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特表2023-536965大型複合部品の印刷を可能にする固体積層造形システムのための付属装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】大型複合部品の印刷を可能にする固体積層造形システムのための付属装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 12/30 20210101AFI20230823BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20230823BHJP
   B22F 12/88 20210101ALI20230823BHJP
   B22F 12/10 20210101ALI20230823BHJP
   B22F 12/20 20210101ALI20230823BHJP
   B22F 10/38 20210101ALI20230823BHJP
   B22F 12/90 20210101ALI20230823BHJP
   B29C 64/118 20170101ALI20230823BHJP
   B29C 64/20 20170101ALI20230823BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20230823BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230823BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20230823BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230823BHJP
   B22F 12/50 20210101ALI20230823BHJP
   B22F 12/33 20210101ALI20230823BHJP
   B22F 12/37 20210101ALI20230823BHJP
   B22F 10/66 20210101ALI20230823BHJP
   B29C 64/236 20170101ALI20230823BHJP
   B29C 64/241 20170101ALI20230823BHJP
   B29C 64/232 20170101ALI20230823BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20230823BHJP
【FI】
B22F12/30
B22F10/28
B22F12/88
B22F12/10
B22F12/20
B22F10/38
B22F12/90
B29C64/118
B29C64/20
B29C64/393
B33Y30/00
B33Y50/02
B33Y10/00
B22F12/50
B22F12/33
B22F12/37
B22F10/66
B29C64/236
B29C64/241
B29C64/232
B29C64/106
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507738
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(85)【翻訳文提出日】2023-04-03
(86)【国際出願番号】 US2021044888
(87)【国際公開番号】W WO2022032061
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/062,266
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.FIREWIRE
3.BLUETOOTH
4.JAVA
5.SMALLTALK
6.JAVASCRIPT
7.PYTHON
8.SWIFT
9.iOS
(71)【出願人】
【識別番号】520352791
【氏名又は名称】メルド マニュファクチュアリング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハードウィック,ナンシー
(72)【発明者】
【氏名】コックス,チェイス
(72)【発明者】
【氏名】ガルジロ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】レタリー,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ラランド,フレデリック
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AG07
4F213AP02
4F213AP11
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL42
4F213WL67
4F213WL74
4F213WL85
4F213WL87
4F213WL96
4K018AA02
4K018AA03
4K018AA06
4K018AA07
4K018AA10
4K018AA13
4K018AA14
4K018AA19
4K018AA21
4K018AA24
4K018AA40
4K018BA01
4K018BA02
4K018BA03
4K018BA04
4K018BA07
4K018BA08
4K018BA09
4K018BA10
4K018BA13
4K018BA20
(57)【要約】
固体積層造形システムと組み合わせて使用される付属装置が記載される。いくつかの構成では、付属装置は、大規模複合物体の印刷を可能にするために、固体積層造形システムなどの積層造形システムと組み合わせて使用することができ、物体は、既存の固体製造システムで印刷されたものよりもはるかに大きい。固体積層造形システムとともに使用される開示された付属装置は、異なる方法を介して非中空(中実)、部分的に中空または完全に中空の物体を製造することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料供給システムと、
前記材料供給システムから材料を受け取り、前記受け取った材料を基材上に印刷するように構成されるツーリングと、
前記基材を受け取るように構成される付属装置と、
前記ツーリングおよび前記装置に電気的に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、印刷部品を形成するために、前記装置上の受け取った前記基材上に受け取った前記材料を印刷するように、前記ツーリングを制御し、前記装置の移動を制御するようにプログラムされる、プロセッサと、
を備える固体積層造形システム。
【請求項2】
前記付属装置は、前記印刷部品をx方向、y方向および/またはz方向、またはそれらの任意の組合せに移動および/または回転させるように構成される、請求項1に記載の固体積層造形システム。
【請求項3】
前記ツーリングは、前記基材上に前記材料を印刷して前記印刷部品を形成するために3次元で移動することができる、請求項1に記載の固体積層造形システム。
【請求項4】
前記付属装置は、ロボットアーム、ガントリ、移動フレーム、クレーン、パラレルマニピュレータおよびそれらの組合せのうちの1つまたは複数を備える、請求項1に記載の固体積層造形システム。
【請求項5】
前記基材をそれぞれ加熱もしくは冷却するため、および/または、受け取った前記材料を加熱もしくは冷却するため、または前記印刷部品を加熱もしくは冷却するための加熱手段または冷却手段をさらに備える、請求項1に記載の固体積層造形システム。
【請求項6】
印刷部品の微細構造および機械的強度を制御するために、追加の場、電場、磁場、振動、超音波もしくは光、またはそれらの任意の組合せを提供するように構成される刺激装置をさらに備える、請求項1に記載の固体積層造形システム。
【請求項7】
前記付属装置は、非中空(中実)、部分的に中空もしくは完全に中空部品、またはそれらの任意の組合せの印刷を可能にするように構成される、請求項1に記載の固体積層造形システム。
【請求項8】
前記付属装置は、円柱形、矩形、正方形状、長円形、6角形、8角形などの異なる大型形状の印刷を可能にするように構成される、請求項1に記載の固体積層造形システム。
【請求項9】
前記付属装置は、テーパ付き部品、例えばテーパ付き円柱、テーパ付き角錐などの印刷を可能にするように構成される、請求項1に記載の固体積層造形システム。
【請求項10】
前記付属装置は、前記部品の壁厚が前記軸のうちの1つに沿って変化する中空部品の印刷を可能にするように構成される、請求項1に記載の固体積層造形システム。
【請求項11】
前記付属装置は、傾斜部品または非平面部品の印刷を可能にするように構成される、請求項1に記載の固体積層造形システム。
【請求項12】
積層摩擦ベースの製造システムまたは固体積層造形システムと組み合わせて使用される付属装置であって、前記装置は、大型複合部品の製造を可能にし、固体積層造形システムとともに前記装置は、前記印刷部品をx方向、y方向および/またはz方向、またはそれらの任意の組合せに移動および/または回転させるように構成される、付属装置。
【請求項13】
前記付属装置は、以下の方法、すなわち、層ごとの印刷、コーティング、既存のワークピースの接合もしくは修復、またはそれらの任意の組合せのいずれかによって、大型部品の製造を可能にするように構成される、請求項12に記載の付属装置。
【請求項14】
前記付属装置は、予め製造された大型物体に特定の特徴部を付加することを可能にするように構成される、請求項12に記載の付属装置。
【請求項15】
前記付属装置は、大型印刷部品の必要な製造および移動を可能にするために、1つまたは複数のロボットアーム、ガントリ、移動フレーム、クレーン、パラレルマニピュレータなどを備える、請求項12に記載の付属装置。
【請求項16】
前記付属装置は、前記印刷プロセス中に加熱および/または冷却を行うために3軸固定機械とともに使用するように構成される、請求項12に記載の付属装置。
【請求項17】
前記付属装置は、印刷部品の微細構造および機械的強度を制御するために、追加の場、電場、大気場もしくは磁場、振動、温度、超音波もしくは光、またはそれらの任意の組合せを提供するために3軸固定機械とともに使用するように構成される、請求項12に記載の付属装置。
【請求項18】
前記付属装置は、印刷部品の温度、圧力、トルク、長さまたは幅などの重要なプロセスパラメータを監視、測定および/または制御するための様々なセンサおよび検出器を備える3軸固定機械とともに使用するように構成される、請求項12に記載の付属装置。
【請求項19】
前記付属装置は、非中空(中実)、部分的に中空もしくは完全に中空部品、またはそれらの任意の組合せの製造を可能にするように構成される、請求項12に記載の付属装置。
【請求項20】
前記付属装置は、円柱形、矩形、正方形状、長円形、6角形、8角形などの異なる大型形状の製造を可能にするように構成される、請求項12に記載の付属装置。
【請求項21】
前記付属装置は、テーパ付き部品、例えばテーパ付き円柱、テーパ付き角錐などの製造を可能にするように構成される、請求項12に記載の付属装置。
【請求項22】
前記付属装置は、前記部品の壁厚が前記軸のうちの1つに沿って変化する中空部品の製造を可能にするように構成される、請求項12に記載の付属装置。
【請求項23】
前記付属装置は、傾斜部品の製造を可能にするように構成される、請求項12に記載の付属装置。
【請求項24】
前記付属装置は、3軸固定機械とともに使用するように構成され、前記装置の周りのMELD(登録商標)システムの移動に加えて前記印刷部品を一緒に移動させることができるように配置される、請求項12に記載の付属装置。
【請求項25】
固体積層造形システムと組み合わせて請求項12~24のいずれか1項に記載の装置を使用することによって、大規模複合部品を製造する方法。
【請求項26】
前記方法は、層ごとの印刷、コーティング、接合、修復、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、大型複合形状の部品を製造するために1つ、2つまたはそれよりも多くの充填材料を利用する、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2020年8月6日に出願された米国仮出願第63/062,266号に関連し、その優先権および利益を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
