(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】振動式流体計用トランスデューサ
(51)【国際特許分類】
G01F 1/84 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
G01F1/84
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507551
(86)(22)【出願日】2021-04-02
(85)【翻訳文提出日】2023-03-28
(86)【国際出願番号】 US2021025562
(87)【国際公開番号】W WO2022031328
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルピエンスキー, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ニールソン, ジェフリー
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035AA00
2F035JA02
(57)【要約】
メータ電子機器(20)を有する振動計用のトランスデューサアセンブリ(300)が提供される。トランスデューサアセンブリ(300)は、保持板(402)を備える保持部(401)を備える。磁石部(301)は、コイルボビン(305)と、コイルボビン(305)に巻かれたコイル(309)とを備える。コイルボビン(305)には磁石(313)が結合されている。 保持板(402)は、コイルボビン(305)と接触することが防止されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メータ電子機器(20)を有する振動計用のトランスデューサアセンブリ(300)であって、
保持板(402)を含む保持部(401)と、
コイルボビン(305)、
前記コイルボビン(305)に巻かれたコイル(309)、
及び
前記コイルボビン(305)に結合された磁石(313)
を含む磁石部と、を備え、
前記保持板(402)が前記コイルボビン(305)に接触するのが防止されている、トランスデューサアセンブリ。
【請求項2】
前記コイルボビン(305)の少なくとも一部を取り囲むように配置されたフラックスリング(307)を備える、請求項1に記載のトランスデューサアセンブリ(300)。
【請求項3】
前記コイル(309)の少なくとも一部を取り囲むように配置されたフラックスリング(307)を備える、請求項1に記載のトランスデューサアセンブリ(300)。
【請求項4】
前記磁石(313)が、磁極片(311)によって前記コイルボビン(305)に結合される、請求項1に記載のトランスデューサアセンブリ(300)。
【請求項5】
前記磁石(313)が永久磁石である、請求項1に記載のトランスデューサアセンブリ(300)。
【請求項6】
前記コイルボビン(305)、前記コイル(309)及び前記磁石(313)が、互いに対して所定の位置に固定される、請求項1に記載のトランスデューサアセンブリ(300)。
【請求項7】
前記メータ電子機器(20)が、前記保持板(402)の動きを誘発する振動電流を前記コイル(309)に提供する、請求項1に記載のトランスデューサアセンブリ(300)。
【請求項8】
前記保持部(401)及び前記磁石部(301)が、前記振動計の第1及び第2の部分にそれぞれ結合され、前記振動計の前記第1及び第2の部分のうちの少なくとも一つが、フロー導管(103A、103B)を含む、請求項1に記載のトランスデューサアセンブリ(300)。
【請求項9】
一つ以上のフロー導管を有するセンサアセンブリを含む振動計を形成するための方法であって、
保持板を含む保持部を形成するステップ、
前記保持部を前記振動計の第1の構成要素に結合するステップ、
コイルボビンを含む磁石部を形成するステップ、
前記磁石部を前記振動計の第2の構成要素に結合するステップ、
前記コイルボビンにコイルを巻くステップ、
前記コイルボビンに磁石を結合するステップ、
前記保持板を前記磁石近傍に配置するステップ、
及び
前記コイルをメータ電子機器に電気的に結合するステップ
を含む、方法。
【請求項10】
