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特表2023-536740超音波コントラスト剤を調製するための方法及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-29
(54)【発明の名称】超音波コントラスト剤を調製するための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61K 49/22 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
A61K49/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507823
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 US2021044394
(87)【国際公開番号】W WO2022031739
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/061,168
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508240937
【氏名又は名称】ランセウス メディカル イメージング, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ラゼワトスキー,ジョエル
【テーマコード(参考)】
4C085
【Fターム(参考)】
4C085HH09
4C085JJ03
4C085KA40
4C085KB39
4C085LL01
(57)【要約】
本明細書には、UCA配合物を同定及び/又は識別し、且つかかる配合物を特定的に活性化して、インビボでの使用に好適なUCAを生成するための方法及びデバイスが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス充填マイクロスフェアを形成するための装置であって、
超音波コントラスト剤(UCA)配合物を含む容器を保持するように配置されたホルダーと、
少なくとも1つの速度で前記ホルダーを振盪するように配置された振盪手段と、
を含み、
前記振盪手段は、トランスミッションを介して前記ホルダーの移動を駆動するように配置されたモーターを含み、
前記トランスミッションの少なくとも一部分は、前記UCA配合物の活性化中にスリップを防止するように配置され、
任意選択的に、前記トランスミッションは、移動に対して摩擦及び/又は抵抗を生じるように配置される、装置。
【請求項2】
前記トランスミッションは、歯付き、有孔、凹陥ベルト若しくはトラック、ドライブチェーン、Oリング又はギアボックスの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記トランスミッションは、前記ホルダー及び前記モーターの各々に動作可能に接続された歯付きベルトを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記トランスミッションは、第1及び第2の歯付きホイールを有するギアを含み、
前記第1の歯付きホイールは、前記ホルダーに装着可能であり、及び前記第2の歯付きホイールは、前記モーターに装着可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記歯付きベルトは、前記第1及び第2の歯付きホイールの各々に係合するように配置される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の歯付きホイールは、互いに実質的に平行である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1及び第2の歯付きホイールは、互いに実質的に共平面上にある、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記トランスミッションは、第1及び第2のOリングを含み、
前記第1のOリングは、前記第1の歯付きホイールの第1の側面に位置決めされ、及び前記第2のOリングは、前記第1の歯付きホイールの第2の側面に位置決めされる、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記第1及び第2のOリングの各々並びに前記第1の歯付きホイールは、前記ホルダーに装着可能なスピンドルの周りに位置決めされる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記トランスミッションは、前記ホルダー及び前記モーターの各々に動作可能に接続されたドライブチェーンを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記トランスミッションは、第1及び第2のプロファイル付きホイールを含み、
前記第1のプロファイル付きホイールは、前記ホルダーに装着可能であり、及び前記第2のプロファイル付きホイールは、前記モーターに装着可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1及び第2のプロファイル付きホイールは、第1及び第2のスプロケットを含み、
前記ドライブチェーンは、前記第1及び第2のスプロケットの各々に係合するように配置される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記トランスミッションは、2つ以上のOリングを含み、及び前記振盪手段は、前記ホルダー及びモーターにそれぞれ装着可能な第1の及びプーリーを含み、
前記2つ以上のOリングは、前記第1及び第2のプーリーの各々に係合するように配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項14】
前記容器中の前記UCA配合物を同定するように配置された第1の同定手段をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の同定手段は、RFIDリーダー、マイクロチップリーダー及びバーコードスキャナーの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の同定手段は、アンテナを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
2つ以上の速度で前記ホルダーを振盪するように配置され、
前記2つ以上の速度は、約4300rpm~約6000rpm、任意選択的に約4300rpm~約5000rpmである、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記モーターは、直流(DC)モーター、任意選択的にブラシレスDCモーターを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
ガス充填マイクロスフェアを形成するための振盪デバイスであって、
超音波コントラスト剤(UCA)配合物を含む容器を保持するように配置されたホルダーと、
前記容器中の前記UCA配合物を同定するように配置された同定手段と、
少なくとも1つの速度で前記ホルダーを振盪するように配置された振盪手段と、
を含み、
前記振盪手段は、トランスミッションを介して前記ホルダーの移動を駆動するように配置されたモーターを含み、
前記トランスミッションは、歯付き、有孔、凹陥ベルト又はトラック、ドライブチェーン及びギアボックスの少なくとも1つを含む、振盪デバイス。
【請求項20】
前記トランスミッションは、第1及び第2の歯付きホイールを有するギアを含み、
前記第1の歯付きホイールは、前記ホルダーに装着可能であり、及び前記第2の歯付きホイールは、前記モーターに装着可能である、請求項19に記載の振盪デバイス。
【請求項21】
前記歯付きベルトは、前記第1及び第2の歯付きホイールの各々に係合するように配置される、請求項20に記載の振盪デバイス。
【請求項22】
前記トランスミッションは、第1及び第2のスプロケットを含み、
前記第1のスプロケットは、前記ホルダーに装着可能であり、及び前記第2のスプロケットは、前記モーターに装着可能である、請求項19に記載の振盪デバイス。
【請求項23】
前記ドライブチェーンは、前記第1及び第2のスプロケットの各々に係合するように配置される、請求項22に記載の振盪デバイス。
【請求項24】
前記同定手段は、RFIDリーダー、マイクロチップリーダー及びバーコードスキャナーの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の振盪デバイス。
【請求項25】
前記同定手段は、少なくとも1つのアンテナを含む、請求項19に記載の振盪デバイス。
【請求項26】
2つ以上の速度で前記ホルダーを振盪するように配置され、
前記2つ以上の速度は、約4300rpm~約6000rpm、任意選択的に約4300rpm~約5000rpmである、請求項19~25のいずれか一項に記載の振盪デバイス。
【請求項27】
前記モーターは、直流(DC)モーター、任意選択的にブラシレスDCモーターである、請求項19~26のいずれか一項に記載の振盪デバイス。
【請求項28】
超音波コントラストイメージングのためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法であって、
トランスミッションを介してホルダーの移動を駆動するように配置されたモーターを含む振盪手段を有する振盪デバイスを使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するように超音波コントラスト剤(UCA)配合物を活性化することであって、前記ホルダーは、前記UCA配合物の入った容器を少なくとも1つの振盪速度で振盪するように配置され、前記トランスミッションの少なくとも一部分は、前記UCA配合物の活性化中にスリップを防止するように配置され、任意選択的に、前記トランスミッションは、移動に対して摩擦及び/又は抵抗を生じるように配置される、活性化することと、
対象に前記ガス充填脂質マイクロスフェアを投与することと、
前記対象の超音波コントラスト画像を得ることと、
を含む方法。
【請求項29】
対象の超音波コントラストイメージングを行うためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法であって、
超音波コントラスト剤(UCA)配合物を同定することと、
前記UCA配合物を含む容器を保持するように配置されたホルダーを有する振盪デバイスと、モーター及びトランスミッションを介して前記ホルダーの移動を駆動するように配置された振盪手段とを使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するように前記UCA配合物を活性化することであって、前記トランスミッションは、歯形ベルト、ドライブチェーン及びギアボックスの少なくとも1つを含む、活性化することと、
対象に前記ガス充填脂質マイクロスフェアを投与することと、
前記対象の超音波コントラスト画像を得ることと、
を含む方法。
【請求項30】
超音波コントラストイメージングのためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法であって、
請求項1~18のいずれか一項に記載の装置を使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するように超音波コントラスト剤(UCA)配合物を活性化することと、
対象に前記ガス充填脂質マイクロスフェアを投与することと、
前記対象の超音波コントラスト画像を得ることと、
を含む方法。
【請求項31】
超音波コントラストイメージングのためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法であって、
請求項19~27のいずれか一項に記載の振盪デバイスを使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するように超音波コントラスト剤(UCA)配合物を活性化することと、
対象に前記ガス充填脂質マイクロスフェアを投与することと、
前記対象の超音波コントラスト画像を得ることと、
を含む方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つのアンテナは、第1及び第2のアンテナを含み、
任意選択的に、前記第1及び第2のアンテナは、第2の容器が前記ホルダー内に挿入されるとき、8の字経路に沿って前記ホルダーが位置決めされる場所を問わず、前記容器上のインジケーターを読み取るように配置される、請求項16に記載の装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つのアンテナは、第1及び第2のアンテナを含み、
任意選択的に、前記第1及び第2のアンテナは、第2の容器が前記ホルダー内に挿入されるとき、8の字経路に沿って前記ホルダーが位置決めされる場所を問わず、前記容器上のインジケーターを読み取るように配置される、請求項25に記載の振盪デバイス。
【請求項34】
前記トランスミッションは、前記モーターが特定の速度で稼働せず、且つ前記UCA配合物の一貫した活性化を維持することが可能であるように、共振を低減するように配置される、請求項1に記載の装置又は請求項19に記載の振盪デバイス。
【請求項35】
前記トランスミッションは、前記モーターが特定の速度で稼働せず、且つ前記UCA配合物の一貫した活性化を維持することが可能であるように、共振を低減するように配置される、請求項28又は29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2020年8月4日出願の米国仮特許出願第63/061,168号(その全内容が参照により本明細書に組み込まれる)の出願日の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
コントラスト強調超音波イメージングは、通常使用されるメディカルイメージングモダリティーである。すべてではないにしてもほとんどの超音波コントラスト剤(UCA)は、超音波シグナルの強調に有用なガス充填マイクロスフェアである。かかるUCAの1つは、ペルフルトレン脂質マイクロスフェア(すなわち脂質マイクロスフェア中にカプセル化されたペルフルトレンガス)を含む活性化DEFINITY(登録商標)である。DEFINITY(登録商標)配合物は、水性懸濁液中に脂質を含み、ヘッドスペースにペルフルトレンガスを有してバイアルにパッケージされる。使用前、DEFINITY(登録商標)は、バイアルを激しく振盪することにより活性化され、それにより、水性液体中に懸濁されたペルフルトレンガスを含む脂質マイクロスフェアを形成する。適正な活性化により、形成されるマイクロスフェアは、対象に診断上有効且つ安全でもある適切なサイズ及び濃度になることが保障される。適正なサイズ及び濃度が重要であるため、活性化は、ヒューマンエラーの可能性を最小限に抑えるように最適に実施すべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、活性化依存UCA配合物、例えば、限定されるものではないが、DEFINITY(登録商標)及びDEFINITY-II配合物の適正な同定及び適正な活性化を保証するための方法及びデバイスを企図する。理解されるように、さらなる活性化依存UCA配合物が発売されるにつれて、各々の取扱い及び活性化が規定通り適正に行われることを保証することが必要不可欠となるであろう。例えば、活性化依存UCA配合物は、異なる活性化速度を有することもあり、かかる配合物を活性化するためのデバイスは、異なる速度及び規定の時間で一貫して動作できる必要がある。例示的例では、各活性化依存UCAは、例えば、活性化時間及び/又は活性化速度(例えば、振盪速度)をはじめとする、それ自体のユニークな活性化パラメーターを有し得、したがって各UCA配合物を特定的に取り扱うことが必要不可欠となるであろう。UCA配合物に不適正な又は一貫性のない活性化パラメーターを適用すると、診断上有用でないUCAを生じる可能性があり(例えば、非常に低い濃度又は不適切なサイズのマイクロスフェアに起因して)、対象は、再び超音波手順を受けることが必要となる。最悪の場合、大きすぎるマイクロスフェアを生じる可能性があり、このため、毛細血管床の閉塞により虚血の原因となる可能性が増加する。
【0004】
いくつかの実施形態によれば、ガス充填マイクロスフェアを形成するための装置は、超音波コントラスト剤(UCA)配合物を含む容器を保持するように配置されたホルダーと、少なくとも1つの速度でホルダーを振盪するように配置された振盪手段とを含む。振盪手段は、トランスミッションを介してホルダーの移動を駆動するように配置されたモーターを含み、トランスミッションの少なくとも一部分は、UCA配合物の活性化中にスリップを防止するように配置される。いくつかの実施形態では、トランスミッションは、移動に対して摩擦及び/又は抵抗を生じるように配置される。
【0005】
いくつかの実施形態では、トランスミッションは、歯形ベルト、ドライブチェーン、Oリング及びギアボックスの少なくとも1つを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、トランスミッションは、第1及び第2の歯付きホイールを有するギアを含み、第1の歯付きホイールは、ホルダーに装着可能であり、及び第2の歯付きホイールは、モーターに装着可能である。かかる実施形態では、歯形ベルトは、第1及び第2の歯付きホイールの各々に係合するように配置される。第1の歯付きホイールは、ホルダーに装着可能なスピンドルの一部分の周りに位置決めされ得、及び第2の歯付きホイールは、シャフトなどのモーターの一部分の周りに位置決めされ得る。第1及び第2の歯付きホイールは、互いに実質的に平行であり得る。第1及び第2の歯付きホイールは、互いに実質的に共平面上にもあり得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、トランスミッションは、第1及び第2のOリングも含み、第1のOリングは、第1の歯付きホイールの第1の側面に位置決めされ、及び第2のOリングは、第1の歯付きホイールの第2の側面に位置決めされる。いくつかの実施形態では、第1及び第2のOリングの各々並びに第1の歯付きホイールは、スピンドルの周りに位置決めされる。
【0008】
いくつかの実施形態では、トランスミッションは、歯又ははめ歯を有するスプロケットなど、第1及び第2のプロファイル付きホイールを含む。以上と同様に、第1のホイールは、ホルダーに装着可能であり得、及び第2のホイールは、モーターに装着可能であり得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2のホイールは、鎖、トラック又は他の有孔若しくは凹陥材料に係合する。例えば、歯は、鎖、トラック又は穿孔若しくは陥凹を有する他の材料に係合可能である。
【0009】
いくつかの実施形態では、装置は、ハウジングをさらに含み、振盪手段は、ハウジング内に配設される。装置は、バイアル中のUCA配合物を同定するように配置された第1の同定手段も含み得る。第1の同定手段は、RFIDリーダー、マイクロチップリーダー及びバーコードスキャナーの少なくとも1つを含み得る。第1の同定手段は、少なくとも1つのアンテナも含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、ホルダーは、振盪機アームを含み得る。モーターは、ブラシレスDCモーターなどの直流(DC)モーターを含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの速度は、あらかじめ決められる。少なくとも1つの速度は、装置によりあらかじめ設定され得る。少なくとも1つの速度は、約4830rpm未満であり得る。少なくとも1つの速度は、約4830rpm超であり得る。少なくとも1つの速度は、約4530rpmであり得る。少なくとも1つの速度は、約4950rpmであり得る。少なくとも1つの速度は、約4530rpmの第1の速度及び約4950rpmの第2の速度を含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、装置は、2つ以上の速度でホルダーを振盪するように配置され、2つ以上の速度は、約4300rpm~約6000rpm又は任意選択的に約4300rpm~約5000rpmである。
【0013】
いくつかの実施形態では、同定手段は、容器中のUCA配合物の振盪速度を同定するようにさらに配置される。同定手段は、容器上のインジケーターを読み取ることにより、UCA配合物及び/又はUCA配合物の振盪速度を同定するように配置され得る。
【0014】
他の実施形態によれば、ガス充填マイクロスフェアを形成するための振盪デバイスは、超音波コントラスト剤(UCA)配合物を含む容器を保持するように配置されたホルダーと、容器中のUCA配合物を同定するように配置された同定手段と、少なくとも1つの速度でホルダーを振盪するように配置された振盪手段とを含み、振盪手段は、トランスミッションを介してホルダーの移動を駆動するように配置されたモーターを含み、トランスミッションは、歯付き、有孔、凹陥ベルト又はトラック、ドライブチェーン及びギアボックスの少なくとも1つを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、トランスミッションは、第1及び第2の歯付きホイールを有するギアを含み、第1の歯付きホイールは、ホルダーに装着可能であり、及び第2の歯付きホイールは、モーターに装着可能である。いくつかの実施形態では、歯付き、有孔、凹陥ベルト又はトラックは、第1及び第2の歯付きホイールの各々に係合するように配置される。
【0016】
いくつかの実施形態では、トランスミッションは、第1及び第2のプロファイル付きホイール、例えばそれぞれモーター及びホルダーに装着可能なスプロケットを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のホイールの各々に係合するように配置された歯付き、有孔、凹陥ベルト若しくはトラック又は他の材料(例えば、ドライブチェーン)である。
【0017】
いくつかの実施形態では、デバイスは、ハウジングを含み、振盪手段は、ハウジング内に配設される。いくつかの実施形態では、デバイスは、バイアル中のUCA配合物を同定するように配置された第1の同定手段を含む。同定手段は、RFIDリーダー、マイクロチップリーダー及びバーコードスキャナーの少なくとも1つを含み得る。同定手段は、1つ以上のアンテナも含み得る。第1の同定手段は、容器中のUCA配合物の振盪速度を同定するようにも配置され得る。いくつかの実施形態では、同定手段は、容器上のインジケーターを読み取ることにより、UCA配合物及び/又はUCA配合物の振盪速度を同定する。
【0018】
いくつかの実施形態では、ホルダーは、振盪機アームを含む。いくつかの実施形態では、モーターは、ブラシレスDCモーターなどのDCモーターを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの速度は、あらかじめ決められる。少なくとも1つの速度は、振盪デバイスによりあらかじめ設定され得る。少なくとも1つの速度は、4830rpm未満であり得る。少なくとも1つの速度は、4830rpm超であり得る。少なくとも1つの速度は、4530rpmであり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの速度は、4950rpmであり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの速度は、4530rpmの第1の速度及び4950rpmの第2の速度を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、振盪デバイスは、2つ以上の速度でホルダーを振盪するように配置され、2つ以上の速度は、約4300rpm~約6000rpm又は任意選択的に約4300rpm~約5000rpmである。
【0021】
