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特表2023-536999B型肝炎患者のオリゴヌクレオチド処置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】B型肝炎患者のオリゴヌクレオチド処置
(51)【国際特許分類】
   C07H 21/04 20060101AFI20230823BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20230823BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20230823BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20230823BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 31/7064 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 39/29 20060101ALI20230823BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20230823BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20230823BHJP
   C07K 16/10 20060101ALN20230823BHJP
【FI】
C07H21/04 Z
C12N15/113 102Z
A61P31/20
A61K31/7125
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K47/54
A61K31/4985
A61K31/7064
A61K39/29
A61P37/04
A61K39/39
A61K47/02
A61K47/04
C12N15/13 ZNA
C07K16/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507966
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 EP2021071824
(87)【国際公開番号】W WO2022029209
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/061,384
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(71)【出願人】
【識別番号】523039341
【氏名又は名称】ディサーナ・ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】オトスン,セーアン
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】アクネック,ハーディーン
(72)【発明者】
【氏名】ファンブロー,ダグラス・エム
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ボブ・デイル
【テーマコード(参考)】
4C057
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C057CC02
4C057DD02
4C057MM01
4C076BB16
4C076CC07
4C076CC35
4C076CC41
4C076DD23Z
4C076DD26Z
4C076EE59
4C084AA19
4C084MA66
4C084NA05
4C084ZB331
4C084ZB332
4C084ZC751
4C085AA03
4C085AA13
4C085AA38
4C085BA90
4C085EE03
4C085GG04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZB33
4C086ZC75
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス感染の処置における使用のためのオリゴヌクレオチドを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法に使用するための、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドであって、
前記センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
前記アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
前記方法が、皮下経路を介して前記患者に約0.1mg/kg~約12mg/kgの前記オリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法に使用するための、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドであって、
前記センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
前記アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
前記方法が、皮下経路を介して前記患者に約6mg~約800mgの前記オリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項3】
前記B型肝炎又はHBV感染が、慢性B型肝炎又は慢性HBV感染である、請求項1又は2に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
前記初期用量が、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgである、請求項1又は請求項3に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
前記初期用量が、約100mg、約200mg又は約400mgである、請求項2又は請求項3に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
前記初期用量が、単回用量であるか、又は投与される唯一の用量である、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
約0.1mg/kg~約12mg/kgである量の前記オリゴヌクレオチドの1つ又は複数の後続用量を前記患者に投与することをさらに含む、請求項1、3、4又は6のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
前記1つ又は複数の後続用量が、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgである、請求項7に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
約6mg~約800mgである量の前記オリゴヌクレオチドの1つ又は複数の後続用量を前記患者に投与することをさらに含む、請求項2、3、5又は6のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項10】
前記1つ又は複数の後続用量が、約100mg、約200mg又は約400mgである、請求項9に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項11】
前記用量が、少なくとも約4週間、互いに時間的に分離されている、請求項7~10のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項12】
前記用量が、約4週間、互いに時間的に分離され、約48週間、約24週間、約3ヶ月又は約12週間の期間にわたって投与される、請求項7~11のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項13】
前記用量の各々の間の期間が、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月又は約6ヶ月からなる群から独立して選択される、請求項7~11のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項14】
前記用量の各々の間の期間が、表1のレジメンのいずれか1つに示されるとおりである、請求項7~13のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項15】
前記方法が、好ましくは約3ヶ月~約6ヶ月の処置休日を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項16】
前記患者が抗ウイルス処置未経験であるか、又は前記患者が、好ましくは少なくとも約6ヶ月の期間、抗ウイルス療法で以前に処置されていない、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項17】
前記抗ウイルス療法が、ヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)又はインターフェロン含有薬剤である、請求項16に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項18】
前記患者が、ヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)抑制、免疫活性、肝硬変、免疫耐性、不活性キャリア、HBeAg陽性、HBeAg陰性、又はHBVデルタ共感染である、請求項1~17のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項19】
前記オリゴヌクレオチドが単剤療法として投与される、請求項1~18のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項20】
前記方法が、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を投与することをさらに含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
前記追加の治療剤が抗ウイルス剤である、請求項20に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
前記抗ウイルス剤が、インターフェロン、リバビリン、HBV RNA複製阻害剤、第2のアンチセンスオリゴマー、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、ラミブジン(3TC)、エンテカビル、テノホビル、テルビブジン(LdT)、アデホビル、HBV抗体療法(モノクローナル又はポリクローナル)、抗PDL1/PD1モノクローナル抗体、抗PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、及びCpAMのうちの1つ又は複数である、請求項21に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項23】
前記抗PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチドが、
式GN2-C6ocoaoCCtatttaacatcAGAC(化合物I)
(式中、C6は6個の炭素を有するアミノアルキル基を表し、大文字はβ-D-オキシLNAヌクレオシドを表し、小文字はDNAヌクレオシドを表し、すべてのLNA Cは5-メチルシトシンであり、下付き文字oはホスホジエステルヌクレオシド結合を表し、特に指示しない限り、すべてのヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、GN2が、以下の三価GalNAcクラスター:
【化1】
を表し、さらに、前記三価GalNAcクラスターの波線は、前記C6アミノアルキル基への前記三価GalNAcクラスターのコンジュゲート部位を示す)又はその薬学的に許容され得る塩を有する、請求項22に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項24】
前記CpAMが、化合物II:
【化2】
又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマーである、請求項22に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項25】
前記TLR7アゴニストが、化合物III:
【化3】
又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマーである、請求項22に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項26】
前記抗ウイルス剤が、化合物I又はその薬学的に許容され得る塩;化合物II又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマー;及び、化合物III又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマーのうちの1つ又は複数、例えば3つすべてである、請求項23~25のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項27】
前記HBV抗体療法が、B型肝炎表面抗原に結合する抗体(抗HBsAg)である、請求項22に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項28】
前記抗HBsAg抗体が、
(a)配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、重鎖可変ドメイン(VH);並びに
(d)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む、軽鎖可変ドメイン(VL)
を含む、請求項27に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項29】
前記抗体が、
(a)配列番号19のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列;
(b)配列番号18のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列;並びに
(c)(a)で定義されるVH配列及び(b)で定義されるVL配列
からなる群から選択される配列を含む、請求項28に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項30】
前記抗体が、配列番号19のVH配列及び配列番号18のVL配列を含む、請求項28又は請求項29に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項31】
前記抗体が、配列番号21又は76の重鎖と、配列番号20の軽鎖とを含む、請求項28~30のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項32】
前記抗HBsAg抗体が、
(a)配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、重鎖可変ドメイン(VH);並びに
(d)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む、軽鎖可変ドメイン(VL)
を含む、請求項27に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項33】
前記抗体が、
(a)配列番号37のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列;
(b)配列番号36のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列;並びに
(c)(a)で定義されるVH配列及び(b)で定義されるVL配列
からなる群から選択される配列を含む、請求項32に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項34】
前記抗体が、配列番号37のVH配列及び配列番号36のVL配列を含む、請求項32又は請求項33に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項35】
前記抗体が、配列番号39又は77の重鎖と、配列番号38の軽鎖とを含む、請求項32~34のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項36】
前記抗HBsAg抗体が、
(a)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、重鎖可変ドメイン(VH);並びに
(d)配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む、軽鎖可変ドメイン(VL)
を含む、請求項27に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項37】
前記抗体が、
(a)配列番号55のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列;
(b)配列番号54のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列;並びに
(c)(a)で定義されるVH配列及び(b)で定義されるVL配列
からなる群から選択される配列を含む、請求項36に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項38】
前記抗体が、配列番号55のVH配列及び配列番号54のVL配列を含む、請求項36又は請求項37に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項39】
前記抗体が、配列番号57又は78の重鎖と、配列番号56の軽鎖とを含む、請求項36~38のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項40】
前記抗HBsAg抗体が、
(a)配列番号58のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、重鎖可変ドメイン(VH);並びに
(d)配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む、軽鎖可変ドメイン(VL)
を含む、請求項27に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項41】
前記抗体が、
(a)配列番号73のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列;
(b)配列番号72のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列;並びに
(c)(a)で定義されるVH配列及び(b)で定義されるVL配列
からなる群から選択される配列を含む、請求項40に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項42】
前記抗体が、配列番号73のVH配列及び配列番号72のVL配列を含む、請求項40又は請求項41に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項43】
前記抗体が、配列番号75又は79の重鎖と、配列番号74の軽鎖とを含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項44】
前記抗体が、
i)M252Y、S254T及びT256E;
ii)M428L、N434A及びY436T;
iii)N434A;並びに
iv)T307H及びN434H
からなる群から選択される置換によって修飾された、請求項31、35、39又は43のいずれかに示される軽鎖及び請求項31、35、39又は43のいずれかに示される重鎖を含む、請求項31、35、39又は43のいずれかに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項45】
前記オリゴヌクレオチド及び前記追加の治療剤が、同時に投与されるか又は逐次投与される、請求項20~44のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項46】
前記追加の治療剤が治療ワクチンであり、さらに、前記オリゴヌクレオチド及び前記治療ワクチンが逐次投与され、好ましくは、前記治療ワクチンの1~3の間の用量が前記オリゴヌクレオチドの投与後に投与される、請求項45に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項47】
前記方法が、単剤療法導入段階を含み、前記オリゴヌクレオチドの1つ又は複数の用量が、任意の追加の治療剤の第1の用量の前に投与される、請求項20~46のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項48】
前記患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、前記患者が、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの前記オリゴヌクレオチドの初期用量を投与され、続いて、それぞれ約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの前記オリゴヌクレオチドの3回の後続用量を投与され、前記用量が、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、請求項1、3、4、7、8又は11~47のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項49】
前記患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、前記方法が、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量の前記オリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、請求項1、3、4、6又は16~19のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項50】
前記患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、前記方法が、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量の前記オリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、請求項1、3、4、6又は16~19のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項51】
前記オリゴヌクレオチドが、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含み、
前記センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間の1つのホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;前記-GAAA-配列が、構造:
【化4】
を含み、及び
前記アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間の5つのホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドは、以下の構造:
【化5】
を有している、請求項1~50のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項52】
前記オリゴヌクレオチドが、薬学的に許容され得る塩、好ましくはナトリウム塩又はカリウム塩の形態である、請求項1~51のいずれか一項に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項53】
前記オリゴヌクレオチドの前記薬学的に許容され得る塩が、図2A又は図2Bに示されるとおりである、請求項52に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
【請求項54】
請求項1~53のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩と、請求項1~53のいずれか一項に記載の使用のための薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントとを含む、医薬組成物。
【請求項55】
前記薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントが、リン酸緩衝生理食塩水である、請求項54に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項56】
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法であって、前記方法が、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドであって、
前記センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
前記アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩を前記患者に投与することを含み
前記方法が、皮下経路を介して前記患者に約0.1mg/kg~約12mg/kgの前記オリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、方法。
【請求項57】
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法であって、前記方法が、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドであって、
前記センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合を含む配列からなり、
前記センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
前記アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩を前記患者に投与することを含み
前記方法が、皮下経路を介して前記患者に約6mg~約800mgの前記オリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、方法。
【請求項58】
前記B型肝炎又はHBV感染が、慢性B型肝炎又は慢性HBV感染である、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項59】
前記初期用量が、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgである、請求項3956に記載の方法。
【請求項60】
前記初期用量が、約100mg、約200mg又は約400mgである、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
前記初期用量が、単回用量であるか、又は投与される唯一の用量である、請求項56又は請求項57に記載の方法。
【請求項62】
約0.1mg/kg~約12mg/kgである量の前記オリゴヌクレオチドの1つ又は複数の後続用量を前記患者に投与することをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項63】
前記1つ又は複数の後続用量が、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
約6mg~約800mgである量の前記オリゴヌクレオチドの1つ又は複数の後続用量を前記患者に投与することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項65】
前記1つ又は複数の後続用量が、約100mg、約200mg又は約400mgである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記用量が、少なくとも約4週間、互いに時間的に分離されている、請求項62又は請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記用量が、約4週間、互いに時間的に分離され、約48週間、約24週間、約3ヶ月又は約12週間の期間にわたって投与される、請求項62又は請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記用量の各々の間の期間が、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月又は約6ヶ月からなる群から独立して選択される、請求項62又は請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記用量の各々の間の期間が、表1のレジメンのいずれか1つに示されるとおりである、請求項62又は請求項64に記載の方法。
【請求項70】
前記方法が、好ましくは約3ヶ月~約6ヶ月の処置休日を含む、請求項56又は請求項57に記載の方法。
【請求項71】
前記患者が抗ウイルス処置未経験であるか、又は前記患者が、好ましくは少なくとも約6ヶ月の期間、抗ウイルス療法で以前に処置されていない、請求項56又は請求項57に記載の方法。
【請求項72】
前記抗ウイルス療法が、ヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)又はインターフェロン含有薬剤である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記患者が、ヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)抑制、免疫活性、肝硬変、免疫耐性、不活性キャリア、HBeAg陽性、HBeAg陰性、又はHBVデルタ共感染である、請求項56又は請求項57に記載の方法。
【請求項74】
前記オリゴヌクレオチドが単剤療法として投与される、請求項56又は請求項57に記載の方法。
【請求項75】
前記方法が、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を投与することをさらに含む、請求項56又は請求項57に記載の方法。
【請求項76】
前記追加の治療剤が抗ウイルス剤である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記抗ウイルス剤が、インターフェロン、リバビリン、HBV RNA複製阻害剤、第2のアンチセンスオリゴマー、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、ラミブジン(3TC)、エンテカビル、テノホビル、テルビブジン(LdT)、アデホビル、HBV抗体療法(モノクローナル又はポリクローナル)、抗PDL1/PD1モノクローナル抗体、抗PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、及びCpAMのうちの1つ又は複数である、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記抗PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチドが、
式GN2-C6ocoaoCCtatttaacatcAGAC(化合物I)
(式中、C6は6個の炭素を有するアミノアルキル基を表し、大文字はβ-D-オキシLNAヌクレオシドを表し、小文字はDNAヌクレオシドを表し、すべてのLNA Cは5-メチルシトシンであり、下付き文字oはホスホジエステルヌクレオシド結合を表し、特に指示しない限り、すべてのヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、GN2が、以下の三価GalNAcクラスター:
【化6】
を表し、さらに、前記三価GalNAcクラスターの波線は、前記C6アミノアルキル基への前記三価GalNAcクラスターのコンジュゲート部位を示す)又はその薬学的に許容され得る塩を有する、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記CpAMが、化合物II:
【化7】
又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマーである、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記TLR7アゴニストが、化合物III:
【化8】
又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマーである、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
前記抗ウイルス剤が、化合物I又はその薬学的に許容され得る塩;化合物II又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマー;及び、化合物III又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマーのうちの1つ又は複数、例えば3つすべてである、請求項78~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記HBV抗体療法が、B型肝炎表面抗原に結合する抗体(抗HBsAg)である、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
前記抗HBsAg抗体が、
(a)配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、重鎖可変ドメイン(VH);並びに
(d)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む、軽鎖可変ドメイン(VL)
を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記抗体が、
(a)配列番号19のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列;
(b)配列番号18のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列;並びに
(c)(a)で定義されるVH配列及び(b)で定義されるVL配列
からなる群から選択される配列を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記抗体が、配列番号19のVH配列及び配列番号18のVL配列を含む、請求項83又は請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記抗体が、配列番号21又は76の重鎖と、配列番号20の軽鎖とを含む、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記抗HBsAg抗体が、
(a)配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、重鎖可変ドメイン(VH);並びに
(d)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む、軽鎖可変ドメイン(VL)
を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項88】
前記抗体が、
(a)配列番号37のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列;
(b)配列番号36のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列;並びに
(c)(a)で定義されるVH配列及び(b)で定義されるVL配列
からなる群から選択される配列を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記抗体が、配列番号37のVH配列及び配列番号36のVL配列を含む、請求項87又は請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記抗体が、配列番号39又は77の重鎖と、配列番号38の軽鎖とを含む、請求項87~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記抗HBsAg抗体が、
(a)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、重鎖可変ドメイン(VH);並びに
(d)配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む、軽鎖可変ドメイン(VL)
を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項92】
前記抗体が、
(a)配列番号55のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列;
(b)配列番号54のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列;並びに
(c)(a)で定義されるVH配列及び(b)で定義されるVL配列
からなる群から選択される配列を含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記抗体が、配列番号55のVH配列及び配列番号54のVL配列を含む、請求項91又は請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記抗体が、配列番号57又は78の重鎖と、配列番号56の軽鎖とを含む、請求項91~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記抗HBsAg抗体が、
(a)配列番号58のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、重鎖可変ドメイン(VH);並びに
(d)配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む、軽鎖可変ドメイン(VL)
を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項96】
前記抗体が、
(a)配列番号73のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列;
(b)配列番号72のアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列;並びに
(c)(a)で定義されるVH配列及び(b)で定義されるVL配列
からなる群から選択される配列を含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記抗体が、配列番号73のVH配列及び配列番号72のVL配列を含む、請求項95又は請求項96の抗体に記載の方法。
【請求項98】
前記抗体が、配列番号75又は79の重鎖と、配列番号74の軽鎖とを含む、請求項95~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記抗体が、
i)M252Y、S254T及びT256E;
ii)M428L、N434A及びY436T;
iii)N434A;並びに
iv)T307H及びN434H
からなる群から選択される置換によって修飾された、請求項86、90、94又は98のいずれかに示される軽鎖及び請求項86、90、94又は98のいずれかに示される重鎖を含む、請求項86、90、94又は98のいずれかに記載の方法。
【請求項100】
前記オリゴヌクレオチド及び前記追加の治療剤が、同時に投与されるか又は逐次投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項101】
前記追加の治療剤が治療ワクチンであり、さらに、前記オリゴヌクレオチド及び前記治療ワクチンが逐次投与され、好ましくは、前記治療ワクチンの1~3の間の用量が前記オリゴヌクレオチドの投与後に投与される、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記方法が、単剤療法導入段階を含み、前記オリゴヌクレオチドの1つ又は複数の用量が、任意の追加の治療剤の第1の用量の前に投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項103】
前記患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、前記患者が、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの前記オリゴヌクレオチドの初期用量を投与され、続いて、それぞれ約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの前記オリゴヌクレオチドの3回の後続用量を投与され、前記用量が、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、請求項56に記載の方法。
【請求項104】
前記患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、前記方法が、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量の前記オリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、請求項65に記載の方法。
【請求項105】
前記患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、前記方法が、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量の前記オリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項106】
