(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】電池アセンブリ、その加工方法及び装置、電池セル、電池並びに電力消費装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20230823BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20230823BHJP
H01M 10/0587 20100101ALI20230823BHJP
H01M 10/0566 20100101ALI20230823BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20230823BHJP
H01M 50/591 20210101ALN20230823BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/052
H01M10/0587
H01M10/0566
H01M50/586
H01M50/591 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554732
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(85)【翻訳文提出日】2022-09-09
(86)【国際出願番号】 CN2021106359
(87)【国際公開番号】W WO2023283847
(87)【国際公開日】2023-01-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倪軍
(72)【発明者】
【氏名】喩鴻鋼
(72)【発明者】
【氏名】上官会会
(72)【発明者】
【氏名】杜▲シィン▼▲シィン▼
(72)【発明者】
【氏名】唐代春
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB07
5H028BB17
5H028BB19
5H028CC02
5H028CC08
5H028CC12
5H028EE01
5H028EE05
5H028EE10
5H029AJ05
5H029AJ12
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL07
5H029AL11
5H029AM01
5H029BJ14
5H029CJ22
5H029EJ01
5H029EJ05
5H029HJ12
5H043AA04
5H043BA19
5H043CA12
5H043GA22
5H043GA26
5H043HA22
5H043KA45
5H043LA21
(57)【要約】
本出願は、電極アセンブリ、その加工方法及び装置、電池セル、電池並びに電力消費装置を提供する。該電極アセンブリは、陰極板、陽極板、セパレータ及び導電層を含み、セパレータは、陰極板と陽極板を隔離するために用いられ、陰極板、セパレータ及び陽極板は巻き取られて折り曲げ領域が形成され、導電層は、導電層の少なくとも一部が折り曲げ領域における陰極板の表面に設けられるように構成され、陰極板は導電層で被覆される被覆領域を含み、導電層は被覆領域に並列に接続される。以上に説明した技術案によれば、導電層は、破断した陰極板間の電気的な接続を維持し、電極アセンブリの内部抵抗の増大を抑制することにより、電池セルの容量の減衰を低減させ、電池セルの容量の安定性を維持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリであって、
陰極板、陽極板、及びセパレータを含み、前記セパレータは、前記陰極板と前記陽極板を隔離するために用いられ、前記陰極板、前記セパレータ及び前記陽極板は、巻き取られて折り曲げ領域が形成され、
導電層は、前記導電層の少なくとも一部が前記折り曲げ領域における前記陰極板の表面に設けられるように構成され、前記陰極板は、導電層で被覆される被覆領域を含み、前記導電層は前記被覆領域に並列に接続される、電極アセンブリ。
【請求項2】
前記陰極板の1つの表面又は2つの表面に前記導電層が設けられる、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記導電層の少なくとも一部は、折り曲げ領域における前記陰極板の1回目の折り曲げ箇所及び/又は2回目の折り曲げ箇所に設けられる、請求項1又は2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記導電層は、折り曲げ領域における前記陽極板の1回目の折り曲げ箇所及び/又は前記陽極板の2回目の折り曲げ箇所にさらに設けられ、且つ前記陽極板に並列に接続される、請求項1~3のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記導電層は導電ベース層を含み、前記折り曲げ領域において、前記導電ベース層は前記陰極板に並列に接続される、請求項1~4のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記折り曲げ領域において、前記導電ベース層の前記陰極板に隣接する側の表面全体は、前記被覆領域に電気的に接続され、前記電極アセンブリの巻き取り方向に沿って、前記折り曲げ領域の中心線は前記導電ベース層を通る、請求項5に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記導電層は、
前記導電ベース層の前記陰極板から離れる側に設けられ、前記導電ベース層を被覆するイオンバリア層をさらに含み、前記イオンバリア層は、少なくとも一部のイオンが前記イオンバリア層の一の側に位置する前記陰極板から脱離することを阻止するために用いられる、請求項6に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記折り曲げ領域において、前記電極アセンブリの巻き取り方向に沿って、前記導電ベース層は、前記折り曲げ領域の中心線の両側に位置する2つの端部を含み、前記2つの端部は前記被覆領域にそれぞれ電気的に接続される、請求項5に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記導電ベース層は本体部をさらに含み、前記本体部は前記2つの端部に接続され、前記導電層はイオンバリア層をさらに含み、前記イオンバリア層は前記導電ベース層の前記本体部と前記陰極板との間に設けられ、前記イオンバリア層は、少なくとも一部のイオンが前記イオンバリア層の一側に位置する前記陰極板から脱離することを阻止するために用いられる、請求項8に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記導電層は絶縁層をさらに含み、前記絶縁層は、前記導電ベース層の前記陰極板から離れる側に設けられ、前記導電ベース層を被覆する、請求項6、8、9のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記導電ベース層は複数であり、前記電極アセンブリの巻き取り軸線に平行する方向に沿って、複数の前記導電ベース層は間隔をおいて配列される、請求項5~9のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記導電ベース層の総過電流面積は、接続される前記陰極板の集電体の過電流面積の1/3以上である、請求項5~9のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
前記イオンバリア層の材料は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ベーマイト、ワラストナイト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸/アクリル酸エステル、ブチルベンゼン、スチレンアクリル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、エポキシ接着剤、シリコーン接着剤、ポリウレタン接着剤、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体接着剤、及び以上の物質の変性体のうちの少なくとも1つを含む、請求項7又は9に記載の電極アセンブリ。
【請求項14】
前記導電ベース層の材料は、銀、金、ニッケル、銅、アルミニウム、ポリピロール、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタロシアニン系化合物、ポリアニリン、ポリチオフェンのうちの少なくとも1つを含む、請求項5~9のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項15】
前記導電層は複数であり、前記電極アセンブリの巻き取り軸線に平行する方向に沿って、複数の前記導電層は間隔をおいて配列される、請求項1~14のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項16】
電池セルであって、ケース、電解液、カバー板及び少なくとも1つの請求項1~15のいずれか一項に記載の電極アセンブリを含み、
前記ケースは収容室と開口を有し、前記電極アセンブリと前記電解液は前記収容室に収容され、
前記カバー板は、前記ケースの開口を閉塞するために用いられる、電池セル。
【請求項17】
電池であって、筐体と、少なくとも1つの請求項16に記載の電池セルとを含み、前記電池セルは前記筐体内に収容される、電池。
【請求項18】
電力消費装置であって、請求項17に記載の電池から供給される電力を受けるように構成される、電力消費装置。
【請求項19】
電極アセンブリの加工方法であって、
陰極板、陽極板及びセパレータを提供することと、
導電層を提供し、前記導電層を前記陰極板の所定箇所に設け、前記陰極板は導電層で被覆される被覆領域を含み、前記導電層を前記被覆領域に並列に接続させることと、
前記陰極板、陽極板及びセパレータを巻き取り、前記陰極板、前記セパレータ及び前記陽極板は巻き取られて折り曲げ領域が形成され、前記所定箇所は、巻き取られた後に前記導電層の少なくとも一部が前記折り曲げ領域に位置するように構成されることと、を含む、電極アセンブリの加工方法。
【請求項20】
