(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】冷却感覚組成物
(51)【国際特許分類】
C09K 3/00 20060101AFI20230823BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20230823BHJP
C07D 401/04 20060101ALI20230823BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20230823BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20230823BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230823BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20230823BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20230823BHJP
C07D 317/20 20060101ALI20230823BHJP
A23L 27/00 20160101ALI20230823BHJP
A23L 27/20 20160101ALI20230823BHJP
【FI】
C09K3/00 B
A61K8/49
C07D401/04
A61K8/365
A61K8/37
A61K8/34
A61Q13/00 100
A61Q13/00 101
A61Q11/00
C07D317/20
A23L27/00 C
A23L27/20 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507673
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2021071109
(87)【国際公開番号】W WO2022028976
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】バーソロミュー,トレイシー
(72)【発明者】
【氏名】佐治 徳一
(72)【発明者】
【氏名】コキート アルマニノ,ニコラス
【テーマコード(参考)】
4B047
4C063
4C083
【Fターム(参考)】
4B047LB08
4B047LB09
4B047LF07
4B047LF09
4B047LG06
4B047LG07
4B047LG08
4B047LG10
4B047LG14
4B047LG20
4C063AA01
4C063BB01
4C063CC25
4C063DD10
4C063EE10
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC301
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4C083AC341
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4C083AC841
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4C083AC851
4C083AC852
4C083CC41
4C083DD23
4C083EE01
4C083EE03
4C083EE06
4C083KK01
4C083KK02
(57)【要約】
少なくとも1の冷却化合物および溶媒を含む組成物、ならびに該組成物のフレーバーまたはフレグランス組成物における使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、以下:
a)式(I)
【化1】
式中、
Rは、1のS原子を任意に含む、C
3~C
7の分枝状アルキルまたはアルケニルであり、および
R
1は、CH
3、FおよびClからなる群から独立して選択される1または2または3の置換基によって任意に置換され;およびEt、ビニル、CN、NO
2、メトキシおよびCF
3からなる群から選択される1のさらなる置換基によって任意に置換される、フェニルである、
で表される化合物;ならびに
b)乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、および乳酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1の溶媒、
を含む、前記組成物。
【請求項2】
式(I)で表される化合物が、式(II)
【化2】
式中、Rは、1のS原子を任意に含む、C
3~C
7の分枝状アルキルまたはアルケニルである、
によって示される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分(a)対溶媒(b)の重量比が、1:20~1:1である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が、液体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
式(I)で表される冷却化合物が、2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オン、2-(メチルチオ)-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)プロパン-1-オン、2-メチル-2-(メチルチオ)-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)プロパン-1-オン、または2,2-ジメチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタ-3-エン-1-オン、またはそれらの混合物である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
溶媒(b)が、乳酸である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
組成物が、組成物の総重量に対して、少なくとも3重量%の少なくとも1の式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
全混合物に対して、(a)3~50重量%の2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オン、および(b)50~97重量%の乳酸を含む、本質的にからなる、またはからなる、ただし、(a)および(b)は合計100重量%になる、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項において定義されるとおりの組成物を含み、フレーバーおよびフレグランスからなる群から選択される少なくとも1の活性剤をさらに含み、ならびに任意に甘味剤を含む、フレグランス配合物またはフレーバー配合物。
【請求項10】
製品ベースおよび冷却効果を提供する割合の請求項1に記載の組成物、または請求項9に記載の配合物を含む、フレグランス付製品またはフレーバー付製品。
【請求項11】
請求項1において定義されるとおりの少なくとも1の冷却化合物(a)をフレグランス付製品またはフレーバー付製品に組み込む方法であって、(a)少なくとも1の式(I)で表される冷却化合物を乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、および乳酸、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1の溶媒とブレンドすること、ならびにその結果得られる組成物の製品への添加を含む、前記方法。
【請求項12】
皮膚または粘膜に対する冷却感覚を製品に提供する方法であって、冷却効果を提供する割合の請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物の製品ベースへの添加を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、組成物に、ならびにとくに本明細書にさらに定義されるとおりの少なくとも1の冷却化合物および溶媒を含む溶液に、ならびに該組成物のフレーバーまたはフレグランス組成物における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
冷却感覚を提供する化合物は、清涼感および清潔感との関連性を生み出すために、フレーバーおよびフレグランス産業において長年重要な役割を担ってきた。冷却化合物は、様々な製品、例えば、食材、タバコ製品、飲料、歯磨き剤、マウスウォッシュ、歯磨き粉、および洗面用具などにおいて幅広く使用される。提供される冷却感覚は、消費者向製品の訴求性および受容性に寄与した。とりわけ、オーラルケア製品、例えば、歯磨き剤およびマウスウォッシュなどは、それらが呼吸清涼化効果および口中における清潔感、冷却感、清涼感を提供するため、冷却剤が配合される。
【0003】
合成的な冷却化合物の最も新しい生成は低濃度にて極めて有効であるが、残念ながらそれらの多くは室温にて結晶固体であり、使用に問題がある。第1に、固体を、液体またはペースト状形態であり得る消費者製品に混合することは、必ずしも便利または容易であるとは限らない。第2に、粉末状成分は、それに関連する粉塵災害を回避するように、取り扱われなければならない。
