16が拡張位置にあるときに、採取サイトから組織、細胞、タンパク質、RNAおよび/またはDNAなどの生体サンプルを採取するために食道または身体ルーメン内で移動される。採取部分12は近位方向で移動するだけで、拡張した遠位端部分16は採取サイトに係合し、生体サンプルを回収することが想定される。支持部材20またはカテーテルにある深度マーキングを目安として使用してもよい。例えば、カテーテルは、長さによって、バルーンに近位に20cmに開始して、5cmの単位で60cmまで延びるマーキングを有してもよい。生体サンプルが採取された後、遠位端部分16は拡張位置から、折りたたまれた位置または収納位置に移動する。Y-フィッティング102に接続した注射器で採取部分12に真空をかけることにより、遠位端部分16を拡張位置から折りたたまれた位置に移動させてもよい。採取部分12が身体ルーメンの外に移動すると、遠位端部分16は身体ルーメンと係合せず、採取した生体サンプルが採取サイトとは異なる身体ルーメンに沿った領域からの組織で汚染されることを防止できる。採取装置10が被験者から取り除かれると、生体サンプルは洗浄を介して回収され、および/または採取部分12または遠位端部分16は、支持部材20から切断されてもよく、生体サンプルバイアルに置いてもよい。
【0032】
採取装置140の他の実施形態を図10に示す。採取装置140は、図1図9に示す採取装置と大体似ており、第1または近位端部分144と第2または遠位端部分146とを有する採取部分142を備えている。遠位軸端部分146は拡大及び縮小してもよい。第1または近位軸端部分144が比較的高い剛性を有する。したがって、近位端部分144には固定半径範囲がある。採取部分142の第2または遠位端部分146は、図1に示す拡張位置と同様の拡張位置または膨張位置と、図10に示す折りたたまれた位置または収縮位置とを有する。遠位端部分146は、拡張位置または膨張位置において、凸形状を有する。遠位端部分146は、第1または近位軸端部分144内に延び、折りたたまれた位置または収縮位置にあるときに凹形状を有する。折りたたまれた位置にいるとき、遠位端部分146は引っ込んでいてもよい。遠位端部分146は、折りたたまれた位置または収縮位置にあるときに、近位端部分144の内部に軸方向に延びる。したがって、遠位端部分146は、収縮位置と膨張位置との間を移動する際に、近位端部分144に対して軸方向または縦方向に相対的を移動する。
【0033】
近位端部分144には、補強スリーブ148が接続されている。スリーブ148は、採取部分142の近位端部分144に軸方向に挿入されて、遠位端部分146が折りたたまれた位置にあるときにスリーブの中に伸びるようにしてもよい。スリーブ148は、近位端部分上の遠位アンダーカットリム150によって近位端部分144に保持されている。スリーブ148は、アンダーカットリム150がスリーブの上にスナップしてスリーブを近位端部分に保持するまで近位端部分144に軸方向に挿入されてもよい。アンダーカットのリムは、スリーブ148が遠位端部分146に滑り出ることを防止する。スリーブ148は、近位端部分144に追加の柱強度を与え、遠位端部分146の真空引き中に柱および側壁の崩壊を防ぐのに役立つポリプロピレン成形シリンダであってもよい。スリーブ148は、近位端部分144の壁をより薄くすることを可能にする。近位端部分144のより薄い壁は、近位端部分の内側により多くのスペースを設けて、遠位端部分146が引っ込みやすくなる。遠位端部分146の引っ込みやすさは、生体サンプルをできるだけ多く回収する能力を高めているのかもしれない。遠位端部分146が近位端部分144に引っ込むときに、遠位端部分の表面間の摩擦が大きすぎると、試料をふき取る(squeegee)おそれがある。スリーブ148は、引き込みの信頼性を高め、引き込み時に遠位端部分146の表面が互いに擦れ合うことを低減する。スリーブ148は、近位端部分144に挿入またはインサート成形されたポリマーおよび/または金属製の薄肉スリーブであってもよい。スリーブ148はフープ強度を与え、真空下で近位端部分144が崩壊するのを防ぐのに役立つ。
【0034】
