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▶ エーゲーエフ-エドゥアルト ゲー.フィーデル ゲーエムベーハーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】装飾物
(51)【国際特許分類】
   C22C 5/02 20060101AFI20230823BHJP
   B22D 21/00 20060101ALI20230823BHJP
   A44C 5/00 20060101ALI20230823BHJP
   A44C 27/00 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
C22C5/02
B22D21/00 B
A44C5/00 E
A44C27/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549888
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2021066306
(87)【国際公開番号】W WO2022033749
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】102020121225.9
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521329394
【氏名又は名称】エーゲーエフ-エドゥアルト ゲー.フィーデル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ビンデル、カイ-エフ.
(72)【発明者】
【氏名】バイラクタリ、アヴニ
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA03
3B114BC01
3B114BE01
(57)【要約】
【課題】比較的安価にかつ新たなカラーを可能にする装飾物用合金等を提供する。
【解決手段】銅含有金合金からなる装飾物。前記金合金は、58.5質量%から58.7質量%の金、26.9質量%から32.6質量%の銅、5.7質量%から10.7質量%の銀、1.0質量%から3.0質量%のパラジウム、及び、0.7質量%から最大で2.2質量%の亜鉛を有する残部から構成される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅含有金合金からなる装飾物であって、
前記金合金は、
58.5質量%から58.7質量%の金、
26.9質量%から32.6質量%の銅、
5.7質量%から10.7質量%の銀、
1.0質量%から 3.0質量%のパラジウム、及び、
0.7質量%から 2.2質量%の亜鉛を有する残部
から構成されること
を特徴とする、装飾物。
【請求項2】
請求項1に記載の装飾物において、
前記金合金は、
58.6質量%の金、
29.0質量%から29.5質量%の銅、
8.5質量%から 9.0質量%の銀、
1.9質量%から 2.1質量%のパラジウム、及び、
1.4質量%から 1.5質量%の亜鉛を有する残部
から構成されること
を特徴とする、装飾物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装飾物の製造のための装飾物合金。
【請求項4】
請求項3に記載の装飾物合金の製造方法であって、
亜鉛成分は、黄銅と他の成分との溶融によって得られること
を特徴する、製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の製造方法において、
前記黄銅は、CuZn37の形で溶融されること
を特徴する、製造方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の製造方法において、
溶融物はその製造後に手作業で鋳造されること
を特徴する、製造方法。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の製造方法において、
溶融物はその製造後に連続鋳造法に供されること
を特徴する、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の、装飾(宝飾)品、とりわけリング状装飾品、装飾品の一部又は装飾品の製造のための半製品のような装飾(宝飾)物、そのような装飾物の製造のための装飾物(用)合金、及び、装飾物(用)合金の製造方法に関する。装飾物は、この場合、銅成分を含む金合金から製造されている。
【背景技術】
【0002】
DE60310555T2から、少なくとも75質量%の金成分及び少なくとも14質量%銅成分を含む、時計品、装飾品及び宝飾品の製造のための合金は既知である。更に、この種の金合金の場合に、銅及び銀の割合に応じてレッドからローズを介してイエローへのカラートーンを達成可能にする仕方が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE60310555T2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、既知の合金についての欠点は、当該合金は金成分が大きいためその製造が比較的高価であることである。更に、装飾品市場においては、既存のカラーの金合金を超えて、とりわけ金装飾品を製造する場合にも、新たなカラーのバリエーションを可能にし、その際、コスト上比較的好都合に製造可能である合金に対する需要(要求)がある。
【0005】
それゆえ、本発明の課題は、この種の装飾物において上記の欠点を回避すること、及び、新たなカラーの形成(創生)を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
【0008】
上記の課題は請求項1の特徴を有する銅含有金合金からなる装飾(宝飾)物によって解決される。この場合、金合金は、少なくとも58.5質量%から最大で58.7質量%の金、少なくとも26.9質量%から最大で32.6質量%の銅、少なくとも5.7質量%から最大で10.7質量%の銀、少なくとも1.0質量%から最大で3.0質量%のパラジウム及び少なくとも0.7質量%から最大で2.2質量%の亜鉛を有する残部から構成される。これによって、シャンパンカラー(champagnerfarben)と称することが可能な新規なカラートーンを有する装飾物が得られる。
【0009】
とりわけ好ましい一実施形態では、(金)合金は、58.6質量%の金、29.0質量%から29.5質量%の銅、8.5質量%から9.0質量%の銀、1.9質量%から2.1質量%のパラジウム及び1.4質量%から1.5質量%の亜鉛を有する残部から構成される。このような組成によって、格別に強烈なシャンパンカラーを達成することができ、金-銅合金の格別の良好な加工性を保証することができる。更に、シャンパンカラーを有する金合金はこの方法でコスト上比較的好都合に(有利に)製造されることができる。
【0010】
更に、上記の課題は、(金)合金の亜鉛成分が、少なくとも部分的に、黄銅と他の(亜鉛以外の)(金属)成分の溶融によって得られる方法によって解決される。この仕方で、溶融物(Schmelze)の亜鉛成分は格別に簡単に生成されることができる。
【0011】
有利には、この場合に溶融(により融合)される黄銅はCu63Zn37黄銅によって構成される。これによって、所望の亜鉛成分は格別に簡単にかつ正確な量で溶融されることができる。
【0012】
相応の(金合金の構成金属の)溶融物の製造(調製)後、該溶融物は、小さなないしは格別にフィリグリーな(細い線状の:filigran)装飾物をもシャンパン(カラーの)トーンで製造可能にするために、手作業で(鋳型等に)注入して鋳造される(鋳込まれる)ことが好ましい。
【0013】
代替的に又は付加的に、(金合金の構成金属の)溶融物は、とりわけ量がより大きい場合、例えば、後に装飾品へと更に加工するために、例えば完全に又は部分的にシャンパンカラーの装飾リングを製造するために、役立ち得る半製品を製造可能にするために、連続鋳造法(Stranggussverfahren)に供されることができる。
【実施例
【0014】
以下に、格別に輝かしいシャンパンカラートーンを有する装飾物合金及び装飾物の製造のための(金属)溶融物の好ましい一組成を示す。
【0015】
58.6質量% 金
26.7質量% 銅
8.7質量% 銀
2.0質量% パラジウム
4.0質量% CuZn37-黄銅
【国際調査報告】