結果的に、さらなる製剤化操作において使用するのに容易な形態における、および保管の長期間その形態において安定したままである冷却化合物を提供する必要性が残っている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の概要
本発明の第1の側面に従って、組成物であって、以下:
(a)式(I)
【化1】
式中、
Rは、1のS原子を任意に含む、C
3~C
7の分枝状アルキルまたはアルケニルであり;およびR
1は、Me、FおよびClからなる群から独立して選択される1または2または3の置換基によって任意に置換され;およびEt、ビニル、CN、NO
2、メトキシおよびCF
3からなる群から選択される1のさらなる置換基によって任意に置換される、フェニルである、
で表される化合物;ならびに
(b)乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、および乳酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1の溶媒、
を含む、前記組成物が提供される。
ある態様において、溶媒は乳酸である。
【0005】
本発明の第2の側面に従って、本発明の第1の側面の組成物、ならびにフレーバーおよびフレグランスからなる群から選択される少なくとも1の活性剤を含み、ならびに任意に甘味剤を含む、フレグランス組成物またはフレーバー組成物が提供される。
【0006】
ある態様において、少なくとも1のフレーバー/フレグランスは、メントール、ハッカ油、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(WS-3)、N-(4-(シアノメチル)フェニル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサン-1-カルボキサミド(Evercool 180)、2-イソプロピル-5-メチル-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド(Evercool 190)、および乳酸メンチルを包含する、皮膚および/または粘膜に対する追加の冷却効果を提供する成分のリストから選択される。
【0007】
本発明の第3の側面に従って、本発明の第1の側面の組成物または本発明の第2の側面の組成物、および製品ベースを含む、フレグランス付製品またはフレーバー付製品が提供される。
ある態様において、製品は、食品製品、飲料、チューインガム、タバコおよびタバコ代替製品、デンタルケア製品を包含する、ヒトの皮膚および/または粘膜と接触する消費者向製品、リップケア製品、セクシュアルヘルスおよびインナーケア製品を包含するパーソナルケア製品から選択される。
【0008】
ある態様において、製品は、エアケア製品、例えば、エアーフレッシュナー、または、ホームスペース(部屋、冷蔵庫、戸棚、靴もしくは車)において、および/もしくは、公共空間(ホール、ホテル、モール等)において使用され得る「すぐに使える」粉末状エアーフレッシュナーなどから選択される。
冷却化合物は、フレーバーおよびフレグランス産業において、とりわけヒトの皮膚および/または粘膜と接触する消費者向製品において主に使用されるため、かかる製品における使用が認可された溶媒が具体的に好ましい。
【0009】
本発明のいずれの具体的な1以上の記述された側面に関連する詳細、例、および好ましいものは本明細書にさらに記載され、本発明のすべての観点に同等に適用するだろう。すべての可能な変形において、本明細書に記載される態様、例、および好ましいもののあらゆる組み合わせが、本明細書に指し示されない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、網羅される。
【0010】
詳細な記載
本発明は、少なくとも部分的に、式(I)
【化2】
式中、
Rは、1のS原子を任意に含む、C
3~C
7の分枝状アルキルまたはアルケニルであり;およびR
1は、CH
3、FおよびClからなる群から独立して選択される1または2または3の置換基によって任意に置換され;およびEt、ビニル、CN、NO
2、メトキシおよびCF
3からなる群から選択される1のさらなる置換基によって任意に置換される、フェニルである、
で表される冷却化合物が、乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、および乳酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される溶媒中により多い量において溶解するという驚くべき知見に基づく。
【0011】
非限定例は、式(I)で表される化合物であって、式中R1は、パラ位において、CH3、FおよびClからなる群から選択される1の置換基によって任意に置換され;およびEt、ビニル、CN、NO2、メトキシおよびCF3からなる群から選択される1のさらなる置換基によって任意に置換される、フェニルである。
【0012】
1の具体的な態様において、式(I)で表される化合物は、式(II)
【化3】
式中、Rは、1のS原子を任意に含む、C
3~C
7分枝状アルキルまたはアルケニルである、
によって示される。
よって、第1の側面において、式(I)で表される化合物と、乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、および乳酸、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1の溶媒とを含む組成物が提供される。
【0013】
本明細書に定義されるとおりの式(I)で表される化合物は、新規な冷却化合物として本出願人によって開発されてきた(それは、本出願人の特許出願であるPCT/CN2019/111690により詳細に記載される-これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる)。該化合物は、冷たさの感覚を誘導する、TRPM8(一過性受容器電位メラスタチンメンバー8、Trp-p8またはMCR1としても知られる)イオンチャネルを活性化することができる。
【0014】
本明細書に定義されるとおりの式(I)で表される化合物は、室温にて結晶固体であり、それはフレーバーおよびフレグランス産業において使用されるのに好適である一般的な溶媒に相対的に不溶性である。
出願人は、驚くべきことに、合成的な冷却化合物、とりわけ式(I)によって定義されるとおりの冷却化合物は、乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、および乳酸、またはそれらの混合物から選択される溶媒に具体的に十分に可溶性であることを見出した。
【0015】
「具体的に十分に可溶性である」は、本発明の文脈において、最大50重量%の式(I)で表される化合物を含む安定した溶液が調製され得ることを意味する。
かかる高度に濃縮された溶液の利点は、使用される溶媒の固有の匂いの寄与が最小化され得ることである。これは、かかる冷却化合物がフレーバーおよびフレグランス配合物と組み合わせて使用されるとき、具体的に重要である。液体の、例としてフレーバー/フレグランス配合物への混和は、より大きいエネルギーを要求するだろう固体を混和するよりも持続可能であるとみなされ得ることも注記する価値がある。
「安定した」は、本発明の文脈において、最大4週間、少なくとも室温(すなわち、約22℃)の温度にて保管されるとき、沈殿が観察されないことを意味する。
【0016】
よって、本発明のさらなる側面において、液体であって、以下:
(a)式(I)
【化4】
式中、
Rは、1のS原子を任意に含む、C
3~C
7の分枝状アルキルまたはアルケニルであり;および
R
1は、Me、FおよびClからなる群から独立して選択される1または2または3の置換基によって任意に置換され;およびEt、ビニル、CN、NO
2、メトキシおよびCF
3からなる群から選択される1のさらなる置換基によって任意に置換される、フェニルである、
で表される化合物;ならびに
(b)乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、および乳酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1の溶媒、
を含む、前記液体が提供される。
【0017】
非限定例は、式(I)で表される化合物であって、式中R1は、パラ位において、CH3、FおよびClからなる群から選択される1の置換基によって任意に置換され;およびEt、ビニル、CN、NO2、メトキシおよびCF3からなる群から選択される1のさらなる置換基によって任意に置換される、フェニルである。
【0018】
1の具体的な態様において、式(I)で表される化合物は、式(II)
【化5】
式中、Rは、1のS原子を任意に含む、C
3~C
7分枝状アルキルまたはアルケニルである、
によって示される。
【0019】
1の具体的な態様において、液体は、少なくとも3重量%(例として、3~50重量%(例として、4~45、5~40、15~35、または約20重量%)の式(I)で表される化合物(式(II)で表される化合物を網羅する)を含む。