いくつかの実施形態では、超音波コントラストイメージングのためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法は、振盪デバイスを使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するように超音波コントラスト剤(UCA)配合物を活性化することを含む。振盪デバイスは、トランスミッションを介してホルダーの移動を駆動するように配置されたモーターを備えた振盪手段を含み、ホルダーは、UCA配合物の入った容器を少なくとも1つの振盪速度で振盪するように配置され、トランスミッションの少なくとも一部分は、UCA配合物の活性化中にスリップを防止するように配置される。いくつかの実施形態では、トランスミッションは、移動に対して摩擦及び/又は抵抗を生じるように配置される。本方法は、対象にガス充填脂質マイクロスフェアを投与することと、対象の超音波コントラスト画像を得ることとをさらに含む。
【0022】
本方法は、任意選択的に振盪デバイスを使用して、容器中のUCA配合物の少なくとも1つの振盪速度を同定することを含み得る。少なくとも1つの振盪速度は、あらかじめ決められ得る。少なくとも1つの振盪速度は、振盪デバイスによりあらかじめ設定され得る。少なくとも1つの振盪速度は、4830rpm未満であり得る。少なくとも1つの振盪速度は、4830rpm超であり得る。少なくとも1つの振盪速度は、4530rpmであり得る。少なくとも1つの振盪速度は、4950rpmであり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの振盪速度は、4530rpmの第1の速度及び4950rpmの第2の速度を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、本方法は、任意選択的に振盪デバイスを使用して、容器中のUCA配合物の2つ以上の振盪速度を同定することを含み、2つ以上の速度は、約4300rpm~約6000rpm又は任意選択的に約4300rpm~約5000rpmである。
【0024】
いくつかの実施形態では、活性化することは、ホルダーを介して容器を振盪することを含む。いくつかの実施形態では、ホルダーは、振盪機アームを含む。
【0025】
他の実施形態によれば、対象の超音波コントラストイメージングを行うためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法は、超音波コントラスト剤(UCA)配合物を同定することと、UCA配合物を含む容器を保持するように配置されたホルダーを有する振盪デバイスと、モーター及びトランスミッションを介してホルダーの移動を駆動するように配置された振盪手段とを使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するようにUCA配合物を活性化することとを含む。トランスミッションは、歯付き、有孔、凹陥ベルト又はトラック、ドライブチェーン及びギアボックスの少なくとも1つを含み、対象にガス充填脂質マイクロスフェアを投与して対象の超音波コントラスト画像を得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、容器は、その外表面上にインジケーターを含む。いくつかの実施形態では、同定することは、任意選択的に振盪デバイス中に含まれる同定手段を介して容器の外表面上のインジケーターを読み取ることを含み得る。いくつかの実施形態では、同定手段は、RFIDリーダー、マイクロチップリーダー及びバーコードスキャナーの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、同定手段は、少なくとも1つのアンテナを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、本方法は、任意選択的に同定手段を使用して、同定手段を介してバイアル中のUCA配合物の振盪速度を同定することを含む。いくつかの実施形態では、活性化することは、ホルダーを介してバイアルを振盪することを含む。いくつかの実施形態では、ホルダーは、振盪機アームを含む。
【0028】
他の実施形態によれば、超音波コントラストイメージングのためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法は、本明細書に開示される装置又は振盪デバイスを使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するように超音波コントラスト剤(UCA)配合物を活性化することと、対象にガス充填脂質マイクロスフェアを投与することと、対象の超音波コントラスト画像を得ることとを含む。
【0029】
さらに他の実施形態によれば、超音波コントラストイメージングのためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法は、本明細書に開示される振盪デバイスを使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するように超音波コントラスト剤(UCA)配合物を活性化することと、対象にガス充填脂質マイクロスフェアを投与することと、対象の超音波コントラスト画像を得ることとを含む。いくつかの実施形態では、UCA配合物は、DPPA、DPPC及びMPEG5000-DPPEを含む。
【0030】
さらに他の実施形態によれば、バイアルは、ペルフルオロプロパンガスをさらに含み、ガス充填マイクロスフェアは、ペルフルオロプロパンガス充填マイクロスフェアである。
【0031】
本開示は、他の態様では、振盪デバイスの少なくとも1つのプロセッサーによって実行された場合に方法を実施する複数の命令でプログラムされた非一時的コンピューター可読媒体を提供する。本方法は、振盪デバイスのホルダー内に挿入されたUCA配合物を含むバイアル中のサンプルタイプの同定に少なくとも部分的に基づき、実施すべき少なくとも1つの動作を決定することと、少なくとも部分的に同定に基づき、決定された少なくとも1つの動作を実施するように振盪デバイスに指示することとを含む。
【0032】
本開示は、他の態様では、ホルダー内に挿入されたUCA配合物を含むバイアル中のサンプルのタイプを同定するように構成されたホルダーと、複数のサンプルタイプのそれぞれに対して実施すべき1つ以上の動作を同定する少なくとも1つのデータ構造を記憶するように構成された少なくとも1つの記憶デバイスと、同定されたサンプルタイプに基づき、少なくとも1つのデータ構造にアクセスして、バイアルで実施すべき1つ以上の動作を決定するようにプログラムされた少なくとも1つのプロセッサーと、少なくとも1つのプロセッサーによって決定された1つ以上の動作を実施するように構成された少なくとも1つのコンポーネントとを含む振盪デバイスを提供する。
【0033】
本発明のこれらの及び他の態様及び実施形態をより詳細に本明細書に記載する。
【0034】
ここで、例として添付の図面を参照して各種の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本開示の実施形態に係るサンプル振盪デバイス及びサンプル容器の概略図である。
図2】サンプル振盪デバイスの一実施形態の概略図である。
図3】いくつかの実施形態に係るサンプル振盪デバイスの振盪アームである。
図4】いくつかの実施形態に係る振盪デバイスの振盪手段を示す。
図5図4の振盪手段の上面図である。
図6図4の振盪手段の概略正面図である。
図7】他の実施形態に係る振盪デバイスの振盪手段の部分斜視図である。
図8】他の実施形態に係る振盪デバイスの振盪手段の部分正面図である。
図9】一態様に係るサンプルバイアルで行う動作をその同定に基づいて決定するプロセスのフローチャートである。
図10】バイアルに関連付けられたRFIDタグに基づいてバイアルが同定される図9のプロセスの例である。
図11】一態様に係るサンプル容器を処理するための振盪デバイスの一部分として含まれ得るコンピューターシステムの概略図である。
図12】スリップの指標となる電流エクスカーションを伴うことなく、モーター速度の増加に伴うおおよそ一定の電流増加率を実証する、いくつかの実施形態に係るサンプル振盪デバイスの測定電流対速度データを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書には、活性化依存UCA配合物の適正且つ正確な調製を容易にするための方法及び活性化手段(例えば、振盪デバイス)が提供される。かかるUCA配合物の1つは、非水性溶液中に脂質とペルフルオロカーボンガスとを含む非水性UCA配合物である。他のかかるUCA配合物は、水性溶液中に脂質とペルフルオロカーボンガスとを含む水性UCA配合物である。これらのUCA配合物の各々は、昇温(例えば、室温)時の安定性や向上した安全性プロファイルなどを含めて他の既存のUCA配合物よりも優れた特定の利点を提供し得る。
【0037】
いくつかのUCA配合物は特定の活性化要件を有し、その要件のいくつかは他の配合物の活性化要件と著しく異なる。例えば、本明細書に記載のいくつかUCA配合物は、他のUCA配合物と比較して、より長い時間にわたり、より速い速度又は様々な速度で活性化されなければならないことが見いだされた。典型的には、UCA配合物を活性化するためのデバイスは、特定の速度でのみ動作可能であり、特定の場合、速度は、活性化シーケンス全体を通して一定を維持する。このため、デバイスは、各UCA配合物をその特定の所要の時間にわたりその特定の所要の速度で活性化することが必要なこともあるため、同一デバイスを用いて2種以上の配合物を活性化する場合に課題を呈し得る。このため、より速い速度又は可変速度でUCA配合物を活性化するためにデバイスが使用される場合にも課題を呈し得る。それを受けて、本発明者らは、広範囲の速度にわたりUCA配合物を一貫して活性化可能な活性化手段の必要性を認識した。
【0038】
いくつかの活性化手段は、活性化手段が特定の振盪速度に達したときに及び/又は活性化シーケンス時に振盪速度を変動させたときにスリップを起こし得ることを、本発明者らは発見した。例えば、いくつかのデバイスでは、振盪速度が約4500rpm超、例えば4530rpm超であるときにスリップが発生し得る。かかるスリップは、UCA配合物を一貫して活性化する振盪デバイスの能力に影響を及ぼし得ることを本発明者らはさらに発見した。
【0039】
いくつかの実施形態では、振盪デバイスは、UCA配合物を保持する振盪機アームの移動を駆動するように配置されたモーターを備えた振盪手段を含み得る。いくつかの公知の実施形態では、振盪手段は、モーターと振盪機アームとを動作可能に接続するプーリー及び単一ベルトを含み得る。かかる実施形態では、ベルトは、振盪手段が特定の速度に達したときに又は速度を変動させたときにスリップを起こし得る。例えば、いくつかの場合、異なる及び場合によりより速い速度が手段により使用されているため、プーリー及びベルトに加えられる力は、振盪時に変動し得、それによりベルトのスリップを引き起こし得る。速度の急激な変化もベルトのスリップを引き起こし得る。理解されるように、ベルトのスリップは、プーリーに対するベルトの移動及び/又は1つ以上のプーリーの相互スリップを引き起こし得る。これらの実施形態では、スリップは、UCA配合物の一貫性のない振盪速度及び/又は一貫性のない調製をもたらし得る。
【0040】
他の実施形態では、活性化手段は、活性化手段が特定の速度であるときに及び/又は速度を変動させるときに共振を引き起こし得ることを、本発明者らは発見した。例えば、既存の手段は、大きい電流消費負荷を受け得る。いくつかの実施形態では、かかる共振は、モーターが特定の速度で稼働し、且つ/又はUCA配合物の一貫した活性化を維持できなくし得る。
【0041】
以上の点を考慮すると、特定の改善されたデバイスは、多様な速度、例えば4000rpm~6000rpmなど及び様々な時間での振盪に一貫して耐えるように配置された活性化手段を含み得る。いくつかの実施形態では、活性化手段は、UCA配合物を保持する振盪機アームの移動をモーターが駆動する際にスリップを最小限に抑えるように及び/又は移動に抵抗するように配置された1つ以上のフィーチャーを備えた振盪手段を含み得る。いくつかの実施形態では、振盪手段は、移動に対して摩擦及び/又は抵抗を生じるように配置された3つ以上のフィーチャーを備えたトランスミッションを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、トランスミッションは、歯付き、有孔、凹陥ベルト若しくはトラック、ドライブベルト、複数のOリング、ギアボックス、それらの組合せ又は他の好適な配置物を含み得る。いくつかの実施形態では、歯付き、有孔、凹陥ベルト若しくはトラック、ドライブベルト、複数のOリング及び/又はギアボックスは、1つ以上の歯付き又はプロファイル付きホイールに係合し得る。かかる実施形態では、ホイールと、歯付き、有孔、凹陥ベルト又はトラック、ドライブベルト、複数のOリング及びギアボックスとの係合は、振盪時のフィーチャーの移動を最小限に抑え得る。特定の改善されたデバイスでは、手段は、共振を最小限に抑えるようにも配置され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、手段は、モーター速度とモーター電流との実質的に線形の関係を呈することが可能であり得る。いくつかの実施形態では、平滑ベルト、例えば歯なしのもの又は他のポジティブトランスミッション構成で見られる間欠的なベルトのスリップは、モーター速度対モーター電流曲線に沿った点でのアーム及びモーター速度で大きい間欠的電流エクスカーションを生じる。図12に例示されるように、本明細書に記載の手段、例えばポジティブトランスミッションを含むもの、例えば歯付き、有孔、凹陥ベルト若しくはトラック、ドライブベルト、複数のOリング、ギアボックス、それらの組合せ又は他の好適な配置物を含むものは、電流エクスカーションを排除して、モーター速度の増加を伴ってモーター電流の相対的に平滑な増加を生じ得る。
【0043】
本明細書に開示される方法及び手段は、かかるUCAの不適正な調製のリスクを低減し得る。いくつかの実施形態では、適正且つ正確に調製されないUCAは、ガス充填マイクロスフェアが少なすぎて、最良の場合でもかかるUCAから得られるシグナルを低減する。最悪の場合、適正且つ正確に調製されないUCAは、毛細血管床の閉塞により、組織虚血、さらに患者の死亡を引き起こすおそれがある。そのため、活性化依存UCAの適正な取扱い及び調製は必要不可欠である。本開示は、活性化依存UCAの正確な調製を単純化するデバイスを含む方法及び手段を提供する。特に明記されない限り、本開示のUCAは活性化依存UCAであるため、「UCA」及び「活性化依存UCA」という用語は同義的に用いられる。
【0044】
異なる活性化時間及び/又は異なる活性化速度(若しくは振盪速度)を必要とするUCA配合物の開発に伴って、ロバストで一貫のあるエラーフリーの製品の差別化が必要とされる。本明細書に提供される方法及び手段(例えば、デバイス)は、異なる活性化依存UCA配合物を識別するユニークな特徴を共有する。いくつかの実施形態では、各活性化依存UCA配合物は、それ自体の特定の活性化基準(又はパラメーター)を有し得るため、かかる各UCA配合物は、特定の方式でのみ活性化されなければならない。本明細書に提供される方法及び手段(例えば、デバイス)は、通常、活性化依存UCA配合物を同定し、したがって他の活性化依存UCA配合物から識別し、そして同定されたUCA配合物をそれに応じて活性化する。これにより、活性化依存UCA配合物は、特定の時間にわたり及び/又は特定の速度(例えば、振盪速度)で活性化されることが保障される。いくつかの実施形態では、時間及び/又は速度、例えばいくつかの場合には特定の振盪パラメーターは、あらかじめ決められ得る。いくつかの実施形態では、本方法が実施されると、本手段(例えば、デバイス)は、活性化プロセス時にエンドユーザーエラーのリスクがほとんどないように比較的自律的に操作される。
【0045】
FDA承認の活性化依存UCA配合物は、DEFINITY(登録商標)である。より詳細に以下に記載されるように、DEFINITY(登録商標)は、ペルフルトレンガスのヘッドスペースを有して脂質の水性懸濁液としてバイアルに入れて提供される。VIALMIX(登録商標)(又はVIALMIX(登録商標)デバイス、これらの用語は、同義的に用いられる)を使用して、45秒間のその規定の時間にわたって活性化したとき、「活性化されたDEFINITY(登録商標)」は、最大で1.2×1010ペルフルトレン脂質マイクロスフェア/ml懸濁液を含む。誤った持続時間又は振盪速度で活性化すると、マイクロスフェアプロファイルが影響を受けて、いくつかの場合、UCAが最適未満又は使用不能になるであろう。以下に記載の非水性活性化依存UCA配合物の形態で少なくとも1つのさらなる活性化依存UCA配合物が出現した場合、そのままでは有害な影響を受けるおそれがあることを考慮して、異なる活性化依存UCA配合物間で混同が起こらないように、且つそれぞれ適正な取扱い及び活性化が行われるように保証することが重要である。
【0046】
例として、特定の改善されたデバイスは、UCA配合物の入った容器を保持するためのホルダーとホルダーを振盪するための手段とを含み得、手段は、トランスミッションを介してホルダーの移動を駆動するように配置されたモーターを含む。いくつかの実施形態では、トランスミッションは、UCA配合物の活性化中にスリップを最小限に抑えるように配置し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のように、トランスミッションは、歯形ベルトと共にギアを含み得る。トランスミッションは、複数のOリングと共にプーリーも含み得る。トランスミッションは、スプロケット及びドライブチェーンも含み得る。さらに他の実施形態では、トランスミッションは、ギアボックスを含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、特定の改善されたデバイスは、デバイスの寿命使用を含めてデバイスの使用をモニターし得、クリティカル時間での機械的誤動作を回避するのに役立ち得るカウンターを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、特定の回数の活性化が実施されたときにオフにし、且つオフにした状態を維持すように配置し得る。特定の改善されたデバイスは、輸送時に振盪手段(例えば、モーター)を保護するように配置された振動/遮断ダンパーも含み得る。特定の改善されたデバイスは、UCA配合物の活性化にデバイスを即使用可能であることを保証するように配置されたインターロックも含み得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、特定の改善されたデバイスは、デバイスが適正に機能していない場合などの1つ以上の警告を含み得る。例えば、デバイスは、デバイスがオンになっていない場合及び/又は振盪速度が速すぎるか又は遅すぎる場合にユーザーに警告するように配置し得る。
【0049】
本明細書にさらに詳細に記載されるように、こうしたデバイスのいくつかは、2つ以上のUCA配合物の同定及び活性化も可能であり得るため、2つ以上のUCA配合物の同定及び任意選択的に識別が可能であり得る。この後者の点では、デバイスは、UCA配合物を含む容器を自動認識し得、且つ例えば、容器のラベル、形状、色若しくはサイズ又はその内容物の光学的性質により付与し得るかかるアイデンティティーに基づき、順次2つ以上の異なるあらかじめ決められた時間から選択し得るあらかじめ決められた時間にわたってUCA配合物を活性化し得る。デバイスは、ユーザー入力なしで又は最小限のユーザー入力でかかる認識を行うことが可能であり得る。
【0050】
特定の改善されたデバイスは、デバイスが特定の速度に達したとき及び/又は速度を変動させたときに不具合を低減するように配置された振盪機アームも含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、振盪機アームジオメトリーは、応力集中を低減するように構成され得る。例示的実施形態では、アームは、応力集中を低減するように配置された1つ以上の補剛用リブを有し得る。アームは、振盪時にアームが熱劣化に耐えるように向上した熱安定性及び強度を有する材料でも形成され得る。
【0051】
特定の改善されたデバイスは、ストレイシグナル(例えば、RFIDシグナル)からの干渉を最小限に抑えるか又はさらに排除するように配置され得る。例えば、デバイスは、かかる干渉をシールドし得る材料で形成又は被覆され得る。
【0052】
活性化依存UCA
本明細書で用いられる場合、UCAは、超音波シグナルの強調に有用なガス充填マイクロスフェアを意味する。ほとんどの場合、UCAは、薬学的に許容可能な溶液などの溶液中に提供される。UCAのマイクロスフェア濃度に依存して、それは対象への投与前に薬学的に許容される担体で希釈し得るが、いくつかの場合にはこれが必要でないこともある。
【0053】
本明細書で用いられる活性化依存UCA配合物は、ガス充填マイクロスフェアを形成するために活性化しなければならない組成物を意味する。UCA配合物は、典型的には、かかるガス充填マイクロスフェアを含有しないため(又はその濃度が低すぎて臨床上有用でないため)、臨床上有用とするのに十分な直径及び濃度のマイクロスフェアを形成するために活性化しなければならない。
【0054】
活性化依存UCA配合物は、典型的には、ガス充填マイクロスフェアを形成するために使用前に激しい振盪を必要とする。かかる活性化は、UCA配合物の供給業者又は製造業者ではなく、エンドユーザー又は媒介者により行われる。活性化依存UCA配合物は、典型的には、最低限でも脂質溶液とガスとを収容するバイアルにパッケージされる。脂質溶液とガスとを振盪すると、超音波イメージング手順でコントラスト剤として作用するガス充填マイクロスフェアが形成される。
【0055】
特に明記されていない限り、本開示のUCA配合物は、活性化依存UCA配合物であるため、「UCA配合物」及び「活性化依存UCA配合物」という用語は、同義的に用いられる。
【0056】
本明細書で用いられる「ガス充填」は、マイクロスフェアが、限定されるものではないが、ペルフルトレンガスをはじめとするペルフルオロカーボンガスなどのガスをその内部キャビティーに含むことを意味する。ガスをカプセル化する脂質シェルは、ユニラメラ層又はマルチラメラ二層を含めて単層又は二層として配置し得る。マイクロスフェアは、10ミクロン未満、又は6ミクロン未満、又は3ミクロン未満、又はより好ましくは2ミクロン未満の平均直径を有し得る。これらの平均直径は、マイクロスフェア集団を分析したときにその集団の平均直径が10ミクロン未満、又は6ミクロン未満、又は3ミクロン未満、又はより好ましくは2ミクロン未満であることを意図する。マイクロスフェアは、0.5~3ミクロン、又は1~2ミクロン、又は1.4~1.8ミクロン、又は1.4~1.6ミクロンの範囲内の平均直径を有し得る。平均直径は、約1.6ミクロンであり得る。
【0057】
使用前、活性化依存UCA配合物は、ガス充填マイクロスフェアを形成するために激しく振盪しなければならない。いくつかの場合、マイクロスフェアは、例えば、その容器から取り出す前に水性溶液と組み合わされ得る。これは、特に非水性UCA配合物から作製されたマイクロスフェアの場合である。かかる工程は、本開示との関連で再構成という。いくつかの場合、マイクロスフェアは、再構成されるか否かにかかわらず、対象に投与する前にその容器から取り出して水性溶液などの他の溶液中で組み合わされ得る。かかる工程は、本開示との関連で希釈という。再構成されたマイクロスフェア集団は、ニートで又は薬学的に許容可能な溶液中に希釈した後で使用し得る。かかる希釈は、約10倍~約50倍であり得るが、そのように限定されるものではない。
【0058】
本明細書で用いられる場合、ガス充填マイクロスフェア及び脂質カプセル化ガスマイクロスフェアは、同義的に用いられる。
【0059】
UCA配合物は、最低限でも1つ以上の脂質タイプとガス、例えばペルフルトレンガスなどのペルフルオロカーボンガスとを含む。本明細書にさらに詳細に記載されるように、UCA配合物は、DEFINITY(登録商標)などの水性UCA配合物及びDEFINITY-IIなどの非水性UCA配合物を含む。DEFINITY(登録商標)は、ペルフルトレンガスと共に水性溶液中に脂質DPPA、DPPC及びMPEG5000-DPPEとプロピレングリコールとグリセロールとを含む。一方、DEFINITY-IIは、ペルフルオロカーボンガス(例えば、ペルフルトレンガス)と共に脂質DPPA、DPPC及びMPEG5000-DPPEとプロピレングリコールとグリセロールとを含む。
【0060】
