(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-29
(54)【発明の名称】モバイル装置アプリケーションデータに基づいて神経伝達物質レベルを評価及び改善するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/70 20180101AFI20230822BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
G16H20/70
A61B5/16 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504223
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 US2021043760
(87)【国際公開番号】W WO2022026749
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523022365
【氏名又は名称】マター ニューロサイエンス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブション, アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドハーシュ, ベン
【テーマコード(参考)】
4C038
5L099
【Fターム(参考)】
4C038PP03
4C038VA20
5L099AA15
(57)【要約】
個人の全体的なメンタルヘルスを評価し改善するためのシステム及び方法が、本明細書に提示される。1以上の例では、システム及び方法は、ユーザのモバイル装置から情報をダウンロードするように構成されたコンピュータアプリケーションにおいて実装され得る。データが取得されると、1以上の例では、アプリケーションは、追加の情報を提供するようにユーザに促し得、ユーザの入力と取得されたデータの両方を使用して、アプリケーションは、ユーザに彼らの幸福の定量的測定を提供することができる「幸福に対する利益」(ROH)として知られる評価基準を計算することができる。1以上の例では、ROH評価基準は、アプリケーションによって推定されるユーザの神経伝達物質活動に基づき得る。アプリケーションは、ROHにおける任意の欠陥をさらに識別し、検出された欠陥のいずれかを軽減するためにユーザが従事することができる1以上の活動を提案することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算装置上に記憶されたユーザの活動データに基づいて、ユーザの神経伝達物質レベルを評価するための方法であって、
前記ユーザに関連付けられた演算装置からデータを受信することであって、前記受信されたデータが、前記ユーザによって実行される1以上の活動に関連付けられる、ことと、
ディスプレイにおいて第1のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第1のグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上のカテゴリ化を前記ユーザから表示及び受信するように構成される、ことと、
前記ユーザにより実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することと、
前記ディスプレイにおいて第2のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第2のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の感情のそれぞれに対応する1以上の定量的レーティングを前記ユーザから受信するよう構成される、ことと、
前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することと、
1以上の最適な神経伝達物質活動レベルを決定することと、
前記ユーザの前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベル及び前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動レベルに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質欠損を決定することと、
前記ユーザの前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベル及び前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動レベルに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質欠損を決定することと、
前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルを増加させるための1以上の提案を生成し表示することと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記ディスプレイに第3のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第3のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動及び前記決定した1以上の神経伝達物質欠損を表示するよう構成される、ことを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザにより選択された場合に、前記ユーザに関連付けられた電子カレンダーに前記1以上の生成した提案に対応するイベントを追加することを前記ユーザに可能ならしめる、1以上のユーザ選択可能な機能を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記決定した1以上の神経伝達物質を増加させるための前記生成された1以上の提案は、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含むデータベースから1以上のエントリを選択することによって生成される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは、1以上の種類の神経伝達物質に基づいてカテゴライズされる、ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の方法。
【請求項6】
神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは、必要とされる前記神経伝達物質レベルの増加量に基づいてカテゴライズされる、ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザから受信した前記カテゴリ化は、仕事及び学校、消費、レジャー、ソーシャル、コミュニティサービス、宗教、及びスピリチュアルからなる群から選択された、少なくとも1つのカテゴリを含む、ことを特徴とする請求項1乃至6に記載の方法。
【請求項8】
前記決定した1以上の感情は、熱意、性的欲求、プライド、慈愛、満足、娯楽、愛着愛、快楽、及び感謝からなる群から選択された、少なくとも1つの感情を含む、ことを特徴とする請求項1乃至7に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングを、肯定的感情に対する神経伝達物質(PE-NT)マトリックスに適用することを含む、ことを特徴とする請求項1乃至8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上の時間長を受信するよう構成され、前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記1以上の活動の前記受信した1以上の時間長を前記PE-NTマトリックスに適用することを含む、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1以上の神経伝達物質活動レベルは、ドーパミン、テストステロン、セロトニン、オキシトシン、カンナビノイド、及びオピオイドに関連する1以上のレベルを含む、ことを特徴とする請求項1乃至10に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することは、行動対肯定的感情(B-PE)マトリックスに基づく、ことを特徴とする請求項1乃至11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルに基づいて、全体的な幸福に対する利益(ROH:return on happiness)スコアを決定することを含む、ことを特徴とする請求項1乃至12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、最適ROHスコアを決定することを含む、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、前記決定したROHスコア及び前記決定した最適ROHスコアに基づいて、前記ユーザの1以上のROHスコア欠損を決定することを含む、ことを特徴とする請求項13乃至14に記載の方法。
【請求項16】
演算装置上に記憶されたユーザの活動データに基づいて、ユーザの神経伝達物質レベルを評価するためのシステムであって、
メモリと、
ディスプレイと、
1以上のプロセッサと、
1以上のプログラムであって、前記1以上のプログラムが、前記メモリに格納され、前記1以上のプロセッサにより実行されるよう構成される、1以上のプログラムと、を含み、
前記1以上のプログラムは前記1以上のプロセッサにより実行された場合に、前記プロセッサに、
前記ユーザに関連付けられた演算装置からデータを受信することであって、前記受信されたデータが、前記ユーザによって実行される1以上の活動に関連付けられる、ことと、
前記ディスプレイにおいて第1のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第1のグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上のカテゴリ化を表示及び受信するように構成される、ことと、
前記ユーザにより実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することと、
前記ディスプレイにおいて第2のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第2のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の感情のそれぞれに対応する1以上の定量的レーティングを前記ユーザから受信するよう構成される、ことと、
前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することと、
1以上の最適な神経伝達物質活動レベルを決定することと、
前記ユーザの前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベル及び前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動レベルに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質欠損を決定することと、
前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルを増加させるための1以上の提案を生成し表示することと、
を行わせる、ことを特徴とするシステム。
【請求項17】
前記プロセッサはさらに、
前記ディスプレイに第3のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第3のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動及び前記決定した1以上の神経伝達物質欠損を表示するよう構成される、ことを実行させられる、
ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第3のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザにより選択された場合に、前記ユーザに関連付けられた電子カレンダーに前記1以上の生成した提案に対応するイベントを追加することを前記ユーザに可能ならしめる、1以上のユーザ選択可能な機能を含む、
ことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記決定した1以上の神経伝達物質を増加させるための前記生成された1以上の提案は、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含むデータベースから1以上のエントリを選択することによって生成される、ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは1以上の種類の神経伝達物質に基づいてカテゴライズされる、ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは、必要とされる前記神経伝達物質レベルの増加量に基づいてカテゴライズされる、ことを特徴とする請求項16乃至20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ユーザから受信した前記カテゴリ化は、仕事及び学校、消費、レジャー、ソーシャル、コミュニティサービス、宗教、及びスピリチュアルからなる群から選択された、少なくとも1つのカテゴリを含む、ことを特徴とする請求項16乃至21に記載のシステム。
【請求項23】
前記決定した1以上の感情は、熱意、性的欲求、プライド、慈愛、満足、娯楽、愛着愛、快楽、及び感謝からなる群から選択された、少なくとも1つの感情を含む、ことを特徴とする請求項16乃至22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングを、肯定的感情に対する神経伝達物質(PE-NT)マトリックスに適用することを含む、ことを特徴とする請求項16乃至23に記載のシステム。
【請求項25】
前記第2のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上の時間長を受信するよう構成され、前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記1以上の活動の前記受信した1以上の時間長を前記PE-NTマトリックスに適用することを含む、ことを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記1以上の神経伝達物質活動レベルは、ドーパミン、テストステロン、セロトニン、オキシトシン、カンナビノイド、及びオピオイドに関連する1以上のレベルを含む、ことを特徴とする請求項16乃至25に記載のシステム。
【請求項27】
前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することは、行動対肯定的感情(B-PE)マトリックスに基づく、ことを特徴とする請求項16乃至26に記載のシステム。
【請求項28】
前記プロセッサは、前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルに基づいて、全体的な幸福に対する利益(ROH:return on happiness)スコアを決定することをさらに行わされる、ことを特徴とする請求項16乃至27に記載のシステム。