遠位端部分146は、拡張位置に遠位部分がある場合、組織の採取のための外面がある。遠位端部分146が拡張位置にあるとき、外面は半径方向外側に向かっており、遠位端部分が折りたたまれた位置たり収納位置にあるとき、放射状に内側に向かってもよい。遠位端部分146の外面は、組織の採取用のための複数の突起または剛毛152を有してもよい。突起部152は、図1図7に例示したV字型突起部40と同様のV字型を有してもよい。
【0035】
採取装置160の他の実施の形態が図11に示されている。採取装置160は、図1図9に示す採取装置に対して大体似ているが、図11に示す採取装置160は、ダブルVのテクスチャを有する。採取装置160は、第1または近位端部分164と第2または遠位端部分166を有する採取部分162を有する。遠位軸端部分166は拡大・縮小する可能性がある。第1近位軸端部分164が比較的剛性が高い。したがって、近位端部分164は固定半径範囲を有する。採取部分162の第2または遠位端部分166は、図1に示す拡張位置と同様の展開または膨張位置と、図3に示す折りたたまれた位置と同様の折りたたまれた位置または収縮位置を有している。採取部分162は、図11において、拡張位置と折りたたまれた位置との間の非膨張位置に示されている。遠位端部分166は、拡張位置または膨張位置の時に凸形状を有する。遠位端部分166は、第1または近位軸端部分164に延びて、折りたたまれた位置または収縮位置にあるときは凹形状を有する。遠位端部分166は、折りたたまれた位置または収縮位置にあるときに、近位端部分164の内部に軸方向に延びる。したがって、遠位端部分166は、収縮位置と膨張位置の間を移動する際に、近位端部分164に対して軸方向または縦方向に相対的に移動する。
【0036】
遠位端部分166は、拡張位置に遠位部分があるときに組織を採取する外面を有する。遠位端部分166が拡張位置にあるとき、外面は半径方向外側に向かっており、遠位端部分が折りたたまれた位置または収納位置にあるとき、放射状に内側に向かってもよい。遠位端部分166の外面は、組織の採取用の複数の突起または毛172を有してもよい。なお、突起部172は、ダブルV字型を形成していてもよい。それぞれの突起172は、図1図7に例示したV字型の突起40と似ている。それぞれのV字型突起172は、隣接するV字型突起に直接接続されている。
【0037】
採取装置180の他の実施形態が図12に示されている。採取装置180は、図1図9に示す採取装置に対して大体似ており、第1または近位端部分184と第2または遠位端部分186とを有する採取部分182を備える。遠位軸端部分186は拡大・収縮する可能性がある。第1または近位軸端部分184が比較的高い剛性を有する。したがって、近位端部分184には固定半径範囲を有する。採取部分182の第2または遠位端部分186には、図1に示す拡張位置と同様の拡張位置または膨張位置と、図12に示す折りたたまれた位置または収縮位置とがある。遠位端部分186は、拡張位置や膨張位置の時に凸形状を有する。遠位端部分186は、第1または近位軸端部分184に延びて、折りたたまれた位置または収縮位置にあるときに凹形状を有する。遠位端部分186は折りたたまれた位置のときに引っ込められてもよい。遠位端部分186は、折りたたまれた位置または収縮位置にあるときに、近位端部分184の内部に軸方向に延びる。したがって、遠位端部分186は、収縮位置と膨張位置との間を移動する際に、近位端部分184に対して軸方向または縦方向に相対的が移動する。
【0038】
遠位端部分186は、拡張位置に遠位部分がある場合、組織を採取する外面を有する。遠位端部分186が拡張位置にあるとき、外面は半径方向外側に向かって、遠位端部分が折りたたまれた位置または収納位置にあるとき、放射状に内側に向かってもよい。遠位端部分186の外面は、組織を採取用する複数の突起または剛毛192を有してもよい。突起部192は、図1図7に例示したV字型突起部40と同様のV字型を有してもよい。
【0039】
採取装置180は、採取部分182の端部の上に装填され得るゲルキャップまたはゼラチンカバーまたはキャップ194を含む。キャップ194は、採取部分182の採取サイトへの挿入移動時に遠位端部分186を折りたたまれた位置に保持する。キャップ194は、採取部分182が身体ルーメンに到達すると、落下、飛び出し、および/または溶解する。なお、キャップ194は、遠位端部分186が折りたたまれた位置から拡張位置に移動するのに応じて落下してもよい。