前記オリゴヌクレオチドが、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含み、
前記センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間の1つのホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;前記-GAAA-配列が、構造:
【化9】
を含み、及び
前記アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間の5つのホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドは、以下の構造:
【化10】
を有している、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩である、請求項56又は請求項57に記載の方法。
【請求項107】
前記オリゴヌクレオチドが、薬学的に許容され得る塩、好ましくはナトリウム塩又はカリウム塩の形態である、請求項56又は請求項57に記載の方法。
【請求項108】
前記オリゴヌクレオチドの前記薬学的に許容され得る塩が、図2a又は図2bに示されるとおりである、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法であって、前記方法が、請求項56に記載のオリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩と、薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントとを含む医薬組成物を前記患者に投与することを含み、前記方法が、約0.1mg/kg~約12mg/kgの前記オリゴヌクレオチドの初期用量を、皮下経路を介して前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項110】
前記薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントが、リン酸緩衝生理食塩水である、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための医薬の製造における、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドの使用であって、
前記センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
前記アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩であり、
皮下経路を介して前記患者に約0.1mg/kg~約12mg/kgの前記オリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩の使用。
【請求項112】
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための医薬の製造における、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドの使用であって、
前記センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
前記アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩であり、
皮下経路を介して前記患者に約6mg~約800mgの前記オリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置する方法におけるオリゴヌクレオチドの使用、特に、NUC未経験患者のB型肝炎感染の処置に関連する使用に関する(NUCは、Nucleos(t)ide Analogue Compoundsを指す)。
【0002】
配列表の参照
本開示は、電子形式の配列表と共に出願されている。配列表は、2021年8月1日に作成されたP120786PCT_ST25という名称のファイルとして提供される。配列表の電子形式の情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
B型肝炎ウイルス(HBV)は、肝細胞に感染し、HBV複製及び抗原産生の鋳型として作用する感染細胞内にcccDNA(ミニ染色体とも呼ばれる)を確立するDNAウイルスである。HBVは、急性又は慢性肝炎、肝硬変及び/又は肝細胞癌腫を引き起こす可能性がある、向肝性の非細胞変性ウイルスである。世界保健機関によって、世界中で20億人を超える人々が感染しており、年間約400万人の急性症例があると推定されている。残念なことに、年間100万人が死亡しており、慢性的なキャリアが3億5000万人から4億人いる。キャリアのおおよそ25%が慢性肝炎で死亡し、肝硬変への進行が年間2~5%の割合で起こり、肝代償不全の年間発生率は約3%である。その他の場合、肝硬変又は肝臓癌がかなりの数で発生するが、慢性キャリアのほぼ75%がアジア人である。世界的な観点から、HBVは、タバコに次いで2番目に重要な発癌物質であり、全原発性肝臓癌の60%~80%を引き起こす。現時点では、HBVに感染したヒトを処置するための効果的な治療剤が必要とされている。この例では、有効な処置は、HBV感染に罹患している人において、処置前のベースライン数と比較して、ウイルス抗原の90%以上の減少が見られる、ウイルスに反応した宿主体内のセロコンバージョン事象を含み得る。このタイプのセロコンバージョンは、ウイルスの効果的な治癒又は管理をもたらし得る。
【0004】
慢性B型肝炎は、HBVによる急性感染後6ヶ月を超えて血清中にB型肝炎表面抗原(HBsAg)が持続することと定義される。現在、American Association for the Study of Liver Diseases(AASLD)及びEuropean Association for the Study of the Liver(EASL)によって推奨されている慢性HBV感染の治療法には、インターフェロンアルファ及びペグ化インターフェロンアルファ-2aである、それぞれエンテカビル及びテノホビルが含まれる(両方とも、Nucleos(t)ide Analogue Compounds、NUC)。慢性HBV感染の進化における重要な事象は、年間約5~10%の割合で自発的に起こるHBeAgセロコンバージョンである。48週間続き、重篤で不快な副作用をもたらすペグ化インターフェロンによる処置下では、治療中止後24週間の実際のセロコンバージョン(HBeAgセロコンバージョン)事象は、わずか27~36%に及ぶ。HBsAgのセロコンバージョンはさらに低く、処置中止直後にわずか3%しか観察されず、5年後に12%超に増加する。疾患を抑制するためのNUCの使用などの現在のHBV治療は、血漿ウイルス血症を軽減するための生涯にわたる治療を必要とする可能性があり、一般に長期的には効果がない。ヒト患者におけるB型肝炎、HBV感染及び慢性HBVのための改善された処置が必要とされている。
【0005】
NUC療法エンテカビル及びテノホビルは、一部の患者においてウイルス量を首尾よく減少させることができるが、HBeAgのセロコンバージョン及びHBsAgの喪失の割合は、インターフェロン療法を使用して得られるものよりもさらに低い。ラミブジン(3TC)、テルビブジン(LdT)、及びアデホビルを含む他の同様の治療法も使用されるが、ヌクレオシド/ヌクレオチド治療では一般に、耐性の出現が治療有効性を制限する。ほとんどの場合、RNAi療法は、慢性HBV感染の処置のために他の薬物に対して未経験の患者では考慮も試験もされていない。いくつかの研究は、以前の処置に対して未経験の患者における第1の治療又は単剤療法の一部としての試験RNAiが、定義された期間にわたるアラニンアミノトランスフェラーゼレベルの実質的な増加であるフレア、すなわち「陽性フレア」(「PHBV」、すなわち、維持された正常な合成及び排泄性肝機能を有する有効な宿主免疫媒介性応答を示唆する)を明らかにしていないことを発表した。以前の研究は、複数の異なるHBV遺伝子(すなわち、S、C、P及びX遺伝子)を標的化する、又はいくつかの場合ではX遺伝子転写物のみを標的化するRNAiオリゴヌクレオチドの組み合わせの使用が、HBV複製及び遺伝子発現の効果的な阻害を達成することを示している。
【0006】
現在のNUC治療はウイルス複製を抑制するが、HBV共有結合的に閉じた環状DNA(cccDNA)をうまく排除せず、したがってHBVリバウンドをもたらし、NUC処置の中止時に陰性肝フレアの発生をもたらし得る(Honerら)。陰性フレア又は陰性HBVフレア(「NHBV」)の現在の理解によれば、これらは肝機能の低下を含み得る非有効な免疫応答に関連するフレアである。陰性フレアは、典型的には、ウイルスDNAが蓄積しており、ウイルス自体が宿主組織においてより一般的になりつつあるウイルス「ブレイクスルー」に見られる。これは、NUC処置、NUC処置の除去、又は特異性薬物毒性に続発する状況におけるウイルス変異体に関連する薬物耐性ブレイクスルーの場合に見られ得る。NHBVフレアは、処置中にも起こり得る。これらは、HBV複製の再発及び増加のために起こり、典型的には少なくとも1log HBVDNAの増加が先行する。NHBVフレアは、たとえあったとしても、肯定的な処置応答をもたらすことはほとんどない有害事象と考えられる。NHBVフレアの場合、HBV DNAレベルは上昇しているか、又は少なくとも低下していない可能性があり、基礎となる治療化合物又はレジメンの有効性が失われている可能性がある。このような陰性フレア又はNHBVフレアは、生命を脅かす可能性がある。これらの状況では、HBV DNAレベル、すなわち「ウイルス量」はウイルス複製の指標である。より高いHBV DNAレベルは、通常、肝疾患及び肝細胞癌腫のリスク増加に関連する。HBV DNAレベルは、典型的には、有効な抗ウイルス処置に応答して低下する。慢性HBVの処置のための以前に承認されたHBV治療は、NUC又は宿主免疫応答増強、例えばIFNであり、これらはRNAi治療とは異なる作用機序を有し、NUCの場合には有益なフレアをほとんど生じないか、IFNの場合には潜在的に重度の副作用を伴う。上記のように、NHBVフレアの可能性を考慮すると、NUC治療は生涯続く可能性があり、患者及び国の健康システムに大きな金銭的負担を生じさせる。これらの議論では、潜在的な薬物毒性を取り巻く懸念及び予防的ワクチン接種から逃れる可能性がある突然変異体の選択も重要な考慮事項である。
【0007】
エンテカビルで処置された729人の患者の慢性B型肝炎についてのVigilance against Viral Resistance(VIRGIL)のための優秀な欧州ネットワーク内の調査者が開始したコホート研究では、わずか30人の患者が5年目に6.3%の累積発生率でフレアを発症した。これらのフレアのうち、12個のみが「宿主誘導」であった。著者らは、「宿主誘導フレアでは、フレアは免疫活性の回復をもたらし得るウイルス量の減少に関連すると仮定された」と説明した。(Hepatology’Flares during long-term entecavir therapy in chronic hepatitis B,Heng Chi et al,2016)。したがって、「有益なフレア」又は陽性フレアの発生率は、NUC処置患者において年間おおよそ1%の範囲である。
【0008】
現在、宿主免疫応答がHBV感染の転帰において主要な役割を果たすことが文献において確立されている。急性HBV感染の間、複数のウイルス抗原(「Ag」)に対する強い細胞性免疫応答の発生は、HBV感染及び生涯にわたる抗ウイルス免疫の消散に関連する。
【0009】
したがって、当技術分野では、新しい抗ウイルス療法を発見及び開発することがかなり必要とされている。患者においてより短期間及びより長期間にわたって有利な治療効果を伴うB型肝炎又はHBV感染の改善された処置を可能にする規定された用量及び投与レジメンによる治療法が必要とされている。より具体的には、HBeAg及び/又はHBsAg陽性セロコンバージョン率を増加させることができる新しい抗HBV療法が必要とされている。これらの血清マーカーは、ウイルスに対する有効な免疫系活性の再出現と、その結果としてのHBV感染の免疫学的制御を示し、患者転帰の改善、陽性フレア又はPHBVにつながる可能性がある。最も有利には、HBV患者においてPHBVを提供し得る、及び/又は患者群においてPHBVの数を増加させ得る単剤療法を見出すことが有益である。単剤療法は、全ての患者では起こり得ない複数の作用様式又は相乗効果の機能への依存及び苦痛の時間を制限する。そのようなPHBVフレアは、特に患者が肝臓の合成機能及び排泄機能を維持している場合に、HBeAg及び/又はHBsAgの減少、ウイルス量の減少、又はHBV DNAのセロクリアランスをもたらす有効な宿主免疫応答を表す場合、患者にとって有益であり得る。
【0010】
PHBVは、慢性B型肝炎ウイルス(HBV)感染中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)レベルの急激な増加として定義されるフレアのタイプであり、患者に固有の免疫応答がそれ自体を主張するか、又はHBVに対する細胞傷害性Tリンパ球媒介免疫応答の形態で「再出現」させ、T細胞による攻撃の過程でALTが感染肝細胞から放出されることに留意されたい。本発明の態様は、ヒト患者のB型肝炎又はHBV感染を処置する方法におけるオリゴヌクレオチドの使用を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、HBV表面抗原(HBsAg)発現の永続的ノックダウンを産生する強力なオリゴヌクレオチドの開発に関する。
【発明の概要】
【0011】
発明の概要
本発明の第1の態様によれば、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドであって、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法に使用するためのものであり、該方法は、皮下経路を介して患者に約0.1mg/kg~約12mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩が提供される。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドであって、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法に使用するためのものであり、該方法は、皮下経路を介して患者に約6mg~約800mgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩が提供される。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法であって、方法は、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドを患者に投与することを含み、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
方法が、皮下経路を介して患者に約0.1mg/kg~約12mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、方法が提供される。
【0014】
本発明の第4の態様によれば、ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法であって、方法は、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドを患者に投与することを含み、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
方法が、皮下経路を介して患者に約6mg~約800mgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、方法が提供される。
【0015】
本発明の第5の態様によれば、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドの使用であって、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための医薬の製造における使用であり、皮下経路を介して患者に約0.1mg/kg~約12mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、使用が提供される。
【0016】
本発明の第6の態様によれば、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドの使用であって、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための医薬の製造における使用であり、皮下経路を介して患者に約6mg~約800mgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、使用が提供される。
【0017】
本明細書で使用するためのオリゴヌクレオチドは、RNAiオリゴヌクレオチドである。
【0018】
本発明は、一部には、長期間にわたってHBV発現を選択的に阻害及び/又は減少させ、患者において陽性フレア/PHBVを引き起こし得る又は開始し得るオリゴヌクレオチド及びその薬学的に許容され得る塩の発見及び開発に基づく。本発明の投与量及び投与レジメンは、ヒト患者及びサブ患者群におけるB型肝炎及びB型肝炎ウイルスHBV感染の改善された処置を可能にする。
【0019】
本発明は、特にHBsAg及びHBV DNAが減少し、排泄性肝機能が維持されているNUC未経験患者において、PHBVフレアを誘発することができる単剤療法処置の方法を提供する。これは、免疫を含み得るより良好な治療転帰をもたらす宿主免疫系の陽性の再出現を示している。
【0020】
本明細書で提供されるオリゴヌクレオチドは、全ての既知の遺伝子型にわたってHBVゲノムによってコードされるHBsAg転写物の拡張セットを標的とするように設計されている。本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドは、対象への投与後長期間(例えば、7週間超)持続する高い特異性でHBsAg発現の安定した減少をもたらし得ることが見出された。
【0021】
本発明によれば、HBsAg転写物を単独で標的とする単一のRNAiオリゴヌクレオチドの使用もまた、HBV複製の有効な阻害を好ましくは長期間にわたって達成し、PHBVを誘導することができ、これはHBV感染を処置するための新しい治療アプローチを提供し、HBV患者にとってプラスの成果が増加し持続する有利な処置投与量及び投与レジメンの扉を開くことができることが実証される。
【0022】
本発明のオリゴヌクレオチドの使用は、HBV感染を処置するための単剤療法であり得る。さらに、本発明の方法はまた、他の(付随的)又は併用療法の必要性によって引き起こされる可能性がある潜在的な有害反応を排除するので、全体的な安全性及び忍容性を高めながら、一般にHBV療法に関連するコストを低減することができる。同様に、本発明のオリゴヌクレオチドを用いた単剤療法アプローチ、又は併用療法の前の単剤療法導入段階でさえも、本発明のRNAiオリゴヌクレオチドの低頻度の投与しか必要としないため、非常に実用的である。
【0023】
さらに、単剤療法又は併用療法の前の単剤療法導入段階の方法は、併用療法による即時処置よりも患者において機能的又は滅菌的な治癒を達成するのにより有効であり得る。単剤療法又は単剤療法導入段階がより効果的であり得る理由は、追加の療法なしに宿主免疫系がB型肝炎ウイルスを除去するのに十分に宿主HBsAg負荷を低下させることができるか、又はHBsAgレベルが低下して自然免疫系が活性になると、ウイルスを効果的に除去するために他の薬物の添加を可能にするためである。
【0024】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、複数の作用様式が存在し、段階的又は同時に投与された場合に有益であろう併用療法として提供され得る。例えば、慢性HBVの処置のための以前に承認された治療法には、経口ヌクレオチ(シ)ド逆転写酵素阻害剤(NUC)又は宿主免疫応答の増強(例えば、インターフェロン)が含まれ、それぞれ、RNAi療法とは異なる作用機序を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、ある特定の実施形態を示し、本明細書の記載と共に、本明細書に開示される使用のためのオリゴヌクレオチド及び処置方法のある特定の態様の非限定的な例を提供するのに役立つ。
図1図1は、化学修飾を有しており二重鎖形態のHBsAg標的化オリゴヌクレオチド(HBVS-219)の例を示す。より濃い陰影は、2’-O-メチルリボヌクレオチドを表す。より明るい陰影は、2’-フルオロデオキシリボヌクレオチドを表す。
図2a-1】図2a-2bは、HBVS-219及びHBVS-219P2の化学構造を示す。図2aは、HBVS-219の化学構造を示す。図2bは、HBVS-219P2の化学構造を示す。
図2a-2】図2a-2bは、HBVS-219及びHBVS-219P2の化学構造を示す。図2aは、HBVS-219の化学構造を示す。図2bは、HBVS-219P2の化学構造を示す。
図2a-3】図2a-2bは、HBVS-219及びHBVS-219P2の化学構造を示す。図2aは、HBVS-219の化学構造を示す。図2bは、HBVS-219P2の化学構造を示す。
図2a-4】図2a-2bは、HBVS-219及びHBVS-219P2の化学構造を示す。図2aは、HBVS-219の化学構造を示す。図2bは、HBVS-219P2の化学構造を示す。
図2b-1】図2a-2bは、HBVS-219及びHBVS-219P2の化学構造を示す。図2aは、HBVS-219の化学構造を示す。図2bは、HBVS-219P2の化学構造を示す。
図2b-2】図2a-2bは、HBVS-219及びHBVS-219P2の化学構造を示す。図2aは、HBVS-219の化学構造を示す。図2bは、HBVS-219P2の化学構造を示す。
図2b-3】図2a-2bは、HBVS-219及びHBVS-219P2の化学構造を示す。図2aは、HBVS-219の化学構造を示す。図2bは、HBVS-219P2の化学構造を示す。
図2b-4】図2a-2bは、HBVS-219及びHBVS-219P2の化学構造を示す。図2aは、HBVS-219の化学構造を示す。図2bは、HBVS-219P2の化学構造を示す。
図3図3は、HBVゲノムにおけるオリゴヌクレオチド標的部位の位置を示す(大きなXで示す)。
図4図4は、NUC陽性患者(C群)の処置のベースライン(CBL)からのHBsAgの平均変化を示す。NUC陽性患者には、1、29、57及び85日目に最大4ラウンドのHBVS-219を投与した。黒色破線(n=6)はコホートC1、C2及びC3からのプラセボであり、薄灰色実線(n=4)はHBVS-219 1.5mg/kg処置コホートC1であり、中灰色実線(n=4)はHBVS-219 3mg/kg処置コホートC2であり、黒色実線(n=3)はHBVS-219 6mg/kg処置コホートC3である(全ての用量は1ラウンドあたりであった)。
図5a図5aは、コホートC1プラセボ対照に対する、コホートC1からのラウンドあたり1.5mg/kgのHBVS-219で処置されたHBV患者のHBsAgレベル(CBL)の個々の患者変化を示す(図4において薄灰色実線として平均化)。
図5b図5bは、コホートC2プラセボ対照に対する、コホートC2からのラウンドあたり3mg/kgのHBVS-219で処置されたHBV患者のHBsAgレベル(CBL)の個々の患者変化を示す(図4において中灰色実線として平均化)。図5bでは、試験したコホートC2の平均体重について結果を調整した(ラウンド患者あたり4人の3mg/kg及び2人のプラセボ対照)。
図5c図5cは、コホートC3からのラウンドあたり6mg/kgのHBVS-219で処置されたHBV患者のHBsAgレベル(CBL)の個々の患者変化(図4において黒色実線として平均化)及びコホートC3プラセボ対照を示す。図5cでは、C3の平均重量について結果を調整した。
図5d図5dは、C1群(NUC陽性)処置患者におけるHBcrAgの変化を示す。
図5e図5eは、C2群(NUC陽性)処置患者におけるHBcrAgの変化を示す。
図5f図5fは、C3群(NUC陽性)処置患者におけるHBcrAgの変化を示す。
図5g図5gは、C1群(NUC陽性)処置患者におけるHBeAgの変化を示す。
図5h図5hは、C2群(NUC陽性)処置患者におけるHBeAgの変化を示す。
図5i図5iは、C3群(NUC陽性)処置患者におけるHBeAgの変化を示す。
図5j図5jは、C1群(NUC陽性)処置患者におけるHBV DNAの変化を示す。
図5k図5kは、C2群(NUC陽性)処置患者におけるHBV DNAの変化を示す。
図5l図5lは、C3群(NUC陽性)処置患者におけるHBV DNAの変化を示す。
図5m図5mは、C1群(NUC陽性)処置患者におけるHBV RNAの変化を示す。
図5n図5nは、C2群(NUC陽性)処置患者におけるHBV RNAの変化を示す。
図5o図5oは、C3群(NUC陽性)処置患者におけるHBV RNAの変化を示す。
図6a図6aは、コホートB1全体について3mg/kgのHBVS-219又はプラセボの単回用量の単剤療法処置で処置されたNUC未経験HBV患者における処置のベースライン(CBL)からのHBsAgの平均変化を示す。灰色実線は、3mg/kg HBVS-219処置平均である(n=6)。黒色破線は、プラセボ処置平均(n=3)である。
図6b図6bは、コホートB1全体について3mg/kgのHBVS-219又はプラセボの単回用量の単剤療法処置で処置されたNUC未経験HBV患者におけるHBsAgレベル(CBL)の個々の変化を示す。HBVS-219処置患者を実線(黒色及び灰色)として示し、プラセボを破線(黒色及び灰色)として示す。コホートB1のNUC未経験患者は、B型肝炎に対する以前の抗ウイルス療法又は以前のHBV NUC若しくはインターフェロン含有処置を受けていなかった。
図6c図6cは、NUC未経験患者の単剤療法処置であるコホートB1におけるHBV DNAの個々の患者の変化を示す。HBVS-219処置患者を実線(黒色及び灰色)として示し、プラセボを破線(黒色及び灰色)として示す。
図6d図6dは、NUC未経験患者の単剤療法処置であるコホートB1におけるHBcrAgレベル(CBL)の個々の変化を示す。HBVS-219処置患者を実線(黒色及び灰色)として示し、プラセボを破線(黒色及び灰色)として示す。
図6e図6eは、NUC未経験患者の単剤療法処置であるコホートB1におけるHBVS-219投与時のHBeAgレベルの個々の変化を示す。ベースライン時にHBeAg陽性であったコホートB1由来の患者についてデータを示す。HBVS-219処置患者を実線(黒色及び灰色)として示し、プラセボを破線(黒色)として示す。
図6f図6fは、B群(NUC未経験)処置患者におけるHBV RNAの変化を示す。
図7図7は、コホートB1患者(MS76-467)におけるHBV DNAレベルの低下(実線の濃灰色線)、HBsAgの低下(実線の薄灰色線)及びALTレベルの急上昇(実線の黒色線)を示す。
図8図8は、コホートB1患者(MS76-467)由来のビリルビン(実線の薄灰色線)及びアルブミン(実線の濃灰色の線、不完全に塗りつぶされた点)の測定値としての肝機能の維持を示す。ALTレベルの変化は、黒色実線として提供される(図7による)。
図9a図9aは、コホートB1の患者MS93-177におけるHBsAgの対応する減少(実線の濃灰色線)及びHBV DNAの増加なし(濃灰色の実線)を伴う陽性HBVフレア-ALTレベルの増加(黒色実線)を示す。
図9b図9bは、コホートB1の患者MS93-177における肝機能の安定性を示す。肝臓の合成及び排泄機能レベルは、不完全に塗りつぶされた点を有する実線の濃灰色線として示されるアルブミンとして提供され、ビリルビンは、実線の薄灰色線として示される。ALTレベルを黒色実線で示す(目盛りは右側)。
図10図10は、B1群及びC群の患者の注射部位関連有害事象の時間依存的概要を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明の詳細な説明
いくつかの態様によれば、本開示は、HBV感染の処置及びPHBVの誘導のために、細胞、特に肝臓細胞(例えば、肝細胞)におけるHBsAg発現を減少させるのに有効な方法で使用するための強力なオリゴヌクレオチドを提供する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供されるHBsAg標的化オリゴヌクレオチドは、標的組織(例えば、肝細胞)の選択された細胞に送達されて、それらの組織におけるHBV感染を所望の治療成果を達成するのに有効な量で処置するように設計される。
【0027】
本発明によれば、有効量の医薬組成物が、それを必要とする対象に投与される。「有効量」という用語は、所望の生物学的効果、ここでは例えば陽性セロコンバージョン事象の誘導及びHBVウイルス量の減少による治癒又は保護効果(換言すれば、免疫保護効果)を達成するのに十分な量を意味する。有効投与量は、処置される被験体の年齢、性別、健康状態及び体重、もしあれば同時処置の種類、処置の頻度及び予想される効果の性質に依存することが理解される。本明細書で提供される有効用量の範囲は、本発明を限定することを意図するものではなく、好ましい用量範囲を表す。しかしながら、好ましい投与量は、過度の実験をすることなく、当業者によって理解され決定可能であるように、対象に適合させることができる。例えば、Ebadi,Pharmacology,Little,Brown and Co.,Boston,Mass.Eds.(1985)を参照のこと。
【0028】
したがって、関連する態様では、本開示は、PHBVフレアを開始し、罹患患者による回復の見通しを改善するために、細胞(例えば、肝臓の細胞)におけるHBV表面抗原遺伝子発現を選択的に減少させることを含むHBV感染を処置する方法を提供する。これは、本発明の現在のオリゴヌクレオチドが単剤療法として使用されるNUC未経験患者に特に当てはまる。
【0029】
定義された用語の説明を含む本開示のさらなる態様を以下に提供する。
【0030】
I.定義
投与:本明細書で使用される「投与する」又は「投与」という用語は、薬理学的に有用な様式(例えば、対象における症状を処置するため)で対象に物質(例えば、オリゴヌクレオチド)を提供することを意味する。
【0031】
おおよそ:本明細書で使用する場合、「おおよそ」又は「約」という用語は、関心対象の1つ以上の値に適用される場合、記載された参照値と同様の値を指す。ある特定の実施形態では、「おおよそ」又は「約」という用語は、特に記載がない限り、又は文脈から特に明白でない限り、記載された参照値のいずれかの方向(超又は未満)において、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%又はそれより低い範囲内に収まる値の範囲を指す(このような数が、可能な値の100%を超過するであろう場合を除く)。
【0032】
アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR):本明細書で使用される「アシアロ糖タンパク質受容体」又は「ASGPR」という用語は、主要な48kDaのサブユニット(ASGPR-1)と副次的な40kDaのサブユニット(ASGPR-2)によって形成される二成分C型レクチンを指す。ASGPRは、主に肝細胞細胞の類洞表面に発現され、末端ガラクトース残基又はN-アセチルガラクトサミン残基(アシアロ糖タンパク質)を含有する循環糖タンパク質の結合、内在化、及びその後のクリアランスにおいて主要な役割を果たす。
【0033】
相補的:本明細書で使用される「相補的」という用語は、(例えば、2つの対向する核酸上又は1本の核酸鎖の対向する領域上にある)2つのヌクレオチド間、又はヌクレオチドの2つの配列間の構造的関係であって、2つのヌクレオチド又はヌクレオチドの2つの配列が互いに塩基対を形成することを可能にする構造的関係を指す。例えば、対向する核酸のピリミジンヌクレオチドに相補的な1つの核酸のプリンヌクレオチドは、互いに水素結合を形成することによって塩基対を形成し得る。いくつかの実施形態において、相補的なヌクレオチドは、ワトソン-クリック様式で、又は安定な二重鎖の形成を可能にする任意の他の様式で塩基対合することができる。いくつかの実施形態では、2つの核酸は、本明細書に記載されるように、相補性の領域を形成するように互いに相補的な複数のヌクレオチドの領域を有し得る。
【0034】
デオキシリボヌクレオチド:本明細書で使用される「デオキシリボヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチドと比較して、そのペントース糖の2’位にヒドロキシルの代わりに水素を有するヌクレオチドを指す。修飾デオキシリボヌクレオチドは、糖、リン酸基又は塩基の修飾又は置換を含む、2’位以外の原子の1つ又は複数の修飾又は置換を有するデオキシリボヌクレオチドである。
【0035】
二本鎖オリゴヌクレオチド:本明細書で使用される場合、「二本鎖オリゴヌクレオチド」という用語は、実質的に二重鎖形態のオリゴヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態において、二本鎖オリゴヌクレオチドの二重鎖領域の相補的な塩基対合は、共有結合的に分離した核酸鎖のヌクレオチドの逆平行配列の間に形成される。いくつかの実施形態において、二本鎖オリゴヌクレオチドの二重鎖領域の相補的な塩基対合は、共有結合している核酸鎖のヌクレオチドの逆平行配列の間に形成される。いくつかの実施形態において、二本鎖オリゴヌクレオチドの二重鎖領域の相補的な塩基対合は、一緒に塩基対合するヌクレオチドの相補的な逆平行配列を提供するために(例えば、ヘアピンを介して)折り畳まれる一本鎖核酸から形成される。いくつかの実施形態において、二本鎖オリゴヌクレオチドは、互いと完全に二重鎖化された2本の共有結合的に分離した核酸鎖を含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、二本鎖オリゴヌクレオチドは、部分的に二重鎖化されている、例えば一端又は両端にオーバーハングを有する2本の共有結合的に分離した核酸鎖を含む。いくつかの実施形態では、二本鎖オリゴヌクレオチドは、部分的に相補的なヌクレオチドの逆平行配列を含み、したがって、内部ミスマッチ又は末端ミスマッチを含み得る1つ又は複数のミスマッチを有し得る。
【0036】
二重鎖:本明細書で使用される場合、核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)に関して「二重鎖」という用語は、2つの逆平行配列のヌクレオチドの相補的塩基対合によって形成される構造を指す。
【0037】
賦形剤:本明細書で使用される「賦形剤」という用語は、例えば、所望の稠度又は安定化効果を提供又は寄与するために、組成物に含まれ得る非治療剤を指す。
【0038】
フレア:本明細書で使用される場合、「フレア」又は「ALTフレア」という用語は、参加者のベースラインALT値の3倍超又はベースライン後最下点値の3倍超(いずれか低い値)の実質的なアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇として定義され、絶対ALT値は、少なくとも正常値の上限(ULN)の7倍(少なくとも10×ULNなど)である。
【0039】
肝細胞:本明細書で使用される「肝細胞」(単数又は複数)という用語は、肝臓の実質組織の細胞を指す。これらの細胞は、肝臓の質量のおおよそ70~85%を構成し、血清アルブミン、フィブリノーゲン、及び凝固因子のプロトロンビン群(因子3及び4を除く)を産生する。肝細胞系統細胞のマーカーとしては、トランスサイレチン(Ttr)、グルタミンシンセターゼ(Glul)、肝細胞核因子1a(Hnf1a)及び肝細胞核因子4a(Hnf4a)が挙げられ得るが、これらに限定されない。成熟肝細胞のマーカーとしては、シトクロムP450(Cyp3a11)、フマリルアセト酢酸ヒドロラーゼ(Fah)、グルコース6-リン酸(G6p)、アルブミン(Alb)及びOC2-2F8が挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、Huch et al.,(2013),Nature,494(7436):247-250を参照のこと(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0040】
B型肝炎ウイルス:本明細書で使用される場合、「B型肝炎ウイルス」又は「HBV」は、オルトヘパドナウイルス属のタイプ種に分類される、ヘパドナウイルス科に属する小DNAウイルスを指す。HBVウイルス粒子(ビリオン)は、外側脂質エンベロープと、タンパク質で構成された正二十面体ヌクレオカプシドコアとを含む。ヌクレオカプシドは、一般に、ウイルスDNA及びレトロウイルスと同様の逆転写酵素活性を有するDNAポリメラーゼを封入する。HBV外側エンベロープは、感受性細胞のウイルス結合及びその中への侵入に関与する埋め込みタンパク質を含む。肝臓を攻撃するHBVは、配列に基づいて少なくとも10の遺伝子型(A~J)に従って分類されている。一般に、ゲノムによってコードされる4つの遺伝子があり、これらの遺伝子はC、P、S及びXと呼ばれる。コアタンパク質は、遺伝子C(HBcAg)によってコードされ、その開始コドンの前には上流のインフレームAUG開始コドンがあり、そこからプレコアタンパク質が産生される。HBeAgは、プレコアタンパク質のタンパク質分解プロセシングによって産生される。DNAポリメラーゼは遺伝子Pによってコードされる。遺伝子Sは表面抗原(HBsAg)をコードする。HBsAg遺伝子は1つの長いオープンリーディングフレームであるが、遺伝子を3つのセクション(pre-S1、pre-S2、及びS)に分ける3つのインフレーム「開始」(ATG)コドンを含む。複数の開始コドンのために、大、中、小と呼ばれる3つの異なるサイズのポリペプチド(プS1+プレS2+S、プレS2+S、又はS)が産生される。これらは、1:1:4の比を有し得る(Heermannら、1984年)。
【0041】
B型肝炎ウイルスタンパク質:B型肝炎ウイルス(HBV)タンパク質は、いくつかのカテゴリ及び機能に編成することができる。ポリメラーゼは、逆転写酵素(RT)として機能してプレゲノムRNA(pgRNA)からウイルスDNAを作製し、またDNA依存性ポリメラーゼとして機能してウイルスDNAから共有結合閉環状DNA(cccDNA)を作製する。それらは、マイナス鎖の5’末端に共有結合している。コアタンパク質は、ウイルスキャプシド及び分泌されたE抗原を作製する。表面抗原は、肝細胞内在化リガンドであり、またウイルス球状粒子及び糸状粒子の主成分でもある。Aviral粒子は、Dane粒子(感染性ビリオン)の1000倍よりも多く産生され、免疫デコイとして作用し得る。
【0042】
HBeAgセロコンバージョン:HBeAgセロコンバージョンは、HBeAg陽性形態のウイルスに感染した人々が「e」抗原に対する抗体を発現するときに起こる。セロコンバージョンされた疾患状態は、HBeAgが除去され、抗HBeが存在し、HBV DNAが検出不能であるか又は2000IU/ml未満である場合、「不活性HBVキャリア状態」と呼ばれる。
【0043】
B型肝炎ウイルス表面抗原:本明細書で使用される「B型肝炎ウイルス表面抗原」又は「HBsAg」という用語は、HBVゲノムの遺伝子S(例えば、ORF S)によってコードされるSドメインタンパク質を指す。B型肝炎ウイルス粒子は、大きな表面タンパク質、中間の表面タンパク質及び主要な表面タンパク質である、遺伝子Sによってコードされる3つのタンパク質によって包まれたコア粒子内にウイルス核酸を保有する。これらのタンパク質のうち、主要な表面タンパク質は、一般に約226アミノ酸であり、Sドメインのみを含む。表面抗原の存在は、循環中の無傷のウイルスの存在を意味する。
【0044】
B型肝炎e抗原(HBeAg):本明細書で使用される場合、B型肝炎e抗原(HBeAg)はウイルス複製の指標であるが、ウイルスのいくつかの変異型はHBeAgを発現しない(以下の「HBeAg陰性慢性B型肝炎」を参照のこと)。活動性感染は、HBeAgが分泌されるかどうかに応じて、HBeAg陽性又はHBeAg陰性として説明することができる。
【0045】
感染症:本明細書で使用される「感染」という用語は、対象におけるウイルスなどの微生物の病原性の侵入及び/又は増殖を指す。感染は溶原性であり得、例えば、ウイルスDNAが細胞内に休眠している。あるいは、感染は溶解性であり得、例えば、ウイルスが活発に増殖し、感染細胞の破壊を引き起こす。感染は、臨床的に明らかな症候を引き起こしても、引き起こさなくてもよい。感染は、局所的なままであってもよく、又は、例えば、対象の血液又はリンパ系を介して伝播してもよい。例えば、HBV感染を有する個体は、ウイルス量、表面抗原(HBsAg)、e抗原(HBeAg)、及び当技術分野で公知のHBV感染を検出するための様々な他のアッセイの1つ又は複数を検出することによって識別することができる。HBV感染を検出するためのアッセイは、HBsAg及び/又はHBeAgの存在について血清又は血液試料を試験すること、並びに任意に、HBV抗原が検出不能なレベルであり得る任意の期間を補うために1つ又は複数のウイルス抗体(例えば、IgM及び/又はIgG)の存在についてさらにスクリーニングすることを含み得る。
【0046】
肝臓炎症:本明細書で使用される「肝臓炎症」又は「肝炎」という用語は、特に肝毒性薬への曝露によって引き起こされ得る損傷又は感染の結果として、肝臓が腫脹、機能不全及び/又は有痛性になる身体症状を指す。症候としては、黄疸(皮膚又は眼の黄変)、疲労、脱力感、吐き気、嘔吐、食欲不振、及び体重減少が挙げられ得る。肝臓炎症は、処置せずに放置すると、線維症、肝硬変、肝不全、又は肝臓癌に進行する可能性がある。
【0047】
肝線維症:本明細書で使用される「肝線維症」又は「肝臓の線維症」という用語は、炎症及び肝細胞死に起因するコラーゲン(I、III、及びIV)、フィブロネクチン、ウンドリン(undulin)、エラスチン、ラミニン、ヒアルロナン、及びプロテオグリカンを含み得る細胞外マトリックスタンパク質の肝臓への過剰な蓄積を指す。肝線維症は、処置せずに放置すると、肝硬変、肝不全、又は肝臓癌に進行し得る。
【0048】
ループ:本明細書で使用される用語「ループ」は、適切なハイブリダイゼーション条件下(例えば、リン酸緩衝液中、細胞中)で、不対合領域に隣接する2つの逆平行領域がハイブリダイズして二重鎖(「ステム」と呼ばれる)を形成するように互いに十分相補的な核酸の2つの逆平行領域に隣接する核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)の不対合領域を指す。
【0049】
