(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】グレージングパネル及びフレームを含む窓ユニット
(51)【国際特許分類】
B60J 10/265 20160101AFI20230823BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20230823BHJP
B60J 10/23 20160101ALI20230823BHJP
B60J 10/15 20160101ALI20230823BHJP
B60J 1/00 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
B60J10/265
B29C45/14
B60J10/23
B60J10/15
B60J1/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507526
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2021071249
(87)【国際公開番号】W WO2022029000
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510191919
【氏名又は名称】エージーシー グラス ユーロップ
【氏名又は名称原語表記】AGC GLASS EUROPE
【住所又は居所原語表記】Avenue Jean Monnet 4, 1348 Louvain-la-Neuve, Belgique
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ヒック, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ベカエルト, フランク
(72)【発明者】
【氏名】デルヌフクール, セバスティアン
【テーマコード(参考)】
3D201
4F206
【Fターム(参考)】
3D201AA26
3D201AA37
3D201BA01
3D201CB01
3D201DA73
3D201EA05Z
3D201FA08
4F206AA11
4F206AA13
4F206AA15
4F206AA28
4F206AA29
4F206AB16
4F206AB25
4F206AD05
4F206AD16
4F206AD35
4F206AH17
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB20
4F206JL02
(57)【要約】
本発明は、(i)グレージングパネル(2)、(ii)グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面上の縁(12)の少なくとも一部分上に設けられ、かつデコラティブストリップ(4)を受け入れるように設計されている剛体部分(5)であって、ベース(50)と少なくとも第1及び第2のアーム(6a;6b)とを含む少なくとも1つのスナップフィットシステム(6)を含む剛体部分(5)、(iii)グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面上の縁(12)を取り巻き、かつ軟質材料で作製されているフレームプロファイル(3)であって、剛体部分(5)の少なくとも一部分上にオーバーモールドされているフレームプロファイル(3)を含む窓ユニット(10)を開示する。本発明によれば、スナップフィットシステム(6)は、少なくとも1つの剛体アーム(6a)及び少なくとも1つのフレキシブルアーム(6b)を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- グレージングパネル(2)、
- 前記グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面上の縁(12)の少なくとも一部分上に設けられ、かつデコラティブストリップ(4)を受け入れるように設計されている剛体部分(5)であって、ベース(50)と、少なくとも第1及び第2のアーム(6a;6b)とを含む少なくとも1つのスナップフィットシステム(6)を含む剛体部分(5)、
- 前記グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面上の前記縁(12)を取り巻き、かつ軟質材料で作製されるフレームプロファイル(3)であって、前記剛体部分(5)の少なくとも一部分上にオーバーモールドされているフレームプロファイル(3)
を含む、窓ユニット(10)において、
前記スナップフィットシステム(6)は、少なくとも1つの剛体アーム(6a)及び少なくとも1つのフレキシブルアーム(6b)を有することを特徴とする、窓ユニット(10)。
【請求項2】
前記剛体アーム(6a)の弾性係数は20mmを下回り、かつ前記フレキシブルアーム(6b)の弾性係数は30mmを上回ること、ただし前記弾性係数は、前記アーム(6a、6b)の平均長(l、l1)の2乗を前記アーム(6a、6b)の平均厚さ(e、e1)で割ったものとして定義される、を特徴とする、請求項1に記載の窓ユニット(10)。
【請求項3】
前記剛体部分(5)は、ヤング率が1500Mpaを上回る硬質熱可塑性材料で作製されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の窓ユニット(10)。
【請求項4】
前記剛体部分(5)は、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、スチレン系材料(ABS)、ポリアミド(PA)、及びポリ塩化ビニル(PVC)から選択される硬質熱可塑性材料で作製されることを特徴とする、請求項3に記載の窓ユニット(10)。