電極アセンブリの加工装置であって、
陰極板、陽極板、セパレータ及び導電層を提供するための提供装置と、
前記陰極板の所定箇所において前記導電層を前記陰極板に接続するための接続装置であって、前記陰極板は導電層で被覆される被覆領域を含み、前記接続装置は前記導電層を前記被覆領域に並列に接続するために用いられる接続装置と、
前記陰極板、陽極板及びセパレータを巻き取るための巻き取り装置であって、前記陰極板、前記セパレータ及び前記陽極板は巻き取られて折り曲げ領域が形成され、前記所定箇所は、巻き取られた後に前記導電層の少なくとも一部が前記折り曲げ領域に位置するように構成される巻き取り装置と、を含む、電極アセンブリの加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、特に電極アセンブリ、その加工方法及び装置、電池セル、電池及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
充電電池は、二次電池とも呼ばれ、電池が放電した後、充電の方式で活物質を活性化することで使用し続けることができる電池を指す。充電電池は、例えば、携帯電話、ノートパソコン、蓄電池自動車、電動自動車、電動飛行機、電動船舶、電動玩具自動車、電動玩具船舶、電動玩具飛行機及び電動道具などの電子機器に広く利用されている。
【0003】
充電電池は、ニッケルカドミウム電池、水素ニッケル電池、リチウムイオン電池及び二次アルカリ亜鉛マンガン電池などを含んでもよい。
【0004】
現在、自動車に多く使用される電池は、一般的に、リチウムイオン電池であり、リチウムイオン電池は充電電池として、体積が小さく、エネルギー密度が高く、パワー密度が高く、循環使用の回数が多く、保管時間が長いなどの利点を備える。
【0005】
充電電池は電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは、陰極板、陽極板、及び陰極板と陽極板との間に位置するセパレータを含む。陰極板はいずれも陰極活物質層を有し、例えば、陰極活物質層の陰極活物質は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム又はニッケルコバルトマンガン酸リチウムであってもよく、陽極板の表面はいずれも陽極活物質層を有し、例えば、陽極活物質層の陽極活物質は、黒鉛又はシリコンであってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
充電電池の適用範囲が拡大していくことに伴い、充電電池セルの電池容量の安定性に対するユーザの要求もますます高まっている。
【0007】
電池セルの充電容量の安定性をどのように維持するかは、業界の1つの課題になっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願の複数の態様は、電極アセンブリ、その加工方法及び装置、電池セル、電池及び電力消費装置を提供し、上記問題点を克服するか又は上記問題点を少なくとも部分的に解決した。
【0009】
本出願の第1の態様は電極アセンブリを提供し、陰極板、陽極板、セパレータ及び導電層を含み、セパレータは、陰極板と陽極板を隔離するために用いられ、陰極板、セパレータ及び陽極板は巻き取られて折り曲げ領域が形成され、導電層は、導電層の少なくとも一部が折り曲げ領域における陰極板の表面に設けられるように構成され、陰極板は導電層で被覆される被覆領域を含み、導電層は被覆領域に並列に接続される。
【0010】
折り曲げ領域における陰極板の表面に導電層を設け、陰極板の被覆領域に並列に接続することにより、折り曲げ領域における陰極板の被覆領域に破断が発生することによって電極アセンブリに内部抵抗が増大する傾向がある場合に、導電層は、破断した陰極板間の電気的な接続を維持し、電極アセンブリの内部抵抗の増大を抑制することにより、電池セルの容量の減衰を低減させ、電池セルの容量の安定性を維持することができる。なお、導電層は、折り曲げ領域における陰極板に補強を提供することもでき、陰極板の被覆領域に破断が発生する確率を低減させる。
【0011】
いくつかの実施例において、陰極板の1つの表面又は2つの表面に導電層が設けられる。
【0012】
該実施例において、陰極板の1つの表面又は2つの表面に導電層を設けることにより、折り曲げ領域における陰極板の被覆領域に破断が発生することによって電極アセンブリの内部抵抗が増大してしまうことを効果的に抑制し、折り曲げ領域における陰極板に補強を提供し、陰極板の被覆領域における破断の発生を低減させることができる。
【0013】
いくつかの実施例において、導電層の少なくとも一部は、折り曲げ領域における陰極板の1回目の折り曲げ箇所及び/又は2回目の折り曲げ箇所に設けられる。
【0014】
該実施例において、折り曲げ領域における陰極板の1回目及び2回目の折り曲げ箇所に導電層が設けられ、導電層は陰極板の1回目及び2回目の折り曲げ箇所を補強することもでき、陰極板の被覆領域に破断が発生することによって電極アセンブリの内部抵抗を増大させる場合を減少することにより、電池セルの容量の安定性を向上させる。
【0015】
いくつかの実施例において、導電層は、折り曲げ領域における陽極板の1回目の折り曲げ箇所及び/又は陽極板の2回目の折り曲げ箇所にさらに設けられ、且つ陽極板に並列に接続される。
【0016】
該実施例において、折り曲げ領域における陽極板の1回目及び2回目の折り曲げ箇所に導電層が設けられ、導電層は陽極板の1回目及び2回目の折り曲げ箇所を補強することもでき、陽極板は折り曲げられることで陽極活物質層が破断又は脱落するか、又は陽極板が破断する場合が発生することを減少させる。
【0017】
いくつかの実施例において、導電層は導電ベース層を含み、折り曲げ領域において、導電ベース層は陰極板に並列に接続される。
【0018】
該実施例において、導電層は導電ベース層を含み、導電ベース層は陰極板を補強し、陰極板の被覆領域に破断が発生することによって電極アセンブリの内部抵抗を増大させる場合を減少することにより、電池セルの容量の安定性を向上させる。
【0019】
いくつかの実施例において、折り曲げ領域において、導電ベース層における陰極板に隣接する側の表面全体は被覆領域に電気的に接続され、電極アセンブリの巻き取り方向に沿って、折り曲げ領域の中心線は導電ベース層を通る。
【0020】
該実施例において、陰極板の折り曲げ領域の中心線における折り曲げ角度が大きく、破断の可能性が大きく、電極アセンブリの巻き取り方向に沿って、折り曲げ領域の中心線が導電ベース層を通り、陰極板が中心線の近くに破断が発生した時に、導電ベース層は、陰極板における被覆領域に破断が発生した箇所を被覆することができ、導電ベース層における陰極板に隣接する側の表面全体は陰極板に電気的に接続されるため、導電ベース層によって、陰極板における被覆領域に破断が発生した2つの部分に電気的な接続を依然として維持させることができ、電極アセンブリの内部抵抗の増加を抑制する。
【0021】
いくつかの実施例において、導電層は、導電ベース層における陰極板から離れる側に設けられ、且つ導電ベース層を被覆するイオンバリア層をさらに含み、イオンバリア層は、少なくとも一部のイオンがイオンバリア層の一側に位置する陰極板から脱離することを阻止するために用いられる。
【0022】
該実施例において、イオンバリア層を設けることにより、充電時に、少なくとも一部のイオンがイオンバリア層の一側に位置する陰極板から脱離して陽極板に挿入されることを阻止し、折り曲げ領域における陽極板のリチウム析出の発生を減少させることができる。
【0023】
いくつかの実施例において、折り曲げ領域において、電極アセンブリの巻き取り方向に沿って、導電ベース層は折り曲げ領域の中心線の両側に位置する2つの端部を含み、2つの端部は被覆領域にそれぞれ電気的に接続される。
【0024】
該実施例において、陰極板の折り曲げ領域の中心線における折り曲げ角度が大きく、破断の可能性が大きく、電極アセンブリの巻き取り方向に沿って、折り曲げ領域の中心線が導電ベース層を通り、陰極板が中心線の近くに破断が発生した時に、導電ベース層は、陰極板における被覆領域に破断が発生した箇所を被覆することができ、導電ベース層における折り曲げ領域の中心線の両側に位置する2つの端部は陰極板にそれぞれ電気的に接続されるため、導電ベース層によって、陰極板における被覆領域に破断が発生した2つの部分に電気的な接続を依然として維持させることができ、電極アセンブリの内部抵抗の増加を抑制する。
【0025】
いくつかの実施例において、導電ベース層は本体部をさらに含み、本体部は2つの端部に接続され、導電層はイオンバリア層をさらに含み、イオンバリア層は導電ベース層の本体部と陰極板との間に設けられ、イオンバリア層は、少なくとも一部のイオンがイオンバリア層の一側に位置する陰極板から脱離することを阻止するために用いられる。
【0026】
該実施例において、導電ベース層の本体部と陰極板との間にイオンバリア層が設けられ、イオンバリア層は陰極板の表面に付着され、一部のイオンがイオンバリア層の一側に位置する陰極板から脱離して陽極板に挿入されることを良好的に阻止し、折り曲げ領域における陽極板のリチウム析出の発生を減少させることができる。
【0027】
いくつかの実施例において、導電層は絶縁層をさらに含み、絶縁層は、導電ベース層における陰極板から離れる側に設けられ、導電ベース層を被覆する。
【0028】
該実施例において、導電ベース層における陰極板から離れる側に絶縁層が設けられ、絶縁層は導電ベース層を被覆し、折り曲げ領域におけるセパレータが破れた時に、絶縁層は、導電ベース層と陽極板との直接接触による陰極板と陽極板の短絡を回避することができる。
【0029】
いくつかの実施例において、導電ベース層は複数であり、電極アセンブリの巻き取り軸線に平行する方向に沿って、複数の導電ベース層は間隔をおいて配列される。
【0030】
該実施例において、導電ベース層は複数設けられ、間隔をおいて配列され、一体型導電ベース層に比べると、導電ベース層の占有空間を減少させ、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0031】
いくつかの実施例において、導電ベース層の総過電流面積は、接続される陰極板の集電体の過電流面積の1/3以上である。
【0032】