【請求項29】
前記プロセッサはさらに、最適ROHスコアを決定することをさらに行わされる、ことを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記プロセッサは、前記決定したROHスコア及び前記決定した最適ROHスコアに基づいて、前記ユーザの1以上のROHスコア欠損を決定することをさらに行わされる、ことを特徴とする請求項28乃至29に記載のシステム。
【請求項31】
演算装置に記憶されたユーザの活動データに基づいてユーザの神経伝達物質レベルを評価するための命令を含む1以上のプログラムを記憶した非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体であって、ディスプレイを有する電子装置により実行された場合に当該装置に、
前記ユーザに関連付けられた演算装置からデータを受信することであって、前記受信されたデータが、前記ユーザによって実行される1以上の活動に関連付けられる、ことと、
前記ディスプレイにおいて第1のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第1のグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上のカテゴリ化を前記ユーザから表示及び受信するように構成される、ことと、
前記ユーザにより実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することと、
前記ディスプレイにおいて第2のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第2のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の感情のそれぞれに対応する1以上の定量的レーティングを前記ユーザから受信するよう構成される、ことと、
前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することと、
1以上の最適な神経伝達物質活動レベルを決定することと、
前記ユーザの前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベル及び前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動レベルに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質欠損を決定することと、
1以上の最適な神経伝達物質活動レベルを決定することと、
前記ユーザの前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベル及び前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動レベルに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質欠損を決定することと、
前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルを増加させるための1以上の提案を生成し表示することと、
を行わせる、ことを特徴とする非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項32】
前記装置はさらに、
前記ディスプレイに第3のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第3のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動及び前記決定した1以上の神経伝達物質欠損を表示するよう構成される、ことを行わされる、
ことを特徴とする請求項31に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項33】
前記第3のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザにより選択された場合に、前記ユーザに関連付けられた電子カレンダーに前記1以上の生成した提案に対応するイベントを追加することを前記ユーザに可能ならしめる、1以上のユーザ選択可能な機能を含む、
ことを特徴とする請求項32に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項34】
前記決定した1以上の神経伝達物質を増加させるための前記生成された1以上の提案は、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含むデータベースから1以上のエントリを選択することによって生成される、ことを特徴とする請求項31乃至33に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項35】
神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは1以上の種類の神経伝達物質に基づいてカテゴライズされる、ことを特徴とする請求項34に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項36】
神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは、必要とされる前記神経伝達物質レベルの増加量に基づいてカテゴライズされる、ことを特徴とする請求項34乃至35に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項37】
前記ユーザから受信した前記カテゴリ化は、仕事及び学校、消費、レジャー、ソーシャル、コミュニティサービス、宗教、及びスピリチュアルからなる群から選択された、少なくとも1つのカテゴリを含む、ことを特徴とする請求項31乃至36に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項38】
前記決定した1以上の感情は、熱意、性的欲求、プライド、慈愛、満足、娯楽、愛着愛、快楽、及び感謝からなる群から選択された、少なくとも1つの感情を含む、ことを特徴とする請求項31乃至37に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項39】
前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングを、肯定的感情に対する神経伝達物質(PE-NT)マトリックスに適用することを含む、ことを特徴とする請求項31乃至38に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項40】
前記第2のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上の時間長を受信するよう構成され、前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記1以上の活動の前記受信した1以上の時間長を前記PE-NTマトリックスに適用することを含む、ことを特徴とする請求項39に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項41】
前記1以上の神経伝達物質活動レベルは、ドーパミン、テストステロン、セロトニン、オキシトシン、カンナビノイド、及びオピオイドに関連する1以上のレベルを含む、ことを特徴とする請求項31乃至40に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項42】
前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することは、行動対肯定的感情(B-PE)マトリックスに基づく、ことを特徴とする請求項31乃至41に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項43】
前記装置は、前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルに基づいて、全体的な幸福に対する利益(ROH:return on happiness)スコアを決定することをさらに行わされる、ことを特徴とする請求項31乃至42に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項44】
前記装置は、最適ROHスコアを決定することをさらに行わされる、ことを特徴とする請求項43に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項45】
前記装置は、前記決定したROHスコア及び前記決定した最適ROHスコアに基づいて、前記ユーザの1以上のROHスコア欠損を決定することをさらに行わされる、ことを特徴とする請求項44に記載の非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、演算システムアプリケーションデータを使用して、被験者の神経伝達物質レベルを決定し、被験者によって実行された場合に、神経伝達物質レベルの決定された欠損を増加させることができる活動を決定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願へのクロスリファレンス)
本出願は2020年7月31日に出願された米国仮出願第63/059738号の優先権を主張し、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
心の健康は、身体の健康と同じように配慮すべきものであるとの認識が広まっている。今日、世界人口の80%以上が抑鬱症、不安症や依存症の負担を負っていると推定されている。このメンタルヘルスの浸食は、社会全体にとって重要な意味を持つ。メンタルヘルス問題は、犯罪や自殺率の増加、さらには生産性の低下が原因であり得る。このように、集団全体のメンタルヘルスを改善することは、メンタルヘルスが改善された個人に利益をもたらすだけでなく、社会にも利益をもたらす。
【0004】
メンタルヘルスの重要性を認識し、メンタルヘルスを改善するための多くのアプローチが提案され適用されてきた。例えば、メンタルヘルスを改善するために、哲学的、心理学的、技術的、及び神経科学的なアプローチが実施されてきたが、その結果はまちまちである。これらのアプローチの多くは、失敗に終わるか、メンタルヘルスにおけるわずかな改善しかもたらさなかった。これらの欠点の1つの理由は、個人のメンタルヘルスを知る窓を提供可能なデータを取得することが困難であり得ることである。多くの場合、このようなデータを取得には、問題を評価するために、セラピストとの大規模かつ時間を要するカウンセリングセッションを個人が受ける必要がある。個人は、メンタルヘルス上の問題が生じた場合にのみ、そのような検査を受け得る。しかしながら、予防の観点では、日常的にメンタルヘルスの指標を追跡する、煩わしくなく有意義な方法がない。メンタルヘルスの問題を診断する一方で、多くのアプローチがメンタルヘルスを改善するための有意義な提案を日常的に提供していない可能性があることも、欠点の別の原因であり得る。たとえ提案が提供されたとしても、それらの提案は特定の患者に個別に合わせられたものではなく、メンタルヘルスを改善するための一般的なガイダンスを提供するだけで、メンタルヘルスの低下の特定の原因を改善する場合もあれば、改善しない場合もある。
【0005】
携帯電話等のモバイル演算装置は、個人のメンタルヘルスに関する大量のデータを提供できる。例えば、モバイル装置入力、電話、テキストメッセージ、及び他のアプリケーションデータ等のデジタルデータは、個人が日常的に従事している活動のタイプの洞察を提供でき、個人が、そのメンタルヘルスに役立つような活動に従事しているか否か、及びそれが健康を維持することを保障するか否かの決定に有用であり得る。モバイル装置は,(例えば、ポケットまたは財布の中で)に常に個人を尾行しており、煩わしい心理診断技術を必要とせずに、総合的ななメンタルヘルス評価を生成するために使用できる、ユーザの日常活動に関する必要な情報を提供するために利用できる。一例として、モバイル装置上のモバイル装置エントリは、ユーザが従事している活動のタイプに関する洞察を提供でき、これらの活動の分析は、例えば全体的な幸福を促進することが知られている特定の神経伝達物質を脳に放出させることによって、彼らの日常生活の中でメンタルヘルスを促進する活動を行っているかどうかを示すことができる。
【0006】
ユーザの日常活動に関連するモバイル装置情報及びデータを取得し、そのデータを、(メンタルヘルスの観点から)ユーザが健康的なライフスタイルを維持しているかどうかの有意義な分析に変換できるシステムが必要である。また、単に個人の全体的なメンタルヘルスを促進する活動にユーザが従事しているか否かの評価を提供するではなく、当該評価を利用して、ユーザが最大の幸福を十分に実現できるように日常ルーチンをどのように修正するかのガイダンスを提供するできるシステムも必要である。
【発明の概要】
【0007】
従って、本明細書では、モバイル装置アプリケーションデータに基づいて神経伝達物質レベルを評価及び改善するためのシステム及び方法が提供される。1以上の例では、システムは、ユーザの日々のメンタルヘルスについての洞察を提供できるユーザのモバイル装置から、情報をダウンロードするように構成された演算アプリケーションとして実装できる。データが取得されると、1以上の例では、アプリケーションは、モバイル装置から取得したデータに関する追加情報を提供するようにユーザに促すことができ、そしてユーザの入力及び取得したデータの両方を使用して、アプリケーションはユーザにおける神経伝達物質活動を計算し、神経伝達物質活動におけるあらゆる欠損を特定することができる。
【0008】
ユーザにおける神経伝達物質レベルを分析し、神経伝達物質活動における欠損を特定することに加えて、1以上の例では、アプリケーションは、ユーザの神経伝達物質の理想のレベルがどうあるべきであるかを決定し、幸福に対する個人の潜在性を完全に実現するように神経伝達物質レベルを改善するために従事可能な活動及び行動のタイプに関するユーザへの提案を提供するために、データを使用することができる。
【0009】