特定の実施形態は、大型部品の製造を可能にするために固体積層システムとともに使用することができる装置に関する。より詳細には、特定の実施形態は、積層システムから受け取った材料から部品または他の構成要素を形成するために積層システムとともに使用される装置に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
積層造形(AM)は、多機能および多材料部品を製造することができるが、いくつかの制限がある。非常に多くの場合、界面材料微細構造と非界面材料微細構造との間に実質的な差が存在し、特定の部位および方向に沿って不均一な特性をもたらす。そのような場合、製造された部品は、バルク材料の特性と比較して劣った特性を示す。
【発明の概要】
【0004】
概要
積層造形システムと組み合わせて使用することができる装置の特定の態様について説明する。
【0005】
一態様では、積層摩擦ベースの製造システムまたは固体積層造形システムと組み合わせて使用される付属装置が説明される。特定の実施形態では、装置は、大型複合部品の製造を可能にし、固体積層造形システムとともに装置は、印刷部品をx方向、y方向および/またはz方向、またはそれらの任意の組合せに移動および/または回転させるように構成される。例えば、装置は、積層摩擦ベースの製造システムまたは固体積層造形システム(例えば、MELD(登録商標)システム)と組み合わせて使用することができる。例えば、装置は、MELD(登録商標)システムの元の作業プラットフォームでは一般に印刷することができない大型複合部品の製造を可能にし、MELD(登録商標)システムとともに装置は、印刷部品をx方向、y方向および/またはz方向、またはそれらの任意の組合せに移動および/または回転させる能力を有する。必要に応じて、システムは、積層造形特徴部に加えて、例えば、除去造形特徴部などの他の特徴部も含むことができる。
【0006】
特定の実施形態では、装置は、以下の方法、すなわち、層ごとの印刷、コーティング、既存のワークピースの接合もしくは修復、またはそれらの任意の組合せのいずれかによって、大型部品の製造を可能にするように構成される。他の実施形態では、装置は、予め製造された大型物体に特定の特徴部を付加することを可能にするように構成される。
【0007】
特定の実施例では、装置は、大型印刷部品の必要な製造および移動を可能にするために、1つまたは複数のロボットアーム、ガントリ、移動フレーム、クレーン、パラレルマニピュレータなどを備えるか、またはそれらと組み合わせて使用される。
【0008】
いくつかの実施例では、装置は、印刷プロセス中に加熱および/または冷却を行うために3軸固定機械とともに使用するように構成される。
【0009】
他の実施例では、装置は、印刷部品の微細構造および機械的強度を制御するために、追加の場、電場、大気場もしくは磁場、振動、温度、超音波もしくは光、またはそれらの任意の組合せを提供するために3軸固定機械とともに使用するように構成される。
【0010】
特定の実施形態では、装置は、印刷部品の温度、圧力、トルク、長さまたは幅などの重要なプロセスパラメータを監視、測定および/または制御するための様々なセンサおよび検出器を備える3軸固定機械とともに使用するように構成される。
【0011】
特定の実施例では、装置は、非中空(中実)、部分的に中空もしくは完全に中空部品、またはそれらの任意の組合せの製造を可能にするように構成される。
【0012】
他の実施形態では、装置は、円柱形、矩形、正方形状、長円形、6角形、8角形などの異なる大型形状の製造を可能にするように構成される。
【0013】
いくつかの実施例では、装置は、テーパ付き部品、例えばテーパ付き円柱、テーパ付き角錐などの製造を可能にするように構成される。
【0014】
他の実施例では、装置は、部品の壁厚が軸のうちの1つに沿って変化する中空部品の製造を可能にするように構成される。
【0015】
特定の実施形態では、装置は、傾斜部品の製造を可能にするように構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、3軸固定機械とともに使用するように構成され、装置の周りのMELD(登録商標)システムの移動に加えて印刷部品を一緒に移動させることができるように配置される。
【0016】
他の態様では、大規模複合部品を製造する方法は、固体積層造形システム、例えばMELD(登録商標)製造システムと組み合わせて本明細書に記載の装置を使用することを含み、方法は、既存の固体製造システムで可能なものよりも、例えば既存のMELD(登録商標)製造プラットフォームで可能なものよりも、大きな部品の製造を可能にする。
【0017】
特定の実施形態では、方法は、層ごとの印刷、コーティング、接合、修復、またはそれらの任意の組合せを含む。他の実施形態では、方法は、大型複合形状の部品を製造するために1つ、2つまたはそれよりも多くの充填材料を利用する。
【0018】
他の態様では、固体積層造形システムは、材料供給システムと、材料供給システムから材料を受け取り、受け取った材料を基材上に印刷するように構成されるツーリングと、基材を受け取るように構成される装置と、ツーリングおよび装置に電気的に結合されたプロセッサであって、プロセッサは、印刷部品を形成するために、装置上の受け取った基材上に受け取った材料を印刷するように、ツーリングを制御し、装置の移動を制御するようにプログラムされる、プロセッサと、を備える。
【0019】
特定の実施形態では、装置は、印刷部品をx方向、y方向および/またはz方向、またはそれらの任意の組合せに移動および/または回転させるように構成される。他の実施形態では、ツーリングは、基材上に材料を印刷して印刷部品を形成するために、3次元で移動することができ、例えば、移動するように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、装置は、ロボットアーム、ガントリ、移動フレーム、クレーン、パラレルマニピュレータおよびそれらの組合せのうちの1つまたは複数を備えるか、またはそれらと組み合わせて使用することができる。
【0021】
特定の実施形態では、固体積層造形システムは、基材をそれぞれ加熱もしくは冷却するため、および/または、受け取った材料を加熱もしくは冷却するため、または印刷部品を加熱もしくは冷却するための加熱手段または冷却手段を備える。
【0022】
他の実施形態では、固体積層造形システムは、印刷部品の微細構造および機械的強度を制御するために、追加の場、電場、磁場、振動、超音波もしくは光、またはそれらの任意の組合せを提供するための、例えば磁石、電場発生器、無線周波数発生器、圧電装置、レーザ、ランプ、モータなどの刺激装置を備える。
【0023】
いくつかの実施例では、装置は、非中空(中実)、部分的に中空もしくは完全に中空部品、またはそれらの任意の組合せの印刷を可能にするように構成される。
【0024】
追加の実施例では、装置は、円柱形、矩形、正方形状、長円形、6角形、8角形などの異なる大型形状の印刷を可能にするように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、装置は、テーパ付き部品、例えばテーパ付き円柱、テーパ付き角錐などの印刷を可能にするように構成される。
【0026】
他の実施形態では、装置は、部品の壁厚が軸のうちの1つに沿って変化する中空部品の印刷を可能にするように構成される。
【0027】
追加の実施形態では、装置は、傾斜部品または非平面部品の印刷を可能にするように構成される。
【0028】
さらなる態様、実施形態、特徴および要素を以下でさらに説明する。
本明細書で開示される技術の特定の態様、実施形態、構成、特徴および要素は、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】積層造形システムを概略的に示す図である。
図2A】中実棒状充填材料の供給ユニットおよびスピンドルハウジングの断面図である。
図2B】粉末/ペレット充填材料の供給ユニットおよびスピンドルハウジングの断面図である。
図3A】スピンドルおよび工具の概略断面図である。
図3B】任意選択の注入ポートおよびサイドカッターを有する工具の概略断面図である。
図3C】任意選択の中空ピンおよびナブを有する工具の概略断面図である。
図3D】任意選択の交換可能なナブを有する工具の概略断面図である。
図3E】異なる工具形状の断面図である。
図3F】異なる工具形状の断面図である。
図3G】異なる工具形状の断面図である。
図3H】異なる工具形状の断面図である。
図3I】異なる工具形状の断面図である。
図3J】異なる工具形状の断面図である。
図3K】異なる工具形状の断面図である。
図4A】様々なスロート開口部を有する工具ショルダの底面図である。
図4B】様々なスロート開口部を有する工具ショルダの底面図である。
図4C】様々なスロート開口部を有する工具ショルダの底面図である。
図4D】様々なスロート開口部を有する工具ショルダの底面図である。
図4E】様々なスロート開口部を有する工具ショルダの底面図である。
図4F】様々なスロート開口部を有する工具ショルダの底面図である。
図4G】様々なナブ、スロート開口部およびショルダ特徴部を有する工具ショルダの底面図である。
図4H】様々なナブ、スロート開口部およびショルダ特徴部を有する工具ショルダの底面図である。
図4I】様々なナブ、スロート開口部およびショルダ特徴部を有する工具ショルダの底面図である。
図4J】様々なナブ、スロート開口部およびショルダ特徴部を有する工具ショルダの底面図である。
図4K】様々なナブ、スロート開口部およびショルダ特徴部を有する工具ショルダの底面図である。
図4L】様々なナブ、スロート開口部およびショルダ特徴部を有する工具ショルダの底面図である。
図5A】様々なテーパ付き工具ショルダ形状の断面図である。
図5B】様々なテーパ付き工具ショルダ形状の断面図である。
図5C】様々なテーパ付き工具ショルダ形状の断面図である。
図5D】平坦なテーパ付きショルダを有するテーパ付き中空ピンの断面図である。
図5E】平坦なテーパ付きショルダを有するテーパ付き中空ピンの断面図である。
図6A】異なる通路(スロート)形状を有する工具の断面図である。
図6B】異なる通路(スロート)形状を有する工具の断面図である。
図6C】粉末およびペレット充填材料のための複数の開口部を有する工具の断面図である。
図6D】粉末および/またはペレット材料との積層溶接を意図した側面開口部を有するスロートを有するピンを有する工具の断面図である。
図6E】複数の通路を有する工具の断面図である。
図6F】複数の通路を有する工具の断面図である。
図6G】複数の通路および任意選択の静的または交換可能なナブを有する工具ショルダの底面図である。
図6H】複数の通路および任意選択の静的または交換可能なナブを有する工具ショルダの底面図である。
図6I】複数の通路および任意選択の静的または交換可能なナブを有する工具ショルダの底面図である。
図7A】提案されるAFSシステムを用いたワークピース上の材料堆積のプロセスの概略図である。
図7B】提案されるAFSシステムを用いたワークピース上の材料堆積のプロセスの概略図である。
図7C】提案されるAFSシステムを用いたワークピース上の材料堆積のプロセスの概略図である。
図7D】提案されるAFSシステムを用いたワークピース上の材料堆積のプロセスの概略図である。
図7E】提案されるAFSシステムを用いたワークピース上の材料堆積のプロセスの概略図である。
図8A】工具スロートを通してCNTまたは炭素繊維などの補強粒子を含む充填材料を堆積させるAFSプロセスの概略図である。ワークピース表面に沿って工具を優先的に横方向に移動させることなく、異方性補強材のランダムな配向が達成される。
図8B】工具スロートを通してCNTまたは炭素繊維などの補強粒子を含む充填材料を堆積させるAFSプロセスの概略図である。外場、例えば電場もしくは磁場の印加および/またはツールの優先的な横方向移動によって、CNTまたは炭素繊維の優先的な配向が達成される。
図9A】AFSシステムを用いた異種材料で作られた2つの構造間の溶接の概略図である。2つの構造間の溶接部は、シーラントとして作用する充填材料で充填される。
図9B】AFSシステムを用いた異種材料で作られた2つの構造間の溶接の概略図である。溶接部は、構造間に生成された結合をさらに補強するために充填材料および補強粒子で充填される。
図10】バッキングプレートを用いて本AFSシステムで亀裂を有する欠陥のある管状構造を修復するプロセスの概略図である。
図11A】充填材料をバッキングプレート上に堆積させた後にそれから分離することによって、MMC、金属ポリマー複合材料、強化複合材料および他の材料などの材料ブロックをその場で作製するプロセスの概略図である。
