(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】クイック交換ユニット及びクイック交換システム
(51)【国際特許分類】
E02F 3/36 20060101AFI20230823BHJP
E02F 3/40 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
E02F3/36 B
E02F3/40 E
E02F3/36 A
E02F3/36 Z
E02F3/36 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508027
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 EP2021071102
(87)【国際公開番号】W WO2022028974
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523039798
【氏名又は名称】キューシーエス クイックチェンジシステム イーエムユーケー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ディ ステファノ,サルヴァトーレ
【テーマコード(参考)】
2D012
【Fターム(参考)】
2D012DA00
2D012DB00
2D012EB00
2D012HA00
(57)【要約】
本発明は、建設機械のためのクイック交換システムの一部としての、クイック交換ユニット(10、110)に関し、両側の2つの長手方向壁(18)、両側の2つの横断方向壁(20)、上部側、及び底部側を伴う、ハウジング(12、112)と、ハウジング(12、112)の内側の、ブロックシリンダ(28、30)と、少なくとも1つの係止ボルト(54、154)及び駆動デバイスを伴い、少なくとも1つの前記係止ボルト(54、154)が、係止位置において2つの横断方向壁(20)のうち一方から突出する、係止デバイス(24)と、連結端部セクション(31)を有する、少なくとも1つの、第1のタイプの連結要素(32)と、連結端部セクション(35)を有する、少なくとも1つの、第2のタイプ連結要素(36、136)と、を備える。少なくとも1つの、第1のタイプの連結要素(32)、及び少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素(36、136)は、互いに液圧接続される。少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素(36、136)は、ハウジング(12、112)における2つの長手方向壁(18)のうち一方に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械のためのクイックカプラシステムの一部としてのクイックカプラであって、
両側の2つの長手方向壁(18)、両側の2つの横断方向壁(20)、上部側、及び底部側を伴う、ハウジング(12、112)と、
前記ハウジング(12、112)の内側の、ブロックシリンダ(28、30)と、
少なくとも1つの係止ボルト(54、154)及び駆動デバイスを伴い、少なくとも1つの前記係止ボルト(54、154)が、係止位置において2つの横断方向壁(20)のうち一方から突出する、係止デバイス(24)と、
連結端部セクション(31)を有する、少なくとも1つの、第1のタイプの連結要素(32)、及び連結端部セクション(35)を有する、少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素(36、136)と、を備え、
少なくとも1つの、前記第1のタイプの連結要素(32)、及び少なくとも1つの、前記第2のタイプの連結要素(36、136)は、互いに液圧接続され、
少なくとも1つの、前記第2のタイプの連結要素(36、136)は、前記ハウジング(12、112)における2つの前記長手方向壁(18)のうち一方に配置される、クイックカプラ。
【請求項2】
少なくとも1つの、前記第1のタイプの連結要素(32)は、前記ハウジング(12、112)の長手方向壁に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のクイックカプラ。
【請求項3】
前記第2のタイプの連結要素(36、136)における、少なくとも前記連結端部セクション(35)は、動作位置と基本位置との間で調整可能であり、前記第2のタイプの連結要素(36、136)における、前記連結端部セクション(35)は、前記動作位置において、前記ハウジング(12、112)の前記長手方向壁(20)から突出することを特徴とする、請求項1または2に記載のクイックカプラ。
【請求項4】
少なくとも1つの、前記第2のタイプ連結要素(36、136)は、連結駆動デバイス(38)に接続され、それによって前記第2のタイプの連結要素(36、136)における、少なくとも前記第2の連結端部セクション(35)が、基本位置と動作位置との間で、及びその逆で、調整可能であることを特徴とする、請求項3に記載のクイックカプラ。
【請求項5】
少なくとも1つの、第3のタイプの連結要素(32’)が設けられ、好ましくは前記ハウジング(12、112)の長手方向壁(18)に位置付けられることを特徴とする、請求項4に記載のクイックカプラ。
【請求項6】
前記クイックカプラ(10、110)に、少なくとも2つの、前記第2のタイプの連結要素(36、136)が装備され、前記第2のタイプの連結要素(36、136)における、少なくとも前記連結端部セクション(35)は、前記基本位置と前記動作位置との間、及びその逆で、同時に調整可能であることを特徴とする、請求項4または5に記載のクイックカプラ。
【請求項7】
前記ハウジング(12、112)の両側の長手方向壁(18)に位置付けられ、共通の連結駆動デバイス(38)によって調整可能である、少なくとも2つの、前記第2のタイプの連結要素(36、136)が設けられ、前記連結駆動デバイス(38)は、好ましくは前記ハウジング(12、112)の前記横断方向壁(20)に対して平行に整合された、複動式の液圧シリンダを有することを特徴とする、請求項4~6のうちいずれか一項に記載のクイックカプラ。
【請求項8】
前記係止デバイス(24)は、少なくとも2つの係止ボルト(54、154)を備え、それらは反対方向に向き、閉鎖位置と開放位置との間、及びその逆で、共通の駆動デバイスによって調整可能であることを特徴とする、請求項1~7のうちいずれか一項に記載のクイックカプラ。
【請求項9】
前記駆動デバイスは、好ましくは前記ハウジング(12、112)の前記長手方向壁(20)に対して平行に整合された、複動式の液圧シリンダを備えることを特徴とする、請求項8に記載のクイックカプラ。
【請求項10】
前記駆動デバイスは、係止ブリッジ(56、156)を備えることを特徴とする、請求項9に記載のクイックカプラ。
【請求項11】
ブロックシリンダ(26)は、第1のブロックシリンダ(28)、及び第2のブロックシリンダ(30)を備え、前記第2のブロックシリンダ(30)は、前記第1のブロックシリンダ(28)の下方に位置付けられ、少なくとも1つの、前記第2のタイプの連結要素(36、136)は、前記第1のブロックシリンダ(28)に設けられ、前記係止デバイス(24)の少なくとも一部は、前記第2のブロックシリンダ(30)の面に位置付けられることを特徴とする、請求項1~10のうちいずれか一項に記載のクイックカプラ。
【請求項12】
前記係止デバイス(24)は、係止ピストンを伴う少なくとも1つの駆動デバイスを備え、前記係止ピストンは、前記第2のブロックシリンダ(30)の内側に位置付けられることを特徴とする、請求項11の記載のクイックカプラ。
【請求項13】