【請求項5】
前記剛体部分(5)は、充填材(ガラス繊維、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、珪灰石、クレイ、硫酸カルシウム繊維、マイカ)を含む硬質材料で作製される、請求項1~4のいずれか1項に記載の窓ユニット(10)。
【請求項6】
前記軟質材料のヤング率は、1000Mpaを下回ることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の窓ユニット(10)。
【請求項7】
前記軟質材料は、前記硬質材料と自然に粘着性のある化学結合を行う能力を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の窓ユニット(10)。
【請求項8】
前記剛体部分(5)の前記スナップフィットシステム(6)は、U字形状を有するか、又はU字形状様であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の窓ユニット(10)。
【請求項9】
前記スナップフィットシステム(6)の前記フレキシブルアーム(6b)の変位を制限するために、前記剛体部分(5)にストロークリミッタ(7)が統合されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の窓ユニット(10)。
【請求項10】
ガイド(8)にデコラティブトリム剛体アーム(9)を適合させることによって、前記剛体部分(5)と前記デコラティブトリム(4)を位置合わせするために、前記剛体部分(5)にガイド(8)が統合されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の窓ユニット(10)。
【請求項11】
前記フレーム(3)及び前記剛体部分(5)は、射出成形プロセス時に、前記グレージング(2)上に少なくとも部分的に射出されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の窓ユニット(10)。
【請求項12】
前記剛体部分(5)は、前記グレージングパネル(2)の少なくとも1つの周辺側面で封入することによって直接成形され、第2の封入型内で軟質材料製の前記フレームプロファイル(3)でオーバーモールドされることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の窓ユニット(10)。
【請求項13】
デコラティブストリップ(4)を受け入れるように設計されている剛体部分(5)を、グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面上の縁(12)の少なくとも一部分上にオーバーモールディングするステップを含み、前記剛体部分(5)は、スナップフィットシステム(6)を形成する少なくとも第1及び第2のアーム(6a;6b)を含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の窓ユニット(10)の製造方法。
【請求項14】
a. 第1の封入型又はキャビティ内にグレージング(2)を配置するステップ、
b. 前記グレージングパネル(2)の少なくとも1つの周辺側面であって、前記デコラティブストリップ(4)が配置されることを意図される周囲側面の上に前記剛体部分(5)を封入するステップ、
c. そのように形成された前記グレージング(2)及び前記剛体部分(5)を第2の封入型又はキャビティ内へ移すステップ、
d. 第2の封入型又はキャビティ内で、前記フレームプロファイル(3)の射出によって前記剛体部分(5)の少なくとも一部をオーバーモールドし、同時に、前記フレームプロファイル(3)の射出によって前記グレージングパネル(2)の少なくとも1つの周辺側面をオーバーモールドするステップ、
e. 前記第2の封入型又はキャビティから、射出されたモジュール(11)を取り出すステップ、
f. 前記剛体部分(5)に統合された少なくとも1つのスナップフィットシステム(6)上にデコラティブストリップ剛体アーム(9)をクリップ留めすることによって、前記モジュール(11)上に前記デコラティブストリップ(4)を組み立てるステップ
を含むことを特徴とする、請求項13に記載の窓ユニット(10)の製造方法。
【請求項15】
a. 少なくとも1つのスナップフィットシステムを備える別個の型に前記剛体部分(5)を射出するステップ、
b. グレージング(2)及び前記剛体部分(5)を封入型内に配置するステップ、
c. 前記グレージングパネル(2)の少なくとも1つの周辺側面上に前記フレームプロファイル(3)を封入し、前記剛体部分(5)の少なくとも一部分であって、前記デコラティブストリップ(4)が配置されることを意図される一部分の上に前記フレームプロファイルをオーバーモールドするステップ、
d. 前記封入型から、射出されたモジュール(11)を取り出すステップ、
e. 前記剛体部分(5)に統合された少なくとも1つのスナップフィットシステム(6)上にデコラティブストリップ剛体アーム(9)をクリップ留めすることによって、前記モジュール(11)上に前記デコラティブストリップ(4)を組み立てるステップ
