(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】目の下の増白を与えるための化粧品組成物の選択的適用のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20230823BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
A45D34/04 550
A61B5/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507434
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 US2021071079
(87)【国際公開番号】W WO2022032273
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522236350
【氏名又は名称】ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】エドガー・アルバート・デュール
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンズ・ローラ
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XB13
4C117XE43
4C117XJ14
4C117XN04
4C117XN05
(57)【要約】
顔の目の下の領域の皮膚の美的外観を変えるために処置表面(例えば、皮膚)に組成物を選択的に適用するための、デバイス及び方法。デバイスは、組成物を皮膚に適用するアプリケータと、皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得する検出器と、を含む。デバイスは、画像データ及び過去の画像データに基づいて、標的反射率値を生成する。標的反射率値は、画像データ及び過去の画像データに対応する範囲の少なくとも半分の反射率よりも高い。デバイスは、撮像された皮膚の範囲内の場所の所望のレベルの反射率修正を、その場所の反射率に対応する画像データを標的反射率値と比較することによって決定し、所望のレベルの反射率修正に基づいて、組成物をその場所に選択的に適用するようにアプリケータに指示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための手持ち式デバイスであって、
前記目の下の領域内の前記皮膚に前記組成物を適用するアプリケータ装置と、
前記目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得する検出器装置と、
前記検出器装置によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応する過去の画像データを記憶するメモリ記憶デバイスと、
プロセッサ及び前記プロセッサによって実行可能な命令のセットを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令のセットが、前記画像データ及び前記過去の画像データを分析して、前記画像データ及び前記過去の画像データに基づいて標的反射率値を生成することであって、前記過去の画像データが、前記検出器装置によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応し、前記標的反射率値が、撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる群の少なくとも半分の反射率よりも高い、生成することと、撮像された前記皮膚の範囲内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、前記場所の反射率に対応する画像データを前記標的反射率値と比較することによって決定することと、前記所望のレベルの反射率修正に基づいて、前記場所に前記組成物を選択的に適用するように前記アプリケータ装置に指示することと、を行うように実施可能である、プロセッサ及び非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を備える、手持ち式デバイス。
【請求項2】
前記命令のセットが、撮像された前記皮膚の範囲に対応する前記画像データを含むように前記メモリ記憶デバイスに記憶された前記過去の画像データを更新し、前記更新された過去の画像データを使用して前記目の下の領域の更なる皮膚の範囲に対して上記のステップを繰り返すように更に実施可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記過去の画像データの前記複数の皮膚の範囲が、撮像された前記皮膚の範囲の直前に撮像された所定数の範囲からなる、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記標的反射率値が、前記標的フレームにわたる平均反射率又は前記標的フレームにわたるメジアン反射率に対応する、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記所望のレベルの反射率修正が所定の閾値の値を上回る場合に、固定量の前記組成物を適用するように前記アプリケータ装置に指示する、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記プロセッサが、調整可能な量の前記組成物を前記場所に適用するように前記アプリケータ装置に指示し、前記調整可能な量が、前記所望のレベルの反射率修正の関数として、前記プロセッサによって決定される、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記組成物が、反射率修正剤を含む化粧品組成物である、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記組成物が、皮膚状態を処置するための有効成分を含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための手持ち式デバイスであって、
前記目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得する検出器装置であって、前記皮膚の範囲が、前記検出器装置によって撮像された複数の皮膚フレームからなる、検出器装置と、
前記組成物を前記皮膚の範囲に適用する複数のノズルを備えるアプリケータ装置であって、前記複数のノズルの各々が、前記検出器装置によって撮像された前記複数の皮膚フレームから選択される対応する皮膚フレーム内の皮膚に前記組成物を適用するように位置合わせされている、アプリケータ装置と、
プロセッサ及び前記プロセッサによって実行可能な命令のセットを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令のセットが、前記画像データを分析して、前記複数の皮膚フレームから標的フレームを選択し、かつ前記標的フレームにわたる反射率に対応する画像データに基づいて標的反射率値を生成することと、前記画像データを分析して、前記検出器装置によって撮像された前記複数の皮膚フレームの少なくとも半分の反射率よりも高い標的反射率値を生成することと、前記複数のフレームの各々内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、前記場所の反射率に対応する画像データを前記標的反射率値と比較することによって決定することと、前記場所について決定された前記対応する所望のレベルの反射率修正に基づいて、各場所に前記組成物を選択的に適用するように前記アプリケータ装置に指示することと、を行うように実施可能である、プロセッサ及び非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を備える、手持ち式デバイス。
【請求項10】
前記アプリケータ装置が、前記撮像された皮膚の範囲内に前記複数の皮膚フレームを画定する格子状エンドエフェクタを備える、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記格子状エンドエフェクタが、細長い形状を有し、前記格子状エンドエフェクタによって画定された前記複数の皮膚フレームが、前記格子状エンドエフェクタの長さに沿って線形アレイで配列される、請求項9又は10に記載のデバイス。
【請求項12】
ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための方法であって、
(a)検出器装置によって、前記目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得することと、
(b)前記画像データ及び過去の画像データに基づいて、標的反射率値を生成することであって、前記過去の画像データが、前記検出器装置によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応し、前記標的反射率値が、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる群の少なくとも半分の反射率よりも高い、生成することと、
(c)処理装置によって、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、前記場所の反射率に対応する画像データを前記標的反射率値と比較することによって決定することと、
(d)アプリケータ装置によって、前記所望のレベルの反射率修正に基づいて、前記場所に前記組成物を選択的に適用することと、を含む、方法。
【請求項13】
前記標的反射率値が、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる前記群の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%の反射率よりも高い、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記過去の画像データの前記複数の皮膚の範囲が、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲に隣接している、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記過去の画像データの前記複数の皮膚の範囲が、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲から所定の距離内にある、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項16】
(e)ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲に対応する前記画像データを含むように前記過去の画像データを更新することと、
(f)前記更新された過去の画像データを使用して、前記目の下の領域の更なる皮膚の範囲に対して、ステップ(a)~(d)を繰り返すことと、を更に含む、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記過去の画像データの前記複数の皮膚の範囲が、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲の直前に撮像された所定数の範囲からなる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記標的反射率値が、標的フレームにわたる平均反射率に対応し、前記標的フレームが、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる前記群から選択されるフレームである、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記標的フレームが、
ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる前記群の各範囲についての平均又はメジアン反射率値を決定することと、
前記範囲についての前記平均又はメジアン反射率値を比較することと、
ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる前記群の少なくとも半分と比較して、より高い平均反射率値を有する範囲を前記標的フレームとして選択することと、によって選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記標的フレームが、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる前記群の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%と比較して、より高い平均反射率値を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アプリケータ装置が、前記所望のレベルの反射率修正が所定の閾値の値を上回る場合に、固定量の前記組成物を前記場所に適用する、請求項12~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記アプリケータ装置が、調整可能な量の前記組成物を前記場所に適用し、前記調整可能な量が、前記所望のレベルの反射率修正の関数として前記処理装置によって決定される、請求項12~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が、反射率修正剤を含む化粧品組成物である、請求項12~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物が、皮膚状態を処置するための有効成分を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記アプリケータ装置が前記ユーザの目の下縁から約3mm~約5mm以内に位置付けられるとき、前記アプリケータ装置が前記組成物の適用を控える、請求項12~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための方法であって、