前記第2のタイプの連結要素(36、136)における、少なくとも前記連結端部セクション(35)は、動作位置と基本位置との間で調整可能であること、及び連結駆動デバイス(38)が設けられ、前記連結駆動デバイス(38)は、前記第1のブロックシリンダ(28)に配置されること、を特徴とする、請求項11または12に記載のクイックカプラ。
【請求項14】
前記第2のタイプの連結要素(36、136)のための開口部(37)が、前記第1のブロックシリンダ(28)の長手方向壁に設けられること、及び開口部(68)が、前記ブロックシリンダ(26)の横断方向側部において、前記第2のブロックシリンダ(30)に設けられること、を特徴とする、請求項11~13のうちいずれか一項に記載のクイックカプラ。
【請求項15】
前記第1のブロックシリンダ(28)は、基部及び天井部を伴うT型断面で、少なくとも1つの、前記第1のタイプの連結要素(32)が前記天井部の面に位置付けられ、少なくとも1つの、前記第2のタイプの連結要素(36、136)が前記基部の面に位置付けられることを特徴とする、請求項11~13のうちいずれか一項に記載のクイックカプラ。
【請求項16】
請求項1~15のうちいずれか一項に記載の特徴を伴うクイックカプラ(10、110)、及び作業ツールに接続可能なアダプタ(70、170)を備え、前記クイックカプラ(10、110)は、前記アダプタ(70、170)に機械的かつ液圧的に連結可能である、クイックカプラシステム。
【請求項17】
前記アダプタ(70、170)は、両側の2つの長手方向アダプタ側部(74、174)、及び2つの横断方向ボルト(78)を備え、2つの前記横断方向ボルト(78)は、それらの端部分において、前記アダプタ(70、170)の長手方向アダプタ側部(74、174)に各々接続されることを特徴とする、請求項16に記載のクイックカプラシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの、対向側における第2のタイプの連結要素(76、176)は、前記アダプタ(70、170)の少なくとも一方の長手方向壁(74、174)に位置付けられ、対向側における前記連結要素は、少なくとも1つの、前記第2のタイプの連結要素(36、136)に、液圧接続することができることを特徴とする、請求項17に記載のクイックカプラシステム。
【請求項19】
対向側における前記第2のタイプの連結要素(76、176)は、接続ブロック(180)として設計されることを特徴とする、請求項16~18のうちいずれか一項に記載のクイックカプラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クイックカプラ及びクイックカプラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械は、例えば液圧グラブ、掘削バケット、浚渫用バケットなど、交換可能なアタッチメントを用いて、広範な用途を網羅できる。最大の順応性を可能にするために、アタッチメント間の交換を、迅速かつ安全に行えることが重要である。この目的のため、建設機械のための迅速交換デバイスが存在し、それらは、車両側(すなわちブーム側)にクイックカプラ、及びツール側にアダプタを備える。それらは、運転者が車両を離れて手動で行う必要なく、互いに容易に連結させることができる。
【0003】
この目的のため、クイックカプラとアダプタとの間の機械的接続を作り出すよう、一般的にクイックカプラ及びフレーム状のアダプタに、手段が設けられる。一般的にこれらは、クイックカプラにおける突出部及び一対の可動係止ボルトであり、それによって突出部及び係止ボルトは、クイックカプラの両側部に配置される。フレームタイプのアダプタには、クイックカプラの突出部に引っ掛けるための横断方向ボルトと、係止ボルトの対のための、2つの平行の係止穴と、が適切に設けられる。
【0004】
当技術分野で公知である、クイックカプラとアダプタとの間の接続は、2つの段階で行う。第1の段階において、一般的にクイックカプラはアダプタに対して、クイックカプラに配置された突出部が、対向するアダプタに配置された横断方向ボルトを囲むように、角度を付けて位置付けられる。次にクイックカプラは、アダプタのフレームがクイックカプラを囲むことができる係止位置の中に旋回する。このときクイックカプラの水平面は、アダプタの水平面に対して平行に整合される。第2の段階において、クイックカプラに位置された一対の係止ボルトは、対向するアダプタにおける対応した係止穴の中に長手方向に動いて、クイックカプラとアダプタとの間に確実な係止を作り出す。
【0005】
クイックカプラの、可動の係止ボルトの対は、一般的に液圧駆動部に連結される。液圧駆動部は、その長手方向軸に沿って動かすことができ、次に液圧駆動部には、建設機械の液圧システムから、加圧された液圧流体が送り込まれる。
【0006】
この目標のため、一般的に公知のクイックカプラは、対応した弁をクイックカプラの上部に伴う、1つまたは複数の液圧接続部(連結要素)を有し、それらはクイックカプラのハウジングの対応した凹部を介して、ハウジングの内側に配置されたブロックシリンダまで延びる。このブロックシリンダは同様に、係止ボルトの対の液圧駆動部に液圧接続される。
【0007】
これらの連結要素は、建設機械の液圧ホースを、各液圧ホースの端部で、対応した対向側における連結要素で、クイックカプラの各連結要素に連結することによって、建設機械の液圧システムに迅速に連結するのに役立つ。クイックカプラの、これらの連結要素を介して、クイックカプラの液圧駆動部に、加圧された液圧流体を供給し、適切に制御することができる。制御は、建設機械のオペレータの運転室から適切に成される。
【0008】
独国特許出願公開第102017122889号明細書は、クイックカプラの上側におけるこの液圧接続部の配置において、クイックカプラが比較的高いという欠点を有することを認めている。これは掘削機のアームが、クイックカプラのハウジングに所定の距離でしか係合できないことを意味する。解決策として、独国特許出願公開第102017122889号明細書は、液圧接続部の対応した弁を、ブロックシリンダの上部領域から取り除いて、長手方向軸に対して横断方向に延びたブロックシリンダの側部の中に挿入し、それによってブロックシリンダのボアは、一対の係止ボルトにおけるボアの隣に位置させるよう、提案している。これによって、クイックカプラの上側における高い構造を回避する。
【0009】
一般的に、追加の連結要素が、クイックカプラの上側に設けられ、それらは対向側における連結要素を介して建設機械の別のラインに連結される。これら追加の連結要素は、クイックカプラの下側における別の連結要素に液圧接続する。クイックカプラの下側における追加の連結要素は、同様に、アダプタのツール側における1つまたは複数の対向側における連結要素に接続することができ、それによって車両側の液圧回路は、クイックカプラを介してツール側の液圧回路に連結され得る。例えば国際公開第91/001414号を参照されたい。
【0010】
しかし、ツール間で交換するためには、クイックカプラの下側における別の連結要素と、アダプタの対向側における連結要素との間の接続を、解放しなければならない。したがって、クイックカプラの下側における別の連結要素は、気象状況に、及び建設現場の状況、特に埃及び泥に、露出される。
【0011】
例えば、クイックカプラの別の連結要素に泥が付着した場合、別のアダプタの対向側における連結要素に接続されたときに、クイックカプラの内部の中に入り込み、クイックカプラの別の連結要素の内側における弁を詰まらせる場合がある。アダプタを連結するための、別の連結要素が、頻繁に不備となって交換する必要があることは、クイックカプラの公知の課題である。本発明は、公知のクイックカプラのこの欠点を、少なくとも大幅に減少させ、好ましくは完全に回避することを目的とする。追加として、泥及び埃に露出されることによる、アダプタの対向側における連結要素の摩耗は、少なくとも軽減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】独国特許出願公開第102017122889号明細書