を含むことを特徴とする、請求項13に記載の窓ユニット(10)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の窓ユニットであって、グレージングパネル(glazing panel)と、デコラティブストリップ(decorative strip)と、自動車の窓ユニットの縁の周辺側面の少なくとも一部分上に設けられたフレームプロファイルとを含む、自動車の窓ユニットに関する。本発明はまた、デコラティブストリップが設けられた窓ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グレージングパネル及びフレームを備える窓ユニットが知られている。グレージングパネルを囲むようにフレームが設けられた窓ユニットを製造するために、主要部分(フレームプロファイル)がグレージングパネルの周辺側面の縁領域に成形される前に、グレージングパネルの縁領域において、プライマー又は/及び接着剤が、内側面、対向面側面(face side)、及び外側面に塗布される。
【0003】
そのような窓ユニットは、窓の見栄え(visible aspect)を強化するために、デコラティブストリップを装備していることが多い。一般的に、デコラティブストリップは、金属又はプラスチック材料で作製され、及びそれぞれ、異なる手段、例えば:グルー、特定領域におけるデコラティブストリップの曲げ(ハープーン(harpoon))、フレームに統合される金属製固定具、又は封入(encapsulation)プロセス時のストリップのオーバーモールド(overmolding)によって、グレージング(glazing)に固定される。
【0004】
今日では、いくつかの窓ユニットは、軟質材料との封入によってグレージングユニットの周りに設けられるフレームを有しており、デコラティブストリップが、独国特許第19818153号明細書に説明されているように、金属製クリップなどの金属製固定具によって、グレージングパネルに固定されている。これらの金属製クリップは、デコラティブストリップの組み立て前に、被封入フレームに手動で固定される。しかしながら、この種の製造方法は人的資源を消費するため、窓の製造コストを増大させる。
【0005】
同様に、今日では、ますます、厚さの厚い被封入材料を備えるフレームプロファイルの封入が行われているが、これは、表面の外観(surface aspect)の点でエンドユーザの期待に見合う品質の、グレージングパネル、フレーム、及びデコラティブストリップを備える窓ユニットを獲得するように管理するために、インサートの使用を求める。
【0006】
デコラティブストリップを支持する役割に加えて、インサートはまた、後部のコーナーにおけるようないくつかの特定領域におけるグレージングユニットの剛性を高めるために使用される。そのようなインサートの使用によって、封入用の材料の射出後の冷却速度がより高速になり、その結果として、製造のプロセスのサイクル時間の短縮も可能になる。一般的に、硬質熱可塑性材料が、インサート用の材料として使用される(ヤング率E>1000Mpa:PP、PC/ABS、・・・)。
【0007】
中国特許CN102272463A号明細書には、成形フレームにデコラティブストリップを固定するためのインサートが開示されている。インサートは、成形フレームと協働する少なくとも上流かみ合い部分と、取付付属品とかみ合うことが可能な下流かみ合い部分とを有する少なくとも1つのクランプを含み、上流かみ合い部分は、ベースによって接続される複数のフック脚部(hook feet)を含んでいて、各脚部の先端は変形可能である。成形フレームにデコラティブストリップを固定するステップでは、形成ストリップの材料の方へ向かって、脚部の先端において2つの対向する方向に力を加えることによって、脚部の先端は変形して、付形されたストリップの材料に入り込む。しかしながら、インサートは、複数のフック脚部を有し、及び形状が複雑であるため、それ自体の製造プロセスを複雑にし、及びその取付けプロセスを複雑にし、それにより、製造コストを増大させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明によって解決されるべき技術的な課題は、既存の剛体部分又はより詳細にはインサートの構造の欠点を考慮して、製造が簡単であり、且つデコラティブストリップの簡単な固定を可能にするグレージングパネル及びインサートを備える窓ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、本発明は:
- グレージングパネル、
- グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面上の縁の少なくとも一部分上に設けられ、かつデコラティブストリップを受け入れるように設計されている剛体部分であって、ベースと少なくとも第1及び第2のアームとを含む少なくとも1つのスナップフィットシステムを含む剛体部分、
- グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面上の縁を取り巻き(encompassing)、かつ軟質材料で作製されるフレームプロファイルであって、剛体部分の少なくとも一部分上にオーバーモールドされているフレームプロファイル
を含む、改良型の窓ユニットに関する。
【0010】
本発明によれば、スナップフィットシステムは、少なくとも1つの剛体アーム及び少なくとも1つのフレキシブルアームを有する。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、剛体部分は、グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面上の縁の少なくとも一部を取り巻いている。その場合、剛体部分は、それをデコラティブストリップに固定するために、インサートを形成する。
【0012】
本発明は、ガラス窓にデコラティブストリップを取付ける技術分野、特に、自動車ガラスの縁取りに明るい(bright)デコラティブストリップを取付けるために使用されるインサートに関し、ガラス窓は、デコラティブストリップ、インサート及び縁取りを含む。
【0013】
