(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】性能を向上させるための流量制御構造及び当該流量制御構造を組み込んだターボ機械
(51)【国際特許分類】
F04D 29/44 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
F04D29/44 T
F04D29/44 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507961
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 US2021071119
(87)【国際公開番号】W WO2022032296
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503457910
【氏名又は名称】コンセプツ エヌアールイーシー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100120846
【氏名又は名称】吉川 雅也
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(72)【発明者】
【氏名】ジャピクス,デイヴィット
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA20
3H130AB27
3H130AB47
3H130AC30
3H130BA66C
3H130CA07
3H130CA08
3H130EB01A
(57)【要約】
ターボ機械のための流量制御装置及び構造。ある例では、流量制御装置及び構造は、流れ誘導チャネル、部分高さ羽根、並びに、ターボ機械のシュラウド側及びハブ側の一方又は両方に配置された他の処理のさまざまな構成を含み、ターボ機械流動場の一部の方向を変え、誘導し又は他の方法で影響を与え、それによって、機械の性能を改善する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブ面と、シュラウド面と、前記ハブ面又は前記シュラウド面に配置された複数の凹状チャネルと、を備えるターボ機械であって、前記凹状チャネルの各々は、流れ方向に延在し、かつ、前記チャネルの長さに沿って子午線位置Mで対応のチャネルを通過する子午線基準平面に対して角度プロファイルα(M)を有し、
前記チャネルの各々の少なくとも第1部分の角度は、最大質量流量動作点で作動流体の計算された最小流れ角以下であり、それによって、前記最大質量流量動作点で前記作動流体への前記チャネルの結合を向上させるように設計及び構成される、ターボ機械。
【請求項2】
前記最大質量流量動作点はステージチョークポイントの質量流量の少なくとも80%である質量流量である、又は、前記最大質量流量動作点はステージチョークポイントである、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項3】
前記最大質量流量動作点は、(1)最高効率点の質量流量の+/-15%、(2)チョークポイントの質量流量の+/-15%、(3)最高効率点の質量流量の20%~80%、(4)チョークポイントの質量流量の20%~80%、(5)最高効率点及びチョークポイントの間、例えば、最高効率点及びチョークポイントの間のおよそ中間点の質量流量である、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項4】
前記ターボ機械は、インペラと、ディフューザと、を含み、前記ディフューザは、0%Mの子午線距離Mに入口と、100%Mに出口と、を有し、前記複数の凹状チャネルは、前記ディフューザに少なくとも部分的に配置され、前記チャネルの前記第1部分は前記ディフューザの入口の少なくとも20%M下流に配置される、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項5】
ハブ面、シュラウド面と、
流れ方向に延在し、かつ、前記ハブ面又は前記シュラウド面に配置された複数の凹状チャネルと、を備え、
前記複数のチャネルは、複数の第1チャネルと、複数の第2チャネルと、を含み、前記チャネルに沿った子午線位置に対する前記第1チャネルの角度α1(M)は、前記チャネルに沿った子午線位置に対する前記第2チャネルの角度α2(M)と異なり、前記角度α1(M)、α2(M)は、前記チャネルの長さに沿った子午線位置Mで前記チャネルを通過する子午線基準平面に対して前記第1チャネル又は前記第2チャネルのうちの対応の1つの角度である、ターボ機械。
【請求項6】
前記第1チャネルの少なくとも1つは、前記第2チャネルの対応の1つに直接流体連通している、請求項5に記載のターボ機械。
【請求項7】
前記第1チャネルのうちの少なくとも1つは、前記第2チャネルの対応の1つに交差している、請求項5に記載のターボ機械。
【請求項8】
前記ターボ機械は、入口及び出口を有するディフューザを含み、前記第1チャネル及び前記第2チャネルは各々、前記ディフューザの入口から前記ディフューザの出口まで延在する、請求項5~7のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項9】
前記ターボ機械は、入口及び出口を有するディフューザを含み、前記第1チャネルの各々は前記ディフューザの入口から前記ディフューザの出口まで延在し、前記第2チャネルの各々は、前記ディフューザの入口に近接した開始位置と、対応の前記第2チャネルが前記第1チャネルの対応の1つに交差する交差点に終了位置と、を有する、請求項5~7のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項10】
前記ターボ機械は、入口及び出口を有するディフューザを含み、前記第1チャネルの各々は前記ディフューザの入口から前記ディフューザの出口まで延在し、前記第2チャネルの各々は、前記ディフューザの入口の下流に配置された開始位置と、前記ディフューザの出口に終了位置と、を有する、請求項5~7のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項11】
前記第1チャネルの前記角度α1(M)が、Mのすべての値について、前記第2チャネルの前記角度α2(M)より大きい、請求項5~10のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項12】
前記第1チャネルの前記角度α(M)は、Mのすべての値について、前記第2チャネルの前記角度α(M)より小さい、請求項5~10のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項13】
ハブ面、シュラウド面と、
流れ方向に延在し、かつ、前記ハブ面又は前記シュラウド面に配置された複数の凹状チャネルであって、前記チャネルの各々は、前記チャネルの凸側の前記ハブ面又は前記シュラウド面に第1縁部と、前記チャネルの凹側の前記ハブ面又は前記シュラウド面に第2縁部と、を有する、複数の凹状チャネルと、を備え、
前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つの前記第1縁部及び前記第2縁部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、流れを捕捉して前記チャネル内に流れの方向を変えるためのスクープを形成するカスプを含む、ターボ機械。
【請求項14】
前記カスプは、前記チャネルの側壁から横方向に延在する、請求項13に記載のターボ機械。
【請求項15】
前記カスプは、前記ハブ面又は前記シュラウド面から垂直方向に延在する、請求項13又は14に記載のターボ機械。
【請求項16】
前記カスプは、前記チャネルのうちの少なくとも1つの前記第1縁部の少なくとも一部に沿って配置される、請求項13~15のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項17】
前記カスプは、前記チャネルのうちの少なくとも1つの前記第2縁部の少なくとも一部に沿って配置される、請求項13~16のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項18】
前記カスプは、前記チャネルのうちの少なくとも1つの上流部分に沿って配置される、請求項13~15のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項19】
前記チャネルは、子午線位置0%Mの開始位置から子午線位置100%Mの終了位置まで延在し、前記上流部分は0%Mから50%Mまで延在する、請求項18に記載のターボ機械。
【請求項20】
前記カスプは、前記チャネルのうちの少なくとも1つの下流部分に沿って配置される、請求項13~18のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項21】
前記チャネルは、子午線位置0%Mの開始位置から子午線位置100%Mの終了位置まで延在し、前記下流部分は50%Mから100%Mまで延在する、請求項20に記載のターボ機械。
【請求項22】
前記チャネルのうちの少なくとも1つの前記第2縁部の上流部分は、流れを捕捉して前記チャネル内に前記流れの方向を変えるためのスクープを形成するカスプを含み、前記チャネルのうちの前記少なくとも1つの前記第1縁部の下流部分は、流れを捕捉して前記チャネル内に前記流れの方向を変えるためのスクープを形成するカスプを含む、請求項13~15のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項23】
前記少なくとも1つのチャネルの前記第2縁部の下流部分はカスプを含まず、かつ、前記少なくとも1つのチャネルの前記第1縁部の前記上流部分はカスプを含まない、請求項22に記載のターボ機械。
【請求項24】
