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特表2023-536717視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-29
(54)【発明の名称】視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集
(51)【国際特許分類】
   G06V 10/70 20220101AFI20230822BHJP
   G02B 21/36 20060101ALI20230822BHJP
   G02B 21/06 20060101ALI20230822BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20230822BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230822BHJP
   G06V 20/69 20220101ALI20230822BHJP
【FI】
G06V10/70
G02B21/36
G02B21/06
G06T7/20 300Z
G06T7/00 350B
G06V20/69
G06T7/00 630
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506110
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 IB2021056548
(87)【国際公開番号】W WO2022023881
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】63/057,105
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】399117121
【氏名又は名称】アジレント・テクノロジーズ・インク
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】アーベル,エラッド
(72)【発明者】
【氏名】リメール,イタイ
(72)【発明者】
【氏名】ベン・ドール,アミール
【テーマコード(参考)】
2H052
5L096
【Fターム(参考)】
2H052AC13
2H052AC14
2H052AF14
2H052AF21
2H052AF22
2H052AF25
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA05
5L096EA14
5L096FA69
5L096HA02
5L096KA04
(57)【要約】
複数の記録を含むトレーニングデータセットを自動的に作成するコンピュータにより実施される方法であって、ここで、1つの記録は、物体のサンプルの画像と、サンプルを提示したもののユーザによる被監視操作の表示と、サンプルの画像のピクセルにマッピングされた、ディスプレイ上で又は光学デバイスを介してサンプルを観察するユーザの被監視視線のグラウンドトゥルース表示であって、被監視視線は、ユーザが観察しているサンプルの少なくとも1つのロケーションと、ここで、該少なくとも1つのロケーションを観察することに費やされた時間とを含む、グラウンドトゥルース表示とを含むコンピュータにより実施される方法が提供される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録を含むトレーニングデータセットを自動的に作成するコンピュータにより実施される方法であって、
ここで、1つの記録は、
物体のサンプルの画像と、
前記サンプルを提示したもののユーザによる被監視操作の表示と、
前記サンプルの前記画像のピクセルにマッピングされた、ディスプレイ上で又は光学デバイスを介して前記サンプルを観察する前記ユーザの被監視視線のグラウンドトゥルース表示であって、ここで、前記被監視視線は、前記ユーザが観察している前記サンプルの少なくとも1つのロケーションと、該少なくとも1つのロケーションを観察することに費やされた時間とを含むものであるグラウンドトゥルース表示と
を含むものである、コンピュータにより実施される方法。
【請求項2】
前記物体のサンプルは、生体サンプル、マイクロウェルプレート内の生細胞培養物、病理学的報告を生成するための病理組織サンプルのスライド、3D放射線医学画像、及び製造欠陥の識別のための製造されたマイクロアレイからなる群から選択される、請求項1に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項3】
あるターゲット物体のターゲットサンプルのターゲット画像の入力に応じてターゲットの予測視線の結果を生成するように前記トレーニングデータセットに関して機械学習モデルをトレーニングすることを更に含む、請求項1又は2に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項4】
前記被監視視線のグラウンドトゥルース表示は、前記被監視視線が観察時間間隔にわたって前記画像の各特定のピクセルにマッピングされる合計時間を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項5】
前記被監視視線のグラウンドトゥルース表示は、(i)前記サンプルの前記画像に対応するヒートマップであって、該ヒートマップのそれぞれのピクセルのそれぞれの強度は、前記被監視視線がそれぞれの各ピクセルにマッピングされる前記合計時間と相関し、前記ヒートマップのピクセルは、前記被監視操作によって定められる複数のズームレベルにおける前記サンプルの異なる実際のサイズを示すピクセル、及び/又は、前記被監視操作のパン操作によって得られるディスプレイ上で非同時的に可視である前記サンプルの異なる部分に位置するピクセルに正規化されるヒートマップと、(ii)前記サンプルの前記画像におけるオーバレイであって、該オーバレイの特徴部は、前記視線の広がりに対応し及び/又は前記合計時間を示すオーバレイとのうちの少なくとも一方を含む、請求項4に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項6】
前記被監視視線の前記グラウンドトゥルース表示は、観察されている異なる視野の前記被監視視線の適応を、観察時間間隔にわたって異なる特定のピクセルに動的にマッピングする順序付けられた時間シーケンスを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項7】
前記被監視視線のグラウンドトゥルース表示は、(i)前記被監視視線の動的な適応を示す前記サンプルの前記画像のピクセル上にオーバレイされる有向直線と、(ii)前記順序付けられた時間シーケンスを、各視野に費やされた時間の表示とともに提示することとのうちの少なくとも一方として示される、請求項6に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項8】
前記トレーニングデータセットの前記記録は、前記被監視視線のグラウンドトゥルース表示と前記画像の前記ピクセルとにマッピングされる、前記サンプルの前記視野を調整するために行われる前記ユーザによる操作のグラウンドトゥルース表示を更に含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項9】
前記サンプルは、その拡大像として観察され、前記画像の特定のピクセルへの前記被監視視線の前記マッピングに関連付けられる前記ユーザ操作は、前記画像のズームイン、ズームアウト、左パン、右パン、パンアップ、パンダウン、光の調整、焦点の調整、及び拡大縮小の調整を含む群から選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項10】
前記サンプルは、顕微鏡を介して観察され、
視線を監視することは、前記ユーザが前記顕微鏡下で前記サンプルを観察している間に、前記ユーザの瞳に追従する少なくとも1つの第1のカメラから視線データを取得することを含み、
操作されている前記サンプルの前記画像は、前記ユーザが前記顕微鏡下で前記サンプルを観察している間に、第2のカメラによってキャプチャされ、
前記コンピュータにより実施される方法は、
前記サンプルのスキャンされた画像を取得することと、
前記サンプルの前記スキャンされた画像を前記第2のカメラによってキャプチャされた前記サンプルの前記画像と位置合わせすることと
を更に含み、
マッピングすることは、前記第2のカメラによってキャプチャされた前記画像への前記位置合わせを使用して、前記被監視視線を前記スキャンされた画像のピクセルにマッピングすることを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項11】
前記被監視視線は、弱アノテーションとして表され、
前記トレーニングデータセットの前記記録は、前記サンプルの前記画像の以下の追加のグラウンドトゥルースラベル、すなわち、
前記サンプルが被検者の組織のサンプルを含むときには、前記サンプルを観察する前記ユーザによって作成される病理学報告、前記サンプルを観察する前記ユーザによって作成される病理学的診断、前記サンプルを観察する前記ユーザによって作成される前記サンプルの病理学的評価を示すサンプルスコア、サンプルが前記サンプルに示される前記被検者の少なくとも1つの臨床パラメータ、前記被検者の履歴パラメータ、及び前記被検者に施された処置の結果と、
前記サンプルが製造されたマイクロアレイを含むときには、少なくとも1つの製造欠陥のユーザによって提供される表示、及び品質保証テストの合格/不合格表示と、
前記サンプルが生細胞培養物を含むときには、細胞成長速度、細胞密度、細胞均質性、及び細胞異質性と、
1つ以上の他のユーザによって提供されるデータアイテムと
のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項12】
前記サンプルが前記被検者の組織のサンプルを含むときには、ターゲットの個人の病理組織のターゲット生体サンプルのターゲット画像及びターゲットユーザのターゲット視線の入力に応じたターゲットの予測される病理学報告及び/又は病理学的診断及び/又はサンプルスコアと、
前記サンプルが前記製造されたマイクロアレイを含むときには、ターゲットの製造されたマイクロアレイのターゲット画像の入力に応じたターゲット製造欠陥及び/又は品質チェックの合格/不合格表示と、
前記サンプルが生細胞培養物を含むときには、ターゲット細胞成長速度、ターゲット細胞密度、ターゲット細胞均質性、及びターゲット細胞異質性と
の結果を生成するように、前記トレーニングデータセットに関して機械学習モデルをトレーニングすることを更に含む、請求項11に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項13】
物体のサンプルの視覚的解析を支援するコンピュータにより実施される方法であって、
前記物体の前記サンプルのターゲット画像を、複数の記録を含むトレーニングデータセットに関してトレーニングされる機械学習モデルに供給することであって、
ここで、1つの記録は、
物体のサンプルの画像と、
前記サンプルを提示したもののユーザによる被監視操作の表示と、
前記サンプルの前記画像のピクセルにマッピングされた、ディスプレイ上で又は光学デバイスを介して前記サンプルを観察する前記ユーザの被監視視線のグラウンドトゥルース表示であって、ここで、前記被監視視線は、前記ユーザが観察している前記サンプルの少なくとも1つのロケーションと、該少なくとも1つのロケーションを観察することに費やされた時間とを含む、グラウンドトゥルース表示と
を含むことと、
前記機械学習モデルの結果として、前記ターゲット画像のピクセルの予測された被監視視線の表示を取得することと
を含むコンピュータにより実施される方法。
【請求項14】
前記結果は、前記ターゲット画像のピクセルにマッピングされる複数のピクセルのヒートマップを含み、前記ヒートマップのピクセルの強度は、注視する予測時間に相関し、前記ヒートマップのピクセルは、前記被監視操作によって定められる複数のズームレベルにおける前記サンプルの異なる実際のサイズを示すピクセル、及び/又は、前記被監視操作のパン操作によって得られるディスプレイ上で非同時的に可視である前記サンプルの異なる部分に位置するピクセルに正規化される、請求項13に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項15】
前記結果は、時間間隔にわたって前記ターゲット画像のピクセルにマッピングされる動的な視線を示す時系列を含み、前記コンピュータにより実施される方法は、前記ターゲット画像を観察するユーザの視線をリアルタイムで監視することと、前記リアルタイムの監視と前記時系列との間の差を比較することと、前記差が閾値を越えているときにアラートを生成することとを更に含む、請求項13又は14に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項16】
前記トレーニングデータセットの前記記録は、前記被監視視線のグラウンドトゥルース表示と前記画像の前記ピクセルとにマッピングされる前記ユーザによる操作のグラウンドトゥルース表示を更に含み、前記結果は、前記ターゲット画像を提示したものに対する操作の予測を含む、請求項13~15のいずれか1項に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項17】
ユーザによる前記サンプルを提示したものの操作をリアルタイムで監視することと、前記操作のリアルタイムの監視と前記操作の予測との間の差を比較することと、前記差が閾値を越えているときにアラートを生成することとを更に含む、請求項15に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項18】
物体のサンプルの視覚的解析を支援するコンピュータにより実施される方法であって、
前記サンプルのターゲット画像を機械学習モデルに供給することと、
前記機械学習モデルの結果として、前記サンプルの視覚的評価を示すサンプルスコアを取得することと
を含み、
前記機械学習モデルは、複数の記録を含むトレーニングデータセットに関してトレーニングされ、ここで、1つの記録は、物体のサンプルの画像と、前記サンプルを提示したもののユーザによる被監視操作の表示と、前記サンプルの前記画像のピクセルにマッピングされた、ディスプレイ上で又は光学デバイスを介して前記サンプルを観察する前記ユーザの被監視視線のグラウンドトゥルース表示であって、ここで、前記被監視視線は、前記ユーザが観察している前記サンプルの少なくとも1つのロケーションと、該少なくとも1つのロケーションを観察することに費やされた時間とを含むグラウンドトゥルース表示と、前記サンプルに割り当てられたサンプル視覚的評価スコアのグラウンドトゥルース表示とを含む、
コンピュータにより実施される方法。
【請求項19】
対物レンズとアイピースとの間で顕微鏡と統合される視線追跡の構成要素であって、
顕微鏡下でサンプルを観察するユーザの各眼から後方反射された第1の組の電磁周波数を、前記ユーザの追跡される視線の表示を生成するそれぞれの第1のカメラに誘導すると同時に、前記顕微鏡下にある前記サンプルからの第2の組の電磁周波数を、前記ユーザが観察している視野を示す画像をキャプチャする第2のカメラに誘導する光学装置、
を備える、構成要素。
【請求項20】
前記第1の組の電磁周波数は、赤外線(IR)源によって生成されるIR周波数であり、前記第1のカメラは、近IRカメラを含み、前記第2の組の電磁周波数は、可視光スペクトルを含み、前記第2のカメラは、赤緑青(RGB)カメラを含み、前記光学装置は、前記IR源からの前記第1の組の電磁周波数を前記ユーザの前記眼が位置するアイピースに誘導し、前記ユーザの前記眼からの前記後方反射された第1の組のを前記アイピースを介して前記NIRカメラに誘導し、前記サンプルからの前記第2の組の電磁周波数を前記第2のカメラ及び前記アイピースに誘導するビームスプリッタを含み、2つの眼からの反射後の単一の光路からの前記電磁光波を前記第1のカメラのうちの2つへの2つの光路に分離する前記光学装置は、異なる偏光を異なる光路に誘導する偏光子及び/又は波長板、及び/又はダイクロイックミラー及びスペクトルフィルタとともに赤外スペクトル光源を使用することと、及び/又はヘテロダイン検出のために各光路の異なる周波数において振幅変調を加えることとからなる群から選択される、請求項19に記載の構成要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には、アノテーションデータ収集(annotation data collection)を実施する方法、システム、及び装置に関し、より詳細には、いくつかの場合において人工知能(「AI」:artificial intelligence)システム(限定ではなく、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」:convolutional neural network)、学習アルゴリズムベースのシステム(learning algorithm-based system)、又は機械学習システム等のうちの少なくとも1つを含みうる)をトレーニングするための、視線ベースの追跡(gaze-based tracking)を使用するアノテーションデータ収集を実施する方法、システム、及び装置に関する。
【0002】
[関連案件]
この出願は、2020年7月27日に出願された米国仮特許出願第63/057,105号の優先権を主張するものである。この米国出願の開示全体を引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0003】
[著作権表示]
本特許文献の開示の一部には、著作権保護の対象である題材が含まれている。著作権所有者は、米国特許商標庁の特許ファイル又は記録に記載されている本特許文献又は特許開示の何人による複製にも異論はないが、それ以外の場合は全ていかなる著作権も留保する。
【背景技術】
【0004】
数千もの染色組織病理スライドが、毎日、臨床検査室及び研究所において観察及びスコアリング(score)されている。これまで、このようなスライドは、顕微鏡下でスコアリングされているが、最近になって、スライドは、表示画面上でスキャン及びスコアリングされる。病理学者を支援するスキャンされたスライドのデジタル解析方法の開発には、大量の病理学者のアノテーションにアクセスして、深層学習、機械学習、又は他のアルゴリズム等を含むアルゴリズム(例えば、関心領域、診断、処置等を識別するアルゴリズム)をトレーニングする(train)ことが必要となる。しかしながら、現在のスライドスコアリングプロトコル(顕微鏡下又は画面上のいずれかにおけるもの)は、明確なアノテーション要件も、作業の邪魔にならない程度の(non-obtrusive)アノテーション能力も有していない。その結果、場合によっては莫大な量のエキスパートアノテーション(すなわち、スライド上のどの正確な領域が病理学者の決断を導いたのか)が記録されておらず、失われている。いくつかの従来の技法では、病理学者のスライド検査中に視野(「FOV」:field of view)を追跡及び記録するビデオカメラを顕微鏡に取り付けることによって、スライドガラスにおける病理学者の関心領域(「ROI」:region of interest)を収集することによってこの問題に取り組んでいる。この情報は、後に、ホールスライド画像(「WSI」:whole slide image)デジタルスライドと位置合わせすることができ、WSIにおける診断該当領域又は処置該当領域に対して畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)をトレーニングするのに使用することができる。この方法は、病理学者の日常業務の間に非侵入型の方法でアノテーションを収集するが、それでも、病理学者がFOV内でフォーカス(focus;焦点を合わせる)していた特定の細胞又は構造についての価値のある情報を欠いている。
【0005】
さらに、現在のスライドは、病理学者の決定をサポートするローカルな情報を何ら提供することなく日常的に診断及びスコアリングされる。他方、AIベースのアルゴリズムを開発するのに必要とされる詳しい空間的なアノテーションを収集することは、多くのコスト及び時間を要する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、アノテーションデータ収集を実施する、よりロバストでスケーラブルな解決策が必要とされ、より詳細には、いくつかの場合においてAIシステムをトレーニングするための、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施する方法、システム、及び装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、コンピュータにより実施される方法は、複数の記録を含むトレーニングデータセットを自動的に作成することを含み、ここで、1つの記録は、物体のサンプル(sample)の画像と、前記サンプルを提示(indication)したもののユーザによる被監視操作の表示と、前記サンプルの前記画像のピクセルにマッピングされた、ディスプレイ上で又は光学デバイスを介して前記サンプルを観察する前記ユーザの被監視視線(monitored gaze)のグラウンドトゥルース表示であって、前記被監視視線は、前記ユーザが観察している前記サンプルの少なくとも1つのロケーションと、該少なくとも1つのロケーションを観察することに費やされた時間とを含む、グラウンドトゥルース表示(ground truth indication)とを含む。
【0008】
第1の態様の更なる実施の形態において、前記物体のサンプルは、生体サンプル、マイクロウェルプレート内の生細胞培養物、病理学的報告を生成するための病理組織サンプルのスライド、3D放射線医学画像、及び製造欠陥の識別のための製造されたマイクロアレイからなる群から選択される。
【0009】
第1の態様の更なる実施の形態において、ターゲット物体のターゲットサンプルのターゲット画像の入力に応じてターゲットの予測視線の結果を生成するように前記トレーニングデータセットに関して機械学習モデルをトレーニングすることを更に含む。
【0010】
第1の態様の更なる実施の形態において、前記被監視視線のグラウンドトゥルース表示は、前記被監視視線が観察時間間隔にわたって前記画像の各特定のピクセルにマッピングされる合計時間を含む。
【0011】
第1の態様の更なる実施の形態において、前記被監視視線のグラウンドトゥルース表示は、(i)前記サンプルの前記画像に対応するヒートマップであって、該ヒートマップのそれぞれのピクセルのそれぞれの強度は、前記被監視視線がそれぞれの各ピクセルにマッピングされる前記合計時間と相関し、前記ヒートマップのピクセルは、前記被監視操作によって定められる複数のズームレベルにおける前記サンプルの異なる実際のサイズを示すピクセル、及び/又は、前記被監視操作のパン操作(panning operation)によって得られるディスプレイ上で非同時的に可視である前記サンプルの異なる部分に位置するピクセル(すなわち、前記被監視操作によって定められる複数のズームレベルにおける前記サンプルの異なる実際のサイズを示すピクセル、又は前記被監視操作のパン操作によって得られるディスプレイ上で非同時的に可視である前記サンプルの異なる部分に位置するピクセル、あるいはそれらの両方)に正規化される、ヒートマップと、(ii)前記サンプルの前記画像におけるオーバレイであって、該オーバレイの特徴部は、前記視線の広がりに対応し及び/又は前記合計時間を示す(すなわち、前記視線の広がりに対応し、又は前記合計時間を示す、あるいはそれらの両方)、オーバレイと、のうちの少なくとも一方を含む。
【0012】
第1の態様の更なる実施の形態において、前記被監視視線の前記グラウンドトゥルース表示は、観察されている異なる視野の前記被監視視線の適応を、観察時間間隔にわたって異なる特定のピクセルに動的にマッピングする順序付けられた時間シーケンスを含む。
【0013】
第1の態様の更なる実施の形態において、前記被監視視線のグラウンドトゥルース表示は、(i)前記被監視視線の動的な適応を示す前記サンプルの前記画像のピクセル上にオーバレイされる有向直線(directed line)と、(ii)前記順序付けられた時間シーケンスを、各視野に費やされた時間の表示(indication)とともに提示する(present)こととのうちの少なくとも一方として示される。
【0014】
第1の態様の更なる実施の形態において、前記トレーニングデータセットの前記記録は、前記被監視視線のグラウンドトゥルース表示と前記画像の前記ピクセルとにマッピングされる、前記サンプルの前記視野を調整するために行われる前記ユーザによる操作のグラウンドトゥルース表示を更に含む。
【0015】
第1の態様の更なる実施の形態において、前記サンプルは、その拡大像として観察され、前記画像の特定のピクセルへの前記被監視視線の前記マッピングに関連付けられる前記ユーザ操作は、前記画像のズームイン、ズームアウト、左パン、右パン、パンアップ、パンダウン、光の調整、焦点の調整、及び拡大縮小の調整を含む群から選択される。
【0016】
第1の態様の更なる実施の形態において、前記サンプルは、顕微鏡を介して観察され、視線を監視することは、前記ユーザが前記顕微鏡下で前記サンプルを観察している間、前記ユーザの瞳に追従する少なくとも1つの第1のカメラから視線データを取得することを含み、操作されている前記サンプルの前記画像は、前記ユーザが前記顕微鏡下で前記サンプルを観察している間、第2のカメラによってキャプチャされ、前記コンピュータにより実施される方法は、前記サンプルのスキャンされた画像を取得することと、前記サンプルの前記スキャンされた画像を前記第2のカメラによってキャプチャされた前記サンプルの前記画像と位置合わせすることとを更に含み、マッピングすることは、前記第2のカメラによってキャプチャされた前記画像への前記位置合わせを使用して、前記被監視視線を前記スキャンされた画像のピクセルにマッピングすることを含む。
【0017】
第1の態様の更なる実施の形態において、前記被監視視線は、弱アノテーション(weak annotation)として表され、前記トレーニングデータセットの前記記録は、前記サンプルの前記画像の以下の追加のグラウンドトゥルースラベル、すなわち、前記サンプルが被検者(subject)の組織のサンプルを含むときには、前記サンプルを観察する前記ユーザによって作成される病理学報告、前記サンプルを観察する前記ユーザによって作成される病理学的診断、前記サンプルを観察する前記ユーザによって作成される前記サンプルの病理学的評価を示すサンプルスコア、サンプルが前記サンプルに示される前記被検者の少なくとも1つの臨床パラメータ、前記被検者の履歴パラメータ、及び前記被検者に施された処置の結果と、前記サンプルが製造されたマイクロアレイを含むときには、少なくとも1つの製造欠陥のユーザによって提供される表示、品質保証テストの合格/不合格表示と、前記サンプルが生細胞培養物を含むときには、細胞成長速度、細胞密度、細胞均質性、及び細胞異質性と、1つ以上の他のユーザによって提供されるデータアイテムと、のうちの少なくとも1つを更に含む。
【0018】
第1の態様の更なる実施の形態において、前記サンプルが前記被検者の組織のサンプルを含むときには、ターゲットの個人の病理組織のターゲット生体サンプルのターゲット画像及びターゲットユーザのターゲット視線の入力に応じたターゲットの予測される病理学報告及び/又は病理学的診断及び/又はサンプルスコアの結果を生成するように、、前記サンプルが前記製造されたマイクロアレイを含むときには、ターゲットの製造されたマイクロアレイのターゲット画像の入力に応じたターゲット製造欠陥及び/又は品質チェックの合格/不合格表示の結果を生成するように、、前記サンプルが生細胞培養物を含むときには、ターゲット細胞成長速度、ターゲット細胞密度、ターゲット細胞均質性、及びターゲット細胞異質性と、の結果を生成するように、前記トレーニングデータセットに関して機械学習モデルをトレーニングすることを更に含む。
【0019】
第2の態様によれば、物体のサンプルの視覚的解析を支援するコンピュータにより実施される方法は、前記物体の前記サンプルのターゲット画像を、複数の記録を含むトレーニングデータセットに関してトレーニングされる機械学習モデルに供給することであって、記録は、物体のサンプルの画像と、前記サンプルを提示したもののユーザによる被監視操作の表示と、前記サンプルの前記画像のピクセルにマッピングされた、ディスプレイ上で又は光学デバイスを介して前記サンプルを観察する前記ユーザの被監視視線のグラウンドトゥルース表示であって、前記被監視視線は、前記ユーザが観察している前記サンプルの少なくとも1つのロケーションと、該少なくとも1つのロケーションを観察することに費やされた時間とを含む、グラウンドトゥルース表示とを含むことと、前記機械学習モデルの結果として、前記ターゲット画像のピクセルの予測された被監視視線の表示を取得することとを含む。
【0020】
第2の態様の更なる実施の形態において、前記結果は、前記ターゲット画像のピクセルにマッピングされる複数のピクセルのヒートマップを含み、前記ヒートマップのピクセルの強度は、注視する予測時間に相関し、前記ヒートマップのピクセルは、前記被監視操作によって定められる複数のズームレベルにおける前記サンプルの異なる実際のサイズを示すピクセル、及び/又は、前記被監視操作のパン操作によって得られるディスプレイ上で非同時的に可視である前記サンプルの異なる部分に位置するピクセルに正規化される。
【0021】
第2の態様の更なる実施の形態において、前記結果は、時間間隔にわたって前記ターゲット画像のピクセルにマッピングされる動的な視線を示す時系列を含み、前記コンピュータにより実施される方法は、前記ターゲット画像を観察するユーザの視線をリアルタイムで監視することと、前記リアルタイムの監視と前記時系列との間の差を比較することと、前記差が閾値を越えているときにアラートを生成することとを更に含む。
【0022】
第2の態様の更なる実施の形態において、前記トレーニングデータセットの前記記録は、前記被監視視線のグラウンドトゥルース表示と前記画像の前記ピクセルとにマッピングされる前記ユーザによる操作のグラウンドトゥルース表示を更に含み、前記結果は、前記ターゲット画像を提示したものに対する操作の予測を含む。
【0023】
第2の態様の更なる実施の形態において、ユーザによる前記サンプルを提示したものの操作をリアルタイムで監視することと、前記操作のリアルタイムの監視と前記操作の予測との間の差を比較することと、前記差が閾値を越えているときにアラートを生成することとを更に含む。
【0024】
第3の態様によれば、物体のサンプルの視覚的解析を支援するコンピュータにより実施される方法は、前記サンプルのターゲット画像を機械学習モデルに供給することと、前記機械学習モデルの結果として、前記サンプルの視覚的評価を示すサンプルスコアを取得することとを含み、前記機械学習モデルは、複数の記録を含むトレーニングデータセットに関してトレーニングされ、記録は、物体のサンプルの画像と、前記サンプルを提示したもののユーザによる被監視操作の表示と、前記サンプルの前記画像のピクセルにマッピングされた、ディスプレイ上で又は光学デバイスを介して前記サンプルを観察する前記ユーザの被監視視線のグラウンドトゥルース表示であって、前記被監視視線は、前記ユーザが観察している前記サンプルの少なくとも1つのロケーションと、該少なくとも1つのロケーションを観察することに費やされた時間とを含む、グラウンドトゥルース表示と、前記サンプルに割り当てられたサンプル視覚的評価スコアのグラウンドトゥルース表示とを含む。
【0025】
第4の態様によれば、対物レンズとアイピースとの間で顕微鏡と統合される視線追跡の構成要素は、顕微鏡下でサンプルを観察するユーザの各眼から後方反射された第1の組の電磁周波数を、前記ユーザの追跡される視線の表示を生成するそれぞれの第1のカメラに誘導すると同時に、前記顕微鏡下にある前記サンプルからの第2の組の電磁周波数を、前記ユーザが観察している視野を示す画像をキャプチャする第2のカメラに誘導する光学装置を備える。
【0026】
第4の態様の更なる実施の形態において、前記第1の組の電磁周波数は、赤外線(IR)源によって生成されるIR周波数であり、前記第1のカメラは、近IRカメラ(near IR camera)を含み、前記第2の組の電磁周波数は、可視光スペクトルを含み、前記第2のカメラは、赤緑青(RGB)カメラを含み、前記光学装置は、前記IR源からの前記第1の組の電磁周波数を、前記ユーザの前記眼が位置するアイピースに誘導し、前記ユーザの前記眼からの前記後方反射された第1の組を、前記アイピースを介して前記NIRカメラに誘導し、前記サンプルからの前記第2の組の電磁周波数を前記第2のカメラ及び前記アイピースに誘導するビームスプリッタを含み、2つの眼からの反射後の単一の光路からの前記電磁光波を前記第1のカメラのうちの2つへの2つの光路に分離する前記光学装置は、異なる偏光を異なる光路に誘導する偏光子及び/又は波長板(つまり、偏光子又は波長板あるいはそれらの両方)、及び/又はダイクロイックミラー及びスペクトルフィルタとともに赤外スペクトル光源を使用すること、及び/又はヘテロダイン検出のために各光路の異なる周波数において振幅変調を加えること、からなる群から選択される。
【0027】
特定の実施の形態の本質及び利点の更なる理解は、本明細書の残りの部分及び図面を参照することによって実現することができる。図面では、同様の参照符号が、同様の構成要素を参照するのに使用される。いくつかの場合には、サブラベルが、複数の同様の構成要素のうちの1つを表すために参照符号に関連付けられる。存在するサブラベルを明記することなく参照符号が引用されるとき、それは、そのような複数の同様の構成要素の全てを参照することを意図するものである。なお、ここで、「及び/又は」は、その句によってつながれる二以上の要素の一要素、それらの任意の組み合わせ、あるいはそれらの総体をカバーする意味で使われる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施するシステムを示す概略図である。
図2A】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集の非限定的な例を示す概略図である。
図2B】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集の非限定的な例を示す概略図である。
図3A】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集の様々な他の非限定的な例を示す概略図である。
図3B】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集の様々な他の非限定的な例を示す概略図である。
図3C】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集の様々な他の非限定的な例を示す概略図である。
図3D】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集の様々な他の非限定的な例を示す概略図である。
図4A】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施する方法を示すフロー図である。
図4B】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施する方法を示すフロー図である。
図4C】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施する方法を示すフロー図である。
図4D】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施する方法を示すフロー図である。
図5A】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用して収集されたアノテーションデータに基づいてAIシステムのトレーニングを実施する方法を示すフロー図である。
図5B】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用して収集されたアノテーションデータに基づいてAIシステムのトレーニングを実施する方法を示すフロー図である。
図5C】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用して収集されたアノテーションデータに基づいてAIシステムのトレーニングを実施する方法を示すフロー図である。
図5D】様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用して収集されたアノテーションデータに基づいてAIシステムのトレーニングを実施する方法を示すフロー図である。
図6】様々な実施形態による、一例示的なコンピュータ又はシステムハードウェアアーキテクチャを示すブロック図である。
図7】様々な実施形態に従って使用することができるコンピュータ、コンピューティングシステム、又はシステムハードウェアアーキテクチャのネットワークシステムを示すブロック図である。
図8】様々な実施形態による、被監視視線及び/又は被監視操作(つまり、被監視視線又は被監視操作あるいはそれらの両方)の表示を用いてアノテートされた画像のトレーニングデータセットを作成し、及び/又は、このトレーニングデータセットに関して機械学習モデル(複数の場合もある)をトレーニングするシステムの構成要素のブロック図である。
図9】様々な実施形態による、MLモデルのトレーニング用の、被監視視線を用いてアノテートされた物体のサンプルの画像を含むアノテーション付きトレーニングデータセットを自動的に作成する方法のフローチャートである。
図10】様々な実施形態による、被監視視線及び/又は被監視操作の表示を用いてアノテートされた画像のトレーニングデータセットに関してトレーニングされた機械学習モデルによる推論の方法のフローチャートである。
図11】様々な実施形態による、物体のサンプルの観察された視野の画像にオーバレイされたヒートマップを示す概略図である。