図11B】表面強化材料、すなわちMMCまたは複合材料のその場生成の概略図であり、混合、均質化、圧密化により、それは供給ユニットからスピンドルおよびバッキングプレートの表面上の工具を通って移動する。
図11C】任意選択的に外部エネルギー源を適用して、最終段階で添加された1つまたは複数のモノマーおよび開始剤の混合および重合反応を引き起こすことによる、その場反応およびポリマー材料IPNまたはSIPNの生成の概略図である。
図12A】サンドイッチ構造が2つのプレートの間に補剛材を備える、サンドイッチ構造の製造の概略図である。
図12B】サンドイッチ構造が2つのプレートの間に発泡体層を備える、サンドイッチ構造の製造の概略図である。
図13A】ツーリングと、ロボットアームを有する装置、例えば付属装置とを含むいくつかの構成要素または積層(または積層/除去)システムの図である。
図13B】積層(または積層/除去)システムとともに使用することができるパラレルマニピュレータを示す図である。
図14A】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図14B】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図14C】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図14D】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図14E】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図14F】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図14G】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図14H】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図14I】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図14J】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図14K】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図14L】装置を用いて生成することができる形状のうちのいくつかを示す図である。
図15A】付属装置を含むシステムに存在する構成要素のうちのいくつかを示すブロック図である。
図15B】付属装置を含むシステムに存在する構成要素のうちのいくつかを示すブロック図である。
図16】他のツーリングに隣接して配置されたツーリングを示す図である。
図17】付属装置を有する積層造形システムを示す図である。
図18】回転テーブルを示す図である。
図19A】積層造形システムおよび回転テーブルを用いて製造された印刷部品を示す写真である。
図19B】積層造形システムおよび回転テーブルを用いて製造された印刷部品を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
詳細な説明
様々な例示的な実施形態および構成を詳細に参照する。本開示の利益を考慮すると、以下の例示的な実施形態は、技術の範囲または特許請求の範囲を限定することを意図しないことが当業者によって理解されるであろう。むしろ、以下の本文は、特定の態様および特徴のユーザフレンドリで詳細な説明を提供する。異なる実施形態の任意の組合せを使用して、装置を用いて大規模複合形状の物体を製造することができる。既存のMELD(登録商標)作業プラットフォームでは大型サイズを製造することができない所望の大型複合物体を製造するために、装置のサイズ、形状、および数が変化する可能性がある。装置は、例えば、初期状態の物体を層ごとに印刷するため、ならびにMELD(登録商標)プロセスまたは当技術分野で知られている他のプロセスによって事前に製造された物体のコーティング、シール、接合または修復のために使用することができる。装置を備えたMELD(登録商標)システムはまた、層ごとの印刷および他の方法の任意の組合せを可能にすることができる。さらに、装置は、補強構造などの印刷された特徴部を、MELD(登録商標)プロセスまたは他の適切なプロセスによって作られた予め作製された大型部品に追加することを可能にする。一般に、積層造形(AM)は、通常は層ごとの堆積によって多次元物体を作製するために材料を接合するプロセスを指す。
【0031】
本出願で提供される実施例および説明では、様々な変更を行うことができ、それらも本技術の範囲内であることが意図されていることに留意されたい。例えば、記載される製造方法は、記載される方法ステップのうちの1つまたは複数を用いて、任意の順序で実施することができる。さらに、1つの方法の方法ステップが、記載される他の方法のステップおよび/または当業者に既知の方法ステップと交換および/または組み合わせることができる。同様に、本出願に記載される特定のツーリングのための特徴および構成は、省略、交換、および/または記載され、もしくは当業者に既知の他の特徴と組み合わせることができる。他の支持要素(ロボットアーム、ガントリ、クレーン、移動フレーム、パラレルマニピュレータなど)と組み合わせた1つまたは複数の装置が(単独でまたは一緒に)使用されることができ、印刷部品の必要な移動を行うために任意の順序で交換されることができる。
【0032】
任意の特定の理論または任意の1つの特定の動作モードに束縛されることを望まないが、MELD(登録商標)積層造形技術は、溶融ベースのAMプロセス、コールドスプレー堆積などの一般的なAM技術の欠点の少なくともいくつかを克服することができる。MELD(登録商標)技術は、作業プラットフォーム上への単一の材料、複数の材料または独自の材料組成物の固体熱機械層ごとの印刷、または以前に製造されたワークピース上への堆積を含む。例えば、非溶融MELD(登録商標)堆積のいくつかの実施例は、内部通路を備えるMELD(登録商標)工具を介して堆積された材料とワークピースとの間の摩擦に少なくとも部分的に基づくことができ、摩擦力および他の力、ならびに生成された熱は、回転する工具の近くで顕著な材料の変形を引き起こす。工具に隣接する材料(工具およびワークピースの表面材料層を介して供給される充填材料)は、軟化した、すなわち、いわゆる可鍛性状態にあり、機械的に撹拌され、一緒に混合される。追加の力、例えば剪断力または他の力もまた、プロセスにおいて作用することができる。その非溶融特性のために、MELD(登録商標)技術は、同じまたは異なる材料または共融混合物を形成する材料の堆積層の間に強い界面をもたらすことができ、当技術分野で既知の他の技術によって接合することはできなかった。さらに、MELD(登録商標)製造システムは、競合技術に関連する課題を克服しながら、ハイブリッド積層造形によって部品を製造する、すなわち積層および除去ステップを実行する可能性を提供する。
【0033】
AM技術の課題の1つは、印刷部品のサイズである。競合技術の多くは、不活性ガス/真空チャンバおよび/または粉末床の制限のためにサイズが制限されている。大気開放MELD(登録商標)技術にはこれらのタイプの制限はないが、印刷部品のサイズはMELD(登録商標)システムの作業プラットフォームによって制限される。したがって、付属装置/システムの望ましい属性は、既存のMELD(登録商標)システムで大型部品を印刷することを可能にし、その部品は、MELD(登録商標)システムによって製造されたものよりも大きくなる。
【0034】
本明細書に記載される様々な例示では、AMシステムとともに使用される装置は、単一の装置だけでなく、例えば、単一のロボットアームまたは単一のガントリだけでなく、一緒に使用される異なる装置の組合せであってもよいことを理解されたい。
【0035】
特定の実施形態では、装置は、3軸固定機械と組み合わせて、3つの直線軸、例えばx、yおよびzのいずれかに組み込まれている大型複合形状部品の印刷および移動を可能にする。装置は、便宜上、本明細書ではいくつかの例で 「付属装置」 と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、3軸移動は、限定はしないが、オーバーヘッド可動ブリッジ状構造、ガントリまたはロボットアームなどの構造(要素)で可能になる。他の実施形態では、装置は、限定はしないが、ロボットアーム、ガントリ、クレーンなどの移動テーブルプラットフォームに加えて代替手段を使用して、垂直、水平、および他の軸に構成要素を構築する。MELD(登録商標)システムおよびロボットアームを有する装置の一例を図13Aに示す。装置1302Aのロボットアーム1302Bをツーリング1301と組み合わせて使用して、材料の層を装置の支持体内に、または支持体内に配置された物体上に印刷することができる。支持体は、最終印刷部品の一部になってもよく、または材料堆積プロセス中にツーリングから材料を受け取ることができる支持基材としてのみ作用してもよい。一般に、ツーリングは円周方向に回転することができ、適切な圧力および材料を使用して、ツーリング内の材料を装置の支持体上に印刷することができる。装置は、異なる高さ、厚さおよび個々の特徴部を有する複合形状の印刷を可能にするために3次元で移動することができる。MELD(登録商標)または他のAMシステムとともに使用することができるパラレルマニピュレータまたはStewartプラットフォーム1350の一例を図13Bに示す。いずれの構成にも束縛されることを望まないが、Stewartプラットフォームは、プラットフォームのベースプレート1352上の3つの位置に対で取り付けられ、トッププレート1354上の3つの取り付け点に交差する6つの角柱アクチュエータ、一般に油圧ジャッキまたは電気リニアアクチュエータ(1351a~1351f)を有する一種のパラレルマニピュレータである。12個すべての接続は、ユニバーサルジョイントによって行うことができる。トッププレート上に配置された装置は、自由に懸架された物体が移動することが可能な6自由度、すなわち、3つの直線運動x、y、z(横方向、縦方向、および垂直方向)、および3つの回転(ピッチ、ロール、およびヨー)で移動することができる。パラレルマニピュレータは、本明細書で述べるように最終部品を提供するためにAMシステムとともに使用することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、x、yおよびz方向の移動は連続的であるが、他の実施形態では、移動は離散的または不連続的である。例えば、ツーリング1301は、空間的に互いに分離された部品のセグメントを印刷するために使用することができる。同じまたは異なる材料を含むことができる追加のツーリング(図示せず)が、その後のプロセスにおいて様々なセグメントを互いに結合するために材料を印刷することができる。さらに他の実施形態では、大型複合部品の製造は、装置によって提供される連続的および不連続的な移動の組合せによって実行することができる。
【0037】
特定の実施形態では、装置は、複数の軸に沿った連続的または不連続的な移動を可能にするn軸固定機械とともに使用される。例えば、nは、2、3、4、5またはそれより多くてもよい。n=5の一例では、3つの直線軸および2つの回転軸を動作中に使用することができる。したがって、MELD(登録商標)システムおよび本装置は、非常に複雑な形態を有する大型物体の製造を可能にする。
【0038】
いくつかの実施形態では、開示される装置は、限定はしないが、以下の形状、すなわち、円柱形、矩形、正方形状、長円形などの様々な非中空中実形状を印刷する手段を提供するように構成される。中空形状は、インサートまたはブロックの周りに印刷することによって形成することができ、またはインサートまたはブロックが存在せずに直接様々な辺または面を印刷することができる。他の実施形態では、開示される装置は、限定はしないが、以下の形状、すなわち、円柱形、矩形、正方形状、長円形、6角形、8角形などの異なる部分的に中空の形状を印刷する手段を提供するように構成される。
【0039】
さらに他の実施形態では、開示される装置は、限定はしないが、以下の形状、すなわち、円柱形、矩形、正方形状、長円形などの異なる中空形状を印刷する手段を提供するように構成される。
【0040】
図14A図14Iは、装置を備えたMELD(登録商標)システムで印刷可能な形状のうちのいくつかを提示する。例は、限定はしないが、中実円柱(図14A)、中実直方体(図14B)、中実立方体(図14C)、角錐台(図14D)、切頭円柱(図14E)、中空円筒(図14F)、中空矩形チャネル(図14G)、片側閉鎖中空6角形形状(図14H)、中空8角形形状(図14I)および他の形状(図14J図14Kおよび図14L)を含む。