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が、少なくとも一つのフロー導管を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記コイルボビンの少なくとも一部をフラックスリングで取り囲むステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記磁石を磁極片によって前記コイルに結合するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記コイルボビン、前記コイル及び前記磁石を、互いに対して所定の位置に固定するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記保持板の動きを誘発する振動電流を前記コイルに提供するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記コイルから振動電流を受け取るステップをさらに含み、前記振動電流が、前記保持板の動きによって誘導される、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記載する実施形態は振動計に関し、より詳細には、振動式流体計のためのトランスデューサに関する。
【背景技術】
【0002】
振動式濃度計及びコリオリ流量計などの振動式流量計は一般に知られており、導管内の材料の質量流量及び他の情報を測定するために使用される。材料は、流動していても又は静止していてもよい。コリオリ流量計の典型例が、米国特許第4,109,524号、米国特許第4,491,025号、及び米国特許第31,450号(全てJE Smithら)に開示されている。これらの流量計は、直線の又は湾曲した構成の、一つ又は複数の導管を有する。コリオリ質量流量計の各導管構成は、一組の固有振動モードを取ることができ、単純な曲げ、ねじり、又は結合型の場合がある。各導管は、好ましいモードで振動するように、駆動されうる。
【0003】
材料は、流量計の入口側に接続されたパイプラインから流量計に流入し、導管を通って導かれ、流量計の出口側を通って流量計から流出する。振動する材料が充填したシステムの固有振動モードは、一部は導管と導管内を流れる材料との合計質量によって、定義される。
【0004】
流量計を通る流れがないとき、導管に加えられる駆動力は、導管に沿ったすべての点を、同一の位相で又はゼロ流量で測定される時間遅延である小さな「ゼロオフセット」で、振動させる。材料が流量計を通って流れ始めると、コリオリの力によって、導管に沿った各点が異なる位相を有するようになる。例えば、流量計の入口端における位相は、中央のドライバ位置における位相より遅れており、一方出口における位相は、中央のドライバ位置における位相より進んでいる。導管上のピックオフセンサは、導管の動きを表す正弦波信号を生成する。ピックオフセンサから出力される信号は、ピックオフセンサ間の時間遅延を決定するために処理される。二つ以上のピックオフセンサ間の時間遅延は、導管を通って流れる材料の質量流量に比例する。
【0005】
ドライバに接続されたメータ電子機器は、ドライバを動作させるための駆動信号を生成し、ピックオフセンサから受信した信号から材料の質量流量及び他の特性を決定する。ドライバは、多くの周知の構成のうちの一つを備えることができるが、磁石及び対向する駆動コイルは、振動計の業界において大きな成功を収めている。好ましい駆動コイル及び磁石の配置の例が、米国特許第7,287,438号及び米国特許第7,628,083号に記載されており、これらは両方とも、Micro Motion,Inc.に譲渡されており、参照により本明細書に組み込まれる。交流電流は、所望の流管振幅及び周波数で導管を振動させるために、ドライバコイルに通される。ピックオフセンサを、ドライバ装置とよく類似した、磁石及びコイル装置として設けることも、当技術分野で知られている。しかしながら、ドライバが動きを誘発する電流を受け取る一方で、ピックオフセンサは、ドライバによって提供される動きを使用して、電圧を誘導することができる。この電圧は、導管の変位に比例する。ピックオフセンサによって測定される時間遅延の大きさは非常に小さく、しばしばナノ秒単位で測定される。したがって、トランスデューサ出力を非常に正確にする必要がある。
【0006】
図1は、センサアセンブリ10とメータ電子機器20とを備えるコリオリ流量計の形態である、従来技術の振動計5の一例を示す。メータ電子機器20は、センサアセンブリ10と電気的な通信をして、例えば、密度、質量流量、体積流量、合計質量流量、温度、及びその他の情報などの流動材料の特性を測定する。