修飾ヌクレオチド間結合:本明細書で使用される場合、「修飾ヌクレオチド間結合」という用語は、ホスホジエステル結合を含む参照ヌクレオチド間結合と比較して1つ又は複数の化学修飾を有するヌクレオチド間結合を指す。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、天然に存在しない結合である。典型的には、修飾ヌクレオチド間結合は、修飾ヌクレオチド間結合が存在する核酸に1つ又は複数の望ましい特性を付与する。例えば、修飾ヌクレオチドは、熱安定性、分解に対する耐性、ヌクレアーゼ耐性、溶解性、バイオアベイラビリティ、生物活性、免疫原性の低下などを改善し得る。
【0050】
修飾ヌクレオチド:本明細書で使用される「修飾ヌクレオチド」という用語は、アデニンリボヌクレオチド、グアニンリボヌクレオチド、シトシンリボヌクレオチド、ウラシルリボヌクレオチド、アデニンデオキシリボヌクレオチド、グアニンデオキシリボヌクレオチド、シトシンデオキシリボヌクレオチド及びチミジンデオキシリボヌクレオチドから選択される対応する参照ヌクレオチドと比較して1つ又は複数の化学修飾を有するヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、天然に存在しないヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、その糖、核酸塩基及び/又はリン酸基に1つ又は複数の化学修飾を有する。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、対応する参照ヌクレオチドにコンジュゲートされた1つ又は複数の化学部分を有する。典型的には、修飾ヌクレオチドは、修飾ヌクレオチドが存在する核酸に1つ又は複数の望ましい特性を付与する。例えば、修飾ヌクレオチドは、熱安定性、分解に対する耐性、ヌクレアーゼ耐性、溶解性、バイオアベイラビリティ、生物活性、免疫原性の低下などを改善し得る。
【0051】
ニックが入ったテトラループ構造:「ニックが入ったテトラループ構造」は、別個のセンス(パッセンジャー)鎖及びアンチセンス(ガイド)鎖の存在を特徴とするRNAiオリゴヌクレオチドの構造であり、センス鎖はアンチセンス鎖と相補性の領域を有し、鎖の少なくとも1つ、一般にセンス鎖は、少なくとも1つの鎖内に形成された隣接するステム領域を安定化するように構成されたテトラループを有する。
【0052】
ヌクレオチ(シ)ド類似体:本明細書で使用される場合、本明細書ではNUCとも略され、ヌクレオチド類似体及びヌクレオシド類似体を指す。ヌクレオチド類似体及びヌクレオシド類似体は、HBV感染の処置用を含む抗ウイルス薬(抗ウイルス製品)として使用されている。HBV感染の処置に使用され得るヌクレオシド類似体の非限定的な例には、エンテカビル、ラミブジン、及びテルビブジンが含まれる。HBV感染の処置に使用され得るヌクレオチド類似体の非限定的な例には、テノホビル、例えば、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)、テノホビルアラフェナミド、及びアデホビルジピボキシルが含まれる。
【0053】
NUC未経験:「NUC未経験」患者は、B型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染のための抗ウイルス療法を以前に受けたことがない患者として定義される。
【0054】
NUC陽性:「NUC陽性」又は「NUC抑制」患者は、以前に少なくとも12週間連続してヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)処置(例えば、エンテカビル又はテノホビル)を受けた患者として定義される。
【0055】
オリゴヌクレオチド:本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、例えば、100ヌクレオチド長未満の短い核酸を指す。オリゴヌクレオチドは、一本鎖又は二本鎖であってよい。オリゴヌクレオチドは、二重鎖領域を有していても有していなくてもよい。一連の非限定的な例として、オリゴヌクレオチドは、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、ダイサー基質干渉RNA(dsiRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、短鎖siRNA、又は一本鎖siRNAであり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、二本鎖オリゴヌクレオチドは、RNAiオリゴヌクレオチドである。
【0056】
オーバーハング:本明細書で使用される「オーバーハング」という用語は、一方の鎖又は領域が二重鎖を形成する相補鎖の末端を越えて延びる一方の鎖又は領域から生じる1つ又は複数の末端非塩基対合ヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、オーバーハングは、二本鎖オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の二重鎖領域から延びる1つ又は複数の不対ヌクレオチドを含む。ある特定の実施形態では、オーバーハングは、二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖又はセンス鎖上の3’又は5’オーバーハングである。
【0057】
薬学的に許容され得る塩:「薬学的に許容され得る塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容され得る塩は、当技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、参照により本明細書に組み込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19に薬学的に許容され得る塩を詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容され得る塩には、適切な無機及び有機の酸及び塩基から誘導されるものが含まれる。薬学的に許容され得る非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸などの無機酸と、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸若しくはマロン酸などの有機酸と、又はイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容され得る塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩及びN+(C1-4アルキル)4塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが含まれる。さらなる薬学的に許容され得る塩としては、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸及びアリールスルホン酸などの対イオンを使用して形成される非毒性アンモニウム、第4級アンモニウム及びアミンカチオンが挙げられる。
【0058】
リン酸塩類似体:本明細書で使用される「リン酸類似体」という用語は、リン酸基の静電特性及び/又は立体特性を模倣する化学部分を指す。いくつかの実施形態において、リン酸類似体は、酵素的除去を受けやすいことが多い5’-リン酸の代わりに、オリゴヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドに配置される。いくつかの実施形態において、5’リン酸類似体は、ホスファターゼ耐性連結を含有する。リン酸類似体の例としては、5’メチレンホスホネート(5’-MP)及び5’-(E)-ビニルホスホネート(5’-VP)などの5’ホスホネートが挙げられる。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、5’末端ヌクレオチドに、糖の4’-炭素位置にリン酸類似体(「4’-リン酸類似体」と呼ばれる)を有する。4’-リン酸類似体の例は、オキシメチル基の酸素原子が糖部分(例えばその4’-炭素)に結合しているオキシメチルホスホネート又はその類似体である。例えば、国際公開第2018/045317号及び国際公開第2018/045317号を参照のこと。これらの各々のリン酸塩類似体に関する内容は参照により本明細書に組み込まれる。オリゴヌクレオチドの5’末端に対する他の修飾が開発されている(例えば、国際公開第2011/133871号;米国特許第8,927,513号明細書;及びPrakash et al.(2015),Nucleic Acids Res.,43(6):2993-3011を参照されたい。リン酸類似体に関するそれぞれの内容は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0059】
低下した発現:本明細書で使用される、遺伝子の「低下した発現」という用語は、適切な参照細胞又は対象と比較して、細胞又は対象における遺伝子によってコードされるRNA転写物又はタンパク質の量の減少及び/又は遺伝子の活性の量の減少を指す。例えば、二本鎖オリゴヌクレオチド(例えば、HBsAg mRNA配列に相補的なアンチセンス鎖を有するもの)で細胞を処理する行為は、二本鎖オリゴヌクレオチドで処理されていない細胞と比較して、RNA転写物、タンパク質及び/又は酵素活性(例えば、HBVゲノムのS遺伝子によってコードされる)の量の減少をもたらし得る。同様に、本明細書で使用される「発現を減少させる」とは、遺伝子(例えば、HBVゲノムのS遺伝子)の発現の低下をもたらす行為を指す。
【0060】
相補性の領域:本明細書で使用される「相補性の領域」という用語は、適切なハイブリダイゼーション条件下、例えば、リン酸緩衝液中、細胞中などでヌクレオチドの2つの配列間のハイブリダイゼーションを可能にする、ヌクレオチドの逆平行配列に十分に相補的な核酸(例えば、二本鎖オリゴヌクレオチド)のヌクレオチドの配列を指す。
【0061】
リボヌクレオチド:本明細書中で使用される用語「リボヌクレオチド」は、そのペントース糖としてリボースを有し、その2’位にヒドロキシル基を含有するヌクレオチドのことを指す。修飾リボヌクレオチドは、リボース、リン酸基又は塩基の修飾又は置換を含む、2’位以外の原子の1つ又は複数の修飾又は置換を有するリボヌクレオチドである。
【0062】
RNAiオリゴヌクレオチド:本明細書で使用される「RNAiオリゴヌクレオチド」という用語は、(a)センス鎖(パッセンジャー)及びアンチセンス鎖(ガイド)を有する二本鎖オリゴヌクレオチドであって、アンチセンス鎖又はその一部が、標的mRNAの切断においてアルゴノート2(Ago2)エンドヌクレアーゼによって使用される、二本鎖オリゴヌクレオチド、又は(b)一本鎖アンチセンス鎖を有する一本鎖オリゴヌクレオチドであって、そのアンチセンス鎖(又はその一部)が、標的mRNAの切断においてAgo2エンドヌクレアーゼによって使用される、一本鎖オリゴヌクレオチドのいずれかを指す。
【0063】
順次:2つ以上の薬剤の投与は、例えば、30分、60分、90分、120分、3時間、6時間、12時間、24時間、36時間、48時間、3日間、5日間、7日間、若しくは1週間以上離れた時間に開始してもよく、又は第2及び/若しくはさらなる薬剤の投与は、例えば、第1の薬剤が投与されてから30分、60分、90分、120分、3時間、6時間、12時間、24時間、36時間、48時間、3日間、5日間、7日間、若しくは1週間以上後に開始してもよい。
【0064】
セロコンバージョン:HBeAgセロコンバージョンは、HBeAg陽性形態のウイルスに感染した人々が「e」抗原に対する抗体を発現するときに起こる。セロコンバージョンされた疾患状態は、HBeAgが除去され、抗HBeが存在し、HBV DNAが検出不能であるか又は2000IU/ml未満である場合、「不活性HBVキャリア状態」と呼ばれる。
【0065】
鎖:本明細書で使用される「鎖」という用語は、ヌクレオチド間結合(例えば、ホスホジエステル結合、ホスホロチオエート結合)を介して互いに連結されたヌクレオチドの単一の連続した配列を指す。いくつかの実施形態において、鎖は、2つの自由端、例えば、5’末端及び3’末端を有する。
【0066】
対象:本明細書で使用される場合、「対象」又は「患者」という用語はヒトを指す。「個体」又は「患者」という用語は、「対象」と互換的に使用され得る。
【0067】
合成:本明細書で使用される場合、「合成」という用語は、人工的に合成された(例えば、機械(例えば、固体核酸合成装置)を使用する)か、そうでなければ、分子を通常産生する天然源(例えば、細胞又は生物)に由来しない核酸又は他の分子を指す。
【0068】
標的化リガンド:本明細書で使用される「標的化リガンド」という用語は、目的の組織又は細胞の同族分子(例えば、受容体)に選択的に結合する分子であって、目的の組織又は細胞に他の物質を標的化する目的で他の物質にコンジュゲート可能な分子(例えば、炭水化物、アミノ糖、コレステロール、ポリペプチド又は脂質)を指す。例えば、いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、オリゴヌクレオチドを目的の特定の組織又は細胞に標的化する目的でオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態において、標的化リガンドは細胞表面受容体に選択的に結合する。したがって、いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた場合、細胞の表面に発現される受容体への選択的結合、並びに、オリゴヌクレオチド、標的化リガンド及び受容体を含む複合体の細胞によるエンドソーム内部移行によって、特定の細胞へのオリゴヌクレオチドの送達を容易にする。いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、オリゴヌクレオチドが細胞内の標的化リガンドから放出されるように、細胞の内在化の後又は細胞の内在化の間に切断されるリンカーを介してオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされる。
【0069】
テトラループ:本明細書で使用される場合、「テトラループ」という用語は、ヌクレオチドの隣接配列のハイブリダイゼーションによって形成される隣接二重鎖の安定性を増加させるループを指す。安定性の増加は、ランダムに選択されたヌクレオチドの配列からなる同等の長さのループのセットから平均して予想される隣接ステム二重鎖のTmよりも高い隣接ステム二重鎖の融解温度(Tm)の増加として検出可能である。例えば、テトラループは、10mMのNaHPO4中、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも56℃、少なくとも58℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃又は少なくとも75℃の融解温度を、長さが少なくとも2塩基対の二重鎖を含むヘアピンに与えることができる。いくつかの実施形態では、テトラループは、スタッキング相互作用によって隣接するステム二重鎖の塩基対を安定化し得る。さらに、テトラループ中のヌクレオチド間の相互作用には、非ワトソン・クリック塩基対合、スタッキング相互作用、水素結合及び接触相互作用(Cheong et al.,Nature 1990 Aug.16;346(6285):680-82;Heus and Pardi,Science 1991 Jul.12;253(5016):191-94)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、テトラループは、3~6個のヌクレオチドを含むか、又はそれからなり、典型的には4~5個のヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、テトラループは、修飾されていてもされていなくてもよい(例えば、標的化部分にコンジュゲートされていてもされていなくてもよい)、3、4、5、又は6個のヌクレオチドを含むか、又はそれらからなる。一実施形態では、テトラループは4つのヌクレオチドからなる。任意のヌクレオチドをテトラループに使用してもよく、Cornish-Bowden(1985)Nucl.Acids Res.13:3021-30に記載されるように、そのようなヌクレオチドの標準IUPAC-IUB記号を使用してもよい。例えば、文字「N」は、任意の塩基がその位置にあり得ることを示すために使用され得、文字「R」は、A(アデニン)又はG(グアニン)がその位置にあり得ることを示すために使用され得、「B」は、C(シトシン)、G(グアニン)又はT(チミン)がその位置にあり得ることを示すために使用され得る。テトラループの例には、テトラループのUNCGファミリー(例えば、UUCG)、テトラループのGNRAファミリー(例えば、GAAA)、及びCUUGテトラループ(Woese et al.,Proc Natl Acad Sci USA.1990 November;87(21):8467-71;Antao et al.,Nucleic Acids Res.1991 Nov.11;19(21):5901-05)が含まれる。DNAテトラループの例には、テトラループのd(GNNA)ファミリー(例えば、d(GTTA))、テトラループのd(GNRA)ファミリー、テトラループのd(GNAB)ファミリー、テトラループのd(CNNG)ファミリー、及びテトラループのd(TNCG)ファミリー(例えば、d(TTCG))が含まれる。例えば、Nakano et al.Biochemistry,41(48),14281-14292,2002.SHINJI et al.Nippon Kagakkai Koen Yokoshu VOL.78th;NO.2;PAGE.731(2000)を参照のこと。これらの文献は関連する開示に関して本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、テトラループは、ニックが入ったテトラループ構造内に含まれる。
【0070】
処置:本明細書で使用される場合、「処置する(treat)」という用語は、既存の症状(例えば、既存のHBV感染)に関して対象の健康及び/若しくは幸福を改善する目的で、又は症状の発生の可能性を予防若しくは減少させる(例えば、肝線維症、肝炎、肝臓癌又はHBV感染に関連する他の症状を予防する)ために、例えば治療剤(例えば、オリゴヌクレオチド)を対象に投与することによって、処置を必要とする対象にケアを提供する行為を指す。いくつかの実施形態では、処置は、対象が経験する症状(例えば、HBV感染又は関連する症状)の少なくとも1つの徴候、症候又は寄与因子の頻度又は重症度を低下させることを含む。HBV感染の間、対象は、皮膚及び眼の黄変(黄疸)、暗色尿、極度の疲労、悪心、嘔吐及び腹痛などの症候を示し得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される処置は、そのような症候の1つ又は複数の頻度又は重症度の低下をもたらし得る。しかしながら、HBV感染は、肝硬変、肝線維症、肝臓炎症又は肝臓癌などの1つ又は複数の肝臓症状に発展し得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される処置は、そのような症状の1つ又は複数の、頻度若しくは重症度の低下、又は予防若しくは軽減をもたらし得る。
【0071】
ウイルス量:「ウイルス量」という用語は、血液中のHBVなどのウイルスの濃度を指す。
【0072】
II.用量及び投与レジメン
用量
本発明によるオリゴヌクレオチドは、規定の用量で投与される。用量という用語は、患者の体重に応じた質量の単位を指すために使用され、mg/kgで表される。用量という用語はまた、固定用量(又は絶対用量)を指す場合にも使用され、mgで表される。本発明による用量は、範囲及び/又は単一の値であり得る。
【0073】
初期用量の範囲
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、約0.1mg/kg~約12mg/kgの初期用量で投与される。初期用量は、約0.5mg/kg~約10mg/kgであり得る。初期用量は、約1.5mg/kg~約6mg/kgであり得る。本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、約1.5mg/kgの初期用量を有し得る。初期用量は、約3mg/kgであり得る。初期用量は、約6mg/kgであり得る。初期用量は、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9、10、11又は12mg/kgであり得る。
【0074】
異なる様式で表現すると、本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、約6mg~約800mgの初期用量で投与される。初期用量は、約34mg~約667mgであり得る。初期用量は、約100mg~約400mgであり得る。本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、約100mgの初期用量を有し得る。初期用量は、約200mgであり得る。初期用量は、約400mgであり得る。初期用量は、約6、7、30、34、35、50、90、100、105、150、180、200、210、236、250、300、350、400、420、450、500、550、600、650、667、700、720、750又は800mgであり得る。
【0075】
初期用量及び後続用量
いくつかの実施形態では、本発明は、初期用量及び1つ又は複数の後続用量の投与に関する。
【0076】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、約0.1mg/kg~約12mg/kgである量のオリゴヌクレオチドの1つ又は複数の後続用量を患者に投与することを含み得る。1つ又は複数の後続用量は、約0.5mg/kg~約10mg/kgであり得る。1つ又は複数の後続用量は、約1.5mg/kg~約6mg/kgであり得る。1つ又は複数の後続用量は、約1.5mg/kgであり得る。1つ又は複数の後続用量は、約3mg/kgであり得る。1つ又は複数の後続用量は、約6mg/kgであり得る。1つ又は複数の後続用量は、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5,5、6、7、8、9、10、11又は12mg/kgであり得る。
【0077】
初期用量及び後続用量のそれぞれの量は、同じであっても異なっていてもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg及び約6mg/kgからなる群から独立して選択され得る。
【0078】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、約6mg~約800mgである量のオリゴヌクレオチドの1つ又は複数の後続用量を患者に投与することをさらに含み得る。1つ又は複数の後続用量は、約34mg~約667mgであり得る。1つ又は複数の後続用量は、約100mg~約400mgであり得る。
【0079】
1つ又は複数の後続用量は、約100mgであり得る。1つ又は複数の後続用量は、約200mgであり得る。1つ又は複数の後続用量は、約400mgであり得る。1つ又は複数の後続用量は、50、100、150、200、250、300、350、400、500、600、700又は800mgであり得る。
【0080】
初期用量及び後続用量のそれぞれの量は、同じであっても異なっていてもよく、約100mg、約200mg及び約400mgからなる群から独立して選択され得る。
【0081】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供され、1つ又は複数の後続用量は、約6、7、30、34、35、50、90、100、105、150、180、200、210、236、250、300、350、400、420、450、500、550、600、650、667、700、720、750又は800mgであり得る。
【0082】
投与タイミング
いくつかの実施形態では、本発明は、互いに時間的に分離して投与される初期用量及び1つ又は複数の後続用量に関する。
【0083】
用量は、少なくとも約4週間、互いに時間的に分離され得る。用量は、少なくとも約1ヶ月、互いに時間的に分離され得る。用量は、少なくとも約2ヶ月、互いに時間的に分離され得る。用量は、少なくとも約3ヶ月、互いに時間的に分離され得る。用量は、少なくとも約6ヶ月、互いに時間的に分離され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0084】
投与レジメン
いくつかの実施形態では、本発明は、投与レジメンに関する。
【0085】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、B型肝炎又はHBV感染の有効な処置、治癒又は機能的治癒を提供又は達成する投与レジメンに従って投与され得る。
【0086】
用量は、少なくとも約4週間、例えば約4週間、互いに時間的に分離され得、約48週間の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0087】
用量は、少なくとも約1ヶ月、例えば約1ヶ月、互いに時間的に分離され得、約48週間の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0088】
用量は、少なくとも約2ヶ月、例えば約2ヶ月、互いに時間的に分離され得、約48週間の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0089】
用量は、少なくとも約3ヶ月、例えば約3ヶ月、互いに時間的に分離され得、約48週間の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0090】
用量は、少なくとも約4週間、例えば約4週間、互いに時間的に分離され得、約24週間の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0091】
用量は、少なくとも約1ヶ月、例えば約1ヶ月、互いに時間的に分離され得、約24週間の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0092】
用量は、少なくとも約2ヶ月、例えば約2ヶ月、互いに時間的に分離され得、約24週間の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0093】
用量は、少なくとも約3ヶ月、例えば約3ヶ月、互いに時間的に分離され得、約24週間の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0094】
用量は、約4週間、互いに時間的に分離され得、約3ヶ月の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0095】
用量は、少なくとも約1ヶ月、例えば約1ヶ月、互いに時間的に分離され得、約3ヶ月の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0096】
用量は、少なくとも約4週間、例えば約4週間、互いに時間的に分離され得、約12週間の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0097】
用量は、少なくとも約1ヶ月、例えば約1ヶ月、互いに時間的に分離され得、約12週間の期間にわたって投与され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0098】
用量は、それぞれ約4週間~約1ヶ月の期間、時間的に分離され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0099】
用量は、それぞれ約4週間~約2ヶ月、例えば約1ヶ月~約2ヶ月の期間、時間的に分離され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0100】
用量は、それぞれ約4週間~約3ヶ月、例えば約1ヶ月~約3ヶ月、例えば約2ヶ月~約3ヶ月の期間、時間的に分離され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0101】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供され、用量は、それぞれ約4週間~約6ヶ月、例えば約1ヶ月~約6ヶ月、例えば約2ヶ月~約6ヶ月、例えば約3ヶ月~約6ヶ月の期間、時間的に分離され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0102】
用量の各々の間の期間は、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月又は約6ヶ月からなる群から独立して選択され得る。各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0103】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供され、用量の各々の間の期間は、以下の表1の処置レジメンA~Oのいずれか1つに示されるとおりである。表1の文脈において、各用量は同じであってもよく、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択されてもよい。各用量は同じであってもよく、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択されてもよい。
【0104】
【表1】
【0105】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドであって、少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回又は少なくとも10回の後続用量を患者に投与することを含むオリゴヌクレオチドが提供される。実際には、例えば効果的な処置、治癒又はその後の治癒が提供されるまで、任意の数の用量又は後続用量を投与することができる。本明細書で提供される投与レジメンのいずれかは、例えば、有効な処置、治癒、機能的治癒、エンドポイント又は代用エンドポイントが達成又は提供されるまで繰り返され得る。
【0106】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供され、方法は、好ましくは約3ヶ月~約6ヶ月の処置休日を含む。処置休日は、表1のレジメンA~Oのいずれか1つに開示されている長さであり得る。
【0107】
初期用量及び1~10回、好ましくは3回の後続用量のそれぞれの間の期間は、少なくとも約4週間であり得、方法は、約3ヶ月~約6ヶ月の処置休日をさらに含み、その後、オリゴヌクレオチドの投与が再開される。
【0108】
推奨される投与は、1~10回、好ましくは3回の後続用量を含み得、好ましくは、各推奨される後続用量は、少なくとも約4週間の期間、分離されている。
【0109】
「処置休日」の概念はまた、「オン期間」及び「オフ期間」に関して当業者によって説明されてもよく、「オン期間」の間、患者は、本明細書に記載の4週間毎又は毎月の投与レジメンなどの積極的な処置プログラムを受けている。「オフ期間」中、患者は、患者が積極的な処置を受けていない処置休日をとる。そのような処置休日のオフ期間は、処置中断として説明することもできる。処置休日又は中断中に、特に処置を再開する必要性を決定するために、患者をHBVの症候又はバイオマーカーについてモニタリングすることができる。適切なバイオマーカーは、本明細書に記載されている。
【0110】
単剤療法
いくつかの実施形態では、本発明は、単剤療法に関する。
【0111】
初期用量が単回用量であり得るか、又は投与される唯一の用量であり得る、本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供される。
【0112】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供され、方法は、オリゴヌクレオチドを投与することを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。
【0113】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供され、方法は、他の抗ウイルス又は抗HBV薬剤を除外して、オリゴヌクレオチドを投与することからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。
【0114】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供され、方法は、単回用量のオリゴヌクレオチドを投与することを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。
【0115】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドであって、初期用量、1用量又は単回用量のオリゴヌクレオチドを投与することによってB型肝炎又はHBV感染の処置、治癒又は機能的治癒が提供される、オリゴヌクレオチドが提供される。
【0116】
B型肝炎又はHBV感染の処置が単剤療法として提供される、本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供される。
【0117】
オリゴヌクレオチドが単剤療法として投与される、本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供される。
【0118】
併用療法
いくつかの実施形態では、本発明は、併用療法に関する。
【0119】
方法が、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を投与することをさらに含む、本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供される。追加の治療剤は、抗ウイルス剤であってもよい。抗ウイルス剤は、追加の抗HBV剤であってもよい。抗ウイルス療法は、インターフェロン、リバビリン、HBV RNA複製阻害剤、第2のアンチセンスオリゴマー、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、ラミブジン(3TC)、エンテカビル、テノホビル、テルビブジン(LdT)、アデホビル、HBV抗体療法(モノクローナル又はポリクローナル)、抗PDL1/PD1モノクローナル抗体、抗PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、及びCpAMのうちの1つ又は複数であり得る。
【0120】
インターフェロンは、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-2a及びインターフェロンアルファコン-1(ペグ化及び非ペグ化)であり得る。IFN-αの例としては、限定されないが、Pegasys(登録商標)(Roche)、PEG-Intron(登録商標)(Merck&Co.,Inc.)及びY-ペグ化組換えインターフェロンアルファ-2a(YPEG-IFNα-2a、Xiamen Amoytop Biotech Co.,Ltd.)が挙げられる。
【0121】
抗PDL1アンチセンスオリゴヌクレオチドは、参照により本明細書に完全に組み込まれる国際公開第2017157899号に開示されている。好ましくは、抗PDL1 LNAアンチセンスオリゴヌクレオチドは、国際公開第2017157899号に開示されているCMP ID番号768_2又はその薬学的に許容され得る塩である。好ましくは、PDL1 LNAアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号3に示される配列を含む。好ましい実施形態では、抗PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチドは、式GN2-C6ocoaoCCtatttaacatcAGAC(化合物I)を有しており、式中、C6は6個の炭素を有するアミノアルキル基を表し、大文字はβ-D-オキシLNAヌクレオシドを表し、小文字はDNAヌクレオシドを表し、全てのLNA Cは5-メチルシトシンであり、下付き文字oはホスホジエステルヌクレオシド結合を表し、特に指示しない限り、全てのヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、GN2は以下の三価GalNAcクラスターを表し:
【化1】
さらに、三価GalNAcクラスターの波線は、C6アミノアルキル基への三価GalNAcクラスターのコンジュゲート部位を示す;又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0122】
CpAMは、参照により本明細書に完全に組み込まれる国際公開第2015132276号に開示されている。好ましくは、CpAMは化合物II:
【化2】
又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマーである。
【0123】
「CpAM」という用語は、具体的には、限定するものではないが、GLS4(Sunshine Pharma)、QL-007(Qilu)、KL060332(Sichuan Kelun Pharmaceutical)及び国際公開第2015132276号に開示されている化合物(II)を含む、その後分解される異常なキャプシドを誘導するHBVコアタンパク質アロステリック・モジュレータのクラスI化合物を示す。
【0124】
TLR7アゴニストは、JP2020100637、WO2018127526及びUS20190169222のいずれか1つに開示されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に完全に組み込まれる。好ましくは、TLR7アゴニストは化合物III:
【化3】
又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマーである;
【0125】
抗ウイルス療法は、以下のうちの1つ又は複数、例えば3つ全てであり得る:化合物I;化合物II又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマー;及び、化合物III又はその薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマー。
【0126】
追加の治療剤は、抗ウイルス剤であってもよい。抗ウイルス剤は、追加の抗HBV剤であってもよい。抗ウイルス剤は、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-2a、及びインターフェロンアルファコン-1(ペグ化及び非ペグ化)、リバビリン;HBV RNA複製阻害薬;第2のアンチセンスオリゴマー;HBV治療ワクチン;HBV予防ワクチン;ラミブジン(3TC);エンテカビル;テノホビル;テルビブジン(LdT);アデホビル;及びHBV抗体療法(単クローン性又は多クローン性)から選択され得る。抗ウイルス剤は、ヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)であり得る。抗ウイルス剤は、エンテカビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質、テノホビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質であり得る。
【0127】
一実施形態では、HBV抗体療法は、B型肝炎表面抗原に結合する抗体(抗HBsAg)である。オリゴヌクレオチドと抗HBsAg抗体との組み合わせは、患者におけるHBsAgのセロクリアランスをもたらし得る。抗HbsAg抗体はモノクローナルであり得る。抗HBsAg抗体はヒトであり得る。
【0128】
一実施形態では、抗HBsAg抗体は、(a)配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変ドメイン(VH)、並びに(d)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。別の実施形態では、抗体は、(a)配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、(b)配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、並びに(c)(a)に定義されるVH配列及び(b)に定義されるVL配列からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号19のVH配列及び配列番号18のVL配列を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号21又は76の重鎖と、配列番号20の軽鎖とを含む。
【0129】
一実施形態では、抗HBsAg抗体は、(a)配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変ドメイン(VH)、並びに(d)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。別の実施形態では、抗体は、(a)配列番号37のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、(b)配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、並びに(c)(a)に定義されるVH配列及び(b)に定義されるVL配列からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号37のVH配列及び配列番号36のVL配列を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号39又は77の重鎖と、配列番号38の軽鎖とを含む。
【0130】
一実施形態では、抗HBsAg抗体は、(a)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変ドメイン(VH)、並びに(d)配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。別の実施形態では、抗体は、(a)配列番号55のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、(b)配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、並びに(c)(a)に定義されるVH配列及び(b)に定義されるVL配列からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号55のVH配列及び配列番号54のVL配列を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号57又は78の重鎖と、配列番号56の軽鎖とを含む。