DEFINITY(登録商標)
DEFINITY(登録商標)は、水性UCA配合物の例である。活性化DEFINITY(登録商標)は、最適未満の心エコー図を有する対象において左心室腔を不透明化するために、且つ左心室の心内膜境界の描出を向上させるために使用することがFDAにより承認されている。DEFINITY(登録商標)は、水性溶液中に10:82:8モル%の比でDPPA、DPPC及びMPEG5000-DPPEを含む単相溶液と、ペルフルオロプロパンガスを含むヘッドスペースとを含むバイアルで提供される。対象への投与前、DEFINITY(登録商標)は、激しい機械的振盪などの激しい振盪により活性化され、以下では「活性化DEFINITY(登録商標)」という。活性化の結果として、1.1~3.3ミクロンの平均直径を有する十分な数の脂質カプセル化ガスマイクロスフェアが形成される。しかしながら、DEFINITY(登録商標)は、使用直前まで冷蔵しなければならない。このため、特に貯蔵時に適切な冷蔵が欠如する状況では、その有用性が特に制限される。
【0061】
他の水性UCA配合物では、DPPA、DPPC及びDPPEは、約77~90モル%DPPC、約5~15モル%DPPA及び約5~15モル%DPPE(DPPE-MPEG5000を含む)のモルパーセントで使用し得る。各脂質の好ましい比としては、6.0対53.5対40.5(DPPA:DPPC:MPEG5000-DPPE)の重量%比又は10対82対8(10:82:8)(DPPA:DPPC:MPEG5000-DPPE)のモル%比が挙げられる。
【0062】
さらに他の水性UCA配合物では、DPPAは不在であり得る。例として、他の水性UCA配合物は、DPPC及びDPPE並びに任意選択的にMPEG5000-DPPEを含み得る。これらは、約77~90モル%DPPC、約5~15モル%DPPE及び約5~15モル%MPEG5000-DPPEのモルパーセントで使用可能である。各脂質の比の例としては、6.0対53.5対40.5(DPPE:DPPC:MPEG5000-DPPE)の重量%比又は10対82対8(10:82:8)(DPPE:DPPC:MPEG5000-DPPE)のモル%比が挙げられる。
【0063】
DEFINITY-II及び他の非水性UCA配合物
本明細書では、様々な非水性UCA配合物が企図される。いくつかのかかる配合物は、1種以上の脂質と、プロピレングリコール(PG)、又はグリセロール(G)、又はプロピレングリコール及びグリセロール(PG/G)との非水性混合物を含む。これらの配合物は、有意な分解を伴うことなく以前に可能であると考えられたよりも長い時間にわたり、より高い温度(例えば、室温)で貯蔵し得る。非水性UCA配合物、例えばDEFINITY-IIは、例えば、約1ヵ月間、約2ヵ月間、約3ヵ月間、約6何ヵ月間又はそれを超える期間、例えば約1年間又は約2年間を含めて、ある期間にわたって室温で貯蔵した場合、10%未満、5%未満又は2%未満の不純物を含み得る。重要なことに、非水性UCA配合物は、配合物を両方とも室温で貯蔵した場合(すなわち非水性UCA配合物及びDEFINITY(登録商標)配合物を室温で貯蔵した場合)、DEFINITY(登録商標)よりも少ない不純物を含み得る。こうした不純物レベルの低下は、約1%、約2%、約3%、約4%又は約5%の差であり得る。
【0064】
プロピレングリコール中又はグリセロール中又はプロピレングリコール及びグリセロール中の脂質の非水性混合物は、重量基準(すなわち脂質とプロピレングリコール及び/又はグリセロールとの組合せの重量に対する水の重量)で5%以下の水を有する混合物であり得る。いくつかの場合、非水性混合物は、5%未満の水(w/w)、1~4%の水(w/w)、1~3%の水(w/w)、2~3%の水(w/w)又は1~2%の水(w/w)を含む。いくつかの場合、非水性混合物は、1%未満の水(w/w)を含む。含水率は、製造の終了時(及び長期貯蔵前)に測定し得るか、又は長期貯蔵後を含めて貯蔵後及び使用直前に測定し得る。
【0065】
非水性混合物は、塩フリーでもあり得る。これは、脂質の対イオン以外のいかなる塩も含有しないことが意図される。より具体的には、例として、DPPA及びDPPEなどの脂質は、典型的にはナトリウム塩として提供される。本明細書で用いられる場合、塩フリー非水性混合物は、かかる対イオン(例えば、DPPA及び/又はDPPEが使用される場合にはナトリウムイオン)を含み得るが、他のイオンを含有しない。いくつかの場合、非水性混合物は、塩化ナトリウムも塩化物イオンも含まない。
【0066】
非水性混合物は、緩衝剤を含み得る。緩衝剤は、酢酸緩衝剤、安息香酸緩衝剤又はサリチル酸緩衝剤であり得るが、これらに限定されるものではない。非リン酸緩衝剤は、いくつかの場合、本明細書に提供される非水性混合物への溶解プロファイルに基づいて好ましい。いくつかの場合、リン酸緩衝剤を使用し得る(例えば、水性希釈剤の添加後又はそれと同時に、例えば先に考察した再構成工程又は希釈工程で)。
【0067】
いくつかの実施形態では、非水性混合物は、(a)1種以上の脂質と、(b)プロピレングリコール又はグリセロール又はプロピレングリコール/グリセロールと、(c)非リン酸緩衝剤とを含むか、それらからなるか又はそれらから本質的になる。かかる非水性混合物は、ペルフルオロカーボンガスなどのガスと共に提供し得るか又は単独で(すなわちガスの不在下で)提供し得る。かかる非水性混合物は、ガスを併用して又は併用せずに単回使用量及び/又は単回使用容器で提供し得る。かかる容器は、典型的には無菌であろう。
【0068】
非リン酸緩衝剤は、限定されるものではないが、酢酸緩衝剤、安息香酸緩衝剤、サリチル酸緩衝剤、ジエタノールアミン緩衝剤、トリエタノールアミン緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、グルタミン酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、リンゴ酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、グルタル酸緩衝剤、アコニット緩衝剤、クエン酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、グリセリン酸緩衝剤、グルコン酸緩衝剤及びトリス緩衝剤であり得る。各緩衝剤タイプの緩衝剤濃度の決定及び最適化を行うことは、当業者の技能の範囲内である。
【0069】
DPPA、DPPC及びDPPEが使用される場合、それらは、約77~90モル%DPPC、約5~15モル%DPPA及び約5~15モル%DPPE(DPPE-PEG5000を含む)のモルパーセントで使用し得る。各脂質の好ましい比としては、6.0対53.5対40.5(DPPA:DPPC:MPEG5000-DPPE)の重量%比又は10対82対8(10:82:8)(DPPA:DPPC:MPEG5000-DPPE)のモル%比が挙げられる。
【0070】
DPPC及びDPPE並びに任意選択的にMPEG5000-DPPEが使用される場合、それらは、約77~90モル%DPPC、約5~15モル%DPPE及び約5~15モル%MPEG5000-DPPEのモルパーセントで使用し得る。各脂質の比の例としては、6.0対53.5対40.5(DPPE:DPPC:MPEG5000-DPPE)の重量%比又は10対82対8(10:82:8)(DPPE:DPPC:MPEG5000-DPPE)のモル%比が挙げられる。いくつかの場合、脂質濃度は、約0.9mg~約10mg/mL非水性混合物及び約0.9mg~約7.5mg/mL非水性混合物を含めて、約0.1mg~約20mg/mL非水性混合物の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、脂質濃度は、約1.875mg~約7.5mg脂質/mL非水性混合物又は約3.75mg~約7.5mg脂質/mL非水性混合物を含めて、約0.94mg~約7.5mg脂質/mL非水性混合物の範囲内であり得る。いくつかの場合、脂質濃度は、約0.94mg~約1.875mg/mL非水性混合物、約1.875mg~約3.75mg/mL非水性混合物又は約3.75mg~約7.5mg全脂質/mL非水性混合物である。
【0071】
例として、脂質濃度は、約1mg~約5mg脂質/mLプロピレングリコール/グリセロール(組合せ)を含めて、約0.1mg~約10mg脂質/mLプロピレングリコール/グリセロール(組合せ)の範囲内であり得る。いくつかの場合、脂質濃度は、約0.94mg~約3.75mg脂質/mLプロピレングリコール/グリセロール(組合せ)である。
【0072】
他の例として、脂質濃度は、約1mg~約10mg脂質/mLプロピレングリコール、又は約2mg~約7.5mg脂質/mLプロピレングリコール、又は約3.75mg~約7.5mg脂質/mlプロピレングリコールを含めて、約0.1mg~約20mg脂質/mLプロピレングリコールの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、脂質濃度は、約3.75mg~約7.5mg脂質/mLプロピレングリコールを含めて、約1.875mg~約7.5mg脂質/mLプロピレングリコールである。
【0073】
さらに他の例として、脂質濃度は、約1mg~約10mg脂質/mLグリセロール、又は約2mg~約7.5mg脂質/mLグリセロール、又は約3.75mg~約7.5mg脂質/mlグリセロールを含めて、約0.1mg~約20mg脂質/mLグリセロールの範囲内であり得る。いくつかの場合、脂質濃度は、約3.75mg~約7.5mg脂質/mLグリセロールを含めて、約1.875mg~約7.5mg脂質/mLグリセロールである。
【0074】
DEFINITY-IIは、ペルフルオロプロパン(ペルフルトレン)ガスのヘッドスペース(6.52mg/mL)と共に、10対82対8(10:82:8)のモル%比及び3.75mg/mLの全脂質含有量で脂質DPPA、DPPC及びMPEG5000-DPPEと、プロピレングリコール(517.5mg/mL)と、グリセロール(631mg/mL)と、酢酸ナトリウム(0.370mg/mL)と、酢酸(0.030mg/mL)とを含む。
【0075】
マイクロスフェアは、水性希釈剤中に再構成又は希釈し得ると共に、かかる水性希釈剤は、限定されるものではないが、塩化ナトリウムなどの塩を含み得るため、生理食塩水溶液とみなし得る。水性希釈剤は、リン酸緩衝剤などの緩衝剤を含み得るため、緩衝水性希釈剤とみなし得る。水性希釈剤は、緩衝生理食塩水溶液であり得る。非水性混合物は、本明細書に例示される非リン酸緩衝剤などの緩衝剤を含み得る。非水性混合物及び水性希釈剤は、両方とも緩衝剤を含み得る。典型的な実施形態では、非水性混合物又は水性希釈剤のいずれかは、緩衝剤を含むが、両方が含むことはない。理解されるであろうが、緩衝剤濃度は、使用される緩衝剤のタイプに依存して様々であり、また当業者の技能の範囲内で決定されるであろう。非水性脂質配合物中の緩衝剤濃度は、約1mM~約100mMの範囲内であり得る。いくつかの場合、緩衝剤濃度は、約5mMを含めて、約1mM~50mM、又は約1mM~20mM、又は約1mM~10mM、又は約1mM~約5mMであり得る。
【0076】
ヒト対象を含めて典型的には対象の静脈内に投与される最終配合物は、4~8の範囲内又は4.5~7.5の範囲内のpHを有し得る。いくつかの場合、pHは、約6~約7.5の範囲内又は6.2~約6.8の範囲内であり得る。さらに他の場合、pHは、約6.5(例えば、6.5±0.5又は±0.3)であり得る。いくつかの場合、pHは、5~6.5の範囲内、又は5.2~6.3の範囲内、又は5.5~6.1の範囲内、又は5.6~6の範囲内、又は5.65~5.95の範囲内であり得る。さらに他の場合、pHは、約5.7~約5.9の範囲内であり得る(例えば、範囲の一端又は両端の±0.1又は±0.2又は±0.3)。他の場合、pHは、約5.8(例えば、5.8±0.15又は5.8±0.1)であり得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、水性希釈剤は、グリセロールと、リン酸緩衝剤などの緩衝剤と、塩と、水とを含む。かかる水性希釈剤は、グリセロールの欠如した非水性混合物と併用し得る。いくつかの実施形態では、脂質溶液は、8:1の重量比で生理食塩水(組合せ塩及び水)とグリセロールとをさらに含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、水性希釈剤は、プロピレングリコールと、リン酸緩衝剤などの緩衝剤と、塩と、水とを含む。かかる水性希釈剤は、プロピレングリコールの欠如した非水性混合物と併用し得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、水性希釈剤は、リン酸緩衝剤などの緩衝剤と、塩と、水とを含む。かかる水性希釈剤は、プロピレングリコールとグリセロールとの両方を含む非水性混合物と併用し得る。
【0080】
マイクロスフェアは、直接(ニートで)再構成及び使用し得るか、又は再構成及び希釈し得る。再構成及び希釈は、マイクロスフェアと薬学的に許容可能な溶液などの水性溶液とを組み合わせることを必要とする。いずれかの工程又は両方は、少なくとも1×10マイクロスフェア/ml溶液、又は少なくとも5×10マイクロスフェア/ml溶液、又は少なくとも7.5×10マイクロスフェア/ml溶液、又は少なくとも1×10マイクロスフェア/ml溶液、又は少なくとも1×10マイクロスフェア/ml溶液、又は約5×10マイクロスフェア/ml溶液のマイクロスフェア濃度を生成し得る。マイクロスフェア濃度の範囲は、いくつかの場合、1×10~1×1010マイクロスフェア/ml溶液、より典型的には5×10~5×10マイクロスフェア/ml溶液であり得る。再構成されたマイクロスフェア集団は、限定されるものではないが、約10倍~約50倍にさらに希釈し得る。
【0081】
いくつかの場合、非水性UCA配合物の活性化に続いて再構成を行うと、約4~5×10マイクロスフェア/ml溶液が得られ、これを約10倍に希釈すれば約4~5×10マイクロスフェア/ml溶液が得られる。
【0082】
DEFINITY-IIは、PCT出願PCT/米国特許出願公開第2015/067615号明細書(その全内容が参照により本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に記載されている。
【0083】
DEFINITY-IIは、DEFINITY(登録商標)と同様の使用が企図される。そのため、例えば、DEFINITY-IIは、イメージング用途の中でも特に最適未満の心エコー図を有する対象において左心室腔を不透明化するために及び左心室の心内膜境界の描出を向上させるために使用し得る。
【0084】
他の水性UCA配合物
他の水性UCA配合物が開発されている。いくつかの新しい水性UCA配合物は、DEFINITY(登録商標)と比べて、より少量の水性脂質溶液(すなわち脂質を含む水性溶液)と、より大きいガスヘッドスペースとを含む。他の新しい水性UCA配合物は、DEFINITY(登録商標)と比べて、水性溶液中のより低い脂質濃度を含む。さらに他の水性UCA配合物は、DEFINITY(登録商標)と比べて、様々な形状及びサイズ(したがって容積)の容器で提供される。これらの新しい水性UCA配合物のすべては、活性化することによりマイクロスフェアの音響特性を損なうことなく平均直径プロファイルを含めて活性化DEFINITY(登録商標)と同等のガス充填マイクロスフェアを生成し得る。実質的により少ない脂質を用いて脂質溶液の体積又は脂質濃度のいずれかの低減により臨床使用に好適な脂質カプセル化ガスマイクロスフェアを形成する能力は、材料の廃棄及び対象への過量投与の可能性の低減を含めていくつかの理由で有益である。容器の選択により、エンドユーザーは、その所望の用途で最も便利な形状及びサイズ(容積)を選択できるようになるであろう。
【0085】
かかる新しい水性UCA配合物の1つの例(本明細書ではDEFINITY-IIIという)は、容器内にペルフルオロカーボンガス(例えば、ペルフルトレンガス)と共に水性溶液中の脂質DPPA、DPPC及びPEG5000-DPPE(ただし、PEG5000は、限定されるものではないが、ヒドロキシPEG5000又はMPEG5000を含む)を含む。ただし、ペルフルオロカーボンガスは、容器容積の約60~85%を占める。DEFINITY(登録商標)は、これとは対照的に、ペルフルオロカーボンガス(すなわちペルフルトレンガス)が容器容積の約54%を占める容器(すなわちバイアル)に入れて提供される。
【0086】
新しい水性UCA配合物の他の例(本明細書ではDEFINITY-IVという)は、容器内において、約0.1mg~約0.6mg/ml溶液のDPPAとDPPCとPEG5000-DPPEと(組合せ)を含む水性脂質溶液と、ペルフルオロカーボンガスとを含む。
【0087】
さらに他の配合物は、DPPAを欠如することを意図してDPPAなしである。それは、DPPC及びDPPEを含み得、任意選択的にMPEG5000-DPPEをさらに含み得る。こうした配合物のいくつかで脂質の模範的比が本明細書に提供される。
【0088】
DEFINITY-III及びDEFINITY-IVを含むこれらの新しい水性UCA配合物は、PCT出願PCT/米国特許出願公開第2014/063267号明細書(その全内容が参照により本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に記載されている。
【0089】
活性化
UCA配合物は、激しく振盪することにより典型的にはUCAとして使用されるガス充填マイクロスフェアを形成する。かかるガス充填マイクロスフェアは、直接形成し得るか、又はマイクロスフェアの形成とかかるマイクロスフェア内へのガスの取込みとを含むプロセスを介して形成し得る。活性化は、典型的には、UCA配合物を含む容器(例えば、バイアル)を激しく振盪することにより行われる。UCA配合物は、最低限でも脂質とガスとを含むため、活性化は、最低限でもガス充填脂質マイクロスフェアをもたらす。脂質は、DEFINITY(登録商標)、DEFINITY-III及びDEFINITY-IVの場合のように水性溶液中に存在し得るか、又は例えばより詳細に本明細書に記載されるDEFINITY-IIをはじめとする新規なUCA配合物の場合のように非水性溶液中に存在し得る。そのため、いくつかの場合、活性化は、ガス、ペルフルオロカーボンガス(例えば、ペルフルトレン)の存在下で脂質を含む水性溶液を振盪することを含む。他の場合、活性化は、ガス、すなわちペルフルオロカーボンガス(例えば、ペルフルトレン)の存在下で脂質を含む非水性溶液を振盪することを含む。ペルフルトレン、ペルフルトレンガス及びオクタフルオロプロパンが本明細書で同義的に用いられることを理解すべきである。
【0090】
本明細書で用いられる振盪は、容器(例えば、バイアル)内の局所周囲環境から溶液中にガスが導入されるように、水性であるか又は非水性であるかにかかわらず溶液を撹拌する運動を意味する。溶液を撹拌してガスの導入をもたらす任意のタイプの運動を振盪に使用し得る。振盪は、ある時間後にフォームの形成を可能にするのに十分な力又は速度でなければならない。好ましくは、振盪は、特定のUCA配合物により規定される短時間内にフォームが形成されるように十分な力又は速度である。そのため、いくつかの場合、かかる振盪は、例えば、30秒間、又は45秒間、又は60秒間、又は75秒間、又は90秒間、又は120秒間を含めて、約30秒間、又は約45秒間、又は約60秒間、又は約75秒間、又は約90秒間、又は約120秒間にわたって行われる。いくつかの場合、活性化は、60~120秒間の範囲内又は90~120秒間の範囲内の時間にわたって行い得る。
【0091】
本開示では、いくつかの場合、振盪時間(又は持続時間)は、活性化されるUCA配合物のタイプに依存して異なることが企図される。例えば、いくつかの場合、水性UCA配合物は、非水性UCA配合物よりも短い時間にわたり振盪され得る。本開示では、かかる場合、振盪速度(又は振盪速度、これらの用語は、本明細書では同義的に用いられる)は、一定であり得ることも企図される。そのため、振盪デバイスなどの活性化手段は、2つ以上の異なるあらかじめ決められた時間にわたり、1つの速度(例えば、振盪運動回数/分により定義される)で振盪するように設定され得る。
【0092】
本開示では、いくつかの場合、振盪速度は、活性化UCA配合物のタイプに依存して異なることがさらに企図される。例えば、いくつかの場合、水性UCA配合物は、非水性UCA配合物よりも遅い振盪速度で振盪され得る。本開示では、かかる場合、振盪時間(又は持続時間、これらの用語は、本明細書では同義的に用いられる)は、一定であり得ることが企図される。そのため、振盪デバイスなどの活性化手段は、1つの設定された時間にわたり、2つ以上の異なるあらかじめ決められた振盪速度(例えば、振盪運動回数/分により定義される)で振盪するように設定され得る。
【0093】
本開示では、いくつかの場合、振盪時間及び振盪速度は、活性化UCA配合物のタイプに依存して異なることがさらに企図される。例えば、いくつかの場合、水性UCA配合物は、第1の時間にわたり、第1の振盪速度で振盪され得、且つ非水性UCA配合物は、第2の時間にわたり、第2の振盪速度で振盪され得る。また、第1及び第2の時間は、異なり得、且つ第1及び第2の振盪速度は、異なり得る。そのため、振盪デバイスなどの活性化手段は、1つ以上の異なるあらかじめ決められた振盪速度(例えば、振盪運動回数/分により定義される)で1つ以上の異なるあらかじめ決められた時間にわたり振盪するように設定され得る。例えば、振盪デバイスなどの活性化手段は、(1)第1のあらかじめ決められた振盪速度で第1のあらかじめ決められた時間にわたり、及び(2)第2のあらかじめ決められた振盪速度で第2のあらかじめ決められた時間にわたり振盪するように設定され得る。また、第1及び第2の時間は、異なり、第1及び第2の振盪速度は、異なる。DEFINITY(登録商標)の活性化は、VIALMIX(登録商標)を用いた約45秒間にわたる激しい振盪を必要とする。特に指定がない限り、活性化時間に対する「約」という用語は、記載の時間±20%(すなわち45±9秒間)の時間を意図する。
【0094】
DEFINITY-IIは、60~120の秒間の範囲内の時間にわたり、VIALMIX(登録商標)を用いて活性化し得る。いくつかの場合、DEFINITY-IIは、約75秒間(すなわち75±15秒間)にわたって活性化される。DEFINITY-IIは、90~120秒間を含めてより長時間にわたって活性化し得る。
【0095】
振盪は、渦撹拌により(例えば、ボルテックスにより)、左右又は上下の運動により行い得る。さらに、異なるタイプの運動を組み合わせ得る。振盪は、水性若しくは非水性の脂質溶液を保持する容器(例えば、バイアル)を振盪することにより、又は容器(例えば、バイアル)自体を振盪することなく容器(例えば、バイアル)内の水性若しくは非水性の溶液を振盪することにより行い得る。振盪は、プロセスを標準化するために機械により行われる。機械的振盪機は、当技術分野で公知であり、その振盪機構又は手段は、本開示のデバイスで使用し得る。例としては、歯科用途に使用されるようなアマルガメーターが挙げられる。激しい振盪は、少なくとも1000、少なくとも2000、少なくとも3000、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも6000振盪運動/分又はそれを超える値を包含する。いくつかの場合、激しい振盪は、4000~4800振盪運動/分の範囲内の振盪を含む。例えば、VIALMIX(登録商標)は、4530「8の字」回転/分の振盪を目標とし、4077~4756回転/分の範囲内の振盪速度に耐える。他のUCA配合物は、4830未満の範囲内、例えば4530での振盪を含み得る。他の振盪速度は、4830~6000rpmの範囲内での振盪を含み得る。例えば、振盪は、約4950の振盪速度を含み得る。4000~6000振盪運動/分の範囲内の他の振盪速度は、振盪手段を介して実施し得る。ボルテックスは、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000回転/分又はそれを超えるものを包含する。少なくとも1000回転/分の速度のボルテックスは、激しい振盪の例であり、いくつかの場合にはより好ましい。1800回転/分のボルテックスは最も好ましい。
【0096】