本発明の目的は、本発明による窓ユニットを形成するために、グレージングパネルに固定されるべきインサートとし得る剛体部分であって、インサート内にデコラティブストリップ用の統合固定手段を備える剛体部分を提供することにある。
【0014】
本発明によれば、インサート及び固定手段は、ワンピースで同じ材料で提供される。インサートに統合され、かつ同じ材料で作製される少なくとも1つの固定手段を備えるインサートの使用によって、コストが削減され、しかも部品の表面の外観に関する品質が改善される。
【0015】
固定具はインサートに統合されている。そのため、剛体部分又はより詳細にはインサートの製造後に、追加的な固定手段の組み立ては必要とされない。固定手段、すなわちスナップフィットシステムは、剛体部分と同じ材料で、又は異なる材料で作製され得る。その場合、固定手段は別々に製造され、その後インサート型内でオーバーモールドされ得る。
【0016】
少なくとも1つのスナップフィットシステムによって、グレージングパネル上でのデコラティブストリップの簡単な組み立てを可能にする。ストリップは、スナップフィットシステムの設計に依存して、取り外し自在とし得るか、又は取り外し不能とし得る。場合によっては、デコラティブストリップは、車のモジュールの組み立て前に取り外し自在とし得る。これにより、製造に問題がある場合に、車上のデコラティブトリムを分解するリスク(これは、安全性及び盗難の被害にあうリスクの点で問題となる)がなく、部分の手直しが可能になる。
【0017】
2つ以上のスナップフィットシステムが、デコラティブストリップを剛体部分に上手く固定するために統合され得ることが理解される。スナップフィットシステムの数及びそれらの位置は、デコラティブストリップのタイプ、並びに形状及び材料に依存する。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、剛体部分に設けられたスナップフィットシステムの剛体アームの弾性係数は20mmを下回り、及びフレキシブルアームの弾性係数は30mmを上回る。ここで、弾性係数は、アームの平均長の2乗をアームの平均厚さで割ったものであると定義される。
【0019】
デコラティブストリップと剛体部分との間での組み立てを可能にするように、スナップフィットシステムのフレキシブルアームの変位(y)が必要である。変位の方向は、一般的に、アームの上部までのアームの両脚部(土台)によって形成された線に対して垂直である。アームの脚部におけるアームの変位(y)とひずみの比(ε)の関係は:
y=0.67ε(l2)/e=0.67εEF
(式中、弾性係数EF=(l2)/eである)
である。
【0020】
そのため、使用される材料に関連する所与の許容できるひずみの比(εmax)に関し、フレキシブルアームの最大変位ymax(これは、フレキシブルアームが、破損のリスクがなく、弾性的振る舞いで動くことを可能にする)は、弾性係数EFに正比例する。弾性係数は、使用される材料とは無関係であるが、スナップフィットシステムのフレキシブルアームの設計に関連する。
【0021】
EFが高いほど、フレキシブルアームは、損傷のリスクがなく、及び正しい跳ね返り効果で、より多く動くことができることを意味する。
【0022】
本発明によれば、スナップフィットシステム(クリップ)の破損のリスクは、トリム組み立て品に関連する、要求される変形によって、低減される。これにより、モジュールのトリムの、安全で、迅速で、簡単な組み立てへと進むことを可能にする。
【0023】
さらに、この概念はまた、例えばフラットスクリュードライバーを使用することによって、組み立て後にデコラティブストリップを取り外すことを可能にする。これにより、製造に問題がある場合に、車上のデコラティブトリムを分解するリスク(これは、安全性及び盗難の被害にあうリスクの点で問題となる)がなく、部分の手直しを可能にする。それにもかかわらず、デコラティブストリップは、車にその組み立てを行った後は、取り外すことができない。場合によっては、デコラティブトリムは、車にモジュールの組み立てを行う前は、取り外し自在とし得る。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、デコラティブストリップを固定するための剛体部分は、ヤング率が1500Mpaを上回る硬質熱可塑性材料で作製される。硬質材料は、部分にもう少しスティフネスを高めたり、軟質材料の厚さを薄くしたり、及び/又は被封入窓ユニットに機能を付け加えたりするために使用されることがある。好ましい実施形態では、硬質材料は、車に被封入窓ユニットの組み立てを行った後は見えない。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、デコラティブストリップを固定するための剛体部分は、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、スチレン系材料(ABS)、ポリアミド(PA)、及びポリ塩化ビニル(PVC)の中から選択される硬質熱可塑性材料で作製される。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、剛体部分は、充填材(ガラス繊維、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、珪灰石、クレイ、硫酸カルシウム繊維、マイカ)を含む硬質材料で作製される。
【0027】
充填材が存在することによって、グレージングパネルの少なくとも部分での剛体部分の接着性を改善し、及び剛体部分を強化し得る。
【0028】