検出器装置によって、前記目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得することであって、前記皮膚の範囲が、前記検出器装置によって撮像された複数の皮膚フレームからなる、取得することと、
処理装置によって、前記画像データを分析して、前記検出器装置によって撮像された前記複数の皮膚フレームの少なくとも半分の反射率よりも高い標的反射率値を生成することと、
前記処理装置によって、前記複数のフレームの各々内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、前記場所の反射率に対応する画像データを前記標的反射率値と比較することによって決定することと、
アプリケータ装置によって、前記場所について決定された前記対応する所望のレベルの反射率修正に基づいて、各場所に前記組成物を選択的に適用することと、を含む、方法。
【請求項27】
前記標的反射率値が、前記検出器装置によって撮像された前記複数の皮膚フレームの少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%の反射率よりも高い、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記標的反射率値が、前記複数の皮膚フレームから選択される標的フレームにわたる平均反射率に対応する、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記標的フレームが、
前記複数の皮膚フレームの各々についての平均又はメジアン反射率値を決定することと、
前記複数の皮膚フレームについての前記平均又はメジアン反射率値を比較することと、
前記複数の皮膚フレームの少なくとも半分と比較して、より高い平均反射率値を有する範囲を前記標的フレームとして選択することと、によって選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記標的フレームが、前記複数の皮膚フレームの少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%と比較して、より高い平均反射率値を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記目の下の領域の前記皮膚の範囲が、細長い形状を有し、前記複数のフレームが、皮膚の前記細長い範囲の長さに沿って線形アレイで配列される、請求項26~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記アプリケータ装置が前記ユーザの目の下縁から約3mm~約5mm以内に位置付けられるとき、前記アプリケータ装置が前記組成物の適用を控える、請求項26~31のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年8月3日に出願された米国仮出願第62/706,150号の優先権を主張するものであり、本仮出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ユーザの角質表面(例えば、皮膚、毛髪、若しくは爪)、又はエナメル質(例えば、歯)などの処置表面上に組成物を選択的に適用するためのデバイス及び方法に関する。より詳細には、本発明は、目の下の領域の望ましくない肌の特徴の出現を低減し、皮膚の美的外観を向上させるために局所用組成物を選択的に適用するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
人の顔の目の下の領域における黒ずんだ外観は、美しさの知覚の低下に関連し得る。目の下の領域の外観は、この領域の皮膚が薄く柔軟であるので、基本的な生理学的変化に特に敏感である。目の下の領域における皮膚の薄い構造は、目の下の領域の外観に目に見える変化を与えるために、領域における小さな生理学的変化(例えば、血流に対する変化)を許容する。例えば、人が疲れたり病気になったりすると、目の下の領域の毛細血管が拡張し、目の下の領域に黒ずんだ外観を与え得る。この黒ずんだ外観は、紫色又は青色に見える毛細血管内の停滞した血液、黄色、黒色又は青色に見える毛細血管内の死滅血球の蓄積が原因である可能性があり、これは典型的にあざに見られる着色と類似しており、人の顔の目の下の領域の美的外観において望ましくない。更に、人が年を取るにつれて、目の下の領域の黒ずんだ外観は、より大きな範囲に拡大する可能性があり、目の下の領域の皮膚もまた、たるんで、顔の他の生理学的領域からの皮膚の他の黒ずんだ外観と融合する可能性がある。目の下の領域の着色は、知覚される皮膚の美的外観に著しく寄与し得る。したがって、人の顔の皮膚の美的外観を改善するために、目の下の領域の黒ずんだ外観を低減することが望ましいことが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの例示的な実施形態は、ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための方法を対象としている。方法は、(a)検出器装置によって、目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得することを含む。方法はまた、(b)画像データ及び過去の画像データに基づいて、標的反射率値を生成することを含む。過去の画像データは、検出器装置によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応する。標的反射率値は、ステップ(a)で撮像された皮膚の範囲、及び検出器装置によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲からなる群の少なくとも半分の反射率よりも高い。方法は、(c)処理装置によって、ステップ(a)で撮像された皮膚の範囲内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、場所の反射率に対応する画像データを標的反射率値と比較することによって決定することを更に含む。方法は、(d)アプリケータ装置によって、所望のレベルの反射率修正に基づいて、場所に組成物を選択的に適用することを更に含む。
【0005】
本出願の別の態様では、ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための手持ち式デバイスが提供される。デバイスは、目の下の領域内の皮膚に組成物を適用するアプリケータ装置と、目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得する検出器装置と、を備える。デバイスは、検出器装置によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応する過去の画像データを記憶するメモリ記憶デバイスを更に備える。デバイスは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令のセットを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を更に備える。画像データ及び過去の画像データを分析して、画像データ及び過去の画像データに基づいて標的反射率値を生成することであって、過去の画像データは、検出器装置によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応し、標的反射率値は、撮像された皮膚の範囲及び検出器装置によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲からなる群の少なくとも半分の反射率よりも高い、生成することと、撮像された皮膚の範囲内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、場所の反射率に対応する画像データを標的反射率値と比較することによって決定することと、所望のレベルの反射率修正に基づいて、場所に組成物を選択的に適用するようにアプリケータ装置に指示することと、を行うように実施可能である、命令のセット。
【0006】
本出願の更なる態様では、ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための別の方法が提供される。方法は、検出器装置によって、目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得することを含む。皮膚の範囲は、検出器装置によって撮像された複数の皮膚フレームからなる。方法はまた、処理装置によって、画像データを分析して、検出器装置によって撮像された複数の皮膚フレームの少なくとも半分の反射率よりも高い標的反射率値を生成することを含む。方法は、処理装置によって、複数のフレームの各々内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、場所の反射率に対応する画像データを標的反射率値と比較することによって決定することを更に含む。方法は、アプリケータ装置によって、場所について決定された対応する所望のレベルの反射率修正に基づいて、各場所に組成物を選択的に適用することを更に含む。
【0007】
本出願の別の態様では、ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための手持ち式デバイスが提供される。デバイスは、目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得する検出器装置を備える。皮膚の範囲は、検出器装置によって撮像された複数の皮膚フレームからなる。デバイスはまた、皮膚の範囲に組成物を適用する複数のノズルを備えるアプリケータ装置を備える。複数のノズルの各々は、検出器装置によって撮像された複数の皮膚フレームから選択される対応する皮膚フレーム内の皮膚に組成物を適用するように位置合わせされている。デバイスは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令のセットを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を更に備える。画像データを分析して、複数の皮膚フレームから標的フレームを選択し、かつ標的フレームにわたる反射率に対応する画像データに基づいて標的反射率値を生成することと、画像データを分析して、検出器装置によって撮像された複数の皮膚フレームの少なくとも半分の反射率よりも高い標的反射率値を生成することと、複数のフレームの各々内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、場所の反射率に対応する画像データを標的反射率値と比較することによって決定することと、場所について決定された対応する所望のレベルの反射率修正に基づいて、各場所に組成物を選択的に適用するようにアプリケータ装置に指示することと、を行うように実施可能である、命令のセット。
【0008】
本発明のこれら及び他の態様は、図面及び添付の特許請求の範囲を含む、本発明の以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本出願の例示的な実施形態による、ユーザの目の下の領域の皮膚に組成物を選択的に適用するための例示的なデバイスのブロック図を示す。
【
図2】本出願の例示的な実施形態による、ユーザの目の下の領域の皮膚に局所用組成物を選択的に適用するための例示的な方法を示す。
【
図3】本出願の別の例示的な実施形態による、ユーザの目の下の領域の皮膚に組成物を選択的に適用するための代替デバイスを示す。
【
図4】本出願の別の例示的な実施形態による、ユーザの目の下の領域の皮膚に局所用組成物を選択的に適用するための例示的な代替方法を示す。
【
図5a】化粧品組成物を適用していない個人の目の下の領域の皮膚の例示的な画像を示す。
【
図5b】実施例Iの例示的な実施形態に従って適用された、化粧品組成物の適用をシミュレーションした
図5aの皮膚の同じ領域を示す。
【
図5c】
図5bの皮膚の領域に適用されるようにシミュレーションした組成物の分布を示す。
【
図6a】化粧品組成物を適用していない別の個人の目の下の領域の皮膚の例示的な画像を示す
【
図6b】実施例Iの例示的な実施形態に従って適用された、化粧品組成物の適用をシミュレーションした
図6aの皮膚の同じ領域を示す。
【
図6c】
図6bの皮膚の領域に適用されるようにシミュレーションした組成物の分布を示す。
【
図7a】化粧品組成物を適用していない別の個人の目の下の領域の皮膚の例示的な画像を示す。
【
図7b】実施例Iの例示的な実施形態に従って適用された、化粧品組成物の適用をシミュレーションした
図7aの皮膚の同じ領域を示す。
【
図7c】
図7bの皮膚の領域に適用されるようにシミュレーションした組成物の分布を示す。
【
図8a】化粧品組成物を適用していない別の個人の目の下の領域の皮膚の例示的な画像を示す。