【0007】
センサアセンブリ10は、一対のフランジ101及び101’、マニホールド102及び102’、並びに導管103A及び103Bを含む。マニホールド102、102’は、導管103A、103Bの対向する端部に取り付けられる。従来技術のコリオリ流量計のフランジ101及び101’は、スペーサ106の両端に取り付けられる。スペーサ106は、マニホールド102、102’間の間隔を維持して、導管103A及び103Bでの望ましくない振動を防止する。導管103A及び103Bは、実質的に平行にマニホールドから外向きに延びる。センサアセンブリ10が、流動材料を運ぶパイプラインシステム(図示せず)に挿入されると、材料は、フランジ101を通ってセンサアセンブリ10に入り、入口マニホールド102を通過し、ここで材料の全量が導管103A及び103Bに入るように導かれ、導管103A及び103Bを通って流れ、出口マニホールド102’に戻り、フランジ101’を通ってセンサアセンブリ10を出る。
【0008】
従来技術のセンサアセンブリ10は、ドライバ104を含む。ドライバ104は、例えば、駆動モードにおいてドライバ104が導管103A、103Bを振動させることができる位置で、導管103A、103Bに固定される。より詳細には、ドライバ104は、導管103Aに取り付けられた第1のドライバ要素104Aと、導管103Bに取り付けられた第2のドライバ要素104Bとを含む。ドライバ104は、導管103Aに取り付けられたコイル及び導管103Bに取り付けられた対向する磁石などの多くの周知の構成のうちの一つを備えることができる。
【0009】
従来技術のコリオリ流量計のこの例では、駆動モードは第1の位相外れ曲げモードであり、曲げ軸W-W及びW’-W’について実質的に同じ質量分布、慣性モーメント、及び弾性係数を有する平衡システムを提供するように、導管103A、103Bは、それぞれ選択され、入口マニホールド102及び出口マニホールド102’に適切に取り付けられる。この例では、駆動モードが第1の位相外れ曲げモードである場合、導管103A及び103Bは、ドライバ104によって、それぞれの曲げ軸W-W及びW’-W’を中心に反対方向に駆動される。メータ電子機器20によって、交流電流の形態の駆動信号が例えば経路110を介して提供され、コイルを通過して、両方の導管103A、103Bを振動させることができる。当業者であれば、他の駆動モードが従来技術のコリオリ流量計によって使用されうることを理解するであろう。
【0010】
図示されたセンサアセンブリ10は、導管103A、103Bに取り付けられた一対のピックオフ105、105’を含む。より詳細には、第1のピックオフ要素105A及び105’Aは、第1の導管103A上に配置され、第2のピックオフ要素105B及び105’Bは、第2の導管103B上に配置される。図示された例では、ピックオフ105、105’は、導管103A、103Bの速度及び位置を表すピックオフ信号を生成する、例えばピックオフ磁石及びピックオフコイルなどの電磁検出器でありうる。例えば、ピックオフ105、105’は、経路111、111’を介してメータ電子機器20にピックオフ信号を供給することができる。当業者であれば、導管103A、103Bの動きが、一般に、流動材料の特定の特性、例えば、導管103A、103Bを通って流れる材料の質量流量及び密度に比例することを理解するであろう。しかしながら、導管103A、103Bの動きは、ピックオフ105、105’で測定することができるゼロフローの遅延又はオフセットも含む。ゼロフローのオフセットは、非比例ダンピング、残留柔軟性応答、電磁クロストーク、又は計測器の位相遅延などのいくつかの要因によって引き起こされうる。
【0011】
従来技術のセンサアセンブリ103、104、及び105は、磁気回路内の空隙を最小限に抑え、磁石磁場とコイル磁場との間の結合を最大にするために、コイルの軸上に整列される。一般に、保持器アセンブリは第1の導管に取り付けられ、一方コイルアセンブリは第2の導管に取り付けられる(配置は、単一の導管メータでは異なる)。保持器とコイルとは、要素間のクリアランスを最大にするため、慎重に取り付ける必要がある。
【0012】