硬質材料(同様に、ガラス繊維、ボール状ガラス、タルクなどのような充填材が充填され得る)は、オーバーモールディングプロセス後に、少なくとも部分的に軟質材料で被覆される。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、窓ユニットは、射出成形フレームであるフレームプロファイルが設けられる。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、フレームプロファイルとグレージングパネルの縁との間にプライマーが提供されて、フレームプロファイルをグレージングパネルと結合する。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの周辺側面上のグレージングパネルの縁を取り巻いているフレームプロファイルは、ヤング率が1000Mpaを下回る軟質材料で作製される。ヤング率が1000Mpaを下回る軟質材料は、熱可塑性エラストマーベースの材料で作製され得る。スチレン系ベースの及び加硫熱可塑性エラストマーが、一般的に使用される。別の実施形態では、軟質構成要素は、軟質ポリ塩化ビニルである。
【0032】
軟質材料は、フレームの最終的な表面の外観を与え、及びまた、車体に窓ユニットを合わせて取付けるために使用される。事実上、材料の軟らかさは、軟質リップを使用することによって、車体と窓ユニットとの間の干渉を可能にする。軟質材料は、車体と被封入窓ユニットとの間のシール機能を保証するために使用されることもある。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの周辺側面上のグレージングパネルの縁を取り巻いているフレームプロファイルは、硬質材料と自然に粘着性のある化学結合を行う軟質材料で作製される。それゆえ、フレームプロファイルと剛体部分との間には、2つの部分間にプライマーを使用することなく、良好な接着が獲得され得る。
【0034】
本発明の別の実施形態によれば、剛体部分とフレームプロファイルとの間にプライマーが提供されて、フレームプロファイルを剛体部分と結合する。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、デコラティブストリップを固定するための剛体部分のスナップフィットシステムは、U字形状を有するか、又はU字形状様である。この設計によって、剛体部分によって効率的にデコラティブストリップを固定するために、スナップフィットシステムの弾性と剛性との良好なバランスを良くすることが可能になる。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、スナップフィットシステムのフレキシブルアームの変位を制限するために、ストロークリミッタが剛体部分に統合される。ストロークリミッタは、スナップフィットの第2のアームの変形を制限することを可能にし、悪い操作に関連するいずれのスナップフィット(クリップ)の劣化も回避する。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、ガイドにデコラティブトリム剛体アームを適合させることによって、剛体部分とデコラティブトリムをより良好に位置合わせするために、剛体部分にガイドが統合される。
【0038】
ガイドを使用することにより、正しい組み立てを保証することが可能であり、ガイドは、場合によっては、剛体部分に、又はより詳細にはインサートに、及びデコラティブストリップにも、統合される。ガイドの機能は、剛体部分(又はインサート)に従ってデコラティブストリップを案内することであり、これにより、両部分間の完璧なアライメントが保証される。その結果として、フレームプロファイルの封入でのデコラティブストリップの高品質の位置決めが保証される。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、フレームプロファイル及び剛体部分は、射出成形プロセス時に、少なくとも部分的にグレージング上に射出される。それゆえ、本発明による窓ユニットの製造プロセスは単純となる。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、剛体部分は、射出成形することによって別個の型内で最初に製造され、封入型又は型のキャビティ内で軟質材料製のフレームプロファイルによってオーバーモールドされるインサートである。
【0041】
剛体部分又はより詳細にはインサートは、グレージングパネルの縁の少なくとも一部分上に組み立てられる前に、製造されて保管され、その後、封入型内で、軟質材料製のフレームプロファイルによってオーバーモールドされ得る。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、剛体部分は、グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面で封入することによって、直接成形され、第2の封入型又はキャビティ内で、軟質材料製のフレームプロファイルでオーバーモールドされる。この伝統的な2Kプロセスは、プロセスを簡単にし、コストを削減する。
【0043】
本発明はまた、本発明による窓ユニットの製造方法に関し、ここでは、方法は、デコラティブストリップを受け入れるように設計されている剛体部分を、グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面上の縁の少なくとも一部分上に設けるオーバーモールディングステップであって、剛体部分は、少なくとも第1及び第2のアームを含んで、スナップフィットシステムを形成するステップを含む。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、方法は:
a. 第1の封入型又はキャビティ内にグレージングを配置するステップ、