【0041】
特定の実施形態では、装置は、以下の例に限定はしないが、閉じた円柱、閉じた矩形形状、閉じた6角形形状などの閉じた中空形状を印刷するように構成される。いくつかの実施形態では、装置を使用して、限定はしないが、テーパ付き円柱、テーパ付き角錐などの、それらの形状および/または印刷された壁の厚さを徐々に変化させる中空構造を印刷することができる。他の実施形態では、装置を使用して、異なる形状の傾斜構造を印刷することができる。
【0042】
特定の実施形態では、大規模複合形状部品は、装置と、例えばMELD(登録商標)システムなどのAMシステムとを使用して、層ごとに印刷することができる。他の実施形態では、MELD(登録商標)プロセスまたは当技術分野で既知の他のプロセスによって製造された、事前に製造された部品は、装置を用いてMELD(登録商標)プロセスでコーティングすることができる。他の実施形態では、事前に製造された部品は、装置を用いてMELD(登録商標)プロセスによって互いに接合することができる。さらに他の実施形態では、事前に製造および使用された部品は、装置を用いてMELD(登録商標)プロセスで修復されている。いくつかの他の実施形態では、特定の特徴部が、装置を用いてMELD(登録商標)プロセスによって予め製造された部品に追加されている。実施例は、限定はしないが、予め製造された長いパイプの周りにリングを追加すること、大型プレートに強化(補強)特徴部を追加することなどを含む。
【0043】
特定の実施形態では、MELD(登録商標)製造システムは、複合形状を有する非常に大きな部品の製造を可能にするために、装置を有する大きな3軸または5軸固定機械の周りを移動することができる。他の実施形態では、3軸または5軸固定機械を有する装置は、限定はしないが、堆積部品の温度、圧力、トルク、応力、長さおよび幅を含む様々なプロセスパラメータを監視、測定および/または制御するための1つ、2つまたはそれより多くのセンサおよび検出器を備える。
【0044】
特定の実施形態で、装置を含むシステムのブロック図を図15Aに示す。システム1500は、ツーリング1520および付属装置1530に電気的に結合されたプロセッサ1510を備える。ツーリング1520は、装置1530の一部であり得るか、または装置1530とは別個であり得る支持体上に堆積されるべき1つまたは複数の材料を備えることができる。必須ではないが、ツーリング1520は、材料が通過するショルダを備えてもよい。例えば、ショルダを有するツーリングの使用は、材料をツーリングに供給することができることによって連続的な堆積を可能にすることができる。場合によっては、システム1550(図15B参照)はまた、部品が印刷されているときに材料をツーリング1520に供給するための材料供給サブシステム1560を含むことができる。材料供給サブシステム1560は、棒材、スクラップ、リサイクル材料、粉末、繊維または他の形態の材料を印刷のためにツーリング1520に供給することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、装置は、基材上に材料を印刷するために複数のツーリング装置とともに使用することができる。図16には、ツーリング1610がツーリング1620に隣接して配置されている図が示されている。異なるツーリング1610、1620は、所望に応じて同じ材料または異なる材料を堆積させることができ、例えば、材料は、ツーリング1610、1620を使用して同時にまたは順次堆積させることができる。さらに、ツーリング1610、1620は、同軸、平行、または互いに対して特定の角度で配置することができ、例えば、一方のツーリングは、既に印刷された材料の側面に対して材料を構築するために、別のツーリング位置に対して直交してオフセットして配置することができる。必要に応じて、異なるツーリングは、アレイ内の他のツーリング部材と同じまたは異なる材料を印刷するように構成された異なるツーリング行部材、ツーリング列部材または個々のツーリング部材を有するアレイの形態で配置することができる。ツーリングは、一般に、材料が基材の表面上に印刷されるときに、周方向に回転する。回転は、印刷プロセスを支援するために摩擦、熱および圧力を生成することができる。
【0046】
特定の実施形態では、付属装置は、図17に示すような回転テーブルの形態をとることができる。回転テーブル1720は、MELD(登録商標)システム1710などのAMシステム、および回転テーブル1720を所望の速度で回転させるためのギア1730とともに使用することができる。回転テーブル1720は、回転テーブル1710の支持体の上に材料を堆積させるために、1次元、2次元または3次元以上に移動することができる。必要に応じて、回転テーブル1720は、堆積のための追加の寸法制御を達成するために別の装置と組み合わせることができ、例えば、回転装置上へのパラレルマニピュレータの配置またはパラレルマニピュレータ上への回転装置の配置は、追加の寸法制御を提供することができる。
【0047】
図18は、所望のサイズの連続した一定の外半径を有する回転テーブル1820を示す回転テーブルの一構成の拡大図である。ツーリング1810は、回転テーブル1820の上面に材料を堆積させて、基材1850上に部品を形成することができる。図18に示すギア1830は、テーブル1820がどのくらい速く回転するかを制御することができる。あるいは、テーブル1820は、モータ、モータおよびシャフトを含むことができ、手動でまたは他の手段によって移動することができる。テーブル1820を回転させる歯車装置1830またはモータは、AMシステムの一部であってもよく、AMシステムとは別個であってもよい。例えば、歯車装置またはモータは、AMシステムまたは別個のサブシステムによって制御することができる。移動中にテーブル1820を安定させ、基材1850上に印刷された部品を支持するのを助けるために、追加の支持構造1825が回転テーブル1820の下に示されている。基材1850は、製造後に印刷部品から分離され得る最終部品の一部を形成し得る。
【0048】
本明細書に記載のシステムで使用される正確な材料は様々であってよく、限定はしないが、金属、プラスチック、セラミックおよび他の材料を含む。さらに、回転テーブルが使用される場合、テーブルは、所望の堆積速度および使用される材料に応じて、例えば毎分1~2インチから毎分100インチまでなど、多くの異なる速度で回転することができる。必要に応じて、回転テーブルは、時計回りおよび反時計回り方向に回転することができ、部品の異なる特徴部または領域が印刷されるときに異なる方向に回転することができる。回転テーブルの全直径は、追加の半径方向セグメントを回転テーブルに挿入することによって調整することができる。あるいは、異なるサイズの回転テーブルを使用して、異なるサイズの部品を印刷することができる。必要に応じて、別の回転テーブル内に配置された回転テーブルを使用して、2つの別個の部品を同時に堆積させることができる。部品は、印刷されると、リブ、アームまたは他の構造によって互いに接合することができる。
【0049】
特定の実施形態では、印刷部品は平面である必要はなく、ドーム形状、厚さもしくは高さが増加したエリア、またはそうでなければ非平面エリアを含むことができる。図19Aおよび図19Bに実例を示す。図19Bに示す外側の大型部品は、約10フィートの直径および約2インチの壁厚を有する。
【0050】
特定の実施形態では、材料は、部品の印刷の前に、支持テーブル上に塗布、例えば、コーティング、押し出し、塗装、ブラッシングなどされてもよい。例えば、薄い金属層を非金属基材に追加することができ、その結果、AMシステムを使用した印刷を堆積された薄い金属層の上で実行することができる。他の例では、基材自体が金属またはセラミックであってもよく、上面に直接印刷されてもよい。単一の材料または複数の異なる材料を、例えば一緒に、または別々の層もしくはセグメントにして、基材上に印刷することができる。いくつかの実施例では、材料は、別の材料、例えば発泡体またはインサートの周りに印刷されて、最終部品を形成することができる。発泡体またはインサートは、印刷後に所定の位置に残すか、または除去して中空部品を形成することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、装置は、最終物品を組み立てるために使用されるより大きなシステムの一部であってもよい。例えば、付属装置は、AMシステムを使用して部品を印刷し、次いで、印刷部品を互いに接合または結合された他の構成要素上に配置して、例えば車両、航空機、宇宙船などの最終物品を形成するために使用されるロボットアームとすることができる。必要に応じて、ロボットアームを使用して、物品の別のサブアセンブリ上に部品を直接印刷して、部品をサブアセンブリに構築することができる。ガントリまたは他の装置は、大型部品が印刷および/または移動される場合に使用されてもよい。
【0052】
場合によっては、MELD(登録商標)システムの一実施形態は、図1に示すように、積層造形システム(AM)または積層摩擦ベースの製造システム(AFS)として構成することができる。システム100は、加工片プラットフォーム102と、プロセス制御システム104(例えば、プロセッサ、モータ、電源、制御ユニット、監視ユニットなど)と、モータと、可変周波数ドライブとを備え、1つまたは複数の供給ユニット106は、非消耗工具108を介して消耗性充填材料を加工片110の基材上に吐出することができる。例えば、摩擦ベースの製造ツーリングは、摩擦加熱および圧縮荷重を受けたときに変形に耐えることができる材料から形成された非消耗性本体と、本体を通って長手方向に通路を画定し、本体の回転中にスロート内の材料に垂直力を加えるための手段を備えるスロートとを含むことができる。外部エネルギー源112、ガス供給源114、センサ116、任意選択のバッキングプレート118などの追加の任意選択の構成要素もシステム100に存在してもよい。
【0053】
特定の実施例では、制御プロセスソフトウェア、モータ、および可変周波数ドライブを部分的に含む機械を使用することができる。プラットフォームは、供給ユニット、工具、スピンドル、プロセス制御ソフトウェア、モータ、および可変周波数ドライブのキャリアとすることができる。プロセス制御ソフトウェアは、工具回転速度および基材移動速度を制御することができる。モータは、工具をスピンドルに通すことができる。可変周波数は、モータおよびスピンドルを介して工具回転速度の制御を駆動する。付属装置は、AMまたはAFS機械によって、または必要に応じて別個の制御を介して制御することができる。
【0054】
例えば、一構成では、システムは、アクチュエータ202、プッシュロッド202、ならびに任意選択のガイドロッドおよび横材を含む、固体(棒)状充填材料(図2A)のための、および粉末またはペレット型充填材料(図2B)のための供給ユニットを含むことができる。アクチュエータ202は、供給原料または充填材214をプッシュロッド214を介して基材(例えば、図2Bの270を参照)上に押すための下向きの力を提供する。ガイドロッドおよびクロス部材は、プッシュロッド214を安定させるために存在することができる。さらに、この実施形態は、固体(ロッド)充填材料214(図2A)のためのスピンドルハウジング210、または粉末もしくはペレットタイプの充填材料(図2B参照)のためのホッパもしくはポート252を含む。図2Aに示すシステムはまた、モータ204、206、スピンドル用の駆動プーリ208、工具216、固体供給プッシュロッドおよびアクチュエータスタンド218(アクチュエータと供給ロッドとの間の移動距離を提供することができる)、固体供給パススルー220、2次スピンドル(浮動/非駆動)222、下側スピンドル/アダプタに駆動を付与するためのスピンドル部品224、下側スピンドル226、工具ホルダ228、および圧力プレート230を含むことができる。図2Bに示すシステムはまた、修正された工具ホルダ254、ホッパ横方向送出システム256、混合ダウンチューブ258、オーガ駆動機構260、および粉末ドローダウン機構262、例えばワイパまたは他の装置を含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、軸受、オイルシステムスピンドル、および中心の孔を含むことができる。例えば、軸受はスピンドルの回転を可能にし、スピンドルは工具ホルダを介して回転するために工具を駆動し、中心の孔は原料がスピンドルを通過することを可能にする。他の実施形態では、添加剤(潤滑剤、安定剤、触媒、開始剤など)を充填材料に添加するために、供給ユニットの周り(すなわち、図2Bのホッパ252の周り)に注入ポートを設置することができる。