該実施例において、導電ベース層の総過電流面積は陰極板の集電体の過電流面積の1/3以上であることによって、導電ベース層の過電流面積が小さ過ぎることによって導電ベース層の温度の上昇を引き起こし陰極板から脱落することを回避させ、使用の安全性が確保される。
【0033】
いくつかの実施例において、イオンバリア層の材料は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ベーマイト、ワラストナイト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸/アクリル酸エステル、ブチルベンゼン、スチレンアクリル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、エポキシ接着剤、シリコーン接着剤、ポリウレタン接着剤、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体接着剤、及び以上の物質の変性体のうちの少なくとも1つを含む。
【0034】
いくつかの実施例において、導電ベース層の材料は銀、金、ニッケル、銅、アルミニウム、ポリピロール、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタロシアニン系化合物、ポリアニリン、ポリチオフェンのうちの少なくとも1つを含む。
【0035】
本出願の第2の態様は電池セルを提供し、ケース、電解液、カバー板及び少なくとも1つの上記実施例の電極アセンブリを含み、そのうち、ケースは収容室と開口を有し、電極アセンブリと電解液は収容室に収容され、カバー板は、ケースの開口を閉塞するために用いられる。
【0036】
本出願の第3の態様は電池を提供し、筐体と、少なくとも1つの上記実施例の電池セルとを含み、電池セルは筐体内に収容される。
【0037】
本出願の第4の態様は電力消費装置を提供し、電力消費装置は、上記実施例の電池から供給される電力を受けるように構成される。
【0038】
本出願の第5の態様は電極アセンブリの加工方法を提供し、陰極板、陽極板及びセパレータを提供することと、導電層を提供し、導電層を陰極板の所定箇所に設け、陰極板は導電層で被覆される被覆領域を含み、導電層を被覆領域に並列に接続させることと、陰極板、陽極板及びセパレータを巻き取り、陰極板、セパレータ及び陽極板は巻き取られて折り曲げ領域が形成され、所定箇所は、巻き取られた後に導電層の少なくとも一部が折り曲げ領域に位置するように構成されることとを含む。
【0039】
本出願の第6の態様は電極アセンブリの加工装置を提供し、陰極板、陽極板、セパレータ及び導電層を提供するための提供装置と、陰極板の所定箇所において導電層を陰極板に接続するための接続装置であって、陰極板は導電層で被覆される被覆領域を含み、導電層を被覆領域に並列に接続するために用いられる接続装置と、陰極板、陽極板及びセパレータを巻き取るための巻き取り装置であって、陰極板、セパレータ及び陽極板は巻き取られて折り曲げ領域が形成され、所定箇所は、巻き取られた後に導電層の少なくとも一部が折り曲げ領域に位置するように構成される巻き取り装置と、を含む。
【0040】
以上の説明は、単に本出願の実施例の技術案の概略に過ぎず、本出願の実施例の技術的手段をより明確に理解するために、明細書の内容に基づいて実施することができ、且つ本出願の実施例の上述及び他の目的、特徴及び利点を更に明らかで分かりやすくするために、以下は、本出願の具体的な実施の形態を列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例の記載に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下の記載における図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】従来技術の電極アセンブリの斜視構造模式図である。
【
図2】
図1の電極アセンブリの、巻き取り軸線に垂直となる方向に沿う横断面の構造模式図である。
【
図3】
図1の電極アセンブリの、陰極板の被覆領域において破断が発生した後の抵抗変化の模式図である。
【
図4】本出願の一実施例の一種の扁平体形状の電極アセンブリの、巻き取り軸線に垂直な横断面の構造模式図である。
【
図5】本出願の別の実施例の陽極板の構造模式図である。
【
図6】本出願の別の実施例の別の扁平体形状の電極アセンブリの、巻き取り軸線に垂直な横断面の構造模式図である。
【
図7】本出願の別の実施例の別の扁平体形状の電極アセンブリの、巻き取り軸線に垂直な横断面の構造模式図である。
【
図8】本出願の別の実施例の別の扁平体形状の電極アセンブリの、巻き取り軸線に垂直な横断面の構造模式図である。
【
図9】本出願の別の実施例の別の扁平体形状の電極アセンブリの、巻き取り軸線に垂直な横断面の構造模式図である。
【
図10】本出願の別の実施例の別の扁平体形状の電極アセンブリの、巻き取り軸線に垂直な横断面の一部の拡大構造模式図である。
【
図11】本出願の別の実施例の別の扁平体形状の電極アセンブリの、巻き取り軸線に垂直な横断面の構造模式図である。
【
図12】本出願の
図5の一実施例のE-E断面の構造模式図である。
【
図13】本出願の
図5の別の実施例のE-E断面の構造模式図である。
【
図14】本出願の
図13における一実施例の導電接着剤シートの分解模式図である。
【
図15】本出願の
図13における別の実施例の導電接着剤シートの分解模式図である。
【
図16】本出願の
図15における導電接着剤シートの組み合わせ状態の模式図である。
【
図17】本出願の
図5の別の実施例のE-E断面の構造模式図である。
【
図18】本出願の
図17における一実施例の導電接着剤シートの分解模式図である。
【
図19】本出願の
図17における別の実施例の導電接着剤シートの分解模式図である。
【
図20】本出願の
図5の別の実施例のE-E断面の構造模式図である。
【
図21】本出願の
図20における一実施例の導電接着剤シートの分解模式図である。
【
図22】
図4における一実施例のM1方向の断面構造模式図である。
【
図23】
図4における別の実施例のM1方向の断面構造模式図である。
【
図24】本出願の別の実施例の電池セルの構造模式図である。
【
図25】本出願の別の実施例の電池モジュールの構造模式図である。
【
図26】本出願の別の実施例の電池の構造模式図である。
【
図27】本出願の別の実施例の電力消費装置の構造模式図である。
【
図28】本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工方法のフロー模式図である。
【
図29】本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本出願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下は、本出願の実施例の図面を参照しながら、本出願の実施例における技術案を明確、完全に説明する。説明される実施例は、本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をすることなく得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0043】
特に定義がない限り、本文に使用されるすべての技術と科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じである。本文における出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明することを目的とするのみであり、本出願を制限することを意図しない。本出願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバーすることを意図している。
【0044】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各箇所に現れるこの語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互に排他的になる独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本文に説明された実施例が他の実施例と組み合わされてもよいことを、明示的かつ暗黙的に理解できる。
【0045】
本文における「及び/又は」という用語は、単に関連対象を説明する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在できることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bが単独で存在する場合という3つの場合を示すことができる。また、本文における「/」といる文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0046】
本出願の説明において、理解すべきことは、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって指示された方位又は位置関係は、図面によって示された方位又は位置関係であり、単に本出願の説明の便のため及び説明の簡略化のためのものであり、指した装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は示唆するものではなく、そのため、本出願に対する制限として理解してはいけない。なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序を説明するためのものではなく、1つ又は複数の該特徴を明示的に又は黙示的に含んでもよい。本出願の説明において、特に断りのない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0047】
本出願の説明において、説明すべきことは、特に明確の規定及び限定がない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよく、機械的接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接に繋がってもよく、中間媒体を介して間接に繋がってもよく、2つの素子の内部を連通させてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0048】