【特許文献2】国際公開第91/001414号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目標は、取扱いが容易かつコンパクトな設計で、その連結要素が、特に泥、及び気象の影響、ならびにそれによる早期の摩耗から防護することができる、クイックカプラ及びクイックカプラシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によると、この目標は、独立請求項1による特徴を伴うクイックカプラと、請求項16によるクイックカプラシステムと、を提供することで解決される。
【0015】
好ましい実施形態は、従属請求項で確認できる。
【0016】
本発明によるクイックカプラは、両側の2つの長手方向壁と、両側の2つの横断方向壁と、上側及び底側と、ハウジングの内側のブロックシリンダと、係止位置において2つの横断方向壁のうち一方から突出した、少なくとも1つの係止ボルト及び駆動デバイスを伴う、係止デバイスと、連結端部セクションを有する少なくとも1つの、第1のタイプの連結要素と、連結端部セクションを有する少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素と、を備える。少なくとも1つの、第1のタイプの連結要素、及び少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素は、互いに液圧接続され、少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素は、ハウジングにおける2つの長手方向壁のうち一方に配置される。
【0017】
このように、本発明は先行技術の実際の課題を、簡潔に解決する。これは、建設機械の液圧ホースの対向側における連結要素が連結され得るよう、または連結要素が、アダプタの対向側における連結要素に連結され得るよう、第2のタイプの連結要素を、容易に接近可能にしなければならないためである。しかし、求められるクイックカプラのコンパクトさ、及びアダプタと建設機械のブームとの間におけるクイックカプラの位置のために、連結要素の配置のための可能性は制限され、それは、連結要素が一般的にクイックカプラの上側及び/または底側に配置される、という事実をもたらす。しかし、非連結状態において、連結要素は、特に建設現場の気象状況、ならびに泥に露出され、その結果損傷を受けることが多い。これは、特に第2のタイプの連結要素に当てはまる。なぜならこれらは、より頻繁に非連結で残されるからである。
【0018】
ハウジングの長手方向壁に位置付けられた、第2のタイプの連結要素は、気象状況への露出が大幅に軽減されるという、特有の利点を提案する。これは、例えば雨粒が単純にクイックカプラの側部に流れ落ちるためであり、それによって水分は連結要素に残り得ない。同じことが、例えば雪に当てはまり、泥も、クイックカプラの上部または底部よりも、例えば側部の方が付着しにくい。
【0019】
係止ボルト、及び第2のタイプの連結要素が、互いに垂直である2つのハウジング壁に配置されるという事実のために、クイックカプラは特に取扱いが容易である。なぜなら、少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素を伴う側部は、クイックカプラがアダプタに係止されたときでさえ、やはり接近しやすいからである。
【0020】
第1のタイプの連結要素と、第2のタイプの連結要素との間における、液圧接続の特徴は、本発明によって広義に解釈するべきである。これは、単に流体フローが、第1のタイプの連結要素と第2のタイプの連結要素との間において、可能であることを意味する。第1のタイプの連結要素及び第2のタイプの連結要素を、用途に依拠して、前方のフローまたは戻りのフローに設けることができる。
【0021】
好ましくは、いくつかの、第1のタイプの連結要素及び/または第2のタイプの連結要素が設けられる。
【0022】
連結要素という用語は、広義に解釈するべきである。好ましくは、適用可能である場合、それは連結可能な防護ハウジングにおいて加圧した液圧流体を導くための、対応したデバイスを伴う弁を意味する。連結要素は、建設機械またはアダプタの、対向側における連結要素を連結するための先行技術において一般的な、1つまたは複数の部材で構築することができる。しかし、本出願における連結要素という用語は、一般の弁、または液圧接続部及びプラグを伴う弁、も意味する。
【0023】
連結端部セクションという用語によって、本発明は、対向側における連結要素に連結するために使用される、連結要素のセクションを意味する。
【0024】
好ましい別の展開において、少なくとも1つの、第1のタイプの連結要素は、ハウジングの長手方向壁に配置される。一方では、これは第1のタイプの連結要素を、環境の影響から防護し、他方では、連結要素は、設置及び係止状態においても容易に接近可能である。
【0025】
第2のタイプの連結要素における、少なくとも連結端部セクションは、動作位置と基本位置との間で調整可能であることは、さらに好ましい。第2のタイプの連結要素における、連結端部セクションは、動作位置においてハウジングの長手方向壁から突出する。次に、建設機械またはアダプタの、対応した対向側における連結要素を、上記の連結端部セクションに連結することができる。
【0026】
第2のタイプの連結要素における基本位置は、第2のタイプの連結要素がクイックカプラのハウジングに、泥、埃、雨、雪などに対する露出から大部分を防護されるよう配置される、という事実によって特徴付けられる。これは、防護位置にあることを意味する。他方で動作位置において、第2のタイプの連結要素は、建設機械の液圧ホースの対向側における連結要素に、またはツールのアダプタの対向側における連結要素に、連結できるよう位置付けられる。
【0027】
本発明は、クイックカプラの連結要素が、基本位置(防護位置)と動作位置(連結位置)との間、及びその逆において、調整可能であり、特に可動、傾斜可能、及び/または枢動可能である取り組みを追及する。このように、連結要素は、対向側における連結要素に容易に接近可能だが、防護位置において有害な外部の影響から防護される、クイックカプラの所定の位置に配置することができる。ハウジングの内側における、第2のタイプの連結要素の位置付けに依拠して、第2のタイプの連結要素は、基本位置から動作位置まで変化させるために、シフト、枢動、傾斜、または動かすことができる。
【0028】
第2のタイプの連結要素における、連結端部セクションは、基本位置においてハウジングの内側に位置されることが好ましい。このように、第2のタイプの連結要素における連結端部セクション、及び第2のタイプの連結要素全体は、基本位置において、埃、泥、及び気象の影響から防護される。例えば、作業ツールに液圧流体を供給する必要がないために、第2のタイプの連結要素が必要とされない場合、第2のタイプの連結要素は、基本位置において防護されたままとすることができる。1つのアダプタを次のものに交換するときでさえ、第2のタイプの連結要素を、好ましくはハウジングの中に後退させて、再び必要とされるときのみ、延ばされる。
【0029】
詳細には、少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素が、連結駆動デバイスに接続され、それによって第2のタイプの連結要素における、少なくとも第2の連結端部セクションは、基本位置と動作位置との間で、及びその逆で、調整可能であることは有利である。
【0030】