【
図8b】実施例Iの例示的な実施形態に従って適用された、化粧品組成物の適用をシミュレーションした
図8aの皮膚の同じ領域を示す。
【
図8c】
図8bの皮膚の領域に適用されるようにシミュレーションした組成物の分布を示す。
【
図9a】化粧品組成物を適用していない別の個人の目の下の領域の皮膚の例示的な画像を示す。
【
図9b】実施例Iの例示的な実施形態に従って適用された、化粧品組成物の適用をシミュレーションした
図9aの皮膚の同じ領域を示す。
【
図9c】
図9bの皮膚の領域に適用されるようにシミュレーションした組成物の分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において「局所塗布に好適な」又は「局所投与に好適な」という用語は、過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激、アレルギー反応、見苦しい外観などを伴わずに、皮膚、特にヒトの皮膚への使用に好適な成分及び/又は処置を指す。
【0011】
本明細書で使用するとき、「フレクセル(frexel)」という用語は、皮膚の小さな画素のような領域を指し、これは、皮膚の対応する部分のデジタル的に得られた画像内の単一の大きい画素又は少数の画素に対応し得る。例えば、フレクセルは、約1/32~約1/4インチの平均直径を有する皮膚領域に対応してもよい。
【0012】
本明細書で使用するとき、「不透明度」という用語は、組成物が皮膚表面の上に提供する被覆量を指す。組成物が100%不透明である場合、組成物は皮膚表面を完全に覆い得る。組成物が0%不透明である場合、皮膚の外観は、下にある皮膚の外観であり、組成物は見えない可能性がある。組成物が50%不透明である場合、皮膚の外観は、組成物及び下にある皮膚の等しく重み付けされた平均であり得る。
【0013】
本出願は、哺乳動物又はヒトの顔の目の下の領域の皮膚に組成物を選択的に適用するためのシステム、デバイス及び方法を提供する。より具体的には、本出願は、ユーザの顔の全体的な美的外観を改善するために、ユーザがその外観を最小化又は除去することを望む目の下の領域の皮膚の黒ずんだ外観に対処するために、ユーザの目の下の領域内の皮膚に局所用組成物を選択的に適用するための方法、デバイス及びシステムを提供する。本出願のデバイスは、皮膚の範囲の画像を分析して、目の下の領域内の皮膚の視覚的外観を変化させるために、例えば、目の下の領域の暗い、腫れぼったい及び/又はたるんだ円など、皮膚上のアーチファクトの外観を低減又は排除するために、組成物が適用されるべき場所を識別する。組成物は、目の下の領域の皮膚の外観及び/又は健康状態を改善するための化粧品組成物及び/又は皮膚処置用組成物であってよい。
【0014】
図1は、哺乳類又はヒトの顔の目の下の領域の皮膚に局所用組成物を適用するための例示的なデバイス100のブロック図を示す。いくつかの実施形態では、デバイス100は、ユーザの皮膚の任意の領域に局所用組成物を適用するのに好適であり得るが、特に、目の下の領域内の皮膚に局所用組成物を適用するために、目の下適用モードに切り替えることができる。本実施形態のデバイス100は、ユーザの手の掌の中に保持されるように設計された手持ち式デバイスとなるような大きさ及び形状となっている。本実施形態によるデバイス100は、ヘッド部分102とハンドル部分104とを備えている。デバイス100のヘッド部分102は、目の下の領域の皮膚の上に保持されるような大きさ及び形状を有している。デバイス100のハンドル部分104は、その内部に構成要素を収容するための空洞を画定する細長い形状を有する。いくつかの実施形態では、ハンドル部分104は、ユーザの手の掌の中に保持されるような大きさ及び形状である。他の実施形態では、ハンドル部分104は、ユーザの手の指先によって保持されるような大きさ及び形状である。
【0015】
この実施形態によるデバイス100のヘッド部分102は、目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得する検出器装置110を備える。この実施形態のヘッド部分102はまた、検出器装置110からの画像データに基づいて、処理装置130によって指示されるように、目の下の領域の皮膚の部分に組成物を選択的に適用するアプリケータ装置120を備える。いくつかの実施形態では、検出器装置110、及びアプリケータ装置120は、ヘッド部分102の嵌め込み部分106の一部となっており、処置しようとする皮膚の範囲上にヘッド部分102が配置される際に嵌め込み部分106が皮膚と接触しないようになっている。
【0016】
検出器装置110は、目の下の領域の皮膚の範囲に光(例えば、可視光)を送達する少なくとも1つの光源111と、皮膚の範囲から反射された光を検出する少なくとも1つのセンサ112と、を備える。光源111は、皮膚の範囲を照明するための任意の好適な発光デバイス、例えば、1つ又は2つ以上のLEDを含んでもよい。光源111は、皮膚による光の反射率を検出及び/又は測定するのに十分な量の照明を皮膚の範囲にわたって提供するように選択され、配列されてもよい。好ましくは、光源111は、集合的に、撮像された皮膚の範囲の上に実質的に均一な光の分布を提供する。1つの例示的な実施形態では、光源111は、緑色光を提供するための少なくとも1つの発光デバイスを備える。特定の例では、光源111は、少なくとも1つの緑色LEDを備える。センサ112は、皮膚からの光の反射率を検出するための任意の好適な構成要素を備え得る。例えば、センサ112は、1つ又は2つ以上の波長の反射光の量に対する感度を有し得る。好適なセンサ112としては、例えば、当業者に理解されるような、写真又はビデオカメラ(異なる種類のカメラレンズを含み得る)、フォトダイオード及び/又はフォトトランジスタを含むことができる。検出器装置110のセンサ112は、カメラの赤色、緑色及び/又は青色のチャネル内の光を検出することができるRGBカメラであってもよい。
【0017】
光源111及びセンサ112を含む検出器装置110は、コンピュータアクセス可能媒体140に記憶された命令を実行するために処理装置130に動作可能に接続される。この実施形態の処理装置130は、光源111を制御し、センサ112から受信した画像データを受信及び解析する。処理装置130及びコンピュータアクセス可能媒体140は、デバイス100内又はデバイス100の外部の任意の場所に位置付けられてもよいことが企図される。一実施形態では、
図1に示すように、処理装置130及びコンピュータアクセス可能媒体140は、ハンドル部分104内に位置する。この実施形態の処理装置130はまた、所望のフレクセルに組成物を選択的に塗布するアプリケータ装置120も制御する。処理装置130は、限定するものではないが、例えば、全体的に1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサを含み得るコンピュータ/プロセッサであってもよい、若しくはその一部であってもよい、又はこれを含んでもよく、コンピュータアクセス可能媒体140(例えば、メモリ記憶デバイス)上に記憶された命令を使用してもよい。コンピュータアクセス可能媒体140は、例えば、その内部に実行可能命令を包含する非一時的コンピュータアクセス可能媒体であってもよい。デバイス100は、検出器装置110によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応する過去の画像データを記憶するためのメモリ記憶デバイスを更に含むことができる。
【0018】
この実施形態によるアプリケータ装置120は、局所用組成物(例えば、化粧品組成物及び/又は皮膚処置用組成物)をフレクセル上に付着させるための少なくとも1つの好適な組成物適用デバイスを備える。この実施形態における例示的な局所用組成物適用デバイスは、例えば、噴霧器(例えば、電子噴霧器若しくはエアブラシ噴霧器)、液滴制御デバイス、又は当業者に理解されるような所望の場所に組成物を小さな液滴として塗布するための他の任意の好適な適用デバイスを含む。1つの例示的な実施形態では、アプリケータ装置120は、加圧ミストの形態の加圧された液体又は粘性組成物を皮膚上に付着させて、所望の場所に薄い被覆層を形成するためのノズルを備える。ノズルは、組成物の薄層を皮膚上の照準した場所に付着させるための任意の好適なデバイスとすることができる。1つの例示的な実施形態では、ノズルは、液体組成物又は粘性組成物を保持する第1のチャンバと、組成物のパルスがフレクセルに分配されるときに組成物に圧力を加えるが、組成物と混合されない噴射剤(例えば、圧縮空気又は窒素ガス)を収容する第2のチャンバとを有する、デュアルチャンバを備えていてもよい。別の実施例では、ノズルは、液体又は粘性組成物が入った第1のチャンバと、組成物が所望の場所に分注される際に組成物と混合される噴射剤を収容する第2のチャンバと、を備える。ノズルの2つの例示的実施形態について上記に述べたが、本出願のデバイスは、当業者には理解されるように、圧力下で組成物の液滴を分配するための任意の好適なノズルを備えていてよいことが企図される。
【0019】
アプリケータ装置120は、皮膚に適用される局所用組成物を収容するリザーバ150に動作可能に接続され、その結果、リザーバ150内の組成物は、皮膚上への堆積のためにリザーバ150からアプリケータ装置120に移送することができる。具体的に言えば、アプリケータ装置120は、一連の導管、弁、及び/又は圧力源によって、リザーバ150に流体接続される。リザーバ150は、デバイス100内の任意の場所に収容され得ることが企図される。1つの例示的な実施形態では、
図1に示すように、リザーバ150はデバイス100のハンドル部分104内に収容される。リザーバ150内の組成物は、組成物の付着のためにリザーバ150からアプリケータ装置120に移送される。いくつかの実施形態では、リザーバ150は、その内部の内容物が使い果たされた際に交換することができる取り外し可能な容器である。例えば、リザーバ150は、皮膚に適用される組成物を内部に収容する加圧キャニスタであってもよい。
【0020】
皮膚に適用される組成物は、顔の目の下の領域の皮膚への局所的適用に好適な任意の組成物であってよい。皮膚に適用される組成物は、例えば、皮膚の外観を修正するのに適した化粧品成分、例えば、不透明物質、着色化粧料、又は皮膚の外観を向上させるための任意の他の好適な組成物を含んでもよい。組成物はまた、皮膚状態、例えば、座瘡、色素沈着過度、湿疹、蕁麻疹、白斑、乾癬、酒さ、いぼ、帯状疱疹、ヘルペス、色素沈着及び色調、発赤/皮膚における酸化的ストレス、しわ、増白、たるみ/弾性などを処置及び/又は改善するために、水分補給のための保湿剤、担体、又は有益剤(例えば、有益な化合物/組成物/抽出物又は活性成分)などの成分を含んでもよい。組成物に組み込まれ得る有益剤の例示的な実施形態を、以下に更に説明する。
【0021】
有用な保湿活性有益剤の非限定的なリストには、ヒアルロン酸及び保湿剤が含まれる。ヒアルロン酸は、直鎖ヒアルロン酸、架橋ヒアルロン酸、又は直鎖ヒアルロン酸と架橋ヒアルロン酸との混合物であってもよい。これは、塩形態、例えば、ヒアルロン酸ナトリウムであってもよい。保湿剤とは、皮膚の最上層の含水量を増加させる意図の化合物(例えば、吸湿性化合物)である。好適な保湿剤の例としては、グリセリン、ソルビトール、トレハロース、又はこれらの塩若しくはエステルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
座瘡に有用な有益剤の非限定的なリストには、過酸化ベンゾイル、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニル、及びパルミチン酸レチニルを含むレチノイド、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、及び酒石酸を含むが、これらに限定されないヒドロキシ酸、硫黄、亜鉛PCA(亜鉛ピロリドンカルボン酸)、アラントイン(5-ウレイドヒダントイン)、ローズマリー、4-ヘキシルレゾルシノール、N-アセチルグルコサミン、グルコノラクトン、ナイアシンアミド、アゼライン酸、及びレスベラトロールが含まれる。
【0023】
