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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】旋回式結合要素付きジッパ
(51)【国際特許分類】
   A44B 19/06 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
A44B19/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507668
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(85)【翻訳文提出日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 EP2021071014
(87)【国際公開番号】W WO2022028953
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】102020000018994
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523037358
【氏名又は名称】マクリー、ジャコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクリー、ジャコモ
【テーマコード(参考)】
3B098
【Fターム(参考)】
3B098AB01
3B098AB07
3B098AB08
3B098BA01
3B098BA05
(57)【要約】
本発明は、一対のウェビング(29;38)を備えるジッパであって、各ウェビングは、その側縁部に、ウェビングと接合する部分に対面する一連の結合要素または歯(5;12)を有し、これらの結合要素(5;12)の各々は、結合要素(5;12)とウェビング(29;38)との間に配置された支持体によって、その中心の垂直な軸の周囲で旋回することが可能であり、結合要素(5;12)は支持体と係合し、後者はウェビング(29;38)と係合しており、上記支持体が、シリンダ(30)、またはウェビング(29)の両側に鏡面状に配置された2つの半円筒(18、19)で構成されることを特徴とするジッパを説明する。
【選択図】 図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のウェビング(29;38)を備えるジッパであって、各ウェビングは、その側縁部に、前記ウェビングと接合する部分に対面する一連の結合要素または歯(5;12)を有し、これらの結合要素(5;12)の各々は、前記結合要素(5;12)と前記ウェビング(29;38)との間に配置された支持体によって、その中心の垂直な軸の周囲で旋回することが可能であり、前記結合要素(5;12)は前記支持体と係合し、後者は前記ウェビング(29;38)と係合しており、
前記支持体が、シリンダ(30)、または前記ウェビング(38;29)の両側に鏡面状に配置された2つの半円筒(18,19)で構成されることを特徴とする、ジッパ。
【請求項2】
前記半円筒(18,19)は、それらを左右に横断する孔(27,28)を有し、前記半円筒に存在する前記孔(27,28)を通過して中間で前記ウェビングの布地を貫通するピン(24)によって互いに、また前記ウェビング(29)自体に強固に接合されることを特徴とする、請求項1に記載のジッパ。
【請求項3】
前記半円筒(18,19)は、前記半円筒の長手方向の面に垂直に、それらの水平面または上面および下面に位置する2対の同一トラック(20,21)および(22,23)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のジッパ。
【請求項4】
前記結合要素(5)は、前記半円筒のトラック(20,21,22,23)内を摺動するのに適した4つの突起(8,9,10,11)を内側部分に有するL字形の一対の脚部(6,7)を有することを特徴とする、請求項3に記載のジッパ。
【請求項5】
前記結合要素(5)の各脚部(6,7)の前記「L」字の水平部に位置する前記突起のうちの2つ(8,9)を有し、他の2つの前記突起(10,11)は、後者の前方で、前記結合要素の頭部の下に鏡面状に位置することを特徴とする、請求項4に記載のジッパ。
【請求項6】
前記結合要素(5)の前記脚部(6,7)の水平部に位置する前記突起は、前記半円筒(18、19)の前記下側のトラック(22,23)に挿入され、鏡面状に配置された前記突起(10,11)は、前記半円筒(18,19)の前記上側のトラック(20,21)に挿入されることを特徴とする、請求項3~5の1項に記載のジッパ。
【請求項7】
前記シリンダ(30)は、前記下側の基部の直径全長を横断する、前記中心の軸に沿った垂直なスロット(37)を有することを特徴とする、請求項1に記載のジッパ。