振盪速度は、必要とされる振盪持続時間に影響を及ぼし得る。より速い振盪速度は、最適なマイクロバブル形成を達成するのに必要とされる振盪持続時間を短縮する傾向があるであろう。例えば、4530rpmで45秒間の持続時間にわたって振盪すると、VIALMIX(登録商標)で合計3398回転が達成されるであろう。3000rpmで振盪すると、同一の回転数を達成するのに68秒間が必要であろう。したがって、より遅い振盪速度は、最適なマイクロバブル形成を達成するのに必要とされる振盪持続時間を延長する傾向があるであろうことも理解されるであろう。所要の持続時間及び振盪速度も移動路の形状及び振盪の大きさによって影響を受けるであろう。容器内の液体が達する速度及び方向転換時に作用する力は、ガス取込みに影響を及ぼすであろう。これらの態様は、振盪機アームの長さ及び通路、容器の形状及びサイズ、充填体積並びに配合物粘度による影響を受けるであろう。水は、15℃で約1.14cpsの粘度を有する。(Khattab,I.S.et al.,Density,viscosity,surface tension,and molar volume of propylene glycol+water mixtures from 293 to 323 K and correlations by the Jouyban-Acree model Arabian Journal of Chemistry(2012)。これとは対照的に、プロピレングリコールは、25℃で42cpsの粘度を有し(Khattab,I.S.et al.,Density,viscosity,surface tension,and molar volume of propylene glycol+water mixtures from 293 to 323 K and correlations by the Jouyban-Acree model Arabian Journal of Chemistry(2012)、且つグリセロールは、15℃で2200cpsの粘度を有する(Secut JB,Oberstak HE Viscosity of Glycerol and Its Aqueous Solutions.Industrial and Engineering Chemistry 43.9 2117-2120 1951)。DEFINITY-IIは、15℃で1150cpsの高粘度を有する。DEFINITY(登録商標)は、主に水であるため、DEFINITY-IIよりもかなり低い粘度を有する。
【0097】
活性化によるガス充填マイクロスフェアの形成は、水性又は非水性の溶液の頂部のフォームの存在及び溶液の白色化により検出可能である。
【0098】
活性化は、利用される脂質のゲル状態から液晶状態への相転移温度未満の温度で行われる。「ゲル状態から液晶状態への相転移温度」は、脂質層(例えば、脂質の単層又は二層)がゲル状態から液晶状態に変換される温度を意味する。この転移は、例えば、Chapman et al.,J.Biol.Chem.1974 249,2512-2521に記載されている。各種脂質のゲル状態から液晶状態への相転移温度は、当業者に自明であろう。例えば、Gregoriadis,ed.,Liposome Technology,Vol.I,1-18(CRC Press,1984)及びDerek Marsh,CRC Handbook of Lipid Bilayers(CRC Press,Boca Raton,Fla.1990),p.139にも記載されている。激しい振盪は、振盪速度、持続時間、振盪機アームの長さ及び通路、容器の形状及びサイズ、充填体積並びに配合物粘度に基づいて配合物の加熱を引き起こし得る。
【0099】
本明細書に提供される方法に付される前又は付された後に脂質又は脂質マイクロスフェアを操作し得ることは、本開示を考慮して当業者であれば理解されるであろう。例えば、振盪の終了後、ガス充填マイクロスフェアは、その容器(例えば、バイアル)から抽出し得る。抽出は、シリンジの針又は無針スパイク(例えば、PINSYNC(登録商標))を容器に挿入することと、適宜フォーム内に組み込むことと、プランジャーを引き出すことによりシリンジのバレル内にあらかじめ決められた量の液体を採取すること又は水性液体を添加してプランジャーを引き出すことによりシリンジのバレル内にあらかじめ決められた量の液体を混合及び採取することとにより達成し得る。他の例として、ガス充填マイクロスフェアは、実質的に均一なサイズのマイクロスフェアが得られるように濾過し得る。濾過アセンブリーは、互いに直接隣接していてもいなくてもよい2つ以上のフィルターを含有し得る。
【0100】
方法
したがって、本開示は、各種ガス充填マイクロスフェアを形成する方法を提供する。いくつかの場合、本方法は、最低限でもガス充填マイクロスフェアを形成するために活性化依存UCA配合物を活性化することを含む。活性化は、活性化手段(例えば、振盪デバイス)を用いて行い得る。かかる活性化手段は、活性化のみが可能であり得るか、又はUCA配合物(若しくはその容器)の同定及びかかる配合物の活性化が可能であり得る。そのため、いくつかの方法は、UCA配合物を同定してからそのアイデンティティーに基づいてかかるUCA配合物を活性化することを含む。いくつかの実施形態では、単一活性化手段(例えば、デバイス)により同定工程及び活性化工程の両方を実施し得る。代替的に、異なる手段を用いて各工程を実施し得る。さらに他の実施形態では、手段は、配合物の活性化のみに使用し得る。
【0101】
いくつかの場合、これらの方法は、非水性UCA配合物を同定する手段(例えば、デバイス)を用いて活性化依存UCA配合物を活性化してガス充填マイクロスフェアを形成することを含む。非水性UCA配合物の同定は、非水性UCA配合物に特有のラベルを読み取ることを含み得る。活性化手段は、あらかじめ決められた時間にわたって非水性UCA配合物の保持及び活性化を行うように設定され得る。いくつかの実施形態では、かかるあらかじめ決められた時間は、約75秒間である。
【0102】
他の場合、これらの方法は、水性UCA配合物から非水性UCA配合物を識別する手段(又は代替的に非水性UCA配合物から水性UCA配合物を識別する手段)を用いて活性化依存UCA配合物を活性化してガス充填マイクロスフェアを形成することを含む。
【0103】
水性UCA配合物は、1種以上の脂質とガスとを含む水性溶液である。活性化時、脂質及びガスは、一緒になってガス充填マイクロスフェアを形成する。水性UCA配合物の例は、DEFINITY(登録商標)、DEFINITY-III及びDEFINITY-IVである。
【0104】
非水性UCA配合物は、1種以上の脂質とガスとを含む非水性溶液である。活性化時、脂質及びガスは、一緒になってガス充填マイクロスフェアを形成するが、この場合、マイクロスフェアは、非水性溶液に取り囲まれる。非水性UCA配合物の例は、本明細書ではDEFINITY-IIという室温安定性配合物である。本明細書にさらに詳細に記載されるように、DEFINITY-IIは、最低限でも、緩衝液及びオクタフルオロプロパン(ペルフルトレン)ガスと共にプロピレングリコール及びグリセロール中に脂質DPPA、DPPC及びPEG5000-DPPEを含む。PEG5000は、5000ダルトンの分子量を有するPEGを意味する。それは、ヒドロキシ-PEG又はメトキシ-PEGであり得る。いくつかの実施形態では、DEFINITY-IIは、MPEG5000-DPPEを含む。そのため、非水性UCA配合物の例は、例えば、脂質DPPA、DPPC及びMPEG5000-DPPEと、プロピレングリコールと、グリセロールと、緩衝液と、オクタフルオロプロパン(ペルフルトレン)ガスとを含むか、又は脂質DPPA、DPPC及びMPEG5000-DPPEと、プロピレングリコールと、緩衝液と、オクタフルオロプロパン(ペルフルトレン)ガスとを含むか、又は脂質DPPA、DPPC及びMPEG5000-DPPEと、グリセロールと、緩衝液と、オクタフルオロプロパン(ペルフルトレン)ガスとを含むか、又は脂質DPPA、DPPC及びMPEG5000-DPPEと、プロピレングリコールと、グリセロールと、オクタフルオロプロパン(ペルフルトレン)ガスとを含む。活性化後、ガス充填マイクロスフェアは、ペルフルトレンガスをカプセル化するDPPA/DPPC/MPEG5000 DPPE脂質シェルを同様に含む。しかしながら、これらのマイクロスフェアは、生理食塩水溶液などの水性溶液中に希釈され、次いでボーラス注射又は連続注入注射として対象に投与される。
【0105】
重要なこととして、これらの水性及び非水性UCA配合物は、診断上好適なガス充填マイクロスフェアを得るために異なる最適活性化時間を有することが明らかになっている。例えば、いくつかの場合、振盪速度は、約4530振盪運動(例えば、8の字運動)/分であり、且つ振盪は、VIALMIX(登録商標)を用いて実施される。約4530rpmの同一振盪速度を使用して、サイズ分布との関連で実質的に類似したマイクロスフェアプロファイルを達成するために、DEFINITY(登録商標)を含めていくつかの水性UCA配合物は、約45秒間で活性化され、一方、DEFINITY-IIなどのいくつかの非水性UCA配合物は、60~120秒間で、いくつかの場合には約75秒間で活性化される。代替的に、DEFINITY-IIは、DEFINITY-I又は他の水性製剤と比べて、より速い振盪速度及びより短い時間で活性化し得る。例えば、DEFINITY-IIは、約4800~5100rpm、又は約4850~5050rpm、又は約4900~5000rpm、又は約4950rpmの振盪速度で活性化し得る。活性化時間は、約35~55秒間、又は約40~50秒間、又は約45秒間であり得る。いくつかの場合、DEFINITY-IIは、約4950rpmの振盪速度及び約45秒間の振盪時間を用いて活性化され、任意選択的に、DEFINITY-Iは、約4530rpmの振盪速度及び約45秒間の振盪時間を用いて活性化される。DEFINITY-IIに対するこれらの振盪パラメーターは、本明細書に提供される各種教示に当てはまる。したがって、本明細書に提供される方法は、DEFINITY(登録商標)などの水性UCA配合物からの非水性UCA配合物の区別を容易にする。
【0106】
本明細書に提供される他の方法は、あらかじめ決められた時間にわたって活性化を必要とするUCA配合物を含むラベル付きバイアルを、検出器を含み、且つあらかじめ決められた時間に設定されるか、又はあらかじめ決められた時間をバイアルのアイデンティティーに基づいて自動で選択することができる振盪デバイスを用いて同定することと、UCA配合物を活性化してガス充填マイクロスフェアを形成することとを含む。あらかじめ決められた時間は、45秒間又は75秒間であり得るが、そのように限定されるものではない。
【0107】
本明細書に提供される他の方法は、異なる活性化時間及び任意選択的に異なる振盪速度を必要とする2つ以上の水性UCA配合物(例えば、DEFINITY(登録商標)、DEFINITY-III、DEFINITY-IVなど)を区別することを含む。2つ以上の水性UCA配合物は、それらの充填体積(すなわちそれらのそれぞれの容器内の液体の量)に基づいて又は容器の形状及びサイズに基づいて区別し得る。充填体積は、例えば、光学的方法(例えば、容器の長さに沿った特定の位置における配合物の吸光度の測定)を用いて評価し得る。容器の形状及びサイズは、例えば、容器を保持するホルダーを用いて評価し得る。水性UCA配合物を同定した後(他のUCAからの区別により)、次いで、その規定の時間にわたり、その規定の振盪速度を用いて活性化し得る。本方法が2つ以上のUCA配合物の区別を含む場合、活性化手段(例えば、振盪デバイス)は、あらかじめ決められた時間で振盪するように設定され得るか、又は2つ以上の異なるあらかじめ決められた時間にわたって振盪するように設定され得るため、かかる時間の1つを自動で選択することができるであろう。かかる手段は、検出器を含み得る。非水性UCA配合物の区別及び任意選択的に活性化のために類似の方法が提供される。水性及び非水性のUCA配合物の区別及び任意選択的に一方又は両方のUCA配合物の活性化のために類似の方法が提供される。
【0108】
本明細書に提供される他の方法は、あらかじめ決められた時間にわたって活性化を必要とする水性UCA配合物を、非水性UCA配合物から水性UCA配合物を識別するデバイスを用いて同定することと、あらかじめ決められた時間にわたって水性UCA配合物を活性化してガス充填マイクロスフェアを形成することとを含む。
【0109】
本明細書に提供される他の方法は、水性UCA配合物から非水性UCA配合物を識別する(又はその逆である)デバイスを使用して、あらかじめ決められた時間にわたって活性化を必要とするUCA配合物を同定することと、あらかじめ決められた時間にわたってUCA配合物を活性化してガス充填マイクロスフェアを形成することとを含む。デバイスは、1つのみのあらかじめ決められた時間(例えば、水性UCAの場合には約45秒間又は非水性UCAの場合には約75秒間)にわたって活性化するように設定され得るか、又は2つ以上の異なるあらかじめ決められた時間(例えば、約45秒間及び約75秒間)にわたって活性化するように設定され得る。2つ以上のあらかじめ決められた時間が企図される場合、かかる時間は、互いに異なることを理解すべきである。
【0110】
あらかじめ決められた時間及び/又はあらかじめ決められた振盪速度での活性化を必要とするUCA配合物を同定することと、あらかじめ決められた時間及び/又は速度でUCA配合物を活性化してガス充填マイクロスフェアを形成することとを含むさらに他の方法が提供される。例えば、本方法は、あらかじめ決められた速度及び時間での活性化を必要とする非水性UCA配合物を同定することと、あらかじめ決められた時間及び速度で非水性UCA配合物を活性化してガス充填マイクロスフェアを形成することとを含む。UCA配合物は、あらかじめ決められた時間及び/若しくは速度に設定されている又はあらかじめ決められた時間及び/若しくは速度をUCA配合物のアイデンティティーに基づいて自動選択可能である振盪デバイスを用いて同定及び活性化し得る。
【0111】
そのため、いくつかの場合、本方法は、あらかじめ決められた時間及び/又は速度での活性化を必要とするUCA配合物を同定することと、2つ以上のあらかじめ決められた時間に設定されているか又は2つのあらかじめ決められた時間の中からUCA配合物のアイデンティティーに基づいて自動選択可能である振盪デバイスを使用して、あらかじめ決められた時間及び/又は速度でUCA配合物を活性化してガス充填マイクロスフェアを形成することとを含む。いくつかの場合、UCA配合物のアイデンティティーは、配合物を収容する容器(例えば、バイアル)上のラベル又はタグにより提供される。いくつかの場合、UCA配合物のアイデンティティーは、より詳細に本明細書に記載されるように配合物自体又はその体積により提供される。UCA配合物は、水性UCA配合物であり得るか又は非水性UCA配合物であり得る。あらかじめ決められた時間は、約45秒間であり得る。あらかじめ決められた時間は、60~120秒間の範囲内又は約75秒間であり得る。
【0112】
あらかじめ決められた振盪は、少なくとも1000、少なくとも2000、少なくとも3000、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも6000振盪運動/分又はそれを超えるものを含み得る。いくつかの場合、激しい振盪は、4000~4800振盪運動/分の範囲内の振盪を含む。例えば、振盪は、4530回転/分又は4077~4756回転/分を含み得る。他の振盪速度は、4830未満の範囲内、例えば4530であり得る。他の振盪速度は、4830~6000rpmの範囲内での振盪を含み得る。例えば、振盪は、約4950の振盪速度を含み得る。4000~6000の範囲内の他の振盪速度も他の実施形態で使用され得る。
【0113】
代替的に、本明細書に提供される他の方法は、一定時間及びあらかじめ決められた振盪速度に設定されるか、又はあらかじめ決められた振盪速度をバイアルのアイデンティティーに基づいて自動で選択することができるスキャナーを含む振盪デバイスを使用して、一定時間にわたり、あらかじめ決められた振盪速度で活性化を必要とするUCA配合物を含むラベル付きバイアルを同定することと、UCA配合物を活性化してガス充填マイクロスフェアを形成することとを含む。あらかじめ決められた振盪速度は、いくつかの実施形態では、4530rpmであり得る。
【0114】
さらに他の方法は、UCA配合物を同定し、且つそれに基づいて活性化時間又は振盪速度(又は振盪速度、これらの用語は、本明細書では同義的に用いられる)又はその両方を自動で選択する振盪デバイスを用いてUCA配合物を活性化することを含む。ただし、UCA配合物は、UCA配合物を収容するバイアルの形状又はサイズ以外の一意の識別子に基づいて同定される。
【0115】
他の方法は、第1のUCA配合物を、第2のUCA配合物を含む第2のバイアルから第1のUCA配合物を含む第1のバイアルを識別することができる振盪デバイスを用いて活性化することを含む。
【0116】
さらに他の方法は、あらかじめ決められた第1の時間にわたって活性化を必要とする水性UCA配合物を含むラベル付きバイアルを、スキャナーを含み、且つあらかじめ決められた時間に設定されるか、又は2つのあらかじめ決められた時間から第1のあらかじめ決められた時間をバイアルのアイデンティティーに基づいて自動で選択することができる振盪デバイスを用いて同定することと、UCA配合物を活性化してガス充填マイクロスフェアを形成することとを含む。
【0117】
これらの方法は、すべて全部又は一部を自動化し得る。いくつかの場合、デバイスは、最初にUCA配合物が入っているバイアルを同定し、且つその同定を確認するためにユーザーにプロンプトを提供する。他の場合、デバイスは、ユーザー入力をなんら伴うことなく同定及び活性化を行う。
【0118】
デバイス
UCA配合物の同定及び/又は異なるUCA配合物の識別は、いくつかの方法で達成可能である。例えば、UCA配合物の容器(例えば、バイアル)上のラベルを読み取り可能なスキャナーを備えたデバイスを使用し得る。他の場合、異なるUCA配合物の同定及び/又は識別は、非水性UCA配合物を収容する容器に対して水性UCA配合物を収容する容器の形状及びサイズを認識するデバイスを用いて達成可能である。これらの後者のデバイスは、単一のホルダーを含み得るか、又は2つ以上のホルダーを含み得る。単一のホルダーの場合、ホルダーは、非水性UCA配合物を収容する容器(例えば、バイアル)を保持可能であり得、且つ水性UCA配合物を収容する容器(例えば、バイアル)を保持不能であり得る。代替的に、ホルダーは、水性UCA配合物を収容する容器(例えば、バイアル)を保持可能であり得、且つ非水性UCA配合物を収容する容器(例えば、バイアル)を保持不能であり得る。
【0119】
一態様によれば、デバイスは、UCA配合物を保持する容器を受け取り、UCA配合物のタイプを検出し、且つ検出されたUCA配合物のタイプに応じた異なる動作を実施する。デバイスは、特定の動作を各UCA配合物タイプに関連付ける。特定のUCA配合物タイプの検出後、デバイスは、そのUCA配合物タイプに関連付けられた動作を自動で実施する。
【0120】
検出されたUCA配合物タイプに基づいて多様な動作を実施可能である。いくつかの実施形態では、デバイスは、サンプルを振盪する。いくつかの実施形態では、デバイスは、検出されたサンプルタイプに応じた特定の振盪持続時間、パターン及び/又は速度を実施する。異なる振盪パターンの例としては、限定されるものではないが、左右往復、上下往復、振動、スピン運動、8の字路、円形路及び前後チルト(例えば、いくらかの角度だけ容器を回転し且つその動作を逆転する)が挙げられる。例えば、例示的な一実施形態では、デバイスは、約45秒間の振盪持続時間をサンプルタイプ「A」に、且つ約75秒間をサンプルタイプ「B」に関連付ける。振盪速度は、サンプルタイプ「A」及びサンプルタイプ「B」の両方で同一であり得る(例えば、約4530rpm)。デバイスがサンプルタイプ「A」を検出した場合、デバイスは、ユーザーによる振盪時間の入力を必要とすることなく約45秒間にわたりサンプルを自動で振盪する。デバイスがサンプルタイプ「B」を検出した場合、デバイスは、約75秒間にわたりサンプルを自動で振盪する。他の例として、例示的な一実施形態では、デバイスは、約4530rpmの振盪速度をサンプルタイプ「A」に且つ約4950rpmをサンプルタイプ「B」に関連付ける。振盪時間は、サンプルタイプ「A」及びサンプルタイプ「B」の両方で同一であり得る(例えば、約45秒間)。デバイスがサンプルタイプ「A」を検出した場合、デバイスは、ユーザーによる振盪速度の入力を必要とすることなく約4530rpmでサンプルを自動で振盪する。デバイスがサンプルタイプ「B」を検出した場合、デバイスは、約4950rpmでサンプルを自動で振盪する。
【0121】
そのため、本開示は、サンプルタイプの同定(したがって区別)時に1つ以上のパラメーターを変化させ得るデバイスをさらに企図する。例として、1つのデバイスは、すべてのサンプルタイプに対して同一のパターン及び同一の振盪速度で振盪し得るが、異なるサンプルタイプを異なる持続時間(すなわち異なる振盪時間)で振盪し得る。他の例として、1つのデバイスは、すべてのサンプルタイプに対して同一のパターン及び同一の時間で振盪し得るが、異なるサンプルタイプを異なる速度(すなわち異なる振盪速度)で振盪し得る。さらに他の例として、1つのデバイスは、すべてのサンプルタイプに対して同一の振盪速度及び同一の時間で振盪し得るが、異なるサンプルタイプを異なる振盪パターンで振盪し得る。代替的に、デバイスは、2つのパラメーター、例えば振盪速度及び振盪時間、又は振盪速度及び振盪パターン、又は振盪時間及び振盪パターンを設定することにより(潜在的に変化させることを含む)、同定された各サンプルタイプに応答し得る。さらに他の実施形態では、デバイスは、これらのパラメーター(すなわち振盪速度、振盪時間及び振盪パターン)の3つすべてを設定することにより(潜在的に変化させることを含む)、同定された各サンプルに応答し得る。
【0122】
多くの他の動作をサンプルタイプに関連付け可能であることを認識すべきである。検出されたサンプルタイプに応答してデバイスが実施可能な異なる動作の例としては、限定されるものではないが、温度設定の調整、湿度設定の調整、光設定の調整(例えば、サンプルを異なる強度及び/又は周波数の光又は音に付す)及び/又は容器への異なる物質(例えば、試薬、染料又は他の好適な添加剤)の投入が挙げられる。
【0123】
本開示は、デバイスの動作に影響を及ぼし得る外側からの干渉をシールドし得るデバイスも企図する。例えば、外部干渉(例えば、RFIDシグナル)は、ディスプレイスクリーン上へのメッセージ送信に干渉し得るか、検出器(例えば、アンテナ)による容器上のインジケーターの読取りに干渉し得るか、又はデバイスの他の動作に干渉し得る。以上の点を考慮すると、本明細書に記載のデバイスは、外側からの干渉をシールドする1つ以上のフィーチャーを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、シールディングを必要とするハウジングの領域に適用された1つ以上のパッチ(例えば、ステッカー、ラベル又はテープ)を含み得る。例えば、1つ以上のパッチは、デバイスの検出器の近くの領域に固着し得る。他の例では、ハウジングの少なくとも一部分は、かかる干渉をブロックする材料で内部被覆(例えば、スプレー)し得る。いくつかの実施形態では、かかる干渉をブロックする材料でハウジングの全内表面を被覆し得る。例えば、PPG PN又はspraylet材料は、ハウジングを被覆するために使用され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングのカバーもスプレーされ得る。さらに他の実施形態では、ハウジング又はハウジングの少なくとも一部分は、干渉をブロックするように配置された材料で形成され得る。
【0124】
インジケーター