一態様に係り、演算装置上に記憶されたユーザの活動データに基づいて、ユーザの神経伝達物質レベルを評価するための方法は、前記ユーザに関連付けられた演算装置からデータを受信することであって、前記受信されたデータが、前記ユーザによって実行される1以上の活動に関連付けられる、ことと、ディスプレイにおいて第1のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第1のグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上のカテゴリ化を前記ユーザから表示及び受信するように構成される、ことと、前記ユーザにより実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することと、前記ディスプレイにおいて第2のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第2のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の感情のそれぞれに対応する1以上の定量的レーティングを前記ユーザから受信するよう構成される、ことと、前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することと、1以上の最適な神経伝達物質活動レベルを決定することと、前記ユーザの前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベル及び前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動レベルに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質欠損を決定することと、前記ユーザの前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベル及び前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動レベルに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質欠損を決定することと、前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルを増加させるための1以上の提案を生成し表示することと、を含む。
【0010】
オプションとして、前記方法は、前記ディスプレイに第3のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第3のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動及び前記決定した1以上の神経伝達物質欠損を表示するよう構成される、ことを含む。
【0011】
オプションとして、前記第3のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザにより選択された場合に、前記ユーザに関連付けられた電子カレンダーに前記1以上の生成した提案に対応するイベントを追加することを前記ユーザに可能ならしめる、1以上のユーザ選択可能な機能を含む。
【0012】
オプションとして、前記決定した1以上の神経伝達物質を増加させるための前記生成された1以上の提案は、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含むデータベースから1以上のエントリを選択することによって生成される。
【0013】
オプションとして、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは1以上の種類の神経伝達物質に基づいてカテゴライズされる。
【0014】
オプションとして、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは、必要とされる前記神経伝達物質レベルの増加量に基づいてカテゴライズされる。
【0015】
オプションとして、前記ユーザから受信した前記カテゴリ化は、仕事及び学校、消費、レジャー、ソーシャル、コミュニティサービス、宗教、及びスピリチュアルからなる群から選択された、少なくとも1つのカテゴリを含む。
【0016】
オプションとして、前記決定した1以上の感情は、熱意、性的欲求、プライド、慈愛、満足、娯楽、愛着愛、快楽、及び感謝からなる群から選択された、少なくとも1つの感情を含む。
【0017】
オプションとして、前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングを、肯定的感情に対する神経伝達物質(PE-NT)マトリックスに適用することを含む。
【0018】
オプションとして、前記第2のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上の時間長を受信するよう構成され、前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記1以上の活動の前記受信した1以上の時間長を前記PE-NTマトリックスに適用することを含む。
【0019】
オプションとして、前記1以上の神経伝達物質活動レベルは、ドーパミン、テストステロン、セロトニン、オキシトシン、カンナビノイド、及びオピオイドに関連する1以上のレベルを含む。
【0020】
オプションとして、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することは、行動対肯定的感情(B-PE)マトリックスに基づく。
【0021】
オプションとして、前記方法は、前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルに基づいて、全体的な幸福に対する利益(ROH:return on happiness)スコアを決定することを含む。
【0022】
オプションとして、前記方法は、最適ROHスコアを決定することを含む。
【0023】
オプションとして、前記方法は、前記決定したROHスコア及び前記決定した最適ROHスコアに基づいて、前記ユーザの1以上のROHスコア欠損を決定することを含む。
【0024】
一態様に係り、演算装置上に記憶されたユーザの活動データに基づいて、ユーザの神経伝達物質レベルを評価するためのシステムは、メモリと、ディスプレイと、1以上のプロセッサと、1以上のプログラムであって、前記1以上のプログラムが、前記メモリに格納され、前記1以上のプロセッサにより実行されるよう構成される、1以上のプログラムと、を含み、前記1以上のプログラムは前記1以上のプロセッサにより実行された場合に前記プロセッサに、前記ユーザに関連付けられた演算装置からデータを受信することであって、前記受信されたデータが、前記ユーザによって実行される1以上の活動に関連付けられる、ことと、前記ディスプレイにおいて第1のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第1のグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上のカテゴリ化を表示及び受信するように構成される、ことと、前記ユーザにより実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することと、前記ディスプレイにおいて第2のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第2のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の感情のそれぞれに対応する1以上の定量的レーティングを前記ユーザから受信するよう構成される、ことと、前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することと、1以上の最適な神経伝達物質活動レベルを決定することと、前記ユーザの前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベル及び前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動レベルに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質欠損を決定することと、前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルを増加させるための1以上の提案を生成し表示することと、を行わせる。
【0025】
オプションとして、前記プロセッサは、前記ディスプレイに第3のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第3のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動及び前記決定した1以上の神経伝達物質欠損を表示するよう構成される、ことをさらに行わされる。
【0026】
オプションとして、前記第3のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザにより選択された場合に、前記ユーザに関連付けられた電子カレンダーに前記1以上の生成した提案に対応するイベントを追加することを前記ユーザに可能ならしめる、1以上のユーザ選択可能な機能を含む。
【0027】
オプションとして、前記決定した1以上の神経伝達物質を増加させるための前記生成された1以上の提案は、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含むデータベースから1以上のエントリを選択することによって生成される。
【0028】
オプションとして、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは1以上の種類の神経伝達物質に基づいてカテゴライズされる。
【0029】
オプションとして、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは、必要とされる前記神経伝達物質レベルの増加量に基づいてカテゴライズされる。
【0030】
オプションとして、前記ユーザから受信した前記カテゴリ化は、仕事及び学校、消費、レジャー、ソーシャル、コミュニティサービス、宗教、及びスピリチュアルからなる群から選択された、少なくとも1つのカテゴリを含む。
【0031】
オプションとして、前記決定した1以上の感情は、熱意、性的欲求、プライド、慈愛、満足、娯楽、愛着愛、快楽、及び感謝からなる群から選択された、少なくとも1つの感情を含む。
【0032】
オプションとして、前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングを、肯定的感情に対する神経伝達物質(PE-NT)マトリックスに適用することを含む。
【0033】
オプションとして、前記第2のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上の時間長を受信するよう構成され、前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記1以上の活動の前記受信した1以上の時間長を前記PE-NTマトリックスに適用することを含む。
【0034】
オプションとして、前記1以上の神経伝達物質活動レベルは、ドーパミン、テストステロン、セロトニン、オキシトシン、カンナビノイド、及びオピオイドに関連する1以上のレベルを含む。
【0035】
オプションとして、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することは、行動対肯定的感情(B-PE)マトリックスに基づく。
【0036】
オプションとして、前記プロセッサは、前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルに基づいて、全体的な幸福に対する利益(ROH:return on happiness)スコアを決定することをさらに行わされる。
【0037】
オプションとして、前記プロセッサはさらに、最適ROHスコアを決定することをさらに行わされる。
【0038】
オプションとして、前記プロセッサは、前記決定したROHスコア及び前記決定した最適ROHスコアに基づいて、前記ユーザの1以上のROHスコア欠損を決定することをさらに行わされる。
【0039】
一態様に係り、演算装置に記憶されたユーザの活動データに基づいてユーザの神経伝達物質レベルを評価するための命令を含む1以上のプログラムを記憶した非一時的コンピュータ読取可能な記憶媒体であって、ディスプレイを有する電子装置により実行された場合に当該装置に、前記ユーザに関連付けられた演算装置からデータを受信することであって、前記受信されたデータが、前記ユーザによって実行される1以上の活動に関連付けられる、ことと、前記ディスプレイにおいて第1のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第1のグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上のカテゴリ化を前記ユーザから表示及び受信するように構成される、ことと、前記ユーザにより実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することと、前記ディスプレイにおいて第2のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第2のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の感情のそれぞれに対応する1以上の定量的レーティングを前記ユーザから受信するよう構成される、ことと、前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することと、1以上の最適な神経伝達物質活動レベルを決定することと、前記ユーザの前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベル及び前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動レベルに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質欠損を決定することと、1以上の最適な神経伝達物質活動レベルを決定することと、前記ユーザの前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベル及び前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動レベルに基づいて、前記ユーザの1以上の神経伝達物質欠損を決定することと、前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルを増加させるための1以上の提案を生成し表示することと、
を行わせる、ことを含む。
【0040】
オプションとして、前記装置は、前記ディスプレイに第3のグラフィカルユーザインタフェースを表示することであって、前記第3のグラフィカルユーザインタフェースが、前記決定した1以上の最適な神経伝達物質活動及び前記決定した1以上の神経伝達物質欠損を表示するよう構成される、ことをさらに行わされる。
【0041】
オプションとして、前記第3のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザにより選択された場合に、前記ユーザに関連付けられた電子カレンダーに前記1以上の生成した提案に対応するイベントを追加することを前記ユーザに可能ならしめる、1以上のユーザ選択可能な機能を含む。
【0042】
オプションとして、前記決定した1以上の神経伝達物質を増加させるための前記生成された1以上の提案は、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含むデータベースから1以上のエントリを選択することによって生成される。
【0043】
オプションとして、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは1以上の種類の神経伝達物質に基づいてカテゴライズされる。
【0044】
オプションとして、神経伝達物質レベルを増加させるための複数の提案を含む前記データベースは、必要とされる前記神経伝達物質レベルの増加量に基づいてカテゴライズされる。
【0045】
オプションとして、前記ユーザから受信した前記カテゴリ化は、仕事及び学校、消費、レジャー、ソーシャル、コミュニティサービス、宗教、及びスピリチュアルからなる群から選択された、少なくとも1つのカテゴリを含む。