図12】様々な実施形態による、顕微鏡下でサンプルを観察するユーザの視線を監視するための顕微鏡に設置する構成要素の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、機械学習モデルをトレーニングするためのアノテーション付きトレーニングデータセットを自動的に作成するシステム、方法、コンピューティングデバイス、及び/又はコード命令(メモリに記憶され、1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行可能なもの)(つまり、システム、方法、コンピューティングデバイス、又はコード命令(メモリに記憶され、1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行可能なもの)、あるいはそれらの全て)に関する。アノテーション付きトレーニングデータセットは、複数の記録を含む。各記録は、本明細書では第1のサンプルとも呼ばれる物体のサンプルの画像(例えば、病理組織のスライドの画像、任意選択的にホールスライド画像(WSI)、又はマイクロアレイ等の製造物の画像)と、それぞれのユーザがサンプルを観察している観察セッション(例えば、ユーザが、顕微鏡のアイピース内に見える現在の視野(FOV)及び/又はディスプレイに提示される現在の視野(つまり、顕微鏡のアイピース内に見える現在の視野(FOV)、又はディスプレイに提示される現在の視野、あるいはそれらの両方)を見ている場合)の間に取得されるそれぞれのユーザの被監視視線の表示(本明細書ではアテンションデータと呼ばれることもある)と、任意選択的に、観察セッションの間にサンプルの提示を調整するためにそれぞれのユーザによって行われる被監視操作の表示とを含む。被監視視線は、グラウンドトゥルースを表す。被監視視線は、画像の弱アノテーションとして表すことができる。グラウンドトゥルースの被監視視線は、それぞれのサンプルの画像のピクセルにマッピングされる。被監視視線は、ユーザが観察しているサンプルの1つ以上のロケーション(例えば、領域)、及び/又は各ロケーションの観察に費やす時間を含む。サンプルの倍率は非常に大きい場合があり、FOVがサンプル全体の一部分を表している場合には、ディスプレイ上でその全体を適切に検査することができないので、ユーザは、サンプルを可視化するために異なるFOVを選択及び/又はFOVの提示を調整(つまり、異なるFOVを選択、又はFOVの提示を調整、あるいはそれらの両方を)する操作、例えば、ズームイン、ズームアウト、パン、焦点調整、光調整、及び画像の拡大縮小の調整を行うことができる。被監視視線は、例えばヒートマップとして表すことができ、この場合に、ヒートマップのピクセルは、ユーザがヒートマップのそれぞれのピクセルに対応するサンプルの部分を注視した観察セッション中の合計観察時間を示すことができる。ヒートマップのピクセルは、被監視操作によって定められる異なるズームレベルにおけるサンプルの異なる実際のサイズを示すピクセル、及び/又は、被監視操作のパン操作によって得られるディスプレイ上で非同時的に可視であるサンプルの異なる部分に位置するピクセルに正規化することができる。記録は、追加のデータを含むことができる。この追加のデータは、被監視視線とともにグラウンドトゥルースを表す追加ラベルとすることができる。追加のデータの例には、サンプルの視覚的評価スコアが含まれ、このスコアは、ユーザがサンプルを見直すことによって提供される結果とすることができる。サンプルが、被検者から得られる組織サンプルであるとき、視覚的評価スコアは、例えば臨床スコア及び/又は病理学的(つまり、臨床スコア又は病理学的あるいはそれらの両方の)診断、例えば病理学的報告とすることができる。サンプルが、製造されたマイクロアレイ等の製造物であるとき、視覚的評価スコアは、製造物に見られる1つ以上の欠陥の表示とすることができる。
【0030】
サンプルは、それらの全体がユーザによって観察することができない物体のサンプルである場合があり、例えば、ディスプレイ上及び/又は顕微鏡下(つまり、ディスプレイ上又は顕微鏡下、あるいはそれらの両方)での目視検査に適したサイズで提示することができない物体のサンプルである場合がある。サンプルが目視検査に適したズームインレベルで提示されるとき、サンプルの一部分は、ディスプレイ上に提示され及び/又は顕微鏡下に示される一方、サンプルの他の部分は提示されない。ユーザは、サンプルの残りを視覚的に調べる操作、例えば、他の領域におけるズームアウト、パン、及び/又はズームインを行う。
【0031】
物体のサンプルの例には、以下のものが含まれる。
*例えばバイオプシ(biopsy)として得られる病理組織のサンプル等の組織サンプル。組織サンプルは、全体画像スライド等の準備されたスライドとして観察することができる。そのようなスライドが、顕微鏡下及び/又は画面上において、細部(例えば、単一の細胞、細胞の内部、細胞群)を調べるのに十分なズームインレベルで観察されるときには、画像の一部分は可視であるが、画像の残りの部分の多くは非可視である。サンプルを視覚的に調べる病理学者(又は他のユーザ)は、異なる視野を異なる拡大レベルで観察するためにパン操作を行うことによってWSI又はスライドを観察する。病理学者は、組織サンプルを調べて、例えば、病理学的報告を作成し、臨床診断を提供し、及び/又は化学療法を施す(つまり、病理学的報告を作成し、臨床診断を提供し、又は化学療法を施す、あるいはそれらの全てを行う)のか若しくは他の治療薬を投与するのかを判断するために使用されるような臨床スコアを計算する。
*例えばマイクロウェルプレート内の生細胞培養物。
*他の生体サンプル。
*放射線画像、例えば、3次元のCT画像及び/又はMRI画像(つまり、CT画像又はMRI画像あるいはそれらの両方)。そのような3D画像を観察する放射線科医は、一度に単一の2Dスライスを観察することができるとともに、z軸に沿って前後にスクロールして上側及び下側の2Dスライスを観察することができる。放射線科医は、画像の或る特定の部分にズームインすることができる。放射線科医は、異なる器官に向けた上下へのスクロールを繰り返して、個々の器官を一度に1つずつ検査することができる。複数の器官を評価することができ、例えば、転移性疾患を探すときには、放射線科医は、腫瘍の存在について各器官を検査することができる。放射線科医は、3D画像を調べて、例えば、放射線科医報告の作成、臨床診断の提供、及び/又は臨床スコアの計算を行う。
*物体は、製造物、例えばマイクロアレイ(例えば、約100万個のDNA分子が規則的なパターンで付着されたスライドガラス)、細胞培養物、シリコンチップ、微小電子機械システム(MEMS:micro-electromechanical system)等とすることができる。ユーザは、製造物又はそれらの画像を品質保証プロセスの一部として観察し、製造欠陥を識別し、及び/又は製造物の品質保証検査の合否を示す。
【0032】
任意選択的に、ユーザが注視しているものを示すサンプルのFOVの画像は、被監視視線を用いてキャプチャされる。FOVの画像は、組織のサンプルのスライドをスキャンすることによって得られるWSI等のサンプルの画像、及び/又は、カメラによってキャプチャされた製造物(例えば、ハイブリダイゼーションしたDNAマイクロアレイ)の画像に位置合わせすることができる。被監視視線がFOVの画像にマッピングされるとき、FOVの画像とサンプルの画像との間の位置合わせによって、被監視視線をサンプルの画像にマッピングすることが可能になる。任意選択的に、被監視視線をサンプルの画像にマッピングすることを可能にするために、(例えば、異なるズームレベルにおける)異なるFOVに対応する被監視視線の表示(例えば、ヒートマップ)が、操作(例えば、ズームレベル操作、パン操作、画像拡大縮小)からのデータを使用して正規化される。換言すれば、拡大されたサンプルは、通常、非常に大きいので、ユーザは、通常、サンプルの異なる視野を観察する。各視野は、顕微鏡の接眼レンズ内に現在示され及び/又はディスプレイ上に提示されるサンプルの部分を表すことができる。FOVは、或る特定の倍率に関連付けることができる。サンプルの同じ領域を、異なる倍率の下で異なるFOVとして観察することができる。各FOVは、スライド上の病理組織のサンプルのホールスライド画像等のサンプルの画像、及び/又は、ハイブリダイゼーションしたDNAマイクロアレイ等の製造物の大きな画像にマッピングされる。マッピングは、ピクセルレベルにおけるもの及び/又はピクセル群レベルにおけるものとすることができ、ユーザの(例えば、瞳孔運動を追跡することによる)観察ロケーションをFOVの単一のピクセル及び/又はピクセル群及び/又はサンプルの画像(例えば、WSI)にマッピングすることを可能にする。
【0033】
トレーニングデータセットの記録のデータ構造に従って、トレーニングデータセットに関して種々の機械学習モデルをトレーニングすることができる。1つの例では、MLモデルが、ターゲットサンプルのターゲット画像の入力に応じて、ターゲットの予測視線の結果を生成する。別の例では、MLモデルは、ターゲットサンプルのターゲット画像及び/又は被監視視線の入力に応じてターゲットの予測操作の結果を生成する。ターゲットの予測視線及び/又は操作は、例えば、新たなサンプルの調査及び/又は操作の方法の学習において新人のユーザ(例えば、病理学者)をトレーニングするのに使用することもできるし、及び/又は新たなサンプルの見るべき箇所をユーザにガイドするのに使用することもできるし、及び/又はユーザが標準的技法に従ってサンプルを見たこと及び/又は操作したことを検証するための、新たなサンプルを観察するユーザの品質保証の一形態として使用することもできる。更に別の例では、MLモデルは、ターゲット画像及び/又はターゲット視線及び/又はターゲット操作の入力に応答して、目視検査の結果、例えば、臨床スコア、臨床診断(例えば、病理学的スライド及び/又は3D放射線医学画像等の医療画像の臨床診断)、及び/又は製造物における欠陥の表示(例えば、合格/不合格品質チェック、欠陥が位置する箇所)を生成する。更に別の例では、MLモデルは、目視検査の原因となった特徴部がサンプルに見つかった箇所の表示を生成することによって、ターゲット視線及び目視検査を組み合わせたものを生成する。例えば、マイクロアレイのどの領域(複数の場合もある)が、品質保証テストの不合格をもたらした欠陥を有するのかについて。又、例えば、病理学的スライドのどの領域(複数の場合もある)が、患者が化学療法又は別の治療薬を用いて処置されるべきであることを示す臨床スコアを計算するのに使用されたのかについて。
【0034】
ユーザによって行われる被監視視線及び/又は被監視操作は、バックグラウンドにおいて収集することができ、積極的なユーザ入力を必ずしも必要としない。被監視視線及び/又は被監視操作は、ユーザが当該ユーザの標準的技法のワークフローに基づいてサンプルを観察している間に収集され、標準的技法のワークフローを妨げず、及び/又は標準的技法のワークフローを改変することはない。
【0035】
本明細書に説明される少なくともいくつかの実施態様は、機械学習モデルをトレーニングするための物体のサンプルの画像のアノテーションを作成するという技術的問題に対処する。物体のサンプルのアノテーションは、いくつかの理由から技術的に困難である。
【0036】
第1に、物体の各サンプルは、検査のための多数の細部を含む場合がある。例えば、組織のサンプルは、サンプル内に示される細胞、血管、及び細胞間物体(inter-cell object)(例えば、核)等の非常に多数の生体を有する。別の例では、製造されたマイクロアレイは、約100万個(又は他の値)といった非常に多数のDNA分子クラスタを有する。機械学習モデルをトレーニングするには、多数のアノテーションが必要とされる。従来から、ラベル付けは手動で行われている。難題は、この手作業を行う資格を有する人が、一般に、トレーニングを受けた特定分野の専門家(例えば、病理学者、品質保証技術者)であり、これらの専門家は不足しており、多数のラベル付き画像を作成するために見つけるのが困難であるということである。そのようなトレーニングを受けた特定分野の専門家が特定されても、各サンプル画像は、種々のタイプ及び/又は種々の状態の数千もの特徴部を含む場合があるので、手動のラベル付けには多くの時間を要する。物体のいくつかのタイプの特徴部は、画像を使用して区別するのが困難であり、これによって、正しくアノテートするには、より一層多くの時間が必要となる。その上、手動のラベル付けは、誤りを起こしがちであり、例えば、異なるタイプの細胞状物体を区別する際に誤りを起こしがちである。
【0037】
第2に、各サンプルは、全体の目視検査を必要とし、重要な特徴部を検査するのに追加の時間を費やす。時間効率を良くするには、特定分野の専門家が、全体の目視検査を行うのにどれくらいの時間を費やすのか、及び、特定の特徴部を見るのにいつ追加の時間を費やすのかを知っている必要がある。したがって、本明細書に説明されるように、観察されている各ロケーションにおいて費やした時間をキャプチャしたものが収集され、トレーニングデータセットを作成する記録において使用される。組織サンプル等のいくつかの物体の場合に、各サンプルは固有であり、異なる構造及び/又は細胞は、異なるロケーションに位置し、及び/又は異なる配置を有する。特定分野の専門家は、そのようなサンプルをどのように検査して、例えば病理学的報告を作成するための重要不可欠な特徴部を逃すことなく必要とされる視覚データを得るのかの知識を有する。DNAの配置が規則的であるマイクロアレイ等の物体の場合には、特定分野の専門家は、規則的なパターンを有する大きな視野をどのように検査して異常を識別し、例えば、品質保証検査を合格/不合格にするのかの知識を有する。更に別の例では、ほとんどの人は非常に類似した解剖学的構造を有するので、解剖学的画像(例えば、3D CTスキャン、MRI)において、心臓、肺、胃、肝臓、及び他の器官は、ほぼ常に同じ相対ロケーションに位置する。しかしながら、ほとんどの場合に、器官の全てを目視検査して、各器官に固有でありうる臨床特徴部を識別する必要がある。いくつかの全身性疾患では、異なる器官が、同じ基礎疾患の異なる病理学的発現の一部として、異なる影響を受ける。この診断は、種々の視覚的発見を検討することによって行われる。
【0038】
第3に、個々の特徴部の全体的理解及び/又は局所的理解、及び/又は特徴部間の相互作用を得るために、サンプルのアノテーションは、種々のズームレベル、種々の光量、焦点、種々の画像スキャン、及び/又はサンプルにわたるパン等の種々の観察パラメータを使用して得られる種々の視野におけるサンプルの観察を必要とする。例えば、マイクロアレイの場合に、目視検査者は、特徴部抽出を使用して品質管理画像を開き、いくつかの倍率でその画像を見る。加えて、検査者は、標準スケール及び対数スケールの双方で画像を観察する。標準スケールは、一般に、画像の上部における明るい特徴部を観察するのに使用される。対数スケールは、一般に、画像の下部における薄暗い特徴部を観察するのに使用される。検査者は、自身が識別する欠陥のタイプ及び深刻度に基づいてスライドを主観ベースで合格又は不合格にする。不合格をもたらす異常の例には、ドラッガ(dragger)、スクラッチ(scratch)、エンプティポケット(empty pocket)、マージング(merging)、ノズル問題(nozzle issue)、及びハニカム(honeycomb)が含まれる。本明細書において説明される少なくともいくつかの実施態様は、機械学習モデルをトレーニングするためのサンプルの画像(例えば、病理組織のスライド、3D放射線画像、マイクロアレイ等の製造物)のアノテーションを自動的に生成することによって、機械学習の技術を改良する。
【0039】
標準的な手法を使用すると、物体(例えば、細胞)の個々のサンプルが、ユーザ(例えば、病理学者)によって手動でアノテートされる。ユーザは、サンプルの結果、例えば、報告(例えば、組織サンプル及び/又は放射線医学画像の報告)、製造物の品質保証の合格/不合格を作成する。この結果は、グラウンドトゥルースアノテーションとしての機能を果たすことができるサンプルの特徴部に基づいている。
【0040】
少なくともいくつかの実施態様において、上記改良は、物体のサンプル(例えば、病理組織のサンプル、放射線医学画像、顕微鏡下での及び/又はディスプレイ上に画像として提示されたDNAマイクロアレイ等の製造物の観察)を読み取る標準的技法の作業中のユーザ(例えば、病理学者、放射線科医、品質保証技術者)の視線の監視と、任意選択的にユーザによるサンプルの操作(例えば、パン、ズームレベル、焦点、拡大縮小、光)の監視とにある。サンプルの視線の監視及び/又は操作の監視は、ユーザからの積極的な入力を必ずしも必要とすることなく行うこともできるし、及び/又は、ユーザが標準的技法のワークフローに基づいて自身の作業を行っている間、ワークフローの中断及び/又は変更を必ずしも必要とすることなく、バックグラウンドにおいて行うこともできる。ユーザの視線は監視され、ユーザが見ている箇所を示すサンプルのロケーション(例えば、ピクセル)、及び/又は各観察ロケーションにおいて費やす時間を考慮することによる、ユーザがどのように見ているのかのパターン、例えば、最初はサンプル全体のクイックスキャン、次に或る特定の領域へのズームイン、より大きな組織構造のビューを得るためのズームアウト、次に再びズームイン等にマッピングされる。サンプルの画像は、被監視視線及び/又は被監視操作、例えばヒートマップの作成の表示を用いてアノテートされる。このヒートマップでは、ピクセルの強度が、ヒートマップのピクセルに対応するサンプルのロケーションにおける総合計観察時間を示す。ヒートマップのピクセルは、被監視操作によって定められる種々のズームレベルにおけるサンプルの種々の実際のサイズを示すピクセル、及び/又は、被監視操作のパン操作によって得られる、ディスプレイ上で非同時的に可視であるサンプルの種々の部分に位置するピクセルに正規化することができる。視覚表示(例えば、臨床スコア、病理学的スコア、病理学的報告、臨床診断、物体の品質保証の合格/不合格の表示、物体に見つかった欠陥の表示)の形態の弱ラベル(weak label)は、ユーザによって手動で作成される結果に基づいてサンプルに割り当てることができる。他のデータは、この弱ラベルに含めることができ、例えば、本明細書に説明されるように、例えば、サンプルの観察中にユーザによって行われる短い音声メモ(verbal note)を記録する、例えば、オーディオセンサによって記録されるオーディオメッセージから作成されるオーディオラベルは、この弱ラベルに含めることができる。
【0041】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、そのアプリケーションにおいて、以下の説明に述べられ及び/又は図面及び/又は例に示される構成の詳細及び構成要素の配置及び/又は方法に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であるし、様々な方法で実施又は実行することも可能である。
【0042】
本発明は、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品とすることができる。このコンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(複数の場合もある)を含むことができる。
【0043】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持及び記憶することができる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又はこれらの任意の適した組み合わせとすることができるが、これらに限定されるものではない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例を非網羅的に列挙すると、次のもの、すなわち、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、リードオンリーメモリ(ROM:read-only memory)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM(erasable programmable read-only memory)又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)、メモリスティック、フロッピーディスク、及びそれらの任意の適した組み合わせが含まれる。本明細書に使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、無線波若しくは他の自由伝播電磁波、導波路若しくは他の伝送媒体を通って伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又は有線を通って伝送される電気信号等の、それ自体が一時的信号であると解釈されるものではない。
【0044】
本明細書に説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティングデバイス/処理デバイスにダウンロードすることもできるし、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/又は無線ネットワークを介して外部コンピュータ又は外部記憶デバイスにダウンロードすることもできる。ネットワークは、銅製伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを備えることができる。各コンピューティングデバイス/処理デバイスにおけるネットワークアダプタカード又はネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティングデバイス/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するためにこれらのコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0045】
本発明の動作を実行するコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA:instruction-set-architecture)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又は1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード若しくはオブジェクトコードとすることができる。プログラミング言語は、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向型プログラミング言語と、「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語とを含む。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアローンソフトウェアパッケージとして全体をユーザのコンピュータ上で実行することもできるし、一部分をユーザのコンピュータ上で実行することもできるし、一部分をユーザのコンピュータ上で実行するとともに一部分をリモートコンピュータ上で実行することもできるし、全体をリモートコンピュータ又はサーバ上で実行することもできる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)又はワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続することもできるし、その接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータに対して行うこともできる。いくつかの実施形態において、例えば、プログラマブルロジック回路類、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA:programmable logic array)を含む電子回路類が、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して当該電子回路類を個人専用にすることによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0046】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート説明図及び/又はブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャート説明図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート説明図及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施できることが理解されるであろう。
【0047】
これらのコンピュータ可読プログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供して、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の単数又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施する手段を生み出すような機械を作り出すことができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、及び/又は他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶することもでき、そのため、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロック図の単数又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製造品を含む。
【0048】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされ、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイス上で実行させ、コンピュータにより実施されるプロセスを生み出すこともでき、そのため、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図の単数又は複数のブロックにおいて指定される機能/動作を実施する。
【0049】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、及び動作を示している。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定された論理機能(複数の場合もある)を実施する1つ以上の実行可能命令を含む命令モジュール、命令セグメント、又は命令部分を表すことができる。いくつかの代替の実施態様において、ブロックに示された機能は、図に示された順序以外の順序で行うことができる。例えば、連続して示された2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には、実質的に同時に実行することもできるし、時に逆の順序で実行することもできる。ブロック図及び/又はフローチャート説明図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート説明図におけるブロックの組み合わせは、指定された機能若しくは動作を実行するか、又は、専用ハードウェア及びコンピュータ命令を組み合わせたものを実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実施できることにも留意されたい。
【0050】
次に図8を参照する。図8は、本発明のいくつかの実施形態による、被監視視線及び/又は被監視操作の表示を用いてアノテートされた画像のトレーニングデータセットを作成し、及び/又は、このトレーニングデータセットに関して機械学習モデル(複数の場合もある)をトレーニングするシステム800の構成要素のブロック図である。システム800は、図1図2A及び図2B図3A図3D図6図7並びに図12を参照して説明されるシステムの代替形態とすることもできるし、及び/又は、(例えば、1つ以上の構成要素を使用して)このシステムと組み合わせることもできる。
【0051】
システム800は、図4A図4D図5A図5D図9図10、及び図11を参照して説明される方法の動作を、任意選択的に、メモリ806に記憶されたコード命令806A及び/又は806Bを実行するコンピューティングデバイス804のハードウェアプロセッサ(複数の場合もある)802によって実施することができる。
【0052】
コンピューティングデバイス804は、例えば、クライアント端末、サーバ、仮想サーバ、ラボラトリワークステーション(例えば、病理学ワークステーション)、品質保証ワークステーション、製造ワークステーション、処置室(例えば、手術室)コンピュータ及び/又はサーバ、仮想機械、コンピューティングクラウド、モバイルデバイス、デスクトップコンピュータ、シンクライアント、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、メガネコンピュータ、並びにウォッチコンピュータとして実施することができる。コンピューティングデバイス804は、物体のサンプルの画像をユーザ(例えば、特定分野の専門家)に提示するラボラトリワークステーション及び/又は品質保証ワークステーション及び/又は他のデバイスへのアドオンとして実施されることがある高度視覚化ワークステーションを含むことができる。
【0053】
コンピューティングデバイス804に基づくシステム800の異なるアーキテクチャ、例えば、中央サーバベースの実施態様、及び/又は局所化ベースの実施態様を実施することができる。
【0054】
中央サーバベースの実施態様の一例では、コンピューティングデバイス804は、図4A図4D図5A図5D図9図10、及び図11を参照して説明される動作のうちの1つ以上を実行するローカルに記憶されたソフトウェアを含むことができ、及び/又は、サービス(例えば、図4A図4D図5A図5D図9図10、及び図11を参照して説明される動作のうちの1つ以上)を1つ以上のクライアント端末808(例えば、リモート配置されたラボラトリワークステーション、リモート配置された品質保証ワークステーション、リモート配置された製造ワークステーション、リモート画像保存通信システム(PACS:picture archiving and communication system)サーバ、リモート電子医療記録(EMR:electronic medical record)サーバ、リモートサンプル画像記憶サーバ、リモート配置された病理学コンピューティングデバイス、デスクトップコンピュータ等のユーザのクライアント端末)にネットワーク810を介して提供する1つ以上のサーバ(例えば、ネットワークサーバ、ウェブサーバ、コンピューティングクラウド、仮想サーバ)として動作することができる。コンピューティングデバイス804は、例えば、ソフトウェアアズアサービス(SaaS:software as a service)をクライアント端末(複数の場合もある)808に提供し、ローカルダウンロード用のアプリケーションをクライアント端末(複数の場合もある)808にウェブブラウザ、組織サンプル画像ビューアアプリケーション、品質保証画像観察アプリケーションへのアドオンとして提供し、及び/又はリモートアクセスセッションを使用する機能をクライアント端末808にウェブブラウザ等を通じて提供する。
【0055】
1つの実施態様において、複数の視線監視デバイス826が、イメージングデバイス812(例えば、顕微鏡及び/又はディスプレイ)上でサンプルを観察するそれぞれのユーザの視線を監視し、任意選択的に、複数の操作監視デバイス850が、それぞれのユーザによるそれぞれのサンプルの操作(例えば、パン、ズームイン/アウト、光調整、焦点調整、スケール調整)を監視する。例示的な視線監視デバイス826は、例えば、図2A及び図2B図3A図3D並びに図12を参照して説明される。それぞれのサンプルの画像は、(例えば、イメージングデバイス812及び/又は別のデバイスによって)キャプチャされる。被監視視線データ及び/又は被監視操作データ及び/又はサンプルの画像は、それぞれのクライアント端末808に提供することができる。複数のクライアント端末808のそれぞれは、被監視視線データ及び/又は被監視操作データ及び/又は画像をコンピューティングデバイス804に、任意選択的にネットワーク810を介して提供する。コンピューティングデバイスは、本明細書に説明されるように、被監視視線データ及び/又は被監視操作データ及び/又は他のデータ(例えば、臨床スコア)の対応するグラウンドトゥルースを用いてサンプルの画像をアノテートすることによって、それぞれのアノテーション付きデータセット822Aを作成することができる。1つ以上のトレーニングデータセット822Cは、本明細書に説明されるように、アノテーション付きデータセット(複数の場合もある)822Aから作成することができる。1つ以上の機械学習モデル822Bは、本明細書に説明されるように、トレーニングデータセット(複数の場合もある)822Cに関してトレーニングすることができる。MLモデル(複数の場合もある)822Bのトレーニングは、コンピューティングデバイス804によってローカルに実行することもできるし、及び/又は、トレーニングされたMLモデル(複数の場合もある)822Bをコンピューティングデバイス804に提供することができ及び/又はコンピューティングデバイス804によってリモートアクセスすることができる別のデバイス(例えば、サーバ)によってリモートに実行することもできる。別の実施態様において、コンピューティングデバイス804は、それぞれのサンプルのそれぞれの画像を複数のクライアント端末808のそれぞれから取得し、それぞれの画像をトレーニングされたMLモデル822B内に供給し、ユーザが見るべき領域を示すヒートマップ等のそれぞれの結果を取得する。それぞれの結果は、ローカル提示及び/又はユーザ(例えば、本明細書に説明されるように、ユーザをトレーニングし、監視する)用に、対応するクライアント端末808に提供される。
【0056】
ローカルベースの実施態様において、それぞれの各コンピューティングデバイス804は、病院及び/又は病理学研究所及び/又は製造施設等の施設において、特定のユーザ、例えば、特定の病理学者及び/又は特定の品質保証技術者、及び/又はユーザグループによって使用される。コンピューティングデバイス804は、被監視視線データ及び/又は被監視操作データ及び/又は視覚的評価及び/又は他のデータ(例えば、オーディオタグ)及び/又はサンプルの画像を、例えば、直接、及び/又はサーバ818(例えば、PACSサーバ、クラウドストレージ、ハードディスク)等の画像レポジトリを介して受信する。コンピューティングデバイス804は、本明細書に説明されるように、アノテーション付きデータセット(複数の場合もある)822Aの生成、トレーニングデータセット(複数の場合もある)822Cの作成、及び/又はMLモデル(複数の場合もある)822Bのトレーニングをローカルに行うことができる。コンピューティングデバイス804は、本明細書に説明されるように、トレーニングされたMLモデル(複数の場合もある)822Bにサンプルの画像をローカルに供給して結果を取得することができ、この結果は、ローカルな使用(例えば、ディスプレイ上への提示、ユーザをトレーニングするための使用、ユーザをガイドするための使用)に用いることができる。
【0057】
サンプル画像を1つ以上の機械学習モデル822B内にローカルに供給して、結果を取得することができる。この結果は、例えば、ディスプレイ826上に提示することができ、コンピューティングデバイス804のデータ記憶デバイス822にローカルに記憶することもできるし、及び/又はデータ記憶デバイス822にローカルに記憶することができる別のアプリケーション内に供給することもできる。結果は、本明細書に説明されるように、例えば、ユーザのトレーニング、品質保証等のためのユーザの作業の監視、及び/又はユーザの支援に使用することができる。機械学習モデル(複数の場合もある)822Bのトレーニングは、サンプルの画像及び/又は視線データに基づいてそれぞれの各コンピューティングデバイス804によってローカルに実行することができ、例えば、種々の病理学的研究所が、それら自身の病理学者からのそれら自身のサンプル及び視線データを使用して、それら自身の機械学習モデルのセットをそれぞれトレーニングすることができる。別の例では、種々の製造施設が、それら自身の品質保証技術者からのそれら自身のサンプル及び視線データを使用して、それら自身の機械学習モデルのセットをそれぞれトレーニングすることができる。別の例では、トレーニングされた機械学習モデル(複数の場合もある)822Bは、中央サーバ等の別のデバイスから取得される。
【0058】
コンピューティングデバイス804は、1つ以上のイメージングデバイス812によってキャプチャされた物体のサンプルの画像を受信する。例示的なイメージングデバイス(複数の場合もある)812は、スキャナ及びカメラを含む。サンプルの画像は、イメージングデバイス(複数の場合もある)812のディスプレイ実施物上に提示することができる。別の例では、イメージングデバイス812は、顕微鏡として実施され、サンプルの画像は、この顕微鏡を介してユーザによって観察される。
【0059】
イメージングデバイス(複数の場合もある)812は、物体のサンプルの2次元(2D)画像、例えば、組織サンプルの場合にはスライド全体の画像等のサンプル全体画像、及び/又は、製造欠陥について評価されている製造されたマイクロアレイの場合にはマイクロアレイ全体の画像を生成及び/又は提示することができる。サンプルは、異なる深さにある物体の特徴部が焦点を調整することによって示される3Dデータを表すことができることに留意されたい。
【0060】
イメージング機械812によってキャプチャされたサンプル画像は、サーバ(複数の場合もある)818、例えば、ストレージサーバ(例えば、PACS、EHRサーバ、製造サーバ及び/又は品質保証サーバ)、コンピューティングクラウド、仮想メモリ、及びハードディスクといった画像レポジトリに記憶することができる。
【0061】
アノテーション付きデータセット(複数の場合もある)822Aは、本明細書に説明されるように、視線のグラウンドトゥルース表示、及び/又は操作データ、及び/又は他のデータを用いてサンプル(複数の場合もある)の画像(複数の場合もある)をアノテートすることによって作成される。
【0062】
トレーニングデータセット(複数の場合もある)822Cは、本明細書に説明されるように、アノテーション付きデータセット(複数の場合もある)822Aに基づいて作成することができる。
【0063】
機械学習モデル(複数の場合もある)822Bは、本明細書に説明されるように、トレーニングデータセット(複数の場合もある)822Cに関してトレーニングすることができる。
【0064】
コンピューティングデバイス804は、1つ以上のデータインタフェース820、例えば、有線接続(例えば、物理ポート)、無線接続(例えば、アンテナ)、ローカルバス、データ記憶デバイスの接続用ポート、ネットワークインタフェースカード、他の物理インタフェース実施物、及び/又は仮想インタフェース(例えば、ソフトウェアインタフェース、仮想プライベートネットワーク(VPN:virtual private network)接続、アプリケーションプログラミングインタフェース(API:application programming interface)、ソフトウェア開発キット(SDK:software development kit))を使用して、イメージングデバイス812及び/又は視線監視デバイス826及び/又は操作監視デバイス(複数の場合もある)814から、サンプル画像及び/又は被監視視線データ及び/又は被監視操作及び/又は他のデータを受信することができる。代替又は追加として、コンピューティングデバイス804は、クライアント端末(複数の場合もある)808及び/又はサーバ(複数の場合もある)818から、サンプル画像及び/又は被監視視線データ及び/又は被監視操作を受信することができる。
【0065】