有用な色素沈着活性有益剤の非限定的なリストには、レゾルシノール、例えば、ナイアシンアミド、4-ヘキシルレゾルシノール、クルクミノイド(例えばSabiwhite(テトラヒドロクルクミン)、フィチン酸、レスベラトロール、ダイズ(Glycine Soja)油、グルコノラクトン、アゼライン酸、及び、レチノール、レチナール、レチノイン酸、レチニルアセテート、及びレチニルパルミテートを含むレチノイド、酵素、例えば、ラッカーゼ、チロシナーゼ阻害物質、メラニン分解剤、メラノソーム移動阻害剤、例えば、PAR-2アンタゴニスト、スクラブ剤、日焼け止め、レチノイド、抗酸化物質、トラネキサム酸、トラネキサム酸セチルエステル塩酸塩、皮膚漂白剤、リノール酸、アデノシン一リン酸二ナトリウム塩、カモミール抽出物、アラントイン、乳白剤、タルク及びシリカ、亜鉛塩などが含まれる。好適なチロシナーゼ阻害物質の例としては、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、コウジ酸、アルブチン、レゾルシノール、ヒドロキノン、フラボン(例えば、カンゾウフラバノイド、カンゾウ根抽出物、クワ根抽出物、ディオスコレアコポジータ(Dioscorea Coposita)根抽出物、ユキノシタ科抽出物など)、エラグ酸、サリチル酸塩及び誘導体、グルコサミン及び誘導体、フラーレン、ヒノキチオール、二酸、アセチルグルコサミン、5,5’-ジプロピル-ビフェニル-2,2’-ジオール(Magnolignan)、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール(4-HPB)、これらのうちの2つ又は3つ以上の組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。ビタミンCの誘導体の例としては、アスコルビン酸及びその塩、アスコルビン酸-2-グルコシド、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、及びビタミンCを多く含む天然抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。ビタミンEの誘導体の例としては、アルファ-トコフェロール、ベータ、トコフェロール、ガンマ-トコフェロール、デルタ-トコフェロール、アルファ-トコトリエノール、ベータ-トコトリエノール、ガンマ-トコトリエノール、デルタ-トコトリエノール、及びこれらの混合物、酢酸トコフェロール、リン酸トコフェロール、及びビタミンE誘導体を多く含む天然抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。レゾルシノール誘導体の例としては、レゾルシノール、4-置換レゾルシノール、例えば、4-ブチルレゾルシノール(ルシノール)、4-ヘキシルレゾルシノール、フェニルエチルレゾルシノール、1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-3-(2,4-ジメトキシ-3-メチルフェニル)-プロパンなどの4-アルキルレゾルシノール、及びレゾルシノールを多く含む天然抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。サリチル酸塩の例としては、4-メトキシカリウムサリチレート、サリチル酸、アセチルサリチル酸、4-メトキシサリチル酸及びこれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、チロシナーゼ阻害物質としては、4-置換レゾルシノール、ビタミンC誘導体、又はビタミンE誘導体が挙げられる。
【0024】
有用な発赤/酸化防止用活性有益剤の非限定的なリストとしては、スルフヒドリル化合物及びその誘導体(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム及びN-アセチル-システイン)などの水溶性酸化防止剤、リポ酸及びジヒドロリポ酸、レスベラトロール、ラクトフェリン、並びにアスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル及びアスコルビルポリペプチド)が挙げられる。本発明の組成物に使用するのに好適な油溶性酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、レチノイド(例えば、レチノール及びパルミチン酸レチニル)、トコフェロール(例えば、酢酸トコフェロール)、トコトリエノール、及びユビキノンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物において使用するのに好適な酸化防止剤を含有する天然抽出物としては、フラボノイド及びイソフラボノイドを含有する抽出物、並びにその誘導体(例えば、ゲニステイン及びダイゼイン)、レスベラトロールを含有する抽出物などが挙げられるが、これらに限定されない。このような天然抽出物の例としては、ブドウ種子、緑茶、松の樹皮、プロポリス、及びナツシロギクの抽出物が挙げられる。「ナツシロギクの抽出物」とは、植物「タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium)」の抽出物を意味する。1つの特に好適なナツシロギク抽出物は、約20%の活性ナツシロギクとして市販されている。
【0025】
有用なシワ活性有益剤の非限定的なリストには、N-アセチルグルコサミン、2-ジメチルアミノエタノール、塩化銅などの銅塩、アルジライン、シンエイク(syn-ake)などのペプチド、銅、コエンザイムQ10、ディル、ブラックベリー、キリ、ピキアアノマーラ(picia anomala)、及びチコリを含有するもの、4-ヘキシルレゾルシノールなどのレゾルシノール、クルクミノイド、並びに、レチノール、レチナール、レチノイン酸、レチニルアセテート、及びレチニルパルミテートを含むレチノイド、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、及び酒石酸を含むがこれらに限定されないヒドロキシ酸が含まれる。
【0026】
有用な増白活性有益剤の非限定的なリストには、ビタミンC及びアスコルビン酸2-グルコシドなどのその誘導体、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、又は前述のもののいずれかの任意の組み合わせなどのアルファ-ヒドロキシ酸、サリチル酸などのベータ-ヒドロキシ酸、ラクトビオン酸及びグルコン酸などのポリヒドロキシ酸が含まれる。
【0027】
皮膚のたるみのための有用な有益剤の非限定的なリストは、ブラックベリー抽出物、ハグマノキ抽出物、ナツシロギク抽出物、Phyllanthus niruriの抽出物、並びに銅及び/又は亜鉛成分を有する二金属錯体が含まれる。銅及び/又は亜鉛成分を有する二金属錯体は、例えば、クエン酸銅-亜鉛、シュウ酸銅-亜鉛、酒石酸銅-亜鉛、リンゴ酸銅-亜鉛、コハク酸銅-亜鉛、マロン酸銅-亜鉛、マレイン酸銅-亜鉛、アスパラギン酸銅-亜鉛、グルタミン酸銅-亜鉛、グルタル酸銅-亜鉛、フマル酸銅-亜鉛、グルカル酸銅-亜鉛、ポリアクリル酸銅-亜鉛、アジピン酸銅-亜鉛、ピメリン酸銅-亜鉛、スベリン酸銅-亜鉛、アゼライン酸銅-亜鉛、セバシン酸銅-亜鉛、ドデカン酸銅-亜鉛、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0028】
更なる皮膚有益剤又は活性物質は、以下の段落に列挙される活性物質を含んでもよい。これらの活性物質の一部は上記に列挙されているが、それらは、リストをより堅牢なものにするのを確実にするために以下に含まれている。
【0029】
好適な追加の有益剤の例としては、皮膚美白剤、暗色化剤、抗老化剤、トロポエラスチン促進剤、コラーゲン促進剤、抗座瘡剤、光沢調整剤、抗微生物剤(例えば、抗酵母剤、抗真菌剤及び抗細菌剤)、抗炎症剤、抗寄生虫剤、外用鎮痛剤、日焼け止め剤、光防護剤、酸化防止剤、角質溶解剤、洗剤/界面活性剤、保湿剤、栄養素、ビタミン、エネルギーエンハンサ、制汗剤、皮膚収斂剤、防臭剤、脱毛剤、発毛強化剤、発毛遅延剤、安定剤、水和増進剤、有効性増進剤、抗たこ剤、皮膚コンディショニング剤、抗セルライト剤、フルオリド、歯ホワイトニング剤、歯石防止剤、及び歯石溶解剤、悪臭防止剤(例えば、悪臭マスキング剤)又はpH変更剤などが挙げられる。種々の好適な追加の化粧用として許容可能な活性物質の例としては、UVフィルタ、例えば、限定されるものではないが、アボベンゾン(Parsol 1789)、ビスジスリゾール二ナトリウム(Neo Heliopan AP)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(Uvinul A Plus)、エカムスル(Mexoryl SX)、アントラニル酸メチル、4-アミノ安息香酸(PABA)、シノキセート、エチルヘキシルトリアゾン(Uvinul T 150)、ホモサラート、4-メチルベンジリデンカンファー(Parsol 5000)、メトキシケイ皮酸オクチル(Octinoxate)、サリチル酸オクチル(Octisalate)、パジメートO(Escalol 507)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Ensulizole)、ポリシリコーン-15(Parsol SLX)、トロラミンサリチル酸、ベモトリジノール(Tinosorb S)、ベンゾフェノン1-12、ジオキシベンゾン、ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl XL)、イソコトリジノール(Uvasorb HEB)、オクトクリレン、オキシベンゾン(Eusolex 4360)、スルイソベンゾン、ビスオクトリゾール(Tinosorb M)、二酸化チタン、酸化亜鉛、カロテノイド、フリーラジカル捕捉剤、スピントラップ、レチノイド及びレチノールなどのレチノイド前駆体、レチノイン酸及びパルミチン酸レチニル、セラミド、多価不飽和脂肪酸、必須脂肪酸、酵素、酵素阻害剤、ミネラル、エストロゲンなどのホルモン、ヒドロコルチゾンなどのステロイド、2-ジメチルアミノエタノール、塩化銅などの銅塩、Cu:Gly-His-Lysなどの銅を含有するペプチド、コエンザイムQ10、プロリンなどのアミノ酸、ビタミン、ラクトビオン酸、アセチル補酵素A、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、リボース、NADH及びFADH2などの電子輸送体、並びにオーツ麦、アロエベラ、ナツシロギク、ダイズ、シイタケ抽出物などのその他の植物抽出物、並びにこれらの誘導体及び混合物が挙げられる。
【0030】
好適な皮膚美白有益剤の例としては、チロシナーゼ阻害物質、メラニン分解剤、メラノソーム移動阻害剤(PAR-2アンタゴニストを含む)、スクラブ剤、日焼け止め、レチノイド、抗酸化物質、トラネキサム酸、トラネキサム酸セチルエステル塩酸塩、皮膚漂白剤、リノール酸、アデノシン一リン酸二ナトリウム塩、カモミール抽出物、アラントイン、乳白剤、タルク及びシリカ、亜鉛塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
好適なチロシナーゼ阻害物質の例としては、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、コウジ酸、アルブチン、レゾルシノール、ヒドロキノン、フラボン(例えば、カンゾウフラバノイド、カンゾウ根抽出物、クワ根抽出物、ディオスコレアコポジータ根抽出物、ユキノシタ科抽出物など)、エラグ酸、サリチル酸塩及び誘導体、グルコサミン及び誘導体、フラーレン、ヒノキチオール、二酸、アセチルグルコサミン、5,5’-ジプロピル-ビフェニル-2,2’-ジオール(Magnolignan)、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール(4-HPB)、これらのうちの2つ又は3つ以上の組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。ビタミンCの誘導体の例としては、アスコルビン酸及びその塩、アスコルビン酸-2-グルコシド、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、及びビタミンCを多く含む天然抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。ビタミンEの誘導体の例としては、アルファ-トコフェロール、ベータ、トコフェロール、ガンマ-トコフェロール、デルタ-トコフェロール、アルファ-トコトリエノール、デルタ-トコトリエノール、ガンマ-トコトリエノール、デルタ-トコトリエノール、及びこれらの混合物、酢酸トコフェロール、リン酸トコフェロール、及びビタミンE誘導体を多く含む天然抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。レゾルシノール誘導体の例としては、レゾルシノール、4-置換レゾルシノール[例えば、4-ブチルレゾルシノール(ルシノール)、4-ヘキシルレゾルシノール(Synovea HR、Sytheon)、フェニルエチルレゾルシノール(Symwhite、Symrise)、1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-3-(2,4-ジメトキシ-3-メチルフェニル)-プロパン(ニビトール、Unigen)などの4-アルキルレゾルシノール]、及びレゾルシノールを多く含む天然抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。サリチル酸塩の例としては、4-メトキシカリウムサリチレート、サリチル酸、アセチルサリチル酸、4-メトキシサリチル酸及びこれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、チロシナーゼ阻害物質としては、4-置換レゾルシノール、ビタミンC誘導体、又はビタミンE誘導体が挙げられる。より好ましい実施形態では、チロシナーゼ阻害物質は、フェニルエチルレゾルシノール、4-ヘキシルレゾルシノール、又はアスコルビル-2-グルコシドを含む。
【0032】
好適なメラニン分解剤の例としては、ペルオキシド及び酵素(例えば、ペルオキシダーゼ及びリグニナーゼ)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、メラニン阻害剤としては、ペルオキシド及びリグニナーゼが挙げられる。
【0033】
好適なメラノソーム移動阻害剤の例としては、PAR-2アンタゴニスト(例えば、ダイズトリプシン阻害物質又はボーマン-バーク阻害物質)、ビタミンB3及び誘導体(例えば、ナイアシンアミド)、必須ダイズ、全ダイズ、ダイズ抽出物が挙げられる。特定の好ましい実施形態では、メラノソーム移動阻害剤としては、ダイズ抽出物又はナイアシンアミドが挙げられる。
【0034】