さらなる具体的な態様において、(a)式(I)で表される化合物(式(II)で表される化合物を網羅する)と(b)乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、および乳酸、またはそれらの混合物から選択される溶媒とを含み、ここで、成分(a)対溶媒(b)の重量比が1:20~1:1である(1:18~1:2、例えば、1:4、1:3、または1:5を包含する)、液体組成物が提供される。
【0020】
1の具体的な態様において、乳酸(2-ヒドロキシプロパン酸)が単一の溶媒として使用される。
乳酸は、2つの鏡像異性体からなるキラルである。1つはl-(+)-乳酸または(S)-乳酸であり、およびもう一方は、その鏡像である、d-(-)-乳酸または(R)-乳酸である。等量における2つの混合物は、dl-乳酸、またはラセミ乳酸と呼ばれる。dl-乳酸は、水に混和性であり、およびほぼ17℃であるその融点を超えてエタノールに混和性である。乳酸は吸湿性であり、およびよって飲食料品業界においては、かなりの頻度で約85~90重量%の純度で使用される。L-乳酸は、食品および飲料(E270)中に補充され、および非揮発性の酸味料として幅広く使用される。この記載における用語「乳酸」の使用は、それらの純粋な形態における個々の鏡像異性体およびラセミ化合物のみならず、一般に85~90wt%純粋である乳酸の市販の形態も網羅する。
【0021】
50重量%またはさらに多い、本明細書の上記で定義されるとおりの式(I)で表される化合物(式(II)で表される化合物を網羅する)が乳酸において可溶性であるが、より低い濃度(例として、30重量%未満、例えば、25~15重量%など)を含む組成物がその結果得られる混合物の粘度に起因して好ましい。液体が粘性である程、投与するのが難しい。式(I)で表される化合物(式(II)で表される化合物を網羅する)の濃度を低減する代わりに、ヒーラブル混合ファシリティー(healable mixing facilities)が使用され得る。
乳酸は、市販のものであり、例としてBiochem BV (The Netherlands)、Prinova Europe LTDからのものである。
【0022】
別の具体的な態様において、乳酸塩(例として、乳酸ブチルまたは乳酸エチル、またはそれらの混合物)が溶媒として使用される。
別の具体的な態様において、溶媒(b)は、乳酸ブチル、イソプロピルアルコール、およびイソプロピリデングリセロール、またはそれらの混合物から選択される。
【0023】
式(I)で表される化合物(式(II)で表される化合物を網羅する)は数個のキラル中心を含み、およびかかるとおり立体異性体の混合物として存在し、またはそれらは異性体的に純粋な形態として分解され得る。分解する立体異性体はこれらの化合物の製造および精製の複雑さを増し、単に経済的理由のためにそれらの立体異性体の混合物として化合物を使用することが好ましい。しかしながら、個々の立体異性体を調製することが所望される場合、これは当該技術分野において知られている方法、例として分取HPLCおよびGC、結晶化または立体選択的合成に従って達成され得る。式(I)によって定義されるとおりの化合物(式(II)で表される化合物を網羅する)は、その互変異性体形態1H-イミダゾール-3H-イミダゾール形態において存在し得る。結果的に、本明細書に描かれる化学構造は、例示された化合物のすべての実行可能な立体異性体および互変異性体形態を網羅する。
【0024】
1の具体的な態様において、2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オン((2S)-2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンを包含する)と、乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、および乳酸、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1の溶媒とを含む、またはからなる、液体組成物が提供される。
【0025】
さらなる態様において、2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オン((2S)-2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンを包含する)と、乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、および乳酸、またはそれらの混合物から選択される1の溶媒とを含む、またはからなる、液体組成物が提供される。
【0026】
別の具体的な態様において、2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オン((2S)-2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンを包含する)と、乳酸とを含む、またはからなる、組成物が提供される。
【0027】
本明細書の上記に定義されるとおりの組成物は、皮膚または粘膜に対する冷却効果が所望されるあらゆる製品に添加されてもよい。単純に、組成物と製品とを直接混合することによって、製品に採用されてもよく、または、より早いステップにおいて、好適な取込材料中に封入されてもよい。代替的に、本明細書の上記に定義されるとおりの組成物は、他の活性剤、例えば、フレーバー、フレグランス、および甘味剤、およびそれらの混合物などが、それを製品中に採用する前に、混和されてもよい。
【0028】
よって、さらなる態様において、フレーバーまたはフレグランス配合物であって、以下:
(a)式(I)
【化6】
Rは、1のS原子を任意に含む、C
3~C
7分枝状アルキルまたはアルケニルであり、および
R
1は、Me、FおよびClからなる群から独立して選択される1または2または3の置換基によって任意に置換され;およびEt、ビニル、CN、NO
2、メトキシおよびCF
3からなる群から選択される1のさらなる置換基によって任意に置換される、フェニルである、
で表される化合物;ならびに
(b)乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、乳酸、およびペパーミント油、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1の溶媒;ならびに
(c)フレーバーおよびフレグランスからなる群から選択される少なくとも1の活性剤、
を含み、ならびに任意に甘味剤を含む、前記フレーバーまたはフレグランス配合物が提供される。
【0029】
1の具体的な態様において、フレーバーまたはフレグランス配合物であって、以下:
(a)式(I)
【化7】
Rは、1のS原子を任意に含む、C
3~C
7分枝状アルキルまたはアルケニルであり、および
R
1は、パラ位において、CH
3、FおよびClからなる群から独立して選択される1の置換基によって置換され;およびEt、ビニル、CN、NO
2、メトキシおよびCF
3からなる群から選択される1のさらなる置換基によって任意に置換される、フェニルである、
で表される化合物;ならびに
(b)乳酸ブチル、エタノール、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピリデングリセロール、乳酸、およびペパーミント油、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1の溶媒;ならびに
(c)フレーバーおよびフレグランスからなる群から選択される少なくとも1の活性剤、
を含み、ならびに任意に甘味剤を含む、前記フレーバーまたはフレグランス配合物が提供される。
【0030】
さらなる具体的な態様において、式(I)で表される化合物は、式(II)
【化8】
式中、Rは、1のS原子を任意に含む、C
3~C
7分枝状アルキルまたはアルケニルである、
で表される化合物によって示される、フレーバーまたはフレグランス配合物が提供される。
【0031】
フレーバー成分の例は、天然フレーバー、人工フレーバー、香辛料、調味料等を包含する。例示のフレーバー成分は、合成フレーバー油およびフレーバー芳香剤および/または油、含油樹脂、精油、および蒸留物、ならびに上記の少なくとも1を含む組み合わせを包含する。
フレーバー油は、スペアミント油、桂皮油、冬緑油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、ハッカ油、丁子油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズク油、オールスパイス、セージ油、メース、苦扁桃油、およびカッシア油を包含する;有用な香味剤は、人工の、天然の、および合成の果実フレーバー、例えば、バニラ、およびレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチを包含する柑橘類油、リンゴ、セイヨウナシ、モモ、ブドウ、キイチゴ、ブラックベリー、セイヨウスグリ、ブルーベリー、イチゴ、サクランボ、セイヨウスモモ、プルーン、レーズン、コーラ、ガラナ、ネロリ、パイナップル、アンズ、バナナ、メロン、アンズ、サクランボ、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤを包含する果実エキス、および諸々などを包含する。