【0131】
一実施形態では、抗HBsAg抗体は、(a)配列番号58のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変ドメイン(VH)、並びに(d)配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。別の実施形態では、抗体は、(a)配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、(b)配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、並びに(c)(a)に定義されるVH配列及び(b)に定義されるVL配列からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号73のVH配列及び配列番号72のVL配列を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号75又は79の重鎖と、配列番号74の軽鎖とを含む。
【0132】
一実施形態では、抗体は、以下からなる群から選択される置換によって修飾された、本明細書に記載の軽鎖及び本明細書に記載の重鎖を含む:
i)M252Y、S254T及びT256E;
ii)M428L、N434A及びY436T;
iii)N434A;並びに
iv)T307H及びN434H。
本発明による特定の抗体のCDR、フレームワーク領域(FW)、VH、VL、重鎖及び軽鎖を以下の表2に示す:
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0133】
追加の治療剤は、抗ウイルス剤、逆転写酵素阻害剤、免疫刺激薬、治療ワクチン、ウイルス侵入阻害剤、HBsAgの分泌又は放出を阻害するオリゴヌクレオチド、カプシド阻害剤、cccDNA阻害剤、及び前述のいずれかの組み合わせから選択され得る。追加の治療剤は、逆転写酵素阻害剤及び免疫刺激薬であり得る。逆転写酵素阻害剤は、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)、テノホビルアラフェナミド、ラミブジン、アデホビルジピボキシル、エンテカビル(ETV)、テルビブジン、及びAGX-1009からなる群から選択され得る。免疫刺激因子は、ペグ化インターフェロンα2a、インターフェロンα2b、組換えヒトインターロイキン-7、Toll様受容体7(TLR7)アゴニスト及びToll様受容体8(TLR8)アゴニストからなる群から選択され得る。
【0134】
追加の治療剤は、オリゴヌクレオチドと同じ又は異なる投薬レジメンに従って投与され得る。追加の治療剤は、単一の製剤で一緒に投与されてもよく、又は異なる製剤で別々に投与されてもよい。オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤は、同時に投与され得る。オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤は、逐次投与され得る。
【0135】
一実施形態では、追加の治療剤は治療ワクチンであり、さらに、オリゴヌクレオチド及び治療ワクチンは逐次投与され、好ましくは、治療ワクチンの1~3の間用量がオリゴヌクレオチドの投与後に投与される。
【0136】
オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤の投与の間の期間は、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約12週間、約3ヶ月、約24週間又は約6ヶ月、好ましくは約12週間であり得る。
【0137】
本方法は、単剤療法導入段階を含んでもよく、オリゴヌクレオチドの1つ又は複数の用量は、任意の追加の治療剤の第1の用量の前に投与されてもよい。本方法は、単剤療法導入段階を含んでもよく、オリゴヌクレオチドの1つ又は複数の用量は、追加の治療剤の第2の用量の前に投与される。
【0138】
同じ日に投与される場合、オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤は、少なくとも1回同時に投与される。同じ日に投与される場合、オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤は、少なくとも1回逐次投与される。
【0139】
オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤は、単一の組み合わせ製剤で一緒に投与され得る。オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤は、異なる製剤で別々に投与され得る。
【0140】
本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約3mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約3mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。
【0141】
本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約6mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約6mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。
【0142】
本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約100mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約100mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。
【0143】
本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約200mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約200mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。
【0144】
本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約400mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約400mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。
【0145】
疾患群及び患者群
本発明は、B型肝炎又はHBV感染を有するヒト患者の処置に使用するためのオリゴヌクレオチドに関する。疾患は急性又は慢性であり得る。本発明の実施形態は、患者サブグループの処置に関する。
【0146】
患者がB型慢性肝炎を有するか、又は慢性HBV感染を有する、本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供される。慢性B型肝炎患者は、処置未経験、ヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)抑制、免疫活性、肝硬変、免疫耐性、不活性キャリア又はHBVデルタ共感染であり得る。
【0147】
患者は、処置未経験であり得る。患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されていなくてもよい。抗ウイルス療法は、抗HBV療法であり得る。患者は、少なくとも約6ヶ月の期間にわたって抗ウイルス療法で以前に処置されていなくてもよい。抗ウイルス療法は、ヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)又はインターフェロン含有薬剤であり得る。抗ウイルス療法は、インターフェロン、リバビリン、HBV RNA複製阻害剤、第2のアンチセンスオリゴマー、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、ラミブジン(3TC)、エンテカビル、テノホビル、テルビブジン(LdT)、アデホビル、HBV抗体療法(モノクローナル又はポリクローナル)、抗PDL1/PD1モノクローナル抗体、抗PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLR7アゴニスト、及びCpAMのうちの1つ又は複数であり得る。好ましくは、抗ウイルス療法は、エンテカビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質、テノホビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質である。
【0148】
患者は、免疫活性であり得る。免疫活性という用語は、ヒト患者の免疫系がHBVを異物として認識し、HBVを根絶しようとする疾患段階として当技術分野で周知であるが、細胞傷害性応答は弱いと考えられる。免疫活性段階は、ALTのレベルの上昇又は変動、2000IU/mLを超える(一般に20,000IU/mlを超える)HBV DNAレベル、及び活動性肝臓炎症によって確認され得る。免疫活性ヒト患者は、HBeAg陽性又はHBeAg陰性であり得る。免疫活性患者は、慢性HBV患者であり得る。
【0149】
患者は、肝硬変であり得る。肝硬変という用語は当技術分野で周知である。肝硬変患者は、肝臓が適切に機能しないような長期の損傷を有する。長期とは、数ヶ月又はそれを超える期間にわたる発生を指す。ヒト肝硬変患者は、HBeAg陽性又はHBeAg陰性であり得る。肝硬変患者は、慢性HBV患者であり得る。
【0150】
患者は、免疫寛容であり得る。患者は、免疫寛容であり得る。ヒト免疫寛容患者は、HBeAg陽性であることが当技術分野で公知である。ヒト免疫耐性患者は、20,000IU/ml以上のHBV DNAレベル及びウイルスに対する有意な免疫応答がないことによってさらに確認することができる。ヒト免疫耐性患者はさらに、持続的に正常なALTレベルを有し得る。免疫耐性患者は、慢性HBV患者であり得る。
【0151】
患者は、HBVデルタ共感染であり得る。HBVデルタ共感染という用語は、HBV及びD型肝炎ウイルス(HDV)に同時感染している患者を定義するために当技術分野で知られている。
【0152】
患者は、ヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)抑制(本明細書ではNUC陽性とも呼ばれる)であり得る。NUC陽性患者は、HBeAg陽性又はHBeAg陰性であり得る。
【0153】
患者は、不活性キャリアであり得る。不活性キャリア患者は、HBeAg陰性であり得る。不活性キャリア状態は、さらに、抗HBeの存在、PCRベースのアッセイで検出不能又は低レベルのHBV DNA、繰り返し正常なALTレベル、及び生検での壊死性炎症が最小限であるか全くないか、わずかな線維症、又はさらには正常な組織学によって確認することができる。
【0154】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドであって、ヒトB型肝炎ウイルス関連症状が:黄疸、肝臓癌、肝臓炎症、肝線維症、肝硬変、肝不全、びまん性肝細胞炎症性疾患、血球貪食症候群又は血清肝炎のいずれかから選択されるオリゴヌクレオチドが提供される。
【0155】
皮下投与
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、皮下経路を介して患者に投与され得る。皮下経路を介した投与は、大腿又は腹部であり得る。好ましくは、投与は皮下注射によるものである。
【0156】
具体的な実施形態
本発明は、いくつかの特定の非限定的な実施形態を提供する。
【0157】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約1.5mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約1.5mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくは、オリゴヌクレオチド(例えば、オリゴヌクレオチドの第4の用量)の投与と抗ウイルス剤の投与との間の期間は約12週間である。
【0158】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約3mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約3mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくは、オリゴヌクレオチド(例えば、オリゴヌクレオチドの第4の用量)の投与と抗ウイルス剤の投与との間の期間は約12週間である。
【0159】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約6mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約6mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくは、オリゴヌクレオチド(例えば、オリゴヌクレオチドの第4の用量)の投与と抗ウイルス剤の投与との間の期間は約12週間である。
【0160】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約1.5mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0161】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約3mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0162】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約6mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0163】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約1.5mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0164】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約3mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0165】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約6mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0166】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約90mg又は約100mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約90mg又は約100mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくは、オリゴヌクレオチド(例えば、オリゴヌクレオチドの第4の用量)の投与と抗ウイルス剤の投与との間の期間は約12週間である。
【0167】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約200mg又は約210mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約200mg又は約210mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくは、オリゴヌクレオチド(例えば、オリゴヌクレオチドの第4の用量)の投与と抗ウイルス剤の投与との間の期間は約12週間である。
【0168】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約360mg又は約400mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約360mg又は約400mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくは、オリゴヌクレオチド(例えば、オリゴヌクレオチドの第4の用量)の投与と抗ウイルス剤の投与との間の期間は約12週間である。
【0169】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約90mg又は約100mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0170】
一実施形態では、本発明によるオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約200mg又は約210mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0171】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約360mg又は約400mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0172】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約90mg又は約100mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0173】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約200mg又は約210mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0174】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者は、抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法は、約360mg又は約400mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0175】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、患者は、約1.5mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約1.5mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくは、オリゴヌクレオチド(例えば、オリゴヌクレオチドの第4の用量)の投与と抗ウイルス剤の投与との間の期間は約12週間である。
【0176】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、患者は、約3mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約3mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくは、オリゴヌクレオチド(例えば、オリゴヌクレオチドの第4の用量)の投与と抗ウイルス剤の投与との間の期間は約12週間である。
【0177】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、患者は、約6mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約6mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくは、オリゴヌクレオチド(例えば、オリゴヌクレオチドの第4の用量)の投与と抗ウイルス剤の投与との間の期間は約12週間である。
【0178】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約1.5mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0179】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約3mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0180】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約6mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0181】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約1.5mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0182】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約3mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0183】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約6mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0184】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、患者は、約90mg又は約100mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約90mg又は約100mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0185】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、患者は、約200mg又は約210mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約200mg又は約210mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0186】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、患者は、約360mg又は約400mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約360mg又は約400mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0187】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約90mg又は約100mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0188】
一実施形態では、本発明によるオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約200mg又は約210mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0189】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約360mg又は約400mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる。
【0190】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約90mg又は約100mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0191】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約200mg又は約210mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0192】
一実施形態では、本発明による使用のためのオリゴヌクレオチドが提供され、患者はNUC抑制されており、方法は、約360mg又は約400mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む。本方法は、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオシ(チ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含んでもよく、抗ウイルス剤はオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である。
【0193】
B型肝炎ウイルス
一実施形態では、B型肝炎ウイルスが以下のヒト地理的遺伝子型のいずれかから選択される、本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供される:A(北西ヨーロッパ、北米、中央アメリカ);B(インドネシア、中国、ベトナム);C(東アジア、韓国、中国、日本、ポリネジア、ベトナム);D(地中海地域、中東、インド);E(アフリカ);F(ネイティブアメリカン、ポリネジア);G(米国、フランス);又はH(中央アメリカ)。
【0194】
機能
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドの投与が、以下のうちの1つ又は複数によって測定される臨床的有用性を提供する、オリゴヌクレオチドが提供される:
(a)HBsAgレベルの減少、好ましくは少なくとも1logの減少;
(b)初期用量の少なくとも50日後に決定されるHBsAgレベルの少なくとも1logの減少;
(c)HBV DNAレベルの減少、好ましくは少なくとも2logの減少;
(d)初期用量の少なくとも25日後に決定されるHBV DNAレベルの少なくとも2logの減少;
(e)HBV DNAレベルの90%の減少;
(f)HBcrAgレベルの減少、好ましくは少なくとも1logの減少;
(g)初期用量の少なくとも25日後に決定されるHBcrAgレベルの少なくとも1logの減少;
(h)HBeAgレベルの減少、好ましくは少なくとも1logの減少;
(i)初期用量の少なくとも50日後に決定されるHBcrAgレベルの少なくとも1logの減少;
(j)HBV抗原の存在は、市販のELISAシステムの現在利用可能な検出限界によって決定されるように、セロコンバージョンをもたらすために十分に減少し、これは、セロコンバージョンの決定因子としてHBeAgをモニタリングする場合は血清HBeAg非存在+血清HBeAb存在として定義され、又はセロコンバージョンの決定因子としてHBsAgをモニタリングする場合は血清HBsAg非存在として定義される;
(k)HBV抗原の存在は、市販のELISAシステムの現在利用可能な検出限界によって決定されるように、PHBVをもたらすために十分に減少し、これは、セロコンバージョンの決定因子としてHBeAgをモニタリングする場合は血清HBeAg非存在+血清HBeAb存在として定義され、又はPHBVの決定因子としてHBsAgをモニタリングする場合は血清HBsAg非存在として定義される;
(l)ALTレベルの少なくとも3倍の増加;
(m)初期用量後、約20~約70日の間に決定されるALTレベルの少なくとも3倍の増加;
(n)T細胞応答などの宿主媒介性細胞媒介性免疫応答の誘導;
(o)初期用量後の任意の時点で決定されるアルブミン及びビリルビンのレベルの有意な変化が実質的にない;
(p)患者リバウンドの欠如。
【0195】
(a)HBsAgレベルの減少は、少なくとも1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は少なくとも5log減少であり得る。HBsAgレベルのlog減少は、初期用量の少なくとも25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、又は少なくとも200日後に決定され得る。
【0196】
(c)HBV DNAレベルの減少は、少なくとも1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は少なくとも5log減少であり得る。HBV DNAレベルのlog減少は、初期用量の少なくとも25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、又は少なくとも200日後に決定され得る。
【0197】
(e)HBV DNAレベルの減少は、アッセイの検出限界の90%、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、100%、又はそれを超え得る。
【0198】
(f)HBcrAgレベルの減少は、少なくとも1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は少なくとも5log減少であり得る。HBcrAgレベルのlog減少は、初期用量の少なくとも25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、又は少なくとも200日後に決定され得る。
【0199】
(h)HBeAgレベルの減少は、少なくとも1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は少なくとも5log減少であり得る。HBeAgレベルのlog減少は、初期用量の少なくとも25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、又は少なくとも200日後に決定され得る。
【0200】
本発明のオリゴヌクレオチドの使用は、単回用量の単剤療法としてRNAiオリゴヌクレオチドを受けたNUC未経験患者の60%においてPHBVフレアを開始させた。本発明のオリゴヌクレオチドを単回注射として受けた5人の患者のうち3人において、本発明者らの研究における処置後の「フレア」の発生が観察された。
【0201】
患者リバウンドは、薬物の効果が通過した場合の陰性症候の増加の生成に関する当技術分野で周知の用語である。薬物がリバウンド効果を生じる場合、薬物を中止するか又は有効性を失うと、処置に使用された症状がさらに強く戻る可能性がある。患者は、ベースラインからの測定パラメータの1logの減少を示し得(例えば、HBsAg)、リバウンドは、その後ベースラインに向かって増加し、1logの減少点を通過する測定パラメータによって定義される。
【0202】
処置目標
3つの主要HBVタンパク質(HBsAg、HBeAg及びHBcAg)は全て免疫阻害特性を有するが、HBsAgは、HBV感染対象の循環中のHBVタンパク質の圧倒的多数を構成する。さらに、(セロコンバージョンを介した)HBeAgの除去又は血清ウイルス血症の減少は、処置後の(off treatment)HBV感染の持続的な制御の発生と相関していないが、HBV感染における血液からの血清HBsAgの除去(及びセロコンバージョン)は、処置後のHBV感染の制御をもたらす処置に対する抗ウイルス応答のよく認識された予後指標である(しかし、これは免疫療法を受けている患者のごく一部でしか起こらない)。したがって、3つ全ての主要なHBVタンパク質(HBsAg、HBeAg及びHBcAg)の減少は、阻害効果の最適な除去をもたらし得るが、HBsAgの除去単独は、HBV感染を有する対象における免疫機能のウイルス阻害の大部分を除去するのに十分である可能性が高い。
【0203】
したがって、大部分の患者においてHBVの免疫学的制御を回復させることができる現在の処置レジメンがない場合、ウイルス複製を阻害し、大部分の患者において免疫学的制御を回復させることもできるHBV感染に対する効果的な処置が必要である。したがって、当技術分野では、HBVに感染している及び/又はHBV関連疾患を有する対象のための代替療法及び併用療法が必要とされている。
【0204】
本発明は、HBsAgレベルを低下させ、機能的又は滅菌的な治癒を達成する可能性を高めるという全体的な目的で、慢性B型肝炎ウイルス感染症を有する患者を処置する実用的な方法を提供し得る。これは、他の処置未経験の患者における単剤療法として、又は任意の他のB型肝炎処置未経験の患者における単剤療法導入段階としてHBVS-219を使用することによって達成され得る。
【0205】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドであって、処置が患者を治癒させるか、又は機能的治癒を提供し得るオリゴヌクレオチドが提供される。「治癒」という用語は、患者がもはや疾患に罹患しておらず、疾患の追加の処置をもはや必要とせず、したがってもはや患者ではないものとして定義される。「機能的治癒」という用語は、有限処置レジメンによる処置応答のHBsAg喪失として定義される。有限処置レジメンは、本明細書に開示される任意の処置レジメン、例えば、NUC抑制患者又はNUC未経験患者における単剤療法又は併用療法に従うことができる。
【0206】
III.オリゴヌクレオチドに基づく阻害剤
活性化合物
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチド二重鎖であり得、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間の1つのホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々は、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;-GAAA-配列は、構造:
【化4】
を含み、及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間の5つのホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドは、以下の構造:
【化5】
を有している、オリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容され得る塩である。
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、図1又は図2Aに示されるものであり得る。
【0207】
HBV表面抗原標的化
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、PHBVなどの治療上の利益を達成するために使用され得る。そのようなオリゴヌクレオチドは、肝臓においてHBVプレゲノムRNA(pgRNA)及びHBsAg mRNAの90%を超える減少をもたらし得る。HBsAg発現の減少は、単回用量又は処置レジメン後に長期間持続し得る。
【0208】
したがって、本明細書に提供される使用のためのオリゴヌクレオチドは、細胞内の転写物を標的化し、その発現を阻害する目的で、HBsAg mRNAに対して相補性の領域を有するように設計される。
【0209】
二本鎖オリゴヌクレオチド
RNAi、アンチセンス、miRNAなどを含む、HBsAg mRNA発現を標的化するのに有用なオリゴヌクレオチドの様々な構造が存在する。本明細書又は他の場所に記載される構造のいずれも、本明細書に記載の配列を組み込む又は標的とするためのフレームワークとして使用され得る。HBV抗原発現を(例えば、RNAi経路を介して)標的とするための二本鎖オリゴヌクレオチドは、一般に、互いに二重鎖を形成するセンス鎖及びアンチセンス鎖を有する。
【0210】
本発明によるHBsAg mRNA発現の発現を減少させるための二本鎖オリゴヌクレオチドは、RNA干渉(RNAi)に関与し得る。例えば、RNAiオリゴヌクレオチドは、1~5ヌクレオチドの少なくとも1つの3’オーバーハングを有する19~25ヌクレオチドのサイズを有する各鎖を用いて開発されている(例えば、米国特許第8,372,968号を参照されたい)。Dicerによって処理されて活性RNAi産物を生成する、より長いオリゴヌクレオチドも開発されている(例えば、米国特許第8,883,996号を参照されたい)。さらなる研究により、鎖の1つが熱力学的に安定化するテトラループ構造を含む構造を含む、少なくとも1つの鎖の少なくとも1つの末端が二重鎖標的化領域を超えて伸長された伸長二本鎖オリゴヌクレオチドが生成された(例えば、米国特許第8,513,207号及び第8,927,705号、並びに国際公開第2010033225号を参照されたい。これらのオリゴヌクレオチドの開示について、参照により本明細書に組み込まれる)。そのような構造は、一本鎖伸長(分子の片側又は両側)並びに二本鎖伸長を含み得る。
【0211】
本発明に従って本明細書において提供されるオリゴヌクレオチドは、Dicer酵素によって切断可能であり得る。そのようなオリゴヌクレオチドは、センス鎖の3’末端にオーバーハング(例えば、1、2又は3ヌクレオチド長)を有し得る。そのようなオリゴヌクレオチド(例えば、siRNA)は、標的RNA及び相補的なパッセンジャー鎖に対してアンチセンスである21ヌクレオチドガイド鎖を含み得、両鎖はアニールして19bpの二重鎖及び3’末端のいずれか又は両方に2つのヌクレオチドオーバーハングを形成する。23ヌクレオチドのガイド鎖及び21ヌクレオチドのパッセンジャー鎖を有するオリゴヌクレオチドを含むより長いオリゴヌクレオチド設計も利用可能であり、分子の右側(パッセンジャー鎖の3’末端/ガイド鎖の5’末端)に平滑末端があり、分子の左側(パッセンジャー鎖の5’末端/ガイド鎖の3’末端)に2ヌクレオチドの3’ガイド鎖オーバーハングがある。そのような分子には、21塩基対の二重鎖領域が存在する。例えば、米国特許第9,012,138号、米国特許第9,012,621号、及び米国特許第9,193,753号を参照されたい。これらの各々は、それらの関連する開示について本明細書に組み込まれる。
【0212】
本明細書に開示される他のオリゴヌクレオチドには、以下が含まれる:16量体siRNA(例えば、Nucleic Acids in Chemistry and Biology.Blackburn(ed.),Royal Society of Chemistry,2006を参照)、shRNA(例えば、19bp又はそれより短いステムを有する;例えば、Moore et al.Methods Mol.Biol.2010;629:141-58を参照)、ブラントsiRNA(例えば、長さ19bp;例えば、Kraynack and Baker,RNA Vol.12,p163-76(2006)を参照)、非対称siRNA(aiRNA;例えば、Sun et al.,Nat.Biotechnol.26,1379-82(2008)を参照)、非対称短鎖二重鎖siRNA(例えば、Chang et al.,Mol Ther.2009 Apr;17(4):725-32を参照)、フォークsiRNA(例えば、Hohjoh,FEBS Letters,Vol 557,issues 1-3;Jan 2004,p193-98を参照)、一本鎖siRNA(Elsner;Nature Biotechnology 30,1063(2012))、ダンベル形状環状siRNA(例えば、Abe et al.J Am Chem Soc 129:15108-09(2007)を参照)、及び、低分子内部セグメント化干渉RNA(sisiRNA;例えば、Bramsen et al.,Nucleic Acids Res.2007 Sep;35(17):5886-97を参照)。前述の参考文献の各々は、その中の関連する開示についてその全体が参照により組み込まれる。HBsAgの発現を低減又は阻害するために使用され得るオリゴヌクレオチド構造のさらなる非限定的な例は、マイクロRNA(miRNA)、短ヘアピンRNA(shRNA)、及び短siRNAである(例えば、Hamilton et al.,Embo J.,2002,21(17):4671-79を参照;米国特許出願第20090099115号も参照)。
【0213】
アンチセンス鎖
オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖は、「ガイド鎖」と呼ばれる場合がある。例えば、アンチセンス鎖がRNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)と係合してアルゴノートタンパク質に結合することができるか、又は1つ若しくは複数の同様の因子と係合若しくは結合し、標的遺伝子の直接サイレンシングを行うことができる場合、それはガイド鎖と呼ばれ得る。ガイドストランドと相補的なセンス鎖は、「パッセンジャー鎖」と呼ばれ得る。
【0214】
オリゴヌクレオチド末端
典型的には、RNAiのオリゴヌクレオチドは、アンチセンス(ガイド)鎖の3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを有する。しかしながら、他のオーバーハングも可能である。
【0215】
ミスマッチ
オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖との間に1つ又は複数(例えば、1、2、3、4、5個)のミスマッチを有し得る。センス鎖とアンチセンス鎖との間に2つ以上のミスマッチがある場合、それらは連続的に(例えば、連続して2、3又はそれ以上)配置され得るか、又は相補性の領域全体に散在し得る。センス鎖の3’末端は、1つ又は複数のミスマッチを含有し得る。2つのミスマッチがセンス鎖の3’末端に組み込まれ得る。オリゴヌクレオチドのセンス鎖の3’末端におけるセグメントの塩基ミスマッチ又は不安定化は、おそらくDicerによるプロセシングを促進することによって、RNAiにおける合成二重鎖の効力を改善し得る。
【0216】
アンチセンス鎖は、対応する転写物配列と比較して1つ又は複数のミスマッチを含むHBsAg転写物に対して相補性の領域を有し得る。オリゴヌクレオチド上の相補性の領域は、適切なハイブリダイゼーション条件下で転写物と相補的塩基対を形成する能力を維持する限り、最大1、最大2、最大3、最大4、最大5などのミスマッチを有し得る。あるいは、オリゴヌクレオチドの相補性の領域は、適切なハイブリダイゼーション条件下でHBsAg mRNAと相補的塩基対を形成する能力を維持する限り、1個以下、2個以下、3個以下、4個以下又は5個以下のミスマッチを有し得る。相補性の領域に2つ以上のミスマッチがある場合、オリゴヌクレオチドが適切なハイブリダイゼーション条件下でHBsAg mRNAと相補的塩基対を形成する能力を維持する限り、それらは連続的に(例えば、連続して2、3、4、又はそれ以上)配置されるか、又は相補性の領域全体に散在し得る。