ハードウェアプロセッサ(複数の場合もある)802は、例えば、中央処理ユニット(複数の場合もある)(CPU:central processing unit)、グラフィックス処理ユニット(複数の場合もある)(GPU:graphics processing unit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(複数の場合もある)(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(複数の場合もある)(DSP:digital signal processor)、及び特定用途向け集積回路(複数の場合もある)(ASIC:application specific integrated circuit)として実施することができる。プロセッサ(複数の場合もある)802は、1つ以上のプロセッサ(同種又は異種)を含むことができ、これらのプロセッサは、クラスタとして及び/又は1つ以上のマルチコア処理ユニットとして並列処理向けに配置することができる。
【0066】
メモリ806(本明細書では、プログラムストア、及び/又はデータ記憶デバイスとも呼ばれる)、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、及び/又は記憶デバイス、例えば、不揮発性メモリ、磁気媒体、半導体メモリデバイス、ハードドライブ、着脱可能記憶装置、及び光媒体(例えば、DVD、CD-ROM)は、ハードウェアプロセッサ(複数の場合もある)802によって実行されるコード命令を記憶する。メモリ806は、図4A図4D図5A図5D図9図10、及び図11を参照して説明される方法の1つ以上の動作及び/又は特徴を実施するコード806A及び/又はトレーニングコード806Bを記憶する。
【0067】
コンピューティングデバイス804は、データ、例えば、被監視視線データ及び/又は被監視操作データを用いてアノテートされたサンプル画像のアノテーション付きデータセット(複数の場合もある)822A、本明細書に説明されるような機械学習モデル(複数の場合もある)822B及び/又は本明細書に説明されるような機械学習モデル(複数の場合もある)822Bをトレーニングするトレーニングデータセット822Cを記憶するデータ記憶デバイス822を含むことができる。データ記憶デバイス822は、例えば、メモリ、ローカルハードドライブ、着脱可能記憶デバイス、光ディスク、記憶デバイスとして、及び/又は、リモートサーバ及び/又はコンピューティングクラウド(例えば、ネットワーク810を介してアクセスされる)として実施することができる。データ記憶デバイス822に記憶されるデータの実行コード部分は、プロセッサ(複数の場合もある)802による実行用にメモリ806内にロードすることができることに留意されたい。
【0068】
コンピューティングデバイス804は、データインタフェース824、任意選択的に、ネットワーク810に接続するためのネットワークインタフェース、例えば、ネットワークインタフェースカード、無線ネットワークに接続する無線インタフェース、ネットワーク接続用のケーブルに接続する物理インタフェース、ソフトウェアで実施される仮想インタフェース、ネットワーク接続の上位レイヤを提供するネットワーク通信ソフトウェア、及び/又は他の実施態様のうちの1つ以上を含むことができる。コンピューティングデバイス804は、ネットワーク810を使用して1つ以上のリモートサーバ818にアクセスし、例えば、機械学習モデル(複数の場合もある)822B、コード806A、トレーニングコード806B、及び/又はトレーニングデータセット(複数の場合もある)822Cの更新バージョンをダウンロードすることができる。
【0069】
コンピューティングデバイス804は、ネットワーク810(又は、直接リンク(例えば、ケーブル、無線)及び/又は間接リンク(例えば、サーバ等の中間コンピューティングデバイス、及び/又は記憶デバイスを介する)等を通じた別の通信チャネル)を使用して、以下のものの1つ以上と通信することができる。
*本明細書に説明されるように、例えば、コンピューティングデバイス804が、画像解析サービス(例えば、SaaS)をリモート端末に提供するサーバとして動作するときのクライアント端末(複数の場合もある)808。
*例えば、種々のユーザの、イメージングデバイス812によってキャプチャされたサンプル画像及び/又は視線監視デバイス826によってキャプチャされた視線監視データ及び/又は操作監視デバイス814によってキャプチャされた操作データを記憶することができる、PACS及び/又は電子医療記録サーバ及び/又は製造サーバ/品質保証サーバと関連して実施されるサーバ818。
【0070】
イメージングインタフェース820及びデータインタフェース824は、2つの独立したインタフェース(例えば、2つのネットワークポート)として存在することもできるし、共通の物理インタフェース上の2つの仮想インタフェース(例えば、共通のネットワークポート上の仮想ネットワーク)として存在することもできるし、及び/又は単一のインタフェース(例えば、ネットワークインタフェース)に統合することもできることに留意されたい。
【0071】
コンピューティングデバイス804は、ユーザインタフェース826を含むか、又は、ユーザインタフェース826と通信する。ユーザインタフェース826は、ユーザがデータの入力(例えば、報告の作成)及び/又はデータの観察(例えば、サンプルの観察)を行うように設計されたメカニズムを含む。例示的なユーザインタフェース826は、例えば、タッチ画面、顕微鏡、ディスプレイ、キーボード、マウス、並びにスピーカ及びマイクを使用する音声起動型ソフトウェアのうちの1つ以上を含む。
【0072】
次に図9も参照する。図9は、本発明のいくつかの実施形態による、MLモデルのトレーニング用の、被監視視線を用いてアノテートされた物体のサンプルの画像を含むアノテーション付きトレーニングデータセットを自動的に作成する方法のフローチャートである。
【0073】
次に図9を再び参照すると、902において、物体のサンプルが提供される。サンプルは、例えば、生体サンプル、化学サンプル、及び/又は製造されたサンプル(例えば、電気的構成要素及び/又は機械的構成要素)とすることができる。
【0074】
サンプルの例には、病理組織及び生細胞培養物とすることができる組織の顕微鏡スライド(例えば、凍結切片をスライスすることによって作成されたもの、及び/又はホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE:formalin-fixed paraffin embedded)スライド)が含まれる。サンプルは、他の方法で含めることができ、例えば、透明なサンプルカートリッジ、バイアル、チューブ、カプセル、フラスコ、ベッセル、レセプタクル、マイクロアレイ、又はマイクロ流体チップのうちの少なくとも1つの中に含めることができる。組織のサンプルは、例えば、生検手技、FNA手技、コア生検手技、結腸ポリープ除去のための結腸内視鏡検査、未知質量体除去のための手術、良性癌除去のための手術、及び/又は悪性癌除去のための手術、病状の処置のための手術を行っている手術中に取得することができる。組織は、体液、例えば、尿、滑液、血液、及び脳脊髄液から取得することができる。組織は、結合した細胞群の形態のもの、例えば、組織学的スライドの形態のものとすることができる。組織は、体液内に浮遊する個々の細胞又は細胞塊の形態のもの、例えば、細胞学的サンプルの形態のものとすることができる。
【0075】
別の例では、サンプルは、製造欠陥の特定及び/又は合格/不合格の判断等を行うために品質保証評価用に選択することができるマイクロアレイ(例えば、DNAのマイクロアレイ)、シリコンチップ、及び/又は電気回路等の製造物の統計的に選択されたサンプルとすることができる。
【0076】
904において、サンプルを観察するユーザの視線が監視される。サンプルは、顕微鏡及び/又は他の光学デバイスの下で観察することもできるし、及び/又は、サンプルの画像は、ユーザによって観察されるディスプレイ上に提示することもできる。画像及び/又はビューは、任意の倍率のものとすることができる。
【0077】
被監視視線は、例えば、ユーザが、顕微鏡を使用して及び/又はディスプレイを観察することによってサンプルを観察及び/又は解析しながら結果データを提供しているときに、ユーザに割り込むことも、ユーザの進行を遅らせることも、ユーザを妨害することもなく、収集することができる。
【0078】
ユーザの視線は、ユーザが顕微鏡下のサンプル及び/又はディスプレイ上に提示されたサンプルを観察しているときのユーザの瞳孔運動を、例えば、図2A及び図2B図3A図3D、並びに図12を参照して説明されるデバイスを使用して追跡することによって監視することができる。ユーザの瞳孔運動は、本明細書に説明されるように、例えば、カメラによって追跡することができる。
【0079】
瞳孔運動は、ユーザが見ているサンプルの視野内の領域にマッピングされる。瞳孔運動は、組織の場合には領域内の単一の細胞若しくは細胞群等、及び/又は、製造物の場合にはDNAストランド等の微視的な特徴部及び/又は微視的な電気的構成要素及び/又は機械的構成要素といった、ユーザが実際に見ているものにおける種々の精度レベルを示す種々の分解能レベルで追跡することができる。瞳孔運動は、種々のサイズの領域にマッピングすることができ、例えば、FOV及び/又はサンプルの画像の単一のピクセルにマッピングすることもできるし、及び/又は、ピクセル群にマッピングすることもできるし、及び/又は、全体としてFOVにマッピングすることもできる。本明細書に説明されるように、より広い及び/又はより低い分解能追跡を、トレーニングデータセットにおけるFOV及び/又はサンプルの画像の弱アノテーションに使用することができる。トレーニングデータセットにおけるFOV及び/又はサンプルの画像の弱アノテーションは、任意の分解能における任意の視線座標からのものとすることができる。
【0080】
任意選択的に、ユーザの視線は、時間の関数として追跡される。被監視視線が或る時間間隔にわたってサンプルの各特定の領域にマッピングされる時間の表示を求めることができる。費やされる時間は、例えば、(例えば、本明細書に説明されるように)FOVごとに、ユーザが観察しているサンプルのFOVにマッピングされる画像のピクセル及び/又はピクセル群ごとに規定することができる。例えば、10分の観察セッションの間、ユーザは、1つのFOVを見るのに1分を費やし、別のFOVを見るのに5分を費やす。代替又は追加として、被監視視線は、観察されている異なる視野の被監視視線の適応を観察時間間隔にわたって異なる特定のピクセルに動的にマッピングする順序付けられた時間シーケンスで表され、及び/又は、この順序付けられた時間シーケンスを含む。例えば、ユーザは、観察セッションの最初の1分を、サンプルの中心付近に位置する第1のFOVを見るのに費やし、その後、第1の視野の右に位置する第2のFOVを見るのに5分を費やし、その後、第1のFOVに再び戻って更に2分を見るのに費やした。
【0081】
被監視視線は、サンプルの画像に対応するデータ構造、任意選択的にヒートマップとして可視化及び/又は実施することができる。ヒートマップのピクセルは、サンプルの画像のピクセル及び/又はピクセル群に対応する。被監視視線の表示と相関するヒートマップのそれぞれのピクセルのそれぞれの強度は、それぞれの各ピクセルにマッピングされ、例えば、ヒートマップのピクセル強度値は、ユーザがそれらのピクセルの観察に費やした合計時間を表す。ヒートマップは、サンプルの画像上にオーバレイとして提示することができる。ピクセル強度値への時間のマッピングは、例えば、設定された閾値(例えば、1分未満、1分~3分の間、及び3分よりも長い)、及び/又は費やした相対的な時間(例えば、総時間の50%よりも多い、総時間の20%~50%、及び総時間の20%未満)、又は他の手法に基づくことができる。
【0082】
ヒートマップは、FOVの各ピクセル及び/又は各領域に費やした合計時間を表すことができる。被監視視線の動的な適応を示す時間シーケンスの表示(すなわち、ユーザが時間の関数として見た場合)を、ヒートマップに加えて及び/又はヒートマップに代えて計算することができる。時間の関数として視線を示す被監視視線は、例えば、サンプルの画像のピクセル上にオーバレイされ及び/又はヒートマップ上にオーバレイされる有向直線として表すことができる。別の例では、被監視視線は、それぞれのFOVに費やされた時間の表示を用いてラベル付けされた各FOVの順序付けられた時間シーケンスとして表すことができる。各FOVは、サンプルの画像(WSI)にマッピングすることができ、例えば、サンプルの画像上にオーバレイされたFOVを表す境界として示すことができる。
【0083】
被監視視線は、他のデータ構造、例えば、ユーザが見ている箇所を示すFOVの座標系内の座標のベクトルを使用して表すことができる。ベクトルは、ユーザが或る時間にわたって見たFOV内のロケーションを示す時間シーケンスとすることができる。更に別の例では、被監視視線は、1つ以上の連続するオーバレイを使用して表すことができ、各オーバレイは、ユーザが注視しているFOVの領域にわたるマーキング(例えば、色、形状、強調表示、輪郭、陰影、パターン、ジェットカラーマップ等)を含み、小さな時間間隔(例えば、1秒、10秒、30秒等)の間の被監視視線を表すことができる。更に別の例では、被監視視線は、各FOVの領域を注視することに費やされた時間を示すことによって表すことができ、FOVの画像は、FOVのユーザの観察に従って連続的に配列することができる。例えば、FOVに示される領域の注視に費やされた時間を示す輪郭(又は陰影付け、強調表示等の他のマーキング)をFOVにわたって使用して表すことができる。時間は、例えば、メタデータ、輪郭の厚さ、及び/又はマーキングの色及び/又は強度によって表すことができる。複数の輪郭を提示することができ、各輪郭は異なる視線を示す。例えば、3つの円がFOV上に示され、1つの赤色の円は3分の注視を示し、2つの青色の円は、30秒未満の注視を示す。
【0084】
次に図11を参照する。図11は、本発明のいくつかの実施形態による、物体のサンプルの観察された視野の画像1102上にオーバレイされたヒートマップ(ジェットカラーマップとして表されている)を示す概略図である。この図示されたケースでは、サンプルは、被検者から得られた組織のスライドである。高強度のピクセル値1104は、ユーザがその領域の観察にかなりの時間を費やした領域を表し、中強度のピクセル値1106は、ユーザがその領域の観察に中程度の時間を費やした領域を表し、低強度のピクセル値1108は、ユーザがその領域の観察に僅かな時間を費やした領域を表す。次に図9の906を再び参照すると、ユーザによって観察されているサンプルのFOVはキャプチャされる。FOVは、任意選択的に時間の関数として動的にキャプチャすることができる。ユーザによって観察されたFOVの時間シーケンスを生成することができる。
【0085】
FOVは、顕微鏡を使用して観察されているとき、ユーザがサンプルを顕微鏡下で観察している間、顕微鏡下で見えるサンプルの画像をキャプチャするカメラ(任意選択的に、サンプルを顕微鏡下で観察しているユーザの眼の運動を追跡するのに使用されるカメラと異なるカメラ)によってキャプチャすることができる。
【0086】
FOVがディスプレイ上に提示されるとき、ディスプレイ上に提示されるFOVは、例えば、画面キャプチャ操作を実行することによってキャプチャすることができる。
【0087】
908において、それぞれのユーザによって行われるサンプルのFOV提示の操作(複数の場合もある)を監視することができる。サンプルは、拡大されているとき、非常に大きい場合があり、適切な解析を可能にするためにユーザが同時に観察することができない場合がある。したがって、ユーザは、ディスプレイ上で観察されているサンプルの画像を操作することもできるし、及び/又は、スライド及び/又は顕微鏡を操作して異なるFOVを生成することもできる。
【0088】
操作の例には、軸方向軸(z軸)スキャン(axial axis (z-axis) scanning)を使用するズームイン、ズームアウト、左パン、右パン、パンアップ、パンダウン、光の調整、拡大縮小の調整、及び焦点の調整(例えば、インフォーカス、アウトオブフォーカス)がある。サンプルが組織のスライドである場合には、顕微鏡下で組織の種々の深さを観察するために、スライドを、z軸ノブを使用してz軸に沿って調整することができる。サンプルが3D(3次元)画像である場合には、2D(2次元)平面を得るために行われる前後のスクロールを用いて、3D画像を2D平面にスライスすることができる。
【0089】
サンプルの画像がディスプレイ上に提示されているとき、ディスプレイに関連したユーザインタフェース、例えば、アイコン、キーボード、マウス、及びタッチ画面とのユーザインタラクションを監視することによって、操作を監視することができる。サンプルが顕微鏡下で観察されているとき、例えば、どのズームレンズが使用されているのかを検出する顕微鏡の種々の構成要素に関連したセンサ、及び/又は、サンプルの位置及び/又は光量を調整する構成要素に関連したセンサによって操作を監視することができる。
【0090】
操作は、時間の関数として、例えば、どの操作が観察時間間隔にわたって行われたのかを示す時間シーケンスとして監視することができる。
【0091】
被監視操作は、被監視視線と相関させることができ、例えば、同じタイムラインに対応するように相関させることができる。例えば、観察セッションの開始から1分で、ユーザはズームを50倍から100倍に切り替え、FOVはFOV_1からFOV_2に変わる。
【0092】
操作(グラウンドトゥルースラベルとして使用することができる)は、合計時間及び/又はシーケンスを示すサンプルの画像(例えば、910において取得される)上のオーバレイとして表すことができる。例えば、ヒートマップのそれぞれのピクセルのそれぞれの強度が合計時間と相関するサンプルの画像に対応するヒートマップのとき、被監視視線は、それぞれの各ピクセルにマッピングされる。別の例では、1つ以上の境界(例えば、円、方形、不規則形状)が、サンプルの画像上にオーバレイされ、各境界の寸法は、視線の広がりに対応し、各境界のマーキングは、合計時間(例えば、境界の厚さ及び/又は色)を示す。
【0093】
910において、サンプルの画像を取得することができる。この画像は、ホールスライド画像といったホールサンプル画像等のサンプル全体の画像及び/又は製造物全体の高解像度画像とすることができる。サンプルの画像は、例えば、スキャナを用いて及び/又は高解像度カメラを使用してスライドをスキャンすることによって取得することができる。代替又は追加として、サンプルの画像は、サンプルのFOVの画像を結合したものとして作成することができる。
【0094】
912において、サンプルの画像は、サンプルのFOVの画像と位置合わせすることができる。FOVの画像は、ユーザがサンプルを顕微鏡下で観察している間にキャプチャされ、ユーザが顕微鏡を使用して観察しているものを描く。ユーザがサンプルをディスプレイ上で観察しているときには、ユーザはサンプルの画像のFOVを直接観察しているので、サンプルの画像への位置合わせは必ずしも必要とされないことに留意されたい。
【0095】
位置合わせは、位置合わせプロセスによって、例えば、FOVの画像の特徴部をサンプルの画像と照合することによって行うことができる。位置合わせは、厳密なものとすることもできるし、及び/又は、組織サンプルを処理中に物理的に移動させる場合があるとき等は柔軟なものとすることもできる。
【0096】
914において、被監視視線は、サンプルの画像、任意選択的にスキャンされた画像及び/又はWSIのピクセルにマッピングされる。
【0097】
マッピングは、サンプルの画像(例えば、WSI及び/又はスキャンされた画像)に位置合わせされたFOVを使用して行うことができる。すなわち、被監視視線は、サンプルの画像に位置合わせされるFOVにマッピングされ、これによって、被監視視線をサンプルの画像のピクセルに直接マッピングすることが可能になる。
【0098】
被監視視線のマッピングは、サンプルの画像のピクセルごとに、及び/又はサンプルの画像のピクセル群ごとに及び/又はサンプルの画像の領域ごとに行うことができる。
【0099】
被監視視線を表すもの、任意選択的にヒートマップは、サンプルの画像のピクセルに正規化することができる。被監視視線は、最初に、種々のズームレベルにおいて取得されたFOVに相関させることができ、及び/又は、被監視視線は、最初に、サンプルの種々のロケーション(ディスプレイ上で同時に見えない)において取得されたFOVに相関させることができるので、被監視視線は、サンプルの画像のピクセルにマッピングするために正規化を必要とする場合がある。
【0100】
916において、サンプルに関連した追加のデータ、任意選択でメタデータを取得することができる。追加のデータは、弱ラベルとしてサンプルの画像全体、例えば、スキャンされた画像及び/又はWSIに割り当てることができる。
【0101】
追加のデータの例には、以下のものがある。
*サンプルが被検者の組織及び/又は被検者の放射線医学画像であるときは、サンプルを観察しているユーザによって作成される病理学/放射線医学報告、サンプルを観察しているユーザによって作成される病理学/放射線医学診断(例えば、癌の種類)、サンプルを観察しているユーザによって作成されるサンプルの病理学/放射線医学評価を示すサンプルスコア(例えば、腫瘍細胞のパーセンテージ、グリソンスコア)、組織がサンプルに示される被検者の少なくとも1つの臨床パラメータ(例えば、癌のステージ)、被検者の履歴パラメータ(例えば、喫煙者)、及び被検者に施された処置の結果(例えば、化学療法の反応結果)。
*サンプルが製造されたマイクロアレイのときには、製造されたマイクロアレイに見られる少なくとも1つの製造欠陥のユーザによって提供される表示、及び/又は、製造されたマイクロアレイの品質保証テストの合格又は不合格を示す表示。
*サンプルが生細胞培養物を含むときには、細胞成長速度、細胞密度、細胞均質性、及び細胞異質性。
*他のユーザ提供データ。
【0102】
追加のデータは、例えば、ユーザによって提供される手動入力から取得することもできるし、病理学的報告から自動的に抽出することもできるし、及び/又は被検者の電子健康状態記録(例えば、医療履歴、診断コード)から自動的に抽出することもできる。
【0103】
918において、各ユーザが異なる組織のサンプルを観察している場合があるとき、902~916に関して説明された1つ以上の特徴が複数の異なるユーザについて反復される。
【0104】
920において、複数の記録のトレーニングデータセットを作成することができる。各記録は、サンプルの画像(例えば、スキャンされた画像、WSI)と、ターゲット入力及び/又はグラウンドトゥルースとしての機能を果たすことができる、サンプルの画像のピクセルにマッピングされる被監視視線、サンプルの視野を調整するために行われるそれぞれのユーザによる操作、及び追加のデータのうちの1つ以上とを含むことができる。
【0105】
ターゲット入力及びグラウンドトゥルースの指定は、本明細書に説明されるように、トレーニングされているMLモデルの所望の出力に従って行うことができる。
【0106】
922において、1つ以上の機械学習モデルがトレーニングデータセットに関してトレーニングされる。
【0107】
1つの例では、MLモデルは、ターゲットサンプルのターゲット画像の入力に応じてターゲットの予測視線の結果を生成するようにトレーニングされる。そのようなモデルは、例えば、サンプルをどのように注視するのかについて新人の病理学者/放射線科医をトレーニングするのに使用することもできるし、及び/又は、病理学者/放射線科医がサンプルを適切に注視していることを検証する品質管理尺度として使用することもできる。別の例では、製造物をどのように注視して製造欠陥の評価及び/又は品質保証を行うのかについて新人の品質保証技術者をトレーニングするために、及び/又は、品質保証技術者を監視するために、そのようなモデルを使用することができる。別の例では、生細胞培養物をどのように注視するのかについて新人の特定分野の専門家をトレーニングするために、そのようなモデルを使用することができる。そのようなMLモデルは、複数の記録を含むトレーニングデータセットに関してトレーニングすることができ、各記録は、サンプルの画像と、サンプルを観察しているユーザの被監視視線のグラウンドトゥルース表示とを含む。トレーニングデータセットの記録が、記録のサンプルを観察しているユーザによって行われた操作も含むときは、ターゲット画像を観察しているターゲットユーザによって行われた操作をMLモデルへの入力として供給することができる。
【0108】
別の例では、MLモデルは、ターゲット視覚的評価等の追加のデータの結果、例えば、品質保証結果(例えば、合格/不合格、識別された製造欠陥)、サンプルのスコア臨床スコア(score clinical score)、病理学/放射線医学診断及び/又はターゲットの予測病理学/放射線医学報告を生成するようにトレーニングされる。別の例では、サンプルが生細胞培養物であるとき、MLモデルは、ターゲット細胞成長速度、ターゲット細胞密度、ターゲット細胞均質性、及び/又はターゲット細胞異質性の結果を生成するようにトレーニングされる。そのようなモデルは、例えば、ターゲットサンプルの追加のデータを判断するのに使用することができる。MLモデルは、ターゲットサンプルのターゲット画像と、ターゲットサンプルを観察しているターゲットユーザの被監視視線と、ターゲットユーザによって行われたターゲットサンプルの提示操作とのうちの1つ以上の入力を供給される。そのようなMLモデルは、複数の記録を含むトレーニングデータセットに関してトレーニングすることができ、各記録は、サンプルの画像と、サンプルの追加のデータのグラウンドトゥルース表示と、記録のサンプルを観察しているそれぞれのユーザの被監視視線及び任意選択で被監視操作とを含む。
【0109】
更に別の例では、MLモデルは、ターゲットサンプルのターゲット画像の入力に応じて行われるサンプルの提示のターゲットの予測操作の結果を生成するようにトレーニングされる。そのようなモデルは、例えば、サンプルの適切な観察を可能にするFOVを取得するためにサンプルをどのように操作するのかについて新人の特定分野の専門家をトレーニングするのに使用することもできるし、及び/又は、既存の特定分野の専門家がサンプルの適切な観察を可能にするFOVを取得するためにサンプルを適切に操作していることを検証する品質管理尺度として使用することもできる。そのようなMLモデルは、複数の記録を含むトレーニングデータセットに関してトレーニングすることができ、各記録は、サンプルの画像と、サンプルを観察しているユーザによって行われる操作のグラウンドトゥルース表示とを含む。トレーニングデータセットの記録が、記録のサンプルを観察しているユーザの視線も含むときは、ターゲット画像を観察しているターゲットユーザの視線は、MLモデルへの入力として供給することができる。
【0110】
本明細書に説明される機械学習モデルの例示的なアーキテクチャは、例えば、統計分類器及び/又は他の統計モデル、様々なアーキテクチャのニューラルネットワーク(例えば、畳み込み、全結合、深層、エンコーダデコーダ、再帰、グラフ)、サポートベクタマシン(SVM:support vector machine)、ロジスティック回帰、k近傍、決定木、ブースティング、ランダムフォレスト、リグレッサ、及び/又は回帰、分類、次元縮小、教師あり、教師なし、半教師あり若しくは強化学習を可能にする他の任意の商用若しくはオープンソースのパッケージを含む。機械学習モデルは、教師あり手法及び/又は教師なし手法を使用してトレーニングすることができる。
【0111】
次に図10を参照する。図10は、本発明のいくつかの実施形態による、被監視視線及び/又は被監視操作の表示を用いてアノテートされた画像のトレーニングデータセットに関してトレーニングされた機械学習モデルによる推論の方法のフローチャートである。1002において、1つ以上の機械学習モデルが提供される。機械学習モデルは、例えば、図9の922に関して説明されているように、図9に関して説明された手法を使用してトレーニングされる。
【0112】
1004において、サンプルのターゲット画像を観察しているユーザの視線がリアルタイムに監視される。視線を監視する手法の例は、例えば、図9の904を参照して説明されている。
【0113】
1006において、ユーザによるサンプルの提示の操作をリアルタイムに監視することができる。操作は、ユーザが顕微鏡の設定を調整する操作、及び/又は、ディスプレイ上のサンプルの画像の提示を調整する操作とすることができる。サンプルの例は、例えば、図9の902を参照して説明されている。サンプルは、ユーザによる観察のために顕微鏡下に配置することができる。操作を監視する手法の例及び/又は例示的な操作は、例えば、図9の908を参照して説明されている。
【0114】
1008において、サンプルのターゲット画像が、機械学習モデル(複数の場合もある)に供給される。任意選択的に、サンプルを観察しているユーザの被監視視線が、ターゲット画像に加えて機械学習モデルに供給される。代替又は追加として、ユーザによって行われた被監視操作が、ターゲット画像に加えて機械学習モデルに供給される。代替又は追加として、例えば、図9の916を参照して説明されているような組織タイプ及び/又は医療履歴等の1つ以上の他のデータアイテムが、ターゲット画像に加えて機械学習モデルに供給される。
【0115】
サンプルの画像は、例えば、病理組織のスライドをスキャンしてWSIを作成することによって、及び/又は、製造物の高解像度画像をキャプチャすることによって取得することができる。サンプルが生細胞培養物であるとき、画像は、例えば、高解像度カメラ及び/又は顕微鏡に接続されたカメラによって取得することができる。ユーザは、ディスプレイ上でサンプルの画像を観察することができる。サンプルの画像を取得する追加の例示的な詳細は、例えば、図9の910を参照して説明されている。
【0116】
例えば、図9の922を参照して説明されているように、機械学習モデル(複数の場合もある)をトレーニングするのに使用されるトレーニングデータセットに従って、及び/又は、機械学習モデルに供給される入力に従って、異なる結果が生成される場合がある。機械学習モデルの結果に基づくプロセスの例は、被検者の診断及び/又は処置に関する1010及び1012と、新人のユーザのトレーニング及び/又はユーザの品質管理に関する1014~1018とを参照して説明される。
【0117】
1010において、例えば、サンプル(例えば、生体サンプル、組織サンプル、放射線医学画像及び/又は生細胞培養物)の病理学的/放射線医学的評価を示すサンプルスコア(例えば、視覚的評価スコア)、及び/又は、(例えば、製造物の)品質保証テストの合格/不合格結果、及び/又は、図9の916を参照して説明されたデータの他の例を機械学習モデルの結果として取得することができる。
【0118】
1012において、医療サンプル(例えば、生体サンプル、組織サンプル、放射線医学画像及び/又は生細胞培養物)の場合には、被検者は、サンプルスコアに従って処置及び/又は評価を受けることができる。例えば、サンプルスコアが閾値を越えているときは、被検者に化学療法を施すことができ、病理学的診断が或る特定のタイプの癌を示しているときは、被検者は手術を受けることができる等である。製造物(例えば、マイクロアレイ)の場合には、サンプルスコアが、品質保証テストの合格及び/又は大きな製造欠陥がないことを示しているときは、物体を更に処理することができ、及び/又は、サンプルスコアが、品質保証テストの不合格及び/又は大きな製造欠陥があることを示しているときは、物体を拒否することができる。
【0119】
1010~1012の代替又は追加として、1014において、予測視線及び/又は予測操作の表示が、機械学習モデルの結果として取得される。予測被監視視線は、例えば、ターゲット画像のピクセルごと及び/又はピクセル群ごと及び/又は領域ごとのものとすることができる。予測操作は、画像全体の操作及び/又は現在のFOVの操作、例えば、視野をズームイン及び/又はパンする操作とすることができる。
【0120】
被監視視線は、ヒートマップとして表すことができる。ヒートマップは、ターゲット画像のピクセルにマッピングされる複数のピクセルを含むことができる。ヒートマップのピクセルの強度は、注視する予測時間に相関する。ヒートマップの追加の例示的な詳細は、例えば、図9の908を参照して説明されている。
【0121】
予測視線は、例えば、サンプルの画像上のオーバレイとして、ディスプレイ上に提示することができる。
【0122】
予測された被監視視線及び/又は予測操作は、或る時間間隔にわたってターゲット画像のピクセルにマッピングされる動的な視線及び/又は上記時間間隔の異なる時間中に行われた操作を示す時系列として表すことができる。
【0123】
1016において、操作のリアルタイム監視が操作の予測と比較され、及び/又は、視線のリアルタイム監視が視線の予測と比較される。
【0124】
例えば、この比較は、例えば、類似性及び/又は非類似性の量を示す差を計算することによって行うことができる。例えば、予測視線と実際の視線との間のピクセル数の数である。別の例では、リアルタイム監視と時系列との間の差が比較され、差が閾値を越えているときは、アラートが生成される。
【0125】
1018において、1つ以上の動作を行うことができる。動作は、差が閾値を越えているとき及び/又は差が統計的に非類似であることを示すときに取ることができる。例えば、アラートを生成することができ、及び/又は、指示を生成し、例えば、ディスプレイ上に提示する、ビデオとして再生する、画像として提示する、テキストとして提示する、及び/又はスピーカにおいてオーディオファイルとして再生することができる。指示は、ユーザの操作及び/又は視線が予想と異なることをユーザに示すことができる。そのような指示は、例えば、新人の特定分野の専門家をトレーニングするために、及び/又は、特定分野の専門家が標準的技法に従っていることの確認を助ける等の品質管理の形態として、トレーニングされた特定分野の専門家を監視するために提供することができる。指示は、ユーザが指示に従うことができるように、予測視線及び/又は予測操作が何であるかを示すことができる。
【0126】
別の例では、予測視線及び/又は予測操作を示す指示は、例えば、サンプルを評価している最中にユーザをガイドするために、ユーザの現在の視線及び/又は操作を必ずしも監視することなく提供される。
【0127】
1020において、1004~1008及び/又は1014~1018を参照して説明された1つ以上の特徴は、例えば、ユーザの視線及び/又は操作をサンプル評価に動的にガイドするために、及び/又は、連続的なリアルタイムトレーニング及び/又は品質管理のために、観察セッションの間反復される。
【0128】
次に図12を参照する。図12は、本発明のいくつかの実施形態による、サンプル(例えば、生体サンプル、生細胞サンプル、組織サンプル、又はマイクロアレイ等の製造物)を顕微鏡下で観察するユーザの視線を監視するための、顕微鏡1204上に設置される構成要素1202の概略図である。構成要素1202は、顕微鏡1204と統合することもできるし、及び/又は、顕微鏡1204に対して接続及び/又は接続解除されるように設計することもできる。
【0129】
構成要素1202は、顕微鏡1204の対物レンズ1212とアイピース1224との間に設置される。
【0130】
構成要素1202は、構成要素1202を追加することによって、顕微鏡を使用するユーザの光路及び/又はユーザの観察体験及び/又はユーザのワークフローに影響を与えない(又は大きな影響を与えない)ように設計される。無限遠補正方式は、光路及び/又は体験及び/又はワークフローに影響を与えないものもある。
【0131】
構成要素1202は、光学装置1206を含むことができる。光学装置1206は、顕微鏡の対物レンズ1212下でサンプル1210を観察しているユーザの眼1208から後方反射された第1の組の電磁周波数をカメラ1214に誘導する。カメラ1214は、ユーザの追跡された視線の表示を生成する。第1の組の電磁周波数は、IR源1216によって生成される赤外線(IR:infrared)周波数とすることができる。カメラ1214は、近IR(NIR:near IR)カメラとすることができる。光学装置1206は、サンプル1210からの第2の組の電磁周波数をカメラ1220に同時に誘導し、カメラ1220は、ユーザが観察している視野を示す画像をキャプチャする。
【0132】
第1の組の電磁周波数及び第2の組の電磁周波数は、可視光スペクトルを含むことができる。カメラ1220は、赤緑青(RGB:red-green-blue)カメラとすることができる。
【0133】
光学装置1206は、ビームスプリッタ1222を含むことができる。ビームスプリッタ1222は、IR源1216からの第1の組の電磁周波数を、ユーザの眼1208が位置するアイピース1224に誘導する。ビームスプリッタ1222は、ユーザの眼1208から後方反射された第1の組の電磁周波数を、アイピース1224を介してNIRカメラ1214に同時に誘導するとともに、サンプル1210からの第2の組の電磁周波数をカメラ1220及びアイピース1224に誘導する。
【0134】
IR源1216からの経路の途中で、IR周波数は、入射面に沿って配置された直線偏光子(linear polarizer)(P)1226、偏光ビーム分割器(PBS:polarized beam splitting)1228、及びλ/4 1230を通過する。PBS1228は、IRエネルギーがIR源1216からビームスプリッタ1222に進むことを可能にするが、IRエネルギーがIR源1216に戻ることを防止し、代わりにIRエネルギーをNIRカメラ1214に反射する。NIRフィルタ1232は、ビームスプリッタ1222からRGBカメラ1220への光路上に配置され、反射されたIRエネルギーがRGBカメラ1220に達するのを防止する。光学装置は、入射面に沿って配置された直線偏光子であるP、4分の1波長板であるλ/4を含むことができる。これらは、直線偏光を円偏光に変換し、λ/4を通って戻った後の入射面に垂直なIR後方反射光セットがIR光源に入るのを防止し、IRカメラに誘導する光アイソレータとしての機能を果たす。
【0135】
単一の眼1208及び単一のアイピース1224が示されているが、実際には、ユーザは、両眼及び2つのアイピースを使用することに留意されたい。光学装置1206は、2つの眼から反射後の単一の光路からの電磁光波をIRカメラ1216のうちの2つに向かう2つの光路に分離する。この分離は、例えば、異なる偏光を異なる経路に誘導する偏光子及び/又は波長板、及び/又はダイクロイックミラー及びスペクトルフィルタを用いて或る特定の波長においてシフトされた赤外スペクトル光源を使用すること、及び/又はヘテロダイン検出用に光路ごとに異なる周波数における振幅変調を追加することのうちの1つ以上として実施することができる。
【0136】
様々な実施形態が、アノテーションデータ収集を実施するツール及び技法を提供し、より詳細には、いくつかの場合において人工知能(「AI」)システム(限定ではなく、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、学習アルゴリズムベースのシステム、又は機械学習システム等のうちの少なくとも1つを含むことができる)をトレーニングするための、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施する方法、システム、及び装置を提供する。