【0046】
オプションとして、前記決定した1以上の感情は、熱意、性的欲求、プライド、慈愛、満足、娯楽、愛着愛、快楽、及び感謝からなる群から選択された、少なくとも1つの感情を含む。
【0047】
オプションとして、前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記ユーザから受信した前記受信した1以上の定量的レーティングを、肯定的感情に対する神経伝達物質(PE-NT)マトリックスに適用することを含む。
【0048】
オプションとして、前記第2のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の1以上の時間長を受信するよう構成され、前記ユーザの前記1以上の神経伝達物質活動レベルを決定することは、前記1以上の活動の前記受信した1以上の時間長を前記PE-NTマトリックスに適用することを含む。
【0049】
オプションとして、前記1以上の神経伝達物質活動レベルは、ドーパミン、テストステロン、セロトニン、オキシトシン、カンナビノイド、及びオピオイドに関連する1以上のレベルを含む。
【0050】
オプションとして、前記ユーザによって実行された前記1以上の活動の前記受信した1以上のカテゴリ化に基づいて1以上の感情を決定することは、行動対肯定的感情(B-PE)マトリックスに基づく。
【0051】
オプションとして、前記プロセッサは、前記決定した1以上の神経伝達物質活動レベルに基づいて、全体的な幸福に対する利益(ROH:return on happiness)スコアを決定することをさらに行わされる。
【0052】
オプションとして、前記プロセッサはさらに、最適ROHスコアを決定することをさらに行わされる。
【0053】
オプションとして、前記プロセッサは、前記決定したROHスコア及び前記決定した最適ROHスコアに基づいて、前記ユーザの1以上のROHスコア欠損を決定することをさらに行わされる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
特徴は、添付の図面を参照して例示的な実施形態を詳細に説明することにより、当業者には明らかになろう。
【
図1】
図1は、本開示の例に係る、演算装置のために受信されたデータに基づいて神経伝達物質レベルを決定し、当該受信されたデータに基づいてレベルを改善するための提案を提供するための例示的な処理を示す。
【
図2】
図2は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得された活動に関するユーザ入力を受信するように構成された例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。
【
図3】
図3は、本開示の例に係る、例示的な行動-肯定的感情マトリックスを示す。
【
図4】
図4は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得された1以上の活動中のユーザの感情に関するユーザの入力を取得するように構成された例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。
【
図5】
図5は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得された活動に関連する神経伝達物質レベルを表示するように構成された例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。
【
図6】
図6は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得された特定の活動に関する例示的な神経伝達物質レベル計算を示す。
【
図7】
図7は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得された活動に関連する神経伝達物質レベルを表示するように構成された他の例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。
【
図8B】
図8A~8Bは、本開示の例に係る、脳が所与の期間に生成できる最大の神経伝達物質レベルを決定するための例示的な計算を示す。
【
図9】
図9は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得されたROH計算を表示し、実際のレベルと所望のレベルとの間のギャップを示すように構成された例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。
【
図10】
図10は、本開示の例に係る、ROH及び個人の神経伝達物質レベルを改善するための提案を提供するための例示的な処理を示す。
【
図11C】
図11A~Cは、本開示の例に係る、ROH及び個人の神経伝達物質レベルに基づく活動の提案の例示的なデータベースを示す。
【
図12C】
図12A~Cは、本開示の例に係る、ROH及び個人の神経伝達物質レベルに基づく活動の提案の別の例示的なデータベースを示す。
【
図13B】
図13A~Bは、本開示の例に係る、ROH及び個人の神経伝達物質レベルに基づく活動の提案の例示的なデータベースを示す。
【
図14】
図14は、本開示の例に係る、肯定的なメンタルヘルスに関連する神経伝達物質レベルを増加させるための活動の提案をユーザに提供するように構成された例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。
【
図15】
図15は、本開示の例に係る、ユーザが彼らのデジタルモバイル装置に提案を追加できるように構成されたグラフィカルユーザインタフェースを示す。
【
図16】
図16は、本開示の例に係る、上述のシステムとのユーザ従事のレベルと、ユーザの全体的なROHに対するシステムの影響とを決定するために以前に行われたテスト設計を示す。
【
図17】
図17は、本開示の例に係る、経時的なROHテスト中の参加者/ユーザの減少及び数、並びに保持率を示す。
【
図18】
図18は、本開示の例に係る、ユーザの様々なカテゴリについて、ROHが経時的にどのように改善されたかを示したテストデータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
開示及び実施形態の以下の説明では、例示として、実施可能な特定の実施形態が示される、添付の図面が参照される。他の実施形態及び例が実施可能であり、本開示の範囲から逸脱することなく変更が可能であることは理解されるべきである。
【0056】
さらに、以下の説明で使用される単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別の意味を持つ場合を除き、複数形も含むことが意図されていることも理解されるべきである。また、本明細書で使用される「及び/または」との文言は、関連する列挙された項目の1以上及び全ての組み合わせを意味し、包含していることも理解されるべきである。さらに、「含む(includes)」、「含むこと(including)」、「有する(comprises)」、及び/または「有すること(comprising)」との文言は、本明細書で使用される場合、言及される特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/またはユニットの存在を特定するが、1以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、ユニット、及び/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことも理解されるべきである。
【0057】
以下の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する動作のアルゴリズム及び記号表現の観点から提示される。これらのアルゴリズムの記述及び表現は、データ処理分野の当業者が、他の当業者に彼らの仕事の内容を最も効果的に伝えるために使用される手段である。アルゴリズムは、ここでは、一般に所望の結果をもたらすステップ(命令)の自己矛盾のないシーケンスであると考えられる。ステップは、物理量の物理的操作を必要とするものである。通常、これらの量は、必ずしもそうではないが、記憶、転送、結合、比較、及び他の操作が可能な電気信号、磁気信号、または光信号の形をとる。これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数等と呼ぶことは、主に一般的な使用の理由から、時には便利である。さらに、一般性を失うことなく、物理量の物理的操作を必要とするステップの特定の配置をモジュールまたはコードデバイスと呼ぶことも、時には好都合である。
【0058】
しかしながら、これらの用語や類似の用語の全ては、適切な物理量に関連付けられるべきものであり、これらの量に適用される便利なラベルに過ぎない。以下の説明から明らかなように、特に明記しない限り、本明細書の全体を通して、「処理(processing)」、「演算(computing)」、「計算(calculating)」、「判断(determining)」、「表示(displaying)」等の文言を使用する説明は、コンピュータシステムメモリまたはレジスタ、あるいは、他のそのような情報記録装置、送信装置または表示装置内の、物理的(電子的)量として表されるデータを操作及び変換する、コンピュータシステムまたは同様の電子演算装置の動作及び処理を指すことが理解される。
【0059】
本開示の特定の態様は、本明細書に記載される処理工程及び命令をアルゴリズムの形で含む。本開示の処理工程及び命令は、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで実施することができ、ソフトウェアで実施される場合、様々なオペレーティングシステムにより使用される異なるプラットフォーム上に存在し、当該異なるプラットフォームから動作されるようにダウンロードすることができることに留意されるべきである。
【0060】
本開示は、本明細書で述べる動作を実行するための装置にも関する。当該装置は、必要な目的のために特別に構成されたものであってもよいし、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータを含むものであってもよい。このようなコンピュータプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気または光カード、特定用途向け集積回路(ASIC)を含む任意のタイプのディスク、または電子命令の格納に適した任意のタイプの媒体等(これらに限定されない)の、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納され、それぞれがコンピュータシステムバスに結合されていてもよい。さらに、明細書で言及されるコンピュータは、単一のプロセッサを含んでもよいし、演算能力を増大させるために複数プロセッサ設計を採用した構造であってもよい。
【0061】
本明細書に記載される方法、装置及びシステムは、特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関連するものではない。また、種々の汎用システムが、本明細書の教示に従ったプログラムに使用されるものであってもよいし、必要な方法工程を実行するために、より特殊な装置を構築することが便利であることが証明され得る。これらの様々なシステムに必要な構造は、以下の説明から明らかになる。さらに、本開示は、任意の特定のプログラミング言語を参照して説明されるものではない。本明細書に記載される本開示の教示を実施するために、種々のプログラミング言語が使用され得ることは理解されよう。
【0062】
演算装置と人間のインタラクションは、演算装置が今やユーザの日常生活を知る窓を提供可能なように、長年にわたって拡大し多様化してきた。例えば、モバイル装置に関して、ユーザとモバイル装置とのインタラクションは、ユーザが任意の特定の瞬間に日中に何をしているかを知る窓を提供できる。モバイル装置のユーザは、しばしば、デジタルカレンダーを用いて約束に従事し、モバイル装置上に記憶されている様々なアプリケーションをエンターテイメントや情報収集のために使用し、電話及びテキストメッセージで友人、家族、または他の個人と連絡をとるためにモバイル装置を使用することさえできる。
【0063】
個人が日中に従事する活動は、その全体的な幸福に実質的な影響を及ぼし得る。幸福は、任意の瞬間に人体に現れる特定の神経科学的及び心理学的なバイオマーカによって測定できる。例えば、ドーパミン、テストステロン、セロトニン、オキシトシン、カンナビノイド、オピオイド等の脳内の特定の神経伝達物質は、個人のメンタルヘルス及び幸福の全体に大きな影響を及ぼし得る。一日を通して各神経伝達物質を特定レベルに維持することは、メンタルヘルスの全体的な改善につながり、個人が最大限の幸福の可能性を実現することを確実にできる。
【0064】
体内の神経伝達物質の量は、私たちが日常的に従事している活動と相関している。例えば、ポジティブで楽しい活動に従事することは、ポジティブなメンタルヘルスと幸福につながる神経伝達物質の体内での放出に相関し得る。しかしながら、幸福または最高のメンタルヘルスを達成することは、単に我々の体内の神経伝達物質の量を増加させることを意味するものではない。代わりに、最高のメンタルヘルス及び幸福は、1日を通して我々の体内の神経伝達物質が一定の比率または組合せを達成及び維持することと相関し得る。個人が行う活動は、特定の神経伝達物質レベルを増加させることもあれば、他のものには実質的に影響を及ぼさないこともある。故に、最高の幸福と相関する神経伝達物質の適切な組合せを達成するためには、まず個人が任意の時点で自分の神経伝達物質レベルを理解する方法を有し、最高のメンタルヘルスに達するためにいずれの神経伝達物質を高める必要があるかを判断し、また、神経伝達物質間の最適なバランスを達成するために、いずれのタイプの活動に従事する必要があるかを知らなければならない。
【0065】
本開示の1以上の例では、個人によって使用される演算装置から生成されたデータを活用して、体内の神経伝達物質レベルの測定値を提供することができる。以下に詳細に説明されるように、モバイル装置からのデータを分析することによって、本明細書に説明されるシステム及び方法は、任意の瞬間に体内で生成される神経伝達物質レベルの推定値を提供することができる。そして、当該推定値を使用して、神経伝達物質レベルの任意の潜在的なギャップを特定し、1以上の例ではシステムは、個人がそれらのギャップを排除することの一助となる活動のための提案を提供することで、最高のメンタルヘルスを達成できる神経伝達物質レベルの最適な組合せを実現することができる。
【0066】
図1は、本開示の例に係る、演算装置のために受信されたデータに基づいて神経伝達物質レベルを決定し、当該受信されたデータに基づいてレベルを改善するための提案を提供するための例示的な処理を示す。本開示の1以上の例では、
図1に関して説明した処理100は、携帯電話のようなモバイル演算装置等の演算装置上にインストールされるアプリケーションとして、演算装置上で実装することができる。
【0067】