【0040】
採取装置200の他の実施形態が図13に示されている。採取装置200は、図1図9に示す採取装置と概ね同様であり、第1または近位端部分204と第2または遠位端部分206とを有する採取部分202を備える。遠位軸端部分206は伸縮する可能性がある。最初か近位軸端部分204が比較的高い剛性を有する。採取部分202の第2または遠位端部分206は、図1に示す拡張位置と同様の拡張位置または膨張位置と、図13に示す折りたたまれた位置または収縮位置を有している。遠位端部分206は、拡張位置または膨張位置にあるとき、凸形状を有する。遠位端部分206は、第1または近位軸端部分204に延びて、折りたたまれた位置または収縮位置にあるときに凹形状を有する。遠位端部分206は、折りたたまれた位置の時に収納できる。遠位端部分206は、折りたたまれた位置または収縮位置にあるときに近位端部分204の内部に軸方向に延在している。したがって、遠位端部分206は、収縮位置と膨張位置との間を移動する際に、近位端部分204に対して軸方向または縦方向に相対的に移動する。
【0041】
遠位端部分206には、遠位部分が拡張位置にいるときに組織を採取するための外面がある。遠位端部分206が拡張位置にあるとき、外面は半径方向外側に向かっている、遠位端部分が折りたたまれた位置または収納位置にあるときは放射状に内側に向かってもよい。遠位端部分206の外面は、組織を採取するための複数の突起または剛毛212を有してもよい。突起部212は、図1図7に例示したV字型突起部40と同様のV字型を有してもよい。
【0042】
採取装置200は、近位端部分204に接続された重り214を含む。重り214は、採取部分202の嚥下を補助することができる。重り214は、タングステンから形成されてもよく、近位端部分204に挿入されてもよい。なお、重り214は、近位端部分204にインサート成形されてもよいことが想定される。
【0043】
採取装置140、160、180、200は、図8図9のカテーテル20、スタイレット100、および/またはコネクタ102と共に使用されてもよい。また、スリーブ148、キャップ194および/または重り214は、採取装置のいずれかと共にまたは採取装置とは別々に使用されてもよいことが想定される。
【0044】
ある実施の形態では、装置300は、被験者の生体サンプルを採取するための装置である。装置300は、管状支持部材20に取り付けられた膨張可能な遠位端部分316を含んでもよい。膨張可能な遠位端部分316は、管状支持部材20に結合され、またはその一部である近位端部分314の中から拡張するように設計されてもよい。膨張可能な遠位端部分316は、近位端部分314から外側に延びるように膨らませて、近位端部分314内に収まるように縮ませることができる。ある実施の形態では、膨張可能な遠位端部分316上の表面は、拡張状態と収縮、収納状態との間の膨張可能な遠位端部分316の動きを容易にするように、変化する厚さを有してもよい。膨張可能な遠位端部分316の変化する厚さは、近位端部分314に対する膨張可能な遠位端部分316の膨張、拡張、収縮、収納の任意の組み合わせを補助するために設けることができる。変化する厚さは、膨張可能な遠位端部分316が膨張、拡張、収縮、収納のいずれかの状態にあるときの形状および柔軟性/剛性に影響を与えることもできる。ある実施の形態では、膨張可能な遠位端部分316の表面は、膨張可能な遠位端部分316が拡張状態にあるときに生体サンプルの採取を可能にするために表面上に配置された複数の突起または剛毛312を含んでもよい。膨張可能な遠位端部分316の表面に配置された突起または剛毛321は、膨張可能な遠位端部分の変化する厚さによって形成される形成物(例えば、隆起、谷など)を伴ってもよい。また、表面の変化する厚さが作る形成物は、膨張可能な遠位端部分316の状態間の移行と同様に、細胞の採取を補助できる。
【0045】