好ましい実施形態において、連結駆動デバイスは、ブロックシリンダに取付けられた少なくとも1つの直線駆動部を備える。連結駆動デバイスの直線駆動部は、少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素における、少なくとも連結端部セクションを、基本位置と動作位置との間で直線的に動かすのに役立つ。
【0031】
少なくとも1つの直線駆動部は、好ましくは液圧駆動部である。好ましい実施形態において、連結駆動デバイスを、少なくとも1つの、第3のタイプの連結要素に液圧接続することができ、それによって上記の直線駆動部を、建設機械の液圧システムに連結することができる。
【0032】
好ましい実施形態において、好ましくはハウジングの長手方向壁に位置付けられた、少なくとも1つの、第3のタイプの連結要素が提供される。第3のタイプの連結要素は、一般的にクイックカプラの内側の液圧デバイスに、対応した流体を供給するために使用される。したがってそれは、供給ラインの前方のフローか、または戻りのフローに位置される。第3のタイプの連結要素は、例えば連結駆動デバイスか、または液圧作動式の係止デバイスに、液圧接続することができる。
【0033】
第3のタイプの連結要素は、設計上で第1のタイプの連結要素に相当し得る。そのためこの第3のタイプの連結要素は、第2のタイプの連結要素には液圧接続されないが、クイックカプラの液圧駆動部を制御するのに役立つ。この場合は、好ましくは建設機械の運転者の運転室から、好都合に連結駆動デバイスを制御するのに役立つ。
【0034】
クイックカプラに、少なくとも2つの、第2のタイプの連結要素が装備されると、さらに好ましい。ここで第2のタイプの連結要素における、少なくとも連結端部セクションは、基本位置と動作位置との間、及びその逆で、同時に調整可能である。例えば、ハウジングの両端の長手方向壁に位置付けられ、かつ共通の連結駆動デバイスによって調整可能である、少なくとも2つの、第2のタイプの連結要素が提供される。特にこの実施形態では、連結駆動デバイスが、複動式の液圧シリンダを有すると有利であり、それは、好ましくはハウジングの横断方向壁に対して平行に整合される。このように、2つの、第2のタイプの連結要素を、異なる2つの長手方向壁で同時に作動させることができる。
【0035】
言及するまでもなく、任意の数の調整可能な第2のタイプの連結要素を、両側の長手方向壁に設けることができる。調整可能な第2のタイプの連結要素の数を、両側の長手方向壁で同一の数か、または異なる数とすることができる。両側の長手方向壁における、第2のタイプの連結要素の配置を、対称または非対称とすることができ、好ましくは鏡面対称である。
【0036】
例えば液圧シリンダが連結ブリッジと相互作用し、それに対して第2のタイプの連結要素が静止する場合、一方の長手方向壁に、複数の調整可能な第2のタイプの連結要素を用いても、これらは複動式の液圧シリンダによって作動させることができる。
【0037】
好ましい実施形態において、係止デバイスは、少なくとも2つの係止ボルトを備え、それらは反対方向に向き、閉鎖位置と開放位置との間、及びその逆で、共通の駆動デバイスによって調整可能である。これは、アダプタとクイックカプラとの間に、特に確実な接続を作り出す。なぜなら、アダプタとクイックカプラとの間の係止が、2つの反対側で行われるからである。
【0038】
両側の2つの係止ボルトを作動させるために、連結駆動デバイスが、複動式の液圧シリンダを有すると有利であり、それは好ましくはハウジングの長手方向壁に対して平行に整合される。
【0039】
特に確実な係止デバイスは、一対の係止ボルトを各々の横断方向側部に設けることによって実現される。これらの係止ボルトは、互いに対して平行かつ離して配置され、これら二対の係止ボルトは、閉鎖位置と開放位置との間、及びその逆で、共通の駆動デバイスによって調整可能である。好ましくは、2つの係止ボルトは、互いから独立して動かすことができるが、それらは同時でも動かすことができる。
【0040】
これらの係止ボルトを、例えば2つの側部から作用させることができる液圧シリンダによって、作動させることができる。この液圧シリンダは駆動デバイスの一部であり、係止ブリッジと相互作用する。
【0041】
好ましい別の実施形態において、駆動デバイスは、少なくとも1つの直線液圧駆動部であり、それは少なくとも1つの、第3のタイプの連結要素に液圧接続される。
【0042】
係止駆動デバイスの複動式の液圧シリンダが、ハウジングの長手方向壁に対して平行に配置され、かつ連結駆動デバイスの複動式の液圧シリンダが、ハウジングの横断方向壁に対して平行に配置された実施形態は、それらが2つの面に配置することができ、それによって連結要素及び係止ボルト、したがってクイックカプラの連結機能及び係止機能は、互いに影響を与えない、という利点を有する。
【0043】
好ましくは、液圧接続はブロックシリンダによって成される。第1のタイプの連結要素、及び第2のタイプの連結要素は、ラインを介して互いに直接接続され得るか、または接続可能である。このラインは、例えばブロックシリンダを通して誘導される。しかし、加圧された液圧流体も、第1のタイプの連結要素を介してブロックシリンダの中に誘導され、分配デバイスまたは例えばブロックシリンダにおける他のデバイスを介して、第2のタイプの連結要素に送ることができる。さらに、いくつかの第1のタイプの連結要素を、1つまたは複数の、第2のタイプの連結要素に、及びその逆で、液圧接続することができる。
【0044】
ブロックシリンダが、第1のブロックシリンダ、及び第2のブロックシリンダを備えると有利である。ここで第2のブロックシリンダは、第1のブロックシリンダの下方に位置付けられ、少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素は、第1のブロックシリンダに設けられ、係止デバイスの少なくとも一部は、第2のブロックシリンダの面に位置付けられる。したがって、係止デバイスを、連結要素とは別に作動させることができ、必要に応じて流体を供給することができる。
【0045】
第2のブロックシリンダは、好ましくは、例えばネジ、接着剤、栓、もしくは溶接で、第1のブロックシリンダに堅固に接続されるか、またはさらには第1のブロックシリンダと一体で形成される。
【0046】
好ましい実施形態において、係止デバイスが、係止ピストンを伴う少なくとも1つの駆動デバイスを備え、この係止ピストンが、少なくとも2つの係止ボルトを駆動させるのに役立つ場合、この係止ピストンが第2のブロックシリンダの内側に位置付けられると有利である。これは、非常にコンパクトな設計を可能にする。
【0047】
第2のタイプの連結要素における、少なくとも連結端部セクションが、動作位置と基本位置との間で調整可能で、かつ連結駆動デバイスが設けられた実施形態において、連結駆動デバイスが第1のブロックシリンダに位置付けられると有利である。
【0048】
係止デバイスのための液圧駆動部、及び複数の連結要素を、特にコンパクトに配置するために、第2のタイプにおける連結要素のための開口部が、ブロックシリンダの長手方向壁に設けられること、及びブロックシリンダの横断方向側部で、第2のブリックシリンダに開口部が設けられること、は有利である。
【0049】
調整可能な第2のタイプの連結要素を、クイックカプラに容易に設定することを可能にするために、第1のブロックシリンダが、基部及び天井部を伴うT型断面で、それによって少なくとも1つの、第1のタイプの連結要素が天井部の面に位置付けられ、少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素が基部の面に位置付けられることが、好ましい。これにより、より大きく、かつより精巧に設計された、第2のタイプの連結要素でも、ハウジングの内側で利用可能な十分な空間を有する。
【0050】
本発明は、説明したクイックカプラ、及び作業ツールに接続可能なアダプタを備えた、クイックカプラシステムをさらに備える。クイックカプラはアダプタに、機械式及び液圧式に連結可能である。