【0032】
フレーバー剤組成物によって付与される追加の例示のフレーバーは、乳フレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、およびヨーグルトフレーバー;バニラフレーバー;茶またはコーヒーフレーバー、例えば、緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバーなど;ミントフレーバー、例えば、ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、およびハッカフレーバーなど;スパイシーフレーバー、例えば、アギフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、シシウドフレーバー、ウイキョウフレーバー、オールスパイスフレーバー、桂皮フレーバー、カモミールフレーバー、カラシフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェーフレーバー、クミンフレーバー、丁子フレーバー、コショウフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、Zanthoxyli Fructusフレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、生姜フレーバー、八角フレーバー、セイヨウワサビフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、イノンドフレーバー、唐辛子フレーバー、ニクズクフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、およびワサビフレーバーなど;
【0033】
木の実フレーバー、例えば、アーモンドフレーバー、ヘーゼルナッツフレーバー、マカダミアナッツフレーバー、落花生フレーバー、ペカンフレーバー、ピスタチオフレーバー、およびクルミフレーバーなど;アルコール性フレーバー、例えば、ワインフレーバー、ウイスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラム酒フレーバー、ジンフレーバー、およびリキュールフレーバーなど;フローラルフレーバー;および野菜フレーバー、例えば、タマネギフレーバー、ニンニクフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、キノコフレーバー、およびトマトフレーバーなどを包含する。
【0034】
一般に、いずれのフレーバー剤または食品添加剤(食品着色料を包含する)、例えば、”Essential guide to food additives,” Third edition2008, page 101 - 321 (ISBN: 978-1-905224-50-0) by Leatherhead Food International Ltd.に記載されるものなどが使用され得る。刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
1の具体的な態様において、少なくとも1の活性剤(C)は、アネトール、メントールラエボ(menthol laevo)、カルボンラエボ(carbon laevo)、エチルマルトール、バニリン、ユーカリプトール、オイゲノール、メントールラセミ、cis-3-ヘキセノール、リナロール、ミント油(例としてペパーミントアルベンシス油、ペパーミントピペリタ油、スペアミントネイティブ油、スペアミントスコッチ油)、コリロン(corylone)、酪酸エチル、cis-3-ヘキセニルアセタート、シトラール、ユーカリ油、エチル-バニリン、サリチル酸メチル、2’-ヒドロキシプロピオフェノン、酢酸エチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、ゲラニオール、レモン油、酢酸イソアミル、チモール、イオノンベータ、酢酸リナリル、デカナール、cisジャスモン、ヘキサン酸エチル、メロナール(2,6-ジメチルへプタ-5-エナール)、シトロネロール、アセト酢酸エチル、ニクズク油および丁子油、またはそれらの混合物から選択されてもよい。
【0036】
別の具体的な態様において、少なくとも1の活性剤(C)は、メントール (例として、ペパーミント油の形態における)、メントン、p-メンタンカルボキサミド、N-2,3-トリメチル-2-イソプロピル-ブタンアミド(WS-23)、乳酸メンチル(Frescolat(登録商標)ML)、メントングリセロールアセタール(Frescolat(登録商標)MGA)、3-(1-メントキシ)-プロパン-1,2-ジオール(TK-10)、p-メンタン-3,8-ジオール(Coolact 38Dとしても知られる)、イソプレゴール(Coolact Pとしても知られる)、モノメンチルスクシナート(Physcool(登録商標))、モノメンチルグルタラート、o-メンチルグリセロール、メンチルN,N-ジメチルスクシナマート、2-(sec-ブチル)シクロヘキサン-1-オン(Freskomenthe)、N-(ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トルイルオキシ)アセトアミド、2-(4-エチルフェノキシ)-N-(ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド、3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N,N-ジフェニルアクリルアミド、4-(2-(4-アリル-2,6-ジメトキシフェノキシ)-1-エトキシプロピル)-2-メトキシフェノール、
【0037】
4-(2-(4-アリル-2,6-ジメトキシフェノキシ)-1-((2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル)オキシ)プロピル)-2-メトキシフェノール(4-(2-(4-アリル-2,6-ジメトキシフェノキシ)-1-(((1S,2R,5S)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル)オキシ)プロピル)-2-メトキシフェノールを包含する)および4-(2-(4-アリル-2,6-ジメトキシフェノキシ)-1-(((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル)オキシ)プロピル)-2-メトキシフェノール)、N-(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサン-1-カルボキサミド、N-(4-(シアノメチル)フェニル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサンカルボキサミドおよびN-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサンカルボキサミドから選択されてもよい。
【0038】
p-メタンカルボキサミドの例は、例えば、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(商業的にWS-3として知られる)、N-エトキシカルボニルメチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(WS-5)、N-(4-メトキシフェニル)-p-メンタン-3-カルボキサミド(WS-12)およびN-tert-ブチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(WS-14)、N-(4-(シアノメチル)フェニル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサン-1-カルボキサミド(商業的にEvercool 180としても知られる)、2-イソプロピル-5-メチル-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド(商業的にEvercool 190として知られる)、および(1R,2S,5R)-N-((S)-2-((R)-2-アミノプロパンアミド)-2-フェニルエチル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサン-1-カルボキサミドなどの化合物を包含する。
【0039】
1の特定の態様において、少なくとも1の活性剤(C)は、メントール、ミント油、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(WS-3)、N-(4-(シアノメチル)フェニル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサン-1-カルボキサミド(Evercool 180)、2-イソプロピル-5-メチル-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド(Evercool 190)、および乳酸メンチルから選択される。