前記少なくとも1つのチャネルの前記第2縁部の前記下流部分は面取り又はフィレットを含み、前記少なくとも1つのチャネルの前記第1縁部の前記上流部分は面取り又はフィレットを含む、請求項22又は23に記載のターボ機械。
【請求項25】
前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つの前記第1縁部又は前記第2縁部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、前記チャネル内への流体の流入を促進するための面取り又はフィレットを含む、請求項13~23のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項26】
ハブ面、シュラウド面と、
流れ方向に延在し、かつ、前記ハブ面又は前記シュラウド面に配置された複数の凹状チャネルと、
前記凹状チャネルの対応するものに近接して配置された複数の部分高さ羽根であって、作動流体流動場への前記凹状チャネルの結合を改善するように設計及び構成された複数の部分高さ羽根と、を備えるターボ機械。
【請求項27】
前記部分高さ羽根の各々は、前記チャネルの各々の凹側で前記複数のチャネルのうちの対応の1つに隣接して配置される、請求項26に記載のターボ機械。
【請求項28】
前記部分高さ羽根の各々は、前記チャネルの各々の凸側で前記複数のチャネルのうちの対応の1つに隣接して配置される、請求項26に記載のターボ機械。
【請求項29】
前記部分高さ羽根は、前記チャネルの長さよりも小さい長さを有し、かつ、前記部分高さ羽根の各々は、前記チャネルのうちの対応の1つの上流部分に隣接して配置される、請求項26~28のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項30】
前記部分高さ羽根は、前記チャネルの長さよりも小さい長さを有し、かつ、前記部分高さ羽根の各々は、前記チャネルのうちの対応の1つの下流部分に隣接して配置される、請求項26~28のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項31】
前記部分高さ羽根は厚さtを有し、かつ、前記部分高さ羽根の各々は、前記凹状チャネルのうちの対応の1つの中心線から距離dに配置され、dは、前記羽根の厚さtの1/2~10倍の範囲内にある、請求項26~30のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項32】
前記部分高さ羽根は、前記凹状チャネルが配置される前記ターボ機械の側から前記ターボ機械の反対側に取り付けられる、請求項26~31のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項33】
前記部分高さ羽根は、前記凹状チャネルが配置される前記ターボ機械の同じ側に取り付けられる、請求項26~31のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項34】
前記部分高さ羽根は前記シュラウド面に取り付けられ、前記凹状チャネルは前記ハブ面に配置される、請求項26~31のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項35】
前記部分高さ羽根は前記シュラウド面に取り付けられ、前記凹状チャネルは前記シュラウド面に配置される、請求項26~31のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項36】
前記部分高さ羽根は前記ハブ面に取り付けられ、前記凹状チャネルは前記シュラウド面に配置される、請求項26~31のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項37】
前記部分高さ羽根は前記ハブ面に取り付けられ、前記凹状チャネルは前記ハブ面に配置される、請求項26~31のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項38】
前記凹状チャネルのうちの少なくとも1つは、前記チャネルの長さに沿って変動し、かつ、中細ノズルを形成するように設計及び構成された断面積を有する、請求項1~37のいずれか1項に記載のターボ機械。
【請求項39】
インペラ、シュラウド、ハブ及び下流要素を有するターボ機械のための流量制御構造を形成する方法であって、前記方法は、
前記ターボ機械の流動場分布において、質量流量の関数として前記ハブ又は前記シュラウドに近接する作動流体の流れ角の変動を推定するステップと、
最大質量流量動作点で推定された最小流れ角を識別するステップと、
前記作動流体の少なくとも一部の方向を変えるために前記ハブ又は前記シュラウドの表面に配置された少なくとも1つのチャネルを規定するステップであって、推定された前記最小流れ角以下である前記少なくとも1つのチャネルのチャネル角度を選択し、それによって、前記最大質量流量動作点で前記作動流体への前記少なくとも1つのチャネルの結合を改善するステップを含む、規定するステップと、を含む、ターボ機械のための流量制御構造を形成する方法。
【請求項40】
最小質量流量動作点で推定された最大流れ角を識別するステップをさらに含み、
前記少なくとも1つのチャネルを規定するステップは、
推定された前記最小流れ角以下であるチャネル角度を用いて、前記ハブ又は前記シュラウドの表面に配置された複数の第1チャネルを規定するステップと、
推定された前記最大流れ角以上であるチャネル角度を用いて、前記ハブ又は前記シュラウドの表面に配置された複数の第2チャネルを規定するステップと、を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
入口及び出口を有するインペラと、シュラウドと、ハブと、下流要素と、を有するターボ機械のための流量制御構造を規定する方法であって、前記ハブ及び前記シュラウドはインペラ通路を規定し、前記方法は、
コンピュータを使用して、前記ターボ機械の数値流体モデルを構築するステップと、
前記数値流体モデルを用いて、最大質量流量動作点でインペラ通路の流動場分布を計算するステップと、
前記ハブ又は前記シュラウドに近接して前記流動場分布の流れ角変動を決定するステップと、
前記ハブ及び前記シュラウドのうちの少なくとも1つにおいて流れ方向に延在する少なくとも1つのチャネルを規定するステップであって、前記最大質量流量動作点で決定された前記流れ角以下である前記少なくとも1つのチャネルのチャネル角度を規定するステップを含む、規定するステップと、を含む、ターボ機械のための流量制御構造を規定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本願は、「向上した性能を有する埋め込みディフューザ通路及び溝付きターボ機械インペラカバー」の発明の名称で2020年8月7日に出願された米国仮特許出願第62/706,286号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、概して、ターボ機械の分野に関する。特に、本開示は、性能を向上させるための流量制御構造及び当該流量制御構造を組み込んだターボ機械に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] ターボ機械ステージでの損失は、強度及び性質においてさまざまに異なるが、すべてのターボ機械ステージには、単相、単一成分、流れ:表面摩擦、二次流れ生成、出口混合、クリアランスギャップ流れ、漏れ、及び、高圧縮性流れの衝撃波形成に関するメカニズムのほとんどが含まれる。これらのメカニズムは、流量、入口圧力及び温度、出口圧力、インシデンス、及び回流プラス表面曲率、厚さ並びに回転条件など、多くの設計パラメータの影響を受ける。損失は、ターボ機械の性能に悪影響を及ぼし、かつ、流れ状態の悪化であると概ね理解されており、流れプロセスの全圧の減衰及びエントロピーの増加をもたらす。損失はまた、流れの剥離及び失速及びインペラスリップ、並びに、下流要素の性能に頻繁に悪影響を及ぼす不均一な流動場をもたらす可能性がある。損失を低減し、かつ、損失の影響を軽減するための改善された装置及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一実施では、本開示はターボ機械に関する。ターボ機械は、ハブ面と、シュラウド面と、ハブ面又はシュラウド面に配置された複数の凹状チャネルと、を含み、凹状チャネルの各々は、流れ(flow-wise)方向に延在し、かつ、チャネルの長さに沿った子午線位置Mで対応のチャネルを通過する子午線基準平面に対して角度プロファイル?(M)を有し;チャネルの各々の少なくとも第1部分の角度は、最大質量流量動作点での作動流体の計算された最小流れ角以下であり、それによって、最大質量流量動作点での作動流体へのチャネルの結合を向上させるように設計及び構成される。
【0005】
[0005] 別の実施では、本開示はターボ機械に関する。ターボ機械は、ハブ面と、シュラウド面と、流れ方向に延在し、かつ、ハブ面又はシュラウド面に配置された複数の凹状チャネルと、を含み、複数のチャネルは、複数の第1チャネル及び複数の第2チャネルを含み、チャネルに沿った子午線位置に対する第1チャネルの角度α1(M)は、チャネルに沿った子午線位置に対する第2チャネルの角度α1(M)とは異なり、角度α1(M)、α1(M)は、チャネルの長さに沿った子午線位置Mでチャネルを通過する子午線基準平面に対する、第1チャネル又は第2チャネルのうちの対応の1つの角度である。
【0006】
[0006] さらに別の実施では、本開示はターボ機械に関する。ターボ機械は、ハブ面と、シュラウド面と、流れ方向に延在し、かつ、ハブ面又はシュラウド面に配置された複数の凹状チャネルと、を含み、チャネルの各々は、チャネルの凸側のハブ面又はシュラウド面に第1縁部と、チャネルの凹側のハブ面又はシュラウド面に第2縁部と、を有し;複数のチャネルのうちの少なくとも1つの第1縁部及び第2縁部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部が、スクープ(scoop)を形成して流れを捕捉してチャネル内に流れの方向を変えるカスプ(cusp)を含む。