剥離剤の例としては、アルファ-ヒドロキシ酸(例えば、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、又は前述のもののいずれかの任意の組み合わせ)、ベータ-ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸、ポリヒドロキシ酸、例えば、ラクトビオン酸及びグルコン酸)、及び機械的剥離剤(例えば、マイクロ皮膚擦傷剤)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、剥離剤としては、グリコール酸又はサリチル酸が挙げられる。
【0035】
日焼け止めの例としては、アボベンゾン(Parsol1789)、ビスジスリゾール二ナトリウム(Neo Heliopan AP)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート(Uvinul A Plus)、エカムスル(Mexoryl SX)、メチルアントラニレート、4-アミノ安息香酸(PABA)、シノキセート、エチルヘキシルトリアゾン(Uvinul T 150)、ホモサレート、4-メチルベンジリデンカンファー(Parsol 5000)、オクチルメトキシシンナメート(Octinoxate)、オクチルサリチレート(Octisalate)、パジメートO(Escalol 507)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Ensulizole)、ポリシリコーン-15(Parsol SLX)、トロラミンサリチレート、ベモトリジノール(Tinosorb S)、ベンゾフェノン1-12、ジオキシベンゾン、ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl XL)、イスコトリジノール(Uvasorb HEB)、オクトクリレン、オキシベンゾン(Eusolex 4360)、スルイソベンゾン、ビソクトリゾール(Tinosorb M)、二酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
レチノイドの例としては、レチノール(ビタミンAアルコール)、レチナール(ビタミンAアルデヒド)、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、リノール酸レチニル、レチノイン酸、パルミチン酸レチニル、イソトレチノイン、タザロテン、ベキサロテン、アダパレン、これらのうちの2つ又は3つ以上の組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、レチノイドは、レチノール、レチナール、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、リノール酸レチニル、及びこれらのうちの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選択される。特定のより好ましい実施形態では、レチノイドは、レチノールである。
【0037】
酸化防止剤の例としては、スルフヒドリル化合物及びその誘導体(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム及びN-アセチル-システイン、グルタチオン)、リポ酸及びジヒドロリポ酸、レスベラトロール及び誘導体などのスチルベノイド、ラクトフェリン、鉄及び銅キレート剤、並びにアスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体(例えば、アスコビル-2-グルコシド、パルミチン酸アスコルビル及びアスコルビルポリペプチド)などの水溶性酸化防止剤が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物に使用するのに好適な油溶性酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、レチノイド(例えば、レチノール及びパルミチン酸レチニル)、トコフェロール(例えば、酢酸トコフェロール)、トコトリエノール、及びユビキノンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物において使用するのに好適な酸化防止剤を含有する天然抽出物としては、フラボノイド及びイソフラボノイドを含有する抽出物、並びにその誘導体(例えば、ゲニステイン及びダイゼイン)、レスベラトロールを含有する抽出物などが挙げられるが、これらに限定されない。このような天然抽出物の例としては、ブドウ種子、緑茶、紅茶、白茶、マツ樹皮、ナツシロギク、パルテノライドを含まないナツシロギク、オート麦抽出物、クロイチゴ抽出物、ハグマノキ抽出物、ダイズ抽出物、ザボン抽出物、小麦胚抽出物、ヘスペレジン、ブドウ抽出物、スベリヒユ抽出物、リコカルコン、カルコン、2,2’-ジヒドロキシカルコン、サクラソウ抽出物、プロポリスなどが挙げられる。
【0038】
いくつかの好ましい実施形態では、座瘡に対して有用な有益剤として、サリチル酸、亜鉛PCA(亜鉛ピロリドンカルボン酸)、アラントイン(5-ウレイドヒダントイン)、ローズマリー、4-ヘキシルレゾルシノール、N-アセチルグルコサミン、グルコノラクトン、ナイアシンアミド、アゼライン酸、及びレスベラトロールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
いくつかの好ましい実施形態では、有用な色素沈着活性有益剤のリストには、テトラヒドロクルクミン、フィチン酸、レスベラトロール、ダイズ(Glycine Soja)油、グルコノラクトン、ラッカーゼ、4-ヘキシルレゾルシノール、N-アセチルグルコサミン、グルコノラクトン、ナイアシンアミド、アゼライン酸、及びレスベラトロールが含まれる。
【0040】
いくつかの好ましい実施形態では、有用な活性有益剤のリストには、座瘡及び色素沈着を同時に処理することが含まれ、4-ヘキシルレゾルシノール、N-アセチルグルコサミン、グルコノラクトン、ナイアシンアミド、アゼライン酸、及びレスベラトロールが含まれる。
【0041】
組成物は、検出器装置110によって供給される画像データに基づいて、アーチファクトの外観、特にユーザの顔の目の下の領域の黒ずんだ皮膚の外観を変化させるか、又は最小限に抑えるために、皮膚に適用される化粧品組成物(皮膚を処置するための更なる有効成分を含んでも含まなくてもよい)であってよい。1つの特定の実施形態では、組成物は、1つ又は2つ以上の反射率修正剤(reflectance modifying agent、RMA)(皮膚の反射率を変化させるのに有用な任意の成分)を含む。例えば、好適なRMAとしては、インク、染料、顔料、漂白剤、化学的に変化する剤、及び皮膚の反射率を変化させるために使用され得るその他の物質を挙げてもよい。いくつかの好適なRMAとしては、染料又は希釈顔料などの透明なRMAを挙げてもよい。他の好適なRMAとしては、高屈折率粒子を有する不透明なRMAを挙げてもよい。具体的に言えば、高屈折率粒子は、2.0以上の屈折率を有する粒子を含んでもよい。1つの特定の実施例では、RMAは、二酸化チタンの粒子を含んでもよい。具体的には、二酸化チタン粒子は、化粧品組成物中に均一に分布及び/又は懸濁されてもよい。
【0042】
この実施形態によるデバイス100は、デバイス100を制御する及び動作させる電力を供給するための電源160を更に備える。電源160は、デバイス100内の任意の場所に、又はデバイス100の外部に配置され得ることが企図される。例示的な一実施形態では、
図1に示すように、デバイス100のハンドル部分104内に収容される電源160は、検出器装置110、アプリケータ装置120、及び/又は処理装置130に動作可能に接続される。当業者であれば、種々の既知の好適な電源を使用してもよいことを理解するであろう。例えば、電源160は、電池又は外部電源への接続を含んでもよい。具体的に言えば、電源160は、再充電可能なバッテリデバイスを備えてもよい。
【0043】
使用時、ヘッド部分102は、処置される目の下の領域の皮膚の範囲の上に配置される。使用中、デバイス100は、皮膚の複数の異なる領域を撮像するために利用されてもよい。例えば、ヘッド部分102を皮膚の表面にわたって移動させることでデバイス100に皮膚の異なる範囲(任意の所望のフレームレートで)を連続的に撮像させて、画像データを取得し、この画像データを分析して、皮膚上の所望のフレクセルに組成物を選択的に適用することができる。より詳細には、ユーザは、皮膚の表面にわたってヘッド部分102を行ったり来たり複数回通過するように移動させて、先に処理された範囲をデバイス100に再確認させることで見逃された又は不完全に処理されたアーチファクトを検出し、組成物を皮膚上の識別されたアーチファクトに塗布することができる。
【0044】
本出願はまた、ユーザの顔の目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための方法を含む。目の下の領域は、ユーザの目の下の皮膚の範囲であり得る。具体的に言えば、目の下の領域は、ユーザの下瞼の縁から50mm以内、30mm以内、又は20mm以内にある皮膚の範囲であってもよい。例示的な方法200を
図2に示す。ステップ202では、ユーザは、デバイス100のヘッド部分102を目の下の領域の皮膚の表面に対して配置させることができる。ステップ204では、デバイス100は、画像データを取得するためにデバイス100が位置付けられる皮膚の範囲を感知及び/又は撮像することができる。皮膚の範囲は、例えば、正方形、円形、長方形などの任意の好適な形状であり得る。
【0045】
ステップ206では、デバイス100、特に処理装置130は、画像データ及び過去の画像データを分析して、標的反射率値を生成する。標的反射率値は、皮膚の美的外観を改善するための所望の目標反射率に対応する。所望の目標反射率は、傷のない皮膚及び/又はより若い皮膚についての反射率のレベルに対応し得る。過去の画像データは、検出器装置110によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応する。具体的に言えば、過去の画像データは、同じ使用セッション内の以前のパスでヘッド部分102がユーザによって目の下の領域の皮膚の表面にわたって前後に動かされたときに、同じ使用セッション内で検出器装置110によって以前に撮像された目の下の領域内の複数の皮膚の範囲の画像に相当する。いくつかの実施形態では、過去の画像データは、ステップ204で撮像された皮膚の範囲に隣接する複数の皮膚の範囲の画像に対応する。他の実施形態では、過去の画像データは、ステップ204で撮像された皮膚の範囲から所定の距離内にある複数の皮膚の範囲の画像に対応する。更なる実施形態では、過去の画像データは、ステップ204で撮像された皮膚の範囲の直前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応する。具体的には、過去の画像データは、ステップ204で撮像された皮膚の範囲の直前に撮像された皮膚の範囲の所定数の画像を含み得る。所定数の画像は、1~25、又は3~10であり得る。1つの特定の実施形態では、所定数の画像は4つ又は5つである。目の下の領域内の皮膚の視覚的外観は、審美的に望ましくない可能性があり、ユーザが修正しようとする可能性がある、大きなアーチファクト、例えば、暗い、腫れぼったい及び/又はたるんだ円を含む可能性がある。したがって、方法200は、ステップ204で撮像された皮膚の範囲から取得された画像データ、並びに過去の画像データを分析して、目の下の領域の皮膚の美的外観に対する修正が所望されるかどうか、及びどの程度の修正が所望されるかを決定する前に、目の下の領域のより大きな皮膚表面を評価する。
【0046】
処理装置130は、画像データ及び過去の画像データを分析することによって、標的反射率値を生成し、上述したように、(ステップ204で)現在撮像されている皮膚の範囲及び過去の画像データに対応するデバイス100によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲からなる群の少なくとも半分よりも明るい(例えば、より高い反射率値を有する)標的反射率値を決定する。いくつかの実施形態では、標的反射率値は、現在撮像されている皮膚の範囲、及び過去の画像データに対応する以前に撮像された複数の皮膚の範囲についての反射率値からなる群の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%よりも明るい。
【0047】
一実施形態では、処理装置130は、最初に、ステップ204で撮像された皮膚の範囲、及び過去の画像データに対応する以前に撮像された複数の皮膚の範囲からなる群から標的フレームを選択し、標的フレームに対応するデータに基づいて、標的反射率値を生成する。標的フレームは、(ステップ204で)現在撮像されている皮膚の範囲、及び過去の画像データに対応する複数の皮膚の範囲からなる群の少なくとも半分よりも明るい反射率を有する範囲として選択され得る。具体的に言えば、標的フレームは、現在撮像されている皮膚の範囲、及び過去の画像データに対応する以前に撮像された複数の皮膚の範囲からなる群についての反射率値の分布の上位1%、5%、10%、20%、25%、又は30%以内の反射率値を有する範囲であってもよい。1つの特定の実施形態では、標的フレームは、現在撮像されている皮膚の範囲、及び過去の画像データに対応する以前に撮像された複数の皮膚の範囲からなる群から選択された最も明るい反射率(例えば、最も高い反射率値)を有する範囲であり得る。より詳細には、処理装置130は、画像及び過去の画像データを分析して、(1)ステップ204で撮像された皮膚の範囲、及び(2)過去の画像データに対応する複数の皮膚の範囲の各々にわたる平均反射率値を決定することができる。処理装置130は、これらの皮膚の範囲の平均反射率値を比較し、上述した基準に基づいて標的フレームを識別する。本明細書で使用されるような「平均」という用語は、値のセットの任意の好適な表現を指し、線形平均、平均、メジアン、最大、最小又は加重平均であってもよい。1つの例示的な実施形態では、これらの皮膚の範囲の平均反射率値は、平均値又はメジアン値である。