【0217】
一本鎖オリゴヌクレオチド
最近の試みにより、一本鎖RNAiオリゴヌクレオチドの活性が実証されている(例えば、Matsui et al.(May 2016),Molecular Therapy,Vol.24(5),946-55を参照されたい)。さらに、アンチセンス分子は、特異的標的遺伝子の発現を低下させるために数十年にわたって使用されてきた(例えば、Bennett et al.;Pharmacology of Antisense Drugs,Annual Review of Pharmacology and Toxicology,Vol.57:81-105を参照のこと)。
【0218】
オリゴヌクレオチド修飾
オリゴヌクレオチドは、特異性、安定性、送達、バイオアベイラビリティ、ヌクレアーゼ分解からの耐性、免疫原性、塩基対形成特性、RNA分布及び細胞取り込み、並びに治療的又は研究的使用に関連する他の特徴を改善又は制御するために様々な方法で修飾され得る。例えば、Bramsen et al.,Nucleic Acids Res.,2009,37,2867-81;Bramsen and Kjems(Frontiers in Genetics,3(2012):1-22)を参照のこと。
【0219】
オリゴヌクレオチド上の修飾の数及びそれらのヌクレオチド修飾の位置は、オリゴヌクレオチドの特性に影響を及ぼし得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、それらを脂質ナノ粒子(LNP)又は同様の担体にコンジュゲートさせるか又は包含することによって、インビボで送達され得る。しかしながら、オリゴヌクレオチドがLNP又は同様の担体によって保護されていない場合、そのヌクレオチドの少なくともいくつかが修飾されることが有利であり得る。
【0220】
糖修飾
修飾された糖(本明細書では糖類似体とも呼ばれる)は、非天然の代替炭素構造、例えば、ロックド核酸(「LNA」)(例えばKoshkin et al.(1998),Tetrahedron 54,3607-3630を参照)、アンロックド核酸(「UNA」)(例えば、Snead et al.(2013),Molecular Therapy-Nucleic Acids,2,e103を参照)、及び架橋核酸(「BNA」)(例えば、Imanishi and Obika(2002),The Royal Society of Chemistry,Chem.Commun.,1653-59を参照)に存在するものを含み得る。Koshkin et al.、Snead et al.、及び、Imanishi and Obikaは、糖修飾に関するそれらの開示について参照により本明細書に組み込まれる。
【0221】
糖におけるヌクレオチド修飾は、2’修飾を含み得る(mat comprise)。2’修飾は、2’-アミノエチル、2’-フルオロ、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル、及び2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-d-アラビノ核酸であり得る。典型的には、修飾は、2’-フルオロ、2’-O-メチル又は2’-O-メトキシエチルである。糖の修飾は、糖環の修飾を含んでもよく、これは糖環の1つ又は複数の炭素の修飾を含み得る。例えば、ヌクレオチドの糖の修飾は、糖の2’-酸素が糖の1’-炭素又は4’-炭素に結合しているか、又は2’-酸素がエチレン又はメチレン架橋を介して1’-炭素又は4’-炭素に結合していることを含み得る。修飾ヌクレオチドは、2’-炭素-3’-炭素結合を欠く非環式糖を有し得る。修飾ヌクレオチドは、例えば糖の4’位にチオール基を有し得る。
【0222】
末端3’-末端基(例えば、3’-ヒドロキシル)は、リン酸基又は他の基であり得、例えば、リンカー、アダプター若しくは標識を付着させるために、又はオリゴヌクレオチドを別の核酸に直接ライゲーションするために使用することができる。
【0223】
5’末端リン酸
オリゴヌクレオチドの5’末端リン酸基は、アルゴノート2との相互作用を増強し得る。しかしながら、5’-リン酸基を含むオリゴヌクレオチドは、ホスファターゼ又は他の酵素を介して分解されやすく、インビボでのそれらのバイオアベイラビリティを制限する可能性がある。オリゴヌクレオチドは、そのような分解に耐性の5’リン酸の類似体を含み得る。リン酸類似体は、オキシメチルホスホネート、ビニルホスホネート、又はマロニルホスホネートであり得る。オリゴヌクレオチド鎖の5’末端は、天然の5’リン酸基(「リン酸模倣物」)の静電特性及び立体特性を模倣する化学部分に結合している(例えば、Prakash et al.(2015),Nucleic Acids Res.,Nucleic Acids Res.2015 Mar 31;43(6):2993-3011を参照のこと。リン酸類似体に関するその内容は参照により本明細書に組み込まれる)。5’末端に結合することができる多くのリン酸模倣物が開発されている(例えば、米国特許第8,927,513号を参照されたい。リン酸類似体に関するその内容が参照により本明細書に組み込まれる)。オリゴヌクレオチドの5’末端に対する他の修飾が開発されている(例えば、国際公開第2011/133871号を参照されたい。リン酸類似体に関するその内容は参照により本明細書に組み込まれる)。ヒドロキシル基は、オリゴヌクレオチドの5’末端に結合し得る。
【0224】
オリゴヌクレオチドは、糖の4’-炭素位置にリン酸類似体(「4’-リン酸類似体」と呼ばれる)を有し得る。例えば、国際公開第2018/045317号及び国際公開第2018/045317号を参照のこと。これらの各々のリン酸塩類似体に関する内容は参照により本明細書に組み込まれる。オリゴヌクレオチドは、5’末端ヌクレオチドに4’-リン酸類似体を含み得る。リン酸類似体は、オキシメチル基の酸素原子が糖部分(例えばその4’-炭素)に結合しているオキシメチルホスホネート又はその類似体であり得る。4’リン酸類似体は、チオメチルホスホネート又はアミノメチルホスホネート(チオメチル基の硫黄原子又はアミノメチル基の窒素原子が糖部分の4’-炭素に結合している)又はその類似体である。4’リン酸類似体は、オキシメチルホスホネートである。オキシメチルホスホネートは、式-O-CH2-PO(OH)2又は-O-CH2-PO(OR)2で表され得、式中、Rは、H、CH3、アルキル基、CH2CH2CN、CH2OCOC(CH3)3、CH2OCH2CH2Si(CH3)3、又は保護基から独立して選択される。アルキル基はCH2CH3であってもよい。より典型的には、Rは、H、CH3又はCH2CH3から独立して選択される。
【0225】
本発明によるオリゴヌクレオチドに結合したリン酸類似体は、5’モノメチル保護MOPである。いくつかの実施形態では、リン酸類似体を含む以下のウリジンヌクレオチドが、例えば、ガイド(アンチセンス)鎖の1位で使用され得る:
【化6】
この修飾ヌクレオチドは、[Meホスホン酸-4O-mU]又は5’-メトキシ、ホスホン酸-4’オキシ-2’-O-メチルウリジンと呼ばれる。
【0226】
修飾ヌクレオシド間結合
修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合、ホスホロチオエート結合、ホスホトリエステル結合、チオノアルキルホスホネート結合、チオノアルキルホスホトリエステル結合、ホスホラミダイト結合、ホスホネート結合又はボラノホスフェート結合であり得る。本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドのいずれか1つの少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
【0227】
塩基修飾
本明細書において提供されるオリゴヌクレオチドは、1つ又は複数の修飾核酸塩基を有する。修飾核酸塩基(本明細書では塩基類似体とも呼ばれる)は、ヌクレオチド糖部分の1’位に連結され得る。修飾核酸塩基は窒素塩基であってもよい。修飾核酸塩基は窒素原子を含まなくてもよい。例えば、米国特許出願公開第20080274462号を参照されたい。修飾ヌクレオチドは、ユニバーサル塩基を含んでもよい。しかしながら、修飾ヌクレオチドは、核酸塩基を含有しなくてもよい(脱塩基性)。
【0228】
ユニバーサル塩基は、修飾ヌクレオチド中のヌクレオチド糖部分の1’位に位置する複素環部分、又は二重鎖中に存在する場合に二重鎖の構造を実質的に変化させることなく1種類を超える塩基の反対側に位置することができるヌクレオチド糖部分置換の等価な位置であり得る。標的核酸に完全に相補的な参照一本鎖核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)と比較して、ユニバーサル塩基を含有する一本鎖核酸は、相補的核酸で形成された二重鎖よりも低いTmを有する標的核酸との二重鎖を形成し得る。しかし、ユニバーサル塩基が塩基で置換されて単一のミスマッチが生じる参照一本鎖核酸と比較して、ユニバーサル塩基を含む一本鎖核酸は、ミスマッチ塩基を含む核酸で形成された二重鎖よりも高いTmを有する標的核酸との二重鎖を形成し得る。
【0229】
ユニバーサル結合ヌクレオチドの非限定的な例としては、イノシン、1-β-D-リボフラノシル-5-ニトロインドール、及び/又は1-β-D-リボフラノシル-3-ニトロピロールが挙げられる(Quayらによる米国特許出願公開米国特許第20070254362号明細書;Van Aerschot et al.,An acyclic 5-nitroindazole nucleoside analogue as ambiguous nucleoside.Nucleic Acids Res.1995 Nov 11;23(21):4363-70;Loakes et al.,3-Nitropyrrole and 5-nitroindole as universal bases in primers for DNA sequencing and PCR,Nucleic Acids Res.1995 Jul 11;23(13):2361-66;Loakes and Brown,5-Nitroindole as an universal base analogue,Nucleic Acids Res.1994 Oct 11;22(20):4039-43。上記の各々は、塩基修飾に関するそれらの開示について参照により本明細書に組み込まれる)。
【0230】
可逆的修飾
標的細胞に到達する前にオリゴヌクレオチドをインビボ環境から保護するための特定の修飾を行うことができるが、それにより、一旦標的細胞の細胞質ゾルに到達するとオリゴヌクレオチドの効力又は活性を低下し得る。可逆的修飾は、分子が細胞の外側で望ましい特性を保持するように行うことができ、その後、細胞の細胞質ゾル環境に入ると除去される。可逆的修飾は、例えば、細胞内酵素の作用又は細胞内の化学的条件によって(例えば、細胞内グルタチオンによる還元を介して)除去することができる。
【0231】
可逆的に修飾ヌクレオチドは、グルタチオン感受性部分を含み得る。典型的には、核酸分子は、環状ジスルフィド部分で化学的に修飾されて、ヌクレオチド間二リン酸結合によって生成される負電荷をマスクし、細胞取り込み及びヌクレアーゼ耐性を改善する。Traversa Therapeutics,Inc.に最初に譲渡された米国特許出願公開第2011/0294869号(「Traversa」)、Solstice Biologics,Ltd.のPCT公開番号WO 2015/188197(「Solstice」)、Meade et al.,Nature Biotechnology,2014,32:1256-63(「Meade」)、Merck Sharp&Dohme CorpのPCT公開番号WO 2014/088920を参照。これらの各々は、そのような修正の開示について参照により組み込まれる。ヌクレオチド間二リン酸架橋のこの可逆的修飾は、細胞質ゾルの還元環境(例えば、グルタチオン)によって細胞内で切断されるように設計されている。以前の例には、細胞内で切断可能であると報告された中和ホスホトリエステル修飾が含まれる(Dellinger et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125:940-50)。
【0232】
可逆的修飾は、オリゴヌクレオチドがヌクレアーゼ及び他の過酷な環境条件(例えば、pH)に曝露されるインビボ投与(例えば、血液及び/又は細胞のリソソーム/エンドソーム区画を通過する)中の保護を可能にし得る。グルタチオンレベルが細胞外空間と比較して高い細胞の細胞質ゾルに放出されると、修飾が逆転し、切断されたオリゴヌクレオチドが得られる。可逆的グルタチオン感受性部分を使用すると、不可逆的な化学修飾を使用して利用可能な選択肢と比較して、目的のオリゴヌクレオチドに立体的により大きな化学基を導入することが可能である。これは、これらのより大きな化学基が細胞質ゾルで除去され、したがって、細胞の細胞質ゾル内のオリゴヌクレオチドの生物学的活性を妨げないからである。結果として、これらのより大きな化学基は、ヌクレアーゼ耐性、親油性、電荷、熱安定性、特異性、及び免疫原性の低下などの様々な利点をヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドに与えるように操作することができる。グルタチオン感受性部分の構造は、その放出の動態を改変するように操作され得る。
【0233】
グルタチオン感受性部分は、ヌクレオチドの糖に結合され得る。グルタチオン感受性部分は、修飾ヌクレオチドの糖の2’-炭素に結合され得る。いくつかの実施形態では、グルタチオン感受性部分は、特に修飾ヌクレオチドがオリゴヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドである場合、糖の5’炭素に位置する。グルタチオン感受性部分は、特に修飾ヌクレオチドがオリゴヌクレオチドの3’末端ヌクレオチドである場合、糖の3’炭素に位置し得る。グルタチオン感受性部分はスルホニル基を含み得る。例えば、2016年8月23日に出願されCompositions Comprising Reversibly Modified Oligonucleotides and Uses Thereofと題された米国特許仮出願第62/378,635号を参照されたい。その内容は、その関連する開示について参照により本明細書に組み込まれる。
【0234】
標的化リガンド
本開示のオリゴヌクレオチドを1つ若しくは複数の細胞又は1つ若しくは複数の器官に標的化することが望ましい場合がある。そのような戦略は、他の器官における望ましくない影響を回避するのに役立ち得るか、又はオリゴヌクレオチドにとって利益にならない細胞、組織若しくは器官へのオリゴヌクレオチドの過度の喪失を回避し得る。本明細書中に開示されるオリゴヌクレオチドは、特定の組織、細胞又は器官の標的化を容易にするために、例えば、肝臓へのオリゴヌクレオチドの送達を容易にするために修飾され得る。本明細書中に開示されるオリゴヌクレオチドは、肝臓の肝細胞へのオリゴヌクレオチドの送達を容易にするために修飾され得る。オリゴヌクレオチドは、1つ又は複数の標的化リガンドにコンジュゲートさせたヌクレオチドを含み得る。
【0235】
標的化リガンドは、炭水化物、アミノ糖、コレステロール、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、又は、タンパク質(例えば、抗体又は抗体フラグメント)若しくは脂質の一部を含み得る。標的化リガンドはアプタマーであり得る。例えば、標的化リガンドは、腫瘍脈管構造又は神経膠腫細胞を標的化するために使用されるRGDペプチド、腫瘍脈管構造又はストーマを標的化するためのCREKAペプチド、トランスフェリン、ラクトフェリン、又はCNS脈管構造上に発現されるトランスフェリン受容体を標的化するためのアプタマー、又は神経膠腫細胞上のEGFRを標的化するための抗EGFR抗体であり得る。標的化リガンドは、1つ又は複数のGalNAc部分であり得る。
【0236】
オリゴヌクレオチドの1つ又は複数(例えば、1、2、3、4、5又は6個)のヌクレオチドは、それぞれ、別個の標的化リガンドにコンジュゲートされ得る。オリゴヌクレオチドの2~4個のヌクレオチドはそれぞれ、別個の標的化リガンドにコンジュゲートされ得る。標的化リガンドは、標的化リガンドが歯ブラシの剛毛に類似し、オリゴヌクレオチドが歯ブラシに類似するように、センス鎖又はアンチセンス鎖のいずれかの末端において2~4個のヌクレオチドにコンジュゲートされ得る(例えば、リガンドは、センス鎖又はアンチセンス鎖の5’末端又は3’末端上の2~4個のヌクレオチドのオーバーハング又は伸長にコンジュゲート化される)。例えば、オリゴヌクレオチドは、センス鎖の5’末端又は3’末端のいずれかにステムループを含み得、ステムのループの1、2、3又は4個のヌクレオチドは、標的化リガンドに個々にコンジュゲートされ得る。
【0237】
HBV抗原の発現を減少させるオリゴヌクレオチドを対象の肝臓の肝細胞に標的化することが望ましい場合がある。この目的のために、任意の適切な肝細胞標的化部分を使用してもよい。
【0238】
GalNAcは、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)に対する高親和性リガンドであり、主に肝細胞細胞の類洞表面に発現され、末端ガラクトース残基又はN-アセチルガラクトサミン残基(アシアロ糖タンパク質)を含有する循環糖タンパク質の結合、内在化、及びその後のクリアランスにおいて主要な役割を果たす。GalNAc部分の本開示のオリゴヌクレオチドへの(間接的又は直接的な)コンジュゲーションを使用して、これらのオリゴヌクレオチドをこれらの肝細胞細胞上に発現されるASGPRに標的化することができる。
【0239】
本開示のオリゴヌクレオチドは、一価GalNAcに直接的又は間接的にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、2つ以上の一価GalNAcに直接的又は間接的にコンジュゲートされる(すなわち、2個、3個又は4個の一価のGalNAc部分にコンジュゲートされ、典型的には、3個又は4個の一価のGalNAc部分にコンジュゲートされる)。いくつかの実施形態において、本開示のオリゴヌクレオチドは、1つ又は複数の二価GalNAc、三価GalNAc又は四価GalNAc部分にコンジュゲートされている。
【0240】
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドの1つ又は複数(例えば、1、2、3、4、5又は6個)のヌクレオチドは、それぞれ、GalNAc部分にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態において、ステムループのループ(L)の2~4個のヌクレオチドはそれぞれ、別個のGalNAcにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、GalNAc部分が歯ブラシの剛毛に類似し、オリゴヌクレオチドが歯ブラシに類似するように、センス鎖又はアンチセンス鎖のいずれかの末端において2~4個のヌクレオチドにコンジュゲートされる(例えば、リガンドは、センス鎖又はアンチセンス鎖の5’末端又は3’末端上の2~4個のヌクレオチドのオーバーハング又は伸長にコンジュゲート化される)。例えば、オリゴヌクレオチドは、センス鎖の5’末端又は3’末端のいずれかにステムループを含み得、ステムのループの1、2、3又は4個のヌクレオチドは、GalNAc部分に個々にコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態において、GalNAc部分は、センス鎖のヌクレオチドにコンジュゲートされる。例えば、4つのGalNAc部分をセンス鎖のテトラループ中のヌクレオチドにコンジュゲートさせることができ、各GalNAc部分は1つのヌクレオチドにコンジュゲートされる。
【0241】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、以下に示すように、[ademg-GalNAc]又は2’-アミノジエトキシメタノール-グアニジン-GalNAcと呼ばれるグアニジンヌクレオチドに結合した一価GalNAcを含む。
【化7】
【0242】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、以下に示すように、[ademA-GalNAc]又は2’-アミノジエトキシメタノール-アデニン-GalNAcと呼ばれるアデニンヌクレオチドに結合した一価GalNAcを含む。
【化8】
【0243】
そのようなコンジュゲーションの例を、5’から3’にヌクレオチド配列GAAAを含むループについて以下に示す(L=リンカー、X=ヘテロ原子)。ステム結合点が示される。そのようなループは、例えば、図1に示す分子の27~30位に存在し得る。化学式中、
【化9】
はオリゴヌクレオチド鎖への結合点である。
【化10】
【0244】
適切な方法又は化学(例えば、クリックケミストリー)を使用して、標的化リガンドをヌクレオチドに連結することができる。標的化リガンドは、クリックリンカーを使用してヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。アセタール系リンカーを使用して、標的化リガンドを本明細書中に記載されるオリゴヌクレオチドのいずれか1つのヌクレオチドにコンジュゲート化してもよい。アセタール系リンカーは、例えば、2016年6月23日に公開された国際特許出願公開番号WO2016100401 A1に開示されており、そのようなリンカーに関する内容は参照により本明細書に組み込まれる。リンカーは、不安定なリンカーであり得る。しかしながら、リンカーは安定であり得る。
【0245】
GalNAc部分がアセタールリンカーを使用してループのヌクレオチドに結合している、5’から3’にヌクレオチドGAAAを含むループの例を以下に示す。そのようなループは、例えば、図1に示す分子の27~30位に存在し得る。化学式中、
【化11】
はオリゴヌクレオチド鎖への結合点である。
【化12】
【0246】
アラニンアミノトランスフェラーゼフレアの認識及び管理
厳密な患者モニタリングは重要であり、以下のフレアの定義に適合する任意の参加者について、必要に応じて予定外の介入性診断評価の必要性を含む:参加者のベースラインALT値の3倍超又はベースライン後最下点値の3倍超(いずれか低い値)の実質的なアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇として、絶対ALT値は少なくとも7×ULN、例えば少なくとも10×ULNである。
【0247】
参加者のベースラインALT値の3倍超又はベースライン後最下点値の3倍超(いずれか低い方)の値への参加者の血清ALTの確認された上昇であり、絶対ALT値は少なくとも7×ULN、例えば少なくとも10×ULNである。研究参加者においてALT増加(フレア)が実験室で証明された場合、参加者の管理には、必要に応じて迅速なクリニック訪問及びさらなるフォローアップ訪問を含めるべきである。
【0248】
参加者は、肝機能(合成及び排泄)が安定しているか又は悪化しているかを判定するために、血清アルブミン及び直接ビリルビンのレベルについてチェックされるか、又は一貫してモニターされるべきである。
【0249】
参加者は、ALT上昇の潜在的な介入性原因(例えば、A型肝炎感染(HAV)、E型肝炎感染(HEV)、又は他の感染;毒素曝露;肝毒性薬草サプリメント又は併用薬)について評価され得る。
【0250】
参加者の最近のHBV DNAレベルを、レベルの変化についてチェックすることができる。HBV DNAが減少している場合、ALT増加(フレア)は、推定上、ウイルスブレークスルー(耐性)NHBVフレアによるものではなく、介在する原因が見つからなければ「有益」又はPHBVフレアであり得る。
【0251】
肝硬変の生化学的証拠を伴うALT増加(フレア)に対しては、試験処置の中断(診断試験待ち)又は中止が推奨される。これは、以下の同時の検査所見の一方又は両方に時間的に関連するALT増加(フレア)である。
i.>2xベースライン及び>2xULNの確認された直接ビリルビン上昇;又は
ii.0.5g/dL以上の血清アルブミンレベルの確認された低下
【0252】
バイオマーカー
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが提供され、方法は、患者から得られた試料中のバイオマーカー、例えばHBsAg、HBeAg、HbcrAg又はALTのレベルを決定する工程をさらに含む。決定する工程は、処置休日中に実行されてもよい。1つ又は複数のさらなる用量のオリゴヌクレオチドを投与する工程が、決定する工程に続いてもよい。本発明のオリゴヌクレオチドを再投与する必要性又は処置を再開する必要性は、決定された上記バイオマーカーのレベルに依存し得る。処置を中止してもよい。処置を再開してもよい。
【0253】
慢性HBV患者の管理における主な満たされていない必要性は、NUC療法の安全な中止を予測することができるバイオマーカーの定義である。NUC療法の停止を検討する最適な時期に関する現在の処置ガイドラインについてのコンセンサスはない。HBVe抗原陰性(HBeAg陰性)患者におけるHBV(HBsAg)又はHBsAgの表面抗原の100IU/ml未満の値へのセロコンバージョン(7)は、一部では安全な停止点として推奨されている;しかしながら、そのような値はNUC処置患者の少数において認められる。HBeAg患者におけるNUC治療の停止に関する最近のFINITE研究は、21人の患者のうち13人がほぼ3年間治療をやめたままでいることができたと報告しているが、どの患者が治療を安全に中止できるかを区別する基準は同定されていない。本発明によれば、抗ウイルス免疫は、HBV感染の抑制及び制御において重要な役割を果たし、したがって、本発明者らは、NUC単剤療法を安全に中止できる時期を予測するための免疫学的バイオマーカーを開発した。
【0254】
現在、慢性B型肝炎ウイルス(HBV)患者の臨床管理は、どの患者のヌクレオシ(チ)ドアナログ(NUC)療法を安全に中止できるかを独立して決定することができないウイルス学的パラメータのみに基づいている。NUCはウイルス複製を効率的に抑制するが、HBVを排除しない。したがって、治療の中止はウイルス学的再発及び生化学的再発に関連し得、その結果、大部分の治療は生涯にわたるものである。
【0255】
抗ウイルス免疫はHBV制御にとって極めて重要であり、その目的のために、NUC又は他のHBV処置レジメンの安全な中止を決定するための特定のバイオマーカーの開発及び認識は、治療をいつ停止又は除去することができるかを決定するために重要である。
【0256】
したがって、本発明によれば、PD-1発現は、ヒト慢性ウイルス感染におけるウイルス特異的T細胞の長期持続性に関する正確な評価の提供に関連するので、本発明者らは、慢性ウイルス感染中のT細胞上の疲弊マーカーの発現の有益な役割に注目する。したがって、本発明は、NUC療法中に患者に存在する残存HBV特異的T細胞のレベルを使用して、NUC抗ウイルス療法の安全な中止を予測することができることを提供する。
【0257】
IV.製剤
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、薬学的に許容され得る塩又は医薬組成物の形態であり得る。
【0258】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、薬学的に許容され得る塩の形態であり得る。薬学的に許容され得る塩はナトリウム塩であり得る。薬学的に許容され得る塩はカリウム塩であり得る。オリゴヌクレオチドの薬学的に許容され得る塩は、図2A又は図2B、好ましくは図2Aに示されるとおりであり得る。
【0259】
本発明によるオリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩と、本発明による使用のための薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントとを含み得る医薬組成物が提供される。薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントは、生理食塩水を含み得る。生理食塩水は、リン酸緩衝生理食塩水であってもよい。好ましくは、オリゴヌクレオチドはリン酸緩衝生理食塩水中に製剤化される。薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントは、水、例えば注射用水であり得る。
【0260】
オリゴヌクレオチドの使用を容易にするために、様々な製剤が開発されている。例えば、オリゴヌクレオチドは、分解を最小限に抑え、送達及び/又は取り込みを容易にし、又は製剤中のオリゴヌクレオチドに別の有益な特性を提供する製剤を使用して、対象又は細胞環境に送達され得る。
【0261】
HBV抗原(例えば、HBsAg)の発現を減少させることができる本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドが本明細書で提供される。本発明は、本明細書に記載のオリゴヌクレオチド及び薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物を提供し得る。そのような組成物は、標的細胞の直接環境又は全身のいずれかで対象に投与された場合、オリゴヌクレオチドの十分な部分が細胞に入り、HBV抗原発現を減少させるように適切に製剤化することができる。本明細書に開示されるHBV抗原の減少のためのオリゴヌクレオチドを送達するために、様々な適切なオリゴヌクレオチド製剤のいずれかを使用することができる。本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、リン酸緩衝生理食塩水などの緩衝液、リポソーム、ミセル構造及びキャプシド中に製剤化され得る。
【0262】
カチオン性脂質を有するオリゴヌクレオチドの製剤を使用して、細胞へのオリゴヌクレオチドのトランスフェクションを容易にすることができる。例えば、カチオン性脂質、例えば、リポフェクチン、カチオン性グリセロール誘導体及びポリカチオン性分子(例えば、ポリリジン)を使用することができる。適切な脂質には、オリゴフェクトアミン、リポフェクトアミン(Life Technologies)、NC388(Ribozyme Pharmaceuticals,Inc.,Boulder,Colo.)、又はFuGene 6(Roche)が含まれ、これらは全て製造業者の指示に従って使用することができる。
【0263】
薬学的に許容され得る賦形剤は、リン酸緩衝生理食塩水、リポソーム、ミセル構造及びキャプシドなどの緩衝液であり得る。
【0264】
製剤は、脂質ナノ粒子を含み得る。薬学的に許容され得る賦形剤は、リポソーム、脂質、脂質複合体、ミクロスフェア、微粒子、ナノスフェア若しくはナノ粒子を含み得るか、又はそれを必要とする対象の細胞、組織、器官若しくは身体への投与のために他の方法で製剤化され得る(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd edition,Pharmaceutical Press,2013を参照のこと)。
【0265】
本明細書に開示される製剤は、薬学的に許容され得る賦形剤を含み得る。薬学的に許容され得る賦形剤は、活性成分の改善された安定性、改善された吸収、改善された溶解度及び/又は治療強化を組成物に与え得る。薬学的に許容され得る賦形剤は、緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、トリス塩基、又は水酸化ナトリウム)又はビヒクル(例えば、緩衝溶液、ワセリン、ジメチルスルホキシド、又は鉱油)であり得る。使用のためのオリゴヌクレオチドは、その貯蔵寿命を延ばすために凍結乾燥され、次いで、使用(例えば、対象への投与)前に溶液にされ得る。したがって、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドのいずれか1つを含む組成物中の薬学的に許容され得る賦形剤は、凍結保護剤(例えば、マンニトール、ラクトース、ポリエチレングリコール、又はポリビニルピロリドン)又は崩壊温度調整剤(例えば、デキストラン、フィコール又はゼラチン)であり得る。
【0266】
医薬組成物は、その意図された投与経路と適合するように製剤化される。投与経路の例としては、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜及び直腸投与が挙げられる。
【0267】
注射用途に適した医薬組成物には、滅菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液、及び滅菌注射液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれる。静脈内投与の場合、適切な薬学的に許容され得る担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL.TM.(BASF,Parsippany,N.J.)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。薬学的に許容され得る担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)及びそれらの適切な混合物を含有する溶媒又は分散媒であり得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖、多価アルコール、例えば、マンニトール、ソルビトール、及び塩化ナトリウムを組成物に含むことが好ましい。滅菌注射溶液は、必要に応じて、上に列挙した成分の1つ又は組み合わせを含む選択された溶媒中に必要量のオリゴヌクレオチドを組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。
【0268】
組成物は、少なくとも約0.1%以上の治療剤(例えば、HBV抗原発現を減少させるためのオリゴヌクレオチド)を含有し得るが、1つ又は複数の活性成分のパーセンテージは、全組成物の重量又は体積の約1%~約80%以上であり得る。溶解度、バイオアベイラビリティ、生物学的半減期、投与経路、製品貯蔵寿命、並びに他の薬理学的考慮事項などの要因は、そのような医薬製剤を調製する当業者によって企図され、したがって、様々な投与量及び処置レジメンが望ましい場合がある。
【0269】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドのいずれかの肝臓標的化送達を対象としているが、他の組織の標的化も企図される。
【0270】
V.使用方法
HBsAg発現の減少
いくつかの実施形態では、HBsAgの発現を減少させる目的で、本発明に従って使用するための有効量のオリゴヌクレオチドのいずれか1つを細胞に送達する方法が提供される。本明細書で提供される方法は、任意の適切な細胞型において有用である。細胞は、HBV抗原を発現する任意の細胞(例えば、肝細胞、マクロファージ、単球由来細胞、前立腺癌細胞、脳の細胞、内分泌組織、骨髄、リンパ節、肺、胆嚢、肝臓、十二指腸、小腸、膵臓、腎臓、消化管、膀胱、脂肪及び軟部組織並びに皮膚)であり得る。細胞は、対象から得られた初代細胞であってもよく、限定された数の継代を受けていてもよく、その結果、細胞はその天然の表現型特性を実質的に維持する。オリゴヌクレオチドが送達される細胞は、エクスビボ又はインビトロであり得る(すなわち、培養中の細胞又は細胞が存在する生物に送達することができる)。肝細胞においてのみHBsAgの発現を減少させる目的で、本明細書に開示される有効量のオリゴヌクレオチドのいずれか1つを細胞に送達する方法も提供され得る。
【0271】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、適切な核酸送達方法を使用して導入することができ、この方法には、オリゴヌクレオチドを含有する溶液の注入、オリゴヌクレオチドによって覆われた粒子による衝撃、オリゴヌクレオチドを含有する溶液に細胞又は生物を曝露すること、又はオリゴヌクレオチドの存在下での細胞膜のエレクトロポレーションが含まれる。細胞にオリゴヌクレオチドを送達するための他の適切な方法、例えば脂質媒介キャリア輸送、化学媒介輸送、及びカチオン性リポソームトランスフェクション、例えばリン酸カルシウムなどを使用してもよい。
【0272】
阻害の結果は、細胞又は対象の1つ又は複数の特性を評価するための適切なアッセイによって、又はHBV抗原発現を示す分子(例えば、RNA、タンパク質)を評価する生化学的技術によって確認することができる。本明細書において提供されるオリゴヌクレオチドがHBV抗原の発現レベルを低下させる程度は、HBV抗原の発現レベル(例えば、mRNA又はタンパク質レベル)を適切な対照(例えば、オリゴヌクレオチドが送達されていないか、又は陰性対照が送達されている細胞又は細胞集団におけるHBV抗原発現のレベル)と比較することによって評価され得る。HBV抗原発現の適切な制御レベルは、制御レベルが毎回測定される必要がないように、所定のレベル又は値であり得る。所定のレベル又は値は、様々な形態をとることができる。所定のレベル又は値は、中央値又は平均値などの単一のカットオフ値であり得る。
【0273】
本発明に従って使用するためのオリゴヌクレオチドの投与は、細胞におけるHBV抗原(例えば、HBsAg)発現レベルの幻想をもたらし得る。HBV抗原発現レベルの低下は、HBV抗原の適切な対照レベルと比較して、1%以下、5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、30%以下、35%以下、40%以下、45%以下、50%以下、55%以下、60%以下、70%以下、80%以下、又は90%以下への低下であり得る。適切な対照レベルは、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドと接触していない細胞又は細胞集団におけるHBV抗原発現のレベルであり得る。本明細書に開示される方法による細胞へのオリゴヌクレオチドの送達の効果は、有限期間後に評価され得る。例えば、HBV抗原のレベルは、オリゴヌクレオチドを細胞に導入してから、少なくとも8時間、12時間、18時間、24時間、又は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、14、21、28、35、42、49、56、63、70、77、84、91、98、105、112、119、126、133、140、若しくは147日後に、細胞内で分析することができる。
【0274】
HBV抗原(例えば、HBsAg)発現レベルの低下は、投与後長期間持続し得る。HBsAg発現の検出可能な減少は、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドの投与後7~70日の期間内持続し得る。例えば、検出可能な減少は、オリゴヌクレオチドの投与後10~70、10~60、10~50、10~40、10~30、又は10~20日の期間内で持続し得る。検出可能な減少は、オリゴヌクレオチドの投与後20~70、20~60、20~50、20~40、又は20~30日の期間内持続し得る。検出可能な減少は、オリゴヌクレオチドの投与後30~70、30~60、30~50、又は30~40日の期間内持続し得る。検出可能な減少は、オリゴヌクレオチドの投与後40~70、40~60、40~50、50~70、50~60、60~70日の期間内持続し得る。
【0275】
HBsAg発現の検出可能な減少は、本明細書に記載の使用のためのオリゴヌクレオチドの投与後2~21週間の期間内持続し得る。例えば、検出可能な減少は、オリゴヌクレオチドの投与後2~20、4~20、6~20、8~20、10~20、12~20、14~20、16~20、又は18~20週間の期間内で持続し得る。検出可能な減少は、オリゴヌクレオチドの投与後2~16、4~16、6~16、8~16、10~16、12~16、又は14~16週間の期間内持続し得る。検出可能な減少は、オリゴヌクレオチドの投与後2~12、4~12、6~12、8~12、又は10~12週間の期間内持続し得る。検出可能な減少は、オリゴヌクレオチドの投与後2~10、4~10、6~10、又は8~10週間の期間内持続し得る。
【0276】
処置方法に使用するためのオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド(例えば、そのセンス鎖及びアンチセンス鎖)を細胞内で発現するように操作された導入遺伝子の形態で送達され得る。オリゴヌクレオチドは、本明細書に開示される任意のオリゴヌクレオチドを発現するように操作された導入遺伝子を使用して送達され得る。導入遺伝子は、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、アデノ随伴ウイルス又は単純ヘルペスウイルス)又は非ウイルスベクター(例えば、プラスミド又は合成mRNA)を使用して送達され得る。導入遺伝子は、対象に直接注射され得る。
【0277】
処置方法
HBVの処置の主な目的は、HBV複製を永続的に抑制し、肝疾患を改善することである。臨床的に重要な短期目標は、HBeAg-セロコンバージョン、血清ALT及びASTの正常化、肝臓炎症の消散を達成し、肝臓代償不全を予防することである。処置の最終目標は、肝硬変、肝臓癌の発症を予防し、生存期間を延長するための永続的応答を達成することである。他の処置によれば、感染した肝細胞の核内の特定の形態のウイルス共有結合閉環状DNA(ccc HBV DNA)が持続するため、HBV感染を完全に根絶することはできない。しかしながら、血清HBsAgの処置誘発性クリアランスは、慢性HBV感染の終結のマーカーであり、最良の長期成果と関連している。
【0278】
本発明は、対象におけるHBsAg発現を減少させる(例えば、HBsAgタンパク質発現を減少させる)方法に関するものであり得る。本方法は、有効量の本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドのいずれか1つを、それを必要とする対象に投与することを含み得る。本開示は、HBV感染のリスクがある(又は感受性がある)対象及び/又はHBV感染に関連する疾患若しくは障害を処置する予防的及び治療的方法の両方を提供する。
【0279】
本発明は、対象におけるB型肝炎ウイルス感染又はB型肝炎ウイルス感染に関連する疾患若しくは障害を処置するための方法であって、治療有効量の本明細書に記載のオリゴヌクレオチド若しくはその薬学的に許容され得る塩又はその医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供し得る。
【0280】