【0007】
[0007] さらに別の実施では、本開示はターボ機械に関する。ターボ機械は、ハブ面と、シュラウド面と、流れ方向に延在し、かつ、ハブ面又はシュラウド面に配置された複数の凹状チャネルと、凹状チャネルのうちの対応の凹状チャネルに近接して配置された複数の部分高さ羽根であって、作動流体流動場との凹状チャネルの結合を改善するように設計及び構成される部分高さ羽根と、を含む。
【0008】
[0008] さらに別の実施では、本開示は、インペラ、シュラウド、ハブ及び下流要素を有するターボ機械用の流量制御構造を形成する方法に関する。この方法は、ターボ機械の流動場分布において、ハブ又はシュラウドに近接する作動流体の流れ角の変動を質量流量の関数として推定するステップと;最大質量流量動作点での推定最小流れ角を識別するステップと;ハブ又はシュラウドの表面に配置され、作動流体の少なくとも一部の方向を変えるための少なくとも1つのチャネルを規定するステップと、を含み、規定するステップは、推定最小流れ角以下である少なくとも1つのチャネルのチャネル角度を選択し、それによって、少なくとも1つのチャネルと最大質量流量動作点での作動流体との結合を改善するステップを含む。
【0009】
[0009] さらに別の実施では、本開示は、入口及び出口を有するインペラ、シュラウド、ハブ及び下流要素を有するターボ機械の流量制御構造を規定する方法に関し、ハブ及びシュラウドはインペラ通路を規定し、方法は、コンピュータを使用して、ターボ機械の数値流体モデルを開発するステップと;数値流体モデルを用いて、最大質量流量動作点でのインペラ通路流動場分布を計算するステップと;ハブ又はシュラウドに近接した流動場分布の流れ角変動を決定するステップと;ハブ及びシュラウドのうちの少なくとも1つにおいて流れ方向に延在する少なくとも1つのチャネルを規定するステップと、を含み、規定するステップは、最大質量流量動作点で決定された流れ角以下である少なくとも1つのチャネルのチャネル角度を規定するステップを含む。
【0010】
[0010] 本開示を例示するため、図面は、本開示の1以上の実施形態の態様を示している。しかしながら、本開示は、図面に示される正確な構成及び手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】圧縮機のハブ面及びシュラウド面に凹状チャネルを有するラジアル圧縮機の側断面図である。
【
図2】
図1の圧縮機のディフューザ背面プレートの正面図である。
【
図3】圧縮機に結合された3つの異なる羽根なしディフューザの測定性能を示している。
【
図4】圧縮機に結合された3つの異なる羽根なしディフューザの測定性能を示している。
【
図5】羽根なしディフューザに結合された遠心圧縮機の子午線位置の関数として、シュラウド面に隣接する流管の計算された平均流れ角を示している。
【
図6】羽根なしディフューザに結合された遠心圧縮機の子午線位置の関数として、ハブ面に隣接する流管の計算された平均流れ角を示している。
【
図7】羽根なしディフューザに結合された遠心圧縮機の子午線位置の関数として、シュラウド面に隣接する流管の計算された平均流れ角を示している。
【
図8】羽根なしディフューザに結合された遠心圧縮機の子午線位置の関数として、ハブ面に隣接する流管の計算された平均流れ角を示している。
【
図9】羽根なしディフューザに結合された遠心圧縮機の子午線位置の関数として、シュラウド面に隣接する流管の計算された平均流れ角を示している。
【
図10】流量毎秒0.5lbm、100000rpm、シュラウド側ケースについてCFDプログラムによって生成された流線プロットの一例であり、かつ、インペラ及びディフューザの一部を示している。
【
図11】ディフューザ背面プレートの一部を示し、かつ、異なる流れ角における2つの例示的な流れ流線を概念的に示している。
【
図12】異なるチャネル角度を有する複数のセットのチャネルを含むディフューザプレートを示す。
【
図14】異なるチャネル角度を有する複数のセットのチャネルを含むディフューザプレートの別の例を示している。
【
図15】異なるチャネル角度を有する複数のセットのチャネルを含むディフューザプレートの別の例を示している。
【
図16】異なるチャネル角度を有する複数のセットのチャネルを含むディフューザプレートの別の例を示している。
【
図17】2セットのチャネルを有するディフューザプレートを示し、かつ、低角度流線及び高角度流線も概念的に示している。
【
図18】凹状チャネルに組み込まれ得る例示的な移行縁部特徴を示している。
【
図19】凹状チャネルに組み込まれ得る例示的な移行縁部特徴を示している。
【
図20】凹状チャネルに組み込まれ得る例示的な移行縁部特徴を示している。
【
図21】複数の凹状チャネルに隣接して配置された部分高さ羽根を有するディフューザの斜視図である。
【
図24】複数の凹状チャネルに隣接して配置された部分高さ羽根を有するディフューザの別の例の一部の側断面図である。
【
図25】複数の凹状チャネルに隣接して配置された部分高さ羽根を有するディフューザの平面図である。
【
図27】複数の凹状チャネルに隣接して配置された部分高さ羽根を有するディフューザの別の例の一部の側断面図である。
【
図28】複数の凹状チャネルを含むディフューザの別の実施例を示し、凹状チャネルの少なくとも一部は、チャネルの長さに沿って変動する断面積を有し、中細ノズルを形成する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0011] 本開示の態様は、ターボ機械の性能に対する損失の悪影響を低減すること、ターボ機械の性能を改善すること、上流要素で生成される下流要素に対する損失の悪影響を低減すること、かつ、上流要素及び下流要素の結合及び性能を改善すること、のうちの1以上を行うように設計及び構成された流量制御装置及び構造を含む。以下でさらに説明するように、本開示に従って形成された例示的な流量制御装置は、ターボ機械流動場の一部の方向を変え、誘導し又は他の方法で影響を与えて機械の性能を改善するため、ターボ機械のシュラウド側及びハブ側の一方又は両方に配置され得る流れ誘導チャネル、部分高さ羽根及び他の処理のさまざまな構成を含んでもよい。
【0013】
[0012] ターボ機械は、ラジアル、軸流又は混合流であろうと、かつ、圧縮機、ポンプ又はタービンなどであろうと、概して、複数のブレードを有し、かつ、回転軸線を中心に回転し、かつ、流体通路内に配置されるインペラを含む。本明細書で使用される場合、インペラという用語は、圧縮機、タービン、ポンプ及びファンを含む任意のタイプのターボ機械の任意のタイプのブレード付きインペラ又はロータのことをいう。ターボ機械インペラは、入口及び出口を有し、かつ、通常、ディフューザ又はカスケード又はノズル又はステータなどの下流要素に流体連通している。回転機械の基本的な性質に起因する表面摩擦、クリアランスギャップ流れ、漏れ及び渦によって生じる損失などの実際の影響により、インペラ流動場に不均一性が生じる。このような不均一性は、インペラ通路内の流体速度の大きさ及び角度における不均一性に関して説明可能であり、流動場の低損失領域は、概してインペラ通路方向に従うなどの第1方向に実質的に整列され、流動場の他の領域は、主インペラ通路方向に垂直、かつ、その反対方向まで、さまざまな他の角度及び速度で伝達される。このようなオフ角流動場不均一性は、システム内の損失を表し、かつ、流れの不安定性、下流要素での失速、インペラでの逆流又は大きなインペラ出口空気力学的閉塞など、さらなる損失を引き起こす可能性がある。一次流れという用語及び同様の用語は、通常、経路方向に実質的に整列されたインペラ流動場の低損失部分のことをいい、二次流れ及び同様の用語は、通常、作動流体流動場の他の部分のことをいい、渦度及びかなりの損失を包含し得る。
【0014】
[0013]
図1及び
図2は、本開示に従って形成された流量制御構造を含む遠心圧縮機100の一例を示している。
図1は、側断面図であり、かつ、インペラシュラウド164内に回転可能に配置され、かつ、羽根なしディフューザ106の上流に配置されたインペラ102を示している。インペラ102は、回転軸線a1を中心に回転するように構成され、かつ、複数のブレード108(1つのみに符号が付されている)、並びに、入口112及び出口114を含む。インペラブレード108は、前縁116(1つのみに符号が付されている)と後縁118(1つのみに符号が付されている)との間で子午線方向に延在し、かつ、インペラブレードのハブ120とシュラウド側122との間でスパン方向に延在する。シュラウド164(ケーシングということもある)は、インペラ入口112からインペラ出口114まで延在し、かつ、ハブ120とともにインペラ通路を規定する、インペラブレードのシュラウド側122に隣接して配置されたシュラウド面124を規定する。
【0015】
[0014] 当技術分野で知られているように、インペラ102は、インペラ通路を通じて作動流体を伝達し、作動流体を圧縮し、かつ、ディフューザ106を通じて、圧縮された作動流体を排出するように構成される。ディフューザ106は、前面126(ディフューザのシュラウド面又はシュラウド側ということもある)を規定する前面プレート125と、後面130(ディフューザのハブ面又はハブ側ということもある)を規定する背面プレート128と、を含む。シュラウド164のシュラウド面124及びディフューザ前面126は実質的に整列し、インペラ出口114に配置されたハブ120の一部は、示すように、ディフューザ背面130に整列する。図示する例では、インペラ102は開放されており、その結果、ブレード108のシュラウド側122とシュラウド面124との間に小さなクリアランスが存在し、かつ、インペラは、静止したシュラウド164に対して回転するように構成される。同様に、ハブディスク外径部134とディフューザ背面プレート128との間には小さなクリアランスが存在する一方で、シュラウド164及びディフューザ前面プレート125は、任意のそうした間隙を含まなくてもよく、かつ、インペラとディフューザ106との間で1つの連続面を形成してもよい。