1以上の例では、処理100は、モバイル演算装置上にインストールされたアプリケーションが、ユーザの日常活動に関連するモバイル演算装置上にインストールされた他のアプリケーションまたは機能から情報をダウンロードできるステップ102で開始できる。例えば、1以上の例では、アプリケーションは演算装置上に記憶されたカレンダーにアクセスして、所定の日または期間にユーザが従事した活動に関する情報を取得できる。1以上の例では、ダウンロードされた情報は、期間中の任意の時間にユーザが何をしていたかを示すことができる、モバイル装置上に記憶された電話、テキストメッセージ、及び他のデータを含むことができる。1以上の例では、デジタルデータは、ユーザのスクリーンタイムの量だけでなく、様々な「ライフスタイル」アプリケーションの使用を含むことができる。1以上の例では、カレンダー自体から情報(即ち、デジタルデータ)を引き出すことに加えて、1以上の例で、ステップ102においてユーザのカレンダーから引き出された情報を補足するために、ユーザとその装置の両方から追加情報を収集することができる。例えば、1以上の例では、地理位置情報、気象データ、及び他の個人の位置または動きへのタグ付け情報が、ユーザの演算装置(即ち、携帯電話)から抽出され、カレンダー情報とともに含まれ得る。代替的または追加的に、1以上の例では、バイオデータはユーザの1以上のウェアラブル装置(即ち、時計やパーソナルフィットネストラッカー)から抽出することもできる。1以上の例では、ユーザは、イベントに関与する1人または複数の人物の個人連絡先情報への手動リンクを追加するように促され得る。イベントの完了字には、ユーザは、イベントに関するデータを、ユーザのカレンダーから引き出された情報に追加するようにさらに促され得る。例えば、ユーザは、イベント後の想起を促進すべく、イベントに関連する1以上の写真を追加するように促され得る。さらに、後述するように、ユーザはイベントの終了後に1以上のイベント固有の「ハッシュタグ」、即ち、イベントの想起をさらに強化するために、イベントに関連する単語またはフレーズを追加するように促され得る。
【0068】
1以上の例では、ユーザの幸福に関連し得るイベントを抽出するためにカレンダーまたは他の装置データを引き出すことに加えて、そうしなければ感情的評価のために失われ得る、感情的意義の予想外の瞬間を捉えるために瞬時に対話可能なグラフィカルユーザインタフェース(即ち、ボタンまたは一連のボタン)が、代わりにユーザに提示され得る。例えば、1以上の例では、日中に発生する感情的意義のあるイベントを捉えるために、ユーザが押すことのできるグラフィカルな「ボタン」(携帯電話のロック画面上またはデスクトップ上のボタンのいずれか)が、ユーザに提示され得る。1以上の例では、ボタンが押されると、時刻及び位置のスタンプを即座に記憶することができる。1以上の例では、ボタンが押されたことに応じて位置と時刻のスタンプが自動的に取得され得るが、情報が個人の位置データへ自動タグにより情報がさらに補完される、または自分でハッシュタグを追加するようにユーザに促されることで、後にROH目的で評価する際にイベントを想起可能にする。1以上の例では、この方法で記録されたイベントは、完全なレーティング及びデータ入力のために、カレンダーに記録されたイベントと実質的に同様の方法でユーザに提示され得る。
【0069】
1以上の例では、上述のようにボタンを押すことに代えて、またはそれに加えて、ユーザは他の方法を使用して、感情的な重要性のイベントの記録を開始することができる。例えば、1以上の例では、ユーザは、写真または一連の写真を撮影することによってイベントの記録を開始し、その後、1以上の写真を上記で説明したような後のレーティングのためのイベントとしてリンクすることができる。代替的に又は追加的に、ユーザは、上述したように後のレーティングのために、同時期のイベントを意味するまたは関連付けることができる「ハッシュタグ」(即ち、単語又は語句)を作成することができる。代替的に又は追加的に、上述のようにボタンを押すと、後のレーティング中にリマインダとして捉えられるべき関心のある1つのキー感情の選択のために、種々の感情(例えば、以下でさらに説明する9つの感情)を表す複数の感情が、ユーザに提示され得る。このようにして、単に日中のイベントを示すためにカレンダーエントリを使用するのではなく、ユーザは自分自身のイベントを「即断即決」で作成し、それらのイベントに視覚的またはテキストの関連付けを提供し、その結果、それらはモバイル装置上のユーザのカレンダーによって捉えられたイベントと実質的に同一の方法で、ユーザによって後でレーティングされ得る。
【0070】
1以上の例では、ユーザのモバイル演算装置上の活動の単なる存在は、人間の神経伝達物質レベルを正確に評価するのに十分な情報ではない場合があり、故に、ステップ102においてデジタルデータをダウンロードした後、処理100はステップ104に移動することができ、ここで、ユーザには、アプリケーションによってダウンロードされた各イベント及びふるまい(以下に詳細を説明する)をカテゴライズするように要求する1以上のグラフィカルユーザインタフェースが提示され得る。1以上の例では、ダウンロードされたイベントは「レーティング」タップシステムでユーザに描写され得、ユーザは神経学的に区別され得る複数のカテゴリに基づいてイベントをカテゴライズすることができる。本開示の1以上の例では、カレンダーイベントが完了すると、ユーザには特定の過去のイベントに対するレーティングを開始できることを示す、アプリケーションからグラフィカルインタフェースを介した短い通知が提示され得る。
【0071】
1以上の例では、通知はイベントを個人の短期記憶からその長期記憶に促進することによって、記憶作成を促進するように構成され得る。1以上の例では、例えば、イベントが自分の幸福にどのように貢献したかをユーザに尋ねることによって、(上述のような)イベントの完了直後にユーザに通知を最初に送信することができる。加えて、または代替的に、就寝前の夕方(例えば午後10時)に、その日の最高のイベントを評価することを可能にする通知を、ユーザに送信することもできる。このように、就寝前の通知により、ユーザは感情的意義が最も高いイベントについて、前頭前野の短期記憶(即ち、日中に起こったイベント)をリフレッシュすることができるため、ユーザが睡眠中(身体が記憶を短期記憶から長期記憶に移すとき)に、前頭前野(即ち、短期記憶)から新皮質(即ち、長期記憶)への伝達を強化することができる。
【0072】
さらに、1以上の例では、ユーザは、発生し追加されるべき予定外または自発的なイベントを捉えるために、カレンダーを追加するオプションを持ち得る。過去のイベントを追加した後、以下で詳細に説明されるように、ユーザはイベントを評価するように促され得る。以下でさらに詳細に説明されるように、ユーザに提示されるカテゴリは、次回の感情レーティング(以下でさらに詳細に説明される)のための第1のフィルタとして設計され得る。
【0073】
図2は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得された活動に関するユーザ入力を受信するように構成された例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース200は、ユーザがイベントを評価することを希望するか否かに関するユーザからの入力を受け入れるように構成された第1のグラフィカルユーザインタフェースを含むことができる。1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース202は、ユーザが特定のイベントを評価することを望むか否か、または単にイベントを無視することを望むか否かをユーザに尋ねることができる。1以上の例では、ユーザは、イベントが行われなかった場合であっても(たとえそれがカレンダーに予定されていたとしても)、無視することを選択できる。無視されたイベントは、神経伝達物質レベルの計算に含まれない場合がある。しかしながら、ユーザがレーティングすることを選択したイベントは、所与の瞬間における神経伝達物質レベルの計算及び決定の一部として含まれ得る。
【0074】
1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース202は、1以上のユーザ選択可能ボタン206及び208を含むことができる。1以上の例では、ユーザ選択可能ボタン206は、ユーザによって選択された場合に、ユーザがアプリケーションによってダウンロードされたイベントを無視することを希望する旨をアプリケーションに示すことができる。1以上の例では、ユーザ選択可能ボタン208は、ユーザによって選択された場合に、ユーザがイベントを評価し、神経伝達物質レベルの計算の一部としてイベントを含めることを希望する旨をアプリケーションに示すこととができる。
【0075】
1以上の例では、ボタン208は、ユーザによって選択された場合に、1以上のカテゴリに基づいてイベントをカテゴライズすることをユーザに求めるグラフィカルユーザインタフェース204を提示することができる。例えば、1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース204に示されるように、ユーザは(1)仕事及び学校、(2)消費、(3)レジャー、(4)ソーシャル、(5)コミュニティサービス、(6)宗教、及び(7)スピリチュアルの7つのカテゴリに基づいてイベントをカテゴライズするように求められ得る。上で提供された各カテゴリは、例としてのみ意図されるものであり、本開示を限定するものとみなされるべきではない。代替または追加のカテゴリが含まれ得、例えば、上記に提供されたリストに代替または追加して、カテゴリは(1)生物学的基礎、(2)仕事、(3)学習、(3)消費、(4)レジャー、(5)家族、(6)パートナー/友人、(8)他人の世話、及び(9)スピリチュアルを含み得る。イベントカテゴリは、神経学的に区別することができる人間生活の全ての潜在的なイベント及び行動をカバーするように構成することができ、(以下でさらに詳細に説明される)次回の感情レーティングのための第1のフィルタを提供することができる。
【0076】
1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース204を使用してユーザがイベントを分類すると、ユーザにイベントをさらにカテゴライズすることを促すように構成され得る追加のグラフィカルユーザインタフェース210が提示され得る。本開示の1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース210に提示される「サブカテゴリ」は、「感情ゲートキーパ」として機能することができ、いずれの肯定的感情が神経科学的にトリガすることができるか、及びトリガすることができないかを予め定義するためにコンパイルすることができる。例えば、友人と遊ぶことは、愛着愛(attachment love)を誘発し得るが、慈愛(nurturant love)は誘発しない。子供を抱きしめることは、慈愛は誘発され得るが、性的欲求は誘発されない。スポーツに参加することは、快楽(pleasure)を誘発し得るが、娯楽(amusement)を誘発しない。故に、グラフィカルユーザインタフェース210によって提供され、ユーザにより選択可能なサブカテゴリは、適切な種類の感情のみが特定のイベントに関連するときに評価されることを保証することができる。1以上の例では、サブカテゴリが完全に省略することができ、代わりにユーザは、経験した行動またはイベントに関する更なる情報を手動で特定できる「ハッシュタグ」指定子を単に提供することができる。このような追加情報は、将来的に想起プロセスを助けることができる。1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース204は、ユーザがメインカテゴリのみを選択すること(一方で、任意のサブカテゴリを省略すること)を可能にし、またはユーザがメインカテゴリ及びサブカテゴリのサブセットを選択することを可能にする。
【0077】
図1の例に戻ると、ステップ104において、ユーザがイベント及び行動をカテゴライズすると、処理100はステップ106に移行することができ、アプリケーションは、ユーザによるレーティングのためにイベント関連感情を決定する。1以上の例では、アプリケーションは、ユーザによる更なるレーティングのためにイベントに関連する肯定的感情をフィルタリングするために、ユーザに提供されたイベントカテゴリ化を使用することができる。一例として、イベントに関連する肯定的感情は、(1)熱意(Enthusiasm)、(2)性的欲求、(3)プライド(Pride)/認知(Recognition)、(4)慈愛、(5)満足(Contentment)、(6)娯楽、(7)愛着愛、(8)快楽、及び(9)感謝(Gratitude)を含むことができる。上に列挙されたイベント肯定的感情は、例としてのみ意図されるものであり、本開示を限定するものとしてみなされるべきである。1以上の例では、上記リストは異なる感情で変更が可能、及び/または上記リストからの感情の除去が可能である。
【0078】
本開示の1以上の例では、ユーザの行動を感情(即ち、上に列挙された9つの感情)に割り振るプロセスは、行動-肯定的感情マトリックスに基づくことができる。
図3は、本開示の例に係る、例示的な行動-肯定的感情(B-PE)マトリックスを示す。1以上の例では、
図3のB-PEマトリックス300は、行動を感情に割り振るように構成及び利用され得る。
図1のステップ104においてユーザにより提供される行動のカテゴリ化に基づいて、B-PEマトリックスは、各行動がいずれの感情を誘発し得るかを決定するために用いることができる。1以上の例では、
図3のB-PEマトリックス300に基づいて、ユーザは(以下でさらに詳細に説明される)B-PEマトリックス300により示される各感情をどの程度強く感じたかを評価するように促され得る。
図3のB-PEマトリックス300において、示された各「1」は、対応する感情が感情評価のために選択されるべきことを意味し得、一方、「0」は対応する感情が行動に関連しないことを示し得る。
【0079】
1以上の例では、B-PEマトリックスの行は、
図1のステップ104でカテゴライズされた1以上の行動を示すことができる。列は、9つの神経学的に可能な感情、(1)熱意(EN)、(2)性的欲求(SD)、(3)プライド/認知(PR)、(4)慈愛(NL)、(5)満足(CO)、(6)娯楽(AM)、(7)愛着愛(AL)、(8)快楽(PL)、及び(9)感謝(GR)のいずれかに関連し得る。
【0080】
B-PEマトリックスをどのように構成できるかを説明するために、多くの成人が日常的に従事する行動である「仕事」の例にとって説明する。
図1のステップ104において、アプリケーションによってダウンロードされたデジタルに基づいて、ユーザにより実行された活動が「仕事」としてカテゴライズされた場合、B-PEマトリックス300に移り、当該行動は6種類の異なる感情、即ち、熱意、プライド/認知、満足、愛着愛、快楽、及び感謝と相関させることができる。B-PEマトリックス300に基づいて、性的欲求、慈愛、及び娯楽の感情は、作業活動によって示されるとは決定されない。以下でさらに詳細に説明されるように、
図1のステップ104においてユーザによりカテゴライズされた特定の行動によって示された指示された感情のそれぞれは、以下でさらに詳細に説明するように、更なる感情レーティングのために「選択」され得る。
【0081】
図1の例に戻ると、
図3のB-PEマトリックスを使用するアプリケーションがステップ106においてレーティングのためにイベント関連感情を選択すると、処理100は、ステップ104においてカテゴライズされた行動及びイベントに関連する経験済みの肯定的感情を定量化することをユーザに促すように構成された、1以上のグラフィカルユーザインタフェースをユーザに手時するステップ108に移行できる。特定の行動に従事している間に感じられた肯定的感情をユーザに定量化させることにより、アプリケーションは、当該定量化を使用して、イベントによって引き起こされたと推定される神経伝達物質のレベルを決定できる。