図14を参照すると、ある実施の形態では、採取装置140、160、180および200に関して説明したものと同様に、遠位端部分316を近位端部分314の中に構造的に引き込むために採取装置310を設計することができる。図14は、近位端部分314から遠位端部分316を膨張および拡張させ、少なくとも部分的に膨張させた状態の一例を示す図である。遠位端部分316の近位端部分314へのより予測可能で一貫した収縮および引き込みを容易にするように、遠位端部分316の構造は、遠位端部分316の予測可能な収縮および引き込みを可能にするサイズの調整、形状の調整、材料の組み合わせからの構築、デュロメータの組み合わせを用いた構築、またはこれらの組み合わせが行われてもよい。ある実施の形態では、遠位端部分316の遠位端316aは、遠位端部分316の近位端316bのものよりも厚さがより薄くなるように構成され、および/または近位端316bのものよりも薄い材料から形成されてもよい。ある実施の形態では、遠位端部分316の遠位端316aは、厚さがより薄くなるように構成され、および/または遠位端部分316の近位端316bのものよりもより薄い材料から形成され得る。遠位端部分316の遠位端316aを薄くすることは、遠位端部分316の改善した収縮および収納を容易にするために行うことができる。
【0046】
図14を続けて参照すると、遠位端部分316の構造は、近位端部分314への制御された収縮および収納を容易にするために、多様なレベルのデュロメータを有してもよい。ある実施の形態では、遠位端部分316の遠位端316aは、遠位端部分316の近位端316bの材料よりも低いデュロメータを有する材料から構築されてもよい。遠位端部分316の遠位端316aのデュロメータを低くすることは、遠位端部分316の改善した収縮および収納を容易にするために行うことができる。例えば、遠位端部分316の遠位端316aは、デュロメータが約20~30ショアAであるシリコーン材料であってもよく、近位端316bは、デュロメータが約40~50ショアAであるシリコーン材料であってもよい。
【0047】
ある実施の形態において、遠位端部分316は、近位端部分314への膨張、拡張、生体細胞収集、収縮、および収納のいずれかを改善するために、異なる位置での異なるレベルのデュロメータの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、遠位端部分316の材料は、デュロメータレベルが最も高い近位端316bから遠位端316aへと減少し、遠位端316aが最もデュロメータレベルが低くなるようにすることが可能である。別の例では、近位端316bと遠位端316aとの間の中間部分のデュロメータレベルが最も低いデュロメータレベルであってもよい。
【0048】
図15を参照すると、ある実施の形態において、遠位端部分316は、階層化された、積み重ね可能な、および/または圧縮可能な構造で崩壊するように設計できる。例えば、図15に示すように、遠位端部分316は、近位端部分314への収縮および収納を容易にするように、アコーディオンまたは同様のデザインを形成する複数の折りたたみ可能なひだを有してもよい。図15は、近位端部分314から遠位端部分316を膨張および拡張させ、少なくとも部分的に膨張させた状態の一例を示す図である。形状に加えて、折りたたみ可能なそれぞれの部分は、均一な圧縮を保証するために、異なるデュロメータレベルを有してもよい。折りたたみ可能な部分は、任意の方法を組み合わせて形成できる。例えば、遠位端部分316は、全体を金型を用いて形成してもよく、金型を用いた後に加熱金型を用いて二次加工としてひだを形成するなど、複数の工程を組み合わせて形成してもよい。ある実施の形態では、アコーディオンデザインは、遠位端部分316の形状を維持するとともに、遠位端部分316の膨張、拡張、収縮および収納を維持するように、内側ひだと外側ひだとのために異なる材料の組み合わせを含むことができる。
【0049】