【0016】
[0015]
図2は、圧縮機100の残りの構成要素を省略したディフューザ背面プレート128の正面図である。
図2に示すように、ディフューザ背面プレート128は、背面プレートの周方向周りに配置され、かつ、ディフューザ入口204からディフューザ出口206までほぼ流れ方向に延在する複数の細長い流れ誘導チャネル202(1つのみに符号が付されている)を含む。チャネル202は、所定のチャネルの開始点から終了点まで延在するチャネルの中心線の長さとして規定される子午線長さを有する。他の例では、チャネル202は、異なる長さを有してもよく、例えば、ディフューザ出口206まで延在せず、ディフューザ出口の上流で終端してもよい。ある例では、チャネル202は、インペラハブ120に配置された流れ方向チャネル(図示せず)に連通するように設計及び構成されてもよい。
【0017】
[0016] チャネル202の曲率は、子午線基準平面MP上に投影された場合にチャネルの長さに沿って子午線位置Mに対するチャネルの角度を規定する角度プロファイルα(M)によって特徴付けることができ、角度αは、チャネルの中心線に対する接線tと子午線位置Mでチャネルに交差するインペラ回転軸線a1を通過する子午線基準平面MPとの間の角度である。
図2は、子午線位置M1でチャネルを通って延在する子午基準面MP1に対する子午位置M1での角度α1と、子午線位置M2でチャネルを通って延在する子午線基準平面MP2に対する子午線位置M2での角度α2と、を示している。本明細書に開示される流れ誘導チャネルは、チャネルの長さに沿って変動する角度α(M)又は一定の角度を有してもよい。図示する例では、チャネル202は一定の角度α(M)を有する。
図2に示すように、圧縮機100などのラジアル機械では、一定の角度α(M)を有するチャネルは、湾曲した螺旋形状を有する。
【0018】
[0017] チャネル202は、所定のチャネルの開始点から終了点まで延在するチャネルの中心線の長さとして規定される流れ方向長さを有し、かつ、翼弦線CLの長さとして規定される翼弦長さcを有する。図示する例では、チャネル202は、ディフューザ106の円周周りに配置され、かつ、等間隔をあけられる。チャネル剛率(solidity)は、翼弦長さcと隣接するチャネル間の間隔sとの比、例えば、ディフューザ入口又は任意の他の共通基準点における間隔として規定されてもよい。チャネル202は、作動流体の二次流れ部分などの作動流体の一部を誘導して損失を低減し、かつ、ディフューザ及び圧縮機の性能を改善するように設計及び構成される。
【0019】
[0018] 再び
図1を参照すると、圧縮機100はまた、圧縮機のシュラウド側に複数の細長い流れ誘導チャネル140(1つのみを図示している)を含む。図示する例では、チャネル140は、インペラブレード後縁118の上流にあるインペラ通路に配置された開始位置142から延在し、かつ、概ね流れ方向にインペラ出口114を越えてディフューザ前面プレート125の前面126に沿ってディフューザ106内にディフューザ出口114まで下流に延在する。前面プレート125のチャネル140は、背面プレート128のチャネル202と同様の構成を有してもよいが、ハブ面とシュラウド面との間の流動場特性の相違を考慮して、異なる数のチャネル、チャネル角度、断面形状又はサイズを有してもよい。他の例では、チャネル140は、インペラ入口112とインペラ出口114との間のインペラ通路に沿った任意の場所に配置された開始位置を含む、異なる開始位置又は終了位置を有してもよく、若しくは、チャネル140のうちの1以上の開始位置は、ディフューザ106に配置されてもよく、かつ、インペラにはまったく配置されなくてもよい。チャネル202及び140の終了位置は、同様に、インペラ又はディフューザ通路の長さに沿った多数の位置のいずれかを有してもよい。他の例では、圧縮機100は、機械のシュラウド側に沿って凹状流れ方向チャネルのみを含んでもよく(例えば、チャネル140のみ)、機械のハブ側に沿ってチャネルを含まなくてもよく(例えば、チャネル202を含まない)、又は、逆も同様である(ハブ側チャネルのみで、シュラウド側チャネルを含まない)。
【0020】
[0019] 従来技術の流れ誘導チャネルのさまざまな例は、米国特許第9,845,810号「ターボ機械用の流量制御構造及びその設計方法」(‘810特許)に開示されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。凹状流れ誘導チャネルを含む流れ誘導構造のさまざまな特徴及び組み合わせは、本開示で説明及び図示される特徴ともに組み込まれてもよい。
【0021】
[0020] 本発明者による最近の研究は、チャネル202及び140などの流れ方向チャネルの角度α(M)が、ターボ機械の性能に重大な影響を及ぼす可能性があることを示している。ある例では、目標圧力対流量特性などの所望の性能特性を達成するため、チャネルのうちの1以上の流れ方向曲率又は流れ方向角度プロファイルが、推定、測定又は計算された作動流体流れ角、例えば、ターボ機械がステージチョークポイントでの動作などの特定の動作点で動作している場合に、機械内の特定の子午線及びスパン方向位置での流れ角付近に設定されてもよい。例えば、チャネル202及び/又は140などの1以上の凹状流れ方向チャネルは、チャネルの全長に沿って又はその一部に沿って、角度α(M)を有してもよく、角度α(M)は、ターボ機械がステージチョークポイントで動作している場合のシュラウド壁面又はハブ壁面付近の作動流体の流れ角とほぼ同じ又はある例ではほぼそれ以下である。ある例では、1以上のチャネルは、ターボ機械が、ステージチョークポイントでの質量流量の少なくとも90%である質量流量、ある例ではステージチョークポイントでの質量流量の少なくとも80%である質量流量、ある例ではステージチョークポイントでの質量流量の少なくとも70%である質量流量、ある例ではステージチョークポイントでの質量流量の少なくとも60%である質量流量、で動作している場合、シュラウド壁面又はハブ壁面付近の作動流体の流れ角とほぼ同じ又はそれ未満の角度α(M)を有してもよい。ある例では、1以上のチャネルは、ターボ機械が、最高効率点での質量流量の+/-15%、ステージチョークポイントなどのチョークポイントでの質量流量の+/-15%、最高効率点での質量流量の20%~80%、チョークポイントでの質量流量の20%~80%、最高効率点とチョークポイントとの間、例えばそれらの間のほぼ中間の質量流量、で動作している場合、シュラウド壁面又はハブ壁面付近の作動流体の流れ角とほぼ同じ又はそれ未満の角度α(M)を有してもよい。
【0022】
[0021] 以下でさらに説明するように、ある例では、ターボ機械のハブ側又はシュラウド側に異なる角度プロファイルを有するチャネルの複数のセットが含まれて、広範な動作条件にわたって性能を最適化してもよい。さらに他の例では、性能を最適化するためにチャネルの剛率が選択されてもよい。さらに他の例では、チャネルの長さに沿った縁部特徴が利用されてチャネルの有効性を改善してもよい。さらに他の例では、全部高さ羽根又は部分高さ羽根などの羽根が含まれて、凹状流れ方向チャネルの性能を改善してもよい。ある例では、断面積は、チャネル内の閉塞を防止するように構成及び寸法決めされてもよい。
【0023】
[0022]
図3及び
図4は、圧縮機に結合された3つの異なる羽根なしディフューザの測定性能を示す:(1)ハブ又はシュラウドに凹状チャネルを含まないベースラインの羽根なしディフューザからの試験データを表す曲線302、(2)ディフューザ106と同様であり、かつ、チャネル202及び140と同様であるがチャネルがディフューザの上流でインペラ内に延在しない、ディフューザの前面プレート及び後面プレートの両方に凹状流れ方向チャネルを含む羽根なしディフューザからの試験データを表す曲線304、(3)ハブ及びシュラウドのチャネルが互いに周方向にオフセットされ、かつ、シュラウド側チャネルが、チャネル140と同様であり、かつ、インペラ内に上流に延長されたことを除いて、曲線304と同じディフューザからの試験データを表す曲線306。
【0024】
[0023]
図3は、4つの異なるインペラ速度(80000RPM~135000RPM)に対する無次元質量流量に対する全圧-静圧(total-to-static pressure)を示している。
図4は、同じ4つのインペラ速度(80000RPM~135000RPM)に対する無次元質量流量に対する全圧-静圧効率を示している。
図3及び
図4に示すように、流れ方向チャネルを含む機械の性能(曲線304及び306)は、低流量でチャネルなしのベースライン機械の性能(曲線302)よりもかなり良好であり、記録的な高レベルの性能を達成する。しかしながら、高速で高流量では、チャネルを有する2つの機械の圧力及び効率(曲線304及び306)がベースラインケースの性能(曲線302)とほぼ同じで、性能の低下308がある。言い換えると、凹状流れ方向チャネルの性能上の利点は、高流量(約Mref=0.5超)及びより高速(125k及び135kの速度ライン)で失われるように見える、及び/又は、機械の性能を改善する場合のチャネルの有効性が低下しているように見える。この傾向は、高流量から低流量に(すなわち、ラインの右から左に)動作する場合でも、低流量から高流量に動作する逆の場合でも、見られた。動作の方向に応じて、120k及び135kの速度ラインで性能の低下308が発生する質量流量に小さな変動が観察された。本開示は、観察された性能の低下308を最小化又は排除するように設計及び構成された構造を含み、かつ、高流量及び高速並びに低流量及び低速で性能を改善するように設計された、凹状流れ方向チャネルを含む、流量制御構造を提供する。以下でより詳述するように、高流量での性能の低下は、ディフューザ内の作動流体と凹状チャネルとの間の結合の程度の減少によって引き起こされる可能性があり、作動流体の流れ角の変化が、作動流体の一部にチャネルをバイパスさせ、圧縮機の性能及び効率の低下を引き起こす。場合によっては、性能の低下は、高流量で凹状チャネルの1以上で流れが詰まることが原因である可能性もある。