【0055】
特定の実施形態では、スロートを有する工具ホルダを使用することができる。工具ホルダは工具を保持して回転させることができ、スロートは原料がそれを通過することを可能にする。他の実施形態は、堆積プロセス中に様々な工具形状および工具スロート設計を有する1つまたは複数の工具(例えば、同じ種類の摩耗した工具を交換するなどの同じ工具、または異なる機能などのための異なる工具)の変更を実施することを可能にする工具交換器を含むことができる。いくつかの実施形態では、工具300は、スピンドル通路(図3A参照)と動作可能に連通するスロート(通路)を有する。他の実施形態では、スピンドルの主通路内の充填材料に添加剤(潤滑剤、安定剤、触媒、開始剤など)を添加するために、1つまたは複数の注入ポート302が設置される(図3A)。
【0056】
いくつかの実施形態では、工具は、堆積プロセス中に突然現れる「余分な」材料を切断するために使用されている工具の外周側に配置された工具カッターなどの特定の付属品を装備することができる(図3B)。特定の構成では、非回転工具本体は、潤滑剤、架橋剤、開始剤、触媒、安定剤などの添加剤を主充填材料に供給するために、ポートを工具の主スロートに接続する内部通路を有する1つまたは複数の注入ポートを備える(図3B)。
【0057】
いくつかの実施形態では、スロートを有するピンは、ピンスロート310が工具スロートと動作可能に連通する工具ショルダから延在することができる(図3C)。すべての実施形態におけるピンは、AFSシステムの任意選択の構成要素である。ピンは、ワークピースの表面領域および充填材料のより良好な撹拌を可能にする。特定の実施形態では、中空ピンは、ピンスロートから供給された充填材料がシーラントとして作用する異種材料のより良好な溶接および接合に寄与し得る。さらに他の実施形態では、接合または溶接される2つの構造間の溶接部または空間は、構造間の結合をさらに強化する補強材料(強化繊維または粒子、CNT等)で充填される。いくつかの実施形態では、ワークピースに面する工具ショルダは、工具材料と同じまたは異なる材料で作られた少なくとも2つのナブを含む(図3C)。
【0058】
さらに他の実施形態では、ナブ320は交換可能である(図3D)。交換可能なナブは、ナブが特定の摩耗を受けた後にのみ交換されることを可能にし、工具全体ではないため、工具の寿命を大幅に延ばす。さらに、ナブ320は、工具材料、例えばダイヤモンドまたはサファイアまたはPCNBまたはW-Rh-HfまたはTiよりも強くて高価な材料で作ることができ、したがって、より安価な工具を提供するが、極端な摩耗の撹拌条件を控えるのに十分な強度を依然として提供する。
【0059】
いくつかの実施形態では、工具の幾何形状は、平坦、凸状もしくは凹状の形状または任意の他の形状を有するショルダによって変化する(図3E図3Kを参照)。
【0060】
いくつかの実施形態では、工具本体は内部通路を備え、通路は様々な断面形状を有することができる。いくつかの実施形態では、内部通路は、正方形、円形、長円形、矩形、星形、6角形または任意の他の断面形状(例えば、図4A図4Fを参照)を有する。
【0061】
いくつかの実施形態では、工具ショルダは、材料の変位およびその下の攪拌の有効性を助ける特定の表面特徴部(スパイラル、プロペラ型など)を有することができる(図4G図4L)。さらに、特定の実施形態では、ショルダの表面特徴部の横に、様々な形状およびサイズを有するナブが、工具ショルダ上の異なる位置に変位される(図4G図4L)。
【0062】
他の実施形態では、工具は、テーパ付きショルダおよび/またはテーパ付き中空ピンを備える(図5A図5E)。テーパ付きショルダおよび/またはピンは、ワークピースの表面領域における充填材料とのより良好な撹拌を可能にする。ショルダおよびピン上のテーパ付きゾーンは、同じまたは様々な形状およびサイズの特徴部で満たされてもよい。
【0063】
特定の実施形態では、工具通路と連通するスピンドルの通路は、断面形状およびサイズを変化させることができる(図6Aおよび図6B)。工具通路の形状およびサイズの変化も可能である(図6C)。いくつかの実施形態では、スピンドルおよび/または工具は、複数の通路を有することができる(図6A図6B図6Cおよび図6D)。さらに他の実施形態では、工具は、充填材料がワークピース表面上のより広いエリアを覆うために、工具通路の端部に向かって2つ以上の開口部で分岐する通路を備える(図6Dおよび図6E)。工具ショルダは、複数の通路に加えて、静的または交換可能なナブを備えることができる(図6G図6I)。通路は、任意の断面形状を有することができる。複数の通路の場合、図6G図6Iに示すような通路円形断面が可能である。
【0064】
特定の構成では、摩擦ベースの製造工具は、本体およびスロートを有する非消耗部材を備え、スロートは、基材に対してコーティング材料の摩擦加熱を課すのに十分な速度で回転したときに本体からコーティング材料に回転を与えるために、その中に配置された消耗性コーティング材料に垂直力を及ぼすように成形される。本体は、スロートから基材への堆積物材料の吐出および圧縮荷重のための手段と、基材に対して本体を回転および並進させるための手段と動作可能に接続することができる。本体は、本体と基材との間のボリューム内で基材上に装填された堆積物材料を捕捉し、基材上に堆積物の表面を形成および剪断するための表面を備える。環境「チャンバまたはシールド」は、システムの柔軟な部分である。それは、制御された雰囲気での堆積が必要とされるときに有用な加工片(基材)、工具およびスピンドルの周りに空間エンクロージャを提供する。この包囲された環境内にガスを供給することにより、空気(酸素)に敏感な材料を堆積させることができ、したがって堆積中の材料の酸化を回避することができる。さらに、包囲された空間は、充填材料とともに被堆積材料の最終組成および/または構造に寄与する特定のガス環境を提供することができる。このようにして、窒素環境中で金属および金属合金から金属窒化物を堆積させることが可能であり、充填材料の堆積中にガスを吹き付けることによってAl発泡体およびポリマー発泡体などの多孔質構造が可能である。
【0065】
他の特定の実施形態は、(a)基材上への堆積の前に内部に配置された堆積物材料を収容するための中空内部を備える本体部材であって、本体部材の内部は、工具の回転中に堆積物材料を回転させるために、その中に配置された堆積物材料に垂直力を加えるように成形される、本体部材と、(b)工具と、工具を基材に対して回転および並進させるための手段と動作可能に通信する、工具から基材上への堆積物材料の吐出および圧縮荷重のための手段であって、工具は、平坦な表面幾何形状または荷重がかけられた堆積物材料の機械的攪拌を向上させるための構造を有する表面幾何形状を有するショルダ表面を備え、ショルダ表面は、ショルダと基材との間のボリューム内に荷重がかけられた堆積物材料を捕捉し、基材上の堆積物の表面を形成および剪断するように動作可能に構成される、手段と、のうちの1つまたは複数を含む摩擦ベースの製造ツールを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、工具ショルダ上の幾何形状構造は、被堆積材料の機械的撹拌を促進するために、様々な形状を有し、工具ショルダの様々な(例えば、異なる)位置に配置されたナブであってもよい。いくつかの実施形態では、工具ショルダは、工具通路と動作可能に連通する通路を有するピン内に延在することができ、これは、異種材料が激しい撹拌および/または溶接を必要とする場合に特に有用である。いくつかの実施形態によれば、工具材料は、以下の、ただし限定はされない、工具鋼、W系材料、WC系材料、WRe-HfC材料、W-La材料およびPCBN材料であり得る。
【0067】
特定の実施形態では、充填材料および基材は各々、金属材料、金属マトリックス複合材(MMC)、ポリマー、セラミック、ポリオレフィン、ポリウレタン、テフロン型ポリマー、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ナイロン、スチレンなどのプラスチック組成物、または鋼、Al、Ni、Cr、Cu、Co、Au、Ag、Mg、Cd、Pb、Pt、Ti、Zn、Fe、Nb、Ta、Mo、W、またはこれらの金属の1つまたは複数を構成する合金から独立して選択される金属であり得る。充填材料は、ロッド、粉末、ペレット、粉末充填円柱、またはそれらの任意の組合せであり得る。
【0068】
他の実施形態では、充填材料は、ポリマーまたは金属マトリックス材料に添加されたマイクロおよびナノ粒子、繊維、多層または単層カーボンナノチューブ(MW-CNTおよびSW-CNT)などの形態の補強材料であり得る。さらに他の実施形態では、充填材料は、ベースマトリックス、金属またはポリマー、金属合金、ポリマーブレンドまたは複合材と、潤滑剤、安定剤、開始剤、触媒、架橋剤などの特定の添加剤とを含む組成物であり得る。
【0069】
いくつかの実施例では、工具本体の回転中にスロート内の材料に垂直力を生成するための手段は、非円形断面形状を有するスロートであってもよい。さらに、消耗性固体、粉末、ペレット、または粉末充填管タイプの堆積物材料を含む任意の充填材料を堆積物材料として使用することができる。粉末タイプの堆積物材料の場合、粉末は、工具の内部スロート内に緩くまたは密に充填することができ、密に充填された粉末充填材料に垂直力がより効率的に作用する。粉末充填材料の充填は、堆積プロセスの前または間に達成することができる。
【0070】
特定の実施形態では、AFSシステムおよび付属装置は、基材上に表面層を形成する方法、例えば、摩耗した表面を修復する方法、表面を構築してより大きな厚さを有する基材を得る方法、2つ以上の基材を一緒に接合する方法、または基材の表面の穴を充填する方法に使用することができる。そのような方法は、本出願に記載されたツーリングを用いて(回転テーブルなどの装置上に配置された)基材上に材料を堆積させることと、例えば、被堆積材料を基材の材料と組み合わせてより均一な堆積物-基材界面を形成するための機械的手段を含む、被堆積材料を任意選択的に摩擦撹拌することとを含むことができる。堆積および撹拌は、同時に、またはその間の期間の有無にかかわらず順次行うことができる。堆積および撹拌は、同じまたは異なる単一の工具または別個の工具を用いて行うこともできる。
【0071】
特定の方法は、摩擦加熱および基材に対する堆積材料の圧縮荷重を使用して基材上に材料を堆積させることを含み、それによって工具は、摩擦加熱および圧縮荷重中に堆積材料を支持し、堆積物の表面を形成および剪断するように動作可能に構成される。
【0072】
いくつかの実施形態では、工具および堆積材料は、好ましくは基材に対して回転する。本明細書で述べるように、基材は、本明細書に記載の装置を使用して回転または移動することもできる。工具は、被堆積材料上に工具を再配置することを可能にする方法で、堆積材料に取り付けることができる。そのような実施形態は、使用中に堆積材料と工具との間で回転速度に差がないように構成することができる。代替的に、堆積材料および工具は、工具のスロートを通る堆積材料の連続的または半連続的な供給または堆積を可能にするように取り付けられなくてもよい。そのような設計では、使用中に、堆積中の堆積材料と工具との間に回転速度の差が存在する可能性がある。同様に、実施形態は、堆積材料が工具とは独立してまたは依存して回転されることを提供する。
【0073】
いくつかの例では、堆積材料は、工具のスロートを通って、場合によりスロートを通って堆積材料を引っ張るかまたは押すことによって送出される。実施形態では、堆積材料は外面を有し、工具は内面を有し、外面および内面は、鍵・錠タイプの嵌合を可能にするために相補的である。任意選択的に、工具のスロートおよび堆積材料は、長手方向に摺動係合することができる。さらに、工具のスロートは内径を有することができ、堆積材料は内径と同心の円筒形ロッドとすることができる。さらにまた、工具は、内面を有するスロートを有することができ、堆積材料は、外面を有することができ、表面は、工具からコーティング材料に回転速度を提供するために係合または連動することができる。好ましい実施形態では、堆積材料は、連続的または半連続的に供給され、および/または工具のスロート内におよび/またはスロートを通って送出される。基材の新しい表面を形成するための任意の被堆積材料の剪断は、基材上に任意の酸化物バリアコーティングを分散させるように実施することができる。いくつかの実施形態では、表面層の溶接および/または激しい撹拌が必要とされる場合、スロートを有するピンが工具から延在することができる。ピンプロファイル、直径および高さに応じて、撹拌表面層の深さ、結晶粒の微細化および均質化を厳密に制御することができる。