リチウムイオン電池の体積をより小さく、エネルギー密度をより高くするために、リチウムイオン電池の電極アセンブリにおける陰極板、陽極板及びセパレータを巻き取ってから押し固めることができる。例えば、
図1に示すように、電極アセンブリ10の斜視構造模式図であり、該電極アセンブリ10は、陽極板、陰極板及びセパレータを含み、そのうち、陽極板、陰極板及びセパレータは積層された後に巻き取り軸線Z回りに巻き取られて巻き取り構造が形成され、セパレータは従来技術の絶縁膜であり、陽極板と陰極板を隔てるために用いられ、陽極板と陰極板の短絡を防止し、該電極アセンブリの巻き取り構造は扁平体形状であり、該電極アセンブリの、巻き取り軸線Zに垂直となる方向に沿う横断面の構造模式図は、
図2に示される通りである。
【0049】
図1と
図2を参照すると、該電極アセンブリ10は、ストレート領域C、及び該ストレート領域Cの両端に位置する折り曲げ領域Bを含む。ストレート領域Cとは、該巻き取り構造における平行構造を有する領域を指し、即ち、該ストレート領域Cにおける陽極板12、陰極板11及びセパレータ13は互いにほぼ平行し、即ち、電極アセンブリ10のストレート領域Cにおける各層の陽極板12、陰極板11及びセパレータ13の表面はいずれも平面である。折り曲げ領域Bとは、該巻き取り構造における折り曲げ構造を有する領域を指し、即ち、該折り曲げ領域Bにおける陽極板12、陰極板11及びセパレータ13はいずれも折り曲げられ、即ち、電極アセンブリ10の折り曲げ領域Bにおける各層の陽極板12、陰極板11及びセパレータ13の表面はいずれも曲面であり、該折り曲げ領域Bは折り曲げ方向Aを有し、該折り曲げ方向Aは、折り曲げ領域における電極アセンブリの表面に沿ってストレート領域に向かう方向として理解されてもよく、例えば、該折り曲げ方向Aは、該折り曲げ領域Bにおいて該巻き取り構造の巻き取り方向に沿っている。電極アセンブリ10は折り曲げ領域Bにおいて中心線M1を有し、中心線M1とM2は電極アセンブリ10の巻き取り軸線Zの方向に平行であり、電極アセンブリ10の
図1における長さ方向Yに沿って延びる。電極アセンブリ10の幅方向はX方向であり、巻き取り軸線Zは、電極アセンブリの長さ方向Yと幅方向Xに垂直となり、長さ方向Yは幅方向Xに垂直となる。
【0050】
本出願の一実施例では、1つのセパレータ13、1つの陰極板11、他の1つのセパレータ13及び1つの陽極板12を積層してから巻き取るか又は折り畳んでもよく、少なくとも1つの(例えば、2つ以上の)陰極板11、少なくとも1つの(例えば、2つ以上の)陽極板12及び少なくとも2つのセパレータ(例えば4つ又は4つよりも多く、セパレータの数は陰極板又は陽極板の数の2倍である)を積層してから巻き取るか又は折り畳んで、折り曲げ領域Bを形成してもよく、電極アセンブリが折り曲げ領域Bにおいて多層の陰極板11、多層の陽極板12及び多層のセパレータ13を有する場合に、折り曲げ領域Bは、陰極板11、セパレータ13及び陽極板12が交互に分布される構造を含む。
【0051】
電極アセンブリが巻き取り構造を有する場合、陰極板11及び陽極板12の幅方向は巻き取り軸線方向に平行するとともに、陰極板11及び陽極板12の幅方向は折り曲げ方向Aに垂直となる方向に平行し、電極アセンブリが巻き取り構造を有しない場合、陰極板11及び陽極板12の幅方向は折り曲げ方向Aに垂直となる方向に平行し、以下、説明を簡略するために、本実施例では、陰極板11及び陽極板12の幅方向、折り曲げ方向Aに垂直となる方向、及び巻き取り軸線Zの方向をZ方向と総称する。
【0052】
陽極板12の表面は陽極活物質からなる陽極活物質層を有し、陰極板11の表面は陰極活物質からなる陰極活物質層を有し、例えば、陰極活物質は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム又はニッケル・コバルト・マンガン酸リチウムであってもよく、陽極活物質は黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0053】
図3に示すように、発明者は、研究開発の過程において、電池セルが使用される過程において、電極アセンブリ10は膨張し続け、膨張と折り曲げに影響されて、電極アセンブリ10の陰極板11は折り曲げ領域Bにおいて破断しやすいことが見出された。陰極板11の各層は等価的に1つの内部抵抗器Rにすることができ、陰極板11の内部抵抗は陽極板12の内部抵抗よりも大きく、陰極板11の抵抗の変化の電極アセンブリの内部抵抗に対する影響はより大きい。陰極板11の内部抵抗は略等価的に各層の陰極板11の抵抗が並列に接続される場合にすることができ、4つの陰極板11が存在することを仮想すると、内から外に向けて各陰極板11の等価内部抵抗器はそれぞれR1~R4であり、R1~R4の間は並列接続構造である。並列接続構造では、並列に接続される内部抵抗器が多いほど、電極アセンブリの内部抵抗が小さく、R1~R4における一部の抵抗器が回路に組み込まれることができない場合、並列接続回路の総抵抗の増加を引き起こし、電極アセンブリ10の抵抗の増大を招く。陰極板11が折り曲げ領域Bにおいて破断した後、
図3に示すように、破断した陰極板11の等価内部抵抗器R1は回路に並列して組み込まれることができない場合、等価的に並列に接続される抵抗が減少するため、電極アセンブリ10の内部抵抗は大きくなる。電極アセンブリ10の内部抵抗が大きくなると、電池セルの充電分極の増大、電池セルの容量の低下を招く。なお、陰極板の破断は、陰極活物質の有効質量の減少につながり、陰極活物質の有効質量の減少も、電池セルの容量を減少させることにより、電池セルの容量の安定性に影響を与え、電池セルの容量の低下は、電池全体の容量のアンバランスに影響を与え、電池全体の使用性能を悪化させる。陰極板11の破断により内部抵抗が増加するケースは、1、陰極板11の破断箇所にタブが設けられず、破断した後に破断箇所はトップカバーに電気的に接続することができないことと、2、陰極板11の破断箇所にタブが設けられ、溶接後、破断箇所のタブに割れ又はダミーボンディングが発生し、破断箇所は依然としてトップカバーに電気的に接続しないこととを含む。
【0054】
これに鑑み、
図4に示すように、本出願は電極アセンブリ10を提供し、陰極板11、陽極板12、セパレータ13及び導電層14を含み、セパレータ13は、陰極板11と陽極板12を隔離するために用いられ、陰極板11、セパレータ13及び陽極板12は巻き取られて折り曲げ領域Bが形成され、導電層14は、導電層14の少なくとも一部が折り曲げ領域Bにおける陰極板11の表面に設けられるように構成され、陰極板11は、導電層14に被覆される被覆領域を含み、導電層14は被覆領域に並列に接続される。
【0055】
折り曲げ領域Bにおける陰極板11の表面に導電層14を設け、導電層14は陰極板11の被覆領域に並列に接続されることにより、折り曲げ領域Bにおける陰極板11の被覆領域に破断が発生することによって電極アセンブリ10に内部抵抗が増大する傾向がある場合に、導電層14は、破断した陰極板11の間の電気的な接続を維持することができ、破断した陰極板11の等価内部抵抗を回路に並列して組み込み、電極アセンブリ10の内部抵抗の増大を抑制し、それによって電池セルの容量の減衰を低減させ、電池セルの容量の安定性を維持する。なお、導電層14は、折り曲げ領域Bにおける陰極板11に補強を提供することもでき、陰極板11が破断する確率を低減させる。
【0056】
以上の実施例において、セパレータ13は電気絶縁性を有し、隣接する陰極板11と陽極板12を隔離するために用いられ、隣接する陰極板11と陽極板12の短絡を防止する。セパレータ13は貫通する多数の微細孔を有し、電解質イオンを自由に通過させることができ、リチウムイオンに対して良好な透過性を有するため、セパレータ13は、基本的にリチウムイオンの通過を阻止することができない。例えば、セパレータ13は、セパレータベース層及びセパレータベース層の表面に位置する機能層を含み、セパレータベース層は、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどの少なくとも1つを含み、機能層は、セラミックス酸化物と接着剤の混合物層であってもよい。
【0057】
以上の実施例では、陽極板12は、陽極本体部及び陽極本体部からZ方向に沿って外に延びる陽極タブ部を含み、陽極本体部の表面におけるZ方向に沿う少なくとも一部の領域は陽極活物質エリアであり、陽極活物質エリアは、陽極活物質を塗布するために用いられ、陽極活物質は黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0058】
本出願の別の実施例において、陽極本体部の表面の一部の領域に陽極活物質エリアが設けられるだけではなく、陽極タブ部の表面且つ陽極本体部に近い根元部領域にも陽極活物質エリアが設けられ、即ち、陽極タブ部の一部の領域は陽極活物質エリアである。
【0059】
本出願の別の実施例において、陽極活物質エリアは、陽極本体部におけるZ方向に沿う表面全体を被覆する。
【0060】
本出願の別の実施例において、陰極活物質は陰極板11の表面全体を被覆しない可能性があり、例えば、
図5に示すように、本出願の一実施例における陰極板の電極アセンブリの展開方向Dに沿って展開された後の構造模式図である。展開方向Dは巻き取り方向の向きと反対である。
【0061】
陰極板11は、陰極本体部及びZ方向に沿って陰極本体部の外部に延びる少なくとも1つの陰極タブ部113を含み、陰極本体部の表面の少なくとも一部の領域は陰極活物質エリア115であり、該陰極活物質エリア115に陰極活物質を塗布することができ、例えば、陰極活物質は、三元材料、マンガン酸リチウム又はリン酸鉄リチウムであってもよい。
【0062】
本出願の別の実施例において、陰極本体部の表面は、陰極活物質エリア115に隣接する第1の絶縁層塗布エリア114をさらに含み、第1の絶縁層塗布エリア114は陰極活物質エリア115における陰極タブ部113に隣接する側に位置し、第1の絶縁層塗布エリア114は絶縁物質を塗布するために用いられ、陰極活物質エリア115と陰極タブ部113を絶縁して隔離するために用いられ、陰極板11の集電体102の2つの表面は陰極活物質エリア115を有し、陰極タブ部113は陰極板11の集電体102の一部であり、そのうち、集電体102の材質はアルミニウムであってもよい。