【0040】
甘味剤の例は、これらに限定されないが、スクロース、フルクトース、グルコース、高果糖コーンシロップ、コーンシロップ、キシロース、アラビノース、ラムノース、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、およびサッカリン、およびそれらの混合物;トリロバチン、ヘスペレチンジヒドロカルコングルコシド、ナリンギンジヒドロカルコン、モグロシドV、羅漢果(Luo Han Guo)抽出物、ルブソシド、キイチゴ属抽出物、グリシフィリン、イソモグロシドV、モグロシドIV、シアメノシドI、ネオモグロシド、ムクロジオシドIIb、(+)-ヘルナンズルシン、4β-ヒドロキシヘルナンズルシン、バイユノシド、フロミソシドI、ブリオズルコシド、ブリオシドブリオノシド、アブルソシドA-E、シクロカリオシドA、シクロカリオシドI、アルビジアサポニンA-E、グリチルリチン、
【0041】
アラボグリチルリチン、ペリアンドリンI-V、プテロカリオシドAおよびB、オスラジン、ポリポドシドAおよびB、テレスモシドA8-18、フィロズルチン、フアングキオシド(huangqioside)E、ネオアスチルビン、モナチン、3-アセトキシ-5,7-ジヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン、2R,3R-(+)-3-アセトキシ-5,7,4’-トリヒドロキシフラバノン、(2R,3R)-ジヒドロケルセチン3-O-アセタート、ジヒドロケルセチン3-O-アセタート4’-メチルエーテル、ブラゼイン、クルクリン、マビンリン、モネリン、ネオクリン、ペンタジン、タウマチン、およびそれらの組み合わせを包含する。上記に列挙される化合物のいくつかは、甘味エンハンサーならびに甘味料として知られる。甘味エンハンサーとして使用されるとき、それらは通常それらの甘味検出閾値未満で使用される。
【0042】
さらなる側面において、フレーバーまたはフレグランス組成物、および製品ベース、例として、口に取り込まれる製品のための経口的に許容し得る担体、および皮膚に接触する製品のための皮膚が受容し得る担体などを含む、フレーバー付または香り付製品が提供される。
いくつかの側面において、製品ベースは、乳酸が溶媒として使用されるとき、式(I)で表されるイミダゾール冷却化合物(式(II)で表される化合物を網羅する)のための溶媒として、緩衝剤として作用し得る塩(例として、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸三ナトリウム、および/またはリン酸水素二ナトリウム)を含んでもよい。
【0043】
いくつかの側面において、経口的に許容し得る担体は、局所の経口投与に好適である、1以上の相溶性のある固体もしくは液体賦形剤または希釈剤を含んでもよい。「相溶性のある」は、本明細書に使用されるとき、組成物の構成要素が、安定性および/または有効性を実質的に減少させるだろう形の相互作用なく混蔵されることができることを意味する。担体は、歯磨き剤、摩耗させないゲル、歯肉縁下ゲル、マウスウォッシュまたはリンス、マウススプレー、チューインガム、トローチ剤およびブレスミントの通例および従来の構成要素を包含する。使用される担体の選択は、基本的に、組成物が口腔に導入される方法によって決定される。
【0044】
歯磨き粉、歯磨きゲルまたは同種のもののための担体材料は、例として、Benedictの米国特許第3,988,433に開示されるとおりの、研磨材、起泡剤(sudsing agents)、結合剤、保湿剤、フレーバー剤および甘味剤、等々を包含する。二相の歯磨き剤製剤のための担体材料は、Lukacovicらの米国特許第5,213,790号;第5,145,666号および第5,281,410号、ならびにSchaefferらの米国特許第4,849,213号および第4,528,180号に開示される。マウスウォッシュ、リンスまたはマウススプレー担体材料は、典型的には、例として、Benedictの米国特許第3,988,433号に開示されるとおりの水、フレーバー剤および甘味剤、等々を包含する。
【0045】
トローチ剤担体材料は、キャンディーベースを包含する;チューインガム担体材料は、例として、Grabenstetterらの米国特許第4,083,955号のとおりのゴムベース、フレーバー剤および甘味剤を包含する。サッシェ担体材料は、典型的には、サッシェ袋、フレーバー剤および甘味剤を包含する。歯周ポケットまたはほぼ歯周ポケット中への活性剤の送達に使用される歯肉縁下ゲルのために「歯肉縁下ゲル担体」、例として、Damaniの米国特許第5,198,220号および第5,242,910号に開示されるとおり選択される。本開示の組成物の調製に好適である担体は、当該技術分野において周知である。それらの選択は、味覚、費用、および貯蔵性、等の二次的考慮に依存するだろう。
【0046】
経口的に許容し得る担体材料または賦形剤のさらなる好適なタイプは、WO2010/059289、とりわけ17~31頁中に挙げられており、それは参照により組み込まれる。
【0047】
本発明の組成物は、既知の方法によって製品ベースへ添加され、および組み込まれる。冷却効果を提供するために充分な量が添加され得る。かかる効果を提供するために必要な割合は当然ながら所望される冷却効果に依存するだろうが、典型的な重量割合は0.01~0.5%である。例えば、本発明の化合物、例えば、歯磨き剤、フロス、チューインガム、またはホワイトストリップなどの経口用途において、使用のレベルは、組成物の重量に対して、約0.00001%(0.01ppm)~約0.1%(1000ppm);約0.00005%(0.5ppm)~約0.1%(1000ppm);約0.0001%(1ppm)~約0.05%(500ppm);約0.005%(50ppm)~約0.03%(300ppm);または約0.001%(10ppm)~約0.01%(100ppm)であり得る。本発明の化合物がマウスウォッシュにおいて使用されるとき、使用のレベルは、組成物の重量に対して、約0.000001%(10ppb)~約0.01%(100ppm)または約0.0001%(1ppm)~約0.001%(10ppm)であり得る。本発明の化合物が、例えばシャンプーおよびローション中に、局所的に送達されるとき、レベルは、組成物の重量に対して、約0.001%(10ppm)~約0.5%(5000ppm)または組成物の重量に対して約0.01%(100ppm)~約0.4%(4000ppm)であり得る。これらは一般的なガイドラインであるが、厳密な境界ではなく、および具体的な効果を探求する考案者がそれら以外を考案するのに可能なものまたはさらに望ましいものを見出し得る。
【0048】
組成物および方法は、具体的な態様を記載する以下の非限定例を参照して今やさらに記載される。
【0049】
例
例1:2-(メチルチオ)-1-(2-(5-(p-トリル)イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)プロパン-1-オン
例1a:tert-ブチル-2-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート:tert-ブチル-2-ホルミルピペリジン-1-カルボキシラート(9.5g、35.6mmol)およびメタノール(100mL)中グリオキサール溶液(水中40%、25.9g、178mmol)の溶液へ、アンモニア溶液(水中25%、17.0g、249mmol)を0℃にて滴加した。溶液をrt.(室温)まで加温するようにし、16h、rt.にて攪拌した。次いで、溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルを用いて抽出した(100mL*3)。あらゆる沈殿物を濾過によって除去し、有機相を飽和水性NaHCO3溶液(100mL)およびブライン(100mL)を用いて洗浄した。次いで、溶液を減圧下で濃縮することによって、tert-ブチル-2-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート(5.2g、収率:58%)が白色固体として与えられた。GC/MS (EI): m/z (%): 251 (3) [M+]、195 (4)、178 (10)、150 (20)、134 (13)、122 (5)、95 (100)、82 (10)、57 (21)。
【0050】
例1b:tert-ブチル-2-(4,5-ジブロモ-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート:N-ブロモスクシンイミド(7.4g、41.8mmol)を、ジクロロメタン(100mL)中tert-ブチル-2-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート(5.0g、19.9mmol)の溶液へ、0℃にて10minを超えて滴加した。混合物をさらに2h、0℃にて攪拌し、次いでロータリーエバポレータによって濃縮した。残渣を酢酸エチル(250mL)中に溶解させ、水(100mL*2)およびブライン(100mL)を用いて洗浄し、MgSO4を用いて乾燥させ、濃縮することで、極めて褐色の残渣が得られた。残渣をジクロロメタン/ヘキサン(1:1)によって再結晶化させることで、tert-ブチル-2-(4,5-ジブロモ-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート(6.0g、収率:74%)が白色固体として得られた。GC/MS (EI): m/z (%): 411 (2) [M+]、409 (4) [M+]、407 (2) [M+]、 355 (6)、353 (12)、351 (6)、311 (11)、309 (22)、307 (11)、294 (11)、292 (22)、290 (11)、255 (50)、253 (100)、251 (50)、242 (12)、240 (24)、238 (12)、148 (9)、57 (50)。