本発明は、B型肝炎ウイルスに感染した対象においてセロコンバージョンを促進するための方法であって、治療有効量の本明細書に記載のオリゴヌクレオチド若しくはその薬学的に許容され得る塩又はその医薬組成物を対象に投与すること;及び哺乳動物の血清試料中のHBeAg+HbeAbの存在及び/又はHbsAgの存在についてモニタリングすること、を含み;市販のELISAシステムの現在利用可能な検出限界によって決定されるセロコンバージョンの決定因子としてHBeAgをモニタリングする場合は血清試料中のHBeAgの非存在+HBeAbの存在、又はセロコンバージョンの決定因子としてHBsAgをモニタリングする場合は血清試料中のHBsAgの非存在が、哺乳動物におけるセロコンバージョン又はPHBVの発生の指標である、方法を提供し得る。
【0281】
本発明は、対象におけるB型肝炎ウイルスに感染した対象におけるHBV DNAの量を減少させるための方法であって、治療有効量の本明細書に記載のオリゴヌクレオチド若しくはその薬学的に許容され得る塩又はその医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供し得る。
【0282】
本発明は、HBVに対するPHBVセロコンバージョン事象を誘導するための方法であって、治療有効量の本明細書に記載のオリゴヌクレオチド若しくはその薬学的に許容され得る塩又はその医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供し得る。
【0283】
本明細書に記載の処置方法によれば、HBV抗原HBsAgを減少させることができる。HBV抗原HBeAgが減少し得る。HBV抗原の存在は、市販のELISAシステムの現在利用可能な検出限界によって決定されるように、セロコンバージョンをもたらすために十分に減少され得、これは、セロコンバージョンの決定因子としてHBeAgをモニタリングする場合は血清HBeAg非存在+血清HBeAb存在として定義され、又はセロコンバージョンの決定因子としてHBsAgをモニタリングする場合は血清HBsAg非存在として定義される。
【0284】
本明細書に記載の処置方法によれば、HBV DNAの量は、本明細書に記載のオリゴヌクレオチド若しくはその薬学的に許容され得る塩又は医薬組成物の投与前の量と比較して90%減少し得る。
【0285】
本明細書に記載の処置方法によれば、HBVウイルス量は、対象において減少し得る。HBVウイルス量は、対象において抑制され得る。
【0286】
本明細書に記載の処置方法によれば、対象はNUC未経験患者である。
【0287】
本明細書に記載の処置方法によれば、処置される対象はヒトである。
VI.番号付けされた実施形態
1.アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドであって、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法に使用するためのものであり、
前記方法が、皮下経路を介して患者に約0.1mg/kg~約12mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩。
2.アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドであって、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法に使用するためのものであり、
前記方法が、皮下経路を介して患者に約6mg~約800mgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、オリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩。
3.B型肝炎又はHBV感染が、慢性B型肝炎又は慢性HBV感染である、実施形態1又は実施形態2に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
4.オリゴヌクレオチドが皮下注射によって投与される、実施形態1~3のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
5.初期用量が約0.5mg/kg~約10mg/kgである、実施形態1又は3~4のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
6.初期用量が約1.5mg/kg~約6mg/kgである、実施形態1又は3~5のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
7.初期用量が約1.5mg/kgである、実施形態1又は3~6のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
8.初期用量が約3mg/kgである、実施形態1又は3~6のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
9.初期用量が約6mg/kgである、実施形態1又は3~6のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
10.初期用量が約34mg~約667mgである、実施形態2~4のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
11.初期用量が約100mg~約400mgである、実施形態2~4又は10のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
12.初期用量が約100mgである、実施形態2~4又は10~11のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
13.初期用量が約200mgである、実施形態2~4又は10~11のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
14.初期用量が約400mgである、実施形態2~4又は10~11のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
15.初期用量が、単回用量であるか、又は投与される唯一の用量である、実施形態1~14のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
16.方法が、オリゴヌクレオチドを投与することからなるか、又は本質的にそれからなる、実施形態1~15のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
17.方法が、他の抗HBV剤を除外して、オリゴヌクレオチドを投与することを含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなる、実施形態1~16のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
18.方法が、オリゴヌクレオチドの単回用量を投与することを含む、実施形態1~17のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
19.方法が、単回用量のオリゴヌクレオチドを投与することからなるか、又は本質的にそれからなる、実施形態1~18のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
20.B型肝炎又はHBV感染の処置が、オリゴヌクレオチドの前記初期用量、前記一用量又は前記単回用量の前記投与によって提供される、実施形態1~19のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
21.約0.1mg/kg~約12mg/kgである量のオリゴヌクレオチドの1つ又は複数の後続用量を患者に投与することをさらに含む、実施形態1、3~9又は15~17のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
22.1つ又は複数の後続用量が約0.5mg/kg~約10mg/kgである、実施形態21に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
23.1つ又は複数の後続用量が約1.5mg/kg~約6mg/kgである、実施形態21又は実施形態22に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
24.1つ又は複数の後続用量が約1.5mg/kgである、実施形態21~23のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
25.1つ又は複数の後続用量が約3mg/kgである、実施形態21~23のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
26.1つ又は複数の後続用量が約6mg/kgである、実施形態21~23のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
27.初期用量及び後続用量のそれぞれの量が同じであるか、又は異なり、約1.5mg/kg、約3mg/kg及び約6mg/kgからなる群から独立して選択される、実施形態21~26のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
28.約6mg~約800mgである量のオリゴヌクレオチドの1つ又は複数の後続用量を患者に投与することをさらに含む、実施形態2~4又は10~17のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
29.1つ又は複数の後続用量が約34mg~約667mgである、実施形態28に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
30.1つ又は複数の後続用量が約100mg~約400mgである、実施形態28又は実施形態29に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
31.1つ又は複数の後続用量が約100mgである、実施形態28~30のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
32.1つ又は複数の後続用量が約200mgである、実施形態28~30のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
33.1つ又は複数の後続用量が約400mgである、実施形態28~30のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
34.初期用量及び後続用量のそれぞれの量が同じであるか、又は異なり、約100mg、約200mg及び約400mgからなる群から独立して選択される、実施形態28~33のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
35.用量が、少なくとも約4週間、互いに時間的に分離されている、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
36.用量が、少なくとも約1ヶ月、互いに時間的に分離されている、実施形態21~35のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
37.用量が、少なくとも約2ヶ月、互いに時間的に分離されている、実施形態21~36のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
38.用量が、少なくとも約3ヶ月、互いに時間的に分離されている、実施形態21~37のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
39.用量が、少なくとも約6ヶ月、互いに時間的に分離されている、実施形態21~38のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
40.各用量が同じであり、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択される、実施形態35~39のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
41.各用量が同じであり、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択される、実施形態35~39のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
42.用量が、約4週間、互いに時間的に分離され、約48週間の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
43.用量が、約1ヶ月、互いに時間的に分離され、約48週間の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
44.用量が、約2ヶ月、互いに時間的に分離され、約48週間の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
45.用量が、約3ヶ月、互いに時間的に分離され、約48週間の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
46.用量が、約4週間、互いに時間的に分離され、約24週間の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
47.用量が、約1ヶ月、互いに時間的に分離され、約24週間の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
48.用量が、約2ヶ月、互いに時間的に分離され、約24週間の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
49.用量が、約3ヶ月、互いに時間的に分離され、約24週間の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
50.用量が、約4週間、互いに時間的に分離され、約3ヶ月の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
51.用量が、約1ヶ月、互いに時間的に分離され、約3ヶ月の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
52.用量が、約4週間、互いに時間的に分離され、約12週間の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
53.用量が、約1ヶ月、互いに時間的に分離され、約12週間の期間にわたって投与される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
54.各用量が同じであり、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択される、実施形態42~53のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
55.各用量が同じであり、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択される、実施形態42~53のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
56.用量がそれぞれ約4週間~約1ヶ月の期間、時間的に分離されている、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
57.用量がそれぞれ約4週間~約2ヶ月、例えば約1ヶ月~約2ヶ月の期間、時間的に分離されている、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
58.用量がそれぞれ約4週間~約3ヶ月、例えば約1ヶ月~約3ヶ月、例えば約2ヶ月~約3ヶ月の期間、時間的に分離されている、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
59.用量がそれぞれ約4週間~約6ヶ月、例えば約1ヶ月~約6ヶ月、例えば約2ヶ月~約6ヶ月、例えば約3ヶ月~約6ヶ月の期間、時間的に分離されている、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
60.用量の各々の間の期間が、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月又は約6ヶ月からなる群から独立して選択される、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
61.用量の各々の間の期間が、表1のレジメンのいずれか1つに示されるとおりである、実施形態21~34のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
62.各用量が同じであり、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択される、実施形態56~61のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
63.各用量が同じであり、約100mg、約200mg又は約400mgの量から選択される、実施形態56~61のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
64.少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回又は少なくとも4回の後続用量を患者に投与することを含む、実施形態21~63のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
65.前記方法が、好ましくは約3ヶ月~約6ヶ月の処置休日を含む、実施形態1~17又は21~64のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
66.初期用量及び1~10回、好ましくは3回の後続用量のそれぞれの間の期間は、少なくとも約4週間であり、方法は、約3ヶ月~約6ヶ月の処置休日をさらに含み、その後、オリゴヌクレオチドの投与が再開される、実施形態21~65のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
67.推奨される投与は、1~10回、好ましくは3回の後続用量を含み、好ましくは、各推奨される後続用量は、少なくとも約4週間の期間、分離されている、実施形態66に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
68.患者が処置未経験である、実施形態1~67のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
69.患者が抗ウイルス処置未経験であるか、又は患者が抗ウイルス療法で以前に処置されていない、実施形態1~67のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
70.抗ウイルス療法が抗HBV療法である、実施形態69に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
71.患者が少なくとも約6ヶ月の期間、抗ウイルス療法で以前に処置されていない、実施形態68又は実施形態69に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
72.抗ウイルス療法が、ヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)又はインターフェロン含有薬剤である、実施形態69~71のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
73.患者がヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)抑制である、実施形態1~67のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
74.患者が免疫活性である、実施形態1~67のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
75.患者が肝硬変である、実施形態1~67のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
76.患者が免疫耐性である、実施形態1~67のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
77.患者が不活性キャリアである、実施形態1~67のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
78.患者がHBeAg陽性である、実施形態68~76のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
79.患者がHBeAg陰性である、実施形態68~75又は77のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
80.患者がHBVデルタ共感染である、実施形態1~67のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
81.抗ウイルス療法が、インターフェロン、リバビリン、HBV RNA複製阻害剤、第2のアンチセンスオリゴマー、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、ラミブジン(3TC)、エンテカビル、テノホビル、テルビブジン(LdT)、アデホビル、HBV抗体療法(モノクローナル又はポリクローナル)、抗PDL1/PD1モノクローナル抗体、抗PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLR7アゴニスト、及びCpAMのうちの1つ又は複数である、実施形態68~71のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
82.抗ウイルス療法が、エンテカビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質、テノホビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質である、実施形態68~72又は81のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
83.オリゴヌクレオチドが単剤療法として投与される、実施形態1~82のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
84.方法が、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を投与することをさらに含む、実施形態1~82のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
85.追加の治療剤が抗ウイルス剤である、実施形態84に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
86.抗ウイルス剤が追加の抗HBV剤である、実施形態85に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
87.抗ウイルス剤が、インターフェロン、リバビリン、HBV RNA複製阻害剤、第2のアンチセンスオリゴマー、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、ラミブジン(3TC)、エンテカビル、テノホビル、テルビブジン(LdT)、アデホビル、HBV抗体療法(モノクローナル又はポリクローナル)、抗PDL1/PD1モノクローナル抗体、抗PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLR7アゴニスト、及びCpAMのうちの1つ又は複数である、実施形態85に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
88.抗ウイルス剤がヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)である、実施形態85に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
89.抗ウイルス剤が、エンテカビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質、テノホビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質である、実施形態88に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
90.追加の治療剤が、オリゴヌクレオチドと同じ又は異なる投薬レジメンに従って投与される、実施形態84~89のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
91.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤が、単一の製剤で一緒に、又は異なる製剤で別々に投与される、実施形態84~90のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
92.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤が同時に投与される、実施形態84~91のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
93.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤が逐次投与される、実施形態84~91のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
94.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤の投与の間の期間は、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約12週間、約3ヶ月、約24週間又は約6ヶ月、好ましくは約12週間である、実施形態93に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
95.方法が、単剤療法導入段階を含み、オリゴヌクレオチドの1つ又は複数の用量が、任意の追加の治療剤の第1の用量の前に投与される、実施形態84~91、93又は94のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
96.方法が、単剤療法導入段階を含み、オリゴヌクレオチド又は医薬組成物の1つ又は複数の用量が、追加の治療剤の第2の用量の前に投与される、実施形態84~91、93又は94のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
97.同じ日に投与される場合、オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤は、少なくとも1回同時に投与される、実施形態84~92に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
98.同じ日に投与される場合、オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤は、少なくとも1回逐次投与される、実施形態84~91又は93~96のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
99.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤が、単一の組み合わせ製剤で一緒に投与される、実施形態84~92のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
100.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤が、異なる製剤で別々に投与される、実施形態84~99のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
101.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約1.5mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約1.5mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態1~9、15~17及び21~27、35~40、42~54、56~62、64~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
102.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約3mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約3mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態1、3~9、15~17及び21~27、35~40、42~54、56~62、64~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
103.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、約6mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、約6mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態1、3~9、15~17及び21~27、35~40、42~54、56~62、64~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
104.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約1.5mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態1、3~9、15~17及び21~27、35~40、42~54、56~62、64~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
105.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約3mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態1、3~9、15~17及び21~27、35~40、42~54、56~62、64~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
106.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約6mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態1、3~9、15~17及び21~27、35~40、42~54、56~62、64~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
107.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約1.5mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態1、3~9、15~17及び21~27、35~40、42~54、56~62、64~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
108.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約3mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態1、3~9、15~17及び21~27、35~40、42~54、56~62、64~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
109.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約6mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態1、3~9、15~17及び21~27、35~40、42~54、56~62、64~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
110.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、90又は100mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、90又は100mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態2~4、10~17及び28~39、41~53、55~61、63~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
111.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、200又は210mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、200又は210mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態2~4、10~17及び28~39、41~53、55~61、63~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
112.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、360又は400mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、360又は400mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態2~4、10~17及び28~39、41~53、55~61、63~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
113.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約90又は100mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態2~4、10~17及び28~39、41~53、55~61、63~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
114.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約200又は210mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態2~4、10~17及び28~39、41~53、55~61、63~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
115.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約360又は400mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態2~4、10~17及び28~39、41~53、55~61、63~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
116.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約90又は100mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態2~4、10~17及び28~39、41~53、55~61、63~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
117.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約200又は210mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態2~4、10~17及び28~39、41~53、55~61、63~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
118.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約360又は400mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態2~4、10~17及び28~39、41~53、55~61、63~100のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
119.方法が、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含み、抗ウイルス剤がオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である、実施形態101~118のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
120.B型肝炎ウイルスが以下のヒト地理的遺伝子型のいずれかから選択される、実施形態1~119のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド:A(北西ヨーロッパ、北米、中央アメリカ);B(インドネシア、中国、ベトナム);C(東アジア、韓国、中国、日本、ポリネジア、ベトナム);D(地中海地域、中東、インド);E(アフリカ);F(ネイティブアメリカン、ポリネジア);G(米国、フランス);又はH(中央アメリカ)。
121.実施形態1~120のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドが、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含み、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間の1つのホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々は、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;-GAAA-配列は、構造:
【化13】
を含み、及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間の5つのホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドは、以下の構造:
【化14】
を有している、オリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容され得る塩。
122.オリゴヌクレオチドが、薬学的に許容され得る塩の形態である、実施形態1~121のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
123.薬学的に許容され得る塩がナトリウム塩である、実施形態122に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
124.薬学的に許容され得る塩がカリウム塩である、実施形態122に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
125.オリゴヌクレオチドの薬学的に許容され得る塩が、図2A又は図2Bに示されるとおりである、実施形態122に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
126.実施形態1~125のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩と、実施形態1~125のいずれか一つに記載の使用のための薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントとを含む医薬組成物。
127.薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントが生理食塩水を含む、実施形態126に記載の使用のための医薬組成物。
128.生理食塩水がリン酸緩衝生理食塩水である、実施形態127に記載の使用のための医薬組成物。
129.薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントが水、例えば注射用水である、実施形態126に記載の使用のための医薬組成物。
130.オリゴヌクレオチドの投与が、以下のうちの1つ又は複数によって測定される臨床的有用性を提供する、実施形態96~99のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド:
(a)HBsAgレベルの減少、好ましくは少なくとも1logの減少;
(b)初期用量の少なくとも50日後に決定されるHBsAgレベルの少なくとも1logの減少;
(c)HBV DNAレベルの減少、好ましくは少なくとも2logの減少;
(d)初期用量の少なくとも25日後に決定されるHBV DNAレベルの少なくとも2logの減少;
(e)HBV DNAレベルの90%の減少;
(f)HBcrAgレベルの減少、好ましくは少なくとも1logの減少;
(g)初期用量の少なくとも25日後に決定されるHBcrAgレベルの少なくとも1logの減少;
(h)HBeAgレベルの減少、好ましくは少なくとも1logの減少;
(i)初期用量の少なくとも50日後に決定されるHBcrAgレベルの少なくとも1logの減少;