【0048】
1つの例示的な実施形態では、標的反射率値は、標的フレームの中心に位置するフレクセルの反射率として処理装置130によって決定される。他の実施形態では、標的反射率値は、標的フレーム内のフレクセルの平均反射率として処理装置130によって決定される。別の例示的な実施形態では、標的反射率値は、標的フレーム内のフレクセルの平均又はメジアン反射率である。更なる実施形態では、標的反射率は、標的フレーム内のフレクセルの加重平均反射率値である。例えば、標的フレームにわたるフレクセルの反射率の加重平均として標的反射率値を生成するために、場所の中心における、又はその近くのフレクセルの反射率は、標的フレームの外縁における、又はその近くのフレクセルの反射率よりも大きく重み付けされ得る。別の実施形態では、標的反射率値は、標的フレーム内のフレクセルの平均、メジアン又は最小反射率であってもよく、それにより、目の下の領域内の小さい皮膚アーチファクト、例えば、明るい色の髪又はそばかすが、方法200によって無視される。
【0049】
別の実施形態では、処理装置130は、現在撮像されている皮膚の範囲、及び過去の画像データに対応する以前に撮像された複数の皮膚の範囲からなる群についての反射率値の分布の上位1%、5%、10%、20%、25%、又は30%の反射率値の平均を得ることによって、標的反射率値を生成する。例えば、処理装置130は、現在撮像されている皮膚の範囲、及び過去の画像データに対応する以前に撮像された複数の皮膚の範囲からなる群についての反射率値の分布の上位1%、5%、10%、20%、25%又は30%の反射率値の平均、メジアン、又は最小値を取得することによって、標的反射率値を生成してもよい。
【0050】
ステップ208では、処理装置130は、画像データを分析し、ステップ204で撮像された皮膚の範囲内の場所の反射率を決定し、その場所の反射率を標的反射率値と比較して、その場所についての所望のレベルの反射率修正を決定する。場所は、アプリケータ装置120の目的とする場所(すなわち、アプリケータ装置120の各組成物適用ノズルから放出された液滴が、皮膚に対するデバイスの現在の位置合わせにおいて適用され得る1つ又は複数のフレクセル)における皮膚の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、場所の反射率は、処理装置130によって、場所の中心に位置するフレクセルの反射率として決定される。他の実施形態では、場所の反射率は、アプリケータ装置120によって組成物が適用されるフレクセルの平均反射率として、処理装置130によって決定される。具体的には、場所の反射率は、アプリケータ装置120によって組成物が適用されるフレクセルの平均又はメジアン反射率として処理装置130によって決定される。
【0051】
所望のレベルの反射率修正は、その場所において標的反射率値を達成するために、その場所の反射率を変更するのに必要な修正量に対応し得る。標的反射率値が場所の反射率未満である(すなわち、標的フレームが場所よりも暗い)場合、場所の反射率に対する修正は望ましくないことがある。しかしながら、標的反射率値が場所の反射率を超える(すなわち、標的フレームが場所よりも明るい)場合、所望のレベルの反射率修正が処理装置130によって決定され得る。例えば、所望のレベルの反射率は、標的反射率値と場所の反射率との間の差の関数であってもよい。1つの例示的な実施形態では、デバイス100は、RMAを含む組成物を含むことができる。所望のレベルの反射率は、以下のように、組成物の標的不透明度として処理装置によって決定することができる。
標的不透明度=(Rtarget-Rlocation)/(Rcomposition-Rlocation)、
式中、Rtargetは上記の標的反射率値であり、Rlocationは場所の反射率であり、RcompositionはRMAを含む組成物の反射率である。組成物は、既知の反射率を有し、したがって、Rcompositionについての一定値を有し、これは、メモリ記憶デバイス170に記憶され、場所の標的不透明度を決定するために処理装置130によって取り出し可能である。
【0052】
ステップ210では、アプリケータ装置120は、局所用組成物を場所に選択的に堆積させる。一実施形態では、アプリケータ装置120は、所望のレベルの反射率修正が所定の閾値の値を上回るときに、一定量の組成物を場所に適用する。例えば、アプリケータ装置120は、場所の反射率が標的反射率値の90%未満、80%未満又は75%未満であるときに、固定量の組成物を場所に適用することができる。別の実施例では、アプリケータ装置120は、標的不透明度が固定不透明度を超える場合に、固定不透明度を有する一定量の組成物を場所に適用することができる。あるいは、アプリケータ装置120は、固定不透明度が標的不透明度の90~100%未満、更に具体的には、標的不透明度の95%~99%未満である場合に、固定不透明度を有する一定量の組成物を場所に適用することができる。更なる実施例では、アプリケータ装置120は、標的不透明度に対応する量の組成物を堆積させることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、デバイス100が、デバイス100、特にアプリケータ装置120がユーザの下瞼の縁から所定の距離内(例えば、下瞼の縁から約3mm~約5mm内)にあると決定した場合、アプリケータ装置120は、局所用組成物を場所に付着させることを控えてもよい。ユーザの顔の目の下の領域全体に組成物を適用することは、審美的に望ましくない場合があると考えられる。むしろ、ユーザの美的外観を改善するために、ユーザの目から所定の距離内の黒ずみは、処置されないままであることが望ましい場合がある。人の審美的に望ましい容貌の視覚認知は、健康、若さ及び/又は活力の認知に関連すると考えられる。従来の化粧品は、美の知覚を改善するために、目の下の領域を完全に覆い、ユーザの美的外観を向上させることを目的とする。しかしながら、若い人では、目のすぐ下の範囲が黒ずんだ外観を有する可能性があり、したがって、この黒ずんだ外観の存在が若さの知覚と関連付けられ得ることに留意されたい。更に、ユーザの目のすぐ下の黒ずんだ外観の一部が透けて見えることを許容することによって、皮膚のこの黒ずんだ部分は、ユーザの顔の特徴(例えば、白目と比較して黒ずんだ目の下の領域)の外観における視覚的コントラストを増加させる。視覚的コントラストのこの増加は、より淡い近位皮膚アーチファクトの視覚的外観が観察者にとってあまり目立たなくなるように、視覚的に目の方に注意を引くための暗色化化粧品組成物(例えば、アイシャドウ、アイライナー、及び/又はマスカラ)の適用なしに達成することができる。人々が年を取るにつれて、目の下の領域の黒ずみが拡大して、たるみが出ると考えられており、したがって、拡大する黒ずんだ目の下の領域の外観を化粧品組成物の適用によって修正することが望ましい。しかしながら、目の下の領域の黒ずんだ外観は、化粧品組成物の適用によって完全には修正されないことが望ましい。むしろ、自然な若さ及び/又は活力を模倣すると考えられる外観を提供するために、下瞼の縁にごく近接した範囲内(例えば、約3mm~約5mm内)の黒ずみが見えるままであることが望ましい場合がある。更に、いずれの化粧品組成物も適用せずに、下瞼の縁にごく近接した範囲を残すことにより、化粧品組成物が目に誤って投与されるリスク、又は適用後に使用者が化粧品組成物を目に誤って擦り込むリスクが低減される。
【0054】
ステップ212では、処理装置130は、方法200の後続の反復のために、ステップ204から取得された画像データを含むように過去の画像データを更新する。一実施形態では、処理装置130は、ステップ204からの画像データをメモリ記憶デバイス170に記憶して、方法200の後続の反復で過去の画像データとして処理装置によって後で取り出すことができるようにする。
【0055】
ステップ214では、ユーザは、デバイス100を目の下の領域の新たな皮膚の範囲に移動させてもよく、方法200は、ステップ204に戻り、デバイス100によって決定されるように、上記と同じ方法で、目の下の領域のこの新たな皮膚の範囲を撮像し、分析し、これに局所用組成物を選択的に適用する。この新たな皮膚の範囲への移動は、例えば、加速度計又は画像解析などの任意の好適な手段によって、デバイス100によって検出されてもよい。方法200は、例えば、デバイス100を皮膚から除去する、又はデバイスのスイッチを切る、具体的には、デバイスの電源を切るなど、任意の好適な動作によって、ステップ202~214のうちのいずれか1つの前にユーザによって中断及び終了されてもよいことに留意されたい。
【0056】
方法200は、ユーザによって手動で開始されてもよく、又はユーザの顔の目の下の領域の近くにデバイス100を配置したことを検出することによって自動的に開始されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、方法200を開始するために、デバイス100を目の下適用モードに設定することによって、方法200を開始することができる。例えば、デバイス100は、ユーザが手動でデバイス100を目の下適用モードに設定することを許容するトグルボタンを含んでもよい。
【0057】
あるいは、ユーザは、(ステップ202で上述したように)目の下の領域の皮膚の表面に対してヘッド部分102を置くことによって、目の下の領域内の皮膚に組成物を適用するためのデバイス100の使用を開始してもよく、デバイス100は、ユーザからの手動入力なしに、目の下の領域に配置されていると決定する。デバイス100が目の下の領域に配置されているとデバイス100が決定した場合、方法200はステップ204に続く。それ以外の場合、方法200は適用できない。この実施形態では、デバイス100は、任意の好適な方法によって目の下の領域におけるデバイス100の位置付けを検出することができる。例えば、デバイス100は、ユーザの顔に対してデバイス100が配置されたことを位置的に認識することができる。別の実施例では、デバイス100は、ユーザの顔上の重要な位置に対応する様々なマーカに対して、デバイス100が配置されたことを位置的に認識することができる。更なる実施例では、デバイス100は、ユーザの顔上の様々な顔領域(例えば、瞼、眼球、睫毛、鼻、頬、唇など)に対して、デバイス100が配置されたことを位置的に認識することができる。更なる実施例では、デバイス100は、使用中にユーザがヘッド部分102を複数のパスで皮膚の表面にわたって前後に動かすと、ユーザの顔のマップ及び/又は合成画像を生成することができ、デバイス100は、マップ及び/又は合成画像に対してデバイス100が配置されたことを識別することができる。
【0058】
別の実施例では、デバイス100は、目を覆うデバイスとともにシステム内で使用することができる。ユーザは、目の下の領域の皮膚の表面に対してデバイス100を配置する前に、ユーザの顔の目の上に目を覆うデバイスを置く。デバイス100は、目を覆うデバイスに近接していることを検出すると、自動的に目の下適用モードに切り替わってもよい。1つの例示的な実施形態では、目を覆うデバイスは、目を覆うデバイスの下縁において、又はその近傍に、例えば、磁気ペレット又は金属フレームなどの好適なマーカを含んでもよい。デバイス100は、目を覆うデバイスのマーカにデバイス100が近接したことを検出するように構成されている好適な検出器(例えば、磁気検出器)を更に含んでもよい。検出器は、当業者によって理解されるように、磁気検出器、誘導センサ、容量センサ、光学センサ、超音波センサ、ホール効果センサ、及び/又は物理的接触なしに近くの物体の存在を検出するための任意の他の好適な近接センサを含んでもよい。具体的に言えば、検出器は、目を覆うデバイスを皮膚から区別するように分極される誘導検出器である。デバイス100は、検出器が目を覆うデバイスに対して所定の距離内にあると決定したときに、目の下適用モードを開始することができる。デバイス100は、検出器が、好ましくは、少なくとも閾値の時間、目を覆うデバイスに対して閾値の距離よりも遠くにあると決定したとき、目の下適用モードでの動作を停止することができる。例えば、デバイス100は、目を覆うデバイスから約5mm以内にあると検出器が決定したときに、目の下適用モードで動作するようにトリガされてもよく、500ms超にわたってデバイス100が目を覆うデバイスから約15mmを超えて離れていると検出器が決定したときに、目の下適用モードでの動作を停止してもよい。
【0059】
別の例示的な実施形態では、目を覆うデバイスは、目を覆うデバイスにおいて、若しくはその近くにパターン又は格子を含んでもよい。ユーザは、(ステップ202で上述したように)デバイス100のヘッド部分102を目の下の領域の皮膚の表面に配置することができ、デバイス100は、(ステップ204で上述したように)画像データを取得するためにデバイス100が位置付けられる皮膚の範囲を撮像する。この実施形態では、処理装置130は、画像データを分析して、目を覆うデバイスの下縁における、若しくはその近くのパターン又は格子が撮像された範囲内で検出されたかどうかを判定する。パターン又は格子が検出された場合、デバイス100は、自動的にステップ206に進み、方法200を継続し、目の下適用モードで動作する。