図16および図17を参照すると、ある実施の形態において、遠位端部分316は、遠位端部分316の変化する剛性を提供するための追加の構造を含むように設計されてもよい。図16および図17は、近位端部分314から遠位端部分316を膨張および拡張させ、少なくとも部分的に膨張させた状態の一例を示す図である。追加の構造は、突起または剛毛40、60、152、212に関して説明したように、突起または剛毛312、および追加の構造的特徴を含んでもよい。例えば、図16に示すように、遠位端部分316は、遠位端部分316の表面上の突起または剛毛312(例えば、シェブロン形状)の間に位置する複数のリッジ318を含んでもよい。複数の隆起318は、遠位端部分316の膨張サイズおよび形状を変化させるために設けることができる。また、隆起318は、生体サンプルの採取において突起または剛毛312を補助するように設計されてもよい。例えば、隆起部318は、標的生物学的材料を捕捉できるようなサイズおよび形状にすることができる。
【0050】
ある実施の形態では、図17に示すように、隆起318は、遠位端部分316の主要な細胞採取要素とともに、構造的特徴として提供され得る。隆起318は、任意の組み合わせの材料で、任意の組み合わせの形状と大きさで、任意の組み合わせのデュロメータで形成できる。ある実施の形態では、隆起318は、遠位端部分316を作るための同じ成形プロセスの一部として、または遠位端部分316の表面に形成される別個のプロセスとして、遠位端部分316と同じ材料から形成されてもよい。ある実施の形態では、リッジ318は、遠位端部分316の残りの部分と同じ材料(例えば、シリコーン)から作られた矩形の断面を有してもよい。また、隆起は、半円形、三角形、または任意の多角形、または異なる形状の組み合わせ等、他の形状であってもよい。
【0051】
図18を参照すると、ある実施形の態において、遠位端部分316は、遠位端部分316の変化する剛性を提供するための追加の構造を含むように設計できる。例えば、遠位端部分316は、可変の剛性を作り出すために、突起または剛毛312の長さに沿ったドラフト320を含むことができる。ドラフト320は、サイズ、形状、および/または、より高いデュロメータレベルを有する遠位端部分316の残りの部分と同じ材料、またはより高いレベルの剛性を有する異なる材料を含む材料の任意の組み合わせから作成することが可能である。例えば、ドラフトは半度から数度の範囲を有してもよい。
【0052】
図18は、近位端部分314から遠位端部分316を膨張および拡張させ、少なくとも部分的に膨張させた状態の一例を示す図である。
【0053】
当業者には理解されるであろうが、採取装置300、特に遠位端部分316は、図14~18に関して説明した収縮および収納設計の任意の組み合わせを含む、特定の膨張および拡張品質のために設計することが可能である。
【0054】
ある実施の形態では、遠位端部分316は、近位端部分14と交換可能かつ取り外し可能な方法で接続されてもよい。すなわち、遠位端部分316を近位端部分314から取り外す際に、遠位端部分316を損傷する(例えば、近位端部分314から切断する)必要がない。遠位端部分316は、任意の方法とシステムの組み合わせを用いて近位端部分314に取り外し可能に結合させることができる。例えば、遠位端部分316は近位端部分314にねじ込まれてもよく、および/または摩擦ばめ、接着剤を用いて、または機械的接続を用いて近位端部分314に保持できる。遠位端部分316が取り外し可能であることで、近位端部分314を含む採取装置300の残りの部分を洗浄し、再利用できる。一旦取り外した遠位端部分316は、採取した生体サンプルの分析のためにパッケージ化および/または送付できる。ある実施の形態では、近位端部分314はカテーテル20から取り外し可能であり、引き込まれた遠位端部分316と近位端部分314との組み合わせを、分析のために提供できる。近位端部分314は、取り外し可能で交換可能な遠位端部分316に関してここで説明したような方法の任意の組み合わせを用いて、カテーテル20から取り外し可能で交換可能であってもよい。
【0055】
図1図18の要素を任意に組み合わせて、本開示に準じた採取装置を形成できる。以上の発明の説明から、当業者は、改良、変更、修正を察知する。このような改良、変更および修正は、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図している。
【0056】