【0063】
例えば、陰極活物質エリア115と第1の絶縁層塗布エリア114は、陰極本体部の表面において陰極本体部の幅方向(即ちZ方向)に沿って両端に分布されており、且つ陰極タブ部113と第1の絶縁層塗布エリア114は、陰極本体部の同一端に属する。
【0064】
本出願の別の実施例において、陰極活物質エリア115と第1の絶縁層塗布エリア114は、陰極本体部の表面においてほぼ平行する2つの領域であり、且つZ方向に沿って陰極本体部の表面において二層で分布される。
【0065】
本出願の別の実施例において、第1の絶縁層塗布エリア114は、陰極本体部と陰極タブ部113が互いに接続された部分に位置してもよく、例えば、第1の絶縁層塗布エリア114は、陰極本体部の表面且つ陰極タブ部113に互いに接続された部分に位置し、陰極タブ部113の表面と陰極活物質エリア115を隔てるために用いられる。本出願の別の実施例において、陰極本体部の表面に第1の絶縁層塗布エリア114が設けられるだけではなく、陰極タブ部113における陰極本体部に近い根元部領域にも第2の絶縁層塗布エリアが設けられ、第2の絶縁層塗布エリアは絶縁物質を塗布するために用いられる。
【0066】
本出願の別の実施例において、第1の絶縁層塗布エリア114の表面に絶縁物質が塗布され、絶縁物質は無機充填材と接着剤を含む。無機充填材は、ベーマイト、アルミナ、酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、シリカ、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウムのうちの1つ又は複数を含む。接着剤は、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸-アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル-アクリル酸、ポリアクリロニトリル-アクリル酸エステルのうちの1つ又は複数を含む。
【0067】
本出願の別の実施例において、各陰極板11は、1つ又は2つ以上の陰極タブ部113を含んでもよく、陰極板11が2つ以上の陰極タブ部113を含む場合、全ての陰極タブ部113はいずれも陰極板11におけるZ方向に沿う同一の側に位置する。
【0068】
陰極板11と陽極板12が互いに積層される時に、陽極板の陽極活物質エリアにおけるZ方向に沿う両端はいずれも隣接する陰極板11の陰極活物質エリア115の対応端を超え、このように、電極アセンブリが良好なエネルギー密度を有するようにする可能である。例えば、陽極活物質エリアにおけるZ方向に沿う両端はそれぞれ第1の端と第2の端であり、陰極活物質エリアにおけるZ方向に沿う両端はそれぞれ第3の端と第4の端であり、そのうち、陽極活物質エリアの第1の端と陰極活物質エリア115の第3の端はZ方向に沿って電極アセンブリの同一側に位置し、且つ陽極活物質エリアの第1の端はZ方向に沿って陰極活物質エリアの第3の端を超え、陽極活物質エリアの第2の端と陰極活物質エリア115の第4の端はZ方向に沿って電極アセンブリの他方側に位置し、陽極活物質エリアの第2の端はZ方向に沿って陰極活物質エリア115の第4の端を超える。
【0069】
陽極活物質エリアにおける巻き取り軸線Zに沿う両端が陰極活物質エリア115の対応端を超えるサイズは同じであってもよく、異なってもよく、例えば、超えたサイズの範囲は0.2mm~5mmである。
【0070】
いくつかの実施例において、導電層14の少なくとも一部は、折り曲げ領域Bにおける陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111B及び/又は2回目の折り曲げ箇所112Bに設けられる。電池セルが使用される過程において、陽極板12の膨張は陰極板11よりも大きく、陰極板11が陽極板12を包むため、陽極板12の膨張が大きい場合、陽極板12の外側に包まれた陰極板11の受ける力は大き過ぎることを招き、特に、折り曲げ角度が大きい1回目の折り曲げ箇所111Bと2回目の折り曲げ箇所112Bにおいて、陰極板11は破断が発生しやすい。折り曲げ領域Bにおける陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111B及び/又は2回目の折り曲げ箇所112Bに導電層14が設けられ、導電層14は、陰極板の1回目の折り曲げ箇所111B及び/又は2回目の折り曲げ箇所112Bを補強することもでき、陰極板11の被覆領域が破断することによって電極アセンブリ10の内部抵抗を増大させる場合を減少させることにより、電池セルの容量の安定性を向上させる。
図4に示すように、導電層14は、陰極板11における1回目の折り曲げ箇所111Bの径方向の内側の表面に設けられ、導電層14は全体として折り曲げ領域B内に位置する。いくつかの実施例において、導電層14は折り曲げ領域Bにおける陰極板11の全て又は一部を被覆することができ、即ち、導電層14は、折り曲げ領域Bにおける陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111B及び/又は2回目の折り曲げ箇所112Bの全て又は一部を被覆することができる。別のいくつかの実施例において、導電層14の一部は折り曲げ領域B内に位置し、他の一部はストレート領域Cまで延びる。
【0071】
本実施例において、電極アセンブリ10の巻き取り構造は、ストレート領域Cと、折り曲げ領域Bを含み、折り曲げ領域Bは、ストレート領域Cの両側に位置する第1の折り曲げ領域B1と、第2の折り曲げ領域B2を含み、そのうち、ストレート領域Cと、第1の折り曲げ領域B1及び第2の折り曲げ領域B2の各々との区画は、それぞれ直線点線によって区画される。
【0072】
電極アセンブリの第1の折り曲げ領域B1と第2の折り曲げ領域B2に含まれる陽極板12と陰極板11は順次交互に積層され、隣接する陽極板12と陰極板11との間にセパレータ13を有し、そのうち、第1の折り曲げ領域B1及び第2の折り曲げ領域B2における最も内側の極板はいずれも陽極板12であり、第1の折り曲げ領域B1及び第2の折り曲げ領域B2における少なくとも最も内側の陰極板11の内側表面に導電層14が設けられ、例えば、第1の折り曲げ領域B1及び第2の折り曲げ領域B2における各層の陰極板11の内側表面に導電層14が設けられる。本実施例において、陰極板11の径方向の内側の表面とは、陰極板11における巻き取り軸線に向かう表面、又は巻き取り構造の内部に向かう表面を指す。
【0073】
例えば、第1の折り曲げ領域B1は多層の極板、例えば五層の極板を有し、巻き取り構造の内から外に向かう方向に沿って、第1の折り曲げ領域B1における陽極板12と陰極板11は順次交互に積層され、第1の折り曲げ領域B1における最も内層の極板は陽極板12の1回目の折り曲げ箇所121Bであり、その径方向の外側は陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111Bであり、導電層14は第1の折り曲げ領域B1における陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111Bの内側表面に付着される。
【0074】
第2の折り曲げ領域B2は多層の極板、例えば三層の極板を有し、第2の折り曲げ領域B2における最も内層(第1の層とも呼ばれる)と最も外層(第3の層とも呼ばれる)の極板はいずれも陽極板12であり、最も内層の極板と最も外層の極板の間の極板(第2の層の極板とも呼ばれる)は陰極板11であり、該陽極板12の2回目の折り曲げ箇所122Bは第1の折り曲げ領域B1における最も内側の極板であり、その径方向の外側は陰極板11の2回目の折り曲げ箇所112Bである。
【0075】
いくつかの実施例において、導電層14は単層構造であってもよく、導電層14の材料は、銀、金、ニッケル、銅、アルミニウムを含む金属ベースの導電材料、又はポリピロール、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタロシアニン系化合物、ポリアニリン、ポリチオフェンのような非金属ベースの導電材料、及び以上の材料のうちの1つ又は複数の混合物を含む。導電層は、導電を実現することが可能な他の材料を採用してもよい。
【0076】
導電層14は導電接着剤によって接着の方式で陰極板11との電気的な接続を実現することができ、導電接着剤は、銀、金、ニッケル、銅、アルミニウムスラリーを含む金属ベースの導電スラリー、又はポリピロール、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタロシアニン系化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン接着剤などのような非金属ベースの導電接着剤、及び以上の材料のうちの1つ又は複数の混合物を採用することができる。
【0077】
いくつかの実施例において、陰極板11の1つの表面又は2つの表面に導電層14が設けられる。陰極板11の1つの表面又は2つの表面に導電層14を設けることにより、折り曲げ領域Bにおける陰極板11が破断することによって電極アセンブリの内部抵抗が増大する場合をより効果的に抑制し、かつ、折り曲げ領域Bにおける陰極板11に補強を提供し、陰極板の被覆領域に破断が発生することを減少させることができる。陰極板11の1つの表面又は2つの表面とは、巻き取りの径方向に沿って、陰極板11における径方向の内側及び/又は外側に位置する表面を指す。
図4に示すように、導電層14は、陰極板11における径方向の内側の表面に設けられる。陽極板12が膨張する時に、陰極板11の径方向の内側面は押圧力を受け、陰極板11の外側面は緊締力を受け、外側面の緊締力は内側の押圧力よりも大きい。導電層14を陰極板11の径方向の内側に設け、導電層14の受ける力を減少させることができ、導電層14が失効するリスクを低減させることができる。陰極板11の内側と外側の2つの表面に何れも導電層14が設けられる場合、折り曲げ領域Bにおける陰極板11に、よりよい補強を提供することができ、かつ、折り曲げ領域Bにおける陰極板11が破断した後、2つの表面の導電層14はよりスムーズな導電経路を提供し、電極アセンブリ10の内部抵抗の増加を減少させることができる。