【請求項8】
前記ウェビング(38)の前記縁部は、前記スロット(37)に挿入され、その壁は節部(36)を有し、各シリンダ(30)は、圧縮によって前記布地に強固に固定されることを特徴とする、請求項7に記載のジッパ。
【請求項9】
各シリンダ(30)は、下側の基部として2つのルネット(32,33)を有し、そこに、2つの同一かつ鏡面状のトラック(34,35)が、前記シリンダの前記長手方向の面に垂直に配置されることを特徴とする、請求項7または8に記載のジッパ。
【請求項10】
各シリンダ(30)は、前記上側の基部の中央に孔(31)を有することを特徴とする、請求項7~9の1項に記載のジッパ。
【請求項11】
前記結合要素(12)は、前記トラック(34,35)内および前記シリンダ(30)の前記孔(31)内を摺動するのに適した3つの突起(15,16,17)を内側部分に有する一対の「L」字形の脚部(13,14)を有することを特徴とする、請求項7~10の1項に記載のジッパ。
【請求項12】
前記結合要素(12)の前記脚部(13,14)の前記「L」字の水平部に位置する前記突起のうちの2つ(15,16)を有し、他の前記突起(17)は、後者の前方で、前記結合要素(12)の頭部の下、その内側の溝の水平線の丁度中心に位置することを特徴とする、請求項11に記載のジッパ。
【請求項13】
前記結合要素(12)の前記下側の突起(15,16)は、前記シリンダの前記トラック(34,35)に挿入され、前記結合要素(12)の前記上側の突起(17)は、前記シリンダ(30)自体の前記上側の基部に存在する前記孔(31)に挿入されることを特徴とする、請求項7~12のいずれか1項に記載のジッパ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のジッパの要素を形成するために、一対の半円筒(18、19)またはシリンダ(30)によって形成されたそれぞれの支持体により、一対のウェビング(29;38)に取り付けられるように構成された旋回式の結合要素(5;12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単に非限定的な例として、たとえばスーツケース、鞄、衣類、および履物などの様々な物品を開閉するために使用可能な可撓性ジッパに関する。
より具体的には、本発明は、旋回式の歯、すなわち物品が必要とする開閉ラインの湾曲にジッパが追従することを可能にするようにそれ自体が回転することが可能な歯が設けられたジッパに関する。
歯の回転は、特に非常に小さな曲率半径を有する湾曲するスロットが存在する場合に、ジッパの機能性を最適化することを可能にする。
【背景技術】
【0002】
周知のように、ジッパは特に、
ウェビング、
歯、
タブ付きのスライダ、
という3つの要素で構成される。
【0003】
具体的には、ジッパは、平坦な位置に配置された一対のウェビングで構成される。一般に布製である2つのウェビングは、その内縁に沿って、歯と呼ばれる一連の結合要素を有することを特徴とする。歯は、一方が他方に対して等距離かつ平行にウェビングに固定および定着される。
【0004】
添付図面の図1~4を参照すると、上記結合要素は、典型的なU字形の正面形状を有し、詳しくは、以下が識別され得る。
頭部と呼ばれる連結端1、
歯がウェビングに掛かる部分にある定着端2、
上記2つの間にあり、伸長することによって歯の内側の溝を画定する中間部3、4。
【0005】
中間部および定着端によって形成される歯の脚部は、ウェビングに取り付けられ、留め付けられる。具体的には、ウェビングの縁部は歯の溝内に位置し、そこに脚部材が留め付けられる。
【0006】
結合要素を備えるウェビングは、テープと呼ばれる。
【0007】
スライダは、2つのウェビングに定着された歯を相互にかみ合わせることによってジッパの開閉を可能にするジッパの摺動部である。上記スライダは、ウェビングの一連の歯が一方のトラックおよび他方のトラックを摺動するY字形の隙間を形成するくさびで分離される互いに平行な2つのプレートで構成される。要するに、このくさびは、スライダが一方または他方の方向に摺動する間に歯がかみ合う、または開くことを可能にするような角度を有する経路を形成する。スライダをテープに沿って一方向に引っ張ることにより、結合要素は互いにかみ合わされ、反対方向に引っ張ることにより、後者は分離する。スライダの作用によって互いに掛かり合ったテープがチェーンを形成する。
【0008】
現在の技術では、ジッパは主に、直線的なレイアウトでウェビングの平面上に製造される。
【0009】
この意味するところは、現在の技術で知られているジッパの大半は、物品のスロットが直線部分として構成され、ウェビングと同じ平面上にある場合のみ、物品のスロットの開閉を可能にするということである。
【0010】