残念ながら、コイル及び保持器アセンブリは、特定の条件下で接触する可能性があり、その結果、流量計が損傷を受け、機能しなくなる可能性がある。例えば、製造ばらつきは、軸方向の位置ずれをもたらしうる。別の状況では、相手側の導管よりも長い範囲で、一方の導管を通って移動する流体のスラグは、管の間に慣性力及び相対的な横方向の動きを引き起こし、その結果、磁石/コイル/保持器の接触が生じ、アセンブリの損傷が生じる可能性がある。さらに別の例では、温度差が、コイル及び保持器アセンブリの接触をもたらしうる。相手側の導管を流れるよりも著しく早い時点で、一方の導管を流れる高温流体は、コイル/保持器のクリアランス限界を超え接触が行われる程度まで、不均一な導管拡張をもたらしうる。
【0013】
したがって、理解できるように、従来のトランスデューサアセンブリは、通常のメータ動作中に遭遇する可能性があるいくつかの状況下で、位置ずれに起因する損傷を受けやすい場合がある。当技術分野では、位置ずれ及びその結果として生じる損傷の影響を受けないトランスデューサアセンブリセンサが必要とされている。以下に記載される実施形態は、これら及び他の問題を克服し、当技術分野における進歩を達成する。
【発明の概要】
【0014】
メータ電子機器を有する振動計用のトランスデューサアセンブリが提供される。トランスデューサアセンブリは、保持板を含む保持部を備える。トランスデューサアセンブリは、コイルボビン、コイルボビンに巻かれたコイル及びコイルボビンに結合された磁石を含む磁石部を備え、保持板は、コイルボビンに接触することが防止されている。
【0015】
一つ以上のフロー導管を有するセンサアセンブリを含む振動計を形成するための方法が提供される。本方法は、保持板を含む保持部を形成するステップと、保持部を振動計の第1の構成要素に結合するステップとを含む。コイルボビンを含む磁石部が形成され、磁石部は振動計の第2の構成要素に結合される。コイルボビンに、コイルが巻かれる。コイルボビンに、磁石が結合される。保持板は、磁石近傍に配置され、コイルは、メータ電子機器に電気的に結合される。
【0016】
[態様]
一態様によれば、メータ電子機器を有する振動計用のトランスデューサアセンブリは、保持板を含む保持部を備える。トランスデューサアセンブリは、コイルボビン、コイルボビンに巻かれたコイル及びコイルボビンに結合された磁石を含む磁石部を備え、保持板は、コイルボビンに接触することが防止されている。
【0017】
好ましくは、フラックスリングがコイルボビンの少なくとも一部に取り囲むように配置される。
【0018】
好ましくは、フラックスリングがコイルの少なくとも一部を囲むように配置される。
【0019】
好ましくは、磁石は磁極片によってコイルボビンに結合される。
【0020】
好ましくは、磁石は永久磁石である。
【0021】
好ましくは、コイルボビン、コイル及び磁石は、互いに対して所定の位置に固定される。
【0022】
好ましくは、メータ電子機器は、保持板の動きを誘発する振動電流をコイルに提供する。
【0023】
好ましくは、保持部及び磁石部は、振動計の第1及び第2の部分にそれぞれ結合され、振動計の第1及び第2の部分のうちの少なくとも一つは、フロー導管を含む。
【0024】
一態様によれば、一つ以上のフロー導管を有するセンサアセンブリを含む振動計を形成するための方法は、保持板を含む保持部を形成するステップと、保持部を振動計の第1の構成要素に結合するステップとを含む。コイルボビンを含む磁石部が形成され、磁石部は振動計の第2の構成要素に結合される。コイルボビンに、コイルが巻かれる。コイルボビンに、磁石が結合される。保持板は、磁石近傍に配置され、コイルは、メータ電子機器に電気的に結合される。
【0025】
好ましくは、第1の構成要素及び第2の構成要素は、少なくとも一つのフロー導管を含む。
【0026】
好ましくは、本方法は、コイルボビンの少なくとも一部をフラックスリングで取り囲むステップを含む。
【0027】
好ましくは、本方法は、磁石を磁極片によってコイルに結合するステップを含む。
【0028】
好ましくは、本方法は、コイルボビン、コイル及び磁石を互いに対して所定の位置に固定するステップを含む。
【0029】
好ましくは、本方法は、保持板の動きを誘発する振動電流をコイルに供給するステップを含む。
【0030】
好ましくは、本方法は、コイルから振動電流を受け取るステップを含み、振動電流は、保持板の動きによって誘導される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】