【0051】
好ましい実施形態において、アダプタは、両側の2つの長手方向アダプタ側部、及び少なくとも2つの横断方向ボルト、を備える。少なくとも2つの横断方向ボルトは、それらの端部セクションにおいて、軸受のような方法で、アダプタにおける長手方向のアダプタ側部に接続される。
【0052】
この実施形態を用いて、1つのアダプタから次のアダプタへの切換え時間を、大幅に減少させることができる。なぜなら、とりわけ、クイックカプラの突出部を伴う、アダプタの横断方向ボルトの複雑な取り囲みを省略できるからである。
【0053】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの、対向側における第2のタイプの連結要素は、アダプタの少なくとも一方の長手方向壁に位置付けられ、この対向側における連結要素を、少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素に接続させることができる。対向側における第2のタイプの連結要素は、好ましくはアダプタの長手方向壁における内部側に位置付けられる。
【0054】
対向側における第2のタイプの連結要素は、接続ブロックとして形成され、それが好ましくはアダプタの外側に設けられることが、有利であると証明されている。例えば、接続ブロックは出口を側壁に転じることができ、それによって接続ブロックは、より容易に接近可能となる。
【0055】
本発明における実施形態例は、以下の図でさらに詳細に説明する。しかし、本発明は、これらの特定の実施形態例に対する限定を意味しない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図6】ハウジングを除いたクイックカプラの分解組立図である。
【
図7】ハウジングを除いた
図6のクイックカプラの、概略代表図である。
【
図9】第1のタイプの連結要素または第3のタイプの連結要素と、第2のタイプの連結要素との間における、液圧接続部の概略代表図である。
【
図10】連結状態にあるクイックカプラシステムの上面図である。
【
図11】連結状態にあるクイックカプラシステムの部分的な断面斜視図である。
【
図12】クイックカプラの代替実施形態における斜視図である。
【
図13】係止要素及び連結要素を伴うブロックシリンダの、代替の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、クイックカプラシステムの側面図を示す。クイックカプラシステムは、クイックカプラ10及びアダプタ70で構成され、それらは互いに連結することができる。
【0058】
クイックカプラ10は、建設機械側またはブーム側における、上部ハウジング壁14と、その反対側に配置された下部ハウジング壁16と、側壁すなわち互いに反対側に配置されたハウジングの2つの長手方向壁18と、クイックカプラ10の長手方向軸に対して横断方向に延びた2つの横断方向壁20と、ハウジングの内側における第1のブロックシリンダ28及び第2のブロックシリンダ(30)を伴う2層のブロックシリンダ26(
図3参照)と、を有するハウジング12を備える。
【0059】
複数の、第1のタイプの連結要素32、第2のタイプの連結要素36、及び第3のタイプの連結要素32’は、クイックカプラ10の共通の両側の長手方向ハウジング壁18において、ハウジング12の対応した開口部22に、それぞれ取付けられる。第2のタイプの連結要素36は、ハウジング12の長手方向ハウジング壁18に対して垂直に延び、その一方で第1のタイプの連結要素32及び第3のタイプの連結要素32’は角度が付けられ、かつそれらの自由端部は上部ハウジング壁14の方向に向く。第1のタイプの連結要素32及び第3のタイプの連結要素32’は、基本的に同一の構造であるが、以下でさらに説明するように機能が異なる。
【0060】
第1のタイプの連結要素32及び第3のタイプの連結要素32’、ならびに特に第2のタイプの連結要素36は、建設機械の側部及びブーム側の側部における上部ハウジング壁14、ならびにその反対側に配置された下部ハウジング壁16、またはハウジング12の横断方向のハウジング壁20、には配置されない。
【0061】
追加として、
図1は一対の係止ボルト54を示す。一対の係止ボルト54は、各ハウジング横断方向壁20に対して垂直に配置され、かつハウジング12のハウジング横断方向壁20におけるそれぞれの開口部を介して、ハウジング12の内部の中に延びる。二対の係止ボルト54は、ハウジング12の開口部を介して、閉鎖位置と開放位置との間、及びその逆で、反対方向に可動である。この目的のため、係止デバイス24はハウジング12の内側に設けられ、それは以下でより詳細に説明する。
【0062】
クイックカプラ10の長手方向軸は、係止デバイス24の係止ボルト54の延長方向によって画定され、かつ当技術分野による従来のクイックカプラの長手方向軸に相当する。
【0063】
ハウジング12の形状は、矩形断面のメインセクション、及び2つの突出部21から構成される。突出部21の各々は、ハウジングの横断方向壁20に設けられる(
図1では1つのみの突出部21が示される)。クイックカプラ10のメインセクションから突出部21までの移行は滑らかである。
【0064】
アダプタ70は、アダプタ基部72と、アダプタ70の長手方向に対して平行に延びた、長手方向の2つのアダプタ側部74と、を備える。
【0065】
アダプタ70の各長手方向のアダプタ側部74は、上部領域において、互いに両側に位置付けられた2つのボアを有し、その各々に横断方向ボルト78の端部セクションが取付けられ、それによって長手方向の2つのアダプタ側部74は、2つの横断方向ボルト78を介して互いに接続される。
【0066】
さらに、概略で示された、2つの、対向側における第2のタイプの連結要素76は、アダプタ70の長手方向のアダプタ側部74に位置される。
【0067】
アダプタ70の、対向側における各第2のタイプの連結要素76は、図示しない液圧ホースに接続可能であり、それは図示しないツールまで進み、そこでアダプタ70は接続可能である。第2のタイプの連結要素36は、液圧で動作するツールを制御するために、アダプタ70の、対応した対向側における第2のタイプの連結要素76に連結するために使用される。
【0068】
第1のタイプの連結要素32、または第3のタイプの連結要素32’は、図示しない建設機械の液圧ホースを介して、対向側における第1のタイプの連結要素に連結するために使用される。
【0069】
第1のタイプの連結要素32と第3のタイプの連結要素32’との間の、主な機能的違いは、各第1のタイプの連結要素32は、少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素36に流体接続され、それが第1のタイプの連結要素32と第2のタイプの連結要素36との間で、液圧流体を供給し、及び/または戻すのに役立つ、ということである。反対に、第3の種類の連結要素32’は、第2の種類の連結要素36へ液圧流体を供給すること、及び/または戻すことには役立たないが、ハウジング12の内側に配置された液圧駆動部に供給する。したがって第3のタイプの連結要素32’及び第2のタイプの連結要素36は、互いに液圧接続されない。
【0070】
各第1のタイプの連結要素32、または第3のタイプの連結要素32’は、それぞれ連結セクション31を備える。各第1のタイプの連結要素32、または第3のタイプの連結要素32’は、ハウジング12の長手方向壁18に対して垂直である、ハウジングの長手方向壁18における凹部、を介して外側に延び、第1のタイプの連結要素32、または第3のタイプの連結要素32’における連結端部セクション31に、各第1のタイプの連結要素32、または第3のタイプの連結要素32’における連結端部セクションが上方を向くような角度で移行する。
【0071】