【0060】
目を覆うデバイスは、下瞼の縁から上瞼まで覆うように、スリムになるような大きさ及び形状に形成される。いくつかの実施形態では、目を覆うデバイスは、上瞼、及び下瞼の縁から約3~5mm離れた下瞼の縁からの皮膚の範囲までを覆う大きさ及び形状に形成される。目を覆うデバイスがユーザの目の上に配置されたときに、目を覆うデバイスは、下瞼の縁に隣接する約3~5mmの幅を有する皮膚の範囲における黒ずんだ外観が、その自然な血色を保持し、デバイス100からの局所用組成物の適用によって修正されないように、好適な大きさに形成され得る。下瞼の縁付近のこの皮膚の範囲を修正しないままにし、したがって、その自然な黒ずんだ外観を保持することによって、ユーザの顔の皮膚の全体的な美的外観が改善され得る。皮膚のこの小さな黒ずんだ範囲は、他の皮膚アーチファクトが目立たなくなるように、かつ/又は皮膚の全体的に自然に見える美的外観を与えるようにコントラストを提供することができる。
【0061】
更なる実施例では、デバイス100は、目を覆うデバイスとともに使用されることはない。代わりに、デバイス100は、(ステップ202で上述したように)ユーザの目の領域において、又はその付近に配置されてもよく、デバイス100は、(ステップ204で上述したように)画像データを取得するためにデバイス100が位置付けられる皮膚の範囲を撮像する。この実施形態の処理装置130は、画像データを分析して、デバイス100が目の下の領域の上に配置されているかどうかを判定し、デバイス100が目の下の領域に位置付けられていると処理装置130が決定したときに、目の下適用モードに切り替える。処理装置130は、画像データを分析して、デバイス100が、例えば、下瞼、睫毛、眼球、頬、頬の上の範囲など、ユーザの目の近くの顔の特徴の上に配置されているかどうかを判定することができる。デバイス100が目の下の領域の皮膚の表面に対して配置されていることを検出すると、デバイス100は、方法200を継続し、ステップ206に進み、上述のように画像データを更に分析する。
【0062】
代替的な実施形態において、
図3は、哺乳類又はヒトの顔の目の下の領域の皮膚に局所用組成物を適用するための別の例示的なデバイス300が提供されることを示す。デバイス300は、以下に別途記載する点を除き、上述のデバイス100と同様である。具体的に言えば、デバイス300は、ヘッド部分302及び本体部分304を備える。本体部分304は、デバイス100の本体部分104と実質的に同様であり、デバイス100に関して上述したものと同様の処理装置、コンピュータアクセス可能媒体、リザーバ、電源及びメモリ記憶デバイスを含む。ヘッド部分302については更に後述する。
【0063】
本実施形態によるデバイス300のヘッド部分302は、ヘッド部分302の本体308に可逆的に取り付けられたエンドエフェクタ380を備える。エンドエフェクタ380は、その内部に光が送達され得、かつ検出器装置によって目の下の領域の皮膚の範囲の画像を捕捉し得る空洞を画定する、内側表面を含む。エンドエフェクタ380は、本体308に可逆的に取り付けられたベース部分382と、ベース部分382から遠位に延在する突出部分384と、を備える。エンドエフェクタ380の突出部分384は、ベース部分382に接続された近位端386から、エンドエフェクタ380の遠位開口部390を画定する遠位端388まで延在する。デバイス300が使用中であるとき、突出部分384の遠位端388は、目の下の領域の皮膚に対して配置され、(上述の検出器装置110と同様の)検出器装置は、遠位開口部390が上に配置される目の下の領域の皮膚を撮像するように構成されている。遠位開口部390が配置される皮膚の範囲は、目の下の領域の複数の皮膚のフレームからなっていてもよく、各フレームは、以下で更に説明するように、処理装置によって別々に分析される。皮膚の各フレームは、例えば、正方形、円形、長方形などの任意の好適な形状を有してもよい。1つの例示的な実施形態では、遠位開口部390が配置される皮膚の範囲は、1~25個、又は3~10個の皮膚のフレームからなっていてもよい。1つの特定の実施形態では、遠位開口部390が配置される皮膚の範囲は、4つ又は5つの皮膚のフレームからなっていてもよい。
図3に示すように、突出部分384の遠位端388は、楕円形の断面形状などの細長い断面形状を有する。別の例示的な実施形態では、突出部分384の遠位端398は、長方形の断面形状を有する。
【0064】
いくつかの実施形態では、複数の皮膚フレームは、エンドエフェクタ380の長さに沿って線形アレイで配列されてもよい。具体的に言えば、突出部分384の遠位端388は、エンドエフェクタ380の遠位開口部390の幅にわたって延在する複数の格子バー392を含む。格子バー392は、エンドエフェクタ380の遠位開口部390を複数の遠位開口部セグメントに分割する。遠位開口部セグメントは、細長いエフェクタの長さに沿って線形アレイで配列されてもよく、遠位開口部セグメントの各々は、目の下の領域の対応する皮膚のフレームの上に配置することができる。デバイス300のアプリケータ装置は、局所用組成物を各遠位開口部セグメントに選択的に適用するように位置合わせされた少なくとも1つのノズルを含む。したがって、各遠位開口部セグメントを独立して分析して、局所用組成物が適用される皮膚の部分を識別し、本分析に基づいて、対応するセグメントに関連付けられたアプリケータ装置のノズルを動作させてもよい。いくつかの実施形態では、格子バー392は、互いに平行又は実質的に平行である。本実施形態における複数の格子バー392はまた、互いに均一に又は実質的に均等に離間され得る。
【0065】
デバイス300は、ユーザの顔の目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための方法の代替実施形態において使用することができる。例示的な代替方法400を
図4に示す。ステップ402では、ユーザは、デバイス300のヘッド部分302を目の下の領域の皮膚の表面に対して配置することができ、皮膚の範囲は、検出器装置によって撮像される複数の皮膚フレームからなる。ステップ404では、デバイス300は、複数の皮膚フレームの画像データを取得するために、デバイス300が位置付けられる複数の皮膚フレームを感知及び/又は撮像する。ステップ406では、デバイス300の処理装置は、画像データを分析して、ステップ404で撮像された複数のフレームの少なくとも半分よりも明るい(例えば、より高い反射率値を有する)標的反射率値を生成する。いくつかの実施形態では、標的反射率値は、複数のフレームの反射率値の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%よりも明るい。
【0066】
一実施形態では、デバイス300の処理装置は、画像データを分析して、複数のフレームから標的フレームを選択し、標的フレームに対応するデータに基づいて標的反射率値を生成する。標的フレームは、複数のフレームのうちの少なくとも半分よりも明るい反射率を有する範囲として選択され得る。具体的に言えば、標的フレームは、複数のフレームについての反射率値の分布の上位1%、5%、10%、20%、25%又は30%内の反射率値を有するフレームから選択され得る。1つの特定の実施形態では、標的フレームは、複数のフレームから選択された最も明るい反射率(例えば、最も高い反射率値)を有するフレームであり得る。より詳細には、処理装置は、画像データを分析して、複数のフレームの各々にわたる平均反射率値を決定し、複数のフレームの平均反射率値を比較して、上述の基準に基づいて標的フレームを識別することができる。1つの例示的な実施形態では、複数のフレームの平均反射率値は、平均値又はメジアン値である。標的反射率値は、ステップ206に関して上述したのと同じ方法で、標的フレームに対応するデータに基づいて決定される。
【0067】
別の実施形態では、処理装置は、複数のフレームについての反射率値の分布の上位1%、5%、10%、20%、25%又は30%の反射率の平均を取得することによって、標的反射率値を生成する。例えば、処理装置は、複数のフレームについての反射率値の分布の上位1%、5%、10%、20%、25%又は30%の反射率値の平均、メジアン、又は最小値を取得することによって、標的反射率値を生成してもよい。
【0068】
ステップ408では、デバイス300の処理装置は、画像データを分析し、ステップ404で撮像された各皮膚フレーム内の場所の反射率を決定し、各場所の反射率を標的反射率値と比較して、各場所についての所望のレベルの反射率修正を決定する。各フレームの画像データは、ステップ208で上述したのと同様の方法で分析されてもよい。
【0069】
ステップ410では、アプリケータ装置のノズルは、処理装置によってそれぞれ独立して制御され、局所用組成物を各対応する皮膚フレーム内の対応する場所に選択的に付着させる。一実施形態では、各ノズルは、ステップ210で上述したのと同様の方法で、所望のレベルの反射率修正、場所における反射率及び/又は標的反射率値に基づいて、対応する皮膚フレーム内の対応する場所に一定量の組成物を適用するように構成されている。
【0070】
ステップ412はステップ214と同様であり、ユーザは、デバイス300を新たな皮膚の範囲に移動させ、方法400は、ステップ404に戻り、デバイス300によって決定されるように、上記の方法400と同じ方法で、目の下の領域のこの新たな皮膚の範囲を撮像し、分析し、これに局所用組成物を適用する。方法200と同様に、方法400はまた、ステップ402~412のうちのいずれか1つの前に、任意の好適な操作によって、ユーザによって中断され、終了され得る。上述の方法400はまた、ユーザによって手動で開始されてもよいし、方法200に関して上述したのと同様の方法で、ユーザの顔の目の下の領域の近くにデバイス300が配置されたことを検出することによって自動的に開始されてもよい。デバイス300はまた、上述のように、目を覆うデバイスと併せて使用されてもよい。
【実施例】
【0071】
(実施例I)
実施例Iでは、長方形形状を有する遠位開口部390を備えるエンドエフェクタ380を有する、上記で説明され、
図3に図示されるような例示的なデバイス300が提供される。デバイス300が使用される場合、それは複数の皮膚フレームからなる目の下の領域の皮膚の範囲に対して配置される。皮膚フレームの各々は、エンドエフェクタ380の長さに沿って線形アレイに配列される。この実施例では、長方形形状は、約60個のフレクセルの長さ及び約30個のフレクセルの幅を有する。フレクセルの各々は、検出器装置のセンサ、具体的には、皮膚の画像を捕捉する150dpiカメラの画素に対応する。カメラは、デバイス300が位置付けられた複数の皮膚フレームを撮像して、複数の皮膚フレームの画像データを取得するように構成されている。具体的に言えば、画像データは、カメラの緑色チャネルで感知された画像に対応する。
【0072】
目の下の領域の自然な色合いは、ユーザの顔の他の領域における皮膚よりも青く見える場合がある。したがって、目の下の領域に適用するための化粧品組成物は、目の下の領域の青色の外観を低減するために、より暖色の外観に偏った色を有するように配合処方することができる。実施例Iでは、局所用組成物は、ユーザの顔の他の領域の皮膚に使用され得る局所用組成物と比較して、赤色色素が10%多く、かつ青色色素が10%少ない化粧品成分を含み得る。
【0073】
図5a~
図9cは、カメラの緑色チャンネルで捕捉された、実施例Iによる化粧品組成物の適用をシミュレーションした場合としない場合の異なる個人の目の下の領域の皮膚の例示的な画像を示す。
図5aは、化粧品組成物を適用していない個人の目の下の領域の皮膚の例示的な画像を示す。
図5bは、個人の下瞼の縁から約20mm下の皮膚の範囲に、実施例Iに記載の方法で適用した化粧品組成物の適用をシミュレーションした
図6aの皮膚の同じ領域を示す。
図5cは、
図5bの化粧品組成物のシミュレーションした適用の分布を示す。
図6a~
図6c、
図7a~
図7c、
図8a~
図8c、及び
図9a~
図9cは、異なる皮膚の色調を有する3人の更なる個人について、
図5a~
図5cについて上述したのと同様の化粧品組成物の制御及びシミュレーションした適用を示す。
図6b、
図7b、
図8b、及び
図9bは、これらの異なる個人の目の下の領域の皮膚の美的外観の改善を示し、これらの個人は、色白の個人及び色黒の個人の両方を含む。したがって、これらのシミュレーション図に示されるように、実施例Iは、異なるタイプの皮膚の色調について、目の下の領域の皮膚の美的外観を改善するために適用することができる。
【0074】
本明細書に開示される特定の実施形態は、本発明のいくつかの態様を例示することを意図するため、本明細書に記載及び特許請求される本発明は、これらの実施形態によって範囲が限定されるものではない。いかなる同等の実施形態も、本発明の範囲内にあることが意図される。実際、本明細書に図示及び説明されたものに加えて、本発明の様々な修正が、前述の説明から当業者には明らかになるであろう。このような修正はまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に収まることが意図される。本明細書で引用された全ての刊行物は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0075】
〔実施の態様〕