【0082】
図4は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得された1以上の活動中のユーザの感情に関するユーザの入力を取得するように構成された例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。
図4の例では、グラフィカルユーザインタフェース400は、特定のイベント中に感じた感情を識別することをユーザに促すように構成された第1のグラフィカルユーザインタフェース402を含み得る。グラフィカルユーザインタフェース402においてユーザに提示される感情404は、
図3に関して上述したB-PEマトリックスによって識別される感情に基づくことができる。
【0083】
グラフィカルユーザインタフェース402の例では、イベント「BrainGames-特許」(即ち、作業関連会議)はプライド/認知、満足、愛着愛、快楽、及び感謝に関連付けられ得る。1以上の例では、ユーザは、イベント中に感じられた感情404のうちの1つを選択することができる。1以上の例では、感情404は、ユーザにより選択されると、ユーザが選択された感情を定量化することを可能にする第2のグラフィカルユーザインタフェース406をアプリケーションに表示させることができる、ユーザ選択可能なボタンとして表示することができる。例えば、グラフィカルユーザインタフェース402において、ユーザが「BrainGames 特許」イベント中にプライド/認知を感じたとユーザが示した場合、アプリケーションは、ユーザがイベントで感じたプライド/認知の程度を定量化することを促すように構成されたグラフィカルユーザインタフェース406をユーザに提示することができる。
【0084】
1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース406は、ユーザが感じた特定の感情の量を定量化することを可能にし得るスライドバー408を含むことができる。1以上の例では、スライドバー408は、左にスライドさせた場合(デフォルトであり得る)、ユーザがイベントからプライド/認知の感覚を感じなかったことを示すことができる。ユーザは、自分が感じた感情のレベルに基づいてスライドバー408をさらに右にスライドさせることができ、スライドバーの位置は、感じた感情の量に比例し得る。故に、ユーザがスライドバー408を右に最大にスライドさせた場合、それはユーザが可能な最大のプライド/認知の感覚を感じたことを示すことができる。
【0085】
スライドバー408は、一例としてのみ意図されるものであり、限定するものとみなされるべきではない。1以上の例では、感じた感情を定量化するようにユーザに勧める代替方法を使用することができる。例えば、ユーザは、1が感じた感情がないことを示し、10が最も高い量を示す、感じた感情の量を定量化するために1から10の数字を提供することを求められ得る。従って、1以上の例では、スライドバー408はユーザが感情の連続的な自由流動性の定量化を提供することを可能にし、一方、代替的にまたは追加的に、それらはグラフィカルユーザインタフェースに別個のレベルの感情(即ち、0~8の整数値)を提供することができる。1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース406において感情の量を示した後、ユーザは追加の感情を定量化するためにグラフィカルユーザインタフェース402に送り返され、プロセスが繰り返され得る。グラフィカルユーザインタフェース402と406との間を行き来するプロセスは、グラフィカルユーザインタフェース402の404で識別された全ての感情が定量化されるまで繰り返すことができる。
【0086】
1以上の例では、アプリケーションは、ユーザが感情を定量化しなければならない時間を制限することができる。レーティングの検索が非常に早く(即ち、3~5秒)実行される場合、ユーザによる感情レーティングが非常に正確であり得ることを認識し、アプリケーションは、ユーザが感じた感情を定量化しなければならない時間の量を制限することができる。この制限は、ユーザが意識下の検索操作を除いてさらに反芻することを防ぐことができる。さらに、1以上の例では、ユーザは感情/イベントの持続時間を示すように促され得る。
【0087】
図1の例に戻ると、ステップ108においてユーザが体験した肯定的な感情を定量化すると、処理100はステップ110に移行することができ、アプリケーションは、個々の神経伝達物質の活動及びギャップを決定することができる。1以上の例では、ステップ110で、ステップ108においてユーザによって提供された感情の定量化を用いて、アプリケーションは特定のイベントに関連する神経伝達物質(上述のドーパミン、テストステロン、セロトニン、オキシトシン、カンナビノイド、及びオピオイド等)のレベルを計算及び/または推定することができる。アプリケーションにより実行された計算は、特定のイベントに関連付けられた各神経伝達物質の量を示すディスプレイをユーザに提供することによって、アプリケーションのユーザに表され得る。
【0088】
図5は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得された活動に関連する神経伝達物質レベルを表示するように構成された例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。
図5の例では、グラフィカルユーザインタフェース500は、特定のイベントに関連付けられた神経伝達物質の各々のレベルを示す棒グラフ502をユーザに提供するように構成され得る。
図5の例、特に「BrainGames 特許」イベントにおいて、棒グラフ502は、イベントの結果としてドーパミンがレベル52、テストステロンが0、セロトニンが13、オキシトシンが16、カンナビノイドが16、オピオイドが13であったことを示すことができる。
【0089】
各神経伝達物質の量を計算するために、アプリケーションは、ステップ108において導出された定量化された肯定的感情を、肯定的感情に関連する神経伝達物質それぞれの量に変換できる、肯定的感情対神経伝達物質(PE-NT)マトリックスを利用することができる。計算は、ステップ108において提供されるユーザの定量化、及び各イベントが要した時間量に基づき得る。
【0090】
図6は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得された特定の活動に関する例示的な神経伝達物質レベル計算を示す。
図6は、特定の神経伝達物質の量を計算するために使用できる例示的なPE-NTマトリックス602を示す。PE-NTマトリックス602の行は、熱意、性的欲求、プライド/認知、養育愛、満足、娯楽、快楽、及び感謝等の感情カテゴリを表すことができる。PE-NTマトリックス602の列は、肯定的感情に関連する神経伝達物質(ドーパミン、テストステロン、セロトニン、オキシトシン、カンナビノイド、及びオピオイド)を表すことができる。マトリックス中の「1」は、特定の神経伝達物質がその特定の感情に関連することを示し得る。マトリックス中の「0」は、特定の感情がその特定の感情に関連しないことを示すことを示し得る。
【0091】
PE-NTマトリックス602は、活動に関連する神経伝達物質の量を計算するために使用することができる。計算604は、例示的な計算を示す。1以上の例では、計算604は、
図1のステップ108においてユーザによって提供された評価を示すPE評価列を含むことができる。例えば、「BrainGames 特許」の例を使用すると、ユーザはイベント中の彼らの熱意を穏やか(平均よりも低いが、まだ存在することを示す)であると評価し得、その結果、レーティングは3として定量化され得る。同じ例ではPEレーティング列において、ユーザは自分の満足度を平均的な5としてレートし得る。神経伝達物質の量を計算するために、計算は、レーティングにPE-NTマトリックスを乗じて、特定の神経伝達物質の量に関連する数値を生成できる。例えば、PE-NTマトリックス602に示されるように、熱意はドーパミンの放出に関連し得る。計算604を見ると、(ユーザによって提供された)熱意に対するPEレーティングは3である。当該値は、ドーパミン列の下で1倍され、3の値に達する。故に、PEレーティングで表されるようなユーザにより感じられた熱意に関して、その熱意に関連するドーパミンレベルは、3で定量化される。1以上の例では、残りの列は、それらの神経伝達物質が熱意に関連付けられていないため、0のままである。
【0092】
1以上の例では、各神経伝達物質についての値に到達するために、各々及び全ての肯定的感情はPEレーティングにより乗じられ得る。例えば、満足はユーザによって5とレーティングされ、そして満足はドーパミン、オキシトシン及びカンナビノイドに関連するため、それらの要素の各々は5に設定され得る(5x1をかける)。各神経伝達物質における各感情について計算が行われると、計算は各神経伝達物質についての合計値を合計することができる。
図6の計算例604を参照すると、ドーパミンについて、各感情についてのドーパミンレベルは合計で16になり得る。セロトニンについては、計算は、各神経伝達物質について4とその他もろもろを合計し得る。
【0093】
各神経伝達物質が集計されると、各集計値にイベントの持続期間をかけて、イベントに関連する総神経伝達物質活動を決定することができる。ドーパミンの例を用いると、(上述のように)集計値は16になり、その集計値に3.25(即ち、イベントが続いたとユーザが示した時間である3.25時間)を乗じて、ドーパミンについて合計が52になる。各神経伝達物質の各個々のレベルは、同様に計算することができる。
【0094】
上述のように、特定のイベントに関連する神経伝達物質レベルを視覚的に描写するために、1以上のグラフィカルユーザインタフェースがユーザに提示され得る。
図7は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得された活動に関連する神経伝達物質レベルを表示するように構成された他の例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。一例では、
図5に関して上述したように、特定のイベントに関連する神経伝達物質レベルを棒グラフとして表すことができるグラフィカルユーザインタフェース702がユーザに提示され得る。別の例では、同様の情報をテキスト形式で表現することができるグラフィカルユーザインタフェース704がユーザに提供され得る。グラフィックでの可視化は、イベント中に生成された、または生成されなかった幸福の背後にあるドライバについての振り返り及び学習のためのさらなるベースを提供することができる。例えば、仕事における高いカンナビノイド値は、ユーザの仕事が主にドーパミン(金銭、チャレンジ)及びセロトニン(認知)を提供し得る「通常の」仕事よりも、ユーザの幸福に付加的なレバー(友人)を提供することを示し得る。この提供された知識により、ユーザは、仕事に対する付加的なカンナビノイドがより高い報酬の仕事の代替案にもかかわらず、その仕事を維持するジョブを維持するための良い理由であるかもしれないという結論を潜在的に引き出しうる。
【0095】
1以上の例では、
図7の例で示されたグラフィカルユーザインタフェースは、上述のように計算された実際の神経伝達物質レベルと、所与のイベントについて達成され得る最大潜在神経伝達物質レベルとの間の任意のギャップを示すようにも構成され得る。例えば、1以上の例では、ユーザがグラフィカルユーザインタフェース702に示される個々の神経伝達物質をクリックすると、その神経伝達物質のレベルをテキスト形式で示すだけでなく、最大実現可能レベルの何パーセントテをユーザが達成したかを表示し得るグラフィカルユーザインタフェース704されたージを表示することもできるグラフィカルユーザインタフェース704が提示され得る。
【0096】
ユーザは通常、1日に1以上のイベントを経験するため、単一のイベントに関連する神経伝達物質レベルを計算することに加えて、1以上の例ではアプリケーションは、所与の期間(日、週、月、年等)にわたってユーザの神経伝達物質レベルをユーザに示し、ユーザの神経伝達物質レベルが経時的にどのように変化しているかの検知をユーザに提供することもできる。さらに、以下で詳述されるように、所与の期間中の神経伝達物質のレベルを単に知ることだけでは、ユーザがピークのメンタルヘルス(即ち、幸福)を達成しているかどうかを知らしめるには不十分であり得、故に1以上の例では、所与の期間中での神経伝達物質レベルが、ユーザが幸福を促進する活動にどの程度適切に従事しているかを示す評価基準に変換され得る。1以上の例では、当該評価基準は、幸福に対する利益(ROH:Return on Happiness)と呼ばれ得る。
【0097】
ROHは、全ての人間に適用可能であり得る幸福のための普遍的な指標をユーザに提供することができ、個人が、時間の経過とともに、様々な条件で、また他の人々と自分の幸福レベルを定量的に比較することを可能にし得る。1以上の例では、ROHは、ユーザの幸福レベルが時間の経過とともに肯定的または否定的に発展しているかどうかとその理由とをユーザに理解可能にし得る値という意味で、血圧、心拍数等の他のバイオマーカと同様に機能し得る。本明細書で提供される例では、ROHは神経伝達物質レベルの観点から議論されるが、当該例は神経伝達物質レベルに限定されるものと見なされるべきではなく、本明細書のシステム及び方法は幸福と相関する他のタイプの情報を含むROH計算に適用され得る。
【0098】
図1の例に戻ると、アプリケーションがステップ110において個々の神経伝達物質の活動及びギャップを計算すると、処理100はステップ112に移行し、アプリケーションは実際の神経科学的幸福レベル(即ち、ROH)を計算し、また実際のROHと潜在的ROHとの間の任意のギャップを表示することができる。1以上の例では、ROHは、所与の期間内のすべての神経伝達物質活動を合計することに基づいて、短期及び長期の幸福を定量化する評価基準であり得る。ROH評価基準は、所与の期間内にトリガされたすべての神経伝達物質活動を合計することによって単純に計算され得る。例えば、所与の日のROHは、所与の日の各イベントについての神経伝達物質レベルの全てを合計することによって計算され得る。
【0099】
ROH計算は、ユーザが所与の期間にわたって神経伝達物質レベルを可視化または理解するのに役立つが、肯定的なメンタルヘルス(即ち、幸福)に関連する最適な神経伝達物質レベルを達成しているか否かの検知をユーザに提供しない場合がある。故に、1以上の例では、所与の期間にわたってユーザが神経伝達物質レベルのギャップ及び不足を知覚することができるように、各ユーザが所与の期間中において努めるべきROHの最適値を計算することが有用であり得る。
【0100】
図8A~8Bは、本開示の例に係る、脳が所与の期間に生成できる最大の神経伝達物質レベルを決定するための例示的な計算を示す。本開示の1以上の例では、
図8A~8Bの例示的な計算800は、24時間の期間の理論的な最大ROH計算を示し得る。理論上の最大値を計算するために、計算800の802に示されるように、仮想の個人が24時間の全期間にわたって全ての神経伝達物質について神経伝達物質放出の最大レベルを経験していると仮定することによって計算は開始することができる。802に示されるように、理論的な最大値(24時間にわたる完全な放出を仮定する)は、全体的なROH値と同様に、個々の神経伝達物質について計算され得る。1以上の例では、802に示されるように、ROH及び各神経伝達物質についての理論的最大値は、複数の期間(即ち、日、週、月、四半期、年等)にわたって計算することができる。