しかしながら、たとえばスーツケース、鞄、または衣類などの場合のように、多くの物品に存在するスロットは、直線部分がウェビングの平面に対して可変の平面上を移動する湾曲したジッパを必要とすることが多い。
【0011】
そのため、ジッパの湾曲の問題は、この分野の専門家の間で既に生じており、様々な解決策が導かれている。
【0012】
しかしながら、提示されている技術は主に、ウェビングが必要な開閉ラインの湾曲に追従する能力に影響を及ぼすものであり、歯を定着しかみ合わせる機構は変更されていない。
【0013】
実際、ジッパの湾曲は、ウェビングの収縮または拡張する能力によって基本的に許容されるので、ウェビングに固定的に定着された歯は、結果的に、それらが不動に固定されたウェビングの拡張に追従する。
【0014】
一方、他の技術は歯に注目し、この目的のために、特殊な連動機構および相関的な摺動スライダを有する特定の型が作成された(たとえばEP2705768を参照)。
【0015】
しかし、提示された解決策には限界および欠点がある。
【0016】
いずれの場合も、実際、曲率半径のサイズを小さくすることはできない。その理由は、スロットの曲率半径が小さいほど、ウェビングの凹型折り目に生じる布地の余剰が大きくなり、見栄えの悪い折り目や皺が形成されるためである。凸部では、布地が不足するという逆の問題があり、剛性により、ウェビングの伸張を許容できない。
【0017】
そのような問題は、縁部のカットによってスロットに完全に適合する湾曲ラインを有することにより、一方では余分な布地の削除、他方では布地のより大きな拡張および膨張を可能にする上流側のウェビングを製造することによって、ある程度解決されてきた。
【0018】
この解決策の限界は、ジッパがユーザによって最初に要求された曲率半径で製造されなければならず、他のスロットに適合不可能であるという点にある。
【0019】
歯の形状を含む技術的解決策において、曲率半径の範囲は、歯自体の形状によって更に制限される。実際、歯間の相互的なかみ合いの不安定なシステムの点から、後者は大きな範囲で動くことができず、他の点ではジッパ自体が保持されない。
【0020】
第2に、現在の技術で知られているジッパは、水平位置および垂直位置の両方で使用可能であるが、その機能は、ウェビング自体の平面上でのみ明確である。同様に、上述した技術によって許容されるジッパの可能な曲率線が求められ得るのは、ウェビングの平面のみである。
【0021】
具体的には、ウェビングに不動に固定されている歯は、単にウェビング自体の湾曲に影響を受け、動いている錯覚を与える。実際には、歯はウェビングに定着されて不動のままであり、後者のみが、湾曲することによって、適切なV字形の動きで曲率半径自体に従って歯を互いに離れさせる。
【0022】
しかしながら、上述した解決策は、スロットの平面が湾曲している場合のジッパの湾曲の問題に対処するものではない。例として、車輪付き旅行鞄や同様の物品の角部が考えられる。
【0023】
これらの場合、ジッパに耐性を与えるために、歯のかみ合いの寸法は必然的に大きくなり、その結果、見栄えが良くない。加えて、湾曲部に配置された歯によって生じる摩擦により、スライダの動作が妨げられ、遅くなる。これは、歯がウェビング上で静止しているために生じる。
【0024】
US2193870は、一方の側に凹部を有し、他方の側に自由に回転可能な球状要素を有する一連の歯によって形成されたジッパを説明する。1つの歯の球状要素が隣接する歯の凹部と結合することにより、特定の曲率を有する表面上で使用可能なジッパを形成する。しかしながら、この解決策もまた、歯が必然的に互いに非常に近い距離にあるという予め定められた構成を必要とする点で不便である。
【発明の概要】
【0025】
したがって、本発明の目的は、上記で開示した欠点を克服することが可能なジッパを提供することである。
【0026】
より具体的には、本発明の目的は、ジッパが適用される物品が必要とする開閉ラインの特定の曲率にジッパが追従することを可能にするために、それ自体で回転することが可能な歯を有するジッパを提供することである。
【0027】
これらの目的および他の目的は、添付の独立請求項1に記載の特徴を有する、本発明に係る旋回式の接合要素を有するジッパによって実現される。
【0028】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項によって開示される。
【0029】
実質的には、本発明は、一対のウェビングを備えるジッパを説明するものであり、各ウェビングは、その側縁部に、ウェビングと接合する部分に対面する一連の結合要素または歯を有し、これらの結合要素の各々は、結合要素とウェビングとの間に配置された支持体によって、その中心の垂直な軸の周囲で旋回することが可能であり、結合要素は支持体と係合し、後者はウェビングと係合し、上記支持体は、シリンダ、またはウェビングの両側に鏡面状に配置された2つの半円筒で構成される。