いくつかの実施形態では、サンプルを保持する容器は、サンプルタイプを表すインジケーターを含み、且つデバイスは、サンプルタイプを検出するためにインジケーターを読み取る検出器を含む。例えば、図1に示されるように、デバイス100を介して活性化されるサンプルを保持する容器102は、機械可読又はデバイス可読インジケーター105を含み得る。機械可読又はデバイス可読なインジケーターの例としては、磁気ストライプ、チップ/マイクロチップ、バーコード(直状、マトリックス又は2Dのバーコードを含む)、無線周波数識別(RFID)タグ、色検出により同定可能なカラーラベルなどが挙げられる。線状バーコードなどのバーコードは、統一コード委員会(Uniform Code Council)規格又は医療業界通信協議会(Health Industry Business Communications Council)規格に準拠するか又はそれらを満たすものであり得る。一方、かかるインジケーターは、例えば、磁気ストライプリーダー、チップリーダー、バーコードスキャナー又はリーダー、RFIDタグリーダーなどのデバイスから読み取り得る。認証及び/又は「トラックアンドトレース」の目的に使用されてきた実質上任意のラベリング技術を本明細書に提供される容器との関連で使用可能である。
【0125】
インジケーターは、サンプル容器の任意の好適な部分、例えば容器本体又はキャップに位置決めし得る。いくつかの実施形態では、インジケーターは、サンプル容器と一体的に形成されるか、又はさもなければその一部である。例えば、インジケーターは、着色キャップ又は物理的フィーチャー、例えばサンプル容器上の突起又は陥入であり得る。他の実施形態では、インジケーターは、例えば、接着剤、磁石、フックアンドループ型ファスナー、機械的配置(例えば、保持タブの背後にインジケーターをスライドさせる)又は任意の他の好適な装着配置を介して容器に装着される。
【0126】
インジケーターは、限定されるものではないが、中に含まれる配合物の供給元及び/又は生産者、例えば配合物の作製及び/又は配合物の成分の製造を行った会社又は子会社の名称、配合物の作製日、配合物を作製した物理的場所、容器の輸送日、容器の処理、例えば、遠隔地で貯蔵したかなど、かかる貯蔵の条件及び期間、容器の配達日、配達手段、FDAにより指定された全国医薬品コード(NDC)、容器の内容物、用量及び使用方法、例えば投与経路などをはじめとする様々な情報を容器のエンドユーザー又は中間取扱い業者に提供し得る。
【0127】
インジケーターは、例えば、容器及びその中に含まれる配合物の認証をはじめとする1つ以上の目的を果たし得る。認証は、認可者に由来するもの及び認可者により作製されたものとして容器を同定又はマーキングする能力を意味し、それにより、エンドユーザー又は他の者は、他の無認可者に由来する容器及び配合物を同定し得る。インジケーターは、容器をトラックアンドトレースするためにも使用し得る。この特徴を使用して、製造後から対象への投与時点まで、容器及びその中に含まれる配合物を追跡することが可能である。これに関連して、その期間の容器の移動は、データベースに記憶し得、且つ任意選択的に、かかるデータベースは、配合物の健全性を確保するためにエンドユーザーがアクセス可能である。
【0128】
インジケーターは、2つの異なるモードを用いて読み取られる情報を含有し得ることを意図して、組合せインジケーターでもあり得る。例えば、インジケーターは、目視により明らかであり且つ理解可能な特定の情報(例えば、生産者の名称を言葉で)及びRFID埋込み情報又はバーコード埋込み情報などの機械可読な他の情報を含有し得る。
【0129】
インジケーターは、2つ以上の目的を果たし得ることを意図して二重使用インジケーターでもあり得る。例えば、インジケーターは、配合物を同定する情報並びに製造業者及び/又は製造日を同定するさらなる情報を含有し得る。この情報は、同一の方式又は異なる方式を用いて伝達し得る(例えば、一方は、RFIDインジケーターで提供し得、且つ他方は、バーコードラベルで提供し得る)。
【0130】
ラベルは、バイアルを振盪するために使用されるデバイスによりその上に記録された(例えば、RFID技術を用いて)情報を具備可能でもあり得る。例えば、かかる情報は、以前に振盪されて現在は以前に活性化された容器の再活性化の有効期限を過ぎている場合、任意の適切に備えられたデバイスによるバイアルの再活性化を防止するために使用し得る。
【0131】
インジケーターは、ヒトが目視可能且つ理解可能な内容、例えば製造業者の名称などを提供し得る。代替的に又は追加的に、インジケーターは、ヒトの眼で容易に目視可能であるが、参照しなければならないルックアップテーブル又は他の形態のデータベースの不在下で意味のある情報を提供しない情報を含有し得る。かかる情報は、例えば、アルファベット数字コードとして提供し得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、UCA配合物は、バイアルなどの容器中に存在し、かかる容器にはラベルが付される。容器は、その外表面の1つ以上に固着されたラベルの形態のインジケーターを有し得る。いくつかの実施形態では、インジケーターは、目に見えると共にさらなる補助又はデバイスを用いることなくエンドユーザーが読んで理解し得る紙ラベル又は他のかかるラベルであり得る。代替的に、以上で考察したように、インジケーターは、機械可読又はデバイス可読なものである。
【0133】
検出器及び容器ホルダー
デバイスは、インジケーターを読み取るための任意の好適な検出器を含み得る。いくつかの実施形態では、検出器は、視覚、写真、イメージング、電磁線、可視光、赤外光及び/又は紫外光のモダリティーにより動作し得る。
【0134】
図1及び2は、サンプル容器102からインジケーターを読み取るための検出器を有するデバイス100を表す例示的概略図を示す。これらの図に示されるように、デバイス100は、ハウジング103(本明細書ではベースともいう)とカバー104とを含む。いくつかの実施形態では、カバーは、ハウジングに対してカバーを回転枢動することにより開けられるが、カバーは、他の好適な方式で(例えば、ベースに対してスライド可能に)ハウジングに装着され得る。いくつかの実施形態では、カバーは、完全に持ち上げてハウジングから取り外され得る。デバイスと共に使用されるサンプル容器102は、容器中のサンプルのタイプを示唆する以上に記載のインジケーター105を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では(例えば、図1を参照されたい)、デバイスは、サンプル容器を受け取って保持するように配置されたホルダー106を含む。いくつかの実施形態では、ホルダーは、ハウジング内の開口108を介して延在する振盪機アーム107に装着される。振盪機アームは、記載されるように、UCA配合物を活性化するために振盪機アームを移動するように配置された振盪手段に接続し得る。例えば、振盪機アームは、容器を振盪してUCA配合物を活性化するように8の字経路で移動し得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、図2に示されるように、デバイスは、インジケーターを読み取るための1つ以上の検出器110を含み得る。例えば、デバイスは、インジケーターを読み取るための第1及び第2の検出器を含み得る。いくつかの実施形態では、検出器は、ハウジングの第1の上方延在壁112に装着し得、検出器は、振盪機アームが貫通して延在する開口108を介して延在する平面又は開口108の第1及び第2の側面に又はその近くにアライン又は位置決めされる(図1を参照されたい)。理解されるように、上方延在壁は、開口が形成された壁に対して角度を付け得る。1つ以上の検出器は、他の実施形態では他の好適な配置を有し得る。例えば、検出器は、開口が貫通して形成された壁、例えば開口のいずれかの側に装着され得る。第1の検出器は、開口が形成された壁にも装着され得、第2の検出器は、上方延在壁に装着される。
【0137】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の検出器は、第1及び第2のアンテナを含み得る。かかる実施形態では、アンテナは、容器上の1つ以上のインジケーターから情報を受け取るように(例えば、読み取るように)配置し得る。例えば、アンテナは、RFIDインジケーターからRFIDシグナルを読み取り得る。いくつかの実施形態では、例えば、インジケーターが情報の送信及び受信の両方を行うように構成される場合、アンテナは、情報を伝送してインジケーターに戻すようにも配置し得る。例えば、アンテナは、容器が2回活性化されえないようにインジケーターに振盪の日付及び時間を供給し得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、検出器は、容器がホルダー内に挿入されるとき、ホルダーが配置される場所を問わず、検出器がインジケーターを読み取ることができるように配置される。例えば、いくつかの実施形態では、ホルダーは、UCA配合物の活性化時に開口及びハウジングに対して様々な位置でホルダーを停止させて実質的に8の字経路で移動させ得る。かかる実施形態では、検出器(例えば、アンテナ)は、その次の容器がホルダー内に挿入されるとき、8の字経路に沿ってホルダーが位置決めされる場所を問わず、検出器(例えば、アンテナ)がインジケーターを読み取ることができるように配置される。
【0139】
いくつかの実施形態では、インジケーターは、バーコードを含み得、検出器は、バーコードスキャナーである。いくつかの実施形態では、インジケーターは、RFIDタグであり、且つ検出器は、RFIDリーダーである。いくつかの実施形態では、インジケーターは、着色ラベルであり、且つ検出器は、色検出スキャナーである。いくつかの実施形態では、インジケーターは、チップ/マイクロチップであり、且つ検出器は、チップ/マイクロチップリーダーである。
【0140】
いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の同一タイプの検出器を含み得る。例えば、デバイスは、容器上のRFIDタグを読み取るために2つのRFIDリーダーを含み得る。デバイスは、2つの異なる検出器も含み得る。例えば、デバイスは、RFIDリーダー及びチップ/マイクロチップリーダーを含み得る。理解されるように、デバイスは、他の実施形態では、3つ以上の検出器を含み得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、検出器、例えばRFIDリーダーは、1つ以上のワイヤ114を介してデバイスに接続される。検出器は、デバイスにワイヤレスでも接続され得る。いくつかの実施形態では、検出器は、UCA配合物に関する情報をデバイスに伝送する。例えば、検出器は、UCA配合物のアイデンティティーを伝送し得る。検出器は、インジケーター上に提供された1つ以上の活性化パラメーター(例えば、振盪時間及び/又は速度)も伝送し得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、サンプル容器は、容器上のインジケーターとデバイス上の検出器とが適正にアライメントされることを保証するインデックスフィーチャーを含み得る。インデックスフィーチャーの例としては、容器が一方向のみでホルダーに嵌入可能になるようにホルダー上の対応するフィーチャーにアライメントする容器キャップ上又は本体上の物理的な窪み又は突起が挙げられる。
【0143】
いくつかの実施形態では、速度情報は、UCA配合物アイデンティティー情報と同一のインジケーター上に存在し得るか又は他のインジケーター上に存在し得る。いくつかの実施形態では、検出器は、同一であるか又は異なり得る2セットの情報を読み取るための手段を含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、インジケーターは、容器上の突起又は陥入などの物理的コンポーネントである。検出器は、プッシュされるデバイス上のボタン又は物理的コンポーネントとの物理的相互作用により他の形で駆動されるセンサーであり得る。例示的な一実施形態では、インジケーターは、サンプル容器のキャップ上の特定形状の突出タブであり、且つデバイスは、タブを挿入可能な対応するスロットを含む。各サンプルタイプは、特定のタブ形状に関連付けられ得、且つ各タブ形状タブは、デバイス上のスロットの1つのみに排他的に嵌合する。例えば、L字形タブは、サンプルタイプ「A」に関連付けられ得、及び卵形タブは、サンプルタイプ「B」に関連付けられ得る。容器キャップと相互作用するデバイスの部分は、関連スロットを有し、1つは、L字形タブを収容し、且つ1つは、卵形タブを収容する。L字形タブがホルダー内に挿入された場合、タブは、L字形スロット内のボタンをプレスし、デバイスは、サンプルタイプ「A」が収容されたことを知る。卵形タブがホルダー内に挿入された場合、タブは、卵形スロット内のボタンをプレスし、デバイスは、サンプルタイプ「B」が収容されたことを知る。
【0145】
いくつかの実施形態では、デバイスは、サンプル容器の1つ以上の性質に基づいてサンプルタイプを検出し得る。性質の例としては、容器の重量、光学的性質及びサイズが挙げられる。重量に関して、サンプルの重量は、サンプルタイプを反映し得る。例えば、タイプAのサンプルを有する容器は、1つの重量範囲を有し得ると共に、タイプBのサンプルを有する容器は、第2の異なる重量範囲を有し得る。デバイスは、容器とサンプルとの合計重量を決定するスケール検出機器又は他の重量検出機器を含み得る。重量が第1の範囲内に含まれる場合、デバイスは、サンプルがタイプAであると決定し、重量が第2の範囲内に含まれる場合、デバイスは、サンプルがタイプBであると決定する。重量検出機器は、ホルダーに一体化し得るか、又はデバイス上の個別秤量ステーションであり得る。個別秤量ステーションの場合、ユーザーは、容器を重量検出機器内/上に配置し、デバイスは、重量を測定してサンプルタイプを検出し、次いで、ユーザー又はデバイス自体は、サンプル容器をホルダーに移動する。
【0146】
光学的性質に関して、各サンプルタイプは、既知の光学的性質に関連付け得る。光学的性質の例としては、屈折率、吸収及び蛍光が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、デバイスは、光学的性質を測定するための好適な機器を含み得ると共に、その測定から関連サンプルタイプを決定する。
【0147】
サンプル容器サイズに関して、各サンプルタイプは、異なるサイズの容器に関連付け得る。例えば、サンプルタイプ「A」は、サンプルタイプ「B」に使用される容器よりも大きい容器を有し得る。デバイスは、種々の方法で容器サイズを検出し得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、2つ以上のホルダーを有し、各ホルダーは、サンプル容器サイズの1つを収容するようにサイズ決めされる。例えば、各サンプル容器サイズは、ホルダーの1つのみ嵌入し得る。デバイスは、いずれのホルダーがいつ容器を収容したかを検出する。いずれのホルダーが容器を有するかを知れば、デバイスは、サンプル容器サイズ及びその容器サイズに関連付けられたサンプルタイプを決定する。他の実施形態では、デバイスは、異なるサイズの容器を収容可能な単一のホルダーを有する。例えば、ホルダーは、より大きい容器を収容するために異なる位置に移動可能なスプリングバイアス端を有し得る。デバイスは、容器の収容及び容器サイズを決定するためにホルダーが拡大されたサイズを検出するボタン又は他のセンサーを有し得る。他の例として、ユーザーは、フィラーピースを除去するか、ドアをフリップして開けるか、又は他の方法でコンポーネントを移動して、適切且つスナッグにサンプル容器を収容するようにホルダーをサイズ合せすることにより、ホルダーサイズを手動で調整することが必要なこともある。次いで、デバイスは、ホルダーのサイズを感知し、それに応じて容器サイズを決定し得る。他の実施形態では、デバイスは、容器のサイズを検出するためにカメラ及び/又はレーザーなどの視覚的検出器を含み得る。例えば、カメラは、容器の画像を取得して画像処理することにより容器のサイズを決定し得る。他の例として、レーザーは、大型容器を使用した場合には容器に当たり得るが、小型容器を使用した場合には当たらずに通過し得る位置に方向付け得ると共に、デバイスは、レーザーがその通路に沿って遮断されたか又は他の方法で妨害されたかを決定することにより、それに応じて容器サイズを検出し得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、デバイスは、サンプルが期限切れかを検出するように配置され得る(例えば、サンプル容器上のインジケーターから情報を読み取ることにより)。デバイスは、これをユーザーに警告し得、且つ/又は期限切れのサンプルがデバイスに収容されたままデバイスが動作することを防止し得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、デバイスは、多様なメッセージをユーザーに伝達可能なディスプレイを含み得る。例えば、ディスプレイは、デバイスの状態、エラー、サンプルタイプを示唆し得、任意の潜在的問題をユーザーに警告し得る。いくつかの実施形態では、図1に示されるように、デバイスは、コントロールボタン117とディスプレイ118とを含むコントロールパネル116を含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザー警告は、ディスプレイ118上に表示し得る。
【0150】
警告は、ユーザーに関連付けられたモバイルデバイスにも送られ得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば、Wi-Fi、USB又は他の接続を介してコンピューター又はネットワークに接続され得る。この接続は、デバイスを遠隔で維持するために、例えばソフトウェアのパッチング/アップグレーディング並びに/又はデバイスの状態及び使用頻度のモニタリングに使用され得る。この接続は、データ配信にも使用され得る。例えば、デバイスにより得られたデータは、データベース及び/又はプリンター及び/又はユーザーに送られ得る。
【0151】
操作を支援するためにデバイスが多様なフィーチャーを有し得ることを認識すべきである。いくつかの実施形態では、デバイスは、特定の動作を行うために機械が何回使用されたかを追跡可能なカウントフィーチャーを含み得る。代替的に、カウントデバイスは、振盪デバイスが実施した回転/振動の回数を追跡し得る。かかるフィーチャーは、メンテナンスの予測及びデバイス性能のモニターに使用し得る。カウンターは、デジタル又はマニュアルであり得る。いくつかの実施形態では、カウンターは、特定のサンプルが何回作用を受けたかを追跡するために使用し得る。例えば、カウンターは、特定の容器(本明細書ではバイアルともいう)が何回活性化されたかを追跡し得る。いくつかの実施形態では、カウンターは、各タイプのサンプルがいくつ収容されて作用を受けたかを一般に追跡するために使用し得る。
【0152】
警告は、聴覚的及び/又は視覚的であり得る。警告の例としては、特定の作用がサンプルに対して特定の回数実施されたこと、作用が適正に実施されなかったこと若しくは過度に実施されたこと(例えば、振盪時間が長すぎた又は短すぎた)、カバーが開いていること、容器がホルダー内に適切に着座していないこと及び/又はデバイスがメンテナンスを必要としていること若しくは直ちに必要とすることをユーザーに警告することが挙げられる。いくつかの実施形態では、デバイスは、サンプル又は容器(例えば、バイアル)に対して実施された動作が許容範囲の限界に近いことをユーザーに警告するであろう。例えば、デバイスは、デバイス性能が振盪の速度又は持続時間の許容範囲に対する制限を超えるか又はそれに近いかをユーザーに警告し得る。例示的な例として、デバイスは、高すぎるか、低すぎるか、又は振盪速度の上限若しくは下限に近い速度でサンプルを振盪した可能性がある。デバイスは、この潜在的懸念をユーザーに警告するであろう。
【0153】
いくつかの実施形態では、デバイスは、検出されたサンプルタイプをユーザーに示唆するディスプレイから分離されたインジケーター部分を含む。インジケーターは、サンプルタイプ(例えば、水性又は非水性のUCA配合物)を示唆するライトを有し得るか、又はサンプルタイプの名称を表示するディスプレイを有し得る。
【0154】
いくつかの実施形態では、ユーザーがサンプルタイプ及び/又は行うべき特定の作用を入力する必要がない間、デバイスは、デバイスがサンプルに作用可能になる前に検出されたサンプルタイプを確認するようにユーザーに要求し得る。
【0155】
いくつかの実施形態では、ホルダーは、容器が適切に収容されたかを検出するためにボタン又は他のセンサーを含む。いくつかの場合、デバイスは、ホルダー内に容器を検出するまで動作しないであろう。
【0156】
いくつかの実施形態では、デバイスは、カバーが適切に閉められたかを検出するためにボタン又は他のセンサーを含み得る。いくつかの場合、デバイスは、カバーが閉位置にない限り動作しない。例えば、いくつかの実施形態では、ハウジングは、ハウジングに装着された磁性体の近接を検出するように配置された磁気リードスイッチを含み得る。カバーの存在を検出するために他の好適なセンサーを使用し得ることが理解されるであろう。例えば、他の実施形態では、カバーは、カバーが閉位置にあるときにハウジング内の対応する開口に収容される突起を含み得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、デバイスは、バイアル使用頻度、振盪時間、温度及び他の条件、デバイス使用頻度、分析結果、データベース又は他のデータ記憶位置などの情報の記録及び送信を行い得る。いくつかの実施形態では、デバイスからの情報をデータベースの情報と比較することにより、デバイス若しくはサンプルの異常を検出し得、且つ/又は比較を行ってサンプルをカテゴリー化し得る。いくつかの実施形態では、インジケーターが読み取られたら、デバイスは、UCA配合物を活性化するためにデバイス中のプログラムを動作させ得る。他の実施形態では、デバイスは、インジケーターに記憶された1つ以上のパラメーター(例えば、速度、振盪速度)を取り出してパラメーターを介してUCA配合物を活性化し得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、デバイスは、処理サンプル数及び/又はデバイス状態をカウント及びモニターし得ると共に、それに応じて、サンプルなどのアイテムの再順序付けの必要性、交換を必要とするデバイス部分などをユーザーに助言し得る。
【0159】
いくつかの実施形態では、サンプルホルダーは、単一容器サイズのみに適応するように配置され、より大きい容器には適合しないようにする。ホルダーは、所定の位置にバイアルを保持するように配置されたキャップカバーを有し得る。例えば、キャップカバーは、バイアルのキャップを収容し得、締り嵌め、ネジ切り配置(例えば、キャップカバー21上の内ネジに嵌合するバイアルキャップ上の外ネジ)、機械的インターロック又は任意の他の好適な配置によりバイアルを保持し得る。いくつかの実施形態では、サンプルホルダーは、ホルダー内のバイアルの移動を回避するために、且つバイアルの取出しが容易になるようにキャップの取外し後にバイアルを部分的に押し出すために、ホルダーのベースにスプリングを有し得る。他の実施形態では、ホルダーは、より大きい容器に適応するように拡大可能であり、且つ以上で考察したようにサンプルタイプを検出するためにホルダーサイズも検出可能である。
【0160】
いくつかの実施形態では、ホルダー又はホルダーの少なくとも一部は、振盪機アームに装着可能である。他の実施形態では、ホルダー又はホルダーの少なくとも一部分は、振盪機アームと一体的に形成し得る。いくつかの実施形態では、振盪機アームの少なくとも一部分は、容器の一部分を保持するように配置し得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、図3に示されるように、振盪機アームは、1つ以上の補剛用リブ120を含み得る。いくつかの実施形態では、補剛用リブは、振盪機アームの第1及び第2の(例えば、フロント及びリア)壁の間に延在し得る。いくつかの実施形態では、補剛用リブは、振盪機アームの第1及び第2の壁の間の途中までのみ延在し得る。補剛用リブは、いくつかの実施形態では他の補剛用リブに交差し得る。いくつかの実施形態では、補剛用リブは、振盪機アームの第1及び第2の壁の一方又は両方に実質的に垂直に延在し得る。補剛用リブは、振盪機アームの第1及び第2の壁の一方又は両方に実質的に平行にも延在し得る。補剛用リブは、いくつかの実施形態では同一の形状及びサイズであり得るが、補剛用リブの形状及びサイズは、リブごとに変動し得ることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、各リブは、同一の厚さを有し得るが、厚さは、リブごとに変動し得る。1つ以上のリブは、変動する厚さも有し得る。例えば、リブの厚さは、いくつかの実施形態ではテーパ-し得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、アームは、振盪時に熱劣化に耐えるように配置された材料又は材料の組合せで形成し得る。いくつかの実施形態では、材料又は材料の組合せは、200°F~500°Fの最大ロングラン温度を含み得る。いくつかの実施形態では、材料又は材料の組合せは、約6000psi~約41000psiの引張り強度を含み得る。いくつかの実施形態では、振盪機アームは、Ultradur B、Nylon 6、PETポリエステル、PEI(Iltem)、Nylon 4-6 Stanyl、PPA(Amodel)、PBT、PES、ポリイミド(aurum)、PPSポリフェニルスルフィド、PEEK及び/又はそれらの組合せで形成し得る。