【0101】
一般に人間は24時間目覚めたままではないので、802で行われる計算は、ROH及び各神経伝達物質についての理論的最大値の正確な表現ではない可能性がある。従って、1以上の例では、計算は、個人が眠っている期間を考慮するために、802で計算された理論的最大値を調整し得る。1以上の例では、計算800は、802で計算された24時間の理論的最大値を、804で示されるような睡眠を考慮するよう調整され得る。804の例では、総理論的最大値は、ユーザが所与の日に約6時間眠っていることを考慮するように調整され得る。当該調整は、ROH計算期間(日、週、月等)の各々について採用され得る。
【0102】
1以上の例では、単に睡眠を調整するだけでは理論的最大値が神経伝達物質の生成に関する特定の「現実世界」の現実を考慮しない可能性があるため、正確な理論的最大値を導出しない可能性がある。例えば、人が起きている時間全体にわたって最大のドーパミンを発現していると仮定することは、現実的ではない可能性がある。別の例では、人が起きている日全体について最大テストステロンを発現していると仮定することは、現実的でない可能性がある。故に、本開示の1以上の例では、806に示されるように、804で行われた調整された計算は、「現実世界」の現実を考慮するようにさらに調整され得る。
【0103】
個人が起きている日の全体にわたって最大の神経伝達物質を発現しないという事実を考慮するために、最大レベルを調整することに加えて、1以上の例では、806で行われた調整は特定の神経伝達物質が互いに排他的であるという事実も考慮できる。例えば、1つ以上の例において、オキシトシンは、テストステロンと並行して放出されず、むしろそれらが順次放出されることが観察される場合がある。故に、1以上の例では、理論的最大計算は、神経伝達物質のすべてが同時に存在しない可能性があるという現実を考慮して、806において調整され得る。
【0104】
本開示の1以上の例では、ステップ806において「現実世界」の調整が行われると、ROH及び各神経伝達物質について結果として得られる理論的最大値は、上記で計算された実際のレベルが比較される、理論的最大値の最終計算として使用され得る。
【0105】
図1の例に戻ると、アプリケーションは、ステップ112において実際の神経科学的幸福レベル及び潜在性を計算すると、処理100はステップ114に移行することができ、ここでユーザは、より良好なメンタルヘルスを達成するためのギャップと潜在性を知覚することを可能にするように構成された1以上のグラフィカルユーザインタフェースまたは他の視覚的手がかりを提供される。故に、ステップ114において、ユーザは、所与の期間について計算されたROHにおける任意のギャップまたは欠損をユーザが測定することを可能にするよう構成された1以上のグラフィカルユーザインタフェースを提示され得る。
【0106】
図9は、本開示の例に係る、ユーザのモバイル装置から取得されたROH計算を表示し、実際のレベルと所望のレベルとの間のギャップを示すように構成された例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース900は、ユーザが所与の期間の個々のROH量及びその発展を見ることができる第1のグラフィカルユーザインタフェース902を含み得る。1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース902におけるユーザは、ある期間(即ち、日、週、月等)を選択し、選択された期間の彼らの実際のROHならびに彼らの実際のROHと計算された理論的最適または最大ROHとの間の「ギャップ」を示す「ガスタンク」チャートを示され得る。
【0107】
1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース902の例に代えて、ユーザは所与の期間にわたるROHレベルの線グラフを示すことができるグラフィカルユーザインタフェース904を提示され得る。例えば、グラフィカルユーザインタフェース904の例では、ユーザは、所与の週の各日のROHレベルをプロットする線グラフを提示され得、その週にわたって達成された1日の平均ROHを示され得る。
【0108】
1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース900は、
図6及び
図7に関して上述した計算に基づいて、神経伝達物質パターン及び百分率のビューをユーザに提供するように構成され得る第3のグラフィカルユーザインタフェース906を含み得る。
【0109】
1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース900は、所与の期間にわたる特定の神経伝達物質レベルの変動をユーザに示すように構成され得る第4のグラフィカルユーザインタフェース908を含み得る。例えば、グラフィカルユーザインタフェース908の特定の例では、ユーザは、所与の週の間の各曜日のドーパミンレベルをプロットする線グラフを使用することによって、所与の週にわたる彼らのドーパミンレベルが示され得る。
【0110】
ROHのギャップ及び欠損、ならびに個々の神経伝達物質レベルのギャップ及び欠損を識別することに加えて、1以上の例では、アプリケーションはユーザに、彼らのピークまたは最適なROHレベル、ならびに彼らのピークまたは最適な個々の神経伝達物質レベルを取得するための1以上の提案を提供するように構成され得る。そうすることで、アプリケーションはROH及び神経伝達物質レベルの欠損を診断するだけでなく、それらのレベルを改善するように設計された目標及び活動をユーザに提供し、それによって、アプリケーションのユーザが最適またはピークのメンタルヘルスを達成することを助ける。故に、
図1の例に戻ると、1以上の例では処理100は、より良好なメンタルヘルスのための任意のギャップ及び/または潜在的機会をユーザに知らせた後、処理はステップ116に移行でき、アプリケーションは(以下でさらに詳述されるような)1以上のイベントデータベースからのパーソナライズされた改善を提案することができる。
【0111】
図10は、本開示の例に係る、ROH及び個人の神経伝達物質レベルを改善するための提案を提供するための例示的な処理を示す。1以上の例では、
図10の処理1000はステップ1002で開始することができ、アプリケーションは上記の
図8及び
図9に関して上述したように、ROH欠損を決定することができる。アプリケーションがステップ1002で特定のROH欠損を決定すると、処理1000は、個々の神経伝達物質の欠損が上記で提供された例に従って計算されるステップ1004に移行することができる。
【0112】
1以上の例では、処理1000がステップ1002及び1004でそれぞれROH欠損及び神経伝達物質欠損を計算した後、処理1000はステップ1006に移行することができ、ここでアプリケーションは(以下で詳述される)全体的なROHを増加するように構成された活動を含むデータベースから提案を事前選択し、表示することができる。本開示の1以上の例では、ステップ1006で行われる提案の事前選択は、上述のように計算された個々のROHレベルに基づき得る。例えば、ユーザが0から所定の閾値までのROHを示し、アプリケーションからダウンロードされたデータに基づいて低活動であることが判明した場合、ステップ1006においてアプリケーションは、「過少刺激(understimulation)」に関連するデータベースから1以上のROH活動をランダムに選択することができる。ROHレベルが低いが活動判定が高い場合、1以上の例ではアプリケーションは、「過度刺激(overstimulation)」に関連する1以上のROH活動をランダムに選択することができる。
【0113】
1以上の例では、ROH値が所定の閾値を上回るが、依然として第2の所定の閾値を下回ると判定された場合、アプリケーションは「最適(Optimum)」値に関連する1以上の活動をそのデータベースから選択することができる。1以上の例では、ROH値が第2の所定の閾値を上回ると判定された場合、1以上の例ではアプリケーションは、データベースの「ピーク」セクションに関連付けられたデータベースから1以上のROH活動をランダムに選択することができる。
【0114】
1以上の例では、ステップ1006において、ROHデータベースからのエントリは、個々の神経伝達物質欠損にも対処するように選択され得る。以下でさらに論じるように、ROHデータベースは、「過少刺激」、「過度刺激」、「最適」、及び「ピーク」に基づいて分類されるだけでなく、個々の神経伝達物質に関しても分類され得る。
【0115】
図11A~Cは、本開示の例に係る、ROH及び個人の神経伝達物質レベルに基づく活動の提案の例示的なデータベースを示す。
図11A~Cの例では、データベース1100は、1102及び1104に示されるように、ドーパミン及びテストステロンレベルの増加に関する提案を提供するように具体的に構成され得る。データベース1100のドーパミンセクション1102下に列挙された活動は、体内のドーパミンレベルの増加または最適化を促進することを意図した活動を含むことができる。同様に、テストステロンセクション1104は、体内のテストステロンレベルの増加または最適化を促進することを意図した活動を含むように構成され得る。
【0116】
1以上の例では、上記詳細を説明したように、各神経伝達物質の下で、データベース1100は、過少刺激、最適、ピーク、及び過度刺激ROHに関する提案を含むことができる。故に、アプリケーションが提案する活動を選択すると、アプリケーションは、個々の神経伝達物質、ならびにユーザが現在有すると判定されるROHのレベルに関連する提案を取得することができる。全体的なROHを改善するための提案の場合、アプリケーションは、ランダムに選択された神経伝達物質及び判定されたROHのレベルに関連する特定の提案をランダムに選択し、ユーザに提案することができる。
【0117】
図12A~Cは、本開示の実施例による、ROH及び個々の神経伝達物質レベルに基づく活動の提案の別の例示的データベースを示す。
図12の例は、データベース1200が、(1202で示される)セロトニン及び(1204で示される)オキシトシンを最適化するための提案を提供するように構成されることを除いて、
図11A~Cの例と同様であり得る。1以上の例では、ステップ1006で提供される提案は、
図11に関して上述した手順と同様に、データベース1200から選択され得る。
【0118】
図13A~Bは、本開示の実施例による、ROH及び個々の神経伝達物質レベルに基づく活動の提案の例示的データベースを示す。
図13A~Bの例は、データベース1300が、(1302で示される)カンナビノイド及び(1204で示される)オピオイドを最適化するための提案を提供するように構成されることを除いて、
図11A~Cの例と同様であり得る。1以上の例では、ステップ1006で提供される提案は、
図11A~Cに関して上述した手順と同様に、データベース1300から選択され得る。
【0119】
図10の例に戻ると、1以上の例ではステップ1006でROHデータベースから選択を事前選択して表示した後、処理1000はステップ1008に移行することができ、アプリケーションはユーザの個人的なイベント履歴に基づいて提案を事前選択することができる。1以上の例では、過去のユーザイベントは、所定の閾値を上回るROH値についてフィルタリングされ得る。所定の閾値は、強い肯定的な感情を生じさせたイベントを示す値であり得る。ユーザがROHを増加させようとしている場合、アプリケーションは、所定の閾値よりも大きいROHを生成するためにフィルタリングされた過去の活動を提案することができる。
【0120】
1以上の例では、ステップ1008で増加したROHに関連付けられた過去のユーザイベントをユーザに提案した後、処理1000はステップ1010に移行することができ、ここでアプリケーションは「ROHコミュニティ」からの表示提案を事前選択することができる。1以上の例では、「ROHコミュニティ」からの提案は、自身の演算装置上で同一のアプリケーションを使用していた他のユーザに、増加したROHを経験させた活動を提案することを含み得る。これらの提案を得るために、1以上の例では、アプリケーションはインターネットまたは他の演算ネットワークに接続され、サーバまたは他の演算装置とデータを共有することができ、その結果、ROHを増加させるための提案を見つけるために互いの活動データを利用することができる。ステップ1010においてユーザにROHコミュニティ提案が提供されると、処理1000はステップ1012に移行することができ、ここでプロセスは終了する。
【0121】
図14は、本開示の例に係る、肯定的なメンタルヘルスに関連する神経伝達物質レベルを増加させるための活動の提案をユーザに提供するように構成された例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース1400は、
図10の処理1000により提供される提案をユーザに表示するように構成され得る。1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェースは、全体的なROHスコアを増加させるためにユーザに1以上の提案を提供する第1のグラフィカルユーザインタフェース1402を含むことができる。1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース1402は、(
図10~13に関して上述した)ROHデータベースからの活動を提案可能なパネル1406を含み得る。パネル1406は、ユーザによって選択された場合に提案された活動(以下でさらに詳細に説明される)に基づいてカレンダーイベントを作成するようユーザに促すことができるユーザ選択可能ボタン1414を含み得る。1以上の例では、カレンダーイベントを作成するようにユーザに促すのではなく、ユーザは単に、幸福を促進するより多くのイベントを計画するように通知を介して促され得る。例えば、ユーザは、翌日のためのより多くの幸福イベントを計画するように夕方に促され得る、または、全体的な生物学的幸福を促進するために、週の間により多くの幸福イベントを計画するように日曜の夜に促され得る。
【0122】
1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース1402は、(
図10に関して上述した)ユーザの個人履歴から活動を提案することができるパネル1408を含み得る。パネル1408は、ユーザによって選択された場合に提案された活動(以下でさらに詳細に説明される)に基づいてカレンダーイベントを作成するようユーザに促すことができるユーザ選択可能ボタン1416を含み得る。
【0123】
グラフィカルユーザインタフェース1402は、全体的なROHを改善するための特定の活動を提案するために使用され得る。1以上の例では、上述したように、グラフィカルユーザインタフェースは、特定の神経伝達物質のレベルを増加させるための提案をユーザに提供するために展開されることもできる。故に、1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース1400は、特定の神経伝達物質を増加させるための提案をユーザに提供するように構成されたグラフィカルユーザインタフェース1404を含み得る。グラフィカルユーザインタフェース1404の例では、ユーザはドーパミンのレベルを増加させるための提案を提供することができる。1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース1404は、(