【0051】
例1c:tert-ブチル-2-(5-ブロモ-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート:tert-ブチル-2-(4,5-ジブロモ-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート(34.0g、90%、74.8mmol)およびエタノール(300mL)中Na2SO3(94g、748mmol)および水の懸濁液を終夜還流した。次いで、冷却し、濃縮した。残渣をCH2Cl2(200mL)とH2O(200mL)との間で分割した。水性層を酢酸エチルを用いて抽出した(200mL*3)。合わせた有機層をブライン(200mL)を用いて洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーによって精製することで、tert-ブチル-2-(5-ブロモ-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート(23.0g、収率:93%)が白色固体として与えられた。GC/MS (EI): m/z (%): 329 (3) [M+]、331 (3) [M+]、 275 (10)、273 (10)、258 (9)、256 (9)、230 (20)、228 (20)、214 (26)、212 (26)。175 (100)、173 (100)、162 (9)、160 (9)、93 (8)、57 (44)。
【0052】
例1d:tert-ブチル2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート:圧力槽にtert-ブチル2-(5-ブロモイミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート(400mg、1.211mmol)、p-トリルボロン酸(181mg、1.332mmol、1.1equiv.)、炭酸ナトリウム(257mg、2.42mmol、2equiv.)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(49mg、0.061mmol、0.05equiv.)、テトラヒドロフラン(5mL)および水(1mL)を充填した。混合物を、窒素をパージすることによって脱気し、槽を密封した。混合物を攪拌し、終夜100℃まで加熱した。その結果得られる混合物を0℃まで冷却し、槽を開放し、内容物をaq.sat.NaHCO3溶液(50mL)中へ注ぎ、EtOAc(2x50mL)を用いて抽出し、水(50mL)およびブライン(50mL)を用いて洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製材料をヘプタン中EtOAcの勾配を用いて溶離するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製することで、tert-ブチル2-(5-(p-トリル)イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート(314mg、0.920mmol、76%収率)が白色固体として与えられた。
【0053】
MS (EI、70 eV): 341 (4、[M]+・)、285 (11)、268 (3)、240 (30)、185 (100)、172 (16)、91 (6)、57 (99)。1H NMR (DMSO-d6、400MHz、回転異性体および互変異性体の混合物): δ 11.66-12.09 (m、1H)、7.49-7.70 (m、2H)、7.20-7.48 (m、1H)、7.08-7.23 (m、2H)、5.34 - 5.23 (m、1H)、3.89 (br d、J=12.1 Hz、1H)、3.05 (br t、J=10.9 Hz、1H)、2.28 (s、3H)、2.18-2.25 (m、1H)、1.65-1.78 (m、1H)、1.22-1.63 (m、13H) ppm。13C NMR (75 MHz、DMSO、互変異性体の混合物) δ 155.1 (q)、147.5 (q)、140.2 (q)、135.3 (q)、132.7 (q)、129.4 (t)、124.6 (t)、112.5 (t)、79.3 (q)、63.3 (d)、49.7 (t)、41.2 (d)、28.5 (s)、28.4 (d)、26.8 (d)、25.3 (d)、21.2 (s)、19.9 (d) ppm。
【0054】
例1e:2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン:ジクロロメタン(3mL)中tert-ブチル2-(5-(p-トリル)イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート(304mg、0.890mmol)の溶液をトリフルオロ酢酸(0.549mL、7.12mmol、8equiv.)を用いて5℃にて滴定処理し、その結果得られる混合物を、2時間または出発材料の完全な消費まで、室温にて攪拌した。混合物を氷水(30mL)中へ注ぎ、pHを水性1M NaOH溶液の添加によって塩基性にした。次いで混合物をジクロロメタン(3x20mL)を用いて抽出し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮することで、2-(5-(p-トリル)イミダゾール-2-イル)ピペリジン(160mg、0.664mmol、74%収率)が淡黄色油として与えられ、それをさらなる精製はせずに次のステップにおいて使用した。MS (EI、70 eV): 241 (6、[M]+・)、185 (100)、172 (13)、158 (8)、91 (3)、84 (4)。1H NMR (クロロホルム-d、400MHz): δ 8.67-8.89 (br s、1H)、7.50 (d、J=8.1 Hz、2H)、7.19 (d、J=7.8 Hz、2H)、7.13 (s、1H)、4.14 (dd、J=12.3、3.1 Hz、1H)、3.30 (br d、J=12.7 Hz、1H)、2.71-2.84 (m、1H)、2.37 (s、3H)、2.15-2.27 (m、1H)、2.01 (br dd、J=14.4、3.2 Hz、1H)、1.90 (br d、J=13.4 Hz、1H)、1.67-1.77 (m、2H)、1.32-1.46 ppm (m、1H)。
【0055】
例1f:2-(メチルチオ)-1-(2-(5-(p-トリル)イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)プロパン-1-オン:ジクロロメタン(DCM)(2mL)中2-(5-(p-トリル)イミダゾール-2-イル)ピペリジン(0.88mmol)の溶液へ、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(1.056mmol、1.2equiv.)および3-(((エチルイミノ)メチレン)アミノ)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミン塩酸塩(EDCI)(1.056mmol、1.2equiv.)を0~5℃にて添加し、混合物を0.5h、室温にて攪拌した。次いで、混合物を(メチルチオ)プロパン酸(0.968mmol、1.1equiv.)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(0.88mmol、1equiv.)を用いて処理し、その結果得られる混合物を16h、rt.にて攪拌した。混合物を濾過し、溶媒を除去し、粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中EtOAcの勾配)によって精製することで、2-(メチルチオ)-1-(2-(5-(p-トリル)イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)プロパン-1-オンが白色固体として供給された。
【0056】