(1) ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための方法であって、
(a)検出器装置によって、前記目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得することと、
(b)前記画像データ及び過去の画像データに基づいて、標的反射率値を生成することであって、前記過去の画像データが、前記検出器装置によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応し、前記標的反射率値が、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる群の少なくとも半分の反射率よりも高い、生成することと、
(c)処理装置によって、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、前記場所の反射率に対応する画像データを前記標的反射率値と比較することによって決定することと、
(d)アプリケータ装置によって、前記所望のレベルの反射率修正に基づいて、前記場所に前記組成物を選択的に適用することと、を含む、方法。
(2) 前記標的反射率値が、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる前記群の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%の反射率よりも高い、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記過去の画像データの前記複数の皮膚の範囲が、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲に隣接している、実施態様1又は2に記載の方法。
(4) 前記過去の画像データの前記複数の皮膚の範囲が、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲から所定の距離内にある、実施態様1又は2に記載の方法。
(5) (e)ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲に対応する前記画像データを含むように前記過去の画像データを更新することと、
(f)前記更新された過去の画像データを使用して、前記目の下の領域の更なる皮膚の範囲に対して、ステップ(a)~(d)を繰り返すことと、を更に含む、実施態様1~4のいずれかに記載の方法。
【0076】
(6) 前記過去の画像データの前記複数の皮膚の範囲が、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲の直前に撮像された所定数の範囲からなる、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記標的反射率値が、標的フレームにわたる平均反射率に対応し、前記標的フレームが、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる前記群から選択されるフレームである、実施態様1~6のいずれかに記載の方法。
(8) 前記標的フレームが、
ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる前記群の各範囲についての平均又はメジアン反射率値を決定することと、
前記範囲についての前記平均又はメジアン反射率値を比較することと、
ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる前記群の少なくとも半分と比較して、より高い平均反射率値を有する範囲を前記標的フレームとして選択することと、によって選択される、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記標的フレームが、ステップ(a)で撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる前記群の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%と比較して、より高い平均反射率値を有する、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記アプリケータ装置が、前記所望のレベルの反射率修正が所定の閾値の値を上回る場合に、固定量の前記組成物を前記場所に適用する、実施態様1~9のいずれかに記載の方法。
【0077】
(11) 前記アプリケータ装置が、調整可能な量の前記組成物を前記場所に適用し、前記調整可能な量が、前記所望のレベルの反射率修正の関数として前記処理装置によって決定される、実施態様1~9のいずれかに記載の方法。
(12) 前記組成物が、反射率修正剤を含む化粧品組成物である、実施態様1~11のいずれかに記載の方法。
(13) 前記組成物が、皮膚状態を処置するための有効成分を含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記アプリケータ装置が前記ユーザの目の下縁から約3mm~約5mm以内に位置付けられるとき、前記アプリケータ装置が前記組成物の適用を控える、実施態様1~13のいずれかに記載の方法。
(15) ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための手持ち式デバイスであって、
前記目の下の領域内の前記皮膚に前記組成物を適用するアプリケータ装置と、
前記目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得する検出器装置と、
前記検出器装置によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応する過去の画像データを記憶するメモリ記憶デバイスと、
プロセッサ及び前記プロセッサによって実行可能な命令のセットを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令のセットが、前記画像データ及び前記過去の画像データを分析して、前記画像データ及び前記過去の画像データに基づいて標的反射率値を生成することであって、前記過去の画像データが、前記検出器装置によって以前に撮像された複数の皮膚の範囲の画像に対応し、前記標的反射率値が、撮像された前記皮膚の範囲、及び前記検出器装置によって以前に撮像された前記複数の皮膚の範囲からなる群の少なくとも半分の反射率よりも高い、生成することと、撮像された前記皮膚の範囲内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、前記場所の反射率に対応する画像データを前記標的反射率値と比較することによって決定することと、前記所望のレベルの反射率修正に基づいて、前記場所に前記組成物を選択的に適用するように前記アプリケータ装置に指示することと、を行うように実施可能である、プロセッサ及び非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を備える、手持ち式デバイス。
【0078】
(16) 前記命令のセットが、撮像された前記皮膚の範囲に対応する前記画像データを含むように前記メモリ記憶デバイスに記憶された前記過去の画像データを更新し、前記更新された過去の画像データを使用して前記目の下の領域の更なる皮膚の範囲に対して上記のステップを繰り返すように更に実施可能である、実施態様15に記載のデバイス。
(17) 前記過去の画像データの前記複数の皮膚の範囲が、撮像された前記皮膚の範囲の直前に撮像された所定数の範囲からなる、実施態様15又は16に記載のデバイス。
(18) 前記標的反射率値が、前記標的フレームにわたる平均反射率又は前記標的フレームにわたるメジアン反射率に対応する、実施態様15~17のいずれかに記載のデバイス。
(19) 前記プロセッサが、前記所望のレベルの反射率修正が所定の閾値の値を上回る場合に、固定量の前記組成物を適用するように前記アプリケータ装置に指示する、実施態様15~18のいずれかに記載のデバイス。
(20) 前記プロセッサが、調整可能な量の前記組成物を前記場所に適用するように前記アプリケータ装置に指示し、前記調整可能な量が、前記所望のレベルの反射率修正の関数として、前記プロセッサによって決定される、実施態様15~18のいずれかに記載のデバイス。
【0079】
(21) 前記組成物が、反射率修正剤を含む化粧品組成物である、実施態様15~20のいずれかに記載のデバイス。
(22) 前記組成物が、皮膚状態を処置するための有効成分を含む、実施態様21に記載のデバイス。
(23) ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための方法であって、
検出器装置によって、前記目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得することであって、前記皮膚の範囲が、前記検出器装置によって撮像された複数の皮膚フレームからなる、取得することと、
処理装置によって、前記画像データを分析して、前記検出器装置によって撮像された前記複数の皮膚フレームの少なくとも半分の反射率よりも高い標的反射率値を生成することと、
前記処理装置によって、前記複数のフレームの各々内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、前記場所の反射率に対応する画像データを前記標的反射率値と比較することによって決定することと、
アプリケータ装置によって、前記場所について決定された前記対応する所望のレベルの反射率修正に基づいて、各場所に前記組成物を選択的に適用することと、を含む、方法。
(24) 前記標的反射率値が、前記検出器装置によって撮像された前記複数の皮膚フレームの少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%の反射率よりも高い、実施態様23に記載の方法。
(25) 前記標的反射率値が、前記複数の皮膚フレームから選択される標的フレームにわたる平均反射率に対応する、実施態様23又は24に記載の方法。
【0080】
(26) 前記標的フレームが、
前記複数の皮膚フレームの各々についての平均又はメジアン反射率値を決定することと、
前記複数の皮膚フレームについての前記平均又はメジアン反射率値を比較することと、
前記複数の皮膚フレームの少なくとも半分と比較して、より高い平均反射率値を有する範囲を前記標的フレームとして選択することと、によって選択される、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記標的フレームが、前記複数の皮膚フレームの少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%と比較して、より高い平均反射率値を有する、実施態様26に記載の方法。
(28) 前記目の下の領域の前記皮膚の範囲が、細長い形状を有し、前記複数のフレームが、皮膚の前記細長い範囲の長さに沿って線形アレイで配列される、実施態様23~27のいずれかに記載の方法。
(29) 前記アプリケータ装置が前記ユーザの目の下縁から約3mm~約5mm以内に位置付けられるとき、前記アプリケータ装置が前記組成物の適用を控える、実施態様23~28のいずれかに記載の方法。
(30) ユーザの目の下の領域内の皮膚に組成物を選択的に適用するための手持ち式デバイスであって、
前記目の下の領域の皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得する検出器装置であって、前記皮膚の範囲が、前記検出器装置によって撮像された複数の皮膚フレームからなる、検出器装置と、
前記組成物を前記皮膚の範囲に適用する複数のノズルを備えるアプリケータ装置であって、前記複数のノズルの各々が、前記検出器装置によって撮像された前記複数の皮膚フレームから選択される対応する皮膚フレーム内の皮膚に前記組成物を適用するように位置合わせされている、アプリケータ装置と、
プロセッサ及び前記プロセッサによって実行可能な命令のセットを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令のセットが、前記画像データを分析して、前記複数の皮膚フレームから標的フレームを選択し、かつ前記標的フレームにわたる反射率に対応する画像データに基づいて標的反射率値を生成することと、前記画像データを分析して、前記検出器装置によって撮像された前記複数の皮膚フレームの少なくとも半分の反射率よりも高い標的反射率値を生成することと、前記複数のフレームの各々内の場所についての所望のレベルの反射率修正を、前記場所の反射率に対応する画像データを前記標的反射率値と比較することによって決定することと、前記場所について決定された前記対応する所望のレベルの反射率修正に基づいて、各場所に前記組成物を選択的に適用するように前記アプリケータ装置に指示することと、を行うように実施可能である、プロセッサ及び非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を備える、手持ち式デバイス。
【0081】
(31) 前記アプリケータ装置が、前記撮像された皮膚の範囲内に前記複数の皮膚フレームを画定する格子状エンドエフェクタを備える、実施態様30に記載のデバイス。
(32) 前記格子状エンドエフェクタが、細長い形状を有し、前記格子状エンドエフェクタによって画定された前記複数の皮膚フレームが、前記格子状エンドエフェクタの長さに沿って線形アレイで配列される、実施態様30又は31に記載のデバイス。
【国際調査報告】