【0163】
容器(例えば、バイアル)
UCA配合物は、容器(又はハウジング)内に提供し得る。いくつかの実施形態では、容器は、バイアルである。バイアルは、限定されるものではないがガラス又はプラスチックをはじめとする任意の材料で作製し得る。ガラスは、医薬グレードのガラスであり得る。容器は、ゴムストッパーなどのストッパーでシールし得る。いくつかの実施形態では、容器は、0.5~10mL容器である。容器は、1~5mL容器又は1若しくは2mL容器であり得る。かかる体積は、典型的には、容器に入れられる液体体積(液体充填体積という)を意味する。これは、液体充填体積よりも大きい容器の全内部体積とは対照的である。液体充填体積及び内部体積の例は、次の通りである。すなわち、2.9mLの内部体積を有するSchott 2mL(液体充填体積)バイアル、4.5mLの内部体積を有するSchott 3mL(液体充填体積)バイアル及び1.2mLの内部体積を有するWheaton 1mL(液体充填体積)vバイアルである。
【0164】
本開示との関連で理解されるであろうが、容器の内部体積は、脂質配合物とガスとで占められ得る。好適な容器の例は、約3.75mlの実内部体積を有するWheaton 2mlガラスバイアル(例えば、Niproからカタログ番号2702、B33BA、2cc、13mm、タイプI、フリントチューブバイアルとして市販されている)である。好適なストッパーの例は、Westグレイブチルライオシリコナイズストッパー(カタログ番号V50、4416/50、13mm、WS-842)である。好適なシールの例は、Westフリップオフアルミニウムシール(カタログ番号3766、白色、13mm、13-F-A-591)である。容器は、好ましくは、無菌であり、且つ/又は公開PCT出願の国際公開第99/36104号パンフレットに記載されるように脂質溶液及び/又はガスを導入した後で滅菌される。
【0165】
いくつかの実施形態では、容器は、平底バイアルなどの平底容器である。好適なバイアルは、Wheatonバイアルを含めて平底ボロシリケートバイアルを含む。いくつかの実施形態では、容器は、非平底容器又はバイアルである。いくつかの実施形態では、容器は、V底バイアルなどのV底容器である。いくつかの実施形態では、容器は、丸底バイアルなどの丸底容器である。いくつかの実施形態では、容器は、その底部表面積(又は底部表面直径)がその頂部(開口)表面積(又は直径)よりも小さいか又はそれらの間の任意の直径(例えば、本体直径)よりも小さい収束壁を有する。明確さを期して、V底の容器又はバイアルは、その底部表面積がその頂部又は本体の表面積のいずれかよりも有意に小さい収束壁を有する。
【0166】
本明細書に記載の実施形態のいくつかではバイアルが参照されるが、特に明記されていない限り、それらは、任意の好適な容器を包含するようにより広義に解釈すべきであることを理解すべきである。
【0167】
振盪手段
以上で考察したように、デバイスは、UCA配合物を活性化するために、UCA配合物を保持する容器を振盪するように配置される。DEFINITY(登録商標)及びDEFINITY-IIの振盪速度の例は、以下の表1及び2に示される。以上の点を考慮して理解されるように、最適マイクロスフェア数及び等価直径を達成するための活性化時間及び振盪速度は、2つの製品で異なっていた。一般的には、振盪速度を増加させると時間は減少した。DEFINITY(登録商標)と比較してDEFINITY-IIに必要とされるより長い振盪時間は、振盪速度の少しの増加により克服可能であった。DEFINITY(登録商標)の振盪時間は、振盪速度を増加させることにより減少可能であった。
【0168】
【表1】
【0169】
【表2】
【0170】
また、以上で考察したように、振盪手段は、スリップ及びストレイ共振を起こし得、これにより広範囲の速度にわたり一貫した活性化を達成するデバイスの能力に影響を及ぼし得ることを、本発明者らは認識した。移動に対して摩擦を生じる又は抵抗を提供するフィーチャーを備えた振盪手段を提供することにより、スリップを最小限に抑えるか又はさらに低減し得ることも本発明者らは発見した。
【0171】
図面に目を向けると、図4~6は、UCA配合物を活性化するために容器を振盪するように配置された振盪手段の例を例示する。これらの図に示されるように、振盪手段は、容器を保持するように構成された振盪機アーム107の移動を駆動するモーター130を含み得る。
【0172】
いくつかの実施形態では、図4~6に示されるように、モーターは直流(DC)モーターを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、振盪手段はブラシレスDCモーターを含み得る。いくつかの実施形態では、かかるモーターは、広範囲の速度にわたりデバイスにより容器を一貫して振盪させ得る。例えば、DCモーターは、同一の活性化サイクル時に複数の活性化に対して一貫してハイ速度で及び/又は1つ以上の速度でデバイスにより動作させ得る。理解されるように、DCモーターを有するとして示され説明されているとはいえ、振盪手段は、振盪機アームの移動を駆動するために他の好適なモーター、例えば交流(AC)モーターを使用し得る。
【0173】
図4~6に示されるように、モーターは、トランスミッションを介して振盪機アームに接続し得る。いくつかの実施形態では、これらの図に示されるように、トランスミッションは、第1及び第2の歯付きホイール134、136を有するギア及び歯形ベルト132を含み得る。例えば、歯形ベルトは、ギアの周り、例えば第1及び第2の歯付きホイールの各々の少なくとも一部分の周りに延在し得る。かかる実施形態では、歯付きベルト上の歯は、歯付きホイールの対応する歯に係合し得る。いくつかの実施形態では、歯形ベルトの歯と対応する歯付きホイールの歯との係合は、ギアに対する歯付きベルトのスリップ及び/又はギアの相互スリップに対する抵抗を提供する。
【0174】
図4及び5に示される実施形態では、第1の歯付きホイール134は、モーターの一部分に装着可能であり、一方、第2の歯付きホイール136は、振盪機アームに装着される。これに関連して、歯形ベルトは、DCモーターが歯形ベルトに係合してから歯形ベルトが振盪機アームに係合するように、振盪機アーム及びモーターに動作可能に結合し得る。かかる実施形態では、歯形ベルトの移動によりホルダーの移動が駆動され、それによりUCA配合物が活性化される。例えば、モーターは、第1の歯付きホイールの回転を引き起こして歯形ベルトを移動させ得、したがって第2の歯付きホイールの回転を引き起こす。かかる例では、第2の歯付きホイールの回転は、振盪機アームの移動を引き起こす(例えば、スピンドルを介して)。
【0175】
これらの図に示されるように、第2の歯付きホイールは、スピンドル138に装着可能であり得、これは、例えば、ネジを介して振盪機アーム108に装着される。例えば、振盪機アームは、いくつかの実施形態ではスピンドルの外表面の周りに配置されてスピンドルに固定し得る。第2の歯付きホイールは、他の好適な配置を介して振盪機アームに装着可能であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、第2の歯付きホイールは、振盪機アームに直接装着可能であり得る。かかる例では、振盪機アームは、第2の歯付きホイールが配設されるシャフトを有し得る。
【0176】
いくつかの実施形態では、ギアは、歯形ベルトが周りに延在する第1及び第2のホイールを含むが、他の実施形態では、ギアは、1つのみのホイールを含み得るか又は3つ以上のホイールを含み得る。例えば、他の実施形態では、ギアは、単一のより大きいホイールを含み得、これは、ホルダー及びモーターの各々に接続され、その周りに歯形ベルトが延在する。
【0177】
いくつかの実施形態では、図4及び6に示されるように、第1及び第2の歯付きホイールは、互いに及び歯付きベルトに実質的に平行に延在し得る。例えば、第1及び第2の歯付きホイール並びに/又は歯付きベルトは、互いに約99%、約95%及び/又は約90%アラインし得る。かかる実施形態では、第1及び第2の歯付きホイールは、互いに実質的に共平面上にもあり得る。例えば、第1及び第2の歯付きホイールは、互いに約99%、約95%及び/又は約90%共平面上にあり得る。いくつかの実施形態では、スピンドルは、第1及び第2の歯付きホイールの各々の長手方向軸及び歯形ベルトに実質的に垂直に延在する。いくつかの実施形態では、図6に示されるように、振盪機アームは、第1及び第2の歯付きホイールに対して角度を付けられる。例えば、長手方向軸は、第1及び第2の歯付きホイールの長手方向軸に対して角度を付け得る。
【0178】
いくつかの実施形態では、トランスミッションは、第1及び第2のOリング140も含み得る。いくつかの実施形態では、Oリングは、第2の歯付きホイール136のいずれかの側に配置される。いくつかの実施形態では、Oリングは、第2の歯付きホイール及び/又は歯形ベルトがスピンドルに対して移動することを防止し得る。例えば、第1及び第2のOリングは、スピンドルに対する歯付きホイール及び歯形ベルトのスリップを防止し得る。
【0179】
これらの図では、Oリングは、第2の歯付きホイール及び/又は歯付きベルトのスリップを防止するためにのみ示されているが、Oリングは、モーターに対する第1の歯付きホイールのスリップを防止するためにも使用され得ることが理解されるであろう。例えば、他の実施形態では、第1の歯付きホイールの周りに1つ以上のOリングを配置し得る。
【0180】
トランスミッションは、振盪機にモーターを接続するのに好適な他の配置を有し得る。例えば、図7に示されるように、トランスミッションは、第1及び第2のプーリー154、156の周りに配置された2つのOリングを含み得る。以上の点を考慮して理解されるように、第1のプーリーは、モーターに装着可能であり得、及び第2のプーリーは、振盪機アームに装着可能である。使用時、モーターの移動は、Oリング及び次にプーリーの移動を介して振盪機アームの移動を駆動し得る。
【0181】
かかる実施形態では、この図に示されるように、各Oリングは、プーリーの各々に形成されたチャネルに配設し得る。いくつかの実施形態では、各チャネルは、プーリーに対する各Oリングの移動を最小限に抑えるために、対応するOリングに係合する1つ以上の摩擦表面を有し得る。Oリングは、プーリーに係合するように1つ以上の摩擦表面も含み得る。
【0182】
図7では、プーリーを接続するために2つのOリングが示されているが、他の実施形態では、トランスミッションはより多くのOリングを使用し得る。例えば、トランスミッションは、プーリーの周りに配設された3つ以上のOリングを含み得る。かかる実施形態では、各プーリーは、対応するOリングを収容するための3つ以上のチャネルを含み得る。
【0183】
さらに他の実施形態では、図8に示されるように、トランスミッションは、第1及び第2のスプロケット164、166の周りに配設可能なドライブベルトを含み得る。以上と同様に、第1のソケットは、モーターに装着可能であり得、及び第2のスプロケットは、振盪機アームに装着可能であり得る。使用時、モーターの移動は、第1のスプロケットの回転を引き起こし得、これは、ドライブチェーンの移動を引き起こして第2のソケットの回転を駆動する。かかる回転は、スピンドルの移動などを介して振盪機アームの移動を引き起こす。歯形ベルトと同様に、ドライブチェーンは、各スプロケット上の歯に係合し得る。
【0184】
さらに他の実施形態では、トランスミッションは、ギアボックスを含み得る。かかる実施形態では、ギアボックスは、モーター及び振盪機アームの各々に装着可能であり得る(例えば、振盪機アームの移動を駆動するためにスピンドルを介して)。
【0185】
いくつかの実施形態では、デバイスは、壁コンセントにプラグ接続することによりパワー供給し得、且つ/又は電池パワーで動作し得る。いくつかの実施形態では、電池は再充電可能である。
【0186】
ソフトウェア及びハードウェア
以上で考察したように、デバイスは、1つ以上のボタン及びディスプレイを有するコントロールパネルを含む。例えば、デバイスは、スタートボタン及びキャンセルボタンを含み得る。デバイスは、異なるサンプルタイプに対応するライトなどのライトによるインジケーターも含み得る。いくつかの実施形態では、デバイスが特定のサンプルタイプを検出した場合、そのサンプルタイプに対応するライトが点灯する。いくつかの実施形態では、デバイスは、ディスプレイとは別のインジケーターをさらに含み得る。インジケーターは、検出されたサンプルタイプを示唆するライトなどのシグナルを含み得る。デバイスは、カバーが適切に閉じられた及び/又はサンプルがデバイスに適正に挿入されたことを示唆するインジケーターを含み得る。
【0187】
以上で考察したように、いくつかの実施形態は、容器及び/又は容器の内容物の同定に基づいて異なる動作を実施するように構成されたデバイスに関する。この目的では、いくつかの実施形態に係るデバイスは、容器及び/又はその内容物の同定を実施して、同定の決定後、同定に基づいて実施すべき適切な動作を決定するようにプログラムされた少なくとも1つのプロセッサーを含むコンピューターシステムを含み得る。
【0188】
図9は、いくつかの実施形態に係るデバイス内に配置されたバイアルに対して1つ以上の動作を選択的に実施するプロセスのフローチャートを例示する。行為510では、デバイスに配置されたサンプルタイプの同定が決定される。本明細書に例示されている任意の好適な方法でサンプルタイプの同定を決定し得る。例えば、デバイスは、ユーザーがサンプルタイプの識別子をマニュアル入力できるようにするユーザーインターフェースを提示し得る。代替的に、デバイスは、バイアルに位置する若しくは関連付けられた1つ以上のインジケーターを分析することにより、又は容器の内容物の1つ以上の性質を分析することにより、サンプルタイプの同定を自動決定するように構成し得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、最初にサンプルタイプを自動同定するように構成し得る。そしてかかる自動同定に失敗した場合、デバイスは、エラーメッセージを提供し得、且つ/又はサンプルタイプの同定をマニュアル入力するようにデバイスのユーザーにプロンプトで指示し得る。サンプルタイプの同定を自動でなくマニュアルで実施する実施形態では、それほど高価でない及び/又はより簡単なデバイスが可能になり、この場合には検出器(例えば、RFIDリーダー、光学スキャナーなど)が必要でない。
【0189】
いくつかの実施形態では、デバイスは、2種以上のUCA配合物に適応するように配置し得、工程510は、サンプルを同定することを含み得る。他の実施形態では、デバイスは、単一UCA配合物のみを受容するように配置し得、工程510は、サンプルが特定デバイスのUCA配合物にマッチすることを確認することを含み得る。
【0190】
サンプルタイプを同定した後、プロセスは、行為520に進み、そこでサンプルに対して実施すべき1つ以上の動作を決定する。いくつかの実施形態では、デバイスは、特定のサンプルタイプの同定に対して実施すべき動作に関する情報を記憶するルックアップテーブル(LUT)又は他のデータ構造を記憶するように構成された少なくとも1つの記憶デバイスを含み得る。例えば、第1の動作セットは、バイアルが第1のUCA配合物タイプを含有すると決定された場合に行い得、及び第2の動作セットは、バイアルが第2のUCA配合物タイプを含有すると決定された場合に行い得る。デバイスは、任意の数の異なる配合物タイプを有する容器又はそれに入っている物質を識別するように構成し得るが、実施形態はこの点に限定されるものではない。
【0191】
いくつかの実施形態では、行為520は、容器上のインジケーターに記憶された1つ以上の動作を読み取ることも含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、サンプルのアイデンティティーを提供することに加えて、インジケーターは、1つ以上のプロセス工程、例えばサンプルを振盪するための振盪速度及び/又は時間を含み得る。
【0192】
実施すべき動作を決定した後、プロセスは、行為530に進み、そこで、デバイスに組み込まれた少なくとも1つのプロセッサーは、行為520で決定された動作を実施するようにデバイスのコンポーネントを指示する。いくつかの実施形態では、動作を実施する決定は、少なくとも部分的にはサンプルタイプの同定以外の因子に基づき得る。例えば、動作を実施すべきかを決定する場合、デバイスの蓋が閉じているか又はデバイスが特定の動作状態にあるかなどの因子を考慮し得る。少なくとも1つのプロセッサーは、任意の好適な方式で決定された動作の性能を達成するためにデバイスの各種コンポーネントと通信し得る。
【0193】
いくつかの実施形態では、デバイスは、ユーザーに警告して1つ以上の動作の実施を停止するように配置し得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、振盪速度が同定サンプルに対して速すぎるか又は遅すぎるとして記録された場合、ユーザーに警告して振盪を停止するように配置し得る。かかる場合、デバイスは、それ自体をオフにし、且つ/又は工程530の動作の実施を完了しないようにも配置され得る。
【0194】
いくつかの実施形態では、工程520で決定された動作と工程530で実施された動作とを比較し得るように、デバイスはフィードバックループを含み得る。例えば、工程530で実施される振盪速度は、工程520で決定された速度と比較し得る。かかる実施形態では、実施された動作が決定された動作と異なる場合、デバイスは、ユーザーに警告し得るか及び又は工程530の下での動作を終了し得る。
【0195】
図10は、より詳細に以下に記載される実施形態に係るRFID同定を用いてバイアル中のサンプルに対して実施すべき動作を決定するプロセスの詳細なフローチャートを例示する。図10に例示されるように、デバイスに挿入された容器上にRFIDタグが存在し得る場合、デバイスは、第1のUCA配合物タイプ(DEFINITY(登録商標))又は第2のUCA配合物タイプ(DEFINITY-II)を含有するとして容器を同定するためにRFIDタグを読み取る。同定及び満足すべき他の条件に基づいて、デバイスは特定量の時間にわたり活性化される。いくつかの実施形態では、図10に示されるように、デバイスは、容器がDEFINITY-IIを含有するかを最初に質問し、続いて、容器がDEFINITYを含有するかの別の質問を行うように構成し得るものと理解されるべきである。代替的に、他の実施形態では、デバイスは、容器がDEFINITYを含有するかを最初に質問し、続いて、容器がDEFINITY-IIを含有するかの別の質問を行うように構成し得る。いくつかの場合、第1の質問で肯定的回答が得られたら、デバイスは、第2の質問を実施しなくてもよい。
【0196】
本明細書に記載の本発明の実施形態のいずれかと組み合わせて使用し得るコンピューターシステム700の例示的な実装形態が図11に示される。コンピューターシステム800は、1つ以上のプロセッサー710と、1つ以上のコンピューター可読の有形の非一時的記憶媒体(例えば、メモリー720、1つ以上の不揮発性記憶媒体730又は任意の他の好適な記憶デバイス)とを含み得る。プロセッサー710は、メモリー720及び不揮発性記憶デバイス730に対するデータ書込み及びデータ読出しを任意の好適な方式で制御し得るが、本明細書に記載の本発明の態様は、この点に限定されるものではない。本明細書に記載の機能のいずれかを実施するために、プロセッサー710は、プロセッサー710により実行される命令を記憶する有形の非一時コンピューター可読記憶媒体として機能し得る1つ以上のコンピューター可読記憶媒体(例えば、メモリー720)に記憶された1つ以上の命令を実施し得る。
【0197】
以上に記載の本発明の実施形態は、多くの方法のいずれかで実現し得る。例えば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せを用いて実現し得る。ソフトウェアで実現する場合、ソフトウェアコードは、単一コンピューターに提供されるか又はき複数のコンピューターに分散されるかにかかわらず、任意の好適なプロセッサー又は一群のプロセッサーで実行可能である。以上に記載の機能を実施する任意のコンポーネント又は一群のコンポーネントは、以上で考察された機能を制御する1つ以上のコントローラーであると一般にみなし得ることを認識すべきである。1つ以上のコントローラーは、多くの方法において、例えば以上に述べた機能を実施するマイクロコード又はソフトウェアを用いてプログラムされた専用ハードウェアを用いて又は汎用ハードウェア(例えば、1つ以上のプロセッサー)を使用して実現可能である。
【0198】
この点では、本発明の実施形態の一実装形態は、プロセッサーで実行したときに本発明の実施形態の以上で考察された機能を実施するコンピュータープログラム(すなわち、複数の命令)でコードされた少なくとも1つの非一時的コンピューター可読記憶媒体(例えば、コンピューターメモリー、USBドライブ、フラッシュメモリー、コンパクトディスク、テープなど)を含むことを認識すべきである。コンピューター可読記憶媒体は、本明細書で考察された本発明の態様を実現するために、記憶されたプログラムを任意のコンピューター資源にロードできるようにトランスポート可能であり得る。そのほか、実行時に以上で考察された機能を実施するコンピュータープログラムへの参照は、ホストコンピューター上で実行されるアプリケーションプログラムに限定されるものではないことを認識すべきである。より正確には、コンピュータープログラムという用語は、以上で考察された本発明の態様を実現するようにプロセッサーをプログラムするために利用可能な任意のタイプのコンピューターコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すものとして一般的な意味で本明細書では用いられる。
【0199】
使用及び用途
本発明は、本明細書に提供されるUCA配合物を使用する方法を提供する。活性化後、UCA配合物は、インビボでヒト対象若しくは非ヒト対象において又はインビトロで使用し得る。本明細書に提供される配合物は、診断若しくは治療の目的で又は診断と治療とを組み合わせた目的で使用し得る。
【0200】
ヒト対象のためのUCAとして使用する場合、配合物は、十分な数のガス充填マイクロスフェアを形成するために本明細書に記載されるように活性化される。マイクロスフェアは、診断若しくは治療目的で又は診断及び治療目的の組合せにおいて、任意選択的に超音波との組合せで使用され得る。かかるマイクロスフェアは、直接(ニートで)使用し得るか、又は薬学的に許容可能な溶液をはじめとする溶液中にさらに希釈して1回以上のボーラス注射又は連続注入により投与し得る。投与は、典型的には静脈内注射である。マイクロスフェアをイメージング用途で使用する場合、かかるイメージングは、その後まもなく実施される。イメージング用途では、心臓を対象とし得るか、又は超音波イメージングに対して感受性のある身体の他の領域を含み得る。イメージングは、限定されるものではないが心臓、血管、心血管系、肝臓、腎臓及び頭部をはじめとする身体の1つ以上の器官又は領域のイメージングであり得る。
【0201】
本発明の対象としては、ヒト及び動物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合にはヒトが好ましい。動物は、イヌやネコなどの伴侶動物及び限定されるものではないが、ウシやウマなどの農業動物又は受賞動物を含む。
【0202】
UCAは有効量で投与される。有効量は、意図されるインビボ反応及び/又は用途を促進又は惹起する量であろう。超音波用途などのイメージング用途との関連では、有効量は、対象又は対象の領域のイメージングを可能にする、脂質マイクロスフェアの量であり得る。
【0203】
脂質