【0030】
本発明の発明範囲は、以下で詳しく説明するものに加えて、異なる平面にも存在する、物品の任意の種類のスロットを最適な方法で閉じることが可能なジッパを生み出したことにある。
【0031】
これは、インテリジェントな旋回式の歯、すなわち、その中心の垂直な軸の周囲を自ら回転することが可能であり、その動きがウェビングの平面に対して横方向である歯によって可能になる。
【0032】
具体的には、本発明の発明範囲は、布または他の任意の種類の材料で作られ得るウェビングと、既知の機能機構を有するスライダとの両方を、現在市販されているジッパに対して変更せず、歯のみに関するものである。
【0033】
したがって、非常に小さな半径を有し得る、物品に存在するスロットの湾曲を追従するこのジッパの能力は、変更されないウェビングの収縮/拡張や、特定のスライダの作用によって互いにかみ合う特殊な歯の構造によるものではなく、必要時、必要に応じて必要な曲率線を自然に追従する各歯の回転に由来する。
【0034】
上述した事情により、本発明は、必要な開閉の種類にかかわらず、任意の物品で使用可能である点で、極めて機能的かつ柔軟性が高い。
【0035】
本発明の主題を形成するジッパは、直線のみ、曲線のみ、または混合スロット、すなわち直線および曲線の両方を閉じるために使用可能である。実際、各歯の自律的かつ独立的な可動性により、後者は、必要時のみ、すなわち製品を閉じるラインが湾曲を必要とする場合のみ、自ら回転する。
【0036】
また後者の場合、現在市販されているジッパとは異なり、ジッパチェーン上でのスライダの摺動は滑らかであり、スライダは、詰まりや引っ掛かりなく摺動する。またジッパは耐性が高く、審美性も高い。
【0037】
単に例として、鞄および/または旅行鞄の製品分野が考慮され得る。そのような物品は全て、非常に大きな歯を有するジッパを有し、特に旅行鞄、車輪付き旅行鞄などでは、物品自体によって課される湾曲で閉じることが困難である。
【0038】
本発明の発明範囲は、この分野の当業者によって容易に理解される。本発明の主題を形成するジッパは、実際、物品の湾曲に自然に追従することが可能であり、より小さな噛合歯の場合にも極めて高い耐性が可能である。
【0039】
また、歯の回転により、ウェビングのラインがスロットのラインと完全に合致しない場合に現在起こり得る欠点である、ウェビングの表面に見栄えの悪い皺や凸凹が生じることが防がれる。
【0040】
さらに、本発明は、他の点でも極めて機能的であることが判明している。
【0041】
更なる特定の技術が必要ではない点で、本発明は、市販のウェビングまたは一般的なジッパスライダに容易に適合可能であり、容易に製造され得る。
【0042】
後者は、ジッパの構成が主な機能要素において変更されていない点に関して、本発明と共に便利に使用され得る。
【0043】
特に、歯のチェーン上でスライダを摺動させる機構は変更されておらず、歯の相互的なかみ合いに対して機能する典型的な構成も変更されていない。
【0044】
実際に明らかなように、歯の間の相互的なかみ合いのシステムに対して機能する歯の頭部は、現在市販されているジッパから変更されていない(図1の1、図5の5、図9の12)。
【0045】
具体的には、本発明の発明範囲は、歯の2つの脚部(図5の6および7、図9の13および14)と、後者をウェビングに定着する機構(図14および図29)とに関する。
【0046】
実際、歯はウェビングに直接掛かるのではなく、布地に直接固定されている特定の支持体とかみ合う。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明の更なる特徴は、添付図面に示された、単に例示的であることにより非限定的である実施形態を参照し、以下の詳細な説明によってより明確になる。
図1図1は、先行技術の歯の正面図を表す。
図2図2は、先行技術の歯の正面斜視図を表す。
図3図3は、先行技術の歯の側面図を表す。
図4図4は、先行技術の歯の背面斜視図を表す。
図5図5は、第1の実施形態に係る歯の正面斜視図を表す。
図6図6は、第1の実施形態に係る歯の正面斜視図を表す。
図7図7は、第1の実施形態に係る歯の側面図を表す。
図8図8は、第1の実施形態に係る歯の背面斜視図を表す。
図9図9は、第2の実施形態に係る歯の正面図を表す。
図10図10は、第2の実施形態に係る歯の正面斜視図を表す。
図11図11は、第2の実施形態に係る歯の側面図を表す。
図12図12は、第2の実施形態に係る歯の背面斜視図を表す。
図13図13は、第1の実施形態に係る歯の正面図を表す。
図14図14は、第1の実施形態に係る歯の支持体の斜視図を表す。
図15図15は、第1の実施形態に係る本発明の主題である歯の全体斜視図を表す。
図16図16は、第1の実施形態に係るピンを有する歯の支持体の上方からの図を表す。