運用上、採取装置10、160、180、200、300は、被験者の対象位置内で生体サンプルを収集するために使用可能である例えば、採取装置300は、被験者の食道における組織、細胞、タンパク質、RNAおよび/またはDNAの任意の組み合わせの採取に使用可能である。採取装置300は、あらかじめ組み立てられるキットの一部として提供されてもよく、生体サンプルの採取プロセスの前に組み立てる必要があるものとして提供されてもよい。例えば、キットは、コネクタ102に近位に結合され、取り外し可能で交換可能な近位端部分314および/または遠位端部分316に遠位に結合されたコイル状カテーテル20を含むことができる。キットは、本明細書で説明する構成要素の任意の組合せを含むことができる。ある実施の形態では、キットは、遠位端部分316の膨張、拡張、収縮、および/または収納を制御するための1つまたは複数の注射器も含むことができる。キットの構成部品を検査し、組み立てて、被験者に使用するための下準備をできる。例えば、近位端部分314および/または遠位端部分316を清潔な水に浸して、潤滑性を模擬し、提供できる。
【0057】
ある実施の形態では、1つまたは複数の注射器は、様々な膨張、拡張、収縮、および/または収納ステップを正確に実行するための最後の直前のサイズ/容積を有してもよい。例えば、10-30cc注射器を使用して、ストップコック122との接続のために10-30cc注射器を押し下げ、注射器を10-15ccの引き込み真空にして、遠位端部分316を近位端部分314内に完全に格納させて、採取装置300を準備できる。その後、ストップコック212を閉じて遠位端部分316を近位端部分314の内部に収納した状態に保持し、注射器を取り出すことができる。
【0058】
採取装置300が準備されると、近位端部分314および遠位端部分316を含むカテーテル20の近位端を飲み込むための準備を被験者にさせることができる。例えば、被験者を座らせ、局所麻酔スプレーおよび/または粘性リドカインを咽頭に塗布し、咽頭反射を最小限に抑えることができる。その後、近位端部分314と遠位端部分316とを被験者の口の奥に通し、被験者が飲み込むことができる。被験者が嚥下するとき、カテーテル20の長さが自由に追従し、遠位端部分316が被験者の胃に落ちることを制限しないようにする必要がある。被験者が近位端部分314と遠位端部分316とを飲み込むと、被験者は少量の水を口にできる。また、咽頭反射を抑えるために、適切な局所麻酔スプレーおよび/または粘性リドカインを咽頭に塗布することが被験者に提案されてもよい。
【0059】
嚥下されると、蠕動運動により、カテーテル20と近位端部分314と遠位端部分316とが所望の位置まで前進することが補助される。ある実施の形態では、カテーテル20は、近位端部分314および遠位端部分316の推定位置を与えるためのマーキングを有してもよい。例えば、近位端部分314と遠位端部分316とは、カテーテルのマーキングが歯列弓で50cmを示すとき、胃の中にあると推定できる。ストップコック212に接続された2~12cc(好ましくは5cc)注射器は、カテーテル20を介して近位端部分314および遠位端部分316に2.6~12.6ccの空気を供給するために使用でき、これはプランジャーが完全に引き戻されたときに送られる空気の量である。マーキング等の確認方法により判断して、近位端部分314と遠位端部分316が胃内に位置したら、注射器からカテーテル20を通して2.6~12.6cc(好ましくは5.6cc)の流体(例えば、空気、ガス、液体等)を注入して遠位端部分316を膨らましおよび/または拡張させることができる。ある場合において、遠位端部分316の部分を、聴診器または画像処理装置を用いるなどの他の方法を用いて確認することも可能である。ある実施の形態では、所定の位置にあるとき、遠位端部分316を、16~18mm径に膨張させることができる。その後、ストップコック212を閉め、2-12cc注射器を取り出すことができる。
【0060】