こうしたUCA配合物は、1種、典型的には2種以上の脂質を含む。本明細書で用いられる場合、「脂質」又は「全脂質」又は「組合せ脂質」は、脂質の混合物を意味する。
【0204】
脂質は、個別の固体状態(例えば、粉末)の形態で提供し得る。代替的に、脂質は、脂質ブレンドとして提供し得る。脂質ブレンドの作製方法は、米国特許第8,084,056号明細書及び公開PCT出願の国際公開第99/36104号パンフレットに記載のものを含む。脂質ブレンドは、本明細書で用いられる場合、ブレンドされて個別の粉末形態の脂質の単純混合により達成可能なものよりも均一な脂質混合物を生じた2種以上の脂質を意味することが意図される。脂質ブレンドは、一般に粉末形態である。脂質ブレンドは、水性懸濁凍結乾燥プロセス又は有機溶媒を用いた有機溶媒溶解沈殿プロセスにより作製し得る。水性懸濁凍結乾燥プロセスでは、所望の脂質は、昇温で水中に懸濁され、次いで凍結乾燥により濃縮される。
【0205】
有機溶媒溶解方法は、以下の工程を含む。
【0206】
(a)所望の脂質(例えば、DPPA、DPPC及びMPEG5000 DPPE)と第1の非水性溶媒系とを接触させる工程。この系は、典型的には、溶媒の組合せ、例えば、CHCl/MeOH、CHCl/MeOH、トルエン/MeOHである。好ましくは、第1の非水性溶媒は、トルエンとメタノールとの混合物である。完全溶解を達成するのに十分な温度に脂質溶液を加温することが望ましいこともある。かかる温度は、好ましくは約25~75℃、より好ましくは約35~65℃である。溶解後、非溶解異物は、熱時濾過により除去し得るか、又は室温に冷却してから濾過し得る。公知の濾過方法を使用し得る(例えば、重力濾過、真空濾過又は圧力濾過)。
【0207】
(b)次いで、溶液は厚いゲル/半固体に濃縮される。濃縮は、好ましくは真空蒸留により行われる。ロータリーエバポレーションなどの他の溶液濃縮方法を使用することも可能である。この工程の温度は、好ましくは約20~60℃、より好ましくは30~50℃である。
【0208】
(c)次いで、厚いゲル/半固体は、第2の非水性溶媒中に分散される。混合物は、好ましくはで周囲温度近傍(例えば、15~30℃)でスラリー化される。有用な第2の非水性溶媒は、濾過された溶液から脂質を沈殿させるものである。第2の非水性溶媒は、好ましくはメチルt-ブチルエーテル(MTBE)である。他のエーテル及びアルコールを使用し得る。
【0209】
(d)次いで、第2の非水性溶媒の添加時に生成された固体が捕集される。好ましくは、捕集された固体は、第2の非水性溶媒(例えば、MTBE)の他の部分で洗浄される。捕集は、好ましくは周囲温度で真空濾過又は遠心分離により行い得る。捕集後、約20~60℃の温度で固体を真空乾燥させることが有利である。
【0210】
脂質ブレンドの生成方法に関連する米国特許第8,084,056号明細書及び公開PCT出願の国際公開第99/36104号パンフレットの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0211】
有機溶媒溶解沈殿プロセスは、有機溶解方法を用いて得られる均一分布脂質固体を含めて米国特許第8,084,056号明細書及び公開PCT出願の国際公開第99/36104号パンフレットに概説されているいくつかの理由で水性懸濁/凍結乾燥プロセスよりも好ましい。
【0212】
代替的に、脂質は、非水性混合物を形成するためにプロピレングリコール、グリセロール又はプロピレングリコール/グリセロール中に一緒に又は個別に直接溶解される個別粉末として提供し得る。
【0213】
本明細書で用いられる場合、脂質溶液は、脂質の混合物を含む溶液である。同様に、脂質配合物は、1種以上の脂質を含む配合物である。脂質は、陽イオン性、陰イオン性又は中性の脂質であり得る。脂質は、例えば、脂肪酸、フッ素化脂質、中性脂肪、ホスファチド、油、フッ素化油、グリコ脂質、界面活性剤(界面活性剤及びフルオロ界面活性剤)、脂肪族アルコール、ワックス、テルペン及びステロイドを含めて、天然、合成又は半合成のいずれかの起源であり得る。
【0214】
脂質の少なくとも1つは、リン脂質であり得るため、脂質ブレンドは、リン脂質ブレンドとして参照し得る。リン脂質は、本明細書で用いられる場合、極性(親水性)リン酸ヘッド基を有する油性(疎水性)炭化水素鎖を含有する脂肪物質である。リン脂質は、両親媒性である。それらは、自然に水性媒体中に境界及び閉鎖マイクロスフェアを形成する。
【0215】
脂質は、好ましくはすべてリン脂質、好ましくは1,2-ジパルミトイル-sn-グルセロ-3-ホスファチジルコリン(DPPC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グルセロ-3-ホスファチジン酸(DPPA)及び1,2-ジパルミトイル-sn-グルセロ-3-ホスファチジルエタノールアミン(DPPE)である。DPPA及びDPPEは、モノナトリウム塩の形態で提供し得る。
【0216】
いくつかの場合、脂質成分は、インビボ環境を含めて周囲環境とマイクロスフェアとの反応性を減少させて半減期を伸ばすように修飾し得る。キチン、ヒアルロン酸、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマーを有する脂質もこの目的に使用し得る。PEGにコンジュゲートされた脂質は、本明細書ではPEG化脂質として参照される。好ましくは、PEG化脂質は、DPPE-PEG又はDSPE-PEGである。
【0217】
PEGなどのポリマーへの脂質のコンジュゲーションは、様々な連結又は結合、例えば、限定されるものではないが、アミド結合、カルバメート結合、アミン結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、チオアミド結合及びジスルフィド(チオエステル)結合により達成し得る。
【0218】
PEGの末端基は、限定されるものではないが、ヒドロキシ-PEG(HO-PEG)(又はその反応性誘導体)、カルボキシ-PEG(COOH-PEG)、メトキシ-PEG(MPEG)若しくは他の低級アルキル基、例えばiso-プロポキシPEG若しくはt-ブトキシPEG、アミノPEG(NH2PEG)又はチオール(SH-PEG))であり得る。
【0219】
PEGの分子量は、約1000~約7500及び約1000~約5000を含めて約500~約10000で様々であり得る。いくつかの重要な実施形態では、PEGの分子量は、約5000である。したがって、DPPE-PEG5000又はDSPE-PEG5000は、約5000の分子量を有するPEGポリマーに結合されたDPPE又はDSPEを意味する。
【0220】
脂質溶液中の脂質の全量に対するPEG化脂質のパーセントは、モル基準で約2%~約20%である。種々の実施形態では、脂質の全量に対するPEG化脂質のパーセントは、5モルパーセント~約15モルパーセントである。
【0221】
好ましくは、脂質は、1,2-ジパルミトイル-sn-グルセロ-3-ホスファチジルコリン(DPPC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グルセロ-3-ホスファチジン酸のモノナトリウム塩(DPPA)及びN-(ポリエチレングリコール5000カルバモイル)-1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルエタノールアミンのモノナトリウム塩(PEG5000-DPPE)である。ポリエチレングリコール5000カルバモイルは、メトキシポリエチレングリコール5000カルバモイルであり得る。いくつかの重要な実施形態では、脂質は、DPPA、DPPC及びPEG5000-DPPEの1つ、2つ又は3つすべてであり得る。PEG5000-DPPEは、MPEG5000-DPPE又はHO-PEG5000-DPPEであり得る。
【0222】
Ungerらの米国特許第5,469,854号明細書に記載されるような多様な脂質を本プロセスで使用し得る。好適な脂質としては、例えば、脂肪酸、リゾ脂質、フッ素化脂質、ホスホコリン、例えば、血小板活性化因子(PAF)関連のもの(Avanti Polar Lipids,Alabaster,Ala.)、例えば1-アルキル-2-アセトイル-sn-グルセロ3-ホスホコリン及び1-アルキル-2-ヒドロキシ-sn-グルセロ3-ホスホコリン、飽和及び不飽和の両方の脂質のホスファチジルコリン、例えばジオレオイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジペンタデカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファトジルコリン、1,2-ジパルミトイル-sn-グルセロ-3-ホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)及びジアラキドニルホスファチジルコリン(DAPC)、ホスファチジルエタノールアミン、例えばジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、1,2-ジパルミトイル-sn-グルセロ-3-ホスファチジルエタノールアミン(DPPE)及びジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、例えばジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴ脂質、例えばスフィンゴミエリン、グリコ脂質、例えばガングリオシドGM1及びGM2、グルコ脂質、スルファチド、グリコスフィンゴ脂質、ホスファチジン酸、例えば1,2-ジパルミトイル-sn-グルセロ-3-ホスファチジン酸(DPPA)及びジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸及びオレイン酸が挙げられる。
【0223】
他の好適な脂質としては、ホスファチジルコリン、例えばジオレシルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)及びジステアロイルホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、例えばジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン及びN-スクシニル-ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、スフィンゴ脂質、グリコ脂質、例えばガングリオシドGM1、グルコ脂質、スルファチド、グリコスフィンゴ脂質、ホスファチジン酸、例えばジパルマトイルホスファチジン酸(DPPA)、パルミチン脂肪酸、ステアリン脂肪酸、アラキドン脂肪酸、ラウリン脂肪酸、ミリスチン脂肪酸、ラウロレイン脂肪酸、抹香脂肪酸、ミリストレイン脂肪酸、パルミトレイン脂肪酸、ペトロセリン脂肪酸、オレイン脂肪酸、イソラウリン脂肪酸、イソミリスチン脂肪酸、イソパルミチン脂肪酸、イソステアリン脂肪酸、コレステロール及びコレステロール誘導体、例えばコレステロールヘミスクシネート、コレステロールスルフェート及びコレステリル-(4’-トリメチルアンモニオ)-ブタノエート、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコール、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエチル化ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールポリエチレングリコールオキシステアレート、グリセロールポリエチレングリコールリシノレート、エトキシル化ダイズステロール、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン脂肪酸ポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸ステアレート、12-(((7’-ジエチルアミノクマリン-3-イル)-カルボニル)-メチルアミノ)-オクタデカン酸、N-[12-(((7’-ジエチルアミノ-クマリン-3-イル)-カルボニル)-メチル-アミノ)オクタデカノイル]-2-アミノ-パルミチン酸、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロール、1,2-ジパルミトイル-sn-3-スクシニルグリセロール、1,3-ジパルミトイル-2-スクシニルグリセロール並びに1-ヘキサデシル-2-パルミトイル-グリセロホスホエタノールアミン及びパルミトイルホモシステイン、ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド(ラウリル-=ドデシル-)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(セトリル-=ヘキサデシル-)、ミリスチルトリメチルアミニウムブロミド(ミリスチル-=テトラデシル-)、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、例えばアルキルがC12、C14又はC16アルキルであるもの、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムブロミド、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムブロミド、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムブロミド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、セチルジメチルエチルアンモニウムブロミド、セチルジメチルエチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド、N-[1-2,3-ジオレオイルオキシ)-プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、1,2-ジオレオイルオキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロパン(DOTAP)及び1,2-ジオレオイル-e-(4’-トリメチルアンモニオ)-ブタノイル-sn-グリセロール(DOTB)が挙げられる。
【0224】
いくつかの実施形態では、DPPA、DPPC及びDPPEを使用する場合、それらのモルパーセントは、約77~90モル%DPPC、約5~15モル%DPPA及び約5~15モル%DPPE(DPPE-PEG5000を含む)であり得る。各脂質の好ましい比としては、実施例の部に記載のもの、例えば6.0対53.5対40.5(DPPA:DPPC:MPEG5000-DPPE)の重量%比又は10対82対8(10:82:8)(DPPA:DPPC:MPEG5000-DPPE)のモル%比が挙げられる。
【0225】
DPPC及びDPPE並びに任意選択的にMPEG5000-DPPEが使用されるいくつかの実施形態では、それらのモルパーセントは、約77~90モル%DPPC、約5~15モル%DPPE、約5~15モル%MPEG5000-DPPEであり得る。各脂質の好ましい比としては、実施例の部に記載のもの、例えば6.0対53.5対40.5(DPPE:DPPC:MPEG5000-DPPE)の重量%比又は10対82対8(10:82:8)(DPPE:DPPC:MPEG5000-DPPE)のモル%比が挙げられる。
【0226】
ガス
ガスは、好ましくは、本明細書に提供される脂質溶液に実質的に不溶である。ガスは、六フッ化硫黄又はペルフルオロカーボンガスなどの非可溶性フッ素化ガスであり得る。ペルフルオロカーボンガスの例としては、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、ペルフルオロブタン、ペルフルオロペンタン、ペルフルオロヘキサンが挙げられる。本発明のマイクロスフェアで使用し得るガスの例は、米国特許第5,656,211号明細書に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。重要な実施形態では、ガスは、ペルフルオロプロパンである。
【0227】
ガスの例としては、限定されるものではないが、ヘキサフルオロアセトン、イソプロピルアセチレン、アレン、テトラフルオロアレン、三フッ化ホウ素、1,2-ブタジエン、1,3-ブタジエン、1,2,3-トリクロルブタジエン、2-フルオロ-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3ブタジエン、ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン、ブタジイン、1-フルオロブタン、2-メチルブタン、デカフルオロブタン(ペルフルオロブタン)、デカフルオロイソブタン(ペルフルオロイソブタン)、1-ブテン、2-ブテン、2-メチ-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、ペルフルオロ-1-ブテン、ペルフルオロ-1-ブテン、ペルフルオロ-2-ブテン、4-フェニル-3-ブテン-2-オン、2-メチル-1-ブテン-3-イン、ブチルニトレート、1-ブチン、2-ブチン、2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-ブチン、3-メチル-1-ブチン、ペルフルオロ-2-ブチン、2-ブロモ-ブチルアルデヒド、硫化カルボニル、クロトノニトリル、シクロブタン、メチルシクロブタン、オクタフルオロシクロブタン(ペルフルオロシクロブタン)、ペルフルオロイソブタン、3-クロロシクロペンテン、シクロプロパン、1,2-ジメチルシクロプロパン、1,1-ジメチルシクロプロパン、エチルシクロプロパン、メチルシクロプロパン、ジアセチレン、3-エチル-3-メチルジアジリジン、1,1,1-トリフルオロジアゾエタン、ジメチルアミン、ヘキサフルオロジメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ビス-(ジメチルホスフィン)アミン、2,3-ジメチル-2-ノルボルナン、ペルフルオロジメチルアミン、ジメチルオキソニウムクロリド、1,3-ジオキソラン-2-オン、1,1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1-トリフルオロエタン、1,1,2,2-テトラフルオロエタン、1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタン、1,1-ジクロロエタン、1,1-ジクロロ-1,2,2,2-テトラフルオロエタン、1、2-ジフルオロエタン、1-クロロ-1,1,2,2,2-ペンタフルオロエタン、2-クロロ-1,1-ジフルオロエタン、1-クロロ-1,1,2,2-テトラフルオロ-エタン、2-クロロ-1,1-ジフルオロエタン、クロロエタン、クロロペンタフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、フルオロエタン、ニトロペンタフルオロエタン、ニトロソペンタフルオロ-エタン、ペルフルオロエタン、ペルフルオロエチルアミン、エチルビニールエーテル、1,1-ジクロロエチレン、1,1-ジクロロ-1,2-ジフルオロ-エチレン、1,2-ジフルオロエチレン、メタン、メタン-スルホニル-クロリ-デトリフルオロ、メタン-スルホニル-フルオリド-トリフルオロ、メタン-(ペンタフルオロチオ)トリフルオロ、メタン-ブロモ-ジフルオロ-ニトロソ、メタン-ブロモ-フルオロ、メタン-ブロモ-クロロ-フルオロ、メタン-ブロモ-トリフルオロ、メタン-クロロ-ジフルオロ-ニトロ、メタン-クロロ-ジニトロ、メタン-クロロ-フルオロ、メタン-クロロ-トリフルオロ、メタン-クロロ-ジフルオロ、メタン-ジブロモ-ジフルオロ、メタン-ジクロロ-ジフルオロ、メタン-ジクロロ-フルオロ、メタン-ジフルオロ、メタン-ジフルオロ-ヨード、メタン-ジシラノ、メタン-フルオロ、メタン-ヨードメタン-ヨード-トリフルオロ、メタン-ニトロ-トリフルオ、メタン-ニトロソ-トリオフルオロ、メタン-テトラフルオロ、メタン-トリクロロ-フルオロ、メタン-トリフルオロ、メタンスルフェニルクロリド-トリフルオロ、2-メチルブタン、メチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルラクテート、メチルニトリット、メチルスルフィド、メチルビニルエーテル、ネオペンタン、窒素(N)、亜酸化窒素、1,2,3-ノナデカントリカルボン酸-2-ヒドロキシクリメチルエステル、1-ノネン-3-イン、酸素(O)、酸素17(17)、1,4-ペンタジエン、n-ペンタン、ドデカフルオロペンタン(ペルフルオロペンタン)、テトラデカフルオロヘキサン(ペルフルオロヘキサン)、ペルフルオロイソペンタン、ペルフルオロネオペンタン、2-ペンタノン-4-アミノ-4-メチル、1-ペンテン、2-ペンテン{シス}、2-ペンテン{トランス}、1-ペンテン-3-ブロモ、1-ペンテン-ペルフルオロ、フタル酸-テトラクロロ、ピペリジン-2,3,6-トリメチル、プロパン、プロパン-1,1,1,2,2,3-ヘキサフルオロ、プロパン-1,2-エポキシ、プロパン-2,2ジフルオロ、プロパン-2-アミノ、プロパン-2-クロロ、プロパン-ヘプタフルオロ-1-ニトロ、プロパン-ヘプタフルオロ-1-ニトロソ、ペルフルオロプロパン、プロペン、プロピル-1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロ-2,3ジクロロ、プロピレン-1-クロロ、プロピレン-クロロ-{トランス}、プロピレン-2-クロロ、プロピレン-3-フルオロ、プロピレン-ペルフルオロ、プロピン、プロピン-3,3,3-トリフルオロ、スチレン-3-フルオロ、六フッ化硫黄、硫黄(ジ)-デカフルオロ(S10)、トルエン-2,4-ジアミノ、トリフルオロアセトニトリル、トリフルオロメチルペルオキシド、トリフルオロメチルスルフィド、六フッ化タングステン、ビニルアセチレン、ビニルエーテル、ネオン、ヘリウム、クリプトン、キセノン(特にルビジウム富化過分極キセノンガス)、二酸化炭素、ヘリウム及び空気が挙げられる。
【0228】
フッ素化ガス(すなわち1つ以上のフッ素分子を含有するガス、例えば六フッ化硫黄)、フルオロカーボンガス(すなわちフッ素化炭素又はガスであるフッ素化ガス)及びペルフルオロカーボンガス(すなわち完全フッ素化されたフルオロカーボンガス、例えばペルフルオロプロパン及びペルフルオロブタン)が好ましい。
【0229】
ペルフルオロカーボンガスなどのガスは、典型的には、生成時に空気が取り込まれるため、室温においてその純粋な濃度未満で存在する。ペルフルオロプロパンの濃度は、非水性混合物とガスヘッドスペースとを含むバイアル中に存在する場合、約1気圧の圧力で約6.52mg/mLであると予想される。他のガスの濃度は、当技術分野で公知のように、生成時に空気が取り込まれるため同様に希釈されるであろう。
【0230】
ペルフルトレンガスなどのガスは、空気以外のガスを提供するために、溶液を含む容器(例えば、バイアル)又は溶液自体に注入又はさもなければ添加し得る。空気よりも重くないガスは、密閉容器に添加し得るが、空気よりも重いガスは、密閉容器又は非密閉容器に添加し得る。
【0231】
ガス前駆体も使用し得ると共に、続いて温度変化又は圧力変化のいずれかにより前駆体からガスに変換し得ることは、当業者であれば理解されるであろう。
【0232】
したがって、本開示は、以下の項目形態で提供されるようにいくつかの発明の実施形態を提供する。
【0233】
項目1.ガス充填マイクロスフェアを形成するための装置であって、
超音波コントラスト剤(UCA)配合物を含む容器を保持するように配置されたホルダーと、
少なくとも1つの速度でホルダーを振盪するように配置された振盪手段と
を含み、振盪手段は、トランスミッションを介してホルダーの移動を駆動するように配置されたモーターを含み、トランスミッションの少なくとも一部分は、UCA配合物の活性化中にスリップを防止するように配置され、任意選択的に、トランスミッションは、移動に対して摩擦及び/又は抵抗を生じるように配置される、装置。
【0234】
項目2.トランスミッションは、歯付き、有孔、凹陥ベルト若しくはトラック、ドライブチェーン、Oリング又はギアボックスの少なくとも1つを含む、項目1に記載の装置。
【0235】
項目3.トランスミッションは、ホルダー及びモーターの各々に動作可能に接続された歯付きベルトを含む、項目1に記載の装置。