【0137】
様々な実施形態において、第1のカメラが、ユーザが第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、ユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることができる。コンピューティングシステムは、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像とを解析して、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカス(focus:焦点を合わせる)しているか否かを判断することができる。ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することができる。コンピューティングシステムは、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することができ、収集されたアテンションデータをデータベース110a又は110bに記憶することができる。いくつかの実施形態によれば、アテンションデータの収集は、ユーザが、顕微鏡115を使用して第1のサンプルを診断している間、又は、表示画面120上に表示されている第1のサンプルの画像を診断している間のいずれかにおいて結果データを提供しているときに、ユーザに割り込むことも、ユーザの進行を遅らせることも、ユーザを妨害することもなく行うことができる。いくつかの場合には、収集されたアテンションデータは、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベル等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合には、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分は、限定ではなく、1つ以上の特定の細胞、1つ以上の特定の組織、1つ以上の特定の構造、又は1つ以上の分子等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0138】
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う、少なくとも1つの第2の画像における少なくとも1つの強調表示フィールドを生成することができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの強調表示フィールドはそれぞれ、限定ではなく、色、形状、又は強調表示効果等のうちの少なくとも1つを含むことができ、強調表示効果は、輪郭描写効果、シャドーイング効果、パターニング効果、ヒートマップ効果、又はジェットカラーマップ効果等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0139】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの第2の画像は、表示画面上に表示することができる。ユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることは、ユーザが、ディスプレイデバイスの表示画面上に少なくとも1つの第2の画像として表示された第1のサンプルの光学ビューの画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)を見ているときに、ユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をカメラでキャプチャすることを含むことができる。ユーザがディスプレイデバイスの表示画面上に表示された第1のサンプルの画像又はビデオを見ているときにアテンションデータを収集するために、カメラに代えて視線追跡デバイスを使用することができる。第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することは、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する表示画面上に表示された少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することを含むことができる。コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う、生成された少なくとも1つの強調表示フィールドとともに、少なくとも1つの第2の画像を表示画面上に表示することができる。
【0140】
いくつかの実施形態において、表示画面上の少なくとも1つの第2の画像の表示は、ユーザによるコマンドに応答してシフトすることができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの第2の画像のシフト表示は、表示画面上の少なくとも1つの第2の画像の水平シフト、垂直シフト、パン、チルト、ズームイン、又はズームアウト等のうちの少なくとも1つを含むことができる。第1のカメラは、ユーザが表示画面上で少なくとも1つの第2の画像のシフト表示を見ているときに、ユーザの少なくとも一方の眼の運動を追跡することができる。コンピューティングシステムは、ユーザの少なくとも一方の眼の追跡された運動、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分、又は表示画面上の少なくとも1つの第2の画像の水平シフト、垂直シフト、パン、チルト、ズームイン、若しくはズームアウト等のうちの少なくとも1つのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの少なくとも一方の眼の追跡された運動を表示画面上の少なくとも1つの第2の画像のシフト表示と照合することができる。ユーザがディスプレイデバイスの表示画面上の少なくとも1つの第2の画像のシフト表示を見ているときに、追加のアテンションデータを収集するために、カメラを使用する代わりに、視線追跡デバイスを使用することができる。
【0141】
或いは、顕微鏡は、ユーザの少なくとも一方の眼が観察しているときに介する接眼レンズに第1のサンプルの光学ビューを投影することができる。第2のカメラは、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャすることができる。いくつかの場合には、ユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることは、ユーザが接眼レンズを通して第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、第1のカメラを用いて、ユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることを含むことができる。第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することは、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する、接眼レンズを通して観察されている少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することを含むことができる。いくつかの場合には、コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う生成された少なくとも1つの強調表示フィールドとともに、少なくとも1つの第2の画像を表示画面上に表示することができる。
【0142】
いくつかの場合には、第1のカメラは、赤外線(「IR」)カメラ、後方反射型(back-reflected)IRカメラ、可視色カメラ、光源、又はロケーションフォトダイオード等のうちの1つとすることができる。いくつかの場合には、顕微鏡は、限定ではなく、接眼レンズを通して観察される第1のサンプルの光学ビュー、接眼レンズを通して観察されるとともに、第1のカメラによって少なくとも1つの第1の画像としてキャプチャされるユーザの少なくとも一方の眼の光学ビュー、又は生成された少なくとも1つの強調表示フィールドをユーザの少なくとも一方の眼に接眼レンズを通して投影したもの等のうちの少なくとも1つを反射するか又は通過させる複数のミラー、複数のダイクロイックミラー、又は複数のハーフミラーのうちの2つ以上を備えることができる。
【0143】
いくつかの実施形態によれば、接眼レンズへの第1のサンプルの光学ビューの投影は、第1のサンプルを含む顕微鏡スライドを載置したXYステージの調整、対物レンズ若しくはズームレンズの交換、又は接眼レンズの焦点の調整等のうちの少なくとも1つによってシフトすることができる。第1のカメラは、ユーザが接眼レンズへの第1のサンプルの光学ビューのシフト投影を見ているときに、ユーザの少なくとも一方の眼の運動を追跡することができる。コンピューティングシステムは、ユーザの少なくとも一方の眼の追跡された運動、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分、又は第1のサンプルを含む顕微鏡スライドを載置したXYステージの調整、対物レンズ若しくはズームレンズの交換、若しくは接眼レンズの焦点の調整等のうちの少なくとも1つのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの少なくとも一方の眼の追跡された運動を、接眼レンズへの第1のサンプルの光学ビューのシフト投影と照合することができる。
【0144】
代替又は追加として、1つ以上のオーディオセンサが、ユーザが第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、ユーザからの1つ以上の音声メモをキャプチャすることができる。コンピューティングシステムは、ユーザからキャプチャされた1つ以上の音声メモを、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像とともにマッピングして、キャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像と照合することができる。
【0145】
いくつかの実施形態によれば、コンピューティングシステムは、ユーザによって提供される結果データを受信することができる。この結果データは、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む。コンピューティングシステムは、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像及び第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像の解析、又は、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて、AIシステム(一般に、限定ではなく、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、学習アルゴリズムベースのシステム、又は機械学習システム等のうちの少なくとも1つを含むことができる)をトレーニングして、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することができる。いくつかの実施形態において、予測値は、予測臨床結果又は予測アテンションデータ等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0146】
本明細書に説明される様々な実施形態によれば、本明細書に説明されるアノテーションデータ収集システムは、スコアリングプロセス中の顕微鏡FOVの追跡に加えて、ユーザ(例えば、病理学者)の視覚的アテンションの記録を可能にし、したがって、スライドの全体的なスコアをサポートする高度に局在した空間情報を提供する。この情報は、WSIにおける腫瘍の位置特定、分類、及びデジタルスコアリング等のアルゴリズムを開発するのに使用される。腫瘍以外のWSIにおけるROIの位置特定、分類、及びデジタルスコアリングのアルゴリズムも開発することができる。
【0147】
視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集システム、及び/又は、視線ベースの追跡を使用して収集されたアノテーションデータに基づくAIシステムのトレーニング(つまり、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集システム、又は、視線ベースの追跡を使用して収集されたアノテーションデータに基づくAIシステムのトレーニング、あるいはそれらの両方)のこれらの態様及び他の態様は、図に関してより詳細に説明される。
【0148】
以下の詳細な説明は、少数の例示的な実施形態を更に詳細に示して当業者がそのような実施形態を実施することを可能にする。説明される例は、例示を目的として提供され、本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【0149】
以下の説明では、説明される実施形態の十分な理解を提供するために、説明を目的として、非常に多くの具体的な詳細が述べられる。しかしながら、これらの具体的な詳細のいくつかのものがなくても、本発明の他の実施形態を実施できることが当業者には明らかであろう。それ以外の場合には、或る特定の構造及びデバイスは、ブロック図の形態で示される。いくつかの実施形態が本明細書に説明され、様々な特徴が異なる実施形態に帰属するが、1つの実施形態に関して説明される特徴は、他の実施形態と併合することもできることが理解されるであろう。一方で、同様に、説明されるいずれかの実施形態の単数又は複数の個々の特徴は、本発明の他の実施形態が、そのような特徴を省略することができるので、本発明のあらゆる実施形態に必須であるとみなされるべきではない。
【0150】
別段の指定がない限り、使用される数量、寸法等を表すために本明細書に使用される全ての数は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されているものと理解されるべきである。本出願では、個数について指定がないものの使用は、特に別段の記載がない限り、複数のものを含み、「及び/並びに」及び「又は/若しくは」という用語の使用は、別段の指定がない限り「及び/又は」を意味する。その上、「含む」という用語及び「含まれる」等の他の形態の使用は、非排他的とみなされるべきである。また、「要素」又は「構成要素」等の用語は、特に別段の記載がない限り、1つのユニットを備える要素及び構成要素と、2つ以上のユニットを備える要素及び構成要素との双方を包含する。
【0151】
本明細書に説明される様々な実施形態は、(いくつかの場合には)ソフトウェア製品、コンピュータによって実行される方法、及び/又はコンピュータシステム(つまり、ソフトウェア製品、コンピュータによって実行される方法、又はコンピュータシステム、あるいはそれらの全て)を具現化するものであるが、限定ではなく、アノテーション収集技術、アノテーションデータ収集技術等を含む既存の技術エリアの有形の具体的な改良形態を表す。他の態様において、或る特定の実施形態は、例えば、第1のカメラを用いて、ユーザが第1のサンプルの光学ビューを見ているときにユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることと、第2のカメラを用いて、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャすることと、コンピューティングシステムを用いて、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と、第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像とを解析して、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することと、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することと、コンピューティングシステムを用いて、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することと、収集されたアテンションデータをデータベースに記憶することと、コンピューティングシステムを用いて、ユーザによって提供される結果データであって、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む、結果データを受信することと、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像及び第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像の解析、又は、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値(例えば、予測臨床結果又は予測アテンションデータ等のうちの少なくとも1つ)を生成するのに使用されるモデルを生成すること等によって、ユーザ機器又はシステム自体(例えば、アノテーション収集システム、アノテーションデータ収集システム等)の機能を改良することができる。
【0152】
特に、様々な実施形態には、或る程度の何らかの抽象的な概念が存在し、それらの概念は、単なる従来のコンピュータ処理動作を越えて拡張するいくつかの例を挙げると、第1のカメラを用いて、ユーザが第1のサンプルの光学ビューを見ているときにユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることと、第2のカメラを用いて、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャすることと、コンピューティングシステムを用いて、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と、第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像とを解析して、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することと、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することと、コンピューティングシステムを用いて、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することと、収集されたアテンションデータをデータベースに記憶することと、コンピューティングシステムを用いて、ユーザによって提供される結果データであって、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む、結果データを受信することと、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像及び第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像の解析、又は、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値(例えば、予測臨床結果又は予測アテンションデータ等のうちの少なくとも1つ)を生成するのに使用されるモデルを生成すること等の特定の新規の機能(例えば、ステップ又は動作)を伴うデバイス、ソフトウェア、システム、及び方法によって本明細書に説明されるように実施することができる。これらの機能は、実施するコンピュータシステムの外部で有形の結果を生み出すことができ、単なる例として、ユーザによる視覚的解析中のサンプルのFOVの追跡に加えてユーザの視覚的アテンションの記録を可能にし、したがって、ユーザによって解析されたサンプルの全体的なアノテーションをサポートする高度に局在した空間情報を提供することを含み、いくつかの場合には、この情報は、サンプルのサンプル関心領域(「ROI」)の位置特定、分類、及びデジタルスコアリング等のためのアルゴリズムを開発するために使用され、それらのうちの少なくともいくつかは、ユーザ及び/又はサービスプロバイダ(つまり、ユーザ又はサービスプロバイダあるいはそれらの両方)によって観察又は測定することができる。
【0153】
一態様において、方法が、顕微鏡を用いて、ユーザの少なくとも一方の眼が観察しているときに介する接眼レンズに第1のサンプルの光学ビューを投影することと、第1のカメラを用いて、ユーザが接眼レンズを通して第1のサンプルの光学ビューを見ているときにユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることと、第2のカメラを用いて、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャすることと、コンピューティングシステムを用いて、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像及び第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像を解析して、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することと、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する接眼レンズを通して観察されている少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することと、コンピューティングシステムを用いて、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することと、収集されたアテンションデータをデータベースに記憶することとを含むことができる。
【0154】
いくつかの実施形態において、第1のサンプルは、顕微鏡スライド、透明なサンプルカートリッジ、バイアル、チューブ、カプセル、フラスコ、ベッセル、レセプタクル、マイクロアレイ、又はマイクロ流体チップ等のうちの少なくとも1つの中に含めることができる。いくつかの場合には、第1のカメラは、赤外線(「IR」)カメラ、後方反射型IRカメラ、可視色カメラ、光源、又はロケーションフォトダイオード等のうちの1つとすることができる。いくつかの場合には、顕微鏡は、接眼レンズを通して観察される第1のサンプルの光学ビュー、又は、接眼レンズを通して観察されるとともに、第1のカメラによって少なくとも1つの第1の画像としてキャプチャされるユーザの少なくとも一方の眼の光学ビューのうちの少なくとも一方を反射するか又は通過させる複数のミラー、複数のダイクロイックミラー、又は複数のハーフミラーのうちの2つ以上を備えることができる。
【0155】
いくつかの実施形態によれば、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分は、1つ以上の特定の細胞、1つ以上の特定の組織、1つ以上の特定の構造、又は1つ以上の分子等のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することは、コンピューティングシステムを用いて、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分に対応する光学ビューの少なくとも1つの第2の画像内の座標ロケーションを求めることを含むことができる。
【0156】
いくつかの実施形態において、上記方法は、コンピューティングシステムを用いて、ユーザによって提供される結果データを受信することであって、この結果データは、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含むことと、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像及び第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像の解析、又は、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することとを更に含むことができる。いくつかの場合には、予測値は、予測臨床結果又は予測アテンションデータ等のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの場合には、アテンションデータを収集することは、ユーザが、顕微鏡を使用して第1のサンプルを診断している間において結果データを提供しているときに、ユーザに割り込むことも、ユーザの進行を遅らせることも、ユーザを妨害することもなく行うことができる。
【0157】
いくつかの実施形態によれば、上記方法は、第1のカメラを用いて、ユーザの少なくとも一方の眼の運動を追跡することと、コンピューティングシステムを用いて、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが光学ビューの特定の領域にフォーカスしているアテンション継続時間(attention duration)、又はユーザが、光学ビューの特定の領域にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベルのうちの少なくとも1つを同時に追跡することとを更に含むことができる。いくつかの場合には、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することは、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが光学ビューの特定の領域にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが光学ビューの特定の領域にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベルのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することを含むことができる。
【0158】
いくつかの実施形態において、上記方法は、ユーザが第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、オーディオセンサを用いて、ユーザからの1つ以上の音声メモをキャプチャすることと、コンピューティングシステムを用いて、ユーザからキャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像とともにマッピングして、キャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像と照合することとを更に含むことができる。
【0159】
別の態様において、システムが、顕微鏡と、第1のカメラと、第2のカメラと、コンピューティングシステムとを備えることができる。顕微鏡は、ユーザの少なくとも一方の眼が観察しているときに介する接眼レンズに第1のサンプルの光学ビューを投影するように構成することができる。第1のカメラは、ユーザが接眼レンズを通して第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、ユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャするように構成することができる。第2のカメラは、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャするように構成することができる。コンピューティングシステムは、少なくとも1つの第1のプロセッサと、この少なくとも1つの第1のプロセッサに通信結合される第1の非一時的コンピュータ可読媒体とを備えることができる。第1の非一時的コンピュータ可読媒体には、第1の命令セットを含むコンピュータソフトウェアを記憶しておくことができ、第1の命令セットは、少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像とを解析して、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することと、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する、接眼レンズを通して観察されている少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することと、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することと、収集されたアテンションデータをデータベースに記憶することとをコンピューティングシステムに行わせる。
【0160】
いくつかの実施形態において、第1の命令セットは、少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、ユーザによって提供される結果データであって、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む、結果データを受信することと、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像及び第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像の解析、又は、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値(例えば、予測臨床結果又は予測アテンションデータ等のうちの少なくとも1つ)を生成するのに使用されるモデルを生成することとをコンピューティングシステムに更に行わせる。いくつかの場合には、予測値は、予測臨床結果又は予測アテンションデータ等のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの場合には、第1のカメラは、ユーザの少なくとも一方の眼の運動を追跡するように更に構成することができる。いくつかの場合には、コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの1つ以上の座標ロケーション、アテンション継続時間、又はズームレベルのうちの少なくとも1つを同時に追跡するように更に構成することができる。
【0161】
いくつかの実施形態によれば、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することは、アテンション視線(attention gaze)の1つ以上の座標ロケーションの追跡、運動及び第1のサンプルの光学ビューのズームレベルのうちの少なくとも一方の追跡、又はユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの一部分を見続けているとの判断のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することを含むことができる。
【0162】
いくつかの実施形態において、上記システムは、ユーザが第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、ユーザからの1つ以上の音声メモをキャプチャするように構成されるオーディオセンサを更に備えることができる。第1の命令セットは、少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、ユーザからキャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像とともにマッピングして、キャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像と照合することをコンピューティングシステムに行わせることができる。
【0163】
更に別の態様において、方法が、ユーザが顕微鏡の接眼レンズを通して第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、第1のカメラによってキャプチャされるユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像を受信することと、第2のカメラによってキャプチャされる第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像を受信することと、コンピューティングシステムを用いて、少なくとも1つの第1の画像及び少なくとも1つの第2の画像を解析して、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することと、コンピューティングシステムを用いて、上記解析に基づいてユーザのアテンションを追跡することと、コンピューティングシステムを用いて、上記追跡に基づいてアテンションデータ(attention data)を収集することとを含むことができる。
【0164】
一態様において、方法が、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューを見ているユーザに対応する収集されたアテンションデータを受信することと、コンピューティングシステムを用いて、ユーザによって提供される結果データであって、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む、結果データを受信することと、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することとを含むことができる。
【0165】
いくつかの実施形態において、第1のサンプルは、顕微鏡スライド、透明なサンプルカートリッジ、バイアル、チューブ、カプセル、フラスコ、ベッセル、レセプタクル、マイクロアレイ、又はマイクロ流体チップ等のうちの少なくとも1つの中に含めることができる。いくつかの場合には、予測値は、予測臨床結果又は予測アテンションデータ等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0166】
いくつかの実施形態によれば、アテンションデータの収集は、ユーザが、顕微鏡を使用して第1のサンプルを診断している間、又は、表示画面上に表示されている第1のサンプルの画像を診断している間のいずれかにおいて結果データを提供しているときに、ユーザに割り込むことも、ユーザの進行を遅らせることも、ユーザを妨害することもなく行うことができる。いくつかの場合には、収集されたアテンションデータは、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベル等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0167】
いくつかの実施形態において、アテンションデータは、ユーザが顕微鏡の接眼レンズを通して第1のサンプルの光学ビューを見ているときに第1のカメラによってキャプチャされるユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像に基づいて収集することができる。いくつかの場合には、顕微鏡は、接眼レンズを通して観察される第1のサンプルの光学ビュー、又は、接眼レンズを通して観察されるとともに第1のカメラによって少なくとも1つの第1の画像としてキャプチャされるユーザの少なくとも一方の眼の光学ビューのうちの少なくとも一方を反射するか又は通過させる複数のミラー、複数のダイクロイックミラー(dichroic mirror)、又は複数のハーフミラーのうちの2つ以上を備えることができる。
【0168】
或いは、アテンションデータは、ユーザが、表示画面上に表示される第1のサンプルの光学ビューの第1の画像を見ているときに、視線追跡デバイスを使用して収集することができる。いくつかの実施形態において、上記方法は、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する、表示画面上に表示された少なくとも1つの第1の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分と重なる少なくとも1つの強調表示フィールドを生成することを更に含むことができる。いくつかの場合には、上記方法は、コンピューティングシステムを用いて、収集されたアテンションデータに対応する表示画面上に表示された少なくとも1つの第1の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分と重なるように、生成された少なくとも1つの強調表示フィールドを表示画面上に表示することと、視線追跡デバイスを用いて、ユーザが表示画面上に表示された第1のサンプルの光学ビューの第1の画像を見ているときにアテンションデータを追跡することと、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベルのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、追跡されたアテンションデータを、表示画面上に表示された第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第1の画像の表示と照合することとを更に含むことができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの強調表示フィールドはそれぞれ、色、形状、又は強調表示効果等のうちの少なくとも1つを含むことができる。強調表示効果は、輪郭描写効果(outlining effect)、シャドーイング効果、パターニング効果、ヒートマップ効果、又はジェットカラーマップ効果(jet color map effect)等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0169】
いくつかの実施形態によれば、上記方法は、視線追跡デバイスを用いて、アテンションデータを追跡することと、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが光学ビューの特定の領域にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが光学ビューの特定の領域にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベルのうちの少なくとも1つを同時に追跡することとを更に含むことができる。
【0170】
いくつかの実施形態において、上記方法は、ユーザが第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、オーディオセンサを用いて、ユーザからの1つ以上の音声メモをキャプチャすることと、コンピューティングシステムを用いて、ユーザからキャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第3の画像とともにマッピングして、キャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第3の画像と照合することとを更に含むことができる。
【0171】