図17図17は、第1の実施形態に係るピンを有する歯の支持体の下方からの図を表す。
図18図18は、第1の実施形態に係る歯の支持体の第1の半円筒の内側斜視図を表す。
図19図19は、第1の実施形態に係る歯の支持体の第2の半円筒の内側斜視図を表す。
図20図20は、第1の実施形態に係る歯の支持体の第1の半円筒の外側斜視図を表す。
図21図21は、第1の実施形態に係る歯の支持体の第2の半円筒の外側斜視図を表す。
図22図22は、第1の実施形態に係る歯の支持体の斜視図を表す。
図23図23は、第1の実施形態に係る歯の支持体の上方斜視図を表す。
図24図24は、第1の実施形態に係る、歯の一連の支持体が布地に打ち込まれたウェビングの斜視図を表す。
図25図25は、第1の実施形態に係る本発明の主題を形成する一連の歯を有するテープの長手方向の図を表す。
図26図26は、第1の実施形態に係る本発明の主題を形成する一連の歯を有するテープの長手方向の斜視図を表す。
図27図27は、第1の実施形態に係る本発明の主題を形成するジッパと、スライダとの斜視図を表す。
図28図28は、第2の実施形態に係る歯の正面図を表す。
図29図29は、第2の実施形態に係る歯の支持体の斜視図を表す。
図30図30は、第2の実施形態に係る本発明の主題を形成する歯の全体斜視図を表す。
図31図31は、第2の実施形態に係る歯の支持体の上方からの図を表す。
図32図32は、第2の実施形態に係る歯の支持体の下方からの図を表す。
図33図33は、第2の実施形態に係る歯の支持体の側面図を表す。
図34図34は、第2の実施形態に係る歯の支持体の長手方向の斜視図を表す。
図35図35は、第2の実施形態に係る歯の支持体の下部の斜視図を表す。
図36図36は、第2の実施形態に係るウェビングに固定された歯の長手方向の斜視図を表す。
図37図37は、第2の実施形態に係る、歯の一連の支持体が布地に取り付けられたウェビングの斜視図を表す。
図38図38は、第2の実施形態に係る本発明の主題を形成する一連の歯を有するテープの長手方向の図を表す。
図39図39は、第2の実施形態に係る本発明の主題を形成する一連の歯を有するテープの長手方向の斜視図を表す。
図40図40は、第2の実施形態に係る本発明の主題を形成するジッパと、スライダとの斜視図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、2つの可能な実装モードに従って説明されるが、いずれの場合も、その実施形態を限定するものではない。
本発明は、実際には、上述した本発明の範囲内で実行/実装における変化を経ることが可能である。上記で明確に示すように、本発明の核心は、歯がその中心の垂直な軸の周囲で旋回する能力に関する。この動きは、歯とウェビングとの間に配置され、歯の回転を可能にするような構造を有する特定の支持体によって可能になる。
【0049】
第1の実施形態
図5~8および図13~27に表される本発明の第1の実施形態によると、結合要素または歯5は、左右に横断するそれぞれの孔27および28が設けられた2つの半円筒18および19によって構成される特定の支持体に挿入される。
【0050】
各半円筒18,19は、垂直部25および26がストリップ状の布地に隣接するように、ウェビング29の両側の面に配置される。その後、2つの半円筒18および19は、孔27および28を通過して中間でウェビング29自体を貫通することによりそれらを横断するピン24によって、互いに、またウェビング29に接合される。このように、半円筒18および19は布地に強固に固定され、互いに結合されて「小さな円筒」を形成する。
【0051】
これらの円筒は、本発明の主題を形成するジッパのウェビング上の固定点を形成し、ウェビング29上に互いに等距離に、または等距離ではなく取り付けられ得る(図24)。
【0052】
2つの半円筒は、最終的に、半円筒の長手方向の面に対し垂直に、それらの水平面、または上面および下面に配置された2対の同一トラック20,21および22,23を備える。
【0053】
様々な図に示す歯5は、「L」字形の2つの脚部6および7を有することを特徴とする。
【0054】
その内側の中央部には、非限定的な例として卵形に描かれた4つの突起8,9,10,11が存在する。
【0055】
より具体的には、これらの突起のうちの2つ8および9は、歯の脚部の「L」の水平部に配置される。他の2つの突起10および11は、これらの前方で、歯の頭部の下に鏡面状に配置される。
【0056】
上述した突起の各々は、主に、上述した半円筒のそれぞれのトラックに嵌合するように設計される。
【0057】
より具体的には、下側の突起8および9は下側のトラック22および23に挿入され、上側の突起10および11は上側のトラック20および21に挿入される。
【0058】
本発明の主題を形成する相関的な支持体に結合された歯5の最終的な全体構成は、図15に示される。