【0236】
項目4.トランスミッションは、第1及び第2の歯形ホイールを有するギアを含み、第1の歯付きホイールは、ホルダーに装着可能であり、及び第2の歯付きホイールは、モーターに装着可能である、項目3に記載の装置。
【0237】
項目5.歯付きベルトは、第1及び第2の歯付きホイールの各々に係合するように配置される、項目4に記載の装置。
【0238】
項目6.第1及び第2の歯付きホイールは、互いに実質的に平行である、項目5に記載の装置。
【0239】
項目7.第1及び第2の歯付きホイールは、互いに実質的に共平面上にある、項目6に記載の装置。
【0240】
項目8.トランスミッションは、第1及び第2のOリングを含み、第1のOリングは、第1の歯付きホイールの第1の側面に位置決めされ、及び第2のOリングは、第1の歯付きホイールの第2の側面に位置決めされる、項目4に記載の装置。
【0241】
項目9.第1及び第2のOリングの各々並びに第1の歯付きホイールは、ホルダーに装着可能なスピンドルの周りに位置決めされる、項目8に記載の装置。
【0242】
項目10.トランスミッションは、ホルダー及びモーターの各々に動作可能に接続されたドライブチェーンを含む、項目2に記載の装置。
【0243】
項目11.トランスミッションは、第1及び第2のプロファイル付きホイールを含み、第1のプロファイル付きホイールは、ホルダーに装着可能であり、及び第2のプロファイル付きホイールは、モーターに装着可能である、項目10に記載の装置。
【0244】
項目12.第1及び第2のプロファイル付きホイールは、第1及び第2のスプロケットを含み、ドライブチェーンは、第1及び第2のスプロケットの各々に係合するように配置される、項目11に記載の装置。
【0245】
項目13.トランスミッションは、2つ以上のOリングを含み、及び振盪手段は、ホルダー及びモーターにそれぞれ装着可能な第1の及びプーリーを含み、2つ以上のOリングは、第1及び第2のプーリーの各々に係合するように配置される、項目2に記載の装置。
【0246】
項目14.ハウジングをさらに含み、振盪手段は、ハウジング内に配設される、項目1~13のいずれか1つに記載の装置。
【0247】
項目15.容器中のUCA配合物を同定するように配置された第1の同定手段をさらに含む、項目1~14のいずれか1つに記載の装置。
【0248】
項目16.第1の同定手段は、RFIDリーダー、マイクロチップリーダー及びバーコードスキャナーの少なくとも1つを含む、項目15に記載の装置。
【0249】
項目17.第1の同定手段は、アンテナを含む、項目15に記載の装置。
【0250】
項目18.ホルダーは、振盪機アームを含む、項目1~17のいずれか1つに記載の装置。
【0251】
項目19.少なくとも1つの速度は、あらかじめ決められる、項目1~18のいずれか1つに記載の装置。
【0252】
項目20.少なくとも1つの速度は、装置によりあらかじめ設定される、項目1~18のいずれか1つに記載の装置。
【0253】
項目21.少なくとも1つの速度は、4830rpm未満である、項目1~20のいずれか1つに記載の装置。
【0254】
項目22.少なくとも1つの速度は、約4830rpm~約6000rpmである、項目1~20のいずれか1つに記載の装置。
【0255】
項目23.なくとも1つの速度は、約4530rpmである、項目1~21のいずれか1つに記載の装置。
【0256】
項目24.少なくとも1つの速度は、約4950rpmである、項目1~20及び22のいずれか1つに記載の装置。
【0257】
項目25.少なくとも1つの速度は、約4530rpmの第1の速度及び約4950rpmの第2の速度を含む、項目1~18のいずれか1つに記載の装置。
【0258】
項目26.2つ以上の速度でホルダーを振盪するように配置され、2つ以上の速度は、約4300rpm~約6000rpm、任意選択的に約4300rpm~約5000rpmである、項目1~18のいずれか1つに記載の装置。
【0259】
項目27.第1の同定手段は、容器中のUCA配合物の少なくとも1つの振盪速度を同定するようにさらに配置される、項目15に記載の装置。
【0260】
項目28.同定手段は、容器上のインジケーターを読み取ることにより、UCA配合物及び/又はUCA配合物の少なくとも1つの振盪速度を同定するように配置される、項目17に記載の装置。
【0261】
項目29.モーターは、直流(DC)モーター、任意選択的にブラシレスDCモーターを含む、項目1~28のいずれか1つに記載の装置。
【0262】
項目30.ガス充填マイクロスフェアを形成するための振盪デバイスであって、
超音波コントラスト剤(UCA)配合物を含む容器を保持するように配置されたホルダーと、
容器中のUCA配合物を同定するように配置された同定手段と、
少なくとも1つの速度でホルダーを振盪するように配置された振盪手段と
を含み、振盪手段は、トランスミッションを介してホルダーの移動を駆動するように配置されたモーターを含み、トランスミッションは、歯付き、有孔、凹陥ベルト又はトラック、ドライブチェーン及びギアボックスの少なくとも1つを含む、振盪デバイス。
【0263】
項目31.トランスミッションは、第1及び第2の歯付きホイールを有するギアを含み、第1の歯付きホイールは、ホルダーに装着可能であり、及び第2の歯付きホイールは、モーターに装着可能である、項目30に記載の振盪デバイス。
【0264】
項目32.歯付きベルトは、第1及び第2の歯付きホイールの各々に係合するように配置される、項目31に記載の振盪デバイス。
【0265】
項目33.トランスミッションは、第1及び第2のスプロケットを含み、第1のスプロケットは、ホルダーに装着可能であり、及び第2のスプロケットは、モーターに装着可能である、項目30に記載の振盪デバイス。
【0266】
項目34.ドライブチェーンは、第1及び第2のスプロケットの各々に係合するように配置される、項目33に記載の振盪デバイス。
【0267】
項目35.ハウジングをさらに含み、振盪手段は、ハウジング内に配設される、項目30~34のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0268】
項目36.容器中のUCA配合物を同定するように配置された第1の同定手段をさらに含む、項目30~35のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0269】
項目37.第1の同定手段は、RFIDリーダー、マイクロチップリーダー及びバーコードスキャナーの少なくとも1つを含む、項目36に記載の振盪デバイス。
【0270】
項目38.第1の同定手段は、少なくとも1つのアンテナを含む、項目36に記載の振盪デバイス。
【0271】
項目39.第1の同定手段は、容器中のUCA配合物の振盪速度を同定するようにさらに配置される、項目36に記載の振盪デバイス。
【0272】
項目40.第1の同定手段は、容器上のインジケーターを読み取ることにより、UCA配合物及び/又はUCA配合物の振盪速度を同定する、項目36に記載の振盪デバイス。
【0273】
項目41.ホルダーは、振盪機アームを含む、項目30~41のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0274】
項目42.少なくとも1つの速度は、あらかじめ決められる、項目30~41のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0275】
項目43.少なくとも1つの速度は、振盪デバイスによりあらかじめ設定される、項目30~41のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0276】
項目44.少なくとも1つの速度は、4830rpm未満である、項目30~43のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0277】
項目45.少なくとも1つの速度は、約4830rpm~約6000rpmである、項目30~43のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0278】
項目46.少なくとも1つの速度は、約4530rpmである、項目30~44のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0279】
項目47.少なくとも1つの速度は、約4950rpmである、項目30~43及び46のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0280】
項目48.少なくとも1つの速度は、約4530rpmの第1の速度及び約4950rpmの第2の速度を含む、項目30~43のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0281】
項目49.2つ以上の速度でホルダーを振盪するように配置され、2つ以上の速度は、約4300rpm~約6000rpm、任意選択的に約4300rpm~約5000rpmである、項目30~43のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0282】
項目50.モーターは、直流(DC)モーター、任意選択的にブラシレスDCモーターである、項目30~49のいずれか1つに記載の振盪デバイス。
【0283】
項目51.超音波コントラストイメージングのためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法であって
トランスミッションを介してホルダーの移動を駆動するように配置されたモーターを含む振盪手段を有する振盪デバイスを使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するように超音波コントラスト剤(UCA)配合物を活性化することであって、ホルダーは、UCA配合物の入った容器を少なくとも1つの振盪速度で振盪するように配置され、トランスミッションの少なくとも一部分は、UCA配合物の活性化中にスリップを防止するように配置され、任意選択的に、トランスミッションは、移動に対して摩擦及び/又は抵抗を生じるように配置される、活性化することと、
対象にガス充填脂質マイクロスフェアを投与することと、
対象の超音波コントラスト画像を得ることと
を含む方法。
【0284】
項目52.容器は、その外表面上にインジケーターを含む、項目51に記載の方法。
【0285】
項目53.活性化する工程の前にUCA配合物を同定することをさらに含む、項目51に記載の方法。
【0286】
項目54.同定することは、同定手段を介してバイアルの外表面上のインジケーターを読み取ることを含む、項目53に記載の方法。
【0287】
項目55.同定手段は、RFIDリーダー、マイクロチップリーダー及びバーコードスキャナーの少なくとも1つを含む、項目54に記載の方法。
【0288】
項目56.同定手段は、少なくとも1つのアンテナを含む、項目54に記載の方法。
【0289】
項目57.任意選択的に振盪デバイスを使用して、容器中のUCA配合物の少なくとも1つの振盪速度を同定することをさらに含む、項目53に記載の方法。
【0290】
項目58.少なくとも1つの振盪速度は、あらかじめ決められる、項目51に記載の方法。
【0291】
項目59.少なくとも1つの振盪速度は、振盪デバイスによりあらかじめ設定される、項目51に記載の方法。
【0292】
項目60.少なくとも1つの振盪速度は、4830rpm未満である、項目51に記載の方法。
【0293】
項目61.少なくとも1つの振盪速度は、約4830rpm~約6000rpmである、項目51に記載の方法。
【0294】
項目62.少なくとも1つの振盪速度は、約4530rpmである、項目51に記載の方法。
【0295】
項目63.少なくとも1つの振盪速度は、約4950rpmである、項目51に記載の方法。
【0296】
項目64.少なくとも1つの速度は、約4530rpmの第1の速度及び約4950rpmの第2の速度を含む、項目51に記載の方法。
【0297】
項目65.任意選択的に振盪デバイスを使用して、容器中のUCA配合物の2つ以上の振盪速度を同定することをさらに含み、2つ以上の速度は、約4300rpm~約6000rpm又は任意選択的に約4300rpm~約5000rpmである、項目53に記載の方法。
【0298】
項目66.活性化することは、ホルダーを介して容器を振盪することを含む、項目51に記載の方法。
【0299】
項目67.ホルダーは、振盪機アームを含む、項目51に記載の方法。
【0300】
項目68.対象の超音波コントラストイメージングを行うためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法であって、
超音波コントラスト剤(UCA)配合物を同定することと、
UCA配合物を含む容器を保持するように配置されたホルダーを有する振盪デバイスと、モーター及びトランスミッションを介してホルダーの移動を駆動するように配置された振盪手段とを使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するようにUCA配合物を活性化することであって、トランスミッションは、歯形ベルト、ドライブチェーン及びギアボックスの少なくとも1つを含む、活性化することと、
対象にガス充填脂質マイクロスフェアを投与することと、
対象の超音波コントラスト画像を得ることと
を含む方法。
【0301】
項目69.容器は、その外表面上にインジケーターを含む、項目68に記載の方法。
【0302】
項目70.同定することは、振盪デバイス中に任意選択的に含まれる同定手段を介して容器の外表面上のインジケーターを読み取ることを含む、項目68に記載の方法。
【0303】
項目71.同定手段は、RFIDリーダー、マイクロチップリーダー及びバーコードスキャナーの少なくとも1つを含む、項目70に記載の方法。
【0304】
項目72.同定手段は、少なくとも1つのアンテナを含む、項目70に記載の方法。
【0305】
項目73.任意選択的に同定手段を使用して、同定手段を介して容器中のUCA配合物の振盪速度を同定することをさらに含む、項目68に記載の方法。
【0306】
項目74.活性化することは、ホルダーを介して容器を振盪することを含む、項目68に記載の方法。
【0307】
項目75.ホルダーは、振盪機アームを含む、項目74に記載の方法。
【0308】
項目76.超音波コントラストイメージングのためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法であって、
項目1~29のいずれか1つに記載の装置を使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するように超音波コントラスト剤(UCA)配合物を活性化することと、
対象にガス充填脂質マイクロスフェアを投与することと、
対象の超音波コントラスト画像を得ることと
を含む方法。
【0309】
項目77.超音波コントラストイメージングのためのガス充填脂質マイクロスフェアを使用する方法であって、
項目30~50のいずれか1つに記載の振盪デバイスを使用して、ガス充填脂質マイクロスフェアを形成するように超音波コントラスト剤(UCA)配合物を活性化することと、
対象にガス充填脂質マイクロスフェアを投与することと、
対象の超音波コントラスト画像を得ることと
を含む方法。
【0310】
項目78.UCA配合物は、DPPA、DPPC及びMPEG5000-DPPEを含む、項目51~77のいずれか1つに記載の方法。
【0311】
項目79.超音波コントラスト剤(UCA)配合物は、バイアル中にあり、且つバイアルは、ペルフルオロプロパンガスをさらに含み、且つガス充填マイクロスフェアは、ペルフルオロプロパンガス充填マイクロスフェアである、項目51~78のいずれか1つに記載の方法。
【0312】
項目80.少なくとも1つのアンテナは、第1及び第2のアンテナを含み、任意選択的に、第1及び第2のアンテナは、第2の容器がホルダー内に挿入されるとき、8の字経路に沿ってホルダーが位置決めされる場所を問わず、容器上のインジケーターを読み取るように配置される、項目17に記載の装置。
【0313】
項目81.少なくとも1つのアンテナは、第1及び第2のアンテナを含み、任意選択的に、第1及び第2のアンテナは、第2の容器がホルダー内に挿入されるとき、8の字経路に沿ってホルダーが位置決めされる場所を問わず、容器上のインジケーターを読み取るように配置される、項目38に記載の振盪デバイス。
【0314】
項目82.少なくとも1つのアンテナは、第2の容器がホルダー内に挿入されるとき、8の字経路に沿ってホルダーが位置決めされる場所を問わず、容器上のインジケーターを読み取るように配置される、項目56又は70に記載の方法。
【0315】
項目83.トランスミッションは、モーターが特定の速度で稼働せず、且つUCA配合物の一貫した活性化を維持することが可能であるように、共振を低減するように配置される、項目1又は30に記載の装置。
【0316】
項目84.トランスミッションは、モーターが特定の速度で稼働せず、且つUCA配合物の一貫した活性化を維持することが可能であるように、共振を低減するように配置される、項目51又は68に記載の方法。
【0317】
均等物
本発明のいくつかの実施形態を本明細書に説明及び例示してきたが、本明細書に記載の機能を発揮するための且つ/又は結果及び/若しくは利点の1つ以上を取得するための様々な他の手段及び/又は構造が当業者であれば容易に予想されるであろう。より一般的には、本明細書に記載のすべてのパラメーター、寸法、材料及び構成は、例示的であることが意図され、且つ実際のパラメーター、寸法、材料及び/又は構成は、本発明の教示が用いられる特定の1つ又は複数の用途に依存するであろうことは当業者であれば容易に理解されるであろう。当業者は、通常の実験の域を出ることなく、本明細書で説明した特定の本発明の実施形態に対する多くの均等な形態を認識又は確認できるであろう。したがって、以上の実施形態は、単なる例として提示されたものであり、且つ添付の請求項及びその均等物の範囲内において、本発明の実施形態は、特定的に記載及び特許請求されるもの以外で実施し得るものと理解すべきである。本開示の本発明の実施形態は、本明細書に記載の各個別の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法に関する。加えて、2つ以上のかかる特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の任意の組合せは、かかる特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が相互に一貫性がないとしても、本開示の本発明の範囲内に含まれる。
【0318】
すべての定義は、本明細書で定義及び使用される場合、辞書の定義、参照により組み込まれる文献の定義及び/又は定義された用語の通常の意味よりも優先することを理解すべきである。
【0319】
本明細書に開示される参照文献、特許及び特許出願のすべては、それぞれ引用されている主題に関して参照により組み込まれ、いくつかの場合には文献の全体が包含され得る。
【0320】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、明らかに相反する指定がされていない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解すべきである。
【0321】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「及び/又は」という語句は、そのように結合された要素の「一方又は両方」、すなわち、いくつかの場合には連結して存在し且つ他の場合には分離して存在する要素を意味するものと理解すべきである。「及び/又は」を用いて列挙された複数の要素は、同様に解釈されるべきである。すなわち、要素の「1つ以上」は、そのように結合される。任意選択的に、具体的に特定された要素に関連するかしないかにかかわらず、「及び/又は」という句により具体的に特定された以外の他の要素が存在し得る。したがって、例えば、「A及び/又はB」という参照語は、「含む」などのオープンエンドの言語と組み合わせて用いられる場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含めて)、他の実施形態では、Aのみ(任意選択的にA以外の要素を含めて)、さらに他の実施形態では、A及びBの両方(任意選択的に他の要素を含む)などを意味し得る。
【0322】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる場合、「又は」は、以上に定義された「及び/又は」と同一の意味を有するものと理解すべきである。例えば、リスト中の分離したアイテムの場合、「又は」又は「及び/又は」は、包括的なものと解釈されるものとする。すなわち、少なくとも1つを含むが、それだけでなく、いくつかの要素又は列挙された要素の2つ以上も含まれ、任意選択的に、追加の列挙されていないアイテムも含まれる。明らかに相反する指定がされている用語、例えば、「1つのみ」又は「厳密に1つ」又は特許請求の範囲で用いられる場合の「からなる」は、いくつかの要素又は列挙された要素の厳密に1つの要素の包含を意味するであろう。一般的には、本明細書で用いられる「又は」という用語は、「いずれか」、「1つ」、「1つのみ」又は「厳密に1つ」などのように排他性の用語が先行する場合、排他的代替物(すなわち「一方又は他方ただし両方ではない」)を表すとのみ解釈されるものとする。特許請求の範囲で用いられる「から本質的になる」は、特許法の分野で用いられるその通常の意味を有するものとする。
【0323】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる場合、1つ以上の要素のリストを参照する「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト中の任意の1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解すべきであるが、必ずしも、要素のリスト内に具体的に列挙されたあらゆる要素の少なくともの1つを含むとは限らず、要素のリスト中の要素の任意の組合せが除外されるとは限らない。この定義では、具体的に特定された要素に関連するかしないかにかかわらず、「少なくとも1つ」という語句が参照する要素のリスト内に具体的に特定された要素以外の要素が任意選択的に存在し得ることも許容される。そのため、限定されるものではないが、例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は均等に「A又はBの少なくとも1つ」又は均等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在せずに(任意選択的にB以外の要素を含めて)、任意選択的に2つ以上のAを含めて、少なくとも1つのA、他の実施形態ではAが存在せずに(任意選択的にA以外の要素を含めて)、任意選択的に2つ以上のBを含めて、少なくとも1つのB、さらに他の実施形態では任意選択的に2つ以上のAを含めて、少なくとも1つのA及び任意選択的に2つ以上のBを含めて、少なくとも1つのB(任意選択的に他の要素を含めて)などを意味し得る。
【0324】
明らかに相反する指定がされていない限り、2つ以上の工程又は行為を含む本明細書に特許請求されるいずれの方法でも、方法の工程又は行為の順序は、方法の工程又は行為が挙げられた順序に必ずしも限定されるとは限らないことも理解すべきである。特許請求の範囲では、以上の明細書の場合と同様に、「含む」、「包含する」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保持する」、「構成される」などの移行句のすべては、オープンエンドであることを理解すべきである。「からなる」及び「から本質的になる」という移行句のみは、米国特許庁特許審査手順マニュアル(United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures)のセクション2111.03に示されるように、それぞれクローズ又はセミクローズの移行句であるものとする。
図1
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図12
【国際調査報告】