(j)HBV抗原の存在は、市販のELISAシステムの現在利用可能な検出限界によって決定されるように、セロコンバージョンをもたらすために十分に減少し、これは、セロコンバージョンの決定因子としてHBeAgをモニタリングする場合は血清HBeAg非存在+血清HBeAb存在として定義され、又はセロコンバージョンの決定因子としてHBsAgをモニタリングする場合は血清HBsAg非存在として定義される;
(k)HBV抗原の存在は、市販のELISAシステムの現在利用可能な検出限界によって決定されるように、PHBVをもたらすために十分に減少し、これは、セロコンバージョンの決定因子としてHBeAgをモニタリングする場合は血清HBeAg非存在+血清HBeAb存在として定義され、又はPHBVの決定因子としてHBsAgをモニタリングする場合は血清HBsAg非存在として定義される;
(l)ALTレベルの少なくとも3倍の増加;
(m)初期用量後、約20~約70日の間に決定されるALTレベルの少なくとも3倍の増加;
(n)T細胞応答などの宿主媒介性細胞媒介性免疫応答の誘導;
(o)初期用量後の任意の時点で決定されるアルブミン及びビリルビンのレベルの有意な変化が実質的にない;
(p)患者リバウンドの欠如。
131.方法が、患者から得られた試料中のバイオマーカー、例えばHBsAg、HBeAg又はHbcrAgのレベルを決定する工程をさらに含む、実施形態1~130のいずれか一つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
132.決定する工程が、処置休日中に行われる、実施形態131に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
133.決定する工程の後に、オリゴヌクレオチドの1つ又は複数のさらなる用量を投与する工程を含む、実施形態131又は132に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド。
134.ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法であって、方法が、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドを患者に投与することを含み、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
方法が、皮下経路を介して患者に約0.1mg/kg~約12mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、方法。
135.ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法であって、方法が、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドを患者に投与することを含み、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
方法が、皮下経路を介して患者に約6mg~約800mgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、方法。
136.B型肝炎又はHBV感染が、慢性B型肝炎又は慢性HBV感染である、実施形態134又は実施形態135に記載の方法。
137.オリゴヌクレオチドが皮下注射によって投与される、実施形態134~136のいずれか一つに記載の方法。
138.初期用量が約0.5mg/kg~約10mg/kgである、実施形態134又は136~137のいずれか一つに記載の方法。
139.初期用量が約1.5mg/kg~約6mg/kgである、実施形態134又は136~138のいずれか一つに記載の方法。
140.初期用量が約1.5mg/kgである、実施形態134又は136~139のいずれか一つに記載の方法。
141.初期用量が約3mg/kgである、実施形態134又は136~139のいずれか一つに記載の方法。
142.初期用量が約6mg/kgである、実施形態134又は136~139のいずれか一つに記載の方法。
143.初期用量が約34mg~約667mgである、実施形態135~137のいずれか一つに記載の方法。
144.初期用量が約100mg~約400mgである、実施形態135~137又は143のいずれか一つに記載の方法。
145.初期用量が約100mgである、実施形態135~137又は143~144のいずれか一つに記載の方法。
146.初期用量が約200mgである、実施形態135~137又は143~144のいずれか一つに記載の方法。
147.初期用量が約400mgである、実施形態135~137又は143~144のいずれか一つに記載の方法。
148.初期用量が、単回用量であるか、又は投与される唯一の用量である、実施形態134~147のいずれか一つに記載の方法。
149.オリゴヌクレオチドを投与することからなる、実施形態134~148のいずれか一つに記載の方法。
150.他の抗HBV剤を除外して、オリゴヌクレオチドを投与することを含む又はそれからなる、実施形態134~149のいずれか一つに記載の方法。
151.オリゴヌクレオチドの単回用量を投与することを含む、実施形態134~150のいずれか一つに記載の方法。
152.オリゴヌクレオチドの単回用量を投与することからなる、実施形態134~151のいずれか一つに記載の方法。
153.B型肝炎又はHBV感染の処置が、オリゴヌクレオチドの前記初期用量、前記一用量又は前記単回用量の前記投与によって提供される、実施形態134~152のいずれか一つに記載の方法。
154.約0.1mg/kg~約12mg/kgである量のオリゴヌクレオチドの1つ又は複数の後続用量を患者に投与することをさらに含む、実施形態134、136~142又は148~150のいずれか一つに記載の方法。
155.1つ又は複数の後続用量が約0.5mg/kg~約10mg/kgである、実施形態154に記載の方法。
156.1つ又は複数の後続用量が約1.5mg/kg~約6mg/kgである、実施形態154又は実施形態155に記載の方法。
157.1つ又は複数の後続用量が約1.5mg/kgである、実施形態154~156のいずれか一つに記載の方法。
158.1つ又は複数の後続用量が約3mg/kgである、実施形態154~156のいずれか一つに記載の方法。
159.1つ又は複数の後続用量が約6mg/kgである、実施形態154~156のいずれか一つに記載の方法。
160.初期用量及び後続用量のそれぞれの量が同じであるか、又は異なり、約1.5mg/kg、約3mg/kg及び約6mg/kgからなる群から独立して選択される、実施形態154~159のいずれか一つに記載の方法。
161.約6mg~約800mgである量のオリゴヌクレオチドの1つ又は複数の後続用量を患者に投与することをさらに含む、実施形態135~137又は143~150のいずれか一つに記載の方法。
162.1つ又は複数の後続用量が約34mg~約667mgである、実施形態161に記載の方法。
163.1つ又は複数の後続用量が約100mg~約400mgである、実施形態161又は実施形態162に記載の方法。
164.1つ又は複数の後続用量が約100mgである、実施形態161~163のいずれか一つに記載の方法。
165.1つ又は複数の後続用量が約200mgである、実施形態161~163のいずれか一つに記載の方法。
166.1つ又は複数の後続用量が約400mgである、実施形態161~163のいずれか一つに記載の方法。
167.初期用量及び後続用量のそれぞれの量が同じであるか、又は異なり、約100mg、約200mg及び約400mgからなる群から独立して選択される、実施形態161~166のいずれか一つに記載の方法。
168.用量が、少なくとも約4週間、互いに時間的に分離されている、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
169.用量が、少なくとも約1ヶ月、互いに時間的に分離されている、実施形態154~168のいずれか一つに記載の方法。
170.用量が、少なくとも約2ヶ月、互いに時間的に分離されている、実施形態154~169のいずれか一つに記載の方法。
171.用量が、少なくとも約3ヶ月、互いに時間的に分離されている、実施形態154~170のいずれか一つに記載の方法。
172.用量が、少なくとも約6ヶ月、互いに時間的に分離されている、実施形態154~171のいずれか一つに記載の方法。
173.各用量が同じであり、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択される、実施形態168~172のいずれか一つに記載の方法。
174.各用量が同じであり、約100mg、約200mg 又は約400mgの量から選択される、実施形態168~172のいずれか一つに記載の方法。
175.用量が、約4週間、互いに時間的に分離され、約48週間の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
176.用量が、約1ヶ月、互いに時間的に分離され、約48週間の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
177.用量が、約2ヶ月、互いに時間的に分離され、約48週間の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
178.用量が、約3ヶ月、互いに時間的に分離され、約48週間の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
179.用量が、約4週間、互いに時間的に分離され、約24週間の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
180.用量が、約1ヶ月、互いに時間的に分離され、約24週間の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
181.用量が、約2ヶ月、互いに時間的に分離され、約24週間の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
182.用量が、約3ヶ月、互いに時間的に分離され、約24週間の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
183.用量が、約4週間、互いに時間的に分離され、約3ヶ月の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
184.用量が、約1ヶ月、互いに時間的に分離され、約3ヶ月の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
185.用量が、約4週間、互いに時間的に分離され、約12週間の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
186.用量が、約1ヶ月、互いに時間的に分離され、約12週間の期間にわたって投与される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
187.各用量が同じであり、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択される、実施形態175~186のいずれか一つに記載の方法。
188.各用量が同じであり、約100mg、約200mg 又は約400mgの量から選択される、実施形態175~186のいずれか一つに記載の方法。
189.用量がそれぞれ約4週間~約1ヶ月の期間、時間的に分離されている、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
190.用量がそれぞれ約4週間~約2ヶ月、例えば約1ヶ月~約2ヶ月の期間、時間的に分離されている、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
191.用量がそれぞれ約4週間~約3ヶ月、例えば約1ヶ月~約3ヶ月、例えば約2ヶ月~約3ヶ月の期間、時間的に分離されている、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
192.用量がそれぞれ約4週間~約6ヶ月、例えば約1ヶ月~約6ヶ月、例えば約2ヶ月~約6ヶ月、例えば約3ヶ月~約6ヶ月の期間、時間的に分離されている、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
193.用量の各々の間の期間が、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月又は約6ヶ月からなる群から独立して選択される、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
194.用量の各々の間の期間が、表1のレジメンのいずれか1つに示されるとおりである、実施形態154~167のいずれか一つに記載の方法。
195.各用量が同じであり、約1.5mg/kg、約3mg/kg又は約6mg/kgの量から選択される、実施形態189~194のいずれか一つに記載の方法。
196.各用量が同じであり、約100mg、約200mg 又は約400mgの量から選択される、実施形態189~194のいずれか一つに記載の方法。
197.少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回又は少なくとも4回の後続用量を患者に投与することを含む、実施形態154~196のいずれか一つに記載の方法。
198.前記方法が、好ましくは約3ヶ月~約6ヶ月の処置休日を含む、実施形態134~150又は154~197のいずれか一つに記載の方法。
199.初期用量及び1~10回、好ましくは3回の後続用量のそれぞれの間の期間は、少なくとも約4週間であり、方法は、約3ヶ月~約6ヶ月の処置休日をさらに含み、その後、オリゴヌクレオチドの投与が再開される、実施形態154~198のいずれか一つに記載の方法。
200.推奨される投与は、1~10回、好ましくは3回の後続用量を含み、好ましくは、各推奨される後続用量は、少なくとも約4週間の期間、分離されている、実施形態199に記載の方法。
201.患者が処置未経験である、実施形態134~200のいずれか一つに記載の方法。
202.患者が抗ウイルス処置未経験であるか、又は患者が抗ウイルス療法で以前に処置されていない、実施形態134~200のいずれか一つに記載の方法。
203.抗ウイルス療法が抗HBV療法である、実施形態202に記載の方法。
204.患者が少なくとも約6ヶ月の期間、抗ウイルス療法で以前に処置されていない、実施形態201又は実施形態202に記載の方法。
205.抗ウイルス療法が、ヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)又はインターフェロン含有薬剤である、実施形態202~204のいずれか一つに記載の方法。
206.患者がヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)抑制である、実施形態134~200のいずれか一つに記載の方法。
207.患者が免疫活性である、実施形態134~200のいずれか一つに記載の方法。
208.患者が肝硬変である、実施形態134~200のいずれか一つに記載の方法。
209.患者が免疫寛容性である、実施形態134~200のいずれか一つに記載の方法。
210.患者が不活性キャリアである、実施形態134~200のいずれか一つに記載の方法。
211.患者がHBeAg陽性である、実施形態201~209のいずれか一つに記載の方法。
212.患者がHBeAg陰性である、実施形態201~208又は210のいずれか一つに記載の方法。
213.患者がHBVデルタ共感染である、実施形態134~200のいずれか一つに記載の方法。
214.抗ウイルス療法が、インターフェロン、リバビリン、HBV RNA複製阻害剤、第2のアンチセンスオリゴマー、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、ラミブジン(3TC)、エンテカビル、テノホビル、テルビブジン(LdT)、アデホビル、HBV抗体療法(モノクローナル又はポリクローナル)、抗PDL1/PD1モノクローナル抗体、抗PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLR7アゴニスト、及びCpAMのうちの1つ又は複数である、実施形態201~204のいずれか一つに記載の方法。
215.抗ウイルス療法が、エンテカビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質、テノホビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質である、実施形態201~205又は14のいずれか一つに記載の方法。
216.オリゴヌクレオチドが単剤療法として投与される、実施形態134~215のいずれか一つに記載の方法。
217.方法が、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を投与することをさらに含む、実施形態134~215のいずれか一つに記載の方法。
218.追加の治療剤が抗ウイルス剤である、実施形態217に記載の方法。
219.抗ウイルス剤が追加の抗HBV剤である、実施形態218に記載の方法。
220.抗ウイルス剤が、インターフェロン、リバビリン、HBV RNA複製阻害剤、第2のアンチセンスオリゴマー、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、ラミブジン(3TC)、エンテカビル、テノホビル、テルビブジン(LdT)、アデホビル、HBV抗体療法(モノクローナル又はポリクローナル)、抗PDL1/PD1モノクローナル抗体、抗PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLR7アゴニスト、及びCpAMのうちの1つ又は複数である、実施形態218に記載の方法。
221.抗ウイルス剤がヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)である、実施形態218に記載の方法。
222.抗ウイルス剤が、エンテカビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質、テノホビル又はそのプロドラッグ又はその活性物質である、実施形態221に記載の方法。
223.追加の治療剤が、オリゴヌクレオチドと同じ又は異なる投薬レジメンに従って投与される、実施形態217~222のいずれか一つに記載の方法。
224.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤が、単一の製剤で一緒に、又は異なる製剤で別々に投与される、実施形態217~223のいずれか一つに記載の方法。
225.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤が同時に投与される、実施形態217~224のいずれか一つに記載の方法。
226.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤が逐次投与される、実施形態217~224のいずれか一つに記載の方法。
227.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤の投与の間の期間は、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約12週間、約3ヶ月、約24週間又は約6ヶ月、好ましくは約12週間である、実施形態226に記載の方法。
228.方法が、単剤療法導入段階を含み、オリゴヌクレオチドの1つ又は複数の用量が、任意の追加の治療剤の第1の用量の前に投与される、実施形態217~224、226又は227のいずれか一つに記載の方法。
229.方法が、単剤療法導入段階を含み、オリゴヌクレオチド又は医薬組成物の1つ又は複数の用量が、追加の治療剤の第2の用量の前に投与される、実施形態217~224、226又は227のいずれか一つに記載の方法。
230.同じ日に投与される場合、オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤は、少なくとも1回同時に投与される、実施形態217~225に記載の方法。
231.同じ日に投与される場合、オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤は、少なくとも1回逐次投与される、実施形態217~224又は226~229のいずれか一つに記載の方法。
232.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤が、単一の組み合わせ製剤で一緒に投与される、実施形態217~225のいずれか一つに記載の方法。
233.オリゴヌクレオチド及び追加の治療剤が、異なる製剤で別々に投与される、実施形態217~232のいずれか一つに記載の方法。
234.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、1.5mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、1.5mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態134~142、148~150、154~160、168~173、175~187、189~195、197~233のいずれか一つに記載の方法。
235.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、3mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、3mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態134、136~142、148~150、154~160、168~173、175~187、189~195、197~233のいずれか一つに記載の方法。
236.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、6mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、6mg/kgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態134、136~142、148~150、154~160、168~173、175~187、189~195、197~233のいずれか一つに記載の方法。
237.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約1.5mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態134、136~142、148~150、154~160、168~173、175~187、189~195、197~233のいずれか一つに記載の方法。
238.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約3mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態134、136~142、148~150、154~160、168~173、175~187、189~195、197~233のいずれか一つに記載の方法。
239.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約6mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態134、136~142、148~150、154~160、168~173、175~187、189~195、197~233のいずれか一つに記載の方法。
240.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約1.5mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態134、136~142、148~150、154~160、168~173、175~187、189~195、197~233のいずれか一つに記載の方法。
241.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約3mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態134、136~142、148~150、154~160、168~173、175~187、189~195、197~233のいずれか一つに記載の方法。
242.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約6mg/kgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態134、136~142、148~150、154~160、168~173、175~187、189~195、197~233のいずれか一つに記載の方法。
243.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、90又は100mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、90又は100mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態135~137、143~150、161~172、174~186、188~194、196~233のいずれか一つに記載の方法。
244.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、200又は210mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、200又は210mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態135~137、143~150、161~172、174~186、188~194、196~233のいずれか一つに記載の方法。
245.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、患者は、360又は400mgのオリゴヌクレオチドの初期用量が投与され、続いて、360又は400mgのオリゴヌクレオチドの3回の後続用量が投与され、用量は、約4週間の期間、互いに時間的に分離されている、実施形態135~137、143~150、161~172、174~186、188~194、196~233のいずれか一つに記載の方法。
246.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約90又は100mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態135~137、143~150、161~172、174~186、188~194、196~233のいずれか一つに記載の方法。
247.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約200又は210mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態135~137、143~150、161~172、174~186、188~194、196~233のいずれか一つに記載の方法。
248.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約360又は400mgの量のオリゴヌクレオチドの一用量の投与からなる、実施形態135~137、143~150、161~172、174~186、188~194、196~233のいずれか一つに記載の方法。
249.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約90又は100mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態135~137、143~150、161~172、174~186、188~194、196~233のいずれか一つに記載の方法。
250.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約200又は210mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態135~137、143~150、161~172、174~186、188~194、196~233のいずれか一つに記載の方法。
251.患者が抗ウイルス療法で以前に処置されておらず、方法が、約360又は400mgの量のオリゴヌクレオチドの単回用量の投与を含む、実施形態135~137、143~150、161~172、174~186、188~194、196~233のいずれか一つに記載の方法。
252.方法が、抗ウイルス剤、好ましくはヌクレオチ(シ)ド類似体(NUC)の投与をさらに含み、抗ウイルス剤がオリゴヌクレオチドに逐次投与され、好ましくはオリゴヌクレオチドと抗ウイルス剤の投与間の期間は約12週間である、実施形態234~251のいずれか一つに記載の方法。
253.B型肝炎ウイルスが以下のヒト地理的遺伝子型のいずれかから選択される、実施形態134~252のいずれか一つに記載の方法:A(北西ヨーロッパ、北米、中央アメリカ);B(インドネシア、中国、ベトナム);C(東アジア、韓国、中国、日本、ポリネジア、ベトナム);D(地中海地域、中東、インド);E(アフリカ);F(ネイティブアメリカン、ポリネジア);G(米国、フランス);又はH(中央アメリカ)。
254.実施形態134~253のいずれか一つに記載の方法であって、オリゴヌクレオチド二重さが、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含み、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間の1つのホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々は、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;-GAAA-配列は、構造:
【化15】
を含み、及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間の5つのホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドは、以下の構造:
【化16】
を有している、オリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容され得る塩である、方法。
255.オリゴヌクレオチドが、薬学的に許容され得る塩の形態である、実施形態134~254のいずれか一つに記載の方法。
256.薬学的に許容され得る塩がナトリウム塩である、実施形態255に記載の方法。
257.薬学的に許容され得る塩がカリウム塩である、実施形態255に記載の方法。
258.オリゴヌクレオチドの薬学的に許容され得る塩が、図2A又は図2Bに示されるとおりである、実施形態255に記載の方法。
259.ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための方法であって、実施形態1~125のいずれか一つのオリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容され得る塩と、薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントとを含む医薬組成物を患者に投与することを含み、約0.1mg/kg~約12mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量を皮下経路を介して患者に投与することを含む、方法。
260.薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントが生理食塩水を含む、実施形態259に記載の方法。
261.生理食塩水がリン酸緩衝生理食塩水である、実施形態260に記載の方法。
262.薬学的に許容され得る溶媒、担体、賦形剤、希釈剤又はアジュバントが水、例えば注射用水である、実施形態259に記載の方法。
263.オリゴヌクレオチドの投与が、以下のうちの1つ又は複数によって測定される臨床的有用性を提供する、実施形態229~232のいずれか一つに記載の方法:
(a)HBsAgレベルの減少、好ましくは少なくとも1logの減少;
(b)初期用量の少なくとも50日後に決定されるHBsAgレベルの少なくとも1logの減少;
(c)HBV DNAレベルの減少、好ましくは少なくとも2logの減少;
(d)初期用量の少なくとも25日後に決定されるHBV DNAレベルの少なくとも2logの減少;
(e)HBV DNAレベルの90%の減少;
(f)HBcrAgレベルの減少、好ましくは少なくとも1logの減少;
(g)初期用量の少なくとも25日後に決定されるHBcrAgレベルの少なくとも1logの減少;
(h)HBeAgレベルの減少、好ましくは少なくとも1logの減少;
(i)初期用量の少なくとも50日後に決定されるHBcrAgレベルの少なくとも1logの減少;
(j)HBV抗原の存在は、市販のELISAシステムの現在利用可能な検出限界によって決定されるように、セロコンバージョンをもたらすために十分に減少し、これは、セロコンバージョンの決定因子としてHBeAgをモニタリングする場合は血清HBeAg非存在+血清HBeAb存在として定義され、又はセロコンバージョンの決定因子としてHBsAgをモニタリングする場合は血清HBsAg非存在として定義される;
(k)HBV抗原の存在は、市販のELISAシステムの現在利用可能な検出限界によって決定されるように、PHBVをもたらすために十分に減少し、これは、セロコンバージョンの決定因子としてHBeAgをモニタリングする場合は血清HBeAg非存在+血清HBeAb存在として定義され、又はPHBVの決定因子としてHBsAgをモニタリングする場合は血清HBsAg非存在として定義される;
(l)ALTレベルの少なくとも3倍の増加;
(m)初期用量後、約20~約70日の間に決定されるALTレベルの少なくとも3倍の増加;
(n)T細胞応答などの宿主媒介性細胞媒介性免疫応答の誘導;
(o)初期用量後の任意の時点で決定されるアルブミン及びビリルビンのレベルの有意な変化が実質的にない;
(p)患者リバウンドの欠如。
264.方法が、患者から得られた試料中のバイオマーカー、例えばHBsAg、HBeAg又はHbcrAgのレベルを測定する工程をさらに含む、実施形態134~263のいずれか一つに記載の方法。
265.測定する工程が、処置休日中に行われる、実施形態264に記載の方法。
266.測定する工程の後に、オリゴヌクレオチドの1つ又は複数のさらなる用量を投与する工程を含む、実施形態264又は265に記載の方法。
267.アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドの使用であって、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための医薬の製造における使用であり、
皮下経路を介して患者に約0.1mg/kg~約12mg/kgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、使用。
268.アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドの使用であって、
センス鎖が、
GACAAAAAUCCUCACAAUAAGCAGCCGAAAGGCUGC(配列番号1)に示される配列であって、
3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
センス鎖上の-GAAA-配列のヌクレオチドの各々が、一価GalNAc部分にコンジュゲートしており;及び
アンチセンス鎖が、
UUAUUGUGAGGAUUUUUGUCGG(配列番号2)に示される配列であって、
2、3、5、7、8、10、12、14、16、及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、
1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、並びに、1位と2位とのヌクレオチド間、2位と3位とのヌクレオチド間、3位と4位とのヌクレオチド間、20位と21位とのヌクレオチド間、及び21位と22位とのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合
を含む配列からなり、
アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、メトキシホスホネート(MOP)を含む、オリゴヌクレオチド
又はその薬学的に許容され得る塩であって、
ヒト患者におけるB型肝炎又はB型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置するための医薬の製造における使用であり、
皮下経路を介して患者に約6mg~約800mgのオリゴヌクレオチドの初期用量を投与することを含む、使用。
【実施例
【0288】
VII.実施例
実施例1:HBVS-219
本発明によるオリゴヌクレオチドは、国際公開第2019/079781号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)で同定及び製造された。国際公開第2019/079781号の図10に対応する図1は、ミスマッチが組み込まれたHBVS-219の修正二重鎖構造の例を示す。ミスマッチは、国際公開第2019/079781号の実施例2に従って、HBV遺伝子型A~Jに対して行われる。センス鎖はヌクレオチド1から36に及んでおり、アンチセンス鎖はオリゴヌクレオチド1から22に及んでおり、後者の鎖は右から左に向かってナンバリングされて示されている。二重鎖形態は、センス鎖の36位とアンチセンス鎖の1位のヌクレオチド間に切れ目がある状態で示されている。センス鎖における修飾は以下のとおりであった:3、8~10、12、13及び17位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド;1、2、4~7、11、14~16、18~26及び31~36位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド;1と2位のヌクレオチド間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;27~30位の2’-OHヌクレオチド;27位の2’-アミノジエトキシメタノール-グアニジン-GalNAc;並びに、28、29、及び30位のそれぞれに2’-アミノジエトキシメタノール-アデニン-GalNAcを含む。アンチセンス鎖における修飾は以下のとおりであった:1位の5’-メトキシ、ホスホネート-4’-オキシ-2’-O-メチルウリジンホスホロチオエート;2、3、5、7、8、10、12、14、16及び19位の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド;1、4、6、9、11、13、15、17、18及び20~22位の2’-O-メチル修飾ヌクレオチド;並びに、1と2、2と3、3と4、20と21、及び21と22位におけるヌクレオチド間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合。アンチセンス鎖は、15位に組み込まれたミスマッチを含んでいた。また、示されるように、二重鎖のアンチセンス鎖は、21~22位にわたる「GG」オーバーハングを含んでいた。
【0289】
実施例2:健康なヒト対象における安全性、耐容性及びHBV患者におけるHBVS-219の有効性の評価
この研究は、健康な対象(A群)における安全性及び忍容性並びにHBV患者(B群及びC群)におけるHBVS-219の有効性を評価するように設計された。HBVS-219の構造を図1図2Aに示し、以下にも示す。
【表2-5】
【0290】
患者及び研究設計
データは、健常志願者における単回漸増用量(SAD)相(HV;A群、n=30)、慢性B型肝炎(CHB)を有し、それらの疾患に対する処置を受けていない患者における単回用量(SD)相(NUC未経験、B群、単一コホートB1、n=8)、及び、NUC抑制(NUC陽性)であるCHB患者の3つのコホートにおける複数回漸増用量(MAD)相(C群、コホートC1、C2、C3、n=18、コホートあたり6名の参加者)の3部で実施されたグローバル多施設ランダム化プラセボ対照臨床試験から提供された。SAD相からMAD相の最初のコホートへの移行は、少なくとも最初の2つのSADコホートにおける全ての健常ボランティア(HV)の投与後最低14日間の安全性及び忍容性データの安全性審査委員会(SRC)による審査を経た後に行われた。SAD HVコホートの患者(A群)を2:1の比で割り当てて、それぞれ0.1、1.5、3、6、又は12mg/kgを単回注射として投与した。SDコホートB1では、NUC未経験患者を5:3にランダム化し、3mg/kgの単回用量を投与した。MADコホートC1、C2及びC3では、NUC抑制(NUC陽性)であった患者を、活性薬物の患者4人とプラセボの患者2人で2:1にランダム化し、それぞれ1.5、3、又は6mg/kgの用量を受け、合計4回の用量(4週間に1回、3ヶ月間投与)を受けた。
【0291】
患者は、18歳以上であり、少なくとも6ヶ月間B型肝炎表面抗原(HBsAg)について陽性であり、ランダム化前8週間以内に2回HBeAg陽性であり、ランダム化前8週間以内に2回血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)レベルの上昇(正常値の上限(ULN)の少なくとも2倍)のエピソードを2回有する場合、処置に適格であった。
【0292】