b. ガラスパネルの少なくとも1つの周辺側面であって、デコラティブストリップが配置されることが意図されている周囲側面の上に剛体部分を封入するステップ、
c. そのように形成されたグレージング及び剛体部分を第2の封入型又はキャビティ内に移すステップ、
d. 第2の封入型又はキャビティ内で、フレームプロファイルの射出によって剛体部分の少なくとも一部をオーバーモールドし、同時に、フレームプロファイルの射出によってグレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面をオーバーモールドするステップ、
e. 第2の封入型又はキャビティから、射出されたモジュールを取り出すステップ、
f. 剛体部分に統合された少なくとも1つのスナップフィットシステムにデコラティブストリップ剛体アームをクリップ留めすることによって、モジュールにデコラティブストリップを組み立てるステップ
を含む。
【0045】
そのため、剛体部分又はより詳細にはインサートは、グレージングパネル上に直接成形される。その場合、特定の封入型が製造される。グレージングパネルは、この型内に配置され、及びグレージングパネルは、硬質材料、すなわち剛体部分によって直接封入される。後で、グレージングパネル及び硬質剛体部分(インサート)で作製されたモジュールは、別の型又は型のキャビティ内に配置され、その後、フレームプロファイルの軟質材料によってオーバーモールドされる。フレームプロファイル、及びデコラティブストリップを受け入れることを意図した剛体部分(インサート)を備えるグレージングパネルの製造のプロセスは、単純にされ、及び人的資源を削減する。
【0046】
少なくとも1つのスナップフィットシステムを備える剛体部分は、グレージングパネルで直接封入され、その後、特定の型内でオーバーモールドされる。これら全ての実施形態では、部分を製造するために人的資源は必要とされず、製造後に、インサートからの固定を装う方法はない。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、窓ユニットの製造方法は:
a. 少なくとも1つのスナップフィットシステムを備える別個の型内に剛体部分を射出するステップ、
b. 封入型内にグレージング及び剛体部分を配置するステップ、
c. グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面上にフレームプロファイルを封入し、剛体部分の少なくとも一部分であって、デコラティブストリップが配置されることが意図されている一部分の上にフレームプロファイルをオーバーモールドするステップ、
d. 封入型から、射出されたモジュールを取り出すステップ、
e. 剛体部分に統合された少なくとも1つのスナップフィットシステムにデコラティブストリップ剛体アームをクリップ留めすることによって、モジュール上にデコラティブストリップを組み立てるステップ
を含む。
【0048】
本発明によれば、グレージングパネルは、車の設計と適合させるために、平面又は曲面パネルとし得る。グレージングパネルは、安全性及び盗難防止条件の仕様に従うために、加工、すなわち焼きなまし、強化(tempered)、・・・され得る。加熱可能なシステム、例えばコーティング又は配線回路網がグレージングパネルに応用されて、例えば霜取り及び/又は曇り取り機能を付け加える。
【0049】
いくつかの実施形態では、グレージングパネルはガラスパネルである。ガラスパネルは、少なくとも1枚のガラスシートを含む。
【0050】
代わりに、グレージングパネルは合わせガラスパネルとし得る。合わせグレージングは、ガラスシート間に位置決めされる1つ以上中間層によって維持されるガラスシートを含む。
【0051】
ガラスシートは、透明ガラス、又は着色ガラスとし得、着色ガラスは、ガラスの特定の組成物で色がつけられたか、又は例えばコーティング若しくはプラスチック層を塗布することによるものである。
【0052】
グレージングパネルが合わせガラスパネルである実施形態では、重量及び騒音を減少させるために、様々な厚さのガラスシートを有することが好都合とし得る。グレージングパネルで誘起された変形のために、厚さ1mm未満の薄いガラスシートが、曲げられたり又は変形されたりせずに、使用され得る。それゆえ、そのような薄いガラスシートは、所望の設計を保つことができる。
【0053】
本発明は、特許請求の範囲で列挙された特徴の全ての考えられる組み合わせに関することに留意されたい。
【0054】
以下の説明は、自動車の窓ユニットに関するが、本発明は、窓の縁を少なくとも1つの周辺側面上で囲む封入をもたらし得る、輸送用車両、例えば列車、バス、ボート・・・などの構造上の窓のような他の分野に応用可能とし得ることを理解されたい。
【0055】
本発明のこの及び他の態様について、ここで、本発明の種々の例示的な実施形態を示す添付図面を参照してより詳細に説明し、添付図面は、限定ではなく、説明のために提供される。図面は、概略図であり、縮尺通りではない。図面は、本発明を何ら限定しない。より多くの利点が、例と共に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態による車体に配置されたグレージング窓ユニットを表す。
【
図2】
図2は、断面A-Aに沿って取った、
図1のグレージング窓ユニットの断面である。
【
図3】
図3は、断面A-Aに沿って取った、
図1のグレージング窓ユニットの断面である。
【
図4】
図4は、断面B-Bに沿って取った、本発明の一実施形態によるガイドを示す、
図1のグレージング窓ユニットの断面である。
【
図5】