ある実施の形態では、遠位端部分316が胃内で膨張した状態で、医師は、遠位端部分316が胃食道接合部(GEJ)で下部食道括約筋(LES)に接触した結果、適度な抵抗を感じるまでカテーテル20を穏やかに引き戻すことができる。LES/GEJに遠位端部分316が接触すると、歯列弓のカテーテル20のマーキングが認識されることがある。マーキングが認識されると、医師は遠位端部分316をLES/GEJに近接した位置から約2~15cm引き続け、食道の遠位部分からサンプル(例えば、バレット食道(BE)を示し得る異常柱状上皮細胞)を採取することが可能である。遠位端部分316がLES/GEJを通過するとき、LESが弛緩して遠位端部分316がより自由に動くまで、より大きい抵抗があるかもしれない。遠位端部分316がLES/GEJを通過すると、カテーテル20の伸縮は収まり、その後、約2~15cmのサンプリング長をより正確に測定できる。
【0061】
ある実施の形態の場合、歯列弓から30cm以上離れたところまでバルーンを戻してもLES/GEJを感じない場合、被験者のGEJが広がっている可能性があることが確認できる。このような場合、サンプリング前にLESの位置を特定するための補助的なステップを実行することができる。最初は、ストップコック212を開けて、(例えば、5~20のcc注射器を使用して)真空引きし、遠位端部分316を近位端部分314に反転させることができる。その後、ストップコック212を閉位置に移動させ、カテーテル20のマーキングが歯列弓で50cmを示すまで近位端部分314を被験者の胃の中に再度推進させることができる。所定の位置に配置されたら、ストップコック212を開いて11cc(例えば、空気)をカテーテル20内に挿入して遠位端部分316を膨らませ、ストップコック212を閉じて遠位端部分316内に膨らみを保持することが可能である。その後、遠位端部分316がLESに接触していることを意味する適度な抵抗が感じられるまで、カテーテル20を緩やかに引き戻すことができる。この位置は、LESの位置を示す歯列弓付近のマーキングに基づいて認識することができる。位置が分かった状態で、(例えば、真空をかけることで)遠位端部分316を近位端部分314の中に引き込み、LESの位置が分かった状態で通常のステップを実行できる。例えば、約2.6~12.6cc(好ましくは5.6cc)のバルーン膨張を使用し、歯列弓からのcm単位の距離におけるLESの位置を使用する。
【0062】
ある実施の形態では、遠位端部分316が食道内で所望の距離だけ移動すると、近位端部分314内に収縮させて引っ込められ、装置200の引き出し中に採取された生体サンプルを保護できる。例えば、遠位端部分316が遠位食道のサンプル位置を横切って引っ張られると、遠位端部分316を収縮させるためにストップコック212を開くことができる。一旦収縮すると、別の注射器、例えば15~25cc注射器をストップコック212に接続してカテーテル20から5~20ccの流体を引き出して、近位端部分314内に遠位食道サンプルを保護した状態で遠位端部分316を引き込むことが可能である。その後、ストップコック212を閉め、15~25cc注射器を取り出すことができる。
【0063】
サンプリング遠位端部分316を近位端部分314内に保護した状態で、カテーテル20を取り外すことができる。カテーテル20を引き戻すことにより、近位端部分314および遠位端部分316を含めて、カテーテル20を食道/口から完全に取り外すことができる。近位端部分314と遠位端部分316は、上部食道括約筋で一瞬引っかかったように感じることがあり、採取装置300を全体的に取り出すには、しっかり引っ張る必要がある。ある実施の形態の場合、臨床医は、より簡単に取り出すために、上部食道括約筋の間で近位端部分314と遠位端部分316とを引っ張るときに、被験者に飲み込んでもらうことを要求することがある。そうすることで上部括約筋が緩み、近位端部分314と遠位端部分316とが抜き取りやすくなる。
【0064】
ある実施の形態では、一度取り出した近位端部分314および遠位端部分316を汚染から保存でき、例えば、近位端部分314および/または遠位端部分316を密封できる容器(例えば、バイアル、サンプルバッグなど)内に入れる。ある実施の形態の場合、遠位端部分316は近位端部分314から除去される。例えば、2~12のcc注射器は、遠位端部分316を膨らませるために1~5ccの流体を供給するために使用できる。生体サンプルが遠位端部分316から不用意に押し出されないように、ゆっくりとした速度で流体を供給する必要がある。その後、注射器を取り外し、ストップコック212を開いたままにして遠位端部分316を収縮させることが望ましい。