【0074】
特定の実施形態では、システムおよび関連する装置は、積層摩擦撹拌製造の分野で使用することができる。より具体的には、摩擦ベースの製造システムおよび関連する装置を使用してそのようなプロセスを実行することによる、部品製造、コーティング、接合、表面改質、官能化、修復およびその場MMCまたは表面複合材の形成のためのワークピース基材への様々な材料、または材料および補強粒子の堆積。本発明の実施形態の摩擦ベースの製造システムは、機械、供給ユニット、スピンドルシステム、工具ホルダ、および摩擦ベースの製造工具を含む。
【0075】
摩擦ベースの製造工具の例は、限定はしないが、処理中にコーティング材料および/または基材材料の摩擦加熱、圧縮荷重、および/または機械的撹拌を付与して、コーティング材料を基材の材料と塗布、接着、堆積、および/または混合して基材上にコーティングを形成することを可能にすることができる構成を含む。以下で詳細に説明するように、同じまたは異なるコーティングは、それらが時々使用される用途において改善された結果を提供することができる。
【0076】
特定の実施形態では、本明細書に記載のシステムおよび方法は、基材上に表面層を形成することによって、例えば、基材に対するコーティング材料の摩擦加熱および圧縮荷重を使用して基材上にコーティングを堆積させることによって、基材上に材料を塗布または堆積させるために使用することができ、それによって工具は、摩擦加熱および圧縮荷重中にコーティング材料を支持し、堆積物の表面を形成および剪断するように動作可能に構成される。そのような方法を実行するための摩擦ベースの製造ツーリングは、消耗可能なコーティング材料が、工具の対向する端部を通って配置されたスロート、ネック、中央、内部、または貫通孔と呼ばれる場合がある非消耗部材の内部を通って供給されるか、または他の方法で配置されることを可能にするように設計または構成することができる。工具のこの領域は、非円形の貫通孔形状で構成することができる。ツーリングのための様々な内部形状が可能である。非円形幾何形状では、工具スロートの表面で工具が供給原料に垂直な力を及ぼすため、消耗性充填材料は、工具の非消耗部分と同じ角速度で強制回転または回転させられる。そのような形状は、例として正方形の貫通孔および楕円形の貫通孔を含む。工具のスロートの内面によって充填材料の表面に接線力のみが及ぼされると予想され得る構成では、供給原料は工具と同じ角速度で回転させられない。取り外したまたは緩く取り付けられた供給原料と組み合わせた工具の断面の円形幾何形状は、堆積物材料および工具が同じまたは異なる速度で回転することをもたらすと予想される。
【0077】
特定の実施形態では、消耗性材料の形態は、いくつか例を挙げると、固体、粉末、複合材、粉末で充填された固体管などの任意の形態または形状であり得る。例えば、コーティング材料は、一定の距離で基材の表面を横切る並進運動と組み合わせて下向きの摩擦力を使用して基材上に堆積させることができる。充填材料は、工具(ひいては供給材料)の回転および並進運動などの工具と基材との間の他の相対運動を使用して、非消耗性工具のスロートを通って基材(典型的には、本明細書に記載の付属装置または他の装置上に配置される)の表面に向かって押されて堆積されることによって消費される。下向きの力は、例えば、材料を工具のスロートを通して引っ張るかまたは押すことによって、充填材ロッドに加えることができる。1つの方法は、アクチュエータでロッドを基材の表面に向かって押すことである。例えば、非円形貫通孔および対応する形状の充填材料の使用は、工具内の材料を工具と同じ角速度で回転させる方法の一例であり得る。特定の用途では充填材料の回転運動が望ましい場合があり、使用中に充填材料と工具の非消耗性部分の内部幾何形状との間の回転運動は経験されないことがわかっている。さらに、充填材料は、所望の期間にわたって基材に向かって材料の半連続的または連続的な供給を可能にするように、工具を通って自由に長手方向に移動するように動作可能に構成することができる。基材を受け入れるように構成された関連する装置は、複雑で多次元形状の生成を可能にするために充填材料を提供するツーリングの移動とは無関係に移動することができる。
【0078】
特定の構成では、ツーリングは剪断面を備える。この表面は、堆積されている堆積物材料の表面を剪断して基材の新しい表面を形成するために使用される。剪断面は、いくつか例を挙げると、カラー、スピンドル、アンビル、円筒形工具、ショルダ、機器、回転工具、剪断工具、スピニング工具、撹拌工具、工具幾何形状、またはねじテーパ付き工具を含むツーリングを得ることを含む、様々な方法で工具に組み込むことができる。剪断面は、その機能によってより完全に画定され、例えば、基材上にコーティング材料を介して基材に堆積されたコーティング材料に少なくとも下向き(すなわち、垂直)の力を捕捉、圧縮、突き固め、または他の方法で加えることができる工具の表面である。
【0079】
特定の実施形態では、AFSシステムおよび任意の関連装置は、表面官能化、表面保護、コーティングおよび/またはクラッドに使用することができる。基材への良好な化学的(冶金的)結合を提供する基材上への充填材料を使用した固体コーティングの堆積は、それを例えば摩耗および腐食から保護することができる(図7A)。他の実施形態では、本発明のAFSシステムは、表面複合材を形成するために使用され、複合材層は基材に良好に接着される。さらに他の実施形態では、異なる工具形状に対応する本AFSシステムの柔軟性により、組み込まれたセラミック粒子の崩壊がほとんどまたは全くない状態で表面MMC層が得られる。
【0080】
他の実施形態では、金属-ポリマー複合材をAFSシステムによって形成することができる。ポリマーおよび金属などの混合および結合が困難な材料は、AFSシステムで十分に撹拌することができる。AFSシステムでは、物理的または化学的結合さえも有する金属/ポリマー混合物および/または金属/ポリマー複合材が可能である。摩擦攪拌されたプラスチック変形領域では、機械的分散および物理的インターロック結合が可能である。
【0081】
他の実施形態では、金属-ポリマー結合は、充填材料として工具スロートを介してプレポリマー(またはモノマー)を供給することによって提供され、これは、強い摩擦撹拌および生成された摩擦加熱の際に架橋および下側の金属表面への結合を受ける(図7A)。他の実施形態では、金属材料をプレポリマーまたはモノマー材料と接触させ、撹拌する。堆積および結果として生じる摩擦撹拌の間、摩擦および加熱の両方により、プレポリマーまたはモノマーは重合し、影響を受けた領域で3Dネットワーク(架橋)を形成し、したがって金属に結合する。
【0082】
さらに他の実施形態では、プレポリマーまたはモノマー材料は、追加の場、例えば電場またはUV光暴露を受け、したがって、堆積された層で架橋(または重合)が起こり、化学結合組成物が得られる。
【0083】
他の実施形態では、AFSシステムは、プラスチック基材またはプラスチック部品の上に金属層を堆積させるために使用され、したがって、そうでなければ軽量の基材または部品の機械的特性の向上を提供する。
【0084】
さらに他の実施形態では、AFSシステムは、金属基材または部品上にポリマーコートを堆積させ、したがって、保護コーティング、例えば耐食性コーティング、不燃性コーティングおよび/または耐摩耗コーティングを提供するために使用される。
【0085】
他の実施形態では、本発明のAFSシステムによって、相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)または半相互貫入ポリマーネットワーク(SIPN)コーティングをワークピースの表面に形成することができる。IPNおよびSIPNは、通常、本質的にエラストマーであり、例えば、金属イオンの収着または種選択的分離プロセスにおいて有用である。IPN/SIPNを生成するための異なる手法の中には、2つのポリマーネットワークのその場での同時形成に依存するもの、または第2のポリマーネットワークが既に存在する第1のポリマーネットワークの存在下で形成されるものがある。
【0086】
特定の実施形態では、熱可塑性ポリマー粉末またはペレットは、同じまたは異なる化学的性質のモノマーまたはプレポリマーと混合され、工具スロートを介してワークピース上に一緒に堆積される。堆積中、摩擦および発生した熱に起因して、モノマー(プレポリマー)の重合(架橋)が起こり、IPNまたはSIPNがワークピース表面に生じる。他の実施形態では、架橋プロセスを加速するために、追加の熱、UV光または電場を加えることができる。
【0087】
他の実施形態では、2つのプレポリマー(またはモノマー)が工具スロートを介して同時に供給され、強い摩擦および発生した熱のために、両方のモノマーの2つの同時重合プロセスがワークピース表面上で発生する。他の実施形態では、架橋プロセスを加速するために、追加の熱、UV光または電場を加えることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、AFSシステムは、従来の方法では接合することが困難な異種材料で作られた部品を接合するために使用される。
【0089】
特定の実施形態では、AFSシステムは、結晶粒微細化および表面層の激しい撹拌によって引き起こされる材料の緻密化に使用される。このような緻密化層は、改善された強度、微小硬度およびより良好な摩耗特性を示す。
【0090】
さらに他の実施形態では、不活性ガス供給源および制御されたガス区画を利用するAFSシステムを使用して、層組成(すなわち、最終被堆積材料の化学量論)が吹付けガスの影響を受けた表面堆積層を生成することができる(図5A)。単なる一例として、TiまたはTi合金が、その硬度および抗菌機能性で知られるTiN表面層組成物をもたらす窒素環境において工具のスロートを介して基材に添加される充填材料として使用される。
【0091】
さらに他の実施形態では、ガスがワークピースおよび被堆積材料の表面上に吹き付けられ、ガスは「遮蔽効果」を提供し、堆積プロセス中に材料を例えば劣化または酸化から保護する(図7B)。例えば、吹付けガスは、最終組成、すなわち被堆積材料の化学量論に寄与する。吹付けガスは、堆積された表面層に細孔を生成することができる。
【0092】
他の実施形態では、AFSは、ガスを使用して、AFSプロセス中に吹き付けられたガスの助けを借りて生成された多孔質材料および発泡体などの特定の材料構造を生成する。開孔および閉孔が可能であり、それらはプロセスパラメータによって容易に制御することができる。
【0093】
他の実施形態では、密度が低下した表面材料層が可能である。基材上への充填材料の堆積中にガスを吹き付けることによって、基材の一定の機械的強度を依然として必要とする用途では多孔質構造を達成することができるが、最終的な軽量部品が達成される(7B)。単なる一例として、PVC発泡体またはAl発泡体は、それぞれPVCまたはAlの摩擦撹拌中にガスを吹き付けることによって形成することができる。
【0094】
一実施形態では、AFSシステムの移動工具の横方向に沿った勾配材料組成が可能である(図7C)。充填材料の含有量を変化させることによって、例えば、充填材中の補強粒子の濃度を変化させることによって、横方向に沿って同じまたは異なるレベルの補強粒子を有する表面複合材が可能である。
【0095】
他の実施形態では、堆積層の深さに沿った勾配材料組成が可能である(図7C)。供給システムが充填材料、補強粒子および添加剤に入るためのいくつかのポートを含むという事実と相まって、AFSシステムが層ごとの堆積を行う能力は、堆積された各層の組成の変化を可能にする。
【0096】
さらに他の実施形態では、AFSシステムの移動工具の横方向に沿った勾配マイクロ/ナノ構造が可能である。堆積中にプロセスパラメータを変化させることにより、工具が横方向に移動しているとき、堆積層の構造を変化させることができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、堆積層の深さに沿った勾配マイクロ/ナノ構造が可能である。プロセスパラメータが、同じまたは異なるおよび/または勾配微細構造を有する層の各々の堆積中に変化し得るという事実と相まって、AFSシステムが層ごとの堆積を行う能力が可能である。
【0098】
さらに他の実施形態では、ガス吹付けユニットを備えたAFS製造システムを用いて、勾配多孔質構造が可能である。各層の堆積中にガス吹付け速度および他のプロセスパラメータを変えることによって、堆積された層のスタックに沿って勾配多孔質構造が可能である。