以下の基準のいずれかが適用される場合、患者をA群から除外した:医学的症状1.試験薬の吸収、分布若しくは排出、又は本試験における臨床評価及び検査評価を妨害し得る医学的症状の病歴(これらに限定されない);慢性若しくは再発性腎疾患、機能性腸障害(例えば、頻繁な下痢又は便秘)、消化管疾患、膵炎、発作性障害、皮膚粘膜若しくは筋骨格障害、自殺企図若しくは自殺念慮の病歴、又は臨床的に有意なうつ病若しくは薬理学的介入を必要とする他の精神神経障害 2.制御不良又は不安定な高血圧;又はスクリーニング時に150mmHgを超える持続性収縮期BP又は95mmHgを超える拡張期BP 3.インスリン又は血糖降下薬で処置された真性糖尿病の病歴 4.過去12ヶ月以内に入院を必要とする喘息の病歴 5.中央研究室でのスクリーニング結果によって決定されるG-6-PD欠損の証拠 6.薬理学的に処置された甲状腺症状は除き、甲状腺症状(甲状腺機能亢進症/甲状腺機能低下症など)を除く現在制御不良の内分泌症状 7.参加者の悪性腫瘍が化学療法から完全に寛解しており、過去3年間に追加の医学的又は外科的介入がない場合、悪性腫瘍の病歴が許容される 8.多剤アレルギーの病歴又はオリゴヌクレオチド若しくはGalNAcに対するアレルギー反応の病歴 9.試験介入投与又は局所忍容性の評価を潜在的に妨げる可能性があるSC注射に対する不耐性の病歴又は著しい腹部瘢痕 10.臨床的に関連する手術歴 11.過去3年以内の持続的エタノール乱用(>40gエタノール/日)又は違法薬物使用歴 12.試験介入投与前7日以内の臨床的に有意な疾患 13.試験介入投与前2ヶ月以内の500mLを超える血液の提供又はスクリーニング前7日以内の血漿提供 14.スクリーニング時に進行中の重大な感染又は既知の炎症プロセス(治験責任医師の意見による)15.慢性若しくは再発性尿路感染(UTI)又はスクリーニング前1ヶ月以内のUTIの病歴 16.本研究の実施中の選択的外科処置の予定。事前/併用療法:17.試験介入投与前4週間以内の処方薬の使用(女性用の避妊薬を除く)18.治験責任医師及び治験依頼者によって臨床的に関連がないと合意された場合を除き、初回投与から7日以内の市販薬(OTC)の医薬品又はハーブサプリメント(日常的なビタミンを除く)の使用。事前/同時の臨床試験の経験:19.投与前3ヶ月以内に治験薬を投与されたことがあるか、又は試験登録前に別の臨床試験のフォローアップ中である。診断評価:20.スクリーニング時のヒト免疫不全ウイルス(HIV)、又はB型肝炎ウイルス(HBV)、又はC型肝炎ウイルス(HCV)に対する抗体について血清陽性である(過去の試験は、スクリーニング前の3ヶ月以内に実施された場合に使用され得る)21。スクリーニング来院時に、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ(ALP)又はアルブミンが基準範囲外である 22.治験責任医師が、臨床的に関連があり許容できないと考えられる完全な血球カウント試験の異常;ヘモグロビン(Hgb)<12.0g/dL(120g/L相当);正常範囲外の血小板 23.ヘモグロビンA1C(HbA1C)>7% 24.治験責任医師が臨床的に有意で許容できないと考えられるその他の安全性検査結果。他の除外:25.臨床研究センターに入る48時間前から試験終了までの運動レベルの有意な変化があったか、又はそのような予定がある 26.治験責任医師の意見において、参加者を登録に適さないものにする、又は試験への参加若しくは試験の完了を妨げる可能性がある任意の条件。
【0293】
B群及びC群については、以下の基準を満たす場合、B型肝炎の参加者を試験に含めた:
1.インフォームドコンセントへの署名時の年齢は18歳(又は法定同意年齢のうち年が上の方)以上65歳以下である2.表3及び表4によって文書化される慢性B型肝炎感染:
【表3】
【表4】
3.代償性肝疾患に適合する病歴、肝硬変の証拠なし:a.食道又は胃腸静脈瘤からの出血の病歴なしb.腹水の病歴なしc.慢性肝疾患に起因する黄疸の病歴なしd.肝性脳症の病歴なしe.門脈圧亢進症の物理的徴候なし-クモ状血管腫などf.肝硬変を示す以前の肝生検、肝臓の画像検査、又はエラストグラフィ結果なし(すなわち、FibroScan>10.5kPa)。Fibroscanが過去6ヶ月以内に実施された場合、その試験の結果を使用してもよい。4.スクリーニング来院前の少なくとも12週間、NUC療法(エンテカビル又はテノホビル)を継続し、満足のいく耐容性及びコンプライアンスを得た(C群)。参加者は、試験の経過を通して一貫した用量を維持すべきであるか、B型肝炎の処置未経験であるべきである(すなわち、B型肝炎のための抗ウイルス療法を以前に受けていないこと、又はHBV NUC若しくはインターフェロンを含む処置を以前に受けていないこと;B群)。5.NUC未経験(B群)参加者についてのみ、スクリーニング時の血清ALTが≧35U/L(男性)又は≧30U/L(女性)。肝生検が過去6ヶ月以内に利用可能である場合、免疫活性CHBの組織学的証拠は十分である。NUC経験のある(C群)参加者は、正常範囲内のALT値を有することができる。6.12誘導心電図(ECG)がスクリーニング時及び1日目の投与前に臨床的に有意な異常がない(治験責任医師の意見)7.非アルコール性脂肪肝疾患は許容される。肝疾患の他の公知の原因は許容され得ない。体重:8.ボディーマス指数(BMI)が18.0以上35.0kg/m2以下の範囲。性別:9.男性又は女性a.男性参加者:男性参加者は、処置期間中及び研究介入の最終投与後に少なくとも12週間(B群では単回用量投与)又は12週間(C群では複数回用量投与)避妊を使用することに同意し、これらの期間中に精子を提供することを控えなければならない。b.女性参加者:女性参加者は、自身が妊娠しておらず、母乳栄養を行っていない場合、参加する資格があり、以下の条件のうちの少なくとも1つが適用される:o付録4に定義されるような出産可能な女性(WOCBP)ではないこと、又は地域に応じて、処置期間中及び研究介入の投与後に少なくとも12週間、避妊ガイダンスに従うことに同意するWOCBPであること。インフォームドコンセント:10.患者は、ICF及びこの治験実施計画書に列挙された要件及び制限の遵守を含む署名付きインフォームドコンセントを与えることができなければならない。B群及びC群については、以下の基準のいずれかが適用される場合、参加者を除外した:医学的症状:1.研究への参加に影響を及ぼし得る、制御不良又は非代償性の神経学的、内分泌性、心血管、肺、血液学的、免疫学的、精神医学的、代謝性又は他の制御不能な全身性疾患の任意の臨床的に有意な病歴又は存在を有すること 2.治験責任医師の意見では、治験実施計画書の要件を遵守することを困難にする、又は参加者をさらなる安全上のリスクにさらすと考えられる、任意の付随する医学的若しくは精神医学的症状又は社会的状況の存在 3.制御不良又は不安定な高血圧 4.インスリン又は血糖降下剤で処置した制御不良の真性糖尿病(血清HbA1c > 8.0%)5.中央研究室でのスクリーニング結果によって決定されるG-6-PD欠損の証拠 6.肝細胞癌腫(HCC)の病歴 7.悪性腫瘍が化学療法から完全に寛解しており、過去3年間に追加の医学的又は外科的介入がない場合、悪性腫瘍(HCC以外)の病歴が許容され得る 8.過去3年以内の持続的エタノール乱用(>40 gmエタノール/日)又は違法薬物使用歴 9.試験介入投与又は局所忍容性の評価を潜在的に妨げる可能性があるSC注射に対する不耐性の病歴又は著しい腹部瘢痕 10.治療前の最後の6週間における輸血の受領、又は試験後フォローアップによる予想される輸血11.スクリーニング前2ヶ月以内に500mL超の血液の提供若しくは喪失、又はスクリーニング前7日間以内の血漿提供。事前/併用療法:12.スクリーニングから3ヶ月以内の抗ウイルス療法(C群のエンテカビル又はテノホビル以外)又は過去3年間のインターフェロンによる処置13.抗凝固剤、全身投与されたコルチコステロイド、全身投与された免疫調節剤、又は全身投与された免疫抑制剤の最近6ヶ月以内の使用(又は予想される必要性)14.治験責任医師又は試験依頼人の意見では試験実施を妨げるであろう試験介入の投与前14日以内の処方薬の使用15.注入可能/埋め込み可能な受胎制御を除いて、試験介入投与前3ヶ月以内の任意の薬物のデポー注射又はインプラント。事前/同時の臨床試験の経験:16.投与前3ヶ月以内に治験薬を投与されたことがあるか、又は試験登録前に別の臨床試験のフォローアップ中である。診断評価:17.スクリーニング時の10分間の仰臥位後の収縮期血圧>150 mmHg及び拡張期血圧>95mmHg18.スクリーニング時に7×ULN超が確認された肝トランスアミナーゼ(ALT又はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、AST)19.既知のギルバート病又はデュビン・ジョンソン症候群でない限り、持続性又は再発性の高ビリルビン血症の病歴20.HIV、HCV又はHDVに対する抗体について血清陽性である。直接作用型HCV投薬及びHCVに対する血清陽性を伴うC型肝炎の以前の処置を有する参加者では、HCV RNAは検出不能でなければならない。21.Hgb<12g/dL(男性)又は<11g/dL(女性)22.スクリーニング時の血清アルブミン<3.5g/dL23.スクリーニング時の総WBC数<3,000細胞/μL又は絶対好中球数(ANC)<1800細胞/μL。24.スクリーニング時の血小板数≦100,000/μL25.スクリーニング時の正常基準範囲の上限(試験検査室基準範囲による)を超える国際標準化比(INR)又はプロトロンビン時間(PT)26.血清BUN又はクレアチニン>ULN27.血清アミラーゼ又はリパーゼ>1.25×ULN28.血清アルファフェトプロテイン(AFP)値>100ng/mL。スクリーニング時のAFPが>ULNであるが<100ng/mLである場合、肝画像検査でHCCの可能性が疑われる病変が示されない場合、参加者は適格である29.治験責任医師が臨床的に有意で許容できないと考えられるその他の安全性検査結果。他の除外:30.臨床研究センターに入る48時間前から試験終了までの運動レベルの有意な変化があったか、又はそのような予定がある 31.治験責任医師の意見において、参加者を登録に適さないものにする、又は試験への参加若しくは試験の完了を妨げる可能性がある任意の条件 32.局所添付文書に従って、エンテカビル又はテノホビルに対する任意の禁忌を有する(B群のみ)。
【0294】
HBVS-219を注射用水中滅菌製剤として調製した。単位用量強度は195mg/mlであった。投与経路は皮下注射(大腿又は腹部)によるものであった。HBVS-219調製物を2°C以上8°C以下で保存し、光及び凍結温度から保護した。HBVS-219調製物を、投与前におおよそ1時間(しかし、4時間以下)室温に加温した。単回皮下注射の最大体積は0.8mLを超えなかった。単回注射の総体積が0.8mLを超える場合、用量は2回以上の皮下注射として投与した。
【0295】
血清HBsAgレベルは、共有結合閉環状DNA(cccDNA)及び肝内HBV DNAと相関し、ペグインターフェロン処置に対する処置応答を予測及びモニタリングするためにますます使用されている。有効性(薬力学、PD)は、定量的血清HBsAg、定性的血清HBsAg、定量的血清HBeAg、定量的血清HBV DNA、定量的血清HBV RNA、定量的血清HBcrAg及び血清ALTの測定によって評価した。
【0296】
参加者を、HBsAgレベルが1日目の値より<1 log10 IU/mL低くなるまで、処置期間終了後28日(±7日)ごとに追跡した(「条件付き追跡調査」)。なお、条件付き追跡調査の目的で、1日目のHBsAgの1log 10IU/mL以内に戻らなかった参加者については、処置期間の終了後に処置割り当てブラインドを解除することができた。試験は、6ヶ月間の条件付き追跡調査を受けたが、依然として1日目の値の<1 log10IU/mLよりも低いHBsAgレベルを達成していない参加者について完了したと見なした。これらの参加者には、彼らが同意しなければならないであろう延長研究が提供された。
【0297】
いくつかのアッセイを使用して患者をモニタリングした。
【0298】
定量的血清HBsAg(qHBsAg)レベル。Elecsys HBsAg II(Roche Diagnostics,Indianapolis,USA)装置及びそのキットを使用して、Sonic Clinical Trials(SCT)によって血清qHBsAg定量を行った。この装置は、電気化学発光免疫測定(ECLIA)技術を利用する。
【0299】
定性的血清HBsAgレベル及び抗HBs。MODULAR(登録商標)Analytics E170(Roche Diagnostics,Indianapolis,USA)装置及びそのキットを使用して、SCTによって血清定性HBsAg及び抗HBsを評価した。この装置は、ECLIA技術を利用する。HBsAgレベルが検出不能な参加者において抗HBs試験を実施した。
【0300】
定量的血清HBeAgレベル。定量的HBeAgレベル(HBeAg陽性参加者における)を、LIAISON(登録商標)(DiaSorin,S.p.A.,Italy)でのVIDRL(Victorian Infectious Diseases Research Laboratory)アッセイによって評価した。
【0301】
定性血清HBeAgレベル及び抗HBe血清定性HBeAg及び抗HBeを、Roche cobas(登録商標)分析装置及びその
キットで評価した。この装置は、ECLIA技術を利用する。HBeAgレベルが検出不能な参加者において抗HBe試験を実施した。
【0302】
定量的血清HBV DNAレベル。定量的HBV DNAレベルを、cobas(登録商標)4800 HBV DNAポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイ、バージョン2.0(Roche Diagnostics,Indianapolis,USA)によって評価した。
【0303】
定量的血清HBV RNAレベル。定量的HBV RNAレベルを、LC480 IIリアルタイムPCR機器(Roche Diagnostics,Indianapolis,USA)で実行される定量的リアルタイムPCR(qRT-PCR)アッセイによって評価した。
【0304】
定量的HBcrAg。血液中の定量的HBcrAgレベルを、LumiPulse(登録商標)化学発光アッセイ(Fujirebio,USA)によって評価した。
【0305】
アラニンアミノトランスフェラーゼレベル及びフレア処置初期に、肝臓の合成機能の低下(アルブミンの減少)又は排泄機能の低下(ビリルビンの増加)を伴わない実質的なALT増加(ベースライン値の3倍超及び10 ULN超)として定義されるALT増加(フレア)は、HBV及びその下流機構に対する免疫応答の証拠であり得る。ALTレベルがより高いことは、HBVのより強固な免疫クリアランス、したがってHBV-DNA喪失及びHBeAgセロコンバージョンのより高い可能性を反映し得る。ALTレベルは、活動スケジュールに示された来院時に臨床化学パネルの一部として測定される。ALT増加(フレア)を経験している任意の参加者をさらに追跡した。
【0306】
A群の30名の参加者、B群の8名の参加者及びC群の18名の参加者のサンプルサイズは、それぞれ健康な成人及びB型肝炎の参加者におけるHBVS-219の安全性プロファイルの評価を提供する。B群及びC群の参加者における有効性評価は、定量的血清HBsAg及びHBV DNAレベルの低下などの単回用量及び複数回用量に関連する有効性効果に関するデータを提供する。
【0307】
全ての図について、BLはベースラインであり、BLの右側のX軸上の日数での時間は、HBVS-219又はプラセボの初回投与からのものである。
【0308】
C群の結果(NUC陽性患者)を以下に示す。C群コホートC1、C2及びC3の患者は、それぞれ1.5mg/kg(C1)、3mg/kg(C2)及び6mg/kg(C3)の最大4回のHBVS-219用量を受けた。患者が受けた対応する固定用量の要約を以下の表5に示す。
【0309】
【表5】
投与される投与量(mg)は、投与量*用量レベル(mg/kg)での体重(kg)に基づいて計算される。表は、各来院時に投与された参加者の平均投与量(又は単回用量)の平均を示す。処置アームの参加者のみが表及びリストに含まれる。
【0310】
図4は、NUC陽性HBV患者(C群)についてのベースライン、CBL(IU/ml)からのHBsAg変化の平均変化を示す。NUC陽性HBV患者(スクリーニング来院前の少なくとも12週間にわたって、継続的なNUC療法、エンテカビル又はテノホビルを投与中)に、1、29、57及び85日目に最大4回のHBVS-219を投与した。破線の黒色の線はコホート全体でプラセボであり(n=6)、薄灰色の実線は用量あたり1.5mg/kgのHBVS-219コホートC1であり(n=4)、中灰色の実線は用量あたり3mg/kgのHBVS-219コホートC2であり(n=4)、黒色の実線は用量あたり6mg/kgのHBVS-219コホートC3である(n=3)。Y軸は、ベースライン、CBL(IU/mL)からの平均(+/-標準偏差)HBsAg log10変化を示す。処置後に患者を条件付きで追跡調査した(CFU)。X軸は、日数で時間を示し、CFU部分は、(視覚化を向上させるために)2倍を使用して処置期間と比較して短縮している。エラーバーは標準偏差を示す。治験が1人の対象しか有していなかった場合、分離された要約(ドット)は、単一の観察によって表される(したがって、エラーバーはない)。HBVS-219で処置した全ての患者群は、HBVS-219の各投与後4週間で平均HBsAg減少(経時的に増加)を示した。C2群及びC3群でモニタリングされた患者は、112日目と392日目との間にHBsAgの最大2log倍超の長期減少を示す。HBsAgレベルの変化をC群のベースラインから示す。
【0311】
図5aは、コホートC1プラセボ対照に対する、コホートC1のラウンドあたり1.5mg/kgのHBVS-219で処置されたHBV患者のベースライン読み取り値からのHBsAgレベルの個々の患者変化を示す(図4において薄灰色実線として平均化)。図5aでは、HBSV-219処置患者を灰色及び黒色の実線で示し(n=4)、プラセボ対照を破線で示す(n=2)。Y軸はHBsAgレベルCBL(IU/mL)である。X軸は、(視覚化を高めるために)2倍を使用して処置期間と比較して短縮された処置後の条件付き追跡調査期間(CFL)を有する日数での時間である。112~392日の間に測定されたHBVS-219で処置された全ての患者は、ベースラインより1logを超えるHBsAgレベルの持続的な低下を示す(112日後の背景の影付き領域によって可視化される)。図5aにおいて、ドット(点)上のXは、この特定の値について、総HBsAgが100IU/ml未満の絶対レベルに達した(6人の患者のうち3人で達した)ことを示している。コホートC1の平均体重について調整したデータを提供する。
【0312】
図5bは、コホートC2プラセボ対照に対する、コホートC2のラウンドあたり3mg/kgのHBVS-219で処置されたHBV患者のベースラインからのHBsAgレベルの個々の変化を示す(図4において濃灰色実線として平均化)。図5bでは、HBVS-219処置患者を灰色及び黒色の実線で示し(n=4)、プラセボ対照を破線で示す(n=2)。Y軸はHBsAgレベルCBL(IU/mL)である。X軸は、(視覚化を高めるために)2倍を使用して処置期間と比較して短縮された処置後の条件付き追跡調査期間(CFL)を有する日数での時間である。ドット(点)上のXは、HBsAg<100IU/mLを示す。HBsAg<100IU/mL事象は6人の患者のうち2人で達成された。HBsAgの明確な減少が全ての処置患者で観察され、85日目に全てのモニタリングされた患者で1logの減少が観察され、252日間まで行われた残りの全ての測定で持続する。図5bでは、試験したコホート(コホートC2)の平均体重について結果を調整した。
【0313】
図5cは、コホートC3のラウンドあたり6mg/kgのHBVS-219で処置されたHBV患者のベースラインからのHBsAgレベルの個々の変化(図4において黒色実線として平均化)及びコホートC3プラセボ対照を示す。図5cでは、HBVS-219患者を灰色及び黒色の実線(n=3)で示し、プラセボ(n=2)を破線で示す。C3の平均重量について結果を調整した。Y軸はHBsAgレベルCBL(IU/mL)である。X軸は、(視覚化を高めるために)2倍を使用して処置期間と比較して短縮された処置後の条件付き追跡調査期間(CFL)を有する日数での時間である。ドット(点)上のXは、HBsAg<100IU/mL(5人の患者のうち1人で到達)を示す。112日間まで測定した2人の患者(MS 33-440及びMS 43-997)は、85日間でHBsAgの1倍を超える減少を示し、減少は各患者の最終測定点まで持続する。
【0314】
図5dは、C1群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBcrAgの変化(ベースラインからの変化(CBL))を示す。データは重量によって0に正規化されている。Y軸は、HBcrAgレベルのCBL(IU/mL)である。X軸は日数での時間である。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=4)。黒色及び灰色の破線はプラセボである。(n=2)。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。
【0315】
図5eは、C2群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBcrAgの変化(ベースラインからの変化(CBL))を示す。データは重量によって0に正規化されている。Y軸は、HBcrAgレベルのCBL(IU/mL)である。X軸は日数での時間である。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=4)。黒色及び灰色の破線はプラセボである(n=2)。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。
【0316】
図5fは、C3群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBcrAgの変化(ベースラインからの変化(CBL))を示す。データは重量によって0に正規化されている。Y軸は、HBcrAgレベルのCBL(IU/mL)である。X軸は日数での時間である。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=3)。黒色及び灰色の破線はプラセボである(n=2)。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。
【0317】
図5gは、C1群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBeAgの変化(CBL)を示す。Y軸はHBeAg log10レベル(PEI IU/mL)である。X軸は日数での時間である。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=2)。黒色の破線はプラセボである(n=1)。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。
【0318】
図5hは、C2群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBeAgの変化(CBL)を示す。Y軸はHBeAg log10レベル(PEI IU/mL)である。X軸は日数での時間である。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=2)。黒色の破線はプラセボである(n=1)。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。
【0319】
図5iは、C3群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBeAgの変化(CBL)を示す。Y軸はHBeAg log10レベル(PEI IU/mL)である。X軸は日数での時間である。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=2)。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。
【0320】
図5jは、C1群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBV DNAの変化(CBL)を示す。Y軸はHBV DNAレベルCBL(IU/mL)である。X軸は日数での時間である。データは重量によって0に正規化されている。条件付き追跡調査期間112~392日目。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=4)。黒色及び灰色の破線はプラセボである(n=2)。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。
【0321】
図5kは、C2群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBV DNAの変化(CBL)を示す。Y軸はHBV DNAレベルCBL(IU/mL)である。X軸は日数での時間である。データは重量によって0に正規化されている。条件付き追跡調査期間112~392日目。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=4)。黒色及び灰色の破線はプラセボである(n=2)。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。
【0322】
図5lは、C3群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBV DNAの変化(CBL)を示す。Y軸はHBV DNAレベルCBL(IU/mL)である。X軸は日数での時間である。データは重量によって0に正規化されている。条件付き追跡調査期間112~392日目。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=3)。黒色及び灰色の破線はプラセボである(n=2)。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。
【0323】
図5mは、C1群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBV RNAの変化(CBL)を示す。Y軸は、HBV RNAレベルのCBL(コピー/mL)である。データは重量によって0に正規化されている。X軸は日数での時間である。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=4)。黒色及び灰色の破線はプラセボである(n=2)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。
【0324】
図5nは、C2群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBV RNAの変化(CBL)を示す。Y軸は、HBV RNAレベルのCBL(コピー/mL)である。X軸は日数での時間である。データは重量によって0に正規化されている。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=4)。黒色及び灰色の破線はプラセボである(n=2)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。
【0325】
図5oは、C3群(NUC陽性)の個々の処置患者におけるHBV RNAの変化(CBL)を示す。Y軸は、HBV RNAレベルのCBL(コピー/mL)である。X軸は日数での時間である。データは重量によって0に正規化されている。条件付き追跡調査期間112~392日目(2倍を使用して処置期間と比較して短縮)。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=3)。黒色及び灰色の破線はプラセボである(n=2)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。
【0326】
図6a~9bは、単剤療法NUC未経験HBV患者(B群、コホートB1)の結果を示す。NUC未経験患者は、B型肝炎に対する以前の抗ウイルス療法又は以前のHBV NUC若しくはインターフェロン含有処置を受けていなかった。患者は、初日(BL)に3mg/kg HBVS-219(n=6)又はプラセボ(n=3)の単回用量を与えられた。図中のDCR-HBVSへの全ての言及は、HBVS-219の投与を指す。
【0327】
B群で患者が受けた対応する固定用量の要約を以下の表6に示す。
【0328】
【表6】
投与される投与量(mg)は、投与量*用量レベル(mg/kg)での体重(kg)に基づいて計算される。表は、各来院時に投与された参加者の平均投与量(又は単回用量)の平均を示す。処置アームの参加者のみが表及びリストに含まれる。
【0329】
図6aは、B群全体について3mg/kgのHBVS-219又はプラセボの単回用量の単剤療法処置で処置された処置NUC未経験HBV患者のベースライン(CBL)からのHBsAgの平均変化を示す。Y軸は、平均(+/-SD)HBsAg log10 CBL(IU/mL)である。X軸は投与後の日数での時間である。灰色実線は、3mg/kg HBVS-219処置平均である(n=6)。黒色破線は、プラセボ処置平均(n=3)である。分離された要約は、単一の観察によって表される(したがって、標準偏差なし)。
【0330】
図6bは、B群についてHBVS-219又はプラセボで処置したNUC未経験HBVの個々の患者におけるHBsAgレベル、CBL(IU/mL)の減少を示す。Y軸はHBsAgレベルCBL(IU/mL)である。X軸は、85~112日間の条件付き追跡調査期間を有する日数での時間である。ドット(点)上のXはHBsAg<100(IU/mL)を示し、これは9人の患者のうち1人で達成された。データを重量で正規化する。測定された全てのHBVS-219処置患者は、57日目以降に0.5logのHBsAgレベルの低下を示す。測定期間にわたるベースラインに対する減少は維持される。HBsAgの減少は、単回用量のHBVS-219で処置した患者の6人中6人(100%)で見られた。
【0331】
図6cは、B群についてHBVS-219(n=6、灰色及び黒色の実線)又はプラセボ(n=3、破線)で処置したNUC未経験HBVの個々の患者におけるHBV DNAの個々の変化を示す。Y軸はHBV DNAレベルCBL(IU/mL)である。X軸は、85~168日間の条件付き追跡調査期間を有する日数での時間である。データを重量で正規化する。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。HBV DNAの減少は、コホートB1のほとんどのHBVS-219処置患者で観察される。プラセボ患者は、経時的に比較的安定したHBV DNAレベルを示す。1名の患者(MS76-467)は、驚くべきことに、HBV DNAの5log超の減少を示す。図6cは、HBVS-219による単剤療法処置時に見られるHBV DNAの全体的な減少を示す。
【0332】
図6dは、コホートB1におけるHBcrAgレベルCBL(IU/ml)の個々の変化を示す。Y軸は、HBcrAgのCBL(IU/mL)である。X軸は、85~112日間の条件付き追跡調査期間を有する日数での時間である。データを重量で正規化する。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。HBVS-219処置患者を灰色及び黒色の実線で示し(n=6)、プラセボを破線で示す(n=3)。図6dは、HBVS-219投与時のベースラインからのHBcrAgレベルの減少を示す。HBVS-219処置患者の6人中3人(MS07-701、MS39-530及びMS76-467)は、85日に、又はそれ以降に、ベースラインレベルからのHBcrAgレベルの低下を示す。
【0333】
図6eは、コホートB1におけるHBVS-219投与時のHBeAgレベルの個々の変化を示す(ベースラインでe+であった患者のみを示す)。Y軸は、HBeAgレベルのCBL(PEI IU/mL)である。X軸は、85~112日後の条件付き追跡調査期間を有する日数での時間である。データを重量で正規化する。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。HBVS-219処置患者を灰色及び黒色の実線で示し(n=4)、プラセボを破線で示す(n=1)。図6eは、薬物投与時のHBeAgの減少を実証する。100PEI U/mlを超える患者は減少している可能性がある。少なくとも1人のHBVS-219処置患者(MS76-467)においてHBeAgの減少があった。
【0334】
図6d及び図6eは、HBcrAgレベル及びHBeAgレベルの低下を伴う単剤療法又は導入単剤療法段階の有効性を支持する追加のデータを提供する。他の患者は、処置未経験の患者においてHBVS-219の単回注射後に定量限界を超えるレベル(上向き三角形)を有していた。
【0335】
図6fは、B群(NUC未経験)の個々の処置患者におけるHBV RNAの変化(ベースラインからの変化(CBL))を示す。データは重量によって0に正規化されている。Y軸は、HBV RNAレベルのCBL(コピー/mL)である。X軸は日数での時間である。条件付き追跡調査期間85~112日目。黒色及び灰色の実線は、HBVS-219処置患者である(n=6)。黒色及び灰色の破線はプラセボである(n=3)。同じ座標上の特殊点は、Y軸上でわずかに摂動されて見えている。特殊点:下向き三角形(検出可能限界未満)、上向き三角形(検出可能限界よりも上)、x(検出されない)。
【0336】
図7は、3mg/kg HBVS-219で処置されたNUC未経験患者であるB群患者MS76-467の変化を示す。MS76-467は、HBVS-219投与の113日後にHBV DNAレベルの5logの減少(濃い灰色の実線、左側のY軸の目盛り-log10 HBVDNA IU/ML)、113日後に1logのHBsAgの減少(薄い灰色の実線、左側のY軸の目盛り-log10 HBsAg IU/mL)、及び29日目と71日目との間のALTレベルの増加(陽性フレアを示す)(黒色の実線、右側のY軸の目盛り-ALT(xULN))を示した。ALT陽性フレアは、図7では、BLでALT>3×ALTに関連して、又は最下点でALT>3×ALTと組み合わせてALT7×ULNとして定義される。特殊記号:上向き三角形(検出限界超)、下向き三角形(検出限界未満)。条件付き追跡調査期間85日~168日。
【0337】
図8は、測定期間にわたって安定したままであったB群患者MS76-467からのビリルビン(薄灰色の実線-点が塗りつぶされており、umol/Lで測定される)及びアルブミン(濃い灰色の実線-点が塗りつぶされておらず、g/Lで測定される)の測定値としての肝機能を示す。図8は、57日目の直接ビリルビンの短時間の増加を除いて、正常な基準範囲内にとどまったビリルビン及びアルブミンの直接測定によって肝臓の合成機能及び排泄機能が維持されたことを実証している(ビリルビン及びアルブミン測定ラインの周囲の陰影領域はそれぞれ正常範囲を表す)。ALT変化は、図7によれば、黒色の実線(xULN)として提供される。ALT陽性フレアは、図7及び図8では、BLでALT>3×ALTに関連して、又は最下点でALT>3×ALTと組み合わせてALT7×ULNとして定義される。条件付き追跡調査期間85日~168日。図8は、肝機能が保存されことを示しており、図7と組み合わせて、患者MS76-467のフレアが陽性フレアであることを支持している。
【0338】
図9aは、3mg/kg HBVS-219で処置されたNUC未経験患者であるB群患者MS93-177の変化を示す。MS93-177は、HBV DNAのレベルの減少(濃い灰色の実線、左側のY軸の目盛り-log10 HBV DNA(IU/mL))、HBsAgのわずかな減少(薄い灰色の実線、左側のY軸の目盛り-log10 HBsAg(IU/mL))及びALTレベルの増加(黒色の実線、右側の軸の目盛り-(xULN))を示さなかった。ALT陽性フレアは、図9aでは、BLでALT>3×ALTに関連して、又は最下点でALT>3×ALTと組み合わせてALT7×ULNとして定義される。特殊記号:上向き三角形(検出限界超)、下向き三角形(検出限界未満)。条件付き追跡調査期間85日~168日。
【0339】
図9bは、コホートB1の患者MS93-177におけるほぼ安定した肝機能を示す。アルブミンは濃い灰色の実線として測定され、点は塗りつぶされていない(左側Y軸(g/L))、ビリルビンは薄い灰色の実線として測定された(左側のY軸(umol/L))。43~71日目に直接ビリルビンの非常に小さな増加があった。ALTレベルを黒色の実線として測定した(右側の目盛り、(xULN))。ALT陽性フレアは、図9bでは、BLでALT>3×ALTに関連して、又は最下点でALT>3×ALTと組み合わせてALT7×ULNとして定義される。図9bは、陽性フレアを有するMS93-177をさらに支持する。図9bは、大部分が正常な基準範囲内にとどまったビリルビン及びアルブミンの直接測定によって肝臓の合成機能及び排泄機能が維持されたことを実証している(ビリルビン及びアルブミン測定ラインの周囲の陰影領域はそれぞれ正常範囲を表す)。
【0340】
図10は、B群及びC群の患者の注射部位関連有害事象の時間依存的概要を示す。図10は、HBVS-219が安全であることを示す。図10は、注射部位に関連する有害事象(AE)の数についての対象レベルのプロットである。Y軸は注入部位の数である。X軸は、示される用量の日数での時間である。注射部位反応(ISR)は、用量投与後4時間以内に報告された注射部位での徴候又は症候として定義される。グレード1-関連症候(例えば、熱感、紅斑、かゆみ)を伴う又は伴わない圧痛。グレード2-疼痛、リポジストロフィー、浮腫、静脈炎。グレード3-潰瘍形成又は壊死、重度の組織損傷、手術介入を要する。グレード4-生命を脅かす結果、緊急介入を要する。グレード5-死亡。4時間後、注射部位での投与後の徴候又は症候を、ISRの有害事象共通用語規準(CTCAE)v 5.0基準に従って評価した。AEタイプ:黒色上向き三角形(ISRグレード2)、灰色上向き三角形(ISRグレード1)、灰色点(ドット)(非ISR軽度-ISRの定義を満たさなかった)。各患者を線で表す。グループ:破線(B群)、実線(C1群~C3群、C1群からC3群へ厚さが増加する)。線上のP及びAD表記は、対象の処置アーム(Pはプラセボであり、ADは活性用量のHBVS-219である)を表す。2つのグレード2のISRが存在し、グレード3以上のグレードのISRは存在しなかった。
【0341】
記録されたHBVフレアの割合は、患者のSD NUC未経験B1群で38%であった。全てのフレアは、NUC未経験コホートにおいて処置の最初の3ヶ月以内に発生した。3つのフレアのうち、全てがHBVS-219の単回注射後に発生した。
【0342】
B群及びC群には重篤な有害事象はなく、DLTも安全関連の中止もなかった。平均HBsAg減少は以下のとおりである。
112日目のコホートC1(図4の薄い灰色の実線)について>1log(SD0.39で1.4)及び
112日目のコホートC2(図4の濃い灰色の実線)について>1.5log(SD0.57で1.8)。C1及びC2は統計的に類似しており、単一の対象によって駆動されるC2においてより良好な応答を有する(図4を参照のこと)。
【0343】
本明細書に例示的に記載された開示は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素(単数又は複数)、制限(単数又は複数)がない状態で適切に実施することができる。したがって、例えば、本明細書中の各例において、用語「含むこと(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「からなる(consisting of)」のいずれかは、他の2つの用語のいずれかで置き換えてもよい。使用された用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、そのような用語及び表現の使用において、示されて説明された特徴の均等物又はその一部を除外する意図はないが、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。したがって、本発明は好ましい実施形態によって具体的に開示されているが、本明細書に開示された概念の任意の特徴、変更及び変形は、当業者によって頼ることができ、そのような変更及び変形は、本説明及び添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあると見なされることを理解されたい。
【0344】
本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」及び「an」及び「the」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書で特に指示されない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」とは、別途示されない限り、オープンエンドな用語(open-ended term)(すなわち、「含むがこれに限定されない」という意味)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書中に別段の指示がない限り、範囲内に入るそれぞれの別個の値を個々に言及する簡略な方法として役立つことを意図しているにすぎず、それぞれの別個の値は、あたかも本明細書中に個々に列挙されているかのように本明細書中に組み込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、本発明をよりよく明らかにすることを意図しているにすぎず、特に請求されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる言語も、特許請求されていない要素を本発明の実施に必須であると示すと解釈されるべきではない。
【0345】
本発明を実施するための本発明者らに知られている最良の形態を含む、本発明の実施形態を本明細書で説明する。これらの実施形態の変形は、前述の説明を読めば当業者には明らかとなり得る。
【0346】
本発明によれば、方法で使用するためのオリゴヌクレオチドの全ての実施形態は、処置の方法及び/又は医薬の製造で使用するための方法であるとも考えられる。
【0347】
本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に使用することを期待しており、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に列挙された主題の全ての修正及び均等物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。当業者は、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識、又は確認することができるであろう。このような等価物は、次の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
【0348】
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図1
図2a-1】
図2a-2】
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【配列表】
2023536999000001.app
【国際調査報告】