別の態様において、装置が、少なくとも1つのプロセッサと、この少なくとも1つのプロセッサに通信結合された非一時的コンピュータ可読媒体とを備えることができる。非一時的コンピュータ可読媒体には、命令セットを含むコンピュータソフトウェアを記憶しておくことができ、この命令セットは、少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、第1のサンプルの光学ビューを見ているユーザに対応する収集されたアテンションデータを受信することと、ユーザによって提供される結果データであって、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む、結果データを受信することと、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することとをこの装置に行わせる。
【0172】
更に別の態様において、システムが、第1のカメラと、第2のカメラと、コンピューティングシステムとを備えることができる。第1のカメラは、ユーザが第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、ユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャするように構成することができる。第2のカメラは、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャするように構成することができる。コンピューティングシステムは、少なくとも1つの第1のプロセッサと、この少なくとも1つの第1のプロセッサに通信結合された第1の非一時的コンピュータ可読媒体とを備えることができる。第1の非一時的コンピュータ可読媒体には、第1の命令セットを含むコンピュータソフトウェアを記憶しておくことができ、第1の命令セットは、少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、第1のサンプルの光学ビューを見ているユーザに対応する収集されたアテンションデータを受信することと、ユーザによって提供される結果データであって、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む、結果データを受信することと、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することとをコンピューティングシステムに行わせる。
【0173】
本発明の範囲から逸脱することなく、論述されている実施形態に様々な変更及び追加を行うことができる。例えば、上述した実施形態は、特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲は、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態及び上述した特徴の全てを含むとは限らない実施形態も含む。
【0174】
次に、図面によって示される実施形態を参照する。図1図12は、アノテーションデータ収集を実施する方法、システム、及び装置の特徴のうちのいくつか、より詳細には、上述したように、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施する方法、システム、及び装置、及び/又は、視線ベースの追跡を使用して収集されたアノテーションデータに基づいて人工知能(「AI」)システムをトレーニングする方法、システム、及び装置の特徴のうちのいくつかを示している。図1図7によって示される方法、システム、及び装置は、様々な実施形態において選択肢と考えることができるか又は互いに併せて使用することができる様々な構成要素及びステップを含む異なる実施形態の例を指す。図1図12に図示する例示された方法、システム、及び装置の説明は、例示を目的として提供されたものであり、種々の実施形態の範囲を限定するものとみなされるべきでない。
【0175】
図を参照すると、図1は、様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施するシステム100を示す概略図である。
【0176】
図1の非限定的な実施形態において、システム100は、コンピューティングシステム105aと、コンピューティングシステム105aにローカルなデータストア又はデータベース110aとを備えることができる。いくつかの場合には、データベース110aは、コンピューティングシステム105aの外部のものとすることができるが、コンピューティングシステム105aに通信結合することができる。他の場合には、データベース110aは、コンピューティングシステム105a内に統合することができる。システム100は、いくつかの実施形態によれば、ユーザ125がサンプル(例えば、サンプル170等)又はサンプルの画像(複数の場合もある)若しくはビデオ(複数の場合もある)を観察することを可能にすることができる顕微鏡115及び/又はディスプレイデバイス120を更に備えることができる。システム100は、カメラ(複数の場合もある)130、1つ以上のオーディオセンサ135(任意選択)、及び1つ以上のユーザデバイス140(任意選択)を更に備えることができる。カメラ130は、ユーザ125がカメラ130の視野(「FOV」)130a内にいる間、ユーザ125の画像又はビデオをキャプチャ(いくつかの場合には、ユーザ125の少なくとも一方の眼の画像又はビデオをキャプチャ)することができる。いくつかの場合には、カメラ130は、限定ではなく、1つ以上のアイトラッキングセンサ、1つ以上のモーションセンサ、又は1つ以上の追跡センサ等を含むことができる。ユーザが顕微鏡115の接眼レンズを通して第1のサンプルの光学ビューを見ているとき、又は、ディスプレイデバイス120の表示画面上に表示された第1のサンプルの画像若しくはビデオを見ているときに、カメラ130に代えて、視線追跡デバイス(図1に図示せず)を使用して、アテンションデータを収集することができる。いくつかの場合には、1つ以上のオーディオセンサ135は、1つ以上のマイク、1つ以上のボイスレコーダ、又は1つ以上のオーディオレコーダ等を含むことができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合には、1つ以上のユーザデバイス140は、限定ではなく、スマートフォン、モバイルフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、又はモニタ等を含むことができる。コンピューティングシステム105aは、顕微鏡115、ディスプレイデバイス120、カメラ130(又は視線追跡デバイス)、1つ以上のオーディオセンサ135、及び/又は1つ以上のユーザデバイス140のうちの1つ以上と(無線(稲妻記号等によって描かれている)又は有線接続(接続線によって描かれている)のいずれかを介して)通信結合することができる。コンピューティングシステム105a、データベース(複数の場合もある)110a、顕微鏡115、ディスプレイデバイス120、ユーザ125、カメラ130(又は視線追跡デバイス)、オーディオセンサ135、及び/又はユーザデバイス140は、作業環境145内に配置又は設置することができる。作業環境145は、研究所、診療所、医療施設、研究施設、又は研究室等のうちの1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0177】
システム100は、ネットワーク(複数の場合もある)150を介してコンピューティングシステム105aと通信結合することができるリモートコンピューティングシステム105b(任意選択)及び対応するデータベース(複数の場合もある)110b(任意選択)を更に備えることができる。いくつかの場合には、システム100は、ネットワーク(複数の場合もある)150を介してコンピューティングシステム105a又はリモートコンピューティングシステム105bと通信結合することができる人工知能(「AI」)システム105cを更に備えることができる。いくつかの実施形態において、AIシステム105cは、機械学習システム(複数の場合もある)、学習アルゴリズムベースのシステム(複数の場合もある)、又はニューラルネットワークシステム(複数の場合もある)等のうちの少なくとも1つ含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0178】
単なる例として、ネットワーク(複数の場合もある)150はそれぞれ、限定ではなく、ファイバネットワーク、イーサネットネットワーク、Token-Ring(商標)ネットワーク等を含むローカルエリアネットワーク(「LAN」);ワイドエリアネットワーク(「WAN」);無線ワイドエリアネットワーク(「WWAN」:wireless wide area network);仮想プライベートネットワーク(「VPN」)等の仮想ネットワーク;インターネット;イントラネット;エキストラネット;公衆交換電話ネットワーク(「PSTN」:public switched telephone network);赤外線ネットワーク;限定ではなく、当該技術において知られているIEEE802.11スイートのプロトコル、Bluetooth(登録商標)プロトコル、及び/又は他の任意の無線プロトコルのうちのいずれかの下で動作するネットワークを含む無線ネットワーク;及び/又はこれらのネットワーク及び/又は他のネットワークの任意の組み合わせを含むことができる。特定の実施形態において、ネットワーク(複数の場合もある)150はそれぞれ、インターネットサービスプロバイダ(「ISP」:Internet service provider)のアクセスネットワークを含むことができる。別の実施形態において、ネットワーク(複数の場合もある)150はそれぞれ、ISP及び/又はインターネットのコアネットワークを含むことができる。
【0179】
いくつかの実施形態によれば、顕微鏡115は、限定ではなく、プロセッサ155、データストア160a、ユーザインタフェースデバイス(複数の場合もある)160b(例えば、タッチ画面(複数の場合もある)、ボタン、キー、スイッチトグル、ノブ、ダイヤル等)、顕微鏡ステージ165a(例えば、XYステージ又はXYZステージ等)、第1のモータ165b(顕微鏡ステージのX方向運動を自律制御する)、第2のモータ165c(顕微鏡ステージのY方向運動を自律制御する)、第3のモータ165d(任意選択的に;顕微鏡ステージのZ方向運動を自律制御する)、光源165e(例えば、顕微鏡ステージ等に載置された顕微鏡スライドに含まれるサンプルを背面照明するランプ)、1つ以上の対物レンズ又はズームレンズ165f、サンプル170(存在する場合には、顕微鏡ステージ165a上に取り付けられた顕微鏡スライド内又は顕微鏡スライド上に含めることができる)、FOVカメラ175、接眼レンズ(複数の場合もある)180、視線カメラ185、投影デバイス190(任意選択的に)、有線通信システム195a、及び送受信機195bのうちの少なくとも1つを含むことができる。プロセッサ155は、データストア160a、ユーザインタフェースデバイス(複数の場合もある)160b、第1のモータ165b、第2のモータ165c、第3のモータ165d、FOVカメラ175、視線カメラ185、投影デバイス190、有線通信システム195a、又は送受信機195等のうちの少なくとも1つと通信結合することができる。
【0180】
動作中、顕微鏡115は、ユーザ125の少なくとも一方の眼が観察しているときに介する接眼レンズ(複数の場合もある)180に第1のサンプル170の光学ビューを投影することができる。カメラ130(又は視線追跡デバイス)又は視線カメラ185は、ユーザ125が第1のサンプルの光学ビュー(顕微鏡115の接眼レンズ(複数の場合もある)180を通して投影されているか又はディスプレイデバイス120等の表示画面上に表示されているかを問わない)を見ているときに、ユーザ125の少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることができる。コンピューティングシステム105a、ユーザデバイス(複数の場合もある)140、リモートコンピューティングシステム(複数の場合もある)105b、及び/又はプロセッサ155(顕微鏡が使用されている場合)(集合的に「コンピューティングシステム」等)は、ユーザ125の少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と、第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像とを解析して、ユーザ125の少なくとも一方の眼が、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することができる。ユーザ125の少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することができる。コンピューティングシステムは、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することができ、収集されたアテンションデータをデータベース110a又は110bに記憶することができる。いくつかの実施形態によれば、アテンションデータの収集は、ユーザが、顕微鏡115を使用して第1のサンプルを診断している間、又は、表示画面120上に表示されている第1のサンプルの画像を診断している間のいずれかにおいて結果データを提供しているときに、ユーザに割り込むことも、ユーザの進行を遅らせることも、ユーザを妨害することもなく行うことができる。いくつかの場合には、収集されたアテンションデータは、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベル等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合には、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分は、限定ではなく、1つ以上の特定の細胞、1つ以上の特定の組織、1つ以上の特定の構造、又は1つ以上の分子等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0181】
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う、少なくとも1つの第2の画像における少なくとも1つの強調表示フィールドを生成することができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの強調表示フィールドはそれぞれ、限定ではなく、色、形状、又は強調表示効果等のうちの少なくとも1つを含むことができ、強調表示効果は、輪郭描写効果、シャドーイング効果、パターニング効果、ヒートマップ効果、又はジェットカラーマップ効果等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0182】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの第2の画像は、表示画面(例えば、ディスプレイデバイス120の表示画面等)上に表示することができる。ユーザ125の少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることは、ユーザ125が、ディスプレイデバイス120の表示画面上に少なくとも1つの第2の画像として表示された第1のサンプルの光学ビューの画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)を見ているときに、ユーザ125の少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をカメラ130でキャプチャすることを含むことができる。ユーザがディスプレイデバイス120の表示画面上に表示された第1のサンプルの画像又はビデオを見ているときにアテンションデータを収集するために、カメラ130に代えて視線追跡デバイスを使用することができる。第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することは、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する表示画面上に表示された少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することを含むことができる。コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う生成された少なくとも1つの強調表示フィールドとともに、少なくとも1つの第2の画像を表示画面(例えば、ディスプレイデバイス120の表示画面等)上に表示することができる。
【0183】
いくつかの実施形態において、表示画面上の少なくとも1つの第2の画像の表示は、ユーザによるコマンドに応答してシフトすることができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの第2の画像のシフト表示は、表示画面上の少なくとも1つの第2の画像の水平シフト、垂直シフト、パン、チルト、ズームイン、又はズームアウト等のうちの少なくとも1つを含むことができる。カメラ130は、ユーザ125が表示画面上で少なくとも1つの第2の画像のシフト表示を見ているときに、ユーザ125の少なくとも一方の眼の運動を追跡することができる。コンピューティングシステムは、ユーザ125の少なくとも一方の眼の追跡された運動、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分、又は表示画面上の少なくとも1つの第2の画像の水平シフト、垂直シフト、パン、チルト、ズームイン、若しくはズームアウト等のうちの少なくとも1つのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、ユーザ125の少なくとも一方の眼の追跡された運動を表示画面上の少なくとも1つの第2の画像のシフト表示と照合することができる。ユーザがディスプレイデバイス120の表示画面上の少なくとも1つの第2の画像のシフト表示を見ているときに、カメラ130を使用する代わりに視線追跡デバイスを使用して、追加のアテンションデータを収集することができる。
【0184】
或いは、顕微鏡115は、ユーザ125の少なくとも一方の眼が観察しているときに介する接眼レンズ180に第1のサンプル(例えば、サンプル170等)の光学ビューを投影することができる。FOVカメラ175は、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャすることができる。いくつかの場合には、ユーザ125の少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることは、ユーザ125が接眼レンズ180を通して第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、視線カメラ(gaze camera)185を用いて、ユーザ125の少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることを含むことができる。第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することは、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する、接眼レンズ180を通して観察されている少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することを含むことができる。第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う、少なくとも1つの第2の画像における少なくとも1つの強調表示フィールドを生成することは、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する、接眼レンズ180を通して観察されている少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分と重なる少なくとも1つの強調表示フィールドを生成することを含むことができる。コンピューティングシステムは、投影デバイス190を使用して、生成された少なくとも1つの強調表示フィールドを、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する、接眼レンズ180を通して観察されている少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分と重なるように投影することができる。代替又は追加として、コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う、生成された少なくとも1つの強調表示フィールドとともに、少なくとも1つの第2の画像を表示画面(例えば、ディスプレイデバイス120の表示画面等)上に表示することができる。
【0185】
いくつかの場合には、FOVカメラ175は、赤外線(「IR」)カメラ、後方反射型IRカメラ、可視色カメラ、光源、又はロケーションフォトダイオード等のうちの1つとすることができる。いくつかの場合には、顕微鏡は、限定ではなく、接眼レンズ180を通して観察される第1のサンプルの光学ビュー、接眼レンズ180を通して観察されるとともに、FOVカメラ175によって少なくとも1つの第1の画像としてキャプチャされるユーザ125の少なくとも一方の眼の光学ビュー、又は生成された少なくとも1つの強調表示フィールドをユーザ125の少なくとも一方の眼に接眼レンズ180を通して投影したもの(投影デバイス190が使用されるか又は存在する場合)等のうちの少なくとも1つを反射するか又は通過させる複数のミラー、複数のダイクロイックミラー、又は複数のハーフミラーのうちの2つ以上を備えることができる。
【0186】
いくつかの実施形態によれば、接眼レンズ180への第1のサンプルの光学ビューの投影は、第1のサンプルを含む顕微鏡スライドを載置した顕微鏡ステージ165aの調整、対物レンズ若しくはズームレンズ165fの交換、又は接眼レンズ180の焦点の調整等のうちの少なくとも1つによってシフトすることができる。カメラ130又は185は、ユーザ125が接眼レンズ180への第1のサンプルの光学ビューのシフト投影を見ているときに、ユーザ125の少なくとも一方の眼の運動を追跡することができる。コンピューティングシステムは、ユーザ125の少なくとも一方の眼の追跡された運動、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分、又は第1のサンプルを含む顕微鏡スライドを載置した顕微鏡ステージ165aの調整、対物レンズ若しくはズームレンズ165fの交換、若しくは接眼レンズ180の焦点の調整等のうちの少なくとも1つのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、ユーザ125の少なくとも一方の眼の追跡された運動を、接眼レンズ180への第1のサンプルの光学ビューのシフト投影と照合することができる。
【0187】
代替又は追加として、1つ以上のオーディオセンサ135は、ユーザ125が第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、ユーザ125からの1つ以上の音声メモをキャプチャすることができる。コンピューティングシステムは、ユーザ125からキャプチャされた1つ以上の音声メモを、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像とともにマッピングして、キャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像と照合することができる。
【0188】
いくつかの実施形態によれば、コンピューティングシステムは、ユーザによって提供される結果データを受信することができる。この結果データは、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む。コンピューティングシステムは、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像及び第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像の解析、又は、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて、AIシステム105c(一般に、限定ではなく、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、学習アルゴリズムベースのシステム、又は機械学習システム等のうちの少なくとも1つを含むことができる)をトレーニングして、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することができる。いくつかの実施形態において、予測値は、予測臨床結果又は予測アテンションデータ等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0189】
一態様において、コンピューティングシステムは、ユーザが顕微鏡の接眼レンズを通して第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、第1のカメラによってキャプチャされたユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像を受信することができ、第2のカメラによってキャプチャされた第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像を受信することができ、少なくとも1つの第1の画像及び少なくとも1つの第2の画像を解析して、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することができ、この解析に基づいてユーザのアテンションを追跡することでき、この追跡に基づいてアテンションデータを収集することができる。
【0190】
いくつかの態様において、準弱(semi-weak)アノテーションデータ収集システム(システム100等)は、病理学者のルーチンワークフロー中に、ワークフローを中断することも変更することもなく、病理学者の視覚的アテンションに関する情報を集めることができる。ここで、アノテーションは、各ロケーションについての具体的な決定ではなく或る決定を行っている間の病理学者のアテンションしか指定しないという意味で「弱(weak)」と呼ばれる。弱教師あり方法(weakly supervised method)(1つ以上のスコア又は分類が、空間情報を伴わずに顕微鏡スライドに割り当てられる)は、完全教師あり方法(fully supervised method)(全てのピクセルが画像においてアノテートされる)の現行技術水準の性能に匹敵する精度を提供することが示されている。病理学者が臨床例を調査及び類別している間、病理学者の視覚的アテンションを追跡することによって、システムは、様々な実施形態によれば、例えば、腫瘍の位置特定及び分類のアルゴリズムの開発に使用することができる莫大な量の価値のあるアノテーションデータを収集することができる。
【0191】
いくつかの実施形態において、類別プラットフォームに応じて、病理学スライドスコアリング中に病理学者の関心領域(「ROI」(region of interests))をトレース(trace)及び収集する2つのモダリティ、すなわち、(1)ディスプレイデバイスモダリティ(display device modality);及び/又は(2)顕微鏡モダリティ(microscope modality)(つまり、(1)ディスプレイデバイスモダリティ、又は(2)顕微鏡モダリティ、あるいはそれらの両方)を提供することができる。ディスプレイデバイスモダリティに関して、すなわち、病理学者がデジタルスライドを観察している間、顕微鏡スライドをスコアリングする場合に、デジタル病理学の弱アノテーション収集システムは、画面上のホールスライド画像(「WSI」(whole slide image))を見ている間の病理学者の視線を追跡するアイトラッキングシステム(又は視線追跡カメラ等)を使用して実施することができる。加えて、ユーザがズームインする視野(「FOV」)の座標(及びいくつかの場合にはサイズ及び倍率)及び継続時間が記憶される。視線追跡システムは、視線追跡カメラ(ジェットカラーマップ等によってアノテートされる)及びWSI FOV(RGB画像等として表示される)(図2B等に示されているようなもの)の双方からの情報を統合することができる。
【0192】
顕微鏡モダリティに関して、すなわち、病理学者が顕微鏡を用いてスライドをスコアリングする場合に、デジタル病理学の弱アノテーション収集システムは、顕微鏡内に統合されたカスタムアイトラッキングシステムを使用して実施することができ、これは、病理学者の継続したワークフローを妨げることなく実施される(例えば、図3A又は図3C等に図示)。視線システムは、病理学者が顕微鏡アイピース(又は接眼レンズ)を通してサンプルを連続して観察している間、デジタルカメラによって病理学者の眼からの後方反射された赤外線(「IR」)光源等を検出することによる病理学者の眼の動きの光追跡に基づくことができる。加えて、別のデジタルカメラを使用して、ユーザが病理学スライドを現在観察している視野(「FOV」)をキャプチャすることができる。視線カメラ及びFOVカメラの双方からの情報を統合する視線追跡ソフトウェアは、類別プロセスの間、ユーザによって観察されたROIを照合されたFOVの上にオーバレイする。最後に、記録されたFOVは、類別プロセス後にスキャンされるWSIに位置合わせされ、視線ベースのインタラクションを通じてWSI上で類別している病理学者の位置特定を提供する。
【0193】
いくつかの実施形態において、「弱」アノテーションをより一層強くするために、音声記録/認識能力を含めることができる。
【0194】
システム100(及びその構成要素)のこれらの機能及び他の機能が、図2図5に関して以下でより詳細に説明される。さらに、様々な実施形態が、顕微鏡関連アプリケーションに関して本明細書で説明されるが、これらの様々な実施形態は、限定されるものではなく、「弱」アノテーションを使用することができる他の分野又は技術に適用可能でありえる。これらの他の分野又は技術には、オペレータが解決している間又は既定のタスク等を実行している間、視線を追跡して、製造プロセスにおける欠陥を位置特定すること、機能不良の機械又はシステムにおける欠陥を位置特定することが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0195】
図2A及び図2B(集合的に「図2」)は、様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集の非限定的な例200を示す概略図である。図2Aは、ユーザの眼(複数の場合もある)が追跡及び画像キャプチャされている間、表示画面上に表示されているサンプルの画像を観察しているユーザの側面図を示している一方、図2Bは、図2AのA-A方向に示されるように、表示画面上に表示されているサンプルの画像を示している。
【0196】
図2Aの非限定的な例200を参照すると、コンピューティングシステム205(図1のコンピューティングシステム105a、リモートコンピューティングシステム105b、及び/又はユーザデバイス(複数の場合もある)140等と同様のもの)は、第1のサンプルの画像又はビデオをディスプレイデバイス210(図1のディスプレイデバイス120等と同様のもの)の表示画面上に表示することができる。いくつかの場合には、第1のサンプルは、限定ではなく、1つ以上の特定の細胞、1つ以上の特定の組織、1つ以上の特定の構造、又は1つ以上の分子等のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの場合には、その画像又はビデオがディスプレイデバイス210の表示画面上に表示される第1のサンプルは、顕微鏡スライド、透明なサンプルカートリッジ、バイアル、チューブ、カプセル、フラスコ、ベッセル、レセプタクル、マイクロアレイ、又はマイクロ流体チップ等のうちの少なくとも1つの中に含めることができる。ユーザ215(図1のユーザ125等と同様の者)は、カメラ又は視線カメラ220(図1のカメラ130等と同様のもの)がユーザ215又はユーザ215の少なくとも一方の眼230の画像又はビデオをキャプチャしているとき、ディスプレイデバイス210の表示画面上に表示された第1のサンプルの画像又はビデオを観察することができる。いくつかの場合には、カメラ220は、視野(「FOV」)225を有することができる一方、少なくとも一方の眼230は、ユーザの眼(複数の場合もある)230のレンズに垂直な軸の周りに約360度方向回転される角度235aを規定する視野235を有することができる。ユーザが、ディスプレイデバイス210の表示画面上に表示された第1のサンプルの画像又はビデオを見ているとき、カメラ220の代わりに視線追跡デバイスを使用して、アテンションデータを収集することができる。
【0197】
図2AにおけるA-A方向で観察された図2Bを参照すると、ディスプレイデバイス210の表示画面210aは、アノテーションデータ収集ユーザインタフェース(「UI」(user interface))240を表示することができる。このユーザインタフェースは、第1のサンプルの画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)245を表示することができ、ユーザインタフェース入力又はアイコン(表示制御入力又はアイコン240a、オーディオアノテーション制御入力又はアイコン240b等を含むが、これらに限定されるものではない)を提供することができる。いくつかの場合には、表示制御入力又はアイコン240aは、限定ではなく、ズームイン、ズームアウト、ズームスクロールバー、フォーカスイン、フォーカスアウト、方向シフト制御(例えば、上方シフト、下方シフト、右方シフト、左方シフト、右上方シフト、左上方シフト、右下方シフト、左下方シフト等)、オートフォーカス、センタアウト若しくはセンタフォーカスアウト、カラーマップ効果オプション若しくは強調表示効果オプション、単一のスクリーンショット、又は複数のスクリーンショット等のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの場合には、オーディオアノテーション制御入力又はアイコン240bは、録音、再生若しくは一時停止、停止、ミュート、オーディオオン(audio on)、又はオーディオスクロールバー等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。図2Bにも、図2Aのカメラ220が示されている。
【0198】
動作中、カメラ220は、ユーザ215が、ディスプレイデバイス210等の表示画面210a上に表示された第1のサンプルの光学ビュー245を見ているときに、ユーザ215の少なくとも一方の眼230の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることができる。コンピューティングシステム205は、ユーザ215の少なくとも一方の眼230のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と、第1のサンプルの光学ビュー245の少なくとも1つの第2の画像とを解析して、ユーザ215の少なくとも一方の眼230が、ディスプレイデバイス210の表示画面210a上に表示された第1のサンプルの光学ビュー245の特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することができる。ユーザが、ディスプレイデバイス210の表示画面上に表示された第1のサンプルの画像又はビデオを見ているときに、カメラ220の代わりに視線追跡デバイスを使用して、アテンションデータを収集することができる。ユーザ215の少なくとも一方の眼230がディスプレイデバイス210の表示画面210a上に表示された第1のサンプルの光学ビュー245の特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、又は、収集されたアテンションデータに基づいて、コンピューティングシステム205は、第1のサンプルの光学ビュー245の特定の領域に対応する、ディスプレイデバイス210の表示画面210a上に表示さる少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することができる。コンピューティングシステム205は、第1のサンプルの光学ビュー245の特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う、少なくとも1つの第2の画像における少なくとも1つの強調表示フィールド250を生成することができる。コンピューティングシステム205は、第1のサンプルの光学ビュー245の特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う生成された少なくとも1つの強調表示フィールド250とともに、少なくとも1つの第2の画像をディスプレイデバイス210の表示画面210a上に表示することができる。
【0199】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの強調表示フィールド250はそれぞれ、限定ではなく、色、形状、又は強調表示効果等のうちの少なくとも1つを含むことができ、強調表示効果は、輪郭描写効果、シャドーイング効果、パターニング効果、ヒートマップ効果、又はジェットカラーマップ効果等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合には、第1のサンプルの光学ビュー245の特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分は、限定ではなく、1つ以上の特定の細胞、1つ以上の特定の組織、1つ以上の特定の構造、又は1つ以上の分子等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0200】