【0099】
さらに他の実施形態では、勾配機能性は、勾配材料組成物および/または勾配構造を堆積させることによって被堆積材料に沿って達成される。
【0100】
特定の実施形態では、横方向の異方性組成物が、AFSシステムで可能である。基材上の工具のスロートを介して、例えば異方性補強粒子(CNT)を有する複合材を供給することによって、異方性堆積コーティングが可能である。このようなコーティングは、横方向の電気的、磁気的および機械的特性など、横方向に垂直な方向の特性と比較して同じまたは異なる特性を有することができる。
【0101】
特定の実施形態では、ナノ複合材製造は、AFSシステムを用いて達成することができる。単なる例として、ナノクレイ粒子と混合されたポリマー材料(PET、PEまたはその他)をフィーダを通して導入し、熱および高剪断の助けを借りて一緒に混合して、クレイ粒子の剥離を引き起こし、次いで、例えばプラスチック基材上にナノ複合材を堆積させることができる。そのような表面ナノ複合材層は、例えば食品包装用途に有用な基材のバリア特性を著しく改善する。ポリマーマトリックスへの少量の剥離ナノクレイ粒子の導入は、バリアだけでなく、食品および飲料包装産業で広く使用されているPETおよび他のポリマーの熱安定性および機械的特性を改善するために使用される受動的バリア方法の1つである。
【0102】
さらに他の実施形態では、AFSシステムを使用して異種材料の部品を溶接し、充填材料を溶接部に添加して溶接強度を高める。
【0103】
いくつかの実施形態では、ワークピースの表面は、穴が開けられているか、補強材で満たされたポケットまたは溝を含む(図7Dおよび図7E)。特定のナブの幾何形状を有する工具を通過させ、ワークピースの表面上に充填材料を添加すると、表面領域内で激しく撹拌され、表面を複合化する。異方性補強粒子(例えばCNT)の場合、それらの優先的配向は、外部電場または磁場の印加によって可能である。穴は、本明細書に記載のシステムを使用して材料で充填することができる。
【0104】
他の実施形態では、充填材料マトリックスとともに補強粒子が、工具のスロートを介してワークピース表面に添加される(図8A)。
【0105】
さらに他の実施形態では、異方性補強粒子、例えばCNTは、ワークピース表面にスロートを有する工具を介して添加され、堆積中に印加される外場(電場または磁場)は、補強粒子を好ましい方向に配向させる(図8A)。
【0106】
さらに他の実施形態では、補強粒子のみがワークピース表面に添加され、これは可塑化されたワークピース表面材料内にナブを含む工具を用いて撹拌される(図8B)。
【0107】
いくつかの実施形態では、本発明のAFSシステムは、他の方法によって溶接することが困難な異種材料を溶接するために使用される。充填材料は、例えば異種材料で作られた2つのプレートの間の溶接部に添加され、シーラントまたは接着剤として作用する(図9A)。バッキングプレートの使用は任意選択である。
【0108】
他の実施形態では、2つの異なる材料で作られた部品間の溶接部は補強粒子で充填され、溶接部を通過する本発明のAFSシステムの工具は、追加の補強材によって補強されている2つの部品を接合している(図9B)。バッキングプレートの使用は任意選択である。
【0109】
さらに別の実施形態では、AFSシステムを使用して、補強繊維、例えば炭素繊維またはCNTである繊維のみを溶接に添加して溶接強度を高めることにより、異種材料の部品を溶接する(図9B)。バッキングプレートの使用は任意選択である。
【0110】
本発明のAFSシステムは、局所的な領域または所定の経路に沿って充填材料を配置するか、または充填材料をコーティングとして基材または構造全体にわたって配置する様々なAFS処理方法を実行することができる。開示されたAFSシステムの汎用性は、摩擦加熱および基材上への充填材料の圧縮荷重を使用して、基材の表面を構築、修復、コーティングまたは改質することを可能にする。
【0111】
補剛リブ、補剛リング、または他の補強構造のその場形成などの3D構造の構築または形成は、システムで可能である。また、予備成形構造、例えばリブを加工片(基材)に取り付けることができ、または予備成形リングを管状加工物、例えば高圧容器に取り付けることができる。
【0112】
平坦または湾曲した基材上の欠陥および損傷、または管状構成を有する部品上の欠陥を修復することは、AFSシステムの他の可能性である。システムは、充填材料を使用し、それを穴に堆積させ、バッキングプレートを使用することによって、基材の穴を充填することができる。また、任意の構造の表面亀裂または伝播した亀裂を修復(充填)することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、AFSシステムは、プレート、管、レール、基材または任意の他の構造であり得る部品の欠陥または亀裂を修復するために使用される。単なる例として、表面亀裂を有するパイプは、バッキングプレートを挿入することによって局所的に修復することができる(図10)。さらに、パイプは、例えば摩耗または腐食に対してさらに強化または保護するためにオーバーコーティングすることができる。
【0114】
さらに別の実施形態では、特定の組成およびマイクロ/ナノ構造のMMC材料は、そのようなMMCを必要とする様々な産業でさらに使用される材料ブロックとして製造される(図11A)。
【0115】
他の実施形態では、2つの異なる材料で作られた部品間の溶接部は、液体モノマーで充填される。AFS工具が溶接部を通過した後、摩擦および熱により、モノマーは溶接部で重合し、溶接片に対する追加の接着剤/シーラントとして作用する(図11B)。
【0116】
他の実施形態では、AFS製造システムは、凝集しやすく、従来の技術を用いてポリマーまたは他のマトリックス中に分散しにくいCNTなどの高表面エネルギー高アスペクト比粒子を処理することができる。供給ユニットにおける加熱および高剪断速度の可能性は、追加の外部電気(または磁場)を使用する能力と相まって、CNTなどの高アスペクト比の粒子が分散し、優先配向を受け入れることを可能にする。
【0117】
さらに他の実施形態では、CNTなどの高負荷レベルのドーパントを有するポリマーマトリックスの製品を製造することができる。制御可能な加熱、下方への押し込み荷重および回転速度、ならびに追加の外部エネルギー源の可能性を備えたAFSシステムの供給ユニットを利用することにより、十分に分散された補強粒子で富化されたポリマーの製造が可能になる(図11B)。
【0118】
さらに他の実施形態では、その場反応、例えば重合反応が起こる。1つまたは複数のモノマーが供給ユニット内で接触させられ、それらがスロートに沿って通過するとき、モノマーは一緒に混合される。最後の段階で、基材(またはバッキングプレート)上へのそれらの堆積の前に、開始剤が添加され、摩擦撹拌および摩擦撹拌によって発生する関連する熱の下で重合が起こる。重合速度論に影響を及ぼし得る外部エネルギー源(IR熱、UV光、電場)の使用は任意選択である(図11C)。
【0119】
いくつかの実施形態では、提案されたAFSシステムは、改善された強度を有するサンドイッチ構造の製造に適用可能である。図12Aに示されるように、剛化されたサンドイッチ構造が摩擦撹拌プロセスによって形成され、この場合、FS工具はプレートのうちの1つの表面に沿って移動し、摩擦撹拌および関連する加熱により、補剛材と第2のプレートとをサンドイッチ構造に接合する。剛化構造に加えて、そのような構造は、絶縁構造として使用することができる。
【0120】
他の実施形態では、発泡体材料の層が、図12Bに示すように、2つのプレート間の空間に配置される。FS工具は、一方のプレートの表面に沿って移動しており、2つのプレートを発泡体中間層とコンパクトな構造で接合する。単なる例として、そのような構造は、絶縁制御または音響制御に使用することができる。
【0121】
さらに、提案されたAFSシステムは、多数の材料の様々な3D構造(部品)の堆積に適している。単なる例として、いくつかの実施形態では、そのような部品は、導電性材料または絶縁性材料で作ることができる。使用される導電性材料は、本質的に導電性の材料であってもよく、または導電性粒子がドープされた絶縁性材料もしくは半導体材料であってもよい。さらに他の実施形態では、導電性部品は、異方性導電性を示すようにすることができ、すなわち、特定の方向において向上した導電性を示すが、他の2つの方向における導電性ははるかに低い。これは、絶縁性または半導電性充填材料中の高アスペクト比の導電性ドーパントおよび堆積および撹拌プロセス中のそれらの優先配向を使用することによって可能である。
【0122】
他の実施形態では、AFSシステムによって形成された部品は、堆積層内で、または並進堆積方向に沿って勾配導電性を示す。
【0123】
いくつかの実施形態では、3D堆積を用いたAFSシステムによって形成された部品は、例えば、高い機械的特性を有する異方性粒子でドープされた充填材料を堆積することによって達成される異方性機械的特性を示す。そのような充填材料の優先的な堆積および/または外部エネルギー源の適用によって、ドーパント粒子の優先的な配向が可能であり、異方性の機械的特性を有する部品が得られる。
【0124】
いくつかの実施形態では、AFS堆積プロセスを単独で使用して、様々な部品を製造し、および/またはワークピースの表面改質、機能化またはコーティングを引き起こすことができる。
【0125】
他の実施形態では、AFS堆積プロセスは、他の製造プロセスと組み合わせて、最終ステップもしくは開始ステップとして、または中間ステップとして使用することができる。単なる例として、プラスチック部品は、異なるプロセス、例えば射出成形によって製造され、次いで、部品を例えば導電性コーティングでコーティングするための、または単にプラスチック部品の表面改質を引き起こすためのAFSプロセスに供される。
【0126】
特定の実施例では、MELD(登録商標)システムおよびMELDシステムとともに使用される装置は、システムもしくは機器の一部であり得る、またはシステムもしくは装置とともに使用される関連装置、例えば、コンピュータ、ラップトップ、モバイル装置などに存在し得るプロセッサを備えるか、または使用し得る。一構成では、プロセッサは、MELD(登録商標)システム内に存在することができ、プロセスの様々な態様およびプロセスで使用される任意の装置を制御するためにアプリケーションソフトウェアとともに使用することができる。そのようなプロセスは、ユーザの介入を必要とせずにプロセッサによって自動的に実行されてもよく、またはユーザは、ユーザインタフェース、アプリケーションソフトウェアまたは他の方法および装置を介してパラメータを入力してもよい。例えば、プロセッサは、装置および基材の移動の速度、方向、角度などを制御して、最終部品の形状を制御することができる。特定の構成では、プロセッサは、例えば、マイクロプロセッサおよび/またはシステムを動作させるための、例えばツーリングを制御するための適切なソフトウェアを含む1つまたは複数のコンピュータシステムおよび/または共通のハードウェア回路に存在することができ、装置は、基材および印刷プロセスで使用される任意の他の装置を受け取るように構成される。いくつかの構成では、装置自体が、それ自体のそれぞれのプロセッサ、オペレーティングシステム、および任意のMELD(登録商標)システムとは別個の装置の独立した制御を可能にする他の機能を備えてもよい。プロセッサは、システムと一体であってもよく、またはシステムの構成要素に電気的に結合された1つまたは複数の付属基板、プリント回路基板、またはコンピュータ上に存在してもよい。プロセッサは、典型的には、システムの他の構成要素からデータを受信し、必要または所望に応じて様々なシステムパラメータの調整を可能にするために、1つまたは複数のメモリユニットに電気的に結合される。プロセッサは、Unix(登録商標)、Intel PENTIUM型プロセッサ、Intel Core(商標)プロセッサ、Intel Xeon(商標)プロセッサ、AMD Ryzen(商標)プロセッサ、AMD Athlon(商標)プロセッサ、AMD FX(商標)プロセッサ、Motorola PowerPC、Sun UltraSPARC、Hewlett-Packard PA-RISCプロセッサ、Apple A12プロセッサ、Apple A11プロセッサなどを含むAppleが設計したプロセッサ、または任意の他のタイプのプロセッサに基づくものなどの汎用コンピュータの一部であってもよい。本技術の様々な実施形態に従って、任意の種類のコンピュータシステムのうちの1つまたは複数を使用することができる。さらに、システムは、単一のコンピュータに接続されてもよいし、通信ネットワークによって接続された複数のコンピュータに分散されてもよい。