図5は、剛体部分及び被封入軟質フレームを備え、デコラティブストリップを有さないグレージングパネルを表す、グレージングモジュールである。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明の内容を、図面を参照して下記でさらに説明する。本明細書で提供される例は、特許請求の範囲に定義される本発明の範囲の説明である。それらは、本発明の限定的な実施形態を表すものではない。本発明は、以下の実施形態に列挙される特徴の考えられる全ての組み合わせに関することに留意されたい。
【0058】
図1~3を参照すると、本発明の第1の実施形態が説明されている。
【0059】
図1は、窓ユニット10、より詳細には、車体1に取付けられている自動車の窓ユニットを示す。窓ユニット10はグレージングパネル2を含み、このグレージングパネルは、グレージングパネルの少なくとも1つの周辺側面上の縁12の少なくとも一部分上に設けられた剛体部分(不可視)に固定されたデコラティブストリップ4を有する。剛体部分は、デコラティブストリップ4を受け入れるように設計されている。
【0060】
グレージングパネル2の縁12上の周辺に沿って、設計要件に従って当業者に周知の技術によって、フレームプロファイル3が射出成形される。フレームプロファイル3は、グレージングパネル2の周辺全体に設けられても、又はグレージングパネルの周辺の一部分に設けられてもよい。本実施形態では、フレームは、フレームプロファイルを有し、及び3つの周辺側面上のグレージングパネルの縁を取り巻いている。
【0061】
窓ユニット10は、多角形、特に三角形を有する。グレージングパネル2は、わずかに小さめの同じ形状を有する。フレームは、フレームプロファイルを有し、及び3つの周辺側面上のグレージングパネルの縁を取り巻いている。
【0062】
本実施形態によれば、剛体部分5は、グレージングパネル2の縁12の少なくとも一部を少なくとも1つの周辺側面上で取り巻く。その場合、剛体部分は、それをデコラティブストリップ4に固定するためのインサートを形成する。
【0063】
本発明によれば、フレームプロファイル3は、ヤング率が1000Mpa未満の軟質材料で作製される。例えば、軟質材料は、熱可塑性材料、例えば:TPE(熱可塑性エラストマー)、TPV(加硫熱可塑性エラストマー)、TPE-S(スチレン系熱可塑性エラストマー)、軟質PVC(軟質ポリ塩化ビニル)、又はPU(ポリウレタン)又はEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)エラストマーから選択されるが、それらに限定されず、任意の他の好適な材料が使用されてもよい。本発明によれば、フレームプロファイル3は、
図2に示すように、剛体部分5の少なくとも一部分上にオーバーモールドされる。
図2は、断面A-Aに沿って取った、
図1のグレージング窓ユニットの断面を表す。
【0064】
本実施形態によれば、剛体部分5は、グレージングパネル2の少なくとも1つの周辺側面上の縁12の少なくとも一部を取り巻く。その場合、剛体部分は、それをデコラティブストリップ4に固定するために、インサートを形成する。
【0065】
車全体の外観を改善するために、自動車の外部から見える自動車のグレージングパネル2の縁12の部分に、デコラティブストリップ4が設けられる。デコラティブストリップ4は、自動車のグレージングパネルの縁12を覆うために使用される。本発明の一実施形態の本記載では、デコラティブストリップ4は、自動車の外部から見えるグレージングパネル2の縁の部分の装飾品として使用される。剛体部分5にデコラティブストリップ4を固定する方法はまた、他のデコラティブ製品又は自動車グレージング付属品に好適としてもよいことが理解される。
【0066】
自動車のグレージングの縁12にデコラティブストリップ4をうまく固定する/取付けるために、本発明は、
図2~5に示すような剛体部分5を提供する。
【0067】
本発明によれば、剛体部分5、より詳細にはインサートは、ベース50と、少なくとも第1及び第2のアーム6a;6bとを含む少なくとも1つのスナップフィットシステム6を含み、スナップフィットシステム6は、少なくとも1つの剛体アーム6a及び少なくとも1つのフレキシブルアーム6bを有する。
【0068】
本発明によれば、スナップフィットシステム6は、剛体部分、より詳細にはインサート5を押すことによって、デコラティブストリップ4を受け入れて固定し、デコラティブストリップ4がそれら構成要素を一緒にインターロックするように設計されている。不可欠な取付特徴としてのスナップフィットは、緩みのある部分がないという利点を有する。
【0069】
本発明の一実施形態によれば、第1及び第2のアーム6a、6bには、それぞれ、それらの先端に、フック60、61の形態の湾曲部分が設けられる。第2のアーム6bは、反対方向の2つの外力によって、第1のアーム6aの方へ向かって動かされ得るため、2つの湾曲部分60、61がデコラティブストリップ4の取付アーム9に挿入され、及び
図2に示すように取付アーム9にスナップフィットされる。剛体部分5に沿ったスナップフィットシステム6の数及び位置は、デコラティブストリップの形状及び材料に依存する。
【0070】
本発明のある実施形態によれば、剛体アーム6aの弾性係数(elasticity factor)は20mmを下回り、及びフレキシブルアーム6bの弾性係数は30mmを上回る。ここで、弾性係数は、
図3に示すような、アーム6a、6bの平均長l、l1の2乗をアーム6a、6bの平均厚さe、e1で割ったものであると定義される。これらの特徴に関連する利点は、上記で説明している。
【0071】
剛体部分5は、ヤング率Eが1500Mpaよりも高い硬質熱可塑性材料製とし得る。材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、スチレン系材料(ABS)、ポリアミド(PA)、及びポリ塩化ビニル(PVC)の間で選択され得る。