図2は、従来技術のトランスデューサアセンブリの断面図を示す。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るトランスデューサアセンブリの磁石部を示す。
【
図4】
図4は、一実施形態に係るトランスデューサアセンブリの保持部を示す。
【
図5】
図5は、一実施形態に係るトランスデューサアセンブリの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図3-5及び以下の説明は、トランスデューサの実施形態の最良の形態をどのようにして作成し、使用するかを当業者に教示するための特定の例を示す。本発明の原理を教示する目的で、一部の従来の態様が単純化又は省略されている。当業者であれば、本明細書の範囲内に入るこれらの実施例からの変形を理解するであろう。当業者であれば、以下に説明する特徴を様々な方法で組み合わせて、流体計の複数の変形形態を形成することができることを理解するであろう。その結果、以下に説明する実施形態は、以下に説明する特定の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定される。
【0033】
図2は、従来技術のトランスデューサアセンブリ200の断面図を示す。トランスデューサアセンブリ200は、第1及び第2のフロー導管103A、103Bに結合することができる。従来技術のトランスデューサアセンブリ200は、コイル部204A及び磁石部204Bを備える。磁石部204Bは、磁石211を備える。磁石211は、磁場の方向付けを補助しうる磁石保持器213内に配置することができる。磁石部204Bはまた、磁極片215を備えることができる。磁石部204Bは、従来技術のセンサ要素である典型的な磁石部を含む。磁石部204Bは、取り付けブラケット(明確にするため図示せず)を用いて、第2のフロー導管103Bに結合することができる。取り付けブラケットは、溶接、ろう付け、接合などの周知の技術に従って、フロー導管103Bに結合されうる。
【0034】
コイル部204Aは、取り付けブラケット(明確にするために図示せず)を用いて、第1のフロー導管103Aに結合することができる。取り付けブラケットは、溶接、ろう付け、接合などの周知の技術に従って、フロー導管103Aに結合されうる。
【0035】
コイル部204Aは、また、コイルボビン220を備える。コイルボビン220は、磁石211の少なくとも一部を受容するための磁石受け部220’を含むことができる。コイルボビン220は、コイル222を備える。コイルボビン220は、固定具によって取り付ブラケット210に固定することができる。
【0036】
図3は、一実施形態に係るトランスデューサアセンブリ300の磁石部301を示す(断面図として
図5に示される)。コイルボビン305にはブラケット303が取り付けられている。ブラケット303は、機械的固定具、接着剤、溶接/ろう付け、又は当技術分野で知られている他の方法によって、コイルボビン305に結合することができる。コイルボビン305をブラケット303に結合するために使用される特定の方法は、本実施形態の範囲を決して限定するものではない。一実施形態では、ブラケット303及びコイルボビン305は、同じ材料片から形成される。ブラケット303及びコイルボビン305の形成は、機械加工、鋳造/成形、3D印刷又は同様の積層造形法によって行うことができる。
【0037】
コイルボビン305は、プラスチック、セラミック、ポリマー、又はその他の非磁性体でありうる。一実施形態では、コイルボビン305は、鉄材料から作成されてもよい。フラックスリング307は、コイルボビン305の一部を取り囲みうる。また、フラックスリング307は、コイルボビン305に巻かれたコイル309(
図5参照)の一部又は全部を取り囲みうる。フラックスリング307は、炭素鋼又は別のミューメタルから形成することができ、システム内の個々のワイヤに関連する電界を分離するのに役立つ。磁極片311は、コイルボビン305の内径に結合され、コイルボビン305と共に動き、したがって磁気回路の一部を形成する。磁石313は、磁極片311に結合され、磁極片311/ボビン305と共に動き、磁気回路の一部を形成する。
【0038】
磁極の軸方向位置は、コイルと磁極の結合を最大化するように最適化され、ボビンハブの厚さは、コイルと磁極の結合を最大化するように最小化される。これらの最適化を達成するための正確な寸法は、当業者であれば理解できるように、アセンブリのサイズ、ボビンのサイズ、コイルの巻き数、磁石の強さ、トランスデューサのスローなどによって異なる。