【0059】
歯5の回転機構は自発的であり、その突起が、2つの半円筒18および19のトラックに沿って一方向または他方向に摺動するので、その回転は、歯の垂直な中心の軸を中心とする。図25は、半円筒18および19によって形成された支持体によって布製ウェビング29に付けられた一連の歯5の概略図である。
【0060】
したがって、本発明の主題は、ウェビングに安定的に打ち込まれた固定部、すなわち2つの半円筒18および19と、半円筒18および19のトラック20,21,22,23に沿った突起8,9,10,11の摺動によって行き来する可動および旋回部、すなわち適切な歯5とを有する。
【0061】
したがって、本発明の主題を形成するジッパのチェーンは、上述したように、相関的な支持体を有する一連の歯によって構成される(図26)。
【0062】
本発明の実用性は、ジッパが挿入される物品のスロットが湾曲している場合に顕著である(図27)。スライダの作用によって応力を受けた歯の内部突起は、半円筒のトラック内を自動的に摺動し、物品の自然で最適かつ耐性および審美性の高い閉鎖を可能にする。
【0063】
第2の実施形態
図9~12および図28~40に示される本発明の第2の実施形態に関して、歯12は、この場合シリンダ30によって構成された特定の支持体と連動する。
【0064】
上記シリンダ30は、一方の端部から他方の端部まで、したがって下側の基部の直径全長を横断する、必要に応じて異なる高さおよび幅の、中心の軸に沿った垂直なスロット37を有する。
【0065】
シリンダ30の垂直なスロット37は、支持体の下側の基部を、図32および図35により明確に示される2つの同一かつ鏡面的なルネット32および33に分割する。
【0066】
布製ウェビング38の縁部は、上述したスロットに挿入され(図36)、その壁には、布上でのシリンダ30の動きを妨げるように設計された節部36がある。その後、各シリンダは、圧縮によって布地に強固に固定される。
【0067】
既に説明した本発明の第1の実施形態と同様に、これらのシリンダは、ウェビング上のジッパの固定点を構成し、そこに、必ずではないが一般には互いに等距離に取り付けられる(図37)。
【0068】
各シリンダは、下側の基部として上述したルネット32および33を有し、そこに、2つの同一トラック34および35がシリンダの長手方向の面に垂直に配置されていることを特徴とする。
【0069】
上述したシリンダ30の上側の基部の中心には、任意の種類のサイズおよび形状の孔31が設けられており、単に非限定的な例として卵形で表される(図31)。
【0070】
上記孔は、後述するように、歯12の上側の内部の突起17に連動するという主な役割を有する。
【0071】
この実施形態に係る歯12(図28)は、2つのL字形の脚部13および14を有することを特徴とする。
【0072】
3つの突起15,16および17は、非限定的な例として卵形で示される内側中央部が突出している。
【0073】
より具体的には、2つの突起15および16は、歯の脚部の「L」の水平部に位置する。第3の突起17は、これらの前方で、歯12の頭部の下、歯自体の内側の溝の水平線の丁度中心に位置する。
【0074】
上述したように、上側の突起17は、シリンダ30の上側の基部の孔31に挿入される。下側の突起15および16は、シリンダの下側の基部のルネットに位置するそれぞれのトラック34、35に挿入される。
【0075】
本発明の主題を形成する相関的な支持体に結合された歯の最終的な全体構成は、図30に示される。
【0076】
歯の回転機構は自発的であり、その下側の突起が、シリンダの下側の基部のトラックに沿って一方向または他方向に摺動することにより、その回転は、歯の中心の垂直な軸を中心とする。
【0077】
この軸に沿って、支持体の上側の基部の孔に挿入される歯の上側の突起は、歯を事前に確立された位置に保持し、歯が一方の側または他方の側へ摺動することを防ぐ。
【0078】
したがって、本発明の主題は、ウェビング38に安定的に固定された部分、すなわちシリンダ30と、支持体のトラックに沿った突起の摺動によって行き来する可動および旋回部、すなわち歯12とを有する。
【0079】
したがって、本発明の主題を形成するジッパのチェーンは、上述したように相関的な支持体を有する一連の歯によって構成される(図39および図40)。
【0080】
本発明の実用性は、第1の実施形態に関して既に説明したものと同じである。
【0081】
当然ながら、本発明は、上述した、添付図面に示す特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲自体から逸脱することなく、当業者の手の届く範囲で数々の詳細な変更が加えられてもよい。
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【国際調査報告】