いくつかの実施形態において、ディスプレイデバイス210の表示画面210a上の少なくとも1つの第2の画像の表示は、ユーザ215によるコマンド(口頭コマンド、キーストロークコマンド、ユーザインタフェースコマンド等であるか否かを問わない)に応答してシフトすることができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの第2の画像のシフト表示は、限定ではなく、ディスプレイデバイス210の表示画面210a上の少なくとも1つの第2の画像の水平シフト、垂直シフト、パン、チルト、ズームイン、又はズームアウト等のうちの少なくとも1つを含むことができる。カメラ220は、ユーザ215がディスプレイデバイス210の表示画面210a上で少なくとも1つの第2の画像のシフト表示を見ているときに、ユーザ215の少なくとも一方の眼230の運動を追跡することができる。コンピューティングシステム205は、ユーザ215の少なくとも一方の眼230の追跡された運動、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分、又は表示画面上の少なくとも1つの第2の画像の水平シフト、垂直シフト、パン、チルト、ズームイン、若しくはズームアウト等のうちの少なくとも1つのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、ユーザ215の少なくとも一方の眼230の追跡された運動をディスプレイデバイス210の表示画面210a上の少なくとも1つの第2の画像のシフト表示と照合することができる。ユーザがディスプレイデバイス210の表示画面210a上の少なくとも1つの第2の画像のシフト表示を見ているときに、カメラ220を使用する代わりに視線追跡デバイスを使用して、追加のアテンションデータを収集することができる。
【0201】
図3A図3D(集合的に「図3」)は、様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集の様々な他の非限定的な例300及び300’を示す概略図である。図3Aは、その接眼レンズが、ユーザがサンプルの画像を観察しているときに介する接眼レンズである顕微鏡の側面図を示している一方、図3Bは、図3AのB-B方向に示される、接眼レンズを通して投影されているサンプルの画像を示している。図3Cは、図3Aに示される例300の代替例である例300’を示している一方、図3Dは、サンプルのアノテーション付き画像(複数の場合もある)又はアノテーション付きビデオ(複数の場合もある)が表示された表示画面を示している。
【0202】
図3Aの非限定的な例300を参照すると、コンピューティングシステム305(図1のコンピューティングシステム105a、リモートコンピューティングシステム105b、ユーザデバイス(複数の場合もある)140、及び/又はプロセッサ155等と同様のもの)は、顕微鏡310内に統合することもできるし(図示せず)、外部に存在するが顕微鏡310に通信結合することもでき(図3Aに図示)、顕微鏡310の様々な動作を制御することができる。図3Aに示すように、第1のサンプルを含む顕微鏡スライド315は、調整可能な顕微鏡ステージ320(例えば、図1の顕微鏡ステージ165a等と同様のXYステージ又はXYZステージ等)上に位置決めすることができ、光源325(図1の光源165等と同様のもの)からの光は、ステージ320を通過し、顕微鏡スライド315を通過し、少なくとも1つの対物レンズ又はズームレンズ330(図1の対物レンズ又はズームレンズ(複数の場合もある)165f等と同様のもの)のうちの1つを通過し、複数のミラー、ダイクロイックミラー、及び/又はハーフミラー335から反射されるか又はこれらのミラーを通過し、接眼レンズ340(図1の接眼レンズ180等と同様のもの)を通過して、ユーザの少なくとも一方の眼345に投影される。
【0203】
顕微鏡310は、顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルの画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)を光ビーム355(中程度の濃さの網掛け太線355等として図3Aに示されている)に沿ってキャプチャするのに使用することができる視野(「FOV」)カメラ350(図1のFOVカメラ175等と同様のもの)を備えることができる。光ビーム355は、光源325からステージ320を通過し、顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルを通過し、少なくとも1つの対物レンズ又はズームレンズ330のうちの1つを通過し、ミラー、ダイクロイックミラー、及び/又はハーフミラー335b及び335cから反射されてFOVカメラ350に達することができる。換言すれば、FOVカメラ350は、光源325によって背面照明(backlit)される顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルの画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)を(光ビーム355に沿って)キャプチャすることができる。接眼レンズ340は、光源325によって投影される顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルの投影画像(複数の場合もある)又は投影ビデオ(複数の場合もある)の光を収集することができる。光ビーム355は、光源325からステージ320を通過し、顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルを通過し、少なくとも1つの対物レンズ又はズームレンズ330のうちの1つを通過し、ミラー335cから反射され、ハーフミラー335bを通過し、ミラー335aから反射され、接眼レンズ340を通過してユーザの少なくとも一方の眼345に達することができる。換言すれば、ユーザは、光源325によって背面照明される顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルの(光ビーム355に沿った)画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)を観察することができる。
【0204】
顕微鏡310は、光ビーム365(濃い網掛け太線365等として図3Aに示されている)に沿ってユーザの少なくとも一方の眼345の画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)をキャプチャするのに使用することができる視線カメラ360(図1の視線カメラ185等と同様のもの)を更に備えることができる。光ビーム365は、ユーザの少なくとも一方の眼345から接眼レンズ340を通過し、ミラー335a、ダイクロイックミラー335b、及び/又はハーフミラー335dから反射されて視線カメラ360に達することができる。いくつかの実施形態によれば、視線カメラ360は、赤外線(「IR」)カメラ、後方反射型IRカメラ、可視色カメラ、光源、又はロケーションフォトダイオード等のうちの1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0205】
動作中、顕微鏡310は、ユーザの少なくとも一方の眼345が観察しているときに介する接眼レンズ340に第1のサンプルの光学ビューを投影することができる。視線カメラ360は、ユーザが顕微鏡310の接眼レンズ340を通して観察される第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、ユーザの少なくとも一方の眼345の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることができる。FOVカメラ350は、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャすることができる。コンピューティングシステム305は、ユーザの少なくとも一方の眼345のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と、第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像とを解析して、ユーザの少なくとも一方の眼345が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することができる。ユーザの少なくとも一方の眼345が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、コンピューティングシステム305は、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することができる。コンピューティングシステム305は、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することができ、収集されたアテンションデータをデータベース(例えば、図1のデータベース(複数の場合もある)110a又は110b等)に記憶することができる。いくつかの実施形態によれば、アテンションデータの収集は、ユーザが、顕微鏡を使用して第1のサンプルを診断している間において結果データを提供しているときに、ユーザに割り込むことも、ユーザの進行を遅らせることも、ユーザを妨害することもなく行うことができる。いくつかの場合には、収集されたアテンションデータは、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベル等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合には、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分は、限定ではなく、1つ以上の特定の細胞、1つ以上の特定の組織、1つ以上の特定の構造、又は1つ以上の分子等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0206】
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステム305は、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分と重なる、少なくとも1つの第2の画像における少なくとも1つの強調表示フィールドを生成することができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの強調表示フィールドはそれぞれ、限定ではなく、色、形状、又は強調表示効果等のうちの少なくとも1つを含むことができ、強調表示効果は、輪郭描写効果、シャドーイング効果、パターニング効果、ヒートマップ効果、又はジェットカラーマップ効果等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0207】
いくつかの実施形態によれば、顕微鏡310は、生成された少なくとも1つの強調表示フィールドを、光ビーム375(薄い網掛け太線375等として図3Aに示されている)に沿って接眼レンズ340を通してユーザの少なくとも一方の眼345に投影するのに使用することができる投影デバイス370(図1の投影デバイス190等と同様のもの)を更に備えることができる。光ビーム375は、投影デバイス370から進み、ミラー335eから反射され、ハーフミラー335dを通過し、ハーフミラー335bから反射され、ミラー335aから反射され、接眼レンズ340を通過してユーザの少なくとも一方の眼345に達することができる。
【0208】
図3Bは、図3AのB-B方向に沿って顕微鏡310の接眼レンズ340を通して観察される第1のサンプルの光学ビュー380を示している。光学ビュー380は、第1のサンプル385の少なくとも1つの第2の画像を含む。図3Bに示すように、光学ビュー380は、いくつかの実施形態において、ユーザの眼(複数の場合もある)がフォーカスしている第1のサンプル385の部分を強調表示する1つ以上の生成された強調表示フィールド390(この場合には、ジェットカラーマップ等によって描写又は具現化されている)を更に含むことができる。例えば、ジェットカラーマップの実施形態に関して、カラーマップの赤色領域は、眼のフォーカス又はアテンションの最も高い出現率又は最も長い継続時間を表すことができる一方、カラーマップの黄色領域又はオレンジ色領域は、眼のフォーカス又はアテンションの次に最も高い出現率又は次に最も長い継続時間を表すことができ、カラーマップの緑色領域は、眼のフォーカス又はアテンションのそれよりも低い出現率又は短い継続時間を表すことができ、カラーマップの青色領域又は紫色領域は、眼のフォーカス又はアテンションの最も低い出現率又は最も短い継続時間であるが、フォーカス又はアテンションが定まらないか又は走り読み状態等にある場合よりも統計的に高いものを表すことができる。
【0209】
図3Cを参照すると、図3Aの非限定的な例300の顕微鏡310の代わりに、図3Cの非限定的な例300’の顕微鏡310’は、投影デバイス370及びミラー335eを除外することができるが、それ以外は図3Aの顕微鏡310と同様でありえる。
【0210】
特に、コンピューティングシステム305(図1のコンピューティングシステム105a、リモートコンピューティングシステム105b、ユーザデバイス(複数の場合もある)140、及び/又はプロセッサ155等と同様のもの)は、顕微鏡310’内に統合することもできるし(図示せず)、外部に存在するが顕微鏡310’に通信結合することもでき(図3Cに図示)、顕微鏡310’の様々な動作を制御することができる。図3Cに示すように、第1のサンプルを含む顕微鏡スライド315は、調整可能な顕微鏡ステージ320(例えば、図1の顕微鏡ステージ165a等と同様のXYステージ又はXYZステージ等)上に位置決めすることができ、光源325(図1の光源165等と同様のもの)からの光は、ステージ320を通過し、顕微鏡スライド315を通過し、少なくとも1つの対物レンズ又はズームレンズ330(図1の対物レンズ又はズームレンズ(複数の場合もある)165f等と同様のもの)のうちの1つを通過し、複数のミラー、ダイクロイックミラー、及び/又はハーフミラー335から反射されるか又はこれらのミラーを通過し、接眼レンズ340(図1の接眼レンズ180等と同様のもの)を通過して、ユーザの少なくとも一方の眼345に投影される。
【0211】
顕微鏡310’は、顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルの画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)を光ビーム355(中程度の濃さの網掛け太線355等として図3Cに示されている)に沿ってキャプチャするのに使用することができるFOVカメラ350(図1のFOVカメラ175等と同様のもの)を備えることができる。光ビーム355は、光源325からステージ320を通過し、顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルを通過し、少なくとも1つの対物レンズ又はズームレンズ330のうちの1つを通過し、ミラー、ダイクロイックミラー、及び/又はハーフミラー335b及び335cから反射されてFOVカメラ350に達することができる。換言すれば、FOVカメラ350は、光源325によって背面照明される顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルの画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)を(光ビーム355に沿って)キャプチャすることができる。接眼レンズ340は、光源325によって投影される顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルの投影画像(複数の場合もある)又は投影ビデオ(複数の場合もある)の光を収集することができる。光ビーム355は、光源325からステージ320を通過し、顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルを通過し、少なくとも1つの対物レンズ又はズームレンズ330のうちの1つを通過し、ミラー335cから反射され、ハーフミラー335bを通過し、ミラー335aから反射され、接眼レンズ340を通過してユーザの少なくとも一方の眼345に達することができる。換言すれば、ユーザは、光源325によって背面照明される顕微鏡スライド315に含まれる第1のサンプルの(光ビーム355に沿った)画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)を観察することができる。
【0212】
顕微鏡310’は、光ビーム365(濃い網掛け太線365等として図3Cに示されている)に沿ってユーザの少なくとも一方の眼345の画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)をキャプチャするのに使用することができる視線カメラ360(図1の視線カメラ185等と同様のもの)を更に備えることができる。光ビーム365は、ユーザの少なくとも一方の眼345から接眼レンズ340を通過し、ミラー335a、ダイクロイックミラー335b、及び/又はハーフミラー335d(つまり、ミラー335a、ダイクロイックミラー335b、又はハーフミラー335d、あるいはそれらの全て)から反射されて視線カメラ360に達することができる。いくつかの実施形態によれば、視線カメラ360は、赤外線(「IR」)カメラ、後方反射型IRカメラ、可視色カメラ、光源、又はロケーションフォトダイオード等のうちの1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0213】
動作中、図3Aの例300と同様に、顕微鏡310は、ユーザの少なくとも一方の眼345が観察しているときに介する接眼レンズ340に第1のサンプルの光学ビューを投影することができる。視線カメラ360は、ユーザが顕微鏡310’の接眼レンズ340を通して観察される第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、ユーザの少なくとも一方の眼345の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることができる。FOVカメラ350は、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャすることができる。コンピューティングシステム305は、ユーザの少なくとも一方の眼345のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と、第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像とを解析して、ユーザの少なくとも一方の眼345が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することができる。ユーザの少なくとも一方の眼345が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、コンピューティングシステム305は、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することができる。コンピューティングシステム305は、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することができ、収集されたアテンションデータをデータベース(例えば、図1のデータベース(複数の場合もある)110a又は110b等)に記憶することができる。いくつかの実施形態によれば、アテンションデータの収集は、ユーザが、顕微鏡を使用して第1のサンプルを診断している間において結果データを提供しているときに、ユーザに割り込むことも、ユーザの進行を遅らせることも、ユーザを妨害することもなく行うことができる。いくつかの場合には、収集されたアテンションデータは、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベル等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合には、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分は、限定ではなく、1つ以上の特定の細胞、1つ以上の特定の組織、1つ以上の特定の構造、又は1つ以上の分子等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0214】
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステム305は、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分と重なる、少なくとも1つの第2の画像における少なくとも1つの強調表示フィールドを生成することができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの強調表示フィールドはそれぞれ、限定ではなく、色、形状、又は強調表示効果等のうちの少なくとも1つを含むことができ、強調表示効果は、輪郭描写効果、シャドーイング効果、パターニング効果、ヒートマップ効果、又はジェットカラーマップ効果等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0215】
生成された少なくとも1つの強調表示フィールドが、ミラー、ダイクロイックミラー、及び/又はハーフミラー335を介してユーザの少なくとも一方の眼345に接眼レンズ340を通して投影される図3Aの例300と異なり、図3Cの例300’のコンピューティングシステム305は、第1のサンプル385の画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)(図3Dに図示)をディスプレイデバイス395の表示画面395a上に表示することができる。図3Bの例300と同様に、図3Dの例300’の光学ビューは、ユーザの眼(複数の場合もある)がフォーカスしている第1のサンプル385の部分を強調表示する1つ以上の生成された強調表示フィールド390(この場合には、ジェットカラーマップ等によって描写又は具現化されている)を更に含むことができる。例えば、ジェットカラーマップの実施形態に関して、カラーマップの赤色領域は、眼のフォーカス又はアテンションの最も高い出現率又は最も長い継続時間を表すことができる一方、カラーマップの黄色領域又はオレンジ色領域は、眼のフォーカス又はアテンションの次に最も高い出現率又は次に最も長い継続時間を表すことができ、カラーマップの緑色領域は、眼のフォーカス又はアテンションのそれよりも低い出現率又は短い継続時間を表すことができ、カラーマップの青色領域又は紫色領域は、眼のフォーカス又はアテンションの最も低い出現率又は最も短い継続時間であるが、フォーカス又はアテンションが定まらないか又は走り読み状態等にある場合よりも統計的に高いものを表すことができる。
【0216】
図2Bのディスプレイデバイス210の表示画面210a上の第1のサンプル245の画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)の表示と同様に、第1のサンプル385の画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)は、ディスプレイデバイス395の表示画面395a上に表示されるアノテーションデータ収集ユーザインタフェース(「UI」)380’内に表示することができる。図2Bの例と同様に、図3Dのアノテーションデータ収集UI380’は、ユーザインタフェース入力又はアイコン(表示制御入力又はアイコン380a’、オーディオアノテーション制御入力又はアイコン380b’等を含むが、これらに限定されるものではない)を提供することができる。いくつかの場合には、表示制御入力又はアイコン380a’は、限定ではなく、ズームイン、ズームアウト、ズームスクロールバー、フォーカスイン、フォーカスアウト、方向シフト制御(例えば、上方シフト、下方シフト、右方シフト、左方シフト、右上方シフト、左上方シフト、右下方シフト、左下方シフト等)、オートフォーカス、センタアウト若しくはセンタフォーカスアウト、カラーマップ効果オプション若しくは強調表示効果オプション、単一のスクリーンショット、又は複数のスクリーンショット等のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの場合には、オーディオアノテーション制御入力又はアイコン380b’は、録音、再生若しくは一時停止、停止、ミュート、オーディオオン、又はオーディオスクロールバー等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0217】
いくつかの実施形態において、図3Dのディスプレイデバイス395の表示画面395a上の第1のサンプル385の画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)の表示は、図3Bの顕微鏡310の接眼レンズ340を通して観察される第1のサンプル385の光学ビュー380に加えることができる。
【0218】
図4A図4D(集合的に「図4」)は、様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施する方法400を示すフロー図である。図4Aの方法400は、円形マーカ「A」の後に続く図4Bに継続し、図4Aから、円形マーカ「B」の後に続く図4Cに継続する。図4Bの方法400は、円形マーカ「C」の後に続く図4Cに継続する。
【0219】
これらの技法及び手順は、例示を目的として或る特定の順序で図示及び/又は説明されるが、或る特定の手順は、様々な実施形態の範囲内で並べ替えることができ及び/又は省略することができることが理解されるべきである。その上、図4によって示される方法400は、図1図2、及び図3のそれぞれのシステム、例、又は実施形態100、200、及び300(又はそれらの構成要素)によって又はそれらを用いて実施することができるが(いくつかの場合には、システム、例、又は実施形態100、200、及び300について以下で説明される)、そのような方法は、任意の適したハードウェア(又はソフトウェア)の実施態様を使用して実施することもできる。同様に、図1図2、及び図3のそれぞれのシステム、例、又は実施形態100、200、及び300(又はそれらの構成要素)のそれぞれは、(例えば、コンピュータ可読媒体上で具現化された命令を実行することによって)図4によって示される方法400に従って動作することができるが、図1図2、及び図3のシステム、例、又は実施形態100、200、及び300はそれぞれ、他の動作モードに従って動作することもでき及び/又は他の適した手順を実行することもできる。
【0220】
図4Aの非限定的な実施形態において、方法400は、ブロック405において、顕微鏡を用いて、ユーザの少なくとも一方の眼が観察しているときに介する接眼レンズに第1のサンプルの光学ビューを投影することを含むことができる。いくつかの実施形態において、第1のサンプルは、顕微鏡スライド、透明なサンプルカートリッジ、バイアル、チューブ、カプセル、フラスコ、ベッセル、レセプタクル、マイクロアレイ、又はマイクロ流体チップ等のうちの少なくとも1つの中に含めることができる。いくつかの実施形態によれば、顕微鏡は、限定ではなく、接眼レンズを通して観察される第1のサンプルの光学ビュー、又は、接眼レンズを通して観察されるとともに第1のカメラによって少なくとも1つの第1の画像としてキャプチャされるユーザの少なくとも一方の眼の光学ビューのうちの少なくとも一方を反射するか又は通過させる複数のミラー、複数のダイクロイックミラー、又は複数のハーフミラー等のうちの2つ以上を備えることができる。
【0221】
方法400は、ユーザが接眼レンズを通して第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、第1のカメラを用いて、ユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャする(ブロック410)ことと、第2のカメラを用いて、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャする(ブロック415)こととを更に含むことができる。
【0222】
任意選択のブロック420において、方法400は、第1のカメラを用いて、ユーザの少なくとも一方の眼の運動を追跡することを含むことができる。方法400は、任意選択のブロック425において、コンピューティングシステムを用いて、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが光学ビューの特定の領域にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが光学ビューの特定の領域にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベル等のうちの少なくとも1つを同時に追跡することを更に含むことができる。いくつかの場合には、第1のカメラは、赤外線(「IR」)カメラ、後方反射型IRカメラ、可視色カメラ、光源、又はロケーションフォトダイオード等のうちの1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0223】
方法400は、コンピューティングシステムを用いて、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と、第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像とを解析して、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断する(ブロック430)ことと、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する、接眼レンズを通して観察される少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別する(ブロック435)こととを更に含むことができる。いくつかの実施形態によれば、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分は、限定ではなく、1つ以上の特定の細胞、1つ以上の特定の組織、1つ以上の特定の構造、又は1つ以上の分子等のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することは、コンピューティングシステムを用いて、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分に対応する光学ビューの少なくとも1つの第2の画像内の座標ロケーションを求めることを含むことができる。
【0224】
方法400は、ブロック440において、コンピューティングシステムを用いて、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することを含むことができる。ブロック445において、方法400は、収集されたアテンションデータをデータベースに記憶することを含むことができる。方法400は、円形マーカ「A」の後に続く図4Bの任意選択のブロック450におけるプロセスを継続することもできるし、円形マーカ「B」の後に続く図4Cのブロック460におけるプロセスを継続することができる。
【0225】
図4B(円形マーカ「A」の後に続く)の任意選択のブロック450において、方法400は、ユーザが第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、オーディオセンサを用いて、ユーザからの1つ以上の音声メモをキャプチャすることを含むことができる。方法400は、コンピューティングシステムを用いて、ユーザからキャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像とともにマッピングして、キャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像と照合する(任意選択のブロック455)ことを更に含むことができる。方法400は、円形マーカ「C」の後に続く図4Cのブロック465におけるプロセスを継続することができる。
【0226】
代替又は追加として、図4C(円形マーカ「B」の後に続く)のブロック460において、方法400は、コンピューティングシステムを用いて、ユーザによって提供される結果データを受信することを含むことができ、この結果データは、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む。方法400は、ブロック465において、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像及び第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像(及び、いくつかの場合には、キャプチャされた少なくとも1つの第2の画像にマッピングされるキャプチャされた音声メモ)の解析、又は、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングして、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することを更に含むことができる。いくつかの実施形態において、予測値は、限定ではなく、予測臨床結果又は予測アテンションデータ等のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、アテンションデータの収集は、ユーザが、顕微鏡を使用して第1のサンプルを診断している間において結果データを提供しているときに、ユーザに割り込むことも、ユーザの進行を遅らせることも、ユーザを妨害することもなく行うことができる。
【0227】
図4Dを参照すると、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断する(ブロック430)ことは、ブロック470において、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション(ブロック470a)、ユーザが光学ビューの特定の領域にフォーカスしているアテンション継続時間(ブロック470b)、又はユーザが光学ビューの特定の領域にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベル(ブロック470c)のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することを含むことができる。
【0228】
図5A図5D(集合的に「図5」)は、様々な実施形態による、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施する方法500を示すフロー図である。図5Bの方法500は、円形マーカ「A」の後に続く図5C又は図5Dに継続し、図5C又は図5Dから、円形マーカ「B」の後に続く図5Aに戻る。
【0229】
これらの技法及び手順は、例示を目的として或る特定の順序で図示及び/又は説明されるが、或る特定の手順は、様々な実施形態の範囲内で並べ替えることができ及び/又は省略することができることが理解されるべきである。その上、図5によって示される方法500は、図1図2、及び図3のそれぞれのシステム、例、又は実施形態100、200、及び300(又はそれらの構成要素)によって又はそれらを用いて実施することができるが(いくつかの場合には、システム、例、又は実施形態100、200、及び300について以下で説明される)、そのような方法は、任意の適したハードウェア(又はソフトウェア)の実施態様を使用して実施することもできる。同様に、図1図2、及び図3のそれぞれのシステム、例、又は実施形態100、200、及び300(又はそれらの構成要素)のそれぞれは、(例えば、コンピュータ可読媒体上で具現化された命令を実行することによって)図5によって示される方法500に従って動作することができるが、図1図2、及び図3のシステム、例、又は実施形態100、200、及び300はそれぞれ、他の動作モードに従って動作することもでき及び/又は他の適した手順を実行することもできる。
【0230】
図5Aの非限定的な実施形態を参照すると、方法500は、ブロック505において、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューを見ているユーザに対応する収集されたアテンションデータを受信することを含むことができる。ブロック510において、方法500は、コンピューティングシステムを用いて、ユーザによって提供される結果データを受信することを含むことができ、この結果データは、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む。方法500は、ブロック515において、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングして、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することを更に含むことができる。
【0231】
いくつかの実施形態において、第1のサンプルは、顕微鏡スライド、透明なサンプルカートリッジ、バイアル、チューブ、カプセル、フラスコ、ベッセル、レセプタクル、マイクロアレイ、又はマイクロ流体チップ等のうちの少なくとも1つの中に含めることができる。いくつかの実施形態によれば、予測値は、限定ではなく、予測臨床結果又は予測アテンションデータ等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0232】
図5Bを参照すると、方法500は、視線追跡デバイスを用いて、アテンションデータを追跡する(ブロック520)ことと、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが光学ビューの特定の領域にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが光学ビューの特定の領域にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベルのうちの少なくとも1つを同時に追跡する(ブロック525)こととを更に含むことができる。
【0233】
いくつかの場合には、方法500は、ユーザが第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、オーディオセンサを用いて、ユーザからの1つ以上の音声メモをキャプチャする(任意選択のブロック530)ことと、コンピューティングシステムを用いて、ユーザからキャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第3の画像とともにマッピングして、キャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第3の画像と照合する(任意選択のブロック535)こととを更に含むことができる。方法500は、円形マーカ「A」の後に続く図5Cのブロック540におけるプロセ又は図5Dのブロック545におけるプロセスを継続することができる。
【0234】