ネットワーク通信を含む他の機能を実行することができ、本技術は任意の特定の機能または機能のセットを有することに限定されないことを理解されたい。様々な態様は、汎用コンピュータシステムで実行される専用ソフトウェアとして実装されてもよい。コンピュータシステムは、ディスクドライブ、メモリ、またはデータを記憶するための他の装置などの1つまたは複数のメモリ装置に接続されたプロセッサを含むことができる。メモリは、典型的には、プログラム、印刷パラメータ、ならびに他のプロセス条件および/または積層/除去プロセスにおいて使用される装置を記憶するために使用される。コンピュータシステムの構成要素は、1つまたは複数のバス(例えば、同じ機械内に統合された構成要素間)および/またはネットワーク(例えば、別々の個別の機械に存在する構成要素間)を含むことができる相互接続装置によって結合することができる。相互接続装置は、システムの構成要素間で交換される通信(例えば、信号、データ、命令)を提供する。コンピュータシステムは、典型的には、システムまたは装置の迅速な制御を可能にするために、例えば数ミリ秒、数マイクロ秒以下の処理時間内にコマンドを受信および/または発行することができる。例えば、印刷速度、ツーリングパラメータ、装置角度または位置などを制御するためにコンピュータ制御を実施することができる。プロセッサは、典型的には、例えば、直流源、交流源、バッテリ、燃料電池、もしくは他の電源、または電源の組合せとすることができる電源に電気的に結合される。電源は、システムの他の構成要素によって共有され得る。システムはまた、1つまたは複数の入力装置、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、マイクロフォン、タッチスクリーン、手動スイッチ(例えば、オーバーライドスイッチ)、および1つまたは複数の出力装置、例えば、ディスプレイスクリーン、スピーカを含むことができる。さらに、システムは、(相互接続装置に加えて、または相互接続装置の代替として)コンピュータシステムを通信ネットワークに接続する1つまたは複数の通信インタフェースを含むことができる。システムはまた、システム内に存在する様々な電気装置から受信した信号を変換するための適切な回路を含むことができる。そのような回路は、プリント回路基板上に存在することができ、または適切なインタフェース、例えば、シリアルATAインタフェース、ISAインタフェース、PCIインタフェース、USBインタフェース、ファイバチャネルインタフェース、Firewireインタフェース、M.2コネクタインタフェース、PCIEインタフェース、mSATAインタフェースなどを介して、または1つもしくは複数の無線インタフェース、例えば、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信もしくは他の無線プロトコルおよび/もしくはインタフェースを介してプリント回路基板に電気的に結合された別個の基板もしくは装置に存在することができる。必要に応じて、大型部品の印刷を可能にするために使用される装置は、MELD(登録商標)システムにインタフェースまたは電気的に結合することができるそれ自体の別個のプリント回路基板を備えることができる。
【0127】
特定の実施形態では、本明細書に記載のシステムで使用される記憶システムは、典型的には、プロセッサによって実行されるプログラムによって使用され得るソフトウェアのコードまたはプログラムによって処理される媒体上もしくは媒体内に記憶された情報を記憶することができるコンピュータ可読および書き込み可能な不揮発性記録媒体を含む。媒体は、例えば、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、またはフラッシュメモリであってもよい。プロセッサによって実行されるプログラムまたは命令は、ローカルまたはリモートに配置されてもよく、相互接続機構、通信ネットワーク、または必要に応じて他の手段によってプロセッサによって取得され得る。通常、動作中、プロセッサは、媒体よりもプロセッサによる情報への高速アクセスを可能にする別のメモリに不揮発性記録媒体からデータを読み込ませる。このメモリは、典型的には、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはスタティックメモリ(SRAM)などの揮発性ランダムアクセスメモリである。これは、記憶システムまたはメモリシステム内に配置されてもよい。プロセッサは、一般に、集積回路メモリ内のデータを操作し、次いで、処理が完了した後にデータを媒体にコピーする。媒体と集積回路メモリ素子との間のデータ移動を管理するための様々な機構が知られており、技術はそれに限定されない。技術はまた、特定のメモリシステムまたはストレージシステムに限定されない。特定の実施形態では、システムはまた、特別にプログラムされた専用ハードウェア、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサユニット(MPU)を含むことができる。本技術の態様は、ソフトウェア、ハードウェアもしくはファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実施することができる。さらに、そのような方法、動作、システム、システム要素、およびそれらの構成要素は、上述のシステムの一部として、または独立した構成要素として実装されてもよい。特定のシステムは、本技術の様々な態様を実施することができる1つのタイプのシステムとして例として記載されているが、態様は記載されたシステム上で実施されることに限定されないことを理解されたい。様々な態様は、異なるアーキテクチャまたは構成要素を有する1つまたは複数のシステム上で実施することができる。システムは、高水準コンピュータプログラミング言語を使用してプログラム可能な汎用コンピュータシステムを備えることができる。システムはまた、特別にプログラムされた専用ハードウェアを使用して実装されてもよい。システムにおいて、プロセッサは、典型的には、Intel、AMD、Appleなどから入手可能な周知のマイクロプロセッサなどの市販のプロセッサである。他の多くのプロセッサも市販されている。そのようなプロセッサは、通常、例えば、Microsoft Corporationから入手可能なWindows 7、Windows 8もしくはWindows 10オペレーティングシステム、Snow Leopard、Lion、Mountain Lion、Mojave、High Sierra、El CapitanなどのMAC OS X、またはAppleから入手可能な他のバージョン、Sun Microsystemsから入手可能なSolarisオペレーティングシステム、または様々なソースから入手可能なUNIXもしくはLinux(登録商標)オペレーティングシステムであり得るオペレーティングシステムを実行する。多くの他のオペレーティングシステムが使用されてもよく、特定の実施形態では、コマンドまたは命令の単純なセットがオペレーティングシステムとして機能してもよい。
【0128】
特定の実施例では、プロセッサおよびオペレーティングシステムは、高水準プログラミング言語のアプリケーションプログラムを書き込むことができるプラットフォームをともに定義することができる。本技術は、特定のシステムプラットフォーム、プロセッサ、オペレーティングシステム、またはネットワークに限定されないことを理解されたい。また、本開示の利点を考慮すると、本技術が特定のプログラミング言語またはコンピュータシステムに限定されないことは当業者には明らかである。さらに、他の適切なプログラミング言語および他の適切なシステムも使用できることを理解されたい。特定の実施例では、ハードウェアまたはソフトウェアは、認知アーキテクチャ、ニューラルネットワーク、または他の適切な実装を実装するように構成することができる。必要に応じて、コンピュータシステムの1つまたは複数の部分は、通信ネットワークに結合された1つまたは複数のコンピュータシステムにわたって分散されてもよい。これらのコンピュータシステムはまた、汎用コンピュータシステムであってもよい。例えば、様々な態様は、1つまたは複数のクライアントコンピュータにサービス(例えば、サーバ)を提供するように、または分散システムの一部としてタスク全体を実行するように構成された1つまたは複数のコンピュータシステム間で分散されてもよい。例えば、様々な態様は、様々な実施形態による様々な機能を実行する1つまたは複数のサーバシステムに分散された構成要素を含むクライアント-サーバまたは多層システム上で実行されてもよい。これらのコンポーネントは、通信プロトコル(例えば、TCP/IP)を使用して通信ネットワーク(例えば、インターネット)を介して通信する実行可能コード、中間コード(例えば、IL)または解釈されたコード(例えば、Java)であってもよい。本技術は、任意の特定のシステムまたはシステムのグループ上で実行することに限定されないことも理解されたい。また、本技術は、いかなる特定の分散アーキテクチャ、ネットワーク、または通信プロトコルにも限定されないことを理解されたい。
【0129】
場合によっては、例えば、SQL、SmallTalk、Basic、Java、Javascript、PHP、C++、Ada、Python、iOS/Swift、Ruby on RailsまたはC#(Cシャープ)などのオブジェクト指向プログラミング言語を使用して、様々な実施形態をプログラムすることができる。他のオブジェクト指向プログラミング言語も使用されてもよい。あるいは、関数型、スクリプト型、および/または論理型のプログラミング言語が使用されてもよい。様々な構成を、プログラムされていない環境(例えば、ブラウザプログラムのウィンドウに表示されたときに、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)の態様をレンダリングし、または他の機能を実行するHTML、XML、または他のフォーマットで作成された文書)で実施することができる。特定の構成は、プログラムされたまたはプログラムされていない要素、またはそれらの任意の組合せとして実装されてもよい。いくつかの例では、システムは、有線または無線インタフェースを介して通信することができ、所望に応じてシステムの遠隔操作を可能にするモバイル装置、タブレット、ラップトップコンピュータ、または他のポータブル装置上に存在するものなどの遠隔インタフェースを備えることができる。
【0130】
本明細書に開示される実施例の要素を導入する場合、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「前記(the)」、および「前記(said)」は、1つまたは複数の要素があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、オープンエンドであることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。本開示の利点を考慮すると、実施例の様々な構成要素は、他の実施例の様々な構成要素と交換または置換することができることが当業者によって認識されるであろう。
【0131】
特定の態様、実施例、および実施形態を上述したが、本開示の利益を考慮すると、開示された例示的な態様、実施例、および実施形態の追加、置換、修正、および変更が可能であることが当業者によって認識されるであろう。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
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図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
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図6D
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図6F
図6G
図6H
図6I
図7A
図7B
図7C
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図7E
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
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図14L
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19A
図19B
【国際調査報告】