MS (EI、70 eV): 343 (2、[M]+・)、241 (17)、240 (100)、213 (13)、185 (18)、184 (9)、75 (55)、56 (11)、55 (9)、47 (10)、41 (11)。1H NMR (400 MHz、DMSO-d6、立体異性体および互変異性体の混合物) δ 12.07、11.99、11.95、11.76 (brs、1H)、7.72 - 7.60 (m、2H)、7.59 - 7.42 (m、1H)、7.26 - 7.08 (m、2H)、5.75 - 5.39 (m、1H)、4.49 - 3.00 (m、3H)、2.71 - 2.15 (m、1H)、2.30 (s、3H)、2.07 - 1.96 (m、3H)、1.94 - 1.48 (m、5H)、1.43 - 1.34 (m、3H) ppm。13C NMR (101 MHz、DMSO-d6、立体異性体および互変異性体の混合物) δ 170.2 (q)、170.2 (q)、170.0 (q)、147.0 (q)、146.8 (q)、146.7 (q)、140.4 (q)、140.3 (q)、139.9 (q)、135.3 (q)、135.2 (q)、135.1 (q)、132.7 (q)、132.6 (q)、132.6 (q)、129.7 (t)、129.3 (t)、124.6 (t)、113.0 (t)、112.6 (t)、112.5 (t)、51.5 (t)、47.3 (t)、47.0 (t)、43.1 (d)、43.0 (d)、38.8 (d)、38.0 (t)、37.6 (t)、37.3 (t)、28.8 (d)、28.6 (d)、28.1 (d)、27.9 (d)、26.1 (d)、25.7 (d)、25.4 (d)、21.2 (s)、20.3 (d)、20.1 (d)、18.3 (s)、18.0 (s)、17.8 (s)、11.9 (s)、11.7 (s)、11.6 (s) ppm。
【0057】
例2:2,2-ジメチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタ-3-エン-1-オン
例1fに記載した一般手順に続く:2,2-ジメチルブタ-3-エノン酸(170mg、1.492mmol)、HOBt(228mg、1.492mmol)、3-(((エチルイミノ)メチレン)アミノ)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミン(232mg、1.492mmol)、2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン(300mg、1.243mmol)およびジクロロメタン(30mL)中DIPEA(0.391ml、2.238mmol)を反応させることで、表題の生成物が白色固体として与えられた(255mg、収率:68%)。
【0058】
GC/MS (EI): m/z (%): 337 (1) [M+]、322 (3)、268 (10)、240 (89)、213 (6)、197 (6)、172 (100)、117(8)、69 (8)。1H NMR (300 MHz、DMSO-d6、互変異性体の混合物) δ 12.04 - 11.70 (m、1H)、7.83 - 7.51 (m、2H)、7.51 - 7.37 (m、1H)、7.32 - 7.00 (m、2H)、6.23 - 6.10 (m、1H)、5.81 - 5.34 (m、1H)、5.27 - 4.80 (m、2H)、4.60 - 2.96 (m、2H)、2.43 - 2.17 (m、4H)、1.87 - 1.43 (m、5H)、1.40 - 1.19 (m、6H)。13C NMR (75 MHz、DMSO-d6、互変異性体の混合物) δ 174.1 (q)、147.0 (q)、144.4 (t)、139.9 (q)、135.2 (q)、132.7 (q)、129.7 (t)、129.3 (t)、124.5 (t)、112.9 (t)、112.5 (d)、52.7 (t)、47.6 (t)、45.1 (s)、43.9 (d)、28.0 (d)、27.4 (s)、27.1 (s)、25.3 (d)、21.2 (s)、20.2 (d) ppm。
【0059】
例3:2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オン
例3a:2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタ-3-エン-1-オン:ジクロロメタン(100mL)中2-メチルブタ-3-エノン酸(0.597g、5.97mmol)の溶液へ、HOBt(0.914g、5.97mmol)および3-(((エチルイミノ)メチレン)アミノ)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミン(0.926g、5.97mmol)を0~5℃にて添加し、混合物を0.5h、室温にて攪拌した。次いで、2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン(1.2g、4.97mmol)およびDIPEA(1.563ml、8.95mmol)を添加し、混合物を16h、rt.にて攪拌した。懸濁液を濾過し、溶媒を除去し、粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:MTBE=3:1)によって精製することで、2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタ-3-エン-1-オン(808mg、収率:50%)が白色固体として与えられた。
【0060】
GC/MS (EI、立体異性体の混合物、比率1:2): 異性体1: m/z (%):323 (2) [M+]、268 (5)、240 (100)、172 (95)、117 (7)、84 (3)、55 (11)。異性体2: m/z (%):323 (2) [M+]、268 (5)、240 (100)、211 (6)、172 (81)、117 (7)、84 (2)、55 (10)。1H NMR (300 MHz、DMSO-d6、立体異性体および互変異性体の混合物) δ 12.06、11.81 (brs、1H)、7.69 - 7.62 (m、2H)、7.49 (s、1H)、7.15 (d、J = 7.3 Hz、2H)、6.12 - 5.70 (m、2H)、5.47 - 4.81 (m、2H)、4.63 - 2.90 (m、3H)、2.81 - 2.35 (m、1H)、2.29 (s、3H)、1.78 - 1.29 (m、5H)、1.17 (t、J = 5.6 Hz、3H)。13C NMR (75 MHz、DMSO-d6、立体異性体および互変異性体の混合物) δ 172.7 (q)、172.5 (q)、172.3 (q)、147.1 (q)、146.7 (q)、140.3 (q)、139.8 (q)、139.6 (t)、139.1 (t)、135.3 (q)、132.7 (q)、129.4 (t)、124.6 (t)、115.4 (d)、115.3 (d)、113.0 (t)、112.6 (t)、51.7 (t)、51.3 (t)、47.0 (t)、46.8 (t)、42.8 (d)、42.6 (d)、40.2 (t)、39.3 (t)、38.6 (d)、28.4 (d)、28.1 (d)、26.1 (d)、25.8 (d)、25.3 (d)、21.2 (s)、20.3 (d)、20.1 (d)、18.4 (s)、18.2 (s)、18.0 (s) ppm。
【0061】
例3b:2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オン:2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタ-3-エン-1-オン(350mg、1.082mmol)を水素化し、酢酸エチル(20ml)中10%Pd/C(216mg、0.216mmol)によって、終夜水素雰囲気下で触媒作用を及ぼした。次いで、混合物を窒素でパージし、セライト上で濾過し、蒸発させることで、粗製材料を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:MTBE=3:1)によって精製して、表題の生成物(290mg、収率:82%)が白色固体として与えられた。
【0062】
GC/MS (EI): m/z (%): 325 (10) [M+]、268 (2)、240 (100)、224 (3)、185 (10)、159(2)、142 (1)、84 (2)、57 (4)。1H NMR (300 MHz、DMSO-d6、立体異性体および互変異性体の混合物) δ 12.05 - 11.72 (m、1H)、7.73 - 7.53 (m、2H)、7.51 - 7.40 (m、1H)、7.27 - 7.03 (m、2H)、5.81 - 5.28 (m、1H)、4.61 - 3.16 (m、2H)、2.87 - 2.58 (m、1H)、2.38 - 2.19 (m、4H)、1.86 - 1.49 (m、5H)、1.46 - 1.23 (m、2H)、1.09 - 0.95 (m、3H)、0.94 - 0.80 (m、3H)。13C NMR (75 MHz、DMSO-d6、立体異性体および互変異性体の混合物) δ 175.4 (q)、175.2 (q)、147.3 (q)、147.2 (q)、140.5 (q)、140.1 (q)、135.2 (q)、132.7 (q)、129.7 (t)、129.3 (t)、124.6 (t)、112.9 (t)、112.6 (t)、51.5 (t)、46.9 (t)、46.8 (t)、42.6 (d)、38.6 (d)、36.8 (t)、36.5 (t)、36.1 (t)、29.2 (d)、28.9 (d)、28.4 (d)、27.2 (d)、26.9 (d)、26.2 (d)、25.4 (d)、25.2 (d)、21.2 (s)、20.3 (d)、18.4 (s)、17.7 (s)、17.3 (s)、12.2 (s)、12.0 (s)、11.9 (s) ppm。