図5C(円形マーカ「A」の後に続く)のブロック540において、方法500は、ユーザが顕微鏡の接眼レンズを通して第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、第1のカメラによってキャプチャされるユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像に基づいて、アテンションデータを収集することを含むことができる。いくつかの実施形態において、顕微鏡は、限定ではなく、接眼レンズを通して観察される第1のサンプルの光学ビュー、又は、接眼レンズを通して観察されるとともに第1のカメラによって少なくとも1つの第1の画像としてキャプチャされるユーザの少なくとも一方の眼の光学ビューのうちの少なくとも一方を反射するか又は通過させる複数のミラー、複数のダイクロイックミラー、又は複数のハーフミラー等のうちの2つ以上を備えることができる。方法500は、円形マーカ「B」の後に続く図5Aのブロック505におけるプロセスに戻ることができる。
【0235】
或いは、図5D(円形マーカ「A」の後に続く)のブロック545において、方法500は、ユーザが、表示画面上に表示された第1のサンプルの光学ビューの第1の画像を見ているときに、視線追跡デバイスを使用してアテンションデータを収集することを含むことができる。
【0236】
いくつかの実施形態によれば、アテンションデータの収集は、ユーザが、顕微鏡を使用して第1のサンプルを診断している間、又は、表示画面上に表示されている第1のサンプルの画像を診断している間のいずれかにおいて結果データを提供しているときに、ユーザに割り込むことも、ユーザの進行を遅らせることも、ユーザを妨害することもなく行うことができる。いくつかの実施形態において、収集されたアテンションデータは、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベル等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0237】
単なる例として、いくつかの場合には、方法500は、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する表示画面上に表示された少なくとも1つの第1の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分と重なる少なくとも1つの強調表示フィールドを生成する(任意選択のブロック550)ことと、コンピューティングシステムを用いて、収集されたアテンションデータに対応する表示画面上に表示される少なくとも1つの第1の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分と重なるように、生成された少なくとも1つの強調表示フィールドを表示画面上に表示する(任意選択のブロック555)ことと、ユーザが表示画面上に表示された第1のサンプルの光学ビューの第1の画像を見ているときに、視線追跡デバイスを用いて、アテンションデータを追跡する(任意選択のブロック560)ことと、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベルのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、追跡されたアテンションデータを、表示画面上に表示された第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第1の画像の表示と照合する(任意選択のブロック565)こととを更に含むことができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの強調表示フィールドはそれぞれ、色、形状、又は強調表示効果等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合には、強調表示効果は、限定ではなく、輪郭描写効果、シャドーイング効果、パターニング効果、ヒートマップ効果、又はジェットカラーマップ効果等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0238】
方法500は、円形マーカ「B」の後に続く図5Aのブロック505におけるプロセスに戻ることができる。
【0239】
図6は、様々な実施形態による、一例示的なコンピュータ又はシステムハードウェアのアーキテクチャを示すブロック図である。図6は、本明細書に説明されるような様々な他の実施形態によって提供される方法を実行することができ、及び/又は、上記で説明したようなコンピュータ又はハードウェアシステム(すなわち、コンピューティングシステム105a、105b、205、及び305、顕微鏡115、310、及び310’、ディスプレイデバイス120、210、及び395、並びにユーザデバイス(複数の場合もある)140等)の機能を実行することができるサービスプロバイダシステムハードウェアのコンピュータシステム600の1つの実施形態の概略説明図を提供する。図6は、様々な構成要素の一般化された説明図の提供を意味するものにすぎず、各構成要素の1つ以上が適宜利用される場合がある(又はいずれも利用されない場合がある)ことに留意されたい。したがって、図6は、個々のシステム要素を相対的に分離された形式又は相対的により統合された形式でどのように実施することができるのかを広く示している。
【0240】
コンピュータ又はハードウェアシステム600は、図1図5に関して上記で説明したコンピュータ又はハードウェアシステム(すなわち、コンピューティングシステム105a、105b、205、及び305、顕微鏡115、310、及び310’、ディスプレイデバイス120、210、及び395、並びにユーザデバイス(複数の場合もある)140等)の一実施形態を表すことができ、バス605を介して電気的に結合することができる(又はそれ以外に適宜通信することができる)ハードウェア要素を備えるものが示されている。ハードウェア要素は、限定ではなく、1つ以上の汎用プロセッサ及び/又は1つ以上の専用プロセッサ(マイクロプロセッサ、デジタル信号処理チップ、グラフィックス加速プロセッサ等)を含む1つ以上のプロセッサ610と、限定ではなく、マウス、キーボード等を含むことができる1つ以上の入力デバイス615と、限定ではなく、ディスプレイデバイス、プリンタ等を含むことができる1つ以上の出力デバイス620とを含むことができる。
【0241】
コンピュータ又はハードウェアシステム600は、1つ以上の記憶デバイス625を更に含むことができる(及び/又はそれらと通信することができる)。記憶デバイス625は、限定ではなく、ローカル記憶装置及び/又はネットワークアクセス可能記憶装置を含むことができ、及び/又は、限定ではなく、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光記憶デバイス、プログラマブルなもの、フラッシュ更新可能なもの等とすることができるランダムアクセスメモリ(「RAM」)及び/又はリードオンリーメモリ(「ROM」)等の固体記憶デバイスを含むことができる。そのような記憶デバイスは、限定ではなく、様々なファイルシステム、データベース構造等を含む任意の適切なデータストアを実施するように構成することができる。
【0242】
コンピュータ又はハードウェアシステム600は、通信サブシステム630も含むことができる。通信サブシステム630は、限定ではなく、モデム、ネットワークカード(無線又は有線)、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス及び/又はチップセット(Bluetooth(登録商標)デバイス、802.11デバイス、WiFiデバイス、WiMaxデバイス、WWANデバイス、セルラ通信設備等)等を含むことができる。通信サブシステム630は、ネットワーク(1つ例を挙げると、以下で説明されるネットワーク等)、他のコンピュータ若しくはハードウェアシステム、及び/又は本明細書に説明される他の任意のデバイスとのデータの交換を可能にすることができる。多くの実施形態において、コンピュータ又はハードウェアシステム600は、上記で説明したようなRAMデバイス又はROMデバイスを含むことができるワーキングメモリ635を更に備える。
【0243】
コンピュータ又はハードウェアシステム600は、ワーキングメモリ635内に現在存在するものとして示されるソフトウェア要素も備えることができ、及び/又は、本明細書に説明されるように、他の実施形態によって提供される方法を実施し及び/又はシステムを構成するように設計することができる。これらのソフトウェア要素は、オペレーティングシステム640、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、及び/又は様々な実施形態によって提供されるコンピュータプログラム(限定ではなく、ハイパーバイザ、VM等を含む)を含むことができる1つ以上のアプリケーションプログラム645等の他のコードを含む。単なる例として、上述した方法(複数の場合もある)に関して説明される1つ以上の手順は、コンピュータ(及び/又はコンピュータ内のプロセッサ)によって実行可能なコード及び/又は命令として実施することができ、一態様において、その場合に、そのようなコード及び/又は命令は、説明される方法に従って1つ以上の動作を実行するように汎用コンピュータ(又は他のデバイス)を構成し及び/又は適合させるのに使用することができる。
【0244】
これらの命令及び/又はコード(つまり、命令又はコードあるいはそれらの両方)のセットは、コード化することができ、及び/又は、上記で説明した記憶デバイス(複数の場合もある)625等の非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。いくつかの場合には、記憶媒体は、システム600等のコンピュータシステム内に組み込むことができる。他の実施形態において、記憶媒体は、コンピュータシステムから分離されたもの(すなわち、コンパクトディスク等の着脱可能媒体)とすることができ、及び/又は、記憶媒体を使用して、記憶された命令/コードで汎用コンピュータを構成し及び/又は適合させるようにプログラミングすることができるようなインストールパッケージで提供することができる。これらの命令は、コンピュータ又はハードウェアシステム600によって実行可能な実行可能コードの形態を取ることができ、及び/又は、(例えば、様々な一般利用可能なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/解凍ユーティリティ等のうちのいずれかを使用して)コンピュータ又はハードウェアシステム600においてコンパイル及び/又はインストールされると実行可能コードの形態を取るソースコード及び/又はインストール可能コードの形態を取ることができる。
【0245】
特定の要件に従って大幅な変更を行うことができることが、当業者には明らかであろう。例えば、カスタマイズされたハードウェア(プログラマブルロジックコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路等)も使用することができ、及び/又は、特定の要素をハードウェア、ソフトウェア(アプレット等のポータブルソフトウェアを含む)、又はそれらの双方で実施することができる。さらに、ネットワーク入力/出力デバイス等の他のコンピューティングデバイスへの接続を用いることができる。
【0246】
上述したように、1つの態様において、いくつかの実施形態は、コンピュータ又はハードウェアシステム(コンピュータ又はハードウェアシステム600等)を用いて、本発明の様々な実施形態による方法を実行することができる。一組の実施形態によれば、そのような方法の手順のいくつか又は全ては、プロセッサ610が、ワーキングメモリ635に含まれる1つ以上の命令(オペレーティングシステム640及び/又はアプリケーションプログラム645等の他のコードに組み込むことができる)の1つ以上のシーケンスを実行することに応じて、コンピュータ又はハードウェアシステム600によって実行される。そのような命令は、記憶デバイス(複数の場合もある)625のうちの1つ以上等の別のコンピュータ可読媒体からワーキングメモリ635に読み込むことができる。単なる例として、ワーキングメモリ635に含まれる命令のシーケンスの実行は、本明細書に説明される方法の1つ以上の手順をプロセッサ(複数の場合もある)610に実行させることができる。
【0247】
本明細書に使用される「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械を特定の方法で動作させるデータの提供に関与する任意の媒体を指す。コンピュータ又はハードウェアシステム600を使用して実施される一実施形態において、様々なコンピュータ可読媒体が、命令/コードを実行のためにプロセッサ(複数の場合もある)610に提供することに関与する場合があり、及び/又は、そのような命令/コード(例えば、信号として)記憶及び/又は搬送するのに使用することができる。多くの実施態様において、コンピュータ可読媒体は、非一時的記憶媒体、物理記憶媒体、及び/又は有形記憶媒体である。いくつかの実施形態において、コンピュータ可読媒体は、多くの形態を取ることができ、不揮発性媒体、揮発性媒体等を含むが、これらに限定されるものではない。不揮発性媒体は、記憶デバイス(複数の場合もある)625等の例えば、光ディスク及び/又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、限定ではなく、ワーキングメモリ635等のダイナミックメモリを含む。いくつかの代替の実施形態において、コンピュータ可読媒体は、伝送媒体の形態を取ることができ、伝送媒体は、限定ではなく、バス605に加えて、通信サブシステム630の様々な構成要素(及び/又は通信サブシステム630が他のデバイスとの通信を提供する媒体)を構成するワイヤを含めて、同軸ケーブル、銅製ワイヤ、及び光ファイバを含む。代替の一組の実施形態において、伝送媒体は、波(限定ではなく、無線波データ通信及び赤外線データ通信中に生成されるような無線波、音響波、及び/又は光波(つまり、無線波、音響波、又は光波、あるいはそれらの全て)を含む)の形態も取ることができる。
【0248】
共通の形態の物理コンピュータ可読媒体及び/又は有形コンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、若しくは他の任意の磁気媒体、CD-ROM、他の任意の光媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有する他の任意の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、フラッシュEPROM、他の任意のメモリチップ若しくはカートリッジ、以下で説明するような搬送波、又はコンピュータが命令及び/又はコードを読み取ることができる他の任意の媒体を含む。
【0249】
様々な形態のコンピュータ可読媒体は、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行のためにプロセッサ(複数の場合もある)610に搬送することに関与しうる。単なる例として、命令は、最初は、リモートコンピュータの磁気ディスク及び/又は光ディスク上に保持することができる。リモートコンピュータは、そのダイナミックメモリ内に命令をロードし、コンピュータ又はハードウェアシステム600によって受信及び/又は実行されるように伝送媒体を介して命令を信号として送信することができる。電磁信号、音響信号、光信号等の形態とすることができるこれらの信号は全て、本発明の様々な実施形態による、命令をコード化することができる搬送波の例である。
【0250】
通信サブシステム630(及び/又はその構成要素)は、一般に信号を受信し、バス605は、その後、信号(及び/又は信号によって保持されるデータ、命令等)をワーキングメモリ635に搬送することができ、このワーキングメモリから、プロセッサ(複数の場合もある)605は、命令を取り出して実行する。ワーキングメモリ635によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ(複数の場合もある)610による実行の前又は後のいずれかにおいて記憶デバイス625に記憶することができる。
【0251】
上述したように、一組の実施形態は、アノテーションデータ収集を実施する方法及びシステムを含み、より詳細には、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施し、及び/又は、視線ベースの追跡を使用して収集されたアノテーションデータに基づいて、人工知能(「AI」)システム(限定ではなく、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、学習アルゴリズムベースのシステム、又は機械学習システム等のうちの少なくとも1つを含むことができる)をトレーニングする方法、システム、及び装置を含む。図7は、一組の実施形態に従って使用することができるシステム700の概略図を示している。システム700は、1つ以上のユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス705を含むことができる。ユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス705は、汎用パーソナルコンピュータ(単なる例として、任意の適切なオペレーティングシステムを実行するデスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ等を含む。オペレーティングシステムのうちのいくつかは、Apple社、Microsoft Corp.社等のベンダから入手可能である)、クラウドコンピューティングデバイス、サーバ(複数の場合もある)、及び/又は様々な市販のUNIX(登録商標)又はUNIX類似のオペレーティングシステムのうちの任意のものを実行するワークステーションコンピュータ(複数の場合もある)とすることができる。ユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス705は、様々な実施形態(例えば、上記で説明したようなもの)によって提供される方法を実行するように構成された1つ以上のアプリケーション、並びに、1つ以上のオフィスアプリケーション、データベースクライアントアプリケーション及び/又はサーバアプリケーション、及び/又はウェブブラウザアプリケーションを含む様々なアプリケーションのうちのいずれかも有することができる。或いは、ユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス705は、ネットワーク(例えば、以下で説明するネットワーク(複数の場合もある)710)を介して通信すること及び/又はウェブページ若しくは他のタイプの電子文書を表示及びナビゲーションすることが可能なシンクライアントコンピュータ、インターネット対応モバイル電話、及び/又はパーソナルデジタルアシスタント等の他の任意の電子デバイスとすることができる。2つのユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス705を有する例示的なシステム700が示されているが、任意の数のユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイスをサポートすることができる。
【0252】
或る特定の実施形態は、ネットワーク(複数の場合もある)710を含むことができるネットワーク環境において動作する。ネットワーク(複数の場合もある)710は、様々な商用(及び/又はフリー又は独自開発)のプロトコルのうちのいずれかを使用してデータ通信をサポートすることができる当業者によく知られている任意のタイプのネットワークとすることができる。これらのプロトコルは、限定ではなく、TCP/IP、SNA(登録商標)、IPX(登録商標)、AppleTalk(登録商標)等を含む。単なる例として、ネットワーク(複数の場合もある)710(図1のネットワーク(複数の場合もある)150等と同様のもの)はそれぞれ、限定ではなく、ファイバネットワーク、イーサネットネットワーク、Token-Ring(商標)ネットワーク等を含むローカルエリアネットワーク(「LAN」);ワイドエリアネットワーク(「WAN」);無線ワイドエリアネットワーク(「WWAN」);仮想プライベートネットワーク(「VPN」)等の仮想ネットワーク;インターネット;イントラネット;エキストラネット;公衆交換電話ネットワーク(「PSTN」);赤外線ネットワーク;限定ではなく、IEEE802.11プロトコルスイート、当該技術において知られているBluetooth(登録商標)プロトコル、及び/又は他の任意の無線プロトコルのうちのいずれかの下で動作するネットワークを含む無線ネットワーク;及び/又はこれらのネットワーク及び/又は他のネットワークの任意の組み合わせを含むことができる。特定の実施形態において、ネットワークは、サービスプロバイダ(例えば、インターネットサービスプロバイダ(「ISP」))のアクセスネットワークを含むことができる。別の実施形態において、ネットワークは、サービスプロバイダ及び/又はインターネットのコアネットワークを含むことができる。
【0253】
実施形態は、1つ以上のサーバコンピュータ715も含むことができる。サーバコンピュータ715のそれぞれは、オペレーティングシステムを用いて構成することができる。オペレーティングシステムは、限定ではなく、上述したもの、及び、任意の商用の(又は自由に利用可能な)サーバオペレーティングシステムのうちの任意のものを含む。サーバ715のそれぞれは、サービスを1つ以上のクライアント705及び/又は他のサーバ715に提供するように構成することができる1つ以上のアプリケーションも実行することができる。
【0254】
単なる例として、サーバ715のうちの1つは、上記で説明したようなデータサーバ、ウェブサーバ、クラウドコンピューティングデバイス(複数の場合もある)等とすることができる。データサーバは、単なる例として、ユーザコンピュータ705からのウェブページ又は他の電子文書の要求を処理するのに使用することができるウェブサーバを含む(又はウェブサーバと通信する)ことができる。ウェブサーバは、HTTPサーバ、FTPサーバ、CGIサーバ、データベースサーバ、Javaサーバ等を含み、様々なサーバアプリケーションを実行することもできる。本発明のいくつかの実施形態において、ウェブサーバは、本発明の方法を実行するためにユーザコンピュータ705のうちの1つ以上におけるウェブブラウザ内で動作させることができるウェブページを供給するように構成することができる。
【0255】
サーバコンピュータ715は、いくつかの実施形態において、クライアントコンピュータ705のうちの1つ以上において動作するクライアント及び/又は他のサーバ715によってアクセス可能な1つ以上のアプリケーションを用いて構成することができる1つ以上のアプリケーションサーバを含むことができる。単なる例として、サーバ(複数の場合もある)715は、ユーザコンピュータ705及び/又は他のサーバ715に応答して、限定ではなく、ウェブアプリケーション(いくつかの場合には、様々な実施形態によって提供される方法を実行するように構成することができる)を含むプログラム又はスクリプトを実行することが可能な1つ以上の汎用コンピュータとすることができる。単なる例として、ウェブアプリケーションは、Java(登録商標)、C、C#(商標)若しくはC++等の任意の適したプログラミング言語、及び/又はPerl、Python(登録商標)、若しくはTCL等の任意のスクリプト言語、並びに任意のプログラミング言語及び/又はスクリプト言語の組み合わせで記述された1つ以上のスクリプト又はプログラムとして実施することができる。アプリケーションサーバ(複数の場合もある)は、ユーザコンピュータ、ユーザデバイス、若しくは顧客デバイス705及び/又は別のサーバ715上で動作するクライアント(構成に応じて、専用データベースクライアント、APIクライアント、ウェブブラウザ等を含む)からの要求を処理することができるデータベースサーバも含むことができ、データベースサーバは、限定ではなく、Oracle(登録商標)、Microsoft(登録商標)、Sybase(登録商標)、IBM(登録商標)等から市販されているものを含む。いくつかの実施形態において、アプリケーションサーバは、アノテーションデータ収集を実施するプロセスのうちの1つ以上を実行することができ、より詳細には、上記で詳細に説明したように、視線ベースの追跡を使用するアノテーションデータ収集を実施し、及び/又は、視線ベースの追跡を使用して収集されたアノテーションデータに基づいてAIシステムのトレーニングを行う方法、システム、及び装置を実施することができる。アプリケーションサーバによって提供されるデータは、1つ以上のウェブページ(例えば、HTML、Javaスクリプト等を含む)としてフォーマットすることができ、及び/又は、ウェブサーバ(例えば、上記で説明したようなもの)を介してユーザコンピュータ705に転送することができる。同様に、ウェブサーバは、ユーザコンピュータ705からウェブページ要求及び/又は入力データを受信し、及び/又は、ウェブページ要求及び/又は入力データをアプリケーションサーバに転送することができる。いくつかの場合には、ウェブサーバは、アプリケーションサーバと統合することができる。
【0256】
更なる実施形態によれば、1つ以上のサーバ715は、ファイルサーバとして機能することができ、及び/又は、ユーザコンピュータ705及び/又は別のサーバ715において動作するアプリケーションによって組み込まれた様々な開示された方法を実施するのに必要なファイル(例えば、アプリケーションコード、データファイル等)のうちの1つ以上を含むことができる。或いは、当業者には理解されるように、ファイルサーバは、そのようなアプリケーションをユーザコンピュータ、ユーザデバイス、若しくは顧客デバイス705及び/又はサーバ715によってリモートで起動することを可能にする全ての必要なファイルを含むことができる。
【0257】
本明細書において様々なサーバ(例えば、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、ウェブサーバ、ファイルサーバ等)に関して説明される機能は、実施態様固有のニーズ及びパラメータに応じて、単一のサーバ及び/又は複数の特殊サーバによって実行できることに留意すべきである。
【0258】
或る特定の実施形態において、システムは、1つ以上のデータベース720a~720n(集合的に「データベース720」)を含むことができる。データベース720のそれぞれのロケーションは、任意に定めることができ、単なる例として、データベース720aは、サーバ715a(及び/又はユーザコンピュータ、ユーザデバイス、若しくは顧客デバイス705)にローカルな記憶媒体に存在することができる(及び/又はサーバ715a(及び/又はユーザコンピュータ、ユーザデバイス、若しくは顧客デバイス705)に常駐することができる)。或いは、データベース720nは、コンピュータ705、715のうちの1つ以上と(例えば、ネットワーク710を介して)通信することができる限り、これらのいずれか又は全てからリモート配置することができる。特定の一組の実施形態において、データベース720は、当業者によく知られているストレージエリアネットワーク(「SAN」:storage-area network)に存在することができる。(同様に、コンピュータ705、715に属する機能を実行するのに必要ないずれのファイルも、適宜、それぞれのコンピュータにローカルに及び/又はリモートに記憶することができる。)一組の実施形態において、データベース720は、SQLフォーマットコマンドに応答してデータの記憶、更新、及び取り出しを行うように適合されたOracleデータベース等のリレーショナルデータベースとすることができる。このデータベースは、例えば、上記で説明したようなデータベースサーバによって制御及び/又は保守(つまり、制御又は保守あるいはそれらの両方を)することができる。
【0259】
いくつかの実施形態によれば、システム700は、コンピューティングシステム725(図1図2A、及び図3Aのコンピューティングシステム105a、205、及び305等と同様のもの)と、対応するデータベース(複数の場合もある)730(図1のデータベース(複数の場合もある)110a等と同様のもの)とを更に備えることができる。システム700は、ユーザ745が(例えば、図2B及び図3B等に示すような)第1のサンプルの光学ビューを見ることを可能にするのに使用される顕微鏡735(図1及び図3の顕微鏡115及び310等と同様のもの)及びディスプレイデバイス740(図1及び図2のディスプレイデバイス120及び210等と同様のもの)を更に備えることができるとともに、カメラ750は、ユーザ745がカメラ750の視野(「FOV」)750a内に存在する間、ユーザ745の画像をキャプチャする(いくつかの場合には、ユーザ745の少なくとも一方の眼の画像をキャプチャする)ことができる。いくつかの場合には、カメラ750は、限定ではなく、1つ以上のアイトラッキングセンサ、1つ以上のモーションセンサ、又は1つ以上の追跡センサ等を含むことができる。システム700は、1つ以上のオーディオセンサ755(任意選択的に;図1のオーディオセンサ(複数の場合もある)135等と同様のもの;1つ以上のマイク、1つ以上のボイスレコーダ、又は1つ以上のオーディオレコーダ等を含むが、これらに限定されるものではない)と、1つ以上のユーザデバイス760(任意選択的に;図1のユーザデバイス(複数の場合もある)140等と同様のもの;限定ではなく、スマートフォン、モバイルフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、又はモニタ等を含む)とを更に備えることができる。コンピューティングシステム725及び対応するデータベース(複数の場合もある)の代替又は追加として、システム700は、リモートコンピューティングシステム770(図1のリモートコンピューティングシステム105b等と同様のもの)と、対応するデータベース(複数の場合もある)775(図1のデータベース(複数の場合もある)110b等と同様のもの)とを更に備えることができる。いくつかの実施形態において、システム700は、人工知能(「AI」)システム780を更に備えることができる。
【0260】
動作中、顕微鏡735は、ユーザ745の少なくとも一方の眼が観察しているときに介する接眼レンズ(複数の場合もある)に第1のサンプルの光学ビューを投影することができる。カメラ750(又は視線追跡デバイス)は、ユーザ745が第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、ユーザ745の少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることができる。コンピューティングシステム725、ユーザデバイス705a、ユーザデバイス705b、ユーザデバイス(複数の場合もある)760、サーバ715a若しくは715b、及び/又はリモートコンピューティングシステム(複数の場合もある)770(集合的に「コンピューティングシステム」等)は、ユーザ745の少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と、第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像とを解析して、ユーザ745の少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することができる。ユーザ745の少なくとも一方の眼が第1のサンプルの光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することができる。コンピューティングシステムは、少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することができ、収集されたアテンションデータをデータベース720a~720n、730、又は775に記憶することができる。いくつかの実施形態によれば、アテンションデータの収集は、ユーザが、顕微鏡735を使用して第1のサンプルを診断している間、又は、表示画面740上に表示されている第1のサンプルの画像を診断している間のいずれかにおいて結果データを提供しているときに、ユーザに割り込むことも、ユーザの進行を遅らせることも、ユーザを妨害することもなく行うことができる。いくつかの場合には、収集されたアテンションデータは、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、ユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしているアテンション継続時間、又はユーザが第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしている間の第1のサンプルの光学ビューのズームレベル等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合には、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分は、限定ではなく、1つ以上の特定の細胞、1つ以上の特定の組織、1つ以上の特定の構造、又は1つ以上の分子等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0261】
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う、少なくとも1つの第2の画像における少なくとも1つの強調表示フィールドを生成することができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの強調表示フィールドはそれぞれ、限定ではなく、色、形状、又は強調表示効果等のうちの少なくとも1つを含むことができ、強調表示効果は、輪郭描写効果、シャドーイング効果、パターニング効果、ヒートマップ効果、又はジェットカラーマップ効果等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0262】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの第2の画像は、表示画面(例えば、ディスプレイデバイス740の表示画面等)に表示することができる。ユーザ745の少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることは、ユーザ745が、ディスプレイデバイス740の表示画面上に少なくとも1つの第2の画像として表示された第1のサンプルの光学ビューの画像(複数の場合もある)又はビデオ(複数の場合もある)を見ているときに、カメラ750を用いて、ユーザ745の少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることを含むことができる。ユーザが、ディスプレイデバイス740の表示画面上に表示された第1のサンプルの画像又はビデオを見ているとき、カメラ750の代わりに視線追跡デバイスを使用して、アテンションデータを収集することができる。第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することは、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する表示画面上に表示された少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することを含むことができる。コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う、生成された少なくとも1つの強調表示フィールドとともに、少なくとも1つの第2の画像を表示画面(例えば、ディスプレイデバイス740の表示画面等)上に表示することができる。
【0263】
いくつかの実施形態において、表示画面上の少なくとも1つの第2の画像の表示は、ユーザによるコマンドに応答してシフトすることができる。いくつかの場合には、少なくとも1つの第2の画像のシフト表示は、表示画面上の少なくとも1つの第2の画像の水平シフト、垂直シフト、パン、チルト、ズームイン、又はズームアウト等のうちの少なくとも1つを含むことができる。カメラ750は、ユーザ745が表示画面上で少なくとも1つの第2の画像のシフト表示を見ているときに、ユーザ745の少なくとも一方の眼の運動を追跡することができる。コンピューティングシステムは、ユーザ745の少なくとも一方の眼の追跡された運動、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分、又は表示画面上の少なくとも1つの第2の画像の水平シフト、垂直シフト、パン、チルト、ズームイン、若しくはズームアウト等のうちの少なくとも1つのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、ユーザ745の少なくとも一方の眼の追跡された運動を表示画面上の少なくとも1つの第2の画像のシフト表示と照合することができる。ユーザがディスプレイデバイス740の表示画面上の少なくとも1つの第2の画像のシフト表示を見ているときに、追加のアテンションデータを収集するために、カメラ750を使用する代わりに、視線追跡デバイスを使用することができる。
【0264】
或いは、顕微鏡735は、ユーザ745の少なくとも一方の眼が観察しているときに介する接眼レンズに第1のサンプルの光学ビューを投影することができる。第2のカメラは、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャすることができる。いくつかの場合には、ユーザ745の少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることは、ユーザ745が接眼レンズを通して第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、第1のカメラを用いて、ユーザ745の少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることを含むことができる。第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することは、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する、接眼レンズを通して観察されている少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することを含むことができる。第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う、少なくとも1つの第2の画像における少なくとも1つの強調表示フィールドを生成することは、コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する、接眼レンズを通して観察されている少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分と重なる少なくとも1つの強調表示フィールドを生成することを含むことができる。コンピューティングシステムは、投影デバイスを使用して、生成された少なくとも1つの強調表示フィールドを、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する、接眼レンズを通して観察されている少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分と重なるように投影することができる。代替又は追加として、コンピューティングシステムは、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分を覆う、生成された少なくとも1つの強調表示フィールドとともに、少なくとも1つの第2の画像を表示画面(例えば、ディスプレイデバイス740の表示画面等)上に表示することができる。