遠位端部分316の表面と採取したサンプルに触れることなく、遠位端部分316を取り外すことができる。例えば、遠位端部分316は近位端部分314から切断でき、遠位端部分316は摩擦ばめから切り離し(例えば、機械的接続)、ねじ外し、除去できる、などである。取り外された遠位端部分316は、保管、出荷、および/または将来の分析のために、任意のタイプの容器に挿入できる。ある実施の形態、取り外し可能で交換可能な遠位端部分316の実施の形態では、採取装置300は、将来の使用のために、そして新しい遠位端部分316を受け取るために、消毒可能である。
【0065】
当業者に理解されるように、本明細書で提供される数量および手段は、例示的な目的のみに基づくものである。例えば、サイズの異なる注射器の使用が規定されているが、本発明の範囲を逸脱することなく、カテーテル20と遠位端部分316の圧力を加えたり取り除いたりする機構の任意の組合せを使用することが可能である。同様に、範囲や表示は、本発明の範囲を逸脱することなく、対象や用途等に応じて変化させることができる。
【0066】
本明細書で利用される場合、用語「有する」および「有している」は、排他的ではなく、包括的であると解釈されることが意図されている。本明細書で利用されるように、用語「例示的」、「例」、および「例示的」は、「例、実例、または説明として役立つ」ことを意図しており、他の構成に対する好ましいまたは有利な構成を示す、または示さないように解釈されるべきではない。本書では、「約」、「一般的に」、「おおよそ」という用語は、特性、パラメータ、サイズ、寸法などの主観的または客観的な値の範囲の上限および下限に存在し得る変動を対象とすることを意図している。非限定的な一例では、用語「約」、「一般的に」、および「おおよそ」は、その値で、またはプラス10%以下、またはマイナス10%以下を意味する。非限定的な一例では、用語「約」、「一般的に」、および「おおよそ」は、関連分野の当業者によって含まれるとみなされるのに十分近いことを意味する。本明細書で使用する場合、「実質的に」という用語は、当業者であれば理解できるであろう、作用、特性、状態、構造、項目、または結果の完全またはほぼ完全な拡張または程度を意味する。例えば、「実質的に」円形な物体とは、数学的に決定可能な限界まで完全に円形であるか、当業者が認識または理解できるようにほぼ円形であるかのどちらかであることを意味する。絶対的な完全性からの逸脱が厳密に許容される程度は、場合によっては特定の文脈に依存することがある。しかしながら、一般的には、完成度の程度は、絶対的かつ完全な完成を達成または取得した場合と、同様の全体的な結果をもたらすような完成度の高いものとする。「実質的に」の使用は、当業者であれば理解できるように、作用、特性、性質、状態、構造、項目、または結果の完全またはそれに近い欠如を意味する否定的な意味合いで利用される場合にも同様に適用可能である。
【0067】
本開示の多数の変更および代替的な実施の形態は、前述の説明を考慮すれば、当業者には明らかであろう。したがって、本記載は例示に過ぎず、当業者に本開示を実施するための最良の態様を教示するためのものと解釈されるものである。構造の詳細は、本開示の精神から逸脱することなく大幅に変更でき、添付の請求項の範囲に入るすべての改変の排他的使用が留保される。本明細書において、実施の形態は、明確かつ簡潔な明細書を書くことを可能にする方法で説明されたが、実施の形態は、本発明から離れることなく様々に組み合わせたり分離したりできることが意図され、理解されるであろう。本開示は、添付の特許請求の範囲および適用される法律の規則によって要求される範囲にのみ限定されることが意図されている。
【0068】
また、以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載された本発明のすべての一般的特徴および特定の特徴、ならびに言葉の問題としてその間に該当すると言えるかもしれない本発明の範囲に関するすべての記述を含むものであると理解されるものとする。
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【国際調査報告】