第1のタイプの連結要素32、または第3のタイプの連結要素32’の各々は、スイベルネジの接続具34によって、クイックカプラ10のハウジング12にネジ留めされる。
【0072】
各第1のタイプの連結要素32、または第3のタイプの連結要素32’の内側には、好ましくは弁が存在し、それは連結状態で開放され、非連結状態で閉鎖される。追加として、別のデバイスを、各第1のタイプの連結要素32、または第3のタイプ32’の内側に位置させることができ、このデバイスは、例えば連結状態において液圧流体を送り、及び/または戻し、かつ流体の気密を保証することに役立つ。
【0073】
第1のタイプの連結要素32、または第3のタイプの連結要素32’は、好ましくはクイック解放式の連結要素であり、それは雄または雌の連結要素として設計することができる。第1のタイプの連結要素32、及び第3のタイプの連結要素32’は、ハウジング12に堅固に接続される。
【0074】
他方で、第2のタイプの連結要素36は、基本位置と閉鎖位置との間で、クイックカプラ10の長手方向ハウジング壁18に対して垂直に、液圧的に可動であるか、または直線的に変位可能であり、
図1では動作位置で示される。
【0075】
第2のタイプの連結要素36は、この事例では弁プラグ及び弁ピストンである、連結プラグ40及び連結ピストン42から構成される(
図6参照)。それらは、雄または雌の連結要素として設計することができる。好ましくはクイック解放式の連結要素である。
【0076】
各第2のタイプの連結要素36における内側には、好ましくは連結プラグ40に、または第2のタイプの連結要素36における部材として、弁が設けられる。この弁は、連結状態で開放され、非連結状態で閉鎖される。
【0077】
各第2のタイプの連結要素36、すなわち各第2のタイプの連結要素36における少なくとも連結端部セクション35は、動作位置において、クイックカプラ10の長手方向ハウジング壁18に対して垂直である、クイックカプラ10の長手方向ハウジング壁18における対応した開口部、を通して外側に延びる。
【0078】
クイックカプラ10のハウジング12の内側において、第2のタイプの連結要素36における連結ピストン42は、第1のブロックシリンダ28の中に延びる(
図6参照)。第2のタイプの連結要素36における各連結ピストン42は、第1のブロックシリンダ28の凹部37に位置付けられる(
図3及び
図4参照)。
【0079】
【0080】
第1のブロックシリンダ28及び第2のブロックシリンダ30を伴い、完全にハウジング12の内側に配置されたブロックシリンダ26を確認することができる。ここでブロックシリンダ26は、クイックカプラ10のハウジング12における長手方向軸が、ブロックシリンダ28、30の長手方向軸に対して、及びその逆で、平行に向けられるように、ハウジングの中で方向付けられる。
【0081】
図3及び
図4で詳細に確認できるように、第1のブロックシリンダ28は、第1の面27及び第2の面29を伴うT型断面を有する。第1のブロックシリンダ28における第2の面29は、第1の面27から引っ込められている。
【0082】
第1のブロックシリンダ28の下方は、第2のブロックシリンダ30である。第2のブロックシリンダ30は、正方形断面の立方体状であり、第1のブロックシリンダ28よりも小さい。第2のブロックシリンダ30は、第1のブロックシリンダ28の長手方向に、第1のブロックシリンダ28の縁部から距離をおいて延び、それによってブロックシリンダ26は、第1のブロックシリンダ28の第1の面27から第2のブロックシリンダ30まで、階段状に断面が次第に小さくなる。
【0083】
第1のブロックシリンダ28及び第2のブロックシリンダ30は、ネジ、接着剤、栓、または他の接続によって、互いに接続することができる。第1のブロックシリンダ28及び第2のブロックシリンダ30を、二重ブロックシリンダとして一体で形成することもできる。
【0084】
図2は、9つの、第1のタイプの連結要素32、及び/または第3のタイプの連結要素32’が、第1のブロックシリンダ28の上部領域に設けられている実施形態を示す。第1のブロックシリンダ28における一方の長手方向壁において、4つが存在し、及び第1のブロックシリンダ28における反対側の長手方向壁において、5つが存在する。
【0085】
好ましくは、示された連結要素のうち、5つは第1のタイプの連結要素32であり、4つは第3のタイプの連結要素32’である。第1のタイプの連結要素32の数は、好ましくは第2のタイプの連結要素36の数と等しい。なぜなら、任意の事例において、1つの、第1のタイプの連結要素32を、1つの、第2のタイプの連結要素36に流体連結させることができるからである。第1のブロックシリンダ28の凹部33は、ハウジング12の対応した開口部に整合され、それによって第1のタイプの連結要素32及び第3のタイプの連結要素32’は、ハウジング12の開口部において、第1のブロックシリンダ28における凹部33の中に突出する。
【0086】
第1のブロックシリンダ28の内側において、液圧ラインと、必要に応じてこれら9つの連結要素に液圧接続された分配デバイスと、が存在する。これらのラインのうち5本は、第1のブロックシリンダ28の内側で、第1のタイプの連結要素32の高さの下方に位置された第2のタイプの連結要素36まで進み、それによって第1のタイプの連結要素32及び第2のタイプの連結要素36は、互いに液圧接続される。言及するまでもなく、第1のブロックシリンダ28のいくつかのデバイスも、この接続部内に差し挟まれ得るが、それについてはさらなる詳細を説明しない。
【0087】
第2のタイプの連結要素36におけるラインも、第1のブロックシリンダ28の中に進み、それによって第1のタイプの連結要素32に液圧接続される。
【0088】
第1のタイプの連結要素32及び/または第3のタイプの連結要素32’の、数及び配分は、変えることができる(
図3参照)。
【0089】
図3に示されたブロックシリンダ28の実施形態において、好ましくは6つの凹部33が、第1のブロックシリンダ28における長手方向壁の上部領域に、すなわち第1のブロックシリンダ28における第1の面27に設けられ、第1のタイプの連結要素32及び/または第3のタイプの連結要素32’を受け入れる。これら6つの凹部33は、連続して配置される。
【0090】
第1のブロックシリンダ28の、反対側の長手方向壁(示されず)において、第1のタイプの連結要素32及び/または第3のタイプの連結要素32’を受け入れるための、別の3つの凹部33は、好ましくは第1のブロックシリンダ28における第1の面29に、類似の方法で配置される。これらの凹部33も、好ましくは連続して配置される。
【0091】
有利には、全ての凹部33にはネジ山が設けられ、その中に第1のタイプの連結要素32及び/または第3のタイプの連結要素32’を、反対側のネジ山を介してネジ留めすることができる。本発明の考えは、代替の締め具の変形、またはそれらの組み合わせも含む。
【0092】
第1のブロックシリンダ28における第2の面29で、別の4つの凹部37が、第1のブロックシリンダ28の示された長手方向壁に設けられる。第1のブロックシリンダ28の反対側における長手方向壁において、図示はされないが、少なくとも3つの別の凹部37が、第1のブロックシリンダ28の中に入れられる。これらの凹部37は、第2のタイプの連結要素36を支持するのに役立ち、それによって第1のブロックシリンダ28における各長手方向壁の凹部のうち1つは、連結ブリッジピストン48を支持するのに役立つ。
【0093】
第1のブロックシリンダ28の凹部37は、ハウジング12の対応した開口部に整合され、第2のタイプの連結要素36は、ハウジング12の開口部において、第1のブロックシリンダ28における凹部37の中に突出する。
【0094】