図10~13に関して上述した)ROHデータベースからの活動を提案可能なパネル1410を含み得る。パネル1410は、ユーザによって選択された場合、ユーザのドーパミンレベルを増加させるように構成された提案された活動に基づいてカレンダーイベントを作成するようにユーザに促すことができるユーザ選択可能ボタン1418を含み得る(以下でさらに詳細に説明する)。
【0124】
1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース1404は、(
図10に関して上述した)ユーザの個人履歴から活動を提案することができるパネル1412を含み得る。パネル1412は、ユーザによって選択された場合に提案された活動(以下でさらに詳細に説明される)に基づいてカレンダーイベントを作成するようユーザに促すことができるユーザ選択可能ボタン1420を含み得る。1以上の例では、グラフィカルユーザインタフェース1404は、ユーザによって選択されると、アプリケーションによって提供される提案を使用するのではなく、自身のカスタムイベントを作成することをユーザに可能ならしめ得るユーザ選択可能ボタン1422を含み得る。
【0125】
図1の例に戻ると、アプリケーションが
図10~14に関する上記の議論に従ってユーザに提案を提供すると、処理はステップ118に移行することができ、ここでユーザはパーソナライズされた改善提案を決定し、アクティブ化することができる。1以上の例では、ユーザは、
図14に関して上述したユーザ選択可能ボタン1414、1416、1418、または1420のうちの1つを選択することによって、パーソナライズされた改善提案を決定してアクティブ化することができる。ユーザがステップ118において1以上のパーソナライズされた提案を選択してアクティブにすると、処理100はステップ120に移行することができ、ここでユーザは、彼らのモバイル演算装置に記憶された彼らのデジタルカレンダーに提案を追加する。
【0126】
ステップ120において、ユーザがステップ120においてパーソナライズされた提案を追加すると、ユーザは、彼らのカレンダーにイベントを追加するように構成され得る1以上のグラフィカルユーザインタフェースを提示され得る。
図15は、本開示の例に係る、ユーザが彼らのデジタルモバイル装置に提案を追加できるように構成されたグラフィカルユーザインタフェースを示す。
図15の例では、グラフィカルユーザインタフェース1500は、ユーザがROHデータベースからの提案イベントを追加することを可能にする第1のグラフィカルユーザインタフェース1502を含み得る。
図14の例に戻ると、グラフィカルユーザインタフェース1402がパネル1406で楽しいソロ活動をスケジューリングすることを提案する場合、ユーザが当該イベントを追加するためにボタン1414を選択すると、当該イベントを彼らのカレンダーに追加するためにグラフィカルユーザインタフェース1502に誘導され得る。グラフィカルユーザインタフェース1500は、ユーザが自分の個人履歴から提案されたイベントを追加することを可能にする第2のグラフィカルユーザインタフェース1504を含み得る。
図14の例に戻ると、グラフィカルユーザインタフェース1404が(過去の履歴に基づいて)子供たち ハンドボールイベントをスケジューリングすることを提案する場合、ユーザが当該イベントを追加するためにボタン1420を選択すると、当該イベントを彼らのカレンダーに追加するためにグラフィカルユーザインタフェース1504に誘導され得る。
【0127】
上述したような
図1の例示的な処理は、幸福及び/または神経伝達物質のギャップ及び潜在性に特有の肯定的な行動変化を経験することを確実にし得る。提供される提案は、提示される提案が野心的であるが達成可能であることを保証するように構成され得る。これは、近い時間枠内でカレンダーに提案を追加する動機付けを推進することができ、結果、ユーザが提案に従って行動する可能性をより高くなるようにする。1以上の例では、提案は、実行されたときにユーザの現在の平均ROHよりも高いROHレーティングをトリガする可能性がより高くなるように構成されるようにフィルタリングされ得る。将来の行動を変える決断に対して積極的な責任を負うことは、あなた自身の幸福に対する知覚される個人的所有権をトリガし得る。故に、提案は、トリガされる高く肯定的な強化の潜在性を有する肯定的感情がトリガされる高い尤度を有する、近い将来の読み出しを提供するように設計され得る。従って、
図1の例示的な処理100は、ROHの改善を週ごとに継続的に推進することが可能な肯定的な強化ループを開始及び維持し、それによってアプリケーションのユーザのメンタルヘルスを改善するように構成され得る。
【0128】
実地テスト中、上述のシステム及び方法はユーザのROHに関してユーザとの間で収集及び配信するための技術を使用することが、ユーザのROHを長期に渡って全体的に増加させるだけでなく、ユーザのプログラムへの従事を著しく長期に渡って効果的に維持することを示す、予期せぬ結果をもたらした。
図16は、上述のシステムとのユーザ従事のレベルならびにユーザの全体的なROHに対するシステムの影響を判定するために以前に行われたテスト設計を示す。ROHテスト設計は、継続的/毎日のデータ評価を伴う4週間の期間を含み、最初の4週間の期間が完了時に、ユーザが上述のシステム及び方法によって概説されたプログラムを開始してから6週間、8週間、及び90日後に3回のフォローアップが実施された。テスト中、複数のデータ点を取得された。ユーザリテンションをチェックして、ユーザがアプリケーションを使用して日々の活動を入力しているかどうかを確認するとともに、ユーザがアプリケーションを使用して1日に平均して少なくとも2つ以上の活動を入力しているかどうかを判定した。テスト中、ユーザの1日平均ROHの結果が記録され、1日平均ROHの向上とアプリケーションの使用増加との間の任意の相関が判定された。
【0129】
図17は、経時的なROHテスト中の参加者/ユーザの減少及び数、ならびに保持率を示す。リテンションは、4週間のテスト期間(線J)、及び42日間(線K)、56日間(線L)、90日間(線M)の3つのフォローアップ期間のそれぞれについて計算された。ユーザリテンションは、テスト期間の終わりに測定された各ユーザについて利用可能なデイリーROH記録(列4、6、及び8)、及びユーザ当たりの1日の2回以上のアプリ内活動の使用(列5、7、及び9)によって判定された。さらにリテンションは、評価を開始したユーザ(列4及び5)と、ROHアプリをインストールしたユーザ(列6及び7)と、選択・ランダム化されたユーザ(列8及び9)とを比較して計算された。テストの結果は、52%のユーザが28日間にわたって保持され、33%が42日後にアプリケーションを使用し続け、24%のユーザが56日後にアプリケーションを使用し続け、24%のユーザが90日後にアプリケーションを使用し続けていたことを示している。故に、ユーザを従事させるように設計されたグラフィカルユーザインタフェースを含むアプリケーションのフォーマットは、予想外に、最初のテストが開始されてから90日後でも、全ユーザの約1/4がアプリケーションを使い続ける要因となった。結果はまた、かなりの割合のユーザが、長期にわたってアプリケーションを使用しているだけでなく、1日に2回以上の活動アプリケーション上で実行していることを示した。
図17のテストデータに示されるように、28日後に1日単位で2回以上アプリケーション内で活動していたユーザは38%、42日後に1日単位で2回以上アプリケーション内で活動していたユーザは29%、56日後に1日単位で2回以上アプリケーション内で活動していたユーザは16%であった。
【0130】
ユーザを維持することに加えて、上述のシステム及び方法はまた、ユーザがアプリケーションを使用し続けるにつれて、経時的に1日の平均ROH値を改善した。
図18は、ユーザの様々なカテゴリについて、ROHが経時的にどのように改善されたかを示すテストデータを示す。グラフの黒い丸は、経時的なユーザの1日の平均ROH値、経時的なユーザごとの1日の活動(四角)、及びユーザごとのセッションごとの1日の活動(十字)を示す。また
図18に示されるように、テストデータ上で、計算式を含む4つの線形傾向線が計算されている。傾向線1802は、28日間をカバーする1日あたりのユーザの平均ROHを示す(d0からd28までの範囲をカバーする実線)。傾向線1804は、42日間をカバーする1日あたりのユーザの平均ROHを示す(d0からd42までの範囲をカバーする実線)。傾向線1806は、42日間をカバーする1日あたりのユーザごとの活動の数を示す(点線)。最後に、傾向線1808は、42日間をカバーするセッションあたりのユーザごとの活動を示す(破線)。全体的にデータは、42日間にわたって、肯定的感情レーティングを表す1日のROHが、アプリケーション利用の増加の2~3.5倍の速さで増加し、テスト期間に経験したレーティングされたイベントにおける感情的意義の改善を強く示唆していることを示す。傾向線1802によって示されるように、デイリーROHの増加は、最初の4週間で特に強くなる(4.5倍以上)ことが示された。
【0131】
図19は、一実施形態に係る演算装置の一例を示す。装置1900は、ネットワークに接続されたホストコンピュータであり得る。装置1900は、クライアントコンピュータまたはサーバであり得る。
図19に示されるように、装置1900は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ、または電話もしくはタブレット等のハンドヘルド演算装置(ポータブル電子装置)等、任意の適切なタイプのマイクロプロセッサベースの装置であり得る。装置は例えば、プロセッサ1910、入力装置1920、出力装置1930、記憶装置1940、及び通信装置1960のうちの1以上を含み得る。入力装置1920及び出力装置1930は、一般に、上述したものに対応することができ、コンピュータに接続可能であるか、コンピュータと一体化され得る。
【0132】
入力装置1920は、タッチスクリーン、キーボードもしくはキーパッド、マウス、または音声認識装置等の入力を提供する任意の適切な装置であり得る。出力装置1930は、タッチスクリーン、力覚装置、またはスピーカ等の、出力を提供する任意の適切な装置であり得る。
【0133】
記憶装置1940は、RAM、キャッシュメモリ、ハードドライブ、またはリムーバブル記憶ディスクを含む、電気、磁気、または光学メモリ等のストレージを提供する任意の適切な装置であり得る。通信装置1960は、ネットワークインタフェースチップまたは装置等、ネットワークを介して信号を送信及び受信することが可能な任意の適切な装置を含み得る。コンピュータの構成要素は、物理バスを介して、または無線で等、任意の適切な方法で接続され得る。
【0134】
記憶装置1940に記憶され、プロセッサ1910によって実行され得るソフトウェア1950は例えば、本開示の機能を具現化する(例えば、上記のような装置において具現化される)プログラムを含み得る。
【0135】
ソフトウェア1950はまた、命令実行システム、装置、またはデバイスからソフトウェアに関連する命令をフェッチし、命令を実行することができる、上述したもの等の命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するための、任意の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に記憶及び/または輸送され得る。本開示の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体が命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連にして使用するためのプログラムを含むか、記憶することができる、記憶装置1940等の任意の媒体であり得る。
【0136】
ソフトウェア1950はまた、命令実行システム、装置、またはデバイスからソフトウェアに関連する命令をフェッチし、命令を実行することができる、上述したもの等の命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するための、任意の伝送媒体内で伝搬され得る。本開示の文脈では、伝送媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれに関連して使用するためのプログラムを通信、伝播、または伝送することができる任意の媒体であり得る。伝送可読媒体は電子、磁気、光学、電磁気、または赤外線有線もしくは無線の伝搬媒体を含み得るが、これらに限定されない。
【0137】
装置1900は、任意の適切なタイプの相互接続された通信システムであり得るネットワークに接続され得る。ネットワークは、任意の適切な通信プロトコルを実装することができ、任意の適切なセキュリティプロトコルによって保護することができる。ネットワークは、無線ネットワーク接続、T1またはT3回線、ケーブルネットワーク、DSL、または電話回線等、ネットワーク信号の送信及び受信を実装できる任意の適切な構成のネットワークリンクを備え得る。
【0138】
装置1900は、ネットワーク上で動作するのに適した任意のオペレーティングシステムを実装することができる。ソフトウェア1950は、C、C++、Java、またはPythonなどの任意の適切なプログラミング言語で記述することができる。様々な実施形態において、本開示の機能を具現化するアプリケーションソフトウェアは、例えばクライアント/サーバ装置において、またはウェブベースのアプリケーションもしくはウェブサービスとしてのウェブブラウザを介して等、異なる構成で展開され得る。
【0139】
前述の開示は、説明の目的で、特定の実施形態を参照して開示された。しかしながら、上記の例示的な議論は、網羅的であることや、開示された正確な形態に開示を限定することを意図するものではない。上記の教示に鑑みて、多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、技術の原理とそれらの実用的な応用を最もよく説明するために選択され、開示されたものである。これにより、当業者であれば、考えられる特定の用途に適した様々な変更を加えて、本技術及び種々の実施形態を最良に利用することができる。
【0140】
本開示及び例示は、添付の図面を参照して十分に説明されたが、種々の変更及び修正が当業者には明らかになることに留意されたい。そのような変更及び修正は、特許請求の範囲によって定義される開示及び例示の範囲内に含まれるものとして理解されるべきである。
【0141】
本出願は、本文及び図において、いくつかの数値範囲を開示する。本開示が開示された数値範囲全体で実施できるため、明細書に正確な範囲限定が逐語的に記載されていないとしても、開示された数値範囲は、開示された数値範囲内の端点を含む任意の範囲または値を本質的にサポートする。
【0142】
上記の説明は、当業者が本開示を作成及び使用することを可能にするために提示され、それは特定の用途及びその要件の文脈において提供される。好ましい実施形態に対する種々の変形は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用され得る。従って、本開示は、示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理及び特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。最後に、本出願において参照された特許及び刊行物の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】