【0078】
図6に示すように、いくつかの実施例において、電極アセンブリ10は円柱状電池の電極アセンブリであり、該実施例において、陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111Bとは、陰極板11における径方向に沿って内から外に向かう1周目を指し、2回目の折り曲げ箇所とは、陰極板11における径方向に沿って内から外に向かう2周目を指し、これに基づいて類推する。導電層14が第1の折り曲げ箇所111Bに設けられることとは、導電層は陰極板における径方向に沿って内から外に向かう1周目に設けられることを指す。
【0079】
図7に示すように、本出願の別の実施例において、陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111Bの径方向の内面に導電層141が設けられ、2回目の折り曲げ箇所112Bの径方向の内面に導電層142が設置接続される。電極アセンブリの巻き取り構造が2つの折り曲げ領域B1及びB2を有するため、膨張する時に2つの折り曲げ領域B1及びB2はいずれも膨張力を受ける。陰極板11の2つの折り曲げ箇所111B及び112Bに何れも導電層が設けられ、2つの折り曲げ領域B1及びB2における受ける力を均一にすることができる。
【0080】
図8に示すように、本出願の別の実施例において、陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111Bの径方向の内面に導電層141が設けられ、陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111Bの径方向の外面に導電層143が設けられ、陰極板11の2回目の折り曲げ箇所112Bの径方向の内面に導電層142が設けられ、陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111Bの径方向の外面に導電層144が設けられる。陰極板11の内側と外側の2つの表面に何れも導電層14が設けられる場合、折り曲げ領域Bにおける陰極板11に、よりよい補強を提供することができ、かつ、折り曲げ領域Bにおける陰極板11が破断した後、内側と外側の2つの表面の導電層14はよりスムーズな導電経路を提供し、電極アセンブリ10の内部抵抗の増加を減少させることができる。
【0081】
図9に示すように、いくつかの実施例において、導電層14は、折り曲げ領域Bにおける陽極板12の1回目の折り曲げ箇所121B及び/又は陽極板12の2回目の折り曲げ箇所121Bにさらに設けられ、陽極板12に並列に接続される。電池セルが使用される過程において、陽極板12は膨張し、折り曲げ領域Bにおける陽極板12の1回目の折り曲げ箇所121Bと2回目の折り曲げ箇所122Bの折り曲げ角度が大きく、膨張力に影響されて、陽極板12の1回目の折り曲げ箇所121Bと2回目の折り曲げ箇所122Bは陽極活物質層が破断又は脱落するか、又は陽極板12が破断する場合が発生しやすい。折り曲げ領域Bにおける陽極板12の1回目の折り曲げ箇所121Bと2回目の折り曲げ箇所122Bに導電層14が設けられ、導電層14は、陽極板12の1回目の折り曲げ箇所12Bと2回目の折り曲げ箇所122Bを補強することもでき、陽極板12は折り曲げられることで陽極活物質層が破断又は脱落するか、又は陽極板12が破断する場合が発生することを減少させる。陽極活物質層が破断又は脱落する場合、充電時の陽極板12のリチウム挿入空間の不足を引き起こしリチウム析出が発生され、導電層14によって、陽極板12は折り曲げられることで陽極活物質層が破断又は脱落することを減少させ、リチウム析出の発生を減少させることができる。陽極板12が破断し、陽極板12における破断した部分に導電されず、受け入れるサイトが欠ける場合も、リチウム析出が発生し、導電層14は陽極板12に並列に接続され、陽極板12が破断した後に陽極板12の破断部分の導通が維持され、リチウム析出を減少させるとともに、陽極板に補強を提供し、破断の発生を減少させることができる。いくつかの実施例において、導電層14を陽極板12における陰極板11に隣接する表面に設け、リチウム析出の発生を減少させることができる。
【0082】
図9に示すように、本出願のいくつかの実施例において、陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111Bの径方向の内面に導電層141が設けられ、陰極板11の2回目の折り曲げ箇所112Bの径方向の内面に導電層142が設けられ、陽極板12の1回目の折り曲げ箇所121Bの径方向の外面に導電層145が設けられ、陽極板12の2回目の折り曲げ箇所122Bの径方向の外面に導電層146が設けられる。
【0083】
図10に示すように、いくつかの実施例において、導電層14の一部は折り曲げ領域B内に位置し、他の一部はストレート領域Cまで延びる。具体的には、陽極板12の1回目の折り曲げ箇所121Bの径方向の外面に設けられる導電層145、及び陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111Bの径方向の内面に設けられる導電層141は、いずれも一部が折り曲げ領域B内に位置し、他の一部がストレート領域Cまで延びるように設けられ、このように、導電層14は折り曲げ領域Bにおいてできる限り大きい面積を有する。
【0084】
本出願の別の実施例において、導電層14における折り曲げ方向Aに沿って延びる両端はいずれも折り曲げ領域Bに位置し、即ち、導電層14全体はいずれも折り曲げ領域Bに位置する。本実施例において、電極アセンブリは折り曲げ領域Bに接続されるストレート領域Cをさらに含み、折り曲げ方向Aとは、折り曲げ領域Bの曲面に沿って且つストレート領域Cに向かう方向を指し、折り曲げ方向Aに垂直となる方向とは、折り曲げ方向Aに垂直となる方向を指す。
【0085】
本出願の別の実施例において、導電層14における折り曲げ方向Aに沿って延びる一端はストレート領域Cに位置し、他端は折り曲げ領域Bに位置する。
【0086】
本出願の別の実施例において、導電層14における折り曲げ方向Aに沿って延びる両端はいずれも折り曲げ領域Bとストレート領域Cとの境界に位置し、又は、導電層14における折り曲げ方向Aに沿って延びる両端はいずれも折り曲げ領域Bとストレート領域Cとの境界に近付く。
【0087】
図11に示すように、本出願の別の実施例において、陰極板11の内面と外面、及び陽極板12に何れも導電層14が設けられる。陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111Bの径方向の内面に導電層141が設けられ、陰極板11の2回目の折り曲げ箇所112Bの径方向の内面に導電層142が設けられ、陰極板11の1回目の折り曲げ箇所111Bの径方向の外面に導電層143が設けられ、陰極板11の2回目の折り曲げ箇所112Bの径方向の外面に導電層144が設けられ、陽極板12の1回目の折り曲げ箇所121Bの径方向の外面に導電層145が設けられ、陽極板12の2回目の折り曲げ箇所122Bの径方向の外面に導電層146が設けられる。
【0088】
図4、
図6~
図11の実施例の導電層14の構造は、陰極板又は陽極板の1回目の折り曲げ箇所又は2回目の折り曲げ箇所に適用されることに限定されず、3回目以上の折り曲げ箇所に適用されてもよい。
図4、
図6~
図11の実施例の導電層14の構造は互いに組み合わせられてもよい。
【0089】
以下、図面を参照しながら導電層14の構造を説明し、第1の折り曲げ領域B1に設けられる導電層14を例として説明するが、以下の実施例における導電層14の構造は第1の折り曲げ領域B1に限定されず、第2の折り曲げ領域B2又は他の箇所、及び陽極板における導電層に適用されてもよい。
【0090】
図12に示すように、
図5におけるE-E方向の断面構造模式図であり、導電層14は導電ベース層1402を含み、折り曲げ領域において、導電ベース層1402は陰極板11に並列に接続される。
【0091】
本出願の任意の実施例において、導電ベース層1402の材料は、銀、金、ニッケル、銅、アルミニウムを含む金属ベースの導電材料、又はポリピロール、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタロシアニン系化合物、ポリアニリン、ポリチオフェンのような非金属ベースの導電材料、及び以上の材料のうちの1つ又は複数の混合物を含む。導電層14は、導電を実現することが可能な他の材料を採用してもよい。導電ベース層1402は陰極板11を補強し、陰極板11の破断によって電極アセンブリ10の内部抵抗を増大させる場合を減少させることにより、電池セルの容量の安定性を向上させる。
【0092】
導電ベース層1402は、導電接着剤によって接着の方式で陰極板11との電気的な接続を実現することができる。本出願の任意の実施例において、導電接着剤は、銀、金、ニッケル、銅、アルミニウムスラリーを含む金属ベースの導電スラリー、又はポリピロール、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタロシアニン系化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン接着剤などのような非金属ベースの導電接着剤、及び以上の材料のうちの1つ又は複数の混合物を採用してもよい。
【0093】
図5を参照すると、導電ベース層1402は陰極板11の陰極活物質エリア115に電気的に接続される。
【0094】
図13に示すように、折り曲げ領域Bにおいて、導電ベース層1402における陰極板11に隣接する側の表面全体は、陰極板11の被覆領域11Fに電気的に接続され、電極アセンブリ10の巻き取り方向に沿って、折り曲げ領域Bの中心線M1は導電ベース層1402を通る。陰極板11の折り曲げ領域B1の中心線M1における折り曲げ角度は大きく、破断の可能性が大きく、電極アセンブリ10の巻き取り方向に沿って、折り曲げ領域B1の中心線M1は導電ベース層1402を通り、陰極板11が中心線M1の近くに破断が発生した時に、導電ベース層1402は陰極板11における破断した箇所を被覆することができ、導電ベース層1402における陰極板11に隣接する側の表面全体は陰極板11に電気的に接続されるため、陰極板11における破断した2つの部分に導電ベース層1402によって電気的な接続を依然として維持させることができ、電極アセンブリ10の内部抵抗の増加を抑制する。