第2のタイプの連結要素36は、凹部37に取付けられ、それらを調整して、特に運動のために取付けることができる。第2のタイプの連結要素36は、全体として、すなわち完成ユニットとして調整可能とすることができ、詳細にはそれらを動かし、傾け、及び/または旋回させることができる。しかし代替として、第2のタイプの連結要素36における連結端部セクションなど、第2のタイプの連結要素36の一部のみを調整可能に、詳細には可動、傾斜可能、及び/または枢動可能に設計することができ、第2のタイプの連結要素36における他の部分は、例えばネジ山によって、凹部37に堅固に定着される。
【0095】
第2のブロックシリンダ30の両端部面において、チャネルを介して互いに接続される凹部68が存在する。係止デバイス24における複動式の係止ブリッジピストン58は、このチャネルに可動で取付けることができ、第2のブロックシリンダ30の長手方向に動くことができる。係止デバイス24は、以下でより詳細に説明する。
【0096】
第2のタイプの連結要素36は、連結駆動デバイス38に接続される。連結駆動デバイス38は、
図6及び
図7を参照して、以下でさらに詳細に説明する。
【0097】
図6は、ハウジング12を除いたクイックカプラ10の上面分解組立図を示す。第2のブロックシリンダ30、及び第2のブロックシリンダ30の下方に配置された第1のブロックシリンダ28、が確認できる。第1のブロックシリンダ28の長手方向軸において、2つまたは3つの、第2のタイプの連結要素36が、図示されない凹部37に取付けられる。
【0098】
第2のタイプの連結要素36の各々は、連結プラグ40及び連結ピストン42を備え、連結ピストン42は、互いに対して平行に整合される。それらは、連結駆動デバイス38に接続される。連結駆動デバイス38は、第2のタイプの連結要素36を、基本位置(防護位置)と動作位置(連結位置)との間で動かすことができる。
【0099】
この目的のため、連結駆動デバイス38は、部分的連結駆動デバイス38a及び38bを、第1のブロックシリンダ28の各長手方向壁に備える。部分的連結駆動デバイス38a及び38bは、鏡面対称である。
【0100】
各部分的連結駆動デバイス38a、38bは、連結ブリッジ46と、両側に作用できる連結ブリッジピストン48と、を備える。連結ブリッジ46は、矩形断面である。
【0101】
連結ブリッジピストン48は、例えばネジを介して、連結ブリッジ46に堅固に接続される。
【0102】
各連結ブリッジ46は、ブロックシリンダ側部において、少なくとも3つの誘導デバイス44に接続される。誘導デバイス44の数は、第2のタイプの連結要素36に、連結ブリッジピストン48の数を足したものに相当する。誘導デバイス44は、好ましくはリング状で、ブロックシリンダ側部の連結ブリッジ46の貫通開口部を囲む。
【0103】
ブロックシリンダの反対に面した連結ブリッジ46の側において、第2のタイプの連結要素36における連結プラグ40は、連結ブリッジ46の開口部の領域に位置付けられ、好ましくは連結ブリッジ46に堅固に接続される。
【0104】
各誘導デバイス44において、及び連結ブリッジピストン48の対応した貫通開口部において、連結ブリッジピストン48の少なくとも1つのセクションは、第1のブロックシリンダ28の長手方向に対して垂直に可動で取付けられるか、または代替として、連結プラグ40だけか、もしくは第2のタイプの連結要素36全てが可動で設計されているかに依拠して、誘導デバイス44に、及び/または連結ブリッジ46における開口部の縁部に、断面において固定接続される。
【0105】
連結ブリッジピストン48は、第1のブロックシリンダ28の凹部37に取付けられ、かつ少なくとも1つの、第3のタイプの連結要素32’に、液圧接続される。
【0106】
各連結ブリッジピストン48は、少なくとも2つの位置、すなわちブロックシリンダに近い位置と、ブロックシリンダから離れた位置との間で動くことができる。
【0107】
ブロックシリンダに近い連結ブリッジピストン48の位置において、部分的連結駆動デバイス38a及び38bの2つの連結ブリッジ46は、同様に、ブロックシリンダに近い位置、したがって第2のタイプの連結要素36における連結プラグ46などの、連結端部セクションに近い位置でもある。好ましくは、連結駆動デバイス38は、図示しないが、この位置において連結プラグ46が、クイックカプラ10のハウジング12内に全体的に含まれるように寸法が決められる。これは、第2のタイプの連結要素36全てが、ハウジング12内に含まれることを意味する。この位置は、第2のタイプの連結要素36の基本位置(防護位置)である。
【0108】
連結ブリッジピストン48は、通常位置からブロックシリンダから離れた位置まで動かすことができる。それは、連結プラグ46また連結ピストン42を伴う連結プラグ46も、ブロックシリンダから離れた位置まで動かせることを意味する。
【0109】
この場合、連結駆動デバイス38は、少なくとも1つの連結端部セクション、好ましくは各第2のタイプの連結要素36における全ての連結プラグ46が、ブロックシリンダから離された位置において、クイックカプラ10のハウジング12の外側に位置されるように、寸法が決められる。この位置は、第2のタイプの連結要素36の動作位置(連結位置)である。
【0110】
連結ブリッジピストン48の制御は、少なくとも1つの、第3のタイプの連結要素32’を介してもたらされ、建設機械の液圧システムに連結させることができる。2つの部分的連結駆動デバイス38a、38bは、好ましくは同時に、すなわち共に可動である。
【0111】
さらに、係止デバイス24は、
図6~
図8で明確に視認できる。
【0112】
係止デバイス24は、第2のブロックシリンダ30の各横断方向側部において、第2のブロックシリンダ30の長手方向に沿って延びた、第1の部分的係止デバイス24aと、第2の部分的係止デバイス24bと、を備える。部分的係止デバイス24a及び24bは、鏡面対称設計である。
【0113】
各部分的係止デバイス24a、24bは、それぞれの係止ブリッジ56、及び係止ブリッジピストン58を伴うボルト駆動部60、を備える。
【0114】
したがって係止ブリッジピストン58は、連結ピストン42に対して垂直に整合される。
【0115】
係止ブリッジ56は、中間セクション67と、係止ブリッジ56の中間セクション67の左及び右に延びた、反対側を向いた2つの端部セクション69と、に分割され得る。端部セクション69は線上にあり、第2のブロックシリンダ30に向けて係止ブリッジ56の中間セクション67から引っ込められている。換言すると、係止ブリッジ56の中間セクション67は、係止ブリッジ56の端部セクション69よりも、第2のブロックシリンダ30からさらに離されている。
【0116】
係止ブリッジピストン58は、第2のブロックシリンダ30の内側に可動で取付けられたセクションを伴う従来のピストンであり、第2のブロックシリンダ30の内側で、少なくとも1つの液圧チャンバの境界を定める。本発明によると、システム全体をボルト駆動部60として称され、そのため代替のボルト駆動部60も、本発明によると例えば電気駆動部としても理解され得る。
【0117】
ブロックシリンダから離れた端部セクションを用いて、係止ブリッジピストン58は、好ましくはネジ留めによって、係止ブリッジ56の中間セクション67の領域において、係止ブリッジ56に堅固に接続される。
【0118】
係止ブリッジ56の端部セクション69の領域において、係止ボルト54は各々の事例において、好ましくはネジ留めで装着される。係止ボルト54は、第2のブロックシリンダ30から離れて延びる。それらは、好ましくは互いに対して平行に延び、一対の係止ボルト54を形成する。各係止ボルト54には、センタリングセクション64が設けられる(
図8参照)。
【0119】
各部分的係止デバイス24a及び24bは、好ましくは個々に制御可能であり、それによって各部分的係止デバイス24a及び24bの各係止ブリッジピストン58は、少なくとも2つの位置間、すなわちブロックシリンダに近い位置と、ブロックシリンダから離れた位置との間で、独立して動くことができる。