【0072】
剛体部分5は、例えばその機械的特性を改善するために、充填材(ガラス繊維、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、珪灰石、クレイ、硫酸カルシウム繊維、マイカ)を含み得る。
【0073】
剛体部分5のスナップフィットシステム6は、好ましくはU字形状を有するか、又はU字形状様である。U字形状又はU字形状様であることによって、より良好に固定できる。
【0074】
本発明の一実施形態によれば、
図2に示すように、スナップフィットシステム6のフレキシブルアーム6bの変位を制限するために、ストロークリミッタ7が剛体部分5に統合され得る。ストロークリミッタ7は、アーム6bの劣化を生じ得るスナップフィットシステム6のフレキシブルアーム6bの過度の変形を防止する。
【0075】
本発明では、インサート5のそのベース50及び少なくともその第1及び第2のアーム6a、6bを備えるスナップフィットシステム6、並びに被封入フレームプロファイル3は、被封入プロファイルフレーム3がグレージングパネルの縁の少なくとも一部分上に射出成形されるときに、インサート5を一体的に射出成形することによって、固定して接続される。
【0076】
それゆえ、本発明はまた、上述のインサート5によって、グレージングパネル2の縁12上にデコラティブストリップ4を取付ける方法を提供する。
【0077】
本発明によれば、窓ユニットは、上記の記載部分において主張されているように製造され得る。剛体部分5(又はインサート)は、グレージングパネル2の少なくとも1つの周辺側面で封入することによって、直接成形され、第2の封入型内で、軟質材料製のフレームプロファイル3を用いてオーバーモールドされ得る。
【0078】
インサート5はオーバーモールドされる:特定の射出成形金型内で製造され、その後、裸のグレージングパネルと一緒に封入型内に配置され、その後、軟質材料製のフレームプロファイル3によってオーバーモールドされる。
【0079】
いくつかの実施形態では、インサート5は、グレージングパネルの可視状態の縁12にあるグレージングパネル上に直接成形される。その場合、特定の封入型が使用される。グレージングパネル2はこの型内に配置され、グレージングパネルは、硬質材料を用いて直接封入される。後で、ガラスと硬質フレームとで作製されたモジュールが、別の型又はキャビティ内に配置され、その後、軟質材料製のフレームプロファイル3を用いてオーバーモールドされる。
【0080】
硬質材料は、部分のスティフネスをもう少し高めたり、軟質材料の厚さを薄くしたり、及び/又は被封入窓ユニットに機能:後部ドア固定部に統合されるガイド、車体に窓ユニットを組み立てるための固定具の使用、..を付け加えたりするために使用されることがある。硬質材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)ベースのブレンド、アクリルベースのブレンド、ポリアミドなどとし得る。好ましい実施形態では、硬質材料は、車に被封入窓ユニットの組み立てを行った後は見えない。
【0081】
軟質構成要素は、熱可塑性エラストマーベースの材料とし得る。スチレン系ベースの及び加硫熱可塑性エラストマーが、一般的に使用される。別の実施形態では、軟質構成要素は軟質ポリ塩化ビニルである。軟質材料は、フレームの最終的な表面の外観を与え、及びまた、車体に窓ユニットを合わせて取付けるために使用される。事実上、材料の軟らかさは、軟質リップを使用することによって、車体と窓ユニットとの間の干渉を可能にする。軟質材料は、車体と被封入窓ユニットとの間のシール機能を保証するために使用されることもある。
【0082】
本発明によれば、固定手段6はインサート5に統合される。そのため、インサート5の製造後に、追加的な固定手段の組み立ては必要とされない。固定手段は、インサートと同じ材料で、又は異なる材料で作製され得る。その場合、固定手段は別々に製造され、その後、インサート型内でオーバーモールドされ得る。
【0083】
別の実施形態では、固定手段はまた、ガラス上で直接封入され、その後、特定の金型内でオーバーモールドされ得る。これら全ての実施形態において、部分を製造するために人的資源は必要とされず、製造後に、インサートから固定を装う方法はない。
【0084】
さらに、
図4に示すように、ガイド8が剛体部分5に統合されて、ガイド8にデコラティブストリップ剛体アーム9を適合させることによって、剛体部分5とデコラティブトリム4を位置合わせし得る。ガイド8は、好ましくは、剛体部分5と同じ材料で作製される。ガイド8は正しい組み立てを保証し、ガイドは、場合によっては、インサート5に、及びデコラティブストリップ4にも、統合され得る。ガイドの機能は、インサートに従ってデコラティブストリップ4を案内することであり、これにより、それら部分間の完璧なアライメントが保証される。その結果として、次に、封入部でのデコラティブストリップ4の高品質の位置決めが保証される。
【0085】
図5は、インサート5が設けられたグレージングパネルを示す。インサート5は、グレージングパネル2の縁12を取り巻く。フレームプロファイル3は、インサート5でオーバーモールドされ、少なくとも剛体部分が設けられている側面で、グレージングパネルの周辺全体に沿って延ばされている。本発明によるスナップフィットシステム6が、剛体部分に沿って分配されている。各スナップフィットシステム6間の距離は、デコラティブストリップを固定するように適合されている。
【0086】
ひとたびデコラティブストリップがインサートに固定されたら、本発明による窓ユニット10が形成される。
【国際調査報告】