【0095】
図13に示す別の実施例において、導電層14はイオンバリア層1401をさらに含み、イオンバリア層1401は導電ベース層1402における陰極板11から離れる側に設けられ、導電ベース層1402を被覆し、イオンバリア層1401は、少なくとも一部のイオンがイオンバリア層1401の一側に位置する陰極板11から脱離することを阻止するために用いられる。充電時に、導電ベース層1402は、一部のイオンが陰極板11の活物質エリア115から脱離することを阻止するが、依然として、いくつかのイオンが導電ベース層1402のエッジから外に拡散する可能性があり、イオンバリア層1401は導電ベース層1402における陰極板11から離れる側を被覆し、一部のイオンがイオンバリア層1401の一の側に位置する陰極板11の陰極活物質エリア115から脱離して陰極板11に隣接する陽極板12に挿入されることを阻止することができ、イオンバリア層1401は主に、導電ベース層1402のエッジからから拡散されたイオンが陰極板11に隣接する陽極板12に挿入されることを阻止し、折り曲げ領域Bにおける陽極板12のリチウム析出の発生を減少させることができる。
【0096】
図14に示すように、
図13における導電層14の一実施例の分解図であり、該実施例において、イオンバリア層1401の面積は、導電ベース層1402の面積以上であり、導電ベース層1402のエッジを被覆する。
【0097】
図15に示すように、
図13における導電層14の別の実施例の分解図であり、
図16は
図15の導電層14の組み合わせ状態の平面図である。該実施例において、
図14における実施例との区別は、導電ベース層1402は複数であり、電極アセンブリ10の巻き取り軸線Zに平行する方向に沿って、複数の導電ベース層1402は間隔をおいて配列され、各導電ベース層1402は、対応する陰極板11における導電ベース層1402で被覆される被覆領域11Fに並列に接続されることにある。該実施例において、
図14における一体としての導電ベース層1402に比べると、複数の導電ベース層1402は間隔をおいて配列され、電極アセンブリの異なる位置における受ける力は異なる可能性があるため、間隔をおいて導電ベース層1402を設け、電極アセンブリにおける受ける力が大きい位置に位置する導電ベース層1402の受ける力は大きく、他の位置の導電ベース層1402の受ける力は小さく、導電ベース層1402の力受けを分散し、導電ベース層1402が破断する可能性を低減させる。なお、導電効果を確保したうえで、導電ベース層1402的の占有空間を減少させ、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0098】
図17に示すように、他のいくつかの実施例において、折り曲げ領域Bにおいて、電極アセンブリ10の巻き取り方向に沿って、導電ベース層1402は折り曲げ領域Bの中心線M1の両側に位置する2つの端部1402aを含み、2つの端部1402aはそれぞれ陰極板11の被覆領域11Fに電気的に接続される。
【0099】
該実施例において、陰極板11の折り曲げ領域Bの中心線M1における折り曲げ角度は大きく、破断の可能性は大きく、電極アセンブリ10の巻き取り方向に沿って、折り曲げ領域Bの中心線M1は導電ベース層1402を通り、陰極板11が中心線の近くに破断が発生した時に、導電ベース層1402は陰極板11における破断した箇所を被覆することができ、導電ベース層1402における折り曲げ領域Bの中心線M1の両側に位置する2つの端部はそれぞれ陰極板11の被覆領域11Fに電気的に接続されるため、導電ベース層1402によって陰極板11における破断した2つの部分の電気的な接続を依然として維持することができ、電極アセンブリ10の内部抵抗の増加を抑制する。
【0100】
該実施例において、導電ベース層1402は本体部1402bをさらに含み、本体部1402bは2つの端部1402aに接続され、導電層14はイオンバリア層1401をさらに含み、イオンバリア層1401は、導電ベース層1402の本体部1402bと陰極板11との間に設けられ、イオンバリア層1401は、少なくとも一部のイオンがイオンバリア層1401の一側に位置する陰極板11から脱離することを阻止するために用いられる。
【0101】
該実施例において、導電ベース層1402の本体部1402bと陰極板11との間にイオンバリア層1401が設けられ、イオンバリア層1401は陰極板11の表面に付着され、陰極板11の陰極活物質エリア115を直接に被覆し、一部のイオンが陰極板11から脱離して隣接する陽極板12に挿入されることをよりよく阻止し、折り曲げ領域における陽極板12のリチウム析出の発生を減少させることができる。
【0102】
図18に示すように、
図17における導電層14の一実施例の分解図であり、該実施例において、巻き取り方向に沿って、イオンバリア層1401の長さは導電ベース層1402の長さよりも小さく、導電ベース層1402はイオンバリア層1401の2つの端部を超えて陰極板11に電気的に接続される端部1402aが形成され、2つの端部1402aの間の部分は本体部1402bが形成される。
【0103】
図19に示すように、
図17における導電層14の別の実施例の分解図である。該実施例において、
図17における実施例との区別は、導電ベース層1402は複数であり、電極アセンブリ10の巻き取り軸線Zに平行する方向に沿って、複数の導電ベース層1402は間隔をおいて配列され、各導電ベース層1402は、対応する陰極板11における導電ベース層1402で被覆される被覆領域11Fに並列に接続され、具体的に、各導電ベース層1402の2つの端部1402aはそれぞれ、対応する陰極板11における導電ベース層1402に被覆される被覆領域11Fに電気的に接続されることにある。該実施例において、
図17における一体としての導電ベース層1402に比べると、複数の導電ベース層1402は間隔をおいて配列され、導電効果を確保した上で、導電ベース層1402の占有空間を減少させ、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。そして、複数の導電ベース層1402において1つ又は複数の対応する被覆領域11Fに破断が発生した時に、少なくとも1つの導電ベース層1402が導電を維持すれば、破断した極板に電気的な接続を依然として維持させることができ、より優れた確実性を有する。
【0104】
図20に示すように、別の実施例の導電層14の構造であり、
図17における実施例との区別は、導電層14は絶縁層1403をさらに含み、絶縁層1403は導電ベース層1402における陰極板11から離れる側に設けられ、導電ベース層1402を被覆することにある。該実施例において、導電ベース層1402における陰極板11から離れる側に絶縁層1403が設けられ、絶縁層1403は導電ベース層1402を被覆し、折り曲げ領域Bにおけるセパレータ13が破れた時に、絶縁層1403は、導電ベース層1402と陽極板12が直接に接触することにより陰極板11と陽極板12が短絡することを回避することができる。該実施例において、絶縁層1403の面積は導電ベース層1402の面積以上であり、導電ベース層1402のエッジを被覆する。
【0105】
図21は、
図18の実施例の上で、導電ベース層1402における陰極板11から離れる側に絶縁層1403が設けられる構造を示す。いくつかの示されていない実施例において、
図19の実施例の上、導電ベース層1402における陰極板11から離れる側に絶縁層を設けてもよい。
【0106】
本出願の任意の実施例において、イオンバリア層1401の材料には、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ベーマイト、ワラストナイト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸/アクリル酸エステル、ブチルベンゼン、スチレンアクリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、エポキシ接着剤、シリコーン接着剤、ポリウレタン接着剤、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体接着剤及び以上の物質の変性体のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0107】
本出願の任意の実施例において、絶縁層1403の材料は、有機ポリマー絶縁材料、無機絶縁材料、複合材料のうちの1つから選択される。絶縁層の材料は、有機ポリマー絶縁材料から選択され、有機ポリマー絶縁材料は、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド、エポキシ樹脂、ポリオキシメチレン、フェノール樹脂、ポリプロピレンエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーンゴム、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、アラミド、ポリジホルミルフェニレンジアミン、セルロース及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、タンパク質及びその誘導体、ポリビニルアルコール及びその架橋物、ポリエチレングリコール及びその架橋物のうちの少なくとも1つから選択される。本出願の任意の実施例において、複合材料は、有機ポリマー絶縁材料と無機絶縁材料からなる。いくつかの実施例において、複合材料は、エポキシ樹脂ガラス繊維強化複合材料、ポリエステル樹脂ガラス繊維強化複合材料のうちの少なくとも1つから選択される。本出願の任意の実施例において、無機絶縁材料は、アルミナ、炭化ケイ素、シリカのうちの少なくとも1つから選択される。
【0108】
図22は、
図4における一実施例のM1位置において巻き取り軸線Zの方向に沿う断面構造模式図を示し、電極アセンブリの巻き取り軸線Zの方向に沿って、陰極板11の表面に1つの導電層14が配置される。
【0109】
図23は、
図4における他の実施例のM1位置において巻き取り軸線Zの方向に沿う断面構造模式図を示し、