【0025】
[0024]
図5は、羽根なしディフューザに結合された遠心圧縮機の子午線位置の関数として、シュラウド面に隣接する流管の計算された平均流れ角を示している。遠心圧縮機及び羽根なしディフューザの数値流体力学モデルを用いて計算が実行された。凹状流れ方向チャネルはモデルに含まれていなかった。流れ角は、機械の周方向周りに平均化され、それによって、すべてのインペラブレードからブレードへの変動を1つの代表的な角度に平均化する。
図5は、各々が135000RPMで動作するインペラを用いた4つの異なる質量流量についての平均流れ角対子午線位置を示しており、曲線502は、最小質量流量条件について計算された流れ角を示し、かつ、曲線506は、最大質量流量条件についての角度を示している。角度は、角度α(M)と同じ方法で子午線基準平面に対して取られる。したがって、径方向基準線からの角度が大きいほど、安定限界により近づくことが知られている流れがより接線方向であることを示し、角度が小さいほど、流れが径方向に近いことを示している。この図では、インペラは、子午線距離(M)の約25%で始まり、かつ、子午線距離の約62%で終わる。ディフューザは、子午線距離の約62%から約88%まで延在する。曲線502は、最小流量条件に対するものであり、かつ、ステージ失速又はシステムサージの直前に発生する;曲線506は、最大流量の最小トレースであり、かつ、インペラのチョーク限界レベルのすぐ下で発生する。これらのトレースは、隣接する壁(カバー)から離れて取られ;シュラウドの場合、トレースはインペラクリアランス間隙グリッディングを過ぎたところにある。
図5から分かるように、流れ角は、質量流量が増加するにつれてより径方向になる(角度が小さくなる)。
図3及び
図4に関して上述したように、高流量でも性能低下が観察される。したがって、以下でさらに説明するように、流量が増加するにつれて流れ角が減少すると、最終的に、凹状チャネルよりも流れが径方向になり、それによって、流れがチャネルに入るのが妨げられ、かつ、チャネルが機械の性能に与える影響を減少させる。
【0026】
[0025]
図6は、
図5で使用されたのと同じCFDモデルについて、かつ、
図5に示されるものと同じ4つの動作条件について、ハブに沿って計算された周方向平均流れ角を示しており、曲線608は最小流れ状態であり、曲線606は最大流れ状態である。
図7及び
図8は、シュラウド(
図7)及びハブ(
図8)に沿った計算された流れ角データを、子午線位置及び100000RPMのより低いインペラ速度での流量の関数として示している。低回転速度では、シュラウドに沿って(
図7)、ディフューザの時間平均(ブレード間の変動)の流れ角は、子午線又は径方向から40~73度の範囲であるのに対して、N=135000rpmラインで58~75度の範囲である(
図5)。したがって、低速ラインは、高速ラインの場合よりも急な(より径方向、より角度が小さい)流線を示す。ハブ(
図8)の場合、高速ライン動作と比較して、角度はシュラウド側の角度からあまり減少しない。
図9は、
図5及び
図7とほぼ同じ範囲にある平均流れ角の範囲の別の角度を条件とした場合の、Pr=4.5段階、羽根なしディフューザ、及び、ハブ又はシュラウド内に凹状チャネルのない代替の例を示している。
【0027】
[0026]
図10は、毎秒0.5lbmの流量、100000rpm、シュラウド側ケースの数値流体力学(CFD)プログラムなどの数値流体モデルによって生成された流線プロットの例であり、かつ、インペラ1002及びディフューザ1004の一部を示している。矢印は流動場流線ベクトルを表しており、矢印の角度は流れ方向を示し、かつ、矢印の長さは流速の大きさを示している。
図10に示すような流線プロットは、
図5~
図9に示されるブレード間平均流れ角よりも流動場においてはるかに複雑であることを明らかにしている。図示する例では、ベクトルは、インペラ出口/ディフューザ入口1006の領域でより接線方向を有し(子午線基準平面からの流れ角がより大きくなり)、かつ、ディフューザ入口の下流でより径方向を有する(流れ角がより小さくなる)。
【0028】
[0027]
図11は、ディフューザ背面プレート128(
図2も参照)の一部を示しており、また、
図5~
図9に関連して上述したように、より低流量でより優勢であり得る、より接線方向の高角度流線1102と、より高流量でより優勢であり得る、より径方向の低角度流線1104と、を含む2つの例示的な流れ流線を概念的に示している。
図11からわかるように、チャネル202(1つのみに符号が付されている)の角度は、作動流体がチャネルに進入するかどうかに影響を与える可能性がある。図示する例では、チャネル202は、より接線方向の流れを捕捉するのにより適した相対的に高角度を有するが、より低角度では、より低角度のより径方向の流れ(例えば、低角度流線1104)が、
図11に示すようにチャネル202をスキップする又はチャネル202から完全に外れ、それによって、チャネルの有効性を低下させてもよい。このような現象は、
図3及び
図4に示して上述した性能の低下308を説明し得る。
【0029】
[0028] 再び
図5を参照すると、例えば、凹状チャネルの角度が、ディフューザの流れ角の計算された帯域の中央、例えば約65度のチャネル角度α(M)にある場合、流れは、2つの異なる挙動モードを有し得る。より高流量の圧縮機又はポンプの性能で発生するより低角度での流れ状態(より急な流線、より径方向の流れ)は、
図11の流線1104によって概念的に示されるように、流れがチャネルをすぐにスキップしてチャネルを迂回し又はチャネルから完全に外れ、それによって、チャネル自体にほとんど流れが捕捉されなくなるように、チャネルの軌跡よりも径方向であり得る。
図5と
図6とを比較すると、ハブ上の計算された流れ角は、シュラウド上よりも約10度低い(より径方向の)約50度の高流量状態での最小流れ角を有する。一例では、2モード動作を回避し、
図3及び
図4に関連して上述した高流量での性能の低下を回避するため、かつ、すべての流量でチャネルを正常に機能させ続けるため、凹状チャネルは、動作特性に沿ったすべての流量で完全なチャネル動作を可能にするために、十分に低い角度レベル(したがって、より径方向)に設定されてもよい。例えば、
図5及び
図6に示すケースの場合、前(シュラウド)側について、
図5は、約55~60度の角度のチャネルが十分であることを示している(より高流量での最も径方向の流れに関連付けられた最小流れ角とほぼ同じか又はそれよりも5度小さい);ハブ又は後側について、約50度を使用してもよい。
【0030】
[0029] 再び
図10を参照すると、ベクトル流線プロットは、場合によってはチャネル曲率に対するより調整されたアプローチが保証されてもよいことを示唆している。
図10の鳥瞰図は、チャネルによる流線の最適な遮断を達成するために約40度の直線チャネル又は対数螺旋形状チャネルを示唆している可能性があり、その理由は、流れ角が、インペラ出口のおおよそ45度の角度の下流に近づくように見えるが、(例えば、インペラカバーチャネルからの)フェアリングの目的のため、かつ、インペラブレード後縁での最初の接線方向の高角度の流れからチャネルへの進入を容易にするため、高角度(より接線方向)がインペラ排出/ディフューザ入口で好まれる可能性があるからである。したがって、角度が子午線位置の関数として変動するチャネルは、ディフューザ入口の領域で角度が大きくなり、ディフューザ入口の下流で角度が小さくなる。
【0031】
[0030]
図12及び
図13は、ディフューザ通路の前面プレート又は背面プレートのいずれかに使用可能であり、かつ、チャネルの複数のセット、ここではチャネル1202及びチャネル1204の2つのセット(各々の1つのみに符号が付されている)を含む、ディフューザプレート1200の別の例を示している。ディフューザプレート1200は、2セットのチャネル1202、1204に対して異なる角度プロファイルを設計及び選択して、異なる作動流体の流れ角を捕捉することによって、ある範囲の流量にわたって発生し得る性能低下を最小限に抑える又は排除するように設計及び構成されている。図示する例では、チャネル1202は、より高角度を有し、かつ、子午線基準平面に対してより接線方向であり、及びしたがって、
図5~
図9に関連して上述したように、流れ角がより大きくより接線方向になる傾向があるより低質量流量でより効果的であり得る。チャネル1204は、より低角度を有し、かつ、子午線基準平面に対してより径方向であり、及びしたがって、流れ角がより低くより径方向になる傾向があるより高質量流量でより効果的であり得る。したがって、より高質量流量で観察される性能低下308を排除するため、低角度のチャネル1204が、羽根あり又は羽根なしディフューザの前面プレート又は背面プレートに組み込まれてもよい(
図3及び
図4を参照)。
【0032】
[0031] ある例では、チャネル1202は、チャネルの全部又は一部にわたって、最小質量流量動作点でのターボ機械の対応の領域にわたって推定、計算、測定又は他の方法で決定された最大作動流体流れ角以上である角度プロファイルα(M)を有している。ある例では、チャネル1202は、最小質量流量動作点での最大作動流体流れ角の+/-5%以内であり、ある例では最大作動流体流れ角の+/-10%以内であり、ある例では最大作動流体流れ角の+/-15%以内であり、ある例では最大作動流体流れ角の+/-20%以内であり、ある例では最大作動流体の流れ角の+/-25%以内である、角度α(M)を有している。