【0039】
図4及び
図5は、トランスデューサアセンブリ300(
図5に示される)の保持部401を示す。保持板402は、ブラケット403に結合される。ブラケット403は、機械的固定具、接着剤、溶接/ろう付け、又は当技術分野で知られている他の方法によって、保持板402に結合することができる。保持板402をブラケット403に結合するために使用される特定の方法は、決して本実施形態の範囲を限定するものではない。
【0040】
このように、提案されるトランスデューサアセンブリ300の実質的にすべての構成要素が単一の側面/ブラケット上に配置されるので、これは従来技術のトランスデューサからの大きな脱却であることが理解されよう。すなわち、コイル309/コイルボビン305と磁気的に相互作用する磁石313及び磁極片311は、同じブラケット303上に位置するだけでなく、互いに対して所定の位置に固定される。
【0041】
一実施形態では、磁石313は永久磁石であるが、電磁石も考えられる。提案された発明における磁石は、隣接する構成要素を介して磁気回路を形成し、保持板402を引き付ける。コイル309を通る振動電流は、保持板402への力を増加/減少させ、それを振動させる。トランスデューサアセンブリ300は、ドライバ及びピックオフセンサの両方として使用できるように構成される。トランスデューサ回路は、従来技術と同じように機械的に動作するが、磁石/保持板のギャップに比例する電圧を出力する。したがって、本発明は、既存のドライバ回路及びピックオフ回路と同様に動作するが、コイル/保持器の位置決め問題、位置ずれ及び横方向移動の原因に関連する上述の問題を排除する。
【0042】
トランスデューサアセンブリ300は、一般に、二重のフロー導管センサアセンブリに結合され、他の実施形態では、部分303、403のうちの一つは、例えば、固定要素、ダミー管、バランスバー、又はケース要素に結合されてもよい。組み合わされたトランスデューサアセンブリ300が、単一のフロー導管センサアセンブリで利用される場合に、この状況になりうる。
【0043】
明確さのために図示されていないが、メータ電子機器20は、
図1に示されるワイヤ110と同様のワイヤリードと通信することができることを理解されたい。したがって、メータ電子機器20と電気に通信するとき、トランスデューサアセンブリ300には、磁石部301と保持部401との間に動きを生成するために、駆動信号が供給されうる。同様に、トランスデューサアセンブリ300は、
図1に示されるワイヤリード線111、111’のうちの一つと同様のワイヤリード線を用いて、メータ電子機器20と通信することができる。したがって、メータ電子機器と電気通信するとき、トランスデューサアセンブリ300は、磁石部301と保持部401との間の動きを感知することができる。
【0044】
図1に示すような振動計は、トランスデューサアセンブリ300を備えることができる。振動計は、コリオリ流量計又は他の振動計を含んでもよい。振動計は、流動又は静止している可能性がある流体を受け入れることができる。流体は、気体、液体、浮遊粒子を含む気体、浮遊粒子を含む液体、多相流体、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0045】
上記の詳細な説明は、本発明者らが本説明の範囲内であると考える全ての網羅的な説明ではない。実際に、当業者であれば、上記の実施形態の特定の構成要素を様々に組み合わせて又は排除して、さらなる実施形態を作成することができ、そのようなさらなる実施形態は、本明細書の範囲及び教示の範囲内に入ることを認識するであろう。また、上記の実施形態を全体的又は部分的に組み合わせて、本明細書の範囲及び教示の範囲内で追加の実施形態を作成できることも、当業者には明らかであろう。
【0046】
したがって、特定の実施形態は、例示の目的で本明細書に記載されているが、当業者であれば認識するように、本明細書の範囲内で様々な同等の変更が可能である。本明細書で提供される教示は、上述され、添付の図面に示されるものだけではなく、他の流体メータに適用することができる。したがって、実施形態の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。
【国際調査報告】