【0265】
いくつかの場合には、第1のカメラは、赤外線(「IR」)カメラ、後方反射型IRカメラ、可視色カメラ、光源、又はロケーションフォトダイオード等のうちの1つとすることができる。いくつかの場合には、顕微鏡は、限定ではなく、接眼レンズを通して観察される第1のサンプルの光学ビュー、接眼レンズを通して観察されるとともに、第1のカメラによって少なくとも1つの第1の画像としてキャプチャされるユーザの少なくとも一方の眼の光学ビュー、又は生成された少なくとも1つの強調表示フィールドをユーザの少なくとも一方の眼に接眼レンズを通して投影したもの等のうちの少なくとも1つを反射するか又は通過させる複数のミラー、複数のダイクロイックミラー、又は複数のハーフミラーのうちの2つ以上を備えることができる。
【0266】
いくつかの実施形態によれば、接眼レンズへの第1のサンプルの光学ビューの投影は、第1のサンプルを含む顕微鏡スライドを載置したXYステージの調整、対物レンズ若しくはズームレンズの交換、又は接眼レンズの焦点の調整等のうちの少なくとも1つによってシフトすることができる。カメラ750は、ユーザ745が接眼レンズへの第1のサンプルの光学ビューのシフト投影を見ているときに、ユーザ745の少なくとも一方の眼の運動を追跡することができる。コンピューティングシステムは、ユーザ745の少なくとも一方の眼の追跡された運動、第1のサンプルの光学ビューの特定の領域に対応する少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分、又は第1のサンプルを含む顕微鏡スライドを載置したXYステージの調整、対物レンズ若しくはズームレンズの交換、若しくは接眼レンズの焦点の調整等のうちの少なくとも1つのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、ユーザ745の少なくとも一方の眼の追跡された運動を、接眼レンズへの第1のサンプルの光学ビューのシフト投影と照合することができる。
【0267】
代替又は追加として、1つ以上のオーディオセンサ755は、ユーザ745が第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、ユーザ745からの1つ以上の音声メモをキャプチャすることができる。コンピューティングシステムは、ユーザ745からキャプチャされた1つ以上の音声メモを、第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像とともにマッピングして、キャプチャされた1つ以上の音声メモを第1のサンプルの光学ビューの少なくとも1つの第2の画像と照合することができる。
【0268】
いくつかの実施形態によれば、コンピューティングシステムは、ユーザによって提供される結果データを受信することができる。この結果データは、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む。コンピューティングシステムは、ユーザの少なくとも一方の眼のキャプチャされた少なくとも1つの第1の画像及び第1のサンプルの光学ビューのキャプチャされた少なくとも1つの第2の画像の解析、又は、収集されたアテンションデータと受信された結果データとの共同解析のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて、AIシステム780(一般に、限定ではなく、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、学習アルゴリズムベースのシステム、又は機械学習システム等のうちの少なくとも1つを含むことができる)をトレーニングして、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することができる。いくつかの実施形態において、予測値は、予測臨床結果又は予測アテンションデータ等のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0269】
システム700(及びその構成要素)のこれらの機能及び他の機能は、図1図4に関して上記でより詳細に説明されている。
【0270】
次に、追加の例示的な実施形態を説明する。
【0271】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、
顕微鏡を用いて、ユーザの少なくとも一方の眼が観察しているときに介する接眼レンズに第1のサンプルの光学ビューを投影することと、
第1のカメラを用いて、上記ユーザが上記接眼レンズを通して上記第1のサンプルの上記光学ビューを見ているときに、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャすることと、
第2のカメラを用いて、上記第1のサンプルの上記光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャすることと、
コンピューティングシステムを用いて、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の上記キャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と、上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記キャプチャされた少なくとも1つの第2の画像とを解析して、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼が上記第1のサンプルの上記光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することと、
上記ユーザの上記少なくとも一方の眼が上記第1のサンプルの上記光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、上記コンピューティングシステムを用いて、上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記特定の領域に対応する上記接眼レンズを通して観察される上記少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することと、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記少なくとも1つの第2の画像の上記識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することと、
上記収集されたアテンションデータをデータベースに記憶することと
を含む、方法が提供される。
【0272】
任意選択的に、上記第1のサンプルは、顕微鏡スライド、透明なサンプルカートリッジ、バイアル、チューブ、カプセル、フラスコ、ベッセル、レセプタクル、マイクロアレイ、又はマイクロ流体チップのうちの少なくとも1つの中に含まれる。
【0273】
任意選択的に、上記第1のカメラは、赤外線(「IR」)カメラ、後方反射型IRカメラ、可視色カメラ、光源、又はロケーションフォトダイオードのうちの1つである。
【0274】
任意選択的に、上記顕微鏡は、上記接眼レンズを通して観察される上記第1のサンプルの上記光学ビュー、又は、上記接眼レンズを通して観察されるとともに、上記第1のカメラによって上記少なくとも1つの第1の画像としてキャプチャされる上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の光学ビューのうちの少なくとも一方を反射するか又は通過させる複数のミラー、複数のダイクロイックミラー、又は複数のハーフミラーのうちの2つ以上を備える。
【0275】
任意選択的に、上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記特定の領域に対応する上記少なくとも1つの第2の画像の上記識別された少なくとも1つの特定の部分は、1つ以上の特定の細胞、1つ以上の特定の組織、1つ以上の特定の構造、又は1つ以上の分子のうちの少なくとも1つを含む。
【0276】
任意選択的に、上記少なくとも1つの第2の画像の上記少なくとも1つの特定の部分を識別することは、上記コンピューティングシステムを用いて、上記少なくとも1つの第2の画像の上記識別された少なくとも1つの特定の部分に対応する上記光学ビューの上記少なくとも1つの第2の画像内の座標ロケーションを求めることを含む。
【0277】
任意選択的に、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記ユーザによって提供される結果データであって、第1のサンプルの診断、第1のサンプルの病理学スコア、又は第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む、結果データを受信することと、
上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の上記キャプチャされた少なくとも1つの第1の画像及び上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記キャプチャされた少なくとも1つの第2の画像の解析、又は、上記収集されたアテンションデータと上記受信された結果データとの共同解析のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することと
を更に含む。
【0278】
任意選択的に、上記予測値は、予測臨床結果又は予測アテンションデータのうちの少なくとも一方を含む。
【0279】
任意選択的に、上記アテンションデータを収集することは、上記ユーザが、上記顕微鏡を使用して上記第1のサンプルを診断している間において上記結果データを提供しているときに、上記ユーザに割り込むことも、上記ユーザの進行を遅らせることも、上記ユーザを妨害することもなく行われる。
【0280】
任意選択的に、
上記第1のカメラを用いて、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の運動を追跡することと、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記少なくとも1つの第2の画像の上記識別された少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、上記ユーザが上記光学ビューの上記特定の領域にフォーカスしているアテンション継続時間、又は上記ユーザが上記光学ビューの上記特定の領域にフォーカスしている間の上記第1のサンプルの上記光学ビューのズームレベルのうちの少なくとも1つを同時に追跡することと
を更に含む。
【0281】
任意選択的に、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼が上記第1のサンプルの上記光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することは、上記少なくとも1つの第2の画像の上記識別された少なくとも1つの特定の部分の上記1つ以上の座標ロケーション、上記ユーザが上記光学ビューの上記特定の領域にフォーカスしている上記アテンション継続時間、又は上記ユーザが上記光学ビューの上記特定の領域にフォーカスしている間の上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記ズームレベルのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼が上記第1のサンプルの上記光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することを含む。
【0282】
任意選択的に、
上記ユーザが上記第1のサンプルの上記光学ビューを見ているときに、オーディオセンサを用いて、上記ユーザからの1つ以上の音声メモをキャプチャすることと、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記ユーザからキャプチャされた上記1つ以上の音声メモを上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記少なくとも1つの第2の画像とともにマッピングして、上記キャプチャされた1つ以上の音声メモを上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記少なくとも1つの第2の画像と照合することと
を更に含む。
【0283】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、
ユーザの少なくとも一方の眼が観察しているときに介する接眼レンズに第1のサンプルの光学ビューを投影するように構成される顕微鏡と、
上記ユーザが上記接眼レンズを通して上記第1のサンプルの上記光学ビューを見ているときに、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャするように構成される第1のカメラと、
上記第1のサンプルの上記光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャするように構成される第2のカメラと、
少なくとも1つの第1のプロセッサと、上記少なくとも1つの第1のプロセッサと通信結合された第1の非一時的コンピュータ可読媒体とを備える、コンピューティングシステムと
を備え、
上記第1の非一時的コンピュータ可読媒体には、第1の命令セットを含むコンピュータソフトウェアが記憶されており、該第1の命令セットは、上記少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の上記キャプチャされた少なくとも1つの第1の画像と上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記キャプチャされた少なくとも1つの第2の画像とを解析して、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼が上記第1のサンプルの上記光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することと、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼が上記第1のサンプルの上記光学ビューの特定の領域にフォーカスしているとの判断に基づいて、上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記特定の領域に対応する、上記接眼レンズを通して観察されている上記少なくとも1つの第2の画像の少なくとも1つの特定の部分を識別することと、上記少なくとも1つの第2の画像の上記識別された少なくとも1つの特定の部分を含むアテンションデータを収集することと、上記収集されたアテンションデータをデータベースに記憶することとをコンピューティングシステムに行わせる、
システムが提供される。
【0284】
任意選択的に、上記第1の命令セットは、上記少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、
上記ユーザによって提供される結果データであって、上記第1のサンプルの診断、上記第1のサンプルの病理学スコア、又は上記第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む、結果データを受信することと、
上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の上記キャプチャされた少なくとも1つの第1の画像及び上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記キャプチャされた少なくとも1つの第2の画像の解析、又は、上記収集されたアテンションデータと上記受信された結果データとの共同解析のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することと
を上記コンピューティングシステムに更に行わせる。
【0285】
任意選択的に、上記予測値は、予測臨床結果又は予測アテンションデータのうちの少なくとも一方を含む。
【0286】
任意選択的に、
上記第1のカメラは、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の運動を追跡するように更に構成され、
上記コンピューティングシステムは、上記第1のサンプルの上記光学ビューの1つ以上の座標ロケーション、アテンション継続時間、又はズームレベルのうちの少なくとも1つを同時に追跡するように更に構成され、
上記ユーザの上記少なくとも一方の眼が上記第1のサンプルの上記光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することは、アテンション視線の上記1つ以上の座標ロケーションの追跡、運動及び上記第1のサンプルの上記光学ビューのズームレベルのうちの上記少なくとも一方の追跡、又は上記ユーザの上記少なくとも一方の眼が上記第1のサンプルの上記光学ビューの一部分を見続けているとの判断のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼が上記第1のサンプルの上記光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することを含む。
【0287】
任意選択的に、
上記ユーザが上記第1のサンプルの上記光学ビューを見ているときに、上記ユーザからの1つ以上の音声メモをキャプチャするように構成されるオーディオセンサを更に備え、
上記第1の命令セットは、上記少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、上記ユーザからの上記キャプチャされた1つ以上の音声メモを上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記少なくとも1つの第2の画像とともにマッピングして、上記キャプチャされた1つ以上の音声メモを上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記少なくとも1つの第2の画像と照合することを上記コンピューティングシステムに更に行わせる。
【0288】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、
ユーザが顕微鏡の接眼レンズを通して第1のサンプルの光学ビューを見ているときに、第1のカメラによってキャプチャされる上記ユーザの少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像を受信することと、
第2のカメラによってキャプチャされる上記第1のサンプルの上記光学ビューの少なくとも1つの第2の画像を受信することと、
コンピューティングシステムを用いて、上記少なくとも1つの第1の画像及び上記少なくとも1つの第2の画像を解析して、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼が上記第1のサンプルの上記光学ビューの特定の領域にフォーカスしているか否かを判断することと、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記解析に基づいて上記ユーザのアテンションを追跡することと、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記追跡に基づいてアテンションデータを収集することと
を含む方法が提供される。
【0289】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、
コンピューティングシステムを用いて、第1のサンプルの光学ビューを見ているユーザに対応する収集されたアテンションデータを受信することと、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記ユーザによって提供される結果データであって、上記第1のサンプルの診断、上記第1のサンプルの病理学スコア、又は上記第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む、結果データを受信することと、
上記収集されたアテンションデータと上記受信された結果データとの共同解析に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することと
を含む方法が提供される。
【0290】
任意選択的に、上記第1のサンプルは、顕微鏡スライド、透明なサンプルカートリッジ、バイアル、チューブ、カプセル、フラスコ、ベッセル、レセプタクル、マイクロアレイ、又はマイクロ流体チップ等のうちの少なくとも1つの中に含まれる。
【0291】
任意選択的に、上記予測値は、予測臨床結果又は予測アテンションデータのうちの少なくとも一方を含む。
【0292】
任意選択的に、上記アテンションデータを収集することは、上記ユーザが、顕微鏡を使用して上記第1のサンプルを診断している間、又は、表示画面上に表示されている上記第1のサンプルの画像を診断している間のいずれかにおいて上記結果データを提供しているときに、上記ユーザに割り込むことも、上記ユーザの進行を遅らせることも、上記ユーザを妨害することもなく行われる。
【0293】
任意選択的に、上記収集されたアテンションデータは、上記第1のサンプルの上記光学ビューの少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、上記ユーザが上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしているアテンション継続時間、又は上記ユーザが上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしている間の上記第1のサンプルの上記光学ビューのズームレベルのうちの少なくとも1つを含む。
【0294】
任意選択的にで、上記アテンションデータは、上記ユーザが顕微鏡の接眼レンズを通して上記第1のサンプルの光学ビューを見ているときに第1のカメラによってキャプチャされる上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像に基づいて収集される。
【0295】
任意選択的に、上記顕微鏡は、上記接眼レンズを通して観察される上記第1のサンプルの上記光学ビュー、又は、上記接眼レンズを通して観察されるとともに上記第1のカメラによって上記少なくとも1つの第1の画像としてキャプチャされる上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の光学ビューのうちの少なくとも一方を反射するか又は通過させる複数のミラー、複数のダイクロイックミラー、又は複数のハーフミラーのうちの2つ以上を備える。
【0296】
任意選択的に、上記アテンションデータは、上記ユーザが、表示画面上に表示される上記第1のサンプルの上記光学ビューの第1の画像を見ているときに、視線追跡デバイスを使用して収集される。
【0297】
任意選択的に、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記第1のサンプルの上記光学ビューの特定の領域に対応する、上記表示画面上に表示された上記少なくとも1つの第1の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分と重なる少なくとも1つの強調表示フィールドを生成すること
を更に含む。
【0298】
任意選択的にで、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記収集されたアテンションデータに対応する上記表示画面上に表示された上記少なくとも1つの第1の画像の上記識別された少なくとも1つの特定の部分と重なるように、上記生成された少なくとも1つの強調表示フィールドを上記表示画面上に表示することと、
上記視線追跡デバイスを用いて、上記ユーザが上記表示画面上に表示された上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記第1の画像を見ているときに上記アテンションデータを追跡することと、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記第1のサンプルの上記光学ビューの少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、上記ユーザが上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしているアテンション継続時間、又は上記ユーザが上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記少なくとも1つの特定の部分にフォーカスしている間の上記第1のサンプルの上記光学ビューのズームレベルのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、上記追跡されたアテンションデータを、上記表示画面上に表示された上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記少なくとも1つの第1の画像の上記表示と照合することと
を更に含む。
【0299】
任意選択的に、上記少なくとも1つの強調表示フィールドはそれぞれ、色、形状、又は強調表示効果のうちの少なくとも1つを含み、上記強調表示効果は、輪郭描写効果、シャドーイング効果、パターニング効果、ヒートマップ効果、又はジェットカラーマップ効果のうちの少なくとも1つを含む。
【0300】
任意選択的に、
視線追跡デバイスを用いて、アテンションデータを追跡することと、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記第1のサンプルの上記光学ビューの少なくとも1つの第2の画像の識別された少なくとも1つの特定の部分の1つ以上の座標ロケーション、上記ユーザが上記光学ビューの特定の領域にフォーカスしているアテンション継続時間、又は上記ユーザが上記光学ビューの上記特定の領域にフォーカスしている間の上記第1のサンプルの上記光学ビューのズームレベルのうちの少なくとも1つを同時に追跡することと
を更に含む。
【0301】
任意選択的に、
上記ユーザが上記第1のサンプルの上記光学ビューを見ているときに、オーディオセンサを用いて、上記ユーザからの1つ以上の音声メモをキャプチャすることと、
上記コンピューティングシステムを用いて、上記ユーザからキャプチャされた上記1つ以上の音声メモを上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記少なくとも1つの第3の画像とともにマッピングして、上記キャプチャされた1つ以上の音声メモを上記第1のサンプルの上記光学ビューの上記少なくとも1つの第3の画像と照合することと
を更に含む。
【0302】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、
装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
上記少なくとも1つのプロセッサに通信結合された非一時的コンピュータ可読媒体と
を備え、
上記非一時的コンピュータ可読媒体には、命令セットを含むコンピュータソフトウェアが記憶されており、該命令セットは、上記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
第1のサンプルの光学ビューを見ているユーザに対応する収集されたアテンションデータを受信することと、
上記ユーザによって提供される結果データであって、上記第1のサンプルの診断、上記第1のサンプルの病理学スコア、又は上記第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む、結果データを受信することと、
上記収集されたアテンションデータと上記受信された結果データとの共同解析に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することと
を該装置に行わせる、装置が提供される。
【0303】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、
上記ユーザが上記第1のサンプルの上記光学ビューを見ているときに、上記ユーザの上記少なくとも一方の眼の少なくとも1つの第1の画像をキャプチャするように構成される第1のカメラと、
上記第1のサンプルの上記光学ビューの少なくとも1つの第2の画像をキャプチャするように構成される第2のカメラと、
少なくとも1つの第1のプロセッサと、上記少なくとも1つの第1のプロセッサに通信結合された第1の非一時的コンピュータ可読媒体とを備える、コンピューティングシステムと
を備え、
上記第1の非一時的コンピュータ可読媒体には、第1の命令セットを含むコンピュータソフトウェアが記憶されており、該第1の命令セットは、上記少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、
上記第1のサンプルの上記光学ビューを見ているユーザに対応する収集されたアテンションデータを受信することと、
上記ユーザによって提供される結果データであって、上記第1のサンプルの診断、上記第1のサンプルの病理学スコア、又は上記第1のサンプルの少なくとも複数の部分に対応する識別データのセットのうちの少なくとも1つを含む、結果データを受信することと、
上記収集されたアテンションデータと上記受信された結果データとの共同解析に少なくとも部分的に基づいて、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、人工知能(「AI」)システム、又は機械学習システムのうちの少なくとも1つをトレーニングし、予測値を生成するのに使用されるモデルを生成することと
を上記コンピューティングシステムに行わせる、システムが提供される。
【0304】
例示的な実施形態に関して或る特定の特徴及び態様が説明されてきたが、当業者であれば、非常に多くの変更が可能であることを認識するであろう。例えば、本明細書に説明されている方法及びプロセスは、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、及び/又はそれらの任意の組み合わせ(つまり、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、又はそれらの任意の組み合わせ、あるいはそれらの全て)を使用して実施することができる。さらに、本明細書に説明されている様々な方法及びプロセスは、説明を簡単にするために、特定の構造的構成要素及び/又は機能的構成要素に関して説明される場合があるが、様々な実施形態によって提供される方法は、どの構造的アーキテクチャ及び/又は機能的アーキテクチャ(つまり、構造的アーキテクチャ又は機能的アーキテクチャあるいはそれらの両方)にも限定されるものではなく、むしろ、任意の適したハードウェア構成、ファームウェア構成及び/又はソフトウェア構成において実施することができる。同様に、或る特定の機能は、いくつかのシステム構成要素に帰属するが、文脈上別段の指定がない限り、この機能は、いくつかの実施形態による様々な他のシステム構成要素間に分散させることができる。
【0305】
その上、本明細書に説明されている方法及びプロセスの手順は、説明を簡単にするために特定の順序で説明されているが、文脈上別段の指定がない限り、様々な手順は、様々な実施形態に従って並べ替え、追加、及び/又は省略することができる。その上、1つの方法又はプロセスに関して説明されている手順は、他の説明されている方法又はプロセス内に組み込むことができ、同様に、特定の構造的アーキテクチャに従って及び/又は1つのシステムに関して説明されるシステム構成要素は、代替の構造的アーキテクチャに編成することもできるし、及び/又は、他の説明されるシステム内に組み込むこともできる。したがって、様々な実施形態が、説明を簡単にするとともにそれらの実施形態の例示的な態様を示すために或る特定の特徴の有無を問わずに説明されるが、特定の実施形態に関して本明細書に説明される様々な構成要素及び/又は特徴は、文脈上別段の指定がない限り、他の説明される実施形態間で代用、追加及び/又は控除することができる。その結果、いくつかの例示的な実施形態が上記で説明されているが、本発明は、以下の特許請求の範囲内に含まれる全ての変更形態及び均等形態を包含することを意図していることが理解されるであろう。
【0306】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示を目的として提示されたものであり、網羅的であることも、開示された実施形態に限定されることも意図していない。説明された実施形態の範囲及び趣旨から逸脱しない多くの変更形態及び変化形態が当業者に明らかであろう。本明細書に使用される術語は、実施形態の原理、実際的な応用又は市場に見られる技術を上回る技術的改良を最もよく説明するために、又は、他の当業者が本明細書に開示された実施形態を理解することを可能にするために選ばれたものである。
【0307】
本出願日から満期になるまでの特許権の存続期間中に、多くの関連のある機械学習モデルが開発され、機械学習モデルの用語の範囲は全てのそのような新たな技術をアプリオリに含むものとなることが予想される。
【0308】
本明細書に使用される場合、「約」(about)という用語は±10%を指す。
【0309】
「~を備える」、「~を含む」、「~を有する」という用語及びそれらの活用変化形は、「~を含むが、それらに限定されるものではない」ことを意味する。この用語は、用語「~からなる」及び「~から本質的になる」を包含する。
【0310】
「~から本質的になる」という文言は、構成又は方法が追加の構成要素及び/又はステップ(つまり、構成要素又はステップあるいはそれらの両方)を含むことができることを意味するが、追加の構成要素及び/又はステップが特許請求される構成又は方法の基本的な特徴及び新規の特徴を実質的に変更しない場合に限られる。
【0311】
本明細書に使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上別段の指定が明確にない限り、複数のものを含む。例えば、「複合物」又は「少なくとも1つの複合物」という文言は、複数の複合物を混合したものを含めて、複数の複合物を含むことができる。
【0312】
「例示的な」という言葉は、「一例、一実例又は一説明例としての役割を果たす」ことを意味するものとして本明細書に使用される。「例示的」として説明されるいずれの実施形態も、必ずしも他の実施形態よりも好ましいもの又は有利なものと解釈されるものではなく、及び/又は、他の実施形態からの特徴の組み込みを除外するように解釈されるものではない。
【0313】
「任意選択的に」という言葉は、「提供される実施形態もあれば、提供されない実施形態もある」ことを意味するために本明細書に使用される。本発明のいずれの特定の実施形態も、複数の「任意選択」の特徴が矛盾しない限り、そのような特徴を含むことができる。
【0314】
本出願の全体を通して、本発明の様々な実施形態を範囲形式で提示することができる。範囲形式の記載は、単なる便宜及び簡潔さのためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定と解釈されるべきではないことが理解されたい。したがって、範囲の記載は、全ての可能な部分範囲及びその範囲内の個々の数値を具体的に開示しているものとみなされるべきである。例えば、1~6といった範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等の部分範囲、並びに、その範囲内の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、及び6を具体的に開示しているものとみなされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0315】
数値範囲が本明細書に示されているときは常に、これは、示された範囲内にある引用されるあらゆる数値(分数又は整数)を含むことが意図されている。「第1の指示数と第2の指示数との間の範囲」及び「第1の指示数から第2の指示数までの範囲」という文言は、本明細書では区別なく使用され、第1の指示数及び第2の指示数並びにその範囲の間にある全ての分数及び整数を含むことが意図されている。
【0316】
明確にするために別々の実施形態の状況で説明されている本発明の或る特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて提供することもできることが分かる。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の状況で説明されている本発明の様々な特徴は、別々に又は任意の適した部分的組み合わせで提供することもできるし、本発明の他の任意の説明されている実施形態に適するように提供することもできる。様々な実施形態の状況で説明される或る特定の特徴は、その実施形態が、それらの要素がなければ動作しない場合を除いて、それらの実施形態の必須の特徴とみなされるべきではない。
【0317】
本発明をその特定の実施形態とともに説明してきたが、当業者には、多くの代替形態、変更形態及び変化形態が明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広い範囲に含まれるそのような全ての代替形態、変更形態及び変化形態を包含することが意図されている。
【0318】
本明細書において参照される全ての刊行物、特許及び特許出願は、引用することによって本明細書の一部をなすものとするとして参照されているときは、当該個々の各刊行物、各特許及び各特許出願が具体的かつ個別に言及されているかのように、引用によって全体として本明細書の一部をなすものとすることが、本出願人(複数の場合もある)の意図である。加えて、本出願におけるいずれの参照文献の引用又は特定も、そのような参照文献が本発明の従来技術として利用可能であることを認めているものとして解釈されるべきではない。セクションの表題が使用される限りにおいて、それらの表題は、必ずしも限定として解釈されるべきでない。加えて、本出願のいずれの優先権書類も、引用することによって全体として本明細書の一部をなすものとする。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】