【0120】
ブロックシリンダに近い、部分的係止デバイス24a及び24bにおける係止ブリッジピストン58の位置において、対応した係止ブリッジ56を伴う、対応した対の係止ボルト54も、ブロックシリンダに近い位置にある。本発明によると、対の係止ボルト54のこの位置は、開放位置と称される。
【0121】
各係止ブリッジピストン58、したがって各対の係止ボルト54も、開放位置からブロックシリンダから離れた位置まで、動かすことができる。本発明によると、この位置は閉鎖位置である。この位置において、係止ボルトはハウジング12の横断方向壁における開口部を通して突出する。
【0122】
図5は、A-Aでカットした後の
図1の断面図である。詳細について、
図6~
図8に関する説明を参照されたい。
【0123】
図9は、第1のタイプの連結要素32と第2のタイプの連結要素36との間、ならびに第3のタイプの連結要素32’と連結ブリッジピストン48との間における、液圧接続部の概略代表図を示す。5つの、第1のタイプの連結要素32、4つの、第3のタイプの連結要素32’、及び5つの、第2のタイプの連結要素36、が示される。各第1のタイプの連結要素32は、第2のタイプの連結要素36に液圧接続される。2つの、第3のタイプの連結要素32’は、連結ブリッジピストン48に液圧接続される。第1のブロックシリンダ28の中間における、残り2つの、第3のタイプの連結要素32’は、第2のブロックシリンダ30の係止ブリッジピストン58(図示せず)に液圧接続される。
【0124】
第1のタイプの連結要素32、及び第3のタイプの連結要素32’は、建設機械の液圧システムに直接連結可能であり、その一方で第2のタイプの連結要素36は、アダプタ70の液圧システムに連結可能である。
【0125】
図10及び
図11は、連結状態にあるクイックカプラシステムを示す。
図1と共に、クイックカプラ10とアダプタ70との間の連結を、次により詳細に説明する。
【0126】
開始ポイントは、クイックカプラ10が通常の方法で建設機械のブームに取付けられることである。建設機械の液圧ホースは、それらの対向側における第2のタイプの連結要素を伴って、クイックカプラ10における第1のタイプの連結要素32、及び第3の連結要素32’に装着され、それによってクイックカプラ10の液圧システムは、建設機械の液圧システムに連結される。クイックカプラ10の液圧システムは、特に少なくとも1つの、第2のタイプの連結要素36、少なくとも1つの連結駆動デバイス38、及び少なくとも1つの係止デバイス24、の連結プロセス中に、恒久的圧力下にある。
【0127】
クイックカプラ10をアダプタに接続するために、係止デバイス24の開放位置において、係止デバイス24の係止ボルト54が、どれだけ遠くにクイックカプラ10のハウジング12から突出するか、及び、アダプタ70の対応した横断方向ボルト78が、どれだけ互いから離されるか、によって、2つの異なる連結シナリオが考えられる。これらのシナリオの両方は、本発明の考えに含包され、以下で説明する。
【0128】
開放位置にある係止デバイス24の係止ボルト54が、ハウジング12に対して締まり、及び/またはアダプタ70の横断ボルト78が広く離された、第1のシナリオにおいて、クイックカプラ10は、アダプタ70に整合されるまで、アダプタ70の上に誘導される。次にクイックカプラ10は、クイックカプラ10の下部ハウジング壁16がアダプタ70の底部72に静止するまで下降させることができ、アダプタ70の長手方向のアダプタ壁74は、クイックカプラ10を枠にはめる。この位置において、係止ボルト58は、閉鎖位置においてクイックカプラ10の両側に、説明した方法で延びて、アダプタ70の横断方向ボルト78の下に係合できる。
【0129】
別のステップにおいて、連結駆動デバイス38によって駆動される、第2のタイプの連結要素36は、それらがアダプタ70の対向側における第2のタイプの連結要素76に、液圧連結されるまで、クイックカプラ10のハウジング18における長手方向壁に対して垂直に延びることができる。アダプタの対向側における第2のタイプの連結要素76は、別の液圧ホースに接続され、それによって、次にアダプタ70の作業ツールは、クイックカプラ10の液圧システムに、したがって建設機械の液圧システムにも、連結される。作業ツールは、直ぐに使用準備が整う。
【0130】
第2のシナリオにおいて、クイックカプラ10は、アダプタ70の第1の横断方向ボルト78が、クイックカプラ10の突出部21と、同じ側にある第1の対の係止ボルト54と、の間における空間の中に摺動するまで、アダプタ70に対して角度を付けて位置付けられ、下降される。次にクイックカプラ10は、係止位置の中に旋回し、そこで反対側に位置付けられた対の係止ボルト54は、アダプタ70における第2の横断方向ボルト78の下方にあり、アダプタ70の長手方向のアダプタ壁74は、クイックカプラ10を囲む。次に、クイックカプラ10に配置され、反対方向に面した数対の係止ボルト54は、それらの閉鎖位置の中に動き、それによって、クイックカプラ10とアダプタ70との間の確実な接続を保証する。
【0131】
別のステップにおいて、次に第2のタイプの連結要素36は、既に上述したように、アダプタ70の対向側における第2のタイプの連結要素76と連結するよう延びる。
【0132】
アダプタ70とクイックカプラ10との間の連結解除は、逆の順番に従って成される。
【0133】
第1のタイプの連結要素32、第2のタイプの連結要素36、及び第3のタイプの連結要素32’の数及び配分は、必要に応じて変えることができる。
【0134】
ここまでで示された実施形態において、クイックカプラの両側における連結要素の数は異なる。
図12に示される実施形態において、連結要素の数は両側で同じである。したがって、
図12に示される実施形態において、クイックカプラシステム110は、2つの、第2のタイプの連結要素136、及び2つの対向側における第2のタイプの連結要素176を、クイックカプラ110の2つの長手方向壁、及びアダプタ170の各々に、それぞれ有する。それらは対称にも配置される。第2のタイプの連結要素の数、または対向側における第2のタイプの連結要素の数、及び/もしくはそれらの配置は、クイックカプラシステムの要件に依拠して変化し得る。
【0135】
図12に示されるアダプタ170において、対向側における第2のタイプの連結要素176は、アダプタの長手方向壁174における接続ブロック180として形成される。そこにおいて、アダプタ170から突出した対向側における連結要素は、対向側における第2のタイプの連結要素176の出口182が下方に面するよう、整合される。
【0136】
図1~
図11に示される実施形態では、係止ボルト154または係止ブリッジピストン158は、係止ブリッジ156にネジ留めされているが、
図12及び
図13では、ネジ留め接続の代わりに回転係止が設けられたクイックカプラ110の実施形態が示される。この目的のため、細長い穴190が、係止ブリッジ156に設けられ、かつ係止ボルト154または係止ブリッジピストンが、前側に細長い頭部192を伴うボルトを有する。係止ボルト154または係止ブリッジピストンは、細長い頭部192を伴うボルトによって、細長い穴190の中に挿入され、細長い頭部192が細長い穴190に対して垂直に整合されるように締付けるために、回転される。類似の方法で、第2のタイプの連結要素136は連結ブリッジ146に装着される。
【0137】
本発明の考えは、先行技術で公知の、一対の係止ボルト54が一方の側のみ、及び反対側のみに装備された係止デバイス24も含み、例えば突出部がハウジングに配置され得る。
【0138】
言及するまでもなく、本発明の範囲内で、1つの実施形態に関連して例示された個々の特徴は、互いに組み合わされ得る。
【国際調査報告】