【0033】
[0032] ある例では、チャネル1204は、チャネルの全部又は一部にわたって、最大質量流量動作点でのターボ機械の対応の領域にわたって推定、計算、測定又は他の方法で決定された最小作動流体流れ角以下である角度プロファイルα(M)を有している。ある例では、チャネル1204は、最大質量流量動作点での最小作動流体流れ角の+/-5%以内であり、ある例では最小作動流体流れ角の+/-10%以内であり、ある例では最小作動流体流れ角の+/-15%以内であり、ある例では最小作動流体流れ角の+/-20%以内であり、ある例では最小作動流体流れ角の+/-25%以内である、角度α(M)を有している。
【0034】
[0033] ディフューザプレート1200は、複数の第1チャネル1202及び複数の第2チャネル1204を含む複数のチャネルを含み、チャネルに沿った子午線位置に対する第1チャネル1202の角度α1(M)は、Mのすべての値について、言い換えれば、ディフューザの入口及び出口の間のディフューザプレート1200の長さに沿ったすべての子午線位置について、チャネルに沿った子午線位置に対する第2チャネルの角度α2(M)よりも大きい。角度α1(M)、α2(M)は、チャネルの長さに沿った子午線位置Mでチャネルを通過する子午基準平面に対する第1チャネル又は第2チャネルのうちの対応するものの角度である。
【0035】
[0034] 図示する例では、チャネル1202及び1204の両方が、ディフューザ入口1206からディフューザ出口1208までディフューザを横切って延びる長さを有し、かつ、交点1210で他のセットからのチャネルの1つに交差する各セット1202、1204からのチャネルの各々をもたらす面積スケジュール(area schedule)及び角度プロファイルを有し、交点の子午線位置はディフューザの長さに沿った任意の場所であってもよい。例えば、0%Mがディフューザ入口であり、100%Mがディフューザ出口である場合、交点1210は、1%M~99%M、ある例では5%M~95%M、ある例では10%M~90%M、ある例では20%M~80%M、ある例では30%M~70%M、ある例では40%M~60%M、ある例では5%M~50%M、ある例では50%M~90%Mの範囲の子午線位置を有してもよい。
【0036】
[0035] 図示する例では、
図12で最もよくわかるように、チャネル1202及び1204は各々、特定の設計条件で十分な体積流量を収容及び拡散するように設計されたディフューザ表面1220の下方に配置された拡大被覆断面を有している。一例では、チャネル1202及び1204の両方が実質的に同じ断面積スケジュールを有してもよく、各チャネルの断面積は、子午線位置の増加とともに増加し、拡散流の量の増加に対応し得る。他の例では、2セットのチャネルの断面形状又は面積は異なっていてもよく、例えば、ディフューザ入口の領域の流れはより接線方向であることが理解されるので、低角度チャネル1204は、より浅く、かつ、ディフューザ入口に近接して小さい断面積を有してもよいが、チャネル1204は、流れ角がより低い(より径方向)さらに下流のディフューザプレート表面において、より深く、かつ、より大きな断面積及び/又はより広い幅を有し得る。
【0037】
[0036] 図示する例では、同数のチャネル1202及び1204があり、ここでは各々12ある。他の例では、各々の数が異なってもよい。例えば、チャネルの一方のセットは、他方のセットより、10%~20%少ない、又は20%~30%少ない、又は30%~40%少ない、又は50%~60%少ない、又は60%~70%少ないチャネル、又は80%~90%少ないチャネル、又は10%~60%少ない数のチャネルを有してもよい。非限定的な例として、別の実施では、ディフューザプレート1200は、
図12に示すように、12の高角度チャネル1202、6つの低角度チャネル1204を含んでもよく、低角度チャネルは、性能に有害な低角度の二次流れを修復することによって、性能に大きな影響を与え得るので、6つのチャネル1204がディフューザの円周周りに等間隔に配置される。
【0038】
[0037]
図12に示す例では、チャネル1202及び1204の両方のセットは、ディフューザ入口1206からディフューザ出口1208までディフューザを横切って延びる長さを有している。他の例では、ディフューザの全長にわたって延在するチャネルの両方のセットに代えて、チャネル1202及び1204は、異なる開始位置及び/又は終了位置を有してもよい。例えば、チャネル1202、1204のセットの一方がディフューザの全長にわたって延在してもよい一方で、他方は、ディフューザの一部のみに沿って配置されてもよい。
図14~
図16は、そのような2つの例を図示しており、
図14は、第1角度プロファイルを有する流れ方向チャネルの第1セットのチャネル1402(2つのみに符号が付されている)と、第1角度プロファイルとは異なる第2角度プロファイルを有する流れ方向チャネルの第2セットのチャネル1404(2つのみに符号が付されている)と、を含むディフューザプレート1400を示している。図示する例では、チャネル1402は、子午面基準平面に対してより大きな角度を有し、かつ、低流量で典型的に見られるより接線方向の高角度流れに結合してそれを捕捉するように設計及び構成されている。チャネル1404は、子午線基準平面に対してより小さい角度を有し、かつ、典型的にはより高流量で見られるより径方向の低角度流れに結合してそれを捕捉するように設計及び構成されている。図示する例では、高角度チャネル1402は、ディフューザ入口1406からディフューザ出口1408までディフューザの全長にわたって延在する一方で、低角度チャネル1404は、ディフューザ全体にわたって延在せず、かつ、代わりにディフューザの入口領域にのみ配置され、チャネルは、ディフューザ入口1406から交点1410(1つのみに符号が付されている)まで延在し、そこで、それらの各々が、交差し、かつ、低角度チャネル1404の対応の1つに流体連通している。
【0039】
[0038]
図15は、第1角度プロファイルを有する第1セットの流れ方向チャネル1502(2つのみに符号が付されている)と、第1角度プロファイルとは異なる第2角度プロファイルを有する第2セットの流れ方向チャネル1504(2つのみに符号が付されている)と、を含むディフューザプレート1500の別の実施例を示している。図示する例では、チャネル1502は、子午線基準平面に対してより大きな角度を有し、かつ、低流量で典型的に見られるより接線方向の高角度流れに結合してそれを捕捉するように設計及び構成されている。チャネル1504は、子午線基準平面に対してより小さい角度を有し、かつ、典型的にはより高流量で見られるより径方向の低角度流れに結合してそれを捕捉するように設計及び構成されている。図示する例では、高角度チャネル1502は、ディフューザ入口1506からディフューザ出口1508までディフューザの全長にわたって延在する一方で、低角度チャネル1504は、ディフューザ全体にわたって延在せず、かつ、代わりに下流領域にのみ配置され、チャネルは中間位置からディフューザ出口1508まで延在している。
図10に関連して上述したように、CFD計算は、流れ角が、設計により、ディフューザ入口でかなり接線方向であり、かつ、下流でより径方向になり得ることを示している。したがって、低角度チャネル1504は、ディフューザの下流部分に設計され、構成され及び選択的に配置されて、高角度流れを捕捉し、かつ、計算された流れ角が閾値を下回る領域、例えば、子午面基準平面から40~60度未満、ある例では40~50度未満にある開始位置1510を有してもよい。
【0040】
[0039]
図16は、ディフューザプレート1500と同様のディフューザプレート1600の別の例を示しており、ディフューザプレート1600は、ディフューザの全長にわたって延在する第1セットの高角度チャネル1602と、ディフューザ通路の下流部分に配置された第2セットの低角度チャネル1604と、を含む。チャネル1502及び1504が同様の断面形状及び面積プロファイルを有するディフューザプレート1500とは異なり、チャネル1604は、チャネル1602よりも浅い深さ及び異なる断面積を有し、かつ、チャネル1602よりも少量の流体流を捕捉するように設計される。
図14~
図16に示す例では、チャネルの各セットには同じ数のチャネルが含まれる。他の実施では、チャネルの一方のセットは他方のセットよりも、10%~20%少ない、又は20%~30%少ない、又は30%~40%少ない、又は50%~60%少ない、又は60%~70%少ない、又は80%~90%少ない、又は10%~60%少ない数のチャネルを有してもよい。図示する例では、高角度チャネルは、ディフューザの全長にわたって延在している一方で、他の実施ではそうでなくてもよく、ディフューザに沿った他の点に開始位置及び終了位置を有する。同様に、図示する例では、低角度チャネルは、ディフューザの一部のみにわたって延在する一方で、他の実施では、ディフューザの全長にわたって延在してもよい。他の例では、ターボ機械は、3以上のセットのチャネルを有してもよく、各セットのチャネルは、他のセットのチャネルとは異なる角度プロファイルを有し、各セットのチャネルの数は同じであっても異なってもよく、かつ、各セットのチャネルは、ディフューザの全長又はディフューザの一部のみにわたって延在してもよく、インペラの上流まで延在してもよく、かつ、ターボ機械のハブ側又はシュラウド側又は両側に配置されてもよい。
【0041】
[0040]
図17は、2セットのチャネル1702、1704を有するディフューザプレート1700を示しており、かつ、低角度流線1706及び高角度流線1708を概念的に示している。