【0063】
例4:2-メチル-2-(メチルチオ)-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)プロパン-1-オン
例1fに記載される一般手順に続く:2-メチル-2-(メチルチオ)プロパン酸(0.267g、1.989mmol)、HOBt(305mg、1.989mmol)、3-(((エチルイミノ)メチレン)アミノ)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミン(309mg、1.989mmol)、2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン(400mg、1.657mmol)およびジクロロメタン(30mL)中DIPEA(0.521ml、2.980mmol)を反応させることで、表題の生成物(287mg、収率:48%)が白色固体として与えられた。
【0064】
GC/MS (EI): m/z (%): 357 (5) [M+]、342(7)、268 (11)、240 (100)、185 (11)、159 (5)、117 (4)、89 (10)。1H NMR (300 MHz、DMSO-d6、互変異性体の混合物) δ 12.06、11.82 (brs、1H)、7.80 - 7.54 (m、2H)、7.50 (s、1H)、7.33 - 7.08 (m、2H)、6.15 - 5.89 (m、1H)、4.92 - 2.73 (m、2H)、2.47 - 2.23 (m、4H)、2.19 - 2.03 (m、3H)、1.86 - 1.35 (m、11H)。13C NMR (75 MHz、DMSO-d6、互変異性体の混合物) δ 171.1 (q)、170.8 (q)、148.3 (q)、146.8 (q)、140.1 (q)、136.1 (q)、135.2 (q)、132.6 (q)、131.6 (q)、129.7 (t)、129.7 (t)、129.3 (t)、124.6 (t)、112.8 (t)、53.5 (t)、48.4 (t)、47.6 (q)、44.4 (d)、29.3 (d)、28.6 (d)、27.6 (s)、25.8 (d)、21.2 (s)、20.2 (d)、12.9 (s) ppm。
【0065】
例A:式(I)で表される化合物の可溶性
0.4gの2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オン(白色固体)を20mlバイアル中へ添加し、1.6gの下記の表1に指し示されるとおりの夫々の溶媒の添加が続いた。バイアルを1時間の緩やかな揺動で約50℃まで加温した。2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンが溶解しなかった場合、2gの夫々の溶媒を添加し(10重量%の式(I)で表される化合物を含む組成物をもたらす)、約50℃にて、追加の時間、再度緩やかに揺動した。2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンはなお溶解しなかった場合、4gの夫々の溶媒を加え(5重量%の式(I)で表される化合物を含む組成物をもたらす)、約50℃にて、追加の時間、再度緩やかに揺動した。
【0066】
2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンが溶解しなかった場合、バイアルを加熱から外して室温まで冷却するようにした。沈殿が観察されなかった場合、バイアルを終夜冷蔵庫(約4℃)に置いた。
2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンがなお溶解しなかった場合、0.05gの2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンおよび0.95gの下記の表1に指し示されるとおりの夫々の溶媒を用いて開始して、上記の手順を反復した。なお溶解しなかった場合、1gの夫々の溶媒を添加した(2.5重量%の式(I)で表される化合物を含む組成物をもたらす)。なお溶解しなかった場合、さらなる溶媒を添加した。結果を、下記の表1に示す。
【0067】
【表1】
a)L-乳酸;純度:86.7重量%
b)dl-乳酸;純度:88重量%
c)(2S)-2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンの可溶性について同じ結果が観察された
【0068】
上記の表からわかるとおり、
- 少なくとも20重量%の2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンは、乳酸またはエタノールに可溶性である;
- 少なくとも10重量%(しかし20重量%未満)の2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンは、乳酸ブチル、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、またはイソプロピリデングリセロールに可溶性である;
- 2.5重量%の2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンは、プロピレングリコールまたはトリエチルシトラート(オーラルケア組成物に好適である2つの一般的な溶媒)に可溶性である;
- 1重量%の2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンは、トリアセチンに可溶性である。
【0069】
例B:異なる温度にての経時的な式(I)で表される化合物を含む溶液の安定性
式1で表される化合物は2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オン(以降、「化合物」)であった。数多の異なる溶媒を用いた試験手順は、次のとおりであった:
1.0.4g化合物へ1.6g溶媒を添加した。これは20%の溶媒に相当する。
2.この混合物を50℃まで加温し、1時間揺動した。
3.化合物が溶解した場合、溶液を室温まで冷却するようにし、次いでそれが明確に残存した場合、4℃にて終夜保管した。
4.結晶が成長した場合、さらなる2g溶媒を添加した(これは直ちに10%溶液に相当する)、およびステップ2を実施した。
5.ステップ3の観察および行為を実施した。
6.ステップ4の10%の組み合わせが溶液ではなかった場合、さらなる4g溶媒を添加した(これは直ちに5%溶液に相当する)、およびステップ2を実施した。
7.ステップ3の観察および行為を実施した。結晶が成長した場合、いずれのかかる溶媒も不適と考えられた。
【0070】
化合物が20重量%溶液にて結晶化しないいずれの溶媒、試験手順を次のとおりより高い濃度を用いて反復した:
1.1g化合物へ1g溶媒を添加した。これは、50%溶液に対応する。
2.混合物を50℃まで加温し、1時間揺動した。
3.化合物が溶解した場合、溶液を室温まで冷却するようにし、次いで明確に残存した場合、4℃にて終夜保管した。
4.結晶が成長した場合、さらなる0.5g溶媒を添加し(これは直ちに40%溶液に対応する)、およびステップ2を実施した。
5.ステップ3の観察および行為を実施した。
6.ステップ4の40%の組み合わせが溶液ではなかった場合、さらなる0.83g溶媒を添加し(これは直ちに30%溶液に相当する)、およびステップ2を実施した。
7.ステップ3の観察および行為を実施した。
【0071】
下記の表2は、少なくとも5重量%の化合物が可溶性だった(例Aを参照)溶媒、およびそれらが室温にて週の範囲を超えて「良好である」と考えられた重量割合および条件を示す。
【表2】
d)L-乳酸;純度:86.7重量%
e)dl-乳酸;純度:88重量%
f)(2S)-2-メチル-1-(2-(5-(p-トリル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オンの可溶性について、同じ結果が観察された
【0072】
表2からわかるとおり、
a)溶媒として乳酸を使用し、50重量%の式(I)で表される化合物を含む組成物は、少なくとも4週間、冷蔵庫中および室温(RT)にての両方で、安定する;
b)溶媒としてエタノールを使用し、30重量%の式(I)で表される化合物を含む組成物は、冷蔵庫中で安定する;
c)溶媒としてエタノールを使用し、20重量%の式(I)で表される化合物を含む組成物、少なくとも4週間、室温(RT);
d)溶媒として乳酸エチルを使用し、10重量%の式(I)で表される化合物を含む組成物は、少なくとも4週間、冷蔵庫中および室温(RT)にての両方で、安定する。
【0073】
例C:フレーバー配合物の調製
フレーバー剤組成物を、以下の成分を混和することにより調製した:
【表3】
【0074】
【0075】
【0076】
フレーバー剤組成物は、オーラルケア製品(例として、マウスウォッシュ)またはコンフェクショナリー(例として、チューインガム)に添加され得る。
【国際調査報告】