図22の実施例との相違点は、電極アセンブリの巻き取り軸線Zの方向に沿って、陰極板11の表面に複数の導電層14が配置され、複数の導電層14は電極アセンブリの巻き取り軸線Zの方向に沿って間隔をおいて配列され、各導電層14は対応する陰極板11の被覆領域11Fに並列に接続されることにある。電極アセンブリの異なる位置における受ける力は異なる可能性があるため、間隔をおいて導電層14を設け、電極アセンブリにおける受ける力が大きい位置に位置する導電層14の受ける力は大きく、他の位置の導電層14の受ける力は小さく、導電層14が力を受ける場合を分散し、導電層14が破断する可能性を低減させる。なお、導電効果を確保した上で、導電層14の占有空間を減少させ、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。
図22と
図23における実施例の導電層14は、
図12~21における実施例の導電層14の構造を採用してもよい。
【0110】
いくつかの実施例において、導電ベース層1402の総過電流面積は接続される陰極板11の集電体102の過電流面積の1/3以上であり、導電ベース層1402の過電流面積が小さ過ぎることで導電ベース層1402の温度の上昇を引き起こし陰極板から脱落することを回避し、使用の安全性を確保する。
図15又は
図19の実施例に示すように、1つの導電層は並列される複数の導電ベース層1402を含む場合、導電ベース層の総過電流面積とは、複数の導電ベース層1402の過電流面積の和を指す。
図23に示すように、導電層14は並列される複数の導電層14を含む場合、導電ベース層1402の総過電流面積は、全ての導電層14の導電ベース層1402の過電流面積の総和である。各導電ベース層1402の過電流面積は、電極アセンブリ10の巻き取り軸線Zの方向に沿う導電ベース層1402の横断面積である。
図28に示すように、陰極板の2つの表面に導電層14が設けられる場合、導電ベース層1402の総過電流面積は、2つの表面の導電層141と143の導電ベース層1402の過電流面積の総和に等しい。陰極板11の集電体102の過電流面積は、電極アセンブリ10の巻き取り軸線Zの方向に沿う集電体102の横断面積である。
【0111】
図12~
図23の実施例は、単に導電層14の各々と陰極板11との位置関係及び導電層14の構造特徴を概略的に説明し、
図12~
図23の導電層は、陰極板11に設けられることに限定されず、陽極板12に設けられてもよい。
図12~
図23の実施例の導電層14の構造は、
図4~
図11のいずれか1つの実施例の電極アセンブリ10の構造に単独で又は組み合わせて適用されることができる。
【0112】
図24に示すように、本出願の別の実施例の電池セルの構造模式図である。電池セルは、外枠20及び外枠20内に収納される1つ又は複数の電極アセンブリ10を含み、外枠20はケース21とカバー板22を含み、ケース21は収容室を有し、且つケース21は開口を有し、即ち、電極アセンブリ10がケース21の収容室に収容することができるように、該平面はケース壁を有さず、ケース21の内外を連通させ、カバー板22とケース21はケース21の開口において結合され中空室が形成され、電極アセンブリ10は外枠20内に収納された後、外枠20に電解液を充填して封止する。
【0113】
ケース21は、1つ又は複数の電極アセンブリ10が組み合わせられた後の形状によって決定され、例えば、ケース21は中空直方体又は中空立方体又は中空円柱体であってもよい。例えば、ケース21が中空直方体又は立方体である場合、ケース21のそのうちの1つの平面が開口面であり、即ち、この平面はケース壁を有さず、ケース21の内外を連通させ、ケース21が中空円柱体である場合、ケース21のそのうちの1つの円形側面は開口面であり、即ち、該円形側面はケース壁を有さず、ケース21の内外を連通させる。
【0114】
本出願の別の実施例において、ケース21は、導電金属の材料又はプラスチックから製造されてもよく、選択可能に、ケース21は、アルミニウム又はアルミニウム合金から製造される。
【0115】
電極アセンブリ10の構造は、前述した
図4~
図23の実施例に説明された電極アセンブリの関連内容を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0116】
図25に示すように、本出願の別の実施例の電池モジュールの構造模式図であり、電池モジュール6は互いに接続される複数の電池セル7を含み、そのうち、複数の電池セル7の間は直列又は並列又は直並列に接続されてもよく、直並列とは、接続には直列接続と並列接続が同時に含まれることを指し、電池セル7の構造は、
図24の対応する実施例に説明された電池セルを参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0117】
図26は、本出願の別の実施例の電池の構造模式図であり、電池2は筐体5を含み、筐体5には複数の電池セル7が収容される。電池セル7の構造は
図25に示す電池セル7の構造を参照してもよい。筐体5に複数の電池セル7を収容する具体的な方式は、電池セル7を筐体5内に直接に取り付け、又は複数の電池セル7を電池モジュールとして組み合わせ、そして電池モジュールを電池2内に取り付けることを含む。
【0118】
図26に示すように、いくつかの実施例において、電池2は複数の電池モジュール6と筐体5を含み、筐体は下筐体52と上筐体51を含み、複数の電池モジュール6の間は直列又は並列又は直並列に接続されてもよく、下筐体52は収容室を有し、且つ下筐体52は開口を有し、接続された複数の電池モジュール6が下筐体52の収容室内に収容できるようにし、上筐体51と下筐体52は下筐体52の開口において結合され中空室が形成され、上筐体51と下筐体52は結合された後封止する。
【0119】
本出願の別の実施例において、電池は電力消費装置に単独で給電することができ、該電池は電池パックと呼ばれてもよく、例えば、自動車の給電に用いられる。
【0120】
本出願の別の実施例において、電力消費装置の電力消費の需要に応じて、複数の電池は互いに接続された後電池アセンブリに組み合わせられ、電力消費装置に給電するために用いられる。本出願の別の実施例において、該電池アセンブリは1つの筐体に収容されて、封入してもよい。
【0121】
説明を簡略化させるために、以下の実施例は、電力消費装置は電池を含むことを例として説明する。
【0122】
本出願の一実施例は電力消費装置をさらに提供し、例えば、電力消費装置は自動車、例えば、新エネルギー自動車であってもよく、電力消費装置は前述した実施例に説明される電池を含み、ここでは、電力消費装置に使用される電池は
図26の対応する実施例に説明される電池の通りであってもよく、ここでは説明を省略する。
【0123】
例えば、
図27に示すように、本出願の別の実施例の電力消費装置の構造模式図であり、電力消費装置は自動車であってもよく、自動車1は燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド電気自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。自動車は電池3、コントローラ2及びモータ4を含む。電池3はコントローラ2及びモータ4に給電するために用いられ、自動車1の操作電源及び駆動電源として、例えば、電池3は自動車の起動、ナビゲーション及び運転時の動作電力消費の需要に用いられる。例えば、電池3はコントローラ2に給電し、コントローラ2は電池3がモータ4に給電するように制御し、モータ4は電池3の電力を受電し、自動車1の駆動電源として使用し、燃料油又は天然ガスの代替品又は部分的な代替品として自動車に駆動力を供給する。
【0124】
図28に示すように、本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工方法のフロー模式図であり、加工方法は以下のステップを含む。
【0125】
ステップ100では、陰極板、陽極板、及びセパレータを提供する。
【0126】
ステップ200では、導電層を提供し、導電層を陰極板の所定箇所に設け、陰極板は導電層で被覆される被覆領域を含み、導電層を被覆領域に並列に接続させる。
【0127】
ステップ300では、陰極板、陽極板及びセパレータを巻き取り、陰極板、セパレータ及び陽極板は巻き取られて折り曲げ領域が形成され、所定箇所は、巻き取られた後に導電層の少なくとも一部が折り曲げ領域に位置するように構成される。
【0128】
図29に示すように、本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工装置の構造模式図であり、加工装置400は、陰極板、陽極板、セパレータ及び導電層を提供するための提供装置410と、陰極板の所定箇所において導電層を陰極板に接続するための接続装置であって、陰極板は導電層で被覆される被覆領域を含み、接続装置は導電層を被覆領域に並列に接続するために用いられる接続装置420と、陰極板、陽極板及びセパレータを巻き取るための巻き取り装置であって、陰極板、セパレータ及び陽極板は、巻き取られて折り曲げ領域が形成され、所定箇所は、巻き取られた後に導電層の少なくとも一部が折り曲げ領域に位置するように構成される巻き取り装置430と、を含む。
【0129】
当業者であれば理解できるように、ここでのいくつかの実施例は、他の特徴ではなく、他の実施例に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施例の特徴の組み合わせは、本出願の範囲に属し且つ異なる実施例を形成することを意味する。例えば、特許請求の範囲において、保護しようとする実施例のいずれか1つは、いずれも任意の組み合わせの方式で使用されることができる。
【0130】
以上の実施例は、単に本出願の技術案を説明するのみに用いられ、それを限定するものではない。前述した実施例を参照しながら本出願について詳細に説明したが、当業者であれば理解すべきであるように、それは依然として前述した各実施例に記載の技術案を修正し、又はそのうち一部の技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、相応する技術案の本質が本出願の各実施例の技術案の精神と範囲を逸脱するようにすることはない。
【国際調査報告】