図17に示すように、異なる角度プロファイルを有する2セットのチャネルを有することによって、高角度流れと低角度流れとの両方が、チャネル1702、1704によって捕捉され、かつ、好ましい方向に方向を変えられ、それによって、流量及び動作条件の広範囲にわたってターボ機械の性能を改善し得る。
【0042】
[0041]
図18~
図20は、本明細書に開示される凹状チャネルのいずれかに組み込まれて、流れへの結合及び流れの方向変化におけるチャネルの有効性を向上させ得る例示的な移行縁部特徴を示している。
図18は、各々が凸側1804及び凹側1806(1つのチャネルのみに符号が付されている)を有する凹状チャネル1802を含むディフューザプレート1800を示しており、また、チャネル1802の角度とほぼ同じ又はわずかに大きい子午線基準平面に対して流れ角を有する高角度流線1808を概念的に示している。高角度流線1808は、凸側1804を越えてチャネルに進入することが予想され得る。
図19は、チャネル1802の断面側面図の一例であり、かつ、チャネルの例示的な縁部特徴を示している。図示する例では、チャネル1802の凸側1804上で、チャネルは、ディフューザハブ又はシュラウド面1902とチャネルの側壁1904との間に、面取りされた縁部1906の形態の移行縁部特徴を含み、チャネルへの流れの流入を促進するのを助ける。面取りの深さd1は、チャネルの性能を最適化するために変更されてもよく、かつ、ある例では、面取りの深さd1は、チャネルの深さの2%~50%の範囲である。点線によって示されるように、別の例では、チャネル1802は、面取りに代えてフィレット1908の形態の移行縁部特徴を含み、チャネルへの流れの流入を促進し得る。
【0043】
[0042]
図19に示す例では、チャネル1802の凹側1806は、チャネル側壁1904から横方向内側に延在し、かつ、流れを捕捉してチャネル内に流れの方向を変えるためのスクープを形成するカスプ1910を含む。
図19は、流体の流れを概念的に示す矢印を含み、チャネルの凸側1804及び凹側1806のチャネル縁部特徴が、チャネル内への流体の流れを促進する。
図20は、流れを捕捉して流れの方向をチャネル内に変えるためのスクープを提供するため、チャネル側壁2002から横方向に、かつ、ディフューザハブ又はシュラウド面2004から高さh1だけ垂直方向に延在するカスプ2000の形態の、チャネル1802の凹側1806上の移行縁部特徴の別の例を示している。カスプ2000の高さh1は、チャネルの性能を最適化するために変更されてもよく、かつ、ある例では、高さh1は、チャネルの深さの2%~50%の範囲である。
【0044】
[0043]
図19及び
図20に示すチャネル縁部特徴は任意の組み合わせで組み合わせられてもよく、例えば、面取り又はフィレットが、
図20に示すチャネルに追加されてもよい。チャネル縁部特徴は、凹側1806の面取り又はフィレットと、凸側のカスプとを逆にしてもよい。
【0045】
[0044] ある例では、チャネルの縁部形状は、子午線位置によって異なってもよい。例えば、再び
図18を参照すると、高角度流線1808は、チャネル1802の上流部分1810に交差し、最初に凸側1804を横切る一方で、低角度流線1812は、チャネルの下流部分1814に交差し、最初に凹側1806を横切る。チャネル1802は、高角度流線1808を捕捉するために上流部分1810の凹側1806にカスプ1910又は2000などのカスプを組み込むことによって、かつ、下流部分1814で逆の構成-低角度流線1812を捕捉するために凸側1804上のカスプを有することによって、高角度流線1808及び低角度流線1812の両方を捕捉するように設計されてもよい。チャネル1802が、子午線位置の開始位置0%Mから子午線位置の終了位置100%Mまで延在するものとして規定される場合、上流部分1810は、0%Mから10%Mまで、ある例では0%Mから20%Mまで、ある例では0%Mから30%Mまで、ある例では0%Mから40%Mまで、ある例では0%Mから50%Mまで、ある例では0%Mから60%Mまで延在してもよい。下流部分1814は、40%Mから100%Mまで、ある例では50%Mから100%Mまで、ある例では60%Mから100%Mまで、ある例では70%Mから100%Mまで、ある例では80%Mから100%Mまで、ある例では90%Mから100%Mまで延在してもよい。
【0046】
[0045] より一般的には、ある例では、高流量でディフューザ入口の下流の位置でより一般的であり得るより径方向のより低角度流れを捕捉するため、凹状チャネルは、チャネルの下流部分などのチャネルの少なくとも一部の凸側にスクープを形成する縁部特徴を含んでもよい。また、ある例では、凸側のスクープは、チャネルの開始位置の下流にある第1子午線位置で開始してもよく、かつ、チャネルの反対側の凹側は、開始位置と第1子午線位置と間でチャネルの上流部分に沿ってスクープを含んでもよい。
【0047】
[0046]
図21~
図23は、ディフューザ及びターボ機械の性能を改善するように設計及び構成された流量制御構造を含むディフューザ2100の別の実施例を示している。図示する例では、ディフューザ2100は、上面プレート2102及び下面プレート2104を含む。下面プレート2104は、概して流れ方向に延在し、かつ、本明細書に開示された凹状チャネルのいずれかの形状及び特徴のいずれかを有し得る複数の凹状チャネル2106を含む。ディフューザ2100はまた、上面プレート2102に取り付けられた複数の部分高さ羽根2108を含み、複数の部分高さ羽根2108は、とりわけ、チャネルと流動場との間の結合を向上させる、チャネルに近接した流動場の圧力分布を形成することによって、チャネル2106の有効性を高めるように設計及び構成される。
図22は、チャネル2106に対する部分高さ羽根2108の位置決めをさらに図示するために上面プレート2102が取り除かれたディフューザ2100の平面図である。図示する例では、部分高さ羽根は、各チャネル2106の凸側2202に隣接して配置され、チャネルの長さよりも短い長さを有し、かつ、ディフューザ入口2204に近接するチャネルの上流部分に隣接して配置される。
【0048】
[0047] 他の例では、羽根は、チャネルと同じ長さを有することを含めて、より短くても長くてもよく、かつ、羽根2108の代替位置又は追加の部分高さ羽根の位置を示す破線2208によって示されるように下流部分に隣接するなど、チャネルに沿った任意の点に配置されてもよい。別の例では、羽根2108は、チャネルの長さに沿った任意の点でチャネル2106の凹側2206に配置されてもよい。一例では、羽根2108は、例えば上流部分に隣接するチャネル2106の凹側2206に配置されてもよく、かつ、高角度接線方向流れの方向をチャネル内に変えるように設計されてもよく、追加部分高さ羽根は、例えば、下流位置に隣接する凸側2202に配置されてもよく、かつ、低角度のより径方向の流れの方向をチャネル内に変えるように設計されてもよい。他の例では、第1サブセットのチャネル2106は、凹側2206に隣接する部分高さ羽根2108を有し、かつ、第2サブセットのチャネルは、凸側2202に隣接する部分高さ羽根2108を有する。また、ある例では、第1サブセットのチャネルは、第2サブセットのチャネルとは異なる曲率又は角度プロファイルを有し、例えば、第1サブセットのチャネルは、第2サブセットのチャネルより高角度又は低角度を有してもよい。
【0049】
[0048] 図示する例では、同数の部分高さ羽根2108及びチャネル2106が存在する。他の例では、羽根2108の数はより多くても少なくてもよい。例えば、部分高さ羽根の数は、チャネルの数の10%~75%の範囲であってもよく、ある例では、部分高さ羽根の数は、チャネル2106の部分高さ羽根2108に対して1/5、1/3又は1/2であってもよい。
【0050】
[0049]
図23は、ディフューザ2100の一部の側断面図であり、かつ、部分高さ羽根2108の1つとチャネル2106の1つとを示している。部分高さ羽根2108は、上面プレート2102と下面プレート2104との間のスパン方向距離sよりも小さい高さhを有してもよい。部分高さ羽根は、スパン方向距離sの5%~90%の範囲の高さhを含む、スパン方向距離sよりも小さい任意の高さを有してもよく、スパン方向距離sの、ある例では5%~10%、ある例では5%~15%、ある例では5%~20%、ある例では5%~25%、ある例では5%~30%、ある例では5%~35%、ある例では5%~45%、ある例では5%~55%、ある例では45%~95%、ある例では55%~95%、ある例では65%~95%、ある例では75%~95%、及び、ある例では85%~95%の範囲の高さhである。
【0051】
[0050] 部分高さ羽根2108は、チャネル2106の中心線からオフセット距離dだけ間隔をあけられてもよく、オフセット距離dは、羽根厚さtの1/2~10倍の範囲であり、ある例では羽根厚さtの1/2~5倍の範囲、及び、ある例では羽根厚さtの1/2~3倍の範囲、及び、ある例では、羽根厚さtの1/2~2倍の範囲である。部分高さ羽根は、-5度~+25度の範囲の入射角(流れ角と羽根角度との間の差)を有してもよい。羽根高さh、隣接するチャネルからの羽根オフセットd及び羽根入射角のうちの1以上は、チャネル2106に近接する流体流動場内に圧力分布を生成して、流動場へのチャネルの結合を向上させ、かつ、チャネルの有効性を改善するように設計、構成及び選択されてもよい。
【0052】
[0051]
図24は、複数のチャネル2404(1つのみが図示されている)としてディフューザの同じ側に取り付けられた複数の部分高さ羽根2402(1つのみが図示されている)を含むことを除いて、ディフューザ2100と同様であるディフューザ2400の形態の別の実施例を示している。
図24は、ディフューザ2400の上面プレート2406の一部の側断面図である。部分高さ羽根2402の高さh、オフセット距離d及び入射角は、部分高さ羽根2108について上で開示された値のいずれかを有してもよい。
【0053】
[0052] さらに他の例では、
図21~
図23及び
図24に図示される実施形態がいかようにも組み合わせられてもよく、例えば、ディフューザは、ディフューザ通路のハブ側とシュラウド側との両方に、凹状流れ方向チャネルを含んでもよく、かつ、片側のみに又は両側に部分高さ羽根を含んでもよい。両側にある場合、部分高さ羽根は、例えば、ディフューザのシュラウド側に取り付けられた第1部分高さ羽根と、第1部分高さ羽根から円周方向に間隔をあけられ、かつ、シュラウドに取り付けられた別の8つの第1部分高さ羽根が続くディフューザのハブ側に取り付けられた第2部分高さ羽根とを互いに組み合わせて交互に配列して位置決めされてもよい。別の例では、
図21及び
図23に図示する実施形態が逆にされてもよく、流れ方向チャネルが上面プレート2102に配置され、部分高さ羽根が下面プレート2104に取り付けられる。別の例では、
図24に図示する実施形態が逆にされてもよく、流れ方向チャネルがディフューザの下面プレートに配置され、部分高さ羽根が同じく下面プレートに固定される。
【0054】
[0053]
図25は、ディフューザ及びターボ機械の性能を改善するための流量制御構造を含むディフューザ2500の別の実施例を図示しており、ディフューザ2500は、ディフューザプレート2505内に配置された複数の部分高さ羽根2502及び複数の凹状チャネル2504を含み、ディフューザプレートはディフューザ2500の前面プレート又は背面プレートを形成し得る。図示する例では、部分高さ羽根2502よりも多い数の凹状チャネル2504があり、部分高さ羽根は、チャネルの対2506の間に選択的に配置され、かつ、部分高さ羽根は、チャネルの隣接する対の間に配置される。チャネルの対2506は、羽根2502の圧迫側2509に配置された圧迫側チャネル2504bと、羽根の吸込側2507に配置された吸込側チャネル2504aと、を含む。図示する例では、各対2506の2つのチャネル2504は、流体連通しておらず、かつ、各々がディフューザの入口2508から出口2510まで延在している。他の例では、2つのチャネル2504は、部分高さ羽根2502の上流又は下流のいずれかで単一のチャネルに結合してもよく、又は、
図12及び
図13のチャネル1202及び1204と同様の交点で交差してもよい。さらに他の例では、チャネルの対2506における2つのチャネル2504は、ディフューザプレート2505の表面2512に別個の開口部を規定してもよいが、ディフューザ表面の下方に沈んだ(submerged)共通の流路を共有してもよい。
【0055】
[0054]
図26及び
図27は、ディフューザ2500の2つの代替の実施形態の側断面図であり、チャネル2504の対2506の間に配置された部分高さ羽根2502がディフューザ通路の同じ側又は反対側にあってもよいことを図示している。
図26に図示する例では、部分高さ羽根2502は、ディフューザプレート2505に取り付けられ、かつ、チャネル2504a及び2504bから距離d_a、d_bだけ等間隔に間隔をあけられ、かつ、チャネルの対2506は間隔距離sだけ間隔をあけられる。図示する例では、間隔距離sは、チャネルの隣接する対2506の間の間隔よりも小さく、及び一例では、d_a及びd_bは各々t~5tの範囲内にあり、tは羽根2502の厚さである。別の例では、間隔はより大きくてもよく、ある例では、距離d_a及びd_bは同じでなくてもよい。例えば、d_aはd_bより小さくてもよく、d_bは2×d_a~5×d_aの範囲にあってもよい。言い換えると、羽根2502は、圧迫側チャネル2504aにより近く、かつ、吸込側チャネル2504bからより大きな距離をあけられて、羽根が吸込側チャネルへの流れを遮断するのを防止してもよい。他の例では、逆にされてもよく、羽根2502が吸込側チャネル2504bのより近くに配置される。
図27に図示する代替の実施形態は、間隔パラメータd_a、d_b及びsの同じ範囲によって構築されてもよい。ある例では、羽根2502とチャネル2504a、2504bとの間の相対間隔は、チャネル2504の領域の流動場に対する羽根の異なる効果に起因して、羽根がディフューザ通路の同じ側(
図26)又は反対側(
図27)に取り付けられているかどうかに従って選択される。
図26及び
図27に図示する例では、チャネルの対2506の両方のチャネル2504は、実質的に同じ断面形状、面積及び深さを有している。他の例では、チャネル2504の形状、サイズ又は深さは、例えば、チャネルが羽根2502の圧迫側2507又は吸込側2509にあるかどうか、及び、羽根がディフューザ通路の同じ側又は反対側に取り付けられるかどうか、に従って異なってもよい。例えば、吸込側の羽根2504bは、圧迫側の羽根2504aよりも浅くてもよく及び/又は小さい断面積を有してもよい。他の例では、圧迫側の羽根2504aは、吸込側の羽根2504bより浅くてもよく及び/又は小さい断面積を有してもよい。
【0056】
[0055] 部分高さ羽根2502は、スパン方向距離の5%~90%の範囲の高さhを含む、ディフューザ通路のスパン方向距離s_spanよりも小さい任意の高さhを有してもよく、スパン方向距離の、ある例では5%~10%、ある例では5%~15%、ある例では5%~20%、ある例では5%~25%、ある例では5%~30%、ある例では5%~35%、ある例では5%~45%、ある例では5%~55%、ある例では45%~95%、ある例では55%~95%、ある例では65%~95%、ある例では75%~95%及びある例では85%~95%の範囲の高さhを有してもよい。
図25に示す例では、チャネル2504の対2506の間には部分高さ羽根は配置されない。他の例では、追加の全部高さ羽根又は部分高さ羽根が、チャネルの対の間に配置されてもよく、かつ、部分高さ羽根の場合、部分高さ羽根は、ディフューザ通路の部分高羽根2502と同じ側又は反対側に取り付けられてもよい。
【0057】
[0056]
図28は、ディフューザプレート2804に配置された複数の凹状チャネル2802を含むディフューザ2800の別の実施例を示している。チャネル2802は、ディフューザプレート2804の表面2808に細長い開口部2806を含み、かつ、開口部2806の幅よりも広い幅を有する沈んだ部分2810も含み、表面2808の下方のチャネル通路の沈んだ部分の側面は
図28に破線で示される。破線で示されるように、沈んだ部分2810の幅及び断面積は、子午線位置によって変動し、図示する例では、子午線位置Mに配置されたスロート2814を含む中細ノズル2812を形成するように設計及び構成される。
図3及び
図4に関連して上述したように、高流量での性能の低下は、凹状チャネルを有する圧縮機の一部の実施で観察されてきた。ある例では、性能の低下は、チャネル内の流体流れの閉塞に起因する可能性がある。したがって、チャネル2802及び中細ノズル2812は、高流量でチャネルの性能を改善するように設計及び構成される。
【0058】
[0057] 上記は、本開示の例示的な実施形態の詳細な説明である。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」及び「X、Y及びZのうちの1以上」という語句で使用されるような接続的な文言は、特に明言又は別途示されない限り、接続的な文言のリストの各アイテムが、リスト内の他のすべてのアイテムを除く任意の数で存在する、若しくは、接続的なリスト内の任意の又はすべてのアイテムと組み合わせた任意の数で存在することができ、その各々が任意の数で存在してもよいことを意味するものと解釈される。この一般規則を適用すると、接続的なリストがX、Y及びZから構成される前述の例の接続的な語句は各々:Xのうちの1以上;Yのうちの1以上;Zのうちの1以上;Xのうちの1以上及びYのうちの1以上;Yのうちの1以上及びZのうちの1以上;Xのうちの1以上及びZのうちの1以上;及び、Xのうちの1以上、Yのうちの1以上及びZのうちの1以上を包含する。
【0059】
[0058] 本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、さまざまな修正及び追加がなされてもよい。上述したさまざまな実施形態の各々の特徴は、関連する新たな実施形態において多数の特徴の組み合わせを提供するため、適宜他の説明された実施形態の特徴と組み合わせれられてもよい。例えば、
図12~
図16で説明及び図示された、異なる角度プロファイルを有するチャネルの複数のセットの例の特徴のいずれかが、
図17~
図20で説明及び図示されるチャネル縁部特徴の例の特徴のいずれかと、及び/又は、
図21~
図27の部分高さ羽根及び凹状チャネルを組み込んだ実施例の特徴のいずれかと、及び/又は、
図28の中細ノズルの実施例と、組み合わせられ得る。さらに、上記は多数の別個の実施形態を説明しているが、本明細書で説明されたことは、本開示の原理の適用を単に例示するものである。さらに、本明細書における特定の方法は、特定の順序で実行されるものとして図示及び/又は説明され得るが、順序付けは、本開示の態様を達成するために当業者の範囲内で非常に多様性がある。したがって、この説明は、例としてのみ解釈されるべきであり、本開示の範囲を限定するものではない。さらに、ディフューザ内に配置される、本明細書に開示される凹状チャネルのいずれも、インペラ内に上流に延在するか、又は、ディフューザではなくインペラ内に全体が配置されてもよい。本明細書で開示される部分高さ羽根の例のいずれも、部分高さ羽根をディフューザ通路の両側に取り付けるように修正されてもよく、かつ、ディフューザは、部分高さ羽根に代えて又は図示する部分高さ羽根に加えて、1以上の全部高さ羽根を含んでもよい。ラジアル圧縮機に関連して本明細書に図示する例は、混合流及びラジアルポンプ混合流圧縮機、並びに、軸流、混合流又はラジアルファン及びタービンに容易に適用可能である。凹状チャネルを含む本明細書に開示された例のいずれも、ターボ機械通路の片側又は両側に凹状チャネルを組み込むように修正されてもよい。
【国際調査報告】